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  1. 群馬県議会 2018-10-02
    平成30年第3回定例会環境農林常任委員会(農政部関係)-10月02日-01号


    取得元: 群馬県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    平成30年第3回定例会環境農林常任委員会農政部関係)-10月02日-01号平成30年第3回定例会環境農林常任委員会農政部関係) 委員会の名称 環境農林常任委員会 開催場所   403委員会室 開議年月日時 平成30年10月2日 午前10時00分 散会年月日時 平成30年10月2日 午後2時43分 会議の目的  平成30年第3回前期定例県議会における付託議案等の審査        (農政部関係)        委員長 髙橋 正    副委員長 山﨑俊之   委員 関根圀男 出席委員   委員  久保田順一郎  委員   織田沢俊幸  委員 後藤克己        委員  酒井宏明    委員   大和 勲   委員 加賀谷富士子 欠席委員   なし 執行部出席者       【農政部】        農政部長           塚越昭一   農林大学校長      高橋英二        参事(鳥獣被害対策担当)   土屋秀明   農政課長        吉野 努        農業構造政策課長       石坂郁夫   技術支援課長      倉澤政則        蚕糸園芸課長         土屋真志   ぐんまブランド推進課長 新井 薫        畜産課長           小茂田匡央  農村整備課長      片山 茂        技術調整室長         湊 和之   農協検査指導室     三和敏司
           普及指導室長         藤井俊弘   生産環境室長      武井幸雄        担い手対策主監        大朏 浩   絹主監         岡野俊彦        水利保全対策主監       内藤和明   農業技術センター所長  田村利行        蚕糸技術センター所長     須関浩文   水産試験場長      大類勝義        鳥獣被害対策支援センター所長 中里見信章  畜産試験場長      勝山 均 △開議 ○高橋正 委員長   ただいまから、環境農林常任委員会を開きます。  本日の委員会は、お手元に配付の次第により、農政部関係の審査を行います。 △委員長あいさつ ○高橋正 委員長   (委員長あいさつ) △執行部あいさつ ○高橋正 委員長   次に、人事異動がありましたので、新たに就任された農林大学校長から自己紹介をお願いします。  (高橋農林大学校長あいさつ) △付託議案概要説明内容説明 ○高橋正 委員長   それでは、本委員会に付託されました議案の概要及び内容について、説明をお願いいたします。 ◎塚越 農政部長   (付託議案について概要説明) ○高橋正 委員長   それでは、続いて、付託議案の内容につきまして、関係課長から説明をお願いします。 ◎吉野 農政課長  ◎土屋 蚕糸園芸課長  ◎小茂田 畜産課長  ◎片山 農村整備課長   (以上、第139号「平成30年度群馬県一般会計補正予算(第3号)」について、予算説明書により説明) ◎倉澤 技術支援課長   (149号議案「群馬県における農薬の適正な販売、使用及び管理に関する条例及び群馬県肥料等の大量投与の防止に関する条例の一部を改正する条例」について、議案書により説明) ◎片山 農村整備課長   (150号議案「群馬県営土地改良事業分担金徴収条例の一部を改正する条例」、151号議案「国営土地改良事業負担金等徴収条例の一部を改正する条例」について、議案書により説明) ○高橋正 委員長   説明は終わりました。 △付託議案の質疑 ○高橋正 委員長   これより、付託議案の質疑を行います。  委員の質疑及び執行部の答弁におかれましては、簡潔明瞭にお願いいたします。  なお、所管事項に関わる質疑は、付託議案の質疑が終了した後に行いますので、ご了承願います。  それでは、質疑のある方、いらっしゃいますか。 ◆酒井宏明 委員   群馬県営土地改良事業分担金徴収条例の一部改正について伺いたい。改正の概要はどうか。 ◎片山 農村整備課長   土地改良法が改正され、農業者の事業施行申請や同意、負担金を求めずに、県が行うことができる農地中間管理機構関連農地整備事業が創設された。  これに伴い、同事業において、事業計画の公告日以降、工事完了公告の翌年度から8年以内に目的外使用や、農地中間管理権に係る契約を解除した場合に、公共投資相当額特別徴収金として徴収することについて定めるものである。 ◆酒井宏明 委員   農地所有者農地中間管理権に関する契約の解除に伴う違約金のようなものか。 ◎片山 農村整備課長   農地中間管理機構関連農地整備事業に係る契約の解除にあたり、投資分を特別徴収金として回収するものである。 ◆酒井宏明 委員   農地所有者農地中間管理権に関する契約を解除し、特別徴収金が発生したことはあるか。 ◎石坂 農業構造政策課長   来年度から取り組む事業であるため、そのような事例は、発生していない。 ◆酒井宏明 委員   農地中間管理事業を活用して参入した企業が、経営悪化により撤退してしまうことが危惧されるが、対策はあるか。 ◎石坂 農業構造政策課長   農地中間管理事業では、農地を借受けた企業の都合により、機構へ農地が返還された場合、機構は新たな担い手を探し、再び返還された農地を貸し出すなど、中間管理機能を発揮し農地の有効活用を図ることができる。 ◆酒井宏明 委員   貸し手も出し手も不利益にならないような取組をお願いしたい。 ◆織田沢俊幸 委員   蚕糸振興について伺いたい。今回の地方創生拠点整備交付金で、稚蚕人工飼料センター機能強化を図るとのことだが、どのような内容か。 ◎岡野 絹主監   一つは、有用物質を生産するカイコを、人工飼料で一年中飼育するシステムを構築するための研究施設を整備する。もう一つは、平成6年に設置した施設を効率的なものに整備するとともに、需要に応じた小口のパッケージにも対応できるよう機能強化を図る。 ◆織田沢俊幸 委員   今後、県として、養蚕業をどのような方向に展開して、復活させていくのか。 ◎岡野 絹主監   碓氷製糸を核とし、一定の繭生産量を確保することが必要であると考える。世界遺産登録以降、平成29年度までに18の企業・団体・個人等の参入があり、今年も3人の個人が参入している状況である。今年は猛暑の影響により生産量が思うように上がらなかったが、蚕糸業継承対策事業助成金等により、一定の繭生産量が確保できている。新規参入者の規模拡大及び生産性向上の支援について、市町村との協力のもと進めて参りたい。また、遺伝子組み換えカイコについては、来年度、国のプロジェクトに参加し、大学や企業と共同研究を行い、ヒト用医薬品人工飼料の研究に取り組んでいく予定である。 ◆織田沢俊幸 委員   糸としては、どのような方向を目指すのか。 ◎岡野 絹主監   碓氷製糸が生産する生糸で、高く販売できる群馬オリジナル蚕品種の拡大を図る。海外ブランド業者などへの需要開拓を図るため、工業振興課とも連携し、県産シルクのプロモーションを行って参りたい。 ◆織田沢俊幸 委員   養蚕振興については、世界一を目指す気持ちが必要と考えるが、農政部長の決意はいかがか。 ◎塚越 農政部長   養蚕農家碓氷製糸をはじめ関係者が目標を定めて、しっかり取り組んでいかなければならない。今回の拠点整備事業は、そのための準備を進めるものであり、決意の表れでもある。関係者と力を合わせて群馬に世界一の養蚕ありと示して参りたい。 ○高橋正 委員長   以上で付託議案の質疑は終了いたします。 △所管事項の説明 ○高橋正 委員長   続いて、所管事項の説明をお願いいたします。 ◎土屋 蚕糸園芸課長  ◎小茂田 畜産課長   (別冊1「指定管理者による公の施設の管理運営状況(平成29年度分)」について、説明) ◎石坂 農業構造政策課長  ◎土屋 蚕糸園芸課長  ◎小茂田 畜産課長   (別冊3「平成29年度県出資法人等経営状況等(公社・事業団等)」について、説明) ◎新井 ぐんまブランド推進課長   (資料1「農畜産物等輸出の取組について」について説明)
    所管事項の質疑 ○高橋正 委員長   これより所管事項の質疑を行います。  委員の質疑及び執行部の答弁におかれましては、簡潔明瞭にお願いいたします。 ◆関根圀男 委員   台中フローラ世界博覧会について伺いたい。今年度台湾で開催される「台中フローラ世界博覧会」の概要はどうか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   世界博覧会の概要は、台湾台中市の郊外で開催され、会期は、本年11月からで約半年間となっている。本県の出展は、11月3日から11月18日の16日間で国際室内コンテストへ参加する。出展の内容は、県産のバラ、スプレーギク切り花アジサイを使い、「群馬の秋」をイメージしたデザインでブースを装飾し、県産の繭で作られた「花まゆ」を用い、本県の絹文化も同時にアピールする。今回の出展の主な目的は、東アジアASEAN諸国に向けた県産花きのプロモーションによる県産花きのブランド力向上である。 ◆関根圀男 委員   知事は訪台し、トップセールスを行うのか。また、県内花き園芸農家はどのくらい参加し、現地でどのような活動をするのか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   コンテスト出展中に知事によるトップセールスを実施する方向で調整している。生産者では、バラ2名、スプレーギク10名、アジサイ3名が参加する予定である。生産者は、独自に商談会や生産圃場の視察等を行うこととしている。 ◆関根圀男 委員   知事には、現地で群馬の花き園芸をPRするほか、できれば要人と面会するなどし、トップセールスの役割を十分に果たしてほしいと思う。  生産者の参加について、多くの生産者に参加してもらいたいが、参加人数の制限など要件があるのか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   それぞれの産地関係者で相談して代表者を派遣している。参加については特に要件はなく、制限もしていない。 ◆関根圀男 委員   本県産バラに対する評価が高まっており、外国に売り出すチャンスだと思う。こういった中で博覧会出展で期待される効果について伺いたい。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   「日本一」のバラのプロモーションをし、JA全農、ジェトロ群馬とも連携して、輸出に結びつけたいと考えている。  生産者が今回の花博出展により輸出への関心を高めており、勉強会を始めている。今後、生産者やJAが、台湾をはじめ東アジアASEAN諸国への本県産花きの輸出を実現することを期待している。 ◆関根圀男 委員   台湾では輸入時の規制があると聞いたが、県の対応はどうか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   花は食品ではないので輸入規制はないが、線虫検査があり、検疫に1日多く要するため、鮮度保持技術について検討している。 ◆関根圀男 委員   知事が先頭になって県の国際戦略で農産物の販路拡大に取り組んで成果を上げており、花き園芸についても力を入れてもらいたいが、県の支援や花の輸出についての今後の展望を伺いたい。 ◎塚越 農政部長   県産花きについては、品質が優れていて魅力があり十分に輸出する実力はあると考えている。課題はあるが、今回の花博出展を契機に、生産者、各団体とも力を合わせ、花きの輸出についてしっかりと取り組んでいきたい。 ◆久保田順一郎 委員   花きの需要について伺いたい。台中フローラ国際花博に出展いただき感謝する。一方、日本国内の花の需要は厳しい状況であり、落ち込んでいると思うが、どのくらいか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   国内の花き生産は平成10年をピークに4割落ち込んだが、本県では生産者の努力もあり、2割減にとどまっている。園芸協会花き部会長からも要請されているので、花きの需要拡大に取り組みたい。 ◆久保田順一郎 委員   以前も質問したが、花育を重点的に取り組んで花きの需要を拡大してほしい。  次に、都中央卸売市場における知事等によるトップセールスについて伺いたい。今月、野菜に関するトップセールスが実施されるが、どのように取り組む考えか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   首都圏におけるトップセールスは、卸・仲卸等の市場関係者量販店等の実需者に対し、安全・安心で新鮮な県産農産物を売り込む機会である。県産野菜を実際に食べていただきながら、県産農産物の一層の消費拡大及び本県のイメージアップを図っていきたいと考えている。 ◆久保田順一郎 委員   他県もトップセールスを実施していると思われるが、何県くらい実施しているのか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   東京卸売市場と取引のある都道府県は様々な形で市場に対するPR活動を行っていると認識しており、栃木県や茨城県も知事によるトップセールスを行っている。トップセールスの実施数について、確認次第、おって報告する。 △休憩(11:45~) ○高橋正 委員長   それでは、暫時休憩いたします。  再開は13時からということでよろしくお願いいたします。  (休憩(11:45~12:59)) △再開(12:59~) ○高橋正 委員長   それでは、休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   午前中に久保田委員から質問のあった他県のトップセールス状況の件について、報告したい。今回トップセールスを実施する大田市場では、この1年間で知事等によるトップセールスを17県が実施している。 ◆織田沢俊幸 委員   豚コレラについて伺いたい。どのような病気で、どのような動物に感染するのか。 ◎小茂田 畜産課長   豚コレラは、豚及びイノシシが感染し、強い感染力と高い致死率を特徴とするウイルス性の感染症である。本年9月の岐阜県の養豚場での発生は、平成4年の熊本県以来、26年ぶりの発生である。現在は発生農場の防疫措置を完了しているが、岐阜県内で91頭の野生イノシシを検査したところ、捕獲したイノシシ1頭と死亡したイノシシ10頭の計11頭から豚コレラウイルスが確認されている。 ◆織田沢俊幸 委員   どのようなルートで感染が広がるのか。また対応はどうしているのか。 ◎小茂田 畜産課長   豚の感染が先か、イノシシの感染が先かは不明であるが、分離されたウイルスは共通のウイルスである。感染ルートとしては、「ウイルスの付着した靴や服など、人を介した農場への侵入」、「ウイルスが混入した残飯などを十分に加熱せず給与した場合」、「感染したイノシシが接触したエサの野鳥等による持込み」などが想定される。  現在、国の疫学調査チームが、感染侵入経路について調査しているところである。 ◆織田沢俊幸 委員   感染した場合、何日で死亡するのか。 ◎小茂田 畜産課長   潜伏期間もあるが、早い場合は3日で死亡することもある。なお、死亡した野生イノシシの調査では、成獣・幼獣関係なく死亡している。 ◆織田沢俊幸 委員   死亡したイノシシを発見した場合等について、県民への広報は、どうなっているか。 ◎小茂田 畜産課長   県民が死亡したイノシシに接触することで感染を広げる可能性もあり、市町村に連絡があった場合、家畜保健衛生所へ情報が伝わるように体制を整えている。県民への周知については、県の広報、ホームページ及び報道提供等により自然環境課と連携して行って参りたい。 ◆織田沢俊幸 委員   鳥獣被害対策支援センターについて伺いたい。鳥獣被害対策支援センター設置から9年目となったが、これまでの取組について感想を聞きたい。 ◎土屋 鳥獣被害担当参事   当初は、地域ぐるみによる対策を日本獣医生命科学大学とともに実施し、守る対策の普及に努めてきたが、その後、センターの体制を拡充し、捕獲を含めた総合的な対策を行うことでより効果を高めてきており、現在は、以前より一歩進んだ対策に取り組めていると感じている。 ◆織田沢俊幸 委員   適正管理計画の事務を自然環境課から鳥獣被害対策支援センターに移管したところだが、計画策定に当たっては手続きが煩雑な印象がある。効率的な被害対策を進める上で、事務分掌を検討したほうがよいと考えるがどうか。 ◎土屋 鳥獣被害担当参事   適正管理計画の改正には、法律上所定の手続きが必要であり、事務処理に時間を要している。今後は、計画策定事務処理の効率化などを含め、被害対策を一層推進する体制、事務分掌等を関係課と連携して検討していきたい。 ◆織田沢俊幸 委員   被害地域は広がっており、効率的に対策を実施できるよう、事務と体制の見直しを進めてほしい。 ◆後藤克己 委員   群馬県馬事公苑指定管理期間について伺いたい。農政部所管指定管理施設指定管理期間は5年が多いが、馬事公苑のみ3年となっているのはなぜか。 ◎小茂田 畜産課長   馬事公苑指定管理業務は施設の維持管理のみである。馬術指導等の専門性が必要とされる業務は自主事業であり、指定管理業務に係る設備投資も不要であることを踏まえ、総務部総務課との協議等のもと、指定管理期間を3年間とした。 ◆後藤克己 委員   農福連携について伺いたい。6月に安中市での梅収穫に出席し、農福連携の可能性を感じた。今後の取組はどうか。 ◎大朏 担い手対策主監   県が農福連携のマッチングを委託したJA甘楽富岡では、農業者の需要を調査したところ、今後、7戸のコンニャク農家が農作業の委託を予定している。さらに、他の作目でも農福連携を計画している。  また、西部地域での取組事例を聞いた渋川市内の農業者が、新たに農福連携に取り組むことを予定するなど、少しずつ広がりを見せている。 ◆後藤克己 委員   中山間地域活性化について伺いたい。神流町農山村活性化モデル支援の実施内容はどうか。
    ◎片山 農村整備課長   県は、神流町の農泊の取組を29年度から2年間、モデル的に支援している。29年度は、農泊の理解醸成、地域の将来像の概略構想策定等、30年度は、地域資源再発見、将来構想策定受入体制整備等を支援している。 ◆後藤克己 委員   神流町は宿泊施設「川の音」をつくったが、今後の農泊の取組はどうか。 ◎片山 農村整備課長   神流町は、宿泊施設「川の音」を核として、地域や町が一丸となり農泊を取り組む計画である。今後、受入体制を整備するとともに、来訪者に農業や農村文化などが体験できるよう、滞在メニューづくり等を検討している。 ◆後藤克己 委員   「川の音」を核とし、広がりをもった取組にしてほしい。  「普及現地情報」の中に、中之条町六合地区の花き栽培において、4名の若者が新規参入しているという事例があったが、どのような取組か。 ◎藤井 普及指導室長   六合地区では、高齢者を中心に山間の農地を利用し、約150種類の花の生産が盛んに行われているが、26年の雪害や高齢化の進行により、産地の弱体化が危惧された。そこで、27年に関係機関が連携し「新規参入者受入に関する検討会」を設立するとともに、東京で開催された、「新・農業人フェア」へ出展し、六合地区での花作りの担い手を募集した。その結果、4名が就農を前提とした研修を始め、29年度に3名が就農、30年4月に1名が就農し、5月に初出荷となった。 ◆後藤克己 委員   地域に呼び込んだ就農希望者を就農に結びつけるには、相当なサポートが必要であるが、六合地区の事例は短期間で就農に結びつけた優良事例である。積極的にPRするとともに、他地域へも波及させられるよう取り組んでもらいたい。 ◆酒井宏明 委員   鳥獣被害対策について伺いたい。ニホンザルによる被害は減っていると聞いたが、どのような被害対策が功を奏しているのか。 ◎土屋 鳥獣被害担当参事   ニホンザルは群れの管理が必要である。被害対策としては、群れを丸ごと捕獲できる大型囲いわなやサルに効果のある侵入防止柵の設置等を実証しながら進めるとともに、広域的な取組となるため、関係市町村による合同の会議を開催し、情報共有を図っている。 ◆酒井宏明 委員   移動式の大型囲いわな等被害対策をとる場合の補助事業として、国庫事業県単独事業をどのように棲み分けしているのか。 ◎倉澤 技術支援課長   基本的には国交付金を優先的に活用し、市町村の負担を少なくして被害対策に取り組むことを考えている。 ◆酒井宏明 委員   市町村から要望があった場合には、国の交付金でなく県単独補助事業でも柔軟に対応してもらいたいがどうか。 ◎倉澤 技術支援課長   国交付金が活用できる市町村では交付金を優先するが、活用できない市町村では県単独事業での取組を検討するなど、現場で使いやすいよう、国交付金県単独事業市町村単独事業を組み合わせて現場の対策を進めていきたい。 ◆酒井宏明 委員   遺伝子組換えカイコについて伺いたい。生物多様性の確保や環境への影響に不安を持つ人もいると思うが、管理上の安全対策はどうか。 ◎須関 蚕糸技術センター所長   管理上の安全対策については、クワコとの「交雑性」への対応が重要であり、様々な対策を実施している。また、クワコとの交雑種のモニタリング調査を実施しているが、これまでに交雑は確認されてない。 ◆酒井宏明 委員   出口対策として、商品化についての展望等はどうか。 ◎須関 蚕糸技術センター所長   商品化については、養蚕農家の収益性を高める上で、しっかり取り組む必要があると考えている。 現在、企業との共同研究により、希少性があり付加価値の高い商品開発を進めている。 ◆酒井宏明 委員   安全対策については、引き続きしっかり取り組んで欲しい。  日本絹の里の運営について伺いたい。リピーターが多いとのことだが、これまでの新規来館者を増やす取組についてはどうか。 ◎岡野 絹主監   企画展示については、養蚕、織物、絹文化、夏休みの子供を対象とした展示を年間7~8回行い、体験学習では、染色や織りの初心者向け、レベルアップした体験を企画し、利用者の確保を行っている。広報では、ホームページやチラシ、伊香保観光協会を通じたPRを行っている。また、マスコミを通じての広報や、県外向けに旅行雑誌、ドライブガイドにPR広告の掲載も行った。 ◆酒井宏明 委員   休憩所、ミュージアムショップを増設したとのことだが、どのような内容か。 ◎岡野 絹主監   昨年の地方創生拠点整備交付金を活用して、シルクショップを20平米から88平米へ増設し、併せて絹製品等の品揃えも増やした。桑畑が見える休憩所も整備し、来館者に好評である。 ◆酒井宏明 委員   新商品や目玉商品等、ショップの品揃えを充実させ、評判が広まることで更に来場者も増えると思う。群馬ならではの施設であるので、絹文化等の発信についてよろしくお願いしたい。 ◆大和勲 委員   ため池緊急点検及び今後の対策について伺いたい。緊急点検の結果はどうか。 ◎片山 農村整備課長   県内のため池505箇所のうち、下流の家屋や公共施設等に被害を与える可能性のある396箇所の緊急点検を、8月に市町村等と連携して実施した。緊急的に対策を要するため池は確認されなかったが、洪水吐周辺の草や雑木の除去など、簡易な対策を19箇所で実施した。 ◆大和勲 委員   505箇所のため池の管理区分はどのようになっているか。 ◎片山 農村整備課長   管理区分の内訳は、市町村135箇所、土地改良区34箇所、水利組合180箇所、自治会等156箇所となっている。 ◆大和勲 委員   国の定額助成制度の延長への県の対応はどうか。 ◎片山 農村整備課長   定額助成制度は、30年度までの時限であるため、政策要求として制度延伸を要望している。  なお、国は概算要求において、制度延伸を盛り込んで要求していると聞いている。 ◆大和勲 委員   対策工事に係る補助率と本年度の実施状況はどうか。 ◎片山 農村整備課長   国庫補助事業の補助率は、豪雨、老朽化対策で国50%、県25%、市町村等25%であり、地震対策では、大規模なため池で国55%、県34%、市町村等11%である。なお、県単独事業は、県75%、市町村25%である。  現在、国庫補助事業で3箇所、県単独事業で4箇所の対策工事を実施している。 ◆大和勲 委員   今後の対応方針はどうか。 ◎片山 農村整備課長   「防災重点ため池」125箇所の「地震」や「豪雨」に対する検証を早期に完了させ、基準を満たさないため池については、早めに市町村と調整を図り整備していきたい。  併せて、ハザードマップ作成などのソフト対策による安全確保を行い、農村地域の防災減災の向上に努めたい。 ◆大和勲 委員   水稲新品種「いなほっこり」について伺いたい。特徴と導入経過についてはどうか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   県が、米麦二毛作地帯向けの高温に強い品種の選定を行ってきたところ、国の西日本農業研究センターが育成した新品種「いなほっこり(仮称)」が、高温条件下に強く有望な品種であることが確認された。 ◆大和勲 委員   今後の普及計画、PRについてはどうか。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   県では、29年に県の認定品種に決定し、本年から種子生産を行っており、来年から一般栽培を開始する計画である。  当面、県内平坦部で200ha程度の普及を計画しており、生産者や消費者にPRし、二毛作地帯での生産拡大を図りたい。 ◆大和勲 委員   猛暑に耐えられる上、食味もよい等のメリットがある品種とのことなので、地元の米麦の盛んな地域において、私自身も積極的にPRしていきたい。 ◆加賀谷富士子 委員   今年の猛暑による畜産の被害状況はどうか。 ◎小茂田 畜産課長   今年の7月1日から9月15日までの被害状況は、特に採卵鶏と乳用牛への影響が大きかった。  各家畜の死廃状況は、採卵鶏が9,353羽で対前年比671%、ブロイラーが13,288羽で対前年比287%、乳用牛が103頭で対前年比224%である。鶏では暑熱により餌の摂取量が減少し卵のサイズが小さくなり、生産量も落ちてくる。乳用牛では、乳量が5~7%程度減少するなど、生産性へ影響が出ている。 ◆加賀谷富士子 委員   それに対して、畜産農家はどのような対策をしたのか。また、県としてはどのような対応をしたのか。 ◎小茂田 畜産課長   畜産農家は、これまでも屋根への石灰塗布、散水、葦簀(よしず)やカーテンによる遮熱などの暑熱対策を行っている。畜種別に見ると、鶏舎や豚舎はクーリングパッドの設置、乳用牛では、牛舎内への扇風機の設置やトンネル換気、ミスト散布の対策をとっている。  県としては、家畜保健衛生所の家保だよりを通じて、全ての畜産農家に向けて暑熱対策の指導助言と注意喚起を図っている。 ◆加賀谷富士子 委員   今後、県はどのような対応をするのか。 ◎小茂田 畜産課長   来年度以降も、暑熱対策に関する的確な情報収集と注意喚起、指導助言等を行っていく。 ◆加賀谷富士子 委員   酪農家から話を聞いたところ、気温が40度くらいになると、暑熱対策として扇風機やミスト等の活用では足りず、新たに断熱材を導入するなどの対応が必要となる。その場合、多額の費用がかかるが、県として補助事業の検討はできないか。 ◎小茂田 畜産課長   全ての畜産農家が対象なので、支援策を講じるのは難しい。現状でも、国の補助事業で暑熱対策の支援メニューがあるので、活用を推進したい。 ◆加賀谷富士子 委員 
     国の支援事業の内容はどのようなものか。 ◎小茂田 畜産課長   暑熱対策に要する簡易的な設備導入への支援である。 ◆加賀谷富士子 委員   猛暑により畜産農家が困っている現状がある。県として効果的な対策を講じてほしい。  次に、地産地消推進店について伺いたい。地産地消推進店の取組状況はどうか。 ◎新井 ぐんまブランド推進課長   16年度から県産農産物を扱う小売店、旅館・飲食店等を「ぐんま地産地消推進店」に認定する制度を開始し、現在、471店舗を認定している。また、21年度からは地産地消優良店の制度を開始し、45店舗を認定している。さらに、県産農畜産物を加工している業者に対しては、ぐんま地産地消協力企業・団体として53団体を認定している。 ◆加賀谷富士子 委員   推進店になると、どのようなメリットがあるのか。 ◎新井 ぐんまブランド推進課長   県では推進店等に対して、認定証やのぼり旗等の販売促進資材を提供し、誘客に活用していただいている。また、県のホームページやパンフレットでもPRに努めている。さらに本年度から観光・食との連携の取組として、県の観光スマホアプリ「ぐんまちゃんパスポート」に推進店・優良店の情報ページを掲載したところである。 ◆加賀谷富士子 委員   今後の取組についてはどうか。 ◎新井 ぐんまブランド推進課長   県民に実際に地元の食材を食べて、その良さを分かってもらいたい。また、観光の素材としても有効であるので、2年後のぐんまDCの開催に向けて、地産地消推進店・優良店の支援の充実に努めて参りたい。 ◆加賀谷富士子 委員   優良店の数が少ないことについて、どのように考えているか。 ◎新井 ぐんまブランド推進課長   推進店の認定基準は、小売店の場合、「年間平均6割以上または年間合計20種類以上」の県産農畜産物を扱うこととしているところ、 優良店についてはさらに厳しい認定基準を設けており、「年間平均8割以上または年間合計30種類以上」とハードルを上げている。また、飲食店の場合、推進店の認定基準を「年間5割以上または県産農産物を主たる食材とした料理を常時10種類以上」提供することとしているところ、優良店については「年間8割以上または当該料理を常時13種類以上」提供することとしている。食材の品目によっては県内産が出荷されていない時期もあり、難しい面もある。 ◆加賀谷富士子 委員   伊勢崎の波志江パーキングエリアも推進店として認定されているとのことであるが、今年オープンした太田強戸パーキングエリアにも営業活動等を行っているのか。 ◎新井 ぐんまブランド推進課長   機会を捉えて、営業活動を行っているところであるが、当制度の周知がまだ十分に図られていないとも感じているので、引き続きPRに努めたい。 ◆加賀谷富士子 委員   県産農畜産物を他県の人に知ってもらうためには、パーキングエリアで扱ってもらうことは効果的だと思うので、ぜひ推進してほしい。  次に、6次産業化の推進について伺いたい。これまでの取組はどうか。 ◎新井 ぐんまブランド推進課長   近年における取組としては、25年11月に群馬県6次産業化サポートセンターを設置し、各種相談対応や専門プランナーの派遣を行ってきた。また、27年度から「群馬県6次産業化チャレンジ支援事業」を実施し、28年度から、「ぐんま6次産業化チャレンジ塾」を開講してきた。 ◆加賀谷富士子 委員   本年度の具体的な取組はどうか。 ◎新井 ぐんまブランド推進課長   本年度も引き続き、6次産業化サポートセンターを設置するとともに、「ぐんま6次産業化チャレンジ塾」を実施する。また、「6次産業化チャレンジ支援事業」については、3件の農業者等を支援している。さらに、今年度は、新たに栃木県と連携して「6次産業化・地産地消商品商談会」をそれぞれの県内で1回ずつ開催し、群馬では、12月4日に開催予定である。 ◆加賀谷富士子 委員   県の他の機関との連携はどうか。 ◎新井 ぐんまブランド推進課長   県の農業事務所、普及組織や試験研究機関とは定期的に会議を開催し、情報収集や共有を行い、連携して6次産業化に取り組んでいる。また、農村女性起業の方々が出展する「かあちゃんの天下一品フェア」の開催を支援し、個々の6次産業化事業者の活動が地域の活動へと広がるよう、仲間づくりを後押ししている。 ◆加賀谷富士子 委員   地域を巻き込んだ活動へと発展させてもらいたい。 ○高橋正 委員長   それでは、以上で質疑を終結いたします。 △付託議案の討論・採決 ○高橋正 委員長   これより、付託議案の採決に入ります。  議案の採決に先立ち、討論される委員は挙手願います。  (挙手なし)  討論がありませんので、本委員会に付託された議案のうち、農政部に関する議案について、採決いたします。  それでは、第139号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手願います。  (挙手全員)  挙手全員であります。  よって、第139号は、原案のとおり可決することに決定しました。  次に、第149号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手願います。  (挙手全員)  挙手全員であります。  よって、第149号は、原案のとおり可決することに決定しました。  次に、第150号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手願います。  (挙手多数)  挙手多数であります。  よって、第150号は、原案のとおり可決することに決定しました。  最後に、第151号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手願います。  (挙手全員)  挙手全員であります。  よって、第151号は、原案のとおり可決することに決定しました。 △請願の審査  次に、請願の審査に入ります。  本委員会に付託された請願のうち、農政部関係の請願は、新規2件であります。  はじめに、第27号についてでありますが、昨日、2項2号の審査を行いましたので、本日は2項1号・4号について審査を行います。  それでは、第27号について執行部から説明願います。 ◎倉澤 技術支援課長   (第27号「西毛地区開発に関する請願<2項1号・4号>」について説明) ○高橋正 委員長   説明は終わりました。  第27号2項1号・4号の取扱いについて、いかがいたしますか。  (「2項1号が継続、2項4号が採択」の声あり。)  今の内容ですと、第27号2項1号・4号としては、「一部採択」になります。  それでは、挙手により賛否を問います。  採択が2項4号、継続が2項1号、第27号としては一部採択に賛成の委員は挙手願います。  (挙手全員)  挙手全員であります。  よって、さよう決定いたします。  従いまして、昨日の審査結果とあわせて、第27号は全体として「一部採択」と決定いたします。  次に、第28号について執行部から説明願います。 ◎土屋 蚕糸園芸課長   (第28号「(国)指定野菜価格安定対策事業に係る交付予約数量引き上げ(カバー率の向上)についての請願」について説明) ○高橋正 委員長   説明は終わりました。  第28号の取扱いについて、いかがいたしますか。  (「趣旨採択」の声あり。)  それでは、挙手により賛否を問います。  趣旨採択に賛成の委員は挙手願います。  (挙手全員)  挙手全員であります。  よって趣旨採択と決定いたします。
     以上で、請願の審査は終了しました。 △基本計画議決条例の適用に係る調査  次に、基本計画議決条例の適用に係る調査を行います。  本調査は、平成30年度策定予定の各計画について、議会に議案を上程し議決を必要とするかどうか、調査をするものです。  農政部では、4件の計画について調査いたします。  それでは執行部から説明をお願いします。 ◎中里 見鳥獣被害対策支援センター所長  (「群馬県カワウ適正管理計画」「群馬県ニホンジカ適正管理計画」「群馬県イノシシ適正管理計画」「群馬県ツキノワグマ適正管理計画」について、説明) ○高橋正 委員長   説明は終わりました。  それでは説明のあった4つの計画について、取扱いはいかがいたしますか。  (「いずれも個別実施計画であるため条例不適用」の発言あり。)  それでは、本計画につきましては条例の不適用ということでよろしいでしょうか。  (「異議なし」の声あり。)  さよう決定いたします。 △その他 ○高橋正 委員長   委員長報告につきましては、正副委員長にご一任願います。 △決算特別委員会環境農林分科会の連絡  次に、決算特別委員会の環境農林分科会の日程について、ご連絡します。  分科会審査は、前回の常任委員会でお話ししたとおり10月18日(木)に、環境森林部と農政部の審査を1日で実施したいと思います。  なお、分科会による現地調査は行わない予定です。  以上、ご承知おきください。 △散会 ○高橋正 委員長   以上をもちまして、本委員会で審議すべき案件はすべて終了いたしました。  これにて散会いたします。  (午後2時43分終了)  委員会記録署名委員   環境農林常任委員会    委員長 髙橋 正...