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平成27年度栃木県議会第332回通常会議-12月01日-02号

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  1. 栃木県議会 2015-12-01
    平成27年度栃木県議会第332回通常会議-12月01日-02号


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    平成27年度栃木県議会第332回通常会議-12月01日-02号平成27年度栃木県議会第332回通常会議 〇十二月一日(火曜日)  出席議員 四十九名    一 番   中   屋       大    二 番   平   木   ち さ こ    三 番   船   山   幸   雄    四 番   塩   田   ひ と し    五 番   齋   藤   剛   郎    六 番   増   山   敬   之    七 番   吉   羽       茂    八 番   阿   部   博   美    九 番   加   藤   正   一    十 番   相   馬   政   二    十二番   野   村   せ つ 子    十三番   白   石   資   隆    十四番   早   川   け い こ    十五番   さ い と う   淳 一 郎    十六番   西   村   し ん じ    十七番   野   澤   和   一
       十八番   池   田       忠    十九番   亀   田       清    二十番   関   谷   暢   之   二十一番   中   島       宏   二十二番   日 向 野   義   幸   二十三番   横   松   盛   人   二十四番   斉   藤   孝   明   二十五番   松   井   正   一   二十六番   山   田   み や こ   二十七番   保   母   欽 一 郎   二十八番   一   木   弘   司   二十九番   相   馬   憲   一    三十番   山   口   恒   夫   三十一番   阿   部   寿   一   三十二番   金   子       裕   三十三番   佐   藤       良   三十四番   山   形   修   治   三十五番   若   林   和   雄   三十六番   五 十 嵐       清   三十七番   岩   崎       信   三十八番   小   林   幹   夫   三十九番   五 月 女   裕 久 彦    四十番   花   塚   隆   志   四十一番   早   川   尚   秀   四十三番   佐   藤       栄   四十四番   神   谷   幸   伸   四十五番   螺   良   昭   人   四十六番   三   森   文   徳   四十七番   石   坂   真   一   四十八番   木   村   好   文    五十番   髙   橋   文   吉   五十一番   平   池   秀   光   五十二番   板   橋   一   好  欠席議員 一 名    十一番   渡   辺   さ ち こ 地方自治法第百二十一条の規定による出席要求によって出席した者                   知事       福   田   富   一                   副知事      鈴   木   誠   一                   副知事      馬   場   竹 次 郎                   総合政策部長   北   村   一   郎                   経営管理部長   井   澤   晃 太 郎                   県民生活部長   平   野   博   章                   環境森林部長   金   田   尊   男                   保健福祉部長   近   藤   真   寿                   産業労働観光部長 荒   川   政   利                   農政部長     南   斎   好   伸                   県土整備部長   印   南   洋   之                   会計管理者会計局長                            國   政   英   夫                   企業局長     淺   香   達   夫                   総合政策部次長総合政策課長                            中   里   文   計                   財政課長     矢   野   哲   也                   教育長      古   澤   利   通                   代表監査委員   石   﨑       均                   人事委員会事務局長                            檜   山   英   二                   労働委員会事務局長                            黒   田   葉   子                   警察本部長    松   岡   亮   介             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十九名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午前十時 開議 ○岩崎信 議長 ただいまから本日の会議を開きます。  日程第一 第一号議案から第十六号議案まで及び第十九号議案から第二十九号議案までを一括して議題とし、質疑を行います。  この際、お諮りいたします。質疑とあわせて県の一般事務に関する質問を行うことにご異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○岩崎信 議長 ご異議がないと認め、そのように決定いたしました。  この際、申し上げます。さきに人事委員会の意見を求めておりました第七号議案については、お手元に配付のとおり、人事委員会委員長から回答がありました。朗読を省略して会議録に記載することにいたします。             ――――――――――――――――――――――――――――― 人委第百五十一号  平成二十七年十一月二十七日                         栃木県人事委員会委員長  田   村   澄   夫  栃木県議会議長  岩 崎   信 様    条例の一部改正案に対する意見について(回答)  平成二十七年十一月二十七日付け栃議第三百二十四号で、地方公務員法第五条第二項の規定に基づき意見照会のありました左記議案については、適当なものと考えます。       記 第七号議案 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理について             ――――――――――――――――――――――――――――― ○岩崎信 議長 発言通告者に対し、発言を許します。早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) とちぎ自民党議員会を代表いたしまして質問を行います。よろしくお願いします。それでは、早速質問に入ります。  初めに、次期プラン策定の基本的な考え方についてお伺いいたします。県においては、先月末、喫緊の課題である人口減少問題の克服と、将来にわたる地域活力の維持を目的としたまち・ひと・しごと創生の実現に向け、五年間の道筋を示すとちぎ創生15(いちご)戦略を策定しました。  また、栃木県重点戦略新とちぎ元気プランの計画期間が今年度で終了することから、平成二十八年度からの五年間の県政の基本指針となる次期プランの策定に取り組んでおります。  これらとちぎ創生15(いちご)戦略と次期プランは、今後の本県発展の方向性を示すものとして、大変重要な意味を持つものと考えております。  このため、議会におきましても、昨年来、検討会を設置し、精力的に調査検討を重ね、知事に提言書を提出いたしました。また、私も懇談会に参画して、意見を申し上げてまいったところでございます。  私は、次期プランの策定に当たっては、新とちぎ元気プランの成果を継承するとともに、課題をしっかりと受けとめながら、これまでの発想や考え方を大胆に転換し、県としての理念や価値観を示し、県民誰もが夢や希望を持って安心して暮らせる未来への明確なビジョンを描くことが必要であると考えております。  また、本県の強みや可能性を最大限に発揮して、戦略性を持って各種の施策を展開していくとともに、本県が直面する課題を克服していくためには、行政と県民との協働、市町との連携も重要であり、適切な役割分担のもと、課題や目標を共有し、栃木の総力を結集し、まさにスクラムを組んでしっかりと前に進んでいかなければなりません。  そこで、先ごろ第二次素案が示されましたとちぎ元気発信プラン(仮称)について、知事はどのような思いで策定に臨んでこられたのか、プラン策定の基本的な考え方をお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの早川尚秀議員のご質問にお答えいたします。我が国は今、急速な少子高齢化の進行、経済のグローバル化の進展、さらには、地方創生への取り組みや東京オリンピックパラリンピックの開催など、時代の大きな変化の中にあります。  こうした時代の潮流とともに、本県の持つ強みあるいは可能性を的確に捉え、また、県議会のご提言、各分野の有識者から成る懇談会のご意見等を踏まえながら、新たな県政の基本指針といたしまして、先ごろ第二次素案として、仮称ではありますが、栃木県重点戦略とちぎ元気発信プランを取りまとめたところでございます。  このプランでは、中長期的な展望のもと、本県の目指すべき将来像を「人も地域も真に輝く 魅力あふれる元気な〝とちぎ"」として掲げ、その実現に向けまして、「次代を拓く人づくり戦略」を第一の柱として、「強みを生かす成長戦略」「暮らし安心健康戦略」「快適実感安全戦略」「誇れる地域づくり戦略」の五つの重点戦略において、十八のプロジェクトを展開することとしております。  また、女性の活躍推進や東日本大震災等を踏まえた防災・減災の推進を新たにプロジェクトに位置づけるとともに、東京オリンピックパラリンピックや本県開催の国体を見据えた取り組みを展開してまいります。  さらに、栃木ブランドの確立に向けまして、「ベリー グッド ローカル とちぎ」をキャッチフレーズとして新たに掲げ、広く国内外に栃木の元気を発信し、全ての分野で選ばれる栃木をつくり上げてまいります。  このプランを通じまして、若い世代の栃木の将来を支える意識や、若者の希望の実現に社会全体で応えるという意識の醸成、さらには、高齢者の社会参加の促進、男女の固定的な役割分担意識の払拭など、地域社会の全ての構成員が、課題認識や価値観を共有しながら、地域をともに支え、次代をつくるために協働していく、そうした人づくり、地域づくりを推進してまいりたいと考えております。  今後、パブリックコメントを実施し、来年二月を目途に策定を進めてまいりますが、県民はもとより、市町、さらには団体、企業等多様な主体との連携を図りながら、さきに策定しましたとちぎ創生15(いちご)戦略とともに、一体的に、かつ果断に実行し、県民誰もが未来に希望を抱き、ふるさとに誇りを持てるとちぎづくりに全力で取り組んでまいります。
    ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) 同時期に次期プラン、総合戦略、人口ビジョンという三つの計画を立てなくてはいけないということで、特に総合政策部の職員を初め、大変なご苦労があったことと思います。  少し前にテレビのドラマで「ナポレオンの村」というドラマがありました。ごらんになった方も多いかと思いますが、あれはドラマの中の話で、多少現実とかけ離れているよという声もあろうかと思いますが、ただ、あのように前例にとらわれずに、他県との横並び意識を排除し、また、前例意識も排除して、果敢に大胆に挑戦していく姿勢は、県民から求められているものと思いますし、また、支持されるものだと思います。仮に成果が出なかったとしても、それも受け入れながら果敢に挑戦していく姿勢が求められていると思いますので、ぜひ、この次期プラン、総合戦略の中におきまして、これらを盛り込んでいただき、栃木県の総合力を高め、発信力を高め、そして、地域が輝く栃木県になっていただきますことをご期待申し上げまして、次の質問に入ってまいります。  次に、平成二十八年度当初予算編成方針及び財政健全化取組方針終了後の財政運営についてお伺いします。来年度の当初予算編成方針については、さきの九月通常会議の最終日に、本会議の場で知事から説明をいただきました。  危機的な財政状況からの脱却に取り組んだとちぎ未来開拓プログラムの考え方を継承し、平成二十五年三月に策定されました財政健全化取組方針も今年度末に終期を迎えます。平成二十八年度の当初予算は、この取組方針に基づく最後の予算編成となります。  県が、これまで未来開拓プログラム及び取組方針に掲げた取り組みを着実に実行し、収支均衡予算の編成を継続するとともに、財政調整的基金の残高を一定程度確保したことは、評価すべきことであると考えております。  しかしながら、医療福祉関係経費等義務的経費総合スポーツゾーンを初めとする大規模建設事業の増加に加え、地方創生に向けた大きな流れ、さらには、昨今の集中豪雨等の自然災害の多発など、県政を取り巻く環境はこれまでと大きく変化してきております。  また、来年度は、県の新しいプランの計画期間がスタートすることから、県政の諸課題により果敢に対応していく姿勢が求められると思っております。  こうした中、県ではどのような考え方で平成二十八年度予算を編成していくのか、また、来年度以降どのような方針で財政運営に取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、これまでとちぎ未来開拓プログラム及び財政健全化取組方針に基づき、財政の健全化に取り組んでまいりましたが、その結果、平成二十五年度以降、当初予算編成において収支均衡予算を継続するとともに、財政調整的基金について、平成二十七年度末で七百七十三億円の残高を確保するなど、一定の成果を上げてきたところであります。  平成二十八年度当初予算は、取組方針に基づく予算編成の総仕上げとなるとともに、とちぎ元気発信プランに掲げる将来像の実現に向けた第一歩を踏み出すための重要な予算となります。  このため、当初予算の編成に当たりましては、財政健全化の取り組みを着実に実行し、収支均衡予算の継続を目指すことを基本としつつ、とちぎ元気発信プランやとちぎ創生15(いちご)戦略に掲げる施策の積極的な推進を図るとともに、平成二十七年九月関東・東北豪雨からの復旧等に的確に取り組むほか、新たな行政課題についても、施策の優先順位を見きわめながら対応してまいる考えであります。  一方、取組方針の期間終了後につきましては、義務的経費の増加に加え、大規模建設事業等の新たな行政需要への対応等により、引き続き財源不足が見込まれますことから、財政健全化に継続的に取り組むことが必要であると考えております。  このため、現在策定中の栃木県行財政改革大綱(第六期)におきまして、「自律的な行財政基盤の確立」を目標の一つに掲げ、平成二十八年度以降も引き続き行政コストの削減や歳入の確保等に取り組むとともに、公共施設等の長寿命化など新たな行政需要に的確に対応していくため、より中期的な視点に立って、財政調整的基金の涵養と活用を図りながら、将来にわたり持続可能な財政運営を目指してまいる考えであります。  こうした取り組みを通じ、とちぎ元気発信プランやとちぎ創生15(いちご)戦略に掲げる施策を積極的に推進していく上での土台となる強固な財政基盤の確立を図ってまいります。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) 私も質問の中に「医療福祉関係経費等義務的経費」という言葉を入れましたが、もはやこの社会保障費すら聖域ではないと思います。自助、共助、公助という順番をしっかりと踏まえながら掘り下げていく必要があると思います。そのほか、収入未済額や不納欠損額の圧縮、職員提案制度やゼロ予算事業のより一層の拡充であるとか、行政改革も必要であると思います。財政健全化行政サービスの維持向上、この二つを追うのは大変難しいことと思いますが、それを追い求めて難題に果敢にチャレンジしていっていただきたいと思っています。次の質問に入ります。  女性の活躍推進についてお伺いいたします。女性が持てる能力を十分発揮し、さまざまな分野で活躍できる社会は、各人の希望やライフスタイルに合わせて生き生きと輝ける環境づくりにもつながるとして、少子高齢化や人口減少が進行する今日において、速やかに取り組むべき喫緊の課題の一つであるとされています。  県では、平成二十六年度に女性活躍推進会議を設置し、多様な活躍の機会の拡大など六項目にわたる提言を受けたところであり、本年四月には、女性活躍に係る施策を総合的に推進するため、関係各課の職員で構成する女性活躍推進プロジェクトチームを設置しました。このプロジェクトチームにおいては、関連事業の企画立案や実施状況の把握、さらには、効果的な事業推進体制や実施手法の検討を行っていると聞いております。  現在策定が進められているとちぎ元気発信プランにおいても、このプロジェクトチームの検討結果を生かしていくことになると思いますが、プロジェクトチーム発足から八カ月が経過し、その検討状況を踏まえ、今後どのように女性の活躍を推進していくのか、県民生活部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 平野博章県民生活部長。    (平野博章県民生活部長登壇) ◎平野博章 県民生活部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、女性活躍推進プロジェクトチームを本年四月に立ち上げ、働く女性の現場に赴き実情を把握いたしますとともに、県内外の取り組みの状況を分析するなど、より実効性のある施策を企画立案するため検討を重ねてまいりました。  それらを踏まえ、とちぎ元気発信プランに輝く女性活躍推進プロジェクトを掲げ、あらゆる場面における女性の活躍と参画の促進や、ワーク・ライフ・バランスの推進に重点を置いて取り組むことといたしました。  来年度から、これらの取り組みを効果的に実施するため、各種事業にさまざまなアイデアを盛り込むなど、現在、予算化に向け、詰めの作業を行っているところでございます。今後とも、プロジェクトチームを十分に活用し、女性の活躍推進に全力で取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) ここで言っている「女性活躍」とか「輝く」ということについて、一つ確認していきたいというか、主張していきたいことがあります。「輝く」とか「活躍」という言葉がよく使われておりますが、例えば県がつくっているTOCHIGIで輝く「働くウーマン」プロジェクト、「女性の力を企業の力に」という事業報告書があります。これは、サブタイトルにもありますように、女性の力を企業の力にということなので、外で働く女性を対象にしているのだとは思いますが、この中では、「男は仕事、女は家庭」という固定的性別役割分担意識を払拭するとか、そうすることによって可能性が広がるということを断言しているわけです。これは、外で働くことだけをよしとするというような、偏ったメッセージになるのではないかと私は危惧をしております。  行き過ぎたジェンダーフリーということが問題になっております。昨年度の常任委員会でも、そのような意見が出たかと私は記憶しております。こういうのを見ておりますと、外で働いている女性が輝いていて、働いていない人は、そうではないというようなことになりかねません。例えばですが、地域で活躍している、家庭で活躍しているということだって、これも活躍なわけなのです。家庭で一生懸命子育てに励んでいる、親の介護に励んでいる女性だって、立派なことだし、輝いているのだということを、県としてしっかりと認めて、高く評価して、それを支援していく姿勢が必要だと思っています。ややもすると、外で働くことだけを美徳とするような風潮になってしまっては、私は、公正・公平ではないと感じております。  栃木県が、もしこれから人口減少を考えるのであれば、今、私が申し上げたような子供を産み育てることはすばらしいことだ、立派なことだと、また、親の介護も大事なことだということを栃木県は認めて、それを評価して、支援する県なのだということを、外に向けて発信していくべきだと思いますが、県民生活部長のご見解をお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 平野博章県民生活部長。 ◎平野博章 県民生活部長 ただいまの再質問にお答えいたします。女性の活躍推進ということでございますが、議員がご指摘のとおり、家庭、地域、職場、あらゆるところで全ての女性がみずからの能力を発揮して、希望に応じて生きがいを持って暮らすことができるということ、まさにこれが女性の活躍ということでございまして、それはとりもなおさず、男女共同参画社会の実現を目指すものだと思っております。  実際、地域におきまして、自治会、子供会、PTAといったところでは、女性が非常に大きな役割を担っていただいているということもございます。しかし、一方で、子育て、介護の多くの部分を、まだ女性が担っていただいているという現状もあるわけでございまして、そういう中で、女性が孤立することなく、安心して暮らしていけるように、男性も介護、子育てに参画していくことが必要なのではないかと思っているところでございます。  さて、女性が子育て、介護、家事、そういったことを生かして社会に出ていきたい、あるいは地域で活躍したいという希望がある場合に、それを私どもは支援していかなければいけないと思います。そういういろいろな取り組みを学ぶ機会、情報提供といったことを支援していくことが大切だと思っています。  私どもといたしましては、今後とも、働く場だけではなく、いろいろな場で子育てがしやすい、安心してみんなが暮らせる社会をつくっていくために、家庭、地域においても女性が活躍できる施策に取り組んでいきたいと思っております。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) ありがとうございました。県民生活部長の答弁を聞いて安心しました。決して外で働くことを否定しているわけではありません。それは大事なことで、輝いていることだと思いますが、それだけではないということを、今、県民生活部長の答弁にあったようなことも、しっかりと県内外に発信していただきたいと思いますし、女性の活躍推進をするには、やはり予算も財源も必要でありますので、そういったことにつきましても全庁的に協議して、庁内連携体制をとって、財源の確保にも工夫していただきたいと思っております。要望させていただきまして、次の質問に入ってまいります。  次に、環境エネルギー産業の振興についてお伺いいたします。我が国は、かつての高度成長期において、大量生産・大量消費・大量廃棄を基調とする社会経済活動に伴う廃棄物の排出量の増加などの環境問題が生じてきましたが、これらの課題克服を通し、日本のリサイクル技術は世界のトップレベルまで引き上げられ、現在では、産業としても確固たる地位を築くまでになっております。  また、東日本大震災及び福島第一原発事故により、エネルギー問題に焦点が当たり、民間事業者による再生可能エネルギーや分散型エネルギーの導入が進み、さらに、電力自由化の潮流の中、新たな民間発電事業者の参入の意欲も高まっているところであります。  環境省の調査によれば、このような環境エネルギー産業の市場規模、雇用規模は右肩上がりであり、この好機を逃さず、これらの産業の立地に積極的に取り組む必要があると考えております。  県は、これまでものづくり産業を多数集積してきました。それは、本県の強みと言えますが、他方で、世界的な競争の激化や国内外の経済状況に大きく影響を受ける傾向にあります。新たな成長分野である環境エネルギー産業は、景気の影響を受けにくい内需型の産業であることから、これらの立地促進を図っていくことで、本県経済は安定的で厚みのあるものになり、さらには、持続的な発展にもつながることになっていくものと考えております。  このように、環境エネルギー産業の振興により、バランスのとれた産業構造を確立し、それとともに新たな雇用を生み出して人口減少も克服するなど、本県の経済を活性化していくべきであると考えておりますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、環境森林部長の見解をお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 金田尊男環境森林部長。    (金田尊男環境森林部長登壇) ◎金田尊男 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。再生可能エネルギーによる発電や省エネ、廃棄物のリサイクルなどの環境エネルギー産業の立地促進と育成を図ることは、環境負荷の低減のみならず、雇用の創出による地域経済の活性化の観点からも重要であります。  県内では、既にペットボトルや家電製品のリサイクル施設等が立地しているほか、電力自由化なども追い風に、太陽光やバイオマス等による発電や国内初の内陸型火力発電所の計画が進むなど、投資が活発化しております。  また、環境エネルギー産業は、都市部のみならず、農山村地域への立地も期待できることから、中山間地域の活性化にも大きく寄与するものと考えております。  このため、市や町と連携・協力しながら、県民理解の促進や立地環境の整備、優良な事業者の育成など、環境エネルギー産業の振興に積極的に取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) 環境森林部長の答弁の中に、農山村地域や中山間地域の活性化にも寄与するという答弁がありました。私もそのように思います。林業の分野では、間伐から皆伐へとシフトされており、木材の有効活用が必要となってまいります。既存の産業団地が県北地域にはまだありますので、そういったところへの誘致を積極的に進めながら、木質バイオマス発電等の分散型電源の立地につきまして、企業局や他の部局とも連携しながら、ぜひ積極的な対応をしていただきたいと思っております。  また、同時に、県外からの誘致だけではなくて、県内に立地している既存のエネルギー産業の方々の新分野への進出であるとか開拓につきましても、積極的な育成、支援につきまして努力していただきますことも申し添えておきます。よろしくお願いします。  次に、歯と口腔の健康づくりに向けた取り組みについてお伺いします。歯と口腔の健康づくりは、話す、食べるといった口腔の働きを健全に保つことを通して、全身の健康の保持増進や生活の質の維持向上をもたらします。  本県では、議員提案により、栃木県民の歯及び口腔の健康づくり推進条例を平成二十二年十二月二十一日に制定し、この条例に基づき、さまざまな歯科保健対策が取り組まれておりますが、歯科疾患の予防に着実な成果を上げている市町がある一方で、歯科健康教育や歯科健診等の実施においては、市町により大きな差が生じているなどの課題もあると聞いております。  このような中、平成二十七年度の歯及び口腔の健康づくりに関する報告書によりますと、本県の幼児、小学生、中学生、高校生における虫歯のない者の割合は増加傾向にあり、特に三歳児の割合については、歯科保健基本計画で定めている目標値の八〇%に達するなど、取り組みの成果が徐々にではありますが、あらわれているものと考えております。  しかしながら、統計上、全国値と比較できる幼児から高校生までの虫歯のない者の割合は、依然として、全国平均と比べて低く、高校生では全国が四六・九%であるのに対し、本県は四〇・七%という状況であり、この状況は成人後も同様に継続しているものと推測されます。  そこで、歯科保健対策の一層の充実を図るため、今後県はどのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 近藤真寿保健福祉部長。    (近藤真寿保健福祉部長登壇) ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。健康長寿とちぎづくりを推進していくためには、良質かつ適切な歯科保健医療サービスが受けられる環境を整備し、県民一人一人が生涯にわたり歯と口腔の健康づくりに取り組んでいくことが重要であります。  県では、これまで市町や県歯科医師会等と連携しながら、乳幼児、児童生徒の虫歯予防や成人期の歯周病対策、障害者や要介護者への歯科医療提供体制の整備、さらには、歯科医療従事者の資質向上などに取り組んでまいりましたが、今後は、これらの取り組みをより一層充実していく必要があると考えております。  このため、来年度は、新たに口腔保健支援センターを庁内に設置し、県民に対する歯科口腔保健に関する知識の普及啓発や市町等への情報提供、研修の充実等を図りますとともに、引き続き保育所や幼稚園、小学校における歯磨き指導など、子供の虫歯予防対策に重点的に取り組む考えであります。今後とも、関係機関等との緊密な連携のもと、効果的な歯科保健対策を積極的に推進してまいります。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) ただいま保健福祉部長から、新年度より口腔保健支援センターを設置するという答弁がございました。市町村によってばらつきがあるということを私のほうから申し上げましたが、これからも県歯科医師会からの意見、要望等をもとにして協議、連携しながら、センター開設とあわせて、より踏み込んだ施策を期待しているところです。例えば虫歯のない者の割合が低い市町を重点的にフッ化物洗口実施の支援なども考えていけると思いますので、こういった一歩踏み込んだ新たな事業展開を期待し、より一層、歯科保健対策を進めていただきますことを要望しておきます。次の質問に入ります。  次期産業プランの策定及びインバウンドの取り組みについてお伺いします。現在、今後五年間の本県産業の目指すべき将来像やその実現に向けた産業振興施策の方向及び具体的な取り組みを示した、本県の産業振興施策の基本指針となる次期産業プランの策定が大詰めを迎えています。  素案では、五つの重点プロジェクトと二つの基盤施策が示されました。まず、現行の新とちぎ産業プランの評価、検証を行い、その総括を踏まえた上で、次期産業プランにおいて特に注力していくこと、こだわっていくことは何か、産業労働観光部長にお伺いします。  さらに、重点プロジェクトの一つに挙げられております観光立県とちぎプロジェクトのうち、特に海外誘客についてお伺いいたします。去る十一月七日、海外行政調査といたしまして、小林幹夫議員を団長に若林和雄議員、加藤正一議員、相馬政二議員とともに、タイのバンコクにおける「ビジット・ジャパンFITトラベル・フェア二〇一五ウインター」(個人旅行者を対象にした訪日旅行フェア)を調査してまいりました。  このイベントは、平成二十七年度のビジット・ジャパン事業の一環として、日本政府観光局(JNTO)が主催し、日本からは自治体、観光関連事業者の計三十四団体が出展、また、タイからは旅行会社など三十二団体が出展し、日本の旅行事業者とともに旅行商品の販売などを行っておりました。私たちが調査した日も大変なにぎわいでありまして、フェア三日間の来場者数は、昨年の三万八千人を大幅に上回る四万六千人強だったとのことで、関心の高さがうかがえます。  しかしながら、東南アジアにおける栃木県のアピールの状況には、正直言ってインバウンド先進県に比較すると、まだまだ取り組みの工夫があると感じました。  本県は、今回が初めての出展ということでしたが、今までの東アジア中心の取り組みから、新たな誘客の期待が大きい東南アジアの国々を軸に、今後インバウンドにどのような姿勢で取り組んでいかれるのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 荒川政利産業労働観光部長。    (荒川政利産業労働観光部長登壇) ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。次期産業プランにつきましては、現行プランの企業立地等の成果や観光入込数等の課題を総括しながら、人口減少・少子高齢化の進行やグローバル化の進展などの社会経済状況の変化に対応するため、栃木県中小企業振興審議会の意見を踏まえて、現在、策定を進めているところであります。  特に、人口減少に伴う内需の縮小が懸念される中、成長市場を獲得するため、本県の強みを生かした航空機や次世代自動車等の先端ものづくり産業と、ヘルスケア等の新たな成長産業を振興するとともに、産業政策の基盤として、中小企業・小規模企業の活性化と産業人材の確保・育成を位置づけ、戦略的な事業展開を図ってまいる考えであります。  また、インバウンド・海外誘客につきましては、次期産業プランの主要な施策に位置づける考えでありますが、先月、タイで開催された訪日旅行フェアにおいて、近年増加している個人旅行者向けに、同国で関心の高い「花」をテーマとして、本県観光地のすばらしさをPRしたところであります。  今後とも、訪日外国人観光客が増加し続けている東アジアや東南アジアなどの有望市場を対象にして、国・地域ごとの嗜好を踏まえた効果的なプロモーションを実施するなど、各種施策を積極的に推進してまいります。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) 産業プランの中での企業立地等につきましても再質問したいところがありますが、時間の関係もありますので、インバウンドのことにつきまして、今回、訪日旅行フェアに参加いたしまして感じたことも含めて、少し詳しく聞いていきたいと思います。他県のブース等々を回ってまいりました。例えばゆるキャラが好きということからか、長野県などは観光マスコット「アルクマ」の着ぐるみを持ち込んでいました。そのほかにも、「かわいい」とか「おいしい」とか「わびさび」といった外国人にもなじみのある日本語のローマ字表記も目立ったところであります。  一方で、栃木県のブース、四県合同ということもありまして、若干地味な印象を受けたことはやむを得ないのかなと思っていますが、それが率直な感想であります。その他、ノベルティーグッズとして配布していたのは、「とちまるくん」のクリアファイル、これも数に限りがあった。また、配っている資料につきましても、一部は白黒コピーのものもあったように記憶しております。予算上の制約かもしれませんが、これでは若干インパクトに欠けるかなというのが正直な感想であります。  この事業につきましては、県から民間のプロモーション会社に委託したわけでありますが、事前の協議、打ち合わせがどの程度行われたのか、あるいはフェア終了後、どのような報告を受けて、どのような検証を行ったのか、事前の協議と事後評価につきまして、産業労働観光部長のお考えをお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 荒川政利産業労働観光部長。 ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまの再質問にお答えいたします。今回の訪日旅行フェアの出展に関しましては、ブースの運営補助の関係で委託した事業者と、足利の大藤をあしらったブースのデザインとかパンフレットの構成について、事前調整を行ったところでございます。  反省点、改善点につきましては、このブース内で行ったアンケートの結果、それから、旅行商品の販売状況を分析しながら、今後、海外でのプロモーションに生かしていきたいと思っております。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) もう少し詳しくお伺いしていきます。今、産業労働観光部長から、足利の大藤の話もありましたし、最初の答弁でも花ということがありましたが、タイ人は色にこだわりを持つ、王妃の色である紫色を好むということを聞きました。ですから、そういったことをリサーチされていたのか、あしかがフラワーパークの紫の大藤のポスターは、大変効果があったと思いますし、実際に問い合わせも多かった。そのほか、パンフレットに掲載してあった雪に対する関心が強く、湯西川のかまくら祭なども関心が高かったと聞いております。  また、これは東南アジアの国々に共通しますが、リンゴや桃、ブドウやイチゴといった甘いフルーツが好き。そういったことからして、日本酒への関心も高い。温泉は余り売りにはならないとか、それぞれの国、また東南アジアに共通した嗜好が明確になってくるわけであります。  そして、本県には、これらのニーズに応え得るさまざまなコンテンツ、要素をたくさん持っていると私は思っております。あしかがフラワーパーク、茂木のツインリンク、益子焼、那須高原、日光、また、観光農園、日本酒等、いろいろな要素を栃木県は豊富に持っているわけであります。  しかしながら、栃木県に関する情報が余りにも少ないというような指摘を、宇都宮でも、タイでも、JTBの方からいただきました。発信力が不足しているということなのかもしれません。例えばこれはベトナムで聞いたことなのですが、他の自治体の中には、担当者が一人でセールスに来て、その県の観光とか魅力を売り込んでいく。場合によっては、通訳をつけて、地元の旅行会社も回っているというようなこともありました。  ですから、栃木県もインバウンドに本気で取り組む考えがあるのなら、このような本気を見せる姿勢が必要なのではないかと思っておりますし、このような営業活動は継続して行うべきだと私は思っております。  また、最近は、インターネットが普及しまして、タイでもネット上の情報からということが多いそうです。タイ人が求めている情報は何かということをしっかりとリサーチして把握する。同時に、それに見合う情報もこちらから拡散させるという双方向の取り組みにつきましても、努力していく必要があると思います。これらの取り組みにつきまして、県がより一層力を入れていくべきだと思っておりますが、産業労働観光部長の見解をお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 荒川政利産業労働観光部長。 ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまの再質問にお答えいたします。今年度、外国人観光客の嗜好というか、好みを国・地域別に明らかにする事業を実施しているところでございます。例えばですが、タイで言えば、議員ご指摘のとおり、花、紅葉といったものの観賞に非常に関心が高いことがわかっておりますし、台湾ではフルーツ狩りが非常に喜ばれている。また、欧米では二社一寺といった歴史的・文化的なものに、非常に関心が高いことが確認されたところでございます。
     今後は、この調査結果をもとにいたしまして、ICTの活用等によりまして、世界遺産の二社一寺、あるいは世界的にも有名な足利の大藤、そういったものを国・地域ごとに、魅力的な観光資源を前面に打ち出した情報発信の仕方を工夫しながら、戦略的な誘客に取り組んでいきたいと思います。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) ここからは意見や要望になるわけでありますが、枠組みにつきましても、今回は、仙台空港を活用して、宮城県、山形県、福島県との四県合同だったということで、こういった他県と連携することのメリットもあったと思いますが、一方で、横浜市、函館市、札幌市、新潟県、千葉県、長野県、大阪府、香川県といった自治体と同じように、単独での出展もメリットがあろうかと思います。これらの枠組みにつきましても、今後、相手先や目的に応じて柔軟に対応し、取り組んでいただきたいと思っております。  また、ご存じのとおり、ゴールデンルートと呼ばれている東京・大阪・京都に人気がある。そのほか、北海道あるいは岐阜県の白川郷や富山県の立山黒部アルペンルートに人気があるということなのですが、これらにつきましては、ほかのエリアにはない独自の強み、別な方が言うには、キラーコンテンツという呼び方をしていましたが、キラーコンテンツを持っていると。栃木県のキラーコンテンツは何なのかということを、しっかりと磨き上げていかなくてはいけないと思っているところでございます。  そして、東京に拠点を置いて関東近郊を観光したいという方もいらっしゃいます。今現在では、箱根・富士山が一番人気でありますが、それに続く候補としては、栃木県が有力になってくるはずでありますので、こういったところもターゲットとして絞り込んでいただきたいと思っております。  また、県内におきましても、インバウンドに対しまして取り組みの温度差があると思います。例えば目の前にある東京圏三千五百万人の市場をターゲットにしていればいいと考えている地域もあろうかと思いますし、インバウンドに取り組みたいという地域もあろうかと思います。この意欲的なところに対して県は積極的に取り組んで支援していただきたいということも申し上げておきます。  さらに、自動車関連産業など日系企業が多く進出しておるベトナムとかタイでは、企業によるインセンティブ旅行が多くあるそうです。恐らくホンダや日産、ツインリンクもてぎなどには、多くのインセンティブ旅行が来ているはずであるというご指摘をいただきました。これらに対してもしっかりと働きかけて、情報を入手しながら、また、こちらからも観光ルート等を提案するといった協力、連携体制があってもいいと感じております。いずれにしましても、先ほど申し上げましたようなキラーコンテンツを県としてもまとめ上げて、積極的な売り込みをぜひよろしくお願いします。  続きまして、攻めの農政の展開について、二点ほどお伺いします。初めに、園芸の振興についてお伺いします。県は、これまで首都圏農業、農業の成長産業化など、その時々で明確なキャッチフレーズをつけて農業の振興に取り組んでまいりました。その結果、現在では農業産出額が二千六百億円を超え、全国九位に位置するまでに発展してきたことは、高く評価されることだと思います。  最近の農業を取り巻く情勢としますと、グローバル化の進展や人口減少による国内マーケットの縮小といった大きな変革期を迎えており、特にTPPについては、十月に大筋合意となり、農業分野に影響が及ぶことが懸念されていますが、国においては、先月二十五日に、TPPの活用促進による新たな市場開拓や国民の不安の払拭のための対策等を盛り込んだ総合的なTPP関連政策大綱が決定されました。  このような中、県では、現在、今後の十年間を展望する農業振興計画の策定に取り組んでおります。どのような将来像を描き、目指していくのか、大事な局面を迎えていますが、私はこういうときだからこそ、ぜひ攻めの農政を展開してほしいと考えております。特に本県の持つ地理的優位性や技術力などの強みを最大限に生かし、これまで以上に収益性の高い園芸作物の振興を図っていくことが重要であると思います。  そこで、県は、攻めの農政の展開を図るため、園芸作物の振興、拡大にどのように取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。    (南斎好伸農政部長登壇) ◎南斎好伸 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。国際化の進展や国内の産地間競争が激化する中、本県農業をリードする園芸生産のさらなる拡大を図るためには、これまで以上に戦略的な取り組みを進めていくことが必要と考えております。  そこで、現在策定中の次期農業振興計画におきましては、主力品目であるイチゴやトマトの周年供給力の向上等生産基盤の強化を初め、産地を牽引するICTを活用した次世代型施設園芸モデルや、出荷額一億円を超えるようなトップレベルの経営者の育成等に取り組んでまいりたいと考えております。  また、新たな主力品目としてニラや梨、さらには、地域の特色を生かした園芸作物の生産拡大を進めるとともに、今後、需要の増加が見込まれます加工・業務用に対応した露地野菜等の新たな産地づくりにも力を入れてまいります。  これらを通じまして、現在の園芸産出額全国第十四位からトップテン入りを目指しまして、関係機関・団体と一丸となり、稼げる農業の実現に取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) ただいま最後に「稼げる農業」という言葉がありましたが、大変重要なことだと考えております。「スカイベリー」、「なすひかり」、和牛といったリーディングブランドに続くものとして、梨、ニラ、アスパラガスをオール栃木で振興させていく取り組み、さらには、地域の特産物のような各地域に根差した特色のあるものについても支援していく取り組みを、今年度からスタートしているわけでありまして、これは農業版の地方創生とも言えるような大変重要な取り組みであると私は理解しております。  新規に取り組もうという動きもあります。例えば足利市の話で恐縮ですが、川崎町ではもともと大根やニンジンといった根菜類の優良な土地でありましたが、そこで農協がサツマイモの生産に取り組んでおります。また、連作障害が少ないなど、サツマイモにはさまざまなメリットがある。例えば需要に合った幾つかの品種があったり、ニーズに応じて形を変えられるということもある。食物繊維が豊富ということから、健康志向にも応えられる。  また、水はけのよい土地ということで、養蚕が盛んだった地域、桑畑の跡などは最適だということであります。北関東自動車道の佐野田沼インターチェンジのすぐ近くに、四国の和菓子の会社が立地して、地元とサツマイモの契約栽培を結んだというようなことも聞いております。例えばの話ですが、このような六次産業化という観点からも、大変可能性があると思っております。  そこで、これからは生産から販売までをセットで考えて取り組んでいく必要があると思いますし、こういった地域に根差した農産品の振興について、もっともっと取り組んでいく必要があると思いますが、農政部長の見解をお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。 ◎南斎好伸 農政部長 ただいまの再質問にお答えいたします。まず、園芸生産の拡大につきましては、イチゴ、トマトが主力でございますが、そういった県全域で振興する品目だけではなくて、議員がおっしゃいましたように地域の特色を生かした園芸作物の導入も有効だと考えてございます。  今年度から、そういった地域の特色を生かした園芸作物に支援をしているところでございます。例えば夏場の冷涼な気候を利用した高冷地のホウレンソウとか加工業務用のタマネギ、そういうものの取り組みに支援しているところでございますが、今後は議員おっしゃったサツマイモ等も念頭に置きながら、地域の主体的な取り組みを支援していきたいと考えてございます。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) 前向きな答弁いただきまして、ありがとうございました。また、中山間地域における農業生産の一つとして、特に最近需要の高い有機栽培(オーガニック)あるいは無農薬、減農薬といったことも可能性があるのではないかと思います。中山間地域の振興や獣害対策、耕作放棄地対策も兼ねて、オーガニック野菜、無農薬野菜等につきましても、ぜひモデル地域を選定するなど積極的な支援を、もちろん周りに獣害対策の防護ネット等も必要になってまいりますし、土壌改良も必要になってまいりますので、技術的な面あるいは予算的な面でも支援していただきますことを要望しておきます。  次に、農産物輸出の促進についてお伺いします。さきに述べたTPP大筋合意などグローバル化の進展のような背景からすると、国内はもちろんのこと、海外にもより積極的に販路の開拓、拡大を図っていくことも重要であると考えております。  私は、十一月初旬に海外行政調査としてマレーシアも訪問してまいりましたが、マレーシアは、本県産農産物に対して輸入規制をかけていないことや、今後の経済成長が見込まれることからも、マーケットとして有望視されております。現地では、マレーシアを代表する青果物輸入業者を訪問し、梨の「にっこり」や「スカイベリー」を初めとする本県が誇る農産物の取扱高をふやしていただけるよう、強く要請をしてまいりました。  また、県は、現在、北関東三県が合同で船便での試験輸送を行うとともに、マレーシアの有力バイヤーを本県の生産現場に案内し、本県の実力、魅力をPRするなど、次々と積極的な施策を打ち出しております。  そこで、農業のグローバル化が進む中で、マレーシアを初めとした海外の有望な市場への農産物輸出について、今後の展望をどのように考えているのか、農政部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。    (南斎好伸農政部長登壇) ◎南斎好伸 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県産農産物の輸出につきましては、これまでのさまざまな課題を踏まえまして、まずは輸送コスト低減のための船便による試験輸送に取り組んだところでございます。  さらに、十一月には、マレーシアに向けて、貯蔵性のよい「にっこり」一千二百ケースの輸出を開始したところでございます。昨日には、農業団体のトップによる「にっこり」のセールスが、クアラルンプールのショッピングモールにおいて行われ、現地の方々に好評で、追加オーダーもいただいたとの報告を受けたところでございます。  今年度、マレーシアへの輸出が進んでいる要因といたしましては、現地バイヤーとの信頼関係が構築できたことであり、先月の本県へのバイヤーの招聘、また、県議会議員海外行政調査団の議員の方の取り扱いの拡大要請等の効果が大きいと考えているところでございます。  今後は、中華圏最大の需要期である二月の春節に合わせた「にっこり」のさらなる輸出拡大に向けまして、高級果実専門店等でのプロモーションを展開するとともに、インドネシアの高級リゾートホテル等での「スカイベリー」の需要を調査するなど、本県農産物のさらなる輸出拡大に全力で取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) ただいま農政部長の答弁の中で、現地の輸入業者との間に信頼関係が構築できたという答弁がありました。私たちも訪問して、輸入業者の日本の農産物に対する信頼や期待を大変強く感じました。このような人的ネットワークというか、コネクションといったものは決して手放すことなく、より深くしていっていただきたいと思っております。マレーシア人が嗜好する甘いものに限らず、常にコンタクトをとって、どのようなニーズがあるのかを絶えず把握していく、情報収集する努力を引き続きしていただきたいと思っております。  そして、現地訪問した際の意見交換の中で、先ほど私が申し上げたサツマイモの可能性が指摘をされました。今後、可能性のある作物は何ですかと質問したところ、シュガーポテトということです。現在は、ベトナム産のシュガーポテトが、「ジャパニーズ」という名前をつけられて売られているとのことでありまして、もちろん値は安いわけなのですが、これらにつきましても、必ず栃木県でも可能性があると思っています。  当然ながら、茨城県への配慮とか、県が直接つくっていないからということもあろうかと思いますが、私はこういった話が出たら、その場で、同行している職員が、わかりました、栃木県はつくります、来年いついつには納めますぐらいの商売っ気というか、そういうものがあってもいいのになと感じたところであります。ですから、派遣する職員の方には、そのくらいの権限を持たせることも今後の検討課題かと思っております。  そこで、例えば、県内の各農協から職員を集めて派遣するような場を県でセッティングして、その場で、こういった作物をつくれるのはどこかありませんかという問いかけに対し、自分のところはこれがつくれますと即答していくといった直接の商談会みたいな場を設けていくことも、輸出拡大の一つの策かと、スピード化ができると思っておりますが、農政部長の見解をお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。 ◎南斎好伸 農政部長 ただいまの再質問にお答えいたします。県は、残念ながら物を持っていないということがございまして、議員がおっしゃったように、農協、物を持っている生産者団体、そういった団体等に速やかに情報をつなぐのが、県のこれまでの取り組みでございます。  今後とも、商談会、それと先日来ていただいた海外バイヤーの招聘等、産地をつぶさに見てもらうということ、またそこの場で意見交換をしてもらう、そういう場づくり等に支援して、輸出拡大に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) バイヤーの招聘も先方に出向いての商談会も大変意義深いものだと思いますので、ぜひ新年度での積極的な取り組みを要望して、次の質問に入ります。  県民生活を支える社会資本の災害対応力の強化についてお伺いします。近年、我が国では、局地的な集中豪雨や大型台風などが数多く発生し、本県でも九月の関東・東北豪雨など、かつて経験したことのない異常気象が頻発し、まさに災害がいつどこで起きても全く不思議ではない状況にあります。  今年度、国で閣議決定された国土形成計画や社会資本整備重点計画また、現在策定中のとちぎ元気発信プランにおいて、災害への対応強化を位置づけるなど、安全・安心の基盤づくりに対する社会的要請が高まる中、九月の関東・東北豪雨での被災箇所の早期復旧や機能強化を図ることはもとより、その他の道路、河川等についても、災害対応力の一層の強化を図ることが必要であると考えております。  そこで、こうした状況を踏まえ、今回計上されました災害関係予算により、どのように被災箇所の復旧や機能強化を図っていくのか、また、被災箇所以外の道路、河川等も含め、今後どのような点に重きを置いて防災・減災対策を進めていこうと考えているのか、県土整備部長にお伺いします。 ○岩崎信 議長 印南洋之県土整備部長。    (印南洋之県土整備部長登壇) ◎印南洋之 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。さきの九月議会におきまして議決をいただきました災害復旧費に加えまして、今回の補正予算では、原形復旧にとどまらず、河川等の機能強化を図るため、河床の洗掘防止対策や復旧と一体となった改良等に要する事業費を計上したところでございます。  これらの災害復旧及び改良復旧事業につきましては、災害査定後、速やかな発注と事業推進に取り組み、一日も早く完了させることで、再度災害の発生防止に努めてまいります。  また、今後の防災・減災対策につきましては、溢水等により浸水被害が発生した箇所周辺での河川改修、老人福祉施設や保育所等の周辺での土砂災害対策、あるいは避難所周辺道路の落石対策など、人命や社会経済に甚大な被害をもたらすものと懸念される箇所を重点的に、国の交付金事業はもとより、必要に応じて緊急防災・減災対策事業を効果的に組み合わせながら事業を推進し、なお一層の災害に強い県土づくりに全力で取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) 県土整備部長から大変力強い答弁がございました。次期プランの第二次素案におきましても、災害に強いとちぎの基盤づくりが主要プロジェクトとして位置づけられているところでありますし、災害に強いということは、本県の強みであることには変わりないことだと思います。財政事情が厳しい中にあっても、避けては通れないことでありますし、防災対策に限らず、社会資本整備そのものが、人口減少だからといって切り捨てることができない分野であると私は認識しているところであります。  私は、九月議会の予算特別委員会でも触れましたが、社会資本整備に係る予算は、今現在、ピークの四割弱ということで、河川は二割程度、砂防は三割程度と大幅に縮小されています。防災・減災を進めろと言われても、この予算の中で、しかも県土整備部の中だけで、河川を削って砂防に回せ、砂防を削ってこっちへ回せと言われても、そもそもの分母が少ないわけですから、社会資本整備、防災対策が進むのも難しいこととなってしまうことを懸念しております。  これは、県全体の全庁的な問題、課題であると思います。防災対策、減災対策、社会資本整備全体の整備促進は、県民の願いでもあり、本県の強みとして今後も必要でありますので、ぜひ全庁的な見地から積極的に取り組んでいただきますことを強く要望し、次の質問に移ります。  最後の質問、本県教育の目指す姿についてお伺いします。日本では古くから、教育は「国家百年の大計」と言われ、その重要性を認めながら、戦後の復興をなし遂げてまいりました。先進国でも、教育は国家の根幹を支える最重要課題であり、教育予算は未来への先行投資であると捉えています。次代を担う子供たちが、健全にたくましく成長していってほしいという願いは、いつの時代も普遍的なものであり、私たち大人は、そのための環境を整えていく責務があります。  近年、改めて教育の重要性が指摘される中、本県においても、二〇一四年の県民意向調査では、「重要だと思う分野」との問いに対し、「生きる力を育む(確かな学力の育成)」が第四位になっていることからしても、当然ながら、教育には以前にも増して力を入れていくべきだと考えております。  現在策定が進められておりますとちぎ元気発信プランの中でも、重点戦略の一に「次代を拓く人づくり戦略」が挙げられていますが、今年度スタートいたしました総合教育会議によって、知事と教育委員会が十分な意思疎通を図りながら、地域の教育の課題やあるべき姿を共有して、より一層民意を反映した教育行政が図られるものと期待しているところであります。  私は、本県教育の推進を考えるときに、国の示した指針に従い、その範囲だけで教育行政を行っていくのではなくて、県としての教育目標を明確に示すことや、県独自の教育施策を打ち出していくこと、県の描く教育目標などを現場に的確に伝えていくことが強く求められていると感じております。  そこで、本県における教育の目指す姿はどのようなものなのか、そして、総合教育会議にどのような考えを持って臨んでいくのか、知事にお伺いいしたいと思います。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。少子高齢化グローバル化、情報化の進展など、社会環境が大きく変化する中で、県には人口減少問題の克服など、新たな課題への対応が求められています。  私は、このような状況下で、誇れるふるさと栃木をつくり、次の世代に確実に引き継いでいくためには、地域を支え、新しい時代を切り開く人材を育成することが必要であると考えております。そして、そのためには、ふるさとへの愛着や誇りを醸成すること、子供たちの知・徳・体などの調和のとれた発達を促すこと、さらには、地域の中で豊かな人間関係の構築ができるよう支援すること等の取り組みが重要であると考えております。  そこで、今年度新たに設置した県総合教育会議におきまして、このような私の考えを教育委員会に明確に伝えながら、本県教育の目指すべき姿や施策の方向性等について協議を進めているところであり、今年度末に策定を予定しております教育に関する大綱におきまして、私の教育に対する思いを十分に反映させてまいりたいと考えております。  栃木の子供たちが夢を抱き、その夢を志へと高め、実現できるよう、引き続き教育委員会とより一層の連携を図りながら、大綱に今後盛り込む施策を推進し、未来をつくる「とちぎ人」の育成に取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) これ以降は、教育長に少し掘り下げて質問したいと思います。教育長がお考えになっている本県の教育の特徴、長所、誇る点などありましたら、まず、お聞かせいただきたいと思います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答えいたします。本県の教育の特徴、次期プランで特に重視しているところにつきましては、子供たちに社会とのかかわりの中で自分の生き方を考えさせる、それから、地域とのかかわりの中で積極的に社会に参画する力を育成する、このようなことを重視しております。そして、先行してはおりますが、例えば自分未来学であるとか、全国に先駆ける施策も展開しながら、今後、栃木の教育を積極的に推進していきたいと考えております。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) 教育委員会の予算額の推移を見ましても、人件費、事業費、ともに横ばいあるいは減小傾向にあります。少子化の中だから仕方がないと見る向きもあるかもしれませんが、私はそれではいけないと思っております。  例えば具体的な事業、先ほど私は県独自の教育施策ということを申し上げましたが、学力向上策にしても、また、高校の教育活性化プラン、県立高校未来創造推進事業等につきましても、今後、もっともっと力を入れていくべき項目だと思っております。これらにつきまして教育長はどのように考えておりますでしょうか、お伺いします。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答えいたします。今、ご指摘がありましたように、本県の教育はいろいろな課題を抱えております。そういった中で、学力の向上でありますとか、あるいは県立学校の施設整備でありますとか、本当に大きな課題を抱えているところでありますが、こういった問題に対してしっかり取り組んで、予算も獲得しながら頑張ってまいりたいと考えております。 ○岩崎信 議長 早川尚秀議員。    (四十一番 早川尚秀議員登壇) ◆四十一番(早川尚秀議員) 学力テストにつきましても、長年取り組んできてもなかなか成果が上がらない。もちろんこれは学校だけの問題ではなくて、本人、家庭の問題もあるかと思います。そういったところに対しても、栃木県教育委員会として、明確な強いメッセージが必要であると思います。全国平均を下回っていても、一喜一憂しないとか、問題数で言えば、その差は〇・二一問程度だからというような甘い考えではなくて、差は差でありますので、それをしっかりと認めて向上していく取り組みが必要であります。  県立高校の特色化にしましても、例えば小規模校が出てきた場合に、国の施策をという話がありましたが、小規模校になったら統廃合して適正規模にするということではなくて、特色化を進めることによって、小規模校は小規模校としての生き残り方もあるし、活躍の仕方もあるはずなので、そういったところにつきましても、栃木県独自の施策が必要であると私は思っております。  また、人件費という面からしましても、少人数教育を推進するということからしますと、非常勤講師の配置については、現場の数と現場からの要望の数が、まだ二倍近く差があるということを聞いておりますので、人件費につきましても、少人数教育をやるというのだったら、より一層ふやしていく必要もあるかと思います。これらにつきましては、総合教育会議ができまして、より知事部局と密接な関係をとりやすくなったわけでありますので、教育委員会からの強い積極的な姿勢も求められていると私は感じております。  シンガポールへ伺ったときに、シンガポールは国防費に次ぐ二番目の予算規模が教育費、資源が乏しい国として、教育、人づくりということが明確にされております。栃木県も教育県として確固たる地位を築くという意思を持っているのだったら、やはり事業、予算両面から、そういったメッセージが県民にも、県外の方にも強く伝わるような、もっとわかりやすい具体的な取り組みも含めて必要なのではないかと思っているところであります。  また、市町との関係についても質問したかったのですが、こちらにつきましても、県と市町の境目のない教育行政の推進ということがよく言われております。県全体を常に見据えながら、単なる情報連携ではなくて、行動も一緒に連携する。情報連携から行動連携だということを、過去に私は答弁をいただいたことがあります。これら、九月の豪雨災害のときもそうでしたが、市町の教育委員会ともしっかりと情報、行動ともに連携しながら、栃木県の教育振興により一層、総合教育会議を通じましても努力いただきたいと思っております。  時間のない中、質問数が多かったので、早口になってしまいまして大変申しわけございませんでした。以上をもちまして、私の質問を全て終わります。ありがとうございました。 ○岩崎信 議長 この際、十五分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午前十一時十一分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。
     ただいまの出席議員数は四十八名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午前十一時二十五分 開議 ○五十嵐清 副議長 議長の都合によりまして、私が議長の職を行います。よろしくお願いいたします。  ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 発言通告に従いまして、順次質問を始めさせていただきます。  まず最初に、平成二十八年度当初予算編成方針について、知事にお伺いします。先ほどの登壇者の質問と重複する部分もございますが、事前に通告しておりますので、通告どおり質問させていただきます。  さきの第三百三十一回通常会議最終日に、知事から新年度、平成二十八年度の当初予算編成方針の説明がございました。その知事の説明の中にもございましたが、本県ではこれまで、今年度までとなる財政健全化取組方針に基づきまして、先ほど知事も強調されておられましたけれども、収支均衡予算の継続及び財政調整的基金の涵養を目標に掲げ、財政健全化に取り組んできました。  しかし、現在の中期財政収支見込みでは、医療福祉関係経費等の増加に加え、大規模建設事業等の新たな行政需要への対応等により、平成三十一年度までの各年度において、引き続き財源不足が見込まれ、平成二十七年度の財政状況を見ても、普通交付税及び臨時財政対策債が当初予算額を大幅に下回り、県税収入についても予算額確保が不透明な状況であるなど、当初予算に掲げた一般財源の確保は厳しい状況にあるとの説明がございました。  特に、平成二十八年度は、既に策定がなされました栃木県版地方創生総合戦略であるとちぎ創生15(いちご)戦略に加え、つい先月、第二次素案が公表され、目下策定中の次期プラン、栃木県重点戦略二〇一六~二〇二〇とちぎ元気発信プラン(仮称)に掲げられたさまざまな施策の、まさに積極的な推進が図られようとしております。  そこで、これらの推進と新たな行政課題にも的確に対応していくため、必要な財源確保と厳しい予算編成にどのように取り組んでいこうとしているのか、知事にお伺いします。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの斉藤孝明議員のご質問にお答えいたします。県では、財政健全化取組方針に基づき、健全化の取り組みを緩めることなく継続し、平成二十五年度以降、当初予算におきまして収支均衡予算を編成するとともに、財政調整的基金の涵養も図ってまいりました。  しかしながら、平成二十八年度の財政収支につきましては、医療福祉関係経費等が引き続き増加するほか、総合スポーツゾーン等の大規模建設事業関連経費の増加によりまして、県有施設整備基金を活用しても、なお約八十七億円の財源不足額が見込まれております。  こうした中、取組方針に基づく最後の予算編成となる平成二十八年度当初予算につきましては、財源不足額を実質収支の範囲内におさめ、収支均衡予算の継続を目指すことを基本としつつ、仮称ではありますが、栃木県重点戦略とちぎ元気発信プランやとちぎ創生15(いちご)戦略に掲げる施策の積極的な推進を図るほか、新たな行政課題にも的確に対応することが求められております。  このため、県税収入の動向や国の地方財政対策等を注視しながら、県民ニーズの検証や費用対効果等の観点から施策の優先順位を見きわめるとともに、自主財源の確保等に取り組むなど、歳入歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、元気発信プランに掲げる将来像の実現に向けた第一歩となる、めり張りのついた予算の編成に取り組んでまいります。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 私たち民主党・無所属クラブといたしましては、さかのぼればとちぎ未来開拓プログラムの策定があって、現在の取組方針とつながっているわけですが、常に会派の要望等でも健全財政堅持の観点を重視してまいりました。これからも予算編成、時間もまだ少しございますし、また、二月議会に向けまして議案としての上程ということになると思いますので、この観点に重きを置きまして、引き続き注視をしてまいりたいと思っております。  さきのやりとりにもございましたが、とちぎ創生15(いちご)戦略、または重点戦略とちぎ元気発信プランに加えまして、それぞれの部門でも新たな計画がスタートする大変大きな節目の年となるのが平成二十八年度だと思っております。その大もとになるものとして、栃木県行財政改革大綱(第六期)、これも現段階で素案が示されているという状態であります。私ども会派の代表である佐藤栄議員もその委員として、こちらの行財政改革推進委員会のほうに参加をして意見等を反映していただいておりますが、これからも健全財政の堅持に向けて、全力を傾注して予算編成に当たっていただきたいと思っております。  その大綱素案の中で一つだけ、経営管理部長に再質問させていただきたいと思います。いわゆる内部努力、内部的なブレーキとしてのいろいろな努力で財源不足を補う、あるいは自主財源を生み出す、そういったことが書かれており、「自律」や「原動力」という言葉で今回表現をされておりますが、その上位に「協働」または「共創」という新しい目標が今回掲げられております。当初予算編成に当たりまして、このあたりの考え方、協働・共創が具体的にどのような取り組みや手法として反映されてくるのか、現時点でお考えがあればお伺いしたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 井澤晃太郎経営管理部長。 ◎井澤晃太郎 経営管理部長 ただいまの再質問にお答えいたします。協働・共創につきましては、共創という概念は新しい概念で、今は国などでも取り入れ始めておりますが、協働という概念は少し前から行われております。民間の活動、例えばPFIとか、そのような企業活動の連携等々を踏まえながら、できるだけ民間のお力もかりながら行財政運営に当たっていきたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 具体化はこれからだと思いますので、しっかりとその点も注視してまいりたいと思います。引き続き全力での取り組みをお願いして、次の質問に移らせていただきます。  とちぎブランド・デザインについて、総合政策部長にお伺いいたします。平成二十八年度から五年間の県政の基本方針となります次期プラン、とちぎ元気発信プランの第二次素案が先月発表されました。このプランにつきましては、県議会においても検討会が設置され、委員のみならず全議員検討会も含めまして、これまでさまざまな議論や提言が行われてまいりました。この第二次素案では、「めざすとちぎの将来像」として「人も地域も真に輝く 魅力あふれる元気な〝とちぎ"」とその実現に向けた基本姿勢と、その具体的な項目と思われますが、「とちぎブランド・デザイン」と「とちぎ地域づくりビジョン」の基本方向などが示されました。  特に、この質問では、とちぎブランド・デザインを取り上げたいと思います。素案では、ブランド推進の基本方向とあわせてコンセプト、さらに新たなキャッチフレーズであります「ベリー グッド ローカル とちぎ」も示されました。  平成二十五年度の県議会県政経営委員会の特定テーマでは、「とちぎの発信力強化」が取り上げられ、その提言に私も委員としてかかわってきたいきさつがございますので、それからというもの、発信力にかかわる施策の具体化やその展開を絶えず注目してきた一人でもございます。  去る十月、民間の調査会社である、ブランド総合研究所の地域ブランド調査二〇一五の都道府県別魅力度ランキングが発表され、本県は、前年の四十一位から順位を六つ上げまして、過去最高の三十五位となりました。ここ数年、本県が取り組んできた魅力発信事業等が、いよいよ徐々に結果としてあらわれてきたと思われますが、当然、現状に甘んじることなく、さらに磨きをかけ、より栃木県らしさを追求し、発信を継続しない手はないと思います。  そこで、ブランド力向上・ブランド推進に今後どのように取り組んでいくのか、総合政策部長にお伺いします。 ○五十嵐清 副議長 北村一郎総合政策部長。    (北村一郎総合政策部長登壇) ◎北村一郎 総合政策部長 ただいまのご質問にお答えいたします。ブランド力の向上につきましては、これまで県議会のご提言も踏まえまして、全庁を挙げて各種施策を展開してまいりましたが、地域間競争が激化する中、今後のとちぎづくりを進めていく上でその重要性は一層増しております。  このため、本県のブランド力向上の取り組みについて、とちぎ元気発信プランに、「とちぎブランド・デザイン」として位置づけまして、充実した都市機能とともに豊かな自然、すぐれた歴史・文化などをあわせ持つ本県の魅力をあらわすものといたしまして、新たに「ベリー グッド ローカル とちぎ」というキャッチフレーズを掲げたところでございます。  今後、とちぎブランド・デザインに基づきまして、本県の魅力ある商品・サービスや地域イメージにさらなる磨きをかけるとともに、各種PRやプロモーションによる効果的な情報発信を行うなど、戦略的な取り組みを展開してまいります。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) ブランド推進は、素案が今手元にあるのですが(資料を示す)、この中でも示されておりますとおり、本県の暮らしや産業活性化などあらゆる分野に新たな可能性をもたらす、さまざまな施策のベースとなる重要な取り組みだと思っております。ブランド総合研究所、一民間会社の調査ではございますが、多くの示唆をこれまでもいただいてきたと思いますし、今回もこれを生かさない手はないだろうと、ある意味思っております。ブランド総合研究所の多くの調査項目、外からの視点の評価は七十七項目、認知度、魅力度、情報接触度、地域イメージ、地域資源評価、居住意欲度、観光意欲度、食品想起率、そのようなものがございます。そして、内からの視点の評価として二十六項目、愛着度、自慢度、自慢要因、そのようなものが挙げられております。  県の施策としても、ここに挙げられたようなさまざまな角度からの取り組みが、全庁的に必要になってくると思っております。多くの分野に及ぶ対応やメディアへの露出など、継続的でタイムリーな対策を講じていくためには、現在のとちぎブランド推進本部のさらなる機能強化は欠かせないと思います。会派の要望でも、毎回項目として挙げさせていただいておりますが、この点につきまして総合政策部長の所見をお伺いします。 ○五十嵐清 副議長 北村一郎総合政策部長。 ◎北村一郎 総合政策部長 再質問にお答えいたします。ブランドに関しまして、総合政策部が事務局となっておりますとちぎブランド推進本部でございますけれども、今年度につきましては、各部局が行います情報発信に関する事業について、一括して発注をすることによりまして、統一感を持ったコンセプトをもって、栃木県を全国に発信して取り組むことといたしまして、今後のブランド推進の方向性もあわせて検討し、とちぎ元気発信プランに位置づけたところでございます。  ブランドにおきましては、市町、それから県民、民間の事業者など、さまざまな主体がかかわりながらブランド力を向上していくといった取り組みが重要でございますので、県における推進の中核といたしまして、とちぎブランド推進本部の役割は、これまで以上に重要になるのではないかと考えております。引き続き総合的な調整機能を発揮いたしまして、県庁内を取りまとめるということと、それから官民一体となりまして、オール栃木体制により本県のブランド力向上に、統一感を持って積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 今、総合政策部長から答弁をいただきましたが、これまでも何度か私も本会議で取り上げてまいりましたので、最近の要望の回答をまたいただいたような感じがしております。  その中で、とちぎブランド推進本部、今「取りまとめ」という言葉で総合政策部長は表現されておりましたが、先ほどちょっと触れました、継続的でタイムリーな対策、よりきめ細やかで機敏な対応が求められてくると思いますし、それが今度新しい目標にも、この三十五位の順位を五年後に三十位までということで、素案ですが盛り込まれております。  発信ということでは、現在の県の組織では県民生活部広報課がその機能の一翼を担っていらっしゃいますが、そういったところの統合ですとか、例えば取りまとめだけではなくて企画や立案、時間もかなり費やされる組織になってくると思いますので、専任職員の配置、また、セクションの新設や再編等も視野に入れての検討もそろそろ始めたほうがよろしい時期に来ているのじゃないのかと私は常々思っております。現時点での総合政策部長の見解をお伺いしたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 北村一郎総合政策部長。 ◎北村一郎 総合政策部長 再質問にお答えいたします。ブランド力向上の取り組みにつきましては、幅広い知識や専門性、議員がご指摘されたとおり、そういった企画力などが求められております。県庁だけではなく、民間企業等々の発想力や知識を活用することも必要と考えております。とちぎブランド推進本部を中心に、例えば提案型のプロポーザル等を実施いたしまして、民間の力をおかりしながら、各部局とも連携しながら、一層ブランド力の向上に努めていくために、ブランド推進本部としても機能の強化を図ってまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 最後の部分がよく聞き取れなかったです。もう一回お願いします。 ○五十嵐清 副議長 北村一郎総合政策部長。 ◎北村一郎 総合政策部長 ブランド推進本部の機能の強化を図ってまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 現時点では、私が申し上げたような前向きな姿勢で検討することは、まだないということだと思いますが、今回のように順位が六番も上がるというのは今までなかったことだと思いますので、ぜひこの機会を逃さないように、これからも庁内の意見をよく聞きながら、それぞれ自分の所属、配属の部課の仕事を抱えながら、一方でブランド対策もこなさなければならないというキャパシティーオーバーに近づくような大変な状況も一部あるように聞いておりますので、ぜひ、引き続きの検討を念頭に置いて、取り組みを進めていただきたいと思います。このブランドにかかわるものでほかの項目にもかかわってくるところがございますので、次の項目に移らせていただきます。  続きまして、観光立県戦略について、産業労働観光部長にお伺いいたします。次期プランとちぎ元気発信プランの第二次素案の中では、先ほどの「めざすとちぎの将来像」を第一部といたしまして、これに続く第二部に「将来像の実現に向けたとちぎづくり」とあり、この中に、先ほどもやりとりの中で出ておりましたが、五つの重点戦略が示されまして、その中の「強みを生かす成長戦略」の一つに、観光立県とちぎプロジェクトが位置づけられております。また、同時に、これを踏まえた次期観光振興計画であるとちぎ観光立県戦略(仮称)の策定作業が、目下行われております。さらに、今年度、県議会経済企業委員会では、特定テーマとして「観光誘客戦略」が取り上げられ、既に提言も取りまとめられ、本通常会議の初日、本会議に報告書が提出されておりました。  そこで、新たなニーズやトレンドをどのように捉え、次期観光振興計画に反映させ、これからの観光施策に取り組もうとしているのか、産業労働観光部長に伺います。 ○五十嵐清 副議長 荒川政利産業労働観光部長。    (荒川政利産業労働観光部長登壇) ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。次期観光振興計画の策定に当たりましては、一般の旅行者や国内外の旅行エージェント、マスコミを対象に最新の観光動向や外国人の関心が高い本県の観光資源を調査いたしました。  その結果、食べ物、街歩き、買い物などの滞在コンテンツの充実が必要であることや、国・地域や旅行者層によって嗜好が異なり、ターゲットに応じたプロモーションが重要であることなどを確認したところであります。  そこで、次期計画では、県議会からいただいたご提言も踏まえ、戦略的な観光誘客の推進などを掲げて施策展開を図り、多様な旅行ニーズや市場のトレンドに対応した本県観光の魅力づくり、効果的な観光誘客プロモーションに取り組んでまいります。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 産業労働観光部長に再質問させていただきます。新しい取り組み、私の質問で語句として触れています新たなニーズやトレンドということで、的確に迅速に対応するということは当然必要になってくると思いますし、先ほどインバウンド等の話もございましたが、新しいパイを求めてその対象を広げていくことも、とても必要なことだと思います。これまで予算もそれなりに投入しながらさまざまな観光施策に取り組まれてまいりました。今、前向きなご答弁をいただいたと思うのですが、魅力度ランキングを上げる要因になった中に観光の魅力度も含まれておりましたので、よかったものは継承していく、また、さらによりよくしていくという取り組みもこれから必要になってくると思います。  先ほど「ベリー グッド ローカル とちぎ」とブランド・デザインのほうのキャッチフレーズも出ましたが、「本物の出会い 栃木」はもう三年目に入って、大分定着してきた感がございます。去年も十二月議会で、登壇させていただきましたけれども、その数日前にとちぎ旅ネット、観光サイトがリニューアルをされましたが、改めてきのう、ちょっとサイトのほうを拝見させていただきました。とても使い勝手がよくて、何年か前に、高知県ですか、あのころ、おもてなし課とかで結構ブームになっていましたが、そのころ最先端を行っていたようなサイト、そういう機能が全てとちぎ旅ネットのほうにも満載されているサイトで、大変すばらしいものだと思います。  そんな中で「本物の出会い 栃木」のキャッチフレーズとともに周遊パスポート事業も始まったと思いますが、県内の回遊性・周遊性向上のために、今、地方創生と言われていますが、広域連携のもととか、そこから大きなヒントもいろいろ出てきたのじゃないかと思っております。これは三年目を迎えました。まだ継続中の事業展開ではあると思うのですが、現時点でどのようないい効果があって、また、いつごろまでこの取り組みをお考えか、また、もし次の展望、展開などがあれば、産業労働観光部長に所見を伺います。 ○五十嵐清 副議長 荒川政利産業労働観光部長。 ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまの再質問にお答えいたします。周遊パスポートのことを申し上げますが、県内での周遊性の向上や観光の消費額の増加といった面ではかなり効果が出ていると思っております。直近で申し上げますと、発行部数二十万部を超えておりますので、今後ともこの事業効果がさらに高まりますように、行政もそうですが、ホテル業界、観光業界と一緒になって、さらに事業効果を高めていきたいと思っております。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) しばらく続けて、よりグレードアップを図るということで受けとめさせていただきました。  産業労働観光部長に再質問させていただきます。昨年の質問でも、二次交通の実態調査が平成二十六年度に実施されたと伺っておりますが、特に地域での周遊性・回遊性の向上ということになりますと、この点は大変重要な視点になってくると思います。具体的な対策等がございましたら、お伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 荒川政利産業労働観光部長。 ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまの再質問にお答えいたします。昨年の調査で、二次交通の問題が課題として浮かび上がってまいりましたので、今年度新たな取り組みといたしまして、路線バスに、例えば益子を想定したところでございますが、企画乗車券とギョーザをセットにしたもの、往復バスの乗車券に加えた企画乗車券、そういったものをつくったり、あるいは周遊観光タクシーということで、一定のエリアですが、ある程度複数の人数が乗れば効率的に移動ができるような取り組みをしたわけでございます。   また、通常の鉄道、路線バス等を使いながら行けるモデルの周遊ルートの冊子もつくりまして、幅広く配布をしたところでございますけれども、こういった取り組みは、さらに強化をしていく必要があると思っております。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) いろいろと企画乗車券プラスアルファ、また周遊観光タクシー、モデル周遊ルート作成と、具体的な取り組みとして進展しているということで大変心強く思います。これが新しいニーズやトレンドということだと思いますので、それとあわせまして、ユーザー側の声が一番重要だと思います。特に旅館業、旅行業といった受け入れる側の声も、より綿密に聞き取っていただき、新しい施策展開に反映していただきたいと思います。  もう一点、マイカー対策について、産業労働観光部長に再質問いたします。今年度、特に圏央道が西方面へ開通をいたしました。また、鉄道では、従来の湘南新宿ラインに加えまして、上野東京ラインが運行されるようになっておりますが、こうした西側への対策で具体的な取り組みやお考えがあれば、お伺いをしたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 荒川政利産業労働観光部長。 ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまの再質問にお答えいたします。ことしの三月に上野東京ラインということで、東京以西の方々が、鉄道で栃木に非常に来やすくなったということ、それから今ご指摘の圏央道の、全線開通ではないのですが、西側の部分が東北自動車道から全て開通したことによりまして、マイカーで首都高を通らずに旅行に来られて、時間、料金が大幅に短縮になるということで、サービスエリア等でのPR活動を強化したり、あるいは横浜でのPR活動についても強化していきたいと思っております。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 細かく挙げると切りがないものですから、要望させていただいて次の項目に移りたいと思います。先ほどの魅力度ランキングなどでも地域資源の活用、観光はこの新しいプランの素案にも書いてありますが、「めざすとちぎの将来像」ということで、地域資源等の活用により本県のブランド力が向上し、国内外から多くの人々が観光などで来訪、周遊し、県内ににぎわいがあふれているとありますが、そのためには地域資源の活用がまさに鍵だと思いますし、そのことが県全体としてのブランド力向上にもつながっていくものだと思います。  また、ほかの都道府県との広域連携もいろいろと取り組みが進められていると、事前に伺ってはおりますが、これは、後の項目で触れますが、特に本県の周遊パスポートは、県内をエリアごとに分けて、県内の市町の広域連携といったところを意識したものだと思います。これからも地方創生の中でいろいろと国とのやりとりも出てくると思いますが、県の取り組みとしては重視しなければならない視点だと思います。さらに、広域連携の部分につきまして、観光面でも最大限の対策と支援を今後も引き続きお願いしたい。そのことを要望して、次の質問に移らせていただきます。  次に、栃木の強みを生かした農業戦略について、二項目お伺いをいたします。まず一番目に、栃木県農業振興計画について農政部長にお伺いをいたします。次期プランとちぎ元気発信プラン第二次素案に示されました「将来像の実現に向けたとちぎづくり」の五つの重点戦略の中の、「強みを生かす成長戦略」のもう一つに、とちぎの農林業成長プロジェクトがございます。  TPPも、過日大筋合意がなされはしたものの、まだ、その先行き等、今後の見通しが大変不透明な状況の中で、本県の強みを最大限に発揮できる農業の推進がまさに今、求められていると思います。先ほど園芸についてのお考えもお伺いしたところでございますが、こうした中、現在、栃木県農業振興計画の策定作業が行われ、既に第二次素案が示されたところです。  この十年先を見据えた当面の五カ年計画の中で、どのようなことに重点を置きこれからの農業施策を展開しようとしているのか、農政部長に伺います。 ○五十嵐清 副議長 南斎好伸農政部長。    (南斎好伸農政部長登壇) ◎南斎好伸 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。現在策定しております次期農業振興計画では、人口減少やグローバル化の進展など国内外のさまざまな状況変化に対応するため、重点的に取り組むリーディングプロジェクトを設定しているところでございます。  この中で、一つ目には新たな園芸生産の戦略的拡大、二つ目として国際化に対応した水田・畜産経営の確立、さらには、農産物のブランド力強化と輸出促進のプロジェクトによりまして、栃木の強みを伸ばしていくこととしております。  加えまして、あすの農業を開くためのプロジェクトとして、一つ目には、ICTなどの先端技術を活用した生産力の向上を進めるスマート農業とちぎへの挑戦、二つ目に、次代を担う人材の確保に向けた取り組みを戦略的に進めながら、成長産業化に向けて本県農業のさらなる進化を目指してまいりたいと考えてございます。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。
       (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 昨年度、農林環境委員としていろいろと勉強もさせていただきました。その中で、「園芸の生産振興」という特定テーマで、先ほど触れましたが、いろいろかかわってまいりました。今後も栃木の園芸の振興につきまして、今おっしゃられたような、また、振興計画の第二次素案に盛り込まれているような、これも大変多岐にわたるわけですが、一つ一つ国内外をにらみながら着実な推進をお願いしたいと思います。この項目は要望にとどめさせていただき、次の質問に移らせていただきます。  続きまして、いちご王国とちぎの戦略について、農政部長にお伺いいたします。イチゴの産地として本県のさらなる発展に向けまして、十年後の目指すべき姿と実現に向けた方策について、生産者、農業団体、行政機関が共有する戦略を策定するために、ことし六月にいちご王国戦略会議が設置され、十月には〝いちご王国とちぎ"戦略の決定、そして、去る十一月五日には、同戦略の共有と機運の醸成を図るための生産者の大会である〝いちご王国とちぎ"躍進大会が開催されました。  そこで、従来品種である「とちおとめ」に加え、本格出荷二年目を迎えた「スカイベリー」の生産拡大と高付加価値化、そして、ニーズは高いが生産量の少ない「なつおとめ」など、本県がこれからもいちご王国を維持していくために、今後どのような取り組みを進めていくのか、農政部長にお伺いします。 ○五十嵐清 副議長 南斎好伸農政部長。    (南斎好伸農政部長登壇) ◎南斎好伸 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。四十七年連続で生産量日本一でありますいちご王国とちぎを盤石なものとしていくため、生産者、農業団体とともに、十年後の目指す姿として「産出額三百億円、選ばれる産地、若者が次々と就農」の三つを掲げた〝いちご王国とちぎ"戦略を策定したところでございます。  これらの実現に向けまして、新たな挑戦で産地間競争に打ち勝つ生産戦略として、用途に応じた品種の生産拡大や新技術の導入などを進めるとともに、ブランド戦略として、付加価値の高い商品づくりや海外での販路拡大などに取り組み、選ばれる産地へと進化を目指してまいります。  さらには、人材の確保と着実な育成を図る担い手戦略として、イチゴ経営の魅力発信や県内外からの人材の受け入れとサポート体制の強化に努めてまいりたいと考えてございます。今後とも、これらの目標に向かいまして、オール栃木体制で戦略を共有、推進することで、いちご王国とちぎのさらなる発展を目指してまいります。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 農政部長に再質問をさせていただきます。本格生産に入りました「スカイベリー」、今〝いちご王国とちぎ"戦略ということで、この概要等も既に公表されておりますが、その中で、やはり一番気になりますのは、目下売り出し中の「スカイベリー」――バッチも先日いただきまして、きょう早速つけさせていただきましたが、この流通に関しまして、栽培マニュアル等も数年前に配付をされて今、着々と栽培戸数も増加の一途をたどってきました。伸び率としては、ちょっと前年よりは落ちついたような状況になってしまっているのかなという感じもいたします。供給されなければ流通しませんので、これからも栽培の定着に向けてしっかりと技術指導等お願いしたいと思っております。  一方で、きょうずっと取り上げておりますブランド力の強化が、「スカイベリー」ならではの品種の強みを生かす上で欠かすことができないものになってくると思います。そのためにも、この概要の中にもプレミアム商品づくりや、例えば最上位規格の厳格化など戦略的な取り組みが盛り込まれておりますが、具体的にどのような取り組みか、どのような点に力を入れているのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 南斎好伸農政部長。 ◎南斎好伸 農政部長 ただいまの再質問にお答えいたします。昨年度まででございますけれども、JAグループの出荷規格の最高級品としてSEというクラスがございまして、これに準ずるものということで、その下のランクのSAという二つの規格が存在しておりました。  しかしながら、百貨店における聞き取り等を踏まえますと、SEのプレミアム感をより一層高めるということであれば、SAという規格は要らないのではないかというご意見等もございまして、今年度はSAの規格をなくしまして、結果としてSEのみの最高級規格の厳格化で出荷を始めたところでございます。  この規格変更をしたことによってブランド化にどのような影響があるのか、果たして貢献するのかを含めまして、今後の検討材料とさせていただきたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) わかりました。SAを廃止してSEに絞ったということですが、SEとかその規格記号だけですとわかりづらいので、もう一点、農政部長に再質問という形でお尋ねをしたいのですが、SEというのは、全体の収穫量からいきますと何%ぐらいとれるものなのでしょうか、また、もう既に出荷をされた実績があると思うのですが、その相場観がよりわかる答弁をいただければと思います。 ○五十嵐清 副議長 南斎好伸農政部長。 ◎南斎好伸 農政部長 去年の成績で言いますと、SEは一%、大半がGというクラスでございます。五Lとか四Lとか、Gでも結構大きいサイズでございますが、現状はそういうことでございます。  ただ、今回初出荷の時点では、SEが一箱、それも厳選して出ただけでございまして、それにつきましては三万円の値段がついたと。そのほかのGで、初値で三千円だったと思いますが、ついたということでございます。  現在は、大分出荷量もふえましたので、落ちついておりますけれども、今年度は「あまおう」より高い取り引きが行われている状況でございます。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 世の中にはそういったものを買っていただける富裕層もいらっしゃるということですが、全部が全部そういうことになってしまうと逆に困ってしまうのじゃないのかなというような、うれしい悲鳴というか、ただ「スカイベリー」の狙いというのは、やはりそういうところにあったのだと思います。先ほど海外行政調査のお話もございましたが、海外の方でも、言い方は悪いのですけれど、お金に糸目をつけず購入していただける、そういう層もいらっしゃると思いますので、そういったプレミアム・高付加価値の「スカイベリー」、これからも生産の拡大に向けて技術の確立、また、できましたら、このブランドの位置づけといいますか、ブランディングがわかりやすいような取り組みを同時に進めていただきまして、栽培農家の皆様への技術指導や営農支援を初め、イチゴ全体を見れば、品種ごとのそれぞれの強み、特徴があると思いますので、戦略の確立と、また、栽培農家のみならず我々県民にも情報共有をしていただけると、大変ありがたいと思います。さっきの観光もそうですけれど、せっかくすばらしい取り組みをしていても、そのことが知られなければ、世の中には広まっていかないということになりますので、その点、農政についても要望を申し上げまして、今後、全庁を挙げてのブランド推進体制がますます必要であることが、私の気持ちの中では大きくなっておりますので、具体的な取り組み対策を改めて要望いたしまして、次の項目に移らせていただきます。  地方創生関連事業について、総合政策部長にお尋ねします。去る十月二十七日、内閣府から地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金のうち、地方創生先行型の先駆的事業分、いわゆる上乗せ交付分の交付対象事業が決定されました。結果として、本県は四事業、申請額三億七百万円に対し、採択されたのは三事業、交付決定額一億五千七百万円にとどまりました。  そこで、全国的な採択状況等を鑑みまして、今回の結果をどのように受けとめておられるのか、総合政策部長にお伺いします。  また、地方創生に関する新年度に向けた新型交付金の具体的な内容等が明らかになっていない現在、一方では県として新年度の予算編成の時期を迎えておりますが、どのような対応をお考えなのか、あわせてお伺いします。 ○五十嵐清 副議長 北村一郎総合政策部長。    (北村一郎総合政策部長登壇) ◎北村一郎 総合政策部長 ただいまのご質問にお答えいたします。地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金のうち、地方創生先行型の上乗せ分につきましては、ほかの地方公共団体の参考となります政策間連携、官民協働、地域間連携等の先駆的事業が対象とされたところでございます。  本県といたしましては、特に官民協働を中心に申請いたしまして、全て採択ということにはなりませんでしたが、申請額に対する採択率につきましては、全国平均と同様でございました。採択されませんでした一事業につきましては、今後の事業を展開していく上で支障が出ないよう、対応してまいりたいと考えております。  平成二十八年度予算における新型交付金につきましては、国から概要が示されたのみでありまして、制度の詳細は今後提示されることになっております。  地方創生の流れを生み出していくには、財源の確保も重要であることから、引き続き情報収集を進めますともに、先般決定された上乗せ交付分における他県の採択状況も参考としながら、新型交付金の確保に努めてまいります。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 今回は官民連携事業ということ、もう一方で、来年度に向けての新型交付金は、概要だけで詳細がまだ示されていないということでした。  総合政策部長に再質問します。詳細はいつごろ公表される見通しでしょうか。 ○五十嵐清 副議長 北村一郎総合政策部長。 ◎北村一郎 総合政策部長 再質問にお答えいたします。国の新型交付金の取り扱い、内閣府のほうで取りまとめているところでございますけれども、国の来年度の当初予算が、目下編成中でございまして、そちらのほうの編成が終了後、地方に詳細等々制度設計も含めて示されるものと考えております。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) もう一点、再質問させていただきます。正しい、間違っているは別にしまして、十一月十八日に下野新聞の囲みで「地方創生モデル事業で県、広域連携なく後手に」という書かれ方をされております。この点についても総合政策部長の所見を伺っておきたいと思いますが、今回の申請事業では近隣県との広域連携に加え、県内の市町の広域連携も見受けられなかったと思いますが、この結果も受けて、このことをどのように分析されるのでしょうか、お伺いします。 ○五十嵐清 副議長 北村一郎総合政策部長。 ◎北村一郎 総合政策部長 再質問にお答えいたします。まず、広域連携ということで、県と県との間、それから県内の市町村の間でございますけれども、まず、隣県との広域連携につきましては、茨城・群馬県との連携が想定されておりまして、視野に入れて検討した事例もございましたが、事業化に至るまでに熟度が上がらなかったために申請に至らなかったということでございます。また、近県の連携につきましては、これまでも観光や農産物の輸出等の分野で連携を図ってきた実績もございますので、今後とも、そういった連携事業については検討してまいりたいと考えております。  また、県内の各市町の事業についてでございますが、当然これまでも市町間の連携協働事業を行っております。今回、たまたま市町から上がってこなかった部分もございまして、それから、採択に至らなかったテーマもあるかもしれませんけれども、戦略につきましては、地域をつなぐ広域連携の強化という目標も戦略に掲げておりますので、今後、市町間の連携事業につきましても、市町の取り組み状況も踏まえまして、県としても協力、連携してまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) それでは、要望させていただきます。本県の強み、きょう掲げた項目がたまたまそういうジャンルというか、コンセプトがかかわってくるものですから、最大限に本県の強みを発揮するために、ようやくブランド力の向上が緒についてきたと思います。近隣県との広域連携を今後模索するにしても、ここに挙げたのがたまたま観光関連事業だけだったのか、ちょっと私自身も精査はまだできていないのですが、いずれにしましても、県をまたいで広域連携を図る場合でも、その広域の中で本県の魅力、独自性、独創性というのは当然高めておかなければならないことでありましょうし、本県だけでいろんなものを呼び込めれば、それに越したことはございません。  また一方で、県内におきましては、今、総合政策部長からもございました市町の単独の取り組みということになりますと、財政力や地域性、さまざまな要因も違ってまいりますので、その一つ一つがクリアできないという課題も自治体によっては出てくるかもしれません。この連携を支援していくということで総合政策部長から答弁いただきましたが、ぜひ前向きで積極的な、県から先に手を差し伸べていただけるような取り組みで、国の地方創生の流れをしっかりと生かして、食いついていっていただき、今後の対策に万全を期していただきたいと要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。  県民の災害対応力の強化についてお伺いいたします。九月に発生いたしました関東・東北豪雨は、本県にも大きなつめ跡を残し、被災インフラや農業基盤、さらには山林等の復旧のために、さきの第三百三十一回通常会議において可決した補正予算二百九十九億円余に引き続きまして、今通常会議におきましても四十八億円余の補正予算案が計上されてまいりました。今後も県民の安全・安心を確保するために、一日も早い改良を含めた本格復旧が待たれております。  一方で、インフラ等のハード整備と同時に、改めて検討を急がなければならないのは、昨年公布されました災害に強いとちぎづくり条例の理念や防災・減災の考え方に基づく県民の安全確保にかかわるソフト対策だと思います。  今回の被害状況から県民への正確かつ迅速な情報伝達のあり方や避難行動の周知、さらには、日常からの自主防災組織の活動による意識向上等、さまざまな課題が明らかになりつつございます。  そこで、今回の災害も教訓としながら今後どのような対策を講じようとしているのか、県民生活部長に伺います。 ○五十嵐清 副議長 平野博章県民生活部長。    (平野博章県民生活部長登壇) ◎平野博章 県民生活部長 ただいまのご質問にお答えいたします。関東・東北豪雨につきましては、副市町長会議での意見交換や市町へのヒアリングなどを通しまして、市町が行う避難勧告の発令等の初動対応や避難所設置などの応急対応につきまして、課題を整理し、具体的な対策の検討を行っております。  また、庁内では、今回のような大規模な災害における初動体制や関係機関との連携のあり方などについて、見直しを進めているところでございます。  これらを踏まえて、県・市町において災害発生直後から、迅速かつ的確な対応が行えますよう、市町防災担当課長会議等を通じ協議を重ね、年度内を目途に改善策を講じていきたいと考えております。  さらに、災害対応の基本となる地域防災計画に検証結果を反映させますとともに、市町、消防、関係機関・団体との連携を一層密にしまして、災害対応力の向上に努めてまいります。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) 県民生活部長に再質問させていただきます。年度内に改善策を洗い出す、そして、新計画に反映させていくということで今、答弁がございました。一つ一つどういう事象を把握されているのか、我々もその都度、聞けば確認はできるかもしれませんけれども、災害の発生の直後にいろいろと現地調査等も重ねてまいりましたが、今回、県内でもとうとい命が奪われ、また、下流の常総方面に至りましては、大変甚大な被害も発生いたしております。  そうしたことを見ておりまして、個人的に気になったのは、鬼怒川上流に四つダムがございますが、この中で、これもたまたま新聞記事になったものです。川治ダムが越流のおそれがあったということで、国土交通省から日光市のほうには、その事前の情報も連絡が行っていたということでありましたが、例えば、ダムのコントロールが効かなくなった場合に、どのくらいの被害が想定されるのか、住民を避難させなければならないのか、市の担当者が国土交通省の担当に聞いたところ、その明確な答えがなかったということが漏れ伝わってきております。  ただ、こうした個別的な事案というのは、情報が必要な水源の近いところの住民は限られているわけでありますし、また、鬼怒川でもホテルの露天風呂が崩れてしまう、今までではちょっとあり得なかったような事もおきている。また、ダムが適正に放流されていたとしても、途中の支流ですとか、現場そのものでも大雨が降っているわけですので、そういったところのリアルタイムな降水情報ですとか水位情報の把握も、今後の課題ということになってくるのでしょうが、現場としてこういうところが挙げられております。  そこで、このダム周辺の避難の対応、対策等につきまして、現時点で見解があれば、お聞かせいただきたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 平野博章県民生活部長。 ◎平野博章 県民生活部長 ただいまの再質問にお答えいたします。今回の災害、非常に広範囲にわたりまして、しかも大変な豪雨でございました。市町におかれては、その情報伝達に当たりまして、大変ご苦労されたと思います。そして、山間部とかに、そういった集中豪雨の中で情報を伝えていく、また、それを集約して県にも伝えていくと、そういうことが非常に困難といいますか、難しい状況にありました。ただいまダムの近くでというような、あるいは河川近くの状況などを一つ一つ検証をしながら、これから市町と一緒になって、どういう状況のときに、速やかにどのような情報を発し、対応していくかということを詰めていきたいと思っております。 ○五十嵐清 副議長 斉藤孝明議員。    (二十四番 斉藤孝明議員登壇) ◆二十四番(斉藤孝明議員) それでは、時間ですので、要望したいと思います。きのうサイトを見ておりましたら、国土交通省関東地方整備局十一月十八日付の文書・資料、避難を促す緊急行動ということで、十月五日時点で記者発表されていたものが掲載されておりました。  その中で、首長を支援する緊急行動、地域住民を支援する緊急行動、二つの項目に分かれておりますが、特に直ちに着手し、来年の出水期までに実施するものとして、首長を支援する緊急行動では、氾濫シミュレーションの公表、避難のためのタイムラインの整備、洪水予報文、伝達手法の改善、市町村へのリアルタイム情報の充実、また、地域住民を支援する緊急行動としては、家屋倒壊危険区域の公表、氾濫シミュレーションの公表、地域住民の所在地に応じたリアルタイム情報の充実というものが挙げられておりました。首長というのは市町村長のことを指しますので、県がこういったところをどうやって支援していけるかということになってくると思います。  また、以前にも触れたことがあったと思いますが、栃木県の県南の地域におきましては、いわゆる川の越流、溢水だけではなくて、内水洪水という特徴的なものも出てきておりますが、水防法の改正によって今年度からそうしたものの対策・対応も義務づけられたと私は理解しております。そうしたところ、いろんな気象災害、異常気象が続いておりますし、国土交通省の中の予測におきましても、いいほうに、なくなるほうに改善することは恐らくないのじゃないのかと、ひどくなる傾向にあることは否めないことでありますので、もう万全な対策を期さなければならないということで、具体的な対策が素早くアップをされております。  こうしたものに沿いまして、ただ、限られた財源とか、きょうは予算編成の話もありましたが、そうした意味でも予算編成に当たりましては、これからめり張りをどうやってつけていくか。一方で、健全な財政を堅持しながらという視点もありますので、これからもあらゆる機会を通じて、この点を注視して活動を続けてまいりますことを申し上げまして、私の用意いたしました全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○五十嵐清 副議長 この際休憩したいと思います。午後一時二十五分から再開いたします。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午後零時二十五分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十八名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午後一時二十五分 開議 ○岩崎信 議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) 発言通告に従い、順次質問させていただきますので、目の覚める積極的な答弁をお願いいたします。  初めに、平成二十八年度の県政経営について、知事に質問いたします。県は、栃木県版まち・ひと・しごと創生総合戦略として、本県創生のために十五の戦略をまとめ、「15」を「いちご」と読ませ、とちぎ創生15(いちご)戦略を策定しました。まさに来年度は新しいスタートにふさわしい行政経営が求められるところです。それには、知事が適切な経営判断をするために、常に県政の最新情報が入る仕組みや、目標の明確化、マネジメントサイクルの徹底、職員の人材育成のための職場内フィードバックの機能の強化など、職員の意識のベクトルを合わせ、庁内一丸となって県民サービスや本県の県益向上に取り組むことが不可欠であります。  さて、新とちぎ元気プランが今年度で終了いたしますが、この五カ年の取り組みを見ると、全体的には財政健全化取組方針に基づき、収支均衡予算の継続に取り組みながら新とちぎ元気プランの重点戦略に予算を効果的に配分し、一定の成果を上げてきたのだろうと思います。しかし、新とちぎ元気プランの成果指標の達成度合いを見ると、目標の八〇%以上の進捗となっている成果指標が、全体の六三%と余りにも低いのが現状で、県政経営のマネジメントが十分機能しているとは言えません。  以前にも指摘いたしましたが、事業計画等を管理するマネジメントサイクルが長過ぎるため、PDCAが十分に機能しないことが、達成率の低さにあらわれております。年度内に何度もチェックし、問題点を発見した後、計画を修正する取り組みを繰り返せればよいのですが、それをせず阻害要因を改善しなければ、結果は出ません。県の職務遂行の改善を求めたいと思います。  また、来年度は新とちぎ元気プランに続く県の新たな五カ年計画がスタートする大事な年でもあり、積極的な事業推進が求められるところです。一方で、九月議会で知事から説明のあった平成二十八年度当初予算編成方針では、約八十七億円の財源不足が見込まれております。  そこで、平成二十八年度はどの分野の事業に力を入れていくのか、県政経営の方針について、その財源確保も含め、知事に伺います。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの野澤議員のご質問にお答えいたします。人口減少問題の克服と地方創生の実現を目指し、去る十月にとちぎ創生15(いちご)戦略を策定し、また来年二月を目途に、県政の新たな基本指針として、仮称ではありますが、栃木県重点戦略とちぎ元気発信プランの策定を進めているところでございます。  とりわけ人口減少問題は待ったなしで取り組むべき喫緊の課題であることから、15(いちご)戦略に掲げた本県の強みを生かした産業の振興による雇用の創出や、結婚、妊娠・出産、子育ての切れ目のない支援、人や企業等を呼び込む新たな人の流れをつくる取り組みなどに果敢にチャレンジしてまいります。  また、元気発信プランで新たにプロジェクトに掲げました女性の活躍推進や災害に強いとちぎづくり、さらには、栃木ブランドの確立に向けた本県の魅力・実力の発信などに力を注いでまいります。  これらの取り組み等を積極的に推進していくため、財政健全化取組方針に基づき、全庁挙げて行政経費の削減や内部努力の徹底、歳入の確保等に取り組むなど、歳入歳出全般にわたる見直しを行うとともに、県税収入の動向や国の地方財政対策等を踏まえ、地方創生に向けた新型交付金も含め必要な財源を確保し、めり張りのついた予算編成に努めてまいる考えでございます。  また、とちぎ創生15(いちご)戦略やとちぎ元気発信プランの実効性を高めるため、施策の見直しや改善を図るPDCAサイクルの効果的な運用に努めるとともに、現在策定を進めております栃木県行財政改革大綱(第六期)に基づき、絶え間ない行財政改革がプラン等の下支えともなるよう取り組んでまいります。  平成二十八年度は、とちぎ元気発信プランを初め、多くの分野別計画をスタートさせる重要な年でありますので、これらのプラン等の推進に全力を傾注し、県民満足度の高い県政運営に取り組んでまいります。
    ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) 県民の期待に応えられるよう、これからも着実な県政経営をお願いしたいと思います。強固な財政基盤をしっかりつくっていくとのお話もございました。県政経営を目的、手段、結果の三つの観点で捉えてみると、私は県民サービスの充実と本県の県益向上といった県政経営の目的達成のためには、手段となる各種事業にどのように取り組んでいくのかが重要であると考えています。  民間活力を引き出すために、それらの事業への取り組みを充実させることにより、県税収入等の歳入目標の達成という結果を得ることができるのだと思います。そして、その歳入の確保こそが、次なる県民サービスの原資になるわけであります。また、経営手法には財産の有効活用という側面もあり、県においては、公共施設等の有効な利活用が求められるところでございます。  要望としますが、県有財産の有効活用等を推進するための公共施設等総合管理計画及び固定資産台帳の整備等を進め、それらを前提とする統一的な基準による地方公会計整備について、着実な取り組みをお願いいたします。  次に、ともに支え合うとちぎ創生について、初めに、安心して暮らせる地域づくりについて、知事に質問いたします。国は、まち・ひと・しごと創生長期ビジョンにおいて、人口の安定化と生産性の向上が図られることで、二〇五〇年代においても実質GDP成長率は一・五%から二・〇%程度の維持が可能だとし、それらの実現を図るため、総合戦略を策定しました。  こうした中、県は、とちぎ創生15(いちご)戦略を策定するなど、地方創生に取り組んでいるところでございますが、こうした一連の地方創生の議論の中で、「選択と集中」というフレーズをよく耳にいたします。この選択と集中という言葉の響きには、選択される勝ち組と選択されない負け組を分ける境界線が感じられ、負け組は排除されるのではないかとの懸念が生じてしまいます。  私は、地方創生とは、本県並びに県民の活力を最大化することであり、そこには二つの側面があると考えております。一つ目は、選択と集中による成長分野の活性化であり、もう一つは共生という考え方のもとで、ともに支え合う社会の構築です。本県の地域づくりは、選択と集中による中山間地域等の切り捨てであってはならず、ともに支え合う社会づくりといった考え方で進めなければなりません。  そこで、先般策定されたとちぎ創生15(いちご)戦略において、安心して暮らし続けることができる地域づくりについてどのように進めていくのか、知事に伺います。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。人口減少・少子高齢化の進行は、本県におきましても、地域コミュニティー機能や生活機能の低下、労働力人口の減少、経済活動の低迷など、さまざまな影響を及ぼすことが懸念されており、とちぎ創生15(いちご)戦略の中で、「時代に合った地域をつくり、とちぎの安心な暮らしを守る」ことを基本目標に掲げたところであります。  中山間地域は、美しい景観や地域文化が育まれた心豊かな生活空間であるとともに、国土の保全や水源の涵養、食料の供給などにより、都市住民の暮らしを支える重要な役割を担っている地域でありますが、急激な人口減少が見込まれるなど、多くの課題を抱えております。  県といたしましては、中山間地域等において集落機能等が維持され、活性化が図られるよう、基幹産業である農林業の成長産業化を初め、コンパクトな拠点の形成や地域コミュニティー活動への支援、地域の実情に応じた公共交通の維持・確保のほか、移住等による都市農村交流の促進に取り組んでまいりたいと考えております。  また、地域住民に身近な市町におきましても、各市町の総合戦略におきまして、中山間地域等のさまざまな課題に対応することとしており、市町と十分連携を図りながら地域づくりに取り組んでまいります。  こうした取り組みを実効性あるものとしていくためには、地域住民を初め、行政や大学、NPO、移住者など、多様な主体の協働のもと取り組むことが重要であると思います。ふるさと栃木を次の世代につなぎ、住みなれた地域において安心して暮らし続けることができるよう、多くの人材と英知を結集し、オール栃木体制で取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) 温かい知事の政治姿勢を感じました。根底に共生という考え方を据えて、力強いとちぎ創生、地域再生に今後も取り組んでいただくことを要望しまして、次の質問に移りたいと思います。  小さな拠点づくりの推進について、総合政策部長に質問します。本県の中山間地域では、人口減少や高齢化が進む中、食料品や日用品を扱う商店や診療所が閉鎖するなど、日常生活に必要なサービスを受けることが困難になり、コミュニティー機能の低下が問題になっております。  このような中、国は、多様な地域の共生、地域の再生を目指し、暮らしの安心と希望をつなぐ小さな拠点づくりに取り組んでいるところでございます。これは、小学校区など複数の集落が集まる地域において、買い物や医療・福祉など複数の生活サービスを歩いて動ける範囲に集め、各集落との交通手段を確保することによって、車が運転できない高齢者等であっても、一度に用事を済ますことのできる生活拠点をつくり、地域サービスや活力を維持していこうという取り組みでございます。この小さな拠点づくりは、地域内外の人々の交流を活発にし、新しい地域の活動や雇用を生み出すことにより、集落地域の未来への展望を開くなどの役割が期待できます。  私は、小さな拠点づくりを進める上で、買い物、情報発信、集える場といった機能に加えて、ガソリンスタンドや銀行、診療所、託児所、公共施設、さらには防災・食料備蓄拠点など、地域生活の全般を支える機能を集約することが重要だと考えております。  また、この小さな拠点と各集落とをコミュニティバス等でつなぎ、毎日外出して集いながら住民の安否確認もできるといった地域全体の取り組みを構築すれば、まさしく暮らしの安全・安心が確保でき、高齢者の生活支援、子育て世代の移住定住の促進にもつながり、まさに地方創生のモデル地域をつくることができると考えます。  そこで、ともに支え合うとちぎ創生のための小さな拠点づくりについて、今後どのように進めていくのか、総合政策部長に伺います。 ○岩崎信 議長 北村一郎総合政策部長。    (北村一郎総合政策部長登壇) ◎北村一郎 総合政策部長 ただいまのご質問にお答えいたします。さまざまな課題を抱える中山間地域等におきましては、生活に必要なサービス機能の集約を図り、集落間をネットワークで結ぶ小さな拠点の形成が重要でございます。  県では、とちぎ創生15(いちご)戦略におきまして、集落機能等を維持する小さな拠点の形成や地域コミュニティーの再生を図る取り組みに対しまして支援することといたしております。  現在、複数の市町におきましては、小さな拠点の形成に向け、地域の現状分析や今後のあり方について、大学やNPO等と連携しながら地域住民と協議を始めるなど、具体的な動きも見られるところでございます。  今後、県といたしましては、先進的な取り組みの紹介や来年度創設されます国の新型交付金の活用も含めまして、市町に対し、地域の特性を生かした小さな拠点づくりが円滑に進みますよう支援してまいります。 ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) 今、総合政策部長より答弁をいただきました小さな拠点づくりは、本県の地方創生が選択と集中で地域等を取捨選択するのではなく、共生という考え方で県内地域の特性や特徴、地域の魅力などを発信する取り組みになります。これは、まさに本県の成長発展を支える基盤をつくる重要な取り組みになりますので、よろしくお願いいたします。  次に、総合的な公共交通ネットワークの構築について知事に質問いたします。県内を歩いてみると、かつての大規模開発・住宅分譲地の住民の高齢化が進み、公共交通がないため、近い将来を不安視する声や、老後は屋敷を売却してこの地を離れなければ生活ができなくなるのではといった切実な声を耳にします。公共交通ネットワークの充実は、こうした地域住民の日常生活はもとより、本県を訪れる国内外からの観光客を迎える上でも欠かせません。  本年十月六日、「なぜローカル経済から日本は甦るのか」の著者であり、事業再生支援会社のCEOである冨山和彦氏は、宇都宮市内での講演の中で、人口減少問題への対策として、昔に戻りコンパクトシティ化するしかないと強調され、現在、宇都宮市、芳賀町が進めている次世代型路面電車LRTについて、LRT、バス、タクシーなど、それぞれが持つ優位性を上手にコーディネートして最適なネットワークを構築すべきとして、コンパクトシティへの取り組みと公共交通ネットワークの充実をセットで考える必要性を述べています。  私たち公明党会派は、これまで県内高速道路のアクセス機能向上等の社会資本整備や鉄道・LRTを軸にした公共交通の充実を図る総合的な公共交通ネットワークの構築に取り組んでまいりました。  各自治体は、生き残りをかけてコンパクトシティへの取り組みを模索しておりますが、単一自治体で施設、インフラ等の整備の面でコンパクトシティを完結することは困難であります。  そこで、近隣自治体と共同して互いの不足点を補い合う、自治体を越えたコンパクトプラスネットワークの取り組みが有効だと考えます。単一自治体では、無理にコンパクト化を進めることで利便性が損なわれるケースがありますが、公共交通の充実により複数の自治体がネットワーク化されることで、マイナス面を補うばかりでなく、新たな交流の創出も可能になります。  さらに、例えば現在検討されているLRTの導入にあわせて、そこに接続するバス路線を面的に再配置することにより、これまで公共交通が行き届かなかった地域にもネットワークを行き渡らせることが可能となるのです。それには、県のリーダーシップと自治体間の連携、民間企業並びに県民の協力が不可欠であり、県は積極的に市や町の取り組みを支援すべきだと考えております。  そこで、鉄道やLRTを軸にした総合的な公共交通ネットワークの構築について、知事の考えを伺います。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。人口減少・超高齢化の進行等の課題に対応し、本県の持つ活力を次世代へとつないでいくためには、都市機能が集積した複数の拠点を公共交通などでネットワークさせ、相互に連携強化や機能補完を図ることで、環境にも優しく、都市経営コストの面からも持続可能なコンパクトなまちづくりを推進していくことが重要であります。  このため、県におきましては、国、市町、交通事業者などで構成する栃木県生活交通対策協議会での協議・調整を踏まえて、民間バスや市町村生活交通の運行支援、公共交通の不便地域の解消、さらには、広域的なバス路線の改善や導入の促進など、公共交通ネットワークの維持とさらなる充実に総合的に取り組んでいるところであります。  このような中で、宇都宮市と芳賀町が導入を進めているLRTは、県央地域における東西の公共交通軸として、既存鉄道などの幹線交通や路線バス、デマンド交通などの端末交通と連携し、利便性の高い交通ネットワークを構築するものと期待しているところであります。  今後とも、高齢者を初め、全ての人々がどこへでも安全でスムーズに移動できる社会の実現に向けて、鉄道、LRT、バスなどを効果的・効率的に連携させた総合的な公共交通ネットワークの構築に取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) ここで、知事に再質問させていただきます。本県の交通アクセスは、知事の先ほどの答弁にもございましたが、鉄道により充実した南北の縦軸に対し、東西を結ぶ横軸が脆弱でございます。観光戦略を例にとれば、日光の観光客に益子焼の体験をさせたくても、車のない県外や海外からの観光客には、極めて不便であると言わざるを得ません。  しかし、LRTをさらに東に延伸し、真岡線と接続することで、益子町や真岡市に、また、東武宇都宮駅への接続や、さらにそれを西に延伸することで、栃木市、鹿沼市を初め、周辺自治体と結び、まさに知事が提唱する人にやさしい県土六十分構想に直結するものではないかと思いますが、知事の所見を伺います。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 再質問にお答えいたします。先ほど申し上げましたように、人口減少・超高齢社会に対応して、地域の活力を維持し、さらには増進していくためには、県内の各地域の実情に応じて、誰もが便利に移動できる公共交通の利用環境を整えていくことが非常に重要であると考えております。  宇都宮市と芳賀町が取り組むLRTは、その先駆けとなるものでございまして、まずは、現在導入しようとしている区間について着実に実現を図り、そしてまた、成功をおさめることが何より重要であると考えております。 ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) 今、進めているLRTの計画は、国もかなり注目しておりまして、軌道から始まるLRTの事業は初めてということでございます。栃木県がますます全国に、いわゆる栃木県を発信する意味でも重要な取り組みになると思います。  また、ご存じだと思いますが、LRTの検討会である芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会には、真岡市、鹿沼市を初め、上三川町、益子町、茂木町、市貝町、壬生町がオブザーバーとして参加しており、意見も述べられているとお聞きしております。広域にわたる取り組みになりますし、自治体を越える取り組みでございますので、県は積極的にこれを支援すべきだと考えております。  知事には、魅力ある地方都市形成に資する、鉄道やLRTを軸とした総合的な公共交通ネットワークの構築に向けて、さらに積極的な取り組みをお願いして、次の質問に移りたいと思います。  林業の六次産業化の推進について、環境森林部長に質問します。国は、国土の三分の二を森林が占める我が国において、林業の再生を地方の活性化に直結する課題と捉え、林業を成長産業に飛躍させるとしております。  今から五十年前、一九六四年の木材輸入自由化以降、値段の安い外国産材が急増し、国内の木材生産額は減少し、現在も林業は縮小の一途にあります。その中で、政権交代以降の円安による輸入材の価格上昇は、住宅建築に国産材を使用するニーズを高め、久々にめぐってきた林業への追い風となっております。  政府は、二〇二〇年までに木材自給率を五〇%以上とする目標を掲げ、森林や林業の再生を国家戦略に位置づけ、伐採や植林など森林事業の集約と低コスト化を強化し、国産材の安定供給を目指すと打ち出しました。本県の林業の現状は、乾燥材生産では日本一でありますが、県土の約六〇%の森林資源を有効に活用しているかといえば、ノーであります。  私は、国の方針に合致させ、本県の豊富な森林資源を有効活用しながら需給のミスマッチなどの課題を解決するポイントは、林業の六次産業化であると考えており、これまで林業経営の変革につながる林業の六次産業化推進を訴えてまいりました。この林業の六次産業化を推進するためには、三つの環境整備が不可欠でございます。  第一は、消費マーケットと川上・川中・川下の有機的連携の確立であります。これは、本県林業の課題解決のために、マーケットインの考え方で、確実なマーケット・確実な需要の確保として、県内エリアごとに工務店等のビルダーをグループ化し、川下で使う県産材を川上と連携し安定的に供給する体制であります。  そして、建築用材で使われない部位の木質バイオマス利用を推進し、木材を一〇〇%商品として販売できる仕組みをつくります。マーケットの需要を把握し、川下の数値計画を川上の素材生産計画に連動させ、川中の製材・加工計画にと一貫した共同体経営体制を構築するのです。  第二は、皆伐事業の拡大です。木材供給の大前提は皆伐です。青森県では、年間産出量を平成二十一年の五十二万立方メートルから、平成二十六年には八十・三万立方メートルまで拡大し、六百ヘクタールの皆伐事業を毎年実施しております。  本県では、昨年度から皆伐モデル事業として、年間二十五ヘクタールの皆伐を八百万円の予算で実施しておりますが、私は、本県の森林資源の規模からすると、この十倍の皆伐が適当であると考えています。それには、八千万円の事業予算が必要ですが、皆伐事業の経済効果を試算すると、八千万円の投資で少なく見積もっても五十二億円を超える経済効果があり、新たな雇用も創出できます。皆伐の推進は、本県経済に大きな貢献をもたらします。  そして、第三の環境整備は、林道・作業道の整備と苗木の供給体制の強化です。これにより、搬出作業の効率化と循環型林業の仕組みが確立できます。  そこで、このような点を踏まえ、県は今後林業の六次産業化にどのように取り組むのか、環境森林部長に伺います。 ○岩崎信 議長 金田尊男環境森林部長。    (金田尊男環境森林部長登壇) ◎金田尊男 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。戦後植林した木々が大きく成長し、収穫期を迎えている本県の森林資源を有効に活用するためには、需給のミスマッチを解消し、切って、植えて、育てる林業本来のサイクルを復活させる必要があります。  このため県では、平成二十三年に策定したとちぎ森林・林業・木材産業未来ビジョン二〇一一におきまして、それまでの公益的機能重視の施策に加え、マーケットインの考え方に立ち、森林資源の循環利用を積極的に進めることとし、皆伐の促進や安定需給のための協定取引などに取り組んでまいりました。  加えまして、昨年度からモデル事業を立ち上げ、異業種連携や森林資源をフル活用する皆伐への支援を強化し、生産量や協定取引量の拡大、取引価格の安定化などの成果を上げてまいりました。  これらの成果を全県的に広め、需給の安定と素材生産力の強化を図るため、異業種連携の促進、路網整備や高性能林業機械の導入による低コスト化、コンテナ苗への転換による苗木供給力の向上など、市や町、関係業界と一体となって、さらに積極的に進めてまいります。  こうした取り組みによりまして、川上・川中・川下が連携した林業の六次産業化を推進し、林業・木材産業の成長産業化による新たな雇用の創出や農山村地域の活性化に努めてまいります。 ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) 積極的な取り組みを要望いたします。今、私は、二百五十ヘクタールの皆伐が適当だというお話をしました。二百五十ヘクタールの皆伐をすれば、大体十二万立方メートルぐらいの材が出るという状況になるのですが、今、県内の製材業者が、例えば福島県ですとか、県外から買っている材が十万立方メートルあります。ある意味では、わざわざ県外から買って加工製材をしている業態があるという現状がございます。皆伐を二百五十ヘクタールにすることで、まずは、県内の加工製材の需要が満たされることになりますので、皆伐事業の拡大については、どうか積極的に取り組んでいただきたいと思います。  また、関連で環境森林部長に再質問します。林業経営の改善についてですが、先ほどお話ししましたいわゆる六次産業化で第一、第二、第三の環境整備ができたとしても、川上の山林所有者がまとまらないことで、林業経営の体をなさない現状もございます。  私は、信託等の手法を用いて所有者から山林を集約し、一定の規模で素材生産を安定化させる林業経営の仕組みをつくる必要があるのではないかと考えておりますが、県は、林業経営の改善についてどのように取り組んでいくのか、環境森林部長に伺いたいと思います。 ○岩崎信 議長 金田尊男環境森林部長。 ◎金田尊男 環境森林部長 再質問にお答えいたします。本県の森林の現状を見ますと、少子高齢化や過疎化によりまして、境界や所有者が不明な山林といったものもふえてきておりまして、今後、森林の荒廃が進むのではないかという危惧がございます。  こうした中で、本県の森林を将来にわたって良好に管理し、林業経営の場として持続的に発展させていくためには、さまざまな管理や経営の仕組みを導入していくことが急務となっていると感じております。  このため、議員からご提案がありました信託制度なども含めまして、森林組合などの林業事業体、市町村、さらには、法律や経済の専門家の皆さんなどのご意見もよくお聞きしながら、新たな管理や経営の仕組みについて鋭意検討してまいりたいと考えております。 ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) 積極的に取り組んでいただきたいと思っております。皆伐事業をベースにした林業の六次産業化 への今後の取り組みに期待いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  水素エネルギー社会の構築について、環境森林部長に質問します。国は、昨年六月水素を日常的に利活用する水素社会の実現に向けて水素・燃料電池戦略ロードマップを策定し、二〇四〇年頃までの水素の利用や製造など、各段階における産学官の取り組みを示しました。  水素エネルギー社会構築の取り組みは、福岡県で十年以上前からスタートして、全国から注目を集めております。福岡県がなぜ水素に注目したかというと、当時、八幡製鉄所が製鉄の過程の中で発生する水素の処理に困っていたことに加えて、九州大学が世界有数の水素研究機関であったことがあります。福岡県はこれらをマッチングさせ、次世代エネルギー及び新産業創出につなげようと取り組みを開始したそうでございます。  水素は自然界にはほとんど存在しませんが、人工的につくることができます。水素エネルギーは、利用段階でCO2、二酸化炭素を排出しないことから、低炭素社会に欠かせませんが、現在は水素をつくる過程で化石燃料を使用していることが課題でもあります。  水素エネルギー社会では、太陽光、水力、風力、地熱、バイオマス・バイオガスといった再生可能エネルギーを利用して水素をつくることや、製鉄所、化学プラントから発生する水素を集め、水素ステーションに備蓄し、これらの水素を車やボイラーのエネルギー源にすることで、循環型の低炭素社会を実現します。水素エネルギー社会は、無公害で高効率なクリーンエネルギー社会であります。  本県には、内陸型最大規模の工業団地を初め、ものづくり産業の集積地があり、再生可能エネルギーに必要な森林資源や日照時間、温泉等も豊富であります。  そこで、循環型の水素エネルギー社会の構築について、県は今後どのように取り組んでいく考えか、環境森林部長に伺います。 ○岩崎信 議長 金田尊男環境森林部長。    (金田尊男環境森林部長登壇) ◎金田尊男 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。エネルギー資源の多くを輸入に頼る我が国におきましては、水素は国内での生産が可能であり、環境負荷も小さく、国内産業の技術力を生かすことができるエネルギー源であります。  国は、水素社会の実現を目指しまして、まず、第一に燃料電池など水素利用の拡大、第二に水素発電の本格導入、さらにはCO2フリー、すなわち化石燃料によらない水素供給システムの確立という三段階のロードマップを示しております。  県としても、まずは、第一段階であります身近な家庭用燃料電池や燃料電池車の普及を図るほか、水素ステーションの整備のあり方につきましても、自動車産業界などとともに検討してまいります。  そして、長期的には、本県の有する森林資源など、再生可能エネルギーにより発電した電気によって水素エネルギーを供給することなども視野に置きまして、環境と経済の好循環のもと、持続的に発展していくエネルギー社会を目指してまいります。
    ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) 積極的に取り組んでいただきたいと思います。福岡県では、水素エネルギー社会構築の取り組みを、新産業創出の観点から商工部が所管しており、本県で言えば、産業労働観光部でございます。  先日、トヨタ自動車の内山田会長が宇都宮市内で講演をした中で、来るべき水素社会に備え、東京から東北に水素自動車を走らせる環境づくりのためには、栃木県に水素ステーションが必要不可欠だとし、また、知事にも要請されたとおっしゃられておりました。  そこで、産業労働観光部長に質問いたします。水素エネルギー社会は、遠い未来の話ではございません。国は、二〇二〇年の水素自動車の実用化に向けて、その取り組みを加速させております。本県の新たな成長産業を考える上で、循環型の水素エネルギー社会の構築は重要なファクターであり、積極的に取り組む必要があると思いますが、所見を伺います。 ○岩崎信 議長 荒川政利産業労働観光部長。 ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまの再質問にお答えいたします。水素エネルギーにつきましては、家庭用燃料電池や燃料電池自動車はもとよりですが、幅広い分野において新たなエネルギーを生み出す可能性を秘めております。また、市場規模におきましても、今後、増大することが予想されておりますので、本県の産業政策の観点からも、この水素エネルギー関連分野については、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。  現在、県では、自動車産業振興協議会、環境産業振興協議会の中におきまして、燃料電池自動車の研究セミナーあるいは新エネルギー関連技術の研究部会を開催したところでございます。今後とも、国の動向を注視しながら、県内の中小企業が水素エネルギー分野への参入あるいは利活用をどういう形でできるかということについて、しっかりと研究してまいりたいと考えております。 ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) どうか積極的な取り組みをしていただきたいと思います。次の質問に移ります。  栃木の農業振興についてであります。農業分野でグローバル化に対応した体制をいかに整えていくか。TPPの大筋合意を受け、強い農業、攻めの農業の構築が急がれます。  TPPは、経済規模で世界の約四割、貿易量で約三分の一を占める巨大な経済圏となり、取り組み次第では日本経済、なかんずく本県経済に大きなメリットをもたらします。  一方で、農産物重要五項目の関税の段階的な引き下げ等により、農林水産業者は、安い輸入品との激しい競争を余儀なくされる懸念があります。農業は、生産者の高齢化や後継者不足等の問題に直面しておりますが、このTPPをきっかけに、海外への販路拡大など攻めの農業に転換し、本県の農業を成長産業としていかなければなりません。それには、農業の生産性向上や競争力の高い経営体質に転換できるよう、県の後押しが求められております。  そこで、初めに、県産農産物の流通強化について、農政部長に質問します。競争力のある強い農業を構築するには、農産物の品質の高さはもちろんのこと、流通力の強化が決め手となります。  十月二十二日付下野新聞に、「日光公設市場廃止へ」の記事が載り、衝撃を受けました。食の流通面で、足尾・栗山地域での影響が懸念されております。  県内の市場の配置状況は、公設市場が七カ所、民設市場が十カ所あり、いずれも適切に全県を網羅しております。市場には、県内外各地への食の流通機能があり、農産物流通を支える装置として、今後も維持強化していかなければなりません。  先日、岡山市中央卸売市場を視察してまいりましたが、岡山県でも全体として市場取引高の減少傾向が顕著で、職員の頭を悩ませておりました。そうした中、岡山市中央卸売市場は関連棟のリニューアルに取り組み、空き店舗を解消、人を呼び込むことにより、消費者に開かれた市場として中央市場の知名度を上げました。さらに、全国の特産品を一堂にそろえた市場ならではのイベントや食育につながる各種イベントの開催などで、市場取引の活性化につなげた先進事例もございます。  TPPを視野に入れると、これまでの延長線上だけで今後の対策を考えるのではなく、TPPによる生産者の不安を払拭する積極的な取り組みが求められます。まさに農産物の流通強化は、この問題を解決するポイントであります。  品質がよくおいしい物が食べたいとか、健康や美容によい付加価値の高い物が欲しいといったさまざまな消費者ニーズに応えるべく、生産者は取り組んでおります。加えて、流通の強化により、農産物の品質や付加価値が評価され、値段は少々高くても売れるマーケットをつくる必要があります。  そこで、県産農産物の流通強化について県はどのように取り組んでいくのか、農政部長に伺います。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。    (南斎好伸農政部長登壇) ◎南斎好伸 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。近年、農産物の新鮮さやおいしさをより求める消費者ニーズを反映し、県内各地の道の駅や農産物直売所、食品スーパーや百貨店の産直コーナーでの農産物の販売が人気を集めております。  一方、青果物流通の拠点となる卸売市場は、生鮮食料品を県民に安定して供給する重要な機能を有しているわけでございますが、こうした消費動向のトレンドへの対応がおくれている状況にございます。  このため、現在策定を進めております第十次栃木県卸売市場整備計画では、産地との連携による魅力ある地元農産物の集荷・販売、特色ある市場祭りの開催や関連棟の有効利用、あわせまして民間活力の導入なども視野に入れながら、市場の活性化についても検討しているところでございます。  さらには、大消費地である首都圏に向けましてPRイベントを開催するなど、県産農産物の販売促進に力を入れるとともに、経済成長の著しい東南アジアへの輸出促進による販路拡大を図るなど、県産農産物の国内外の流通強化に取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) 農政部長に再質問させていただきます。先日、「スカイベリー」をデザインしたピンバッジ、私も気に入ってつけているのですけれども、いちご王国とちぎを象徴するイベントを、宇都宮の中央卸売市場を使って開催してはどうかと考えております。例えば「とちぎ・いちご万博」と銘打って、中央市場の機能を活用して全国の産地からイチゴを集荷し、イチゴの展示や直売など食のイベントを開催するのです。品を変えれば、ニラ、トマト、アスパラガスなど、本県が力を入れている農産物のPRイベントとして活用もできますし、生産者や、何より市場関係者が活気づく取り組みとなり、費用を余りかけずにできるコストパフォーマンスの高い取り組みとなると思います。  今現在、県は、県内外及び海外での知事のトップセールスを初め、精力的に施策を展開しておりますけれども、知事のそうした活動をバックアップするためにも、県内でのイベント等に取り組んでいくことは不可欠ではないかと思いますが、農政部長の所見を伺いたいと思います。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。 ◎南斎好伸 農政部長 ただいまの再質問にお答えいたします。県産農産物の品質の高さなどを県民に認識いただくためにも、県内におけるPRイベントは重要かと思っております。  「スカイベリー」のピンバッジ、お褒めいただいてありがとうございます。「スカイベリー」の認知度なのですが、消費者向けの実食イベントとか、テレビ、雑誌、電車広告等、各種メディアを活用して取り組んでおりますけれども、平成二十七年度、二五・八%から三六%という知名度、まだその程度でございます。今年度も先月二十三日に日光東照宮で、県民により愛されるイチゴとなるようにPRのキックオフイベントを行いました。今月の十日には知事も出席して東京でPRイベントを行います。  そういったことを踏まえて、先ほど斉藤議員にお答えしたところで、ことしは「スカイベリー」のほうが「あまおう」より単価がいいという話をしましたが、昼休みに調べましたところ、実はきのう福岡県が大田市場で「あまおう」のトップセールスを行いました。その結果もありまして、最高級クラスでは「あまおう」が二千円、「スカイベリー」が一千八百円と逆転されてしまいました。Gクラスでは、「スカイベリー」が五百五十円で「あまおう」が五百円ですから、多い量が入っているところは勝っているわけですが、いちご王国とちぎを自負するからには、「あまおう」にぜひとも勝たなくてはいけない。そういったところで、「スカイベリー」のさらなるPRに努めていくのが、まずは大事かと思っております。  ご提案のイベントですが、「あまおう」を凌駕した上で頑張らせていただきたいと思います。 ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) この間、福岡県を訪れたときに、イチゴの名刺でご挨拶させていただきました。担当者の方に「栃木県、いちご王国ですね」と言っていただきましたが、「スカイベリー」の名前は出てきませんでした。まだまだ知名度が不足しているということですので、どうか今回のこの第十次栃木県卸売市場整備計画の中に、積極的な農産物のPRの強化につながるさまざまな取り組みを入れていただきたいと思います。  最後の質問になりますが、畜産業の振興について、農政部長に質問します。本県の畜産・酪農業は、とちぎ和牛など全国有数のブランド肉や生乳生産量が北海道に次ぐ全国第二位など、本県の主要産業であります。今後は、さらにTPPなど世界市場の変化に適応し、畜産業を攻めの農業の象徴として地方創生を牽引するものとしてなければならないと考えています。  県は、一昨年の三月、栃木県食肉流通合理化計画を発表し、平成三十二年度の牛肉・豚肉の出荷目標を示しました。いずれも県内流通に重きを置いたもので、平成二十一年度と比較して、豚肉の県内出荷率を三八%から五〇%に、牛肉は一八%から四四%にという計画でございます。これは、新たな食肉センターを整備することで県内出荷をふやし、流通コストを下げ、低価格で高品質な食材を迅速に消費者へ提供することを可能にし、県産食肉の競争力を強化する取り組みになっております。  そこで、県は新しい食肉センターの整備を本県の畜産振興にどう結びつけようとしているのか、農政部長に伺います。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。    (南斎好伸農政部長登壇) ◎南斎好伸 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。本県は、恵まれた草地基盤や首都圏に位置する有利な地理的条件を生かしまして、酪農の産出額が全国第二位、肉用牛及び豚はそれぞれ第八位など、全国有数の畜産県として発展してきたところでございます。  こうした中、安全で高品質な食肉を供給する重要な役割を担う県内三カ所の食肉センターは、いずれも老朽化が進んでいることもあり、これらの施設の統廃合等を内容とする栃木県食肉流通合理化計画を策定し、高度な衛生基準を備えた魅力ある施設の整備を目指し、現在、関係者と一体となって取り組んでおります。  県といたしましては、新たな食肉センターが整備されることで、県民への食肉の安定供給はもとより、輸出を含む販路拡大、さらには、食肉関係の食品産業との連携などを、市町や関係機関・団体と一体となって進め、本県畜産の振興につなげてまいります。 ○岩崎信 議長 野澤和一議員。    (十七番 野澤和一議員登壇) ◆十七番(野澤和一議員) 時間がなくなってしまいました。再質問をしたかったのですが、要望にかえさせていただきます。  今回の食肉流通拠点の統廃合により、三カ所が一カ所にということになります。私は、この合理化計画によって、本県の畜産業にかなりのメリットがあるだろうと思います。  ただ、見過ごしてはいけないのは、生産者のいわゆる経営メリットをしっかりと考えていかなければならないと私は思います。統合によって運搬距離が遠くなる生産者はたくさんいます。県北も県南もそうでしょう。そうした生産者の経営メリットにも配慮し、この合理化計画のもとにつくる新たな食肉センターについては、そうした内容を踏まえた上で、しっかりと機能の充実に取り組んでいただくことを要望したいと思います。  また、屠畜能力の強化、それから、運搬中のさまざまな事故も想定されます。そうした事故対応全般の配慮など、生産者側に立った計画。それと、海外への輸出販路拡大につながるための付加価値をつけた食肉センターにぜひしていただきまして、本県の畜産業のさらなる飛躍につながる拠点となるようにお願いしたいと思います。  最後になりますが、二期目の議会に臨んで強く感じることは、今、私たちを取り巻く環境は非常に大きく動いているということです。だからこそ、議会が結束して民間目線、県民目線で政治を進めなければなりません。私たち地方議会には、何でも反対の不毛の議論を繰り返すのではなく、二元代表制を有効に機能させ、建設的で創造的な議論を積み上げ、また、現状を客観的に把握し、変化にどのように対応して県民の利益に結びつけていくかという知恵の議論が求められていると強く感じております。  これからも全力で県民目線、生活者目線で、知事を中心に皆さんとともに前進してまいる決意でございます。どうかよろしくお願いします。以上でございます。ありがとうございました。 ○岩崎信 議長 次に、お諮りいたします。あすは議案調査のため、本会議を休会したいと思いますが、ご異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○岩崎信 議長 ご異議がないと認め、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。三日は定刻から本会議を開き、上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。  本日はこれで散会いたします。 午後二時二十六分 散会             ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~...