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平成27年度栃木県議会第332回通常会議-12月04日-04号

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  1. 栃木県議会 2015-12-04
    平成27年度栃木県議会第332回通常会議-12月04日-04号


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    平成27年度栃木県議会第332回通常会議-12月04日-04号平成27年度栃木県議会第332回通常会議 〇十二月四日(金曜日)  出 席 議 員 四十九名    一 番   中   屋       大    二 番   平   木   ち さ こ    三 番   船   山   幸   雄    四 番   塩   田   ひ と し    五 番   齋   藤   剛   郎    六 番   増   山   敬   之    七 番   吉   羽       茂    八 番   阿   部   博   美    九 番   加   藤   正   一    十 番   相   馬   政   二    十二番   野   村   せ つ 子    十三番   白   石   資   隆    十四番   早   川   け い こ    十五番   さ い と う   淳 一 郎    十六番   西   村   し ん じ    十七番   野   澤   和   一
       十八番   池   田       忠    十九番   亀   田       清    二十番   関   谷   暢   之   二十一番   中   島       宏   二十二番   日 向 野   義   幸   二十三番   横   松   盛   人   二十四番   斉   藤   孝   明   二十五番   松   井   正   一   二十六番   山   田   み や こ   二十七番   保   母   欽 一 郎   二十八番   一   木   弘   司   二十九番   相   馬   憲   一    三十番   山   口   恒   夫   三十一番   阿   部   寿   一   三十二番   金   子       裕   三十三番   佐   藤       良   三十四番   山   形   修   治   三十五番   若   林   和   雄   三十六番   五 十 嵐       清   三十七番   岩   崎       信   三十八番   小   林   幹   夫   三十九番   五 月 女   裕 久 彦    四十番   花   塚   隆   志   四十一番   早   川   尚   秀   四十三番   佐   藤       栄   四十四番   神   谷   幸   伸   四十五番   螺   良   昭   人   四十六番   三   森   文   徳   四十七番   石   坂   真   一   四十八番   木   村   好   文    五十番   髙   橋   文   吉   五十一番   平   池   秀   光   五十二番   板   橋   一   好  欠席議員 一 名    十一番   渡   辺   さ ち こ 地方自治法第百二十一条の規定による出席要求によって出席した者                   知事       福   田   富   一                   副知事      鈴   木   誠   一                   副知事      馬   場   竹 次 郎                   総合政策部長   北   村   一   郎                   経営管理部長   井   澤   晃 太 郎                   県民生活部長   平   野   博   章                   環境森林部長   金   田   尊   男                   保健福祉部長   近   藤   真   寿                   産業労働観光部長 荒   川   政   利                   農政部長     南   斎   好   伸                   県土整備部長   印   南   洋   之                   会計管理者会計局長                            國   政   英   夫                   企業局長     淺   香   達   夫                   総合政策部次長総合政策課長                            中   里   文   計                   財政課長     矢   野   哲   也                   教育長      古   澤   利   通                   代表監査委員   石   﨑       均                   人事委員会事務局長                            檜   山   英   二                   労働委員会事務局長                            黒   田   葉   子                   警察本部長    松   岡   亮   介             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十九名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午前十時 開議 ○岩崎信 議長 ただいまから本日の会議を開きます。  日程第一 第一号議案から第十六議案まで及び第十九号議案から第二十九号議案までを一括して議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。発言通告者に対し、発言を許します。横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) さきの春の改選で多くの県民のご支持をいただきまして、再選を果たすことができました。きょうは、二期目を迎えて最初の一般質問でございます。県政の課題は、一つ山を越えれば、そのまた向こうに山また山であります。私は、県民の思いと願いをしっかりと背負い、この山々を一つ一つ登っていく覚悟でございますので、本日の質問におきましても、執行部の方々には、その思いを同じにしてご答弁いただきますようお願い申し上げ、質問に入ります。  まず初めに、栃木県育英会東京学生寮の整備について伺います。東京方面に通う学生の住宅難解消と修学援助のため、昭和三十一年に今の公益財団法人栃木県育英会が設立され、翌昭和三十二年より東京都目黒区に学生寮が設置され、運営が開始されました。  これまでに約五千四百人の学生がこの寮を巣立っていますが、施設の老朽化は著しく、早期の修繕等が必要です。これまでの利用者からも、施設の老朽化に対してさまざまな声を伺っているところです。聞くところによりますと、五十嵐副議長もこの寮を巣立ったと伺っております。  そうした利用者の一部の声を紹介してみますと、エアコンがないので、夏は蒸し風呂状態でつらい。冬は、はんてん等を着込んで過ごした。二人一部屋でプライバシーが確保できない。電気容量が小さく、電化製品を持ち込めない。トイレが古いなどの声がある一方で、立地条件のよさ、費用の安さ、地産の食材を使った献立などに満足の声も聞かれます。  学生寮については、本県議会でも平成二十一年度、県出資法人あり方検討会において、計画的な修繕等対応策の早期検討の必要性などについて提言を行ったところであり、また、平成二十三年に栃木県育英会理事会・評議会においては、大規模改修よりも費用対効果でまさる建てかえの方向で県と協議を進めるとされました。本県出身の学生が同郷として寝食をともにするとともに、互いに切磋琢磨しながら勉学に励み、学生生活を送る場として、本施設はかけがえのないものであり、早期に建てかえを実施し、その存続に努めるべきと考えます。  そこで、今後の東京学生寮のあり方等について、経営管理部長の所見を伺います。 ○岩崎信 議長 井澤晃太郎経営管理部長。    (井澤晃太郎経営管理部長登壇) ◎井澤晃太郎 経営管理部長 ただいまの横松議員のご質問にお答えいたします。公益財団法人栃木育英会東京学生寮は、本県出身の学生が安心して勉学に励むことができるよう設置されたもので、これまで多くの人材の育成に寄与してきたところでございます。  しかしながら、築後五十八年が経過し、老朽化が顕著でありますことから、現在、栃木県育英会において、特定指導法人見直し基本方針を踏まえまして、建てかえを想定して施設の規模や機能、整備手法等について検討を進めているところでございます。  東京学生寮が、経済的な理由により修学が困難な学生の支援のみならず、郷土に貢献する人材の育成に果たしている役割に鑑みまして、県ではこれまで、学生寮敷地の無償貸与等により支援を行ってまいりました。こうしたことを踏まえまして、今後の学生寮の整備のあり方につきましては、県育英会の意向を尊重しながら十分協議してまいります。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) 私は、本県の学生寮のほかに、岩手県、群馬県の学生寮を視察いたしました。二つともすばらしい施設であることは言うまでもありませんが、特に印象的だったのは、学生寮が学生のUターン等の施策に活用されているところでした。岩手県では、寮生全員参加のもとに、地元企業が説明会を行っています。群馬県では、寮生はもちろんですが、寮生が仲間を連れてきて、つまりほかの県の学生も連れてきて、そこに地元の企業が行って説明会を行っています。学生寮には地元の学生がいます。そこに地元の企業が行く、こんな効率のいいことはありません。  ところで、知事は、平成二十五年度に同施設を視察されました。そして感じられ、決意と覚悟を持たれたと思います。きょう、そのお覚悟、決意を伺おうと思いましたが、伺うまでもないと私は思いました。人づくりを県政の施策の柱にする知事であります。学生寮についての知事の思いは、私の願いと同じであります。  私は、県と育英会が検討を進めるばかりでなく、その上でぜひ経済界にも声をかけて力をかりてほしいと思います。経済界も学生を支援する、それが栃木の誇れる姿であり、学生にとっては誇れる郷土栃木、我がふるさと栃木を感じられることになるのではないかと思います。学生寮が育英事業に新たな機能向上を加えて存続を図ることと早期の事業着手にかかることを強く求め、次の質問に入ります。  続きまして、AEDの普及促進について伺います。本県出身で東京の大学に通っている学生からメールをいただきました。彼は、政策研究を通じて、まだ顕在化されていない社会問題の発見とその解決へのアプローチを研究するゼミに所属しています。その彼からAED(自動体外式除細動器)の普及にかかわる課題提起をいただいたところです。  総務省消防庁の統計によると、平成二十五年中の全国の病院外での心原性心肺機能停止症例は七万五千三百九十七件で、一日に約二百人以上が病院の外で心臓がとまり、倒れています。そのうち一般市民に目撃されている症例は約三四%の二万五千四百六十九件で、その一般市民によって心肺蘇生が実施されたのは約五一%の一万三千十五件、その中でAEDが使用されたのは九百七件で、わずか三・六%と報告されています。  AEDの突発性心停止における蘇生の効果をここで述べるまでもないでしょうが、AEDによって救われる命がどれだけあるか理解いただけると思います。  二〇一一年、サッカー元日本代表の松田直樹選手がグラウンドで倒れた際、施設のAEDが別の場所に移動されており、AEDの到着が間に合わずに亡くなりました。  二〇一四年六月十九日、夜七時三十分ごろ、山形市立商業高校で部活動の野球練習中に生徒が心停止で倒れ、AEDを使用しようとしましたが、校舎は既に施錠され、AEDを持ち出すことができずに高校生は亡くなりました。  長岡市では、教員の目の前にAEDがあったものの、使用されず児童は死亡、両親が市を相手に提訴しています。  二〇〇五年、愛地球博では、三百メートルごとにAEDを約百台設置し、半年の間に場内で起きた心停止者三人を全員救助することができました。  二〇〇九年、東京マラソンでは、タレントの松村邦洋さんがレース中に倒れましたが、AEDの使用で救命されています。  心肺停止時において、心肺蘇生が一分おくれるごとに救命率は低下し、状況にもよりますが、ある統計では四分で救命率五〇%を切るとも言われています。本県の救急車の到着時間が平均八・一分であることを考えれば、心肺蘇生を近くにいる県民がみんなで行う、助け合う社会の構築が望まれます。  AEDの普及と利用促進については、設置台数、設置方法、管理状況、使い方の認知など、取り組まなければならない課題が多々あると感じているところです。東京オリンピック・パラリンピックや国体を控え、本県でもスポーツの機運を高めようとしている中、一人でも多くの命を救うため、今後より一層のAEDの普及と利用促進に向けた取り組みを進める必要があると考えますが、保健福祉部長の考えを伺います。 ○岩崎信 議長 近藤真寿保健福祉部長。    (近藤真寿保健福祉部長登壇) ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県内の公共施設におけるAEDの設置数は、市町等の取り組みによりまして、本年四月には平成二十年四月の七百八十台と比較し約二・五倍の一千九百九十二台に増加しており、県内におけるAEDの配置は着実に進んでおります。  しかしながら、一般市民によりAEDが使用された件数は、議員ご指摘のように全国的に少なく、とうとい命を一人でも多く救うためには、有効活用に向けたより一層の環境整備が重要であります。  このため、消防本部や日本赤十字社による事業所等を対象とした講習会の開催に加えまして、テレビCM等によりAEDの使用方法を広く周知しますとともに、設置者に対しわかりやすい場所への設置と案内表示等を要請しております。  さらに、AEDの設置場所がスマートフォン等で確認できる一般財団法人日本救急医療財団全国AEDマップの運用が本年八月に開始されましたことから、設置者にマップへの登録を依頼しているところであります。
     今後とも、市町や消防本部、日本赤十字社等の関係団体との連携を図りながら、AEDの普及促進や有効活用に取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) 国のガイドラインに示されるAEDの設置が推奨される具体例として、学校や駅、公共施設、商業施設など、全部で十三項目が示されています。本県では、体育施設や学校、県・市庁舎等の公共施設に、平成二十七年四月現在で一千九百九十二台が設置されているということでありますが、ガイドラインに示された設置が推奨される箇所について、本県ではどの程度の普及状況か、再質問をいたします。  また、ガイドラインでは、さきの十三項目以外にも、AEDの設置が考慮される施設の例として、二十四時間営業しているコンビニエンスストアなど、救助者にとって目印となり、利用しやすい施設への設置を考慮してよいとされています。小山市では、さきの議会におきまして、来年度より、市内の二十四時間営業のコンビニエンスストアに設置することを検討するということが確認されました。  そのようなことも踏まえ、県として市町と連携して、このような取り組みを進める考えはないか、あわせて保健福祉部長に伺います。 ○岩崎信 議長 近藤真寿保健福祉部長。 ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。国のAEDの適正配置に関するガイドラインでは、議員ご指摘のように設置が推奨される施設、設置を考慮すべき施設ということで具体的な例示がされています。しかしながら、施設ごとの規模などの細かな基準がございませんので、それに当てはめるとどのくらい必要かという数字が出るわけではありませんが、個別に実態を踏まえまして、どの施設に配置すべきなのか、それが実際に配置されているかどうかを確認することは、大変意義のあることだと考えております。  それから、二十四時間営業しているコンビニエンスストアに配置するという動きがいろいろ出ておりますが、やはり誰もが知っている場所で、そこに行けばAEDがあるということであれば、非常に使いやすいといいますか、使用率の向上に意義があるのではないかと考えております。  現時点では、公共施設等の総数等は把握していますが、具体的な施設ごとの内訳、施設のどういった場所に設置されているか、個々については残念ながら把握できておりませんので、今後、市町もしくは関係部局と連携しまして、どのような調査票にするか、これからの検討になりますが、まずは実態の把握に努めたいと思います。その上で、今ご指摘のありましたコンビニエンスストアへの設置、もしくは施設内のどこに設置すべきか、設置場所を変更すること等も含めまして、今後どのような方策が可能なのか、市町とともに検討を進めてまいりたいと思います。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) 続いて、教育長に伺います。神奈川県では、二〇一三年部活動中に起きた生徒の心停止死亡事故を受けて、二〇一四年、全県立学校で年一回教職員を対象に心肺蘇生講習などの研修を行うことを約束に、訴訟が和解しました。さいたま市では、駅伝の練習中に児童が倒れて亡くなりました。その事例から、教員向けのテキスト「ASUKAモデル」を作成・配付し、学校での活用に努めています。  そこで、重大事故発生時におけるAEDの適切な使用等、教員の指導力向上に向けた本県の取り組みについて伺います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答えいたします。県教育委員会では、児童生徒の事故等に迅速・適切に対応するため、教員を対象に心肺蘇生法の研修会を毎年実施しております。その研修会の中で、AEDの使用方法についての研修も実施しております。今後も、こうした研修会等を通して、教員の資質向上を図っていきたいと考えております。  また、議員ご指摘のとおり、できる限り多数の教員が緊急事態に対応できるようにすることは、極めて重要なことだと思っておりますので、今後、校内研修の一層の充実を図っていきたいと考えております。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) 保健福祉部長並びに教育長からご答弁をいただきましたが、設置台数の状況の把握等もまだまだ不十分であります。  NHKの調査によりますと、国民の六〇%がAEDが使えないと回答しています。その使えない理由は、「使い方がわからない」が五三%、「使うべき状況かわからない」が二二%という実態がございます。また、県の公立学校の教職員等を対象とした心肺蘇生法等の校内研修の実施状況でありますが、小学校で九一・五%、中学校では六二・五%、高校では六九・五%という実態もございます。保健福祉部、教育委員会、県民生活部も含め、まだまだやらなければならない課題は多くございます。ぜひ、それらに向けて、東京オリンピックや国体の開催を控え、スポーツの機運を高めようとしているときだからこそ、こうした整備を図ることは県民の理解も得られるだろうと思います。ぜひ進めていただくようにお願いいたします。  この質問は、本県出身の学生がふるさと栃木を思って、研究の中から提供してくれました。その若者の郷土への思いが形になるよう、ぜひ積極的に進めていただくことをお願いいたしまして、次の質問に入ります。  次に、本県農産物を生かした郷土料理・伝統料理の普及促進について伺います。近年、食生活の多様化や輸入農産物の増大などにより、地域の気候風土や伝統行事等に深く結びついた特色ある食文化や豊かな風味が失われつつあります。  地域の産物や旬の食材、伝統的な食材を生かした郷土料理や伝統料理を正しく伝えていくことは、本県の豊かな農産物を認識し、地域の貴重な資源として県内外に広めることはもとより、栃木県民として、また、その地域に生まれ育った者としての自尊心の向上にも寄与するものです。  本県の郷土料理や伝統料理は、かけがえのない県民の財産であり、それを時勢に流され消えることのないようにすることは、我々の使命であると言えます。本県の郷土料理や伝統料理を次に引き継ぎ県内外に広めるためには、次代を担う若者や子供たちに、郷土に根づいた伝統的な食文化を正しく伝えるとともに、地元に根づく食材や調理方法等を重んじながらも、おいしさを増すような工夫を加えることが必要と考えます。  県では、平成二十三年にとちぎの食育元気プラン(第二期)を策定し、郷土料理や伝統料理など地域のすぐれた食文化の普及啓発を図るとともに、イチゴ、ニラ、カンピョウなどを活用した栃木の新たな食文化の創造を支援するとしております。  そこで、この第二期プランの期間において、郷土料理や伝統料理などの食文化の普及促進について、具体的にどのように取り組んできたのか、そして、その成果を踏まえ、次期食育元気プランへの課題をどのように捉え今後一層の普及促進にどのように取り組んでいくのか、農政部長に伺います。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。    (南斎好伸農政部長登壇) ◎南斎好伸 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。核家族化や食の外部化、冠婚葬祭においても斎場等で行われるようになるなど、家庭や地域で郷土料理を食する機会が減少してきております。  このような中、県では、とちぎの食育元気プランに基づきまして、郷土料理や伝統料理を伝えていくためレシピ集の配布や料理教室の開催支援などに取り組んでまいりました。加えて、地元食材を使った新たな郷土食を創出するコンクールを平成二十五年度から実施しておりまして、調理師等を目指す若者などへ郷土料理への関心を高める取り組みを行ってきたところでございます。  また、那須町では、観光と結びつけたランチ「なすべん」や、下野市の農村女性グループが創作した「干瓢の八幡巻き」など、新たな郷土食づくりへの取り組みも県内各地で進められてきております。  今後、さらに地域などで郷土料理を食する機会をふやしていく必要があると考えておりますので、市町、関係機関・団体との連携を強化し、道の駅での郷土料理コーナーの設置・販売や農村レストラン等での提供促進、加えまして、学校給食における地域の特色ある農産物を活用した郷土料理メニューの提供支援などを通しまして、県民に親しみ愛される郷土料理の普及促進に努めてまいります。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) 時間の関係で要望だけにさせていただきます。国は今、一億人総活躍時代を掲げています。また、男女共同参画社会づくりの推進から、男性も女性も社会で活躍する社会の構築が求められています。したがって、郷土料理や伝統料理を家庭でつくり伝えていくことは、なかなか難しい社会になっていくのではないかと思っています。そういうことから、地域のコンビニエンスストアスーパーマーケットで、そういうものを提供する仕組みづくりが必要なのではないかと思っています。  栃木県は、かんぴょう王国であります。いなりずしのかんぴょう巻が本県のコンビニエンスストアスーパーマーケットで売られていたとしたら、本県をPRすることでもあり、また、カンピョウをPRすることにもなるのだろうと思います。ぜひ執行部におかれましては、今後とも、さらなる普及促進を図っていただくよう要望いたしまして、次の質問に入ります。  国体に向けた競技力向上について伺います。平成三十四年の栃木国体の開催に向け、本県では、ことし三月に天皇杯・皇后杯の獲得を目指すとともに、国体終了後も安定した競技力を確保していくことを基本方針とした栃木県競技力向上基本計画(Tochigi Victory Plan)とちぎビクトリープランを策定したところです。当計画においては、競技力向上の取り組みの一つとして、優秀な成年選手や指導者の確保に努めるとしていますが、そのためには選手や指導者の受け皿の確保が必要となります。  県では、教員採用試験において、スポーツの指導実績、競技実績による一部試験の免除によってその取り組みを進めており、昨年度の採用試験では二十名、今年度の採用試験では十五名を採用したところです。しかしながら、栃木県公立学校教職員のみならず、オール栃木体制での取り組みによって広く受け皿を確保すべきであり、県内企業等に対して選手、指導者の受け入れなどを広く働きかけるべきと考えます。  そこで、優秀な成年選手や指導者の受け皿の確保に向け、今後どう取り組んでいくのか、教育長に伺います。  また、各競技団体では、選手の強化や競技の普及などの取り組みにより、組織運営に係る負担の増大が予想されます。本県の各競技団体の組織運営の実態を見てみると、職を持った方々がその中心を担っているのが大部分です。つまり本来の勤めのほかに、国体に向けた選手強化、指導者育成、事務処理や会計処理など、さまざまな業務負担が増すことになります。  そこで、各競技団体の運営体制等への支援について県ではどう取り組んでいくのか、あわせて教育長に伺います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。    (古澤利通教育長登壇) ◎古澤利通 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。県ではこれまで、他県で活躍する選手を出身県で登録できるふるさと選手制度の活用や、全国大会などで実績のある企業チーム等に対する支援により、成年選手の強化・確保を図ってきたところであります。  しかし、国体での天皇杯・皇后杯を獲得するためには、選手の強化等に加え、成年選手や指導者のさらなる確保が重要であり、企業等の協力が不可欠であります。  そこで、今後競技力向上対策本部におきまして、県内の企業に対し、全国トップクラスの選手など優秀な成年選手や指導者の雇用について協力依頼を行うなど、成年選手等の確保を積極的に図ってまいります。  また、競技力向上対策を効果的に実施するためには、各競技団体の運営体制や指導体制の充実強化が重要であることから、今年度から、それらを含めた組織力向上のための研修会や会計処理のマニュアルの配布を行ったところであります。  今後とも、競技力向上対策本部におきまして、選手強化に組織的・計画的に取り組むことができるよう、各競技団体の運営体制等への支援を行ってまいります。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) 再質問いたします。さきの昭和五十五年国体に関しては、優秀な選手や指導者の受け皿の確保について、県公立学校の教員枠がその受け皿になりました。特に保健体育科の教員が多く採用され、今日の教員年齢構成に影響を来しているのではないかと危惧しています。  そこで、今後も公立学校教員のスポーツの実績による特別選考を続けるのか、その枠はどの程度と見込んでいるのか、その後の影響はどう考えているのか、教育長に伺います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答えいたします。スポーツに関する特別選考につきましては、従来のものを見直して本県のスポーツの振興、学校の部活動の活性化のための指導者を確保する目的でもって、今年度から試験を実施したところであります。  今後どうするかということでありますが、指導者の不足している種目等もございますので、種目指定をしながら、特別選考については継続して実施していきたいと考えております。  しかしながら、教員の採用数には限りがありますので、人物重視の観点から、適性にすぐれた人物を採用しているところであります。今後、年齢構成等にも配慮しながら、引き続き優秀な教員の確保に努めていきたいと考えております。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) ぜひそのように、学校、教育界全体のバランスも考えて、しっかりと優秀な選手、指導者を確保していっていただきたいと思います。企業に対して選手や指導者の雇用について協力を依頼するにしても、現在の雇用情勢からは大変厳しいのではないかと思います。そのためにも、福田知事や競技力向上対策本部長である馬場副知事など、県のトップからぜひ積極的に働きかけていただくことを要望いたします。  また、競技団体の負担は相当なものとなるので、ぜひしっかりと支援をいただきたい。前回の国体では、競技中に審判員が倒れ救急搬送されたわけでありますが、残念ながら亡くなられたということがありました。国体準備からの業務多忙による過労が原因と伺っております。次回の国体においては、このようなことが絶対に起きてはならない。そのためにも、オール栃木体制でぜひ取り組んでいただきたい、そう強く要望いたしまして、次の質問に入ります。  次に、県立高校における計画的な施設改修等について伺います。県立高校における施設等の整備については、近年の老朽化対策を喫緊の課題として取り組むことが求められています。その整備の順位においては、生徒の安全対策を第一として、これまで主に耐震化対策を施策の柱として、全ての学校に対して工事が進められてきたところです。  私は、平成二十五年第三百二十一回通常会議において、県立高校における施設等の整備について質問させていただきました。その中で、学校は、生徒にとって学習の場であるばかりでなく、生活の場でもあることから、生活環境の改善を求め、特に事例を挙げて老朽化した衛生施設の環境改善のため、重点的にトイレの改修等を求めました。  我がとちぎ自民党政調会でもこのことを取り上げて議論を重ね、執行部に要望したところです。その結果、平成二十六年度に五校、平成二十七年度に四校の県立高校のトイレが全面改修され、一部に温水洗浄便座も設置されました。生徒及び学校・PTA関係者からは、喜びの声を聞いています。引き続き全ての県立高校の生徒がひとしく快適で充実した学校生活を送ることができるよう、施設の改修等に取り組むべきでありますが、残念ながら、これまでと同様の集中的なトイレの全面改修は、来年度以降計画されていないと伺っています。  また、県教育委員会は、今年度内に県立高校の建物の長寿命化を図るため、維持管理計画を策定すると伺っています。そもそも重要なのは、施設の改修等について、学校からの要望順位に応じて改修を実施するという消極的な対応ではなく、教育委員会みずからが主体的に目的と目標を定めて計画的に進めるべきであると考えます。  そこで、県立高校における施設改修等のあり方全般について、また、衛生施設の環境改善としてのトイレ改修について、あわせて教育長の所見を伺います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。    (古澤利通教育長登壇) ◎古澤利通 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。県立高校の施設につきましては、これまで耐震化工事を優先して進めてきたことから、老朽化した建物が増加し、その対応が課題となっております。  このため、各学校の要望を十分聞くとともに、学校に直接出向いて施設の状況を把握し、安全性、緊急性、快適な学習環境の確保など、さまざまな観点から総合的に検討を行い、優先度が高いと判断したものから、順次改修工事を実施しているところであります。また、衛生施設の環境改善につきましては、緊急に対応が必要と判断したトイレを有する九校について、給排水管の改修や便器の洋式化など、全面的な改修を実施してきたところであります。  今後は、維持管理計画を年度内に策定し、各学校の衛生設備も含めた施設の実情を踏まえ、生徒が充実した学校生活が送れるよう計画的な改修に努めてまいります。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) 今年度の学校建築関係の予算額は、昨年度の約四割なのです。過去十年間で最少となりました。耐震関連工事がおおむね終了したことがその原因だと伺っていますが、県立高校の老朽化の現状を見れば、六割削減というのはどうしても理解しがたい。  トイレ改修の現場を視察してきました。県南の高校では、一学期の生活の反省として、三年生の男子生徒が、学校にくつろげる場所ができた。それはトイレの個室であると意見を述べたと伺っています。また、県央の女子校におきましては、改修されたトイレの使用の一番乗りをするのだと、朝早くからトイレの入り口に並んで待っていたと伺っています。他の高校も引き続き改修を実施すべきだし、高齢者などの利用もある来客者用トイレは、いまだ手がついていません。これらのことに関しては、重ねて強く要望いたします。  また、国体を控えて競技力を向上させるためには、選手育成や指導者の養成というソフトばかりでなく、私はハードの整備も必要だと思っています。中学校のテニスの優秀選手が、ある高校に夏休みに一日体験で行きましたが、その古く荒れたテニスコートを見て、進学をちゅうちょしていると伺っています。また、ある高校の運動部が夏休みに合宿を行いました。しかし、学校の合宿所はエアコンがありませんので、蒸し風呂状態であることから、仕方なく学校の近くのホテルに泊まって、学校で練習を行ったと伺っています。このような高校運動部の魅力アップの一環としても、部室や運動施設の整備、合宿所のエアコンなどへの投資も必要ではないかと私は考えるところであります。  県の教育委員会から、今年度中に施設維持管理計画を策定すると伺っていますが、これから計画策定、予算づけ、実施、工事完成までには三、四年かかってしまいます。生徒にとっての三、四年は、卒業する年数でございます。本来、耐震工事の予算づけが平成二十六年に終了するとわかっていたならば、新しい計画は、今年度からスタートすべきであったと苦言を呈しまして、その上で一日も早い計画策定と事業の実施を求めまして、次の質問に入ります。  学力向上に向けた教育への姿勢について質問いたします。平成十九年度に全国学力・学習状況調査が始まり、全国平均正答率や都道府県別の正答率が公表されるようになりました。とちぎ元気発信プラン(仮称)では、この平均正答率について、全国平均を上回ることを目標に掲げています。  しかしながら、正答率の数値だけに目が向いてしまうことは、教育の根本を見失う危険があります。本来、目指すべきは、点数ではなく、どれだけの子が勉強に興味を持っているか、学ぶことの楽しさを知って自主的な学習に取り組んでいるかであると考えます。  そこで、本県児童生徒の学力向上に向けた教育の基本的な姿勢と取り組みについて、教育長の所見を伺います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。    (古澤利通教育長登壇) ◎古澤利通 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。本年度実施された全国学力・学習状況調査の結果につきましては、今後取り組むべき課題が多いと受けとめており、基礎的、基本的な知識や技能を習得するとともに、それらを活用する力を一層高める必要があると捉えております。  一方、本調査の質問紙調査におきましては、学習意欲に関する項目で肯定的な回答が多く見られることから、本県の児童生徒のよさを生かして、学ぶ楽しさを味わう授業、より主体的に課題解決に取り組む授業の実現に向け、教員の研修の充実等を図ってまいります。  また、学習内容の定着も重要であることから、時間の使い方の工夫や復習の有効性等に関するリーフレットを作成したところであり、このリーフレットを活用して、児童生徒に家庭学習の習慣を身につけさせることができるよう取り組んでまいります。  今後とも、市町教育委員会と連携しながら継続的に学習に取り組む姿勢を培い、学力の向上に努めてまいります。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) 再質問させていただきます。全国学力・学習状況調査の平成二十七年度の結果を見ますと、将来の夢や目標を持っている本県児童生徒の割合は、小学生で八七・六%、中学生で七五・五%となっています。夢を持つことは、自主的な学習を促すための動機づけとなって大変いいことであります。しかしながら、ただ夢を持てばいいというものではありません。  私は、若者支援の経験から、ひきこもりなど社会の中で立ちどまっている若者が、具体的な夢を描けていないことを学校や家庭の中でだめと言われ続けて自尊心を失っていたり、本人にとって根拠のない、現実から離れた夢を持って、それを追おうとしてどうにもならずにいる姿を見かけました。  本当に子供が目標とするような、地に足がついた夢を子供たちに持たせるには、教員のかかわり方が、力量が重要となります。児童生徒の学力向上のためにも、それを支援する教員の指導力の向上は不可欠です。  教員の指導力の向上という観点から、教員の研修や採用試験において、さまざまな工夫をしていることは理解していますが、今後さらに教員の指導力に資する新たな方策についての考えはないのか、教育長に伺います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答えいたします。学力の向上のために教員の指導力は不可欠だと、まさにそのとおりであると思っております。そういう意味で、県教育委員会でも教員の指導力の向上に取り組んでいるところであります。  ただ、現在ベテランの教員が定年を迎えて大量に退職しているという状況になっております。そうした中にあって、すぐれた指導力を持ちながら、例えば介護あるいは子育てといった事情で、教職を退かなければならなくなってしまう方も実はいらっしゃいます。そうした力を持った方に、ぜひもう一度学校現場に戻って力を発揮していただきたいと考えております。  そこで、現在、そういった方に戻っていただくための方策について検討しているところであります。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) 教員になるという志を持った人。しかし、さまざまな理由で残念ながらやめなければならなかった。そういう教員がもう一度教育現場に戻ることがかなうとしたら、どれだけ本人もうれしいことか。ぜひ、その実現を図っていただきたいと思います。  要望いたします。全国学力・学習状況調査によりますと、本県の平均回答率は全国平均より低いのです。しかしながら、児童や教員が授業に熱心に取り組んでいる姿は十分見られます。
     その一方で、児童生徒に対して、授業以外の時間、放課後や土曜日、長期休業時などに補充的なサポートの実施率が低いのです。また、授業研究を伴う校内研修の実施回数も少ないのです。さらに、児童生徒が授業でわからないことを誰に聞くかといったら、本県の場合、教員ではなく、友達や家の人、塾の先生ということなのです。  こういうような実態も踏まえ、一方では、教員の多忙感の調査によると、九五%の教員が忙しいと回答しています。多忙がゆえにそういったことができないのでは大変残念でありますから、ぜひ教員が児童生徒と向き合う時間をきちっと確保できるように、業務改善など学校運営体制の変革を、学校任せではなく教育委員会が主体となって進めていただくようお願いいたしまして、最後の質問に入ります。  今後の県立高校再編計画について伺います。本県の県立高校再編計画は、平成十七年度から昨年度までの十年間、魅力と活力ある県立高校づくりを目指して、中高一貫教育校の設置や男女共学化、統廃合などを進めてきました。  また、平成二十五年度から本年度までの三カ年をかけて有識者会議を設置し、これまでの取り組みについての検証とともに、今後の県立高校のあり方等について検証しているところです。特に今後の県立高校のあり方等については、学校規模の適正化、適正配置や学校の特色化、新しいタイプの学校、学科再編など、さまざまな観点から検討が行われている状況です。  さらに、県教育委員会では、新たな高校再編計画を策定すると伺っていますが、他県の取り組みを見ますと、既に第二次、第三次計画に取り組み、進学校への単位制の導入、中高一貫教育校における中等教育学校の設置、基礎学力向上・学び直しを重点とする全日制高校の設置、国際バカロレアの導入など、実績を上げているところもあります。  本県は、これまで丁寧かつ慎重に取り組んできたと言えますが、他県に比べると改革の多様性において、ややおくれを来していると言えるのではないかと思います。したがって、新たな高校再編計画の策定と取り組みは、時勢におくれることのないよう迅速に進める必要があると考えます。  そこで、今後の県立高校再編計画について、計画期間も含めどのような方針と見通しで取り組んでいくこととしているのか、教育長に伺います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。    (古澤利通教育長登壇) ◎古澤利通 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。今後の県立高校のあり方につきましては、有識者会議におきまして、平成三十年度以降の中学校卒業者数の急激な減少や高校教育に対する県民のニーズの多様化など、高校教育を取り巻く環境変化への対応の観点からご検討をいただいているところであります。  これまでの協議では、統合は必要だが、一律の基準で進めるべきでないとの意見や、全日制普通科高校へ単位制を導入すべきであるなど、幅広い意見が出されているところであります。有識者会議では、さらに男女共学化や定時制・通信制のあり方につきましても議論を深め、本年度末には提言をまとめていただく予定であります。  県教育委員会では、来年度以降、新たな再編計画の策定に取り組むこととしたところでありますが、計画内容や計画期間等につきましては、いただいたご提言等を踏まえ、さまざまな角度から検討してまいります。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) 再質問をさせていただきます。有識者会議からの提案や県民からの意見を大切にする、それを踏まえてということでありました。しかし、それ以前に、教育委員会の考え方を明確にすることが第一ではないかと思うのです。新たな高校再編計画の策定に当たって、教育委員会としてどのような方向性を目指して取り組んでいこうとしているのか、考えを教育長に伺います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答えいたします。県立高校におきましては、生徒の多様な学習ニーズに応えること、生徒一人一人の個性、能力の一層の伸長を図ることが必要だと考えております。また、あわせて高校教育の質の担保あるいは質の向上、言いかえれば教育水準の維持向上を図ることも必要であると考えております。  今後、再編計画の策定に当たりましては、この二つの観点などをしっかり踏まえて、策定に臨んでいきたいと考えております。今後とも、そういった観点を踏まえながら、魅力と活力のある県立高校づくりを進めていきたいと考えております。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) もう一つ質問させていただきます。本県には、市立高校がないのです。関東で市立高校がないのは、本県だけなのです。今、教育長が答弁された改革の多様性とか特色化を考えるならば、私は市町と協議して、県立高校を市立高校にかえることも検討していいのではないかと思っているのです。  また、宇都宮市には女子校が二つあるのです。男子校は一つであります。市民からは不満の声が聞かれています。男子生徒の受け皿が少ないということであります。宇都宮市内に女子校が二つあることについて、今後どのように考えていくのか、市立高校のこととあわせて教育長に伺います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答えいたします。まず、市立高校の件でありますが、これについては市町のほうから、移管について県に申し出を受けたことはございません。もしそういったことがあった場合には、その地域における当該学校の役割を十分考慮しながら、慎重に検討していきたいと考えております。  それからもう一点、宇都宮市内の男女別の募集定員の偏りについてでありますが、これにつきましては、再編計画の検証を行った昨年度の有識者会議においても指摘を受けているところであります。今年度の有識者会議の提言も参考にしながら、今後検討していきたいと考えております。 ○岩崎信 議長 横松盛人議員。    (二十三番 横松盛人議員登壇) ◆二十三番(横松盛人議員) 県立高校がある。私立高校がある。そして、市町の市立高校がある。それらがそれぞれに特色を示せるような本県の教育づくりも検討されていいのではないかと思っています。ぜひ教育委員会がしっかりと方向性、目的を示されまして、この事業を進めていきますようお願いいたします。  高校再編や高校改革への取り組みは、本県は後進県なのです。質の高い、多様な教育の提供は、人を呼び込む施策であります。より積極的で早期の取り組みを要望いたします。  今回は、二期目の最初の一般質問でした。七つの質問のうち四つが教育関係となりました。私は、今日あるさまざまな社会問題を一つ一つ突き詰めると、行き着くところは全て教育であると考えています。本県の教育行政は、丁寧かつ慎重にこれまで進められ、一定の成果は上げてきました。しかしながら、代表質問で早川議員からもあったように、本県の教育の目指す姿、確固たる目的と目標のもと、より積極的かつ迅速に、速やかに、そしてしなやかに取り組んでいくことも求められます。  過日、私は秋田県の国際教養大学を視察してまいりました。そこで感じたことは、教育は地方創生の大きな柱であるということです。福田知事は、人づくりを県政の施策の柱としています。本県の子供、若者が郷土に愛着と誇りを持って育ち本県で活躍してくれる、また、外からも栃木に来たくなる、そうしたとちぎづくりを進めるその柱は教育であるとの確信から、知事部局と教育委員会がともに、より積極的にとちぎづくりに取り組んでいただくことを願いまして、今回の質問全てを終了いたします。ありがとうございました。 ○岩崎信 議長 この際、十五分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午前十一時 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十八名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午前十一時十五分 開議 ○五十嵐清 副議長 議長の都合によりまして、私が議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。  ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。山田みやこ議員。    (二十六番 山田みやこ議員登壇) ◆二十六番(山田みやこ議員) 二〇一一年から一期四年間が経過いたしまして、また再びこの議場に戻ってくることができました。しっかりと頑張って質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、まず初めに、生活困窮者自立支援事業について、一つ目の知事の取り組み姿勢についてお伺いいたします。ことし四月から生活困窮者自立支援法が施行されました。福祉事務所のある全ての自治体が、生活困窮者に対する自立支援に取り組んでいくことになります。今日、疾病、失業、非正規化、家庭機能の崩壊などから複合的な課題を抱え、自己肯定感を失い、社会的孤立や諦めを生み、ますます貧困から抜け出ることができなくなってしまうという悪循環があります。誰もが生活困窮につながる可能性があり、他人事ではありません。  一般社団法人社会的包摂サポートセンターにおいて、二〇一二年四月から厚生労働省の補助事業として、さまざまな生きづらさを抱え、社会とのつながりを持てなくなってしまった方々の悩みに応え、支援につなげる二十四時間の無料電話相談が始まり、私もかかわってまいりました。  そこには、生きる力さえ奪われてしまったという相談が全国で一日に四万件も寄せられました。そこには、社会的排除に追い込まれ、支援制度のはざまで支援に結びつかない方たちの姿がありました。じっくりと話を聞き、あなたを気にしている人がいるということを伝え、時には自宅を訪問し、一緒に支援窓口に行き、その周りにつながりをつくって、孤立から一歩踏み出してもらえるようなかかわりをつくってきました。  生活困窮に陥ったことは必ずしも個人の責任とは言い切れないもので、社会全体で取り組まなければならない大きな課題になっています。これまで頼ることのできる制度は生活保護しかありませんでした。生活保護は最後のセーフティーネットで、最低生活保障のための大切な制度ですが、年々受給者がふえ、困窮から脱却していくことを支援する仕組みにはなっていません。  この生活困窮者自立支援事業は、生活保護に至る手前でのセーフティーネットになろうとするもので、みんながきちんと働ける条件をつくっていくことで貧困を打開していくという大変大きなチャレンジだと思います。そして、生活困窮者の自立と参加を支援しながら、生活困窮者が支えられる側から支える側に回り、さらには、皆が支え合う地域をつくっていくものであり、地方創生・地域づくりにつながる大きな可能性があると言われています。  さて、厚生労働省の調査では、昨年末の段階で首長にこの生活困窮者自立支援事業をまだ説明していないという自治体が約二割ありました。また、事業実施のために各分野の部局を越えた協議機関を設けている自治体は五割に満たない状況でした。法律の施行前の状況ではありますが、この結果を見ると、この事業が、福祉分野のみの業務とみなされがちで、地域と自治体全体で取り組むということが浸透していなかったようです。  国は、事業の実施に当たり、二年間のモデル事業にも取り組みました。本県では、昨年度、県と宇都宮市、栃木市、日光市でモデル事業を実施しましたが、やはり各自治体の事業の浸透度や取り組み姿勢に温度差があるものと思います。この事業は、行政の縦割りに横串を入れ、全庁的にあるいは広く地域の関係者と協働して取り組んでいかなければ成功しないとも言われています。  そこで、本事業への知事の取り組み姿勢についてお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの山田議員のご質問にお答えいたします。高齢化が進展する中で、我が国の生活保護受給者数は過去最高の水準で推移しておりますが、就労による経済的自立ができない高齢者世帯の増加や、就労可能な中高年齢層の受給者の増加がその要因となっております。また、非正規労働者の増加等により、生活に困窮するリスクの高い層の増加が大きな課題となっております。  こうしたことを踏まえ、生活保護受給に至る前の段階で、積極的な相談支援や就労の機会の提供など包括的な支援を行う、いわゆる第二のセーフティーネットとして、本年四月に生活困窮者自立支援法が施行されました。  私は、少子高齢化や人口減少が進行する中で、将来に向け豊かで活力ある社会を築いていくためには、全ての人がその人らしく活躍できる環境を整備することが重要であり、生活困窮者自立支援事業に積極的に取り組む必要があると考えております。  このため、四月から全市町で自立相談支援事業等の取り組みがスタートしましたが、県が所管する十一の町に自立相談支援員を一名ずつ配置できるよう、十一月から四名増員しまして事業の充実を図ったところでございます。  また、子どもの学習支援事業は、貧困の連鎖を防止する上で極めて重要な取り組みでありますことから、市町を初め関係機関との協議を積極的に進めた結果、県内全ての市町において実施されることとなりましたが、引き続き市町と連携し、事業のさらなる充実を図ってまいる考えであります。  さらに、貧困からの脱却のためには、就労に向けた支援が重要でありますことから、就労準備支援事業につきましても、各市で実施されるよう、必要な支援を行ってまいります。  今後とも、市町を初めハローワークや教育委員会、社会福祉協議会、NPO等、地域の関係機関・団体と十分連携を図りながら、一人でも多くの方が経済的にも社会的にも自立できるよう、生活困窮者自立支援事業の充実に積極的に取り組んでまいります。 ○五十嵐清 副議長 山田みやこ議員。    (二十六番 山田みやこ議員登壇) ◆二十六番(山田みやこ議員) ただいま知事からご答弁をいただきましたが、この取り組み姿勢について心強い、そんな思いがいたします。私は、厚生労働省の生活困窮者自立支援室長の言葉が今でも頭に残っております。この事業の鍵を握るのは、行政の部局間の円滑な横のつながり、そして、市町との連携、これが大切なのだということでした。知事のこの取り組み姿勢を受けまして、全庁挙げて事業の展開をしていただきたいと要望いたしまして、次の質問にまいります。  次に、自立相談支援事業の充実についてお伺いいたします。県と市は生活と就労に関する支援員を配置して、一人一人の状況に応じ自立に向けた相談支援、いわゆる自立相談支援事業を実施しています。この事業は、支援員が訪問支援、アウトリーチも行いながら、生活困窮者からの相談に早期かつ包括的に応ずる相談窓口であり、支援員には大きな役割が課せられています。  幅広い相談事への対応が求められる支援員は、訪問支援などの丁寧な対応をすることや、ネットワークで多くの人たちとの接点を持つことなど、相談業務の経験を積むことで、多岐にわたる支援の方法も見えてくるものと思います。また、十月から新たに支援員になった方もいると聞いておりますので、支援員のスキルアップには、県としても研修の実施など何らかの支援が必要であると考えます。  そこで、今後相談支援機能の充実を図るため県としてどう取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。    (近藤真寿保健福祉部長登壇) ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。自立相談支援事業の支援員は、生活困窮者が抱える多様で複合的な課題を踏まえ、相談者一人一人の状況に応じた自立支援計画を策定するなど、生活困窮者の自立に向けた包括的な支援に取り組む役割を担っていることから、支援員の資質の向上を図ることは極めて重要であります。  このため、今年度は、国が主催いたします自立相談支援事業従事者養成研修に、県の支援員二名、市の支援員十名が参加したところであり、引き続き国の従事者養成研修の受講を計画的に進めてまいります。  また、県及び市の支援員や市町の担当職員で構成します連絡調整会議を開催し、困難事例の検討や支援ノウハウの共有を図るなど、相談対応力の強化に努めているところであります。今後とも、自立相談支援事業の充実に向け、支援員の資質の向上を図ってまいります。 ○五十嵐清 副議長 山田みやこ議員。    (二十六番 山田みやこ議員登壇) ◆二十六番(山田みやこ議員) ただいま保健福祉部長から研修の充実ということでご答弁をいただきました。国の主催する研修への参加もすごく大切だと思います。支援員は実践的な能力が求められます。電話や来所相談だけではなくて、直接訪問することができるというこの事業は、大変有効だと思っております。また、助けてとSOSを出した方は、自分はこの社会の中で生きていっていいのだという思いがある方だと思います。そういう方に手を差し伸べていくことは本当に重要なことだと思います。国の主催する研修に参加ということもございましたが、やはり身近なところで、相談員相互の情報交換、事例の共有、支援の振り返りなどの資質向上も、身近な県の主催でさらにやっていただければありがたいと思います。  そして、相談を受ける支援員の心のケアのほうも含めて研修をしていただければありがたいと思います。相談を受けますと、そこでとどまってしまういろいろな思いがあります。それをしっかりとケアすることで相談の質が上がってくるかと思いますので、そういったことも兼ねた研修の充実をしていっていただきたいと要望いたしまして、次の質問に移ります。  次に、就労準備支援事業など任意事業の取り組みについてお伺いいたします。生活困窮者自立支援事業には、自立相談支援事業など、必ず実施することとされている事業と、就労準備支援事業、一時生活支援事業、子どもの学習支援事業など、地域の実情に即して実施することとされている任意事業とがあります。任意事業の取り組み状況は、自治体により、また事業によりかなりばらつきがあるようですが、包括的な支援を提供するためには、この任意事業を積極的に展開することが必要であり、生活困窮者の自立に向けて重要な鍵を握るものと言われています。  中でも、就労準備支援事業は、一般的就労のための基礎的な能力の習得を支援するもので、生活困窮から抜け出すために重要な位置づけになっています。今年度当初における就労準備支援事業の全国での実施割合は二八%、二百五十三自治体で、本県は一三%となっています。今までの行政の捉え方は、雇用というのは福祉を必要としなくてもよい人たちのもので、福祉は働けない人たちのものと、雇用と福祉がはっきり分かれてきたと思います。それを大きく意識転換して、関係部局との横のつながりを持って支援の輪を広げていかなければならないと思います。  大阪府豊中市では、地域社会から孤立してしまった人には、就労に至るまでに時間と費用と寄り添った支援が必要であり、行政が支援に早く取り組むべきと考え、国のモデル事業を実施する前から、雇用労働課が事務局となって、福祉事務所と共同で生活保護受給者等地域就労支援事業を立ち上げ、無料職業紹介所を設置し、中間的就労、直ちに就労が困難な人への支援つきの就労の開発・推進を行ってきたそうです。この就労準備支援事業や一般就労が困難な人への中間的就労の推進に当たっては、地域の企業や団体などの理解と協力が必須となります。  そこで、県として、今後任意事業にどのように取り組んでいくのか、また、就労支援において重要となる企業や団体などの開拓に向けたアプローチにどのような体制で臨んでいるのか、あわせて保健福祉部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。    (近藤真寿保健福祉部長登壇) ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。生活困窮者自立支援事業の任意事業につきましては、いずれも生活困窮者の自立に必要な事業であり、多くの市町で実施されることが望ましいと考えております。  このうち、就労準備支援事業につきましては、例えば決まった時間に起床・就寝するなどの生活習慣の確立や協調性などの社会的能力の習得、就労体験等を行うことによりまして、一般就労が可能な生活困窮者を支援する事業であり、現在、県と宇都宮市で取り組んでおりますが、今後、ノウハウのあるNPO法人等との連携を強化し、他市での取り組みが進むよう必要な支援を行ってまいる考えであります。  また、こうした就労準備のための支援を受けても一般就労への移行ができない方に対しまして、清掃など比較的軽易な就労の機会を提供し支援を行う、いわゆる中間的就労につきましては、現在、受け皿となる就労訓練事業者がない状況でありまして、今後、その確保に向け、社会福祉法人やNPO、企業等に積極的に働きかけてまいる考えであります。  今後とも、市町を初めハローワークや教育委員会、社会福祉協議会、NPO、企業等、地域の関係機関・団体等と緊密な連携を図りながら、一人でも多くの生活困窮者が自立できますよう、就労準備支援事業を初め任意事業の充実に努めてまいります。 ○五十嵐清 副議長 山田みやこ議員。    (二十六番 山田みやこ議員登壇) ◆二十六番(山田みやこ議員) ただいま保健福祉部長からご答弁をいただきました。その中で、少しの後押しで就労ができる人と、生活習慣や社会の中で生きていくための団体生活など、まだまだ学ばなければ就労ができない方への中間的就労、これが大きな課題になっているかと思います。中間的就労は本当に大変な事業だと思いますが、先ほど保健福祉部長から、NPOや社会福祉法人などでの取り組みも進めていくということを伺いました。  中間的就労と言えるのかどうかわかりませんが、栃木県内で一般社団法人栃木県若年者支援機構という三十九歳までの若者を支援するところがございます。そこで、中間的就労というか、直接企業と契約を結ぶのではなくて、ジョブトレーナーつきという形で、そこの団体がしっかりと一人責任者を持って、企業との間に入りながら支援する人を育てていくということをやられていると聞きました。そういったところから拡充していくこともひとつ必要ではないかと思います。  ただ、そこに、それをやる団体、派遣業者などが入ってくると、さまざまな問題を起こすようなこともあるかもしれませんので、そういったところをしっかりと監視しながら、ジョブトレーナーつきの中間的就労から進めていっていただければ、就労する機会がふえてくるのではないかと思いますが、ジョブトレーナーつきの中間的就労について、県としてはどのような考えをお持ちでしょうか。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。 ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。先ほど中間的就労の話をさせていただきましたが、いわゆる雇用契約に基づくような就労から福祉的就労まで、幅広い仕事の仕方があるわけですが、一足飛びに一般就労にいかない方、もしくは訓練自体を受けるに至らない方も含めてどうやってサポートしていくか。中間的就労については、いわば自主事業で、社会貢献といいますかボランティアに近い性格があるものですから、安い賃金で雇うというような不適切な事例に至らないようにという意味も込めて、知事が認定するというハードルもありまして、なかなか進んでおりません。  しかしながら、寄り添って就労に結びつけるというのは、世界的にも取り組みがされておりまして、ジョブトレーナーが付き添っていく、これは理想的ではありますが、そういったことができるようにするためには、受け皿となる組織の人的な充実も必要ですし、人数が必要数もしくはそれ以上に充実しないとなかなか実現できないのかなと。そうすると、今やっている事業を充実させる中で、アウトリーチを含めて、トレーナーとして付き添うことができるような仕組みづくりが必要だと思いますので、今後、今の事業を進めながら検討してまいりたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 山田みやこ議員。    (二十六番 山田みやこ議員登壇) ◆二十六番(山田みやこ議員) 今の保健福祉部長のご答弁、わかりました。本当に大変な事業ですので、就労に向けてさまざまな方面から支援していくということをやっていっていただきたいと思います。  それでは、次に、婦人保護政策についてお伺いいたします。婦人保護事業は、昭和三十一年に成立した売春防止法の第四章に規定された事業で、婦人相談所・婦人相談員・婦人保護施設から構成されており、売買春問題を基底として創設された事業です。  その後、実際に婦人保護にたどり着く女性たちの現状を見ると、社会状況の変化に伴い売春防止法の対象を拡大し、売買春にかかわらないさまざまな問題を抱えた女性たちも保護されてきた経緯があります。  また、配偶者からの暴力で家を出た女性の保護も、性暴力の再被害を未然に防止するために、その自立支援をしてきました。平成十三年(二〇〇一年)に配偶者暴力防止法(DV法)が制定され、平成十四年に婦人相談所が配偶者暴力相談支援センターとしての役割も果たすことになりました。  本県では、とちぎ男女共同参画センターが婦人相談所の機能を担っていますが、平成二十六年度の相談総数は二千六百八十四件、一時保護では、保護実人数は要保護者七十七名、同伴児八十七名、一人当たりの保護日数は十一・二日、入所理由は配偶者からの暴力が七四%、それ以外からの暴力も含めますと九四・八%を占めています。このようにDVの相談が多くなりますと、今まで支援が受けられたDV被害以外の女性たちが利用できなくなり、緊急性がなければ支援の入り口の婦人相談所に入れず、婦人保護にたどり着けないということも懸念されます。実際、私が参加した先月行われた全国シェルターシンポジウムにおいても、そのような報告がありました。
     時代の変化の中で、予想をはるかに超える家庭機能の崩壊により、人間関係が苦手、心身の不調など何らかの課題を抱えながら、誰にも相談できないでいる女性も少なくないのです。婦人相談所の相談件数としてカウントされていなくても、決して対象者がいないということではありません。これには、婦人保護事業についての社会的認知の低さも影響しているのではないかと思います。関係機関はもとより、一般の人に余り知られていないという面もあるのではないでしょうか。支援が必要な人に支援の手が届くよう、行政が関係機関と連携を図りながらもっと婦人保護事業についての啓発を行い、アンテナを高くして実態を把握していく必要があるのではないでしょうか。  また、このような女性がみずからの存在を認め、人を信頼し、自分の持つ生きる力を回復するには、専門性の高い継続的な支援が必要とされます。婦人相談所の保護期間については、現状では約二週間から一カ月になっているようですが、安全・安心が確保された地域生活の定着には、保護期間のみならず、その後においても長期にわたる支援が必要です。  そこで、婦人保護事業の啓発に今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか、また、婦人相談所の入所者が自立し、地域で安定した生活をしっかり送れるようにするために、県はどのような支援をされているのでしょうか、あわせて県民生活部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 平野博章県民生活部長。    (平野博章県民生活部長登壇) ◎平野博章 県民生活部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、とちぎ男女共同参画センターの相談窓口を広く周知いたしますために、市町の担当窓口や公共施設内の女性が手にとりやすい場所などに相談カード等を配置いたしますとともに、被害者等に接する機会の多い医療関係者や民生委員等に対する啓発も行っております。  支援を必要とする女性が早期に適切な相談窓口につながるよう、今後とも、あらゆる機会を捉えて制度の周知に努めてまいりたいと考えております。  また、一時保護所等の入所者に対しましては、心身の健康回復を図るために、専門職員によるケアや医療機関への同行支援を行いますとともに、住宅の確保や就業支援、生活保護等の福祉制度の活用など、自立に向けた支援を行っております。  退所後は福祉事務所で継続的に支援しておりますほか、今年度は、国のモデル事業を活用いたしまして、民間支援団体と連携した訪問相談などを通しまして、地域の中で安心して生活していけるよう、定着支援に関する課題について検討しているところでございます。今後とも、関係機関・団体と緊密な連携を図りながら、入所者の自立と地域での定着に向けた支援に鋭意取り組んでまいります。 ○五十嵐清 副議長 山田みやこ議員。    (二十六番 山田みやこ議員登壇) ◆二十六番(山田みやこ議員) 県民生活部長からの答弁をいただき、さまざまな分野において周知という形で努力されていることをお伺いいたしました。ただ、この婦人保護事業というのは本当に見えづらくて、それが一番大きな問題かと思います。  売春防止法施行後六十年たちましたが、現在でもまだまだ売買春は潜在化している状況だと思います。国際的な人身売買や少女の売買春などの性的搾取として、さまざまに形を変えて現在も存在しているかと思います。特に若年女性の被害が非常に多くなっているということを私は実感しております。早期発見と早急な支援が必要になってくるのではないかと思っております。  そのために、ことし七月に済生会宇都宮病院の中に「とちエール」が開設されました。これには本当に期待をしているところでございます。医療関係そして弁護士、警察とも連携をしながら支援されていくかと思います。婦人相談所相談支援指針も、ことしの三月に出されたようでございますので、そういった中で、支援の方法もより充実していくのではないかと思います。  そこで、先ほど県民生活部長の答弁の中で、退所した後、今年度は福祉事務所や民間団体などで自立定着の事業を始めたとおっしゃいましたが、そのことについては、単年度ではなくて継続的にやっていく方針はございますでしょうか、再質問をいたします。 ○五十嵐清 副議長 平野博章県民生活部長。 ◎平野博章 県民生活部長 ただいまの再質問にお答えいたします。退所後、自立が定着することは非常に重要なことでございまして、これにつきまして、行政としては、先ほどご答弁したように福祉事務所で継続的な支援を行っていたわけですが、なかなか手が届かない部分もありまして、民間の支援団体の皆様のお力をおかりして取り組んできたということでございます。  国のほうで退所後の支援のあり方についての検討に着手したという段階でございます。県は、こういった機を捉えまして、国の補助制度を活用いたしまして、先ほど申し上げたようなモデル事業でまずは着手したところでございます。  こういったことに私どもとしても今後できるだけ引き続き取り組んで、実態を把握し、どのような支援ができるのかを検討していければと思っております。いずれにしても、訪問支援カウンセリングとか、いろいろな効果、課題を検証していくことからまずは始めさせていただければと思っております。 ○五十嵐清 副議長 山田みやこ議員。    (二十六番 山田みやこ議員登壇) ◆二十六番(山田みやこ議員) とにかく、地域での自立定着ということが非常に大切になってくるかと思います。今年度のモデル事業をしっかりと踏まえまして、継続的な事業になっていくようにぜひとも県民生活部長にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  婦人保護事業というのはとてもわかりにくくて、長期保護、一時保護というような形もございます。DVもありDVでないものもあるという中で、女性の相談の中核という位置づけになりますので、この保護事業をさらに充実させていただきたいと思います。ここに入る女性は、非常に心も体も傷ついて入ってくるわけですので、人権の尊重であるとか、そういったことの回復に全力を挙げて取り組んでいっていただきたいと思います。それでは、次の質問に移らせていただきます。  次に、困難を抱えた子供への支援についてお伺いいたします。日本の子供の貧困率が二〇一二年には一六・三%と過去最悪になりました。日本の平均所得四百万円の半分を下回る世帯で暮らす十八歳未満の割合は六人に一人という状況です。中でも深刻なのは母子家庭などのひとり親世帯の子供で、貧困率は五四・六%、二人に一人を超えています。子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、健やかに育成される環境を整備する子どもの貧困対策の推進に関する法律が一昨年つくられました。  家庭の中に失業、事故、病気、障害などのアクシデントが起こり、生活や人生が厳しい状況に陥ってしまう環境下で、育ち、生きていくことは、想像以上にいろいろな影響を受けます。貧困から虐待という問題も表面化して、ネグレクト、心理的・身体的虐待など、相談対応件数がうなぎ登りにふえています。不適切な環境にありながら、社会的養護の網からもこぼれ落ちてしまったハイリスク家庭への早急な支援が求められています。  そのような中、県では、平成二十五年度の生活保健福祉委員会の特定テーマの一つである「栃木県における社会的養護体制の充実について」の提言から、家庭的養護の積極的推進の取り組みを行ってきました。地域社会の住宅等を活用して、近隣住民との適切な関係を保ちつつ、家庭的な環境の中で養育をすることにより、子供の社会的自立の促進をしていく目的の児童養護施設の分園型のグループホームや、地域小規模児童養護施設の開所数をふやしてきました。また、経験豊かな養育者がその家庭に迎え入れて養育するファミリーホームが五カ所に、さらに、児童家庭支援センターが二カ所、済生会宇都宮病院乳児院とさくら市の養徳園に設置されました。そこでは、相談窓口の垣根を低くし、相談しやすくするとともに、子育て短期支援事業のショートステイや夜間・休日のトワイライトステイを利用する家庭への支援等も行っているようです。  さらに、家庭支援機能等の強化提言に基づき、昨年七月より、宇都宮市、小山市、那須塩原市がそれぞれの地域のNPOに委託して、新規に要支援児童放課後応援事業を始めました。この事業は、ネグレクトなど養育不全の環境にある小中学生に対して、放課後学校へ迎えに行き、食事や入浴、学習等の生活援助を行い自宅に送り届けるという子供の居場所づくり事業であり、日光市のNPO法人だいじょうぶが平成二十二年から取り組みを始めたことをモデルにしています。早い段階でごくごく当たり前の家庭の生活を経験して、親以外の大人と質の高い関係を築き、家庭的な中で自分が大切にされているという自己肯定感が持てる環境は、確実に子供たちの落着きにあらわれています。  施設ではなく、親子分離する一歩手前で家庭を支援していく新たなシステムは、開始から間もなく一年半を迎えます。利用する子供たちの家庭は、病弱な兄妹がいたり、メンタルヘルスなどで育児や家事が困難な親であったり、家庭への総合的な支援がなければ貧困や虐待から抜け出すことはできません。ですから、貧困や虐待の連鎖を断つという点においては、この事業だけでは私は限界があるかとは思いますが、子供の居場所としての機能を十分果たしており、非常に意義の大きい事業であると思っております。  また、この事業を実施している現場では、実施につれて改善する余地も見えてきていると聞いております。事業を担っているNPOにとって、対応する地域の範囲が広すぎるということです。そこには送迎の問題があります。一人の子に二時間を要してしまう送迎の問題も抱えています。本来の居場所づくり事業のプラスアルファに労力をとられてしまっています。居場所は子供の生活圏の中にこそあるべきだと思います。  ことし九月の本会議の阿部議員の質問に対して、県ではこの事業を他市町にも広げたい、関係機関と調整し、支援の担い手を確保したいとの答弁をされました。三年間のモデル事業ということですが、重要な事業であり、事業実施自治体とともに評価と課題を早急に検証し、他の市町にも事業を広げていくべきではないかと考えます。  そこで、県は現状をどう認識され、今後どのように取り組んでいこうとしているのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。    (近藤真寿保健福祉部長登壇) ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。現在、宇都宮市を初め県内三市で実施している要支援児童放課後応援事業は、ネグレクト等の虐待の未然防止のみならず、将来的な虐待の世代間連鎖防止にもつながる非常に有意義な取り組みであると認識しております。  昨年七月の事業開始以降、事業を実施している三つの市及び運営団体との連絡会議を定期的に開催し、事業の成果など情報の共有を図りますとともに、子供の送迎や家族への支援等の課題への対応など、事業の充実に向けた検討も行っているところであります。また、事業の拡大に向け、事業未実施の市町を個別に訪問し事業内容の説明等を行っておりますほか、県民の皆様の理解が深まり、支援の輪が広がるよう、セミナーや研修会等で事業を紹介しております。  平成二十八年度は、モデル事業の最終年度となりますことから、事業の利用者や学校等関係機関にアンケート調査等を行い、事業の効果や改善点等について検証を行う予定であり、その結果を踏まえ、今後の支援のあり方も含め、他の市町への拡大に向けた検討を行ってまいります。 ○五十嵐清 副議長 山田みやこ議員。    (二十六番 山田みやこ議員登壇) ◆二十六番(山田みやこ議員) 保健福祉部長からのご答弁、ありがとうございます。本当に居場所づくりというのは重要な事業だと思います。実施している市町をふやしていくことが非常に重要かと思います。また、実施するに当たりまして、いろいろな方の支援が必要になってくるかと思います。今はNPOの方たちに受けていただいておりますが、私は、地域の中で子供を見守るということからしますと、地域のいろいろな方がかかわってくることも必要かと思います。ただし、大変な家庭の子であるという形でわかってしまうと個人情報の問題もあるかもしれませんが、でも、やはり地域で育てるということは私は重要だと思います。  そういう中で、この支援事業にかかわる方たちへの声かけをもう少しふやしていくことも必要なのではないかと思っている次第です。例えば、シルバー大学校を卒業された方が県内にたくさんいらっしゃいます。私は、そういった時間にある程度余裕のある方や、そういった思いのある方へのお誘いや周知といったことも一つの方法ではないかと思います。  そのような形で、シルバー大学校を卒業された方たちに、卒業した後の支援という形で取り入れてもらえるようなことも考えられるかと思いますが、そのことについて再度お伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。 ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。先ほど支援の輪を広げるためにセミナー等を開催していると申し上げましたが、いきなり直接サポートしてくれる方を見つけるというのは難しいと思いますので、まずは広くいろいろな方にこの事業について関心を持っていただく。その中から、もっと知りたい、もっとやってみたいという方を引き出して、その方々に活躍してもらうような仕掛けというか、努力が必要かと思います。  今、議員からご指摘がありましたシルバー大学校の卒業生はいろいろな分野で活躍されていますが、教職員のOBもいらっしゃると思います。そういったノウハウを生かして活躍できる場でもありますので、機会を見て、シルバー大学校の卒業生も含めて広く事業のPRをしつつ、この事業の充実に向けて取り組んでまいりたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 山田みやこ議員。    (二十六番 山田みやこ議員登壇) ◆二十六番(山田みやこ議員) ありがとうございます。居場所づくり中でも、学習支援をしているところもたくさんございます。シルバー大学校を卒業された方たちのお力というのは本当に大きなものだと思いますので、そういったことも一つに考えて事業を推進していっていただければと思います。  また、私は、中学校区に一ヵ所あるというのが理想と思っていますので、そのようなことを目指して邁進していっていただきたいと思います。それでは、最後の質問に移らせていただきます。  健康で安心な学校環境づくりについてお伺いいたします。私がこの質問を取り上げるのは今回で三回目になりますが、学校における化学物質の問題でございます。学校の壁や床、机や椅子などの塗料や接着剤から発生する化学物質により、さまざまな体調不良を起こすシックハウス症候群や化学物質過敏症。この対策のため、栃木県学校環境衛生対策検討委員会が設置され、学校環境衛生基準に基づき、児童生徒が健康で安心して学校生活が送れるよう、学校における日常管理や対応と学校での体制づくりに関するマニュアル「健康的な学習環境のために~シックハウス対策マニュアル~」が、平成十八年三月に策定されました。その内容は、シックハウスということで、化学物質による教室内の空気汚染の対策が主で、換気の重要性、新築・改築や備品購入時の留意点などの内容になっています。  昨今、私たちの身の回りにはさまざまな化学物質が氾濫しています。学校においても、トイレなどの消臭剤や芳香剤、生徒が使用することもある制汗剤、整髪料、香料入りの柔軟剤、また合成洗剤、校庭の樹木へ散布する農薬や除草剤などがあります。子供たちが一日の大半を過ごす学校において、化学物質による健康被害を発生させないためには、教室内の空気環境の視点だけでは到底対応し切れない状況となってきていると私は思います。  私が、平成二十二年九月の本会議におきまして、さまざまな環境因子を視野に入れシックハウス対策マニュアルの見直しをしてはどうかと質問したことに対しまして、当時の教育長は、同年三月に改訂された文部科学省のマニュアルでは、シックハウスに関する基準値や内容については改訂がなかったため、県のシックハウス対策マニュアルはあえて改訂しないとの答弁でした。  それから五年が経過し、学校を取り巻く環境にも変化が出てきたのではないかと考えますが、その後どのように取り組んでいるのか、県のマニュアルの取り扱いも含め、教育長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 古澤利通教育長。    (古澤利通教育長登壇) ◎古澤利通 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。文部科学省のマニュアルは、校庭での農薬使用などを含めた学校環境全般にわたる対応を内容としており、県のマニュアルは教室内でのホルムアルデヒドのほか、消臭剤や芳香剤等を含めた校舎内での空気環境の対応について特化した内容となっております。  県では、これまで文部科学省と県の両方のマニュアルに基づき学校環境の維持に努めるとともに、保健主事や養護教諭を対象とした研修を実施するなど徹底を図ってきたところであります。  その結果、シックハウス対策を初めとした学校環境の維持に関する教職員の理解も年々深まっており、学校医や学校薬剤師等との連携による体制づくりも進んでいるところであります。今後とも、市町教育委員会や学校を対象とした会議や研修会を通じて、文部科学省や県のマニュアルに基づいた適切な対応について理解を深め、児童生徒の安全・安心な学校環境を確保してまいります。 ○五十嵐清 副議長 山田みやこ議員。    (二十六番 山田みやこ議員登壇) ◆二十六番(山田みやこ議員) ただいま教育長からご答弁がありましたが、多分そうだろうなという思いがあります。ただ、私が平成二十二年九月に質問し、また今回この質問をいたしましたのは、平成二十四年一月に文部科学省が、「健康的な学習環境を維持すたるために―学校における化学物質による健康被害に関する参考資料―」を改訂し、新たに芳香剤、消臭剤、校庭の樹木への農薬を使用する留意点が追加されました。教室内の空気環境については、平成二十四年一月の改訂でも変更はありませんが、学校の総合的な学習環境から見れば、本県のマニュアルも同様にこれらを追加改訂すべきではないかと考えるからでございます。  芳香剤や消臭剤、農薬、合成洗剤など化学物質は、一部の過敏な児童生徒に影響が出るというものではありません。ごく微量で体内の内部環境を維持する免疫、ホルモン、自律神経に影響を与えます。人間には分解する酵素がなく、体内に蓄積され、許容量を超えると化学物質過敏症となってあらわれます。誰もが発症する可能性を持っています。  平成二十五年、県立高校で、平日の早朝に、事前通知がなく校庭内の樹木に農薬が散布されたということがあったそうです。このような場合は、事前通知と、なるべくなら休日の日にということになっているそうですが、そういうこともあったそうです。また、これは本県のことではありませんでしたが、稲作体験の学習時に、農薬を使用した苗を素手で田植えするおそれのある事例の情報があり、ことしの五月十四日付で農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室より、同様のことがないように注意喚起する通達が、文部科学省初等中等教育局生徒指導室長宛てに出されたということでございます。このようなことから、化学物質に対しての認識がまだ浸透されずにいるのではないかということがわかります。  子供たちが安心して学習できる環境を確保するためには、このマニュアルに留意事項を追加して、マニュアルの改訂をしていただきたい、私はそう思います。ほかの県や市の状況を調べてみましたが、宇都宮市では既に平成二十四年三月に追加して訂正しております。岐阜県でも平成二十五年七月に訂正しております。さらに、旭川市、塩尻市、いろいろな市や県においても訂正しているところがございます。県のマニュアルは、県内でまだつくっていない市や町の参考にもなるかと思います。県がこのような形で留意点を入れていただくと、これが情報として目に入る機会も多くなるかと思います。そして、認識が深まっていくのではないかと思います。確かに教室内の環境を守るということは変わっておりませんが、やはり総合的な中でそれを追加し、改訂していくことが私は必要ではないかと思いますが、もう一度教育長にその見解をお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答えいたします。ご指摘のように、平成二十四年に文部科学省から参考資料が出されております。ただ、これにつきましては、一部踏み込んだ表現はありますが、補助的な資料と考えております。先ほど申し上げました県のマニュアルと、文部科学省が平成二十二年に出しました学校環境衛生管理マニュアルとあわせて、この参考資料も活用していただいて、対策をとっていただければと考えております。  ただ、議員のご指摘のように、化学物質が非常にあふれている現代にあって、そういったことに対し注意を喚起して、子供たちが被害に遭わないようにすることは、大変大切なことだと思っておりますので、ご指摘のあったようなことについて各学校、教職員に情報提供して、そういった被害が生じないように徹底していきたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 山田みやこ議員。    (二十六番 山田みやこ議員登壇) ◆二十六番(山田みやこ議員) そういったことを徹底していただきたいと思います。私は、最初にこのマニュアルができたとき、たしか二〇〇六年の十月だったと思いますが、北里大学の宮田先生をお呼びしての養護教諭の先生方や保育士の方との研修に一緒に参加させていただいたのですが、化学物質の影響というのは、見えないものですから、なかなか認識が深まっていかない。いろいろな事例を聞くと、こういうことも影響していたのだと改めてびっくりするような声が漏れた、そういった状況を今でも私は思い出します。見えないものに対する対策、子供たちは一日学校で過ごすわけですから、そういったところにも注意を払っていただいて、化学物質に対する対策をさらに充実していっていただきたいと思います。  以上で今回私が用意しました質問は終了いたします。私はこの四年間、一市民として生活してまいりました。その中で、今まで見えなかったこと、知らなかったことをたくさん勉強させていただき、そして、またこの議会に入らせていただきました。そういう中から、現場の声をしっかりと出していく、県内に住んでいる多くの方たちの本当の声を行政に届けて、それを少しでも改善していくような場面、そして協力していくようなところが出ればありがたいと思いました。  今、貧困という大きな問題を社会の中で抱えております。この問題について、本当に真摯に取り組んでいくことを県庁そして県民挙げて行っていく、そんなことを実践していければありがたいと思いまして、今回は貧困に関することと女性の保護という、やはり見えないところへの支援をしっかりとやっていくことについて質問させていただきました。私も、これからこの議席を大切にしながらしっかりと活動してまいりたいと思います。  以上をもちまして、私の全ての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○五十嵐清 副議長 この際、休憩したいと思います。午後一時十五分から再開いたします。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午後零時十五分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十六名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午後一時十五分 開議 ○五十嵐清 副議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) 本通常会議における質問も、私で十人目となります。さすがにここまでまいりますと、重なるような質問もあろうかと思いますが、私なりの視点から角度を変えて質問させていただきますので、知事並びに執行部の皆様方には、簡潔で、かつ県民にわかりやすいご答弁を何とぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、栃木への新しい人の流れをつくる取り組みについてお伺いいたします。我が国は、世界に類を見ない少子高齢化の急激な進展に伴う人口減少時代を迎えておりますが、総人口は、二〇〇八年十二月の一億二千八百九万九千人をピークに、今後ますます減少していくことが予想されます。  一方、本県の総人口は、二〇〇〇年から二〇一〇年までは、二百万人を上回って推移してまいりましたが、二〇〇五年をピークに減少局面に突入しておりまして、ことし九月現在の毎月人口推計によりますと、百九十七万五千人余りまで減少しております。総務省の国勢調査によりますと、六十五歳以上の人口比率は上昇傾向にあり、十五歳から六十四歳までの生産年齢人口及びゼロ歳から十四歳までの年少人口は減少傾向となっております。よって、本県においても、改めて少子高齢化が進んでいることが明らかとなっております。  このような中、本県は、ことし十月に栃木県版まち・ひと・しごと創生総合戦略とちぎ創生15(いちご)戦略を策定したところであります。この戦略では四つの基本目標が掲げられておりますが、私は、その中でも「とちぎへの新しいひとの流れをつくる」という目標に注目しております。これは、交通の要衝としての本県の地理的優位性や地震などの大規模な自然災害のリスクの少ない安全性などの栃木の強みを生かした企業誘致、県内大学等の魅力向上による若者の定着、東京圏からのUIJターンの促進等により、人の流れをつくるというものであります。  本県では、大学などの高等教育機関への進学や大学卒業後の就職等を契機に、十五歳から二十四歳までの若い世代による東京圏への転出超過が進んでおります。しかしながら、県内の高校生の栃木への定住意向は高まっておりまして、また、東京圏に居住する本県出身者の約二四%がUターンを予定・検討したいと回答しており、とりわけ四十歳代以下の比較的若い世代にこうした傾向があるように思われます。よって、このような若い世代の意識を今後とも高めていく施策が必要と考えております。  こうした中、とちぎ創生15(いちご)戦略では、本県から県外への転出超過数を平成二十六年の二千人から、平成三十一年はその半分の一千人に抑える成果指標を掲げておりますが、これを達成することは、決して簡単ではないというのが私の率直な感想であります。  この成果指標を達成し、栃木への新しい人の流れをつくるためには、子供からお年寄りまで、県民一人一人がふるさと栃木への誇りと愛着を持って郷土愛を醸成する施策を含め、さまざまな施策に積極的に取り組んでいく必要があろうかと思います。  そこで、栃木への新しい人の流れをつくるために、今後どのように取り組んでまいるのか、知事にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの亀田議員のご質問にお答えいたします。人口減少問題の克服と将来にわたる地域の活力の維持を目指し、県議会のご提言、また、産官学金労言の参画による懇談会でのご意見、市長並びに町長との意見交換等を踏まえながら、十月末にとちぎ創生15(いちご)戦略を策定いたしました。  基本目標「とちぎへの新しいひとの流れをつくる」に掲げました成果指標は、本県の目指す将来の方向であります二〇六〇年に総人口百五十万人以上を確保の実現に向けて、十年後までに他県への転出超過を収束させるための通過点として、五年後の平成三十一年には半減させることとして設定したものであります。この基本目標を達成する上では、若者の定着促進、企業の呼び込み、さらに、郷土愛の醸成が重要となってまいります。  具体的な戦略の一つ目は「地元とちぎへの若者の定着促進」であり、次代を担う若者の栃木への理解と郷土愛を深めるとともに、県内の高校、大学等が行う地域に貢献する実践的な人材育成の支援等に取り組んでまいります。  二つ目は「立地環境を生かした企業誘致の推進」であり、地理的条件など本県の強みを生かしながら、雇用の創出・拡大に資する企業誘致に取り組むとともに、足利市及び野木町におきまして産業団地の整備を進めてまいります。  三つ目は「とちぎへの人の還流の推進」であり、移住希望者に対する暮らしや仕事に関する東京都内のワンストップ相談体制の充実や、人を呼び込み物を売り込む本県のブランド力の向上を推進いたします。  この15(いちご)戦略をもとに、栃木の強みを磨き、企業や人を呼び込み、次代を担う若者の希望がかなう社会を目指し、オール栃木体制で未来創生にチャレンジしてまいります。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇)
    ◆十九番(亀田清議員) ふるさと栃木に愛着を持ち郷土愛を醸成することと、そして、若者の雇用を確保することによって、安定して若者が移住できる環境づくり、そのための支援ということをただいま知事からご答弁いただきました。  人口減少は、経済活動の基盤となる労働力人口の確保を困難にするだけでなく、地域の自治会やコミュニティー活動、防災、伝統文化等の継承など、いろいろな意味で影響が出てくることは否めません。特に若い世代を本県に呼び込み、地域活動や本県経済のかなめとなる基盤を確立するためにも、どうしても若者の移住・定住を推進していかなければならないと思っております。  ここで、総合政策部長に再質問させていただきます。この七月に実施しました栃木県UIJターン意向調査によりますと、東京圏居住者の約三三%、本県の出身者の約四〇%の方々が、地方への移住を予定または検討しており、本県出身者では、二十歳代の移住意向がかなり強い傾向にあると伺っております。  とちぎ創生15(いちご)戦略の中には「地元とちぎへの若者の定着促進」が掲げられているわけであります。私の地元佐野市でもさまざまな検討をしているわけでありますが、その中で、「『住んでよし、訪れてよし』佐野市シティプロモーション」と題しまして、さまざまな施策を実施する予定であります。幾つか紹介しますと、若い女性の市内への居住推進を図るための女子大学生市内居住推進事業、首都圏住民を対象に佐野市の誇る天明鋳物づくりを体験してもらう天明鋳物づくり体験事業、また、田舎暮らしを推進するため、その地盤となる中山間地域の課題解決に向けた実践活動に対し支援を行う「佐野暮らし」のすすめ推進事業等を実施予定であります。  各市町では、お互いが知恵を絞って汗を流しながらさまざまなアイデアを駆使して、若者の定着促進に全力を注いでいるところでありますが、県においても、各市町を最大限バックアップしていただきたいと思っているわけであります。  そこで、若い世代を本県に呼び込み定着促進を図るために、具体的にどのように取り組んでまいるのか、総合政策部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 北村一郎総合政策部長。 ◎北村一郎 総合政策部長 ただいまの再質問にお答えいたします。若い世代を本県に呼び込むためには、東京圏から近接している本県の地理的な優位性を初め、積極的に本県の強みをPRしていくことと、それから、暮らしあるいは仕事について、ワンストップで相談できるような体制の充実を図りながら、本県を移住・定住先として選んでもらえるよう、移住を希望する方々の目線に立ちまして取り組んでいくことが重要ではないかと考えております。  県では、本年六月に都内のふるさと回帰支援センターに、移住専門の相談員を配置いたしました。また、とちぎ暮らしセミナーを実施しております。さらに、週末を利用して栃木県内の地域づくり活動等を体験していただくようなツアーも企画しておりますので、こういったことを引き続きやっていきたいということと、それから、今月中を目途に専用のホームページを立ち上げまして、移住者の体験談、議員から今ご説明ありましたが各市町の移住促進策等の支援策の紹介、空き家情報の提供などを行っていきたいということで順次、内容の充実を図ってまいりたいと考えております。  本県への移住者数につきましては、とちぎ創生15(いちご)戦略の重要業績評価指標(KPI)に位置づけております。市町村の移住促進策も充実されると思いますので、市町村と連携協力を密にしながら、本県が選んでいただけるように、移住・定住の促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) ただいまご答弁をいただきましたが、この移住促進には、息の長い地道な取り組みが当然必要になってくるのではないかと考えております。二〇六〇年(平成七十二年)に本県人口百五十万人以上を維持するためには、どうしても若者の定着促進は避けて通れない取り組みだと考えておりますので、その点から積極的に取り組むことを要望いたしまして、次の質問に入りたいと思います。  次に、在宅医療の基盤整備についてお伺いいたします。我が国は、いわゆる団塊の世代の全ての方々が六十五歳以上となり、およそ四人に一人が高齢者という世界に類を見ない超高齢社会となってきております。  本県においても、今年度の総人口に占める六十五歳以上の人口の比率である高齢化率は二五・七%と見込まれ、さらに、十年後の平成三十七年には、六十五歳以上の人口が五十七万人余り、総人口に占める高齢化率は三〇・三%となり、およそ三人に一人が高齢者になると予想されております。  そうした中、高齢者のひとり暮らしや高齢者夫婦のみの世帯が増加することが懸念されておりますが、高齢者が何らかの疾病を抱えたり、通院が困難になった場合、多くの方は病院に入院したり、施設に入所することになります。  私は、ちょうど三年前の平成二十四年十二月の通常会議において在宅医療の推進に関する質問をさせていただいておりますが、自宅で継続的な医療が受けられるのであれば、自宅で療養したいと望んでいる高齢者が多くいることは事実であります。病気になっても、介護が必要となっても、住みなれた地域で必要なサービスが受けられることは、県民共通の願いでもあるわけです。  このような中、県では、平成二十五年に策定しました第六期保健医療計画において、在宅医療提供体制の構築を目指すこととしています。しかしながら、在宅医療を支える在宅療養支援診療所の本県の人口十万人当たりの設置数は全国平均を下回っており、また、訪問看護ステーションにつきましては全国最下位となっております。訪問看護ステーションの設置率が低い理由の一つに、訪問看護師確保の難しさも挙げられておりますが、三年前と比較しても、本県の在宅医療の提供に係る基盤整備が進んでいるとは言えない状況ではないでしょうか。  今から十年後の平成三十七年には、団塊の世代の全ての方が七十五歳以上となり、その療養の場をどう確保するかという、いわゆる二〇二五年問題を迎えます。多様化する高齢者のニーズに応じて、在宅医療サービスが切れ目なく提供されるとともに、地域格差が生じないよう早急な基盤整備が必要不可欠であります。  そこで、二〇二五年問題を見据えて、県民がひとしく在宅医療を受けられるための基盤整備をどう進めてまいるのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。    (近藤真寿保健福祉部長登壇) ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を目途に地域包括ケアシステムの構築を進めていく上で、在宅医療の充実は極めて重要な課題であります。  このため県では、在宅療養支援診療所や訪問看護ステーションの整備促進等に努めており、特に訪問看護ステーションにつきましては、中山間地域等において立地が進みにくい傾向があることを踏まえ、未設置市町等でのステーション開設に伴い必要となる車両等の設備整備に対し、手厚い助成をしているところであります。  この結果、平成二十四年度から現在までに、未設置市町の数は八市町から四町へと減少はしましたが、議員ご指摘のとおり、依然として、その整備水準は全国的に見て低位にございますので、引き続き施設数の増加と偏在状態の改善に取り組んでいく考えであります。  今後とも、市町や関係団体の協力を得ながら、在宅医療基盤の整備促進を図りますとともに、立地が困難な地域でのサービス提供体制のあり方についても検討してまいります。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) ご答弁いただきましたが、特に中山間地域での設置が大変厳しいということであり、訪問看護ステーションが未設置の市町が四つあるということですが、財政的支援をしていただいて、全県的に設置されるように早急にお願いしたいと思っております。  また、私は三年前に、在宅医療圏の連携拠点として、広域健康福祉センターに在宅医療推進支援センターを設置して、地元医師会を初めとする関係機関と協議・連携しながら、相談支援体制や普及啓発等の機能を担っていくと知事から答弁をいただいており、平成二十五年度に在宅医療推進支援センターが各広域健康福祉センターに設置されたわけでありますが、設置から二年経過しておりますので、その検証をされているかと思います。  そこで、在宅医療推進支援センターの課題と今後の取り組みについて、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。 ◎近藤真寿 保健福祉部長 県では、第六期の保健医療計画の策定に先立ちまして、在宅医療の実態調査をしました。多くの県民の皆さんが在宅医療を望んでいるが、なかなかできないのではないかと思っていらっしゃるということで、五つの各健康福祉センターに在宅医療推進支援センターを設置しまして、地域の医療や介護の関係者の連絡会議を開催する、もしくは必要な研修を行う、地域住民の方々に在宅医療についての関心を持っていただくための講演会を開く等の活動を続けてまいりました。この結果、医師、看護師、薬剤師、ケアマネジャー等、医療関係者の横の顔の見える関係が随分整ってきたかと思います。  そうした中で、本年四月から介護保険法が改正されまして、市町村が在宅医療介護連携の中心的な役割を担うこととされたところであり、平成三十年までに身近な地域での連携体制を構築することが目途になっております。市町ではまだまだそういった在宅医療についてのノウハウといいますか経験もございませんので、在宅医療推進支援センターで引き続き活動を続けますが、それにあわせまして、在宅医療連携拠点の整備を促進する事業をことしからスタートしたところでございます。地元の郡市医師会等の協力を得て人を配置して在宅医療の連携促進を図るため、医療介護の連携ですけれども、医療側からのアプローチを重点に置いて取り組もうとするものであります。  今後とも、在宅医療推進支援センターを連携役としまして、市町と郡市医師会と連携してノウハウの共有や情報交換をしてまいります。それから、実際に在宅医療をやっていただく方の手が挙がらないという悩みが現在、医師会等でもあるようです。今、在宅医療をやっていらっしゃる先生方も高齢化が進んで、アンケートでは、七十歳ぐらいになるとなかなか厳しいという声も出ていますので、今の既存資源もそのまま今後ともあるという認識ではいけないという危機感も持っております。  いずれにしましても、市町、関係機関とこれまで以上に連携して推進してまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) ただいま保健福祉部長より、前向きに拠点づくりを推進してまいるというご答弁をいただきました。三百六十五日、二十四時間対応できる、切れ目のない連携体制が今後必要かと思います。ぜひ連携体制の構築のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。  続きまして、平成二十七年九月関東・東北豪雨対応の検証と今後の取り組みについてお伺いいたします。この質問につきましては、早川尚秀議員を初め、多くの議員の方々から、防災・減災の面での質問がございましたが、私は、三点についてお伺いしたいと思います。  その一つとして、河川整備の推進についてお伺いしたいと思います。この九月の関東・東北豪雨では、県内各地で観測史上最大の雨量を記録し、河川の氾濫や土砂崩れなど甚大な被害が発生したわけであります。特に県民が日々の生活を送る住宅については、全壊が二十四棟、半壊が百三十三棟、床上・床下浸水については約六千棟に及んでおります。被災された方々に、改めてお見舞いを申し上げたいと思います。  こうした今回の大規模な豪雨災害のうち、特に防災のかなめとなる河川の状況を見ますと、過去に被災を受け原形復旧したところが、再度災害を受けている箇所も見受けられます。災害復旧は原形復旧が基本であることは承知しておりますが、同じように被害が発生しているのであれば、原形復旧ではなく改良復旧や機能強化など、それ以上の対策を講じる必要があるのではないかと考えております。  また、河川整備状況は現在三六・三%がまだ未整備という状況の中で、今回の豪雨では、既に河川整備計画に基づいて完了した箇所においてさえも、河川の水があふれるなどの被害が生じている状況を見ますと、こうした計画の見直しも考えていかなければならないと思っています。  そこで、このような状況を踏まえ、今後も関東・東北豪雨のような異常気象がより大規模化し、その頻度も増加していくことが想定される中、今回の豪雨の気象状況や被災状況を十分検証した上で、原形復旧以上の対策も含め、河川整備計画の必要な見直しを行うべきと考えておりますが、県土整備部長の所見をお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 印南洋之県土整備部長。    (印南洋之県土整備部長登壇) ◎印南洋之 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。このたびの関東・東北豪雨を初め、近年の降雨は年を追うごとに局地化・集中化し、激甚さを増してきていることから、堤防整備や護岸設置などによる河川の機能強化が急務となっております。  このため、今回の被災箇所の復旧に当たりましては、再度災害発生の危険性の高い箇所等につきまして、原形復旧にあわせて河道拡幅などの改良を行う災害関連事業費や災害対策緊急事業推進費等を活用し、治水機能の向上を図ってまいります。また、被災箇所の有無にかかわらず、今回の出水状況や出水後の河道状況等を検証いたしまして、必要に応じて河川整備計画の内容の見直しや充実を図り、より災害に強い河川の整備を推進してまいります。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) 再度河川の氾濫が起きた箇所の改良や関連工事を積極的に推進していくという力強いご答弁をいただきました。  ここで、再質問させていただきます。避難に当たってはハザードマップ等の情報が重要になり、災害から人命を守るためには、ハード整備とあわせて、こういったソフト対策も必要になってくるのではないかと思います。県では、百年に一度の大雨を想定したハザードマップを作成しておりますが、今般の異常気象を考えますと、一千年に一回ぐらいの大雨を想定したハザードマップの作成も必要になってくるのではないかと考えているのですが、その点につきまして県土整備部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 印南洋之県土整備部長。 ◎印南洋之 県土整備部長 ただいまの再質問にお答えいたします。洪水ハザードマップにつきましては、避難行動を容易にするということで、全県下二十四市町で作成し、避難時には効果を上げていると考えております。  ただ、ただいま議員からご指摘ございましたように、全国で計画規模を上回るような雨が多発し、被害も発生していることから、今般、水防法が改正されました。ハザードマップは、浸水想定区域を解析してつくるわけですが、その根拠となる降雨につきまして、今までの計画規模の降雨ということから、今回の改正で、想定し得る最大規模の降雨ということになりました。  これを受けて、国のほうも順次、策定を進めてくると思いますので、そのような状況を踏まえまして、市町とともに適切に対応していきたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) よろしくお願い申し上げたいと思います。このハザードマップの見直しについても、しっかり取り組んでいただきたいと思います。何よりも水害を防ぐことが極めて重要であります。そのために、先ほど申しましたように原形復旧だけではなくて改良復旧や機能強化等の整備、それ以上の対策もあわせてお願いしたいと思っております。  この事業を行う上では、当然、所管する県土整備部もそうでしょうが、予算を所管する井澤経営管理部長にも、予算編成に関しまして財政的観点からも強く要望させていただきたいと思っております。  続きまして、土砂災害防止対策の推進についてお伺いしたいと思います。今回の豪雨は、河川の浸水被害だけではなくて、日光市や鹿沼市を中心に大規模な土砂災害も発生いたしました。とうとい命が奪われたことは痛恨のきわみであり、改めて土砂災害の恐ろしさに衝撃を受けたところであります。  ここまで被害が拡大した理由は、県内各地に観測史上最大の雨量を記録した集中豪雨であったことも一つの要因であるわけですが、それ以外に土砂災害のおそれのある急傾斜地等の危険箇所に対し、予防工事が間に合っていなかったのではないかという指摘もあるわけであります。  本県は、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定作業については完了しているものの、その指定箇所数は六千六百八十五カ所に上り、そのうち対策が完了した箇所は約五百カ所、全体の七・七%にも満たない状況であります。予防工事が思うように進んでいない原因としては、財政的な課題もあろうかと思いますが、それ以外に、土砂災害警戒区域の指定箇所六千六百八十五カ所のうちのほとんどが民有地であるということも原因の一つに挙げられております。  先ほど述べましたように、今後、豪雨の規模や頻度の増大が懸念される中で、県民の安心・安全な暮らしを確保するためには、この土砂災害防止対策をより一層推進していかなければならないと思いますが、今後どのように取り組んでまいるのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 印南洋之県土整備部長。    (印南洋之県土整備部長登壇) ◎印南洋之 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。今回の豪雨では、砂防ダムなどの土砂災害防止対策が施されていたために被災を免れた箇所も数多くありまして、改めてハード対策の有用性を認識いたしました。  このようなことから、特に緊急性の高い老人福祉施設や保育所等の周辺の土砂災害防止対策につきまして、国の交付金事業はもとより、必要に応じて緊急防災・減災対策事業も活用しながら、さらなる事業推進を図ってまいります。  また、事業実施には土地所有者等の協力が不可欠であります。丁寧な説明等によりまして、理解促進を図ることはもちろんですが、例年実施している危険箇所周知のためのダイレクトメール、避難訓練時の講習会、さらには出前講座等を通しまして、土砂災害防止対策の重要性について県民の理解が深まるよう取り組んでまいります。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) ご答弁の中にありましたように、民地所有者のご理解をいただくとともに日ごろから危険箇所の周知に努めていただいて、一カ所でも多く危険箇所を排除するように、よろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、三番目といたしまして、県民に寄り添った避難対応についてお伺いいたします。今回の豪雨では、初めて本県全域に大雨特別警報が発令されたわけであります。しかしながら、市町から県民(住民)に対する避難情報を含む災害情報の伝達がスムーズに行われたかというと、多少課題が残ったのではないかと思っております。  報道等によりますと、鹿沼市では、大雨特別警報が出た十分後には市内全域に避難勧告を発令して、速やかに緊急速報メールを配信したとのことでありますが、日光市や栃木市では緊急速報メールは配信しなかったようであります。また、私の地元佐野市を初め、多くの自治体が防災無線や広報車を使って、避難勧告や避難指示を伝達いたしましたが、特に深夜におけるすさまじい集中豪雨であったために、防災無線や広報車が何を話しているのか全く聞き取れなかったというのが、住民の率直な感想でありました。  災害情報の迅速な伝達は、住民にとって重要な命綱でありますし、メールの使えない高齢者の方々に、緊急避難をどのように配信するか。これは防災無線しかないわけでありますので、そういった意味で、早急な対応を検討しなければならないと思っております。  県においても、気象庁の大雨特別警報が発令された深夜から当日の午後三時まで、県のホームページにおいて、豪雨による災害情報が大きく表示される変更はありませんでした。気象庁の会見では、命を守る行動をとるようにと呼びかけたところであり、県民の多くはホームページで確認することから、即座に災害情報がわかるように、県民に対して注意を喚起する必要があったと思っております。  今回の豪雨では、自治会や自主防災組織等の民間組織に大変協力していただいて、住民協働のもとに避難された地区もあったと聞いておりますが、県民に対する防災情報の伝達をどのように進めてまいるのか、県民生活部長にお伺いいたします。  また、私も避難所を訪れましたが、避難所によっては、布団がなく座布団しか敷いていないためにそこで寝たり、また、最低限の救援物資が用意されていなかったという話も伺っております。各避難所において救援物資の内容に格差が生じるということは、行政に対する不満はもちろん、住民間に新たなあつれきを生むおそれもあるわけであります。避難所については、各市町の責任で運営されるということでありますが、県としましても市町に対する指導・助言が必要になってくるのではないかと思っています。  そこで、各避難所の救援物資の内容に格差が生じないようにするため、今後どのように取り組んでまいるのか、あわせて県民生活部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 平野博章県民生活部長。    (平野博章県民生活部長登壇) ◎平野博章 県民生活部長 ただいまのご質問にお答えいたします。災害発生時に市町が発表いたします避難勧告などの災害情報は、住民にとって極めて重要な情報でございます。今回の災害でも、県や市町は、さまざまな手法を活用いたしましてその迅速な伝達に努めたところでございます。しかし、今回の災害対応に関する検証作業の中で、豪雨に見舞われた一部の地域や情報入手方法が限られた高齢者などに、災害情報が十分に伝わらないなどの課題が明らかになっております。  このため、県といたしましては、夜間や大雨の際の情報の伝達や消防団、自主防災組織等と連携した避難誘導など、住民が迅速・安全に避難するための最も有効な方法を市町とともに鋭意検討してまいります。  また、今回の災害では、市町や県が避難所の正確な実情の把握に至らず、備蓄品の配付や救援物資の提供が適切に行えなかったため、避難所における生活環境の確保に支障が生じるケースもございました。  県といたしましては、今後、市町や避難所への速やかな職員派遣などによりまして、情報収集体制の充実強化を図るほか、県の地域防災計画や国が示した避難所における取組指針に沿って、市町における運営マニュアルの作成などを徹底いたしまして、避難所における適時適切な物資の確保に努めてまいります。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) ただいまの二点につきましては、県民に寄り添った避難対応、また情報の伝達、あわせて救援物資の整備が早急に求められているかと思います。県は、最大避難所生活者数約十七万人分の食料を、現物備蓄や流通備蓄で確保することになっております。市町村とあわせて、調達体制の整備、備品の確保をぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。  続きまして、再生可能エネルギーの取り組みについて、二つお伺いしたいと思います。昨日、我が党の斎藤剛郎議員が景観美という視点から、観光地における太陽光パネルの乱立及び撤去について質問されましたが、私は、安全性という視点から、太陽光発電設備に関する安全確保についてお伺いしたいと思っております。  現在、我が国の主要なエネルギー源である石油、石炭などの化石燃料は限りのある資源でありますが、太陽光などの再生可能エネルギーは、資源が枯渇しないエネルギーであるために、政府はさらなる導入・普及に努めておるわけであります。このような中、太陽光発電設備は全国的にも設置が進んでおりまして、平成二十七年七月の時点では、十キロワット未満が約七十六万七千件、十キロワット以上が約三十二万八千件にも及んでおります。  栃木県においても、十キロワット未満が約二万一千件、十キロワット以上が約一万一千件と、至るところで太陽光発電設備を見かけることができます。本県では、県民が安心して太陽光発電設備を設置できるように、ことし五月から、県が定める要件を満たす太陽光発電施工業者の登録制度を導入したと聞いております。これは、全国的に先駆けての取り組みと言えると思います。  一方、太陽光発電設備の設置に伴う災害や事故が懸念されております。先日のNHKテレビでも、山梨県北杜市では、大雨によって太陽光発電設備の造成地から土砂が大量に流出したり、また、強風によって太陽光発電設備の一部が崩落して、民家への被害があったという放映がなされました。また、一部報道によりますと、ことし九月の関東・東北豪雨の鬼怒川の氾濫に影響を与えた原因の一つとして、太陽光発電設備の設置に伴う掘削が指摘されているのも事実であります。  太陽光発電はクリーンなエネルギーであり、県としても積極的に推進していくべきだと思っておりますが、今後も関東・東北豪雨のような異常気象の発生が予想される中で、県民の安心・安全を守る上で、太陽光発電設備の設置に当たっては、規制の強化が必要ではないかと思われます。  そこで、災害の発生や事故を未然に防止するために、今後どのように取り組んでまいるのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 金田尊男環境森林部長。    (金田尊男環境森林部長登壇) ◎金田尊男 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。太陽光発電は、比較的容易に身近な場所で発電できるエネルギーとして、県内でも導入が進んでまいりましたが、他県では気象災害に関連した事故等も指摘されております。  施設の設置に当たりまして、林地開発や土地の造成等が行われる場合には、関係法令に基づき、各所管部局等において、災害防止等のために必要な措置を指導しているところでございます。また、電気事業法で技術基準が定められておりまして、例えば風に対する強度は、建築基準法で用いている風速と同等の風速により基準が定められております。  県としては、電気事業法を所管する国による立入検査の強化等、さらなる安全確保策につきまして全国知事会を通じ要望しているほか、県独自に導入いたしました施工業者登録制度等により、太陽光発電施設の安全性が確保され普及拡大が進むよう努めてまいります。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。
       (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) 続きまして、水力発電の推進についてお伺いしたいと思います。県は、次期プラン第二次素案の「快適実感安全戦略」において持続可能なエネルギー社会実現プロジェクトを掲げ、再生可能エネルギー等の促進を目指すこととしておりまして、エネルギーの安定確保等の観点からも重要なポイントであると思います。地域資源に恵まれた本県は、順調に再生可能エネルギーの導入量をふやしており、これまでの本県の取り組みを高く評価したいと思っております。  本県は、河川の源である山地や森林を有し、水資源に恵まれており、これまで民間事業者や県企業局により水力発電による電源開発が進められてきました。県の平成二十五年度の統計年鑑によりますと、水力発電所は、揚水式を除いて三十五カ所、合計約三十五万キロワットとなっております。一方、平成二十四年七月からの再生可能エネルギーの普及拡大を目的とした固定価格買取制度開始以降は、新たに設置され稼働した発電所は三カ所にとどまっております。  そこで、今後、県として、水力発電を再生可能エネルギーの中にどのように組み込んでまいるのか。ぜひ水力発電の導入拡大を図っていただきたいと思っておりますが、その点につきまして、環境森林部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 金田尊男環境森林部長。    (金田尊男環境森林部長登壇) ◎金田尊男 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。水力発電は、技術的にも成熟しており、ベースロード電源となるものであります。しかしながら、太陽光発電などとは違いまして、事業化までには各種の調査や利害調整等に時間を要するものであります。  震災以降、県では水力発電の導入を積極的に推進しておりまして、企業局では、既に三地点で事業に着手、また、事業に向けた調査も数地点で実施しているところであります。また、民間事業者による事業化も支援しておりまして、三つの事業体が十地点で行っている流量調査等の結果が近くまとまりますことから、事業費の算出などの概略設計の検討にも着手できる見込みとなっております。  こうした取り組みを確実に事業化に結びつけるとともに、さらに全県的に波及させていくために、ことし、ホームページで公開いたしました小水力発電基礎データマップなど、きめ細かな地域情報の提供、技術的助言、市町と民間が連携した取り組みなども積極的に支援し、水力発電の導入拡大に積極的に努めてまいります。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) ただいま環境森林部長よりご答弁ありましたが、水力発電の事業化には、調査期間とか多額の事業費など、いろいろな課題もあるわけで、なかなか事業化に踏み切れない点もあろうかと思いますが、ぜひ太陽光発電とあわせて、本県の強みを生かした水力発電の推進をよろしくお願い申し上げたいと思います。  最後になりますが、警察における外国人旅行者への対応について、警察本部長にお聞きしたいと思います。訪日外国人の観光誘客について、何人かの議員から質問が出されましたが、私は違った観点からお伺いしたいと思います。  二〇一四年の訪日外国人旅行者数は、過去最多の一千三百四十一万人でありましたが、先月十八日の観光庁長官の会見では、今年十月末の訪日外国人旅行者数が、一千六百万人を超えて、東京オリンピック・パラリンピック大会が開催される二〇二〇年度までに二千万人とする政府目標の達成が前倒しになるぐらい伸びているとのことです。  本県においても、昨年の県全体における外国人旅行者の宿泊者数は約十四万六千人で、三年連続で増加しまして、過去最高となっております。特に日光や那須地区などの観光地を訪れる外国人旅行者を見かけることは、今当たり前になっているわけであります。  一方、外国人旅行者が増加することによって、公共交通機関への案内や道路及び施設案内、落とし物の届け出等、警察の対応もふえていくことと思います。また、先月十三日にパリで同時多発テロが発生しましたが、本県内での旅行者に紛れた国際テロの防止にも備えなくてはならないと思います。  そこで、外国人旅行者への対応については、通訳人が今後必要になってくると思いますが、警察内における通訳人の現状と確保について、警察本部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 松岡亮介警察本部長。    (松岡亮介警察本部長登壇) ◎松岡亮介 警察本部長 ただいまのご質問にお答えいたします。議員からご指摘ありましたとおり、近年、外国人旅行者などの増加に伴いまして、多様な言語による各種事案への対応が増加しているところであります。  県警察では、昭和五十七年以降、警察官の中から通訳の資質を有する者を国際警察センターへ派遣して語学研修を受講させているほか、平成十一年からは、国際捜査官の特別区分を設けて語学が堪能な者を警察官として採用して、部内通訳官を育成しており、現在、十一言語、二十八名の警察職員を通訳官に指定しております。  また、平成六年からは、民間の協力者の方を通訳人として登録運用することも始めておりまして、現在、三十五言語、百五十名の方を登録させていただいております。こういった民間の方につきましても、県警ホームページでの募集活動あるいは国際交流協会からの紹介などを通じまして、体制の充実を図っているところであります。  一方、警察の行う業務の特性上、夜間や休日であっても通訳人を急遽必要としたり、本県登録の通訳人が対応できない言語については他県警に要請して派遣を受けるなど、確保に苦慮しているケースもあることから、今後も継続して部内通訳官の育成と民間通訳人の確保に努めてまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) ただいま警察本部長からご答弁いただきましたが、通訳官の確保に大変ご苦労なさっていると思います。部内通訳二十八名、民間通訳人百五十名を擁しておるということでございますが、県警察本部及び十九警察署に漏れなく配置するのは、なかなか大変なことと思います。外国人旅行者に「栃木を訪れてよかった」と言われるような対応を今、オール栃木で取り組んでおるわけでございますので、県警察といたしましても、この取り組みをよろしくお願い申し上げたいと思います。  あわせて、再質問させていただきたいと思います。現在、本県警察のパトカーにはアルファベットの、いわゆる「POLICE」表記がございません。関東では、警視庁、神奈川県警、千葉県警のパトカーには「POLICE」表記があるようですが、外国人旅行者が一目で警察車両とわかるように、また、警察官とわかるように、世界共通語とも言える「POLICE」表記が必要ではないかと考えています。  訪日外国人旅行者の八割は、現在、東アジアや東南アジアが占めておりますが、表記することで、ふえ続ける外国人旅行者への犯罪抑止効果と、あわせて安心感を与え、本県のおもてなしにもつながっていくのではないかと考えております。北関東三県の先駆けとして、本県警察パトカーへの「POLICE」の表記を導入してはいかがかと思いますが、警察本部長のご見解をお聞きしたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 松岡亮介警察本部長。 ◎松岡亮介 警察本部長 再質問にお答えいたします。ご指摘がありましたとおり、パトカーのボディーに「POLICE」と英語表記することで、日本語を理解できない外国人が警察の車両と認識することができ、ひいては事件や事故の当事者またはこれらの目撃者となった場合に、速やかな通報が得られる、また、外国人の方にも大きな安心感を与えることで、犯罪の抑止や事故防止に効果があるものと県警察としても考えております。そういったことから、現在、具体的なレイアウト等も含めまして、その導入について具体的な検討をしているところであります。 ○五十嵐清 副議長 亀田清議員。    (十九番 亀田 清議員登壇) ◆十九番(亀田清議員) 白黒のパトカーが四百台あると聞いております。本県警察パトカーに「POLICE」マークをつけることによって、安心して本県の旅行を楽しんでいただくことができる。このようなことが、警察業務としても大変親切な形になろうかと思います。ぜひ早期の導入をお願いしたいと思っております。  以上をもちまして、私の質問は全て終了いたしました。今回は、栃木への新しい人の流れをつくる取り組み等五項目にわたって質問させていただきました。  本県が限りない発展を遂げていくためにも、地域資源を生かして、若い世代が安心して定住できるよう、執行部と議会がお互いに汗を流し、知恵を絞って、ともに頑張っていこうではありませんか。ありがとうございました。 ○五十嵐清 副議長 この際、十五分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午後二時十五分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十九名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午後二時三十分 開議 ○岩崎信 議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 二〇一五年も間もなく終わろうとしておりますが、私がその二〇一五年の最後の登壇者になります。私の還暦を迎えた節目の質問でもあります。次世代の皆さん方に少しでも役に立つような質問をさせていただきますので、知事初め執行部の皆さん方には、県民の記憶に残る答弁をぜひお願いして、早速質問に入らせていただきたいと思います。  初めに、とちぎ創生について、三点お伺いいたします。まず、とちぎ創生の実現に向けた県の取り組みについてお伺いいたします。これまで多くの方がこの質問をしてまいりましたが、若干私も視点を変えながら質問させていただきたいと思います。  昨年五月、日本創成会議は、二〇四〇年には全国の約半数に及ぶ八百九十六の自治体が消滅可能性都市に該当すると発表されました。本県においても、那須烏山市、茂木町を初め七市町が消滅可能性都市のリストに挙げられ、地元である三森議員、山形議員は危機感を持って受けとめられたところであると思います。  まさに人口減少対策は待ったなしの状況でありますが、先般、県では、出生率の向上や人口流出に歯どめをかけ、二〇六〇年には百五十万人以上の人口を確保するため、とちぎ創生15(いちご)戦略が策定されました。とちぎ創生15 (いちご)戦略においては、「とちぎに安定したしごとをつくる」など四つの基本目標のもと、「ものづくり県のさらなる発展と新産業の創出」など十五の戦略、三十一の重要業績評価指標(KPI)を設定して推進していくと掲げました。  地方創生に関する取り組みは地域間競争であり、新たな地方の形をつくり生み出すための知恵比べでもあります。戦略は十月に策定され始動しましたが、目標達成に向けては、スタートダッシュが肝心であり、他県に負けない栃木県らしさのある施策を、来年度の当初予算に盛り込んでいくことが何よりも重要であると考えております。  また、今般の地方創生は全国一斉の取り組みであり、県内でも、県を含めた全ての市町が計画を策定して、同じ目的に向かって施策を展開していくこととなります。県内各市町においては、それぞれの強みと課題を踏まえ具体的な施策を盛り込んでおりますが、実効性を上げていくためには、広域自治体としての県との連携は欠かせないものとなります。しかし、実態は単独計画がほとんどであります。  他県に負けない取り組みとしていくためには、個々の自治体の創意工夫はもちろんのこと、県と市町が一丸となることによって相乗効果を発揮し、とちぎ創生の実効性を上げていくことが重要であり、そのため、県と市町やこれまでの広域行政が一体となってとちぎ創生に取り組む必要があると私は考えております。  そこで、とちぎ創生の実現に向け知事はどのように取り組んでいく考えか、お伺いいたします。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの石坂議員のご質問にお答えいたします。人口減少問題の克服と、将来にわたる地域の活力の維持を目指し、地方みずからが、地域の実情に応じた実効性のある施策を展開するため、全国の自治体でまち・ひと・しごと創生総合戦略の策定が進められております。本県におきましても、県議会のご提言、また、産官学金労言の参画による懇談会のご意見をいただきながら、去る十月に、とちぎ創生15(いちご)戦略を策定いたしました。  地方創生の名のもと、全国的に激しさを増す地域間競争に打ち勝つためには、本県の持つ強みや可能性を磨き上げることが重要であります。  このため、とちぎ創生15(いちご)戦略に基づき、平成二十八年度当初予算におきましては、ものづくり県としての強みを生かした航空機産業の成長支援、首都圏に位置する利点を生かした収益性の高い園芸作物の生産力強化、豊富な森林資源を生かした林業・木材産業の成長産業化などに重点的に取り組んでまいります。  あわせて、平成二十八年度に創設される地方創生の深化のための新型交付金を初めとする財政支援について、全国知事会等を通じ国に働きかけるなど、必要な財源確保にも努めてまいります。  また、これまで全市町の参画による研究会等を通じ、総合戦略策定に当たっての意見交換等を重ね、十月末までに県内十六の市町で総合戦略が策定されたところであり、さらに、年度内には全ての市町で策定される見込みでございます。総合戦略の実行段階におきましても、引き続き情報や課題を共有しながら、市町との十分な連携を図り、県全体でまち・ひと・しごと創生の力強い潮流を生み出してまいりたいと考えております。  栃木の強みを磨き、産業を伸ばして仕事をつくり、企業や人を呼び込むとともに、安心して子育てができ、次代を担う若者の希望がかなう社会を目指し、オール栃木体制によって、栃木の未来創生に果敢にチャレンジしてまいります。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 今、知事からは、平成二十八年度予算にも重点的に盛り込むというお話もあったわけでありま すが、担当部局でもあります総合政策部長に再質問をさせていただきたいと思います。  先日も斉藤孝明議員から、下野新聞に載った地方創生の記事を捉えて大変厳しいご指摘もあったかと思いますが、本県は、先ほど言ったように、国に採択された先駆的事業は県と市町で十一事業と聞いております。全国的に見ると、沖縄県と徳島県が七件と少なく、上位は北海道の六十八件、長野県の六十五件、岐阜県の五十九件、鳥取県の四十三件、鹿児島県の四十件と聞いています。そして、内容は新聞にも一部報道されましたが、全国的に見ると、採択のうち広域連携と称した自治体間の連携による事業は九十四事業と聞いています。本県は、広域連携的な取り組みは全くなかったわけであります。  また、先行型の交付金があったわけでありますが、その活用を見ると、私は、一部でありますが竹下内閣当時のふるさと創生基金とラップしているのではないか、その延長線上にあるのではないか、こんなことを危惧している一人でもあります。  さらに、コンシェルジュの活用も、他県に比べると余り進んでいないのではないかと感じるところもあるのですが、そういうものも含めてどのようにこの状況を踏まえて来年度取り組んでいくのか、総合政策部長に再質問させていただきます。 ○岩崎信 議長 北村一郎総合政策部長。 ◎北村一郎 総合政策部長 ただいまの再質問にお答えいたします。二点あったわけでございますが、まず、上乗せ交付金の関係でございますが、採択に関しまして、先駆性、広域的な連携事業を中心とした事業が求められた中にありまして、本県におきましては、特に市町分の事業につきましては、採択件数、採択率とも全国と比べますと高くはなかったかなと考えております。  来年度新設されます新型交付金につきまして、こちらの予算を確保するべく、今回の上乗せ交付金に当たりましての他県の採択状況も十分分析いたしまして、市町に対し先駆的な事業、広域的に取り組む事業についてアドバイスを差し上げ、市町が十分な財源を確保いたしまして、地方創生の取り組みが円滑に進むように努力してまいりたいと考えております。  また、地方創生コンシェルジュに関しましては、ことしの三月に国の地方創生コンシェルジュを講師としてお呼びしまして、市町への説明会も開催いたしました。また、七月に市長、町長を交えまして本県担当のコンシェルジュとの意見交換会等も実施したわけでございますが、総じて、議員ご指摘のとおり、全体的には積極的に活躍したということではない と考えております。今後市町の取り組みが実行段階になりますので、コンシェルジュの積極的な活用、それからよいアドバイスをもらえるように、県としても努力してまいりたいと考えております。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 市町村ともしっかりと連携していただきたいと思いますが、この件について、馬場副知事にも一つ再質問させていただきたいと思います。やはり国の動向なども含めて各関係機関の情報収集も大事かと思いますが、その点について所感があればお聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 議長 馬場竹次郎副知事。 ◎馬場竹次郎 副知事 ただいまの再質問にお答え申し上げます。この交付金に限らず、これから先さまざまな国の財政支援や交付金等の活用は、やはり地方創生にとって必要になってくると思っております。そうした意味で、今回の交付金についての他県の状況調査というのは、今北村総合政策部長からもご答弁申し上げましたが、さまざまな国の状況、他県の動向を調査し、それを交付金の獲得等に生かしていきたいと考えております。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) よろしくお願いいたしたいと思います。  要望いたします。参考でありますが、先日、関東自民党の幹事長会議がございました。その折に、地方創生担当副大臣がおいでになりまして、いろいろなお話をお聞きしました。そのときに、多分記憶違いでなければ石川県だと思いますが、コンシェルジュの皆さん方と県執行部、県議会の議員も一緒にいろいろな話し合いをするという話も聞きました。いろいろな取り組みがあると思いますので、ぜひいろいろな形で取り組める方策をしっかりとつくっていただくよう心からお願いいたしまして、次の質問に入ります。  若い世代の本県への還流促進に向けた取り組みについてお伺いします。先ほど亀田議員から同様の趣旨の質問もございましたが、重複を避けて質問させていただきたいと思います。  人口減少問題の克服はもう待ったなしの状況であるわけであります。そういう中で、本県では、県内高校を卒業して大学・短大に約一万人が進学しており、そのうち県内の大学・短大への進学率は二六%で、約七割の高校生が県外、特に東京圏へ進学しておる状況であります。  こうした県外、特に東京圏の大学等への進学や大学卒業後の就職等を契機に、十五歳から二十四歳の若い世代の東京圏への転出超過が続いておるわけであります。これは、高校卒業後、大学進学等で東京圏に転出した後、東京圏等に就職し本県に戻ってこない人が多いということであります。  県外への人口流出について、とちぎ創生15(いちご)戦略では、十年後の二〇二五年にはこれらをゼロにするという目標を掲げており、県では、若者の栃木への移住の促進に向けた幅広い取り組みを行うとしております。  そこで、特に学生を中心とした若い世代の本県への還流を促進するため、具体的にどのように取り組む考えか、知事にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。急速な少子高齢化と人口減少への対応は我が国の喫緊の課題であり、本県におきましても、地域の大きな活力となる若者の転入数の増加に向けた取り組みを進めていくことが重要であります。  このため、ことし六月、都内にとちぎ暮らしサポートセンターを設置し、栃木の魅力発信や移住相談などを行っているところでありまして、今後は、移住から仕事に関する相談をワンストップでサポートする総合的な相談体制を整備し、若い世代の呼び戻しや定着促進の強化を図りたいと考えております。  また、現在、首都圏の六十校を超える大学等と就職促進協定を締結し、県内企業の求人情報の提供や学内ガイダンスへの職員派遣など、締結校と連携した取り組みを行っており、引き続き締結校の増加や就職に関する定期的な情報発信により、栃木の産業を担う若手人材の確保に努めてまいります。  さらに、ものづくり県としての地位を確かなものとするため、重点振興分野を初めとする製造業における人材の確保に向け、県内企業に就職した大学生等の奨学金返済について、新たに県と地元産業界が連携して支援する制度を創設してまいりたいと考えております。  今後とも、これらの取り組みを効果的に実施することにより、次代を担う若者に、栃木で働き暮らすことの魅力を伝え、一人でも多くの方に栃木で活躍していただけるよう、本県への若い世代の還流を一層促進してまいります。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 今、知事の答弁の中で、企業といろいろな連携をしながら、その一つに新しい奨学金制度の創設という答弁もあったわけでございます。いろいろな方策を使って、ぜひともよりよい、そして若い世代がふるさと栃木に戻ってくる環境をつくっていただけますよう要望して、次の質問に入らせていただきます。  次に、若い力が輝くまちづくりについてお伺いいたします。去る十一月三日、私の地元である真岡市内で、三十歳前後の若者数名の有志が主催して、「MOKA DREAM FESTIVAL 二〇一五」が盛大に開催されました。このイベントは、地元の高校生たちがモデルを務めるファッションショーや、市内の美容院によるヘアショー、子供たちのダンスなどから成り、市内の若者が集い、独自に資金調達から企画・運営するという全て手づくりのイベントでありました。  仕事を持ちながら開催した動機、目的は、これは下野新聞にも大きく掲載されましたが、「同じ若い人に地元へ目を向け将来的に真岡で活動してほしいと考え、市内で若い人が集まれる今までにないイベントで地域を活性化するきっかけにしたい。生まれ育った地元で夢を追いかける若い世代がパフォーマンスを行うことで、十代や二十代の若者に夢を持ってもらうことを目指し、一緒にふるさとを盛り上げたいとの思いから始めた」と報道がありました。結果、一千人近い高校生や二十代の若者が集まったと聞いております。  地域の活性化には、このような若い世代の参画こそが重要であり、地域づくりの担い手である若い世代が地域を愛し、みずから行動を起こしていくことで、地域の真の活力が生まれるものと私も思っております。まさしく若者の行動力が地域づくりであり、地方創生の大きな力になるのではないでしょうか。
     行政の役割は、地域活性化を担うこのような若い人材を育成し、その人材が地域資源の発掘や活用を担い、地域みずからの力で魅力に磨きをかけていく世代の活動を積極的に支援していくべきであると思っております。  そこで、若い力が輝くまちづくりに向け、県はどのように取り組んでいくのか、総合政策部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 北村一郎総合政策部長。    (北村一郎総合政策部長登壇) ◎北村一郎 総合政策部長 ただいまのご質問にお答えいたします。魅力ある地域づくりを推進していくためには、地域の強みを生かし、主体的に行動する人材を多く育て、ネットワーク化していくことが求められています。とりわけ若者の高い発信力や行動力を、地域の魅力と活力の創出につなげることが期待されているところでございます。  これまで県では、市町に対しまして住民主体の地域づくりの支援を行ってまいりましたほか、ワークショップやスキルアップ講座の開催など、機運の醸成や人材の育成に取り組んでまいりました。  さらに、今後、大学生等の若者が企画提案・実行する社会活動や地域貢献活動への支援、また、実践活動を通じた若者の地域づくりへの参画機会の創出などによりまして、熱意ある若者が地域づくりに取り組み、栃木の元気を発信できる環境づくりに努めてまいります。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 総合政策部長に再質問させていただきます。今答弁がありました。やっていることも十分にわかりますが、金太郎あめではありませんが、どこの県でもやっているような同じことをやっていては、栃木県の特色は生まれないのではないか。  第二十六回を迎えます北海道札幌市のYOSAKOIソーランは、今、二百万人を超える観客がおいでになります。これは二十六年前に、北海道大学の学生だったと思いますが、一人の学生が高知県のよさこい祭りを見て、北海道にもこんな祭りができないだろうかということで、仲間に呼びかけ、百人程度の学生が集まり、最初は十チームの参加であったと聞いておりますが、開催した。それから二十六年たった今は、さっぽろ雪まつりと二大祭りと言われるようなYOSAKOIソーランに育ち、現在は二百七十チーム、踊り手は三万人、そして、観客動員は二百万人になるまでのイベントに成長したわけであります。まさにこれが若い力であって、若い力がしっかりと活力ある地域を生み出す大きな原動力であるわけであります。  こういうことを考えたときに、先ほどお話ししたような真岡での取り組みをやりたいと思っている若い世代も、県内にたくさんいるのではないかと思います。  そこで、利益目的では私もいけないとは思いますが、地域の活性化のためになる新しい取り組みをやる。コンテストみたいなものを開いて、県が支援して活力を生み出していく。こういうものをつくるべきだと私は思っています。それによって、仕事だけではなくて、普段の生活でも、栃木県て楽しいところですねと、楽しいから住んでみたいな、働いてみたいなという若者がふえると思います。こういう取り組みをぜひやってもらいたいと思いますが、総合政策部長に再質問させていただきます。 ○岩崎信 議長 北村一郎総合政策部長。 ◎北村一郎 総合政策部長 再質問にお答えいたします。とちぎ創生といいますか、地域活性化の鍵は、議員ご指摘のとおり若い世代ということで、その行動力に期待するところが大だと考えております。  そのための環境整備を行政もぜひやっていきたいと思っておりますが、とちぎ創生15(いちご)戦略におきましても、「次代を担う若者の夢がかなうとちぎの未来創生にチャレンジしていく」としております。特に若い世代は、フェイスブックやツイッターなどの発信力も非常に期待できますので、本県の課題でもあります発信力の向上にもつながるものと考えております。  さまざまな分野で若者の自由な発想、企画力が生かされ、それが継続して取り組んでいかれることによりまして、栃木の元気・活力が生まれるような形になればということで、関係部局等々と連携しながら、議員ご提案の仕組みについても鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 鋭意取り組んでいきたいというその言葉を信じたいと私も思っております。そして、何よりも大切なのは、岩崎議長のいつも実践していることでありますが、現場主義であります。現場に活力がなければやはりいいまちは生まれないわけでありまして、もし企画をしてコンテストをやるときには、ここで答弁をされているような皆さん方ではまだ感覚にずれがあるかと思いますので、解散したと聞いておりますが、県庁内で結成した女性の「とちぎベリーズ委員会。」の人たちにも審査員になっていただいて決定していく。こういう取り組みもぜひ早急に考えていただけるようにお願いいたしまして、次の質問に入らせていただきます。  次に、新たな道路網構想についてお伺いいたします。我が県では、昭和六十一年度に渡辺文雄知事が策定したとちぎ新時代創造計画において、北関東クロスコリドール構想を県土づくりのグランドデザインとして掲げ、県内全域をコリドールネットワークで結ぶことで活発に交流させ、県勢発展につなげるという考えのもとに、県土整備を進めてきました。  以来、この三十年間で、オーシャンコリドールとして北関東自動車道が全線開通し、スカイコリドールとして国道四〇八号鬼怒テクノ通りもおおむねその姿をあらわし、さらに、県内各地を結ぶ幹線道路も着実に整備が進んだことで、そのストック効果によって着実に県勢発展につなげることができたと、多くの県民は実感しております。私も、私の地元真岡市から成田まで一時間半で行ってしまう、まさにスカイコリドールの効果だな、こんなことを常々思う一人でもあるわけであります。  しかし、一方で、急激な高齢化の進展や人口減少社会への対応、首都直下地震を初めとする大規模災害に対する備えなど、新たに取り組まなければならない課題も多く発生しております。そうした中、国では昨年七月に、二〇五〇年を見据え、未来を切り開いていくための国土づくりの理念・考え方を示す国土のグランドデザイン二〇五〇を策定し、これに続いて、ことし八月には新たな国土形成計画を閣議決定されました。  この新しい国土形成計画では、都市と地方がそれぞれに個性を磨き、さまざまな地域が相互に連携して生じるヒト、モノ、カネ、情報の活発な対流によって、地域の活力やイノベーションを創出するとしております。この考え方は、従来から我が県が進めてきたコリドールネットワークとも共通する概念であるが、社会的課題を踏まえると、その基盤となる道路網のあり方について見直しを図っていくことが必要であると思います。さらに、現在では圏央道も開通しております。  そこで、これまでの計画を見直し、新たな道路網の構想を打ち出していくべきと考えますが、県土整備部長の所見をお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 印南洋之県土整備部長。    (印南洋之県土整備部長登壇) ◎印南洋之 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。人口減少・超高齢社会において、連携交流により地域の活力を増進し、また、さまざまな災害リスクに備えて災害に強い県土づくりを推進していくためには、道路ネットワークの充実が不可欠であります。  そこで、コリドールネットワークの根幹をなす高速道路の機能を最大限に活用するため、新たなスマートインターチェンジの設置促進やインターチェンジ接続道路の整備推進を図るとともに、新たな交流圏の開拓に重要な役割を果たす圏央道へのアクセス強化も進める必要があると考えております。  また、固有の地域資源を活用して、圏域を越えた新たな交流を創出し、インバウンドも含めた観光振興等により地域の活性化を図っていくためには、広域的な幹線道路網の強化が求められております。  さらに、広域連携の効果を県内の隅々まで波及させるとともに、農山村地域においても一定の都市的サービスを享受し、一方、大規模災害時に防災・減災機能を十分に発揮していくには、都市と農山村とを結ぶ地域連携道路の整備が必要であります。  したがいまして、これらを十分に念頭に置きまして、本県の活力を維持・増進し、安全で豊かな暮らしを守るための道路網構想の見直しに取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 次期重点戦略とちぎ元気発信プラン(仮称)発信のためにも、ぜひとも道路網の新しい取り組みをお願いしたいと思います。こういうことによって、消滅都市と言われる地域もよみがえってくる可能性もありますので、しっかりと取り組んでいただくことを要望して、次の質問に入ります。  第七十七回国民体育大会開催に向けた県の取り組みについて、市町への競技会場整備に対する支援についてお伺いいたします。先般開催された国体栃木県準備委員会においては、「オリンピックレガシー(遺産)を活かし、県民総力を挙げて、栃木の魅力・実力を世界に発信」という基本目標のもと、「県民総参加で感動を創出する国体」など四つの取り組み方向から構成された第七十七回国民体育大会開催基本構想が決定されました。  また、会場地市町についても既に二十六競技を選定し、今年度内には全ての競技会場地を内定する方向と聞いております。来年度は、中央競技団体の正規視察が行われ、開催会場地が最終的に決定されることとなっており、そうなれば、市町の会場整備も本格的に動き出すことになります。  県では、これまで市町の会場整備にどのような支援を行うか具体的な内容を明確にしておりません。県の支援内容が明確にならなければ、市町の会場整備計画を具体化することは困難であり、その意味からも、県が早期に支援内容を示すべきと考えます。  そこで、市町の会場施設整備についてどのように支援していく考えなのか、知事にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。平成三十四年に本県で開催する国体につきましては、県準備委員会において昨年度から競技会場地の選定を進めるとともに、このたび開催準備を計画的に推進するための基本構想を定めたところであります。  この基本構想では、競技施設について、既存の施設を最大限に活用することに加え、その整備や大会運営にユニバーサルデザインの考え方を取り入れることで、人に優しい大会を目指すこととしております。  市町の競技会場整備につきましては、先催県では、会場地内定後に行われる中央競技団体の正規視察において指摘された、競技施設基準への適合や安全な競技環境を確保するための整備など、開催予定競技の実施に必要とされる改修に対して助成している例が多く見られるところであります。  本県といたしましては、来年度の中央競技団体の正規視察後に市町が策定する施設整備計画をもとに、基本構想の考え方や先催県の例も踏まえながら、速やかに支援策について検討してまいります。今後とも、市町や競技団体を初め、関係機関と連携・協力しながら、大会の成功を目指して準備に万全を期してまいります。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 支援策をしっかりとつくっていくという答弁で、ぜひとも地域が安心できる支援策をお願いしたいと思いますが、成功させるために、もう一つ知事に再質問させていただきます。  国体の成功は当然のごとく、市や町、競技団体、関係機関の連携・協力はもとより、基本構想にもあるとおり、県民総参加で開催準備や大会運営を進めることが最も重要であると考えます。  そこで、国体準備については現在、教育委員会において所管しているところでありますが、県民総力を挙げるという姿勢を内外にアピールするとともに、関係機関との調整を迅速にするためにも、知事部局に移管し、知事のリーダーシップで全庁挙げて取り組むべきだと思いますが、知事の考えをお聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 再質問にお答えいたします。ご指摘がありましたように、国体の開催につきましては、単なるスポーツの振興にとどまらず、観光の振興や地域経済の活性化など、元気なとちぎづくりに貢献していくという必要があります。県民総参加のオール栃木体制によって開催準備や大会運営を進めることが、よって重要になります。  こうしたことから、国体準備室の知事部局への移管など全庁的な推進体制の整備につきまして、議員のご指摘や先催県の状況などを踏まえながら、しっかりと検討してまいります。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) ちょうど昭和五十五年に前の国体があったわけです。私は二十五歳でありました。知事は二十七歳でありました。この議場には、その国体のときに生まれていない議員もいる。こういう時代の国体から時がたってやるわけでありますので、総力でできるように、そして、市町ともいろいろな連携をしていかなければならない中で、ぜひとも一刻も早く知事部局に国体準備室を移管していただくよう再度要望いたしまして、次の質問に入らせていただきます。  次に、県民の安全安心を守る施策の充実強化についてお伺いいたします。全国的に子供や女性が犠牲となる悲惨な事件が後を断たない状況にある中で、県民が安全で安心して日常生活を送っていくことができる環境づくりが何よりも急務であります。本年八月、大阪府高槻市で中学生が殺害された事件や、JR東日本の各施設に対する連続放火事件などが、防犯カメラの映像の解析から早期解決につながった事件が次々と報道され、犯罪抑止効果はもとより、今や防犯カメラの果たす役割は極めて大きいものとなっております。  ことし八月に、私が文教警察委員会において視察した大阪府箕面市では、平成二十六年度に市立小中学校の通学路に七百五十台の防犯カメラを設置し、さらに、自治会の要望に基づいて平成二十九年度末までは一千百十台まで増強するということを聞いてまいりました。このような中、本県では平成二十六年三月に、防犯カメラの設置及び運用に関するガイドラインを策定し、防犯カメラの適切かつ効果的な活用を推進することとしております。  一方、多くの重大犯罪に自動車が使用され広域化している現状を鑑みると、自動車に対する捜査も欠かせないものであります。大変痛ましい事件で全国にも大きな反響を巻き起こした今市事件の発生を機に、県内全域に重要犯罪捜査支援システムが整備され、自動車を使用した犯罪捜査に対しこのシステムが大いに有効活用され、犯罪の早期解決にも成果が出ていると伺っております。  しかしながら、平成二十九年四月以降の自動車のナンバーへのアルファベット文字の導入決定に伴い、現在の重要犯罪捜査支援システムの改修が必要になると聞き及んでおります。安全・安心なまちづくりを推進することは、県民の体感治安の向上はもとより、県外からの移住を決断する際の大きな要素になるわけであります。  そこで、防犯カメラの必要性や効果について、治安を担う警察としてどのよう考えているのか、また、重要犯罪捜査支援システムの導入が、犯罪の発生や検挙状況等にどのような効果をもたらしたのか、さらには、システムの改修についてどのように考えているのか、警察本部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 松岡亮介警察本部長。    (松岡亮介警察本部長登壇) ◎松岡亮介 警察本部長 ただいまのご質問にお答えします。最初に防犯カメラについてでありますが、防犯カメラの設置は、犯罪を発生させない地域づくりの一翼を担うものであると同時に、一旦犯罪が発生した場合には、早期の犯人検挙につながる重要な手がかりとなるものと認識しております。また、本年五月の県政世論調査におきましても、回答者の約九五%が、安全・安心を確保するためには防犯カメラの設置が望ましいと答えており、その必要性、有効性につきまして県民意識の高まりを実感しているところでもあります。  県警察におきましては、今後とも、自治体等の関係者に対し、防犯カメラの効果的な設置場所や適正な運用・管理について助言等を行うなど、設置促進に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。  続きまして、重要犯罪捜査支援システムの整備についてでありますが、このシステムの活用とその他の抑止対策を推進したことによりまして、殺人、強盗等の凶悪犯罪の検挙率は平成二十六年中で九七・三%、同システムの整備前の平成十八年と比べますと四三ポイント上昇しております。  また、議員のご指摘がありましたように、県民の多くが大きな不安を感じている子供や女性対象の性犯罪や連れ去り事件等の捜査につきましても、当該システムが不可欠なものとなっており、その活用により現実に犯人の早期検挙や被害者の保護に大きく寄与しているところであります。  このように、当該システムは、自動車利用の重大犯罪などの早期検挙に大きな効果を上げているところであり、アルファベットナンバーの導入を機に、早期にシステムの更新整備を図ることは、安全・安心な栃木の実現に向けた最重要課題の一つと認識しているところであります。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 今、警察本部長からは、防犯カメラ等での犯罪検挙についてお話があったわけでありますが、今市事件も多くの県民が関心を持っていた。警察の皆さんのたゆみない努力、日夜を問わない捜査のかいもありまして犯人検挙に至ったわけでありますが、もっと防犯カメラ等があれば早く検挙もできたのではないかと思うところでもあります。  そこで、今警察本部長から必要性のお話がありましたが、きのう下野新聞に、「県内増える防犯カメラ」という記事が大きく掲載されました。今市事件から十年間で、県内で十倍以上にふえたところもあると、「守れ子どもの命」と題した記事でありますが、設置状況は、自治会や商店会などを合わせると一千五百台を超える台数になってきたと載っておりました。自治体は小中学校付近の設置が当然過半数を占めるわけでありますが、警察も独自に、JR宇都宮駅東口に十九台の防犯カメラ設置などをされております。  そして、先ほども話しましたが、平成二十六年三月に県はガイドラインを制定いたしました。しかし、県内の市町では、もっと早くいろいろな取り組みをしているところもあります。その中で、宇都宮市が要領、足利市を初め十四市町が要綱、ガイドラインが一町、那須烏山市を初め七市町がなしなどとばらつきがございます。宇都宮市、日光市、大田原市、下野市は、防犯カメラを設置する自治会や商店会に補助金を交付する要綱もあります。例えば真岡市は、来年度から一定規模の公園にも防犯カメラを設置すると聞いております。こういう中で、やはりこれからは住宅街にも防犯カメラの要望等が多くなってくるのではないかと思います。これだけ防犯カメラの設置が進むのは、平成二十七年の県政世論調査でも、防犯カメラの設置を望む・おおむね望むを入れると九割を超えたという背景があるのだろうと思います。  そこで、県民生活部長に、ガイドラインではなくてもっと踏み込んで市町としっかりと連携できるような仕組みをつくるべきだと思いますが、お聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 議長 平野博章県民生活部長。 ◎平野博章 県民生活部長 ただいまの再質問にお答えいたします。防犯カメラはこれまでも、議員からお話があったとおり、公共施設を初めといたしまして、市町や事業所、商店街などで普及してきたわけでございますが、最近は技術革新がありまして非常に高性能化、低廉化してきておりまして、いろいろなところで設置されております。そういったことで普及が進んで、設置場所、設置台数が日々変わってきているという状況の中、ただいま住宅街というお話もあったわけでございます。  県では、防犯効果、そしてプライバシーの両方を担保しなければならないということと、調和を図るためのガイドライン、ということで、議員がご指摘のとおりのガイドラインを昨年策定したわけでございます。その運用につきましても、全市町に呼びかけて策定を進めているところでございますが、防犯カメラという名前のとおり、防犯効果を最大限発揮していくことが重要だと思っておりますので、県警察とも十分連携しながら、市町とも意見交換をしながら…… ○岩崎信 議長 簡潔にお願いいたします。 ◎平野博章 県民生活部長 (続)それぞれの実情に即した設置の適正化をより一層進めてまいりたいと思っております。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) ぜひとも早急に、全県的にきちんと市町村と連携できるような仕組みをつくっていただきたいと思います。  それと、鈴木副知事に、質問というより思いを聞かせていだきたいと思いますが、平成二十一年でありましたが、この議場で私は質問しました。当時は副知事が経営管理部長でした。栃木県は平成二十年度から二十六年度まで七年間かけてパトカーのない駐在所・交番にパトカーを設置する計画を立てました。その中で、やはり必要性があれば集中して予算をつけるべきではないかという質問をさせていただいたときに、経営管理部長の大変な決断で、その年の補正予算と次の年の当初予算で県内初めて、全駐在所・交番にパトカーが設置されました。その決断は、当然福田知事がしたわけでありますが、その仕組みをしっかりとつくり上げたのが、当時の経営管理部長であった鈴木副知事であったわけであります。非常に県民から喜ばれただろうと思います。そのときの思いを簡単にお聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 議長 鈴木誠一副知事。 ◎鈴木誠一 副知事 ただいまの再度のご質問にお答え申し上げます。私を大変ほめていただいたわけでありますが、議員ご指摘のとおり、決断していただいたのは福田知事でありまして、決して私が強く申し上げたということではございません。そのことによりまして県民の安全で安心な暮らしが少しでも実現できたということについては、私も議員のご指摘をいただいてパトカーの配備ができたことについては、うれしく思っております。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) やはりよかったと思っていると思います。  そこで、経営管理部長に再質問いたしますが、重要犯罪捜査支援システム、これはやはり大事なことだと思います。ナンバーもアルファベットになってしまう。こういうことを何年もかけてやるのか。一年でつくって、どこの県よりも早く栃木県は犯罪をつかまえる抑止力があると日本中にしっかりと情報発信する、これが予算の選択と集中だと思いますが、来年度予算にどう取り組むのか、経営管理部長の考えをお聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 議長 井澤晃太郎経営管理部長。 ◎井澤晃太郎 経営管理部長 ただいまの再質問にお答えします。犯罪から県民の命や財産を守ることは重要課題の一つであると考えております。とちぎ元気発信プランにおきましても、暮らしの安心実現プロジェクトというものを掲げております。来年度当初予算の編成につきましては、このプランに基づく取り組みを着実に軌道に乗せることができますよう、県民の安全・安心の確保に十分配慮した予算編成に努めてまいりたいと考えております。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 大変ありがたい答弁でありました。期待をして、四月、楽しみに待っていたいと思います。それでは、最後の質問に移らせていただきます。  最後に、元気なとちぎづくりに向けた県政の推進についてお伺いいたします。きょうは、地方創生に向けた「とちぎ創生」をキーワードに、栃木を元気にするための取り組みについて私は質問をしてまいりました。来年度は、知事の任期の締めくくりの年であるとともに、今般策定したとちぎ創生15(いちご)戦略に加え、仮称でありますが、とちぎ元気発信プランや各分野の計画など、県政にとっても新たなスタートを切る非常に重要な年だと思っております。  また、先般発表された全国のブランド力ランキングでは、栃木県は北関東三県では当然トップでありますが、三十五位に上昇するなど、知事の思いもようやく形になってあらわれてきたと感じていますし、私は、まだまだ大きく伸びていく可能性があると確信いたしております。  今後十年間には、東京オリンピック・パラリンピック、本県での国民体育大会・全国障害者スポーツ大会など、大きなイベントが開催されます。これらを契機として本県のブランド力を向上させ、国内のみならず世界に発信し、選ばれる栃木を実現する勝負の数年間と思っております。  そこで、残された任期の中で、知事はどのようにリーダーシップを発揮してとちぎづくりに向かっていくのか、知事の考え方、取り組み方をお聞かせ願いたいと思います。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇)
    ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。平成二十八年度は、仮称ではありますが、とちぎ元気発信プランを初め、多くの分野別計画をスタートさせるとともに、とちぎ創生15(い ちご)戦略の本格実施となる重要な年でございます。  とりわけ、人口減少問題の克服は喫緊の課題でありますことから、本県の強みを生かした産業の振興による仕事づくり、結婚、妊娠・出産、子育ての切れ目のない支援の充実、人や企業等を呼び込む新たな人の流れの創出などに鋭意取り組んでまいります。  また、とちぎ元気発信プランで新たにプロジェクトに掲げました女性の活躍推進や災害に強いとちぎづくりに取り組むとともに、さらに、とちぎブランドの確立に向けましては、私が先頭に立ち、国内外に力強く、栃木の魅力・実力を発信してまいります。  来年度は、私の三期目の政策宣言に掲げ、整備を進めてまいりました複数の施設が供用開始の運びとなる年であります。四月には、県立特別支援学校宇都宮青葉高等学園の開校、夏には、障害者スポーツ拠点施設の利用開始、また、日光市中禅寺湖畔の旧英国大使館別荘の開館を予定しておりますので、これらを十分に活用し、とちぎ元気発信プランの推進にも資するよう努めてまいります。  これまで、県民の皆様を初め、県議会、市町、さらには企業、団体等のオール栃木体制により、東日本大震災からの復興などに全力で取り組んでまいりました。  県民の皆様から負託を受けました任期中、元気なとちぎづくりに向けて職責を全うしてまいります。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 今、知事からは、来年度は精いっぱいやると受け取らせていただきますが、答弁をいただいたわけであります。振り返ると十一年前、足利銀行が破綻し、栃木県内の経済はまさに激甚災害の状況を呈しておりまして、県全体が不安と閉塞感にあったと私は思っております。このような状況の中、我々も栃木県に元気を取り戻したい、そのためには、議会と共有できる価値観があり、国はもとより、市町と連携ができ、課題に立ち向かうリーダーが求められていたわけであります。  そんな状況から、市長会を初め多くの団体からの要請を受け、最大の危機を感じ、宇都宮市長を辞して知事選挙に挑まれたのが福田知事であります。結果は、「よみがえれ栃木!」を掲げた福田富一知事が、圧倒的な県民の皆さんの支援を受けて見事に当選されました。  十一年間、知事も非常に早く感じたと思います。私も同じです。しかし、その後は決して平坦な道ばかりではなく、三期の任期中、いっときではありましたが、国政では政権交代という政治の激動、さらには、東日本大震災を初め多くの災害があり、本県も大きな影響を受けました。東日本大震災においては、ハード面はおおむね復興を遂げたと思います。また、観光客も復活したと感じておりますが、まだまだ課題は残っています。そのような中で地方創生が始まってきたわけでありまして、今後、市や町としっかりと連携をとっていかなければならない大切な年になってまいります。  先日、新聞の取材に、福田知事は、三期目までは既定路線であった。四期目はこれまで以上に慎重に判断するという旨のお答えをなさっていました。加えて、初当選から知事が言われてきた「権腐十年」をとって多選批判をする方がいることも承知しております。「権腐十年」についてはマスコミからもよく質問されるようですが、私は、この教えは大切であると思います。知事自身がいつも胸に刻み、おのれを戒めてきた姿は、多くの県民が理解していると承知しております。確かに、この教えを忘れた人には、当然一期でも県民からノーが突きつけられるわけであります。  私は、任期残り一年となった今、福田知事の役割は、これまで県政発展に汗を流してきた多くの人たちの信頼と期待を大切にし、まさにとちぎ創生15(いちご)戦略を本格軌道に乗せ、これから県民の夢と希望、「栃木県はいいね」と言ってもらえるふるさとをつくる責任がある数年が正念場だと思います。知事の座右の銘である「先憂後楽」、楽しみはもう少し後にして、県民のためにしっかりと汗を流していただきたいと思っているのは、私一人ではないと思います。  それを踏まえて、大変失礼ではございますが、知事の所感の一端でもお聞かせ願えればと思いますが、いかがでしょうか。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 激励をいただきましてありがとうございます。今後について何を考えているかということでありますが、今お話がありましたように、時代の大きな転換期にある、そして、さまざまな課題が横たわっている、これも議員ご指摘のとおりだと思います。  これらを踏まえながら、「元気度日本一栃木県」づくりにともに汗を流してくださった多くの関係者、さらには、長年、政治家福田富一を支えてくれた多くの方々、こういった方々があって今日があるわけでございますので、さまざまなご意見も伺いながら判断をしてまいりたいと考えております。 ○岩崎信 議長 石坂真一議員。    (四十七番 石坂真一議員登壇) ◆四十七番(石坂真一議員) 四期目の判断というのは非常に難しいことかとは思いますが、全国的に見ると、いろいろなパフォーマンスの中で二期八年というものを掲げた地域が、知事がかわったことによって本当によくなっただろうか。私は疑問があります。しっかりとした考えのもとで、「権腐十年」というものをいつも忘れることなく、知事は「先憂後楽」を大事にしながら、「信なくば立たず」という政治の生き方をしてきたのだろうと確信いたしております。県民の多くが望むすばらしい栃木県をつくっていく、そして、ともに汗を流す多くの仲間がいることをしっかりと受けとめていただいて、新たな、やらなければならない栃木県づくりに邁進していただくことを心から願いながら、私の六十歳を節目とした質問とさせていただきます。  来年はまた新しいスタートの年であります。全庁挙げて、どうか皆さん方が一つになって、市も町も一体となって、消滅都市がなくなるような、栃木県はやはりすごいと言われるようなとちぎづくりに、執行部、議会が両輪となってともに頑張ることをお願いしながら、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。 ○岩崎信 議長 以上で上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問は終了いたしました。  この際、申し上げます。お手元に配付いたしました議案付託表に記載の議案については、それぞれ所管常任委員会に付託いたします。ご了承願います。             ―――――――――――――――――――――――――――――   議 案 付 託 表 〇県政経営委員会  第 一 号議案 平成二十七年度栃木県一般会計補正予算(第三号)第一条歳入及び第三条  第 二 号議案 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条例の制定について  第 七 号議案 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理について  第 八 号議案 栃木県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部改正について  第 九 号議案 栃木県手数料条例の一部改正について  第 十 号議案 栃木県県税条例の一部改正について  第十六号議案 電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律施行条例の廃止について  第十九号議案 当せん金付証票の発売について  第二十号議案 当せん金付証票の発売について 〇生活保健福祉委員会  第 一 号議案 平成二十七年度栃木県一般会計補正予算(第三号)第一条歳出中所管関係予算  第 四 号議案 地方独立行政法人栃木県立がんセンターに係る重要な財産を定める条例の制定について  第 五 号議案 栃木県がん登録等審議会条例の制定について  第十一号議案 婦人保護施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について  第二十二号議案 県有財産の取得について  第二十八号議案 地方独立行政法人栃木県立がんセンター中期目標を定めることについて  第二十九号議案 地方独立行政法人栃木県立がんセンターに承継させる権利を定めることについて 〇農林環境委員会  第 一 号議案 平成二十七年度栃木県一般会計補正予算(第三号)第一条歳出中所管関係予算及び第二条  第 三 号議案 栃木県中禅寺湖畔国際避暑地記念施設設置及び管理条例の制定について  第二十三号議案 市町村が負担する金額の変更について  第二十四号議案 指定管理者の指定について  第二十六号議案 訴訟上の和解について 〇経済企業委員会  第 六 号議案 栃木県中小企業・小規模企業の振興に関する条例の制定について  第十二号議案 栃木県立産業技術専門校条例及び栃木県手数料条例の一部改正について 〇県土整備委員会  第 一 号議案 平成二十七年度栃木県一般会計補正予算(第三号)第一条歳出中所管関係予算  第二十五号議案 訴えの提起について  第二十七号議案 栃木県道路公社が行う有料道路事業の変更に関する同意について 〇文教警察委員会  第十三号議案 栃木県立学校の設置及び管理に関する条例の一部改正について  第十四号議案 栃木県図書館設置条例の一部改正について  第十五号議案 栃木県警察署の名称、位置及び管轄区域に関する条例の一部改正について  第二十一号議案 県有財産の譲与について             ――――――――――――――――――――――――――――― ○岩崎信 議長 日程第二 請願・陳情についてを議題といたします。今回の通常会議で所管常任委員会に付託いたします請願・陳情は、お手元に配付いたしました文書表のとおりであります。ご了承願います。             ―――――――――――――――――――――――――――――   新規付託分 農林環境委員会 受理番号  11 受理年月日 平成二十七年十一月二十五日 件名    産業廃棄物処分場設置に関する陳情 要旨 一.陳情の趣旨  AがB町大字C字D○番○に設置計画している産業廃棄物最終処分場設置計画を不許可とすることを求める。 二.陳情の理由  右記の場所に計画されている産業廃棄物最終処分場については、平成十四年以来地域住民署名簿を添えて「産業廃棄物処分場設置反対陳情書」を提出してきました。  しかし、平成二十七年になり、なりを潜めていた設置の動きが再開しました。  狭い搬入路の先には住民が生活しており通行、生活、環境面等で地域住民の不安が増してきております。  平成二十七年度も過日開催しました自治会総会で改めて反対の意思を再確認いたしました。  よって、県当局におかれましては、住民の意思を最大限に尊重されるよう地域住民の署名簿を添えて陳情するものです。             ――――――――――――――――――――――――――――― ○岩崎信 議長 次に、お諮りいたします。あすから十六日までは委員会等のため、本会議を休会したいと思いますが、ご異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○岩崎信 議長 ご異議がないと認め、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。十七日は定刻から本会議を開きます。  本日はこれで散会いたします。 午後三時三十一分 散会             ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~...