◎山崎
文化振興課長
たとえば、上野三碑は、碑などを愛する会に協力をいただいており、連携を継続して行っていきたい。
世界遺産課や
文化財保護課と連携しながら、
文化振興の視点から考えていきたい。
◆
萩原渉 委員
今、
温泉文化について
ユネスコ無形文化遺産とすることを目標に活動を行っているが、根本にあるのは、群馬県の中
山間地域においては、かつては
絹産業が
基幹産業であった。それが衰退していった中で、もう一度、温泉を核として、中
山間地域の振興が図れないかということで一生懸命に盛り上げているところである。
絹産業が残した遺構は、もの凄く価値がある。しかし、その遺構が古くなったので、解体されてなくなっているのが現状である。農家の民家はなくなっており、公共的な施設も
耐震基準に合わないということでなくなっている。改修すれば今の技術であれば、いくらでも残せる。たとえば、新町の
紡績場跡は、非常に価値が高い。
絹産業の遺構をしっかり調査・研究して残していくべきであると思うがどうか。
◎山崎
文化振興課長
富岡製糸場に関しては、
世界遺産センターの設置が進んでいる。
世界遺産課で進められているが、もちろん、
世界遺産課の業務であると割り切ることではなく、よく
世界遺産課と話をしながら、足りない部分について、
文化振興課でどのようなことができるか考えていきたいと思う。
◆
萩原渉 委員
大事な
文化振興の一つであると思うので、様々な部署で取り組んでいるが、協働して行っていただきたい。
次に、
館林美術館の
ESCO事業について伺いたい。業者が決まって15年間の契約を結んだようだ。我々は、
ESCO事業を取り入れる時から議論をしてきて、当時、県内には
ESCO事業に対応できる業者は少なかったが、できるだけ県内の業者を育てていかなければならないと考えていた。
ESCO事業は、長いスパンで施設を管理するものであり、信頼度のある業者に行ってもらわなければならない。そこで、
最優秀提案事業者の決定に至るまでの経過はどのようであったのか。
◎山崎
文化振興課長
アズビル(株)と
(株)ヤマトの2者から提案があった。
審査委員会は、10月
12日及び10月24日に行われた。審査会では、どちらの提案も高い信頼性と
省エネルギー性を基本としたシステムであり、運営やコストも考慮された、優れた提案であるという評価が出ている。
アズビルの提案は、非常に
現状分析が詳細であり、豊富な経験に基づく
ノウハウを活用している。
必須更新設備も更新した上で、
更新希望設備である
中央監視制御装置、
照明施設の更新、さらには
空調機等運転制御適正化導入を図っており、
美術館という施設にとって重要である
温湿度環境を十分に考慮した上で、高い
省エネルギー率の実現による
削減予定額、
削減保証額が大きいことが評価された。一方、ヤマトの提案も、詳細な
現状分析を行い、
冷熱搬送設備を導入するなど豊富な経験に基づく
ノウハウを活用することにより、大幅な
削減予定額、
削減保証額を提示している点が評価されたが、
最優秀提案事業者には及ばないという結果であった。
◆
萩原渉 委員
ESCO事業導入当時、県内で実施できる業者が2社しかなかったが、今後、
公共施設の
維持管理を考えると
ESCO事業は多くなると考えられていた。現在、県内で
ESCOの事業者は何社あるのか。
◎山崎
文化振興課長
県内の
事業者数は把握していない。
◆
萩原渉 委員
県有施設はたくさんある。
維持管理計画は長期になることから、県内において
ESCOができる業者を育てていくことが重要であり、
県有施設の安定した
維持管理を行う必要がある。もう少し、
担当部局と連携してもらいたい。また、現状や今後のことを教えていただきたい。
◆
水野俊雄 委員
歴史博物館の「
公開承認施設」の再
承認申請について伺いたい。グランドオープンし、何回か企画展を重ねればどうにかなるという漠然としたイメージを持っていたが、今日の説明を聞くとずれがあって、2022年度に再
承認申請を行う見通しであることは受け止めた。「
公開承認施設」とは、所有者以外の者が、
当該文化財を公開しようとする場合、許可ではなく届出で足りる施設であるが、「
公開承認施設」になるとならないとではどのように違うのか。
◎山崎
文化振興課長
事後的な届出だけで
借用重要文化財の公開ができるかできないかの違いで、観覧者への影響が出るものではない。「
公開承認施設」でないと、個々に事前の手続きが必要となるなど、手間を要することとなる。
◆
水野俊雄 委員
具体的にどのような手続きが必要となるのか。
◎山崎
文化振興課長
たとえば、何か企画展を行う時に、他の館から文化財を借用する企画が出ると、企画展が始まる前に1件1件手続きを行い、スケジュールを組んで企画展にのぞむという形になる。一方、
公開承認施設となると、簡単な承諾だけで借りることができ、事後的に文化庁に届出を行うだけで済む。
◆
水野俊雄 委員
これから5年間、そのような手続きを続けなければならない。ごく当たり前にあると思っていた「
公開承認施設」が、
ハード整備の遅れによって認められなくなり、それが影響している。リスクとしては大きい。普通に滞りなく行っていれば、このようなことはなかっただろう。今後、このようなことがないようにしていただかないとならない。今後、
歴史博物館に限らず
県有文化施設で、同様のことが発生するおそれはあるのか。
◎山崎
文化振興課長
歴史博物館では、
水滴事故の後、
危機管理マニュアルや
職員対応の検証、
施設点検の徹底などに取り組んできている。他の施設でも、共通の認識で、同様のことが発生しないよう努めている。
◆
水野俊雄 委員
行政組織は、
部署ごとに仕事を行うものであるが、すぐに経験を積んだ職員が異動してしまう。ごく当たり前に思っていた環境が、ちょっとした油断で崩れていくと影響が大きい。二度とないようにしていただきたい。我々自身も同じように戒めていきたいと思う。
次に、「NPOと行政との協働に関する指針」の
変更素案について伺いたい。協働という言葉が言われて歳月は経つとは思うが、
一般生活の中で協働は、馴染みが薄い。NPOや
市民活動を行っている方々にとっては、ごく普通に使われているが、共に働くという「共働」と、どのように違うのだろうか。あまりぴんとこないところがある。協働の定義は何か。
◎加藤
県民生活課長
変更後の指針において、「公共的な課題を解決することを共通の目的として、複数の主体が対等な立場で役割分担しながらともに活動すること」と定義している。対等に、力を合わせて課題解決を成し遂げることであり、「共」ではなく「協」とすることに意味がある。徐々に浸透はしているが、一般的な用語になるまでには至っていない。指針には事例も掲載されており、自分達もできると思っていただいて、自ら協働に参画していくことが主眼であり、これを普及させていきたい。
◆
水野俊雄 委員
この指針は、計画とは違うと思った。指針には、協働のプレイヤーとなる様々な立場の方に読んでもらいたいと書かれており、どのようにしたら社会的な課題を協働という枠組みで取り組めるのか、と思った県民に手に取ってもらいたいとしているようだ。指針は協働のマニュアルのようなものかと思うが、どのように使うのか。
◎加藤
県民生活課長
NPO・企業・行政などあらゆる主体が、地域の課題に直面したときに、どこを読めばよいかを分かりやすく示した。どのように解決していくかという方向性を示す羅針盤として活用していただきたい。
◆
水野俊雄 委員
協働の取組を行う県民は、今後増えていくと思うが、そのような動きをさらに加速させたいとするならば、もっと簡便な内容としたものがあると良い。今後、このような取組を進めていただき、後押しをしてもらいたい。
次に、SDGs(持続可能な開発目標)について伺いたい。今年の2月の本会議で取り上げたが、指針に大きく掲載されている。どんな位置づけで「NPOと行政との協働に関する指針」の
変更素案に
SDGsを載せたのか。
◎加藤
県民生活課長
SDGsは、成長優先から転換し、消費や生産などあらゆる場面で達成に向けて努力するべき国際目標であるが、いずれの課題も協働により解決することが必要なものなので、考え方を普及させるためにコラムとして扱った。
◆
水野俊雄 委員
SDGsは、NPOや
市民活動には馴染みのあるものであると思うが、2月に企画部の職員と話しをする中では、「SDGsは、まだよく分からない。」ということから始まり、企画部長から「しっかり取り組んでいく。」という答弁をいただいた。「第2次
消費者基本計画素案の概要」の資料にある
SDGsは、どのような経緯でこれを取り上げるに至ったのか。
◎福田
消費生活課長
元々、現在の第1次計画の中にも現状と課題のまとめには、環境問題が深刻化している中で、食品ロスの削減など環境分野に係る記述はあるが、近年、SDGsという国際的な指標が普及されてきて、消費者庁がSDGsの考え方を反映した倫理的消費の普及を図り、全国的に取組が始まっていることから、第2次計画に倫理的消費を明記するものである。
◆
水野俊雄 委員
今後、計画の中にもSDGsという文言は入るのか。
◎福田
消費生活課長
素案の段階では、SDGsという文言は記載されていないが、県民の皆様にこの言葉をしっかり知ってもらうためには、計画の中で説明していく必要があるので、このようなご意見をお聞きしながら、次の計画案を作成していきたい。
◆
水野俊雄 委員
SDGsという持続可能な開発目標という言葉が、様々なところで掲載されることは有り難い。他方で、様々な計画における取組の中にもSDGsの考え方に通ずるものがあるという本会議における企画部長の答弁があった。重要なことは、国連で採択されたSDGsの理念であり、何を達成するために日本政府が進め、群馬県も何のためにSDGsに取り組んでいくかということに立ち戻らないと意味がない。たとえば、SDGsには「誰一人取り残さない」という理念があったり、持続可能な地域社会をつくるという理念がある。ぜひ、SDGsという言葉を入れ込みながらも、SDGsの理念にもう一度立ち戻って、理念を達成する取組は何かということを考えていただきたいが、各種計画の策定にあたって、SDGsの理念を意識していくことが大切であると思うがどうか。
◎五十嵐
生活文化スポーツ部長
SDGsの理念を、どのように共有し、各種計画に取り込めるのかを考えながら、問題意識を持って取り組んでいきたい。
◆
水野俊雄 委員
次に、
再犯防止推進計画について伺いたい。先ほど、目標値がないという質疑があり、それに対して一定の答弁があったが、私は
数値目標を入れても良かったと思う。全国にある刑務所から帰ってきた時の対応を捉えることが難しいということは分かる。しかし、群馬県の中でどのような環境をつくるかという働きかけであるとすると、たとえば、協力雇用主をどのように広げていくかなどの目標は立てうるのではないか。
数値目標とまではいかなくても、目標となりうる指標を掲げ取り組むという理解でよいか。
◎星野
人権男女・多
文化共生課長
再犯防止推進計画を策定する市町村の数を達成目標(指標)として掲げたほか、
数値目標ではないが、協力雇用主の登録企業者数などを、参考指標として掲げた。これらの指標を上げるために、県としても国と連携しながら広報・啓発活動を行っていきたい。
◆
水野俊雄 委員
初めて策定した計画でもあるので、これから熟度を増していくものであるが、取組を進める中で、次期の改定に向けて目標値を立てられるという実感を得ていくと思う。具体的に進むべき先を見つけながら、取組を進めていってほしい。大事なことは、
再犯防止には住まいの部分と雇用である。住まいの面では、県営住宅に優先枠をつくっていただくことをしっかり進めていくべきである。協力雇用主を開拓するなど、他部局と連携をしながらしっかりと進めていくべきだと思うがどうか。
◎星野
人権男女・多
文化共生課長
これまで、犯罪や非行をした人たちの
立ち直り支援の視点が少なかった。現在、
連絡会議を
立ち上げて、国の機関や民間団体、県の関係課などと協議を進めている途中である。来年度以降、関係課を含めた会議を検討しているところであり、今後、そうした視点を行政の各分野に取り入れながら、今後の5年間でしっかりと具体的に取り組んでいきたい。
◆
水野俊雄 委員
計画を
立ち上げる意義を具体的に理解できた。この計画を作成するからこそ、各課に視点が盛り込まれていく。是非とも、この作業を進めながら、具体的な施策が一つずつ深まっていくようにお願いしたいと思う。
◆
金井秀樹 委員
東国文化の周知について伺いたい。知事が
東国文化に視点を当てて、様々な施策を行っている。
東国文化の取組は、大方、認知されていると思うが、「群馬古墳フェスタ
2018」の実施状況はどうだったか。また、「群馬HANI−1(はにわん)グランプリ」の実施状況や今後の取組予定はどうか。
◎高原
東国文化推進室長
10月14日に藤岡市内の毛野国白石丘陵公園と藤岡歴史館を主な会場として開催され、約14,000人の来場者があった。
子どもたちが参加できる埴輪や勾玉づくりの体験ブースや、解説付きで周辺の七輿山古墳などの古墳を巡るツアーなど、
東国文化に触れられるイベントとなった。また、関連イベントとして、13日には、高崎産業技術専門校において畿内の古墳の専門家等を招いた「
東国文化シンポジウム」を開催したところ、250名程度の参加者があり、畿内との比較を通じて
東国文化の魅力を発信した。
「群馬HANI−1グランプリ」は、本県出土埴輪の中から最も人気のある埴輪を決める投票イベントで今年度初めて開催した。予想を上回る約6万票の投票があり大いに盛り上がった。結果的には、くしくもフェスタの会場地である藤岡市出土の埴輪が1位となり、地元の藤岡市長も会場を訪れ、その後も市で独自に式典を開いていただいた。この盛り上がりを一過性にしないよう、現在、上位10体の埴輪を見に来た方に缶バッチをプレゼントするイベントを実施するとともに、来年1月には専門家による講演会の開催を予定している。
◆
金井秀樹 委員
昨年度、古墳の調査を行い、県内にはかなりの量の古墳があることが分かっている。特に、上野三碑と七輿山古墳の関係では、多胡碑に記載されている「羊太夫」の墓は、七輿山古墳であると言われていることもある。定かではない歴史の部分が面白く見られることがある。再来年に群馬DCを控え、
東国文化に係る県内の歴史文化遺産については、観光資源として、さらなる磨き上げや活用を図る必要があると思うが、現在の
取組状況と今後の予定はどうか。
◎高原
東国文化推進室長
絹産業遺産群は、
世界遺産課が進めており、古墳調査は、専門家集団である
文化財保護課が行っているが、関連する群馬県の資産であるので、各部署と連携して人に見せていけるような工夫をしていきたい。現在、
東国文化のストーリーをわかりやすくまとめ、観光ガイドとしても活用できる「
東国文化ガイドブック」や、当時の様子を体感できる「黒井峯遺跡」VRアプリを制作中である。また、観光部局と連携して大手旅行エージェントを訪問し、本県の歴史文化遺産を周遊するツアー造成を働きかけており、DCに向けて今後も積極的に取り組んでいきたい。
◆
金井秀樹 委員
藤岡歴史館には、平井地区1号墳から出土された、国指定重要文化財である黄金の太刀の現物がある。また、東京の
国立博物館には、この近くから出土された家型埴輪が展示されており、そのレプリカが歴史館にある。歴史館には国指定重要文化財も複数展示されているので、
東国文化の周知に活用してもらいたい。
○
井下泰伸 委員長
以上で、質疑を終結いたします。
△
付託議案の討論・採決
○
井下泰伸 委員長
これより
付託議案の採決に入ります。議案の採決に先立ち、討論される委員は挙手願います。
(「なし」の声あり)
討論がありませんので、本
委員会に付託された議案のうち、
生活文化スポーツ部関係の議案について、採決いたします。
それでは、第178号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手願います。 (挙手全員)
挙手全員であります。よって、第178号議案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
△請願の審査
○
井下泰伸 委員長
次に、請願の審査に入ります。本
委員会に付託された請願のうち、
生活文化スポーツ部関係の請願は、
新規1件であります。それでは、第29号について
執行部から説明願います。
◎新井
スポーツ振興課長
(第29号「平成31年度県当初予算編成における予算措置等についての請願〈1項〉」について説明)