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平成30年 3月予算特別委員会(平成29年度)-03月16日-01号

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  1. 栃木県議会 2018-03-16
    平成30年 3月予算特別委員会(平成29年度)-03月16日-01号


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    平成30年 3月予算特別委員会(平成29年度)-03月16日-01号平成30年 3月予算特別委員会(平成29年度)      予算特別委員会(総括質疑)会議記録 1 開会日時  平成30年3月16日(金)午前10時00分~午後3時26分 2 場所  議事堂大会議室 3 委員氏名   委員長   岩 崎   信   副委員長   阿 部 寿 一   委  員   守 田 浩 樹          加 藤 正 一          野 澤 和 一          関 谷 暢 之          中 島   宏          保 母 欽一郎          金 子   裕          山 形 修 治          山 田 みやこ          五月女 裕久彦          早 川 尚 秀          佐 藤   栄
             三 森 文 徳 4 栃木県議会委員会条例第18条に基づき出席を求めた者の職氏名    知事             福 田 富 一    副知事            鈴 木 誠 一    副知事            赤 松 俊 彦    総合政策部長         北 村 一 郎    経営管理部長         金 田 尊 男    県民生活部長         和 田 裕 二    環境森林部長         淺 香 達 夫    保健福祉部長         山 本 圭 子    産業労働観光部長       香 川 眞 史    農政部長           渡 邉 和 明    県土整備部長         江 連 隆 信    会計管理者会計局長      冨 田 哲 夫    企業局長           中 里 文 計    総合政策部次長総合政策課長 沼 尾 正 史    財政課長           安 藤 高 広    教育長            宇 田 貞 夫    代表監査委員         石 﨑   均    人事委員会事務局長      石 塚   勉    労働委員会事務局長      北 村 直 也    警察本部長          坂 口 拓 也 5 会議に付した事件 (1)付託議案等(平成30年度当初予算関係)に対する総括質疑 6 その他の必要事項   なし             ────────────────────                  午前10時00分 開会 ○岩崎信 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。  本日の会議録署名委員に金子委員、山田委員を指名いたします。ご了承願います。  これより議事に入ります。  本委員会に付託されております平成30年度当初予算関係の第1号議案外27件の議案を一括して議題とし、質疑並びに予算関連の喫緊の県政課題についての質問を行います。  発言通告者に対し発言を許します。  とちぎ自民党議員会三森文徳委員。 ◆三森文徳 委員 おはようございます。とちぎ自民党の三森でございます。  予算特別委員会において、平成30年度当初予算に関する質疑ということで、私どもとちぎ自民党には145分という時間をいただきましたので、私、早川、山形、守田、中島、それぞれ同志の委員、役割分担して質疑をさせていただきたいと思います。  では、早速私の質疑を始めさせていただきます。よろしくお願いします。  1問目ですが、栃木ふるさと支援センターにつきまして知事にお尋ねしたいと思います。知事は、4期目の選挙に臨むに当たって作成した「とみかず元気宣言2016」、この中で、「地域の手による地域づくり」という項目を設けて、その中に栃木ふるさと支援センター(仮称)を設置して住民の地域コミュニティーの維持・再生の取り組みを促進すると、こういうふうに宣言されておりまして、そのことが新年度予算、栃木ふるさと支援センター(仮称)モデル事業費として800万円の予算が計上されているわけなので、このことについてお尋ねをします。  この事業は、独居老人の見守り、あるいは高齢者対策、空き家対策、耕作放棄地、あるいは荒廃森林対策、さらにはさまざまな生活支援対策といった地域の課題解決のために組織を設立・運営をする、このことを支援するセンターを旧市町村単位で設置をしていこうと、こういう事業だと聞いています。  少子高齢化が進んで地域の人だけでは解決できない課題、これに対して県が手を差し伸べていこうと、こういう事業であると思うんですが、私の地元もやはり高齢化が進んでいますから、買い物、これがなかなかできなくなってしまっている人たち、あるいはユネスコ文化遺産に登録になっていますが、山あげ祭、これも人手不足、後継者不足、こういった私の地域独特の悩みもあると。こういった集落においていろいろな課題を解決しながらその維持をしていかなければならない。そうでないとコミュニティー存続そのものが危うくなってくるなということは、私も大変危惧していることでありますので、今回のこのモデル事業によってセンター設置を推進していこうとするわけですが、その事業でありますふるさと支援センターの活動、これを通して知事はどのような地域の姿を目指そうとしているのか、まずお尋ねをしたいと思います。 ○岩崎信 委員長 福田富一知事。 ◎福田 知事 少子高齢化と人口減少が急速に進展する中、県内におきましても、中山間地域を中心に移動手段の確保が困難になったり、田畑の荒廃が進むなど、集落の機能が低下しつつある地域が増加しております。  これまで県では、生活サービス機能を集約し、周辺集落の交通ネットワーク化を図る「小さな拠点」の形成支援など、地域の活力を維持するための取り組みを進めてまいりましたが、現状は厳しいものがあります。  私は、地域における暮らしを守り、集落を維持していくためには、そこに住む人々が主体となって将来の地域の姿を共有し、必要な人材の確保やノウハウの活用を図りながら、課題解決に取り組む体制づくりを進めることが重要であると考えております。  そのため新年度予算におきまして、自治会など地域の運営組織が活動を行う際に、それをサポートするふるさと支援センターを設立・運営する市町に対し、その経費を助成することといたしました。  この栃木ふるさと支援センターモデル事業は、地域住民主体によるコミュニティーの維持・再生活動を促進し、さらにはこうした取り組みを各地域で展開をしていくことにあります。具体的には、生活支援や地域資源の価値の最大化等の課題を解決するものであります。その支援を官民挙げて行ってまいりたいと考えております。  その結果、県内どこに住んでいても将来にわたり安心して暮らし続けることができる栃木の実現を目指してまいります。 ○岩崎信 委員長 三森文徳委員。 ◆三森文徳 委員 知事の思いがこもった事業だなと私も思うんですが、知事の答弁の中にもあったように、「小さな拠点」づくり支援事業といった事業が、県単の事業で既に平成28年度から始まっておりまして、例えば私の地元ですと廃校になった小学校跡地を利用して高齢者が孤立しないような事業、それから介護予防のサロン的な事業をやっております。  県内各地で今その小さな拠点づくりが始まっているわけですが、ちょっとすみ分けがわかりにくいかなという感じがするんです。だから、小さな拠点事業が既に始まっているところにさらにふるさと支援センターをつくることの市町村の中の整合性のとり方を今現在どのように考えているのか、総合政策部長に尋ねます。 ○岩崎信 委員長 北村総合政策部長。 ◎北村 総合政策部長 既に市町におきまして、委員がご指摘のとおり、地域の運営組織が中心となりまして課題解決に向けた活動を行っているケースもございます。そういったところですと、ふるさと支援センターといたしましては、活動に資する人材を紹介しましたり、あるいは組織が引き続き十分な運営が図られるよう、組織の法人化を支援することによりまして、ふるさと支援センターの役割を担っていければと考えておりますし、そういったことによりまして小さな拠点の活動の中核を担うような組織が生まれてくればということで、期待しております。当然、これまで先行して取り組んでいる市町もございますので、そういったところにもぜひ支援センターを設置いただきまして、市内の面的な広がりもぜひお願いしたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 三森文徳委員。 ◆三森文徳 委員 知事の答弁でも生活支援といった身近な問題から、地域資源を生かしてこの地域をいろいろなところへ発信しようという、かなり幅広い事業なんだなと思うわけで、今北村部長からお話しがあった中で、今回の支援事業のスキームは、支援センターを立ち上げる経費とか、それから研修に行く、視察に行く、こういうのは県で補助しましょう。しかし、実際行うのは人ですよね。どういう方が地域に入って地域の課題を一緒に解決していこうとするのかといった、やっぱり人材の問題があると思うんです。だから、この人材をいかに確保するかがなかなか難しいところがあると思うんですが、この人材の確保については、どんなことをこれからしていこうとしているのか、これも北村部長にお尋ねしたいと思います。 ○岩崎信 委員長 北村総合政策部長。 ◎北村 総合政策部長 モデル事業でございますが、委員ご指摘のとおり、人件費は助成の対象としておりません。こちらにつきましては、国の特別交付税の対象となっております地域おこし協力隊、またはその市町のOB職員等を活用いたしました集落支援員、こういった制度がございますので、市町の判断によりましてこういったものを活用していただいてふるさと支援センターの運営に当たっていただければと、こういったことを想定しております。  また、県におきましては、ふるさと支援センターの人材を担うであろう地域おこし協力隊、また市町の職員を対象といたしまして、例えば住民アンケートや、ワークショップといった手法によりセンターの所期の運営に資するような研修も行いまして、センターの円滑な運営にもぜひ県としても取り組んでまいりたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 三森文徳委員。 ◆三森文徳 委員 地方創生、これを国が大々的に進めるということで、どこの市町においてもそれぞれ独自の総合戦略を立てて、今言ったような課題解決に取り組もうとしているわけですので、今地域おこし協力隊の話もあったのですが、そういったいろいろな施策を総合的にコントロールできるようなセンターになるといいのではないかなという気がするのです。だんだん地域でも一体何をやったらいいのかとわからなくなってしまう。余りにもメニューが多くなって、そういう嫌いがあるのかなと思うので、来年度はモデル事業ですから、やってみていろいろな課題が出ると思うのです。それをしっかり拾って、ふるさと支援センターが、知事が言うように地域の人たちが主体となって地域をつくっていくところの一つの重要な支援機関になるようにやっていただきたいと思います。  それから、私のこれは持論というんですか、地域に対する思いですが、要するに地域に手を貸すのは、あながちいいことばかりではないんですよね。自分たちで考えなくてはいけないと思ってもらわないとだめなこともたくさんあると思うんです。だから、よその人が来て、知らない人が来て、手助けしますよと。だったらこの人に任せようかと。結局、最後は行政頼みになっていく可能性がいまだにあるのかなと思うので、地域の主体性という、今知事が言ったように、どうやって担保しながら地域を支援していくのか、そういった視点をぜひ忘れないでやっていただければと思います。そんな希望を述べまして、次の質問に入らせていただきたいと思います。  では、2つ目の質問に入ります。  県庁舎周辺の再整備事業について、県民生活部長総合政策部長にお伺いをしたいと思います。  新年度の当初予算には、県庁の目の前にあります総合文化センターの改修費、それから栃木会館の解体費、これが計上されています。総合文化センターは平成3年10月にオープンしておりまして、26年が経過していて、設備や内装が老朽化しています。そういったいろいろな改修をするということで、総額約38億円をかけて大規模改修を行う、平成32年4月にリニューアルオープンしたいということなので、18カ月ぐらい休館をすることになるんだと思います。また、栃木会館は、昭和38年3月落成ですから、築54年が経過して昨年度から約10億円をかけて解体工事を進めているところです。私たちが今いるこの県庁舎、これは平成19年12月に完成していますから、もう早いもので10年が経過するんですね。この県庁を建てかえようという話が持ち上がる随分前から私どもの先輩議員が県庁舎周辺の再整備について一体どうするんだということで、いろいろな角度から執行部に質問をしていたのを改めて思い出すわけですが、栃木会館がなくなって、それから総合文化センターが大規模改修される、こういうことになったときに改めて県庁舎周辺の今の状況、これをどう考えていくのかと、こういう視点で質問したいと思っています。まず総合文化センターの大規模改修事業、この事業が明らかになったときに、やるよというときに、我々とちぎ自民党は、改修によってシンボルロードの渋滞の緩和、これを考えるべきだということを意見として執行部に申し上げてきました。特に、車寄せとバス停、これについては今回の改修にあわせて整備をすべきだと申し上げてきたわけなんですが、我々にはいまだにどうするんだという話がないもので、いよいよこの大規模改修事業に着手することになって、この点はどうなったのかなということを県民生活部長にお伺いしたいと思います。  それから、栃木会館を解体した跡地、これについては、知事から芝生を張って当面の間、県民の憩いの場所的な使い方をしたいと、こういうお話を聞いているわけですが、跡地の利活用を含めて県庁舎周辺の再整備について今後どのように検討を進めていくのか、これは総合政策部長にお伺いしたいと思います。 ○岩崎信 委員長 和田県民生活部長。 ◎和田 県民生活部長 総合文化センターの大規模改修につきましては、今年度の実施設計を踏まえまして、平成30年度から31年度にかけて改修工事を実施することとしております。当施設は、宇都宮市の中心部に位置し、県庁前交差点にも近く、周辺の交通量も多いことから、これまでに当施設来場者の県庁地下駐車場の利用の拡大や大型バスなどの県庁西駐車場の優先利用など、施設の利用環境を改善しながら周辺交通への影響の軽減に努めてきたところであります。  委員ご指摘のいわゆる車寄せやバス停の整備につきましては、歩行者、運転者などの安全確保を最優先に、周辺交通への影響も考慮しながら、利用者のさらなる利便性向上のため、今回の大規模改修工事にあわせてどのような整備が可能であるか、引き続き関係機関と十分に協議しながら鋭意検討してまいります。 ○岩崎信 委員長 北村総合政策部長。 ◎北村 総合政策部長 県庁舎周辺の再整備についてでございますが、県ではこれまで庁内のワーキンググループを中心に県庁舎周辺の土地の利活用の方策、それからその課題等につきまして整理を進めてまいりました。  方針の決定に当たりましては、今後の行政需要、それから将来の財政状況等を考慮する必要がございますので、当面、栃木会館跡地につきましては、芝生を張りまして管理することとし、また旧中央郵便局跡地につきましては、資材置き場や駐車場用地等として暫定的に利用することといたしました。  これら県庁舎周辺の土地の利活用方針につきましては、跡地利用と密接に関連いたしますシンボルロードを含めまして県都の顔にふさわしい空間の創出、また宇都宮市との連携によるまちづくりといった観点を踏まえまして、県議会のご意見を伺いながら引き続き関係部局とともに検討を進めてまいります。 ○岩崎信 委員長 三森文徳委員。 ◆三森文徳 委員 総合文化センターにつきましては、車寄せを含めて利用者の利便性を高めるために引き続き鋭意検討するというお話ですが、多分この事業は9月の議会ぐらいには契約しなくちゃならないんだと思うんです、時間的に。それで、今現在鋭意検討しているということ自体が何か余りにも遅いんじゃないかなという気がします。確かに交差点から近いので非常に難しいというのはよくわかります。だけれども、我々がそれを言ってきたのはうんと前のはずですから、早期に検討して我々にどういうふうにしていくのか示していただきたいなと思います。だから、今時点でもう来年度間もなくなるところへ来て検討しているというのは、ちょっとゆっくりしているのかなという気がしますので、その辺はなるべく早く検討を終わらせて、こういうふうにしたいと我々に示していただければ、我々もまたそこで意見を述べたいと思います。ぎりぎりになって、もうこれで決まりだというやり方ではなくて、早く示していただければと思いますので、大事なことだと思うので、この事業は、そのところは。  それと、北村部長に質問しますが、この課題については、先ほど言ったようにもう長年我々はどうするんだとは言ってきているはずなんですよね。だけれども、今度更地になる栃木会館跡地、4,600平米。それから、もう既に更地になっています旧栃木会館の大ホールの敷地、3,100平米。7,700平米、約2,300坪が全くの更地になって何もないと言ったら変ですが、利用されないでしばらく置くしかないねという発言だと思うんです、今の答弁は。ただ行政需要がはっきりしないし、財政状態もまだまだ不透明な点があるということになるわけですが、栃木県の一番中心中の中心においてこれだけの敷地を空き地にしておくことがいいんだろうかという議論はやっぱりあると思うんです、どう考えても。だってここは、平成29年度の路線価格を見ますと、大体平米当たり18万円ぐらいするわけです。取引だともっと高くなると思います、きっと。だから、大変な資産なんです、県にとって、ここは。だから、一つは売却する手もあると思うし、いろいろなことが考えられると思います。  それから、シンボルロードそのものの議論、ここをどうしていくのかという議論とあわせてやっていくしかない話だと思うんですよ。例えば空き地だから単独で売ってしまうという話にはならないんです、絶対。シンボルロードをどうするのか絵を描かない限りは、次に利用してもらう方だって利用できないですもんね。どうなるのかわからない。だから、そこの議論は私はしっかりしておくべきだと思うのです。多分、知事の思いとしては、多額なお金がかかると、シンボルロードの改修には。もしかすると100億円単位のお金がかかってしまうかもわからない。それはやっぱり県民の皆さんがもうちょっと自分の身近なものがまだまだ整備されていないから、そっちを優先したい思いがあると思います。それから、今まさに大型事業がめじろ押しでありますね、総合スポーツゾーンを初めとして。だから、この事業を終えない限りは次の手は打てないなと、ここはよくわかるのです。しかし、これだけの改修と解体をするときに、全くその目の前の交差点、シンボルロードの次の姿が見えていないのが私は極めて不自然じゃないかなと思うのです。だから、執行部として今現在今回の事業とそれから将来のシンボルロードを含めた再開発について、どの程度の議論になっているのか、総合政策部長にお尋ねしたいと思います。 ○岩崎信 委員長 北村総合政策部長。 ◎北村 総合政策部長 これまでも庁内のワーキンググループ等におきまして課題の整理等を行ってきたわけでございますが、委員がご指摘になりましたように県庁前のこれから活用していくべき非常に優良な土地でございます。県庁前の顔ということでもございますし中心地でございますので、当然県有地につきましては、県有施設の用地、あるいはにぎわいの創出を前提といたしました例えば民間への売却とか、それから昨年の5月に経済同友会からは、県庁前の広場と一体となったオープンスペース化を図ったらどうかとか、そういった提言もございました。そういったさまざまな観点ございますので、その利活用につきましては引き続き検討してまいりますが、またご指摘ありましたとおり、このためにはどうしてもシンボルロードの絵姿がまず前提と、一緒になって解決していかなくてはいけない課題になりますので、こちらについて、シンボルロードにつきましても、県土整備部と連携することになると思いますが、並行して事業化等につきまして検討してまいりたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 三森文徳委員。 ◆三森文徳 委員 一歩前進という感じはしないので、だとすれば、今のシンボルロードは幅20メートルという都市計画道路で、そのサイズになっているわけですよね、まさに。そこにはマロニエ、いわゆるトチノキがたくさん植えてあって、これ調べたら昭和14年に桜の木から植えかえられたそうです。ということは、80年たっているのかな。これ移設することも考えなくてはならない。非常に厄介な問題かなと思うんですが、この際、都市計画を変更して、30メートルあるいは40メートルという道路に計画を変更しておくと、前もってということになると、県庁の残りの土地の使い方もはっきりしますし、都市計画が変更になれば。こういった手法もある意味あるのではないかなと私は思うんです。ただ、しっかりした事業のめどが立っていないのに計画だけしていいのかというところもあるかとは思うのですが、だけれども、このままいくと多分もう相当しばらくこのままだよね。でいいのかなと私は思うので、そういった対外的にもこのシンボルロードをつくり変えるぞという花火はどこかで打ち上げていかないといけないのではないかなと思いますし、多分今部長が言った以上に庁内では検討しているんだと思うんです、いろいろな角度から。だけれども、こういうことはもうちょっと明るく県民の議論として土俵に上げて、みんなにいろいろな、今さっき会議所の話もありましたが、してもいいんじゃないかと思うのです。だから、それをずっと何かぎっちり県庁で握っていて、完全に水も漏らさぬ計画になったら出すよという姿ではなくて、できるできないは別として、県民の皆さん、やっぱり私は栃木県の顔だと思うのです、顔。だから、そこは議論を深めていくという前向きな姿勢はとってもいいのではないかと思いますので、そのことをぜひ、道路管理は県土整備部長でしょうから、そこも含めて今都市計画の問題も話しましたが、そういうことを、ちょっと余りにもあれかなとは思いますが、やり方としては、ぜひ何かみんなで考えようという機運を高めていただきますようにお願いをして、時間もなくなってきましたので、次の質問に入りたいと思います。  次は、森林所有者対策ととちぎの元気な森づくり県民税について環境森林部長にお伺いします。  平成30年度当初予算につきましては、去る2月23、27、28日の3日間、本会議場で私ども自民党の螺良昭人議員の代表質問に始まってさまざまな角度から議論がされました。特に、螺良議員からも森林・林業に対しての質問があったわけですし、螺良議員を含めて5名の議員から森林・林業に関係する質問がありました。これは非常に重要な課題だなと改めて思います。  さらに、昨年の10月18日に栃木県県産木材利用促進条例、通称とちぎ木づかい条例が制定されましたし、第1期の10年間を終えまして次の新たな10年間のスタートを切りますとちぎの元気な森づくり県民税、これも4月1日からスタートするということがあります。  本会議のこういったことについての質問につきましては、知事から、植えて、育てて、切って、使うといった森林本来の循環利用サイクル、これを回復させる、これが一番大事だと、そして、それには皆伐の促進、これも大事だと、こういった答弁がありました。県民税をこれから利用していく中では、持続可能な森林管理、それから森林所有者対策、これも新たに使途として明記してやっていくんだという答弁も知事からありました。  そういう中で、さきの補正予算の質疑においても、この委員会での質疑においても、私ども自民党の金子委員から林業のあり方、特に国際競争に耐え得る林業のあり方で質問あったんですが、私からはちょっと違った視点で2つほど質問しますが、1つは皆伐を進める上で、森林の所有者、それから境界が明らかになっていることが大前提ですが、実際にはそうなっていない森林がたくさんあるということでありますので、これがいずれ大きな課題になると。今度のとちぎの元気な森づくり県民税につきましては、森林組合等に地籍調査を依頼してやってもらう事業が盛り込まれると聞いていますが、来年度この地籍調査を森林組合等に委託する事業はどのように進めるのか、それを1点お伺いします。  2つ目は、我が会派からずっとこれも言っているんですが、木造・木質化の助成を住宅だけでなくて店舗、あるいは工場、そういったものも助成対象に加えてほしいということにつきましてお願いをしているわけで、本会議においては神谷幸伸県議からこれを質問させていただいて、次期県民税を財源としてこれをやっていきたいと、支援していきたいと答弁をいただいておりますが、具体的に県民税でどのように助成していくのかお尋ねをします。 ○岩崎信 委員長 淺香環境森林部長。 ◎淺香 環境森林部長 まず、1点目の地籍調査につきましては、境界等が不明確な森林を対象とした調査を実施する森林組合等を支援するものです。  新年度につきましては、市町村の地籍調査計画との調整を図りながら、対象地域、優先順位、年次計画、概算事業費などを盛り込んだ森林組合等による基本計画策定を支援して平成31年度以降の本格的な調査につなげてまいります。  2点目の店舗等の木造・木質化につきましては、助成対象をこれまでの公共施設に加えまして、商業施設や集客施設など多くの県民が利用するPR効果の高い民間施設にまで拡大いたします。  支援内容につきましては、200平方メートル以上の建築物を対象に木造・木質化したことによる差額経費に対しまして1,000万円を上限として助成をするものです。  今後、制度の周知を十分に図りながら事業効果の高い施設へ積極的に支援をしてまいります。 ○岩崎信 委員長 三森文徳委員。 ◆三森文徳 委員 200平米以上の店舗等に差額の分として1,000万円を上限として支援したいということ。中身を今初めて聞いたんですが、できるだけ早くわかりやすくしてもらって、知らしめてほしいです。余り年度の真ん中ぐらいになってからやらないで、もうスタートする時点でこれだけのものをやりますからどうか使ってくださいという形で早く県民の皆さんに知らしめていただきたいと。特に、商工会の人たちなどは店舗改装しようかという話があるときにやっぱりそれで県産材を使おうかなというインセンティブになると思うんです、そういうものがあれば。だから、それはできるだけ早くに周知を図っていただければと思います。  それから、地籍調査の件ですが、栃木県の特徴として、栃木県は5ヘクタール以下の小規模な地主が大変多いんです。平成27年度の調査ですが、森林の所有者は7万1,000人いるそうです、栃木県には。その中で、5ヘクタール未満の所有者は6万3,800人といいますから、89%が小規模な5ヘクタール以下の地主と。こういうことになると、地籍調査は困難を極めると思うのです。  それで、地籍調査を委託することを森林組合はもう既に知っていますから、組合の皆さんに聞くと、今でも下刈りに人手不足なのに、その地籍調査もやるのは大変だなと。それと、もう1つ、一番心配しているのは、今までやってきた市町村が、県から組合にやれと言われれば、我々はいいのかということになりはしないかと。だから、市町村の関与は一体どこまで担保されるんですかというのは、やっぱり大きな疑問ですね、森林組合の。その辺は、環境森林部長、どうでしょうか。 ○岩崎信 委員長 淺香環境森林部長。 ◎淺香 環境森林部長 地籍調査につきましては、国土調査法に基づくまずは調査の計画、10年間の計画がこれは市町村において策定されます。したがいまして、今回私どもが計画をしておりますのは、まず平成30年度に基礎的な部分を押さえまして、それを市町村の調査計画に反映していただくような形になってまいります。現計画につきましては平成31年度までで、平成32年度から新しい計画、10カ年になりますので、今回の平成30年度の部分は、大方新しい計画に反映されます。そういったことで、市町村と私どもとの役割分担としては、今後は森林については県側での対応を進めていきたい。それから、それ以外の市街地、農地も含めまして、そちらについては市町村を中心にやっていただくようなそういった役割分担についても、あわせて調整をしていきたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 三森文徳委員。 ◆三森文徳 委員 わかりました。でも、地元説明やいろいろな面では、地元の市町村の力をかりないとできないと言っていますよね。だから、すみ分けはある程度仕方ないにしても、市町の協力をしっかりとりつけるというところはとても大事なことではないかなと思います。栃木県の地籍調査の中で、林地、森林はまだ全体の18%しか地籍調査を終えていないんです。残り大変な面積が残っているわけでありますし、特に人工針葉樹が植わっているところ、これがすごくたくさん、調べてもらうと4万ヘクタールほど残っているというんですよ、まだ地籍調査の手が入っていないところ。ですから、これかなり厳しいことだと思います。したがって、いろいろな有効な手段を使って森林の地籍調査をしっかり進めていただきますように、改めて要望して、ちょっと時間超過しましたが、私の質問を終えて早川委員に渡したいと思います。ありがとうございました。 ○岩崎信 委員長 早川尚秀委員。 ◆早川尚秀 委員 とちぎ自民党議員会の早川でございます。引き続き質問させていただきます。
     私は、農政部関連の質問を2問用意しましたので、農政部長にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。  初めに、園芸作物の販路拡大についてお伺いします。  これまで自民党会派として、園芸作物の生産振興を重要課題と捉え、イチゴやトマトはもとより、それらに続く主力品目候補となる作物の育成や県内各地域に根づき伝統的に生産されてきたいわゆる地域の特産物の生産振興に対し、積極的な取り組みを展開すべきであると、そういう主張をしてまいりました。  新年度予算では、本県農業の成長産業化に向けた施策としまして、園芸大国とちぎづくり推進事業費15億385万7,000円、とちぎの農産物ブランド力強化推進事業費1億1,993万1,000円が計上されており、これらは自民党会派からの要望を踏まえ、内容が充実されたものとなっております。  これらの予算を効果的に活用し、園芸作物のさらなる生産振興と県産農産物のブランド化や販路の開拓に努めていただきたいと思っております。  特に、販路開拓については、県ではこれまで東京都など首都圏を中心に県産農産物の販売を進めてきたところでありますが、TPP11などのグローバル化の進展や少子高齢化による国内マーケットの縮小などの情勢変化を踏まえますと、今後は国の内外に新たな販路を開拓していくことが必要であると考えます。  そこで、園芸作物の販路拡大について、今後どのように進めていくのか、農政部長にお伺いします。 ○岩崎信 委員長 渡邉農政部長。 ◎渡邉 農政部長 農作物の産地間競争が激化する中にありまして本県農業のさらなる発展を図るためには、将来を見据えて新たなマーケットを積極的に獲得していくことが重要でございます。  本県では、現在、首都圏に重点を置いて流通・販売対策を進めておりますが、今後はさらに新たに設置される大阪センターを足がかりとして、「スカイベリー」や「にっこり」など、本県の特色ある園芸作物を中心に西日本における販路開拓にも取り組んでまいります。  また、イチゴや梨、花などにつきましては、品質の高さから海外での販路拡大が期待できますことから、現地バイヤーとの関係構築や相手国に合わせたプロモーションの展開を図るほか、テストマーケティングなどを通しまして新たな輸出先の開拓に努めてまいります。  さらに、増加する加工・業務需要に対応するため、産地と食品企業のマッチングを促進するなど、新たな需要も積極的に取り込みながら園芸作物の販路拡大を図ってまいります。 ○岩崎信 委員長 早川尚秀委員。 ◆早川尚秀 委員 ただいま部長から海外戦略、そして大阪センターを活用した関西圏、西日本への販路開拓という話がございました。当然ながら、生産を拡大していくためには、売れること、消費してもらうこと、これが重要になってくると思います。そのためには、新たな販路を開拓していく、切り開いていくことが大変重要であると思っております。そして、その新たな販路としてターゲットとしております関西圏、そして海外ということですが、まずは関西圏につきまして再質問させていただきたいと思います。  新年度の予算案には、大阪センターに関係する事業としまして、関西情報発信強化事業費、そのうち観光物産情報発信事業費が計上されております。県は、企業誘致及び県産品、観光のPR、販路開拓・拡大に向けた取り組みに要する経費としてこれらを計上しておりまして、大阪センターを開設するということであります。  本県農産物のPR及び販路開拓に乗り出していく、そして大阪では九州方面などから多くの農産物が手に入るということでもありまして、この関西圏の方々の嗜好というものを的確に把握していく必要があると思います。  これらの事業費につきましては、産業労働観光部の所管となっておりますが、この大阪センターが県産品のPRや販路の開拓・拡大を進めていく上で、農政部としてはどのような形で主体的にかかわっていく考えなのか、農政部長にお伺いします。 ○岩崎信 委員長 渡邉農政部長。 ◎渡邉 農政部長 品質の高いイチゴ、梨、ニラなど、本県の特色ある農産物がございますので、こうしたものを関西圏の方に知っていただく、味わっていただくことになれば、これは栃木県の魅力を実感として伝えることにもなると考えております。こうした農産物の販路を開拓するということになりますと、まず確実なルートづくりが重要だと考えております。  これまで首都圏で培ってきたさまざまな流通業者との関係もございますし、農業団体は全国組織で実施しているものもございますので、そういうネットワークをフルに活用しながら関西での足がかりをつかんでまいりたいと考えております。  また、マーケット調査やPR活動を実際に進めるわけですが、その際には、経済流通課に農産物ブランド推進班がございますので、農政部の職員も派遣して大阪センターと一緒になって関西の食文化や嗜好にマッチした売れる商品づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 早川尚秀委員。 ◆早川尚秀 委員 部長から確実なルートづくり、そのためにはこれまで築き上げてきたさまざまなネットワーク、販売ルートを活用していきたいといった答弁をいただきました。  ここで、やはりこのイチゴ生産量50年連続日本一というのは大きな武器であり、この看板、それからこのインパクト、この実績というのは、これから販路を切り開いていく上で大きな武器になると思います。  そこで、このイチゴのことについて少し質問させていただきたいと思っておりますが、栃木県ではイチゴ生産量50年連続日本一だったことを契機にいちご王国プロモーションを積極的に展開しております。しかしながら、いちご王国の知名度は全国的には残念ながらまだまだ低く、特に関西では本県産イチゴがほとんど販売されていないとも聞いております。新年度予算案では、いちご王国確立プロモーション事業費2,000万円強が計上されておりまして、PRなどさまざまな事業を実施しようということを聞いております。  そこで、この関西圏におけますイチゴの販路開拓については、どのように考えているのか、再度農政部長にお伺いします。 ○岩崎信 委員長 渡邉農政部長。 ◎渡邉 農政部長 委員からご指摘がありましたように、本県のイチゴの販売は東日本がほとんどでございますので、関西圏になりますと1%にも満たない状況にございます。知名度ではまだまだということになりますので、イチゴといえば栃木県と思われるように関西においてもいちご王国プロモーションを展開してまいりたいと考えております。  具体的には、大阪駅で実際に試食してもらってPRするとか、あるいはレストランで栃木県のイチゴフェアを開催する、そのほか本県にゆかりのある企業、あるいは関西の県人会もございますので、そういう方面の方と連携いたしまして、ことし県内のプロモーションで広がりました協賛事業というのがありますが、そういう形で横の展開を図っていければと考えております。  また、販路開拓を実際に進める上では、まず贈答向けの高級イチゴから入っていくのがいいかと思っておりますし、果実専門店やデパートでテスト販売を行いますとともに、関西となりますと輸送距離が長くなりますので、輸送方法、実際の物流方法についても効果的な方法はどういうものがあるのか、調査を進めていきたいと考えております。  栃木県のイチゴが行く行くは常時購入できるようになればいいと思いますので、そういう機会、場所の確保を目指して取り組んでいきたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 早川尚秀委員。 ◆早川尚秀 委員 繰り返しになりますが、この50年連続生産量日本一というのは、インパクトからしても非常に大きな武器になると思いますし、まずは、いわゆる切り込み隊長ではないですが、イチゴを前面に出して関西圏で販路を切り開いていき、そこから梨やそれに続くリーディングブランド、そしてそれ以外の作物へと順次拡大していくそのきっかけとして、ぜひこのイチゴのプロモーションの展開を成功させていただきたいと思っております。  また、もう1つお伺いしますが、このPRや販路拡大、開拓に当たっては、当然ながら十分な市場調査、マーケティングが必要不可欠であると思います。先ほど人々の嗜好を捉えると申し上げましたが、例えばですが、一般消費者向けには認知度や知名度アップ、それからイメージアップ戦略とか直接そういったものが効果的であると思いますし、また他方で、バイヤーとか事業者向けにはそれなりの売り込みやコネクションづくりも必要になってくると思っております。その両方が必要なんだと思います。  新年度の予算を見ておりますと、例えばですが、とちぎ農産物マーケティング協会が事業者となっております和牛消費拡大PRとか、にっこりプロモーション推進、うまい米消費拡大推進といった事業が盛り込まれておりまして、県はここに対して補助を出すわけでありますが、これは私の認識というか理解なんですが、こういったとちぎ農産物マーケティング協会の行っている事業は、従来の既存の販路に乗って販売していくとか、既存の販路を拡大していく、そこに乗っかっていくようなイメージを持っておりまして、今回の関西圏のように新たな販路を切り開いていくという意味では、このとちぎ農産物マーケティング協会などとは別にそういった販路を切り開いていくことにたけたパートナー、それが専門家であり、あるいは総合商社のようなものかもしれませんが、こういったパートナーを見出していく努力もしていく必要があると思いますが、この点について部長の考えをお伺いしたいと思います。 ○岩崎信 委員長 渡邉農政部長。 ◎渡邉 農政部長 新しい地域で新しい物を売っていくことになれば、当然専門的な知識やノウハウがある方の力をかりることが必要かと思っております。輸出につきましても、実際先ほどお話しがありましたとちぎ農産物マーケティング協会の中に輸出専門員を置いておりまして、これは実際に農産物の輸出に携わったことがある経験者を雇っているわけですが、そういう人を活用して実際実務を進めているということがございます。今度の新しい事業の中では関西圏に対して新たな売り込みをかけるということでございますが、先ほどの答弁の中でもお話しいたしましたが、栃木県が今までいろいろつき合ってきたネットワークがございます。例えば、お米につきましても、実は関西・東海圏の販売は県内の量に匹敵するぐらい流通しておりますし、ゴボウは実は栃木県の生産・出荷しているものの7割は関西に行っているということもございます。こういうルートをうまく使っていくことが大切かと思っております。  まずは、新年度の中でしっかりと第一歩を進め、それから先の展開につきましては本当に走りながら考えることになるかと思いますが、外部パートナー活用も含めまして実践、それから実行力を第一に考えまして効果的な戦略をつくってまいりたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 早川尚秀委員。 ◆早川尚秀 委員 ありがとうございました。最初の答弁で関西圏と海外がありましたので、続きまして海外のことについて再度質問させていただきたいと思います。  海外の販路開拓につきましては、農政部を中心とした努力によりまして年々輸出量がふえているということで、大変喜ばしいと思っております。  これまで以上にこの販路開拓、販路拡大については進めていただきたいと思っておりますが、これまでは農業団体を中心とした取り組みであったと思います。今後は、それらに加えまして意欲のある生産者が積極的に輸出に取り組めるような支援も農政部として必要ではないかと考えておりますが、この点につきまして農政部長の考えをお伺いしたいと思います。 ○岩崎信 委員長 渡邉農政部長。 ◎渡邉 農政部長 輸出に対する生産者の関心は着実に高まってきていると感じております。しかし、実際の輸出となりますと、具体的なノウハウがないこともありまして、それに踏み切れない生産者が多いことも事実でございます。輸出の裾野を広げていくためには、こういう意欲のある生産者をしっかりサポートして実践に結びつけていく取り組みが必要かと思っております。  このため、貿易の経験がある、あるいはさまざま実務経験がある商社のOBをアドバイザーに委嘱いたしまして、国別の輸出の手続、あるいは品目に適した輸送方法、それから検疫への対応などいろいろ実務的な問題がありますので、そういうものの実践的な助言を行ってまいりたいと考えております。  また、現地で販売ルートをつくっていくことになりますと、先ほどの関西圏と同じですが、現地バイヤーとの連携が重要でございますし、また一定の販売場所を確保することになれば量のまとまりも必要になってまいりますので、国際見本市への出展、あるいは輸出業者のマッチングなどを支援いたしますとともに、意欲ある生産者については、組織化することも、それを進めることもやっていきたいと思っております。実効性のあるきめ細やかな支援を進めていきたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 早川尚秀委員。 ◆早川尚秀 委員 海外に関する答弁もいただきました。  関西圏の話に戻りますが、目指すべき姿は、期間限定で栃木県の販売特設ブースみたいなものを設けるとかではなくて、関西圏のスーパーや百貨店の売り場に当たり前のように栃木の農産物が並んでいて、それを当たり前のように地元の方々が購入していく姿なんだと思います。ぜひその姿に一歩でも二歩でも近づけるように、またそれが実現できるように努力していただきたいと思っております。  そして、この関西の大阪センターは、ある意味新年度の目玉事業であるとも思っております。ヒアリングの際にも少し予算が少ないのではないですかという質問をさせていただきましたが、やはりスタートは肝心だと思います。インパクトを残して、こちらが関西でニーズがありますよと、関西はマーケットとして重要視していますよということを伝えていくには、近隣他県で撤退するタイミングですから、このタイミングで栃木県は打って出るというのは、ある意味とてもいい時期なんだと思っております。そういったことが地元の方々、向こうの方々にしっかりと伝わっていくためには、やはりこの最初の予算をしっかりと組んで積極的な活動を展開していくことが必要だと思いますので、こちらにつきましても十分な予算を組んでいただければと思っております。  そして、東京と大阪ということになりますので、この東京-大阪間に目を向けますと、そこには愛知県を中心とした中京圏がございます。ここにも当然ながら相当数の企業が集積し、また相当数の人口が集中しているわけでありまして、ある意味マーケットとしては非常に重要視するべきだと思っております。この大阪センターの開設を機に中京圏における企業の誘致活動、観光情報の発信や収集といった活動、あるいは物産展や観光展の企画などをより一層強化していくことも十分検討していかなくてはいけないことかと考えております。  参考までに、これはご存じだとは思いますが、隣の群馬県は大阪事務所と名古屋事務所の両方を設置しておりまして、その実績、成果を比較しますと、観光物産展の開催件数を除くと、それ以外、先ほど申し上げた例えば観光案内数、旅行業者訪問数、企業の訪問数、立地関与件数などいろいろな数字で比較しますと、名古屋事務所のほうが大きく数字が上がっていると。これは群馬県の特殊事情もあるかもしれませんが、一応、実績としてはそのような結果も数字としてあらわれているわけであります。まずこの大阪センターをぜひ成功させて積極的な活動を展開しながら、同時にこの中京圏もにらんでいく必要があると思いますので、一般質問の答弁では知事から3名体制という答弁もございましたが、今後その展開によっては人員を拡大し、マンパワーと予算と両方で、ぜひこの東京-大阪間をカバーできるような、東京、そして大阪、中京という取り組みを進めていただきますよう最後に要望いたしまして、次の質問に入らせていただきます。  次に、農産物の品種戦略について、同じく農政部長にお伺いします。  県では、1月に白イチゴ「栃木iW1号」の品種登録を出願し、同時にブランド名を一般公募いたしました。白イチゴのオリジナリティーというものにも目を引くところでありますが、名称を公募するというこの手法は、注目を集めるという点でも有効であると思いますし、消費者への浸透が期待されているところであります。  一方で、2月には酒造好適米、いわゆる酒米、しかも大吟醸に向く新品種「夢ささら」、そしてもち麦と呼ばれる食用大麦の新品種「もち絹香」を公表いたしました。どちらも、特定の用途向けにすぐれた専用品種であり、本格的な生産と商品化がされることを今から期待しているところでございます。  人口減少時代に入りマーケットが縮小していく中にあって、産地間競争はますます激しくなっており、イチゴやお米など各県が新品種の開発にしのぎを削っている状況にあります。  新年度の予算では、農業試験場費として2億9,300万円余、また知的財産保護・活用費として410万円余が計上されております。  本県農業の成長産業化のためには、競争力強化が不可欠であり、そのためにはマーケットのニーズを的確に捉えながら戦略性を持って新品種を開発していくことが必要であると考えております。県としてどのように取り組んでいく考えなのか、農政部長にお伺いします。 ○岩崎信 委員長 渡邉農政部長。 ◎渡邉 農政部長 品種の開発に当たりましては、収量や品質等の栽培特性はもちろん、消費者の嗜好も見きわめることが重要でありますことから、品目ごとの専門検討会を開催して食品企業や消費者の意見を集約し、研究に反映しております。  今後は、さらに新品種による新たな需要の開拓にも取り組んでいくこととし、マーケティングによる分析・評価やブランディングの手法を取り入れた栃木県農産物知的財産戦略を策定してまいりたいと考えております。  また、イチゴの有望な新品種については、早い段階で品種登録を行い、育成者権を保護した上で、より迅速な現地試験とテストマーケティングを実施し、普及方針を決定してまいります。  さらに、本格的な生産や販売に向けては、国内に加え、想定される輸出相手国でも商標登録を行うなど、オリジナル品種の開発と活用を戦略的に進め、本県農産物の競争力強化を図ってまいります。 ○岩崎信 委員長 早川尚秀委員。 ◆早川尚秀 委員 さきに申し上げました農業試験場費の内訳を見てみますと、開発技術費、生産者向けのセミナー費、顧客からの需要調査費等がここに含まれているということでありまして、研究段階に応じて予算分配されると聞いております。昨日の新聞でも、今申し上げた白イチゴの記事がありまして、そこで農業試験場の研究員の方々の長年のご苦労とご努力がよく伝わってまいりまして、本当にこの新品種開発に向けてのご苦労に心から敬意を表する次第でございます。  この新品種、開発しただけではお金にならないということで、農業の成長産業化に直接つながるということではなくて、その開発した品種の種や苗につきまして、希望する意欲ある生産者に対し迅速に十分に供給していくことが今後必要になってくると思います。この生産者に対する苗や種を供給する体制づくりにつきまして、どのように進めていくお考えなのか、農政部長に再度お伺いします。 ○岩崎信 委員長 渡邉農政部長。 ◎渡邉 農政部長 県が開発した品種につきましては、優良で均一な苗や種を供給していくことが必要でございますので、農業試験場でまずもととなる、原苗とか原種という言い方をしておりますが、そういうものをつくりまして、それをもとに米や麦であれば栃木県米麦改良協会、それからイチゴや花であればとちぎ農産物マーケティング協会、ここにおきまして増殖ということで、苗や種をふやしまして、生産者に栽培用の種や苗が渡っていく仕組みになっています。  新たな品種を開発した場合には、当然県としては原種や原苗の生産に引き続き責任を持って取り組むということでございますが、品種の数が多くなってまいりますと、その先の増殖、ふやす段階をいかに強化していくかということが一つのポイントになるかなと考えております。このため実際に増殖を行う施設の拡充などを支援するとともに、民間のノウハウも取り入れて供給の効率化を図ることも必要でございますので、種苗会社の活用の検討も含めまして体制の充実を図ってまいりたいと考えております。  さらに、イチゴでございますが、イチゴは今苗でふやしておりますが、これが種でふやせるようになれば育苗期間が大幅に短縮できることになります。そのためには品種や技術を開発しなければいけないわけですが、これが画期的なことになるかと思うのですが、将来に向けての技術革新ということで、そういう先を見据えた新たな取り組みにつきましても、積極的に挑戦してまいりたいと思っております。 ○岩崎信 委員長 早川尚秀委員。 ◆早川尚秀 委員 栃木県は、イチゴに関しては苗の生産体制、供給体制が全国に誇るすばらしいものを持っていると聞いております。一般的には生産者の方々が苗や種を購入するその売り上げでもって外部の団体等がそういった運営をしていくことになるのでしょうが、苗や種の生産供給体制を整えていく、それを実際に行っていく、そういった施設が今後必要になってくることは目に見えているところでありますので、ぜひそういった部分につきましても、十分な予算を組んで、農政部として、県として、積極的に支援し、意欲ある生産者に対して早く苗や種を供給でき、生産につながり、生産が拡大され、それが売り上げにつながって成長産業化するといういい流れ、循環を生むその一番のもとになるところでありますので、ぜひ積極的な取り組みをお願いいたします。  それから、もう1点、イチゴのことになりますが、「あまおう」のように福岡県の専用品種として贈答向けのマーケットを狙っていく戦略を持っているものもあれば、「とちおとめ」のように他県にも許諾してマーケットのシェアを獲得しながら販売力を高めていく戦略もあろうかと思います。消費者などに購入してもらうためには、そういった志向やブランド化を進めていくなどの販売戦略を策定しながら進めていくことは重要であると思っております。  そこで、今後開発していく品種については、どのような戦略を持って取り組んでいくお考えなのか、農政部長にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○岩崎信 委員長 渡邉農政部長。 ◎渡邉 農政部長 新品種をどのように展開していくかということだと思いますが、今委員からお話がありましたように、「あまおう」と「とちおとめ」は全く戦略が違うということでございます。時代に応じてそのやり方は考えていかなければいけないと思うのですが、どのようなマーケットをターゲットにしていくかということで、その普及や販売の戦略は違ってくると考えております。例えば、「スカイベリー」もそうでございましたが、贈答用の高級品という特定の用途を目指すものであれば、品種のオリジナリティーを生かすということが一番ですので、それで他産地に勝っていくと、そういうことを目指して県内の生産者限定で普及を進めていくことが基本になると思います。一方で、県内で囲い込みをして、要するに県内だけでつくったために生産量が思ったより伸びなくて結果的に消費者に認知されないとか、実際の業者もそうですが、そういうことがありまして、知名度が上がらないで需要が伸びなかった、うまくいかなかった例も幾つもございます。このため、「とちおとめ」の場合はそうでしたが、市場のシェアを高めたほうが販売上のメリットがあると判断される場合には県外についても利用を認めていくことになると思いますが、そうしたケースであっても、まずは県内の生産者にしっかりとした技術を確立していただいて、品質や生産性の面でアドバンテージを持つことが重要でございますので、県内での普及を先行させてマーケットを確実に獲得していく方針で臨みたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 早川尚秀委員。 ◆早川尚秀 委員 新品種を開発してどれを売り出していくかということを決めていく段階では、生産者がつくりやすいかということを考えなくてはならなかったり、あるいはマーケットでどれぐらいそれが受け入れられるかということも考えていかなくてはいけないとなると、多分たくさんの苦労があるんだと思います。以前、マーケットインという言葉を使った時期もあって、要はマーケットを重視してどのようなものが必要とされているか、需要があるか。つくったものを買ってくれ買ってくれではなくて、売れるものから逆算していってつくることも必要でもありますし、同時にすばらしいものをつくって、そのすばらしさを理解してもらいながら売り込んでいくという、いろいろなやり方があると思うのです。ただ、先ほど申し上げましたように、他県も新品種改良にしのぎを削って本当に取り組んでいるところでありますので、栃木県も今申し上げたような酒米、もち麦、イチゴ、ニラ等々、農業試験場の努力によってさまざまなものが出てきております。ぜひこれからも生産者とマーケット両方をにらみながら、すばらしいものをつくっていただいて、そしてそれを早期に生産体制に移していけるような、全体としてのパッケージを築き上げていっていただきますようにお願いいたします。園芸作物の振興、そして新品種の改良、開発について質問させていただきました。  以上で、私からの質問を終わります。ありがとうございました。 ○岩崎信 委員長 この際、休憩したいと思います。  午前11時25分から再開いたします。  休憩いたします。                  午前11時10分 休憩             ────────────────────                  午前11時25分 再開 ○岩崎信 委員長 委員会を再開いたします。  引き続き、総括質疑を行います。  発言通告者に対し発言を許します。  山形修治委員。 ◆山形修治 委員 とちぎ自民党議員会の山形修治でございます。  初めに、県立高校再編計画における特例校の支援について教育長にお伺いいたします。  県教育委員会では、昨年11月に第二期県立高等学校再編計画を作成し、その中で、県の周縁部にある一部の高校については、適正規模を下回っても、一定の条件のもと特例として存続させる特例校制度を設けました。今回、日光明峰、益子芳星、茂木、馬頭、黒羽、那須の6校が対象となり、日光明峰高校、そして馬頭高校については平成30年度から、ほかの4校については今後の地域の生徒減や入学者数の状況等に応じて実施することとなっております。  この特例校制度については、これまで本会議において三森議員や岩崎議員からも質疑・質問がありましたが、その内容はいずれも地方創生のかなめとなる学校の存続を強く望むものであります。私も地元茂木町の将来を考えると、今後特例校になるとされている茂木高校は、町にとってなくてはならない存在でありまして、私は茂木高校のOBの一人でありますから、その存続を強く願うところであります。  東京圏への人口流出に歯どめがかからない中、地方創生を推進し、地域の活力を維持していくためには、子育て世代の流出を抑え、呼び込む取り組みは不可欠であり、移住・定住の最大の決め手となる教育環境の充実は、最優先の課題と考えております。  こうした状況から、とちぎ自民党議員会では、新年度予算において特例校支援のための予算を措置するよう強く要望してきました。その結果、県教育委員会では、新年度から特例校となる2校を支援するための学校魅力化推進費を予算に計上したところであります。  私は、この予算を有効に活用することによって、特例校の魅力化が図られ、確実に存続されていくことを切に願っていますが、どのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。 ○岩崎信 委員長 宇田教育長。 ◎宇田 教育長 近年、高校が地域振興に果たす役割への期待が高まっておりますことから、県の周縁部に位置する一部の高校につきましては、適正規模未満でも特例校として維持することといたしました。  日光明峰高校、馬頭高校につきましては、学校運営協議会の委員の選定を終えるなど、この4月には協議会が発足できるよう準備を進めているところであります。  特例校の魅力化につきましては、協議会において具体的な内容を検討することになりますが、小規模校の教育を充実させる上で、情報通信技術を活用した遠隔授業の導入なども有効な手段の一つではないかと考えております。
     今後、特例校ごとの支援チームが中心となって、協議会や学校と十分に連携を図りながら、地域活性化の一翼も担う魅力ある学校づくりに一丸となって取り組んでまいります。 ○岩崎信 委員長 山形修治委員。 ◆山形修治 委員 教育長から事業の中身について答弁があったわけでありますが、もう既に学校運営協議会の準備は進んでいるということでありまして、また支援チームも中心になって検討を進めていくことになるんでしょうが、それぞれの学校の特色を生かした備品等の整備なども用意していると聞いております。そういったことについては特色化を進める上で大変重要ですので、どんどん進めていただきたいと思います。  また、情報通信技術を活用した遠隔授業ということになるでしょうが、1クラス減ると教員も減る形になると思いますので、教育の質を確保する上では、こういった遠隔授業も必要になるのだろうと思っています。  この遠隔授業については、他県ではもう随分推進しているところもあって、そうしたところでは授業の内容も理解度も良好だという話もありますが、なかなか簡単には進まない、そうした課題もあるわけです。ぜひ生徒の声や教職員からの意見の積み上げをしながら、こういった遠隔授業の推進にも当たってほしいと思っています。  ここで、教育長に再質問させていただきます。  魅力化推進費の使い道については、学校運営協議会がこれから検討していくことになるわけでありますが、先ほど言ったように教育の質を確保する観点のみならず、やはり重要なのは未来につながる学校の魅力化、これについて十分検討する必要があるだろうと私は思っています。  これまで2校については、それぞれの地域特性を生かしながら特色化を図ってきたところでありますが、平成30年度の入試の出願状況、もう結果も出ておりますが、その状況を見ると定員割れをしていまして、大変厳しい状況が続いているんだろうと思っています。  そこで、存続に向けた魅力化の推進について、どのように考えているのか、教育長に再質問させていただきます。 ○岩崎信 委員長 宇田教育長。 ◎宇田 教育長 高校の存続に向けた魅力化についてでございますが、全国を見てみますと、特に小規模校の活性化につながったという取り組み例を見てみますと、例えば全国から生徒を集めている島根県海士町の隠岐島前高校、あるいは広島県の大崎上島町の大崎海星高校というのがあります。この2つの高校については、いずれも地域の住民や行政が学校と一体となって高校存続のためだけではなく学校を拠点として地域の未来をつくる取り組み、これを積極的に展開している自治体にある学校でございます。  本県におきましても、学校運営協議会の設置を契機に現在行っている特色化のさらなる推進とあわせまして、ただいま申し上げたような取り組みに発展するように、地域住民あるいは自治体の協力も仰ぎながら、ともに高校の存続に向けた魅力化の推進に取り組んでいきたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 山形修治委員。 ◆山形修治 委員 教育長からは全国の小規模校の成功例ということで、島根県や広島県の例も挙げてもらいましたが、成功するポイントとしても、やはりもちろん地域住民の主体性も大変重要なものでありますが、大胆に発想を転換するなど、教育分野のみならず、さまざまな経験を持つ人材、そうした人材がいないと、なかなか先に進めないのかなと思っています。隠岐島前高校、先ほど紹介にもありましたが、全国から生徒を集めている例について、2年前の一般質問の中で、私は移住促進の観点から紹介をさせていただきました。平成29年度も、この学校においては、全国から、全生徒の約40%が県外から来ているということでありまして、その中身を見ると、いろいろな方が来ていますが、少人数だからこその教育、そして人の魅力や地域の力に引かれて全国から集まっているというようなこともあるようです。成功のポイントは、何度も言いますが、既存のカリキュラムにとらわれることなく、新たな発想で取り組むことのできる人材、そんな人材であると思いますので、ぜひともそうした成功例を大いに参考にしていただきたいと思います。ぜひ島根県に、私も行きたいと思っているのですが、教員がみずからそういったものを検証しに行くことも必要だと思いますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。  ここで、教育長に再質問させていただきます。  日光明峰高校、馬頭高校では、ことし特例校とすると同時に、学校運営協議会も既に準備は整っているということでありますが、その中で魅力化を検討して、そして実行して成果を出さなければならないわけで、非常に時間がかかると思っています。そんなことを考慮すると、ほかの特例対象校の4校についても、早目の支援策を考えていかなければならないだろうと私は思っていますが、現状認識と取り組みについて教育長のお考えをお伺いいたします。 ○岩崎信 委員長 宇田教育長。 ◎宇田 教育長 再編計画におきましても、学校運営協議会の設置につきましては、特例校以外の高校についても各高校や地域の実情に応じてコミュニティースクールとすることを検討すると盛り込んでいるところです。  委員ご指摘の4校につきましては、先ほどお話にもありましたように、今般の高校入試の合格者数を見てみますと、そのうち2校で定員に満たない状況となっております。そのことやそれぞれの地域での今後の中学校卒業者数の減少を考慮いたしますと、学校や地域の実情、また先行する日光明峰、馬頭の2校の学校運営協議会の成果、あるいは課題を踏まえながら、早期に学校運営協議会を設置いたしますとともに、教育委員会内部にも支援チームを立ち上げ、地域ならではの創意工夫を生かした特色ある学校づくりにともに取り組んでいきたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 山形修治委員。 ◆山形修治 委員 教育長から積極的なご意見をいただいたのかなと思っています。学校運営協議会についても、2校の成果や課題などを捉えながら早目に設置していくということと、そして学校ごとの支援チームも早く立ち上げて支援していくということでありますから、ぜひ年度当初からそういったことを進められるようにお願いしたいと思いますし、やはり私が強く申し上げたいのは、この4校については特例校にさせないということを強く思いながら事業展開をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  また魅力化については、これはなかなか簡単につくることはできません。非常に重要なことでありますが、生徒や保護者の今のニーズは何であるかということも十分考えていただきたいと思いますし、また先ほども申し上げましたが、小規模校であるがゆえのメリットもあると思います。生徒一人一人の状況に応じてきめ細やかな対応や教育ができることも魅力の一つになるのではないかと思っていますので、そうした学校づくりをしっかりと進めていただきたいと思います。  また、特例校に対する理解も、まだまだ県民の中では不十分なのかなと思っています。教育委員会ではリーフレットをつくって理解促進を図ろうということではありますが、特例校の魅力化だったり、支援する仕組み、中身、そういったものが書かれていませんから、少し誤解を招くおそれもありますので、その辺は十分工夫をしていただきたいと思います。  また、特例校の6校については、どちらかというと通学が不便で、交通手段を確保することが問題になるところもあると思いますので、そういったことを考えると、広域的に考える必要があるのだろうと思っています。そういうことになれば、地域振興の観点からも、教育委員会のみならず、総合政策部にもぜひご支援をお願いしたいと思います。  次の質問に移ります。  次に、県立学校施設の長寿命化対策について教育長にお伺いいたします。  県教育委員会では、県立学校施設長寿命化保全計画に基づき策定した第Ⅰ期中期計画により、今年度から5年間を計画期間として学校施設の改修に取り組んでおりますが、校舎や体育館などの多くが昭和40年代から50年代にかけて整備されたもので、老朽化が進み、ふぐあいが生じている建物も多いと聞いております。  そのため、とちぎ自民党議員会では、これらの状況に可能な限り早急に対処するよう、これまでも予算措置などの後押しをしてきたところであります。  また、新年度から学校安全課を新設することとなっており、教育活動全般における子供たちの安全確保は最重要な課題となっているところであります。  学校施設の老朽化が進めば、建物の外壁が落下するなどの危険も生じるため、長寿命化を図る上で、施設の延命のみならず、安全確保という観点も極めて重要であると思います。  そこで、安全かつ良好な教育環境づくりのためには、より一層積極的に事業を推進していく必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。 ○岩崎信 委員長 宇田教育長。 ◎宇田 教育長 学校施設につきましては、これまでも耐震改修など、児童生徒の安全にかかわるものを優先し、整備・改修を実施してきたところであります。  本年度から長寿命化保全計画に基づく老朽化対策に着手したところでありますが、第Ⅰ期中期計画では雨漏りや外壁の傷みなど、現に発生しているふぐあい解消から重点的に取り組んでおります。  なお、長寿命化の取り組みを進めていく上で、安全確保に係る改修については最優先で対応していくこととしており、設計を前倒しで行うなど、早期実施に努めているところであります。  今後とも、各施設の状況を踏まえ、長寿命化対策を着実に推進し、安全で良好な学習環境の確保を図ってまいります。 ○岩崎信 委員長 山形修治委員。 ◆山形修治 委員 これまでも安全重視で取り組んできたということでありまして、今年度から始まった長寿命化については、雨漏り、外壁などのふぐあいを中心に取り組んでいるということで、設計も前倒しをされたという話でありました。ぜひ、そのサイクルを速く回すように努めていただきたいと思います。  第Ⅰ期分の約80棟、既にふぐあいが生じている状況を考えると、早く修繕しないと状態は悪化してさらに予算がかかることにつながりかねませんから、適宜計画を前倒しするなどの見直しを行っていただきたいと思います。  また、設計費ですが、今までは前倒しして確保したわけですが、平成30年、31年のことを考えると、またさらに設計の予算を確保していかなければならないと思いますので、その辺は工夫していただきたいと思っています。  また、第Ⅰ期分以外のものについても、50年以上たっているものがたくさんありますから、そういったものを考えると、第Ⅱ期の計画も視野に入れてしっかりと前倒ししてできるよう、それが安全確保という大変大きな役割を果たすと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  ここで教育長に再質問させていただきます。  学校施設は生徒の学習や生活の場であり、十分な安全性、機能性を有することが求められているわけでありますが、長寿命化保全計画の中で改修するもの以外のもので早急に改修すべき施設整備が相当あると思っています。どのように対応していくのか、教育長に伺います。 ○岩崎信 委員長 宇田教育長。 ◎宇田 教育長 長寿命化保全計画の対象とならない小規模な改修についてでございますが、各学校で実施しております日常点検の結果などを踏まえまして適宜対応しているところではありますが、今後とも安心して利用できる学校施設を維持していく観点から、優先度をつけ、適切な改修を実施していきたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 山形修治委員。 ◆山形修治 委員 日常の点検もしているという話がありましたが、大規模な修繕、これらは長寿命化計画の中にあるものです。新年度の予算を見ると、3億円ぐらいプラスになっていますから、そういったものも必要ですが、やっぱり日常の小破修繕、小さな修繕、これも十分やっていかないとだめですよね。ぜひ力を入れていただきたいと思います。  また、維持費、管理費だけを見ると、前年度と比べて2割も減少していますから、その辺は少し予算をうまく確保できるように工夫しなければならないと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。  次の質問に移ります。  次に、交通死亡事故抑止に向けた取り組みについて、警察本部長にお伺いいたします。  平成29年中における栃木県の交通事故情勢につきましては、発生件数及び負傷者数が14年連続して減少したところであり、これも交通安全教育や交通指導取り締まりの推進、安全で安心な交通環境の整備といった県警察の取り組みほか、関係機関・団体を初めとする多くの交通ボランティアの方々のご尽力によるものと考えております。  しかしながら、交通事故死者数は95人と前年比で19人の増加となっており、亡くなられた方々の無念やご遺族の深い悲しみに思いをいたしますと、悲痛の念にたえないところであります。亡くなられた方の多くは高齢者であり、この世代の交通死亡事故抑止は最重要課題であると考えております。  こうした状況の中、県警察では交通死亡事故のさらなる減少に向けて新年度予算に可搬式速度違反取締装置整備費と交通安全施設整備費を計上したところであります。  可搬式速度違反取締装置については、委員会で富山県警にお邪魔をして私も視察させていただきました。これまで困難であった道幅の狭い生活道路における速度違反取り締まりが可能となって、抑止効果などについても大きく期待できるところであると考えております。  また、安全で安心な交通環境を実現するためには、必要とされる場所に必要な交通安全施設を整備していくことが不可欠と考えております。  そこで、交通死亡事故抑止に向けた取り組みをどのように進めていくのか、警察本部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 委員長 坂口警察本部長。 ◎坂口 警察本部長 昨年の交通事故死者数の約7割を高齢者が占めており、交通事故死者のさらなる減少を図る上で、この年齢層に対する対策が喫緊の課題と認識しております。中でも高齢歩行者等の死亡事故は、自宅近くの生活道路や夜間の発生が多い状況にあり、その抑止は特に重要であると考えております。  そこで、可搬式速度違反取締装置の導入により、これまで困難であった生活道路等における速度取り締まりが可能となり、交通事故の抑止が図られるものと考えております。  また、交通安全施設のうち、高輝度道路標識・標示につきましては、夜間の交通事故防止に高い効果を上げていることから、その整備を推進してまいります。  引き続き、現下の交通情勢を踏まえながら、実効性のある交通安全対策を推進し、交通死亡事故のさらなる抑止を図ってまいります。 ○岩崎信 委員長 山形修治委員。 ◆山形修治 委員 警察本部長からご答弁をいただきました。  まず、事故を減らすための取り組み、これも交通事故情報管理システムを使って非常に細かく分析しているデータを私も拝見させていただきました。7割が高齢者ということで、しかも生活道路、自宅の近辺で横断中というようなことでの対策、ハイビーム大作戦などもその1つなのかなと思っていますが、引き続き死亡事故抑止に向けた積極的な取り組みをお願いいたします。  ここで、警察本部長に再質問させていただきます。  先ほどの答弁にもありましたが、高輝度道路標識・標示の整備については、夜間の交通事故に高い効果が得られているということであります。また、歩行者が亡くなられた事故の特徴も同じで、夜間に発生することが多いとのことであり、こうした事故を防ぐ上で、高輝度道路標識・標示の着実な整備が欠かせないものと考えます。  そこで、今後の高輝度道路標識・標示の整備に向けた県警察の考え方について警察本部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 委員長 坂口警察本部長。 ◎坂口 警察本部長 高輝度道路標識・標示につきましては、平成18年度から危険交差点及び危険カーブに対する整備を進めてきたところ、整備箇所における交通事故件数が減少しているところでございます。平成29年度からは夜間における歩行者等の事故を防止するため、横断歩道の高輝度化に重点的に取り組んでいるところでございます。  引き続き、交通事故の発生実態を踏まえながら、必要性の高い箇所への高輝度化を進めてまいります。 ○岩崎信 委員長 山形修治委員。 ◆山形修治 委員 高輝度化については、平成18年度から、当初は交差点、カーブなどを重点的に行ってきたわけですが、平成29年からは横断歩道ということであります。その平成18年と比較しますと、一時的に平成29年は死亡者数はふえましたが、事故件数、負傷者数を見てみますと、当時の約3分の1に減っているわけであります。また、きょうの新聞によりますと、14日の状況ですが、発生件数は前年比マイナス157件、そして負傷者数もマイナス201人ということで、非常に高輝度の効果が大きいことがわかるわけであります。横断歩道を重点的に進めていくということでありますが、横断歩道だけでも約5,000本近くあるようです。しっかりとした計画のもとに予算を確保して進める必要性がありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  また、老朽化した道路標識・標示の更新についても、新設分が毎年ふえるわけでありまして、いたちごっこみたいなところがありますが、これについてもやはり計画をしっかりつくって予算を確保して事業を進めることが重要でありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  以上で、質疑を終了させていただきまして、守田委員にかわらせていただきます。ありがとうございました。 ○岩崎信 委員長 守田浩樹委員。 ◆守田浩樹 委員 こんにちは。とちぎ自民党議員会の守田浩樹でございます。  今回は、県民の皆様が安心して子供を産み育てていくための取り組み、また県民の皆様の安全を守るための取り組みなど、県民の皆様が将来にわたって希望を持ち、安心して暮らしていくための取り組みについてお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  まず初めに、保育人材の確保についてお伺いいたします。  人口減少社会を迎える中、少子化対策は喫緊の課題であります。少子化の流れに歯どめをかけるため、社会全体で、結婚、妊娠、出産、子育てを切れ目なく支援するとともに、とりわけ子育てを応援する意識を共有し、本県に住む若い世代の希望を実現できる環境づくりに取り組み、安心して子供を産み育てることができるよう、子育て支援をさらに充実していく必要があります。  子育て支援にはさまざまな支援がありますが、保育サービスの充実が大きな柱の一つと考えられます。もちろん出産、育児等に係る経済的負担の軽減も大切ですが、働く意欲のある子育て世代が地域社会の一員として働きながら、みずから地域をつくるという意識を持ち、人も地域も輝く元気なとちぎづくりのためには、保育サービスの充実が非常に重要であると考えております。  しかしながら、とちぎ創生15戦略に掲げる子ども・子育て支援の充実において取り組んでいる保育所等の待機児童の解消については、平成29年の待機児童の目安が7人に対して実績値が131人と目標達成に向けておくれが生じており、保育需要に十分に対応できない状況にあります。その大きな要因の一つには保育人材不足があり、保育需要に十分に応えていくためには、保育人材を確保するとともに、保育施設の受け入れ枠を拡大する必要があると考えます。  国においては、若い世代の子育てへの安心を確実なものとするため、早期の待機児童解消に向け、平成29年6月に策定した子育て安心プランによる取り組みを前倒しして進めることとし、保育の受け皿整備を進めるとともに、それを支える人材の確保等の取り組みを強化したところであります。  県においても、保育士等がみずからの専門性を向上させながら、誇りとやりがいを持って働き続けることができるよう、国が構築する仕組みに基づく保育士等のキャリアアップ研修や1歳児に対する保育士配置基準を超えて保育士を配置することに対して補助を行う1歳児保育士増員費事業を実施するなど、保育士の処遇改善や負担軽減に取り組んでおります。  また、平成28年4月には、とちぎ保育士・保育所支援センターを設置し、潜在保育士等の就職相談等を行い、昨年末の時点で134人の保育士を就職につなげているなど保育人材の確保に取り組んでおり、平成30年度当初予算においても、必要な経費を計上し、引き続き取り組んでいくこととされております。  しかし、保育人材の確保を着実に進めるためには、保育士の給与面での処遇改善や保育士をサポートする補助者の活用による負担軽減策の拡充など、さらに取り組みが必要と考えております。  そこで、保育人材の確保に向け、保育士の処遇改善や負担軽減等について今後どのように取り組んでいくか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 委員長 山本保健福祉部長。 ◎山本 保健福祉部長 保育士等の処遇改善につきましては、平成25年度以降、約11%の給与引き上げが実施されたほか、今年度は技能・経験に応じた加算が設けられたところでありまして、県としてはこれらの改善措置が保育士の給与に適切に反映されるよう、経営者への働きかけにも努めてまいります。  また、保育士の業務負担の軽減については、保育業務の補助者や給食の配膳や清掃などの周辺業務の従事者の雇い上げ費用を補助する市町に対し助成を行ってきたところでありまして、新年度からは雇い上げ人数や対象施設の拡充を行うなど、保育士の負担軽減策を充実していく考えであります。  今後とも、待機児童の解消に向け、市町と連携を図りながら、保育士確保対策を着実に進めてまいります。 ○岩崎信 委員長 守田浩樹委員。 ◆守田浩樹 委員 平成25年度から11%の引き上げ、また県で雇い上げの費用の面においても補助を出しているということであります。  ここで1点、保健福祉部長に再質問をいたします。  保育の需要の中でも、とりわけ育休明けで仕事に復帰される方が非常に多いわけでありまして、1歳児保育需要が非常に高いことはご案内のとおりだと思っております。  県においても、1歳児担当保育士増員事業を行っておりますが、さらなる取り組み、具体的には補助単価の増額なども検討していく必要があるのではないかと考えておりますが、今後の取り組みについて展望を保健福祉部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 委員長 山本保健福祉部長。 ◎山本 保健福祉部長 1歳児の保育の需要が高いのはご指摘のとおりかと思います。子ども・子育て支援新制度におきましては、子ども・子育て支援の質・量の両面にわたる拡充を目指しまして、消費税増税分も活用することとされて設立されたものになります。  県におきましては、引き続き、1歳児保育の質の向上の観点から、新年度におきましても、この事業を継続するための予算を計上したところであります。  ご指摘のこのさらなる拡充という点に関しましては、この事業は市町での補助事業として実施しているものになりますので、市町の意向とともに、また国においても現在幼児教育・保育の無償化の検討が行われておりまして、その検討にあわせまして保育の質の向上をどのように進めていくのかという検討がどのようにされるのかを注視してまいりたいと思います。 ○岩崎信 委員長 守田浩樹委員。
    ◆守田浩樹 委員 確かに、市町で補助率2分の1だったと思いますが、補助していただいているところがあります。保育士の人材不足等々についても、やはり労務という問題も非常に大きい問題ではないかと思っておりますので、どうぞ今後も引き続きお願いしたいと思います。  また、今通常会議における平池議員の質問に対する知事の答弁の中で、若手職員との意見交換会をしたと。自分の実体験として振り返ってみれば子育て時代が最も充実していたと話す機会があった旨の発言がありました。私も同感だと思います。子育ては人生一大の大仕事でありますから、周囲の理解やサポートがしっかりしていなければ、すばらしいものにはならないと思っております。少しでも多くの若い世代に子育てを経験し同じように充実していると感じていただき、さらにその経験を次の世代に引き継いでいってもらいたいと思っております。  また、保育事業に従事している立場として、日々保育の現場において子供を預けていく親御さんたちの姿を見ますと、安心して子供を預け、地域の一員として活躍されることが活気ある地域づくり、また元気なとちぎづくりにつながっていくものだと信じております。ぜひ、さらなる子育て支援に取り組み、子育て日本一の栃木となれるよう要望し、次の質疑に移りたいと思います。  国民健康保険の財政運営についてお伺いいたします。  急速な少子高齢化など大きな社会環境の変化に直面している中、将来にわたって持続可能な医療保険制度を構築するために国民健康保険制度が改革されることに伴い、県が当該制度の財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保等、中心的な役割を担うこととなりました。平成30年度において1,700億円規模の特別会計の設置案が提出されており、議決後は県が当該特別会計において県内市町の国民健康保険の財政を管理していくこととなります。  このたびの国民健康保険制度の改革では、国民健康保険の財政基盤の強化を図るため、国は平成30年度から新たな財政支援として約1,700億円を追加投入し、そのうち約半分の800億円が保険者努力支援制度に充てられると聞いております。この保険者努力支援制度は、国民健康保険運営における課題解決を促すためにインセンティブを付与することで、医療費適正化に向けた取り組み等の支援を行う制度のことであります。  厚生労働省が市町村や都道府県の医療費適正化や健康づくりの取り組み成果を点数化し、この点数と保険加入者に応じて交付金が加算されると聞いております。医療費適正化に積極的に取り組む自治体を応援し、さらなる取り組みを後押しすることが狙いとのことでありますが、ぜひ本県の国民健康保険運営の課題解決のために有効活用されることを期待するところであります。  しかし、先日の新聞報道によると、厚生労働省が1人当たりの医療費水準、市町等への指導助言状況、市町等のメタボリック健診の実施率、保険料の収納率等の評価指標により都道府県の取り組み成果を初めて点数化した結果、保険者努力支援の本県の得点数は210点満点中140点で、全国18位でありました。全国平均の132点を上回っているものの、1位の新潟県の183点と比べると大きな点差があり、まだまだ取り組むべき課題があると考えます。  厚生労働省は、今回の点数化を機に医療費の現状と要因を分析して医療費適正化に向けた取り組みを進めてほしいとしており、本県においても、県内のみならず、1位の新潟県や上位県の取り組み状況を分析して、今後の参考となるよう、さらなる取り組みの推進が必要と考えます。  そこで、県は、保険者努力支援制度から見えてくる課題をどのように解決し、国民健康保険の財政運営の安定化に努めていくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 委員長 山本保健福祉部長。 ◎山本 保健福祉部長 先日公表されました国の平成30年度の保険者努力支援制度の評価結果では、本県においては特定健診受診率や糖尿病重症化予防、収納率等に課題があることを再認識いたしました。  このため県では、これらの課題改善に向け、引き続き特定健診等の受診勧奨に係る好事例の横展開、糖尿病重症化予防プログラムの普及に向けた研修会や情報交換会の開催、国民健康保険税の徴収指導員の派遣などの取り組みにより、市町の国民健康保険事業を支援してまいります。  さらに、新年度は、20億円規模の県版保険者努力支援制度を創設し、市町の取り組みの一層の促進を図ってまいります。  今後とも、医療費の適正化に向けた要因分析や収納率の改善等を通じて国民健康保険の健全な財政運営に努めてまいります。 ○岩崎信 委員長 守田浩樹委員。 ◆守田浩樹 委員 要望いたします。国民健康保険は、高齢者や所得の低い方がありますので、市町に対してしっかりと支援・指導を行っていただきたいと思いますし、財政運営の安定化に努めていただきたいと今後とも願っておりますので、よろしく指導のほどお願いを申し上げます。  続きまして、国民保護推進費について、最後の質問になります。  国民保護推進費について県民生活部長にお伺いいたします。  昨年、北朝鮮による弾道ミサイルが16発も発射され、そのうち8月29日、9月15日には北海道の上空を通過し、襟裳岬東方に落下いたしました。この際、本県を含む12道県では、Jアラートによる緊急情報が市町の防災行政無線や通信事業者の緊急速報メールなどから住民に伝達され、多くの県民が大きな不安を覚え、どうしてよいか戸惑ったことは記憶に新しいところであります。  こうした事態を受け、県議会では、昨年第345回通常会議において、北朝鮮に対し、我が国及び周辺国の安全を大きく損ない、地域の平和・安全を脅かす弾道ミサイル発射を即刻中止するよう厳重に抗議するため、北朝鮮による弾道ミサイル発射及び核実験に抗議する決議を可決したところであります。  現在、弾道ミサイルの発射はしばらく行われていないものの、北朝鮮の非核化や北東アジアの安定化に向けた国際情勢は引き続き予断を許さない状況が続いております。こうした状況を踏まえて、有事に備えて万全の対策を実施していく必要があると考えております。  そこで、新年度当初予算において国民保護推進費が計上されているところでありますが、今後どのような取り組みをしていくのか、県民生活部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 委員長 和田県民生活部長。 ◎和田 県民生活部長 北朝鮮による弾道ミサイルへの対応につきましては、新年度予算において国民保護推進費を計上し、県民の避難行動等に対する一層の理解の促進を図るため、国と県、市町の共催による住民避難訓練を実施することとしております。  また、全国瞬時警報システム、いわゆるJアラートにつきましては、音声による伝達内容の充実や処理速度の向上を図るため、新型受信機に更新することといたしました。  さらに、市町に対し住民避難訓練の実施に向けた助言・指導を行いますほか、ミサイル発射時のとるべき行動について引き続き県民への普及啓発を行いますとともに、市町と協力をして有事に備えた避難施設の追加指定を推進してまいります。  今後とも、県民の安全・安心を確保するため、国や市町、関係機関と連携をしながら、適切な対応に努めてまいります。 ○岩崎信 委員長 守田浩樹委員。 ◆守田浩樹 委員 要望いたします。北朝鮮から相次ぐ弾道ミサイル発射を受けて、全国の自治体において弾道ミサイルの飛来を想定した避難訓練が実施されております。ことし1月には東京都内でも避難訓練が行われております。本県においても、できるだけ早期に訓練を実施し、有事の際に県民の皆様が身を守る行動がとれるよう、各種取り組みを進めていただきますようお願い、要望しまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。 ○岩崎信 委員長 中島宏委員。 ◆中島宏 委員 とちぎ自民党議員会の中島宏でございます。とちぎ自民党議員会最後の質問者となります。よろしくお願いいたします。  最初に、技能五輪レガシーの継承のうち、若年技能者の育成支援について、産業労働観光部長にお伺いいたします。  昨年11月に本県で開催をされました技能五輪全国大会では、県内企業や経済団体、関係機関が連携をし、全国で3番目に多い入賞者を輩出するとともに、本県初の優秀技能選手団賞を受賞されました。さらに、全国アビリンピックについても、今大会最多の入賞者を輩出するなど、大きな成果を上げ、本県技能者のレベルの高さをアピールすることができました。また、経済波及効果については、事前に試算された25億円を大きく超えた31億1,000万円となり、このことからも大会の成功がうかがえます。これらの結果は、参加選手を初めとする関係者の大きな努力の結果であり、心から敬意を表する次第であります。  また、若年技能者については、県が主体となって、参加選手の掘り起こしや継続した技能向上のための育成支援策が技能レベルを向上させる大きな要因になったと考えます。ぜひ、今後開催される予定の沖縄大会や愛知大会などにも栃木大会と同様に多くの選手を送り出すことで、継続して若年技能者の技能レベルやモチベーションを向上させ、新たな担い手の確保・育成にもつなげてほしいと思います。  そのようなことから、我がとちぎ自民党議員会では、平成30年度の予算要望として、次世代への技能五輪レガシー継承事業費719万円余に対し、1,000万年の予算増額を要望させていただき、1,719万円余が計上されたところであります。増額された予算については有効に活用していただきたいと思います。  そこで、次世代への技能五輪レガシー継承事業費を活用し、若年技能者の育成支援にどのように取り組んでいかれるのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 委員長 香川眞史産業労働観光部長。 ◎香川 産業労働観光部長 とちぎ技能五輪・アビリンピック2017のレガシーを継承しまして若年技能者や障害者の技能レベルの向上を図るには、継続した人材育成が重要であります。  このため県では、引き続き県内の中小企業や高等学校等に対しまして、選手の発掘を働きかけるとともに、訓練を実施する上で必要な工具や材料、指導者の派遣に要する経費などについて、1企業当たり30万円を上限に支援してまいりたいと考えております。  また、技能五輪におきましては、全国大会に出場する選手に対して参加費及び競技職種別負担金を助成することによりまして選手の負担軽減を図る考えでもあります。  今後とも、若年技能者等の技能向上を図ることによりまして、技能五輪全国大会や全国アビリンピックに多くの選手が出場できるよう支援していくとともに、次代を担う産業人材の確保・育成に努めてまいります。 ○岩崎信 委員長 中島宏委員。 ◆中島宏 委員 ただいま産業労働観光部長からご答弁をいただきまして、ここで再質問を1点させていただきたいと思います。  新年度、県は人材育成を行う中小企業に対して1社当たり30万円を上限に支援を行う、前向きに支援していく。また、全国大会出場選手についても、参加費及び競技職種別負担金を助成すると、前向きなご答弁をいただきました。これは選手の負担軽減を図る、あるいは企業の負担軽減を図るといったところから、非常にありがたいものになると思います。ちなみに、昨年の栃木大会に選手を派遣した企業・団体に話を伺ったところ、その必要経費として、造園部門に3名の選手を出場させた企業においては2年間でおよそ700万円、また冷凍空調技術部門に2名の選手を派遣した企業においては約650万円、1人当たりにしますと年間約100万円から200万円の金銭的負担があったとのことです。また、会社全体で選手を育成・サポートすると、そのための社員等の休日出勤や残業、そういった負担も多大なものがあったと伺いました。  しかし、一方で、大会の2年前から選手が練習に励み、若い新人が日に日に技術を向上させ職人の動きに変わっていく姿に驚かされた、またその姿を見た同僚社員はもちろんのこと、先輩社員においてもいい刺激となったと、栃木大会に選手を出場させて本当によかったと思うと述べられておりました。  このように、企業・団体が若年技術者の技術向上等のために選手を派遣することは非常に有効である一方で、選手育成・派遣等に係る費用負担が大きな課題となっていることがうかがえます。  新たな担い手確保・育成のためにも、技能五輪全国大会への選手の派遣はぜひ継続していくべきと考えますが、県単独の予算の支援だけでは選手を派遣する企業・団体の負担軽減に限界があると考えます。  そこで、未来を担う若手技能者支援の基金を新たに創設し、広く県民やさまざまな分野の企業などから基金を募り、活用すべきではないかと考えますが、産業労働観光部長の所見をお伺いしたいと思います。 ○岩崎信 委員長 香川産業労働観光部長。 ◎香川 産業労働観光部長 栃木大会の開催ということもありまして、非常に多くの企業、熱心に選手を育成していただきまして、本当に感謝申し上げたいと思います。経営トップがしっかりそういう意気込みでいると、いい企業だなと、これは大手企業に限らず、技能五輪で活躍しているところはきちんとした収益を上げて業績を伸ばしていることになりますので、まずはそういった自分のところの社員をしっかり育てることに意欲のある企業は、やはり伸びていくと。それで収益が上がるので、そこは企業の努力でという部分はあるんですが、そうはいっても大企業と中小企業は違いますので、委員ご指摘のとおり、そういったいろいろな形で応援するということを考えていく必要は今後あるんじゃないかと痛感しております。  ただ、今の金利ですと1億円預けて基金をつくっても最大で50万円ぐらいですから、その辺も含めて大きく寄附を募るような形で、税制上の優遇が得られるシステムなどもいろいろ考えて検討していきたいと思いますが、いずれにしても、沖縄大会に向けても、愛知大会に向けても、しっかりやっていきたいと思っております。 ○岩崎信 委員長 中島宏委員。 ◆中島宏 委員 ただいま部長から基金設置に向けて前向きに検討されるというお話もいただきました。確かに今回の本会議中だったかと思いますが、知事からも、前向きにこういったところに参加する企業、経費をかけても参加する企業はみんな伸びているというお話もあり、今部長からもありましたが、私もそのとおりだと思います。ぜひ基金設置、あるいは30万円の支援金、あるいは50万円の支援金とございますが、その上限も適切なのかどうか、そういったご判断も新年度も含めながらぜひ前向きにお願いをしていただきたいと思います。そうすることによってレガシーを継承して新たな人材発掘、担い手不足が懸念されております工業、建設系の担い手育成・確保に必ずつながっていくと思いますので、しっかり取り組んでいただきますよう要望させていただいて、次の質問に入らせていただきます。  続きまして、とちぎものづくりフェスティバルについてお伺いいたします。  県は、昨年の技能五輪全国大会の成果を一過性のものとしないため、新年度、これまでのとちぎものづくり技能競技大会の開催日数や参加対象者、競技種目等を拡大した新たな県版の技能競技大会、とちぎものづくり選手権を開催するとともに、さらに新年度新たに加わる小中学生を対象としたものづくりイベントなどとあわせ、とちぎものづくりフェスティバルを開催していくとのことで、新年度予算552万円を計上しております。  このとちぎものづくりフェスティバルの開催には県内企業や経済団体等も注目をしており、若者の技能向上のほか、高校生などのキャリア教育、社会観の醸成にもつながるよう、充実した大会にしてほしいと思います。  そこで、とちぎものづくりフェスティバルをどのような目的で開催していくのか、産業労働観光部長にお伺いさせていただきます。 ○岩崎信 委員長 香川産業労働観光部長。 ◎香川 産業労働観光部長 若者の技能向上を図るため、新年度、産学官で構成します新たな組織を立ち上げ、とちぎものづくりフェスティバルを開催したいと考えております。  このうちとちぎものづくり選手権につきましては、技能五輪へのステップアップとなる大会と位置づけまして、従来の大会より競技職種をふやすとともに、参加対象を高校生等から企業等の若年技能者まで拡大をしまして、選手が全国大会に近い環境で競い合うことで、本県の技能レベルの底上げも図ってまいります。  また、ものづくりイベントにおきましては、小中学生を対象にものづくり体験などを実施し、ものづくりへの関心を高めてもらうとともに、県内のすぐれたものづくり企業を紹介するコーナーを設け、高校生などに対する職業観の醸成や県内企業の魅力のPRも図ってまいります。 ○岩崎信 委員長 中島宏委員。 ◆中島宏 委員 ぜひ、さきに質問させていただいた技能五輪全国大会、本県は非常にいい成績をおさめて、そして参加した企業、さらに支援をした同じ業界団体に所属をする企業、そういった皆さんの機運が物すごく盛り上がってきております。そうした機を逃さずに、新年度このようなものづくりフェスティバルを開催していくということ、これに関しては私たちもしっかり応援をしてまいりたいと。さらに、新たな競技を加え、若年層にも拡大をするということでは、ぜひ今後、学生さらには若い皆さんにその職業観をしっかり持っていただいて、社会の担い手としてぜひ活躍をいただきたいと思っております。  今後、少子高齢化による労働人口の減少によって空前の人手不足が予測をされる中、特に中小企業においては、もう既にそうであるように、人材の確保がさらに困難になることは間違いありません。先日行われた予算特別委員会の補正予算の総括質疑でも、三森委員が「ものづくりは最後は人である」と。「ものづくりを行うツールはいろいろあるが、人間づくり、人づくり、人間力が重要である」と述べております。知事からの答弁でも「栃木の強みを生かすためには、人が必要である。そのため栃木のものづくりを支える人材の確保・育成の推進、栃木の未来創生の実現を図る」とご答弁もありました。まさにそのとおりだと思います。  今質問させていただいた事業に新年度確実に取り組んでいただきながら、栃木の将来を背負っていく人材の確保・育成に努めることを要望させていただきまして、次の質問に入らせていただきます。  次に、先ほど申し上げましたが、来年度開催されるものづくりフェスティバルでは、将来の職業観、勤労観につながる取り組みとして期待をしております。また、学校現場においても、ぜひ将来の職業観、勤労観につながる取り組みをあわせて進めてほしいと思っておりますが、そこでとちぎの子供たちのキャリア教育について教育長にお伺いさせていただきます。  現在、国では、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、育児や介護との両立など働く方のニーズの多様化などの状況の中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、職業機会の拡大や意欲、能力を存分に発揮できる環境をつくるため、働き方改革について議論がなされております。  働き方改革については、取り組みの参考とするため、昨年10月に関谷団長のもと海外行政調査に出向き、働き方先進国と言われるオランダを視察してまいりました。オランダでは、残業せずに定時に職務を終了し帰宅いたしますが、労働生産性は日本の約1.5倍であります。また、夏休みは2週間から3週間しっかりとり、家族を大切にする風習で、仕事とバカンスと休暇をしっかりと分けております。このめり張りのきいた働き方で高い労働生産性を得られる背景の一つには、職業観が10代前半から育まれる土壌があることが考えられます。  就職は会社に就職するのではなく、プロフェッショナルとして仕事につくとの意識が高く、職業訓練は会社ではなく自身で行う。社会人になる前に自分で積み上げてくるとのことであります。子供たちにおいても、早くから自分が進む職業を具体化し、進学することが主流となっております。  また、企業等における長期のインターンシップも充実しており、自分が将来何をしたいのか、何になりたいのかを考えているからインターンシップに行くことが将来に生き、就職前に必要なスキルを身につける若者も多いとのことであります。  グローバル化の進む現代において、本県の子供たちが早い時期から目標を持ってスキルを身につけることは非常に重要であることから、オランダなどの働き方先進国における就労意識の醸成や長期インターンシップの仕組みなども参考にしながら、有効な取り組みは取り入れるべきと考えます。  本県においても、新年度、職業観・勤労観を身につけさせることを目的としたキャリア教育推進事業費に892万円余を計上しております。子供たちの将来を見据え、しっかり推進してほしいと思いますが、そこで今後の高校生のキャリア教育のあり方についてどのように考えるか、教育長の所見をお伺いするとともに、今後どのように取り組んでいくのか、あわせてお伺いをさせていただきます。 ○岩崎信 委員長 宇田教育長。 ◎宇田 教育長 高等学校におきましては、各教科などの学習内容と将来の職業生活とのつながりを生徒に意識させ、みずからの生き方を考えさせる実践的なキャリア教育を推進することが重要となると考えております。  そこで、学校で学んだ知識や技術などを実際の社会生活の中でどのように活用するかを考え行動できるよう、これまでの事業に加え新年度から専門高校を対象とした高校生未来の職業人育成事業を実施することとしております。  この事業では、生徒みずからが計画を立て、企業の技術者などの指導をもとに、公園に電灯を設置したり、福祉機器を開発したりするなど、学んだことを社会に役立てようとする高校生の取り組みを支援することとしております。  このような実践的なキャリア教育を県立高校全体に広め、職業を通して主体的に社会参画できる人材を育成してまいります。 ○岩崎信 委員長 中島宏委員。 ◆中島宏 委員 1点教育長に、ちょっと時間もないんですが、再質問させていただきたいと思うのですが、そのオランダを視察した際なんですが、現地の在蘭日本商工会議所の方と面談をさせていただきました。そのときにおっしゃっていたのが、日本の子供たちに比べて働き方先進国と言われるヨーロッパの子供たちは職業観・勤労観を身につけるのが早いとおっしゃっておりました。半面、日本では学校を卒業して働くいわゆる新卒者のうち、中学校卒業者の6割、高校卒業者の約4割、大学卒業者の約3割が就職後3年目までに離職をしております。離職する理由の中で、「仕事の内容に興味が持てなかった」、つまり自分のやりたい仕事、職場ではなかったという理由が一定数必ずおります。少ない数ではないと思います。  しかし、先ほども言ったように、社会に出る前から自分の将来についてしっかり考えることで、そういった理由での離職を減らすことが可能ではないかと思います。職業選択は言うなれば自分の夢をかなえることでもあります。来年度開催される小中学生を対象としたものづくりイベントや中学生の職場体験などは、自分の将来を考える、自分の夢に近づく取り組みであると思います。高校生に限らず、ぜひさらに若年者、小中学生に対しても、社会に出るために必要な機会の充実をお願いしたいと思いますが、ぜひ今後小中学生の社会観・職業観のさらなる醸成等を含めてキャリア教育の充実について教育長の所見をお伺いしたいと思います。 ○岩崎信 委員長 宇田教育長。 ◎宇田 教育長 キャリア教育に義務教育段階から取り組みますことは、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育成する上で、大変意義あることと考えております。  特に、小中学校におきましては、何ができるようになるか、何を学ぶか、どのように学ぶかという視点から、学校での学びが児童生徒の将来にどうつながっていくのかを教員が意識して指導することが大切になります。  そこで、教育委員会におきましては、各学校がキャリア教育を進める上で参考となる資料を作成配布いたしますとともに、進路指導主事を対象とした研修会を開催するなど、教員の資質向上に努めているところでもあります。  今後とも、小中学校におけるキャリア教育の一層の充実に努め、望ましい勤労観・職業観の育成に取り組んでまいります。 ○岩崎信 委員長 中島宏委員。 ◆中島宏 委員 最後に時間もありませんので要望させていただきたいと思いますが、ただいま教育長から社会に出るための準備、これには教員の意識も大事だというお話がありました。私は来年50になるんですが、昭和43年、44年組の世代であります。たしか我々が高校3年生のときには、宇田教育長は鹿沼高校で3年生の担任をされていたかと思います。宇田教育長が教育長になられて、私の今現在会う仲間たち、高校は別ですが、その私の仲間たちが、「宇田先生が3年の担任で本当によかった。今あるのは宇田先生のおかげだ」と言うのを私は何人かから聞いたことがあります。「受験生は人じゃない。受験生は受験生だ。ずっと私は24時間でも、あなた方に兄弟がいて勉強ができるスペースがなければ、私がどこか必ず準備してやるから一緒になって頑張ろう」と言ってくれたことで、今私たちがあるということを聞いたことを今思い出しました。ぜひ教育長を先頭に、これからのグローバル化の進む子供たち、その中の社会で活躍できるように、早くから職業観を持ちながら自分の夢を一日でも早く探し当ててもらいたいと思います。ちょうど卒業シーズンで、また4月には新たな第一歩をそれぞれの世代が歩んでいくと、そんな時期を迎えておりますので、ぜひ新年度も教育委員会においては教育長を先頭にトータルでの人づくりを行っていただきたいと思います。  また、最後になりますが、知事におかれましては、とちぎ元気発信プランの重点戦略の最初に「次代を担う人づくり戦略」を掲げておられます。農業、工業、保健あるいは教育等、さまざまなジャンルでの人づくりを進めておられますが、将来に向かってどのような人材が各分野で必要か、具体的に各部局から発信をしていただいて、部局横断でとちぎの人づくりを行うことが重要であると思います。先ほども申し上げましたが、会社ではなくて自分の夢についたと、そんな子供たちが一人でも多く育つよう、みんなが一つとなってとちぎの人づくりを進めていく、その先頭は知事であります。新年度もその手腕に期待をしまして、とちぎ自民党議員会の全ての質疑を終わります。ありがとうございました。 ○岩崎信 委員長 以上で、とちぎ自民党議員会の質疑は終了いたしました。  この際、休憩したいと思います。  午後1時40分から再開いたします。  休憩いたします。                   午後0時40分 休憩             ────────────────────                   午後1時40分 再開 ○阿部寿一 副委員長 委員長の都合によりまして、私が委員長の職務を行います。よろしくお願いいたします。  委員会を再開いたします。  引き続き、総括質疑を行います。  発言通告者に対し発言を許します。
     民進党・無所属クラブ、山田みやこ委員。 ◆山田みやこ 委員 民進党・無所属クラブの山田みやこでございます。私たちの会派からは、私と加藤委員で質疑を行ってまいります。  初めに、LRT整備事業に対する支援について知事に伺います。  本県の財政は、平成28年度の経常収支比率が前年度から2.6ポイント上昇して97.7%となり、硬直化が深刻な状況です。平成30年度当初の予算では、財政調整基金を平成29年度当初予算とほぼ同程度の約110億円を取り崩すほか、県債発行額は依然として高水準で推移をしております。  今回試算された中期財政収支見込みによりますと、平成34年度末において県債残高は1兆1,260億円を超え、そのうち臨時財政対策債は約5割を超えております。臨時財政対策債は、国が地方交付税の財源不足の穴埋めに平成13年度から3年間の臨時措置として導入したものですが、財源不足が解消されず、現在に至っております。また、昨年は、地方自治体の基金残高が多いことを問題視し、地方交付税を削減しようとする動きもあり、県財政の見通しは非常に不安定と言えます。  このような中、平成30年度当初予算に次世代型路面電車システム整備事業支援基金積立金が計上されました。これは宇都宮市と芳賀町が実施するLRT整備事業を支援するために新たに基金を設置し、その積立金として宇都宮市街地開発組合の解散により宇都宮市と折半する財政調整基金59億7,300万円全額を充てるものです。本県の厳しい財政状況を考えますと、県民合意がなされていないなどさまざまな問題を抱えているLRT整備事業支援のためにこの貴重な59億7,300万円全額を充てることは、県民益に資するとは思えません。  そこで、宇都宮市街地開発組合の解散に伴い県が受け入れる財政調整基金については、県にとって本当に必要とされる幅広い施策に充てるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 ○阿部寿一 副委員長 福田富一知事。 ◎福田 知事 宇都宮市と芳賀町が進めるLRT事業は、効率的で利便性の高い広域的な公共交通網の構築に重要な役割を果たすとともに、沿線に立地する企業のみならず、県内各地の関連企業へも幅広い経済効果が期待でき、さらに地域の魅力向上にもつながるものであることから、県としても大変意義のある事業と捉えております。  一方、県に帰属する宇都宮市街地開発組合の財政調整基金につきましては、これまでの活用経緯や組合議会からの意見を尊重し、新たに設置する基金に積み立てた上で全額をLRT事業への支援に活用することとし、今会議に次世代型路面電車システム整備事業支援基金の設置条例案を提出させていただいたところでございます。  県といたしましては、引き続き県民理解の促進に努めますとともに、公共交通の充実・強化はもとより、県内全域への幅広い波及効果が期待されるLRT事業について財政の健全性を維持しながら積極的に支援してまいります。 ○阿部寿一 副委員長 山田みやこ委員。 ◆山田みやこ 委員 意義ある事業ということでの推進ということでございますが、昨年12月の段階でLRT事業への財政支援として宇都宮市と芳賀町が起債した地方債の償還にあわせて補助するという説明がございました。そして、今回、両市町からの要望を受けて財政支援の前倒しということで、芳賀町への技術的支援の意思を表明をされました。  意義ある事業とおっしゃっておりましたが、県民合意がまだまだなされていない、そして工事の認可もおりていない、さらに両市町の協議もまだ整っていない、そういう前提条件がそろわない中で支援の話がどんどんと進んでいってしまうことに非常に疑問を感じているところでございます。このことについて知事に再質問させていただきます。 ○阿部寿一 副委員長 福田富一知事。 ◎福田 知事 県民理解の促進につきましては、両市町はもちろんですが、県としても引き続き両市町と一緒になって取り組んでまいりたいと思います。その上で、両市町は、軌道敷設工事に関する認可取得後速やかに事業着手できるよう準備を進めていると聞いております。  県としても、認可取得後、事業計画が明らかになった段階で速やかに支援できるよう努めているところでございます。 ○阿部寿一 副委員長 山田みやこ委員。 ◆山田みやこ 委員 なかなか意見は平行線でございます。  それでは要望させていただきます。このLRTの支援事業以外にもその他大型の事業をこれからどんどん抱えております。その中で、医療福祉の問題などそういったことでも必要な財源が非常に多くなってくるかと思います。中期財政収支見込みによりましても、今後毎年、毎年度、財政調整基金を約100億円程度充当しなければならない財政状況でございますので、やはり財源の有効な活用をもう一度要望いたします。  それでは、次の質問に入らせていただきます。  次に、地域共生社会構築支援事業について、保健福祉部長に伺います。  近年、地域社会の変化等に伴い、要介護状態の高齢の親と無職の50代の子が同居するいわゆる8050問題や介護と育児に同時に直面するダブルケア等、複合的な課題を抱える世帯や課題を抱えながら公的制度の要件を満たさない、いわゆる制度のはざまにある世帯等が顕在化しております。  このように既存の公的支援制度では対応が困難な課題に対応するため、昨年社会福祉法が改正され、ことし4月に施行されます。その内容は、地域による支え合いと地方公共団体が包括的な支援体制づくりに努めるというものです。実施主体は市町になると思いますが、県においては市町への支援とともに、庁内関係部局や関係機関との連携が求められます。  一方、民間においては、県内の社会福祉法人が連携して生活に困っている地域住民を支援するいちごハートねっと事業が既に1年前から開始をされております。先月末現在、244施設でおこまり福祉相談窓口を開設し、相談は180件を超えるなど、広がりを見せているということです。  このような中、県は平成30年度当初予算に新規事業として地域共生社会構築支援事業費を計上し、トップセミナーの開催やコーディネーターの養成に取り組むこととしており、制度のはざまで支援を受けられない方への支援につながるものと非常に期待をしております。  この新規事業で、いちごハートねっと事業や生活困窮者自立支援事業等、さまざまな既存事業との連携を進め、課題解決につなげるための相談支援体制の構築に県が役割を果たすことによって、ただ聞きおくだけの相談にならないようにしていかなければならないと強く思います。  そこで、新たに取り組む地域共生社会構築支援事業によって包括的な支援体制づくりをどのように進めていくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副委員長 山本保健福祉部長。 ◎山本 保健福祉部長 地域共生社会の実現のためには、広く理念を普及させるとともに、複雑で複合的な課題を受けとめ、適切な支援につなげることのできる人材を育成することが必要であります。  このため県では、地域共生社会実現の機運醸成を図るため、新年度において地域での相談窓口としての役割が期待される社会福祉法人の代表者などを対象に地域における支え合いの必要性や先進事例などを伝えるトップセミナーを開催することとしております。  また、高齢、障害、児童等、各分野の相談員などを対象に分野を超えた適切な支援調整を担うコーディネーターの養成を進めてまいります。  事業推進に当たりましては、市町等による生活困窮者の自立支援や高齢者の生活支援などとあわせて社会福祉法人によるいちごハートねっと事業など、既存の取り組みとも十分に連携を図り、包括的な支援体制の構築を支援してまいります。 ○阿部寿一 副委員長 山田みやこ委員。 ◆山田みやこ 委員 人材育成であるとか、分野を超えた包括的な相談ということは、本当に必要だと思っております。  1つ再質問いたします。さまざまな相談窓口があっても、従来の縦割りではなかなか解決ができなかったことを直視した事業だと思います。今の答弁でも分野を超えてとありましたが、分野を超えて相談現場でどのようにしたらいいか、どのようなことをすれば連携がとれるか、保健福祉部長にお伺いしたいと思います。 ○阿部寿一 副委員長 山本保健福祉部長。 ◎山本 保健福祉部長 地域共生社会の実現に向けて2つのポイントがあると思います。1つは地域の課題を見過ごさないこと。アンテナを強化することが重要だろうということで、そこは地域の住民も含めて課題をきちんと把握する仕組みをつくることが大事かと思います。  また、その見つけた課題を受けとめる機能を充実させることも重要でありまして、そのためにまさにこのコーディネーターを養成する研修を開始することとしているところであります。 ○阿部寿一 副委員長 山田みやこ委員。 ◆山田みやこ 委員 この2つのポイント、非常に重要だと思います。私も相談を経験したことがあるのですが、その中で、これは要望にいたします。  やはり縦割りがだめだということで、今度は制度のはざまの大変な問題をクリアするとなりますと、相談窓口のどこに相談をして、相談を受けたものをどこにつなぐか、そこが非常に大切になってくるんです。そのつなぎ先、そこを共有できるようなものをつくっていかなければいけないのかなと思います。それがスムーズな相談解決、課題解決につながっていくのではないかなと思うのです。それには、どこにどのような経験を持った人がいるかとか、どういう社会資源があるかとか、あとはNPOがあるとか、制度があるとか、そういった情報を1つにまとめてそれを発信することが私はスムーズな問題解決になるかと思うのです。それをやはり県がもう一歩後押しをしていただくと、スムーズな解決方法につながっていくのではないかなと思いますので、コーディネーターの養成も大切ですが、地域資源、それをまとめというかそういうものをつくって、それでそれを使いながら相談を受けることがよろしいのではないかなと思いますので、このことについては要望させていただきたいと思います。  それでは、最後に、私の3番目の質問に移らせていただきます。  教育機会確保法を踏まえた不登校児童生徒への支援について教育長に伺います。  平成28年12月に教育機会確保法が成立しましたが、特筆すべきは学校以外の学びの場の重要性を法律で認めたことです。  県は、昨年度から県内5カ所の適応指導教室を中心に不登校児童生徒の状況に応じた支援のあり方についての調査研究を実施しており、平成30年度当初予算にも学校生活適応支援事業費が計上されました。  不登校児童生徒が学校に行けるようにするための第一の方策は適応指導教室の充実ですから、今後も力を入れなければならないと思います。しかし、この適応指導教室にすら来られない子供たちが教育を受ける権利をしっかり享受できるような取り組みも行っていかなければなりません。  高根沢町の町営フリースペースひよこの家は、全国に先駆けて15年前から独自に表面的な学校復帰を目的としない運営を行っており、安心して自分を取り戻した子供たちが結果として学校に戻っていることは大変すばらしいことだと思います。  民間のフリースクールを学びの場とするにはまだまだハードルが高いとは思いますが、どこで学ぶかではなく何を学ぶかという学校以外の多様な学びの場を提供していかなければ、せっかく制定した法律は形骸化してしまいます。  そこで、教育機会確保法を踏まえ、学校以外の学びの場の確保を含めた不登校児童生徒への支援にどのように取り組むのか、教育長にお伺いをいたします。 ○阿部寿一 副委員長 宇田教育長。 ◎宇田 教育長 県教育委員会におきましては、これまで不登校児童生徒が学ぶ機会を確保する適応指導教室の設置促進を図りますとともに、自己有用感を高める体験活動など、有効な支援のあり方について調査研究を進め、普及啓発に努めてきたところであります。  昨年度から、特にひきこもり傾向のある児童生徒に対して家庭訪問による学習支援や養育の問題などに対応するための福祉部局との連携について実践的な研究を行い、調査研究結果をリーフレットにまとめ、学校などに配布したところでもあります。  委員ご指摘の教育機会確保法の趣旨を踏まえ、今後とも、児童生徒が安心して教育を受けられる魅力ある学校づくりなどに努める一方で、不登校児童生徒に対する効果的な支援ができますよう、各地区の適応指導教室における指導の充実に向けて、さらに研究を進めてまいります。 ○阿部寿一 副委員長 山田みやこ委員。 ◆山田みやこ 委員 ただいま教育長からの体験活動であるとか、家庭訪問であるとか、福祉担当部局との連携ということで、本当に子供たちへの支援をなされているのは非常によくわかります。けれども、教育委員会から出されたいろいろな冊子を見ますと、やはり学校復帰が前提と読み取れます。それは本当に当たり前で、どうしても学校に行けない子供に学校側としては登校してほしいとは思いますが、学校に行けない子供の立場に立ったというそこのところを重視することが今回のこの法律だと思います。教育機会確保法で、学校に行けない子供たちの休養の必要性、これが規定されたわけですが、むやみやたらに休んでいいということではないわけです。本当にそういった子供は休んでもいいよと、そういうことだと思います。そして、今それを実践しておりますフリースクールであるとか、学習支援を行う寺子屋等、そういったところとの積極的な情報共有もこれからは必要ではないかなと思います。そして、学校復帰を前提としない、しかしひよこの家のような、結果として自分はもしかしたら学校へ行けるかなと、そういう気持ちになるような、みずからの思いがそうなるような環境づくりは本当に必要になってくるかと思うのです。本当にこれは矛盾していることなのですが、でもやっぱり子供の立場に立ったというところを非常に重視するこの休養の必要性、このことについて教育長はどのように考えていらっしゃるでしょうか、お伺いいたします。 ○阿部寿一 副委員長 宇田教育長。 ◎宇田 教育長 不登校児童生徒への支援ですが、やはり学校に登校するという結果のみを目標とするのではなく、児童生徒みずからが進路を主体的に捉えて社会的に自立する、これを目指すことが何より重要であると考えます。そのために個々の状況に応じた支援、それから多様で適切な教育機会の確保も必要であると思いますし、例えばいじめの被害に起因する不登校の場合などについては、その状況によっては休養が必要であることから、これまでも緊急避難として欠席が弾力的に認められることを各学校に周知しているところです。民間団体等の連携につきましては、不登校児童生徒が安心して教育を受けられるように引き続き研究をしていきたいと考えております。 ○阿部寿一 副委員長 山田みやこ委員。 ◆山田みやこ 委員 学校以外の学びの場といいますと、やはりそれぞれ研究してきましたフリースクールであるとか、フリースペースであるとか、そこもそれぞれ差はあると言われておりますが、でもやはり研究されているところだと思います。そういったところとも綿密な連携をとりながら、どういった形でかかわっていけるか、教育委員会としてもそういったところとの情報共有をお願いしたいなと思います。  それでは、要望といたしますが、この休養の必要性は、やはり学校に行けないというプレッシャー、これが子供たちにはあると思うのです。親も行かせなければならないというところもあるんですが、その行けないことを否定しないことがこの休養の必要性だと思います。子供たちは、そのプレッシャーから少し解き放されてくると自分の自己肯定感も出てくるかと思います。そういったところで、じっくりと寄り添った伴走支援がやはり必要かと思います。教育委員会も、このことについてはずっとやられているかとは思いますが、やはり子供の心情、それをわかった上での伴走支援をこれからもこの法律にのっとってやっていっていただきたいと思います。  以上で私の全ての質疑を終わります。ありがとうございました。 ○阿部寿一 副委員長 加藤正一委員。 ◆加藤正一 委員 民進党・無所属クラブの加藤正一でございます。  引き続き山田委員に続きまして通告に従い総括質疑を行います。  歳入確保に向けた取り組みについて、経営管理部長に伺います。  知事が新年度当初予算編成方針を示した昨年10月時点では、歳出における医療福祉関係経費等に加え大規模建設事業関連経費の増加によりまして約128億円の財源不足が見込まれたものの、中期的な視点に立った財政運営を基本とし、事業の精査・見直しととちぎ行革プラン2016に掲げた財政健全化の取り組みを着実に実行することにより、必要な財源確保に努め編成した平成30年度当初予算案は、それでも財政調整基金から110億円を充当することとなりました。  そうした経緯による当初予算案でありますが、とちぎ元気発信プラン及びとちぎ創生15(いちご)戦略に掲げた施策のさらなる推進を図るとともに、その他の重要課題にも的確に対応できる内容になったと聞いております。  一方で、新年度予算に計上した歳入予算については、地方交付税、臨時財政対策債を含む県債などが減少することから、歳入予算の約3割を占める県税収入の確保に向けた、より一層の取り組みの強化が必要と考えます。  そこで、さらなる県税収入の確保に向けて具体的にどのような取り組みを行うのか、経営管理部長に伺います。 ○阿部寿一 副委員長 金田経営管理部長。 ◎金田 経営管理部長 県税収入を確保するためには、課税対象の確実な捕捉と収入未済額の圧縮による徴収率の向上が何より重要であります。  このため、新年度は、未登録・未申告法人の調査を強化し、課税対象の掘り起こしに努めてまいります。  あわせて、収入未済額の約9割を占める個人県民税について、これまで3つの県税事務所で実施しておりました市町との協働徴収を全7県税事務所に拡大し、早期の滞納整理等を進めることにより、現在全国低位にあります現年度課税分の徴収率を全国平均を上回る水準に引き上げてまいりたいと考えております。  また、納税者の利便性と早期の納付を進めるため、自動車税の口座振替を促進してまいります。  こうした取り組みを県税事務所の総力を挙げて展開し、県税収入の確保に努めてまいります。 ○阿部寿一 副委員長 加藤正一委員。 ◆加藤正一 委員 県税収入の確保に当たりまして協働徴収事務を全県税事務所に拡大すると。それに伴って現年分の個人県民税徴収率を新年度の目標で98.7%とするということでありますが、一方で、平成28年度の実績で、滞納分を加えた個人県民税徴収率が93.7%ということであります。これはことしの1月にできた税務統計によるものですが、また県税全体の収入未済額が44億7,400万円余ということで、今部長の答弁にもありましたように、その大半である9割を超えるものが個人県民税であります。収入未済額そのものについては6年連続の減少で、26年ぶりに50億円を下回るということで、この間の継続した取り組みの成果と評価をしておりますが、この滞納分を加えた現滞というんですか、現滞を含めた徴収率の目標値の設定ですとか、あるいはその滞納分に対する徴収額の目標等、どのように捉えて取り組んでいくのか、再質問をいたします。 ○阿部寿一 副委員長 金田経営管理部長。 ◎金田 経営管理部長 滞納分についての取り扱いというご質問かと思います。  滞納が非常に多くて、それについての徴収強化も課題だとは考えておりますが、滞納になりますと徴収に手間暇もかかりますし、そういった手間やコストを考えますと、まずは現年度にしっかり徴収をすると、そのことによって滞納額そのものを減らしていくといった取り組みが最も重要だと考えておりまして、そうした観点から、先ほども申し上げましたような現年分についての徴収目標を設定して各県税事務所に指示をしたところであります。  なお、個人県民税を含む全税目についての現滞計の徴収率につきましては、平成28年度の数字で97.9%でございます。  今年度につきましては、現在の見込みでありますが、0.3ポイントほど上回りまして98.2%まで上がってくるのではないかなと見込んでおりますし、新年度は98%台の半ばまで引き上げられればなと考えております。 ○阿部寿一 副委員長 加藤正一委員。 ◆加藤正一 委員 引き続きそうした収入未済額に向けた取り組みも強化をお願いするということで、もう一度再質問させていただきます。  既に調定によって納税額が確定している税とは別に、新たな歳入の確保という点で、ふるさと納税の活用についてお伺いいたします。  実は、私もこのふるさと納税の活用については、たびたび申し上げてきたところでもございます。当予算特別委員会の岩崎委員長も昨年の2月議会で取り上げたところですが、その際にも寄附者への返礼品に県産品の提供という提言を岩崎委員長も当時されておりました。私も同様のことを申し上げてきた結果、昨年10月からふるさと納税に関しては1万円以上の県外の協力者に対して県産品の返礼品を提供すると。9品目でありますが、平成28年度が74件で総額2,042万6,000円、今年度は1月現在ですが、58件で2,218万1,000円で、昨年10月以降における県外からの寄附者は前年同時期で3倍以上になったということでありますが、本県の認知度アップと県産品のPR及びその愛好者の拡大、さらには歳入の確保ができるというこのふるさと納税の活用について、どのようにお考えになっているのか。  一部昨年までの状況を見ますと、このふるさと納税によりまして税の流出がされていることから、県はそこまでの影響を受けていませんが、県内で12市町に赤字、ふるさと納税で県外に流出することによって12市町に拡大しているということもありますが、こうしたことにもならないために、さらにふるさと納税の活用で、返礼品に新たな県産品を加えた形での取り組みができないものか、経営管理部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副委員長 金田経営管理部長。 ◎金田 経営管理部長 ふるさと納税の返礼品につきましては、委員からお話しありましたとおり、今年度の秋から導入したところでありますが、秋からの導入ということもありまして年度前半をイメージした特産品はなかなか選びにくかったといった事情もございます。新年度につきましては、通年実施をするということでありますので、年度内を通した返礼品をラインアップいたしまして、引き続きふるさと納税の呼びかけをしてまいりたいと考えております。 ○阿部寿一 副委員長 加藤正一委員。 ◆加藤正一 委員 要望に加えてということではありませんが、ぜひそうした充実を図っていただき、その効果を十分認知していただければと思っております。  続きまして、次の創業支援の充実強化について産業労働観光部長にお伺いいたします。  県では、開業率の向上や産業成長力の維持を図るため、創業希望段階から創業後の初期段階までの総合的な支援として、平成26年度から創業支援事業や起業家コンテストの開催など起業家育成事業、空き店舗や企業OBの活用による経営力向上支援事業、さらに女性や若者、シニアに対する創業支援資金としての融資枠を設けるなどの取り組みを行ってきました。  先般、厚生労働省の雇用保険事業年報によって、平成28年度県内企業の開業率が5.24%に上昇し、県が掲げる同年度の目標値5.2%に到達したことがわかりました。  そうした中、新年度予算では、創業後間もない事業者などに対し、経営の成長・発展を促し、最終的には開業率の上昇につなげることを目的とした、創業から成長への架け橋事業が計上されており、創業者への支援が一層強くなり、開業率の向上に向けた環境づくりが期待されます。  そこで、県では、同年度までに掲げた目標値が達成できた状況をどのように分析しているのか、また創業から確実な成長へと展開するため、来年度は具体的にどのように取り組むのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副委員長 香川産業労働観光部長。 ◎香川 産業労働観光部長 開業率の上昇につきましては、とちぎ地域企業応援ネットワークでの創業機運の醸成や創業支援事業計画の県内全ての市町での策定など、創業しやすい環境の整備が進んできたことが要因の一つであると認識しております。  加えて、商工団体や金融機関等におけます創業塾やビジネスプランコンテストの実施拡大、さらには景気の回復なども相まって大きな伸びにつながったものと考えております。
     しかしながら、新規創業者の約半数が3年以内に廃業すると言われておりまして、事業継続の確率を高めていくためには、創業初期段階における支援の強化が重要であると考えております。  このため、新年度は、新たに、創業後に直面する課題の克服に向けた分野別のセミナーを実施するとともに、資金調達や販路拡大に有効なプレゼンテーション能力向上セミナーを実施するなど、創業者の経営の安定と成長・発展に向け、支援してまいります。 ○阿部寿一 副委員長 加藤正一委員。 ◆加藤正一 委員 ただいまの答弁を踏まえまして再質問を産業労働観光部長にさせていただきます。  雇用事業年報によりますと、業種別の事業所の開業状況がわかります。答弁にもありましたように、具体的な業種が建設業を初めとして特に開業が目立ったということでありますが、一方で、冒頭の質問で申し上げましたように、ここ二、三年、若者やシニア、女性といった対象者を意識した創業の支援にも取り組んでいるところですが、そうした方々についての開業状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。 ○阿部寿一 副委員長 香川産業労働観光部長。 ◎香川 産業労働観光部長 ご指摘のとおり、5.2%という大幅な伸び、全国27位から19位になったわけでございます。今答弁で申し上げたようにさまざまな支援が功を奏したという形でございますが、創業塾という形の中で、例えば商工団体、400名を超える、全体で500名近い方がチャレンジをして勉強して創業していくと。全体の中では、雇用率の引き上げは統計上の話でございますので2万2,000の中で千五、六百の開業があったという形にはなっておりますが、若者、あるいは女性の創業は60%を超えております。これはやはりシニアも重要なんですが、定年になってから新たなビジネスを始めようという方は、実際には多くない。ただ、建設業のようにいわゆる需要がありまして、ある程度の経験があったら新たに会社を興すという形の創業はふえていく傾向にあります。先ほどの答弁でも申し上げたとおり、創業することが目的ではなくて、それを維持していく、それにはやはり事業継承と空き店舗を使っての創業が一番やはり地域の活性化を生むということでございますので、若者・女性についてはこの分野も含めて重点的に支援をしてまいりたいと思っております。 ○阿部寿一 副委員長 加藤正一委員。 ◆加藤正一 委員 産業労働観光部長に再度質問を行いますが、県が行う創業塾関係に対して市町も私の地元の足利市などはいち早く県内で創業支援事業計画を立ち上げたわけですが、商工団体等も市町と連携して創業塾を行っております。県が行うこうした創業塾等の創業支援と市町が商工団体と連携をして行うそうした同事業との差別化をどのように図っていくのか、また今回の新事業によって成長をフォローアップしていくための取り組みを市町とどのように連携をしていくのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 副委員長 香川産業労働観光部長。 ◎香川 産業労働観光部長 従来の施策でございますと、県は県の役割、市は市の役割、商工会、商工会議所はそれぞれの役割においてやるのが合理的だとされておりますが、創業・開業に関しましては、その枠は比較的薄いんだと認識しております。足利は足利という地区の特別なビジネスというのはある程度の形でやっぱりあると思うんです。細かいビジネスがいいという形。宇都宮なら宇都宮で、どういう機動力を生かしたビジネスに適するのかと、全体をつかむにはやはり県が全体をコーディネートしなければならないが、やはり地元のことをよくわかっていらっしゃる商工会、商工会議所が自分たちで創業はこういうマッチングが細かくあるんだよということができますので、さらに具体的な地域での掘り起こしが可能となります。そこが違いといえば違いなんですが、要はその意欲のある受講生なりにしっかりと熱意を持って当たれるような体制を全部つくっていく、専門家も入れて、それは金融機関も特にそうですが、そういう形でやっていくのがベストだと考えております。 ○阿部寿一 副委員長 加藤正一委員。 ◆加藤正一 委員 いずれにしましても、とちぎ創生15戦略のみならず、産業成長戦略でも一定の年次に向けた開業率の目標値を設定しておりますので、引き続きその目標に向けてお力添えをお願い申し上げます。  続きまして、最後の質問に移ります。  保育士等キャリアアップ研修及び処遇改善について、保健福祉部長に伺います。  厚生労働省では、昨年4月、保育現場におけるリーダー的職員の育成に関する研修である保育士等キャリアアップ研修のガイドラインを定め、研修の実施主体を都道府県または都道府県知事の指定した研修実施機関により、専門分野別研修、マネジメント研修及び保育実践研修を行うこととしました。同研修の受講により、技能・経験を積んだ保育職に対する処遇改善の加算が図られることになります。  県では、昨年の9月補正予算を活用し、昨年10月から本年3月までの期間、保育現場におけるリーダー的な役割を担う保育士等を育成するためのキャリアアップ研修を実施しています。  この研修は、今年度から創設された処遇改善等加算Ⅱの加算要件で、副主任保育士等では月額4万円、職務分野別リーダーでは月額5,000円の処遇改善を図る仕組みであります。  そこで、当該研修の実施状況はどうなっているのか、また今年度の状況を踏まえ、来年度はどのように研修を実施するのか、保健福祉部長に伺います。 ○阿部寿一 副委員長 山本保健福祉部長。 ◎山本 保健福祉部長 県では、保育士等が技能・経験に応じてキャリアアップできるよう、今年度からリーダー的な役割を担う保育士等の育成に向け、研修を開始し、国の研修ガイドラインに示された8分野のうち、保育現場のニーズが高い食育・アレルギー対応や保健衛生・安全対策など、4分野において延べ約1,300人が受講するなど、おおむね順調に進んでいます。  新年度におきましては、乳児保育や障害児保育など4分野を加えた研修を実施するとともに、今年度実施した県央地区のほか県北・県南地区での開催や土日等の休日を利用した日程設定など、受講者が参加しやすい研修計画にしたいと考えております。  今後とも、キャリアアップ研修の受講促進に努めながら、保育士等の資質の向上と処遇改善を図ってまいります。 ○阿部寿一 副委員長 加藤正一委員。 ◆加藤正一 委員 保健福祉部長に再質問いたします。  今年度始まっている研修に当たりまして、全体計画では7,200人ほど県内に受講対象者がいると。初年度は1,800人を見込んだものの、聞くところによると1,400人程度にとどまっているということです。新年度において残る対象者が全員受講できなかった場合なども場合によっては想定されると思いますが、その際、同研修の継続ですとか、受講できなかった対象者の処遇改善などはどうなるのか、保健福祉部長にお伺いします。 ○阿部寿一 副委員長 山本保健福祉部長。 ◎山本 保健福祉部長 県では、対象者になるような方々へのアンケートを行いまして、2年間で受講対象者を延べ8分野で7,200人ということで、計画していたところであります。先日国から事前連絡がございまして、来年度は保育士等の技能・経験に応じた処遇改善等加算にこの研修を受けることで加算の要件になるということで、平成30年度以降は要件となるということで検討されていたものですが、それの見直しを予定しているということで、保育所等の実情に応じて配分可能とするほか、その研修についても2021年まではこの加算の要件としては課さないということで、連絡を受けたところであります。  いずれにいたしましても、保育士等が専門性の向上を図り、技能・経験に応じてキャリアアップできる環境の整備や保育士確保のためにも重要でありますことから、受講者や事業者の意向も踏まえながら研修が計画的に実施できるよう努めてまいります。 ○阿部寿一 副委員長 加藤正一委員。 ◆加藤正一 委員 ただいまの保健福祉部長の答弁にありましたように、最近厚労省で加算の運用の見直しについて新たな指針が示されたということであります。  このキャリアアップ研修並びに処遇改善の事業が始まってから、私の地元の民間の保育園の関係者の方々にお伺いしましたところ、もともとは特定の階層を意識しつつ、園にもある程度柔軟性を持った処遇改善の裁量の余地が委ねられていると。とは言いながらも、もちろんその制度の活用によりまして保育サービスの質の向上ですとか職員の処遇改善が図られることは喜ばしいことでありますが、一方で、施設の運営者から見ますと、全体的かつ均等な底上げが図られる、いわゆる人事管理上のバランス、園長ないしその施設の長をトップにして、ピラミッド型というんでしょうか、そうした法人運営のマネジメントも望ましいと期待をしているところでもありまして、現在の今回新たに見直しをされるでありましょう改善の運用につきましては、そうした趣旨が十分各関係保育施設等に周知できますように県としての取り組みをお願い申し上げまして、若干時間を残したところでもありますが、そうしたその処遇改善が結果的に先発の自民党議員会の守田委員も取り上げておりました、県が行う1歳児保育の県単の事業の補助基準額の見直し等にもそうした点からもつながるようにお願い申し上げまして、民進党・無所属クラブとしての総括質疑を終了いたします。 ○阿部寿一 副委員長 以上で、民進党・無所属クラブの質疑は終了いたしました。  この際、休憩したいと思います。  午後2時35分から再開いたします。  休憩いたします。                   午後2時25分 休憩             ────────────────────                   午後2時35分 再開 ○岩崎信 委員長 委員会を再開いたします。  引き続き、総括質疑を行います。  発言通告者に対し発言を許します。  公明党栃木県議会議員会、野澤和一委員。 ◆野澤和一 委員 公明党栃木県議会議員会の野澤和一でございます。  私からは、新年度予算に計上された事業のうち、県民の関心の高いと思われる3事業に対して質問をさせていただきたいと思います。  初めに、戦略的な企業誘致について、産業労働観光部長に伺います。  人口減少に歯どめをかけるとちぎ創生の取り組みのポイントは、栃木の新しい人の流れをつくることであります。  とちぎ創生15戦略の7に立地環境を生かした企業誘致の推進がありますが、本県の新幹線を含む鉄道網や高速道路網の充実による物流拠点としての適性や地理的優位性を最大限に生かした企業誘致を促進することが求められております。  15戦略に掲げた目標達成に向けては、これまで以上に県が市町と連携を強化することが不可欠であります。  県は、昨年、産業団地開発の基本方針を見直し、市町からの産業団地開発要望に対し積極的に対応するとしておりますが、私は産業団地の開発計画についてはもう一歩踏み込んだ取り組みが必要ではないかと考えます。つまり県が主導的に県内の適地を市町とともに調査し、市町とともに計画を練り上げるなど、情報の連携だけでなく具体的な取り組みを推進する機構・仕組みが必要であります。この問題は別の機会に議論したいと思いますが、いずれにしても市町と一体となって企業ニーズを踏まえた産業団地の整備に取り組んでいくことが不可欠です。  新年度予算では、企業局の用地造成事業において、現在開発・調査中の産業団地に加え、新たな産業団地整備に備えるための予算も計上されておりますが、市町と連携した産業団地整備計画など、今後の企業誘致に向けた取り組みについて産業労働観光部長に伺います。  また、関西情報発信強化事業費として14年ぶりに関西の拠点として設置するとちぎのいいもの販売推進本部大阪センターの設置・運営費が計上されていますが、どのような戦略を描いて西日本へ攻めの企業誘致を展開するのか、あわせて産業労働観光部長に伺います。 ○岩崎信 委員長 香川産業労働観光部長。 ◎香川 産業労働観光部長 企業の設備投資動向が堅調に推移する中、企業からの引き合いに十分対応できる産業用地が少なくなっていることから、現在2つの地区におきまして産業団地開発の基礎調査が行われております。新年度のできるだけ早い時期に事業実施の可否を判断していくこととしております。  今後とも、開発に意欲的な市町と緊密な連携・協力のもと、本県のポテンシャルを最大限に生かした産業団地整備に取り組むとともに、本県のすぐれた立地環境のPRや企業情報の収集など、市町や地元金融機関等と一体となって積極的な企業誘致活動に取り組んでまいります。  また、関西圏は首都圏に次いで企業が集積している地域であり、災害発生時のリスク分散の観点等から、本県を含め、東日本に新たな拠点を求める企業も見られることなどから、今後は大阪センターを中心に効果的な情報発信や機動的な企業訪問活動を展開し、本県の強みをしっかりとPRするなど、西日本からのさらなる企業立地につなげてまいります。 ○岩崎信 委員長 野澤和一委員。 ◆野澤和一 委員 企業から見て魅力的な産業団地の開発計画を持つこと、これは非常に重要なことでありますので、積極的な取り組みを要望したいと思います。  ここで、産業労働観光部長に再質問しますが、先ほど部長から企業誘致に対する大阪センターの戦略について具体的に西日本の企業に対してリスクテークをする企業情報に対しさまざまな角度でアプローチしたいという旨のお話がありました。ここで、具体的に大阪センターの企業誘致推進体制や、あるいは西日本の企業誘致対象企業の状況など、戦術について伺いたいと思います。 ○岩崎信 委員長 香川産業労働観光部長。 ◎香川 産業労働観光部長 大阪センターにつきましては、本会議でも数多くご質問いただきました。基本的には、観光立地、そして農政部長の答弁にもございましたように県産品の販路拡大とございますが、いずれにしても4月から開設するわけではございませんで、早ければ夏に開設できるよう、総合政策部、東京事務所と中心になって戦略を練っていきますので、そこで十分検討されるのではないかと考えています。  ただ、一つ言えるのは、やはり東京と違いまして、我々が大阪へ行って、企業を訪問したいと言っても、何しに来るんだと、いや、そういうのはないからうちには来なくていいと、それではパンフレットを送らせてくださいと言っても、いやパンフレットは読まないから送らないでくれと、そのようなビジネスライクな企業も、それはそれでいいんですが、やはり顔のつながりがないとだめだということを身にしみていますので、現地ではできるだけ顔を売っていただきたいというのが産業労働観光部としての要望でございます。 ○岩崎信 委員長 野澤和一委員。 ◆野澤和一 委員 部長からございましたが、まさにそのとおりでございまして、体制をつくって具体的に計画をつくったからといって企業誘致が進むわけでもありませんし、県産品が売れるわけではないのであります。やはり人間関係が果たしてどこまでつくれるかがポイントだと思いますので、そういう意味では具体的な戦術、取り組みを検討する時間はまだあるわけでございますので、しっかりと大阪センターが機能するよう、十分な検討を重ねていただいて、人間関係を中心として戦略を展開していただくよう要望したいと思います。  さて、本質問のところで触れましたが、県主導の産業団地開発については、ここでは知事への要望にとどめたいと思いますが、圏央道の全面開通により、埼玉県が物流基地として注目を集めていますが、災害に強い本県の特質や物流拠点としての地理的優位性、首都圏経済のバックアップ機能など、本県を全国に向けて強力に発信するためにも、優良な産業団地のストックを持つこと、これが重要だと考えております。そのため経済効果が期待できるエリアや適地の選定、優良土地等の情報収集、開発に向けた課題や開発ロードマップなど、一元的に取り扱い、市町と協働で進めることができる、仮称でありますが、とちぎ産業団地開発プロジェクトの創設、これは栃木に人の流れをつくるために有効だと考えますので、課題はあると思います。議論が必要だと思いますが、建設的な検討を知事に要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  次に、林業・木材産業の成長産業化について、環境森林部長に質問します。  本県林業・木材産業の現状を簡潔に言いますと、供給体制の弱さと供給力不足が大きな課題でありますが、幸い、川中・川下の事業者は元気であります。川中・川下の事業者は、川上が素材生産を拡大した分、外国産材や他県産材への依存度を下げることができるからであります。  県産木材の市場、マーケットは、グローバル経済の動向や為替の変動、地方創生の取り組みなどによって外国産材から国産材が注目される環境に変化しているため、川上の供給体制が充実すれば、チャンスは幾らでも拡大でき、成長産業としての林業・木材産業の創出が期待されるところでございます。  こうした中、国では、意欲と能力のある経営体に集中投資する方針で、森林の経営管理を集積・集約化する新たな森林管理システムを構築することが見込まれる地域を中心として川上の路網整備や高性能林業機械導入を重点に支援するほか、皆伐及び再造林の一貫作業の推進、川中・川下との連携強化など、川上から川下までの取り組みを総合的に支援するための新年度予算を編成しました。  本県においては、こうした国の方針、予算に呼応した取り組みはもとより、計画的な皆伐やコンテナ苗供給体制の拡大など、素材生産力の強化や川上から川下の有機的連携によるマーケットインのビジネスモデル、林業の6次産業化を推進するなど、積極的な取り組みが求められております。  そこで、林業・木材産業の成長産業化を本格化するため、どのような点に重点を置いて平成30年度の当初予算を編成したのか、環境森林部長に伺います。 ○岩崎信 委員長 淺香環境森林部長。 ◎淺香 環境森林部長 林業・木材産業の成長産業化実現のためには、川上から川下が連携した素材生産と木材需要の拡大が喫緊の課題です。  このため、川上では、とちぎの元気な森づくり県民税事業による再造林と国庫補助事業を活用した植林から保育にも対応できる路網整備や高性能機械の導入等の支援によりまして、皆伐への着実なシフトを図り、素材生産力を強化してまいります。  次に、川中では、さまざまなニーズに対応した栃木の木材製品を安定的・効率的に製造できるよう、製材や乾燥設備の導入などを支援してまいります。  さらに、川下では、県民税事業により、公共施設に加えましてPR効果の高い集客施設にまで木造・木質化支援の対象を拡大いたします。また、建築士などを対象とした講習会を実施をし、中大規模建築物等に対応できる技術者養成にも力を入れてまいります。 ○岩崎信 委員長 野澤和一委員。 ◆野澤和一 委員 今部長から、川上については、まさに素材生産の拡大、またそうした生産体制の強化、これが非常に重要なポイントだというお話がございました。私も同感でございまして、この成長産業化していくための、まさに一丁目一番地は、素材生産力の強化だと思っております。  そこで、部長に再質問したいと思いますが、川上のハード面での整備支援、これはもとより、ICT等の先端技術を活用した森林施業の効率化、あるいは需給マッチングによる流通コストの削減など、スマート林業の構築が今求められているところではないかと思っております。  また、人材の育成、労働力の確保、これも重要な課題でもございます。  そこで、これらスマート林業、また労働力の確保等の問題にどのように取り組んでいくのか、環境森林部長にお考えをお聞きしたいと思います。 ○岩崎信 委員長 淺香環境森林部長。 ◎淺香 環境森林部長 まさに林業・木材産業の成長産業化を実現するためには、とちぎ木づかい条例に基づきます協議会の機能を十分に活用しながら、川上から川下までしっかりと連携し、あわせてそれぞれのニーズ、あるいは供給力を瞬時に把握できるようなICTの機能なども活用した取り組みが極めて重要だと考えております。  このため、例えば人材の育成につきましては、それぞれの従事者がそれぞれのステージに応じてステップアップの知識、技能を習得できるような体制もつくっていきたいと考えておりますし、労働力の確保につきましても、これについては私どもの部だけではなくて関係部局との連携が必要と考えておりまして、あらゆるジャンルを活用して栃木県の林業・木材産業の情報発信をしていきたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 野澤和一委員。 ◆野澤和一 委員 国は、林業を支え、国土を守るということで、森林所有者の責任の明確化や所有者不明の森林の活用対策など、林地集積に向けた森林バンクの創設など、積極的な取り組みを示しております。  先ほど部長から答弁がございましたが、スマート林業に関しても本県が積極的な具体的な取り組みを表明することによって、国からのさまざまな支援メニューを受けることも可能だと思いますので、これからも川上・川中・川下、総合的な支援の強化をよろしくお願いをしたいと思います。特に、意欲のある、また能力のある事業者への積極的な支援をお願いしたいと思います。  また、課題である県産木材の供給力と価格の問題、これはまさに林業の6次産業化が鍵を握っていると考えております。そのためにも、とちぎ木づかい条例で定められた協議会の実効性ある運営をよろしくお願いを申し上げたいと思います。  ここで知事に要望したいと思いますが、林業の労働力確保、人材育成については、これは部局を横断する、全庁挙げて取り組まなければならない重要な問題だと考えておりますので、この点、よろしくお願い申し上げたいと思います。  最後の質問に移らせていただきます。  認知症総合対策について、保健福祉部長に質問させていただきます。  本日の下野新聞の記事に、認知症、アルツハイマー型認知症の記事が載っておりました。非常に今県民の関心が高い問題でもございます。超高齢社会、団塊の世代の全ての方が75歳を迎える2025年に大きな節目を迎えます。今後、ますます社会問題として大きな注目点になるのが認知症の問題だと思います。  国の推計では、認知症の人が2025年に700万人を超えるとされ、認知症対策は国家戦略に位置づけられました。しかし、具体的な取り組み、これはまだ不十分であります。本県においては、2015年に8万人だった認知症高齢者が2025年には約11万人になるとの推計があり、大幅な増加が見込まれるところであります。  また、若年性認知症については、65歳未満で発症する認知症のことですが、脳血管障害やアルツハイマー病などによって老人性認知症と同様に物忘れや言語障害等の症状があらわれるものですが、厚生労働省の調査では全国で4万人近くいると推計されております。  このような中、早期発見・早期対応のための認知症相談体制の充実及び医療体制の拡大が求められておりますが、特に働き盛りの若年者の認知症は、家族に大きな影響を与え、問題になっております。厚労省の調査では、家族介護者の約6割が抑鬱状態、7割の方が収入が減ったと訴えており、家族にとっては深刻な問題になっております。  県は、これまで認知症対策として、認知症に関する理解の促進と家族への支援、医療と介護の連携による対応、認知症対応力の向上など、人材育成の施策も展開してまいりましたが、さらなる拡充が求められているところであります。  こうした中、来年度から始まる栃木県高齢者支援計画はつらつプラン21(七期計画)では、認知症の方が暮らしやすい地域づくりを強化することとし、高齢者の認知症の方への対応強化に加え、若年性認知症についても重要な課題として新たな項目を設け、対策を進めるとしたことに対し、評価したいと思います。  そこで、平成30年度当初予算において、新プランの認知症分野の対策を具体的に進める予算として4,500万円の認知症総合対策推進費が計上されておりますが、来年度の対策のポイントと若年性認知症に対する取り組みについて、保健福祉部長に伺います。 ○岩崎信 委員長 山本保健福祉部長。 ◎山本 保健福祉部長 認知症対策については、早期発見・早期対応を軸とする医療・介護の連携が重要であり、新年度には全ての市町において認知症初期集中支援チームが設置されるなど、地域における支援・連携体制づくりが本格化することになります。
     このため県では、チーム員の人材育成やチームに協力するとちぎオレンジドクターの登録・周知を図るとともに、地域の医療従事者の認知症対応力向上研修や認知症疾患医療センターを拠点とした地域の医療機関の連携強化にも取り組んでまいります。  また、若年性認知症については、医療・介護だけではなく、就労や子育てなど特有な問題があることから、若年性認知症支援コーディネーターを中心とした相談支援体制づくりに向けて、幅広い関係者による課題共有や理解促進に一層努めてまいります。 ○岩崎信 委員長 野澤和一委員。 ◆野澤和一 委員 ここで、再質問をしたいと思います。  昨年の下野新聞に若年性認知症への対応についてネットワークづくりを進めるというお話がありました。若年性認知症ネットワーク会議についてどのように進めるのか、保健福祉部長に伺いたいと思います。 ○岩崎信 委員長 山本保健福祉部長。 ◎山本 保健福祉部長 実際に若年性認知症の対応をされている若年性認知症コーディネーターの方からは、若年性認知症の課題としましては、認知症は高齢者というイメージが強くて中長期的な課題を有する若年層を想定した支援の認識が不足していることでありますとか、専門職の方も若年性認知症にかかわった経験が少なく、対応力が不足しているというような課題があるということであります。  このため、若年性認知症ネットワーク会議では、各地域の市町や就労、権利擁護など多くの関係者などの幅広い関係者にご参加いただきまして、若年性認知症の支援内容でありますとか、課題や認識を共有するというようなこと、また連携体制の構築に向けた意見交換などを行っているところであります。  今後とも、会議のテーマ設定や運営方法などについて工夫を行い、よりよい相談支援体制ができるよう、取り組んでまいります。 ○岩崎信 委員長 野澤和一委員。 ◆野澤和一 委員 認知症の方々にとっては、最も有効な認知症ケアが、その人らしく、また穏やかに、その人が暮らすその地域で暮らし続けること、これが一番の薬になるという話もございます。ただ、若年性認知症の場合には現役世代ということもあって、なかなか穏やかに暮らし続ける環境を提供するのは難しい分野というか、方々になっていくものかと思われますので、まさに県がこの若年性認知症ネットワーク会議、この幅広いさまざまな相談の受け皿になり得る会議体の中心に位置されるものだと思いますので、どうかその会議の中で、さまざまな意見やさまざまな現状の変化に合わせた対応、地域対応が非常に重要になると思いますので、きめ細やかな対応ができるよう、強く要望したいと思います。  最後になりますが、平成30年度、新年度において、新たな人の流れをつくり、希望と元気にあふれる事業が展開されますことを切に要望し、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○岩崎信 委員長 以上で、公明党栃木県議会議員会の質疑は終了いたしました。  発言通告者に対し発言を許します。  県民クラブ、保母欽一郎委員。 ◆保母欽一郎 委員 県民クラブの保母欽一郎でございます。  本日最後の登壇となり、知事初め執行部の皆様もお疲れとは存じますが、どうぞ最後までよろしくお願い申し上げます。  それでは、早速会派を代表しまして質疑に入らせていただきます。  まず初めに、有害鳥獣対策について環境森林部長にお伺いいたします。  近年、捕獲対策事業の推進により、県内各地に生息しているイノシシや鹿などの捕獲頭数はふえているわけでありますが、農作物の被害は減少しておらず、逆に年々被害が拡大しているのであります。  その被害額は平成21年に1億8,700万円であったものが平成28年には3億200万円と過去最高となっております。このまま推移すれば、農作物や林業被害の拡大だけにとどまらず、人的被害にまで及ぶ危険性が増すのであります。  こうした中、県は国の政策方針に基づき、有害鳥獣の減少に向け新たな管理計画を立て、農政部や市町と協議を重ねながら、各種の有害鳥獣対策事業に対し、総合的に支援を行うための予算を計上しているわけであります。  そこでまず、新たな管理計画の概要についてお聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 委員長 淺香環境森林部長。 ◎淺香 環境森林部長 管理計画につきましては、農林業等の被害を軽減すること、それと野生鳥獣との共生を図ることを目的としたものであります。  近年、鹿、イノシシの生息数が高どまりしていることから、平成35年度末までに生息数を半減させる目標を立てまして、年間捕獲目標頭数の引き上げを盛り込んだ計画へと改定いたします。  新たな管理計画では、目標達成に向けた捕獲の促進はもとより、侵入防止柵設置などの被害防除や野生獣を寄せつけない環境整備の手法につきましても具体的に定めるなど、総合的な対策を講じることとしております。  特に、イノシシによる農業被害は、集落単位での対策が有効であることが実証されておりますので、地域ぐるみによる総合的な取り組みを推進することとしております。  さらに、人的被害の防止につきましても、鹿、イノシシの生態を踏まえ、市町等と連携しながら注意喚起や連絡体制の整備などを行うこととしております。 ○岩崎信 委員長 保母欽一郎委員。 ◆保母欽一郎 委員 それでは、環境森林部長に農作物被害を及ぼすイノシシの捕獲対策について再質問させていただきます。  新たな管理計画では、イノシシの年間捕獲目標を1万3,000頭に引き上げ、現在生息している約2万4,700頭のイノシシを今後3年間で集中的に約1万2,000頭まで半減させる計画を打ち出しております。しかしながら、過去10年間のデータを調べますと、1万3,000頭以上捕獲できた年はわずかに2回だけであり、そのほかの年は8,000頭にも満たないのであります。そして、県が依頼している猟友会の皆様も減少しており、高齢化がかなり進んでいるわけであります。  そこで、今後3年間の集中期間、毎年1万3,000頭のイノシシを捕獲するためにどのような対策を講じているのか、お聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 委員長 淺香環境森林部長。 ◎淺香 環境森林部長 まず、有害捕獲の体制の整備確保、これが一番重要であると考えております。現在、登録者数は約3,300人おります。そういった中で、まずは捕獲従事者のスキルアップが極めて重要でございますので、特に若い方々へはベテランハンターからの研修、あるいは効率的、効果的な捕獲方法の従事者への普及を図っていきたいと考えております。  あわせまして、平成30年度から私どもの部の中に対策班が設置されます。庁内はもとより、市町、関係機関、団体と、これまで以上に連携を強化してしっかりした体制を確保していきたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 保母欽一郎委員。 ◆保母欽一郎 委員 環境森林部長に再度お伺いいたします。  いずれにしても、イノシシの捕獲は、狩猟ではなく、わな猟になるわけであります。そこで、目標の1万3,000頭を捕獲するために、わなの設置数をどのぐらいふやす計画になっているのかお聞かせいただきたいと思います。 ○岩崎信 委員長 淺香環境森林部長。 ◎淺香 環境森林部長 くくりわな、あるいは箱わなとなりますが、県内の基数でいいますと、推計でありますが、約1万3,000基程度になろうかと思います。そういった中で、平成28年度につきましてはイノシシの捕獲数でいいますと1万3,000頭を超える捕獲ができたということがございますので、まずは現在のわなの設置数をしっかりと確保していくことが重要であると考えておりまして、もう1つは先ほども申し上げましたように、ハンターのスキルアップもあわせて対応していきたいと考えております。 ○岩崎信 委員長 保母欽一郎委員。 ◆保母欽一郎 委員 それでは要望させていただきますが、イノシシの捕獲は本当にわなを設置して行うわけであります。今もいろいろご説明はありましたが、今までご説明にあるような対策も講じてきても、実際確かに去年は1万3,000頭かもしれませんが、それまでは先ほど申し上げましたが、8,000頭にも満たない年があり、気候などの環境に大きく左右されるわけであります。実際、毎年1万3,000頭を捕獲することは、かなり厳しいのだと私は思うのであります。  そこで、現在イノシシの生息地域もかなり拡大しておりますので、やはりわなの数や設置数などをふやす計画を明確に示して管理していかなければいけないと思いますので、要望させていただきます。  そして、鳥獣捕獲の目的が農作物や林業被害、そして人的被害から守るためにあるわけですので、とちぎの元気な森づくり県民税と国が導入する森林環境税との重複内容を検討する際には、有害鳥獣から林業を守るための事業費に加えて農作物を守るための事業費を計上していただくことを要望して、次の質疑に移ります。  続きまして、保健福祉部長に保育士の労働環境の改善と保育の質の向上についてお伺いいたします。  近年、東京などの大都市や地方の都市部を中心に保育所などに入所できない待機児童の数が大幅にふえ、女性の就業や社会参画の妨げとなっております。国もその解消に向けた対策に乗り出し、平成29年に子育て安心プランを策定して各種取り組みを強化しているわけであります。  我が県におきましても、国の動きに呼応して各市町と連携を図り、保育所などの整備や保育士の不足問題などに力点を置いて待機児童の解消のための事業に取り組んでいます。特に、保育士の不足問題については、保育士の処遇や負担過重などの労働環境が大きく関係する問題になるわけであります。  そこで県は、新年度当初予算においてどのような対策を講じようとしているのか、お聞かせ願いたいと思います。  また、保育の質の問題も極めて重要であります。県は、保育の質の向上についてどのように取り組んでいくのか、お聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 委員長 山本保健福祉部長。 ◎山本 保健福祉部長 保育士の労働環境の改善に向けて、これまでの給与引き上げに加え、今年度から技能・経験に応じた月額最大4万円の加算が設けられたほか、短時間勤務など多様な勤務形態による採用の促進、雇い上げ費用の助成による保育の補助的業務従事者の雇用など、業務負担の軽減策も講じられているところであります。  また、保育の質の向上を目指して、子供の健康と安全の確保の観点から、乳児期の食育や事故防止等、保育の質を高める内容を各種研修に盛り込むほか、新年度はリーダー的な役割を担う保育士を育成するための保育士等キャリアアップ研修の内容を拡充するなど、引き続き効果的な研修を実施してまいります。  今後とも、労働環境の改善とともに、保育の質の向上を図りながら、保育士確保に取り組んでまいります。 ○岩崎信 委員長 保母欽一郎委員。 ◆保母欽一郎 委員 保健福祉部長に再質問させていただきます。  栃木県は、昭和45年横川知事の時代に、当時としても画期的であり、全国に誇れる1歳児保育に対する県独自の補助制度を設立し、現在でも受け継がれているわけであります。  内容は、国の保育士配置基準が1歳児6人に対して1名の保育士の配置となっているところを、1歳児がちょうど歩き始める時期となり、いっときも目が離せない状況で非常に手がかかることから、栃木県は幼児の安全や保育士の過重責務を考慮して1歳児3人に対し1名の保育士を配置するための補助制度を設立したわけであります。まさに現実、現場に即した全国に誇れる補助制度であります。  しかしながら、平成17年度までの補助金額が保育士1人当たりの換算で24万6,000円あったものが平成18年度には16万5,000円に減額され、平成20年度からは12万6,000円と半分近くに減額されているわけであります。そのために保育所などでは、栃木県の誇れる補助制度を活用するところが年々減少し、近年では半数程度まで減っているわけであります。  そして、保育士の配置数の問題により、1歳児の待機児童数が飛び抜けて多くなっているのが現状であります。  そこで、なぜ栃木県のこの誇れる1歳児保育に対する補助金額をこのように半分近くまで減額してしまったのか、その理由、経緯についてお聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 委員長 山本保健福祉部長。 ◎山本 保健福祉部長 1歳児担当保育士増員事業ということで、今ご紹介がありましたが、平成17年度には、換算した計算になりますが、常勤では24万6,000円、非常勤の方1人雇った場合には13万8,000円ということで、補助を行っていたところであります。その補助単価ですが、非常勤職員の配置が多いという実態でありますとか、また県や市町の財政状況を踏まえまして、平成18年度から平成20年度まで段階的に補助単価の見直しを行ったという経緯になっております。 ○岩崎信 委員長 保母欽一郎委員。 ◆保母欽一郎 委員 この問題については、一所管の問題ではなく県の政策の問題となりますので、知事に質問させていただきたいと思います。  この補助の金額の引き下げは、当時の国の政策と経済の悪化により県や各市町の財政が逼迫したことから、知事も断腸の思いでこの補助金額を24万6,000円から12万6,000円と半分近くまで引き下げたものと考えております。  しかしながら、現在は当時の財政危機も乗り越え、引き下げられていた職員の給与や我々議員の歳費ももとに戻し、大型プロジェクトにも着手しているわけであります。  そこで、当時、財政危機の中でやむを得ず引き下げたこの栃木県が全国に誇れる1歳児保育に対する補助金額を保育環境の現状や1歳児保育に対する安全なども考慮しながら保育所などが活用しやすいように少しでも上げていくべきと考えますが、知事の所見をお聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 委員長 福田富一知事。 ◎福田 知事 引き下げの経緯については、保健福祉部長が答弁をしたとおりでございます。それから年数がたっておるところでございますので、各市町のお考えなども聞いた上で、県としてのあり方を考えていきたいと思います。 ○岩崎信 委員長 保母欽一郎委員。 ◆保母欽一郎 委員 今知事はもう簡単にご回答されましたが、もう一度知事にお伺いしますが、この24万6,000円から12万6,000円に下げたということは、本当にこれは実際保育を預かる園とすれば、これは大変な問題であります。この現状も含めて、やっぱり少しでも上げていくことを考えていくことが一番大事な知事としての姿勢ではないかと。また、県の政策をあずかる知事として考えるべきではないかと思いますので、もう一度お聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 委員長 福田富一知事。 ◎福田 知事 1歳児の保育体制について、当時は先ほどの話のように非常勤の保育士が多くを占めていたことから、実態に合わせるということで、段階的な引き下げをしてきた状況にあります。現時点で各市町の1歳児担当の加配分の方がどういう身分で働いているのかを十分検討した上、協議しながらこの件については対応していくべきではないかと思います。 ○岩崎信 委員長 保母欽一郎委員。 ◆保母欽一郎 委員 知事にはぜひ、やっぱり実態、現場の状況をもう一度知事もお聞きいただきまして、実際1歳児はいわゆるパート、アルバイトとは言いませんが、やっぱり責任あったある程度経験のある方がやらなければなかなか大変だというのが実際の現場の声であります。その正規の保育士の確保が今やはり本当大変なわけです。その辺についても、ぜひ知事に現場を改めて確認していただければと思います。  それでは、要望させていただきますが、横川知事時代から始まった全国に誇れる我が県の1歳児保育に対する補助制度は、乳児の安全性や保育の質の向上、そして保育士の過重責務の減少など、現在対策を進めている保育士の確保や少子化対策にもつながる制度であります。ぜひ、当時の財政危機のときに引き下げたこの補助金額を、知事には現場も確認していただき、現場の声を聞いていただいて、ぜひ見直していただくように強くお願い申し上げ、最後の質問に入らせていただきます。  それでは、今年度でご勇退なされます産業労働観光部長にエールの意を込めまして、新たな産業団地の開発推進についてお伺いいたします。  国は、東京一極集中の是正と地方自治体の人口減少・少子高齢化対策を図るために地方創生を掲げ、平成26年にまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しました。  本県も国に呼応して、とちぎ創生15戦略を策定し、現在各種の施策を進めています。その中において、雇用の拡大と地域経済の活性化に向け、本県の立地環境などを生かし、新たな企業誘致に力を注いでいるわけであります。  近年におきましては、株価の堅調な伸びもあり、大手企業の業績や財政状況が好調なことから、設備投資も拡大傾向にあり、本県の企業立地件数も常に全国上位となっております。そして、県は、新年度の当初予算で、新たに大阪センターの開設を行い、今まで弱点でありました関西方面からの企業誘致の対策も行う予定であります。  しかしながら、その受け皿となる県内20カ所の産業団地に目を向けますと、分譲地のストックが残りわずかとなっているのであります。幾ら企業誘致促進に力を注いだとしても、肝心の受け皿となる分譲地がなければ、どうにもならないわけであります。  そこで、この現状を踏まえ、新たな産業団地の開発をどのように考え、今後どのように進めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。 ○岩崎信 委員長 香川産業労働観光部長。 ◎香川 産業労働観光部長 産業団地は、雇用機会の確保や地域経済の活性化につながる企業立地の受け皿となるものであり、企業の引き合いに十分に応えられるよう、整備を図っていく必要があります。  このため、今年度、市町の要望等に柔軟に対応できるよう、産業団地開発の基本方針を一部見直し、現在2地区において基礎調査が進められており、また市町独自で団地開発を行う動きも出てきております。  国におきまして、現在、遊休産業用地の把握と利活用を図る観点から、工場適地調査手法の見直しが行われております。県もこれを契機に市町の協力を得ながら企業に紹介可能な産業用地の掘り起こしに努めてまいります。  新年度新たに設置する大阪センターを中心に関西圏等での企業誘致にも力を入れながら、引き続き企業ニーズを踏まえ、開発に意欲的な市町と連携・協力し、本県のすぐれた立地環境を生かした産業団地の整備に取り組んでまいります。 ○岩崎信 委員長 保母欽一郎委員。 ◆保母欽一郎 委員 今の部長の答弁の中で、市町がと強調されております。しかし、いろいろな市町からのお話もあるんだと思いますが、実際には、現在上三川町や芳賀町以外に県が関与する新たな産業団地の開発事業や計画はないわけで、県は市町の要請を受けて考えるという、実際基本方針が受け身の姿勢にあるわけであります。  やはり全てにおいて、好機、旬があるわけであります。私がなぜこうやって危惧をして質問を……(「保母委員に申し上げます。ただいまの発言は再質問でございますか」の声あり)失礼しました。再質問でございます。失礼いたしました。再質問させていただきます。  いずれにしても、好機、旬があるわけですが、私が危惧していますのは、新たな産業団地の開発分譲には時間を要するわけであります。そして、圏央道の開通により、埼玉県や茨城県内で企業誘致に向けた産業団地の開発が加速しているわけであります。  そこで、県の開発基本方針をさらに見直して県がもっと積極的に市町をリードして開発を進めるべきだと考えますが、産業労働観光部長の所見を簡潔によろしくお願い申し上げます。 ○岩崎信 委員長 香川産業労働観光部長。 ◎香川 産業労働観光部長 県の方針といたしましては、行革、そして地方分権の促進によりまして、県がつくって計画して県土を考える三全総的な考え方から、やはり市町が地方分権だから自分たちでプランをつくって自分たちのところに将来ビジョンを描いて振興計画に位置づける、それを県が受け身的にお手伝いする方針を堅持してきました。やはり産業は個別の産業、企業に来てほしいという考えはありますが、グランドデザインにつきましては総合政策部、そして何といっても県土整備部が県土を全部あれだけつくってくれまして、やっぱり県土整備部が一番すごいなと思います。そういった意味で、全庁的に見直しを図る分には総合政策部と県土整備部、産業労働観光部としてはそれをしっかりお手伝いして個々のフォローをするやり方でカバーしていきたいと思います。 ○岩崎信 委員長 保母欽一郎委員。 ◆保母欽一郎 委員 何か質問をはぐらかされたような感じがしますが、それでは要望させていただきます。  報道などによりますと、香川部長はご勇退なされた後、県の出先機関である東京事務所のとちぎのいいもの販売推進本部の本部長に就任され、大阪センターも統括されるとのことであります。県は、これから企業誘致や観光誘客などを強化していくのでありますから、部長の識見や経験、手腕からいっても、最適任であるわけですが、そして本部長に着任すれば企業からの引き合いが倍増することは間違いないと思うのであります。しかし、その上においても、企業の誘致、受け皿をふやさなければ、どうにもならないわけであります。  そこで、ぜひ部長には、退任前に県が積極的に産業団地の開発を進められるよう、開発基本方針のさらなる見直しを行うことをしっかり引き継いでいただくよう、要望させていただきたいと思います。  そして、結びに、香川部長の東京事務所でのさらなるご活躍を心からご祈念申し上げまして、私の全ての質疑を終わります。ありがとうございました。
    ○岩崎信 委員長 以上で県民クラブの質疑は終了し、平成30年度当初予算関係議案等に対する総括質疑は全て終了いたしました。  以上をもちまして、本日の日程は全て終了いたしました。  次回の委員会についてでありますが、19日月曜日午後2時から、本委員会に付託されております平成30年度当初予算関係議案の採決等を行います。  これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。                  午後3時26分 閉会...