栃木県議会 2023-09-25
令和 5年度栃木県議会第397回通常会議-09月25日-03号
令和 5年度栃木県議会第397回通常会議-09月25日-03号令和 5年度栃木県議会第397回通常会議
(1)出席及び欠席議員の議席番号及び氏名
9月25日(月曜日)
出席議員 50名
1 番 土 屋 晃 子
2 番 渡 邉 典 喜
3 番 大久保 ゆ み
4 番 大 谷 弥 生
5 番 大 木 英 憲
6 番 佐 藤 晴 彦
7 番 杉 田 光
8 番 沼 田 邦 彦
9 番 池 上 正 美
10 番 小 池 篤 史
11 番 湯 澤 英 之
12 番 星 雅 人
13 番 横 田 誠
14 番 石 坂 太
15 番 岡 部 光 子
16 番 加 藤 雄 次
17 番 金 子 武 蔵
18 番 小 菅 哲 男
19 番 小 林 達 也
20 番 平 池 紘 士
21 番 塩 田 ひとし
22 番 中 屋 大
23 番 あ べ ひろみ
24 番 野 村 せつ子
25 番 横 松 盛 人
26 番 西 村 しんじ
27 番 野 澤 和 一
28 番 高 山 和 典
29 番 池 田 忠
30 番 琴 寄 昌 男
31 番 白 石 資 隆
32 番 関 谷 暢 之
33 番 中 島 宏
34 番 早 川 桂 子
35 番 日向野 義 幸
36 番 渡 辺 幸 子
37 番 保 母 欽一郎
38 番 松 井 正 一
39 番 山 田 みやこ
40 番 青 木 克 明
41 番 山 口 恒 夫
43 番 阿 部 寿 一
44 番 佐 藤 良
45 番 山 形 修 治
46 番 岩 崎 信
47 番 神 谷 幸 伸
48 番 五月女 裕久彦
50 番 螺 良 昭 人
51 番 木 村 好 文
52 番 板 橋 一 好
(2)説明のため出席した者の職氏名
地方自治法第121条の規定による出席要求によって出席した者
知事 福 田 富 一
副知事 北 村 一 郎
副知事 天 利 和 紀
総合政策部長 笹 川 正 憲
経営管理部長 仲 山 信 之
生活文化スポーツ部長
野 原 恵美子
保健福祉部長 岩 佐 景一郎
環境森林部長 小野寺 一 行
産業労働観光部長
石 井 陽 子
農政部長 熊 田 欽 丈
県土整備部長 坂 井 康 一
危機管理防災局長 渡 辺 順 一
会計管理者会計局長
中 谷 一 彦
企業局長 北 條 俊 明
総合政策部次長兼総合政策課長
小 林 宣 夫
財政課長 岩 田 知 也
教育長 阿久澤 真 理
代表監査委員 森 澤 隆
人事委員会事務局長
萩 原 英 樹
労働委員会事務局長
桐 渕 ゆ か
警察本部長 難 波 健 太
(3)職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
事務局長 柏 瀬 仁
次長兼総務課長 菊 池 薫
政策調査課長 横 山 泰 治
議事課課長補佐 小田部 秀
課長補佐 小 材 忠 宏
副主幹 山 﨑 里 香
係長 手 塚 英里子
主査 長谷川 寛 和
主査 桐 原 毅 充
主査 荒 川 尚 子
主査 榎 本 和 也
◎柏瀬仁 事務局長 出席議員数を報告いたします。
ただいまの出席議員数は50名であります。
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午前10時 開議
○佐藤良 議長 ただいまから本日の会議を開きます。
日程第1 第1号議案から第12号議案まで、第14号議案から第26号議案まで及び認定第1号から認定第6号までを一括して議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。発言通告者に対し、発言を許します。佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) 皆様、おはようございます。とちぎ自民党議員会の佐藤晴彦でございます。目まぐるしく変化する社会情勢の中、日本、そして栃木県のよき風土、歴史を大切にし、その上で、時代に取り残されない持続可能で発展的な栃木県づくりができるよう、与えていただいた任期4年間を、新人の県議会議員として元気よく、そして私のモットーである「動けば変わる」を実践し、しっかりと県民の皆様からの声をお伝えしながら、県民の皆様の暮らしの向上と、県勢発展へつなげていけるよう真摯に取り組んでいく所存です。
9月通常会議におきまして一般質問の機会をいただき、これまで高根沢町議会議員として、末端の地方自治に携わってきた上で感じたことや、4月の統一地方選挙にて皆様に訴えさせていただいたこと、そして県民の方からいただいたご意見を踏まえ、このたびの質問をさせていただきます。県議会において初めての質問ですが、福田富一知事をはじめ、執行部の皆様におかれましては、明快かつ前向きなご答弁をご期待申し上げ、発言通告に従い質問を始めさせていただきます。
まず初めに、
インクルーシブ社会の推進について、知事に伺います。県政の基本指針であるとちぎ未来創造プランでは、重点戦略3の健康長寿・共生戦略において、誰一人取り残さない
地域共生社会づくりプロジェクトを掲げております。本プロジェクトでは、子供や高齢者、障害者、外国人、
性的マイノリティーなど、全ての人が地域、暮らし、生きがいを共につくり、高め合い、誰もが社会で活躍し、快適に安心して生活ができる地域社会の実現を推進するため、誰もが安心して暮らすことができる環境づくりの推進を図っているところです。
私は、共生社会の実現に向け重要なことは、インクルーシブというキーワードであると考えております。インクルーシブとは、ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)という言葉から来ており、あらゆる人が孤立したり、排除されたりしないように援護し、社会の構成員として包み支え合うという社会政策の理念を表しています。本県の教育現場においては、障害のある児童生徒が、障害のない児童生徒と共に、支え合いながら、その特性を踏まえた十分な教育を受けることができる
インクルーシブ教育システムの構築に取り組んでおりますが、私は現在の社会状況を踏まえ、保育や防災、公園整備などソフト、ハード面ともに、あらゆる事柄に対し、インクルーシブの意味である包摂的な観点で本県の事業を進めていくことで、県民誰しもが平等かつ幸福感を持って暮らせる栃木県となることができると考えております。
障害の有無や国籍、年齢、性別などにかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の
インクルーシブ社会を構築することは、これからの社会にとって重要な位置づけであります。県民がこのような社会に対し理解を育み、共に行動し、インクルーシブというキーワードが当たり前の社会になるよう、県全体で取り組むべきと考えます。
令和3年度に
障害者差別解消法が改正され、障害を理由とする差別の解消の一層の推進を図るため、事業者に対し、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をすることを義務づけるとともに、行政機関相互間の連携の強化を図るほか、障害を理由とする差別を解消するための支援措置を強化する措置を講ずることとされております。改正法が令和6年4月1日に施行されることに伴い、栃木県
障害者差別解消推進条例も改正に向け現在協議が進められており、本県の
インクルーシブ社会への取組をより一層推進する好機であります。
そこで、障害の有無などにかかわらず、誰しもが支え合いながら共に生活できる
インクルーシブ社会の推進に向け、今後どのように取り組んでいく考えか、知事の所見を伺います。
○佐藤良 議長 福田富一知事。
(福田富一知事登壇)
◎福田富一 知事 ただいまの佐藤晴彦議員のご質問にお答えいたします。県では、県民一人一人がそれぞれの多様な生き方を理解し、相手を思いやり、地域の中で互いに支え合いながら、子供や高齢者、障害者、
性的マイノリティーなど、誰もが安心して幸せに暮らすことができるよう、全庁挙げて環境づくりに取り組んでおります。中でも障害者施策におきましては、障害者の自立と社会参加を基本目標に掲げ、障害者一人一人の人権が尊重され、障害の有無にかかわらず、県民誰もが共に支え合う共生社会の実現に向けた取組を推進しているところであります。
そのためには、全ての県民が、障害や障害者に関する理解を十分に深め、障害者の社会参加を妨げる障壁をなくすために行動することが重要でありますことから、具体的な行動指針の作成や、県政出前講座の開催、
障害者差別解消相談員による相談対応などに取り組んでおります。また、
障害者差別解消法が改正されたことを受けまして、条例においても、飲食店等の事業者による合理的配慮の提供を義務づけるとともに、その取組に資する具体的な事例集を作成し、広く周知してまいりたいと考えております。
合理的配慮の実践に当たりましては、障害者と事業者等が建設的な対話をすることで歩み寄り、相互理解を深め、協力して工夫するという姿勢が何より大切でありますことから、条例改正に合わせ、事業者のみならず、全ての県民に向けて、改めて合理的配慮の考え方や必要性について周知啓発を図り、より一層の意識の浸透に努めてまいります。
今後とも、誰もが共に支え合い、安心して生活できる、いわゆるインクルーシブが当たり前な社会の実現に向け、オール栃木で取り組んでまいります。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) ただいま知事よりご答弁いただきました。本県においても、このインクルーシブをしっかりと推進していただけるご答弁だと感じました。
ここで、私の意見として述べさせていただきますが、県民の皆様が、
インクルーシブ社会に対して理解を育み、共に行動し、そして誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会が当たり前の社会となるよう、県としても取り組めることはまだまだたくさんあると思いますので、その方策の一つとして、県有の公園や人が集う公共施設、道路などにおけるインクルーシブの観点から整備することで、一目で理解しやすく、共感、共有できることにつながり、県民の多様性を認め合う社会に向けた自発的な行動と取組は、今後ますます増えていくのではないかと思っております。
県行政においては、福田富一知事を筆頭に、各部局がより強固に連携し、必要ならば
インクルーシブ社会実現プロジェクトチームのようなものを創設し、より県の各施策を充実させ、市町行政、そして全県民と共にオール栃木で支え合いながら、暮らしの充実や栃木県の成長につなげていける取組を期待しておりますので、意見としてお伝えさせていただきまして、次の質問に移ります。
子育て支援施策における県と市町の連携について、保健福祉部長にお伺いいたします。本年4月にこども家庭庁が発足し、子供が真ん中の社会を実現するため、子供の視点に立って意見を聞き、子供にとって一番の利益を考え、子供と家庭の福祉や健康の向上を支援し、子供の権利を守るための子供政策に、強力なリーダーシップを持って取り組むとしています。また、こども家庭庁の発足と同時に施行されたこども基本法においては、地方公共団体の責務として、子供の状況に応じた施策を策定、実施する責務を有すると示されたところです。
本県においては、とちぎ子ども・
子育て支援プランにより、県民が安心して子供を産み育てることができ、子供が健やかに成長することができる地域社会の実現に向け、地域における子供・子育ての支援、子供の心身の健やかな成長を支える教育環境等の整備、安全・安心な生活環境の整備、困難を有する子供や家庭等への支援などをはじめとした8つの施策を進めております。さらには、先日、山形修治議員の代表質問にもありましたが、とちぎ
少子化対策緊急プロジェクトを打ち出し、出会いから子育てまでの切れ目のない支援を行うとして、今9月通常会議に第1弾実施事業に対する補正予算案を提出しており、次年度には第2弾実施事業を当初予算で対応予定とされております。
全ての子供を社会全体で支えていくためには、基礎自治体である市町が独自に施策を進めるだけでなく、県が旗振り役としてリーダーシップを発揮しながら、市町と連携して施策を進めていくことが肝要であり、県全体で、子育ては大変だけれども、それ以上に楽しい、幸せだと思えるような環境づくりに向かっていくことが重要であります。
そこで、こども基本法に定める地方公共団体の責務について、県の役割をどのように捉えているのか、また、県内市町とどのように連携して子育て支援施策に取り組んでいくのか、保健福祉部長に伺います。
○佐藤良 議長 岩佐景一郎保健福祉部長。
(岩佐景一
郎保健福祉部長登壇)
◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。子育て支援につきましては、国の子ども・子育て支援制度の下、まずは市町が実施主体としまして、地域の実情に応じた子育て支援を展開することとされており、県は、市町の施策がより効果的に実施されるよう、必要に応じて助言等の支援を行うほか、広域的な対応が必要なものについて事業を実施しているところでございます。また、今般のこども基本法では、県と市町が連携を図りつつ、子供の施策を策定、実施することが責務とされており、県では、このほど取りまとめたとちぎ
少子化対策緊急プロジェクトにおいても、市町と緊密に連携するとともに、その取組を引き続き後押しするものとしており、市町における困り事などによく耳を傾けながら、円滑に事業を推進する等、県の役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
今後とも、希望する誰もが安心して子供を産み育てることができる地域社会の実現を目指しまして、オール栃木体制で取り組んでいきたいと考えております。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) 保健福祉部長にご答弁いただきました。本県の子供施策において、県がリーダーシップを持って責務を果たし、そして市町と密接な連携を図りながら子育て施策を実行していく考えであることは分かりました。
ここで再質問いたします。県内市町においては、独自に出産祝い金や入学祝い金の支給、チャイルドシートや紙おむつの購入費助成など様々な施策が講じられていますが、財政的課題などから、県内において子育て施策の格差が大きくあると感じられております。また、私として特に気になるのが、同時に2人以上の妊娠と出産、育児をする多胎児に対する支援です。多胎児育児は全体の約1%ありまして、親の体と心への負担は大きく、外出しにくいことなどで孤立しやすいとも指摘されております。さらには、
一般社団法人日本多胎支援協会の報告によると、多胎育児家庭の虐待死は単胎家庭の2.5倍から4倍あるという報告がされております。国においては、実施主体を市区町村とする多胎妊婦及び多胎家庭の支援として、交流会の開催や相談支援事業の実施、育児等サポーターの派遣による外出補助や日常育児の介助、
育児サポーター向けの研修などに補助を出していることや、単胎妊娠の場合よりも頻回の妊婦健康診査受診が推奨されていることから、通常14回程度の妊婦健康診査よりも追加で受診する健康診査に係る費用の補助を出しております。
本県においては、各市町において独自に妊婦健診券の追加発行や交流会の開催、冊子の配布、産後ケアなどを行っているところもありますが、県内統一はされておらず、ばらつきがあるようです。こうした現状を考えると、県内の子育て施策の統一化を図り、県民誰しもがどこに住んでいても同じ行政サービスを受けられる環境にする必要があると考えますが、県としての考えを保健福祉部長にお伺いいたします。
○佐藤良 議長 岩佐景一郎保健福祉部長。
◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。子育て支援におきます市町、県の役割につきましては、さきにお答えしたとおり、まずは各市町が実施主体として実施をし、県は、それらを支援する体制で考えてございます。今般、産後ケアの経済的負担の軽減につきまして新たな補助事業を実施するという補正予算案を提出しているところでございますが、県は、各市町におきましてこれらを積極的に取り組むことができるよう支援したいと考えてございます。県の役割を十分に踏まえながら、引き続き市町と連携しまして、とちぎ子ども・
子育て支援プランに掲げました施策について着実に取り組んでまいりたいと考えております。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) 今、保健福祉部長にご答弁いただきまして、県の役割を踏まえながら、しっかりと市町と密な連携を図りながら進めていただけると感じておりますので、ぜひ期待させていただきます。
ここで、私の意見を少し述べさせていただきますが、公共交通や公園などの施設、また道路などの物理的な要因による環境においては、地域間格差はある程度出てしまうことはあると思いますが、少子化対策や子育て支援という行政サービスについては、本来なら、全国どこでも同じサービスが提供されるべきであり、せめて本県では、25市町が同じサービスの下で安心して産み育てられる環境を整えていく必要があると考えます。ぜひ各市町とより密な連携、協議しながら、県としてしっかりと、例えば子育てサービスに関わる人材や、ミルクやおむつなどの物資、各市町、各団体などへの補助金、効果的な情報発信の仕方など、人、物、金、情報を適切な形で提供していただけるよう意見させていただきまして、次の質問に移ります。
持続性のある農業の推進について、農政部長にお伺いいたします。農林水産業において、生産者の減少、高齢化が進む中、国は、農林水産業や地域の未来を見据えた持続可能な食料システムを構築するため、みどりの食料システム戦略を策定し、中長期的な観点から、調達、生産、加工・流通、消費の各段階の取組と、カーボンニュートラルなどの環境負荷低減のイノベーションを推進しており、2050年までに、耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%、100万ヘクタールに拡大するなど様々な目標を示しております。
しかしながら、現状の有機農業の取組面積の割合は、令和2年度末の時点で、全国では0.6%、本県では0.4%となっており、戦略で掲げられている目標は容易には達成できないと感じております。有機農業は、化学肥料や化学農薬を使用せず、環境への負荷をできる限り低減した農業の生産方法であり、農業の自然循環機能を大きく増進するものでありますが、一方で、農業生産者の作業負担や販売面などで大きな課題があります。このような中、県ではとちぎ
グリーン農業推進方針に基づき様々な施策を進めているところですが、私は、その中でも有機農産物の流通・消費段階の取組が特に重要だと考えております。
国は、令和2年4月に改定した有機農業の推進に関する基本的な方針で2030年の目標値が出されており、国内の有機食品需要を2017年の1,850億円から3,280億円に、また、有機食品の輸出額は2017年の17.5億円から210億円に需要拡大をしていくとの見通しを立てております。しかしながら、私が住むたんたん田んぼの高根沢町で米栽培を営む若手生産者から有機栽培の導入について話を伺いますと、有機農産物は生産に手間がかかる分だけ価格を高くせざるを得ず、生産者としては安定した販路が確保されないと有機農業にチャレンジしにくいとの声を聞いております。例えば、塩谷町の生産者は、自ら栽培した有機農産物をインターネットで独自に販売し収益を上げる努力をしており、こうした自助努力はもちろん必要と思いますが、県として、有機農業に取り組みやすい環境づくりとともに、有機農産物の販路開拓及び拡大についても並行して取り組むべきと考えます。
そこで、持続性のある農業を牽引する取組である有機農業の拡大や、有機農産物の販路開拓及び拡大についてどのように取り組むのか、農政部長にお伺いいたします。
○佐藤良 議長
熊田欽丈農政部長。
(
熊田欽丈農政部長登壇)
◎熊田欽丈 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、昨年度策定いたしました推進方針におきまして、有機農業を重点分野とし、5年後に取組面積を900ヘクタールまで倍増させる目標を掲げ、生産拡大と販路開拓・拡大を一体的に進めていくこととしております。生産拡大に向けましては、先進事例の紹介や現地検討会の開催に加え、
有機栽培マニュアルを新たに作成し技術の普及を図るほか、農業者が取組を始める際の経費の負担軽減や、規模拡大をする際に必要な機械の導入などを支援してまいります。また、販路開拓・拡大に向けましては、マーケティングに関する専門家の派遣に加え、道の駅への販売コーナーの設置やマルシェの開催などを促進しますとともに、SNSを活用した情報発信等により、有機農産物の魅力を広く消費者に伝えてまいります。さらに、地域ぐるみで有機農業に取り組むオーガニックビレッジを宣言しました県内3市町を重点的に支援し、これらをモデルといたしまして県内各地に取組を広げてまいります。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) 農政部長にご答弁いただきました。この有機農業の取組面積の拡大については、団地化を図らなくてはいけないといったいろいろな課題はあるとは思いますが、現在県の取組の中で一つ一つの課題解決に向けた取組を進めていることは十分分かりました。
ここで再質問させていただきますが、とちぎ
グリーン農業推進方針には、その取組のほかにも、「環境負荷低減と収益性向上の両立を目指して」というサブタイトルがつけられておりまして、環境再生型農業と呼ばれる農地の土壌をただ健康的に保つのではなく、土壌を修復、改善しながら、自然環境の回復につなげることを目指す農業であります
リジェネラティブ農業や、水産と農業を掛け合わせた環境に配慮した循環型農業、アクアポニクスなど、日本にとっても新しいスタイルでの生産を推進することで、本県の農業に活性が生まれるとともに、環境負荷低減と収益性の向上が図れるのではないかと考えております。
そこで、スマート農業等の新技術のみならず、世界中の様々な環境に配慮した農法を調査していき、持続性ある本県の農業の実現に向け検討する考えがあるのかを、農政部長にお伺いいたします。
○佐藤良 議長
熊田欽丈農政部長。
◎熊田欽丈 農政部長 再質問にお答えいたします。とちぎグリーン農業の推進に向けましては、環境負荷低減を図りつつ収益性を向上させる技術を普及していくことが重要であると考えております。現在、こうした技術に関しまして、国や県の研究成果や県内外の先進事例などの調査を進めているところでございます。この結果を踏まえまして、関係者で、地域性や環境への影響、採算性、農家の受け入れやすさなどの観点から十分に検討を行いまして、本県に適した技術を選定することとしております。ご提案の事例などにつきましても、こうした取組において参考にしてまいりたいと考えております。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) ご答弁ありがとうございます。アンテナを高く、広い視野で物事を捉えていただきまして、本県の農業を未来に向かって持続可能な発展に向け取り組んでいただけると期待しております。
意見としてお伝えしますが、海外ではここ数年、ビーガンやベジタリアンといった菜食主義の方が増えておりまして、インバウンド観光で海外の方が本県の魅力を存分に味わってもらう上で、食というキーワードは外すことはできないと思います。そして、もう一つ外せないキーワードがウエルネス、健康なのです。ウエルネスフードというものに対しても注目されております。そして、食と健康をセットで考えることが重要であります。本県のインバウンド観光地やその地域の飲食店、ホテルなどで、海外では消費意識が高い有機農産物を使用していただき、高付加価値のある飲食が提供されれば、本県の有機農産物の需要が上がるとともに、本県を訪れた外国の方もより満足感を得られることにつながると考えます。また、本県の有機農産物に対し、生産者や事業者が需要と供給の実態として理解増進を図るため、インバウンド観光の一つに、長期宿泊体験型観光として、農作業体験や収穫体験、調理体験などの施策を構築し、これらに取り組む生産者や事業者に対し、協力の要請や支援金などの補助事業を考えることも有機農業の推進の一助になるかもしれませんので、意見としてお伝えさせていただきまして、次の質問に移ります。
地域公共交通について、県土整備部長に伺います。8月26日に宇都宮市と芳賀町を結ぶ新たな公共交通であるLRTが走り出しました。人口減少社会の中にあっても新規の路線を引き、これからの時代を捉えつつ、様々な地域公共交通と連携しながら、住民の足としての機能充実や、車社会からの転換による脱炭素化など、このLRTが持つ社会的意義は十分あると感じております。しかしながら、県内の地域公共交通を見渡すと、人口減少や社会変化に伴い、地域公共交通事業者の経営や人員確保など様々な課題があり、例えば私の地元高根沢町を通るJR烏山線は、赤字路線として公表されて以来、注目されている状況にあります。このような中で、本県においては、現在、地方公共団体の努力義務とされている地域公共交通計画の作成に当たっており、これからの本県の地域公共交通の在り方が今後示されるものとして、私も大いに注目しているところであります。県民の皆様が住み慣れた地域で住み続けられるためには、地域のニーズを踏まえながら、地域公共交通が持続可能な事業として維持できるよう、関係市町と一体となって取り組んでいく必要があると考えており、ぜひそのような視点を計画に反映してほしいと考えます。
そこで、地域公共交通計画の策定スケジュールと、どのような視点で協議を進めているのか、県土整備部長にお伺いいたします。
○佐藤良 議長 坂井康一県土整備部長。
(坂井康一県土整備部長登壇)
◎坂井康一 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、地域の実情に応じた持続可能な公共交通サービスの確保、充実を図るため、今年度末を目途に、県版地域公共交通計画を策定することとしております。策定に当たりましては、教育、観光、デジタル等を含めた多様な分野の関係者で構成する協議会及び全市町が参加する部会におきまして、必要な公共交通ネットワークの在り方や具体的な施策等について議論を進めております。これまでに計18回開催した協議会と部会の議論の中では、地域のニーズに応じた輸送資源の総動員や観光施設との連携、新たなデジタル技術の活用等の必要性について共有されたところであります。
今後とも、このような視点を踏まえながら、関係市町をはじめ、地域の関係者と議論を深め、計画策定に取り組んでまいります。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) 県土整備部長にご答弁いただきました。部会や協議会において、もう18回という回数を重ねながら、これからの栃木県の地域公共交通の未来像をしっかりと意識を共有しながら進めていることは十分伝わりました。本県のどこに住んでいても、住み慣れた地域で住み続けられる地域公共交通をしっかりとつくっていく考えであることが分かり安心しております。
再質問させていただきますが、本県は、令和元年7月30日に改定したとちぎの都市ビジョンにて、人口減少・超高齢社会がもたらす課題に対応し、暮らしやすく、持続可能な集約型の都市づくりを進めるため、21世紀中頃を見据えた本県における都市づくりの基本的な考え方や都市政策の展開の方向性について示され、改定の内容として、ICTや自動運転などの新技術を活用したスマートシティの考え方などを新たに加え、本県が目指すべき都市構造をとちぎのスマート+コンパクトシティとして、本県ならではの持続可能で賢いコンパクト・プラス・ネットワークの都市づくりを推進するため、5つの基本目標と3つの基本姿勢を掲げ、戦略的に取り組んでいくとされております。この中で、地域交通の強化と広域連携の促進、都市機能や居住誘導と合わせた効率的な交通ネットワークの再構築、徒歩や自転車などによる移動性向上の3つの戦略や地域内交通への自動運転技術等の活用など、地域公共交通の未来像を示されております。
また、国ではデジタル田園都市国家構想が推進されており、ICTの活用による持続可能性と利便性の高い公共交通ネットワークの再構築を図るとされ、デジタルの力を最大限利用した形での地域社会づくりが全国で取り組み始められております。このような現状を踏まえると、本県が示した地域公共交通の未来像や、最新の技術を取り入れた地域公共交通のネットワーク構築に向けた考えを地域公共交通計画にもしっかりと反映させていくのか、改めて県土整備部長にお伺いいたします。
○佐藤良 議長 坂井康一県土整備部長。
◎坂井康一 県土整備部長 再質問にお答えいたします。公共交通におきますデジタル技術の活用につきましては非常に重要なものと考えておりまして、佐藤晴彦議員ご指摘のビジョンに加えまして、その後、令和3年3月に策定しました県土づくりプラン2021におきましても、交通系ICカードや、MaaSなどのICTの活用や、無人自動運転技術の導入を促進することとしてございます。また、協議会等におきましても、これらの施策のほか、AIデマンド交通の導入や、リアルタイムなバス運行情報の見える化の促進、キャッシュレス導入支援などの施策も議論されているところでございます。これら新たなデジタル技術の活用につきましては、自動運転バス実証実験などの施策の実施で得られた知見等も踏まえまして、計画に反映できるよう取り組んでまいります。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) 改めて県土整備部長にご答弁いただきました。先ほど言われたAI、そしてICTといったデジタル技術をしっかりとこれからの未来に向けて活用していけるよう、今協議を進められていることを十分理解させていただきました。これからの時代を見据えた地域公共交通の在り方が、しっかりと県民の皆様に示せる計画が出来上がってくるのだと感じております。
意見としてお伝えいたしますが、これから県民へのパブリックコメントも実施される予定とお聞きしておりますが、しっかりと多くの県民からの意見や理解をいただけるよう取り組んでいただきたいと思います。また、公共交通が充実していない市町の現状や、高校再編計画が進められていますが、通学環境の確認、高齢の方の免許返納状況、地域包括ケアシステムの課題にもある要介護者等の移動支援の強化、障害をお持ちの方でも利用しやすい交通システムなど、県民に交通弱者が一人もいない栃木県を目指していただき、かつ公共交通事業者が持続可能な経営ができるよう、支援の在り方も検討していただけますよう意見としてお伝えし、次の質問に移ります。
国道408号宇都宮高根沢バイパスの整備について、県土整備部長に伺います。現在、高根沢町において、国道408号宇都宮高根沢バイパスの県道宇都宮那須烏山線交差から国道4号までの3期工区の工事が進められており、本工区の完成により、宇都宮高根沢バイパスが全線にわたり供用となります。宇都宮高根沢バイパスにおいて唯一の未供用区間となっている本工区の開通に伴い、その効果としては、交通混雑の緩和や走行時間の短縮、物流の効率化が図られるものと期待されております。加えて、企業の国内回帰が進む中、芳賀及び清原工業団地や情報の森とちぎなど、現在ある工業団地への立地や拡大の促進にもつながることから、地域経済の発展や活性化につながるとして早期開通が望まれております。このような中で、芳賀工業団地連絡協議会からは、昨年に早期開通について要望が出されていると聞いており、宇都宮高根沢バイパスが全線開通すれば様々な発展が見込まれていることと推察されます。
そこで、宇都宮高根沢バイパスの整備効果を発現させていくためには、未供用となっている3期工区の早期整備が何より重要であると考えますが、現在の工事進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。
○佐藤良 議長 坂井康一県土整備部長。
(坂井康一県土整備部長登壇)
◎坂井康一 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。国道408号宇都宮高根沢バイパスは、高規格道路常総・宇都宮東部連絡道路の一部としまして、広域的な交流、連携や経済産業活動を支える広域道路であります。本バイパス約6.6キロメートルのうち1期及び2期工区となります野高谷町交差点から鷺ノ谷交差点間の約5.3キロメートルにつきましては、令和元年5月までに暫定2車線で供用し、順次4車線化工事や主要な交差点の立体化工事を進めております。3期工区となります鷺ノ谷交差点から国道4号までの約1.3キロメートルにつきましては、用地取得が完了し、水路トンネルの付け替えや地盤改良等の道路改良工事を進めるとともに、今年度から大規模構造物となりますJR宇都宮線の跨線橋工事に着手することとしております。
今後とも、高規格道路としての機能を発揮できるよう、早期の全線供用に向けて進めてまいります。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) ご答弁いただきました。現在のところ、大方予定どおりで進んでいると見受けられますが、ここで再質問させていただきます。先ほどご答弁の中にありました地盤改良ですが、本工区の整備に当たりまして、大規模構造物となるJR跨線橋の工事箇所は、多分軟弱な地盤であるのではないかと私の中で感じております。東日本大震災時には、高根沢町の宝積寺台地は震度6強を観測し、本県の中でも特に揺れた地域でもありました。この工区も開通すれば災害時の緊急輸送道路として指定されると思われることから、何があってもその機能を損なうことのないようにしなければならず、だからこそ重要かつ大変な工事であり、いつ起きるか分からない災害に備えるためにも、この軟弱な地盤に対し、その対応を図る上で、最適な工法を選択しまして、工期を見定めながら、安全かつ早期の完成に向け計画的に工事を進める必要があると思っております。
そこで、改めてこの跨線橋工事箇所の進捗状況、そして今後の進め方について、県土整備部長にお伺いします。また、近隣住民の安全は特に配慮しなければならず、工事の進捗状況や工事車両の往来に対し、今後とも周知と対策をしていかなければならないと思いますが、これらに対する対応についても、併せて県土整備部長にお伺いいたします。
○佐藤良 議長 坂井康一県土整備部長。
◎坂井康一 県土整備部長 再質問にお答えいたします。跨線橋工事につきましては、現在、先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、軟弱地盤対策としまして地盤改良等を進めているところでございます。また、本年度中には、工事につきましても、橋台工事、それから橋桁の製作に着手する予定としてございます。引き続き、JR東日本と綿密な調整を図りながら、計画的な工事を進めてまいりたいと思います。また、地元に対しての対策でございますけれども、工事間の連絡協力体制を強化するために安全協議会を設置してございます。これまでに、通学時間帯に配慮した資材搬入等の安全対策というものを実施してきたところでございますし、工事着手時、それから通行規制時などにおきましても、回覧板等で工事状況に関することを地元の方々へ周知してきたところでございます。
今後とも、安全第一に工事を進めるとともに、工事状況等につきまして、様々な手段を用いまして住民の方々へ丁寧に周知してまいりたいと思います。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) しっかりと地盤への対応を図っていただきながら、慎重かつ安全に工事を進めていただけると感じておりますが、この工事を進めるに当たりまして、様々な振動などにおいては、地盤が脆弱であるがゆえに周辺も大きく揺れる可能性等もあります。また、先頃、鉄骨が落ちるなどといった工事災害も起きておりますので、ぜひそういったところも考えながら、工事災害が起きないように、より安全管理等を徹底していただきながら工事を進めていただきたいと思います。また、より一層近隣住民への配慮もしていただければと思いますので、併せて意見としてお伝えさせていただきます。
さらに、意見としてお伝えしますが、この質問の冒頭に述べたように、この工事の整備効果としては、地域経済の発展や活性化につながることが大いに期待できるものであり、県営都市公園の鬼怒グリーンパークの観光資源化や、県産物の直売施設、情報発信拠点など新たな視点での都市公園の在り方にすることができるほか、清原及び芳賀工業団地、ソフトリサーチパーク情報の森などが隣接する中で、産業団地や工業団地の拡大による雇用拡大や税収の増益、さらには移住者の増加などにもつながると考えております。開通までに数年の時間がかかるこの間に、沿線及び関係する市町や各種団体、企業などとも連携し、本県の発展と地域の活性化につないでいけるよう、県が寄り添いながら、一体となってこれからの未来を創造できるよう検討していただければと思いますので、意見としてお伝えし、次の質問に移ります。
本県の有事における対策について、危機管理防災局長に伺います。ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の弾道ミサイル発射の頻発化、中国の領空・領海侵犯など、我が国を取り巻く情勢は緊張を増しており、本県でも国民保護計画に基づき、様々な施策や事業を行っております。しかし、県民の生命と財産を守るためには、日々、様々な変化がある中で、その時々の状況をより精査しながら、情報を更新しつつ、避難施設やインフラ整備、県民意識の醸成、被害の見える化など、各市町と連携しながらも、栃木県としての備えをすべきと考えております。例えば、国は弾道ミサイル攻撃による爆風などから直接の被害を軽減するための一時的な避難に活用する観点からのコンクリートづくりなどの堅牢な建築物や、地下街、地下駅舎などの地下施設について、緊急一時避難施設への指定を推進していますが、本県は、令和4年4月1日時点で緊急一時避難施設は633か所あり、そのうち地下施設は16か所のみであります。これは有事の備えとして十分と言えるのか懸念しております。
そこで、弾道ミサイル攻撃などの有事の際に、県民190万人の命を守るため、緊急的に避難できる地下施設の指定を速やかに進めるなど、その備えをどのように推進していく考えか、危機管理防災局長の所見を伺います。
○佐藤良 議長 渡辺順一危機管理防災局長。
(渡辺順一危機管理防災局長登壇)
◎渡辺順一 危機管理防災局長 ただいまのご質問にお答えいたします。弾道ミサイルは発射後、短時間で着弾し、着弾時は激しい爆風や破片により身体へ大きな被害を受けることがあるため、正確な情報を県民に迅速に伝達し、冷静な避難行動を促す必要がありますほか、爆風等からの直接の被害を軽減するため、緊急一時避難施設を確保することが重要であります。このため県では、非常事態の情報提供手段であるJアラート等による通報連絡訓練のほか、国と県、市町による共催で弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施するとともに、県民に対しては、いざというときの適切な避難行動等について、県ホームページ等により周知し、理解促進を図っております。
また、緊急一時避難施設につきましては、県や市町の公共施設等を中心に指定してきたところでございますが、今後は、国や民間の施設も加えまして、対象施設の点検を行い、できる限り早期に地下施設も含め、追加指定できるよう取り組んでまいります。
引き続き、国や市町等と一層の連携強化を図るとともに、有事の際に迅速かつ適切な対応ができるよう万全を期してまいります。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) 危機管理防災局長にご答弁をいただき、現在でも本県の避難や備えに対し訓練等を進めており、また、今後より安心できる環境を備えていく考えがあることは分かりました。対象の避難施設の増加におきましては、様々な公共施設がプラスされるほか、民間施設もありますが、この一時避難、爆風にはガラスの飛散があるという中では、コンクリート構造物の堅牢な部分をどう見極めるかということも重要になりますので、ぜひその観点を持っていただければと思います。
ここで再質問いたします。全国知事会では、本年7月に国民保護について国へ提言されました。避難施設や核シェルターなどに対しても内容が盛り込まれており、知事会の提言を国が真摯に受け止め、今後形になることを願いますが、いつ起こるか分からないことに対し、待つだけではなく、県としても常に情報を更新しながら、市町や県民に対して分かりやすい情報の発信に努めるなど、現状に満足しない取組を期待しております。そのような取組を実施する上で、より一層各市町と連携し、また市町の財政状況や、施設・インフラ整備事情などを勘案し、県民誰しもが何があっても助かるための協議等をより一層行うべきと考えますが、現在の状況を、危機管理防災局長にお伺いさせていただきます。
○佐藤良 議長 渡辺順一危機管理防災局長。
◎渡辺順一 危機管理防災局長 再質問にお答えいたします。緊急一時避難施設につきましては、これまで県民の皆様に浸透しています自然災害時の避難所を中心に、学校も避難所としてございますけれども、コンクリート造り等の堅牢な建物を、緊急一時避難施設に指定してまいりました。現在、市町と連携しまして、今、県や市町で持っている公共施設につきましても、さらに追加してできる施設がないかどうか、点検を行いますほか、既存の商業施設といった民間施設につきましても、協力いただけるようにこれから働きかけてまいりたいと考えております。
また、来年1月には国、小山市と共催で、弾道ミサイルの住民避難訓練がございます。そうした訓練を通じまして、どのような避難施設が望ましいか、市町と理解を深めまして、新たな緊急一時避難施設の追加指定に取り組んでまいりたいと考えております。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) 改めてご答弁いただきました。防減災対策、国土強靱化、国民保護と、これらに関し、県がしっかりと向き合いながら今進めているということは分かりました。ただ、地下施設等が栃木県内においてはまだまだ少ない状況でもあることから、これについてもどのようにしていかなければならないのかをしっかりと市町と連携し、そして協議をしながら、必要によっては整備についても検討していく必要性があると思いますので、しっかりとそのようなところも踏まえながら、協議を今後とも継続的に、持続的に進めていただければと思います。
そして、この県民意識をより一層引き上げていきながら、自助、共助、公助の役割を理解していただくことも必要であり、県としては、現在足りていない整備や訓練等をより充実させていただきたいと思いますので、意見としてお伝えし、次の質問に移ります。
高校教育における地域との連携・協働の充実について、教育長に伺います。新型コロナウイルス感染症の影響により、様々な教育活動が中止や制限を余儀なくされました。学校行事や部活動、さらには各種大会など、子供たちが勉学以外で学ばなくてはならないものが大きく失われた期間であったと感じております。しかしながら、県教育委員会としては、感染対策を取りながら授業を実施するための工夫や、タブレット端末の配付などの学校のICT化の推進により、学校活動への影響を最小限に抑えるべく努力していただいたと感じております。そして、本年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行したことで、本来あるべき姿の学校教育活動に戻るべく、教育現場はリスタートしたところであります。
このような中で、子供たちを中心に置き、学校のみならず、保護者や地域、そして行政がスクラムを組み、それぞれが持つ人、物、金、情報などを提供し合いながら連携・協働し、より充実した教育環境を構築して、質の高い教育を実践できる学校にしていき、子供たちの成長につなげていくことが必要であると考えます。そのためにも、学校はアフターコロナを意識しながら、地域の持つ教育力を活用した教育活動の仕組みを強化・充実させていかなければならないのであります。学校という教育環境の中で、子供たちと同じように教職員も制限を強いられてきた期間であり、教職員にだけ任せるのではなく、社会全体で子供たちの教育を考える機会でもあります。
そこで、高校教育における地域との連携・協働の充実に向けて、どのように取り組んでいくのか、教育長に伺います。
○佐藤良 議長 阿久澤真理教育長。
(阿久澤真理教育長登壇)
◎阿久澤真理 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。高校教育では、将来持続可能な社会の担い手となる高校生が、社会とのつながりの中で学べるよう、学校と地域が一体となって教育活動に取り組むことが重要であります。このため県教育委員会では、地域貢献のためのボランティア活動や、地元企業の協力を得て行うインターンシップなど、生徒の成長につながる教育活動を実施してまいりました。また、令和2年度から実施している地域連携事業では、生徒が地域イベントの運営や、地元で活躍する職業人へのインタビューを基にした冊子の作成を行うなど、自治体や企業等と共に地域振興や課題解決に取り組んでおります。
今後は、地域の人的、物的な教育資源を最大限に生かして取組の成果を全ての県立高校に普及するなど、高校教育における地域との連携・協働のさらなる充実に努めてまいります。
○佐藤良 議長 佐藤晴彦議員。
(6番
佐藤晴彦議員登壇)
◆6番(佐藤晴彦議員) 教育長にご答弁いただきました。今現在、もう既に進んで地域との協働や連携を図りながら、さらには自治体ともつながりを持って、高校生が社会に向かって充実した教育環境を整えながらも事業を進めていることが分かりました。また、現在先行してコミュニティスクールに取り組む6校についても、検証していただきながら、より充実した地域連携の構築をされていくのだと思っておりますので、今後の取組に期待しております。
ご意見としてお伝えしますが、学校と地域との連携・協働については、平成29年4月1日に施行された地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、学校運営協議会の設置の努力義務化やその役割の充実などの内容が明記され、文部科学省がコミュニティスクールとしてその仕組みを示しました。本県の高等学校では、今後コミュニティスクールを段階的に導入していく考えがあるようですが、ぜひ学校と地域の連携・協働の仕組みとして、より一層の見識を深めつつ、全校同時に導入できるよう検討を重ねていっていただきたいと思います。また、現在、第三期県立高等学校再編計画の中で検討されています未来共創型専門高校についても、学科を横断できるような地域人材を活用するなど、本県のオリジナルな形でコミュニティスクールの構築を目指していただき、さらには、社会教育という分野もとても大切な視点でありますので、こういうところともしっかりと連携を図りながら、本県の子供たちがより質の高い充実した学校教育の中で育ち、社会に貢献できる人材へと成長していけるよう、人材育成と、今までにない公教育に努めていただくことを意見として述べさせていただきます。
以上で全ての質問を終了いたしました。県は、国と市町をつなぐハブ機能を有しており、その役割を果たす上で、県は、より市町との密接な連携をしながら、全県下において県民意識をしっかりと反映した県政運営を行えるとともに、誰しもが栃木県に住んでよかった、住み続けたいと思える栃木県になればと思い本日の質問に立ちました。
また、行政だけではなく、県民と共に未来に向かった社会像の意識を合わせ行動することは重要であり、オール栃木で動けばよりよい方向に社会は変わっていきます。知事、執行部の皆様には、引き続きのご尽力をお願いし、私自身も県民の暮らしの向上と県政発展に全力で注力していくことをお誓いしまして、全ての質問を終了させていただきます。
○佐藤良 議長 この際、15分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。
休憩いたします。
午前11時 休憩
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◎柏瀬仁 事務局長 出席議員数を報告いたします。
ただいまの出席議員数は47名であります。
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午前11時15分 開議
○関谷暢之 副議長 議長の都合によりまして、私が議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。
ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) 皆さん、こんにちは。議席番号9番、県民クラブの池上正美でございます。今年の夏は猛暑日が続き、線状降水帯の発生等による記録的な大雨により被害が全国的に広がり、本県でも死者が出るなど多くの被害となりました。被害を受けた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
さて、今回、私は県議会議員として記念すべき初めての登壇となりました。県民の安全・安心な暮らしと福祉向上のため、通告に従い、順次一般質問をさせていただきます。執行部におかれましては、明確かつ前向きな答弁をお願いいたしまして、早速、質問に入らせていただきます。
最初に、高齢者の健康づくりと就労支援について、知事にお伺いいたします。我が国は、全国的に人口減少と少子高齢化が進み、本県においても、本年8月1日現在、人口は190万人を切り、令和4年度の出生数は約1万500人で、老年人口は約56万9,000人となり、高齢化率は約30%となりました。現在、国、県、市町は、出生数を上げるための様々な施策を打ち出して、子育て支援や縁結び事業等を展開しているところです。私は、この施策と同時に、今後数十年にわたり高齢者の割合が増えていくことを踏まえると、地域社会や経済、社会保障制度を維持していくためには、高齢者支援も子育て支援同様、非常に大切であると考えており、高齢者が元気に生き生きと社会の中で孤立せず暮らすことができる健康づくりへの支援、そして、まだまだ元気で働きたいと考えている高齢者への就労支援などに取り組むことが高齢者本人や家族にとっても重要であり、限られた税収の中で、医療費の低減にもつなげることができると考えます。
こうした中、県では、健康長寿とちぎの実現を目指し、とちぎ健康21プランを策定し、各種取組を実行しているところでありますが、今年7月末の厚生労働省の発表によると、2022年の日本人の平均寿命は男女とも2年連続で前年を下回り、前年からの下げ幅は過去最大ということです。新型コロナウイルス感染症や心疾患などの死亡率の変化が平均寿命を縮める方向に働いているとのことですが、実際にコロナ禍の外出自粛で気力や体力が低下してしまい、以前より体を動かす機会が減少している高齢者は多いように思います。これからは新型コロナウイルスの感染対策に気を配りながら、いかに健康的な生活習慣を取り戻していくかが大切であり、特にフレイル予防を推進していくことが重要であると考えます。
また、高齢者の新規就労を支援することも重要です。県では、とちぎ女性・高齢者等新規就業支援事業を実施し、2022年度には約50人の高齢者が新たに就労したということでありますが、働く意欲のある高齢者が生涯現役で活躍するためにも、さらに多くの高齢者が就労できるよう、ニーズに応じた適切な支援を進めていくことが必要と考えます。
そこで、高齢者のフレイル予防を含めた健康づくりと就労支援について、今後どのように推進していくのか、知事にご所見をお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 福田富一知事。
(福田富一知事登壇)
◎福田富一 知事 ただいまの池上正美議員のご質問にお答えいたします。県におきましては、県民が心身ともに健やかに年を重ねていくことができる健康長寿日本一とちぎの実現を目指し、市町や関係団体、事業者等と連携し、子供から高齢者までの各ライフステージに応じた健康長寿とちぎづくり県民運動を推進しているところであります。この県民運動におきましては、県民が主体的に健康づくりに取り組めるよう、日常生活で実践できる運動方法や、塩分を控える等の食生活の改善、脳卒中の初期症状などについて、県民向けの啓発を行っております。また、令和2年度からは、新たに人生100年フレイル予防プロジェクトを掲げ、県民が加齢に伴う心身の衰えを防ぐことの重要性について理解し、日常生活で心がけるべきことや、その具体的な取組を実践できるよう周知を図っております。
加えて、健康づくりを含め、地域において多様な活動を実施している老人クラブ等への支援を通じて、高齢者の健康増進を図ってまいります。さらに、高齢者の就労支援につきましては、コーディネーターによるニーズに応じた求人企業の開拓や、安心して働ける職場環境の改善に向けた企業への助言のほか、県内市町等と連携した求職者と企業とのマッチングの実施など、より多くの高齢者が希望する就労ができるよう支援しております。
今後とも、高齢になっても健康で生き生きと暮らせる栃木県、の実現を目指し、さらなる取組について検討しつつ、市町や関係団体、事業者等と連携しながら、オール栃木体制で各種対策に積極的に取り組んでまいります。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ただいま知事からご答弁をいただきました。知事も、健康づくり、そして就労支援は人生100年という時代において非常に大切だという共通理解を得ました。
ここで、保健福祉部長に再質問いたします。誰もが健康は第一と言いながらも、なかなか予防活動には行き着かないのが現状であり、介護状態になってからでは後の祭りです。介護予防や生活習慣病の予防のためには、運動習慣の改善が重要です。そこで、県は、県民の健康づくりを応援するため、歩いてポイントをためることで栃木県の特産品等が当たるとちまる健康ポイントキャンペーンを行っていますが、このようなプレミアム的事業を今後どのように推進しようと考えているのか、保健福祉部長にお聞きいたします。
○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。
◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。県では、市町と連携いたしまして、とちまる健康ポイント事業を実施しておりまして、6月には栃木県誕生150年記念キャンペーンを実施したところでございます。当該事業が定着しまして、さらに参加者が増えるよう、企業とも連携しまして協賛品の先着プレゼントを実施するなど様々なキャンペーンの展開に取り組んでいるところでございます。
今後とも、健康づくりに資する県民の運動習慣の定着に向けまして、とちまる健康ポイント事業の参加意欲向上につながる工夫に努めてまいりたいと考えております。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) 保健福祉部長から回答いただきました。ぜひ一人でも多く参加し、健康が維持できますよう、よろしくお願いいたします。
ここで要望いたします。長引くコロナ禍や今年の夏の猛暑の影響で外出を控え、体力が低下してしまっている高齢者が多いと思いますので、さらなる高齢者の健康づくりのための取組をお願いします。
続いて、産業労働観光部長に再質問いたします。高齢者の就労支援事業の現状は、先ほど知事からの答弁にもありましたが、就労支援コーディネーターが中心となって支援していると伺っておりますが、現在どれくらいの方がおり、今後コーディネーターがどのように支援していくのかお聞きいたします。
○関谷暢之 副議長 石井陽子産業労働観光部長。
◎石井陽子 産業労働観光部長 ただいまの再質問にお答えいたします。就労支援コーディネーターは、現在、県央、県南、県北に各1名ずつの担当者がおり、計3名となっておりまして、高齢者の採用に意欲的な新規企業の開拓や、それから高齢者が働きやすい職場環境整備に向けた企業側への助言等を行いますとともに、就職をした高齢者の方に対しましては、その後の職場定着までのフォローアップを行っております。
今後は、就労する高齢者の安全と健康を確保するために、労働災害防止などの雇用環境の改善をテーマにした企業セミナーを開催するなどいたしまして、引き続き高齢者の特性に配慮した就労支援をきめ細かく実施してまいりたいと思います。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ただいま産業労働観光部長から答弁をいただきました。そこで再質問させていただきます。コーディネーターは県央、県南、県北に各1人で3名ということですが、私は非常に少ないのではないかと思っています。高齢者がどんどん増えて、そして就労支援をしていくという中で、今後、増やす必要性をどのように考えているのか、また、今で十分なのかお聞きいたします。
○関谷暢之 副議長 石井陽子産業労働観光部長。
◎石井陽子 産業労働観光部長 ただいまの再質問にお答えをいたします。現状のところ、担当者3名で非常に逼迫しているというお話は伺っておりませんが、状況が変わってきて、そういった就職したい方、または企業がもっと増えてくるような状況になったときには、改めて考えさせていただき、見直しをさせていただきたいと考えております。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) 産業労働観光部長から回答いただきました。ここで要望いたします。
アンケートによると、高齢者の約8割の方が何らかの形で就業意欲を持っていて、高齢者が増える実態からすると、ますますの就労支援が必要と思います。さらなる対応をお願いいたしまして、次の質問に入ります。
栃木県自転車条例施行後の現状と対策について、
生活文化スポーツ部長にお伺いいたします。県は、2021年12月22日に、栃木県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例を制定いたしました。この背景をひもとくと、自転車は子供から高齢者までが手軽に乗れ、環境にも優しく、健康的で経済的であり、便利な反面、県内でも多くの自転車事故が発生し、頭部などを損傷する死亡事故や、自転車事故で他人にけがをさせ、被害者から高額の損害賠償を請求される事例も発生しているため、周知期間を置いて、2022年4月1日にはヘルメットの着用と自転車の点検整備を努力義務とし、同年7月1日には自転車保険の加入を義務化とし、今日まで来ています。そして、最近では、国は自転車による酒気帯び運転などに対し罰則を検討するとの報道がなされており、自転車事故の防止に対し、一層の強化がされてきております。
しかし、自転車事故において亡くなられた方の約6割は頭部に致命傷を追っているということでありますが、今年7月の本県におけるヘルメット着用率は13.2%といまだに低い状況であり、自動車利用者が自分の身を自分で守るため、着用率を上げるための取組が急務であると考えます。また、義務化された自転車保険加入率も今年1月時点で54%とお聞きしており、こちらもまだ低い状況です。
そこで県は、チラシやホームページ、そして交通安全教室での啓蒙活動を進めておりますが、自転車条例の施行から1年以上が過ぎて、ヘルメット着用率や自転車保険加入率の状況をどのように受け止め、今後どのように対策を講じていくのか、
生活文化スポーツ部長に伺います。また、ヘルメットを着用しない理由の一つとして、購入価格が高価であることが挙げられているため、県内の市町では中学生などに購入を補助しているところもあるとお聞きしています。そこで、さらなるヘルメット着用を促進するために、県として期間を限定してでも購入を補助すべきと私は考えますが、併せて所見をお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 野原恵美子
生活文化スポーツ部長。
(野原恵美子
生活文化スポーツ部長登壇)
◎野原恵美子
生活文化スポーツ部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、自転車条例について、多様な媒体による広報活動や警察等と連携した街頭啓発活動を展開してまいりましたところ、条例の趣旨につきましては県民に浸透してきていると認識しておりますが、ヘルメットの着用など行動につなげるためには、より一層、効果的な啓発活動等に取り組む必要があると考えております。このため、今年度は自転車事故の割合の高い高校生を対象とした取組を重点的に行うこととしており、命を守るヘルメットの着用や自転車保険への加入の必要性等について、高校生から共感が得られる啓発資料を作成、配布いたしますとともに、デジタルも活用しながら配信して、行動変容につなげてまいります。
また、全ての世代に対して、ヘルメットの着用や保険加入等を促進するため、自転車販売店や保険取扱い会社と一層連携いたしまして周知徹底に努めてまいります。さらに、今後ヘルメットを着用しない要因の調査や、事故発生の傾向の分析、市町のヘルメット購入補助の実施状況などを踏まえながら、悲惨な事故が減少するよう、効果的な施策を検討し、積極的に展開してまいります。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ただいまは
生活文化スポーツ部長に答弁をいただきました。ますます積極的にPRをして、何とかヘルメットの装着率並びに保険の加入の促進をお願いしたいと思っています。しかし、チラシや、そのほか教室を開催してもなかなか難しいと思います。
そこで再質問させていただきます。ヘルメット着用については、自転車条例の今の努力義務から義務化する考えはあるのか、もしあるとすれば、どれくらい期間を見ているのか、再質問させていただきます。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員に申し上げます。質問の際には、どなたへの質問であるのかを明確にしてください。
◆9番(池上正美議員)
生活文化スポーツ部長に再質問いたします。
○関谷暢之 副議長 野原恵美子
生活文化スポーツ部長。
◎野原恵美子
生活文化スポーツ部長 再質問にお答えいたします。今年施行されました改正道路交通法におきまして、県自転車条例と同様に、全ての自転車利用者にヘルメット着用が努力義務化されたところであります。県といたしましては、この道路交通法の改正を追い風といたしまして、条例につきましては、現行の努力義務において、ヘルメット着用の重要性を関係機関、民間事業者等と連携しながら、さらに周知に努めてまいりたいと考えております。この件につきましては、様々な要因があるかと思いますが、まずは県民の皆様、学生、生徒の皆さんが、ヘルメットを着けて自らの命を守るということを理解して行動していただくことが何より重要であると考えております。ヘルメット着用の必要性が伝わりますよう、引き続き効果的な施策の展開に努めてまいります。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員)
生活文化スポーツ部長に答弁をいただきました。ここで要望いたします。死亡事故が起きてからでは遅過ぎます。ぜひ各市町との連携を取り、実情に合った対策を早急にお願いいたします。そして、全国的には、愛媛県のヘルメット着用率は59.9%、そして大分県では46.3%、先進的な県もありますので、そちらとの情報共有や研究をよろしくお願いいたしまして、次の質問に入らせていただきます。
EV(電気自動車)等の普及に向けた取組について、環境森林部長にお伺いいたします。県は、2050年にとちぎカーボンニュートラル実現に向けて、令和4年3月にロードマップを作成し、温室効果ガス排出量を2030年度までに、2013年度対比で50%減を目標に掲げ、諸施策に取り組んでおります。近年の異常な気候変動を見ても、温室効果ガスを減らすことは喫緊の課題だと思います。そのためには、LED化等の省エネと、太陽光発電などの創エネ、電気自動車などへの燃料転換が重要でありますが、特に本県は、人口当たりの自動車保有台数が全国第2位の車社会であるにもかかわらず、本県のEVの割合は0.2%程度にとどまっているのが現状であることから、EV等の普及に取り組むことが急務であると考えます。そして、EV等の普及に向けては、県が率先垂範して公用車のEV化を進めるのと併せて、県内の充電インフラの整備を推進することが重要です。
そこで、県は、2021年度末時点で、EVを含むZEV、ゼロエミッションビークルを公用車に17台導入し、2030年度までに県が保有する公用乗用車750台のうち145台をZEVに転換する目標を掲げておりますが、目標を達成するための年次計画について、環境森林部長に伺います。また、充電インフラの整備について、国は集合住宅などへの設置により、充電設備数を15万口から30万口に倍増する指針案を提示しましたが、私は、個人住宅への充電設備普及も重要であると考えています。
そこで、個人住宅への充電設備普及について、併せて県の考えをお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 小野寺一行環境森林部長。
(小野寺一行環境森林部長登壇)
◎小野寺一行 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。交通分野における脱炭素化に向けましては、EV等への転換の推進が重要でありますことから、県の率先的な取組として、とちぎ県庁ゼロカーボンプロジェクトアクションプランに基づき、公用車のZEV化を進めております。引き続き、車両の更新予定や、庁舎への充電設備の整備状況を勘案しながら、新車購入時におけるZEVの比率を年々引き上げ、2030年度の購入割合50%を目標として、計画的かつ効率的に導入してまいります。また、個人住宅への充電設備の普及につきましては、EV等の充電は自宅や事業者で行うことが基本となるものと考えておりますが、一方で、外出先での電欠を懸念する声も大きいことから、県といたしましては、栃木県EV・PHV充電インフラビジョンを定め、移動経路や観光地などの目的地における充電インフラを優先して整備していくことといたしました。特に、交通拠点である道の駅や、民間での整備が進みにくい空白地域を重点整備箇所と位置づけ、今年度から急速充電器の整備支援を開始したところであります。
今後とも、公用車のZEV化を進めるとともに、市町や民間企業等と連携しながら、充電インフラの整備促進を図り、EV等の普及に取り組んでまいります。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ただいま環境森林部長から答弁をいただきました。県は前向きに取り組んでいるということはよく分かりました。
ここで要望いたします。EV等の充電設備、先ほど、県は公共施設に進んで設置する方向で進むという話でありますが、個人宅の普及についても、エコポイントなどインセンティブ的な付与をつけるなど、よろしくお願いいたしまして、次の質問に入ります。
県における森林環境譲与税の使途について、環境森林部長にお伺いいたします。皆様ご存じのとおり、日本の国土面積に占める森林の面積の割合は国土の約67%、本県においても54%と、半分以上森林であります。森林は、木材の生産をはじめ、地球温暖化防止、水源の保水能力確保や山地災害防止など重要でありますが、年々林業の採算性が低下し、所有者が不明の森林が顕在化し、担い手不足などにより手入れが行き届かず、森林の持つ様々な機能の低下が懸念されています。そのため、国は令和元年度から森林環境譲与税を創設し、いよいよ来年度からは森林環境譲与税の財源となる森林環境税が国民1人当たり年額1,000円課税されます。これは、文字どおり森林整備等に使われる目的で新たに導入された税であります。
森林環境譲与税は、令和元年度から市町と県に対し分配され、運用されています。市町では、森林の整備や林業人材の確保・育成、木材の利用促進、森づくりに関する普及啓発、県ではこれらに加え、市町が行う施策の支援に使途が定められております。また、県では、森林環境譲与税を基金に積み立てた上で、各事業を実施しています。令和3年度は約9,600万円が県に分配され、令和4年度も同様の金額とのことであり、県は多くの県民が利用するモデル的な施設の木造・木質化や、人材育成のための林業大学校開設などに活用しているとお聞きしましたが、来年度から森林環境税の課税も始まることから、森林環境譲与税の使途については県民の関心が高まっていると思います。
そこで、県に配分された森林環境譲与税の使途に関して、基金の残高を含む課題や今後の計画、市町に対する具体的支援について、環境森林部長にお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 小野寺一行環境森林部長。
(小野寺一行環境森林部長登壇)
◎小野寺一行 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。水源涵養や災害防止、温室効果ガス削減など森林の持つ様々な公益的機能を維持増進していくためには、森林資源の循環利用を推進していくことが重要であります。このため、県では、森林環境譲与税を活用し、民間施設等の木造・木質化や、林業人材確保・育成の拠点となる栃木県林業大学校の整備を進めるほか、市町が実施する森林経営管理制度の取組等に対し、森林クラウドシステムの開発や研修会の開催、県林業普及指導員による助言などの支援を行っております。また、県に配分された譲与税につきましては令和3年度末で約7割を執行しており、今後の活用に当たっては、森林や林業を取り巻く環境の変化等を踏まえながら、制度の趣旨に即して、未執行分も含め計画的に執行してまいります。さらに、来年度から、森林環境税の課税が始まることから、譲与税の使途等について積極的に情報発信し、県民の理解促進に努めてまいる考えであります。
今後とも、市町や関係団体と連携しながら、森林環境事業税を有効かつ計画的に活用し、本県森林の公益的機能の維持増進が図られるよう、積極的に取り組んでまいります。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ただいま環境森林部長から回答をいただきました。環境森林部長に再質問させていただきます。先ほど申されたように、森林環境税が新たに来年から個別徴収されるわけでありますが、さらに具体的に使途が見える工夫が重要だと私は思います。そこで、どのように具体的に使途を見える化するのかお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 小野寺一行環境森林部長。
◎小野寺一行 環境森林部長 再質問にお答えいたします。森林環境譲与税につきましては、その使途や効果について、毎年度、有識者で構成する事業評価委員会において検証、評価いただき、その結果を県のホームページ等で公表しているところでございます。
今後は、ホームページの内容等のさらなる充実などにより積極的な情報発信に努めながら、県民の理解促進に取り組んでまいりたいと考えております。また、国に対しましては、森林環境税の趣旨や目的につきまして一層の普及啓発に取り組んでいただくよう、引き続き要望してまいりたいと考えております。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ここで要望いたします。森林環境税は国税でありますが、国から森林面積等により分配されるものであると聞いております。ここのところも県民はまだまだ知らないと思います。ぜひ共有化することも大切だと思いますので、分かりやすいPRをお願いいたしまして、次の質問に入らせていただきます。
SDGs、持続可能な開発目標に関連があります食品ロスの対策について、環境森林部長にお伺いいたします。今年も間もなく10月の食品ロス削減月間が始まります。これは、食品ロスの削減の推進に関する法律が令和元年10月1日に施行されたことに基づき、食品ロスの削減に対する理解と関心を深めるための期間であります。本県でも、食品ロスを削減する取組として、宴会等において、開始後と終了前の15分は席を立たないで食事をするとちぎ食べきり15(いちご)運動などを展開しているのは承知しているところです。しかし、このような取組は県民にはあまり知られておらず、食品ロスの機運が高まっていないことが見受けられます。
このような中、我が国では、令和3年度には世界の飢餓で苦しむ人々への食糧支援を年間440万トンしているのに対し、食品ロスは523万トンもある状況になっています。また、本県を見てみますと、食品ロスの総量は年間12.4万トンに上り、内訳として、事業系が7.6万トン、家庭系が4.8万トンとなっております。こうした状況を踏まえ、県は、事業系、家庭系、それぞれの食品ロス削減に取り組む計画を策定しており、具体的な取組として事業系食品ロス削減対策のための実証事業を行ったほか、市町に対して、家庭系食品ロスの実態調査の実施を促し、8市町が実施したと聞いていますが、これらの取組をさらに拡大させていくことが重要であると考えます。
そこで、事業系食品ロス削減対策として実施した実証事業にどのように取り組み、結果はどうだったのか、環境森林部長にお伺いします。また、市町の実態調査の拡大について今後どのように取り組むのか、併せてお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 小野寺一行環境森林部長。
(小野寺一行環境森林部長登壇)
◎小野寺一行 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。食品ロスの削減には、県民一人一人がその重要性を理解するとともに、売れ残りや食べ残しなど、食品ロスの発生原因に応じた対策を講じていくことが重要であります。このため、事業系食品ロスにつきましては、昨年度、宿泊業を対象にデジタル技術を活用した在庫管理や需要予測による仕入れ調整などの実証事業を行った結果、削減に一定の効果を得たところであり、今年度は小売業において同様の実証事業を実施しているところであります。また、家庭系食品ロスにつきましては、地域に応じた個別の対策を講じることが効果的であるため、県では、その発生要因等を市町が十分に把握できるよう、実態調査に係るマニュアルの提供や、先行市町の事例の紹介、専門家による研修会の開催など市町の取組を支援してまいります。
今後とも、市町や関係団体と連携しながら、食品ロス削減への理解促進と効果的な対策を推進してまいります。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ただいま環境森林部長から回答をいただきました。事業系の取組の中で宿泊業を、そして今年は小売業ということで、水平展開をどんどん実施してくれているなということで安心しました。
ここで、保健福祉部長に再質問いたします。食品廃棄物に占める食品ロスは46%にも及びます。そこで、フードバンク活動への支援やフードドライブといった取組も重要であると考えますが、県ではどのようにさらに推進していくのかお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。
◎岩佐景一郎 保健福祉部長 再質問にお答えいたします。企業や家庭などから、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品の寄附を受けまして、生活にお困りの方や福祉施設などに無償で提供しますフードバンク活動につきましては、食品ロスの削減にも資する非常に有益な活動であると考えております。そのため、県では、普及啓発に取り組むとともに、食品ロス削減月間や県民の日記念イベント等の様々な機会を捉えまして、家庭で余っている食品を持ち寄っていただくフードドライブを実施しまして、フードバンク活動団体を通じまして支援が必要な方に提供しているほか、食品の提供を希望する企業等からの寄附の仲介を行っているところでございます。こうした取組を進めながら、引き続きフードバンク活動の啓発促進に努めてまいります。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ただいま保健福祉部長に回答いただきました。ここで要望させていただきたいと思います。やはり食品ロスというものは、小さいときから教育的な指導も必要だと思っております。食べられなくて飢餓で苦しんでいる人の話も含めて、県としてもさらなるものについてお願いします。そして、食品ロスの削減目標が、2018年の12.4万トンに対し、2030年度までに9.9万トンとする20%削減目標を立てて県は計画、実行しておりますが、必ず目標を達成できるよう、小まめな振り返りとフォローをお願いいたしまして、次の質問に入らせていただきます。
第三期県立高等学校再編計画について、教育長にお伺いいたします。県教育委員会は、少子化の進行を受け、生徒数の減少を鑑み、将来を見据え、2004年に県立高等学校再編計画を、2017年に第二期県立高等学校再編計画を策定し、そして、今年の7月に第三期県立高等学校再編計画案を公表しました。予想を超える急激な生徒数減少は学校の小規模化につながり、生徒間の切磋琢磨が薄れ、適正な教員数が配置できなくなるなど教育の質にも影響することから、適正な学校規模の確保は重要であると思います。県内では、伝統ある小学校でも廃校が次々と出ている状況であります。そのため、今回の再編計画はやむを得ない対応であるとは理解できます。しかし、昨今は高校教育に対する社会の要請を踏まえ、時代に合った特色ある教育がますます望まれているところであります。そのような中、今回の再編計画案で示された職業系専門高校の再編については、ものづくり技術者の確保や、介護福祉士の資格取得などが可能な高校が減ってしまうために大きな課題があると思います。今回、私の地元真岡市の県立高校でも、工業系と農業系、そして福祉系の再編計画案が発表されたため、先日、介護福祉課の存続を求める要望書が、真岡市議会や真岡市長、県老人福祉施設協議会から、県教育委員会などに提出されたと聞いております。
そこで、今年7月と8月に県内各8か所で開催された第三期県立高等学校再編計画案の地区別説明会ではどのような意見が出されたのか、教育長にお伺いいたします。また、今年の12月末までに今後の方向性を出すと伺っておりますが、地元地域などの意見や要望等を再編計画に反映するためには、具体的にどのような対応をしていくのか、併せてお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 阿久澤真理教育長。
(阿久澤真理教育長登壇)
◎阿久澤真理 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。第三期県立高等学校再編計画は、生徒数が減少していく中におきましても、高校教育の質を高め、生徒の多様な学習ニーズに対応できるよう、学校の規模の適正化や特色化のさらなる推進等を目的として策定するものであります。地区別説明会では、少子化の中で統合はやむを得ないとするものや、新たな学科、コースのさらなる充実を求めるもののほか、既存の学校や学科の存続を望むものなど様々なご意見をいただきました。特に芳賀地区では、高齢社会における介護人材のニーズ等を踏まえ、介護福祉士国家試験の受験資格が取得できる介護福祉科の存続を求めるご意見を多くいただいたところであります。
今後は、県民の皆様や市町などからいただいた様々なご意見、ご要望等の趣旨を十分に精査した上で検討を進めるとともに、県教育委員会の考え方を地域の関係者の皆様などに丁寧に説明するなど、ご理解を得る努力を重ねてまいります。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ただいま教育長からご答弁をいただきました。いろいろな賛否両論の意見が出たということを承知しました。
ここで、教育長に再質問いたします。計画案では、県の一部の学校では、特例として1学年3学級、または2学級で生徒を募集することとしていますが、この特例校の考え方については計画案どおり維持するのかどうか。また、その理由についてお聞かせください。よろしくお願いします。
○関谷暢之 副議長 阿久澤真理教育長。
◎阿久澤真理 教育長 再質問にお答えいたします。今回の第三期再編計画案におきましては、教育の質の維持・向上を目的として、一学年4クラスから8クラス、4学級から8学級を適正規模としてお示ししたところであります。しかしながら、県の周縁部等で通学の困難な学校などもございますので、そういったところに考慮し、生徒の通学についての配慮をするということも含めて、特例校の考え方は継続したいと考えております。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ただいまご答弁をいただきました。確かに通学困難という方もいると思います。その時々でそういう柔軟な対応をお願いしたいと思います。
次に、要望いたします。先ほどもありましたが、県立高等学校再編には何より丁寧な説明が不可欠であり、それと同時に、地元の声を大切にするということが理解の始まりであると思います。一度廃校すると元にはなかなか戻せませんし、そして、再編が決定したら、廃校後の校舎や校庭などの再利用計画にも速やかな対応が必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後の質問に入ります。県内における信号機の設置について、警察本部長にお伺いいたします。栃木県自転車条例の質問の際にも申し上げましたが、本県は人口当たりの自動車保有台数が全国第2位であります。また、県土面積から見ても、東京都の約3倍を有し、年々道路の新設や改良が行われているところでもあります。このような中、県内25市町ある中で、令和4年度末において県全体では4,358基の信号機が設置されており、年間約10基が新規設置され、県ホームページ等でも紹介されております。また、信号機の更新時期の目安が19年ということから、更新についても年間約200基がなされ、LED化は約70%の進捗とお聞きしています。
しかし、信号機の新規設置に関する要望件数は、令和4年度合計で501件もあり、その中で設置要望を満たす件数は180件あったと聞いております。もちろん国の設置基準を基に優先順位をつけ、計画的に設置していることは理解しておりますが、要望が多い割に、なぜ新規設置件数は年間約10基と少ないのか。1基当たりの工事費を含めた費用は約300万円から800万円と言われておりますが、予算の不足によるものなのか、多くの県民からは要望された信号機が設置されないことに対する不満の声が寄せられています。安全・安心な日常生活を送るために、適切な場所に早急に信号機を設置、管理すべきであります。
そこで、交通事故によって失われる貴い命を守るため、信号機の設置について今後どのように取り組んでいくのか、警察本部長にお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 難波健太警察本部長。
(難波健太警察本部長登壇)
◎難波健太 警察本部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県内の信号機は、先ほど議員からもありましたとおり、令和4年度末現在で4,358基設置しております。県警察といたしましては、真に必要な箇所への設置はほぼ完了したと認識しているところでございます。そのうち更新基準である19年を経過したものが約2割弱を占めているということから、更新に重点を置いて整備を推進しているところでございます。信号機の設置につきましては、国が示す信号機設置の指針に照らし合わせながら、交通量、交通事故の発生状況などを個別に調査分析して必要性を検討しております。その検討に当たりましては、信号機設置以外に取り得る手段として、一時停止などの交通規制による安全確保やポストコーンの設置、環状交差点の導入など、道路管理者の協力による道路環境の改善も視野に入れつつ判断しているところでございます。
県警察では、引き続き、交通情勢の変化に応じて関係機関・団体等と連携しながら、交差点の安全確保に取り組んでまいります。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ただいま警察本部長にご答弁をいただきました。答弁を受け、警察本部長に再質問させていただきます。新しく信号機を設置すると同時に、撤去した信号機数も令和4年度は20か所あるということでありますが、撤去費用はどれぐらいかかり、今後は年間どれぐらい撤去数が予想されるのか。また、現在LED化率は70%と聞いておりますが、あと何年間ぐらいで完了する見込みなのか、お伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 難波健太警察本部長。
◎難波健太 警察本部長 再質問にお答えいたします。信号機の撤去につきましては、地元の住民や道路管理者とも十分調整を図りながら、その他の必要な対策を行った上で推進しておりまして、昨年度は池上正美議員からありましたとおり20基を撤去しておりまして、今年度も同程度の撤去を見込んでいるところでございます。撤去の費用につきましては、1基当たりに何本の信号柱があるかによっても変わりますけれども、信号柱1本当たり約10万円、あとは信号柱の本数次第というところが基本的な費用の見積りでございます。また、信号灯器のLED化でございますが、この信号灯器に使用されていました電球の生産が令和9年度末で終了する見込みと伺っておりまして、これを念頭に、全ての信号灯器をLED化できるように取り組んでまいりたいと考えております。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) ただいま答弁をいただきました。答弁を受け再質問させていただきますが、今話がありましたように、LED化は令和9年には完了するということでありますので、それが終われば同等の費用がかけられるとすれば、新しく設置する信号機は増えるのか再確認させていただきます。
○関谷暢之 副議長 難波健太警察本部長。
◎難波健太 警察本部長 再質問にお答えいたします。LED化に要する費用以外にも、交通安全施設全体で様々な更新等を進めているところでございます。LED化は当面の1つのある意味緊急性のある要素ということで優先的にしておりますけれども、今後またその時々で必要になる交通安全施設の状況を見ながら、その中における信号機の維持管理についての費用をまた見積り、あるいはお願いすることになると考えてございます。
○関谷暢之 副議長 池上正美議員。
(9番 池上正美議員登壇)
◆9番(池上正美議員) 答弁を受けて要望いたします。信号機の新設時には慎重な検討も重要でありますけれども、先ほど申しましたように、交通事故等が起きてからでは遅いと思います。信号機設置基準の見直しを国に働きかけて、県民のさらなる信号機設置の要望に対して、少しでも応えられるようお願いいたします。要望といたします。
以上で予定していました質問は終了しました。今回は、私なりの観点から、県政において少子高齢化を起因とする課題と環境面に関する課題、そして安全に暮らせるための身近な問題を中心に質問させていただきました。政治離れが進む中、もっと政治に対して関心が持てるよう、これからも一県議会議員として分かりやすく、開かれた議会を目指し、執行部の皆様と共に議論を高め合いながら、今後も全力で取り組んでまいりたいと思いますので、引き続きご協力をお願いいたしまして、私の全ての質問を終了させていただきます。
○関谷暢之 副議長 この際、休憩したいと思います。午後1時15分から再開いたします。議事はただいまの継続議事であります。
休憩いたします。
午後0時16分 休憩
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◎柏瀬仁 事務局長 出席議員数を報告いたします。
ただいまの出席議員数は48名であります。
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午後1時15分 開議
○関谷暢之 副議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。大久保ゆみ議員。
(3番 大久保ゆみ議員登壇)
◆3番(大久保ゆみ議員) 皆様、こんにちは。日本維新の会、大久保ゆみと申します。今日は人生初めての一般質問で緊張しておりますが、心を込めて今回の私の質問をしたいと思っております。県の考え方や取組を県民に分かりやすく伝え、県民の声を伝えることで、県民の皆様に県議会を身近に感じてもらいたいと思っております。質問のキーワードは見える、そして伝わるです。それでは、質問に入りたいと思います。
最初に、女性の活躍推進に向けた健康支援(更年期障害へのサポート)について、知事にお伺いいたします。更年期の症状には、ほてりや目まいなど様々なものがあり、女性だけではなく男性にも見られます。症状を有する方の多くを占める女性にとって、体調の転換期の中でも一番大きく激しく変化する、そういう時期と言うドクターもおられるほどです。また、症状が重く、つらい思いをしているにもかかわらず、勤務先等での理解が得られず、最終的には離職するしかなかったという声も聞くなど、現代において深刻な社会問題の一つだと考えます。厚生労働省が昨年3月に実施した更年期症状・障害に関する意識調査では、更年期障害の可能性があると考えている女性は50代で4割、症状がありながら医療機関を受診していない場合は8割という結果で、更年期に対する情報や更年期に対する相談ができる窓口などを必要としている方が非常に多いことが分かります。仕事に就いている、就いていない、管理職の立場にある、ないにかかわらず、更年期障害について、結婚や出産、介護等と同じものと捉え、ライフステージやターニングポイントに応じて必要なサポートをしていくことは、女性活躍推進の視点からもとても大事な取組だと思います。
鳥取県では、まさに先月、更年期障がい相談支援センターとして、県内の複数の医療機関内に更年期障害の相談窓口を設置し、主な役割として標準的な治療では安定しない患者等の診断、治療、管理等を行うなど、積極的な支援を開始いたしました。更年期について社会の理解や啓発が進み、関係機関の支援体制が整備できれば、女性も男性もより能力を発揮しやすくなると思います。
折しも、本県では、今年6月にG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合が開催され、日光声明も採択されました。今がまさに、男性も女性も、仕事でも、日常生活においても、いつまでも生き生きと活躍できる社会の実現、そして男女共同参画、女性活躍を一層推進させるため、県が率先して取り組むべきいいタイミングではないでしょうか。
そこで、女性活躍推進に向けた健康支援の一つとして、事業所等への働きかけも含め、更年期について社会の理解が進むような取組や、つらい症状、思いを抱える方を支援する仕組みづくりをしていくべきだと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 福田富一知事。
(福田富一知事登壇)
◎福田富一 知事 ただいまの大久保ゆみ議員のご質問にお答えいたします。女性活躍の推進に向けましては、ワーク・ライフ・バランスや、家事、育児の分担の促進など、女性が能力を発揮しやすい環境づくりに加え、年齢に応じた健康の維持、増進への支援も重要であります。特に更年期は、女性ホルモンの減少に伴い様々な心身の症状が現れる時期であり、役員や管理職として活躍が期待される年代でもありますことから、女性があらゆる分野でリーダーシップを発揮するためには、社会における一層の理解促進が必要であると考えております。こうしたことから、県におきましては、思春期から更年期に至る女性の様々な不安や悩みに対応するため、市町や医療機関と連携し健康相談事業を実施するほか、毎年3月の女性の健康週間において普及啓発を行うなど、女性のライフステージに応じた切れ目のない支援に努めております。さらに、仕事と健康の課題との両立に積極的に取り組むよう企業等に働きかけるとともに、女性の健康保持・増進も含め、従業員の健康づくりに積極的に取り組む事業所を、とちぎ健康経営事業所として認定するなど、職場の環境整備等を推進しているところであります。
また、過日、国において、更年期障害などの働く女性の健康問題に関する調査を実施し、女性が安心して働ける職場環境づくりにつなげていくとの報道がなされたところであり、今後、国の動向を注視し、情報収集に努めてまいります。
日光声明を踏まえ、本県の女性活躍の取組を加速するためには、健康の支援は重要でありますことから、今後とも女性の健康課題に対するきめ細かな相談支援に努めるとともに、社会全体の理解促進を図ってまいります。
○関谷暢之 副議長 大久保ゆみ議員。
(3番 大久保ゆみ議員登壇)
◆3番(大久保ゆみ議員) ただいま知事からご答弁いただきました。栃木県も、ライフステージに合わせた支援をされているということです。これからもさらに支援をしてほしいと思っております。
ここで再質問させていただきます。県庁でもたくさんの職員が勤務され、更年期を迎えて症状が出始めたり、仕事を続けられるかなどの悩みを抱えている方もいらっしゃるかと思います。県がまず率先して前向きに取り組む姿勢を見せるという観点からも、まずは、職員の方々へのサポートをしていくことが大切かと考えますが、経営管理部長に所見をお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 仲山信之経営管理部長。
◎仲山信之 経営管理部長 再質問にお答えいたします。本県では、女性職員の割合が30%を超えますとともに、管理職へ登用される女性職員が増加しており、更年期障害による心身の不調を抱える職員も少なくないものと想定されます。そのため、令和4年度から職員を対象としまして、更年期障害をテーマとします研修会を実施し、更年期障害の原因や症状、対応方法などにつきまして理解促進に取り組みますとともに、適宜、職員健康管理センターにおきまして、保健師による相談対応を行っているところでございます。今後とも、職員が更年期障害によります心身の不調に適切に対応し、職場においてより一層活躍できますように研修や相談等を行いまして、職員の健康管理に努めてまいりたいと考えております。
○関谷暢之 副議長 大久保ゆみ議員。
(3番 大久保ゆみ議員登壇)
◆3番(大久保ゆみ議員) 経営管理部長からご答弁いただきました。なかなか女性が更年期障害であることを自分で伝えることは難しい状況があると思います。その中でも、このように研修していただくことによって、男性の理解が少しでも広がるような社会が県からできるようになったらいいなと思っております。更年期の更という文字を幸せの幸に置き換え、男女がそうした年齢を迎えても生き生きと活躍できるような社会に変えられたらすばらしいと思います。これからの社会に絶対に女性の働く力は必要です。前向きな取組をお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。
子ども総合科学館の屋外部分を含めたリニューアルについて、
生活文化スポーツ部長にお伺いいたします。動物、植物、星空などの自然、エネルギー、通信などのテクノロジー、子供たちは目の前のことに、なぜ、どうしてと疑問を持ちます。ネット動画やテレビ番組で得られるような情報だけではなく、テレビやゲームとはまた違った体験ができる場所が必要です。そうした子供たちのなぜに答えてくれ、ふだんとは異なる体験ができる、それが博物館や科学館です。実際に見たり、触れたり、体で感じながら科学を体験できる科学館の魅力、そして親子で楽しむためのコツなどを教えてくれます。
私も小さい頃、栃木県子ども総合科学館に行ったことがあります。記憶のままの、あの当時のままの展示物もあり、懐かしさを感じる施設です。現在、同館は今後一旦休館し、2025年秋にはリニューアルオープンするということで、私も大変楽しみにしております。
さて、先日、同館を訪問いたしました。屋外を中心に見て歩いたのですが、水遊びのできる屋外の噴水広場がしばらく利用できないなど、少し気になったところも幾つかございました。再来年秋のリニューアルオープンには、屋外も改修し、より使いやすく、より親しみやすい施設として、子供たちはもちろん、乳幼児連れの家族や高齢者まで多世代が利用し、楽しめる施設になってほしいと思っております。
そこで、今後、栃木県子ども総合科学館のリニューアルについて、屋外部分の改修も含め、どのように整備していくのか、
生活文化スポーツ部長にお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 野原恵美子
生活文化スポーツ部長。
(野原恵美子
生活文化スポーツ部長登壇)
◎野原恵美子
生活文化スポーツ部長 ただいまのご質問にお答えいたします。栃木県子ども総合科学館は、昭和63年の開館から35年が経過し、一部の展示やプラネタリウムに陳腐化、老朽化等が生じておりますことから、施設の長寿命化工事等と併せて展示などの更新を行うことといたしました。更新に当たりましては、幅広い世代の方々に満足していただけるよう、体験型を重視し、AI等の新たな技術も活用するなどして多彩な展示といたしますとともに、県内企業との連携・協力による展示など栃木県らしさも取り入れてまいりますほか、プラネタリウムにつきましては、高精細で美しい星空番組の投影を実現するため最新の設備などを導入してまいりたいと考えております。また、車椅子の方や未就学児でも展示を体験できますよう工夫するなど多様な利用者に配慮いたしますほか、屋外では、現在の噴水施設を撤去し、障害の有無や種別、年齢を問わず、一緒に楽しんでいただける遊具を新たに設置いたします。休館中もアウトリーチ活動を行うなど栃木県子ども総合科学館を積極的にPRいたしまして、屋内、屋外ともにリニューアル後の利用者数の増加につなげてまいります。
○関谷暢之 副議長 大久保ゆみ議員。
(3番 大久保ゆみ議員登壇)
◆3番(大久保ゆみ議員)
生活文化スポーツ部長よりご答弁いただきました。35年もたったのだなと改めて感じて、最新の機械が入ることをとても楽しみにしております。
幾つか要望させていただきます。現在の栃木県子ども総合科学館の東側にあるロケットは遠目からも目に入るものの、東側の主要地方道を通行時には、ここが栃木県子ども総合科学館なのだとはっきり分かるような看板等はございません。そこでぜひ、リニューアルから期間が経過しても、県子ども総合科学館へ行こうと思わせるような誘客の仕組みや、周辺から同科学館がより分かりやすくなるような看板の設置などのご検討をお願いいたします。
また、通称ですが、栃木街道沿いでもあるため、私も時折その道を通りますが、第3駐車場に車が止められていることをあまり見たことがございません。十分に使われていないというのが率直な印象ですので、何か工夫をしてほしいと思っております。また、本館のリニューアルに合わせて、AEDの設置場所や、広い敷地を移動させるために使える電動自転車等の導入などについても前向きにご検討いただくよう要望いたします。リニューアル後は、先ほどの第3駐車場も満車となるほど、県内外の幅広い年齢層のたくさんの方々が訪れ、学び、遊び、にぎわい、交流の場として愛される施設となるよう願いながら、次の質問に移りたいと思います。
防災意識の向上と行動変容に向けた取組について、危機管理防災局長にお伺いいたします。先日の台風13号では、千葉県や茨城県で大きな被害が発生したほか、今月初めには、県内各地で記録的短時間大雨情報が出されるなど、近年、自然災害が頻発し、激甚化しております。災害から自らの命を守るためには、日頃から防災についての意識を持つことが大変重要ですが、今年は関東大震災から100年目の節目の年でもあり、メディアでも災害への備え等についての発信が増えている状況を生かして、これを一過性のものとせずに、県民一人一人が防災について考え、災害に備える機会とすることが必要だと考えます。
今月公表された令和5年度の栃木県政世論調査の地域防災についてという項目を見ました。災害への備えについて、「特に何もしていない」と答えた人は、昨年度とほとんど変わらず1割以上おりました。また、防災訓練の参加状況では、「参加したことはなく、今後も参加したいとは思わない」と答えた方が20.5%、「1度は参加したことあるが、また参加したいとは思わない」という回答が13.5%という状況でした。いざというとき、これで大丈夫なのかと心配になる結果で、県として何かしら手を打たなければならないと強く思いました。
このため、子供からお年寄りまで幅広い年齢の方々や様々な職種等の方々が防災意識を持ち、いざというときに命が助かる行動が取れるよう、防災訓練等も、防災訓練を実施しますから参加してくださいというような直接的な呼びかけではなく、地域イベントやお祭りなどのイベントとセットにして、ゲームを盛り込むなどして、より楽しい、より親しみやすい参加しやすいものとなるよう工夫していくべきだと思っております。
そこで、県は、県民の防災意識の向上と行動変容に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、危機管理防災局長にお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 渡辺順一危機管理防災局長。
(渡辺順一危機管理防災局長登壇)
◎渡辺順一 危機管理防災局長 ただいまのご質問にお答えいたします。災害から命を守るためには、県民一人一人が日頃から防災への関心を高め、災害リスクを認識した上で、適時適切な避難行動を取ることが重要であります。このため、県では、県公式LINEを活用したハザードマップや避難所などの防災に関する情報発信や、県民の日イベントに合わせて開催しましたとちぎ防災・減災フェアにおきまして、起震車による地震体験やクイズラリーなどを実施したほか、防災の日の9月1日から、若者世代をターゲットに、クイズ形式で防災を学べる啓発動画をユーチューブで公開するなど、県民の防災意識の醸成に取り組んでおります。さらに、防災意識の高まりを具体的な行動につなげるため、県民自らが、地域の被害想定や避難経路等を確認しながら進める地区防災計画の策定や、ゲーム感覚で行う災害図上訓練を取り入れるなど、実践的な訓練の実施について支援してまいります。
今後とも、各種取組に工夫を加えながら、県民の主体的な避難行動に資するよう、防災意識の一層の高揚を図ってまいります。
○関谷暢之 副議長 大久保ゆみ議員。
(3番 大久保ゆみ議員登壇)
◆3番(大久保ゆみ議員) 危機管理防災局長にご答弁いただきました。防災への関心をもっと県民の皆さんに持ってもらいたいと思いながら、この前ユーチューブを拝見いたしました。とても面白かったので、子供たちに伝わったらいいなと思います。
答弁を受け、私から要望させていただきます。防災運動会というものが私の提案です。地産地消という言葉があると思うのですが、地産地防という言葉も最近よく耳にいたします。運動会に防災知識を取り入れた新しい運動会のことを言うようです。運動会の楽しさを残しながら防災に関する知識や知恵を身につけ、自分で助かる、他人を助けることの大切さを体験しながら学べるというものです。それだけではなく、地域や周囲、環境によっても対策が変わってくると思います。栃木県のオリジナルのカスタマイズをした防災の運動会があってもいいのではないかと思っております。子供たちに一方的に防災知識、情報を伝えるのではなく、体験して感じてもらうことが必要だと思います。私も防災士という立場から積極的に取り入れてほしいと思っております。
先日、とちぎテレビのニュースでありました。さくら市で、小学生約100人が東北福祉大学の学生たちと、災害時の助け合いを学ぶことのできる減災運動会というものを行っておりました。それはゲームを交えて行っておりました。ぜひこのような取組も県全体で積極的に進めてほしいなと思います。
それでは、次の質問に入りたいと思います。県有施設への太陽光発電設備の設置と今後の展開について、環境森林部長にお聞きいたします。今年の夏は県内でも連日猛暑日が続き、各地では7・8月の猛暑日の日数が観測史上過去最多を更新し、災害級の暑さへの注意が呼びかけられる中、熱中症で救急搬送される方も多く、悲鳴を上げたくなるような状況でした。地球温暖化を超えて、地球沸騰化という言葉も聞かれるようになりました。その原因は私たち自身にあることを改めて考えることが何よりも必要であり、その本質を見詰め、私たちの行動を変えるべきで、カーボンニュートラル、脱炭素の取組は、本来全世界が一致団結して、我々の地球を守るために最優先で取り組むべき課題だと考えます。
こうした中、県庁では既に、とちぎ県庁ゼロカーボンプロジェクトアクションプランに取り組まれ、庁舎以外の県有施設でも太陽光発電設備の設置を進められていると聞きました。太陽光発電は再生可能エネルギーの代表格であり、ほかのグリーン電力に比べても、設置に係る事業費が比較的安く、リードタイムも短いほか、災害時の非常電源として使える等のメリットもあり、2030年の目標達成の主力とも考えられるものです。大規模排出事業者である県が率先垂範し、県有施設への設置を積極的に進め、その進捗状況や導入効果等を見える化することにより、市町のほか民間業者を含めた県全体に波及させることで、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組のスピードアップにつながると思います。
そこで、これまでの県有施設への太陽光発電設備の設置、そして今後の展開について、設置手法や民間に波及させるための工夫等も含めて、環境森林部長にお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 小野寺一行環境森林部長。
(小野寺一行環境森林部長登壇)
◎小野寺一行 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、カーボンニュートラルの実現に向けて、とちぎ県庁ゼロカーボンプロジェクトアクションプランに基づき、県有施設への太陽光発電設備の設置や照明のLED化、公用車のZEV化などを計画的に進めているところであります。また、太陽光発電設備につきましては、災害時のレジリエンス強化にもつながることから、防災拠点となる庁舎等を中心に、これまで50施設に設置してまいりました。今後は、2030年度までに設置可能な県有施設の50%以上、さらに、2040年度までに100%設置することを目標として、PPAモデル、いわゆる初期費用不要のゼロ円ソーラーなど、新たな導入手法も活用しながら効率的に進めてまいります。また、事業者等への波及につきましては、太陽光発電設備の導入支援とともに、設置による電気料金やCO2の削減効果等を明らかにし、県内事業者や市町等が参加するフォーラムなどで紹介するほか、とちぎ気候変動対策ポータルサイト等を活用した情報発信に努めてまいる考えであります。
今後とも、県有施設の太陽光発電設備の導入拡大を通じて、カーボンニュートラルの実現に積極的に取り組んでまいります。
○関谷暢之 副議長 大久保ゆみ議員。
(3番 大久保ゆみ議員登壇)
◆3番(大久保ゆみ議員) 環境森林部長にご答弁いただきました。こんなにたくさんの施設に太陽光発電設備の設置がされているということを改めて感じることができました。そして、2030年には50%、最終的には、2040年には100%ということで、とても期待しております。ご答弁を受け、せっかくの取組です。これをもっとあちこちでアピールをしていただきたいなと思っております。その取組が企業や県民に広く知られることで、皆が自分事として、脱炭素に向け行動するようになればと願いながら、次の質問に移りたいと思います。
持続可能な交通安全施設の整備についてお伺いいたします。私が県議会に出勤する際の主な交通手段は、自転車とバスと徒歩です。現在、車の免許取得中であるため、以前にも増して信号機や道路標識に目が行くようになりました。宇都宮市内の私の住む町には最新の信号機があちこちに使われているように思います。そして、かなりスリムになったなと、そしてスタイリッシュで、近未来型のデザインだなと感じることがあります。一方で、ここでは必要ないのでは、大分古くなっているのではと思うものも何個かございます。先ほど池上正美議員の質問でもありましたが、県内に相当数の信号機や交通標識がありますが、どのように維持管理や更新がされているのでしょうか。
本格的な人口減少や人口の偏在等による住環境や交通事情の変化も踏まえ、信号機をはじめとした交通安全施設の整備の仕方も考えなくてはならないと思いますし、持続可能なインフラメンテナンスの実現を目標とした長寿命化計画を策定している道路施設や公共施設等と同じように、長寿命化や持続可能な整備計画が策定されている道路や橋梁、公共施設等と同じように、今後の整備については万全の交通安全を確保しつつ、限られた予算の中でより有効に活用していただき、持続可能な整備をしていく必要があると思います。
他県では、千葉県や愛知県などで持続可能な交通安全施設の在り方を取りまとめているところもあるようです。栃木県はどのように考えているのか気になるところです。
そこで、これからも必要な交通安全施設がきちんと更新整備されていきますよう、持続可能な整備についてしっかり検討すべきと考えておりますが、現在の更新等の考え方や基準、そして、今後の整備方針等について、警察本部長にお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 難波健太警察本部長。
(難波健太警察本部長登壇)
◎難波健太 警察本部長 ただいまのご質問にお答えいたします。信号機や道路標識などの交通安全施設につきましては、その機能を維持し、安全で円滑な交通を確保するため、国の方針に基づき、栃木県の交通信号機維持管理計画を策定するなどして、持続可能な交通安全施設の整備に努めているところでございます。例えば信号機につきましては、設置後19年を経過したものを更新対象としておりますが、該当するものは県内に800基以上存在することから、計画的に更新を進めるとともに、必要性の低下した信号機の撤去も進めております。道路標識につきましても、設置後30年を経過したものや、30年を待たず劣化したものにつきましては、速やかに更新して適正な管理に努めております。
引き続き、交通安全施設に係るトータルコストの縮減なども含めまして、持続可能な交通安全施設の整備に努めてまいります。
○関谷暢之 副議長 大久保ゆみ議員。
(3番 大久保ゆみ議員登壇)
◆3番(大久保ゆみ議員) 警察本部長にご答弁いただきました。今現在、設置後30年以上の古くなってしまった交通安全施設が、少しずつですが更新されているということ、そして、まだ800基以上これから更新の計画があるということ、これからも私たちの安心と、そして安全を守っていただきますようご要望し、次の質問に移りたいと思っております。
関係機関等と連携した適時適切な性教育の実施について、教育長にお伺いいたします。栃木県でも様々な性に関する問題が起きていると思います。その原因は様々だとは思いますが、本県のここ数年の20歳未満の1年間の人工妊娠中絶件数は150件前後であり、1,000件を超えていた平成12年、平成13年と比べればかなり減少した印象はあるものの、決して少なくはありません。日本での性教育はやんわりと遠回しに伝えることが多い傾向があり、その結果、きちんと子供たちに意図が伝わっていないのではないかと懸念しております。発達途上にある子供たちの一時的な興味本位の行動から起こされる失敗が一生に影響を及ぼすことのないように、予防手段や緊急手段を理解し、行動することができるよう、学校における適時適切な性教育が実施されるべきだと思います。この問題につきましては、6月通常会議におきまして、野村せつ子議員も同様の質問をされました。私は大学の教員でありましたので教育現場に立つ一人として質問させていただきます。
島根県では、平成24年に教育委員会が性教育の手引を作成し、さらに学校保健推進基本計画をつくり、その中の5つの重点課題の中の一つに、性に関する指導の推進を盛り込みました。また、滋賀県では元教員が、望まない妊娠や性被害、性加害に行き着く前に、地域で気軽に子供から大人が立ち寄って学べる場が必要だと中学校等で講演活動を行い、現在は全国展開をしています。青森県では、何年も前から教育委員会が産婦人科医を校医として委嘱し、そして県立高校では、地区ごとに委嘱された複数の産婦人科医が、性教育講演や性に関する相談などに対応しているという現状もあります。
中学校の学習指導要領では、妊娠の経過は取り扱わないとするなど、いわゆる歯止め規定があるため、学校で教えられる内容には限界があるとのことですが、他県では、今述べたような積極的な取組もされており、子供たちがSNS等からの間違った情報によって、心や体が傷つき、子供たちが夢を持ってやりたいことをやれる将来を潰してしまわないように、自らの命を大切にし、健やかに成長してほしいと願うとともに、そのためには、性に関する指導を改めて考え直さなければいけないと強く思います。
性教育は家庭教育の一環でもあり、毎日関わる保護者が子供の発達年齢に応じて適切に支援する必要があるとも思っております。保護者には、学習指導要領の歯止め規定というものは適用されないと思います。講演等をする場合も、その内容はおのずと広がるはずです。また、産婦人科医や助産師会、看護系大学等、いざというときに相談先にもなる母子保健や児童虐待に関わる保健福祉分野の現場を知る専門家たちも含め、関係機関等もふだんから情報共有し、十分に連携しながら進めていくべきと考えます。
そこで、関係機関等と連携した適時適切な性教育の実施についてどのように取り組むのか、教育長の所見をお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 阿久澤真理教育長。
(阿久澤真理教育長登壇)
◎阿久澤真理 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。メディアの発達などにより、性に関する多様な情報があふれる現代におきまして、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切に行動するためには、学校と家庭が連携して取り組んでいくことが重要であります。このため、授業における教科指導を基本としながら、SNSなどの利用に係る情報モラルについての講話の実施や、デートDVを正しく理解し、対等な関係を築くことを目指した指導資料の作成などに取り組んでまいりました。また、産婦人科医等の専門家による講話や、助産師会等と連携した思春期の子を持つ保護者を対象とした講座を、これまでも県立学校等で実施してきたところでありますが、今後とも、これらの講座等の充実に加え、保護者のさらなる参加についても促進してまいります。
引き続き、関係機関等と連携し、児童生徒が自他を尊重する態度を身につけ、適切に行動することができるよう、性に関する指導の充実に努めてまいります。
○関谷暢之 副議長 大久保ゆみ議員。
(3番 大久保ゆみ議員登壇)
◆3番(大久保ゆみ議員) ただいま教育長からご答弁をいただきました。学校と家庭も連携して、そして産婦人科医からの指導もあるということをお話しいただきました。少し調べてみたところによると、産婦人科医にお任せという状況があるような気がします。県内全域で内容の統一がされたら、さらに浸透するのではないかなと思っております。
要望させていただきます。現代の子供たちに必要な正しい情報を、必要なタイミングで伝えることがまだまだできていない状況に歯がゆさを感じます。子供たちが望まない妊娠や性被害、性加害などの深刻な状況に行き着く前に、また、まだまだ未熟な子供たちが地域で気軽に立ち寄って学んだり相談したりできる場が必要だと思います。子供たちが間違った情報によって自分を責めたり傷ついたり、1人で悩みを抱えたりすることがないよう、栃木県としても教育委員会が県庁内や外部の関係機関としっかり連携していただき、適時適切な性教育を実施していただくよう要望いたします。
昨日、群馬県では県庁の中で教育委員会が後援し、性教育フェスタというものが行われました。ぜひ親と子で勉強できるものを県庁内でも取り入れていただけたらなと思います。要望いたしまして、次のケアリーバーへの支援についての質問に入ります。
昨年の児童福祉法の改正により、児童養護施設や里親家庭で育つ若者の自立支援に関し、原則18歳、最長22歳までとなっている年齢の上限が撤廃され、来年4月から施行されます。高校卒業などを機に児童養護施設や里親家庭等を措置解除となる若者をケアリーバーと呼びますが、自立の準備が不十分なまま社会的養護を離れるケアリーバーは、困窮や孤立に陥りやすく、これまでの18歳で自立支援を打ち切る制度は18歳の壁と呼ばれていました。厚生労働省が令和3年に実施した初の全国実態調査では、3人に1人が生活費や学費の悩みを抱えていたということが分かり、困窮のため医療機関を受診できなかったという若者も目立ちました。また、令和2年度の東京都の実態調査では、退所直後に4割が就職するものの、最初の職場を既に辞めているという人が約6割、うち半数は1年未満で辞めており、5人に1人が赤字生活に陥っていました。さらに、通院している診療科は、心療内科や精神科がともに4割を超えております。5年前の調査より2割近くも増えていました。
この2つの実態調査からも、ケアリーバーの過酷な実態がよく分かります。これまでも例外の措置として22歳まで在籍を延長できる仕組みはあったものの、積極的に利用されてこなかった背景としては、施設の定員、そして職員の不足などの問題があると聞きます。また、改正法ではケアリーバーが相談できる拠点の設置も盛り込まれましたが、既に県内の相談拠点となっていますとちぎユースアフターケア事業協同組合がありますが、利用状況や財政基盤等の面から、今後、十分にその役割を果たせるかもまだ気になっているところです。
そこで、今回の法改正を踏まえ、県として今後どのようにケアリーバーを支援していくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。
(岩佐景一
郎保健福祉部長登壇)
◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。本県では、平成25年に県の呼びかけによりまして、児童養護施設、自立援助ホーム、里親団体が出資しまして、ケアリーバー支援のための組織としまして、とちぎユースアフターケア事業協同組合を立ち上げたところでございます。その取組は、生活・就労相談、生活資金の貸付け、ケアリーバーの相互交流の場であるサロンの開催など多岐にわたっており、昨年度の実績は、生活相談462件、就労支援583件に上っております。また、同組合は、県からの委託費のほか、県内の企業や個人からの寄附によって運営されておりまして、引き続き、活動の周知に取り組んでまいります。
国は、来年4月に施行される改正児童福祉法の下、ケアリーバー支援を一層充実する方針としておりまして、県としましては、引き続き里親や施設、関係団体等とも連携を図りまして、ケアリーバー支援のさらなる充実に努めてまいります。
○関谷暢之 副議長 大久保ゆみ議員。
(3番 大久保ゆみ議員登壇)
◆3番(大久保ゆみ議員) 保健福祉部長からご答弁いただきました。現在は462件、583件、委託費や寄附もありながら支援されているということで、私も改めてもう少し勉強したいなと思っているところですが、ここで再質問させていただきます。ただいま、とちぎユースアフターケア事業協同組合の運営は県からの受託収入と寄附というご答弁がありましたが、運営状況はなかなか厳しいものと思います。ケアリーバーへの支援を少しでも充実させるためには、さらなる社会的認知度の向上が必要だと考えます。埼玉県では、社会的養護を応援する民間の会社社長の働きかけで、県の児童養護施設退所者等アフターケア事業を受託運営している一般社団法人と飲料メーカーの共同事業によって、自動販売機の売上げの一部を基金としてケアリーバーの就労や自立支援活動費に充てる基金寄附型の自動販売機が設置されました。「施設等を巣立った若者たちを応援します」といったテーマがラッピングされている自動販売機です。ケアリーバーを温かく支援する輪が広がるようにするためにも、厳しい現状を含めて理解が進むよう、社会的認知度を高めていく必要があると思いますが、保健福祉部長の見解をお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。
◎岩佐景一郎 保健福祉部長 再質問にお答えいたします。ケアリーバー支援の重要性につきましては、各種報道等によりまして徐々に社会的認知度が向上してきていると考えておりますが、まだまだ十分とは言えないと認識してございます。とちぎユースアフターケアでは、広報誌の発行やホームページの更新、各種イベントへの参加などによりまして、活動状況のPRに努めております。県といたしましても、機会を捉えまして、企業等へのケアリーバーへの支援の重要性の周知に努めているところでございまして、その結果として寄附につながるなどの成果も出てきているところでございます。
今後も、国の動向や他県の新たな取組などにも注視しながら、引き続き関係機関と緊密な連携の下、ケアリーバー支援の重要性についての周知に取り組んでまいります。
○関谷暢之 副議長 大久保ゆみ議員。
(3番 大久保ゆみ議員登壇)
◆3番(大久保ゆみ議員) 保健福祉部長からご答弁をいただきました。繰り返しにはなりますが、ケアリーバーを取り巻く環境は非常に厳しく、社会に出た後、短期間で失職し、その後行方が分からないという事例もあり、国の調査では施設や里親が所在を把握できていないケアリーバーが約7割に上るという状況にあります。施設等退所後も切れ目のない支援がしっかりとされるよう要望して、次の質問に移らせていただきます。
最後に、障害者優先調達のさらなる推進について、保健福祉部長にお伺いいたします。私の知人には、障害のある方も多くおります。いろいろな相談をされることがありますが、その中でも雇用の問題を挙げる方が多いように感じます。いわゆる障害者優先調達推進法とは、障害者就労施設で就労する障害者や、在宅で就業する障害者の経済面の自立を進めるため、国や地方公共団体、独立行政法人など、公的機関が物品サービスを調達する際に、障害者就労施設等から優先的に、そして積極的に購入することを推進するため、平成25年4月に施行されました。そして、県では、毎年、栃木県障害者優先調達推進方針を策定し、調達目標額を定めて、目標達成に向けて鋭意取り組まれております。
しかしながら、昨年度のように、いちご一会とちぎ国体や全国障害者スポーツ大会などが開催され受注が多かった年もあれば、終了後の今年度のように受注がぐっと少なくなる年もございます。年度によっては波があるため、障害者の雇用も不安定になるとのことでした。私はこの障害者優先調達推進法を活用して、障害者の雇用を安定させることができないかとずっと考えておりました。そうした中、約10年前に、栃木県のある町において、障害者就労施設で製造したパンを学校給食用のパンとして納めてもらうということを決め、ほぼ毎日給食用として安定した供給ができたという事例を聞きました。障害者の雇用に柱ができ、安定したというすばらしい取組を知ることができました。このように、学校給食等のパンを、福祉作業所や障害者を積極的に雇用する工場などから調達することができれば、一定の収入が安定して確保できるようになるのではないでしょうか。
そこで、障害者優先調達のさらなる推進に向け、県内市町に働きかけるなど、障害者の経済的な自立を図るために県として先導していくべきだと考えておりますが、保健福祉部長の所見をお伺いいたします。
○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。
(岩佐景一
郎保健福祉部長登壇)
◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、障害者優先調達推進法に基づきまして、毎年、障害者優先調達推進方針を策定しまして、全庁を挙げまして障害者優先調達の推進に取り組んでいるほか、市町に対しましても、速やかに方針を策定するよう働きかけを行っております。市町におきましては、物品購入や業務委託等を中心に障害者優先調達の推進に取り組むほか、一部の市町では小中学校や保育施設で、給食食材、おやつ等を就労支援事業所から購入しております。県では、今年度も引き続き、とちぎセルプセンターを核としまして、県内各地の施設において生産した商品を販売するとちぎナイスハートバザールを開催するほか、市町や関係機関へ積極的な優先調達の推進と販路拡大に取り組むよう働きかけを行っております。
今後とも、関係機関と連携しまして、地域資源の活用や需要に合ったサービスの提供、開発を図りながら、さらなる優先調達の推進に取り組んでまいります。
○関谷暢之 副議長 大久保ゆみ議員。
(3番 大久保ゆみ議員登壇)
◆3番(大久保ゆみ議員) 保健福祉部長からご答弁をいただきました。今現在では、とちぎセルプセンターなども活用し、そして市町の中でも企画が少しずつ進んでいるように思えました。そして、おやつなども調達していただけるということは非常にありがたいと思いました。しかし、調達していただくのはありがたいのですが、切れ目のない支援というよりも定期的な購入が、例えば毎月この額という予算がある程度決まっていれば、障害者の雇用も安定するのではないかなと思いますので、さらなる支援をお願いいたします。
そして、最後に、要望させていただきます。県内には、県立の特別支援学校が複数ありますが、この学校給食用に福祉施設等のパンを採用することがもしできれば、福祉施設等には特別支援学校の卒業生が働いている場合もあり、後輩たちに自分たちが作ったパンを食べてもらえる、先輩たちが作ったおいしいパンを食べられるという経験は、お互いにプラスになると思います。できれば全国全ての小中学校に導入していただきたいところですが、それはなかなかうまくいかないと思いますので、まずは一つ一つ少しでも前に、ぜひ前向きに検討していただくよう要望いたします。
私の最後のまとめをさせていただきます。今回は見える、そして伝わる、分かる、つながる、広がるをテーマに、その中で、見えると伝わるを大きなキーワードとさせていただきました。県の考え方や取組を県民に分かりやすく伝えて、身近に感じてもらいたい。それが私の思いです。今回は共に栃木県の未来を一緒につくっていけるようにという目標を持ち、質問させていただきました。今回、県が率先して進めることにより、市町の管轄の小中学校への私だけの質問ではなく、率先垂範、県が率先して行動してくださるようお願い申し上げて、全ての一般質問を終了させていただきます。
○関谷暢之 副議長 この際、15分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。
休憩いたします。
午後2時10分 休憩
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◎柏瀬仁 事務局長 出席議員数を報告いたします。
ただいまの出席議員数は50名であります。
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午後2時30分 開議
○佐藤良 議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) 皆さん、こんにちは。とちぎ自民党議員会の渡辺幸子です。このたび、私にとっては4回目の統一地方選挙を終えて初めてとなる一般質問の機会をいただきました。最初の3問では、県の大きなビジョンや政策に関して、次の3問は、選挙期間中などにいただいてまいりました県民の方々の声を中心に、結婚から出産、子育て、教育などについて、そして最後に、地元宇都宮市内での移転が検討されている県立図書館等について、計7問となっております。先週会派を代表いたしまして山形修治議員が質問されました内容やその答弁を踏まえるとともに、過去に提言してきたことの確認も含め、早速質問してまいりたいと思います。60分間と大変短い時間ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、知事が目指す10、20年後の栃木県の姿とグランドデザインについて、知事にお伺いいたします。本県の将来の姿に関する総合的な計画というと、とちぎ創生15(いちご)戦略及びとちぎ未来創造プランの2つがあります。とちぎ創生15(いちご)戦略は、2014年、まち・ひと・しごと創生法により、国と地方が人口減少などの危機感を共有しようと全国的に各自治体で策定された総合戦略のことです。それぞれKPI、成果指標を掲げ、その目標達成に向けた評価を毎年実施し、現在は8年目になります。もう一方のとちぎ未来創造プランですが、これはその時代にもよるのですが、おおよそ三、四年ごとに県が独自に策定してきた県の計画です。今、手元に昭和37年の県政振興長期計画という計画があるのですけれども、これが一般公開ができる最も古い資料になるそうで、そこから数えて現在はおよそ60年目になります。県はこの戦略とプランの下、目指す栃木県の将来像の実現に向けて大いに努力を重ねてきましたし、私たち議員も策定前から今日に至るまで、様々な提言を続けてまいりました。
しかし、本県の合計特殊出生率は昨年データで1.24と過去最低値を3年連続で記録、婚姻率についても基準値からの上昇を目指していたところ下降してしまったということなど、厳しい現状は受け止めなければなりません。理由に、コロナ禍での制約なども考えられ、とちぎ未来創造プランの目標値は見直しをするとお聞きしました。また、2026年度からとちぎ創生15(いちご)戦略と、とちぎ未来創造プランを一本化する方針が示されているところです。私は、一本化される次の戦略やプランの策定に当たって重要なことはたくさんあるのですけれども、最も大きな根本的な2つのことがあると思っています。
1つは、成果指標の設定によって管理、評価する手法にとどまらず、選択と集中の中で、改めて十、二十年後の理想の姿を踏まえ、その上で、知事のポリシーなどから成るグランドデザイン、大きな枠組みとか方針とかコンセプト、原則、ポリシー、そういったものを知事が政治的に主導して描いていくということです。ここの前提が強くあれば、そのために設定されたKPIや目標値を達成することによって、確実に政策自体に実効性が伴うわけです。そうでないと、KPIや目標値と目指す姿、この目標値と目指す姿の結びつきというのも弱く、また、逆にKPIは達成したけれども、実際に目指す姿にはなっていないということにもなりかねません。
2つ目は、その上で、十、二十年後の理想の姿を県民にも分かりやすく伝え、共有していくことです。このことで、その姿に向かって、各地域や団体、企業、県民一人一人が自ら取り組もうという自発的なアクションにつながり、その結果、KPI、成果指標がどんどん加速度的に達成されていく、その中で一体感も醸成される、そういったポジティブな動きが連鎖的に発生してくるものと考えます。
そこで、知事が目指す十、二十年後の栃木県の姿、これをどのように捉え、グランドデザインをどのように描き、掲げていこうとしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○佐藤良 議長 福田富一知事。
(福田富一知事登壇)
◎福田富一 知事 ただいまの渡辺幸子議員のご質問にお答えいたします。私たちを取り巻く社会経済環境は、人口減少、少子高齢化の進行、自然災害の頻発・激甚化やデジタル化の急速な進展など、時代の大きな変化の中にあります。こうした時代の潮流や、将来世代に大きな影響を及ぼす課題を的確に捉え、進むべき道筋を県民の皆様と共有しながら施策を展開していくことが重要であります。そして、県民誰もが将来に夢や希望を持ち、安心して暮らし続けることができる栃木県をつくり、次の世代に引き継いでいくことが私の使命であると考えております。
このため、とちぎ未来創造プランにおいて、目指す本県の将来像を「人が育ち、地域が活きる 未来に誇れる元気な“とちぎ”」と掲げ、人口減少問題の克服を目指すとちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)と併せて、県ホームページや、私が域に出向いて開催するとちぎ元気フォーラムなど、様々な機会を捉えて、広く発信しながら、各種施策を積極的に推進しているところであります。
加えて、急速に進む少子化への対応策として、とちぎ
少子化対策緊急プロジェクトに取り組むなど、課題に応じて柔軟に施策の充実、改善を図りますとともに、県民、市町、企業など多様な主体との連携・協働を一層推進すること等により、目指す将来像を実現し、10年後、20年後の栃木につないでいく考えであります。
今後とも、時代の変化に対応しながら、未来志向で新しい栃木づくりに取り組んでまいります。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) 知事にご答弁をいただきました。これまでEBPMなど、様々な県全体の施策に関わる手法を提言してきたところですけれども、しっかりKPIの達成を目指していく中でも、やはり国が用意する補助事業の中での施策の組み立てであったり、あるいは近隣県との競争だったり、そういった中で限界もあるのだと思っています。やはりこの限界を越えていくためには、こうした一連の大きなポジティブな流れが前提として必要なのだと思っています。
ここで、知事に再質問したいと思うのですが、先ほど申し上げた60年前の古い計画でも、最初のページ、知事の言葉にこのようにあります。この計画の目標を実現するには、独り県行政のみで達成できるものではなく、郷土愛に燃える県民の総意と実践によって初めて達成できると。県庁内部の計画、資料という機能にとどまらず、やはり当時から既に目指す姿に向けて県民の行動の重要性を訴えていたのですが、こうした戦略やプランそのものの存在だったり、内容を理解している県民が少ないのではないかなと思っています。
冒頭でも申し上げましたとおり、ぜひ知事の考えを県民に分かりやすく発信していただけたらと思っているのですが、この目指す姿の実現を目指し、今後の県政運営を進める上で、改めて何か分かりやすい新たなキーワードのようなものを検討されているのでしょうか。知事に再度お伺いしたいと思います。
○佐藤良 議長 福田富一知事。
◎福田富一 知事 再質問にお答えいたします。今後の栃木県像につなげていくためには、現在も県政の基本として取り組んでいるプランや、とちぎ創生15(いちご)戦略を着実に推進して、成果を得ることが必要となります。改めて市町村重視を基本に、県民益の最大化を判断の基準として、社会環境の大きな変化の中、待ったなしの少子化対策等、積極的に重要課題の解決を図ってまいりたいと思います。一方で、市町や県民の皆様とは対等、協力関係であります。にもかかわらず、県政は上から目線である、県庁はあぐらをかいているのではといった声が届いてもきております。皆さんの声に真摯に、私も含めて職員一人一人が受け止めていかなければならないと考えておりまして、緊張感を持って、オール県庁で県の役割と責任をしっかり果たしてまいりたいと思います。それが今後の栃木県像につながっていくものと考えます。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) 上から目線なのではないかという声を受けてのご自身のお気持ち、県民からの声を受けてのお気持ちをお話しいただきましたけれども、やはり県の姿を見せていく、どんどん県の課題についても公表していく、そういったところでそのような意見はなくなってくるのではないか、減ってくるのではないかと思っています。あと、これまでの人口が増えて経済が発展した時代なのですけれども、これは豊かなとか、発展言葉がプランに載っていました。最初の答弁でもおっしゃっていただいたように夢や希望はとても大事で、県を5つのゾーンに分けて先導的なプロジェクトの例示が過去のプランには載っています。拝読して、すごくわくわくするのですね。このようなところも重要ではないかなと思っております。広報に力を入れるなどして先に県が手を差し伸べる姿勢を、持っていただけたらとも思います。
先ほど知事からおっしゃっていただいたようないろいろな課題の解決に向けては、これまでとは次元の異なるレベルで施策を打ち出していくことが重要であるというのは当然だと思うのですけれども、これに前向きに気概を持って取り組むべきだし、私自身も、もちろんそのための努力をこれからも惜しまず続けていきたいと思います。と同時に、やはり10年後、20年後を見据えた場合に、様々な施策によって現状が改善される。これを仮にプランAとするならば、これ以外にも現状から推定される趨勢コースや、想定以上に人口減少時代が早く到来をしてしまった場合でも幸せに暮らせるという視点でのプランB、これも考えていかなければならない時期を迎えてくるのではないかなと思っています。理想を求めて、そのための努力は惜しまない。その一方で、現実的にそうでない場合の政策や課題のかじ取りもしていく。大変難しい局面がやってくると思っています。
ただ、目指す姿や推進する重点施策が変わっても、やはり知事の目指す栃木県の姿、これをはっきり明確に打ち出し、発信して、その思いに共感する県民とともに栃木県を発展させていく。そのための次期戦略とプランの策定になりますようにお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
本年6月に日光で開催されましたG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合の質問なのですが、先週、山形修治議員が会派を代表して、県の女性活躍に関する取組について質問されました。知事からも大変心強い答弁をいただきましたので、私からはもう一つのテーマに焦点を当てて、このG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合開催の意義と今後の展望について、知事にお伺いしてまいりたいと思います。そのもう一方のテーマというのが、この会合が本県において初めて開催される政府等主催の国際会議であり、県内のみならず世界中からの注目を集めたという点にあります。この会合の成功に向けて、県は昨年9月に、G7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合推進室を設置し、その2か月後には、日光市などと協議会を立ち上げ、準備を重ねてきました。
その準備の成果として、レセプションでの乾杯酒から料理、スイーツ類など、いずれも県産品を使用し、本県の食の魅力が世界に向けて発信されたのです。ほかにも、イタリア・英国大使館別荘周辺道路等も整備し、活用もされ、要人警護についても、これは文教警察委員会でも視察してまいりましたが、厳重に実施されました。まさに県の力を結集したオール栃木の取組によって会合を成功に導いたと言えます。また、民間の調査では、飲食費などを含めて5億7,000万円もの大きな経済波及効果、さらに8億3,000万円もの宣伝効果があったということも明らかになりました。G7大臣会合は、女性に目を向けた政策への関心の高まりとともに、こうした本県の魅力発信や地域経済への波及効果を生み出したのですが、今後、外国人観光客の呼び込みであるインバウンド誘致、ヘリコプターで本県を訪れ宿泊してもらうなど富裕層をターゲットとした高付加価値観光商品への結びつけ、それから、MICEと呼ばれる大規模ビジネスイベントの誘致など、国際的機会の創出に向けた絶好の機会にもなったのではないでしょうか。今後の展開を大いに期待したいと思っています。
そこで、G7担当大臣会合が本県において開催された意義をどのように捉えているのか、またこの成功を今後どのように生かしていくのか、知事にお伺いいたします。
○佐藤良 議長 福田富一知事。
(福田富一知事登壇)
◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。本県にとって初めての政府レベルの国際会議となったG7栃木県・日光男女共同参画・女性活躍担当大臣会合につきましては、その成果が日光声明として世界へ大きく発信されました。会合の成功に向け、県では、日光市、関係団体等で構成する推進協議会を立ち上げ、受入れに万全の準備を整えるとともに、魅力発信、歓迎機運醸成などオール栃木で取り組んできたところであります。会合当日には、奥日光の豊かな自然や優れた歴史文化等を体験していただくエクスカーションや、県産品や県産農産物など栃木県の食材にこだわったレセプションを実施したほか、本県の誇る伝統工芸品等の展示、コーヒーブレークでの県内各市町の菓子類の提供など、栃木県の魅力を直接かつ効果的にアピールしてまいりました。これらの取組については、参加された各国代表団の方々から、本県のおもてなしに高い評価をいただいたほか、経済波及効果及びパブリシティー効果として約14億円をもたらすなど、開催地としての役割は十分に果たせたものと考えております。
栃木県誕生150年という節目の年に開催された今回の会合は、「男女が共に輝く“とちぎ”」の実現に向け大きな弾みになるとともに、インバウンドなどの観光需要の拡大や、本県経済の活性化、ブランド力の向上等に大きく貢献し、県民のふるさとへの愛着や誇りの醸成にもつながるものであったと考えております。
今後、会合開催の成果を一過性のものとせず、男女共同参画の取組を加速していくほか、開催を通じて培った様々なノウハウを生かし、栃木県の魅力発信、国際会議をはじめとする大規模イベントの誘致等に積極的に取り組んでまいります。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) 積極的にとおっしゃっていただきました。令和3年に策定されている観光立県戦略の5か年計画の中にも、MICE誘致に向けた取組が含まれているのです。全国的にも誘致が盛んですが、県内の地域が選ばれるような支援を要望したいと思います。例えば、現在開催を検討している団体などに直接補助を出していくことも考えられるのですが、今回のG7会合の成功の要因には、会合の場所となったザ・リッツ・カールトン日光など、民間企業やホテル等の協力は不可欠でありました。要人対応が可能な高級ホテルを県内に誘致していくという点も重要だと思っています。また、高付加価値観光商品なんですが、1泊100万円からと高額にもかかわらず、例えばお城に宿泊ができてお殿様気分が味わえる事業、これも外国人観光客には大変人気だそうです。日本の文化歴史に関心が高い富裕層のニーズを満たせるように、地元に精通している通訳ガイドの育成なども含めて、総合的に取り組むことが鍵になってくるのではないかなと思います。市町と連携して取り組んでいただきますようにお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
栃木県デジタル社会形成推進条例(仮称)の制定と目指す姿について、総合政策部長にお伺いしてまいりたいと思います。我が国では、世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画が策定され、地方においてもデジタル化が進められてきました。このような中、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、外出行動の抑制や密集等を避けるなどの行動が推奨され、テレワークやオンライン会議が普及いたしました。教育分野でも、GIGAスクール構想で児童生徒1人1台端末と通信ネットワークの整備が予定されていたのですが、そのスケジュールについても大幅に前倒しとなっています。
このほかにもキャッシュレス決済の利用が急増してくるなど、まさにこの数年で、場所や使う人の年齢などを問わず、デジタルの活用が定着してきたと考えます。最近では、チャットGPTなどの生成AIなど新たな技術も次々と生み出されているところで、オンライン申請や公的な手続の簡素化なども進む中、今後もデジタルの活用は広がりを見せてくるのではないでしょうか。
本年6月の通常会議において、岩崎信議員の代表質問では、デジタル化の推進に向けた条例を制定すると答弁がありました。この条例の制定によって、本県におけるデジタル化の取組がさらに加速し、県の様々な課題が解決されていくこと。そして、民間のデジタル度調査では、栃木県は今30位ということですが、結果的に全国でも有数のデジタル先進県となることを期待したいと思います。
また、私は令和3年2月の通常会議においてデジタル格差の解消に向けた高齢者等への支援について質問させていただきました。答弁は、高齢者はもとより、誰も取り残さないインクルーシブなデジタル社会づくりを進めるということなので、私からは、通信事業者や同世代の方々によるサポートを要望させていただいたというわけなのです。デジタル政策というと、産業や経済の活性化に目が向きがちですが、加えて個人に当てていくことが大変重要であると考えています。
そこで、この(仮称)栃木県デジタル社会形成推進条例の制定によって目指す県の姿をどのように考え、実現しようと考えていらっしゃるのか、また、施行までのスケジュールなど、現段階までの検討状況について、総合政策部長にお伺いしたいと思います。
○佐藤良 議長 笹川正憲総合政策部長。
(笹川正憲総合政策部長登壇)
◎笹川正憲 総合政策部長 ただいまのご質問にお答えいたします。デジタルは、私たちの生活の質を向上させるとともに、喫緊の課題であります人口減少、少子高齢化による担い手不足の解消と地域課題の解決にも有用であります。そこで、誰もが安全に安心してデジタルを活用できる環境が整備され、全ての県民が便利で快適に住み続けることができるデジタル社会の実現を目指しまして、県民、市町など関係者と一体となって取り組む県の姿勢を明らかにすること等のため、条例を制定することといたしました。先般取りまとめました骨子案では、基本理念、県の責務などとともに、デジタル人材の育成、デジタルが苦手な人への対応など、利用する人に着目した規定も設けることとしたところであり、今後、条例制定作業と併せまして、以前議員からご提案のありました事業者、あるいはこの分野の得意な高齢者にご協力いただくことなどを含めまして、具体的施策についても検討を進めてまいります。
来年度からの施行に向けまして、条例案は2月通常会議に提出したいと考えておりまして、引き続き、適宜議会へ状況を報告させていただくとともに、パブリックコメント等により幅広くご意見を伺いながら、鋭意策定作業を進めてまいります。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) 通信事業者、同世代の方々によるサポートも進めていただけるようなご答弁をいただいたものと思っております。理念や人材などの課題の解消も含めていろいろ制定作業を進めていただけるものと思っております。実際に高齢者の方々が気にしているお薬手帳のデジタル化だったりとか、オンライン診療だったり、高齢者の方々にも身近な手続のオンライン化も始まってまいりました。このようなところに対する支援ももちろんですし、あるいは県に目を向ければ、県に提出する手続でまだオンライン化が進んでいないものもありますので、取組を全県的に進めていただきますように要望させていただきたいと思います。
ここで、教育長に再質問させていただきたいと思います。教育委員会の状況ですけれども、今年度、教育DX推進室を設立されておりまして、私は大変期待しているところです。一方、課題もいろいろ見えてきたのではないかなと考えておりまして、私たちとちぎ自民党議員会では、学校現場の方々から、まだ体育館にWi-Fiが整備されていない学校があるということだったり、あるいはICT支援員が不足しているということだったり、あるいは教員の負担が軽減される自動採点システム、このようなものをどんどん導入していくべきなのではないかという声もお聞きしてきたところです。この条例の制定によってデジタル化の機運が高まっていくことで、こうした課題の解決を期待しているところです。
そこで、学校現場のデジタル化のさらなる推進に向けて、今後どのように進めようと考えていらっしゃるのか、教育長にお伺いさせてください。
○佐藤良 議長 阿久澤真理教育長。
◎阿久澤真理 教育長 再質問にお答えいたします。教育委員会では、これまで各学校における通信環境の整備などにつきまして検証しながら取組改善を進めてまいりました。また、今年は新たに登用いたしました教育CDOが各学校を回りまして、現場で、課題の把握と、それから様々なアドバイスなどを行うということで、学校におけるICTの活用などを推進してきたところであります。
今後は、これらの課題を踏まえて、より実践的な実効性のある研修、授業の現場でどういう形でICTを活用していくのか、実効性のある研修なども実施いたしますし、また、その研修の前後で、具体的にデータに基づいてどういう効果が現れたのか、この辺りも客観的に検証していくということで、より客観的で効果の高いICTの取組をこれからも進めていきたいと思います。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) 実行性のあるとおっしゃっていただきました。ぜひお願いしていきたいと思います。教育現場に続いて、私、警察本部長にも少しお伺いをさせていただきたいのですが、今年度、文教警察委員会で、免許証のオンライン講習についても調査を実施してまいりました。今後、本県でも運転免許証のオンライン講習が導入されると伺っているのですが、今後どのように進められるのか、警察本部長にお伺いいたします。
○佐藤良 議長 難波健太警察本部長。
◎難波健太 警察本部長 再質問にお答えいたします。警察庁は、運転免許更新時講習のオンライン化につきまして、令和4年2月1日から北海道、千葉県、京都府、山口県の4道府県において、モデル事業の運用を開始しております。それを踏まえて、令和6年度末までには本県も含めた全国において、更新時講習のオンライン化が実現する予定でございます。講習がオンライン化されますと、時間や場所を選ばずに受講者の都合がいいときに受講が可能となりますし、また更新手続の所要時間の短縮、あるいは手続の円滑化など、県民への利便性の向上が期待されるものでございます。
今後は、このモデル事業の実施状況も踏まえながら、あるいは国の動向を見据えながら、遺漏のないよう準備を進めてまいります。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) 既にモデル事業を実施している県の課題も出てくると思いますので、それらを踏まえて、県民にとってのデジタルの利便性というのを感じてもらえるように導入をお願いしたいと思います。また、警察本部は、サイバー犯罪への対応などにも力を尽くしていただいているところでありまして、デジタルについては県民への利便性を提供するという面と、その悪用の取締りという2つの面で重要な役割を負っていただいていると思いますので、今後とも対応をお願いしたいと思います。ほかにも保育の現場、あるいは観光に関する分析などにおいてもデジタルの力を一層求められております。一気に進んだこのデジタルの流れを止めるようなことのないよう、さらに進めていただきますよう、条例の周知も含めてお願いいたしまして、次の質問に移ります。
結婚を希望している若者への支援について、
生活文化スポーツ部長にお伺いしてまいります。NHKの調査によりますと、「必ずしも結婚する必要はない」と答えた人は増え続け、2018年には68%と最も高い割合を記録しました。調査のたびにこの数値は増え続けており、逆に「人は結婚するのが当たり前だ」と答えた人の割合は27%と減り続けているところです。また、令和3年度の内閣府調査では、20代のうち未婚で恋人がいないと回答した人は、女性で約5割、男性約7割となっています。さらに、30代で結婚の意思はないと回答した人は、男女とも4人に1人を超えました。インターネットで知り合った夫婦の割合の増加、それから未婚者で出会いを探している人の3割以上が、新型コロナウイルス感染症の流行前と比べて新たな出会いが減少すると答えるなど、若い世代の結婚に対する価値観、それから環境は今大きく変化していると思います。
県は、2017年にとちぎ結婚支援センターを開設し、結婚を希望している人への出会いの場を提供してきました。しかし、これまで交際が成立したカップルの数は3,236組のところ、結婚したカップルの数は232組、交際して成婚に至るケースが1割にも満たないという状況です。これは一体なぜなのでしょうか。内閣府の調査によると、20代から30代で今まで恋人がいたことがないという人は未婚女性で24.1%、未婚男性では37.6%です。さらに、国の研究機関の調査によると、25歳から34歳で未婚の理由が「異性とうまく付き合えない」と答えた男性は約5人に1人でした。異性とのコミュニケーションに少し課題が見えてきます。また、結婚相手への条件について、家事の能力を求めるあるいは考慮するという割合は、男性から女性に対しては93%、女性から男性に対しては96%でした。それから、「仕事への理解」についての割合は、男性から女性に対しては89%、女性から男性に対しては92%という結果でした。家事も仕事もお互いに、どちらかというと女性が男性側に求めているという状況が見えてまいります。こうした現状を踏まえると、出会いの場の創出に加えて、交際してから成婚、結婚へ向けたさらなる支援というのが必要になっていると考えます。
そこで、今の時代に県が結婚を希望している若者を支援する意義をどのように捉え、今後どのようにとちぎ結婚支援センターを活用して、希望をかなえようと考えているのか、
生活文化スポーツ部長にお伺いいたします。
○佐藤良 議長 野原恵美子
生活文化スポーツ部長。
(野原恵美子
生活文化スポーツ部長登壇)
◎野原恵美子
生活文化スポーツ部長 ただいまのご質問にお答えいたします。若者の価値観が多様化しております中、結婚を希望する若者を支援し、深刻さを増す少子化に歯止めをかけるためには、とちぎ結婚支援センターを最大限に活用し、専門の結婚相談員がきめ細かな支援をしながら、安心感のある出会いの機会を数多く提供いたしますとともに、全県下で結婚に向けた機運を高めていくことが重要と考えております。そこで、今回の補正予算に計上いたしました縁結びムーブメント創出事業により、若い世代を対象とした登録促進キャンペーンを実施し、とちぎ結婚支援センターの会員数の増加を図りますほか、交際が成立したカップルに観光施設等の入場券を贈呈するなど、交際の進展を後押ししてまいります。また、結婚相手に家事、育児の能力や姿勢を求める女性が増加しておりますことから、とちぎ結婚支援センターの男性会員を対象に、ニーズに応じた家事講座などを開催いたします。
今後とも、市町や企業などと連携しながら、とちぎ結婚支援センターを拠点に、結婚を希望する方を積極的に支援いたしまして、婚姻数の増加につなげてまいります。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) 実際にとちぎ結婚支援センターを訪れ状況を伺ってまいりましたところ、やはり異性と交際することが初めてという人や、異性とのコミュニケーションが取れないという人は少なくないとお聞きいたしました。しかも、多くの人は結婚しなくても自分の人生を幸せにできるという今の価値観の中での結婚支援というのは、お見合いのような従来のやり方とは異なる支援の難しさがあると思っています。しかし、そういった中でも、やはり結婚をしたいと思ってとちぎ結婚支援センターにわざわざ足を運んでくる若者がいて、その人はふだん生活をしている中では結婚にこぎ着けることができず、異性とのコミュニケーション能力など自分に必要なサポートを求めていると。だとすれば、私はそこに行政が手を差し伸べる大きな意義があると思っています。引き続き、丁寧な支援をお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
お父さんお母さんが笑顔で出産・子育てできる栃木県を目指してという題で、保健福祉部長に伺ってまいりたいと思います。本年4月に、国にこども家庭庁が創設されました。ここで子供施策を総合的に進めるために、こども大綱の策定が進められています。この中間整理の中では、子供自身だけではなく、20代、30代の夫婦や、子育て当事者への支援に関しても議論が進められているところです。内閣府の調査によりますと、子育てをして負担に思うことの理由は、「出費がかさむ」が55.6%、「自分の自由な時間が持てない」が46%、「子育てによる精神的な疲れが大きい」が43.1%、「子育てによる身体の疲れが大きい」が42.6%で、これらが理由のほとんどを占めています。また、若者に「何人の子供がほしいか」という質問では「1人」と「欲しくない」と答えた割合は増加し、「2人以上」と答えた割合は低下しています。
実際に私の周りでも、子供が生まれて本当に幸せだと感じている一方で、出産直後から始まる慢性的な睡眠不足はもとより、育児や家事によって自分の心身に対してケアをする時間が急激に減ってしまうこと、キャリアへの不安や、子供を中心とした新しい環境などのストレスなどにより、自分自身の幸福感は低下してしまったと訴えるお父さん、お母さんは少なくありません。つまり子供が目の前に存在をするという幸福感の上昇と、自分の心身の負荷による幸福感の低下、これは1人の人間の幸福感として総合的に考えるものではなくて、それぞれ並列して存在をする別のベクトルであって、子供がいてうれしい、でも、私はつらい、この気持ちは同時に存在し得ると考えています。
県では、現在2期目となるとちぎ子ども・
子育て支援プランを策定し、子育て支援を推進するとともに、
少子化対策緊急プロジェクトに取り組むとお聞きいたしました。私は、様々なお父さん、お母さんから話を聞く中で、少子化対策の核となる最も重要なことは、出産、子育てを笑顔でできる環境をつくることだとほぼ確信しています。つまり、子供の問題や、子供に優しい栃木県をつくるというときに、その親にこそ焦点を当てて取組を今まで以上に進めていく必要があると思います。
そこで、出産・子育て支援に関する施策の中心に、お父さん、お母さんが笑顔で出産、子育てできる栃木県を掲げ、その実現を目指すべきと考えますが、どのようにお考えになりますでしょうか、保健福祉部長にお伺いいたします。
○佐藤良 議長 岩佐景一郎保健福祉部長。
(岩佐景一
郎保健福祉部長登壇)
◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、県民が安心して子供を産み育てることができるよう、とちぎ子ども・
子育て支援プランに基づく施策を推進してございます。その中でも、本県の少子化は深刻さを増していることから、とちぎ
少子化対策緊急プロジェクトを取りまとめ、可能なものから速やかに取り組むため、まずは第1弾として、保育施設等のおむつ用ごみ箱の設置や、産後ケアに係る助成、保護者向けの相談会等のイベント等を実施していくこととしております。特に産後ケアにつきましては、出産直後の喜びはある一方、心身に不調を抱えるケースも多く、産後ケアを必要とする世帯の経済的負担を早急に軽減し、その利用促進を図るため助成する方針としております。
次期プランの策定に当たりましても、さらなる施策の充実・強化を積極的に検討するなど、子供・子育て世帯に優しい栃木づくりの推進に向けまして全力で取り組んでまいります。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) 産後ケアについても触れていただきました。私は平成27年度に、産後ケアについて一般質問させていただいています。産後ケアの実施主体は市町で、県は市町が子育て世代包括支援センターを設置する支援をしてきたのですけれども、現在は全ての市町で設置されています。今回の補正予算の事業もありますし、全国でもこれが先進的な取組になるのかなと思います。ぜひ引き続き手厚い支援をお願いしたいと思います。
私は産後ケア以外にも子育て支援の質問をこれまでしてきていて、ここで2つ、進捗状況を再質問させていただきたいと思います。1つ目の再質問は、家事支援サービスに関してです。平成29年3月の予算特別委員会や、あるいは昨年度の一般質問の中でも、福井県の事例を出して家事代行サービス等の導入を提言させていただきました。
少子化対策緊急プロジェクトで家事の負担を夫婦でシェアをしていくとも家事が理想の暮らしを実現するとして、11月22日に、とも家事の日が制定されるということも通常会議で表明されたわけですが、やはり家族が協力し合う中では、第三者、外部人材に頼ることも必要なのだと思っています。
本年6月には、国で女性版骨太の方針2023が策定されました。その中でも、外部サービス利用の普及による家事・育児負担の軽減が打ち出されています。今、改めて家事支援サービスを県内で促進すべきと考えているのですが、どのようにお考えになりますでしょうか、
生活文化スポーツ部長にお伺いいたします。
○佐藤良 議長 野原恵美子
生活文化スポーツ部長。
◎野原恵美子
生活文化スポーツ部長 再質問にお答えいたします。今般の
少子化対策緊急プロジェクトにおきまして、11月22日を本県独自のとも家事の日に設定し、みんなで家事を分担することの大切さの普及を図ってまいりますとともに、今後の施策を検討するため、家事分担に関する意識調査の実施を予定しております。みんなで家事を分担することにつきましては、家族だけでなく、外部サービスを活用して軽減するという観点も重要であると考えておりますので、意識調査の協力者に対して、抽選で家事代行サービスのクーポンを配布し、実際に使っていただいて、事後にアンケートを実施いたしまして、家事代行サービスの利用普及に係る施策検討の参考にしてまいりたいと考えております。
家族だけでなく、外部サービスの活用も含むとも家事の普及によりまして、家事負担全体の軽減も促進いたしまして、個々人が思い描く理想の共働き、とも育ての実現につながりますよう、積極的に取り組んでまいります。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) 家事支援のクーポンについてご答弁をいただきました。本当にこのクーポンによって、お父さん、お母さんで助かる方がすごく増えてくると思います。ぜひSNSなども活用しながら、少しでもほっとできるような時間を夫婦に生み出していただきますように周知をお願いしたいと思います。
2つ目の再質問ですが、県庁内の子育て支援です。こうした出産、子育て中のお父さんとお母さんの支援について、例えば育休などについては企業や団体に求められる部分も大きいと思います。実際に山形修治議員の質問にもあったように、妊娠したお母さんや子育て中のお父さん、お母さんが、職場に申し訳ないと肩身の狭い思いをするようなケースが、表面化はしなくてもどれだけ働く現場で起こっているか。私は、平成27年度の一般質問で、県庁内に保育施設を設置することについてお聞きいたしました。当時の答弁では、県庁内保育施設の設置を含めた職員の子育て支援について検討してまいりたいということでした。県が子育て環境を促進していくという意味では、私は県庁が率先して取り組むべきだと思っています。霞が関の合同庁舎では学童保育、それから経済産業省では保育園、衆議院会館では一時預かりなどがあります。今改めて、まずは県庁内で一時預かりのスペースを設置してはどうかと考えるのですけれども、どのように考えるか、経営管理部長にお伺いしたいと思います。
○佐藤良 議長 仲山信之経営管理部長。
◎仲山信之 経営管理部長 これまで、県では職員を雇用する立場から、栃木県庁子育て応援行動計画を策定いたしまして、各種支援制度の周知や休暇の利用促進などに取り組みますとともに、時差出勤やフレックスタイム制の導入などによりまして、育児を行う職員がライフスタイルに応じました柔軟な働き方ができるよう環境の整備に努めてまいりました。また、県では、昭和36年から平成12年まで38年間、職員組合などと共同で職員を対象とします認可外保育施設を運営してきたところでございますが、公私立の保育施設の整備等に伴います入園者の減少などによりまして廃止となったところでございます。
今後とも、仕事と家庭が両立できる働き方の実現を目指しまして、まずは職員のニーズを十分把握しながら、一時預かりも含め、幅広く支援策について検討してまいりたいと考えております。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) 平成27年のときに、支援について検討してまいりたいとおっしゃっていただいているのです。アンケートなど、県庁内の把握というのは当然終わっているものと私は思っていました。また、当時も、認可外保育園についての言及はしていただいております。その上でおっしゃっていただいていることなので、ぜひ検討をさらに進めていただきたいと思います。県庁内でも実際に両立ができずに退職された女性の職員の方々がいらっしゃると思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
全体的な総括的なお話ですけれども、全体に特に力を入れていただきたいなと思っているのが、第1子の出産、子育てなのですね。初めて親になった人が、子育てって想像していたより楽だったとか、楽しいとか、心から笑顔で言えて、初めて夫婦で子供ってやはり多いほうがいいねという話につながってくるのです。県におきましては、初めてお父さん、お母さんになる最初の出産、子育てに手厚い支援を心からお願いを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
子供が学びを諦めないための奨学金等の創設と拡充について、北村副知事に伺ってまいります。独立行政法人日本学生支援機構の調査によりますと、2020年度の奨学金は、大学の昼間部で約50%、短大の昼間部で約57%、修士課程だと約50%と、大学生等の約2人に1人が利用しています。奨学金というと生活に困窮している、困っている家庭への支援という意味で捉えられることもあるのですが、必ずしもそうとは限りません。一定程度の所得はあるものの、上の子の進学でお金がかかるから下の子は自宅から通えて学費が安い大学に決めたとか、あるいは大学で学業に専念させたいけれども、一人暮らしをする生活費はアルバイトで賄ってもらっているなどの声を大変多く聞いてまいりました。保護者や学生の潜在的な奨学金のニーズというのは少なくないのです。
国では、令和2年度から高等教育の修学支援新制度を実施し、経済的な理由で進学が困難な学生に対しては給付型、つまり返済する必要のない奨学金の制度を開始するなどして拡充を進めています。また、県では全て貸与型、つまり卒業したら返済しなければならないタイプの奨学金ではあるのですが、公益財団法人栃木県育英会による奨学金のほか、医学部や介護福祉士養成施設などの学生を対象とした修学資金などが用意されています。また、製造業など県内の特定の業種に就職した学生には最大150万円、奨学金の返済を支援する未来人材応援奨学金など、家庭の経済的負担を軽減することに資する取組を用意し、推進してきました。そのような中、令和3年3月に、県は栃木県教育大綱を策定し、知事部局と教育委員会が連携を強化し、修学支援などを含む各種施策の推進を図ることとしたところです。
そこで、知事部局として、この教育大綱に示す目標の達成に向けて、新たに給付型奨学金を創設すること、それから奨学金返還支援を含めた今実施している現行事業の業種、利用対象を拡大することなどに取り組むべきと考えています。どのようにお考えになりますでしょうか。教育大綱を所管する経営管理部を担任し、そして知事部局のまとめ役としていらっしゃる北村副知事に所見をお伺いしたいと思います。
○佐藤良 議長 北村一郎副知事。
(北村一郎副知事登壇)
◎北村一郎 副知事 ただいまのご質問にお答えいたします。大学等の高等教育機関への進学率が過去最高となる中、家庭の経済状況にかかわらず、学ぶ意思のある優れた学生が教育を受けることができるよう、様々な奨学金事業が行われております。本県におきましては、公益財団法人栃木県育英会が、経済的に困難な大学生等を対象に貸与型の奨学金事業を実施しており、学生のニーズ等を踏まえながら、令和2年度から所得要件を、令和3年度から成績要件を順次緩和し、支援対象の拡大を図ってきたところでございます。また、県内の対象業種の企業に就職した方の奨学金返還を支援するとちぎ未来人材応援事業におきましては、これまでも対象となる奨学金や業種を見直しておりまして、今年度からは新たに専門学校の学生を支援対象に加えたところであります。さらに、国は、高等教育の修学支援新制度におきまして、給付型奨学金事業を実施しており、現在、こども未来戦略方針に基づき、令和6年度から支援対象を多子世帯等の中間層へ拡大することを検討しております。
今後とも、学生を取り巻く社会経済状況や国の動向を注視するとともに、子育て支援や若者の定着促進などの新たな視点も踏まえながら、現行事業の見直し等について必要な検討を進め、栃木の人づくりに積極的に取り組んでまいります。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) ぜひお願いしたいと思います。県や市町のほか、大学や財団などが独自に創設している奨学金も相当数あっても、奨学金制度を知らない保護者と学生がすごく多いのですね。ですので、潜在的なニーズを持つ県民が利用しやすいように、分かりやすい周知も整えていただきたいと思います。
時間もなくなってきたので、最後の質問に移ります。「文化と知」の創造拠点整備に係る県立美術館、図書館、文書館の在り方について、教育長と
生活文化スポーツ部長に伺ってまいりたいと思います。県は、「文化と知」の創造拠点として、県立美術館、図書館、文書館の一体的な整備を県立体育館跡地に検討しています。本年2月の通常会議でも質問させていただきまして、その際に県立美術館、県立図書館及び文書館、それぞれの施設の在り方とまちづくり、この2つの観点の重要性について述べさせていただきました。今回はそのうちの在り方、つまり、そもそもそれぞれの施設はどうあるべきなのかという根本的な部分に焦点を当てて質問していきたいと思います。
昭和47年に開館した県立美術館は、これまで在り方の議論は実施されていないのですけれども、平成25年に栃木県議会生活保健福祉委員会の特定テーマで新たな事業展開等についての議論がなされ、利用の増大を図るなどの提言から成る報告書がまとめられています。
続いて、昭和46年に現在地に建設された県立図書館は、平成24年に栃木県立図書館あり方検討会が開かれて、報告書をまとめています。目指す姿として示された3つの変革の柱とその特徴というのがあるのですが、1つ目は、栃木県のことなら何でも分かる図書館。県の歴史や文化等に縁の深い資料を網羅的に収集することです。それから2つ目は、県内の図書館をリードする中核的図書館。市町立の図書館の職員らを対象とした研修の充実、それから子供や親子対象の様々な取組は、子供たちにとって身近な存在の市町立図書館での対応を基本とすることなどが挙げられています。それから3つ目、県民の課題解決のための図書館。一般的なベストセラーや実用書などの資料収集は市町の図書館に委ねて、より専門的で史料価値の高い資料の収集に特化することです。このことは運営の基本指針にもなっております。
最後に、文書館ですけれども、これは在り方に関する議論は特に行われたことがないとお聞きいたしました。
群馬県では、県有施設のうち改修費が見込まれるものについては、まずそれぞれ残すべきかという存続の必要性、存続が必要だということならば、この機能はここに集約していくなどの見直しの方向性、今後の在り方というところを含めて、有識者などから成る委員が議論を重ねて公表しています。
そこで、本県の「文化と知」の創造拠点の整備に当たって、各施設の在り方をどのように考え、どのような整理を行ってきたのか、県立美術館については所管する
生活文化スポーツ部長にお伺いしたいと思います。また、県立図書館と文書館の在り方については、この2つを所管している教育長にお伺いさせてください。
○佐藤良 議長 野原恵美子
生活文化スポーツ部長。
(野原恵美子
生活文化スポーツ部長登壇)
◎野原恵美子
生活文化スポーツ部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県立美術館は、本県の優れた美術文化の次世代への継承や、質の高い作品の鑑賞機会の提供に加えまして、市町美術館等への専門的助言など、本県文化芸術の拠点として中心的な役割を担っております。新たな施設では、本県文化のより一層の振興を図りますため、子供のうちから多彩な美術文化に触れ、学ぶ機会をデジタル技術も活用しながら提供することによりまして、豊かな感性や創造力を伸ばし、郷土への愛着と誇りを育む機能を強化することが重要であると考えております。また、県民誰もが気軽に訪れ、交流を深め、個性豊かで多様な文化芸術活動が展開されますことで、新たな価値の創出や地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。
引き続き、本県文化芸術の中核を担う県民に開かれた美術館として、その機能を最大限に発揮いたしまして、求められる役割を果たすよう努めてまいります。
○佐藤良 議長 阿久澤真理教育長。
(阿久澤真理教育長登壇)
◎阿久澤真理 教育長 引き続き、ただいまのご質問にお答えいたします。県立図書館につきましては、図書館共通の基本的役割に加え、県立特有の役割、機能である市町図書館への補完、連携、支援が重要であると考えております。新施設では、こうした役割、機能を強化するとともに、専門書や本県地域資料の一層の充実と併せて、司書の調査能力のさらなる向上も図りながら、県民の知的探究心に応え、学びを深めることができる栃木県の知の拠点を目指してまいりたいと考えております。また、県立文書館は、古文書や公文書等の収集、調査、研究に加え、資料を活用した普及・教育活動を行っております。現在課題となっている収蔵スペースや展示環境の改善を図るとともに、本県ゆかりの偉人等についての企画展や学校支援事業等を充実させ、本県の歴史に関する県民の一層の理解促進に努めてまいります。
今後とも、検討委員会における議論や県民の皆様のご意見などを踏まえ、各館の持つ役割を生かしながら、一体的整備による高い相乗効果も発揮されるよう丁寧に検討してまいります。
○佐藤良 議長 渡辺幸子議員。
(36番 渡辺幸子議員登壇)
◆36番(渡辺幸子議員) それぞれご答弁をいただきました。お聞きする中では、図書館と文書館の複合施設というのは目的も非常に合致していて、親和性が高く複合施設にするメリットは高いのかなと感じました。一方、美術館に関しても、地域活性化ということもありまして、ここを一緒にしていくメリットももちろんあるとは思うのですけれども、別々にした場合のメリットなども検討委員会でお聞きしていきたいなと思っております。というのは、やはりより細やかな在り方ですね。例えばターゲットなどの整理はして、私自身も委員でありますので、この検討委員会において策定を進めていけるといいなと思います。
検討委員会の1人の委員が、この拠点をどのようにつくるのかというのは、栃木県がどうあるのかということだと話しておりました。まさにそのとおりで、どこにつくるのかも含めて、それは県がどのようなまちづくりを考えているのかにつながるのだと思うのですけれども、そういうことなのだと思います。
時間も少なくなってまいりましたので、宇都宮市のブレックスアリーナの例を出させていただいて質問を終えたいと思うのですけれども、LRTの沿線に建設される予定です。いよいよウオーカブルな町が、この県都宇都宮でLRTを軸につくられてくると思います。全国的にもかなり注目されておりまして、「文化と知」の創造拠点がこうしたまちづくりにどのように関わってくるのか、これは県の手腕が問われていると思っております。こうしたまちづくりの視点というのは、明日の一般質問で螺良昭人議員が質問される予定となっておりますので、すばらしい明確な回答を私からもお願い申し上げまして、私の全ての質問を終わりたいと思います。
○佐藤良 議長 以上で本日の日程は終了いたしました。26日は定刻から本会議を開き、上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。
本日はこれで散会いたします。
午後3時30分 散会...