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令和 5年度栃木県議会第395回通常会議-06月14日-04号

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  1. 栃木県議会 2023-06-14
    令和 5年度栃木県議会第395回通常会議-06月14日-04号


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    最終取得日: 2024-09-28
    令和 5年度栃木県議会第395回通常会議-06月14日-04号令和 5年度栃木県議会第395回通常会議 (1)出席及び欠席議員の議席番号及び氏名 6月14日(水曜日)  出席議員 50名   1 番      土 屋 晃 子   2 番      渡 邉 典 喜   3 番      大久保 ゆ み   4 番      大 谷 弥 生   5 番      大 木 英 憲   6 番      佐 藤 晴 彦   7 番      杉 田   光   8 番      沼 田 邦 彦   9 番      池 上 正 美   10 番      小 池 篤 史   11 番      湯 澤 英 之   12 番      星   雅 人   13 番      横 田   誠   14 番      石 坂   太   15 番      岡 部 光 子
      16 番      加 藤 雄 次   17 番      金 子 武 蔵   18 番      小 菅 哲 男   19 番      小 林 達 也   20 番      平 池 紘 士   21 番      塩 田 ひとし   22 番      中 屋   大   23 番      あ べ ひろみ   24 番      野 村 せつ子   25 番      横 松 盛 人   26 番      西 村 しんじ   27 番      野 澤 和 一   28 番      高 山 和 典   29 番      池 田   忠   30 番      琴 寄 昌 男   31 番      白 石 資 隆   32 番      関 谷 暢 之   33 番      中 島   宏   34 番      早 川 桂 子   35 番      日向野 義 幸   36 番      渡 辺 幸 子   37 番      保 母 欽一郎   38 番      松 井 正 一   39 番      山 田 みやこ   40 番      青 木 克 明   41 番      山 口 恒 夫   43 番      阿 部 寿 一   44 番      佐 藤   良   45 番      山 形 修 治   46 番      岩 崎   信   47 番      神 谷 幸 伸   48 番      五月女 裕久彦   50 番      螺 良 昭 人   51 番      木 村 好 文   52 番      板 橋 一 好 (2)説明のため出席した者の職氏名  地方自治法第121条の規定による出席要求によって出席した者   知事       福 田 富 一   副知事      北 村 一 郎   副知事      末 永 洋 之   総合政策部長   笹 川 正 憲   経営管理部長   仲 山 信 之   生活文化スポーツ部長            野 原 恵美子   保健福祉部長   岩 佐 景一郎   環境森林部長   小野寺 一 行   産業労働観光部長 石 井 陽 子   農政部長     熊 田 欽 丈   県土整備部長   坂 井 康 一   危機管理防災局長 渡 辺 順 一   会計管理者会計局長            中 谷 一 彦   企業局長     北 條 俊 明   総合政策部次長兼総合政策課長            小 林 宣 夫   財政課長     岩 田 知 也   教育長      阿久澤 真 理   代表監査委員   森 澤   隆   人事委員会事務局長            萩 原 英 樹   労働委員会事務局長            桐 渕 ゆ か   警察本部長    難 波 健 太 (3)職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名   事務局長     柏 瀬   仁   次長兼総務課長  菊 池   薫   議事課長     大 野 光 二   政策調査課長   横 山 泰 治   議事課課長補佐  小田部   秀   課長補佐     小 材 忠 宏   副主幹      山 﨑 里 香   係長       手 塚 英里子   主査       長谷川 寛 和   主査       荒 川 尚 子   主査       榎 本 和 也 ◎柏瀬仁 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は50名であります。       ―――――――――――――――――――――――――――――     午前10時 開議 ○佐藤良 議長 ただいまから本日の会議を開きます。  日程第1 第1号議案から第4号議案まで及び第6号議案から第11号議案までを一括して議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。発言通告者に対し、発言を許します。琴寄昌男議員。    (30番 琴寄昌男議員登壇) ◆30番(琴寄昌男議員) 皆様おはようございます。とちぎ自民党議員会の琴寄昌男です。質問戦最終日のトップバッターを務めさせていただきます。知事はじめ執行部の皆様には、簡潔かつ中身の濃い実効性の高い答弁を期待いたしまして、早速質問に入らせていただきます。  初日の我が会派の岩崎信議員のデジタルを活用した県政の推進についての質問に対し、条例を制定して取組を進めていく旨の答弁があったところですが、私からは最初に、Web3.0等の先端技術を活用したDXの推進について、知事にお伺いいたします。  デジタル分野の技術革新のスピードは速く、常に新たな動きを捉え調査研究等を行って対応を講じていくことが非常に重要であり、私は、昨今注目を集めており、国でも活用に向けて検討が始まったWeb3.0の仕組みや関連技術を県においても活用していく必要があると考えます。Web3.0は、Web3とも呼ばれますが、ビットコインなどの仮想通貨で耳にするようになったブロックチェーン技術等が使われる分散型ネットワークの概念で、これまでグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフトといったいわゆるGAFAMなどのアメリカの大手IT企業に印象づけられるような特定の企業や管理者に情報が集中するWeb2.0とは異なり、管理者に依存せず、インターネット上に情報が分散しながらも適切に管理できる新たな仕組みであります。Web3.0の関連技術で、コピーすることができないデジタルデータであるNFTやデジタル上の仮想空間であるメタバースなどは、地域課題や行政課題の解決に有効と言われております。  県内でも、ふるさと納税の返礼品としてNFTアートの提供に取り組む益子町や温泉街にデジタル通貨を導入する塩原温泉観光協会の事例など、既に活用を始めている自治体等もあるほか、群馬県では今年の4月、Web3推進室を設置し、Web3.0関連技術・サービスに係る調査・研究を進めることとしており、本県もこのような時代の波に乗り遅れることがないよう取組を進めていかなければならないと考えます。  また、デジタル分野の先端技術に関しては、G7担当大臣会合でも国際的なルールづくりが議論に上るなど現在注目を集めている対話型の生成AIであるチャットGPTについて、県では、職員の業務負担の軽減や県民サービスの向上につながることから9月から本格運用することとし、企画等のアイデア出しや文書の要約、翻訳などに活用していくこととしました。懸念されている安全性の面にも配慮して職員が活用する際のガイドラインを策定するなど、この取組は大変評価できますが、本県がデジタル先進県となっていくためには、こうした取組をより一層推進していく必要があります。  そこで、県は、DXの推進に当たってはWeb3.0等の最先端の仕組みや関連技術を踏まえながら進めていく必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの琴寄昌男議員のご質問にお答えいたします。人口減少や少子高齢化が進行する中、労働力不足や公共交通の維持といった社会課題に的確に対応するためには、デジタル技術を積極的に活用して社会の変革を図るDXの取組を進めていくことが重要であります。このため県では、ICTツールを活用した業務の効率化はもとより、スマート農業やスマート林業の推進、公共交通における無人自動運転技術の実証等、本格的なデジタル社会を見据え、幅広い分野でDXの取組を進めてまいりました。  また、チャットGPT等のいわゆる生成AIにつきましては、DXを推し進めるものと期待される一方、情報漏えいや著作権侵害のおそれ等もありますことから、県では、利用する際の注意事項などを記載したガイドラインを策定した上で試行を開始したところであり、今後、現場での課題を整理しながら、適切な本格運用につなげられるよう準備を進めてまいります。  さらに、近年注目を集めているメタバースやブロックチェーンに代表されるWeb3.0等の先端技術につきましては、従来のインターネットの在り方を変え、社会変革にもつながる可能性があると言われており、これらの技術を通じて地域に新たな産業やサービスが創出されることも期待されております。このため、Web3.0等の活用に関する国の法令や環境整備の状況を注視いたしますとともに、DX体制強化に向け、今年度委託したDX牽引企業を通じた情報収集、県内外の先進事例の調査等を行い、これら先端技術を地域の活性化にも活用できるよう研究を進めてまいりたいと思います。  今後とも、進展するデジタル技術の動向等を的確に捉え、県民サービスの向上や地域課題の解決に積極的に取り組み、県民が便利で快適に暮らし続けることができるよう、本県のDXを推進してまいります。 ○佐藤良 議長 琴寄昌男議員。    (30番 琴寄昌男議員登壇) ◆30番(琴寄昌男議員) 知事から、DXの推進に当たっては、常に最先端の仕組みや技術を踏まえながら取り組んでいく旨の前向きな答弁をいただきました。Web3.0については、今後、調査・研究を行っていくとのことでしたが、自由民主党党本部デジタル社会推進本部も6月にAIとWeb3の進化を踏まえた国家戦略の策定を岸田総理大臣に提言したところであり、自治体レベルでは、群馬県の動きのほかにも、福岡市や仙台市など民間企業が主催するコンソーシアムなどに参加して取組を進めている例などもありますので、デジタル先進県を目指し、本県も積極的に取組を進めていただきますよう要望いたします。  また、DXの推進に当たり最先端の仕組みや技術の活用を進めていくに当たっては、情報流出等にも十分配慮した上で、それらを適切に活用していくことも非常に重要であります。知事からは、先ほどチャットGPTについて、ガイドラインに基づき安全性に配慮して活用していく旨の答弁をいただきました。積極的な活用を期待しておりますので、事実ではない情報を県民に提示する、事実ではない情報を基に政策判断をするといったことや情報流出等に十分留意しながら活用していただきますよう要望いたします。  ここで、教育長に再質問させていただきます。今後、教育現場でのチャットGPTの活用も進んでいくことが想定される中、子供たちの考える能力の育成などを阻害することがないよう、大人以上に適切な活用が必要と考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。
    ○佐藤良 議長 阿久澤真理教育長。 ◎阿久澤真理 教育長 再質問にお答えいたします。学校現場におけるチャットGPT等の生成AIの活用につきましては、メリットとしては、子供たちの情報活用能力の向上、さらには教員の働き方改革などが考えられますけれども、また一方では、子供たちの思考力、判断力への影響であるとか著作権の問題など、様々検討しなければならない課題もあると考えております。このため、今後、文部科学省でガイドラインを作るということも聞いておりますので、それらを踏まえて学校現場での活用については検討してまいります。 ○佐藤良 議長 琴寄昌男議員。    (30番 琴寄昌男議員登壇) ◆30番(琴寄昌男議員) 教育長から適正な活用を進めていく旨の答弁をいただきました。DXの推進に当たっては、時代の波に乗り遅れることがないよう常に最先端の技術等を踏まえて取り組むことはもちろんのこと、併せて適切な活用にも取り組んでいただきますことを要望し、次の質問に移ります。  文化観光の推進による地域活性化について、知事にお伺いいたします。  本県には、日光市の社寺や私の地元栃木市にある国選定の栃木市嘉右衛門町重要伝統的建造物群保存地区等の歴史遺産があります。また、ユネスコ無形文化遺産に登録されている鹿沼今宮神社祭の屋台行事や烏山の山あげ行事等の伝統芸能に加え、益子焼等の伝統工芸など、有形無形の全国に誇れる魅力的な文化資源が各地に多数存在しています。私は、これらの文化資源を楽しむことを目的とした文化観光によって地域を訪れる人が増えることは、交流人口や関係人口の増加、移住・定住の促進など、その地域の振興はもちろんのこと、ひいては県全体の人口減少対策にもつながっていくものであることから、文化資源の魅力を発信し、文化観光を推進していくことは非常に重要と考えています。また、折しも本県誕生から150年の節目を迎えており、発信力の強化は県民の郷土愛の醸成の観点からも重要です。  県では、今年3月にとちぎデジタルミュージアムSHUGYOKU”(珠玉)を開設し、デジタル技術を用いて気軽に文化資源に接することができる環境を整備したところであり、この取組は大変評価できるものであります。しかし、現在、デジタルミュージアムに掲載されているもののほかにも、県内には地域で大切に守り受け継がれてきた小さな祭りなどの文化資源が多数存在しており、これらの小さな文化資源も本県の大切な宝であることから、市町と連携し、本県が誇る歴史、文化の魅力を余すことなく発信していけるミュージアムとしていく必要があります。  また、祭りであれば開催状況などの時機に応じた情報を発信するほか、文化資源を生かしたまちづくりの取組や、関連して開催されるイベント等の情報を発信するなど、訪れてみたいと思わせるための仕掛けづくりや、県民の郷土愛を醸成するための仕掛けづくりにデジタルの強みを生かして積極的に取り組んではどうかと考えます。県内の各市町では文化資源を活用したまちづくりに取り組んでいるところも多く、例えば、私の地元栃木市の嘉右衛門町重要伝統的建造物群保存地区では文化資源を生かしたまちづくりが進められ、こうした取組を紹介することは、デジタルミュージアムを訪れた人の文化資源への興味関心を高めるために非常に有効と考えます。  そこで、県は、文化観光の推進による地域活性化について今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。観光と連携しながら文化についての理解を深める機会を拡大し、国内外からの誘客につなげていく文化観光の推進は、担い手不足等を背景に存続が危ぶまれる地域の文化資源の保存・継承はもとより、地域振興の観点からも重要であると考えています。  このため県では、令和3年に策定しました栃木県文化振興基本計画(第2期)に基づきまして、文化と観光やまちづくり等の幅広い関連分野との連携促進に向けて総合的に施策を展開しております。令和4年度からは、文化観光を推進する意欲のある地域や団体等に対し助言を行う専門家を派遣するなどの支援を開始したほか、国から認定を受けた栃木県立博物館文化観光拠点計画に基づき、とちぎデジタルミュージアムSHUGYOKU”(珠玉)を開設いたしまして、本県を代表する多彩な文化資源を県内外に積極的に発信しているところであります。  今年度は、県と市町で構成する協議会におきまして、市町の意見を踏まえながら各地域の文化資源のさらなるデジタル化を進め、とちぎデジタルミュージアムの充実に取り組むとともに、現実の世界にデジタル画像を重ねて鑑賞するARなどの技術を活用し、文化観光拠点計画の中核施設である県立博物館の魅力の向上を図りながら、県内各地の文化資源への誘客を促進してまいりたいと考えております。  今後とも、文化財を含めて文化行政を一元化した強みを生かしながら、市町や関係団体、観光事業者等と緊密に連携し、地域資源の磨き上げや効果的な魅力発信などの取組を進め、文化観光の推進による地域活性化を図ってまいります。 ○佐藤良 議長 琴寄昌男議員。    (30番 琴寄昌男議員登壇) ◆30番(琴寄昌男議員) 知事からは、文化観光の推進による地域活性化について、非常に力強い答弁をいただきました。デジタルミュージアムについては、県内の市町でも矢板市、那須烏山市など取り組んでいる市町があり、相互に連携して相乗効果を発揮していくことも必要と考えますので、市町との連携強化を図っていただきますようお願いいたします。  ここで、生活文化スポーツ部長に再質問いたします。私は、過去にも文化資源を生かしたまちづくりの取組について質問してきたところですが、先ほど紹介した私の地元、嘉右衛門町重要伝統的建造物群保存地区では、観光案内所となるガイダンスセンターやカフェ、シェアオフィスが設置されるなど、非常に魅力的なまちづくりが進んでいます。また、私が活動に携わっている栃木の例幣使街道を考える会では、子ども例幣使行列を開催し、地域のにぎわいの創出や子供たちの郷土愛の醸成の機会ともなっています。  県内には、このように文化資源を生かしたまちづくりや関連したイベントの開催等に積極的に取り組んでいる市町等があり、文化観光をより一層推進していくためには、こうした取組を地域連携による展開なども含めしっかりと支援していくべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか、生活文化スポーツ部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 野原恵美子生活文化スポーツ部長。 ◎野原恵美子 生活文化スポーツ部長 再質問にお答えいたします。文化観光の推進に当たりましては、文化の力を観光やまちづくりなどの関連分野と連携させることによりまして、新たな魅力を創造し、地域活性化につなげていくことが重要と考えております。このため、令和4年度から文化観光について助言を行う専門家の派遣とともに、栃木県文化振興基金を活用いたしまして、文化資源とまちづくりなどの連携により新たな魅力の創造や発信に取り組む地域や団体への助成を行っているところであります。  今後とも、観光やまちづくり関係などの施策と連携を図りながら、県内各地域での文化を核としたまちづくりや広域的な取組などを積極的に支援してまいります。 ○佐藤良 議長 琴寄昌男議員。    (30番 琴寄昌男議員登壇) ◆30番(琴寄昌男議員) 生活文化スポーツ部長から具体的な支援内容について答弁をいただきました。  ここで要望させていただきます。デジタルミュージアムを存分に活用して、オール栃木体制で県内のあらゆる文化資源とそれらを活用したまちづくりの取組など、栃木県の歴史と文化の魅力を余すことなく発信していくことは、まちづくり活動等のさらなる活発化といった好循環にもつながり、文化観光のより一層の推進につながっていくものと考えますので、しっかり取り組んでいただきますよう要望し、次の質問に移ります。  救急医療体制の充実・強化について、保健福祉部長にお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の第8波においては、1週間当たりの救急搬送困難事案が県内全域の調査を開始した令和3年12月以降最大の219件に至るなど、非常に救急医療が逼迫する事態となりました。県では、第7波の際に救急搬送困難事案が増加したことなどを受け、心肺停止などの救急処置が必要な新型コロナウイルス感染症患者への対応について、医療機関や消防機関と検討を行い、症状に応じた搬送先医療機関の選定について情報を共有するなどしたものの、第8波では第7波を超える件数の救急搬送困難事案が生じました。  こうした救急医療の逼迫は、より多くの感染者が生じたほか、医療従事者のクラスターの増加などが要因として考えられるとのことですが、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行した後も、第8波を超える感染の再拡大が起こる可能性は十分にあります。今後、新型コロナウイルスの感染の再拡大や新興・再興感染症に備えていくためには、救急搬送困難事案が発生した様々な原因を十分に分析した上で救急医療体制の強化につなげていくことが必要と考えます。  また、本県の救急医療体制については、全国的に見ても公立・公的病院数が少なく、県立病院は特定の疾患に特化した専門病院で、精神科を除いて救急部門は設置されておらず、通常の救命救急センターでは対応困難な疾病の診療を担う高度救命救急センターも関東で唯一設置がされていないなど、専門家からも救急医療体制の脆弱性が指摘されております。私は、県民の命を守るためには、これらの課題を踏まえ救急医療体制の充実・強化を図っていく必要があると考えます。  そこで、県は、救急医療体制の充実・強化について今後どのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 岩佐景一郎保健福祉部長。    (岩佐景一郎保健福祉部長登壇) ◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまの質問にお答えいたします。県では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う救急医療の逼迫に対応するため、救急対応型臨時医療施設の設置やDMATによる搬送調整等の対策を講じてきたところでありますが、感染症対応の難しさや、三次救急等特定の病院への患者集中等の課題が浮き彫りになったところであります。こうしたことから、地域ごとに課題分析を行い、感染症や救急医療等の多様化する医療ニーズに合わせて民間病院と公的病院等の役割分担や各医療機関がどのような医療を提供するかにつきまして関係者間で協議、共有していくことが極めて重要であると考えております。そのため、今年度、次期保健医療計画の策定作業に取り組む中で、救急搬送事案や高度医療の現状に係るデータの分析結果や関係者からのご意見を踏まえながら、救急医療体制の在り方につきましても検討を進めていくつもりでございます。  今後とも、限られた医療資源の効率的、効果的な活用に向けまして、関係者と緊密に連携しながら救急医療体制の充実・強化を図ってまいります。 ○佐藤良 議長 琴寄昌男議員。    (30番 琴寄昌男議員登壇) ◆30番(琴寄昌男議員) 保健福祉部長から救急医療体制の充実・強化に必要な諸課題について、前向きに取り組んでいく旨の答弁をいただきました。  ここで要望させていただきます。私の地元栃木市にある二次救急医療機関に指定されているとちぎメディカルセンターしもつがでは、コロナ禍で積極的に救急の受入れを行ってきましたが、病院の体制としては非常に厳しい状況にあったとの話を聞いております。また、今朝のマスコミ報道で、埼玉県立春日部高校で教員を含む116名が新型コロナウイルスに感染し、学校閉鎖になったという報道がありました。感染の再拡大に備え、県として各救急医療機関からの意見や要望にしっかりと耳を傾けて機能強化に必要な支援などに取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。  保育所等における安全の確保について、保健福祉部長にお伺いします。  昨年9月に認定こども園の送迎用バスに置き去りにされた園児が死亡するという痛ましい事案が発生いたしました。国は、保育所や幼稚園などで発生した子供の安全に関わる事案について実地調査を行うとともに、10月にこどものバス送迎・安全徹底プランを取りまとめ、今年4月1日から園児の所在確認や送迎用バスへの安全装置の装備が義務化されました。また、昨年12月には、全国の保育施設で保育士による不適切な保育が行われていたとの報道が相次ぎ、国が保育所等における実態や各自治体の不適切な保育への対応の実態を把握する全国調査を実施した結果、昨年の4月から12月までの間に全国で不適切な保育が914件確認され、本県においても7件の不適切な保育の事実が確認された結果となりました。  しかし、今回の国の調査では、不適切保育について、施設により判断の基準にばらつきがあるとの報道があり、今回の調査結果は氷山の一角とも言われております。保育所等の幼児教育・保育施設は、子供が生活時間の大半を過ごすところであり、その環境や保育内容によっては、子供の安全や健康面だけでなく、健全な発達にも影響を与えることがあることから、子供にとって保育所や幼稚園などの施設が安全・安心に過ごせる施設であることが重要であると考えます。  そこで、県では、園児の所在確認の徹底や送迎用バスへの安全装置の装備、さらに、不適切な保育の防止など幼児教育・保育施設における安全の確保にどのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 岩佐景一郎保健福祉部長。    (岩佐景一郎保健福祉部長登壇) ◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまの質問にお答えいたします。保育所等の幼児教育・保育施設につきましては、子供や保護者が不安を抱えることなく安心して利用できるよう、法令等に基づき安全対策を講ずることが重要であると考えております。送迎用バスの安全対策につきまして、県では、市町と連携しまして、経過措置期間が終了する今年度末を待たず、対象となる全てのバスに安全装置が早期かつ確実に装備されるよう取り組むとともに、バスにおける点呼等の方法による園児の所在確認を徹底するよう周知してまいります。また、保育の質を高める研修や人材の確保、定期的な監査の実施等によりまして、不適切保育の防止と安全対策に取り組んでまいります。  今後は、これらの取組に加えまして、先月国から示されたガイドライン等を踏まえ、新たに施設職員を対象にしましたリスクマネジメント力を強化する安全管理研修を実施し、全ての施設における保育の質のさらなる向上に取り組むなど、より一層の安全確保に努めてまいります。 ○佐藤良 議長 琴寄昌男議員。    (30番 琴寄昌男議員登壇) ◆30番(琴寄昌男議員) 保健福祉部長から保育所等における安全確保のための取組について答弁をいただきました。少子化対策には、子供を安心して産み育てることができる環境づくりが重要であり、保育施設等の果たす役割は非常に重要であります。保護者等からの相談窓口の整備など、保護者が安心して子供を預けられる環境づくりに市町や運営団体等と連携して取り組んでいただくことを強く要望し、次の質問に移ります。  歯と口腔の健康づくりの推進について、保健福祉部長にお伺いいたします。  歯と口腔の病気である歯周病は、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞などの全身疾患、病気との関連が明らかになってきており、全身の健康に影響を及ぼすものであります。また、高齢となり歯と口腔機能が衰えるオーラルフレイルが進むと、誤嚥性肺炎などの危険性が高まり要介護状態への移行にもつながることから、歯と口腔の健康づくりを推進していくことは、病気や要介護状態になることの予防、ひいては医療費の抑制や県が掲げる健康長寿日本一とちぎの実現のためにも非常に重要であります。  本県では、議員提案により栃木県民の歯及び口腔の健康づくり推進条例を平成22年に制定し、行政、関係機関、県民が一体となって歯と口腔の健康づくりに取り組んできています。県では現在、条例に基づく栃木県歯科保健基本計画の第2期計画に基づき各種施策を展開しているところですが、歯と口腔の健康を維持していくためには、歯磨きなどの日常のセルフケアに加え、定期的に歯科医療機関で歯科健診を受診して歯と口腔の状況をチェックし、虫歯や歯周病の予防や早期発見、早期治療につなげていくことが非常に重要であります。  しかし、公益社団法人日本歯科医師会が行った調査によると、歯科医療機関で定期的に歯科健診を受診している人の割合は半数に満たず、定期的に歯科医療機関で健診を受けることが重要であることを認識している人の割合も約3割と非常に少ない状況になっています。また、市町が健康増進法に基づき40、50、60、70歳を対象として実施している歯周疾患検診の令和3年度の本県の受診率を見ても、5.8%と大変低い状況となっています。このため、私は、県民の歯と口腔の健康づくりをより一層推進していくためには、歯科健診の必要性についての周知啓発を徹底し、受診につなげていく必要があると考えます。現在、国でも、医療費抑制の観点から国民皆歯科健診制度について検討していると聞いておりますが、実現し健診制度が充実したとしても、健診を受ける側が必要性を理解していなければ絵に描いた餅となってしまうため、取組をしっかり進める必要があると考えます。  そこで、県は、歯と口腔の健康づくりのより一層の推進に向け今後どのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 岩佐景一郎保健福祉部長。    (岩佐景一郎保健福祉部長登壇) ◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。定期的な歯科健診を含めたライフステージに応じた切れ目のない歯と口腔の健康づくりは、生涯にわたる健康の保持増進を図るために非常に重要なものであると考えております。そのため県では、歯科保健基本計画に基づきまして、就学前児童への歯磨き等の定着支援、学校歯科医と連携した歯科保健活動、かかりつけ歯科医における定期健診の重要性の啓発強化等に総合的に取り組んできたところでございます。  また、講演会やフレイル予防アドバイザーの養成研修会等を通じまして、オーラルフレイル予防の普及を進めているところでございます。さらに今年度は、ナッジ理論を用いまして効果的に健診の受診勧奨を行うためのモデル事業を実施することとしておりまして、その事業効果を検証した上で、成果を県全体に広げるなど、さらなる理解促進と受診率向上に努めてまいります。  今後とも、県歯科医師会や市町等と連携しまして各種対策に取り組みまして、健康長寿とちぎづくりを推進していきたいと考えております。 ○佐藤良 議長 琴寄昌男議員。    (30番 琴寄昌男議員登壇) ◆30番(琴寄昌男議員) 保健福祉部長から、歯科健診の必要性についての周知啓発などに力を入れて取り組んでいく旨の答弁をいただきました。歯科健診について、私の地元栃木市では、県内で初めて産前産後の妊産婦歯科健診を実施しているほか、県内で唯一、二十歳からの生涯を通じた歯周病健診を実施するなど先進的な取組を実施しておりますので、こうした事例を県内に広げていけるよう、取組のより一層の推進を要望し、次の質問に移ります。  県立高校への国際バカロレアの導入について、教育長にお伺いいたします。  国際バカロレアはIBとも言いますが、スイスに本部がある国際バカロレア機構が定める教育プログラムです。グローバル化に対応した素養、能力を育成するもので、年齢別の課程に分かれており、機構から認定を受けたIB認定校の最終試験で一定の成績を残せば、多くの海外大学の入学資格や受験資格が得られます。また、国内の大学でもIB入試を行っている大学もあります。国においても文部科学省がIB教育推進コンソーシアムを設置するなど取組を進めてきており、令和5年3月末時点の日本の認定校は申請中の候補校を含めて207校となっています。また、認定校については、現状ではインターナショナルスクールや私立学校への設置が多くなっていますが、国公立の中高一貫校や高等学校の認定校も増えており、令和5年3月末時点で、国公立の11歳から16歳までを対象としたミドル・イヤーズ・プログラム認定校は6校、16歳から19歳までを対象としたディプロマ・プログラム認定校が13校あります。  世界に通用するグローバルな人材を育成するためにはIBによる教育は非常に有効なものですが、本県においては導入している認定校はなく、関東地方で認定校がないのは本県と千葉県のみとなっており、私は、IBによる教育を求めて他県に出ていく子供たちもいるのではないかと懸念しております。  こうした中、令和4年2月に出された県立高校の在り方検討会議の提言では、特色・魅力ある学校づくりのより一層の推進の観点から、IBについて「グローバル人材の育成による本県の国際化の推進や、主体的な学びを通した全人教育の実現、国内外への進路の多様化などの点で有効である」ことなどから、「早期の導入が望まれる」とされました。また、導入する際には「6年間を通した計画的なIBによる教育が可能となる中高一貫教育校や、国際交流や英語力の向上に積極的に取り組むなどグローバル人材の育成を特色とする高校にコースとして導入することが望ましい。」とされております。導入に向けては、提言でも指摘されているとおり、生徒数の確保に加え、教員の育成と確保や財政的負担の面などの諸課題があることも承知しておりますが、私は、私立高校と比較し学校数、生徒数ともに県立高校が多い本県においては、まずは県立高校にIBによる教育を導入することが重要で、次期県立高校再編計画にはIBの導入についてしっかりと位置づける必要があると考えています。  また、私は、県内ではIBの認定は受けていないものの英語教育に力を入れている幼稚園などもあること、小学校においても英語が必修化されていることを鑑みると、中学校から計画的にIBによる教育を受けられる環境を整備することが望ましいと考えており、提言にもあるとおり、県立の中高一貫教育校への導入に向け取組を進めていくべきと考えます。関東では現時点でほかに公立の中高一貫校における導入例がないことからも、実現できれば本県教育の大きな強みになるのではないかと考えております。  そこで、県教育委員会では、県立学校への国際バカロレアの導入について今後どのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 阿久澤真理教育長。    (阿久澤真理教育長登壇) ◎阿久澤真理 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。国際バカロレアは、グローバル人材の育成に向け、探究的な学びや協働的な学びなどの手法を取り入れた特色ある教育プログラムであります。また、課題発見・解決能力、コミュニケーション能力等の育成を目指す国際バカロレアの学びは、国や県教育委員会が推進する主体的、対話的で深い学びとも共通点が多いと考えております。一方で、他県の公立高校における先行事例では、学習や費用の面での生徒の負担も大きいため入学希望者が少ないことや、バカロレア教員の育成、英語のネイティブ教員の確保が困難であることなどの課題も指摘されているところであります。  今後とも、国際バカロレアに関する国の動向や、昨年2月にいただいた有識者会議の提言等を踏まえ、先行事例の成果と課題をさらに精査するとともに、本県が実施しているSTEAM教育など、他の探究的な学びの手法の成果も検証しながら、引き続き導入の可能性を検討してまいります。 ○佐藤良 議長 琴寄昌男議員。    (30番 琴寄昌男議員登壇) ◆30番(琴寄昌男議員) 教育長からは、他県の事例も参考に検討を進めていく旨の答弁をいただきました。確かに、国際バカロレアの導入ということになりますといろいろなハードルがあります。しかし、これを実現することによって本県の教育の強みも生かせると思いますので、ぜひしっかりと検討していただきたいと思います。  ここで要望させていただきます。国際バカロレアは英語力の向上のみを目的としたものではなく、全人教育を含めたグローバル人材を育成するための教育プログラムであり、公立高校への導入、特に中高一貫教育校への導入は本県教育の大きな特色となり、本県の未来を担う優秀な子供たちの他県への流出を防ぐだけではなく、教育の機会を求めた他県からの移住者の増加にもつながっていくものと考えています。現在、次期県立高校再編計画の策定が進められているタイミングでもあることから、今回あえて質問させていただきました。ぜひ導入に向けて検討を進めていただくよう強く要望し、次の質問に移ります。  部活動の地域移行について、教育長にお伺いいたします。  国においては、部活動の地域移行について、昨年12月に学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインを策定し、令和5年度から令和7年度までの3年間を改革推進期間として地域連携、地域移行に取り組みつつ、地域の実情に応じて可能な限り早期の実現を目指すことといたしました。こうした国の動向を踏まえ、県教育委員会では、令和5年度から令和7年度までを計画期間とするとちぎ部活動移行プランを策定し、令和7年度までに全ての公立中学校の休日の部活動を1つ以上、地域クラブ活動にすることを目指して取組を進めているところであります。  目標の実現に向け課題は山積していますが、私は、まず守るべきは生徒の利益であり、地域クラブ活動への移行によって、住んでいる場所や経済的事情で生徒が部活動に参加する機会を奪われることがないようにすることが大切と考えております。具体的には、地域クラブ活動の受皿となるスポーツクラブなどの団体や地域内で指導に携われる人材の有無、数が自治体間で異なることにより生じる地域格差の解消と、参加費用負担が生じることによる保護者の負担の軽減については、特に力を入れて取り組んでいく必要があると考えています。  まず、地域格差の解消については、県教育委員会として各市町の状況を把握した上で、各市町の実態に応じた適切な支援を行っていく必要があると考えます。また、地域活動の受皿となったスポーツクラブなどの団体や指導者に支払う会費や月謝などの地域クラブ活動への参加費用については、令和4年度に県教育委員会が実践研究校の生徒を対象に行ったアンケート調査の結果によると、地域クラブ活動が受益者負担となった場合には参加したくないと回答した生徒の割合が35%を占めており、支援制度を設けるなど保護者の負担を軽減する取組を検討していく必要があります。  部活動の地域移行については、教員の働き方改革の推進にも力点が置かれて進められてきましたが、あくまで部活動は生徒たちのものであり、地域移行によって生徒たちがスポーツ・文化芸術活動に参加する機会を奪われるという本末転倒の結果とならないよう、取り組むべき課題が山積する中、課題解決を市町教育委員会任せにするのではなく、県教育委員会が積極的に関与し、円滑な移行を推進していただきたいと考えております。  そこで、とちぎ部活動移行プランに掲げる目標の実現に向けて今後どのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 阿久澤真理教育長。    (阿久澤真理教育長登壇) ◎阿久澤真理 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。部活動の地域移行に当たりましては、どの地域におきましても生徒がスポーツ活動や文化芸術活動に安心して主体的に取り組める環境を整備することが重要であります。このため県教育委員会では、地域の実態に応じた支援策を提示できるコーディネーターの市町等への派遣や、先行実施した2市における実践研究の成果を踏まえたとちぎ部活動移行プランを策定するなど、地域移行に向けた取組を進めてきたところであります。  今年度は、実践研究を5市におきまして実施いたします。地域ごとの課題の抽出をはじめ、多様な運営団体による地域クラブ活動への参画事例など、他地域が参考にできるようなモデルケースの創出に取り組むとともに、国の動向を注視しながら、費用負担の在り方等につきましても検討してまいります。引き続き国に対し必要な要望を行うとともに、このプランに基づき市町教育委員会と緊密に連携しながら、生徒にとって望ましい持続可能で多様なスポーツ・文化芸術活動が展開できる環境づくりに努めてまいります。 ○佐藤良 議長 琴寄昌男議員。    (30番 琴寄昌男議員登壇) ◆30番(琴寄昌男議員) 教育長から、部活動の円滑な地域移行に向け市町教育委員会と連携して取り組んでいく旨の答弁をいただきました。現場が直面している諸課題については、教員の方々などから直接話を聞く機会も多く、危機感を強く抱いております。繰り返しにはなりますが、部活動は生徒たちのものであって、当事者である生徒たちに不利益が生じることが決してあってはならないということを念頭に置いていただいた上で、市町教育委員会と緊密に連携を取っていただきながら取組を進めていただきますよう強く要望して、最後の質問に移ります。  県道栃木粟野線の整備について、県土整備部長にお伺いいたします。  県道栃木粟野線の東北縦貫自動車道交差部から国道293号に至る栃木市都賀町深沢地内の約1.5キロメートル区間については赤津小学校の通学路となっていますが、大型車の交通が多く、見通しの悪い危険な箇所もあるにもかかわらず、歩道の整備がなされていません。通学児童の安全確保のためにも歩道整備は地域住民の長年の願いであり、2021年度の第380回通常会議において私が今後の見通しについて質問した際には、歩道設置を含む道路改良を行うこととし、年内には事業説明会を開催して地元の合意を得ることができれば、速やかに用地調査を実施する予定である旨の答弁が当時の県土整備部長からありました。  2021年6月に千葉県八街市の歩道のない道路で起きた5人の児童が死傷する痛ましい事故の記憶も新しいところですが、2022年版の交通安全白書によると、2017年から2021年までの5年間で小学生が死亡または重傷を負った交通事故約4,000件のうち59%が歩行中だったとのことであり、子供たちの命を守るためにも一刻も早く歩道の整備を進めていただきたいと考えております。  そこで、県道栃木粟野線の栃木市都賀町深沢地内における歩道整備について、現在の進捗状況と今後の見通しを県土整備部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 坂井康一県土整備部長。    (坂井康一県土整備部長登壇) ◎坂井康一 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県道栃木粟野線は、栃木市内と鹿沼市粟野地区を結び、地域の日常生活を支える重要な路線であります。しかしながら、栃木市都賀町深沢地内の東北縦貫自動車道交差部から国道293号までの約1.5キロメートル区間は、道路幅員が狭く屈曲しているとともに、赤津小学校の通学路であるものの歩道が未整備であるため、一部の児童は県道を大きく迂回して通学している状況であります。このため県では、歩道設置を含む道路改良を行うこととし、令和3年度から補助事業により用地調査等を進め、昨年度末から用地取得に着手したところであります。  今後も、栃木市や地元関係者の協力を得ながら、早期に工事着手できるよう鋭意取り組んでまいります。
    ○佐藤良 議長 琴寄昌男議員。    (30番 琴寄昌男議員登壇) ◆30番(琴寄昌男議員) 県土整備部長から、進捗はおおむね順調である旨の答弁をいただきました。今後とも、地権者の方々には丁寧に説明をしてご理解をいただきながら手続を進め、可能な限り早期に具体的な工事完了の見込みの時期について、歩道の完成を待ち望む地域の方々にお示しできるよう整備を進めていただくことを強く要望させていただきます。  以上をもちまして、通告しました質問は終了となります。今回、コロナ禍などの時代の変化も踏まえながら、安全・安心に暮らせ、いつまでも住んでいたい、また、住んでみたいと思われる栃木県づくりの実現に向けた視点からの質問、そして、世界で勝ち抜けるためのWeb3.0の取組や県立学校への国際バカロレアの導入など、他県に先行して取り組むべきと私が考える課題を盛り込んだ質問をさせていただきました。質問の中でも取り上げさせていただきましたが、今年、本県は誕生150年の節目の年ということもあり、先人たちが脈々と築いてくれた歴史と文化を継承しつつ、世界の中の栃木県、そして日本の中の栃木県をこの契機に大いに発信していただき、新たな時代に果敢にチャレンジしていくことも必要であると考えております。ぜひ、知事をはじめとした執行部の皆様には、今日答弁いただいた内容に真摯に取り組んでいただくことはもちろんのこと、本県が先進県となるような新たな取組にも積極的にチャレンジしていただけるよう強く要望し、私の今回の質問を終わらせていただきます。 ○佐藤良 議長 この際、15分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。     午前10時58分 休憩       ――――――――――――――――――――――――――――― ◎柏瀬仁 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は49名であります。       ―――――――――――――――――――――――――――――     午前11時15分 開議 ○関谷暢之 副議長 議長の都合によりまして、私が議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。  ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) 県議会議員として2期目となり、最初の質問となります。本日の質問では大きく3つの観点から質問させていただきます。初めに、高齢者の暮らしを守るための取組について2問、次に、安心して子育てできる環境をつくる取組について2問、そして未来に誇れる栃木を創る取組について3問で計7問、これから発言通告に従って順次質問をさせていただきます。執行部におかれましては、どうぞ明快なご答弁をお願い申し上げます。  それでは、早速ではありますが、高齢者等の暮らしを守るための取組についてのうち、高齢者が暮らしやすい社会の構築について、知事にお伺いいたします。  栃木県は全国有数の車社会です。もちろんJR線や東武線などの公共交通機関はありますが、県民の生活は車での移動を主として成り立ってきました。そのような中、現在は高齢化が進み、免許返納などで車を使用することができなくなりました高齢者等は、買物や通院等の移動手段の確保が厳しくなる中、公共交通機関に対する県民ニーズは高まりつつあります。高齢者が暮らしやすい社会の構築は大変重要であり、公共交通機関の整備についてしっかりと取り組んでいくべきと考えます。  これまでも市町は、国や県の補助の下、事業主体となって路線バスの運行を確保したり、新たな路線バスの整備やデマンドタクシーの併用を図るなど、市民、町民のニーズに応える努力はしておりますが、利用の低迷により地域公共交通事業者は苦境に立たされ、補助する市町、ひいては県の負担も増大する一方です。県は今年度、地域の公共交通施策を進めていく上でのマスタープランとなる地域公共交通計画を地域の関係者と協議しながら策定を進めているところでありますが、県、市町、民間事業者、そして利用者の全てにとって有益となるような、いわば四方よしを目指すべきと考えます。  そこで、高齢者が暮らしやすい社会の構築のため、地域公共交通の次のステージをどのように描くのか、知事の所見をお伺いいたします。 ○関谷暢之 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの湯澤英之議員のご質問にお答えいたします。県が目指す将来像である「人が育ち、地域が活きる 未来に誇れる元気な“とちぎ”」の実現のためには、持続可能でにぎわいのある誰もが暮らしやすいまちづくりが不可欠であります。このため、高齢者をはじめ誰もが安心して快適に暮らし、社会活動が営めるよう、地域の実情に応じた持続可能な公共交通サービスの確保・充実を図ることが必要であると考えております。これまで県では、民間バス路線及び市町生活交通の確保に対する支援や、地域共助型生活交通及び市町をまたぐ広域的なバス路線の導入支援等の取組を行ってまいりました。また、地域の持つ多様な輸送資源を最大限活用した持続可能な公共交通サービスの構築を目指す県版地域公共交通計画の策定等を通じて、広域的な公共交通ネットワークのさらなる充実・強化にも取り組んでいるところであります。  さらに、交通系ICカード、MaaS等の導入を推進いたしますほか、無人自動運転技術の実装を目指し、県内各地で実証実験を行うなど、最新のデジタル技術を活用した未来志向で利便性の高い公共交通サービスの実現を目指していくこととしております。  今後とも、県、市町、交通事業者が連携し、利用者のニーズを的確に踏まえながら、地域の実情に応じた持続可能な公共交通サービスの確保・充実に取り組んでまいります。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) 知事から地域の実情に応じた公共交通サービスを整備していくという答弁をいただきました。  ここで、保健福祉部長に再質問いたします。地域公共交通を持続させることは非常に難しい問題であると思っております。しかしながら、人生100年時代を生きる地域社会の実現には、交通弱者である高齢者が住み慣れた地域で日常生活を過ごすためには買物支援などの取組は欠かすことができないと考えます。こうした県民ニーズに対しどのように応えるべきかをしっかり検討すべきではないかと思います。  そこで、買物支援を含め地域全体で高齢者の生活を支える体制づくりにどのように取り組むのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。 ◎岩佐景一郎 保健福祉部長 再質問にお答えいたします。現在、各市町では、地域の互助を高め、地域全体で高齢者の生活を支える体制づくりを推進しておりまして、住民主体によります移動支援や、生活支援に関するボランティア活動など地域の特性を踏まえた様々な取組が行われているものと承知しております。県におきましても、地域における調整役であります生活支援コーディネーターの養成や、高齢者支援につきまして、関係者が協議する場であります協議体へ助言を行うアドバイザーの派遣や、様々な機会を捉えました県内外の好事例の紹介など、各市町に対しましてきめ細かに支援に取り組んでございます。  今後とも、買物支援や移動支援など多岐にわたります高齢者の生活支援に向けまして、地域での機運の醸成を図りながら、住民が主役となり共に支え合う地域づくりを進めてまいりたいと考えております。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) 保健福祉部長から答弁をいただきました。要望いたします。地域の取組について答弁をいただきましたけれども、私はもう一歩、県に踏み込んだ支援をお願いしたい、そのように思っております。先ほど、公共交通の整備について四方よしの話をしましたけれども、私は、この買物支援の話も解決策は同じであると考えます。例えば、スーパーなどの民間事業者が移動販売車を使って出向き、日用品を販売する形で買物支援をしている事例があります。移動に困難を抱える住民にとっては近くまで日用品を販売に来てくれることはありがたいですし、店側にとっては新たなお客であります。この事例のように、関係する相互の利益が一致する取組ならば、どちらかが無理することなく課題解決効果の高い取組として持続していけると思います。県には、このような好事例をぜひ促進していただきたいと思います。  もう1点、消費者ニーズに応えることも重要と考えます。現在は注文を受けて日用品の買物代行事業に取り組む事業者も現れているところですが、さらに、デジタル化が進み、身近で使い慣れたテレビを通じて欲しいものが注文できる仕組みを構築する実証実験をしている自治体も出ています。手軽に、そして商品を楽しみながら選ぶ幸せが、その取組を通じて感じられます。高齢者がデジタル化時代の恩恵を享受し、誰もが暮らしやすい社会の構築を目指す上でこうした取組に着目し、さらなる後押しを検討していただくことを要望して、次の質問に入ります。  高齢者の暮らしを守るための取組についてのうち、国民健康保険制度における健康づくりの推進について、保健福祉部長にお伺いいたします。  県は、平成30年度の国民健康保険制度の改正以降、制度の財政運営の責任主体として栃木県国民健康保険運営方針を定め、国民健康保険事業の広域的かつ効率的な運営に取り組んできました。一方で、保険者である市町は、保健事業実施のための事業計画であるデータヘルス計画を策定し、被保険者である市民、町民の健診情報等のデータを活用した保健事業に取り組んでおります。今年度は第2期データヘルス計画の最終年度であるとともに、次期計画を策定する時期でもあります。  国民健康保険制度の抱える構造的課題は、被保険者の年齢構成が高く所得水準が低いこと、保険税負担が重いこと、各市町における保険税収納率が低いことなどが挙げられます。これは、これまで運営主体が市町であったときと大きく変わっているわけではありません。保険税を上げることで制度の維持を図ることは一時的にはできるとしても、制度を持続していくためには、さらなる保健事業の充実により健康寿命の延伸を図ることが必要と考えます。  そこで、市町が行ってきた第2期データヘルス計画に基づく保健事業の成果と課題についてどのように捉えているのか、保健福祉部長にお伺いいたします。  また、次期データヘルス計画の策定に向けてどのような方向性で市町を支援していくのか、併せてお伺いいたします。 ○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。    (岩佐景一郎保健福祉部長登壇) ◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。市町がデータヘルス計画に基づきまして保健事業を効果的、効率的に展開することは、重症化予防や医療費の抑制にもつながり、国民健康保険の安定した運営に資するものと考えております。このため県では、実効性の高い保健事業が実施されるよう、専門家等の派遣や支援、評価委員会を通じました技術的助言、研修会等による市町への支援に取り組んできたところでございます。この結果、全ての市町が計画を策定しまして、地域課題を踏まえた保健事業が実施されており、特定健診・特定保健指導の実施率が上昇するなど一定の成果が上がっていると考えております。一方で、現行計画では評価指標が統一されておらず、市町間の比較であったり、経年的なモニタリング等が難しいことが課題となっていると承知しております。  県としましては、県や市町が保健事業を広く見渡しながら分析、評価ができるよう、共通指標の設定等によりまして次期計画の標準化を図るとともに、地域課題に沿った実効性の高い保健事業が展開できるよう、引き続き市町を支援してまいりたいと考えております。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) 保健福祉部長から答弁をいただきました。特定健診の受診率が上がったことは喜ばしいし、今後の国民健康保険運営に対しましての安定化が図られるということで非常に評価するものであります。また一方、実効性の高い事業をこれから実施していくのだということでありますけれども、その実効性の高い事業について具体的に何か検討されているものがあるのか、保健福祉部長に伺います。 ○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。 ◎岩佐景一郎 保健福祉部長 県としましては、実効性の高い保健事業として、まずは健診の受診率を上げていくということも重要でございますし、糖尿病にかかっている方が重症化しないように支援をしていく取組についても進めていきたいと考えております。今年度はデータヘルス計画を新たに立案する年でもありますので、そのような中で市町に対しても他の効果的な事例などを示しながら、具体的な項目について検討をいただけるよう支援をしてまいりたいと考えております。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) ぜひよろしくお願いしたいと思います。要望したいと思いますけれども、国民健康保険制度の保健事業により被保険者の健康づくりを推進していくのに当たっては、市町と県の役割をうまくつなぎ合わせ、同じ目標に向かって進んでいくこと、全体として整合の取れた施策を行っていくことが大切です。例えば、市町が保有するデータを集約しきちんと分析するような連携を取ることで、県全体の健康政策の立案や具体的な施策の展開に役立てることができると考えます。  加えて、私がもう一つ重要と考えるのは、県庁内の関係部署が一体となって健康づくりに取り組んでいただくことです。市町が策定している第2期データヘルス計画の中身を見ますと、保健事業の実施に当たっては、国民健康保険部局のほか保健衛生部局、高齢者医療部局、介護部局等との十分な連携の下行うという記載が見られます。県においても同様で、国民健康保険事業の担当課は国保医療課ですが、健康づくりを担う健康増進課をはじめ関係部署が実施する施策を、全体として整合を図ることも重要です。現状の市町が抱える課題をしっかり捉え、現行の県全体の健康づくりについて事業効果の最大化を目指していただきたいと思います。国民健康保険制度を長期にわたり持続させ、県民全体の健康増進に向けた取組にもつなげていただきますよう要望いたしまして、次の質問に入ります。  安心して子育てできる環境をつくる取組についてとして、2問質問いたします。初めに、子供を産み育てやすい環境づくりについて、保健福祉部長にお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大により我々の生活は様々な影響を受けてきましたが、新型コロナウイルス感染症が去る5月8日をもちまして5類感染症へと移行し、これまでの対策から大転換されました。しかしながら、その影響は色濃く残っており、いまだに多くの方々が日常や将来に不安を感じております。コロナ禍により借り受けた資金の返済に苦しむ方は多くいらっしゃいます。そこにウクライナ情勢、歴史的な円安による物価高騰が追い打ちをかけ、多くの方がいまだに非常に苦しい状況にあります。この困難な状況の中、国は、生活に苦しむ子育て世帯等を給付金の支給などにより支援し、独り親世帯に対しては生活支援特別給付金を支給するなどの対策を講じてきました。国においてはより積極的な少子化対策の検討が始まっておりますが、国民にさらに近い立場にいる県も、車の両輪となって取組を強化していくべきであると考えます。  そこで、県内において所得や地域等に関係なく誰もが安心して子育てできる環境の実現を図るため、今後どのように取り組むのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。    (岩佐景一郎保健福祉部長登壇) ◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、市町と連携いたしまして、保育所や放課後児童クラブ等の整備、また、多子世帯への保育料の減免などによりまして、子育て環境の充実に取り組んでいるところでございます。今年度からは、子育て家庭の経済的負担のさらなる軽減を図るため、こども医療費助成制度につきまして拡充をするとともに、全国に先駆けまして新生児の先天性代謝異常等検査の対象疾患の拡大を行ったところでございます。また、経済的に困難を抱えます独り親世帯に対しまして、生活資金等の各種貸付けを無利子または低金利で行っているほか、先月には物価高騰への対応としまして、児童扶養手当の受給者への特別給付金を速やかに支給するなど、経済的な自立の支援に取り組んでおります。  今後とも、子育て支援施策のさらなる充実に取り組みまして、県民誰もが安心して子供を産み育てることができる地域社会の実現に向けまして積極的に取り組んでまいります。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) 保健福祉部長から答弁をいただきました。少子化対策は何においても県の喫緊の課題ですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  ここで、保健福祉部長に再質問いたします。答弁にあったと思いますけれども、市長会、町村会の要望もあり、県によるこども医療費の助成が中学生までカバーされました。これを受けて全25市町で県内一律で高校生までの引上げが実現され、子を持つ親の負担が軽くなりましたことは大変評価をしております。その一方で、私が地元を回って声を聞いてきた中では、子育てにさらなる困難を抱えていると感じたのが独り親世帯であります。単身で子育て、家事など全てを行いながら、時間的、体力的な制約があることから非正規雇用で労働しているなど、収入面でも厳しい方が多いです。そのような家庭で育つ子供たちにも高等教育を受けられる機会をつくることで、その後よい収入、雇用条件等で就労することができれば経済的な自立にもつながります。  しかしながら、子供が高等教育を受ける場合、支出の面では関連する教育費や子供の生活費の負担が重くのしかかり、収入の面では児童扶養手当の受給が終了するなど経済的な負担が大変大きくなります。このため、独り親家庭の親が子供を大学に通わせるために仕事を2件、3件掛け持ちして不足する教育費や子供の生活費を工面している事例もあると聞きます。このような家庭をしっかりと支援し、経済的に自立に導いていくことが重要と考えますが、保健福祉部長の所見をお伺いいたします。 ○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。 ◎岩佐景一郎 保健福祉部長 再質問にお答えいたします。県では、独り親世帯への支援のために、相談支援、生活支援、就業支援、経済的支援などについて各種取組を実施しているところでございます。高等教育を受ける機会の確保につきましては、授業料や通学、入学準備などを用途としました無利子の貸付けを行っているところでございますが、申請の相談に来た方に対しまして、まずは給付型の奨学金の利用を促すなど、きめ細かな対応に取り組んでいるところでございます。  今後とも、独り親世帯の子供であっても希望する高等教育を受けることができるよう、支援の充実ということで取り組んでまいりたいと考えております。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) 保健福祉部長から答弁をいただきました。要望いたします。一方で、ご家庭の声をつぶさに聞かせてもらっていますと、高等教育を受けることの大事さは分かっているものの、奨学金等を利用するために返済計画を検討するとなかなか厳しいという現実が伺えます。例えば、大学への進学を希望して母子父子寡婦福祉資金を借りた場合、卒業後僅か6か月で返済期間が始まってしまいます。奨学金をもらって大学に進学し就労できたとしても、まだ駆け出しで収入が安定していないうちから返済が始まってしまうため大変苦労しているという話も伺いました。このような状況に陥ってしまう悪循環を断てるよう、県としてさらなる支援の充実を要望いたしたいと思います。県において、所得や地域等に関係なく誰もが安心して子育てできる環境整備の実現を図っていただきたいと考えます。  次に、安心して子育てできる環境をつくる取組についてのうち、ヤングケアラーへの支援について、保健福祉部長にお伺いいたします。  令和2年12月通常会議において、私はヤングケアラーへの支援について質問いたしました。それから2年半が経過し、ヤングケアラーに対する社会的な認知度がいよいよ高まってきていると感じております。本県においてもヤングケアラーへの対応を含む栃木県ケアラー支援条例が昨年度制定され、本格的な支援に向けた体制が整備され、今後の取組に期待しているところです。ヤングケアラーが抱える問題は家庭によって様々です。その支援体制は、学校をはじめ多くの関係機関が関わることになります。これらの機関がしっかりと連携し、救いの手が必要な方を確実に発見し、しっかりと具体的な支援につなぐことが大変重要と考えます。  そこで、県はヤングケアラーの支援にどのように取り組んでいくのか、保健福祉部長に伺います。 ○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。    (岩佐景一郎保健福祉部長登壇) ◎岩佐景一郎 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。ヤングケアラーへの支援につきましては、昨年度実施しました実態調査の結果や有識者会議のご意見等を踏まえまして、早期発見、支援策の推進、社会的認知度の向上を柱に事業を進めているところでございます。具体的には、早期発見や初期対応に必要な視点を養うため、福祉事業所や市町の職員、教職員等を対象にした研修を実施するとともに、ヤングケアラー同士の交流を支援する団体の育成やネットワーク化などを図っていくこととしております。また、支援の中核を担います市町と連携しまして、ヤングケアラーのいる世帯に対する家事支援等に取り組むほか、積極的に市町への相談支援や情報提供を行っていきます。加えて、県民を対象としたシンポジウムの開催や動画を活用した啓発を行いまして、ヤングケアラー支援の機運の醸成を図っていくところでございます。  今後は、栃木県ケアラー支援推進協議会にご意見を伺いながら、条例に基づく計画を策定するとともに、関係機関とも連携しまして対策に取り組むなど、着実にヤングケアラー支援を推進してまいりたいと考えております。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) 保健福祉部長からご答弁をいただきました。再質問させていただきます。ヤングケアラーの支援に係る取組についてでありますけれども、早期発見に向けた体制については、主として学校の教員を想定しているほか、答弁にもありましたように高齢者支援事業所、障害者支援事業所、医療機関、民生委員・児童委員、そして住民を想定していると伺いました。私は、家庭の情報を深く知っているキーマンにヤングケアラーの存在に気づき情報提供していただくことが重要と考えますけれども、保健福祉部長のご所見を伺いたいと思います。 ○関谷暢之 副議長 岩佐景一郎保健福祉部長。 ◎岩佐景一郎 保健福祉部長 再質問にお答えいたします。ヤングケアラーは自分自身がケアラーであるということに気がついていないことも多く、周囲からの気づきや、発見というものが重要になると考えております。そのため県では、先ほども申し上げましたが、学校の教員やヤングケアラーがお世話をする家族等が通う福祉事業所の職員等を対象にしました研修等を行い、早期発見の視点について研修を実施しております。また、県民向けのシンポジウム等々による啓発も行っているところでございます。また、昨年度から地域の身近な相談相手であります民生委員や児童委員の研修の場などを活用しまして、ヤングケアラーについての啓発にも努めているところでございまして、こういった取組により、周囲の方がヤングケアラーを早期に発見できるような体制を整備してまいりたいと考えております。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) 保健福祉部長から答弁をいただきました。要望いたします。家族構成は多様化しておりますことから、ヤングケアラーについての情報を様々な方法で集め、おのおのの家庭の状況に応じて的確な支援を行うことが必要とされています。例えば、家族構成を把握しているのは、学校であったり、実際にヤングケアラーの家庭でケアを受けている方がかかっている医療機関であったりします。そこで、家族構成を踏まえれば、家族の誰がケアラーとなっているのか、介護をできる大人の手が足りていない家庭であれば、どのように家庭生活の維持が図られているのか、想像すれば分かるはずですが、そこに具体的な声かけは働かないのが現状です。特に独り親家庭では、世話の頻度や世話に費やす時間が長く困難を感じる割合が高くなっており、ヤングケアラーの負担が大きい状況にあります。相談したり、役割を分担したり、交代したりする人が家族にいない独り親家庭の子供は、特別大変な状況にあるわけです。  また、ケアが必要な家庭においては、子供自ら家庭の事情を他者に話すことはなく、家庭以外の人とのつながりを持とうとしないのが現状であることから、子供の成長過程で必要な社会的ルールを身につける機会を逸することとなります。栃木県ケアラー支援条例ができ、前進した栃木県でありますが、さらなる聞き取りを行い、特に独り親家庭や心身障害等のケアの必要な家庭において調査をし、それぞれの家庭の実情に合ったきめ細やかな支援体制を整備していただくことを要望して、次の質問に入ります。  ここからは、未来に誇れる栃木を創る取組について、3問質問させていただきます。  まず初めに、未来を切り拓く若者を育てる取組について、生活文化スポーツ部長にお伺いいたします。  3年続いたコロナ禍によって、学生たちが青春の時を過ごす高校や大学などでは、学校行事をはじめ、部活やサークルなどの制限がされてきました。仲間たちと将来を語り合う時間もなかなか持てず、若者たちの中には諦め感や無力感から将来の夢や目標を持つことができなくなっているような方もいると聞きます。令和2年以降、小中高生の自殺者が増えており、統計上初めて500人を超え、このうち高校生が約7割を占めたことは、コロナ禍で交流機会が減少したことと無関係ではないと思います。  私は、将来を担う若者たちが交流を広げていく機会が失われることで、社会的な成長へとつながる経験が不足してしまっているのではないか、協調性や人間関係の調整能力など人と関わる力や自己肯定感、自立心などが低下し、今後様々な形で影響が出てしまうのではないかと懸念しております。こうした中、多感な時期を迎え、様々な悩みを持ちながら生活している若者が本県で夢や希望を持って活躍していくためには、若者同士のつながりや交流の機会を創出し、それを応援していく必要があると考えております。折しも、先日開催されました県民の日イベントで、知事から若者未来デザイン事業のキックオフが宣言されました。この若者未来デザイン事業がきっかけとなり、若者たちが未来に誇れる栃木を創る一歩を踏み出していくことを期待しております。  そこで、県はどのように若者未来デザイン事業を実施していくのか、生活文化スポーツ部長にお伺いいたします。 ○関谷暢之 副議長 野原恵美子生活文化スポーツ部長。    (野原恵美子生活文化スポーツ部長登壇) ◎野原恵美子 生活文化スポーツ部長 ただいまのご質問にお答えいたします。本県が将来にわたり活力ある地域であり続けますためには、若者が夢や希望を持ち豊かな発想で活躍することができる環境づくりが重要であります。このため、栃木県誕生150年記念行事として若者未来デザイン事業を開始したところであり、若者が同世代の仲間とともに様々な社会課題の解決に取り組む企業やNPOなどを訪問しながら、栃木県の将来像を考え描くミライらぼや、栃木県の未来を表現したパフォーマンスを創作するミライACTなどを実施いたします。こうした若者の活動状況につきましては、県ホームページなどで随時広く発信いたしますほか、来年2月に開催する若者未来デザインフォーラムにおいて活動の成果を発表していただき、その内容を今後の施策などに反映できるよう努めてまいります。  今後とも、市町や関係団体等と連携しながら、オール栃木で若者の活躍を応援する機運の醸成を図りますとともに、若者同士のつながりや交流機会の創出に取り組んでまいります。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇)
    ◆11番(湯澤英之議員) 生活文化スポーツ部長から答弁をいただきました。ここで、生活文化スポーツ部長に再質問いたします。若者が世の中の閉塞感を突破できる力を養うためには、今回のような取組を県単独の事業ではなく、市町を巻き込んで広げていく必要性があると思いますけれども、生活文化スポーツ部長の所見をお伺いしたいと思います。 ○関谷暢之 副議長 野原恵美子生活文化スポーツ部長。 ◎野原恵美子 生活文化スポーツ部長 再質問にお答えいたします。この事業に参加した若者が地域で活躍できるよう、若者が描いた栃木県の将来像や活動成果を市町に共有してまいりますとともに、何らかの形でその後の活動をサポートしていただけるよう依頼してまいりたいと考えております。また、この事業の実施を契機に若者の社会参加を継続的に促進し、若者同士、また若者を応援する企業やNPOとの交流機会がさらに広がっていくことが重要でありますことから、市町と連携しながら今後の展開についても検討してまいりたいと考えております。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) 生活文化スポーツ部長から答弁をいただきました。要望いたします。新型コロナウイルス感染症の影響も拍車をかけ、学校に行く義務と学校に行く意味の間で揺れ動く子供たちが多くなってきている状況にあります。不登校の生徒数は年々増加しており、文部科学省の行った令和3年度の調査によれば、中学生の不登校生徒数は前年度と比べておよそ2割増加して16万人となり急増していることも懸念を抱くところです。これは時代背景の一言で済ませてよい問題ではないと思います。学びたい場所と思える場所として最も多い意見は、自分の好きなこと、追求したいこと、知りたいことを突き詰めることができるところとありました。私たちは、このような声をしっかり受けるべきだと思います。  今回、栃木県誕生150年を機に若者未来デザイン事業が立ち上がりました。最初の1年目である今回は、様々な試行を重ね進んでいくのだろうと思います。ただ、できればこの事業の継続を要望しますとともに、将来に対する不安や苦痛を抱いているような若者や、自分の居場所としての学校に違和感を抱いているような子供たちにとっても希望を見いだすきっかけとなる取組としていただくことを併せて要望したいと思います。全ての若者が社会に向けた不安を抱き、大人へと成長していきます。その過程において自分らしさを見つけることができたなら、自信にもつながることと思います。栃木県の全ての子供たちに生かされる事業になりますよう要望し、次の質問に入ります。  未来に誇れる栃木を創る取組についての2問目の質問として、いちご王国・栃木のさらなる飛躍について、農政部長にお伺いいたします。  本県は半世紀を超える長きにわたりイチゴ生産量連続1位の大記録を保持しており、県が令和3年度に行った関東1都6県における認知度調査では、本県をいちご王国と認知する消費者が約7割となるなど、名実ともにいちご王国と呼ぶにふさわしい実績を誇っております。また、近年本格的に販売が始まったいちご王国の新たな主役となる品種「とちあいか」は、生産面についても消費者の目線からも評判がよいと感じております。県が策定した「いちご王国・栃木」戦略においても生産量を増大させていく方針が示されており、今後も県外、そして海外に向けて栃木県のイチゴがさらに広がりを見せるであろうと大きく期待しております。このように本県がいちご王国としての地位を高める中、そこに暮らす県民には、生産地に近いからこそ味わえる新鮮でおいしいイチゴを食べてほしい、いちご王国に暮らすことの恵みを実感してほしいと思います。私は、いちご王国・栃木のさらなる飛躍に向けては、県外へのプロモーションは当然のことながら、県民がいちご王国の国民としてイチゴに愛着を持ち、ひいては郷土愛が醸成されるような取組が重要と考えます。  そこで、いちご王国のプロモーションにどのように取り組むのか、農政部長にお伺いいたします。 ○関谷暢之 副議長 熊田欽丈農政部長。    (熊田欽丈農政部長登壇) ◎熊田欽丈 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。いちご王国プロモーションは、イチゴの振興のみならず、栃木県のブランド力向上にもつながることから、県では、1月15日をいちご王国・栃木の日として宣言し、県内外でのフェアの開催や様々な企業、団体等の協賛事業者によるイチゴをテーマとしたPR活動などに取り組んできたところでございます。今年は栃木県誕生150年の節目の年でありますことから、年間を通じて県民の皆様にいちご王国を実感していただけますよう、東武宇都宮線を「いちご王国」ラインとし特別仕様の列車を運行しますとともに、沿線市町の観光イチゴ園、直売所、飲食店等との連携により誘客促進にも取り組んでまいります。さらに、新鮮でおいしいイチゴが身近に手に入る本県ならではの強みを生かした自慢のイチゴを大切な人に贈る運動の展開や、首都圏、関西圏の商業施設におけるフェアの開催により一層の認知度向上を図っていく考えであります。これらのプロモーションを積極的に展開することで、イチゴを通じて県民の郷土愛を育み、全国に誇るいちご王国のさらなる発展を目指してまいります。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) 農政部長から答弁をいただきました。要望いたしたいと思います。答弁の中で、県民により一層食してもらうような環境を、触れ合ってもらう環境をという話がありましたけれども、さらに要望をさせてもらいたいと思うのはその部分でありまして、私は直接的に本当においしいイチゴを食してもらう機会を増やすべきだと思います。例えば、イチゴの旬の時期には、県内各地で観光イチゴ園と連携した、ここも答弁がありましたけれども、イベントを数多く開催するなど、産地だからこそ味わえるおいしさや魅力を県民に実感していただくような仕掛けをしてはどうかと思います。ぜひ本県がいちご県と呼ばれるほどに全国でくまなく認知される礎となるよう、市町を巻き込み県民総ぐるみの運動を、市町と手を取って注力していただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。  次が最後の質問となります。未来に誇れる栃木を創る取組についてのうち、国体のレガシーの継承について、生活文化スポーツ部長にお伺いいたします。  昨年開催されたいちご一会とちぎ国体・とちぎ大会は、コロナ禍での開催となりましたが、内外ともに多くの方々からの評価する声を聞いており、大変な状況での開催ではありましたが、多くの有形無形のレガシーを残すものとなったと思います。特に感染対策のノウハウ、ボランティアとの協力体制、大会開催に向けて関係者間のコミュニケーションが図られたことによる活力の創出、大規模なスポーツ大会を開くに当たっての運営ノウハウなど、多くのことを学んだと思います。このような折、県が共催する栃木県民スポーツ大会が5年ぶりに開催されますが、このような大会を県版国体として磨きをかけることも含めて国体のレガシーを継承していくべきと考えます。  そこで、国体のレガシーの継承についてどのように考えているのか、生活文化スポーツ部長の所見をお伺いいたします。 ○関谷暢之 副議長 野原恵美子生活文化スポーツ部長。    (野原恵美子生活文化スポーツ部長登壇) ◎野原恵美子 生活文化スポーツ部長 ただいまのご質問にお答えいたします。昨年開催いたしましたいちご一会とちぎ国体・とちぎ大会は、日本一のおもてなしや環境への配慮、また、徹底した感染症対策など、オール栃木体制での取組によりまして多くの県民の皆様に夢と感動を与える祭典となりました。両大会で培われました様々なノウハウが今年度開催いたします県民スポーツ大会に生かされ、選手、観客、スタッフが一体となり、安全・安心な大会として成功裏に開催されますよう、主催者である公益財団法人栃木県スポーツ協会と連携して取り組んでまいります。また、両大会の実施競技がマイタウンスポーツとして開催市町に根づくよう、今年度から体験教室や普及イベントの開催に要する経費を助成する事業を開始いたしましたほか、スポーツコミッションを設立し、大規模大会や合宿の誘致などを推進してまいります。  今後とも、両大会の有形無形のレガシーを継承し、市町や関係団体等と連携しながら、本県のスポーツを活用した地域活性化に積極的に取り組んでまいります。 ○関谷暢之 副議長 湯澤英之議員。    (11番 湯澤英之議員登壇) ◆11番(湯澤英之議員) 生活文化スポーツ部長から答弁をいただきました。国体を振り返り、開催の効果は大変大きかったと思っています。特に、地域の協力やスポーツをする側と見る側の一体感は醸成されたものと感じております。一方で、国体によって培われた地域や組織の人材、ボランティアの方々とのつながりを今後のスポーツ振興施策を展開する中でどのように残していくのか、それが最も大事なことと考えます。そのような人材の受皿は、先ほども答弁にありましたとおりスポーツコミッションにおいて育成されていくものと思いますけれども、国体・障害者スポーツ大会開催において地域振興面の醸成が図られたところでありますので、その機運を逃すことなくさらなる振興へとつなげていくためには、地域や組織の一体感が生まれた開催直後の今こそ好機です。ひいてはそれが地域社会のつながりを再度強く結びつける力になるのではないかと思います。県にはこのような視点を持っていただきながら、今後の本県スポーツ振興施策にしっかりと取り組んでいただくことを要望して、この質問を終了といたします。  本日予定しておりました質問は以上となります。さきにも述べましたが、県議会議員として2期目の最初の登壇となりました。十分にできたのかは今後追及していきたいと思いますが、さきの選挙において、高齢者世代、働き世代、子育て世代と3つの世代に分けて自分なりの行動計画として、または公約として掲げたものを中心に取り上げて質問しました。執行部におかれましては、私からの提案を県民の声として今後の施策運営に生かしてもらいたいと思いますし、新たな取組と言える提案につきましては、その検討を十分にしていただき、ぜひとも取り入れてほしいと思います。  特に、高齢者の問題である地域公共交通の問題、今年が計画の最終年度や策定の節目となる国民健康保険の問題、ヤングケアラーの問題、そして県誕生150年の節目にスタートした若者未来デザイン事業については、さらなる深掘りをお願いしたいと思います。先行き不透明な時代だからこそ、県民の全ての方が幸せであると思える県政づくりにこれからも努め、県政の課題の一つであるより身近な県政を目指して今後も取り組んでまいる所存でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  以上で私の質問を全て終わりといたします。 ○関谷暢之 副議長 この際、休憩したいと思います。午後1時15分から再開いたします。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。     午後0時11分 休憩       ――――――――――――――――――――――――――――― ◎柏瀬仁 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は48名であります。       ―――――――――――――――――――――――――――――     午後1時15分 開議 ○関谷暢之 副議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) とちぎ自民党議員会の小林達也です。県議会議員として2期目最初の一般質問となります。これまで県議会議員として見聞きしてまいりました国や県、地域の現状や県民の声を踏まえ、発言通告に従い順次質問してまいります。梅雨の季節、天気痛で辛い思いをされている方も多いと聞いております。栃木県全体がすかっとするようなご答弁をよろしくお願い申し上げまして、質問に入ります。  まず初めに、首都直下地震に対応するための国家中枢機能のバックヤード構想の推進について、知事にお伺いいたします。  マグニチュード7クラスの首都直下地震は、30年以内の発生確率が70%と想定されています。約10年前から30年以内と言われており、最近の頻発する地震を考えると、いつ首都直下地震が起きてもおかしくない状況だと思っております。2022年に東京都が発表した首都直下地震が起きた場合の最大の被害想定では、全壊する建物は約8万2,200棟、火災で約11万2,200棟が焼失、こうした被害によって約6,150人が死亡し、けが人は9万3,400人余りになるとしています。また、道路や鉄道などの交通インフラや電気、水道、通信などのライフラインにも大きな被害が生じて、復旧までの期間が長期化するとしています。東京圏には、我が国の政治、行政、経済の中枢機能が集積しており、首都直下地震によりこれらの中枢機能に被害が及んだ場合、我が国全体の国民生活や経済活動に支障が生じるほか、世界にも影響が波及することが想定されます。  したがって、首都直下地震が発生し、東京都が壊滅的な被害を受けた場合でも首都が担っている国家中枢機能を維持継続していく必要がありますため、現在、私の地元那須地区の簗和生衆議院議員のほか、船田元衆議院議員や高橋克法参議院議員が役員として参画されている有志の国会議員による議員連盟の勉強会において、国家中枢機能を分散させ災害リスクを軽減するバックヤード構想の推進について議論が進められております。その勉強会に私も先日参加させていただきましたが、この構想では、国家中枢機能を一時的に代替するバックヤードエリアは、首都直下地震や南海トラフ地震が発生しても東京都と同時に被災する可能性が低い内陸の強固な地盤に立脚する地域であり、移動、物資支援、復旧・復興を踏まえ、新幹線、高速道路等の高速大量輸送が可能なインフラを備えている北関東・南東北エリアが適地とされております。  私は、議員連盟の主張が策定作業が進められている新たな国土形成計画の全国計画に反映されていると捉えており、その中でもバックヤードエリアに最適な場所は、過去の国会等移転の議論で優位性が確認されている那須地域しかないと考えております。また、現在国で議論が進められている新たな国土形成計画の全国計画策定後には、全国8ブロックごとに広域地方計画が策定されますが、その際には栃木県としてバックヤードエリアの適地として積極的に名乗りを上げるべきと考えます。  そこで、県は、国に対し積極的に国家中枢機能のバックヤード構想を推進させる姿勢を示し、積極的に役割を果たしていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 ○関谷暢之 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの小林達也議員のご質問にお答えいたします。未曽有の被害を引き起こした東日本大震災の経験に加え、首都直下地震について近い将来の発生が予測される中、国家中枢機能の災害対応力のさらなる強化及び東京一極集中の是正を図る観点から、県では、国会等移転の実現に向けた議論の再開や、大規模災害時等における危機管理機能等を有するキャンプ那須の整備について国に訴え続けております。さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、国会等移転に係るこれまでの方針に分散型社会の構築という新たな視点を加え、中央省庁をはじめとした国の機関など首都が有する機能の一部について、地方への分散移転を働きかけてまいりました。一方、国では、首都直下地震に対する政府業務継続計画において、被害想定を上回る事態が生じた際の行政中枢機能の代替拠点については今後の検討課題としてきたところであり、バックヤード構想はこのような状況を踏まえ進められているものと承知しております。  こうした中、現在、国において国土形成計画法に基づく新たな国土形成計画(全国計画)の策定が進められておりますが、先頃示された原案には、首都直下地震等の巨大災害リスクの軽減に向け、国土全体にわたって広域レベルで人口や諸機能が分散的に配置される国土構造の実現を目指すこと、政府機能等の中枢管理機能のバックアップの強化を図ること等の考え方が盛り込まれており、これは本県のこれまでの主張に沿った方向性であると認識しております。引き続き、国会等の移転などに関し具体的な議論が進展するよう国への働きかけを継続するとともに、国土形成計画の全国計画の原案で示された方向性が今後策定される広域地方計画にどのように反映されていくのか積極的に情報を収集し、必要な対応について鋭意検討を進めてまいります。 ○関谷暢之 副議長 小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) 知事からご答弁をいただきました。いつ首都直下地震が起きてもおかしくないという状況を踏まえ、国家中枢機能のバックヤード構想を推進させていくことは、県民を含む国民全体のためになることでありますことから、県として積極的な姿勢を示し、要救助者や避難者の受入れ、また、物資、食料、資材の備蓄等々も含め早急に取り組んでいただくことをお願いし、次の質問に移ります。  今後の観光誘客について、知事に伺います。コロナ禍になって3年が過ぎましたが、この3年間、たび重なる感染拡大の影響等により国内の観光需要は著しく落ち込むとともに、水際対策の強化等によりインバウンド需要も見込めず、観光産業は大きな打撃を受けました。また、観光産業は取引業者も多く裾野が広いことから多くの事業者がダメージを受け、地域経済に与える打撃も大きかったため、私も地元で多くの事業者から悲痛な声を幾度となく聞いたところです。これまで、感染状況が落ち着いた際には、国のGo To トラベル事業や県の県民一家族一旅行推進事業による需要喚起等により一時的に旅行需要は回復が見られたものの、感染の再拡大等により観光需要は減少し、需要落ち込みは長期化しています。  こうした状況の中、新型コロナウイルス感染症への対策が緩和され旅行が盛んになったことで、今年のゴールデンウイーク期間中、県内の観光地はにぎわいを見せました。観光地ににぎわいが戻ってきたことは素直にうれしく思いますが、コロナ禍前の水準にはまだ届かず、いかに需要を回復させていくかが今後の課題です。コロナ禍により深刻なダメージを受けた観光産業が今後再生を果たしていくためには、需要回復を継続的に図っていくための取組が必要です。国内からの観光誘客はもとより、海外からの誘客にも積極的に取り組んでいくことが必要と考えます。  私が特に注目するのがインバウンド対策です。政府による水際対策の緩和や円安の影響等もあり、訪日外国人旅行者は増加傾向にあります。日本に長期滞在し、旅行消費額も大きい訪日外国人旅行者をいかに本県に誘客し、また、長期滞在してもらうかが重要です。そのような中、観光庁は、地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりを進めており、全国からモデル観光地を公募した結果、那須及び周辺地域エリアが選ばれました。関東地方では唯一の選定であり、私の地元那須の観光関係者は非常に力が入っております。那須に限らず、本県には豊かな自然、温泉、社寺などの観光地やおいしい食べ物、アウトドアスポーツなどの体験など外国人旅行者に魅力をアピールできる資源が多数あります。市町や観光事業者等と連携しながら地域を満喫できるような仕掛けづくりに積極的に取り組むべきと考えます。  そこで、県は、海外からの観光誘客に今後どのように取り組んでいく考えか、知事の所見を伺います。 ○関谷暢之 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。本県経済がコロナ禍から復活し力強い発展を実現するためには、裾野が広く幅広い分野に経済効果が波及する観光関連産業の回復が必要であり、特に落ち込んだインバウンド観光客数の早期回復と消費額の拡大を図っていくことが喫緊の課題であると考えております。まず、インバウンド観光客増加に向けましては、海外から本県を巡るツアーの造成を促すため、旅行会社に対する助成を4月に開始したほか、海外現地において本県の魅力を直接売り込み情報発信を行う観光レップを、台湾に加え新たにタイ、米国、中国に設置することとし、8月の開設に向け準備を進めております。  次に、消費額拡大に向けましては、富裕層を顧客に持つ国内外の旅行会社を対象とした視察や旅行予約サイトでのターゲティング広告等を実施する中で、G7栃木県・日光男女共同参画・女性活躍担当大臣会合で活用される観光素材等を前面に押し出して紹介するなど、観光地としての質の高さを強調することで富裕層の誘客を強化してまいります。また、自然や文化の保全と観光活用の両立を図るサステナブルツーリズムへの関心が高まっておりますことから、本県が有する世界遺産やラムサール条約登録湿地などの観光資源について、体験しながら学ぶとともに地域色豊かな食や温泉等も満喫できる周遊プランを作成し、旅行予約サイトでの販売を促進するなど滞在の長期化を図ってまいります。  こうした中、観光庁の地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり事業におきまして、那須及び周辺地域エリアがモデル観光地に選ばれたことから、由緒ある街道や自然を生かしたアクティビティーなど、当該エリアが取り組む特別感のあるコンテンツの創出等を県としても積極的に後押ししてまいりたいと考えております。  今後とも、市町や観光関連事業者と連携し、本県が有する多彩な魅力・実力を海外に発信するなどインバウンド誘客を戦略的に展開し、観光客のにぎわいであふれる観光立県とちぎの実現を図ってまいります。 ○関谷暢之 副議長 小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) 知事からご答弁をいただきました。タイ、米国、中国に誘客のための拠点を設置するというようなお話もありました。  ここで、産業労働観光部長に再質問いたします。旅行者が地域に長期滞在し、地域の魅力を満喫するには、私はコト消費、つまり体験型コンテンツが重要だと考えています。そこで、旅行者の長期滞在を促すための体験型商品の創出、磨き上げ、PRに県としても積極的に支援していくべきと考えますが、産業労働観光部長の所見を伺います。 ○関谷暢之 副議長 石井陽子産業労働観光部長。 ◎石井陽子 産業労働観光部長 再質問にお答えいたします。近年の観光ニーズは、有名な観光地を訪問するというような一般的なものからアクティビティー体験などに価値を見いだすものへと変化をしてきておりまして、こうした観光は比較的滞在時間が長くなり、消費額の向上も期待できるという特徴がございます。このため、県では体験ツーリズムに取り組みまして、海外で人気の高いインフルエンサー等に宿泊を伴うアウトドアやサイクリングを実際に体験していただき、その様子や感想を動画サイトやSNS等に投稿してもらうなどして海外に広く発信しているところでございます。また、今年度からは、新たに実施するインバウンドのニーズ調査分析事業がございまして、各種データに基づき外国人観光客の興味関心を引く体験コンテンツを明確にいたしまして、分析結果を市町や観光協会、DMO等とも共有することで、県内各エリアの特色を生かした体験コンテンツの創出や磨き上げにつなげてまいりたいと考えております。 ○関谷暢之 副議長 小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) 地域の活性化のためには、コロナ禍で打撃を受けた観光産業の再生が欠かせません。そのための処方箋の一つがインバウンド対策の充実だと思います。訪日客数は急回復しており、2022年の訪日外国人1人当たりの消費額は、コロナ禍前、2019年の1.5倍弱となっております。平均宿泊日数の長期化の影響が大きいと考えられるとのことです。実際に那須町には、中国の上海、台湾、イタリアなどの海外から数百名単位で観光やサイクルイベントのために長期で訪れる動きがあり、県としても、国内からの誘客のみならず、旅行消費額の大きい訪日外国人旅行客の本県への誘客に、他県に遅れることなく取り組んでほしいと考えます。  また、先ほども申し上げましたが、観光庁では、訪日旅行における高付加価値旅行者、いわゆる富裕層の地方への誘客を促進するためのモデル地域を公募し、関東地方では唯一那須及び周辺地域エリアが選定されました。一昨日にはキックオフミーティングが開催され、今後、専門家の派遣や市場調査、人材育成、資金調達など総合的な施策が集中的に講じられることになります。私は、今が絶好のチャンスであり、今までより一歩進んだ世界水準のインバウンド観光地となることを期待しております。那須地域での取組ではありますが、他の県内観光地との連携を強化することでその効果は県内全域に及びますことから、県による積極的な支援をお願いし、次の質問に移ります。  県道那須高原線における渋滞対策について、県土整備部長に伺います。  那須高原地域は全国でも有数の観光地であり、コロナ禍前には年間500万人を超える多くの観光客が訪れる観光拠点でした。しかしながら、特に行楽シーズンには、那須高原の玄関口である那須インターチェンジに接続する県道那須高原線において激しい渋滞が発生しており、快適な観光周遊に支障を来しています。このような中、これまで県道那須高原線の一軒茶屋前交差点等の改良が行われ、一定の効果があったと認識しておりますが、いまだ渋滞が発生し、特に沿道に店舗やレジャー施設が数多く立地する一軒茶屋前交差点から田代交差点において渋滞が顕著に見られるなど、観光客の受入れ態勢は十分とは言えない状況です。  また、先ほどの質問でも申し上げましたが、観光産業はこれまで新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響で、那須町をはじめ多くの観光地において大きな打撃を受け厳しい状況が続いてきました。今後、アフターコロナを迎え観光需要が回復し、さらなる観光誘客が見込まれることから、那須町の魅力をさらに高め、ストレスなく観光を満喫してもらえるよう一刻も早い渋滞対策が必要と考えます。  そこで、県は、県道那須高原線における渋滞対策についてどのように取り組んでいくのか、県土整備部長に伺います。 ○関谷暢之 副議長 坂井康一県土整備部長。    (坂井康一県土整備部長登壇) ◎坂井康一 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県道那須高原線は、行楽シーズンに慢性的な渋滞が発生していることから、これまで交差点改良等のほか、路上駐車対策やSNS等を活用した交通情報の提供などに取り組んでまいりました。また、渋滞が顕著であります一軒茶屋前交差点から田代交差点までの詳細な渋滞状況を把握するため、令和2年度からビッグデータによる交通分析や現地調査を実施してきましたところ、交差点の容量不足に加え、店舗等に入る車両の滞留が主な渋滞要因であるということが確認できたところであります。この結果を踏まえまして、今年度から交通シミュレーション等を実施し、交差点改良や滞留車両による影響を軽減するような道路拡幅等の具体的な対策について検討を進めることとしております。  今後とも、地元那須町や関係機関等と連携を図りながら、ハード・ソフトの両面から効率的かつ効果的な対策に取り組んでまいります。 ○関谷暢之 副議長 小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) 県土整備部長からご答弁いただきました。世界水準のインバウンド観光地として那須町の魅力をさらに高めるため、一刻も早い渋滞対策を講じていただきますようお願いいたします。また、県道那須高原線は、小学生が歩道のない道路を歩いて通学したり、外国人旅行者が大きなケースを引きずって歩道のない道路を大変そうに歩いていたり、サイクルツーリズムに適さないような舗装状況になっているなどの問題がありますので、ぜひこのような問題に対しても対策を進めていただきたいと考えております。加えて、道路の反対側の店舗に行くために道路を横断する観光客が多く見られます。その際に、横断歩道があっても車が止まらないことや、横断歩道のないところを徒歩者が横断してしまうことがありますので、警察本部にも対応していただくよう要望し、次の質問に移ります。  女性が生き生きと活躍できる栃木の実現について、生活文化スポーツ部長に伺います。  人口減少、少子高齢化の中、地域の活性化のためには様々な状況に置かれた女性が自らの希望を実現して輝くことが必要です。県は、これまで、とちぎ女性活躍応援団を設立し、官民協働によるオール栃木体制で女性活躍を推進する取組をはじめ、女性の活躍や働き方改革に取り組む企業の男女生き活き企業としての認定、表彰や、女性のキャリアアップ支援講座、女子学生の理工系分野への進路選択増加に向けた理工系分野における女性活躍促進事業など各種施策に取り組んできているところですが、こうした中、いよいよ6月24日、25日に、日光市においてG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合が開催されます。我が国で初の開催と聞きます。私は、この大臣会合を契機として本県における女性活躍の機運を一層盛り上げるとともに、女性が働きやすい環境づくりをさらに推進することが、今後栃木県が女性からも選ばれる上で重要であると考えます。  そこで、県は、大臣会合を契機として女性の活躍推進に向け今後どのように取り組んでいくのか、生活文化スポーツ部長に伺います。 ○関谷暢之 副議長 野原恵美子生活文化スポーツ部長。    (野原恵美子生活文化スポーツ部長登壇) ◎野原恵美子 生活文化スポーツ部長 ただいまのご質問にお答えいたします。G7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合の本県での開催を契機といたしまして、女性が働きやすい環境づくりなど女性活躍推進を加速化する必要があると考えております。このため、女性活躍応援団の参画企業・団体数の拡大に努めますとともに、女性のキャリア形成を促進するほか、今年度は企業などへ講師を派遣いたしまして、男女が共に家事、育児を担う意識の醸成を図るなど官民協働の取組を展開してまいります。また、大臣会合開催後の9月には、女性活躍や働き方改革に積極的に取り組まれている県内企業等のリーダーと知事との意見交換会を実施いたしまして、優良事例などの県内企業への情報提供を図ってまいりますとともに、11月には、大臣会合での議論や本県の現状、課題を県民の皆様と共有し、今後の展開などにつなげていくためのシンポジウムを開催することとしております。引き続き、女性が能力を発揮し継続的に働くことができる環境づくりを行いながら、女性活躍の一層の推進に向けて積極的に取り組んでまいります。 ○関谷暢之 副議長 小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) 生活文化スポーツ部長から、さらに推進していくといった旨の答弁をいただきました。女性が栃木県で生き生きと活躍できる環境、働きたいと思える環境をつくることが重要です。また、活躍推進のためにはキャリアアップのための支援も必要です。結婚や出産、子育てでキャリアの中断を余儀なくされることが多い女性のために、リスキリングに代表される学び直しのための機会提供もしっかり行っていただくことも必要です。こうした取組は生活文化スポーツ部だけでなく、産業労働観光部をはじめ各部にも関係しますことから、庁内連携を密にしながら積極的に取り組んでいくことを要望し、次の質問に移ります。  林業・木材産業の成長産業化に向けた県産木材の利用促進について、環境森林部長に伺います。  国において森林環境譲与税が創設され、都道府県や市区町村への配分が始まったことによる木材利用の促進や、脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律、少し長いですね、通称都市(まち)の木造化推進法の改正による木材需要を喚起する動きのほか、先月30日には、花粉症に関する関係閣僚会議において包括的な花粉症対策の全体像が取りまとめられるなど、改めて林業・木材産業に注目が集まっております。また、カーボンニュートラル実現に向けた取組の中で再生可能エネルギーとしての利用や温室効果ガスの吸収源としても、森林、木材の価値は改めて見直されてきています。  こうした中、森林の本格的な利用期を迎えている本県としては、高齢化した森林の皆伐、再造林などによる森林資源の循環的な利用を一層進めることが、林業・木材産業の成長産業化はもとより、地域の活力創出にもつながっていくものと考えます。そのためには木材の需要を創出することが大変重要であり、県ではこれまで、公共施設をはじめ木造住宅など民間施設における県産木材の利用促進と、それを支える生産体制の強化に取り組んできたところでありますが、私は、県産木材の品質や強度などの良さを広く理解してもらい、カーボンニュートラルにも資する資源である木材の利用をさらに加速させるべきであると考えております。  そこで、林業・木材産業の成長産業化に向けた県産木材の利用促進について今後どのように取り組んでいく考えか、環境森林部長の所見を伺います。 ○関谷暢之 副議長 小野寺一行環境森林部長。    (小野寺一行環境森林部長登壇) ◎小野寺一行 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、県産木材の利用促進を図るため、木造住宅への支援や公共建築物の木造・木質化等に取り組んできたところであります。しかしながら、人口減少の進行等に伴い住宅着工件数の減少が懸念される中にあって、カーボンニュートラルの実現はもとより、花粉症対策としても効果が期待される森林資源の循環利用を一層推進するためには、県産木材のさらなる需要を創出していくことが重要であります。このため県におきましては、今年度、県産木材を使用した住宅に対する支援を拡充するほか、とちぎ木材利用促進方針の対象を公共建築物から店舗や事務所等の民間建築物にまで広げ、県内における建築物全体の木造・木質化を促進してまいる考えであります。また、木材の新たな製品、用途の開発や製材、流通など木材全般に精通した専門人材の活用等により、品質や強度に優れた県産木材の効果的な利用を推進してまいります。  今後とも、市町や関係団体と連携を図りながら、林業、木材産業の成長産業化に向けた県産木材の利用促進に積極的に取り組んでまいります。
    ○関谷暢之 副議長 小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) ただいま環境森林部長から積極的に取り組んでいくというご答弁をいただきました。林業・木材産業の成長産業化に向けては、より一層の木材需要が見込め、また、森林・木材の価値が見直されている今が正念場であると考えております。機を逸することなく取組を強化していただくよう要望し、次の質問に移ります。  農産物の輸出拡大について、農政部長に伺います。  人口減少等により農畜産物の国内需要の大幅な拡大が見込めない中、多くの国、地域で外食向け需要がコロナ禍の影響から回復したこと、円安による海外市場での競争環境が改善したことなどにより、2022年の農林水産物・食品の輸出額は1,400億円を超え、過去最高を記録しました。本県としても、こうした海外での需要を積極的に取り込んでいくことが稼げる農業を実現していくためには必要です。県は、2025年度の県産農産物の輸出目標額を10億円と掲げ、牛肉や梨、イチゴなどの主要品目ごとの目標額を示し、農産物の輸出拡大に向け取組を進めております。そうした取組等の結果、2021年度の本県産農産物の輸出額は、前年度の3億1,000万円余から約7割増加し、5億3,000万円を超え、過去最高額となりました。また、昨年12月に知事自らが海外に出向いての販売促進などを行っており、2022年度の輸出額の増加にも期待が持てるところです。私は、本県農業の持続的発展や地域経済の活性化のためには、このような輸出拡大に向けた取組を一層強化していく必要があり、本県の強みを生かしながら、海外市場が求めるものをしっかりと見極め、プロモーション等による需要喚起を行うとともに、輸出に意欲的な産地への支援などを戦略的に進めていくことが重要と考えます。  そこで、県は、農産物の輸出拡大に今後どのように取り組んでいくのか、農政部長に伺います。 ○関谷暢之 副議長 熊田欽丈農政部長。    (熊田欽丈農政部長登壇) ◎熊田欽丈 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、関係機関・団体と連携し、トップセールスをはじめとした各種プロモーションや、輸出に意欲的な産地への海外バイヤーの招聘、輸出事業者とのマッチングなどを進めてきた結果、令和4年度の輸出額は過去最高となった前年度をやや上回る見通しでございます。さらなる輸出拡大に向けまして、輸出額の過半を占める牛肉については、とちぎ和牛の需要の増加が見込まれるシンガポールを中心に農業団体が行うバイヤーとの商談などを支援し、高級レストラン等での一層の利用拡大を図ってまいります。  また、梨やイチゴにつきましては、富裕層を中心に需要が伸びている東南アジアや香港、台湾への輸出を拡大するため、輸出先国が定める農薬残留基準などの検疫規制に対応できる産地を支援していきますとともに、イチゴの輸出期間を拡大するため、低温で品質を保持したまま輸送できるコールドチェーンを構築してまいります。さらに、イチゴや米などに関する全国規模の輸出促進団体に新たに加入し、商談会への参加や最新の情報収集等を行い、オールジャパンの取組と連携した県産農産物の輸出拡大にも取り組んでまいります。 ○関谷暢之 副議長 小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) 農政部長から、2021年の過去最高額となった5億3,000万円を2022年はやや上回ったと、目標の10億円に近づいているというようなご答弁をいただきました。私は、世界的に有名となっている神戸ビーフのように、本県においても世界的に知名度のある農畜産物をつくり上げることが本県農畜産業の持続的発展のために必要と考えております。中でも、とちぎ和牛や「とちあいか」などは海外でトップになれるポテンシャルがあると思います。効果的なプロモーション等をより一層強化していくことが重要と考えます。  特に私は、海外の栃木県人会の活用が効果的と考えております。県が把握しているだけでも世界には栃木県人会が18団体あり、世界各国の栃木県人を通して本県農畜産物のすばらしさが広がれば、地道ですが確実なPRとなると考えております。また、海外の需要をしっかりと取り込んでいくことも重要です。そのためにも、海外の消費者、市場が求めるものは何かを現地調査に加えインバウンドの活用などによりしっかり見極め、産地育成はもとより、販路開拓等の支援にも取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。  酪農振興について、農政部長に伺います。  本県は、令和4年において乳用牛の飼養頭数が全国2位、肉用牛の飼養頭数は全国7位、豚の飼養頭数は全国9位であり、また、令和3年の畜産産出額は前年から62億円増加し、農業産出額のおよそ半分を占める1,287億円となるなど、成長を続ける全国有数の畜産県です。中でも酪農は、本県の豊富で良質な水や肥沃な大地、冷涼な気候に適していることに加え、酪農家の生乳生産に対する熱い意欲によるたゆまぬ努力の結果、本県の畜産産出額の4割を占める重要な産業となっております。  一方、近年の酪農を取り巻く環境は、コロナ禍での消費の低迷、飼料価格の高騰など大変厳しい状況が続いていることから、私は令和4年6月の通常会議でも、飼料の増産などによる輸入飼料に頼らない安定した畜産経営への転換について質問し、水田における飼料作物の作付拡大やもみ米サイレージの地域内での円滑な流通に向けた支援についての答弁をいただいたところです。しかしながら、今もなお厳しい状況は続いており、生産コスト上昇分を乳価に十分転嫁することができず、また、副収入である子牛価格の下落なども追い打ちをかけ、私の地元である県北地域の酪農家からも、経営環境が厳しく、このまま酪農を続けていっていいのか迷っているとの声を聞いております。私は、この状況を乗り越え、酪農家の生産意欲が向上できるよう、需要喚起や生産コスト低減などさらなる取組が必要と考えております。  そこで、県は、酪農振興に今後どのように取り組んでいくのか、農政部長に伺います。 ○関谷暢之 副議長 熊田欽丈農政部長。    (熊田欽丈農政部長登壇) ◎熊田欽丈 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。飼料の価格高騰が続いている中、酪農経営への影響を軽減するため、5月補正予算におきまして飼料購入に対する助成に加え、新たに自給飼料生産に対する緊急支援事業を創設したところであり、速やかな周知と執行に努めてまいります。また、このような急激な情勢変化にも対応できる足腰の強い酪農経営を実現するためには、何よりもまず生産コストの低減を図ることが重要であると考えております。このため、輸入飼料に依存せず安定的に飼料を確保するため、耕畜連携の推進や飼料生産組織の育成などにより自給飼料の増産を図りますとともに、ICT機器を活用したスマート技術の導入を促進し、低コスト生産を進めてまいります。さらに、新たに生産者や酪農協、乳業メーカーなどの関係者による対策会議を開催しまして、国の酪農振興対策や、牛乳、乳製品の流通販売に関する最新情報の共有を図りますとともに、県内外の酪農経営の優良事例を参考にした効果的な対策の推進や、牛乳、乳製品の一層の消費拡大に取り組み、担い手が意欲的に経営を続けられるよう本県酪農の振興を図ってまいります。 ○関谷暢之 副議長 小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) 農政部長からご答弁をいただきました。全国組織の酪農団体である中央酪農会議によりますと、全国の酪農家の戸数は、例年では4%前後の減少が続いておりましたが、コロナ禍で需要が低迷しているところにロシアのウクライナ侵攻や円安の影響による飼料の輸入コストが上昇したことを背景に減少幅が拡大し、令和5年4月時点では前年比約7%減少したとのことで、全国的に離農が進んでいることがうかがえます。これは全国の酪農家の話でありますが、本県においても牛や豚、採卵鶏の農家数は昭和50年代以降減少傾向であり、畜産農家の経営安定化に向けた取組は必要です。過日、那須町で若い女性農家が和牛飼育に奮闘しているという新聞記事を読みました。そうした若い女性農家が畜産に希望を持って取り組んでいけるようにすることが重要だと改めて感じたところであります。若い農家が酪農を含め農業経営に希望を持てるよう県によるさらなる取組を要望し、次の質問に移ります。  教育DXの推進について、教育長に伺います。  変化が激しく、将来予測が難しいこれからの社会を担う子供たちには、デジタル技術を活用しながら新たな社会を牽引していく能力が求められています。学習指導要領においても、学習の基盤となる資質、能力として情報活用能力が位置づけられ、その育成を図るため学校におけるICT環境整備とICTを適切に活用した学習活動の充実を図ることが示されております。コロナ禍の影響もあり、県内全ての学校にタブレット等のICT端末の配備が進みました。今後は、こうした環境整備を踏まえ、ICTを活用していかに充実した学びを実現するか、いかに児童生徒の資質、能力を育成していくかが問われていくのだと思います。  また、最近、チャットGPTなどの生成AIが急速に普及し、チャットGPTが作成した宿題の回答をそのまま写して提出したという報道も聞きます。評価に影響が生じるだけでなく、誤った利用をし続けることで、子供が自ら考えそれを表現するという能力が身につかなくなるのではないかと危惧しております。私は、教育現場において、ICT端末等の適切な使い方についての一定のルールをしっかり指導することはもちろんのこと、児童生徒が情報やICT端末等を効果的に活用し、課題を発見したり解決したりすることや何が重要かを主体的に考え、ほかの児童生徒と議論し、協力しながら最適な解を見つけていけるようにすることが先の見通せないこれからの社会では重要であると考えております。また、そうした社会で新たな価値の創造に挑戦できる児童生徒の育成にも注力してほしいと考えております。  このような中、県教育委員会では、ICT等のデジタル技術の効果的な活用や業務効率化を図るため教育CDOを配置したほか、教育DX推進室を設置するなど、今年度から体制を大幅に強化したところであります。  そこで、県教育委員会は教育DXの推進に今後どのように取り組んでいくのか、教育長に伺います。 ○関谷暢之 副議長 阿久澤真理教育長。    (阿久澤真理教育長登壇) ◎阿久澤真理 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。先の見通せない時代を生き抜く子供たちに必要となる資質、能力を育成するためには、主体的、対話的で深い学びを実現していくことが重要であり、その手段の一つとして学校現場におけるICTの効果的な活用が求められております。現在、一部の学校では、デジタル技術を用いて海外との交流を行い、異なる文化に触れることで自分の考えを深める学習や、タブレット端末で記録した学習データを子供自身が振り返ることで自分の成長を実感し、新たな課題を設定する取組などを行っております。今年度は、このような好事例を収集し、とちぎ教育ICTポータルサイト等で広く発信するとともに、教員一人一人のICT活用指導力を高める研修も充実させてまいります。これらの取組により教育DXを全県的に推進し、全ての子供たちの可能性を引き出す学校教育の実現に努めてまいります。 ○関谷暢之 副議長 小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) 教育長からご答弁をいただきました。人口減少、少子高齢化、デジタル技術の進展など、社会の変化は急激に変化しています。先日の岩崎信議員の代表質問に対して知事から、県民、市町など関係者と一体となり、デジタル社会の形成に向けて取り組んでいくために条例を制定するとの答弁がありましたが、こうした変化の激しい時代の中でも子供たちが新たな時代を切り開いていけるよう、教育委員会としてもデジタル化の流れにしっかりと対応し、子供たちの学びの充実を図っていくことを要望します。  最後の質問に移ります。特殊詐欺対策の強化について、警察本部長に伺います。  県警察においては、特殊詐欺の撲滅に向けて関係機関等と連携しながら各種対策に取り組んでおり、一定の成果が出ているものと思います。しかし、特殊詐欺は、県民の不安や情報不足に付け込んだ新たな手口が次々と生じ巧妙化しています。日々の生活の中で、詐欺被害などの報道を聞かない日はないと思うくらいです。県警察が令和4年に認知した特殊詐欺の被害件数は前年比約20%増の164件であり、被害額は3億円を超え、5年ぶりに前年を上回りました。内訳を見ると、最も多かったのが家族や知人などをかたりお金をだまし取るオレオレ詐欺であり、次いで、キャッシュカードを封筒に入れさせるなどして被害者の隙を見て盗んだ上、お金を引き出すキャッシュカード詐欺盗となっております。  また、令和4年度の県政世論調査においては、6割超の県民がオレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺事件に不安を感じている結果となっています。現在、新型コロナウイルス感染症への対策の緩和や物価高など、私たちを取り巻く状況には新たな変化も生じていることから、あらゆる事態を想定して特殊詐欺対策に取り組んでいくことが必要であると考えます。  そこで、県民の安全・安心を守るため、特殊詐欺対策に今後どのように取り組んでいくのか、警察本部長に伺います。 ○関谷暢之 副議長 難波健太警察本部長。    (難波健太警察本部長登壇) ◎難波健太 警察本部長 ただいまの質問にお答えいたします。県警察では、特殊詐欺の撲滅に向けまして、被疑者の検挙と併せて、被害防止対策として、高齢者の抵抗力の醸成と金融機関などにおける水際対策を重点に、コールセンター事業や「サギ・撃隊」事業などを推進しております。このうち「サギ・撃隊」事業につきましては、昨年10月に全国に先駆けて運用開始した民間委託事業でございまして、高齢世帯等を直接訪問して特殊詐欺の未然防止活動を行っており、県民から、訪問指導のおかげでだまされずに済んだといった感謝の言葉をいただくなど着実に成果を上げております。また、固定電話への予兆電話から高齢者が被害に遭うケースが依然として多いということから、本年4月には、通信事業者と特殊詐欺をはじめとする犯罪防止に関する協定を締結いたしまして、相互連携による被害防止対策を推進しております。引き続き、関係機関・団体等とも連携し、官民一体となって特殊詐欺撲滅に向けた対策に取り組んでまいります。 ○関谷暢之 副議長 小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) 警察本部長からご答弁をいただきました。ここで、生活文化スポーツ部長に要望させていただきます。今までに電話による特殊詐欺の被害に遭われた方は、皆が防犯機能付電話機を入れていなかったと聞いており、詐欺の電話から身を守るためには防犯機能付電話機の導入促進が効果的です。加えて、最近では闇バイトによる一般家庭を狙った強盗や特殊詐欺が増えているため、防犯性能の高いドアホンの導入促進も必要と考えます。県民が被害に遭わないようにするために、防犯性能の高いドアホンの購入に対する補助を検討していただきますよう要望いたします。  それでは、ここで警察本部長に再質問させていただきます。ここ最近、SNS上で実行犯を募集する手口を特徴とした闇バイト強盗が広域で発生しており、ツイッターなどのSNSだけでなく、大手求人サイトにも闇バイト募集が掲載されていたことが判明しています。若者がアルバイト感覚で犯罪に加担してしまい、また、一度加担してしまうと、本人や家族に危害を加えると脅され、簡単には抜け出せなくなってしまうとのことです。このような重大な犯罪に若者が関わらないようにするためには、サイバーパトロールの強化はもとより若者に向けた注意喚起の強化が必要と考えます。  そこで、若者が闇バイトを含めた特殊詐欺等に関わらないようにするためどのように取り組むのか、警察本部長に伺います。 ○関谷暢之 副議長 難波健太警察本部長。 ◎難波健太 警察本部長 再質問にお答えいたします。県警察では、昨年11月に特殊詐欺に関わらないための啓発動画コンテストを開催いたしました。また、コンテストの優秀作品等を収録した啓発のDVDを県内の高等学校、専門学校に配付して、広く学生等に視聴いただいているところでございます。また、中高生がアルバイト感覚で犯罪に加担しないための取組といたしまして、中学生、高校生を対象とした非行防止教室や防犯講話におきまして、勧誘の手口などを分かりやすく説明するなど啓発に取り組んでおります。  今後とも、工夫や改善を図りながら、あらゆる機会を通じて若者が特殊詐欺をはじめとした闇バイトに関わらないようにするための取組を推進してまいります。 ○関谷暢之 副議長 小林達也議員。    (19番 小林達也議員登壇) ◆19番(小林達也議員) 警察本部長からご答弁いただきました。教育委員会などと連携し、対策を強化していただくようお願いいたします。特殊詐欺は、その時々の社会情勢を反映し手口は巧妙化していますが、その対策は、関係機関と連携しながら注意喚起を地道に粘り強く行っていくことが肝要です。特殊詐欺被害がなくなるよう取り組んでもらうことを要望いたします。  以上で予定しておりました質問は全て終了しました。私は、那須町に生まれ育ち、栃木県で働き続ける中で世界を見ても回ってきました。今回は、そのような私なりの観点で県政の重要課題について質問させていただきました。喫緊の課題である人口減少問題に歯止めをかけ、栃木県をさらに発展させていくためには、農林畜産業、商工業、観光産業を活性化させ、本県の経済基盤を強化することが必要です。また、安全・安心な社会をつくるため、いつ起こってもおかしくない巨大地震への備えや、闇バイトを含めた特殊詐欺への対策など、本県としてすべき対策を積極的に講じていくことが重要です。  これからもわくわくできるような栃木県づくりに一県議会議員として、執行部の皆さんとともに高め合いながら、今後も全力で取り組んでいきたいと思っておりますので、引き続きのご協力をお願いいたします。  私の好きな言葉があります。燃える闘魂、元気があれば何でもできる。頑張ってまいりましょう。 ○関谷暢之 副議長 この際、休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。     午後2時14分 休憩       ――――――――――――――――――――――――――――― ◎柏瀬仁 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は48名であります。       ―――――――――――――――――――――――――――――     午後2時30分 開議 ○佐藤良 議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) 皆様こんにちは、本会議質問戦も最後となりました。トリを務めさせていただきます、とちぎ自民党議員会の池田忠でございます。発言通告に従いまして、順次質問してまいります。知事、そして執行部の皆様方におかれましては、明確かつ丁寧なご答弁をお願い申し上げ、質問に入ります。  初めに、とちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)の今後の展開について、知事にお伺いいたします。  県では、急速な少子高齢化の進行に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、将来にわたり地域の活力を維持していくための目標や基本的方向を定めるものとしてとちぎ創生15(いちご)戦略を策定し、2020年度から2024年度の5年間を第2期として様々な施策を展開してきたところでございます。  しかしながら、期間中、新型コロナウイルス感染症の流行に直面したこともあり、令和4年度に実施したとちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)における各分野での取組の総合評価は、15項目中7項目について、4段階中下から2番目の評価である「やや遅れ」と評価されるなど、とちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)の目的である将来にわたる地域の活力維持が達成できるのか非常に危惧しているところでございます。  また、先日公表された2022年度の人口動態統計の概数値では、国内の出生数は77万747人で、戦後初めて80万人を割り込み、合計特殊出生率1.26で過去最低となるなど少子化の加速が懸念されております。本県においても2022年度の出生数は1万518人であり、前年から1,000人減、合計特殊出生率も1.24で2005年度と並び過去最低となったほか、今年4月1日現在の栃木県毎月人口推計月報では人口総数が35年ぶりに190万人を割り、少子化と人口の減少に歯止めがかからない状況にあります。  一方で、新型コロナウイルス感染症が落ち着きを見せ、2022年の観光客入込数がコロナ禍前の8割、観光客宿泊者数は9割の水準まで回復するなど明るい兆しも出てきました。私は、この機会を逃すことなく、とちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)に掲げる施策を着実に実施し、地域の活力を取り戻し、地域の維持発展を目指す必要があると考えます。  そこで、県は、コロナ禍の収束を見据え、今後、とちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)をどのように展開していくのか、知事にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの池田忠議員のご質問にお答えいたします。県では、人口減少問題の克服と将来にわたる地域の活力の維持を目指し、とちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)に基づき、各種施策を積極的に展開してまいりました。しかしながら、コロナ禍の影響等を受け、基本目標のうち「とちぎに魅力あるしごとをつくる」と「とちぎへの新しいひとの流れをつくる」に「やや遅れ」が多く生じておりますことから、この分野におけるさらなる施策の推進が必要であると考えております。このため今年度は、ものづくり産業の脱炭素化や新分野進出を支援するほか、産業人材の確保・育成、スマート農業による生産性向上等を図るとともに、観光需要の高まりやG7栃木県・日光男女共同参画・女性活躍担当大臣会合開催を弾みとして、国内はもとよりインバウンドの早期V字回復に向けた誘客対策を積極的に進めてまいります。  これに加え、移住希望地として本県に寄せられる高い関心を確実に移住・定住につなげていくため、東京圏在住の女性等に向けたデジタル広告の配信や、先輩移住者と交流するセミナー開催等にも積極的に取り組んでまいります。また、合計特殊出生率が低い水準で推移するなど人口減少、少子化は深刻さを増しておりますことから、結婚、妊娠、出産、子育て支援のさらなる充実を図り、若者、女性に選ばれる魅力あるとちぎづくりに重点的に取り組んでまいる考えであります。さらに、国のデジタル田園都市国家構想総合戦略を踏まえ、デジタルの力をより一層施策に取り入れるとともに、外部有識者から成るとちぎ創生15(いちご)戦略評価会議や、県と全市町で構成するとちぎ地方創生推進会議を活用するなど、オール栃木体制でとちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)を推進してまいります。  今後とも、社会経済情勢の変化に的確かつ柔軟に対応しながら施策の充実・強化を図り、栃木の輝く未来創生を実現してまいります。 ○佐藤良 議長 池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) ただいま知事から、様々な取組、あるいは今までの取組、さらなる充実を進めてオール栃木体制で取り組んでいくとの答弁をいただきました。10日土曜日には栃木県誕生150年記念式典が行われましたけれども、すごいにぎわいだったのです。特に飲食ブースは行列ができておりました。ここ議会棟のロビーでも様々な催しがあって、津軽三味線とダンスユニットのコラボがありましたけれども、こういったものを見ると、今までの文化を守りながら、今に合わせた発展といった文化もこれから進めていくのかなと感じたところでございます。本県が今後も豊かで暮らしやすい県であるためには、人口減少対策あるいは少子化対策、まさに正念場であると考えております。コロナ禍により失われた地域の活力を取り戻し、今後50年、100年先も豊かで暮らしやすいふるさと栃木の実現に向け、とちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)に掲げている事業を着実に推進していただきたいと思います。知事の答弁を受け、次の質問に入らせていただきます。  農業振興について2項目質問させていただきます。まずは園芸大国とちぎづくりの推進について、農政部長にお伺いいたします。  県では、平成29年に「園芸大国とちぎづくり」推進方針を策定し、園芸の振興に取り組んでまいりました。その結果、イチゴやトマトなどの施設園芸では単収向上が進み、広大な水田を活用した露地野菜ではサツマイモ、ネギなどのモデル産地が各地に育っております。私の地元大田原市においても、直売所は大勢の方が新鮮でおいしい地元野菜を求めにぎわっております。最も身近な食料供給の場であると感じております。米の消費が減少する中にあって、水田を活用した収益性の高い園芸作物を生産していくことが改めて重要であると認識しているところでございます。  しかしながら、本県の令和3年の園芸の農業産出額は863億円と、全国的な野菜単価の低迷もありますけれども、県がとちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)において掲げている目標額1,200億円にはまだまだ達していない状況であります。園芸は、担い手の減少による栽培面積の減少やコロナ禍の影響、そして資材価格の高騰など大変厳しい状況であります。こうした中にあって、県北地域では、ネギの集出荷施設ができたことにより、労力の軽減あるいは規模拡大につながり、さらにはアスパラガスでは、新規栽培などの取組も増えているところでございます。本県は広大で豊かな農地や首都圏に近い立地条件、さらには生産者の高い技術力など、園芸作物の主産県に引けを取らない潜在的な力を備えております。こうした力を結集し、さらなる生産性や販売力の向上など競争力を強化することで、農家の所得向上にもつながるものと考えております。  そこで、県は、園芸大国とちぎの実現に向けて今後どのように取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 熊田欽丈農政部長。    (熊田欽丈農政部長登壇) ◎熊田欽丈 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。全国的な販売単価の低迷や資材等の価格高騰の中、本県園芸をさらに発展させていくためには、生産性を一層向上させながら需要の変化にも対応できる足腰の強い産地を育成していくことが重要であると考えております。このため施設園芸につきましては、イチゴの「とちあいか」や、ニラの「ゆめみどり」などの収量、品質に優れた品種の生産拡大を図りますとともに、AI等の先端技術を活用したハウスの自動制御装置の導入等を支援し、生産性の向上を図ってまいります。  露地野菜等の土地利用型園芸につきましては、作業の省力化につながる大型機械の導入や集出荷施設の整備支援に加えまして、価格競争力があり、契約取引に有利な50ヘクタール規模のメガ産地を育成していく考えであります。さらに、今年度、「園芸大国とちぎづくり」推進方針の見直しを行うこととしており、関係者の力を結集して産地競争力の強化を図り、園芸大国とちぎの実現を目指してまいります。 ○佐藤良 議長 池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) 農政部長に再質問させていただきます。生産力を維持向上していくのには農業における生産性の向上が必要であると思います。そこで、先ほども少し触れましたが、集荷や出荷を集約して行う集出荷施設の整備が有効と考えますけれども、労力などを施設に集約することで農家の労働環境の改善も図られ、また、若者への農業の魅力向上にもつながると考えます。  そこで、県は集出荷施設の整備支援にどのように取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 熊田欽丈農政部長。 ◎熊田欽丈 農政部長 再質問にお答えいたします。園芸作物の生産を拡大していくためには、労働負担を軽減しながら作業の効率化を進めていくことが重要でありまして、これまで県では、トマトや梨、ネギ等において、作業時間の多くを占める収穫物の選別や箱詰めなど、出荷調整作業の分業化を図るための集出荷施設の整備を促進してきたところでございます。県内ではイチゴやトマト、梨等の施設が整備されておりますが、議員地元の県北地域では県内でいち早くネギの集出荷施設が整備され、出荷調整作業の省力化により生産拡大が図られているところでありまして、こうした優良事例を県内の他産地へ普及してまいりたいと考えております。また、施設整備の機運が高まった産地に対しましては、地域の実情等を踏まえながら施設整備に向けた計画づくり等について丁寧に助言しますとともに、国との調整を行うなどきめ細かなサポートを実施し、施設が計画的に整備できるよう支援してまいります。 ○佐藤良 議長 池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) よろしくお願いします。アスパラガス等についての集出荷施設等も考えている農協がございますので、ぜひとも支援をお願いしたいと思います。  さらに農政部長に再質問させていただきます。イチゴの販売をさらに伸ばしていくということも非常に重要であると思いますけれども、新品種の「とちあいか」はご案内のとおり非常に甘みがあって栽培もしやすいと聞いているわけでございますけれども、県では「とちあいか」を中心としたイチゴの生産振興にどのように取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 熊田欽丈農政部長。
    ◎熊田欽丈 農政部長 再質問にお答えいたします。イチゴの生産振興につきましては、昨年度、生産者や農業団体とともに10年後の目指す姿を明らかにした「いちご王国・栃木」戦略を策定し、「とちあいか」を主力品種に転換していくことを核といたしまして、新規栽培者の確保を図るほか、県と農業団体で構成するサポートチームによる技術指導を行いますとともに、規模拡大に必要な施設整備の支援や販路の拡大などに取り組んでいるところでございます。令和5年産のイチゴは間もなく出荷が終了となりますが、県内の出荷量の約9割を占めるJAグループの情報によりますと、販売金額が令和4年産を上回り過去最高となる見通しであるという状況でございます。  今後とも、「とちあいか」の生産拡大を図りながら、収量や品質の向上に向けた技術指導を徹底するとともに、AIなどの先端技術を活用した生産施設の高度化や輸出を含めた販売力の強化などの取組を進めまして、県産イチゴの一層の振興を図ってまいります。 ○佐藤良 議長 池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) イチゴは順調に推移しているように今答弁をいただいたわけでございますけれども、そのほか、ニラ、ネギ、アスパラガスといった生産拡大も不可欠だと思います。また、加工、6次産業がもうかる農業にもつながると思いますので、これらの推進についてもよろしくお願いしたいと思います。園芸大国とちぎの実現に向けてしっかりと取り組んでいただきますよう要望し、次の質問に入らせていただきます。  次に、農業振興の2つ目として、耕畜連携の推進について、農政部長にお伺いしてまいります。  現在、長引く円安、あるいはロシアのウクライナ侵攻などによって、様々な業種において資材価格の高騰などの打撃を受けております。農業分野においては、農産物の生産に必要な肥料あるいは海外から多くの原料や製品を輸入している家畜飼料の価格も高騰しております。これらについて、価格高騰前の令和元年と直近の価格を比較すると、肥料、家畜飼料ともに50%以上、あるいは物によっては3倍にもなっていると聞いております。農家の経営に大きな影響を及ぼしております。このような中、国においては、堆肥などの利用拡大による肥料の国産化、安定供給や、飼料作物の生産拡大による飼料自給率の向上を図り、国際価格の影響を受けづらい生産体制づくりを進めることとしており、これらの取組は、環境負荷の低減、あるいは収益性の向上を両立する農業生産の実現を目指したとちぎグリーン農業推進方針の着実な展開にも寄与するものであります。  私は、本県において堆肥の有効活用や飼料増産を進めるべきであり、特に牛や豚を育てる畜産農家から米や野菜を生産する耕種農家に堆肥を供給し、逆に飼料用の作物を耕種農家が生産し畜産農家に供給する、いわゆる耕畜連携の推進が重要であると考えております。しかしながら、これまでの現場レベルでは、耕畜連携の重要さは理解されているものの、耕種農家と畜産農家の間でのミスマッチが生じ、取組がなかなか拡大してこなかった現状を目の当たりにしてまいりました。また、畜産農家からは、飼料費を削減するために自給飼料を増産したいが、労力、あるいは農地の確保に限界があるため今以上の増産が困難であるとの声も聞いております。それだけに、県が新たに設置し、先月16日に開催された栃木県持続的畜産経営推進会議を中心とした今後の展開には大いに期待しているところでございます。  そこで、県は、耕畜連携を今後どのように推進していくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 熊田欽丈農政部長。    (熊田欽丈農政部長登壇) ◎熊田欽丈 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。耕畜連携の推進に当たりましては、耕種農家と畜産農家が飼料や堆肥の価格、数量等の情報を共有し、お互いのニーズに的確に対応できる仕組みづくりが重要であると考えております。このため耕種農家、畜産農家双方のニーズに応じたマッチングを促進する耕畜連携コーディネーターを各地域に設置しますとともに、飼料の加工や堆肥散布などに要する機械の導入を支援してまいります。また、飼料をさらに増産するためには、耕種農家による広大な水田を活用した取組が不可欠でありますことから、意欲ある耕種農家等に対しまして、技術研修会への参加や作業機械の導入などを支援し、新規設立も含めた飼料生産組織の育成を図っていく考えであります。これらの施策を着実に推進するため、先月立ち上げた栃木県持続的畜産経営推進会議におきましては、県内外の優良事例等を共有し広く普及させますとともに、地域ごとの会議も開催しまして、地域の実情に合わせた課題解決や事業を推進してまいります。 ○佐藤良 議長 池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) 農政部長に再質問させていただきます。堆肥なのですけれども、地域によっては配送の関係で利用しづらい、あるいは、耕種農家が堆肥を散布するに当たってマニアスプレッダーという機械があるのですけれども、なかなかそれは所有されていないので。ただ、耕種農家が所有しているブロードキャスターだと、ペレット化した堆肥を使うことができるのですね。そのようなこともありまして、ペレット化の推進あるいは流通を支援すべきと考えるのですけれども、農政部長の所見をお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 熊田欽丈農政部長。 ◎熊田欽丈 農政部長 再質問にお答えいたします。ペレット堆肥につきましては、一般の堆肥に比べて運びやすく、専用の散布機も必要ないことから、輸送性、作業性が向上し使いやすい等のメリットがある一方で、製造機械が高額であることや、酪農等の水分が多い堆肥はペレット化が困難な問題もございまして、県内での普及はこれまで一部にとどまっておりました。このような中、近年の肥料価格高騰の影響を受けまして、耕種農家におけるペレット堆肥の需要の高まりや国が製造機械の導入等の支援事業を拡充しましたことから、県といたしましては、水分が少なく堆肥をペレット化しやすい養豚や養鶏農家を中心に、国の事業等を活用し普及を促進しているところでございます。また、堆肥が豊富な地域から不足している地域への供給など、ペレット堆肥の広域流通につきましては、先月設立いたしました推進会議などを活用し、地域間のマッチングが行える仕組みについて検討してまいりたいと考えております。 ○佐藤良 議長 池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) ぜひペレット堆肥の利活用を関係機関とも連携しながらしっかりと進めていただきたい、このような要望をさせていただきます。  また、水田における飼料作物の生産は非常に重要ですが、一方、令和4年度から今後5年間に一度も水張りをしない農家については、令和9年度以降、水田活用の直接支払交付金の対象とならないという方針が国から示されたわけでございますけれども、耕畜連携により農地の有効活用が進んできた流れにも水を差すのではないかと懸念しております。このことについては、本県議会といたしましても、昨年6月に地域における持続可能な水田農業の将来像が描けるよう、今回の見直しについては丁寧な説明を行うとともに、情報提供あるいは生産現場の課題を十分踏まえた上で、必要な措置を講じることを要望する意見書を国に提出したところであります、県におかれましては、耕畜連携に取り組む農家の不安を解消するため、引き続き農家への丁寧な説明など必要な措置を国に働きかけるようお願いし、次の質問に入ります。  中小企業の経営革新の促進について、産業労働観光部長にお伺いいたします。  スタートアップ企業の創出・育成は、先日発表された政府の経済財政運営と改革の基本方針、骨太の方針の原案でも取り上げられるなど、近年脚光を浴びております。本県においても、今年度さらなる取組の強化を図るため支援の在り方等を検討することとしております。革新的な製品やサービスを提供するスタートアップ企業に対してはしっかりとした支援が必要と考えておりますが、私は、ポストコロナにおいてはこれに加えて、県内に多くある中小企業のイノベーション、すなわち経営革新を促進していかなければならないと考えております。中小企業は原油・原材料高騰の影響によりいまだ先の見通せない厳しい状況にありますけれども、経営革新が進めば、スタートアップ企業と同様、新たな雇用を生み出す可能性が高まります。国においては、中小企業の経営革新について、いわゆるものづくり・商業・サービス補助金等の支援も行っているところでございますが、経営革新に取り組む事業者の現状は、経営等のノウハウあるいは人材の不足など様々な課題に直面しているとも聞いております。  このような中、先日、県内の下請中小企業が専門家等の伴走支援を受けて、自らの企業の特徴を見詰め直し、企画、製造、営業の各部門の社員が一丸となって自社商品を開発し、自らが販売まで始めたという経営革新の事例を耳にいたしました。このような中小企業の活力ある成長事例が増え県内に波及すれば、地域経済の活性化、本県産業の持続的成長につながるものと考えます。  そこで、県は中小企業の経営革新に向けどのように取り組んでいくのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 石井陽子産業労働観光部長。    (石井陽子産業労働観光部長登壇) ◎石井陽子 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。中小企業が人口減少や技術革新、脱炭素化への動きなど社会経済情勢の変化に対応していくためには、新たな商品やサービスの提供などにより経営力の向上を目指す経営革新を図っていくことが重要でございます。このため県では、中小企業の経営革新に向けた計画の策定を支援いたしますとともに、事業者の身近な支援拠点である商工団体が経営革新に向けた取組を的確に指導できるよう経営指導員の資質向上に努めますほか、国のいわゆるものづくり・商業・サービス補助金の円滑な活用等を支援しております。さらに、積極的に経営革新に取り組む事業者に対しましては、社会経済情勢の変化を捉え、新商品の提供や生産性の向上等に取り組むことができるよう専門家を派遣し伴走支援を行いますほか、成果報告会を開催しまして、県内他企業への波及にも努めてまいります。  今後とも、支援機関と緊密に連携しながら、経営革新の取組を全力で支援いたしまして、県内中小企業の経営基盤の強化に努め、本県産業の持続的な成長につなげてまいります。 ○佐藤良 議長 池田 忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) 伴走支援に全力で取り組んでいくとの産業労働観光部長からの答弁をいただきました。私の地元にも、県による伴走支援を受けて経営改革に取り組んだ道の駅があるのですけれども、いつもよりお客さんが増えている感じもして少し聞いてみたところ、伴走支援を受けて問題点を社員全員で共有したり、商品を絞り込んで販売するなどの取組を行った結果、売上げが前年比1.5倍になったそうでございます。また、道の駅ですからいろいろなフェア等を開いているわけですけれども、開業以来最高の売上げを昨年達成したと言っておりました。そんなことで、地域に貢献した中小企業を元気にする取組は必要不可欠と考えておりますので、引き続き中小企業の経営改革に取り組まれますようお願いし、次の質問に移ります。  多様な再生可能エネルギーの導入促進について、環境森林部長にお伺いしてまいります。  地球温暖化による気候変動が国際的な課題となる中、県は、令和4年3月に策定した2050年とちぎカーボンニュートラル実現に向けたロードマップにおいて、オール栃木による各分野の取組を牽引、加速化するための4つの重点プロジェクトを定めました。この4つの重点プロジェクトのうち再生可能エネルギーに関しては、地域との調和や資源の積極的な活用を図った再生可能エネルギーの最大限導入を目的として、とちぎ再生可能エネルギーMAXプロジェクトアクションプランが令和5年3月に策定され、具体的な取組が開始されたところでございます。  本アクションプランでは、県内で最もポテンシャルの高い太陽光発電を中心に導入に取り組むとしております。太陽光は、晴天率が高く冬期の日照時間の長い本県の地域特性に合った再生可能エネルギーであり、他のエネルギーと比較し導入にかかる期間が短く、事業費が比較的かからないなどの利点もあることから、本県のカーボンニュートラルを実現するためにはその導入促進は不可欠でありますが、一方で、太陽光の発電量は日照の状況により左右され、夜あるいは荒天時に発電しないといった不安定な一面も見受けられることから、将来的に本県の電力需要を全て再生可能エネルギーで賄うためには、安定的な出力が期待できる中小水力、地熱、バイオマス等の多様な再生可能エネルギーの導入も促進することで中長期的に経済性、環境性、供給安定性及び安全性を踏まえた電源構成の最適化を図っていくことも必要ではないかと考えております。  カーボンニュートラルの実現に向けては、地産地消型再生可能エネルギーの導入拡大をオール栃木で進めていくことが必要であり、そのためには、私は、河川、火山帯、森林といった本県の豊富な地域資源をフル活用し、多様な再生可能エネルギーの導入を促進することが重要であると考えます。  そこで、県は、多様な再生可能エネルギーの導入促進について今後どのように取り組んでいくのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 小野寺一行環境森林部長。    (小野寺一行環境森林部長登壇) ◎小野寺一行 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。カーボンニュートラルの実現に向けましては、本県の豊富な地域資源を活用し、再生可能エネルギーの最大限導入に取り組むことが重要であります。このため、先般策定したアクションプランにおきましては、2050年度の電力需要量を全て再生可能エネルギーで賄うことを目指し、太陽光発電を中心に2030年度に向けた再生可能エネルギー別の導入目標量をそれぞれ設定したところであります。しかしながら、水力、地熱、バイオマスなどの発電事業は、通常、事業化に至るまでの基礎的調査や利害関係者との調整が長期にわたるため円滑な事業創出に向けた取組が必要であると考えております。県といたしましては、事業の計画段階から専門人材を派遣するほか、市町による再生可能エネルギー促進区域の設定や脱炭素先行地域の創出等を支援するなど、目標の達成に向け各種事業化促進施策を進めてまいります。  今後とも、市町等と緊密に連携を図りながら、多様な再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでまいります。 ○佐藤良 議長 池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) ここで、環境森林部長に再質問いたします。ただいま市町とも連携しながらしっかりと進めていくとのご答弁もいただいたところでございます。私は、水力発電、水力発電というとダムなど大規模なものを発想しますけれども、そうではなくて、中小水力に取り組んでいくことも重要ではないかと思います。大田原市の話になりますけれども、今年度、民間企業と協力しながら、浄水の配水場なんで、水道水による小水力発電を行うということで、年間発電量は一般家庭63世帯分の消費電力を賄う189メガワットを見込んでいるとのことでございます。また、企業局においても、北那須水道事務所において民間事業者による小水力発電を予定しておりますけれども、売電で得られた収益の一部や行政財産の使用料が県の収入になると聞いております。小水力発電は、1か所の発電量は僅かかもしれませんが、本県の豊富な水資源を鑑みると、このような取組を積み重ねることは再生可能エネルギーの導入推進に資するものであり、非常に有効と考えますけれども、環境森林部長の所見をお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 小野寺一行環境森林部長。 ◎小野寺一行 環境森林部長 再質問にお答えいたします。小水力発電につきましては少ない高低差で発電が可能であり、また、大規模な設備投資も不要であるなど、再生可能エネルギーの導入促進に有効な発電方法の一つであると考えております。このため、県ではこれまで小水力発電に適した地点を調査しその結果を公表するほか、河川の流量や傾斜などを掲載したデータマップを公開するなどしまして、こうした情報を活用して現在数か所の地点において事業化に向けた検討が進められております。  県としますと、今後とも、市町や事業者に対しまして専門人材の派遣、あるいは事業化に必要な情報の提供などによりまして、小水力発電の導入に向けた取組を支援してまいります。 ○佐藤良 議長 池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) 人材派遣等々様々な情報を提供することによって取り組んでいくということでございます。カーボンニュートラルという待ったなしの取組を確実に推進するのには、本県が高いポテンシャルを有する太陽光発電の導入促進は不可欠でありますが、一方で安定性といった課題から考えたときに、それ以外の水力、地熱、バイオマスといったものもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。以前に河川貸しの公募を行いましたけれども、なかなか手が挙がらなかったということも聞いておりますが、もう一度箇所等の見直しをしながら、そういった河川貸しについても再度取り組んでいただくよう要望させていただきます。いずれにいたしましても、本県のカーボンニュートラルが着実に推進されることを期待いたしまして、次の質問に入らせていただきます。  急傾斜地崩壊対策について、県土整備部長にお伺いしてまいります。  近年、自然災害が頻発、激甚化し、全国各地で豪雨による河川の氾濫、あるいは土砂災害が多発しております。県民の安全・安心を確保するため、災害に強い県土づくりを早急に進めていく必要があります。このような中、県は土砂災害に関して、土砂災害防止法に基づきおおむね5年ごとに基礎調査を行い土砂災害警戒区域を指定しておりますが、令和3年2月通常会議で私が質問した時点で約8,000か所だったところ、その後、2巡目の基礎調査に基づく区域の指定が完了した結果、現在では9,700か所に増加していると聞いております。私はかねてから、土砂災害から県民の命と財産を守るためには、土石流を受け止める砂防堰堤や急傾斜地の崩落を防ぐためののり面工、万が一斜面が崩落した際の土砂を受け止め人家への被害を防ぐ崩壊土砂防護柵工や擁壁工の実施など、様々なハード対策を進めることが効果的であると考えておりますが、施設の整備には多くの予算と時間が必要となります。  そのため県は、平成24年度の県土整備委員会の特定テーマの提言を踏まえ、区域内に福祉施設や医療施設などの要配慮者利用施設がある箇所、あるいは避難場所や公共施設などがある203か所を重点整備箇所として抽出し、優先順位をつけて整備を進めているところでございますが、そのうち100か所が急傾斜地崩壊対策を行う箇所となっております。しかしながら、この対策に関しては整備率が10%と聞いております。急傾斜地崩壊対策工事を行うに当たっては同意が必要な関係地権者が多く、公図が混乱している場合などには調整に時間がかかることも要因と思われますけれども、毎年のように全国各地で急傾斜地の崩壊による土砂災害が発生しており、本県においても、いつどこで災害が発生してもおかしくない状況にありますので、県にはスピード感を持って整備に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、県は、重点整備箇所における急傾斜地崩壊対策を今後どのように進めていくのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 坂井康一県土整備部長。    (坂井康一県土整備部長登壇) ◎坂井康一 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、県民の生命と暮らしを守るため、大雨や地震等の際に土砂災害のおそれのある9,701か所を土砂災害警戒区域に指定し、ハード・ソフト両面から対策を進めております。また、指定区域内において、災害時に支援が必要な福祉施設等がある203か所を重点整備箇所として位置づけ優先的に整備を進めており、このうち急傾斜地崩壊対策が必要な100か所につきましては、昨年度までの10年間で41か所に着手し、11か所を完成させたところであります。国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策に引き続き呼応し、今年度は5か所の完成に向け整備を進めるとともに、新規事業着手に向けた調査にも取り組んでまいります。今後も、急傾斜地崩壊対策などのハード整備を推進するとともに、防災情報の発信等のソフト対策にも取り組みながら、土砂災害の防止に努めてまいります。 ○佐藤良 議長 池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) 県土整備部長から答弁をいただきました。折しも今月2日から3日にかけて、台風2号と梅雨前線の影響によりまして、四国から東海地方にかけて線状降水帯が発生し、6月としては記録的な降水量となり、全国各地で河川の増水あるいは土砂崩れが発生しました。気象庁気象研究所の分析では、集中豪雨の発生頻度は1976年から2021年の45年間で約2.2倍、月別では7月は約3.8倍となっており、集中豪雨事例の増加傾向が顕著とのことでした。  本県も6月8日に梅雨入りを迎えたとの発表がありましたが、本日14時、宇都宮地方気象台は、本県北部に大雨警報、あるいは南部では大雨警報と洪水警報を発表しております。また、那珂川町では土砂災害警戒情報が発出されております。県民の皆様には、今後の情報に十分留意されまして、安全の確保を図っていただきたいと思います。このように本県は、これからの本格的な大雨が懸念される時期を迎えます。質問の中でも申し上げましたが、県におかれましては、いつどこで災害が発生してもおかしくない状況という危機感を持って迅速に取り組まれますよう要望し、次の質問に入ります。  八溝地域における広域道路ネットワークの整備について、県土整備部長にお伺いしてまいります。  本県北東部の八溝地域は、八溝山地の豊かな里山と那珂川などの清流に恵まれ、那須といった国際的な観光地も抱える多彩な魅力あふれる地域でございます。一方で、八溝地域は東北自動車道や常磐自動車道のインターチェンジから遠く、広域道路網の空白地となっている現状にあります。平常時、災害時を問わない安定的な物流の基盤が整っていないなど、企業誘致等、産業経済活動の面においても不利な状況にあることは否めず、人口減少や高齢化といった課題を抱えております。  このような中、私の地元である大田原市をはじめとした八溝山周辺の市町では、八溝山周辺地域定住自立圏構想を策定し、本県だけではなく圏域を構成する隣接県の自治体とも連携しながら、従来の枠組みにとらわれない人口減少対策や地域振興策を講じるとともに、圏域全体の行政機能の維持向上を図る取組を行っているところでございます。私は、こうした県の枠を越えた連携交流による活力豊かな地域づくりを進めていくためには、まずはそれぞれの地域を物理的につなぐ道路網の整備を進めながら、地域連携や文化交流など精神的なつながりを深めていくことが重要でないかと考えております。令和3年6月、県が策定したとちぎの道路・交通ビジョン2021において構想路線に位置づけられた、いずれも仮称でございますが、つくば・八溝縦貫・白河道路と北関東北部横断道路の実現には大変期待しているところでございます。  本県は、県内各地域と県庁を60分以内での連絡を目指す県土60分構想に基づき、その実現に向けて広域道路ネットワークの整備を進めてきたところであり、今後も本県における安定的な物流ネットワークの確保や空港、港湾等へのアクセス強化、さらには災害時の円滑な避難救助活動や支援物資の輸送といった国土強靱化の観点からも、広域道路ネットワークの充実・強化を図る必要があることから、構想路線の一刻も早い実現に取り組んでいただきたいと考えております。  そこで、県は、これら2つの構想路線の実現に向けて今後どのように取り組んでいくのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 坂井康一県土整備部長。    (坂井康一県土整備部長登壇) ◎坂井康一 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。(仮称)つくば・八溝縦貫・白河道路及び(仮称)北関東北部横断道路は、本県の骨格を形成する高規格道路ネットワークの多重性、代替性の確保とともに、県域を越えた地域間連携、交流の強化のため広域道路の構想路線として位置づけております。両路線の整備によりまして、高規格道路の空白地帯である県東部地域におきましては産業振興や周遊観光など様々な効果が期待されますことから、県ではこれまでに、隣接県との勉強会や交通流動調査及び将来交通量推計を実施したところであります。  今後は、概略ルートの設定に向けまして、土地利用や地形状況などを踏まえた具体的な技術的課題の洗い出し及びその対応策の検討などを進めるとともに、有識者から技術的、政策的助言を受けることとしております。引き続き、関係機関と連携しながら、早期実現が図れるよう努めてまいります。 ○佐藤良 議長 池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) 県土整備部長から早期実現が図れるよう取り組んでまいりますというお言葉を頂戴いたしました。また、関係機関との調整等も進められているということを聞きましたけれども、もう一歩先に進めていくようお願いしたいと思います。この2路線については、我が会派の地元選出議員を中心に質問や要望を重ねてきたところでありますけれども、実現に向けてしっかりと歩みを進めていただきたいと思います。  この2つの路線は、県を越えた連携交流の促進あるいは県土強靱化にも資する路線として、県の広域道路計画においても構想路線として位置づけられており、八溝地域をはじめとした県北地域における、広域道路網の空白地域解消の切り札として地元からの期待も大きいものであります。先ほどの小林達也議員のバックヤード構想にも資するものだと考えております。今後、ルートの選定後、具体的な動きも見えてくるかと思いますが、一刻も早い事業化を要望いたしまして、次の質問に入らせていただきます。  最後になりますけれども、国道461号の整備について、県土整備部長にお伺いいたします。  道路は、地域の社会経済活動を支える最も身近で重要な社会インフラでありますけれども、災害時には住民の避難、救助をはじめ、物資供給等の応急活動などを支える大きな役割を担っております。現在、県では、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策により、道路をはじめとしたインフラ整備を積極的に進めているところではありますが、私の地元であります県北地域の整備状況を見ますと強靱化への対策はまだ道半ばであり、今後も継続的かつより強力に対策を進めていく必要があると考えております。  特に国道461号は、日光市を起点に茨城県高萩市まで本県と茨城県を東西に結ぶ幹線道路であり、本県北部地域における産業経済を支え、地域間の連携交流を促進する役割を担っているのに加え、栃木県緊急輸送道路ネットワーク計画では緊急輸送道路に指定されており、災害発生時には救援活動や物資輸送に利用されるなど、防災の観点からも重要な路線であります。県北地域の発展のためには、本路線の強化が欠かせないものと考えております。  その一方で、本路線は、大田原市黒羽地域においては黒羽藩の城下町であった市街地内を通過していることから、道路幅が狭く屈曲しており、朝夕の通勤通学時等に交通渋滞が発生するなど、地元からも対策の要望が強い箇所であります。また、那珂川に架かる那珂橋は昭和8年に架橋されまして既に90年が経過しているため、老朽化による損傷や大規模災害時の寸断なども懸念されるところでございます。県北地域において地域住民の安全・安心の確保や災害に強く強靱な道路ネットワークを構築するためには、本路線が今後も重要幹線としての機能を十分に発揮できることが必要であり、そのためには黒羽地域において市街地を迂回するバイパスを整備するなどの取組が不可欠と考えられます。  そこで、県は、大田原市黒羽地域における国道461号の整備に今後どのように取り組んでいくのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 議長 坂井康一県土整備部長。    (坂井康一県土整備部長登壇) ◎坂井康一 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。国道461号は、県北部地域を横断する幹線道路であり、緊急輸送道路にも指定されている重要な路線であります。しかしながら、大田原市黒羽地域におきましては、道路幅員が狭く、線形も屈曲しておりますことから、道路利用者の安全で円滑な通行の確保や緊急輸送道路としての機能強化が課題となっております。県では、これまで調査や地元関係者等との調整を進めてきており、現在、市街地を迂回するバイパスとして、道路規格や那珂川の架橋位置を含めたルート選定を行うための道路概略設計等を進めているところであります。  今後とも、大田原市や関係機関等と調整を進めるとともに、本地域における他の大規模事業の進捗状況を勘案しながら事業化に向けて取り組んでまいります。 ○佐藤良 議長 池田忠議員。    (29番 池田 忠議員登壇) ◆29番(池田忠議員) 県土整備部長から答弁をいただきました。道路設計概略等にも取り組んでおり、事業化に向けて取り組んでいるということでございます。どうかスピード感を持って進めていただきますようよろしくお願いしたいと思います。本路線は地元の期待も大変高い道路であり、国や地元市町ともしっかりと連携しながら早期整備に取り組んでいただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  ここで国道461号、別箇所でございますけれども、大田原市の北野上地内に唐松峠という、本当にカーブの急なところで見通しも悪く、坂道も多々あるところなのですけれども、見通しも悪いこともあって危険性が非常に高いことから、県でスリップ防止舗装や、あるいは路面標示、凍結防止剤の自動散布機の設置など安全確保対策を講じているところでございますが、抜本的な解決にはどうしても道路の改良が必要になってまいります。唐松峠付近は、聞くところによると公図混乱箇所が含まれているということで、事業化にはこの解消が必要だと思われます。そのようなことでございますので、市など関係機関と連携しながら道路改良の実現に向けて取り組まれますよう、よろしくお願い申し上げます。  これで事前に通告した私の質問は全て終了いたしました。今回は、県民の皆様の命と財産を守るための防災・減災などの安全対策、あるいはカーボンニュートラルに向けた取組、アフターコロナに向けた取組等々質問をさせていただきました。このようなことをしっかりと進めることによって、栃木県に生まれ育ってよかった、住み続けたい、また、ここから巣立っていった人たちが戻り住みたい、あるいは訪れた人たちがこの栃木県に住んでみたい、そのようなことに必ずつながってくるものと確信しております。  また、とちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)については、何とぞ全庁一丸となって、また、オール栃木で取り組んでいただきますようよろしくお願いを申し上げまして、私の全ての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○佐藤良 議長 以上で上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問は終了いたしました。  この際、申し上げます。お手元に配付いたしました議案付託表に記載の議案については、それぞれ所管常任委員会に付託いたします。ご了承願います。                             〔配付資料は巻末に掲載〕       ――――――――――――――――――――――――――――― ○佐藤良 議長 以上で本日の日程は終了いたしました。29日は定刻から本会議を開きます。  本日はこれで散会いたします。     午後3時30分 散会...