群馬県議会 > 2017-03-01 >
平成29年 第1回 定例会-03月01日-04号

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  1. 群馬県議会 2017-03-01
    平成29年 第1回 定例会-03月01日-04号


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    最終取得日: 2023-05-03
    平成29年 第1回 定例会-03月01日-04号平成29年 第1回 定例会 群馬県議会会議録  第4号 平成29年3月1日        出席議員 50人 欠席議員 0人 欠員 0人    関根圀男  (出 席)       中沢丈一  (出 席)    腰塚 誠  (出 席)       南波和憲  (出 席)    黒沢孝行  (出 席)       松本耕司  (出 席)    久保田順一郎(出 席)       星野 寛  (出 席)    須藤昭男  (出 席)       岩井 均  (出 席)    織田沢俊幸 (出 席)       狩野浩志  (出 席)    新井雅博  (出 席)       福重隆浩  (出 席)    橋爪洋介  (出 席)       岩上憲司  (出 席)    萩原 渉  (出 席)       星名建市  (出 席)    伊藤祐司  (出 席)       角倉邦良  (出 席)    井田 泉  (出 席)       須藤和臣  (出 席)    あべともよ (出 席)       水野俊雄  (出 席)    後藤克己  (出 席)       中島 篤  (出 席)    岸 善一郎 (出 席)       大手治之  (出 席)    臂 泰雄  (出 席)       井下泰伸  (出 席)    酒井宏明  (出 席)       金井康夫  (出 席)
       原 和隆  (出 席)       金子 渡  (出 席)    安孫子 哲 (出 席)       清水真人  (出 席)    藥丸 潔  (出 席)       小川 晶  (出 席)    髙橋 正  (出 席)       金井秀樹  (出 席)    本間惠治  (出 席)       伊藤 清  (出 席)    山﨑俊之  (出 席)       荒木恵司  (出 席)    大和 勲  (出 席)       川野辺達也 (出 席)    本郷高明  (出 席)       穂積昌信  (出 席)    井田泰彦  (出 席)       加賀谷富士子(出 席) 説明のため出席した者の職氏名    知事         大澤正明    副知事        反町 敦    副知事        村手 聡    教育長        笠原 寛    選挙管理委員長    松本修平    代表監査委員     丸山幸男    公安委員長      児玉三郎    警察本部長      小田部耕治    企業管理者      関  勤    総務部長       深代敬久    企画部長       向田忠正    生活文化スポーツ部長 佐藤裕子    こども未来部長    中村弘子    健康福祉部長     塚越日出夫    環境森林部長     井田由夫    農政部長       宮崎一隆    産業経済部長     塚越正弘    県土整備部長     上原幸彦    危機管理監      萩本勝美    会計管理者      戸塚俊輔    病院局長       青木 勇    鳥獣被害担当参事   須川 均    観光局長       塚越昭一    財政課長       友松 寛 職務のため出席した者の職氏名    局長         根岸良夫    総務課長       小宮利夫    議事課長       山岸敏明    議事課次長      宮下智夫    議事課係長      田子敏美    議事課主幹      向田敬行    議事課主幹      桑山純一     平成29年3月1日(水)                   議  事  日  程 第 4 号 第1 質疑及び一般質問    ・第1号議案から第81号議案、第83号議案について    ・承第1号について                           以 上 知 事 提 出     午前10時開議   ● 開     議 ○星野寛 議長 これより本日の会議を開きます。   ● 質疑及び一般質問 ○星野寛 議長  △日程第1、第1号から第81号、第83号の各議案及び承第1号を一括して議題とし、上程議案に対する質疑及び一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。         ──────────────────────────               本 日 の 発 言 通 告 ┌───────┬────────────────────────────┬──────────┐ │氏名     │発言通告内容                      │答弁を求める者の職名│ │(所属会派) │                            │          │ ├───────┼────────────────────────────┼──────────┤ │       │1 本県農業のあり方について              │          │ │       │ (1) 農業の成長産業化に向けた取組について      │知 事       │ │       │ (2) 中山間地農業への支援について          │農政部長      │ │       │2 群馬県立農林大学校について             │          │ │       │ (1) 農林大学校のあり方について           │農政部長      │ │       │ (2) 「農と食のビジネスコース」について       │農政部長      │ │       │ (3) 創立100周年記念式典について           │農政部長      │ │       │3 農業生産工程管理(GAP)の推進について      │          │ │岸   善一郎│ (1) オリンピック・パラリンピックを見据えたGAP推 │農政部長      │ │       │    進の考え方について               │          │ │(自由民主党)│ (2) 畜産分野におけるGAPの取組について      │農政部長      │ │発言割当時間 │4 伝統野菜について                  │農政部長      │ │65分     │5 鳥獣害対策について                 │          │ │       │ (1) カワウ対策について               │鳥獣被害担当参事  │ │       │ (2) 安全な捕獲の推進について            │環境森林部長    │ │       │6 林業振興について                  │          │ │       │ (1) 森林の実態について               │環境森林部長    │ │       │ (2) 林地境界明確化に向けた取組について       │環境森林部長    │ │       │7 コンベンション施設整備について           │          │ │       │ (1) コンベンション施設の料金について        │企画部長      │ │       │ (2) コンベンション施設の屋外展示場について     │企画部長      │ │       │8 榛名・伊香保地域の活性化について          │観光局長      │ ├───────┼────────────────────────────┼──────────┤ │       │1 日米共同訓練とオスプレイの飛行について       │          │ │       │ (1) 相馬原でのオスプレイ飛行訓練について      │          │ │       │  ① 県の対応について                │企画部長      │ │       │  ② 安全性の確認について              │企画部長      │ │       │  ③ 情報の開示について               │企画部長      │ │       │ (2) 県民の安全を第一とする知事の姿勢について    │知 事       │ │       │ (3) 横田基地へのオスプレイ配備について       │          │ │       │  ① 配備によるリスクについて            │知 事       │ │酒井宏明   │  ② 騒音測定器の活用について            │知 事       │ │(日本共産党)│2 保育の受け皿の拡大について             │          │ │発言割当時間 │ (1) 待機児童の現状と解消について          │こども未来部長   │ │65分     │ (2) 保育所不足の原因について            │こども未来部長   │ │       │ (3) 保育士の処遇改善について            │          │ │       │  ① 月給加算の実効性について            │こども未来部長   │
    │       │  ② 処遇改善に向けた県の支援について        │こども未来部長   │ │       │  ③ 研修受講に対する県の支援について        │こども未来部長   │ │       │3 原発事故避難者への支援について           │          │ │       │ (1) 原発事故避難者の生活実態について        │危機管理監     │ │       │ (2) 自主避難者への住宅支援打ち切り後の支援について │          │ │       │  ① 国等に対する住宅支援継続の要請について     │県土整備部長    │ │       │  ② 自主避難者に対する県の住宅支援について     │県土整備部長    │ ├───────┼────────────────────────────┼──────────┤ │       │1 伝統文化の継承について               │          │ │       │ (1) 伝統文化の継承に対する考えについて       │生活文化スポーツ部長│ │       │ (2) きめ細かい助成・補助の必要性について      │生活文化スポーツ部長│ │       │2 医師不足に対する取組について            │          │ │       │ (1) 医師不足の現状と今後について          │健康福祉部長    │ │       │ (2) 群大病院改革について              │健康福祉部長    │ │       │ (3) 医師不足解消のための群馬モデルの構築について  │健康福祉部長    │ │       │3 自動運転開発に向けた取組について          │          │ │       │ (1) 自動運転開発に向けた取組状況と今後について   │産業経済部長    │ │       │ (2) 自動運転開発の意義について           │知 事       │ │       │4 地方創生について                  │知 事       │ │井下泰伸   │5 高校教育改革について                │          │ │(自由民主党)│ (1) 県立高校の再編整備について           │教育長       │ │発言割当時間 │ (2) 高校教育の質的充実と学校の取組について     │教育長       │ │65分     │ (3) 地域を担う人材が地域に定着するための施策と中核 │教育長       │ │       │    校の役割について                │          │ │       │6 ぐんまの農業について                │          │ │       │ (1) 本県における野菜振興について          │農政部長      │ │       │ (2) 全国和牛能力共進会について           │農政部長      │ │       │ (3) 水田農業の推進について             │農政部長      │ │       │7 中心市街地の活性化について             │          │ │       │ (1) 「ぐんま“まちづくり”ビジョン」について    │県土整備部長    │ │       │ (2) 県の支援策について               │産業経済部長    │ │       │ (3) 市町村や庁内関係部局との連携について      │産業経済部長    │ │       │8 県土整備状況について                │          │ │       │ (1) 県土整備プランの見直しについて         │県土整備部長    │ │       │ (2) 波志江スマートインターチェンジ付近の道路整備に │県土整備部長    │ │       │    ついて                     │          │ │       │ (3) 国道50号前橋笠懸道路の進捗状況と県の協力・支援に│県土整備部長    │ │       │    ついて                     │          │ ├───────┼────────────────────────────┼──────────┤ │       │1 群大病院問題について                │          │ │       │ (1) 群馬大学や群大病院をめぐる動きについて     │健康福祉部長    │ │       │ (2) これまでの県の関わりと今後、改革・再生を進めて │健康福祉部長    │ │       │    いく上での課題について             │          │ │       │ (3) 群大病院の再生を促進する協議会について     │反町副知事     │ │       │ (4) 群大病院の再生及び本県医療に対する知事の所見に │知 事       │ │       │    ついて                     │          │ │       │2 がん患者への外見ケア支援について          │健康福祉部長    │ │中島 篤   │3 「異才発掘プロジェクト」について          │教育長       │ │(志高会)  │4 外国人労働者の活用について             │          │ │発言割当時間 │ (1) 法令改正と国の動向について           │産業経済部長    │ │65分     │ (2) 県の対応について                │産業経済部長    │ │       │5 高齢者の運転免許証の自主返納について        │警察本部長     │ │       │6 高崎北警察署(仮称)の進捗状況について       │警察本部長     │ │       │7 スポーツを活用した観光振興について         │観光局長      │ │       │8 西毛広域幹線道路の進捗状況について         │県土整備部長    │ │       │9 コンベンション施設整備について           │企画部長      │ └───────┴────────────────────────────┴──────────┘         ────────────────────────── ○星野寛 議長 岸善一郎議員御登壇願います。           (岸 善一郎議員 登壇 拍手) ◆岸善一郎 議員 皆さん、おはようございます。高崎市選出、自由民主党所属の岸善一郎でございます。本日は、貴重なお時間をお差し繰りいただきまして傍聴いただきます後援会の皆様方、そしてテレビの前で御声援をいただきます大勢の皆様方に心より厚く御礼を申し上げるところでございます。本日より3月となり、私の誕生月ともなりました。忘れてはならないのは3・11、6年目となる東日本大震災であり、被災されました大勢の皆様方への国よりの早期の復興と復旧、そして心よりのお見舞いと御冥福をお祈り申し上げるところでございます。  そんな中、国におきましても、群馬県におきましても、少子高齢化の波が押し寄せ、社会福祉費の歳出増加は国、県にとっても大きな課題となっているところでございます。県にあっては、昨年、「ぐんま元気(GENKI)の5か条」を作成いたしました。健康寿命の延伸であります。「げんき(元気)に動いてぐっすり睡眠」、「えんぶん(塩分)ひかえて食事はバランスよく」、「なかま(仲間)をつくって健康づくり」、「きんえん(禁煙)めざしてお酒は適度に」、「いいは(歯)を保っていつも笑顔」の5カ条ですが、昨年より大勢の皆様方の前で、私自身、周知をお願いしているところでございます。5カ条の中のひとつは毎日実行しているものと思われますが、質問席に移り、与えられた時間ですが、元気に質問させていただきます。御答弁をいただく執行部の皆様方にもよろしくお願いを申し上げるところでございます。(拍手)  それでは、知事、よろしくお願い申し上げます。 ○星野寛 議長 知事、答弁席へ。           (大澤正明知事 登壇) ◆岸善一郎 議員 農業も大変ないろいろな問題があるわけでございますが、7桁から8桁農業へということで、知事にも、ベトナムのほうへおいでいただきまして、ベトナムの農業の視察もされたと伺っておりますが、大変御苦労さまでございました。本県農業のあり方について知事にお尋ねをします。  農業は、県民の命と暮らしを支える重要な産業であり、社会共通の財産であります。農業、農村を取り巻く環境は人口減少社会の到来と相まって過疎化、高齢化による担い手の減少や消費者ニーズの多様化、グローバル化の進展など、大きな転換期にあります。さらに、大雪や突風など大規模な自然災害の発生やイノシシ、シカなどによる鳥獣被害が深刻化するなど、厳しい状況にもあります。多彩な風土や先人によって養われた貴重な資源や絆を大切に守り育て、次の世代にしっかりと継承していくことが私たちの責務であると感じるところでございます。そのためには、本県農業を魅力ある産業として大きく成長させることが重要であり、農業の持続的な発展と農村の活性化なくして、真の地方創生はないと考えております。そこで、今後の本県農業の成長産業化に向けた取り組みについて、知事の所見をお伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 農業は、農畜産物の生産のみならず、地域社会の維持、自然環境の保全、そして観光の振興などにおいて大切な役割を果たしておりまして、地域に根差した重要な産業であると考えております。農業を取り巻く環境は、厳しい状況でありますが、平成27年の本県の農業産出額は2,550億円と4年連続の増加となったところであります。2,500億円以上を上回るのは実に18年ぶりでありまして、都道府県別の順位においても12位から10位に上昇したところであります。また、県内の農業就業人口は、ここ10年で4割近く減少しているものの、認定農業者1経営体当たりの耕地面積は3割以上増加をしておりまして、担い手農家の経営規模拡大や法人化が進むなど、県内農業の体質強化は着実に進んでいるものと思っております。  先日、県内の各地域で活躍されておりますJA青年部の役員の皆さんと意見交換を行う機会がありました。農業、農村が抱える課題について真剣に考え、自らの経営のみならず、仲間とともに地域の活性化に向けて精力的に取り組む姿勢に対しまして敬意を表するとともに、大変心強く感じたところであります。私は、夢や情熱を持って農業の未来に挑戦する若者が持てる力を最大限発揮できるような環境を整備する必要があると考えております。成長産業化に向けた未来への投資として、農地、そして施設等の生産基盤の整備や地方創生拠点整備交付金を活用した試験研究機関の充実強化等を通じまして、本県農業の競争力強化を図ってまいりたいと考えております。  また、本県の特産であります上州和牛やコンニャクは欧州においても高い評価を得ておりまして、県産農畜産物の輸出金額は4年連続で増加をしておりまして、欧米をはじめ拡大する東アジア、ASEAN諸国の需要を取り込み、国内のブランド力向上につなげるなど販売力を強化いたしまして、本県農業の成長産業化をしっかりと進めてまいりたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 大変ありがとうございます。知事におかれましても、お体に気をつけながら、トップセールスをひとつよろしくお願いを申し上げるところでございます。ありがとうございました。  続きまして、農政部長、よろしくお願いを申し上げます。 ○星野寛 議長 農政部長、答弁席へ。           (宮崎一隆農政部長 登壇) ◆岸善一郎 議員 次に、中山間地農業への支援について農政部長にお尋ねします。  群馬県は標高10メートルの平野部から1,400メートルの山間丘陵地までの耕地が広がり、多彩な農業が営まれておりますが、その多くは中山間地域であります。中山間地域は、豊かな自然、景観、風土を有しており、これら地域資源をうまく活用することで新たな価値を生み出し、農村ににぎわいを創出することが期待されます。一方、中山間地域においては、人口減少や高齢化による担い手不足、鳥獣害被害の増加等、厳しい状況に置かれており、集落機能や地域資源の維持にも影響が生じております。さらに、平坦地に比べ規模拡大等に限界があり、足腰の強い農家ばかりではありません。中山間地域における農業の活性化については、きめ細かな目配りが必要と考えますが、県の支援についてお伺いいたします。 ◎宮崎一隆 農政部長 中山間地域の農業は、気候風土を活かした多様な取り組みが行われており、地域の主要な産業として位置付けられているとともに、自然環境の保全や洪水防止、水資源の涵養など多面的機能を有しております。一方、中山間地域は平坦地域と比べて勾配がきつく耕地が狭いことなど、農業生産条件が不利となっており、規模拡大や機械化による生産性の向上が困難な地域が多く、鳥獣害や耕作放棄地の拡大なども懸念されております。このような状況の中、国では、中山間地農業特別支援対策として、平成29年度より中山間地農業ルネッサンス事業を立ち上げ、中山間地域の特色を活かした多様な取り組みに対し、各種支援事業におけます優先枠の設定や面積要件の緩和など、制度の拡充により、中山間地域の農業を後押しすることとしております。  県としても、これら国庫補助事業を活用し、農業生産基盤や生活環境の整備、鳥獣被害対策等を進めますとともに、地域の共同活動による農地等の地域資源の維持、継承を図るため、多面的機能支払交付金や中山間地域等直接支払交付金等を活用し、中山間地域の農業を元気にしていく取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。さらに、農業生産だけでなく、農産物の加工販売等による6次産業化や観光農業、グリーンツーリズムの推進等により農業者の多様な所得機会を確保するとともに、農村の魅力発信や都市農村交流、さらには移住、定住を促進し、中山間地域の活性化を図りたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございます。優先枠の拡大ということでございますが、私の友人にもこの辺で頑張っている人がいるわけでございますが、20ヘクタールまでやるともう十分だよと、もうそれ以上はできないよというところでございます。そういうことにつきましても、もっともっといろいろな支援をお願いできればありがたいなと思っているところでございます。  続きまして、農林大学校のあり方について部長にお伺いいたします。  高齢化が進む本県農業の将来を考えると、世代間バランスのとれた新たな担い手の確保は喫緊の課題となっております。そのためには、農家子弟に限らず農業に取り組む人材を広く社会に求め、意欲のある者を担い手としてしっかり育て、支援していくことが必要と考えております。農業の担い手養成機関として位置付けられている農林大学校は、昭和58年の開校以来34年となり、次代を担う優れた担い手や指導者の育成に取り組み、群馬の農業を支える多くの人材を輩出してきました。また、平成11年度からは、学校教育だけでなくUターンやIターン、定年機能や女性等の就農希望者の増大に対応するため、就農準備校、現在のぐんま農業実践学校を開校し、一般県民向けの研修教育を通じて本県農業の多様な担い手育成にも努めてきたところであります。  一方で、近年、農業の6次産業化の進展を背景に、農産物の加工や販売等、新たな農業ビジネスに取り組む農業者が増えております。特に加工の分野を中心に女性の活躍には目を見張るものがあります。農林大学校においても、最近、女子学生が増えており、現在では約3割を占めるまでになっております。今後、農業分野においても女性の活躍が一層重要になることが予想されます。こうした農業を取り巻く環境が大きく変化する中で、農林大学校においても、時代や入校者のニーズに対応した教育への取り組みが求められていると思いますが、どのように対応していくのか、農林大学校の今後のあり方について伺います。 ◎宮崎一隆 農政部長 農林大学校では、議員御指摘のような時代の変化や学生のニーズを踏まえ、平成26年度に教育改革検討委員会を学内に設け、有識者の意見も伺いながら今後のあり方を検討してまいりました。その結果をもとに、平成29年度の入校生から新たに教育改革を実施することといたしたところであります。平成19年以来10年ぶりとなる今回の教育改革の大きな柱は、6次産業化に対応したカリキュラムの導入によるコースの改編であり、現在の農業コースを農と食のビジネスコースとし、生産から加工、販売に至るまでを実践的に学ぶことにより6次産業化に対応できる人材を育成したいと考えております。  また、実践力向上の観点から、実習、演習に重点を置くこととし、就農者の多い園芸部門においてコースの定員を増やし、本県農業の柱である園芸分野の担い手の確保に積極的に取り組むことといたしました。さらに、森林環境コースや林業技術者の養成に重点化しカリキュラムを見直すとともに、コース名を森林コースとしたところです。農林大学校としては、本県農林業を担う人材や農林業を支える関連産業の従事者の育成に向け、今後も時代や入校生のニーズ等を的確に捉え、魅力ある教育を実践してまいりたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 10年ぶりのカリキュラムの変更ということでございますが、本当にいろいろなところで農業は岐路に立たされているわけですが、よろしくお願いを申し上げます。  続きまして、食と農のビジネスコースについて、農政部長にお尋ねをいたします。  平成28年度3月定例会補正予算にて約1,800万円をいただき、この4月から農業の6次産業化に対応した農と食のビジネスコースを設置するということですが、6次産業化で鍵となるのは、いかに消費者ニーズを捉えた農産物や農産加工品をつくれるか、そしていかに売るか、マーケティング能力の育成が重要と考えております。農林大学校では最近、私の地元の総合スーパーイオンで、学校でとれた農産物の即売会を行ったり、今年度から群馬支所で月に1度開催しております産直市、ぐんま青空マルシェなどの地域のイベントにも出店し、買い物客に大変な人気であります。学生が自分たちで栽培した農産物を直接販売することは消費者の志向を知ることができ、何より学生自身が販売を通じて農業の楽しさや、やりがいを実感できるという点で大変重要なところであると考えております。  そこで、新たに設置する農と食のビジネスコースでは具体的にどのような教育を行う考えなのかをお伺いいたします。 ◎宮崎一隆 農政部長 新たに設置する農と食のビジネスコースには、地域営農専攻と農産加工流通専攻の2つの専攻を置くこととしております。いずれの専攻も生産から加工、流通、販売に至る講義と基本的な実習は共通に学び、より専門的な実習や演習を選択した専攻において行うこととしております。地域営農専攻では、作物の栽培や農業機械利用の実習に多くの時間を充て、JA等の農業関連団体や企業で求められる実践力の養成を目指すこととしております。農産加工流通専攻では、消費者ニーズの把握から商品の企画、加工、開発、販売、PRに至るまでの過程を演習やより専門的な実習を通して学ぶこととしております。特に6次産業化では、消費者目線で既存商品との差別化を図る商品企画力やその商品のPRを含めた販売力が重要となりますが、議員御指摘の地元のイオンモール高崎で昨年度から取り組んでいる販売学習を充実するなど、商品化や販売の実習を通してしっかりと身に付けさせたいと考えております。農林大学校としては、4月からスタートする農と食のビジネスコースにおきまして新たな農業ビジネスにも対応できる人材やより実践的で質の高い人材を育成できるようしっかりと取り組んでまいる所存であります。 ◆岸善一郎 議員 食と農のビジネスコースは、生徒さんは20名だったですよね。ひとつしっかりと、今度は新しいコースでございますので、よろしく御指導のほどをお願いする限りでございます。  続きまして、〔資料提示①〕農林大学校の創立100周年記念式典について部長にお尋ねをいたします。  農林大学校のルーツをたどると、大正9年設立の農業技術員養成所までさかのぼることができ、ここから数えると、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には創立100周年を迎えることになります。私の記憶では、農林大学校の発祥となる大正9年の農業技術員養成所から起算して、実施した記念式典はなかったように思います。紆余曲折の農林大学校の卒業生は既に1万人を超え、これまでの本県農業分野における功績をたたえる意味において、3年後に迎える100周年という大きな節目の年には、卒業生の一人としてぜひとも盛大に記念式典を催していただきたいと願っているところであります。  そこで、記念すべき創立100周年を迎えるに当たり、記念式典の開催について県の考えをお伺いいたします。 ◎宮崎一隆 農政部長 農林大学校は、御指摘のとおり、3年後の2020年には、その発祥となる大正9年の農業技術員養成所から数え、創立100周年という大きな節目を迎えます。今や卒業生の数は1万人を超え、本県農林業を支える一大ネットワークを築いていると考えております。創立100周年を記念した式典についてでありますが、農林大学校では今年度、開催に向けた準備を進めるべく、農林大学校同窓会と検討を始めたところであり、記念式典の具体的な内容については、来年度に設置を予定している実行委員会の中で検討されるものと考えております。県としても、農林大学校の卒業生が本県農林業に対しこれまでに果たしてきた功績は大変大きいものがあると考えており、100周年という大きな節目に卒業生の絆がさらに深められる式典となるよう支援をしてまいる所存であります。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございます。しっかり支援をよろしくお願いを申し上げるところでございます。要望がありますので。農林大学校は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には創立100周年を迎えます。現在の学校施設も30年以上が経過し、老朽化が大分進んできております。名誉学長である知事におかれましても、ぜひ記念式典を盛大に開催していただくとともに、農林大学校が次代の本県農業を担う人材育成の拠点として県民から期待される教育ができるよう、施設の整備もあわせて要望したいと思います。  また、3月23日には10時より、農林大学校の平成28年度の卒業式がございます。ぜひ知事にも御参加をよろしくお願いを申し上げ、よく施設を見ていただければありがたいと思うところでございます。
     〔資料提示②〕続きまして、農業生産工程管理、GAPの推進について部長にお伺いいたします。  GAP、グッド・アグリカルチャル・プラクティスということでございますが、農業生産工程ということでございます。近年注目されている農業生産管理、GAPについて紹介しますが、あなたが以下の質問について答えてみてください。食品安全について、あなたが出荷した農産物がというふうに書いてございます。また、議員の皆様方のところにはプリントが行っているわけでございますが、考えていただければありがたいなと思っております。また、農作業の安全についてということで、あなたが農作業中に事故を起こして動けなくなると、家族や田畑はどうなりますかということも考えていただければありがたいなと思っております。環境保全について、あなたが使った農薬や肥料で河川や地下水が汚染されたとしたら、子どもたちの世代はどのように思いますかということも書いてございます。ひとつ、GAPということを頭の中に入れておいていただければありがたいなと思っております。オリンピック・パラリンピックを見据えたGAP推進の考え方について部長にお尋ねします。  消費者の食の安全・安心に対する関心の高まりや環境保全に向けた取り組みが注目を集める中、農業生産現場における生産工程管理、いわゆるGAPの取り組みの必要性が増しているものと考えられます。こちらは、農林水産省が作成したGAPのパンフレットの表紙をパネルにしてみましたが、GAPとは、農家が安定した農業経営を続けるために、食品安全、農作業安全、環境保全に向けて、農薬、肥料の使用状況や農作業の工程などを記録、点検、評価、改善していく仕組みであり、農家や産地にとって重要な取り組みであります。  さて、人口減少により県内市場が縮小する中、農産物の新たな需要拡大として、輸出拡大の期待が高まっております。また、海外での和食ブームもあり、県産農産物の輸出は近年増加傾向と聞いております。このような状況下において、食品流通のグローバル化に対応したGAPに取り組むことは、農産物の安全・安心が明確な基準に裏打ちされることになりますので、今後、輸出を見据えた産地にとっては取引に向けた大きなアピールになると考えております。さらに、2020年に開催されます東京オリンピック・パラリンピックでは、日本の農産物の品質の高さを海外に知らしめる絶好の機会であると考えております。大会組織委員会では、グローバルGAPの認証を求める方向で進めており、この大会を契機として今まで以上にGAPが注目され、その後の国内外の流通にも大きな影響を与えることが予想されます。このような中、本県における農産物のGAP推進についての考え方をお伺いいたします。 ◎宮崎一隆 農政部長 GAPにつきましては、本県では、昨年度末で72の産地が取り組んでおりまして、県農業農村振興計画において、これを平成31年度までに97産地とする目標を立てております。県ではこれまでもGAP実践マニュアルを策定するとともに、各農業事務所にGAP担当者を配置し、推進に努めており、取り組み産地では、販売先への信頼向上や資材費の削減などの効果があらわれているところであります。議員御指摘のとおり、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、先般、大会組織委員会から農産物の調達基準の案が示されました。この中では、グローバルGAPやJGAP等の第三者認証が求められており、GAPへの関心が高まっております。  また、この大会を契機に大手流通事業者がGAP認証を生産者に求める動きが強まる可能性もあり、県としては、その後の輸出やインバウンド消費の拡大なども見据え、GAPの取り組みを推進してまいりたいと考えております。具体的には、GAPに既に取り組んでいる産地に対しては、産地リーダーを対象とした研修の開催などを通しまして、定着化や第三者認証に向けた支援を行うこととしております。また、導入が進んでいない産地に対しては、制度の周知や合意形成を進め、GAP実践マニュアルを活用した取り組みを推進していきたいと考えております。さらに、国の補助制度の活用、指導者の要請、農業団体との連携を進め、県内産地への一層の定着を図ってまいる所存であります。 ◆岸善一郎 議員 うちの地域にも、倉渕町でございますが、鳴石地区はホウレンソウの産地で大変なあれがありますが、GAPということを自分自身も取り上げて、いろいろお話をしたいと思っているところでございます。  続きまして、畜産分野におけるGAPの取り組みについて部長にお尋ねします。  本県には、国内で初めてEUへ牛肉を輸出した食肉卸売市場があります。厳しいEUの認定基準をクリアした施設であり、HACCP等の取得により、世界各地に輸出できる施設として認定を受けております。オリンピック・パラリンピックの開催を控え、食品の製造、流通業界ではもちろんのこと、調達する畜産物の食材に向けてもGAP認証を必要な要件と考えていると聞いております。  そこで、畜産分野での取り組みはどのような状況か、また、今後の取り組みについて県の考え方を伺います。 ◎宮崎一隆 農政部長 畜産分野におきましては、これまで農場における飼養衛生管理の向上による農畜産物の安全性を確保するためHACCPを推進してまいりました。このような中、畜産物においても、消費者を含む購買者との信頼関係を高めるため、また、輸出の一層の促進を図るため、HACCPよりも幅広く生産工程全体を管理するGAPの必要性が高まってきたところであります。日本GAP協会では、昨年から畜産分野のJGAP開発に着手し、今年の2月21日にJGAP認証制度の運用について定めたJGAP家畜・畜産物総合規則案を公表したところであり、4月1日から運用を開始する見込みであります。JGAP畜産版の対象は、乳用牛、肉用牛、豚、採卵鶏、肉用鶏の5つの畜種と、生乳、鶏卵であり、基準化される具体的な項目は、HACCPに準じた飼養衛生管理に加え、労働安全、環境保全及び動物福祉への配慮となっております。  畜産においてはこれまで農場におけるHACCPを推進してきており、現段階においてはGAPに対する生産者の認識は低いと考えられます。しかしながら、GAP認証を取得することにより県産畜産物の評価を高められること、経営改善や環境保全等も図られることから、県としては、県内各畜産農家がこの基準に取り組むことが重要と考えております。そのため県としては、情報提供を図るとともに、専門的な知識を持った職員を継続的に育成することで指導体制を整え、農家の規模や飼養管理レベルに見合った柔軟な対応により、畜産分野におけるGAPの推進を図ってまいりたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございました。GAPだ、HACCPだとありますが、ひとつGAPのほうを取り組んでいただければありがたいなと思っております。  続きまして、伝統野菜について部長にお尋ねを申し上げます。  本県は、標高差に富んだ地形や首都圏の水がめとなる豊かな水資源など、恵まれた自然環境を有しております。農産物もこの特色を活かして様々なものが栽培され、また、出荷されているところであります。このような中、古くから地域の気候風土に合い根付いてきた伝統野菜がつくられ、地域の人々に食されてきました。代表的なものといたしまして、贈答品として人気の高い下仁田ネギや昭和30年代前半には全国で生産されるニンジン品種の8割を占め、全国的に名が知られた高崎市国府地域の国分にんじんなどがあります。しかし、現在では収量が多く品質が安定し、大量生産や市場流通に向いた品種が主流となっており、伝統野菜の栽培面積や生産量は減少してきております。それぞれの地域で養ってきた伝統野菜は、地域振興の観点から見ればその役割は大きいと思いますし、また、地域によっては新たな価値を生み出すということで、見直されているところも出てきているとの話も聞いております。  そこで、伝統野菜の振興について、県の考え方についてお伺いをいたします。 ◎宮崎一隆 農政部長 近年、京野菜や加賀野菜に代表されるように伝統野菜を復活させ、地域ブランドとして生産振興に取り組む事例も増加しており、県内でも各地域で品目の特徴を活かした取り組みが進められております。具体的には、高崎市では、根が長く味の濃い、先ほどもありましたが、国分にんじんの復活に生産者等が取り組んでおり、昨年11月には高崎国分にんじん振興協議会が設立され、ジュースやジェラートの製造など、ブランド化に向けて新たな商品開発が進められております。また、吾妻地域では、平成27年に関係者協力のもと、高山きゅうりの会が設立され、安定生産に向けた栽培技術や出荷規格の検討などを進めております。大手量販店で実施している上州高山村フェアでは、高山きゅうりピザなど新しい食べ方の紹介や試食販売などを行っております。さらに伊勢崎市でも、江戸時代から栽培されている下植木ネギについて、生産者、地元農業高校、関係機関が連携し、種子の保存や販売促進活動に取り組んでおり、甘みや太さで商品性を高めるなどしてブランド化を進めているところであります。  いずれにいたしましても、伝統野菜は気候風土や食文化に根差した貴重な地域資源であり、ニーズに応じた生産振興や特徴、物語性のPRなど、関係機関と連携して支援を行い、地産地消の推進や地域の活性化に結び付けてまいりたいと考えているところであります。 ◆岸善一郎 議員 大変ありがとうございます。伝統野菜、うちでも随分国分にんじんをつくっていたことを思い出すわけでございますが、今は本当に国府地域でも、まだまだもっとつくっていただければありがたいなと思っているところでございます。また、山形の鶴岡市には大日本伝承野菜研究所というものがございまして、20品目500種を持っているということでございます。群馬県の伝統野菜を守っていただければありがたいなと思っております。ありがとうございました。  続きまして、鳥獣被害担当参事。 ○星野寛 議長 鳥獣被害担当参事、答弁席へ。           (須川 均鳥獣被害担当参事 登壇) ◆岸善一郎 議員 初めに、カワウ対策について、鳥獣被害担当参事にお尋ねをいたします。  野生鳥獣による農林業被害については、農地周辺への侵入防止柵の設置や市町村による有害捕獲が実施されているものの、平成27年度においても被害額は6億9,000万円となっており、依然として高い水準にあります。また、人身被害や生活被害も発生していることから、鳥獣被害対策の推進は県政の重点課題であり、県においても、来年度予算として6億2,500万円を計上しているところであります。カワウによる鳥獣被害も平成28年度は1億2,000万円と推計されており、深刻な状況にあります。昨年は我が自民党の農政議員連盟においても内水面漁業部会を設置し、今年の1月には隣接する栃木県、埼玉県ともカワウ対策について意見交換を行ったところであります。  県では、特に生息数が多いコロニーがある高崎市の南陽台、みどり市の高津戸ダムで、今年度からシャープシューティングによるカワウの捕獲実証を行っており、その効果が期待されているところであります。現在、この取り組みは他県の事業者に委託をして行っておりますが、本県で捕獲の実施者を育成すればさらに効果も上がり、経費も減らせるのではないかと考えております。また、行動範囲の広いカワウへの対策は隣接県との連携が不可欠と考えますが、今後の取り組みについて伺います。 ◎須川均 鳥獣被害担当参事 カワウによります漁業被害を軽減させるためには、守る対策に加えまして、カワウの繁殖期に集中捕獲することにより生息数を減少させることが必要です。このため県では、昨年5月から6月にかけまして、シャープシューティングによるカワウの捕獲に取り組んだところでございます。その結果、シャープシューティング実施直後の県内の生息数は前年同時期の約1,400羽から約900羽へと減少いたしました。また、河川へのカワウの飛来数も減少したという漁業関係者からの声もありますことから、この事業を継続して実施していくことが被害対策として有効であると考えております。そのため、繁殖期の今年3月にも再度集中捕獲を行い、その効果をさらに高めていくこととしております。  このシャープシューティングを続けていくためには、高度なスキルが要求される捕獲技術者を県内で計画的に育成し、確保する必要がございます。このため、専門家や猟友会、漁業関係者等と協力して捕獲計画の立案、技術の向上やさらにはデータ解析など一環した実践的研修をOJTにより実施することで県内の担い手を育成してまいりたいと考えております。また、鳥獣被害対策は、それぞれの地域対策の取り組みが広域で連携してこそ大きな効果が得られるものです。特にカワウは1日に90キロメートル近くを移動することもあるため、隣接する埼玉県、栃木県にとどまらず、今後は茨城県も含めたより広域的な連携の中で、捕獲方法や追い払い等の時期の調整、生息状況などを随時情報交換をして対策効果を高めていきたいと考えております。今後も、このような取り組みを粘り強く継続することにより、漁業被害のさらなる軽減を実現してまいりたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございます。本当に河川・湖沼、漁業振興ということで、来年度1,160万円という予算が計上されておるところでございますが、ひとつ参事におかれましても、しっかりと対策について考えていただければと思います。どうも大変ありがとうございました。  続きまして、環境森林部長、よろしくお願いします。 ○星野寛 議長 環境森林部長、答弁席へ。           (井田由夫環境森林部長 登壇) ◆岸善一郎 議員 安全な捕獲の推進について環境森林部長にお尋ねします。  県内のイノシシの生息域は太田市、桐生市にまたがる八王子丘陵や金山地域、または高崎市の観音山丘陵などの市街地にも広がりつつあります。それらの地域は、その多くは鳥獣保護区や特定猟具使用禁止区域、いわゆる銃禁として指定されております。また、狩猟が可能な可猟区であっても、人家近くであることから銃器を使うことが難しく、「箱わな」や「くくりわな」などの猟具に頼らざるを得ないのが実情ではないかと思われます。このような中、昨年11月には、桐生市においてイノシシによる死傷事故が発生するなどしており、捕獲に伴う安全対策が重要でないかと考えております。そこで、わなによる安全な捕獲を進めるために県ではどのような対策を講じているのかをお伺いいたします。 ◎井田由夫 環境森林部長 わなによる安全な捕獲対策についてお答えを申し上げます。  県内の狩猟免許取得者数は、高齢化などの影響もございまして、昭和56年度をピークに減少が続いております。一方、野生鳥獣の増加や生息域の拡大は、農林業をはじめ生態系や生活環境に大きな影響を及ぼしておりまして、継続して捕獲圧を高めていくためには、捕獲者の育成を進めることが極めて重要であるというふうに考えております。そのため県では、比較的狩猟免許を取得しやすいわな猟につきまして、農林業者を中心に地域の要請に応じた出前型の狩猟試験の実施や休日試験の開催、そして講習テキスト代の無償化などの対応を行いまして、免許取得者の育成確保に努めているところでございます。その結果、現在では、わな猟免許取得者数は1,943人となりまして、狩猟免許取得者数の約半数を占めるまでに至りました。そして、平成19年度の約2倍にまで増加をしているという現状であります。  狩猟者の確保に当たりましては、安全な捕獲に結び付くよう、法令に関する理解の促進やわなの取り扱いに関する予備講習に取り組んでおります。また、わな猟の免許を取得した初心者を対象にいたしまして、狩猟者団体の協力を得ながら、狩猟経験者によるところの安全管理や捕獲技術の向上を図るための講習会を開催しております。一方、捕獲に関する許可権限を有する市町村に対しましては、捕獲による事故等を未然に防止するために捕獲後の止め刺しを含む適切な捕獲許可や捕獲者の安全意識について説明会等を通してその徹底に努めているところでございます。いずれにしましても、安全な狩猟や捕獲が行われますよう、引き続き捕獲者や市町村等に対しまして技術の向上と安全意識の啓発に努めてまいる所存でございます。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございます。本当に安全な捕獲の推進ということでございますが、今年度は狩猟免許試験を捕獲の担い手確保対策ということで、約400万円が計上されているところでございますが、去年の11月11日にありました事故がないよう今後ともよろしくお願いを申し上げるところでございます。  続きまして、林業振興について、森林の実態について部長にお尋ねをいたします。  群馬県を元気にするためには、現在、成熟期を迎えている人工林を活用して林業を振興することが重要と考えております。そのためには、川上から川下までの対策を総合的に実施する必要がありますが、中でも川上において木材を安定的に生産することが重要ではないかと考えております。しかし、地元の森林所有者からは、山は持っているが、最近、山に行っていないので境界がわからなくなっているなどの声をよく耳にします。このように森林の境界があやふやな状況になっており、今後ますますこの問題が深刻になるのではないかと心配をしております。  そこで初めに、群馬県の森林と森林所有者の状況、林業振興を図るうえでの課題についてお伺いいたします。 ◎井田由夫 環境森林部長 お答えをいたします。  森林の実態と林業振興の課題等でございますけれども、本県の森林面積は県土面積の約3分の2を占めまして、そのうちいわゆる民有林面積は22万9,000ヘクタールということで、その約5割が杉などの人工林から成っております。この人工林のうち8割以上が植栽から40年を超えまして、資源として成熟期を迎えている状況でございます。一方、県内の森林所有者数は6万7,000人ほどでありまして、そのうち1ヘクタール未満の森林所有者が約3分の2を占め、500ヘクタール未満まで含めますと約9割に達し、小規模で零細な森林の所有形態となっております。また、森林所有者の高齢化や相続によって所有する森林への関心が薄れ、森林の所在が不明瞭な所有者が増加をしてきております。このような状況の中で、林業振興を図るうえでの課題につきましては、木材の安定供給体制の構築に向けまして、小規模な森林を森林経営計画により取りまとめて、施業を集約化することであるというふうに考えております。そして、そのことによりまして、効率的で持続可能な林業経営を実現していきたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 ひとつよろしくお願いを申し上げるところでございます。  時間が押しておりますので、次に、隣地境界明確化に向けた取り組みについて部長にお尋ねします。  林業を振興するためには、施業の集約化を推進することが必要であるとのことです。冒頭に申し上げましたとおり、森林所有者の世代交代や不在村所有者の増加により森林の境界がわからなくなっております。林業振興の各施策を進めるうえで森林の権利関係を明確にすることは喫緊の課題であると考えております。そこで、森林境界や森林所有者の明確化に向け、今後の県の取り組み姿勢をお尋ねいたします。 ◎井田由夫 環境森林部長 森林施業の集約化につきましては、森林所有者やその境界が明確であることが不可欠であります。そのため、森林整備地域活動支援交付金や森林境界明確化事業を活用いたしまして、市町村森林組合の協力を得ながら地域の説明会を開催いたしまして、森林所有者への働きかけを通しまして所有者の特定と境界の明確化に取り組んでおります。また、森林法の改正によりまして、市町村が森林所有者や森林の所在を記載します林地台帳というものを整備することが義務付けられました。  そのため、新年度におきましては、県の有する森林情報と、別途ある土地登記簿情報を統合したデータを市町村に提供するなどして、林地台帳の作成を支援していくこととしております。この林地台帳につきましては、森林所有者の特定、そして森林境界の明確はもとより、森林施業の集約化に大きく貢献することが期待されております。そのため、精度の高い林地台帳の作成やその効果的な運用につきまして、市町村と連携をとり、森林施業の集約化につなげていきたいというふうに考えております。 ◆岸善一郎 議員 林地台帳を早くそういうものをつくりたいということですが、今、林地台帳は群馬県では大体何%ぐらい、進捗率。 ◎井田由夫 環境森林部長 林地台帳と申しますけれども、林地台帳の作成については、まだ作成が決まってから1年ほどの期間であります。そのためにほとんど成果品としてはでき上がっていないのが現状でございます。 ◆岸善一郎 議員 それでは、先ほど言ったように山は持っているがわからないということでございますが、早くにいろいろな、宅地だとかそういうことはよくわかりますが、山のほうをひとつしっかり今後とも推し進めていただければありがたいなと思っているところでございます。大変ありがとうございました。  企画部長によろしくお願いを申し上げます。 ○星野寛 議長 企画部長、答弁席へ。           (向田忠正企画部長 登壇) ◆岸善一郎 議員 コンベンション施設の料金についてお尋ねします。  現在、2020年の開所に向けて整備を進めておりますコンベンション施設には、県内経済の活性化に大きく貢献するものと期待を寄せているところであります。県内の中小事業者も新たなビジネスチャンスを求めて、産業フェア、合同商談会、展示販売会など様々な活用を検討してくれているものと期待をしております。そこで、大型イベント、展示会を主催する大手事業者のみならず、県内の中小事業者にも新施設の利用を本格的に検討してもらうためには、何よりもまず料金を早期に示す必要があるものと考えております。これにより県内事業者のコンベンション開催に向けた機運も高まっていくものと考えているところであります。そこで、今後どのようなスケジュールで料金を示していくのかをお伺いいたします。 ◎向田忠正 企画部長 新施設でございますけれども、ここへの誘致活動につきましては、現在、県内外を問わず企業や大学関係者を訪問いたしまして、将来の利用につなげるべく利用意向を確認しているところでございます。そうした活動の中で、訪問先企業等からは、具体的な利用を検討したいので料金を早く示してほしいという声が多数寄せられております。今、議員御指摘のとおり、料金を示すことで展示会の主催企業であったり、会議の運営会社等はもちろんのこと、県内の中小企業の皆様にも新施設の利用を具体的に検討していただけるようになり、誘致活動にも弾みがつくものと考えております。  お尋ねのスケジュールでございますけれども、大きな学会や全国大会などについては、ほかの施設の例でございますと、開催の2年くらい前から予約の受け付けをしているということを聞いております。そうしたことから、平成32年春の新施設の開所に向けまして、なるべく早い段階で新施設の料金を示す必要があると思っておりまして、早期に新施設の設置管理条例を制定いたしまして料金を示し、その後速やかに予約の受け付けも始めたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 うちの会社でも前に、ビッグサイトというところでさせていただいたことがございます。本当に料金が出てこないと不安で、幾らかかるかわからないというところでございます。あと3年ということの中ではございますが、早期に料金の設定だけはしていただければありがたいなと思っているところでございます。  続きまして、コンベンション施設の屋外展示場について部長にお尋ねします。  昨年公表されたコンベンション施設の基本計画では、利用者の使い勝手が良い、機能性を重視した施設を目指しているとのことで、1万平方メートルの屋内展示場については、展示会やコンサートの設営がしやすいように、搬出入の大型トラックが直接出入りできる計画と聞いており、この屋内展示場のほか、屋外展示場も整備されることが計画されております。そこで、今回整備する屋外展示場についてどのような活用を想定しているのか、また、どのような設備を設ける予定なのかをお伺いいたします。 ◎向田忠正 企画部長 屋外展示場でございますけれども、コンベンション施設用地の西側に計画をしております。今、実施設計の作業を進めているところでございます。屋外展示場の面積でございますが、2万平方メートルを超える広さを予定しておりまして、都市部にあるコンベンション施設においてこのような規模の屋外展示場を有するところはございません。このため、群馬県にコンベンションを誘致するに当たって大きな武器になるというふうに考えております。屋外展示場については、スポーツイベント、自動車等の展示試乗会、物販や食のイベントなどに活用してもらうことを想定しておりますけれども、企業からの具体的にトラクターなどの農機具の実演であったり、中古車の展示会等を開催したいという意向を既に確認しているところでございます。  また、屋外展示場部分につきましては、屋内の展示場、それから会議場とともに、大規模な災害等が発生した場合には、防災拠点として活用することも計画してございます。屋外展示場の設備でございますけれども、これは利用者からの要望が多い電気や給排水設備を設置することを考えております。これらの設備の配置にあたりましては、利用者の利便性だったり、あるいは来場者の安全性といったことに配慮いたしまして、電線類や配管を地中に埋設して、接続も容易に出来るようにしたいと考えております。なお、ガス設備につきましては、利用者の意向を踏まえまして、LPガスボンベの使用を検討しております。屋外展示場につきましても引き続き利用者の意見をしっかりと伺いながら、使い勝手の良い施設となるよう設計を進めてまいる所存でございます。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございます。今まで私も商工会の会長ということで、いろいろなイベントに出させていただきました。最近では、高崎のもてなし広場でいろいろやっておったわけでございますが、こういうところはみんな転がしてあるわけでございます。水道管やら配線やらあるわけで、子どもたち、また、お年寄りがこの上を通ってひっくり返るようなことにならないように、コンベンションに行ったら怪我をしたよと言われないように、屋外展示場の設備といいますか、また、電気と水道、あと排水ということは大丈夫だよと言われておるようでございますが、ガスのほうは別ということでございます。そういうことを聞きまして安心したなと思っているところでございます。また、今計画されております世界遺産センターのほうにも、そういうようなことを考えていただけたらありがたいなと思っているところでございます。どうも大変ありがとうございました。  続きまして、観光局長、よろしくお願いします。 ○星野寛 議長 観光局長、答弁席へ。           (塚越昭一観光局長 登壇) ◆岸善一郎 議員 榛名観光地域の活性化について、観光局長にお尋ねします。  近年、いわゆるパワースポットとして榛名神社が人気であります。先月、宮司にお会いいたしましたが、昨年は約45万人もの参拝者が神社を訪れたそうであります。榛名神社門前では、門前そばが食べられたり、土産品が売られたりしており、観光客の取り込みが図られているところであります。今年1月1日の新聞報道でも話題になりました榛名神社大修復重文4棟に23億円、国が70%、県、そして高崎市が30%と工事費を負担し、榛名神社の大修復工事が来年度から9年計画で実施されるとのことです。工事が完了すると建造当時の姿となるそうで、観光振興にとって大きな弾みになると期待をされているところでございます。  また、榛名湖も、湖の周囲を走るマラソンや湖がゴールとなっているヒルクライム、冬のイルミネーションの人気が定着してきております。そして、榛名神社や榛名湖の近くには伊香保温泉があり、年間約150万人を超える観光客が訪れております。このように文化財や自然、イベントに温泉と多くの魅力的な観光資源がある榛名、伊香保地域への観光誘客を図ることにより、より一層の地域の活性化につながると考えますが、県の取り組みについて伺います。 ○星野寛 議長 残り2分です。 ◎塚越昭一 観光局長 榛名、伊香保地域への観光誘客につきましては、これまでも観光情報紙やホームページ、そして観光キャンペーンなど様々な方法でPRしてきたところでございます。来年度につきましては、夏にググっとぐんま観光キャンペーンを実施することとしております。8月には祝日、山の日もございます。県としても、稜線トレイルや山の魅力を発信する絶好の機会でありまして、榛名山の登山についても積極的にPRしていきたいと考えております。夏でも涼しさを感じられる榛名神社をはじめ、榛名湖畔でのキャンプ、ボート体験、それからサイクリングなどを楽しめる榛名湖をはじめといたしまして、榛名くだもの街道フルーツ狩りなど、さらに伊香保石段街でのイベント等々、いろんな魅力がございます。こういった魅力を、食の楽しさ、お土産の魅力とあわせまして、市町村をはじめ県観光物産協会、様々な関係者の皆様との連携を強化しながらより一層誘客に取り組みまして、地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 最後に要望でございますが、県立榛名公園等々がございます。いろいろ回ってみますと、今度、トイレのほうも予算計上されておりますが、回ってみますとトイレがちょっと悪いということでございますが、ひとつ率先してそちらのトイレの補修のほどをよろしくお願いを申し上げるところでございます。  以上申し上げまして、ちょうど時間となりました。私の一般質問を以上で終わりにさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○星野寛 議長 以上で岸善一郎議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○星野寛 議長 暫時休憩いたします。  5分後に再開いたします。     午前11時7分休憩     午前11時12分再開   ● 再     開 ○星野寛 議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問(続) ○星野寛 議長 酒井宏明議員御登壇願います。           (酒井宏明議員 登壇 拍手) ◆酒井宏明 議員 日本共産党の酒井宏明です。通告に従い順次一般質問をさせていただきます。  まず最初に、日米共同訓練とオスプレイの飛行について、企画部長、お願いいたします。 ○星野寛 議長 企画部長、答弁席へ。           (向田忠正企画部長 登壇) ◆酒井宏明 議員 相馬原でのオスプレイ飛行訓練について、この3月6日から17日までの12日間、陸上自衛隊12旅団と米海兵隊との日米共同訓練フォレスト・ライト02が、相馬原演習場、新潟県関山演習場などで計画されております。MV─22オスプレイ6機が参加することが明らかにされております。米軍側は、海兵機動部隊、キャンプ・ハンセンを拠点に地球規模で展開するまさに殴り込み部隊です。しかも、その規模は、オスプレイ参加は3年前は見送られましたが、3年前の何と2倍です。自衛隊300人、米海兵隊450人という大規模なものです。多くの県民が大変不安を募らせております。私はこの間、オスプレイの訓練空域とされている自治体の町の皆さんと懇談をしてまいりました。沼田市長や片品村長、みなかみ町長や昭和村長の皆さんと懇談してまいりました。  昭和村長さんは、住民の安全を守る責任がある、100%の安全確認でないとだめだ、おおむねでは困ると、訓練内容についてもできる限り地域に伝えてもらいたいとおっしゃっていました。みなかみ町長さんは、国全体のことも考えなければということもあるが、地域的なことを考えれば来てもらっては困る、これは当然だ。情報をいただけないと困ると、このようにおっしゃっております。沼田市長さんは、飛んできてもらっては困ると、このようにおっしゃっております。安保法制、安全保障に関する考え方の違いはいろいろあっても、安全確認と、また、情報公開という点では意見の一致を見たところです。県は、こうした市町村長の声やまた県民の不安をどう受け止めて、どう行動するのか、また、県民にどのような情報を発信しようと考えておられるのでしょうか、お聞きいたします。 ◎向田忠正 企画部長 日米共同訓練につきましては、先ほど議員がおっしゃっていたとおり、3月6日から17日にかけて、本県の相馬原演習場等で実施する予定であること、MV─22オスプレイの参加について調整中であることが今年の1月18日に大要という形で防衛省から公表されました。2月23日には、ここで初めて訓練期間が出ましたけれども、3月6日から17日、参加部隊の規模も今議員おっしゃったとおりでございます。オスプレイを含めた航空機の参加の概要について公表がございました。県では、訓練の公表が最初にございました1月18日の翌日に当たります19日に訓練の実施によって県民生活に支障を来すことがないよう、県民の安全・安心を第一に、国において万全の配慮と責任を持ってしっかり対応してほしいと、知事名で防衛大臣に要請を行ったところであります。  また、情報の発信につきましては、国から公表された情報について、その都度速やかに報道関係者に提供いたしまして、新聞、テレビ等のメディアにより発信されているほか、県のホームページでも広く県民に情報発信を行っているところでございます。今後とも、県民生活に支障を来すことがないよう適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
    ◆酒井宏明 議員 その安全性の確認と情報公開について順次質問していきたいと思うんですが、昨年12月、沖縄県名護市の海上にMV─22が墜落、大破をいたしました。多くの国民、県民が懸念していた墜落事故がついに起きてしまった。あと数秒で住宅地に墜落するというまさに一触即発の重大事故ではないでしょうか。しかも、未だに乗組員1人が行方不明になっているという可能性があります。翁長知事をはじめ沖縄県内各市町村長が一斉に抗議の声を上げ、配備撤回を求めたのは当然であります。ところが、米軍は6日後には飛行訓練を再開し、1カ月もたたないうちに事故原因となった空中給油訓練まで再開をいたしました。さらに、日本政府がそれに理解を示すという異常さをあらわしました。沖縄でのこうした墜落事故について、詳細な事故原因や安全対策は明らかにされておりませんが、現時点でオスプレイの安全性が確認されたと考えておられるのでしょうか。 ◎向田忠正 企画部長 オスプレイにつきましては、沖縄県普天間飛行場への配備に先立ちまして、国が分析評価チームを設置いたしまして、独自の分析により安全性を確認しているところでございます。これに加えまして、国がオスプレイの導入を決定する際にも改めて各種技術情報を収集、分析し、安全な機体であることを再確認しているというふうに認識をしております。また、昨年12月の沖縄での事故につきましては、国としても事故を引き起こした要因についてあらゆる可能性を分析して、それらの要因を幅広く網羅する再発防止策を米側が全て実施したことを確認したうえで飛行再開を了承したものというふうに聞いております。いずれにいたしましても、オスプレイの配備、訓練につきましては、安全保障政策に係る問題でございまして、国が責任を持って対応することというふうに考えております。 ◆酒井宏明 議員 再発防止策は本当にとられているのでしょうか。米軍側は、乱気流のせいで給油機から燃料を送るホースがオスプレイの回転翼に当たり、そのホースが千切れてしまった。そのせいで回転翼にも傷がついてしまい、コントロールが難しくなったという説明をしておりますが、どちらの回転翼に接触したのかの説明もありません。また、フライトレコーダーやボイスレコーダーも未公開のままです。MV─22オスプレイ自身、事故率の非常に高い機でもあります。事故原因は何一つ解明されていないというのが実態ではないでしょうか。何ら安全性が確認されていないのではないか、そのことを再度お伺いいたします。 ◎向田忠正 企画部長 まず安全確認につきましては、全てのオスプレイの機体について点検を実施し、問題がないことを確認したというふうに聞いております。また、事故の原因につきましては、今議員御指摘のとおり、空中給油の際に給油ホースがオスプレイのプロペラのブレードに接触したということでございますけれども、これについては、その原因を完全に特定するには至っていないというふうに聞いています。 ◆酒井宏明 議員 要するに特定されていないということで、こうした危険なオスプレイをそのままこの群馬上空で飛ばしていいのかということが問われていると思います。墜落原因の検証もしないままに訓練を再開したことに、多くの国民、県民は不信と怒りを抱いているわけです。  情報の開示についてお伺いをいたします。今回示された日程によれば、射撃やヘリボーンなど機能別訓練、総合訓練などが行われるといいます。実際に訓練ルートや時間など運用についても米軍も政府も明らかにしようとしておりませんが、それで是とするのでしょうか。 ◎向田忠正 企画部長 情報の開示についてでございますけれども、本年1月に日米共同訓練の大要が公表された際に防衛大臣に対しまして文書で、オスプレイを含めた訓練の内容等についてできる限り詳細に情報提供を行うことを要請いたしました。また、2月に概要が公表された際にも、説明のために来県した国に対しまして、改めて訓練内容等についてのできる限り詳細な情報提供を要請したところでございます。国からは、可能な限り情報提供に努めるというふうに伺っております。今後も国からの情報提供があるものというふうに考えております。県ではこれまでも国から得た情報は速やかに報道機関に提供するとともに、県のホームページ等で県民に情報発信をしてきております。今後も引き続き得られた情報について、情報の発信に努めていきたいというふうに考えております。 ◆酒井宏明 議員 米軍は、海上で行おうとしている給油訓練を陸上域でも行っております。自ら約束を破っているわけです。守る気すらないわけです。今回の飛行での給油訓練も排除されておりません。少なくとも飛行ルートや時間くらい明らかにさせるべきではないでしょうか。空中給油訓練はするなと申し入れるべきではないでしょうか。事前に飛行プランを出させるなど、情報公開をしっかりと迫ることが必要と考えますが、再度お伺いをいたします。 ◎向田忠正 企画部長 日米共同訓練につきましては、国の外交防衛上の問題であると、国が責任を持って対処している問題であるというふうに考えておりますので、国からの情報をまって、県は適切な対応をしていきたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 県民の不安というのは本当にはかり知れません。いつ、どこをどういうルートを飛ぶのかはっきりとさせるべきではないでしょうか。そのことを強く求めたいと思います。企画部長、ありがとうございました。  次に、県民の安全を第一とする知事の姿勢について、知事にお伺いいたします。 ○星野寛 議長 知事、答弁席へ。           (大澤正明知事 登壇) ◆酒井宏明 議員 オスプレイの飛行ルートの下には、子どもや妊婦、病気や介護で伏している方、障害のある方など、声を上げたくても上げられない、こうした多くの県民がいることを決して忘れてはならないと思います。こうした訓練計画に対して、2月25日には高崎でオスプレイ来るな、合同演習中止を求める集会とデモ行進が行われました。こうした声を受け止めて、安全性の確認も情報の公開も極めて不十分なままでオスプレイの飛行訓練を実施することは、県民の安全を守る立場からこうした訓練は拒否すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ◎大澤正明 知事 先ほども企画部長が答弁いたしましたけれども、オスプレイを含む在日米軍の日本国内での訓練に関しましては、安全保障政策に関する国の専管事項でありまして、国において外交防衛上及び全国的な視点から責任を持った検討がなされた結果、実施が決定されたものと認識をしております。県としては、訓練の実施によって県民生活に支障を来すことがないよう、県民の安全・安心を第一に、国において万全な配慮と責任を持って対応することやオスプレイを含めた訓練の内容等についてできる限り詳細に情報提供を行うことを要請したところでありまして、国も責任を持ってしっかりと対応したいと応じております。今後とも、県民生活に支障を来すことがないよう適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 知事は従来から、米軍といえども航空法は守るべきと答弁されてきました。実際、オスプレイを含む米軍機は、航空法の安全基準150メートル以下をも下回る危険な訓練が繰り返されております。オスプレイの訓練マニュアルには、敵の攻撃を回避するために、高度60メートルから30メートルでの超低空飛行訓練を行うことが明記されています。つい先日の国会質疑でも、運用上の安全を確保するためとして、最低高度以下でも飛行することはあり得ると答弁をしています。深夜の飛行も否定をしておりません。沖縄県知事は、アメリカにも行って、きっぱりノーと言っています。それこそ県民の声を代弁しております。ただ言葉で安全第一と言っていれば済む問題ではありません。行動でしっかりその意思を示していくべきではないでしょうか。再度質問をいたします。 ◎大澤正明 知事 今の内容と同じこと。 ◆酒井宏明 議員 沖縄県知事のように行動でしっかり示すべきではないかということです。 ◎大澤正明 知事 先ほども答弁したに尽きるんですけれども、県民の安全・安心を第一に考えて、県としてはしっかりと国に対応を求めていきたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 高い事故率、クラスA、死亡事故を含む重大事故でが、このクラスAの事故率がこの4年間で3倍にも高まっているのがMV─22オスプレイです。海外に侵略するための輸送機を群馬上空で飛行訓練させていいのか、県民の安全を何よりも重視するというのなら、オスプレイの飛行を拒否する、こうした断固たる姿勢を示すことが重要であると強調したいというふうに思います。  続いて、横田基地へのオスプレイの配備について伺います。  〔資料提示①〕パネルを用意しました。群馬県上空が何重にも米軍機の訓練空域になっているということを示すものです。横田基地がこの辺ですけれども、横田のC─130輸送機などは関東全域に低空飛行訓練空域、有視界飛行訓練空域を設定しております。黄色の部分が有視界飛行訓練です。群馬もその南側が一部入ります。日常的に関東全域でこうした飛行訓練を繰り返しており、小型機やドクターヘリなどとの衝突事故が懸念をされております。わざわざ米軍が空中衝突防止会議を開いているくらいです。さらに、横須賀を母港とする米原子力空母艦載機F/A─18スーパーホーネットなどが、群馬県上空に広がる自衛隊訓練空域、ホテルエリアH、ホテルエリアと言われる高高度の訓練空域、青のところがそうですが、ここの上空をまさに我が物顔に飛び交い、市街地を標的にした低空飛行訓練が繰り返されております。  また、東北から関東にかけて、3本の米軍機低空飛行ルート、ピンクルート、グリーンルート、ブルールートが走ります。この群馬上空ではブルールート、長野県から群馬県、新潟県にかけてブルールートが走ります。沖縄の負担軽減どころか騒音被害や墜落の危険、耐えがたい基地負担を全国に拡大しようとしております。その集中点がまさにこの群馬ではありませんか。さらに、それに加えて、今年は米軍横田基地に10機のCV─22オスプレイの配備が計画をされております。MV─22よりさらに事故率が高いと言われております。この群馬上空には米軍機が訓練で使用する空域がこのように複数に設定されており、今でも米軍艦載機等の訓練で県民は被害を受けております。そのうえ、オスプレイが配備されるこのリスクについてどのように考えておられるのか、県民の安全な生活を守るために何らかの行動をとる考えはあるのか、お聞きをいたします。 ◎大澤正明 知事 先ほどもお答えをしたとおり、在日米軍の日本国内での配備や運用に関する事項は、安全保障政策に関する国の専管事項であり、国において、外交防衛上及び全国的な視点から責任を持った検討がなされていると考えております。オスプレイの横田基地への配備については、平成27年5月に日米両政府から公表され、県では配備に伴う環境レビューについて国から説明を受けておりまして、本県上空が訓練空域となることは承知をしております。環境レビューの説明を受けた際に、正確な情報提供を適切に行うこと、米軍が日米合同委員会合意事項を遵守して安全性を最大限確保するとともに、県民に与える影響を最小限にするなど適切な対応をとるよう強く要請することを国に対して求めたところでありまして、国が責任を持って対応していただけるものと考えております。今後とも、県民生活に支障を来すことがないよう適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 国任せでいいのかと、非常に厳しく問われると思います。ブルールートは県が売り出そうとしている稜線トレイル、今度整備が進められようとしている稜線トレイルと重なるわけです。群馬のブランドががた落ちではありませんか。片品の村長さんは、常識として人家や尾瀬の上空を飛ぶことがあってはならないとおっしゃっていました。尾瀬など観光への影響も懸念を表明されておりました。ブルールートやホテルエリアは、長野県や新潟県も含まれます。こうした県と共同歩調をとるなどして横田基地へのオスプレイの配備撤回を申し入れるべきではないでしょうか。このことを強く求めたいと思いますが、再度お伺いしてもよろしいでしょうか。お願いします。 ◎大澤正明 知事 安全保障に対する問題は、先ほどから言っていますけれども、国の専管事項でありまして、外交防衛上の問題というのは私は非常に重要だと思っております。ただし、県民の安全に対しては、知事としてしっかりと対応していかなければいけないと思っています。 ◆酒井宏明 議員 次のパネルを。〔資料提示②〕住民や自治体から防衛省の出先機関、地方防衛局や地方防衛事務所、自衛隊駐屯地、基地などに寄せられた米軍機の飛行に関する苦情被害について、防衛省が米軍に問い合わせをしたうえで米軍機と特定した事例をここに集計をしたものです。これは2007年から2016年の合計の数をあらわしたものです。このグラフを見れば一目瞭然です。このグラフには、沖縄や三沢、横田、厚木、岩国など、米軍航空基地周辺の苦情は含まれておりません。それにしても突出をしております。群馬県が1,655件、これは防衛省による苦情の集計ですけれども、自治体が集計した苦情は防衛省に伝えない限りカウントはされておりません。また、住民から複数の苦情が自治体に寄せられ、自治体が集計して防衛省に伝えた場合は、防衛省は1件とカウントしています。だから、何件苦情がそこで寄せられても、何件あったというのが伝えられた場合、1件とカウントされます。自治体から寄せられた米軍苦情の情報でも、苦情と言えば集計の対象になるが、情報提供と言うとカウントされないということです。2位の島根県260件、島根上空もかなり米軍機の低空飛行訓練が頻繁に行われているところです。私も数年前、ここを視察いたしました。相当県民の苦情も多いところですが、群馬県の件数は図抜けて多いということがこれでおわかりかと思います。  そこで、次の質問ですが、騒音測定器の活用についてです。2015年4月から県にかわり、北関東防衛局による騒音測定が開始されましたが、今後、群馬上空での米軍機訓練が激しさを増すと考えられます。現在県が所有し保管している騒音測定器を可能な場所に設置して、騒音の実態を明らかにすることが有効と考えますが、いかがでしょうか。 ◎大澤正明 知事 本県上空では米軍機の飛行訓練が行われておりまして、県では、県民生活に支障を来すことがないよう国へ要請を行ってきているところであります。国に要請するに当たりまして、より説得力のある申し入れを行うために、平成25年度から騒音測定器を設置いたしまして、客観的な数値を計測することで騒音の実態把握に努めてきたところであります。そして、平成27年度からは、国で騒音測定器を設置いたしまして測定を実施しているところであり、県内で発生している騒音の程度や頻度については国で責任を持って把握しているものと考えております。 ◆酒井宏明 議員 活用する予定はないということでしょうか。6日から開始される合同演習に当たって、住民は本当に不安を抱いております。演習場近く、例えば県林業試験場などに設置をして、こうした訓練の騒音の実態を把握する、記録しておくことは必要ではないでしょうか。住民生活を無視した無法、無謀な訓練がこの群馬上空で強行されようとしていることに対して、住民の命と安全を守る責任がある知事としてあらゆる手段を講ずるように強く求めてこの質問は終わりたいと思います。知事、ありがとうございました。  次に、保育の受け皿の拡大について、こども未来部長にお伺いいたします。 ○星野寛 議長 こども未来部長、答弁席へ。           (中村弘子こども未来部長 登壇) ◆酒井宏明 議員 待機児童の現状と解消に向けた取り組みについて伺います。  「保育園落ちた」とつづったブログに象徴されるように、保育所不足が続いております。厚生労働省の保育所等申し込み状況、2016年4月1日現在によると、待機児童は邑楽町の5人のみですが、特定の保育園のみを希望している者、前橋市118人、伊勢崎市83人、高崎市47人など、求職活動を休止している者、つまり働きに出られない人も含めると、群馬県全体で300人いると言われております。こうした潜在的待機児童も含めて、本県の待機児童の現状はどうでしょうか。また、待機児解消に向けた施設整備が急務と考えますが、いかがでしょうか。 ◎中村弘子 こども未来部長 待機児童の現状についてのお尋ねでございます。子育て中の家庭での仕事と家庭の両立を支え、女性の活躍を推進していくうえでは、待機児童の解消は最重要課題でありまして、今議員がおっしゃられた潜在する需要も含めて、保護者の保育ニーズの受け皿を確保することが必要だと認識しております。これまでに保育所や認定こども園の施設整備により定員増を図ってまいりました結果、本県の待機児童数は平成22年4月時点で58人おりましたけれども、平成26年、平成27年にはゼロ、今年度4月については5名となっておるところでございます。また、潜在的待機児童については、今議員からも御指摘がございましたけれども、今年度4月で321人になっております。この内訳は、特定の保育所などのみを希望していらっしゃる方が全県で289名、また、職探し、求職を休止している方が27名、育児休業中の方が5名となっております。県では、こうした潜在的な待機児童を含めまして、希望する全ての子どもが必要な保育サービスを受けられますよう、安心こども基金などを活用して市町村の整備計画に基づく施設整備を支援しております。  これまでの実績として、安心こども基金の活用が始まった平成21年度から今年度末までに154の施設で2,793人の定員増を行ってまいりました。また、来年度におきましても、認定こども園を含む33の施設で627人の定員増のための施設整備を予定しております。県といたしましては、これまでも市町村から寄せられました施設整備の要望には全て対応しております。今後も保育の受け皿確保に向けた市町村の取り組みをしっかり支援していきたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 待機児童の実態をさらに細かく把握するとともに、保育所の施設整備をさらに急いでいただきたいというふうに思います。  そして次の質問ですが、こうした保育所不足の原因はどこにあると考えておられるのか、また、必要な対策についてお伺いしたいと思います。 ◎中村弘子 こども未来部長 保育所不足の原因についてでございます。県内の子どもの数、就学前の児童数は御存じのとおり年々減少しておりますけれども、女性の社会進出、また、育児休業制度の普及によりまして、産休明け、育休明けからの保育ニーズが高まってきております。その結果、乳児などより多くの職員、また匍匐室、これは安全にはいはいできる部屋のことでございますけれども、こういったスペースが必要となる3歳未満児の利用が増えてきているというのが大きな原因ではないかと思っております。  こうした希望に応えますために、市町村の施設整備計画に基づきまして、保育所の規模を拡大したり、幼稚園に認定こども園としての保育機能を追加するなどの施設整備の支援に力を入れているところでございます。また、必要な対策といたしましては、保育の受け皿を拡大するには、施設整備だけでなく保育士等の人材確保も重要でございます。保育士の定着のための処遇改善を進めますとともに、県といたしましては、保育関係団体などと連携した就職説明会や高校生などに保育の魅力を伝える体験バスツアーの開催、また、県内の保育士養成校に入学する学生向けの就学資金の貸し付けなどの取り組みを行っておりますが、これらを継続して実施してまいりたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 保育士の人材確保というお話がありました。保育士の保育の責任の重さに比べて処遇が十分なされていないというのが現状だと思うんですけれども、ここにパネルを用意いたしました。〔資料提示③〕保育士の賃金の実態です。保育士の平均賃金、男女計で言うと、全職種の平均月額賃金32万5,000円に対して、保育士は21万4,000円、65.8%であります。10万円以上安いわけです。大体3分の2ぐらい。男女別で言うと、男性は特に低く63.8%、女性は85.4%ということです。私は、ある男性保育士に話を聞いてきました。保育士10年目の方ですが、手取りが月15万円、家賃補助が2万円ついて何とかやっていけると。夫婦共働きでないと暮らしていけない。将来がとても不安だとおっしゃっていました。休憩時間もほとんどとれずに、日曜や祝日も研修などで休暇もとれない。早期退職してしまう人が大変多いということです。やりがいは感じている、責任の重さに見合った給料が欲しいと、このように切々と訴えていました。また、男性保育士特有の問題もあります。トイレや更衣室の問題などもあります。男性保育士を増やそうと思えば、そういう職場の環境改善も必要になってくるという側面がわかりました。  また、県内の保育園の給料のことですが、ある保育園では、月給が10年目でやっと17万円台、20年目でやっと20万円だと。平均でも10年目で20万円に届くかどうか、手取りだともっと少ないという現状が浮き彫りとなっております。非正規職員は時給880円とか900円前後、よくて1,100円という状況です。こうした保育士の処遇改善が本当に急がれるわけですけれども、とにかく公定価格が低過ぎるのが原因だと言われています。積算されている保育士の本俸基準額、保育士の場合は2016年19万9,920円と、これは2000年と比べても5,000円増えただけだということです。主任保育士を見ると、2000年と比較して約7,000円減少している。しかし、国の公定価格のせいだけにもできない。東京都は独自に保育士全員に4万4,000円を補助することにしております。県独自で必要な対策も立てる必要があるというふうに思います。  そこで、お聞きをいたします。保育士の月給加算の実効性についてです。国は来年度から、保育士の経験年数に応じて月給を加算、7年以上月4万円、3年以上月5,000円を打ち出して、その予算が今度県の来年度予算にも盛られておりますが、一部で実効性を懸念する声も聞かれます。どのように担保していくのでしょうか、お聞きをいたします。 ◎中村弘子 こども未来部長 保育士の処遇改善についてのお尋ねだと思います。今、保育士の処遇改善による人材確保、これは全国的に大きな問題になっておりますし、また、男性保育士の問題についても、千葉県などの問題提起等で大いに注目されており、議論が始まっているところかと思っております。来年度の保育士の給与の加算について、今、議員からいろいろ御説明があったわけですけれども、もう少しそれを説明させていただきます。今回の加算制度の創設につきましては、平成28年6月に閣議決定されました「ニッポン一億総活躍プラン」を踏まえまして、国では来年度から保育園などに勤務する全ての職員に対して2%相当の月額6,000円程度の処遇改善を行うことといたしております。そのほかに園長及び主任保育士を除く経験年数おおむ7年以上の職員で県等が実施いたします研修を受けた中堅職員に対しおおむね月額4万円を、同じく3年以上の職員には月額5,000円を加算する処遇改善を実施することとしております。  県におきましても、これらに係る県費を予算計上し、審議をお願いしているところでございます。現時点では具体的な対象者の規模などについての詳細がまだ国から示されておりませんけれども、県といたしましては、今後示される国の制度についてしっかり情報収集し、速やかに関係者に周知していきたいと考えております。また、こうした加算の仕組みが複雑なことから、市町村や保育所などに対しましては、保育行政説明会や個別に行います指導検査を通じまして、この制度が適切に運用され、加算された給付が確実に職員の給与に反映されるよう関係者への理解促進に努めていきたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 新たに役職を新設して副主任クラスの賃金をアップすると言いますけれども、そのまま上げると、主任保育士の給料も超えてしまう。つまり逆転現象が起きてしまうと言われております。また、園長を除く職種に回すこともできるとして、全体の給与アップに振り向けることもできる。とすると、実際に4万円というのは厳しいのではないか。全職員の賃金アップを図るべきだと思いますが、本当に賃金アップにつながるのか、疑問の声が現場からも寄せられております。処遇改善に対する県の支援についてですが、3年以上5,000円アップと言いますけれども、二、三年で若い人がやめていってしまう。こういう離職の実態から見れば、5,000円というのはあまりにも低過ぎるのではないかと。県独自でこの部分だけでも、少なくとも上乗せすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎中村弘子 こども未来部長 3年以上で5,000円アップ、このことについての県の支援というお尋ねだったと思います。議員が今お示しいただいていますグラフは、2012年、平成24年の調査結果をもとにしたデータだと思っておりますが、保育士の給与につきましては、平成24年の給与を基準に、翌年、平成25年度に子ども・子育て支援新制度を前倒しして処遇改善加算が開始されたところでございます。その後も毎年、人事院勧告に準拠した所要額が国、県それぞれにおいても予算化されてきていると考えております。この結果、保育士給与は改善傾向にあります。この時点では御覧のとおり、全職種に比べますと保育士の平均給与は65.8%とされておりましたけれども、平成28年度では66.9%と微増しております。  また、本県におきましては、平成28年度では100に対して74.4%と大きく増えていると思っております。これは保育士の処遇改善のために予算化された費用を県内の保育事業者の方々が適切に保育士の人件費に反映させ、給与改善に取り組んできた結果と認識しております。来年度につきましては、人事院勧告に準拠した1.3%のアップ、そして全職員に関わる2%のアップに加えまして、先ほど御説明いたしました技能や経験年数に係る給与月額加算などのさらなる処遇改善の取り組みを進めていくこととしております。市町村や保育事業者、関係団体の理解のもとに保育士の給与水準の向上に努めていくことが必要かと思っております。こうした取り組みは、保育士の人材確保にも結び付くと考えております。そういったことが期待されますことから、その実態を今後しっかり把握していき、またさらなる対応が必要であれば、また国に対する働きなども含めて検討してまいりたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 最新の統計では66.9%、微増しているということですけれども、やはりこれまでの給与があまりにも低過ぎたということだと思うんですが、そういった処置を、今度の加算という中でいくばかりはよくなるかとは思うんですが、さらにそれを県独自の施策として反映していただきたいというふうに思います。  そして、次の質問ですが、研修受講に対して、県の支援について伺います。  2018年から、加算に当たって研修の受講が義務付けられておりますが、研修受講に要する代替職員の財源保障が極めて不十分と言われております。県としてどのように対応されるのでしょうか。 ◎中村弘子 こども未来部長 保育士の皆さん方が研修をしっかり受けていただくということは本当に大切なことだというふうに考えております。保育士などが安心して外部の研修に出られますように、これまで保育所などの公定価格の中では、その間の代替職員の配置する費用として1人当たり年間2日を算定されておりましたけれども、来年度からは年間3日に拡充される予定でございます。そのほか、今回の制度改正に伴い、国が定めます予定の例えば年間に受けるべき研修の日数ですとか、その間の経過措置などについては、こちらも現在のところまだ具体的に示されておりません。また、運営上の取り扱いについても、国において職員の受講状況などを踏まえて今後も考えていくというふうな考え方が示されているところでございます。県といたしましては、今後示されます国の方針を踏まえまして適切に対応していきたいと考えておりますけれども、この事業を進めるに当たって、施設、そして保育士の皆さん方にとって研修に参加することが難しくなるような方針が示された場合は、保育現場の声が反映されますよう、国に対してしっかり要望してまいりたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 来年度はこの研修は基本的には免除されるということですけれども、再来年からは義務付けられて、どうしたらいいのかという現場からかなり不安の声も上がっております。12日間の研修で3日分しか予算措置がされていないと。保育士のまさに給与アップは待ったなしの課題であり、研修を義務付けるのはどうかというふうに思いますけれども、義務付けるなら、代替職員の財源もきちんと手当てをすべきだと思います。ふだんでも人手不足の保育現場で研修に出すこと自体が大変困難な状況にあります。研修に行きたくても行けないという場合に、研修を猶予する制度も設けるべきではないかと考えます。保育所に働く全職員が賃金アップが可能となるように、東京都で行っているような独自の支援策、県も思い切った支援策を打ち出すべきではないかと思いますが、再度お伺いをします。 ◎中村弘子 こども未来部長 今回求められている12の分野ですけれども、それらは必ずしも1年で全部12日間受けなければならないということではないと説明を受けております。1年ずつ少し少しずつ各分野の勉強を重ねていって、7年目、リーダーとなったときにどのぐらい足りているか足りていないか。そういった措置も当然この制度を設計するに当たって国が今検討していることだと思います。先ほど申しましたように、本当に施設へ保育士さんが研修に参加できないような、そういう方針であれば、当然我々だけでなく、保育現場からも声が上がってくると思いますが、そういったことを私たちもしっかり国のほうに声を上げて、いい制度になるように働きかけをしていきたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 ぜひ現場の実態をよく把握して、抜本的な思い切った支援をお願いしたいと思います。以上でこの質問は終わります。ありがとうございました。  次に、原発事故避難者への支援について、危機管理監にお伺いをいたします。 ○星野寛 議長 危機管理監、答弁席へ。           (萩本勝美危機管理監 登壇) ◆酒井宏明 議員 福島原発事故から丸6年がたとうとしております。被災者支援、被災地の対策は進まず、今なお8万人を超える方が福島県内外で避難生活を強いられております。この3月17日には、前橋地裁で原発賠償裁判の判決が全国で初めて下される予定となっております。私は、原告となった避難者の方の陳述を数多く聞いてまいりました。まさに原発事故は現在進行形であり、避難者を行政が切り捨てるようなことはあってはならないというふうに思います。原発事故避難者の状況をどのように把握されておるのか、また、相談体制はどのようになっているのか、お聞きをいたします。 ◎萩本勝美 危機管理監 東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故に伴いまして、福島県から本県に避難されている方々の人数や住まいの状況につきましては、避難先の市町村を通して把握しているところでございますが、その数については、本年1月末現在で348世帯、900人ということになっております。こうした避難者の方々に対しましては、これまでも避難生活で抱える不安や課題に対応するため、福島県や県内市町村等と連携いたしまして、被災地の復興状況や生活支援等に関する情報提供を行っているところでございます。また、福島県では、本県内の支援団体に委託いたしまして、相談会や交流会の開催、訪問支援なども行っているところであります。  また、福島県からの避難者のうち、避難指示区域外から本県内の公営住宅や民間賃貸住宅に避難されている自主避難者の方々につきましては、今年度末で住宅の無償供用が終了するということになっておりますことから、福島県からの要請を受けまして、昨年7月から市町村と協力して戸別訪問や電話調査を実施しております。この訪問調査の中で自主避難者の方々から直接今後の住まいの意向、あるいは生活状況等を伺うとともに、住まいの確保に必要な情報の提供や避難者個々の事情に応じた支援を行っているというところでございます。また、福島県におきましても、避難者が今後の帰還や生活再建につきまして身近で直接相談できる場所としまして、生活再建支援拠点というものを本県内に設置し、先ほど申し上げました支援団体によります個別相談会の開催や電話相談を行うなどきめ細かな対応を行っているところでございます。今後とも、福島県や県内市町村、支援団体等と連携いたしまして、避難者の生活再建をしっかりと支援していきたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 自主避難者の方からも私もお話を聞いてきましたけれども、一人ひとりのこうした切実な願いに寄り添ってぜひ親身な援助、相談体制をさらに強化をしていただきたいと思います。  次の質問で、自主避難者への住宅支援、打ち切り後の支援について県土整備部長にお伺いいたします。 ○星野寛 議長 県土整備部長、答弁席へ。           (上原幸彦県土整備部長 登壇) ◆酒井宏明 議員 国等に対する住宅支援の継続の要請についてです。  3月末で自主避難者へのみなし仮設住宅の無償提供が打ち切られますが、避難者の住宅確保のために、国や福島県に対して無償提供の継続をしっかり求めていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎上原幸彦 県土整備部長 これまで県は、東日本大震災に伴います福島第一原子力発電所の事故による避難者に対しまして、災害救助法により、国及び福島県からの依頼を受けまして、県営住宅や民間賃貸住宅を応急仮設住宅として提供し、安定した住宅の確保を支援してまいりました。福島県からの自主避難者に対する住宅の無償提供が今年の3月末で終了されることに対しまして、国や福島県に継続を求めるべきではないかとの御指摘でございますけれども、被災県であります福島県が自ら除染の進捗や食品の安全性の確保など生活環境が整いつつある中、自主避難者に対して応急救助という災害救助法の適用を終了するものとした決定を重く受け止めまして、支援の継続を求めることは考えておりません。 ◆酒井宏明 議員 避難者にとって住宅というのはまさに命綱であります。原発事故子ども・被災者支援法では、原発事故による被災者が居住、避難、帰還のいずれを選択する場合においても、自らの意思によって行うことができるよう被災者がそのいずれを選択した場合であっても、適切に支援するものでなければならないと定め、国の責務として、避難先の住宅の確保に関する措置を定めております。国は、同法を遵守し、同法に基づき避難者の住宅確保のための措置を継続するべきではないでしょうか。  また、自主避難者に対する県の住宅支援についてお伺いをいたします。国が対応をとらない場合であっても、自治体レベルで避難者向け住宅支援の継続は十分可能です。現に9都道府県で独自支援策を打ち出しております。県独自で家賃や転居費用の補助を行うべきと考えますが、県としてどのような支援をしていくお考えなのか、お伺いをいたします。 ◎上原幸彦 県土整備部長 国及び福島県が今年の3月末をもって、避難指示区域外からの自主避難者への住宅の無償提供を終了することから、県は福島県から依頼を受けまして、先ほど危機管理監からも説明がありましたけれども、昨年7月時点で、今年の4月からのお住まいが明らかになっていない自主避難者に対しまして戸別訪問等を行い、無償提供が終了すること、あるいは以後の住宅確保が円滑に実施できるよう情報提供、あるいは相談対応を行ってまいりました。訪問の対象となります65世帯につきましては、今年2月末までに3回の戸別訪問等を行った結果、住宅の確保が確定済みが55世帯、ある程度確定が10世帯となっており、引き続き全世帯の住宅が確保できるよう支援してまいりたいと考えております。  また、県は、子ども・被災者支援法に基づき、福島県からの自主避難者が県営住宅へ入居を希望する場合は、住宅の入居の抽せんの際に当選確率が倍になるような対応をするとか、あるいは住宅困窮要件及び収入要件について緩和するなど、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。4月以降は、福島県は県内外の公営住宅に入居する自主避難者に対しましては、収入に応じた低廉な家賃設定が行われているために家賃補助の対象外としております。一方、民間賃貸住宅に入居する場合は、一定の収入要件を定めまして、公営住宅の家賃との差を補填する一部補助による新たな支援に移行することとしております。本県は、災害救助法の適用対象が終了となる自主避難者に対しまして、家賃や転居費用を上乗せする補助で行うことについては現在考えておりませんけれども、今後も自主避難者が円滑に住宅を確保できるよう、被災県が実施いたします支援制度の紹介、あるいは県営住居の入居に関する配慮など、情報提供や相談対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆酒井宏明 議員 お隣、新潟県ではしっかりとした支援も組まれております。民間賃貸住宅に住む自主避難者のうち小・中学生の子どものいる世帯160世帯に対して補正予算を組んで、1月から前倒しで月1万円の家賃補助を行っているということです。480万円計上しています。4月からも引き続き1,920万円の予算を計上する予定ということです。このように、家賃補助も行うところがあるわけです。群馬にできないことはありません。また、住宅の無償提供、これは北海道や奈良、愛媛、山形、鳥取、京都などで行われている。家賃補助や転居費の補助も多くのところで行われており、避難先の選択で格差が生まれることのないように、県で予算をしっかり組んで家賃補助等を行っていただきたいと。  最後になりますが、避難者の声を紹介したいと思います。いわき市から避難されている40代の女性ですが、原発事故後、夫と3人の子どもと群馬に避難、夫とは直後に離婚した。指定区域以外のためほとんど賠償を受けられず、収入が不安定なパートで細々と暮らしている。みなし仮設住宅への支援があり、住み続けることができたら。それが打ち切られるとなるとどう暮らしていいのかがわからない。福島に帰れと言うが、帰りたくても帰れないのが実態だ。今の公営住宅に住み続けるために友人に何とか保証人になってもらった。今本当につらい思いをしている。「国からお金をもらっているんでしょう。」とか、「被災者面するんじゃない。」とか、心ない言葉をかけられている。実際には家賃以外の支援は一切ないのにということです。本当につらい毎日を送られている避難者の方の側に寄り添って、ぜひともこうした補助を行っていただきたいと思います。国が勝手に線引きした区域割りで補償額が決められ、その線引きから外れた地域から避難した避難者を自主避難と決め付けて様々な差別待遇を続けている。裁判の原告の方などから聞いて、まさに二重三重の苦しみと言うべき実態を知ることができました。 ○星野寛 議長 酒井議員、時間になります。 ◆酒井宏明 議員 はい。一人ひとりのまさに生活実態に見合った細かい支援を県独自で思い切って支援をするよう求めて、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○星野寛 議長 以上で酒井宏明議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○星野寛 議長 暫時休憩いたします。  午後1時10分から再開いたします。     午後0時18分休憩     午後1時10分再開           (橋爪洋介副議長 登壇 拍手) ○橋爪洋介 副議長 暫時、議長職を執り行います。   ● 再     開 ○橋爪洋介 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問(続) ○橋爪洋介 副議長 井下泰伸議員御登壇願います。           (井下泰伸議員 登壇 拍手) ◆井下泰伸 議員 皆さん、こんにちは。自由民主党、伊勢崎市選出の井下泰伸でございます。本議会におきまして一般質問の機会を与えていただきまして心より感謝を申し上げます。また、地元伊勢崎よりわざわざ傍聴に来ていただきまして大変ありがとうございます。また、テレビの前で応援していただいている皆様、大変ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。「あなたのために、地域のために」をモットーに、現場の声をしっかりと県政に反映させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)  それでは、生活文化スポーツ部長、お願いいたします。
    ○橋爪洋介 副議長 生活文化スポーツ部長、答弁席へお願いいたします。           (佐藤裕子生活文化スポーツ部長 登壇) ◆井下泰伸 議員 地域には、長い伝統や歴史を持つ文化事業があります。地域の人たちの努力によりまして、今なお世代から世代に継承されているものもあれば、高齢化や少子化でそれらの文化事業が継承されることなく埋もれてしまうケースもあるように聞きます。これらの伝統文化は、古来の住民の生活風習や習慣が刻まれた貴重な地域の記憶とも言えるものであることから、途切れさせることなく次世代に伝えていきたいと私は考えております。そこで、伝統文化の継承について県はどのように考えているか、伺いたいと思います。 ◎佐藤裕子 生活文化スポーツ部長 本県は古代から東国文化の中心として栄えて、また、江戸時代以降は養蚕や交通の要衝として栄えた豊かな社会を背景にして、農村歌舞伎、人形芝居、神楽、獅子舞などの多くの民俗芸能や伝統的な祭りや行事など、それぞれの地域に根差した伝統文化が育まれ、そして脈々と受け継がれてきております。地域の伝統文化を守り、次世代へと継承していくということは、郷土への愛着を育み、そして地域における人と人との絆を深めることに大変重要な活動であるというふうに考えておりまして、県といたしましては、各地域の伝統文化を適切に保存、継承、そして発展させるために必要な施策を講じてきているところでございます。  具体的に申し上げますと、地域の伝統文化を次世代に残そうと意欲を持って取り組んでいる団体を支援する「群馬のふるさと伝統文化支援事業」や、伝統文化に詳しい専門調査員を現地に派遣して継承活動を助言やバックアップする事業、そして民俗芸能に欠かせない「篠笛」演奏者の育成などを実施してきたところでございます。平成29年度もこれらの事業を継続して、地域に受け継がれてきた伝統文化が次の世代へと継承されるよう支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 〔資料提示①〕神楽やおはやし、あるいは祭りなど、県内には多くの長く引き継がれてきた文化事業があります。このパネルは、伊勢崎市の「波志江祇園祭り」の様子でございますけれども、これは江戸末期から明治期につくられまして、伊勢崎市で重要文化財にも指定されている、ここは今6台しか屋台が写っていませんが、10台屋台がございまして、屋台のひとつひとつがすばらしい彫刻が施されているものであります。これが愛宕神社、地元の神社でありますけれども、ここに集結をしまして、それでお祭りが行われるわけでありますけれども、屋台ばやしの奉納が行われる祇園祭りの開催が、記憶に残っているだけで、大正期から数えて、直近の平成20年に開催されているんですけれども、実に6回しか開催されていないんですね。  この地域の子どもたちが祭りばやしなどを通して地域の風習や文化を学ぶ大変良い機会になっているわけであります。先日、波志江の屋台のひとつ、稲間組の屋台庫が完成した様子が新聞記事に載っておりました。従来屋台は、ばらした形で保管してある場合が多いんですけれども、「波志江祇園祭り」のように開催が不定期であると組み立てができる人がいなくなってしまうようなケースも見受けられます。こういう組み立てた状態での保存活用が必要となるような場合も最近はあるというふうにも聞いておりますけれども、伝統文化の継承に関わる助成や補助も状況の変化に応じた対応が必要であるというふうに思いますが、どうでしょうか。 ◎佐藤裕子 生活文化スポーツ部長 伝統文化の継承についての助成や補助についての御質問でございますが、平成21年度から、先ほど述べました「群馬のふるさと伝統文化支援事業」によりまして、地域の団体に補助金を交付しまして、衣装や道具の修繕、それから伝承者の育成、養成、子どもたちの体験事業などを、地域の伝統文化を守り伝え、育てていこうとする様々な活動について、できるだけきめ細かく支援をしているところであります。現在まで、この事業による支援の実績は累計で約270件となっているところでございます。今後、人口減少が本格化して、それから少子高齢化が進む中で、地域のコミュニティーの機能も低下していくと、そして伝統文化の担い手の不足や伝統的な技術の喪失が進行するのではないかということが言われておりますが、そのような中では、伝統文化の継承がますます難しくなるのではないかというふうに懸念されております。こうした状況の中で、県内各地域で伝統文化を守り、次の世代へつなげていこうという活動が広く展開されるように、今後もより一層、地元市町村と連携しまして、「群馬のふるさと伝統文化支援事業」を活用して、時代の変化や、それから地域の実情に応じてきめ細かな支援策の実施に努めてまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 部長、これはすごく大事なことだと思います。地域の絆をしっかりと強めるためにも、また、次代を担う子どもたちが地域に誇りを持つためにも非常に大事なことだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。部長におかれましては、これで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。  続きまして、健康福祉部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 健康福祉部長、答弁席へお願いします。           (塚越日出夫健康福祉部長 登壇) ◆井下泰伸 議員 健康福祉部長におかれましては、医師不足に対する取り組みについてお伺いをしたいと思います。  県内、医師不足が大変深刻化をしております。平成26年12月現在の群馬県の人口10万人当たりの医療施設に従事する医師数は218.9人、全国で第30位となっております。また、前橋を中心とした地域に医師が集中しておりまして、それ以外の地域との顕著な医師の偏在が存在をしております。特に東毛地域、北毛地域の医師不足が深刻な問題となっております。これは医師の供給源として地域医療を支えてきた群馬大学医学部附属病院、以下、群大病院とお話しさせていただきますけれども、群大病院の人材確保に大変苦戦しているということが主因でありますけれども、加えて、最近ありました肝臓手術を巡る手術死問題が非常に影を落としてきているということでございます。この状態に対しまして、非常に知事も危機感を持っておりまして、何とかこれをしなくてはいけないということでございますけれども、まず医師不足の現状と今後についてお尋ねしたいと思います。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 議員御指摘のとおり、厚生労働省の調査に基づく平成26年末時点の本県における人口10万人当たりの医療施設従事医師数は全国平均を下回っておりまして、また、県内におきましても、最多の前橋保健医療圏と最少の太田・館林保健医療圏とでは約3倍の開きがあります。また、毎年、県内公立病院等を対象に医師数等に関する調査を実施しておりますが、医師の不足感が高まっている状況にあります。特に全国的に医師の高齢化が進んでいる中、本県では若手医師の減少が顕著になっております。平成16年末と平成26年末の34歳以下の若手医師数を比較いたしますと、全国では微増であるのに対しまして、本県では10年間で約16%減少しております。  そこで、本県の医療供給体制の維持と医療技術の継承には、若手医師の確保と定着が重要であると考えております。そうした中、群大病院問題を契機といたしました研修医等の群大病院離れが続くことは、若手医師の確保はもとより、県内医療機関への医師派遣機能の低下が懸念されるところであり、群大病院の改革と信頼回復が重要であるというふうに考えております。 ◆井下泰伸 議員 まずは、最も多く医師の卵を養成する群大病院の改革と内外に対する信頼回復が非常に重要であるというふうに思いますが、群大病院の改革に関しましては、この後、中島篤議員も詳しく質問すると思いますけれども、この状況についてお尋ねをしたいと思います。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 群大病院は県内唯一の大学病院であり、医師等医療人材の育成や臨床医学研究の拠点であることから、本県の医師確保対策を推進していくうえで、群大病院の改革と信頼回復は不可欠であると考えております。昨年の11月に群馬大学がこれまで自主的に進めてきた改革や改革委員会の提言などを踏まえて、今後どう改革を進めていくかなどを取りまとめた「改革への取り組み」を公表いたしました。事故調査委員会や改革委員会から指摘や提言のあった項目に関しましては、ほぼ対策がとられており、現在は意識改革を含め、病院内に改革内容の浸透、徹底を図っている段階であります。また、新たな取り組みといたしまして、国際基準の医療安全研究、教育、研修などを行う「医療安全・管理学講座」の設置、高難度医療や未承認薬を使用する医療などの実施を集中管理する「先端医療開発センター」の設置、そして県や医師会などと連携して医師の適正配置や人材育成、県内医療のネットワークの充実を図る「地域医療研究・教育センター」の設置という3つの取り組みが示されたところであります。これらの取り組みは、群大病院だけではなく県内医療機関にも大きなメリットがあり、県内の医療水準の向上への貢献が期待できるものでありますので、県といたしましても、これらの取り組みをしっかりと支援してまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。群大病院改革にしっかりと取り組むことがまず非常に大事なことだというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。加えて、近年の医師不足に対しましても、県も対策を必死に打っているのではないかというふうに思っています。研究マッチングの地道な取り組みなどを通してまして、群大病院の影響を受けつつも、オール群馬で対応することで影響を極力抑える努力も私は必要ではないかというふうに思っています。そういう意味では、ピンチをチャンスに変えていく、そのためにも群馬モデルの確立が求められているのではないかというふうに思いますけれども、県はどのように考えていますでしょうか。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 医師不足解消に向けまして新たな施策を推進するため、来年度予算に必要な予算を計上いたしまして、今議会での御審議をお願いしているところでございます。まず医師の偏在への対策でありますが、群大病院改革の柱のひとつであります「地域医療研究・教育センター」の設置構想は、群大病院が地域医療への貢献を目指し、県域医療ネットワークの構築と医師配置の適正化を目指すものであります。医師配置の適正化は、医師の地域偏在解消にもつながるものでありますので、県といたしましては、群大はもちろん県医師会や県病院協会など、地域医療の関係者と協働いたしまして、オール群馬でこの取り組みを推進してまいりたいと考えております。  そこで、来年度は、医師配置の適正化に必要な各地域の医療事情の調査、検証を群大に委託して実施することとしております。また、医師総数の確保でありますが、群大病院や県内臨床研修病院、県医師会と連携しながら研修機能を充実させ、魅力ある臨床研修を実施することによりまして、より多くの研修医を確保する必要があると考えております。そのため、来年度から新たに臨床研修医を一堂に集めた合同研修会を開催いたしまして、地域医療に対するモチベーションの向上や研修医同士の一体感の醸成を図り、臨床研修修了後の県内定着につなげてまいりたいと考えております。さらに、他県の大学を卒業した先輩若手医師の協力を得まして、母校へ進学した本県出身者等に対する訪問による勧誘を実施するほか、県外で勤務する現役医師にとって魅力ある求人情報や発信方法の検討を進めまして、県内への誘導策を強化する考えであります。これまでの対策に加えまして、これらの新たな取り組みによって、県内の医師総数の確保と県内定着に努めてまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 部長におかれましては、5年先、地域の医療が崩壊することのないように、今しっかりと手を打っていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。  続きまして、産業経済部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 産業経済部長、答弁席へお願いします。           (塚越正弘産業経済部長 登壇) ◆井下泰伸 議員 産業経済部長におかれましては、自動運転開発に向けた取り組みについてお伺いをしたいと思います。  昨年5月の第2回定例会におきまして、自動運転車開発を一般質問として取り上げさせていただきました。その中で、県と富士重工業が連携した自動運転車の研究開発プロジェクトの立ち上げについて提案をさせていただきましたところ、早速実現をしていただきまして、ありがとうございます。感謝をいたします。自動運転開発に関しましては、新聞で報道されないことがないくらい、その後、世界中で開発競争が激化しておりまして、自動車メーカーにとどまらず、IT産業等の異業種も続々と参入している状態であります。一般質問でこの問題を取り上げようと思って準備している段階で、1週間前に上毛新聞のほうでこういった非常にまとまった記事が出たものですから、〔資料提示②〕これを参考に部長と話をしたほうがわかりやすいと思いましてとらせていただきました。済みません、よろしくお願いします。  そこで、自動運転開発につきまして、富士重工業のプロジェクト、あるいは群大が文科省との事業を活用した研究拠点整備を行うというふうに聞いておりますけれども、進捗状況、加えて今後の取り組みについて伺わせていただきます。 ◎塚越正弘 産業経済部長 自動運転開発に向けた取り組み状況と今後につきましてお答えいたします。  議員から御提案いただきました富士重工業とのプロジェクトにつきましては、自動運転車関連技術の開発を推進するとともに、県内中小企業の参入を支援することを目的といたしまして、昨年10月から「自動運転車関連技術開発推進プロジェクト」がスタートいたしたところでございます。プロジェクトの進捗状況でございますけれども、1月24日に開催いたしました「ぐんま次世代産業参入促進交流会2017」におきまして、富士重工業による運転支援システム、「アイサイト」に関する講演と、県内中小企業を対象といたしました自動運転車関連技術に関するニーズ発表を行ったところでございます。議員にも御参加いただきましたけれども、大変多くの企業に参加していただきまして、自動運転に対する中小企業の皆さんの関心の高さがうかがえたところであります。  富士重工業から提供されましたニーズに対しまして、2月末までに技術提案があった案件は、今月中に企業を選択いたしまして、来月から富士重工業と個別商談を実施する予定でございます。このマッチングに当たっては、専任のコーディネーター2名が支援することとしておりまして、今後も継続して技術提案が可能な県内中小企業を発掘していくこととしております。また、今月21日には、自動運転を巡る国内外の動向や自動運転技術とその関連部品に関するセミナーを開催いたしまして、企業参入の機運醸成も図ってまいりたいと考えております。  次に、群馬大学との連携でございますけれども、昨年12月に群馬大学と県で国に共同提案をいたしました「群馬次世代モビリティ社会実装研究拠点」整備が事業費約9億円で採択をされました。これは荒牧キャンパス内に自動運転車の「走行試験コース」と「研究棟」を整備するものでございまして、平成29年度中の完成に向けて作業を進めているところでございます。この拠点では、産学官金が、自動運転車とその普及によるライフスタイルの変革に関する研究開発を行うとともに、自動運転の将来を担う技術者等も育成していくこととしております。引き続き富士重工業や県内企業、群馬大学としっかり連携しながら、「自動運転車関連技術の開発」を推進してまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。非常に先進的な、可能性のある産業の塊といいますか、これからしっかりと育っていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。部長におかれましては、これで終わりにします。  続きまして、知事、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 知事、答弁席へお願いします。           (大澤正明知事 登壇) ◆井下泰伸 議員 自動運転の開発に関わることは、県内の自動車産業をはじめとする多くの企業にイノベーションと夢を与えるだけでなく、安倍総理が今月16日、2020年までに運転手が乗車しない自動走行によって、地域の人手不足や移動弱者を解消すると宣言をしたとおり、自動運転技術がもたらす恩恵は私たちの暮らしや社会的な課題の解決に向けた様々な可能性を秘めていると感じています。「ものづくり立県」を標榜する本県の富士重工業や群馬大学との連携から始まる様々な成果が世界に向けて大きな影響を与える可能性があると感じておりますけれども、知事はこの自動運転開発の取り組みについてどのような意義があると考えますか、また、どのような思いで取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。 ◎大澤正明 知事 自動運転開発の意義については、最近、高齢者がアクセルとブレーキを踏み間違える事故のニュースを耳にすることが非常に多くなってきております。自動運転車の実用化は、このような事故を含めまして、交通事故の軽減や交通渋滞の緩和、高齢者等交通弱者の移動支援といった社会的課題を解決する1つの手段になり得ることから、自動運転車を開発していく意義があると考えております。  一方で、自動運転技術の開発には様々な技術が必要とされております。例えば、車に乗っている人が急な体調不良に陥った場合に、センサーで感知して自動車を自動停止させるといったシステム開発にはロボットや医療・ヘルスケア関連等の技術の組み合わせが必要であります。そして、群馬県には自動車関連企業をはじめ、独自の技術で医療分野への進出を果たしたロボット開発企業、医療・ヘルスケア関連企業と多くのものづくり企業が集積をしております。加えて、完成車メーカーの富士重工や自動運転車を積極的に研究し、人材育成を担う群馬大学が存在するといった「特色」、「強み」があるわけであります。これら関係者の総力を結集いたしまして、自動運転車関連技術の開発を推進することは本県の次世代自動車産業を大きく飛躍させ、本県経済の発展と活力の原動力になると確信をしているところであります。  このことから、県としては、限りない可能性を大きくはばたかせ、群馬の未来を創生するために、様々な社会的課題を解決するためのひとつの手段として自動運転車関連技術の開発を推進していくことで県内経済の活性化に努めていきたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 答弁ありがとうございます。文字どおり自動車を生産するメーカー、そしてまた研究拠点がこの群馬にはあります。非常に恵まれた環境にあるというふうに思いますので、しっかりとそれを活かして、これからの技術の革新に向けて一歩を踏み出していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、知事には、地方創生についてお伺いをさせていただきます。  地方創生は、アベノミクスの地方政策として平成26年に鳴り物入りでスタートした政策でありますが、最近ではメディアの露出も減り、世間の興味もちょっと薄れがちになってしまったかなというふうに感じております。本県におきます地方創生の取り組みは現在どうなっているか、お願いいたします。 ◎大澤正明 知事 私が知事に就任したとき、本県は既に人口減少の局面にありまして、その先の人口構成の変化も踏まえまして、様々な取り組みを行ってまいりました。例えば、本県が持続的に発展するために必要な社会資本の整備として「7つの交通軸構想」を掲げ、工業団地の造成と企業誘致を連動させて取り組んでまいりました。また、郷土群馬に愛着と誇りを持った子どもたちを育成するため尾瀬学校を開始したほか、子育ての負担を軽減するための子どもの医療費の無料化にも取り組んでまいりました。そうした先を見据えた政策に取り組んでいたところ、平成26年度に国と地方が総力を挙げて取り組むべき課題として地方創生が大きく取り上げられたところであります。  本県では、県内に仕事をつくり、人を呼び込み、東京一極集中の流れを変えることを大きな柱に据えて具体的な施策を実施しているところであります。まず仕事をつくるため、若者や女性が働く場や新たな産業の創出につながるコンベンション施設の整備、今後成長が見込まれる次世代産業の振興、本県の強みでもある製造業、観光業、農林業の振興に取り組んでいるところであります。また、人を呼び込むため、産業界や大学等と連携をして若者の県内就職支援に取り組んでいるほか、移住、定住の促進、歴史文化遺産やアウトドアスポーツを活用した魅力ある観光地づくりなど、本県のイメージアップにも取り組んでおります。関連する指標では、人口の社会増減がプラスに転じ、合計特殊出生率が上昇するなど明るい兆しもあり、手応えを感じているところであります。  一方、議員御指摘のように、全国的な取り組みに関わらず東京一極集中がとまらない状況など、地方創生は短期で結果を得ることは難しく、長期的な視点での取り組みが必要であると思います。また、県だけで実現できるものではなく、地域を挙げて推進していくことが肝要であります。県民や企業の皆さんと課題を共有して市町村や大学、NPOなど多様な主体と協力、連携をいたしまして、県議会と議論を深め、「オール群馬」の体制で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。昨年11月、全国知事会から、東京一極集中是正のための緊急決議が出されたというふうに聞いております。地方創生は様々な形でこういった事業がありましたけれども、若年数の人口が東京に集中してしまう、あるいは人口が減少してしまう。みんなが何となく思っていた漠然とした不安をしっかりと問題視して、それに対して対策を講じている。このことが一番の地方創生の意義だと思いますので、今後とも、どうぞ対応のほうをよろしくお願いいたします。ありがとうございました。  続きまして、教育長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 教育長、答弁席へお願いします。           (笠原 寛教育長 登壇) ◆井下泰伸 議員 教育長には、高校教育改革についてお伺いをさせていただきます。  現在、教育委員会では、社会の変化と少子化に対応するために、特色ある高校教育の充実と、県立高校の再編といった質と量との両面にわたる改革を行っております。初めに、各方面で人口減少や少子化が叫ばれておりますけれども、量の改革となる県立高校の再編整備について、長期的な展望も含めてお伺いしたいと思います。 ◎笠原寛 教育長 高校教育改革についてのうち、県立高校の再編整備についてでございますが、本県の中学校卒業者の数でございますが、平成元年をピークに大幅に減少してきてございます。これに伴いまして、県立高校の学級減を行いますとともに、平成14年度からの10カ年計画といたしまして、「高校教育改革基本方針」を策定いたしまして、これまで伊勢崎、藤岡、安中、前橋の各地区で統合を行ってまいりました。さらに、中学校卒業者数の減少が続く状況を踏まえまして、平成23年3月に平成24年度からの10カ年計画といたしまして「高校教育改革推進計画」を策定いたしまして、県全体及び地域の教育水準の維持向上を図り、これからの時代を切り開いていくことのできる人材を育成するため、特色のある高校教育の推進とともに、県立高校の再編整備に取り組んでおるところでございます。  具体的には、学校の適正規模を1学年当たり4から8学級とすることといたしまして、各地区ごとに中核となる学校を配置いたしますとともに、普通科と専門学科をバランスよく配置することといたしまして、現在、中学校卒業見込み者数の減少が著しい富岡・甘楽地区、吾妻地区及び桐生・みどり地区の3地区で、現在、統合を含みます再編整備に取り組んでおるところでございます。なお、富岡・甘楽地区並びに吾妻地区につきましては、本議会におきまして統合による新たな高校を平成30年4月に開校するための条例改正案を上程させていただいているところでございます。本県におきまして、平成30年以降、さらに中学校卒業者数の急激な減少が見込まれておりますことから、今後の大きな課題といたしまして、大幅な学級減やさらなる再編整備が必要になるものと考えておりまして、本県高等学校の教育水準の維持向上を図ることができるよう、全県的、長期的な視野に立ちまして計画的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。それでは、もう1本の柱についてお伺いします。高校教育改革のもう1本の柱といたしまして、社会の変化や生徒の多様化に適切に対応するための質的な充実も求められているというふうに感じております。学校が力を入れている分野を特色付けしてアピールすることは、生徒の学ぶ意欲を高め、生徒が学びたい学校を選ぶうえでも非常に重要なことだと思いますけれども、学校の取り組みはいかがでしょうか。 ◎笠原寛 教育長 高校教育の質的充実と学校の取り組みについてでございますが、社会の変化や生徒の多様化に適切に対応していくためには高校教育の質的充実が必要でありまして、「高校教育改革推進計画」におきましては、生徒の個性や能力を最大限に伸ばし、「たくましく生きる力」を育むため、特色ある高校教育を推進することといたしております。教育委員会では、普通高校や農業、工業等の専門高校のほか、多様な系列を持ちます総合学科高校、昼間部と夜間部の定時制と通信制をあわせ待ちますフレックススクールなど、様々なタイプの高校を設置いたしますとともに、理数、英語等の普通科系の専門学科など特色ある学科を配置いたしまして、生徒や社会のニーズに応じた多様な教育を推進しているところでございます。  各学校におきましては、そうした学校や学科の特性を活かした特色ある学校づくりに取り組んでおりまして、生徒の実態や進路希望等を踏まえながら、先進的な理数教育の実施ですとか、グローバル人材の育成、探求的な教育活動の充実など、様々な取り組みを行っているところでございます。これらの取り組みによりまして、生徒一人ひとりが自らの人生やこれからの時代をたくましく切り拓いていく力を身に付け、将来それぞれの地域や様々な分野で活躍できるような人材の育成に努めてまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。3番目の地域を担う人材が地域に定着するための施策と中核校の役割についてお尋ねさせていただきますけれども、歴史や文化を持つ地域における高等学校の役割というのは、それら地域の将来を担う人材育成の場としても非常に大きなものがあるのではないかと私は感じております。そういった意味では、以前、学区がありましたけれども、学区にはそれなりの意味があったのではないかと思いますが、今現在は全県1学区に定められまして、地域の将来を担う有意義な人材が地域に定着するために何が必要か、非常に求められているのではないかなと思っています。また、先ほど中核校の話が出ておりましたけれども、地域の中核校にどんな役割があるのかお尋ねしたいと思います。 ◎笠原寛 教育長 現在、高校再編を進めている地域におきましても、関係の皆様方から、本当に高校が地域のシンボルであり、極めて大きな存在であるというそういった観点から様々な意見をいただきました。そうした意味で、教育委員会といたしましても、地域の将来を担う人材育成の場として、地域における高校の役割は極めて大きいと認識しております。全県的な視野に立ちまして、各地区に一定規模の中核となります学校の配置を推進することといたしております。地域を担う人材が地域に定着するための施策につきましては、義務教育段階で育まれた郷土への誇りと愛着を、高校では地域の将来を担う意識へと発展させていくことが必要であると考えております。教育委員会では、県立高校と地域の企業や関係機関などとの連携を図りながら、インターンシップや主権者教育などの取り組みを推進しております。これらの取り組みを通しまして、生徒が地域の企業を知ったり、地域のあり方を考えたりすることによりまして、地域に対する意識を高めていくことが大切であると考えております。このような地域と連携した取り組みを今後さらに一層充実させてまいりたいと考えております。  また、地域の中核となる学校の役割についてでありますが、生徒が夢や目標に向かって地元でしっかり学び、希望進路を実現するようにすることが期待されていると認識しておりまして、その期待に応えるためには、幅広い進路に対応できる教育課程を編成いたしますとともに、生徒自らの生き方を考えるキャリア教育等の充実を図ることが重要であると考えております。  教育委員会といたしましては、子どもたちが進学したいと願い、これからの時代を切り開いていく力を確実に身に付けられる学校、さらに、地域に貢献し、地域の人から信頼され、応援していただける魅力ある学校づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。教育長はもともと、群馬版地方創生の戦略を練った企画部長でありました。地方創生の議論はそもそも、若年層の東京圏への流出過多が発端になっておりまして、将来の群馬創生には、今まさに地域で学んでいる子どもたちによってなされるものだと私は感じております。そのために、いかに県内で学んでいる若年数を群馬に定着させることができるのか、あるいは、将来群馬に戻ってきて、地域の創生のために力を尽くしていただくのか。そのことが大切であるというふうに思っていまして、私が思うに、20年、30年後の群馬や地域を支える人材育成は、地域に根差した中核校にかかっているというふうに思いますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。  農政部長、お願いします。 ○橋爪洋介 副議長 農政部長、答弁席へお願いいたします。           (宮崎一隆農政部長 登壇) ◆井下泰伸 議員 農政部長におかれましては、群馬の農業についてお伺いをしたいと思います。  群馬県の野菜産出額が17年ぶりに1,000億円を突破したとのことでありますけれども、これまでの取り組みと成果はどうでしょうか。また、今後どのような取り組みを行っていくか、お伺いしたいと思います。 ◎宮崎一隆 農政部長 本県の野菜産出額は、平成10年に1,000億円を上回って以降減少傾向が続き、平成17年には800億円を割り込みました。このため県では、平成19年3月に「やさい振興戦略会議」を設置し、20年度に創設した県単事業、「野菜王国・ぐんま」強化総合対策により、生産基盤の整備や担い手の確保などに取り組んでまいりました。特に平成26年2月の大雪では、未曽有の被害が発生しましたが、ハウスの復旧など、産地の復興に全力で取り組んできたところであります。これらの取り組みもあり、平成27年の野菜産出額は1,035億円と17年ぶりに1,000億円を超え、全国順位も7位から5位へと躍進することができました。  今後の取り組みについては、栽培技術や経営面での支援に加え、各種補助事業の活用により生産基盤の整備が重要であると考えております。具体的には、JA佐波伊勢崎で県内初のキュウリ、ナスの共同選果場が4月から稼働する予定であり、他の地域でも選果場の新設や拡張などの事業が計画されており、さらなる産地強化が図られると期待しております。また、本年度から、キュウリ、ナスの日本一の産地を目指した重点プロジェクトに取り組んでおります。キュウリでは、年間収量を1.5倍にする技術開発、ナスでは生産拡大に積極的に取り組むこととしております。県といたしましては、本県の強みである野菜について、関係者と一定となって今後とも積極的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 今まで群馬のいろんな部分でブランド力が弱かったのは、やはりそういう旗を立てなかったということが1つあると思うんですね。そういった意味では、本当にキュウリ、ナスにしても全国一番の産出量をこれから目指すという大きな旗を立てるというのは非常に意味があるということだと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  引き続きまして、全国和牛能力共進会についてお伺いしたいと思います。  前回、史上初の5位入賞を果たした全国和牛能力共進会長崎大会から早いもので4年がたとうとしております。その間、県内の和牛関係者は、次の大会での連続上位入賞を目指して多くの努力を積み重ねていると聞いております。今年9月に宮城県で開催される第11回全国和牛能力共進会に対し、群馬県の取り組みをお伺いしたいと思います。 ◎宮崎一隆 農政部長 全国和牛能力共進会での上位入賞は、和牛のブランド化と枝肉市場の取引価格に直接影響することから、生産者、関係団体と県が一丸となり、前回大会直後から出品対策に取り組んできております。具体的には、4年前の平成25年7月から、県内で飼われてている遺伝的能力の高い優良な雌牛から受精卵をとり、これを用い出品候補牛の生産を開始いたしました。また、畜産試験場では、生産者に先行し、一部の候補牛を用いて肥育実証試験を開始し、今年度、餌の種類や与え方、肉質の分析結果が得られたことから、このデータを活用し、候補牛の肥育を進めている生産者に対し指導を行っているところであります。  そのほか、繁殖雌牛の部への出品を目指す農家に対しても、定期的な巡回調査により候補牛の発育状態を確認するとともに、牛の調教法やコンディションづくり等、出品に向けた研修会を開催し、技術のレベルアップを図るなど、綿密な指導を実施しております。肉牛生産は本県農業の基幹部門のひとつであり、本大会での上位入賞は県産和牛のブランド力強化につながることから、引き続き出品対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 ぜひよろしくお願いします。ここで上位入賞をとりますと、この先4年間、しっかりと和牛も輸出、あるいはブランド力強化に向けて取り組めると思いますので、お願いしたいと思います。  続きまして、水田農業の推進についてお伺いをしたいと思います。  本県平坦地域の水田農業における推進状況と今後の取り組みについてはいかがでしょうか。また、二毛作や耕畜連携に対する見直しや、平成30年度に予定されている米政策の変換に不安を感じている農家の方々が多いと聞いておりますけれども、県はどのように取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。 ◎宮崎一隆 農政部長 県では、平坦地域の特徴である米麦二毛作体系による水田のフル活用が担い手の経営安定に重要と考えており、飼料用米などの新規需要米等と麦を組み合わせた作付を推進しております。今後も国の対策等を活用し、これらの作付拡大を推進しますとともに、担い手への農地集積や栽培技術の支援などを通して、経営体質の強化を図ってまいりたいと考えているところであります。  次に、二毛作や耕畜連携助成の見直しについてでありますが、これらは、平成28年度まで低額の交付単価で有効に活用されてきましたが、国は平成29年度に助成措置を産地交付金の中に含めることとしたところです。この産地交付金は、土地利用集積や野菜などの地域振興作物の生産を支援するもので、国から配分される資金の範囲で県が助成内容を設定しておりますが、本県に示された平成29年度の配分額では、これまでの二毛作や耕畜連携助成の交付単価を維持することが困難であり、生産現場への影響が懸念されるところであります。このため国では、JAや市町村等の意見を踏まえ、配分額の範囲内で助成内容を検討しているところでありまして、4月以降、国との協議を行い、承認を得る予定であります。  また、産地交付金を含めた水田活用の直接支払交付金については、継続的かつ十分な予算措置をするよう国に対して求めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、二毛作体系による水田のフル活用や耕畜連携等の取り組みが定着し、平坦地域の水田農業が維持発展できるようしっかりと取り組んでまいる所存であります。 ◆井下泰伸 議員 4月以降、国との協議をやるということでありますけれども、これは二毛作加算が大幅に減額されることに対しまして、農家の方は大変不安に感じていらっしゃると思います。農家の不安が解消できるように、払拭できますように、丁寧な対応をぜひともお願いして質問に代えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  県土整備部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 県土整備部長、答弁席へお願いします。           (上原幸彦県土整備部長 登壇) ◆井下泰伸 議員 県土整備部長におかれましては、中心市街地の活性化についてお伺いしたいと思います。  最近、町なかについて明るい話題が散見できるようになってきたことはとても喜ばしいことだというふうに考えております。中心市街地が衰退しはじめて歯止めがかからなかった時期は、投資が郊外にどんどん逃げていって、まちに関わる人が徐々に少なくなっていったのを昨日のことのように覚えております。まだまだ予断を許さない状況が続いておりますけれども、こういった明るい話題が見受けられる地域においては、衰退の一途をたどったその当時と大きく異なりまして多種多層の人たちがまちを訪れて、また再び関心をまちに持ってくれるようになったというふうに感じております。  中心市街地の衰退は、かつては商店街だけの話とされてきましたけれども、「ぐんま“まちづくり”ビジョン」と実行計画である「市町村アクションプログラム」の策定から数年たちまして、県も市町村も部局を超えて対応しなければならない問題だという認識が広がって、成果が出始めたのではないかというふうに感じております。中心市街地活性化に向けた「ぐんま“まちづくり”ビジョン」による取り組み状況と成果についてお伺いしたいと思います。 ◎上原幸彦 県土整備部長 いわゆる「まちなか」と呼ばれます中心市街地の活性化は、県内の市町村はもとより、全国地方都市が抱える共通の課題であるというふうに認識しております。県では、平成24年度に「ぐんま“まちづくり”ビジョン」を策定し、持続可能なまちづくりの方向性を示すとともに、市町村に対しましては、このビジョンに基づく「アクションプログラム」を策定することにより、それぞれの個性を活かしたまちづくりに取り組むよう呼びかけてきたところでございます。また、市町村がアクションプログラムを策定する際には、「ぐんま“まちづくり”ビジョン実現化推進委員会」によりまして、全庁的な体制でバックアップをすることとしております。  これまでにアクションプログラムは、前橋市、桐生市、みどり市、富岡市の4つの市で策定されておりまして、最初に策定しました前橋市では、まちなかへの定住促進策によりまして、中心市街地の世帯数とか、あるいは歩行者の数が増えていることや、前橋駅近くに再開発のビルの計画が進行するなど、活性化の兆しが見え始めたことを実感しているところでございます。本年度中には、伊勢崎市とあと館林市のアクションプログラムが策定される予定となっており、今後も「ぐんまらしい持続可能なまちづくり」を実現するため、部局を超えて市町村を支援してまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 県土整備部長におかれましては、ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、産業経済部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 産業経済部長、答弁席へお願いします。
              (塚越正弘産業経済部長 登壇) ◆井下泰伸 議員 同様に、産業経済部長におかれましても、中心市街地の活性化についてお伺いをしたいと思います。  空き店舗の補助金交付等々が桐生において結果が出始めているというふうに聞いております。補助金の交付件数が前年の3倍に上りまして、空洞化の進んでいた中心市街地のシャッターがあき始めたということであります。中心市街地の活性化に向けた県の支援策、そして今後の対応をお伺いしたいと思います。 ◎塚越正弘 産業経済部長 中心市街地活性化に向けた県の支援策についてお答えいたします。  県の支援策といたしましては、まず商店街団体等が実施いたします、まちの新たな魅力を創出するイベントなど、モデル的な事業につきまして「商店街活性化支援事業」として支援をしております。今年度は、前橋市の「Qのまちポスターフェスティバル」など、6市町村で18件の補助を行っているところでございます。また、地域や町なかの活性化に向けた事業プランを募集いたしまして、公開コンペ形式により優れた事業を先行して補助いたします「地域・まちなか活性化コンペ事業」を実施しておりまして、中心市街地等の活性化に取り組む方々の企画提案能力や意欲の向上を図っているところでございます。今年度は沼田地域において、ホームページや店頭表示の多言語化など、地域のインバウンドを牽引するための取り組みを通じまして、国道120号線沿線を「とんかつ街道」として盛り上げるプロジェクトなど、3件に対して補助を行っております。  今後の対応につきましては、引き続きこれまでの支援を継続するとともに、官民連携によりまして、空き店舗等の遊休不動産を活用し、新規の創業を促しながらまちを再生する「リノベーションまちづくり」など新たな手法も取り入れながら、しっかり支援してまいりたいと考えております。そのため、来年度は、「リノベーションまちづくり」推進の機運醸成のための講演会を実施するほか、「リノベーションまちづくり」に取り組む市町村を積極的にサポートしていきたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。かつて中心市街地の衰退に対しての対応策と見ますと、どうしても商店街の話に限定されがちで、産業経済部の部長さんがいつも答弁に立つことが多かったんですけれども、いろんな部局を超えて、あるいは市町村と県の担当者だけではなくていろんな方々がそのことについて問題意識を感じることでいろんな形で明るさが出てきたのかなというふうに思っています。  先日、産業経済部長と県土整備部長が主宰をする中心市街地活性化庁内連携会議のメンバーが前橋市馬場川沿いのシェアハウスや、市が補助金を出してシャッターを開け始めた空き店舗を視察したと聞いています。また、ここに至るまでの取り組みにおいて、市町村との連携や庁内の関係部署間の連携が非常に重要だというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。 ◎塚越正弘 産業経済部長 市町村や庁内関係部局との連携についてお答えいたします。  中心市街地活性化につきましては、一義的には市町村が主体となって取り組むべき課題と認識しておりますが、県と市町村が実施する中心市街地支援策を効果的、かつ効率的に実施するため、市町村との連携、また、庁内関係部局間の連携が重要であると考えております。まず市町村との連携でございますが、毎年年度当初に「中心市街地等商業活性化連絡会議」を開催いたしまして、市町村や商工団体、支援機関等との連携の強化を図っております。また、庁内の連携でございますが、関係部局によります「中心市街地活性化庁内連携会議」を平成24年に設置いたしまして、中心市街地の活性化に向けた情報共有や意見交換を行い、庁内一丸となって取り組んでいるところでございます。  さらに、今議員からも御指摘がありましたけれども、本連携会議を活用しながら、県と市町村との連携も図るべく、平成26年度は桐生市、27年度は富岡市、28年度は前橋市に出向きまして、中心市街地の状況視察や市町村ごとのテーマに基づきました意見交換を行ったところでございます。今後も中心市街地が元気になり、地域経済の活性化が進むよう、市町村との連携や庁内の連携をさらに強化しながら、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。過日の1月8日、五十嵐伊勢崎市長の3選が決まった折に、大澤知事におかれましては、いち早く祝勝会に駆けつけていただきまして、祝辞をいただきました。その冒頭、伊勢崎市の中心市街地、町なかの衰退に触れまして、再生のために県としても何とかしたい、今後市長と連携を強めたいと非常に力強いエールをいただきまして、我々も大変心強く感じた次第でございます。御案内のとおり、いくつかの地域の中心市街地にわずかではありますけれども光がともされつつあります。この局面をどういうふうに捉えて、あるいは今後どういうふうにつなげるかが大変重要だというふうに思いますので、今後とも、知事には先頭に立って中心市街地活性化に向けて力を尽くしていただきたいと思います。ありがとうございました。  県土整備部長、お願いします。 ○橋爪洋介 副議長 県土整備部長、答弁席へお願いいたします。           (上原幸彦県土整備部長 登壇) ◆井下泰伸 議員 たびたびありがとうございます。県土整備状況についてお尋ねをしたいと思います。  県では、第15次総合計画「はばたけ群馬プランⅡ」や「群馬県版総合戦略」の策定に伴いまして、平成29年度に計画中、5年を迎えます「はばたけぐんま・県土整備プラン2013─2022」の改定を行っております。これは、社会情勢の変化や新たな国、県の施策を盛り込むことや事業の進捗状況などを踏まえた新たな見直し等を反映させるためのもので、現在、各土木事務所を通じて地域ニーズの把握が行われているというふうに聞いております。まずこの現況を教えていただきたいと思います。 ◎上原幸彦 県土整備部長 現在、土木事務所ごとに実施しております市町村長などへのヒアリングと並行いたしまして、「広域・分野別のニーズ」を把握するため、商工、観光、福祉、交通分野など関係団体や企業を対象に本県の社会資本整備に関わる意見聴取を実施しているところでございます。これによりまして、新たな地域課題や県民ニーズの把握と現行の県土整備プランの成果の検証などを行っているところでございます。今後、7月までに改定プランの検討案を取りまとめ、土木事務所ごとに実施いたします2回目の市町村長などへのヒアリング結果や県土整備プランフォローアップ委員会の助言、提言も踏まえまして、11月までに改定プランの素案を取りまとめ、県議会で御審議いただく予定でございます。その後、パブリックコメントを実施いたしまして、これを踏まえて再び県議会で御審議をいただき、来年度末に公表を目標にいたしまして、改定作業を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆井下泰伸 議員 道が新しくできたり、子どもたちの通学路の状況ですとか、あるいは川の氾濫の状況ですとか、いろんな形で状況は変わってくるものもありますので、県民のニーズ等々をしっかりと把握した形で改定を行っていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、波志江スマートインターチェンジ付近の道路整備についてお伺いをします。  過日、岩上議員から、苗ヶ島飯土井線、波志江スマートインターチェンジの北の17号の上のほうの話がありましたけれども、私のほうは、波志江スマートインターチェンジ、伊勢崎地域の道路整備についてお伺いをしたいと思います。  今現在、波志江スマートインターチェンジの利用台数が1日当たり約2,900台ということでありまして、県内の他のスマートインターチェンジ、例えば高崎玉村スマートインターチェンジですとか駒寄スマートインターチェンジなんかですと、1日当たり6,000台前後利用されているということなんですけれども、極端に利用台数が低くて、有効利用されていないという感があります。何かインターチェンジを降りた途端に行き止まりになってしまうような感じもしていまして、やはり道と道がしっかりつながらないと有効利用ができないということでありますので、いろいろと県でも前橋市及び伊勢崎市とともに勉強会を実施し検討を進めているというふうに聞いておりますけれども、この状況、そしてまた活性化を図るために今後どのような予定があるのかお尋ねをしたいと思います。 ◎上原幸彦 県土整備部長 県といたしましても、「7つの交通軸構想」で目指します高速交通網の効果を県内全ての地域や産業の発展に活かすという観点から、波志江スマートインターチェンジのさらなる利用促進は重要であるというふうに認識しております。このため、平成27年12月に前橋市や伊勢崎市とともに道路整備の方向性や役割分担などを検討するため、「波志江スマートインターチェンジ周辺道路整備に関する勉強会」を設置し、これまで4回勉強会を重ねてまいりました。勉強会におきましては、波志江スマートインターチェンジへ乗り降りする貨物車の走行経路や周辺道路の利用状況などを分析した結果、波志江スマートインターチェンジはやはり北側の道路の利用が大変多いということから、さらなる利用促進を図るためには、北側の市道とか県道苗ヶ島飯土井線を整備することが有効であるということがわかりました。現在、優先的に整備する箇所とか役割分担などにつきまして、前橋市及び伊勢崎市とともに検討を進めているところでありまして、本年度内に一定の方向性を出す予定であります。引き続き、波志江スマートインターチェンジの利用促進に向けて、周辺道路の整備につきまして、事業化を視野に整備費用に対する効果の分析など詳細な検討を県と関係市で連携して進めていく予定であります。 ◆井下泰伸 議員 事業化を視野に入れていただけるということでございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、最後の質問になりますけれども、今月19日、いよいよ上武道路が開通することになります。そのことによりまして、大澤知事がかねてから苦心をしております「7つの交通軸構想」のうち、県央軸については整備が大きく前進しまして、渋川市、前橋市から太田市南部にかけての上武道路沿線地域の経済活動の活性化に効果が非常に期待されております。県央部と伊勢崎市、桐生市、太田市を連結する国道50号の必要性と重要性は、上武道路の開通によりまして今まで以上に高まっていると感じております。また、国道50号の残った2車線区間である前橋市今井町の上武道路との交差点から伊勢崎市赤堀地区を経て笠懸町鹿までの区間の4車線化は地元の長年の強い要望でありまして、沿線地域の活性化と住環境の改善に非常に不可欠な事業であるというふうに思います。  過日、県議会で組織しました「国道50号前橋笠懸道路建設促進議員連盟」としまして、国交省のほうへ要望に行きました。事業進捗にはまずは用地取得を進めることが必要で、そのためにも地元自治体の協力が不可欠であるとの助言をいただいたところでございます。国と県との協力体制が非常にうまくいっているケースとして、現在進んでいる国道17号渋川西バイパス事業において、国からの依頼により県が用地先行取得を行っている例がありますけれども、このケースは国も非常に高く評価をしておりまして、上武道路開通以降、さらに重要となった前橋笠懸道路事業について、現在の進捗状況はどうでしょうか。また、今後事業進捗を加速させるために、県として積極的な協力が必要だと思いますが、どうでしょうか。 ◎上原幸彦 県土整備部長 国道50号前橋笠懸道路は、前橋市今井町の国道17号上武道路との交差点からみどり市笠懸町鹿交差点までの延長12.5キロメートルの国が実施いたします4車線の道路改築事業であります。伊勢崎市赤堀今井町を境に起点側となる前橋市側4.5キロメートルを現道拡幅により、また、終点となるみどり市側8キロメートルを現道の北側にバイパスとして整備することとなっております。現在、現道拡幅間のうち国道17号上武道路との交差点から二宮町までの0.9キロメートル及びバイパス区間のうち伊勢崎市赤堀今井町から東側の香林町までの4キロメートルについて、前橋市、伊勢崎市が国から用地交渉事務を受託いたしまして、用地買収を進めているところであります。  用地取得の状況につきましては、今年1月末現在で約13%の進捗率と聞いております。県といたしましては、国に対し早期の工事着手を強く要望するとともに、事業を執行している国の高崎河川国道事務所とも連携いたしまして事業進捗するよう、可能な支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆井下泰伸 議員 要望活動は陳情を通して相手の心情を推しはかる心の会話であるというふうに思っています。我々がお願いしたときに国ははいはいと受けるんですけれども、実際には渋川西バイパス事業で先行取得を実施した例など、地元として協力的な箇所には国も重点的に取り組んでいただけるのではないかなというふうな感じがいたしました。今後は国にお願いするだけでなくて、しっかりと連携をして事業を進捗させることが必要なことだと思っております。国道50号前橋笠懸道路は、長年の県民の思いの詰まった事業でありますので、県には事業を進捗させる具体的な協力方法などを検討するようにお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  これで終わります。ありがとうございました。(拍手) ○橋爪洋介 副議長 以上で井下泰伸議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○橋爪洋介 副議長 暫時休憩いたします。  5分後に再開いたします。     午後2時15分休憩     午後2時21分再開   ● 再     開 ○橋爪洋介 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問(続) ○橋爪洋介 副議長 中島篤議員御登壇ください。           (中島 篤議員 登壇 拍手) ◆中島篤 議員 お許しをいただきました高崎市選出の中島篤であります。今日は3月1日でありまして、県内の高校の卒業式が午前中に執り行われたということであります。1万7,535名という非常に若い皆さんが希望を持って今日羽ばたいていく、こんな日でありますので、生徒はもとより御両親をはじめ関係者には心からお祝いを申し上げる次第であります。それでは順次、通告をしてあります質問をさせていただきたいと思います。  最初に、健康福祉部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 健康福祉部長、答弁席へお願いします。           (塚越日出夫健康福祉部長 登壇) ◆中島篤 議員 昨年に引き続きまして、また群大病院についての質疑をさせていただきたいと思います。  今日も上毛新聞に病院長が推薦をされた、前の院長さんがそのままというような報道が出ておりまして、やはりいろいろな関心ということが、目が行っているなというふうには思いますけれども、なかなかこの1年間、いろんなことがあったかと思いますが、部長にも大変御苦労していただいた中で、この1年どのような動きがあったか、まずお聞かせをいただきたいと思います。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 群馬大学、群大病院を巡るこの1年の動きについてでありますが、昨年7月に群馬大学が改革に向けて設置した第三者機関であります事故調査委員会からの報告が行われ、また8月には、病院改革委員会から診療体制や労務管理、ガバナンスなど様々な観点からの提言がなされました。群大病院におきましては、これらの報告や提言を踏まえた改革が進められているところでございます。また昨年6月に特定機能病院の承認基準が改正されまして、医療安全管理体制の強化や外部委員を過半数とする監査委員会の設置を義務付けるなど、より厳しい条件が設定をされました。群大病院では、いち早く新たな基準に対応すべく、法令改正に先立ちまして体制整備が進められております。  そして、昨年11月に群大病院から公表されました改革への取り組みや改革工程表は、事故調査委員会等からの指摘、提言や特定機能病院の新基準にほぼ対応したものとなっておりまして、現在、病院職員への浸透、徹底に努めている段階であります。また、今後の取り組みとしての主要事業であります「医療安全・管理学講座」と「先端医療開発センター」に関しましては、本年4月の設置に向けて準備が進められているところであります。さらに昨年12月、国の「大学附属病院等のガバナンスに関する検討会」が病院長の資質、選任方法等について提言を行っていますが、群馬大学ではこれを踏まえ、外部有識者を含めた病院長候補選考委員会を設置いたしまして、選考プロセスの透明性を確保した形で病院長の選考が行われてきました。  このように、国では群大病院をはじめ大学病院での医療事故を契機に、大学病院に対しまして、医療安全管理体制の再構築やガバナンス強化など様々な改革を求めているところでございますけれども、群馬大学病院ではこれら国の動きを先取りする形で改革が進められているところであります。 ◆中島篤 議員 様々な1年の中のいろいろな出来事があったというお話でありました。先ほどの井下県議がこれに関わる医師不足の解消についてもお話を聞いておりまして、決していい状況ではない、深刻な状況にあるなということを感じながら、知事が先頭に立っていただいて、群馬大学病院の問題ということではなくて、群馬の医療をしっかりやらなければならないという思いから、部長をはじめ副知事、皆さんが大変な御努力をしているわけであります。その中で群大の改革ということでありますけれども、今の課題、こうしたことを部長から、県としてどのような対応をしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 群大病院の改革に対する県の関わりについてでありますが、国からがん診療拠点病院の指定が外された群大病院に対しまして、がん診療に関する人材養成や情報提供などの機能を引き続き果たしてもらうために、昨年4月に県独自にがん診療連携中核病院として指定をいたしました。あわせて、これまでの救急搬送の受け入れ実績を踏まえ救命救急センターに指定するなど、群大病院の機能や実力を評価して、改めて本県の医療提供体制の中核として明確に位置付けたところでございます。また、昨年5月に「群馬大学医学部附属病院の再生を促進する協議会」を設置いたしまして、群馬大学、県、県内医療関係者が一致協力し、群大病院の再生、信頼回復に向けた協議を重ねてまいりました。そして、昨年11月の第3回協議会におきましては、診療科体制の再編や医療安全管理体制の整備、ガバナンス強化に向けた取り組みなどを盛り込んだ改革への取り組みと改革工程表が群馬大学から示されたところであります。  このように、県といたしましては、群大病院が地域の中で果たしてきた役割を評価し、支援するとともに、群大病院の医療安全体制の再構築や今後地域医療に貢献するための取り組みを側面的に支援してきたところであります。このような中で、群大病院におきましては、既に体制や制度上の改革の多くが実施され、また、今後の改革の方向性についても明確になったものというふうに認識をしております。今後、群大病院が改革、再生を進めていく上での課題でありますが、病院の全ての職員が同じ方向に向かい、改革に取り組んでいくことが何よりも重要であるというふうに考えております。群大病院におきましては、しっかりと幹部職員の意識改革を進め、改革の実績を明らかにし、こう変わったというふうなことを県民に示し、理解を得ることが重要というふうに考えております。県といたしましては、今後も県内医療関係者や県民に群大病院を応援していただけるような形で、特定機能病院の再承認等に向けて努力をしてまいる所存でございます。 ◆中島篤 議員 るる説明をいただきました。部長にも大変お世話をいただいたわけですけれども、特定機能病院は群馬県には1つしかない、またこれを剥奪されたということにとっての県民の医療の低下があってはいけない。こういう思いでこの1年、私も委員会等々でも質疑をさせていただいた次第であります。各協議会やそれぞれの中で改革、改革という中で、ただ、この特定病院についてはまだまだ認証に至るまでのところに行っていないという非常に残念さがあります。知事をはじめ本当に皆さんが本気になって取り組んでいただいているのにというような気持ちがあるわけですけれども、今後引き続き部長におかれましては、ことし定年ということも聞いております。スムーズにこのことも次の方にバトンタッチできるように、ぜひよろしくお願い申し上げまして、部長、ありがとうございました。  次に、副知事、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 副知事、答弁席へお願いします。           (反町 敦副知事 登壇) ◆中島篤 議員 副知事におかれましては、いろいろ皆さんが答弁に立つ中で、反町副知事、あまりこういった機会もないわけで、あえて質問をさせていただきたいと思っております。というのも、先ほど部長から話がありましたように、この協議会の座長さんでありまして、いわゆる学校側、また医学部の先生たちを交えての中でのいろんな改革についての話し合いも今日までされてきたかと思います。いろんなことを先ほど部長からも話がありましたが、やっぱり大学側の雰囲気であるとかそういったものも踏まえて御答弁をいただけるとありがたいと思いますが、よろしくお願いいたします。 ◎反町敦 副知事 お尋ねの「群馬大学医学部附属病院の再生を促進する協議会」でありますけれども、群大病院の医療安全体制の再構築と病院に対する県民、医療関係者等の信頼を回復し、一日も早い再生を促進することを目的に、県、群馬大学、さらには県の医師会、そして県病院協会の関係者と連携をいたしまして、昨年5月に設置をしたものであります。この協議会におきましては、県、群馬大学、県内医療関係者が群大病院の改革に向けた取り組みの現状や課題について情報共有を図るとともに、率直な意見交換を通じて、群大病院が真に改革を遂行し、信頼回復に向かっていけるよう様々な議論がなされたところであります。また、群馬大学病院が地域にしっかりと根付いて、本県医療に貢献ができる病院として再生をすることも求められたところであります。  こうした議論の中で、群大病院に対しましては、いつまでに何をするかという改革の取り組みに関する工程表をつくって改革を計画的に進めるとともに、改革の具体的な取り組みを県民にわかりやすく示すよう要請をしてきたところであります。その結果、昨年11月の第3回協議会におきまして、群馬大学から改革への取り組み、それから改革の工程表が提出されました。ここには、医療安全への取り組みはもちろんのこと、群大病院が本県医療の中核となり、地域に貢献する病院として再生していくための道筋が示されておりまして、協議会でのこれまでの議論を十分に反映したものであったというふうに考えております。そこで、協議会におきましては、この内容に沿って、今後も県全体の医療向上にお互いが協力していくことを再確認したところであります。  このように県内医療機関も交えた積極的な議論が行われ、本県医療の充実に向けて意識の共有ができたことが成果であるというふうにも認識をしております。今後の運営についてでありますが、医療安全体制の充実をはじめとした群馬大学病院の改革が着実に実行され、特定機能病院などの各種指定に向けた環境整備が進むよう支援をしていくということがこの協議会の役割であるというふうに理解をしております。そして、群大病院が県民から信頼される病院として一日も早く再生されるよう、関係者と一致協力してこの協議会を運営していきたいというふうに考えております。 ◆中島篤 議員 どうもありがとうございました。今後ともぜひよろしくお願い申し上げます。  それでは、知事、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 知事、答弁席へお願いします。           (大澤正明知事 登壇) ◆中島篤 議員 知事におかれましては、大変忙しい中、群馬大学病院のことについては本当にそのときから積極的に、それぞれいろんな場所にも出向きながら、いいように頑張っていただいている姿を見て大変感謝をしているところであります。また、がん指定につきましても、群馬県がその分は補うんだという強い意思のもと、県民のやはり医療をこうしたものを提供してはいけないという知事の熱い思いを私自身も感じている次第であります。しかしながら、特定機能病院がなかなか再承認をまだされないというような状況、さらには今日のニュースといいますか、先ほど部長からも話がありましたけれども、やっぱり病院長が前の方が決まるというようなニュースを見る中で、真の改革を本気でやっているのかなというような感じもしたり、さらには病院だけではなくて、大学全体もそうでありますけれども、こうやって知事も一生懸命動いていただいている、我々議会も注視しながらしっかりこれをやってもらいたいという思いが群大そのものに通じているのか、一部の先生は俺には関係ないよというような人もいるかのような話も聞いておりまして、非常にそんな話を聞くと残念には思っておりますけれども、こうしたいろんなことを踏まえて、いずれにしても特定病院を目指さなくてはならないわけであります。知事には大変御足労をかけるわけですけれども、これからも強い意思を持って、特定機能病院、また、群大の改革に向けて大なたを振っていただきたい、こういう思いであります。知事のこれからの群馬県の医療に対しての御所見をお伺いしたいというふうに思っております。 ◎大澤正明 知事 群大病院は県内唯一の医師養成機関でありまして、医師派遣機能や高度先端医療の研究、提供機能などを持った本県医療の中心である病院であります。その役割からも群大病院の一日も早い信頼回復、再生は県民の共通の願いではないかと思います。群大病院には昨年公表した改革への取り組みを全職員に徹底をし、着実に改革をやり遂げること、そして県民から群大病院は変わったと評価されることが重要であると思います。そのうえで県としても、関係機関の協力を得て、特定機能病院をはじめとする各種拠点病院としての国の承認等の早期回復につなげていきたいと考えております。いずれにしても、本県の医療において大きな役割を果たしている群大病院の信頼回復と再生を支援するとともに、県民が安全・安心な医療を享受できるよう、地域医療の確保、充実に全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。 ◆中島篤 議員 知事、ありがとうございます。ぜひ、今知事がおっしゃるように、県民の医療のために御尽力いただきますことをこれからもお願いを申し上げ、知事への質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。  再度健康福祉部長、お願いを申し上げます。 ○橋爪洋介 副議長 健康福祉部長、答弁席へお願いします。           (塚越日出夫健康福祉部長 登壇) ◆中島篤 議員 部長のほうには、再度お出ましをいただきまして済みません。先日、上毛新聞に、髪を失った子を助けたいということで、無償ウィッグ、県内でも賛同者が大変いて、ウィッグですからかつらであります。美容院さんが協力して、これはがん患者に対して、やはり髪が抜ける、抜けた後、どういうフォローをするかということで全国的な、大阪のNPO法人が主導して群馬県内でも非常に賛同者を得ている。読んでもそうでありますが、やはり多くの皆さんから髪をいただいても、なかなか全部には行き渡るものではなくて、私は委員会でもお話をさせていただきましたが、群馬県以外でありますけれども、県やまた市ががん患者に対してかつらのかかった費用の一部を負担するというような施策を行っているところがあるといって、この間も委員会ではそんな話をさせていただいたところであります。県として、どのような外見ケアについてのお考えを聞かせていただきたいと思います。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 がんの治療によって生じる頭髪などの脱毛や皮膚の変色、爪の変化など外見上の変化に悩む患者の方は多くいらっしゃいますが、医療現場や行政においては、これまで十分な対応がなされてこなかった面があるというふうに考えております。近年、がん医療の進歩によりまして、治療しながら社会生活を営む人や職場に復帰する人も増えていることから、県といたしましては、外見ケアに対しましても支援を行っていく必要があるというふうに考えております。議員御指摘のとおり、医療用かつらを購入したがん患者個人に対して費用の一部を助成している自治体があるというふうなことは承知をしております。  本県におけるがん対策といたしましては、これまで県全体にわたる基盤整備や体制整備を行ってきたところであります。外見ケアへの支援につきましては、当面、がん診療連携拠点病院等に設置されておりますがん相談支援センターの対応力強化を図ることによって対応していきたいというふうに考えております。具体的には、来年度新たに国立がん研究センターの外見ケア専門従事者を招きまして、がん相談支援センターの相談員に対する講演会を実施するとともに、国立がん研究センターが主催をする外見ケア研修会に相談員を派遣することによって対応力の向上につなげていきたいというふうに考えております。そのための予算を計上し、今議会での御審議をお願いしているところでございます。今後、これらの取り組みを計画的に進めながら、がん患者の生活の質の向上や治療と仕事の両立を促進する観点から、外見の変化に悩むがん患者を支援してまいりたいというふうに考えております。 ◆中島篤 議員 がん患者への外見ケアということで、今年度の予算にも、多少少ないような気もしますが、入っているのも拝見をいたしました。一歩進んだなという思いでありますので、今後の中でまた御検討いただければありがたいと思います。ありがとうございました。  次に、教育長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 教育長、答弁席へお願いいたします。           (笠原 寛教育長 登壇) ◆中島篤 議員 教育長に質問でありますが、これだけの通告では非常にわかりにくい通告だったなというふうに思いますけれども、先にちょっと説明をさせていただきたいと思います。  過日、こども未来・県民総活躍に関する特別委員会、中沢丈一委員長のもと、我々もこの1年勉強してまいりました。夏にこのプロジェクトをまず見ようということで予定していたところ、台風で中止になりまして、2月に東京大学の先端科学技術研究センターにおいてこのプロジェクトについて御説明をいただき、さらには生徒たちの学習態度、学習の中身を見させていただいた次第であります。これは登校拒否児童、全国に約12万人ぐらいいるというお話であります。そういうふうに考えると、群馬県においても3,000人から4,000人は登校拒否の子が小中学校でいるのかなと思っているわけですが、そうしたことの中で、異才を持っている子を探そうではないか、こういう内容でありまして、ただ、私はこの事業やいろいろ見る中で非常に勉強させてもらったなという思いがあったものですから、ここに入れさせていただいたわけであります。  異才でありますから、特殊な能力を持ったということではなくて、そのプロジェクトの副リーダーは何と群馬県の前橋市出身でありまして、また教授の中邑先生のお話をいろいろ聞く中で、どのような経緯でこういう形のものをやっているのかという話の中で、先生いわく、やはり登校拒否をした子がこのまま社会に出られない、また、福祉の世界に行っては困る。こういうことからこのプロジェクトは始まったというふうに思っております。我々もあまりわからなかったこと、いろんなことが割合と鮮明になりまして、当日は劇作家の平田オリザさんという、やはり異色の方でありますけれども、この先生の授業を一緒に見させていただきながら、委員の何人かは、その生徒と一緒にいろいろな授業にも参加をさせていただいた次第であります。  その中で、私は、いわゆる登校拒否をしている子どもの父兄や、さらには扱っている先生方がこうしたプロジェクトの先生のお話を聞いたならば非常に役に立つだろうなという思いがありまして、この質疑をここに入れさせていただいた次第であります。教育長にも、教育委員会、その日に一緒に参加した方もいらしたので御報告は行っているかと思いますが、ちょっとそんな考えを持ったものですから、教育長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◎笠原寛 教育長 今議員からお話がございました異才発掘プロジェクトについてでございますが、その前に一言、本県の不登校の児童・生徒数につきましては、平成27年度末で小中学校で合わせて2,000人弱、残念ながらいるという状況でございます。そうしたことも前提にお答えをさせていただきたいと思います。  県教育委員会におきましては、児童・生徒一人ひとりの個性や能力を伸ばしながら、自己実現が図られる教育を推進してきておりまして、各学校では授業や部活動などを通しまして子どもたちが持っている様々な可能性を広げられるよう指導や支援を行っているところでございます。また、科学の甲子園ですとか数学コンテストなど、子どもたちが得意分野で能力を発揮できる取り組みへの支援も行っておるところでございます。一方で、今申し上げましたように集団生活になじめなかったり、障害があったり、また、家庭に問題を抱えていたりするなどの様々な理由によりまして持っている能力を伸ばせないでいる子どもたちや、中には学校に出てこられなくなってしまう子どもたちもおりますことから、各学校におきましては、そうした児童・生徒への個別の支援にも努めているところでございます。  そうした中で、このような子どもたちへの長所や特に優れた能力を見出し伸ばしていくことは極めて重要な取り組みでございまして、今議員からお話がございました異才発掘プロジェクト、県議会特別委員会が調査をいたしましたときに同行いたしました関係課長から詳細の報告を私もいただきました。その内容をお伺いいたしまして、このプロジェクトはそうした県の取り組みと方向性を同じとする取り組みのひとつとして大変意義あるものというふうに考えております。県教育委員会では、引き続き、一人ひとりが個性や能力を伸ばすことのできる教育の推進に努めてまいる所存でありますけれども、異才発掘プロジェクトのような取り組みにつきましても、主催者から周知依頼など、要請がございますれば適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆中島篤 議員 プロジェクトのほうは大変忙しくて、向こうから何かを言ってくるということはないわけで、ただ、意見交換をさせていただいたときに、先生、もし群馬県でそういった集まりがあるときには来ていただけるんですかというお話をしましたところ、喜んでお伺いをすると。費用はどうするんですかと言ったら、費用は要りません。ここまで言っていただいたものですから、大変ありがたいなというふうに思いながら、今言われた子どもたちも本当に2,000人以下だというお話を聞きましたが、2,000人いるわけで、登校拒否をしているというのは、200日のうちの30日以上欠席をした者が登校拒否児童と言われるというふうに聞いておりますけれども、その予備軍もたくさんいるわけで、嫌でも学校へ行かなくてはならないような子もたくさんいる。ただ、先ほど教育長が言われたように、その子の持った特性を活かすということの中では、先生方にもしこういった話を聞かせたら、また見る目も変わるのではないか。叱るだけの教育でなくて、やっぱり優しく、何かをやり遂げる。ですから、その教室の子どもたちは炭焼きをやったり、ペンキ塗りをやったり、遊び半分みたいですけれども、そういったことをしている。また、先生のお話の中では、山下清さんが、「裸の大将放浪記」というので我々はテレビで見ましたけれども、絵を出して、どう見ても秋の紅葉の真っただ中かなと思いましたら、そうではなくて、夏の新緑のときの絵である。しかし、山下さんはこういうふうに見えるんだ。その絵がまたすばらしいということの評価を得ている。  さらには、大物の世界的俳優でも障害を持って、文書能力がなくて、全部言葉でやりとりをしている。足らずめを何とかしてやってその子を伸ばす、こういうことが必要なんだという先生からのお話を聞きまして非常に感銘したわけですけれども、ぜひ今後の中でそういった機会をつくっていただければ、そんなやりとりをしてまいっておりますので、まして副リーダーが前橋市出身でありますから、群馬は必ず行きますなんて言ってくれたので、ぜひ今後また前向きな御検討をいただければありがたいと思います。ありがとうございます。(「いい質問だ、いい質問だよ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。  次に、外国人労働者の活用について産業経済部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 産業経済部長、答弁席へお願いします。
              (塚越正弘産業経済部長 登壇) ◆中島篤 議員 済みません、昨年も外国人労働者の活用については質疑をさせていただきました。その中の答弁で、やはり国の動向、法改正が進んでいるということの中で、今はまだまだそこまでいっていないというような趣旨の答弁があったわけです。その後、国の状況はどうか、まずはお聞きをしたいと思います。 ◎塚越正弘 産業経済部長 法令改正と国の動向についてお答えいたします。  外国人労働者受け入れに関する法律としては、国内でも活用が進んでおります外国人技能実習生に関連し、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るため、昨年11月に「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」が制定されたところでございます。この法律によりまして、技能実習制度の適正化を図るとともに、実習実施期間を現行最大3年でございましたが、最大5年までということで延長するなど、制度の拡充も図られることとなりました。製造業を中心に技能実習制度を活用している事業者にとって関心が高く、期待も大きいものがございます。法律の施行につきましては、今年の秋を予定しておるというふうに聞いておりますけれども、制度の詳細につきましては、今後、政省令で定めることとなっておりまして、1月にはパブリックコメントの募集が終了したところでございます。  また、介護業務に従事する外国人の受け入れを図るため、あわせて「出入国管理及び難民認定法」の改正も行われまして、在留資格に介護が追加されたところでございます。 ◆中島篤 議員 今お話がありましたように、介護、さらには農業、あらゆるところに外国人のこれからの雇用ということは必要不可欠だというふうに思っております。ぜひ注視をしていただきながら、今後また県がどういう対応をしていくのか、お聞かせをいただきたい。それで、私はこの間テレビを見ておりましたら、群馬県のところには外国人がすごい集まるところがあると見ていましたら、ちょうどこの県庁の裏のところ、ホテルとの間に外国語学校というか、マナー学校がありまして、すぐ隣のコンビニに私なんかも朝寄りますと、外国人の町に来たかのような、大変多く生徒さんたちがいるわけですね。彼ら、また彼女らは、アルバイトはやるんでしょうけれども、あれだけ、やはり群馬のこの場所であっても、本当に外国人がこんなにたくさんがいる中で、今後、外国人労働者の就労ということでいろいろ対応しなくてはならないと思いますので、県の対応をお伺いしておきます。 ◎塚越正弘 産業経済部長 県の対応につきましてお答えいたします。  少子高齢化の進展によりまして、人口減少は労働力不足へ直結しておりまして、既に業種によっては労働力不足が深刻となっていることから、産業界では、外国人材の活用への期待も大きいところがございます。県内企業におきましても、技能実習制度など外国人材の活用は関心の高い制度であります。今年2月には、知事がベトナム国を訪問し、「技能・技術者の人材育成及び活用における包括的連携に関する覚書」を締結したところでございます。県では今後、様々な分野における外国人材活用に向けた研究、検討を進め、外国人材の活用と育成が図られるよう努めてまいりたいと考えております。  一方で、外国人労働者に関しましては、長時間労働や割増賃金の未払いなど、労働関係法令違反も見受けられ、課題も指摘されているところでございます。このため、国の関係政省令の改正に合わせまして、県としても国の動きを注視していくとともに、新年度におきましては、県内企業等に対しまして、技能実習制度の活用について、国や関係機関と連携して研修セミナーを県内各地で開催するなど、外国人材活用に関する制度等の情報を提供し、適正な労務管理や制度の運用に向け、啓発に努めてまいりたいと考えております。 ◆中島篤 議員 これからのことでありますのでぜひ注視していただいて、外国人をうまく今後の中で使っていければいいなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。  次に警察本部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 警察本部長、答弁席へお願いします。           (小田部耕治警察本部長 登壇) ◆中島篤 議員 警察本部長におかれましては、大変県民の安心・安全のために日ごろ御尽力をいただいていますことに心から感謝申し上げます。今日は3月1日でありますが、昨年の3月3日、群馬県高崎市におきまして、私はちょうど一般質問をした日だったんですけれども、朝の7時半、清水海翔君という生徒が登校途中に、高齢者の運転ミスによって死亡事故が発生いたしました。大変私の近所でありますので、私もこの1年、何度もこの通りを通るんですけれども、花が絶えたことなく、そして、さらにはおもちゃや、この間の2月14日はチョコレートやお菓子がたくさん並んでおりまして、私もおりて手を合わせたときに、いたいけな、小学校の低学年でしょう、運動会、妙義団が優勝したよ、そんなメッセージが置いてありました。多分、同級生かなというふうに思っております。子どもたちのその後の体調不良やいろんなことで教育委員会にもお世話をいただきまして、幾日か前でありますが、校長先生とお話をさせていただきました。  この校長先生、本当に御心配をかけましたけれども、非常に子どもたち、今は落ち着きましたと、おかげさまですという話をしていただいた次第であります。3月3日には、校長をはじめ生徒さんたちが千羽鶴を持って、現場で哀悼の意を表するというお話であります。何か高崎の警察署長もお見えをいただけるというお話を聞いておりまして、我々にとって忘れてはいけない、繰り返してはいけない事件だったのかな、こんなふうに思っているわけであります。  過日、井田議員とのやりとりの中で、高齢者の免許再取得についていろいろ議論があって、認知症等々が厳しくなったというお話もお伺いをしました。ここでは、自主返納の状況についてお聞きをしたいと思います。自主返納の支援及び今後の取り組みについて本部長のほうからお聞かせをいただければありがたいと思います。 ◎小田部耕治 警察本部長 運転免許証の自主返納でございますが、高齢運転者の方の中には、加齢に伴う身体機能や判断力の低下を自覚し、自らの安全、または道路交通に与える影響を考慮いたしまして、実質的に免許の効力を失効させたいと、こういったお考えの方等がいらっしゃること等に応えるために、平成10年の改正道路交通法で設けられた制度でございます。こちらにつきまして、まず本県における65歳以上の高齢者の方による運転免許証の自主返納の状況でございますが、高齢者の運転免許証の返納者数、年々増加しておりまして、10年前の平成19年の高齢者の返納者数は504人でありましたところ、昨年はその8.9倍に当たります4,482人となっております。このように高齢者の自主返納が増加している背景といたしましては、高齢者人口の増加に伴いまして高齢運転者による重大交通事故が相次いで発生していることや、高齢運転者が加害者となる交通人身事故の割合が年々高まっていること等があると考えられるところでございます。  運転免許証の自主返納に対する支援でございますけれども、自主返納した高齢者の方に対します自治体における支援も拡大してきているところでございまして、タクシー運賃の割り引きでありますとか、路線バスの1年分の定期券の交付等が行われているところもあると承知しているところでございます。各自治体による自動車の運転ができない方々の移動手段を確保するためのこうした支援につきましては、運転に不安を抱えておられる高齢者の方の自主返納を促したり、また、高齢者全体の交通事故防止の観点からも有益でありますので、県警察といたしましても各自治体に対しましてこういった支援の拡大を働きかけているところでございます。  また、県警察といたしましても、こういった自主返納の申請手続きをされる高齢者の方の利便性に配慮いたしまして、昨年の2月から、総合交通センターおきまして、予約制による日曜日の申請受理でありますとか、また、申請者の方の外出が困難な場合におきます代理人の方による申請受理等の措置を講じているところでございます。  運転免許証の自主返納を巡ります県警察の今後の取り組みでございますけれども、引き続き自主返納の制度趣旨や申請手続き等につきまして県民への浸透を図るとともに、本年の3月12日から、高齢運転者対策の強化を柱とした、改正道路交通法の施行後、加齢に伴う身体機能や認知機能の低下等から、運転に不安を感じておられる高齢者の方や家族の方からの様々な相談が寄せられることが見込まれますので、こういった相談に際して、高齢者の方等が運転を続けて差し支えないか等について、より一層きめ細かに相談に応じることができるように、新年度には総合交通センター内に高齢運転者対策室を新設して、相談体制を強化することとしております。また、各自治体による支援事業のさらなる拡大を積極的に働きかけるなどして、高齢者の方が自主返納をしやすい環境づくりにも努めてまいりたいと考えております。 ◆中島篤 議員 様々な施策を今展開しているということであります。これからもそういったことをぜひ実行していただくとともに、実は私の父もつい先月、自主返納しました。そのときに、もらえるというか、かわりに、身分証明書がなくなってしまうということもあって、1,000円かかるそうですけれども、これが私の父の場合は3月10日に発行してもらえるんだというふうに聞いております。ただ、今、各それぞれの市町村にそれを持っていくと、いろんなさっき言った支援のものがするんですけれども、その手続きが非常に複雑ではないですけれども、時間がかかるということで、こういったこともこれから課題かな。それからやはり家族で、本当に心配しても家族の一番の親でありますから、なかなか言うことを聞かないというのが現状だというふうに思うんですね。ですから、今おっしゃったように、対策室でそういう相談があって、子どもではなかなか説得ができないところを、やはり制服のお巡りさんが来てくれれば、少しはちょっと考えも変わるかなという思いもあるものですから、そんな御努力をしていただきたいな。  と同時に、我々も言われるのは、免許は返すけれども、その後、病院にも行けなくなる、買い物にも行けなくなる。こういうことをどうするんだというふうな、我々の立場であると言われるので、こういったことも、全体にただ自主返納すればいいということでなくて、しっかりやっていかなくてはならないというふうに思います。ありがとうございます。  もう1点、済みません、待望久しい高崎北警察署が現在整備が進められているということでありますので、進捗状況だけお聞きしたいと思います。 ◎小田部耕治 警察本部長 お尋ねの仮称ではありますけれども、高崎北警察署の新築整備につきましては、現在の高崎警察署が市町村合併に際しての管轄区域の拡大や警察事象の増大による署員数の増加に伴う増加に伴う狭隘化などが一著しい状況にありますことから、県警察におきましては、高崎警察署、現在のものを管轄区域を分割いたしまして、新たに新築整備を行うこととしているものでございます。進捗状況でございますけれども、地域住民の皆様方の利便性や警察の初動対応能力の確保等を考慮いたしまして、現在整備が進められております西毛広域幹線道路の北側に面した高崎市箕郷町上芝地内の土地を建設用地として選定したところでございます。昨年の11月までに用地買収と埋蔵文化財試掘調査を終了したところでございまして、試掘調査を実施した区域につきましては、対象となる遺構及び遺物は確認されなかったとの調査結果でございました。これを受けまして、本年1月に部内に設置いたしました「高崎北警察署(仮称)新庁舎建設委員会」におきまして、警察署に必要な機能や庁舎の配置場所等の検討を進めているところでございます。平成33年度末の完成に向けてまして、来年は地質調査を行うこととしておりまして、その後も設計、用地造成等の必要な取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆中島篤 議員 ぜひ期待をしておりますので、よろしくお願いを申し上げ、本部長への質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。  次に、観光局長、お願いします。 ○橋爪洋介 副議長 観光局長、答弁席へお願いします。           (塚越昭一観光局長 登壇) ◆中島篤 議員 スポーツを活用した観光振興についてお伺いをしたいと思います。  各市町村をはじめ様々なスポーツイベント、それには、ついこの間、高崎でも、世界からいろいろな方がお集まりをいただいたり、さらにはいろいろな地域で特色あるスポーツをやって、それに対して観光振興、それから観光物産ということを考えると、県がどのようにまず関わっているのか、同時に、これはたまたまでありますが、たまたまということはありませんが、過日、上毛新聞に、球都桐生で、市議会のほうでこれから具体的になっていくかと思います。桐生のお話を私がするのは大変僣越なので、腰塚県議には、「やります」という許可もいただきながら、また、荒木さんの母校が関わることなものですから、これまたお許しをいただいて、これにも触れたいというふうに思っております。  というのは、これはこれからなんですけれども、桐生市が要するに観光振興を目指して球都、球都というと、なかなか年が我々だとわかるんですが、いわゆるボールの都でありますから、我々の桐生というのは、やはり憧れの野球チームでありまして、戦前、戦後を通じて、桐生高校がやっぱり甲子園で活躍する姿を見て、桐生に非常に行きたいなぐらいの思いも持ってきたわけであります。それ以降、群馬県は、今年は2月に発表がありましたけれども、いよいよ3月には前橋育英高等学校と、さらには健大高崎が2校出場するという快挙であります。ただ、この快挙は、以前には桐生高校と前橋高校、さらには高崎商業と前橋商業、さらには高崎高校と健大高崎、3回あって、今度は4度目なんです。まさに群馬県の今野球というのは熱が入っておりまして、これはすばらしいな。  余談をちょっと言うと、過日、県議会の全国大会がありまして、21年前の話でありますが、知事が現役のセンターで1番というプレーヤーのときに全国制覇をした。それ以来していなかったものですから、我が野球部はいつも知事に、おまえらだらしないなというふうに言われていたんですけれども、何と21年ぶりの優勝をしまして、それはあまり関係ないんですが、いずれにしても、野球ということの中で、私自身この質問をさせていただきまして、ただ、野球ということになると、ちょっと長くなって恐縮なんですが、野球のまち阿南がそういうことをやっていまして、それもいろいろ資料をもらったんです。ただ、ジャイアンツの水野さんを輩出したり、さらにはキャンプをしてもらおうとか、いろんなことでやっていて、何と六大学のオールスター戦も実施していると。それから、これもちょっと関係ないんですけれども、60歳以上のチアガールが応援に入っていただけるという特典もついているということなんですが、いずれにしても、そういったことを今桐生がまさにやろうとしている。6日にはまたちゃんとした会議をやるらしいんですけれども、いずれにしても、やっぱりこういうことをやるときに、県全体でお手伝いをしてあげないとなかなかうまくいかないのではないかという危惧も含めて、こういったスポーツに関わる観光振興ということをどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。 ◎塚越昭一 観光局長 スポーツを活用した観光振興に関する御質問でございますけれども、過日、桐生市議会におきまして、議員おっしゃいますように、球都桐生のブランド力を活かし、試合と観光を絡めたツアーや合宿誘致など、こういったことを展開して観光に結び付けていこうという政策提言の概要が発表されまして、6日に発表会が行われる旨の新聞報道があったことは承知してございます。  地域のブランド力を活かした観光振興は、県と、県観光物産国際協会がこれから連携して推進をいたします県域DMOにおいても非常に重要な取り組みだというふうに位置付けております。今般の桐生市における野球を活用した観光振興につきましても、観光誘客に向けた新たな取り組みとして注目をしているところでございます。県内では、ぐんまマラソンをはじめとした各地域でのマラソンイベントや、前橋や高崎でのヒルクライム、それから利根沼田のセンチュリーライドなどのサイクルイベント、さらに、昨年9月に高崎市の新体育館で行われました国際合気道大会、また、前橋スポーツコミッションによります全世界極真空手道選手権大会などのスポーツイベントが開会されまして、県内外のほか、国外からも非常に多くの出場者と観客の皆さんが本県を訪れていただいております。  こうしたときに、これまで庁内の関係課や観光物産国際協会と連携をいたしまして、観光案内や物産販売、それから観光パンフレットの提供などを行ってきたところでございます。こうしたスポーツイベント等に参加される方々は、その後、県内への周遊観光、そして宿泊ということで、非常に大きな観光に対する効果が期待されております。今後につきましても、市町村や関係機関とより一層連携を深めまして、スポーツという切り口で少しまとめてPRしたり、スポーツイベントの開催情報に合わせまして、周辺の観光地や豊富な食といった魅力も観光情報も一緒にPRしまして、来年度新たに取り組む周遊観光パスポートの活用などによりまして、県内各地への周遊とリピーターの確保につなげていきたいと考えております。  野球をはじめとする様々なスポーツイベントは観光誘客の大きな機会でありますことから、今後も市町村、関係部局、そして県の観光物産国際協会などとの連携を強化いたしまして、積極的に観光振興に活かしてまいりたいと考えております。 ◆中島篤 議員 ありがとうございます。様々なスポーツのいろんなイベントの中で県が関わりを持って、それぞれ宿泊をはじめお土産もそうでありますが、経済的効果を発揮してくれればありがたいというふうに思っております。また、野球について、しつこいようでありますが、野球の場合は、どうしてもグラウンドをとるとかといった場合に、桐生の野球連盟があって、それぞれ球場はほとんど一杯になっているものですから、なかなかそういうことが来たときに、すぐ対応できない場合もあるのではないかな、さらには、練習試合をするのに、では、桐生高校野球部OBとやりたいといって、そうすると、今はユニホームも全部ありますから、荒木さんが先頭になってやってくれるかもしれませんか、毎日毎日やっているわけにもいかないので。ただ、そういうときには、OB野球連盟というのがありますので、大いにそういったものも使っていただければありがたいし、さらに申し上げましたように、群馬県は野球、議会チームも一応全国1位ですから、ぶざまな負け方はしないと思うので、おもてなしを込めてそういうことも、狩野監督と相談をしながら受けてもいいのではないかなというぐらいの思いを持っております。いずれにしても、これは観光振興ということの大義名分があるので、しっかりそういう部分はやっていきたいというふうに思いますので、今後とも関わりを持っていただければありがたいと思っております。以上で終わります。  次は県土整備部長、お願いします。 ○橋爪洋介 副議長 県土整備部長、答弁席へお願いします。           (上原幸彦県土整備部長 登壇) ◆中島篤 議員 県土整備部長には、私どもの地元問題でありますけれども、高崎西工区、さらに高崎、安中工区、我々のちょうど地元になるものですから、進捗状況をお聞かせいただければありがたいというふうに思います。よろしくお願いします。 ◎上原幸彦 県土整備部長 西毛広域幹線道路は、前橋市千代田町の国道17号から富岡市富岡の国道254号バイパスに至る全長27.8キロメートルの幹線道路であります。このうち延長7.6キロメートルの区間が開通済みで、残りの20.2キロメートルについては現在6つの区間に分割し、事業を進めているところでございます。高崎工区につきましては、交差する上越新幹線などへの影響を考慮したルート案によりまして、昨年12月に地元説明会を行ったところであります。次に、高崎西工区でありますけれども、現在、用地については約8割取得しており、工事につきましては、一級河川の小堀川あるいは烏川に係る橋梁工事、及び旧箕郷町地区の道路築造工事に着手しているところであります。引き続き平成32年度の開通を目指し事業進捗に努めてまいりたいと考えております。  最後に、今年度から着手いたしました高崎安中工区につきましては、現在、地形測量が終了し、道路詳細設計を進めているところであります。2月下旬から地元説明会を開催しておりまして、高崎土木事務所管内のところですけれども、高崎地区につきましては5月に説明会を開催し、道路計画をお示しする予定であります。今後とも、地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら、早期開通に向け、事業を進捗してまいりたいと考えております。(発言する者あり) ◆中島篤 議員 もう皆さんから、こっちから声があるように、これは手をつけて早くやってもらいたいという願いであります。明日は伊藤県議も安中工区については細かく聞きたいというふうに言っておりましたので、よろしくお願いを申し上げ、質疑を終わらせてもらいます。よろしくお願いします。  企画部長、お願いします。 ○橋爪洋介 副議長 企画部長、答弁席へお願いします。           (向田忠正企画部長 登壇) ◆中島篤 議員 企画部長はコンベンション施設整備についてはもう何人もの方から質疑がありまして、また、準備室長という中で、コンベンションについてはかなりの思いやり、また思い入れがあるかというふうに思っております。室長のときに、地元であるものですから、いろいろ要望させていただきながら、住民の皆さんも非常によく県の方がやってくれたという感謝の思いで一杯であるわけです。私は、それ以来、あそこは岩押町と言うんですが、1月1日には新年会に呼ばれまして、いろいろな御意見も聞かせていただいております。ここでは、先ほど来いろいろな話がありましたが、住民側の立場に立って質疑をさせていただきますが、あそこは多少浸水の箇所もありまして、特に今まで馬場だったので、浸透していったという思いがあるんですが、あれが今度コンクリートになったときに、その水はどうするんだい、大丈夫なんかいと聞かれるんですね。これは万全にしてありますというふうには言っておりますが、私が万全と言っても伝わらないので、よく画面を通して、今日は見てくれと言ってありますから、その辺の説明をしていただければありがたいと思います。 ◎向田忠正 企画部長 コンベンション施設整備に係る雨水対策についてのお尋ねでございますけれども、議員御指摘のとおり、競馬場の周辺というのは雨が降ると浸水被害がたびたび発生する地域でございます。このため、コンベンション施設の計画に当たりましても、敷地内に降った雨が周辺に影響を与えないように、高崎市と慎重に検討してまいりました。今回の施設整備によりまして、高崎競馬場のもとの敷地、計画区域のうち75%に当たる範囲が建物であったり、アスファルト等で覆われるということで、雨水の地下浸透が現在よりも大幅に低下するというのは御指摘のとおりでございます。そのため、敷地内に降った雨水については、全て一旦敷地内4カ所に設けました雨水貯留槽に貯留いたしまして、排水先の水路や排水管に余裕があるときに徐々に排水をいたしまして、周辺の水路等の下流地域への影響を与えないようにするという計画をしております。  さらに施設の周辺地域、これは施設の敷地内だけではなくて周辺地域にも雨水による浸水被害を心配する声があるということでございますので、周辺地域の雨水対策についても、施設の計画段階から高崎市と協議を重ねてまいりました。その結果、施設の南側に当たります競馬場通り線、それから西側の東四条線の雨水の一部もコンベンション敷地内の貯留槽に引き込むことで周辺地域の浸水被害が軽減できるように、現在、高崎市と貯留槽の容量増加について調整をしているところでございます。今後も、新しくつくる施設が、本来の利用目的であります展示場や会議場として機能するだけでなくて、周辺地域の方の生活環境にも配慮した施設となるよう計画を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆中島篤 議員 ありがとうございました。周辺の住民の皆さんも、このテレビを見ながら、ああ、よかったなというふうに思っていただいていると思います。いろいろ議論はあると思いますが、地域住民の皆さんもそれぞれ協力をしていただいて、コンベンションが来ることを大変楽しみにもしておりますので、ぜひこれからも住民の皆さんの声も聞いていただきながら、すばらしいコンベンションができますことをお祈りを申し上げ、質疑を終わらせてもらいます。ありがとうございます。  以上をもって私の質疑を終わらせてもらいます。(拍手) ○橋爪洋介 副議長 以上で中島篤議員の質問は終わりました。(拍手)  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  次の本会議は、2日午前10時から再開し、上程議案に対する質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 散     会 ○橋爪洋介 副議長 本日はこれにて散会いたします。     午後3時25分散会...