◎田谷
国際戦略課長
県が把握できるような状況にはないが、
技能実習生の
送出機関については、
厚生労働省がリストアップして公表している。一方、
留学生の
送出機関については、
厚生労働省も把握していないと聞いている。
◆
本郷高明 委員
外国人留学生・
技能実習生の
生活環境については、1DKに3、4人でシェアをして住むなど、最低限の生活をしているとのことであり、
日本語学校の授業料については納めるものの、家賃や
光熱水費については未納となることも多いと聞いている。
生活文化スポーツ部の所管になるのかもしれないが、
国際戦略課では、彼らの
生活環境をどの程度、把握しているのか。
◎田谷
国際戦略課長
外国人留学生については、
日本学生支援機構が細かな調査を実施しており、彼らの平均の収入・支出が14万1千円であるとか、74.8%の方が
アルバイトをしているなどの情報が公表されているので、参考にしている。彼らには、届出を出して認められれば、
資格外活動として、週28時間まで
アルバイトをすることが認められている。一方、
技能実習生については、我々も
新聞報道以外の情報は持ち合わせていない。
外国人留学生も、
技能実習生も、来日するに当たり、
それなりのお金を支払い、場合によっては借金をしてという形で来日されるので、その借金を返済したり、家族に送金したりするなど、生活も楽ではないといった実態もあると聞いている。
◆
本郷高明 委員
時給千円で週28時間働いたとして、月に11万2千円である。それで、衣・食・住して、母国への仕送りをするとなれば、
生活レベルには、到底、追いつかないので、県としても、実態をよく把握してほしい。
次に、彼らの
労働環境についてなのだが、
外国人留学生や
技能実習生は、ホテルの清掃、
新聞配達、宅配の仕分けなど、日本人が敬遠する仕事で働いていると聞いているが、実態はどうなのか。把握していれば、教えてほしい。
◎田谷
国際戦略課長
外国人留学生と
技能実習生では、状況はかなり違って来る。
外国人留学生については、
アルバイトの関係も、
日本学生支援機構が詳細な調査を実施しており、時給額の
分布割合や平均的な労働時間についても調査結果が出ているので、参考にしている。一方、
技能実習生については、国のデータを見ても、細かい部分は明らかになっていないため、把握できていない。
◆
本郷高明 委員
では、国も、まだ把握していないということか。
◎田谷
国際戦略課長
ある程度、把握しているのかもしれないが、我々が把握できるような形で公表されていないということである。
◆
本郷高明 委員
かなり劣悪な生活の状況も見受けられるので、もしかすると、複数の
アルバイトを掛け持ちして、週28時間の制限を超えて働いている人もいるかもしれない。県も、是非、実態を把握するよう、検討してもらいたい。
彼らは、日本で思うように稼げないことに気づいた時にはもう手遅れで、残った借金のために
出稼ぎを続けなければならない状況も生まれて来ており、その場合、
日本語学校に滞在できるのは2年間で、その後、
就労ビザに移行できない人は、
私立大学や
専門学校に入って、
留学生ビザを更新して、
出稼ぎを続けるしかなくなると聞いているが、実際に、
日本語学校に通う
外国人留学生の卒業後の進路は、どうなっているのか。
就労ビザに切り替える人、
留学生ビザを更新する人、母国に帰国する人等の割合は、把握しているのか。
◎田谷
国際戦略課長
一口に
外国人留学生と言っても、
大学等の
高等教育機関を卒業すれば、そのまま就職も可能になるが、いわゆる
日本語学校を卒業してすぐに就職というわけにはなかなかいかない。したがって、一般的には、
日本語学校で
日本語をある程度学んで、その後、
大学等に進学して、就職するという事例が、比較的多いと思われる。
日本学生支援機構の平成28年度調査結果によると、
外国人留学生の
卒業者(大学、専門・
各種学校、
日本語学校を含む。)4万3,103人のうち、
大学等に進学した人が3万4,221人、
日本国内に就職した人が2,345人、母国など、日本以外の国に進学や就職した人が5,344人となっている。
外国人留学生のうち、約6割程度の方は、そのまま日本で就職したい意向があると聞いているが、実際に就職できるのは、約3割という数字もある。
国際戦略課では、せっかく、優秀な
外国人留学生の方に群馬に来ていただいているのであれば、ご縁ができているので、できれば、そのまま就職してもらいたいと考えており、
外国人留学生と
県内企業を仲介するなど、
外国人留学生の就労と
定着促進に取り組んでいる。
◆
本郷高明 委員
本来、
外国人留学生・
技能実習生は、勉強するために来ているのだが、やはり彼らも日本で働きたいので、彼らが就職できるよう働きかけていかなければならないと思っている。
昨日、
技能実習生が3年間で69人死亡していたとの報道があったが、県内の
技能実習生が含まれているという情報はあるのか。もし、把握しているようなら、教えてもらいたい。
◎田谷
国際戦略課長
把握していない。警察の関係であり、仮に、県が聞いたとしても、詳細については、教えていただけないと考えている。
◆
本郷高明 委員
留学と偽って
出稼ぎに来る学生は減少してもらわなければ困るが、せっかく、来日した
外国人留学生・
技能実習生に対しては、少しでも、
生活環境を向上させ、生活苦を減らすことを県は
サポートしていかなければならないと考える。
そこで、質問するが、そもそも、
日本語学校では、
日本語だけではなくて、
マナー等も教えていると思うが、実際にどういうことを教えているのか。把握していれば、教えてもらいたい。また、彼らの部屋探しや仕事探しのほか、学校では教えてくれない
日常生活の
サポートもしていなかければならないと思うが、県としてどのような
サポートを考えているのか。
◎田谷
国際戦略課長
いわゆる
日本語学校では、
日本語だけを教えているのではなくて、それ以外の一般常識的なことや、生活するに当たって必要となる知識についても教えているものと思われるが、カリキュラムは各学校によって
かなり違いもあることから、一般論としてはっきりとお答えすることはなかなか難しい。
また、
外国人留学生・
技能実習生に対する
サポートについては、彼らは、生活していて何か困りごとがあった際には、まず、それぞれの
市町村の
外国人相談窓口に行く場合が多いと思われるが、県においても、
観光物産国際協会が設置する多
言語インフォメーションセンターを補助している。
少数言語にも対応しており、直接、訪問していただくなり、電話をしていただければ、
相談内容に応じたアドバイスをしたり、的確な
相談先を案内したりすることができる。
医療機関を受診する場合は、
医療通訳ボランティアの制度も設けている。今後も、こうした県の
生活支援の取組を周知してまいりたい。
◆
本郷高明 委員
外国人留学生・
技能実習生に対する県の
生活支援策は、所管する部局がまたがっている部分があるので、
企画部としても、彼らに対する「生活の手引」の作成、
無料相談コミュニティの実施、
派遣会社を介さない形での
アルバイトの斡旋、衛生的で安心な住居の提供、それらの
広報等、これから色々考えていかなければならないと思うので、是非、検討してもらいたい。よろしくお願いする。
◆
原和隆 委員
井田(泉)委員からも質問があったが、
世界遺産センターの開館時期の延期に関連して質問する。開館時期の1年間の延期は、大変、残念に思う。私の地元にも、
構成資産の
田島弥平旧宅があるが、
来訪者数がかなり減っている。先ほど、「
世界遺産センターを核として、
構成資産のある自治体と
連携強化をして誘客に取り組む」との説明があったが、具体的にどのように強化していくのか教えてもらいたい。
◎上原
世界遺産課長
富岡製糸場を訪れる方は、まだまだ、
世界遺産「
富岡製糸場と
絹産業遺産群」が4つの
構成資産から成っていることをご理解いただいていない現状がある。
世界遺産センターは、
世界遺産の
ガイダンス施設として、そうしたところを周知することとしているが、そうした現状について、各
構成資産の方でも、もう一度、原点に立ち返り、見直すべき時期であると考えており、県と各
構成市町村との
人的交流などにより、どうしたら改善されるのか、同じ目線で、ともに検討してまりたいと考えている。
◆
原和隆 委員
具体的に何か実施することはあるのか。
◎上原
世界遺産課長
各
構成資産は、それぞれ、様々な
イベントを実施している。来年度は、
世界遺産登録5周年を迎えることから、それらの
イベントに5周年の冠を題して、1つにまとめて、
世界遺産課でPRさせていただいたり、5周年
記念行事に出展いただいたりすることなどにより、関係を深めてまいりたい。
◆
原和隆 委員
世界遺産課の取組は、私もよく承知しているが、各
構成資産のある市町は、取組に温度差があるのが現状である。今回、
世界遺産センターの開館時期が1年延びたことにより、
群馬デスティネーションキャンペーンや
東京オリンピック・
パラリンピックとも重なるので、
連携強化をする中で、各
構成資産を含めた
世界遺産に関心を持ってもらうためには、県が主体的になって
イベントを開催していくことが大事だと考えるがどうか。
◎上原
世界遺産課長
来年は、
世界遺産登録5周年に当たることから、県が主体的に音頭を取って取りまとめてていくことも大切だと考えている。各
構成資産とも連携して、周知・啓発をしてまいりたい。
◆
原和隆 委員
各
構成資産のある4市町を催促するくらいの勢いで、前向きに取り組んでもらいたい。
もう1点、「ぐんまのいいとこ伝え隊」について質問する。この事業は、平成24年度から実施しているとのことであり、今年度は全ての
在住外国人に
対象者を広げたとのことだが、これまでの成果を教えてもらいたい。
◎田谷
国際戦略課長
県内に在住している
留学生等にお声かけをし、県内の観光地や海外の方に行っていただきたい場所に、実際に行っていただき、見ていただき、体験していただいて、それを母国語で
SNSに発信していただく事業である。
隊員となった方々には、「群馬にはこんなに素晴らしいところがあった」、「こういう体験ができってよかった」など、彼らの視点で
SNSに発信していただいて、群馬のPRをしてもらっている。
◆
原和隆 委員
12月9日に、草津町で、第5回の「いい
とこ発見ワークショップ」を実施すると聞いている。様々な取組をしていることと思うが、隊員の
出身国別の構成はどうなっているのか。どこの国に重点を置くとか、そういった考えはあるのか。
◎田谷
国際戦略課長
特定の国を重点に
情報発信することは、特に考えていない。隊員の選考に当たっては、実際に応募していただいた方の中から、ある程度、
日本語での説明が理解できる方で、一生懸命、
情報発信をしてくれそうな方という観点で面接を実施し、選考している。
◆
原和隆 委員
いわゆる「
インフルエンサー」と言って、外国の方が
SNSで
情報発信をすると、その
SNSを見て、多くの
観光客がどっと押し寄せている状況がある。この「
インフルエンサー」をうまく活用して、多くの
観光客を呼び込むような様々な
情報発信をして、群馬の
イメージアップに役立てていく
必要性があると考える。そういった観点からすれば、どこの国でもいいから、応募のあった方の中から選ぶのではなく、戦略的に、特定の国に重点を置いて
情報発信するという姿勢が必要と考える。また、
発信内容についても、コンテンツを指定することも必要と考えるがどうか。
◎田谷
国際戦略課長
隊員に発信していただく内容については、現在のところ、特に指定はしていないが、例えば、
草津温泉に行けば、やはり
湯畑周辺の写真が必ず載せられるし、
体験ツアーを実施すれば、その内容を写した写真が載せられているので、我々が発信していただきたいと考えている内容は、実際には、発信していただけていると考えている。
◆
原和隆 委員
イメージアップや
情報発信という点においては、
群馬県庁はなかなかうまくいっていないと感じている。この事業の
事業費がどのくらいかかっているのかは承知していないが、私は、お金を払ってプロの
インフルエンサーに頼んで
情報発信してもらってもよいと思っている。このように、どう、効果的に、群馬県のイメージをアップしていけばよいかということについては、
企画部全体で考え、他の部局と連携しながら取り組むことが大事だと考えるがどうか。
◎田谷
国際戦略課長
海外から有名なブロガーの方を招致する事業は、従前から、
観光物産課が実施しているほか、各部署において、それに近いことは実施している。
航空機代の負担のほか、
それなりの費用も発生することになる。
国際戦略課では、日頃から
留学生や
国際交流員の方とつながりがあるため、せっかくならば、県内にいるそういった方々に、費用をかけずに群馬のPRをお願いしようということで実施しているのが実態である。
◆
原和隆 委員
プロの方を招致する事業を観光局で実施していることは聞いているが、やはり「効果的に
情報発信するにはどうしたらよいか」ということを、
留学生の皆さんにも学んでいただきながら、県の方でも色々考えていく
必要性があると考えている。開始してから既に6年が経過しているので、もう一度、事業を見直していくことも大事だと思う。よろしくお願いする。
○
岸善一郎 委員長
以上で
所管事項の質疑を終了いたします。
△
付託議案の討論・採決
○
岸善一郎 委員長
これより
付託議案の採決を行います。
議案の採決に先立ち、討論される委員は挙手願います。
(「なし」の声あり)
討論がありませんので、本
委員会に付託された
企画部関係の議案について、採決いたします。
第178
号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。
よって、第178
号議案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
△請願の審査
○
岸善一郎 委員長
次に、請願の審査を行います。本
委員会に付託された請願のうち、
企画部関係の請願は、継続分2件、新規分1件の計3件であります。
それでは、第49号について
執行部から説明願います。
◎田中
地域政策課長
(第49号「オスプレイの群馬県上空での訓練の中止と米軍横田基地への配備中止を求める請願」について説明した。)
○
岸善一郎 委員長
説明は終わりました。
第49号の取扱いについて、いかがいたしましょうか。
(「継続」の声あり。)
それでは、挙手により賛否を問います。
継続に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。