群馬県議会 > 2018-09-27 >
平成30年 第3回 定例会-09月27日-04号

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  1. 群馬県議会 2018-09-27
    平成30年 第3回 定例会-09月27日-04号


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    最終取得日: 2023-05-03
    平成30年 第3回 定例会-09月27日-04号平成30年 第3回 定例会 群馬県議会会議録 第4号 平成30年9月27日         出席議員 48人 欠席議員 0人 欠員 2人    関根圀男    (出 席)    中沢丈一    (出 席)    腰塚 誠    (出 席)    南波和憲    (出 席)    黒沢孝行    (出 席)    久保田順一郎  (出 席)    星野 寛    (出 席)    岩井 均    (出 席)    織田沢俊幸   (出 席)    狩野浩志    (出 席)    福重隆浩    (出 席)    橋爪洋介    (出 席)    岩上憲司    (出 席)    萩原 渉    (出 席)    星名建市    (出 席)    伊藤祐司    (出 席)    角倉邦良    (出 席)    井田 泉    (出 席)    水野俊雄    (出 席)    後藤克己    (出 席)    中島 篤    (出 席)    岸 善一郎   (出 席)    大手治之    (出 席)    臂 泰雄    (出 席)    井下泰伸    (出 席)    酒井宏明    (出 席)    金井康夫    (出 席)    原 和隆    (出 席)    金子 渡    (出 席)    安孫子 哲   (出 席)    清水真人    (出 席)    藥丸 潔    (出 席)
       小川 晶    (出 席)    髙橋 正    (出 席)    金井秀樹    (出 席)    本間惠治    (出 席)    伊藤 清    (出 席)    山﨑俊之    (出 席)    荒木恵司    (出 席)    大和 勲    (出 席)    川野辺達也   (出 席)    本郷高明    (出 席)    穂積昌信    (出 席)    井田泰彦    (出 席)    加賀谷富士子  (出 席)    泉沢信哉    (出 席)    多田善洋    (出 席)    今泉健司    (出 席) 説明のため出席した者の職氏名    知事         大澤正明    副知事        反町 敦    副知事        荻澤 滋    教育長        笠原 寛    選挙管理委員長    松本修平    代表監査委員     丸山幸男    公安委員長      宇敷 正    警察本部長      松坂規生    企業管理者      関  勤    総務部長       津久井治男    企画部長       入内島敏彦    生活文化スポーツ部長 五十嵐優子    こども未来部長    中村弘子    健康福祉部長     川原武男    環境森林部長     須藤雅紀    農政部長       塚越昭一    産業経済部長     向田忠正    県土整備部長     中島 聡    危機管理監      横室光良    会計管理者      樋口 努    病院局長       志村重男    観光局長       真下英明    財政課長       友松 寛 職務のため出席した者の職氏名    局長         吉澤幸夫    総務課長       山岸敏明    議事課長       得地雅彦    議事課次長      今泉一幸    議事課係長      川村正洋    議事課主幹      高橋良彦    議事課主幹      桑山純一      平成30年9月27日(木)                   議  事  日  程 第 4 号 第1 追加議案の上程    ・第158号議案について                               知 事 提 出                             (提 案 説 明) 第2 質疑及び一般質問    ・第139号議案から第157号議案について                           以 上 知 事 提 出     午前10時開議   ● 開     議 ○橋爪洋介 議長 これより本日の会議を開きます。   ● 追加議案の上程 ○橋爪洋介 議長  △日程第1、第158号議案を議題といたします。  議案は、あらかじめお手元に配付しておきました。   ● 提 案 説 明 ○橋爪洋介 議長 知事から提案理由の説明を求めます。           (大澤正明知事 登壇) ◎大澤正明 知事 おはようございます。本日、追加提出いたします議案について御説明申し上げます。  追加提出議案は教育委員会委員の選任についてであります。これは現在の委員であります小池啓一氏の任期が9月30日をもって満了となりますので、その後任者として益田裕充氏を選任しようとするものであります。  なお、本件は事案の性質上、早急に御議決くださいますようお願いを申し上げます。 ○橋爪洋介 議長 知事の提案説明は終わりました。   ● 委員会付託の省略 ○橋爪洋介 議長 お諮りいたします。  ただいま議題となっております第158号議案につきましては、会議規則第38条第3項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。           (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○橋爪洋介 議長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。   ● 採     決 ○橋爪洋介 議長 直ちに採決いたします。  第158号議案について、原案に同意することに賛成の議員の起立を求めます。           (賛成者起立) ○橋爪洋介 議長 起立全員であります。よって、第158号議案は原案に同意することに決定いたしました。   ● 質疑及び一般質問 ○橋爪洋介 議長  △日程第2、第139号から第157号までの各議案を一括して議題とし、上程議案に対する質疑及び一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。          ──────────────────────────                本 日 の 発 言 通 告  ┌────────┬───────────────────────────┬──────────┐  │氏名      │発言通告内容                     │答弁を求める者の職名│  │(所属会派)  │                           │          │  ├────────┼───────────────────────────┼──────────┤  │多 田 善 洋  │1 児童養護と里親支援について            │          │  │(自由民主党) │ (1)  社会全体で子育てが必要な時代を迎えて、県は、ど│知 事       │  │        │    う子どもの命を救うのか            │          │  │発言割当時間  │ (2)  家庭において「養育困難な児童」等への対応につい│こども未来部長   │  │        │    て                      │          │  │65分      │ (3)  里親制度の現状について            │こども未来部長   │  │        │ (4)  里親制度の推進について            │こども未来部長   │  │        │2 認知症施策の推進について             │          │  │        │ (1)  本県における認知症施策について        │健康福祉部長    │  │        │ (2)  認知症疾患医療センターの設置について     │健康福祉部長    │  │        │ (3)  成年後見制度の利用促進等について       │健康福祉部長    │  │        │3 はばたけ群馬・県土整備プラン2018-2027における持続 │          │  │        │  可能な地域づくり・まちづくりについて       │          │  │        │ (1)  まちの賑わい創出を図る中心市街地の道路整備につ│県土整備部長    │  │        │    いて                     │          │
     │        │ (2)  館林市本町の中央通り線の現道拡幅について   │県土整備部長    │  │        │4 中小企業・小規模事業者への支援拡充について    │          │  │        │ (1)  創業支援の現状と取組について         │産業経済部長    │  │        │ (2)  労働力不足の現状と対策について        │産業経済部長    │  │        │ (3)  外国人技能実習の現状と今後の取組について   │産業経済部長    │  │        │5 県民の安全を守る取組について           │          │  │        │ (1)  「あおり運転」に対する交通事故防止対策等につい│警察本部長     │  │        │    て                      │          │  │        │ (2)  街頭防犯カメラによる犯罪の抑止・検挙効果につい│警察本部長     │  │        │    て                      │          │  ├────────┼───────────────────────────┼──────────┤  │萩 原   渉   │1 本白根山の噴火への対応について          │          │  │(自由民主党) │ (1)  安全対策について               │県土整備部長    │  │発言割当時間  │ (2)  国道292号の通行規制について          │県土整備部長    │  │65分      │ (3)  風評被害対策及び観光対策について       │観光局長      │  │        │ (4)  「国道292号バイパス」建設期成同盟について   │県土整備部長    │  │        │2 防災ヘリ「はるな」の墜落事故について       │          │  │        │ (1)  事故発生時の県の対応状況について       │荻澤副知事     │  │        │ (2)  事故の原因究明と防止対策について       │危機管理監     │  │        │ (3)  遺族対応と吾妻及び多野藤岡広域消防本部への支援│危機管理監     │  │        │    について                   │          │  │        │3 ぐんま県境稜線トレイルと周辺温泉地との連携整備に │          │  │        │  ついて                      │          │  │        │ (1)  温泉地を結ぶ遊歩道等の整備について      │生活文化スポーツ部長│  │        │ (2)  関係温泉地との連携について          │観光局長      │  │        │4 温泉文化の世界無形文化遺産への登録について    │生活文化スポーツ部長│  │        │5 県の障害者雇用に関する問題について        │総務部長      │  │        │6 八ッ場ダム建設事業について            │県土整備部長    │  │        │7 上信自動車道の整備状況について          │県土整備部長    │  │        │8 観光地活性化施策について             │観光局長      │  ├────────┼───────────────────────────┼──────────┤  │本 郷 高 明  │1 公共事業について                 │          │  │(リベラル群馬)│ (1)  今後の公共事業のあり方について        │知 事       │  │発言割当時間  │ (2)  建設産業における担い手確保対策について    │県土整備部長    │  │65分      │2 公共交通について                 │          │  │        │ (1)  人口減少時代における公共交通について     │県土整備部長    │  │        │ (2)  公共交通の多面的効果について         │県土整備部長    │  │        │ (3)  バス利用の促進について            │県土整備部長    │  │        │3 女性医師のキャリア支援について          │健康福祉部長    │  │        │4 自殺対策について                 │          │  │        │ (1)  児童生徒に向けての自殺防止対策について    │教育長       │  │        │ (2)  SOSの出し方教育について          │教育長       │  │        │5 教職員の長時間労働の是正について         │教育長       │  │        │6 前橋工業高等学校グラウンドフェンスについて   │教育長       │  ├────────┼───────────────────────────┼──────────┤  │久保田順一郎  │1 県内農協における自己改革の取組について      │農政部長      │  │(自由民主党) │2 GAP(農業生産工程管理)の推進について     │          │  │発言割当時間  │ (1)  本県におけるGAPの確認体制について     │農政部長      │  │65分      │ (2)  今後の取組方針について            │農政部長      │  │        │3 スギ赤枯病について                │環境森林部長    │  │        │4 子ども食堂とフードバンクについて         │          │  │        │ (1)  子ども食堂の現状と県の対応について      │こども未来部長   │  │        │ (2)  フードバンクの現状と県の取組について     │こども未来部長   │  │        │5 多文化共生について                │          │  │        │ (1)  外国人の雇用の現状と取組について       │産業経済部長    │  │        │ (2)  群馬県多文化共生推進指針の改定について    │生活文化スポーツ部長│  │        │6 次世代自動車への対応について           │環境森林部長    │  │        │7 改正健康増進法の円滑な施行について        │健康福祉部長    │  │        │8 邑楽館林地区の道路整備計画について        │          │  │        │ (1)  利根川新橋架橋の進捗状況について       │県土整備部長    │  │        │ (2)  明和・千代田工業団地と周辺の道路整備につ   │県土整備部長    │  │        │    いて                     │          │  └────────┴───────────────────────────┴──────────┘          ────────────────────────── ○橋爪洋介 議長 多田善洋議員御登壇願います。           (多田善洋議員 登壇 拍手) ◆多田善洋 議員 皆さん、おはようございます。自由民主党、館林選出の多田善洋でございます。  昨年12月5日に初めての一般質問をさせていただきましたが、本日、2回目の一般質問をさせていただきます。本日は地元館林より多くの方が傍聴にお越しいただきました。そして、テレビを御覧いただきながら、多くの方の応援をいただいていることかと存じます。大変感謝をいたしております。私の県民目線の質問で、県民生活、そして福祉向上、ひいては元気な群馬づくりのきっかけになれば幸いでございます。  それでは、これより順次一般質問をさせていただきます。執行部の皆さん方には御答弁よろしくお願い申し上げます。それでは、質問席に移らせていただきます。(拍手)  まず最初に、大澤知事、お願いいたします。 ○橋爪洋介 議長 知事、答弁席へお願いします。           (大澤正明知事 登壇) ◆多田善洋 議員 まず最初に、児童養護と里親支援について質問をさせていただきます。  本年3月、都内のアパートで放置された5歳の女の子が、「もうおねがい ゆるしてください」とノートに書き残し、死亡した事件のことを知る人は、驚きと胸の痛み、なぜいたいけな5歳の子どもがそこまで追い詰められたのかという強い憤りや疑問を持たざるを得ません。厚生労働省が平成2年に全国の児童相談所での児童虐待相談対応件数の集計を開始したところ、1,101件であったものが、平成29年度では全国の210か所の児童相談所での児童虐待相談対応件数は13万3,778件と、122倍と大幅に増えております。また、児童虐待の種類としましては、心理虐待が5割、身体的虐待も加えますと8割になります。虐待を受ける児童が同居する家庭において、配偶者に対する暴力が増えていることも深刻な事案につながっているものと思われます。親の育児に対する悩みを同居する配偶者と共有できないという問題も顕在化しております。  虐待によって保護を必要としている子どもたちの安全を守るため、社会全体で子育てしていく必要があると思いますが、県としてどのように対応していくのか、基本的なお考えをお尋ねいたします。 ◎大澤正明 知事 議員御指摘のとおり、次代を担う子どもたちは、家族や社会から深い愛情を受けて、心豊かに育てられるべきものであると思っております。しかし、虐待を受けた子どもたちは、心身に傷を負い、時には命さえ奪われてしまうことがあります。児童虐待の防止は社会全体で取り組むべき喫緊の課題であります。本県においても、過去に児童相談所や市町村が関わっていながら子どもの命が守れなかった事案が発生しており、県として真摯に検証し、児童相談所の体制や専門性の強化、市町村や警察、医療機関などの関係機関との連携強化を進めるなど、再発防止に努めてきたところであります。しかし、議員御指摘の都内での死亡事案など痛ましい事件が後を絶たず、大変残念に思っております。本県においてこのような事案を発生させないよう、今月から警察と児童相談所双方が把握した全ての虐待ケースについて情報を共有し、虐待リスクの見逃し防止を強化することといたしました。  今後とも、児童虐待を防止し、子どもたちの命を守るとともに、子どもたちが安心して健やかに成長できる環境を整えるため、県を挙げて全力で取り組んでいく所存でございます。 ◆多田善洋 議員 大澤知事の熱い思い入れの入った御答弁ありがとうございました。今月から児相や各警察等、関連する部署が連携を密に子どもたちの命を守り強化するとのことです。また未来への宝としての子どもたちに対して、元気で明るく生活できることを望みながら、子どもたちは宝でございますので、守っていただくよう切にお願いを申し上げさせていただきたいと思っています。大澤知事、御答弁ありがとうございました。  次に、こども未来部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 議長 こども未来部長、答弁席へお願いします。           (中村弘子こども未来部長 登壇) ◆多田善洋 議員 児童虐待については、本議会におきましても大手議員、山﨑議員も質問をいたしておりますが、別の角度から質問をさせていただきます。  ここ数年、心理的虐待が増加しておりますが、その背景には、家庭における配偶者の児童への暴力について警察からの通報が増えていることが挙げられます。そこで、私の所属する厚生文化常任委員会では、大分県大分市の里親制度の普及啓発について調査するべく、去る7月に県外調査を実施いたしました。例えば、平成29年度の児童虐待相談対応件数におきましては、人口約196万人の本県の1,140件に対し、人口約115万人の大分県では705件と、人口比で見る限り大分県の相談件数が少し高くなっております。  そこで、家庭において養育困難な児童や虐待を受けた児童について、本県における施設等への入所の現状及びその後の対応についてどのような状況か、お尋ねをいたします。 ◎中村弘子 こども未来部長 児童相談所が相談を受けて預かることになった子どもについてのお尋ねだと思います。議員御指摘のとおり、本県におきましても、それぞれの家庭が抱える複雑困難な問題を背景として、家庭で育てられなくなったり、暴力や暴言、差別、育児放棄など、様々な虐待を受ける子どもたちがおります。このような子どもたちを家庭に戻せない場合は児童養護施設などで生活してもらうことになりますが、その数は、8月末現在、児童養護施設や乳児院、児童自立支援施設のぐんま学園など施設で生活する子どもが465人、里親の家で生活する子どもたちが60人、また、里親と同様に家庭の中でより多くの子どもを育てるファミリーホームで生活する子どもが26人となっております。  次に、施設に入所した後の処遇についてでございますが、子どもたちができる限り家庭的な環境で生活することが望ましく、県としても少人数のグループによる生活を推進していくとともに、その分の指導員が手厚く配置できるよう支援しております。また、子どもたちが施設を出て社会に巣立っていく際には、身近に相談できる大人がいないことが多々ございます。そうしたハンデを支えるために、今年度の新規事業といたしまして、一般社団法人に委託し、退所後の生活相談や就労相談などに応じる事業を開始したところでございます。このほか、子どもたちが一定期間就労できた場合には返還免除となる資金を貸し付けるなど、巣立った後の自立を支援しているところでございます。 ◆多田善洋 議員 ただいまの御答弁で、県内におきましては、養育困難な児童が550人強いらっしゃると、御答弁もありました。県内の子どもたちが家庭内で暴力や育児放棄、言葉による暴力や差別など様々な虐待を受けている状況がわかりましたが、やはり子どもたちは食事やしつけ、遊びや教育など、温かい親や保護者の庇護が心身を健やかに成長させるために必要であります。しかし、保護者にそういった愛情や経済力などを担う意識や能力がないなど様々な事情によって、一時避難的な乳児院や児童養護施設など、親と暮らせない子どもたちにとってはとても大事な存在であることは言うまでもありません。厚生労働省の資料によりますと、このような施設で集団生活をしている子どもたちは全国に約3万9,000人いると言われ、また、里親家庭で暮らしているのは約6,500人と言われております。  そこで、本県における里親制度の現状はどのようなものか、お尋ねをいたします。 ◎中村弘子 こども未来部長 群馬県の里親制度の現状についてでございますが、里親制度は文字どおり、家庭の中で子どもたちを育てることで迎え入れてくださった大人との愛着関係がつくられやすく、子どもたちの自己肯定感の育成に効果があると考えられます。児童養護施設などとともに社会的養護を担うものとして、県としても大きな期待を寄せております。あまり知られておりませんけれども、里親制度にはいくつか類型がございまして、一定期間子どもを育てていただく養育里親をはじめ、養子縁組を希望なさる養子縁組希望里親、ひどい虐待を受けたり障害を持っているなど、特別な配慮が必要な子どもを預かっていただく専門里親などがあります。8月末現在での登録里親数は合計で172世帯で、それぞれ制度の趣旨を御理解いただき、豊かな愛情と熱意を持って60人の子どもを育てていただいております。このほかに特別養子縁組が昨年度1年間で10組成立しておりまして、将来にわたって安定した環境で生活できるようになったと考えております。また、これ以外にも里親の方々には、児童養護施設などに入所中の子どもたちを週末とか夏休みなどに預かっていただきまして、家庭での生活を経験させていただくなど、子どもたちの健やかな成長に御尽力をいただいているところでございます。 ◆多田善洋 議員 ただいまの御答弁で、県内の里親の皆さんの御理解と御協力に感謝を申し上げたいというふうに思います。また、何といいましても我が子のように深い愛情を持って育てていただいておりますことに心から敬意を表する次第でございます。そして、群馬県里親の会の皆さん方には、日頃から情報交換や資質向上のための研修会を実施し、研鑽を積まれているとともに、去る8月24日に県庁の県民ホールで里親家庭や養子縁組をした親子のありのままの姿を伝える写真展「フォスター」を主催、また、里親相談会を開催し、里親に関心のある人が児童相談所の職員や実際の里親をされている人との交流の機会を行っているとのことであります。重ねて感謝を申し上げます。視察をいたしました大分県においては、里親制度の普及啓発のために、出前講座や新規の里親の開拓を行う里親委託推進員や、実践的な研修企画を支援する里親対応協力員を児童相談所に配置するなどして、里親等委託率を平成18年度末に11%から平成28年度末には31%に上昇されたと聞いております。  そこで、本県において里親制度の普及啓発や里親委託の推進のため、どのような取組をしているのか、また、里親の方々に今後どのような支援をしていくのかをお伺いいたします。 ◎中村弘子 こども未来部長 里親制度の推進についてでございます。今、議員からお話がありましたとおり、群馬県里親の会の皆様方には、御自分の里子を大事に育てていただくだけでなく、ほかの里親さんへの支援ですとか里親制度の普及など、本当に幅広く熱心に活動していただいており、本当に頭の下がる思いをしております。県といたしましても、引き続き県里親の会と一緒になって、子どもたちの幸せの実現をするために制度を広めていきたいと考えております。  そのためには、まず、この制度に興味を持った方々に本物の里親から直接生活の実情や経験談を話してもらうことが最も説得力があると考えておりまして、今年度から今お話もありました里親相談会を県内各地で合計16回開催することとしております。また、テレビやラジオなどでも里親へのインタビューや本県の取組が取り上げられることが増えておりまして、社会の関心が深まっていることを大変心強く思っております。引き続き、各種の広報やメディアを活用いたしまして広く里親制度の普及啓発に努めていきたいと考えております。  また、里親への委託を増やすためには、まず、よその子どもを預かるという精神的な負担や不安を軽減することが必要となってまいります。今年から新たに短期預かり里親登録の制度を設けましたけれども、これは数日から2か月程度の短期間、児童相談所が日々支援しながら里親に子どもを育てていただくものでございます。また、子どもを預かったことのない方々には、乳児院などで子どものケアを体験する研修も受けることができます。こうした取組を通じて、一人でも多くの方々に温かい家が必要な子どもの里親になることを考えていただければと思っております。  また、里親に登録した後のフォローアップも大変大事だと考えており、里親の会と連携しながら、子育ての知識やスキルを高めていく研修を継続して行っていきます。また、日々の子育てにおける悩みや不安には里親同士の交流や情報交換の場も設けられております。さらに、児童相談所や乳児院などに配置しました専門の相談員が個別に家庭を訪問いたしまして相談に乗ったり、アドバイスを行うなど、今後も里親の方々が子育てしやすいよう、更なる支援に努めていきたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。県の積極的な推進をお願いさせていただきたいと思います。また、人生において一時期、親元を離れ、家庭環境に恵まれなかった子どもたちには、希望を忘れず生き抜いていただきたいと思います。その子どもたちの周りには大人の応援団がたくさんいることをお伝えさせていただきたいと思います。こども未来部長への質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。
     次に、健康福祉部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 議長 健康福祉部長、答弁席へお願いします。           (川原武男健康福祉部長 登壇) ◆多田善洋 議員 認知症の施策の推進について質問をさせていただきます。  団塊の世代全てが75歳以上になる2025年まで、あと7年となりました。そして、その2025年には認知症の人が全国で約700万人になると見込まれております。国においては、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を踏まえ、若年性を含めた認知症施策を推進しております。  そこでまず、本県における認知症の施策につきまして現状はどうなっているのか、さらに、今後はどのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。 ◎川原武男 健康福祉部長 認知症施策についてでございますが、県におきましては、高齢化の進展に伴い、今後さらに認知症の人の増加が見込まれることから、認知症施策に重点的に取り組んできたところでございます。  具体的には、まず認知症への正しい理解を促進するため、市町村が実施いたします認知症サポーターの養成を支援するとともに、9月を認知症理解促進月間と定めまして、認知症に関する講演会の開催や、駅などにおいて映像による情報発信でありますデジタルサイネージなどを活用した啓発活動などを行っております。また、早期発見・早期対応が重要であることから、認知症サポート医の養成や認知症初期集中支援チームの充実及び認知症疾患医療センターの設置運営にも取り組んでまいりました。  一方で、2025年が目前に迫る中、認知症に対する理解は十分に進んでいるとは言えず、また、本人への支援や家族の負担軽減なども依然として大きな課題となっておりますことから、今年3月に策定いたしました第7期群馬県高齢者保健福祉計画に基づきまして、取組をさらに強化していく必要があると考えております。今年度は、認知症サポーターの養成を一層促進するため、新たに講師となるキャラバンメイトの派遣事業を開始するとともに、認知症カフェの設置を促進しております。また、今後、家族会等と連携いたしまして、認知症の人が集い、自らの体験や希望、悩み等を語り合う場であります「本人ミーティング」を新たに開催し、本人の生きがいづくりや本人の視点に立った取組を検討していく予定でございます。さらに、昨年度、県内の認知症疾患医療センター1か所に若年性認知症支援コーディネーターを配置したところでございますが、より身近な場所で相談が受けられるよう、来月からさらに3か所、追加配置をする予定でございます。  県といたしましては、今後とも、市町村や関係機関と連携いたしまして、認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、認知症の人と家族を社会全体で支える体制の構築に努めてまいりたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。  御答弁にもありましたように、認知症の人の意思を尊重され、できうる限り住み慣れた地域の良い環境の中で自分らしく住み続けられることが理想であり、そのような社会を実現することが重要ではないかなと思っています。そして、その御苦労の体験談を聞く、また悩みを聞く、そういった家族に対するフォローも重要ではないかなというふうに思っています。認知症は進行性の疾患であり、発病すれば一生つき合わなければならない病気でもあります。また、認知症になっても住み慣れた地域での生活を送ることは、かかりつけ医や地域包括支援センターと連携し、専門的な相談や早期診断を行う認知症疾患医療センターが重要でもあろうかと思います。先ほど御答弁にも出ました。  そこで質問ですが、追加で3件ある、こういうお話も先ほどありました。その県内の設置状況はどうなっているのか。また、館林地域での対応についてお伺いをいたします。 ◎川原武男 健康福祉部長 議員御指摘のとおり、認知症疾患医療センターは、かかりつけ医や地域包括支援センター等と連携いたしまして、認知症疾患に関する専門的相談や早期診断・早期対応、周辺症状と身体合併症に対する急性期対応等を実施するとともに、医療・介護関係者への研修等を行う認知症医療における地域の中核的な機関でございます。  県では、厚生労働省の整備方針に基づきまして、二次保健医療圏ごとの配置を原則としつつ、さらに高齢者人口規模等を考慮して整備を進めているところでございます。まず、県内の設置状況でございますが、平成22年度に7か所指定いたしまして順次拡大を図り、現在12か所を指定しているところでございます。次に、館林地域での対応でございますが、太田・館林保健医療圏には既に太田市内の病院1か所を指定しているところでございますが、高齢者人口及び今後の増加見込み等を勘案いたしまして、さらに館林地域に1か所、追加指定する方向で検討を進めてまいりました。今年6月から公募を行いまして、館林地域の医療機関から応募がありましたことから、現在、来月10月1日付の指定に向けて手続を進めているところでございます。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。  部長からの答弁でもありましたとおり、県内には認知症疾患医療センターが12か所、東毛地区においては太田プラス館林に1か所、東毛地区においては2か所目の設置が10月1日から許可になると聞いておりますけれども、是非しっかり整備を進めていただきまして、是非地元の方に安心していただけるような体制づくりをしていただければと思います。また引き続きよろしくどうぞお願いいたします。ありがとうございました。  続きまして、次の質問になりますけれども、そこで、一生つき合わなければならない認知症ですが、その症状が進む中で、物事を判断する能力が欠落していくことを危惧しなければなりません。現実的な問題として、館林におきましても関係する講座や講演会が開かれておりますが、地域でどんなことが起こっているのかという問題では、子どもが預金や年金を搾取している、兄弟間などによる相続の争いがある、知人による搾取、悪徳訪問販売や詐欺の被害、お金を当てにして同居されるなど、様々な問題が指摘をされております。  そこで、現在、認知症や知的障害、精神障害などの理由で判断能力が十分でない人の、このような被害を法律的に防ぐために成年後見制度があるわけでございますが、その後見人には親族または弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職が主に選任をされております。また、そのような個人ではなく法人が後見人になる法人後見もあります。県内における法人後見を含む成年後見制度の現状と、利用促進の取組についてお伺いをいたします。 ◎川原武男 健康福祉部長 成年後見制度についてでございますが、県と県社会福祉協議会におきましては、認知症や知的障害、精神障害等の理由で判断能力が十分でない方の権利を擁護する成年後見制度について、県内の現状を把握するため、今年6月から7月にかけて実態調査を実施いたしました。まず、県内の高齢者や障害者施設・事業所等を対象に利用者の状況について調査したところ、約半数の917の施設・事業所等から回答がありまして、利用者の中で、判断能力が不十分など、成年後見人を必要とする可能性がある方の合計が約7,200人となっております。次に、前橋家庭裁判所に対しまして制度の利用状況について調査をいたしましたところ、平成29年の成年後見関係事件の申し立て件数が425件、また選任された成年後見人等の件数が427件でありまして、このうち2件が法人の選任でございました。この調査結果によりますと、成年後見人を必要とする可能性がある方と実際の申し立て件数との間には大きな開きがございました。また、法人後見についても利用が進んでおらず、社会福祉協議会による法人後見は、現在、県内で太田市と館林市の社会福祉協議会の2か所のみが実施しているという状況にございます。  こうした現状を踏まえまして、県といたしましては、利用促進に向けた市町村の体制の整備を推進するため、県内を5つのブロックに分けて関係者による検討の場を設け、地域の実情に合わせたネットワークづくりを支援するとともに、県民への啓発を図るためのセミナーを開催する予定でございます。また、これまでも市民後見人の養成を行う市町村を支援するなど、成年後見の受け皿の拡大を図ってまいりましたが、今後はさらにその取組を強化するとともに、法人後見の実施が全県に広がるよう、市町村と連携して各団体の取組を支援していきたいと考えております。県といたしましては、こうした取組を一層推進することにより、県内の成年後見制度の利用を促進し、認知症をはじめとする判断能力が十分でない方々の権利擁護にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。  成年後見制度は、平成29年度の実績としましては425件、こういう数字の中で、法人後見がまだ2件と御答弁もありました。ある意味では、法人後見をするということは継続性が保たれる、また公平性も保たれることもありますので、社会福祉協議会においては太田市と館林市がやられているということですけれども、今後、多くの法人なり、また県内でも広く進められることを御期待申し上げさせていただきたいと思っています。  成年後見制度は一人一人の意思が尊重され、権利や財産が守られるための長期的な業務となりますし、また継続性、信頼性、安全性が求められる、こういった本当に大切なものでございます。さらに、法人組織の管理体制の確立とともに、県には今後とも御支援をよろしくお願いいたします。以上で健康福祉部長への質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。  次に、県土整備部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 議長 県土整備部長、答弁席へお願いします。           (中島 聡県土整備部長 登壇) ◆多田善洋 議員 はばたけ群馬・県土整備プラン2018‐2027における持続可能な地域づくり・まちづくりについて質問をさせていただきます。  本年3月、はばたけ群馬・県土整備プランが今後の10年間を見据えた新たなプランとして策定されました。これまで7つの交通軸構想により、東毛広域幹線道路や国道17号、上武道路などのネットワーク化が進展し、館林におきましても埼玉、栃木、茨城の隣接県や、県内においても前橋、高崎、太田などの都市間の移動の利便性が急速に高まっております。この場を借りまして施策を推進されております大澤知事をはじめとする多くの関係者に感謝を申し上げる次第であります。  さて、新たなプランでは、元気、安全、魅力、環境の4つの基本目標に応じた11の主要施策を展開しておりますが、その中での基本目標3では、生活の質の高い魅力ある県土づくりを推進するとあります。地元館林におきましては、他市と同様に駅周辺の人口減少や人口構成がかなり変化をしております。このような現象が見られますのは、一時の右肩上がりの時代におけるスプロール現象、秩序ない開発というんですかね、やドーナツ現象と言われる世界的な傾向の中で、生活水準の向上や都市の成長や発展という国内の都市に共通する傾向でもありました。このような時代の変遷を経て、今回の持続可能な地域づくり・まちづくりという言葉には県の並々ならぬ決意が感じられるわけでございますが、市民、県民に多様な移動手段を確保するとか、歩くという言葉をキーワードに、景観や健康といった人々の日常的な暮らしとにぎわいという魅力づくりが根底に流れていると感じられます。そのような考えをもとに、中心市街地における道路の整備のあり方について、どのようにお考えされているのかをお尋ねいたします。 ◎中島聡 県土整備部長 中心市街地における道路整備についてでございますが、中心市街地は、上下水道や道路などの社会インフラ、歴史や文化施設等、多くの機能と資産が集積しており、効率的な都市経営の観点からも中心市街地を再活用する必要があると考えております。中心市街地を再活用するためには、議員からもありましたように、鉄道やバスなどの多様な移動手段を確保するほか、道路の整備に当たっては、人々の移動や物資の輸送を円滑に処理する機能に加え、歩行者が歩きたくなる、訪れた人が楽しめるなど、にぎわいを創出する道路空間の整備が重要であると考えております。このため、事業の実施に当たりましては、事前に住民アンケート調査を行い、地域のニーズを把握し、計画に反映するとともに、歩きたくなる道路となるよう、町並みや風景を魅せる道路整備を推進しているところでございます。 ◆多田善洋 議員 住民アンケート調査などを参考にしながらつくられているとお聞きしましたが、県におきましても、様々な調査検討をもとに、それぞれ特徴のある市町村との緊密な連携や県民の声を尊重しながら、県土整備部の出先機関と一体となってプラン策定に御苦労があったかと存じます。  そこで、パネルを用意させていただきました。〔資料①提示〕今回のプランの主要事業として、魅力づくりの観点から、周辺地域との連携強化を図るためとして、都市計画道路館林中央通り線の現道拡幅としての位置図を示させていただきました。傍聴されている方はちょっと見えないかと思いますけれども、パネルを御説明させていただきます。これは館林の市内の地図でございます。城下町であった館林の中心部を走る道路は、南を行田市、北を佐野市、県境の市でございますので、この城下町のまちの中は日光の脇往還として栄えた主要な道でございます。古くは先ほど言いました行田市の忍城下と館林城下を経て、佐野市の天明宿へとつなぎ、その先が例幣使街道に合流するルートでございまして、主要な道路でございます。昭和の時代には、両サイドの店舗は看板建築と言われる店構えの商店が軒を連ねて、往時をしのぶ姿は消しつつありますが、そういった環境下のところの道路拡幅の場所でございます。次に、2枚目のパネルとしまして、〔資料②提示〕これは館林市内みずほ銀行前のイメージ図でございます。その地図は冊子の方にも載っておりますので、後で拝見していただければと思います。みずほ銀行前のイメージ図でございますが、日陰とする樹木とベンチ、駐輪場、バス停、自動車が一時停車するなどの荷捌き所なども見受けられます。多くの市民の方々からいただいた意見をもとにイメージ化したものと聞いております。ただ、これは完成予想図ではなく、引き続き安全性や機能性など、まだまだ検討の余地があると伺っております。  ここで具体的な御質問となりますが、館林市本町の中央通り線の現道拡幅事業につきまして、整備期間も含めまして、基本的なコンセプトや今後の見通しなどについてお尋ねをいたします。 ◎中島聡 県土整備部長 都市計画道路の中央通り線でございますが、現道は幅員狭小で歩道のない区間となっておりまして、延長約560メートルの区間におきまして歩道を設置し、車道を拡幅する事業でございます。本事業の計画に当たりましては、地域の方へのアンケート調査、地域の方によるワークショップを実施したところ、地域の方から、「商店街の活性化につなげること」、「歩きやすい空間をつくること」、「美しい街並みをつくること」、などの御意見をいただいたところでございます。この意見を踏まえまして、快適な歩行空間を確保するための自転車歩行者道の設置、店の前を通る人を増やし、商店街の活性化に寄与するための歩行者休憩スペースの設置、防災機能と良好な街並みの形成のための電線類の地中化など、にぎわいを創出する計画としたところでございます。また、歩道部につきましては、来訪者が歩きたくなるような工学的にデザインを施しました「おもてなし舗装」等により、歩いて楽しい歩行空間を創出する予定でございます。  進捗状況につきましては、平成28年度に事業着手し、今年度から用地買収に着手する予定であり、地元の皆様の御理解、御協力がいただければ、平成39年度の完成を目標に事業の推進に努めてまいりたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。  順調にいけば平成39年度に完成すると前向きな御発言をいただきましてありがとうございました。是非、御期待を申し上げさせていただきます。地元の意見等、また地元でも調整を図らせていただければと思っています。沿線の商業者なども高齢化、そして後継者不足に直面をいたしております。拡幅事業をきっかけに、廃業に向かうのではなく、持続可能なという点からも新たな展開を模索できるように、今後とも地元の要望を調整し、スピーディーな事業執行をお願いさせていただきまして、県土整備部長への質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。  次に、産業経済部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 議長 産業経済部長、答弁席へお願いします。           (向田忠正産業経済部長 登壇) ◆多田善洋 議員 我が国の経済を支える中小企業や小規模事業者の現状を見ますと、喫緊かつ様々な課題を抱えております。その中には3つの大きな課題があります。1つ目は創業・起業の増加を図るということ、2つ目が事業継承問題、そして3つ目が労働力不足、が挙げられると思っております。現在、政府におきましては、地方創生を合い言葉に、まち・ひと・しごと創生本部を設置し、まず地方における安定した雇用の創出や、地方への人の流れをつくる、若い世代のファミリープランを実現する、地域と地域とを連携させるなど、様々な取組を実現させ、社会全体を活気あるものにすることを目指しております。  そこでまず、本県における創業支援の現状と取組についてをお尋ねいたします。 ◎向田忠正 産業経済部長 まず、創業支援を取り巻く状況でございますけれども、国では開業率を雇用保険の新規加入事業所数から算出しております。これによりますと、直近、平成28年度の本県の開業率は5.4%でございまして、平成24年度の4.0%から年々上昇しているところでございます。また、本県では、産業競争力強化法に基づく創業支援等事業計画を県内の全ての市町村が策定しておりまして、商工団体や金融機関等と連携して創業セミナーなどを開催しております。さらに、民間の団体や金融機関によるビジネスプランコンテストが開催されるなど、本県の創業環境は着実に向上してきていると考えております。  創業支援は、機運醸成をはじめ、創業準備や創業後の各段階において切れ目のない支援が必要であると考えております。そこで、県の取組でございますけれども、市町村・商工団体・金融機関・大学・民間企業等で構成いたします創業支援連携会議を設けまして、関係機関との役割分担のもと、機運醸成や創業計画の実現、あるいは事業の安定化に係る支援など、それを県が重点的に行うというふうなことで進めております。具体的には、創業への関心を高め、職業選択の一つとして創業を考えていただけるよう、大学生や高校生、あるいは女性が実際に創業を果たした経営者と直接交流する創業者創出ミーティングを開催いたしまして創業支援を進めておるほか、創業情報ポータルサイトによる情報発信も進めております。また、創業を計画中もしくは創業後間もない方に対しては、群馬県産業支援機構に設置いたしました創業支援センターで相談や専門家派遣に応じているところでございます。さらに、創業プラン実現支援塾では、約半年をかけて事業計画を磨き上げて創業につなげまして、関係事業者とのビジネスマッチングを図る伴走型の支援を行っております。  県といたしましては、今後とも、関係機関との連携を強化して創業を積極的に支援いたしまして、新たな雇用の創出や地域経済の活性化に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。  創業した後も伴走型の支援をしていただいているということで、本当にありがとうございます。そういったことを継続的にしていただければと思っています。  冒頭申し上げましたとおり、本県はものづくりの県として、製造業を中心とした経済構造を形成してまいりました。有効求人倍率を見ましても、本県では、平成30年7月時点では1.72倍、さらにハローワーク館林管内では2.43倍となっているなど、本県の有効求人倍率は比較的高い状況にあります。しかし、いかに製造力を高め、加工技術の進展や海外を見据えたブランド化によって地域経済を牽引しようと考えましても、人材と技術が常に車の両輪のごとく機能しなければ生産力は向上しません。  そこで質問ですが、本県における労働力不足の現状と対策についてお伺いをいたします。 ◎向田忠正 産業経済部長 本県の労働力不足の現状でございますけれども、本県の有効求人倍率につきましては今議員御指摘のとおりでございます。業種別に見ますと、建設・介護・運輸をはじめとして、県内の多くの中小企業から人手不足を訴える声が数多く寄せられております。本県産業を支える人材の確保は極めて重要であるというふうな認識を持っております。  これについて、県といたしましては、これまで働く場に参加してこなかった方々を含めた多様な人材が労働市場に参加し、活躍いただくことが重要であるというふうに考えております。そのため、若者、女性、中高年齢者などに対する働くきっかけづくりを支援するとともに、誰もが働きやすい職場環境づくりに取り組んでいるところでございます。具体的には、若者向けにジョブカフェぐんまにおいて、きめ細かなカウンセリングにより企業とのマッチングを行うとともに、女性や中高年齢者に対しましても、ジョブカフェ・マザーズ及びシニア就業支援センターにおきまして、求人企業及び求職者双方の希望や条件をもとにマッチングを行っております。また、県内外へ進学した若者を対象に県内企業でのインターンシップを実施するなど、U・Iターンを含めた県内就職の促進を図っているところでございます。さらに、誰もが働きやすい職場環境づくりを推進するため、経営者や管理職を対象といたしましたぐんまのイクボス養成塾などのセミナーや、従業員のワークライフバランスを推進する企業を認証する群馬県いきいきGカンパニー認証制度などによりまして、県内企業の働き方改革の取組を後押ししているところでございます。  県といたしましては、人口減少社会においても本県が将来にわたって持続的に成長・発展できるように、引き続きこれらの人材確保対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。  いろんな施策を持って取り組まれている状況はわかりました。働き方改革も含めて御検討もされていることは重々わかっているつもりでありますが、現実問題としてはなかなか労働力不足の解決ができていないのが現状ではないかなと思っています。  そこで、県として労働力不足に対して様々な取組を行っていることは確認されましたが、それをしっかりお願い申し上げさせていただくとともに、現在、大澤知事が積極的に友好関係を深めておられますベトナムなど諸外国との人材育成交流が進められる中、外国人技能実習生の活躍にも大きく期待を寄せるところであります。ただ、これまでの御答弁でも明らかなように、本県の中小企業や小規模事業者の現況や今後の見通しを推察いたしますと、更なる安定した労働力の確保が必要と思われます。  そこで、外国人技能実習生の方々は、技能実習生として技能の習得に励まれるとともに、県内各地において貴重な人材にもなっていると思われます。本県における外国人技能実習生の現状と今後の取組についてお尋ねをいたします。 ◎向田忠正 産業経済部長 県内の外国人技能実習生でございますけれども、昨年10月末現在で6,774人おられます。この3年間で1.7倍に増加しておりまして、産業別では製造業が約7割を占めまして、次いで農林業、建設業で従事する割合が高くなっております。  技能実習制度につきましては、昨年11月に制度の適正な実施を目的とする外国人技能実習法が施行されまして、監理団体を許可制にするなど、管理監督体制の強化や実習生の保護体制強化などが図られたところでございます。これを受けまして、県では昨年度、外国人技能実習制度の適正活用に係るセミナーを開催いたしまして、新しい実習制度の周知啓発を行ったところでございます。また、今年度は新たに実習生の受入企業等を対象に、日本語の効果的な指導方法を学んでいただくためのセミナーを開催し、実習生の円滑な受入・定着に向けた支援に取り組んでおります。現在、国では、3年または5年とされております技能実習期間が終了した後も、さらに継続して日本国内での就労が可能となるよう、新しい在留資格の創設に向けた検討が行われておるというふうに聞いております。このため、県では、国の検討状況を注視いたしまして、関係機関との連携のもと、県内企業や技能実習生の監理団体に対しまして常に最新の情報を提供したいと考えております。  県といたしましては、今後も群馬労働局や経済団体等と連携し、技能実習制度の適正な利用について普及啓発を図るとともに、実習生が技能を十分に習得できるような環境づくりを支援することによりまして、制度が適正に運用され、企業と実習生、地域や県経済にとって有益なものとなるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。  県内には技能実習生が6,774人いて、3年で1.7倍に増えているという現状をお聞かせいただきました。様々な取組をされているということでございますが、技能実習の関係は、国においても来年の4月から様々な動きがあるように聞いております。引き続き国との連携をしっかりお願いしたいと思っております。また、実習生は群馬で暮らす生活者でもあります。関係機関で連携して生活者視点でのフォローアップを是非ともお願いいたします。そして、中小企業、小規模事業者が人手不足倒産、人手不足廃業にならないよう、重ねてお願いを申し上げます。産業経済部長への質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。  続きまして、警察本部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 議長 警察本部長、答弁席へお願いします。           (松坂規生警察本部長 登壇) ◆多田善洋 議員 秋の交通安全週間が始まりました。そして、県民の交通安全を願いながら、県民の安全を守る取組について御質問をさせていただきます。  昨年12月5日の一般質問におきまして、「あおり運転」等交通事故防止対策についての質問をさせていただきましたが、警察本部長をはじめ県警本部並びに各地域における職務に精励されている皆さん方の県民のための昼夜を分かたぬ御苦労に対しまして、心からお礼を申し上げさせていただきます。  今回も「あおり運転」について質問させていただきますが、昨年の6月に神奈川県の東名高速道路で夫婦が死亡した事故を契機に、「あおり運転」が社会問題化しておりますが、県内における「あおり運転」の検挙状況及び防止対策についてお尋ねをいたします。 ◎松坂規生 警察本部長 ただいま議員から御指摘がございましたとおり、昨年6月に神奈川県内の東名高速道路で御夫婦がお亡くなりになる悲惨な交通事故が起きたことを受けまして、「あおり運転」が重大事故に直結する極めて悪質かつ危険な運転行為として社会問題となっております。警察庁においても、「あおり運転」等の妨害運転に対しては、道路交通法違反をはじめ、あらゆる法令を駆使した検挙活動を推進するよう全国警察に指示をしています。  県警察では、「あおり運転」のような危険な行為に対しては、道路交通法の車間距離不保持の違反等として取締りを行っているほか、交通事故を起こして人を死傷させた場合には、通常の交通事故よりも法定刑が重い危険運転致死傷罪、あるいは刑法の暴行罪等、あらゆる法令を適用して悪質ドライバーの検挙に努めているところであります。検挙状況でありますが、県警察では、「あおり運転」が横行しやすい高速道路上を中心に取り締まり活動を強化しており、県警ヘリ「あかぎ」も導入して上空から道路上を監視し、「あおり運転」等の危険な運転行為をする車両を発見した場合には、地上で待機しているパトカーと連携して違反車両を検挙する空陸一体の交通取締活動を展開しております。その結果、本年8月末現在の車間距離不保持違反は432件と、既に昨年1年間の302件を大きく上回る件数を検挙しております。また、昨年12月に藤岡市内の道路上で「あおり運転」を繰り返した上、被害車両に自分の車を衝突させた男性に対しては、刑法の暴行罪を適用して立件したところであります。「あおり運転」の防止に向け、高速道路利用者に「あおり運転」の危険性を広く周知するため、サービスエリア等に「あおり運転は犯罪です。」と題するポスターを掲示しているほか、交通安全運動期間中に実施する関係機関・団体と連携した街頭指導の際に、「あおり運転」防止を呼びかけるなど注意喚起を図っているところであり、引き続き取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。  「あおり運転」もそうでしょうが、ドライブレコーダーの有効性も前回の質問で指摘をさせていただきましたが、実際に被害に遭われた第三者の証拠として認められなければならない、摘発につながることもあろうかと思います。目撃者の証言も貴重な捜査の手がかりとなることから、予測が可能な事件・事故も多いと思いますが、捜査のプロとして、プライバシーの保護という観点も考慮しながら、街頭防犯カメラの設置及び取組について、犯罪予防や抑止についてのお考えをお尋ねいたします。 ○橋爪洋介 議長 警察本部長、残りわずかです。 ◎松坂規生 警察本部長 街頭防犯カメラでありますが、犯罪の予防や犯罪発生時の的確な対応による事件の速やかな解決など、極めて有効な手段であると認識をしております。そのため、県警察では、市町村や自治会、商店街等に対して街頭防犯カメラの設置について働きかけるとともに、必要な情報の提供や助言を行っているところであります。また、その際には、安全で安心なまちづくりの推進とプライバシーの保護との調整を図るため、条例に基づくガイドラインの趣旨を踏まえて助言を行っております。本年7月末現在。 ○橋爪洋介 議長 時間です。 ◎松坂規生 警察本部長 県内に多数設置されております。引き続き、この推進に努めてまいります。 ○橋爪洋介 議長 時間です。 ◆多田善洋 議員 ありがとうございました。 ○橋爪洋介 議長 以上で多田善洋議員の質問は終わりました。(拍手)   ● 休     憩 ○橋爪洋介 議長 暫時休憩いたします。  5分後に再開いたします。     午前11時9分休憩     午前11時14分再開   ● 再     開 ○橋爪洋介 議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問(続) ○橋爪洋介 議長 萩原渉議員御登壇願います。           (萩原 渉議員 登壇 拍手) ◆萩原渉 議員 皆様、こんにちは。吾妻郡選出、自民党の萩原でございます。  一言御挨拶を申し上げます。今日は御嶽山の噴火からちょうど丸4年ということでございます。また、本県におきましては、1月23日に草津の本白根山が噴火をいたしました。多くの死傷者が出たところでございます。また、8月10日の防災ヘリ「はるな」の墜落事故では9名の方々がお亡くなりになりました。心より御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族、また関係者の皆様に心からお悔やみとお見舞いを申し上げる次第でございます。  本日の質問は、この白根山防災対策や、また防災ヘリ「はるな」の事故、また群馬の山岳地域の振興、県の障害者雇用問題等を中心に質疑させていただきます。執行部皆様の明瞭簡潔な答弁をお願いいたします。また、地元から、また雨の中を朝早くから今日は傍聴にお越しいただきまして感謝を申し上げ、質問席に移らせていただきます。(拍手)  最初に、県土整備部長、お願いします。
    ○橋爪洋介 議長 県土整備部長、答弁席へお願いします。           (中島 聡県土整備部長 登壇) ◆萩原渉 議員 よろしくお願いします。  まず、本白根山の噴火への対応ということで、安全対策につきまして県土整備部長にお聞きします。また、国道292号の通行規制、また風評被害、国道292号バイパスにつきまして質疑をするわけでございますが、パネルを用意しましたので、少しこの地域の地勢とか、そういう地理的なものを、共通認識を持っていただくためにちょっと説明させていただきます。〔資料①提示〕これが草津の白根山でございます。半径2キロメートルの円が描いてございます。そして、この下にありますのが本白根山、これが1月23日に噴火したわけでございますけれども、また半径2キロの円が描いてあります。それで、下の方にありますのが草津温泉でございます。ここまで約6キロから7キロぐらいございますので、安全面の問題はないわけでございますけれども、風評被害等がございまして観光客の入り込みもこの夏は大分少なくなっているところでございます。  この本白根山と白根山の間を国道292号線が通って、日本の中央分水嶺と言われる志賀草津高原ルート、こちらを通って渋峠から志賀高原に下りていくというのがメインのこの辺の観光ルートとなっているわけでございます。先日これは開通いたしましたけれども、それまでは万座ハイウエーを通っていく。そして、この白根山で渋峠の方へ向かって志賀高原へ行く、こういったルートしか通れなかったわけでございますが、21日に噴火の警戒レベルが落ちたということで、22日から通行できるようになって大変喜んでいるところでございます。そういう認識を持っていただいて、この質問に入らせていただきます。安全対策につきましては3つ質問させていただきます。  まず1つは、火山弾防護。これは、御嶽山もそうでございますけれども、本白根山でも火山弾によって死傷者が出てしまったというふうにございます。この火山弾防護に対する安全対策はどうだろうか。  そして、砂防事業でございます。振子沢とか清水沢もございますし、そういった国道の安全を守っていくためにも、砂防事業をこれからも行っていただかなければいけないというふうに思います。この砂防事業についてはどうか、お尋ねいたします。  3点目は、新防災ハザードマップ。これが草津町におきましては今の白根山に対する噴火へのハザードマップということで今までつくられていたわけでございますが、本白根山が噴火したということで新しいハザードマップをつくろうということで、今年度末にそのハザードマップができるということでございますが、国土交通省は火山のハザードマップを新システムで、短時間での作成を浅間山や富士山で行っているとしておりますけども、白根山への適用等はいかがか。その3点について、まずお聞きしたいと思います。 ◎中島聡 県土整備部長 最初に、国道292号の安全対策でございますが、本白根山の噴火を踏まえまして、4月の開通に当たりまして、避難誘導看板の設置や富士見台駐車場に高さ2.5メートル、幅2.5メートルの待避壕を設置し、万が一火山弾や火山灰が飛んできた場合にも、一時的に通行者が待避できる場所を確保したところでございます。また、火山弾から国道を防護するためのシェッド、シェッドといいますのは、通行者を守るための屋根型の防災施設になりますけれども、これについては現在検討をしておるところでございますが、全国的に例がなく、想定される火山弾の大きさや数、火山弾に耐え得る構造の検討や、現在の風景を損ねてしまうおそれなど大きな課題もあることから、このシェッドを設置することが可能かどうかを含めて、現在検討を進めておるところでございます。  次に、砂防事業でございますが、砂防事業につきましては、本年1月の本白根山の噴火を受けまして、国土交通省では、現在策定済みの草津白根山(湯釜付近)火山噴火緊急減災対策砂防計画に加えまして、新たに本白根山火山噴火緊急減災対策砂防計画の今年度中の策定に向けて、先月に検討委員会を設置し、対応方針や具体的な対策を検討しているところでございます。また、この計画の策定と並行いたしまして、国土交通省では、1月の噴火により振子沢等の流域には降灰が堆積し、土石流の発生などが懸念されることから、下流にあるスキー場のレストハウスや国道292号等を保全する砂防えん堤の整備を検討しているところでございます。  次に、ハザードマップについてでございますが、本白根山噴火に関するハザードマップの作成については、先ほど議員からもありましたように、草津町、国、県や学識者からなる草津白根山防災会議協議会におきまして、火山学的な見地から噴火規模を検討し、今年度中の作成を目指しているところでございます。また、国土交通省が新たに開発しました火山噴火リアルタイムハザードマップシステムにつきましては、想定と異なる噴火活動が発生しても、実際の火山活動を速やかに反映させたハザードマップを緊急的に作成できるシステムのことで、当面は浅間山など5つの火山を対象に火山活動の状況に応じて提供を始め、今後、順次、対象火山を拡大していく予定と国から聞いております。草津白根山、本白根山につきましても、今後、順次対象火山に含めていく予定であると国から聞いておるところでございます。 ◆萩原渉 議員 ありがとうございます。  火山弾防護に対しましては、今いろいろ技術が進んでおりまして、いろんなメーカーが防護の対応をする、例えば繊維織物、そういったものを山小屋やシェルターにかけることによって火山弾を防ぐとかいうことも開発されておりますので、そういったところも研究していっていただければというふうに思います。  また、砂防事業については、是非とも早い時期に完成できるようにお願いしたいというふうに思います。  ハザードマップにつきましては、西日本の洪水のときに、倉敷市でのハザードマップが、ハザードマップのとおりに、とおりにと言ったら変ですけれども、洪水が広がっていったということで、国民の中にもこのハザードマップの有効性という認識が新たに起きたのではないかなというふうに思います。これも今年度いっぱいということでございますから、是非とも早目にその辺の作成をお願いしたいと思います。  次に、国道292号線の通行規制につきまして、これは報道等、また先ほどもお話ししましたように、9月21日に噴火警戒レベルが2から1になりました。そして、9月22日に新基準によって通行規制が解除になったということで、地元をはじめ観光関係者は大変喜んでいるところでございます。しかしながら、またいつ噴火警戒レベルが2になるかわかりません。ということで、昨日もその防災訓練が地元の白根山で行われたところでございますけれども、白根山噴火警戒判定新基準が運用開始をされたわけでございますが、この基準の内容と対応についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎中島聡 県土整備部長 気象庁では、9月6日、草津白根山の噴火警戒レベルを判定する新基準の運用を開始し、地震活動の状態に応じ噴火警戒レベルを柔軟に上げ下げできるようにしたところでございます。新基準につきましては、レベル2の状態で火山性微動がなく、火山性地震が24時間に10回未満の状態が2週間以上継続した状態が確認されるなど一定の基準を満たした場合は、噴火レベルを1に引き下げ、一方、火山性微動の発生した場合や、火山性地震が24時間に10回以上観測され、再び火山活動が高まる傾向の状態になった場合には、噴火警戒レベルを2に引き上げることとしております。国道292号は、噴火レベル1の場合、立入規制範囲、これは半径500メートルでございます、から離れているため通行が可能でございますが、レベル2に上がりますと、その一部が立入規制範囲、半径1キロメートル以内となるため、殺生ゲートから万座三差路間の通行止めを実施することとなります。道路管理者であります県といたしましては、通行者の安全確保を最優先に考え、火山の専門家の意見を聞きながら、噴火警戒レベルに対応した国道292号の通行規制を実施していきたいと考えております。 ◆萩原渉 議員 噴火警戒レベルが下がることによって、1キロから500メートルにその規制が下がっていくというようなことでございますので、それによって国道が29日からは24時間開通ということでございます。こういう明確な基準ができたということでございます。しかしながら、今後、明確なこの基準によって、また警戒レベルが2に上がるということもあるわけでございますので、引き続き通行者の安全、また道路の安全管理をお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。  続いて、観光局長、お願いします。 ○橋爪洋介 議長 観光局長、答弁席へお願いします。           (真下英明観光局長 登壇) ◆萩原渉 議員 お願いします。  この国道292号線というのは大変風光明媚な、すばらしい観光道路であるというふうに思います。1957年に、日産のフェアレディですとかスカイラインをデザインしました桜井真一郎氏が、芳ヶ平のヒュッテから志賀草津高原ルートの国道292号線を見て、あまりにも美しいので自動車の名前をスカイラインにした。それでスカイラインという命名をしたというぐらい、知らない方も多いと思いますので御披露しましたけれども、そういった大変風光明媚な道路であるということで、この道路が観光道路として大変使われております。しかしながら、4月22日から9月21日まで通行止めが続いたことにより、草津温泉はもとより、志賀高原ルート側の湯田中、小布施、山田温泉等々も軒並み15%ぐらいお客様の入り込みが減少しているという状況が続いております。これらの風評被害に合わせた観光対策、これまでも行っていただきましたけれども、是非とも強化していただきたいと思うんですが、その辺につきましてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎真下英明 観光局長 議員御指摘のとおり、5月以降、草津温泉の観光入込客数は前年比マイナス15%と厳しい状況で推移をしております。また、万座温泉も同様に厳しい状況となっているところでございます。入込客数が減少している主な要因は、地元関係者によりますと、これまで続いた国道292号線の通行規制により長野県との往来ができなかったこと、さらには風評被害が広がっていることなどでございました。  県では、1月の本白根山の噴火以降、風評被害対策といたしまして、国内外に向け、新聞・ラジオ・雑誌・インターネット等の様々な手段で温泉地に噴火の影響がない旨を情報発信しますとともに、草津温泉・万座温泉の魅力についても積極的にPRをしてまいりました。このほど、紅葉など秋の行楽シーズンを前に国道292号線の通行規制が解除されましたことは、吾妻地域の観光振興にとって非常に喜ばしく、今後の入込客数の回復に期待をしているところでございます。本県といたしましても、今後も県の観光情報誌などで草津温泉の魅力を紹介するなど観光PRを進めますほか、引き続きまして火山情報などの正確な発信に努めて、草津万座エリアに安心してお越しをいただけるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆萩原渉 議員 ありがとうございます。  9月22日に292号線の通行規制が解除になりましたので、ようやく秋の紅葉シーズンに間に合ったなということで、草津をはじめ万座温泉、周辺の観光地、皆喜んでいるところでございますが、またいつ何が起きるかもわからない状況でもございますので、この地域の安全性というのはもう担保されているわけでございますので、是非とも観光面での誘客を図るために、引き続き宣伝等につきましての御協力、御支援をいただきたいと思います。ありがとうございました。  県土整備部長、お願いします。 ○橋爪洋介 議長 県土整備部長、答弁席へお願いします。           (中島 聡県土整備部長 登壇) ◆萩原渉 議員 引き続き御登壇いただきまして、ありがとうございます。  国道292号線バイパスということで、実は皆さんのお手元にもあります地図上にこういう赤い線が書いてあるんですけれども、この線はまだ実態のない架空の線でございまして、私が書き込んだものでございます。国道292号線につきましては、先ほど来から申しましたように、白根山、本白根山に挟まれた道路でございますので、避難の規制が2から1という状況では、1では湯釜から500メーター、本白根山からも500メーターということでございますので、通行的には問題ないんですけれども、レベルが2に引き上げられますと、1キロという範囲が規制範囲になりますので、道路がまた再び通行止めになるということはあります。今は通行している人々の安全を確保することが第一義的だというふうに思いますけれども、私は地元でございますので、この辺は昔からスキーでよく行ったり来たり、本当に地元をよく知っているわけなんですが、チャツボミゴケ公園の先にあります熊倉というところまで、いい道ができておるんですけれども、そこからこの国道292号線のバイパスをつくったらどうかということで、現在、地元の草津町、中之条町をはじめ、吾妻郡の6か町村で期成同盟をつくって、このバイパスの建設を促進していこうというふうな動きがあるといいますか、実際には来月、その設立総会があるわけでございますけれども、そういった地元が吾妻郡全体で取り組んでおる期成同盟に対しまして、県としての御支援をいただきたいというふうに思うんですが、この点につきましてはいかがでしょうか。 ◎中島聡 県土整備部長 本白根山の噴火や草津白根山の火山性地震等の増加により、国道292号の一部区間が長期にわたって通行止めとなりまして、地域に大きな影響を与えていることから、火山活動の影響を受けない道路を整備する趣旨は認識しておるところでございます。一方、バイパス建設予定地周辺は急峻な山岳地帯であるため多額の事業費が想定されることや、上信越高原国立公園の区域内であることから自然環境への影響、また、豪雪地帯であることから除雪などの維持管理の面での課題があると考えております。今後はバイパス建設に当たっての課題の整理を進めてまいりたいと考えております。 ◆萩原渉 議員 ありがとうございます。是非課題の整理をして推進していただきたいというふうに思います。先ほど申しましたように、吾妻郡の6つの自治体が、町村長さんや議長さんが参加して皆協働で推進していく事業ということでございますので、是非とも県の支援をお願いします。吾妻振興局、県土整備部、環境森林部等の県の関係機関の力強い御支援を強く要望して、この質問は閉じさせていただきます。ありがとうございました。  続きまして、荻澤副知事、お願いいたします。 ○橋爪洋介 議長 荻澤副知事、答弁席へお願いします。           (荻澤 滋副知事 登壇) ◆萩原渉 議員 荻澤副知事には初めての一般質問ということで御登壇いただきましたので、ありがとうございます。  荻澤副知事は、皆さん御承知のとおり、消防庁の防災部防災課長を務め、熊本地震では現地に入り被災者支援などを行った災害対策の専門家でもございます。副知事就任時には、災害対応のよしあしは事前準備ができているかどうか、こういったことにかかっていると述べられております。今回、現地での救助対応には陣頭指揮をとっていただいたわけでございます。事故の対応体制としましては、県の中に本部、また草津町にあります西部消防署に現地対策本部、渋峠の方にも前線の本部ということで、3か所の対策本部が置かれました。また、自衛隊の12旅団でDMATやトリアージにも対応しております。それぞれの部署での役割と連携もあると思いますし、現地では陣頭指揮をとっていただきましたので、現地対策を中心とした県の対応状況についてお聞きいたします。よろしくお願いします。 ◎荻澤滋 副知事 群馬県防災ヘリ「はるな」の墜落事故に対する捜索・救助活動でございますけれども、県警察本部に加えまして、隣接県、自衛隊にも協力をいただきながら進めたところでございます。県の体制でございますけれども、大澤知事を本部長とする「群馬県防災ヘリコプター遭難事故対策本部」を立ち上げまして、消防、警察、自衛隊、DMATなど関係機関との調整を行ったところでございます。議員からも御紹介いただきましたとおり、知事の命を受け、私も現地に向かいまして、現場に近い吾妻広域消防本部の西部消防署、草津町にございますが、そこを現地対策本部といたしまして指揮調整を行ったところでございます。現地には自衛隊、警察、またDMATの先生方にも入っていただきまして、県からは危機管理室、吾妻振興局の職員も入りまして、2日間にわたりまして情報収集、連絡調整に当たったところでございます。  具体的には、捜索・救助活動、空からの活動が重要でございましたけれども、警察ヘリ、防災ヘリ、陸・空の自衛隊ヘリなど、あわせて2日間で延べ10機が投入されたところでございます。現地対策本部からは地上部隊の状況・ニーズを把握したうえで伝達するなど、県庁に設置されました航空調整本部と緊密に連携することにより、狭い空域での運航調整、安全確保、役割分担を効果的に行うことができたのではないかと考えております。また、地上からの捜索・救助でございますけれども、地元の消防団員の方々を含む消防、警察、自衛隊の合同で行われましたが、渋峠ホテルに設置された合同の指揮調整所におきまして、各機関の指揮隊長さんにおかれては情報共有を図っていただきました。現地の本部からも安全、効率的な進入ルートの確保をするための調整、また、ヘリの航空燃料が漏れているという情報もございましたので、現地で爆発・炎上することのないような資機材を現地に持ち込む、そういう前線のニーズに応じた支援を調整したところでございます。  結果といたしまして、2日間にわたる懸命の救助活動にもかかわらず、9名の方々の命を救うことができなかったことは誠に残念でございましたが、近づくことさえ困難な急斜面、危険な救助現場で二次災害を起こすことなく活動を終えられましたことは、各機関が情報を共有しつつ、また、それぞれの能力を最大限に発揮したことによる賜物というふうに考えておるところでございます。県としても、大澤知事の全体の統括のもとで、現地での役割を果たすように努めたところでございます。関係の皆様には改めてお礼を申し上げさせていただきます。 ◆萩原渉 議員 ありがとうございました。ちょうどこの地図上でいきますと、私はこちらだけパネルに書いてありますけれども、ここがヘリコプターの墜落した場所でございます。ガラン沢という沢があって、遭難の名所みたいな大変山深いところでございまして、渋峠のここに自衛隊や現地の先遣隊の本部が出て、何度か1日目はここへ挑戦していったんですけれども、結局、ヘリでしか行けなかったという状態で、消防団も自衛隊も戻ってきたような状況でございました。いずれにしても、このヘリの事故というのは大変なことであり、自衛隊が160名、また警察関係も50名、地元の消防団関係を合わせると300名を超える人たちが懸命になって2日間捜索活動したということで、その陣頭指揮をとられました荻澤副知事に深く感謝をする次第でございます。ありがとうございました。  続きまして、危機管理監、お願いいたします。 ○橋爪洋介 議長 危機管理監、答弁席へお願いします。           (横室光良危機管理監 登壇) ◆萩原渉 議員 新聞等でも既にこの事故への対応やその内容につきましては報道がされているところでございますが、県議会として改めて質問をさせていただきます。  事故の原因究明と事故防止対策というものが急務でございます。9月10日付で消防保安課に「防災航空体制検証・再建室」を設置したということでございます。この目的や内容についてお聞きするとともに、機体回収につきましては大手議員の方から質問がございましたが、進展状況があると思いますので、その辺につきましてもお聞かせいただきたいというふうに思います。 ◎横室光良 危機管理監 県といたしましては、二度とこのような事故を起こさないように、これまでの安全管理体制を全面的に検証するとともに、今後の防災航空体制の検討を迅速かつ確実に実施するため、議員からもお話がございましたけれども、9月10日に消防保安課内に「防災航空体制検証・再建室」を設置し、室長を含め専任職員3名を配置したところであります。この検証・再建室では、9月20日に設置されました「防災航空体制のあり方検討委員会」を運営するとともに、今後、検討委員会が取りまとめます報告書を踏まえまして、本県の防災航空体制の再構築を進めることとしております。検討委員会の構成は、委員としてヘリコプター工学を専門とする大学教授、他県の防災ヘリ等の運航を受託している民間企業、他県の防災ヘリの運航管理責任者などの外部有識者8名を選任し、さらにオブザーバーとして総務省消防庁、群馬県警察、前橋赤十字病院、消防本部等の職員6名を加えた14名で構成しているところでございます。検討委員会が検討する主な課題といたしましては、運航の可否の判断や航空法の遵守などに関するこれまでの安全管理体制の検証、また、組織体制や関係規程の見直し、ダブルパイロット制の導入などに関する今後の安全管理体制の検討、さらには隊員の確保などに関する活動再開に向けた課題の整理を予定しているところでございます。検討委員会のスケジュールにつきましては、今後4回程度委員会を開催いたしまして、来年1月には報告書を取りまとめたいというふうに考えているところでございます。  また、議員の方からお尋ねがございました機体の回収についてでございますけれども、機体につきましては現在も墜落現場にあるということでございます。その早期回収を準備してきたところでございます。今般、現地の調査を経まして回収できる見込みとなったことから、今月中に業者と契約をいたしまして、来月、10月中には回収したいというふうに考えております。回収方法といたしましては、機体を梱包いたしまして、大型ヘリコプターで渋峠付近の空き地まで運びます。その後、機体をトラックに積み替え、群馬ヘリポートの防災航空隊の格納庫へ搬送・保管する予定でございます。保管した機体につきましては、しばらくの間、運輸安全委員会の調査や警察による捜査が行われる予定でございまして、早期の原因究明につながることを期待しているところでございます。あわせて、機体につきましては、御遺族にとって特別な思いもあることから、御遺族の御要望を丁寧に伺って、これを踏まえた対応を行っていきたいというふうに考えております。 ◆萩原渉 議員 是非とも体制の方を強化していただきたいというふうに思います。  私のこの事故に対する思いをちょっと述べさせていただきます。長野県では、事故があり、やはり9名の方が亡くなったわけでございますけれども、これは1年半前のことでございます。そして上野村での墜落事故、これでは今回の東邦航空への事業改善命令が起きているわけでございます。そして、今回の事故での国交省からずさんな運航管理に対する行政指導、これらを受けたところでございます。これらを鑑みますと、今後の運航管理体制の構築というのは本当に急がれるというふうに思います。  また、一昨日の国交省の行政指導への報告の対応では、飛行計画や到着通知は東邦航空にお任せしていた。その理由については、業務が専門的で理解するのが難しいと釈明をしております。また、今後の対応は、専門家による防災航空体制のあり方検討委員会を20日付で設置し、その提言を踏まえて再発防止策を検討していくとしております。防災ヘリ等は人命に関わる大変危険な業務でもあります。現場での対応は大変重要であるというふうに考えます。一括委託で全てを委託先に任せるのではなくて、是非とも運航主体である県内部にやはり専門家の設置を図るべきと考えます。このことを要望して質問の方は終わらせていただきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。何かありますか。(「遺族対応」と呼ぶ者あり)ああ、そうか、ごめんなさい。ちょっと興奮して次を忘れました。  遺族対応と吾妻、多野藤岡広域消防本部への支援について、遺族対応と多くの方を失った吾妻、多野藤岡広域消防本部への支援、これは万全を期するべきだというふうに考えます。これらの対応についてはどうか、お願いをいたします。 ◎横室光良 危機管理監 御遺族の皆様は、大切な人を失った悲しみに加えまして、健康管理やお子様への対応、今後の生活など様々な不安や悩みを抱えていることから、県の担当者、保健師、消防本部の職員で御遺族を訪問し、それぞれの事情に沿ったきめ細やかな支援を現在行っているところでございます。特に、主に学齢期におけるお子様のケアについては、県及び市町村の教育委員会と学校現場が連携し、担任教師等による見守りに加え、専任のスクールカウンセラーによる対応を充実するなど、ケア体制を強化しているところでございます。補償等につきましては、個々の御遺族ごとに認定される公務災害補償やその他の補償についても、地方公務員災害補償基金や各補償機関と調整を行うなど、早期に支給されるよう可能な限り支援を行っているところでございます。あわせて、各種奨学金を紹介するとともに、御遺族の負担軽減のため書類の作成なども支援を行っております。今後も、御遺族が一日も早く安定した生活を過ごせることを第一に考え、精一杯支援をしてまいりたいというふうに考えてございます。  次に、吾妻広域消防本部及び多野藤岡広域消防本部への支援についてでございますが、今回の事故で亡くなりました消防職員は、いずれも救助分野の知識と技術に秀でた経験豊かな消防人でございまして、関係者の喪失感や両消防本部にとっての損失は大きく、非常に深刻であるというふうに受けとめております。特に、6名の職員をいちどきに失った吾妻消防は、組織運営に支障を来しておりまして、必要人員の確保は急務となっているため、消防指令業務の共同運営組織であります高崎消防共同指令センターに吾妻消防から派遣していた3名の職員について、9月1日付で全員の引き揚げを行ったところでございます。吾妻消防本部とともに同センターを共同運営している高崎、利根沼田、渋川、多野藤岡及び富岡甘楽の5つの広域消防本部は、欠員を補うために臨時の職員を派遣しておりまして、吾妻消防本部以外にも新たな負担が生じていることから、関係消防本部の要望を聴きまして、県として可能な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。一方、県では、消防保安課、防災航空隊及び消防学校に所属する職員のうち15名が各消防本部からの派遣の職員でございまして、本県消防防災行政の推進に重要な人材であるところでございますけれども、来年度以降もこれまでどおりの職員派遣を求めた場合には、吾妻消防や多野藤岡消防に過重な負担となることが想定されることから、このため一定の期間は派遣を求めないこととするなど、両消防本部の負担の軽減を図ってまいりたいというふうに考えております。また、総務省消防庁では、両消防本部の職員の心のケアを行うため、臨床心理士を含むメンタルサポートチームを派遣し、カウンセリングを実施してきたところでございまして、県としても保健師によるフォローアップを今後行っていくこととしております。  県としましては、引き続き吾妻広域消防本部、多野藤岡広域消防本部の要望を丁寧にお聴きいたしまして、消防長会とも協議しながら、両消防本部に対し、できるだけの支援を行ってまいりたいというふうに考えてございます。 ◆萩原渉 議員 ありがとうございます。支援制度を総動員して対応していただきたいというふうに思います。特に、お亡くなりになられた方々がちょうど40代前後の、まさに働き盛りということで、お子様が皆小さいですよね。そういった子どもたちのケア、精神的なケアはもちろん、奨学金制度など、これを是非とも適用していただいてお願いしたいと思います。ありがとうございました。  生活文化スポーツ部長、お願いします。 ○橋爪洋介 議長 生活文化スポーツ部長、答弁席へお願いします。           (五十嵐優子生活文化スポーツ部長 登壇) ◆萩原渉 議員 ありがとうございます。  〔資料②提示〕先ほどの白根山、万座もそうなんですが、ぐんま県境稜線トレイルということで、嬬恋村の鳥居峠から水上の土合まで、約100キロに及ぶ稜線がぐんま県境稜線トレイルということで、8月11日に開通というんですか、開業したというか、全線通れるようになったわけでございます。その山懐には、ここにもありますけれども、鹿沢温泉から新鹿沢温泉、万座温泉、バラギ温泉、草津温泉、沢渡温泉、四万温泉、尻焼温泉とか、20にも及ぶ温泉群が展開しているということでございます。これは100キロを一度に行くわけにはいきませんから、この稜線と例えば法師温泉ですとか四万温泉ですとかをつないでいく、こういうことによって、私は、群馬の山岳地域の一部でございますけれども、今まで光が当てられなかった山深い地域にこれからの一筋の光明が当たったのではないかなというふうに思います。このプロジェクトというものをさらに活かして地域の活性化をしていくためには、そういった稜線と温泉地を結ぶ遊歩道等の整備というものを引き続きお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎五十嵐優子 生活文化スポーツ部長 ぐんま県境稜線トレイルにつきましては、議員から御紹介していただきましたとおり、国内最長、約100キロメートルのロングトレイルでありまして、稜線を巡る雄大な景色とあわせて、その周辺の温泉、歴史遺産、文化など豊かな観光資源を楽しめるものでございます。稜線と温泉地を結ぶ遊歩道等を整備することは、議員から御指摘のございましたとおり、稜線トレイルとその山懐に点在する温泉地双方の魅力を高め、山岳地域全体の活性化につながるものと考えております。現在、万座や草津、四万、法師、猿ヶ京、谷川、宝川などの周辺の温泉地と稜線をつなぐ遊歩道等が地元の町村などによりまして整備をされております。これらの改修や道標の新設などに対しましては、千客万来支援事業に昨年度新たな補助メニューとしまして、「ぐんまの山誘客促進」を設けて支援をしているところでございます。具体的には、ぐんま県境稜線トレイルやぐんま百名山など、登山者の安全確保を目的とした施設整備事業に対しまして、補助率2分の1、補助限度額500万円の補助を行うものでありまして、これまで稜線トレイルに関連する3事業に対して補助しております。また、8月に作成した「おすすめルートマップ」では、温泉地から稜線に至るコースや帰り道の温泉ガイド、安全な登山に必要な情報などを紹介しまして、稜線トレイルとともに、地域全体に足を運んでいただけるよう取り組んでいるところであります。  ぐんま県境稜線トレイル全体の活用促進につきましては、知事、地元町村長、環境省、林野庁、山岳団体等で構成します「ぐんま県境稜線トレイル活用促進協議会」において取り組んでいるところであります。稜線と温泉地とを結ぶ遊歩道等の整備につきましても、引き続き協議会において地元町村や山岳団体等の意見を聴きながら推進しまして、稜線トレイルを多くの皆様に安全に楽しんでいただきながら、山岳地域全体の振興につなげてまいりたいと考えております。 ◆萩原渉 議員 ありがとうございました。是非、稜線トレイルとあわせて、この整備の方を推進していただきたいと思います。以上でございます。  観光局長。 ○橋爪洋介 議長 観光局長、答弁席へお願いします。           (真下英明観光局長 登壇) ◆萩原渉 議員 同じ内容の質問でございます。関係温泉地との連携について、ハードとソフト両面からネットワーク化を図っていくことにより、先ほど申しましたように、この山岳地域全体が活性化されるのではないか、振興が図れるのではないかというふうに考えております。観光局長の観光的な立場でお答えいただきたいと思います。 ◎真下英明 観光局長 関係温泉地との連携につきましてお答えをいたします。  今年の8月に全線開通をいたしましたぐんま県境稜線トレイルは、その全線が上信越高原国立公園に含まれておりまして、雄大な山並みが望め、豊かな自然環境の中で爽快感を味わえる魅力のある観光スポットの一つであると認識をしております。議員御指摘のとおり、稜線トレイルの麓には水上、四万、草津、万座などの多くの温泉地が点在をしておりまして、稜線トレイルとあわせて、これら温泉地や食をPRすることで滞在時間が延び、観光消費額の増加につながるものと考えております。このため、県といたしましても、全線開通前からぐんま県境稜線トレイルと結び付けた周辺温泉地の連携や魅力発信を重点的に実施してまいりました。具体的には、ホームページの開設や観光ガイドブックの作成、旅行エージェントやマスコミを対象としたモニターツアーなどに取り組んできたところでございます。また、今年のググっとぐんま観光キャンペーンでは、「水」や「歴史」とともに稜線トレイルを含む「山」をテーマとしており、6月には東京におきまして各温泉地の女将にも参加をいただき、旅行エージェントやマスコミに対し稜線トレイルやその麓の温泉地の魅力を発信したところでございます。  ぐんま県境稜線トレイルは、トレイル自体の魅力もさることながら、その近くにある数多くの温泉で山歩きの後の体を癒やせることが本県ならではの魅力と考えております。また、稜線に沿ってそれぞれ異なります泉質の温泉を楽しめることも大きな特色の一つでございます。これらの特色を活かしまして、稜線でつながる各温泉地が連携し、魅力を発信していくことは新たな観光誘客の目玉となると考えておりまして、県といたしましても各温泉地と連携をしてPRに努めてまいりたいと考えております。 ◆萩原渉 議員 是非ともよろしくお願いします。本当に群馬県は山が多い、山が深いところでございます。この地域が活性化をしていくためには、このぐんま県境稜線トレイルを活かして、その山懐の地域が連携していくということが大切なことだと思いますので、御支援のほどよろしくお願い申し上げまして、終わります。  次に、温泉文化の世界無形文化遺産への登録ということで、生活文化スポーツ部長、お願いします。 ○橋爪洋介 議長 生活文化スポーツ部長、答弁席へお願いします。           (五十嵐優子生活文化スポーツ部長 登壇) ◆萩原渉 議員 〔資料③提示〕皆さんのところにもありますので、パネルの説明をしますけれども、左の方はユネスコのエコパークと世界遺産事業との比較ということで、ユネスコの世界遺産事業等は、ここに書いてありますように7つあるわけですね。ユネスコのエコパーク、これは既に水上が登録されていますし、志賀高原の群馬県側も登録されております。そして、皆さん御承知の世界遺産の文化遺産は富岡製糸場と絹産業遺産群、そして世界遺産の自然遺産があり、無形文化遺産、これに温泉文化を登録しようではないかということで、今、研究会が立ち上げられている。その下の世界記憶遺産は、書いてありませんけれども、上野三碑が登録されているわけでございます。あとクリエイティブシティーズネットワークというのは都市の関係、あとユネスコ世界ジオパークも、日本ジオパークに下仁田ですとか浅間山が登録されております。何とか世界に持ち上げられればなというふうに思いますけれども、そういった中で、この温泉文化というものをユネスコの無形文化遺産に登録できるのではないかということで、我々は研究を重ねて、ちょうど明日の9月28日11時から、また県連の3階で研修会がございますので、興味のある方は是非御参加をいただきたいというふうに思います。  この温泉文化世界遺産研究会が今研究をしております、温泉文化の世界無形文化遺産への登録プロジェクトに関しまして、群馬県が中心となり、関係各県と連携して登録推進を図ろうとしております。これにつきましての県の対応というものをお聞かせいただきたいんですが、お願いします。 ◎五十嵐優子 生活文化スポーツ部長 本県は全国屈指の温泉大国でありまして、今年度からスタートしました第2次群馬県文化振興指針の中で、湯治の歴史や湯の町ならではの祭りや情緒、訪れる人々を迎えるおもてなしの心など、温泉文化を魅力的な観光資源として活用することとしております。このため、県では、8月に「群馬の温泉文化研究会」を立ち上げまして、群馬の温泉文化に関する調査研究を開始したところでございます。  研究会は、文化振興課、総合政策室を中心にしまして、専門的な見地から検討を進めるため、情報発信を所管する広報課、温泉法などを所管する薬務課、旅館業法などを所管する食品・生活衛生課、観光振興を所管する観光物産課、文化財の保護及び活用を所管する文化財保護課の7つの課室で構成をしております。研究会におきましては、本県の持つ温泉の特徴を捉えまして、温泉文化の定義付けを進めるとともに、本県の温泉文化に関係する資産等の現状を再確認・分析したいと考えております。また、温泉そのものの歴史や効能、温泉文化の活用方法や発信方法などについても様々な観点から研究してまいる予定でございます。こうした取組とあわせまして、議員から御指摘いただきましたユネスコ無形文化遺産につきましても、情報収集を行うなどしまして研究をしてまいりたいと考えております。 ◆萩原渉 議員 先日、別府の方を訪れまして、この研究会の星野会長の方から別府に対しまして、こういう研究会を群馬県が発足するから協力せいということを相手方に申し付けてきたところでございます。群馬を中心にして、全国レベルでこれをやっていかなければいけないということでございますので、引き続き研究と御指導のほどをお願い申し上げまして、終わります。ありがとうございました。  時間の関係もなくなってきましたので急がせていただきます。総務部長、お願いします。 ○橋爪洋介 議長 総務部長、答弁席へお願いします。           (津久井治男総務部長 登壇) ◆萩原渉 議員 県の障害者雇用に関する問題についてということで、これはもう報道でいろいろ言われております。内容につきましても報道されているところでございます。しかし、県議会としては初めてでございますので、ここでしっかり質問をさせていただきたいというふうに思います。  平成29年6月1日の調査結果でございます。大分時間がたっております。当初報告された知事部局、企業局、病院局及び教育委員会の障害者雇用者数の合計346人のうち、約169人が不適切な報告と認められました。この問題についてはどうか、また今後の対応についてはどうでしょうか。 ◎津久井治男 総務部長 まず、障害者雇用率の算定に当たりまして、国のガイドラインに示された方法によらない算入があったということにつきまして、障害者雇用に率先して取り組むべき県として誠に申しわけないと思っております。これにつきましては、ガイドラインに対する理解が不十分であったことに加えまして、過去に名簿に入った職員につきましては、名簿をそのまま引き継いでしまってきていたものでございますけれども、意図的ではないとは申せ、不適切な算入であったと考えております。これまで本県では、職員が障害の有無にかかわらず、その能力を発揮できるよう、障害を有するために一定の配慮が必要となる場合には、手帳の有無にかかわらず、それぞれの障害特性を踏まえつつ、配属先を考慮するなどの対応を行ってまいりました。また、県が率先して障害者雇用を拡大することで県内の障害者雇用を促進するという思いを持って、身体障害者の別枠採用や知的障害者及び精神障害者を非常勤嘱託職員として雇用する「チャレンジウィズぐんま」など、県庁の障害者雇用の強化に取り組んできているところでもございます。特に「チャレンジウィズぐんま」では、県庁での勤務経験を活かして民間企業への就職につなげることも目的としておりまして、平成25年度に事業を開始して以来、これまでに11人が民間企業に就職したところでございます。  そうはいいましても、不適切な算入があったということでございまして、今後でございますけれども、今後とも、障害を理由に配慮を求める職員に対しまして、引き続き必要な配慮をしっかりと行っていくとともに、別枠採用や「チャレンジウィズぐんま」といった雇用に関しましては、更なる拡充を行うなど、障害者雇用に関する取組を推進し、法定雇用率を早期に達成してまいりたいと考えております。 ◆萩原渉 議員 是非ともしっかりした対処をお願いしたいと思います。我々議会のチェックも大変甘かったということで反省している次第でございます。  中央省庁などで発覚した障害者雇用割合の水増し問題、これが県、また地方自治体にも拡散している状況が見られます。民間では、この法定雇用率、民間2.2%、地方公共団体2.5%を守るために大変な努力をしておるところでございまして、罰則もあるわけですね。指導する立場である県や国の責任は大変重いというふうに考えます。今後の行政の県民からの信頼回復のためにも、今回の問題を大いに反省して、適正な処置をお願いしたいというふうに思います。何かございますか。
    ◎津久井治男 総務部長 先ほども申し上げましたように、率先して障害者雇用に取り組むべき県でございますので、今のお言葉も肝に銘じてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。 ◆萩原渉 議員 総務部長には終わります。ありがとうございました。  県土整備部長、お願いします。 ○橋爪洋介 議長 県土整備部長、答弁席へお願いします。  残り5分くらいですね。           (中島 聡県土整備部長 登壇) ◆萩原渉 議員 八ッ場ダムと上信自動車道の整備について、両方一緒にお願いしたいというふうに思います。  事業完成まであと1年半ということでございます。八ッ場ダムにつきましての工程や進捗状況、生活再建事業についてはどうか、お聞きしたいと思います。  また、上信自動車道につきましても、八ッ場ダムの完成にあわせて、ある一定の区間が完成していくということでございますけれども、長野原側以西の嬬恋、また長野県側に対する進捗状況といいますか、計画につきましてもお知らせいただきたいと思います。お願いします。 ◎中島聡 県土整備部長 まず、八ッ場ダムについてでございますが、八ッ場ダム本体工事につきましては、ダム高116メートルのうち、8月末現在で約8割の高さまでコンクリート打設が進んでおり、着実に進捗しておるところでございます。八ッ場ダム建設事業は、コンクリート打設や放流のためのゲートの設置、止水のためのグラウト工など本体工事が完成した後、試験湛水を経て、平成31年度中には完了する見込みでございます。次に、生活再建事業につきましては、今年完成予定の住民総合センターを含めると、今年度末までに11施設が完成する予定でございます。横壁及び川原湯地区の地域振興施設など残る9施設につきましても、平成31年度の完成に向け、既に設計や工事に着手しておるところであります。県といたしましては、地元の皆さんをはじめ、両町や国と連携を図りながら、生活再建事業の一日も早い完成を目指して全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、上信自動車道でございますが、現在、国の直轄事業として渋川西バイパス、県事業としまして金井バイパスをはじめ6区間・約27キロで事業を推進しているところでございます。このうち渋川市の金井バイパスや川島バイパス等の一部区間につきましては、平成31年度の八ッ場ダム完成にあわせた部分開通を目指しているところでございます。続きまして、長野原町以西についてでございますが、長野原町から嬬恋村鎌原までの(仮称)長野原嬬恋バイパスにつきましては、昨年度、概略設計や地元へのアンケート調査などを実施したところであり、現在、早期に整備区間に指定されるよう国に強く要望しておるところでございます。嬬恋村鎌原から西につきまして、県内部分については、現在、概略ルートを検討しておりまして、県境部分につきましては、長野県と緊密に連携を図りながら協議を進めておるところでございます。 ◆萩原渉 議員 ありがとうございます。一番問題なのは八ッ場ダムの工期でございます。工期の変更や金額の変更というのは基本計画の変更になりますから、下流都県の議会の承認をまた得なければいけないということになりますので、是非ともこの辺はきちっと終わるものは終わらせていただかなければいけないというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  観光局長、最後にお願いします。 ○橋爪洋介 議長 観光局長、答弁席へお願いします。  残り1分半程度です。           (真下英明観光局長 登壇) ◆萩原渉 議員 2020年ということで、東京のオリ・パラを皮切りとして、高校総体、DC、Gメッセ群馬のオープン、八ッ場ダム、群馬県は1つの節目になるというふうに思います。これに向かってまたとないこの観光チャンスをどう活かしていくのか、一言お願いします。 ◎真下英明 観光局長 2020年は群馬県にとって国内外からの観光誘客に取り組む絶好の機会であると認識をしております。更なる観光地の魅力アップと戦略的な情報発信に重点的に取り組んでいくことがとても重要であると考えております。群馬DCに向けても、その取組を現在進めているところでございます。いずれにいたしましても、Gメッセ群馬のオープン、東京オリ・パラの機会を捉えまして、多様な目的で来県された方々に群馬の観光を楽しんでもらい、群馬のファンになっていただき、2020年が本県観光誘客の飛躍の契機となりますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆萩原渉 議員 ありがとうございました。是非とも2020年に向けて頑張っていただきたいと思います。  以上で終わります。(拍手) ○橋爪洋介 議長 以上で萩原渉議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○橋爪洋介 議長 暫時休憩いたします。  午後1時10分から再開いたします。     午後0時19分休憩     午後1時10分再開           (星名建市副議長 登壇 拍手) ○星名建市 副議長 暫時、議長職を執り行います。   ● 再     開 ○星名建市 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問(続) ○星名建市 副議長 本郷高明議員御登壇願います。           (本郷高明議員 登壇 拍手) ◆本郷高明 議員 皆さん、こんにちは。リベラル群馬の本郷高明です。  冒頭に一言申し上げさせていただきます。私は、リベラル群馬、会派6人の所属議員です。県議会で与党、野党という表現は適切でないかもしれませんが、第2会派という位置付けになるかと思います。群馬県の議会構成は申し上げるまでもないですが、もちろん私たちは議会制民主主義のもと、議会政治を行っているわけですが、なかなか少数会派の意見が通りにくい。でも、私たちの国には多様な声があり、多様な意見があります。多様な思いがある。少数の方の声、切り捨てられそうな人の声、弱い立場の人たちの声、もちろん強い人の思い、力を持っている人の思い、いろいろなものがあるでしょう。その中で、異論、反論、意見、賛成、反対、思い、様々な思いを聞いて議論して、それをしっかりと情報公開して審議をするのが本来の議会の姿であります。今後、群馬県の政治、行政を発展させるためであったら、個性や多様性を認め合うことは当然必要ですし、お互いが批判して足を引っ張り合ってもしようがないと思っております。政治の最大の役割というのは、困っている人、苦しんでいる人に寄り添って手を差し伸べる、それが全てだと思います。そこには、会派の人数に左右されず、県政発展のためになるならば、いいものはいい、できるものであれば採用していただきたい、この思いがあります。私も県民の意見、利益を最優先し、是々非々で対応していきたいと思います。そういった気持ちを持って今日は質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  知事、お願いします。 ○星名建市 副議長 知事、答弁席へ願います。           (大澤正明知事 登壇) ◆本郷高明 議員 それではまず、財政政策、公共事業のあり方についてお伺いいたします。  今回の補正予算、公共事業に4億6,500万円、主に災害対応を強化するため予算措置をされておりますが、確かにこの公共事業というのは、地方において、いわゆる景気刺激策としては即効性が認められると思っておりますし、かつてつくってきたトンネルとか橋梁とか、あるいは建築物の補修工事や耐震化といったものは必要不可欠な事業であると私は受けとめております。しかし、一方で、今後の新しい公共事業を興していくのであれば戦略性を持たせていただきたいと思っております。というのは、やはり借金をつくって、県債も発行して、それでやる公共事業の意味合いもあるかと思いますから。かつて2009年、政権交代があったとき、ある大臣が言っていた言葉がありました。この国には98もの空港がつくられ続けてきたけれども、アジアの拠点となるようなハブ空港がなかったんだとおっしゃった。これは、かつての公共事業のあり方について象徴的な御発言であったと思っております。今、人口が減り始めて、いわゆる生産労働人口が減っている中で、もし早くからアジアの拠点となる空港をつくっていてくだされば、いわゆる国家地方戦略としてつくっていれば、人、モノ、お金がこの日本に放っておいても集まってくるシステムができていたかと思うと非常にもどかしい思いでございます。  そういった意味におきまして、今後の公共事業のあり方について、知事の考えをお伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 本県の今後を社会資本整備の観点から展望いたしますと、人口減少と高齢化の更なる進展による地域経済の停滞や、利用者の減少による公共交通の衰退、労働力不足の深刻化による社会資本整備と維持管理の担い手の減少などが懸念されているところであります。また、県内外の高速交通網の強化・高度化による地域間競争の激化や気象変動の影響による災害の頻発・激甚化、巨大地震の発生への懸念、加速化する社会資本の老朽化などの課題に的確に対応する必要があると考えております。  このため、選択と集中による効果的・効率的な事業の推進によりまして、7つの交通軸の整備強化や多様な移動手段の確保など、群馬県の未来を支える社会基盤づくりや、県内の地域ごとの問題解決に資する効果の高い事業に重点的に投資をしているところであります。また、県民の安全・安心の確保に向けて、社会資本整備の効果を最大限発揮させるため、長寿命化計画に基づく既存の社会資本の計画的な維持管理・更新や、水害や土砂災害対策などにおけるハード・ソフトが一体となった効率的かつ効果的な取組を着実に推進しているところであります。あわせて、公共事業の担い手であります地域の安全・安心の守り手として欠くことのできない建設産業の健全な発展に向け、働き方改革や生産性向上に官民が連携して取り組んでいるところでございます。  公共事業は群馬がさらに大きくはばたくための未来への投資であり、中長期的な視点に立ち、将来の成長基盤の整備と質の高い社会資本のストックを次の世代にしっかりと引き継いでいくため、今後も戦略的に展開していきたいと考えております。 ◆本郷高明 議員 知事から社会基盤づくり、整備も含めていろいろ思いをお聞かせいただきましたが、確かに限りある予算、財源です。バラ色の夢みたいなことを言うつもりはありません。今回の補正予算で計上している災害の対応や復旧、例えば古くて危険な公共施設の補修、このような公共事業は優先順位が高い、急がなければなりません。私は、防災・減災のための公共事業は非常に大事だと思っております。  一方で、大切な税金を投入して、県債等を発行して行うような公共事業ですから、元は取れるぐらいの、そんな公共事業を今後考えていかなければならないのだと思います。やはり借金だけが膨らんで、後々無用の産物をつくって、メンテナンス費用がかかって足を引っ張り合うような公共事業はもうやめようと、お互いそう思うべきだと思っております。新しい道路や建物、施設、ないよりはあったほうがいいでしょう、早くできたほうが便利でしょう。でも、そのことと、この少子高齢化社会の中で安心して年を重ねる、安心して子どもを産み育てる、社会を下から支えて押し上げる、人への投資、未来への投資、この理念は共通認識であると信じております。公共事業も大切です。でも、投資した分ぐらいは元が取れる、あるいは次の世代が食べていけるようなものをつくっていく。Gメッセ群馬も7つの道路軸も、そういったことを意識していただいた知事の御決断だと思いますので、今後注視していきたいと思いますし、注目していきたいと思います。よろしくお願いいたします。知事への質問は以上です。  県土整備部長、お願いいたします。 ○星名建市 副議長 県土整備部長、答弁席へ願います。           (中島 聡県土整備部長 登壇) ◆本郷高明 議員 よろしくお願いします。  建設産業における担い手確保対策について質問いたします。  今日まで、群馬県は戦後の人口増加とそれに伴う様々な行政需要に対応するため、高度経済成長期に公共施設や道路などの社会インフラを大量に整備してきたかと思います。一方で、我が国では本格的な少子高齢化社会を迎え、人口の減少が始まり、本県においても急速な高齢化と人口減少が避けられない状況であります。少子高齢化、人口減少は経済活動を縮小、停滞させる要因となり、財政にも大きな影響を与え、将来の状況が見通せない中で、過去大量に整備してきた公共施設等の老朽化が進んでしまっております。今後そうした施設が更新時期を迎えると、老朽化対策に多大な費用が必要となり、県財政を大きく圧迫することになりますが、老朽化問題の対応を怠れば、新たな社会資本の整備ができなくなるばかりか、既存施設の維持管理すら困難になり、行政サービスの提供に支障を来すおそれが生じます。そのため、県有資産をより効果的・効率的に利活用していくことが欠かせません。このような観点から、県でも公共施設等の長寿命化を推進するに当たり、予防保全型の維持管理を導入し、安全性を確保するとともに、財政負担の軽減、平準化に取り組んでいるかとは思いますが、そもそも建設業就業者数は年々減少、現在の就業者数の3割以上が55歳以上、若年入職率が改善するとの楽観的見通しをした場合であっても、今後の生産年齢人口の減少を反映して建設業への入職者数は減少が見込まれるため、就業者数は大幅に減少する可能性が高くなっております。実際、人手不足は建設業のみならず、運輸業や一部のサービス業なども顕在化しつつあり、将来の建設市場における供給制約について、現実的な見通しに立った対応を検討、推進する必要があります。また、建築土木、測量技術も日進月歩で変貌しつつある中、技術者の不足も深刻さを増している状況です。私は、公共事業の新設投資については費用対効果を厳しく見極め、厳選する必要があるといった慎重派の立場ではありますが、建設業は単にインフラ等の建設の担い手であるのみならず、災害復旧や除雪等の担い手として地域において重要な役割も有していると考えております。  そこで質問です。建設産業における担い手確保対策について、今後、生産年齢人口の更なる減少が想定される中、担い手の確保と技術の継承をどう行っていくのか、お伺いいたします。 ◎中島聡 県土整備部長 建設産業におけます担い手確保対策でございますが、本県の建設業就業者の高齢化率は全国よりも高い約37%となっている一方、若者の割合は約10%と低くなっております。県内高校生の建設業への就職状況は、平成6年のピーク時に比べ、平成27年には約64%減少しており、このままでは持続的な社会資本の整備と維持管理が立ち行かなくなるため、担い手の確保と技術の継承が喫緊の課題となっていると認識しております。  県では、建設産業の担い手確保対策として、働き方改革と生産性向上を実現するために、公共事業における週休2日制モデル現場の試行や地域に合ったICT活用工事の促進に取り組んでいるところでございます。また、平成25年度には産学官連携会議を設置し、土木施工管理技士等の資格取得の支援や若手・女性技術者の入職促進、働きやすい現場環境の実現等に向けた取組も行っておるところでございます。一方、課題となる技術の継承につきましては、群馬県建設業協会では、今年からリカレント教育、いわゆる社会人の学び直し教育として、入社3年から5年の各会社の社員を集めまして、工事現場の工程管理研修などを行う予定でございます。また、群馬県建設業協会等の支援のもと、一般社団法人利根沼田テクノアカデミーにおきましては、短期間に即戦力化できる教育体制で、外国人を含めた建設業の職人育成を行っておるところでございます。  建設産業の担い手不足は社会資本の整備や維持管理、災害対応力の低下を招き、県民の暮らしや本県経済に重大な影響を及ぼすことから、今後も産学官で連携し、建設産業の担い手確保や技術者の育成、技術の継承等に努めてまいりたいと考えております。 ◆本郷高明 議員 今、部長より、産学官の連携、そして技術の継承を含めた担い手確保対策について御答弁をいただきました。いろいろ御答弁いただきましたが、一口に建設産業と言っても、道路はもちろん、橋や上下水道、学校、病院、公園、公共施設など様々なインフラ設備がある中で、実際の作業はインフラの種類や必要とされるノウハウ、様々な点で大きく対応が異なり、いろいろ考えてはいただいているんですが、深刻な人手不足が実際発生しております。また、人手不足以外にも、単純な人材だけでなく、老朽化対策、メンテナンスの技術や経験を持った技術者が必要になってきます。例えば、道路の維持管理には舗装の点検や補修・修繕だけでなく、街灯やカーブミラー、歩道橋の整備、街路樹の植え込みとか除草、消毒、剪定、公衆トイレの清掃等、多岐に及ぶ業務が含まれております。また、巡回や清掃といった日常的に行う維持管理のほか、構造強度や耐震性に関する重点的な点検、診断、補強、改修等、頻度は高くないんですけれども、周期的に発生する業務もあり、その範囲は極めて広いことがわかります。食品や衣類などの消耗品は、見た目やにおいで傷んでいるのがわかります。しかし、インフラ関連は劣化が表に出ない場合もあり、目に見えず、においも発生しないが、危ない状態になっていることがあります。そして、冒頭でも触れさせていただきましたが、多くの県有資産、高度経済成長期に集中整備したインフラは一斉に更新時期を迎えて、それだけでなく経年に加えて昨今の突発災害や気象条件で維持管理の業務負担は増加傾向です。仮にひびが入っていたとして、それがどの程度危険なものなのかを判断するには、やはり技術と経験が必要だと思います。かつて政権交代の象徴でもあった政策マニフェスト、社会保障や子育て支援に財源を回そうというキャッチーな言葉が躍ったきらいは否めません。しかし、言葉の是非はともかく、政策の意図というのは、子孫にツケを残さない形で日本経済、財政を再建することにありました。今回の質問をするに当たり、人への投資を経済政策の理念として掲げている立場の一人として、決して新設投資に拍車をかけるのではなくて、社会資本の整備、老朽化対策、安心・安全の維持管理という観点につながっていくことを一番に期待しております。そのことを申し添えて、この質問は閉じたいと思います。  次に、公共交通についていくつか質問させていただきます。  日本の最大の政治課題は人口減少です。どんなにこの国で適齢期の女性が出産をするという選択をしても、残念ながら日本は世界で最も速いスピードで人口減少が進んでおります。厚生労働省が発表した最新の出生率は全国で1.43、群馬で1.47、死亡数は戦後最多を更新している状況です。人口が減少すると移動する人数も減少して交通量は減少します。また、高齢者は現役で働いていた頃に比べて外出する回数が減るので、人口構造が高齢化すると交通量は減少傾向になります。さらに、近年は若者の自動車運転免許取得率の低下なども影響してか、現役年代の人たちの外出も減少傾向にあります。こうしたことから、今後は人口減少以上のスピードで総交通量が減少していく可能性があります。地域によっては自動車交通量が減って道路の渋滞が鎮静化する一方、乗客が減少する鉄道やバス、タクシーなど公共交通の事業者の経営が一段と厳しくなると考えられます。既に地方では公共交通の乗客減少、運賃収入の減少、収入減少に対応した経費削減、運行頻度などサービスの低下、さらに乗客が減少という負のスパイラルに陥っている事業者が増えております。このままでは人口減少が著しい地域から公共交通は消滅していくかもしれません。しかし、公共交通には重要な役割があり、放置すべきではありません。  そこで質問です。人口減少、少子高齢化時代における公共交通の役割はとても重要と考えますが、県としてどのように取り組む考えなのか、お伺いいたします。 ◎中島聡 県土整備部長 公共交通のお尋ねでございますが、人口減少と少子化が進展しますと、議員もおっしゃいましたように公共交通の利用者が減少する、特に学生が減りますので、その分、特に鉄道には大きな影響が出てくるかと思います。公共交通が衰退し、高校生や免許返納した高齢者など、自動車を運転することができない県民の移動手段がなくなることが課題となっております。そのため、県では、自動車以外の移動手段も選択できる社会の実現に向けまして、「群馬県交通まちづくり戦略」を今年3月に策定し、本年度より多様な移動手段の確保に取り組んでいるところでございます。具体的には、鉄道・バスが運行されていない地域におきましては、住民互助による相乗りなどの新たな移動手段の確保といった実証実験を通じました導入支援に着手したところでございます。また、鉄道・バスが運行されている地域におきましては、利用者の減少が予測されている鉄道を利用しやすくするために、駅周辺でのパーク・アンド・ライド駐車場や駅前広場などの施設整備の対策を取りまとめましたアクションプログラムの策定を進めているところでございます。さらに、路線バスにつきましても、バス時刻表を簡単に検索できるアプリの作成を進めており、本年度末までに公開する予定でございます。  「群馬県交通まちづくり戦略」に基づき、自動車以外の移動手段も選択できる社会の実現に向けて、様々な利用促進施策につきまして市町村や交通事業者などの関係者とともに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆本郷高明 議員 県を通じていろいろな施策等の推進、ありがとうございます。  公共交通の事業というのは、人件費、車両費のほか、車庫や路線などの維持に要する固定費の割合が極めて大きいのが私は特徴だと思っています。収入の減少に対して経費を削減することというのは容易なことでなくて、多くの交通事業者は、経費を削減するためにどうしても人件費の抑制や、バスもそうなんですけれども、電車ですと老朽車両の継続使用を余儀なくされております。人件費の抑制は、これがまた人手不足の一因にもなっております。つまり、ちょっと悲しいことを言うわけですけれども、ビジネスモデルの賞味期限が過ぎて、一企業の経営努力だけではちょっと解決できるものではなくなってきているかと思います。そこで重要になってくるのが、やはり財政支援だと思います。ただ、限りある予算、財源です。単純に補助金を支出すれば済む話ではありません。公共交通の補助金が地域にどのような効果をもたらすか、補助金の支出額との関係を十分に分析しなければならないと思います。  そこで、公共交通の多面的効果についての質問に移りますが、公共交通の効果を定量的に把握する方法としてクロスセクター効果という考え方があります。これは、ある部門で実施された行動は他の部門に利益をもたらすと考え、推計して積み上げていく手法です。もともとは欧州で1980年代に発達しました。公共交通への補助金支出の効果については、補助金を廃止して公共交通がなくなる場合に、他の行政分野で必要になる費用の合計金額を算出し比較します。これによって公共交通の多面的な効果を定量的に把握することが可能になります。例えば、補助金を受けて運行されているバス路線が廃止になると、バス通学していた生徒のためにスクールバスを運行しなければならず、そのための支出が必要になります。同様に、バスで通院していた人たちを対象に送迎バスを運行したり、タクシー券を配付したりする必要が生じます。また、高齢者の外出が減れば健康が損なわれやすくなるため、医療費や介護費用が増大し、介護予防事業の強化が必要になったりします。教育や福祉、医療など他の行政分野で必要になる費用と公共交通を維持するために支出する補助金を比較して妥当性を判断する。このようにクロスセクター効果を把握することにより、公共交通への補助金の支出が単なる事業者の赤字補填ではなく、地域を支えるために必要な支出と捉えやすくなるのです。  そこで質問です。公共交通には多様な行政部門での効果、クロスセクター効果がありますが、どのように捉えているのか、お伺いいたします。 ◎中島聡 県土整備部長 公共交通の多面的な効果でございますが、「群馬県交通まちづくり戦略」でも示しておりますが、通勤時に公共交通を利用している人は、自動車通勤している人に比べ約2.5倍のカロリーを消費することや、公共交通を使うことで歩く機会が増えることに着目し、歩くことによる医療費抑制の効果があると考えております。筑波大の調べでは1歩当たり0.061円の医療費抑制効果があるということでございます。また、県外在住の若年女性が群馬県に戻りたくない理由の第1位は「公共交通の便が悪いから」となっていること、また、普段から公共交通を利用する人は、転居先として鉄道、バスが利用しやすい地域を希望する傾向にあることから、公共交通の利便性を高めることで若年女性をはじめとした人口減少への対応にも効果があると考えております。  このように、公共交通には様々な行政部門でのクロスセクター効果が考えられることから、今後も公共交通の効果分析に取り組み、公共交通の必要性を県民にわかりやすく伝えることで多様な移動手段の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆本郷高明 議員 部長より答弁いただき、歩く効果だとか医療費抑制の効果、そのような内容を聞かせていただきまして、このような発想はとても重要だと思います。日本の公共交通の多くは収支が赤字で、こうした補助金を赤字補填と呼ぶことになるんですけれども、しかし、公共交通では赤字補填と呼ぶことが大きな勘違いになる場合があります。  第1に、赤字補填が政策目標になることがあります。収入を増やして赤字の解消ができれば良いのですが、それが困難な場合は運行費用を下げることになり、サービスは低下します。最終的には運行費用が発生しない方法、すなわち廃線が赤字補填を解消する方法になります。この発想では地域の人々の生活を支えるという本来の政策目標が見失われてしまいます。  第2に、サービス改善のための投資が困難になります。人々が利用しやすい公共交通を実現するにはサービスの改善が不可欠です。そのためには投資が必要になりますが、赤字補填をしている公共交通への追加的な投資となると合意形成が困難になりそうです。  第3に、自治体の担当職員の仕事への意欲が低下する懸念があります。公共交通を支える仕事を事業者の赤字補填業務と捉えると、意欲的な活動に取り組みにくくなります。デパートで来店者の移動を助けるエレベーターだとかエスカレーターを運行しておりますけれども、この費用を赤字とは言わないかと思います。移動を助ける費用が発生しても、デパート全体では黒字になることが期待されております。是非とも、クロスセクター効果等をもとにして、公共交通に対する補助金というのは地域の人々の生活を支え、活性化に必要な支出だと考えていただけるよう、また周知等もお願いしたいと思います。  次に、県内のバス交通に関する利用促進の充実についてお伺いいたします。  群馬県におかれましては、今年度、県内全てのバス路線情報のオープンデータ化を予定しているかと思います。バス停やスマートフォンからバスの運行情報を確認できるシステムは利用者の信頼向上に、乗客のデータ分析に基づいた路線設計やダイヤ再編はサービス向上につながります。公共交通のオープンデータ化が進めば、アプリ開発などの外部事業者が新しいサービスを創出し、利用者増加につながることが期待されます。また、利用促進の充実につながる交通系ICカードについては、導入を望む県民の声が多いかと思います。各市町村レベルで導入検討を行っているかとは思いますが、路線バスは市町村をまたいで運行している路線が多く、広域的な視点での検討が必要であると考えます。  そこで質問です。県内のバス交通に関する利用促進の充実に向け、オープンデータ化の現状と、交通系ICカード導入の検討状況についてお伺いいたします。 ◎中島聡 県土整備部長 最初に、オープンデータ化の進捗状況でございますが、県では、出発地と目的地を入力すれば、どのバスに乗り、どの停留所で降りればよいかわかるように、また、外国人旅行者の方でも簡単に検索できるようにするため、独自の交通案内アプリ開発とともに、バス情報のオープンデータ化を進めておるところでございます。これまでに県内バス路線の時刻表データの収集や、バス停の位置情報を把握するための現地調査についておおむね完了したところであり、年内を目標にオープンデータとして整備し、年度末までに交通案内アプリを公開する予定でございます。  次に、交通系ICカードの検討状況でございますが、県内の現状は、高速バス以外ではJR長野原草津口駅から草津温泉までのバス路線や、太田駅・西小泉駅から熊谷駅までのバス路線でSuicaやPASMOなど交通系ICカードが使えますが、そのほかの路線では使用できない状況にあります。全国相互利用が可能な交通系ICカードが導入されますと、県外からの来訪者や訪日外国人旅行者など、初めてバスを利用する人でも運賃支払に不安を感じることがなく、気軽に乗車できるようになることや、1枚のカードで鉄道とバスに乗ることができることなどから、乗り換え抵抗が改善されるなどの効果が期待できると考えております。  一方、課題としましては、バス車両へのカード読取機械の設置などの導入時のコストや、運賃支払手数料や機器保守料などのランニングコストが発生すること、地域独自の運賃割引などをシステムに組み込むことが難しいなどの課題があることも明らかになってきたところでございます。現在、バス事業者及び国・県・市町村での検討会議を開催し、検討を進めておるところでございます。 ◆本郷高明 議員 答弁ありがとうございます。オープンデータ化が年内ですね。私もバスを利用しようとして、たまにどこかへ行くときにバスを利用するんですけれども、どうにも使いづらいということで、そこが年内にできるということは大変喜ばしい限りでございます。  あと、ICカード導入については、私もハードルが高いものだと思っているんですけれども、生活に身近なバス交通の充実に向けた利用促進のためには、やっぱり利用環境の改善を図ることが必要であると考えます。また、人口減少社会だからこそ、新技術を積極的に取り入れることは重要です。公共交通を名目的に残すのではなくて、人々の移動を支えるという本来の目的を達成することが今後求められるかと思います。是非とも、ICカードの導入検討も含めて、利用促進の施策の充実をさらにお願いしたいと思います。以上で部長への質問は終了です。ありがとうございました。  健康福祉部長、お願いいたします。 ○星名建市 副議長 健康福祉部長、答弁席へ願います。           (川原武男健康福祉部長 登壇) ◆本郷高明 議員 部長には女性医師のキャリア支援についてお伺いいたします。  先日、東京医科大学が裏口入学をしていたという問題に加え、女子受験者の点数が一律に減点されていたというニュースが報道されました。これは断じて認められない男女差別であり、特に教育という社会の公共財を提供する大学が、このような男女差別をしていることはあってはならない。早急に問題を解明する必要があります。しかし、なぜこのような問題が起きたのか。大学にはいろいろな学部がありますが、医学部医学科は医師という職業人の養成学校という側面を強く持つため、卒業生の9割は臨床医になります。そして、多くの医師は卒業後、臨床研修を経て大学医局に入局する、すなわち大学病院の一員になることとほぼイコールであります。若手のうちは関連病院に出て働くこともありますが、基本的には大学病院にひもづいている。つまり、医学部医学科の学生は将来の大学病院の構成メンバーを嘱望されているのが現状だと思います。大学病院は、そのアピアランスを増やし、経営を安定させるため、一人でも多くのメンバーが欲しい。ここで女子学生の問題が出てきます。女子学生は産休、育休をとり、将来的に大学病院のメンバーとして長年定着しないことが多い。それゆえ、今回のような問題が出てきたのではないでしょうか。  厚生労働省によると、全医師に占める女性医師の割合は増加傾向にありますが、それでも全国的に19.7%、世界で見ると日本の女性医師数は最下位だと言われております。これほど少ないのは、医学界の古い男性優先の体質だけでなく、女性医師の働く環境が整っていないことが原因であります。女性の医学生や若手医師に、将来専門にする科を決めるに当たり、私は結婚したいのですが、女性だとどこがお勧めですかなどという質問があるかと聞いております。いかに産休、育休を含む女性医師のキャリアへの理解と体制がないかがわかる実例です。実際のところ、女性医師は出産、育児でキャリアを分断され、その後、もとのキャリアに戻れないことが多い。業界全体に女性医師を歓迎しない土壌があることは否めません。このような女性医師が働きにくい環境が本件の要因になっていると考えます。  そこで質問です。女性医師がいかにキャリアを閉ざさず働き続けるための支援策をお伺いいたします。 ◎川原武男 健康福祉部長 女性医師のキャリア支援についてでございますが、平成28年の医師・歯科医師・薬剤師調査によりますと、本県の医療施設に従事する医師数が4,430人で、そのうち女性医師数が859人で19.4%を占めており、10年前と比較いたしますと217人増加しております。近年、新たに医師となる女性が増えていることから、今後、女性医師がより一層増加していくものと考えております。一方で、女性医師は、議員御指摘のとおり、出産や育児などの理由によりまして離職や勤務時間の制限を余儀なくされるケースも多く、また、一度離職すると医療技術の進歩などから復職が困難となるケースも少なくありません。  このため、県では、就労継続支援といたしまして、各病院の院内保育施設の整備や運営に要する費用を助成するほか、県医師会と連携いたしまして保育サポーターバンク事業を実施しております。この保育サポーターバンクにつきましては、利用者も年々増加しておりまして、平成29年度における利用登録者数が140人で、利用件数も約8,800件と、女性医師の離職防止などに一定の成果を上げているものと考えております。また、キャリア支援といたしまして、群大病院に設置いたしました地域医療支援センターに専任の女性医師を配置し、医学生を含め、若手医師のワークライフバランスを踏まえた働き方などについてアドバイスを行っております。さらに、この8月には、県内での勤務を希望する医師の相談窓口といたしまして「ぐんま医療人ネットワーク」を開設し、幅広く女性医師からの相談に応じているところでございます。そのほか、各医療機関におきましても、女性医師の働きやすい環境づくりにそれぞれ独自に取組を進めているところでございます。  女性医師がライフステージを通じて持てる能力を十分に発揮できる環境を整備することは、医師不足解消はもとより、男女共同参画の観点からも非常に重要であることから、引き続き関係機関とも連携し、男女を問わず誰もが活躍できる勤務環境整備を支援してまいりたいと考えております。
    ◆本郷高明 議員 答弁ありがとうございます。群馬県が女性医師数19.4%、全国で19.7%なので、かなり近づいてきているのかなと。217名増ということで、更なる推進の方をお願いしたいと思います。  そもそも、東京医大が女子学生の数を抑えていた背景に、女性3人で男1人分という認識があったと報道されておりました。確かに女性医師の方が労働時間が少し短いというデータはありますが、医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査によれば、男性医師と女性医師の労働時間の差異は、女性の方が若干少ないという結果程度でした。男性の方が当直を担当してくれたり、長時間勤務のような無理な勤務をお願いしやすかったりという理由で、3人分という実態にそぐわないイメージが生まれたのかもしれません。この間違ったイメージから、他の医大でも面接試験の点数などで女子が合格しづらいような調整をしている可能性があるのではと疑ってしまいます。群馬県は、もちろんそういうことはないかとは思いますけれども。昨今の高度医療が発達した医療現場の現状を見ても、男性医師だけで現場を回せるとは考えにくいです。そんなことは男女医師ともに誰も望んでいないと思います。女性医師だけでなく男性医師も過重労働をしたくないと思っておりますし、子どもや家族ともっともっと時間を過ごしたいと思っているでしょう。たとえ女性医師が産休や育児で一時離職することになったとしても、戻ってきやすい環境を整え、男女ともに協力して働きやすい現場をつくろうとすることが、やはり合理的なことだと思います。女性医師の労働時間が短いということは、裏を返せば男性の家事や育児の参画が不十分であることを示唆しております。もちろん、家事や育児に参加したくても忙し過ぎてできない男性医師が多くいるのはわかります。医師の労働環境を全体的に改善することで、男性も女性も家事や育児ができるような社会にしていくことが必要だと思います。ある研究では、女性医師の方が男性医師よりも患者の死亡率、再入院率が低いことも明らかになっております。女性の方がガイドラインに沿った治療を行うことや、患者さんの話をよく聞くことが過去の研究よりわかっており、これが死亡率や再入院率の差につながったと考えられております。今回の問題の背景に、日本の医療を維持する中での思考停止があることがよくわかります。報道の反響を見ても、多くの人が憤りを感じているかと思います。しかし、その認識を持てない人が大学の入試担当者の中にいたというのは事実だと思います。女性医師のキャリアの政策なんですけれども、そもそも医師の忙しさが一番原因だと思っていますので、その点の方も県の方は対応していただきたいと思います。そして、女性医師のキャリアへの十分な支援、全力で取り組んでいただけたらと思います。以上で、ちょっと長かったですけれども、部長への質問は終了です。ありがとうございます。  教育長、お願いします。 ○星名建市 副議長 教育長、答弁席へ願います。           (笠原 寛教育長 登壇) ◆本郷高明 議員 まず、教育長には自殺対策についてお伺いいたします。  昨年飛び込んできた神奈川県で起きた死体遺棄事件のニュースは衝撃的なものでした。座間市で2か月間に9人を殺害した容疑者が逮捕されたとのことで、被害にあったのはいずれも死にたいとSNSに書き込んだ若い女性、1名は交際男性でした。まだ子どもとも言える年齢の被害者が多かったうえに、本県邑楽町の高校生にも被害者がいて、さらに衝撃を受けました。容疑者は、どの被害者も実際に死にたいとは思っていなかったと供述しており、憤りが募ります。死にたいと思うつらい気持ちを利用して快楽殺人を行うような人物の犠牲に子どもたちが二度とならないよう、この機会にしっかり対策を見直す必要があります。  まずはベースの自殺対策をしっかりやること、そして、子どもたちにSOSの発信の仕方を毎年定期的に教えていくことが重要だと言われております。また、SNSで知り合った見知らぬ人に会いに行かないよう指導する必要がありますが、つらくて誰かに頼りたい心理のときには、こうした忠告は届きにくくなりそうです。となると次の一手は、その書き込みが悪意の誰かに到達してしまう前に、SNS上の適切な相談窓口につながるようにすることになってきます。単語検知機能とAIを活用してSNS上の書き込みを相談窓口に誘導する仕組みは、ちょっと県のレベルでは難しいかとは思います。しかし、若い世代がつらい気持ちを吐き出したくなるようなアクセスしやすいSNSのプラットホームをネット上に立ち上げることはできます。そういった意味で、5月補正予算に計上された県内全ての高校生を対象にしたLINE相談には期待しているところであります。  そこで質問です。今回の座間事件を受けて県はどのような対応をとったのか、また、試験的に行っている無料通信アプリ・LINEを活用した相談事業の現在までの状況、成果及び今後の継続予定についてお伺いいたします。 ◎笠原寛 教育長 児童生徒に向けての自殺防止対策でございますが、今、議員からお話がございましたように、神奈川県座間市で発生いたしました事件で本県の高校生が犠牲となりまして約1年が経過をいたしまして、先般、容疑者が起訴されたとの報道がございました。改めて、亡くなられた生徒の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、こうした子どもたちの心の悩みにつけ込んだ凶悪な犯罪によって生徒の未来が断ち切られたことに、改めて強い憤りと無念の思いを感じているところでございます。県教育委員会といたしましても、どんなことがあっても子どもたちの命を守り抜く決意を新たにしているところでございます。  事件を受けての県教育委員会の対応でございますが、本県生徒の被害が判明した直後に、県内の公立、私立の全ての高校並びに特別支援学校、さらに市町村教育委員会に対しまして、児童生徒の被害等の未然防止と安全確保に全力で取り組んでいただくよう注意喚起を行いますとともに、県立学校におきましては、その後も管理職や生徒指導担当教員に具体的な指示を行ってまいりました。現在、学校におきましては、これらの通知等に基づきまして、インターネットの危険性についての注意喚起や悩みを抱えた生徒へのスクールカウンセラーを活用した心のケア、相談しやすい学校の雰囲気づくりなどに取り組んでもらっているところでございます。  また、こうした事件の背景には、不安や悩みを誰にも打ち明けられないまま事態を深刻化させてしまう児童生徒の実態があるものと思われますことから、今年度、先ほどお話がございましたように、教育委員会といたしまして、SNS等に頼らない人間関係づくりの取組を推進することといたしました。公立高校等におきましては、年間を通して生徒が主体となって取組を行いますとともに、小中高及び特別支援学校の代表児童生徒が一堂に会し、県内12地区で開催をしております「いじめ防止フォーラム」におきまして、「仲間が困っていること、悩んでいることに気づき、仲間同士で支え合うために、私たちができること」をテーマといたしまして、今年度は「ぼくが傘になる」というスローガンを掲げ、児童生徒の人間関係づくりの体験活動や、仲間同士で支え合うために何ができるかについて話し合いを行っているところでございます。加えて、若者の自殺が多いとされる夏休み明け前後の期間には、生徒の思いを幅広く受けとめますセーフティーネットといたしまして、議員お尋ねの「ぐんま高校生LINE相談」を試行したところでございます。この「ぐんま高校生LINE相談」につきましては、8月20日の相談開始から9月23日の最終日まで35日間実施をいたしましたところ、対応件数は361件ございました。相談内容は、いじめを含めた友人関係、心身の健康や保健、学業や進路など多岐にわたる相談が寄せられております。成果につきましては今後の精査が必要でありますが、相談後はおおむね生徒の心が軽くなっているようでありまして、効果的な相談を行っていただいたものと考えております。  事業の継続を含めました今後の方向性につきましては、この結果を詳細に分析したうえで検討してまいりたいと考えております。 ◆本郷高明 議員 二度とこのような被害が起こらない対策、いろいろと試行錯誤していただき、そして実践していただき、ありがとうございます。今、SNSに頼らない、そのような教育指導をしているということで、それはもう私も思うところなんですけれども、自殺対策について、電話とかメール、直接対面による相談対応というのが一番望まれるわけなんですけれども、昨今の子ども世代の感覚からはどうしても昔のものになってしまっているように思います。県内の高校生約4万2,000人を対象にした調査結果によると、スマートフォン所有率が98.6%、ほとんどの方が持っていますね。この調査結果からすると、ほとんどの高校生がスマートフォンを1台なり2台所持していて、校内で起きる問題の多くはSNSが介在しているのではないかと予測され、SNSというコミュニケーションの場がネットいじめの背景にあると考えます。先ほどの質問で、単語検知機能とAIを活用してSNS上の書き込みを相談窓口に誘導する仕組みというのは難しい趣旨の発言もしましたけれども、民間企業で開発されたメッセージアプリには、親子管理、対面登録、未成年表示、既読を自分で行う機能、広告表示ゼロといった、いじめ防止対策に特化したアプリも開発されているようです。是非とも水際で防ぐ対策も検討していただくとともに、SNS世代の子どもたちの相談窓口として、今後検討材料になるかとは思うんですけれども、LINE等を活用した事業というのもやっぱりセーフティーネットとして充実させていただけたらと思います。  次の質問です。若者の自殺が減らない。厚生労働省から平成30年6月19日に閣議決定された平成30年版の自殺対策白書が公表されました。これによると、平成29年の自殺者数は2万1,321人、前年比576人減で、8年連続の減少となっています。しかし、若年層は様子が違います。昨年は20歳未満の自殺者が556人と前年に比べて7%も増えました。先進国の中で日本の若者の自殺率は高く、率の高さがこれまでにも問題視されてきましたが、特に20代では死因の半数を自殺が占めるなど、かなりの衝撃であります。考えられる原因は家庭内の不和、進学・就職の失敗、いじめ、性の問題と多岐にわたっています。難しいのは本人が周囲になかなか悩みを打ち明けない。追い詰められたときに助けを求めようと思えるかどうかが生死を大きく左右するかと思います。その観点から、「SOSの出し方教育」にも注目していかなければなりません。東京都足立区の小中高では、「自分を大切にしよう」と題し特別授業を行っています。相談窓口の連絡先一覧を配り、心が苦しいときの対処法を保健師が教えています。「信頼できる大人に話をして」と伝えるのがポイントで、少なくとも3人に相談するように勧めています。これは家庭環境に恵まれず、大切にされている実感のない子にも、範囲を広げれば聞いてくれる人が見つかるかもしれないと思ってほしいからです。授業後のアンケート結果や相談件数の増加などから、都は手応えを感じ、新年度から都全体で同様の取組を始めることにしたそうです。  そこで質問です。平成28年4月に自殺対策基本法が改正され、生きることの包括的支援が自殺対策の理念であることが明記されました。若者の自殺対策、とりわけ児童生徒の自殺対策として、「SOSの出し方教育」の重要性が認識され、教育現場での普及が喫緊の課題として注目されております。児童生徒に向けてライフスキルとしての「SOSの出し方教育」を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 ◎笠原寛 教育長 子どもたちが自らの命や学校・家庭生活での危機に直面したときに、誰にどのようにして助けを求めればよいかについて具体的かつ実践的な方法を学ばせること、いわゆる「SOSの出し方に関する教育」については、自殺防止の観点から非常に重要であると認識をしております。  県教育委員会では、これまでも道徳や保健体育などにおきまして、苦しいときに援助を求めることができる態度の育成に取り組んできたところでありますが、この「SOSの出し方に関する教育」につきましては、本年1月に文部科学省から通知が発出されております。こうした通知も踏まえまして、県立学校及び市町村教育委員会に対しまして改めて、自らの発信はもとより、危機に陥った友人への関わり方など、SOSの受けとめ方を含みます「SOSの出し方に関する教育」を充実させるよう通知をいたしたところでございます。具体的な取組といたしましては、県教育委員会では高校生を対象に、こころの教育事業を全ての県立高校等で実施しておりまして、スクールカウンセラーによるストレスマネジメント等に関わる講演会や、円滑な人間関係づくりのための体験活動等を行ってもらっています。その中では、悩みがあるときの相談の仕方や、相談されたときの対応の仕方なども指導をしておるところでございます。また、先ほど申し上げました、「いじめ防止フォーラム」をはじめといたしますSNS等に頼らない人間関係づくりに向けた取組を推進していく中で、困っている友達に気づき、寄り添うことができる態度の育成に努めているところでございます。さらに、現在、健康福祉部のこころの健康センターと連携をいたしまして、中学生対象の「SOSの出し方に関する教育」の群馬県版プログラムの作成に取りかかっております。今後、内容を精査いたしまして、SOSの受けとめ方を含みますこのプログラムを全県に普及させ、各校の取組の充実につなげてまいりたいと考えております。  県教育委員会といたしましては、引き続き、児童生徒の命を守ることを全ての指導の根幹に置いて、未来に無限の可能性を持つ子どもたちが自ら命を絶ったり、犯罪被害に遭ったりすることのないよう、保護者や関係機関と連携を深めながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆本郷高明 議員 答弁ありがとうございます。  平成30年版自殺対策白書の年齢階級別自殺者数の推移を見ると、若い世代の自殺は本当に深刻な状況にあって、15歳から39歳の各年代の死因の第1位が自殺、10歳から14歳においても、1位の悪性新生物、がんに続く2位となっています。厚労省によると、こうした状況は国際的に見ても深刻であり、若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは、先進国では日本のみだと指摘しております。先日、私の知り合いも自殺をしてしまいまして、今回はこういう問題を一番に取り上げさせていただきました。そんな中で、先ほど質問の中に入れさせてもらっていますけれども、「SOSの出し方教育」というのは、思春期に限らず、将来においても絶対に役に立つものだと思います。もちろん、児童生徒の「SOSの出し方教育」の施策展開に当たっては、自殺対策はみんなの仕事という考え方をきちんと理解して、学校や地域、相談窓口の先に知識を備え、SOSを受けとめる体制というのも全体で用意していかなければいけないのだと思います。是非とも、他県の施策も参考にしていただき、学校教育における自殺対策の推進が着実に進展することを期待しております。よろしくお願いいたします。  続きまして、教職員の長時間労働の是正について質問いたします。今回の一般質問で4回目になりますが、このような教職員の長時間労働の是正について何度もお聞きしているかと思います。そんな中で、いろいろ進んできた施策はあるんですけれども、もう1度だけ質問させてください。  政府や国会においても、働き方改革や過労死防止大綱などの議論が進められるとともに、労働者の長時間労働を是正しようと時間外労働に上限を設けるなどの動きが出ています。群馬県でも、教職員の長時間労働について是正しなければ教育の質が保てないとして、今年度、教職員の多忙化解消に向けた取組を県・市町村教委が足並みをそろえて実施しております。これについては本当に感謝申し上げたいと思います。ただ、その取組の一つに教職員の勤務時間を把握・記録するということがあります。これまで教員は何時間働いていても残業手当が出ないことから、実際に働いている時間を把握し管理するということがなされませんでした。それが客観的な方法によって出退勤時刻を記録・保存することになったのです。これは労働基準法第108条に基づくものと考えますが、勤務時間を把握し保存する目的と意義をお伺いいたします。 ◎笠原寛 教育長 教職員の長時間労働に関するお尋ねでございますが、学校現場を取り巻く社会や家庭の環境が複雑化・多様化する中で、学校に求められる役割は拡大してきておりまして、昨年度公表されました国の教員勤務実態調査や県の教育委員会が独自に調査をいたしました結果におきましても、教職員の長時間労働が課題であることが改めて明らかになったところでございます。勤務時間を適正に把握し、長時間労働の是正に向けて取り組むことが、子どもたちとしっかり向き合う時間を確保し、教育の質を一層高めることにつながるものと考えております。そこで県教育委員会では、昨年度、多くの関係の皆様方の協力をいただいて設置いたしました「教職員の多忙化解消に向けた協議会」から御提言をいただきまして、これらの提言を踏まえました教職員の勤務時間を客観的に把握するためのツールとして、それぞれの教職員のパソコンのオンとオフの時刻を勤務の開始・終了として自動的に記録する電子ファイルを作成いたしました。今年度よりこの電子ファイルを各市町村教育委員会や各県立学校に配付いたしまして、独自にタイムカード等を導入いたしました一部の市町村教育委員会を含めまして、全県下の教職員の勤務時間を客観的に把握するための体制を整え、現在その活用を図っているところであります。この電子ファイル等を活用して勤務時間を把握・記録する目的・意義は、大きく分けて2つあると考えております。1つは、管理職が教職員の勤務実態を把握いたしまして、業務の見直し、また状況に応じた教職員間の業務割り振りの変更、また労働安全衛生上の指導等に活用して、教職員が心身ともに健康な状態で教育に当たれるようにすることにあります。2つ目といたしましては、教職員が自らの勤務の状況を振り返りますとともに、意識改革を図り、ひいては業務改善やワークライフバランスを意識した働き方を推進することにつなげてもらうことにあると考えております。  県教育委員会といたしましては、この勤務時間を把握した結果を分析いたしまして、今年度も「教職員の多忙化解消に向けた協議会」で議論を深めながら、市町村教育委員会等と十分に連携を図り、各学校における業務改善や時間外勤務の縮減に向けた取組がより一層推進されるよう、引き続きサポートをしてまいりたいと考えております。 ◆本郷高明 議員 今、教育長が答弁されたことというのは、各学校の管理職とか教職員に周知されているものなのでしょうか。県教委として職員に周知するためにどんなことをしてきたのか、ちょっとお伺いしたいと思います。 ◎笠原寛 教育長 この勤務時間の適正な管理の取組につきましては、先ほど申し上げました電子ファイルの活用等に関する勤務時間の適正な把握や、学校内におきます業務に専念できる環境の整備について、各市町村教育委員会並びに各県立学校長あてに3月19日付で通知を出しているところでございます。また、今年度に入りましても、市町村立学校並びに県立学校の全校長を対象といたしましたそれぞれの会議の場におきまして周知を図ったほか、職員団体等とも情報を共有しながら、機会を捉えて管理職や教職員を対象といたしました研修会や会議等においても継続的に周知をしているところでございます。記録が開始されたことによりまして、教職員の勤務時間に対する意識が高まったとの声も届いておりまして、教職員の長時間労働の是正に向けた取組をさらに推進してまいりたいと考えております。 ○星名建市 副議長 本郷議員、残り1分です。 ◆本郷高明 議員 教職員の長時間労働の是正というのは、教職員個人あるいは学校現場の努力だけでは限界があり、抜本的に進まないことがあると考えます。教職員に自分の働く時間等を意識させて、自らの働き方を見直すきっかけになることはとても重要なことだと思います。是非とも、この教員の時間外労働の是正について、もっともっと突っ込んでいっていただき、問題点を検討していただけたらと思いますので、よろしくお願いします。  最後の質問は時間がないので要望として申し上げさせていただきます。県立の高等学校で、たびたび野球の硬式ボールとかサッカーボールとかが道路に飛び出してしまうということを聞いておりますので、是非、児童生徒の安全対策としての予算付け、学校の整備についての予算付けというのは十分に確保できるよう要望させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  以上で私の質問を閉じたいと思います。ありがとうございます。(拍手) ○星名建市 副議長 以上で本郷高明議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○星名建市 副議長 暫時休憩いたします。  5分後に再開いたします。     午後2時16分休憩     午後2時21分再開   ● 再     開 ○星名建市 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問(続) ○星名建市 副議長 久保田順一郎議員御登壇願います。           (久保田順一郎議員 登壇 拍手) ◆久保田順一郎 議員 自由民主党の久保田順一郎でございます。通告に従って暫時質問をさせていただきたいと思います。  まず、農政部長、答弁席へお願いいたします。 ○星名建市 副議長 農政部長、答弁席へ願います。           (塚越昭一農政部長 登壇) ◆久保田順一郎 議員 まず、県内の農業問題について、農協における自己改革の取組についてお伺いしたいと思います。  昔の話になるかもしれませんが、2014年6月、閣議決定されましたアベノミクスの第二次成長戦略では、地方創生の大きな柱の一つであります、また岩盤規制改革でもございます農政改革がうたわれておりました。その改革は、まず1つ目が減反の廃止でございます。2つ目が農協改革でございます。また、3つ目が農地政策の改革がその主たる範疇でございました。営農者にとっては、どの政策も直接生産に関わる大変重要な、深刻な改革政策であり、私も平成17年にはこの本会議で農地政策の改革、いわゆる農地中間管理機構、農地バンクの設立に関して、農地法、農業委員会改革などなど、関連13法案に絡む質疑をさせていただいたわけでございます。それらのどの一つをとっても、県民、営農者の生活や将来の担い手の生産計画に直結する奥の深い改革課題であり、多岐にわたるものでございました。  そこで、今回は農協改革について、現状はどうなっているかという点に絞って県の状況について質問させていただきたいと思います。  ところで、本年の1月の年明け17日ですが、農業新聞で農業改革8法案に対する審議が開始されたとの1面の報道がございました。それを読み上げますと、農業競争力強化支援法案、土地改良法改正案、農林物資の規格化等に関する法案、いわゆるJAS法の改正案でございます。それから加工原料乳生産者補給金等暫定措置法改正案、農業災害補償法改正案、農業機械化促進法案と主要農作物種子法案の廃止の審議が実は行われてきたわけでございます。その点を見ますと、農協改革というのはまだ現在も流動的ではないかというふうに思う次第でございます。  そこで、農協改革が叫ばれてからもう5年以上の歳月が流れておるわけでございますが、農協が行ってきた自己改革を進めるに当たりまして、現在、農業従事者の所得は改善されるように進められてきておるのか、県の対応状況と取組状況、それらについてお伺いしたいと思います。 ◎塚越昭一 農政部長 県内農協の自己改革の取組についてでございますけれども、議員御指摘のとおり、本県におきましては、県農業協同組合中央会を中心といたしまして、農業者の所得増大、それから農業生産の拡大、加えまして地域の活性化、この3点を最重点目標として自己改革に取り組んでいるところでございます。具体的には、生産技術や経営管理に関する指導、規模拡大を志向する農業者に対する農業融資や補助事業活用の積極的な提案、農地利用集積の支援などを通じまして、力強い経営体の育成と競争力の高い産地づくりに努めているところでございます。特に、集出荷施設の充実強化につきましては、農業者の出荷調製作業を軽減いたしまして、農業者の方には余った時間を規模拡大や栽培管理作業に充てることによりまして、収量の増加だとか品質の向上につなげていただいているところであります。さらに、農協は生産資材の価格引き下げや販売力の強化にも取り組んでおります。生産資材につきましては、肥料銘柄の統一や予約購買の強化、加えまして入札や見積合わせによる調達コストの低減などによりまして価格の引き下げに努めるとともに、契約販売の推進、農産物直売所の充実等販売力の強化にも努めているところでございます。  県の対応ですけれども、「元気で魅力あふれる農業・農村の実現」に向けまして、農業者のためのこうした農協の自己改革、これらの取組と連携をいたしまして、力強い担い手の育成や攻めの農業生産の展開などの施策を推進しております。農業産出額の増加や担い手の規模拡大という形で、その成果が着実に現れてきているものというふうに考えております。今後も、農協が農業者との対話を通じまして、その改革の取組を丁寧に農業者の方に説明し、農業者の理解を得ながら自己改革を進めることによりまして、農業者の皆さんが農協改革の成果を実感できるよう、しっかりと後押しをしてまいりたいというふうに考えております。 ◆久保田順一郎 議員 答弁ありがとうございます。全農、全中、様々な自己改革を今までやってこられたわけでございますので、是非とも営農者中心、本来の農協の姿ではないかというふうに思っておるわけでございますので、是非とも県も御指導いただきながら、積極推進をしていただければ大変ありがたいと思う次第でございます。  申し遅れましたが、実は本年、全国野菜園芸技術研究会群馬大会というのが群馬県が主催しまして行われました。農政部並びに地元農協も含めて、多大なる御理解と御支援をいただきまして、非常に盛大のうちに高崎市文化会館で行うことができましたことを改めて感謝申し上げる次第でございます。また、昨年はりんご研究大会全国大会を群馬県で主催できまして、これも絶大な御指導をいただきながら成功裏におさめることができましたことを重ねて御礼申し上げたいと思います。また、今度10月、知事とともにトップセールスということで大田市場に伺う際には、その辺の群馬県の力強い野菜のPRに努めていきたいと思っている次第でございます。いずれにしましても、大台の1,000億円を超える農業生産高、これは群馬県がしっかりと営農者、また生産者と農協ともども頑張ってきた紛れもない数値データでございますので、今後とも一つよろしくお願い申し上げたいと思います。  農政部長、もう1つございますので、よろしくお願いします。  今度はGAPという、これまでも何回か質疑には出てきた言葉ではございますが、過日の9月14日頃でございますか、マスコミ報道によりますと、2020年の東京五輪・パラリンピックの食材提供に、国内外の認証制度に準拠した生産管理が確認された生産者のものを納入するんだという発表がされたわけでございます。国際大会で安全・安心な農産物を提供するということは開催国の義務でございます。農産物の生産から出荷まで、一連の生産工程を管理する約束事を遵守していることを客観的に示せる生鮮食品や加工食品が、各サプライヤーの調達基準に盛り込まれることになったわけでございます。国外認証では主にGGAP、アジアGAP、国内ではJGAPなどの認証制度がございます。農水省作成のガイドラインに準拠したGAPに基づき生産され、都道府県等の公的機関による第三者の確認義務を受けている、認証されているということが示されなければならないと委員会では発表されたわけでございます。  そこで、現在、本県において従前から叫ばれている生産者や加工食品業者のGAP取得の推進状況や委員会の行う確認体制はどうなっているのか、お伺いしたいと思います。 ◎塚越昭一 農政部長 GAPの確認体制等についての御質問でございます。GAPにつきましては、農業生産工程の全般を管理するための仕組みでありまして、資材コストの低減や農作業事故の防止など、生産者にとって経営の効率化を図るうえで必要不可欠な取組であると認識しております。本県では、平成22年度に策定をいたしました群馬県農業生産工程管理、GAPでございますけれども、この推進方針に基づきまして、「群馬県GAP実践マニュアル」を作成いたしますとともに、研修会などを通じましてGAPの普及・拡大を推進してきたところでございます。その結果、平成29年度末現在で県内の92産地でGAPの手法を活かした農業経営が行われておりまして、本年度も国の支援制度を活用いたしまして、JGAP指導員の養成や認証取得モデル産地の育成を進めているところであります。  御案内のとおり、東京オリ・パラ大会の食材調達基準におきましては、ケータリング事業者など飲食サービスのサプライヤーは、先ほどありましたグローバルGAP、それからアジアGAP、またはJGAPの認証を受けて生産された農産物のほかに、都道府県等の公的機関によります第三者の確認を受けたものの中から調達をするというふうにされたところでございます。このことから、本県では、この調達基準に対応するための検討を進めてまいりまして、本年6月に県によりますGAP確認体制を整えたところでございます。この制度は、東京オリ・パラ大会の食材供給の意欲を示す産地・生産者に対しまして、費用負担なく県が国のガイドラインに準拠しているかどうかの調査・審査を行いまして、確認登録証を交付するものでございます。  県としては、この確認制度を積極的に活用していただけるように、引き続きJAなどの関係機関・団体と連携をしながら制度の正確な周知に努めますとともに、食材調達に関する情報提供などを行いまして、意欲的な産地・生産者の支援を行っていきたいというふうに考えております。 ◆久保田順一郎 議員 ありがとうございます。  本当に、オリンピック・パラリンピックを契機にして、生産者に対してGAPの取得のいいチャンスではないかと私は思っておりまして、というのは、いわゆるISOというのは、製造業界では9001、14000、それらの取得をほとんどの企業は行っております。しかしながら、それの認証を取るのにかなりの費用がかかりますし、また、定期的な認証費用も常時発生していくということで、ぐんまスタンダードというのを群馬県はやっております。これは事業者にとっては低コストであり、また、それの太鼓判がもらえるというようなこともあって、非常に経費の節減、あるいは標準化などに貢献してきておるわけでございまして、いわゆる群馬GAPという形で6月に既に施行されて、実際にやられておるわけでございますので、いい機会としてオリ・パラを使いまして、群馬認証は信用ありと、国内、国外ともその信頼性を確固としていただければ誠に幸いかなというふうに思う次第でございます。  それで、生産者・産地に対するGAPの取得の醸成については、答弁の中にもございましたけれども、どのように今後やられていくのか、お聞きしたいと思います。 ◎塚越昭一 農政部長 東京オリ・パラ大会の開催を契機として、生産現場はもとより、流通事業者などのGAPに対する関心は高まってきております。この機会を活かしまして、より多くの県内の産地・生産者がGAPに取り組めるよう情報を提供いたしますとともに、この機運が一過性のものとならないよう、取組を支援してまいりたいというふうに考えております。  そのための取組方針として、GAPは生産者の経営改善や事故防止、それから産地の信頼確保にもつながる重要な取組でありますことから、まずは広く産地・生産者にGAPの手法を導入してもらうための普及啓発を続けてまいりたいと考えております。さらに、取引先の要請など、個々の実情に応じてJGAPなどの認証取得に向けた指導・助言などの支援も行ってまいりたいというふうに考えております。GAPの推進は県産農産物の競争力・ブランド力の強化や、輸出拡大や販路拡大にもつながる可能性のある取組でございます。  県としては、今後とも、関係機関・団体と連携をいたしましてGAP指導の一層の充実を図るとともに、GAP導入産地の拡大と定着化を目指してしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆久保田順一郎 議員 これから群馬県も世界市場に打って出ていくわけでございます。世界認証を取っていくということは国内生産者にとって新たな販売チャンスを得ていく、かつてのミラノの食品博、これなんかでも通用する1つの大きな印ではないかというふうに思う次第でございます。群馬はGマークもございますが、その前にそういったところも率先して啓蒙していただくことをお願い申し上げまして、部長への質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。  引き続き、環境森林部長、お願いいたします。 ○星名建市 副議長 環境森林部長、答弁席へ願います。           (須藤雅紀環境森林部長 登壇) ◆久保田順一郎 議員 これは昨年来、私が委員会の方でも再三質問させていただきましたスギの赤枯病についてお伺いしたいと思います。  昭和30年代に大量発生したと言われているスギの赤枯病について、まだ県から明確な回答をいただいていないのではないかと思います。それで、あえてまたこの場で質問させていただきたいと思いますが、本来これは常任委員会の方でやる内容かと思いますが、森林県から林業県へという知事の基本方針から、今後の県林業の振興に重要な影響を与える案件でございますので取り上げさせていただきました。  県はどのような対策を今後進めていくのか、また、その発生状況はどうだったのか、改めてお伺いしたいと思います。 ◎須藤雅紀 環境森林部長 スギの赤枯病についての御質問でございます。  まず、お尋ねのスギの赤枯病につきましては、植えてから10年程度までの幼齢期のスギが、カビの一種であります病原菌に感染することから発生するものでございます。葉や枝などが赤く変色いたしまして、場合によっては木そのものが枯れることもあるということで、議員もよく御存じのことかと思っております。赤枯病は感染力が強く、苗木同士の間隔が近い苗畑では発生とまん延の危険性が高いと言われております。このことから、苗畑での薬剤散布による防除と発病した苗木の除去、出荷時の発病の確認が重要とされておりまして、先ほど御指摘がございました昭和30年代を中心に全国的に猛威を振るいましたけれども、今申し上げましたような防除方法が確立されたことから、近年、造林地の発生報告は全国的にほぼない状況であるというふうに認識をしております。  お尋ねの昨年の発生状況でございますけれども、本県の発生状況は、県内の造林地において赤枯病が発生をいたしました。被害の程度につきましては、場所によって差はありますものの、民有林の被害では11の市町村で約49ヘクタールに及んだところでございます。また、苗畑におきましても感染をした苗木を確認したところでございます。  県の対策でございますが、緊急のまん延防止策といたしまして、病原菌の胞子が周囲に飛散しないよう、造林地で発病いたしました苗木及び周囲の感染が疑われる苗木の除去・処分を指導いたしまして、その一部の経費を支援したところでございます。また、苗木生産者や森林組合などを対象といたしました研修会の開催を行うとともに、県職員によりまして苗畑の定期的な巡回指導を強化し、発生防止に努めているところでございます。加えて、被害を受けた造林地において改めて植栽する場合は、その経費への支援を強化したところでございます。また、苗木生産者と森林組合が協定を結びまして、出荷、納入及び植栽後の各段階の責任を明確化し、苗木の確認や感染苗木の除去にしっかりと取り組むよう、そのような指導もしてきたところでございます。さらに今年度からは、感染苗木を簡単に判別する手法や、苗畑での効率的な防除方法等を普及させるため、現在、林業試験場で研究を進めているところでございます。  「林業県ぐんま」の実現のためには、健全な森林を育成いたしまして、その資源を循環利用していくことが重要と考えております。そのため、スギ赤枯病への対策に加えまして、苗木生産に必要な資材の購入や施設整備への支援、苗木生産資金の貸付などを行い、良質で健全な苗木の安定供給に向け、関係者と連携をしてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆久保田順一郎 議員 発生したのは関西の方に海外から入ったのが原因だという、明治時代の話だったと記憶しております。また、昭和30年代に県でも大発生したということで、それに対する防御策を講じ、また、今に至るまで赤枯の発生は抑えられてきたというふうに思っておるわけでございます。昨年なぜそんなに大発生したのかということも非常に素朴な疑問として、そこに起こってくるわけなんですが、60年前に起こった病気でございます。それ以降、私も県議を20年やっておりますが、一回も赤枯なんていうのは起こったことがない。また、それ以前、40年前、50年前も、一部、県の粕川地区で起こったというような記録はあるようでございますが、それも何とか抑えられてきた。なぜ昨年に来て急にそれが表に出たのかということで、私も大変不思議な感覚でございます。  そこで、山の造林・育林業界に対して、結局、そういう苗で伐採というような作業に至ったわけでございますから、その辺に対しては細心の注意を払って苗を育てていかなくてはいかぬというところでございますが、現在、林野庁の指導書を見ましても、その辺については厳格な規定がないんですね。これは非常に困ったもので、どういうふうにやって苗木を育てたらいいのか、消毒はどういうタイミングで、どのようなやり方でやったらいいのか、そんな指針というのは全くないわけで、生産者任せというような話になって今まで来ておるわけでございます。また、苗木の出荷時の検査、これも全苗検査ということになれば問題ないかもしれませんが、何千本、何万本の苗木を全苗検査するということは事実上不可能でございますので、そういった点では、いわゆる育苗管理の指針、あるいは出荷時のロットサイズ等のサンプル抽出、それはどのくらいやればいいのかとか、そういったものが今後県の技術として是非とも御提示いただけることを望むわけでございます。また、いわゆる裸苗という言い方をしているんですが、秩父山系に花粉のいっぱい飛ぶスギが植わっておりまして、これを漸次いわゆる低花粉のスギに植えかえていくということが関東一円では進められておるわけでございます。そういう面では、この赤枯がありますと、より厳格な生産確認がされていかないと事実上出荷できない。生産者が何十年後にだめになる木をあえてつくれない。病気になったかならないかわからない木は生産できない、そんな状況になるわけでございますから、先行きの群馬県林業は大変なことになるということが容易に類推できるわけでございます。昨年のものが天候障害ということで一言で言えるものでもないかと思いますが、ナスやキュウリの苗木では1年で、半年で、3か月で苗木として出荷でき、1本が190円だ、200円だという中で、3年育ててやっと120円だというような山行苗木、これのいわゆる生産原価そのものの洗い直しも今後必要ではないかと思うわけでございます。また、林野庁が進めているコンテナ苗木、これは全国的に全部これに切り換えろというような全苗連に対する要請が出ておるわけでございますので、それに対しては補助金申請が認められるわけでございますので、環境森林部としては積極的に手を挙げて、それの補助金申請をやっていただければ大変いいかなというふうに思っておる次第でございます。本当にいい苗をいかに出荷するかというのが生産者の役目でございますので、何十年も生産を続けて一回も出なかった赤枯が発生したことに対しては、くれぐれも県の御検討、御高配をいただきながら、今後の林業試験場も含めての対応を行っていただきますことを改めて要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。  こども未来部長、お願いいたします。 ○星名建市 副議長 こども未来部長、答弁席へ願います。           (中村弘子こども未来部長 登壇) ◆久保田順一郎 議員 私も前回の本会議の場で申し上げました。今、子どもたちの遊ぶ環境は過去と違う、放課後の子どもの遊び場は違うんだという話で、子どもは外で遊んではいかぬと。昔は外で遊べというのが当たり前でしたが、子どもはちゃんと児童館で遊んでくれというのが今の世の中でございます。  9月4日から6日にかけて、弱者・高齢者対策特別委員会で宮崎県に赴きまして、一般社団法人日本プレミアム能力開発協会の調査に行ってまいりました。当地の女性リーダー、この方が現場で直面した子どもたちへの対応報告をしていただきまして、自分の経験則に基づいた説明をいただき、本当に熱心に仕事をしていただいているということで感銘を受けてまいったわけでございます。  そこで、本県では7月13日に市町村やボランティアの行う子ども食堂のネットワークが立ち上がったようでございますが、多くの市町村や関係者が関心を寄せている、それらの活動はどういうものか、また県の支援状況はどういう状況なのか、御答弁いただければと思います。 ◎中村弘子 こども未来部長 子ども食堂のお尋ねでございますけれども、議員御指摘のとおり、この取組は、家庭の事情などで放課後、家に帰った後も一人で食事をとらなければならない子どもたちに気軽に集まってもらって、栄養ある食事と温かな団らんの場を提供するものでございます。民間の団体や個人が中心となって、今、全国に広がった取組であり、私も現場をいくつか確認いたしましたけれども、子どもたちが将来社会で自立していく力を養ううえで大切な体験を与えてくれるものと注目しているところでございます。  県が把握しております子ども食堂の数は、平成29年3月には5か所でございましたけれども、本年7月には32か所となっており、市部を中心に増えてきております。県では、こうした子ども食堂などの子どもの居場所づくりに取り組もうとする団体などに対しまして、開設に必要な経費の一部を補助しており、平成29年度は16団体に支援したところでございます。しかしながら、子ども食堂を始めるに当たりましては、場所や食材、ボランティアの確保といった課題や、地域の親や子どもたちへの周知方法などに課題があるとされております。こうした課題に県としても対応するために、今月18日、主に福祉や教育などに関わる行政、そして関係団体をメンバーといたします「子どもの居場所づくり応援県域協議会」を立ち上げまして、課題に向けての連携や情報共有、必要な支援の仕組みなどの検討を始めたところでございます。また、今年度は新たに子ども食堂などに携わる人材養成のために、ボランティアに対するスキルアップセミナーや、団体と行政・関係機関をつなげる地域コーディネーターの養成講座、また、地域の方々などの関心を高めるためのセミナーを順次実施していく予定でございます。  子どもたちが地域の大人と関わりながら安心して過ごせる子ども食堂が、人々の善意に支えられて県内全域に一層広がっていきますよう、引き続き、市町村、関係団体等と協力しながら必要な支援に取り組んでいきたいと考えております。 ◆久保田順一郎 議員 ありがとうございます。  先ほどの宮崎の女性リーダーの話はまさにそういうことでございますが、ボランティアの技量の中で、食材の供給はどうしたらいいのか、また指導者、あるいはそういったセミナー等で人が育つのか、そんな話が実際の直面した現場では切実な話になるかと思いますので、是非とも御指導いただきますことを改めてお願い申し上げるわけでございます。
     そこで、次はフードバンクの話をしたいと思います。  同じくこども未来部長にお願いしたいと思いますが、先日、9月18日に県庁ビジターセンターで、みんなのごみ減量フォーラムというのが開催されました。「目指せ日本一!ごみの少ない群馬県」と題されて、参加された多くのボランティアの皆さんとともに、食品ロス問題専門家、井出留美さんの講演の一部を聞くことができたわけでございます。時間の関係で最後までおられなかったので、井出さんの資料を購入して失礼させていただきましたが、御案内のように群馬県は、一般ごみ排出量というのは国内でもワーストクラスでございますので、個人レベルでの環境に対するいわゆるボランティアの皆さんの活動というのは大変意義のある重要なことでございます。ユニセフのみならず、いかに食品のロスが大量にあるかということで、群馬県は「ぐんまちゃんの3キリ運動」というのもございますけれども、それらの対応を我々は心がけて実行すべきではないかということを再認識もさせていただいたわけでございます。  そこで、食材の8割が破棄される食品ロス削減については、料理飲食店業者にとっては、いかに有効にそれを活用するとともに廃棄するかというのは重要な課題でございます。今回は環境問題ではなくて、県内でも館林、太田、前橋、高崎と全国的に拡大しつつあるフードバンクについてお伺いするものでございますが、独居老人宅や母子家庭のみならず子ども食堂などでは、基本的に食材供給のニーズがあります。県内でも多くの食品産業がある中、このフードバンクの広がりをどのように考え、また公共としてどこまで支援できるのか、御答弁いただければと思います。 ◎中村弘子 こども未来部長 フードバンクについてのお尋ねでございます。フードバンクは、企業や個人から余っている食品ですとか包装の不備などで販売できなくなった食品の寄附を受けまして、それを必要とする個人、施設・団体などに届ける活動でございます。今、議員から御指摘がありましたように、現在、県内では、館林にありますフードバンク北関東、これが積極的に活動しておりまして、前橋や太田、桐生など市町村での取組も始まっております。子どもの貧困に限らず、いろいろな生活困窮者のために、こうした食べ物が活かされているというふうに考えております。フードバンクにつきましては、食品ロスを減らす方策としても非常に効果が見込めるということで、多くの企業関係者の方の関心もあるというふうにお聞きしております。  そこで、先ほど申し上げました「子どもの居場所づくり応援県域協議会」の仕組みを活用いたしまして、福祉や食品衛生を担当する健康福祉部、食品製造業や流通業を担当する産業経済部をはじめ、農政部や環境森林部といった関係部局のお力を借りまして、フードバンクが目の前のニーズにしなやかに対応していける環境をつくっていきたいというふうに考えております。そのうえで、関係団体や民間企業などとの連携の動きを促す方法、そういったものを研究いたしまして、県内で子ども食堂に取り組んでいる団体などがスムーズに食品を確保できる具体的な仕組みづくりを是非考えていきたいというふうに考えております。 ◆久保田順一郎 議員 フードバンク、これは北関東もそうでございます。最近はコープ太田、これは結構ケータリングの事業もやっておりますので、非常に効率のいい食品の流通ノウハウがあるのではないかと思っております。そういった業界ともども、是非とも御支援賜りますようお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。  次に、産業経済部長、お願いいたします。 ○星名建市 副議長 産業経済部長、答弁席へ願います。           (向田忠正産業経済部長 登壇) ◆久保田順一郎 議員 先月、8月の新聞報道によりますと、少子化の日本において、いわゆる外国人労働力に非常に期待が高まっておるわけでございます。10月末の統計では、外国人労働者2万9,319人、雇用事業者は3,466か所と過去最高を記録したとのことでございます。仕事をしながら日本の技術を学ぶ外国人技能実習制度に労働市場として期待がされ、そして入管法も緩和する措置を講ずるようにと、国もそのような方針で動くようでございますが、製造業が主体である群馬県の産業構造の中で、例えば伊勢崎市では介護分野に外国人実習生の受け入れに踏み切ったとの報道もされ、浜松市では南米ブラジルの日系社員を正社員にするんだという動きもございます。深刻な人手不足に対して県はどのように考えておるのか、その現状と今後についてお伺いいたします。 ◎向田忠正 産業経済部長 県内の外国人労働者の状況でございますけれども、総数は今、議員の御質問の中にあったとおりでございます。この3年間で約1万1,000人増えております。近年、急速に増加している状況にございます。在留資格別で見てみますと、永住者や定住者等が1万6,133人と半数以上を占めておりまして、技能実習が6,774人、就労目的である専門的・技術的分野が2,792人でございまして、このほか留学生のアルバイト等も増加している状況にございます。国別に見ますと、ブラジルの方が6,857人で最も多くなっております。次いでベトナム、中国、フィリピンがいずれも4,000人台、ここ数年は技能実習生を中心としてベトナム国籍の方の増加が顕著になっております。  こうした中、県では外国人材の活用を進めていくために、企業における外国人労働者の円滑な受入・定着が進むように、受入制度の適正な利用等について周知啓発を行っております。また、外国人留学生や定住外国人に対する就職・定着支援に取り組んでおるところでございます。また、来る11月にベトナム国の現地大学におきまして、県内企業の採用説明会を開催いたします。高度外国人材採用のきっかけづくりをしていきたいというふうに考えております。さらに、外国人材の活用につきましては、製造業や、今議員がおっしゃったとおり、福祉、農業など各産業分野に及んでまいります。このため、庁内関係課及び群馬労働局で構成いたします外国人材活用プロジェクトチームにおきまして、各分野の現状や課題について情報共有を図りまして、連携して周知啓発、活用支援に取り組んでいるところでございます。  県内企業における人材不足が課題となる中、将来的にも外国人労働者は県内産業を支える重要な人材であることから、県といたしましても、外国人労働者が日本人と同様に企業や地域社会で活躍できるよう、引き続き関係機関と連携しながら対応してまいりたいと考えております。 ◆久保田順一郎 議員 知事にもベトナムに行っていただいたり、我々議員団もベトナムを訪問し、県内の中小企業の社長さんも、いわゆる仏教国であるベトナムの人材は非常にいいと、日系2世、3世レベル以上の熱心な国民性があるということでございます。是非とも産業経済部長におきましては引き続き御指導いただければと思います。よろしくお願いします。ありがとうございます。  続きまして、生活文化スポーツ部長、お願いいたします。 ○星名建市 副議長 生活文化スポーツ部長、答弁席へ願います。           (五十嵐優子生活文化スポーツ部長 登壇) ◆久保田順一郎 議員 生活文化スポーツ部長には、群馬県多文化共生推進指針の改定をなさっておるということで、その辺についてお伺いしたいと思います。  来年また改定されるようでございますが、今後どのような取組を行っていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎五十嵐優子 生活文化スポーツ部長 議員お尋ねの群馬県多文化共生推進指針は、県が総合的に取り組むべき多文化共生施策の方向性を示すものとしまして、平成19年に策定し、平成24年に改定したところでございます。前回の改定から5年が経過しまして、この間、国においては、外国人技能実習制度の見直しなどによって外国人の受け入れを拡大する取組が継続的に進められてまいりました。本県では、平成24年12月末時点で4万489人であった外国人住民数は、平成29年12月末時点で5万3,510人と増加しまして、過去最多を更新しております。こうした社会情勢の変化を踏まえまして、平成30年3月に指針の改定を行ったところでございます。  改定に当たりましては、外国人住民を支援される側だけでなく、支援する側としての視点が重要であると考えまして、新たな基本目標として、「外国人住民が持つ多様性を活かし、誰もが参加・協働し安心して暮らせる、活力ある社会の実現」を掲げたところであります。また、施策目標についても見直しを行いまして、外国人が安心して暮らせるための幅広いサポートの提供、多様性を活かし外国人が活躍できる環境づくり、多様性を尊重し日本人と外国人が支え合うための意識の醸成、この3つを施策目標として定めました。  今後の取組でありますけれども、幅広いサポートの提供では、医療通訳ボランティアの養成及び派遣、外国人を対象とした防災訓練などの事業を行ってまいります。医療通訳ボランティアは、現在、11言語170人に増加し、また、防災訓練はこれまで伊勢崎市や大泉町など6市町で実施し、参加者は565人でありました。今後も引き続きこれらの事業を実施して、安心して暮らせるためのサポートの充実を図ってまいりたいと考えております。次に、外国人が活躍できる環境づくりとしまして、外国人児童生徒等教育・心理サポート事業、これは外国人の児童生徒や保護者を対象にしまして、教育相談、カウンセリング、日本語指導などを行うものでございます。また、地域の外国人リーダーを育成する外国人コミュニティコーディネーター養成講座などを実施してまいります。養成講座につきましては、外国人が日本語でのコミュニケーションや、学校や病院の仕組みなどを研修しまして、地域のリーダーとなって、さらに地域の外国人にそれを伝えるということを目的に平成27年度から実施しており、これまでに30人が修了しまして、地域での活躍が期待されているところであります。こうした事業を通じまして、地域で活躍する外国人が増えるよう環境づくりを進めてまいりたいと考えております。  今後も、新しいこの指針に基づきまして、多様な文化を受け入れ、日本人と外国人がともに支え合い、活躍できる多文化共生社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆久保田順一郎 議員 本当に外国人が増えてまいりますと、宗教の違い、例えばムスリムなんていうのはどうしたらいいのかとか、ハラールの食事の問題はどうすればいいのかとか、様々な派生する問題が起こってくるわけで、国民健康保険の不正使用の中国人の問題なんていうのは言語道断でございますが、それらの多文化が多岐な分野に広がりを見せていきますので、是非とも部長には獅子奮迅の御努力をお願いしたいと思います。ありがとうございます。  引き続き、環境森林部長、お願いいたします。 ○星名建市 副議長 環境森林部長、答弁席へ願います。           (須藤雅紀環境森林部長 登壇) ◆久保田順一郎 議員 先月の8月22日頃の新聞だったでしょうか、日本と中国が電気自動車の普及に重要なコネクタの仕様を統一すると発表されました。これは、いわゆるコンパチブルという電気関係の常識の中では非常に重要な要件でございまして、デファクトスタンダードと言われるところまで、生産台数から見ますと、時間の問題で電気自動車が日本・中国仕様のコネクタで世界中に行き渡るという可能性があるわけでございます。  それについて、経済産業省では、いわゆるEV・PHVタウン構想、訳せば電気自動車・プラグインハイブリッド車のまちづくり構想というのを打ち出してきまして、普及のための社会インフラ整備計画を先行させてきておるわけでございます。群馬県は、既にお隣の埼玉県、栃木県、それに15都県が参画する中、この点では参画せずに遅れをとっておるのではないかと思われます。その点について今後どのように県は取り組まれるのか、御答弁をお願いします。 ◎須藤雅紀 環境森林部長 次世代自動車への対応、とりわけEVを中心といたしました次世代自動車への対応の御質問でございます。次世代自動車につきましては、国の低炭素社会づくり行動計画におきまして、ハイブリット自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車、クリーンディーゼル自動車、天然ガス自動車等とされております。  群馬県は自動車1台当たりの人口や免許取得率が全国1位であるなど、国内でも有数の自動車社会でございます。このような本県の特性から、平成27年度の運輸部門からの二酸化炭素排出量は県全体の27.5%を占めております。全国の19.0%と比較しまして8.5ポイント上回っている状況でございます。このため、本県におきましては、温暖化対策を進めるうえで次世代自動車の普及は重要であると考えております。  お尋ねの本県におけます次世代自動車の現状と対応についてでございますけれども、まず現状でございますが、平成28年度中の乗用車の新車販売台数に占めます次世代自動車の割合は31.4%となっております。また、次世代自動車の普及率は、平成19年度は0.7%でございましたが、10年後の28年度では14.0%に増加をしております。平成27年3月に改定をいたしました群馬県地球温暖化対策実行計画の目標値では、平成32年度までに普及率を20%にまで引き上げるというふうにしております。このため、なお一層の努力が必要と考えております。  次に、県の取組についてでございますけども、次世代自動車の普及に向けましては、これまで国の補助金を活用いたしまして、県内401か所にEV等の充電器を整備してまいりました。このほか、公用車における率先導入や低利な低公害車導入整備資金による中小企業者への導入支援、さらに、県民の方を対象に次世代自動車セミナーや展示会、試乗会を開催して普及啓発に取り組んできたところでございます。今後も引き続き、率先導入、制度融資の一層の利用促進、県民の方への普及啓発を行うとともに、便利になりました充電インフラの整備状況を周知いたしまして、更なるEV等の導入を促進してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、全国有数の自動車社会であります本県にとって、次世代自動車の普及は二酸化炭素の排出削減に大きな効果をもたらしますことから、今後も各車種ごとの技術革新の動向を注視しながら、温暖化対策の主要な取組の一つとして積極的に推進してまいりたいと考えております。 ◆久保田順一郎 議員 栃木県、埼玉県では買えるんだけど、群馬県では買えないというのが現状のようでございますので、トヨタに限らず、いわゆる電気自動車の今後の観察は十分にやっていただきまして、地元はスバルもございますので、是非ともその辺のいわゆるインフラ整備については抜かりなく研究を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。  続きまして、健康福祉部長、お願いします。 ○星名建市 副議長 健康福祉部長、答弁席へ願います。           (川原武男健康福祉部長 登壇) ◆久保田順一郎 議員 本年7月18日、参議院本会議で受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が可決、成立いたしました。これは公共機関、病院等の施設は施設内禁煙、事務所や飲食店など多くの人が行き交う施設では原則屋内禁煙、受動喫煙対策は、いくつかの例外は認めつつも、1年半後には実際施行されるわけでございます。現在、私どものところには、上信越たばこ販売協同組合連合会、これは新潟県と長野県と一緒に組合をやっておりますが、また県内の旅館、料理飲食店組合などから、これに対して、是非とも尾ひれをつけないで、法律に則った遵法の範囲での施行を望んでおるんだというような陳情が来ておるわけでございます。東京オリ・パラの開催県のように、WHOにゴマをするような県条例を施行されては非常に困るんだという要望でございます。また、市町村におけるたばこ税収入は、市町村財政の中で両手放しで税収として大きな位置を占めておるわけでございますので、非常に大事な地方財源かというふうに思っております。  そこで、県として法令の改正を受けて今後どのように取り組んでいくか、お伺いいたします。 ◎川原武男 健康福祉部長 本年7月に公布されました改正健康増進法では、望まない受動喫煙の防止を図るため、多くの方が利用する施設等の類型に応じ、当該施設の管理について権限を有する者が講ずべき措置等が定められておりまして、段階的に施行され、議員御指摘のとおり、2020年4月1日に全面施行されることとなっております。  県では、これまでも禁煙支援県民公開講座や街頭キャンペーン等において受動喫煙による健康への影響等について周知を図ってまいりましたが、今後はさらに受動喫煙をなくすという改正法の基本的な考え方を広く県民や事業者等に対して周知啓発してまいりたいと考えております。また、改正法では、多くの方が利用する施設においては、施設の類型ごとに子どもや患者など主たる利用者の違い等に応じ、禁煙措置や喫煙場所の特定を行うなどの対策を講ずることとされております。特に飲食店につきましては、原則屋内禁煙でございますが、既存の店舗のうち客室面積が100平方メートル以下のものにつきましては、事業継続に配慮し、当分の間、標識の掲示等により喫煙が可能とされております。なお、これを上回る面積の店舗等が受動喫煙防止対策といたしまして屋外喫煙所や喫煙室などを設置する場合、国が費用の一部を支援する受動喫煙防止対策助成金を活用することができます。  県といたしましては、国の支援制度が有効に活用されるよう周知を図り、適切な受動喫煙の防止につなげてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、改正法の趣旨に基づき、施設の特性や現状に応じた受動喫煙防止対策が実施できるよう、庁内関係部局や関係機関・団体とも連携して改正法の円滑な施行に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆久保田順一郎 議員 ありがとうございます。  愛煙家は、望まない受動喫煙を意識する人の前ではあえてたばこを吸いたくないものでございます。また、檻の中に閉じ込められても、駅のホームや高速サービスエリアの片隅に追いやられても、喫煙者としての喫煙マナーは守りたいものでございまして、一服の息抜きのための喫煙の時間というのは非常に、これは習慣だなんていう言い方をされておりますが、いずれにしても、他人に迷惑をかけないたばこの吸い方を常に心がけていると言ってもいいと思います。愛煙家につきましては、自分の健康を害さぬよう喫煙を続けていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございます。  県土整備部長、お願いいたします。 ○星名建市 副議長 県土整備部長、答弁席へ願います。           (中島 聡県土整備部長 登壇) ◆久保田順一郎 議員 いつも最後の時間のない間でございますが、よろしくお願いしたいと思います。  1問目、利根川新橋についてお伺いします。  利根川新橋建設促進期成同盟会は、周辺5市3町により20年以上、利根川新橋架橋に向けての陳情活動を続けておるわけでございます。県土整備プランに34年度事業着手の計画が記載されたことは関連自治体にとって大変な喜びでございます。県境隣接地域の東毛地域にとって、また、その東西にある刀水橋、昭和橋とともに、渡川する、川を渡るだけでも40分以上の朝夕の時間を要するわけでございますので、非常に大きく改善され、北関東工業地帯と教科書にも載るほどの国際東毛地域の交通、文化の交流、流通を促し、県全体の税収向上にも大きく貢献するものと、地元、市民団体とともに期待に胸膨らませておるところでございます。  そこで、事業化に向け県はどのような取組なのか、現状を伺いたいと思います。 ◎中島聡 県土整備部長 利根川新橋でございますが、議員からもありましたように、今年3月に策定しました新たな県土整備プランにおきまして、邑楽館林地域の主要事業として、平成34年度までに着手予定の事業として位置付けたところでございます。今年度は埼玉県と協議を行いながら、隣接する橋梁の渋滞調査や橋梁の整備効果に関する検討を行っておるところでございます。また、国による利根川右岸の首都圏氾濫区域堤防強化対策事業につきまして、現在、国が設計作業を進めておるところでございます。この設計作業が終わるに当たりまして、今後、国との計画の調整を行う予定でございます。引き続き、埼玉県と連携し、課題を整理しながら利根川新橋の早期実現に向け取り組んでまいりたいと考えております。 ◆久保田順一郎 議員 どうもありがとうございます。一歩も二歩も前進してくれたかなというような感想を持ったわけでございます。  東毛広幹道、7つの交通軸は群馬県の経済にとって飛躍的な進展をもたらしたかと思いますが、それに伴いまして、隣接市町村では町村道の整備もしながら、より県が与えてくれた資産を活かそうということで進めております。明和・千代田、この辺について御指導いただければと思うわけですが、部長の御意見を伺いたいと思います。 ◎中島聡 県土整備部長 千代田町・明和町両町におきましては、明和・千代田工業団地へのアクセスを向上させるために、現在、町道の整備を行っておるところでございます。この道路が整備されますと、南北の幹線道路である県道足利千代田線と国道122号館林明和バイパスを東西に連結する道路となり、県が整備した広域的な幹線道路と有機的なネットワークを形成できることから、県では重要な道路整備だと考えております。県といたしましては、引き続き町道の整備が計画的に進捗するよう、町と連携して国に対する予算確保の要望など積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆久保田順一郎 議員 御答弁ありがとうございました。期待が大きい県土整備事業でございます。是非とも市町村も踏まえて御指導いただければと思います。ありがとうございます。  以上で私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○星名建市 副議長 以上で久保田順一郎議員の質問は終わりました。  以上をもって質疑及び一般質問を終了いたします。   ● 議案の常任委員会付託 ○星名建市 副議長 次に、上程中の各議案につきましては、あらかじめお手元に配付の常任委員会所属議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。   ● 休会の議決 ○星名建市 副議長 お諮りいたします。  28日、10月1日から5日及び9日の7日間は、委員会審査等のため本会議を休会にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。           (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○星名建市 副議長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  次の本会議は、10月10日午前10時から再開いたします。   ● 散     会 ○星名建市 副議長 本日はこれにて散会いたします。     午後3時28分散会...