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令和 2年第1回定例会総合計画に関する特別委員会−03月16日-01号

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  1. 群馬県議会 2020-03-16
    令和 2年第1回定例会総合計画に関する特別委員会−03月16日-01号


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    最終取得日: 2023-05-03
    令和 2年第1回定例会総合計画に関する特別委員会−03月16日-01号令和 2年第1回定例会総合計画に関する特別委員会 委員会の名称 総合計画に関する特別委員会 開催場所   301委員会室 開議年月日時 令和2年3月16日(月) 午前10時00分 散会年月日時 令和2年3月16日(月) 午後 0時00分 会議の目的  令和元年第3回後期定例会        委員長 中沢丈一  副委員長 金井康夫  委員 橋爪洋介 出席委員   委員  星名建市  委員   水野俊雄  委員 萩原 渉        委員  臂 泰雄  委員   小川 晶  委員 入内島道隆        委員  相沢崇文  委員   神田和生  委員 金沢充隆 欠席委員   なし 執行部等出席者       【総務部】            【森林環境部】        総務課長      加藤隆志   林政課長   新井 徹        危機管理室長    堀越正史   環境政策課長 吉田勝彦       【企画部】            【農政部】        部長        友松 寛   農政課長   倉澤政則        企画課長      延命敏勝  【産業経済部】        企画課未来創生室長 古仙孝一   産業政策課長 吉田功幸
          【生活文化スポーツ部】       観光物産課長 大久保聡        県民生活課長    山本 隆  【県土整備部】        文化振興課長    森田 徹   監理課長   鈴木 保        スポーツ振興課長  高原啓成   建設企画課長 大塚雅昭       【こども未来部】         【企業局】        こども政策課長   新井 薫   総務課長   松下 克       【健康福祉部】           経営企画室長 高林和彦        健康福祉課長    平井敦子  【教育委員会】                         (教)総務課長 山崎浩通 △開議 ○中沢丈一 委員長   ただ今から、総合計画に関する特別委員会を開きます。  本日の委員会は、お手元に配布の次第により、審査を行います。 △委員長挨拶中沢丈一 委員長   (委員長挨拶) △付議事件の説明 ○中沢丈一 委員長   では、付議事件に係る資料の説明をお願いします。 ◎古仙 未来創生室長  (以上、資料1「新・総合計画ビジョン)の検討状況について」、資料2「『第16次群馬県総合計画策定懇談会』及び『外部有識者ヒアリング』の開催について」、資料3「新・総合計画策定に係る関係団体からの意見聴取について」及び資料4「新・総合計画ビジョン)検討のための県民アンケートについて」を説明) △付議事件の質疑 ○中沢丈一 委員長   以上で説明は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑及び答弁におかれましては、簡潔明瞭にお願いいたします。 ◆橋爪洋介 委員  まず文言の説明をお願いしたい。資料1に「土地に根付いたものと掛け合わされた『デジタル発酵』が価値を生む」とある。サウス・バイ・サウスウエストの文言と思われるが、これについて分かりやすく説明願いたい。 ◎古仙 未来創生室長   委員お見込みのとおり、サウス・バイ・サウスウエストで示された概念である。「土地に根付いたもの」というのは、群馬に古くからあるもの、伝統的なものと捉えている。デジタル技術を活用し、古いものと新しいもの、お互い異質なものであるが、そこを合わせるような形で物事を考えていこうというものであり、ここで言う「発酵」は、混ざり合うというイメージで使っているものである。 ◆橋爪洋介 委員   具体的にはどのようなものがあるのか。 ◎古仙 未来創生室長   例えば、小水力発電など群馬に古くからある水資源、こういった古くからある発電を、ICTを使って効率的にネットワークを使って結んでいくというようなものを想定している。 ◆橋爪洋介 委員   そういったものを積み上げていくイメージであるということは分かったが、年配者には分かりにくい。  新・総合計画ビジョンについてひな形を説明いただいたが、その中で概念として「健康」というのは語られているが、例えば子どもたち競技者が追い求めているような、スポーツ概念が描かれていないように思うが、その辺はどのように位置づけていくのか。 ◎古仙 未来創生室長   詳細については、今後基本計画を作る中で具体化していきたいと考えているが、スポーツについても県民自立地域自立、場合によれば産業の自立のそれぞれに関わるものであると認識している。  健康に関するところでも、共助の概念でそのあたりの議論もされており、地域で協力しながら地域全体の健康寿命の延伸を図っていくといった議論もされている。基本計画策定していく中で、そのあたりについても具体化していきたいと考えている。 ◆橋爪洋介 委員   健康寿命という概念とは別の、競技力としてのスポーツについて伺いたいのだが、それについてはどのように位置づけていくのか。 ◎古仙 未来創生室長   特化した形での議論はまだされていないが、競技力向上部分も重要と考えているので、基本計画については今後各部局と調整をしていく中で具体化を考えたい。 ◆橋爪洋介 委員   冒頭で、バックキャスト思考でという表現もあるが、議会もバックキャスト思考で二巡目国体を考えながら条例を作ったり拠点施設整備等を議論したりしている。競技力全国最低レベルに落ち込んでいるという事実を踏まえ、議会でも議論がされているところである。部局の方でも議論がされていくということで、今後に期待させていただく。  また、外部有識者ヒアリングについて、同じことの繰り返しになるが、健康の部分についてはヒアリング対象者に知識のある方がいるが、あくまでも個人の希望であるが、アスリート的な思考も聞きたいというのが本音である。  資料3の関係団体からの意見聴取についてであるが、「目指すべき将来像」に係る主な意見について抜粋して書かれているが、これだけではよく分からないというのが正直なところである。わざわざ各団体を訪問して意見交換をしたのであれば、議会に対しては個別の意見が書かれた詳細な資料を出していただきたい。 ◎古仙 未来創生室長   資料の量が多くなるため本日は抜粋とさせていただいた。各主管課長にも出席いただいているので、個別の内容については質問をしていただきたいと思う。また、個別の意見が分かる資料についても提出させていただきたい。 ○中沢丈一 委員長   資料については、別途提出していただきたい。 ◆萩原渉 委員   以前の委員会では、これまで実施したアンケートが2060年を見据えて実施しているので、新たなアンケートは行わないとの回答であったが、やらないと言っていたはずのアンケートをやることになった経緯についての説明が、委員会に対してされないのはなぜか。 ◎古仙 未来創生室長   前回のアンケートと今回のアンケートは、中身が異なっている。前回のアンケートは若者や女性、県民に対しての意向調査であり、今後の人口動態の参考とするものであった。昨年度の段階で実施しており、総合計画計画期間が4年であったとしても20年の長期のものとなったとしても、同じく2060年を見据えて実施したアンケートであるため、同じことについては再度聞かないという趣旨で説明をさせていただいた。20年後に県民が望む群馬の姿については従来のアンケートでは聞いていないため、今回、その部分について問うアンケートを実施したものである。 ◆萩原渉 委員   内容が違うとしてもアンケートを実施するのであれば、委員会に対して説明があってしかるべきと考えるがいかがか。 ◎友松 企画部長   萩原委員からは、これまでもアンケートを実施できないかとの御意見をいただいていたところである。当時は新しくアンケートを実施しなくてもよいかと考えていたが、改めて必要性を検討し、今回アンケート調査を実施することになったところである。これからも幅広く意見をいただきながら、計画に生かしていきたいと考えている。 ◆萩原渉 委員   滋賀県に視察に行ったところ、県民や団体の意見等を58回も聞き、コンセンサスを得るために議論したと聞いた。総合計画に対する県民への周知の手段が足りないのではないかと考え、再度アンケートを行った方がよいのではないかと質問をしてきたところである。アンケートを行うのであれば、委員会が視察をしてきた上でそのような意見を持ったのであるから、そういう意見を大事にしてもらいたい。議会に対して失礼ではないか。 ◎古仙 未来創生室長   このアンケートの結果についても、まとまり次第説明させていただく。 ◆萩原渉 委員   方針が変わるなら変わるで、ぜひ丁寧に説明していただきたい。  資料1に「自立」とある。県民自立地域自立とあるが、地域には独自の、固有の文化や伝統がある。我々が一番心配しなければならないのは地域コミュニティだが、人口減少等で既に崩壊しつつある。伝統文化やお祭り等ができなくなったり、子どもの数が減ることで小中学校が統合されたり、地域の中で子どもを育てたりという文化が薄れてきていることが、田舎に住む人間としては危惧するところである。どうやってこの地域コミュニティを守り育てていくのかという視点が必要と思う。本県のような中山間地域が多数を占めているところではこの視点が肝であると考える。この現実に対して、新・総合計画の中でも取り組んでいただきたいと思う。もちろん自立はしていかなければならないが、人の自立というのはコミュニティの中で形成されるものであり、コミュニティ自身が崩壊していくという実態を捉まえて考えていっていただかなければならない。過疎地域の教育を考える上で小中一貫教育をするであるとか、小さなコミュニティを守っていくことが大事ではないかと思う。  群馬県で生きる、生活するという視点を新・総合計画に入れるべきではないかと考えるが、その点についてはいかがか。 ◎古仙 未来創生室長   今後、基本計画策定を進める中で具体的になることであるが、委員御指摘のコミュニティについても現在議論しているところである。「自立分散型コミュニティ」という概念を考えているところであり、市町村の規模や特性等に応じ、市町村の個性に合ったコミュニティをしっかりと特徴付け、コミュニティ同士が連携することで群馬県全体を盛り上げていこうというものである。まずは、一つ一つがしっかりと自立したコミュニティを作り、それが連携するということを考えている。  先ほど電気の話をしたが、「自立分散型エネルギー」という概念も検討している。昨年の台風第15号の際、千葉県で大規模な停電が発生したが、地域で独自の電源システムを導入していたところは大規模停電の期間中も電気が使用できたというニュースもあった。エネルギーの話のみでなく、自動運転高齢者のような交通弱者対策等、各市町村の特性に合った形でコミュニティを復活させた上で、それぞれがしっかりと自立できる形を取って連携をしていく。自立に際しては、先ほどのデジタル発酵の話もあったが、従来のものを大事にしていくだけでなく、自立概念において使えるICT技術等はしっかり活用し、組み合わせていくことで、デジタル発酵概念も入れていくということである。 ◆萩原渉 委員   これからそういう視点、課題に対しての対応が具体的に出てくるのだろうと思うが、今日の説明の中ではそういう視点が薄らいでいるようにも見受けられるので、群馬で生きる、生活するという視点を組み込んだ形で計画を検討していただきたい。 ◆臂泰雄 委員   目指す姿について幸福度の向上が目標とのことであるが、この部分についてもう少し説明をいただきたい。幸福度を高めるということが、この新・総合計画の目標ということでよいか。 ◎古仙 未来創生室長   「県民幸福度向上」が、最終的な目標である。県民幸福度向上につなげるためにはどうしたらよいか、ということを因数分解的に考えているところである。有識者懇談会の中でも幸福度については議論されている。幸福度の捉え方は非常に難しいところである。ただし、一人一人が全力を発揮し、自分のやりたいことやできることを精一杯やれる、ということが個人個人で考えたときの幸せではないかと考えている。ただ、一人一人の幸福だけを考えていくと、社会全体の幸福につながらない場合もある。経済原則のみを最大化して考えていくと、環境や人権などの様々な問題が発生する。それらの部分も含めて経済成長していこうというのがSDGsの肝であると考えている。そういった概念に従って、まずは一人一人の幸福を最大化することを考えるが、それだけを考えていると社会全体の調和が取れないこともある。このため、社会全体の幸福という概念もここに入れている。さらに、一人一人の幸福と社会全体の幸福の調和が取れたとしても、結果として将来世代が不幸になるのは望むものではない。そこで持続可能性という概念、さらには将来世代の幸福も考える必要がある。このため、「一人一人の幸福」と「社会全体の幸福」、「将来世代の幸福」の3つの幸福が調和することが必要と考えている。それぞれを因数分解して考えると、「4つの自立」という考えが出てくる。 ◆臂泰雄 委員  3つの基本姿勢と4つの自立資料に記載されているが、その関係性を説明していただきたい。 ◎古仙 未来創生室長   今後、基本計画策定を進める中で必要に応じ修正を行う可能性はあるが、現時点考え方を御説明させていただく。「県民自立」については、一人一人が自信を失っているのではないかという考え方の中で、内外の才能・異能という、いわゆる「出る杭」を受け入れ、伸ばすというところから突破口を開こうというものである。「産業の自立」については、進取の気風を取り入れることにより、各産業界でそれぞれがフロントランナーに立つという気概を持つところから突破口を開こうとするものである。「地域自立」については、基本に立ち返り、群馬の優れた自然や伝統をしっかりと見直し、それを大切にしながらも、それをそのまま発信するのではなく、時代に合うようなスタイルとして発信することでそれを突破口として地域自立を図っていこうとするものである。 産業の自立地域自立の前提として県民自立があり、それぞれが自立することで群馬県の自立が達成されると考えている。 ◆臂泰雄 委員   そもそも論となるが、行政が県民に対して「自立」を求めるという考え方はどうなのか。産業の自立にしても、フロントランナーとして事業者に頑張ってほしいというのは当たり前にあるのだとは思うが、行政として考えなけばならないのは、事業者にはそこで働く人が居たり、そこに関わる様々な人が居たりということも考えていかなければならないと思う。全員がフロントランナーでいいのかと言えばそうではないわけで、尖る部分が必要というのは分かるが、尖った下にある、それを支える部分というのが、ビジョンの中に本当にあるのかと考えると、心配になる。  幸福の再定義の中の「ここにいることを幸福だと感じられる」という部分はよいと思う。群馬県で生活するということが幸せにつながるということであれば、県民一人一人に対して目が届いていると思うが、異能であるとかフロントランナーであるとか、尖った部分だけ採っていくと、それ以外の人はここにいることが幸福でなくなってしまうのではないか。 先日の代表質問で、知事に対し特別支援学校教育について、一人一人が必要とされているということ、SDGsで言えば、インクルーシブという文言が大事なのではないかと質問させていただいた。SDGsの「誰一人取り残さない」も大事ではあるが、みんなで一緒にこの船に乗るのだ、というところの視点を忘れてはならないと思う。その視点が、このビジョンの中には欠けているのではないかと思うが、いかがか。 ◎古仙 未来創生室長   基本計画の案ができれば自立概念についても細かくお示しできると思うが、今回のビジョンが尖った内容になっているのは20年後の姿を描いているためである。基本計画では、自立に至る前段階での支援であるとか、失敗した際の再チャレンジという概念も入ってくる。産業界においても、いきなり尖った部分を明日からやれというのは厳しいと思うが、20年後の群馬を考えたときに、このままでいいのかというのも、デービッド・アトキンソン氏の話を聞いても深く感じるところである。当面は従来型の部分の改善など足元の対策が中心となり、次第に大胆な、新たな取り組みの比重が高まっていくと考えている。 ◎友松 企画部長   少々補足させていただく。委員の御指摘はごもっともである。自立という表現で、行政が手を引く、県民の皆さんは個々に頑張ってね、というように捉えられるような、誤解を持たれないようにしていく必要が当然あると認識している。行政としてのサポートはしっかりとした上で、これまで以上に個々の県民や産業、地域が活躍できるようにしていくことが大事と考えている。自立という言葉が若干言葉足らずに聞こえる部分があるのかと思う。まだ時間があるので、その部分も今後十分検討していきたいと考えている。 ◆臂泰雄 委員   視察に行った滋賀県の総合計画を見ると、中学生や高校生でも分かるような平易な言葉で書かれている。今日示されたような資料をそのまま出すということはないと思うが、これはバックデータということで、実際に県民に示す場合にはもう少し分かりやすい言葉で示すということが必要ではないか。新・総合計画が行政だけで使うものであるならこれでよいのかもしれないが、県民に示す際にはしっかりと言葉の選び方も考えて、加工することが必要であると考える。
     尖った部分が目立つので、東京圏に依存しているといったような書き方もされているが、連携・共生をしているという視点を忘れると、群馬は東京の下にいて、東京の言うことを聞いているというようなイメージではないのだと思う。群馬でもしっかりとした産業があり、東京と対等に取引をし、連携をしているのであって、いきなり東京から脱却して世界とつながるという考え方は違うのではないかとも思うが、その辺はどのように考えているのか。 ◎古仙 未来創生室長   「東京圏依存体質からの脱却」の部分については、東京圏と縁を切るということではなく、過度な精神的依存体質から脱却しようという趣旨である。東京圏との経済的なつながりや人の交流を切るという意味ではない。それらの部分も今後丁寧に説明を行っていく。  また、言葉についてであるが、分かりにくい言葉には解説をつけていくことを考えているが、言葉自体現時点で変える予定はない。例えば、SDGsを「持続可能な開発目標」と置き換えた場合、SDGsの持っている本来の意味を表現しきれず、女性活躍などの視点が抜け落ちてしまう。また策定懇談会有識者ヒアリングの方々と意見交換した際にも共通の認識として出てきたことであるが、カタカナ語はそれ自体に複数のコンセプトを持っているので、例えば「イノベーション」を「技術革新」と捉えてしまうと意味が異なってきてしまうことから、無理な日本語訳はせず、そのまま使うべきとの指摘をいただいているところである。基本計画は、分かりやすさを意識して作る予定である。 ◆臂泰雄 委員   有識者の方々の言葉は大事だと思うが、先ほども申し上げたとおり、新・総合計画県民のためにあるのだとすれば、県民の誰もが理解できる、自分たちのことが書かれているということが分かるようなものにしていく必要があるのではないか。例えば「ドーナツ経済学」というような言葉があるが、これを別の言葉で書き換えることは難しいと思うが、この考え方が20年後にも成り立っているのかどうか、それも分からない。そういう今の時代でもてはやされている考え方を集めて、これがいいということになると、20年後にその学説が正しいのか、評価を受けているのか考えると、それは違うのではないかという思いがある。バックキャストで考えるということであるのに、今の学説を使って組み立てる、そういう言葉が使えないと群馬は辺ぴなところになってしまうのかというと、そうではないように思う。一人一人の県民に分かりやすいということがまずは必要ではないかと思うが、その辺はいかがか。 ◎古仙 未来創生室長   基本計画については分かりやすさを重視して作っていきたいと考えているが、ビジョンについては解説を併記する形で作成を行うことを考えている。ドーナツ経済学という言葉そのものにこだわるものではないが、ドーナツ経済学考え方SDGsと非常に似ているものである。ドーナツ経済学は、ドーナツの形をイメージしたときに、経済成長のみを重視すると外側に形が崩れて環境に負荷がかかったりし、人権や社会の要素を無視すると内側に形が崩れていく。おいしそうなドーナツの形にしていくためには経済成長だけでなく環境や人権についても一緒に考えていくことが必要という考え方である。ドーナツ経済学という言葉そのものが残るかどうかは分からないが、考え方SDGsに酷似しているので、考え方そのものが20年後になくなるとは考えていない。 ◆臂泰雄 委員   今後の策定スケジュールについてお聞かせ願いたい。366プランでは、第1回定例会ではビジョンが示され、基本計画の方に策定が進んでくるイメージであるが、今後はどのように進んでいくのか。 ◎古仙 未来創生室長   有識者ヒアリングを行うたびに、貴重な概念や視点をいただいている。外部有識者ヒアリングが6月まで予定されているため、ビジョン検討作業も並行して行う予定である。また、基本計画についても、ビジョンを作ってから基本計画策定という流れから、ビジョン基本計画と並行しての作業にしていく。これから基本計画策定していく中で、必要に応じてビジョンの修正も考えていきたい。途中経過については、特別委員会等の場で説明させていただきたい。 ◆臂泰雄 委員  第3回前期定例会で議決とのことであるが、新・総合計画の案は議会に対していつ示してもらえるのか。 ◎古仙 未来創生室長   令和2年第2回定例会において、ビジョンについてはできる限り最終案に近いもの、基本計画についてはある程度形が見えるものをお示ししたいと考えている。その後、パブリックコメントで寄せられた意見を反映することはもちろん、策定懇談会での意見聴取等を経た最終案を、第3回前期定例会に示したいと考えている。その前にも、できたものを極力お示したいと考えている。 ◆臂泰雄 委員   第2回定例会の際にはかなりまとまったものが出てくるということでよいか。パブリックコメントをやる前に、議会に素案としては出てくるということでよいか。 ◎古仙 未来創生室長   何らかの形で御提示したい。前回の総合計画策定の際には定例会期間外集中審議を行ったりもしているため、そのような手法を取ることも考えられる。パブリックコメント段階のものについてもきちんと説明をしたいと考えている。 ◆臂泰雄 委員   新・総合計画策定後に、それぞれの部局の最上位計画策定も行われると思うが、新・総合計画と他部局の最上位計画とは、スケジュールも含めてすり合わせは十分できていると考えてよいか。 ◎古仙 未来創生室長   ビジョン策定に向けた外部有識者ヒアリングには各部局長に毎回出席してもらっている、また、各部主管課長構成員になっている企画会議随時情報共有を図るとともに、担当係長レベル随時情報交換を行うことで連携を図っている。 ◆臂泰雄 委員   よく連携を図っていただきたい。自立という考え方を含め、県民一人一人に目を配り、多様性や共生の部分も大事にしていただき、総合計画策定を進めてほしいと要望させていただく。 ◆水野俊雄 委員   総合計画策定に関して、考え方や方向性、バックキャスト思考で考えるということについてはこれまでも賛意を示してきたし、意見交換もそういう思いでやってきた。一方で、県庁全体を取り仕切る話になるので、コンセンサスが取れているのかが心配な部分である。各部局でも最上位計画策定は進められていると思うが、新・総合計画に合わせた紙を一枚つけただけで中身は従来と変わらないものになってしまうのではないかと懸念している。新・総合計画との歩調合わせはできているのか。各部局と情報共有は図られているとのことであるが、議会に対してはどうなのか。有識者ヒアリングには議員も参加しているが、果たして情報共有はできているのか。これまでのフォアキャストからバックキャスト計画策定考え方を変えるという、大きなことを導入しようとしているが、本当にコンセンサスが取れているのか。コンセンサスが取れていなくても進むという強い決意のもとで行っているのか。どのように考えているのか。 ◎友松 企画部長   知事は就任以来、未来を見据えて変えていくことの必要性を発言してきている。当初、総合計画は従来のように4年ないし5年の期間で策定するのかなと考えていたところであるが、知事から大きな考え方が示された。20年後を想定するのは難しい作業であるが、先を見据えて今変えていかなければならないということは、ほかにも多くの方が指摘していることである。部局長の間で情報共有しており、各部局でも従来とは異なる考え方で新・総合計画に合わせて各部局の計画策定する必要があることは認識していると思っている。委員が心配に感じられるということは、その取り組みが十分ではない部分もあるかもしれないので、その点については改めて、情報共有し連携して取り組んでいきたい。 ◆水野俊雄 委員   情報の共有がされることと心がついていくということは、別のものであるという理解がないと駄目なのではないか。知事の方向性かと思うが、やってみて駄目なら仕方ないというのも、今後の県政では出てくるのだろうと思う。尖ったものというか、新しい分野に進出していくにはトライアンドエラーは必要であると思うし、まさに試行錯誤だと思う。だとすれば試行錯誤の都度説明してもらわないと困る。委員会で取り上げておきながら、その後の説明なく方向転換をしたということであり、今回、萩原委員に指摘されなければ、変わったことが説明されなかった。先ほど室長は委員会の都度説明するとお話しされたが、もっと細かなスパンで物事は動いている。委員会で説明されるのでは間に合わない。そういう意味では議会とのコミュニケーションが弱いし、議員の意見を新・計画策定に取り入れる気はないのかな、と感じる。県民意見が届いているのか心配にも思うのだが、その点についてはどう考えているのか。 ◎友松 企画部長   大変重い御指摘をいただいたと認識している。委員意見を踏まえて対応していきたい。 ◆水野俊雄 委員   今日いただいた資料についても、これを見て何を議論して、何を聞いたらよいのか、何に賛同したらよいのかな、と思うところではあるのだが、時間が足りない。いろいろなところに議論の余地がある。 先ほど指摘のあった東京圏依存体質言葉についても、イメージとしては持っているし、方向性・思考としては持っているが、やはり言葉にしてビジョンとして書くと重い言葉となる。自立という言葉にしても同様で、いろいろな自立という言葉は非常に注意深く考えなければならないと思う。新・総合計画をまとめていくためには言葉にしていくことが必要ではあるが、前提条件であるとか、皆が共有できているのか。計画をまとめるためには言葉にすることが必要ではあるが時間をかけていくことが必要であると思う。 バックキャスト思考で考えるとのことであったが、これは新・総合計画ビジョンについてバックキャスト思考で考えるのか、それとも基本計画についてもバックキャスト思考で作成をするのか。今後の県政の方向性という点でどのように受け止めているのかを伺いたい。 ◎古仙 未来創生室長   基本計画も含めて、新・総合計画バックキャスト思考策定を行う。20年後のビジョンに向けてどのくらいの歩幅で進めていくのかをバックキャストで考えた上で、10年間の基本計画を作成する。 ◆水野俊雄 委員   スポーツについて、スポーツの分野については10年後は描くけれど20年後は描かないというふうに受け止められる。ビジョンは県政のごく一部しか反映されていないのではないかという印象を持つ。それについてはどう考えているのか。 ◎古仙 未来創生室長   競技スポーツに限らず、ほかのことでも同様の議論が出てくることが想定される。基本計画の検討の中で20年後のビジョンにも盛り込んでいくべきものがあれば、ビジョンについても並行して修正していくということが考えられる。基本計画策定作業の中で考えていきたい。 ◆水野俊雄 委員   今のお話だと、スポーツ基本計画には入れるがビジョンには入れないということになるのではないか。 ◎古仙 未来創生室長   ほかの分野についても同じような議論が出てくる可能性があると考えている。基本計画を作っていく中で、ビジョンの中に20年後の姿を描くべきという方針になれば、そこで修正していくような考え方でいるところである。 ◆水野俊雄 委員   修正の可能性は見えたが、もう少し聞かせていただく。資料2や3で、3つの基本姿勢や4つの自立ということが特に言葉としては出てこないが、こういうビジョンに仕上がってくるまでの過程が見えてこない。どのような検討経過を経てこのような形になったのか。 ◎古仙 未来創生室長   11月の第1回有識者懇談会の段階では、事務局案をあえて示さず、自由に議論していただいた。その中での議論やその後の有識者ヒアリングで出てきた意見等を踏まえ、意見をそのままそっくり出すのではなく、最大公約数的な案として作成したものである。 ◆水野俊雄 委員   ビジョンが出てきたのは、資料2に示されている策定懇談会で議論されて、ある程度方向性が出てきてたたき台となってくると、それが資料として示されるということでよいか。 ◎古仙 未来創生室長   策定懇談会意見が全てそこに入るわけではないが、第1回の策定懇談会で出た意見をベースとし、有識者ヒアリングのほか、関係団体のヒアリングや県民意見特別委員会意見も踏まえてビジョン案を作成していく作業を行っている。 ◆水野俊雄 委員   個別のことを聞かせてもらうが、資料に記載の「内外の異能・才能」とはどういう意味で使っているのか。 ◎古仙 未来創生室長   内外の才能・異能については若者等からの意見を踏まえ、県外に出た方に戻っていただくことも含めて、一芸に秀でている才能に着目し、それを伸ばしていくことをベースに考えているものである。これまで調和について強調されていたが、内にいても外に出ても秀でたもの、個々の能力に着目し、それを伸ばしていこうというものである。 ◆水野俊雄 委員   各部の最上位計画策定作業が進められていると思うが、どの程度進んでいるのか。各部局の課長にも来ていただいているので、状況を聞かせていただきたい。 ◎加藤〔総〕 総務課長   総務部では、新たな行政改革大綱の策定作業を進めている。新・総合計画ビジョンの中にもある、AI・5G・ロボットなどの技術は、今後の行政改革、働き方改革を考える上で不可欠であり、ビジョンと合わせながら大綱の検討を行っている。また、AI・RPAなどの技術を用いた具体的に来年度からどう取り組んでいくかといった作業と、行政改革大綱をどのような骨格で組み立てていくかといった作業を同時に進めている。 ◎山本 県民生活課長   生活分野の最上位計画である「群馬県生活安心いきいきプラン」について、令和2年度に策定を予定しており、今回の常任委員会で骨子案を示した。今後、新・総合計画策定に合わせて、パブリックコメント関係団体への意見聴取などを行い、計画策定を進めていく。 ◎新井 こども政策課長   こども分野の最上位計画は今までなかったのだが、既存の4分野の計画をまとめ、新たに「ぐんま子ども・若者未来ビジョン2020」として策定し、第1回定例会の厚生文化常任委員会で可決いただいた。期間を空白にすることができないため、総合計画に先立ち策定したものである。当ビジョンでは、子ども自立に向けた基礎を作るものとして、愛着、自己肯定感の上に忍耐力、社会性、自信・楽観性といった「しあわせスキル」を定義した。様々な体験により、いわゆる非認知能力を獲得することで、思考力や学力を高めることができると言われている。このように子どもの「自立」について、新・総合計画と連携が取れている。また、少子化や人口についても総合戦略と調和が取れるよう策定した。 ◎平井 健康福祉課長   福祉分野の最上位計画「福祉プラン」については、3月末で満了となることから、今議会に上程し、委員会で審議していただいたところである。社会福祉法に基づく地域福祉支援計画であって、市町村計画の参考になるものでもあるため、切れ目が生じないように4月から次期プランをスタートさせることとした。「福祉プラン」は住民や団体などが主体的に役割を果たし、誰もが住み慣れた地域で自分らしく暮らす「地域共生社会づくり」を基本理念としており、目指す方向性や考え方などは新・総合計画と共有しているが、今秋の総合計画策定を踏まえ修正すべき部分があれば、福祉プランの一部改正などで対応したい。 ◎新井 林政課長   森林・林業基本計画については、本来であれば本年度末で最終年度を迎えることになるが、総合計画策定に合わせて策定作業を進めているところである。現在の進捗状況であるが、森林環境の保全と林業の振興という2本の柱が大きく変わることはないと思うが、時代の変化に合わせて、また新・総合計画に示されたビジョンを踏まえ、現在検討しているところで、令和2年第2回定例会で骨子案を示したいと考えている。 ◎吉田 環境政策課長   環境分野の最上位計画は環境基本計画である。現在の策定状況であるが、「豊かで持続的に発展する環境県ぐんま」を仮のメインテーマとし、地球温暖化対策や生物多様性などを施策の6つの柱とした骨子案を、昨年11月の環境審議会に示した。また、昨年12月に「2050年に向けた『ぐんま5つのゼロ』」を宣言したことから、計画の重点プロジェクトとして取り組む検討をしている。さらに、新・総合計画の案を踏まえ、策定作業を進めてまいりたい。 ◎倉澤 農政課長   農政部では、農業者等へのアンケート調査結果から現場の課題を整理し、次期「群馬県農業農村振興計画」の骨子案を作成している。4本の柱を検討しており、詳細については現在検討中である。現在は、農政審議会での議論を踏まえて計画内容を検討しているところである。 ◎吉田 産業政策課長   産業振興基本計画については、計画の最終年度ということもあり、現計画のKPIを中心とした進捗状況の取りまとめを行っている。また、次期計画策定に向け、基本方針であるとか新たなKPIについて検討している。県内企業に対するアンケート等も実施しているが、今後、新・総合計画ビジョン基本計画の内容を踏まえ、策定作業を進めてまいりたい。 ◎大塚 建設企画課長   昨年の台風第19号の襲来など、気象災害が頻発・激甚化する中、「群馬・気象災害非常事態」宣言等を踏まえ、気象災害の新たな脅威に対応するため、防災・減災対策を加速することから、県土整備プランの見直しを行うこととした。現在、見直し骨子案について、第1回定例県議会の産経土木常任委員会に示した段階である。今後は、4月ごろから土木事務所ごとに市町村長や県議会議員をはじめ、地域ニーズの把握に努めるとともに、新・総合計画との整合を図りながら、令和2年10月ごろの策定を目指したい。 ◆水野俊雄 委員   県土整備部の骨子が一番進んでいる印象を受ける。生活文化スポーツ部もプランが出てきており、議決済みのものも2つある。それ以外の部局は第2回定例会に骨子案を出して、素案はどこで出して議決の流れとなる見込みなのか。 ◎新井 林政課長   森林・林業基本計画については第2回定例会で骨子を示し、第3回前期定例会最終案を示す予定である。その間の月いち委員会でも丁寧に説明を行う予定である。 ◎倉澤 農政課長   農林環境常任委員会や各種の機会を設け、現在取りまとめている基本方針等を含む計画内容を示していきたいと考えている。 ◎吉田 産業政策課長   第2回定例会には骨子等なるべく詳しいものをお示しし、月いち委員会の機会等でも説明させていただくなどしながら、第3回前期定例会で最終形のものをお示しし、議決していただきたいと考えている。 ◆水野俊雄 委員   各部局から丁寧に説明いただき、感謝申し上げる。既に議決された2つの計画については、今回のビジョンと方向性などは同じくしているとのことであった。その上で、変更すべき点があれば修正していくとのお話である。教育委員会計画について伺うが、「出る杭を受け入れ、伸ばす」というビジョンの内容について、教育委員会計画には反映する予定はあるのか。 ◎山崎〔教〕 総務課長   委員御指摘のとおり、ビジョンの中で「内外の才能・異能(出る杭)を受け入れ、伸ばす」と書いてあり、書かれている部分のかなりの部分教育委員会に該当するものと認識している。それについては例えば、高校教育改革の中で、県内の子どもたちの才能を伸ばしていくことは教育委員会の使命であると考えている。 ◆水野俊雄 委員   ところが、先ほどの未来創生室長の答弁では、県外に出た異能や才能を含め、成功した人に県内に戻ってきていただく、という趣旨に私は受け止めた。異能や才能を伸ばす、というのは、教育の分野における様々な支援の対象となりうる方にも潜在的な可能性があることから、そういう方々についても教育的サポートをし、様々な選択肢を差し上げて支えていこうという意味で言っているのかと思っていたのだが、先ほどの説明からは異なる印象を受けた。こういうことを出してコンセンサスを取るのは難しい。その方向性で県政が大きく動いていくためには、もっとしっかりと歯車が合っていかなければならないと思う。各部局でも、この議論をきちんとフォローして、自部局の計画に織り込んでいかなければ、県政が変わっていかない。知事が方向性を出すのを待っているのではないかと察してはいるが、企画部が言ってくるのを各部局が待っているのでは遅い。20年先を描くという思想を共有しているのであれば、そういう動きがあってしかるべきではないかと思うが、いかがか。 ◎友松 企画部長   全庁的にそうした議論ができるような体制をもっとしっかりと行っていきたい。これまでも、企画会議や参考図書の紹介等を行って認識を共有してきたが、新しいやり方でもあり、有識者ヒアリング等で新しい発見もあり、日々作業を積み重ねながら行ってきているところである。将来を見据えて、いろいろ変えていく取り組みを進めていかなければならないが、疎外を感じるような人がいないように留意しながら、各部局での作業もしっかり進めていけるようにしたい。 ◆水野俊雄 委員   本当に県政の大きな転換であり、産みの苦しみだと思う。各部でも共有していただきたい。10月までに議決にもっていくのは並大抵の作業ではない。本当に、時間がないと思う。そういう意味でもコミュニケーションをしっかりと取っていただきたいし、様々な機会に御説明をいただきたいし、各常任委員会でも議論していただきたい。そういう意味でも、企画部には頑張ってほしいし、知事戦略部になるならなおのこと、そういう役割を果たしていただけるように期待申し上げる。
    ◆小川晶 委員   そもそも論のところで伺いたい。ビジョンについては20年後を見据えるということで尖ったものになっているとのことであるが、とはいえ資料を見ると各分野の将来ビジョン県民からの意見も聞いており、各分野の将来像みたいなものは、先ほどのスポーツの話もあったが、当然ビジョンの中に入ってくるという理解でよいのか。 ◎古仙 未来創生室長   ビジョンの中に極力取り込みたい。県民アンケートは現在実施中なので、3月末に終了したのち、取りまとめて意見を取り込みたいと考えている。 ◆小川晶 委員   せっかく意見を聞いているのだから、必要があれば取り込むというよりも、各分野の目指すべき姿が出ているので、全て取り入れて、それに向かって進めるというのが構造的に分かりやすいのではないか。また、4つの自立と幸福の概念、経済・社会・環境・国際と、それぞれの視点での資料を作っていただいているが、それぞれの関係性が分かりにくい。そのあたりについては、今後も分かりやすく説明いただきたい。 自立がキーワードになっていて、特に県民自立というのがスタートになっているが、行政から県民に対し自立を発信するのは非常に難しいと感じている。20年後に自立していることを目指すとのことであるが、現段階では群馬県民自立していない、自分の未来を切り開く力がないと、そういうような現状として捉えているのか。 ◎古仙 未来創生室長   小川委員のおっしゃるところまでのような認識ではないが、資料1に示したように、歴史的に見た場合、古代、中世・近代と比べると、現代は東京圏一極集中の恩恵も受けているが、代わりに画一化され、群馬らしさを喪失しているのではないかと思っている。そのあたりが、県民の群馬県が好きかどうか、自信を持てるかどうか、愛郷度の数字の低さなどにつながっていて、再度自信・プライドを取り戻そうという意味合いを込めているところである。 ◆小川晶 委員   愛郷度を取り戻すであるとか、自立とは言葉イメージがかなり違うのではないかと感じる。自立というと、どうしても経済的に自立しているであるとか、資料に出てくるように、県が目指している自立は出る杭になろうであるとか、フロントランナーになろうということのように捉えられる。出発点で県民自立を示してはいるが、そもそも自立しているかどうかというのも分からないのでは、スタートの地点から何を根拠に自立について議論しているのかが分からないというのが正直なところである。  資料の幸福の部分でも同じことを思ったが、「一人一人の幸福」の部分で、「県民にとっての幸福とは」のところに「なぜ経済発展に実感が伴わないのか」とある。経済的に満たされていても幸福でない場合や、お金だけではない幸福という形もあるのではないか。もちろん、満たされている人にとってはそういう考えがあったとしても、現実的には経済格差や貧困等で経済的に満たされないと感じる人もいる中で、ここだけ取り上げられても根拠として一方的ではないか。県全体の中の一部を切り取って計画を作っていると思われても仕方ないのかなと思う。20年後の尖った姿を目指すにしても、今の県民の皆さんが入りやすいような、自分もこうなったらよいなと思えるような書き方や、発信の工夫をしてほしいと思うがいかがか。素案の段階では内容等を丁寧に詰めていっていただきたい。 ◎古仙 未来創生室長   基本計画策定する中で、ビジョンとつなぐ導入部分に、説明が不足する部分については、分かりやすく書き込んでいきたいと考えている。経済発展のところは個人の経済力というよりも、県全体の経済力という意味で記した部分である。また、幸福については非常に難しいところである。一人一人、ステージによっても幸福は異なる。それぞれが自分でできることを思いきりできることが幸せではないかという議論が出ているところである。 ◆小川晶 委員   前向きなビジョンで、変革を求めるビジョンになっているのだと思うが、なかなか自分の力では置かれた環境から抜け出すことができない人もたくさんいるのだという視点を持って、策定を進めていただきたい。 ◆神田和生 委員   いろいろと説明を聞かせていただいた。この委員会が9月から始まったわけであるが、正直なところ、この委員会は何だったんだろうかと感じている。皆さんから説明を聞いて、我々の意見は新・総合計画にどのように反映されるのだろうか。ぜひ、来年度以降、意味のある委員会にしていただきたい。 ◆橋爪洋介 委員   今、神田委員が話したことは非常にストレートだが、議会として努力しようという思いはあるのだが、我々の意見は次の総合計画に、県民意見として反映されるのだろうか。もしくは一部でも組み入れてもらえるのだという気持ちが伝わってくれば、このような雰囲気の委員会にはならなかったのではないかと感じている。行政の皆さんはどこを見てこの計画を作っているのか。我々の側にはあまり目を向けていないのではないかと感じている。もう少し、委員会に対する姿勢を改めてもらいたいがいかがか。 ◎友松 企画部長   非常に厳しい御指摘をいただいた。本日の委員会でも改めて議論をいただき大変参考になった。御指摘のあったところはなるべく対応していきたい。今後についても、しっかりと、十分な説明ができるようにしてまいりたい。 ○中沢丈一 委員長   以上で質疑を終了いたします。 △閉会中継続審査(調査)特定事件の決定 ○中沢丈一 委員長   次に、委員会が閉会中審査または調査する案件については、お手元に配付してある(案)のとおりでよろしいでしょうか。  (「はい」の声あり)  さよう決定いたします。 △その他 ○中沢丈一 委員長   本委員会では、これまでの審査状況を踏まえて、3月18日の閉会日に中間報告を行うことを予定しています。  中間報告の内容については、正副委員長に一任願います。  (「はい」の声あり)  その他でありますが、何かありますか。  (「なし」の声あり) △散会 ○中沢丈一 委員長   それでは、以上をもって、本委員会で審議すべき案件は全て終了いたしました。  本日は、これにて散会いたします。  (午後0:00終了)   委員会記録署名委員    総合計画に関する特別委員会     委員長 中沢 丈一...