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平成27年度栃木県議会第330回臨時会議-06月17日-04号

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  1. 栃木県議会 2015-06-17
    平成27年度栃木県議会第330回臨時会議-06月17日-04号


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    平成27年度栃木県議会第330回臨時会議-06月17日-04号平成27年度栃木県議会第330回臨時会議 〇六月十七日(水曜日)  出 席 議 員 四十九名    一 番   中   屋       大    二 番   平   木   ち さ こ    三 番   船   山   幸   雄    四 番   塩   田   ひ と し    五 番   齋   藤   剛   郎    六 番   増   山   敬   之    七 番   吉   羽       茂    八 番   阿   部   博   美    九 番   加   藤   正   一    十 番   相   馬   政   二    十二番   野   村   せ つ 子    十三番   白   石   資   隆    十四番   早   川   け い こ    十五番   さ い と う   淳 一 郎    十六番   西   村   し ん じ    十七番   野   澤   和   一
       十八番   池   田       忠    十九番   亀   田       清    二十番   関   谷   暢   之   二十一番   中   島       宏   二十二番   日 向 野   義   幸   二十三番   横   松   盛   人   二十四番   斉   藤   孝   明   二十五番   松   井   正   一   二十六番   山   田   み や こ   二十七番   保   母   欽 一 郎   二十八番   一   木   弘   司   二十九番   相   馬   憲   一    三十番   山   口   恒   夫   三十一番   阿   部   寿   一   三十二番   金   子       裕   三十三番   佐   藤       良   三十四番   山   形   修   治   三十五番   若   林   和   雄   三十六番   五 十 嵐       清   三十七番   岩   崎       信   三十八番   小   林   幹   夫   三十九番   五 月 女   裕 久 彦    四十番   花   塚   隆   志   四十一番   早   川   尚   秀   四十三番   佐   藤       栄   四十四番   神   谷   幸   伸   四十五番   螺   良   昭   人   四十六番   三   森   文   徳   四十七番   石   坂   真   一   四十八番   木   村   好   文    五十番   髙   橋   文   吉   五十一番   平   池   秀   光   五十二番   板   橋   一   好  欠 席 議 員 一 名    十一番   渡   辺   さ ち こ 地方自治法第百二十一条の規定による出席要求によって出席した者                   知事       福   田   富   一                   副知事      鈴   木   誠   一                   副知事      馬   場   竹 次 郎                   総合政策部長   北   村   一   郎                   経営管理部長   井   澤   晃 太 郎                   県民生活部長   平   野   博   章                   環境森林部長   金   田   尊   男                   保健福祉部長   近   藤   真   寿                   産業労働観光部長                            荒   川   政   利                   農政部長     南   斎   好   伸                   県土整備部長   印   南   洋   之                   会計管理者会計局長                            國   政   英   夫                   企業局長     淺   香   達   夫                   総合政策部次長総合政策課長                            中   里   文   計                   財政課長     矢   野   哲   也                   教育長      古   澤   利   通                   代表監査委員   石   﨑       均                   人事委員会事務局長                            檜   山   英   二                   労働委員会事務局長                            黒   田   葉   子                   警察本部長    松   岡   亮   介             ―――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十九名であります。             ――――――――――――――――――――――――――――  午前十時 開議 ○岩崎信 議長 ただいまから本日の会議を開きます。  日程第一 第一号議案から第十号議案まで及び第十二号議案から第十五号議案までを一括して議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。発言通告者に対し、発言を許します。関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) 改選後初めての質問戦も、本日、最終日を迎えました。私を再びこの場に立たせてくださった多くの県民の皆様方の思い、ここに感謝と、そして果たすべき責任をしっかりと胸に刻みながら、この質問に臨ませていただきたいと思います。本日の質問のテーマは、「とちぎ創生への道」であります。サブテーマは、我が会派の三森議員の代表質問にもありましたが、「戦略と戦術」ということを念頭に置きながら、早速、通告に従いまして質問に入らせていただきたいと思います。  まず、栃木県版まち・ひと・しごと創生総合戦略についてお伺いいたします。政府は、長期ビジョンとまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、人口減少問題の克服と地方を主役とする活性化策の推進により、持続発展可能な社会の再構築を目指すとしております。  県では、栃木県版総合戦略について、国の総合戦略を勘案しながら、次期プラン及び地方創生総合戦略策定懇談会での検討を重ねるなど、十月末の策定に向けて鋭意取り組んでいるところと思います。  県議会においても、私も委員を務めさせていただく次期プラン及び地方創生総合戦略検討会を設置して、必要な提言を行うべく体制を整備したところであり、議会としても、従来の県政を振り返り、明るい未来のとちぎづくりのために、これまで以上に危機感と責任感を持って取り組みたいと考えております。  県版の総合戦略策定に当たっては、政策五原則である自立性、将来性、地域性、直接性、結果重視を踏まえた施策を推進することとし、明確な目標と重要業績評価指標(KPI)の設定とともに、PDCAサイクルによる検証体制・方法についても検討することとされております。また、市町では、県の総合戦略を勘案しながら、地域の特性を生かした総合戦略を策定することが求められておりますが、策定段階での市町との連携には、時間的な制約等から、その相関性や整合性の精度には限界もあろうかと考えております。  しかしながら、戦略の実効性をより確かなものとし、高めていくためには、実行段階での県と市町、あるいは市町間での連携が不可欠であり、そこに果たす県の役割は非常に重要であると考えております。さらに、地方創生の名のもとに行われる全国レベルでの地域間競争、都道府県間競争を勝ち抜いていくためには、いわゆる縦割り行政の弊害を排した、柔軟で実効性を伴う新たな組織やチーム等の設置をも含めた推進体制の整備が求められるものと考えております。  そこで、栃木県版まち・ひと・しごと創生総合戦略の実効性を高め、とちぎ創生の実現を図るため、実効力のある推進・管理体制の整備及び市町との連携について、県としてどのように進めていく考えか、知事にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。   (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの関谷議員のご質問にお答えいたします。県におきましては、先ごろ、人口の将来展望を示す人口ビジョンの骨子案を取りまとめたところであり、十月末を目指し、スピード感を持って、地方創生総合戦略の策定を進めているところでございます。  人口減少克服は危機感を持って取り組むべき喫緊の課題でありますことから、総合戦略においては、明確な基本目標を掲げるとともに、その目標達成に向けて実効性を高めていくことが重要であると考えております。  このため、政策ごとの達成すべき成果指標といたしまして、重要業績評価指標、いわゆるKPIを設定するとともに、施策の効果を検証し改善する仕組みとして、PDCAサイクルを構築することが求められております。  この仕組みを十分に機能させるため、私を本部長とする庁内の栃木県まち・ひと・しごと創生本部を中心といたしまして、部局横断的な体制で進捗管理を行ってまいります。さらに、効果検証についての妥当性・客観性を担保することが重要でありますことから、庁内での効果検証に加えて、外部有識者等を含む検証機関を設置してまいりたいと考えております。  また、県及び市町双方の総合戦略策定に向けて、現在、全市町の参加による研究会等を通じて協議・意見交換を重ねているところでございますが、効果検証の情報共有等を含め、実行段階におきましても、市町とのさらなる連携強化を図ってまいりたいと考えております。  今後、総合戦略に掲げる取り組みを果断に実行するとともに、検証と改善を加えながら成果を着実に積み重ね、人口減少克服・地方創生への潮流をつくり出してまいります。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) 今回のこの地方創生というかつてない大きな国の取り組みは、地方にとっても、存亡をかけた大変大きな、そして、これから長く取り組み続けなければならないものであります。そんな中で、いよいよ、失敗は許されない、そして、栃木県にとってはこれから激化する地域間競争を何としても勝ち抜いていきたいという思いを持つわけでありまして、部局横断のこれまでにない施策の実行力が求められていると思います。栃木県のまち・ひと・しごと創生本部は、知事がみずから先頭に立ってということでありますが、こうしたものがしっかりと機能していくことは非常に重要であると思っています。  さらには、総合戦略は各市町もつくるわけでありますが、それぞれの中での実効力を高めていく、例えば人口ビジョンといったものをとったときには、自然動態は別といたしまして、社会動態の中での流入・流出では、それぞれの市や町が、近隣の市町を含めて、流出をなるべくとどめて流入人口をふやしていこうということでいくわけですから、その中に整合性を見出すことはまず無理だと思います。当然のことながら、お互いに、自分たちのまちに多くの人口を呼び込むという思いでいるわけですから、そのことの整合性をとっていくのはなかなか難しいと思います。  しかしながら、栃木県の地域を活性化させていくさまざまな産業戦略にとっては、いわゆる経済圏域としての広域での取り組みが実効性をより高めていくものと考えられるわけであります。そのときに、各地域、市町が独自に設定した産業戦略の実効性を高めていく中で、地域間の、つまり市や町の行政境を越えた調整や牽引といったものは誰が図るかといえば、県以外にないと思っております。  そうした体制のもとで、確かに今、人口問題対策研究会という全市町も県も参加した部分があるわけですが、こうしたものを本当の意味で、栃木県全部はもちろんですが、それぞれの地域や産業分野で連携すべきエリアが変わってくる中において、そのあたりの調整や県としてのリーダーシップをどのようにとっていかれる考えか、改めて知事にお伺いしたいと思います。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 再質問にお答えいたします。まずこの課題の克服につきましては、人口減少や地場産業振興などを含めた産業振興について、各市町がやる気を示さなければならないと思います。人任せ、県や国、あるいは補助金頼みでは解決にはつながらないと思います。町民や市民が立ち上がって、自分たちの地域は自分たちがつくっていくという熱い思いが必要になると思います。  そのためには、市や町の役割というのは非常に重要だと思います。その上で、出来上がったプランに、だるまでいえば目を入れていくという作業がこれから必要になってくるわけですが、ついては、今ご指摘がありましたような広域・ブロック単位で取り組むべき課題もあると思います。さらには、広域間連携も必要になってくると思います。そのときに県の役割は当然出てくると思いますので、広域連携を図る、あるいは広域間の連携を図る、これらについては、ぜひ市町村長の間に入って、私も十分その役割を果たしてまいりたいと考えております。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) ぜひそのような方向性でご検討いただきたいと思います。現段階でその推進体制や管理体制といったものを問うのは多少拙速な部分もあるのかもしれませんが、これは本当に地域間競争を十分意識していかなければならない。これまでの栃木県の施策にも、やはり同じように推進体制があり管理・検証体制があったわけでありますが、これはある意味、栃木県としての絶対評価といったものになっていこうかと思います。これからは、我々の時代の学校の成績表ではありませんが、相対的な評価ということを意識しなければならないと思います。したがって、ぜひともそのあたりのところを意識しながら、知事みずからのリーダーシップにはもちろん期待させていただくとともに、県庁挙げて、職員一人一人がそうした体制に意識を向けていただくことをぜひ要望させていただきたいと思います。  今回、平成二十六年度の補正予算の中で、地方創生の交付金がありました。消費喚起型と先行型ということで、その一つに日光宇都宮道路の通行料の割引をとらせていただいた。これは消費喚起型のほうで、五〇%の割引という形でいきました。ここで私はこの施策に対して思ったのですが、確かにことしは日光東照宮四百年式年大祭ということで、栃木県に人を呼び込む大きな核になっており、そこに、さらに有料道路の割引で人を呼び込むのは理にかなっていると思います。  しかしながら、同時に、産業労働観光部の観光政策としては、周遊パスポートで、とにかく栃木県内を周遊してもらおうという政策をとっているわけですから、この折にぜひ日塩もみじラインも同じような扱いをするとか、あるいは日塩龍王峡ラインもとか、さまざまな栃木県の有料道路に対しても部局横断で政策を考えていけば、当然そうした発案もできたであろうし、これはストーリーがしっかりできていないと国は認めない、単なる焼き直しみたいな政策では国は認めないということになっているわけでありますから、このあたりも十分に検討していただきたい。実際に千葉県や山梨県は、消費喚起型ではなく先行型の交付金を使いながら、全額無料の有料道路の政策をとっています。これは、切り口であったりストーリーのつくり方で使い道も変わってくるということでありますので、どうかそうした戦略をしっかりつくれる本部体制と、市町村と連携して一緒になって汗をかけるような支援体制を考えていただきながら、栃木の地方創生、とちぎ創生をしっかりと推進していただきますように要望し、次の質問に入らせていただきます。  人口ビジョン人口減少対策について、二項目お伺いいたします。県は過日、栃木県版の人口ビジョン骨子案を示し、二〇六〇年の人口を百五十万人と設定いたしました。これは、若い世代の経済的基盤を安定させ、結婚・出産・子育ての希望を実現することにより、近年一・四〇前後で推移している合計特殊出生率を二〇三〇年までに一・九〇程度、さらに二〇四〇年までに二・〇七程度に向上させるとともに、県外への人口移動の収束により確保できるとしたものであります。  人口減少対策については、出生と死亡によりはかる自然動態への対策と、転入と転出によりはかる社会動態への対策との大きく二つに区分されるわけでありますが、まず一項目目といたしまして、自然減対策としての結婚支援の充実についてお伺いいたします。
     人口ビジョンの実現には、若い世代の結婚・出産・子育ての希望を実現することが大前提となっており、本県の合計特殊出生率が昭和四十九年には二・二六となっていたものの、その後は低下傾向にある一方、未婚率は昭和五十年以降上昇傾向にあることからも、人口減少対策に結婚支援は非常に重要な役割を担うといえます。  未婚者を対象とした本県の調査によると、「いずれは結婚したい人」を含めると、九〇%近くの人が結婚の意思を持っているものの、結婚しない理由の一位には、「適当な相手にめぐり会わない」ことが挙げられております。  こうした調査結果を踏まえ、県は、本年三月にとちぎ子ども・子育て支援プランを策定し、八本柱で構成するプランの新たな柱に結婚を応援するための取り組みを掲げ、結婚支援の取り組みを充実していくこととしております。具体的には、とちぎ未来クラブの取り組みを中心に充実を図ろうとしているようでありますが、他県と比較するとまだまだ物足りない印象を受けております。  昨年十二月議会の一般質問で佐藤良議員から、とちぎ未来クラブの取り組み成果についてただされたところでありますが、今般、とちぎ子ども・子育て支援プラン並びに人口ビジョン骨子案が示され、さらには、過日の三森議員の代表質問の折、北村総合政策部長からは出生率より出生数にこだわる旨の発言もあったところでありますので、改めて伺います。  結婚支援は、人口減少対策の根幹ともいえる極めて重要な対応策の一つであり、より一層充実を図っていく必要があると考えますが、県として今後どのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 近藤真寿保健福祉部長。   (近藤真寿保健福祉部長登壇) ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、これまでとちぎ未来クラブの事業等を通しまして、結婚を希望する未婚者を対象に出会いの場の提供等に努めてまいりましたが、成婚数は報告があったもので三十一組にとどまっておりますことから、事業のさらなる充実が必要であると考えております。  このため、とちぎ子ども・子育て支援プランの初年度となる今年度は、出会いイベントに民間企画を取り入れ、開催回数をふやすとともに、新たに婚活スキルアップセミナーの開催や企業内・企業間の出会いイベントの促進等、事業の強化に取り組むこととしております。  さらに、大学生等に対する妊娠・出産等に関するライフプラン講座の開催等を通しまして、若者が結婚や子育てを積極的に選択する気運を醸成してまいりたいと考えております。今後とも、関係部局と連携しながら結婚支援の充実に努めてまいります。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) 栃木県も、とちぎ未来クラブの取り組みをこれから強化していくということでありますが、先ほども申し上げたように、相対的に他県の事例と比べていけば、まだまだかなというところは否めないと思います。お隣の茨城県では、平成十八年の開設でありますが、既にイベント数は一千四百七十七回、成婚者数が一千三百二十三組となっております。イベント数で見れば、月に十五回平均で行っているということでありますし、秋田県においてもおおよそイベント数は月に十五回ぐらい。平成二十三年の開設と思われますが、平成二十七年六月で既に六百組の成婚という形です。山形県においても、イベント数は多い月では四十回近くになるということで、やはりこうしたものに多少比例してくるということも言えるだろうと思います。さらには、高知県、鳥取県、静岡県、石川県、新潟県、三重県などでは、サポーター制度アドバイザー制度を充実させたことによって、カップル数や成婚者数がふえているという実績もありますので、どうか他県の事例をしっかりと検証していただき、予算に問題があるということであれば、交付金などの活用も含めて、これはやはりつくり方でありますので、単純にはなかなか交付要件を満たさないかもしれませんが、さまざまな切り口から、工夫をもって予算の獲得も含めて取り組んでいただきたいと思います。  少子化の中で、ちょっと余談になりますが、同僚の齋藤剛郎議員のところにけさほど第一子が生まれるという、大変おめでたいニュースも入ってきております。増山議員においては、第四子が過日生まれたばかりということで、議員の中にも明るいニュースがありますので、どうか今後ともしっかりと結婚支援に取り組んでいただきますよう要望し、次の質問に入らせていただきます。  次に、人口ビジョン人口減少対策の二項目目といたしまして、社会減対策としての企業誘致、定着促進についてお伺いいたします。本県への移住・定住の促進と結婚・子育てを支援する上で、職の安定は重要な要素であり、企業誘致と定着促進にはさらなる強化策が求められるものであります。  ファナック株式会社のみぶ羽生田産業団地への進出が決定し、県全体の平成二十六年の誘致実績が非常に良好な状況になったことは、知事のトップセールスを初め、企業誘致の努力が実を結んだものと評価しております。  一方、県北を中心に企業の縮小、撤退のニュースが相次いでいることは地域経済の死活問題で、進出した企業が定着するような取り組みも非常に重要であると考えます。今後、地方創生に当たって激化する地域間競争に勝ち抜くためには、本県のすぐれた立地環境や潜在力、快適な生活環境を広く発信するとともに、企業誘致、定着促進に向けた支援制度の充実も必要になってまいると思います。  そこで、今後の企業誘致と定着促進について県としてどのように取り組む考えか、産業労働観光部長にお伺いします。 ○岩崎信 議長 荒川政利産業労働観光部長。   (荒川政利産業労働観光部長登壇) ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、首都圏を中心とした企業訪問活動や知事によるトップセミナーの開催などを通じて、多様な就業機会の創出等に資する企業誘致に積極的に取り組んでまいりました。  本年五月には、大阪でもセミナーを開催いたしましたが、地震も含めて自然災害のリスクが小さく、高速交通網が充実し、東京に近接している本県の強みを積極的にアピールしながら立地促進に努めてまいります。  また、企業の定着促進につきましては、工場等の新設や建てかえ等に対する支援制度を設けており、こうしたインセンティブのほか、定期的な企業訪問や意見交換会の開催などを通じて、企業との関係性の強化に努めてまいります。  今後、市町や金融機関等との連携をより一層深め、スピード感を持って企業の新規誘致と定着促進に積極的に取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) ブリヂストンが私の地元で撤退になった。あの折の新聞報道に、那須塩原市長のコメントとして「寝耳に水であった」というコメントが出ているわけであります。キリンビールの工場閉鎖の折には、関係企業と合わせれば約三百五十人、そして、ブリヂストンもちょうど三百五十人ぐらいの従業員の方々に影響があったということであります。定着という部分についてもぜひ意識を図っていただきたいと思います。  これについては、もちろん県だけが全てやっていくことではなくて、地元の市町との連携をしっかりしながら、企業との情報交換をし、撤退といっても、倒産によるということではなくて、経済環境の中での統合・合理化でありますので、栃木県がそうした動きの折にむしろ選ばれる、統合されてしまうのではなくて、統合する側の立地条件をかなえる、そうした状況もぜひ意識しながら今後取り組んでいただきたいと思っています。  さらには、企業誘致ということで考えていきますと、一年前の代表質問でやはり三森議員からでしたが、企業局であったり産業労働観光部であったり東京事務所であったり、それぞれに取り組んでいるわけでありますが、地方創生という動きの中で、東京でのプロモーション活動が非常に重要になっている中で、これらを見直しながら、より有効な人員体制もぜひ意識していただきたいと思います。  総合政策部長に再質問したいと思います。ただいまの件についてと、これは企業誘致のみならずということで、UIJターンの活動であったり、さまざまなこれからの東京でのプロモーション活動において、東京事務所の機能強化も含めて、お考えをお聞かせいただきたい。  それから、企業誘致ではありませんが、政府機関の地方移転ということで、ただいま八月末まで公募が行われております。栃木県としての政府機関の誘致に対しての考え方、取り組み状況について再質問させていただきます。 ○岩崎信 議長 北村一郎総合政策部長。 ◎北村一郎 総合政策部長 ただいまの再質問にお答えいたします。二点ございましたが、まず東京のとちぎのいいもの販売推進本部の件でございます。こちらは平成二十三年度から設置ということで、本県の観光資源や県産品、それから産業団地の売り込みのための首都圏の最前線基地として設置してまいりまして、これまで東京における大手百貨店等の栃木フェアや、昨年のファナックの誘致につながるような実績もございました。  東京にあるということで、情報量も豊富に蓄積しております。また、スピード感、それから実行力を備えており、機動力もありますので、いいもの推進本部が構成しますプロジェクトチーム会議等を通しまして、庁内の関係部局と情報の共有と有機的な連携を図りまして、いいもの推進本部の力がより発揮できるよう努めてまいりたいと考えております。  もう一点、政府機関の地方移転というご質問でございますが、こちらの取り組みにつきましては、地方への人の流れをつくるということばかりではなくて、地方における企業の活性化、研究開発の促進という面からも、本県の産業振興にとっても非常に重要なことだと考えております。国におきましては、二百五十の機関についてリストアップを行いまして、地方に提案を求めているということでございますので、本県としても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  提案に当たりまして、庁内部局はもちろんでございますが、県内の市町にも照会いたしまして、これまで複数の市町から候補としてこんな機関があるということでの提案もいただいているところでございます。八月末が提案の期限ということでございまして、関係性等もしっかりと説明していく必要がございますので、東京からのアクセスがよいこと、あるいはバランスのよい産業構造等々、本県の強みを十分生かした視点に立ちまして、提案する期間を通しまして検討してまいりたいと考えております。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) ぜひ、そうした意識の中で、さらなる東京でのプロモーション活動や、政府機関の移転についても、本県の特色や強み、これもきちんとしたストーリーがないと、国もそう簡単には移転できませんよということを明言しておりますので、これらについては市町に投げかけることも当然重要でありますが、県としての戦略・ストーリーをしっかり描くといったところにも力を注いでいただきたいということを要望し、次の質問に入らせていただきます。  とちぎ創生への観光振興戦略についてお伺いさせていただきます。とちぎ創生の実現に当たっては、基幹産業振興策の成否が地域間競争の結果を左右すると考えており、とりわけ観光産業は裾野の広い産業であり、県と市町や地域間の連携次第でより大きな発展が期待できますことから、地方創生の象徴的な産業であるといえます。  現在、県は、新とちぎ観光プラン等に基づき各種施策を展開しておりまして、その結果、昨年一年間に県内を訪れた観光客入込数は過去最多を更新しましたが、県全体の宿泊数は東日本大震災前の水準には至っておらず、さらなる取り組みによりまして、観光誘客とともに、いかに宿泊に結びつけるかが課題といえます。  現在策定中の次期観光振興計画には、今後予定される東京オリンピック・パラリンピックや国体、また今後取り組みを強化すべきDC誘致も見据えたとちぎ創生の実現に資する新たな観光振興戦略としての実効性を期待するところであります。  そこで、周遊パスポート事業やプロモーション活動等の観光施策をどのように検証し、次期観光振興計画に反映させていく考えか、産業労働観光部長にお伺いします。 ○岩崎信 議長 荒川政利産業労働観光部長。   (荒川政利産業労働観光部長登壇) ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。二年目を迎える「本物の出会い 栃木」観光キャンペーンにつきましては、周遊パスポートの発行部数が十三万部を超え、臨時列車や旅行商品が増加するなど、全体として順調に推移しております。  これまでの取り組みの結果、観光客入込数は過去最高となりましたが、宿泊数は震災前の水準まで回復しておらず、滞在時間の延長に向け、大型キャンペーンの誘致など、本県の多彩で魅力ある観光資源を十分に生かした一層の取り組みが必要と考えております。  このため、今年度は、ふるさと宿泊旅行券を発行するとともに、次期観光振興計画の策定に当たりましては、東京オリンピック等を見据え、実効性があり地方創生にも資するものとなるよう、市町や観光関係団体等はもとより、広く県民の皆様からご意見を伺いながら、さらなる誘客対策や観光客の受け入れ環境整備の施策等について検討してまいります。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) ご答弁をいただきましたが、知事の公約でもあったデスティネーションキャンペーン、いわゆるDCでありますが、平成二十九年を目指していたところ、残念ながら落選ということであります。今後の取り組みと今回の分析をあわせて、産業労働観光部長に再質問させていただきます。 ○岩崎信 議長 荒川政利産業労働観光部長。 ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまの再質問にお答えいたします。DCにつきましては、平成二十九年度は残念ながら選から漏れてしまったわけでございますが、これまでJRの重点販売地域ということで三年間指定されたこともございまして、輸送実績等の事業の効果につきましてこれからしっかりと検証いたしまして、引き続きデスティネーションキャンペーン、いわゆるDC誘致を初めとして、観光誘客の戦略にしっかりと生かしていきたいと思っております。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) これは何としてもなし遂げていただきたい。重点販売地域のほうも、ことしそして来年と引き続きということでありますので、栃木県としての取り組み、これはJRがやっていることでありますが、栃木県としての観光振興策がしっかりとそこに連動する形で、栃木県の本気度をしっかりと示していただきたいと思います。  そして、県と市町との役割という中で、以前にも申し上げたとおり、栃木県としての役割は、何といっても戦略をしっかりとつくって、それをいかに効果的にプロモーションし続けていくかということに尽きると私は思っております。平成二十七年度まで、主にこのプロモーションや観光振興策の財源は震災復興基金、県として二十億円を取り崩しながらずっと使ってきたわけであります。いよいよ今年度、平成二十七年度をもって、期末残高の見込みは一億円ちょっとということになってこようかと思います。これまで産業労働観光部では二十億円のうちの半分以上、十一億円以上の基金を使って、プロモーションを初めとする観光振興策をとってきたわけでありますので、今後の財源についても、このプロモーション活動が絶対衰退することのないように。新型の交付金はまだ姿が見えていないので申し上げられる段階ではありませんが、地方創生の新型交付金なども十分に活用できるような戦略をもって、今後もプロモーション活動をしっかりと続けて、観光振興に努めていただきますことを要望申し上げまして、次の質問に入らせていただきます。  次に、統一的な基準による地方公会計への対応についてお伺いいたします。新地方公会計制度は、平成十七年十二月二十四日閣議決定の行政改革の重要方針で、地方公共団体の資産・債務改革の必要性が示されたのを受け、平成十八年に総務省から基準モデルと総務省方式改訂モデルの二つの方式が示され、多くの地方公共団体が決算統計情報を活用する総務省方式改訂モデルを採用しております。本県においても、総務省方式改訂モデルが採用され、平成二十年度決算から貸借対照表等を作成し、公表をしております。  総務省方式改訂モデルは、固定資産台帳の整備を前提としないことから、比較的簡便に導入できる一方、固定資産計上額に精緻さを欠くなどの課題があり、資産の状況を的確に把握するためには、固定資産台帳の整備を前提とした方式が、より望ましいものと考えられてきました。  国では、平成二十二年九月に、今後の新地方公会計の推進に関する研究会を設置し、総務省の二つのモデルの検証・分析を重ねた結果、昨年四月に統一的な基準を報告書に示し、ことし一月二十三日に統一的な基準による地方公会計マニュアルが取りまとめられました。  当該マニュアルには、財務書類の作成手順や資産の評価方法、固定資産台帳の整備手順、連結財務書類の作成手順、事業別・施設別のセグメント分析を初めとする財務書類等の活用方法などが示されております。また、関係機関の研修の充実・強化や、ソフトウェアの無償提供、導入経費の特別交付税措置などの方針も示される一方、平成二十九年度には財務書類を整備することが求められております。  本県では、これまで固定資産台帳の整備に関する膨大な事務労力と基準の設定、システム導入経費などが課題であったと思われますが、統一的な基準により貸借対照表等の財務書類を整備することは、今後のとちぎ創生に向けた財政マネジメントを進める上で、必要かつ非常に有効であると考えるものであります。  そこで、今般の方針を受けてこれまでどのような準備をしてきたのか、また、今後どのように進めていく考えか、経営管理部長にお伺いします。 ○岩崎信 議長 井澤晃太郎経営管理部長。   (井澤晃太郎経営管理部長登壇) ◎井澤晃太郎 経営管理部長 ただいまの質問にお答えいたします。地方公会計は、現行の予算・決算制度を補完するものとして、現金主義会計では見えにくいコストやストックを把握することで、中長期的な財政運営への活用が期待されているところでございます。  これまで県では、全部局を対象といたしました庁内説明会を開催いたしましたほか、庁内ワーキンググループの設置、自治大学校における特別研修への職員派遣などを実施してきたところであります。また、既存の公有財産台帳に登載されていない道路や河川などの公共インフラを含む全ての固定資産の資産評価等を反映いたしました固定資産台帳の整備に向けた準備を行ってまいりました。  今後は、国から段階的に提供予定の標準的なソフトウェアなども積極的に活用しながら、統一的な基準による貸借対照表など財務書類の平成二十九年度の公表に向けまして、庁内連携のもと取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) 再質問させていただきたいと思います。本県では、平成二十六年稼働で財務会計システムの更新を行ってまいりました。今回提供されるソフトウェアは、既存のシステムにも、あるいはそうでない部分のカスタマイズ的な部分にも対応される形で設計したいということがあるかと思いますが、本県として、まずシステム上のことでどのような運用を考えておられるか。  さらには、最も重要なのが仕分けの方法でありまして、今回示された統一的な基準の中でも、期末一括の仕分けも認められている中、日々仕分けについての判断が新公会計制度の運用からは非常に重要であると思っております。その点についてどのような方針でおられるか、経営管理部長に再質問させていただきます。 ○岩崎信 議長 井澤晃太郎経営管理部長。 ◎井澤晃太郎 経営管理部長 まず、現行のシステムとどのように関連させるのかというご質問だと思いますが、現行のシステムは平成二十六年四月から会計システムを新しく導入しているところでございまして、その導入の過程の中で、新しい統一的な基準による公会計制度のお話がございましたので、システムに多少対応できるような考え方でシステムを開発しております。今後、できるだけ相互に連携できるような形で運用できればと考えております。  それと、二番目の質問として仕分けをどうするのかと。最終的に年度末に一括して仕分けする、あるいは日々仕分けしていく、この二つの方法があるかと思いますが、これについては今、統一的な基準に基づく公会計制度を検討する中で、どちらがいいのか、メリット・デメリット等をよく検討いたしまして結論を出したいと考えております。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) 仕分けの点は、メリット・デメリットということがありましたが、私は、これは日々仕分けで絶対やるべきだと思っております。これは単なる業務の問題ではなくて、期末の一括仕分けでは相変わらず経営管理部の財政のほうで、あるいは会計局のほうでやっていくというだけのことになります。この公会計制度の本来の趣旨には、財政の見える化ということもありますし、より精度の高いコスト管理や資産管理でストックといった部分が挙げられている中で、もう一つの大きな意味合いとして行財政改革の中の意識改革が非常に大きいわけです。このためには、日々仕分けを行って全職員がそうした公会計の取り組みに触れることが最も重要なのでありまして、ここは迷うことなくぜひ日々仕分けということで取り組んでいただき、とちぎ創生のマネジメントに資する公会計制度ということでぜひ導入を図られますことを強く要望して、次の質問に入らせていただきます。  次に、公共施設等総合管理計画についてお伺いいたします。厳しい財政状況が続く国及び地方公共団体にあって、公共施設等の老朽化対策が大きな課題となっており、今後は人口減少等による公共施設等の利用需要の変化にも的確に対応していく必要があります。  国においては、平成二十五年六月閣議決定の日本再興戦略に基づき、同年十一月にインフラ長寿命化基本計画を策定いたしましたが、地方公共団体においては、昨年四月に総務省より公共施設等総合管理計画の策定を要請されたところであります。  当該計画は、公共施設等の全体を把握し、施設の老朽化の度合いや維持管理費用の予測等を行うことにより、施設の更新、修繕、改修、処分、統廃合計画の立案、予防保全による施設の長寿命化や、財政負担の軽減、平準化を図るとともに、公共施設等を最適に配置するために策定するものであります。  さらに、計画には、公共施設等の現況や人口動態等の将来見通し、これらを踏まえた総合的かつ計画的な管理に関する基本方針、計画の進捗状況の評価等、フォローアップに関する実施方針なども記載することとなっており、三森議員の代表質問答弁にもあったように、本県では平成二十八年度に計画を決定することとなっております。この計画の対象となる公共施設等は多岐にわたるとともに、所管が複数部局にまたがることから、連携した体制のもと、現状把握等を行い、計画策定に当たる必要があると考えます。  そこで、現在どのような進捗状況となっているのか、また、今後どのように計画を策定しようとしているのか、その基本的な考え方について、経営管理部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 井澤晃太郎経営管理部長。   (井澤晃太郎経営管理部長登壇) ◎井澤晃太郎 経営管理部長 ただいまのご質問にお答えいたします。公共施設等総合管理計画は、みずから所有・管理する建築物や橋梁、トンネルなどの公共インフラを含む全ての公共施設等が対象であるため、県では、全庁的な組織である県有財産総合利活用推進会議内に作業部会を設置し、昨年七月から検討作業を開始いたしました。  現在、昨年度行った現況調査の結果に基づき、施設類型ごとに建設年度別の数量や管理に関する基本方針の取りまとめを行っているところでございます。今後、中長期的な維持補修、更新にかかる経費の推計や人口の動向等を把握した上で、県議会のご意見をいただきながら素案を作成し、パブリックコメントを経て平成二十八年度に計画を策定する予定でございます。  この計画に基づき、長期的な視点をもって、公有財産等の維持管理、更新等を計画的に進めまして、県民の安全・安心に必要な社会資本等を次世代に確保できるよう取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) 経営管理部長には再質問させていただきたかったのですが、時間がありませんので。先ほどの公会計制度とこの総合管理計画は、固定資産台帳の整備とともに進めることが最もその精度も高くなるものですし、本来求められている形だと思います。確かに別物でありますし、年次が若干ずれていたところはありますが、もう少し早く対応できていれば、公会計制度に基づく固定資産台帳に基づいて、この総合管理計画を作成することがベターだったのではないかと考えております。このあたりにつきましては、ぜひ、固定資産台帳はいずれ整備されるものでありますから、それによってしっかりと総合管理計画の改訂を行って、さらに精度を上げていただきたいということを要望させていただきます。  そして、公会計制度と総合管理計画は非常に連動するもので、ストーリー性を持って並べさせていただきました。そこで、総合的な総括という部分で、鈴木副知事に再質問させていただきます。これらをいかに運用していくかという視点であります。公会計制度で財政の見える化ができ上がります。さらには、総合管理計画によって今後の全ての維持補修費用が出てきたときには、恐らくびっくりするような金額になると思います。これらをしっかりと県民にも周知を図って共有していただくことについてどのような考えをお持ちか、これが一点。  また、公会計制度とともに、財政規律をしっかりと伴った発生主義複式簿記によるさらなる健全財政の運営体制というものができていくわけでありますが、それによって、総合管理計画で、財政上の莫大な維持補修管理費用を平準化させていくときには、必ずそごが出てくると思っております。この点について、公会計制度を財政的な部分のアリバイとして、安全・安心を維持していかなければならないという公共施設の維持管理を財政上もいかに担保していくか。このことを県民の理解とともにどのように進めていくのか。  さらには、発展的で戦略的な立場としてとちぎ創生を実現させていくためには、今の公共施設・インフラを維持管理していくだけでは到底地域間競争に勝ち得ない。こういう場面も出てくる中では、戦略的な投資も行っていかなければならない。こうした財政運営と、この総合管理計画の運用という部分についてどのように取り組んでいかれるか、鈴木副知事に再質問させていただきます。 ○岩崎信 議長 鈴木誠一副知事。 ◎鈴木誠一 副知事 ただいまの再質問にお答え申し上げます。公会計制度並びに公共施設等総合管理計画についてのお尋ねでございますが、地方公会計制度につきましては、現行の官庁式簿記と複式簿記による公会計制度を並行してやるようなことも考えられるということなので、そうしますと、ダブルスタンダードになるということもあります。議員ご指摘のように、日々の仕分けが必要だというご指摘もありますが、見える化ということで考えますと、期末の財務状態を資産、負債、剰余金、資本ということで仕分けがきちんとできれば、最終的な財務状態は見えるのかなと。ただ、日々の損益の部分がなかなか見えないという欠点もあろうかと思いますので、そのあたりも含めて今後、検討していくことになると思います。  その中で一番大切なのは、今の資産状態です。固定資産ということになると思いますが、道路、河川、インフラ等を含めて、公共建築物が全て入ってくるわけですが、そういった資産の状況を、県民の皆様もインフラも含めて県の財産状況がわかるということで、大変有意義なものと思っております。  それを踏まえて、公共施設等総合管理計画もあわせてつくっていくわけでありますが、議員ご指摘のように、高度成長期を中心に公共施設等が整備されて、それらが一斉に老朽化を迎えるということで、一時期に多額の財政需要が生じる。これを平準化する取り組み、そして財政負担を軽減化できる取り組みをしようとしているわけでございますが、これにつきましては、当然、維持管理・更新といったこともやっていく一方で、これからの人口減少問題等、県政が直面いたしますさまざまな課題に適切に対応して、県民がみずから誇れる本県の未来を創造していくといった戦略的な栃木につきましても、健全財政の維持に配慮しながらも積極的に対応してまいりたいと考えております。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇
    ◆二十番(関谷暢之議員) 申し上げたいこともありますが、時間がありませんので、とにかくしっかりと取り組んでいただくということで、よろしくお願いいたします。決して財政上の理由をもってやらなければならないことを削らないということでお願いいたします。  最後の質問に入ります。教育委員会制度改革と総合教育会議についてということでお伺いします。昨年六月に地方教育行政法改正案が可決・成立しました。今般の改正の大きなポイントは、教育委員長と教育長を統合した新教育長が責任者となったことで責任の明確化と権限が集中したこと、さらには、教育行政の根本的方針である大綱を定める権限を首長に付与するとともに、首長が招集し教育の重点的に講ずべき施策等の協議・調整を行う総合教育会議を通して、首長の果たす責任や役割を明確にしたことが挙げられます。  そこで、今回の教育委員会制度改革に対する所感、教育行政の推進をどのように図っていかれるのか、さらに、今後、教育振興基本計画との体系をどのように整理して大綱を策定していかれるのか、知事にお伺いします。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。   (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。本県四月に施行された地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正に伴う教育委員会制度の改革は、教育の継続性等を確保しつつ、地方教育行政における首長と教育委員会との連携強化等を図るものと認識しております。  本県では、従来から教育委員会と、よりよい教育環境の実現に向けて連携してまいりましたが、総合教育会議の設置や教育に関する大綱の策定等の制度改革により、知事の意向がこれまで以上に反映されやすいものになると評価しております。  私は、誇れるふるさと栃木をつくり、地域を支える人材を育成するためには、ふるさとへの愛着や誇りを育むことが重要であると考えております。このような私の教育に関するさまざまな考えを、総合教育会議における協議や大綱の策定を通して教育委員会に明確に伝え、本県教育の課題に対する認識や施策の方向性を共有化することによって、本県教育の振興を図ってまいりたいと思います。  また、教育、文化等に関する目標や施策の根本的な方針を定める大綱につきましては、今年度策定する次期教育振興基本計画及び次期プランとの整合性を図りながら、総合教育会議において十分協議等を行い策定してまいります。  今後も、総合教育会議における協議・調整等を通して、教育委員会との意思疎通と連携強化を一層図り、とちぎづくりの基本である本県の人づくりに積極的に取り組んでまいります。 ○岩崎信 議長 関谷暢之議員。   (二十番 関谷暢之議員登壇) ◆二十番(関谷暢之議員) 知事よりご答弁をいただき、両輪である教育長からも、同じように所感を含めて今後の決意を伺いたかったわけでありますが、時間がなくて申しわけありません。ただ、こうして栃木県のように福田富一知事と、古澤教育長が、いい関係性において知事部局と教育行政が両輪となっている中では、この改革に対してもむしろいい機能を果たしていくのだろうと私は期待をしております。ある意味、教育委員会のほうで、知事部局に、例えば予算面であったりとか踏み込み切れなかった部分が、正式に総合教育会議を通してさまざまな要望・協議をしていけるというのは、本県の教育行政にとって非常に発展的なことだと思っております。しかし、初めてのことでありますので、地方教育行政法の中でも大綱の事項や運営の事項とか定めがない部分もあります。このあたりについては、これが一番最初のモデルとなりますので、ぜひともそうした意識を持って取り組んでいただきたいと思っております。  総合教育会議の場面での協議を通して、まさにこれからのとちぎ創生、未来を担う人材の育成というところに、これまでの教育の観点からだけではなく、知事部局からの踏み込んだ栃木県の教育力の向上、日本一の教育を目指して、ぜひとちぎ創生の道を成し遂げていただきますよう要望し、全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○岩崎信 議長 この際、十五分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午前十一時 休憩             ―――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十七名であります。             ――――――――――――――――――――――――――――  午前十一時十五分 開議 ○五十嵐清 副議長 議長の都合によりまして、私が議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。  ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 通告に従い、一問一答方式で質問させていただきます。四月の県議会議員選挙で小山市・野木町選挙区より初当選させていただきました。初めての登壇であり、心地よい緊張感が継続しております。  さて、さきの県議選では、多くの県民の皆様方から直接、さまざまなお話を伺うことができました。これまでの小山市議という立場から、県全体を見据える県議という立場になったことをしっかり認識し、多くの県民の皆様から託された思いの一つ一つをしっかりと県政につないでいきたいと思います。本日の質問は、諸先輩方に倣い信念に基づき行っていきますので、執行部におかれましては、誠意ある明快な答弁をお願いいたします。  まず、公共施設等の更新問題について、知事及び経営管理部長に伺います。先ほどの関谷議員と重複する部分もございますが、よろしくお願いいたします。  少子高齢化・人口減少の急速な進展は、社会全体に大きな影響を与えることが各方面から指摘されております。また、この問題に真正面から取り組む地方創生に関する国や各地方自治体関連の記事についても、連日報道されております。  こうした状況の中、私が最も重要視している問題が公共施設等更新問題についてであります。総人口の減少と人口構成の変化は、施設に対する需要そのものが変わってきます。また、過去に建設した公共施設等の一斉老朽化という問題も生じてきます。それらに対応したくとも、国も県も非常に厳しい財政状況であり、どうしたらいいのか、現在、誰も明確な答えを持っていないのが正直な現状ではないかと感じておりますことから、まず、この公共施設等の更新問題について、公共施設等の老朽化の状況、公共施設等総合管理計画の策定・評価の実施体制、公共施設等の現状等に関する情報公開の推進の三つの視点から質問してまいります。  それでは、初めに、公共施設等の老朽化の状況について、経営管理部長に伺います。県内各地の庁舎や、小中学校や高校の校舎、図書館などの箱物系だけでなく、道路や橋梁、上下水道などのインフラ系、ごみ処理施設などのプラント系を含めた公共施設等の老朽化の波が今後、同時期に一気に押し寄せてきます。  では、一体県はどれだけの量の公共施設等を保有・管理しているかと申しますと、県有建築物だけ見ても六千二百四十七棟もあり、延べ床面積は何と二百七十七万平方メートルを超えております。  こうした膨大な公共施設等につきまして、県は、全体を把握し、長期的な視点を持って更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行い、その時期に必要な大規模改修や更新に要する財政負担の軽減・平準化などを図るため、公共施設等総合管理計画の策定に取り組んでおり、その一環として、昨年度、公共施設等の老朽化の状況等について現状調査を実施したと伺っております。  そこで、まず、本調査はどのような結果であったのか、また、その結果をどのように捉えているのか、経営管理部長に伺います。 ○五十嵐清 副議長 井澤晃太郎経営管理部長。   (井澤晃太郎経営管理部長登壇) ◎井澤晃太郎 経営管理部長 ただいまの中屋議員のご質問にお答えいたします。県では、公共施設等総合管理計画の策定に当たりまして、各施設の現状把握のため、昨年十一月から県有建築物のほか、橋梁など、インフラ施設の建設年度別の数量の調査を実施いたしました。  現在、調査結果が出ている施設は、県有建築物、橋梁などであり、このうち県有建築物については、総延べ床面積約二百八十万平方メートルのうち、築三十年を超えるものが約五割、さらに十年後には、築三十年を超えるものが約七割を超える状況でございました。  今後は、老朽化による修繕、更新等の経費の大幅な増加が見込まれますことから、維持管理、更新等を適切かつ計画的に進めることが重要であると考えております。こうした現状を踏まえ、関係部局と連携・調整しながら、財政負担の軽減・平準化が図られますよう、公共施設等総合管理計画の策定作業を進めてまいります。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 次の質問と関連がございますので、次に進ませていただきます。  次に、公共施設等総合管理計画の策定・評価の実施体制について、経営管理部長に伺います。国は、公共施設等総合管理計画に基づき実施する公共施設の集約化・複合化、転用、除却のための必要経費や公共施設等の維持補修経費について、地方財政計画への計上や地方財政措置の充実を通して、地方自治体における公共施設等の老朽化対策を推進しようとしております。  私は、この公共施設等総合管理計画の策定に当たりましては、全ての公共施設等の老朽化の現状や利用状況を初めとした公共施設等の状況、総人口や年代別人口についての今後の見通し、さらには、公共施設等の維持管理、更新等に係る中長期的な経費やこれからの経費に充当可能な財源の見込みなどについて、現状や課題を客観的に把握・分析することが非常に大切であると思います。  また、公共施設等の更新問題は、取り組まなければならない公共施設等のボリュームや莫大な財政負担から、本県の今後のあり方に大きな影響を与えるのではないかと見込んでおります。  そこで、公共施設等総合管理計画の策定・評価の実施体制について、今後どのように取り組んでいくのか、経営管理部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 井澤晃太郎経営管理部長。   (井澤晃太郎経営管理部長登壇) ◎井澤晃太郎 経営管理部長 ただいまのご質問にお答えいたします。公共施設等総合管理計画は、地方公共団体が所有・管理する全ての公共施設等が対象とされていることから、計画策定やその推進には、全庁的な取り組みが必要とされるところでございます。  このため、副知事をトップとする県有財産総合利活用推進会議のもと、道路、河川等の公共インフラや、庁舎、学校等の公共施設等を所管する部局を初め、財政、行政改革等の関係部署から成る総合管理計画部会を設置し、来年度中の計画策定に向け作業を進めているところであります。  今後、計画策定作業の中で、公共施設等に関します情報共有や部局横断的な調整を行いまして、進捗状況評価のあり方についても検討してまいります。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 経営管理部長に再質問させていただきます。本県では、公共施設等総合管理計画を来年度策定となっておりますが、全国四十七都道府県では、ことし四月現在、既に策定済みが十一、本年度策定予定が十八、栃木県を含め来年度策定が十八となっております。私は、かなり重要な計画であり、早目に計画を策定し取り組んでいくことが必要であると強く思っておりますが、なぜもっと早期に策定できないのか、経営管理部長に伺います。 ○五十嵐清 副議長 井澤晃太郎経営管理部長。 ◎井澤晃太郎 経営管理部長 ただいまの再質問にお答えいたします。公共施設等総合管理計画につきましては、個別の施設の長寿命化計画等を樹立いたしまして、それとの整合性を図ることが必要なところでございます。その整合性を図る観点からの検討作業に時間を要するという判断から、今の設定と考えております。来年度中の設定ということで、よりよい公共施設等総合管理計画にしてまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) もう一点、経営管理部長に再質問させていただきます。ただいまの答弁で、個別施設計画との整合性をとっていくので、来年度までかかるというご説明でございましたが、その施設類型ごとの個別施設計画は、来年、公共施設等総合管理計画と同時に策定されるという理解でよろしいのでしょうか、お伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 井澤晃太郎経営管理部長。 ◎井澤晃太郎 経営管理部長 ただいまの再質問にお答えいたします。個別施設ごとに長寿命化計画を立てて、それに基づいて公共施設等総合管理計画をリンクさせてつくる考えでおります。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 今の説明ですと、個別施設計画は来年度までには策定され、それに基づき公共施設等総合管理計画が策定されるということでございます。私自身は、早期に策定していただきたいという思いが強いのですが、中身を充実させた計画をしっかりつくっていただきたいと要望いたします。  次に、公共施設等の現状等に関する情報公開の推進について、知事にお伺いいたします。公共施設等は、県だけが保有・管理しているわけではなく、その量に違いこそあれ、県内各市町も公共施設等について保有・管理しており、公共施設等の更新につきましては、県だけでなく、県内市町を含めたオール栃木の問題であります。  また、厳しい財政状況や少子高齢化・人口減少時代であることを鑑みれば、これまでの「あれもこれもつくってほしい」や「整備したい」から、「あれかこれか」の選択となることは必定であります。  しかし、県や市町がどれほどの公共施設を保有・管理しているのかなど、公共施設等の現状や、今後必要となる公共施設等の大規模改修や更新費用について、把握や承知している県民は少ないのではないかと思います。こうした情報につきましては、県民や我々議会としっかり共有することが何より大切であり、そうしないと、いつまでもこれまで同様に、「あれもこれも欲しい」、「整備してほしい」が続くことになるのではないかと、大変危惧しているところであります。  そこで、公共施設等の現状等に関する情報公開の推進につきまして、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。   (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。公共施設等総合管理計画は、県民生活に深くかかわりのある学校や公営住宅を初めとする県有建築物のほか、道路、河川、下水道などの公共インフラを含む全ての公共施設等を対象としておりますことから、広く県民に対して情報提供を行いながら策定することが重要であると考えております。  そのため、公共施設等の現状やこれを取り巻く課題などの情報を共有するとともに、県議会初め、県民の皆様から幅広くご意見を得ながら、計画の策定作業を進めてまいりたいと考えております。また、計画策定後におきましても、その進捗状況等について、県議会に対し適宜報告するとともに、県ホームページなど各種広報媒体を活用しまして、情報公開に努めてまいります。  県といたしましては、この計画により、公共施設等の維持管理、更新等を計画的に進め、必要な社会資本を次世代に引き継げるよう取り組んでまいります。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 一点、知事に再質問を行います。この公共施設等更新問題、本当に私自身、先ほどからも言っているように大変な問題であると認識しております。その中で、この公共施設等更新問題に対し、どの程度の危機感を持ち、現在取り組まれているのか、知事の所見を伺いたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 先ほど経営管理部長が答弁いたしましたとおり、道路舗装の長寿命化であったり、トンネルの長寿命化であったり、河川であったり、下水道であったり、さまざまな長寿命化計画を策定し、それらの上に立つ今回の公共施設等総合管理計画を、来年度中には策定するということで取り組んでいるものでございます。これから先の行政需要がどうなっていくのか、そしてまた、住民ニーズなども含めまして、必要な公共施設のあり方は、おのずと決まっていくのではないかと思います。それらも含め、今度策定する公共施設等総合管理計画が羅針盤となるように策定を進め、計画的に平準化しながら、財政負担も回避しながら、必要な公共施設の整備を図ってまいりたいと思っております。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 要望させていただきます。小山市では、本年度、平成二十七年度、公共施設等総合管理計画策定予定となっておりますが、ことしの三月時点、私がまだ市議会時代に公共施設等総合管理計画の進捗状況説明の中で、今後、建築物、インフラを含む公共施設等の全体の改修・更新に係る総事業費が約三千五百億円と示されました。年平均では約八十七・五億円、直近五年の小山市の新規整備、用地取得も含めた投資的経費の年平均は八十九・五億円となり、今後の新規整備はかなり制限されると説明がありました。県内各市町におきましても、本年度、来年度には策定され、県のほうも来年度策定ということで、こちらの計画が全て策定されると、本当に大変な問題になってくるのではないかと心配しております。  今後は、少子高齢化・人口減少からも財政的に厳しい時代がやってきます。数年前から、公共施設等の更新問題が騒がれていたにもかかわらず、まだ誰も、本県の公共施設等を今後維持していくのにどれだけの事業費がかかるのか把握できていないことは、大問題であると私は思います。自治体によっては、必要な公共施設等まで、維持できないかもしれないと言われている問題でもございます。執行部の皆様には、もっと危機感を持ってこの問題に取り組んでいただきたいと思います。  また、今後、新規整備が制限されることから、県民の理解を得ることが大変重要となってきます。先ほど知事のほうから、しっかりと県民にも情報公開していくという答弁がございました。行政に都合が悪いことも包み隠さず、県民に示していただくこと強く要望いたします。  次に、少子化対策・結婚支援の戦略的な取り組みについて、保健福祉部長に伺います。国立社会保障・人口問題研究所が行った第十四回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)の結果によると、未婚者のおおむね九割が、いずれは結婚しようと考えております。  一方、出生する子供の約九八%が婚姻関係にある男女の嫡出子であり、夫婦の最終的な出生子供数の平均値であります完結出生児数は、一九七二年が二・二人、二〇一〇年は一・九六人と少し減少はしておりますが、ほぼ横ばいに推移しており、結婚すれば、今でもおよそ二人の子供が生まれています。また、理想子供数は二・四二人、予定子供数は二・〇七人となっており、さまざまな環境が整えば、まだまだ子供を欲しいという願いがあることがわかります。  しかし、人口動態統計によれば、婚姻件数は、第一次ベビーブーム世代が二十五歳前後の年齢を迎えた一九七〇年から一九七四年にかけては、年間百万組を超えていました。その後は、婚姻件数は低下傾向となり、一九七八年以降は年間七十万組台で増減を繰り返しながら推移してきましたが、二〇一〇年の七十万二百十四組を最後に六十万組台になり、二〇一三年は六十六万六百十三組と年々減少しております。  さらに、生涯未婚率は、二〇一〇年の総務省国勢調査によると、三十年前の一九八〇年と比較すると、男性は二・六%から二〇・一四%、女性は四・四五%から一〇・六一%へと上昇しています。男性の五人に一人、女性の十人に一人が生涯未婚となっています。  こうした状況の中、県では、とちぎ未来クラブを通じて、出会いの場となるイベントの実施や結婚サポーターによる縁結び事業等を実施しているところでありますが、より効果を上げるためには、市町や企業等と連携し、戦略的に取り組むことが必要であります。  そこで、県は、どのような戦略を持って少子化対策・結婚支援に取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。   (近藤真寿保健福祉部長登壇) ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。少子化対策は喫緊の課題でありますことから、栃木県重点戦略新とちぎ元気プランにおきましても、安心の子育て環境づくりプロジェクトに基づきまして、地域における子育ての支援や保育サービスの充実等に取り組んでまいりました。  また、本年四月からは、とちぎ子ども・子育て支援プランに基づき、結婚、妊娠・出産、子育てを切れ目なく支えるための環境づくりに取り組んでいくこととしたところであります。とりわけ結婚支援につきましては、今年度、出会いイベントの充実を図りますとともに、新たに婚活スキルアップセミナーの開催や企業内・企業間の出会いイベント等の支援強化に取り組むほか、ただいまご提案ありました市町等と連携した共催イベントの開催などに取り組んでいく考えであります。  今後とも、市町や企業・団体等と幅広く連携しながら子ども・子育て支援プランに基づく取り組みを効果的に推進し、少子化対策、結婚支援の充実に努めてまいります。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 保健福祉部長に再質問いたします。とちぎ子ども・子育て支援プランの目標指標のうち、合計特殊出生率等を初め、幾つかの指標については具体的な数値ではなく、「上昇を目指す」等と抽象的な表現となっているものがございます。県民と目標を共有して取り組むためには、具体的な数値目標が必要であると考えますが、保健福祉部長の所見を伺います。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。 ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。計画の策定に当たりまして、具体的な数値を設定すべきかどうか、いろいろな議論をさせていただいたところですが、ご案内のとおり少子化の原因としましては、未婚率が高くなっている。それから、結婚するとしても晩婚化、結婚時期がおくれている。そうすると、第一子出産年齢も上がってきますので、第二子、第三子と産む環境が非常に難しくなっている。  いろいろな調査を見ますと、いずれ結婚するつもりと言っている方も九割いるということですが、アンケートで見ますと、その四割が、理想の相手が見つからなければ、結婚しなくていいと考えていると。その背景に、相手の収入というようなこともありますが、結婚や交際に不安があったり、経済的な理由とか、子育ての負担、仕事面、それと配偶者のワーク・ライフ・バランスへの理解とか、いろいろな要因がある。ということになりますと、本当に出生率を上げていくためには、いろいろな施策を総合的にやらなければならないということで、どの施策をやるとどのくらい上がるかというところが悩ましいところでありまして、今回はあえて設定しませんでしたが、もちろん少しでも多く率を上げていくという意気込みでしっかり頑張ってまいりたいと考えております。
    ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 要望いたします。先ほども話したとおり、日本という国は、生まれてくる子供の約九八%が婚姻関係、要するに結婚している夫婦の子供であるという部分でございまして、この少子化をとめるためには、私は結婚をいかにさせていくかということが大変重要と考えております。栃木県は、前年度合計特殊出生率が一・四六と、全国の一・四二に比べ少しは上回っておりますが、まだまだ低いのが現状でございます。今後も、県として少子化対策、結婚支援に対しまして、全力で取り組んでいただくことを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。  次に、地域完結型医療の確立について、保健福祉部長に伺います。これまでの医療は、救命・延命、治癒、社会復帰の一連の過程を同じ病院で完結させることを前提とした病院完結型医療でありましたが、急速な高齢化の進展に伴い、複数の疾病を抱える老齢期の患者が多くなり、住みなれた地域や自宅で生活するための支援という視点が必要とされています。  一方で、地域の医療資源には限りがあることから、介護や保健福祉とのネットワークのもと、地域の医療機関の機能分担と連携により、地域全体で支える地域完結型医療の確立が求められております。  こうした中、国は現行の二次医療圏の中で地域完結型医療を目指しているが、小山市では、市民からのニーズに応えるため、一次医療圏の中で地域完結型医療を確立するため、医療機能の確保に向けて、関係者全てがそれぞれの立場からその責任を果たす努力をしております。  そこで、県は、今年度末を目途に地域医療構想を策定することとしていますが、地域完結型医療の確立に向けてどのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。   (近藤真寿保健福祉部長登壇) ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。高齢化がさらに進展する二〇二五年の医療需要を見据え、これまでの入院から退院まで一つの医療機関が担います病院完結型の医療提供体制から、地域の医療機関が連携し、急性期、回復期、療養期等、患者の状態に見合った病床で適正な医療が受けられます地域完結型の医療提供体制への移行が喫緊の課題であります。  このため、今年度は二次医療圏を基本とする構想区域ごとに、二〇二五年の医療需要を踏まえた地域医療構想を策定し、本構想の実現に向け、急性期から回復期等への医療機関の自主的な機能分化を促進していくこととしております。また、医療機関同士で診療情報の共有化を図る地域医療連携システム「とちまるネット」や、入院から在宅復帰までの診療を計画的に進める地域連携クリティカルパスの普及拡大等により、医療連携体制の充実に取り組んでまいります。  今後とも、県民が住みなれた地域で安心して医療が受けられますよう、県医師会等関係機関、県民等の理解と協力を得ながら、地域完結型医療提供体制の整備に努めてまいります。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 保健福祉部長に再質問を行います。先日、有識者らでつくる民間研究機関日本創成会議から、東京圏高齢化危機回避戦略が提言されました。内容については既に報道のとおり、今後十年で東京圏(東京都・神奈川県・千葉県及び埼玉県)の介護需要が四五%ふえて、施設と人材の不足が深刻になること。その対策として、高齢者の地方移住を提言したことであります。  提言の内容については、具体的な数値を用いながら丁寧な説明がなされており、東京圏の高齢化問題を切り口に、全国的な視点から論じられており、我々も改めて危機感と緊張感を持つことが求められる内容でございました。とりわけ国際医療福祉大学大学院の高橋教授が出された「全国各地の医療・介護の余力を評価する資料」についても衝撃を受けました。  二次保健医療圏ごとに医療・介護余力レベルを七段階評価であらわしておりまして、本県の六つの二次保健医療圏につきましては、急性期医療レベルが全国平均レベルの五または少し少ない四、二〇四〇年(平成五十二年)の介護ベッド需要に対する準備率を示す介護ベッド準備率については、下から二番目と三番目のレベルでございました。少子高齢化・人口減少を最優先課題に掲げる本県の医療・介護の余力の低さはもとより、こうしたデータや情報が県からではなく民間研究機関から示されたということに、私は大変な衝撃を受けました。  県が、少子高齢化・人口減少対策に危機感や緊張感を持って本気で取り組まれるのであれば、こうした情報やデータは、県がいち早く作成し、県民や議会に提供することが大切であると考えるが、保健福祉部長の所見を伺います。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。 ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。さまざまな情報データを収集・分析し、それを施策に有効に活用していくということ、わかりやすい資料をつくって、県民の皆様にお示ししてご理解を得ること、それから、そういった資料を県議会の皆さんにお出しして、ご意見を伺うことは重要であると考えております。  県では、今後、地域医療構想策定作業に入るわけでございますが、その間に、今お話しありましたような資料も含めて、現状分析した結果等をわかりやすく作成してお出ししたいと考えております。その際には、県民の皆さんが一番影響を受けるということでございますので、そういった県民の視点に立った資料づくりをしてまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) もう一点、保健福祉部長に再々質問を行います。地域完結型医療を確立するためには、高齢者の足となる公共交通機関の充実も非常に重要な問題であると思いますが、やはり二次医療圏となりますと、市町をまたいだ先の病院まで行かなければいけないというようなことになりますので、そういった部分に対して保健福祉部長の所見を伺います。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。 ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまの再々質問にお答えいたします。今、ご指摘のありました病院等への通院の足の確保は、極めて重要だと思いますが、それも含めて日常生活をどう支援していくかが大変大きな課題であります。これは地域包括ケアシステムの中の重要な部分でありまして、日常生活をどう支えていくか、NPO・ボランティア、公的なサービスも含めてであります。したがいまして、市町と一緒にこれから地域包括ケアシステムづくりをしていくわけでございますので、その中で関係部局と連携しながら、市町と一緒に検討してまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 要望いたします。先日、認知症の疑いがある七十五歳以上の運転免許所有者に医師の診断を義務づけ、発症していたら免許を停止か取り消すことを盛り込んだ改正道路交通法が十一日、衆議院本会議で可決・成立し、近く公布され、二年以内に施行されます。今後、交通弱者がふえる傾向にあります。また、小山市などを含め、地域住民は二次医療圏ではなく、一次医療圏の中で地域完結型を望んでいることも事実でございます。今後策定する地域医療構想には、こういった地域の声も必ず反映させていただくことを強く要望させていただきまして、次の質問に移ります。  次に、下水道の整備促進について、県土整備部長に伺います。本県では、平成七年度に市町村の協力を得て、栃木県全県域下水道化構想を策定し、生活排水処理施設の整備を推進してきました。しかし、少子高齢化や都市部への人口集中、年々厳しさを増す財政状況など、社会情勢が大きく変化したため、構想の見直しを行い、平成十六年三月に栃木県生活排水処理構想を策定いたしました。さらに、人口減少など、さらなる社会情勢の変化を受けて再度見直しを行い、平成二十二年度末に新栃木県生活排水処理構想「とちぎの清らかな水二〇一〇プラン」を策定しました。  本県の生活排水処理施設の普及状況を示す生活排水処理人口普及率は、平成二十五年度末現在八二・七%である一方、全国の普及率は八八・九%となっており、全国第二十七位という状況であります。平成二十二年度末に策定した新栃木県生活排水処理構想「とちぎの清らかな水二〇一〇プラン」においては、生活排水処理人口普及率について、短期目標年度である今年度までに八四・二%となることを目標値に掲げておりますが、その達成見込みと今後の対応について、県土整備部長にお伺いいたします。  また、平成二十五年度末現在の県内各市町の下水道普及率を見ると、最終目標に対する達成状況については、鹿沼市では、平成二十五年度末の下水道普及率六〇・一%に対し、最終目標五九・九%と、最終目標を達成しております。宇都宮市では、八四・二%の普及率に対し、最終目標八六・八%、矢板市では、二九・四%の普及率に対し、最終目標が七六・四%、私が住む小山市は六〇・五%の普及率に対し、最終目標が八五・九%等と地域差があり、その改善が求められておりますが、今後の取り組みについて、あわせて県土整備部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 印南洋之県土整備部長。   (印南洋之県土整備部長登壇) ◎印南洋之 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。本県におきましては、生活環境の改善や水質の保全を図るため、地域ごとの整備手法を策定した生活排水処理構想に基づきまして、各市町において計画的に施設整備が進められてきたところでございます。  その結果、平成二十七年度末の短期目標につきましては達成できるものと見込んでおりますが、今後、人口減少等によりまして建設投資が限られる中、生活排水処理のさらなる普及向上を図っていくためには、より一層の効果的・効率的な施設整備が必要となっております。  このため、今年度、現在の構想を見直しまして、今後十年間でおおむね整備を完了させることを目標として、各市町と連携しながら、未整備地域の早期解消に努めてまいります。特に、下水道の整備目標に対する進捗がおくれている地域につきましては、整備手法の見直しあるいはより経済的な工法の選定を促進するなど、各市町の普及率向上に向けた取り組みを支援してまいります。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 県土整備部長に再質問をさせていただきます。近年、浸水被害を引き起こすようなゲリラ豪雨や超過降雨の発生頻度が増してきておりまして、私が住む地元小山市においても、下水道による雨水対策が新たな課題となってきおります。  こうした中、各市町が取り組む下水道による雨水対策に対し、何らかの県の支援が必要であると考えますが、県土整備部長の所見を伺います。 ○五十嵐清 副議長 印南洋之県土整備部長。 ◎印南洋之 県土整備部長 再質問にお答えいたします。近年、ゲリラ豪雨が多発しておりまして、雨水対策が急務となっておりまして、それらの地域、各市町におきましては、雨水対策を優先して整備する取り組みがなされております。お話ございましたが、小山市でも雨水対策と汚水対策をバランスよく整備を推進していこうということで取り組んでいるところでございます。  ご案内のとおり、下水道事業は市町村事業でございますので、どこをどのように優先して整備していくかというのは、市町村の判断に委ねられているということでございます。各市町が雨水対策を優先して整備したいという判断があれば、それをしっかりと国のほうにつなぎまして、事業が円滑に推進するように支援してまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 確かに今、答弁にあったように下水道関係は市町村で行う部分ではございますが、今後は、先ほどの公共施設更新とも関係がございますが、下水道におきましても、老朽化した処理施設の更新であったり、古い下水道管の布設がえも必要となってくる中で、国も県も市町も、そのために必要な財源の確保が非常に困難な状況であり、全ての関係者が知恵を出し合い、解決を図っていくことが必要であると思いますが、何か県としてできることはないか、再度県土整備部長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 印南洋之県土整備部長。 ◎印南洋之 県土整備部長 再質問にお答えいたします。確かに現在、国のほうの事業費、これは県も含めて、各市町村全て事業費が厳しい状況にあることはよく理解しております。そういう中で、できるだけ有利な交付金の確保について、国に対してそれらを優先配分してもらいたいというような要求活動は、これまでも何度も取り組んできたという状況でございます。  しかし、一連の公共事業費の削減という中で、やっと今年度の事業費については、昨年並みに確保できたところでございますが、以前のような状態にはまだ戻っていない。そういう中で、それぞれがしのぎを削って、限られた財源の中で選択と集中を行いながら事業を推進しているということでございます。  したがいまして、議員の先ほどのご質問の中にもありましたが、「あれかこれか」をよく選択して、まず、必要な事業から、必要なお金を集中投資して整備推進を図ることが大切でございますので、そういったご相談に対しては、県としてもしっかりと相談に乗って、関係市町ともども公共事業の整備が推進できるように取り組んでいきたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 時間もなくなってまいりましたので、次の質問に進ませていただきます。  次に、栃木の教育の充実について、まず、魅力と活力ある県立高校づくりについて、教育長に伺います。県教育委員会は県立高等学校再編計画に基づき、魅力と活力ある県立高校づくりを目指し、さまざまな施策を推進してきました。とりわけ中高一貫教育校が設置された地域については、中等教育の多様化が図られ、児童生徒や保護者の学校選択肢の拡充につながったことはもとより、高校卒業後の進路では、難関大学への進学者を多数輩出するなど、確かな学力の定着といった面でも大きく評価できます。  しかし、民間委員を含めた県立高校再編に関する検討会議が平成二十六年度末に出した検証報告書では、中高一貫教育校が設置されていない市町からは、県立中学校への出願者が少なく、地域によっては十分な選択肢となっていないことが指摘されております。  そこで、中高一貫教育校の整備を含め、魅力と活力ある県立高校づくりに向けて、今後どのように取り組んでいくのか、教育長に伺います。 ○五十嵐清 副議長 古澤利通教育長。   (古澤利通教育長登壇) ◎古澤利通 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。本県では、県立高校再編計画に基づき、各学校の特色化・個性化の推進や、新しいタイプの学校の設置、小規模校の統合などを進めることにより、時代に即した教育環境の整備に努めてきたところであります。  中高一貫教育校につきましても、広範囲の地域で児童生徒や保護者にとっての新たな学校の選択肢となるよう、県央、県南、県北と地域バランスを考慮し、設置したところであります。  昨年度実施しました県立高校再編に関する検討会議における検証では、これらの取り組みにつきまして、再編校を中心に計画の理念である魅力と活力ある県立高校づくりは着実に成果を上げているとの評価をいただいたところであります。  今年度は、この検討会議におきまして、今後の望ましい県立高校のあり方についてご検討をいただく予定でありますので、その提言等を踏まえ、引き続き魅力と活力ある県立高校づくりを進めてまいります。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 教育長に再質問を行います。地元小山市も含め、地域によっては、勉強のできる子供たちの目指せる受け皿となる中高一貫校がないのが現状でございます。もう少し中高一貫校の数をふやして、そうした地域の子供たちも、自信を持って自分らしい未来を選択できるようにすべきであると考えますが、教育長はどのように考えているのか、お伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 再質問にお答え申し上げます。今後の中高一貫教育校の整備につきましては、先ほど申し上げました県立高校再編に関する検討会議におきまして、今年度協議する事項の一つとして予定しておりますので、そこでのご意見等を踏まえながら、今後検討していきたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 確かにその会議の中の提言を受けて検討していくという部分はありますが、県の教育委員会としての考え方を再度、教育長にお伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 再質問にお答え申し上げます。今年度は、先ほど関谷議員からのご質問にございましたように、総合教育会議を実施して教育の大綱を策定する予定になっております。それから、あわせて今年度教育振興基本計画を策定していく予定になっておりますので、そういったものとの整合性も考えながら今後検討してまいります。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 時間がないので、次の質問に進ませていただきます。  続きまして、運動部活動の指導体制強化について、教育長に伺います。中学生のスポーツ活動の中心的役割を担っているのは学校の部活動であり、また、多くの子供たちは、この部活動を通して初めてスポーツを競技として経験することとなります。  こうしたことから、運動部活動は子供たちのスポーツ人生の原点であり、その指導者の重要性と責任は大きく、子供たちはもとより、保護者からの期待も高くなっております。また、運動部活動の指導体制強化は、第七十七回国民体育大会において、少年種別に参加する選手は現在の小学生であることや、現在の中学生以上が成年種別の中心選手として出場することを考えると、競技力向上対策としても期待できます。  中学校等の運動部活動において実績のある指導者が、ここ数年で大量に退職していくことが見込まれる中、新規採用教員選考において、スポーツの実績により一部試験を免除するなど、より一層、指導者等の確保を図っておりますが、運動部活動の指導体制強化のためには、外部指導者の活用を含めたさらなる対応が必要と考えます。  そこで、外部指導者の活用を含め、運動部活動の指導体制強化について今後どのように取り組んでいくのか、教育長に伺います。 ○五十嵐清 副議長 古澤利通教育長。   (古澤利通教育長登壇) ◎古澤利通 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。運動部活動は、体力の向上や豊かな人間性を育むなどの教育効果があり、その効果を高めるためには、指導体制の強化を図ることが重要であると考えております。  このため、県教育委員会では、運動部活動の顧問を対象とする研修会を毎年開催し、指導者としての心構えを含め指導力の向上を図っているところであります。  また、専門的な技術指導を必要とする中学、高校には、要請に応じて地域の優秀なスポーツ指導者を派遣し、生徒の技術指導におきまして成果を上げているところでございます。  さらに、今年度からは、スポーツ医・科学分野の専門家や一流の競技者を派遣し、運動部活動の活性化を図ってまいります。 ○五十嵐清 副議長 中屋大議員。   (一番 中屋 大議員登壇) ◆一番(中屋大議員) 要望させていただきます。運動部活動を通して、人によってはオリンピックを目指したり、その後の人生を変えるきっかけになったりすると思います。また、県として生涯スポーツを推進していくのであれば、中学校の運動部活動は大変重要と私は考えます。今後も運動部活動に対して、しっかりとした取り組みを行っていただきたいと要望いたします。  以上で私の全ての質問は終わりになりますが、今回、初登壇ということでございまして、本当に緊張の中、時間にも縛られながら、なかなか思ったとおりの質問が行えなかったかもしれませんが、今後、また勉強させていただきながら、県民の皆様方のためにしっかりと県政壇上にて頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○五十嵐清 副議長 この際、休憩したいと思います。午後一時十五分から再開いたします。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午後零時十五分 休憩             ―――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十八名であります。             ――――――――――――――――――――――――――――  午後一時十五分 開議 ○五十嵐清 副議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇)
    ◆十二番(野村せつ子議員) 四年ぶりに日本共産党としてこの議場に立たせていただくことができました。この四年間、私は議会の外でたくさんの県民の皆さんの声を聞いてまいりました。その声を代弁する立場で、県民こそ主人公の立場に立ち切って、一問一答方式により、順次、知事並びに所管部長に質問をいたします。  まず、国会で審議中の安全保障関連法案、いわゆる戦争法案について、知事に質問いたします。これは、アメリカが世界のどこで起こした戦争でも自衛隊が参加できるようにし、これまで違憲とされてきた集団的自衛権の行使を、憲法解釈を変えて認めようとするものです。  国会審議を通じて、憲法九条を踏みにじる違憲性が明確になってまいりました。その第一が集団的自衛権の行使ですが、日本に対する武力攻撃がなくても、同盟国のために海外で武力行使ができることになります。第二は、これまで政府が戦闘地域としてきた場所にまで自衛隊を派兵できることです。武力行使をしている米軍などへの補給、輸送など後方支援、これは国際的には兵たんと言われておりますけれども、これができるというのですが、これは武力行使と一体のものであります。第三は、形式上停戦合意がつくられているが、なお戦乱が続いている地域であっても、治安維持活動ができることです。  これらは、政府がこれまで憲法上できないと繰り返し説明してきたことです。それが、憲法条文を変えることなくできるというのですから、憲法破壊、立憲主義の破壊です。そして、こうした活動に派遣される自衛隊へのリスクが高まることは必至です。日本の国のあり方、日本の命運を左右するこんな重大な法案を、夏までに押し通そうとすることは絶対に許されません。  六月四日に行われた衆議院憲法調査会の参考人質疑において、与党側推薦の参考人を含め、著明な憲法学者三人がそろって、集団的自衛権行使は違憲との判断を示し、日本弁護士会も反対声明を出しました。時事通信の六月世論調査を見ても、「廃案」が一二%、「今国会にこだわらず慎重審議」が六八・三%で、今国会での成立に反対が八割を超えました。  そこで、知事に伺いますが、このような法案を今国会で通してよいとお考えでしょうか。  また、宇都宮には、宇都宮駐屯地、北宇都宮駐屯地の二つの自衛隊基地がありますが、この法案によって海外派兵の先遣隊である中央即応連隊や施設隊などが派遣される可能性が高まります。基地の隊員は栃木県民であり、宇都宮市民として生活しています。私の地元雀宮は基地の町でもあり、若い隊員やご家族の不安を思うと、本当にいたたまれません。  戦争法案はまさに県民の命にかかわる問題です。その命を危険にさらすような法案を、知事は看過できますか。私は、国に対して明確に反対の意思表示をすべきではないかと考えますが、あわせて答弁を求めます。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。   (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの野村議員のご質問にお答えいたします。政府は五月十五日に、いわゆる平和安全法制関連二法案を国会に提出し、現在、衆議院において審議が続けられているところでございます。  私は、もとより国の外交や安全保障の問題に関しましては、国会の場において、国民の代表者である国会議員によって十分に議論を重ね、国民の理解を得、国の責任において判断されるべきものであると考えているところでございます。  また、法案審議におきましては、自衛隊員の任務につきましても、議論がなされているところであります。国会の場におきまして十分に議論を尽くしていただくべきと考えております。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) 再質問をさせていただきます。国会において審議をすべきことだと、それは国会にかかっている法案でありますから、そのとおりであります。ただ、私が懸念いたしますのは、この法案が通れば、日本国民全体にこれはかかってくる問題でございます。まして、自衛隊基地を抱える栃木県においては、これは本当に県民の命にかかわる重大な問題だということで、あえて質問をさせていただいたわけでございます。この点についてのお答えはなかったと思います。  そしてまた、これまで集団的自衛権の行使容認の閣議決定の後など、知事のご発言を聞いておりますと、こういうことは憲法を変えて行うべきだといったご意見を述べておられたことがあったと思います。そうした際に、国民が理解できる環境を整えるべきだともお話しになっていたと思います。そうした環境は整ったとお考えでしょうか、お伺いいたします。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 再質問にお答えいたします。国民全体にかかわる問題、あるいは県民の命にかかわる問題であるというご指摘がありました。まさにこのことにつきまして、国会の場において、どのように国民一人一人の生活に影響を及ぼし、あるいは自衛隊を持つ県民にとってはどういう危険がそこに生まれるのか、それらを国会の場において多いに議論を尽くしてほしいと考えております。  また、自衛隊員につきましては、自衛隊の任務についても議論がなされているわけですから、どういう役割を果たしていくのか、そこでどういうことがこれから想定されるのか、これについても当然国会の場で多いに議論を深めてほしいと思います。  さらに、昨年七月の定例記者会見で、憲法改正で行うべきであるという発言を確かにいたしました。そのときはこのことについて閣議決定がなされ、そして、今まさに十一法案が審議にかかっている。当時の世論の中でも、なぜ閣議決定、なぜ今なのということが、多くの方々から言われたと思います。そのことについてまさに今国会の場で、なぜだったのか、なぜなのかということが議論がなされているわけでございますので、大いに国会の場でこの問題について対応してもらいたい、議論を尽くしてほしいと思っているところであります。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) 自衛隊へのリスクの問題について、栃木県の知事としてどう受けとめるかという点についての言及がなかったのは残念です。ですが、私は、もし知事がこの憲法を改正すべきというお立場ならば、立憲主義という立場から、解釈改憲でこういった法整備をしていくということに対して、これは問題があるのではないかとおっしゃっていただきたいと思うのですね。立憲主義との関係において、最高法規である憲法によって法律も条例も縛られているわけですから、今回の法案は、これを変えずして壊すということになれば、これは法治国家の根幹を崩すことにつながりかねない。こういったことが今議論されているわけでございます。条文を読んだら、戦力不保持、そして交戦権はこれを持たないと書いてある、でもこれはこう解釈するのですよ。それで子供たちに憲法というものをちゃんと教えていけるのでしょうか。私は、そんなめちゃくちゃな国にしてはいけないと思います。残念ながら、この点についてもう少し深めて伺いたいところではございますが、またの機会にしたいと思います。  私は今、自民党の皆さんの中にも、憲法をこれからどうするか、安全保障をどうするかについては、いろいろ意見の違いはあっても、やっぱり立憲主義というもの、憲法によって立っている国というもの、このあり方を守っていこうという声が大きく広がってきていることを心強く思っております。ぜひ、最高法規である憲法、しかも、第九十九条において、公務員は遵守する責務を負うとなっております。行政にかかわる全ての皆さんに、憲法九条を守り生かす立場でぜひ仕事に取り組んでいただきたい。このことを要望して、次の質問に入らせていただきます。  次に、原発事故から県民生活を守るために、原発ゼロ、再稼働に関して、知事に質問します。福島第一原発事故から四年、栃木県民が受けた被害と不安ははかり知れません。行政機関の損害だけで、東電への請求額が、昨年七月末までと聞いておりますが、総額十億一千五百万円余り。これはごく一部です。地域経済への打撃や、自然環境、農地、宅地、住居の汚染、また放射性廃棄物の処理にかかわる負担と不安、子供の健康への不安など、県民は今も苦しめられております。  十五日、県北三市町の住民七千百二十八人が、東電に総額十八億五千万円の損害賠償を求めてADR、裁判外紛争解決手続を申し立てました。  福島県では、今も約十二万人が避難生活を送り、福島第一原発は事故収束のめども立っておりません。高濃度の放射能汚染水がふえ続け、漏れ出し、いつまた大気中に放射能が飛散するようなことが起きるかわかりません。  四年たっても福島第一原発は事故真っただ中です。収束にどれだけ時間がかかるのか、まき散らされた放射能の影響がなくなるのにどれだけかかるのか、それまで誰が責任を持つのか、この見通しがつかない状況です。  このような状況にもかかわらず、安倍内閣は、原発を重要なベースロード電源として将来にわたって維持・推進するエネルギー基本計画を策定しました。川内原発を突破口に、柏崎刈羽原発、東海第二原発など、全国二十基以上の再稼働を進めようとしております。さらに、日本の原発は安全だと強弁して外国に輸出しようとしております。このような国の姿勢に、県民は強い不信感を抱いております。  特に、茨城県の東海第二原発は、栃木県との境からわずか三十二キロしか離れていないため、県民はここでの再稼働の動きや、茨城、埼玉を震源とする地震が頻発していることに不安を募らせています。事故が起きたら、立地県かどうか、三十キロ圏内か否かなど関係なく、汚染され被害を受けることは福島第一原発の事故で体験済みだからです。  そこで、質問ですが、これほど深刻な被害を受けた栃木県の知事として、このまま国の方針に則して原発と共存していくことをよしとされますか、きっぱり原発をなくす方向にかじを切るべく、国に働きかける考えはありませんか、また、県民生活を守る立場から、東海第二原発は再稼働させないよう、明確に事業者の日本原子力発電株式会社に申し入れるべきではないかと思いますが、あわせて知事の答弁を求めます。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。   (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。エネルギー政策は、国民生活の安定や産業活動の持続的な発展などの観点から、国が基本的な方針を示し、責任を持って推進すべきものでございます。  今般、国が示した二〇三〇年度における電源構成の考え方は、原子力を二〇%から二二%程度に抑え、再生可能エネルギーを二二%から二四%程度に拡大する内容となっております。  私は、将来的には、原子力発電に依存しないエネルギーの供給体制が構築されることが望ましいと考えております。しかし、現時点におきましては、エネルギーの安定供給や地球温暖化対策等の観点から、安全性が確保された原子力発電所について、地域住民の理解を得て稼働させることは必要と考えております。  県におきましては、国の基本方針に則し、とちぎエネルギー戦略に基づく省エネルギーの推進や、地域資源を活用した再生可能エネルギーの拡大などに、今後とも積極的に取り組んでまいります。  なお、東海第二発電所につきましては、昨年五月二十日に原子力規制委員会に対し、安全性向上に資するため、新規制基準適合性確認審査の申請を行い、現在、審査を受けているところであり、国の審査状況を見守ってまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) 再質問をさせていただきます。長期エネルギー需給見通しについて、国は二〇%から二二%は原子力で賄うということを明確に言っております。これからも原発と共存していくということを言っているわけなのですね。実際にこの方向でいきますと今、建設から四十年たった老朽化している原発の運転も延長して、さらに古くなった規模の小さい原発は建てかえるのだと、こういう方向になっているのです。永久に原発と一緒に生きていけということを言っているわけです。  私は、これを容認することは栃木県民としてはとてもできないと思うのです。なぜならば、この間私たちが福島第一原発の事故で受けた深刻な被害を、どこまで深刻に受けとめるのかということです。二度とこういうことは起こしてはいけない。そのためには、原発そのものをとめていくしかないわけなのです。絶対安全はない、これは国も認めているわけですから。そのときに、エネルギーの問題であるとか、あるいは国が決めたことだからということで、県民利益の立場に立って物を言っていかないという姿勢では、残念ながら県民の皆さんが安心してこの栃木県で生活していこうという気持にはなれないのではないかと思います。三十二キロというのは本当にわずかな距離であります。このことについて、もう一度知事の考えを伺います。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 原子力発電に二〇%から二二%、しばらくの間依存するということについての考え方は先ほど申し上げました。東海第二発電所につきましても、原子力規制委員会に対しまして、新規制基準適合性確認審査の申請を行っているところであります。さらには、地域住民の皆さん方の理解ということも、その後にあるのだと思います。それらについて見守りたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) 今、東海第二原発の再稼働に際して茨城県では避難計画がまだつくられていません。これは先ほど知事がおっしゃった新基準の中にも含まれていないのです。いざ事故が起きたときにどうするのか。それは自治体任せというのが、残念ながら今のこの国の考え方です。それでは、そこに住んでいる人は安心して生活していくことはできません。  茨城県は、三十キロ圏内については避難計画をつくろうということで今、作業をしておられるわけですが、では栃木県は三十二キロのところにあって考えなくていいのか。私はこのことに今直面しているのだと思います。これは国の問題ではなくて栃木県の問題です。その点について、ぜひお答えいただきたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 東海第二発電所を運営する日本原子力発電株式会社との間におきましては、さまざまな機械のトラブルなどについて確認書を締結して、迅速な情報提供が図られる体制を整えております。さらに、福島第一原発事故を踏まえまして、災害対策の基本となる地域防災計画に原子力災害対策編を新設しまして、原子力災害に対処すべく、事項をまとめているところでございます。情報伝達訓練や放射線測定器取り扱い等の講習会なども実施しながら、万々が一に備えてまいりたいと思います。  また、例えば一番近いところは茂木町ということになりますが、県民の避難をどうするかという課題と、UPZである東海第二発電所から三十キロ圏内には九十六万人がお住まいになっておられる。ついては、その住民九十六万人が福島、栃木、群馬、埼玉、千葉等に避難する計画が今つくられようとしているわけでございますので、受け入れの問題と、栃木県民の避難の問題と、両方あわせて対応してまいりたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) それでは、栃木県民の避難計画についても、県として策定されるということでよろしいのですか。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 これは、どのように対応していくかということについては、隣接の自治体も含めて今後議論していく必要があると思います。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) 再稼働に対して今、国民の六割が反対。これが世論の動向でございます。今後も福島第一原発以外の大事故が起きる可能性・不安については、八六%の国民が「不安を感じる」ということです。これは三月十五・十六日の朝日新聞の世論調査でございます。こういうことを考えても、やはり国民の不安に応えていくべく、原発ゼロへ・再稼働ストップの方向に、ぜひ知事としても考え方を受けとめて取り組んでいただけたらということを要望しておきます。  続いて、塩谷町への指定廃棄物処分場候補地選定について、知事に伺います。国・環境省による塩谷町への詳細調査候補地選定は、町を挙げての反対運動で頓挫しております。栃木県が誇る高原山の自然に囲まれた湧水の里を候補地とすることに、住民、県民が反対するのは十分理解できます。反対を求める十七万人を超える署名は、塩谷町の人口をはるかに超えており、県民的な世論となっていると思います。これを押し切ることはできないし、やってはならないと思います。選定当時の井上環境副大臣も、環境省として、住民合意抜きに詳細調査はできないと明言したのですから、これはぜひ守っていただきたいと思っています。  今回の選定手法は、矢板市への選定失敗の反省から、市町村長会議で話し合われ合意が図られたとのことですが、この過程には県民の民意の反映の場もなく、県民不在だったのではないでしょうか。この点では矢板のときと変わらないと思います。  誰も経験したことのない未曽有の放射線汚染とその後始末について、学識者の意見も分かれ、さまざまな意見があるのは当然です。最も重視しなければならない県民の理解と納得、合意を後回しにした選定だったと思います。  多くの県民が、福島第一原発事故への取り組みや除染に対する方針、原発再稼働などにあらわれている、国の安全に対する姿勢に強い不信感を持っています。国の言う安全は信用できない、この叫びを国は受けとめるべきだと思っています。国は、最終処分場ではなく長期管理型にしたいと提案しているそうですが、長期間埋めることに変わりないと、地元は冷ややかに受けとめているそうです。こういう状況のもとで、国の選定の結論を理解してもらう目的の説明会を重ねても、理解を得るのは難しいのではないでしょうか。  知事は再三、県民全体の問題として考えてほしいとメッセージを発しておられます。そのためにも、まず今回の選定の結論を撤回して、最終処分の方法や場所など、あらかじめ結論を持たずに、最初から議論をやり直すよう国に求めるべきと考えますが、知事の考えを伺います。  また、大もとの放射性物質汚染対処特措法は、放射能汚染の除去と廃棄物の処理に国が全面的に責任を持つものになっていないので、日本共産党は反対した経過がございます。汚染廃棄物を抱える行政、住民が直面している困難、苦痛の解決が進んでいない現状を踏まえ、特措法の見直しを働きかけるべきだと考えますが、あわせて答弁を求めます。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。   (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。指定廃棄物は、県内各地約百七十カ所に分散保管されており、保管を余儀なくされている方々の負担や災害リスク等を解消するためには、一日も早く処理施設を設置し、安全に処理する必要があると考えております。  現在、国におきましては、特措法の施行状況の検討を行っておりますが、環境大臣は各県処理の基本方針については変更しないと明言しております。  国の検討状況については、引き続き注意深く見守ってまいりますが、基本方針に変更がないとすれば、本県の指定廃棄物は、国の方針に基づき、県内で集約して処理をすることが現実的な解決策であると考えております。  指定廃棄物の処理責任は国にありますことから、処理施設の必要性、安全性についての県民理解の促進、さらには、詳細調査の実施に向けた説明会の開催など、地元への丁寧な説明について積極的に取り組むよう、国に強く要請してまいります。  県といたしましても、引き続き有識者会議を活用しながら、県民の皆様の不安解消と理解促進に努めてまいります。指定廃棄物の処理は県民全体で解決すべて重要な課題でありますことから、今後とも、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) 再質問を一点だけさせていただきます。塩谷町の皆さんが一番心配していらっしゃるのは、本当に国が住民合意を大事にして、強制的に詳細調査を行わないのかと、こういう点から非常に大きな不安を持っていらっしゃるのです。こういうことが取り除かれない限り、開かれた議論とか、県の考え方や国の選定方針に対する理解を広めることにはならないと思います。私はこの点において、知事に、環境省が信じられないという住民の声に応えて、合意なく強制的な詳細調査は行わせない、このことをぜひ働きかけていただきたいと思うのです。いかがでしょうか。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 議員が質問の中でも触れておられましたように、井上副大臣は住民理解が不可欠というお話をされておりますし、私も、これまで何度も、ここから先進めていくに当たっては住民理解が必要であるということを申し上げてまいりました。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) ぜひそのお立場を堅持していただきたいと思います。私は、この問題を考えるときに二年前の「国と県、入り口論に決着」ということで市町村長会議の結論が出たときの新聞記事を改めて読んでみましたら、これに対して、例えば矢板市の遠藤市長は、「仮置き場をさらに安全にして放射線量の減衰などの時が来るを待つしかない」、こういうご意見もおっしゃっていましたし、また、那須町の高久勝町長は、「最終処分場ではなく中間貯蔵施設の設置を求めた」と言われております。つまり市町村長会議の結論というのも、全会一致ではなくて多様な意見があったのだと思います。その時点でもう一度こういったものも含めて県民に開かれた形で議論をしていたら、私は今の状況というのはもう少し変わっていたのではないかという気もいたします。この点においては残念ですが、ぜひ撤回をしていただいて、その上で県民と開かれた議論を尽くす、ぜひこのお立場に立っていただきたいと思います。これは要望いたしまして、次の質問にまいります。  次に、国民健康保険の都道府県化と県民負担の軽減について、知事に質問いたします。国民健康保険法の改正により、二〇一八年度から国保の運営が都道府県に移管されます。日本共産党は、高過ぎて払い切れないと悲鳴が上がっている国民健康保険税のさらなる負担増を招き、医療費削減の新たな仕組みを導入するこの改正に反対をいたしました。  新制度では、県が国保運営方針を決定し、財政運営の中心的役割を担います。市町は保険給付や資格管理、保険料率の決定、徴収に当たるとのことです。保険税額は市町が決めるとのことですが、県が市町村が納める国保事業の納付金額の決定や標準保険料率を示すとのことで、税額の決定に大きく関与することになります。  現在、国民健康保険加入世帯は、県内世帯の約四割、被保険者数は県民の三割です。そのうち世帯主が無職の人が約四割、働いている人よりも多いのです。所得階層では二百万円以下が全体の七六%を占めております。仕事がない、所得が低い、生活苦にあえぐ人たちも安心して加入し、全ての国民が保険診療を受けられるようにするのは国の責任です。  ですから、今回の改正に当たって、国民皆保険制度を守り、国民負担の軽減へどれだけ国が拠出するかが焦点でした。福田知事が全国知事会を代表して国との交渉に当たり、奮闘されたことに敬意を表します。しかし、国の支援は、赤字分として毎年三千四百億円にとどまりました。この先国保税額がはね上がるのではないかと、県民の皆さんは心配されております。  これまでも栃木県の国保税額の市町村平均は全国トップクラスの高さで、そのため収納率も低く、全国ワースト二位です。納税促進のために、滞納すると窓口で十割払わなければならない資格証明書への切りかえが行われておりますが、資格証明書の発行割合は七年連続で全国ワーストワンという最悪の事態であります。  そこで、新制度を準備する中で、今のうちにこうした状況を是正し、安心して払える国保税額にする、そして、資格証明書の交付を受ける人をなくす努力が求められていると思いますが、知事はどのようにこの課題に取り組もうとしておられるのか伺います。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。   (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。国民健康保険につきましては、被用者保険と比べ、被保険者の所得水準が低く、所得に対する保険料負担率が高い、また、一人当たり保険料等の都道府県格差や都道府県内市町村間格差も大きいなど、構造的な問題を抱えております。  今回の国民健康保険制度改革では、財政支援を拡充することにより、被保険者の保険料負担の軽減や伸びの抑制を図るとともに、都道府県が財政運営を担うことにより、将来的な保険料負担の平準化を進める内容が含まれております。  保険料負担の軽減につきましては、低所得者対策の強化のため、国民健康保険に対し、既に昨年度から約五百億円が投入されております。加えて、今年度から約一千七百億円が投入されますことから、本県におきましても、その効果が期待されるところであります。  さらに、平成二十九年度から約一千七百億円が追加投入されますが、具体的な内容は今後、国と地方で協議されることとなりますので、被保険者の保険料負担の格差是正に向け、しっかりと主張してまいりたいと考えております。  また、保険料の賦課・徴収や資格証明書の交付につきましては、新制度への移行に向け、五月に設置しました国民健康保険制度改革に関する検討会、これは栃木県に設置したものですが、この栃木県の国民健康保険制度改革に関する検討会におきまして、市町が担う事務の標準化等を進めていく中で検討してまいります。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) 知事には、ぜひ今後も国に対して、国の財政支援をふやすように頑張っていただきたいと思っております。そして、こども医療費などに対するペナルティーもなくしていくように、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。  ただ、この問題で栃木県の知事がこれだけ頑張っているということは、全国的にも非常に評価されております。しかし、その栃木県で国保の実態を見たときに、資格証明書の発行率が全国ワーストワン、私はこれはどうしても改善していただきたいと思うのです。平成二十六年六月一日の滞納世帯数の資料を見ましたら、何と、滞納世帯に対して一〇〇%短期保険証か資格証明書を発行している自治体が三つもあるのです。ということは、滞納すれば機械的に短期保険証か資格証明書に切りかえてしまう。こういう機械的な指導というのは、私は国保の制度から見て絶対になじまないと思います。時間がありませんので再質問はいたしませんが、こういった機械的な資格証明書の発行は社会保障としての国保の制度に反するものだと考えますので、ぜひ改めていただきますよう、強く要望させていただきまして、次の質問にまいります。  こども医療費助成制度のさらなる拡充について、保健福祉部長に質問します。女性が一生のうちに産む子供の数が減っていることを受け、県は少子化対策を重要な課題として位置づけています。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、これから子供を持つために必要な条件として一番多く寄せられた回答は、働きながら子育てができる職場環境です。また、理想の子供数が持てない理由のトップは、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからとのことです。これはご夫婦に対する設問です。  現実に、若者の二人に一人が非正規雇用、勤労者の給料は思うように上がらない。そして、食料品の値上げや消費税の増税など、子育て世代を直撃する負担増が押しつけられ、子供の貧困も増加しております。ますます子育てしにくい国、子供を産みたくても産めない社会になっているのではないでしょうか。これを是正することは、国の責任であるとともに、県、市町それぞれの仕事でもあると思います。お金の心配なく、誰でも安心して子育てできる栃木県にすることこそ、少子化対策の重要な柱だと考えます。
     中でも、子育て世代の負担軽減と子供の健康を守るこども医療費助成制度の拡充は大変重要です。県の制度では、小学校六年生までが償還払い、未就学児までは現物給付となっております。市や町はその上に住民要望に応えて独自に制度を拡充し、現物給付か償還払いかはそれぞれですが、高校三年生までを対象年齢にしているのが九市町、中学三年までが十五市町あります。県と同じ小学校六年までなのは宇都宮市だけとなっております。  宇都宮市と芳賀町が接する地区に、ゆいの杜というところがございます。若い世代が移り住んでいる新しい町です。ここの公園には両方の市と町のお母さんたちがお子さんを遊ばせに来ています。ことしの四月から芳賀町では高校三年生まで対象が広がった。このことを知ったお母さんたちは、同じ県民なのに何でこんなに格差があるのとおっしゃっているわけです。県内どこに住んでいても同じように子育て支援の恩恵が受けられる、そうしてこそ、栃木県で子育てしよう、家庭を持とう、そんな若い世代がふえるのではないでしょうか。  そこで、二十五市町のうち二十四市町が現物給付または償還払いの対象年齢を少なくとも中学校三年生まで拡大していることを考慮し、県の制度についても中学三年生まで拡大し、さらに現物給付による無料化に踏み切るべきではないかと思いますが、保健福祉部長の答弁を求めます。 ○五十嵐清 副議長 近藤真寿保健福祉部長。   (近藤真寿保健福祉部長登壇) ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。こども医療費助成制度につきましては、昨年五月に市長会、町村会の共同提案としての要望を受け、子育て世代の負担軽減を図ることを目的として、本年四月から現物給付の対象を三歳未満児から未就学児にまで引き上げたところであります。  今般の引き上げに当たりましては、県及び市町の財政負担等を考慮しながら、乳幼児健診受診率の向上や適正受診を促す小児救急医療対策など、医療費適正化の取り組みを進めることとあわせ、持続可能な制度として全ての市町が足並みをそろえられるよう、政策懇談会や市町の担当部課長で構成する見直し検討委員会において、県・市町間で十分に協議を行ったところであります。  助成制度の拡大に伴う財政的な影響につきましては、県の補助額で見ますと、例えば平成十八年度に小学校三年生まで拡大し、あわせて三歳未満児に初めて現物給付方式を導入した際には、出生数が減少する中でも約六億円の増加となっております。また、平成二十二年度に小学校六年生まで拡大した際には、約四億円の増加となっております。  こうした影響につきましては、制度を拡大して二、三年かけてあらわれる傾向にありますこと等を踏まえますと、県としては、まずは、今般の引き上げに伴う医療費の動向や各市町における影響等を確認してまいりたいと考えております。  なお、現在、全国知事会におきまして、全国一律のこども医療費助成制度の創設を国に要望しておりますことから、今後の国の動向等についてもあわせて見守ってまいります。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) この問題は今後、委員会などでも要望していきたいと思っております。ただ、私が県の制度として環境を整えていく必要があると思っておりますのは、例えば今、市町村の女性の状況を見ますと、市内の医療機関を受診しなければ助成の対象にならないところが佐野市、小山市、芳賀町、那須町と四つございます。こういったところで、お子さんが熱を出したり怪我をしたりするのはいつも居住地とは限らないわけです。そのことを考えたときに、県内どこの医療機関でもちゃんと受けられるようにしていく。そのための環境整備というのは、私は県の責務ではないかと思います。国に要望していただくのは当然だと思いますが、ぜひ今後も県として拡大に努めていただきたいということを申し上げて、次の質問にまいります。  LRT計画への県の支援について、知事に質問いたします。LRT計画は、ネットワーク型コンパクトシティの呼び声で推進されてきましたが、東京の山手線とほぼ同じ外周を宮環が走り、その外に雀宮、姿川、豊郷、清原など人口が集中した地区があり、合併した河内、上河内地区がございます。人口五十三万の大都市をコンパクトにおさめようとしても、市民の生活実態がそうなっていない中で、この構想は上から目線のまちづくりと言わざるを得ません。また、総事業費も示されておらず、片側の駅東路線だけで四百億円余り。宇都宮市はそれを先行整備する計画です。  そうした中で、昨年一月、三万人を超える市民が、住民投票で民意を問えと、市長に住民投票実施を求めました。残念ながら市議会が否決をいたしましたが、反対の声はおさまるどころか、今回の市議選でも最大の争点となりました。この事業をこのまま推進することに市民の合意は得られていない、これが実態です。  宇都宮市は、駅東側だけの事業計画をもって営業主体を決定し、国の認定を得ようとしておりますが、駅西側大通りの路線とその事業費、採算も含めて検討して、営業主体を選定するというのが当然ではないでしょうか。  このような市の進め方は余りに拙速と言わざるを得ないと思いますが、知事のお考えを伺います。  また、知事は、LRTへの支援を表明され、国に対しても補助率のかさ上げなど財源の確保を要望されています。しかし、県としてこの事業の、どの部分に、どの程度の財政支援を行うのかは全く示されていません。宇都宮市は、駅東側事業費四百億円の二分の一を国、二分の一を地方という言い方で、県が半分ぐらい持ってほしいとの期待を込めた説明をされているわけですが、県は一体LRTにどれだけの財政支援を行うつもりなのか、あわせてお答えいただきたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。   (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。宇都宮市におきましては、鉄道・バス等との連携による広域的な公共交通ネットワークを形成するため、平成二十五年三月に、LRTを東西基幹公共交通として導入する旨の基本方針を取りまとめたところでございます。  この中で、計画区間につきましては、JR宇都宮駅西側の中心市街地と鬼怒川左岸地域とを結ぶ区間としたところでありますが、全体の整備には一定期間を要することや、駅東側と駅西側では公共交通の整備状況が大きく異なっていることなどを勘案し、整備効果が早期に発揮される駅東側から優先的に整備することとしております。  これらの計画内容につきましては、市が説明会等を開催し市民の理解促進を図るとともに、市議会においても議論や検討が行われ、その上で現在の取り組みが推進されているものと認識をしております。  また、県の支援のあり方につきましては、現在、宇都宮市と芳賀町において、事業計画の策定に向けた検討が行われているところでありますので、今後、事業計画が具体化する段階で、内容等を十分に精査しながら検討してまいります。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) 再質問させていただきます。東側の路線がLRTとしての効果が一番早くあらわれるということで整備を進めるということなのですが、それが市民から見ますとなぜそうなのかわからないのですね。宇都宮市をどう交通ネットワークで結ぶのか。そのときに大通りの通行状態はどうなるのか。一番人が集まる場所にお年寄りや市民の皆さんが出かけていくときに、一々バスからLRTに乗りかえなければいけないのか。そういうことに対するきちんとした説明も、まちづくり全体をどうするかについても示されていない中で、さらに、総事業費が一体幾らになるのかが示されていない。そして、片側だけでもう発進してしまいましょうということです。これでは私は市民の皆さんの理解を得られないと思うのですね。もし赤字になったときにどうするの、誰が負担するの、これを一番皆さん心配していらっしゃるのです。そういったときに、これは推進してほしいと思っている方たちにとっても、では、県は一体どこまで持ってくれるのだろうかということを知りたいと思うのは当然ではないでしょうか。その上で、このLRTの計画が本当にそれだけの税金を投入するに足る事業なのか、市民の皆さんが検証できるのだと思います。  市民の理解が得られなかったら、この事業は私は成功しないと思いますよ。実際に、芳賀町と宇都宮市の検討会の中でも、清原工業団地やベルモール、芳賀・高根沢工業団地の従業者に対するアンケート調査が出ております。このアンケートに答えた方は一万二千三百九十八人ということですが、その半分以上の五五・二%がLRTは利用しないとおっしゃっている。最低限の需要予測だけで採算がとれるからこれでいくのだということでは、私は、公共交通の立場から見て、その名に値しないのではないかと言わざるを得ないのです。ぜひこういった点も含めて、もう一度ご答弁をお願いしたいと思います。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 再質問にお答えいたします。まず、需要予測につきましては、今ご指摘がありましたように、生活行動実態調査によって算定し、黒字が見込めるというものでございますし、精度の高いものだと私も考えております。  さらに、なぜ東側ということですが、公共交通空白地帯、それから、三万人もの多くの方々が橋を渡っていかなければ職場に着かないという慢性的な交通渋滞、これらを一日も早く解消していくという大きな目的があると思っております。  公共交通空白地帯につきましては、私のところにも多くの方々から意見が来ますが、清原地区の推進する方の中には、バスで町の中まで往復すると三千円近いお金かかってしまう、二千数百円だと思いましたけれども、これでは外出できません、低額の料金で町の中にもすんなり出かけられるような仕組みを早くつくってくださいという声も、何人かの方から届いております。  そこで、コンパクトシティにはならないのではないかという話がありましたが、市長が言っているのは、ネットワーク型コンパクトシティということを言っているのでありまして、昭和の合併の時代の清原村であったり芳賀村であったり、そういうところをつなぐのが今回の目的であるということでございますので、何が何でも町の中に人を集めてしまうというものではないと思います。今ある町の形態を、横軸をLRTで結んで、そこからフィーダー線、支線という形でバスが結んで、自家用車を使わなくても東西南北の移動が可能になる、こういうことを目的にこの事業は計画がなされていると思っています。  さらに、環境と高齢者に優しい社会づくりということにも大きく寄与すると思います。都市型観光のシンボル性も得られると思います。あるいは、東部地区には優良な産業団地がたくさんありますが、産業団地の高付加価値化にもつながる。こういうさまざまな利点が東側に導入することによって発生すると思います。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) 時間がないので、私の意見を申し上げます。初日の質問でも知事は答弁されておられましたが、鬼怒川左岸の工業団地の付加価値、活発な企業活動を後押しするというところに、東側を優先的に整備する大きな動機があったのではないか。そういうことなら、逆にわかりやすいのです。ただ、そういうことなのであれば、そこに四百億円の税金を投入することが本当に県民益なのかどうかなのか、そこは再検討が必要だと思います。公共交通というよりも、いわば工業団地に通勤する方々のその足をどう確保するかというところに特化した交通機関ということなのではないかと思います。この問題は、今後も追及していきたいと思いますが、そのためにも、県としての財政支出をどうするのかは明確に示していただきたいと強く要望しておきます。  最後の質問に入ります。米軍オスプレイの栃木県上空訓練の危険について、知事に質問いたします。米空軍の特殊作戦機CV―22オスプレイを二〇一七年後半から横田基地に配備するとアメリカ政府が正式に発表したことで、周辺自治体や住民の中に不安と怒りが広がっております。  オスプレイは開発段階から事故を重ね、何度も墜落事故を起こした欠陥機です。CV―22は、沖縄に配備されている海兵隊向けMV―22オスプレイと比べても、深刻な事故であるクラスAの事故率がはるかに高いと聞いております。私もDVDで、オスプレイの着陸の際、テントを吹き飛ばす映像を見ましたが、これはヘリコプターの比ではありません。  日本の人口の三分の一が集中する首都東京都と周辺八県の上空が、このような危険なオスプレイの訓練空域になることは看過できません。その中に栃木県も含まれていることを多くの県民が知らされていないのが現状です。  オスプレイの国内における主な訓練場所は、米軍施設・区域のほか、自衛隊の訓練空域などとされており、横田基地のC―130輸送機の編隊飛行訓練エリアに栃木県の南部が入っております。現に足利市、佐野市、栃木市、小山市、真岡市などで、C―130が低空で編隊飛行訓練を行っているのが目撃されております。  このルートを使ってオスプレイの訓練が行われる危険がはっきりしてきました。オスプレイの本土での訓練・配備は、沖縄の負担軽減どころか、騒音と墜落の危険を全国に広げるものにほかなりません。  そこで、栃木県として、オスプレイの本県での訓練に明確に反対すべきではありませんか、知事の答弁を求めます。 ○五十嵐清 副議長 福田富一知事。   (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。日米両政府は去る五月十二日に、平成二十九年後半から平成三十三年にかけて、CV―22オスプレイを横田飛行場に配備すると発表しました。  安全保障・防衛政策は国の専管事項でありますが、住民生活の安全・安心の確保につきましては、最大限の配慮が必要であると考えております。  全国知事会におきましては、これまでMV―22オスプレイにつきまして、国に対し、飛行訓練の安全性や運用全般の状況について関係自治体や地域住民に十分説明し、理解を得るよう求めてきたところであります。  CV―22オスプレイの飛行訓練や運用等につきましては、現時点では承知しておりませんが、今後の動向を注視しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 ○五十嵐清 副議長 野村せつ子議員。   (十二番 野村せつ子議員登壇) ◆十二番(野村せつ子議員) 再質問はできなくなりましたので、私の見解を申し上げたいと思います。現在、C―130が飛行訓練を行っているエリアと申しますのは、横田基地の有視界飛行訓練のエリアということで、衝突防止会議というものが開かれているそうです。そこで示されたエリアの中に栃木県が入っている。これは明確に入っているのですね。そこを使ってこのオスプレイの訓練が行われるということは、恐らく間違いないだろうと思います。ですから、それを想定して、今C―130がどういう飛び方をしているのかも含めて、やはり県は詳細に情報収集を行うべきだと思います。実は高知市では、MV―22でありますが、ドクターヘリの運航にとっても脅威となるという市議会の決議を上げております。こういうことを考えましても、栃木県としてこの問題に正面から向き合って、訓練の中止を求める立場に立って、県民の安全のためにしっかりとした対応をしていただきたいと思います。  全ての質問はこれで終わりになりますが、県民の安心と安全の大もとは平和でございます。この立場に立って県政に取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、全ての質問を終わります。 ○五十嵐清 副議長 この際、十五分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午後二時十五分 休憩             ―――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十八名であります。             ――――――――――――――――――――――――――――  午後二時三十分 開議 ○岩崎信 議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) 改選後最初の議会での最後の質問者になりました。三期目になりますが、私は、初心忘るべからず、思いを新たにして県政に臨んでまいりたいと思います。  さて、ことしは本県では、平成二十八年度から、つまり来年度からの新たな総合計画を策定する年でありますし、各部門におきましても、それぞれの近未来の計画を策定する年になりますから、しっかりとした栃木の将来像が描かれることに期待をかけ、そのことに関連づけをしながら幾つか伺ってまいりたいと思います。  初めに、次期プラン及び地方創生総合戦略についてであります。人口が減り続ける流れは、今にして始まったことではありませんが、このままの流れでいくとすれば、毎年一万人、やがては二万人もの人口減に見舞われることになりまして、地域社会の維持、県民の暮らしに大きな影響を与えることになると思います。  策定を急ぐ地方創生総合戦略では、今後、恐らく全ての市や町で、人口の自然減対策、社会減対策がとられることになります。しかし、現実論としては、全ての自治体が、いずこも同じようにして人口減少が抑制され、社会減がとまるということは予測しにくい。実態としては、地域により、自治体により、ばらつきが出るのは避けられないと思います。  しかし、栃木県としては、地域の特色、個性化を打ち出すと同時に、一方では、均衡、バランス重視の看板をおろすことはできないだろうと予測しています。  県は、政策展開の基本として、これまでも県全体がバランスよく発展することを目指してきましたが、しかし、実際には県民所得、経済、健康・医療、教育等々の分野で、市や町の間での格差が存在すると思います。強く言えば、格差が拡大してきているのではないかと見ています。例えば教育です。県教育委員会は、データを公表しないのでわかりませんが、教育長は、学力テストなどで地域間の格差を把握しているのではないでしょうか。  例えば県民所得。ことし二月公表の県民経済計算では、平成二十四年度の県内総生産は名目で七兆七千三百七十九億円、対前年比で一・一%のマイナス、県民一人当たりは三百万八千円でした。この計算は、市町村ごとにも集計されているわけでありますので、その動向もおわかりだと思います。  各地の県税事務所での税収の動向はどうでしょうか。足利県税事務所管内での法人税収には、回復におくれがあると私は見ております。例えば農業生産、医療といったように、実情を見ていく必要もあると思います。  地域間で格差が現実に認められるとすれば、今後予測される新たな格差について、これを未然に防ぐような対応策を政策的に用意し、早目に手を打つことは必要なことだと思います。つまりは、本県の戦略を国と地方、国と栃木県という構図で構想するというよりも、県内各地域を見渡してのきめ細やかな視点が必要になるということであります。  そこで、次期プラン及び地方創生総合戦略では、こうした視点に立って政策を具体的に打ち出すべきであります。また、公共施設等も含めて、地域分散型の地域づくりに政策を方向づける必要があると思います。次期プラン及び地方創生総合戦略をどう構築するのか、知事にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。   (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの若林議員のご質問にお答えいたします。現在、市町におきましても、人口ビジョン及び地方創生総合戦略の策定に向けた取り組みが本格化しております。  市町における人口の将来展望につきましては、人口動向が地域によってその状況や要因が異なっていることから、減少率や高齢化率は一様でないことが予測されております。  地方創生に向けましては、まずは、地域の実情を熟知したそれぞれの市町が、人口減少や急速な少子高齢化の影響を分析した上でしっかりと課題に向き合い、総合戦略において、地域特性に応じた処方箋を描き、地域の強みを生かし、魅力あるまちづくりに取り組んでいくことが重要であります。  一方、県におきましては、より広域的な立場から、中山間地域を中心とする農業・林業の成長産業化、県外からの移住促進など、産業の振興や人を呼び込む施策などに取り組むことが必要であります。  こうした取り組みを通じ、市町が、地域の強みや個性を伸ばし、自立した地域社会を築いていくことができるよう、県といたしましても、それぞれの地域の課題を十分に踏まえ、さまざまな角度から支援してまいります。  また、次期プランにおきましては、県民の皆様が、それぞれの地域で安全で安心な日常生活を送り、活力ある社会経済活動を営むことができるよう、今後とも、広域的な視点から必要な基盤づくりに努めてまいる考えであります。引き続き県議会初め、県民、有識者等からご意見を得ながら、市町との十分な連携を図り、次期プラン及び地方創生総合戦略の策定を進め、それぞれの市町が真に輝くとちぎづくりに全力を傾注してまいります。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) 県の役割をお話しいただきましたけれども、市町でのさまざまな取り組みが、これからの地方創生に係る大きなポイントになりますというお話ですね。市町では、全国サイドもそうでしょうし、栃木県内部でも、自治体間の競争というものもまた激しくなると思っております。そうした意味合いにおいては、私はあえて格差という言葉を使いましたけれども、全地区が勝者になるということについては考えにくいという問題もありまして、そういうことについては県がしっかりした方策を立てて、それぞれの地域が元気よく、活力あるまちとして今後やっていけるようにしていく必要があると思っているわけであります。  知事に再質問いたします。昨年成立しています改正地域再生法関係では、やる気のある地域に集中的に政策資源を投入するとか、地域活性化の関連施策をワンパッケージで実現する仕組みをつくるとか、農地転用に係る特別措置など、手だてをいろいろと講じられてきたわけであります。しかし、一方では、地方が強く期待していた今、国会に上程中の地方拠点強化税制、企業の地方移転に係る法人税の軽減措置でありますが、内容を見ると、全くの当て外れで、私は残念に思っています。  そこで、改正法では、国への提案制度ということも法制化されているわけでありますから、そういった意味合いでは、企業の地方移転などを促進するために、税制面で、特に法人税を軸にして、企業の栃木県等への移転を促す方策を提案していってはどうかと思っておりまして、そのことについて知事にお伺いします。 ○岩崎信 議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 若林議員の地方拠点強化税制等についてのご質問にお答えいたします。企業が地方へ本社機能を移転するとか、研究開発拠点を立地させるということは、安定した良質な雇用の創出を通じて地方への新たな人の流れを生み出すことになりますことから、重要な取り組みだと思います。これを促進するためには、企業にとって魅力あるインセンティブが必要でありまして、企業の地方移転の取り組みが実効あるものとなるよう、全国知事会などの場で、法人税軽減措置を含めた国の支援策や提案制度の活用について議論を深めてまいりたいと思います。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) もう既に、こういう制度ができたからというわけではないのでしょうけれども、名前を挙げれば、ファスナーのYKKが東京から富山県の黒部市に移転すると。日立マクセルも京都に移転すると。トヨタは、もともとが名古屋に本社を移して立派にやっているわけです。コマツも石川県の小松市に本社機能の一部を移転すると、そういう流れがもう出ているわけです。栃木県であれば、下野市に四月一日に台東区から本社が移転した。ことしが何とかの元年とすれば、その第一号ぐらいになると思っていまして、先を行く下野市だなといつも思っているわけでございます。  それは別として、法人税を中心として、国が国策として地方移転を促す。今度は、地方も、例えば市町村は固定資産税等でいろいろと手だてを、減免措置等とることができるわけでありまして、県も法人県民税等で税制を駆使して、地方移転、栃木県への移転を促進するようなこともお考えになったらいいのではないかと思いまして、そこはひとつ申し上げておきたいと思います。  一つ、要望でありますが、各地を元気にする地域の頑張りについて、県としても協働して参加していくことは大変大事なことだと思っております。そうした意味合いで、県では、県民参加型のさまざまなイベントを開催してきているわけでございます。しかし、これは昨今、宇都宮中心あるいは県庁中心で開催される動きが目立つと思います。県庁が各地へ出向くという必要はないでしょうか。例は挙げませんが、県庁への一極集中ではなくて、各地域を元気にして活性化につなげるためにも、県庁イベントの地方での開催もご検討いただくことを要望して、次の質問に入ります。  次期行財政改革大綱についてお伺いいたします。今年度は、第五期行財政改革大綱の最終年度になります。今の大綱に掲げた取り組みであります、一つ、とちぎ未来開拓プログラムに基づく財政健全化、二つ、中期財政収支見込みに基づく財政運営、三つ、職員の定数管理などについては、しっかりとした検証が必要になると思います。  一つの例ですが、これから社会保障関連の分野では、子育てや介護などについては基礎的自治体が、国民健康保険に代表される医療関連分野では、県が推進主体になるというようにして、役割の明確化が示されてまいります。このために、大綱に示された市町との連携協力の取り組みはもとより、民間を含む多様な主体との協働や県有施設のあり方等についても、これからのことを視野に置いて、しっかりとした検証作業が必要だと思っております。  そこで、質問です。県では、平成二十八年から次期行財政改革大綱を策定していくわけでありますが、これからの行財政改革について、次の大綱にどのように位置づけていこうとされるのか、経営管理部長にお伺いします。 ○岩崎信 議長 井澤晃太郎経営管理部長。   (井澤晃太郎経営管理部長登壇) ◎井澤晃太郎 経営管理部長 ただいまのご質問にお答えいたします。現行財政改革大綱、略称行革プランの取り組みは、市町への権限移譲や収支均衡予算の編成あるいは定員管理の適正化など、おおむね順調に推移しているものと捉えております。  一方、今後は、人口減少や地方創生等の新たな課題や行政ニーズに的確に対応した施策を効果的に展開できる自主的・主体的な県政運営を持続していくことが求められているところでございます。
     このため、次期行財政改革大綱では、県民満足度の高い県政推進に向けまして、行政の効率化や財政の健全化の推進はもとより、県民や市町、民間企業等との連携・協働による地域の実情に応じた取り組みを進める視点を重視し、行財政改革の取り組みを一層推進してまいりたいと考えております。  県といたしましては、県議会や県民、有識者等からご意見をいただきながら、現大綱の成果や県政を取り巻く課題等をしっかりと検証した上で、次期プランとの整合性を図りつつ、来年二月を目途に次期行財政改革大綱の策定を進めてまいります。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) 現行の大綱については、未来開拓プログラム等財政再建、大変厳しい仕事もしっかりとやられたと私は思っておりまして、次の大綱、先を見据えて、このことについてはしっかりとお願いしたいと思います。  一点、経営管理部長に質問であります。昨日の一木議員の質問の答弁にもありましたが、独自規制の見直し作業を行っています。これは、どのような観点で見直し作業をするのか、なかなか検討状況が明らかにされておりません。どうも身内の議論がなされているようで、議会も県民も分からない中で、独自規制の見直しが行われているのではないかと思っているわけであります。  ことし一月の知事の見直し表明を受けての作業開始だと受けとめますが、そもそも規制改革の推進については、第五期行財政改革大綱にも明確にうたわれていたわけでありまして、あわせて国の地方分権改革、義務づけ・枠づけの見直しでも、国と地方の関係を規定する項目は一万を超える条項を洗い出したわけです。その中で検討の俎上に上ったのが四千条項程度、具体的に検討された条項となると一千条項程度あったわけでありますが、それらを勘案すると、膨大な行政事務の中で、昨日は一千項目という話もありましたけれども、県サイドでの見直し作業は本当に大丈夫なのかと、私は心配しております。  そこで、この見直し作業に取り組む観点と進捗状況、今後の見通しについて、経営管理部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 井澤晃太郎経営管理部長。 ◎井澤晃太郎 経営管理部長 ただいまの再質問にお答えいたします。独自規制については、ご指摘のとおり一月から三月までの実態調査を行いまして、約一千項目について把握しているところでございます。  今後は、新しい観点としまして、産業の活性化あるいは県民の利便性の向上という観点をプラスして、平成十八年に策定いたしました規制改革推進指針にその新しい観点を入れた形で、県議会の皆様や県民のご意見、各団体等のご意見も踏まえて、年度末には具体的な方針を取りまとめて、来年度から実施したいと考えております。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) ぜひ、この話を公にして、事は県民の権利・義務に関するものが含まれるはずでございますので、こういったことについてよろしくお願いしたいと思っているわけであります。特に地方分権改革以降、国も地方自治体向けには、従うべき基準と参酌基準、参考とする基準を明確に示して今日に至っている、その流れにあるわけでございますので、そこを踏まえた対応をぜひお願いしたいと思っているわけであります。次の質問に移ります。  看護師の人材養成についてお伺いいたします。健康でありたいという県民共通の願いを受けて、県では、さまざまな取り組みを実行しているわけでございます。  この施策の担い手は、健康、医療、福祉、介護系の仕事に携わる方々でございますが、それぞれの分野で高い知識と技術を持って、県民との間に高い信頼関係をつくって仕事をされているわけであります。しかし、これらの分野については、慢性的な人材不足の状態にありまして、なかなか県民のニーズに応え切れない状態だと思っております。  人材確保対策については、相当各般にわたって実施してきたわけでありますが、昨今における人材の確保の要請は、より知識・技術相まって高いレベルでの人材が必要となってきているし、特に看護の分野では、医療の高度化・専門化が進むのに呼応して、高い能力を有する人材を求める傾向が強くなってきていると思います。  県では、これまで看護師不足に対してさまざまな取り組みをしてきたわけでございますが、時代の進展に即して、知事の言う人づくりを看護系でも具体的に一段と高めて進めていく必要があると思います。  これからの健康づくりや地域医療を進めるに当たって、県が主体となり、一層積極的に看護師の人材養成を行うべきだと思います。保健福祉部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 近藤真寿保健福祉部長。   (近藤真寿保健福祉部長登壇) ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。医療技術の高度化が進む中、高い資質を備えた看護師を養成するためには、看護師養成所等の養成課程はもとより、就業後においても、教育や研修を充実させる必要があると考えております。  このため県では、栃木県看護協会や医科大学等と連携し、看護師養成所の教員の資質の向上を図りますほか、医療機関等で勤務する看護師を対象に、院内感染防止等の実践的な研修やがん看護の専門研修、また、在宅でのみとりや難病患者の療養支援等に必要となる訪問看護師養成講習会等を実施しているところであります。  さらに、今年度は、地域医療介護総合確保基金を活用した助成制度を新たに創設し、高度な知識と技術を備えた認定看護師の養成を行う医療機関を支援しております。今後とも、関係機関の協力を得ながら、県民のニーズに的確に応えられる質の高い看護師の養成に努めてまいります。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) さまざまな取り組みを駆使して、県民ニーズに応える質の高い看護師を養成していく。引き続き、それはお願いしたいと思っているわけであります。  そこで、再質問であります。人材の養成について、例えば下野市にあります自治医科大学では、数年前に看護短大が四年制の大学になっていますが、その理由は、これからの高度で専門的な医療・看護ニーズに即したいということでありました。全国で見れば、目下、三十八の都府県で県立及び公立大学法人の看護系大学があります。関東近県においても、茨城県立医療大学、群馬県立県民健康科学大学、千葉県立保健医療大学、神奈川県立保健福祉大学などが、看護を中心に保健、健康、福祉系の県立大学を開設しているわけであります。各県で、看護師養成所から県立大学や公立大学法人への流れがあると私は思っています。  時代は人づくりでございます。大学の新規開設または専修学校としての衛生福祉大学校の大学化等、手法はあると思いますけれども、県立の大学を持たない本県が、健康と医療・福祉などに特化して県民を支える人材を養成することは、大変意義深いと思います。次期プランに位置づけてはいかがでしょうか、保健福祉部長にお伺いします。 ○岩崎信 議長 近藤真寿保健福祉部長。 ◎近藤真寿 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。県内の看護職の養成状況を見ますと、大学が四校、定数ですと三百七十五名、二年・三年課程で十四校、七百四十名、合わせますと十八校、一千百十五名という状況です。それから、准看護師については六校、二百十八名。  議員ご指摘のとおり、大学の養成過程ですと、当然、レベルの高い教育が受けられまして、その後の資格取得にも有利になるということでございますが、一方、衛生福祉大学校を初め、専修学校となりますと授業料も安いですし、短期間に資格が取れるということで、社会人の入学も多い。それぞれ特色を持っていて、学ばれる方の選択の材料になっているということでございます。そういった役割が異なるということもございますので、今後は、議員のご提案も踏まえまして、まずは、衛生福祉大学校の果たすべき役割について検討してまいりたいと考えております。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) おわかりだと思いますが、現在の衛生福祉大学校がだめだとか、そういうことでは全くありませんので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。看護師の仕事は、病院から学校現場、そして介護施設、これからは在宅医療、地域介護、非常に守備範囲が広くなってくると思っておりまして、大変重要な役職だと思っております。今、近藤保健福祉部長の答弁の行間を読みますと、つくりませんとは言わなかったようなので、そこを少し配慮して、次の質問に入りたいと思います。  これからの産業基盤整備であります。ものづくり県として製造業を軸にして成長し、発展してきた本県も、あのリーマンショック以降の製造業を中心とした相次ぐ事業所の海外移転、事業縮小、統廃合などで大変厳しい時代を過ごしてきたと思います。ここ数年、ようやく経済に復調の足音が聞こえ、復調そして成長へと足取りを強めている今日において、新たな産業基盤を用意するその必要性も高いのではないかと思います。  企業では、次の成長に向けて設備投資意欲も高まる、こうした環境下において、本県のものづくり産業を次のステップに引き上げていく、そのための産業基盤整備の努力が必要な時期に来ているのではないでしょうか。  産業団地の造成については、県土地開発公社の産業団地造成の仕事を企業局へ一元化するという議会の提言を踏まえ策定された特定指導法人の見直し基本方針に基づいて、現在も県において継続的な検討が続けられているわけであります。  一方、世の中は、若者の定住促進、働く場の安定的確保に多くのエネルギーを傾ける時代が来ているわけでありますので、地域の発展と経済の一層の成長を図るためには、地域経済の核となるような成長性に富んだ優良企業の立地促進を促したいと思うわけであります。  そうした意味合いにおきまして、この産業団地の造成に関して、県としての明確な方針を掲げ、市町との協働のもとで、しかし、多少は県の主体性を発揮する中で、産業基盤の整備に向けて準備を進めるべきだと思います。産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 荒川政利産業労働観光部長。   (荒川政利産業労働観光部長登壇) ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、平成二十一年度から産業団地開発の基本方針により、県と市町との役割分担と相互協力のもと、産業団地の整備促進に努めてまいりました。  近年、本県への企業立地件数は大きく伸びており、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の整備等により、本県の交通アクセスは格段の向上が見込まれます。一方で、地域間競争は激しさを増しており、より魅力的な産業団地の開発が求められております。  開発に当たり、適地の選定や用地取得を進めていくためには、まちづくり全体を担い、地域を熟知している地元市町との調整が何より重要であります。  県といたしましては、産業団地開発の基本方針を踏まえつつ、地域を取り巻く環境の変化や新たな企業ニーズを最大限考慮しながら、市町との緊密な連携のもと、さらなる企業立地のための産業基盤の充実に努めてまいります。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) 企業局なども前に出ていろいろと仕事をしていく、そういう時期であると思っているわけであります。  一つ再質問いたします。昨今の地方創生あるいは地域振興方策を検討しまして、これからいろいろと激しさを増すと思われる都市間競争を踏まえれば、新規の産業団地造成については、企業局のみでなくて、土地開発公社も造成主体として積極的な役割を果たすこと、そういう時期になったのではないかと思っているわけであります。この点について、県はどのように考えているのか、土地開発公社の所管部長であります総合政策部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 北村一郎総合政策部長。 ◎北村一郎 総合政策部長 ただいまの再質問にお答えいたします。地方創生の実現に向けた取り組みを図っていくために、例えば産業団地の造成など、地方におきましても仕事が人を呼び、人が仕事を呼び込むといった好循環を確立していく取り組みが重要になってくると思っております。  特定指導法人の見直し基本方針のもと、産業団地の造成、機能等につきまして検討を進めてきたところでございますが、お尋ねの県土地開発公社がこれまで培ってきたノウハウの活用方法等、今後の土地開発公社のあり方につきまして方向性を出していけるよう、関係部局等と協議を進めてまいります。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) 今の方針については、議会も、特に私も当時提言等にかかわった者でありますので、よく承知しているわけでありますが、時代的な背景を考えれば、行けるところがどんどんと先に行くということで、企業局、土地開発公社も積極的な役割を果たす。そこで、何度も申しますが、市町村もそれぞれ努力するわけでありますが、そこに多少は主体的な取り組みを県として果たすということも勘案して、方針転換のよいタイミングだと思いますので、そのことをお願いして、次の質問に移ります。  次期とちぎ農業成長プランについてであります。ことしの田植えは、例年よりもいま一つ元気のない、明るさに欠ける作業風景のように私には見えました。田植えを急ぐ理由はない、仕方なしに米をつくるのだというような声を耳にするたびに、何とも言いようのない心持ちになったのでございます。  本県の米生産数量目標は三十万トンを下回り、大幅な生産調整に踏み込んだものの、昨年は米の生産者価格も大幅に下落。一方では、消費の減退やら食生活の多様化とやらで、食料自給率もまた大幅な軌道修正を余儀なくされる時代でございます。打開策の一つとして、最後の農政改革とも喧伝されてスタートした農地中間管理機構を設置しての農地の担い手への集積も、なかなか思うようではない中、数年後には、米生産の自由化も待っているというわけでございます。  本県は、もうかる農業をうたって着実に農政を進めてきたわけでありますが、実際にこの五年間、とちぎ農業成長プランに沿って農業所得はふえ、産業として元気を取り戻したのでしょうか。その評価をしっかりと行って、次のステップに進む必要があると思います。  そこで、担い手をしっかりと確保しながら、本県の農業を持続的に成長発展させていくために、これからの本県農業のあり方についてどのようなプランを構想されるのか、農政部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。   (南斎好伸農政部長登壇) ◎南斎好伸 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。農業の成長産業化を目指したとちぎ農業成長プランに基づき、平成二十三年度から各種施策を展開してまいりました。  一方で、プラン策定と同時期に発生いたしました東日本大震災、それに伴います原子力災害、さらには、昨年二月の大雪被害など、甚大な被害からの復興・復旧に全力で取り組んできた四年間でもございました。  こうした中にあって、イチゴ「スカイベリー」を初めとする多くの品種を開発し、現地に普及したほか、放射性物質によりほぼゼロからのスタートを余儀なくされた農産物の輸出につきましても、一億円に手の届くところまで来るなど、今後につながる明るい兆しが見えてきたと感じているところでございます。  お尋ねの次期農業成長プランにおきましては、こうした発展の芽を着実に育てながら、現在のプランが掲げる「農業の成長産業化」を基本的に継承し、県内外からの意欲ある人材の確保や、さらなる園芸の振興などを図ってまいりたいと考えております。今後、農業者を初め、多くの方々から幅広いご意見をいただきながら次期農業成長プランを策定し、夢のある本県農業・農村の実現を図ってまいります。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) いろいろと苦難を経ながらも、農業の産出額等で見ますと、現行プランの基準年である平成二十一年が二千五百八十九億円でしたが、平成二十五年実績は二千六百九十億円でありますので、この間、三・九%産出額を伸ばしてきたわけで、景気低迷期にもかかわらず、本県の農業界は相当頑張ったと私は思っているわけであります。目標はもう少し高いところにありますので、一段の努力が必要だということになっています。  米価が下落する中で、成長要因は、野菜、果樹、施設園芸等の寄与度が高いと思っておりまして、ここに本県農業の伸びしろがあると私は思います。次期プランでは、この分野をどう見ていくのでしょうか、農政部長に伺います。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。 ◎南斎好伸 農政部長 ただいまの再質問にお答えいたします。お尋ねは園芸だと思いますが、昭和六十一年に首都圏農業へ転換して以来、園芸につきましては着実に生産を伸ばしてきたところでございます。今後も、大消費地が近い、冬場の日照時間が長い、そういった本県の有利な条件を最大限に生かすことで、さらなる生産の拡大ができると考えてございます。  一方で、現在、アメリカの議会でTPA法案、昨日、採決がまた見送られたという報道がございましたが、TPPなど国際化の影響も少ない品目であると認識してございます。このため、次期プランにおいても、園芸の振興を農業の成長産業化の柱として位置づけていきたいと考えてございます。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) 次期プランへの位置づけでもう一つ伺いたいのは、農地中間管理機構を介した農地の担い手への集積の取り組みは、向こう十年間で五万ヘクタール程度を集積したいということでありますが、初年度の実績を見る限り、なかなか思うようでありません。次期プランにもこの農地集積をしっかりと位置づけることも大事だと思っておりまして、そのことについて、農政部長に再度伺います。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。 ◎南斎好伸 農政部長 ただいまの再質問にお答えいたします。担い手への農地集積率の目標につきましては、現行プランでも六割を数値目標といたしておりましたが、農地中間管理機構がスタートしたことで、全国的に集積率を高めるということで、八割と上方修正したところでございます。  次期プランにおきましても、なかなか進みが悪いというご指摘がございましたけれども、農地中間管理事業を活用した農地集積を、引き続き推進していく必要があると理解しております。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) 次期プランに盛り込むべきものは多々あるのでこざいましょうが、もう一つ伺います。担い手の高齢化や農業生産性の不振等、農業を取り巻くさまざまな環境が厳しい中において、企業の農業への参入がいろいろと取りざたされ、新たな担い手として企業に期待する向きもあるわけであります。政府の財政諮問会議では、企業に農地所有を認めていくというような議論がなされ、農業生産法人の構成要件の見直し等についてもいろいろ出ているわけでございます。  私は、戦後、我が国農業が家族経営によって発展し、持続させてきたということが、我が国の成長を支えた下支え、力になったということも考えまして、日本型小農主義ともいうべき十、二十、三十ヘクタール程度の農地をしっかりと耕して、生産に汗を流していくことが大事なことで、その中で経営が成り立つようにすることが大切だと思っております。この担い手の問題を、次期プランではどのように考えていくのでしょうか、お伺いします。 ○岩崎信 議長 南斎好伸農政部長。 ◎南斎好伸 農政部長 ただいまの再質問にお答えいたします。地域農業を支えていく担い手につきましては、市町村が策定する人・農地プランに位置づけられた家族経営を行う認定農業者や集落営農組織が基本であると認識しております。  中でも、認定農業者でございますけれども、平成二十一年に七千五百人ほどになり、それをピークに残念なことに下がり続けてきたわけですが、平成二十六年を底に増加に転じました。今年度、新たに経営安定対策が導入されたこともございまして、現計画で展望していました八千人という数値がございますが、それに近づくのではないかと思っておりますし、集落営農も二百を超えたということでございます。今後、さらなる上積みをしていけるように推進していきたいと思います。次期プランにおきましても、これらの認定農業者、集落営農組織を担い手として捉えて、支援していく必要があると考えてございます。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) 既に農政審議会が二月に諮問して、そこは白紙の諮問になっているわけで、どういう絵を描くのかはこれからということになりますので、あえてこの三つについて質問させていただいたわけでございます。ぜひよろしくお願いします。  次に、新たな都市のビジョンについてお伺いします。人口減少の到来が現実のものになろうとしている中で、これからのまちづくりを進める上で、土地の利用をどう進めるかが、大きなテーマになると思います。特に郊外の集落や中山間地域では、都市部と比較して、人口減少の加速化が進むと予測されているわけでありますから、これからのまちづくりを考える上で、現在県が進めている都市計画区域マスタープランの見直し作業がどうなるかということについて、私は関心を持っているわけでございます。  この見直しには、昨年七月に公表したとちぎの都市ビジョンが露払いの役目を果たすと思いますが、そこでは都市機能の集積促進と町なかへの居住の誘導、公共交通による拠点間の連携強化と移動の円滑化、都市経営の効率化等への対応などをうたっているわけであります。その一方では、都市の人口密度は希薄化すると言い、限界集落が一層増加するとも現状を見ているわけであります。この都市の人口密度の希薄化は、歓迎したほうがいいのではないかと思っておりますし、限界集落の増加は困ったことだと思っているわけであります。  この二つは典型的な事例でありますけれども、これからの都市計画やまちづくりにおいては、都市部のみならず、郊外の集落や中山間地域においても、これからのコミュニティー機能など、あるいは産業を維持していくための方向性を明らかにする必要性があると思っているわけであります。そうした意味合いでは、都市への一層の人口集中を避けて、地方のコミュニティー機能を維持する、つまり地方への分散化という視点が大事だと思っております。  そこで、次期都市計画区域マスタープランは、どのような方針を示そうとされるのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ○岩崎信 議長 印南洋之県土整備部長。   (印南洋之県土整備部長登壇) ◎印南洋之 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。人口減少・超高齢社会を迎え、地域の活力を維持し、持続可能なまちづくりを推進していくことが大変重要となっております。  このため、現在改定を進めている都市計画区域マスタープランにおきましては、既存の市街地等を中心に、従来の集積や地域特性を生かした都市機能を配置する複数の拠点を形成いたしまして、これら拠点同士やその周辺地域を道路や公共交通でネットワークすることで、地域全体が多様なサービスを享受できるような都市づくりを目指していきたいと考えております。  特に、拠点周辺の都市郊外や農山村におきましては、既存集落などを中心に、それぞれの地域特性に応じて、買い物、医療、教育などの生活機能や居住機能を確保し、拠点地域も含め相互に連携補完することで、それぞれの地域の自立、地域のコミュニティーの維持増進を図ってまいります。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇)
    ◆三十五番(若林和雄議員) 今後見込まれる急激な人口減少への対応は、県全体の課題でありまして、これが町なか居住ということで都市へ、都市へと人が流れてくる政策をとるとすれば、本当に周辺地域などは大変な状況になる。そういう政策をとってきたのが、この数十年の流れだと思っておりまして、今度の都市計画区域マスタープランは、こういったものについて見直しをする必要があるのではないかと思っているわけであります。  沖縄は、出生率が一・八六にまで回復しているのです。東京は一・一五。大都市は子供を産みにくく、育てにくいのです。そういう意味合いでは、町なか居住、町へ、町へ、大都市へ、大都市へという流れをどこかでとめることが必要ではないかと思っておりまして、そこでは経済合理性あるいは効率重視、集積の利益第一で考えられてきたこれまでのコンパクトシティー論を見直したほうがいいのではないかと私は思いますが、県土整備部長、いかがでしょうか。 ○岩崎信 議長 印南洋之県土整備部長。 ◎印南洋之 県土整備部長 ただいまの再質問にお答えいたします。大都市一極集中から地方分散へ、これはまち・ひと・しごと創生総合戦略、基本的な戦略でございます。これについては、私もどんどん推し進めるべきだと考えております。  都市に一極集中させて、その結果、既存の集落なり農山村が疲弊するというのは、私ども歯どめをかけなくてはならないと思っております。ただし、余りにも分散いたしまして、そのために一定の都市のサービス機能が喪失するということであれば、これは地域全体が疲弊することになりますので、ある程度の、今の既存の集積なり、そういった機能は維持していかなければならないのではないかと考えております。  その上で、農山村のコミュニティーが崩壊するようなことがあってはいけませんので、これについては、また別途手当をして、誰でも生活ができるように、そしてまた、生活の機能もある一定のものは整うようにというようなまちづくりを進める必要性があります。その上で、それらが相互にネットワークすることで、お互いが、都市のサービスも農山村の豊かな自然というものも享受できる都市づくりを進めていくべきだと思っております。  コンパクトという概念は、将来の人口の規模に合わせまして、一つ一つの地域をできるだけ同じ投資で、よりよいサービス機能を集積できるようにしていこうという概念でございますので、これからの人口減少時代にとっては重要な概念ではないかと思います。その上でネットワークをさせる、これが重要だと考えております。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) コンパクトシティについての定義も、解釈による違いもあるでしょうから、県土整備部長のお考えは伺いました。一極集中については、これを何とか直す。私は、多極分散型の社会をつくるべきだと思っておりますので、そのことを申し上げて、次の質問に移ります。  望ましい県立高校のあり方についてでございます。十年にわたった県立高校再編が平成二十六年度で終了いたしました。教育委員会では、このプランに沿って、質問にも出ておりますが、さまざまな取り組みを行い、その検証作業を昨年行っているわけであります。  そこで、十年にも及んだ県立高校の再編により、究極の目標である生徒個々の学力水準は向上したのでしょうか。あるいは中途退学や不登校などは食いとめられたのでしょうか。生徒のさまざまな生き方を受けとめる特色化、個性豊かな学校に生まれ変わったのでしょうか。そして、それは子供たちに受け入れられたのでしょうか。そういうことはどのようになったのかということ、ここは大事なことだと思っております。  そこで、昨年度の検証作業において、何を確認し、何が課題だと理解したのか、教育長に伺います。  それから、今年度は有識者会議において、これからの望ましい県立高校のあり方を検討するとのことでありますが、これからの県立高校の姿を考えたときに、若い世代の減少傾向と地域の振興に対し、高校がどうかかわるかということが大事だと思っておりまして、次の十年間の県立高校の姿を描く際のお考えを、あわせて教育長に伺いたいと思います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。   (古澤利通教育長登壇) ◎古澤利通 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。県立高校再編計画につきましては、昨年度の有識者会議におきまして、魅力と活力ある県立高校づくりが実現しているか、さまざまな観点から総合的に検証を行っていただいたところであります。  その結果、県立高校の特色化・個性化の着実な推進を初め、生徒の学習や進路等に対する意識・意欲の向上、学校行事・部活動の活性化など、さまざまな成果が確認されたところであります。  一方で、一部の再編校におきまして、受検倍率が低下傾向にあることなど、課題も指摘されていることから、より一層魅力ある学校づくりに取り組んでまいります。  また、地域振興等に関しては、高校においても、地域を理解し、地域の課題解決に積極的にかかわっていく姿勢を育むなど、これまで以上に将来の地域の振興を担う人材の育成に取り組む必要があると考えているところでございます。  今後は、こうした観点も踏まえて、望ましい県立高校のあり方につきまして検討してまいります。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) ことしの四月から、県の東部地域や安足方面にある県立高校で学級減になっています。県内の観光地にある名門高校では、大幅な定員割れという事態が数年来続いているのであります。中学生の進路希望倍率が低いという点で共通しているわけでありますが、だから学級を減らすという論理であれば、周辺の学校はやがてなくなってしまうと私は思っているのです。  地域振興を進める上で、高校が大きな役割を持っているとすれば、むしろ私の申し上げる地域分散、中央にある高校の定員は減らしてでも、地域の学校に通う教育環境・流れをつくり出していく必要があると思っているわけであります。そうやって、小規模な高校もしっかりと存立させていく必要があると思っているわけであります。教育長に再質問します。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 県教育委員会では、これまで児童生徒数が減少する中、地域ごとに中学校卒業予定者の数あるいは生徒の通学の状況、それから、生徒保護者、そして地域のニーズ、こういったものを勘案しまして募集定員を策定し、学校・学科の適正な配置に努めてまいりました。  今後の県立高校の検討のあり方に当たりまして、ご指摘のような地域振興の観点を考慮しながら、地域において多様な高校教育の機会が確保できるように留意してまいります。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) 平成三十年、今の中学一年生が高校ぐらいのときから、子供の数が、がくんと減るのです。前年比で二・二%ぐらい減るのです。小学校五年生ぐらいになると、現行水準で見ても六・一%ぐらい減るのです。急激に対象数が減るという中において、これからの高校がどうやって生きていくかということについて、私も真剣に考えたいと思っているわけであります。  もう一点、県立高校のあり方を考えるときに、私立高校との関係を抜きにしては考えられないと思うのです。私学の地域貢献度や教員の資質、生徒の学校への満足度などが遜色ないものであるならば、私学を今までよりも前に出してこれからの教育を考えたらいいと。望ましい県立高校のあり方を、県立に限定して論議するなどと言っているようでありますが、少子化時代における高校教育全体を見渡してのあり方を検討してはいかがでしょうか、教育長に伺います。 ○岩崎信 議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答えいたします。今年度開催します有識者会議におきましては、私立高校の代表も含まれておりますので、私学のお立場からご意見もいただけるものと考えております。  県教育委員会といたしましては、これまで私学が果たしてきた役割を十分考慮しながら、また、あわせて今後の県民の期待に応えられますよう、県立高校のあり方について検討してまいります。 ○岩崎信 議長 若林和雄議員。   (三十五番 若林和雄議員登壇) ◆三十五番(若林和雄議員) 県立高校のあり方のみでなくて、総合教育会議もできたわけでございまして、そうした意味合いにおいては、これからの少子化時代における高校教育のあり方は、今までとまた違った意味合いで、難しい局面を迎えると思っております。特に五年後ぐらいまでに六%もの子供が減るという中では、向こう十年間のあり方を考えるというのでは、もう間に合わないかもしれない。向こう五年間ぐらいのあり方をどうするかというようなことになるのではないかと思っておりまして、そこにもご留意をいただければいいのではないかと思っているわけであります。  教育長に要望でありますが、全県一学区になりまして、ことし、高校側にも新たな動きが出たものと思います。過日の日光明峰高校のウインタースポーツ関連で全国公募するというような動きなどは、大変結構なことだと思います。  しかし、依然として、高校によっては、自転車通学はだめよとか、オートバイ通学に至っては、「だめよ、だめだめ」と言っているのです。下宿なんかは滅相もないと、こう言っているのです。そういうところがありまして、好きなところに通いたくても、つまり子供たちの多様な学校選択を拒むかのような方針が出ているわけでございます。これでは地域の学校を選択しようにも、学校に通えないという問題がございますので、子供の希望をかなえるという観点で、高校側のあり方にも見直しが必要だと思っておりますので、そのことについて申し上げておきたいと思います。  以上で私が用意した質問は全てでございます。新たな任期が始まる中におきまして、来年は栃木県の次のステップ、次期プランを描いてしっかりと進むという意味合いにおいて、ことしは大変重要な一年になると思っております。そこにおきましては、冒頭に申し上げましたように、しっかりとした栃木の将来像を描いて着実に進んでいくことが、何よりも栃木を元気にしていくことにつながるということを申し上げまして、私の全ての質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○岩崎信 議長 以上で上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問は終了いたしました。  この際、申し上げます。お手元に配付いたしました議案付託表に記載の議案については、それぞれ関係常任委員会に付託いたします。ご了承願います。             ――――――――――――――――――――――――――――  議 案 付 託 表 〇県政経営委員会  第三号議案 住民基本台帳法に基づく本人確認情報の提供及び利用に関する条例等の一部改正について  第四号議案 栃木県手数料条例の一部改正について  第五号議案 栃木県個人情報保護条例の一部改正について  第六号議案 栃木県県税条例等の一部改正について 〇生活保健福祉委員会  第一号議案 栃木県薬物の濫用の防止に関する条例の制定について  第七号議案 養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について  第八号議案 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について  第九号議案 食品衛生法施行条例の一部改正について 〇農林環境委員会  第二号議案 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理について  第十二号議案 市町村が負担する金額について  第十三号議案 市町村が負担する金額について 〇県土整備委員会  第十号議案 栃木県建築基準条例の一部改正について  第十四号議案 市町村が負担する金額について  第十五号議案 工事請負契約の変更について             ―――――――――――――――――――――――――――― ○岩崎信 議長 日程第二 請願・陳情についてを議題といたします。今回の臨時会議で関係常任委員会に付託いたします 請願・陳情は、お手元に配付いたしました文書表のとおりであります。ご了承願います。             ――――――――――――――――――――――――――――  新規付託分 県政経営委員会 受理番号  1 受理年月日 平成二十七年五月二十六日 件名    「大学生への給付制奨学金創設」を求める陳情 要旨 一.陳情の趣旨 大学生に対する「給付制奨学金」制度をつくることを求める意見書を国に提出してください。 二.陳情の理由  文部科学省の二〇一四年度「学校基本調査」によれば、高等教育機関(大学・短大・高専・専修学校)への進学率は八割に達しています(過年度高卒者等を含む)。その約半数が貸与制奨学金を利用し、多くの学生が多額の借金を抱えて卒業しています。今日、貸与制奨学金制度の前提である正規職員での安定した雇用制度は崩壊し、低賃金・不安定な非正規労働者が若者や女性の五割を超えています。  大卒で正規の職に就いても五割が三年で退職し、一旦正規から非正規になると、再び正規に戻れる保障はなく、「結婚ができない」「結婚しても子どもを産み育てる自信がない」という若者が増えて深刻な社会問題となっています。  日本政府は二〇一二年九月、国際人権規約十三条二項(b)(c)の留保を撤回しました。この規約は、教育の「権利の完全な実現」のために(a)初等(b)中等(c)高等教育の無償化を柱にした保障、(e)「適当な奨学金制度を設立し及び教育職員の物質的条件を不断に改善」等を求めています。給付制奨学金を意味する(e)「適当な奨学金」については批准済みにもかかわらず、三十五年経過しても未だに実現されていません。  OECD加盟三十四カ国中、十七カ国が大学授業料を無償(有償でも極めて安価)としています。授業料が有償の国にはすべて給付制奨学金がありますが、日本にはありません。日本とアイスランド以外の三十二カ国には給付制奨学金がありますが、アイスランドは大学の授業料は無償です。つまり、大学の授業料が有償で給付制奨学金がないのは日本だけという恥ずべき状態となっています。  日本の「教育機関への公財政支出の対GDP比(二〇一一年度)」は三・八%でOECD諸国の中では五年連続最下位となっています。段階的にOECD平均並みの五・六%まで引き上げていけば、就学前から大学まで教育の無償化をすすめることが可能となります。一日も早く、公私ともに高校・大学の無償化を前進させ、社会全体で高校生・大学生の学びを支えることが強く求められています。  以上の理由から、国に対する意見書を提出してください。 (別紙意見書案)  「大学生への給付制奨学金創設」を求める意見書(案)  文部科学省の二〇一四年度「学校基本調査」によれば、高等教育機関(大学・短大・高専・専修学校)への進学率は八割に達しています(過年度高卒者等を含む)。その約半数が貸与制奨学金を利用し、多くの学生が多額の借金を抱えて卒業しています。今日、貸与制奨学金制度の前提である正規職員での安定した雇用制度は崩壊し、低賃金・不安定な非正規労働者が若者や女性の五割を超えています。  大卒で正規の職に就いても五割が三年で退職し、一旦正規から非正規になると、再び正規に戻れる保障はなく、「結婚ができない」「結婚しても子どもを産み育てる自信がない」という若者が増えて深刻な社会問題となっています。  日本政府は二〇一二年九月、国際人権規約十三条二項(b)(c)の留保を撤回しました。この規約は、教育の「権利の完全な実現」のために(a)初等(b)中等(c)高等教育の無償化を柱にした保障、(e)「適当な奨学金制度を設立し及び教育職員の物質的条件を不断に改善」等を求めています。給付制奨学金を意味する(e)「適当な奨学金」については批准済みにもかかわらず、三十五年経過しても未だに実現されていません。  OECD加盟三十四カ国中、十七カ国が大学授業料を無償(有償でも極めて安価)としています。授業料が有償の国にはすべて給付制奨学金がありますが、日本にはありません。日本とアイスランド以外の三十二カ国には給付制奨学金がありますが、アイスランドは大学の授業料は無償です。つまり、大学の授業料が有償で給付制奨学金がないのは日本だけという恥ずべき状態となっています。  日本の「教育機関への公財政支出の対GDP比(二〇一一年度)」は三・八%でOECD諸国の中では五年連続最下位となっています。段階的にOECD平均並みの五・六%まで引き上げていけば、就学前から大学まで教育の無償化をすすめることが可能となります。一日も早く、公私ともに高校・大学の無償化を前進させ、社会全体で高校生・大学生の学びを支えることが強く求められています。  これらの理由から、教育予算を増やして、大学生に対する「給付制奨学金」制度をつくることを強く求めます。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出します。 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 文部科学大臣 宛 財務大臣 総務大臣 文教警察委員会 受理番号  2
    受理年月日 平成二十七年五月二十六日 件名    特別支援学校の「設置基準」策定を国に求める陳情 要旨 一.陳情の趣旨  特別支援学校の「設置基準」を策定することを求める意見書を文部科学大臣に提出してください。 二.陳情の理由  全国的に特別支援学校の児童・生徒数の増加がすすみ、在籍者数はこの十年間で三万六千八百人増えています(二〇一四年文科省調査)。この背景には、特別支援学級や特別支援学校における教育への国民的な理解がすすみ、「一人ひとりに見合ったていねいな教育をしてほしい」という父母・国民の願いが広がっていることがあります。一方で学校建設はほとんどすすまず、百五十人規模の学校に四百人以上の児童・生徒が通学しているなど、子どもたちの学ぶ権利を保障できないばかりか、様々な障がいをもつ児童・生徒のいのちと健康をも脅かしかねない状況にもなっています。  普通教室確保のために、一つの教室を薄いカーテン一枚で仕切って使うことなどが常態化し、隣のクラスの先生や子どもの声も筒抜けになり、落ち着いた授業ができなかったり、図書室や美術室、個別指導の部屋などの指導上必要な特別教室が普通教室に転用され、医療的ケアが必要な子どもと動き回る子どもが同じ空間で過ごさざるをえない状況も生まれています。トイレの数さえ足りなくなり、待ちきれなくて失敗する子もあり、子どもの自尊心を傷つけています。  全国で不足している教室が、普通教室だけで三千九百六十三教室(二〇一四年)にのぼることを文科省調査も認めています。  こういった事態の根幹にあるのが、幼稚園から小中学校、高校、大学、専門学校まですべてにある「設置基準」が特別支援学校だけにないことです。「設置基準」というのは、「学校を設置するのに必要な最低の基準」であり、設置者はこの基準の「向上を図ることに努めなければならない」とされています。小学校の「設置基準」では、十二~十八学級が「標準とする」とされ、それ以上は「過大校」という扱いになり、新たな学校建設や増設が検討されます。ところが、特別支援学校では八十学級を超える学校があっても、普通教室をカーテンで仕切ったり、特別教室をつぶしてしまったり、子どもと教職員に負担を強いるだけで、学校の新増設は進んでいません。  以上の理由から国に対する意見書を採択してください。 (別紙意見書案)  特別支援学校の「設置基準」策定を求める意見書(案)  全国的に特別支援学校の児童・生徒数の増加がすすみ、在籍者数はこの十年間で三万六千八百人増えています(二〇一四年文科省調査)。この背景には、特別支援学級や特別支援学校における教育への国民的な理解がすすみ、「一人ひとりに見合ったていねいな教育をしてほしい」という父母・国民の願いが広がっていることがあります。一方で学校建設はほとんどすすまず、百五十人規模の学校に四百人以上の児童・生徒が通学しているなど、子どもたちの学ぶ権利を保障できないばかりか、様々な障がいをもつ児童・生徒のいのちと健康をも脅かしかねない状況にもなっています。  普通教室確保のために、一つの教室を薄いカーテン一枚で仕切って使うことなどが常態化し、隣のクラスの先生や子どもの声も筒抜けになり、落ち着いた授業ができなかったり、図書室や美術室、個別指導の部屋などの指導上必要な特別教室が普通教室に転用され、医療的ケアが必要な子どもと動き回る子どもが同じ空間で過ごさざるをえない状況も生まれています。トイレの数さえ足りなくなり、待ちきれなくて失敗する子もあり、子どもの自尊心を傷つけています。  全国で不足している教室が、普通教室だけで三千九百六十三教室(二〇一四年)にのぼることを文科省調査も認めています。  こういった事態の根幹にあるのが、幼稚園から小中学校、高校、大学、専門学校まですべてにある「設置基準」が特別支援学校だけにないことです。「設置基準」というのは、「学校を設置するのに必要な最低の基準」であり、設置者はこの基準の「向上を図ることに努めなければならない」とされています。小学校の「設置基準」では、十二~十八学級が「標準とする」とされ、それ以上は「過大校」という扱いになり、新たな学校建設や増設が検討されます。ところが、特別支援学校では八十学級を超える学校があっても、普通教室をカーテンで仕切ったり、特別教室をつぶしてしまったり、子どもと教職員に負担を強いるだけで、学校の新増設は進んでいません。  これらの理由から、特別支援学校の「設置基準」を早急に策定することを強く求めます。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出します。 文部科学大臣 宛 文教警察委員会 受理番号  3 受理年月日 平成二十七年五月二十六日 件名    国の教育予算を増やして「高校無償化」を復活し、給付制奨学金の確立を求める陳情 要旨 一.陳情の趣旨  以下のことについて、国に意見書を提出してください。  ・「高等学校等就学支援金」への所得制限をやめて「高校無償化」を復活すること。  ・「奨学給付金」を拡充して、高校生への給付制奨学金を確立すること。 二.陳情の理由  二〇一四年四月の高校入学生から「高校無償化」への所得制限が導入されました。  これは、「あなたの学びを社会全体で支えます」という「高校無償化」制度の理念を根本から変更して、「原則無償」から「原則有償」へと制度を大きく後退させるものです。それは、高校生や父母、国民に対する約束違反であると同時に、政府二〇一二年に留保を撤回した、中等教育の漸進的無償化を定めた国際人権規約に違反する、世界への約束違反でもあります。  導入一年目となった二〇一四年度には、「就学支援金」「奨学給付金」などの紛らわしい名称による保護者の誤解、四月・七月など複数回の申請が必要とされたこと、そのたびに違う年度の課税証明書の提出が求められ、一人親世帯の個人情報に係わる記述も大きな問題となりました。私たちは文部科学省に対して、右記の問題点等について、職場からの要望や都道府県教委調査結果を踏まえた改善を要求してきましたが、一人親世帯の理由の記載の簡略化(チェック式)、生徒・保護者の記載を信用することを原則として個別の証明書等を求める必要はないなど、二〇一五年度に向けた若干の手続の改善が行われました。しかし、実質的な給付制奨学金となった「奨学給付金」については、自治体に丸投げしているため、申請の時期や保護者への通知等で自治体ごとによって大きなばらつきが生じており、給付が年明けになった自治体もあります。また、その財源が年収九百十万円以上の世帯の高校生から徴収した授業料であることが大きな問題として残っています。  権利としての学ぶ権利を保障するため、世界にも例のない「高校授業料への所得制限導入」は直ちに中止し、教育予算を増やした上で、「高校無償化」を復活し、「奨学給付金」を拡充して給付制奨学金を確立していくことが求められます。  以上の理由から、国に対する意見書を提出してください。 (別紙意見書案)  国の教育予算を増やして「高校無償化」を復活し、給付制奨学金の確立を求める意見書(案)  二〇一四年四月の高校入学生から「高校無償化」への所得制限が導入されました。  これは、「あなたの学びを社会全体で支えます」という「高校無償化」制度の理念を根本から変更して、「原則無償」から「原則有償」へと制度を大きく後退させるものです。それは、高校生や父母、国民に対する約束違反であると同時に、政府が二〇一四年に留保を撤回した、中等教育の漸進的無償化を定めた国際人権規約に違反する、世界への約束違反でもあります。  導入一年目となった二〇一四年度には、「就学支援金」「奨学給付金」などの紛らわしい名称による保護者の誤解、四月・七月など複数回の申請が必要とされたこと、そのたびに違う年度の課税証明書が必要とされ、一人親世帯の個人情報に係わる記述も大きな問題となりました。私たちは文部科学省に対して、右の問題点等について、職場からの要望や都道府県教委調査結果を踏まえた改善を要求してきましたが、一人親世帯の理由の記載の簡略化(チェック式)、生徒・保護者の記載を信用することを原則として個別の証明書等を求める必要はないなど、二〇一五年度に向けた若干の手続の改善が行われました。しかし、実質的な給付制奨学金となった「奨学のための給付金」については、自治体に丸投げしているため、申請の時期や保護者への通知等で自治体ごとによって大きなばらつきが生じており、給付が年明けになった自治体もあります。また、その財源が年収九百十万円以上の世帯の高校生から徴収した授業料であることが大きな問題として残っています。  権利としての学ぶ権利を保障するため、世界にも例のない「高校授業料への所得制限導入」は直ちに中止し、教育予算を増やした上で、「高校無償化」を復活し、「奨学給付金」を拡充して給付制奨学金を確立していくことが求められます。よって、左の事項を実現するよう強く要請します。 一.「高等学校等就学支援金」への所得制限をやめて「高校無償化」を復活すること。 二.「奨学給付金」を拡充して、高校生への給付制奨学金を確立すること。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出します。 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 文部科学大臣 宛 財務大臣 総務大臣 文教警察委員会 受理番号  4 受理年月日 平成二十七年五月二十六日 件名    「国の責任による三十五人以下学級の前進」を求める陳情 要旨 一.陳情の趣旨  以下のことについて、国に意見書を提出してください。  ・国の責任で、小学校三年生以降の三十五人以下学級を計画的に前進させること。  ・三十五人以下学級実現のため、標準法を改正して教職員定数改善計画を立てること。 二.陳情の理由  さまざま課題を抱えた子どもたちが増えていく中、一人ひとりにゆきとどいた教育を保障するため、全国の多くの自治体が独自に少人数学級を実施してきました。国は、地方の動きに後押しされ、二〇一一年度は小一で、二〇一二年度は予算措置で小二の三十五人学級を実施しました。しかし、二〇一三年度以降は、三十五人学級の前進は三年連続で見送られ、教職員定数改善計画についても一九五九年に開始して以来初めて、自然減を上回る教職員定数の「純減」が二年連続で行われました。  国に先駆けて少人数学級を実施している自治体では、学級規模が小さくなることで不登校や生活指導の件数が減り、学習に対する理解や意欲も高まり、また、定数増で教職員が子どもと向き合う時間が増えて学校が落ち着いてきたなど、これらの施策が有効であることが報告されています。  文部科学省は一月二十七日に「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引の策定について」を各都道府県教育長等に通知し、小規模校の統廃合をすすめようとしています。国が本来行うべきは、教育の機会均等とその水準の維持向上です。子どもの数が減少している今、わずかな教育予算増だけで三十五人以下学級を計画的に前進させていくことが可能です。子どもたちの学ぶ権利とゆきとどいた教育を保障するためにも、三十五人以下学級などの教育条件整備こそ行うべきです。  安倍首相は二月二十三日の衆議院予算委員会で「小学校一年生、二年生では(三十五人学級を)実現をしているわけでございますが、さらに三十五人学級の実現に向けて鋭意努力をしていきたい」と答弁しました。三十五人以下学級の拡充は圧倒的多数の父母・教職員・地域住民の強い願いであり、自治体独自の少人数学級は今年度も確実に前進していますが、自治体間の格差が広がっています。教育の機会均等を保障するためには、地方に負担を求めるのではなく、国が責任を持って三十五人以下学級の前進とそのための教職員定数改善をおこなうことが強く求められています。  以上の理由から、国に対する意見書を提出してください。 (別紙意見書案)  「国の責任による三十五人以下学級の前進」を求める意見書(案)  さまざま課題を抱えた子どもたちが増えていく中、一人ひとりにゆきとどいた教育を保障するため、全国の多くの自治体が独自に少人数学級を実施してきました。国は、地方の動きに後押しされ、二〇一一年度は小一で、二〇一二年度は予算措置で小二の三十五人学級を実施しました。しかし、二〇一三年度以降は、三十五人学級の前進は三年連続で見送られ、教職員定数改善計画についても一九五九年に開始して以来初めて、自然減を上回る教職員定数の「純減」が二年連続で行われました。  国に先駆けて少人数学級を実施している自治体では、学級規模が小さくなることで不登校や生活指導の件数が減り、学習に対する理解や意欲も高まり、また、定数増で教職員が子どもと向き合う時間が増えて学校が落ち着いてきたなど、これらの施策が有効であることが報告されています。  文部科学省は一月二十七日に「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引の策定について」を各都道府県教育長等に通知し、小規模校の統廃合を押しつけようとしています。国が本来行うべきは、教育の機会均等とその水準の維持向上です。子どもの数が減少している今、わずかな教育予算増だけで三十五人以下学級を計画的に前進させていくことが可能です。子どもたちの学ぶ権利とゆきとどいた教育を保障するためにも、三十五人以下学級などの教育条件整備こそ行うべきです。  二月二十三日の衆議院予算委員会で安倍首相は、「小学校一年生、二年生では(三十五人学級を)実現をしているわけでございますが、さらに三十五人学級の実現に向けて鋭意努力をしていきたい」と答弁しました。三十五人以下学級の拡充は圧倒的多数の父母・教職員・地域住民の強い願いであり、自治体独自の少人数学級は今年度も確実に前進していますが、自治体間の格差が広がっています。教育の機会均等を保障するためには、地方に負担を求めるのではなく、国が責任を持って三十五人以下学級の前進とそのための教職員定数改善をおこなうことが強く求められています。  よって、以下の事項を実現するよう強く要請します。 一.国の責任で、小学校三年生以降の三十五人以下学級を計画的に前進させること 二.国は三十五人以下学級実現のため、標準法を改正して教職員定数改善計画を立てること  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出します。 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 文部科学大臣 宛 財務大臣 総務大臣 農林環境委員会 受理番号  5 受理年月日 平成二十七年五月二十七日 件名    A市B地区への産業廃棄物処理施設の設置に関し不許可を求める請願書 要旨 一.請願の趣旨  A市B地区への産業廃棄物処理施設の設置を不受理とし許可しないことを求める。 二.請願の理由  環境を保全しながら地域住民の生産基盤を整え生活の基を後世にまで守っていくことは、そこに住む住民の責務であることはもとより、国や自治体の大きな責務です。こうした中、A市において立地条件をよいことにして産業廃棄物処理施設が次々に設置されています。  そうした中、昨年夏、C市D○番地○E(代表取締役F氏)より、A市G○番地、○番地、○番地、○番地、○番地○に面積七千六百七十一平方メートルの廃棄物処理施設の設置計画が示されました。  この計画は到底許されるものではなく、私たちはこの計画に反対します。  A市B地区はA市の最南端に位置し、C市と境を接する風光明媚な農村地区であります。 当地にはすでに産業廃棄物処理の企業一社が操業中で、地域住民は日々、騒音、粉塵に悩まされ、農産物の品質低下そして交通の危険におびえています。そこに新たに産業廃棄物処理企業が操業することになれば、地域住民の生活環境の破壊、農畜産物生産への悪影響等々、地域住民の不安は計り知れません。  ついては栃木県におかれましては、この産業廃棄物処理施設の設置について、事業計画書を受理することなく、許可することのないよう、地域住民および関係者の署名簿を添えて請願いたします。 経済企業委員会
    受理番号  6 受理年月日 平成二十七年五月二十八日 件名    「協同労働の協同組合法」(仮称)の速やかなる制定を求める意見書提出を求める陳情書 要旨 一.陳情の趣旨  「協同労働の協同組合法」の国会での徹底した議論と、速やかなる制定を求める意見書を栃木県議会に於いても採択して戴き、衆議院議長、参議院議長、厚生労働大臣、総務大臣、経済産業大臣宛にご提出戴きたく、お願い申し上げます。 二.陳情の理由  日本社会における労働環境の大きな変化の波は、働くことに困難を抱える人々を増大させ、社会問題となり、経済や雇用、産業や地方など、様々な分野に格差を生じさせました。  働く機会が得られないことで、「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」「偽装請負」など、新たな貧困と労働の商品化が広がっています。また、障害を抱える人々や社会とのつながりがつくれない若者など、働きたくても働けない人々の増大は、日本全体を覆う共通した地域課題です。  一方、NPOや協同組合、ボランティア団体など様々な非営利団体は、地域の課題を地域住民自ら解決することをめざし事業展開しています。このひとつである「協同労働の協同組合」は、「働くこと」を通じて、「人と人のつながりを取り戻し、コミュニティの再生をめざす」活動を続けており、右記の社会問題解決の手段の一つとして、大変注目を集めております。  しかし、現在この「協同労働の協同組合」には法的根拠がないため、社会的理解が不十分であり、団体として入札・契約ができない、社会保障の負担が働く個人にかかるなどの問題があります。  既に欧米では、労働者協同組合(ワーカーズコープ、ワーカーズコレクティブ)についての法制度が整備されています。日本でも「協同労働の協同組合」の法制度を求める取り組みが広がり、一万を超える団体がこの法制度化に賛同し、また、国会でも超党派の議員連盟が立ち上がるなど法制化の検討が始まっています。  雇用・労働の問題と地域活性化の問題は不離一体です。だれもが「希望と誇りを持って働く」、仕事を通じて「安心と豊かさを実感できるコミュニティをつくる」、「人とのつながりや社会とのつながりを感じる」、こうした働き方を目指す協同労働の協同組合は、市民事業による市民主体のまちづくりを創造するものであり、働くこと・生きることに困難を抱える人々自身が、社会連帯の中で仕事をおこし、社会に参加する道を開くものです。  多くの市民・働く人たちが自ら事業法人をおこしやすい制度で、そこで働く者一人一人が社会保険制度の適用を受け、また、社会性・公益性・平等性をかかげる理念に立脚した、「協同労働の協同組合法」の速やかなる制定を求めるものです。本県では、県議会以外における全市町村において、意見書採択の決議をいただきました。栃木県議会におかれましても、本陳情の趣意をお汲み取り戴き、ご審議、ご決議の上政府及び関係行政官庁に意見書を提出して戴きたく、伏してお願い申し上げます。 (別紙意見書案)  「協同労働の協同組合法(仮称)」の速やかな制定を求める意見書(案)  日本社会の急速な少子・高齢化は、様々な課題を日本社会に投げかけ、新たなライフスタイルと、それを支える社会システムの構築が求められています。とりわけ、年金・医療・福祉などの社会保障制度はもちろんのこと、労働環境にも大きな変化の波が押し寄せ、働くことに困難を抱える人々の増大が、社会問題となっています。また、二〇〇〇年以降の急速な構造改革により、経済や雇用、産業や地方など、様々な分野に格差を生じさせました。  とりわけ労働環境の問題は深刻さを増しています。失業と合わせて「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」「偽装請負」など、新たな貧困と労働の商品化が広がっています。また、障害を抱える人々や社会とのつながりがつくれない若者など、働きたくても働けない人々の増大は、日本全体を覆う共通した地域課題です。  こうした課題を解決するために、市民自身が協同で地域に必要な仕事を自ら起こし、社会に貢献する喜びや尊厳を大切にして働き、人と人とのつながりとコミュニティの再生を目指す、自立的で新しい働き方が今、日本の社会に着実に広がりつつあります。労働者協同組合(ワーカーズコープ)、ワーカーズコレクティブ、農村女性ワーカーズ、障害者団体など、「協同労働」という新しい働き方を求めている団体や人々を含めると十万人以上存在すると言われています。しかしながら、「協同労働の協同組合」の制度を承認する他のG7各国と異なり、働く人、利用者及び支援者が協同して新しい事業とその経営組織を生み出そうとする法制度を承認し、また振興する法の仕組みがありません。  すでに、欧州などでは、「社会的協同組合法」(イタリア)、「生産労働者協同組合」(フランス)等という名称の法律となり、失業や社会的排除、貧困に苦しむ市民や仕事を求めてる人々にとって、仕事おこし、地域再生を図る有効な制度となっております。  これらの活動の社会的意義をふまえ、日本においても「協同労働の協同組合」の法制度を求める取り組みが広がり、一万を超える団体がこの法制化に賛同し、国会でも超党派の議員連盟が発足して法制化の検討が始まっています。  誰もが「希望」と「誇り」を持ち、「安心」と「豊かさ」を実感できるコミュニティをつくり、人との「つながり」や社会との「つながり」を感じられるという、新しい働き方の必要性が高まっています。こうした働き方と、これに基づく非営利の事業体は、住民の自発性と主体性を基礎に、新しい公共と市民自治、まちづくりを創造するものであり、働くこと・生きることに困難を抱える人々自身が、社会連帯の中で仕事をおこし、社会に参加する道を開くものです。  国においても、社会の実情を踏まえ、就労の創出、地域の再生、少子・高齢社会に対応する有力な制度として、「協同労働の協同組合法」の速やかなる制定を求めるものです。  以上、地方自治法第九十九条の規定に基づき、意見書を提出します。 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 厚生労働大臣 宛て 総務大臣 経済産業大臣 県政経営委員会 受理番号  7 受理年月日 平成二十七年六月三日 件名    安全保障法制法案に関する意見書採択を求める陳情書 要旨  安倍晋三政権は、五月十五日に「安全保障法制法案」を国会に提出し、今夏までに成立させることを目論んでおります。しかし、この法案は、憲法九条と専守防衛政策の下、戦後七十年に亘って戦場で一人の戦死者も出さずに来た我が国のあり方を大きく変えるものであり、国内外にわたって大きな論議が巻き起こっております。  例えば、最近でも以下のような動きがあります。  安保法制法案を決めた本年五月十二日、自民党総務会で唯一人反対して退席した村上誠一郎衆議院議員は、次のように述べております。 「憲法改正をせずに集団的自衛権を行使することについて、疑念が晴れない。」 「(執行部から)集団的自衛権行使の具体的なケースの説明が全くなかった。これで国民の皆さんがわかるのか。」 「憲法を有名無実化する。戦前のドイツ議会が、全権委任法を通して、民主的なワイマール憲法をつぶしたのと同じことになる。なぜ、この法案が必要なのか、軍部の暴走を止めるためにどうするのか、質問すればするほど疑問がわいてくる。明確な答えがない。」 「法整備をするのは、このままだとアメリカに見捨てられるからというのが理由だが、結局、中国や韓国を刺激するだけになるのではないか。」  また、中谷元防衛大臣は同日の国会答弁(参議院外交防衛委員会)で「これまでは、『相手から日本が武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使するという、憲法の精神に則った受動的な防衛戦略』として『専守防衛』を定義してきたが、今後は、『日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合』も『専守防衛』に含む。」と政府見解を変更する発言をしました。  イラク戦争開始の翌年にイラクで「イスラム国(IS)」の前身が生まれたことからみても武力によって平和を実現することが決してできないことは歴史の教訓です。この法案はこれに背くものであり、かつ、憲法九条を持つ我が国が、一切の紛争を平和的手段で解決する範を世界に示してこれをリードしていく崇高な役割を担っていることを忘却するものであって、「日本を戦争に巻き込む、憲法九条に反する違憲無効のもの」です。  しかし、私たちは、貴議会の議員各位が、法案の趣旨への賛否については見解を異にするとしても、少なくとも今回の提出法案とその今夏までの成立目論見については、「(別紙一)意見書採択を求める理由」掲記の理由から、決して許されるものではないということでは一致できるものと考えており、その観点から、貴議会が政府並びに国会に対する、次の二点を求める旨の意見書を採択することを求めるものです。(別紙二「意見書案」)  一 法案の撤回・廃案、少なくとも今国会での採択をしないこと  二 そのうえで、広く国民的議論を尽くすこと (別紙一)  意見書採択を求める理由 一 日本が武力行使する機会が増えるのか減るのか定かでない  安倍首相は、今月十四日の記者会見において「(今回の法整備によって)抑止力が更に高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなり、紛争に巻き込まれるリスクも減少する。」と説明していますが、日本の強力な同盟国とされる米国のカーター国防長官は、今年四月八日東京における中谷防衛大臣との共同記者会見において、「米軍と自衛隊が切れ目なく協力する機会が増える。」「世界中での対応が可能になる。」と述べています。いずれが正しいのでしょうか。 二 憲法改正に匹敵する改変を法律制定で行なってよいのか  右記村上誠一郎議員発言・中谷防衛大臣国会答弁にもあるとおり、戦後日本の国是とされてきた「憲法九条に基づく専守防衛」を大きく改変するものであるがゆえに、本来、憲法の明文改訂によってのみなされるべきことではないでしょうか。 三 国民主権主義からみて、根強く反対している国民世論を無視してよいのか  共同通信の最近の世論調査によると、集団的自衛権行使容認については常に反対が賛成を大きく上まわっており、本年三月の調査でも、反対四五%、賛成四一%。武力を伴う他国軍を従来の「戦闘地域」まで行って後方支援をすることには、同じ調査で反対が七〇%であり、賛成二二%の三倍以上となっている。今国会で成立を図るとの政府方針には、同じく、反対五〇%、賛成三八%など、法案や今国会での成立に対し国民多数が根強く反対していることは明らかです。これを無視すべきではありません。 四 四十二年間一貫していた憲法解釈を法律で変更することが許されるのか  政府は、集団的自衛権の行使について、一九七二年以降四十二年間に亘り一貫して、憲法違反と公言してきました。この確固とした公権的憲法解釈を今回のように法律によって変えてしまうことは、憲法が為政者への命令であるとする立憲主義を否定するものです。 五 国是である平和主義に反しないものか、広く深い国民的論議が必要  憲法九条改正の是非については諸論あるものの、我が国が今後とも平和主義を根幹としていくべきという点については、安倍首相発言も含め異論が見あたりません。となれば、今回の法案が当然になされるべき自衛隊員の人命への深い配慮の存否などその国是に合致するものなのか否かについて、広く深い国民的論議が不可欠と言わなければならず、今夏までに衆参両院で可決成立させることを前提としていて、これは到底不可能であります。六 対米公約を国会審議に優先する安倍首相の姿勢が問われている  安倍首相は、本年四月のうちに米国との間で、法案を先取りした新ガイドラインを取り決め、しかも今夏までの法案成立まで約束するなど、対米追従・国会軽視の姿勢最たるものがあります。このような姿勢を前提としていては、充実した国会審議と国民的論議は到底不可能であります。 七 百六十頁を超える法案を超高速で審議可決させようとしている  政府が国会に提出した十本の既存法律を一括改正する「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」の二つの法案は、内容も重大であり形の上でも法文対照表含め全文百六十頁を超える膨大なものであるにも拘わらず、これを新たに設置する一つの特別委員会に一括して付託し連日審議、一括採択を重ねて八月上旬までに成立を図るものです。  これは、国民に問題点が明らかになって反対世論が高まることを恐れ、そうはならないうちに強行突破を狙うものに他なりません。この点でも、国会軽視・国民軽視大なるものがあります。 八 致命的欠陥―相手側からの反撃があり得ることを直視していない  我が国に対する武力行使がない段階で、自衛隊が集団的自衛権によって武力行使することにより相手国が我が国に対して反撃する場合、若しくは後方支援によって武力紛争に巻き込まれることにより相手国または相手組織から我が国に対して反撃またはテロ攻撃がなされた場合に、どのように対処するかとの検討が殆どなされていません。  しかし、相手国からの反撃対象として、米軍及び自衛隊基地、電力・通信・テレビ局・輸送などインフラ関係、政府・自治体関係施設などが狙われ、時には誤爆として、多くの国民が来集する施設建物まで「反撃」をくらう危険があり、さらに原発、船舶、航空機を含め無差別に大規模テロ攻撃を受ける危険も大きくなります。海外では、日本企業・日本人・日本船舶航空機・在外基地を含む政府関連施設が狙われる危険が一層大きくなります。このようなリスクを冒してまで今回の法整備を行わなければならないものか否か、慎重の上に慎重を重ねて十分論議しなければなりません。今夏までには到底不可能な課題です。 九 自衛隊出動の可否がベールに包まれる可能性が高い  今回の法案には、「存立危機事態」「重要影響事態」「国際平和共同対処事態」など、国民にとっては容易に理解しがたい「事態」が乱立しています。加えて、遠い海外で起こっている「緊急事態」の実態を正確に把握することがそもそも困難であること、政府に集まる情報が「特定秘密」として国会や国民の目から隠される可能性があることなどにより、出動の可否を国民が正確に判断できないまま自衛隊が出動していく可能性が少なくありません。  加えて、日本軍の手による鉄道爆破を「中国軍の仕業」であると国民を十四年間欺し続けた「満州事変」から、「大量破壊兵器がない」との情報を隠してまで開戦したイラク戦争まで、古今の戦争は、嘘、隠蔽、謀略で凝り固まっていると言って過言ではありません。もし、間違えて武力行使した場合に一体だれが責任を取れるのでしょうか。 十 尖閣問題はこれまでの専守防衛の問題  尖閣諸島に対する中国の態度から、我が国の防衛力を高めなければとの思いを持つ国民は少なくないが、日本の領土を防衛することは、従来からの専守防衛の範囲のことであって、今回の法整備とは直接関係がありません。集団的自衛権を認めると、南シナ海の紛争にまで自衛隊がかり出される可能性が高くなり、むしろ紛争の拡大を生じさせる恐れがあります。 (別紙二意見書案)  「安全保障関連法案」の撤回・廃案を求める意見書  政府が今国会に提出した「安全保障関連法案」については、戦後長きに亘って専守防衛に徹するとした我が国のあり方を大きく変えるものであってすべての国民にとって極めて重要な法案であるにも拘わらず、 一 あまりに複雑難解であること、 二 実質十一本に及ぶ大部の法案を一括して三ケ月以内に一挙に成立させようとするものであること、 三 相手側からの武力反撃・テロ攻撃のリスクに十分配慮していないこと、 四 自衛隊出動の要件が具備されているか否かを国民・国会が判断することが困難であること、 五 従って国民が間違った戦争に引きずられていく危険があること、 六 憲法の立憲主義・国民主権主義・平和主義に合致しているものか疑わしいところがあること、  などの理由から、これを内閣において撤回し、若しくは国会において廃案にし、少なくとも今国会で成立させることなく、国民的論議を十分尽くすことを強く求める。     内閣総理大臣   殿     衆議院議長    殿     参議院議長    殿 生活保健福祉委員会 受理番号  8 受理年月日 平成二十七年六月三日 件名    受動喫煙防止条例の制定に関する請願 要旨 一.請願の趣旨  たばこの健康被害は、決して吸う人だけの問題ではありません。栃木県医師会は喫煙による健康被害から県民を守るため、公園や公共施設と敷地、不特定多数が利用する施設と屋外及び路上等を含めた、指定場所を除く県内全域の受動喫煙を防ぐ、受動喫煙防止条例の可及的速やかな制定を請願いたします。 二.請願の理由  本会は健康増進法が実施されて以来、県民の健康増進並びに疾病予防のため、「喫煙しない社会」の実現を目指して、別紙のとおり、様々な活動を展開してきました。  平成十九年には「栃木県新庁舎の完全禁煙化」を求め、医療関係四団体(県医師会、県歯科医師会、県薬剤師会、県看護協会)で五万五千人分の署名を県知事に提出、さらに平成二十一年には「栃木県議会棟の全面禁煙」を求める要望書を県議会議長に提出、翌年には、「県庁をはじめとする公共機関における敷地内完全禁煙」並びに「受動喫煙を防止するための条例制定」のための運動として受動喫煙防止キャンペーンを展開し、二万一千人分の署名を添えて要望書を県知事、県議会議長あてに提出しました。いずれの要望も県民の健康増進並びに疾病予防のために必要不可欠なものであります。つまり県民の安心の基本となる、健康の礎であります。  平成二十一年七月一日からは、本庁舎の建物内全面禁煙が実施され、さらに昨年四月一日より「健康長寿とちぎづくり推進条例」が施行されましたことは、我々の最終目標であります公的施設等の敷地内完全禁煙に向けての第一歩であり、大変期待をしております。  よって、本会は県民の健康を受動喫煙から守るため、栃木県における受動喫煙防止条例を速やかに制定いただくよう、特段のご高配賜りますよう請願いたします。 県政経営委員会
    受理番号  9 受理年月日 平成二十七年六月九日 件名    法曹養成制度の抜本的見直しを求める意見書に関する陳情 要旨 一.陳情の趣旨  別紙「法曹養成制度の抜本的な見直しを求める意見書」(案)のとおり、法曹養成制度に関する意見書の採択をし、同意見書を国に提出するよう陳情します。 二.陳情の理由  平成十四年三月に閣議決定された「司法制度改革推進計画」による司法試験合格者の増員と司法修習生への修習費用の給費の廃止は、弁護士数のみを不均衡に増加させるとともに、新規登録時点での多額の負債を生じさせ、そのため有意の法曹希望者が法曹の道を断念し、ひいては国民に対する必要な法的サービスを提供しえない事態を招来するものとなっています。この問題は紛争の適正な解決による自由かつ公正な社会の実現という司法の危機をもたらすものであり、看過できないものと考えます。  これまで全国複数の議会で改善への意見書を採択していただいておりますが、貴議会においても、同種意見書の採択をされるよう意見書案及び資料を添付したうえで陳情するものです。 (別紙意見書案)  法曹養成制度の抜本的な見直しを求める意見書  政府は、平成十四年三月、今後も法的需要が増加し続けるものとの見込みの下に、当時年間一千人程度であった司法試験合格者数を、平成二十二年頃には年間三千人程度とすることなどの目標を掲げた「司法制度改革推進計画」を閣議決定した。  その後、平成十九年以降、司法試験合格者は毎年二千人超で推移してきたが、法的需要は想定されたほど増加せず、また本計画において必要な増員を行うとされていた裁判官及び検察官はむしろ減員されて今日に至っている。  そのため、平成十三年に約一万八千人だった弁護士数は、平成二十六年五月には、約三万五千人超となり、裁判官及び検察官数との不均衡が顕著となっている。  また、司法修習期間の短縮や、法曹として自立するために必要な経験を積む機会が十分確保されないことによる弁護士の資質低下が危倶され、さらに、司法修習生に対する修習費用の「給費制」が、「貸与制」に移行したことにより新規に登録した時点で多額の負債を抱える弁護士が多数生じている。  このような事態は、有意の法曹希望者が法曹の道を断念し、ひいては国民に対する必要な法的サービスを提供し得ない事態を招来するものであって、紛争の適正な解決による自由かつ公正な社会の実現という観点からも看過できない事態である。  よって、国においては、法曹人口の不均衡を是正するために裁判官及び検察官の増員を行うとともに、今後あるべき法曹人口を検討するにあたり、速やかに司法試験合格者数を相当程度減らした上で法的需要を踏まえた適正な法曹人口の検討を行うとともに、司法修習生に対する更なる支援の検討を強く求める。             ―――――――――――――――――――――――――――― ○岩崎信 議長 次に、お諮りいたします。あすから二十五日までは、委員会等のため、本会議を休会したいと思いますが、ご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○岩崎信 議長 ご異議がないと認め、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。二十六日は定刻から本会議を開きます。  本日はこれで散会いたします。  午後三時三十分 散会             ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~...