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平成30年度栃木県議会第350回通常会議-06月01日-04号

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  1. 栃木県議会 2018-06-01
    平成30年度栃木県議会第350回通常会議-06月01日-04号


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    平成30年度栃木県議会第350回通常会議-06月01日-04号平成30年度栃木県議会第350回通常会議 (1)出席及び欠席議員の議席番号及び氏名 6月1日(金曜日)  出席議員 48名   1 番      中 屋   大   2 番      平 木 ちさこ   3 番      船 山 幸 雄   4 番      塩 田 ひとし   5 番      齋 藤 剛 郎   6 番      増 山 敬 之   7 番      守 田 浩 樹   8 番      吉 羽   茂   9 番      加 藤 正 一   10 番      野 村 せつ子   11 番      早 川 けいこ   12 番      相 馬 政 二   13 番      西 村 しんじ   14 番      野 澤 和 一   15 番      阿 部 博 美
      16 番      池 田   忠   17 番      亀 田   清   18 番      白 石 資 隆   19 番      関 谷 暢 之   20 番      中 島   宏   21 番      日向野 義 幸   22 番      横 松 盛 人   23 番      渡 辺 幸 子   24 番      斉 藤 孝 明   25 番      松 井 正 一   26 番      山 田 みやこ   27 番      保 母 欽一郎   28 番      一 木 弘 司   29 番      山 口 恒 夫   30 番      阿 部 寿 一   31 番      金 子   裕   32 番      佐 藤   良   33 番      山 形 修 治   34 番      若 林 和 雄   35 番      五十嵐   清   36 番      岩 崎   信   37 番      小 林 幹 夫   38 番      五月女 裕久彦   39 番      相 馬 憲 一   40 番      早 川 尚 秀   43 番      佐 藤   栄   44 番      神 谷 幸 伸   45 番      螺 良 昭 人   46 番      三 森 文 徳   47 番      木 村 好 文   48 番      髙 橋 文 吉   50 番      平 池 秀 光   51 番      板 橋 一 好 (2)説明のため出席した者の職氏名  地方自治法第121条の規定による出席要求によって出席した者   知事       福 田 富 一   副知事      北 村 一 郎   副知事      赤 松 俊 彦   総合政策部長   冨 田 哲 夫   経営管理部長   金 田 尊 男   県民生活部長   石 﨑 金 市   環境森林部長   鈴 木 峰 雄   保健福祉部長   山 本 圭 子   産業労働観光部長 茂 呂 和 巳   農政部長     渡 邉 和 明   県土整備部長   江 連 隆 信   会計管理者会計局長            矢 野 哲 也   企業局長     中 里 文 計   総合政策部次長   兼総合政策課長  小 竹 欣 男   財政課長     仲 山 信 之   教育長      宇 田 貞 夫   代表監査委員   平 野 博 章   人事委員会事務局長            沼 尾 正 史   労働委員会事務局長            北 村 直 也   警察本部長    坂 口 拓 也 (3)職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名   事務局長     篠 﨑 和 男   次長兼総務課長  入 野 祐 子   議事課長     伊 藤 美智雄   政策調査課長   中 村 陽 一   議事課主幹兼課長補佐            柿 木   聡   課長補佐     安 岡 英 亮   副主幹      小 川 元 子   係長       鈴 木   努   係長       関 根   透   主査       秋 澤 和佳子   主査       羽 鳥 光 雄 ◎篠﨑和男 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は48名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――     午前10時 開議 ○五十嵐清 議長 ただいまから本日の会議を開きます。  日程第1 第1号議案から第4号議案まで及び第6号議案から第9号議案までを一括して議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。発言通告者に対し、発言を許します。白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 私もいろいろ変化がございましたが、今までと変わらぬ姿勢で質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  まず初めに、将来を見据えての本県への郷土愛の醸成についてお伺いいたします。県では、とちぎ創生15(いちご)戦略に基づき人口減少対策に取り組んでおりますが、人口の流出に歯どめがかかっておりません。また、働く世代の減少により税収減が見込まれる一方で、高齢化により社会保障費の増加が想定されることから、行政サービスの維持が危惧されております。  このような中、本県では、若者の県外転出が多いという問題があります。若者の夢や可能性を考えれば、進学等のため、一度は東京圏に転出することもやむを得ないと思いますが、就職や子育て等の人生の転機に本県にUターンし、定住する対策が必要と考えます。また、結果的に県外で暮らすことになっても、例えばふるさと納税など、さまざまな世代の本県出身者が何らかの形で故郷に貢献したいと思える機運醸成が重要と考えます。  人口減少が進む中、将来にわたって地域の活力を維持するためには、本県への人の還流を促進する取り組みに加えて、県外で暮らす本県出身者も含めて本県に縁がある全員で郷土を守るという郷土愛を醸成する取り組みが必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの白石議員のご質問にお答えいたします。本格的な人口減少社会を迎える中、将来にわたり地域の活力を維持していくためには、本県への人の還流を推進するとともに、県外で暮らす本県出身者も含めて、私たち県民一人一人が郷土への愛着を持って行動することが大変重要であると考えております。このため県では、小中学生に対するふるさと学習を推進するとともに、高校生が家族等の意義や地域社会について主体的に学び考える「じぶん未来学」を実施するほか、新たに、県民が共有し受け継いできた活動様式を収集した、仮称ではありますが、とちぎ発マナー集を作成してまいります。また、県民が大切にしたい、自慢できる100の地域資源を選定した「とちぎの百様」につきまして、ガイドブックや専用ホームページによる周知に加え、ジュニアコンクールの実施などにより、広く県民の郷土愛の醸成を図っているところであります。  県外在住の本県出身者に向けましては、栃木の多くの情報に接し、郷土の魅力・実力を再発見・再認識することで、栃木に愛着を持って応援してもらえるよう、PR動画の制作や首都圏プロモーションの実施のほか、とちぎ未来大使を初めとした人的ネットワークや各種SNSの活用により、全国への本県情報の発信に取り組んでおります。さらに、東京圏在住の若者の郷土愛を呼び起こし、本県へのUターン意識の醸成を図るため、県内で活躍する地域のリーダー等との交流会の開催や、週末を利用して県内の地域づくりの現場を体験する事業等を通じて、県外への転出後も本県とのかかわりを続ける機会を提供しております。  今後とも、県外で暮らす本県出身者も含め本県にゆかりのある一人一人に、ふるさと栃木で暮らしたい、愛着や誇りを持って地域を支え守りたいと思っていただけるよう、各種施策に取り組み、将来にわたり活力のあるとちぎづくりを進めてまいります。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 県におかれましては、小中高生を初めさまざまな県外出身者も含めて、対策は前からとられておりますので、それは非常に的を射ており、私もそれは大変評価しております。  今回の私の質問は、人口が大きく減る中で、将来には本県出身者の力をかりる必要性もあるだろうという思いで質問させていただいております。郷土愛から各国や、各県に栃木県人会が多く発足しておりますので、知事が各国、各県に行く際には、それを機にさらに広げてほしいと思っております。  そこで知事に再質問いたします。人口の確実な減少は日本史上初めての出来事でありますが、世界にはさまざまな国と歴史があり、戦争を機に国や民族が分裂を繰り返す中で、いかにして自分の国や民族を守るか、有名なのはユダヤ人などがおられますが、自分の故郷や民族を守るために世界各地で強いネットワークを築き、お金を稼ぎ、力を得て外部から支援することで郷土や民族を守っております。そのよって立つところは、ほかから絶対に支配されず、独立を守るという自尊心からだと思います。  日本において都道府県は、当初は国の出先機関でありましたが、今は国の出先ではなく、自立した地方自治体であります。栃木県として自立しているからこそ栃木の郷土愛が生まれるのであって、国の出先であったら郷土愛は生まれないと思います。そのため、私は、郷土愛の原点は栃木が栃木であるという誇りにあると思います。知事は、機会があるたびに国に対して厳しい意見も言い、国の言いなりにならず、栃木から発信して国の制度、また予算を変えようとする姿勢を強く感じ、私も非常に共感しております。しかし、一方で、今までの県職員の皆さんの答弁などを聞く限り、栃木から国の考えや制度を変えようとする気概は余り感じられず、人によりますけれども、国に頼り、指示待ちが非常に多いと感じております。  そこで、本県出身者を含めて栃木の郷土愛を醸成し、栃木を応援しようと思ってもらうためには、栃木としての誇りを持ち、栃木から国を変えるくらいの気概を持った県庁組織になるよう、知事にはぜひともリーダーシップを発揮してほしいのですが、お伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 再質問にお答えいたします。まず、郷土愛、あるいは誇り、この機運の醸成を強化していくことで栃木の力を高めていきたいと考えておりますが、ご案内のとおり、自然、温泉、歴史的建造物などが数多くあったり、あるいは県民所得が全国4位であったり、全国有数の実力県でありながら無名であるというところがウイークポイントでございます。その原因は、謙虚で控え目な県民性、アピール下手、そういったことが今日を招いていると思っております。しかし、そんな中にありましても、今回のDCで、下野新聞ですけれども、先月の読者登壇で、那須町在住の方ですけれども、恐らく転勤でこちらに引っ越ししてきて福岡に里帰りした人が、福岡市内の電車の中、あるいは駅が栃木のPRポスターなどでいっぱいだった、非常にうれしかった、誇りに思ったと、福岡からそういう意見を下野新聞に寄せてくれました。さらに、4月は黒羽出身で東京で生活している人が、地元黒羽が雲巌寺を中心ににぎわっているという情報に接して大変誇りに思っていると、この方も東京から下野新聞の読者登壇に声を寄せてくれました。DCを通じまして、栃木県出身者、あるいはゆかりのある人が栃木県を改めて見詰め直して、誇り、あるいは郷土愛というものを強く感じてもらえたと思っておりまして、DCの成果の一つであるなと考えているところであります。  ブランド総合研究所が行った調査におきましても、本県への愛着度は年々高まっているところであります。私たち一人一人が、誇り、あるいは愛着が持てるよう、子供のころから機運醸成を図れるよう、行政としてもしっかり対応していきたいと考えております。  県庁組織におきましても、同様の考え方のもとに、指示待ちではなく、前例主義にとらわれず、意欲を持って新しいものにチャレンジしていく、そういうことを知事としてリーダーシップを発揮しながら、職員とともに取り組んでまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員
       (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 知事のリーダーシップにはぜひとも期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  総合政策部長に再質問いたします。本県へ人口を流入する際には、特に子供を産む20代から30代の女性への対策が重要であり、この世代の女性が本県に戻る一つのきっかけがマイホームを建てるときだと思います。今は兄弟姉妹が少なく、家や墓をどうするのか、多くの親から一緒に住まなくても近くに住んでほしいという声はよく聞きます。以前に、データで母方の実家近くの近居を望む子育て世代の女性が多いことから、母方の実家が拠点の三世代同居や近居の推進を一般質問で行いました。「サザエさん」でいうマスオさんです。同居には抵抗がある人も多いので、近居のマスオさんとも言えるでしょう。旦那が実家の跡継ぎでなければ可能だと思います。本県は首都圏への通勤にすぐれていることから、ほかの都道府県よりも取り組みやすい政策であると思います。  私は、核家族を基準にした都会型の政策では東京にかなわず、地方だからできる、家族を重んじ、皆で助け合う政策の導入が必要と考えます。保育等を公的機関に任せず、助け合う「育じい」や「育ばあ」に金銭を含めた支援をするなど、都会と違う子育てしやすい環境整備ができれば、財政面でも今よりかかりません。  私が以前、三世代同居あるいは近居の推進について質問した際に、前向きに検討するような答弁でございました。どのように検討されているのかお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 冨田哲夫総合政策部長。 ◎冨田哲夫 総合政策部長 再質問にお答えいたします。三世代同居、近居につきましては、今、議員からお話がございましたように、子育てに祖父母の協力も得られまして、負担の軽減に資することから、とちぎ創生15(いちご)戦略あるいはとちぎ元気発信プランにおきましても、多子世帯の負担軽減策の一つとして掲げさせていただいているところでございます。  また、国におきましても、三世代同居に対応した住宅を取得したり、リフォームしたりした場合には、税制面で優遇措置を図られるといった施策が設けられておりましたり、県内の市町におきましても、住宅支援策の中で同居、近居を促す政策を設けている例があるところでございます。  こうしたことから、県としましては、Uターンを機に三世代同居や親との近居を考える希望者に対しまして、移住セミナー、あるいは移住・定住促進サイトなどによりまして、国や市町が実施する住宅取得、リフォームへの助成、税制上の優遇措置等について情報提供を行っており、また、東京など県外に出ていった女性向けには、栃木県での暮らし、あるいは仕事につきまして、ライフプランを見詰め直す交流会を開催することとしておりますので、そうした機会にも三世代同居、あるいは近居に関する情報提供、相談対応を行っていきたいと思っております。  さらに、今お話がございましたような、県としての金銭的な支援も含めた、より積極的な支援策ということでございますけれども、こちらにつきましては、多くの方が理想的な暮らし方として三世代同居、近居が望ましいと感じておられるとは思いますが、現実にはさまざまな要素、事情、例えば勤務場所ですとか、通勤の利便性、あるいは子供の保育所、その他日常生活の買い物、医療機関、学校等の利便性、さらには祖父母など家族との関係性、あるいは個々人のライフスタイル、どのような家族形態を選ぶか、そうしたような事情がさまざまあろうかと思いますので、そういう中で、行政施策等を打ち出していく場合に、現在のところ有効な方策となり得るのか見きわめが難しく、効果的な方策を見出していない状況にございます。  今後とも、少子化対策人口減少対策全体の中で、同居、近居の支援につきましてどのような支援が考えられるのか、住民意識なども探りながら検討してまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 本県の特徴としまして、若い女性が外に出て戻ってこないという現状がありますので、その対策としてもぜひとも真剣に考えていただきたいと思います。  次に、働き方改革と生産性の向上についてお伺いいたします。国では、働き方改革を推進し、長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方、雇用形態にかかわらない公正な待遇などをうたっております。これを受けて県庁においては、仕事の選択と集中、プロセスの効率化、労働時間の管理を3本柱とする栃木県庁働き方改革プロジェクトを進めております。少子化により労働人口が減る中、地域経済の活力や県財政を維持するためにも、1人当たりの生産性をいかに上げるかが重要であり、働き方改革は、単に労働時間を減らすだけでなく、生産性の向上とセットである必要を感じます。また、県民とかかわる業務の利便性向上や効率化を図ることができれば、県民にとっても大きなプラスになると思います。  そこで、県は、働き方改革をどのように捉え、どう取り組んでいくのか、経営管理部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 金田尊男経営管理部長。    (金田尊男経営管理部長登壇) ◎金田尊男 経営管理部長 ただいまのご質問にお答えいたします。現在進めております働き方改革プロジェクトは、単に労働時間の短縮だけを目的とするものではなく、議員ご指摘のとおり、仕事の効率を高め、同じ労働時間でより多くの成果を上げること、すなわち労働生産性を向上させることによって長時間労働を是正することを目指しております。20時退庁、22時完全消灯による労働時間管理は、各職場における仕事の改善、効率化を促すための一つの手段と捉えております。  また、今年度は、昨年度から先行実施した取り組みに加えまして、意思決定の迅速化、内部管理業務の見直し、ICT活用による省力化など、本格的な取り組みに着手する考えであります。現在、全県職員を対象にアンケートを実施しておりまして、この結果も踏まえて庁内ワーキンググループで具体的な改善策を検討し、順次実施してまいります。  働き方改革は、職員はもとより、各所属長が勇気と覚悟を持って実行することが重要でありますので、それらの意識改革を促しながら推進してまいります。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 経営管理部長に再質問いたします。県の役割といたしましては、県庁内の改革だけでなく、民間企業や県民の生産性を上げる後押しも必要かと思います。生産性が悪いと言われる一番の原因に、いろんなアンケートから見ても、通勤等の移動時間とあります。県とかかわる仕事には、県の出先機関、県内市町、また数多くの有識者の協議会など、会議のたびに宇都宮に来る必要があります。会議後に親睦のため懇親会でもやるなら別ですが、わざわざ宇都宮まで来なくても、今の時代ならばICTを使えばテレビ会議はできるかと思います。民間企業ではテレビ会議は常識となっております。私もそうですけれども、県職員の多くもアナログ人間で、ICTには非常に抵抗があるかと思いますが、これからはきっと常識になると思います。  そこで、例えばこの設備を県の出先機関や県内市町に導入して、テレビ会議というものも検討してはもらえないでしょうか。宇都宮に来る必要があるから宇都宮一極集中になるのであって、自分の市町にいながら仕事ができれば、地方創生にもつながるかと思います。  もう1件、あわせて再質問させていただきます。県民の皆さんは、各種書類の申請や提出のために県庁に出向く機会がありますが、書類の申請で何度も往復した経験がある人は多いかと思います。県に対する書類申請は多岐にわたり、全てのシステム化は難しいので、メールで送って手数料を払って添削してもらうような仕組みはつくれないでしょうか。最後の正式な申請は直接提出すべきかと思いますが、その前に訂正のために県庁と地元を何度も行き来するのを省略できれば、県民益につながるかと思います。ぜひともそういったことも検討していただきたいのですが、ご答弁をお願いいたします。 ○五十嵐清 議長 金田尊男経営管理部長。 ◎金田尊男 経営管理部長 再質問にお答えいたします。まず、本庁と出先機関の関係について、基本的な考え方は、住民に身近な事務はなるべく出先機関で処理できるようにという考え方でありますけれども、こういった考え方に立ちまして、本庁から出先機関への権限の移譲ということも今回の働き方改革の中で進めてまいりたいと考えております。  また、各種申請の電子化についても、事務の効率化とあわせて、県民の皆さんの利便性の向上ということも図られるのではないかというご指摘であります。現在、他の自治体、あるいは民間企業におけるICTの活用についての事例を収集しております。その中で、県庁においても採用ができるものについては、今後、費用対効果なども検証しながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。  (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) きっとこれからの時代の流れで、そういうICTの活用というものは必ず出てくるかと思いますので、大きな変化になりますから、ぜひとも十分に費用対効果も含めて検討して、前向きによろしくお願いしたいと思います。  続きまして、働く世代の健康対策についてお伺いいたします。働く世代が病気によって働けなくなった場合、社会にとって大きな損失であり、困窮する家庭がふえることにつながりますが、余り重視されておりません。県では、とちぎ健康21プランを推進し、県民の健康増進に取り組んでおりますが、健康診査等の受診率は改善しているものの、中間目標に達しておらず、特に働く世代では生活習慣に関する指標での目標におくれや悪化が見られます。がんを初めとした病気の早期発見には、がん検診等の受診が有効でありますが、働く世代の受診率は低いままです。自分は大丈夫という意識に加え、全世代の中で自由になる時間が最も少ないことも要因の一つと思われます。  そこで、働く世代が健康で働き続けられるよう、健康対策の強化をすべきと思いますが、保健福祉部長の所見をお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 山本圭子保健福祉部長。    (山本圭子保健福祉部長登壇) ◎山本圭子 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。働く世代の健康づくりのためには、生活の場である地域における健康増進事業と、事業者・保険者による健康保持増進活動の連携を推進することが重要であります。このため、県では、各健康福祉センターを通して、市町や事業所、商工団体等と健診受診率向上のための好事例を共有するなど、地域と職域の連携推進に努めております。  また、今年度は、医療保険者等とともに、事業所等におけるがん検診の実態把握を行い、一層の受診率向上に取り組むほか、県政出前講座を活用し、事業所等の健康づくりを支援するとともに、時間に余裕がない働く世代に対するICTを活用した健康対策についても検討を進めてまいります。  今後とも、市町や関係団体と連携し、働く世代の健康づくりに取り組んでまいります。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 働く世代の健康対策に関しましては、大企業の社員ならば健診の体制が充実、かつ強制されておりますが、中小企業や、または派遣社員などの非正規の人というのは、シフトが決まっており、自由に時間がつくれず、真面目な人ほど会社に遠慮して病院に通うことをためらう傾向があります。健診は時間とお金の無駄と考える人も多いかと思いますが、万一、がんを初め大病が発覚したときに、もっと早く調べておけばよかったとそのとき考えるものです。  私もがんについていろいろ調べましたが、年齢を問わず、ホルモンバランスの変化が大きいときが危ないような気がします。私の地元小山市のデータでありますが、子宮頸がん、子宮体がんの検診は、やっぱり若い人ほど受診率が低いのですが、一方で、若い人ほど異常があって精密検査するよう指摘される割合が高い傾向があります。つまり若い人ほど、がんの種類によりますが、検診でひっかかる確率が高いというデータがあります。しかし、働く世代は、病院に行くにしても日中は混んでいて通いづらいと言います。さきの小林議員の質問の答弁で、県では、夜に検診を行う先進事例の紹介を市町に行っているとのことでしたので、働く世代の社会への貢献度を重視して、ぜひ受診しやすい環境整備をお願いしたいと思います。  ここで保健福祉部長に再質問いたします。今やがんは多くが治る病気となり、医療の進歩で今後さらに治る確率が上がります。しかし、社会の理解は非常に乏しく、がんと報告した途端、すぐにリストラされるケースも多く聞いております。  そんな中、県内の拠点病院9カ所にがん相談支援センターが置かれ、職場や今後のことも含めてアドバイスをしてもらい、時には職場との仲介もしてくれるのですが、このセンターの利用者は1割もいないということであります。治療しながら、また完治後も働ける人たちが職を失うのは、本人にとっても社会にとっても大きなマイナスであります。そのため、がん相談支援センターの存在を周知して相談者をふやすべきですが、センターの充実は病院経営の利益に直接つながらないので、力を入れられないようです。県内の相談支援センターは県立がんセンターが中心を担っておりますが、がんセンターでさえ周知、普及啓発する予算が限られております。  働き続けられる人をふやすことは、県にとっても大きなプラスであることを考え、このセンターの周知、普及啓発を病院任せにせず、県がしっかり予算をつけて役割を果たすべきと考えますが、ご答弁をお願いいたします。 ○五十嵐清 議長 山本圭子保健福祉部長。 ◎山本圭子 保健福祉部長 再質問にお答えいたします。現在、県内9つの拠点病院に9つのがん相談支援センターが配置されまして、73名の相談員が治療、在宅療養、就労など幅広い相談に対応しておりまして、相談件数も平成27年度2万816件が平成29年度は3万8,754件とかなりふえてきているところであります。  今後、がん患者がますますふえる中、センターの役割は重要になってまいりますので、センターの相談員の研修などによりスキルアップに努めるとともに、県としても、ご指摘のとおり、一層の周知に努めてまいりたいと思います。  また、子宮がんの受診率についてのお話もありましたが、若い女性に多い乳がん、子宮がん、特に若い世代は検診が恥ずかしい、痛いのではないかと。私もそれはとてもよくわかります。各市町でも、レディースデーとか医療機関の女性外来など、いろいろ工夫されておりますので、そのあたりの周知についても努めてまいりたいと思います。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 特に若い女性に関しましては、がんになって子供に影響することがございますので、将来の栃木県を考えて、ぜひともその充実、みんなが受診しやすい環境整備をお願いしたいなと思っております。  続きまして、県内への宿泊者の増加策について質問いたします。県内の観光客宿泊数は、平成29年には836万人と東日本大震災前の平成22年を超える宿泊者数となっております。しかし、宇都宮市などが増加する一方で、主要観光地である日光市や那須塩原市は、震災前の水準に回復しておりません。外国人観光客の増加等もあり、本県への来県者は年々ふえておりますが、昼間だけ観光地を訪れる立ち寄り型の観光の増加の割には宿泊者がふえておりません。  そこで、いかに宿泊し栃木の食や魅力を堪能してもらう対策を行い、県内経済に好循環を生むかが重要と考えます。また、本県にはビジネスでの来県者も多く、主に市街地のビジネスホテルに多く宿泊しており、こうした方へ栃木の魅力を発信する機会はたくさんございます。  来県する目的も多様化する中、来県者が求めることを的確に捉え、いかに宿泊者を増加させるかが重要だと考えますが、産業労働観光部長に所見をお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 茂呂和巳産業労働観光部長。    (茂呂和巳産業労働観光部長登壇) ◎茂呂和巳 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。宿泊を伴う観光は大きな経済波及効果が期待できますことから、ビジネスを含めてさまざまな目的で訪れる来県者をいかに宿泊につなげるかが重要であります。県では、これまで周遊性を高め、滞在時間の拡大を図るため、広域的な観光周遊ルートの形成やとちぎ旅ネットでのお勧めコースの紹介、「本物の出会い 栃木パスポート」事業等によりまして、宿泊者の増加に取り組んでまいりました。また、現在開催中の「本物の出会い 栃木」デスティネーションキャンペーンでは、星空観察ツアー、早朝や夜間のイチゴ狩り、県内各地におけるライトアップや地元の食材を活用した朝食など、宿泊によりましてより楽しめる特別企画を展開しているところでございます。  今後は、こうした取り組みの効果を把握するなど、DCの検証を通しましてさまざまな来県者のニーズを的確に捉え、市町、観光関係団体等と連携しながら、宿泊者の一層の増加に積極的に取り組んでまいります。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 産業労働観光部長に再質問いたします。人口減少で内需が縮小する中、観光産業で稼ぐために消費額の大きい宿泊者の増加が非常に重要となってきます。宿泊者がふえないのは、よく東京との利便性の向上も原因と言われますが、自由に行動する個人旅行者がふえ、本県の主流である宿泊と食事がセットの温泉旅館等から、宿泊は素泊まり、食事は外食で好きなものを食べるという人がふえていることも原因と言われます。これは宇都宮市の増加率が高いことからも想像ができます。  DCを機にしたさまざまな企画の発信による一定の成果は評価いたします。一方で、栃木の食をPRし、堪能してもらう取り組みはまだまだ不十分かと感じます。財団法人日本交通公社による平成28年度版訪日外国人旅行者の意向調査によると、満足度が高いのは、1位が伝統的日本料理、2位が自然や風景、3位が温泉、逆に不満が多いのは、言語や旅行代金の次に、お酒や食事、夜のナイトライフとなります。つまり、満足も不満も観光を押しのけて食についてであります。  本県の食に関しては、ギョーザしか思い浮かばない人が多いようですが、宿泊を考えますと、お酒とそれに見合った料理など、夜の食の充実が大切かと考えます。本県は、米、牛や豚、日本酒、季節に合わせた農産物や山のものなど充実しておりますが、まだまだ戦略不足を感じます。グルメの街栃木を目指して、宿泊する動機になる夜の食に対する取り組みを強化すべきかと考えますが、ご答弁をお願いいたします。 ○五十嵐清 議長 茂呂和巳産業労働観光部長。 ◎茂呂和巳 産業労働観光部長 ただいまの再質問にお答えいたします。現在、DCでさまざまな特別企画を展開しているところでございますが、議員ご指摘のように、例えば地酒を使った取り組み、あるいは地元の食を使った取り組みなどは大変好評であります。一例を挙げますと、鬼怒川温泉におきまして、鬼怒川温泉夜桜大宴会というものを展開しましたが、これは地元のホテル、旅館、飲食店等が一体となりまして、また地元の自治体の皆様も協力しながら、観光客の方に地酒と地元ならではの食材を提供したというところで、大変好評だったと伺っております。  こうした、地域が一体となって、地域の特色を出した取り組みを単に一過性のものとすることなく、これを継続しながら、そして磨き上げ、また新しく企画を立てていく、こういった取り組みが非常に重要なのではないかと考えているところでございます。  今後とも、こうした各地域の取り組みを県内に広く広めますように、市町、観光協会とも連携をとりながら、しっかりと取り組んでまいります。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) ぜひとも、地域に沿っていろんな企画をつくる際には、栃木の食というもの、栃木県はたくさんおいしいものがございますが、PRが苦手ということもありまして、まだまだ潜在力がございますから、夜に食べるものに少し重点を置いていただきたいと思っております。  産業労働観光部長に再質問いたします。本県の宿泊者は、観光客だけでなくビジネスマン、またねんりんピックや技能五輪、各経済団体などの大型イベントなど、さまざまな方がおります。私の地元小山市でも月に1万人を超える人が宿泊しており、宇都宮はその数倍はいると思われます。しかし、ホテルに泊まっていても、栃木の食に対する地元の情報はほとんどありません。また、参考までに4年前にねんりんピックが本県で開催された際、日曜日も挟んでホテルが満室になるほど宿泊者がいたにもかかわらず、これはある市のことですが、日曜日なので、いつものように夜は飲食店がほとんど閉まっておりました。結局、ビジネスホテルのレストランで食べざるを得ず、不満の声を多く聞きました。  今後、観光産業を充実させるためには、市町ともに、来訪者に対する意識改革をして、おもてなしの心を醸成する必要があるかと思いますが、お伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 茂呂和巳産業労働観光部長。 ◎茂呂和巳 産業労働観光部長 再質問にお答えいたします。確かにビジネスホテル等に泊まりまして、夜、飲食店等があいていないというので大変がっかりするというお話も伺っております。今、DCを展開中でございますが、飲食店なども含めましていろいろな企画をやっているところでございます。お客様に喜んでもらい経済的な効果もしっかりと実感できるという成功体験を重ねまして、またさらにそういった企画に取り組み、ますますお客様がふえる、このような好循環を目指してまいりたいと考えております。  そこで、おもてなしいちご隊などを中心にしっかりと全国一のおもてなしの心で、来県者の方に来てよかった、また栃木県に来たいと思ってもらえるようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) このDCというものは非常によい機会でございますので、これをきっかけに、県民の皆さんもやる気があるところですので、しっかり対応していただきたいなと思います。  続きまして、園芸振興に向けた基盤整備についてお伺いいたします。県では、恵まれた気候や首都圏に位置する地理的優位性を生かし、園芸大国とちぎづくりを推進しておりますが、中でも県南地域は、東京圏に近く、鮮度で勝負できる野菜の大産地になる潜在力を持っております。隣の茨城県は全国1位の園芸生産を誇る一大産地であり、小山市に隣接する結城市は、耕地面積が小山市の半分以下にもかかわらず、園芸の産出額は1.8倍と収益性の高い農業が展開されております。県南地域は園芸が盛んになりましたが、やはり米中心であり、畑地にするにも水はけの悪さや機械の購入など園芸作物への転換には二の足を踏む声が多く、潜在力を生かし切れておりません。  そこで、米から園芸作物への転換等によって農業者の所得向上を図るためには、まずは農業者のやる気を引き出すことが重要であり、園芸生産に適した基盤整備等を行う必要があると思いますが、農政部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 渡邉和明農政部長。    (渡邉和明農政部長登壇) ◎渡邉和明 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。園芸生産を振興するために、まずは担い手を中心とした地域の将来像を描くことが重要でありますことから、地域が主体となった営農構想の策定を支援するとともに、その実現に向けて必要な効率のよい生産基盤づくりを支援しております。  水田の整備に当たりましては、野菜生産に不可欠な排水条件の改善を進めますとともに、大型機械の導入を可能とする圃場の区画整理を推進してまいります。また、畑地については、全体的に基盤整備がおくれており、安定生産のための用水の不足や区画が小さいなどの課題がありますことから、重点的に推進を行うモデル地区を設定し、かん水施設や集出荷に適した道路の整備などを計画的に進めていく考えであります。  今後とも、園芸大国とちぎの実現を目指し、地域の実情に即した基盤整備を推進してまいります。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 農政部長に再質問いたします。私の地元は茨城県とすぐ近くなため、気候も土地柄もほとんど同じ茨城県と何が違うのか聞いて歩きますと、結局のところ、チャレンジ精神かなと感じます。水源がある栃木県と違い、茨城県は水が限られ、畑地で野菜をつくらざるを得ず、畑地に適した基盤整備を行ってきた経緯がありますが、米と違い野菜なので、休みなく働く働き者が多い感じがします。そのため、大規模化に成功する人も多く、身近に成功者がおり、まねれば自分もできると、高い農機具を買ってリスクを背負って、結果、大規模化に成功している人たちを見ます。この身近に模範例がいるというのも非常に大きな要因かと思います。  野木町において、県の政策に呼応して、休耕田にレタスやカボチャなど生産拡大しようとする動きもございます。こうしたやる気のある人たちの動きに対して、基盤整備を行い、大規模化を後押しして、身近な成功者をつくることが重要かと考えますが、お伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 渡邉和明農政部長。 ◎渡邉和明 農政部長 再質問にお答えいたします。露地野菜の産地をつくっていくためには、今、議員からお話がありましたように、規模拡大というのが非常に重要だと考えております。ただ、露地野菜の場合、天候によって価格の影響を受けやすいということがございますので、生産から販売までを見据えた対策を行っていく必要があると考えております。そのため、やる気がある、産地づくりに取り組もうという地域に対しましては、まずどういうものをつくるか、それからそれをどういうふうに売っていくかということを含めた計画づくりを支援いたしますとともに、話にございましたような機械でありますとか、冷蔵施設とか、効率的な生産を行うために必要な施設の整備を支援してまいりたいと考えております。  また、気象災害に対する備えとしては、農業共済というのがございますけれども、来年1月からは、こうした災害だけではなくて、収入の減少に対しましても、それを補填する収入保険制度というのが始まりますので、その利用促進も含めまして、そうした野菜の意欲ある産地づくりを進めてまいりたいと思います。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 要望といたしますが、この栃木県のすぐ隣に茨城県といういい模範例がございます。そこを見た限り、私は成功者が身近にいることが大切かと思いますので、いかに成功者をふやすか、そういったことも力を置いていただきたいなと思っております。  また、園芸を拡大したくても、収穫時に人が足りず、研修生を常時雇うにしても、人件費の都合でリスクが大きく、二の足を踏む声もございます。園芸大国とちぎづくりには必ず人手不足の問題が生じると思われるため、野菜の切り方専門の人たちを集めた派遣会社みたいな組織を民間でつくる後押しをするなど、対策を講じていただきたいと思います。  続きまして、オリンピック及び国体後を見据えたインフラ整備について質問いたします。現在、2年後の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて大規模なインフラ整備が行われ、民間においても設備投資が積極的に進められております。しかし、オリンピックを境に、大規模な投資の反動と人口減少が相まって、インフラ整備が縮小に向かい、経済の落ち込みを懸念する声が多くございます。本県においても、いちご一会とちぎ国体を境に、総合スポーツゾーンの整備が終了し、大規模投資は一段落します。一方で、頻発・激甚化する豪雨災害等への備えや、一斉に老朽化を迎える高度成長期に整備された公共施設への対策など、これまでにも増して社会資本整備が必要となります。  そこで、ビッグプロジェクト後の経済の落ち込みが不安視される中、県としては社会資本整備をどのように進めていくのか、県土整備部長にお伺いいたします。
    ○五十嵐清 議長 江連隆信県土整備部長。    (江連隆信県土整備部長登壇) ◎江連隆信 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。社会資本の整備に関しましては、議員からもご指摘がありましたように、近年、全国各地で過去に経験したことがない豪雨被害が頻発するなど、災害リスクが高まる中、ハード・ソフト両面からさらなる防災対策の強化が急務となっております。また、高度経済成長期に大量に建設しました橋梁、トンネル等が今後一斉に老朽化することから、各施設の長寿命化修繕計画に基づき、着実に対策を進めていく必要がございます。さらに、人口減少・超高齢社会が急速に進行する中において、地域の産業や経済の持続的な発展を支えるためには、広域的な道路・交通ネットワークの構築も不可欠であります。  したがいまして、国体関連施設の整備終了後も、これらの直面する課題に的確に対応するため、引き続き必要な公共事業予算を確保し、将来を見据えた社会資本の整備を着実に推進してまいります。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 県土整備部長に再質問いたします。県といたしましては、しっかり予算を確保して、計画的に実行していただきたいと思いますが、一方で私が気になるのは、民間による設備投資が激減して、景気が落ち込むだろうということであります。また、不動産業界で危惧されていることですが、2022年に東京の市町村における生産緑地法という問題がございます。簡単に言いますと、特に23区の一等地にある農地などが、相続税や固定資産税で、今は特例で非常に安い措置を受けておりますが、その特例が場所によってなくなって、一等地に数多くある農地が市場に売られ、土地の値段が下がって、東京回帰が起きるだろうと心配されております。  県としましては、こうしたさまざまな状況を想定して、需給バランスや発注を調整することで景気の激変緩和を防ぐことも重要と考えます。県は、予算の平準化なども行っておりますが、今後起こり得るあらゆる状況を想定して、国の財政出動や計画の前倒しも想定しながら、準備不足で工事できないということがないような柔軟な対応も考慮してほしいのですが、お伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 江連隆信県土整備部長。 ◎江連隆信 県土整備部長 ただいまの再質問にお答えいたします。景気が今後どのように動くかというのはありますけれども、仮に大きく落ち込むような状況になりますと、過去の例によりますれば、国において経済対策が実施されるということが十分に予想されるわけでございます。  県といたしましては、そういった対策が実施されることを十分に念頭に置き、あらかじめ情勢をよく把握しながら、昨年度の補正予算でもそのように実施いたしましたけれども、あらかじめ調査のストックをためておくとか、あるいは用地取得を先行しまして用地のストックをためておくとか、そういった取り組みに日ごろから意を用いまして、そういう突発的な財政出動に対しましては、迅速に、なおかつ柔軟に対応できるように努めてまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) ぜひともよろしくお願いいたします。  最後に、教員の適正な配置についてお伺いいたします。本県では、小学校における35人以下学級が昨年度から第3学年、今年度から第4学年まで導入されました。歓迎する声がある一方で、加配教員の一部を担任にすることにより、加配教員が減ってしまった学校もあり、きめ細かな指導が行き届かない、指導困難な児童に対応できないという現場の声も聞きます。また、さらに高学年までの35人以下学級の導入を要望する声がある一方で、加配教員の維持を優先すべきという現場教員たちの意見もあります。財源が限られ、教員数を安易にふやすことができない中、少人数学級をさらに推進していくのか、また加配教員や非常勤講師等の必要性についてどう考えるのか、何を重視して今後の方向を決めていくのか、あわせて教育長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 宇田貞夫教育長。    (宇田貞夫教育長登壇) ◎宇田貞夫 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。35人以下学級はきめ細かな指導が可能となることから、今年度、第4学年に導入したところであります。第5・6学年につきましては、既に実施している学年の状況や効果などを検証した上で、その導入について研究してまいります。また、少人数学級につきましては、国の責務として行うべきものであると考えており、義務教育標準法の改正を引き続き国に対して要望してまいります。  加配教員は学力向上などの学校全体で取り組む課題解決のために配置し、また非常勤講師は特別な配慮を要する児童生徒への指導、支援のために配置しており、その必要性、重要性については十分認識しているところであります。  今後とも、市町教育委員会と連携を図り、少人数学級の推進、加配教員の活用、非常勤講師の配置が効果的になるよう、教員を適正に配置し、よりよい学びの環境の整備に努めてまいります。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 教育長に再質問いたします。生徒一人一人に対するきめ細かな対応という点では、少人数学級は非常に適していると思います。特に小学校に入学したばかりの低学年ならば、入学前の環境もばらばらであり、理解力も自制心も足りないため、絶対に必要なことかと考えます。しかし、高学年になると状況は変わってくるかと思います。私は剣道の道場で長年多くの小学生と接しておりますが、子供の成長段階で規律や目的意識をきちんと教えることが必要であって、高学年での少人数学級にこだわる前にやることがあるのではないかと思っております。  教員を1人ふやすには多額の人件費がかかります。ですので、実際に増員するには根拠が必要でございます。そうした根拠というものが我々にはまだよくわからないのです。高学年まで要望が出てございますが、そういったことも含めて、検討する前に、35人以下学級にしたことによりどういった効果があるのか、我々にもわかるように説明してほしいと思います。  あわせて、私は一定の加配教員の数は必要であって、減らすことに疑問がございます。公立学校には、勉強のできる子、苦手な子、素直な子、落ちつきのない子、さまざまな児童がおります。やはり一部の児童はいろんな意味で個別指導が必要であります。一部の児童の行動が全体に影響することがあるからであります。そのためにも、担任とは別に、加配教員や非常勤講師、こういった方々がきめ細かく目を配って指導することで全体の調和が保てるかと思っています。  そのため、少人数学級に際しては、加配教員の数を維持した上で進めるべき、検討すべきと考えますが、再度、教育長の考えをお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 宇田貞夫教育長。 ◎宇田貞夫 教育長 再質問にお答えいたします。まず、第1点目の少人数学級の効果についての根拠ということでございますけれども、昨年度、本県の少人数学級のあり方についての検討を進めるデータをとりたいということで、小学校第3学年において40人学級から35人学級になった学校に対して、教員、児童、保護者を対象としたアンケート調査を実施いたしました。その中で、授業中一人一人丁寧に様子を見てもらえた、子供たちは活躍する機会が多かったなどの項目で効果を実感している割合が高いという結果が得られております。そういう細かいデータもございますけれども、そういう中で、やはり教員の目が届くという点、それからその点で学習の指導においても丁寧に指導ができる、そういう点で効果があると考えております。  それから、2点目の件でございますけれども、先ほどの答弁でも申し上げましたけれども、少人数学級の推進、加配教員の採用、非常勤講師、それらがそれぞれにきちっと効果を発揮して、よりよい子供たちの成長に資するということが第一義でございます。  今回、第3学年、第4学年に少人数学級を導入いたしましたけれども、加配の部分については一律に市町からいわゆる剥がしたという形ではなくて、県としても、県単で30人、加配で利用した者は31人、半々ということで、市町の理解も得ながらやっているところです。  先ほど言ったとおり、効果的な配置ができるように、今後もしっかりと考えていきたいと思います。 ○五十嵐清 議長 白石資隆議員。    (18番 白石資隆議員登壇) ◆18番(白石資隆議員) 時間の都合で要望とさせていただきますが、やはり少人数学級にする根拠、また加配教員、非常勤講師、そういった方々がなぜ必要なのか、まず効果をきちんと示すことで、今回のように、加配教員が減るということはないと思います。我々議員、また執行部にも理解してもらえるように、なぜ必要なのかという根拠をきちんと示していただいて、教員を確保していただきたいと思います。  また、小学校の教員は3分の2が女性、男性教員は3分の1しかおりません。高学年になると、反抗期に加えて、特に体力をもてあます男子児童がふえる中で、現状の教員構成で学校の秩序を保てるのか疑問がございます。以前から体育会系で力の強い男性教員が必要だという現場の声も聞きますが、非常に少ないままでございます。そのため、特に体育会系の男性教員の割合をふやすことができれば、本県の男子児童の体力の低さの向上も含めて効果があるかと思います。しかし、教員志望は女性のほうが多いため、採用も女性が多いのは自然なことかと思います。しかし、全体の役割を考えますと、もっと男性が多くてもいいかと思います。  そこで、県内の男子高校生に教員を勧める取り組みも必要かと思います。即効薬といたしましては、体育会系の中学教員を小学校にもっと送る人事交流もすべきかと思います。私は、小学校においては男性的な父性というものが少し欠けているのではないかと思います。ですので、教育委員会におかれましては、教員配置をめぐってどういったものがいいのか、これからよくよく検討していただきまして、本県の子供たちの将来のためにも、すばらしい教育の環境を整えていただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○五十嵐清 議長 この際、15分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。     午前11時 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎篠﨑和男 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は42名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――     午前11時15分 開議 ○阿部寿一 副議長 議長の都合によりまして、私が議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。  ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) 発言通告に従いまして質問してまいります。  まず初めに、子供・若者育成支援について、3つの観点から質問いたします。  最初に、若年女性の被害防止支援について県民生活部長に質問いたします。昨年10月に発覚した神奈川県座間市で男女9人の遺体が見つかった悲惨な事件は、まだ記憶に新しいかと思います。犯人は、自殺サイトを利用して広範囲にわたる地方の若い女性を巧妙に引きつけ、犯行に及びました。事件の内容が明らかになるにつれ、その異常さ、残酷さには目に余るものがあります。  県内でも、少女や女性たちがさまざまな被害に遭っています。新聞の報道を見ますと、12歳、16歳、20歳の少女、女性が暴力にさらされています。SNSで知り合い、呼び出され、暴行される事件が多く、報道記事では、みだらな行為、わいせつ目的誘拐、児童買春という文言で書かれています。見落としそうな小さな記事ですが、決して小さな事件で片づけられない内容です。  4月は、AV出演強要・JKビジネス等被害防止月間でした。一見すると問題なさそうなアルバイトに見える場合でも、女子高校生が客から児童買春やストーカー等の被害に遭うケースも発生しています。未熟な子供、弱い立場の少女を商品化して成り立つビジネスです。大人たちが少女たちに行っている重篤な人権侵害です。たとえ被害を受けたとしても、事件にならない限り表には出てきませんから、報道された事例は氷山の一角と言えます。自分が悪いという自己責任から助けてとなかなか言えなかったり、大人はわかってくれないなど、なかなか相談窓口にはたどり着けません。本県でも、ことし3月の時点で、配偶者暴力相談支援センターに寄せられた若年女性からのAV出演強要、JKビジネス等の被害相談はないということでした。  国においては、今年度、厚生労働省の新規事業として、若年被害女性等支援モデル事業を予定しています。この事業は、若年被害女性等に対して公的機関や施設へのつなぎを含めたアプローチを行う仕組みをつくるため、国が10分の10の補助率で都道府県、市、特別区を実施主体として行うモデル事業です。私は、最近の若年女性を取り巻く社会状況が著しく変化していることや、被害に遭った女性や少女たちが悩み苦しんでいること、またこの後の人生においてこのことを引きずっていくこと、さらには顕在化していないことを踏まえますと、早急な対策が必要と考えます。  そこで、県においては、若年女性を取り巻く社会状況を見据え、これまで以上に警察や相談支援機関を初め関係機関・団体などと連携を強化し、若年女性のJKビジネス等被害防止の支援に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、県民生活部長の所見を伺います。 ○阿部寿一 副議長 石﨑金市県民生活部長。    (石﨑金市県民生活部長登壇) ◎石﨑金市 県民生活部長 ただいまの山田議員のご質問にお答えいたします。AV出演強要、JKビジネス等の若年女性に対する性的暴力に係る問題は、被害者の心身に深い傷を残しかねない重大な人権侵害であり、国は被害の防止と根絶に向け、関係省庁が一体となって取り組みを強化しております。これを受け、県におきましては、AV出演強要・JKビジネス等被害防止月間を中心に、リーフレットの配布や各種広報媒体を活用した意識啓発に努めますとともに、高等学校などでの出前講座にも取り組んでいるところです。さらに、各種相談機関が相談を必要とする人たちに十分利用されるよう、市町、民間団体、関係機関と連携して、情報交換や相談窓口の周知、相談しやすい環境の整備にも力を入れてまいります。  今後とも、モデル事業を含む国の対策と呼応しながら、若年女性の被害防止と被害者への支援に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。 ○阿部寿一 副議長 山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) ただいまモデル事業と呼応する形で、この問題についても積極的に取り組んでいくという答弁をいただきました。  要望いたします。中高生世代を中心とする少女を支える活動をしている民間団体には、全国から多くの相談が寄せられているということです。栃木県も漏れなく相談があるそうです。決して大都市の問題だけではなくて、これは本当に全国的な問題だと思います。家出などの渦中にある少女たちは、公的支援を受けることが非常に高いハードルになっております。しかし、一緒に問題を整理してくれる人、そういう関係性を持ったり、そういう体験をすることで、初めて自分の今置かれている状況を整理することができるのだと思います。性暴力や虐待など、そういうことに関する知識や青少年への理解が非常に重要だと思います。  そして、少女たちが必要としている距離感をしっかり持った支援というのがこれからは必要だと思います。少女たちが買春者に対してついていく以外の選択肢として、公的な機関、とちぎ男女共同参画センターであり、そして支援の充実してきたとちエールであり、また民間団体、警察などが相談の窓口となるような体制をしっかりと整えていっていただきたいと思います。DV支援もそうですし、そういったことが後手後手にならないように、先に先にという形を見据えてやっていっていただきたいと思います。  それでは、次の質問に入ります。ひきこもり等の子供若者支援について、保健福祉部長に質問いたします。ひきこもりやニートなど若者の自立をめぐる問題の深刻化や、いじめ、不登校、少年による重大事件、有害情報の氾濫などを背景に、子供や若者をめぐる状況は厳しい状況が続いています。こうした中、従来の個別分野における縦割り的な対応では既に限界があることから、総合的な支援を効果的に円滑にするという目的で、平成22年に子ども・若者育成支援推進法が施行されました。本県においては、平成26年10月に栃木県子ども若者・ひきこもり総合相談センター(ポラリス☆とちぎ)を開設し、また、関係機関により構成される栃木県子ども・若者支援地域協議会を設置いたしました。  平成29年版内閣府の子供・若者白書を見ますと、15歳から39歳の若年無業者は、平成28年は約77万人、そのうち15歳から19歳は9万人、20歳から29歳は30万人、30歳から39歳は38万人となっており、さらに15歳から39歳までの広義のひきこもりの推計人数は、平成27年12月の調査では全国で54.1万人ということです。とちぎ青少年プランによりますと、平成24年までの本県における若年無業者―ニートと言われますが、1万800人とされています。  栃木県子ども若者・ひきこもり総合相談センター(ポラリス☆とちぎ)の状況を見てみますと、当センターは7人体制で相談に対応しています。平成29年度の相談件数は4,791件で、電話や来所相談が多く、また訪問支援、いわゆるアウトリーチは年々増加しています。アウトリーチは、本人ばかりでなく、本人を取り巻く家庭環境も見えてくることで支援の方法が明確になるため、大変効果的な手法だと考えます。  ポラリス☆とちぎでは、平成26年度からひきこもりの方々を支援機関につなぐボランティアのひきこもりサポーターを養成、登録し、登録した方の住んでいる各市町がサポーターの派遣を行っています。現在、6市町が要綱を策定しておりますが、派遣件数は20件ということで、市町の本事業への取り組みを一層促進することが必要だと考えます。  また、現在の登録者は73名で、保健師や社会福祉協議会の職員の方などが多く、本来の業務との関係で時間的な制約があり、十分な活動ができないことも考えられるのではないかと思います。一般の方のサポーター登録をさらに推進することなどの取り組みが必要ではないかと考えます。  そこで、県においては、ポラリス☆とちぎが足かけ5年目を迎えた中、このセンターを拠点として、ひきこもりなど子供・若者支援により積極的に取り組むべきと考えますが、保健福祉部長に所見を伺います。 ○阿部寿一 副議長 山本圭子保健福祉部長。    (山本圭子保健福祉部長登壇) ◎山本圭子 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。子供・若者支援を一層推進するためには、全県的な拠点である栃木県子ども若者・ひきこもり総合相談センター(ポラリス☆とちぎ)における相談支援に加え、より身近な地域における相談支援体制の充実や、関係機関との連携強化が必要であります。このため、市町による相談窓口の整備や地域でのネットワークづくりを働きかけるとともに、引き続き訪問支援等を行うひきこもりサポーターを養成し、市町における活用を促してまいります。また、栃木県子ども・若者支援地域協議会を活用し、教育や福祉、医療、雇用等の専門機関とのさらなる連携を図っていきます。  今後とも、市町や関係機関と連携し、子供、若者に対する総合的かつきめ細やかな支援に努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) 今きめ細かな支援をという答弁でございました。再質問いたします。ひきこもりというのは、平成27年の生活困窮者自立支援制度によって、中間就労であるとか、学習支援というか、そういった支援をすることによってひきこもりという現象が見えてきたのだと思います。その生活困窮者自立支援制度の中には、日常生活における自立支援も含めるということになっておりますので、ひきこもりがクローズアップされてきたのだと思います。そして、ポラリス☆とちぎへの相談は、現在は30代から40代ぐらいが上限とおっしゃっていました。  先ほど申し上げたように、若年無業者が年が上がるに従って人数が多くなってきているということは、ひきこもりの方もどんどん長く引きこもって人数も多くなってきている、本当に大きな問題だと思います。8050問題もそうですし、あとは50代の1人で住んでいる方、そういうひきこもりも本当に問題になってくると思います。このまま年齢を重ねていくと、50代になってしまうと就労も非常に難しくなってきます。そうしますと、結局は生活保護ということも考えなければならなくなってくると思うのです。そうすると、そこまで行かないうちのポラリス☆とちぎの支援というのは非常に重要だと思います。  そうしますと、ひきこもりサポーターというのは、市町に住んでいる方が市町の実施要綱に従って派遣されるということなのですけれども、また、そのほかに各市町の相談窓口はありますけれども、やっぱりアウトリーチというのは非常に重要だと思います。そうすると、制度があっても行けないというのはもったいないと思うのです。各市町がどうしてつくらないのかと思うのですが、そういったことに関しては、県としてはもう少し積極的なプッシュが必要ではないかと思うのです。連携ということはよくわかるのですが、どんなことがネックになっていて、それをどういうふうにふやしていくのかということについて、県としてはどんなことができるか、保健福祉部長にお伺いしたいと思います。 ○阿部寿一 副議長 山本圭子保健福祉部長。 ◎山本圭子 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。ひきこもりの支援となりますと、少し専門的な支援が必要になる、そして息の長い支援が必要になるということで、なかなか市町としては取り組みにくいところでハードルになっているのだと思われます。まだひきこもりサポーターを登録していない市町も3市町ございまして、22の市町では登録まではしているのですが、そのうち6市町しかまだ要綱を制定していないということで、どのように派遣して、どのように使うかというところがまだ見きわめられていないということだと思います。  県としても、今年度からはひきこもり支援に携わる人材の養成を進めて、さらに強化していくということで、市町に対する研修、またひきこもりサポーターの養成についても、引き続き充実させながら取り組んでまいりたいと思います。 ○阿部寿一 副議長 山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) わかりました。やはり養成と派遣ということがこれから大きな課題になってくるかと思いますけれども、1回1回経験を増すごとに相談の質も上がってきます。ですから、このアウトリーチということにもう少し県も各市町も取り組んでいただければと思います。今後、期待いたしますので、よろしくお願いいたします。  それでは、次に、少年サポートセンターの活動の充実について、警察本部長に質問いたします。本県の平成29年の性犯罪等の福祉犯検挙件数は113件102人で、前年比ではマイナス23件、人数的にはマイナス14人となりました。また、被害児童については前年比マイナス19人の118人、このうち女子は前年比マイナス7人の80人となっています。最近の傾向としては、スマートフォンの普及により、インターネットの利用に起因する性犯罪等の福祉犯がふえているということです。また、本県の刑法犯少年数は減少傾向にあるものの、再犯者率は増加しており、平成29年度においては全国平均の再犯者率を上回る状況となっています。  非行少年の背景には、学校にも家庭にも居場所がなく、縁やつながりを失い孤立していたり、自尊感情の低さなどさまざまな問題があると言われています。インターネットの中で誰かとつながり、親近感を持ち、心のよりどころになるのではないでしょうか。  現在、全国の都道府県警察には少年サポートセンターが設置されていますが、本県の少年サポートセンターは、警察本部生活安全部少年課内に設置されており、少年問題に関する専門的な知識及び技能を有する少年補導職員等を中心に、学校、その他の関係機関・団体と連携しながら、少年相談活動、街頭補導活動、立ち直りの支援活動、被害少年への支援活動、広報啓発活動など総合的な非行防止対策を行っています。また、学校の放課後の教室や少年等が行き交う商店街等に出張少年相談室を設けるなど、少年等が気軽に立ち寄り、相談できるような環境づくりにも取り組んでいます。  少年サポートセンターの業務を担う警察官や少年補導職員、少年相談専門職員、被害少年カウンセリングアドバイザーの方々については、少年が立ち直るための選択肢や問題を解決するための方法、またこれから生きていくための選択肢をどれだけ提供できるかが求められていると考えます。そうしたことが犯罪の未然防止や早期発見等につながるからです。  そこで、本県の少年サポートセンターの活動のさらなる充実に向け、センター担当職員等の資質の向上をどのように進めていくお考えか、警察本部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 坂口拓也警察本部長。    (坂口拓也警察本部長登壇) ◎坂口拓也 警察本部長 ただいまのご質問にお答えいたします。少年サポートセンターは、厳しくも温かい目で少年を見守る社会機運を向上させ、非行少年を生まない社会づくりを推進するための活動をしております。主な活動としては、被害少年を支援するヤングテレホンや出張少年相談室「あしたルーム」での少年相談、犯罪少年の再犯防止を目的とする農業体験等を通じた少年の居場所づくり活動、SNSやJKビジネスの危険性を理解させる非行防止教室等、総合的な非行防止対策を推進しております。  また、少年が抱える心の問題にしっかりと対応するため、少年と直接対話する警察官や少年補導職員等が、大学教授である被害少年カウンセリングアドバイザーによる研修会やNPO法人等の主催するカウンセリング講座を受講し、少年の悩みに適切に対応するためのスキルアップに努めております。  県警察といたしましては、今後とも関係機関・団体との連携を図り、少年に寄り添ったきめ細かい活動の充実に努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) 今の答弁で、少年へのサポートはよくわかりました。今、警察本部長の厳しくも温かくというその言葉が非常に心に響きました。  要望いたします。佐賀県の少年サポートセンターの方のお話ですけれども、当初、非行少年の取り調べの際に、どうしても上から目線で、聞きたいことだけを聞いていたと。一方的に聞いていたけれども、少年の言い分や胸のもやもや感を知ろうとしなかった。だけれども、少年たちの検挙や補導だけではなくて、本当に自分の話を聞いてほしいという心の叫びを感じたというお話を聞きました。今の警察本部長の言葉も、厳しくも温かいというのはそういうことだと思うのです。少年たちは将来があります。そういった中で、信頼される大人の中で支えられるということが本当にこれから必要だと思います。  先ほど再犯者率が全国よりも高いと言いましたけれども、それは検挙数が少なくなっている中でのものですから、全体的には下がっているのですけれども、比率としては高いということだったので、決して多くなったということではないということを言っておきたいと思います。ですから、本当に信頼の置ける大人の中での支えというのが少年にとっては非常に心の支えになるかと思います。これからもそういったことを踏まえまして、少年サポートに携わっていってほしいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、ケアラーへの支援について、保健福祉部長に質問いたします。総務省の人口推計によりますと、75歳以上の高齢者は、平成28年10月現在1,691万人となっており、団塊の世代が75歳以上となる平成37年には2,000万人以上となることが予測されています。このうち、在宅介護を必要とする人は約463万人と見込まれています。平成28年の国民生活基礎調査では、在宅の要介護者の7割を家族が介護しています。配偶者が4分の1、子供が5分の1を占めています。今後はさらに家族の介護力が重要になってくるものと予想されます。
     しかし、一方で、介護に関しては、現在、要介護状態の高齢者の親と無職独身の50代の子が同居する、いわゆる8050問題や介護と育児に同時に直面するダブルケア、18歳以下の子供が家族のケアを担わざるを得ないケースなどさまざまな課題があります。介護力不足や介護疲れなどの問題を多く抱えているのが現状です。要介護者の支援体制の整備とともに、介護者への支援も同時に行っていかなければ、これからの在宅での介護は立ち行かなくなってきます。  ケアを必要としている家族をケアしている人のことをケアラーと呼びます。要介護高齢者や身体的、知的、精神的などの障害者の介護、難病などの看病、病児や障害児の療育、依存症やひきこもりなどの家族の世話や気遣い、仕事と両立するために遠くに住む高齢の親のもとに頻繁に通う遠距離介護などさまざまなケア役割を担っている人たちです。当然、家族のケアですから、無償です。  平成28年、日本福祉大学の湯原悦子氏の調査では、平成27年のケアラーによる殺人や心中が43件、ケアマネジャーの全国調査でも、介護殺人、心中危惧の心配が55%と家族の疲労を懸念しているという結果があります。親族を介護するヤングケアラーと称される若者の中には、心身の健康、生活に影響を受け、将来の選択も大きく変わってしまうこともあります。 また、育児と介護など複数のケアをしているダブルケアラー、仕事との両立が難しく、介護のためにやめたくなかった仕事をやめざるを得なくなった介護離職者もいます。  平成26年、日本労働組合総連合会の調査を見ますと、ケアラーがストレスを感じているのは80%、要介護者に憎しみを感じている35.5%、世話の放棄、暴力、暴言など虐待したことがある12.3%、認知症の場合はさらに高く26.9%となっています。虐待の多くは、誰にも相談できず、1人での孤立介護となっています。ケアラーには、身体的、精神的、さらに経済的にも負担が重くのしかかっています。2025年問題を抱える平成37年までに、ケアラーも当然にふえていくものと予想されます。このため、在宅での介護を担う上で中心的な役割を果たしているケアラーの心身の健康づくりと孤立解消が急務と考えます。  そこで、県においては、要介護者の支援に加えて、新たにケアラー、すなわち介護者の支援という視点を重視した対策を講じていく必要があると考えますが、保健福祉部長の所見を伺います。 ○阿部寿一 副議長 山本圭子保健福祉部長。    (山本圭子保健福祉部長登壇) ◎山本圭子 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。少子化、核家族化等により家庭の介護力が低下している中、介護を必要とする方や家族の視点を重視しながら、在宅での療養生活を社会全体で支える仕組みづくりがますます重要になっております。県では、訪問介護や通所介護、短期入所サービス等の基盤整備のほか、認知症や障害等についての相談支援、家族交流会の実施等を通じて、介護する家族の負担軽減や孤立防止等にも努めてまいりました。  さらに、今年度から医療的ケア児を介護する家族の負担軽減を図るため、短期入所事業所における児童等の受け入れ促進に向けた助成を行うことといたしました。また、介護する家族の負担軽減には、住民同士の支え合いや勤務先等の介護に対する理解も不可欠であり、市町や関係機関と連携し、社会全体で支える機運の醸成に努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) 今の保健福祉部長からの答弁におきまして、従来の福祉サービスの中から、またさらに充実を図っているということでございました。しかし、ケアラーというのはSOSがなかなか出しにくい、いろいろなところに行っても自分がそうだとなかなか言いにくい、そういうことがあります。また、目の前の介護に追われる日々、そういったことで、本当に疲弊しているということでございます。  そこで再質問します。今回、私は若者というところに視点を当てまして、ヤングケアラーというところから再質問させていただきたいと思います。特にヤングケアラーは、自分のやりたいことが時間的にとれないという形で、進学であるとか、就職であるとか、結婚であるとか、長い期間のケアをすることになると、自分の将来が計画できないという問題も出てくるかと思います。本当にこれも深刻な問題だと思います。  以前、私は、祖母と中学生の弟と3人暮らしの高校生から、自分が学校をやめて働かないと弟を高校に上げることができないという相談がありました。NPOに相談があったのですけれども、その高校生はやはりフードバンクでの食料支援も必要としていました。本当にそこには生活困窮というところもありますし、ヤングケアラー、家族のケアというのもあります。また、2016年大阪府の高校生5,200人の実態調査では、20人に1人がヤングケアラーという結果になったということでございます。  本県でも実態調査が今後必要になってくるのではないかと思いますが、保健福祉部長に所見を伺います。 ○阿部寿一 副議長 山本圭子保健福祉部長。 ◎山本圭子 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。国の国民生活基礎調査においては、要介護者等を介護する同居の主な介護者の性、年齢、階級を見ますと、20歳未満は1.8%ということでございました。一番多い年代層といたしましては、60歳から69歳、70歳から79歳ということではございますが、今後の人口構造の変化の中で、働きながら介護するダブルケアというのは重要な問題になってくるかと思います。  これらの方々が孤立しない、そして生活困窮に陥らないということで、生活困窮者支援の制度でありますとか、あと地域共生社会づくりというところとうまく連携しながら、地域で支え合う仕組みづくりに努めてまいりたいと思います。 ○阿部寿一 副議長 山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) やはり地域で支え合える仕組みというのが本当に一番かと思います。そのことはよくわかりますので、地域包括ケアとか、そういったところでのシステムをしっかりとそれぞれがその地域で構築していかなければならない、それぞれがやっていくということが必要だと思います。  それとあと1つ、教育長に再質問いたしますが、数は少なくても、高校生、中学生が実際のヤングケアラーという形で、介護とか、そういうこともありますけれども、家族の感情面であるとか、気遣いとか、そういうことも、高校生あたりになると、家族を思ったり、どうしてあげたらいいかなということを非常に感じている高校生もいるのではないかと思うのです。そういった形で、例えば高校中退になってしまうであるとか、不登校になってしまうであるとか、そういったこともあると思いますが、教育委員会としては、生活の困窮ということも含め、ヤングケアラーについて、教育長はどのような所見をお持ちでしょうか。 ○阿部寿一 副議長 宇田貞夫教育長。 ◎宇田貞夫 教育長 再質問にお答えいたします。先ほど来お話にございますように、高校生、中学生の年代は、なかなか外に相談できない気持ちというのがあると思います。各学校では、そういう状況の中で欠席がふえてしまったり、あるいは進路を決めるという段階になっても、何か悩んでいる様子があったりという場合には、学校は必ずと言っていいほど家庭訪問をして生徒の家庭状況も含めた形で把握しているということになります。その場合に、家庭を訪問すれば様子がわかりますので、もし介護等が原因になっているという場合には、保護者と十分に相談した上でですけれども、必要に応じてやはり福祉の関係機関等と連携して対応するということになっております。  教育委員会としては、スクールソーシャルワーカーがおりますので、こういった事態があるときには派遣し、やっぱり学びたいという子供にはしっかりと学ばせたいと思いますので、そういう環境の確保に努めてまいりたいと考えています。 ○阿部寿一 副議長 山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) わかりました。それでは1点要望させていただきます。ヤングケアラーの問題というのは、貧困にも直結していると思います。昨年度も子供の貧困の調査ということで、まだまだ検討中という回答でございましたけれども、宇都宮市、小山市が今年度、単独で子供の貧困を調査するという情報も聞いておりますが、本来であればやはり県全体での貧困の調査というのが必要だと思うのです。そのときにもヤングケアラーもあわせて、生活環境という形で調査をしていただければ、いろいろな面でどういう状況か県の状況がわかると思いますので、こういったことも考慮に入れてやっていただきたいと要望させていただきたいと思います。  次に、環境に配慮した農業の推進について、農政部長に質問いたします。ことしも県庁の本町合同ビルの屋上では、ミツバチの巣箱を設置してミツバチを飼育し、トチノキの花から蜂蜜を採取する取り組みが始まりました。この活動を行っている県養蜂組合の方からは、地球温暖化や農薬等の影響もあってか、年々ミツバチにとって生きにくい環境になっている。人とミツバチが共存できるよう、行政や県民に協力してもらいたいとのコメントがありました。  宇都宮市のろまんちっく村でミツバチを飼育している団体の方からは、最近は100箱中1割の飼育箱のミツバチしか残っていないというお話も聞きました。「ミツバチがいなくなったら人類は4年しか生きられない」、かの有名なアインシュタイン博士の言葉です。ミツバチがいなくなることで失うものは蜂蜜だけではありません。私たちが食べているイチゴや梨など、ミツバチがいるからこその恵みです。ミツバチが花粉媒介者の役割を果たしてくれていることにもよるものです。  2000年代に入りますと、世界中でミツバチの大量死が報告されるようになりました。日本でも例外ではなく、2008年に北海道で、2009年に長崎県でミツバチの大量死が問題になりました。農林水産省では、2016年7月、蜜蜂被害事例調査報告書において、水稲のカメムシ防除に使用したネオニコチノイド系農薬を含む殺虫剤にミツバチが直接暴露したことが原因である可能性が高いと考えられるとしています。現在、水稲や野菜、果物のみならず、松枯れ防除、ガーデニング、建材の防腐剤、家庭用殺虫剤、ペットのノミ取り剤などさまざまな用途に広く使用されています。  また、ネオニコチノイド系農薬は、ミツバチばかりでなく、他の昆虫や生態系への影響が懸念されております。兵庫県豊岡市のコウノトリや佐渡のトキが絶滅を乗り越えて復活しつつあるのも、ネオニコチノイド系農薬の不使用を決めた結果という指摘もあります。さらに、人への健康被害についても、疫学に基づいて健康被害の因果関係を研究している医学者や有機農業に携わっている方々は非常に危惧しております。EUでは、2013年12月から3種のネオニコチノイド系農薬はミツバチに重大な影響を及ぼすことが指摘され、暫定的使用中止としておりましたが、今後、屋外使用全面禁止の措置案を採択予定と聞いております。しかし、日本ではいまだに規制の始まらない状況です。  近年、農薬や化学肥料を使わない有機農産物への注目も高まってきており、このような農産物を求める消費者もふえています。環境への負荷が少ない農業を進めていくことが、子供たちの健康を守るために、そして農業を未来へ引き継いでいくために大変重要だと考えています。農薬は農業者だけではなく、家庭菜園を楽しむ一般住宅地などでも使用される場面もあります。農薬使用の危険性や注意事項を農業者だけでなく、一般の生活者にもしっかりと啓発していくことも必要だと思います。  本県は、とちぎ農業“進化”躍動プランの中で、環境に配慮した農業生産活動による豊かな生態系の保全を図ることとし、減農薬、減化学肥料栽培や有機農業などを振興していくとしています。  そこで、農薬の危険性や使用上の注意などの幅広い啓発も含めて、化学的に合成された農薬や肥料の使用を低減するなど環境に配慮した農業を積極的に進めていくべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 渡邉和明農政部長。    (渡邉和明農政部長登壇) ◎渡邉和明 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、環境に配慮した農業を推進するため、エコ農業とちぎを重点施策に位置づけ、化学農薬や化学肥料の使用量低減、堆肥利用やカバークロップによる温室効果ガスの発生抑制、生産履歴の記帳等による安全・安心の確保などに取り組んでまいりました。  その結果、環境保全に効果の高い営農活動に対して交付される環境保全型農業直接支払いの対象面積は年々増加しておりまして、3,000ヘクタールを超えるようになっております。また、県内の農薬購入量についてもこの10年間で1割以上減少するなど一定の成果を上げているものと考えております。  今後は、さらに、天敵や防虫ネットの利用など、化学農薬だけに頼らない総合的な防除、IPMと呼んでおりますけれども、このIPMの実践技術の確立に取り組みますとともに、農薬の適正使用や住宅への飛散防止等の徹底を図る運動の展開、生産者と消費者との相互理解を深めるオーガニックフェスタの開催などを進め、環境に配慮した農業の一層の推進に努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) ただいまの農政部長からの答弁で県の方針はよくわかりました。  1つ再質問させていただきます。先日、群馬県渋川市の独自農法、渋川市選別農薬農法「しぶせん」を会派視察してまいりました。環境や健康などへの影響が懸念されているネオニコチノイド系農薬や有機リン系農薬を使用しない実証実験を実施し、平成26年から全国初の行政による認証制度「しぶせん」を設けました。「しぶせん」のシールを張ったものが道の駅に並んでおりますし、学校給食の食材という形で提供されているようでございます。やはりこの認証制度を取り入れるには非常にいろいろな壁もあったそうですけれども、地方の自治体がこういうことをやることによって、世論の高まりに非常に期待を持っているということもありました。  また、兵庫県豊岡市でも、コウノトリを育むお米がグローバルGAPを取得したり、またそこでコウノトリを育む大豆「あやこがね」は平成28年、農林水産大臣賞を受賞し、慣行栽培の2倍の価格で販売し、高付加価値化を図っているということも報道されております。また、千葉県いすみ市でも有機米「いすみっこ」を学校給食に提供したり、栃木県小山市でも「ふゆみずたんぼ米」を学校給食や酒米に、そして道の駅や生協で販売しているということでございます。また、トキの絶滅を乗り越えた佐渡では「朱鷺と暮らす郷認証米」、これはコシヒカリをブランド化して、やはり好評な状況だということでございます。これらは全て生物多様性を重視した米づくりを目的としているということでございます。  先ほど農政部長がIPM―総合的病害虫管理に重点を置いてということをおっしゃっておりました。また、それにプラス今度は農産物の安全・安心を生き物から見直す総合的生物多様性管理ということでIBMということもあるそうですけれども、それも含めた形で、やはり県としてもそれを進めていっていただきたいと思うのですが、そのことについて農政部長に再質問いたします。 ○阿部寿一 副議長 渡邉和明農政部長。 ◎渡邉和明 農政部長 再質問にお答えいたします。化学農薬といいますのは農薬取締法でその安全性とかを確認されたもの、そういう条件をクリアしたものが登録されているということで、農業生産に役立っているわけですけれども、ただ、化学合成農薬をできるだけ減らしたいというのは、消費者だけではなくて生産者も同じであると考えております。  最近、オリンピック・パラリンピックの調達基準に取り上げられておりますGAPですけれども、GAPの中でも、食品の安全とその使用者の安全、それから環境保全、こういうものを推進するということで目標を掲げております。県としては、今答弁で申し上げましたけれども、IPM、それから議員からIBMというお考えも話が出ましたけれども、化学農薬だけに頼らない総合的な病害虫管理とか、雑草の防除とか、そういうことを進めていかなければいけないと考えております。  ちょうどきょうから8月末までが農薬危害防止運動の集中期間となってございます。この中でこのIPM、それから今おっしゃったような話も含めまして、農薬に頼らない農業のあり方というのを進めていきたいと思っておりますし、議員のお話にありましたように、農薬を使うのは農業者だけではありませんので、一般の方もいろいろな場面で使うということがありますので、今後、ホームセンターとか自治会の協力も得まして、広くそうした考え方を普及させまして、減農薬を推進して、エコ農業とちぎを広げていきたいと思っております。 ○阿部寿一 副議長 山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) 今の答弁はわかりました。確かに急激な無農薬という部分は難しいのはわかりますし、慣行栽培ということで、今までやってきた中で稼げる農業という大きな目的もあります。ただ、減農薬から無農薬という形も、やはりスピード感を持った対応というのが必要になってくるのではないかと考えるところでございます。  これは要望なのですけれども、5月26日にネオニコチノイドのテレビ報道がありまして、その中でミツバチの大量死によって養蜂業者が非常に大変な思いをしているということと、あと斑点米により米の等級が落ちるため、そこで農薬を使いたくなくても使わなければならないというような農業者の苦悩も報道されておりました。ですから、必要以上の農薬というのはやはりやめていただかなければいけないということも実感しました。  あとは一般住宅の使用です。これは県のほうでチラシをつくっているはずだと思います。私もそれは見ておりました。自治会経由で回すということなのですが、ただ、あの回し方だと、わかっている人はいいけれども、本当にさらっといってしまって、そんなのはないよという方がほとんどなのです。ですから、もう少し啓発する方法というものも、せっかくいいものをつくっているわけですから、これからそういったところもやっていっていただきたいと要望させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、最後の質問に入ります。教育機会確保法に基づく不登校対策について、教育長に質問いたします。学校現場で深刻な状況が続いている問題の一つに不登校があります。本県では、病気と経済的な理由を除いて、年間30日以上学校を欠席した公立学校における平成28年度の不登校の児童生徒は、小学生506人、中学生1,884人、高校生603人となっています。中でも90日以上と長期間学校を休んでいる児童生徒は1,434人もいます。不登校対策として適応指導教室を中心として学校復帰に向けての段階的な支援を実施しています。  平成28年度は、文部科学省の教育支援センター等の設置促進支援事業を受託し、研究を実施いたしました。平成28年12月に不登校の子供たちの教育機会の確保と夜間中学の就学機会の提供を主な目的とした教育機会確保法が成立いたしました。これまでの不登校対策は、子供たちの学校復帰が大前提とされてきました。教育機会確保法は、学校での教育が大きな柱であることは間違いありませんが、無理して学校に通っている子供、行けなくなってしまった子供が安心して学べる多様な環境、学校以外の学びの場の提供と学校を休んでもいいという休養を認めたことです。しかし、学校に通っていないというプレッシャーは拭い切れないものがありますが、本人、家族、学校がいろいろな選択肢があるということを認めることで、自分を追い詰めることも少なくなり、励まされていくような改革になっていくものだと思います。  そこで、本県は、平成29年度、文部科学省の学校以外の場における教育機会の確保等に関する調査研究を実施しました。教職員の対応だけでは限界もあることから、スクールソーシャルワーカーとの連携によって、家庭訪問、アウトリーチにより養育の問題、家庭の経済的困窮、本人の情緒的混乱、発達障害等福祉面からの段階的な支援を加えていくことで、学校復帰に向けた成果が見えたとされています。  また、15年前から独自に表面的な学校復帰を目的としない運営を行っている高根沢町営のフリースペースひよこの家では、不登校児童生徒の社会復帰を目指した体験活動で心的エネルギーを充実させています。これは安心して自分を取り戻した子供たちが、結果的に学校に戻っているという本当にすばらしい先駆的な取り組みです。  そこで、以前の質問でもいたしましたけれども、現在、県では10名のスクールソーシャルワーカーとスーパーバイザー1名がいらっしゃいます。まず、その増員計画について伺います。  また、既にアウトリーチを初め、学校復帰支援の実績を持つ民間団体や、適応指導教室にも行けない不登校の子供たちが通うフリースクールもあります。そうした民間団体等との相互理解と連携についてどのように考えているのか伺います。  さらに、教育機会確保法では、文部科学省は各都道府県に夜間中学を最低1校設置することを目指すという方針を掲げています。現在、中学校に在籍する不登校の生徒の受け入れも可能ということなので、それを踏まえれば、本県でも潜在的な需要はあるのではないでしょうか。夜間中学の設置についてもあわせて教育長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 宇田貞夫教育長。    (宇田貞夫教育長登壇) ◎宇田貞夫 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。不登校児童生徒に対しましては、みずからの進路を主体的に考え、社会的自立に向かうよう適切な支援や援助を行う必要があります。中でも、学校以外の場で学ぶ児童生徒につきましては、県教育委員会では、これまでの調査研究成果を各学校に周知してきており、各学校におきましては、当該児童生徒の状況把握に努めているところであります。民間団体等との連携につきましては、引き続き研究してまいりたいと考えております。  スクールソーシャルワーカーにつきましては、平成20年度の3名から段階的に増員させ、現在11名を配置し、関係機関との連携を深めてきたところであります。今後もその状況を勘案し、配置や活用計画について検討してまいります。  また、夜間中学につきましては、県内のニーズを情報収集するなどして、その必要性を研究してまいります。  今後とも児童生徒が安心して教育を受けられるよう、市町教育委員会等と連携し、教育環境の整備に努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) フリースクールに関してはこれから研究をということでございますけれども、フリースクールはいろいろな成り立ちで今各地にあるかと思います。高校受験資格の取れるようなところもありますし、まずはそこに来てその時間を過ごしながら、どう生きていくかといったさまざまなフリースクールがあると思いますが、そういったところとの定期的な交流などを考えるということはないでしょうか。教育長に再質問いたします。 ○阿部寿一 副議長 宇田貞夫教育長。 ◎宇田貞夫 教育長 ただいまの再質問にお答えします。議員ご指摘のとおり、フリースクール、民間団体等につきましては、それこそ千差万別と言っていいほどいろんな形態、いろんな運営がございます。それらについて、私どものほうではしっかりと捉えておりませんので、今後、やはり調査研究する中で考えていきたいと思っています。 ○阿部寿一 副議長 山田みやこ議員。    (26番 山田みやこ議員登壇) ◆26番(山田みやこ議員) 確かに把握はしていないということなのですが、学校以外の学びの場というものは、適応指導教室でもあり、またフリースクールでもあるという選択肢だと思うのです。学校以外の学びの場の設定という新しいことが法律でできたわけですから、やっぱりそこに目を向けることも必要かと思います。そういったことで、もう時間がないので、要望とさせていただきますけれども、やっぱり県教育委員会のほうから、さまざまな差があったとしても、フリースクールという存在に対してもっともっと積極的な意見交換なり、相互理解というものも必要になってくると思うのです。それによってフリースクールのレベルが上がってくるということもありますし、学校以外の学びの場、そこにしか行けない子供たちを救うということでございますので、考え方の転換というのは難しいかもしれませんが、そういったところへの重点的な支援もお願いしたいと思います。  あと1つ要望ですけれども、ひよこの家は非常に画期的で、高橋前高根沢町長が気合いを入れて15年前にやったということで、私もその経過の話をよく聞きました。町営ということで、町の教育委員会の方も本当に頑張ってつくったものでございます。そういったひよこの家のようなタイプの学校以外の学びの場、フリースペースと言いますけれども、そういったものもふやしていくことも方針として掲げていただきたい、そんな思いがございます。  ひよこの家は本当に学校復帰を前提としない。だけれども、体験活動しながら、自分の思いをしっかりと持ちながら、心のエネルギーを高めて、自分を自分としてという教育方針だということでございますので、非常に異色ですけれども、この法律ができる前から実践してきたところでございますので、そういったフリースペースなどもふやしていくこともこれからは望まれるのではないかと思いますので、ぜひともそういったことをお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  以上をもちまして私の質問は全て終わります。今回は、子供、若者というところに視点を置いて質問させていただきました。これからの時代を担う若者へのエールと、そして、私たち大人がしっかりと寄り添った支援をしていくということをこれからやっていかなければならないということでの質問でございました。以上をもちまして終了いたします。ありがとうございました。 ○阿部寿一 副議長 この際、休憩したいと思います。午後1時15分から再開いたします。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。     午後0時15分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎篠﨑和男 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は46名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――     午後1時14分 開議 ○阿部寿一 副議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) 本日は、県民の安全・安心を大きなテーマとして、全8項目にわたって質問してまいります。質問3日目の昼食後の時間帯、眠気を催すこの時間帯ではありますが、エネルギッシュに、パワーアップして頑張って質問してまいりたいと思っております。知事初め執行部におかれましては、県民の皆様にわかりやすく前向きな答弁をしていただきますようお願い申し上げ、早速質問に入らせていただきます。  初めに、高齢者が安心して暮らすことのできる栃木の実現を目指して、知事にお伺いいたします。日本では、戦後、第1次ベビーブームである昭和22年から昭和24年生まれの団塊の世代が全て75歳以上になり、国民の約5人に1人が後期高齢者になる、いわゆる2025年問題が7年後に迫っております。また、ことし3月に国立社会保障・人口問題研究所が日本の地域別将来推計人口を発表しました。その内容は、2045年には人口に占める65歳以上の高齢者の割合を示す高齢化率が30%を超え、本県の高齢化率は37.3%と全国平均を上回るものでありました。  超高齢社会では、社会保障費の増加はもとより、社会資本の老朽化、税収の減少に伴う行政サービスの低下等、さまざまな問題が顕在化しており、高齢者を初め県民の生活に影響が出るのではないかと危惧されております。  現役時代には働き手として日本の経済成長や地元での活動を通してとちぎづくりに貢献してきた高齢者には、これからの第二の人生においても、生きがいを持ち、栃木で暮らし、長生きしてよかったと心から思って過ごしてほしいと思います。そのためには、高齢者みずからが健康を維持すること、医療、介護、福祉などの体制が充実していることに加え、社会参加や就労機会が確保されることも重要であると考えております。  県では、とちぎ創生15(いちご)戦略において、健康長寿とちぎづくりの推進や地域包括ケアシステム構築の推進等を掲げ、各種施策に取り組んでいるところですが、今後、高齢者支援計画はつらつプラン21(七期計画)を策定し、実行していくことにしております。  そこで、高齢者が生きがいを持って安心して暮らすことのできる栃木の実現に向け、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 ○阿部寿一 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの吉羽議員のご質問にお答えいたします。超高齢社会を迎えた中、生涯にわたり健康で生き生きと暮らしていけることは、全ての県民の望みであるとともに、高齢者が支えられる側としてだけではなく、地域社会の支え手として活躍することは、高齢者自身の生きがい、健康維持、孤立防止等につながることから、高齢者の社会参加を推進することは重要であると考えております。このため、今年3月に策定しました高齢者支援計画はつらつプラン21(七期計画)では、生きがいづくりの推進を県や市町が目指すべき高齢者支援施策の柱の一つとして位置づけたところであり、とちぎ生涯現役シニア応援センター「ぷらっと」における就労やボランティアへの参加に関する相談、情報提供を行うほか、シルバー大学校による人材育成、市町と連携して地域活動を行うシニアサポーターの養成等を通じ、高齢者の多様な社会活動への参加や就業機会の確保等に取り組んでおります。  また、医療や介護が必要になった場合でも、住みなれた地域で安心して自分らしい生活を送ることができるよう、地域における切れ目のない医療と介護サービスの提供体制や地域支え合い体制の構築など、地域包括ケアシステムの一層の推進に向け、その中心となる市町を支援していくこととしております。
     今後とも、超高齢社会を明るく、活力あるものとするため、高齢者のお力もおかりしながら、誰もが生涯現役で安心して暮らせる体制づくりを進め、栃木で暮らし、長生きしてよかったと思える社会の実現を目指してまいります。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) ただいま知事から施策についての力強い答弁がありました。高齢者が住みなれた地域で安心して暮らすことのできる栃木の実現に向けた今後の取り組みに大いに期待しているところであります。  ここで保健福祉部長に再質問させていただきます。高齢者の多くは経済的にも厳しく、また健康不安も抱えております。家族、地域から孤立し、人と人とのつながりも希薄になっている社会、このような場合、精神的安らぎ、寄り添い、話し相手となるメンタルヘルスケアが必要であります。県には、このような高齢者が第二の人生において、生きがいを持ち、長生きしてよかったと心から思ってもらえる環境づくりに取り組んでほしいと思っております。  そこで、このような人と人とのつながりが希薄で孤立した高齢者支援をどのように行っていくのか、保健福祉部長に再質問いたします。 ○阿部寿一 副議長 山本圭子保健福祉部長。 ◎山本圭子 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。市町における気づきと見守りのネットワークを支援するため、県においても平成24年度から県、県警、市町、民生委員、生活関連事業者など、全県単位の協働によりましてとちまる見守りネットを実施しているところであります。また、地域の居場所づくりを促進するため、家に閉じこもりがちな高齢者などが気軽に集えるサロンの取り組み事例の情報提供なども行っているところであります。引き続き、高齢者の孤立を防止し、住民が互いに支え合う地域共生社会の実現に向けて、機運の醸成や市町支援を実施してまいります。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) 地域の支援協力というのも欠かせないと思っております。ここ数年、メディア等で高齢者関連のニュース、報道を見聞きすると、社会保障費の増大、要介護者の急増、介護士不足、さらには貧困、孤独死など暗い話題も多く、高齢者関係のさまざまな問題、課題の対策は待ったなしの状況であります。また、一方では、健康で元気な高齢者がふえ、健康寿命が延びるなど明るい話題もあり、高齢者が社会で活躍することも今まで以上に重要になっております。  日本は平均寿命が延び、人生100年時代とも言われております。高齢者支援計画はつらつプラン21(七期計画)にあるとおり、栃木で暮らし、長生きしてよかったと思える社会の実現を目指して、高齢者対策に全力で取り組んでいただくようお願いして、次の質問に入ります。  次に、県内プロスポーツチームと連携した地域活性化について、総合政策部長にお伺いいたします。本県には、栃木SC、リンク栃木ブレックス、ホッケークラブ栃木日光アイスバックス、宇都宮ブリッツェン、野球の栃木ゴールデンブレーブスなど6種目8チームのプロスポーツチームが活躍しております。昨年は、リンク栃木ブレックスがBリーグ初代年間王者に輝き、県民に感動と勇気を与えてくれました。直近では、宇都宮ブリッツェンの選手が5月、県内で行われた自転車ロードレースの国内最高峰ツアーのJプロツアー第7戦、第8戦に優勝し、地元に夢と活力を与えてくれました。  また、これらの各チームは、試合はもとより、さまざまな社会貢献活動や学校等訪問によるスポーツ指導などを行っており、本県は多くの県民がトップアスリートを身近に感じることのできる最高位のスポーツ資源を有しております。プロスポーツチームが存在するということは地域の誇り、自慢でもあります。また、その活躍は地域のイメージアップのみならず、ブランド力も高めるほか、観光交流人口の拡大などさまざまな経済効果や地域活性化にもつながるため、積極的に連携すべきと考えます。  そこで、県は重要な地域資源である県内プロスポーツチームと連携し、本県の地域活性化にどのように取り組んでいくのか、総合政策部長の所見を伺います。 ○阿部寿一 副議長 冨田哲夫総合政策部長。    (冨田哲夫総合政策部長登壇) ◎冨田哲夫 総合政策部長 ただいまのご質問にお答えいたします。栃木県は全国有数のプロスポーツ県であり、地元チームの活躍は県民に元気を与え、地域ブランド力の向上や交流人口の拡大など、地域の活性化につながるものと考えております。そのため、県では、その高い発信力や影響力を生かし、チームの協力を得て、子供の体力向上や食育推進などに取り組んでいるほか、県有施設の優先使用や県広報でのPR等を含め、県民一体となってチームを応援する機運の醸成に努めております。また、一昨年度からは自転車先進県とちぎの発信や観光誘客等を目的とし、国際大会ツール・ド・とちぎの開催も支援しているところでございます。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会やいちご一会とちぎ国体等を控え、ますます県民のスポーツ熱の高揚が期待されることから、今後とも本県の誇るプロスポーツチームと連携した取り組みを推進し、県内地域の活性化に取り組んでまいります。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) 総合政策部長からツール・ド・とちぎの開催支援やプロスポーツチームとの連携を通じて地域の活性化に努めていくとの答弁をいただきました。  ここで要望いたします。来年は日本開催のラグビーワールドカップ、再来年は東京2020オリンピック・パラリンピック、そして4年後は42年ぶりに本県で開催される国内最大のスポーツの祭典であるいちご一会とちぎ国体と第22回全国障害者スポーツ大会を控え、県民がスポーツに親しむ機運、関心は非常に高まっております。  最近、某大学スポーツのアンフェアなタックルによる非常に残念な事件が発生しました。しかし、本来スポーツは、人をつくり、人を育てるものであります。また、ルールを守り、フェアプレーのもと、最大のパフォーマンスを発揮して競い、戦うスポーツでもあります。心身ともに成長し、友情も育みます。また、競技を通じてリスペクトする心も学ぶことができます。若者のスポーツ離れが進んでいる昨今、県民にとってスポーツがより身近になる絶好の機会であり、スポーツ人口の拡大にも積極的に取り組むことを要望して、次の質問に入ります。  次に、子供の体力向上の取り組みについて、教育長にお伺いいたします。ことし2月、スポーツ庁は全国小学5年生と中学2年生の児童生徒を対象に、50メートル走、立ち幅跳び、ボール投げなど8種目を実施した平成29年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を発表しました。本県児童生徒の結果は、平成28年度の結果と比較すると、小学5年生と中学2年生の男女ともに体力合計点は向上し、これまでの体力向上の取り組みの成果が見てとれます。また、一方で、中学2年男子のボール投げが8年連続全国最下位となり、50メートル走、立ち幅跳びが小学5年生、中学2年生の男女とも全国平均を下回るなど、課題も残る結果となりました。  基礎体力を鍛えることは、スポーツ活動のみならず、生涯における心身ともに健康で活力ある健全な社会を営んでいくための基礎となるものであります。平成29年度調査で小学5年生と中学2年生の男女ともに総合体力合計点全国1位の福井県、全国2位の茨城県では、それぞれ特色ある取り組みを行っていると聞いております。他県の成功例はぜひ参考にしてほしいと思っております。  そこで、教育委員会としてこれまでの取り組みの成果と課題を踏まえ、今後、子供の体力向上にどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 宇田貞夫教育長。    (宇田貞夫教育長登壇) ◎宇田貞夫 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。県教育委員会におきましては、これまで学校や地域における運動機会の充実を図るとちぎ元気キッズ育成事業などにより、子供の体力向上を推進してきたところであります。しかし、依然として、走る、跳ぶ、投げるといった基礎的運動能力が全国と比べ低い傾向にありますことから、その原因を探るとともに、教員の意識高揚を図るため、昨年度から体力調査の対象を抽出から全ての児童生徒に拡大したところであります。その結果、投げる能力を含む基礎的運動能力の低さなどの課題が改めて明らかになりましたことから、全ての小学校、中学校の体育担当者に周知するとともに、授業の工夫改善に主体的に取り組むよう指導したところであります。さらに、体力向上には幼少期からの運動習慣の定着が重要となりますことから、効果的な取り組みなどについて、有識者による検討を開始したところであります。  今後とも、市町教育委員会等と連携するとともに、全国の先進的な取り組みを参考に、子供の体力向上に積極的に取り組んでまいります。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) 教育長から市町教育委員会と連携し、積極的に体力向上に取り組むとの答弁をいただきました。ぜひしっかりとした取り組みをお願いしたいと思います。  また、教育長の答弁に、幼少期からの運動習慣の定着について有識者による検討を進める旨の答弁もありました。運動習慣などを幼少のころから身につけることは、生涯にわたる健康の維持増進につながります。健康は最大の幸福であり、大人が家庭教育を含め健康づくりなどの環境を整えることが重要であると思います。また、子供の体力向上は将来への投資であり、健康で活力ある社会の形成に大きく寄与するものでもあります。県には、体力向上対策にしっかりと取り組んでいただくよう要望して、次の質問に入ります。  次に、栃木県農業大学校における人材の育成について、農政部長にお伺いいたします。教職に長年携わってきた一人として、私は何事にも、そして何よりも人づくりが大切であると考えております。この人づくりという観点から農業を見れば、本県に限らず、従事者の高齢化が進み、後継者不足も深刻化しているなどまさに危機的状況であり、このような現状を踏まえ、若い人たちを呼び込み、優秀な農業人材を育成していくことに最も注力すべきではないかと思います。  私は、昨年度、農林環境副委員長として栃木県農業大学校で開催された農大祭を訪問しました。会場では、学生が栽培した野菜、果物、花卉などの農産物の即売が行われていたほか、卒業研究や県内農家への派遣実習の内容などを紹介するさまざまなブースが設置され、若い人たちの熱気、意欲を感じました。また、農業大学校の卒業生の中には、栃木県農業士として認定され、すぐれた技術とすばらしい経営を実践されている方もたくさんおります。  今後の農業人材の育成に当たっては、技術の習得をするだけではなく、消費者のニーズを的確に把握し、分析して行動できる最先端の技術と技能、資質を身につけさせることが重要になってくると思います。さらに、日本とEUとの経済連携協定やTPP11などの貿易自由化、あるいはICTを活用した技術革新などへ迅速に対応できる人材を育成していくことも重要であると思います。国際化や産地間競争に負けない農業人材を育成し、しっかりと就農に結びつけて、安全・安心、そしておいしい農産物を消費者に届けてほしいと思っております。  そこで、若い農業者を育てる中心的な機関である農業大学校において、今後どのように人材育成を進めていくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 渡邉和明農政部長。    (渡邉和明農政部長登壇) ◎渡邉和明 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。栃木県農業大学校では、ICTを駆使して、温度や炭酸ガス濃度など生育環境を制御する次世代型のトマトハウスを初め、分娩監視センサーや個体管理システムを備えたドリーム牛舎など最新の技術が学べる教育環境の整備を進めております。また、今年度からは、地域で活躍する若手農業者との意見交換会や革新的な経営を行う農業法人を招いた講座を開催するなど、学生が将来の経営ビジョンを描けるような教育にも取り組んでまいりたいと考えております。また、昨年度、農産物取引の国際的な基準であるグローバルGAPの認証を梨の生産で取得しましたので、そのノウハウを稲作や畜産など、他の学科のカリキュラムにも取り入れ、国際的な視野を養ってまいります。  今後とも、農業大学校を核に、本県農業のあすを開く若い力の育成に力を注いでまいります。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) 農政部長に再質問いたします。ただいま農政部長から農業大学校において、時代に即した人材の育成に取り組んでいるとの答弁をいただきました。近年は、一旦農業以外の産業に就職した後で就農する人や、県外から本県に定住して農業を始める人などさまざまなパターンでの就農がふえていると聞いております。また、就農した後に、再びより高い技術や経営を学びたいという農業者もいるのではないかと思っております。  そこで、在籍している学生のみならず、Uターンや新規参入で就農を希望する人、就農後にさらに学びたい農業者などに対しても、農業大学校の施設やノウハウを学びの場として広く開放するなど幅広く農業大学校を活用していくべきではないかと考えております。  あわせて、これだけの充実した施設があるということも含めてしっかりとPRしていくことも必要だと思います。例えば首都圏や県内で行われている就農相談会や体験実習などを通して農業大学校をPRすることで、安心して本県で就農できる環境整備をぜひお願いしたいと思っております。  そこで、農業大学校の幅広い活用やPRについてどのように取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 渡邉和明農政部長。 ◎渡邉和明 農政部長 再質問にお答えいたします。近年の新規就農者の平均年齢は35歳を超えておりまして、農業を学ぶことへのニーズも多様化している状況にございます。このため、農業大学校では、議員のお話にもございましたけれども、他産業から参入を目指す方などが農業の基礎を学ぶとちぎ農業未来塾、あるいは若い農業者が全国の第一線で活躍している指導者の支援を受けながら経営改善を行う、とちぎ農業ビジネススクールなどを開催しております。いずれも新たな就農の促進や農業者の育成に役立っておりますので、引き続き、こうした多様な人材のサポートをしていきたいと考えております。  また、農業大学校のPRについてでございますけれども、議員からのお話にございましたように、就農相談会を県内外で10回以上開催しています。こうした機会を使うことはもちろんですけれども、ホームページや、オープンキャンパスという機会もございます。そういうところで、最新の教育施設やカリキュラム、そして何よりも生き生きと学ぶ学生、あるいは受講生の姿を紹介していくということが大切だと思いますので、そうしたことによりまして本県での就農促進につなげていきたいと考えております。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) 本県では、年々新規就農者が増加傾向にあります。そのことは県農政部を初めとする関係団体の努力の結果であると、うれしく思っております。しかし、日本の食料自給率は、平成28年度、カロリーベースで約38%と100%を大きく下回っております。国際化、グローバル化が進展し、国際情勢が目まぐるしく変化する中、食料自給率の向上は重要なことであると思います。そのためには、高齢化で農業従事者が減少している中、国際化に負けない農業人材を育成し、しっかりと就農に結びつけることが重要であります。農業大学校で優秀な人材を育成し、就農につなげ、そして私たちにおいしく安全・安心な農畜産物が届くよう要望して、次の質問に入ります。  次に、人に優しい公共交通について、県土整備部長に伺います。先ほども申しましたとおり、超高齢社会の進行により、本県においても4人に1人が65歳以上の高齢者となっております。本県のことし1月から5月の交通事故死亡者のうち高齢者の割合は7割を超えております。また、全国でも高齢運転者による交通死亡事故が相次いで発生していることから、昨年3月、改正道路交通法が施行され、運転免許更新の際には認知機能検査や高齢者講習の受講が義務づけられるなど、高齢者の自動車運転を取り巻く環境はますます厳しいものになっており、これにあわせて自動車運転免許の返納者数も増加しているところであります。  こうした中、自動車を運転できなくなった高齢者の移動手段を確保することが重要であり、障害者も含め誰もが安全・安心、快適に移動できる人に優しい公共交通が必要であると考えております。移動手段を失い、自宅にこもって生活することを余儀なくされていた高齢者が、公共交通機関で外出し、人々と交流し社会参加することで、心身ともに健やかになる健康長寿とちぎづくりの実現を大いに後押しするものではないかと考えております。  また、近年は訪日ブームでもあり、大きな手荷物を抱えた訪日外国人旅行者を見ることは珍しくありません。特に本県は、日光、那須、足利といった国際的な観光地を抱え、インバウンドも含めた多くの観光客に訪れていただいており、こうした方へおもてなしを行う上でも、円滑で快適な移動手段の提供は大変重要となっております。  我が国では、ラグビーワールドカップや東京2020オリンピック・パラリンピックなどを控え、公共交通のバリアフリー化を推進しているところであり、県内においても、高齢者や障害者などがスムーズに乗りおりができる低床車両が導入され、全国的に注目されるLRT事業が、今般、起工式を挙行する中、公共交通におけるバリアフリー化に向けた各種取り組みを一層推進していくべきと考えます。  そこで、県は人に優しい公共交通の充実に向けて今後どのように取り組んでいくのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 江連隆信県土整備部長。    (江連隆信県土整備部長登壇) ◎江連隆信 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。急速に進行いたします超高齢社会におきまして、高齢者や障害者を初めとしました誰もが利用しやすい公共交通を確保することは喫緊の課題であると考えております。このため、県では、鉄道駅におけるエレベーターの設置や、高齢者などでも乗りおりがしやすいノンステップバスの導入を支援するなど、公共交通のバリアフリー化を進めてまいりました。さらに、今年度からは高齢者等が車椅子のままで乗りおりができ、また大きな荷物を抱えた旅行者も利用しやすいユニバーサルデザインタクシーの導入に対する補助制度を創設したところであります。  今後とも、東京オリンピック・パラリンピックによります本県への誘客等も見据えながら、市町や交通事業者とも連携し、人に優しい公共交通の充実に向けて積極的に取り組んでまいります。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) 県土整備部長から市町や交通事業者と連携した人に優しい公共交通の充実に積極的に取り組んでいくとの力強い答弁をいただきました。  ここで要望させていただきます。県土整備部長の答弁の中で、ユニバーサルデザインタクシーの導入に向けて今年度から補助制度を設けてしっかりと支援していくと回答いただいたところであります。今後とも多くのタクシーで導入が進むよう積極的に取り組んでもらいたいと思います。  また、LRTの着工を間近に控え、公共交通利用者の利便性の向上が求められていますが、今や公共交通による移動は交通系ICカードが当たり前の時代となっております。こうした中、宇都宮地域においてICカードの導入が検討されていると聞いておりますが、こうした取り組みを宇都宮地域にとどめることなく、県内全域に拡大させて、東京2020オリンピック・パラリンピックまでに実現していく必要があると考えます。そのためには、各関係機関への強い働きかけと支援が不可欠であることから、導入に向け積極的に取り組まれるよう要望いたしまして、次の質問に移ります。  次に、災害時の対応についてのうち、河川の防災・減災対策について、県土整備部長にお伺いいたします。平成27年9月の関東・東北豪雨や一昨年8月に東北地方を襲った台風10号、さらには昨年7月の九州北部豪雨など、近年の地球温暖化の影響等により、全国各地で豪雨災害が頻発、激甚化しております。特に関東・東北豪雨では、県内で死者3名、負傷者6名、壊れた家は全壊を含め1,000戸以上、浸水家屋は5,000戸以上、さらに農地の冠水による農作物被害など甚大な被害が発生しました。このように、豪雨等により河川が一たび溢水や氾濫すれば多くの生命・財産を奪います。このような豪雨災害から県民の生命・財産を守るためには、ハード・ソフト両面からなお一層の防災・減災対策の取り組みが非常に重要であると考えております。  こうした中、昨年6月、水防法が改正され、洪水からの逃げおくれゼロを実現するため、抜本的な対策を講じることとされました。本県においても、栃木県減災対策協議会を設立し、各種取り組みを進めていると聞いております。また、国においては、昨年12月に全国の中小河川の緊急点検により抽出した区間において中小河川緊急治水対策プロジェクトを立ち上げ、おおむね3年以内に対策を行うこととし、補正予算が措置されたところであります。  そこで、河川の防災・減災対策として、本県における逃げおくれゼロへの取り組みや国の補正予算等を活用した中小河川緊急治水対策プロジェクトの実施状況について、県土整備部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 江連隆信県土整備部長。    (江連隆信県土整備部長登壇) ◎江連隆信 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。洪水からの逃げおくれによる人的被害ゼロへの取り組みにつきましては、栃木県減災対策協議会を通じ、市町と連携しながら進めているところであります。主な取り組みといたしましては、県では主要な16の河川の洪水浸水想定区域図の見直しを行いますとともに、新たに4つの河川でも策定を予定しているところであります。今後は、これらをもとに市町が洪水ハザードマップを策定し、住民の皆様に危険の度合いや避難情報等を周知していくこととなります。  また、今年度から水防活動や避難開始等の判断基準となる水位の見直しにも着手したところであり、洪水発生時の行動基準となる市町が定めます水害対応タイムラインの策定を支援してまいります。  次に、中小河川緊急治水対策プロジェクトでは、平成32年度を目途に16の河川の7.5キロメートル区間につきまして重点的に整備を進めることとしておりまして、今年度末までに約4割の整備が完了する予定であります。  今後とも、ハード、ソフトの両面から災害に強いとちぎづくりに努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) 県土整備部長から災害に強いとちぎづくりに積極的に取り組むという頼もしい答弁をいただきました。  ここで再質問いたします。洪水被害から県民の生命・身体・財産を守るためには、自然災害の大洪水は必ず発生するものとして意識を転換し、洪水からの逃げおくれゼロを目指した各種取り組みをスピード感を持って進めていく必要があると考えます。  そこで、今回の逃げおくれゼロの取り組みについて、具体的に何をいつまでにどうするのか、そのロードマップについて県土整備部長に改めてお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 江連隆信県土整備部長。 ◎江連隆信 県土整備部長 ただいまの再質問にお答えいたします。まず、洪水浸水想定区域図でございますけれども、県内の主要16河川の部分につきましては、昨年度6河川の指定公表を既に終えているところでございまして、残る10河川につきましては、来週6月5日に指定公表する予定でございまして、これで完了する予定でございます。加えまして、新たな4河川につきましても今年度中に策定を進めてまいりたいと考えております。また、基準水位の見直しにつきましても、来年度までにこれらの河川全ての設定をしていきたいと思っております。  それらを受けまして、市町が洪水ハザードマップあるいは水害対応タイムラインを策定するわけでございますが、平成33年度を目途に策定していきたいと考えておりますので、引き続き、県としても積極的に市町を支援してまいりたいと考えております。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) もはや自然災害といえども想定外という言葉は許されないような時代になっております。県民の安全・安心のためにより一層のハード・ソフト両面から万全の対策を要望して、次の質問に入りたいと思います。  次に、災害時の物流対策について、県民生活部長にお伺いいたします。ここ数年、全国的に経験したことがないような異常気象が頻繁に発生しており、行政庁舎などが被災することも少なくありません。県は、震度6以上の地震や特別警報が発令されるような災害が発生した場合、災害対策本部並びに支部を設置し、被害等の情報収集、公共インフラ被害対応、避難所運営支援の調整、物資集積所の設置運営、備蓄物資の提供など、通常の業務と違う特別な業務を行う必要があります。もちろんほかにも多岐にわたる特別な業務が発生しますが、災害発生時に円滑に業務を行うためには、自治体業務継続計画の策定や応援協定を締結している事業者とともに災害対応を行うための各種マニュアルの整備、また、市町と連携した訓練などが欠かせないと思います。  特に物流に関しては、県は物流団体との連携により、円滑かつ効率的な対応を図るとともに、物資の供給については、避難所を開設する市町のニーズに応じ、適時的確に供給することが重要であります。熊本地震では、避難所までの物流が滞り、不便な生活を強いられたとも聞いております。  そこで、県では災害時の物流対策にどのように取り組むのか、県民生活部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 石﨑金市県民生活部長。    (石﨑金市県民生活部長登壇) ◎石﨑金市 県民生活部長 ただいまのご質問にお答えいたします。災害時に支援物資等を円滑に避難者へ届けるためには、平常時から市町や民間事業者との連携強化を図ることが重要であります。このため、県におきましては、食料事業者やトラック協会、倉庫協会などと応援協定を締結するとともに、市町の職員や物流事業者などを交えた検討会での協議を踏まえ、本年3月に広域物流拠点の開設や運営方法等を定めた新たな物流マニュアルを策定したところであります。  また、避難者の支援ニーズを的確に把握し、集められた物資を避難所まで円滑に供給するためには、市町の取り組みが重要でありますことから、本年度は市町における物流マニュアルの策定を促進するために、研修会やワークショップを開催することとしました。さらに、毎年実施しております県の防災図上総合訓練におきましても、新マニュアルに基づいた訓練を実施することとしております。  これらの取り組みにより、今後とも災害時における支援物資等の円滑な物流の確保に努めてまいります。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) 県民生活部長から、物資を初め各分野で応援協定を締結し、また新たな物流マニュアルを策定した旨の答弁をいただきました。非常に心強く思いました。
     近年、全国的に経験したことがないような異常気象が頻繁に発生し、本県もいつまた大規模災害に見舞われるかわからない状況にあります。大規模災害の際にいかに県民の生命・身体・財産を守るかは県の責務でもあります。  災害発生時に生命・身体を守るための有効な手段の一つに避難があります。ただし、災害発生時にスムーズに避難するためには、日ごろの訓練が欠かせません。特に高齢者、妊産婦、障害者などのいわゆる災害弱者は、避難所までの経路に一般の方よりも時間がかかったり、ひとりでは避難が難しいケースもあります。そのため、市町は避難行動要支援者名簿を作成して、災害弱者の避難等の際には、避難支援等関係者が避難行動に関する支援を行うこととなっております。県民の逃げおくれゼロの実現のためには、日ごろから防災を意識した訓練、災害弱者への支援、市町との連携、そして何よりも常日ごろのインフラ等の整備が欠かせません。県民が安全・安心、快適な生活ができるとちぎづくりにオール栃木体制で県庁を挙げ取り組むよう切に要望し、次の質問に入らせていただきます。  最後に、JR宇都宮駅周辺の防犯対策について、警察本部長にお伺いいたします。JR宇都宮駅は県都の表玄関であり、通勤・通学者はもとより、週末には多くの観光客、来日外国人も利用しております。特に現在開催中のデスティネーションキャンペーンの効果により、来県者はさらに増加していると感じているところであります。また、JR宇都宮駅東口には、飲食店を初めたくさんのお店が立ち並ぶ歓楽街があり、にぎわいを見せておりますが、中には路上で通行人に声をかける客引き等の迷惑行為が横行しているという声を聞いてもおります。  本県は、観光立県として、また東京2020オリンピック・パラリンピック、2022年のいちご一会とちぎ国体やLRT開業などにより、今後さらなる観光客等の増加が予想されております。来県者が安心して楽しくショッピングや飲食、観光などができるJR宇都宮駅周辺の防犯対策に取り組むことは、治安維持だけではなく、本県のイメージアップにもつながると考えております。  そこで、県警察では、これまで客引き行為や悪質な店に対する取り締まり、パトロール等のさまざまな対策を推進しているところでありますが、このような現状を踏まえ、今後、JR宇都宮駅周辺の防犯対策にどのように取り組んでいくのか、警察本部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副議長 坂口拓也警察本部長。    (坂口拓也警察本部長登壇) ◎坂口拓也 警察本部長 ただいまのご質問にお答えいたします。JR宇都宮駅周辺の防犯対策は、東口歓楽街を中心に、平成17年から違法風俗営業や暴力団等に対する取り締まり等の諸対策を推進してまいりましたが、健全で魅力あふれる歓楽街にするため、平成24年から総合対策を推進しているところであります。県警察では、同歓楽街を風俗環境浄化最重点地区に指定し、客引き行為の取り締まりや悪質性の高い風俗店に重点指向した立ち入りを行うほか、違法駐車取り締まりや入国管理局と連携した合同摘発等の総合対策を実施するとともに、事件・事故の発生に備え、街頭防犯カメラを設置し、効果的に活用しております。また、地域住民や自治体等と問題意識を共有し、官民合同パトロールや少年の蝟集、違法広告物、落書き等、町の景観を害する要因を排除する活動を推進しております。  県警察といたしましては、来県者が安心して利用できるよう、今後とも地域住民や関係機関・団体と連携した歓楽街総合対策を推進してまいります。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) JR宇都宮駅周辺の防犯対策にしっかり取り組んでいるとの力強い言葉をいただきました。警察への信頼と期待、そして県民への安全・安心が担保され、県民も心強く安心したと思います。  ここで警察本部長に再質問いたします。JR宇都宮駅東口周辺には県警察が設置する防犯カメラがあり、犯罪抑止に非常に効果的であります。先日、新潟市内で7歳の女児が殺害され、線路に遺棄されるという痛ましい事件がありました。防犯カメラやドライブレコーダーの映像から不審車が確認され、犯人の特定につながり逮捕と大きく報道されました。  今日、防犯カメラは地域の安全・安心を確保する上で欠かせないものとなっていると考えます。現在、JR宇都宮駅東口周辺に設置されている防犯カメラの台数で十分に犯罪抑止効果が期待できるのか、警察本部長に所見を伺います。 ○阿部寿一 副議長 坂口拓也警察本部長。 ◎坂口拓也 警察本部長 ただいまの再質問にお答えいたします。県警察では、平成27年3月からJR宇都宮駅東口歓楽街周辺に19台の街頭防犯カメラを設置しておりまして、事件・事故の未然防止等に効果を発揮しているものと考えております。街頭防犯カメラの設置場所や設置台数等につきましては、引き続き今後の犯罪発生状況等を分析いたしまして調査研究してまいりたいと思います。 ○阿部寿一 副議長 吉羽茂議員。    (8番 吉羽 茂議員登壇) ◆8番(吉羽茂議員) ここで要望いたします。警察本部長の答弁の中でも防犯カメラは犯罪抑止効果が高いとのことでした。また、警察や自治体、地域住民等による設置が進められていると聞いております。県警察におきましても、各自治体等に対してさらなる設置に向けた普及促進に努めていただきますようお願いいたします。  質問ではJR宇都宮駅周辺を取り上げましたが、本県は観光立県とちぎを推進しており、県内全域で今後さらに来県者の増加が見込まれます。県民や来県者の安全・安心のために、引き続き万全の対策をよろしくお願いいたします。  なお、今日、凶悪犯による犯罪が多発しております。警察はもとより、地域住民の防犯に対する意識が何よりの県民の安全・安心につながると思いますので、県民挙げてこの犯罪抑止に取り組みたいと私自身も考えております。  以上で本日の予定していた質問は全て終了いたしました。今回は、栃木の安全・安心をテーマに、県民の皆様にわかりやすくお伝えするように心がけて、全8項目にわたって質問させていただきました。これからも県民生活に密着したさまざまな課題について、情熱と行動力を持って取り組んでまいりたいと考えております。  以上で私の全ての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○阿部寿一 副議長 この際、15分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。     午後2時14分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎篠﨑和男 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は48名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――     午後2時30分 開議 ○五十嵐清 議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) 今通常会議一般質問最終日、そして私、最後の登壇者ということで、残り60分でありますが、どうぞよろしくおつき合いいただきますようにお願い申し上げて、早速質問に入りたいと思います。  最初の質問でありますが、県庁の魅力ある職場づくりについて、福田知事にお尋ねしたいと思います。県における職員の人材育成につきましては、質問の初日に、我が会派、若林議員が代表質問において質問したわけですけれども、答弁に立たれた北村副知事からは、有為な人材の確保・育成というのは県における重要課題だとして答弁があった中ですが、私からも少し角度を変えて質問させていただきたいと思います。  本県が人口減少に転じてからはや12年目に入りまして、特にことしは、これも若林議員から指摘があったとおり、4月までの自然減と社会減を合わせて本県の人口減少約7,000人となっていまして、さまざまな面から地方創生に取り組んでいるにもかかわらず、人口減少に歯どめがかからない状況が続いているわけです。  こうした中、今後、50年後の日本の人口というのは現在の7割以下になって、広域自治体である都道府県と基礎自治体である市町村、この2層構造というのがある意味成り立たなくなるのではないかという予測があります。その一つの理由としましては、基礎自治体である市町村のおよそ半数は、税収の8割を住民税と固定資産税に頼っているわけで、人口減少が税収不足に直結いたしますから、だんだん職員費が賄えなくなるのではないかなという心配、また、地方公務員数は、ピークでありました20年ほど前に比べますと、全国で54万人ほど減少しておりまして、人数的にはかなり絞り込んできたわけです。しかし、他業種と同様、人手不足による募集定員割れを起こす自治体が出てくるのではないか。さらに、我々議員のなり手不足もありまして、執行部と議会の関係が成り立たなくなる心配のある自治体もふえてくるのではないかなと思います。  その反面、高齢化の進展によって地方の行政サービスは増加傾向にあるわけで、行政組織として体制を維持できなくなる基礎自治体が出てきた場合、それをカバーするのは、広域自治体である都道府県ではないのかなという予測です。この予測が極端だとしても、生産年齢人口そのものの絶対数が減ってくるわけでありまして、あらゆる職種で人手不足になることから、公務員のなり手が不足する事態が生じることは大いに考えられます。  先月末の地元紙にも職員の募集の話がありました。このような事態に対応するためには、地方公務員の職場環境をよくすることはもとよりですが、働きがいのある職場、魅力ある職場にしていかなければ、よい人材が確保できなくなるのではないかなと危惧するわけです。  また、今後の栃木県内の25の市町の状況を勘案しますと、前段で述べた予想どおりにはならないまでも、県の役割がますます大事になってくると考えられるわけで、県職員の人材育成というのは一層大切になると思います。  そこで、私はこういう機会に、幾度となく県職員の意識改革について質問させていただきましたけれども、改めて、県職員の働き方改革をさらに進め、県職員の士気を高く保って、職場を魅力的なものにする必要があると考えますが、これについて知事の考えをお伺いしたいと思います。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの三森議員のご質問にお答えいたします。少子化に伴う人口減少というかつて経験したことのない困難に直面している今日、行政や公務員のあり方にも大きな変化が求められております。こうした時代にあって、県、市町を通じて地方公務員に期待されているのは、地域の未来を描き、その実現に向かって果敢にチャレンジすることであり、地域の皆様の思いに寄り添い、ともに考え、ともに汗を流し、未来を切り開いていくことであります。私は、そこに地方公務員の仕事の魅力、やりがいがあると考えており、さまざまな機会を捉えて、こうした思いを部下職員に伝え、職員一人一人の仕事への意欲が高まるよう努めてまいりました。  また、いつの時代も社会を変えていくのは若い力であります。新しい感覚で既存の仕事を改革し、新たな課題に挑む、そうしたチャレンジ精神を上司や先輩職員が真正面から受けとめ、その実現を後押しできる活気に満ちた組織風土をつくることも重要であります。とかく公務員の人事制度は、減点主義、前例主義と言われますが、私は失敗を恐れずチャレンジする職員を評価し、出るくいをさらに伸ばしていける、そうしたリーダーでありたいと考えております。このため、成果重視の人事評価システムの定着とともに、働き方改革により、若手からベテランまで、全ての職員がその力を存分に発揮できる魅力ある職場づくりを進め、優秀な人材を確保し、チーム栃木県庁の総合力を高めてまいります。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) チーム栃木の力を高めるためには、地域の未来を描く、チャレンジ精神にあふれた職員を育てる、こういう決意があったわけですが、ここで、この件について北村副知事に、職員から副知事になられたばかりだということでお聞きいたしますが、副知事になられた当初、私は北村副知事にできる限り市町に足を運んでくださいというお願いをさせていただきました。福田知事は、本当に頻繁に地域、市町に出向いていただいておりますが、職員の模範として市町に出向く姿勢というのを北村副知事にも見せてもらいたいという話をいたしました。そういう意味で、市町との職員の交流ということについて、今、北村副知事の所見があればお聞かせ願いたいと思います。 ○五十嵐清 議長 北村一郎副知事。 ◎北村一郎 副知事 再質問にお答えいたします。人口減少とか少子高齢化の課題が顕在化しており、県内地域におきましてはいろんな問題も生じている中、住民に身近な市町の役割がだんだん重要性を増してきていると思っております。また、一方で、議員ご指摘のとおり、市町によっては、今後、組織の維持が難しくなっているような懸念もございます。  私自身これまで、地方創生推進会議等において市町の意見等も伺ってまいりましたけれども、今後、市町を訪問する機会を捉え、市町職員の皆様との意見交換などを通してそれぞれの市町が抱えている課題につきましても、認識、共有化を図ってまいりたいと考えております。  また、県職員につきましても、市町重視の視点を持って県行政に当たってもらいたいと考えておりますので、やはり市町の現状を肌で感じてほしいと思っております。現場で実践を積み重ねることができる市町との人事交流制度もございますけれども、そういった交流制度におきましては、当然、県職員の人材育成に加え、市町重視の県政についても意識の醸成が図られますので、とても有意義であると考えております。一方、市町から県のほうに交流職員として来ている方々は、当然若手が中心でございますので、戻って市町で活躍していただきますと、市町の将来にとって大きなプラスになると思いますので、そういった意味で、県と市町の職員の人事交流につきましても、引き続き積極的に行ってまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) 今、答弁の中にもありましたように、実務研修として市町から28名とか30名の職員を県は大体毎年受け入れていますし、県と市町の人事交流で行ったり来たり、これも10人とか11人の受け入れと派遣をしている。ただ、全体からすると非常に少ない数だと思います。私はこれをできるだけたくさんにしてもらいたいのと、今、知事からあったように、社会を変えていくのは若い力だ、出るくいを育てるというお話があったわけですので、現場主義、要するに自分たちがつくっている政策が地方でどんな形で受け入れられ、あるいはその批判も伴っている、そんなことをリアリティーを持って体験していただく職員というのは、実はすごく大事だし、若い県の職員の人たちと話をすると、そのリアリティーが欲しいと言うのです。自分でつくったものが現場でどんなふうに展開されているのか。出先に行くことも大事だけれども、実際市町で他の職員とまみえて、それを実感してくるという体験は、私は大きく人材を育てるものだと思っていますので、今後とも、この人事交流等を進めていただいて、今、知事の言ったような果敢に攻めていける職員、魅力のある職員をつくっていただきますようにお願いして、次の質問に入りたいと思います。  2番目の質問は、県北地域の庁舎整備についてということで、県はみずから所有しています公共施設等について、人口減少等の行政需要の変化が予測されるわけなので、将来を見据えた視点で、平成28年12月に栃木県公共施設等総合管理基本方針というのを策定しました。この中で、20年後には県有建築物の51%、半分以上が建築後50年を経過することがわかっているわけで、こうした老朽化の加速度的な進行が県においての重要な課題であります。  このような状況下で、県北地域における県の庁舎を見ますと、那須庁舎が築53年、県北児童相談所が築52年、県北健康福祉センターが築51年と既に50年を超えている建築物がたくさん存在しているわけです。さらに、大田原土木事務所というのはこの庁舎とは別なところにありますし、那須農業振興事務所につきましては、農政事務所、農業改良普及所、土地改良事務所が統合した際に、那須野が原ハーモニーホールの隣接地にプレハブをつくって、そのプレハブの庁舎に引っ越して以来20年が経過している、こういう状況です。各庁舎の老朽化がかなり進んでいること、そして各庁舎が余りにも分散し過ぎている、こういったことを勘案しますと、ワンストップサービス、災害時の対応、さらには効率的な管理運営、こういった面から早急な対応が求められると思っています。  そこで、県北地域の庁舎整備に関する基本的な考えをまず知事にお伺いします。  そして、特に県北児童相談所につきましては、手狭で、近年増加する児童虐待等の相談業務にも支障が出ているわけで、子供たちの命にもかかわる喫緊の課題ということで、昨年の6月通常会議の中でも私は質問させていただきました。そのとき、検討するという返答だったので、その後の検討状況についてもお伺いしたいと思います。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、県有建築物の老朽化に対応するため、公共施設等総合管理基本方針に基づき、老朽度や利用状況等を踏まえ、必要な対策を検討し、実施することとしております。  県北地域の行政庁舎につきましては、老朽化、狭隘化、分散化など、ご指摘がありましたとおり、多くの課題がありますことから、その整備のあり方について検討を進めてまいりました。その結果、築年数50年以上の建物が多く、一部プレハブ庁舎もあり、長寿命化対策では十分な効果が得られないこと、また敷地の制約から現在地での増改築が困難であること、さらには県民サービスや災害対応などの面で集約化が望ましいことから、那須庁舎、県北健康福祉センター、那須農業振興事務所、大田原土木事務所の4庁舎につきましては、1カ所に移転整備することが適当と判断いたしました。建設用地につきましては、各事務所等の管轄区域やアクセス性等を総合的に勘案し、那須野が原ハーモニーホール隣接の大田原市所有地とすることで、市と協議を行っているところであります。  また、県北児童相談所につきましては、老朽化に加え、面接室や待合室が不足するなど機能面での課題もありますため、早期の対応が必要と考えておりますが、施設の性格上、先ほど申し上げました4庁舎との集約、統合が難しいことから、引き続き整備のあり方を検討してまいります。  県民の皆様が快適に利用でき、県北地域の発展に寄与できるような庁舎の整備に向けまして、地元とも連携を図りながら取り組んでまいります。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) 集約していただくという大変前向きな答弁をいただきました。かなりの時間をかけて執行部内部で検討を重ねた結果、こういう答弁をいただいたものと思っています。ただ、そうなると、我々はせっかちなので、いつごろつくり始めるのよという話になるわけですが、それについては多分まだ今知事が言ったところまでであって、具体的な年次計画というか工程というのは示せないのではないかという気がいたしますが、そこについて今言えることがあったら、経営管理部長からお願いできればと思います。 ○五十嵐清 議長 金田尊男経営管理部長。 ◎金田尊男 経営管理部長 再質問にお答えいたします。4庁舎の集約、統合については、議員から今お話がありましたように、大田原市と協議に入った段階でありますので、現時点で具体的なスケジュール等についてはお話しできる段階にはございません。  今後、隣接する那須野が原ハーモニーホールの敷地との土地利用の調整であるとか、あるいは整備に当たりまして仮庁舎が必要となってきた場合にどう対応するのかとか、また現在の4つの庁舎の敷地についてどう取り扱うのかとか、幾つか課題もありますので、地元大田原市のご協力もいただきながら、鋭意詰めていきたいと思います。また、あわせまして、総合スポーツゾーンを初めとした大規模な建設事業の進捗状況、財源の状況、こういったものも見きわめながら、計画的に進めてまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) 今大田原市は、被災した元庁舎を建て直して新庁舎をつくっているところで、大田原市役所は今仮の庁舎にいるわけです。それが近いうちにあくわけです。そこも利用できるというタイミングかなと思っているので、その辺も含めて、余り時間をかけないで着手してもらいたいと思います。  そして、県北児童相談所について、山本保健福祉部長にお尋ねしますが、今、知事から答弁があったように、結局、場所がなかなか特定できないから、今建てかえるという答弁はできないけれども、対応するということを言っていただきましたから、必ずその再整備はしていただけるものと思います。ただ、その間どうするのかというのは物すごく心配です。とにかくエレベーターがない、2階にはトイレがない、待合室がない、待っている人は車の中で待っている、そういう状況です。これで本当にこれからも機能させるのか。職員は1名ふやしていただいて21名になりましたけれども、本当に肩が触れ合うぐらいの職員室ですよね。これをあと何年も続けさせるのかと思っております。  ですから、建てかえがいつになるのか、どこに建つかもわかりませんけれども、その間、県としてどんな支援が考えられるのか、もし今言えることがあったら、山本保健福祉部長にお願いしたいです。 ○五十嵐清 議長 山本圭子保健福祉部長。 ◎山本圭子 保健福祉部長 県北児童相談所の現状は私も伺いましたし、早期の対応の必要性を十分に認識しております。まずは利用者に負担をかけないということが第一かと思いますので、今以上に工夫しつつ、できるだけ早く方向性が見出せるように努めてまいります。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) そういうお気持ちだなと思います。ただ、県が勝手にやるわけにもいかないこともあるだろうし、さまざまな手続を踏まなくてはならないこともわかりますが、この問題は、県北の県議はみんな一日も早い建てかえを望んでいます。特に命にかかわってくる問題、今、特に児童虐待を含めて本当に複雑多様な相談が多いわけです。司法面接もしなくてはならない、その場所もない、そういう状況の中で続けていくというのは大きな問題だなと私は思っていますので、ぜひ一日も早い建てかえ計画をつくっていただきますように改めてお願いしたいと思います。  では、時間も過ぎていますので、3番目の質問に入りたいと思います。園芸大国とちぎづくりについて、これも福田富一知事にお尋ねしたいと思います。本県の園芸というのは、首都圏農業というキーワードを前面に打ち出して農業を振興してきた結果、ここ30年間で園芸産出額というのは400億円増加しました。平成27年に1,000億円台を突破して、平成28年には1,133億円となりまして、本県の農業産出額の約4割を園芸が稼ぎ出している状況です。そういう中で、知事は4期目の公約で園芸大国とちぎづくりを掲げて生産振興を図る、そして目標としては平成37年の園芸産出額を1,300億円にしようとしています。現在の産出額に200億円上乗せしようとしているわけでありまして、これまでの転作からの園芸ではなくて、まさに収益力の高い園芸の生産構造をつくり上げようとするものでありまして、かつての首都圏農業の確立を凌駕する本県農業の大転換を目指すものと私は理解しております。  少子化による人口減少で米の消費は確実に減っていく中で、国内需要がまだまだ見込める園芸を栃木の強い農業の柱に据えよう、こういう考えは私は時宜を得たものと思います。しかし、これは一番大きな問題ですけれども、本県の農地の8割は水田です。きょう最初に質問しました白石議員からも指摘がありましたが、長らく米を主体とした農業を展開してきた地域の考え方を変えることは、机上で考えるほど簡単ではない、大変難しいと思っております。県や市町、農業団体など関係者が一体となって取り組まなければなし得ないことだと考えます。  園芸大国とちぎづくりは、本県農業の成長産業化に不可欠なものでありまして、不退転の決意と、着実に成果を上げるため、実効性のある施策を打ち出していかなければならないと思うわけですが、園芸大国とちぎづくりについてどのような戦略を持って臨まれるのか、知事にお尋ねいたします。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。本県農業の将来は、まさに収益力の高い園芸生産をいかに発展させるかにかかっており、私は子供たちに夢を与える魅力ある農業を実現するためにも、園芸大国とちぎづくりが重要であると考えております。その実現に向けましては、肥沃な農地、豊富な水資源、すぐれた生産技術など、本県の持つ強みを最大限に生かしながら、関係者の力を結集し、新たな農業を切り開いていくという信念を持って、さらなる園芸振興に挑戦していく必要があります。  そこで、生産者や市町、農業団体などが参画する園芸大国とちぎづくり推進会議をこの6月にも立ち上げ、オール栃木による推進体制づくりを進めることといたしました。一方、園芸生産の拡大を図っていくには、地域の実態に即した実効性のある施策の展開が必要であります。このため、本県農業をリードしてきた施設園芸につきましては、ICTやロボットなど先端技術の活用を促進し、収量、品質の一層の向上と周年供給力の強化を図ってまいります。  また、園芸大国とちぎづくりの鍵となる土地利用型園芸につきましては、水田を活用した露地野菜の産地づくりに力を入れることとし、生産計画の作成や販路の開拓、高性能な機械の導入など、ソフトとハードの両面をパッケージで支援し、5年間で30地区のモデル産地を育成したいと考えております。  加えて、土地利用型園芸に取り組む新たな人材を確保するため、今年度から意欲の高い生産者を土地利用型園芸チャレンジャーとして募集し、生産、流通、販売に関する情報提供や専門的な指導者の派遣など実践的な支援を行うとともに、園芸生産の創意工夫にスポットを当てたコンクールを開催し、生産意欲の喚起を図ってまいります。  今後とも、こうした取り組みを戦略的に展開し、園芸大国とちぎの実現を目指してまいります。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) 園芸大国とちぎづくり推進会議を6月に立ち上げるというご答弁でございまして、かなり気合いが入っているなというのは今知事の答弁からよくわかりました。特に施設園芸は、栃木はかなり進化しているといいますか、イチゴやトマトというのは、単収でいいますと全国で一、二を争うレベルになっていると思っております。だけれども、露地野菜の生産拡大というのは非常に難しくて、関東近県5県、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、栃木県という中で見ますと、本県の農業産出額は3番目ですけれども、耕地面積のうち水田率は78%と断トツに高いです。これは断トツですよね。それは水田がつくりやすい水があったり、地形だったということだと思うので、これは決して悪いことではありませんが、ただ、そういうことであるので、露地野菜等への土地利用型の転換というのはなかなか進みにくい県だと。そういう中で、特に販路、先ほど渡邉農政部長からも答弁がありましたけれども、気候によっていろいろ左右される露地野菜、その販路の確保が非常に大事だということで、首都圏向けの食品企業がたくさん県内には立地していますし、業務用野菜の需要というのは国の統計でも伸びているわけです。ですから、その辺をどうやって伸ばすかというのは、ある意味、露地野菜の拡大と同時に行わないと実現していかないと私は思うので、その辺について農政部長のお考えがあったらお聞かせください。 ○五十嵐清 議長 渡邉和明農政部長。 ◎渡邉和明 農政部長 再質問にお答えいたします。野菜の消費につきましては、今、議員からお話がございましたように、中食とか外食で使われている業務用のものが一般家庭用よりも上回っているという状況にございますので、露地野菜の生産を広げていくという意味では、こうした加工・業務需要への対応をどうしていくかというのが大きな課題と思っております。同時に生産面から見ましても、加工・業務用の場合は出荷規格がシンプルですし、出荷するときもコンテナで出せるというメリットもございます。高齢化している中では非常に効果が高いと思っております。  こうした食品企業との取引につきましては、一番言われるのは定時、定量、定規格ということでございまして、そのためにはある程度まとまった量を生産して供給していくということが必要になります。そのために、機械の導入を支援しますとか、あるいは1次処理加工といいまして、根切りとか洗浄とか、そういうものをするための施設も支援するということが必要と思っております。  また、食品企業と連携していくということになりますと、契約取引ということになりますので、そういうことが農業関係ではなかなかなれていないということがありますので、そういうことをアドバイスできるような専門家を派遣するとか、あるいはマッチング商談会の開催を行うなどして、加工・業務用野菜の拡大に努めてまいりたいと思います。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇)
    ◆46番(三森文徳議員) さまざまな課題があるわけで、そういう中で、園芸大国とちぎづくり推進会議を立ち上げて、各方面、関係される方の知恵を集約して、こういった課題に対応していくと思うので、ぜひそういうことを進めながら、周年供給力の大切さというのはこれから非常に重要な要素で、機械化も含め、いろんなことがありますけれども、そこをしっかり進めていただいて、知事の掲げる園芸大国とちぎづくりの目標が達成できますように頑張っていただきますようお願いして、次の質問に入ります。  4番目の質問は、県内食肉流通の活性化について、これも知事にお尋ねしたいと思います。園芸と同様、これからの本県農業を支えていくのは、農業産出額36%を占める畜産であるということは間違いないと思います。この畜産の分野では、県は平成25年に栃木県食肉流通合理化計画というのを策定して、県内に3つある食肉センターを統廃合して、新たな食肉センターを整備することとしました。県執行部、事業主体である畜産公社のご努力、そして県内の市町、さらには食肉関係団体のご協力によって、この計画は大変順調に推移しておりまして、改めて関係された皆様に敬意を表したいと思います。  この計画は、平成25年から平成32年を計画期間としておりまして、現在だと平成31年度末には芳賀町にあります県有地、県畜産酪農研究センター芳賀分場跡地に新食肉センターが完成して、計画期間内に事業が完了する見込みとなっています。しかしながら、この計画に記載されている基本構想というのがあって、その文章の最後にはこのように書いてあります。新たな施設の活用によって高度な処理加工による高品質な食肉の優先販売と食肉販売量の拡大、食肉関連企業との連携による県産食肉を利用した新商品の開発などを進め、県産食肉の高付加価値と本県畜産振興につなげていくと言っているわけで、次なる課題をこの計画の中で明確にしております。こういうことなので、とちぎ自民党議員会内には畜産振興議員の会という議連がありまして、それを開くたびに、こういったことを受けて、裾野の広い食肉関連企業とこれからつくる新食肉センターの連携を強化していくべきだという声が毎回上がっています。  しかしながら、土地について見ますと、今回芳賀分場跡地、全体27ヘクタールのうち、約10ヘクタールを新食肉センターの用地として利用するわけですけれども、残地であります17ヘクタールにつきましては、市街化調整区域に線引きされているわけです。  そこで、残地の活用も含めて、新食肉センターの機能を存分に発揮できるよう、県内食肉流通の活性化のための構想が私は必要だと考えるものですけれども、知事の考えをお伺いいたします。 ○五十嵐清 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。新たな食肉センターにつきましては、安全で高品質な県産食肉の安定供給と本県畜産のさらなる振興を図るため、株式会社栃木県畜産公社が、県、市町、農業団体などの支援を受け、計画的な施設整備を進めております。この新食肉センターを核に、県内食肉流通の活性化を図るには、栃木県食肉流通合理化計画にありますように、高度な衛生管理による品質の高い食肉の特徴を生かし、輸出を含めた販路の拡大を初め、食品関連企業との連携による新商品の開発や、高付加価値化などの取り組みを促進していくことが必要と考えております。  新食肉センターの隣接地につきましても、県産食肉の需要拡大に資することが望ましいと考えておりますが、ご指摘のとおり、市街化調整区域でもあり、利用に一定の制約がありますことから、現在、農政部を中心に課題の整理や、さまざまな可能性の検討をさせております。  この隣接地の活用も含め、新食肉センターの機能を最大限発揮させていくためには、関係者の共通理解が必要でありますことから、今後は畜産公社や芳賀町などと食肉流通の活性化のための方策をともに協議してまいりたいと考えております。  今後とも、本県における畜産関連産業の発展を目指し、関係者と力を合わせて取り組んでまいります。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) 今、跡地につきましては、食肉の流通に利用できることが望ましいという知事の答弁がありました。しかしながら、すぐにどうこうできる土地ではないので、地元、畜産公社、あるいは食肉関連の方々と協議してまいりたいというお話です。  大きく言って、これは芳賀町に非常にかかわりの深い問題でして、芳賀町は新たな工業団地、芳賀工業団地第2地区というのを県に造成していただくように要望し、今、基本調査等を行っているところであります。全体23ヘクタールで、これは芳賀工業団地に隣接しているところです。そしてまた、LRTが開通することによってさらに利便性が高まるということで、多分すぐ売れてしまうようないい地の利の工業団地だと思います。その同じ芳賀町に17ヘクタールの土地があるからといって、それをすぐにどうこうしようというのはなかなか難しい。これは私もよくわかるので、いわゆる太い幹の計画をつくってくださいというのが私の願いであります。それをするためには、県だけでもじもじしているのではなくて、関係するそのステークホルダー全員が集まって、ここはどうしたらいいかというのを相談してもらいたい。それはやっていただけると今言っていただきましたから、一安心はしたところです。  この芳賀分場跡地が選ばれたとき、我々はこう言いました。栃木県にはフードバレー構想があるのだから、そのフードバレー構想の一環としてミートバレー構想、これは仮称ですが、そういうでっかい絵を描いて、風呂敷を広げて、そこに食肉センターをつくっていったらどうかと、我々とちぎ自民党議員会で申し上げてきたところであります。したがって、それを今後やっていただくことが私は一番望むところでありまして、そこを今おっしゃっていただきましたような形で進めていただきたい。それについてはぜひ時間をかけずにその協議の場を立ち上げていただきたいと思います。  そこについて責任者が誰かというのは難しい話になりますが、今あの土地は間違いなく農政部の土地ですね。ですから、渡邉農政部長、その点について確実にやっていただけるかどうか、その辺について言えることがあったらお願いします。 ○五十嵐清 議長 渡邉和明農政部長。 ◎渡邉和明 農政部長 再質問にお答えいたします。新食肉センターはいろいろ紆余曲折がありましたけれども、1カ所の整備が進められるようになったということで、関係者と力を合わせてやってきた結果と思っております。隣接地も含めまして、ここを畜産振興の拠点にしていかなければいけないという思いは強くしておりますし、もちろん周辺地域の活性化につながるものでなければいけないと思います。ミートバレーというお話がございましたけれども、そういうことを含めまして、何ができるのか、あるいはどこまでできるのかということを、ビジョンを共有して関係者と一緒に詰めていきたいと思います。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) それ以上は聞きません。そこから先はしっかり進めていただければと思います。よろしくお願いします。  では、5番目の質問に入りたいと思います。5番目は、新たな森林経営管理制度における市町への支援についてということで、鈴木環境森林部長にお尋ねいたしたいと思います。この課題につきましては、前回の2月の通常会議の螺良昭人議員の代表質問で取り上げていただきまして、森林環境税及び譲与税については、県と市町の役割をしっかり整理して、県としての対応を検討していきたいという答弁を得ているところでありますけれども、今回は一歩踏み込んだ答弁を期待しながら質問させていただきたいと思います。  さて、国は森林資源の適切な管理を図るために森林所有者がみずから管理できない森林を市町村に委託し、市町村が森林を管理することができる森林経営管理法というのを、5月25日だったと思いますけれども、今国会で成立させました。この法律では、森林所有者みずからが森林管理を行えない場合、市町村に森林管理を委託し、委託された市町村は、意欲のある森林経営者に委託するか、市町村がみずから管理するかということで、間伐、森林整備を市町村が主体となって行うという法律です。  一方、国は来年度の税制改正で、森林環境税及び森林環境譲与税を創設する予定となっていまして、平成36年度からの課税開始期間までの5年間、譲与税特別会計というところから借り入れをする形で、来年度から3年間は毎年200億円を、残りの2年間は300億円を地方に配ると言っています。具体的に来年度からの5年間はどうなるかというと、市町村に8割、都道府県に2割という配分になるそうで、本県にはこれからの3年間、市町村分として2億5,600万円、県分として6,400万円が配分される見込みだと聞いています。最終的には市町村が9割、県が1割という配分になると描かれていますけれども、県に配分があるというのは、市町村に所有者が管理できない森林の面倒を見ろといきなり言われても、これは難しい面があるだろうということで、都道府県が市町村への支援を行うためだと聞いております。  実際のところ、森林所有者がみずから管理している森林というのはごくわずかではないかなと思っております。例えば森林組合ですとか、そういったプロの方々に任せられている状況の中にあって、森林管理のプロ、専門職がかなり少ないだろうと思われる市町村に管理委託を求めていくというのは、果たしてうまくいくだろうかという疑問があります。推進主体は市町村でありますけれども、市町村が新たな業務をスムーズに執行していくためには、県の果たすべき役割というのは大きいと考えられます。  県は、先月5月24日の市町村長会議で県と市町との協議の場を設けることを提案したと聞いています。  そこで、来年度からスタートする新たな森林経営管理制度、そして森林環境譲与税で行う業務を市町が円滑に進めていくために、県はどのような役割を果たして、どのように市町を支援していこうとしているのか、環境森林部長にお尋ねいたします。 ○五十嵐清 議長 鈴木峰雄環境森林部長。    (鈴木峰雄環境森林部長登壇) ◎鈴木峰雄 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。今国会におきまして森林経営管理法が成立し、来年度からは管理の難しい森林について市町村が整備を行い、その財源として、仮称でありますが、森林環境譲与税が配分されることとなります。この森林経営管理制度の導入に伴いまして、市町に新たな業務が生じることから、ことし3月に市町へのヒアリングを実施したところでございますが、この中では、経験のない事業であり、業務の運営が不安だといったご意見や、技術職員の確保が困難だといったご意見を数多く伺ったところでございます。また、譲与税につきましては、市町が森林整備に関連して行う木材利用や普及啓発、人材育成等にも使えることから、その使途や業務の執行体制についても、市町とともに検討していく必要があると考えております。  このため、先月開催されました市町村長会議におきまして、県から協議会の設置を提案いたしまして、市町が行う森林整備の進め方や譲与税の効果的な活用方法、そのための執行体制の確保等の課題を協議していくとともに、これらの課題に対する県の支援策についても検討していくこととしたところであります。  今後は、県と市町が協力しながら森林の整備や管理に取り組めるよう、森林経営管理制度の円滑な運用や、各市町の実情に応じた譲与税事業の実施に向け、準備を進めてまいります。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) 国も国土にある人工林のうちの8割が民有林、約800ヘクタールあると言われていますけれども、これをどうするかというところに非常に重点を置いた今回の森林環境税の創設と今は見えています。また、個人住民税の均等割に上乗せするという形で税収を上げるわけですから、全国民が負担するわけです。それをどう配るかにつきましても、これは今までの税金と違って、単に人口割とかそういうのではなくて、森林の重要度がどれだけあるかというところで配っていく。しかも、満額集まるときは毎年600億円国に集まるわけですよね。それを市町村に9割は配ってしまうと言っているわけです。ということになると、森林整備の主体と責任が今後市町村になっていくという、ある意味で大転換ではないかなと私は思います。先ほど冒頭で申し上げたように、市町村の体力自体が落ちていく中で、それが果たしてできるのだろうかという大きな疑問があります。  そこで、県の立ち位置はどうなるかということになってくるわけなので、ただいま答弁があったように、しっかり市町と対応しながら、森林環境税の使い道については応援していただきたいし、森林環境税導入に当たって一番議論となったのは、既にうちの県のように独自課税しているところと二重構造になるのではないかという議論ですよね。そこもあるので、ぜひ、とちぎの元気な森づくり県民税は2期目に入っているわけですから、これを有効活用した上で、さらに森林環境税で所有者がバンザイしてしまった森林をしっかり整備するという構造をしっかりつくり上げていただきますよう要望させていただきたいと思います。よろしくお願いします。  では、最後の質問に入らせていただきます。最後の質問は、無電柱化の推進についてということで、江連県土整備部長にお尋ねしたいと思います。日本における無電柱化というのは、欧米はもとより、アジアの主要都市と比べても、まさに大きく立ちおくれている状況にあるわけで、日本全国には依然として3,600万本の電柱が立っていて、毎年約7万本ずつふえているということです。これまでも無電柱化というのは国の指導によって進められてきたわけですけれども、国土交通省は平成28年12月に無電柱化の推進に関する法律というのを策定しまして、東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成32年までの3年間で1,400キロメートルの新たな無電柱化を進めることを目標にして無電柱化推進計画というのを策定して、脱電柱社会を目指すと宣言しています。  道路の無電柱化というのは、これまで防災性の向上、安全性、快適性の確保、こういった点から進められてきたわけですが、近年の災害の激甚化、頻発化、それから高齢者、障害者の増加、これに加えて観光の振興という面からも無電柱化の必要性というのは高まっていると思います。また、本計画の中では、良好な景観の形成、そして観光振興という面で文化財周辺施設を重点的に整備するとも言っています。まさにこうした取り組みというのは、地域の魅力を高めて交流人口を増加させるなど、地方創生に取り組む地方を後押しする非常に重要な施策であると思います。  私が住んでおります那須烏山市には、450年の伝統を誇ります、一昨年、鹿沼今宮神社祭の屋台行事とともに、ユネスコ無形文化遺産に登録されました山あげ行事というのがありまして、このお祭りというのは、路上の真ん中に高さ12メートルの和紙でできた山を立てるというお祭りでして、道路を横断する電線というのはとても厄介な存在であります。こういうことで、県道烏山停車場線の無電柱化というのも要望させていただいてきました。  そこで、世界遺産、さらには文化遺産が豊富に存在する本県において、無電柱化をどのように進めるか、そしてまた、先ほど申し上げた私の地元のようなところのお祭りを支援する意味での無電柱化というのもどのように進めるのか、県土整備部長にお伺いしたいと思います。 ○五十嵐清 議長 江連隆信県土整備部長。    (江連隆信県土整備部長登壇) ◎江連隆信 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、良好な景観形成や防災機能の向上、さらには歩行者等の安全で円滑な通行の確保を図るために、これまでも無電柱化を推進してまいったところでございます。また、本年4月からは、道路防災機能の向上を図りますために、緊急輸送道路におきまして新たな電柱の占用を禁止したところであります。さらに、議員からご紹介もありましたように、本年4月に国が策定いたしました無電柱化推進計画を受けまして、本県でも今年度中に関係機関と連携いたしまして、緊急輸送道路や観光地などにおけます無電柱化の整備方針にあわせまして、低コスト化に向けた事業手法を盛り込んだ県の推進計画を策定いたしまして、さらなる無電柱化の推進に取り組むこととしております。  なお、県道烏山停車場線の中央交差点から旭交差点までの区間についてでございますけれども、議員からお話がありましたように、烏山の山あげ行事が開催される地域のシンボル的な路線でありますことから、電線類の地中化を図ることとしたところでありまして、今年度は詳細設計や地元調整を進めまして、早期に事業着手できるように努めてまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) 私の地元の点についてはどうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。  それで、改めて調べてみますと、日本がいかに無電柱化がおくれているかというのは、歴史のあるヨーロッパの都市、ロンドン、パリ、ここは昔は何となくガス灯が立っているイメージですけれども、無電柱化は今100%ですよね。そして、アジアではシンガポールが100%に近い93%、ソウルが46%、北京が34%、日本で一番高いところは東京都の5%弱です。日本を代表する観光地京都も2%行かない。栃木県は1%行かない。これは世界から見ると、日本は無電柱化においては完全にひとり負けです。なぜこうなったかについてはいろんな要因があると思います。それを話したらとても時間が足りなくなりますからやめますが、それはそれとして進めていかなければならない重要な施策だと思っておりますが、いかんせん市町の首長さんを初め、無電柱化ということについていまいち関心を持っていただいていないのかなという気がしております。どういう手法で県に話したら無電柱化が進むかということも余りよくわかっていないところがあると思います。ですから、認識不足というのが非常に大きいかなと思うので、電柱は立っているのが当たり前だと思っていたら別に何の気にもならないけれども、世界の情勢を見れば、ここまでひとり負けになっているのですから、みんなで頑張ろうとならないといけないと思うので、県土整備部長に再質問します。市町への無電柱化の意識の醸成といいますか、それについて県土整備部としては、今までも図ってきたのかなと思いますが、今後さらにどのように図っていくのかというところをお聞かせいただければと思います。 ○五十嵐清 議長 江連隆信県土整備部長。 ◎江連隆信 県土整備部長 ただいまの再質問にお答えいたします。無電柱化につきましては、何より今まで進まなかった理由を私ども県土整備部の立場から申しますと、大変事業費がかかってしまうというのが一番大きな問題で、国の統計によりますと、大体1メートル当たり50万円ぐらい費用がかかっているというのが実態でございます。なおかつ、電線を入れるべき先の歩道の下には水道管、あるいは下水道管、そういったものが既に多数入っておりまして、これを移設していくということになりますと、事業期間も大きくかかってしまうということでこれまで進んでこなかったということでございます。  国では、かつてはキャブシステムとか、いろいろな方式を考えておったわけでございますけれども、これをより安い費用でできる方法がないかということでいろいろ今研究しているところでございますが、県としましても、そういうより安価な方法で進められれば、例えば軒下をはわせるとか、裏路地から持ってくるとか、そういう手法については、これはまさに市町のご協力なくしてはできないわけでございますので、お金をかけてやる方法、それから安価な方法で進める方法、こういった両面からこれから進めていきたいと思いますので、いろいろな面で市町の首長さん等とよくお話をさせていただきながら、地中化については進めてまいりたいと思います。 ○五十嵐清 議長 三森文徳議員。    (46番 三森文徳議員登壇) ◆46番(三森文徳議員) ぜひお願いしたいと思います。電柱は東日本大震災の際にも、そして随分前ですが、阪神・淡路大震災のときも、災害が起きたときに、救護や避難やら、そういった面で非常に邪魔なものになることはわかっているわけです。そしてまた、阪神・淡路大震災の統計によれば、電柱と地中化したものとどっちが被災を受けるかというと、圧倒的に電柱とのことです。地中化は被災は受けるものの、受け方は全然違う。こういうことを考えると、先ほどの問題でも申し上げた災害の激甚化、頻発化ということを考えますと、私は、日本はこれだけ地震大国なのですから、電柱の地中化というのはみんなで考えて、みんなで進めなくてはいけないと思うのです。  ただ、確かにコストがほかの国に比べたら高過ぎる。地中化は電柱を立てるものの10倍だと言いますが、これから道路改良やいろんなことを進める中では、常に無電柱化をどうしたらできるのかというところを意識しながらやっていただくことで大分違うと思うのです。例えばバイパスを通すときに、道は通ったけれども、今は電柱が立っているのは当たり前だという発想です。だから、それを無電柱化にしていくという意識をぜひ持っていただくように、我々もそういう意識を持ちながら道づくりを進めていくように努力してまいりたいと思います。  大変お疲れでございました。以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○五十嵐清 議長 以上で上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問は終了いたしました。  この際、申し上げます。お手元に配付いたしました議案付託表に記載の議案については、それぞれ所管常任委員会に付託いたします。ご了承願います。                             〔配付資料は巻末に掲載〕             ――――――――――――――――――――――――――――― ○五十嵐清 議長 日程第2 請願・陳情についてを議題といたします。今回の通常会議で所管常任委員会に付託いたします請願・陳情は、お手元に配付いたしました文書表のとおりであります。ご了承願います。                             〔配付資料は巻末に掲載〕 ○五十嵐清 議長 以上で本日の日程は終了いたしました。13日は定刻から本会議を開きます。  本日はこれで散会いたします。     午後3時30分 散会...