群馬県議会 > 2016-05-31 >
平成28年 第2回 定例会-05月31日-02号

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  1. 群馬県議会 2016-05-31
    平成28年 第2回 定例会-05月31日-02号


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    最終取得日: 2023-05-03
    平成28年 第2回 定例会-05月31日-02号平成28年 第2回 定例会 群馬県議会会議録  第2号 平成28年5月31日         出席議員 50人 欠席議員 0人 欠員 0人    関根圀男    (出席)    中沢丈一    (出席)    腰塚 誠    (出席)    南波和憲    (出席)    黒沢孝行    (出席)    松本耕司    (出席)    久保田順一郎  (出席)    星野 寛    (出席)    須藤昭男    (出席)    岩井 均    (出席)    織田沢俊幸   (出席)    狩野浩志    (出席)    新井雅博    (出席)    福重隆浩    (出席)    橋爪洋介    (出席)    岩上憲司    (出席)    萩原 渉    (出席)    星名建市    (出席)    伊藤祐司    (出席)    角倉邦良    (出席)    井田 泉    (出席)    須藤和臣    (出席)    あべともよ   (出席)    水野俊雄    (出席)    後藤克己    (出席)    中島 篤    (出席)    岸 善一郎   (出席)    大手治之    (出席)    臂 泰雄    (出席)    井下泰伸    (出席)    酒井宏明    (出席)    金井康夫    (出席)    原 和隆    (出席)    金子 渡    (出席)
       安孫子 哲   (出席)    清水真人    (出席)    藥丸 潔    (出席)    小川 晶    (出席)    髙橋 正    (出席)    金井秀樹    (出席)    本間惠治    (出席)    伊藤 清    (出席)    山﨑俊之    (出席)    荒木恵司    (出席)    大和 勲    (出席)    川野辺達也   (出席)    本郷高明    (出席)    穂積昌信    (出席)    井田泰彦    (出席)    加賀谷富士子  (出席) 説明のため出席した者の職氏名     知事        大澤正明     副知事       反町 敦     副知事       村手 聡     教育長       笠原 寛     選挙管理委員長   松本修平     人事委員長     森田 均     代表監査委員    横田秀治     公安委員長     塚越裕子     警察本部長     小田部耕治     企業管理者     関  勤     総務部長      深代敬久     企画部長      向田忠正     生活文化スポーツ部長               佐藤裕子     こども未来部長   中村弘子     健康福祉部長    塚越日出夫     環境森林部長    井田由夫     農政部長      宮崎一隆     産業経済部長    塚越正弘     県土整備部長    上原幸彦     危機管理監     萩本勝美     会計管理者     戸塚俊輔     病院局長      青木 勇     観光局長      塚越昭一     財政課長      友松 寛 職務のため出席した者の職氏名     局長        根岸良夫     総務課長      小宮利夫     議事課長      山岸敏明     議事課次長     宮下智夫     議事課係長     田子敏美     議事課主幹     向田敬行     議事課主幹     桑山純一     平成28年5月31日(火)                   議  事  日  程 第 2 号 第1 質疑及び一般質問    ・第126号議案から第133号議案、第135号議案について    ・承第2号について                           以 上 知 事 提 出     午前10時開議   ● 開議 ○星野寛 議長 これより本日の会議を開きます。   ● 質疑及び一般質問 ○星野寛 議長  △日程第1、第126号から第133号、第135号の各議案及び承第2号を一括して議題とし、上程議案に対する質疑及び一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。          ──────────────────────────               本 日 の 発 言 通 告 ┌────────┬───────────────────────────┬──────────┐ │氏名(所属会派)│     発言通告内容                │答弁を求める者の職名│ ├────────┼───────────────────────────┼──────────┤ │        │1 本県の介護施策について              │          │ │        │ (1) 介護事業者の経営状況把握について       │健康福祉部長    │ │        │ (2) 特別養護老人ホームの待機者問題について    │健康福祉部長    │ │        │ (3) 潜在的介護人材獲得のための施策について    │健康福祉部長    │ │        │2 本県の教育行政について              │          │ │        │ (1) 新教育長を選任した理由と期待について     │知 事       │ │        │ (2) 教育大綱策定と総合教育会議運営について    │知 事       │ │井田 泉    │3 新教育長就任の所信と教育委員会の方針について   │          │ │(自由民主党) │ (1) 新教育長就任の所信について          │教育長       │ │発言割当時間  │ (2) 教育委員会改革について            │教育長       │ │    65分  │ (3) 教育委員会の政治的中立について        │教育長       │ │        │4 本県の動物愛護施策について            │          │ │        │ (1) 動物愛護センターの事業実施状況について    │健康福祉部長    │ │        │ (2) 殺処分ゼロに向けた取組について        │健康福祉部長    │ │        │5 本県の消防団支援対策について           │危機管理監     │ │        │6 東毛広域幹線道路沿線開発について         │          │ │        │ (1) 全線開通による効果について          │県土整備部長    │ │        │ (2) 沿線開発に対する県の考え方と支援について   │産業経済部長    │ │        │ (3) 企業局における市町村との連携による開発について│企業管理者     │ ├────────┼───────────────────────────┼──────────┤ │        │1 熊本地震を踏まえた危機管理体制について      │          │ │        │ (1) 熊本地震への支援状況について         │          │ │        │  ① DPATの派遣について            │健康福祉部長    │ │        │  ② DPAT、DCAT、DHEAT等の体制整備につい │健康福祉部長    │ │        │    て                      │          │ │        │ (2) 熊本地震により浮かび上がった課題について   │          │ │        │  ① 避難所への物資供給体制について        │危機管理監     │ │        │  ② 罹災証明の早期発行について          │危機管理監     │ │        │  ③ SNSなどの情報活用について         │危機管理監     │ │        │ (3) 熊本地震を踏まえた危機管理体制について    │知 事       │ │        │2 酪農振興について                 │          │ │        │ (1) 酪農振興について               │農政部長      │ │あ べ ともよ │ (2) 浅間家畜育成牧場の活用について        │          │ │(リベラル群馬) │  ① 浅間家畜育成牧場の位置付けについて      │農政部長      │ │発言割当時間  │  ② 育成牛の受け入れ状況について         │農政部長      │ │    65分  │  ③ さらなる活用について             │農政部長      │ │        │3 自殺対策について                 │          │ │        │ (1) 群馬県における自殺対策の現状について     │健康福祉部長    │
    │        │ (2) 妊産婦の自殺防止について           │健康福祉部長    │ │        │4 発達障害者支援について              │          │ │        │ (1) 発達障害者支援センターについて        │健康福祉部長    │ │        │ (2) 発達障害者支援のさらなる充実について     │健康福祉部長    │ │        │5 市民後見人の養成について             │健康福祉部長    │ │        │6 学校給食における食物アレルギー対応について    │          │ │        │ (1) 学校における食物アレルギーの児童・生徒の状況に│教育長       │ │        │    ついて                    │          │ │        │ (2) 市町村の取り組みへの支援について       │教育長       │ ├────────┼───────────────────────────┼──────────┤ │        │1 第15次群馬県総合計画について           │知 事       │ │        │2 道徳教育について                 │教育長       │ │        │3 組み体操について                 │教育長       │ │        │4 特殊詐欺の現状と対策について           │          │ │        │ (1) 特殊詐欺の検挙状況について          │警察本部長     │ │        │ (2) 振り込め詐欺等根絶協議会などの特殊詐欺被害防止│警察本部長     │ │        │    対策について                 │          │ │        │5 危機管理について                 │          │ │        │ (1) 地震による県内被害の想定等について      │危機管理監     │ │大手治之    │ (2) 県有施設の耐震化等について          │危機管理監     │ │(自由民主党) │ (3) ボランティアの受入体制について        │生活文化スポーツ部長│ │発言割当時間  │6 世界遺産への誘客促進について           │観光局長      │ │    65分  │7 第2次群馬県国際戦略について           │          │ │        │ (1) 台湾への対応について             │企画部長      │ │        │ (2) 国際戦略の効率的な推進について        │企画部長      │ │        │ (3) 農畜産物の輸出について            │農政部長      │ │        │8 西毛地域における道路河川整備について       │          │ │        │ (1) 西毛広域幹線道路の整備について        │県土整備部長    │ │        │ (2) 富岡製糸場周辺道路整備状況について      │県土整備部長    │ │        │ (3) 一級河川蚊沼川の河川改修事業について     │県土整備部長    │ │        │9 鳥獣による自然生態系被害対策について       │環境森林部長    │ ├────────┼───────────────────────────┼──────────┤ │        │1 未来を担う子ども・若者について          │          │ │        │ (1) 若者の家族形成に対する知事の思いについて   │知 事       │ │        │ (2) 自己肯定感を高めるための教育について     │教育長       │ │        │ (3) こども未来部の取組について          │こども未来部長   │ │        │2 医療・介護の2025年問題について          │          │ │        │ (1) 高齢者が地域から孤立しないための施策について │健康福祉部長    │ │        │ (2) 認知症への今後の対応について         │健康福祉部長    │ │        │ (3) 介護における外国人人材の活用について     │健康福祉部長    │ │穂積昌信    │ (4) 高齢者の見守りについて            │健康福祉部長    │ │(自由民主党) │ (5) 看取りへの取組について            │健康福祉部長    │ │発言割当時間  │3 障がい者支援について               │          │ │    65分  │ (1) 放課後等デイサービスについて         │健康福祉部長    │ │        │ (2) 知的特別支援学校への肢体不自由のある生徒の受入│教育長       │ │        │    れについて                  │          │ │        │4 ぐんまフラワーパークについて           │農政部長      │ │        │5 県の人事管理について               │          │ │        │ (1) 能力及び実績に基づく人事管理の推進について  │総務部長      │ │        │ (2) 職員の時間外勤務について           │総務部長      │ │        │ (3) 障がい者雇用について             │総務部長      │ └────────┴───────────────────────────┴──────────┘ ○星野寛 議長 井田泉議員御登壇願います。           (井田 泉議員 登壇 拍手) ◆井田泉 議員 皆さん、おはようございます。自由民主党の井田泉でございます。  質問に入らせていただく前に、4月14日に発生いたしました平成28年熊本地震において命を落とされた皆様に対し、心から哀悼の誠をささげるととともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げる次第であります。被災地の一日も早い復興を心から御祈念申し上げさせていただきます。  本日、群馬県議会第2回定例県議会におきまして、星野新議長差配のもと、自身12度目の一般質問をさせていただくことになりました。本年は県議会議員となり、はや10年目を迎えることになるわけですが、自民党に所属をさせていただいたおかげで、ありがたくも過去5度の常任委員会委員長も経験をさせていただくことができたわけです。そして今年度は、自民党県議団長を拝命し、本日こうしてトップバッターとして一般質問に臨むことになったわけでございます。本日も地元から多くの支援者の皆様、玉村町議会議員の皆様、そして群馬県隊友会女性部の皆様にもお忙しい中、おいでいただいております。非常に緊張しておりますが、県政発展のために一生懸命頑張る覚悟でありますので、執行部の皆様方にも簡潔丁寧な御答弁をお願い申し上げるものであります。それでは早速、質問に移らせていただきますが、最後まで何とぞ御清聴をよろしくお願い申し上げます。(拍手)  それでは、まず初めの質問でございます。健康福祉部長、お願いいたします。 ○星野寛 議長 健康福祉部長、答弁席へ。           (塚越日出夫健康福祉部長 登壇) ◆井田泉 議員 本県の介護施策について、まず初めにお伺いをいたします。  我が国全体が高齢化社会に向かう現在、今後の社会保障、特にこの高齢者介護の問題については、深刻なものがあると考えます。既に全国で特別養護老人ホームのベッド数の不足から、待機者問題が深刻化し、本県でもついこの間まで、8,100人近くの待機者を数えていたものと思います。また、2025年には、全国で40万人の介護人材が不足し、本県でも1万2,000人が足らなくなると、こういう試算も県のほうではしているということでございます。国は、昨年介護報酬の引き下げを行ったわけでありますが、本県の介護事業者の間では、この介護報酬引き下げに対する先行きの不透明感から、経営に対する不安が生じ、介護サービスの低下が起こることのないように経費の削減などの対策をとっているということではないかと思います。群馬県として介護事業者の監査指導を行っているわけでございますので、各事業所の経営状況については、しっかりと把握しておく必要があるのではないかと思うわけです。この介護報酬の引き下げによって事業者が赤字経営に陥り、廃業するなどということのないように、ぜひとも適正な指導、監督をすることが、この際望まれるわけでございますが、本県の介護事業者の経営状況についてどの程度まで把握をしているのか、まずお伺いをいたします。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 議員御指摘のとおり、全体で2.27%の引き下げとなりました平成27年4月の介護報酬改定によりまして、介護事業者の経営状況への影響が懸念されているところでございます。そこで本県では、昨年、特別養護老人ホームの経営状況につきまして、平成27年4月分の介護報酬の収入調査を実施いたしました。その結果、報酬の加算をより多く取得している施設におきましては、収入が増加した施設も見受けられたことから、各事業者に対しまして、積極的に加算を取得するよう、働きかけを行ってきたところでございます。また、県内の介護事業所数は、平成25年度から27年度までの間、毎年度約5%ずつ増加していますが、介護給付費につきましては、25年度及び26年度においては約5%の伸びであったのに対しまして、報酬引き下げの後の27年度は約1.7%の伸びにとどまっております。このようなことから、全体といたしましては、厳しい経営環境にあることが推測をされるわけでございます。  県といたしましては、このような調査やデータ分析によりまして、介護事業者の経営状況の把握に努めているところでございますが、国におきまして次期介護報酬改定等の基礎資料を得るために、今月から全国約1万7,000事業所を対象に、平成26年度及び27年度の決算状況を調査することになっておりますので、こうした情報も参考にしながら、さらに介護事業者の経営状況や報酬引き下げに伴う課題などの把握に努めてまいりたいというふうに考えております。今後もこうした調査などから得られました情報をもとに、引き下げの影響が大きいサービスを中心として、事業者に対して、介護報酬の加算が適応されるよう、サービス提供体制の充実などを促すとともに、次期介護報酬改定に向けまして、県内の介護サービス提供に質・量ともに支障が出ないよう、国に対して働きかけていきたいというふうに考えております。 ◆井田泉 議員 ぜひとも積極的に対応していただきたいと考えます。さまざまな介護事業がある中において、次の質問に移るわけでございますが、特別養護老人ホームの待機者の問題について質問させていただくわけですが、今現在は特養のほかにもサービス付き高齢者向け住宅、あるいは有料老人ホームなどもたくさんできておりまして、特養の需要というものも、最近、以前のように、つくればつくっただけすぐ入るという状況でもなくなってきたかと、こういうふうなことも耳にするわけでございますが、大澤知事は、平成31年度までに1万2,000床の特養を用意するという目標を立てていらっしゃるということでございます。この計画が達成されることになりますと、その後、待機者の数も相当減ってくるのかなというようなこともあるわけでございますが、この問題については、議会の一般質問でも毎回どなたかがするような大変重要な問題ではないかと考えておりますので、この計画が達成されることによって、今後の特養の需要というものはどういうふうに推移していくか、健康福祉部としてどのように考えているかを、次にお聞かせいただきたいと思います。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 特別養護老人ホームの入所待機者につきましては、平成28年の8,965人をピークに、ここ4年間は連続で減少をしております。これにつきましては、これまでの特養の施設整備の効果が一定程度あらわれたほか、議員御指摘のとおり、有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅などの整備が進んでいることや、在宅での介護サービス提供体制の整備も充実してきたことが大きな原因というふうに考えております。昨年5月の調査におきましては、待機者は7,561人でありまして、平成23年と比べますと1,400人余りの減少となっておりますが、在宅における要介護度の高い方で、家庭の事情などによりまして緊急に入所が必要な高齢者の待機者は895人となっております。こうした在宅における緊急度の高い待機者をさらに減らしていくことが課題というふうに考えております。このようなことから、現在、平成27年度から29年度までの第6期高齢者保健福祉計画におきまして1,309床の特養整備を計画し、平成29年度末までに1万1,644床の整備を行う予定であります。これに加えまして、昨年末に国の介護離職ゼロに向けた施設整備の充実・加速化の方針が打ち出されたことや、第15次県総合計画の中で平成31年度末までに1万2,000床の特養整備を行う予定であることから、地域医療介護総合確保基金を活用した地域密着型特養などの上積み・前倒し整備を進めているところでございます。さらに、次期高齢者保健福祉計画におきましても、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、在宅サービスの充実を一層強化する一方、在宅での介護が困難な重度の要介護者や認知症高齢者の受け入れのため、地域の実情を十分に踏まえたうえで、特養などの介護基盤の計画的な整備を進めまして、待機者の解消に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆井田泉 議員 ありがとうございます。また、待機者が解消しても、やはり人材が不足するということも、今後、大変懸念されていることではないかと思うんです。やはりいずれ近い将来、外国人を使わざるを得ない、こういうことも現実味を帯びてくるかもしれません。しかしながら、以前介護職についていた方で潜在的介護人材、こういう方が本県にもいらっしゃるんではないかと思うわけでございますが、こういう方をすぐ、いろんな条件があるわけでございますが、この条件が満たされて、また再び介護の世界に入ってもいいよと、こういう方がいらっしゃれば即戦力になるんではないかなと考えるわけでございます。ですから、今後、潜在的介護人材、こういう方々が介護の世界にまた復帰をしてもらう、こういう施策について、今後、県はどのような対策をとっていくのか、次にお伺いをいたします。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 先ほどの特養の待機者のピークにつきまして、平成28年というふうに申し上げましたけれども、平成23年の誤りでございました。訂正をさせていただきます。  それでは、質問にお答えさせていただきます。労働力人口が減少する中で、介護人材を確保するためには、多様な人材の参入促進を図って、人材の裾野を広げていく必要がありますが、その一方で介護人材の中核を担うことが期待される介護福祉士のうち、介護職として従事している者が約6割程度にとどまっている厳しい状況がございます。このため、介護福祉士修学資金等貸付事業につきまして、今年度から「離職した介護人材の再就職準備貸付事業」を追加いたしました。これは、介護職員として1年以上の実務経験を有する介護福祉士等の有資格者が、離職後、再就職する場合に、20万円以内の額を貸し付けるもので、2年以上再就職先で従事した場合には、返還を免除することとしております。これによりまして、潜在的介護福祉士等の再就職支援を促進してまいりたいというふうに考えております。また、地域医療介護総合確保基金を活用いたしまして、介護事業者が介護職員の資質向上を図るために、実務者研修等を受講させる場合に、派遣会社からの代替職員に要する費用などを補助する制度も、今年度から実施をしているところでございます。さらに、国におきまして、離職した介護人材の届け出事業を新たに実施するため、今年度、届け出システムの開発を進め、平成29年度から福祉人材センターで運用されることになっております。こうした仕組みを活用し、潜在的介護福祉士の確保を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆井田泉 議員 ぜひとも積極的に諸施策を講じていただいて不備のないように今後も努力をしていただきたいと要望させていただきます。以上で健康福祉部長への質問を終わります。  続きまして、知事に質問をいたします。 ○星野寛 議長 知事、答弁席へ。           (大澤正明知事 登壇) ◆井田泉 議員 本県の教育行政、あるいは施策についての考え方について質問をさせていただきます。大澤知事には、今まで何度かこのような質問をさせていただいたわけでございます。2年前に国が教育委員会の教育委員長の職務権限が非常にわかりづらいであるとかということから、この教育委員会制度というものを大きく変えたわけでございます。その結果、この制度のもとで新たな教育長を知事自らが任命をし、新教育長は、教育委員長と教育長の両方の職務権限を持ったものと言える大変重要な役職になったんじゃないかと思うわけです。当然、知事の任命責任、これが明確になるかわりに知事の本県教育に対する考え方を新教育長と共有することも可能になったわけで、新教育長は名実ともに最高責任者となるわけです。先の議会で大澤知事は県議会に対し、前企画部長であった笠原氏を新教育長として任命をし、議会の同意を得たわけであります。笠原新教育長については議会の皆さんもいろんなことを知っているわけでございまして、非常に気配りのできる人物として知られておるわけでございまして、私も、知事らしい、非常に議会のことも考えてくださったそんなすばらしい人事じゃないかと考えております。  そこでお伺いいたしますが、このたびの教育委員会制度改革にあわせて、新教育長を選任した理由と、そしてまた、笠原新教育長に対する期待についてお伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 現在、人口減少が進んでいる中で、群馬の限りない可能性をはばたかせ、魅力あふれる群馬の実現を図っていくためには、地域のかけがえのない財産であります「人」を育てることがますます重要であると考えております。そのため教育委員会では、豊かな人間性や確かな学力の育成、体力向上などに取り組み、子どもたちのたくましく生きる力を育てる教育を推進してきたところであります。一方、子どもや学校を取り巻く環境は大きく変化してきており、いじめの問題や子どもの貧困対策、キャリア教育の推進など、教育委員会だけでは対応が難しい新たな課題も生じており、今般、教育委員会制度改革が行われたところであります。  こうした中、今年度スタートする第15次群馬県総合計画「はばたけ群馬プランⅡ」では、「地域を支え、経済・社会活動を支える人づくり」を基本目標の1番に掲げ、人づくりにつながる様々な教育施策の充実に取り組むこととしたところであります。具体的には確かな学力の育成において成果を上げてまいりました、さくらプラン・わかばプランを継続するとともに、特別支援教育における生徒の自立支援を強化するため、特別支援学校の高等部設置の計画的な推進や、県立高校におけるエアコン設置による学習環境の整備、高校教育の質的充実を図るための県立高校の再編などに重点的に取り組むこととしております。教育分野においては教育委員会が様々な部門との連携により、対応していかなければならない課題がますます多くなることから、笠原教育長には総合計画の策定など全庁的な調整を行ってきた経験を十分に活かしていただき、広い視野で県政全般を見渡して、教育行政に取り組んでほしいと考えて推薦をしたところであります。 ◆井田泉 議員 それで、新制度になって策定された群馬県教育大綱というのがあるわけです。この教育大綱とは、正式には「群馬県の教育、文化、学術及びスポーツの振興に関する大綱」というんだそうですが、平成28年度から31年度までの4年間に、本県教育の指針を定めたまさに羅針盤みたいなものであると考えるわけです。これには当然知事の考え方が反映されていると思うわけでございますが、我々もこの大綱には非常に期待をしているものもあるんです。ですから、この大綱の中にどのような形で知事の考えが織り込まれているのか、あるいは総合教育会議、これもこの制度が変わってからこの会議を開くということになったわけでございますので、この会議の中においてどのような形で知事の考えを入れていくのか、このあたりについては、いかがお考えでしょうか。 ◎大澤正明 知事 先ほども申し上げましたとおり、私はこれまで知事として、「人づくり」を県政の重要な施策の一つの柱として積極的に推進をしてまいりました。こうした中で地方教育行政の制度が改正され、新たに知事と教育委員会により構成される総合教育会議を設置し、議員お尋ねの教育大綱の策定をはじめ、教育や文化などの施策に関する協議や調整を行うこととされたところであります。本県では、平成27年6月に総合教育会議を設置いたしまして、これまでの取り組みを踏まえ、「家庭や地域における教育」、「国際的視野に立った人材の育成」、「特別支援教育の充実や障害のある子どもたちの就労支援」など幅広い議論を行い、本年3月に「群馬県の教育、文化、学術及びスポーツの振興に関する大綱」を策定したところであります。私は、群馬の未来を担う子どもたちには、確かな学力とともに思いやりのある豊かな人間性、人生を設計する「たくましく生きる力」が必要であると考えております。また、本県には、尾瀬をはじめとする豊かな自然、群馬の礎となった古代東国文化や日本の近代化を支えた絹遺産などの歴史遺産、上毛かるた・群馬交響楽団など地域に根差した文化があり、群馬で生まれ育った子どもたちに郷土への誇りや愛着を持ってもらいたいと常々思っており、こうした思いを大綱に盛り込んだところであります。これまでも教育委員会とはしっかりと連携を図ってきたところでありますが、今後も総合教育会議において教育委員会の方々と忌憚のない意見交換を行ったうえで、方向性を共有し、本県の未来を担う「人づくり」にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆井田泉 議員 今までは、なかなか知事の考えを教育委員会に直接伝えるということは難しかったかと思いますが、今度はそういうわけにはまいりません。知事のしっかりとした考え方を教育長とともにしていただいて教育委員会を変えていく、こういうことも積極的に取り組んでいっていただきたいとお願いを申し上げ、知事に質問を終わります。  次に、教育長、お願いいたします。 ○星野寛 議長 教育長、答弁席へ。           (笠原 寛教育長 登壇) ◆井田泉 議員 それでは、先ほど知事の御答弁から知事が並々ならぬ期待を笠原教育長に持っているということを、私もひしひしと感じたわけでございますので、教育長にまず質問させていただきますが、教育長も教育長という大役をお受けになったからには、それなりのお覚悟があると私は考えております。その職務に対する所信をまずお聞かせください。 ◎笠原寛 教育長 このたび新たな教育委員会制度のもと、議会の同意をいただきまして、4月1日付で教育長を拝命いたしました。2カ月たったところでございますけれども、教育行政の重要さを改めて痛感しておりまして、身の引き締まる思いで日々の業務に取り組んでおるところでございます。知事から直接任命されました教育長といたしまして、豊かな人間性の育成、また学力や体力の向上はもちろんのこと、いじめ対策や特別支援教育の充実、児童・生徒の学習環境の整備など、教育に対します知事の思いをしっかり受け止めて、教育行政に活かしていくことが求められているものと感じております。そのため教育委員会全体で一体感を持った取り組みが必要であります。今まで以上に教育委員会会議等での場で他の教育委員の皆さんとの議論を深めますとともに、学校をはじめといたします教育現場に積極的に足を運ばせていただき、自らの目で課題を確認させていただきながら、教育施策を推進してまいりたいと考えております。また、知事の答弁にもありましたとおり、現在の教育課題を考えますときに学校現場や教育委員会の中だけで解決できない課題も多くなってきております。他の部局や市町村教育委員会、地域や関係機関との連携をより一層図りながら、教育大綱を踏まえて本県の教育を充実・発展させるために全力で職務に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆井田泉 議員 ありがとうございます。ぜひともしっかりと決意を新たに頑張っていただきたいと思うわけでございます。  先ほどの所信の中にもあったわけでございますが、やはり今までの教育委員会とは違った教育委員会、こういう形で笠原色を出していただいて、私は、変革をしていっていただきたいと思うんです。今までの教育長さんもこの教育委員会改革ということについてはそれなりに努力をしてくださったんだと思うんです。しかしながら、やはり同じ教職員であったがために、既得権益とまでは申しませんが、ある意味守りに入ってしまった、そういう感がしないでもなかったかなと思うんです。ですから、我々議会との間で教科書の問題であるとか、あるいは三ない運動の問題、こういうことを議論したときにかんかんがくがくの様々なやりとりが行われ、意見のかみ合うことがなかった、こういうこともあったわけでございます。笠原新教育長には、ぜひともこの形骸化している教育委員会を、今まで以上に開かれた、そしてまた風通しの良い、生徒の目線に立った教育委員会にぜひとも改革をしていっていただきたい。この新制度となった今、この教育委員会改革ということについて教育長はどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。 ◎笠原寛 教育長 議員からもお話がございましたように、新たな教育長制度や総合教育会議の設置など、今回の教育委員会制度改革の大きな狙いは、知事と教育委員会が教育施策の方向性を共有いたしまして、今まで以上に一体的な教育施策を推進することにあると考えております。いじめの問題や子どもの貧困対策、キャリア教育の推進といった課題に対しまして、様々な部門との連携をより強化してまいりたいと考えております。また、重大な問題が発生したときに迅速に対応することも制度改革の狙いでありますことから、いじめや事故などの緊急事態が生じた場合は、教育行政のトップとして、しっかりリーダーシップを発揮して、速やかな対応を図ってまいりたいと考えております。  またさらに、県政の喫緊の課題となっております人口減少に対しましても、教育の面から取り組んでまいりたいと考えております。子どもたちがいきいきと学びながら郷土への誇りと愛着を育むための教育を進めたり、産業界との連携を深めキャリア教育を充実し、本県の優れたものづくりや様々な魅力を伝えることで、若者の県内定着を図ってまいりたいと考えております。そして、そのことが保護者や地域に伝わり、さらに全国に発信されることによりまして、群馬に人を呼び込む新たな流れにつなげることもできると考えております。群馬の限りない可能性をはばたかせるため、学校や市町村教育委員会などの関係機関との意思疎通を今まで以上に図りながら、県政の大きな課題に対しても教育委員会としてしっかり取り組み、地域のかけがえのない財産であります「人づくり」を進めたいと考えております。議会におかれましても御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げたいと思います。 ◆井田泉 議員 次の質問に移ります。この教育委員会の政治的中立ということについてお伺いをしたいと思うんですが、教職員の皆さんが学校現場で生徒を指導するときに、今度18歳から選挙権がいただけると、こういうふうなことでございますので、当然その教える内容であるとか、そういうものがある一定の党派に偏ってしまったりするというのは中立に反するということで、教育基本法にも書かれているとおり、これは法律違反ということになると思うんです。しかしながら、群馬県教育委員会が中立か、ということになるんではございますが、私はそのあたりについて、まず最初に教育委員会が中立を守るためにどのようなお考えでいらっしゃるのか、この辺についてはいかがお考えでしょうか。 ◎笠原寛 教育長 教育行政を所管いたします教育委員会は、政治的中立を確保するため、独立した合議制の執行機関として制度設計されておりまして、今回の教育委員会制度の改正に当たってもこの体制はしっかり維持されたところでございます。また、教育現場であります学校におきましては、先ほど議員からもお話がございましたように、特定の政党を支持すること、あるいはこれに反対するための政治教育、その他政治的活動が禁止されておりますとともに、教職員については、全体の奉仕者として政治的行為が制限されているところでございます。このように教育委員会を含めます教育行政全般にわたりまして政治的中立が求められております。教育委員会が政治的中立を守ることは極めて重要であると認識しておるところでございます。 ◆井田泉 議員 中立を守るということが大事だと教育長がおっしゃったわけでございます。笠原教育長は、3月から教育長になられたわけでございまして、私が議員になって先ほども申し上げましたが、10年近くが過ぎるわけでございまして、その間様々な形でこの教育委員会と接してきたわけでございます。その中において、では本当に中立を貫いてきたのかということに関しては、いささかちょっと不安なところがあったわけなんです。これはなぜかと申しますと教科書を採択するときの話であるとか、教科書というものは、そもそも中学校の教科書は広域の中で選ぶものでございますので、これに対して県教委は口出しを一切しない、こういうことが教育委員会の言い分でありました。ならば、高校生は、県が管理する県立高校では、我々の意図する教科書も使ってもいいんじゃないかななんてことを委員会の中で様々討論させていただいたんですが、しかしながら、ただの1冊たりとも、1校たりともこれも使っていない、こういう事実もあるわけでございます。そして、東京都や神奈川県の教育委員会がわざわざ不採択にした教科書を今まで使っていた、こういう事実もあるわけでございます。こういうことを考えると、やはり本当に教育委員会が我々の意図を酌んでいないんじゃないかな、中立なのかなと、非常に私は感じたんです。  それで、そのほかにも教育委員会に対しての疑問というものが教科書問題ばかりではありませんで、去年の11月8日にベイシア文化ホールで混声合唱組曲「悪魔の飽食」なる、非常にプロパガンダの色濃い演奏会が行われたわけでございます。この「悪魔の飽食」というのは、作家の森村誠一氏、この方が旧陸軍の731部隊が中国で戦時中に行った行為を書いた本です。私も学生時代にこれを読んだんでございますが、一部に捏造されたと言われる写真が使われ、これに対して著者本人が謝罪をした経緯があります。こういうことを考えると、先日の朝日新聞の慰安婦問題と同等とも言えることもあるんではないかなと考えるんです。ノンフィクションというふれ込みの書物なんですが、半分以上フィクションなのかなというふうなことも推察されるわけでございまして、おかげさまで今は絶版となっている本でございます。  この公演の呼びかけ人となっている賛同者を見ますと、現職の共産党の委員長さん、社民党の元党首であるとか、そういう方が名前を連ねているわけでございます。この公演会のチラシの最後には、後援群馬県教育委員会と書いてあるんです。ですから、私は、これが明らかに政治的に中立なのかなということは、非常に疑問に思ったわけでございますので、今あえてこうして申し上げたわけでございますが、こういうことに関しても今後はしっかりと検討していっていただきたい、改革をしていっていただきたい、このように私はお願いを申し上げたいと思いますが、最後に一言いかがでしょう。 ◎笠原寛 教育長 先ほど、答弁しましたとおり、教育委員会の政治的中立は大変重要であると考えております。教育委員会では、時代の変化や社会のニーズに対応するため、様々な施策を展開しておりますが、そうした施策の実施に当たりましても政治的中立をしっかり確保して取り組んでいく必要があると考えております。今後とも教育行政全般にわたりまして、児童や生徒、保護者、住民の立場に立って、各教育委員の皆さんと議論を深めますととともに、県議会の皆さんとも議論を重ねながら、政治的中立の確保に努めてまいりたいと考えております。
    ◆井田泉 議員 ぜひともよろしくお願い申し上げたいと思います。私も、今年は文教警察常任委員会の委員として委員会でまた笠原新教育長と議論させていただく立場になったわけでございます。今回は委員でございますので、また様々な意見交換ができるかと思いますので、どうかまたその節にはよろしくお願い申し上げ、教育長に対する質問を終了させていただきます。  続きまして、次は健康福祉部長さんに動物愛護施策についてお伺いをいたします。 ○星野寛 議長 健康福祉部長、答弁席へ。           (塚越日出夫健康福祉部長 登壇) ◆井田泉 議員 本県の動物愛護施策について質問させていただきますが、まず初めに昨年開設された群馬県動物愛護センターの稼働状況についてお伺いをしたいと思います。  ここ最近、我が国もペットブームということで、大分犬や猫の動物に対する認識というものが変わってきたかなと、私も考えます。ペットはひとり暮らしの人や老人、あるいは子どものいない夫婦などにしてみると、家族同然の本当にかわいい存在になってきていると思うんです。しかしながら、我が国ではまだまだ、動物の命が軽視される傾向にあるようでございまして、やむを得ず殺処分をされる犬や猫が年間12万頭に達するということでございます。全国では、この犬や猫の「殺処分ゼロ」を目標に取り組んでいる自治体も多くありまして、神奈川県などでは既に、これが2年連続で達成をされているということもあるようでございます。群馬県もこのゼロというスローガンを掲げて、動物愛護センターも設置をして各地域の保健所が対応していた業務を引き継いだということではないかと思うんです。知事も動物愛護センターには思い入れがあるようでございまして、この動物愛護センターが、実は玉村にあるんですけれども、開所したときには、雨がざばざば降っていたんですが、わざわざおいでになってくれまして、そこで御挨拶もされたということでございます。開所からもうすぐ1年を経過するこの動物愛護センターの事業実施状況について、まずお伺いをいたします ◎塚越日出夫 健康福祉部長 昨年7月に本県の動物愛護行政の拠点施設として開設いたしました動物愛護センターにおきましては、「動物愛護の普及啓発」と「動物の譲渡の推進」を2本柱として各種事業を実施しております。  まず、「動物愛護の普及啓発」の取り組みでありますが、ホームページや各種広報媒体を活用して、動物を最後まで適切に飼い育てる適正飼養、終生飼養の重要性を周知・啓発するとともに、増加傾向にある犬猫に係る苦情・相談、近隣トラブルなどについて個々の所有者への飼い方指導などを行っているところでございます。また、ペットショップなどの動物取扱業に対しましては、計画的な監視指導などを実施しております。  また、「動物の譲渡の推進」といたしましては、できるだけ多くの犬猫を譲渡対象として飼養し、毎月2回、第2・第4土曜日でございますが、譲渡会を開催するほか、平日におきましても、随時、個別の譲渡に対応しているところでございます。そして、新しい飼い主になる方に、地域の模範的な飼い主となっていただくための譲渡前講習会を毎週開催いたしまして、譲渡先での動物の適正飼養の確保を図っております。このような動物愛護センターの事業の運営につきましては、県民の方々の協力や関係団体との連携のもとに進めているところでございます。現在、35名のボランティアに譲渡対象の犬猫の日常的な世話や譲渡会の運営に協力をしていただいております。また、動物愛護団体にまとまった数の犬猫を引き受けていただき、多くの譲渡に努めていただいているところでございます。これらの取り組みによりまして、平成27年度におきましては、犬が256頭、猫が98匹譲渡されておりまして、昨年度に比較し、犬で1.2倍、猫で2.8倍と大幅に譲渡数が増加している状況でございます。 ◆井田泉 議員 新しい動物愛護センターができて、譲渡が進んでいるということは、大変喜ばしいことではないかと思います。〔資料(1)提示〕そこで、このグラフを御覧になっていただきたいんですが、ちょっと見づらいですか。これが、群馬県における犬猫処分数と譲渡数の推移、平成18年度から27年度の約10年間のグラフなんです。中核市と申します高崎とか前橋はこの数字が入っていないということなんでございますが、処分数は10年前が4,000頭近い処分数があったわけでございますが、これがここまで、これは300ではなくてこっちです。1,500強ぐらいに減ってきている。そして、この赤は猫の処分数でございます。猫の場合はなかなか難しいところがありまして、幾らか増えているんではございますが、やはり事情も事情だと思いますので、これもまた今後、下げていく必要もあるんじゃないかと思うわけです。  こういう状況でございますが、神奈川県のようにゼロにするということは、なかなか先ほど部長がおっしゃったようにボランティアの数もまた違ったりするわけでございますので、なかなか難しいとは思います。100頭以上の犬猫、最後に残った動物を引き取る、こういうボランティアも神奈川県にはあるということでございますが、群馬の場合は、まだまだそこまで進んでいないというのが状況ではないかと思うんです。しかしながら、この動物愛護センターももう少し県民に対して周知をする、あるいは地元の玉村町の住民でさえも、譲渡会をやっているだとか、そういう情報が、やはり発信不足のようなところも感じるものですから、ぜひともこれは町とも協力をしていただいて、連携をしていただいて、この周知というものをしっかりとやっていただければ、多少効果も出てくるんではないかと思うんです。この「殺処分ゼロ」という目標が絵に描いた餅にならないようにぜひとも頑張っていただきたいわけでございますが、それに対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 「第2次群馬県動物愛護管理推進計画」におきましては、動物にできるだけ生存の機会を与える社会を実現し、「殺処分ゼロ」を目指すことを行動指針としております。そのためには、まず飼い主が動物の命の大切さを十分に自覚し、適正飼養、終生飼養に努めることが重要であります。そこで県といたしましては、さらに動物愛護についての啓発普及を進め、犬猫の不妊去勢や所有者明示、猫の室内飼育などの普及につなげてまいりたいと考えております。また、児童・生徒が動物の習性や飼い方などを体験・学習することを通じて、「命の大切さ」や「やさしさ」を身につけていく機会を設けるなど、動物愛護教育を推進していきたいと考えております。  次に、「殺処分ゼロ」に向けましては、動物愛護センターで引き取らざるを得ない犬猫の数を減少させていくことが重要でございます。議員御指摘にございましたけれども、猫の引き取り数が明らかな減少傾向になっていないというふうな状況がございます。県内各地に散見されます遺棄され、繁殖を繰り返す飼い主のいない猫の対策などを課題として捉えまして、動物愛護団体等の関係団体、市町村や地域住民などと連携し、その対策を検討・協議していきたいと考えております。さらに動物愛護センターで引き取らざるを得ない犬猫の譲渡にしっかり取り組んでいくことが重要でありまして、着実に譲渡数を増やせるよう努めるとともに、今後の譲渡事業の推進状況等を踏まえまして、譲渡方法などについても検討してまいりたいと考えております。そして、「殺処分ゼロ」に向けたこのような取り組みを進めていくうえでは、より多くの動物愛護団体の活動が不可欠でございますので、動物愛護団体の育成・支援にもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。今後も「殺処分ゼロ」に向けまして、民間団体や地域の方々、市町村などの協力を得ながら、積極的な施策を進めてまいる所存でございます。 ◆井田泉 議員 ぜひとも積極的にお願いをしたいと思います。先週の土曜日に私は、高崎市で開催された動物愛護フォーラム「いのち」という催しに行ってまいりました。この動物愛護のボランティア団体である「群馬わんにゃんネットワーク」という団体があるんですが、この団体が主催をし、タレントの杉本彩さんが講演を行いました。その場所には大澤知事も見えてくださっておりまして、ちょっとお話を聞いたところによると、これから個人的にも動物愛護に力を入れていきたいと、そういうふうなお話を知事もしてくださっていたわけでございますので、ぜひとも知事の意を酌んで、努力をしていただきたいと思うんです。最近、その時のお話の内容なんですが、ブリーダーなど、動物を取引することをなりわいとする一部の業者、あるいは飼ってはみたが最後まで面倒を見切れないので殺処分してくださいと持ってくる、こういうモラルのない飼い主などが多くいるということで、虐待をされている動物というのは非常に多いんだと、そういうお話を聞いたわけでございます。安易な考えで動物の命を粗末にすることのないように、学校現場でしっかりとそのあたりを教えるということも必要になってくるかと思います。ぜひとも今後、県は、先ほども部長が申しましたが、去勢の費用というのは市町村にお任せじゃないですか。県は補助していないわけでございますので、全部を補助しろというふうなことではなくて、せめてこういうボランティア団体が引き取って去勢をするときは、多少なりとも何か、金銭的な援助でもやっていただければと思うわけございます。  以上は、私からの要望ということでぜひとも今後実行していただきたい、お願いを申し上げ、部長への質問を終わります。ありがとうございます。  次は、危機管理監、お願いいたします。 ○星野寛 議長 危機管理監、答弁席へ。           (萩本勝美危機管理監 登壇) ◆井田泉 議員 消防団員確保対策、また消防団支援対策についてお伺いをいたしますが、もう何度も私は、やるたびにこの質問をさせていただいているんですが、なかなか意を酌んでいただくことができないということで、また今回も懲りずにやらせていただくわけでございます。  先般も熊本において大きな災害があったわけでございまして、自衛隊員はもちろん、消防団員の皆さんも十分、ボランティアとして活躍をしている、こういう状況でございます。その中において、やはり地域の住民が最も頼りにする存在というのは、常備消防もそうなんだとは思いますが、やはり地域に密着した消防団員、こういう方を頼りにする、これが実情ではないかと思うんです。ですから、今現在、消防団員の数が不足して充足率が100%になっていない、こういう状況をいかに改善していくかというのが、県に課せられた最大の責務ではないかと私は考えております。その中において「消防団員に消防団員パスポートのようなものを発行して優遇措置を講ずる。」こういうことを、さきの危機管理対策特別委員会の中で提言書の中に盛り込ませていただいたわけでございます。それを受けて県当局はどのような形でこれを具体化していくお考えがあるのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ◎萩本勝美 危機管理監 議員から今お話がありましたとおり、消防団員につきましては、生業の傍ら、自らの地域を自ら守るという崇高な精神のもとに活動をしていただいておりまして、その存在は将来にわたりまして、地域防災力の中核として欠くことのできないものであるというふうに認識をおります。本県の消防団員数は、就業構造の変化や少子高齢化等の影響もありまして、減少傾向ということになっておりますけれども、県では消防団員を確保するため、市町村と連携をしながら、様々な取り組みを行ってきたところでございます。  昨年度の県議会危機管理対策特別委員会で決議をされました「危機管理に関する提言」におきましては、消防団活動を継続した職員に対する表彰枠の拡大、あるいは消防団員表彰制度における助成枠の新設、こういった項目と並びまして、買い物等の際に一定の優遇措置を受けられる消防団員パスポートの実施ということが盛り込まれたわけでございます。このうち表彰関係の2つの項目につきましては、既に実施に移しておりますけれども、残る消防団員パスポートにつきましても、導入するという場合には市町村の協力が不可欠であるということでありまして、現在、市町村の意見をこれまで聞いてきたというというところでございます。その結果としましては、一部事務的な部分についていくつか意見がございましたけれども、おおむね前向きな回答をいただいているという状況でございます。消防団員パスポートにつきましては、消防団員が消防団員であることのメリットを実感しやすい制度であると考えておりますので、引き続き、市町村の意見も聞きながら、実施について検討してまいりたいと考えております。 ◆井田泉 議員 ぜひとも積極的にやっていただきたいと思うんです。消防団員のみならず女性防火クラブの方々であるとか、女性もそういうところで活躍をしておりますので、女性防火クラブの皆さんにも使い勝手のいいようなものをぜひとも考えていただければと思います。今度こそよろしくお願いを申し上げ、質問を終わります。ありがとうございます。  それでは、最後の質問に移ります。県土整備部長、お願いいたします。 ○星野寛 議長 県土整備部長、答弁席へ。           (上原幸彦県土整備部長 登壇) ◆井田泉 議員 部長も初めてですね。 ◎上原幸彦 県土整備部長 はい。 ◆井田泉 議員 私も緊張しております。いよいよ当初計画から50年以上が過ぎて念願の東毛広域幹線道路、8月10日に4車線化となって全線開通するということになったわけでございます。大澤知事の英断でこの大事業が完結をするということは、誠に感慨深いものがあると私も考えております。  この国道354号線は、高崎駅から板倉町までの全長58キロ、これを約1時間20分から30分ぐらいで結ぶ、本県の大動脈となる道路でありまして、これが開通することによる県民の利便性、そして経済効果というものは相当大きなものがあるんじゃないかと考えております。このパネルを御覧になっていただきたいんですが、〔資料(2)提示〕これが東毛広幹道高崎駅東口、そして板倉町ということになっておりまして、58.6キロ、この中のこの道筋に市街化区域であるとか、市街化調整区域であるとか様々な地目が、こういうふうな形で色分けされているわけでございます。今回、一々説明しているのはちょっと時間がないので省略をさせていただきますが、この中で全長58.6キロメートルのうち、市街化区域に接する長さが22.3キロメートル全体の約38.5%を占めているということなんです。残りは調整区域で62%近くを占めているということです。ちなみに我が町、玉村町と書いてあるんですが、ここは5.5キロ総延長があるわけでございまして、その中の1キロが市街化区域の中を通っているということです。ですから、我が町だけで言えば83%は調整区域の中を通っている、こういうことではないかと思うんです。これを見ますと、まだまだ市街化調整区域が多いわけで、今後の開発のやり方次第によっては、物流効果というものが、私は、見込めるんではないかと思うんです。  それで、県土整備部長といたしまして、この周辺地域の経済効果、これが全線開通したことによる経済効果についてはどのように県として把握をしているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎上原幸彦 県土整備部長 経済効果でなくて、整備全体の効果ということで、東毛広域幹線道路につきましては、御存じのように、「7つの交通軸」の主軸としまして、高崎駅東口を起点にしまして、伊勢崎、太田、館林を経て、板倉町に至る総延長約59キロの主要幹線道路でございます。全線開通したことに伴いまして、その効果でありますけれども、高崎市から板倉町までの所要時間が23分短縮しております。従来利用されておりました旧国道の354号、あるいは県道の前橋館林線、その交通量が約3割減少しておりまして、渋滞緩和が図られたところでございます。さらに、高崎玉村スマートインターチェンジにより関越自動車道と直接つながったことによりまして、首都圏との物流の効率がより一層高まったというふうに考えております。  なお、現在暫定2車線で供用中の玉村伊勢崎バイパスの区間が今年の8月に工事完了することに伴いまして、高崎駅東口から館林インターチェンジまで全て4車線になることから、さらなる効果が期待されるというふうに考えております。 ◆井田泉 議員 今、経済効果ということでございますが、やはり県土整備部で経済効果を把握するというのは難しいことかもしれません。産業経済部長に次に聞くときにも聞いてみようかなと思うわけでございますが、いずれにしても非常に利便性が高くなったということは間違いないということでよろしいわけですね。ありがとうございました。  では、次に産業経済部長にお伺いをいたします。 ○星野寛 議長 産業経済部長、答弁席へ。           (塚越正弘産業経済部長 登壇) ◆井田泉 議員 先ほども申し上げましたが、調整区域の割合が62%と、まだまだ沿線のこの開発ということについては可能性があるように感じます。なかなか農地などは、そう簡単には開発できないと、こういう現状もあるわけでございますが、群馬県といたしまして、今後の人口減少社会に直面していくことは避けられないわけでございますので、東毛広域幹線道路を起爆剤として県の人口を増やす、あるいは地方創生、こういうことにつなげていただく、こういう施策をしっかりと、とっていく必要があると私は考えます。今後のこの沿線振興、あるいは産業団地開発などについては県としてどのように考えているのか、そしてまた市町村が希望した場合にはどのような支援ができるのか、このあたりについてお伺いをいたします。 ◎塚越正弘 産業経済部長 沿線開発に対する県の考え方と支援につきまして、お答えいたします。東毛広域幹線道路開通による経済効果を一層高め、喫緊の課題である人口減少対策として雇用の創出に結び付けていくためには、新たな産業団地などの沿線の開発を計画的に推進していくことが極めて重要であると考えております。  次に、市町村の開発に対する支援についてでございますが、県では、知事をトップとする企業誘致推進本部において、新規産業団地の候補地の選定と事業化の推進のための様々な調整を行っております。具体的には推進本部の下部組織として、庁内関係課によるワーキンググループを設置いたしまして、都市計画や農林調整などの実務的な諸課題につきまして、関係市町村を交えて、きめ細かく調整を行うことによって、事業化の推進を図っているところでございます。さらに、産業団地の事業化が決定した後においても、優良企業の誘致に向けまして、県と市町村が合同で「企業立地セミナー」を開催し、また、担当者が一緒に企業訪問や現地案内を行うなど、市町村と一体となった誘致活動を展開しているところでございます。今後も市町村との連携を密にいたしまして、企業誘致を進めてまいりたいと考えております。 ◆井田泉 議員 県も恐らく、産業経済部として、この沿線が開発された場合にどの程度の経済波及効果が起こり得るかということは、試算もあるのかなと思いますが、まだどうも今のお顔を見たらそういうのはなさそうでございますので、またもう少し月日がたったら質問してみようかと思いますが、やはりこれだけの立派な道ができたんだから、そういうことはもっとどんどんスピーディーに把握をする必要があると思いますので、そのあたりをまたしっかりやっていただきたいと思うわけでございます。どなたか議員さんが委員会の中で質問をするかもしれませんが、そのときはしっかりとまた御答弁ができるような体制になっていただきたいと思うわけでございます。  それでは最後、企業管理者、お願いいたします。 ○星野寛 議長 企業管理者、答弁席へ。           (関 勤企業管理者 登壇) ○星野寛 議長 残り3分ほどです。 ◆井田泉 議員 それでは、管理者にお伺いをいたします。今現在、伊勢崎市の宮郷地区に建設中の工業団地、ものすごい大きな工業団地ができておるわけでございますが、これは伊勢崎市と企業局が連携して行っている事業だと、こういうふうに認識をしておるわけでございますが、仮に我々の玉村町、あるいはほかの市町村がこうして企業局と連携をした開発を進めたい、あるいは工場誘致を進めたい、こういうふうな要望があった場合に群馬県企業局といたしまして、どのような事業連携であるとか、支援であるとかこういうことができるのか、そのあたりについてお伺いをしたいと思います。 ○関勤 企業管理者 新規産業団地の開発に当たりましては、先ほど産経部長から答弁したとおり、知事をトップとする企業誘致推進本部において開発適地としての候補地を選定して、市町村からの開発要望を踏まえまして、企業局でもこれまで順次事業化してきたところでございます。御質問の市町村の開発にどう対応できるかという、その前提として、産業団地の開発手法といたしましては、市町村が自ら開発を行うケースもございます。また、市町村からの要望を受けて、企業局が開発の事業主体となって行うケースがございます。企業局が事業主体となって行う場合においても、団地の造成工事から企業誘致まで企業局が行うという方式のほかに、造成終了後、市町村にいったん一括分譲して、企業誘致は市町村が最終的に行うというようなオーダーメード方式のやり方もございます。ただ、いずれの場合においても、地権者の合意形成も含めた地元の協力が不可欠でございまして、市町村と企業局がそれぞれの役割を分担して、お互いに連携、協力して事業を進めてきたところでございます。東毛広幹道沿線では、現在、今議員御指摘のとおり、伊勢崎宮郷工業団地の造成、分譲を進めておりますが、交通の利便性などが評価され、分譲もおかげさまで順調に進んでおりまして、沿線の産業用地の需要も依然として高いものがあるというふうに考えられますから、有望な地点がございましたら、ぜひ企業誘致推進本部のほうにまずは要望を上げてきていただきたいと思います。そういう中で企業局といたしましては、要望する市町村がどのような手法での開発、整備を進めたいのか、そういう市町村からの要望を踏まえたうえで、地域の活性化や雇用増につながるような産業団地の開発に地元市町村とも協力しまして、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆井田泉 議員 ありがとうございました。以上で私の質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) ○星野寛 議長 以上で井田泉議員の質問は終わりました。  あべともよ議員御登壇願います。           (あべともよ議員 登壇 拍手) ◆あべともよ 議員 リベラル群馬のあべともよです。通告に従って順次一般質問をさせていただきます。  初めに、4月14日及び16日に発生した熊本地震により亡くなられた皆様に心から哀悼の意を表し、被災された皆様へお見舞いを申し上げます。私も、21日の夜から23日まで、29日から5月1日までの2回にわたって現地を訪問し、状況把握とボランティア活動に参加をさせていただきました。被災地支援の活動経験の豊富な方々に同行させていただいたのですが、皆さん異口同音に、地震の規模や家屋の倒壊などの状況は阪神・淡路大震災をほうふつとさせるものであり、同じ自然災害でも、東日本大震災や先日の鬼怒川の決壊などとはまた違った地震災害特有の状況が起こっているとおっしゃっていました。現場に行って感じたのは、阪神地域や東北3県、新潟など、かつて大きな災害を経験した地域の方たちがとても積極的に活動されているということです。自分たちが助けてもらったからこそ、より助けたいという気持ちが生まれてくるのだろうか、人の心は困難を経験すればこそ、より強くなるのだろうかと感動しました。  昨年12月議会において、災害派遣福祉チームDCAT、災害派遣精神医療チームDPAT、災害時健康危機管理支援チームDHEATなどの早期設置を要望しました。そのとき、災害はいつ起こるかわからないので、一日も早く対応してほしいとお願いをしましたが、それからまだ4カ月しかたっていません。今回、群馬県では、要請を受けてDPATの派遣をしていただいたということですが、準備段階であったにもかかわらず、スピード感を持って対応していただき、派遣を実現していただいたことに心から感謝を申し上げたいと思います。  それでは、質問に移ります。まず、今回の熊本地震に際して、DPATの派遣に至るまでの状況及び現地での活動をどのように行ったのか、健康福祉部長にお伺いいたします。 ○星野寛 議長 健康福祉部長、答弁席へ。           (塚越日出夫健康福祉部長 登壇) ◎塚越日出夫 健康福祉部長 県では、厚生労働省から熊本県への災害派遣精神医療チームDPATの派遣依頼を受けまして、可能な限りの支援を行うことが必要であるというふうに判断をいたしまして派遣を決定いたしました。そして4月27日から5月27日までの1カ月間、県内の精神科病院の協力を得て、精神科医師、看護師、保健師等から成るDPATを熊本県に派遣し、1班当たり5名程度による5班体制により、被災地における精神科医療及び精神保健活動の支援を行ったところでございます。具体的活動内容といたしましては、避難所や在宅での精神障害者への対応を中心に被災住民のこころのケア、災害対策で疲労している地元の行政職員などへの支援を行ったものでありまして、災害のストレスによって心身の不調を来した住民の方へ適切な医療の提供を行えたものと考えております。 ◆あべともよ 議員 大変な状況の中で現地で活動していただいた皆さんには、本当に心から感謝をしたいと思います。現地では本当に必要な支援だったと思いますし、また、行っていただいた方にも、それぞれ大きな経験をもたらしたのではないかなと思います。今回、DCATについては、既に設置されている自治体からの派遣ということになったそうで、群馬県としては、DCATの活動機会を逸してしまいました。とはいえ、またいつ災害が起き、派遣要請があるかわかりません。今回の状況を踏まえて、DPAT、DCAT、DHEAT等の体制整備を早急に行うことが必要だというふうに考えますが、どのように行っていくのか伺います。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 災害時の支援チームの体制整備についてでございますが、DPATにおきましては、継続的な実施が必要とされる「こころのケア」とともに、災害直後の精神科医療を支援する「先遣隊」の設置が求められております。しかしながら、本県におきましては、この「先遣隊」については未整備でございますので、災害発生時の円滑な初動体制のために、今後、関係機関と調整を図りながら、設置に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。また、今回の派遣の経験を活かしまして、より効果的で効率的なDPAT活動を実施するため、精神科医療関係者への研修、あるいは訓練を計画的に実施してまいりたいと考えております。  次に災害派遣福祉チームDCATでございますが、県内の福祉施設が被災した場合の職員派遣を含めた福祉施設間の応援体制につきましては、昨年度中に整備をいたしました。現在は、避難所で活動を行う福祉専門職の派遣について、関係団体などと群馬版DCATの組織化に向けた具体的な協議を進めているところでございます。しかし、県域を越えた広域的な災害派遣につきましては、現状では全国統一的な仕組みがありません。災害時に十分に機能しない場合も懸念されますので、現在、知事会等を通じまして、国に対して費用負担のあり方を含めた制度的な位置づけの明確化や一元的な窓口の設置などを要望しているところでございます。なお、近隣県との相互応援体制については、早急に検討を進めていく必要があると考えております。  また、災害時健康危機管理支援チームDHEATにつきましては、国が研究班を立ち上げ、全国統一のシステム整備に着手した段階でございますが、今年度から国が養成研修を開始することから、本県といたしましても、設置に向けて職員を研修に参加させることとしております。今後も国の動向を注視しながら体制整備に努めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、災害時の救急医療救護や福祉支援の相互応援体制を整備し、強化することは喫緊の課題であると認識しておりまして、平時から十分に研修や訓練を重ね、災害時にしっかりと機能する体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。いろいろなチームがあって、またその体制も国との調整等もありますので大変だとは思いますけれども、いざというときに力を発揮できるように、そしてまた、それを持ち帰って群馬県の危機管理に活かせるように、ぜひ御尽力をお願いしたいと思います。ありがとうございました。  次に、熊本地震により浮かび上がった課題について危機管理監に伺います。 ○星野寛 議長 危機管理監、答弁席へ。           (萩本勝美危機管理監 登壇) ◆あべともよ 議員 今回の熊本地震の特徴として、被害が大きかった地域が限定されているという点があります。このため、全国から大量の支援物資が集まる一方で、受け入れや保管、仕分け、在庫管理、供給の体制等に課題があり、最後の一歩のところで必要なところへ物資が届かないという事例が多く見られたとされています。私も、熊本県西原村の避難所に届いていた大量の物資の在庫管理のお手伝いをさせていただきましたが、そもそも届いた物資をまずどこにどのように置いたら効率良く管理できるのか、次々に届く物資をどう把握するのか、管理する人たち自身も次々に入れかわっていく状況の中で、課題は非常に大きいなというふうに感じました。本県では、避難所への物資供給について、どのように対応することになっているのか、また、熊本の事例を受けて見直しをするのかどうか伺います。 ◎萩本勝美 危機管理監 議員から今お話のありましたとおり、今回の熊本地震におきましては、大量の支援物資が特定の場所に集まったにもかかわらず、個々の避難所へ必要な物資が届かなかったという事例が、災害発生直後に多く報道されたところでありまして、県といたしましても大きな課題であると認識をしております。現在、県の地域防災計画におきましては、救援物資の輸送については、緊急輸送道路を指定いたしまして、優先的に輸送路を確保いたしますとともに、輸送拠点につきましても、事前に県内各地に指定をし、これを活用していくということとしております。また、県トラック協会や県の倉庫協会等の関係団体と協定を結びまして、輸送手段や集配施設を確保し、円滑な輸送が行えるよう、体制を整えているところでございます。  今回の熊本地震におきましては、道路の被災などによりまして、輸送経路、輸送手段の確保が難しかったということに加えまして、行政側のマンパワー不足によって、需要の把握や仕分け作業が遅れたということなどが、個々の避難所へ物資輸送がスムーズに行われなかったという要因になっていると考えております。県といたしましては、救援物資の避難者への迅速な提供のためには、輸送拠点や輸送路の確保はもちろんのことでありますが、災害発生時におけます県と市町村や物流業者、あるいは物資提供事業者等との緊密な連携体制の構築が重要であると考えております。市町村とともに民間事業者も交えながら、より具体的な対応をしっかりと検討して、物資供給体制の見直しを図ってまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。今、行政のマンパワー不足というお話がありましたけれども、やはり、在庫管理ですとか、仕分けですとか、そういった作業というのは、行政の人たちにはもちろんノウハウもありませんし、ボランティアの人たちの中にもそのノウハウを持っている人というのは限られているかと思います。そういう意味で、事業者との連携というのは非常に大事なことかなと思っております。  徳島県では2014年の9月に、アマゾンジャパンとの間で災害発生時における支援協定を締結いたしました。これはアマゾンが東日本大震災のときに「ほしい物リスト」というサービスを利用して、7,000カ所以上の避難所、学校、非営利団体、個人宅等に合計10万個以上の物資を支援した経験を活かし、徳島県で大規模な災害が発生した場合に避難所に必要な物資を必要なだけ、必要なときに支援できるように環境整備を行うということを目的とした協定です。さらに、昨年の7月には、徳島県とアマゾンジャパン・ロジスティクスとヤマト運輸さんとの間で「災害発生時における物資輸送に関する協定」というのを締結し、支援物資の確実かつ速やかな輸送を可能とする体制づくりを行っています。熊本県では、このような協定を結んでいませんでしたが、発災後緊急に協議を行い、およそ1週間後、熊本市の一部避難所を皮切りに、ほしい物リストサービスを利用した支援を開始し、現在も益城町などをはじめ、熊本地震被災地の避難所へ支援物資を届けるサービスを行っているということです。この支援物資のほしい物リスト、避難所からこういうものが幾つ必要ですということで挙げられますと、数時間、1日とか1日以内の間には、どなたかが支援してくださって避難所に届くというような非常に良好な反応が示されているということです。アマゾンジャパンの担当者の方からお話を伺いましたところ、事前の協定を締結してしっかりと準備を行っておくことで、よりスムーズで迅速な支援が行えるので、今後より多くの自治体と協定を結んでいきたいということでした。  群馬県では、先ほどお話がありましたように、物流事業者ではトラック協会、赤帽、倉庫協会などと協定を結んでいます。しかし、これ以外にも今挙げましたアマゾンジャパンの支援システムやほかの物流事業者との協定、また物流専門家の派遣協定、あるいは、物流に限らず協定を結んでおくべき事業者がたくさんあるように思います。どのような事業者との間で、どのような協定を結んでおくべきか、県庁の各所属ごとに今一度精査し、必要な協定をリストアップして、積極的に結んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎萩本勝美 危機管理監 先ほど申し上げましたとおり、物資の供給というのは、特に発災直後におきましては非常に重要な点になってくると考えておりますので、いろいろ関係する事業者、あるいは関係機関、いろいろあると思いますけれども、そういう中でいろいろと協議をしながら、必要な部分については検討していきたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。昨日、群馬県建設業協会による、県下一斉の道路クリーン作戦というのが実施されまして、私もその出動式に参加させていただきました。その中で災害情報共有システム「ぐんケン見張るくん」のデモンストレーションが行われていました。このシステムは、参加している建設業協会の会員企業の方が、清掃活動をしながら道路状況を確認し、スマートフォンなどで写真を撮って状況を報告すると、それがリアルタイムで反映され、画面上で見ることができるというものです。災害時に道路状況を把握するために、非常に頼りになるシステムだというふうに思いました。災害のときには、行政だけではできることに限界があります。積極的に民間の力を活かしていけるよう、事前の準備をさらに進めていただくようにお願いいたします。  次に、罹災証明を早期に発行できる体制整備について伺います。熊本地震では、政令市である熊本市以外に小規模な市町村も多く被災しました。職員が限られている状況の中で、あれもこれも対応しなければならず、復旧のための様々な手続の基礎となる罹災証明の発行が進んでいないと伺っています。仮に群馬県でこのような災害が発生した場合に罹災証明を迅速に発行するため、県としてどのような支援が行えるのでしょうか。 ◎萩本勝美 危機管理監 罹災証明書につきましては、市町村長が災害による住家、住宅被害の程度等を証明する書類でありまして、被災者生活再建支援金の支給をはじめとします各種被災者支援措置適用の判断の材料として欠くことができないというものでございます。今回の熊本地震におきましては、熊本県内で11万2,000棟を超える住家被害が発生いたしまして、罹災証明書の交付に必要となる被害調査の遅れなどから、現在、罹災証明書の交付申請約13万件に対しまして、交付は約6万5,000件にとどまっているという状況でありまして、罹災証明書の交付事務やその前提となります住家の被害調査、これを行う職員の不足というものが課題になっております。  東日本大震災におきましても、罹災証明書の交付に数カ月を要した市町村があったということを踏まえまして、本県では地域防災計画を見直しし、早期に罹災証明書を交付できるよう、市町村に対し、住家被害調査担当者の育成や他の地方公共団体との応援協定等による体制整備について求めてきたところでございます。また、県の役割といたしまして、市町村に対し住家被害調査担当者の育成のための研修を実施いたしますとともに、災害発生時には被災市町村に応援職員を派遣するなど必要な支援を行うということとしております。現在、新潟県及び埼玉県と締結をしております3県の防災時相互応援協定に基づきまして、毎年、住家被害調査の合同研修会を実施し、3県で連携しながら市町村担当者や県の応援職員の育成に努めているところでございます。  今回の熊本地震におきましては、こういった取り組みを活かしまして、3県が連携して熊本県南阿蘇村へ調査の応援職員を派遣いたしました。このほか益城町からの要請によりまして、罹災証明書の受付業務、あるいは避難所運営を支援するための応援職員も派遣しているところでございます。今回の熊本地震では、被災した市町村での罹災証明書の早期交付のためには、県や他の自治体の支援が必要になるということが改めて明らかになったところであります。本県としても引き続き、県や市町村職員の育成に努めますとともに、自治体間の応援協定等を活用して体制の充実強化に努めてまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 罹災証明について、市町村による担当者の育成ですとか、あるいは県の応援職員の育成を行っているということなんですけれども、それらの状況というのは実際どのぐらい進んでいるのか、また、今回派遣していただいた職員の皆さんの経験を今後どう活かしていくかお伺いしたいと思います。 ◎萩本勝美 危機管理監 職員の育成につきましては、平成24年度から現地で実地の研修というものを行っております。加えて平成25年度からは座学による講習というものも本県独自で実施をいたしまして、27年度までの4年間で県市町村合わせまして214名の職員が講習を終了したという状況でございます。また、今回の派遣された職員の経験につきましては、やはりまだまだ不足をしているわけですから、これから育成する、そういった研修等の場におきまして経験を十分活用していきたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。災害が発生したときには、県と市町村の役割分担があらかじめ定められていても、実際にそのとおりに実行できるとは限りません。市町村の状況を把握し、常に連携をとることで、市町村がやり切れない場合の支援を県が臨機応変に行える体制をつくっていくということが、いざというときに大きな力となると思います。今回の経験をぜひ活かしていただいて、さらに備えを進めていただきたいと思います。  次にSNSなどの情報活用について伺います。SNSの活用による情報発信や情報収集は、やり方によっては非常に有効であり、活用の方法についての検討が進められていると思います。しかし、その効果を発揮するためには、事前に有効な使い方ができるように準備しておく必要があります。災害発生時にアクセスが増えることに備えて、いざというときに早期に切りかえができる災害用ページの準備、あるいは公式ホームページやツイッターなどと比較して、より多くのフォロワーのいる「ゆるキャラ」による情報発信をどう行うかなど様々な課題がありますが、本県ではどのような備えをしているのか、また、熊本地震の状況を踏まえ、今後どのように対応していくのか伺います。 ◎萩本勝美 危機管理監 災害時におけます緊急情報の発信につきましては、防災行政無線等を利用いたしまして、市町村を通じ住民の皆様へ広報をしていますほか、県の災害対策本部の中に広報班というものを設置いたしまして、報道機関等への資料提供やホームページへの掲載など、様々な媒体を活用し、広く県民へ伝わるよう、専門的な対応を行うということとしております。お尋ねのSNSを活用した災害時の情報発信につきましては、県のツイッターを利用いたしまして、緊急度の高い情報の発信や県のホームページに掲載された災害関連情報の拡散を図るなど、効果的な情報発信に努めてきたところでございます。また、県のホームページにアクセスが集中し、閲覧しにくくなることを回避するということのため、データ容量が少ない、大規模災害用トップページに変更することができますよう、現在準備を進めているところでございます。  また、SNSにつきましては、情報発信だけではなく、災害発生直後の被災状況、先ほどありましたけれども、そういったものや避難情報など、現地の情報を迅速に収集できる手段の一つとして有効であると考えられますけれども、一方では得られた情報の信憑性、あるいは時間的なずれといったような課題もあると認識をしております。今後も熊本地震でのツイッター活用の事例等も参考にしながら、適切な情報収集の方法という研究とあわせ、災害時におけるSNSの有効活用をさらに進めてまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 SNS等の活用については、2年前の大雪被害のときにも検討をお願いし、先日の常総市の災害の折にも、危機管理対策特別委員会で災害広報の課題について指摘させていただきました。ぜひスピード感を持った取り組みをお願いしたいと思います。  また、これに関連して、ぐんまちゃんはくまモンと同様、非常に人気のあるキャラクターですが、現在ツイッターをやっていないということで、災害広報について考えるとき、ぐんまちゃんにツイッターを始めてもらうということも検討課題のひとつではないかなと思いますが、いかがでしょうか。 ◎萩本勝美 危機管理監 ぐんまちゃんにつきましては、現在公式フェイスブックを設定しておりまして、現在2万人を超える、非常にたくさんの方々に閲覧していただいているという状況でございます。お尋ねのツイッターにつきましては、先ほど申し上げましたSNSをどう今後活用していくかという検討の中で考えさせていただきたいと思っております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、LINEなど、SNSにもいろいろなものがありまして、それぞれの特徴というものがあります。そのようなものをぜひ踏まえて、今後検討をしていっていただければと思います。ありがとうございました。  それでは、知事、お願いいたします。 ○星野寛 議長 知事、答弁席へ。           (大澤正明知事 登壇)
    ◆あべともよ 議員 熊本県はこれまで災害が少ない県と考えられていたということで、群馬県に似たところがあるように感じます。12月の一般質問で知事に、災害はいつ起きるのかわからないので、ぜひ一日も早く体制整備をとお願いしたものの、まさかわずか4カ月後にこのような事態が発生するとは、本当に驚いています。しかし、今回の熊本地震の発生を受けて、改めてこの日本という国においては、本当に、いつ、どこで、このような大地震が発生しても不思議はないのだということを実感しました。これまでの議論を踏まえ、知事として群馬県の危機管理体制の充実にどのように取り組むべきとお考えか伺います。 ◎大澤正明 知事 議員御指摘のとおり、今回の熊本地震によりまして、大規模災害は、いつ、どこで起こるかわからないということを改めて再認識をするとともに、危機事案に対して迅速かつ適切に対処していかなければならないことを強く感じたところであります。あべ議員には、いち早く現地に視察に入られたようでありまして、その状況の報告もいただいたわけでありまして、本当にありがたく思っております。県としても、この地震を本県でも起こり得るものと考えまして、各種支援のための職員派遣とは別に、危機管理監をはじめ、危機管理担当職員を2度にわたりまして現地に派遣をいたしまして、現地の状況や対応を調査させたところであります。  また、本県では、災害発生時に各部局で実施する応急業務について、マニュアルを作成しておるわけでありますが、今回の地震を受けて、それぞれの部局で行う応急業務について再点検をするよう指示したところであります。今後はこうした再点検の結果を踏まえまして、応急業務マニュアルを見直すとともに、各種訓練等にも反映をさせていこうと考えております。地震直後の人命に関わる救出・救助活動では、消防、警察、自衛隊、DMAT等の防災関係機関が連携をし、迅速な対応を行うことが特に重要であり、本県においても関係機関との連携をさらに強めてまいりたいと考えております。  また、御指摘の救援物資の供給や避難所運営、建物の危険度判定、罹災証明書の発行等に課題が見えてまいりましたが、この解決には、市町村との連携や民間事業者、ボランティアとの協力体制、国や他の自治体からの応援受け入れなどが迅速かつ的確に行われることが重要であり、今回の状況を検証いたしまして、その結果を踏まえて、しっかりと対応してまいりたいと考えております。今後、県の地域防災計画の見直しはもちろんのことでありますけれども、市町村の地域防災計画の見直しをも促すとともに、民間事業者との連携強化や県民の防災意識の向上等に努めながら、県民が一丸となって危機管理体制の充実を図っていかなければならないと思っております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。今、御答弁にもありましたように、災害のときの対応というものは、市町村との連携というのも非常に重要になってくると思います。市町村との良好な関係づくりに常に心を砕いていらっしゃる知事ですので、市町村と連携を深めながら対策を進めていってくださることと期待しております。ありがとうございました。  それでは次に、酪農振興について農政部長に伺います。 ○星野寛 議長 農政部長、答弁席へ。           (宮崎一隆農政部長 登壇) ◆あべともよ 議員 中山間地域等における畜産の担い手の減少と高齢化、穀物飼料価格の不安定さなどに見られるように、本県畜産業を取り巻く環境は大きな変化を迎えつつあります。このような中、畜産農家にとって、省力化や飼料費など生産コストの低減が大きな課題となっていると思います。このような観点から、関東屈指の畜産県である本県において、酪農振興にどのように取り組んでいくのか伺います。 ◎宮崎一隆 農政部長 議員御指摘のような畜産情勢の中で、県では本年4月スタートの「群馬県農業農村振興計画」において、現在の年間の生乳生産量24万トンの維持を目標に掲げ、優良な後継牛の確保や施設・機械の整備等による生産基盤の強化、飼料自給率の向上を柱に省力化や生産コスト低減を進めていく考えであります。具体的には、酪農家が自ら行う優良後継牛の生産を推進するとともに、規模拡大に取り組む酪農家が牛を導入する際の経費の一部を支援するほか、県内に初妊牛――初めて妊娠させた牛のことですが、その市場を開設し、流通体制を整備していくこととしております。また、生産基盤の強化としては、施設・機械の導入に取り組む酪農家に対し、畜産クラスター事業の活用を支援しているところであります。さらに、健康で生産性の高い乳牛を育成するために公共牧場等の利用を推進するとともに、飼料の収穫調整用の機械導入の支援や飼料イネの活用及びもみ米サイレージ化などによる国産飼料の増産を進める取り組みも推進していく考えであります。県としては本県農業の基幹部分の一つである酪農の経営安定と生乳生産基盤の強化を図るため、今後も各種施策の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。今、御答弁の中にもありましたけれども、公共牧場、浅間家畜育成牧場なんですけれども、これの位置づけについて伺いたいと思います。酪農家にとっては非採算部門である乳用牛の育成を担う浅間家畜育成牧場は、本県の酪農振興において重要な役割を果たしていると思いますが、いかがでしょうか。 ◎宮崎一隆 農政部長 浅間家畜育成牧場は、広大な敷地と冷涼な気候を利用し、年間を通じて酪農家から子牛の育成を受託しております。牧場では、放牧を中心とした飼養管理により、酪農家の飼養コストの低減や労力の削減に加え、足腰が強く、健康で生産性の高い乳牛を育成しております。さらに、酪農家からの要望に応じて、人工授精や受精卵移植を実施しておりますが、きめ細かな牛の個体管理と繁殖技術により、退牧時、牧場から戻る際の妊娠牛の割合が高く、酪農家から好評を得ているなど、本県酪農振興において欠かせない施設となっております。 ◆あべともよ 議員 この浅間家畜育成牧場における育成牛の受け入れ状況について伺いたいと思います。近年、この初妊牛価格は高騰していて、酪農家の経営を圧迫していると伺っています。初妊牛を購入するよりも自身の農場で子牛を育成するほうが、より低コストに抑えられますが、乳用牛の育成は手間がかかる上に飼料費もかさみます。そこで、浅間の家畜育成牧場に子牛を預けることができれば、手間も省け、広大な牧草地で育てることにより、御答弁にもありましたように強健な初妊牛にすることができます。育成牛の受け入れ状況はどうか、お伺いいたします。 ◎宮崎一隆 農政部長 近年では、毎年、夏季に約470頭、冬季に約340頭程度の育成牛を受け入れております。また、以前は、春及び秋入牧のみでありましたが、平成24年度から毎月入牧に切りかえ、酪農家がより利用しやすいよう体制の整備を図っているところです。一方、酪農家の大規模化と浅間家畜育成牧場の繁殖成績の向上により、近年預託規模が増加しておりますが、現在の施設は老朽化や分散などによる管理業務上の課題があり、飼育頭数が限られているため、全ての希望に十分に応えられていない状況にあります。 ◆あべともよ 議員 私も先日、浅間家畜育成牧場のほうへ見学に伺ってまいりました。本当に広々とした中で伸び伸びと牛たちが育てられていまして、健康な牛に育つということが、本当によくわかりました。しかし、今お話にもありましたように、牛舎のほうは40年以上ということで大変老朽化をしておりまして、また、あちこちに牛舎が離れているために、その管理の手間もかかっているようでした。この浅間家畜育成牧場をさらに活用していくこと、受け入れ可能頭数を増やすということは酪農家の大きな支援につながると思いますし、また、本年度開設する初妊牛市場に県乳牛を育成して初妊牛を供給するということができれば、酪農振興へのさらなる貢献も可能ではないかなと思います。受入可能頭数を増やすように取り組むべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。  また、現地は浅間山を背景とした雄大な草原のすばらしい景観なんです。これも非常に心に残りまして、この牧場のある軽井沢地区が日本有数の観光地であることから、今後、地元の地域と連携しながら観光資源として活かしていくことも大変重要なことではないかと思います。浅間家畜育成牧場のさらなる活用について伺います。 ◎宮崎一隆 農政部長 酪農家の要望に応えまして、受け入れ頭数を増やす必要性は認識しており、現在、牧場をはじめ関係各課により、草地管理や冬季における家畜管理方法の見直しを中心に、今後の牧場のあり方について検討を開始したところであります。  また、牧場の持つ雄大な自然環境は、観光資源としても大きな魅力がありますことから、その利活用についてもあわせ、検討してまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 畜産を取り巻く環境の変化というのも本当にスピードが速くなっておりますので、ぜひとも早急な検討と実行をお願いしたいと思います。ありがとうございました。  次に、自殺対策について健康福祉部長に伺います。 ○星野寛 議長 健康福祉部長、答弁席へ。           (塚越日出夫健康福祉部長 登壇) ◆あべともよ 議員 平成21年から国の緊急自殺対策強化基金などを活用した自殺対策に本県でも取り組んできており、当時500人前後で推移していた自殺者数が、平成26年は396人と8割にまでに減ってきています。これまでの対策の効果をどう評価しているか、お伺いします。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 県では、平成26年に「第2次群馬県自殺総合対策行動計画」を策定いたしまして、平成30年までに自殺者数を400人以下とすることを目標として、多くの関係者の御協力をいただきながら、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、各種相談窓口の整備や各職種を対象としたゲートキーパー養成事業、地域におけるネットワークづくりなど、様々な対策に取り組んでまいりました。県内の自殺者数は、平成15年の562人をピークとして平成27年には418人と、年による増減はございますが、全体的には減少傾向となっております。これは地域自殺対策緊急強化基金や交付金事業を活用した各関係機関、団体の皆様の熱心な取り組みが一定の成果に結び付いたものと考えております。  しかし、まだ400人以上の方が自殺により尊い命を落としているというふうな現状がございます。そこで今後は、ライフステージに応じた、さらにきめ細かな対策を講じていく必要があると考えております。特に、10代あるいは20代の死因の第1位は自殺でありますので、若年層に対する効果的な自殺対策が重要な課題であるというふうに考えております。このような若年層への自殺予防対策をはじめ、総合的な自殺対策に引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。一定の成果は上げたということで、本当に関係している皆さんの御努力に心から敬意を表したいと思います。一方で、自殺対策の基金も終了いたしまして、今後取り組んでいく方法ということは、やはりしっかり考えていかなくてはいけないと思いますが、そこで、ゲートキーパーを養成してきていただいていると思いますが、これまでかなりの数の方がゲートキーパーになっていただいていると思います。このゲートキーパーの方は、なっていただいた後に個々で活動していただいているので、「特にこれを」というようなことがないそうなんですけれども、せっかく相当の数の方になっていただいて、また、養成を始めてある程度の年数もたっておりますので、このような方たちの力をさらに自殺対策に活かしていくというような取り組みも検討するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 これまでゲートキーパー養成に努めてまいりまして、多くの方にゲートキーパーになっていただいております。いろいろな場面で活動はしていただいているんですけれども、さらにそういった活動の幅を広げるために、県としてこれからの自殺対策のさらなる原因とか、そういうふうなものを掘り下げるような作業を行ってまいりたいと思います。そういったところから出てきた課題、こういったものについてまたゲートキーパーの皆さんに対して、情報提供するなどによりまして、活動の幅を広げてまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ぜひ、よろしくお願いします。  平成26年度から取り組んでいただいている「自殺対策アクションプラン」においては、先ほども申し上げましたとおり、初年度である平成26年の自殺者数が396人ということで、年間の自殺者数400人以下という目標をいったん達成したというような形になっています。かつて、「元気県ぐんま21」の1次計画では、平成22年までに自殺者数を350人以下にするとの目標を掲げていたこともあると伺っていますが、いったん達成しているということで、今後より高い目標を掲げることも必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 自殺者数の減少に向けた数値目標というふうなことでございますけれども、やはり究極的な目標は、誰も自殺することないような状況に向けて対応していくというふうなことであろうかと思います。今後、また現在は2次の計画に基づいて施策を進めているところでございますけれども、3次計画の策定に向けて、また今後さらにきめ細かな自殺対策に向けた検討を進めてまいりたいと考えておりますので、その取り組み状況、また今後の自殺者数の推移、こういったことを見ながら、努力すればここまでは達成できるんだというふうなきちっとした目標設定をしてまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。次の見直しというと、3次計画となると平成30年以降ということになると思いますけれども、できれば早目に目標というのはやはり高く掲げてやっていただくということがいいんではないかなと思いますので、ぜひその辺も検討していっていただければと思います。  次に、妊産婦の自殺防止について伺いたいと思います。先日、順天堂大学と東京都による調査で2005年から2014年までの10年間でうつ病などにより自殺した妊産婦が63人に上るという調査が発表されました。これは、これまで把握されてきた妊産婦の死亡率と比較してもかなり高い数字であり、対策が求められるのではないかと思います。特に気になったのは自殺の時期で、妊娠中の場合はおよそ半数が妊娠2カ月の時期に、産後の場合は半数強が2カ月から5カ月の間に亡くなられています。また、うつ病との関連では、妊娠中の場合、うつ病の方がおよそ35%、産後の場合はもともとうつ病の方が10%なのに対し、産後うつ病の方が33%にも上っています。妊産婦の自殺の状況把握や防止に向けた対策が必要ではないかと思います。特に産科医療機関や性暴力被害者支援ワンストップセンター、市町村などとの連携、また最も身近な支え手であってほしい父親向けの啓発も重要と考えますが、いかがでしょうか。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 議員御指摘の調査におきましては、出産後に自殺した人の約3分の1が「産後うつ」であったというふうに報じられておりまして、妊産婦の自殺防止に当たりましては、孤独感や不安感など妊産婦特有の悩みにきめ細やかに対応することが必要であると考えております。そこで、こころの健康センターにおきましては、市町村において妊産婦など住民の健康管理を担っている保健師などを対象として、ゲートキーパー養成事業を実施し、自殺対策の中心的役割を果たす人材の養成に努めているほか、うつ病など、こころに関する悩みを持っている方に対する相談に対応しております。また、県内3カ所の保健福祉事務所におきましても、妊娠中から産後、あるいは子育て中の方で不安やストレスを感じている方の相談に専門の医師が対応しているところでございます。さらに、県看護協会による看護師などを対象としたゲートキーパー養成事業や県助産師会による「子育て・女性健康支援センター」における妊産婦などを対象とした電話相談事業など、関係団体におきましても県の補助事業等を活用した各種支援策を進めていただいているところでございます。妊娠・出産は女性にとって心身の負担を伴う重要な出来事でありますので、議員から御指摘をいただいたような事業も含めまして、さらにきめ細かな支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。県では、今年4月に間もなくパパになる方を対象としたガイドブック、「ぐんま育児男子」というのを作成しています。こちらです。この中にも妊娠中、そして産後の女性の精神状態やパパとして気をつけたいことなどが丁寧に盛り込まれてありまして、県内のすべてのパパになる人にぜひ手にとってもらいたい内容だなと思っております。一方で、パパだけでは支え切れない専門的なケアが必要だという場合もあります。また、残念ながらいろいろな事情でパパがいないという場合もあると思います。このような場合に産科医療機関と精神科の医療機関、支援機関との連携というのはますます求められていくと思いますので、ぜひ、妊産婦の自殺という痛ましい状況を防げるように、より一層の取り組みをお願いしたいと思います。  次に、発達障害者支援について伺います。時間の関係で初めに発達障害者支援センターの現状と課題について伺いたいんですけれども、相談が非常に多くて、相談できるまでに時間がかかると伺っていますが、相談支援の現状はどうか、相談希望者の地域的な状況も含めてお示しいただきたいと思います。そして、(2)になるんですけれども、国において今月の25日に参議院本会議で改正発達障害者支援法が可決、成立いたしまして、2005年の施行以来、およそ10年ぶりに改正されました。この中では発達障害者支援センターの複数設置ですとか、有識者、当事者団体、発達障害者支援センターの関係者、担当部局により構成され、各地域の支援体制の検討や実施状況の検証を行う機関である発達障害者支援地域協議会―仮称ですけれども、これの設置などが盛り込まれています。このセンターの利用状況を踏まえて、今後の支援の充実にどういうふうに取り組むか、あわせてお伺いしたいと思います。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 県の発達障害者支援センターは、発達障害者支援法に基づき、平成18年に設置され、発達障害者やその家族などの相談に対応するとともに、関係機関支援、人材育成、普及啓発などを行っております。平成27年度の相談件数は3,739件、相談者は880人であり、昨年度と比べ193件、97人の増加となっております。地域別に見ますと、地理的に遠方の市町村の相談者が少ないというふうな傾向にございます。議員御指摘のとおり、センターにおける相談件数は開設以来増加の一途をたどっておりまして、新規相談の待機期間が約3カ月というふうに長い期間になっております。発達障害者の相談は市町村における相談支援事業所などでも対応しておりますけれども、発達障害についての専門知識を有する者が不足していることが、センターに相談が集中する一因となっておりまして、地域の相談支援体制を整備していくことが課題と考えております。また、議員御指摘のとおり、発達障害者支援法が成立したわけでございますけれども、全般にわたり改正をされたことから、改正内容を精査いたしまして、発達障害者への支援がより一層充実するよう、必要とされる施策にしっかりと対応してまいりたいと考えております。  今後の取り組みでございますけれども、まずセンターの機能強化の取り組みといたしまして、今年度、センターの相談員を2名増員したところでございます。また、先ほど申し上げましたとおり、各市町村においてやはり発達障害に対する相談体制というふうなものを整備していくことが必要であると考えておりまして、県では、市町村が委託をしている相談支援事業所の相談員に対しまして、平成27年度から発達障害に関する専門研修を実施し、発達障害者の相談支援ができる発達障害相談支援サポーターを養成しておりまして、平成29年度までに県内全ての障害保健福祉圏域に合計約20名の配置を目指しているところでございます。さらに、センターから市町村等に派遣をしている発達障害者地域支援マネジャーについて、ニーズに応じた相談に対して研修、指導、助言の回数を増やすなど支援の拡充を図ってまいりたいと考えております。県のセンターにつきましては、発達障害者支援の総合拠点といたしまして、専門性を必要とする事例に対応するとともに、地域の専門人材の育成や市町村支援などを通じまして、地域の相談支援体制の整備にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 この発達障害者支援に対しては、議会でもたびたび取り上げられておりまして、その体制の整備というものを徐々に充実してきていただいていると考えています。今年の4月からも2名の増員ということでしていただいたわけですけれども、それでもセンターの利用状況というのは非常に過密になっているということで、地域的にもより身近な地域で相談を受けられる体制をつくっていくということは急務であると考えます。市町村で一時的な相談を受けられる拠点を設置していただいたり、あるいは、広域で連携して拠点をつくっていただくことなども考えられるのではないかなと思います。いずれにしても市町村との連携をより深め、お互いに補い合いながら支援体制の充実を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 議員御指摘のとおり、やはり県のセンターについては、困難事例でありますとか、専門性を有するような相談、こういったところを主に担い、一般的な相談については身近な市町村で対応していくというふうな役割分担が必要であると考えております。こういった役割分担に基づいた連携を市町村ときちっととりながら整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。そのような折にも、市町村にきめ細かいフォローアップをしていくということが、そのことを実現させるための近道だと思いますので、ぜひ十分な連携をとりながら進めていただくことをお願いしたいと思います。  次に、市民後見人の養成について伺います。  市民後見人は親族ではない第三者で、地域の福祉、ボランティアの一環として貢献活動を行う一般市民による成年後見人です。その活動には地方自治体による養成と継続的支援が必要とされています。これも今月、成年後見制度の促進法が成立し、成年後見制度の利用が今後ますます増えることが予想される中、身近な地域の助け合い活動として市民後見人が安定的に養成され、活動を定着させていくことは、ますます進行する高齢社会にあって、安心して地域で暮らし続けていくために必要不可欠なことだと考えております。県内における成年後見制度の利用状況と、市民後見人に対する県の考え及び市民後見人養成に関する現状と課題をどう捉えているかお聞かせください。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 前橋家庭裁判所によりますと、平成26年度に後見が開始となった件数は、昨年に比べて8件増の425件、このうち市民後見人は6件となっております。今後、認知症高齢者などの増加を考えますと、親族や法律の専門家だけでは対応し切れないことも予想され、市民後見人の必要性は高まっていくものと考えております。老人福祉法におきましては、後見業務を適正に行うことのできる人材の育成及び活用を図るための研修の実施や家庭裁判所への推薦等につきましては、市町村の努力義務というふうにされております。県では、平成23年度から、市民後見制度に対する市町村の理解を深めるため、市町村職員や地域包括支援センター職員に対する研修を実施するほか、市町村の市民後見人候補者養成事業に対して補助しておりまして、現在、3市町で47人が候補者として養成され、このうち11人が家庭裁判所により後見人に選任をされております。しかし、ひとり暮らしの認知症高齢者などの増加を考えますと、現在の取り組みでは不十分であると認識をしております。市民後見人候補者には50時間程度の専門的研修受講が必要であることや後見人の責任や負担の重さ、後見制度自体の周知不足などが、市民後見人候補者の増加が進まない原因であると考えております。  このような中、議員から御指摘もございましたが、今年5月13日に、市民後見人となる人材の確保などを目的とした、成年後見制度の利用の促進に関する法律が施行されたところでございます。そこで、県といたしましては、引き続き市町村が行う養成研修への補助や市町村職員などに対する研修を実施するとともに、市民後見人の負担軽減や制度の普及啓発について、家庭裁判所や関係機関と連携をしながら取り組んでまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。市民後見人の養成が進まない理由のひとつとして、養成研修を受けるために東京まで通わなければならないということが挙げられているわけですけれども、平成26年度、岡山県や神奈川県、大阪府などでは府県でこの養成研修を実施しているんです。岡山県と神奈川県では県が主催、大阪府の場合は県の社会福祉協議会が市町村と共催するような形で実施しています。市民後見人の養成を進めることは、成年後見制度を利用する人の利益になるだけではなくて、そのような活動を通じて、市民後見人自身が自分の将来について考えたり、あるいは、後見人が必要な人の存在やその人たちへの支援の充実について、より多くの市民が関心を持つきっかけともなると思います。ぜひ、市民後見人を増やすためにこのような研修を群馬県でも実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○星野寛 議長 残り5分です。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 研修の受講については大変な負担があるというふうなことでございますので、県内のいろんなNPOで実施しているところもございますし、また県の社会福祉協議会、こういった関係団体と協議しながら研修のあり方について検討してまいりたいと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。  それでは最後に、学校給食における食物アレルギー対応について教育長にお伺いいたします。 ○星野寛 議長 教育長、答弁席へ。           (笠原 寛教育長 登壇) ◆あべともよ 議員 学校における食物アレルギーのお子さんの状況、そしてその対応がどうなっているかということを、まずお伺いしたいと思います。手短に、申しわけありません。 ◎笠原寛 教育長 お尋ねの児童・生徒の食物アレルギーの状況でございますが、県の調査によりますと平成27年度におきます食物アレルギー症状を持つ公立の小・中・高・特別支援学校の児童・生徒は1万863人でございまして、全体の約5.3%となっております。県教育委員会では、アレルギー疾患の理解と正確な状況の把握と共有、日常の取り組みと事故予防、緊急時の対応の3つを柱といたしますマニュアルを作成いたしまして、学校におきまして適切な食物アレルギー対応を行うよう、指導、啓発をしているところございます。また、学校給食におきますアレルギー対応につきましては、食物アレルギーの児童・生徒が他の児童・生徒と同じように給食を楽しめることを目指しておりまして、このため、児童・生徒の視点に立ったアレルギー対応の給食を提供するよう、指導、助言を行っているところでございまして、詳細な献立の提示、あるいは場合によりますとアレルゲンを除去しました給食、あるいはそれに代わる食材を使った給食も提供しているケースもございます。また、学校の児童・生徒の安全確保を考えるうえで全職員がこの食物アレルギーへの理解と対応をしっかり考えていただくことが必要でありますので、このための研修等を取り組んでおるところでございます。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。平成24年の9月に、今の安中市長であります茂木英子議員がこの質問をしたときには、アレルギーのお子さんたちというのは、3%台、8,000人台だったと思いますので、それから見ても非常に増えているなという感じがいたします。今、アレルギーのあるお子さんたちであっても、みんなと同じように給食を楽しめる環境をつくりたいということで、教育長おっしゃっていただきましたが、まさにこのことが本当に必要なことだと思います。詳細な献立を示して、食べられないものを自分で除いてもらう詳細献立という対応を含めれば、単独調理場、共同調理場を含めて、アレルギー対応が必要なお子さんのいる全ての調理場でアレルギー対応をしていただいているということで、多くの皆さんの努力の結果だと思います。しかし、アレルギーの原因となる食材を除いて提供する除去食で見ると、単独調理場では対応しているところが50%から69%、共同調理場では28%、代替となる食事を提供する代替食で見ると、単独調理場で25%から55%、共同調理場で22%ということで、特に共同調理場の対応している割合が低くなっているということがわかります。この対応率をぜひ上げていっていただきたいと思うんですが、このために県として市町村の取り組みをぜひ支援していっていただきたいと思います。ひとつの考え方として、栄養教諭、栄養職員の配置の充実ということが挙げられると思いますが、答弁をいただく時間がないので、要望として、ぜひ栄養教諭、栄養職員の配置の充実によって、アレルギーのお子さんに対し、よりきめ細かく対応できる調理場を増やしていくということをやっていただきたいというふうにお願いをさせていただきたいと思います。大丈夫ですか、一言答弁いただけないでしょうか。 ◎笠原寛 教育長 栄養教諭等の定数の改善につきましては、現在も国のほうに要望をしておるところでございますけれども、なかなか難しい状況がございます。また、きめ細やかな対応をするためには、人的な問題と設備の問題もありますので、いずれにしましても関係の市町村としっかり課題を共有しながら取り組んでいく必要があるというふうに考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございました。以上で質問を終わりにします。(拍手) ○星野寛 議長 以上であべともよ議員の質問は終わりました。   ● 休憩 ○星野寛 議長 暫時休憩いたします。  午後1時15分から再開いたします。     午後0時14分休憩     午後1時15分再開           (橋爪洋介副議長 登壇 拍手) ○橋爪洋介 副議長 暫時、議長職を執り行います。   ● 再開 ○橋爪洋介 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問(続) ○橋爪洋介 副議長 大手治之議員、御登壇願います。           (大手治之議員 登壇 拍手) ◆大手治之 議員 富岡市選出、自由民主党、大手治之でございます。今日は緑の羽をちょっと外させていただきまして、紫のすばらしいリボンをつけさせていただいております。これは、今日から禁煙デーということで、執行部の皆さんはつけておられないようですから、6月6日までということでありまして、県議会におきましても大分禁煙が進んでいるということで、私もそれに準じてやらさせていただいているところであります。  質問に先立ちまして、先に九州、熊本、大分において、大変な地震の被害がありました。お見舞いを申し上げますとともに、本県におきましても、大澤知事命のもと、いち早く、日赤のDMAT、そして自衛隊等を派遣して、また、県におきましても関係職員を派遣していただいたわけでありまして、関係者の皆様に感謝を申し上げたいと存じます。そして、九州の皆様におきましても、早期の復旧・復興を願うものであります。  質問席に行く前に、今日は新教育長、そして新しく部長さんになられた方が多く見られるわけでありまして、その方々に特別にメニューを用意させていただいておりますので、ぜひ、速やかな答弁をしていただければありがたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げ、質問席からさせていただきます。  まず初めに、大澤知事。 ○橋爪洋介 副議長 知事、答弁席へ。           (大澤正明知事 登壇) ◆大手治之 議員 大澤知事には、第15次総合計画に基づいて、すばらしいダイジェスト版をつくっていただき、これに基づきまして、「魅力あふれる群馬」の実現という形で、主に少子化問題をメーンに取り上げていただいたものが、ここに多く含まれているわけでありまして、今、約2000年ということでありまして、2060年には、何もしないでそのままいますと、120万人になってしまうという計画に基づいて、それを何とか阻止しようということで、第2の「はばたけ群馬プランⅡ」が進んでいるわけでありまして、知事にはその思いについて御答弁願えればありがたいと存じます。 ◎大澤正明 知事 人口減少がますます本格化し、今後も人口構成の大きな変化が見込まれる中、人口減少対策が本県におきましては喫緊の課題となっております。今後、この人口減少対策を土台といたしまして、豊かな自然環境や歴史、文化、恵まれた立地条件など、先人から受け継いできた限りない可能性を活かして、「人・モノ・情報」を呼び込むという新たな発想で群馬の未来を創生し、次の世代に引き継いでいかなければならないと考えております。そこで、「はばたけ群馬プランⅡ」では、「限りない可能性を大きくはばたかせ、群馬の未来を創生する」を基本理念として掲げ、「人づくり」、「安全で安心できる暮らしづくり」、「産業活力の向上・社会基盤づくり」、これらの3つの目標に沿って施策を実施することで、県民が安心して幸せを実感でき、将来にわたって住み続けたくなるような「魅力あふれる群馬」の実現を目指すこととしております。  人口減少対策にあっては、若者や女性の県内定着を図ることが極めて重要であり、県外に進学した学生のうち、群馬に戻って就職する割合は3割にとどまっております。こうした状況を打破するため、東京一極集中の流れを変え、若者や女性が活躍できる場をつくり出し、希望どおり結婚をし、安心して子育てができる環境を整えたいと強く思っております。この4月から計画がスタートいたしましたが、推進に当たっては、現場主義の実践を基本姿勢としており、このため若者や女性の生の声やNPO等の現場の意見をよく聞くとともに、県政の主役である県民や企業、そして県議会や地域をよく知る市町村とも連携をしながら、オール群馬の体制で、群馬をさらにはばたかせていきたいと考えているところであります。 ◆大手治之 議員 今、知事に答弁をいただきましたけれども、これをつぶさに見させていただくと、本当に知事の思いが入っているわけでありまして、特に一番後ろの部分に群馬県全体の市町村が入っていて、本当にいいことが書いてあるわけです。ぜひ、31年度に向けまして、職員とともに知事には頑張っていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。  続いて、教育長、お願いします。 ○橋爪洋介 副議長 教育長、お願いします。           (笠原 寛教育長 登壇) ◆大手治之 議員 教育長にはメニューを用意してあります。道徳教育についてお伺いしたいと存じます。  地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正され、先ほど、我が党の井田団長からもお話がありましたけれども、教育委員長と教育長が一体化し、新教育長制度ができたわけであります。笠原教育長は、群馬県で初めて新教育長として知事に任命をされたわけでありまして、今後、笠原教育長が教育委員会を代表して、また具体的な事務執行の責任者として、大澤知事と連携をしながら、精力的に県教育行政を推進していただけるものと大変期待をしているところでありまして、本県では、平成30年に小学校、平成31年に中学校において、道徳教育の教科化が実施をされます。道徳教育の充実を図るとともに、教育長の道徳に思う思いと、どのような準備をしているのか、お伺いしたいと存じます。 ◎笠原寛 教育長 道徳教育に関するお尋ねでございます。人口減少やグローバル化が進展し、将来の見通しが不明瞭となる中で、子どもたちが自己の生き方を考え、主体的に判断し行動する態度を身につけることは極めて重要でありまして、道徳教育がますます大きな役割を果たすものと考えております。また、先ほどございましたが、県の総合計画におきましても、「群馬の未来を担う子ども・若者の育成」を掲げ、「郷土への誇りと愛着の育成」、「たくましく生きる力の育成」などに取り組むこととしておりまして、これらの実現に向けて道徳教育は重要な役割を担うものと認識をしております。さらに、学校現場での喫緊の課題でありますいじめ問題への対応におきましても、道徳教育の一層の充実が求められているものと考えております。県教育委員会では、思いやりの心や公共心をはじめ、子どもたちに身につけてもらいたい大切なルールをまとめた「ぐんまの子どものためのルールブック50」を、毎年県内の全小学校の1年生の家庭に配布をさせていただいております。また、群馬県の先人、文化、自然を題材にいたしました道徳郷土資料集「ぐんまの道徳」を作成いたしまして、授業で活用することで、郷土への誇りと愛着の育成に努めるなど、本県独自の取り組みを行い、道徳教育を推進してきたところでございます。  平成30年度から、議員御指摘がございましたように、完全実施されます教科化に向けた準備といたしましては、県内の全小中学校の道徳担当教師を対象といたしました道徳教育研究協議会で、指導上の課題について検討をいたしたり、教職10年目の教師を対象といたしました研修会で、授業改善のポイントを示したりすることによりまして、指導力の向上を図っているところでございます。また、県内小中学校各1校を道徳教育の実践研究校に指定いたしまして、「考え、議論する道徳」のモデルとなる授業をつくり、成果を県内の学校へ普及しているところでございます。今後も教科化に向けた準備を進めながら、道徳教育の充実に努めることで、群馬の未来を担う子どもたちに、たくましく生きる力や郷土への誇りと愛着をしっかり育んでまいりたいと考えております。 ◆大手治之 議員 答弁ありがとうございます。今、教育長の答弁にありましたように、本当に児童・生徒が自分の周りの人たち、そして命を大切にするということは本当に大事なことだろうということで、教科化に向けて、やっぱりいじめ、いろいろな問題等々があると思いますけれども、ぜひ積極的に進めていただければありがたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  続いて、今、各地域で運動会に向けて、いろいろと組み体操等が行われているわけでありますけれども、スポーツ庁の調査によりますと、全国の小・中・高において組み体操の事故は、毎年8,000件以上起こっているということでありまして、組み体操の実施を廃止したり、安全性に関する指針を策定したりという事例が聞こえてきておるわけであります。去る3月にはスポーツ庁から、全国で事故が相次いでいる組み体操について、安全性を確実に確認できない場合には実施を見合わせようというものが、全国の都道府県、教育委員会に示されているわけでありまして、本県での組み体操についてのお考えをお聞かせ願いたいと存じます。 ◎笠原寛 教育長 組み体操の関係でございますが、各学校の運動会等で実施されております組み体操は、基礎体力の向上、また児童・生徒の一体感や感動を得られるなどの教育的意義のもと、練習成果の発表の場面として、各地で行われている種目でございます。県教育委員会といたしましては、県内でも組み体操を実施している学校があるものの、ここ数年、幸いにも後遺症が残るような重大な事故の報告は受けておりませんことから、従前より各学校におきまして安全に配慮しながら実施されているものと受け止めておるところでございます。  しかし、組み体操の高層化、巨大化が見られる中、全国的には事故が発生している状況もありまして、昨年7月に市町村教育委員会に対しまして、注意喚起を含め、組み体操に関する調査を実施いたしまして、安全への配慮を促したところでございます。また、先ほど議員からお話がございましたように、全国で組み体操による事故が多く発生いたしておることから、本年3月にスポーツ庁より、組み体操等による事故の防止について通知がされたところでございます。県教育委員会といたしましては、この内容に加えまして、市町村教育委員会等と連携をいたしまして、各学校におけます現状や地域性を考慮しつつ検討を重ねて、リーフレット「体育的行事の実施に当たって」を作成いたしまして、スポーツ庁の通知とあわせて、県内全ての小・中・高・特別支援学校に配付をいたしたところでございます。球技大会等も含めた体育的行事全般に関わる内容といたしまして、事前指導や練習の充実、児童・生徒の健康管理、天候・気象条件への対応等を示すことで注意喚起を図ったところございます。  現在、県教育委員会といたしましては、県内の全ての小中学校に、より一層適切な対応を求めるため、改めて組み体操の実施状況や安全面への配慮等に関する調査も今いたしておるところでございます。今後、各学校におきまして、組み体操を含めた体育的行事を実施する際は、安全な行動や規律ある集団行動の体得、体力の向上など、体育的行事の狙いを踏まえつつ、児童・生徒の技能や体力の状況等に応じて、安全かつ意義ある活動が実施されるよう、県教育委員会といたしまして、引き続き市町村教育委員会等と連携しながら指導してまいりたいと考えておるとことでございます。
    ◆大手治之 議員 答弁がありましたように、十分注意をしながら組み体操を取り組んでいっていただけるということで、これは子どもたちが達成したときの喜びというのが本当に大きく取り上げられていて、やっぱりやってみたいという方々が多い反面、事故があったときに困るという、この板挟みになっている先生方がいるわけでありまして、ぜひ注意しながら進めていっていただければありがたいと思いますので、よろしくお願い申し上げ、教育長への質問を閉じさせていただきます。  次に警察本部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 警察本部長、答弁席へお願いします。           (小田部耕治警察本部長 登壇) ◆大手治之 議員 警察本部長には、特殊詐欺の検挙状況についてお伺いしたいと存じます。  振り込め詐欺については、子どもや孫を心配する親心につけ込んで、老後のために蓄えた、本当に貴重なお金をだまし取る、本当に悪質な卑劣な犯罪であることは、皆さん承知をしているところであります。振り込め詐欺について警察をはじめとする関係機関では、相当なお力を入れていただいているわけでありますけれども、一昨年は、被害額ともにかなり大きくなっていたわけでありまして、県においても261件、8億6,300万円もの被害が出ているわけでありまして、このため県警では、増員された警察官8名を特殊詐欺特別捜査室に配置し、捜査体制を強化したと伺っております。そこで、県内の特殊詐欺の検挙状況についてお伺いしたいと思います。 ◎小田部耕治 警察本部長 議員御指摘のとおり、一昨年の特殊詐欺の認知件数は261件、被害額は約8億6,300万円、平成21年以降最多となったところであります。この状況を踏まえまして、県警察では、議員から御説明がございましたような形で、昨年の3月に捜査第二課特殊詐欺特別捜査室に8名の警察官を増員いたしまして、警察署に対する捜査指揮・指導や捜査応援等を行う特殊詐欺の捜査体制を強化し、被害者の方等の協力を得ながら、だまされたふり作戦等の検挙活動を強力に推進してまいりました。その結果、昨年の検挙件数は130件と、平成26年の2倍を超える件数を検挙し、本年も4月末現在で56件を検挙しているところでございます。県警察といたしましては、今後とも特殊詐欺の検挙対策を強力に推進し、だまされたふり作戦等により、受け子等を検挙するとともに、指示役等の中枢被疑者の検挙や犯行グループの解明に努めてまいりたいと考えております。 ◆大手治之 議員 だまされ役という話がありましたけれども、今、県警においてもいろいろなものがあり、ちょっとここを映してもらうとありがたいです。まず、詐欺に関するものですが、まずもうけ話に乗らない、電話でのお金の話が出たら疑う、家族との電話は最初に合い言葉、おかしいな、疑問は必ず相談をするということと、3ない宣言というのが、まず1個あります。そして次に、あなたの家族の財産が狙われていますという形のこれがオレオレ詐欺です。息子、孫、警察官、これは悪質です。あと還付金詐欺、あと金融商品詐欺というので、これがいろいろあって、最近はオレオレ詐欺というのがかなり進んでいるということでありまして、警察も力を入れているということでありまして、これから質問をさせてもらいますけれども、次にぜひ取り組んでいるところ、一番問題なのが、ATMで還付金を受け取れるという、これなんですけれども、絶対にATMではお金をもらえないということを十分承知していただければありがたいかなと。コンビニ、そしてスーパーとかのATMへ行って犯罪者の指示に従って、ピッピッピッとボタンを押しますと、相手方にすぐ20万30万の金が振り込めるということでありまして、この還付金詐欺についてはぜひ気をつけていただければ、ありがたいかなと思っております。  続いて、第2質問でありますけれども、先ほど、振り込め詐欺のお話もしましたように、群馬県振り込め詐欺等根絶協議会が昨年に発足されたということでありまして、県警と群馬県の協賛によって群馬県振り込め詐欺等根絶協議会が昨年発足されて1年が経つということであります。この協議会には、金融機関、また宅配業者等の連名をいただいて、かなり成果を上げていると新聞等で報道されておりますけれども、この協議会の取り組みなどの取り組み状況についてお伺いしたいと思います。 ◎小田部耕治 警察本部長 群馬県振り込め詐欺等根絶協議会につきましては、特殊詐欺の未然防止対策を官民一体となって推進するため、昨年の5月に発足したものであります。協議会におきましては、会議に参加している事業者の方や団体の方々がそれぞれの業態に応じまして、店頭における声かけや高齢者の方のお宅を訪問した際の注意喚起、また啓発資料の作成・配布などの未然防止に取り組んでいただいているところでございます。中でも金融機関、生命保険協会、コンビニエンスストア、あるいはタクシー事業者、宅配事業者等の事業者等の方におかれましては、特殊詐欺でだまされている可能性のある方々等への積極的な声かけと警察への通報を推進していただいているところでありまして、昨年中にその結果、被害を阻止できた件数は355件で、その阻止率は67.4%と、全国平均の49.1%と比較いたしても大変大きく上回る数字となっておりまして、全国的に見ますと第1位の阻止率となっているところでございます。本年3月末現在におきましても、全国平均が50.4%のところ、本県においては75.0%と、全国的に見て高い阻止率を維持している状況でございます。  また、県警察では、高齢者はもとより、幅広い年齢層を対象に歌と踊りで特殊詐欺の被害防止を訴える「No!詐欺音頭」を通じての広報啓発活動を、自治会、老人会等で推進しているほか、県内の各世帯に電話をかけて、特殊詐欺等についての注意喚起を行う「NO!詐欺コールセンター事業」を実施するなどして、特殊詐欺の手口の周知や被害防止の広報啓発活動を行っているところでございます。こうした取り組みによりまして、平成27年中の振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺の認知件数は、全国は1万3,824件ということで、前年比3.2%増加というふうになっている中で、本県におきましては194件ということで、前年比25.7%の減少という状況でございます。さらに、本年3月末現在におきましても、全国では3,119件、前年同期比12.5%の減少のところ、本県においては31件、前年同期比で42.6%の減少となっております。被害額につきましても、平成27年中、全国では約481億9,800万円、前年比14.8%の減少でありますところ、本県おいては約6億7,350万円、対前年比22.0%の減少という状況にございます。本年4月末現在におきましても減少傾向で推移しているところでございまして、協議会を中核とした官民一体となった被害の未然防止対策が寄与しているものと考えられるところでございます。県警といたしましては、今後とも引き続き、特殊詐欺の検挙活動を強力に推進するとともに、協議会を中核とした被害防止対策の一層の充実強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆大手治之 議員 根絶協議会の成果が出ているということもお伺いして、安心をしているところでありますけれども、先の伊勢志摩サミットがありましたように、見せる警備というのを警視庁のほうでは訴えて、本当に各種の警備があったわけでありますけれども、やっぱり群馬県においても、これだけの取り組みをしているから群馬県では詐欺にかからないということを自負していただきながら、今後の取り組みについても引き続きお願いを申し上げ、警察本部長への質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。  続いて、危機管理監、お願いします。 ○橋爪洋介 副議長 危機管理監、答弁席へお願いします。           (萩本勝美危機管理監 登壇) ◆大手治之 議員 危機管理監には、先の熊本地震におきまして未曾有の被害が出て、先ほどもお話ししましたけれども、早期の復興・復旧を願うところでありまして、この地震を毎日報道で見ている方々から、「群馬県はどうなの。」というお話を多く聞く機会がありまして、私なりに調べさせていただいたわけでありますけれども、平成24年の6月に「群馬県地震被害想定調査報告書」というのが、ネットで誰でも御覧になれるわけでありますけれども、それがこれなんです。〔資料(1)提示〕群馬県に3つの活断層があるということでありまして、皆様のところに資料をお示ししてあります。  まず片品川左岸の、これが1つです。これが約20キロです。そして、太田断層、幾日か前に読売新聞に出ていましたけれども、これが約24キロ。ピンクの部分がここにありますけれども、断層帯と想定断層ということで、結構幅広くあります。そして、もう1本は関東平野北西縁断層ということで、深谷から伸びてきていて、これが82キロの断層があるそうであります。そして被害状況というのが、皆さんのところにもお示しをしてありますけれども、〔資料(2)提示〕皆さんのところにお配りしてあるものは白黒でよくわからないかなと思っているんですけれども、これは色分けするとわかるんですけれども、先ほど言った、これが太田断層です。これが片品の断層。いずれにしても、この赤がマグニチュード7以上であります。ここがそうです、太田と。そして、これが関東平野の断層でありまして、深谷のほうから綾瀬川断層となっているわけでありまして、藤岡、高崎、安中、富岡、甘楽町がマグニチュード8という、あくまでこれは想定なんですけれども、これについて調べさせていただいたら、こういう結果が出ているわけでありまして、この被害の想定と今後の対応についてお伺いしたいと存じます。 ◎萩本勝美 危機管理監 県では、東日本大震災の教訓を踏まえまして、平成23年度から24年度にかけまして、地震や建築、火災など専門家によります「群馬県地震被害想定調査」を行い、平成24年6月に公表をさせていただきました。この調査は、最新の知見や手法に基づきまして、科学的に考えられます最大クラスの地震を想定し、これまでの被害想定の見直しを行ったというものでございます。この調査におきましては、活動が起きた場合に大きな被害を及ぼす可能性があります3つの断層について被害の想定をしたということで、今お話がありましたけれども、1つが県央から県西部に伸びます関東平野北西縁断層帯主部、2つ目が東毛地域の太田断層、3つ目が北毛地域の片品川左岸断層という、この3つでございます。  具体的な被害想定でございますけれども、関東平野北西縁断層帯主部、太田断層、片品川左岸断層、この順番で想定されます最大値を申し上げますと、まず死者数につきましては、約3,100人、1,100人、20人となっております。建物の全壊棟数につきましては、約5万9,000棟、2万2,000棟、340棟となっておりまして、死者数のうちの約9割が建物の倒壊や家具の転倒などによるとされているところでございます。  県といたしましては、この被害想定調査に基づきまして、平成25年3月に「群馬県地震防災戦略」というものを策定いたしまして、建物の耐震化の促進や県民の防災意識の高揚、自主防災組織の育成など、市町村や関係機関との連携を図りながら、さまざまな施策を推進いたしまして被害の軽減を図ることとしているところでございます。今後も、熊本地震で明らかになりました課題等を踏まえながら、本年度策定を予定しております国土強靱化の地域計画とあわせまして、地震対策の強化に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆大手治之 議員 ありがとうございます。今後の対応ということで聞かせていただきました。あくまで想定ということでありまして、今後の30年以内の発生率は0%から不明という結果も出ているわけでありまして、先ほどからお話がありましたように、この地域において、ほかの主部におきましても、いつ、どこで、何があるかわからないということで、やっぱり個々の県民の皆様の対応、意識が大事かなと思っております。そういった意味でこれをあえて出させていただいたわけでありますけれども、引き続きの県としての対応をよろしくお願いしたいと存じます。  続いて、県有施設の耐震化の対応についてでありますけれども、熊本県におきましては、被災された避難所に当たる施設の70%以上が、避難所に入れなかったという形で崩壊していたということで、ほとんどの方が車で避難生活をしている事実が報道されているわけでありますけれども、本県について、富岡におきましては、富岡高校、また富岡東高校等の体育館等、県有施設の耐震化状況について、また食料とかそういったものの備蓄体制についても重ねてお伺いできればありがたいかなと、よろしくお願いします。 ◎萩本勝美 危機管理監 まず、避難所となっております県有施設の耐震化の状況についてでございますが、県立高等学校や特別支援学校などが避難所に指定されておりまして、その耐震化の状況は、平成26年度末時点で204棟全て耐震化済みということになっております。  次に災害時の備蓄ということでございますが、県の地域防災計画におきましては、食料につきましては、想定される避難者が3日間暮らすために必要な量を、県、市町村、県民、それぞれが分担をして備蓄をするということになっております。県といたしましては、住民と市町村の備蓄の補完ということを目的としまして、県の前橋合同庁舎の敷地内にございます県地域防災センターをはじめとした県内27カ所で、約13万7,000食の食料を備蓄しておりますほか、民間事業者との協定によりまして、事業者の流通在庫を備蓄として活用するということとしているところでございます。このほか飲料水として約8万リットル、生活必需品としては毛布約1万枚、このほか紙おむつ、生理用品、防水シート、簡易トイレなどを備蓄しているというところでございます。  また、災害時には交通障害等によりまして物流機能が麻痺し、行政からの物資がすぐ届かないという場合が当然想定されるわけでありますけれども、各家庭におきまして、避難生活に必要となります物資を備蓄しておくということが、非常に重要となります。県では、最低3日間以上を備蓄するようお願いをしているというところでございます。今後も引き続き、防災イベントなどの機会を通じまして、県民の皆様へ理解を求めていきますとともに、県としても必要な物資の備蓄について、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆大手治之 議員 細かい答弁をしていただきまして、大変感謝をしているところであります。特に先ほど、危機管理監の答弁がありましたように、家庭での自分の身は自分で守るというのが、本当に大事かなと思っておりまして、今回熊本は地震ということでありまして、群馬県は海がないから津波がないだけで、ほかの災害等は全て考えなければいけないと思っておりますので、やっぱり自分の身は自分と、その後に県知事をはじめ、各市町村首長が中心になっていろいろな防災対策本部を立ち上げたりということでやっていただけると思っておりますけれども、ぜひ引き続きの御指導をお願い申し上げ、危機管理監への質問を閉じさせていただきます。  続いて、ボランティア体制について、生活文化スポーツ部長にお伺いします。 ○橋爪洋介 副議長 生活文化スポーツ部長、答弁席へお願いします。           (佐藤裕子生活文化スポーツ部長 登壇) ◆大手治之 議員 部長には、ボランティア体制についてをお伺いしたいと存じます。  本県においても、熊本県地震のような大規模な地震が発生した場合に、やっぱりボランティアの応援を要請すると思います。そういったときの支援体制について、効率良く活動していただくにはどのような準備をしているのか、また本県の災害時のボランティアの体制について、部長にお伺いしたいと存じます。 ◎佐藤裕子 生活文化スポーツ部長 災害時のボランティアの受け入れについての御質問でございますが、大規模な災害が発生したときには、被災された方々のニーズにきめ細かく、そして柔軟に対応できるボランティアの活動というのが、非常に被災者にとって大きな助けになるものというふうに考えております。県内で大規模な災害が発生した場合、そして多くの災害ボランティアから支援の申し入れが想定されるような場合には、市町村は、市町村社会福祉協議会などと連携して、災害ボランティアセンターを設置しまして、ボランティアの受け入れを行うこととなっております。また、県では、県及び群馬県社会福祉協議会、日本赤十字社群馬県支部、圏域のボランティア団体などで構成される「群馬県災害時救援ボランティア連絡会議」の協議を経て、県の災害ボランティアセンターの設置を決定いたします。県の災害ボランティアセンターでは、市町村災害ボランティアセンターと連携いたしまして、ボランティア受け入れ等の関係機関や各種団体との調整、県及び市町村災害対策本部や市町村ボランティアセンターなどから発信される情報の収集、整理・分析、被災地の状況やボランティア活動の需要の状況の把握や必要な支援の要請など、広域的な調整の役割を果たします。県では、災害が発生したときにボランティアの受け入れが円滑に行われるよう、県や市町村の総合防災訓練や、それから災害時を想定した図上訓練等に参加いたしまして、市町村や関係団体との連携の確認や対応マニュアルの点検等を行ってきているところでございます。今後も平常時から関係機関等と一層の連携を図りまして、災害が発生した際に、速やかにボランティアを受け入れる体制が整うよう準備してまいりたいと考えております。 ◆大手治之 議員 御答弁ありがとうございます。今、お伺いしていますと、まず先ほどからお伺いしていますが、人命救助というのがまず第一でありまして、これは対策本部長であります、群馬県でいうと大澤知事のもと、いろいろな指示が下るわけでありまして、ボランティア体制というのは後方支援、いろいろなものが済んだ後にボランティア体制を伺うということで、先ほども危機管理監のお話がありましたけれども、情報の一本化というか、司令の一本化をぜひ有事の際には考えていただきたいということであります。今お話を伺いますと、各市町村のボランティアに対する体制につきましては、社協の皆さんが中心になってやっていただけるということでありまして、県としても後方支援という形の中で、まず最初は地元の市町村の方が災害ボランティアセンターを立ち上げる、それは社協の皆さんが立ち上げて、先般、29日に富岡市におきましても富岡市総合防災訓練がありまして、社協が同じようにボランティアの対策本部を立ち上げて、そういう訓練をしておりました。ぜひ、今後におきましても、市町村と連携をとりながら、速やかに連携して、体制に不備がないようにお願いを申し上げ、部長への質問を閉じさせていただきます。ありがとうございます。  続いて、観光局長。 ○橋爪洋介 副議長 観光局長、答弁席へお願いします。           (塚越昭一観光局長 登壇) ◆大手治之 議員 世界遺産への誘客促進についてお伺いしたいと存じます。  「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録から、6月で3年目になるわけでありますけれども、なかなか客足が進まないということでありまして、今後の第15次群馬県総合計画及び群馬県観光振興計画において観光の戦略としておるわけでありますけれども、これについての計画と今後の入り込み数を伸ばす取り組みについてお伺いしたいと存じます。 ◎塚越昭一 観光局長 まず、世界遺産への誘客促進についての御質問でございますけれども、世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」につきましては、本県全体の観光振興を牽引する有力な観光資源と考えております。世界遺産への誘客効果を県内全域に波及させ、それを拡大させることが重要なことであるというふうに認識しております。そのためにも世界遺産への新規誘客やリピーター確保を図る必要があることから、様々な媒体を活用いたしました効果的な情報発信と構成資産や周辺観光資源の磨き上げ、そして観光客の受け入れ体制整備等に努めてまいってきたところでございます。昨年度は、情報発信の新たな取り組みといたしまして、スマートフォンやタブレット端末で観光情報を収集できる電子パンフレットを作成するとともに、千客万来支援事業によりまして、市町村などが実施する事業を支援してきたところでございます。さらに、海外からの誘客を図るために海外旅行エージェントやメディアを招請するとともに、県内温泉地とセットにした旅行商品の造成などを行ってまいったところでございます。  次に今後の取り組みでございますけれども、今年度は、群馬県の総合計画「はばたけ群馬プランⅡ」、そして県観光振興計画のスタートの年でございます。県観光振興計画に定めました4つの柱、「魅力ある観光地づくり」、「戦略的な情報発信」、「海外からの誘客促進」、「物産振興と食の魅力向上」という戦略の柱に基づきまして、「魅力あふれる観光県ぐんま」の確立にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。中でも世界遺産は、本県の「稼ぐ力」を引き出すため、また本県の魅力と集客力を高めるための核であるというふうに認識しておりますので、観光客のニーズに応えるためのデータの収集・分析、それに新たな観光資源の掘り起こしや磨き上げ、さらに何度も訪れてみたくなるというストーリーづくりなど、多様な関係者との連携を強化しながら、戦略的に施策を展開して、誘客促進に努めてまいりたいと考えております。  人口減少社会が到来する中で、観光による交流人口の増加や経済活性化、そして雇用増加が求められております。世界遺産や温泉など本県が誇る宝を存分に活かしながら、市町村や関係団体などとの連携を強化いたしまして、オール群馬で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆大手治之 議員 局長、答弁ありがとうございます。今、お話がありましたように、まさに富岡製糸場、あと3構成資産でありますけれども、核としてあるわけでありまして、ここへ来て海外の方も大分多くお見えであります。バスで団体で来て、近くですと磯部、また伊香保、草津ということでお泊まりいただけるということで、今日の上毛新聞にも、一杯お客さんを入れてくださるということで、富岡市にも磯部のホテルの方がお金を寄附したという書面が載っておりますけれども、よその地域もぜひそのようなことをしていただけるとありがたいかなと思っておりますけれども、それは余談であります。  もう1点、毎回質問をさせていただきますけれども、世界遺産センター、これについても、知事、よろしくお願いをしたいと存じます。ぜひ引き続きの御指導をお願い申し上げ、局長には、質問を閉じさせていただきます。ありがとうございます。  次、企画部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 企画部長、答弁席へお願いします。           (向田忠正企画部長 登壇) ◆大手治之 議員 部長には第2次群馬県国際戦略ということで、特に台湾についてに特化して御答弁願いたいと存じます。  県では国際戦略として、「観光誘客の促進」、「農畜産物等の販路拡大」、「企業のビジネス展開の支援」を3つの柱として第15次総合計画をスタートしているところでありまして、大澤知事も本当に、中国の上海事務所を中心に、積極的に各国へ、職員とともにトップセールスに行っていただいているわけでありまして、本当に頭の下がる思いでありまして、私ども、観光・世界遺産に関する特別委員会でもお邪魔をさせていただいて、この特別委員会では、私どもの松本委員長が本当に御苦労をいただいて、手配をしていただき、大きな成果を上げているところであります。そういった中で、今回は台湾に特化して、観光誘客を含め、台湾への対応をどのように考えているのかをお伺いしたいと存じます。 ◎向田忠正 企画部長 群馬県では、本年3月に「世界を惹きつける群馬」を目指しまして、第2次の国際戦略を策定したところでございます。戦略の重点地域は、従来どおり東アジアを最重視するとともに、成長著しいASEAN諸国にも重点を置きまして、さらに欧米等での県産品のブランド力強化ということにも取り組むこととしております。戦略の3本柱につきましては、先ほど議員がおっしゃったとおりでございますけれども、平成31年度までの4年間を計画期間といたしまして、各種施策に取り組んでいきたいと考えております。  そこで、議員お尋ねの台湾についての対応でございますけれども、台湾からの観光客が群馬県を訪れる外国人旅行者の半数近くを占めるということがございます。本県観光業にとって非常に重要な市場であるという認識を持っております。このため、知事のトップセールスや、また先ほどお話のありました県議会での取り組み、これを通じまして、台湾との人脈づくりを進めてきたところでございます。今後も現地での観光プロモーションや旅行会社への営業など、上海事務所を活用しながら、本県の魅力を積極的にアピールしていきたい、そこで誘客を図っていきたいという考えでございます。  また、本県では、台湾の彰化県、台中市、高雄市、この3つの地域と経済分野における友好協力協定を結んでおりまして、相互の観光交流や県産品の販売に取り組んでおります。今年度は、5月に高雄市で開催されました国際旅行展に上海事務所が出展をしたところでございます。また7月には、民間団体や県内市町村と連携して、協定締結先の3県市をはじめとする台湾と本県の交流や台湾の産品を紹介する台湾フェアを県庁舎1階で行う予定でございます。さらに8月には、毎年開催しております自転車交流イベントの「利根沼田センチュリーライド」、ここに台湾からの多数の参加者が予定されているところでございます。今後とも、これまで培ってまいりました人脈を活用いたしまして、県内の事業者、関係団体、市町村等と連携しながらオール群馬で国際戦略を推進し、県経済の活性化に取り組んでいきたいという所存でございます。 ◆大手治之 議員 部長答弁にありますように、本当に31年度には10万人から20万人という目標もあるわけでありまして、私どもが台湾に訪れたときには、「どこへ行ってみたいですか」という話を聞くと、まず日本と、ジャパンという答えが出てきまして、旅行もそうでありまして、本当に友好的な国でありますので、ぜひ引き続きの対応をお願いしたいと存じます。  続いて、先ほどもお話をしましたけれども、国際戦略の効果的な推進についてをお伺いしたいと存じます。先ほど申しましたけれども、県では3本の柱を国際戦略として進んでいるわけでありまして、知事や職員の方々が積極的に各国へ訪れて、トップセールスをしていただいているということでありまして、やっぱり外国に行くのには、経費がかかるし、事業展開などもしなければいけないということでありますと、限られた費用の中で効率を大に上げるということは重要でありまして、その辺についての県の考え方をお聞かせ願いたいと存じます。 ◎向田忠正 企画部長 国際戦略の推進に当たりましては、外国人観光客の受け入れ環境整備や農畜産物等の輸出環境整備など、県内の事業をしっかりと進める一方で、知事をはじめとします職員が海外に赴きまして、現地でトップセールス等の各種事業や人脈づくりを積極的に行っていく必要があると考えております。これまで、トップセールス等の取り組みによりまして、台湾からの観光客の増加、それから欧州への県産牛肉の輸出の大幅な増加に加えまして、県産業界とともに実施いたしましたベトナムの経済ミッションを通じまして、人脈の強化やベトナム大使館との関係強化が図られるなど、国際戦略の推進に結び付いたと考えております。  こうした海外における事業の実施に当たりましては、海外出張の経費をはじめとして予算の効率的な執行にこれまでも努めてきております。また、これから職員を派遣するだけでなく、現地の海外サポーターズという群馬県人の組織がございますけれども、この御協力をいただくなど、人的なネットワークも活用いたしまして、事業の効果的な実施に取り組んでいきたいと考えております。限られた財源で最大の効果を上げるために、今後も経費のさらなる見直しを行うなど、国際戦略の推進に係る施策の効率的な実施に努めてまいりたいと考えております。 ◆大手治之 議員 今お示しをしていただきましたけれども、やはり経費について十分に吟味をしていただき、先般の新聞を見させてもらうと大澤知事がファーストクラスに乗らない、そんなような記事がありましたけれども、やはり激務をこなされているわけでありまして、必要な経費は必要な経費として計上していただき、それに伴う事業展開をしていただきながら、しっかりと取り組んでいただければありがたいかなと思っておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げ、部長への質問を閉じさせていただきます。  続いて、農政部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 農政部長、答弁席へお願いします。           (宮崎一隆農政部長 登壇) ◆大手治之 議員 部長には、農畜産物の輸出について、これも台湾に特化してお伺いしたいと思いますけれども、さきの3・11の放射能の影響によりまして、いまだに台湾の輸出規制が解除にならないということでありまして、いざ解除になったときには、速やかに群馬県の農畜産物を台湾にまた輸出するために、どのような取り組みをしているのかお伺いしたいと存じます。 ◎宮崎一隆 農政部長 台湾の輸入規制解除を見据えた本県の対応についてでありますが、現地関係者から要望の高かったキャベツ、ナシについて、平成26年度から台湾の農薬使用基準を踏まえた栽培試験に取り組んできたところであります。このうちキャベツにつきましては、県内において台湾の基準に沿った栽培体系により生産が可能であることが確認でき、一定の成果が得られたところです。一方、ナシは、害虫防除について課題が見えてきたことから、引き続き今年度も栽培試験を実施することとしております。また、ナシを台湾へ輸出するためには、植物防疫上の観点から、事前に果樹園と出荷施設を登録するなど、様々な条件を満たすことが求められておりまして、現在、関係者等と調整を行っているところであります。そして輸出促進に当たりましては、本県産農畜産物等の良さを知ってもらうことが最も重要だと考えております。昨年度、台湾の消費動向を調査した結果、キャベツ、レタス、ほうれんそう、やよいひめ、やまといもなどの需要が高いことが確認できたことから、規制解除後はこれらの青果物と農産加工品等の認知度向上を図るためのプロモーションを実施したいと考えております。  いずれにいたしましても、これまで築いた人的ネットワークを活用するとともに、生産者等との調整のほか、輸出特有の手続など、様々な準備を着実に進めてまいりたいと考えております。 ◆大手治之 議員 答弁ありがとうございます。これにつきましては、大澤知事も国会議員の皆様に直接お願いをしていただいているわけでありまして、我々は先般、産経土木常任委員会で太田のOICTという施設を視察させていただいたわけでありますけれども、この施設も本当に利用していただきながら、今、植物防疫官が横浜から来て、いろいろ指導をしているということでありまして、これがうまくいくと、先ほどお話しされたキャベツを、じかに嬬恋とか、現地に行って検査をしていただき、そのまま送れるというようなお話も伺っておりますけれども、ぜひ、こういった施設も利用しながら、群馬の魅力あふれる農畜産物を速やかに輸出できる体制をつくっていただければありがたいと思います。よろしくお願いを申し上げ、部長への質問を閉じさせていただきます。  続きまして、県土整備部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 県土整備部長、答弁席へお願いします。           (上原幸彦県土整備部長 登壇) ◆大手治之 議員 部長には、地元問題というよりは西毛地域における道路と河川の整備について、3問、お聞かせ願いたいと思います。時間がないので、簡潔に答えていただけるとありがたいと思います。  知事が本当に「7つの交通軸」を強化していただき、先般5月16日に西毛広域幹線道路全線着手を表明していただいたわけでありまして、おかげさまで富岡管内の254バイパス、これの富岡大橋を含む4車線化が、無事に秋には開通できる見込みになっておりまして、本当に感謝を申し上げるところであります。  そして、今回、前橋の元総社蒼海区間も開通したその成果と、これから新たに着手していただける富岡安中工区の事業の予定についてもお聞かせ願いたいと存じます。 ◎上原幸彦 県土整備部長 西毛広域幹線道路につきましては、現在全線を10区間に分けて県と沿線の4つの市によって事業を進めているところでございます。今議会で大澤知事のほうから提案説明の中でありましたけれども、今年度、高崎安中工区と安中富岡工区に着手して全線事業化を図るということで進めてまいりたいと思います。  お尋ねの昨年開通した前橋工区と元総社蒼海工区の開通による効果なんですけれども、本線の交通量12時間当たり約1万8,000台だったのが、現在2万1,000台に増加しており、順調に交通の転換が図られているところでございます。  また、並行する県道足門前橋線については、前橋市元総社町で約2割の交通量が減少するなど、地元前橋市の千代田町の国道17号からイオンモール高崎までの所要時間も5分短縮され、交通の円滑化と利便性の向上が確認されたということで、あと、今年度新たに着手する工区ということで、安中富岡工区につきましては、今年度現地測量と道路詳細設計を行いまして、その後、説明会を開催して、地元の理解を得ながら、用地取得に向けての調査を行っていきたいというふうに考えております。 ◆大手治之 議員 ありがとうございます。ぜひ、安中富岡工区ではなくて、富岡安中工区ということでお願いしたいような、知事、そういうことでひとつよろしくお願いいたします。  続いて、富岡製糸場周辺整備の状況についてであります。国道254号線と県道前橋安中線が「かぎの手」になっている通称富岡交差点でありますけれども、歩行者の安全対策について進捗状況と、富岡製糸場の玄関口であります富岡神流線の仲町の電柱地中化の歩道整備についてお伺いしたいと思います。済みません、短くお願いします。 ◎上原幸彦 県土整備部長 富岡交差点については、非常に構造の悪い、食い違い交差点ということで、交通量、通行車両が富岡製糸場の関係で大変多くなっておりまして、交差点の早期改良が求められているということで、平成24年度から事業着手しまして、本年度は関係機関と協議を行い、用地取得を進めるところでありまして、事業用地を早期に確保して、早く工事に着手していきたいというふうに考えております。  それから、富岡神流線の仲町通りについては、非常に照明柱とか電柱が林立した状態になっておりますので、今年度は、県、富岡市、地元の方々などと合意形成を図って詳細設計を行い、その後地元の協力が得られれば、埋設物を移設して、早期に工事に着手していきたいというふうに考えております。 ○橋爪洋介 副議長 残り、3分程度です。 ◆大手治之 議員 いま1点、部長に一級河川の蚊沼川の河川改修工事についてでありますが、これは、本当に豪雨があるたびに蚊沼川が氾濫をするということでありまして、住宅、畑等に大きな被害をもたらして、長年の念願でありましたけれども、平成27年度において地元の皆様に対して説明ができるというところまで来ているところでありまして、今後の進捗状況について端的にお答え願えるとありがたいと存じます。 ◎上原幸彦 県土整備部長 蚊沼川の放水路については、洪水被害を減らすということで、昨年度から事業に着手しておりまして、今年度は用地測量を行う予定であります。今後は地元の協力が得られれば、来年度用地買収を行い、早期完成に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆大手治之 議員 ありがとうございます。よろしくお願い申し上げて、部長への質問を閉じさせていただきます。  最後、環境森林部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 環境森林部長、答弁席へお願いします。           (井田由夫環境森林部長 登壇) ○橋爪洋介 副議長 残り2分切っております。 ◆大手治之 議員 部長には、鳥獣による自然生態体系への被害が多く、とにかくニホンジカの食害が多いということで、これに対しての自然生態系をどのようにしていくか、対応についてお伺いしたい。簡単に1分でお答え願えればありがたいです。 ◎井田由夫 環境森林部長 御質問の県内の野生鳥獣による被害のことですけれども、今、自然公園を中心にいたしまして、農林業被害のほかに非常に植生被害等多大な影響を受けている状況でございます。そういった中で県ではシカが高密度に生息して、貴重な自然生態系に被害を及ぼしている尾瀬や赤城、そして神津牧場周辺におきまして、国の事業を活用しながら捕獲に取り組んでいる次第でございます。これらの捕獲事業に加えまして、貴重な植物の食害を防止するための、日光白根山等における防護柵の設置等を行っております。 ◆大手治之 議員 時間になりました。以上で質問を閉じさせていただきますので、引き続きの御指導をお願いして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○橋爪洋介 副議長 以上で大手治之議員の質問は終わりました。  穂積昌信議員御登壇願います。           (穂積昌信議員 登壇 拍手) ◆穂積昌信 議員 太田市選出の自由民主党穂積昌信でございます。本議会におきまして当選後2度目の一般質問に立たせていただくことを心から感謝申し上げます。そして、今日は傍聴席でも地元から、遠くのところからお越しいただいているところを大変ありがとうございます。さらには、群馬テレビの向こうでは、多くの支援者の方が御覧になっているかと思います。大変日頃から御指導、御鞭撻のほど、ありがとうございます。
     私は、自由民主党のぐんま政治塾の1期生の出身でございます。そこで学んだことによって議員になる志を得たわけでございますが、そこで多くのことを学びました。今、私の政治信条としておりますのが、そこで学んだ「知行合一」という言葉です。「知行合一」という言葉は、「知識があっても行わなければ知らないのと一緒である。」そういうような言葉です。私は、この政治信条のもとにしっかりと県政に向けて邁進してまいりたいと思います。  本日は、執行部の方におかれましても、明瞭簡潔な御答弁をいただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、知事、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 知事、答弁席へお願いいたします。           (大澤正明知事 登壇) ◆穂積昌信 議員 第15次群馬県総合計画の基本理念は「限りない可能性を大きくはばたかせ、群馬の未来を創生する」とございます。未来を創生するということは、これから未来に起こることに対し、こうなるからしようがないということではなく、未来のあるべき姿を自ら決め、選択していくことで未来をつくる、意欲的な取り組みの決意のあらわれだと解釈しております。そこで、こちらのグラフを御覧ください。〔資料(1)提示〕その未来を担う若者の意識に関する内閣府の調査でございます。縦がパーセントで、こちらが年齢になっております。こちらは日本と諸外国の若者を比較対象とし、ここでいう若者というのは、13歳から29歳までの方をあらわしております。この質問は、「自分の将来について明るい希望を持っていますか」という問いに対し、「希望がある」と回答した日本の若者は、日本の線がこちらなんですけれども、これをほぼ平均すると約6割をやっと超える程度でございます。ほぼ4割近くの方が「希望がない」と答えております。ただでさえ低いのに、このグラフを見てわかりますように諸外国と比べて、さらに年齢を追うごとに希望がなくなっているような状況がございます。この希望のない4割の若者たちは、結婚や子育てなど、思い描く家庭の将来像が描きにくいという結果も出ております。「若者が将来希望を持って家庭を築き子どもを育てることの社会づくり」に向けた知事の思いをお伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 本格的な人口減少社会に立ち向かい、本県が活力を維持し、持続的な発展を続けていくためには、議員御指摘の、「若者が将来に希望を持って家庭を築き子どもを育てることのできる社会づくり」が最も重要であり、本県が取り組むべき施策の根幹をなすものであると認識をしております。  本県においては、今年度スタートいたしました第15次総合計画「はばたけ群馬プランⅡ」で、「地域を支え、経済・社会活動を支える人づくり」を基本目標の一つとして挙げまして、若い世代への就労支援を推進していくとともに、子どもたちが郷土への誇りと自分の将来への希望を持って、自立した社会の担い手として成長していける取り組みを進めているところであります。さらには、子育ての不安解消に向けて、精神的支援、経済的支援に取り組み、子ども医療費の無料化や第3子以降3歳未満児保育料免除、ほめて育てる子育て講座など、子育て環境の整備を推進しているところであります。  本県では、これまでも子育て支援について重点的に取り組んできたところでありますけれども、結婚や子育てを望む若者が、それを諦めてしまうことがないよう、行政のみならず、社会全体で絶えず工夫を凝らして対応していくことが必要であると思っております。県民の皆様をはじめ、企業や市町村と力を合わせて、群馬で暮らし、住み続け、そして家族を増やしたくなるよう、全力で取り組んでいきたいと考えております。 ◆穂積昌信 議員 ありがとうございました。ぜひ、知事のおっしゃるとおり、若い世代は、今迎えております少子高齢に当たって、大変人口が少ない部分に当たりますので、社会全体で御支援いただけるように御尽力いただくよう、お願い申し上げます。どうもありがとうございました。  続きまして、教育長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 教育長、答弁席へお願いいたします。           (笠原 寛教育長 登壇) ◆穂積昌信 議員 〔資料(2)提示〕先ほどの希望の調査と同じ調査の内容になるんですけれども、こちらは自己肯定感に関する調査内容です。希望と同じような状況でございます。こちらが日本の線になります。大変自己肯定感の低い子、自分自身に満足をしていない子が多いことがわかります。自己肯定感は、様々な要因や環境で形成されます。家庭環境、学校生活、あるいは社会に出てからの職場生活など、その中で学校生活における自己肯定感に焦点を当てますと、友人関係でしたり、自分の存在意義、あるいは地域との関わり、そういったものも重要な要因と考えております。教育委員会として、自己肯定感を高めるための取り組みをお聞かせいただければと存じます。 ◎笠原寛 教育長 児童・生徒の自己肯定感を高める教育についてのお尋ねでございます。  変化の激しい時代にありましても、子どもたちが夢や希望を持ち、その実現に向かって、たくましく生きていくためには、子どもたちの自己肯定感が育まれることが必要であると考えております。子どもたちの自己肯定感は、日々の生活の中で様々な体験を通じて育まれますことから、困難を乗り越え、やり遂げたことから生まれる自信、また人の役に立てたという実感、互いに認め合う人間関係の中で育まれる安心感など、自己を肯定的に見ることにつながっていくものと考えております。各学校では、日々の授業や学校行事など、教育活動全体を通しまして、子どもたち一人ひとりの自己肯定感を育むことに努めております。教師は子どもたちの良さを見つけ、褒めたり、認めたりすることを常に念頭に置いて指導を行っております。また、各教科の授業におきましては、子どもたちが課題を自ら見つけ、協力して解決していけるような学習を取り入れることで、達成感や自信を持てるような工夫もしておるところでございます。  さらに、子どもたちの自己肯定感を育むうえで、社会的に意義ある活動に取り組み、地域社会から認められることも大事な点でありまして、学校では、家庭、地域の協力を得て、社会体験やボランティア体験に子どもたちを積極的に取り組ませておるところでございます。例えば、小学校におきましては、上級生と下級生が一緒になった登校班での通学路の清掃活動に当たったり、中学校では、社会福祉施設におきまして介護体験等を行っておるところでございます。また、高等学校におきましては、母校の小学校でボランティアチューターといたしまして、教員の補助をしております。これらの活動は、児童・生徒が地域や社会における自らの役割や存在感を感ずることにつながっているものと考えております。  今後もこうした取り組みを通じまして、自己肯定感を育み、夢や目標に向かって失敗や困難を乗り越えていけるような、たくましく生きる力を持った子どもたちの育成に努めてまいりたいと考えております。 ◆穂積昌信 議員 今、子どもや若者の意識の中で、うまくいくかわからないことにも積極的に取り組む姿勢が足りない現状がございます。失敗したとしても諦めないたくましさを育んでもらいたいです。挑戦への意欲というのは、たとえ失敗しても、精一杯力を出せばいいんだという気持ちがあってこそ生まれます。結果ではなく、恐ろしくても挑戦した、不安でも力を出したという勇気が、その後の行動の違いをどんどん生み出していくと思います。そして、子どもたちの多様性です。教育長おっしゃるとおり、たくさんの社会体験や様々な生き方を学ぶ中で、未来は自分で切り開けるということを、ぜひとも子どもたちには知ってもらいたいと思っております。ありがとうございました。  続きまして、こども未来部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 こども未来部長、答弁席へお願いします。           (中村弘子こども未来部長 登壇) ◆穂積昌信 議員 今年度より、安心して妊娠・出産・子育てできる施策の推進と、群馬の未来を担う子ども・若者の育成のための体制整備のため、新たにこども未来部が設置されました。先ほどから、未来を担う子ども・若者の希望のお話をしてまいりましたが、これから子ども・若者が将来に希望を持てるよう、こども未来部としてどのように取り組んでいくか、決意のほどをお伺いいたします。 ◎中村弘子 こども未来部長 子ども・若者が将来の希望を持てるということについてのお尋ねでございますけれども、それこそが群馬の未来創生そのものの姿であると考えております。県では、これまでも様々な視点から子どもや若者への支援策に取り組んでまいりました。こども未来部は、こうした取り組みをさらに強く推し進めていくとともに、子どもや若者の立場に立ってその将来への展望を少しでも開けますよう、県が実施する施策の総合的な企画や調整、そして協力をするために創設された組織と考えております。例えば、先ほど教育長から答弁がありましたように、子どもたちがたくましく生きるために、学校現場でもいろいろな施策、取り組みを行っていただいていますが、こども未来部が力になれる場面では、今まで以上に心を合わせて教育と福祉と両側から子どもの成長を支える役割も果たす必要があると思っております。  こども未来部におきましては、こうした立場を十分に認識したうえで、関係所属などとの連携を強め、県総合計画にあわせて策定しました「ぐんま子育て・若者サポートヴィジョン2016」をはじめとする各種の個別計画を包括的に進めてまいります。子どもたちが体験していくあらゆるライフステージにおいて、切れ目のない支援を実施し、県民が温かい家庭をつくり、子どもたちが未来に夢と希望を持てる社会づくりを目指していきたいと考えております。 ◆穂積昌信 議員 ありがとうございました。家庭、学校、地域が一体となって、子ども・若者の成長を温かく、時には厳しく見守り、支えることのできる環境づくりを一層進めることは、子ども・若者が社会との関わりを自覚し、自己肯定感を育むことにつながり、ひいては、子ども・若者が将来に明るい希望を持つことにつながると考えます。今後さらに人口が高齢化し、若年人口比率が低下したとしても、若年世代が社会に参画し、社会が若者の声に耳を傾ければ、若年世代に負担を強いている社会システムが改められ、持続可能な社会を構築していくことが可能だと思います。  若者の声を吸い上げる多くの仕組みも必要だと思います。男女共同参画では女性が加わっておりますが、現状、子ども・若者の政策の議論は大人が担っているケースがほとんどです。当事者である子ども・若者の声を反映させる仕組みをつくることも重要でございます。当然、すぐに大人と対等に議論することは簡単ではございませんが、子どもや若者が発言できるように経験や教育訓練の場をつくることも必要であると考えております。今年の夏の参議院選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられます。若者に希望を与えられない日本であってはならないと思います。執行部の皆様には、ぜひとも子ども・若者の施策に全力で取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。  続きまして、健康福祉部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 健康福祉部長、答弁席へお願いします。           (塚越日出夫健康福祉部長 登壇) ◆穂積昌信 議員 医療・介護の2025年問題について、高齢者が地域から孤立しないための施策についてお伺いいたします。  2025年問題は、団塊の世代が75歳以上になり、医療・介護需要が増大する大きな社会問題として取り上げられます。しかし、団塊の世代は高度成長を支え、常に時代の主役となり、この日本を引っ張ってきていただいた方です。この2025年問題をマイナスに捉えず、現在、そしてこれからの未来の生き方のあるべき姿として、最後までQOL、生活の質を維持できる社会の実現を目指していくべきと考えております。  そこで、現在の県の健康寿命についてですが、平成22年の調べによりますと、男性71歳、女性75歳となっております。さらに男性の平均寿命が79歳、そして女性が85歳と考えますと、その差の8年から10年間は、何らかの健康の悪化、障害やあるいは介護状態になると考えられます。最近のアメリカの研究によりますと、人の社会的な関係と健康や長寿とは強い関わり合いがあるということが明らかになってきています。社会的な役割を持っている人や趣味など、友人や人とのつながりのある人ほど、病気になりにくいというものです。ひとり暮らしの世帯が増え、人とのつながりが希薄になっている中で、地域ぐるみでの取り組みが精神面、そして体の健康面でも重要だと考えます。現在の健康寿命延伸に資する介護予防の取り組みについて、お伺いいたします。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 本県におきましては、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、75歳以上の後期高齢者は34万4,000人となり、平成25年度と比較して4割近く増加すると推計されております。また、75歳を境に要介護認定率も上昇することから、要介護高齢者数も平成25年度の1.45倍の12万7,000人余りに増加すると見込まれております。このような状況の中で、議員御指摘のとおり、高齢者が要介護状態などにならないよう、あるいは、要介護状態になってもできる限り住み慣れた地域で自立した生活を営むことができるよう、介護予防の取り組みが重要であると考えております。  現在、介護予防のための新たな取り組みといたしまして、市町村において「介護予防に資する住民主体の通いの場」の整備が進められております。高齢者が容易に通える範囲内でその整備が進めば、効果的な介護予防につながるほか、高齢者の社会参加にもつながるものと考えております。平成26年度末時点での、本県における週1回以上開催されている「介護予防に資する住民主体の通いの場」は361カ所であり、前年度末よりも100カ所近く増加しておりますけれども、まだ十分とは言えない状況でございます。県といたしましては、住民に対する啓発や動機付けの方法、住民主体の活動が継続できるような支援方法などについて、研修や先進事例の情報提供などを行いまして、この取り組みが県内全域に広がるよう、市町村の取り組みを支援してまいりたいと考えております。 ◆穂積昌信 議員 部長の答弁にございましたように、住民主体の活動が361カ所ということで、少しずつ増えているということで、やはり冒頭からお話し申し上げましたように、ひとり暮らしの高齢者がかなりこれから増えていく中、孤立するお年寄りがこれから増えることのないよう、しっかりとそういった部分でも地域ぐるみで施策を進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。  引き続き、健康福祉部長にお伺いいたします。2025年問題に関して、また認知症への今後の対応も問題かと思います。今からたった9年後です。2025年は、65歳以上の高齢者のうち5人に1人が認知症になると言われております。認知症への対応は、本人、家族、介護現場、地域などの幅広い支援体制が必要でございます。増大が予想される認知症について、現在の取り組み、今後の対応をお伺いいたします。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 現在、県内の認知症高齢者は8万5,000人を超え、2025年には11万人以上になると推計をされております。このように認知症高齢者の増加が見込まれる中、在宅で認知症高齢者を支えていくためには、社会全体での認知症に対する正しい理解の促進、適切に対応できる介護スタッフの養成、さらには家族の精神的な負担軽減のための支援などの取り組みが必要であるというふうに考えております。  そこで、本県におきましては、平成27年1月に国家戦略として策定されました新オレンジプランに基づきまして、認知症になっても尊厳を保ちながら安心して住み慣れた地域で暮らし続けられる、高齢者などにやさしい地域づくりを目指した取り組みを進めているところでございます。具体的には、認知症の理解促進といたしまして、市町村による認知症サポーター養成の支援、認知症介護指導者養成など介護スタッフの資質向上、さらには認知症家族会を通じた介護家族への支援などを実施しております。  今後は、認知症サポーターが地域の居場所での見守り等において積極的に活動できるよう、認知症サポーターのレベルアップを図るとともに、介護スタッフに対する認知症介護実践者研修などの拡大、医療スタッフの認知症対応力向上研修の充実などを図ってまいりたいと考えております。また、認知症疾患医療センターを今年度から3カ所増設いたしまして、13カ所として、県内全圏域に整備をしたところであります。そこで、センターにおける認知症の相談体制や普及啓発の充実を図りまして、介護家族支援の充実にもつなげてまいりたいと考えております。さらに、介護家族の精神的な負担軽減を図るため、介護者同士が気軽に集まり話し合える認知症カフェの設置が進むよう、事例紹介、研修等を通じまして、市町村を支援してまいりたいというふうに考えております。 ◆穂積昌信 議員 部長がおっしゃるとおり、認知症はかなり多くの様々な家族や介護現場や社会全体での理解が必要かと思います。実際、例えば介護現場においても、1人の認知症の利用者の方がいらっしゃったとしたら、1対1のような形で介護者もつかなければいけないような現状もございますし、目が離せない、そういった部分も多数ございます。あるいは、在宅でそういった認知症の方をお持ちの御家族の方は、もちろん認知症になっている方の心的負担も大変多いと思いますし、当然家族の負担も多いと思います。在宅で、さらに地域で支えていくというふうに考えていくと、地域との連携、地域での理解が非常に重要になってくると思います。例えば、認知症の方が外に出ていってしまったときに、近隣の方がそれを理解していれば、「あそこのおじいちゃんがちょっとどっか行っちゃっているような気がするけれども、大丈夫なの。」と、声かけも進むでしょうし、それをもし理解されていなければ、なかなかそういった連携も進まないと思いますので、ぜひ今後とも、サポーターですとかカフェですとかそういった施策があるようですけれども、社会全体での取り組みをよろしくお願いいたします。  続きまして、介護における外国人人材の活用についてお伺いいたします。増大する要介護者に対し、深刻な介護人材不足が問題視されております。人口減少により労働人口が減るだけでなく、そもそも介護の仕事に関わろうと考える方が減っているのも現状です。外国人人材については、国でのEPAの制度がございますが、充足にはほど遠いのが現状です。県として今後の介護における外国人人材についての取り組みや考えをお伺いいたします。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 増大する介護ニーズに対応し、質の高い介護サービスを確保するため、介護人材の安定的な確保を図ることは喫緊の課題であるというふうに考えております。議員御指摘の外国人人材の活用につきましても、人材の裾野の拡大を進め、多様な人材の参入を図る視点から、積極的に取り組んでいく必要があると認識しております。  外国人人材の活用につきましては、まず在日日系人や日本人の配偶者である外国人など、就労に制限がなく、一定程度の日本語能力のある定住外国人などを活用したいと考えております。そのため、新規事業といたしまして、外国人を対象とした介護業務向けの日本語研修や、介護施設、事業所に対して外国人の受け入れ事例の紹介などを行う受け入れ準備講座を行うこととし、そのための補正予算を今議会でお願いをしているところでございます。また、経済連携協定EPAに基づく専門的介護人材の活用につきましても、引き続き、外国人介護福祉士候補者受け入れ施設と連携して、着実に進めてまいりたいと考えております。  なお、外国人技能実習生制度に介護分野を対象に加えることや介護福祉士の国家資格を取得した外国人留学生が国内で就労するための法案につきましては、現在国会で審議中でありますが、法案成立後これらにしっかりと対応ができるよう、情報収集や関係機関との連携を進めてまいりたいと考えております。 ◆穂積昌信 議員 ありがとうございます。部長がおっしゃるとおり、在日の外国人の方や配偶者をお持ちのそういった外国人の方にまずは施設に勤めていただくような施策というのは、非常に重要かと思います。これから国のほうで施策などが決まったときに、急に外国人の方を受け入れるというのも、施設のほうも準備が必要だと思います。ですので、今言ったような、そういったもともと在日でいらっしゃる方などを積極的に受け入れるような施策を進めていただき、今後も拡大に努めていただければと思っております。  引き続きまして、健康福祉部長に高齢者の見守りについてお伺いをいたします。  県では現在、ライフラインの事業者など、様々な事業者と協定を結び、地域における高齢者の見守り活動に取り組んでおられるかと思います。超高齢社会において、コンビニにおける地域での役割が増してきております。先日も戸建て街でのコンビニの出店が解禁され、買い物弱者対策になるなど、取り組みが注目されているところでもございます。  今、新たに見守りの拠点としてあるのが、このコンビニエンスストアだと思います。コンビニは24時間・年中無休に近いサービスを提供し、さらには県内地域での店舗数も数多くございます。最近では、夜眠れないひとり暮らしのお年寄りがコンビニに深夜に訪れるなどともお聞きしております。大手コンビニでは、ひとり暮らしの高齢者などの見守り活動に取り組んでおり、配送サービスで地域を回るときや、あるいは店舗の中、周辺などで高齢者の見守り活動を担っているとお聞きしております。こういったコンビニとも協力するお考えがあるのかお伺いいたします。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 本県では、平成25年4月から「群馬県地域見守り支援事業」として、電気・ガス・宅配業者など各家庭を訪問する機会が多い事業者や団体、17社4団体と協定を締結いたしまして、事業者などがふだんの業務の中で異変を感じた場合に、市町村の窓口に報告してもらう取り組みを行っております。具体的には、新聞や郵便物が何日もたまっていたり、約束の時間に訪問したが応答がなく、電話をしてもつながらないなど、ふだんと違った様子を報告してもらうものであり、実際に急病や高齢者の虐待案件への対応につながった事例も報告をされております。  議員お尋ねのコンビニエンスストアによる見守り支援でありますが、現在、コンビニは、住民に身近な存在となっており、高齢者の利用も多く、時には認知症が疑われる高齢者の情報が市町村に寄せられる例もあったと聞いております。地域見守り支援事業は、基本的には各家庭を訪問する事業者に見守り機能を期待するものでありますけれども、コンビニ事業者の中には、高齢者などへの宅配・配食サービスを行っている事業者もあり、さらには認知症高齢者への対応など、来客者への対応の中で見守りという役割を持ってもらうことも期待できることから、コンビニとの連携に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆穂積昌信 議員 ありがとうございました。ぜひとも積極的な取り組みを期待しております。よろしくお願いいたします。  続きまして、看取りの取り組みについて健康福祉部長にお伺いいたします。  今、ほとんどの方が最後、病院で旅立っていかれます。最期を迎えております。深刻化する超高齢社会で、病院や介護施設は既に満杯状態でございます。しかし、もし自宅で最期を迎えようにも、ひとり暮らしのお年寄りも多く、孤独死となってしまうおそれもございます。2025年にはこうした看取り難民が47万人にもなるという試算があり、大変問題視されております。地域包括ケアシステムをもとに在宅での看取りができる環境づくりがこれから必要だと考えます。県はどのように体制づくりをし、県民に周知をしていくのかお伺いいたします。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 平成26年人口動態調査によりますと、本県において自宅で亡くなった方は10.6%となっております。一方、平成24年度に国が行いました「高齢者の健康に関する意識調査」によりますと、治る見込みの少ない病気にかかった場合、自宅で最期を迎えたいという人が54.6%に上っております。今後、さらに高齢者の増加が見込まれる中、病気や要介護状態になっても住み慣れた地域での生活を希望する方が最後まで安心て暮らせるよう、自宅での看取りも含めた在宅医療・介護サービスの体制整備を推進することは、地域包括ケアシステムを構築していくうえで不可欠であると考えております。  そこで、県では医療介護総合確保基金を活用いたしまして、地域医療介護連携拠点事業をはじめ、在宅医療に取り組む診療所などの設備整備に対する補助や、かかりつけ医、訪問看護師など在宅医療・介護に携わる専門職の人材育成に力を入れているところであります。さらに、昨年度、県で作成いたしました在宅医療・介護支援パンフレット「住み慣れたわが家で」におきまして、日常の療養に加え、緊急時の対応方法や最期を我が家で迎えるための準備についても示しまして、地域包括支援センターや医療機関などで配布をしております。  このような中、在宅で看取りを実施する診療所や訪問看護ステーションも徐々に増えている状況でございます。今後は、さらに在宅での看取りが安心して行える環境をつくるため、市町村や関係機関などとの連携により、県民の看取りに関する理解促進を図るとともに、各地域における切れ目のない在宅医療介護連携推進体制の充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆穂積昌信 議員 実際のところ、例えば、要介護状態で家族が介護している中で、「最期はどういった形で」というところまで話し合われないのが現状かと思います。本人、そして家族がしっかりと、「最期をどのように迎えるか」ということを、大変難しい問題ではございますが、話し合う機会も必要かと思われます。そして部長がおっしゃるとおり、今後の医療体制もかなり重要になってくるかと思います。やはり、在宅で最期を迎えるということは、当然、主治医の先生の御協力も必要ですし、看護師の方にも御協力いただかなければならない。訪問看護の重要性もかなりこれから増してくるという部分でも、人材育成を進めていただきたいと思っております。  さらにそういった中で、いざ最期のときを迎えても家族が戸惑うことのないよう、事前の話し合いの仲立ちをしてくれる看取り士というものが注目されております。余命幾ばくかの人と家族の心を支え、自宅で安らかな死を迎える手伝いをするのが主な仕事だそうです。このような看取り士の育成もぜひ進めていただきたいと思っております。ありがとうございました。  引き続き、障害者支援について健康福祉部長にお伺いをしてまいります。  放課後等デイサービスについてお伺いいたします。放課後等デイは、障害のある主に6歳から18歳の就学児童・生徒が、学校の授業終了後や長期休暇中などに通う施設でございます。学校外で集団生活を行う機会や居場所をつくり、障害のある子どもたちを持つ家庭を支えるために創設され、障害児の学童保育とも表現されております。  その放課後等デイの施設数、利用者数が現在急増しているかと思います。その中で発達障害児の支援で大きな役割を担い、増え続けるデイでの、現場での質の向上が重要であります。県内の放課後等デイサービスの状況と、今後の取り組みについてお伺いいたします。 ◎塚越日出夫 健康福祉部長 放課後等デイサービスにつきましては、先ほど議員からお話がございましたように、平成24年4月に創設され、学校に就学している障害児に対しまして、放課後や夏休みなどの長期休暇中に生活能力向上のための訓練、社会との交流促進などの支援を行うサービスであります。今年の4月1日現在の県内の事業所数は140カ所、定員は1,434人であり、昨年度と比べ44カ所、449人増加しております。地域によって数にばらつきはあるものの、県内全ての障害保健福祉圏域で事業所が運営されておりまして、全体的には充足をされてきております。現在、新たに他分野から参入してくる事業者も多く、提供される支援内容は多種多様であり、発達支援の技術が十分でないなど、支援の質の確保が課題であると考えております。  こうした状況を踏まえまして、県では、平成27年4月に国が定めました放課後等デイサービスを実施するうえでの基本的事項を示した「放課後等デイサービスガイドライン」の周知徹底を図っているところであります。今年度は、事業者などを対象に障害児に対する支援の方法、役割についての研修会を開催するとともに、新規事業者を対象に適正な運営についての説明会を開催することとしております。障害のある児童が身近な地域で障害の特性に応じた適切なサービスが受けられるよう、放課後等デイサービス事業者に対する指導を行うなど、事業所の質の向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆穂積昌信 議員 発達障害児の方々は、個々に症状がかなり違ってくると思いますので、やはりこういった人材育成に関しては重要だと思いますので、積極的に研修などを行うことを御期待しております。  実際、放課後等デイに関して、通常、小学校が終わった後の放課後に通われるわけですけれども、その先、例えばその子が中学へ行ったり、高校へ行ったりというふうに進むにつれて、例えば中学に行くと、部活動が始まります。そうすると必然的になかなか放課後デイに通えなくなる環境にもなってくるかと思います。そうすると、だんだんと支援が離れていってしまいます。そこから徐々にひきこもりや不登校、あるいは、さらに大人になるにつれて、若年無業者につながる可能性もなくはないかと思います。やはり、できる限り切れ目のない支援と身近に相談できる環境をさらに推進していただき、施策を進めていただきたいと思っております。今後も発達障害の問題に関しましては、自民党として委員会等の場においてもしっかりと進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。  続きまして、教育長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 教育長、答弁席へお願いいたします。           (笠原 寛教育長 登壇) ◆穂積昌信 議員 知的特別支援学校への肢体不自由のある生徒の受け入れについてお伺いいたします。  高等特別支援学校において、肢体不自由のある生徒の受け入れは、主に県内では3校あるかと思います。そのため、遠くてもこの3校に通わなければなりません。受け入れ校が少ないことで実際長時間通学となっているのも現状でございます。例えば、太田市にございます、中等部まである太田養護学校では肢体不自由の生徒を受け入れておりますが、その生徒が隣にある太田高等特別支援学校へ進学しようとしたとき、その高等特別支援学校は生徒を受け入れる体制がございませんので、通えないという現状がございます。そうすると、桐生にあるあさひ特別支援学校まで通わなければなりません。当然親御さんたちからすれば、地元の高校に通わせたい、ましてや、その場合だと隣にあるという状況もあったりしますので、特にさらに問題なのが、肢体不自由の方となると長時間通学というのは身体的にも大変負担になるかと思います。高等部段階の肢体不自由のある生徒の知的特別支援学校への受け入れについてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 ◎笠原寛 教育長 知的特別支援学校への肢体不自由のある生徒の受け入れの関係でございます。特別支援学校でございますが、県政の重点施策といたしまして、整備が進みまして、現在5つの障害の区分に対応いたしまして、県内では県立として21校設置されております。各学校では、幼児・児童・生徒の障害の状態等に応じた教育課程に基づき、それぞれ専門性の高い教育を行っているところでございます。そのうち、肢体不自由のある児童・生徒につきましては、肢体不自由教育に関します専門性の高い教員の配置や車椅子等への対応可能な施設整備、また医療的ケアの実施、スクールバスの配置等、安心・安全に学ぶための教育環境が必要でありますことから、基本的には肢体特別支援学校に通学をしていただいているところでございます。そのほか高等部段階での生徒が学ぶ知的特別支援学校につきましても、9校のうち5校では、知的障害と肢体不自由をあわせ有します生徒が在籍しておりますが、議員からお話がございましたように、高等特別支援学校4校におきましては、肢体不自由をあわせ有する生徒は在籍していない状況でございます。これらの4つの高等特別支援学校につきましては、学校の設立の目的が職業的な自立を主たる教育目標のひとつとして設立いたしました経緯もございまして、卒業後の一般就労など、職業的な自立を目指す生徒が多く、現状の教育課程や施設整備の状況におきましては、肢体不自由をあわせ有する生徒の障害の状況に応じた受け入れが難しい場合も生じていることも事実でございます。  今後の肢体不自由をあわせ有します生徒の受け入れ等につきましては、現状の状況では、今申し上げましたように制約がございますが、生徒や保護者の意向をしっかりと確認しながら、負担軽減につながるよう、きめ細やかに対応してまいりたいと考えております。 ◆穂積昌信 議員 やはり御本人の身体的負担も多く、さらには親御さんの負担も大きいです。例えば、バスで送り迎えがあるといっても、そのバスがあるところまで親御さんが送る、そしてそこから乗りかえるというと、さらにやっぱり児童の身体的負担も多く、重くのしかかってくるところでもございますので、ぜひとも前向きな今後の御検討をお願いいたします。ありがとうございました。  続きまして、農政部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 農政部長、答弁席へお願いいたします。           (宮崎一隆農政部長 登壇) ◆穂積昌信 議員 こちらのグラフを御覧ください。〔資料(3)提示〕こちらは、ぐんまフラワーパークとあしかがフラワーパークの入園者数の推移を比較したグラフでございます。  ぐんまフラワーパークは、平成4年に開園当初、89万人をピークに、現在、約28万人ほどになっております。一方、あしかがは、こちらのグラフにはございませんが、実際は平成9年に開園しております。そこから13年のデータしかございませんが、今では100万人を優に超えております。さらに、この100万人以上の中でインバウンド、外国人観光客も有名な藤を目当てに数多く来園をしているようです。例年は1万人程度だった外国人観光客も現在は6万人を超えているそうです。こういった現状の中、ぐんまフラワーパークの入園者数増加に向けてどのような取り組みを行っているか、お伺いいたします。 ◎宮崎一隆 農政部長 ぐんまフラワーパークは、県民に花と緑に親しむ憩いの場と学習の場を提供することを目的として、平成4年4月23日に開園したものです。入園者の状況についてですが、平成23年度まで減少傾向にあったものの、その後やや持ち直し、平成27年度の入園者数は、28万6,000人となっております。県では、平成18年度から指定管理者制度を導入し、株式会社ぐんまフラワー管理に施設運営を委託して、民間の力を活用した魅力あるフラワーパークづくりを進めております。具体的には、ダリア園の開設や山野草エリアの充実、大規模イルミネーション設備の導入による冬期間の誘客などの取り組みを進めているところであります。  今後は、新たに園内の見どころづくりに取り組む予定であり、具体的には、大学や植物園等と連携し、内外の多くの種類のツツジを収集しますとともに、県民に呼びかけまして、ツツジの古木や巨木の寄附を募り、園内に植栽する計画であります。これにより、現在フラワーパークが所有いたします我が国有数のアザレアコレクションとあわせて、冬から初夏までツツジ類を楽しめる施設を目指していきたいと考えております。また、地元団体、企業等と連携した赤城山元気フェスタ等のイベントを充実させるなど、県民や地域と一体となった取り組みの定着を図ってまいりたいと考えております。  一方、開園から24年が経過し、施設の老朽化が進んでいることから、県では、入園者が快適に園内を楽しんでいただけるよう、鑑賞温室の設備やパークタワーのエレベーター等の改修を実施したところであり、ファミリー層への集客効果が期待される木製遊具についても計画的に更新していきたいと考えております。来年度には累計入園者数が1千万人に達する見込みであり、県としては、フラワーパークが県民に愛され親しまれる施設として、多くの方に足を運んでいただけるよう、引き続き、指定管理者と連携し、入園者数の増加に取り組んでまいる所存であります。 ◆穂積昌信 議員 部長、ありがとうございます。少しずつではございますが、努力されて増えているところであるかと思いますが、やはり、そもそも何とか少しでも人に来ていただかなければなりません。こちらのあしかがフラワーパークを例に出しましたが、あしかがフラワーパークさんに関しては、藤が世界的にも有名になって、それを目当てにたくさんの人が来るような状況でありますので、そういった何か売りになるようなものであったり、特徴ある公園づくりというのが必要かと思います。  あとは、千葉県にあります船橋のアンデルセン公園というのもかなり有名で、入園者数が多いんですけれども、やはりそういったところを見ても入園者の方がどういう方かというと、子連れのお客さんが非常に多いということなんです。工夫を凝らした遊び場があったりして、群馬県でやっておりますぐんまこどもの国なんかも、当然、休日やゴールデンウイークなどは県内外から親子連れが多数訪れております。やはり親子で来て、一日中楽しめるような、そして遊べるというものがこれからはキーワードになってくるのかなと思います。様々な花壇の試みなどをしているかと思いますが、そういったことと同時に、何か特徴ある、目玉になるものをつくっていただきたいと思います。例えば、シンボルになるような観覧車を設置したりですとか、様々まだまだ検討する余地があるかと思います。ぜひとも今後、ぐんまフラワーパークが一層一大観光地となるように取り組んでいただければと思っております。ありがとうございました。  続きまして、総務部長、お願いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 総務部長、答弁席へお願いいたします。           (深代敬久総務部長 登壇) ◆穂積昌信 議員 能力及び実績に基づく人事管理の推進についてお伺いいたします。  地方公務員法の改正により人事評価制度が導入されているかと思いますが、適正な評価を行うためにどのような取り組みを行っているか、お伺いいたします。 ◎深代敬久 総務部長 本県では、平成21年10月から、人材育成と組織マネジメントの向上を主眼といたしました人事評価制度を実施してまいりましたが、今年度からその一部内容を変更して、継続しております。その変更の具体的内容でありますけれども、1点目は、評価対象を拡大いたしました。部長級職員を含め、原則として全ての職員に人事評価を実施することといたしております。2点目でございますけれども、評価結果の反映であります。従来、所属長及び次長級の職員に対して、評価結果を反映しておりましたけれども、全職員に対しまして、昇任及び昇給、さらには勤勉手当に反映させることといたしております。3点目は評価結果の開示でございます。全職員にその結果を開示いたしまして、評価の対象となりました勤務状況、あるいは目標の達成度などについて面接によりまして、各職員にフィードバックすることで、能力開発・人材育成につなげていくこととしております。  そして、適正な評価を行うための取り組みでございますけれども、従来から評価者に対しまして行っております制度の仕組みや評価手法に関する研修に加えまして、今年度は、より実践的な内容となりますように、事例演習を大幅に充実させるほか、研修対象者の拡大や実施回数の増加も予定しているところでございます。 ◆穂積昌信 議員 人事評価制度におきましては、部長級以下全職員に拡大したということで、もともと、こういった人事評価制度は人材を育成するというところが目的かと思います。そういった部分で、育成するために様々なことをやっているかと思いますけれども、その評価が全職員にわたるということは、平等に評価されなければ、さらには部長がおっしゃっていたように、昇給に関わってしまうというところを考えると、極端なお話をすると、感情論というか、そういうもので左右してはいけませんし、ましてや同じ年数働いた方が、ここの部署にいるからなかなか昇給しなかったということが起こらないように、ぜひとも評価者研修というのをしっかりとしたものとして取り組んでいかなければ職員様の平等性が難しくなってくると思いますので、ぜひともその辺、慎重に評価していただきながら人材育成に取り組んでいただきたいと思っております。  引き続き、職員の時間外勤務についてをお伺いいたします。
     ちょうど今月末、政令指定都市の全20市長が仕事と家庭が両立できる職場の構築を目指す、イクボス宣言を行うと聞いております。イクボスは、育児、家庭、地域との、そして仕事との調和を部下に率先し、示す上司でございます。仕事にめり張りをつけることで業務効率や組織力などの向上を目指しております。盛んに言われておりますワーク・ライフ・バランスに関しては、やはり残業が課題となっております。県も育児、家庭、地域との調和、女性の活躍応援などを考えると積極的に時間外勤務の縮減が必要だと思われます。県の現状と取り組みをお伺いいたします。 ○橋爪洋介 副議長 残り4分程度です。 ◎深代敬久 総務部長 知事部局におけます職員の時間外勤務の状況でございますけれども、職員1人当たりの月平均の時間外勤務でございますけれども、平成27年度は11.2時間といった状況になってございます。時間外勤務を縮減するための取り組みでございますけれども、これまでも毎年度当初に各所属に通知を発出し、会議や資料の見直し、ノー残業デーの徹底などを周知し、その縮減を呼びかけてきております。また、各所属におきまして、数値目標を設定した計画を作成のうえ、四半期ごとに進捗状況を確認しながら縮減に向けた取り組みを進めてきたところであります。さらに、本年3月に策定いたしました女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画におきましても、ワーク・ライフ・バランスの推進に向けた大きな柱として、長時間勤務の是正を掲げたところでございます。これまでの仕事の仕方の見直しを含め、働き方改革を進めまして、時間外勤務の縮減に向けた取り組みを推進してまいりたいというふうに考えております。 ◆穂積昌信 議員 平均11.2時間ということで、多分あくまで平均だと思いますので、長時間労働されている方ももしかしたらいるんじゃないかなと思っております。やはり、ワーク・ライフ・バランス、そしてあまりに長時間な時間外勤務をすると、当然体にも影響を及ぼしますし、そういった長時間労働をされている方がいらっしゃると、その業務にも支障が出てくると思います。体が疲れている中で仕事に取り組んで、そしてもしも県民の方から対応を迫られたときに、県民サービスの質にも関わってきてしまうかと思います。ぜひとも、できる限りの時間外縮減をしていただければと思います。  続きまして、障害者雇用についてお伺いいたします。  雇用において障害のある人が障害のない人と同様、その能力と適正に応じた雇用の働き場につき、地域で自立した生活を送ることができる社会の実現を目指し、障害のある人の雇用対策を推進しているところでございますが、県知事部局の障害者雇用の現状と促進に向けた取り組みについてお伺いいたします。 ◎深代敬久 総務部長 群馬県では、従来から障害者雇用に積極的に取り組んでいるところでございまして、知事部局におけます平成27年度の障害者雇用率は法定雇用率の2.3%を上回ります2.43%となっております。  障害者雇用の促進に向けた取り組みでございますけれども、正規職員につきましては、平成25年度から身体障害を持つ方を対象とした別枠試験を導入しております。これまでに2名を採用させていただきました。非常勤職員につきましては、知的な障害を持つ方を対象に、県庁舎の文書集配などの業務を行います業務支援ステーションを平成25年度に立ち上げまして、現在6名を雇用しております。さらに昨年度から、この取り組みを地域機関にも拡大いたしまして、現在、地域機関6事務所で6名を雇用しております。さらに、6月からは2事務所で2名を雇用する予定でおります。 ◆穂積昌信 議員 2.4%ということで、ぜひとも、今障害者の方々の雇用先というのは企業、そして自治体一丸となって進めてまいらなければならないと思っておりますので、ぜひとも、積極的に今後も促進いただければと思っております。以上でございます。ありがとうございました。  以上をもちまして、一般質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○橋爪洋介 副議長 以上で穂積昌信議員の質問は終わりました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  次の本会議は、明6月1日午前10時から再開し、上程議案に対する質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 散     会 ○橋爪洋介 副議長 本日はこれにて散会いたします。     午後3時28分散会...