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  1. 群馬県議会 2019-06-04
    令和 元年第2回定例会農林環境常任委員会(農政部関係)−06月04日-01号


    取得元: 群馬県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 元年第2回定例会農林環境常任委員会農政部関係)−06月04日-01号令和 元年第2回定例会農林環境常任委員会農政部関係) 委員会の名称 農林環境常任委員会 開催場所   403委員会室 開議年月日時 令和元年6月4日 午前9時59分 散会年月日時 令和元年6月4日 午後2時53分 会議の目的  令和元年第2回定例県議会における付託議案等の審査        (農政部関係)        委員長 穂積昌信  副委員長 多田善洋   委員 岩井  均 出席委員   委員  橋爪洋介  委員   星名建市   委員 伊藤 祐司        委員  本郷高明  委員   入内島道隆  委員 矢野 英司        委員  神田和生 欠席委員   なし 執行部出席者       【農政部】        農政部長        吉野 努   副部長            石坂郁夫        農林大学校長      篠原信行   参事(鳥獣被害対策担当)   田中貴弘        農政課長        倉澤政則   農業構造政策課長       相澤 均        技術支援課長      藤井俊弘   蚕糸園芸課長         土屋真志        ぐんまブランド推進課長 砂盃 徹   畜産課長           富田 孝
           農村整備課長      女屋一之   技術調整室長         武井幸雄        農協検査指導室     宇田川憲作  普及指導室長         吉岡正明        生産環境室長      平井光浩   担い手対策主監        大朏 浩        絹主監         岡野俊彦   水利保全対策主監       富澤貞夫        農業技術センター所長  田村利行   蚕糸技術センター所長     須関浩文        水産試験場長      原田昌季   鳥獣被害対策支援センター所長 中里見信章        畜産試験場長      砂長伸司 △開議 ○穂積昌信 委員長   ただいまから、農林環境常任委員会を開きます。  本日の委員会は、お手元に配付の次第により、農政部関係の審査を行います。 △委員長あいさつ穂積昌信 委員長   (委員長あいさつ) △委員自己紹介穂積昌信 委員長   今回は、委員選任後、はじめての委員会でありますので、各委員から自己紹介をお願いします。  (多田副委員長から順次、自己紹介) △執行部あいさつ穂積昌信 委員長   次に、農政部長から、あいさつをお願いいたします。  (吉野農政部長あいさつ) △執行部自己紹介穂積昌信 委員長   次に、執行部出席者自己紹介を、順次お願いいたします。  (執行部自己紹介) △付託議案の概要説明・内容説明 ○穂積昌信 委員長   それでは、本委員会に付託された議案の概要について、説明をお願いいたします。 ◎吉野 農政部長   (承第2号「専決処分の承認について」のうち、平成30年度群馬県一般会計補正予算(第7号)及び平成30年度群馬県農業改良資金特別会計補正予算(第1号)について、概要を説明した。) ○穂積昌信 委員長   続いて、付託議案の内容について、関係課長から説明をお願いします。 ◎倉澤 農政課長   (承第2号「専決処分の承認について」のうち、平成30年度群馬県一般会計補正予算(第7号)の歳出について、「令和元年第2回定例県議会議案」及び「第2回定例県議会令和年度補正予算説明書」により説明した。) ◎相澤 農業構造政策課長  ◎藤井 技術支援課長  ◎土屋 蚕糸園芸課長  ◎砂盃 ぐんまブランド推進課長  ◎富田 畜産課長  ◎女屋 農村整備課長   (以上、承第2号「専決処分の承認について」のうち、平成30年度群馬県一般会計補正予算(第7号)の歳出について、「第2回定例県議会令和年度補正予算説明書」により説明した。) ◎土屋 蚕糸園芸課長  ◎富田 畜産課長   (以上、承第2号「専決処分の承認について」のうち、平成30年度群馬県一般会計補正予算(第7号)の繰越明許費について、「令和元年第2回定例県議会議案」により説明した。) ◎相澤 農業構造政策課長   (承第2号「専決処分の承認について」のうち、平成30年度群馬県農業改良資金特別会計補正予算(第1号)について、「令和元年第2回定例県議会議案」及び「第2回定例県議会令和年度補正予算説明書」により説明した。) ○穂積昌信 委員長   以上で、付託議案の説明は終わりました。 △付託議案の質疑 ○穂積昌信 委員長   これより、付託議案の質疑を行います。  委員の質疑及び執行部の答弁におかれましては、簡潔明瞭にお願いいたします。  なお、所管事項に関わる質疑は、付託議案の質疑が終了した後に行いますので、ご了承願います。 ◆本郷高明 委員   議案書60ページの畜産業費畜産競争力強化整備について質問する。畜産競争力強化整備畜産クラスター事業については、群馬県は栃木県や茨城県に比べて取組が遅れているという話を聞く。今回、1億8,000万円の予算をつけているが、その具体的な内容を教えてほしい。 ◎富田 畜産課長   この1億8,000万円については、国の30年度補正として12月に調査が始まった国の事業を計上したものである。  その事業を希望する農家に対する予算を2月補正で計上し、次年度に繰り越して、実際の事業としては、今年度に実施するものである。  本県からは4件の農家が申請し、全て採用になり、今後、この1億8,000万円により事業を執行する予定である。 ◆本郷高明 委員   4件の農家が申請して、全て採用になったとのことだが、その具体的な内容を教えてほしい。 ◎富田 畜産課長   今年度、事業を実施する予定の4件は、酪農2件、養豚1件、肉用鶏1件となっている。このうち、酪農の2件は、家畜ふん尿処理施設の設置と浄化処理施設の設置である。養豚の1件も、家畜ふん尿処理施設の設置である。肉用鶏の1件は、規模拡大のための鶏舎の新築である。  4件を合計した補助金額は、1億7,900万円強となっており、それが今回の補正分として計上されている。 ◆本郷高明 委員   群馬県では、栃木県や茨城県と比べて、このクラスター事業の活用が少なく、取組が進んでいないと聞いている。せっかくの事業であるので、畜産農家への意識付けをお願いする。 ◆橋爪洋介 委員   全体として、「事業費の確定による減額補正」との説明が多いが、例えば、鳥獣害対策支援センター費が470万円ほど減額補正になっているが、鳥獣害被害については、様々な地域や団体から要望が多いところ、今回の減額補正をしても、しっかりと対応していると解釈してよいのか。 ◎中里見 鳥獣被害対策支援センター所長   カワウやシカの捕獲を業務委託しているが、効率的に委託を行った結果や、あるいは計画を進める中で必要なくなったものを減額している。  必要な予算をいただいて、計画を進めながら捕獲や被害対策を進めているが、可能な限り効率的に事業を進めているところである。 ◆橋爪洋介 委員   イノシシについてはどうか。 ◎藤井 技術支援課長   イノシシ対策の経費については、鳥獣害被害対策支援センター費ではなく、鳥獣害対策費に含まれている。  それぞれの獣種により適正管理計画を立てて、捕獲目標頭数に見合った予算を組んでいるところであるが、平成30年度については、イノシシの捕獲が計画したほど進まなかったことから減額となったものである。 ◆橋爪洋介 委員   これだけ執行残が発生すると、翌年度の予算要求に影響はしないのか。 ◎藤井 技術支援課長   本来、計画と予算はリンクしていなければならないと考えている。ただし、捕獲目標を定めた計画があり、それに見合った予算案をつくっているものの、実際には、なかなかその通りには捕獲できていない実情があり、予算要求の際には、その辺の説明もした上で、予算をいただいているところである。 ◆橋爪洋介 委員   動物相手の予算立てなので、難しいところではあるが、予算要求の際に、財政当局に対して、そのような現場の事情を理解してもらうような努力はしていると解釈してよいか。 ◎藤井 技術支援課長   予算確保には、一生懸命、努力しているところである。 ◆橋爪洋介 委員   予算額に実績が伴わないことが、2年、3年と連続した場合は、鳥獣害対策に対するやり方を抜本的に考え直さなければならないのかもしれないが、予算案をつくる時も、使う時も、その辺のことも考慮しながら取り組んでもらいたい。引き続き、頑張ってほしい。
    穂積昌信 委員長   以上で付託議案の質疑は終了いたします。 △所管事項の説明 ○穂積昌信 委員長   続いて、所管事項の説明をお願いいたします。 ◎石坂 農政部副部長   (「令和元年度群馬県農政重点施策」(資料1)により説明した。) ◎倉澤 農政課長  ◎相澤 農業構造政策課長  ◎藤井 技術支援課長  ◎土屋 蚕糸園芸課長  ◎砂盃 ぐんまブランド推進課長  ◎富田 畜産課長  ◎女屋 農村整備課長   (以上、所管事項について、議会資料No.2−(1)により説明した。) ○穂積昌信 委員長   以上で所管事項の説明は終わりました。 △基本計画の議決等に関する条例に基づく計画の説明 ○穂積昌信 委員長   次に、基本計画の議決等に関する条例に基づく計画について、説明をお願いします。 ◎倉澤 農政課長   (「基本計画議決条例に基づく「計画等一覧表」について」(資料2)により説明した。) ○穂積昌信 委員長   以上で説明は終わりました。  なお、ただいま説明のありました計画のうち、最上位計画については、来年の第1回定例会での議決対象となり、それ以外の計画については、次回の定例会で概要書の提出を受け、条例の適用可否を協議し、議決対象として決定した場合には、第1回定例会で議決を目指すこととなりますので、ご承知おき願います。 △所管事項の質疑 ○穂積昌信 委員長   これより所管事項の質疑を行います。  委員の質疑及び執行部の答弁におかれましては、簡潔明瞭にお願いいたします。 ◆神田和生 委員   スマート農業の普及状況について質問する。先ほどの説明でも、ロボット、AI、IoT等の先端技術の話が出ていたが、実際に、群馬県内で導入している業種等はあるのか。また、それによって、どのような効果が出ているのか。 ◎吉岡 技術支援課普及指導室長   施設栽培の野菜や花きの生産農家では、収量の増加、品質の向上を目指して、ハウス内の温度、湿度、二酸化炭素をコントロールする環境制御技術の導入が進んでいる。例えば、キュウリ、トマト、イチゴでは、県内生産者の約3%に相当する54戸がこれを導入している。また、バラでは、県内生産者の約63%に当たる22戸が炭酸ガスの発生装置やミストの発生器を導入している。  農業事務所の調査では、栽培ハウスの仕様や導入する機械の種類、農家の技術レベルによって差はあるものの、概ね1割から2割の増収や品質向上の効果が認められており、今後、品種や栽培管理全体を見直すことにより、さらなる増収が見込まれている。  米麦では、GPSを利用して、ほ場ごとの作業履歴を管理できる圃場管理システムや、収穫作業と同時にほ場ごとの収量や水分等を測定してデータとして管理する収量コンバインの導入が始まっている。  ドローンの利用による防除についても、邑楽館林地域を中心に、平成30年度実績で12.6ヘクタールで行われている。 ◆神田和生 委員   資料1の4ページに記載されている「イチゴ(8t/10a)」「キュウリ(40t/10a)」とは、どのような意味なのか教えてほしい。 ◎田村 農業技術センター所長   いずれも、目標とする10アール当たりの平均収量を指している。  農業技術センターでは、大幅な収量アップのための環境制御技術の開発を進めており、キュウリでは、県内の農家の平均収量が10アール当たり22トンであるところ、30トンの目標を設定していたが、これを達成したため、目標を40トンに引き上げて継続している。また、イチゴにおいても、10アール当たりの平均収量が5トンであるところ、7.5トンの目標を設定していたが、7トンまで漕ぎ着けたため、目標を8トンに引き上げて継続研究を進めている。  農業技術センターでは、環境制御技術のほかにも、国の研究機関等と連携し、AIを活用した病害虫診断、病害予測、果樹栽培における省力軽量化技術こんにゃく栽培におけるドローンの空撮画像等の先進技術の開発にも取り組んでいる。 ◆神田和生 委員   イチゴも、キュウリも、成果を挙げているとのことなので、引き続き、研究を続けてもらって、農家の皆さんに広めてもらいたい。頑張ってほしい。  次に、野生鳥獣食害対策について質問する。私の選挙区には、上野村、神流町の山間地域が含まれるが、そこでは県が野生鳥獣の食べにくい作物を試験的に栽培していると聞いたのだが、どのような取組か教えてほしい。 ◎藤井 技術支援課長   県西部地域などの中山間地域の農林業の特徴点として、高齢化、人口減少、担い手問題、農地問題、野生鳥獣被害の問題などの深刻化が挙げられる。  そのような中で、西部農業事務所では、平成30年度に国の中山間地農業ルネッサンス推進事業を活用して、野生鳥獣の食害を受けにくく、地域に合った農作物として「ホースラディッシュ」と「ルバーブ」の2種類を試験的に栽培し、これらの栽培暦を作成するとともに、ドレッシングなどの加工品の試作も行ったところである。  今後も、関係市町村と連携して、これらの取組を進め、野生鳥獣食害被害による耕作放棄地の増加と営農意欲の減退を食い止め、地域の活性化を図って参りたいと考えている。 ◆神田和生 委員   上野村や神流町では、ほとんどの畑や田に、シカイノシシの侵入防止のための1.5メートル程度の金網柵が張ってある。切実な悩みを持っている方もたくさんいるので、是非、このような研究を続けてもらって、中山間地域の皆さんが安心して農業が続けられるようにしてもらいたい。よろしくお願いする。 ◆本郷高明 委員   多様な担い手の育成のための県の支援について質問する。資料1の冒頭には、「力強い担い手の育成」が挙げられており、どこへ行ってもそう叫ばれているが、現状を見ると、毎年、同じようなことが言われているので、今までとは違った別の視点も取り入れる必要があると考えている。  そこで、多様な担い手への支援が注目されることになるが、まず、女性の活躍支援農福連携、外国人材の受入れサポートについて、県はどのような取組をしているのか教えてほしい。 ◎大朏 農業構造政策課担い手対策主監   女性の活躍支援については、若手女性を集めた勉強会の開催によるネットワークづくりや「農業女子マガジン」の発行による農業の魅力発信を行っている。  農福連携については、特別支援学校の生徒による現場実習への支援やJAでの相談窓口設置による農業者と福祉事業所等とのマッチング事業等に取り組んでいる。  外国人材サポート事業については、農業分野で働く外国人が平成24年は549名であったところ、平成30年には1,158名と倍増しているとの群馬労働局の発表を受け、昨年度から、外国人を現に雇用し、または雇用したいと考える農業者に対して、外国人を雇用する制度の周知や労働法令関係の遵守を目的に、研修会を開催している。  今年度についても、外国人技能実習制度に加えて、4月から新たな在留資格である特定技能が創設され、農業者による直接雇用だけでなく、派遣形態による就労が可能となっていることから、新たな制度の情報を収集し、研修会等を通じて農業者に周知しているところである。 ◆本郷高明 委員   農業分野に従事する外国人の数は、平成24年には549人だったが、平成30年には1,158人まで倍増しているとのことだが、繁忙期だけ従事しているということはないか。 ◎大朏 農業構造政策課担い手対策主監   群馬県労働局が公表した平成30年10月末現在の数字であり、ピーク時の数字ではない。 ◆本郷高明 委員   特定技能の創設により、今後、さらに農業に外国人が携わってくることになると思うので、今後は、新たな担い手である外国人の働き方についても注視してもらいたい。よろしくお願いする。  次に、耕作放棄地に対する県の取組について質問する。農地集積については、資料1の農地中間管理機構による転貸面積の推移を見ると着実に増えてきているが、耕作放棄地については、地域を歩いても本当に増えたと感じている。現在、県はどのような取組をしているのか。 ◎相澤 農業構造政策課長   平成27年農林業センサスによれば、本県の耕作放棄地面積は1万4,042ヘクタールであるとの結果が出ている。ここ10年間は、同程度で高止まりの状態が続いている。  また、市町村と農業委員会が、毎年、荒廃農地の発生・解消状況に関する調査を行っており、平成30年の荒廃農地面積は、速報値で8,848ヘクタールとなっている。  耕作放棄地は、担い手の高齢化に加えて、効率的に作付けのできない土地や大規模化に応じられない土地などの増加とともに増え続けている傾向にはある。しかしながら、大切な農地を次世代に引き継いでいけるよう、県、農業会議農業公社JA中央会県土地改良団体連合会等により構成する「人・農地」政策推進会議において、取組の検討や事業の具体化を進めている。  また、5つの農業事務所が各地域の「人・農地」政策推進会議を運営しており、市町村、農業委員会、JA、土地改良区の方々と知恵を出し合って対策を進めている。その中で、最も効果的に耕作放棄地の解消につながっているのが、農業委員による遊休農地の所有者に対する文書等による改善指導と農地貸借のマッチングである。  さらに、農地を持っている方が農業をやめる場合には、遊休農地になる前に農地中間管理機構が中に入って、担い手の方に土地を渡す取組も行っている。  このほか、既に荒廃農地となってしまったところについては、国の補助事業の活用による再生事業に取り組んでいる。  このような取組を続けてきた結果、農林業センサス上の耕作放棄地面積は一定のところで留まっているものの、すぐに農地として復旧できる再生可能な荒廃農地面積は着実に減少傾向に入っている。 ◆本郷高明 委員   耕作放棄地対策は、喫緊の課題である。課長の説明で、随分、努力していることが受け取れたので、今後も引き続き、頑張ってもらいたい。  次に、6次産業化の推進について質問する。活力と魅力にあふれる農村の創造を目的として、6次産業化の推進が叫ばれている。6次産業に取り組むメリットとしては、所得が向上し、雇用が創出され、伝統文化の保全や地域の活性化にも繋がるとされている。一方、デメリットもあり、多額の投資、専門的な知識、厳格な衛生管理等が必要になることから、なかなかうまくいっていない現状にあると考えている。  そこで、これまでの6次産業化への支援の取組と今後の取組を教えてほしい。 ◎砂盃 ぐんまブランド推進課長   国の6次産業化総合調査によれば、群馬県内では、平成29年度、約2,000事業体が6次産業化に取り組んでいるとされている。そのうち、直販と加工販売が多数を占めており、投資額としては大きくないものの、取組件数としては徐々に増えてきていると認識している。  県では、6次産業化に取り組もうとする事業者に対して、「6次産業化サポートセンター」を設置し、税務や商品デザイン等の様々な専門家を派遣する取組を行っている。また、「6次産業化チャレンジ塾」において、基礎的な座学から高度な経営ノウハウまでを連続講座で学んでもらう取組を行っている。さらに、「6次産業化チャレンジ支援事業」として、事業計画コンペ形式で審査し、上位者に財政的支援をする取組も行っている。また、大規模な投資をされた方に対しては、県が「ぐんまの6次産業化商品カタログ」を作成して、情報発信を支援する取組を行っている。  今年度についても、このような取組を継続して参りたいと考えている。 ◆本郷高明 委員   2,000事業体という数字はかなり多いと思うので、既に取り組んでいることと思うが、6次産業化はスタートの生産が成り立たないと、加工、流通、販売には到達しない。新たな担い手となる方が農家の方であれば良いが、加工、流通、販売に従事していた方だと農業のノウハウがないことになるので、生産から加工、流通、販売まで一貫したノウハウの支援をお願いする。  6次産業化の取組については、毎年、農水省において優秀事例の表彰式が行われているが、そこに取り上げられれば、自然と人が集まってくる。群馬県でも、そのような事例が出るよう、6次産業化に取り組む2,000事業体を一斉に集めたイベント等を開催してはどうか。 ◎砂盃 ぐんまブランド推進課長   群馬県内にも、非常に有名となっている事業体は存在する。ジェトロや外国からのお客様の視察先に選ばれているところもあるので、決して6次産業化の取組が盛んでないということはない。  委員から指摘のあった2,000事業体を1箇所に集めることはなかなか難しいが、これから6次産業化に取り組もうとする人と既に取り組んでいる人に交流してもらう事業については実施している。  また、今年度の新たな取組としては、都内で開催される移住・定住促進のための説明会に職員を派遣し、群馬県に移住して県産農畜産物の加工・販売に取り組んでもらう提案をすることなどを考えており、県外からの6次産業化の担い手の確保にも努めて参りたい。 ◆本郷高明 委員   引き続き、サポートセンターを通じた支援をよろしくお願いする。
    伊藤祐司 委員   本県農業生産基盤家族農業への支援について質問する。安倍政権は、TPPに反対した農協と農地の番人である農業委員会を目の敵にして、農地制度を攻撃し、企業参入に途をつけてしまった。また、家族農業を支えた個別農業所得補償制度を廃止して、補助金を大規模化し、法人化を条件にするなど、企業的経営を支援してきた。私が配付した資料によれば、そのもとで、野菜は販売数量が落ち、卸売価格が右肩上がりとなっている。また、耕地面積が減り、販売農家戸数も減り、食糧自給率は38%にまで低下している。  このような状況は、本県ではどうなっているのか。本県の農業の生産基盤についての認識を聞かせてほしい。 ◎吉野 農政部長   生産基盤のもととなるものは、面積や生産量であると考えている。いずれも、高齢化等の影響による担い手の減少に伴い、減少傾向にあるのは否めないが、意欲のある担い手が少しずつ規模拡大をすることにより、減り方を最小限に抑えてきており、生産基盤の維持に寄与していると認識している。 ◆伊藤祐司 委員   「ぐんまの農業」を見ても、販売農家戸数はこの10年間で66.27%減少している。また、耕地面積も、平成22年度に7万5,400ヘクタールあったのが6万8,400ヘクタールに減っている。乳用牛の飼育頭数も、右肩下がりで減っている。肉用牛も同じである。水稲と小麦についても、どんどん生産量が落ちている状況である。  家族農業を応援せずに、農地を集積して、法人化するというやり方だけでは、この下げ止まりにブレーキはかけられないのではないか。食糧自給率を高めるためには生産基盤の強化が必要であり、そのためには、「農業生産の98%が家族農業だ」と平成27年農林業センサスが指摘するように、家族農業の支援が本当に重要なのである。  今年から、国連の「家族農業の10年」がスタートしたところである。世界的には、長らく、家族農業を重視するのか、企業的経営を重視するのかの対立が続いてきたが、リーマン・ショックによって、石油や穀物の国際価格が高騰し、世界的規模で飢餓人口が急増した経験を経て、食糧供給の中心を担う家族農業を重視する潮流が大勢を占めている。  群馬県は、この家族農業重視の国際的な流れをどのように受け止めているか。また、家族農業を支援する施策はあるのか。 ◎倉澤 農政課長   家族農業については、委員指摘のとおり、国連の決議もあったところであり、特に、我が国のような人口減少社会にあっては、単に農業生産、食糧供給の担い手だけではなくて、農村地域、集落機能自体の重要な担い手でもあると考えている。  群馬県においても、販売規模別で経営体を区分すると、2,000万円以下の経営体が約9割を占めており、そのうち500万円以下の経営体が76%となっている。小規模の経営体が多いことは数字からも明らかであるので、群馬県全体の農業を考えた場合、中小規模農家や家族経営農家の方々の役割は、極めて重要であると考えている。  中小規模農家や家族経営農家では、女性や高齢者など、多様な担い手が活躍できる部分もあると考えており、このような多様な担い手に対する支援を国の事業等と組み合わせながら実施しているところである。  また、6次産業化の取組への支援や、中山間地におけるグリーンツーリズムの推進、中山間地農業ルネッサンス事業の推進のほか、多面的機能支払交付金、中山間地直接支払交付金等を組み合わせながら、群馬県全体の力強い農業を育成することと併せて、両輪のもう一方である家族農業や小規模農業生産への支援等も、現在、推進しているところである。 ◆伊藤祐司 委員   「家族農業も支援している」と言うが、資料1を見ても、「家族農業」という言葉は一言も出てこない。群馬県にも様々な補助制度があるが、そのほとんどは大規模化、法人化が前提になった補助制度である。もう一度、見る方向を変えて、家族農業や小規模経営農家を潰さないという方向に振り向けていくことが重要なのではないか。  家族農業は、確かに小規模だが、土地の生産性は大規模企業経営農業よりも高い。国土の狭い日本で、その国土を利用して農業を活性化するには、家族農業を支援することが重要なのであり、今、国の向いている規模拡大・法人化の方向では、群馬県だけでなく、日本の農業を救うことはできない。  群馬県の農政は、家族農業にもう少し重心を移して、施策を展開していく必要があるのではないかと考えるがどうか。 ◎倉澤 農政課長   家族農業が非常に重要な役割を占めていることについては、県としても同じ認識である。  国連の「家族農業の10年」の始まる今年は、次期農業農村振興計画の策定の年となっているので、家族農業や小規模経営農家の視点も踏まえながら、多様な担い手が夢や希望を持って本県の農業に取り組めるよう、新たな計画において検討して参りたいと考えている。 ◆伊藤祐司 委員   是非、新たに策定する次期農業農村振興計画には、「家族農業」という言葉を記載し、農家が希望が持てるような計画を策定してもらいたい。そして、新たな計画のもとで、家族農業に対するはっきりとした施策、しっかりとした施策を展開してもらいたい。  次に、はばたけ「ぐんまの担い手」支援事業について質問する。まず、この制度の概要を説明してほしい。 ◎相澤 農業構造政策課長   はばたけ「ぐんまの担い手」支援事業は、認定農業者などの将来に向けて意欲を持って農業に取り組む方の育成、新規就農者などの新たな担い手の確保、経営の多角化・法人化を進める経営体への支援を念頭に、本県の農業の将来を担う力強い経営体を育成することを目的として、機械の導入・施設等の整備を支援するものである。  特に、新規就農者や現状を大きく上回る経営規模への拡大を目指す方など、自己資金が十分確保できない担い手の方にこの補助事業を活用していただくことにより、地域全体の農業の発展に大きく寄与していただける人材に育っていただきたいと考えており、法人化等支援型、新規就農者支援型、アグリビジネス支援型、新時代対応型の4つのメニューを用意し、国庫補助事業と連動する形で実施している。 ◆伊藤祐司 委員   認定農業者には、大変、好評な事業であると聞いている。事業への応募実績についても、26年度は事業費ベースで1億9,000万円程度だったが、現在では6億円近くに上っていると聞いている。  しかしながら、今年から「使い勝手が悪くなった」との声も聞いている。これまでは、事業費のうち、3割の補助金部分以外の部分は自己資金による対応で良かったところ、制度変更により半分は金融機関等から融資を受けることが条件になったとのことだが、なぜ、このような制度変更を行ったのか。 ◎相澤 農業構造政策課長   補助事業については、その時々の社会情勢やその事業の目的を踏まえた活用方法等を考えながら、制度の見直しを図っているところである。  はばたけ「ぐんまの担い手」支援事業については、先ほど「国庫補助事業と連動する形で」と申し上げたが、まず、その国庫補助事業を受けるための採択の条件として、金融機関と借入れの協議をして事業計画を立てていることを取り入れたものである。  本県の場合、これまで、国庫補助事業の利用度が高くなかったことから、この事業についても非常にたくさんの要望をいただいている中で、一人でも多くの方に活用していただけるようにするため、国庫補助事業と県単事業の要件を同じにして、できるだけ国庫補助事業を使っていただき、採択に至らなかった方については県単事業でも採択ができるような形で見直しを図ったものである。  事業採択の要件として、金融機関等からの借入れを設けたことについては、経営管理の力を高めていく一助にしていただきたいと考えているが、これまでにはなかった手続を経る必要があることから、使いにくさを感じている方もいらっしゃるのではないかと考えている。  なお、新たに事業採択の要件とされたのは、「事業費の半分の融資」ではなく、「補助金額と同額以上の融資」である。 ◆伊藤祐司 委員   「金融機関等と借入れの協議をする手続を経ることで事業計画をしっかりさせる」と言うが、県も採択する際には、しっかりとした事業計画を立ててもらっていたのではないか。この制度変更には、県のお金ではなく、国のお金を活用しようという意図が見える。  認定農業者には、事業の拡張や農業機械の導入をする時のために準備金の積立てが義務づけられている。それを積み立ててきて、積み上がったので、この補助事業を申請してみたら「融資を受けろ」と言うのでは、彼らをがっかりさせてしまうことにはならないか。この補助事業は、事業要望が多いのだから、その部分の事業費の予算を増やすなどの対応はできなかったのか。 ◎相澤 農業構造政策課長   委員の指摘のとおり、この県単事業には、たくさんの農業者の方から要望をいただいているところである。  その要望にどれだけ応えられるかという検討をする中において、当然、県予算の増額も考えたところである。しかしながら、県全体の予算管理の中で、国庫補助事業を活用すれば同じ目的を達成できるところ、これまではその活用そのものが少なかったのではないかとの議論により、このような形となったものである。  なお、平成30年度から現在の制度となっているが、制度変更後も、変更前と変わることなく同程度の要望額をいただいており、この制度変更により国庫補助事業に採択される方が増えたことで、結果として、県単事業を利用していただける方も増えていることから、現在のところ、一定の成果が挙がっているものと考えている。 ◆伊藤祐司 委員   認定農業者から「利便性が良くなくなった」という印象を持たれているのであるから、利用者に対して、納得のいく説明をしてあげてほしい。 △休憩 ○穂積昌信 委員長   暫時休憩いたします。  午後1時10分から再開いたします。  (午後0時6分休憩)  (午後1時10分再開) △再開 ○穂積昌信 委員長   休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。 ◆伊藤祐司 委員   最後に、豚コレラへの対応について質問する。豚コレラは、昨年9月に岐阜県で発生し、その後、愛知、滋賀、長野、大阪に被害が拡大し、およそ9万頭の豚が殺処分されるなど、深刻な事態となった。群馬県においても、発生が疑われた時期もあった。  今回の豚コレラの発生に対して、群馬県はどのような対応をとったのか。 ◎富田 畜産課長   豚コレラについては、本県も危機意識を持って取り組んでいるところである。  まず、豚コレラが発生した場合は、その情報を速やかに畜産農家や関係団体に伝達することが我々の使命だと考えており、土・日曜日にかかわらず、発生があった当日に情報提供を行うこととしている。また、各畜産農家には、異常豚を早く見つけてもらうこと、発見された場合には早く通報してもらうことが大切であると考えており、飼養衛生管理基準により家畜の状況を各自でチェックし、その結果を家畜保健所に提出してもらうこととしている。県は、そのチェックシートの内容に基づき、家畜保健所の職員が各畜産農家に出向いて、必要な改善指導等を行っている。  また、これまでに3回にわたって緊急防疫対策会議を開催しており、豚コレラウイルスの侵入防止対策を徹底している。  さらに、養豚農家だけでなく、関係者についても、豚コレラに対する講習会を開催しており、7月にも、豚コレラ発生県の担当者を招いて研修会を行う予定である。  県としては、畜産農家の意見も聞きながら、「群馬に絶対に豚コレラは発生させない」という強い決意を持って、しっかり対応して参りたい。 ◆伊藤祐司 委員   様々な取組には頭が下がる。  岐阜県では、今回の豚コレラの発生により、獣医師の業務負担が増加しており、時間外労働が過労死ラインを超えた職員が132人に上り、そのうち、93人が100時間を超えている状況と聞いている。  一旦、今回のような事態が発生すると、獣医師の皆さんに大変な業務負担をお願いしなければならないこととなるが、群馬県の獣医師1人当たりの対応農家戸数は32.4件となっており、多い方から15番目となっている一方で、獣医師1人当たりの家畜数では1万5,927頭となっており、全国で3番目に多くなっている。群馬県は、獣医師が足りないのではないかと考えるがどうか。 ◎富田 畜産課長   本県は、全国でも1人当たりの獣医師負担が大きい県であると認識している。これは、家畜の多い鹿児島県や宮崎県も同様であると考えている。  獣医師は、豚コレラだけでなく、口蹄疫、鳥インフルエンザなどの防疫対策や安全確保対策のため、高度の専門的な知識と技術が求められる職種であり、現在、外国からの家畜伝染病の侵入リスクが高まっている中において、業務量が増えているのが現状である。  今回の豚コレラの発生時、発生県の獣医師も不足していたことから、本県にも応援要請があり、延べ9回、13名の職員を派遣したところである。万一、本県で豚コレラが発生した場合も、同様に、国、各都道府県に協力を依頼した上で、迅速な防疫措置を行うこととしている。  獣医師の確保対策については、獣医大学が開催する採用説明会に出席して受験の勧誘を行っているほか、インターンシップの受入れについても積極的に行っている。また、受験資格年齢を32歳から35歳に引き上げるとともに、給与調整額の改善も行ってきたところである。  しかしながら、獣医大学卒業後の学生の進路は、犬・猫関係を目指す学生が非常に多く、地方の公務員獣医師を目指す学生は限られた人数となっていることから、さらなる処遇改善が必要と考えている。今後も、関係部局と連携し、志願者の増加につながるよう、取り組んで参りたい。 ◆伊藤祐司 委員   獣医師は、今回の豚コレラのような事態が発生していない時であっても、日常的にかなり多忙なのではないかと考えている。獣医師の職員をもっと増やすことは、群馬県の農業の発展の上でもポイントの一つになると思うので、国全体としてもっと獣医師を増やしていくことも必要だが、群馬県の獣医師の職員を増やしていく努力をしてもらいたい。そのためには、獣医師職員のさらなる待遇改善が必要と考えるが、部長の考えはどうか。 ◎吉野 農政部長   獣医師職員の処遇改善については、農政部としても、長年、取り組んできているところであり、引き続き、人事当局などに働きかけをして参りたい。 ◆伊藤祐司 委員   是非、よろしくお願いする。以上で質問を終わる。 ◆橋爪洋介 委員   群馬県養豚協会の顧問をしている立場から、豚コレラへの対応については、危機意識を持って臨み、速やかな情報発信を行い、具体的対策をしっかりと講じてもらうよう要望する。  獣医師職員の調整額について質問する。先ほど、「獣医師職員の処遇改善のため、調整額の改善を行った」との答弁があったが、その内容を教えてほしい。 ◎富田 畜産課長   家畜保健所と家畜衛生研究所に勤務する獣医師職員の調整数を改善したものである。 ◆橋爪洋介 委員   それは、人事委員会の勧告等を受けてのことか。 ◎富田 畜産課長   そうではなく、県内部の対応である。 ◆橋爪洋介 委員   公務員獣医師の医療職給料表(2)の改定については、以前、自由民主党から処遇改善の要望を出させてもらったことがあったが、人事委員会の報告では変わらなかった。その後、県の内部で改善させたということか。 ◎富田 畜産課長   獣医師の処遇改善について、県当局と交渉した結果、平成22年度に、家畜保健衛生所に勤務する獣医師の調整数を1から1.5に、家畜衛生研究所に勤務する獣医師の調整数を1.5から2に引き上げたものである。
    橋爪洋介 委員   県の内部で処遇改善を行った場合についても、情報提供をお願いしたい。  次に、西毛地区におけるゴールデンウィーク中の降ひょう被害について質問する。どれだけの被害が発生したのか。 ◎藤井 技術支援課長   5月4日の午後3時前後、西部地域のみならず、前橋市も含めて、県内の広範囲に降ひょう被害があった。被害総額は8億4,600万円余りで、被害総面積は419haとなっている。主な農作物の被害状況は、ナシが約3億4,000万円、ウメが約3億2,000万円の被害額となっているほか、露地ナス、タマネギ、モモ、スモモ等にも被害が発生している。 ◆橋爪洋介 委員   県はどのように対応しているのか。 ◎藤井 技術支援課長   今回の降ひょう被害は、群馬県農漁業災害対策特別措置条例の要件を満たすため、市町村が補助対象農業者に助成措置をした場合は、被害農作物の樹草勢回復、代替作付け等の費用を助成し、生産力の維持と経営の安定を図ることとなる。 ◆橋爪洋介 委員   当初は、「高崎市が市の条例を適用しないとしているため、県の条例も適用されない」との報告を受けたのだが、高崎市は条例を適用するのか。 ◎藤井 技術支援課長   高崎市では、ウメとナシの被害が非常に大きかったことから、危機感を持ち、既に見舞金の支給を決めている。条例適用による支援については、当初、検討していなかったようだが、その後、県と意見を交わさせてもらい、現在、支援が可能かどうかを検討しているところであると聞いている。 ◆橋爪洋介 委員   高崎市は条例の適用を検討しているということか。 ◎藤井 技術支援課長   条例の適用による支援を検討しているところである。  県としては、高崎市が条例を適用して補助対象農業者に助成措置を行えば、その額に応じて、補助することができる。 ◆橋爪洋介 委員   県と高崎市は、直に協議はしているのか。 ◎藤井 技術支援課長   直に協議している。高崎市が検討している段階であり、県はその対応待ちになっている。 ◆橋爪洋介 委員   状況が変わった場合は、情報提供をお願いする。  次に、農畜産物のブランド化を考える女子会「ひめラボ」について質問する。「ひめラボ」のホームページをみると、地域限定・期間限定でセブンイレブンと提携した商品やJR東日本の車内販売弁当等の実績のほか、家庭向けのレシピも掲載されているが、通年にわたって販売されているものはあるのか。 ◎砂盃 ぐんまブランド推進課長   期間限定で「やよいひめ」を使ったサンドイッチや「やよいひめ」をココアパンに挟んだ商品などを販売した実績はあるが、農畜産物には旬があることから、通年での販売は難しい状況である。 ◆橋爪洋介 委員   大手広告代理店に協力を仰ぐなどの取組はしているのか。 ◎砂盃 ぐんまブランド推進課長   現状では、大手広告代理店との提携はしていない。ただし、県内の大手飲料メーカー等に対して、新商品開発に活かしてもらうよう、提案活動等は行っている。 ◆橋爪洋介 委員   地元の生産物を知っている女性の方々が集まって、様々な企画をしてもらうのは非常に大事なことだと考える。また、期間限定であったとしても、セブンイレブンやJR東日本とも連携するなど、県の努力も理解している。  しかし、さらに結果を出すためには、「ひめラボ」に限らず、大手広告代理店に協力を仰ぐことも考えた方がよいのではないか。そのような考えはあるのか。 ◎砂盃 ぐんまブランド推進課長   現在、群馬県では、全国農業協同組合連合会本部が行うテレビCMや車内広告等の広報活動に補助をする活動は行っている。ただし、業者選定に当たっては、毎年、プロポーザルを実施して決定しており、大手広告代理店にまとめて委託する形にはなっていない。 ◆橋爪洋介 委員   それぞれターゲット別に企画とPRの仕方も変わってくるのではないかと考えるので、引き続き、頑張ってもらいたい。  次に、「ぐんま・すき焼きアクション」について質問する。現在の取組状況はどうなっているのか。 ◎砂盃 ぐんまブランド推進課長   「オールぐんまdeすき焼きまつり」を中心とした取組を行っている。昨年度は11月に「1時間で最も多く提供されたすき焼き」のギネス世界記録を達成し、今年度は群馬プレデスティネーションキャンペーンに合わせて、6月30日に高崎市のもてなし広場において、夏のすき焼きである「夏すき」を提案する予定であり、現在、準備を進めているところである。 ◆橋爪洋介 委員   「ぐんま・すき焼きアクション」は、取組を始めてから何年が経過したのか。 ◎砂盃 ぐんまブランド推進課長   平成26年に取組を始めており、今年で6年目となる。 ◆橋爪洋介 委員   「野菜王国ぐんま」であり、「すき焼きの食材は全部、群馬県産で揃う」という理念はわかるが、消費者の消費行動が果たしてついてくるかどうかが一番の問題と考える。取組を始めてから今年で6年目ということなので、目的は何かを明確にして、そのために、何をいつまでにやるのかを決めておくべきと考えるがどうか。 ◎砂盃 ぐんまブランド推進課長   数値目標等は明確にしていないが、委員の指摘も踏まえて、今後、検討して参りたい。 ◆橋爪洋介 委員   すき焼きは、本県のおもてなし料理として、県産品で全て揃うという合理的な考え方のもとにあるのだと思っている。今後も、本県を訪れる方に対して、最高のすき焼きを提供してもらいたい。  次に、全国和牛能力共進会関係の新規予算について質問する。今年度の新たな事業として全国和牛能力共進会出品対策に5,090千円が計上されているが、その内容はどのようなものか。 ◎富田 畜産課長   次回の全国和牛能力共進会は、令和4年に鹿児島県で開催されるが、その出品対策を行うための予算である。具体的には、出品候補牛を造成するための受精卵の作出や畜産試験場における肥育試験等を行う予定である。 ◆橋爪洋介 委員   昨年、宮城県で開催された全国和牛能力共進会に参加したが、素晴らしい大会だった。本県からも高校生が参加しており、良い人材がいるのだなと実感した。3年後の鹿児島県の大会でも、是非、頑張ってもらいたい。  次に、養豚振興費の予算額について質問する。議会資料123ページを見ただけでも、肉牛振興費と養豚振興費では相当の差がある。農業生産額では、圧倒的に養豚の方が大きいと思うが、この差は何に起因しているのか。 ◎富田 畜産課長   養豚振興については、従来から、畜産試験場で高品質な豚肉のもととなる種豚を作るための精液を生産者に供給していることが理由として挙げられる。また、産肉能力が高く、産子数の多い種豚の導入は、県養豚協会を通じて事業を行っていることも理由として挙げられる。 ◆橋爪洋介 委員   養豚は、群馬県の農業生産額では野菜に続いて大きな比重を占めており、全国でもトップ5に入る実力を持っている。にもかかわらず、この予算で良いのか。  県は、畜産の基盤強化に関する長期計画や短期計画などの考えは持っているのか。 ◎富田 畜産課長   養豚の戸数は、現在、221戸となっており、戸数自体は少なくなってきているものの、現に経営している方は規模拡大をしているところであり、経営が安定してきている分野ではないかと考えている。  しかしながら、規模拡大するに当たっても、当然、豚舎や堆肥舎の関連施設も老朽化してくるので、畜産クラスター事業をうまく活用するなどして、次世代に繋がる養豚に取り組んでまいりたい。 ◆橋爪洋介 委員   畜産については、野菜のような重点振興目標はあるのか。 ◎吉野 農政部長   牛については、酪農及び肉用牛の生産近代化計画において目標頭数等を設定している。また、現行の農業農村振興計画でも各畜種の飼養頭羽数の目標を設定しているところであるが、今年度、新たに策定する次期計画においても、各畜種の飼養頭羽数の目標の設定を検討して参りたい。 ◆橋爪洋介 委員   県が野菜を振興していくという思いは力強く伝わってくるのに対して、養豚はそこまでは感じられない。せっかく、ポテンシャルがあるのだから、もっと明確に力を入れていくことを形にして、それを実践していく必要があると思うが、部長の考えはどうか。 ◎吉野 農政部長   今年度、新たに策定する次期農業農村振興計画や令和2年度当初予算要求の中で検討して参りたい。 ◆橋爪洋介 委員   以上で質問を終わる。 ◆岩井均 委員   主要農作物種子法の廃止の影響について質問する。昨年度、主要農作物種子法が廃止になり、県条例も廃止され、ちょうど1年が経過したが、この間の農業者の声はどのようなものがあったのか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   委員の指摘のとおり、平成29年4月、主要農作物種子法を廃止する法律が公布された際、種子生産者や農業団体からは不安の声が寄せられた。県では、その不安を払拭するため、これらの方々と1年間をかけて協議を重ね、種子法廃止前と同様の優良種子の生産と安定供給の継続を決定し、新たな要領・要綱を策定して、1年が経過したところである。  その間、一部のマスコミ等でもこの種子法の話題が大きく取り上げられたことなどから、不安の声がないと言ったら嘘になるが、種子生産者や農業団体からは一定の評価をいただいており、現在のところ、種子法廃止の影響は現れていないと認識している。 ◆岩井均 委員   今回の種子法の廃止については、種子の生産に民間企業の参入を促す目的もあったのだが、県内で何か新たな動きはあるのか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   県内ではそのような動きはない。 ◆岩井均 委員   昨年度、山形、新潟、埼玉、富山、兵庫の5県が既に種子条例を制定しており、今年度も、北海道、長野、福井、宮崎の4県が制定を予定していると聞いている。そうすると、近隣では群馬だけが種子条例を制定していないことになるが、農業者の不安を少しでも軽減するためには種子条例の制定を検討してもよいのではないかと思うがどうか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   近隣県に種子条例制定の動きがあることは承知している。しかしながら、種子生産者や農業団体と1年間をかけて協議を行い、現在の形となって1年が経過したところであるので、再度、関係者に意見を聞ききながら、研究・検討して参りたい。 ◆岩井均 委員   この条例があることによって、種子生産者が安心できる効果がある。近隣についても「やはり条例が必要だ」という動きになっているので、再度、関係者と協議してもらった上で、条例制定の検討をお願いする。  次に、イノシシとニホンジカの適正管理計画における捕獲目標数について質問する。今年度の捕獲目標数は、ニホンジカが前年度の1万頭から上方修正し、1万2,000頭から1万6,000頭となり、逆に、イノシシが前年度の1万3,000頭から下方修正し、6,000頭から9,000頭になったと聞いているが、この捕獲目標数を変更した経緯を教えてほしい。 ◎中里見 鳥獣被害対策支援センター所長   県では、生息数が著しく増加し、農林水産業被害が深刻化しているシカイノシシ、サル、クマ、カモシカ、カワウの6獣種について、科学的・計画的な管理の強化を目的に、適正管理計画を策定している。  特に、シカイノシシについては、生息数の半減を目指すという目標に向けて、年間捕獲目標数を定めており、定期的に生息数を把握した上で、その見直しを行っているところである。  今年度のシカイノシシの年間捕獲目標数の設定に当たっては、国と同様のベイズ推定という統計手法を用いて生息数の推定を行った結果、イノシシについては約1万頭から2万5,000頭という幅で、横ばいないし減少していると推定されたことから、その推定生息数を踏まえて将来予測を行い、生息数を半減させる目標として年間捕獲目標数を6,000頭から9,000頭と設定したものである。 ◆岩井均 委員   今年度の年間捕獲目標数を鳥獣被害対策本部に示したのはいつか。 ◎中里見 鳥獣被害対策支援センター所長   平成31年3月22日に開催された鳥獣被害対策本部において、適正管理計画の改正について、説明をしたところである。
    ◆岩井均 委員   年間捕獲目標数は、市町村別で提示をすることとされているが、市町村の意見は聞いているのか。 ◎中里見 鳥獣被害対策支援センター所長   適正管理計画の策定に当たっては、まず、鳥獣の生息状況や被害状況を把握し、専門委員等による専門部会、学識経験者等による検討委員会において計画案を検討した上で、国、近隣5県及び各市町村に対して1月に協議をさせていただいている。 ◆岩井均 委員   協議をした結果、各市町村はそれを受け入れたと理解してよいか。 ◎中里見 鳥獣被害対策支援センター所長   各市町村からは、「特に異存はない」との回答をいただいている。 ◆岩井均 委員   平成29年度のイノシシの年間捕獲目標数は1万3,000頭だったが、実際に捕獲できたのは6,700頭余りであり、年間捕獲目標数の半分の実績であったと聞いている。  そのことを踏まえれば、県としての最終目標である被害減少を実感するためには、年間捕獲目標数の設定に際し、あくまでも推計値に過ぎない生息数の半減を目標とするのではなく、もっと高い目標を設定して強力に捕獲を進める必要があると考えるがどうか。 ◎中里見 鳥獣被害対策支援センター所長   この適正管理計画は、生息数を半減させるという国の基本指針に則して県が作成する群馬県鳥獣保護管理事業計画の下位計画として策定していることから、そのような目標設定となっているが、今年度、次期計画の策定を進める中で、被害軽減を実感できるような目標設定を検討して参りたい。 ◆岩井均 委員   来年度は、6,000頭ではなくて、9,000頭を上回るくらいの高い数値目標を掲げて取り組んでほしい。政策を総動員して農林業被害に遭っている方々を助けてもらいたい。 ◎田中 鳥獣被害対策担当参事   次期適正管理計画における年間捕獲目標数の設定に当たっては、科学的根拠を踏まえながら、検討して参りたい。 ◆岩井均 委員   よろしくお願いする。  次に、碓氷製糸株式会社に対する県の支援について質問する。碓氷製糸は、群馬県の財産であり、日本全体の財産でもあると考えているが、このところ、生糸の売れ行きが極めて悪く、大量の生糸在庫を抱えている現状となっている。群馬県は、養蚕県であると同時に、絹織物産業の県でもあるので、碓氷製糸生糸の利用拡大のため、県内の織物産業との連携の強化を図るべきと考えるがどうか。 ◎岡野 蚕糸園芸課絹主監   委員指摘のとおり、生産と流通の連携した取組が必要と考えている。  県では、群馬オリジナル蚕品種を使った生糸、絹製品を「ぐんまシルク」として認定し、認証マークを発行する「ぐんまシルク認定制度」により、県内産の生糸の利用促進と絹製品の販売強化を 図っている。  また、「ぐんまシルク」を消費者に周知するための取組として、毎年2月、日本絹の里において「群馬の絹」展を開催し、県内産絹製品の展示販売を行っており、非常に好評を得ている。  今後も、桐生、伊勢崎、太田等の織物組合等と連携しながら、県内産の生糸の利用促進や絹製品の販売の強化を図って参りたい。 ◆岩井均 委員   県内の織物事業者の多くは、輸入生糸を使っていると聞いている。このうち、一部分だけでも碓氷製糸生糸を使ってもらうことができれば、碓氷製糸の業績も回復できると考える。そこで、県内の織物事業者等に対して、県内産生糸の利用を促進するための奨励措置を検討すべきと考えるがどうか。 ◎岡野 蚕糸園芸課絹主監   県では、今年度、碓氷製糸に対して、生糸の販売促進のために雇用する職員の設置に係る経費の支援を行っているところであるので、来年度予算の要求時において検討して参りたい。 ◆岩井均 委員   輸入生糸は非常に安く、国産生糸とは価格差がある。それをいかに埋めるかも大事であるので、是非、前向きに検討してもらいたい。  碓氷製糸の機械設備は、非常に老朽化しており、計画的な更新が必要となっている。現在、実際に稼働している製糸機械は昭和40年代のものであり、既にメーカーの部品生産もなく、職員が自力で修繕して使用している状態である。万一、基幹的な機械設備に故障が発生すれば、操業がストップし、養蚕農家も養蚕ができなくなってしまうことになる。そこで、機械設備の点検と必要な設備更新を早急に行う必要があると思うがどうか。 ◎岡野 蚕糸園芸課絹主監   碓氷製糸には様々な機械設備があるが、その多くが導入から年数を経過したものであることは承知している。  県では、これまでも、県や安中市による直接支援のほか、大日本蚕糸会事業や国庫事業を活用するなどして、繭を選別する機械や高品質生糸を製造するための機械の導入を支援してきたところである。一度に全部の機械設備の更新は困難であるので、引き続き、碓氷製糸と相談しながら、計画的な設備更新を支援して参りたい。 ◆岩井均 委員   碓氷製糸が計画的に機械設備を更新することができるよう、しっかりと支援してもらいたい。  碓氷製糸は、従業員の多くが定年を超えて頑張っているのが現状であり、新たな採用がほとんどされていない。碓氷製糸の熟練技術は群馬県の財産でもあるので、県としても、碓氷製糸とともに、その熟練技術の継承に取り組むべきであると考えるがどうか。 ◎岡野 蚕糸園芸課絹主監   製糸技術の継承は、品質の良い糸を安定的に製造し続けるためには不可欠である。将来にわたって製糸技術を継承していくためにも、大日本蚕糸会の蚕糸科学研究所と連携しながら、後継者となる職員の確保と育成に努めて参りたい。 ◆岩井均 委員   技術者の継承対策にも、しっかりと取り組んでもらいたい。  大日本蚕糸会は、県、安中市、富岡市、JA碓氷安中と共に碓氷製糸の大口の出資者となっているが、大日本蚕糸会の支援が厳しくなってしまったと聞いている。碓氷製糸としても、大日本蚕糸会からの支援なしには事業の継続が困難になるので、国に対しての働きかけをすべきであると考えるがどうか。 ◎岡野 蚕糸園芸課絹主監   大日本蚕糸会は、日本の蚕糸業を維持継承するため、全国での繭生産に係る繭代補填に対する助成措置や生糸を生産するための助成措置を行ってきたが、今年度、今後の事業のあり方について検討すると聞いている。  輸入生糸との内外価格差に対応する繭代補填などの重要な施策の継続については、大日本蚕糸会だけでなく、国に対しても、支援を要望して参りたいと考えている。 ◆岩井均 委員   碓氷製糸は単なる一株式会社ではなく、群馬県の財産であるという認識のもと、しっかりと県が支えていってもらいたい。  最後に、遺伝子組換えカイコ研究の取組状況について質問する。先日、農林水産省が蚕糸技術センターに対して、立入検査を実施し、措置命令を発したが、それ以降、この事業は停止している状況と聞いている。その経緯と今後の見通しを教えてほしい。 ◎須関 蚕糸技術センター所長   遺伝子組換えカイコの研究については、これまで、農研機構と共同研究を続けてきたところあり、蚕糸技術センターの役割としては、農研機構が開発した実験品種・実験系統を実用品種に改良するとともに、そのための実用技術を開発し、普及することを担当していた。  緑色蛍光シルクについては、その成果として、平成29年10月に大臣承認をいただき、農家の蚕室で飼育できるようになったものであるが、その実用飼育の際に使用した品種が大臣承認のあった品種ではないとの指摘を受けて、今回、措置命令が出されたところである。  しかしながら、農水省としても、我々としても、この遺伝子組換えカイコについては、外国産に負けない生糸となる特殊な能力を持っていることから、もう一度、再開させたいとの思いがあり、農水省とも協議した上で、再度、5月30日にこの品種の使用を認めていただけるよう、申請書を提出した。今月中には審査が行われ、年内には事業が再開できる方向で手続を進めているところである。 ◆岩井均 委員   では、年内には生産できる状況になるのか。 ◎須関 蚕糸技術センター所長   9月中旬までに大臣承認がいただければ、最終蚕期である初冬蚕には間に合う見込みであるので、現在、スピード感を持ってそのための手続を進めているところである。 ◆岩井均 委員   是非、そのとおり進めてもらいたい。  実際に生産された遺伝子組換えカイコの繭は、碓氷製糸で生糸にして出荷することになると思うが、生産が軌道に乗るように、しっかりと取り組んでもらいたい。 ◎須関 蚕糸技術センター所長   この緑色蛍光シルクは、特殊な糸の引き方にはなるものの、そのための機械設備は平成30年度に国の補助事業を活用して碓氷製糸にも導入したところであり、今年、生産した繭を碓氷製糸で生糸にできるよう、進めて参りたいと考えている。 ◆岩井均 委員   質問を終わる。 ◆多田善洋 副委員長   最初に、農業分野における外国人材の受入支援について質問する。まず、外国人技能実習生の受入れの現状について教えてほしい。 ◎大朏 農業構造政策課担い手対策主監   群馬労働局の公表資料によれば、平成30年10月末現在、318戸の農家において1,158名の外国人の方が活躍されており、その9割が技能実習生となっている。平成24年以降の6年間で約2倍に増えている状況である。  彼らが活躍している地域は、嬬恋村のキャベツ農家や昭和村を中心とした利根沼田地域の野菜農家、東毛地域のホウレン草、小松菜などの葉菜部農家など、ほぼ県内全域となっている。 ◆多田善洋 副委員長   4月1日付けの改正入管法の施行により、外国人の受入れの拡大が見込まれていることもあって、県も、今年度の組織改革により企画部に外国人活躍推進課が設置されたが、どのように連携していくのか教えてほしい。 ◎大朏 農業構造政策課担い手対策主監   県内に居住する外国人の住民は5万7,072人であり、全国第12位となっている。彼らは、労働者として、そして生活者として、県内各地域で活躍している。  庁内では、5月31日に、新たに設置された外国人活躍推進課を事務局として、外国人材活躍推進庁内会議が開催され、関係各部局の状況や今後の方向性などの情報共有が図られたところである。外国人にとって、群馬県が働きやすく、住みやすい県となるよう、今後、この会議の中で検討していくこととされている。  農政部と外国人活躍推進課との連携については、具体的な事例を挙げると、現在の技能実習制度では、一時帰国を含めた技能実習2号計画が認められていないため、嬬恋村などの冬期に農作業ができない高原野菜産地では、技能実習2号に移行できない状況となっていることから、一時帰国を含めた技能実習2号計画の容認について、外国人活躍推進課とともに、4月22日に厚生労働大臣政務官に要望書を提出したところである。  今後も、外国人活躍推進課や関係各部局と連携しながら、農業分野における外国人の活躍を推進して参りたい。 ◆多田善洋 副委員長   先般、県は、外国人労働者の働き方を含んだ内容の国家戦略特区申請をしたと聞いているが、その内容とその後の状況を教えてほしい。 ◎大朏 農業構造政策課担い手対策主監   委員の指摘のとおり、県では、平成29年9月、群馬県農業競争力強化プログラムとして、外国人材の活用のための提案を含めた3つの提案を内閣府に行ったところである。  そのうち、外国人材の活用のための提案内容としては、外国人が労働者として雇用されるほか、複数の農家への派遣や一時帰国を前提に雇用できることなどを提案したものである。  その後、今年4月に改正入管法が施行され、新たな在留資格である特定技能が創設されたことに伴い、この提案内容が認められる形で制度の運用が開始されたところである。  内閣府からは、特定技能1号の創設により、特区申請のあった農業支援外国人制度の新たな認定は行わず、本年4月から段階的に新制度に移行して廃止するとの連絡があった。このため、今後は、新たに創設された特定技能によって進めて参りたいと考えている。 ◆多田善洋 副委員長   ある程度、距離が離れた複数の農家において、季節ごとに雇用してもらうことができる可能性が出てきたのはわかったが、そのための要件はあるのか。 ◎大朏 農業構造政策課担い手対策主監   特定技能については、労働者派遣による雇用形態が認められており、その場合、外国人は派遣事業者に雇用されて各農家に派遣されることになる。  派遣事業者としては、法務大臣が農林水産大臣と協議した上で適当と認められた者で、農業又は農業関連業務を行っている事業者等が想定されているが、現在のところ、県内において派遣事業者として認められた事業者は把握していない。 ◆多田善洋 副委員長   では、現段階で、外国人が季節ごとに距離の離れた複数の農家で働くことはできないのか。 ◎大朏 農業構造政策課担い手対策主監   そのとおりである。現状の技能実習制度では、外国人が季節ごとに複数の農家で働くことはできないとされている。 ◆多田善洋 副委員長   冬期は雪に閉ざされて農作業ができない地域も県内にはあるのだから、外国人が季節ごとに複数の農家で働くことができるよう、国家戦略特区申請も含めて、国に要望すべきと考えるがどうか。 ◎相澤 農業構造政策課長   担い手対策主監からの答弁の繰り返しになるが、現在の外国人技能実習制度では、1年間を通して技能実習1号を修了した方が、次の2年間に技能実習2号に移るとされているなど、通年での作業が条件となっていることから、特定の季節にだけ技能実習2号計画で在留することはできない。  したがって、それについては、先ほど、担い手対策主監が答弁したとおり、国に対して、4月22日に一時帰国を含んだ形での技能実習2号計画を認めてもらいたいと要望したところであり、その他の政策要望をする際にも、地域の実情に合った技能実習計画を認めてほしいとの要望を提出しているところである。  なお、技能実習1号と2号の計3年間の技能実習を円満に経た方については、選考により新設された特定技能1号の在留資格に移行することができ、さらに5年間、労働者として日本で働けることとなるが、この場合、季節ごとに違う地域の複数の農家で働くことが可能となる。ただし、そうするためには、個々の農家と直接契約をすることはできないため、雇用主となる派遣事業者が必要となるが、現在、群馬県内には特定技能外国人の派遣事業を具体的に計画している事業者を承知していないと説明させていただいたものである。
    ◆多田善洋 副委員長   今後とも、国に対して、要望を続けてもらいたい。館林市においても、キュウリのハウス栽培などで人手不足が起こっているので、東毛地区にも需要はあることを承知してもらいたい。  最後に、東毛地域における内水面漁業の振興について質問する。先日、館林市の沼が日本遺産に登録されたところであるが、東毛地域における内水面漁業の現状を教えてほしい。また、県は、どのようにこれを振興をしていくこととしているのかについても聞かせてもらいたい。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   東毛地域は、古くから、沼ごとに、独特の漁業と食文化が発展しており、人々がこの沼の恵みを享受して、暮らしに深く結びついてきたと認識している。今回の日本遺産への登録についても、その地域の文化があってこその認定と考えている。  東毛地域における内水面漁業の状況については、多々良沼、城沼等の沼ごとに、それぞれ漁業権が設定されており、5つの漁業協同組合がそれを管理している。  県としては、これらの各漁協と連携しながら、カワウの食害対策や子どもたちの釣り教室、魚の放流体験等を支援をして参りたいと考えている。また、併せて、多々良沼、城沼自然再生協議会等と連携し、この地域の水環境の保全にも取り組んで参りたいと考えている。  今回の日本遺産登録が追い風となり、東毛地域の食文化が広く国民に知られ、旅行者が増えることになれば、魚の売り上げも伸び、各漁協も元気になるのではないかと考えている。引き続き、各漁協と連携を深めながら、内水面漁業振興を図って参りたい。 ◆多田善洋 副委員長   東毛地区の沼にも漁業があり、それに携わっている人がいて、それを食する人もいて、文化となっている。引き続き、内水面漁業の振興を図ってもらいたい。 ○穂積昌信 委員長   以上で質疑を終結いたします。 △付託議案の討論・採決 ○穂積昌信 委員長   これより、付託議案の採決を行います。  議案の採決に先立ち、討論される委員は挙手願います。  (「なし」との声あり。)  討論がありませんので、本委員会に付託された議案のうち、農政部関係の議案について、採決いたします。  それでは、承第2号について、これを原案のとおり承認することに賛成の委員は挙手願います。  (挙手全員)  挙手全員であります。  よって、承第2号は、原案のとおり承認することに決定いたしました。 △閉会中継続審査(調査)特定事件の決定 ○穂積昌信 委員長   次に、委員会が閉会中審査または調査する案件については、お手元に配付してある案でよろしいでしょうか。  (「異議なし」の声あり。)  それでは、さよう決定いたします。 △その他 ○穂積昌信 委員長   委員長報告につきましては、正副委員長にご一任願います。 △委員会調査の実施について ○穂積昌信 委員長   次に、委員会調査の実施についてであります。  5月17日に開催された正副委員長会議において、本委員会の県外調査は、8月27日(火)から29日(木)までの間で実施することになりました。  また、今後、8月、来年1月と4月に月いち委員会を開催することになっておりますが、次回は、8月の第4木曜日の22日に県内調査を実施したいと考えております。  ついては、県外調査、月いち委員会の実施内容に関して、正副委員長にご一任いただくことで、よろしいでしょうか。  (「異議なし」の声あり。) ○穂積昌信 委員長   さようご承知おき願います。  最終的な決定内容については、別途、通知いたします。  なお、月いち委員会に関係執行部職員の出席を要求することにつきましても、併せて正副委員長にご一任願います。 △散会 ○穂積昌信 委員長   以上で、本委員会において審査すべき案件は全て終了いたしました。  これにて散会いたします。 (午後2時53分散会)   委員会記録署名委員    農林環境常任委員会     委員長 穂積 昌信...