群馬県議会 > 2009-02-23 >
平成21年  2月 定例会-02月23日-02号

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  1. 群馬県議会 2009-02-23
    平成21年  2月 定例会-02月23日-02号


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    最終取得日: 2023-05-03
    平成21年  2月 定例会-02月23日-02号平成21年 2月 定例会 群馬県議会会議録  第2号 平成21年2月23日         出席議員 47人 欠席議員 0人 欠員 3人    田島雄一  (出席)       中村紀雄  (出席)    原 富夫  (出席)       早川昌枝  (出席)    関根圀男  (出席)       中沢丈一  (出席)    腰塚 誠  (出席)       塚越紀一  (出席)    南波和憲  (出席)       黒沢孝行  (出席)    山本 龍  (出席)       小野里光敏 (出席)    真下誠治  (出席)       金田克次  (出席)    松本耕司  (出席)       久保田順一郎(出席)    須藤昭男  (出席)       岩井 均  (出席)    金子浩隆  (出席)       平田英勝  (出席)    大沢幸一  (出席)       塚原 仁  (出席)    村岡隆村  (出席)       織田沢俊幸 (出席)    中島 篤  (出席)       狩野浩志  (出席)    新井雅博  (出席)       福重隆浩  (出席)    橋爪洋介  (出席)       岩上憲司  (出席)    今井 哲  (出席)       関口茂樹  (出席)    舘野英一  (出席)       久保田 務 (出席)
       萩原 渉  (出席)       星名建市  (出席)    大林俊一  (出席)       茂木英子  (出席)    角倉邦良  (出席)       井田 泉  (出席)    笹川博義  (出席)       須藤和臣  (出席)    あべともよ (出席)       水野俊雄  (出席)    後藤克己  (出席)       石川貴夫  (出席)    後藤 新  (出席) 説明のため出席した者の職氏名    知事         大澤正明    副知事        茂原璋男    副知事        稲山博司    教育委員長      杉原みち子    教育長        福島金夫    選挙管理委員長    髙山 曻    人事委員長(代理)  森田 均    代表監査委員     富岡惠美子    公安委員長      阿久澤 浩    警察本部長      大平 修    企業管理者      篠﨑健司    病院副管理者     小出省司    総務部長       中山博美    企画部長       石田哲博    生活文化部長     小川惠子    健康福祉部長     下城茂雄    環境森林部長     入沢正光    農政部長       林 宣夫    産業経済部長     柿沼伸司    県土整備部長     川瀧弘之    会計管理者      鈴木恵子    財政課長       細野初男    財政課次長(代理)  加藤隆志 職務のため出席した者の職氏名    局長         須田栄一    総務課長       川田恵一    議事課長       緑川善彦    議事課次長      中島三郎    議事課係長      内田善規    議事課主幹      佐藤彰宏    議事課副主幹     堀 和行     平成21年2月23日(月)                   議  事  日  程 第 2 号 第1 特別委員会委員の選任 第2 一般質問[代表]    ・第1号議案から第94号議案について    ・承第1号専決処分の承認について                           以 上 知 事 提 出     午前10時1分開議  ● 開議 ○腰塚誠 議長 これより本日の会議を開きます。  ● 諸般の報告 ○腰塚誠 議長 日程に入る前に、諸般の報告をいたします。  上程議案中、第15号、第22号、第23号及び第40号の各議案につきましては、群馬県人事委員会に意見の聴取を行いましたところ、お手元に配付しておきましたとおりの意見書が提出されましたので、御一覧願います。  ● 特別委員会委員の選任 ○腰塚誠 議長  △日程第1、特別委員会委員の選任を議題といたします。  お諮りいたします。  予算特別委員会委員の選任につきましては、委員会条例第5条第1項の規定により、お手元に配付の特別委員会委員名簿のとおり指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○腰塚誠 議長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  ただ今選任されました各委員は、本会議休憩中、正副委員長を互選して、議長のもとに報告を願います。          ──────────────────────────                  特別委員会委員名簿  予算特別委員会(15人)    中  村  紀  雄    黒  沢  孝  行    山  本     龍    久 保 田  順 一 郎    金  子  浩  隆    平  田  英  勝    中  島     篤    新  井  雅  博    星  名  建  市    茂  木  英  子    角  倉  邦  良    笹  川  博  義    須  藤  和  臣    水  野  俊  雄    石  川  貴  夫          ──────────────────────────  ● 一般質問 ○腰塚誠 議長  △日程第2、第1号から第94号までの各議案及び承第1号を議題とし、党(会)派代表により上程議案に対する質疑及び一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。          ──────────────────────────               本 日 の 発 言 通 告 ┌──────────┬────────────────────────────┬──────────────┐ │氏     名   │     発 言 通 告 内 容            │答弁を求める者の職名    │ │( 所属会派 )   │                            │              │ ├──────────┼────────────────────────────┼──────────────┤ │久保田順一郎    │1 平成21年度当初予算について             │              │ │(自由民主党)   │(1)予算編成の基本的な考え方について         │知 事           │ │ 発言割当時間   │(2)県税収入の見積もりの考え方について        │総務部長          │ │     65分   │(3)県債についての考え方について           │総務部長          │ │          │2 景気対策と雇用対策について             │              │ │          │(1)景気対策について                 │知 事           │ │          │(2)雇用対策について                 │産業経済部長        │ │          │3 子供の医療費の無料化について            │              │ │          │(1)完全実施するとの考え方について          │知 事           │ │          │(2)平成22年度以降の財源について           │知 事           │ │          │4 医師確保について                  │知 事           │ │          │5 7つの交通軸構想等について             │              │ │          │(1)7つの交通軸構想の関連づけについて        │県土整備部長        │ │          │(2)北関東自動車道周辺道路の整備状況について     │県土整備部長        │ │          │(3)北関東自動車道開通の効果について         │産業経済部長        │ ├──────────┼────────────────────────────┼──────────────┤ │南波和憲      │1 塩漬け県有地の処分について             │              │ │(自由民主党)   │(1)元総社取得用地の今後の対応について        │              │ │ 発言割当時間   │  ① 住宅供給公社が所有していることについて     │知 事           │ │     67分   │  ② 取得用地の処分、活用方法等について       │知 事           │
    │          │(2)土地開発基金による取得地について         │              │ │          │  ① 取得地の面積、金額等について          │知 事           │ │          │  ② 売却する場合の金額等について          │知 事           │ │          │  ③ 土地開発基金の廃止について           │知 事           │ │          │(3)取得地の購入に係る責任について          │知 事           │ │          │(4)元知事公舎の庭木について             │知 事           │ │          │2 中核市への移行について               │              │ │          │(1)県の事務量や予算等について            │知 事           │ │          │(2)支援等について                  │知 事           │ │          │(3)県独自の施策の反映について            │知 事           │ │          │(4)高崎市の中核市への移行について          │知 事           │ │          │(5)今後の影響について                │知 事           │ │          │3 競技スポーツの振興について             │              │ │          │(1)競技場の整備について               │知 事           │ │          │(2)今後の競技場の整備計画について          │知 事           │ │          │(3)本県での全国大会開催について           │教育長           │ │          │(4)全国大会の誘致について              │教育長           │ │          │4 介護職員の確保と今後の特養施設整備について     │              │ │          │(1)特養緊急増床整備計画の達成度について       │健康福祉部長        │ │          │(2)特養の現状について                │              │ │          │  ① 50床定員の特養の数とユニット数について     │健康福祉部長        │ │          │  ② 70床定員の特養の数とユニット数について     │健康福祉部長        │ │          │  ③ ショートステイ併設の割合と介護形態について   │健康福祉部長        │ │          │(3)介護報酬の改定について              │健康福祉部長        │ │          │(4)ユニットケアの評価について            │健康福祉部長        │ │          │(5)今後の施設整備の方針について           │健康福祉部長        │ │          │(6)介護職員の確保について              │健康福祉部長        │ │          │5 指定管理者制度について               │              │ │          │(1)過去3年間の実績について             │総務部長          │ │          │(2)業務の見直しについて               │総務部長          │ │          │(3)設定理由について                 │総務部長          │ │          │(4)業務委託との相違について             │総務部長          │ │          │(5)苦情について                   │総務部長          │ │          │(6)民間への移管について               │総務部長          │ │          │6 八ッ場ダム建設事業と上信自動車道について      │県土整備部長        │ ├──────────┼────────────────────────────┼──────────────┤ │岩上憲司      │1 財政規律について                  │              │ │(リベラル群馬)  │(1)臨時財政対策債の評価について           │知 事           │ │ 発言割当時間   │(2)「実質的な交付税」との説明について        │              │ │     60分   │  ① 臨時財政対策債の措置について          │総務部長          │ │          │  ② 臨時財政対策債の将来見通しについて       │稲山副知事         │ │          │(3)知事の公約について                │知 事           │ │          │(4)実質公債費比率について              │知 事           │ │          │(5)財政調整基金・減債基金について          │知 事           │ │          │(6)将来の世代に対する説明責任について        │知 事           │ │          │2 農林業の振興について                │              │ │          │(1)農林業の担い手確保について            │知 事           │ │          │(2)予算編成上の農林業の位置づけについて       │知 事           │ │          │  (3)予算面での配分について            │知 事           │ │          │3 群馬県のイメージアップ推進について         │              │ │          │(1)総合情報センターの役割について          │知 事           │ │          │(2)イメージアップのための戦略について        │知 事           │ │          │(3)湯浴み着について                 │産業経済部長        │ │          │4 前橋赤十字病院について               │              │ │          │(1)建て替えの検討について              │知 事           │ │          │(2)現時点での検討の内容について           │知 事           │ │          │(3)今後の検討の予定について             │知 事           │ │          │5 定額給付金について                 │              │ │          │(1)定額給付金の給付手続について           │総務部長          │ │          │(2)定額給付金の経済効果について           │総務部長          │ │          │(3)定額給付金に対する知事の所見について       │知 事           │ ├──────────┼────────────────────────────┼──────────────┤ │久保田 務     │1 平成21年度当初予算案について            │              │ │(民主党改革クラブ)│(1)マニフェストについて               │知 事           │ │ 発言割当時間   │(2)県債残高について                 │知 事           │ │     37分   │(3)景気対策について                 │知 事           │ │          │(4)公共事業について                 │知 事           │ │          │(5)雇用の確保について                │産業経済部長        │ │          │2 農業後継者の育成について              │              │ │          │(1)雇用不安対策として農業への雇用を推進することに  │農政部長          │ │          │   ついて                      │              │ │          │(2)安定的・継続的な就農対策について         │農政部長          │ │          │(3)「農業経営の大規模化」と今回の緊急的措置としての │農政部長          │ │          │   「就農対策」について               │              │ ├──────────┼────────────────────────────┼──────────────┤ │あべともよ     │1 高齢者の交通安全対策について            │              │ │(爽風)      │(1)高齢者の交通事故の現状について          │警察本部長         │ │ 発言割当時間   │(2)高齢者の運転免許証自主返納制度について      │              │ │     37分   │  ①本県の自主返納制度の現状について         │警察本部長         │ │          │  ②返納数を増やすための取り組みについて       │警察本部長         │ │          │2 さくらプランの非常勤講師の常勤化について      │              │ │          │(1)35人以下学級の教員配置予定について        │教育長           │ │          │(2)常勤になれない非常勤講師について         │教育長           │ │          │(3)教員採用試験とさくらプランでの経験について    │教育長           │ │          │(4)マニフェストにいう「非常勤講師の常勤化」につい  │知 事           │ │          │   て                        │              │ ├──────────┼────────────────────────────┼──────────────┤ │福重隆浩      │1 マニフェストについて                │知 事           │ │(公明党)     │2 制度融資について                  │              │ │ 発言割当時間   │(1)制度融資の拡充について              │知 事           │ │     37分   │(2)企業立地促進資金について             │産業経済部長        │ │          │3 少子化対策について                 │              │ │          │(1)ぐんま子育てヴィジョンについて          │生活文化部長        │ │          │(2)結婚や子育て家庭への支援策について        │生活文化部長        │ │          │4 文化振興基本条例の制定について           │生活文化部長        │ │          │5 環境施策について                  │              │ │          │(1)群馬県版グリーン・ニューディールについて     │知 事           │ │          │(2)エスコ事業について                │環境森林部長        │ └──────────┴────────────────────────────┴──────────────┘          ──────────────────────────
    ○腰塚誠 議長 久保田順一郎議員御登壇願います。          (久保田順一郎議員 登壇 拍手) ◆久保田順一郎 議員 自由民主党の久保田順一郎でございます。本日は一番バッターとしまして、自由民主党を代表しての質問をさせていただきたいと思います。  なお、132分という持ち時間でございます。南波県議とともにやらせていただきたいと思いますので、よろしく御清聴のほどお願い申し上げる次第でございます。(拍手)  それでは、知事に質問いたしたいと思います。 ○腰塚誠 議長 知事。          (大澤正明知事 登壇) ◆久保田順一郎 議員 まず、当初予算についてお伺いいたします。  昨年末からの経済不況を考えますと、これは皆さん御存じのことでございますが、2007年、アメリカのサブプライム問題が顕在化したことにより、アメリカのバブルの崩壊が明らかになりました。これを裏付けるかのように、2008年9月のリーマン・ブラザーズのショックの以降は、マスコミが軒並み次々と金融危機を報道し、前米国連邦準備理事会の議長でございましたグリーンスパンが、100年に1度あるかないかの危機と認めた発言により、欧米ほどの金融危機の影響の少なかった日本ですら、国内に景気悪化から雇用不安に至るというところまで発展して現在に至っております。もちろん、これは実体経済を無視した世界的な金融と投機筋の暴走であるということもひとつございますし、あるいは大量消費国であるアメリカ・ビッグスリーの大幅な自動車生産の減産ということも影響しているものと判断しておるわけでございます。小泉改革が米国流のいわゆる市場原理主義に悪のりし過ぎたという批判もございます。もしくは空白の10年を乗り越えるにはこれしかなかったということも一方では言えるのではないかというふうに考えておる次第でございます。  しかし、ここで留意しなくてはならないのは、今回の経済不況は、これまでの過去の経済不況と様相が異なるのではないか。例えば、ブラジル等のBRICs諸国の自由経済圏への参入、石油価格の大幅な高騰、あるいはトウモロコシ、穀類の異常気象による高騰、そういったことにより世界が限られた資源と限られた市場ということを再認識したのではないか。このことは、自由経済圏にとって根底から揺るがすグローバル経済の大きな変化だと私は思っている次第でございます。  そこで、群馬県におきましても、いわゆるマクロの経済からミクロ経済ということまで波及をする大きな経済不況でございますので、ともすると産業構造や消費構造そのものを考え直さなくてはならない、そんな時期に来ているのかということも懸念するわけでございます。群馬県の産業は幸いにも多種業種であり、そういった構造があるが故に、基本的に変動の波に大きな影響を受けにくいかとも言えますが、製造業を中心とする輸出関連産業や電機産業の後退は、県財政にも決して無視できない大きな影響を及ぼすということでございます。  そこで、平成21年度予算案に対しまして、まず予算編成の基本的な考えについてお伺いしたいと思います。  そのような今の経済状況の中、県の財政状況の厳しさはうかがえるものがありますけれども、平成21年度の当初予算で県として何を訴えるかは、群馬県民により広い理解を得ることが大変重要になってくるわけでございますので、今回の予算編成の基本的な考え方について知事にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎大澤正明 知事 平成21年度の当初予算編成における基本的な考え方は、今御指摘もあったように、急速に悪化している景気や雇用への対策を中心といたしまして、県民が安全で安心して暮らせるよう全力で取り組むとともに、マニフェストでありますはばたけ群馬構想の実現に向けて、着実な前進を図ろうと考えております。  こうした基本的な考え方を県民に向かって強くメッセージとして発信するため、財源が非常に厳しい状況でありますけれども、予算の総額を6610億7300万円として、前年度に比べまして1.1%増と積極型の予算としたところであります。  予算の編成に当たっては、「県政改革の一層の推進」、「県民生活の安心・安全の確保」、「県内経済の活力向上」という3つの柱を立てて取り組んだところでございます。  「県政改革の一層の推進」では、厳しい財政状況を踏まえまして、ネーミングライツなど歳入を少しでも多く確保して財政基盤の安定を図るために、積極的に自主財源の増額確保を図ることとしております。歳出では、職員数の削減やすべての事業の見直しを徹底的に行うとともに、県有施設の運営について、公共施設のあり方検討委員会の中間報告を踏まえて見直しを実施したところでございます。また、知事等特別職や所属長級以上の管理職の給与も削減することといたしました。  「県民生活の安心・安全の確保」では、子育ての支援として、子ども医療費の補助については、10月から中学校卒業までの通院の無料化を実施することといたしました。また、さくらプランでは、小学校1・2年生で30人学級、続いて新年度では小学校3・4年生で35人以下学級を実現することといたしました。医師確保については、予算額を2.5倍に拡充いたしまして、処遇改善を行う医療機関の支援などにより、県内への医師の定着に積極的に取り組んでいきたいと考えております。また、介護職員の確保として県独自の資格制度を創設するなどの取り組みを行っていきたいと思います。   「県内経済の活力向上」では、景気対策を重視し、公共事業を前年度に比べまして2.5%増の948億円に増額するほか、公用車の更新を拡大し、地元優先枠を設けるなど、地域経済の活性化に取り組むこととしております。厳しい雇用情勢への対策としては、国や市町村・関係団体と連携して総合的な対策を講ずるための組織として雇用対策本部を設置し、ふるさと雇用再生特別基金による雇用対策などにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。また、県のイメージアップのため、ぐんま総合情報センターで群馬の魅力を総合的にアピールするとともに、ぐんま大使などによって広く県内外に観光宣伝を積極的に行っていきたいと思います。農林業への支援としては、県産農産物のブランド化に向け積極的にPR活動を行うとともに、野菜王国ぐんまの生産振興、肉用牛肥育農家の経営改善、県産材の市場規模の拡大や間伐促進の強化などに取り組んでいきたいと考えております。  こうした基本的な考えを踏まえ、今回編成した平成21年度当初予算を通じて景気や雇用情勢の回復が一刻も早く図られ、県民が安全で安心して暮らせるよう全力で取り組んでいきたいと考えております。 ◆久保田順一郎 議員 1日目の知事の発言要旨の中にも今のような内容がうかがえたわけでございますが、県民が今の状況をより的確に判断、また御理解していただくことが一番肝要なことかというふうに私も思うわけでございます。県政改革を積極的に推進する、また、当然のことではございますが、県民生活の安全・安心の確保、県内経済の活力の向上ということと御理解させていただきたいと思います。代表質問でございますので、とりあえず今ぐらいで失礼させていただきます。  次に、総務部長、お願いします。 ○腰塚誠 議長 総務部長。          (中山博美総務部長 登壇) ◆久保田順一郎 議員 今の知事の発言を踏まえる意味では、昨今の経済不況が非常に底冷えの、本当に背筋の震えがとまらないくらいの様相を示しているわけでございます。それを支えるのは、やはり地方自治体の財源として最も大きな県税収入でございまして、その見積もり、考え方についてお伺いしたいわけでございますが、来年度は県税収入でどの程度の減収が見込まれるのか、そして、その考え方についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎中山博美 総務部長 お答えいたします。  平成21年度の県税収入の見積もりに当たりましては、政府経済見通し、地方財政計画、税制改正によります影響額、また県内経済の動向、最近の県税収入の推移等を総合的に勘案いたしまして、各税目ごとに算定をしたところでございます。特に主要税目であります法人の事業税につきましては、税収の約50%を占めます250の主要な法人につきまして直接聞き取り調査を行いました。その他の法人につきましても、文書照会や各種の経済情報を勘案いたしまして慎重に見積もりを行ったところでございます。その結果、平成21年度の県税収入の予算額でございますけれども、2205億円と見積もりました。20年度当初予算と比較をいたしまして15.8%マイナスの415億円の減ということで計上したところでございます。  その税収減の主な要因を2点申し上げたいと思いますけれども、1つは、法人の事業税におきまして、景気の悪化によりまして企業収益が大幅に減少しているということに加えまして、法人の事業税の一部を分離いたしまして、国税であります地方法人特別税が創設をされたことから、20年度当初比で見ますと42.2%の大幅な減になっているということでございます。  もう1つは自動車取得税でございますが、自動車販売の低迷に加えまして、今回の税制改正におきまして、低燃費車、低公害車等につきまして時限的な軽減措置が導入をされるということでございまして、同じく36.9%減と見込んでおりますほか、景気の悪化の影響からほとんどの税目で減収が見込まれるということで、大幅な減になったということでございます。 ◆久保田順一郎 議員 いずれにしましても、先ほど申し上げましたような構造的に国の基幹産業たる自動車産業、電機産業、特に群馬県におきましては、輸送関係の事業の県税への貢献度というのはかなり高いものがあるのではないかということを非常に心配するわけでございます。ピラミッド構造の中、中小企業はすべてそれにディペンドしていると言っても過言ではないかというふうに思っている次第でございます。  ただ、先の新聞報道では、5月からトヨタが増産に入るという話もございました。唯一それがうれしい話でございますが、そういう意味で、株式でいうファンダメンタルズと申しましょうか、それを支える新たなテクノロジーの技術革新、そういったものが今どんなところに期待を寄せればいいのか。また、三洋電機が持っておった光ソーラーの、いわゆる単結晶方式の発電効果というのは日本で一番でございまして、それに対してパナソニックが買収をかけた。それでいながら1万5000人のリストラをかけてきているわけでございますね。そういった面で、自動車あるいは電機という税収の占める割合というのは今わかりますでしょうか。 ◎中山博美 総務部長 申しわけありません。手元に資料がございませんので。 ◆久保田順一郎 議員 では、それは各論の方に入っておりますので、また後日、御確認させていただきたいと思います。  次の点に入っていきたいと思いますが、税収が基本的にダウンしていくということになりますと、どうしても県債を発行するということで一時的に回避していくということになると思います。国の方は、昨年の11月19日の閣議で第1次補正、緊急経済対策の補正予算が決まりました。それから1月27日だったでしょうか、第2次の緊急経済対策が可決されているわけでございます。そういう中で、第3次の対策としましては、今回の平成21年度の予算編成に対しての地方経済活性化の関連予算だと私は考えておるわけで、これを麻生内閣では3段ロケットという言い方をしているわけでございます。  そういったところで県債についてお伺いしたいと思いますが、平成12年以来、国は臨時財政対策債として、地方交付税分に1年サイトの約束手形を発行し始めたわけでございます。これは私流に解釈しますと、国が地方財政計画における依存財源の減額並びに赤字国債の償還にいよいよ本格的に取り組んだのが平成12年ではなかったのかというふうな私なりの理解をしているわけでございまして、ただ、このことは地方の自治体関係者以外にはあまり理解されていないんですね。  そこで、総務部長にお伺いしたいんですが、県民の負託に応えるべく、知事はマニフェストに挙げた様々な政策の実現に向けて、着々とそれを展開、実行しておられるわけでございますが、我が党としても、それを支援すべく様々な角度、観点から議論しているわけであります。そこで、マニフェストにいわゆるプライマリーバランスを堅持すると明快に書いてあるわけでございまして、これについて、新聞報道でも県債残高が1兆円を超えたというような華々しい報道がされたわけでございますので、その整合性について御説明いただければと思います。 ◎中山博美 総務部長 まず、県債発行に対する考え方について申し上げたいと思います。平成21年度当初予算では、県債の発行額は対前年度比で242億円増の954億円を計上しております。このうち臨時財政対策債は255億円増の505億円としております。この臨時財政対策債以外の通常債などにつきましては、13億円減の449億円でございます。臨時財政対策債は地方交付税の不足を補うものとして国から県に発行額が割り当てられまして、償還費は後年度の地方交付税に加算をされるというものでありまして、形式上は県債でありますけれども、実質的には交付税と言えるものでございます。  今回、臨時財政対策債の予算が大幅に増えましたのは、地方全体の財源不足が大幅に拡大をしたということがございます。平成20年度が5.3兆円に対しまして、21年度は10.5兆円ということであります。この財源不足の主な理由が法人関係税の落ち込みによることから、臨時財政対策債の発行可能額の割り当てが、市町村に比べまして都道府県に厚くなっているということがございます。こういったことなどによりまして県への割り当てが増えたということでございます。  この臨財債以外の県債につきましては、退職手当債は前年度と同額の70億円、その他の通常債は、先ほど申し上げましたけれども、13億円減としておりまして、できる限り発行を抑制いたしまして、財政の健全化にも留意をしているところでございます。  そして、プライマリーバランスについてでございますけれども、平成21年度当初予算におきますプライマリーバランスは、全体では92億円の赤字でございますけれども、実質的な地方交付税であります臨時財政対策債を除きますと292億円の黒字ということになります。赤字の主な理由としては、臨時財政対策債を対前年度比で255億円増をしたということで、結果的に505億円の発行ですけれども、そういうことによるものでございます。  知事がマニフェストを作成いたしました平成19年度当時は、景気が順調に回復をして、県税収入も伸びている時代でございました。群馬県の当初予算では、臨時財政対策債を200億円計上していたということであります。しかし、景気が急速に悪化をしている現在、地方税収入や地方交付税の原資となります国税の収入が急激に落ち込んでおりまして、地方公共団体の大幅な財源不足が見込まれるということから、平成21年度当初予算では臨時財政対策債を505億円計上せざるを得ない状況となっております。  このような経済や財政の急激な環境の変化の中にあっても、国が県に発行額を割り当ててしまう臨時財政対策債を除いた実質的なプライマリーバランスにつきましては、黒字を維持しているところであります。このことは、後の世代に過度の負担を負わせないという財政の健全性を維持しているということでありまして、マニフェストとの整合性はとれているというふうに考えております。 ◆久保田順一郎 議員 このマニフェストは、中身を見ますと、着々と知事が施策を実行されていることはよくわかるんですが、いかんせんこんな予想もしなかった経済状況でございますので、その辺を伺いまして、まずは安心するかなと。292億円の黒字ということで御理解させていただきたいと思います。どうもありがとうございます。  続きまして、知事にまたお聞きしたいと思います。 ○腰塚誠 議長 知事。          (大澤正明知事 登壇) ◆久保田順一郎 議員 景気対策と雇用という点について、代表質問の立場からオーバービューという形で質問させていただきたいと思います。  まず景気対策ですが、一昨年来、政府は地域活性化のため様々な資金を提供していただきました。先ほど申しましたように、緊急経済対策の補正予算を次々と切り出してきていただいているわけでございます。それから、予算執行だけではなくて、法令の改定もいくつもやっていただいているわけですね。そういった面は地域活性化に非常にいい影響を及ぼしているかと思います。それらを受けて県としてはどのような経済対策を講ずるのか。いくつかあるかと思いますが、その取り組みについて、まずはお伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 新年度予算では、景気を早期に回復させて地域経済の活性化を図るために、景気対策として県経済の活性化、中小企業への支援を重点的に取り組んだところであります。景気対策の主な内容としては、まず公共事業について、前年度の当初予算に比べまして2.5%増となる948億円を計上しております。このうち単独公共事業につきましては大幅に増額し、前年度の当初予算に比べまして9.6%増となる365億円を計上したところであります。また、補助公共事業については、2月補正予算に計上した国の補正予算関連事業と一体的に事業の進捗を図ることとしておりまして、これを合算しますと、前年度の当初予算に比べ6.4%増の630億円の事業量を確保したところであります。  公共事業のほかにも、中小企業の受注機会を確保するため、県の施設の補修費や観光施設の修繕の補助、県産材による住宅建設費補助など大幅に増額いたしまして、総額で18億4300万円の予算を計上したところであります。このうち県の公用車については、通常の更新とは別枠で60台を更新し、その約6割を地元優先枠といたしまして、すそ野の広い地域の自動車関連産業の活性化を図りたいと考えております。また、中小企業向けの融資制度では、経営サポート資金におきましては、年度当初から700億円の融資枠を確保して中小企業の資金繰りに十分支援をしていきたいと考えております。  これらの対策を講ずることによりまして、県内企業、特に中小企業の受注量が増えることで県内景気を早期に回復させ、また、雇用の拡大にもつなげていきたいと考えておるところであります。 ◆久保田順一郎 議員 県単の事業の大幅な伸びは大変ありがとうございます。これは我々県議が各地域、市町村へ戻りますと一番期待するところでございまして、これの大幅な強化というのは大変ありがたく思う次第でございます。  ただ、今回新たに挙げていただきました緊急経済対策で新規に実施するのが、ただ今答弁にございました観光生活道路の緊急補修、新規自動車購入の60台、県立学校への地デジの整備、ぐんま新技術・新製品開発推進と大きなものは4件だと思います。ほかの政策については、すべて従前の施策の中で拡充していくという方針でございますが、特に中小への今回の意欲的な制度融資のアップというのは、これも恐らく何百社の会社が救われるのではないか。一日でも経営を維持して、一日でも多くの雇用がそこで発生するのには大変効果があると思いますが、新規の事業がそんなところでございますので、それについて、知事、いかがでしょうか。 ◎大澤正明 知事 今年度、経営サポート資金を三たびにわたって拡大してきたわけでありまして、中小企業の経営状況は非常に厳しい環境にあるという中で、雇用を確保することは地域の安全・安心にもつながることでありまして、経営を支援するには制度融資をしっかりと中小企業に行き渡るようにしていくことが今一番肝要かな、そんな思いでいます。 ◆久保田順一郎 議員 質問の内容が次の内容に入ってきておりますので、そのままいきたいと思います。  それでは、より具体的な話になりますので、産業経済部長の方にお願いいたしたいと思います。 ○腰塚誠 議長 産業経済部長。          (柿沼伸司産業経済部長 登壇) ◆久保田順一郎 議員 今、知事の方からも中小企業の緊急融資制度、そういった具体的な話をちらっと伺ったわけでございます。ある県の知事はこんなことを言っているんです。企業の最大の財産は人材である。雇用が最大の地域貢献ということを理解してほしいということをおっしゃる知事がいらっしゃいます。恐らく大澤知事も同感だと思います。  現在、アメリカの方では新しい大統領が生まれ、いわゆるグリーン・ニューディールというような思い切ったコンセプトを出していただいているわけでございます。当時、ルーズベルトが言ったときはニューディール政策ということで、これが経済対策と同時に雇用対策をやった。これについて、P・F・ドラッカーなんかは批判的な意見もございますけれども、それなりの効果をもたらしたことは間違いないわけでございまして、そういった面で、ただ今申し上げましたような4つぐらいしかないのかなと。新規政策、あるいは従前の施策に対しての拡充政策を打ち出していただいているわけでございますが、有効求人倍率は下がってしまう。12月以来ずっと低迷状況にあるわけです。派遣切りということは社会問題化しているわけですけれども、県として、ハローワークに対してどのような自治体としての支援を考えていらっしゃるのか、それについて質問したいと思います。 ◎柿沼伸司 産業経済部長 議員御指摘のとおり、先月30日ですか、群間労働局が発表した本県の12月の有効求人倍率が、季節調整済みということですけれども、0.94倍ということで、それまで1を超えた数字、前月で見ても1.36倍ということから見ると、非常に大きく低下してきているところでありまして、企業による相次ぐ人員削減の影響を反映した数値になっているのかなというふうに受け止めております。  それで、いわゆる新規の求職者数というのが全県的にもちろん増加をしておりますが、中でも製造業が多く集積しております太田公共職業安定所においては、新規求職者が前年同月比で2.4倍というふうな状況になるなど、雇用情勢が急速に悪化しているということであります。  それで、ニューディールというふうな話もあったんですが、とにかくこうした非常に速い雇用情勢の悪化ということに対応するために、まず、昨年になりますけれども、12月3日に緊急経済対策をつくりまして雇用対策を打ち出したところであります。また、一時的な就業機会を提供することを目的といたしまして、県の臨時職員としての雇用、これは内容的には道路パトロールの補助、県立学校の清掃、県立病院における看護補助などの業務になりますけれども、そうしたものを200人の枠で1月15日から募集をかけたところであります。この結果、2月20日現在で94人、内訳といたしまして外国人31人というふうな採用に至っております。  それから雇用創出という点で、財源は国からの交付金、これは60億円を予定しておりますけれども、それをベースにいたしましたふるさと雇用再生特別基金、緊急雇用創出基金という2つの基金によりまして、平成21年度から23年度までの間で県と市町村による事業を実施いたしまして、この3年間ですけれども、約4300人の雇用を生み出していきたいと考えております。その中で21年度の内訳といたしましては、県と市町村合わせて27億円の事業を実施する予定でありまして、合計で2200人の雇用創出効果を見込んでおります。  この2つの基金事業でありますけれども、いわゆる安定的な雇用を創出するふるさと雇用再生特別基金事業、それから臨時的、一時的なつなぎの就業機会を提供しようとする緊急雇用創出基金事業、これを同時並行的に実施することによりまして、求職者のニーズというのを踏まえた就業機会の提供を行ってまいりたいと考えております。現在、県の各部局、県内各市町村からの事業実施要望を取りまとめているところであります。  次に、求職者に対する相談窓口という点での充実でありますけれども、これは議員が今おっしゃったように、ハローワークといいますか、群馬労働局と連携していくということでありまして、これは21年度からですけれども、ぐんま求職者総合支援センターを太田市に設置する予定でありまして、群馬労働局による職業相談、職業紹介に加えまして、県のサイドから住宅、生活資金、生活保護、職業能力開発などの生活・就労相談に対応する体制を整備していきたいというふうに考えております。  なお、雇用対策につきましては、いずれにしても、国、市町村、関係団体と連携しながら総合的な対策を講ずることが重要でありますので、3月17日に雇用対策本部を開催いたしまして、行政と産業界とが力を合わせて雇用の維持、創出に取り組んでまいりたいなと思っております。 ◆久保田順一郎 議員 るるありがとうございました。国の雇用再生特別基金、あるいは緊急雇用創出基金、これを十分に活用していただいて、県民の生活の安全に対して安心感を与えていただければというふうに思う次第でございます。部長についてはありがとうございました。  引き続き知事に質問させていただきたいと思います。 ○腰塚誠 議長 知事。          (大澤正明知事 登壇) ◆久保田順一郎 議員 時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。子どもの医療費の無料化についてお伺いしたいと思います。  医療費の無料化完全実施ということで、我々県民としても、また世の中のお母さん方も非常に心強く思うわけでございます。本年10月から入院・通院とも中学生まで、所得制限なしの一部負担金なしの完全実施方式ということでございます。そこまで拡大するに当たっての知事の考え方をまずは伺いたいと思います。 ◎大澤正明 知事 中学卒業までの医療費の無料化は、少子化対策、子育て環境の充実を図るために、実施主体であります市町村と様々な検討、議論を重ねまして合意形成を図ってきたところであります。その実現に当たっては、これまで述べてきたとおりでありますけれども、県内どこに居住していても同一のサービスが受けられるよう、全市町村が年齢拡大に足並みをそろえることが重要なことであろうと思っております。さらに、これまで本県制度の特徴である所得制限なし、自己負担金なしという要件も、今後も堅持していく考えであります。  このことによりまして、県民にとって利便性が高く、充実した制度が完成し、全国一の水準を誇るものとなっております。また、子育て世代への支援が県人口の定着や若者人口の増大につながり、ひいては豊かで活力ある群馬県の創造につながるものと考えております。 ◆久保田順一郎 議員 これは全国で初めてでございます。はばたけ群馬のポイントゲッターの最大級だと思っております。ぜひともそれを今後ともやっていただきたい。  そういう意味で、次の質問でございますが、平成22年度以降、当初予算からこれが予算化されていくということでございますが、その点で、この経済不況が、先ほど総務部長の答弁にもございましたように、底冷えが甚だしいということを心配するわけでございます。市町村レベルでも、町民税、市民税の税収の大幅なダウンが実は予想されるわけでございます。現在においても、例えば、県の施策だから県が責任を持って最後までやれというような市町村もあるぐらいでございますので、ともすると自分の台所かわいさに、町長さんや、あるいは市長さんが代われば、折半での約束をほごにしてでも、平気でそんなことを言ってくるような市町村も出るのではないかというふうに私は心配するわけでございますが、その辺について知事の考えを聞きたいと思います。 ◎大澤正明 知事 市町村もこれを行っていくには相当の財政負担が生じるのは当然でありまして、そのことを十分踏まえたうえで、市町村としっかりと協議を重ねてきまして合意形成をとったところであります。特に町村からは、所得制限、負担金なしであれば、段階的にもう少し町村が一歩踏み出してもいいよというような御意見もいただいて、市町村とのしっかりとした連携ができた中でのこの事業だと思っております。 ◆久保田順一郎 議員 地方分権が進み、権限移譲が進み、そして地方自治体においては、市町村、県とのパイプがより強くなっていくということが、これからの地方自治の当世にとっては大変重要なことだと思います。この子どもの医療費無料化というものが、大いにそういうひとつのつるとして生きていくことを期待するものでございます。ぜひともよろしくお願い申し上げる次第でございます。ありがとうございます。  続きまして、知事に医師の確保についてお伺いしたいと思います。  これは私も前回の12月県議会でも一般質問でやらせていただきました。特に、これは過日の上毛新聞だったでしょうか、12月14日、群大病院から常勤医派遣ということで、引き揚げ32名ということで、こういうのがその後にまた出てくるわけですね。非常にショッキングな報道でございまして、私の地元でございます館林厚生病院は、小児科の先生が2人いたんですが、ゼロになっちゃうわけでございます。これは非常に深刻な状況で、地元の首長さんは、そろって驚いてすっ飛んで陳情に来ていただいたわけでございます。  そこで、医師不足というのは、日本の国内の今の医療制度改革の深刻な悪弊ではないかと思っていまして、いわゆる新研修医制度がもたらした、そこには絶対量としての医師不足もございますけれども、今の地域医療に対して非常に危機的な状況を招いたわけでございまして、新年度ではこの確保についてどのように取り組まれるのかを御説明いただきたいと思います。 ◎大澤正明 知事 地域の基幹病院をはじめとする県内の医師不足については、非常に深刻な状況が続いているという認識をしております。県政の最重要課題として、これまで以上に医師確保に努力していかなければいけないと思っております。私自身、昨年の全国知事会におきまして、麻生総理に対して直接、医師不足の解消と地域医療提供体制を維持するための実効ある施策を講じるよう要請したところでありまして、最近の国の動向の中で、その要望の趣旨に沿った動きは見られると感じているところもあります。  そのような中で、県の新年度予算におきましては、医師確保対策として今年度の2.5倍の2億5000万円を計上したところであります。新たな取り組みとしては、まず若い医師を県内に誘導し育てる施策が重要と考えまして、ドクター・リクルーター制度や、群馬大学医学部地域医療枠入学者に対する緊急医師確保修学資金制度を創設することといたしました。また、現在病院に勤務している医師を守るための施策も重要でありまして、産科医師等確保支援事業や救急医療機関等勤務医確保事業などを新たに創設いたしまして、産科や小児救急を含む救急医療に従事する勤務医に対して支援を行っていきたいと考えております。  このほか、医師の県内への就業を支援するため、ドクターバンク事業をはじめ、臨床研修病院や女性医師に対する支援、広報啓発活動など、現在行っている取り組みも継続して行うとともに、群馬大学や医師会、病院協会など県内医療関係者と連携を図りまして、一層充実を図ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、医師不足の解決は国全体としての大きな課題でありまして、国に対しても引き続き実効ある施策を講ずるよう要望していくとともに、県としても医師確保に全力で取り組み、県民への安全・安心な医療サービス提供を図っていきたいと考えております。 ◆久保田順一郎 議員 医師不足の原因と申し上げますと、まず日本のお医者さんの数は、先進国の中でも決して高い位置ではないということでございまして、それは厚生労働省や日本医師会等も、その辺の昭和40年代に決めた内容を変更してきているわけでございますね。ただ、これは時間がかかるわけです。10年からかかってくるわけであります。それから、大きな拠点病院の中でも必要な先生がいないということでございますから、当然研修医が来ない。それから地域偏在ということで、群馬県も私のところは医療過疎地でございまして、語弊がございますけれども、どうしても医学部のある前橋はお医者さんがたくさん行ってしまうわけでございます。  また、一番気になるところが、産婦人科医、小児科医、内科医の不足でございますね。これは、いわゆる診療科目の偏在が顕著で、医療政策そのものが間違っておったのではないかということでございます。ですから、非常に構造的な、あるいは国も県も挙げての構え方を医師会あるいは医学界に対して投げかけないと、群馬県の国民、県民、町民、市民が安心して暮らせるような状況ではないわけでございます。私も帰ると、必ず若いお母さん方が、今お産していいのでしょうかというような話を3人、4人、私に投げかけてきて、私も返答に困るわけでございまして、幸い前回の議会では、東毛がんセンターに2人、3人の常駐の産婦人科の先生を置いていただけることをお約束していただきましたが、そういう面で、実際知事御自身は、この医師不足はどこが原因だというふうにお考えでしょうか。 ◎大澤正明 知事 これがわかれば解決ができるわけでありますけれども。私がこの間、麻生総理に要望したのも、後期研修を法定化して診療科目ごとに定数枠を設けてもらいたい。それと、地域の需要に応じて後期研修病院の指定を行ってもらいたい。あと勤務医の診療報酬の改定を行ってもらいたい。この3つをぜひ国として取り上げてやっていただければ、偏在が少しでも解消できるのではないかなという思いもあります。 ◆久保田順一郎 議員 まさにそのとおりかと思います。特に最後の診療報酬、これも前回、私も12月に質問させていただきましたけれども、医療費の増大に対して、国は逆にそれを締め付けていますから、開業医が泣いちゃうわけですね。群馬方式の医療地域連携の形はその形ですから。一方ではやれと言って、一方では締めているわけですから、開業医の先生方も先行きへたってくるということが今目に見えているわけです。根本的に、福島県であったような医療事故、過去の問題が、先生方に対して、眼科や皮膚科や、そういった系統に流れざるを得ないような、医の世界を法曹界が判断する。もちろんそういう面もあるかと思いますが、その辺について国は少し対策を考えないと、先生方は安心して医療業務につけないよと。死産で産まれた子はすぐ告訴されて、医療ミスだということを常時やられたのでは、産婦人科の先生なんかなり手がいないわけです。その辺について、知事、いかがでしょうか。御所見をお伺いしたい。 ◎大澤正明 知事 お医者さんも真剣に人命に対して努力されておるところでありまして、それにおいて逮捕になるとかいうと、なかなか難しい問題もあろうかと思います。国としてもその辺の問題を真剣に取り組んでほしいと思っています。 ◆久保田順一郎 議員 まだ時間がございますので要望だけ申し上げますが、小泉内閣が聖域なき構造改革をやって、聖域は実はあったんだと。福祉、医療、これは聖域ではないかと私も思っているんですが、そういう面で、診療報酬はともかくといたしましても、そういったお医者さんが安心して医療行為に当たれる環境づくり。今、モンスタークランケというか、患者さんが多いわけでございますから、そういう中で、やはりお医者さんを保護する政策を何としても国に対して上申していきたいというふうに思うわけでございます。これは要望でございます。知事からもひとつよろしくお願い申し上げる次第です。ありがとうございます。  続きまして、県土整備部長、お願いいたします。 ○腰塚誠 議長 県土整備部長。
             (川瀧弘之県土整備部長 登壇) ◆久保田順一郎 議員 知事のはばたけ群馬に対しまして、積極果敢に公共事業に取り組んでいただいておられますことを、改めて川瀧部長には感謝申し上げる次第でございます。  そこで、群馬県全体に関わる事項のひとつを質問させていただきたいと思いますが、7つの交通軸構想ということで、現在、県土整備部の方で進めていらっしゃるわけでございます。7つの交通軸の構想は、それぞれ県北、県西、県南、県の東、それぞれの道路としての役割、位置付けがあるかと思いますが、県土整備部としましては、それをどのように関連付けて考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 ◎川瀧弘之 県土整備部長 7つの交通軸の構想でありますが、北関東自動車道を含めまして、県内の高速道路は175キロあるんですけれども、県内は概成したということもあります。これらの高速道路網を補完する7つの交通軸の機能を強化するべく、必要な整備、管理の充実を図りまして、群馬が持続的に羽ばたける地域づくりを目指すものであります。現在、地域ごとにはばたけ群馬・県土整備プランの地域版を策定中でございますけれども、その中でも位置付けられる予定であります。  7つの軸の具体の中身でございますけれども、県央軸は国道17号上武道路の整備や4車線化、あるいは前橋渋川バイパスの整備、東毛軸は東毛広幹道、国道50号前笠バイパスの整備、西毛軸は西毛広域幹線道路や国道254号、国道462号、県道の前橋長瀞線の整備、吾妻軸では上信自動車道の整備、三国軸では国道17号三国防災の整備、尾瀬軸では国道120号椎坂バイパスの整備、渡良瀬軸では笠懸藪塚バイパスの整備などということでございます。  これらの事業を推進するために、対前年度比で20%増ということになりますが21年度の予算におきましては215億円を計上させていただいております。また、国庫補助事業を可能な限り活用するとともに、来年度から、県の単独事業でありますけれども、単独7軸道路整備推進事業を新設いたしまして、10億円を計上いたしまして、これまで以上に機動的に事業を執行していきたいというふうに考えております。 ◆久保田順一郎 議員 これだけ聞いていきますと、ケインズ経済といいましょうか、いわゆるニューディール政策のひとつの方法論がほうふつとしてくるわけでございますが、逆に、まさに今はその時期ではないかと私も今回の構想については非常にありがたく思うわけでございます。椎坂バイパスの建設については、これは例えば観光道路としての重要性を持つのではないか。あるいは上信道については、長野県とのひとつの交通手段を大きく増進してくれる、あるいは県西部に対しての大きな寄与をするというふうに私も考えておるわけでございます。  ただ、群馬県の平地は少のうございまして、3分の1が平地部でございますから、特に東京にも近い東毛から中毛に関しての道路、これがこれからのはばたけ群馬に対しての経済効果や地域効果は大変大きなものがあると思っているわけでございます。そういった範疇分けとして、部長の方はどのように分類されて、また我々はどのように理解していけばいいのか。今申し上げたような観点でいかがでしょうか。 ◎川瀧弘之 県土整備部長 道路の機能というのはいろいろあると思いますけれども、産業に活力を与える目的、安全・安心、あるいは今議員御指摘の観光という面があるんだと思います。例えば東毛広域幹線道路になりますと、産業機能とか、あるいは安全・安心機能ということが比較的強いのかと思いますし、ほかの例えば上信道でまいりますと、やはり観光機能、それと安全・安心機能が強いということで、いろいろラップすると思いますけれども、さっきの3つの分類がおのおの当てはまっていくのではないかなというふうに考えてございます。 ◆久保田順一郎 議員 抽象的な質問で大変恐縮です。いずれにしても、道路の思いに対しては、やはり地方の人間にとっては必達の公共事業ではないかというふうに認識しておる次第でございます。  私は邑楽郡に住んでおるわけですけれども、邑楽郡はハクチョウが舞いおりてまいりまして、毎年100羽以上のオオハクチョウ、コハクチョウ、いろいろ来ていただくんですね。そのハクチョウが、春になりますと首を持ち上げて羽ばたきの時期に入ってくるわけでして、つる舞う形の群馬県がいよいよ羽ばたいていくということに関しましては、北関東自動車道がいよいよ見えてきたかなという時期に来ております。そういう面で、北関東自動車道が平地部である中部、東部地区に大きな経済効果を及ぼすことが予想されるわけでございますが、周辺道路の整備も伴って大事なわけでございまして、今お話がありましたけれども、広幹道その他、架橋の話も新聞で報道されましたし、その辺について、東毛地域はどんなような周辺道路整備計画をお持ちか、御案内いただければと思います。 ◎川瀧弘之 県土整備部長 北関東自動車道の開通によりまして高速交通網が形成されまして、首都圏からの近接性を活かした企業誘致などの産業の活性化が求められているところでありますが、高速自動移動に対応する地域間交通網や、高速交通網にアクセスする幹線道路の整備は十分とは言えない状況にありまして、また中心市街地などなども交通渋滞が著しい状況にあると思います。  北関東道の周辺道路につきましては、延長58.6キロあるわけでありますが今年度に全線着手となりました東毛広域幹線道路を平成27年度までの全線開通に向けて整備を推進するとともに、渋滞の著しい暫定2車線でできているところについては、順次4車線化を進めているところであります。  また、平成8年度から事業化しています伊勢崎インターへのアクセス道路である国道462号本関拡幅事業、それから16年度から事業化している太田藪塚インターへのアクセス道路である主要地方道桐生伊勢崎線阿左美工区については、平成25年度の完成を目指して事業を推進しております。  また、太田藪塚インターへのアクセス道路である主要地方道大間々世良田線、太田桐生インターへのアクセス道路である国道122号八重笠道路につきましては、平成21年度の新規事業化を予定しておりまして、国に対して国庫補助採択の要望を行っているという状況でございます。  いずれにしましても、北関東道と東毛広幹道という二大幹線が形づくられている中で、この道路の整備効果を広域的に及ぼさせ、県内経済の活性化を図るためには、これまで述べてきたような関連道路の早期整備が必要であるということで、その推進に努力してまいりたいと思います。 ◆久保田順一郎 議員 先日、新聞にも出たわけでございまして、これは所管が産業経済の方でございますから御答弁はいいかと思いますが、企業局が工業団地の造成、明和町20.6ヘクタール、太田市が41.2ヘクタール、藤岡が48.5ヘクタール、さらに板倉が51ヘクタール、計9地区で266ヘクタールの造成に入っていくということでございまして、まさに企業インセンティブの拡充ということは、公共がやるべき最大のひとつの義務ではないかと思うわけでございまして、下水道もあれば工水の絡みもありますし、あるいは雇用環境の拡充ということもあるかと思いますが、特にそういう観点で、先ほど申し上げましたように北関東自動車道がいよいよ見えてきたわけでございまして、これに伴って、所管は産業経済ではございますけれども、東毛地域の企業立地という観点で部長としてはどのような効果をお考えか、御所見をお伺いしたいと思います。 ◎川瀧弘之 県土整備部長 道路整備というのは公共事業で、それ自体が景気対策にもなりますが、一方で産業基盤ということもございますから、道路の整備によりまして県内産業の活性化に資するところは大変大きいと思っております。  今議員御指摘の市街化区域の拡大なんですけれども、これにつきましては県土整備部の方でやっているわけでございますが、当該地区を中心に大規模な市街化区域の拡大を今手続き中でございます。これは、いわゆる線引きの見直しと言っておりますけれども、この夏に300ヘクタールぐらいの拡大を目指しておりまして、これは5年ごとにやっている見直しでありますけれども、5年前の約10倍ぐらいの規模になるというふうに見ております。これは県の知事決定になりますが、そういう方向で今手続きを進めているということであります。これがひとつの例だと思いますけれども、こういう形で道路の整備と関連しまして、いろいろな面的な整備の方もしっかりと推進をさせていただきたいなと思っています。 ◆久保田順一郎 議員 大変ありがとうございました。これは具体性を欠く抽象的、政策的なお話で、大変恐縮でございました。群馬県が大きく羽ばたく、その一番基本になるのは内陸でございます。道路、また橋ではないかというふうに思っているわけでございまして、そういった面で県土整備のますますの御支援と御健闘を心からお願い申し上げまして、私の一般質問とさせていただきたいと思います。部長にはどうもありがとうございました。(拍手) ○腰塚誠 議長 以上で久保田順一郎議員の質問は終わりました。  南波和憲議員御登壇願います。          (南波和憲議員 登壇 拍手) ◆南波和憲 議員 知事、お願いいたします。 ○腰塚誠 議長 知事。          (大澤正明知事 登壇) ◆南波和憲 議員 自由民主党の南波和憲でございます。久保田政調会長の質問に続き、党を代表して、6項目にわたり質問させていただきます。ちょっと風邪ぎみで、風邪薬は飲んできたんですけれども、ワインは飲んでいませんので大丈夫になっております。  まず、知事にお伺いいたします。第1に、塩漬け県有地の処分についてお伺いいたします。  去る2月15日投開票の前橋市議会議員選挙は、大変な激戦の中、前橋市長を批判する勢力が過半数を制しました。昨年12月の定例県議会において、知事から前橋工業高校跡地を巡る取引について県側の考え方をお伺いし、また元総社県営住宅用地の取得について質問したところであります。12月の前橋市議会では、前橋市長からの前橋工業高校の跡地について県を告訴する提案が否決され、さらに市長に対する不信任の決議が可決されたところであります。今回の市議選の結果は、これら市議会の対応が間違っていなかった、正しかったということを選挙を通じて前橋市民が判断したものであり、知事の対応に誤りがなかったということを示したものであると考えております。  一連の動きの端緒になったのは、高木建設株式会社の税金未払いと、また元総社用地取得に絡む疑惑であります。県議会でも昨年2月以来、特別委員会を設け、精力的に調査してまいりました。これまでに明らかになったことや、残念ながらまだ明確にならない点もありますけれども、県有地等の取得・処分に関する特別委員会においてその報告がまとめられることとなっております。  元総社の土地は、平成6年の取得以来、住宅供給公社がこの土地を所有しております。県が買い戻し、県営住宅を建てる予定であったものが、翌年に小寺知事が県営住宅の建設をストップし、計画は宙に浮いてしまいました。以後、塩漬けとなっております。10億円のお金を投資し、そのまま住宅供給公社が持ち続け、何ら対策を打たずにいたことは極めて不自然であります。高木前橋市長は市長就任以来、この住宅供給公社の理事を務めてこられ、昨年、事件の発覚後おやめになったということですけれども、このことと全く関係ないのか、お尋ねをいたします。 ◎大澤正明 知事 昨年2月に問題が発覚して以来、県議会に設置された県有地等の取得・処分に関する特別委員会において精力的に審議がなされ、また、県としても可能な限り真相究明に向けて努力してきたところでありますが、この問題の全体像と、問題が発生してしまった原因がようやく明らかになったと考えております。このようなことが起こったことは誠に遺憾なことでありますが、この問題を教訓に、このようなことが二度と生じないよう、しっかりとした体制整備を図り、職員一丸となり県民の信頼を回復していくことが重要であると考えていることを冒頭に申し上げたいと思います。  さて、元総社用地についてでありますが、議員御指摘のとおり、県営住宅建設目的で平成6年に県から住宅供給公社に取得依頼をし、住宅供給公社が高木建設から土地を購入したところでありますが、そのわずか1年後に小寺前知事の方針の変更によって、14年間にわたり未だに当該用地を公社が保有し続けた状態であります。この間、何ら対策をとらなかったのは、当時の県庁の組織が硬直化し、風通しの悪い体制であったうえに、この用地取得に高木元県議や県上層部が関与していたことや、小寺前知事の方針変更がなされたことなど、いわば県職員から見ればタブー視されていたことが要因ではないかと考えております。  住宅供給公社は、この当時、前橋市長ほか3市長が理事に就任しており、高木市長は平成16年2月から平成20年8月31日までの間、理事として就任していたことは議員の御指摘のとおりでございます。年2回開催される理事会においても、この用地に関して特別議論がされたことはなかったと聞いており、住宅供給公社の役員に前橋市長が就任していたことと用地の公社の長期保有とは直接関係はないと考えておりますが、この問題発覚後に、本用地と高木市長との関与が指摘されたこともありまして、昨年8月31日に高木市長は理事から退任したとともに、公社運営の透明性を向上させることから、新たに県議会議員、弁護士、大学教授を理事に追加したと聞いておるところでございます。 ◆南波和憲 議員 直接関係がなかったというふうなことですけれども、理事会で持ち出そうというときに、やはりどうしても当事者に近い方がおられるというのは持ち出しにくいものだろうと思うわけで、今後もこの透明性の確保という部分について、住宅供給公社に対してぜひ御支援をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。  また、早急にこの土地を処分あるいは利活用しなければいけません。住宅供給公社との間でこのことについて協議をする予定はあるのでしょうか。  また、この土地の評価額は当時の半値になっているというふうに言われていますけれども、県が取得するにしても、あるいは民間に売却するにしても、多額の損失が発生してしまいます。この損失となる部分は誰が負担するのか、お伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 当該用地は早急に処理しなければならないと考えております。処分あるいは活用するかどうか、県民にとって望ましい、また御理解をいただけることが第一義であり、そのため、全庁的な検討の場として設置した県有地利用検討委員会において検討し、処理方針を決定していきたいと考えております。また、内部として、県土整備部としても住宅供給公社と既に検討会を設けて、処分あるいは活用方法について検討しているところでもあり、これらの検討結果を踏まえて、住宅供給公社と協議をする予定であります。  また、当該用地の取得費用に管理費等を含めた19年度末の簿価は約13億1000万円であります。同時期の鑑定評価額は約5億3000万円であることから、その差額は7億8000万円となっております。このような状況を生じたことは、これまで繰り返し述べさせていただいたとおり、土地購入決定から当該用地を14年間の長きにわたりまして塩漬けにしていた結果であると考えております。 ◆南波和憲 議員 半値だと思ったら半値以下なんですね。そういうふうなうえで、この土地を県で新たに購入し直すというふうに言った場合、県民は5億何ぼでなければ納得しないだろうと思うんですよ。そういう点で、7億何千万円というふうな部分について、どのようにこれを活用していくか、ぜひ公社との間でもしっかりとした協議をしたうえで、納得のいく結論を出していただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、土地開発基金による取得地についてお伺いいたします。  この基金による取得地のうち、塩漬けとなっている土地は何カ所あって、その総面積と総金額はどのくらいに上っているのか。また、この中で、新前橋の東芝南と呼ばれる土地は、何年に、どのような目的で、誰からいくらで買ったのか、そして、その買収の責任者は誰なのか、お伺いいたします。  さらに、これらの土地開発基金による取得地を現在売却すると、金額はどれくらいになるのか、そして損は出るのか、お伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 土地開発基金で取得いたしましたものの、社会情勢等の変化によりまして当初計画の利用見込みが立たず、長期にわたって塩漬けになっている土地は現在17カ所あり、面積は全体で8万7000平方メートル、取得金額は総額で81億1200万円であります。  また、東芝南用地は、平成5年に県の公社・事業団等の統合ビル建設構想用地や社会福祉センター建設構想用地、前橋市街地における公共用地有効利用のための市及び国を交えた総合調整用地として、群馬自動車燃料販売株式会社から23億5010万円で取得をしております。売買契約の締結について、財務規則等の規定に基づいて知事が決裁を行ったものでありまして、最終的には当時の知事の責任において取得したものであると考えます。  県で実施している地価調査における変動率を用いて、取得価格をもとに17カ所の土地の現在価格を試算いたしますと、49億4000万円となり、売却した場合には31億7000万円の損失となると考えております。 ◆南波和憲 議員 多額な無駄なお金が出てしまったなというふうな思いでございます。そして、東芝南について言うならば、様々な取得目的は言われるけれども、あまりに抽象的ですよね。そして、将来の見通しがこうだなんていうことについて、本当に土地を買うということは、しっかりした目的がなければやっぱり買うべきでないと思うんですよ。それをこういった目的で買ってしまった。このことというのは、やはりそれに判こを押した人の責任というのが非常に大きいだろうと思うわけで、今後はこのようなことのないように、ぜひ知事、よろしくお願いをいたします。  また、今定例会に土地開発基金を廃止することを提案されています。私どもも、無駄な土地を購入されちゃかなわない、こういうふうな気持ちで賛成するものでありますけれども、どのような手続きで廃止をしていくのか。また、今後真に必要な土地を購入しようとするとき、どのように扱っていくのか、お伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 土地開発基金で保有している土地は、制度上、直接民間への売却はできないことから、まず一般会計で買い戻して保有土地を現金化することとなります。そして、基金の現金残高と合わせて全額を一般会計に繰り出すことにより土地開発基金残高をゼロにいたします。このようにして土地開発基金を平成21年度末をもって廃止したいと考えており、そのため、土地開発基金条例を廃止する条例を今議会に提案しているところであります。一般会計で買い戻す土地については、売却、貸し付け等、有効な活用方策を鋭意検討していきたいと考えております。  また、今後必要な土地を取得する場合には、今議員の御指摘があったように、十分に議論した中で一般会計でその都度予算措置を行っていく、また用地先行取得特別会計で先行取得を行うのいずれかの方法で取得をすることになると考えております。 ◆南波和憲 議員 土地は不動産であって、再生産のきかないものであります。そして、その土地というのは誰が利用することが一番好ましいのか、大きく言うと世界のために、誰が使うことが一番いいのかということが根底になければならないんだと思うんです。県が、お金があるから買っておけばいい、そういうふうなことで買うということは、土地を冒とくすることと一緒だろうと思うわけです。ぜひそのような観点で、今後行っていくものについて、知事のお考えのもとで、しっかりとした対応をしていただきたいと思います。  また、様々なこれから行っていくもの、つくっていくものがあるんだろうと思うんですが、そのときに、惨めにも買ってしまったこれらの土地をどのように利活用するかということを第一義に置いて、様々な議論というものを展開していただきたいと思います。  また、あわせて県が補助金を出していく、そういうふうなうえで物を建てていきたいというものが出てきたときにあっても、その県有地というものが、現在名前が出たもの以外にも、あるいは企業局が持っているものや、これまでの間で蓄積された土地が様々あるんだろうと思うんですが、そういうものをまず利用できないかということを考えながら、土地というものを扱っていただきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。  ところで、群馬県は、これら塩漬けと言われる土地について購入してきたわけですけれども、この土地の購入の決定方法、あるいは責任の所在が不明確なままで買ってしまいました。購入のための明確な基準や手法、手続き、そうしたものをこれまであいまいにしてきた、システムをきちんとつくり上げてこなかった、その責任の所在は誰が負うべきであるのか、お考えをお伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 購入の決定方法や責任の所在が不明確なまま土地を購入するシステムを運営していたことにつきましては、直接的には当時の担当部の責任は大きいものがあると言えます。しかし、最高責任者としての小寺前知事の責任は極めて重いものがあると思います。また、元総社用地については、用地取得後に小寺前知事の方針転換により県営住宅としての利用ができなくなってしまい、その後の処理についてもしっかりと検討されることなく放置されたわけであり、この責任は小寺前知事にあったと言わざるを得ない状況であると思います。  今後、このようなことが二度と起こらないよう、県有地の取得・処分等の手続きの見直し、責任の明確化のための財務規則等の改正や、未利用地等の一元管理、有効活用の推進のため、県有地利用検討委員会の拡充等は既に実施したところであります。また、土地開発基金の廃止、土地の取得、管理等の総合調整の強化のための体制整備、土地取引のマニュアル化、働きかけの排除等は今後実施することとし、再発防止に努めてまいりたいと考えております。そして、何よりも重要なことは、県庁職員の仕事に対する姿勢であると思っております。県民のための県政を推進する職員の意識改革に組織を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆南波和憲 議員 今の答弁ありがとうございます。基本的な部分として、私どもも、大変に重要な点は職員の意識の問題、それは今後もしっかりとしたものを植え付けていただきたいというふうに思うわけです。県有地等の取得・処分に関する特別委員会においても、今の知事の答弁というもの、その骨子を大切にしながら進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  ところで、知事が御就任になって、知事の公舎の取り壊しをいたしました。現在空き地となっております。そこには様々な銘木が植えられておるわけでして、これらの庭木を、今後の土地活用というふうな観点から、あらかじめ売却をする方がいいのではないかなと思うわけです。広く県民にオークション方式で売却したらというふうに思うわけですけれども、知事のお考えをお聞かせください。 ◎大澤正明 知事 旧知事公舎の庭木につきましては、群馬県公共施設のあり方検討委員会の中間報告書の中で、生け垣、植栽の取り扱いについて、残すことができないか等、その有効活用について検討する必要があるとの御意見をいただいております。旧知事公舎跡地については、現在、県有地利用検討委員会で今後の取り扱い方策について検討しているところでありますが、利用方法が決まるまでの間、収入確保方策のひとつとして、庭木以外の部分を当面、一般向けの有料駐車場として活用する予定であります。今後の庭木の取り扱いにつきましては、旧知事公舎跡地の取り扱い方策の検討とあわせまして、提案の意見を踏まえて検討していきたいと考えております。 ◆南波和憲 議員 ありがとうございます。よろしくお願いをいたします。  次に、2点目の中核市への移行について、引き続き知事にお伺いいたします。  中核市制度は、国が県へ、県が市町村へ委託しているたくさんの事務のうち、人口30万人以上の市に対して住民に身近なサービスを移管するもので、それによって合理性、スピードある施策の展開をしていこうというものだと理解しております。  そこで、4月1日、前橋市の中核市への移行によって県の事務量や予算はどのように変わっていくのか、移譲される主な権限や事務はどのようなものがあるか、お伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 前橋市が中核市に移行いたしますと、県から前橋市へ2241事務を移譲し、これに伴う21年度当初予算の削減額は、事業費及び事務費合計で17億円であります。移譲される主な権限及び事務でありますが、保健所の設置、身体障害者手帳の交付、保育所の設置認可、産業廃棄物処理施設の設置許可等の権限及びこれに伴う事務が挙げられるところであります。 ◆南波和憲 議員 主に健康福祉の分野というふうなことになるんだなとお聞きをいたしました。前橋市が中核市として県から権限及び事務を移譲されると、そのときから前橋市の権限であり、事務であります。前橋市は自らの手によって自立的に事務を遂行していくわけですから、県は、4月1日以降は移譲した事務についてはノータッチというふうになるはずであります。国及び県の前橋市への支援はどのように変わるのか、お伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 中核市移行後は、前橋市は自らの責任におきまして財源の確保、職員の配置等行政体制を整えつつ、移譲対象の権限及び事務については自らのものとして実施していく必要があり、県は基本的には関与しないこととなります。一方、国との関係については、県から移譲された権限に関わる補助金や各省庁からの連絡調整につきましては、今後は都道府県を通じることなく、直接国と行うこととなります。  なお、県内では初めての中核市ということもあり、中核市として円滑な運営がスタートできるよう人的支援も行っており、本年度は県職員を4名派遣し、さらに来年度には医師等15名を派遣する等、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆南波和憲 議員 前橋選出の方々からもお願いをしていただきたいというふうに思います。  次に、これまでも県が独自に行っていた施策があります。権限移譲後に前橋市に移った分野について、県が何か新しい施策を打とうというとき、これまでと同様に県下全域で実施していこうというふうに考えたときに、中核市である前橋市の地域について、今後、県独自の施策を反映させることはできなくなるんだろうか、そんなふうな心配、疑問が起きます。他の市町村と同様に、中核市においても県独自での施策を実施した方が良い場合もあるだろうと考えるわけですけれども、今後どのように反映していくか、お伺いします。 ◎大澤正明 知事 中核市制度では、権限が移る分野に関しては、中核市が県と同等の立場に立って、市単独事業を含めて総合的に政策判断をして、各事業に取り組む制度となっております。全国的には、県を上回る水準の施策を行っている中核市もあり、これからは市の判断により県の施策と違いが生じることもあり得ると考えております。しかしながら、県と中核市の連携・協力は大切なことであります。施策によっては同一歩調をとることが効果的な場合もありますので、県が独自の施策を行う場合にも、前橋市に十分情報提供するなど、県と市が協調した取り組みが進められるように対応してまいりたいと考えております。 ◆南波和憲 議員 よろしくお願いをいたします。  次に、高崎市も平成23年度中核市への移行を高崎市長が表明しているわけですけれども、その準備の状況というのがわかりましたらお聞かせください。 ◎大澤正明 知事 昨年7月、高崎市長から要請を受けまして、移譲事務や保健所の設置等に関して連絡調整する中核市移行県・市連絡会議を立ち上げる等、平成23年4月の円滑な移行に向けまして県として支援してまいりたいと考えております。 ◆南波和憲 議員 ぜひよろしくお願いをいたします。  最後に、前橋市、高崎市の中核市へ移行ということによって、県民の3分の1、70万人が中核市の中に住むことになります。それによってどのような影響があると考えますか。また、同市内に住む県民にとってどのようなメリットがあると考えますか、お伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 中核市は、保健衛生、民生、環境などの分野について自ら権限を持って業務を実施することになりますが、それ以外の多くの分野については、中核市についても県が引き続き責任を持って各種施策を行っていくものであり、他の市町村同様、県がサポートしていく関係には変わりがありません。また、本県に大きな行政能力を持つ2つの中核市が誕生いたしまして、より主体的な行政運営を行うことができるようになることは、今後の群馬県の発展にとって非常に大きな力になると考えております。中核市への移行は、保健衛生など住民生活に密着した事務を住民に一番近い自治体が行うことによりまして、住民ニーズに即したきめ細やかな行政サービスの提供が実現でき、地方分権の流れにも合致し、県民にとって大きなメリットがあると考えます。両市が中核市になることを契機に、一層連携・協力して群馬県全体の発展に努めていくことが大切なことであると考えております。 ◆南波和憲 議員 このことについて、本来で言うと12月の定例会で質問をし、そして、それについて答弁を伺うべきことであったんだろうと思うんです。この間にいくつかの項目について混乱が起きたというふうにも思うわけです。特に保健福祉に関わる外郭的な団体というのでしょうか、そういうふうな団体は、今後は前橋市の団体となるべき分野もあるんだと。また、全県域でもって団体が運営されていくというふうな二重の団体運営を迫られるところも出てくるんだろうと思うんです。ぜひ、そういうふうなうえで、中核市になるということについてのPRを今後も怠りなくやっていっていただきたいと思います。その点については要望させていただきたいと思います。  3点目、引き続き知事に競技スポーツの振興についてお伺いいたします。  昨年から今年にかけて、スポーツ界では明るい話題が県民を感激させました。三洋電機ワイルドナイツのラグビー日本選手権の優勝をはじめとして、北京オリンピックでは女子ソフトボールの優勝、水泳、内田翔選手、ウエイトリフティング、山田政晴選手、フェンシング、小川聡選手の活躍、年を越して箱根駅伝には上武大学が初出場を果たし、また板倉町にキャンパスを持つ東洋大学が優勝するなど、たくさんの競技に幾多の選手が活躍しました。体協では342名の選手を表彰いたしています。春の選抜高校野球では、高崎商業、前橋商業の出場が決定し、選手の活躍に期待が集まるところであります。  競技スポーツの振興には、練習環境の整備、試合を行う競技施設の充実が必要であります。群馬県の競技場の多くは昭和58年のあかぎ国体を前に整備され、現在では老朽化が目立ち、この間、大規模な改修も行われず、時代にそぐわない施設が増えているように感じます。今後、計画的に各競技の競技場整備に取り組むべきと考えますけれども、知事のお考えをお聞かせください。 ◎大澤正明 知事 県内競技場につきましては、県立施設ではぐんまアリーナ、陸上競技場、野球場など30カ所、市町村で設置されているものについては、体育館など736カ所あります。このような県立や市町村立の700を超える施設を有効活用し、全国規模の大会を含めまして各種大会を本県で開催しているところであります。  本県の競技場の整備につきましては、老朽化、耐震補強、大会の開催基準、選手の練習環境を含めた利用状況を考慮いたしまして、現状を見極めたうえで整備を進めていくべきだと考えております。 ◆南波和憲 議員 手始めに伊香保のスケートリンクを耐震補強していただく、そのための計画予算が立てられたというふうに聞いておりまして、そうしたことをひとつの起爆剤にして、今後、計画的に様々な種目に応じての競技設備を整えていっていただきたいというふうに思うんですが、知事のお考えをお聞かせください。 ◎大澤正明 知事 今議員御指摘のとおり、群馬県のスポーツ施設も非常にレベルが上がってきておりまして、そのような施設をしっかりと整備していく時期に来ているかなと思っております。大きな大会を打つにはそれだけの施設も必要でありますし、財源の状況もありますけれども、しっかり見極めた中で取り組んでいきたいと考えております。 ◆南波和憲 議員 特に、その1点で申し上げれば、敷島公園の野球場なんかの場合には、いす席になっていないんですね。日本中のほかの地域へ行くと、個人個人向けに座れるいす席になってきていますよ。やはりそういうふうな意味での整備ということをひとつの方針として考えていただきたいと思います。要望させていただきます。  以上で知事に対する質問を終わります。ありがとうございました。  次に、教育長、答弁席へお願いします。 ○腰塚誠 議長 教育長。          (福島金夫教育長 登壇) ◆南波和憲 議員 競技スポーツの関係について、引き続き教育長に答弁をお願いいたします。  競技スポーツの振興のためには、競技場、練習場の整備とともに、選手のモチベーションをどのように上げるか、向上心をどのように刺激していくかという意味でのソフト対策というのが重要であろうと思っています。昨年夏、前橋市でソフトボール男子の全日本実業団の大会を開催させていただきました。開会式では県警音楽隊の演奏とカラーガード隊の演技が花を添えていただきました。地元推薦枠で高崎市役所のチームが出場しまして、大健闘のうえで4位に入賞しました。これによってチームは大変に自信をつけまして、このことが秋に行われた全日本総合選手権で優勝というふうなことに結び付いていったんだろうと考えています。大きな競技大会の開催ということは、選手の力量を上げていくうえで大変に重要であると感じています。  そこで、教育長に、本県で開催されている各種競技の全国大会は年間で何回くらいあるのか。また、全国大会の誘致は競技力の向上に重要と考えますけれども、いかがお考えか、お伺いいたします。 ◎福島金夫 教育長 本県での全国大会の開催の状況でありますけれども、平成16年から20年度の過去の5年間では、平均して毎年8競技程度の全国規模の大会を開催しております。また、本年度であります20年度におきましては、今議員の方から御指摘のありました全日本実業団男子ソフトボール選手権大会でありますとかニューイヤー駅伝、また日本プロゴルフ選手権大会などを含めまして、11大会開催をしております。  こういった大会の誘致についてでありますけれども、本県のスポーツ振興、競技力向上にとって大変有効である。また、高いレベルの競技者を間近で見られるということにつきましては、子どもたち、県民にとっては非常に大きな夢や感動が与えられるという意義があるものというふうに認識をしております。今後とも、本県競技スポーツの振興につながるような全国規模の大会だとかイベントの開催につきましては、各競技団体でありますとか県のスポーツイベント誘致委員会、こういったところと連携をとりながら、誘致できるように心がけたいと考えております。 ◆南波和憲 議員 ありがとうございます。各種競技の全国大会というのは、なぎなたから始まって、ゲートボールにしても、様々あるだろうと思うんです。ぜひ、そうしたものひとつひとつを、全国規模で行うものについては、群馬県で誘致していくんだという姿勢を持っていただきたいと思うんです。各種競技の大会開催というのは、競技力の向上だけではなくて、群馬を知ってもらう良い機会にもなりますし、また、県を挙げて進める観光やイメージアップにも一役買っているだろうというふうに思うわけです。  ところが、数年前から、これら全国大会への教育委員会からの交付金、補助金が減っておりまして、どんどん減り続けています。現在は1大会当たり5万円というふうなことでして、前橋市からいただく金額の半額なんですね。そういうふうなことでして、たまたま昆虫の森ができた頃から下がってきたということで、虫を飼うために補助が減ったんじゃないかというふうにやゆされてもいるわけです。積極的に大会を開催するためにも、これは倍にしても大した金額にはならないだろうというふうに思うんです。ぜひ、そういううえで増額を期待しているものなんですが、一言お言葉をいただければありがたいと思うんです。
    ◎福島金夫 教育長 御趣旨についてはよく理解をし、進めたいというふうに考えております。 ◆南波和憲 議員 どうぞよろしくお願いいたします。  以上で教育長に対する質問を終わらせていただきます。  続いて、健康福祉部長にお願いをいたします。 ○腰塚誠 議長 健康福祉部長。          (下城茂雄健康福祉部長 登壇) ◆南波和憲 議員 これまで3点質問してきたんですが、一番長い質問をさせていただこうというふうに考えております。健康福祉部長に介護職員の確保と今後の特養整備についてお伺いをいたします。  まず、特養の緊急増床整備計画について、その達成度をお伺いいたします。  これまで大体5年をサイクルとして、各保健福祉圏域単位で計画をつくって整備を進めてきた特別養護老人ホームですけれども、昨年度の緊急増床の計画達成に向けて、現在事業を進めていただいているところというふうに考えます。現状どこまでできたのか、計画との対比においてお伺いをいたします。  また、昨年単年度で700床、これは無謀な計画だなというふうに思うわけです。現場の状況を無視した計画であったと思いますが、今年度末にはどこまで出来上がりますか。明年度に残ることはないと思いますが、どんなふうになっているか。人手不足によって開設できないというふうな施設はありますか、お伺いをいたします。 ◎下城茂雄 健康福祉部長 それでは、お答えいたします。  特別養護老人ホームの700床の緊急整備につきましては、待機者の解消を目的といたしまして19年度事業として実施することになったわけでございますが、緊急的な施策であったために年度内に完了することは事実上困難でございまして、そのほとんどが20年度への繰り越しとなったものでございます。現時点までに530床、21施設の施設整備が完了いたしまして、そのうち300床、14施設が開所をしているところでございます。この2月末までには残り170床、4施設も整備完了となりまして、これをもって700床、25施設すべての施設整備が完成する予定でございます。また、開所につきましては、4月1日までには残り400床、11施設も開所する予定で準備を進めているところでございまして、これによりまして700床、25施設すべてが開所するということになるわけでございます。  また、介護サービスの実施につきましては、議員が御指摘のとおり、施設の整備はもちろんでございますけれども、施設を運営するためには、何よりも職員の確保がこの状況下では重要な課題であるというふうに考えております。この人材確保の状況につきましては、これまで工事の進捗状況報告にあわせて確認をとってきたところでございます。各施設とも職員確保については相当強い意識を持って、ハローワークであるとか、また、この2月に県と老人福祉施設協議会とで開催いたしました地区別の就職相談会、こういったものを活用するなどいたしまして職員募集に努めておりまして、困難を伴いながらも着々と開所に向けて準備を進めているというところでございます。 ◆南波和憲 議員 出来上がるんですね。大丈夫ですね。ぜひよろしくお願いをします。選挙目当てでもって、あまりに無謀な計画は立てない方がいいと思うんですよ。そういうふうなことというのは後々のためにはなりませんね。ぜひ今後よろしくお願いをいたします。  現在の特養施設の現状というのを大ざっぱなくくりとして考えますと、おおよそ合計120ぐらいの施設でしょうか。それから、45%ぐらいが50床定員、30%が70床定員、10%が80床定員、そんなふうなことかなと考えていますけれども、数値的なことで申しわけないんですが、その部分について、現在の特養の状況について教えてください。  県内の施設のうち、50床定員の特養の数、そのうちユニットケア特養の数と施設ごとのユニット数、また70床定員の特養の数、そのうち増設によるユニットケアの数とユニット数、さらにショートステイ併設の場合、その割合、特養とショートの介護形態は混合でやっている介護なのか、個別でやっている介護なのか、そうした現状についてお伺いします。 ◎下城茂雄 健康福祉部長 それでは、お答えいたします。  特養の現状につきましてでございますけれども、まず50床定員の特養の数とユニット数でございます。現在、県内にある特別養護老人ホームの施設数は、議員御指摘のとおり、平成21年2月1日現在で124施設でございます。そのうち定員が50床の施設は60施設でございます。また、そのうちの一部ユニット型を含むユニット型施設は23施設でございまして、うち全室のユニット対応が21施設、一部ユニットが2施設ということで、計109ユニットという状況でございます。総定員が3000人でございますので、ユニット化率が36.3%という状況でございます。  それから、70床定員の特養の数とユニット数でございます。定員が70床であります特別養護老人ホームの施設数は、同じ2月1日現在で31施設でございまして、そのうちユニット型を増床した施設は20施設、そのユニット数は合計で41ユニットでございます。総定員が2170人、ユニット定員が493人ということでございまして、ユニット化率は22.7%という状況でございます。  また、ショートステイ併設の割合と介護形態につきましてでございます。同じ2月1日現在で県内124の特別養護老人ホームが設置されているというふうに申し上げましたけれども、その中で指定短期入所生活介護事業、いわゆるショートステイを実施している施設は118施設でございまして、その割合は95.2%という状況でございます。介護保険法における人員基準によりますと、特別養護老人ホーム本体に併設するショートステイの場合、介護職員及び看護職員の員数につきましては、特養、ショートを一体として人員配備することが認められているということから、ほとんどの施設でいわゆる混合介護が行われているというふうに考えられるわけでございます。分離介護が行われているのは、ショートステイ用の居室が別棟になっていたり、あるいはユニット型特養でショート専用のユニットを設置している施設などでございまして、職員のシフトを明確に区分している場合というふうに理解しております。  以上でございます。 ◆南波和憲 議員 どうもありがとうございます。おおよその現状というものがわかりました。  次に、平成21年度、この春から介護報酬の改定が行われますけれども、その概要について教えていただきたいと思います。  基本保険料はどのくらい増えるのか、また、加算措置がとられるものはどのような内容か、廃止されるものは何か、お伺いいたします。 ◎下城茂雄 健康福祉部長 平成21年度の介護報酬の改定の概要でございます。21年度の介護報酬につきましては、介護従事者の離職率が高く、人材確保が困難な状況を踏まえまして、平成20年10月30日に政府・与党におきまして、介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策ということでプラス3%とすることが決定されまして、平成20年12月26日に社会保障審議会からの答申で決定の概要が示されたところでございます。これを見ますと、3%の内訳でございますけれども、在宅分で1.7%、施設分で1.3%ということでございます。  基本的な視点といたしまして、次の3項目が挙げられておるところでございます。第1に介護従事者の人材確保、処遇改善、第2に医療との連携や認知症ケアの充実、第3に効率的なサービスの提供や新たなサービスの検証ということでございます。  改正内容につきましては、まず1の介護従事者の人材確保、処遇改善につきましては、夜勤業務などの負担の大きな業務に対しまして的確に人員を確保する場合に対する評価。具体的に申し上げますと、定員31人から50人の介護老人福祉施設では、夜勤を行う介護職員、看護職員の数が最低基準を1人以上上回っている場合に、1日につき22単位が加算されるというものでございます。  また、介護従事者の専門性等のキャリアに着目した評価というのがございまして、例えば介護保険施設等では、介護職員の総数に占める介護福祉士の割合が50%以上の場合に、1日につき12単位が加算されるというものでございます。こういったものが行われるということでございます。  それから、2の医療との連携や認知症ケアの充実につきましては、居宅介護支援におきます退院・退所時の評価や、認知症行動、心理症状への緊急対応、若年性認知症の受け入れへの評価などが行われるということでございます。  それから、3でございますけれども、効率的なサービスの提供や新たなサービスの検証ということにつきましては、サービスの質を確保したうえで、人員配置基準等の見直しや、小規模多機能型居宅介護における事業開始後の一定期間について、経営安定化を図るための評価などが行われるということでございます。  全般的に見ますと、基本報酬の改定での対応が少なくて、加算での評価が非常に多くなっておりまして、同種同規模の事業所でも、介護報酬の上昇額は同じものとならない場合が多いというふうに考えております。  なお、正式な介護報酬の改定内容につきましては、今後、厚生労働省告示で示されるということでございます。 ◆南波和憲 議員 どうもありがとうございます。今、施設の関係についてを中心に話をさせていただいているので、施設分1.3%というふうに理解させていただきます。  次に、4点目としまして、新型特養に導入されたユニットケアをどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。  私は、残念ながらユニットケアをあまり評価しておりません。特養事業として、これまで2つ失敗があったというふうに言われています。そのひとつは、天井走行クレーンを利用して介護を機械化しよう。各特養に鳴り物入りで配備されたんですけれども、これは操作性の悪さによって介護職員から見向きもされませんでした。  2点目の失敗は、徘回者のための口の字型に配置された回廊型と呼ばれる特養です。自由に、そしてエンドレスに徘回ができるようになるというふうなことでつくられたんですけれども、入所者に混乱を招き過ぎまして、認知症の方への介護に全く役立ちませんでした。そして、作業動線が長くなったが故に職員が疲れたというだけのことでした。  今言われている3番目の失敗というのが、このユニット型特養ではないかというふうに言われています。ユニットケアというものは、入所者の人権、人格を尊重して、そういうことから個室を中心にして行っていくわけですけれども、個室に入った入所者は、職員と接する時間が短くなって孤独感を募らせる結果となりますし、介護職員のためにもなっていません。  ユニットケアでは、おおよそ10人の方をひとつのユニットとして見ていくわけです。2.5対1の介助割合ですから、大ざっぱに介護職員の配置から言いますと、1つのユニット4人というふうなことになります。このうち1人が夜勤をします。または夜勤明けになります。週休2日ですから1人は休んでいます。休暇をとっていますので、残った人は日中2人で介護をする。16時間勤務ですから、夜勤の方が朝早くと夜遅くの部分は手伝ってくれるにしましても、1人勤務の時間が非常に長くなっている。それによって、この人数で10人の介護を行っていくわけですので、入所者への個別対応は非常に難しくなり、その重労働ぶりというのは容易に想像できるものです。  さらに、夜勤では決定的な問題があります。昼間の介護においては、職員も入所者も各ユニットの中で勤務をし、生活しています。ところが、夜勤は2つのユニットで1人の職員が行っていきます。入所者の癖だとか体調だとか、名前すらわからない、そうしたお年寄りを夜勤のときだけ、こっちのユニットの人がこっちまで一緒に見るわけですから、そういうふうなことで若い職員の不安が非常に大きくなります。従来型特養では、夜勤は50人を2人で見るんですけれども、ベテランと新人を組み合わせて見るということができるものですから、何とかやっていくことができています。  ユニットケアでは、従来型に比べて夜勤の数が増えていきます。そうしたことから職員の体調管理はより難しくなります。意欲を持って入ってきた職員が、十分な職場実習を受けることができないままで現場に出されます。ひとりぼっちで介護するために対応に自信をなくして、相談相手もないままで、絶望の中で離職していきます。ユニットケアを行う中で、ツーユニットを一体とした介護を認めることはできないものだろうか。日本中で最も模範的と言われている施設は函館旭ケ岡の家ですけれども、そこでもグループケアとして行っているものです。今後の計画において、県として何らかの方策を考えていただきたいというふうに思うんですが、部長はユニットケアについていかがお考えでしょうか。 ◎下城茂雄 健康福祉部長 ユニットケアの考え方でございます。今議員が御指摘のとおり、ユニットケアは施設の居室をいくつかのグループに分けて、それぞれをひとつの生活単位、いわゆるユニットといたしまして、少人数の家庭的な雰囲気の中でケアを行おうとするものでございまして、全室個室の整備と相まって、これまでの集団処遇型のケアから個人の自立を尊重したケアへの転換を図ろうとするものでございます。  ユニットケアのメリットといたしましては、第1に、個室であることから、それまで自宅で利用していた家具などを持ち込むことができまして、個性やプライバシーが確保された家庭的な生活空間を持つことができるということ。第2に、家族も気兼ねなく入居者を訪問するようになりまして、家族関係が深まることにもつながること。第3に、個室の近くに交流できる空間を設けることによりまして他の入居者との良好な人間関係が築けて、相互の交流が進むことによりまして入居者のストレスが減るということ。第4に、インフルエンザ等の感染症の感染防止の効果、そういったものなどが期待されているところでございます。  しかしながら、一方ではデメリットといたしまして、議員御指摘のとおりでございますけれども、第1に、全室個室になることによりまして、入居者によっては孤独感や不安感を抱くおそれがあるということです。第2に、基準を上回る人員配置、あるいは職員の資質によるケアの差が生じるおそれがあるということ。第3に、低所得者対策はございますけれども、いわゆるホテルコスト、居住費など入居者の負担が大きいことなどの問題があるということも指摘されているところでございます。  平成21年2月1日現在でユニット型施設の総定員は2107床ございまして、特別養護老人ホームの総定員数に占める割合は28.5%でございまして、現在行われています第3期計画によりますと、最終的に整備終了まで32%の予定でございます。  いずれにいたしましても、メリット、デメリットというのはあるわけでございますので、今後の考え方といたしましては、いろんな形があっていいというふうに考えております。それぞれの状況に応じまして、いろんな形で介護をしていただくということがいいのではないかと考えておりまして、今後は施設を利用する高齢者、あるいは保険者でございます市町村等の意向にも配慮した施設整備を推進してまいりたいというふうに考えておりますし、また、現在進められております700床整備におきましても、従来の多床型で整備をしているところもございます。そういった考えでございます。 ◆南波和憲 議員 ユニットケア導入の理由というのはそういうことですか。違うんじゃないんですか。実は個室にすることによって、ホテルコストを余計取れるようになるということなんじゃないんですか。また、それと同時に、新築時の補助金を削るための手段だったんじゃないんですか。そういうような思いがしてならないんですよ。それによってどれほどに職員が疲れるようになったか。どれほどに職員が苦労するようになったか。ユニットケアというのが、現状において若手職員が入ってきて、やめていっている一番の原因だと思うんですよ。その部分というのをしっかりととらまえていかないと、介護職員を確保していくためには、ああします、こうしますなんていうことを言ったってできないと思いますよ。ぜひ、そうした意味で、ユニットケアというものをしっかりと見つめてもらいたいと思うんです。今の部長の答弁というのは、どうも伺っていて文章的ですね。現場でしっかりと見ていないな、そんなふうな思いがしてならないんですよ。ぜひ皆さん方で現場を見ていただいたうえで、どういうことなのか、その実態というものをもう1回把握し直したうえで対処していただきたいと思います。  次に、今後の施設整備の方針についてお伺いします。  これまで50床で特養を設立して、数年の期間を経て20床の増床を行っていく、これが一番大きいやり方だろうと思います。ですから、群馬県の約半数が50床で、残ったのが70床ということになると思います。介護職員の不足を考えると、今後の施設整備は特養の増床を中心に進めるべきです。50床の特養と100床の特養を考えたときに、施設長1名、事務職2名、生活相談員1名、ケアマネ1名は、100床になっても同じ人数で対応できます。看護師は2名から3名に、調理職員については栄養士を含めて5人から7人に増やすだけで対応できるんです。差し引き9人の職員を ○腰塚誠 議長 残り5分です。 ◆南波和憲 議員 直接介護に同じ値段で回していけるんですね。夜勤では4人の職員で当たることができますから、チームを組んでの仕事が可能になります。  全国的に見ても、群馬県の特養は規模が小さいと考えられます。1法人1施設で、なおかつユニットケア50床ですから、経営体として離陸していくことは大変であります。今回の介護報酬の改定に当たって30から50の特養についての加算が割り増ししているんですけれども、このことは、とりもなおさず50床特養の経営が困難であることを物語っています。今後の整備を行うに当たっては、1法人2施設、1施設80ないし100程度に基準を上げ、既存の施設の増床や合併を含めた中で進めていくべきであると考えています。ユニットケアの部分については、また後ほど申し上げます。  時間がなくなってしまったので、介護職員の確保に当たって県ができることという部分について、質問ではなく要望にかえさせていただきます。  ある民間施設の就職情報誌の調査では、最近の傾向として、全産業の平均で大卒者35%、短大卒45%、高校卒50%の人が3年間で離職、それから5年の間で30%前後の方が職業を変えるというデータが出ているそうです。介護施設だけが離職率が高いというわけではなさそうです。職を変えるのが当たり前の時代というふうになってきました。  今年、企業の人事担当者の間で一番心配されていることというのは何か。それは、ゆとり教育世代が大学を卒業するということです。20代なかばを中心として、これまでの価値観とは全く異なった世代が登場しています。金銭的欲求が最も低く、自己実現と楽しい職場での就労を最優先する世代。この世代では、より上位の資格や研修を好みません。また、リーダー的職務に携わることを願わない人たちが多くなっているというふうにも聞いています。やり方を丁寧に教えてもらって、よくやったと褒められて、ありがとうと喜ばれることを職業選択の基準としているとも言われます。  このような状況の中で、これからの介護に携わる職員を確保するためには、入所される方々のためであると同時に、職員の勤務体系をどのように考慮するかという施策が必要と思います。現実にどの施設でも、従来型3対1、新型2.5対1の介護では間に合いません。人数を増やすために給料の水準が下がってしまう。配置基準の見直しが必要であります。県から余裕ある配置と言われても、残念ながら見合う収入が考えられません。 ○腰塚誠 議長 残り時間2分です。 ◆南波和憲 議員 読み上げるだけにします。平成11年までの措置制度の時代には、職員の給料が足りないときは民改費という給料補てんの制度がありました。今は介護保険の時代で、それはなく、施設にとっては請負の時代です。重度化対応加算というふうなことですけれども、先ほどの説明によれば、介護の基本単位を12単位増やす。看護体制加算を8単位増やす。合わせて20単位。逆に、栄養士配置加算10単位と重度化対応加算10単位が廃止される。差し引きゼロです。増えるというふうな印象を持っておりません。どのような規制が加えられるのかの方が心配であります。国からの介護報酬の引き上げが、職員給与の引き上げには目に見えるほどにはできないだろうというふうに考えています。そこの中で、入職した職員に対して、きちんとした形でオン・ザ・ジョブ・トレーニングができるようなことを県の施策としてやっていただきたい。  2番目に、記録をつくっていく、記載をしていくことがあまりに大変です。これを合理化していただきたい。3番目に、ユニットケアを改革したうえで、従来型のケアの良さを認めていただきたい。4番目に、胃ろうの方、あるいはインスリンの方に対しても介護士が対応できるように考えていただきたい。5番目には、現在の県の入所判定基準があまりに認知症の方中心過ぎる。そういうふうな中で、意思の疎通を図れない入居者がほとんどになってきています。重度の方から入れるということはわかるんですが、ユニット型ではますます困難になっていく、そういうふうな状況です。身体的援助を必要とする方についてもやっていけるように、入所判定基準の再検討をお願いしたいと思います。 ○腰塚誠 議長 時間が参りましたので、以上で南波議員の質問を終了いたします。 ◆南波和憲 議員 以上です。あとはよろしくお願いします。(拍手)  ● 休憩 ○腰塚誠 議長 暫時休憩いたします。  午後1時15分から再開いたします。    午後0時16分休憩    午後1時16分開議          (小野里光敏副議長 登壇 拍手) ○小野里光敏 副議長 暫時、議長職を執り行います。  ● 再開 ○小野里光敏 副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  ● 諸般の報告 ○小野里光敏 副議長 日程を続行する前に、諸般の報告をいたします。  予算特別委員会の正副委員長互選結果につきましては、委員長に中村紀雄議員、副委員長に久保田順一郎議員が選任されましたので、御報告いたします。  ● 一般質問(続) ○小野里光敏 副議長 党(会)派代表による質疑及び一般質問を続行いたします。  岩上憲司議員御登壇願います。          (岩上憲司議員 登壇 拍手) ◆岩上憲司 議員 リベラル群馬の岩上憲司でございます。リベラル群馬を代表いたしまして順次質問をさせていただきたいと思います。執行部におかれましても、わかり易く御答弁をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  では、まず1問目、知事、お願いいたします。 ○小野里光敏 副議長 知事。          (大澤正明知事 登壇) ◆岩上憲司 議員 今回、知事は景気対策優先ということで積極的な予算を組んでいただきました。厳しい財政状況を何とかしようという知事の姿勢は、リベラル群馬といたしましても理解をさせていただいたところであります。しかし、目の前の県民生活を守っていくことも大切でありますけれども、それと同時に、将来の若者、子どもたちの世代にも責任を持たなければなりません。また、県民の税金を使う以上、景気対策も実効のある中身にしていかなければならない、そんなような立場から何点かお伺いしたいと思います。  今回、臨時財政対策債を250億円から505億円に大幅増額確保したわけであります。これに対し新聞報道等では、国民の借金になることには変わりはない、交付税の先食いなどといった指摘、評価がありましたけれども、これを受けて知事はどのように受け止められているか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎大澤正明 知事 議員も御承知のとおり、臨時財政対策債は、地方交付税の不足を補うものとして国から各地方公共団体に発行額が割り当てられるものでありまして、形式上は県債でありますが、実質的には地方交付税であるとされております。臨時財政対策債は、その返済額に相当する金額が後年度の地方交付税算定における基準財政需要額に加算されることから、償還のための財源が確保されているものでありまして、発行額が増えても今後の財政運営には支障が生じない仕組みとなっておるわけであります。  しかしながら、今回の臨時財政対策債の大幅な増額は、国も地方も大幅な税収の減が見込まれるという厳しい事態に対応するための特別な財政措置であり、本来は地方交付税総額がしっかりと確保され、地方の安定的な財政運営に必要な額が地方交付税として交付されることが望ましいと考えておるところであります。 ◆岩上憲司 議員 わかりました。交付税で来るということが確かに望ましいのは望ましいと思います。ありがとうございました。  部長、お願いいたします。その後、臨財の中身について少し聞きたいと思います。 ○小野里光敏 副議長 総務部長。          (中山博美総務部長 登壇) ◆岩上憲司 議員 次に、実質的な交付税との説明についてお伺いをしたいと思います。  臨時財政対策債というものが国の地方財政対策の都合上、やむを得ない側面があるということも理解をさせていただいております。私たちが非常に疑問を持っておるのは、国も実質的な交付税として説明もしておりますけれども、果たして国が本当に面倒を見てくれるのかということであります。この県債は平成13年度から発行しておりますが、これまで具体的にどのような形で国が返済をしてくれたのか、また、平成20年度の交付税のうち臨財債の返済分というのはいくらぐらいなのか、まずお聞かせいただきたいと思います。 ◎中山博美 総務部長 お答えいたします。  臨時財政対策債の制度は平成13年度から始まったものでありまして、20年度までの8年間で、本県では累計で2074億円の借り入れを行ってきたところでございます。この臨財債の償還に対しましては、平成14年度以降の各年度の地方交付税算定におけるところの基準財政需要額に返済額に相当する分が加算をされてきております。具体的には、基準財政需要額の公債費の項目の中で、臨時財政対策債の償還相当分として算入されているものでありまして、各年度ごとの算入額は、16年度までの借り入れ分につきましては20年間で償還、平成17年度以降の借り入れ分につきましては30年間で償還するものとして計算をされました、いわゆる理論償還額となっております。平成20年度の普通交付税算定におけます基準財政需要額には、92億5744万円が算入をされております。これまでの算入の合計額を申し上げますと、14年度から20年度までの合計では238億7823万円となっております。  以上です。
    ◆岩上憲司 議員 14年から20年で238億円、今回、約92億円が20年度で返済されるということは、今年度を含めれば臨財債の残高が合計で約2280億円程度になるというふうに考えられます。16年までが20年間、17年度以降は30年間ということで、かなり長いスパンでやるわけでありますけれども、これからまた臨財債が発行されていけば、毎年この返済額というのは当然増えていくということでよろしいのでしょうか。 ◎中山博美 総務部長 基本的にはそういうことになろうかと思います。その財源としては、毎年度交付税の算定の中で計算をされて交付をされてくるというものでございます。 ◆岩上憲司 議員 国のそういう状況であることはわかっているんですけれども、交付税の総額そのものが今増額をされていない状況だというふうに思います。いくら臨財債の返済額分が交付税に含まれているといっても、本来の交付税がその分しわ寄せを受けてしまっているんじゃないかなと。その穴埋めをするため臨財債を使うことにもなりますし、今後、臨財債を返すために、臨財債をまた発行しなければならないということになると思うんですけれども、その辺についてはいかがですか。 ◎中山博美 総務部長 現在の財政の仕組みとしまして、地方財政計画という大きな枠組みの中で各地方公共団体の財源というものも担保されるということになるわけでありますので、その仕組みの中で、議員御指摘のように、基本的には、地方交付税というものが国においてしっかりと確保されるということが望ましいということでありまして、それにつきましては、全国知事会等を通じてしっかりと要望しているところでございますけれども、現状におきましては、臨財債という仕組みを使わざるを得ないというのが、また国における財政の状況かと思っております。 ◆岩上憲司 議員 そもそも交付税が増えないということになって、それで返済額が増えてくるということになってしまうと、実質交付税が使える枠というんですか、幅が限られてしまって、これがどんどん増えていってしまうと、実際地方で使えるお金がなくなってしまうんじゃないかな、私はそんなような心配も今させていただいております。ありがとうございました。  次に、稲山副知事、お願いいたします。 ○小野里光敏 副議長 稲山副知事。          (稲山博司副知事 登壇) ◆岩上憲司 議員 稲山副知事にお伺いをいたします。先ほど総務部長の御答弁や、私たちの思いも今話をさせていただいたわけでありますけれども、本来、交付税額とは別に、臨財債の返済分としてしっかりと別枠として上乗せをしていただいた方がわかり易いですし、また、すべて交付税、基準財政需要額に含まれているとか、そういうようなことになって計算をされても、実際どの分がどうなんだということがなかなかわからないような気が私はしているんですよね。そこの中で、今、総務部長から国のお話もしていただきましたけれども、これが将来にわたってずっとこのような形で適用されていくのかどうか、お伺いしたいと思います。 ◎稲山博司 副知事 ただ今総務部長から御答弁申し上げましたように、臨時財政対策債につきましては、制度創設以来、交付税算定におきまして基準財政需要額にその返済額に相当する額が全額加算算入されてきているところでございます。国も地方も大変厳しい財政状況でございますが、これまでに発行された分の償還、これは言うまでもございませんけれども、これから発行する分の償還につきましても、これは引き続き制度として、しっかりと交付税への算入措置がとられると考えております。  ただ、御懸念がありますように、臨時財政対策債の発行額がものすごく増えていったらほかの需要を食ってしまうのではないか、こういったようなことにつきましては、地方交付税を含めまして地方税財源全体が将来にわたって安定的に確保される、こういったことが地方団体として、今言ったような懸念も払拭して、安定的な行政サービスを行うために必要不可欠なことでございまして、それは言うまでもないことと思っております。そういった地方交付税の総額の充実、確保に向けまして国などに対して働きかけを行うなど、これは地方に関わります関係者が一丸となって一層努力していかなければいけないというふうに思っております。 ◆岩上憲司 議員 何かすっきりしないところもあるんですけれども。はっきり言って、私は、この返済システムというんですか、仕組みが今後地方を困らせてしまうような状況にもなるのかなと。20年、30年償還をしていく状況もあります。また、交付税の中に一応含まれているということになって、これから国も地方も当然厳しいわけですから、交付税の総額は臨財債を使わないとなかなか上がってこない。そういう状況の中で、これがずっと続いていくと、最終的には地方が困ってしまうんじゃないかなというような思いがあるんですけれども、その辺について再度お伺いしたいと思います。 ◎稲山博司 副知事 分権を見据えて地方税財源がしっかりしないと、今おっしゃったような御懸念というものが非常に問題になってくるわけでございます。そのためには、くどいようでございますけれども、交付税のいろんな制度的な改正、できたら交付税率が上がるとか、そういうふうにすれば、それはもちろんすっきりするわけですけれども、今、国も地方も大変財源がない中でどうしていこうかという中で、こういう臨財債という制度がなされているわけでございますけれども、今、分権委員会等でいろいろ御議論がありますように、新たな地方の役割を見据えた安定的な税財政の基盤というものをつくっていく、こういうことによって今御懸念になるようなことが払拭される、こういうふうに努めていかなければいけないと思っております。 ◆岩上憲司 議員 ぜひよろしくお願いいたします。私どもはそんなような率直な思いも持たせていただいておりますし、国も当然大変ですけれども、今回、地方も大変でありますので、その辺の思いもまた国の方によく伝えていただければと思います。ありがとうございました。  次に、知事、またよろしくお願いいたします。 ○小野里光敏 副議長 知事。          (大澤正明知事 登壇) ◆岩上憲司 議員 3番、知事の公約についてであります。  今回、プライマリーバランスが赤字に転落をいたしました。新聞記事等を見ると、臨財債を除けば黒字だから問題ないという説明もあり、知事の公約の最低ラインがどこにあるのかがちょっとわからなくなってしまいました。先ほど総務部長からもいろいろとお話もありましたけれども、県民に対する説明責任を果たすうえでも、改めて、プライマリーバランスの黒字化とはどこのことを言っているのか、御説明をしていただきたいと思います。 ◎大澤正明 知事 県債残高は平成21年度末で1兆18億円となる見込みでありますが、その内訳を見ますと、実質的な交付税である臨時財政対策債が2280億円、その他の通常債が7738億円となっております。平成20年度末見込みと比べますと、県債残高は267億円の増となる見込みであります。その主な理由が、御指摘の臨時財政対策債が409億円増と大幅に増えることでありまして、その他の通常債については142億円の減となっております。県の借金の9589億円の削減でありますけれども、国の地方財政対策により発行額が決まってしまう臨時財政対策債以外の通常債については、後の世代に過度の負担を負わせないよう、できるだけ減少させる努力をしてまいりたいと考えておるところでありまして、21年度当初予算におけるプライマリーバランスは、全体では92億円の赤字となりますが、実質的な地方交付税である臨財債を除くと292億円の黒字となっております。  赤字の主な理由は、臨時財政対策債が対前年比255億円増と大幅に増加することでありまして、国の地方財政対策によりまして、地方全体の大幅な財源不足を解消するため、県への発行額の割り当てが増えたためであります。臨時財政対策債を除いた、いわゆる実質的なプライマリーバランスについては黒字を維持しておるわけでありまして、プライマリーバランスの黒字化堅持に明確な最低ラインがあるわけではありませんけれども、臨時財政対策債を除いた実質的なプライマリーバランスについては、できる限り黒字を堅持する努力をしていかなければいけないと思っています。 ◆岩上憲司 議員 今のお話をお伺いすると、実質プライマリーバランス、私どもは資料をいただいたんですけれども、2つのラインが今回初めて出てきたと思います。今までは全体で黒字という部分の中で考えてきていましたけれども、今回は臨財債を抜きでありますというラインも出していただきました。それを考えたときに、今の御説明からすれば、あくまでも今度は臨財債を抜きで、こっちの線で考えていく、これが黒字化の堅持だという意味合いでよろしいのでしょうか。 ◎大澤正明 知事 今申したとおりです。 ◆岩上憲司 議員 私どもは、今までは当然全体でしか見てこなかったわけでありますので、これを黒字化として考えていくのか、今、緊急事態だから、1回赤になるけれども、またこれを戻すように努力していくのか、それか臨財債を抜きのプライマリーバランスで追っていくのかという、この2つが視点なのかなというふうにも思っておりました。今の御説明を聞いた中で、これもまたどこかの場面でしっかりと県民の皆様方によく御説明もしていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  次に移らせていただきます。実質公債費比率についてであります。  実質公債費比率は、平成19年度決算で9.9%、全国第3位という高水準ですが、2月6日の朝日新聞の記事でも、償還期間を10年から20年に延ばしているという県債も一部あるようで、これが将来の負担分を先送りし、影響が出るのではないかなどと指摘をされております。今後どう推移をしていくかが心配されるところでありますけれども、この辺についての見通しをお聞かせいただきたいと思います。 ◎大澤正明 知事 今議員御指摘のとおり、平成19年度の決算においては、実質公債費比率は9.9%であります。今回の実質公債費比率の算定に当たりましては、臨時財政対策債など普通交付税に算入される県債の元利償還金は積算から除かれておるわけでありまして、そのため、臨時財政対策債の発行が増えても、通常債の発行を抑制している状況では、標準的な年間の収入であります標準財政規模が一定していることを前提とすれば、将来の実質公債費比率は、大きく変動することはないと考えております。 ◆岩上憲司 議員 今、大きく変更されることはないということでもあります。これも今までずっと全国上位を続けてきているわけでもありますし、いろんなところで実質公債費比率というのが話題にもなるわけでありますので、これも、厳しい状況でありますけれども、これからできるだけまた高水準を保っていただくべく努力していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に移らせていただきます。次が財政調整基金と減債基金の見通しについてであります。  平成20年度において財政調整基金、減債基金はどの程度取り崩される見込みなのか、また残高はどれぐらいになる見込みなのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎大澤正明 知事 平成21年度の当初予算では、非常に厳しい財政状況の中で、景気対策や雇用対策を中心として、県民が安全で安心して暮らせるよう積極的な取り組みを行うため、財政調整基金を137億円、減債基金を50億円、合わせて187億円を取り崩すこととしております。その結果として、平成21年度末の基金残高の見込みは、財政調整基金で約4000万円、減債基金で満期一括償還に備えておく分の85億円を除きますと、約1億円となっております。  財政調整基金と減債基金の今後の見通しでありますけれども、今年度末において50億円程度の執行残が見込まれるため、平成20年度の最終補正予算においては、基金の残高は約50億円程度増加するのではないかと見込んでおります。平成21年度においても、自主財源の増額確保に努めるとともに、歳出の徹底した見直しを行いながら経費の削減に努め、取り崩しの額をできるだけ少なくし、平成22年度以降の予算の財源として活用する努力を引き続き行ってまいりたいと考えています。 ◆岩上憲司 議員 平成19年度でも約100億円以上取り崩されていると思います。知事の就任以降、約200億円以上取り崩されているということになると思うんですけれども、景気の後退等の状況であれば理解するところもあるんですけれども、このままでは基金が底をついてしまうんじゃないかという心配もしております。底をつくという最悪な状態を当然回避もしていかなければならないんですけれども、その具体的な方策等があれば。 ◎大澤正明 知事 このような厳しい状況というのは決して群馬県だけの問題ではなくて、三位一体改革によりまして地方交付税が大幅に削減され、基金を取り崩し、厳しい財政運営を強いられているのが全国の地方公共団体に共通する課題であろうと思っております。根本的には、地方財政の健全化を図るには地方交付税の復元、増額、さらには地方消費税の拡充といった地方財政基盤を強化する取り組みが不可欠であろうと私は思っております。 ◆岩上憲司 議員 全国、群馬県だけではないというのは当然私も承知をさせていただいているつもりであります。しかし、今のこの現状を見たときに、厳しい状況でも底をついてしまうわけにはいかないというような思いも私は持たせてもらっております。一昨年の台風9号の災害などがありましたけれども、あのときも緊急的な支出が必要な場面も当然あります。さらに、今回のように急激に景気が後退したときにも使っていかなければならない。そういうような不測の事態が生じたときに、これは、いわば調整弁的な役割を果たしていただける基金だと思います。赤字に陥ってしまってリスクが大幅に増大するようなことにもなりますので、そういうこともぜひ注意を払っていただいて、全国的にそうだといえばそうかもしれませんけれども、群馬県はそこもまたこだわっていっていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  では、6番に移らせていただきます。将来の世代に対する説明責任についてであります。  今回、知事の記者会見でも、後世に責任を持たなければならないとおっしゃっておるところもあります。県民に対して今後の財政健全化の道筋を示す責任も同時に負うべきと考えております。今後の道筋についてぜひ御説明いただければと思います。 ◎大澤正明 知事 今後の財政健全化の道筋についてでありますけれども、今回の予算編成では、少しでも多くの自主財源を確保することに取り組みまして、また歳出面でも、職員の削減、事業の見直しなど徹底した取り組みを行ってきたところであります。今後につきましても、歳入では、景気動向によっては県税収入の落ち込みが続き、また歳出では、社会保障費や公債費が増加するなど厳しい財政状況が見込まれるため、引き続き行財政改革をしっかりと取り組んでいかなければならないと考えておるところであります。  こうした厳しい状況は決して我々群馬だけではありませんので、先ほど言ったように、やはり地方財政基盤を強化する取り組みをしっかりとやっていかなければいけないと思っております。今後とも県としては、できる限り歳入確保や事業の見直しを進めながら、国に対しても、全国知事会等を通じまして、地方交付税の増額確保などにより県民サービスの維持、持続的な財政運営が可能となるよう、しっかりと国に要望してまいりたいと考えております。 ◆岩上憲司 議員 ぜひよろしくお願いをいたします。群馬県一県でどうにもし難いというのは十分承知もしておりますけれども、最後に知事からお話をいただいたとおり、国にもしっかりとこの主張の立場を理解していただくべく、よく要望もしていただきたいと思いますし、また、この群馬県におかれましても心配をされるところもありますので、ぜひ引き続きよろしくお願いをいたします。ありがとうございました。  次に、農林業の振興についてお伺いをしたいと思います。  リベラル群馬といたしましても、世界的なグリーン・ニューディール、つまり環境や農林業という分野で雇用を拡大していく、そういった思想を予算の中に取り込んでいくべきと考えております。群馬県の農林業は、中長期的に見てもその可能性が十二分に期待できると思います。  そこで、今回、国から緊急雇用創出対策、ふるさと雇用再生対策として60億円が交付をされました。そのうち一定の割合は農林業の分野にも当然充てられると思います。雇用対策としてこれだけの予算が来たわけでありますから、農林業の分野における深刻な担い手不足の状況は必ず改善されることと多くの県民は期待もしております。  そこで、知事にお伺いしますけれども、この雇用対策予算をどのような形で農林業の担い手確保につなげていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎大澤正明 知事 国では、緊急雇用対策といたしまして、平成20年度第2次補正予算で緊急雇用創出事業及びふるさと雇用再生特別交付金を予算化しておるところであります。県は、これを受けまして、総額60億円のうち、平成21年度当初予算では緊急雇用創出対策で17億円、ふるさと雇用再生対策では10億円を計上しており、その予算審議を今議会にお願いしておるところであります。このうち緊急雇用創出対策では、離職を余儀なくされた非正規労働者に対して臨時的、一時的なつなぎ就業の機会を提供する事業であります。また、ふるさと雇用再生対策は、継続的な雇用が見込まれるものについて、県や市町村が企業等に事業を委託して安定的な雇用機会を創出するものであります。  農業関係では、これらの対策を活用することにより、例えば、農繁期の生産活動に離職者等が短期就労して収穫や加工等の作業に従事したり、就農希望者がライスセンターや野菜出荷施設における雇用の傍ら、地域の認定農業者や農業法人等での作物栽培や機械作業等の研修により技術力の向上を図ることで、将来的に新規就農につながるものと考えておるところであります。  林業では、チェーンソーを用いた伐採など高度な技術と安全管理が必要でありまして、林業労働者の育成には長期を要することから、雇用主にとって大きな負担となっておるのが現状であります。このため、県有林等における森林整備事業を実施し、その作業の中で林業に関する知識、技術の習得や安全教育を行いまして、即戦力となる林業労働者を育成していくことが考えられるわけであります。  県としても、農林業の担い手不足や高齢化が進む中、これらの対策を積極的に活用することで、農林業関係の作業や研修を経験した人たちが、将来的には就農や雇用による担い手となるよう事業を推進してまいりたいと考えております。 ◆岩上憲司 議員 ありがとうございます。せっかくこれだけの対策、3年間で60億円来るということの中で、とにかくこれを何かのチャンスにつなげて、林業も、さらには農業も、就農していただく方、また林業労働者として働いてくれる方を、一時雇用するだけではなくて、しっかりとつなげていかなければならないのかな、そういうことにも県としても取り組んでいっていただかなければならないのかなという思いを私は率直に持たせていただいております。この基金の終了は3年後でもありますので、そのときにまた検証もさせていただかなければならないとは思いますけれども、この事業を何とか就農していただけるような形で使っていただければと思うんですけれども、その辺について再度お伺いしたいと思います。 ◎大澤正明 知事 そのために国からお金が来ておるわけでありますので、しっかりと取り組ませていただきたいと思います。 ◆岩上憲司 議員 ぜひよろしくお願いをいたします。  次に移りますけれども、今回、先ほど言うように国からそれだけのお金が来て、国がやる気を少し見せていただけたのではないかな、そんなふうにも思っております。そんな中で、今度は県として、どこの事業に力を入れていかなければならないのかということも、またしっかりと検証もしていかなければならないと思います。来年度においても、7つの交通軸構想ということで、道路新設改良費だとか、また街路費などは非常に増額をしていただきました。その一方で、群馬県の農業の柱である蚕糸園芸費、畜産費等々は予算が軒並み減ってしまっている。また、林業予算なども4億円以上も減っているような状況もあります。予算書を見る限りでありますけれども、農林業の振興に力を入れている姿勢が少し弱いんじゃないか、また感じられないんじゃないかというふうに私は思っているんですけれども、大きく見て農林業をどのように位置付けているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎大澤正明 知事 農林業予算は平成21年度当初予算の柱のひとつであり、農林王国ぐんまの実現に向けまして鋭意取り組んでおるところであります。  まず、農業の位置付けについてでありますけれども、本県は大消費地の首都圏に位置し、その立地条件や自然環境を活かした多彩で多様な農業が展開され、首都圏の台所として大きな役割を担っておるところであります。このため、農業を地域の基幹産業として、持続的な発展を図るため、農畜産物の生産振興やブランド化の推進、さらには担い手対策や環境対策、農業基盤整備等を推進することが重要であると考えております。  次に、林業の位置付けについてでありますけれども、県土の3分の2を占める森林から供給される林産物の生産振興を図るために、水源涵養や国土保全といった森林の公益的機能を発揮するためには、森林整備を推進することが重要であろうと考えております。  平成21年度の農林業関係予算については、当初予算編成に当たっては、厳しい財政状況の中にありまして、対前年度比マイナス10%シーリングを設けたわけでありますけれども、農林業の重要性に鑑みまして、ほぼ前年度並みに近い予算を計上したところであります。 ◆岩上憲司 議員 今、農林業は柱だという一言もいただきました。厳しい状況で、10%のシーリングをかけたけれどもという説明もありましたけれども、今回の予算説明書を見る限りでは、私なんかは力の入れ方が弱いのかなというふうに正直に感じたのも事実であります。特に今回、農産物のブランド化の問題だとか、耕作放棄地率が20%、全国で第3位という深刻な状況もあります。こんな状況も考えたときに、やはりそういうところにしっかりと予算をつけていっていただかないと、なかなかこういうものの打開策になっていかないのかな、私はそんなふうな思いも持たせていただいております。  そんな中で、今回それなりには積極的な予算を組んだという今の御説明でありますけれども、そういう問題も含めて、今回この予算で農林業をどれぐらい実行していけるのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎大澤正明 知事 今議員からも御指摘がありましたけれども、農業・林業関係者の皆さんにそのような誤解がいかないように、農政部、環境森林部、力を上げて頑張っていきたいと思っております。  特に農業につきましては、県農政の基本指針であります群馬県農業振興プラン2010の着実な推進を柱といたしまして、予算面での重点として、本県の基幹部門であります野菜の生産振興の取り組みを強化するとともに、販売力強化に向けた農産物のブランド化を進めていきたいと考えています。また、水田農業の構造改革の推進に向け、認定農業者の育成や集落営農組織の法人化、さらには農地の担い手への面的な集積、作業効率を高めるための区画整理等を推進するほか、食料自給率向上に向け、水田を有効活用した飼料用、米粉用などの新規需要米の生産及び需要の拡大、耕作放棄地の解消と発生防止に取り組むこととしております。さらに、飼料価格高騰等の影響を受けている畜産農家に対しては、収益性を高める取り組みを支援することとしております。  次に、林業については、予算面の重点として大きく3つの部門に力を入れたところであります。まず、二酸化炭素の吸収源対策として、森林の整備であります7000ヘクタールの間伐を実施いたします。次に、県民の安全で安心な生活を確保するため、山地災害を未然に防ぐ治山事業を実施いたします。最後に、県産材の需要を拡大するため、ぐんま優良木材の利用推進を図るぐんまの木で家づくり支援事業を拡充したのをはじめ、曲がり材などのいわゆるD材を集成材の材料といたしまして流通を促進させようと考えております。  いずれにしても、農業、林業は、はばたけ群馬構想の中で重要な産業と位置付けておりまして、今後とも振興に努めてまいりたいと考えております。 ◆岩上憲司 議員 ぜひ羽ばたけるようにお願いいたします。厳しい中ではありますけれども、予算がへずられるということは、そういう話を聞けば一概に、やる気がないんじゃないかなとか、力が入っていないな、そういうような御指摘も当然いただくわけでもあります。予算をつければということだけではありませんけれども、その辺も含めてぜひお願いをいたします。ありがとうございました。  次に移らせていただきます。群馬県のイメージアップ推進についてであります。  観光、物産、ビジネスなどの県の魅力を総合的にアピールする場として、昨年の7月にぐんま総合情報センターぐんまちゃん家が銀座に開設をされました。今年度においても1億250万円が計上されております。訪問者も10万人を超え、またパブリシティ効果も7億5700万円余りに上ったと新聞報道もされておりました。実際に群馬県のイメージアップにどれだけつながっているのか、また知事の手応えも含めてお聞かせいただきたいと思います。 ◎大澤正明 知事 ぐんま総合情報センターの主要な取り組みにつきましては、議員御指摘のとおり、情報マスメディアの報道として、番組や記事の中で取り上げてもらえるよう働きかけるパブリシティ活動があるわけであります。多くのマスコミに取り上げてもらうことが本県の知名度の向上につながっていくため、日常的に情報発信を行っております。しかも無償であり、費用対効果の面では情報提供の有効な手段であると考えております。具体的には、定例的に観光マスコミ記者会に情報提供を行うほか、きめ細やかにテレビ局、新聞、雑誌社等へ情報提供や取材協力を行っております。  こうした活動は、これまで群馬観光物産プラザにおいても実施してきたわけでありますが、ぐんま総合情報センターを設置したことに伴い、さらに充実させて推進をしておるところであります。そして、こういった取り組みによりまして、新聞、雑誌、テレビ、ラジオに県内の観光地等が取り上げられる頻度も増え、取材協力も、マスコミに取り上げられる件数が平成19年度は1年で38件であったのに対して、ぐんま総合情報センターがオープンしてからは半年で89件に上っており、これらを広告換算すると、お話があった7億5000万円の効果があったと試算をしておるところであります。  こうした取り組みが群馬県のイメージアップに貢献しているかについてでありますけれども、テレビでぐんまちゃん家が紹介されますと、来場者が殺到したり、テレビの旅番組で県内の観光地や焼きまんじゅうなどの特産品が紹介されますと、県への問い合わせも多く寄せられているのが現状であります。また、旅館等への予約も増加していると聞いております。このように、マスコミに取り上げられることは、知名度の向上や観光誘客の面で大きな効果があると思っております。そして、こうした取り組みを継続的に行っていくことによりまして、それぞれの観光地や物産の知名度が向上し、ひいては県のイメージアップにつながるものであると考えております。 ◆岩上憲司 議員 いろいろ効果があり、手応えもあるということだと思います。これはもう新聞でも出ておりますけれども、日経リサーチが先日まとめた2008年度地域ブランド力調査によると、都道府県のランキングにおいて、群馬県は2006年度が43位から、2008年度は最下位の47位に下がってしまった。市特別区ランキングにおいても、特産物のランキングにおいても非常に厳しい評価だったかな、そんなふうに受け止めております。そのことについて知事は今どのように受け止められておられるのか、お伺いします。 ◎大澤正明 知事 2008年度の9月の調査結果でありますけれども、調査の仕方にもいろいろあろうかと思います。しかし、最下位だということを謙虚にしっかりと受け止めて、群馬県としてはどういう行動をしなければいけないかということを改めてしっかりと取り組まなければいけない、そんな思いです。 ◆岩上憲司 議員 確かに最下位まで落ちてしまったわけですから、もう上がるしかないわけであります。先ほどいろんな効果があるというようなお話もありましたけれども、私も、これを上げていくためには、しっかりとした戦略というものを練り上げていかなければならないのかなと。知事もよくいろんな場所で、総合的にやっていくというお話もされていると思います。総合的にやっていくことは、底上げをしていくうえでは当然いいことでありますけれども、でも、私は、ぐんま総合情報センターから発信をしているのは、いろんなことを発信してしまって、印象が薄くなってしまっているのかなというような思いも持たせていただいております。もっと優先的に売り出せるものを群馬県で育成して、また集中的に、徹底的に情報を発信していくということもあってもいいんじゃないかなと思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょう。 ◎大澤正明 知事 先ほどの質問で1点つけ加えさせていただきますと、今年の1月の元旦から31日まで、マスコミで取り上げられた温泉は群馬県がトップでありました。それだけ報告させていただきます。これもぐんまちゃん家の影響であろうと思っております。  今御質問の戦略についてでありますけれども、ぐんま総合情報センターは、首都圏に向けて群馬県の魅力を総合的に発信し、群馬県のイメージアップを図ることを目的としておりまして、観光案内、物産販売、イベント開催、企業誘致活動、パブリシティ活動等幅広い業務を行っておるのが現状であります。  情報発信の焦点が定まっていないという御指摘でありますけれども、物産販売やイベントについては一般来場者に対する情報発信、観光案内については群馬県への旅行を考えている方に対する情報発信、パブリシティ活動については在京のマスコミに対する情報発信、また企業誘致活動については東京周辺の企業に対する情報発信と、発信する情報の対象が異なりまして、それぞれの対象に応じた適切な情報発信を行っているところであります。また、JA全農ぐんまが浅草に設置しておりますグッドぐんまの旬の市と協力いたしまして農畜産物についての情報発信を行うなど、ほかの団体との連携強化も努めておるところであります。  このように都心における群馬の情報発信の拠点として、群馬県の魅力を様々な角度から発信するとともに、センターに行けば群馬に関する情報は何でも入手できるという整備をしていくことも重要であると考えております。  次に、優先的、集中的な情報発信が必要であるという御指摘でありますが、群馬県には様々な観光地、特産物、農産物、工業製品があり、こうしたものを広く紹介していくことが県としての役割でありまして、当面はこうした考えのもとで、幅広い情報を有機的に整理しながら情報発信を進めていくことが重要であると考えております。そして、その効果も着実にあらわれてきております。 ◆岩上憲司 議員 わかりました。では、来年の日経の調査も楽しみにしながらいきたいと思いますので、またよろしくお願いをいたします。  そこの中で、これはひとつ提案ということではないんですけれども、群馬県のイメージアップにつながるとして、シルクを使った湯浴み着というものがあります。アイデアとしては非常におもしろいなというふうに思っておりますし、群馬県の特色を種々織り込んでいるものだと思っております。今日持ってきたんですけれども ○小野里光敏 副議長 岩上議員、答弁者は。 ◆岩上憲司 議員 産業経済部長、お願いします。 ○小野里光敏 副議長 産業経済部長。          (柿沼伸司産業経済部長 登壇) ◆岩上憲司 議員 湯浴み着について質問させていただきたいと思います。  今日、試作品を持ってきたんですけれども、これが男性用です。これが女性用で、これは試作品ですけれども、これを着て温泉に入っていただくということなんです。特にシルクを使っていただきたいということもいろいろと要望もさせていただきますけれども、群馬県は、上毛かるたの中でも言われているとおり、繭と生糸は日本一というふうにも言われております。そんな中で、シルクを使ってつくることによって農業振興も当然つながってくるだろうというふうに思っております。さらには富岡製糸の世界遺産に向けても、シルク製品が増えるということは、また非常におもしろいのではないかなと。さらに、群馬県の観光の柱である温泉PRにも直結できるし、さらには体に傷があり温泉に入りづらいという方や、裸で入浴することに抵抗する外国人観光客、さらには夫婦でも温泉に一緒に入りたい、そういう声もいろいろと聞かれております。こういうものをひとつつくることによって、福祉や観光面でも、また他県の温泉地との差別化が図れるのではないかな、そんなふうにも私は期待もしております。お土産品についても、自分でオリジナルなものをつくっていただいたりすることも非常にいいのかなと思っておりますし、お土産として買って帰っていただくというようなひとつの道具にも使っていただけるのかと思います。県でも桐生の繊維工業試験場が商品開発をバックアップもしていただいております。そのことについて、今の現状についてお伺いをしたいと思います。 ◎柿沼伸司 産業経済部長 湯浴み着自体につきましては、今議員の方から御説明があったとおり、がん等で傷がある人、あるいはやけどの跡とか、そういうケースもありますし、外国人、あるいは夫婦でとか、いろんなケースを考えております。ただ、そもそもこの話が県内の民間衛生研究所から繊維工業試験場の方に相談があって研究が始まったということで、最初はポリエステルとか、いくつかの繊維でつくってみたわけですけれども、体が冷えてしまうとか、あるいは石けんがきちんと落ちるかどうかとか、いろんな技術課題について19年あるいは今年度研究を進めてきた。それで一定の熟度には来つつあるのかなと。ただ、絹でつくった場合に、製品としてはいいわけですけれども、価格帯がかなり高くなってくるということもあることから、ひとつの付加価値の高い製品と、汎用性という点では価格を落としていくということから、シルクでもコーティングというんですか、表面処理加工でやることによって価格を落としていくというふうな研究課題はまだ今進めているという状況であります。  いずれにしても、あと最終的にはデザイン面とか着心地とか、こうした点も大事になってくるだろうなということで、関係者による試着実験を行いながら、商品化に向けての研究を続けていくということが大事かなと思います。また販売面についても、ある程度の製品化に至った段階でのマーケットの方の状況についても、リサーチといいますか、マーケティングを進めていくということも大事かなと思っています。 ◆岩上憲司 議員 ありがとうございます。まだ衛生面だとか、いろんな関係者の方々とも意見交換したりしていかなければならないというのは私も十分承知しておりますけれども、こういうひとつのもので群馬県をアピールできたり、また群馬県の中も少しは潤ったりするようなものも、対象とすれば非常におもしろいのかなというふうに私は思っておりますので、引き続き繊維工業試験場の方とでもまたよく協議していただいて、これが何とか世に出せるような形であれば群馬県の魅力も発信できるんじゃないかな、そんなふうにも思っておりますので、ぜひよろしくお願いをいたします。  では、次に前橋赤十字病院についてお伺いいたします。 ○小野里光敏 副議長 知事。          (大澤正明知事 登壇) ◆岩上憲司 議員 前橋赤十字病院は、北関東で唯一の広範囲の熱傷等の特殊な医療対応機能を持ち、県内で唯一ドクターヘリを導入するなど、高度救命救急センターとして、また県内唯一の基幹災害医療センターとして、県内広域的な救命救急医療を担うとともに、大正2年3月23日に建てられて以来96年にわたり前橋市の地域に親しまれ、ともに歩み続けている非常に重要な病院であります。  この前橋赤十字病院の老朽化に伴う建て替えの話でありますけれども、様々な情報や憶測が世間に流れております。私のところにも、どの情報が正しいのかとか、もう移転先が決まったのか、また最終決定者は誰だとか、もう青写真ができているんじゃないか、いろんな話が来るんですけれども、私自体も何とも答えようもないですし、また誤った情報が地域に行っても困るという思いの中で、正確な今の現状なり情報をしっかりと発信しなければならないだろう、そういう思いでこの質問をさせていただきたいと思います。  今回、建て替えの検討につきまして、まず知事はどのような立場で関わっていらっしゃるのか、また審議会のメンバーはどのような構成なのか、そして最終決定はどこで下されるのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎大澤正明 知事 日赤群馬県支部の場合、知事が支部長に委嘱されておりまして、前橋赤十字病院の建て替えに関しても支部長としての立場で関わっております。前橋赤十字病院建て替え検討審議会のメンバーの構成でありますけれども、医師会、行政、議会、財界、消防、救急病院など関係各分野の代表16名で構成をされております。また、群馬県支部としての決定についてでありますけれども、支部長が検討審議会の結論を受けまして病院や関係各方面とよく相談をし、群馬県支部としての判断を行うこととなります。 ◆岩上憲司 議員 では、知事が日赤の群馬県支部の支部長ということでありまして、また、どこで最終決定をされるのかというのは、支部長のところに報告が来て、それで病院関係者と協議をして決めるということでよろしいわけですね。  それで、現時点ではどのような検討がなされておられるのか、お伺いしたいと思います。
    ◎大澤正明 知事 昨年8月に群馬県支部において検討審議会を立ち上げ、現在まで3回、審議会で議論が重ねられているところであります。昨年12月には検討審議会により中間報告が行われたが、その内容は、前橋赤十字病院の老朽化や狭隘化等の現状から建て替えが必要であるという趣旨でありました。今後とも審議会の議論を見守っていきたいと考えております。 ◆岩上憲司 議員 では、今の御説明でありますと、病院が老朽化をしているから、とりあえず建て替えはする。でも、どこに建て替えるか、現地建て替えなのか、また移転建て替えなのかということは全く決まっていないという解釈で今現在は進んでいるということでよろしいですか。  では、今後の検討についてどのように行っていくのか、お願いいたします。 ◎大澤正明 知事 今後、検討審議会におきまして建て替え方法等に関して引き続き審議が行われていくものと考えております。前橋赤十字病院は県の唯一の高度救急救命センターや基幹災害医療センターでありまして、本年2月からドクターヘリも配置されておりまして、群馬県において重要な機能や役割を担っていることから、すべての県民にとってより良い病院となるよう、しっかりと議論していただきたいと考えております。 ○小野里光敏 副議長 残り1分です。 ◆岩上憲司 議員 わかりました。  今の説明で今の現状がよくわかりました。では、これからまた審議会を重ねていって、そういう方向性を見出していくということ以外は何も決まっていないということでよろしいわけですね。正直いろんな話が出たり、いろんなうわさが出たりしているのも現状で、何が本当の話で、何がうその話だか全くわからないというのが今の実際の現状だと思います。この病院は、先ほど言うように群馬県のための医療を守っていかなければならないという立場もあります。さらには地域住民の方々の熱い思いも当然あるわけであります。そのことは知事は十分認識をしていただいていると思いますけれども、そういう視点も含めて、しっかりと前向きに協議をしていただいて、またいろんな情報が決まり次第、いろんな情報発信をしていただければと思いますけれども、最後に一言お願いします。 ◎大澤正明 知事 大切な病院でありますので、しっかり議論を進めて、そのうえで取り組んでいきたいと考えています。 ◆岩上憲司 議員 ぜひよろしくお願いします。  では、質問を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) ○小野里光敏 副議長 以上で岩上憲司議員の質問は終わりました。  久保田務議員御登壇願います。          (久保田 務議員 登壇 拍手) ◆久保田務 議員 民主党改革クラブの久保田務でございます。ただ今議長のお許しを得ましたので、通告に基づいて質問をいたします。  私の本日の質問は2点でございます。1年前には誰も予想しなかったような大不況が突然やってまいりました。それが県民生活を直撃しています。平成21年度当初予算の編成に当たって、大澤知事には大変な御苦労をされたと拝察申し上げます。そして、知事の脳裏には常に御自身のマニフェストがおありです。それと今回の予算案との関係についてお伺いします。2点目は、雇用不安と農業後継者対策との関係についてお伺いをします。  貴重な時間をいただきました。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)  それでは、最初に知事、よろしくお願いいたします。 ○小野里光敏 副議長 知事。          (大澤正明知事 登壇) ◆久保田務 議員 知事の提案説明や、また執行部の御説明によれば、県税収入だけでも400億円を超える歳入不足が予測される中で、先ほど来知事は、いわゆる積極型予算を組まれたとのことでございます。この底冷え状態にある県内経済、とりわけ中小零細企業の皆さんを下支えしていくという強い御決意で、経営サポート資金をはじめとする各種の財政出動を内外に示されました。一方、大澤知事のマニフェストの目玉でもありました中学生までの医療費の完全無料化に早くも2度目の予算編成で取り組まれました。  このように、医療、福祉、介護、教育、保育などの需要はますます増大してまいります。マニフェストの柱のひとつでもありますプライマリーバランスの堅持は至難のわざと言わざるを得ません。この誰も予想しなかった大不況、知事が御自身のマニフェストに真剣に向き合っておられることは県民のあまねく理解しているところでございます。先送りになる部分があっても理解が得られるのではないかと私は思います。この際、骨格は維持しつつも、マニフェストの見直しも視野に入れ、この経済不況対策に専念すべきときと私は考えますが、知事の御見解をお聞かせください。 ◎大澤正明 知事 今回のマニフェストの予算編成の反映状況についてでありますけれども、まず予算の柱のひとつであります「県政改革の一層の推進」では、事業評価を通じましてすべての事業を見直して、目的を達成したもの、不要不急なものを廃止し、新たな事業の財源としたところであります。また、組織につきましては、行政改革を進めまして職員数を削減するとともに、介護人材の確保や地球温暖化防止など緊急性の高い行政課題には、新たな組織を設けて対応することとしております。  次に、「県民生活の安心・安全の確保」では、都道府県レベルでは全国初となります子どもの医療費無料化を市町村と協調して完全実施するとともに、医師確保対策として処遇改善や修学資金貸与者の拡大を行うほか、ドクターヘリの通年運航も始まりました。  次に、「県内経済の活力向上」では、道路や下水道などの社会基盤整備を推進するため、県単独の公共事業を前年度比9.6%増と大幅に増額したところであります。特に、下水道をはじめとする汚水処理人口普及率を飛躍的に向上させるため、公共下水道、農業集落排水、合併浄化槽の整備に対する補助制度を大幅に改善することといたしました。また、中小企業対策では、資金繰りを支援するため、経営サポート資金を年度当初から700億円確保するほか、受注機会の拡大を図るなど、きめ細やかな施策を行うこととしております。さらに、ぐんま総合情報センターを拠点として観光誘客や企業誘致を推進するほか、トップセールスをはじめとして、来年度も様々な機会で群馬のイメージアップや魅力のアピールに積極的に取り組んでいきたいと考えております。  以上、主な反映状況について述べてまいりましたけれども、その他の事業についても、マニフェストの実現に向けまして、非常に厳しい財政状況ではありますが、可能な限り今回の予算に反映させたところであります。予算編成に当たっては、マニフェストに挙げただけのものではなく、時代や社会経済情勢の急激な変化を見ながら、市町村長や県議会議員の皆様をはじめ、様々な方々の意見や要望、現場の声などに耳を傾け、議論を重ねながら作業を行ってきたものであります。  以上です。 ◆久保田務 議員 マニフェストを大事にされておられるということもよくわかりました。そして、そこに載っていないことでも、こうやって景気が大変なことになってきたりする。それに合わせてしっかりやっていくんだというお話だと思います。本当にありがとうございます。  ただ、私が次にひとつ心配なのが、予算案発表後、この数年間ずっと9000億円台の後半で推移してきた県債残高が1兆円を超えることになりました。先ほどからいろいろな御議論があります。これを借金と見るか、地方交付税と見るかについては、先ほど知事のお考えを伺いました。ただ、子や孫にまでわたる借金ですから、少ないのにこしたことはないわけでございまして、やっぱり9990億円と1兆円はかなりイメージが違う。数字が非常に象徴的な数字でございますから。21年度の予算執行の中で、私は、まだまだ節減できる冗費、また執行部の御努力、そして歳入についても、景気の回復も期待できる場面もあるかもしれませんし、また不納欠損になっているようなものについての御努力、そういったものを積んでいただくことによって、最終的な県債の発行額をもう少し抑えて、18億円のオーバーですので、9995億円ぐらいで決算を迎えられたらいいなと思うんですが、知事のお考えをお聞かせください。 ◎大澤正明 知事 久保田議員の御指摘は十分わかるところでありまして、県政の改革を一層推進して、予算の執行に当たっても厳しくやっていかなければいけないというのは痛感しておるところであります。  しかし、県債残高増額となる主な理由は、先ほどからも議論がありましたけれども、臨時財政対策債の発行が大幅に増えたことが要因でありまして、臨時財政対策債は他の通常債とは違いまして、社会保障や教育、公共事業など広く行政サービスに活用できる一般財源でありまして、圧縮することは社会保障費や公共事業費などを減少させることになりまして、県民サービスの低下につながることとなってしまい、発行額の圧縮は難しいものであると考えております。臨時財政対策債以外の通常債につきましては、残高を前年度に比べて減少させておりまして、今後も後の世代に過度の負担を負わせないよう、発行額の抑制にできるだけ努力していきたいと考えております。 ◆久保田務 議員 ありがとうございます。県内の経済を下支えする、元気にするための積極型予算、そのための財政出動ということでございます。まだ執行前なんですけれども、その効果といいますか、見通しについて御見解をお聞かせください。 ◎大澤正明 知事 平成21年度の当初予算編成におきましても、県内景気が早期に回復するよう積極型の予算を編成いたしまして、県経済の活性化、中小企業への支援に重点的に取り組んだわけでありますけれども、このうち公共事業については、当初予算で前年度に比べまして2.5%増の948億円を計上しております。特に単独公共事業については、前年度に比べまして9.6%増と大幅に増加をさせておるところであります。  公共事業の効果を産業連関表を用いて計算いたしますと、948億円の公共事業を実施することによる効果としては、まず資材の生産や搬送などの第1次波及効果として330億円程度、また雇用者の所得が増加し、県内の消費需要が喚起されることによって生じる生産増加額であります第2次波及効果として270億円程度、合わせて波及効果全体として600億円程度が見込まれるわけであります。これに公共事業費948億円を合わせますと、総合効果としては1600億円程度となり、約1.6倍の効果が見込まれるところであります。  また、公共事業のほかに、県の施設の補修費や公用車の更新、観光施設の修繕への補助、県産材による住宅建設費補助など大幅に増額しております。これらの取り組みによりまして中小企業の受注量も増え、企業活動が活発化することによりまして雇用の創出、拡大の効果も期待できると考えておるところであります。 ◆久保田務 議員 ありがとうございます。今知事のおっしゃられた以上の効果が一日も早くあらわれることを期待するものでございます。  景気対策として公共事業等も早めに発注していかれる方針とのことです。また、先ほどから出ております公用車等の前倒しでの更新も予定されておられます。公共事業については、通常であれば予定している内容でより安くということでしょうし、車についても、こちらが要求している性能の中でより安くというのが通常の発注なんだろうと思うんですが、それだと結局、技術力はもとより、いろんな意味で力のあるところが落札するということになります。そういう力のある企業の中には、今回、雇用に非常に冷淡な企業なんかもございます。  そういった中で、景気対策的な側面を持つ事業として、県内の中小企業の皆さんの受注機会を増やす、それも社会貢献をしている企業へのシフト等も検討されるべきではないかなというふうに思います。例えば、地元でいつ降るかわからない雪のために、除雪作業などに備えて人員や機材を待機させていてくださっている企業、あるいはボランティアで山林の間伐等に汗をしている企業、そういったところに何らかの優先措置を講ずるべきかなというふうに思います。  特に公用車の更新では、県内自動車メーカーの優先を決められたようですが、まさに知事の英断と思います。私は前から、群馬県の公用車のメーカー別比率が二大メーカーに偏っているように思っていました。ここに全国自販連の昨年度のメーカー別登録台数というのがあるんですけれども、いわゆる二大メーカーと、その系列のメーカーを加えてもシェア6割前後なんですね。これと群馬県の持っている公用車のメーカー別の比率を比べてみたいと思って管財課へ問い合わせたところ、公用車の総台数や部局別の台数というのは把握しているんだけれども、残念ながら、メーカー別あるいは車種別のデータを持っている担当部局はないというお返事でしたので、比較することはできませんでした。このことからも、今まで県は地元に拠点を置くメーカーということにあまり敬意を払っていなかった、冷淡であったのではないかなと私は思っております。  現今の経済状況からということだけでなくて、県内に生産拠点を有し、県税を払い、ボランティアもしてくださっているような企業に優先枠を設けるということは、本当はもっと前に取り組むべきことだったのではないかと思うわけですが、大澤知事の御見解をお示しください。 ◎大澤正明 知事 今議員さんから御指摘のとおり、もっと以前から県内企業というものを見つめる必要があったと思っております。このような大きな景気後退の中で、それをもう1度見直した中で、群馬県として地元企業との連携をしっかり図っていく必要があろうと思っております。特に、県内業者の活性化なくして県内経済の活力向上はあり得ないわけでありまして、議員が御指摘のように、地元の中小企業への受注機会の拡大に心がけることが私は最も大切なことであろうと思っております。さらに、今回、景気対策へのてこ入れが途切れないように、今年度補正予算と21年度の予算の一体的な切れ目のない執行を行っていくことも必要であろうと考えております。これら必要な措置をしっかりとるように、今、担当部局に指示をしたところでありまして、私としても、この未曾有の景気悪化に歯止めをかけて、一日も早く景気や雇用が回復に向かうことができるよう全力で取り組んでいかなければならないと思っておるところであります。 ◆久保田務 議員 知事には大変ありがとうございました。  それでは、関連しまして産業経済部長、お願いいたします。 ○小野里光敏 副議長 産業経済部長。          (柿沼伸司産業経済部長 登壇) ◆久保田務 議員 産業経済部長さんにお伺いします。我が国は過去にも不況というのは経験しているわけですけれども、今回の不況というか、一連の流れの中で、そのひとつの特徴というのが、30兆円を超える内部留保を持つと言われる自動車産業、また世界に冠たる電機・家電業界など、そういったところからまず派遣切りとか、非正規社員の大量解雇がスタートしたというようなところにひとつ特徴があるのかなと思っています。かつて経営者は、企業にとっては財産でもあります労働者の解雇ということには決して手をつけなかった。もちろん最後の最後、会社がつぶれるというときには仕方がないことなんでしょうけれども、70年代の不況等でも、懐かしい言葉ですけれども、一時帰休とか、自宅待機とか、当時の経営者は、何とかして雇用は守ろうとしたと思うんですね。世界に冠たるような大企業の経営者の質が変化したのかなというふうに思うと非常に残念です。むしろ中小零細企業の方の方が、雇用の維持、労働力は宝だというところで頑張っているような気がしております。  前置きが長くなりました。民間企業による雇用の確保、あるいは新規の、そして継続的な雇用の創出をどのように後押しされていくお考えか、お聞かせください。 ◎柿沼伸司 産業経済部長 通常、雇用といいますと景気の遅行指標というんですか、非常にゆっくり出てくるというのがこれまでの認識だったわけですけれども、去年の9月あるいは11月からのああいう激しいといいますか、非常に大きな生産削減とともに、雇用もすぐあらわれてくるということで、今回、そういう意味では新しい事態なのかなというふうに思っております。  それで、今議員御指摘の民間企業の雇用をどういうふうに維持、あるいは増やしていくかということですけれども、まず維持していくという点でいくと、これは国の所管になりますけれども、こうした生産が急激に落ち込んでくる、事業活動の縮小を余儀なくされるという中で、従業員の解雇を避けて維持するということになりますと、議員がおっしゃったような一時帰休も含めて、そういう休業とか、その間、教育訓練を行うとか、出向を行うとか、いろんなケースはあるわけでありますけれども、当然ながらその間は、その人が生産活動に携わらない中で休業手当なり賃金を払っていくということに対しまして、その一部を助成する雇用調整助成金、その中で中小企業については特に厚くやっていこうということで、中小企業緊急雇用安定助成金ということで、こういった制度が設けられております。この制度につきましては、昨年からの厳しい雇用情勢、失業の発生という中で、段階的ですけれども、非常に制度の拡充が図られてきたという経過がございます。したがいまして、こうしたそれなりの仕組みというのを積極的に活用する。いわば国の助成金制度を利用していくということによって解雇をとどまって、中長期の中で、議員がおっしゃったように人材は財産であるという観点からの取り組みができるような、その背中を押すような制度があるわけでございますので、こういう制度がなるべく使われるように、県の立場の中でも、その周知とかを含めて、制度の案内をしていかなくてはいけないかなと思っております。  あと、先ほど来話が出ております基金事業につきましても、緊急雇用の基金につきましては、ほとんどが県内の市町村が直接雇用するというふうな形態をとっておりますけれども、ふるさと雇用再生基金の場合は委託事業ということで民間の方に担ってもらう。ただ、この場合には、NPOも含めて、あるいは行政との関わりの深い団体が増えますけれども、その中の一定割合については株式会社形態にも積極的に活用してもらうということで、まだ途中段階ですので、はっきりした数字が言えませんけれども、半分まではいかないにしても、2割とか、そういうふうな割合については民間企業によって雇用が生まれるように持っていけたらということで、今基金の事業についても検討を進めて、仕込みをしているところであります。  あと、これも午前中といいますか、久保田順一郎議員の方にもお答えしたわけですけれども、雇用対策本部を3月17日に開催する予定でおります。国、市町村、関係団体、また産業界の代表者に入ってもらいまして、雇用の維持、創出を推進できるように努力をしていきたいというふうに思っております。 ◆久保田務 議員 ありがとうございます。関連してまだお聞きしたいことがたくさんあるんですけれども、時間がありませんので。今、国の制度の運用の中で、県として対策本部等を立ち上げたり、できることはやっていくということで伺いました。もう一歩踏み込んだような、国とは離れて群馬県として何かしていこうというお考えはありますか。 ◎柿沼伸司 産業経済部長 今申し上げました基金事業を使ってというのはもちろんですけれども、今現在やっているのが、量的には93人という形で、急ぎでということで1月から3月末にかけての大体2カ月ぐらいについて、県の単独で雇用を生んでいこうということで募集をし、93人が採用に至っているというふうなのがひとつございます。  それから、来年度の事業については、そういう雇用を直接生み出していくとともに、労働力移動という観点から教育訓練についても相当の力を入れていこうということで、予算の方も織り込んでおります。そうした予算について、また審議をお願いしているわけですけれども、当然ながら同じ仕事ができれば一番いいわけですが教育訓練によってより労働力が変わらざるを得ない、あるいは変わることに努力をして、新しい職場につこうという方もいらっしゃるわけで、そういう人についての職業訓練についても頑張っていきたいなと思っています。 ◆久保田務 議員 産業経済部長さんには大変ありがとうございました。  それでは、次に農政部長にお伺いをいたします。 ○小野里光敏 副議長 農政部長。          (林 宣夫農政部長 登壇) ◆久保田務 議員 それでは、農政部長さんにお尋ねします。派遣切り等で大量の離職者が出て、その受け皿として、慢性的な人手不足状態にある介護事業と並んで、今、農林漁業が注目されています。今朝もほとんどの新聞で研修の件が載っておりましたけれども、14日だったですか、農業新聞によれば、京都府では農林業での6600人の雇用創出に向けて、県独自に52億円を用意するとのことです。農村整備、森林間伐のほか、新たに農業ビジネスを起こすなどして雇用機会を増やす。都道府県による雇用の創出事業としては全国最大規模と。これは京都府が言っているだけなんですけれども。その中にいろんなメニューがありますが、中高年の就農希望者への研修制度や、若者、後継者へは5年間の営農継続を条件に農林大学校の学費を全額免除するというようなこと等々がございました。  このように全国の自治体、都道府県も市町村も、農林業への就農を誘導する施策や、農林業に関係する新ビジネスでの雇用創出策を展開しているわけですけれども、まず本県の現状と取り組み、そして見通しについてお聞かせください。 ◎林宣夫 農政部長 本県の状況と見通しについてお答えいたします。  県といたしましては、農業後継者の担い手不足、あるいは高齢化が進む中で、現在の状況を就農意欲のある優秀な人材を農業分野に受け入れていく、ひとつの機会ではないかというふうに基本的に考えております。国では、平成20年度の2次補正予算で農の雇用事業、これは16億6100万円ほどの予算化をしているんですけれども、この事業では、農業法人などが新たに就業希望者を雇用して研修を実施する場合に、その研修にかかる費用の一部を助成するものでございます。県では、これを受けまして、2月3日に県、県農業会議、県農業公社に緊急就農相談窓口を開設いたしまして、農の雇用事業に関わる相談や雇用情報の提供、収集のほか、就農に関する様々な相談に現在対応しているところでございます。現在までの求職関係の相談件数は27件、求人関係の相談件数は、園芸や畜産部門を中心に12件となっております。  本県の新規就農者は、平成13年度以降150人前後で推移しているところでございますが、農業法人などに就職をする、いわゆる雇用就農が園芸や畜産部門を中心に増加傾向にあります。昨年来の他産業における離職者の増加で、今後もいわゆる雇用就農が増加すると見込まれておりまして、農業に意欲的に取り組もうとしている人材を一人でも多く雇用就農に結び付けられるよう県としても努力をしていきたい、そんなふうに考えております。 ◆久保田務 議員 ありがとうございます。生産法人とか農業関連ビジネスとか、そういったところでの雇用就農ということは大いに結構なんだと思うんですが、肝心の農業そのものの方についてなんですけれども、御案内のとおり、農業というのは、基本的には一年一作でありますから、他産業のように短期的な就農というのはあり得ないんじゃないかと私は思っているんです。そういった中で、農村の30年以上の課題であります後継者の不足、深刻な農業・農村の疲弊の中で、今、安定的かつ継続的な農業そのものへの就農を実現するチャンスには違いないというふうに思います。  その中で、今回のように緊急避難的に、介護とか農業だと仕事があるよ、派遣切りになったのならちょっとこっちに来ませんかというようなことではなくて、もっと長い目で見ていかないと、そういう短期的な雇用を農業の場に持ち込むということは、かえって混乱をもたらすのではないかなと思うんですが、部長の見解をお願いいたします。 ◎林宣夫 農政部長 議員のお話の緊急避難的な雇用、これについては、今議員のお話のあったとおり、基本的な認識は私も同じような認識を持っております。技術と経験が必要な農業では、現在でも通年的な雇用であるとか季節的な雇用を計画的に実施している場合が多く、今回のような緊急避難的な短期雇用には基本的には向かない産業ではないかというふうな基本的な認識はございます。お尋ねの安定的、継続的に就農を進める就農対策につきましては、今あるいろんな制度を使いまして、長期的な視点に立って就農のための各種施策を実施していきたいと考えております。  具体的には、平成20年度に県単独の事業で創設をいたしました、新規参入希望者が技術であるとか経営を先進農家で習得するための就農留学の制度、それと先ほど御説明申し上げました国の政策であります農の雇用事業、こういった事業によりまして就農希望者を自立経営であるとか雇用就農に誘導して、最終的に農業の担い手として定着できるように、技術支援、経営支援、そういうものをやりながら、少し時間をかけてでも就農まで誘導していくような政策をとっていきたいと考えております。 ◆久保田務 議員 ありがとうございます。榛の木祭というのがございますよね。あそこにちょっと顔を出させていただいて、今、一所懸命農業の勉強をして、本当にやりたいと。ただ、農業の場合は土地がないとできないわけですね。雇用とか集団とかはいいのでしょうけれども、本当に自分で始めていきたいという人の場合には、今いろんな規制があるわけですけれども、要するに、今は農地を所有していない、意欲がある、農業をやりたい、そういったところまで今回の対策の中でウイングを広げていく、そういうお考えはございますか。 ◎林宣夫 農政部長 就農希望の方が実際に農業につく段階には、技術があり、経営手法の取得があり、資金、農地を取得する、そういうふうないろいろなハードルがございます。先ほど例として申し上げました就農留学制度というのは、基本的には、既に経営的に立派な経営をされている農家の方のお宅で1年間研修をする傍ら、技術、経営手法、あるいは地域の人たちとの融和、その間にまた自分の必要とする土地を探す、そういうふうなことをその研修の過程で条件づくりをしていく。その条件を満たした方々については、現在でも就農支援資金とか、いろいろな融資制度がございますので、そういうふうなものを利用していただいて、実際に経営を始める初期の資金として必要な資金については、県としても支援できる仕組みが既に用意されておりますので、そういうものを組み合わせた中で新規就農へ誘導していきたいと考えております。 ◆久保田務 議員 ありがとうございます。そうなっていくと、今、国とかで進めている農業政策の基本というのは、集落営農組織の法人化とか、個人では4ヘクタール以上の中核的農家の育成ということで農政が転換してきた。そういった中で、言ってみると、そういう小規模の人が参入する機会って本当にあるんですか。 ○小野里光敏 副議長 残り2分です。 ◎林宣夫 農政部長 今議員の御指摘は、現在の雇用ということと結び付けて農業を考えるときに、水田農業などの土地利用型農業の場合と、園芸あるいは畜産、園芸でも例えば大規模な露地野菜、こういった企業的経営をしている農業と同列に議論はできないのではないかと。水田農業の場合は、現在、大規模化を図ることによって生産コストが低減をするということで、単位面積当たりの労働時間がどんどん減っているということで、緊急的な雇用の受け皿にはなりにくいのではないかと基本的には考えております。逆に、むしろ現在の他産業の雇用状況からすると、大規模化を抑制する方向に働く可能性もあると基本的には考えております。  ただ、一方で、畜産であるとか園芸であるとか、企業的な経営が育っている部分については、この機会に新たな雇用をして経営規模を拡大して、さらに企業的な経営体質を強くしていく、そういう方向があるのではないかと考えております。 ○小野里光敏 副議長 40秒。 ◆久保田務 議員 期待しておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。農政部長にはありがとうございました。  以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○小野里光敏 副議長 以上で久保田務議員の質問は終わりました。  ● 休憩 ○小野里光敏 副議長 暫時休憩いたします。  午後3時10分から再開いたします。    午後2時55分休憩    午後3時11分開議  ● 再開 ○小野里光敏 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、党(会)派代表による質疑及び一般質問を続行いたします。  ● 一般質問(続) ○小野里光敏 副議長 あべともよ議員御登壇願います。          (あべともよ議員 登壇 拍手) ◆あべともよ 議員 爽風のあべともよです。会派を代表して質問をさせていただきます。  初めに、高齢者の交通安全対策について警察本部長にお伺いいたします。 ○小野里光敏 副議長 警察本部長。          (大平 修警察本部長 登壇) ◆あべともよ 議員 警察本部長には就任早々に質問に答えていただくということで、どうもありがとうございます。それでは、質問に入らせていただきます。  高齢化の進展に伴って、高齢者の関係する交通事故の割合の増加が懸念されています。群馬県においては、高齢者の関係する事故の現状というのはどのようになっているでしょうか。また、今後の見通しについてもお伺いいたします。
    ◎大平修 警察本部長 平成20年中における65歳以上の高齢者が関係した交通人身事故は、発生件数4911件、死者数48人、負傷者数3152人という状況でありまして、10年前の平成10年と比較すると、発生件数が約1.7倍、負傷者数が約1.4倍に増加しております。一方、死者数については、36人減少しているものの、全死者の約50%を占めているのが現状であります。  今後、高齢者人口の増加に伴い、この傾向はますます強まるものと考えられますので、県警察では、高齢者の事故防止対策を重要な課題として、平成18年8月から、反射材の効果実験や危険予測トレーニング教材を活用した体験的な交通安全教室の開催や、運転適性検査機により加齢に伴う身体機能の低下を自覚していただくための出前式交通安全教育等の高齢者交通事故防止総合対策を強力に推進しているところであります。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。交通事故の全体の発生件数の中で見た高齢者の関係する事故の割合というのはどういうふうになっているでしょうか。 ◎大平修 警察本部長 先ほど申し上げましたが、平成20年中で見ますと、発生件数では全体の24.2%、死者数では全体の50.5%、負傷者数では全体の12.3%という状況であります。 ◆あべともよ 議員 全体の割合というのは、この10年ぐらいで推移を見たときに、増えているという捉え方でよろしいですか。 ◎大平修 警察本部長 手元に正確な数字はありませんが、交通人身事故全体が最近は減少傾向にありますが、高齢者の人身事故は、基本的には一貫して増加傾向にありますので、高まっているということであります。 ◆あべともよ 議員 今後、高齢化というのはさらに進んでいくというふうに予測されているわけですけれども、高齢者の運転免許証の自主返納への取り組みを強化していくということが、交通安全対策の一環として求められるのではないかと思います。こちらは本日の産経新聞のコピーの記事なんですけれども、こちらでも高速道路の逆走が多発していると。そして、その4割以上が65歳以上の高齢者だったということで記事になっております。西日本高速などで、音声などで警告を発するカーナビを開発するというふうに書いてあるんですけれども、認知症の方とかもいらっしゃるということで、注意喚起による交通事故の防止には限界があるということです。御高齢の方が運転に対する適性に不安があるという場合に、運転を続けるということは、御本人にとっても御家族の方にとっても非常に心配なことであると思います。また、事故が起きれば周りへの影響というのも大きなものがあると思います。本県でも高齢者の方の運転免許証自主返納制度に取り組んでいると思いますが、返納数の推移についていかがでしょうか。 ◎大平修 警察本部長 運転免許証の自主返納につきましては、平成10年4月1日に施行された改正道路交通法によって実施しているもので、申請による運転免許の取り消しと言われているものであります。この制度は、運転免許を持っている方が視力や体力の衰え等を理由に、持っている運転免許の種別のうち一部または全部を公安委員会に取り消し申請するものであります。  高齢運転者の自主返納の推移については、法が整備された平成10年が16件で、以後は年々増加し、昨年は541件の自主返納がなされております。 ◆あべともよ 議員 免許証の返納には、持っている免許の一部を返納する一部返納と、すべてを返納する全部の返納というのがあるということですけれども、今の541件というのは、全部の返納ではなくて、全部と一部を含めた数字でしょうか。 ◎大平修 警察本部長 先ほどの541件は全部と一部を含めた数字でありまして、541件のうち全部返納は275件、50.8%となっております。 ◆あべともよ 議員 この返納数は制度導入から徐々に増えているということだったんですけれども、この返納数の推移について本部長はどのようにお感じになられるでしょうか。 ◎大平修 警察本部長 先ほど申し上げましたような返納数の推移を見れば、運転免許証の自主返納制度について広報啓発活動等にも努めてまいりましたので、徐々に高齢者やその御家族に周知されてきたというふうに考えておりますが、先ほど申し上げましたように高齢者が関係した交通人身事故が増加しているということなどを考えますと、今後さらにこの制度の周知、定着化を図っていく必要があると考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。全国でも自主返納を増やすための様々な取り組みというのが行われております。中でも返納に対する優遇制度を導入するということが返納数の増加に効果があるということで、最近多くの自治体で実施されています。例えば東京都の場合ですが、警視庁と東京都、高齢者運転免許自主返納サポート協議会という3者が協力して、運転経歴証明書というものを提示することによって様々な特典が受けられるようになっています。その内容は、デパートで買い物したものを自宅へ無料で配送してくれるサービス、あるいは電動カーですとかめがね、介護用品などの割引、施設利用料の割引など多岐にわたっています。また、山口県では昨年11月から、免許証を自主返納した高齢者に対して、警察署長から運転卒業証というものと運転卒業者サポート手帳というものが交付されて、やはり電動カーなどの購入割引、またタクシーの利用料金の割引、ホテル宿泊料の割引など、現在58項目にわたる優遇措置を受けることができます。  このような制度は愛媛県、山梨県などでも行われておりまして、山梨県では、制度導入によって、今まで22人から32人程度で推移していた自主返納者が一気に200人以上に増えたということです。本県でもこのような制度を導入すれば返納数をもっと増やすことができるのではないかと思いますが、制度の導入に取り組むことについて、警察本部としてどのようにお考えでしょうか。 ◎大平修 警察本部長 議員御指摘のように、全国で様々な制度、施策が進められていることは承知をいたしております。県警察におきましても、交通部交通企画課が中心になりまして、昨年11月に高齢者の運転免許証自主返納事業検討会を立ち上げておりまして、現在までに3回の会議を開催したところであります。この検討会には、県警察のほかに関東運輸局群馬運輸支局、県土整備部交通政策課、群馬県ハイヤー協会、群馬県バス協会、群馬県交通安全協会連合会が参加をしておりまして、高齢者が運転免許証を自主返納し易い環境を整備するための総合的な支援対策等を検討しているというところであります。  具体的には、高齢者が運転免許証を自主返納した後に、代替の交通手段を確保するためのバス料金の割引等の実施に向けた検討を進めておりまして、来年度から桐生市で運行委託している路線バスの運賃を1年間無料としていただけるということになりました。県警察といたしましては、今後も関係機関等と連携をして、自主返納促進に向けた支援対策等を強力に推進してまいりたいというふうに考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。実は、先ほど御紹介した優遇制度なんですけれども、2月13日付けの毎日新聞によれば、既に26都道県で導入されているということで、早速事務局に調査をしていただきましたところ、24都道県から導入しているという旨の回答をいただきました。紹介させていただいた制度の中には、先ほど御答弁の中にあった桐生市の場合は、やはりある程度予算付けをしてやっていかなければいけないというものなんですけれども、いろんな協議会等を立ち上げて、民間の方に協力していただいて、いろんなプレミアムをつけていくという形であれば、それほど予算的にもかからないのではないかなというふうに思っています。  そして、もちろんこの制度は強制をするというものではなくて、あくまでも高齢者の方御自身が、あるいは家族の皆さんを含めて、不安に思われている方により返納し易くしていただくという制度ですので、そういったことをどんどん取り組んでいっていただけたらありがたいなと思います。  この運転免許証の自主返納の促進というのは、交通事故の防止や高齢者の交通安全に寄与するというだけではなくて、免許証を持たずに生活していける地域というものをどのようにつくっていくかということを考えるきっかけにもなるのではないかなと思っております。そして、そのことが公共交通の利用の促進ですとか、CO2の削減につながっていくという可能性もあると思います。ぜひ関係機関と協力していただいて、より効果のある群馬型の自主返納優遇制度へとつなげていただけたらというふうに思います。今後の展開を大いに期待したいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。  それでは、続きまして教育長にお伺いいたします。 ○小野里光敏 副議長 教育長。          (福島金夫教育長 登壇) ◆あべともよ 議員 次に、さくらプランの非常勤講師の常勤化ということについて教育長にお伺いいたします。  来年度から小学校3・4年生の35人以下学級の完全実施が行われるということですけれども、それに伴って、さくらプランの非常勤講師を常勤にするということになっていると思います。この非常勤講師を常勤にということですが、何名ぐらいが常勤になるのでしょうか。 ◎福島金夫 教育長 今年度さくらプランの非常勤の方でありますけれども、小学校3年生におきまして31人以上の学級に対して配置をしております。現在、非常勤講師380人が配置されておりますけれども、来年度は小学校3年生・4年生、この2学年に対しまして35人以下の学級編制ができるようになります。この常勤を図るための措置は、144人の方の常勤化になります。  ただし、非常勤講師を常勤にするということにつきましては、今年度非常勤として勤務していた方々をそのまま常勤の勤務にするということではありません。これはあくまで子どもたちの教育環境を改善するという目的から、非常勤、週4日で勤務していた枠組みを、新たに週5日の常勤の臨時教員の枠組みに変えるということでありますので、非常勤の方々380名がそのまま144名の常勤の臨時教員になるということではないと御理解いただければと思います。 ◆あべともよ 議員 私は、さくらプランの常勤化ということで、3・4年生から35人以下学級の完全実施が行われるということは非常にいいことだと評価をしております。ただ、今年度非常勤講師が380名いらっしゃって、常勤の臨時教師として採用される方が144名、そのうち380人の非常勤講師をされていた方の中から最大で144人、でも、実際には144人よりも少ない数の人しか常勤にはなれないということだと思います。そうすると、380人が144人になったとしても、236名が常勤になれないということになりますよね。もしかすると236名よりも多い数が常勤になれないということになると思うんですが、常勤になれない非常勤の先生たちというのはどうなるのでしょうか。 ◎福島金夫 教育長 非常勤の講師の方々も、常勤になる方、継続的に非常勤で勤務される方、また地公臨という形でもって勤務される方、様々であります。ひとつの例で申し上げますが、19年度さくらプランの非常勤講師の方々は全体で496名おりました。それで、継続してさくらにそのまま非常勤の講師として残られた方は、そのうち211名であります。その他の非常勤に34名、臨時教員、これは常勤の臨時教員だと思いますが、68名、また、その他のところ、これは他県の採用試験に行ってしまったり、市町村が任用するマイタウンティーチャーみたいな形で行った方が123名、そんな形になっております。  ですので、さくらの非常勤がまた継続をしたとしても、19年度の場合については40%ちょっとの方しか継続雇用になっていないということでありますので、380名の方々も、今後は正規に行く方もいらっしゃると思いますし、欠員地公臨になる方、また産休・育休の補助教員、病休補助教員など、いろんな形でその年度その年度に登用する教員の形をとる方もいらっしゃる。また、別の道に行く方もいらっしゃるというふうに理解をしております。 ◆あべともよ 議員 今のお話を伺ってみると、非常勤の先生たちが非常に不安定な働き方をされているのかなというふうに思います。今まで非常勤でやっていた先生たちが4月から常勤になれるのかどうか、あるいはほかの道を選ばなければいけないのかということは、いつ頃わかるのでしょうか。 ◎福島金夫 教育長 非常勤講師もそうでありますし、また常勤化した臨時的任用もそうなんですが、雇用期間は1年でありますので、継続するかどうかは、それぞれの年度末になれば更新するかどうかというのは決まると理解をしております。 ◆あべともよ 議員 年度末というと、具体的にはいつ頃ですか。 ◎福島金夫 教育長 おおむね今の時期になればおわかりになるかなというふうに思います。 ◆あべともよ 議員 今の時期というと、2月中にはそのことは判明するということでよろしいんですか。 ◎福島金夫 教育長 非常勤の雇用につきましては、形式的には直接県が雇用するという形になりますけれども、学校でありますとか、教育事務所でありますとか、そういうところで募集をかけながらやっていくという形になります。先ほど申し上げましたとおり、19年度につきましても、約500名、496名の方々が20年度では380名に減少になったわけですけれども、そのうち211名の方が継続雇用という形になります。それは、今の時期になりますとおおむね数がわかりますので、それに対して雇用継続できるかどうかは、実際に仕事をしている、教師として働いている、その内容も含めまして、現場なり教育事務所が適材であるかどうかという判断をして、我々の方に話を上げてくるという形になると思いますので、今の時期になればおおむねわかるのではないかと理解をしております。 ◆あべともよ 議員 今教育長がおっしゃったのは、教育長とか雇う側の方にとってわかるという意味ですね。雇われる側の方がいつ頃になったらそれがわかるのかということをお聞きしたかったんです。 ◎福島金夫 教育長 そうですね。雇用ですので雇われる側にとってみても非常に重要なことだというふうに思いますが、例えば今回の3・4年生に対する35人以下学級についても、この議会で予算が承認されない限り動けないわけですので、今の時点でもおおむねそういう方向になるだろうということはわかるわけですが、まだ決定ということにはなりません。議会の方で議決をいただいた後にその方針がはっきりするわけですので、その段階で直接御本人の方には話をする。ただ、その時点で話をしますと、通常、4月7日が入学式になると思いますが、その時点では確保できないという場合もありますものですから、事前に今の時点からお話はしていくのではないかなと私なりに想像しているというふうに御理解いただければと思います。 ◆あべともよ 議員 私の聞いている話ですと、その次の年にできるかどうかというのは、3月のなかばぐらいにならないとわからない。今教育長がおっしゃったように、議会を通って初めて決定する。そこから伝えるということになると、やはりそのぐらいなのかなという気がするわけなんですけれども、そうすると、このまま続けられますよという返事であればいいんですけれども、申しわけないけれども、今回はここまでで、4月からは仕事は今のところないということを言われた場合に、3月のなかばにわかって、4月からすぐ仕事がないわけじゃないですか。そうすると、2週間ぐらいしかないわけですよね。非常勤の先生の場合は雇用保険とかもない。年収も200万円を下回るような状況だということで、なかなかいざというときの蓄えもままならないのではないかと思うんですね。4月を迎えた途端に生活に行き詰まってしまうということもないとは言えないのではないかなと思います。非常勤の講師の先生たちの中には、教員採用試験を受けながら、いつか教師になろうということで、低賃金で今不安定だけれども、目指す教師という仕事に近いからということで、数年にわたってその仕事を続けてきている若い先生というのも多いと伺っています。  今、特に100年に1度とも言われる経済危機の中にありまして、雇用を巡る環境というのは、雇い止めや派遣切りといった非正規雇用からの失業者が急増して、職を求めてもなかなか見つからないという状況だと思います。このような中、行政としては企業などに対して雇用の維持を求めているわけですね。そうすると、県の教育施策に協力をして貢献をしてきた多くの非常勤の先生たちが、先の見通しもないまま、いわゆる雇い止めの状況になるということがあってはならないと思います。そういうふうにならないように、率先して雇用を守っていくべきではないかと思うんです。先ほどいろんなところに行くということだったんですけれども、常勤として雇用されない非常勤講師に対しては、最終的にはどこかに何か仕事があるという状況になるというふうに捉えてもよろしいでしょうか。 ◎福島金夫 教育長 我々教育施策に携わる者としますと、まず子どもたちに対する教育環境の確保といいますでしょうか、改善に向けて努力をする。その次には、やっぱり有能な教員を配置する。その次に出てくることがあれば、今言われたような雇用環境の問題も出てくるのかなというふうに思います。ただ、教育の現場、学校の先生方ということをとってみますと、直接的には子どもたちの教育の環境に非常に大きく影響するということになりますので、雇用環境の確保という観点から出発をするというのはいかがかなというふうに私自身では解釈をしております。ただ、実際に雇用の問題というのは現状非常に厳しいところがありますので、我々の方とすれば、なるべく早く今働いていらっしゃる非常勤の先生方に対して話はするようにしたいと思いますし、もし学校の方でそのまま雇用ができないという場合については、いろんな御相談をいただく中で、いろんな意味での御協力、工夫なりはできるものと理解をしております。 ◆あべともよ 議員 教育長のおっしゃることは私も全く同感であります。ただ、子どもたちは、臨時の先生であっても一緒に学校の中で生活をしていて、多分先生たちを頼りにしている。若い先生なんかは特にお兄さん、お姉さんみたいな形で、慕っている生徒たちもたくさんいるだろうと思うんですね。そういう先生が、「先生、今度4月からどうするの」と聞かれるわけですよね。そのときに、「ちょっとわからないんだよね」というふうに答えなければいけない先生の側の気持ちというのも大変ですし、また、そういう現状が子どもたちに伝わったときに、ああ、働くということはそういうことなんだ、いつ首を切られちゃうかわからないような仕事になっちゃうこともあるんだと思うというのは、やっぱりちょっと夢がない、寂しいことなのかなと思います。今、配慮をしていただけるということだったので、ぜひそのようにお願いしたいなと思います。  ところで、非常勤とか臨時の教員として、そうやって身分をなかなか保障されないまま教育に貢献している先生方にとっては、その経験とか貢献度が、群馬県の場合は正規の教員採用試験において考慮をされないということがやはり非常に残念なことのひとつではないかなと思います。そうして貢献してきた年数なり経験なりといったものが、意欲もある先生方に対して、教員採用試験において少しでも考慮をしていただける、評価をしていただける、そういうような仕組みをぜひ検討していただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎福島金夫 教育長 現在の本県の教員採用試験におきましては、非常勤講師でありますとか臨時教員の経験については特に考慮しておりません。採用試験というのはそういうものではないというふうになっております。しかし、先ほど議員がおっしゃられたように、子どもたちに信用されている、また保護者の人たちからも評価を得ているという先生方もたくさんいらっしゃいます。こういった人たちは、やはり優れた人材として今後確保する必要性があるだろうというふうに考えております。そういった意味で、我々は、臨時教員の経験者を対象とした特別選考の実施も検討する時期に来ているのかなと考えております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。今お話にありましたように、群馬県ではまだそういったことを考慮する制度というのはないわけなんですけれども、他の県、自治体においては、やはりそういった臨時の教員の経験というものを考慮に入れるという自治体も増えてきています。ただ、今おっしゃられたように、臨時の教員というだけではなくて、例えば非常勤で働いたことも、あるいは常勤につながるような道とか、そういったものも含めて検討していただけたらありがたいなと思います。教員採用試験の問題というのも昨年来いろいろ取りざたをされておりますし、また、教師としてふさわしい資質を持っている人をどのように選んでいくのかということも非常に大きな問題だと思います。いくら試験を改良しても、ペーパーの試験だけでは当然その先生の人柄というのはわかりませんし、1回2回の面接試験でも、そのときは皆さん非常に緊張して、試験として来るわけですから、ふだんの状況がある程度わかるということが、結果としては優秀な教員の採用ということにもつながるのではないかなと思います。ということで、ぜひそのようなことを検討していっていただけたらありがたいと思います。教育長、ありがとうございました。  それでは、最後に知事にお伺いいたします。 ○小野里光敏 副議長 知事。          (大澤正明知事 登壇) ◆あべともよ 議員 こちらの知事のマニフェストに、さくらプランの非常勤講師の常勤化ということも挙げられております。これを読みますと、さくらプラン、わかばプランの非常勤講師を常勤にしますということで書いてあります。これを読みますと、さくらプランとかわかばプランで今働いている非常勤の先生たちが、あっ、これからは常勤になれるんだというふうに思うかなと思うんですね。ただ、今お話を伺ったところですと、そういう意味ではないと。これは制度の問題であって、そうやって非常勤として働いてきた人たちが常勤になれるという意味では必ずしもなくて、非常勤で働いてきた人の中で、常勤になれない人の方がもしかすると多いのかなという状況だということなんですけれども、税収が今大幅に落ち込んで、予算が限られているということも十分承知のうえなんですけれども、知事のおっしゃっていた常勤化というのはどういったことだったのでしょうか。 ◎大澤正明 知事 あべ議員も十分承知して質問されているのかなと思いますけれども、これはあくまでも子どもの教育を中心に考えて議論してきたわけでありまして、週4日非常勤の先生がいて、もう1日だけ違う先生がつく。それで、小学校の低学年の子どもに対しては、1年間ずっと同じ先生で授業を受けることが一番いいだろうということの中で、非常勤枠から常勤枠という形で子どもたちの教育に対応していただこうということで、常勤枠としたわけであります。 ◆あべともよ 議員 もちろんそのことが第一義かなというふうに私も思います。ただ、今のような不安定な状況の中で、群馬県の子どもたちの教育に貢献している先生方がたくさんいるという状況も事実なわけですよね。それは教育現場だけの話ではないのかもしれないんですけれども、一方で、ひとつの同じ職場で働いている人たちの中で、それだけ大変な思いをしている人たちもいる。特に臨時の先生となると、仕事の中身というのは正規の先生とほとんど変わらなくなってくる、そういうこともあると思うんですね。そういうことに対して知事としてはどんなお考え、感想をお持ちでいらっしゃいますか。 ◎大澤正明 知事 私の友達のお子さんの中にも非常勤で働いていたり、地公臨で働いている方もおりまして、非常にすばらしい先生もおります。しかしながら、やはり教員は教員試験を通って先生になるわけでありまして、ぜひその方々にも、希望する方は正規職員で頑張っていただくことを期待したいと思っています。 ◆あべともよ 議員 もちろん教員採用試験を通らなければ正規の教員になれないわけですけれども、教員採用試験を受けるには教員免許状をとっている必要がありますから、皆さん免許状は持っていらっしゃるわけですよね。そして、実際に現場で先生として働いてもいらっしゃるということなわけです。だから、そこのところをやはりきちんと考慮して、正規の職員であればすべての先生が先生の適性を持っているかというと、そうではないということも現状としてあるわけですね。その辺も含めたときに、非常勤だとか臨時の先生たちが経験を考慮されるような仕組みを、ぜひ知事においても推進していっていただけたらなというふうに思います。知事の御友人の方とかで非常勤とか臨時の先生をしていらっしゃる方がいるということでしたので、多分その辺の気持ちは知事にもわかっていただいているのかなと思いますので、ぜひそういった先生方も働き易い群馬県の学校づくりをお願いしたいと思います。ありがとうございました。  以上で私の質問を終わらせていただきます。 ○小野里光敏 副議長 以上であべともよ議員の質問は終わりました。(拍手)  福重隆浩議員御登壇願います。          (福重隆浩議員 登壇 拍手) ◆福重隆浩 議員 公明党の福重隆浩でございます。私は、会派を代表いたしまして、あくまでも生活者の視点に立ち、順次質問させていただきますので、簡潔なる御答弁をお願いいたします。  今回の経済危機は、世界が経験したことのない規模の大きさ、スピードの速さ、そして、これまで世界経済を牽引してきた自動車などの主力産業が直撃を受けたことにより、雇用に多大なる影響を及ぼしていることが大きな特徴となっております。  日本の状況については、これまでの質疑において述べられましたので割愛をいたしますが、まさに今この難局に直面し、平時における県政運営ではなく、危機感とスピード感を持った非常時の県政運営が求められております。この意味から、県当局においては、何としても県民の暮らしを守るため、雇用、中小企業の経営を守り、バックアップすることが必要であります。  また、もう1つの視点は、この先の見えない不況という長いトンネルにあって、ただ単に危機を耐え忍ぶだけではなく、ピンチをチャンスに変え、群馬を羽ばたかす新しい成長の力をこの時期に蓄える施策を行うべきであると考えます。このような思いから質問をさせていただきたいと思います。  では、まず初めに知事に質問いたします。 ○小野里光敏 副議長 知事。          (大澤正明知事 登壇) ◆福重隆浩 議員 マニフェストの達成度の開示ということについて質問をさせていただきます。  大澤知事は、知事に就任以来、知事選で県民と約束された諸課題について、誠実にその実現に向けて努力をされております。例を挙げるまでもないとは思いますが、群馬の知名度アップのためぐんま総合情報センターを開設し、また、この18日からはドクターヘリが運航を開始し、さらには税収が大幅に減収となる厳しい状況ながらも、子どもの医療費については、この10月から中学校卒業までの完全無料化を実施することとなりました。これにより、知事が就任する以前は全国で最下位クラスであったものが、東京都を抜いて全国第1位となります。この知事の英断については、県民から大きな喜びの声が寄せられております。  私は、このように知事が県民との約束を着実に果たされていることをもっと県民の皆様に御理解いただくためにも、7月で就任2年目となり、1期目の折り返しであることから、ぜひ早期にマニフェストの達成度を県民に示すべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 私が挙げましたマニフェストであるはばたけ群馬構想については、これを本県の基本政策として位置付けまして推進しておるところでありますが、おおむね目指している方向で進んできていると考えておるところであります。これまでほぼすべての項目について着手し、特に議員からお話をいただきましたドクターヘリの運航、さらにはぐんま総合情報センター開設など、大きなもの、優先度の高いものについては重点的に実現を図ってまいりました。また、最重要課題でありました中学校卒業までの子どもの医療費の無料化も、今年10月から完全実施をする予算を編成したところであります。ただし、財源の問題から、なかなか目標水準に達していないものも中にはあります。しかし、そのようなものについても、少しでも目標に近づけるよう努力をしているところであります。  お尋ねのマニフェストの達成度を示すことについてでありますが、議員指摘のとおり、マニフェストは県民との約束として挙げたものでありまして、これを着実に実行していくことについて、県民の皆様に御理解をいただくことは大切なことであろうと思っております。これまでも当初予算案の発表に合わせまして、知事の基本政策実現のための施策として一覧で取り組みを公表してまいりました。また、マニフェストに関する個々の項目が達成、実現できたときには、その都度発表を行ってきたところであります。さらに、昨年7月の知事就任1年目に、記者会見においてマニフェストの進捗状況を説明いたしました。今年7月には知事就任2年目となるわけでありまして、現在の任期の折り返し点を迎えるわけでありまして、マニフェストの達成状況について県民にわかり易い形で、きちんとお伝えしたいと考えております。 ◆福重隆浩 議員 前向きなる御答弁ありがとうございました。今知事がおっしゃられた県民にわかり易いということが私は一番重要だと思っております。近県の状況を調べてみると、例えばお隣の埼玉県の上田知事さんだとか茨城県の橋本知事さんは、御自分の公式ホームページなんかにそういったものを表明されております。知事も公式ホームページをお持ちでございますので、ぜひそういったところでの開示もしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  この件は以上でございます。  続きまして、制度融資の拡充について知事にお伺いをさせていただきます。  私は、議員になる前18年間、電子部品を製造、販売する民間の会社に勤めておりました。その経験から言えることは、製造立国と言われる日本の産業の屋台骨を支えているのは、間違いなく高い技術力と勤勉な社員を有する中小企業の努力のたまものであると思っております。しかし、今回の金融不況により国内外の大不況によって、中小企業の経営は日を追うごとに深刻さを増しております。そして、この中小企業の皆様の最後のとりでが制度融資であります。我が党は、昨年の予算要望における重要項目のひとつとして、制度融資の拡充を強く求めてまいりました。知事もこれに応え、厳しい財政状況でありますが、経営サポート資金を370億円から700億円に拡充されました。  そこで、知事にお伺いをいたしますが、今回の予算編成に当たり、徹して中小企業を守る強き信念のもと、制度融資の拡充に取り組まれたことと思いますが、今、先の見えない不況にあえいでおられる中小企業の方々に、ぜひとも県のスタンスを明確にお示しいただきたいと思います。  あわせて、拡充した資金が中小企業に行き届くためには、県内の金融機関の協力が不可欠であります。再三県からの協力要請がなされておりますが、今後さらなる協調体制の推進が不可欠であると思いますが、知事の御所見をお願いいたします。 ◎大澤正明 知事 昨年秋からの世界的な金融危機は、つるべ落としとも言われるように、すさまじいスピードで世界を不況一色に染めてしまいました。近年の景気拡大を牽引してきました自動車産業、電機産業等は大幅な減産に追い込まれており、関連する本県中小企業も同様に大幅な受注減を免れず、その結果として資金繰りが急務にして深刻な課題となっております。  こうした認識に基づきまして、本年度におきまして不況対策を目的とする経営サポート資金の融資枠拡大を3度にわたり実施してきたところであり、21年度においても、同資金の融資枠は本年度当初予算の2倍に近い700億円としたところであり、このほか4資金について、新たに据え置き期間の1年延長措置を導入するとともに、借り換え制度を継続実施するなど、資金繰り対策には十分意を用いたところであります。  一方、将来を見据えて前向きの設備投資を行おうとする中小企業に対する目配りも行い、制度融資全体で、11資金で過去最大となります1457億円の融資枠としておるわけであります。県財政も厳しい状況でありますけれども、本県経済の基盤である中小企業を資金面からしっかりと支援するため、今後も最大限努力してまいる所存でございます。  次に、制度融資の円滑な運営に当たりましては、議員御指摘のとおり、金融機関の協力が必要不可欠であります。金融機関、特に地域金融機関は、中小企業が厳しい経営環境に置かれているこうしたときこそ、地域密着型の金融業務を積極的に推進することが求められており、保証協会との連携を図りながら、中小企業に対する金融仲介機能が円滑に発揮されるよう、金融機関との協調、協力に努めてまいりたいと考えております。 ◆福重隆浩 議員 今の知事の答弁で、過去最大の1457億円の枠を用意された。財政状況が本当に厳しい状況であるけれども、最大限努力をするという思いにあふれていると思っております。ぜひ中小企業を徹底して守るという思いで御努力いただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  知事については以上でございます。  次に、産業経済部長に質問いたします。 ○小野里光敏 副議長 産業経済部長。          (柿沼伸司産業経済部長 登壇) ◆福重隆浩 議員 今回の制度融資のポイントは、ただ今も知事から御答弁がございましたけれども、ポイントのひとつとして、経営サポート資金などの4つの資金について、据え置き期間を1年延長することが盛り込まれております。この据え置き期間の延長については、借り手の皆さんには大変喜ばれていると思いますが、私は、これにもう1つ、企業立地促進資金も据え置きの延長を検討すべきであると考えております。  というのも、御承知のとおり、この資金は事業所や工場を県内に立地する場合、使われるわけでございますが、もともと土地の据え置きが3年、建物の据え置きが2年となっておりますが、県内の製造業者の方々は、3年前、受注がさばき切れず、この融資を受け工場の増設を行い、計画では据え置き期間が終了する本年あたりからラインも順調に稼働し、返済が行えると考えておられたと思っております。しかし、昨年の10月頃から景気の底が抜け、受注が激減し、現在稼働率が50%を割っている企業も多くございます。そういった中で、企業立地促進資金は、元金の返済が始まりますと、金利だけの返済と違って借り入れ金額が大きいため極端に金額が上昇し、受注が減少している現在では経営的に致命傷にもなりかねない状況でございます。  以上のように、厳しい経営状態にある中小企業を支える観点から据え置き期間の延長が必要と考えますが、部長の御所見をお伺いいたします。 ◎柿沼伸司 産業経済部長 企業立地促進資金につきましては、県内に工場を設置するための設備資金でありまして、これは全国トップレベルでの融資条件となっております。内容的には、いわゆる低利ということで、工業団地の場合には1.3%。それから長期、土地の場合には15年、建物、設備は12年。あと、限度額が15億円と非常に大型である。また固定金利、この4つの魅力で、県内に立地する企業の初期投資軽減策として活用されております。  近年の融資実績につきましては、今議員御指摘のとおりでありまして、企業立地が進みまして工業団地の分譲も特に多かったことから、当資金の利用も急激に増えたところであります。それで、今年度で企業立地促進資金の据え置き期間が満了する。21年度に元金返済が始まると見込まれる案件が、おおむねでありますけれども、約50件、融資額では100億円を超える額になっております。  そこで、据え置き期間を延長した4つの資金に加えまして、この企業立地促進資金についても同様の措置を検討すべきであるという御指摘であります。それで、企業立地促進資金が他資金に比べて借り入れが比較的大きい。それだけ返済負担が大きいというのは議員の御指摘のとおりであります。一方、1件1件の金額が大きいということでありますので、制度面からは慎重な運用も必要なのかなというふうにも考えております。また、大企業に対する融資実績もあるという点では、他の資金とは異なる点もございます。  こうしたことから、当資金の据え置き期間の延長につきましては、急激に悪化した現在の経済環境、また、知事からも説明がありましたとおり、資金繰りに対しては最大限の努力をしているというふうな県の立場もあります。個別企業ごとの状況によりまして対応を検討してまいりたいと思っております。 ◆福重隆浩 議員 今、個別企業ごとに対応していきたいというふうに言われておりましたので、ぜひ個別企業の経営状態を細かく精査しながら対応を御検討いただければと思います。  あともう1つ、これは要望でございますけれども、そういった据え置きだとか条件変更を金融機関に申し入れますと、過去においては、そういったものが不良債権に分類されることもございました。今、金融庁からは中小企業の皆様へということで、このようなチラシが配布されておりまして、この中では、今後は経営改善の見込みがあれば不良債権にはなりませんということが言われております。こういったことが金融機関に徹底されますように、監督権限はないとは思いますけれども、これを強く要請していくということが当局に求められると思いますので、ぜひこの点をよろしくお願いしたいと思います。これは要望でございます。ありがとうございました。  続いて、生活文化部長に少子化対策の総合的な推進について質問いたします。 ○小野里光敏 副議長 生活文化部長。
             (小川惠子生活文化部長 登壇) ◆福重隆浩 議員 本県においては、子どもを産み育て易い環境づくりを目指し、平成17年に前期5カ年の計画として次世代育成支援対策推進行動計画、いわゆるぐんま子育てヴィジョン2005を策定いたしましたが、平成21年度がその前期の最終年となります。  そこでお伺いをいたしますが、21年度は後期の5カ年の計画を策定することになっておりますが、前期の評価を踏まえ、後期の計画についてどのような観点で立案をされるのか、あわせてプロセスにつきましても、できれば簡潔に御答弁をお願いいたします。 ◎小川惠子 生活文化部長 御指摘のぐんま子育てヴィジョン2005についてですが、平成21年度で最終年度を迎えます。平成21年度は、これを引き継ぐ形で、平成22年から26年の5カ年計画の後期計画を策定する予定になっております。後期計画につきましては、少子化に歯止めがかからない状況にございますので、未婚化への対応や、仕事と家庭のいわゆるワーク・ライフ・バランスの推進などに視点を当てまして、知事が本部長をしております少子化対策推進本部等の組織を中心に検討してまいりたいと考えております。  続いて、策定に当たっては、前期計画であるぐんま子育てヴィジョン2005の点検、評価を行うとともに、少子化対策に関する県民意識の調査、あるいは県内の関係機関等で構成いたします少子化対策推進県民会議等、幅広く御意見を伺いながら策定をしてまいりたいと考えております。 ◆福重隆浩 議員 今の御説明の中で、ワーク・ライフ・バランスに御配慮いただくというふうに言われておりました。ぜひそういった部分をしっかりと組み込んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、本県では、結婚や子育て家庭を支援する具体策として、ぐんまちょい得キッズパスポートと、ぐんま赤い糸プロジェクトが好評を得ておりますが、昨年の2月議会において、キッズパスポート事業について近県との相互利用を提案させていただきました。その折、栃木、茨城との連携を示唆されておりましたが、現在どのように協議が進められているのか、その検討状況についてお答えをいただきたいと思います。  また、赤い糸プロジェクトについては、結婚を考えながらも出会いの機会が減少している独身の男女の方々に、出会いの場を県が提供する事業であり、日頃私が県の施策を話す機会があるときにアピールをしておりますが、皆さんの反応は、県が実施している安心感からか大変好評でございます。ぜひより多くの県民に周知されることを期待いたしますが、これまでの実績及び今後の計画等について、あわせてお考えをお聞かせください。 ◎小川惠子 生活文化部長 結婚や子育てに関する支援についてですが、まず赤い糸プロジェクトの実績でございますが、今年度の計画について申し上げます。独身従業員を抱える大きな企業あるいは団体に御理解いただきまして、現在160の企業に会員となっていただいております。当該従業員を対象といたしまして、今までに20回交流促進イベントを開催させていただきまして、673人が参加し、このうち82組のカップルが成立しております。イベントは昨年の3月から開催しておりますので、ようやく1年がたとうとするところでございますが、過日、赤い糸プロジェクトで知り合いになって交際を続けていた前橋市内の30代のカップルが、私のところに結婚しましたと報告に来ていただいて、大変うれしく思っております。今後とも、結婚を希望する男女がより多くの交流の機会が持て、会員団体の拡大とともに、多彩な交流イベントを開催する中で、少子化の主要な要因となっております未婚化、晩婚化の解消に向けて積極的に対応してまいりたいと考えております。  次に、ぐーちょきパスポートの件でございますが、近隣県との連携ということで議員から御指摘のあった件でございますが、昨年開催されました北関東磐越五県知事会議でも話題となって、それを受けまして、現在、同様の制度を持つ福島県、茨城県、栃木県、本県の4県によりまして事務レベルで積極的に調整作業を進めております。本年1月になってからですが、栃木県庁において4県の担当者が集まりまして、現状、課題、あと関西と九州ブロックは連携しておりますので、他地域の状況も調査させていただきながら、相互連携の事例、研究成果などを持ち寄りまして第1回の連絡会議を開催したところでございます。今後も随時検討会を開催いたしまして、北関東磐越五県知事会議の意向も踏まえながら、平成21年度中に相互連携に向けて具体的に方向性が出せるように準備をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆福重隆浩 議員 赤い糸プロジェクトにつきましては、大変明るい話題をいただきましてありがとうございました。このぐーちょきパスポート、赤い糸プロジェクトにつきましても、本当に予算が厳しい中、限られた予算の中で、職員の方々が知恵を出して頑張っていただいていることをよく理解しております。そういった意味では、ぜひ今後とも一組でも多くのカップルが誕生するように御努力をいただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。  続きまして、生活文化部長に文化振興基本条例の可能性について質問をさせていただきます。  文化振興基本条例の制定については、我が党として議会において再三再四訴えをさせていただいております。知事は以前、文化や伝統を核とした地域の絆を復活させるということは、地域社会が崩壊している中で重要だとの認識を示されました。私も全く同感であります。厳しい時代だからこそ、文化をベースとした社会・地域づくりが必要なのではないでしょうか。  今、世界的規模の大不況の波が県内に押し寄せておりますが、過去に目を向けると、1929年、世界恐慌のとき、アメリカはニューディール政策によって大型公共工事を積極的に行い、景気浮揚を行ったと言われておりますが、その一方で、アメリカ政府は、国民に精神的な安定と活力を発揮させる観点から、文化・芸術の振興を政策のもう1つの柱に位置付け、芸術家や文化人を大量に雇用したり、映画産業及び舞台芸術を積極的に支援し、それらが今日のアメリカの文化産業の発展をもたらしたと言われております。私は、このような厳しい状況のときこそ本県の文化の位置付けを明確にし、文化・芸術活動の後押しをすることが必要だと思います。  また、昨年の4月に知事部局において文化行政を一元化し、生活文化部が誕生いたしました。いわば平成20年度は、本県においての新たな文化振興の1年目でもありますので、ぜひ年度内に文化振興基本条例制定に向けたスタートを切るべきだと考えますが、部長の御所見をお伺いいたします。 ◎小川惠子 生活文化部長 文化振興基本条例についてお答えいたします。  平成13年に本県で国民文化祭が開催されました。また、同じ年に文化芸術振興基本法が施行されたのを機に、心豊かな県民生活と活力ある社会の実現を目指すうえで、本県独自の文化振興条例なり文化振興プランの策定が必要なのではないかという御指摘が、当時の庭山昌議員や故小島明人議員をはじめ公明党議員各位から、本会議や委員会の場においてこれまで幾度となくなされてまいりました。これを受けまして、過去に文化ビジョンづくり検討会や地域文化サロンを開催いたしまして、多くの県民から意見を集めてきたところですが、文化の捉え方が非常に幅広く、文化に対する考え方も人それぞれ極めて多様であることから、条例やプランの策定の決断ができぬまま今日に至っている次第でございます。  しかし、議員の御指摘のとおり、厳しい財政状況にあり、一方では地域社会の崩壊が懸念されている今、社会に大きな影響を与えている文化の力に寄せる期待と関心は大変大きいものがあると思います。終戦直後、荒廃した社会の中から群馬交響楽団や上毛かるたが生まれ、多くの県民が勇気付けられました。郷土群馬に対する誇りを持ってこられたように、独自の文化の土壌が備わっている本県ですので、これを機にこれから文化振興に当たっての方向性を示すことが必要であると考えております。  昭和56年に群馬県議会発議による文化県群馬が宣言されて以来、もう30年が経過しようとしているところでもあります。来月開催されます地域創造基金運営委員会や「ぐんまの物語」づくり事業準備委員会の場で各委員の御意見を伺いながら、さらに多くの県民の意見をいただいたところで、条例制定に賛同が得られ次第、早急に準備に取りかかりたいと考えております。  以上でございます。 ◆福重隆浩 議員 非常に前向きな答弁ありがとうございました。今部長からお話をいただいたとおり、群馬県は本当に独自の文化を持っております。そういった意味では、過去においても歴史的に見ても、郷土芸能は本当に群馬の宝だというふうに思っております。そういったものをしっかり地域に根付かせるためにも、ぜひ条例に向けて御努力をいただきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。  これは要望になりますけれども、作成に当たっては、ぜひ県民の意見が反映されるようなパブリックインボルブメント、直訳しますと市民を巻き込むことというふうに言われますが、ぜひ県民参加の条例づくりを推進していただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。部長、ありがとうございました。  次に、群馬県版とも言うべきグリーン・ニューディール政策について知事に質問いたします。 ○小野里光敏 副議長 知事。          (大澤正明知事 登壇) ◆福重隆浩 議員 この件に関しましては、午前中、自民党の久保田県議の議論でも取り上げられましたが、私の方からも質問させていただきます。  今、世界的規模の経済不況の打開策として、世界の潮流は環境分野を経済成長の牽引役とする、いわゆるグリーン・ニューディール政策にそのベクトルが向けられております。御承知のとおり、オバマ大統領は、10年間で1500億ドルを投じ、500万人の雇用創出を目指すと宣言しております。  日本政府においても、日本版グリーン・ニューディール政策を3月にまとめる方針を固め、1月6日に構想の具体化に着手をいたしました。これによると、2015年度までに環境ビジネス市場を2006年時点の約1.4倍とする100兆円規模に拡大し、雇用も80万人増の220万人の確保を目指すとされております。まさに新エネルギー産業や電気自動車などについて産官学の連携を深め、さらには国内外の情報の収集、助成制度の拡充など県独自の施策を行うことにより、他県の企業をリードするような企業の育成が今県に求められております。これからの成長産業をいかに本県に根付かすことができるかが、環境立県としての群馬の創出及び景気回復につながると考えます。  そこで、本県においてグリーン・ニューディールについてのいかなる対応を考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 世界的経済危機を受けまして、各国において環境分野に資金を投入することによって景気回復を図るというグリーン・ニューディール構想が打ち出されているところであります。群馬県も環境に対する取り組みにつきまして力を入れていきたいと考えており、平成21年度当初予算においても、地球温暖化対策、循環型社会づくり及び生活環境の保全を主な柱として環境関連施策の予算措置を行ったところであります。  具体的には、太陽光発電装置や電気自動車等の率先導入、レジ袋無料配布廃止の検討やバイオマスの利活用推進、下水道建設や浄化槽対策の拡充、さらにはCO2の吸収源対策として7000ヘクタールの森林整備を行うこととしております。このほか、環境対策に関わる新技術の開発促進や、中小企業者に対する制度融資を通じまして環境関連事業の支援を行っているところでありますが、現下の極めて厳しい経済状況を克服し、持続的、安定的な成長を図るためには、省エネルギー等に関わる研究や技術開発を促進することで新たな環境関連ビジネスを生み出し、雇用を創出していくことが重要であると認識をしております。  いずれにしても、明日への展望を開くうえからも、中小企業等へ研究開発支援などを通じて成長が見込まれる環境関連産業の振興に取り組んでいかなければいけないと考えております。 ◆福重隆浩 議員 今知事の方から明日の展望をということで、中小企業への支援をしっかりしていきたいと御表明をいただきました。そのうえで、私は、成長分野である環境関連産業について、県のベクトルを明確にする観点から、群馬県が企業立地促進法に基づき基本計画で国に同意を求めるよう定めたアナログ、健康科学、基盤技術の3分野の産業に新たに環境関連も加え、その振興に注力し、環境対策を通じて景気回復、雇用創出を目指すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎大澤正明 知事 今群馬県が進めておりますアナログ関連産業、基盤技術産業、健康科学産業の3つの産業について、現在市町村と協力して企業誘致を進めておるところでありますけれども、これに環境関連産業を加えてはいかがかという御指摘でありますけれども、県内には既に電気自動車や家庭用燃料電池の試作や生産を始めている企業もあるわけであります。これらの動きを確かなものといたしまして、さらに関連産業の集積を進めていくには、企業立地促進法に基づく環境関連産業の基本計画を策定することもひとつの方法であることから、今後、市町村や関係機関と研究をしてまいりたいと考えておるところであります。 ◆福重隆浩 議員 前向きな答弁ありがとうございました。今知事がおっしゃられたとおり、県内には環境関連をなりわいとしている企業が本当に多数ございます。今、富士重工さんでは電気自動車、また、先日も産官学の群馬大学、富士重、三洋電機のOBの方々で、リアライズ社というんですか、そこが2012年度までに電気自動車の量産化を目指すとか、また、エコキュートでは三菱電機さん、三洋電機さん、サンデンさん、東芝さん、そういった企業、それから繰り返し使用可能なエネループという乾電池では、高崎の三洋エナジートワイセルさんがやられております。こういったところをベースに、ぜひともこの4つ目の柱、群馬県は本当に環境の企業が元気だと言われるような施策を講じていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。知事、ありがとうございました。  続きまして、環境森林部長に質問いたします。 ○小野里光敏 副議長 環境森林部長。          (入沢正光環境森林部長 登壇) ◆福重隆浩 議員 次に、環境施策における推進の一環として、県有施設の省エネの推進とランニングコスト削減の観点から、エスコ事業へのいわゆる省エネ診断の可能性について環境森林部長に質問いたします。  私は、この不況時のときこそエスコ事業に取り組み、新たな歳出をすることなく膨大なランニングコストの縮減を図り、あわせて県内のエスコ事業者に受注機会を創設し、さらには環境にやさしい群馬県を目指す観点からも導入に向けた検証をすべきと考えますが、部長の御所見をお伺いいたします。 ◎入沢正光 環境森林部長 エスコ事業につきましては、議員御指摘のとおり、事業の実施によりましてCO2の削減、施設管理費の削減、こういった利点があるわけでございまして、現在県有施設への導入に向けて検討を始めているところでございます。事業の導入に当たりましては、まず対象とする施設の省エネルギー診断というのを実施いたしまして、その結果、改修の効果があるということが認められれば民間事業者からエスコ事業の提案公募を行う、そういった手続きを経まして事業の実施に至るところでございます。  現時点では、具体的には本年度、その第1段階の省エネルギー診断として、現在施設の設備更新の時期に来ております生涯学習センター、総合交通センターについて省エネルギー診断調査に着手をいたしまして、その結果、事業の効果が高いという可能性、その診断が出ますれば、来年度以降事業の提案公募を行い、事業実施につなげていきたいと考えているところでございます。 ◆福重隆浩 議員 このエスコ事業に関しましては、関東近県は、群馬県以外は全部推進をしているというのが実績でございます。また、特に日本国内を見ますと、大阪府が20施設でこのエスコ事業を展開しておりまして、年間4億3000万円ぐらいコストが縮減をされている。また、大きくCO2の低減につながったというような実績が得られております。  その意味におきましても、群馬県が環境に配慮した環境立県である、そういった意味からも、今2つの施設について推進をしていただけるということでございましたけれども、さらに県内にはいろいろな施設があるわけですから、そういったところを適時見直ししていただいて、コストの縮減、そして新たなそういった産業を創出する、そして県内のエスコ事業者を育成する観点から、ぜひともこの分野に積極的に取り組んでいただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。  以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○小野里光敏 副議長 以上で福重隆浩議員の質問は終わりました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  次の本会議は、明24日午前10時から再開し、上程議案に対する質疑及び一般質問を続行いたします。  ● 散会 ○小野里光敏 副議長 本日はこれにて散会いたします。    午後4時25分散会...