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平成30年度栃木県議会第353回通常会議-12月04日-03号

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  1. 栃木県議会 2018-12-04
    平成30年度栃木県議会第353回通常会議-12月04日-03号


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    平成30年度栃木県議会第353回通常会議-12月04日-03号平成30年度栃木県議会第353回通常会議 (1)出席及び欠席議員の議席番号及び氏名 平成30年12月4日(火曜日)  出席議員 47名   1 番      中 屋   大   2 番      平 木 ちさこ   3 番      船 山 幸 雄   4 番      塩 田 ひとし   5 番      齋 藤 剛 郎   6 番      増 山 敬 之   7 番      守 田 浩 樹   8 番      吉 羽   茂   9 番      加 藤 正 一   10 番      野 村 せつ子   11 番      早 川 けいこ   12 番      相 馬 政 二   13 番      西 村 しんじ   14 番      野 澤 和 一   15 番      阿 部 博 美
      16 番      池 田   忠   17 番      亀 田   清   18 番      白 石 資 隆   19 番      関 谷 暢 之   20 番      中 島   宏   21 番      日向野 義 幸   22 番      横 松 盛 人   23 番      渡 辺 幸 子   24 番      斉 藤 孝 明   25 番      松 井 正 一   26 番      山 田 みやこ   27 番      保 母 欽一郎   28 番      一 木 弘 司   29 番      山 口 恒 夫   30 番      阿 部 寿 一   31 番      金 子   裕   32 番      佐 藤   良   33 番      山 形 修 治   34 番      欠     員   35 番      五十嵐   清   36 番      岩 崎   信   37 番      小 林 幹 夫   38 番      五月女 裕久彦   39 番      相 馬 憲 一   40 番      早 川 尚 秀   43 番      佐 藤   栄   44 番      神 谷 幸 伸   45 番      螺 良 昭 人   46 番      三 森 文 徳   47 番      木 村 好 文   48 番      髙 橋 文 吉   50 番      平 池 秀 光   51 番      板 橋 一 好 (2)説明のため出席した者の職氏名  地方自治法第121条の規定による出席要求によって出席した者   知事       福 田 富 一   副知事      北 村 一 郎   副知事      岡 本 誠 司   総合政策部長   冨 田 哲 夫   経営管理部長   金 田 尊 男   県民生活部長   石 﨑 金 市   環境森林部長   鈴 木 峰 雄   保健福祉部長   森 澤   隆   産業労働観光部長 茂 呂 和 巳   農政部長     渡 邉 和 明   県土整備部長   江 連 隆 信   会計管理者会計局長            矢 野 哲 也   企業局長     中 里 文 計   総合政策部次長総合政策課長            小 竹 欣 男   財政課長     仲 山 信 之   教育長      宇 田 貞 夫   代表監査委員   平 野 博 章   人事委員会事務局長            沼 尾 正 史   労働委員会事務局長            北 村 直 也   警察本部長    坂 口 拓 也 (3)職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名   事務局長     篠 﨑 和 男   次長兼総務課長  入 野 祐 子   議事課長     伊 藤 美智雄   政策調査課長   中 村 陽 一   議事課主幹兼課長補佐            柿 木   聡   課長補佐     安 岡 英 亮   係長       鈴 木   努   係長       関 根   透   主査       秋 澤 和佳子   主査       羽 鳥 光 雄   主査       青 木 和 之 ◎篠﨑和男 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は47名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――     午前10時 開議 ○五十嵐清 議長 ただいまから本日の会議を開きます。  日程第1 第1号議案から第10号議案まで及び第12号議案から第43号議案までを一括して議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。発言通告者に対し、発言を許します。関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) 平成最後の質問の機会になろうかと思います。本日のテーマといたしまして、さきに平成31年度の予算編成方針でも示されておりました栃木の未来創生に向けて、この言葉をキーワードとしながら、7項目についてお伺いしたいと思っております。知事初め執行部におかれましては、あっと驚くとはいかなくても、県民の勇気が湧くような答弁を期待しながら、早速質問に入らせていただきます。  まず初めに、栃木の地方自治と県出先機関について、知事にお伺いいたします。戦後間もない1947年、日本国憲法とともに地方自治法が施行されてから今日に至るまで、地方自治法は幾度も改正が行われてきましたが、注目すべきは、2000年の地方分権一括法施行に伴う改正であり、国家として地方分権推進にかじを大きく切った転換期でありました。それ以降も、現在、第32次に至る地方制度調査会において、さまざまな観点から地方自治のあり方が検討され、その答申に沿った地方分権改革が進められてきましたが、近年では、地方分権改革地方自治実現のための改革だけではなく、地方創生のための改革という側面も見えるように思います。  地方創生、その成否は、実施主体である地方自治体の自主性、主体性という推進力にかかっていることから、地方自治の理念に沿うものであると考えられているようです。さきの9月通常会議において当会派の代表質問で早川尚秀議員からも取り上げられていたように、国からは、定住自立圏や中枢連携都市圏など、市町村連携により、圏域単位で行政サービスを提供する自治システムが提示されており、フルセット主義からの脱却と、提示された圏域単位で行政機能を維持するシステムには、小規模自治体の行政機能の縮小が進み、住民自治などに支障が生じるおそれを懸念する声もあります。また、今後、都道府県の役割についても見直しが迫られる、そんなことも可能性としてあるわけであり、むしろみずからが考えておくべきではないかと思います。  平成の大合併を経た今日、各都道府県における自治の形はそれぞれ異なることから、栃木県には栃木の自治の形があってしかるべきだと思います。  そこで、知事には、市長の経験や知事として4期目の知見から、これからの栃木の自治の形と県の役割と市町の姿を示し、市町と認識を共有して栃木の未来創生を推進してほしいと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。  また、それに伴う県の組織のあり方、特に県の出先機関の今後の機能について、あわせて知事の考えをお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの関谷議員のご質問にお答えいたします。私は、住民に身近な市町が、地域住民のニーズを捉えて主体的に施策を展開していくことが重要であり、こうした市町の個性あふれる地域づくりを支援することが県の役割であると考え、知事就任以来、一貫して、県民中心、市町村重視の県政に取り組んでまいりました。しかしながら、急激に進む人口減少と超高齢社会の到来により、福祉、衛生、消防防災やインフラ整備といった行政サービスを市町が単独で維持することに支障が生じることも懸念されております。  このような中、地方創生を実現していくためには、限られた人員や財源を効果的に活用できる市町間での連携が、より求められてきているとともに、近年頻発し、激甚化する自然災害に対するインフラの整備の必要性などに鑑みると、広域自治体としての県に対する期待が相対的に高まってきているものと考えております。現在、国の地方制度調査会で圏域における地方公共団体の協力関係や都道府県と市町村の二層制のあり方などについて議論がなされていることから、この議論を注視するとともに、県内市町の意見や要望に耳を傾けながら、県としての役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。  また、県の組織におきましては、住民に身近な出先機関が地域の課題やニーズを的確に捉え、市町と連携してその解決に取り組んでいくことが重要であることから、それぞれの出先機関が十分にその機能を発揮できるよう努めてまいります。  今後とも、県民中心、市町村重視の県政運営を基本に、地域が将来にわたり活力を維持していけるよう、市町と連携し、全力で取り組んでまいります。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) 県の役割が今後さらに重要になってくるという認識については、私も全くそのとおりだと思っております。  自治の形を語る上で、1つの視点として、自治の総量という捉え方があると思っています。これからの県と市町の役割、あるいはその連携において、この総量ではかっていく上では、知事からの答弁にもありましたように、今後、県の出先機関の機能とその可能性が非常に重要になってくるのではないかと思っています。  そこで、経営管理部長に再質問させていただきたいと思います。さきの6月通常会議での三森議員の質問、あるいは県政経営委員会で、県北地域の4庁舎7出先機関の集約化の方向性が示されております。ただいまの知事の答弁とともに、この県北の出先機関の集約について、今後を見通した中での機能、あるいは地域の特性も鑑みた上での集約の方針について、経営管理部長にお伺いしたいと思います。 ○五十嵐清 議長 金田尊男経営管理部長。 ◎金田尊男 経営管理部長 再質問にお答えいたします。今後の出先機関の役割や機能を考える上で、1つは、各出先機関が地域の課題に共通認識を持って連携し、市町とともに取り組んでいくということが重要だと思います。そうした意味で、今回、県北地域の庁舎を集約化するということは、物理的な距離ばかりではなくて、各出先機関の心理的な距離も縮まりますので、連携・協力がさらに図れるものと考えております。  また、地域の課題を解決するにはスピード感が重要でありますので、本庁から出先への権限の移譲ということも積極的に今後進めまして、出先機関がその機能を十分に発揮できるように努めてまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員
       (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) やはり県の出先機関というのは、地域にとっては一つの象徴にもなる部分でありまして、今回計画されている地域が大田原市と那須塩原市の行政境ということもあって、那須塩原市としては、ぜひ那須塩原市の地内にも踏み込んでほしいとか、あるいは出先機関の名称も、大田原土木事務所、大田原県税事務所、大田原労政事務所県北環境森林事務所県北健康福祉センター那須教育事務所那須農業振興事務所などと名称もばらばらなわけでありますけれども、地域を象徴するという上では、この名称にも配慮いただきたいと、こんな声もあるわけであります。そんなところも含めて、ぜひ未来を見据えた中で、出先機関の機能の向上も含めて整備を進めていただきたいと思います。  また、栃木県の自治の形ということで知事からもご答弁がありましたけれども、よく国で示される中に、モデル県として、奈良モデルでありますとか、長野県でありますとか、いわゆる総合出先機関的なものとして名前が挙がってくるわけですけれども、やはり自治の形が全然違うと私は思います。奈良県にしても、長野県にしても、1万人以下、ややもすると数百人の村がまだ存在している県の形でありますから、栃木県には、平成の大合併が進んだこの自治にふさわしい形を知事にはぜひ発信していただきたいなと思います。  47都道府県の知事の経歴を見てまいりますと、官僚上がりというのが24名、国会議員からが6名、それから官僚から国会議員を経て知事になられている方、ここを合わせますと34名ということになってまいります。民間、地方議員などがそのほかおりますけれども、いわゆる基礎自治体の首長を務めたのは、福田富一知事を含めてたった3人でありますから、ぜひその実体験の中から、大いに今後あるべき自治の形を知事には発信していただきたいなと考えております。いずれにいたしましても、市町との連携、これからの形をしっかりと議論しながら、ふさわしい姿を模索していただきたいと思います。そんなことを申し上げながら、次の質問に入らせていただきます。  国体のレガシー活用とスポーツ振興施策の推進について、知事にお伺いいたします。本県のスポーツ振興施策については、現在、いちご一会とちぎ国体及び全国障害者スポーツ大会の開催を中心に据えながら、総合スポーツゾーンを初めとする施設整備や競技力向上の取り組み、募金等の要綱の制定、機運の醸成など、その準備を鋭意進めているところでございます。さらに、来年にはラグビーワールドカップ、2年後には東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、国を挙げてスポーツの機運が高まっているところであります。  本県においては、この好機を捉えて、国体の成功はもとより、栃木の未来創生のためにも、スポーツ振興施策を推進すべきであり、その波及効果が教育、健康増進、経済の活性化、観光振興、まちづくり、知名度向上など広範にわたることから、国体後を見据え、全庁を挙げて取り組むべきと考えます。  そこで、栃木の未来創生に資する今後のスポーツ振興施策をどのように進めていくのか、知事にお伺いいたします。  また、総事業費約650億円を投じる総合スポーツゾーンは、いちご一会とちぎ国体のレガシーとして新たな大会の創設や誘致をも視野に、広く活用されるべきと考えますが、施設の活用をどのように進めていくのか、あわせて知事にお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。スポーツには、心と体を鍛え、健康増進や生きがいづくりに寄与するとともに、郷土意識の向上など、さまざまな効果があると考えております。  県といたしましては、これまで世代を超えてスポーツ活動を楽しむことのできる環境づくりや、県内プロスポーツチーム等との連携による各種教室の開催等、誰もが気軽に参加できるスポーツの振興に取り組んでおります。また、本県で開催されるいちご一会とちぎ国体等を見据え、指導者の計画的な養成や資質向上、ジュニア選手の発掘・育成・強化など、選手の競技力の向上を図ってきたところであります。  このような中、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会などにより、県民のスポーツに対する関心は高まってきていると感じており、国体等に向けましては、これを一過性のものとせず、さらなるスポーツの振興等へつなげていく必要があると考えております。このため、医科学的見地からの支援の充実や、とちぎアスリート・キャリアサポートセンターによる成年選手の確保等により、さらなる競技力の向上等に取り組むとともに、SNS等を活用し、国体を初め、スポーツに関するさまざまな情報を発信し、県民のスポーツへの関心をより深めてまいります。また、国体等の大規模なスポーツイベントには多くの来県者が見込まれることから、これを好機と捉え、県の魅力等を積極的にPRするなど、地域の活性化につながるよう全庁を挙げて取り組む考えであります。  総合スポーツゾーンにつきましては、国体終了後においても、将来にわたって県民に愛され、広く利用していただく県民総スポーツの推進拠点として、各競技団体等と情報交換を図りながら、生涯にわたってスポーツ活動競技スポーツ、さらにはプロスポーツの振興が図られるよう活用を検討してまいります。  今後とも、スポーツの持つ力を最大限活用し、「人も地域も真に輝く 魅力あふれる元気な“とちぎ”」の実現に全力で取り組んでまいります。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) 知事に再質問させていただきたいと思います。このスポーツ施策については、現在、本県でも教育委員会が所管しているわけでありますけれども、その根拠となるのが地方教育行政の組織及び運営に関する法律で、古い法律でありますが、こちらで教育委員会の権限としていたわけでありますが、2007年の法改正によって首長が所管できることになったということであります。  先ほど申し上げたように、スポーツの持つ広範な波及効果等々を含め、それからご答弁にもありましたように、栃木県でも活躍しているプロスポーツチームについては、現在、総合政策部が所管している、そんなことも考えますと、このスポーツ施策については、知事部局で担いながら、横串を入れた全庁を挙げた取り組みとすべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 再質問にお答えいたします。ご質問がありましたスポーツ分野について、知事部局で所管すべきではないかといったご指摘を頂戴しました。全国の状況を見ますと、スポーツ、さらには文化、生涯学習がそれらに当たると思いますけれども、スポーツにつきましては約6割強が知事部局、文化は100%知事部局、生涯学習については約2割弱が知事部局ということで、これらの3事業につきましては、知事部局に集約する流れがあるようでございます。  そこで、4年後に国体を控えております。当面、現在の体制で各競技団体との連携を強化しながらしっかり対応してまいりたいと考えております。その後、国体レガシーを生かしたスポーツ振興のあり方につきましては、競技団体、教育関係者、あるいは地域スポーツ団体など、幅広い皆様方の意見を伺いながら、それらの対応について検討してまいります。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) 国におきましては、2011年にスポーツ基本法を施行し、スポーツ基本計画の策定、そしてスポーツ庁の設置など、スポーツ振興の新たな時代を示してきました。こんな流れに沿って各都道府県について言えば、2011年の調査時では、まだ知事部局にスポーツ施策を置いていたところはわずかに17%であったわけでありますが、今、知事の答弁にもあったように、現在では5割を超える、6割からのところがそうした移管をしているという状況でございます。そんなことも含めて、国体を契機としながら、今後、国体の後を見据えたという部分に、あらゆる面で目線を置いていただきながら検討していただきたいと思っています。  また、スポーツゾーンにつきましては、やはり今、国体に向けて皆さんも本当に力を結集している状況でありますけれども、その後といった部分を考える時期に来ていると思っています。県民に愛されることはもちろんでありますが、あれだけの施設をつくっていくのですから、ぜひ大きな大会とか記念大会も創設しながら、広く県外からもたくさんの方に利用していただけるような、そんな仕掛けが必要ではないかと思っています。  県内の各競技団体を見れば、いろいろな歴史を持っているところがたくさんあります。そんなことを取り上げながら、新たな大会をつくっていく。国体はもちろん、国体を記念してなどということも可能だと思っています。  私は、学生時代、剣道に汗を流しておりましたが、栃木県は剣道についていえば、実は大変な聖地であります。敗戦後、GHQの統制下で剣道は中止命令を受けておりました。「しない競技」としてつないでいたわけでありますけれども、昭和27年のサンフランシスコ講和条約によって再び解禁されまして、その昭和27年、全国剣道大会が日光で開かれ、その場で各代表者が集まり意見交換し、そして現在の全日本剣道連盟をこの栃木県で立ち上げたということになっております。また、さらにその2年後、昭和29年には、高校剣道の最高峰であるインターハイの第1回大会が栃木県で開催されております。その第1回の優勝校が我が母校、大田原高校の剣道部でありました。その選手の一人に私の高校時代の恩師がおり、当時の監督が私のその当時の校長先生でありまして、昭和55年の国体については、剣道を見事に優勝させ、天皇杯、皇后杯の獲得に尽力したと、こんな歴史があるわけです。戦後復興の剣道の聖地、こんなことが他の競技にもあるのではないかと思っています。  そういった意味でも、ぜひ知事部局の中であらゆる情報を収集しながら、広く県民に愛され、そして県内外からも利用されるような施設の活用を今から目指していただきたいと思っています。ついては、基金が年度内にようやく設置されるということになっていこうかと思います。今、募金の募集要項もできているわけでありますけれども、こうしたものを国体後にも、もちろん名称を変えて切りかえていくという形でありますが、しっかりと今の段階からそうした寄附の体制なども検討していただいて、その後もスポーツ振興の財源の一部となるようなことも創意工夫として必要ではないかと思っております。ぜひ全庁挙げてスポーツ振興に取り組んでいただきますようお願い申し上げながら、次の質問に入らせていただきます。  DCの検証と今後の観光振興戦略について、産業労働観光部長にお伺いいたします。「本物の出会い 栃木」デスティネーションキャンペーン、以下DCといたしますが、その実施結果が過日発表され、主な成果として、地域の連携強化、二次交通の取り組み、おもてなしの向上、観光客入込数、宿泊数、経済波及効果が挙げられておりましたが、課題としてもほぼ同様の項目が挙げられておりました。この課題には、さらに継続・強化すべき項目と、取り組みから見直すべき項目があるものと考えております。地域連携やおもてなしなどは、知事を筆頭にオール栃木で取り組んだ姿と成果が随所に見られ、今後の継続と強化、向上を期待するものであります。  一方で、宿泊数は、東日本大震災等の影響で落ち込んで以来、肝心な温泉観光地域で回復し切れていないなど、宿泊数の課題は、このDCを展開してもなお克服することができませんでした。国内最大級の観光キャンペーンと言われる中でありますので、ここで結果が出なかったことは大変ショックでありますけれども、来年のアフターDC、そして観光立県とちぎの実現に向けての取り組みは今後も続くことから、分析、検証をもとに、ここで戦略、戦術を見直すことも必要と考えます。一つの検証として、本県の豊富な観光資源や各地域分科会への配慮などから情報発信が全県総花的になり、栃木県の観光へのイメージが分散し過ぎたとの分析に立てば、例えば第一のテーマを温泉と宿泊に絞って発信するなど、大胆な方針を示すべきと考えます。  そこで、県はDCの成果と課題を踏まえた宿泊数回復策をどのように考え、観光立県とちぎの実現に向けた観光振興戦略をどのように展開していくのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 茂呂和巳産業労働観光部長。    (茂呂和巳産業労働観光部長登壇) ◎茂呂和巳 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。ことし春のデスティネーションキャンペーンでは、全県一丸となって取り組んだ結果、観光客宿泊数について初めて2年連続で200万人を超えたものの、目標の220万人には届かず、宿泊者の確保に向けた取り組みの強化が急務となっております。このため、関東一の源泉数を誇る温泉をテーマとするモデル周遊ルートの設定や、地元食材を活用した栃木県ならではの朝食を提供する取り組みなど、観光客の宿泊意欲の喚起に資するコンテンツの充実を図ってまいります。また、市町や県域を越えた広域的な連携の強化により、本県への滞在時間の延長を図り、宿泊につなげるとともに、SNS等デジタルメディアの活用などにより、宿泊地としての栃木県の魅力を効果的に発信してまいります。  今後とも、市町を初め幅広い関係団体と緊密な連携を図りながら、宿泊客の確保につながる取り組みを戦略的に展開し、多くの観光客でにぎわいあふれる観光立県とちぎの実現に努めてまいります。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) 産業労働観光部長に再質問させていただきます。今、ご答弁がありましたけれども、このDCについては、やはり大きな成果があったと思っております。栃木県にとっては平成11年以来19年ぶりでありましたけれども、ひとつこのDCのレガシーとして取り組んでいく上では、JRとの関係性を切らさない、むしろ強固なものにしていくと、こうしたことは非常に有効ではないかと思っております。例えばこのDCのお礼のご挨拶ではないですけれども、専門の職員、あるいは嘱託職員でも結構ですけれども、そうした専門の人員によって、常に首都圏のJR駅をめぐっているような、そんな姿も1つの方法ではないかと思っています。  各JR駅には、もちろん有料の広告といいますか、ポスターを張るような、そういうスペースもありますが、あとはやっぱり人間関係だと伺っております。いかに足を運んで、いかに自分たちのポスター、告知をしてもらうかということに尽きるというお話も伺っております。  そんな意味も込めながら、いかにJRとの関係性の向上に取り組んでいくか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 茂呂和巳産業労働観光部長。 ◎茂呂和巳 産業労働観光部長 再質問にお答えいたします。集客力にすぐれた駅構内におきまして、大型ポスターの掲示をやることはインパクトにもすぐれ、また栃木県の魅力を一目であらわすことができるため、相当効果的なものだと考えております。また、これまでDCの準備、そして現在に至るまで、JRには素材の掘り起こし、磨き上げ、また、ポスターの掲示、そしてイベント、祭りなどでの臨時列車の運行など、いろいろな面で観光誘客に取り組んでいただいております。  今後とも、このDCで培ったJRとの関係を維持発展させるとともに、先ほどお尋ねにありました駅に対する取り組みに関しましては、栃木県東京事務所のとちぎのいいもの販売推進本部とも連携し、積極的に駅を訪問して、顔の見える関係を引き続き築いていきながら、観光誘客に取り組んでまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) 前向きな答弁をいただきましたが、ぜひそのようにお願いいたします。  やはり温泉と宿泊というものを第一のイメージとして多くの方に持ってもらう。その下には、広くさまざまな観光資源が栃木県にはあるわけですから、階層的な戦略としてつくり上げていけば、今後も十分に発展していくものと考えています。  さきの質問でもインバウンドに触れられておりましたけれども、決して否定はしませんが、観光白書2017の国内宿泊総数というものを見ますと、約5億人泊されております。そのうちの日本人は4億2,000万人泊、84%を占めているということでありますから、特に首都圏に対してそうした取り組みを行っていく、温泉と宿泊というものをセットにして栃木県の観光イメージを徹底して告知していく、これは必ず有効だと思っております。今後、前向きに取り組んでいただきますようお願いしながら、次の質問に入らせていただきます。  森林環境譲与税の活用等による林業・木材産業の成長戦略についてお伺いしてまいります。来年4月から市町村が主体となって森林整備等を行う森林経営管理制度がスタートいたします。国では、これを支援するため、森林環境譲与税を来年度から都道府県や市町村に交付することとしております。交付される譲与税額は、平成36年度に徴収開始の森林環境税を原資として徐々にふえていき、平成45年度以降は全国総額で年間約600億円と試算されておりますが、森林面積や林業就業者数に加え、人口に応じて配分額が算出されることから、たとえ森林がない自治体でも交付されることとなっております。  譲与税を活用した事業は、間伐等の森林整備のほか、人材育成や木材利用などとされており、本県においては、とちぎの元気な森づくり県民税事業との役割分担と相乗効果により、森林整備が加速し、林業・木材産業の振興が図られるものと期待を寄せております。また、本県では、私も制定にかかわったとちぎ木づかい条例が施行されていることもあり、県内の市町には地域特性を生かしたさまざまな木材利用にこの譲与税を活用していただきたいと考えております。  一方、県外に目を向ければ、東京圏など人口が多いにもかかわらず森林の少ない都市部の自治体では、公共施設の木造・木質化など、木材利用を中心に譲与税が活用されると想定されることから、東京圏などへ本県産木材を売り込む絶好の機会と捉え、積極的に働きかけをしていくべきと考えます。  そこで、このビジネスチャンスを生かし、県は森林環境譲与税の活用などにより、本県林業・木材産業の成長戦略をどのように進めていくのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 鈴木峰雄環境森林部長。    (鈴木峰雄環境森林部長登壇) ◎鈴木峰雄 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。本県の林業・木材産業の成長産業化を推進していくためには、県内はもとより、県外への県産木材の需要拡大が重要でありますことから、県では、これまでも都内の木材展示会に出展するとともに、県外の工務店における利用を促進するなど、県外での需要の拡大にも努めてきたところであります。  来年度からは、森林環境譲与税が導入されることにより、木材利用が中心となる都市部において木材の需要拡大が見込まれますことから、今後は東京圏等に向けた栃木県産木材の販売促進がより一層重要になってくると考えております。このため、来年度は森林環境譲与税の使い道にも着目しながら、県内事業者と都内建築関連事業者等との取引関係はもとより、県内の市町と東京圏の自治体との友好交流関係など、さまざまなつながりを活用して、東京圏等への県産木材や木材製品のPRを強化していくことにより、新たな販路の開拓に努めてまいります。  今後は、県や市町、林業や木材産業の関係者が連携しながら、東京圏等での県産木材の需要拡大に取り組むことにより、本県林業・木材産業の成長産業化に努めてまいります。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) 前向きなご答弁をいただいたと思っておりますが、さらに踏み込んで再質問を1点させていただきたいと思います。税事業でありますし、森林経営管理制度についても、森林経営管理法の中での目的があるわけであります。これらに基づいて東京圏で大きな予算が配分されることが想定されているわけですから、いわゆる市場原理としての価格勝負での市場参入ということではなく、それぞれの自治体とのもっと違う目線でのつながりが必要ではないかと思っています。税の目的を達成するために、いかにそれをきちんと担保していくかというところについては、本県の一つの強みとして、森林認証制度の先進県であると思っておりますから、こうしたものを売り込みの1つの視点に加えていくということは有効ではないかと思っています。つまり、持続可能な森林というものを森林認証制度によってきちんと担保し、そうした山から切り出された木材を使っていただくということが、都市部の中で木造・木質化事業に取り組む上では大きな意義がある姿になっていくと思います。  こうしたものも活用しながら、首都圏直下型、あるいは南海トラフというような大規模地震災害も想定されていることから、災害協定を結ぶとか、森林協定により自治体とつながるとか、こうしたことによって本県とのつながりを強固なものにするということが大きく意義があるのではないかと思いますが、所見を環境森林部長にお伺いします。 ○五十嵐清 議長 鈴木峰雄環境森林部長。 ◎鈴木峰雄 環境森林部長 再質問にお答えいたします。ただいまご紹介いただきました栃木県の認証材につきましては、オリンピック・パラリンピックにおきましても、選手村や競技場に使われるといったことで、トレーサビリティーを確保した森林材として、栃木の材のよさという売り込み方ができると考えております。  また、県内の市町におきましても、災害協定を結んでいる、あるいは友好交流関係を結んでいるという市町がございますので、こういうところのつながりを活用しまして、マッチングを進めていくとか、あるいは訪問して販路を広げていくとか、そういった足で稼ぐ取り組みを、県としても、市町、事業者と一緒に行ってまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) ぜひそのような取り組みを検討していただきたいと思います。例えば横浜市においては、市内の小中学校がちょうど老朽化、建てかえの時期ということで、約500校近くあるそうでありますけれども、こうしたところにこの譲与税を活用して事業として取り組んでいくということが市長から発表されております。あるいは世田谷区においては、試算したところ、1億2,000万円程度が譲与税として交付されるというような話も出ておりますから、いろいろなチャンスがあろうかと思いますので、そのような視点、あるいは産業労働観光部が得意とするような首都圏へのプロモーションであるとか、いろいろなものに全庁を挙げて取り組んでいただきながら、本県のさらなる林業・木材産業の発展に力添えをいただきたいと思います。  それでは、次の質問に入らせていただきます。栃木の農業の未来を支える研究開発について、農政部長にお伺いいたします。農業を取り巻く環境は、米政策の見直しなどにより大きな転換期を迎えており、本県の農業をとちぎ農業“進化”躍動プランに掲げる成長産業へと導くためには、ブランド力、産地間競争力の強化が不可欠であると考えます。  このような中、重要な役割を果たすのが、栃木県農業試験場であり、これまでもイチゴを初め、酒米、もち麦などの新品種や梨の根圏制御技術などを開発してまいりました。  今後、本県農業が勝ち残っていくためには、本県の特色を生かした品種開発をさらに進める必要があると考えます。また、生産現場では、労働力不足が課題になる中、省力化技術も求められており、本県独自の技術開発を行うことも重要であると考えます。  そこで、さまざまな情勢、競争に勝ち抜く栃木の農業確立に必要な研究開発を今後どのように進めていくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 渡邉和明農政部長。    (渡邉和明農政部長登壇) ◎渡邉和明 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。本県農業の競争力を高めるには、消費者に魅力ある農産物を提供するとともに、生産性をより一層向上させていくことが必要であります。このため、新品種の育成に当たりましては、マーケットニーズを踏まえ、色や形、加工適性等に際立つ特徴を持ちながら、病気に強く、栽培性にもすぐれるなど、オリジナリティーと生産性を兼ね備えた品種の育成を目指しております。また、温度や湿度、光など、環境を総合的に制御し、イチゴやトマトの収量と品質を大幅に向上させる次世代型の施設園芸やニラの収穫から出荷までの作業を省力化する生産システムなど、本県の実情に即した技術開発を進めてまいります。  今後は、地球温暖化に対応できる高温適応力を備えた品種の開発や、技術発展の著しいAIやIoT等を活用したスマート農業など、本県農業の未来を開く研究開発にも積極的に取り組んでまいります。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) 農政部長に再質問させていただきたいと思います。先日、私も農業試験場を改めてお訪ねさせていただきました。イチゴの新品種が過日も発表されておりましたが、こうした大きな話題とはなっていないけれども、多方面において非常にすばらしい研究成果を発揮していることを改めて認識させていただきました。ただ、これが栃木県の農業に広く普及し、その生産性の拡大につながっていなければ意味がないものだと思うわけであります。こうした農業における研究の成果をいかに生産現場に普及しているのか、改めて農政部長にお伺いしたいと思います。 ○五十嵐清 議長 渡邉和明農政部長。 ◎渡邉和明 農政部長 再質問にお答えいたします。農政部では、部内の関係各課と各農業試験場で構成いたします農業技術会議というのを設置いたしまして、研究成果のマネジメントを行っております。この中で、生産現場の課題を把握した上で、研究テーマの設定を行っておりますけれども、得られた研究成果につきましては、農業振興事務所におきまして、現地実証の展示圃を設置するなどして農家への普及に努めているところでございます。さらに、普及段階の技術につきましては追跡の評価も行いまして、これについては試験研究にフィードバックするという仕組みで研究の効率を高めております。  こうしたことについていろいろな研究成果が出ているわけですけれども、こういう技術について農業試験場では、これを農業試験場のプロジェクトXということでまとめて公開もしております。生産現場での適応力というのが県の農業試験研究における生命線だと思いますので、引き続き、実践第一で取り組んでまいります。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) 農業試験場のプロジェクトX、いいですね。ぜひ頑張っていただきたいと思うのですが、一方で、予算面を見ますと、平成17年には約2億5,000万円の予算がございました。以降、未来開拓プログラム等でどんどん減額されてきて、平成25年には1億6,000万円程度まで減額されています。平成29年には約2億円ということにはなっておりますが、重要なのがこの内訳でありまして、県単の予算はどんどん減額されてきている状況であります。いかにして必要な予算を確保しているかというと、さまざまなメニューの国費を活用しながら取り組んでいるということであります。  10年前には、その国費が全体の予算の中で2割程度だったものが、現在ではもう4割に達しているということになっています。つまり、国費にはさまざまなメニュー、いわゆるひもつきとなっておりまして、本県独自のためだけに研究開発を行うわけにいかないという現状があるわけです。広く汎用性を求められたり、他県との共同開発であったりということでありますので、やはり県単の予算はしっかりと確保しながら、これから本当に栃木の農業が競争力を持って勝ち抜いていく。そのために、余り目立ちませんけれども、農業試験場にぜひ光を当てて、今後さらに栃木県の農業発展に力を尽くしてもらいたい、そのための予算確保をぜひともお願いしたいということを強く要望させていただきながら、次の質問に入らせていただきます。  栃木の子供を守る児童相談所の強化について、保健福祉部長にお伺いさせていただきます。本年3月、東京都目黒区において5歳の女の子が亡くなりました。最も信頼し、最も愛され、最も守ってくれるはずの両親から虐待を受け、それでもけなげに覚えたての平仮名で謝罪の言葉をノートに書き写しながら、その女の子は亡くなってしまったわけであります。なぜ幼い命を救えなかったのか、繰り返される痛ましい虐待事件の再発防止に社会を挙げて取り組まなければならないと強く思うわけであります。  この事件を契機として、国は本年7月、児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策を打ち出したところであり、その中で緊急的に講ずる対策の一つとして、児童虐待防止対策体制総合強化プラン(新プラン)を策定することとし、増加する児童虐待への対応に加え、児童福祉司、児童心理司などの専門職の職員体制、専門性の強化等を含めた児童相談所の体制強化策を盛り込むこととしております。  本県における昨年の児童虐待対応件数は2,214件、そのうち児童相談所の対応件数は1,217件となるなど、いずれも過去最高を記録し、増加の一途をたどっております。また、その内容も複雑化・多様化していることから、警察や関係機関、市町との情報共有、連携を強化するなど、児童虐待への迅速かつ的確な対応が求められており、国の方針のとおり、児童相談所の機能強化は急務であります。  そこで、専門職の配置など、児童相談所の体制強化をどのように図っていくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。  また、県北児童相談所については、狭隘で老朽化が著しく、機能強化や利用者の利便性の確保に支障を来していることから、かねてより早期整備を要望してきたところでありますけれども、その対応への考えをあわせて保健福祉部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 森澤隆保健福祉部長。    (森澤 隆保健福祉部長登壇) ◎森澤隆 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、増加する児童虐待事案に迅速・的確に対応するため、昨年度、中央児童相談所に弁護士を配置したほか、今年度は同所に虐待対応課を新設するとともに、全ての児童相談所の児童福祉司を増員いたしました。また、医師や教育、心理などの外部専門家を積極的に活用するとともに、事案の虐待リスクを客観的に評価するツールを用いて市町と適切に役割分担することにより、児童相談所の専門性の発揮に努めているところであります。さらに、今後示される国の強化プランも踏まえ、児童福祉司等の専門職の適切な確保や配置などにより、体制強化に取り組んでまいります。  県北児童相談所につきましては、子供や保護者の相談、援助等に必要なスペースを早期に確保する必要があるため、来年度、現地での建てかえ整備に着手し、機能の充実・強化と利便性の向上を図ってまいります。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) 今、保健福祉部長から県北児童相談所については、ようやくという思いにはなりますけれども、来年度建てかえに着手していただけるという答弁をいただきました。増加する一方の児童虐待事案への対応を初めとする児童相談所の役割というものが高まっている中でありますので、どうか速やかな整備、そして求められる機能というものに十分ご配慮いただきたいと思っております。  この目黒事件においてさまざまな論点がありましたが、その中で警察との情報共有、全件共有という視点がございます。9月通常会議で渡辺議員もこの児童虐待について触れられておりましたが、ちょっと視点を警察本部のほうに変えながら、警察本部としていかに児童相談所、あるいは関係機関との連携というものに取り組んでいるのかというところを再質問させていただきたいと思います。  児童福祉のケースワークというのは非常に専門性が求められるものでありますから、出動する警察官についても、単なる警察業務ではない、いわゆる行政警察機能と申しますか、そういった中でのある程度の知識、認識というものが必要だと思っております。それらのスキルアップも含めてどのような体制で臨んでいるのか、警察本部長にお伺いしたいと思います。
    ○五十嵐清 議長 坂口拓也警察本部長。 ◎坂口拓也 警察本部長 ただいまの再質問にお答えいたします。県警察では、平成26年4月に栃木県警察人身安全関連事案対策本部を発足させ、児童虐待等の人身安全関連事案に対処する体制を構築し、昼夜を問わず、警察本部が県内各警察署及び他県警察との連携を図っているところでございます。  また、ご指摘がありました現場で対応する警察官のスキルアップにつきましては、警察学校での教養を初め、各種会議における指示、担当者に対する研修会等を実施しまして、知識・技能の習得を図るほか、児童相談所と連携した児童虐待対応合同訓練を行いまして、現場に即した事案対処能力の向上に努めているところでございます。  今後とも、児童虐待等人身安全関連事案に関する人材育成を重点的に推進しますとともに、児童相談所等の関係機関との連携を強化して児童等の安全確保に努めてまいりたいと思います。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) 合同訓練なども実施して、本当の意味での連携強化に取り組んでいただけているということで安心する部分もございました。本県においては、平成16年の小山事件、五十嵐議長も非常に力を尽くしてきたこの事件をきっかけとする児童虐待防止策ということで、本県はある意味、先進的に取り組んでいると思っております。警察本部との情報共有論についても、もう翌年の平成17年には協定を結んで進めてきているわけでありますから、全国的にさらにモデルとなるような取り組みをお願いしたいと思っています。  やはり情報の共有は、通告の共有ということが大切なのではなくて、その意識、内容といったものを共有するということが本分であろうと思っておりますので、それぞれの関係機関、部局においても、それらのところに十分な視点を置きながら、この児童虐待防止、そして児童相談所の機能強化に今後も努めていただきますようお願い申し上げながら、最後の質問に入らせていただきます。  栃木を守る新たな緊急防災・減災対策について、県土整備部長にお伺いさせていただきます。近年、毎年のように数十年に一度と言われる自然災害が発生しております。ことしも平成30年7月豪雨など、これまで経験したことのないような事象が全国各地で発生し、住民の生活や経済活動に深刻な影響を及ぼしており、自然災害は新たなステージに入ったと言われております。こうした中、国では、いわゆる重要インフラの全国一斉の緊急点検を実施し、年内に防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を取りまとめることとしております。  これまで県においては、独自の取り組みとして、河川の堆積土除去や立竹木伐採など、即効性のある対策を緊急防災・減災対策事業として進めているところでありますが、とちぎ自民党議員会では、頻発する大規模災害の現況を踏まえ、災害対策加速化の必要性から、さきの補正予算の編成に当たっても事業の前倒しを強く求め、調査費を含む総額17億円を予算化したところであります。  一方、国における先般の7月豪雨に関する検証によれば、今回の水害は梅雨前線が長期間停滞したことで、河川水位の高い状況が続き、ついには堤防を乗り越えたり、浸透した水が堤防を弱体化させたことが原因となり、複数箇所で堤防が決壊し、甚大な被害につながったことが明らかになってきております。  私は、これらの検証結果を踏まえ、堆積土除去など、いわゆる流下能力の確保を目的としたこれまでの緊急防災・減災対策に加えて、堤防そのものを強化し、決壊を防ぐ、もしくは決壊までの時間を引き延ばすことで、住民避難のための時間を少しでも長く確保していくような対策を講じていくことも必要であると考えます。  そこで、県では、近年の異常豪雨を踏まえ、河川における緊急防災・減災対策事業を今後どのように進めていくのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 江連隆信県土整備部長。    (江連隆信県土整備部長登壇) ◎江連隆信 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。本県では、これまでにも緊急防災・減災対策事業を制度化し、堆積土の除去などにより、洪水を安全に流下させるための河川断面の確保対策を進め、一定の効果を発揮してまいりました。一方、国の社会資本整備審議会では、平成30年7月豪雨などを踏まえ、速やかに実施すべきハード対策の一つとして、決壊までの時間を引き延ばすため、堤防構造の工夫を行うことを答申案の中に位置づけたところであります。  そこで、本県におきましても、従来の対策に加えまして、堆積土を活用した堤防強化による長時間の洪水に耐える粘り強い堤防の整備や、堤防に悪影響を及ぼします河床の洗掘を防止するための対策等についても、新たに取り組む必要があると考えております。  今後とも、国の動きも踏まえまして、新たな視点を加えながら、効果的な河川の防災・減災対策に積極的に取り組んでまいります。 ○五十嵐清 議長 関谷暢之議員。    (19番 関谷暢之議員登壇) ◆19番(関谷暢之議員) ただいま県土整備部長から、新たな視点を加えながら防災・減災対策に努めるということで答弁いただきました。7月豪雨の検証によれば、総雨量が中国地方で500ミリ、四国地方では1,800ミリを超えて、非常に大きな犠牲者を出したわけであります。しかしながら、栃木県においても平成10年の那須水害では1,254ミリ、平成27年の関東・東北豪雨でも648ミリと、この西日本の豪雨に匹敵するような経験を持っているわけであります。  災害というのは一たび発生しますと、甚大な被害を及ぼすということはもちろんでありますが、結果として、その復興費用には多額の予算を必要とするわけでありますから、まさにいかに防災、予防していくかということが重要であると思っております。この視点に基づきながら、さきの代表質問で木村議員からも公共事業の重要性・必要性ということを質問されておりました。未来への投資であるということをおっしゃっておりましたので、そんな視点を持ちながら、ぜひ取り組んでいただきたいと思っております。  これまでの防災・減災事業に加えての新たな視点で、そして栃木県の未来をしっかり守るんだという意識の中で必要な予算を十分に確保しながら、未来への投資をしっかりと行っていただきたいと申し上げて、この質問を終わらせていただきます。  本日は、栃木の未来創生というキーワードの中で7項目伺ってまいりました。私も今後もさらに、この栃木の未来創生に向けて力を尽くしていく、こんな思い、決意を新たにしながら、全ての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○五十嵐清 議長 この際、15分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。     午前10時59分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎篠﨑和男 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は46名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――     午前11時15分 開議 ○阿部寿一 副議長 議長の都合によりまして、私が議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。  ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) 今回は、大きくは3項目について質問させていただきます。  最初に、地方創生に向けたDMOの形成支援について、次に、県民の皆様の安全・安心な暮らしの実現について、最後の質問といたしまして、女子選手の無月経と疲労骨折対策について質問させていただきます。つきましては、執行部の皆様方には、テレビをごらんいただいている、またラジオを聞いておられる県民の皆様がご理解いただけるよう、わかりやすく、誠実なご答弁をお願い申し上げ、早速質問に入りたいと思います。  それでは最初に、地方創生に向けたDMOの形成支援について、知事にお伺いいたします。国のまち・ひと・しごと創生総合戦略に呼応し、県は平成27年10月、県版の人口減少対策としてとちぎ創生15(いちご)戦略を策定いたしました。今年度、2018年度はとちぎ創生15(いちご)戦略が4年目を迎えることとなり、具体的な成果が求められる時期に来ていると考えます。  ことし8月に公表されました平成30年度重点戦略マネジメント及びとちぎ創生15(いちご)戦略マネジメントの現状評価結果によれば、観光に係る成果指標、つまり観光客の入り込み数や宿泊数、そして外国人宿泊数や観光消費額は、進捗状況が80%以上、おおむね順調となっております。しかし、その一方で、本県の特色を生かしたDMOの形成支援の取り組みについては、今のところ決して順調とは言えないのではないかと考えます。  現在、本県には1つの日本版DMOと2つの日本版DMO候補法人が観光庁に登録されております。そのうち、単独の市や町の区域を対象とする地域DMOについては、その運営において観光地域づくりに不可欠な多様な関係者の巻き込みが十分ではなく、観光関係業者や移住・定住関係者から、何をやっているのかわからない、地域の活性化につながっていないなどの不満の声を聞いており、複数の市や町の区域を対象とする地域連携DMOである栃木県観光物産協会についても、本来の役割を果たしていないとの指摘の声がございます。  また、県では、今年度、地域連携DMOを目指す法人を募集するとちぎ版DMO形成促進事業を実施しておりますが、今のところ補助金の申請はなく、複数の市や町の区域を対象とする地域連携DMOの形成については、課題があることがうかがえます。  私は、まずは、市や町の区域を対象地域とした地域DMOの形成を支援し、地域の多様な方々が主役となって、多様な観光資源を生かして活動する、住んでよし、訪れてよしの観光地域づくりを推し進めることにより、移住・定住や地域ブランド向上など、地方創生につなげていく必要があると考えます。  そこで、県は、とちぎ版DMOの形成支援について、今後どのように取り組んでいくお考えか、知事にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの相馬政二議員のご質問にお答えいたします。観光は裾野が広く、幅広い分野に経済効果が波及する産業であり、将来にわたり栃木県が持続的に発展していくためにも、本県の魅力あふれる地域資源で国内外から多くの観光客を呼び込むことが必要であります。このため、県では、地域の多様な関係者とともに、マーケティング調査などの客観的データに基づく観光戦略の立案と実行のかじ取り役となるDMOの形成支援を通して、地域の個性を生かした魅力ある観光地づくりを推進しているところであります。  現在、県内では、単独の市町村を対象区域とする地域DMOとして、日光市及び大田原市の2つの法人が、県域を対象区域とする地域連携DMOとして公益社団法人栃木県観光物産協会が国に登録され、地域に根差した活動を行っておりますが、活動内容の周知に一層努めるとともに、より幅広い地域の関係者の参画を促す必要があると考えております。このため、まだ地域DMOが形成されていない地域も含め、引き続きDMO形成の意義や目指すべき姿、日ごろの活動実績等の周知を図るためのセミナーを開催するほか、観光団体はもとより、商工団体や農業団体等を対象に、マーケティングや地域づくりなどの専門人材の役割や、活動財源の確保を初めとする実践的な運営ノウハウ等に関する先進事例を紹介するなど、地域の多様な主体による観光地づくりに向けた合意形成を支援してまいります。  今後とも、多くの観光客でにぎわい、交流人口の拡大による地域経済の活性化を図りますとともに、本県への新たな人の流れの創出にもつながるよう、地域資源を最大限に活用したとちぎ版DMOの形成を積極的に促進し、また選ばれる観光立県とちぎの実現に努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) ここで産業労働観光部長に再質問させていただきます。県全体の観光地経営を支援する立場である県域版DMO、先ほど知事の答弁の中にもございましたが、栃木県観光物産協会については、企画や調整を担う専従の職員が確保できていないなどの問題があると聞いております。DMOは、多様な関係者のまとめ役となる職員の存在が極めて重要でありまして、専従の職員が継続的に取り組む必要があると考えております。つきましては、今後どのように県域版DMOである栃木県観光物産協会の機能強化を図っていこうとお考えなのか、お伺いいたしたいと思います。 ○阿部寿一 副議長 茂呂和巳産業労働観光部長。 ◎茂呂和巳 産業労働観光部長 再質問にお答えいたします。県では、これまで栃木県観光物産協会がDMOとしての役割を果たせるように、マーケティングの調査、それからそれに伴う戦略の策定、こういったものに支援してきたところであります。一方、議員ご指摘のとおりに、DMOがその機能を十分に発揮するためには、マーケティングや地域の合意形成、また、それに伴うマネジメント、こういった専門的人材が非常に重要になってくるところでございます。このため、観光物産協会で、現在、こういった専門的人材をどういうふうに担保していくかというのを、今さまざまな観点から検討しているところでございますので、引き続き県といたしましても、観光物産協会が地域連携DMOとしての役割をしっかりと果たし、機能強化を果たせるように支援してまいりたいと考えております。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) ぜひ機能強化、早目に強化できるようにお取り組みいただきたいと思います。  それでは、ここで要望させていただきます。もし県が栃木の観光を盛り上げていくために本気でDMOを活用していこうと考えておられるのでしたら、私はまず、県内の市町の首長のDMOに対する認識を、旧来の物見遊山の観光地づくりという認識から、観光による地域づくりという認識に変わっていただく必要があるのではないかと考えております。つまり、DMOとは単なる観光地づくりではなく、地域の幅広い団体や住民が集い、地域のあるべき姿に向かって観光を通して地域の課題解決に取り組む仕組みであるという認識、また、DMOを通してみずからの地域のよさや価値、その地域にしかない大事なもの、いわゆるトップバリューを発信することがブランドイメージになり、観光誘客や移住・定住にもつながるという認識を持っていただきたい。さらには、地域への愛着や誇りの醸成にも資するのがDMOである、そのような認識になっていただく必要があるのではないか、知事と共通認識を持っていただく必要があるのではないか、そう思っております。  そのためにも、私は、知事の強いリーダーシップにより、市町の首長を引っ張っていくことも必要であると思いますし、例えばDMOに真剣に取り組んでみたいという市または町に、モデル的にDMO組織を立ち上げてもらい、県も人材的、財政的にも積極的に支援してあげて、県内に核となるDMOを形成していく、こういうことが今後必要なのではないかと考えております。これまでDCで掘り起こし、磨き上げた観光資源を、DMOにより、さらに地域のさまざまな団体や住民を巻き込んでレベルアップし、国内外にアピールして魅力ある観光地域栃木につなげていっていただきますよう強く要望し、次の質問に移ります。  ことし、平成30年を振り返りますと、本当に自然災害の多い年であったと思います。皆様ご存じのとおり、1月には本白根山の水蒸気爆発、陸上自衛隊員お1人がお亡くなりになりました。そして、4月には島根県西部地震、続いて6月には大阪府北部地震で高槻市の小学生の女の子がブロック塀が倒れてお亡くなりになりました。7月には台風7号による平成最悪の水害と言われる西日本豪雨災害が発生、被災者に追い打ちをかけるように7、8月の猛暑、本当に暑い夏で水不足も心配されました。9月には台風21号に続き北海道胆振東部地震が発生し、ブラックアウト、全道が停電。多くの道民が不便でつらい生活を余儀なくされたわけであります。そして10月1日には台風24号が栃木県を縦断し、爪跡を残していきました。改めてお亡くなりになった方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々が一日でも早く通常の生活に戻れますよう願う次第であります。  環境省が発表しております地球温暖化の影響予測や、また、ことし8月に環境省がウエブで公開した地球温暖化予想「2100年未来の天気予報」を見る限り、私は地球温暖化による自然災害は今後も続き、災害の大きさは今以上に大きくなるのではなかろうかと危惧しております。今後起こり得る災害に対して、問題を先延ばしにせず、十分な備えをしておくことが大変重要になっております。  そこで、県民の安全・安心な暮らしの実現に向けて、災害対策の面から幾つかの切り口で質問させていただきたいと存じます。  まず、火山噴火災害対策についてお伺いいたします。火山噴火災害対策につきましては、平成26年9月に起きました御嶽山噴火災害を踏まえて、同じような被害が栃木県内で発生しないようにするため、私はこれまで5年間、5回連続で質問させていただき、また、さまざまな対策を要望してまいりました。つきましては、議員2期目の総仕上げといたしまして、ことし2月の通常会議での県民生活部長からの答弁を踏まえ、その後の取り組み状況を確認させていただき、県民の皆様や観光客の皆様、さらには登山者の皆様に安心していただけるよう、改めて質問させていただきます。  平成26年の御嶽山噴火災害を踏まえた活動火山対策特別措置法の改正により、火山災害警戒地域である都道府県及び市町村は、関係機関が参加する火山防災協議会を設置して、火山単位の統一的な避難計画等について協議し、避難場所や避難経路等を当該都道府県や市町村の地域防災計画に定めることとされました。本県では、那須岳と日光白根山が対象になっておりますが、本年2月の時点で、那須岳については避難計画の策定はされているものの、避難経路について具体的には定めておらず、また、日光白根山についてはいまだ避難計画が策定されていない状況であったため、ことし2月の通常会議において、避難計画策定の促進に向けてどのように取り組んでいこうと考えているのか質問させていただきました。当時の県民生活部長からは、避難経路を含めた避難計画については早期に策定することができるよう検討を進めてまいりたいとの答弁がございました。  なお、那須岳へのシェルターの設置及び山小屋やロープウエーの駅舎等へのアラミド繊維織物による補強対策等の要望に対しましては、ことしの7月に峰の茶屋跡避難小屋の補強工事を完了されたとのことで、まことにありがたいことで、県のご尽力に対し、この場をおかりして感謝申し上げたいと存じます。つきましては、2月の質問から9カ月が経過いたしましたが、那須岳及び日光白根山に係る避難経路を含めた避難計画の策定状況と今後の取り組みについて、県民生活部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 石﨑金市県民生活部長。    (石﨑金市県民生活部長登壇) ◎石﨑金市 県民生活部長 ただいまのご質問にお答えいたします。那須岳、日光白根山の両火山につきましては、今年度、火山専門家から技術的助言が受けられる内閣府の支援事業を活用し、県も参加するそれぞれの火山防災協議会の専門部会で、避難計画の策定及び見直しの作業を進めているところであります。那須岳につきましては、避難経路を検討するとともに、既に策定された計画がさらに実効性のある計画となるよう計画全般の見直しを行っております。また、日光白根山につきましては、本年8月に完成しましたハザードマップに基づき、避難場所や避難経路、入山規制ポイントの位置等を盛り込んだ避難計画の策定を進めております。引き続き火山専門家や関係機関と連携しながら、これらの避難計画案を取りまとめ、早期に各火山防災協議会で計画の決定がなされるよう努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) 専門家がもう入られたということなので、策定は間近なのではないかなと期待を申し上げたいと思います。  ここで、県民生活部長に再質問させていただきます。今年度は、那須岳については避難ごう等の整備優先箇所5つのうちの1つ、峰の茶屋跡避難小屋が補強整備されたわけでありますが、このほかに優先的に整備すべき箇所、つまり多くの観光客が利用する、また訪れるロープウエーの山麓駅舎と山頂駅舎の補強についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 石﨑金市県民生活部長。 ◎石﨑金市 県民生活部長 再質問にお答えいたします。那須ロープウエイの2つの駅舎につきましては、登山者等不特定多数の方を対象とする避難施設ではなく、当該施設を利用する観光客等の安全を確保するための避難促進施設に指定されているところです。このため、施設利用者の安全確保のための整備につきましては、施設設置者がみずから行うべきものと考えております。  県といたしましては、火山防災協議会と連携しながら、施設設置者に対して整備について必要な助言を行ってまいりたいと考えております。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) 避難促進施設ということで、国の補助も出ないという、民間がみずから整備しなければいけないという厳しい立場に立っているわけでありますが、登山者とか観光客の生命ということを考えて、ぜひ早期に補強整備がなされるよう、県からも最大限のご支援をお願い申し上げたいと存じます。  それでは、ここで要望させていただきます。ことしの9月の報道によりますと、火山噴火時に登山者や観光客、そして周辺施設の利用者等を安全に避難させるため、活動火山対策特別措置法で市町村に義務づけられました避難促進施設、つまり噴石や火砕流の被害が想定される地域内にあるホテルとか飲食店、病院などの集客・公共施設の指定について、対象となる123市町村のうち約8割に当たる97市町村が、ことし8月末時点で1施設も指定していない、できていないということであります。  多数の人が集まる施設内でそれぞれが勝手に動けば大混乱が起き、安全が保てないおそれが大きいわけですので、施設と十分協議の上で指定できるよう、県としても、那須町に対してご支援をお願い申し上げたいと存じます。また、指定後においては、避難促進施設はみずから避難経路や移動手段などを定めた避難確保計画を策定しなければなりませんので、策定に関しましても、県の強力なご支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。  なお、内閣府は、来年度から職員を火山の周辺自治体に派遣し、施設の避難確保計画づくりを支援する方針であるとも聞いておりますので、国からの支援を受けながら、来年度末ごろまでには策定できるよう、県においても積極的に関与いただきますようお願い申し上げ、次の質問に移ります。  次に、地震災害対策に関し、BCP策定率の向上について、産業労働観光部長にお伺いいたします。近年、過去の経験値を上回る豪雨や地震リスクが低いと思われていた地域での巨大地震など、各地で災害が頻発し、次にどこで災害が発生してもおかしくない状況であると言えます。大規模災害により地域の企業が被災し、事業活動が滞れば、企業の損失にとどまらず、その地域の雇用や経済へも影響を与え、さらには取引先を通じてほかの地域へも波及していくおそれがあります。  災害の発生は防ぐことができません。だからこそ、各企業において防災・減災対策、災害発生時や発生後の対応措置などを定めておく事業継続計画(BCP)を策定し、いつ起こるともしれない災害等に対して備えておくことが大変重要であります。  国は、平成26年6月に決定した国土強靱化アクションプラン2014で、各企業に対しBCPの策定を求め、平成32年までの目標として、大企業はほぼ100%、中堅企業は50%という策定割合の指標を定めています。ただ、中小企業や小規模事業者についての指標はプランでは定められていませんが、災害等による事業中断が企業存続の危機に直結しやすい中小企業等にとっても、BCP策定の重要性は高いと考えます。  そのような中、県は平成27年1月に県域商工3団体や東京海上日動火災保険と栃木県BCP(事業継続計画)策定支援に関する協定を締結し、県内企業のBCP策定を連携して支援してまいりました。県産業労働観光部によると、BCP策定支援プロジェクトにより支援を受け、BCPを策定した県内企業は、平成30年、ことしの11月7日現在で246社とのことでございます。しかしながら、ことし5月の民間会社の調査によりますと、県内企業のBCP策定率は21.1%にとどまっており、昨年の調査時と比べて1.1ポイントの増と伸び悩んでいる状況にあります。また、全国企業を対象としました調査結果では、策定していない理由として、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が44.0%とトップでありますが、他方、「必要性を感じない」が24.5%あり、策定手法に関する技術的支援とともに、BCPに対する理解をどう促進させていくのかも行政に課せられた課題であると言えます。  私は、BCP策定率向上のためには、危機管理意識の高い企業のみならず、まだBCPの重要性を認識していない企業を含め、多くの企業に対しBCPの意義や必要性等について普及啓発し、BCP策定の裾野を広げていく必要があると考えます。  そこで、県は、県内企業のBCP策定率の向上について、今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 茂呂和巳産業労働観光部長。    (茂呂和巳産業労働観光部長登壇) ◎茂呂和巳 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では商工3団体及び東京海上日動火災保険株式会社の協力を得て、BCP策定支援プロジェクトとしまして、個別相談から策定・運用まで、企業の取り組み段階に応じた支援を実施しております。また、今年度は病院や水道管等の管工事施工業者など業種ごとに予測される事態に対応したセミナーを開催するほか、情報誌への特集の掲載、すぐれた取り組み企業の表彰などにより、企業に対しBCP策定の重要性を周知しているところです。  今後とも、市町や商工団体との連携により、企業価値や信頼性向上といったBCP策定のメリットを見える化するなど、裾野拡大に向けて創意工夫してまいります。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) それでは1点、要望させていただきます。今年度、県は、先ほど産業労働観光部長からお話が出ました管工事業を対象とした業種別ワークショップを開催しておりますけれども、民間会社の調査によりますと、卸売業や運輸・倉庫業におきましてBCPの策定がほとんど進んでいないという結果になっております。つきましては、今後はこのような業種を対象としたワークショップをぜひ企画していただいて、開催いただきたくお願い申し上げたいと存じます。  次の質問に移ります。次に、病院の耐震化の促進について、保健福祉部長にお伺いいたします。ことし5月の報道によりますと、県内107病院のうち、震度6強以上の地震に対する耐震基準を全ての建物が満たしているのは77病院で、耐震化率は72%にとどまり、3割弱の病院は耐震性に不備や不明点があることが厚生労働省の調査で判明したとのことであります。本県の耐震化率は全国平均の72.9%とほぼ同水準でありますが、対策済みの病院は前年の調査から1施設しかふえていない状況にあります。  病院の耐震化については、地震発生時の病院の倒壊、崩壊による被害を防ぎ、入院患者等の安全を確保するとともに、被災者に適切な医療を提供していくという観点から、今後起こり得る災害に備えて早急に対策を講じることができるよう、県としても支援していくべきと考えます。つきましては、今後、県民の皆様の安全・安心確保に向け、病院の耐震化をどのように促進していこうと考えておられるのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 森澤隆保健福祉部長。    (森澤 隆保健福祉部長登壇) ◎森澤隆 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。災害時においても必要な医療を確保するためには、病院が被災した場合であっても早期に診療機能を回復できるよう、建物の耐震化等、平時からの備えに万全を期すことが求められております。災害時における救急患者受け入れ機能等を有する災害拠点病院につきましては、現在3つの病院で耐震化が完了しておりませんことから、県では早期の完了に向けて、移転整備や耐震化工事等の取り組みを支援しているところであります。さらに、災害拠点病院以外の病院につきましては、BCPの策定を支援いたしますとともに、国庫補助事業の活用による耐震化を促しているところでございます。  今後とも、国や関係機関等と連携しながら、災害に強い医療提供体制を構築するため、病院の耐震化を促進してまいります。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。
       (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) ここで再質問させていただきます。病院は、災害時にけが人の受け入れなどで通常以上の対応が求められることになるため、BCP策定の重要性は極めて高いと考えます。今年度、産業労働観光部において新たに実施いたしました病院向けのBCPセミナーには、55病院が参加されたと聞いておりますが、県内にある病院の約半数の参加にとどまっている状況でございます。一般的に病院のBCP策定率は企業より低い傾向にあります。今後は、病院のBCP策定を強力に促進していかなければならないと考えております。つきましては、県といたしましても、病院関係者が集まる会議の機会を捉えて周知したりするなどの検討も必要ではないかと思いますが、保健福祉部長の所見をお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 森澤隆保健福祉部長。 ◎森澤隆 保健福祉部長 再質問にお答えいたします。医療機関が被災後に早期に診療を回復するためには、BCPの策定が重要であることを、まず医療機関によく理解していただく必要があるものと考えております。このため、今後は、BCPの重要性につきまして、さまざまな機会を捉えて周知を図ってまいりますとともに、例えば二次救急輪番病院など重要な機能を担う医療機関につきましては、個別に働きかけていくことも視野に入れながら、BCPの策定を支援してまいりたいと考えております。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) 個別に働きかけていくというご答弁でございました。ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。  それでは、ここで要望させていただきます。耐震化は事業を継続する上で最優先事項でありますので、病院の耐震化が早期に100%になるよう、県としても支援していただきますようお願い申し上げます。そして、BCPについても策定が加速するよう、早急に対応していただきますようよろしくお願い申し上げます。  また、私は、ライフラインの停止に備えた対応も必要であると考えます。皆様ご存じのとおり、ことし9月の北海道胆振東部地震では、広域停電により医療機関に深刻な打撃を与え、外来診療を取りやめる病院が続出し、また透析患者や妊婦の診療に支障が出る事態に見舞われました。つきましては、栃木県内の災害拠点病院やそれ以外の病院について、自家発電の設置状況及び軽油等の燃料の備蓄の状況をしっかり把握した上で、県としても病院への自家発電の設置等を支援していかれますよう強く要望させていただき、次の質問に移ります。  次に、避難所における食物アレルギー防止対策について、県民生活部長にお伺いいたします。国は、東日本大震災の課題を踏まえ、平成25年8月に避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針を策定し、市区町村等においては、避難所にあらかじめ食料、飲料水を備蓄すること、その際、食物アレルギーの避難者にも配慮し、アルファ米等の白米と牛乳アレルギー対応ミルク等を備蓄すること、また提供する食事の原材料を避難者が確認できるようにすることなどを求めております。しかし、平成27年3月に内閣府が発表いたしました避難所の運営等に関する実態調査によりますと、避難所での備蓄を行っている市区町村のうち、「避難所に食物アレルギーの避難者に配慮した備蓄をしている」と答えた市町村は61%、「していない」と答えた市町村は36%でありました。約4割の市町村が避難所にアレルギー対応食の備蓄がない状況にあるということでありまして、栃木県内の市町においても同様な状況にあるのではないかと危惧しております。  実際、ことし7月の西日本豪雨では、避難所にアレルギー対応食がなかったことにより、食物アレルギーの避難者が食べるものがないという危機的な状況に置かれました。その後、相次いだ災害の被災地でも同様の問題が起きたと聞いており、避難所における食物アレルギー対応食の備蓄、管理は命にかかわる重要な課題であろうと考えるわけであります。  避難所の運営は市町が中心となりますが、県民の命と安全を守るため、県としても市町と協力して取り組む必要があり、そのためには、市町の避難所におけるアレルギー対応食の備蓄状況等をしっかりと把握し、災害時において必要な支援ができるよう備えておく必要があると考えます。  そこで、県は、災害時の避難所における食物アレルギー防止対策について、市町と連携してどのように取り組むのか、県民生活部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 石﨑金市県民生活部長。    (石﨑金市県民生活部長登壇) ◎石﨑金市 県民生活部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、これまで市町に対して、国の取組指針に即して避難所に必要となる食物アレルギー対応食を備蓄するよう助言や指導を行ってきました。その結果、22の市町でアルファ米やライスクッキー、粉ミルク等のアレルギー対応食を備蓄するまでに至っております。また、県でも、市町の備蓄を補完する目的で、既存の備蓄食品の一部を食物アレルギー対応食に順次切りかえてきており、現在、アルファ米など約6万3,000食分を確保しております。さらに、不足が生じる場合には、災害時応援協定により民間企業からも調達することとしているところです。引き続き、市町の備蓄状況の改善や県の補完機能の充実等に努め、災害時における避難所の食物アレルギー対策の強化を図ってまいります。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) 22市町に設置されている。まだ設置されていないところもあるということでございます。ぜひ全市町が設置できるよう、よろしくご助言、ご指導のほどお願い申し上げたいと存じます。  それでは、ここで県民生活部長に再質問いたします。食物アレルギーを持っておられる避難者への対応についてであります。つまり、県や市町の職員などが避難所で避難者を受け入れる際に、食物アレルギーを持っておられる避難者への対応手順はしっかりと確立されているのか、そして人的ミスを防ぐためにどのような対応をされておられるのでしょうか、お伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 石﨑金市県民生活部長。 ◎石﨑金市 県民生活部長 再質問にお答えいたします。避難者に食物アレルギーの有無を確認するやり方につきましては、避難所に避難したときに提出されました避難者カード、または受付簿によって対応しているところ、それからマニュアルで定めているところがございますけれども、確認方法がまだ定まっていない市町もございます。今後、全ての避難所で食物アレルギーの有無の確認が徹底されるよう取り組んでまいりますとともに、確認の過程で人為的なミスが生じることのないよう、市町に対して指導助言を行ってまいります。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) 皆様ご存じのとおり、食物アレルギーは重篤化いたしますと死亡するケースもございます。まずは、食物アレルギーの子供たちや高齢者の皆様方が避難所へ避難をした際にアレルギー対応食がなくて困ったということがないように、市町への指導徹底を、まずお願い申し上げたいと存じます。  また、死亡という悲惨な事故を起こさないためにも、人的ミスが発生しないように対応手順への理解を深めること、そして、いざというときにすぐに対応できるよう訓練を行うなど、市町への指導をお願い申し上げたいと存じます。  昨日の下野新聞の記事によりますと、県内の公立小中学校の児童生徒で、急性アレルギー反応が起こった際に使用するアドレナリン自己注射薬、いわゆるエピペンを処方されている生徒は532人、5年前の5倍にふえているとのことであります。万が一のことを考えまして、避難所にエピペンを備えておくということも必要なのかもわかりませんので、あわせてご検討いただきますよう、人的ミスによってとうとい命がなくならないように、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。  次の質問に移ります。次に、消防団員の確保についてお伺いいたします。近年、全国各地で地震や想定を超える豪雨等による災害が頻発する中、消防団は通常の消火活動に加え、災害時においては、災害防御活動や住民の避難誘導、被災者の救出・救助の活動を行うなど、地域の防災のかなめとして地域住民の安全・安心の確保のために果たす役割はますます大きくなっております。しかし、消防団を取り巻く社会環境、例えば少子高齢化や自営、農業従事者の減少、さらには地域コミュニティーの変化などにより消防団員が年々減少しており、平成30年速報値によりますと、県内全体の条例で定められた定員数に対する充足率は、この10年間で最低の91.1%まで低下しております。  そのような中、県は、テレビ・ラジオ等を活用した普及啓発や、消防団活動に積極的に協力する事業所に対する顕彰等により、その理解の促進に努めるとともに、いわゆる基本団員はもとより、日中の消防活動など特定の役割を担う機能別消防団員や女性消防団員の加入促進など、団員確保に向けた市町の取り組みを支援してまいりました。さらに、今年度は、県全体で消防団を応援する機運を醸成し、一層の加入促進を図るため、消防団員が店舗等を利用した場合に、利用料金割引等のサービスを受けられる栃木県消防団応援の店制度を導入いたしました。  そこで、今年度創設いたしました消防団応援の店制度について、県はこれまでどのように取り組んでこられたのか。また、消防団への加入促進を図っていく上での課題をどう捉え、その解決に向け、今後どのように取り組もうと考えておられるのか、県民生活部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 石﨑金市県民生活部長。    (石﨑金市県民生活部長登壇) ◎石﨑金市 県民生活部長 ただいまのご質問にお答えいたします。ことし7月に創設しました栃木県消防団応援の店制度につきましては、県域で展開している店舗を中心に、11月末現在で166店舗に登録いただいているところです。登録に当たりましては、各店舗に出向いて直接働きかけるとともに、県ホームページでのPRや商工団体への協力依頼などに努めてまいりました。  今後は、目標であります平成32年度末1,000店舗登録の達成に向け、さらに取り組みを強化するとともに、消防団員へアンケート調査等を実施し、より利用しやすい制度となるよう努めてまいります。また、団員の約7割が被用者で、地域との結びつきも希薄となってきている中、消防団への加入を促進するためには、雇用者である事業主や活動を支える地域住民の理解が何よりも重要であると考えております。そのため、ことし9月には、商工団体に対し、従業員の消防団への加入促進の協力を依頼したところでありますが、引き続き消防団協力事業者表示制度等の周知等に努めながら、事業者の理解促進を図ってまいります。  また、地域住民に対しましても、市町と連携しながら、消防団活動に対する理解と協力について、さまざまな機会を捉え、引き続き周知を図ってまいります。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) ここで再質問いたします。5年前の平成25年12月の通常会議、そしてことし2月の通常会議においても要望させていただいた提言についてであります。つまり、消防団員やその家族の皆様が県有施設を使う際に割引等のサービスを行うという栃木県独自の取り組みを行ってはどうかということであります。県内の消防団員やその家族の皆様が、例えば公園やプール、美術館や博物館、体育館等の県有施設を利用する際に、使用料や入館料等を多少なりとも割り引いてさしあげてはいかがでしょうか。それによって消防団員の家族の皆様は、県が自分たちに敬意を表してくれている、また応援してくれていると感じますし、また美術館や博物館に今まで行ったことのない方々が利用するようになるのではないか、新しい来館者や利用者がふえていくのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○阿部寿一 副議長 石﨑金市県民生活部長。 ◎石﨑金市 県民生活部長 再質問にお答えいたします。県有施設の利用料につきましては、各所管部局が施設の設置目的と照らし合わせながら、特定の日を設けたり、割引対象者を限定したりといった形で割引制度を設けております。例えば県民生活部が所管いたします美術館、博物館につきましては、県民の日には全ての入館者を、老人週間には県内在住の65歳以上の方を無料としているほか、県内にあります12の博物館と連携しまして、相互利用者を対象としたミュージアム割引、通称M割と言っておりますけれども、これを実施しているところです。ご提案の消防団員やそのご家族を対象とした割引制度につきましては、消防団への加入促進や家族の理解促進といった議員提案のご趣旨も踏まえまして、既存の割引制度とのバランスを勘案しながら、今後、検討してまいりたいと思います。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) ぜひ前向きにご検討いただければと思います。恐らくそれなりの効果は出るものと思いますので、ご期待を申し上げたいと存じます。  それでは、ここで1点要望させていただきます。先ほど部長の答弁の中にも出ました事業者への依頼とかということで、事業者側から考えた要望でございます。県はこれまで消防団活動に積極的に協力する事業所に対する顕彰制度、いわゆる県版の消防団協力事業所表示制度を実施してきたわけであります。私は、これはこれですばらしい制度だとは思いますが、例えば長野県は、消防団活動に協力している事業者などを事業税減税などにより支援する消防団活動協力事業所応援減税制度を2007年度から導入していると聞いております。これと同じものとは言いませんが、このような、いわゆる実質的なメリットを事業者が感じられるような制度を栃木県としても新たに導入していかれますよう、強く要望させていただいて、最後の質問に移ります。  最後の質問は、女子選手の無月経、疲労骨折対策についてであります。このテーマに関しましては、これまでもさまざまな提言をさせていただきましたが、今回、改めて県教育委員会としてどのように取り組んでおられるのかを確認したいと思いまして、質問させていただきたいと存じます。  県は、平成34年に本県で開催予定のいちご一会とちぎ国体に向け、平成26年度に競技力向上対策本部を設置し、また、栃木県競技力向上基本計画を策定して、選手の育成・強化に向けた各種取り組みをスタートさせました。そして、今年度においては、3億3,500万円の予算を投じて、さまざまな国体対策選手強化事業を展開しておられます。しかし、選手の育成・強化に当たっては、性差、つまり男性と女性との違いに応じた配慮が必要であります。特に女子選手においては、大会での優勝や上位入賞を目指した激しい練習と食事制限によって引き起こされる無月経という問題がございます。月経がとまりますと、骨の形成に欠かせない女性ホルモンの分泌が減るため、疲労骨折を起こしやすくなり、適切に対処しませんと、将来、不妊や骨粗しょう症を引き起こす危険性が高まるとの指摘がございます。  つきましては、これまで、私は女子選手のみならず、親御さんや女子選手を指導する指導者の方々にこういう問題があるということを知らしめて、認識を深めていただくこと、そして問診票の導入等の提言をいたしましたが、県教育委員会として、これまでどのように取り組んでこられたのか。また、今年度の女性アスリート育成強化事業の中にスポーツ障害予防のための測定等という項目がございますが、この事業の実施状況と成果について、教育長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 宇田貞夫教育長。    (宇田貞夫教育長登壇) ◎宇田貞夫 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。県教育委員会におきましては、これまで女子選手とその指導者や保護者を対象に、医・科学的な視点に基づくコンディショニングや栄養学等に関する研修会を開催するなど、健康問題についての啓発に努めてきたところであります。さらに、今年度着手いたしましたスポーツ障害予防のための測定等につきましては、血液検査などで選手の健康状態を把握し、医師や栄養士の指導により、女子選手特有の障害を予防しようとするものであり、高校生を中心に支援を行っております。この取り組みの詳細な分析・評価はこれから行うこととしておりますが、貧血が疑われる状況が改善した選手もいると聞いているところです。  今後とも、女子選手が安心して競技に取り組み、目標としている大会で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、選手の健康管理について適切に支援してまいります。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) それでは、ここで教育長に再質問させていただきます。教育長のご答弁にもございましたけれども、今年度、県は、無月経と疲労骨折という女性アスリートが抱える問題について認識を深める研修、女性アスリートコンディショニング研修会を開催されておられる。さらには、スポーツ障害を予防するための女性アスリートサポート事業を行っておられるわけでありますが、実際、これらの事業を実施されてみて、またアンケートなどをとっておられるようであれば、とってみてどのような課題が抽出できたのか、そしてこれらの事業を今後さらに効果的に実施するために、どのように取り組んでいこうと考えておられるのか、お伺いしたいと思います。 ○阿部寿一 副議長 宇田貞夫教育長。 ◎宇田貞夫 教育長 ただいまの再質問にお答えいたします。女子選手の健康問題を解決するためには、やはり多くの選手、指導者、そして保護者が正しく理解し、課題意識を持つことが重要であると考えております。  昨年度から実施しております女性アスリートコンディショニング研修会につきましては、参加者の方々から、このような内容を多くの女性選手や男性の指導者にも広めていただきたい、中学、高校の授業でも取り上げていただきたいなどのご意見をいただくなど、おおむね好評でございました。  今後、当研修会への参加者をさらにふやし、女子選手の健康問題に対する共通認識を持った上で活動や指導ができるよう、協議団体、中学校体育連盟、高等学校体育連盟のほか、学校にも周知し、広く啓発に努めていきたいと考えているところです。 ○阿部寿一 副議長 相馬政二議員。    (12番 相馬政二議員登壇) ◆12番(相馬政二議員) それでは、要望させていただきます。教育長からの答弁の中にもありましたとおり、県は、今年度、トップアスリートに対して血液検査を行い、その結果を医師が判断し、貧血等の問題がありそうな選手を発見し、その選手に対しては、県公認の栄養士が栄養指導を行うということであります。実際、その改善に向かった、そういうアスリートもおられると、先ほど答弁いただきました。しかし、女性アスリートが抱えておられる問題には、貧血だけではなくて、疲労骨折とか骨粗しょう症という重大な問題がございます。これらの重大な問題の早期発見、そして予防という観点から考えますと、血液検査だけでは不十分なのではないかと私は考えます。  ちなみに、この「Health Management for Female Athletes―女性アスリートのための月経対策ハンドブック―」という本ですが、(本を示す)これは東大医学部附属病院女性診療科・産科の医師が執筆している本でございますが、これによりますと、ちょっと難しいのですが、コルチゾールというホルモンの血中濃度や月経を引き起こすために重要なホルモンであるエストロゲンなどの分泌量を検査すれば、無月経や、また骨粗しょう症の危険があるかどうかがわかるようであります。つきましては、来年度はぜひとも血液検査のほかに、さらに詳細な検査が必要な方にはこのホルモン検査も受けられるように導入いただきたいと強く要望させていただきたいと思います。  先月、11月21日の下野新聞に、元マラソン日本代表選手にかかわる記事が掲載されました。ごらんになった方も多いと思います。この記事によりますと、彼女は厳しい体重管理、食事制限をきっかけに摂食障害を発症し、窃盗が常習化してしまったとのことであります。医療関係者によりますと、摂食障害と常習的な窃盗は併発しやすいとのことでありまして、まさしく精神的にもダメージを及ぼすことになるわけであります。つきましては、過度な食事制限が摂食障害の原因にもつながるということも、引き続き指導者等に周知徹底されますようお願い申し上げたいと存じます。  さらに、先ほど紹介いたしましたこの本の発行にかかわった東大医学部附属病院が現在、これは医師などの医療関係者用であると思いますけれども、摂食障害の兆候を早期に発見するためのチェックシートの制作を進めているとのことでありますので、恐らく近い将来、全国に普及していくのではないかと考えております。つきましては、もし症状が疑われるような選手がいた場合、早期の受診を勧め、選手の心と体を守っていただきますようお願い申し上げたいと存じます。ぜひ勝つことだけに目を奪われず、女性アスリート特有の問題に真剣に向き合える栃木県、そして女性の将来を大切に考え、寄り添ってあげられる栃木県、そういう栃木県であっていただきたい。以上、要望申し上げ、私からの質問を終えたいと存じます。ありがとうございました。 ○阿部寿一 副議長 この際、休憩したいと思います。午後1時15分から再開いたします。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。     午後0時15分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎篠﨑和男 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は44名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――     午後1時15分 開議 ○阿部寿一 副議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。守田浩樹議員。    (7番 守田浩樹議員登壇) ◆7番(守田浩樹議員) 県議会議員となって3回目の登壇となりますが、今回は、県民の皆さんにとって身近な話題や安全・安心といった話題を中心に8つの質問を用意いたしました。発言通告に従い、順次質問させていただきますので、知事初め執行部の皆様の誠意ある答弁をお願いいたします。  最初に、気候変動適応策の推進について、知事にお伺いいたします。ことしの夏は、平成30年7月豪雨や、その後、国内観測史上最高気温を更新した猛暑など、全国各地で記録的な現象が発生しており、温暖化に起因した気候変動との関連を指摘する報道も多くなされました。本県でも、近年では、平成24年、平成26年の竜巻や平成26年の大雪、平成27年9月の関東・東北豪雨など大規模な災害が発生しており、ことしの5月から9月においては、熱中症による救急搬送人員が過去最高を記録するなど、県民の生活、社会、経済に大きな被害が発生しました。これらの災害も気候変動による影響ではないかと危惧しております。  気候変動に関する国際的な専門機関である気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCによれば、今後、温室効果ガスの排出量をできる限り抑制した場合でも、今世紀末の地球の温暖化は避けられず、温室効果ガス排出量を抑制する緩和策と気候変動の影響に備える適応策を両輪として進めなければ、気候変動の影響を防ぐことはできないことが指摘されております。  このような中、国においては、本年6月に気候変動適応法が成立し、今月1日に施行されました。また、同法に基づき策定された気候変動適応計画では、気温の上昇や強い日射による米、リンゴ、トマトなどの品質低下や牛の乳量低下、大雨等による土砂災害、河川の氾濫、猛暑による熱中症など、農業、自然災害、健康など、さまざまな分野での対策を進めていくことになっています。県においても、これらの国の動きを受け、これまで進めてきた緩和策に加え、適応策についても推進する必要があると考えます。  そこで、今後、気候変動適応策にどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの守田議員のご質問にお答えいたします。県では、平成28年3月に地球温暖化対策実行計画を策定し、温室効果ガスの排出を抑制する緩和策を推進するとともに、温暖化によって引き起こされる気候変動への対応についても取り組みを進めてきたところであります。しかしながら、近年、世界各地で起きている異常気象など気候変動は、自然環境はもとより、私たちの生活や社会経済システムにさまざまな影響を及ぼすことから、私はこのような避けられない影響への備えを進め、各種施策に適応策を反映させていくことが喫緊の課題であると考えております。  今月1日に施行された気候変動適応法におきましては、国が気候変動適応計画を策定し、政府が一丸となって気候変動の影響への対応を進めるとともに、地方自治体においても、地域の実情や特性を踏まえた取り組みが求められたところであります。このため、本県におきましても、気候変動の影響を評価しながら、食や暮らし、健康などへの被害を回避し、軽減を図ることを目的とした地域気候変動適応計画を策定してまいりたいと考えております。また、策定に当たりましては、国立環境研究所及び国や各県などが参加する広域協議会において情報共有を図りながら、気候変動の影響の予測や分析を行うとともに、本県における気候変動の影響等に関する情報収集や提供のあり方についても検討してまいります。  今後とも、国の動きと連動しながら、気候変動の緩和と適応に努め、持続可能な社会の構築に取り組んでまいります。 ○阿部寿一 副議長 守田浩樹議員。    (7番 守田浩樹議員登壇) ◆7番(守田浩樹議員) 知事の答弁にありましたとおり、地域気候変動適応計画が順調に進んでいるとのことであります。気候変動によるさまざまな影響から、県民の生活、社会、経済を守るためには、緩和策だけではなく、既に各部局で取り組みを始めていると思いますが、適応策に取り組んでいくことが重要であります。気候変動には、国や市町、民間企業など、さまざまな分野の方と連携して対応していく必要があります。県にはその旗振り役として取り組んでいくようお願いし、次の質問に入りたいと思います。  次に、職員が能力を発揮できる職場づくりについて伺います。先月、今年度から取り組んでいる栃木県庁働き方改革プロジェクトの中間発表がありました。職員の20時退庁、22時完全消灯を目指すとちぎスイッチ!2については、おおむね順調とのことであり、今後もしっかり取り組んでいただきたいと思います。  さらに、業務プロセスの効率化にも順次取り組むとのことであり、職員のワーク・ライフ・バランスの実現にしっかり取り組んでほしいと思うのですが、職員の働き方改革を進める上では、メンタルケア対策も重要であると考えます。長期間傷病休暇を取得したり、心身の故障により休職したりしている県職員は増加傾向にあり、そのうち精神及び行動障害、いわゆる心の病、心の不調での傷病休暇・休職者数は、平成25年度は46人でありましたが、平成29年度には72人と大きく増加しています。  一般的な話として、心の病、心の不調の原因はストレスだと言われております。社会人がストレスに感じることで多いことは、職場の人間関係、仕事の量が多い、仕事の内容と考えられております。また、厚生労働省の統計情報によりますと、心の病、心の不調等で休職した社員の約半数が復職後に再発しているとする企業が約3割あるなど、職場復帰が困難な状況も浮き彫りとなっております。  職員の誰にでも起こり得ることでありますが、長期の傷病休暇や休職となった場合、職員本人はもとより、家族や職場などもさまざまな影響を受けると考えられます。特に職場では、職員が力を発揮できないと組織の活力も落ちるため、安心して働ける職場環境が必要であります。こういったことから、職員のメンタルヘルス対策には、予防的な対策、休暇中の対応、職場復帰への対応などがあると思いますが、特に予防的な対策が重要であると考えます。先ほど言ったとおり、県職員の長期傷病休暇・休職者は増加しており、行政サービスの低下も懸念されるとともに、他の職員の負担の増加にもつながるため、それに対する対策も必要だと考えます。  そこで、県は、職員の長期傷病休暇・休職者の増加による行政サービスの低下を防ぎ、個々の職員が能力を発揮し、安心して働き続けることができる職場環境づくりにどのように取り組んでいくのか、経営管理部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 金田尊男経営管理部長。    (金田尊男経営管理部長登壇) ◎金田尊男 経営管理部長 ただいまのご質問にお答えいたします。職員が心身ともに元気で働ける職場づくりは県政運営の基盤となるものでもあります。ご質問のメンタル面の不調による長期の休暇・休職者につきましては、近年、人格が未熟なために職場不適応を起こしてしまう、いわゆる新型鬱病と見られるケースも若い世代を中心にふえてきております。このため、予防の対策といたしまして、従来から行ってまいりました相談窓口の設置やストレスチェックなどに加えまして、管理監督者向けの新型鬱病にも対応した研修の実施、新採用職員の早期の職場定着と育成のためのメンター制度を今年度導入いたしました。加えまして、上司と部下、先輩と後輩が自由闊達にコミュニケーションがとれる風通しのいい組織風土づくり、働き方改革による長時間労働の是正などに取り組み、職員が元気でやりがいを持って働ける環境づくりを進めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 守田浩樹議員。    (7番 守田浩樹議員登壇) ◆7番(守田浩樹議員) 私は、職員と接する機会が多いわけでありますが、多くの方は本当に熱心に仕事に取り組んでいます。そのような中、心身の不調により、やむを得ず長期休暇をとらざるを得なくなるということは、とても残念なことだと思います。また、年度途中で長期休暇者が出た場合には、多くの場合は補充人員が充当されず、残った人員で長期休暇者の仕事を行うと聞いております。ただいまの経営管理部長の答弁の中でも、ストレスチェック等々でカバーしているということでありますし、手厚く職場復帰を行うことは重要だと思いますけれども、その裏を返せば、そこにもマンパワーが必要になってくるのではないかと考えられるわけであります。  ストレスの原因は、職場だけでなく、人それぞれであり、取り組みは大変難しい部分もあると思いますが、5年間で心の病での休職者が約1.6倍になったということは非常事態だと考えざるを得ません。場合によっては、栃木県庁働き方改革プロジェクトにも大きな影響があるのではないでしょうか。県には、予防対策を含めて、しっかりと職員のメンタルケア対策に取り組んでもらうことを強く要望しまして、次の質問に入りたいと思います。  次に、県産木材の需要拡大について、環境森林部長にお伺いいたします。私の地元である矢板市を初め、県東、県北、県西の中山間地においては、豊かな森林資源を背景として、林業・木材産業が地域経済に大きな役割を果たしてきました。近年、少子高齢化など社会的要因による国内需要の減少や就業者不足など、林業・木材産業を取り巻く環境は全国的に厳しい状況となっておりますが、本年6月に森林経営管理法が制定され、林業・木材産業の成長産業化への追い風も吹いてまいりました。本県においては、昨年度、県産木材の利用促進について規定した栃木県県産木材利用促進条例、いわゆるとちぎ木づかい条例が議員提案として制定され、これが契機となってか、平成29年度は林業素材生産が平成28年度から22.4%増産されました。新規林業就業者も平成28年度から4割増加したと聞いております。また、私の地元矢板市では、官民が連携する林業・木材産業成長化推進協議会を設立し、森林管理の効率化や人材育成を促進しているところであります。
     このような中、県の林業・木材産業をさらに盛り上げていくためには、若い世代への県産木材の普及活動や理解促進、また幼児教育などが重要だと考えております。これは保育に携わる私の持論になりますが、幼児教育は、将来の親への教育でもあります。とはいっても、幼児教育は難しいことをするわけではなく、例えば保育園や幼稚園のような施設の机や椅子、またその他使われているものに県産木材を活用し、そのよさに触れさせることが重要であると考えます。また、保育園や幼稚園のような施設には親が頻繁に訪れるために、結果的に親世代への本県木材のPRとなります。この世代には、子供が小学校に入学するタイミングで住宅を購入する方も多いと聞いていますので、非常に効果の高い県産木材のPRとなるのではないでしょうか。  そこで、県は、子供や子育て世代を意識した県産木材の需要拡大にどのように取り組んでいくのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 鈴木峰雄環境森林部長。    (鈴木峰雄環境森林部長登壇) ◎鈴木峰雄 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県産木材の需要拡大を着実に進めていくためには、住宅取得の中心層となる若い世代はもとより、将来の社会を担う子供たちに木のよさを実感してもらうことが重要であると考えております。このため、県では、これまでもとちぎの元気な森づくり県民税などを活用し、親子木工教室の開催の支援や小中学校施設の木質化の支援、木製机・椅子の整備を行うなど、若い世代が木のよさを実感できる機会の創出にも視点を置いて木材の利用促進に努めてきたところであります。  また、今年度からは、公共施設だけではなく、より多くの県民の皆様が利用する施設に木造・木質化が広がるよう、保育園や幼稚園などを含む民間施設についても支援対象としたところであります。さらに、ことし10月の木づかい推進月間には、木のよさを子供たちに伝える活動に取り組んでいるグループなどと連携いたしまして、親子が木に親しむイベントを開催したところであります。今後は、親子で参加できる植樹から木造施設ができるまでの見学会等につきましても開催してまいりたいと考えております。  引き続き、木使いに取り組むグループなどと連携を図りながら、SNSによる情報発信など、幅広い層に共感される効果的な普及啓発を行い、さらなる県産木材の需要拡大に努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 守田浩樹議員。    (7番 守田浩樹議員登壇) ◆7番(守田浩樹議員) 私は、先月、とちぎ木づかいフェス~もくもくまつり2018~に参加いたしました。県産木材を使った催しや矢板市出身の宮大工の小川三夫氏の記念講演など、子供から大人まで楽しめる内容になっており、多くの方が県産木材に触れ、非常に活気があったように思われます。また、県ではもくもくまつりのほかにも、栃木県林業センター公開デーなどのイベントを開催しており、県民が県産木材などに触れる機会をつくっております。 ぜひこのようなイベントは継続していってほしいものであります。  一方、このようなイベントは年に数回しかないわけでありますから、日ごろから県産木材に触れる機会をつくることも重要だと感じております。県産木材の需要拡大は、県産木材に触れてそのよさを知ってもらうということが何より一番大切なことであると思いますので、県には、しっかりと取り組むことを強く要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。  次に、保育人材の確保について、保健福祉部長にお伺いいたします。我が国では、女性活躍推進を重要政策に掲げており、総務省の8月の労働力調査によると、女性の就業率は初めて7割を超え、1968年以降の過去最高を更新しています。また、本県においても、知事をトップにオール栃木体制で女性の活躍や働き方の見直しを推進する、とちぎ女性活躍応援団が設立され、女性の活躍を支援しているところであります。しかし、女性が社会で活躍するためには、保育所等の充実が必要不可欠でありますが、保育現場では、保育士不足が深刻な問題となっています。  県は、保育士確保のため、宇都宮市と共同で平成28年4月にとちぎ保育士・保育所支援センターを設置し、保育の仕事についての個別相談や就職フェアの開催、就職準備金等貸付事業などを行っております。私も保育現場に携わる者として、先日、とちぎ保育士・保育所支援センターが開催した保育のお仕事就職フェア・県北エリアに参加してきました。それなりの人数の求職者が集まっていましたが、そこで切実に感じたのは、住居と職場が近くないと雇用にまで結びつくのが難しいという通勤距離の問題です。これについても、もう少し狭い範囲で就職フェアの開催を検討してもいいのではないかと思いました。一方で、高齢の求職者も参加しており、恐らく潜在保育士の一人であると思いますが、このようなイベントにより潜在保育士の掘り起こしが進むのだとも実感しました。  私は、保育で重要なのは人であり、質の高い保育を行うためには、熱意や知識を持った保育士を育てていくことが重要と考えます。そのためには、県内の指定保育士養成施設の果たす役割は大きく、就職等は個人の自由でありますが、県内の指定保育士養成施設を卒業した方には、できるだけ県内の保育現場で就職してほしいと思います。特に県南地域では、金銭面などの条件がいい首都圏に就職する人も少なくないと聞いております。こうした中、今後も女性の就業率の向上が見込まれ、ますます保育需要が高まり、保育士不足が懸念されるところであり、保育士確保に向けたさらなる取り組みが必要だと考えます。  そこで、県ではどのように保育人材の確保に取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 森澤隆保健福祉部長。    (森澤 隆保健福祉部長登壇) ◎森澤隆 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、平成28年度に宇都宮市と共同でとちぎ保育士・保育所支援センターを設置し、専門のコーディネーターによる就職あっせん、県内3地区での合同就職説明会や職場復帰セミナーを開催するほか、未就学児を持つ保育士の復帰を支援する保育料の一部貸し付けや就職準備金の貸し付けを行うなど、潜在保育士や学生の就職支援に取り組んでおります。また、昨年度から学生の県内保育所等への就職が進むよう、県内で5年間従事すれば返還免除となる保育士修学資金貸付制度を設け、保育士養成施設等に対し、その活用について積極的に周知しているところであります。  今後とも、養成施設、保育団体、栃木労働局、市町等の関係機関との合同会議等を通して連携を深め、潜在保育士や学生がより参加しやすい就職説明会の開催方法など工夫しながら、保育士確保対策を着実に進めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 守田浩樹議員。    (7番 守田浩樹議員登壇) ◆7番(守田浩樹議員) それではここで、保健福祉部長に再質問させていただきます。特に養成校の内容について再質問させていただきます。先ほども言いましたけれども、質の高い保育を行うためには、熱意や知識を持った保育士を育成していくことが大変重要であると考えております。そのためには、指定保育士養成施設の卒業生の県内定着が鍵となるわけであります。一方で、厚生労働省の2017年の調査によると、保育士の平均賃金は全産業平均より10万円以上低く、保育士が安心して働くためには処遇改善を進める必要があります。県でも就職準備金等貸付事業などを行い、保育士の県内定着や賃金的な補助を促していますが、さらなる取り組みが求められているところであります。  そこで、指定保育士養成施設の卒業生に県内で保育士として就職を促すために、県はどのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いします。 ○阿部寿一 副議長 森澤隆保健福祉部長。 ◎森澤隆 保健福祉部長 再質問にお答えいたします。県内の保育士養成施設に対しましては、県内保育所等への就職を促すため、個別に施設を訪問いたしまして、いろいろと情報交換をさせていただきますとともに、保育士修学資金等貸付制度を活用しながら進路指導等を行うなど、協力をいただいているところでございます。また、県内の高校に対しましても、保育士を目指す生徒につきましては、進路情報の一つといたしまして、県内就職を支援する保育士修学資金等貸付制度の活用を案内しているところでございます。  今後とも、保育士養成施設等の皆様のご意見を伺いながら、県内保育所への就職促進に向けた取り組みを行ってまいりたいと考えております。 ○阿部寿一 副議長 守田浩樹議員。    (7番 守田浩樹議員登壇) ◆7番(守田浩樹議員) 来年10月、幼児教育・保育の無償化が実施される予定となっており、本県においても、園児等増加により保育士の負担が増加すると思われます。そのような中で質の高い保育を行うためには、熱意や知識を持った保育士を育成することや現場で必要な人数の保育士を確保することなどが重要であります。このような状況で、県内の保育現場が元気になる鍵は、やはり指定保育士養成施設の卒業生の県内就職にあると思います。県では、県内定着にしっかりと取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、次の質問に入らせていただきます。  次に、地産地消の推進について、農政部長にお伺いいたします。県では、とちぎ農業“進化”躍動プランにおいて、地域における食育の実践や情報発信の場づくりの促進、学校給食における県産農産物の活用促進など、食育・地産地消の推進に取り組んでいます。安全でおいしい県産農産物を地元で食べられるということは、栃木に住みたいと思う動機になり得ると思います。また、地産地消は、生産者、消費者にメリットがあるばかりでなく、環境への負荷軽減や地域経済の活性化にもつながり、地方創生に資するものであります。  先日、農林環境委員会の委員長として、私の地元である矢板東小学校の給食について視察をしてまいりました。とても熱心な栄養士さんが地場産農産物を利用した工夫を凝らした献立でおいしい給食をつくっていました。また、食育の中でも地産地消を推進しており、その結果、食べ残しも減ったとのことでした。全県的にこのような取り組みを展開してほしいと思います。  子供への食育は将来の親への教育でもあります。給食でおいしい県産農産物を食べた子供は、大人になっても県産農産物を選ぶのではないでしょうか。また、近年では、新鮮な地元農産物等が購入できる県内の農産物直売所の売り上げも増加しており、この機にさらなる地産地消の推進が必要であると考えます。  そこで、県は地産地消の推進にどう取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 渡邉和明農政部長。    (渡邉和明農政部長登壇) ◎渡邉和明 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。地産地消を推進するためには、地域の魅力的な農産物を消費者にわかりやすく伝えること、そして、誰もが身近に入手できる環境を整えていくことが重要であると考えております。このため、県では、旬の農産物情報をリーフレットやSNSで発信するとともに、地域における農産物直売所マップの作成・配布や、地産地消コーナーを常設する小売店、メニュー提供店であるとちぎの地産地消推進店の登録拡大などに取り組んでいるところであります。  また、学校給食につきましては、とちぎ地産地消県民運動実行委員会が主体となり、県産農産物の購入費用への助成に加え、児童生徒の理解を促進するため、生産者との交流給食会や農場見学会の開催を支援しております。加えまして、学校給食のメニューで必要な農産物の種類や量を確実に供給できる生産者の体制づくりも支援するなど、地域農産物の一層の利用拡大に努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 守田浩樹議員。    (7番 守田浩樹議員登壇) ◆7番(守田浩樹議員) 教育長に再質問いたします。県では、とちぎ農業“進化”躍動プランにおいて、食育・地産地消の推進を掲げ、学校給食における県産農産物の活用割合を平成32年度までに50%以上にするという目標を設定し、その活用促進に取り組んでいます。しかし、平成29年度の活用割合は38.8%であり、達成にはさらなる取り組みが必要であると思います。  1日に3食の食事の中で、給食の果たす割合は非常に大きく、まして小学校だけでもそれを6年間食べるというわけでありますから、成長期の子供たちにおいしく、安全な県産農産物をたくさん食べてほしいと心から思っております。  そこで、県は、学校給食の場で県産農産物をもっと活用するためにどのように取り組みを進めていくのか、教育長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 宇田貞夫教育長。 ◎宇田貞夫 教育長 再質問にお答えいたします。学校給食に県産農産物を取り入れ、それらを教材として活用しながら、栄養教諭が中心となって食に関する指導を行うことは、栃木の食文化への理解を深めたり、生産者等への感謝の心を醸成したりするなど、教育的な効果が非常に高いものと考えております。  そこで、県教育委員会では、農政部と連携し、学校給食担当者と生産者等が協議できる体制の整備について推進を図りますとともに、県産農産物を活用した献立等を紹介する学校給食レシピ集を各学校に配布するなど、県産農産物の活用促進を図っているところです。  今後も、目標の達成に向けまして、市町教育委員会や栄養教諭等に周知を徹底し、学校給食への県産農産物の活用を図ってまいります。 ○阿部寿一 副議長 守田浩樹議員。    (7番 守田浩樹議員登壇) ◆7番(守田浩樹議員) 今、教育長の答弁にありましたように、教育界と農業界が一致団結して、子供たちにいい食育、教育をしていただければと思います。  私の地元矢板市の話になりますが、近年、学校給食における食育と地産地消に取り組んでおりまして、昨年度からはJAしおのやと連携し、矢板市産の野菜やシイタケなどを定期的に購入し、今年度からは市内の栄養教諭、学校栄養士が協力して、地場農産物を活用した献立を作成しまして、各調理場でその献立をベースにした学校給食を提供する取り組みを行っているところであります。  私の持論は、子供への食育は将来の親への教育でありますから、このような取り組みは非常に重要だと思います。また、地方創生の推進には、医療、働く場所、教育などさまざまな分野で魅力や安全性が必要でありますけれども、おいしく安全な県産農産物は地方創生に資するものでありますので、県には、さらなる県産農産物の地産地消の推進をお願いいたしまして、次の質問に入りたいと思います。  次に、県道県民の森矢板線の整備についてお伺いいたします。矢板市北部地域は、森林浴の森日本100選に選定された栃木県民の森や八方ヶ原などの豊かな自然、樹上完熟を売りにしたリンゴ団地など数多くの観光資源を有した地域であります。私は、こうした資源を十二分に活用し、地域振興、観光振興、ひいては地方創生へとつなげていくためには、資源の磨き上げはもちろんのこと、そこへアクセスする道路網の整備が非常に重要であると考えます。  こうした中、当地域は、(仮称)矢板北スマートインターチェンジの整備が進められており、今後、県内外からのアクセスが飛躍的に向上するものと大いに期待しているところであります。スマートインターに接続する県民の森矢板線の整備についてもあわせて整備が進められておりますことを、地元を代表してお礼を申し上げる次第であります。  スマートインターの供用が開始されれば、県民の森矢板線は、観光客等の交通量の増加が見込まれ、リンゴ団地周辺には、今でも県内外からリンゴ狩りに訪れる方が非常に多い中、さらなる観光客の増加が見込まれるわけであります。また、県民の森矢板線は、生活道路や観光周遊に加え、今後、高速道路へのアクセス機能を担う上で非常に重要な道路でもあります。そのため、スマートインターに接続する下太田地区の整備や、リンゴ団地があり、幅員が狭く、歩道が設置されていない長井地区の早期整備が求められております。  そこで、県民の森矢板線のこれら2地区の整備状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 江連隆信県土整備部長。    (江連隆信県土整備部長登壇) ◎江連隆信 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県道県民の森矢板線の下太田工区につきましては、仮称でございますけれども、矢板北スマートインターチェンジ関連事業といたしまして、昨年度から工事に着手したところであります。現在、中川にかかる橋梁の下部工事を実施しております。引き続き橋梁の上部工事を施工いたしまして、平成32年度開設を目途に整備が進められております(仮称)矢板北スマートインターチェンジにあわせまして供用できるよう、着実に整備を進めてまいります。  次に、長井地区につきましては、幅員が狭小で見通しも悪い市道長井幸岡1号線との交差点付近の約500メートル区間につきまして、交通安全の確保と交通の円滑化を図るため、歩道設置を含む拡幅整備を行うこととしております。昨日、地元説明会を行ったところでありますが、参加者からは協力の意向が示されたところでございます。  今後は、下太田工区の完了後に、引き続き事業に着手できるよう、今後とも矢板市を初めとした関係機関との協議調整を進めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 守田浩樹議員。    (7番 守田浩樹議員登壇) ◆7番(守田浩樹議員) 下太田地区の整備が順調であり、長井地区につきましても、下太田地区の整備後、切れ目のない整備着手をしていただけるとのことで、地元代表として安心いたしました。ありがとうございます。しかし、リンゴ団地のある長井地区は、スマートインターチェンジ完成後の着手になるので、前倒しで事業着手ができるのであれば、ご検討をお願いしたいと思います。  現在、矢板市北部では、大きな道路関連事業が3つあります。今回質問した(仮称)矢板北スマートインターチェンジ、上太田地区の泉バイパス、そして国道4号矢板大田原バイパスです。昨年度も質問でも取り上げましたが、これらの道路は矢板市のみならず、県北地域の産業振興や観光振興にも大きく寄与するものであり、その設置・整備効果を最大限に発揮するためには、周辺道路の整備が必要不可欠となっております。県におかれましては、確実な整備を強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  次に、いじめ対策についてお伺いします。10月に発表された文部科学省の平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査によると、全国の平成29年度のいじめ認知件数は41万4,378件であり、前年度から約9万件増加し、過去最多となりました。また、生命、心身等に重大な被害が生じるなどの重大事態が474件あり、いじめに遭っていた10人の児童生徒がみずから命を絶っている状況であります。  本県では、県教育委員会がまとめた平成29年度栃木県問題行動等調査によると、いじめ認知件数は4,055件であり、4年ぶりに認知件数は減少しましたが、2年連続の4,000件台で高どまりが続いております。いじめの内容としては、「冷やかし等」が一番多く、「軽くたたかれる」、「仲間はずれ」が続いております。  私は、いじめ対策には、未然防止のために、子供たちへの道徳教育やいじめが深刻化する前の早期発見が重要だと思っております。特に早期発見については、学校をいかに風通しのよい組織にし、子供一人一人に向かい合えるようにするかが重要だと考えます。また、先ほどの文部科学省の調査によると、インターネット上の誹謗中傷なども1万2,632件で、統計をとり始めた2006年以降で最多であり、メールなどSNSやインターネットを使ったいじめは増加傾向にあります。ネットいじめは手口が巧妙化し、学校現場で把握しにくく、問題が深刻化するケースもあると聞いております。実際、昨年のいじめを受けた自殺者の中にも、ネットいじめを受けていた児童生徒がいました。  そこで、県教育委員会は、ネットいじめを含むいじめ対策にどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 宇田貞夫教育長。    (宇田貞夫教育長登壇) ◎宇田貞夫 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。いじめの問題への対応には、未然防止の取り組みはもとより、いじめが深刻化しないよう、教職員一人一人がいじめの兆候を見逃さず、組織的に対応することが重要であると考えております。  そこで、県教育委員会におきましては、各学校の組織的体制を一層強化するため、情報の共有やいじめの認知、対応のあり方などを示した教職員向けのハンドブックを作成しているところであります。また、近年増加傾向にあるネットいじめにつきましては、教師用指導資料や保護者向けリーフレットを授業や懇談などで活用し、児童生徒や保護者の情報モラルの向上を図るとともに、ネットパトロールにより、誹謗中傷の投稿などの早期発見に向け取り組んでいるところであります。  今後とも、市町教育委員会等と連携し、子供たちが安心して学校生活を送り、健やかに成長できるよう、いじめ対策に万全を期してまいります。 ○阿部寿一 副議長 守田浩樹議員。    (7番 守田浩樹議員登壇) ◆7番(守田浩樹議員) 内閣府の平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査によりますと、平成29年度のインターネット利用率は、高校生が97.1%、中学生が85.2%、またスマートフォンの利用率は、高校生が95.9%、中学生が58.1%となっており、今後も増加傾向にあると思われます。  スマートフォンは非常に利便性が高い。SNS交流サイトなど、いじめや犯罪の温床になっているケースがたくさんあるとも聞いております。また、その高い娯楽性から、日常生活に支障が出るほどのめり込んでしまう。電車などで通っておりますと、1車両の中で80%の人が見ているのではないかと思われるほど利用が進んでいるわけであります。  私の持論でありますけれども、中学生に携帯電話やスマートフォンが本当に必要なのか疑問に思うところもありますが、スマートフォンなどの使い方については、その必要性を含めて、小学生のころから家庭や教育現場で教育すべきだと思います。これはあくまでも社会の中における経済活動の一環としてのスマートフォン等に関する教育と思っていますので、教育現場で小さいころからどういうふうに子供たちにそれを指導していくかということは、非常に重要なことではないかと思います。  また、いじめ全体の話としては、学校現場は現在、先生たちにおいてはかなり多忙で、働き方改革も、現在進行中である中、ますます時間の確保が難しくなるかもしれませんが、子供の人生、命にかかわることでありますので、早期発見や道徳教育が非常に大切だと思いますし、また、保護者への理解促進など、しっかりと取り組むよう要望いたしまして、最後の質問に移りたいと思います。  最後に、夜間の交通事故抑止対策について伺います。本年10月末の県内の交通事故情勢については、発生件数、死傷者数ともに前年同期に比べて減少しており、これもひとえに県警察を初めとする多くの関係機関・団体等の皆様方のたゆまぬ努力のたまものであると心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。しかしながら、既に68人ものとうとい命が奪われ、その内容を見ますと、夜間の死亡事故が多発しており、その多くは歩行者となっております。  こうした事故を抑止するために、県警察では、昨年からドライバーに夜間の原則ハイビームを呼びかけるハイビーム大作戦を開始し、「命を照らせ!」をキャッチフレーズに、ポスターやチラシを活用した広報啓発や夜間検問の強化等に取り組まれております。また、新聞報道によると、県警察では、ことしの8月に免許更新で運転免許センター等を訪れた県民1,000人に、ハイビームなどに関する意識調査を行い、76%の県民がハイビームの原則使用を「知っている」と回答した一方で、「なるべくハイビームで走行している」と回答したのは54%にとどまっているとのことでした。この理由として、56%の方が「まぶしくて他人に迷惑をかける」と回答しており、原則ハイビームを県民に浸透させるためには、その適切な使用方法についてきめ細やかに広報していくことが重要であると考えます。  そこで、県は、夜間の交通事故抑止を図るため、ハイビーム大作戦を初めとする諸対策についてどのように取り組んでいくのか、警察本部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 坂口拓也警察本部長。    (坂口拓也警察本部長登壇) ◎坂口拓也 警察本部長 ただいまのご質問にお答えいたします。ハイビームの適切な使用は、歩行者の早期発見等、夜間の交通事故抑止に高い効果を発揮するものと認識しております。県警察では、これまで免許更新時の講習等においてその有効性などを啓発してまいりましたが、実態調査の結果、ハイビームの使用率は約10%にとどまっており、取り組みのさらなる強化が必要と考えております。  そこで、例年10月から2月までの期間は午後4時以降に事故が多発している傾向を踏まえ、同時刻からの前照灯点灯を呼びかけるライト4(フォー)運動を本年10月から開始し、ハイビーム大作戦とあわせた対策を進めております。こうした運転者対策に加え、一部の量販店に反射材の販売強化を依頼するなど、歩行者に夜間の反射材着用を促す取り組みについても推進しております。引き続き、県民にハイビームの適切な使用等について粘り強く呼びかけていくほか、関係機関・団体等と連携した諸対策を推進し、夜間の交通事故抑止に努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 守田浩樹議員。    (7番 守田浩樹議員登壇) ◆7番(守田浩樹議員) 12月に入り、最近では午後4時を過ぎますと外は暗くなり出し、4時半を過ぎれば真っ暗になってしまいます。日没が大変早くなってきました。先ほど警察本部長からも答弁がありましたように、ライト4(フォー)運動は4時なのでしょうけれども、県内では、午後4時から6時台に起きる交通事故の約7割近くが10月から2月の5カ月間で発生しているそうです。まさに今の時期が一番危険だと言えます。  また、これも対策が必要だと考えておりますが、報道等によると、ことし上半期の高齢者人口10万人当たりの死者数は全国ワースト1位とのことであります。歩行中の高齢者が薄暮時間帯や夜間にはねられる事故が多いようであり、車の運転手には早目のライトの点灯が必要と思います。適切なハイビーム活用、また、歩行者等が反射材を用いて早く運転手にわかるような対策も必要と考えております。  県警察においては、夜間における交通事故抑止対策の推進を引き続きよろしくお願い申し上げたいと思います。  予定の時間よりも早いのでありますが、これで事前に通告いたしました質問は全て終了いたしました。私は、これまで一貫して日本の未来を担っていく全ての子供たちが元気で明るい生活を過ごしていくことを目指しまして、議員活動に取り組んでまいりました。県におかれましては、安全・安心で誰もが住みやすい町、栃木県に住んで本当によかったと思える町、また選ばれるとちぎのために、引き続き真摯に取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わりにしたいと思います。大変ありがとうございました。 ○阿部寿一 副議長 この際、15分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。     午後2時12分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎篠﨑和男 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は46名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――
        午後2時30分 開議 ○五十嵐清 議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。板橋一好議員。    (51番 板橋一好議員登壇) ◆51番(板橋一好議員) 本日最後の質問になります。前に聞いたことがある質問もありますし、また、結果として相当先に行かないと結論が出ないような質問もありますが、皆さんの明快な答弁を期待して、質問に入ります。  まず、圏域への対応と都市のあり方についてであります。このことにつきましては、9月の通常会議で早川議員からの質問がありました。また、本日も関谷議員から話がありまして、知事からは、現況の小さな自治体の非常に厳しい状況というものを踏まえながら、県としても前向きに協力し、取り組んでいくというような答弁をいただきました。小さい自治体からは、我々が努力しているのに認めないのかという不満もあると聞いています。ただ、今は、現在の市町村の姿を保障するという前提で論議がされているわけであります。国の地方制度調査会の結論は2020年の夏ごろにならないとまとまらないということなので、どういう結果が出てくるか、まだわかりませんけれども、今のところでいうと、連携中枢都市圏方式と定住自立圏方式と、大きな2つに分かれていると聞いています。  連携中枢都市圏については、該当する宇都宮市がこれを実施していませんので、どういう形で行われるのかわかりませんが、定住自立圏については、定住自立圏そのものが、成立はしているのですけれども、構成市町の中で、予算の配分とかいろいろな問題でトラブルが起きるという話も聞きます。どこまでうまくいくのかなということもありますし、佐野市とか、日光市とか、栃木市のように、合併したところで定住自立圏を構成しているところでも、ご承知のように、日光市ですら赤字転落となる見通しとの新聞報道がありましたので、定住自立圏だから圏域の問題も解決するということにはつながらないのではないかなということを危惧しているところであります。  ですから、私は、この問題については、せっかくの機会だということで、もう一度市町村のあり方というものを見直してみる必要があるのではないかと思っています。平成の合併を経て、それぞれの市町は頑張っていますけれども、果たしてこれから先も今のままの形で存続ができるのかという疑念を持つ一人であります。今回の問題にも出ていましたように、小さな市町では、先ほど知事が心配したようないろいろな事案、あるいは、私は前から災害対策や大規模プロジェクト、分権の受け皿等で、小さい行政体ではやっていけなくなってしまうのではないかと考えています。  まして行政体というのは、大きくなれば大きくなるほど財政効率はよくなる、スケールメリットがあるわけですけれども、その分、やはり住民と行政との距離が広がってしまうということで、小さい自治体では、住民との距離感を大事にしたいということで、なかなか合併に踏み切らない。昔になりますけれども、県議会で市町村合併問題検討会をつくって、当時の増渕会長が、全県下の首長さんと意見交換をした経過がありますが、小さい町村ほど合併に積極的ではない、大きな合併を経験したような市ほどスケールメリットを求めて合併に前向きだという結果が出ました。そういう意味では、小さい自治体の立場というのはよくわかるのですけれども、やはりある程度の財政規模がないと、これからはやっていけなくなってしまうのではないかなという気がしています。  そういった意味で、行政と住民との距離感と財政規模の効率化を見たときに、今の理論では、30万都市が一番適切な大きさだろうと言われている。私どもが栃木市と小山市の合併を目指しているのは、やはり30万都市をつくるという大きな目標の中でやろうとしているところでありますので、そういうことも含めて、これからの圏域の問題も含めて、今のままの市町の形で果たしていいのかどうか、これに対して、県としては今後、どういう取り組み方を考えているのか、知事にお伺いしたいと思います。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの板橋議員のご質問にお答えいたします。人口減少や少子高齢化が進む中、本県におきましては、基礎自治体である市町がさまざまな住民ニーズに対応し、適切にその役割を果たしていけるよう、自主的・主体的な合併に取り組み、行政機能の充実・強化を図ってきたところでございます。しかしながら、その後も人口減少に歯どめがかからず、今後、市町においては必要な職員数の確保ができないばかりか、水道等の維持管理コストも急増するなど、住民への行政サービスの提供が困難となることが危惧されております。  このような状況に対応するためには、市町の広域連携や合併は、事務の効率化やコストダウン等を図る有効な手段の一つと考えられますが、その取り組みに当たりましては、各市町が地域の実情を総合的に勘案して、自主的・主体的な判断により行われることが基本であると考えております。  県といたしましては、現在、国の地方制度調査会におきまして議論されている今後の市町村の圏域連携のあり方を注視するとともに、引き続き市町の広域連携の取り組みを支援し、行政サービスの維持に支障が生じることのないよう努めてまいります。 ○五十嵐清 議長 板橋一好議員。    (51番 板橋一好議員登壇) ◆51番(板橋一好議員) 今、知事が言われたとおりで、この問題がすぐに合併に結びつくという話にならないのはよくわかっていますけれども、やっぱり最終的にはもう少し整理していかないと成り立っていかないのではないか。先ほども言いましたように、日光市ですら赤字に転落するおそれがある。こんなことを言うと怒られますけれども、ほかの市町でも赤字になる候補は幾つか見受けられますので、そういう意味では、今のうちからそういったものに対しても抵抗なく、フランクに考えて、県のほうからは、今後のあり方を見ていけるようにしていく指導もぜひお願いして、次の質問に移ります。  魅力度に対する取り組み方について伺います。これについてはもう今まで大勢の方々が質問してきました。今議会においても、木村幹事長、斉藤議員、関谷議員からも話がありまして、せっかくデスティネーションキャンペーン等々をやったのにランクが下がってしまった、こういうことに対してこれからどうしていくんだという話題が出ています。有識者会議もやったようですけれども、議会のほうも、過日、県政経営委員会でこの問題を論議しました。これについての意見は大きく分けると2つになります。1つは、やっぱりこれからもなお一層工夫して、栃木県の知名度、魅力度アップのためにいろいろな施策を講じて頑張るべきだという意見もありますし、そんなに気にしたってしようがないんだから、適当なところでおさめたらいいのではないのかなという意見もあります。どちらかというと私はそっちのほうを今までも言ってきました。いつも言うとおり、調査の方法が具体的な数字に基づくものではなくて、調査を受けた人たちのイメージによるところが多いという調査方法でありますし、来県者数、あるいは宿泊数等々につきましては、ランクの上下に関係なく、右肩上がりで栃木県は少しずつふえていますので、ランクの影響というのは余りないのではないかなということ、それから、群馬県、茨城県、埼玉県等では余り騒いでいない。一時期茨城県では、どうせなら最下位の茨城県を売り込もうではないかという話があったぐらいで、余り気にしていないので、そうそう栃木県も気にする必要はないのではないか、力んでもしようがないのではないのかなということを、今まで何回かこの質問の中でも言ってきました。ここら辺のところで、知事の考え方で何か変わったところがあったらお聞かせいただきたいと思います。  いずれにしても、これから本格的にやろうということになれば、その方法をしっかりと見きわめていかなくてはならない。PRはどこの県でもやっているのですから、よほどポイントをつかんだPRをしないと効果がないということであります。  栃木県の魅力度が低い原因はどこにあるということをしっかり追求していく必要がある。私個人の考え方からすると、1つは、やはり特色がない、平凡な県だというふうに受けとめざるを得ないのではないかなと思います。もう一つは、県民がこの問題に本当に関心があるのだろうか、無関心なのではないか、もう少し県民の運動を盛り上げていく必要があるのではないか。後からも言いますけれども、やっぱり一番の宣伝は県民の口コミ、お国自慢がPRのもとになると私は思っていますので、そういう感じがします。特色のなさについては、例えば今回の栃木県にどの程度の魅力を感じるかという調査に対して、54%の人が「どちらでもない」と答えたという結果が出ています。よければよいなりに、悪ければ悪いなりに印象は残るのですが、どちらでもないということになると、やはり印象が薄い。亡くなられた渡辺美智雄先生が、「悪名も無名にまさる」ということを言っていましたので、悪ければ悪いなりに印象に残るというのもあるので、どうしたら特色というものを出していけるか、こういうことをしっかりと研究していかなければならないのではないかなと思っています。  情報接触経路調査というのもやったようですけれども、これによりますと、テレビのコマーシャル、あるいは新聞、雑誌の広告を通して栃木県の情報を得たというケースが多いようですけれども、やっぱり情報を受け取るほうは、テレビのコマーシャルとか新聞広告は、ある意味ではつくられたものだというイメージが先にありますので、これが本当に栃木の姿をあらわしているということにはなかなかなりづらいということだと思うのです。ですから、さっきも言いましたように、私は最大の効果のある宣伝は県民の口コミ、お国自慢だと思っているのです。  栃木県の方というのは、余りお国自慢もしません。また、来県者に対して、対応の仕方が余り上手ではないということもあって、ご承知のように、リピート率はやっぱり低いということだと思うのです。もう1回行ってみようという再来訪の意思がないということは、1回来ても忘れられてしまうということになるので、やはりもっともっとおいでになった方々を大事にして、また栃木県に行こうという気持ちになってもらうような対応を県民全体がこれからしていくということも大切なのではないかなという気がします。  今後の栃木県として、先ほども言いましたように、PRをこれからもしっかりして、知名度アップ、魅力度アップを獲得していくということになれば、どういうところを中心に、どういう方向でこれに取り組んでいくのか、知事にお聞きしたいと思います。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。都道府県のブランド力は、他との比較における優位性や地域に対する消費者からの評価と考えており、魅力度はそれらを構成する要素の一つと捉えております。地域ブランド調査は、とちぎ元気発信プランにおきまして成果指標としている魅力度を含め84の調査項目があり、本県のブランド力向上の取り組みの成果や課題を検証するための資料として活用しております。これらの項目を詳しく分析した結果、近畿圏における情報発信不足や、旅やグルメに関するテレビ番組からの情報不足、豊富な地域資源と栃木県との結びつきの弱さ、日光市と栃木県が結びつかないといったことも考えられると思いますけれども、こういった弱さなどが課題として見えてまいりました。  県が平成26年1月に実施した全国調査におきましても、本県のイメージを、ご指摘のありましたように、「わからない・特にない」とする回答が約35%を占めまして、栃木県から連想されるイメージの形成は大きな課題と認識しております。一方で、地域ブランド調査における宿泊施設やおもてなしなどの地域資源評価、訪問率等が大きく順位を上げたほか、県民を含む本県出身者の栃木県への愛着度、自慢度も過去最高の順位を記録したことは、デスティネーションキャンペーンを初めとしたオール栃木での取り組みの成果と捉えております。  今後は、これらの課題や成果を踏まえ、農産物のブランド化やおもてなしの向上など、本県の地域資源を継続的に磨き上げるとともに、大阪センターを拠点とする近畿圏への発信、メディアへの働きかけの強化等による本県の魅力・実力の発信に取り組んでまいります。  先週土曜日に矢板市でフォーラムを行い、矢板市民の方々とも意見交換をしてまいりましたけれども、やはりブランドについての関心が高いことから、矢板のリンゴと青森リンゴ、津軽リンゴが両方並んでいたら、全国の人はどちらを買うだろうか、これがブランド力だということで説明いたしました。結局はブランド力のないほうが売れない、もうからない、会社が大きくならないということにつながっていくのではないか、だから、ブランド力は底上げしていくことが重要ではないかという話をしてまいりました。  このブランドの確立におきましては、県民や行政、民間事業者等が一体となり、コンセプトの共有を図りながら、オール栃木で取り組みを展開することが重要であるため、県民が本県の魅力・実力を理解し、みずからが情報発信等の担い手となるよう、本県への愛着と誇りの醸成に引き続き取り組んでまいりますので、県民の皆様にもお力添えをよろしくお願いいたします。  今後とも、ブランド力向上の取り組みを継続的に検証するとともに、これらを反映させた取り組みをオール栃木で展開し、観光誘客や企業誘致、県産品の販売など、全ての分野で選ばれるとちぎの実現を目指してまいります。 ○五十嵐清 議長 板橋一好議員。    (51番 板橋一好議員登壇) ◆51番(板橋一好議員) ブランド力については、これは一朝一夕にでき上がるものではなくて、県民、栃木県自身が相当厳しい自主規制をした上で、いいものを県外に発信する努力をしないと、ただ、いたずらに宣伝することだけでブランドの認定があるとは思いません。変な話ですけれども、過日、「スカイベリー」をワンパック買いまして食べてみましたが、10個の中で2個、全然味も何にもないものがまざっていました。そういうものが流通すると、やっぱり栃木県のブランドが大きなダメージを受けるということで、そういった努力をこれからはしっかりとしていかなくてはいけないのではないかなという気がします。  また、愛着度について今、知事から話がありましたが、県を愛するという気持ちは皆さん持っていただけるのだと思いますが、それをなかなか発信してくれない。自分のところでとまってしまっているというところで、もっともっと発信してもらうことが必要になってくるのではないかなと思います。  それから、きょうは話が出ませんでしたけれども、とちぎ観光おもてなし条例の問題などもあります。やっぱりおもてなし条例をつくらないとおもてなしができないというところに問題があるのであって、ほかのところではもう自然に、そんなものがなくても県民挙げて、来県者を大切におもてなしするということがあって、初めて地域の評価が上がってくることになるのだろうと思います。  また、先ほども言いましたように、県として独自の対策をつくるということになれば、例えば香川県のうどん県だとか、そういう愛称募集、あるいは、できるできないは別として、思い切って県名の変更、前から日光県にしろなんていう話もあったようですから、そういう思い切った施策をするというのも1つの考え方なんだろうなと思っていますので、今後ともぜひ検討していただくことをお願いして、次の質問に入ります。  老人クラブの活動支援についてであります。私もいつの間にか老人になってしまいまして、元気な老人の一人でありたいと思っていますが、やっぱりお年寄りが元気だと、家庭も地域も明るくなり、また医療費の削減にもつながると思いますので、一人でも多くお年寄りには元気でいてもらいたいと思っています。  その一つの場としての老人クラブは団体の活動ができる、人と人とのつながりができるということで非常にいいことだと思うのですが、残念ながら、栃木県でも老人クラブの数が年々減っています。平成15年には2,323クラブあったのが、現在平成29年度では1,614クラブと半減しています。会員数も11万5,558人から6万5,588人ということになります。加入率についても、平成15年度は23.3%ありましたが、平成29年度は9.8%、10人に1人の方も老人クラブに入っていないという結果になっています。高齢者人口はふえているにもかかわらず、老人クラブの加入者が減っているということについては、この原因をしっかりと追求していかなくてはならないのかなという気がします。  未加入の原因の一つとしては、今各市町でふれあいセンター等ができまして、組織に入らなくてもいろいろな活動ができるという形がとれていますので、そのことはいいことですから、問題はないのですけれども、やっぱり老人クラブに入りたくてもクラブがないという現実もあるわけであります。クラブそのものの減少についてのいろいろな理由があります。やっぱり会員が高齢化して減っているとか、そのために存続が不可能だということもありますが、会長とか役員になり手がないというのが一番大きな原因で、なり手がないのでクラブを解散せざるを得なかったという話が、私の知っているところでもたくさんあります。おやめになった方に聞いてみますと、やはり会長になると連絡業務だとかいろいろな業務が多くなって、とてもとても高齢の自分としてはやり切れないので役職を辞退する以外にないということで、役職を辞退し、その結果、クラブが解散するということになっている。これを何とかしないと、クラブ数が復活し、参加人数がふえないということです。  これについては、少なくとも連絡業務等の労務に対しては、市町が専属の職員を配置するなり、何らかの対応をして負担を軽減してあげて、そんなに特別の苦労をしなくても会の役員が務まるようにしていかないと、クラブ活動が復活することはできないと思います。これについては、当然そういうことになれば、職員や担当者をふやさなくてはならないということで、職員費の増額に結びつくので、地方行政としてはなかなかやりづらいのでしょうけれども、先ほども言ったように、介護費や医療費の軽減等を比べてみたときに、どちらが有利になるかということも考えながら、今言ったように、クラブ活動を復活できるような方向をもう少し考えていく必要があるのではないか。こういうことで、市町と県のほうとでの話し合いをどう考えているのか、保健福祉部長にお伺いしたいと思います。 ○五十嵐清 議長 森澤隆保健福祉部長。    (森澤 隆保健福祉部長登壇) ◎森澤隆 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。老人クラブの存続や活動の活性化を図るためには、各クラブのリーダーとなる人材の確保・育成と市町老人クラブ連合会、いわゆる市町老連による支援が不可欠であると考えております。このため、県では、県老人クラブ連合会、いわゆる県老連が実施しておりますいきいきクラブ大学校や市町老連向け研修会などを通じて、各クラブや市町老連のリーダー養成と組織強化を支援しているところでございます。また、市町老連では、組織運営や事務の負担が会長や役員のみへ集中することのないよう、各クラブに対して、会則策定や会計処理の手引を示すなど、事務や活動に関する支援・協力を行っているところであります。  今後とも、県労連や市町等と連携を図りながら、老人クラブや市町老連の組織強化や活性化に向けて支援してまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 板橋一好議員。    (51番 板橋一好議員登壇) ◆51番(板橋一好議員) 今いろいろやっていますよという話をしてもらったけれども、やっていながら減っているということは、効果がないということだよね。やっぱり根本的な問題をもうちょっと考えてみないと、今言ったように通り一遍のやり方をしていたのでは、この問題は解決しないということなので、もうちょっと真剣に、具体的に効果のある対策を考えていくということをぜひ検討してもらいたいと要望して、次の質問に入ります。  新4号国道の立体交差の推進対策についてでありますが、これについてはもう前から何回も話をしてきました。今の新4号国道は、高速道路に遠い小山市あるいは野木町からすると、東京に近づける本当に唯一の生命線と言っても過言ではないということで、今後の新4号国道に非常に期待しております。  また、県のほうとしましても、県が実現を図ったスカイコリドールについては、前にも申し上げたと思いますけれども、国道408号は茨城県が協力してくれないので、ある意味では失敗作であったということから考えれば、やっぱり成田につながる道路としては、この新4号国道の活用というのが、県としても無視できない大きな課題になるだろうと思っています。しかし、今は平均時速60キロということで、非公式ながら話は聞いています。平均時速60キロということは、信号機のないところは100キロ以上スピードが出ていることになるので、余り大きな声では発表できないのでしょうけれども、これが維持できるのならば、これでもいいのかなとは思いますが、やはり道路というのは便利だと思えば車がどんどんふえてくるということで、今、茨城県内で6車線化をやっていますので、これからさらに増加が著しくなるということになれば、平均時速が60キロから50キロになり、40キロになり、今の国道4号とか、国道50号と同じように、下手をすると30キロ台になってしまうということになると、せっかくの新4号国道の意味がなくなってしまう。  そういうことから、この準高速道路的な役割を保持するためには、どうしても今19カ所ある平面交差を立体交差化する必要がある。全部というわけにはいかないでしょうけれども、少なくとも10カ所ぐらいは立体交差化をしていかなくてはならないのではないのかなと思います。ただ、1カ所の立体交差に20億円近くお金がかかるという話も聞きます。また、1カ所やるのに2年から3年かかっていくということになれば、順調に続けてやっても、10カ所の立体交差化を図るには30年かかるわけであります。これは全体計画があっての話で、計画がなければ、今、国土交通省が言っているように、必要なところが出てくれば考えますよという話になりますので、1つ終わって、またその次のところへかかるまでに2年、3年かかれば、10カ所の立体交差を完成するのには50年以上の年数がかかるということで、これではもう話にならぬということなので、連続して立体交差事業に取り組めるようなシステムを構築してもらいたいというのが我々の念願であります。  ただ、さっきも言いましたように、今のところ国土交通省としては、そういう計画は全然ない、立体交差化する箇所もないというふうに、ある部分で無関心です。県のほうも、今新4号国道に関しては、宇都宮の北のほうの改修に目が行っていまして、宇都宮以南についての関心が薄い、こういうことで、唯一、県議会の中では新4号国道整備促進議員連盟で、今まで平池議員が先頭で頑張ってきてくれました。今期で勇退されるということで大変残念でありますけれども、少なくともそういったことで、県議会では今、議員連盟をつくって勉強していますけれども、県もぜひこの問題については、県を挙げて取り組んでいってもらわないと、国土交通省の発想を転換できないということですから、ぜひ知事が先頭になって、この地域についての全体計画を促進できるような運動を国土交通省に向けて展開してもらいたいと思っておりますので、知事のお考えを聞いて、場合によっては、具体的な県土整備部長の意見を聞かざるを得ないところもあるかもしれませんが、とりあえず知事に答弁をお願いします。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。新4号国道は、本県から首都圏へアクセスするセンターコリドールとしての機能に加えて、成田国際空港等へアクセスするスカイコリドールとしての機能も有しており、本県の社会経済活動を支える極めて重要な路線であります。また、圏央道の整備が着実に進む中、成田国際空港や関西方面へのアクセスも格段に向上しており、この整備効果を県内に広く波及させるためにも、新4号国道のさらなる充実・強化は極めて重要であると考えております。  このため、県におきましては、国や茨城県と新4号国道機能向上方策検討会を組織し、機能強化に向けた取り組みを検討するとともに、国に対し、茨城県区間の6車線化や県内の平面交差点の立体化について要望活動を積極的に行ってきたところであります。さらに、本年7月の国への施策提案要望におきましては、新4号国道の平面交差部の渋滞緩和のための計画的な立体化の推進について、私みずから、五十嵐議長を初め関係議員の皆様とともに、国土交通省や財務省へ要望活動を行ったところであります。  今後とも、新4号国道の立体交差化等の機能強化が一日も早く実現するよう、あらゆる機会を捉えて国に対し強く働きかけてまいります。 ○五十嵐清 議長 板橋一好議員。    (51番 板橋一好議員登壇) ◆51番(板橋一好議員) いろいろ心配していただいているということはわかりましたが、まだ組織立った運動までには至っていないような気がします。先ほども言いましたように、やはりこの問題については、国会議員、そして市町、そして県執行部、議会が全力で取り組んでいかないとなかなか解決ができない。そういう意味では、ぜひ議会のほうとも協議して、県、議会、市町挙げての一つの活動組織をつくるように前向きに考えてもらいたいと要望しておきます。  次に、県南の諸問題についてお聞きいたします。まず、巴波川の河床掘削と取水堰改修についてでございます。先ほど関谷議員からも河川内堆積土の質問がありました。県のほうも災害対策の一環として、河川内の堆積土の除去、河床の整備については取り組むということで頑張ってくれてはいるのですが、いかんせん県内の場所が多くて、予算的にもなかなか対応し切れないというのが現況なんだろうと思います。  ただ、ご案内のように、1カ所だけ除去しても、二、三年たつとまた上から土砂が流れてきて、そこがまた堆積してしまうということで、一部分だけやったのでは本当に効果がすぐになくなってしまうということなんだろうと思います。そういう意味では、できれば全川一遍に、引き続いて仕上げしていくという計画があるといいのですけれども、先ほども言いましたように、予算的に、また対象河川が多過ぎるので、こういうことがなかなかできないのが現況だろうと思います。ただ、その中で、栃木市から小山市へ流れている巴波川については、幸か不幸か、今まで、平成27年の災害等にも関係していましたので、平成29年度当初で2カ所、それから平成30年度当初で1カ所、平成30年度補正で2カ所と、堆積土砂の除去、河床整正工事が導入されて相当な部分が整備されることになったものですから、さっきも言ったように、この際、全川整備のモデルケースとして、永野川合流地点から栃木市内までを整備する全体計画をつくり、この実施に取り組んでもらいたいと思いますが、その点について県土整備部長にお聞きしたいと思います。  この巴波川の河床が下がれば、同じく平成27年度の災害で大きな打撃を受けました杣井木川の排水機場周辺の災害対策にも結びつくので、ぜひひとつこのことを検討して実施してもらいたいと思います。  また、同じく巴波川には7カ所の取水堰があります。その中で2カ所がいまだに固定堰で老朽化している。そして、堰板のつけ外しについては人力でやるという形になっているものですから、出水時には、場合によっては生命の危険を伴う作業になるので、これをぜひ自動堰にしてもらう。しかし、堰の場合は、土地改良事業のために、当然普通で言えば、地元土地改良区に負担がかかる。あるいは巴波川の改修については、前の中島堰のときか、なかなか国土交通省の許可がおりなくて、何年か遅延したという事例がありますので、そういった問題をどうやってクリアしていくかという懸念があります。1つの方法としては、さっきも言いましたように、河床整備というような河川改修に関連しての堰の改修ですと、国の予算のつけ方も変わってくる。河川の協議もスムーズにいくということなので、場合によっては今回の河川改修の事業が実現するのならば、それに合わせて堰のつくりかえも考えてみる必要があるのではないかという感じがするので、この点について農政部長の考え方をお聞きしたいと思います。 ○五十嵐清 議長 江連隆信県土整備部長。    (江連隆信県土整備部長登壇) ◎江連隆信 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。巴波川の堆積土除去等につきましては、平成27年9月の関東・東北豪雨後に実施いたしました調査結果に基づきまして、特に対策が必要な箇所が連続しております巴波川の国道50号付近から、栃木市街地の平成橋付近までの約9.5キロメートル区間につきまして、計画的に対策を進めることとしたところであります。平成28年度は、このうち特に緊急を要します栃木市の城内町地内の約2キロメートル区間におきまして川底をならす工事を行いました。平成29年度からは、小山市の上泉地内500メートル区間につきまして堆積土の除去を行いましたけれども、これから順次、上流側に向けまして現在対策を進めているところでございまして、本年度までに約8.8キロメートル区間の対策が完了する予定でございます。残る国道50号付近の約0.7キロメートル区間につきましても、引き続き、地元土地改良区と調整を図りながら対策を推進することとしておりまして、今後とも、出水後の点検等を行いながら、適正な管理に努めてまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 渡邉和明農政部長。    (渡邉和明農政部長登壇) ◎渡邉和明 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。現在、巴波川から取水している堰のうち、亀の子堰と鹿島堰の2カ所は角材を用いて堰上げする構造であるため、出水時における操作が難しい状況となっております。こうした中、亀の子堰については、小山市から事業化に向けた調査計画の実施依頼書が提出されておりまして、現在、県では取水量の調査や現地の測量等を進めております。一方、鹿島堰については、ことしの9月に地元から要望が出されたことから、改修する場合の堰の構造や水利権に係る手続等に関して、関係機関との協議・調整を始めたところでございます。  これらの改修整備に当たりましては、国の補助制度を効果的に活用できるように、地元の意向を十分に踏まえた上で対応してまいります。 ○五十嵐清 議長 板橋一好議員。    (51番 板橋一好議員登壇) ◆51番(板橋一好議員) 県土整備部長については、先ほども言いましたように、残すところが余りないと思うので、ぜひこの際、全体計画で全部が整備できるような方向で取り組んでもらいたいと思います。  また、農政部長については、それら今の2つの堰についてはそのまま事業を進めてもらうように頑張っていただきたいのですが、下流の部分で、河川のほうとの関係で、ポンプ場のつけかえをする関係があるので、これが2年ぐらい先になってしまっているものだから、その分の河川工事ができないという箇所があるはずなのですが、そこについても、せっかくの機会ですから、ポンプ場の設置を早めて、河川の整備が一日も早くできるような調整を河川や農政のほうでやってもらえると大変ありがたいと思うので、そのことについては要望しておきます。検討しておいてください。  次に、最終の質問の友沼橋のかけかえについてです。先ほど巴波川の堰の問題で、出水時に堰板のつけ外しをすると生命の危険にさらされるということでございましたが、この友沼橋もそのとおりで、これはいわゆる潜り橋で河川流域内にかかっている橋ですから、国土交通省との約束で、出水時には、流木等がぶつかって橋が壊れないように、欄干の取り外しを人力でやるということになっています。  今までは幸いにして事故がなかったのですけれども、ご案内のように昨今の降雨事情は、集中豪雨になってくると、いつ、どれだけいわゆる鉄砲水みたいな形で河川が増水するかわかりませんので、下手をすると本当に欄干を外しに行って、そのまま災害に遭ってしまうということもあるので、ぜひこれについては永久橋化をお願いしたいという要望が野木町からも上がってきています。ただ、ご案内のように、あそこは町道ですので、結局事業をやるにしても、野木町の負担でやるということになると、この間土木のほうで検討してもらいましたら、大体50億円ぐらいかかるという予算なものですから、とてもとても野木町の単独の事業では成り立たないということで保留になっています。  ただ、最近になりまして、野木町のほうからは、今あります県道佐川野友沼線を西へ延ばして、国道4号を越して、友沼橋を経由して、県道藤岡乙女線あるいは佐野古河線と接続することで、これを県道として、県の事業として、橋のかけかえをしてもらえないかという要望が出てきました。これについては、この路線は非常にいい路線で、過去において、佐野のインターチェンジから茨城県の百里基地までを国道として昇格運動をしようかということで、あの当時の栃木県の国会議員だった植竹繁雄先生と、茨城県の今の永岡桂子さんのご主人、永岡洋治さんが中心になって期成同盟会をつくった経過があるのですが、残念ながらいろいろな事情でそれはできなくなりましたけれども、もしこれが実現すると、国道50号以南の栃木県としての非常に大きな役割を果たす道路になるということもあるので、できれば、この県道を実現したい、我々もそう思っています。  ただ、1つの問題としては、南小林松原線が並行県道としてあるものですから、通常でいうと県道認定が非常に難しい状況ですから、我々としては、南小林松原線は、歩道を設置するというのだったらまた別ですけれども、今のままでいうと、松原橋のところではもう道路としては完成していますので、これを市町村道に格下げして、今言った道路を県道に昇格してもらうというのがいいのではないかと。松原線は、東へ行くと野木駅でとまってしまうものですから、その先が活用できません。先ほども言いましたように、この友沼橋を通っていく佐川野友沼線を延伸して、今、野木町では新4号国道までつながる道路を整備していますので、そうすれば、少なくとも佐野のインターチェンジから新4号国道までつながる道路が完成するので、県道路線としても、こちらのほうが有効な道路になるであろうという気がしていますので、ぜひこの問題についても検討していただきたい。  県道のつけかえ、格上げ、格下げの問題については、下都賀地区では、大規模農道について、今、何カ所か、例えば小山都賀線等の完成に伴って、これを県道から市道に格下げして、大規模農道のその部分を県道に格上げするという計画も動いていますので、前例がないわけではないものですから、ぜひこの問題についても前向きに取り組んでもらいたいと思いますので、このことについては、県土整備部長にお聞きいたします。 ○五十嵐清 議長 江連隆信県土整備部長。    (江連隆信県土整備部長登壇) ◎江連隆信 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。ご質問の県道佐川野友沼線と県道藤岡乙女線をつなぐ新たなルートにつきましては、完成いたしますと、潜り橋となっております友沼橋の機能を代替するほか、県南地域の東西交流の促進にも寄与するものと考えるところでございます。しかしながら、県道として位置づけるためには、将来の土地利用や広域的な幹線道路網のあり方についての検討が必要であり、仮に県道とする場合におきましては、議員もご指摘のとおり、県道南小林松原線を市町村道に振りかえる必要が生じることとなりますが、この区間には、松原大橋のような大規模な構造物が含まれておりますことから、市町にとっては、将来的に、技術的、財政的に負担になることも懸念されるところでございます。さらに、思川への新たな橋梁整備には多額の事業費を要することなどから、整理すべきさまざまな課題があると考えております。  こうしたことから、ご提案の内容につきましては、要望者であります野木町の考えをよく聞くなどして検討していく必要があると考えているところであります。 ○五十嵐清 議長 板橋一好議員。    (51番 板橋一好議員登壇) ◆51番(板橋一好議員) 今、県土整備部長からの話がありましたように、この話は右から左へ、はい、わかりましたという話にはならないことなので、しかし、今、県土整備部長も認めたように、県道の路線としては非常に有効な路線になる可能性があるので、今言いましたように、今後の野木町の問題だけではなくて、国道50号以南の栃木県内の主要幹線道路になる可能性のある道路ですから、ぜひひとつ前向きに真剣に検討してもらうように要望しておきたいと思います。  以上で私の質問は終わりました。いろいろまだまだ結果が出るのには時間のかかる問題等もありますが、ぜひ前向きに検討していただくことを心から祈念して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○五十嵐清 議長 以上で本日の日程は終了いたしました。あす5日は定刻から本会議を開き、上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後3時26分 散会...