群馬県議会 2019-06-04
令和 元年第2回定例会厚生文化常任委員会(こども未来部、健康福祉部及び病院局関係)−06月04日-01号
暫時休憩いたします。午後1時から再開いたします。
(午前11時52分休憩)
(午後1時再開)
△再開
○大和勲 委員長
休憩前に引き続き、
所管事項に対しての質疑を行います。
◆
福重隆浩 委員
「
少子化対策に関する
県民意識調査」によると、子どもを持ちたくない人が前回に比べ10ポイント上昇している。当局としてどのように分析しているか。
◎新井
こども政策課長
独身者の調査で、子どもを持ちたくない人の割合が7.6%から17.3%に上昇したことは残念である。今回の資料には含まれていないが、クロス集計した結果から、結婚の幸せそうな様子をみる機会や赤ちゃんに触れる機会の多さが子育ての希望と相関関係にあることがわかる。少子化で身近に子どもと接する機会が少なくなっているため、独身者は子育てをイメージしづらくなっている。一方、既に子どもを持つ保護者では、理想の
子ども数や予定の
子ども数などが前回から大きく変わっていないことから、子育てのすばらしさや楽しさを広め、社会全体で応援する機運を高めていくことが重要である。今年度は、そうした機運を高めるためのCMを映画館で放映することを計画している。その他にも
赤ちゃん先生などの体験や
ライフデザイン支援などが重要であり、様々な事業を通じて機運を盛り上げていきたい。
◆
福重隆浩 委員
アンケート調査を見ると経済的問題が理由として挙げられており、国では
消費税増税分を人への投資として、
幼保無償化や私立高校の無償化などが計画されている。県には機運醸成にがんばっていただきたい。
ぐーちょきとコンパスの2つで予算が110万円程度である一方、
シニアパスポートの方が少し予算が多い印象であった。県民には、
ぐーちょきやコンパスの
協賛店舗が増えることは喜ばれると思うが、協賛店を増やす取組はどうか。
◎新井
こども政策課長
ぐーちょきとコンパスで
協賛店舗数に差が生じてきている。先程の110万円程度の予算は
パスポートの発行費用などの事業費であり、協賛店を増やす事業としては先に話したCMなどを合わせて923万円の予算を確保している。
協賛店舗数の目標はそれぞれ400件増加を
最低ラインとし、超過分については契約金額を増やす
インセンティブ契約を考えているところである。できるだけ
協賛店舗を増やしていきたい。
◆
福重隆浩 委員
協賛店舗の増加は県民の喜びにつながるので、KPIの目標達成に向けて頑張ってほしい。
健康寿命の延伸についても伺いたい。県ではよい生活習慣を身につけるため「ぐんま元気の5か条」を作成し、県民に周知を図っているが、適度な運動や
ウォーキングをしてもらうことが私は大事だと思っている。ある調査を見ると、
都道府県歩数ランキングで群馬県は男性が37位、女性が30位で、首都圏と比べて群馬の人は歩いていないと感じた。例えば、健康のために朝1時間歩く方が、昼になると50メートル先のコンビニへ車で行っている。国でも、マイレージや
インセンティブによって各
都道府県での事業化を働きかけている。県は、これらにどう取り組んでいるのか伺いたい。
◎阿部
健康増進主監
群馬県民には歩くことが比較的習慣化されていないことなどを踏まえ、「ぐんま元気の5か条」の第1条「元気に動いて、ぐっすり睡眠」の実践に向け、昨年度から「元気に動こう・歩こうプロジェクト」に取り組んでいる。県民が歩くことを楽しむためのツールの一つとして「
ぐんま元気アプリ」を制作し、活用を図っている。このアプリには県内35市町村全ての
ウォーキングコースと
トレッキングコースが掲載されている。それ以外にも毎日の歩数と
消費エネルギーを1年間、記録として確認できる。さらに観光情報、
公共交通機関利用情報が掲載された「
ぐんま乗換コンシェルジュ」のアプリとも連携している。移動距離や
消費エネルギーを確認できるので、1人でも多くの県民に利用していただき、
健康づくりをサポートしたい。また、このアプリに達成指標として
ビンゴ機能を付加している。
ウォーキングコースを歩くと、それぞれの市町村のご当地ぐんまちゃんを獲得でき、3コース以上歩くとビンゴをクリアできる仕組みとしている。今年度はこの仕組みを使い、
ビンゴ達成者に景品をプレゼントする
ビンゴチャレンジイベントを企画している。また、個人が行う
健康づくりの取組に対して
インセンティブを与える
ポイント制度が
県内市町村で進んできているが、今後は
ビンゴチャレンジイベントを契機として市町村にもアプリを使った
ポイント制度に取り組んでほしいと思っている。
◆
福重隆浩 委員
面白い取組をしていただき、有り難い。
知事会関連のホームページの
健康づくり分野で
インセンティブを活用した
健康づくりの取組があり、静岡県がリーダーで16の都県の名前が載っていたが、群馬県は含まれていなかったので質問した。現在の
ダウンロード数は把握しているのか。
◎阿部
健康増進主監
「
ぐんま乗換コンシェルジュ」の全
ダウンロード数は4月末現在で4,750件となっている。
◆
福重隆浩 委員
自身はいろいろな会合で話をするが、「
ぐんま乗換コンシェルジュ」の話を地域の100人ぐらいの前でしたところ、誰も知らなかった。こういった面白い取組が県民に伝わってないことは残念に思う。こうしたアプリを作った際、県民に周知徹底し、どう活用してもらうかを考えないと宝の持ち腐れになってしまう。是非しっかり周知を図り、県民の
健康増進のために取り組んでいただきたい。
◆
岩上憲司 委員
老人クラブの充実について質問したい。過去の一般質問で会員の増加や役員の負担軽減を図っていただくようお願いしたが、その後の取組や今後の方向性などについて伺いたい。
◎島田
介護高齢課長
委員から
老人クラブの活性化について本会議で指摘を受けて以降、これまでに新たに三つの事業に着手しており、紹介したい。
まず1点目は、すぐにできることとして65歳に達する方に
ぐーちょきシニアパスポートと一緒に配布する
事業概要のチラシに
老人クラブをPRする内容を掲載した。2点目は、
実態調査の実施である。現在、
県内市町村を対象に、
老人クラブへの
財政的支援状況や会員数減少の要因、新規会員の
勧誘方法等について調査している。
老人クラブを取り巻く現状をしっかり把握したいと考えている。3点目は、
活性化検討委員会の開催である。現在
単位老人クラブの会員や
市町村老人クラブ事務局等を構成員とし、
老人クラブの
活性化支援策を検討する委員会の開催に向けて準備をしてるところである。
実態調査の結果も参考にしながら、具体的な
老人クラブの支援策を関係者間で検討したいと考えている。
◆
岩上憲司 委員
早速3つ立ち上げていただき有り難い。
実態調査は必要で、我々が肌で感じてることが明らかになるのだろうと思う。
単位老人クラブがなくなる要因は、間違いなく役員のなり手不足である。これが一番の問題で、役員を受ける人がいなければ、その町から
老人クラブがなくなり、会員の減少につながる。役員の負担をどう軽減するかが一番重要だと思っている。
老人クラブでは60代や70代、80代の人が会長になることが多く、そうした人々が会員の面倒を見たり、会合や催事を行う場合には全部自分たちで準備している状況を考えると、
老人クラブのような任意団体で役員になりそうだと辞めてしまう人もいる。これが原因で
老人クラブが廃止された例もある。
老人クラブの役員には、忙しい事情を一切明かさず後任者に引き継ぐ人もいると聞いている。事情を明かすと後任者が見つからないからだという。地域を支えたり見守りをしてくれる
老人クラブをなくす訳にはいかない。一方で担い手が少ない。こうした現状を皆さん方にも理解いただき、市町村や
市町村老人クラブ、県の
老人クラブ連合会などと一緒になって取り組んでいただきたい。
ぐーちょきシニアパスポートと一緒に県からのお知らせを配付いただいたのは大変有り難いが、これだけで担い手が増えることは期待できない。例えば、お問合せはホームページを見てくれといわれても、この年代ではホームページを見ないかもしれない。せめて電話番号ぐらいは掲載してほしい。この問題は1年かけて取り組む考えであるので、今日はこのぐらいで質問を終わりにしたいと思うが、課長や部長の見解があれば伺いたい。
◎武藤
健康福祉部長
今年の第1回定例会で岩上議員から御指摘いただいた。先ほど課長が回答したとおり
実態調査を行い、現在集計中であるので、調査結果から明らかになるものや我々が現場へ行かなければ分からないものが多々あると思われることから、それらを自分の目で確認しながら、どうやって地域を活性化させていくかという観点で考えていければと思っている。
◆
岩上憲司 委員
是非、お願いしたい。今まではそうした問題意識がなかったが、今回は大いに県も関与し、県全体の方向性を出していただければ有り難い。
次に、母子会の充実について伺いたい。会員数は大分減っており、母子会活動自体が見えなくなってきている。先ほどの話と同様、役員のなり手がいないという事情もある。そうした事情を含め、この1年かけてどんなことを検討し、取組を進めてきたのか伺いたい。
◎藤巻
児童福祉課長
県では、これまで母子会の運営に対して補助し、就業相談事業をはじめ各種支援事業を母子会へ委託して実施してきた。こうした事業を母子会を通じて実施することで、ひとり親への支援がより届きやすくなるとともに、母子会の運営支援につながる考えている。
その中で、近年の会員数減少については、会員の高齢化、魅力ある母子会づくりが課題だと感じている。対策として、子育てを終了した母親に引き続き母子会に残って活動いただくため、県の委託事業である「親子ふれあい交流事業」を実施している。この事業では、高齢の寡婦会員が参加しやすく、また事業の中で母子へ指導する機会が増えるような体験型の学習を取り入れている。具体的には、藍染め教室やガラス工芸の教室、調理体験などの中で、高齢の寡婦会員が母子と交流しながら指導し、活躍できる機会を増やしていければと考えている。それから、市町村担当者を集めた会議でリーフレット配布を依頼するなど、新しい会員の確保についても努力している。さらに新しい事業として、ひとり親の多くが子どもの学習や進路に不安を持つ実態を踏まえ、無料学習支援事業を始めた。昨年は藤岡と前橋の2か所で事業を行い、今年度はさらに玉村を含めた3か所で事業を実施する。ひとり親の母親のニーズにこたえられる事業を今後も検討し、魅力ある母子会づくりを支援したい。
◆
岩上憲司 委員
子どもが育った後に母親が母子会に残るか否かは、母子会を運営する上で重要だと思う。その対応、対策はどうか。
◎藤巻
児童福祉課長
寡婦会員が母子会の事業の中で活躍できる場を検討していきたい、母子会と一緒に考えていきたいと思っている。その一例として、先ほどの交流事業のように子育てを終わった方がやりがいを持てる事業として、母子に対して色々なことを指導できる体験学習などを進めたいと思っている。
◆
岩上憲司 委員
交流事業などは既に行われており、それでも効果が上がっていないイメージを持っている。さらに工夫が必要なのではないか。事業を行っても会員は増えていない。結局、やればいいというものではなく、結果が出ないと意味がないと思うがどうか。
◎藤巻
児童福祉課長
親子ふれあい交流事業の実績について、平成30年度はレクリエーション事業が22事業で919名の参加があった。これに対し、講習会事業は12事業で282名の参加があった。その前年度は、レクリエーション事業が27事業で1,250名、講習会事業が6事業で174名の参加であった。講習会事業の方は増えていく傾向にあり、こうした事業の中でやりがいや貢献の機会を生み出していけるよう検討していきたい。
◆
岩上憲司 委員
結果が出ているので、続けてもらいたい。しっかりとサポートしていただきたい。
療育手帳について聞きたい。手帳の発行について、例えばダウン症の子どもの親が発行を希望した場合、どれぐらいの期間で発行されるのか。
◎井上
障害政策課長
療育手帳の交付については、判定機関である児童相談所で相談を受けて判断する。事務の流れとしては、判定後に申請者が市町村へ申請し、市町村は児童相談所を経由して交付機関である心身障害者福祉センターへ送付し、同センターが年齢に関係なく療育手帳を交付する。交付は市町村経由である。
現在、保護者の申請後、おおむね1か月程度で交付する流れとなっている
◆
岩上憲司 委員
1か月ぐらいで交付されるのか。1か月では交付されないという話を聞いている。例えば、ダウン症の子どもの親が保育園に入れたいと申請した場合、なかなか交付されないと聞く。そういうことはあるのか。
◎井上
障害政策課長
先ほどは、判定機関へ相談し、判定を受けた後の手帳交付の流れとして1か月という話をした。この事例では、発達期である18歳までの間に検査等で知的な遅れがあるかどうかを判断することになる。判定以前の段階で子どもに知的な遅れがあるかどうかについて、児童相談所で家族や本人の状況を丁寧に相談・検査するので、期間はかなりかかると思う。知的障害だと判定されれば、手帳の事務処理自体はおおむね1か月で交付に至る。
◆
岩上憲司 委員
判定の基準はあるのか。
◎井上
障害政策課長
知的障害者福祉法に根拠がなく、療育手帳の交付については各
都道府県での判断となっている。国から通知が出ており、おおむね18歳までの間で知的な遅れがある者、日常生活に何らかの援助が必要な者、知的な機能の部分で知能指数が70以下であるといった目安が示されている。これらを踏まえ、県で検討の上、おおむねの基準を定めている。
◆
岩上憲司 委員
都道府県で判定基準が異なるという話を聞いている。例えば、群馬県は3歳未満では判定しない、3歳までは様子を見るなどと聞く一方で、3歳未満でも判定して療育手帳を発行している県もあると聞くが、そういうことは現実にあるのか。
◎井上
障害政策課長
例えば、基礎疾患があったり、重症心身障害で知的にも身体的にも重度で明らかに重い障害があると判断される場合には、3歳未満でも療育手帳を発行している。児童相談所では半年間、本人や家族と面会して相談や検査をし、適切に対応している。
◆
岩上憲司 委員
親が保育園に通わせるのに療育手帳が必要な場合に、なかなか判定されないケースも考えられる。他にも、判定されずに困ってるケースは考えられる。そうした事例があることを認識し、対応をお願いしたい。
次に
医師確保の話になるが、我々が医師といろいろな意見交換をする中で、群馬大学の学生に群馬に残ってもらうことが一番の課題だという話を聞く。群馬大学で医師になる学生の就職先の大半は県外であるといったデータはあるのか。
◎高橋
医師確保対策室長
現在、群馬大学では地域医療枠を18人設けており、通常105名の定員を臨時的に123名としている。県内の高校から群馬大学に進学した者は今年4月は42人いたが、例年、40名弱程度の者が県内の高校から群馬大学に進学している。県内高校出身者が、群馬大学卒業後に県内の病院に残る割合は、およそ8割程度である。一方、県外の高校から群馬大学に進学し、県内の病院に残るのはおよそ3割程度で、トータルで見ると、群馬大学の卒業生の約半分が群馬の病院で臨床研修を行っている。
◆
岩上憲司 委員
県内高校生が群馬大学卒業後に県内に残るのが8割であれば、より多くの県内高校生が群馬大学を目指す方が県内に残る確率が上がることになる。群馬大学を志望する高校生を増やすことが戦略の一つになるのではないか。データを踏まえ、どこにどう仕掛けるかを考えたとき、教育委員会と連携するなどして群馬大学を目指すよう誘導することや、魅力ある学校にして群馬大学を志望できるような環境を整備することも
医師確保対策の大きなポイントになると思うので、是非よろしくお願いしたい
◎高橋
医師確保対策室長
若手医師を増やす上で、県内の高校からいかに医学部に進学してもらうか、更に医学部の中での定着率を考えると、群馬大学に進学いただくことは非常に重要な課題だと思っている。先ほど県内の高校生を群馬大学に進学させるための対策を行った方がよいとの提案があった。県でもその重要性を認識している。群馬大学に地域医療支援センターという研究教育部門を設けているが、そこで医学部医学科を目指す高校生を対象に職場体験セミナーを開催している。実際に県内の病院に行き、若手医師と話をしたり、あるいは現場で医師が行っていることを体験し、医師の仕事の魅力を伝える取組である。その他、教育委員会と連携し、県内の各高校と協力して医学部医学科への進学セミナーを県庁で開催し、その会場でも、若手医師が仕事の魅力について講演したり、県内の医療事情を説明したり、さらには医学部を目指す上での受験テクニックなどを説明した。いずれにしても若手医師を増やすには早い段階からの意識づけを着実に進めていく必要があると考えている。今後もより有効なことを考えていきたい。
◆
岩上憲司 委員
是非よろしくお願いしたい。そこまでやっても医師は不足しており、より一層頑張る必要があると思う。職場体験や職場の魅力を知る機会を設けることは志望者の増加につながると思うので、是非更なる対応をよろしくお願いしたい。
◆金子渡 委員
保育人材と介護人材の確保について質問したい。保育人材確保対策では、新規事業である潜在保育士対策や従来からの保育士の処遇改善、養成校学生対象の修学資金貸与等諸々の施策を今年度も行うと聞いた。潜在保育士対策では就業案内等を行っていくとのことだったが、もう一度事業の概要について伺いたい。
◎森平 子育て・
青少年課長
潜在保育士対策では、今年度の新規事業として潜在保育士調査を行う。現在、保育士資格を持っているものの保育現場で働いていない潜在保育士を対象に、なぜ保育現場で働いていないのか、あるいは復職する場合の雇用形態や勤務条件などについて
アンケート調査を行い、将来的に保育現場に戻ってもらうための資料としたいと考えている。また、昨年度から保育関係団体や県内の養成校の関係者による保育人材確保等検討会議を設置しており、同会議で調査結果をもとに議論して、今後の保育人材確保対策について検討したいと思っている。
◆金子渡 委員
実際に
アンケート調査をするとのことだが、例えば医療の現場では、看護師に対して定期的に看護師番号等を基に勤務先の調査が行われていて、働いていない人を予想できている。保育の現場でも同様の調査が実施され、潜在保育士をある程度把握できているのか。それとも、対象から調査をすることになるのか。潜在保育士の把握方法について教えてほしい。
◎森平 子育て・
青少年課長
保育士登録制度では、保育士資格を取得した時の住所で登録することになる。その後は、例えば結婚により登録事項に変更が生じた場合に変更手続があるが、例えば勤め先が変わっても登録事項に変更がない場合に手続の必要がなく、新規登録時点の住所が元データとして残ることになる。
現在、県内の60歳未満の保育士登録人数は約23,000人であり、そのうち県内の保育所や認定こども園、幼稚園、認可外保育施設などで働いてる保育士は概ね10,000人ぐらいと推計している。よって、残りの13,000人を潜在保育士と見ている。
アンケート調査の実施にあたっては、
県内市町村で把握している保育士データを収集し、現在働いてる人を極力除いて調査したいと考えている。
◆金子渡 委員
答弁を聞いて、膨大な作業を伴う複雑で難しいアンケートを実施する印象を受けた。社会福祉法人が運営している保育所が大半で、そうしたケースでは実地指導などの機会に資格証の確認等がなされるはずなので、一定数は把握できると思う。23,000人から13,000人に絞り込んでアンケートを実施するのは60歳未満が対象とのことだが、例えば保育所で入所定員を増やした時に60歳過ぎの保育士に応援を頼むことも考えられるので、今回のアンケートがしっかりできるようであれば、さらに対象を広げた対応もお願いしたい。アンケートの結果についても、後の委員会で質問させていただきたい。
保育士の処遇改善が2年前から始まっているが、非常に使い勝手が悪く、保育所の経営者や運営者から「作ってもらったのはいいが、対応で参ってしまう」といった声が上がっている。もう少しシンプルにするべきであり、国に対して制度の変更・見直しの要請が各
都道府県から上げられていると思うが、今年度になって国の制度変更や見直しがあったのか確認したい。
◎森平 子育て・
青少年課長
処遇改善制度には1と2があり、2の方が平成29年度から新たに始まった。そちらの方が難しい部分はあると思う。平成31年度に制度改正は特になかった。人事院勧告に準拠した0.8%の処遇改善と国の新しい経済政策パッケージによる1%の改善、合計で1.8%の改善が今年度は行われている。
◆金子渡 委員
国の制度見直しはないとのことだが、10月から無償化が始まり、それを機に保育の現場は変わってくると思う。この処遇改善制度への対応に苦慮する保育所は多いので、もう少しわかりやすく保育所に裁量がある形で保育士の賃金をアップできる制度になるよう、
都道府県から国に対して声を上げていただきたい。
若い保育士を増やすため、養成校の学生向けの国庫補助も含まれている修学資金貸付制度が設けられているが、今年度の状況はどうか。
◎森平 子育て・
青少年課長
今年度入学者への貸付については、昨年度中に31人を決定している。昨年度の貸付枠である50人以上応募があったものの所得水準等審査基準により決定した結果、31人となった。養成校の今年度入学者を対象に3月から4月にかけて追加募集したところ、現在までに6人を追加決定した。まだ枠があるため、必要に応じて今年度の貸付対象者に上乗せするなど対応したいと思っている。
◆金子渡 委員
50人の枠に対して昨年は50人全員に貸付したと思うが、今年度は50人以上の希望に対して31人を決定し、再募集してプラス6人を決定したとのことであった。所得制限があるため仕方ないとはいえ、来年度の様子によっては、所得制限の枠を多少上下させるようなことも検討する必要があると思う。必要に応じてしっかりと見直してほしい。今年度の県内養成校定員1,438人に対して入学者は1,000人を割り込んでいる状態を考慮し、検討いただきたい。特に職業訓練などで養成校に入学した際にもこうした制度を使えるようにすることは大事だと思う。50人の枠があるのであれば、この資金を使って50人養成できるような方策を検討するよう要望する。
続いて介護人材確保について一点確認したい。2月の一般質問の際、養成校を卒業して介護福祉士の資格を取りながらも、介護福祉士の証明書の発行スケジュールの関係で介護ビザを取得できないため、外国人の介護福祉士が4月1日から働く場合は特定活動で28時間までという制限があるとの通達が法務省から出ていることを取り上げた。県としてこの制度の見直しについて国へ意見を提出するよう要望したところ、国の調整会議の中でしっかりと意見していただき、4月1日から特定活動で40時間まで働けることが3月中に決まった。介護人材確保対策室の熱心な働きかけのおかげで実現したことであり、まずお礼を言いたい。他方、その際の答弁において、外国人の介護人材を技能実習生として受け入れるに当たって、3月18日に技能実習生の監理団体で介護分野を扱っている団体を集めて全国初の意見交換をするとの話があった。どのような内容であったのか伺いたい。
◎佐藤
介護人材確保対策室長
外国人の技能実習制度における監理団体は、海外から実習生を受け入れるとともに、技能実習を行う各事業所において実習が適切に行われているかの確認や指導を目的として設立された団体である。技能実習の適切な実施あるいは実習生の保護を図る意味で大変重要な役割を担っている。こうしたことから、県では介護分野における技能実習生の円滑な受入れの推進を目的に、介護分野の技能実習生を扱う全ての監理団体、県社会福祉協議会、県老人福祉施設協議会、県老人保健施設協会等の関係団体で構成する群馬県介護関連監理団体等連絡協議会を設置し、本年3月18日に第1回の会議を開催した。
その会議の成果としては、県内の介護事業者に技能実習制度の理解を深めていく必要性の共通理解が図られ、具体的な取組として、県が介護事業所を集めて開催する受入準備セミナーに今年度から監理団体も参加し、それぞれの団体の特色ある取組を紹介してもらうこととした。監理団体が加わることにより、介護事業者に具体的な情報を届けられると考えている。また、多くの技能実習生に群馬県で実習を受けていただく流れを作るため、各監理団体が群馬の魅力をアピールしていくことや技能実習生がアパートを探すときに利用できる制度などについて意見交換できた。県では、こうした取組を進めていくことが技能実習生からの評価を高めることにつながっていくと考えており、今後も連絡協議会を活用し、技能実習生の円滑な受入れと定着に努めたい。
◆金子渡 委員
幾つか監理団体に感想を聞いたところ、非常によかったとのことだった。県内の介護分野の監理団体数は当時11あり、その後も増えている。栃木県の団体数が5前後であることを考慮すると、監理団体数は多く、介護分野だけの受入れをしてる団体も含まれていることから、多様な団体間で意見交換できて非常によかったと思う。実際、監理団体同士は仕事上のライバルではあるが、これから伸びていく業界で、成熟していない分野でもあるので、いろんな意見を聞きながら取組を続けていただきたい。幅広く連携して取り組んでいただくことを期待したい。
◆小川晶 委員
初めに、発達障害の関係で伺いたい。先ほど岩上委員から療育手帳の話があったが、自身も就学前の子どもを育てる保護者から子どもの発達について不安があるといった話を聞くことが多い。発達障害では早期発見、早期療育を行っていくことが重要と聞いている。県で発達障害児の早期発見の取組をしていると思うが、現状と発達障害が発見される段階について伺いたい。
◎藤巻
児童福祉課長
発達障害には1歳6か月頃から発見できるといわれているものもある。早期発見することで特性を理解し、適切な対応ができるようになる。児童福祉課では、1歳6か月児健診時に発達支援が必要な子どもを発見し、その後の適切な相談支援につなげられるよう市町村保健師を対象に研修を行っている。平成29年度から従来の講義形式の研修のほか、先進的に取り組む市町村の実際を学ぶため、市町村保健師に現場を見てもらい、体験してもらう研修も取り入れている。また、行動観察のポイントなどをまとめたマニュアルの整備も今年度取り組んでいる。市町村からの要望を踏まえ、講義形式のほか、実践的研修により1歳6か月児健診を行う保健師の資質向上に努めたい。
発達障害が疑われる場合、市町村の保健師や医療機関、児童相談所等に相談することになる。現在、児童相談所では、発達障害に関する相談があった場合には児童心理司等が対応して助言指導を行うことになる。その後、事由によって療育手帳の発行や医療機関への紹介などにつながる。平成29年度の児童相談所での児童心理司による相談面接件数は614件であった。
◆小川晶 委員
1歳6か月頃から発見できるケースもあり、その段階から取り組んでいるとのことだった。例えば1歳6か月児健診時には心配がなく、次の2歳や3歳児健診時に発見されるケースもあると思うが、行政や保健師が関わるケースでは比較的支援につながりやすいと思う。先日相談を受けた事例では、3歳児健診時は問題なく、4歳頃に保育園から発達障害の可能性について指摘され、保護者が相談先を知らないようであった。健診時以外で不安を抱えている保護者は、どこへ相談したらよいのか。
◎藤巻
児童福祉課長
市町村には各々保健センターがある。ここは総合的な子育ての相談に対応する機関であり、まずは保健センターへ相談いただければと思う。そこで必要に応じて、他の相談機関を紹介している。
◆小川晶 委員
一般の方に、そうした情報が伝わっていないと思う。是非市町村担当者や保育園長などと連絡を取り、不安を抱えている保護者に相談機関情報をわかりやすく伝えることを要望したい。
児童相談所での発達障害に係る相談件数が平成29年度は614件との話があったが、増加傾向にあると思う。岩上委員への答弁の中にあった療育手帳の判定待ちの人々もこの相談件数に含まれているのか。
◎井上
障害政策課長
発達障害の中には、知的障害を伴う者と伴わない者がいる。発達障害で自閉症やADHDと診断されることがあるが、療育手帳が関係するのは知的障害を伴う者になる。よって、そうした者については市町村から児童相談所に相談し、児童相談所で療育手帳の交付を検討することになる。知的障害のない者は幼稚園・保育園へ進み、他の子どもと違うことに先生方が気づいた場合に、市町村へ相談することになる。知的障害を伴うか否かによって、療育手帳の対象となるか否かが異なる。福祉サービスに関しては、児童福祉法等による児童発達支援事業所があり、市町村の窓口で手続することで知的障害の有無にかかわらず発達障害のある者はサービスが受けられる。
◆小川晶 委員
市町村と連携し、不安を抱える保護者に相談先の情報が伝わるようにしていただきたい。
大人が利用する県の発達障害者支援センターでは、以前より待ち時間が減っているものの、いまだ相談で時間がかかる状況だと聞いた。相談件数の推移等はどのようになっているのか。
◎井上
障害政策課長
発達障害者支援センターは平成18年の設置以降、専門的な相談機関として発達障害者やその家族からの相談に対応している。加えて、市町村など関係機関の支援や人材育成の取組を行っている。相談件数は開設以来年々増加しており、平成27年度が3,739件でピークとなった。平成28年度はやや減少したものの、平成30年度は3,729件であった。相談内容は、現在の生活状況、家族ができる支援内容、発達障害の有無などが多いと聞いている。発達障害者支援センターでは相談に対応するため、平成18年度に5名だった職員を平成24年度には10名へと増員し、さらに平成28年度から心理判定の嘱託職員2名を追加増員して相談体制の強化を図った。本年4月1日時点、新規の相談で2か月ほど待つ状況にある。
◆小川晶 委員
発達障害について専門的な機関を調べると、発達障害者支援センターが候補の一番に出てくる。専門的な相談のほか、一般的な相談も現状では全て当該センターへ寄せられていると思うが、県内の他の相談機関はどのような状況か。
◎井上
障害政策課長
県では発達障害の相談支援の中心となる人材として発達障害相談支援サポーターを平成27年度から平成29年度まで3か年で18名養成し、各地域に配置している。この情報は県ホームページで掲載し、身近な相談体制について周知を図っている。
◆小川晶 委員
そうした情報は知られていないと思う。困った人が一極集中せずに相談できるよう周知していると思うが、実際には必要な情報が届いていない。是非、引き続きよろしくお願いしたい。
続いて保育の関係で伺いたい。県内の待機児童や隠れ待機児童の状況はどのようになってるのか。
◎森平 子育て・
青少年課長
待機児童については国で調査を行っており、平成30年4月1日時点で中核市を含め県内で28人の待機児童が発生している。年齢別内訳は、全て0歳から2歳であった。保護者が育休明けで子どもを預けたいという需要が高まったため、定員一杯で入れない状況が発生してる。県全体で見ると、保育の受け皿は利用希望を上回っているものの、都市部と中山間地で保育の需要が異なることから、若い世代が増えている地域では待機児童が発生しがちな状況である。市町村では将来の見込みを考慮して施設整備や定員増加などの取組をしており、県は市町村とともに引き続き必要な子どもが入所できるような施設整備等に取り組みたい。
◆小川晶 委員
10月から保育の無償化が始まるが、3歳から5歳の子どもでは既に預けている保護者が多く、無償化によりさほど保育需要は増えないと思うが、0歳から2歳の子どもは無償化によって保育需要は増えると見ている。保育の無償化と保育需要についてどう考えているのか。
◎森平 子育て・
青少年課長
幼児教育・保育の無償化について、3歳から5歳では全世帯が対象となっている。0歳から2歳では対象が非課税世帯に限定されている。よって、3歳から5歳での保育需要が著しく増えることは考えていない。理由は、本県の3歳から5歳の子どもの約98%は幼稚園や保育所、いわゆる認可施設に預けられており、残りの2%約900人については、企業等で設けている事業所内保育施設等を利用しているからである。ただ、0歳から2歳では保育の無償化とは別に、育休明けの保育需要が今後も高まってくると考えており、それに対応できるよう施設整備について県も市町村支援によって取り組んでいきたい。
◆小川晶 委員
1歳では預けられないといった話を結構聞くので、その部分の受入れを拡大していただきたいと思う。具体的な施設整備は基本的に市町村で行うことになるのか。県として、目標を掲げたり対策を講じることはできるのか。
◎森平 子育て・
青少年課長
県全体の計画はあるが、基本は市町村毎に今後の需要見込みを立て、定員枠が必要か判断することになる。市町村では今年度が計画の見直し時期になるため、市町村の計画を積み上げた上で県計画を見直し、市町村の取組を応援していきたい。
◆小川晶 委員
これから保育の無償化が始まるので、是非その推移を見ながら対応いただきたい。
次に成年後見制度の利用について伺いたい。先日、新聞で成年後見における首長の申立て件数が群馬県は全国平均よりかなり少ないとの報道があった。県で成年後見人を必要とする可能性がある人数を調査したところ、7,200人ぐらいいるだろうとの答弁を以前の本会議で聞いた。一方、実際の成年後見の申立件数は400件ぐらいで、かなり差があったように思う。成年後見の利用が進んでいない原因について、どのようにとらえているのか。
◎小林
地域福祉推進室長
成年後見制度の利用を必要とする可能性がある人は約7,200人で、昨年の調査で明らかになった。平成30年度の申立件数は、前橋家庭裁判所によれば481件で、ここ数年間は400件から480件という件数になっている。この制度は十分に利用されていないと国でも認識しており、「成年後見制度の利用の促進に関する法律」を平成28年に制定している。利用を必要とする可能性がある人の数と申立件数に乖離がある状況であり、いろいろな原因が考えられる。この法律では、制度利用の促進のための体制整備について市町村が中心となって行うこと、県もその支援を行うことが定められている。利用が進んでいない現状を踏まえ、県は市町村をしっかり支援していきたいと考えている。
◆小川晶 委員
市町村での中核機関の設置が群馬県ではほとんど進んでいないと聞いており、調査で明らかになった7,200件のニーズは重要な目標になると思うので、この調査結果を市町村や地域にしっかりと伝えるとともに、市町村での取組をサポートしていただきたい。引き続き成年後見制度は私も勉強させていただくので、よろしくお願いしたい。
受動喫煙対策に県庁や県の施設、学校では既に取り組んでいるとのことだが、来年4月からは全県で実施することになる。こうした法律が成立したことや自分たちに求められる対応を大半の県民は知らないと思う。受動喫煙対策の啓発と今後の取組について伺いたい。
◎阿部
健康増進主監
受動喫煙対策の周知をしっかり行うことが重要と考えている。これまでパンフレットの配布や関係者への説明会開催などを行ってきた。5月31日の世界禁煙デー・禁煙週間に合わせ、商業施設での県民向けイベントの開催や街頭キャンペーン等も行い、広く普及啓発に努めている。また、各保健福祉事務所が教育委員会を始め関係機関と連携し、毎年60校を超える小中学校で実施している喫煙防止講習会のほか、専門学校や大学などの若い女性を対象にした講習会を活用し、今後も積極的に周知を図ることとしている。
さらに、来年4月1日には多数の人が利用する全ての施設が原則屋内禁煙となることから、飲食店など民間事業者の理解や協力が不可欠になるため、関係者による「受動喫煙防止対策推進会議」を新たに設置し、改正法の趣旨に基づき、施設の特性に応じた受動喫煙防止対策が適切に講じられるよう協議を進めるほか、県民や事業者から様々な相談や問合せなどにも丁寧に対応していくこととしている。今後も、市町村や関係機関・団体等と連携し、あらゆる機会を通じて正しい知識を普及啓発したい。
◆小川晶 委員
受動喫煙対策であって喫煙禁止ではなく、喫煙できる場所では煙が出ないよう整備するもので、煙が望まない人に及ばないよう対策を求めるものである。制度を知らない一般の県民や事業所に罰金が課せられることもあるので、しっかりと周知していただきたい。期間が短く大変だと思うが、原則禁煙の場所と喫煙可能な場所の表示方法について周知いただきたい。
◎阿部
健康増進主監
しっかりと取り組んでまいりたい。
◆松本基志 委員
先週、草津温泉の時間湯が大々的に新聞で報じられた。新聞によれば、時間湯は江戸末期に湯治の間で始まった草津温泉独自の入浴法とのことだった。準備運動を兼ねて湯温を下げる湯もみをし、湯長の合図で高温の風呂に3分間だけ入るそうである。指導者である湯長を来年3月で廃止する方針を草津町が出した。本件の発端は湯長の指導が医療行為に該当する可能性があるとのマスコミ報道であり、これに対して地元や湯治客からも戸惑いの声が上がっていた。本件に群馬県はどう関わっているのか伺いたい。
◎中島
医務課長
草津町の湯長の入浴指導が医療行為に当たるかどうかについて、一般論から説明したい。医療法17条には医師でなければ医業をなしてはならないという規定がある。これは医師資格がない者が医療行為を行うことを禁じることによって患者一般の生命健康を保護するという法の趣旨に基づくものである。医療行為が何を指すかについては国から行政解釈が示されており、「医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は被害を及ぼす恐れのある行為」とされている。ただ、個々の行為が医療行為に当たるかどうかについては、当該行為がなされた状況や社会的な意義を踏まえ、個別具体的に判断すべきであるとされており、時代や医療技術の変遷などによっても判断が異なることから、訴訟になっている事例もある。県では湯長の業務内容について詳細を承知しておらず、これまで草津町から相談を受けたこともない。今回の草津町の決定は、あくまでも町として総合的に判断した結果だと思う。この判断について言及するのは適当でないというのが県の考え方である。
◎松井
薬務課長
薬務課では温泉の利用に関して温泉法に基づき、その利用法について指導している経緯がある。温泉法では温泉の利用箇所に、禁忌症や浴用又は飲用上の注意という医療的な注意事項を提示することになっており、その範囲であれば比較的問題ないものと考えている。先の
医務課長の説明のように具体的な湯長の指導内容がわからないことから、温泉法上の指導等の要否については、今のところ判断しかねている。それから、薬務課への時間湯に係る苦情や草津町からの相談、吾妻保健福祉事務所への時間湯に係る問合せ等はなかった。
◆松本基志 委員
先週マスコミ報道があったと話したが、同じ新聞に今日は県民の意見が載っており、これ何とかして残してほしいとのことだった。県民の関心のある話題であり、私のところに話を持ってくれた人は毎年のように時間湯へ行っており、
健康増進の効果があって江戸時代末期から行っている伝統を町の判断で廃止してしまうのはいかがかという考えであった。県は指導監督する立場にないのかもしれないが、県民の健康福祉の増進に多少なりとも役立ってるのであれば、県として今後の対応を検討してもよいと思うがどうか。
◎中島
医務課長
一義的に湯長の行為は医療行為に当たらないとか、当たるといった判断は難しいと思っている。
◆松本基志 委員
報道によれば、来年3月で湯長は廃止をするが、時間湯の伝統を残したいとの町の発言もあった。これまでは湯長が指導して3分間という短時間高温の中に入っていたものが、湯長がいなくなると逆に危険ではと心配する人もいると聞いている。県として直接携わる立場にないかもしれないが、今後もぜひ見守っていただきたい。
◆大林裕子 委員
先ほど小川委員から話があったが、障害を持った子どもの保護者が相談したい時、相談先を探すのに困ることがある。こうしたケースでは、困っている保護者が集まって情報交換する場が必要だと思う。保健センターで対応できる場合もあるが、気軽に愚痴を言ったり悩みを打ち明けられる場所は必要だと思う。吉岡町では、ある団体を中心に悩みを持った保護者が月1回集まって愚痴や悩みを打ち明けている。そうした悩みを打ち明けたり、情報交換できる場を市町村ごとに作っていただけたらと思う。そういう計画等が県にあるのか伺いたい。
◎井上
障害政策課長
障害の悩みに関しては、例えば身体障害の関係では身体障害者福祉団体連合会、知的障害の場合には手をつなぐ育成会が窓口となっている。団体関係者と話をする中で、若い母親がどうしたらいいのか悩んだ場合、交流の場が必要だと聞いている。今年度、手をつなぐ育成会では、県の補助を受けて作成した「あんしんノート」を活用し、保護者同士の交流を図る取組を行っている。若い母親にも入っていただき、そのノートを使って意見交換をしている。団体主導の事例だと思っている。
その他、相談対応では、障害者がいろいろなサービスを使うのに際して、各市町村ごとに相談支援専門員がサービスの調整を行っていることから、専門員が相談を受けながら悩みや愚痴を聞いている。
◆大林裕子 委員
今は発達障害の子どもが増えており、知的障害を伴った子どももいる。できれば市町村ごとに市町村主体のそうした場があればいいと思う。一体的に様々な情報交換をできる場が設置されるよう推進いただきたい。
◎井上
障害政策課長
発達障害で特に対応が大変なのは、自閉症の子どもとのことだった。自閉症協会では、知的障害を伴うか否かにかかわらず母親から子どもの相談に応じている。市町村ごとにもっと身近なところでという意見については、こちらでも検討したい。
◆大林裕子 委員
是非よろしくお願いしたい。それから、県では障害児へ歯科診療を行う医師の情報をホームページに載せているが、市町村には情報が伝わっていない印象である。そうした情報が市町村ホームページにも載るようになると有り難い。同様に理容店についても障害児対応店をホームページに掲載いただけると有り難い。
文科省で子どもの安全面から携帯を小中学生に持たせることを認めるニュースがあったが、県では本件について教育委員会等と協議を行っているのか。
◎森平 子育て・
青少年課長
子育て青少年課では、青少年の部分でインターネットの問題を取り扱っている。中学校での携帯の問題は教育委員会で検討中だと思う。今のところ当課としての関与はない。
◆大林裕子 委員
今後も国の方針が示されない限りは県で協議しないということか。
◎森平 子育て・
青少年課長
文科省の
所管事項は一義的に教育委員会が対応することになるため、当課としては中学生の携帯所有より広い問題であるインターネットの安全・安心な利用に向けた取組として「おぜのかみさま県民運動」により普及啓発を行っている。その他、職員による出前講座やインターネットの依存に関わる研修会の開催などを行っている。広くスマホによるインターネットの安全な利用のための啓発活動に取り組んでいる。
◆大林裕子 委員
携帯電話及びインターネットの安全な利用について、必要な状況になった際には教育委員会と協議し、子どもにとって良い方法を考えていただきたい。
◆亀山貴史 委員
風しんについて伺いたい。昨年の第3回定例会で今泉副委員長が質問したが、昨年度は国で補正予算が成立し、今年度は群馬県でも取り組んでいると思うが、その取組状況について伺いたい。
◎中村
保健予防課医監
他の年代に比べて風しん抗体価が低く、公的な予防接種の機会がなかった昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性について、本年2月の予防接種法施行令改正で今年から3年間市町村が行う定期予防接種の対象となり、実施要綱も示された。4月には厚生労働省から本事業実施に向けた手引きが示され、県では市町村が本事業を円滑に実施できるよう説明会を開催して事業内容を周知するとともに、実施する医療機関向けに事業の流れを示したマニュアルを配布するなどの支援を行っている。今年度は昭和47年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性を対象に抗体検査と予防接種が無料となるクーポン券が全市町村から郵送されることになっている。現在、多くの市町村で対象者へのクーポン券発送が終了している。まもなく全市町村で発送できる見込みである。
◆亀山貴史 委員
クーポン券の活用状況や検査の実施結果など実績がわかれば伺いたい。
◎中村
保健予防課医監
対象者を中心に多くの問合せを受けている。企業の産業保健担当者からは、従業員に対する抗体検査や予防接種、定期健診と同時に抗体検査を受ける方法など様々な相談を受けている。また、市町村でも同様に住民からの問合せを受けているとのことであり、県保健予防課と保健福祉事務所でも対応している。
◆亀山貴史 委員
企業側へ働きかけを行うことで、妊娠を希望する女性の周囲にいるその年代の男性の間で、風しんの予防意識が高まるものと考えている。
先ほど久保田委員、岩上委員から
医師不足に関する質問が続いた。その中で、診療科の偏在については外科、整形外科、産科、小児科で医師が不足していることが課題の一つとして挙げられていた。医大生がこれらの診療科を進路として望まない理由の一つに、勤務時間の長期化や労働環境の悪化が挙げられていたと思う。その点について、県の対応や方針、改善策等があれば伺いたい。
◎高橋
医師確保対策室長
診療科の中で特に医師が不足する診療科において、共通して見られるのは勤務環境が非常に過酷であることである。例えば外科では手術時間が長い、産科では緊急の呼出しが多い、小児科でも同様で臨床研修医の中にはそうした診療科を避ける傾向があることは承知している。また昨今、医師の世界でも女性が非常に進出しており、平成31年の医師国家試験では女性が3割を超えている状況である。女性医師が増えるのは喜ばしいことだが、女性医師の場合は出産育児などで医師としてのキャリアから外れる時間が生じる人が多いこともあり、人数が増えるほど現場の労働力が増えない状況もあると聞いている。特に産科や小児科では女性医師が占める割合が多い。
そうした中、県では医師の勤務環境を改善するため、医務課の中に医療勤務環境改善支援センターを設置し、勤務環境の改善に資する研修や相談対応を行っている。またタスクシェア、タスクシフティングといった病院の取組も支援している。女性医師が就労を続けられるよう各病院の院内保育施設の整備運営に対する助成や、県医師会と協働での保育サポーターバンク事業を実施している。この事業では育児支援を必要とする医師に対し、預かり保育や保育施設の運営などニーズに合ったサポーターを紹介している。平成24年に制度を開始し、年々実績が増え、昨年度は利用登録医師が162人、利用件数は約1万件に達した。こういったことを通じて、女性を含めた若手医師の就労支援を継続し、
不足診療科も含め現場の労働力を落とさないようにしたい。
◆亀山貴史 委員
医師確保は県民の暮らしの安心安全において、とても大切なことだと思う。引き続き、対応をよろしくお願いしたい。
◆今泉健司 副委員長
1点だけ伺いたい。先ほど病院局から4病院について話があった。院長をはじめ関係者の尽力により損失が3億3,100万円改善されたと聞き、大変有り難く思っている。個別具体的に各病院の取組状況を見ると、各病院での努力の結果で決算数字が改善している。
がんセンターでは電子カルテ導入の影響で一時的に悪化しているものの、関係者の努力の結果だと思っている。そんな中、事務分掌や重点施策について説明があったので、各病院長の今年の抱負やこれまでの取組について伺いたい。
◎内藤
心臓血管センター院長
心臓血管センターでは、患者本位の医療という理念に基づき最先端の心臓血管治療を行っている。本邦で行われている心臓血管治療において、心臓移植以外は全て当センターで対応可能だと思っている。本日はその中の3本柱である最先端医療について話したい。1つ目は、不整脈のカテーテル治療である。これは心房細動を中心にカテーテル治療をするものである。治療例数は昨年度1,100例を超え、全国一の治療数を誇っている。先ほど
医師不足の話があったが、不整脈部門には全国から若い医師が勉強に来ており、これまで延べ80名を超える医師が当センターで研修をしており、今後も継続したいと思っている。
2つ目はハイブリッド手術室であり、開胸せずに心臓の弁を取りかえる大動脈弁置換術を行っている。同手術を行う県内唯一の機関で、すでに130例を超える実績がある。
3つ目は心臓血管外科治療で、大動脈解離という血管の病気について、県内各病院から紹介のあった患者を24時間救急で手術している。
こうした最先端医療は患者にとって恩恵が大きい反面、材料費の高騰が課題となっている。医療分野では材料費の消費税分が病院負担となる為、10月の10%への消費税率引上げは大きな負担となると思っている。これに対しては、従来の価格交渉に加え、物品の共同購入を行う全国的組織へ加入した。試算では年間3,000〜4,000万円の経費削減になるとのことで期待している。同時に安全面では、ヒヤリハットの報告により医療の安全について職員へ周知するとともに、合併症が起きた際には職場全体のカンファレンスで対応したいと考えている。以上、今年度も県民のために最善で安全な心臓血管治療を行っていく考えであり、委員にはご支援、ご指導をよろしくお願いしたい。
◎鹿沼
がんセンター院長
がんになっても働きたいという患者のため、通院治療センターのベット数を拡充して3年が経過した。外来患者数や化学療法実施数は増加傾向にあるが、病床稼働率の伸び悩みを抱えている。手術室の運営改善や地域連携、市民啓発活動などを通じて、新規患者の獲得に努力したいと考えている。
昨年10月には県内初となる
ゲノム医療連携病院の指定を受け、6月から2種類のパネル検査が保険対応となった。対象となるのは標準的治療がなくなった再発固形
がん、希少
がんなどの患者である。新薬等の恩恵を受けられる確率は約2割とされているが、有効性の高い治療が届けられると考え、一層の努力をしたいと考えている。また、内視鏡手術支援ロボット、いわゆるダビンチの導入を決定していただき感謝している。患者の負担軽減、入院期間の短縮、手術成績向上のために本格稼動に向け、泌尿器科、消化器外科、呼吸器外科を中心に新たな手術手技の開発に取り組みたいと考えている。また、群馬大学と協力し、県内外科系医師の人材育成にも取り組みたいと考えている。県内最大患者数を誇る
がん診療連携拠点病院としての
がん医療を今後とも担えるよう高度医療、先進医療、臨床研究等を実施し、経営改善にも引き続き取り組みたい。委員各位にはご指導、ご鞭撻をよろしくお願いしたい。
◎赤田
精神医療センター院長
精神医療センターは、精神保健福祉法の設置義務に基づいた公的な精神科の病院である。司法精神医療と精神科救急医療の二つを柱に運営している。司法精神医療では、6大重大犯罪である殺人、強盗、強制性交等、強制わいせつ、放火、重い傷害事件を犯したものの精神障害のために罪に問われなかった者の鑑定、入院治療、通院治療を行い社会復帰を目指すサポートを行っている。精神救急は身体救急と異なり119番ではなく、地域で何らかの問題を起こした110番案件が対象となる。現行では、群馬県こころの健康センター内にある精神科救急情報センターが一元的に警察からの通報を受ける体制で約15年前から運営しており、この間に精神救急の運用を非常にスムーズに行えるようになった。ただ、対象患者が当初に比べて2倍に増え、救急患者が多くなっているので、同センターの負担が増えている現状がある。そこで、救急患者自体を減らすことを目標の一つと考え、救急の前段階で対応する、休息入院を受け入れるなどの取組を考えている。昨年12月には群馬県措置入院者退院後支援運用要領を定め、地域の措置入院患者が再度悪化しないよう計画を作ることになっている。それに協力して措置入院患者がその後安定して生活できるよう支援するなど予防的措置に取り組みたいと考えている。こうした考えの下、県民のために職員一同で頑張っている。引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いしたい。
◎外松
小児医療センター院長
当センターは昭和57年に開設し、群馬県の小児医療、周産期医療の三次医療を提供してきた。小児医療、周産期医療の最後の砦としての役目を果たしている。経営改善の点では病病連携・病診連携を強化して入院患者数を増やすことに取り組んでいる。またベッドコントロールにより、一番加算の多いICU加算を得られる患者を増やすとともに、手術件数の増加についても取り組んでいる。小児科の手術では、術前に子どもが風邪をひくなどで非常にキャンセル率が高くなっており、それを下げる努力をしている。最後に当センターには二つの大きな課題がある。一つは、総合周産期母子医療センターが十分に機能を果たしていないことである。もう一つは築37年で施設の老朽化が進んでいることである。雨が降ると必ずどこかで雨漏りが発生する状況であり、診療にも影響が出ている。今後、あり方委員会や将来構想委員会を立ち上げ、今後の当センターのあり方を考えていきたいと思っている。よろしくお願いしたい。
◆今泉健司 副委員長
4病院とも抱負や思いを持って課題に対応していると思う。もちろん収益だけを追いかける場所ではないと思っている。そうした中、このペースで進めば純損益の改善が見込めそうなので、収益も考えていただきながら各病院の特性を生かして県民の安全安心につなげていただきたい。今年1年よろしくお願いしたい。
○大和勲 委員長
以上で質疑を終結いたします。
△
付託議案の討論・採決
○大和勲 委員長
これより
付託議案の採決に入ります。
議案の採決に先立ち、討論される委員は挙手願います。
(「なし」との声あり)
討論がありませんので、本委員会に付託された議案のうち、
こども未来部・
健康福祉部・
病院局関係の議案について採決いたします。
はじめに、第87号議案について、これを原案のとおり、可決することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。よって、第87号議案は原案のとおり可決することに決定いたしました。
次に、第90号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。よって、第90号議案は原案のとおり可決することに決定いたしました。
最後に、承第2号について、これを原案のとおり承認することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。
よって、承第2号は、原案のとおり承認することに決定いたしました。
△基本計画の議決等に関する条例に基づく計画の説明
○大和勲 委員長
次に、基本計画の議決等に関する条例に基づく計画等について、執行部より説明願います。
◎新井
こども政策課長
◎平井
健康福祉課長
(資料5「個別計画等体系・計画等一覧表」により説明)
○大和勲 委員長
以上で説明は終わりました。
なお、ただいま説明のありました計画等については、次回の定例会で概要書の提出を受けて、条例の適用に係る調査を行い、議決対象として決定した計画については質疑を経て令和2年第1回定例会での議決を目指すこととなりますので、御承知おき願います。
△閉会中継続審査(調査)特定事件の決定
○大和勲 委員長
次に、委員会が閉会中審査または調査する案件については、お手元に配付してある案のとおりでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
それでは、さよう決定いたします。
△その他
○大和勲 委員長
委員長報告については、正副委員長に御一任を願います。
△県内調査及び県外調査の実施について
○大和勲 委員長
次に、委員会調査の実施についてであります。5月17日に開催された正副委員長会議において、本委員会の県外調査は9月3日(火)から5日(木)までの2泊3日の範囲で実施することになりました。
また、県内調査については、月いち委員会での実施も含め各委員会で必要により実施することとなっております。8月は
厚生文化常任委員会にバスの優先権がありませんので、8月19日(月)に県内調査を実施したいと考えております。なお、最終的な調査先の決定については、正副委員長に御一任願います。
△散会
○大和勲 委員長
以上で、本委員会において審査すべき案件は全て終了いたしましたので、これにて散会いたします。委員の皆様は、このまま少しお残りください。
(午後3時17分散会)
委員会記録署名委員
厚生文化常任委員会
委員長 大和 勲...