初めに、令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた方々に御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様方に心からお見舞いを申し上げます。そして、被災地の一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
また、このたびこの登壇の機会を与えてくださいました先輩議員、そして同僚議員の皆様には心から感謝を申し上げます。
それでは、通告に従い質問してまいりますので、知事をはじめ執行部の皆様には明快なる御答弁、お願いしたいと思います。
それでは、初めに医師の働き方改革についてお伺いをいたします。
働き方改革法案に基づき、2019年度から多くの業種で働き過ぎ防止に向けた見直しが行われました。一方、医師については、その特殊性から適用が5年間猶予され、いわゆる2024年問題として様々な対応が求められておりました。そして、いよいよ来月から医師の働き方改革がスタートをしようとしております。原則として、年間の時間外・休日労働時間の上限が960時間となります。働き方改革は医師の健康確保と多様で柔軟な働き方の実現を図るとともに、患者にとっても良質な医療の提供につながる重要な取組であります。しかし、医師の確保や医療の提供体制が十分に整備されないまま、この中身が推進されれば、医療機関によっては現状の医療体制が確保できなくなったり、そしてまた、夜間救急の受入れや周産期医療、小児医療の提供が困難になるなど、地域医療に大きな影響を及ぼすことを懸念がされております。
とりわけ本県は既に深刻な医師不足の状況にあり、私のところにも
小児医療体制などに対する不安の声が届いているところでもあります。子どもが苦しんでいるときに、今まで診てくれていた夜間救急がなくなる、こういった状況は地域住民にとって子どもの命に関わる重大な問題でもあります。本県においては、時間外・休日労働時間の上限が1,860時間となる特例措置がございますが、今回この申請をされた医療機関は現時点でたった4医療機関と少ない状況だと考えております。今後増えることも想定をされますが、まずは本県において、県民の不安に寄り添う相談体制の整備を行っていただくとともに、4月以降も状況を適切に把握し、県全体を見渡しながら、働き方改革と地域医療を両立させた持続可能な
医療提供体制の構築に向け、
地域医療構想の具現化や医師不足、偏在対策とともに、一体的に取組を進めていただきたいと考えます。
そこで、医師の働き方改革に当たり、県としてどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。
この項目についてに関する壇上からの質問は以上であります。
5
◯半村登議長 坂本隆司議員の質問、質疑に対する答弁を求めます。
大井川知事。
〔
大井川和彦知事登壇〕
6
◯大井川和彦知事 坂本隆司議員の御質問にお答えいたします。
医師の働き方改革について、お尋ねをいただきました。
働き方改革により医師が健康に働き続けることのできる環境を整備することは、医療の質や安全を確保すると同時に、持続可能な
医療提供体制を維持していく上で大変重要であると考えております。
そのため、県ではこれまで、県医師会及び茨城労働局と共に設置した茨城県
医療勤務環境改善支援センターにおいて、医師の時間外・休日労働時間の上限規制をはじめとした制度の周知を図るほか、医業経営や労務管理に関する
専門アドバイザーの活用などにより、医療機関に勤務する医師の労働時間短縮に向けた取組を支援してまいりました。
一方で、救急など、地域の
医療提供体制を維持するために、やむを得ず勤務医が年960時間を超える時間外・休日労働を行う必要がある場合には、暫定的な措置として
特定労務管理対象機関の指定を受けることで、時間外・休日労働が年1,860時間まで可能となります。県では医療機関からの申請に基づき、本年1月に県内4つの医療機関を
特定労務管理対象機関に指定したところですが、これはあくまでも暫定的な措置であり、将来的には時間外・休日労働時間を縮減することが目標とされております。
今後、人口減少、少子高齢化により、医療を取り巻く環境が急速に変化していく中で、働き方改革による医師の労働時間の短縮と県民の命を守る
医療提供体制を両立するためには、限られた医療資源を最大限効果的に活用する必要があります。そのため、現在策定を進めている第8次茨城県
保健医療計画において、新たに県内を3圏域に分けた
医療提供圏域を設定し、より広域的な視点に立って、高度医療の機能集約化と医療機関の役割分担、連携の強化を推進することとしております。
さらに、勤務医の負担軽減のためには、特定の医療機関への受診集中緩和や、救急車の適正利用について、県民の理解と協力が必要であることから、医療機関でのポスター掲示やリーフレットの配布、SNSなどによる
救急電話相談やかかりつけ医の活用を周知しているところであります。
県といたしましては、今後とも各医療機関における勤務医の時間外・休日労働状況や
医療提供体制への影響を注視しながら、引き続き医師の働き方改革、医師の偏在対策及び
地域医療構想の実現の3つに一体的に取り組むことで、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制づくりを進めてまいります。
7 ◯28番
坂本隆司議員 再質問します。
8
◯半村登議長 坂本隆司議員。
9 ◯28番
坂本隆司議員 御答弁いただきましたが、3圏域にどんどん分けて、その中でもいろんな形でこれからも先を見据えていくという御答弁をいただきましたが、それでもです、私の地元の中でいろんな話をお伺いしてきました。先ほども述べましたが、働き方改革の対応のため、実は
小児医療体制の維持が困難になるのではないかという不安の声が本当に多く聞かれております。そして、調べてみますと、2020年の厚生労働省の資料では、医師、歯科医師、薬剤師統計というデータによりますと、本県の15歳未満の人口10万人に対する小児科の医師の数、これが94.4人で全国の中で最下位である、こういったデータもあります。
そういったことを考えますと、やはり小児救急、こういった医療体制には急務である、そのように考えますが、知事にお伺いしたいのは、小児救急の体制の在り方、そして今後の方針について、改めてお伺いしたいと思います。
10
◯半村登議長 大井川知事。
〔
大井川和彦知事登壇〕
11
◯大井川和彦知事 再質問にお答えいたします。
医師の働き方改革を進めつつ
小児医療提供体制を維持していくためには、これまで以上に医療機能の集約化や
医療機関相互の役割分担、連携強化を推進する必要があります。そのため、第8次茨城県
保健医療計画において策定する
医療提供圏域の中で、医師会や市町村と協力し、
小児医療機関の広域的な連携体制を構築してまいります。
議員の御指摘ではございますが、現在の茨城県の小児科医、ほとんど赤字です。少子化が進む中で患者がいないという状況の中で、この現状のままでの小児科医を維持することは完全に不可能となってきておりますので、この
小児医療提供圏域という考え方、より集約化することによって、小児医療を維持していくことが必要不可欠というふうに考えております。
今後とも、小児医療の提供体制の維持に全力で取り組んでまいります。
12
◯半村登議長 坂本隆司議員。
〔28番
坂本隆司議員登壇〕
13 ◯28番
坂本隆司議員 御答弁ありがとうございました。
確かに小児科医の赤字の体質、その状況も私も話は聞いております。ですが、やはりそういった赤字の体質が小児科だけではなくて、本当にこの地域医療の体制自体に問題があるのかなというふうにも思います。ですから、やはり医師会、そしてまた地域医療、そういった連携を図るためにも、やはり県がある程度の旗振りをして、その先頭に立ってやっていただく、そういったことも必要なのかなというふうに思いますので、今後の課題としてお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
次に、
いばらき電子申請・
届出サービス等における機能の改善と市町村支援の充実についてをお伺いいたします。
2004年に開始された
いばらき電子申請・
届出サービス、これは県民などが
インターネットを利用し、24時間365日、どこからでも行政へ各種申請を行うことができ、県と市町村が共同で運用することにより、利用者の利便性の向上はもとより、行政のコストの削減や業務の効率化などに期待のできる重要な取組であると考えております。利用者は特にコロナ禍以降大きく増加し、県民に徐々に浸透しつつありますが、まだまだ十分と言えないのではないでしょうか。県民に慣れ親しみ、便利になったと実感してもらえることが重要であります。例えばこの電子申請を、スマートフォンアプリを利用し分かりやすく行えるようにしたり、そしてまた、スポーツ施設の予約から決済までをシステムで行えるようにするなど、利用者目線でさらなる機能の向上に努めていただきたいと考えております。
また、県において、第2次茨城県総合計画において、2025年度末までに県及び県内全ての市町村において、全ての行政手続を
オンライン化するとの目標を掲げておりますが、昨年度末までにおいて、全ての行政手続を
オンライン化した市町村はいまだなく、まだまだ進んでいない状況があると伺っております。また、自治体によって業務のデジタル化への考え方に温度差があることに加え、デジタル化を担う職員においても対応力に差があるとも考えられます。県においては、
いばらき電子申請・
届出サービス等の県民にとって分かりやすく、より利便性の高いサービスとなるよう、継続して、そして効果的な機能改善を図っていただくとともに、各市町村における対応状況を適切に把握されながら、全市町村がスムーズに
オンライン化を実現できるよう、県としてもきめ細やかな支援を行っていただきたいと考えております。
そこで、
いばらき電子申請・
届出サービス等における機能の改善及び市町村支援の充実に向けた取組について、
政策企画部長にお伺いをいたします。
14
◯半村登議長 北村政策企画部長。
〔
北村政策企画部長登壇〕
15
◯北村政策企画部長 いばらき電子申請・
届出サービス等における機能の改善と市町村支援の充実についてお答えいたします。
本県では、県民の利便性向上と、県、市町村の業務効率化のため、行政手続の
オンライン化に積極的に取り組んでおり、その一環として、2004年から
いばらき電子申請・
届出サービスを運用しているところでございます。県におきましては、対応可能な全ての手続の
オンライン化を2020年末に完了するとともに、市町村に対して県民への周知とシステムに搭載する手続拡大についての働きかけや技術的な支援を行うほか、市長会、町村会の場を活用して、市町村長に直接
オンライン化推進の要請などを行っております。
こうした取組に加え、コロナ禍の下で
オンライン手続への需要が高まったこともあり、電子申請・
届出サービスの利用件数は2019年度の約11万件から今年度は53万件を超える見込みであるものの、十分に浸透しているとは言えない状況にございます。また、議員御指摘のとおり、市町村における
オンライン化は取組の途上にあり、児童手当や介護関係など、国が定める地方公共団体が優先的に
オンライン化すべき手続に関しても、達成率はいまだ65%にとどまっております。
このような状況に対応し、電子申請・
届出サービスを通じて、県民の利便性向上と県市町村の業務効率化を図るためには、県民の目線で分かりやすく使いやすいものにすることと、市町村のDXを担う現場を支援することが重要であると考えております。このため、県といたしましては、まずシステムの機能向上として、誰もが直感的に操作できるよう画面のデザインの改良や、市町村別、分野別にオンラインで対応している手続を検索し、申請までを簡単に行える仕組みの構築に取り組んでおり、これらの改良をさらに進めてまいります。
次に、市町村職員のシステムの習熟や業務負担軽減のため、操作研修の充実や申請フォームの共通化と市町村への提供に引き続き取り組むとともに、DX人材の確保、育成のため、県内の産学官で構成する茨城県
高度情報化推進協議会の研修も活用して、職員のスキルアップを図ってまいります。
県といたしましては、県民の皆様に
オンライン手続を身近なものとして御利用いただくとともに、県内全ての市町村が行政手続の
オンライン化を実現し、人口減少の下でも
住民サービスを持続的に提供可能な
スマート自治体へと転換できるよう、
いばらき電子申請・
届出サービス等における機能の改善と市町村の支援の充実に一層取り組んでまいります。
16
◯半村登議長 坂本隆司議員。
〔28番
坂本隆司議員登壇〕
17 ◯28番
坂本隆司議員 部長、ありがとうございました。
この
電子申請サービス、これは、要は住民票を取ったりとか、あと戸籍謄本も郵送で取れたりするシステムではあるんですが、やはりもうちょっと身近なものにも一緒に使えるようにしていただきたいなというふうに考えております。
先ほどもお話をしましたが、例えばですが、野球のグラウンドを今予約するのに、
インターネットでもすぐ取れるんですね。
予約システムサービスがあります。でも、その先のお金の支払いというのは、市役所に行ったりですとか、その場所に行ってお金を支払わなくちゃいけない。やはりそこでまた人が動かなくちゃいけない。こういったものが
電子申請サービスも一緒になれば、1つの一元化となってすごく分かりやすく、使えるサービスになるだろうというふうに思います。
また、私なんかも使っているんですが、茨城県のキッズカード、あのキッズカードはただ提示するだけなんですが、でも実はあるスーパーでは、それを自分のところのソフトと一緒に連携をして、そのソフトを見せればすぐ割引になる、そんなところまで来ています。ですから、そういったところとも一緒に連携をしながら、こういった
電子申請サービス、県民にとって分かりやすく使いやすいものにしていただければなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次の質問に移ります。
次に、
薬物乱用防止についてをお伺いいたします。
昨年、某大学の
アメリカンフットボール部が関わる大麻事件や覚醒剤などの違法薬物事件が発生をし、大きな注目を集めました。携帯電話や
インターネットの急速な普及により、これらを利用した密売方法が一層巧妙化をし、若者にとって薬物がより簡単に入手できる状況があるのではないかと危惧しております。県警の調査によれば、昨年の本県における大麻での検挙人数、これは88人で、そのうちの約8割の方々が20代以下というデータが出ております。大麻はゲートウエードラッグとも呼ばれ、より危険な薬物への入り口ともなっており、将来のある若者が自らを傷つけ、夢や希望を諦めなくてはならなくなる、そうした若者を1人でも減らしたいという思いでもあります。2015年には
議員提案政策条例として、茨城県薬物の濫用の防止に関する条例を制定し、県議会としても課題意識を強く持っているところでもあります。
また近年、市販薬の過剰摂取である
オーバードーズについても若者を中心に急増しており、総務省、消防庁及び厚生労働省の調査によれば、2022年の
オーバードーズが原因と疑われる救急搬送は全国で1万1,000人で、20代以下が全体の半分を占めている、こんな状況もあるようです。
県においては、これらの状況を踏まえて、先ほどの条例等に基づいた様々な対策を講じていただいているとは思いますが、特に若者が薬物を乱用する前の段階や初期段階で、踏みとどまれるような取組を強化していただきたいとも考えております。安易に手を出せば重大な健康被害が生じるおそれがあることを、あらゆる機会を捉え様々な方法により啓発をしていただくとともに、若者による薬物乱用は、助けを求めるサインであるということも念頭に置きながら、相談体制の支援や、そして充実にも取り組んでいただきたいと考えております。
そこで、薬物乱用の防止に向け、県としてどのように取り組んでいくのか、
保健医療部長にお伺いをいたします。
18
◯半村登議長 森川保健医療部長。
〔
森川保健医療部長登壇〕
19
◯森川保健医療部長 薬物乱用防止対策についてお答えいたします。
県におきましては、これまで茨城県
薬物乱用防止5か年戦略、及び
議員提案条例の茨城県薬物の濫用の防止に関する条例などに基づき、関係機関と一体となって総合的な
薬物乱用防止対策を実施してきたところです。具体的には、小学校から高校までの
薬物乱用防止教室や
街頭キャンペーンなどの啓発のほか、薬物相談窓口の設置、
危険ドラッグ販売店などへの立入検査を実施してまいりました。
しかしながら、2023年の県内の大麻事犯の検挙人数は過去最高を記録し、その8割を30歳未満の若年者が占める状況となっております。特に大学生による大麻乱用が問題となっていることから、今年度は県内の大学に啓発ポスターを配布するとともに、講師派遣の案内を行ったほか、文化祭で県警本部と合同で資材を配布するなど、大学生を対象に大麻乱用の危険性を啓発いたしました。
また、医薬品の過剰摂取、いわゆる
オーバードーズについても、若年者の間で増加していることが報告されております。そこで、県内の消防本部等と連携して、
オーバードーズが原因と疑われる救急搬送人員を調査したところ、2023年は500人を超え、3年前と比較して約100人増加しておりました。年代別では30歳未満の若年者が全体の4割を超え、そのうち8割が女性という状況でした。
オーバードーズの対策として、これまで県では、薬局や店舗販売業に対して定期的に立入検査を実施して、乱用のおそれのある医薬品の適正販売を指導してきたところです。
一方で、若年者が
オーバードーズをしてしまう背景には、「ひどい精神状態から解放されたかった」や「死にたかったから」などの社会的孤立があると言われております。このため、教育庁の
子どもホットラインや福祉部のこころのSNS相談など、若年者向けの心の悩みに関する相談窓口を設置するほか、
薬物依存症専門相談窓口として
精神保健福祉センターを案内して、相談支援に結びつけてまいりました。
今後は、女性に
オーバードーズが多いという調査結果を踏まえ、女性の公認心理師が対応する女性のためのこころの
オンライン相談などの相談窓口があることも併せて広報してまいります。また、販売店への指導を一層徹底するほか、大麻乱用や
オーバードーズが増加している現状を踏まえ、
薬物乱用防止教室や啓発資材に新たに
オーバードーズなどの内容を追加するとともに、若年者がよく利用するSNSを活用した情報発信を充実してまいります。
県といたしましては、これらの対策を含めて、
薬物乱用防止対策について引き続き強力に推進してまいります。
20
◯半村登議長 坂本隆司議員。
〔28番
坂本隆司議員登壇〕
21 ◯28番
坂本隆司議員 答弁ありがとうございました。
オーバードーズ、本当に今問題になっていると思います。そしてまた、これからの対応というのも、やっぱり薬局に対しての取組というのも、非常に今やっていただいているというふうに勉強会でもお話はいただきました。でも、まだまだやれることというのが非常に多いのかなというふうに思いましたし、あと、県で今取り組んでいることもお話をいただきましたが、やはり若者向けにもう少し違ったアプローチ、SNSという形で部長も答弁をいただいたんですが、SNSでも今やり方がいろんな形でどんどんと普及の仕方が違っておりますので、その辺も調査を研究していただきながら、特に若い世代に対していろんな啓発運動をしていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
次に、行きます。
次に、農地におけるナガエツルノゲイトウ対策についてお伺いをいたします。
この件につきましては、補助資料を用意しておりますので御覧ください。写真になります。
ナガエツルノゲイトウは南米原産の多年草で、繁殖力、拡散力が極めて強いことから、地球上最悪の侵略的植物というふうにも呼ばれております。刈り取る際に飛散した小さい茎からでも再生をしてしまい、生息域を拡大する特定外来生物となっております。本県では県南地区の新利根川流域で確認されて以降、霞ヶ浦などに生息域が拡大をし、一部農地へも侵入しているため、地元では強い危機感を抱いております。特に農地でナガエツルノゲイトウが蔓延すると、農作物の収量低下や、そしてまた、農業用の用水の通水に支障を来すなど、深刻な被害をもたらすことが懸念をされていることから、農地への侵入を許さないというような予防的観点が重要だと考えております。
このような中、地元では、特に細谷県議が中心となり、新利根川流域ナガエツルノゲイトウ対策協議会が昨年11月に発足をされました。そして、農業被害の防止に向けた対策について、関係機関が連携をし、さらなる取組を進めていくこととしたところです。そして、県でも、昨年の第4回定例会において補正予算を措置し、そして、農地への侵入防止対策を講じるというふうにしたところでもあります。関係者もその効果に大きな期待を寄せている、そういったところでもあります。
そこで、補正予算が成立をしてから、今現在、その侵入防止対策緊急支援事業の進捗状況についてをお伺いいたします。また、万が一農地に侵入してしまった場合には、大きな農業被害に至ることを防ぐため、予防的対策に併せ、効果的な対策を講じていただきたいとも考えております。
以上を踏まえ、農地におけるナガエツルノゲイトウの侵入、また、及び蔓延防止対策について、農林水産部長にお伺いをいたします。
22
◯半村登議長 上野農林水産部長。
〔上野農林水産部長登壇〕
23 ◯上野農林水産部長 農地におけるナガエツルノゲイトウ対策についてお答えいたします。
特定外来生物であるナガエツルノゲイトウは繁殖力や拡散力が極めて強く、小さな茎や根の断片からでも急速に再生、成長する特性があり、断片が農業用水を通じて農地に侵入し繁茂することで、水稲の生育阻害などの深刻な農業被害を引き起こす極めて危険な植物です。このような特徴のあるナガエツルノゲイトウによる農業被害を防止するためには、地域一体で被害防止に取り組む体制づくりと、農地への侵入を許さないという予防対策が何よりも重要であると考えております。
このため、まず地域の体制づくりといたしまして、県南地域で繁茂が顕在化し始めた2021年に、国の研究機関、市町村や地元の農協、土地改良区等が一堂に会した県南地域ナガエツルノゲイトウ等対策連絡協議会を設置し、ナガエツルノゲイトウの特性や危険性について理解を促進するとともに、県内での繁茂状況についての情報を共有してまいりました。また、議員御案内のとおり、県南地域の中でも、生息域が急激に拡大し危機感を強めている新利根川流域の市町村においては、2023年に新利根川流域ナガエツルノゲイトウ等対策協議会が設置され、地域でより一層集中した対応を進めていくこととしたところです。
県におきましても、農地における繁茂拡大を防止するため、昨年12月の第4回定例会において、既に繁茂が著しい農業用水路内の駆除費用や、農業用水路へのさらなる侵入を防止するフェンスの設置費用を支援する農業水利施設外来水生植物対策関連事業を措置したところです。このうち、特に重要な予防対策であるフェンスの設置については、県では事業主体となる土地改良施設などの施設管理者が速やかにその取組を実施できるよう、12月から1月にかけて、設置に必要な河川管理者への手続について国土交通省等と協議を行うとともに、関係する市町村や土地改良区と一体になって、フェンスの設置箇所などの具体的な対応内容について調整を行ってきたところです。
こうした取組の結果、新利根川流域の土地改良区を中心として、対象施設の8割を超える約190か所の施設管理者から侵入防止フェンス設置の意向が示されており、今後は水田への取水が始まる田植時期の前までにフェンスの設置が着実に進むよう、引き続き現場と一体となって取り組んでまいります。
また一方で、農地に侵入してしまった場合には速やかに防除を行う必要がありますが、農業者の方々が防除を行う際に茎の断片を散らばらせて被害を拡大させることのないよう、刈払い機などの機械を使わず、農薬を使用した適切な防除を行うことを、地域の農業改良普及センターが中心となって周知、指導を行っているところです。さらに、研究分野においても、現在県農業総合センターにおいて、水田で用いる従来より防除効果が高い農薬の選抜試験を行っており、そうした試験の成果を下に、生産現場における実効性のある最新の防除対策の実施を働きかけてまいります。
県といたしましては、引き続き地域と一体になって農地への侵入を予防するとともに、侵入した農地での適切な防除を進め、農家の方々が安心して農業生産に取り組めるようしっかりと対応してまいります。
24
◯半村登議長 坂本隆司議員。
〔28番
坂本隆司議員登壇〕
25 ◯28番
坂本隆司議員 御答弁ありがとうございました。
ナガエツルノゲイトウ、今写真を見ていただいているかと思います。1枚目の写真は、川幅が約大体20メーターから30メーターぐらいある新利根川という川なんです。その川自体が全てその草で覆われてしまう。本当にこれ、現地を見ていただいた方じゃないと、なかなかこの迫力というか、すごさというのは分からないかもしれませんが、それほど強い植物であるということが御理解いただけると思います。そして2枚目の写真は、農業用水にかかっているナガエツルノゲイトウがやはり覆いかぶさっている、そんな状況でもございます。これがやはり田んぼに入り、その収量を減らしたり、日陰になってしまうところもありますので、水質も悪くなるのかもしれない、いろんな研究が今されているところではあるんですが、やはり今地元の農家の皆様は、直面している人たちは本当に危惧しているところでもありますので、どうか早い解決策を見つけていただくことが一番だなというふうに思います。
そしてまた、先ほど部長の答弁にもあったんですが、地域の方々へナガエツルノゲイトウの取り方、そういったものの周知というのはもう一度やっていただいたほうがよろしいかと思います。本当に小さいところで繁殖力が強くて、何度か取ってはいるんですが、その繁殖力の強さというのは身にしみて分かっているんですが、それが一人一人でやってしまうとまたさらに広がってしまうこともあると思いますので、どうかその辺は十分注意をしながら周知に向けていただきたいと、そのように考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
次の質問は、県道管理における除草及び街路樹の維持管理についてをお伺いいたします。
この件につきましても補助資料を用意しておりますので、御覧ください。
県道や国道、そういった街路樹に関しては、景観向上、環境保全、交通安全など、様々な機能を有するとともに、私たちの生活に潤いや安らぎをもたらすものであると考えております。一方で、街路樹の中には大型化や老朽化が進み、そして、歩道の根が上がってしまって、段差になって通行の障害になってしまっている場所や、さらには、今資料を御覧になっていると思いますが、資料のように枝がはみ出て、そういった場所には枝と車が接触をしたり、そういった問題が多く出ているところもございます。また、歩道については、大きく伸びた草で通学の子どもたちに支障がある、そういったところも非常に多く、苦情の連絡をいただいているところでもあります。
県においては、樹木の剪定や、そして、大きくなった樹木を低木化にするための植え替え、そしてまた除草時期の回数、そして見直しを行っていただいていると思います。それも、まちづくりの観点や地域の実情も踏まえながら対策を講じていただいていると思います。そしてまた、意欲を持った県民や団体などの力も借りながら、持続可能な道路管理を行っていただいていると思ってもおります。私の地元、龍ケ崎市においては、道路などの不具合をスマートフォンアプリのLINEを活用して問合せができる取組を始めております。市民が通報しやすくなることに加え、職員の負担軽減にもつながる、そんな効果的な取組であり、こうしたほかの自治体のよい事例は参考になるとも考えております。
2022年に議員提案により制定しましたいばらきの豊かな緑を守り育て適正に管理するための条例、これにおいても道路等の樹木の適正な管理について規定したところでもあり、こうした趣旨を踏まえ、道路交通の安全と環境と景観との両立に向けた道路管理を期待するところでもあります。
そこで、県管理道路における除草及び街路樹の維持管理にどのように取り組んでいくのか、土木部長にお伺いをいたします。
26
◯半村登議長 田村土木部長。
〔田村土木部長登壇〕
27 ◯田村土木部長 県管理道路における除草及び街路樹の維持管理について、お答えいたします。
まず、街路樹につきましては、交通安全性の向上や道路環境の保全などに加え、まちづくりにおける景観形成など多様な役割を担っております。また、2022年11月に施行されましたいばらきの豊かな緑を守り育て適正に管理するための条例においては、これらの役割を持続的に発揮するため、計画的かつ適正な管理が求められております。
一方で、街路樹の中には、経年的な成長による老朽化や高木化が進行し、倒木のおそれや歩道部における根上がり、樹木の過密化などの問題が顕在化しております。このような中、限られた維持管理費において、まずは枝の剪定による安全な通行空間の確保を最優先に、街路樹の管理を行っているところでございます。
議員御指摘の龍ケ崎市内の県道八代庄兵衛新田線におきましては、中央分離帯や歩道の街路樹の一部が高木化し、車道の上空に枝が張り出しておりますが、大型車が常時安全に通行できる道路空間が確保されるよう適宜枝の剪定を実施しております。また、同路線においては、2021年度に、安全な歩行空間を確保するため、龍ケ崎市と調整した上で国の補正予算を活用し、約650メートル区間の街路樹の伐採や植樹帯の撤去を行った事例もございます。
次に、道路の除草につきましては、通学路の指定状況や歩道の有無、沿道の利用状況を考慮した上で原則年2回実施しており、そのほか日常の道路パトロールなどにおいて、車両や歩行者の安全な通行に支障を来すおそれがあると判断した場合にも緊急的に除草を行っております。また、道路の美化活動に意欲を持つ県民や団体に対しては、道路ボランティアサポート事業により活動を支援しており、現在約300団体の方々に県管理道路の一部区間の清掃や除草などを行っていただいております。
さらに、議員御案内の道路の不具合などの通報に対する取組としては、国において従来の道路緊急ダイヤル#9910による電話受付に加え、昨年11月より関東甲信1都8県においてスマートフォンアプリのLINEによる運用が開始され、通報内容の状況把握などの迅速化、効率化が図られているところです。また、県では道路の日常管理において、担当職員と施工業者がクラウド上で行政相談等をリアルタイムで情報共有できるシステムを昨年度本格導入し、対応方針決定までの時間が約3割削減されるなど効果が表われております。
県といたしましては、良好な通行環境を保全するため、引き続き効率的な道路の維持管理に努めてまいります。
28 ◯28番
坂本隆司議員 再質問します。
29
◯半村登議長 坂本隆司議員。
30 ◯28番
坂本隆司議員 ありがとうございました。
県の道路の管理、でも、本当になかなか行き着かない場所があったりですとか、そういった部分が本当に非常に多くあって、いろんな話が来るんだろうなというふうに思っております。
その中でも、先ほども少しお話ししたんですが、道路のボランティア、300団体も入っていただいているということで、非常に実は多いんだなというふうに思いました。でも、やはり県のほうで対応ができない場合、こういったボランティアというところに支援をいただくというのは、さらにさらに広めていくべきだろうというふうに思っております。特に大きな木というのは難しいかと思うんですが、やはり除草とかそういった部分では、まださらにお願いをできるところでもあると思うんですが、そこで、県において道路ボランティアの担い手の確保、そして、支援を積極的に行っていただきたいと改めて思うんですが、部長にお伺いしたいと思います。
31
◯半村登議長 田村土木部長。
〔田村土木部長登壇〕
32 ◯田村土木部長 再質問にお答えいたします。
道路ボランティアにつきましては、ホームページなどを活用して団体の加入促進を図っており、毎年約10団体増加しております。また、参加者の傷害保険加入費用への負担や草刈り機の貸与などの活動に必要な支援を行っております。県といたしましては、資機材の充実などにより、道路の維持管理に意欲的な県民や団体への支援に努めてまいります。
33
◯半村登議長 坂本隆司議員。
〔28番
坂本隆司議員登壇〕
34 ◯28番
坂本隆司議員 部長、ありがとうございました。
ボランティア、10団体ずつも増えてきているということでお話をいただきましたが、私の地元の地区ででもやはり4車線の道路がありまして、歩道がどうしても草が生えてしまってということで、これを勝手に切っていいのかということで問合せをいただきまして、地元の事務所に問合せをしながら、草刈りをボランティアの方にやっていただきました。
ですが、そのときに私は思ったんですが、ボランティアの方にやっていただくのはいいんですけれども、そのときは4車線の大きな道路だったんです。それが、歩道と車道との間にある除草の植樹帯というところの草刈りをやってもらったんですが、そこで肩かけの機械、要は草刈り機ですよね、あれでボランティア作業をやっていただいたんですが、でも、今の業者さんにお願いすると、今防除ネットをやりながら、車に石が当たらないようにとか、そういったことを自然とやっていただいているんです。でも、それをボランティアの方々がそこまで理解をしてやっていただけるのかというところと、あとは本当に交通事故につながらないのかというところが、非常に私、不安になりました。
でも、そういうことを考えますと、ボランティアの団体にお願いをする、そういったことは非常にいいことだと思うんですが、その先の保険ですとかそういったところの、あとはやり方とか、そういったところにもぜひとも支援をしていただきたいなというふうに思います。やはり除草作業、慣れている人たちだけではありませんので、そういった意味では、そのやり方ですとか、そういったところにもぜひともお話をしながら支援につなげていただきたいと思います。
そして、すいません、質問の順番が、申し訳ございません、ずれてしまいまして大変申し訳ございませんでした。
そして、次の質問に移らせていただきます。
1つ前に戻りまして、牛久沼の活用に向けた水際線の整備についてをお伺いいたします。
この牛久沼、水面は龍ケ崎、周りは5市町で賄っているこの牛久沼なんですが、この場所がまた都心から近く、アクセスに優れ、四季折々のすてきな表情を映し出す風景に、多くの市民が観光名所になることを願っている。それ以外にも、地域の住民の方々は潤いの水辺として親しまれ、今後の活用にも期待を寄せている場所でもあります。
こうした中、1992年には、県と周辺市町において牛久沼水際線地域計画が策定をされ、水際線の保全や活用などに取り組むとされており、計画に基づいた整備がされてきているところだと思います。そして、一方で、本年1月に周辺6市町と県とで構成をする牛久沼活用推進協議会が発足をし、広域的な連携を図りながら、牛久沼や周辺地域の魅力向上に向けた検討が進められております。
新たな協議会が発足した今、30年以上経過した本計画の在り方について、現在の情勢に合わせた変更が必要であると考えております。今後この協議会において、牛久沼の周遊ルート、牛久沼を一周回れるような道路整備なども含めた新たな活用策について、検討が進められると思いますが、県としてもこの水際線の整備に向けて、積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
そこで、新たな活用策を牛久沼水際線地域計画にどのように取り込み、計画の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、土木部長にお伺いをいたします。
35
◯半村登議長 田村土木部長。
〔田村土木部長登壇〕
36 ◯田村土木部長 牛久沼の活用に向けた水際線の整備についてお答えいたします。
牛久沼は県が管理する一級河川谷田川の一部を構成し、その湖面積は約6.5平方キロメートル、周囲長は約20キロメートルの湖沼となっており、その水辺や周辺地域においては自然豊かな水際線を形成しております。
このような牛久沼の水際線を保全し、四季折々の変化を楽しむための水辺環境の創出を目的といたしまして、河川管理者である県並びに牛久沼周辺の5市により牛久沼水際線地域計画が1992年に策定されました。この計画は、水田や水生植物などの環境を保全することを目的とした保全、散策路等の整備を通して潤いのある生活の場を創出するための生活、公園整備等を通して水と親しむ場を創出するための活用の3つの視点から、牛久沼のよりよい水際線の在り方を実現するための整備方針などを定めたものであります。整備の内容につきましては、県において河川改修を実施し、市において公園や散策路などの整備を行うこととしており、これまでに県において、牛久沼に流入する西谷田川などの河川改修を進めるとともに、龍ケ崎市においては2005年に約3ヘクタールの牛久沼水辺公園の整備を実施しております。
そのような中、昨年6月2日から翌3日にかけての大雨では、つくば市の観測所において24時間雨量で254ミリメートルと戦後最大の降雨を記録し、牛久沼周辺において越水による浸水被害が3か所発生いたしました。そのため、県では学識経験者などから成る牛久沼越水対策検討委員会を設置し、越水被害の発生要因や今後の越水防止対策を検証した結果、越水の主たる要因は経年的な地盤変動による堤防の沈下であることが確認されました。今後は委員会での検証結果を踏まえ、再度災害防止に向けた堤防のかさ上げなどのハード対策に加え、水防連絡体制の強化に資する河川監視カメラの設置などのソフト対策も実施していくこととしております。
一方で、牛久沼及びその周辺地域の魅力向上や地域経済活性化促進のため、龍ケ崎市をはじめとする牛久沼周辺の6市町及び県の政策企画部が参画する牛久沼活用推進協議会が本年1月に発足し、初会合において、散策やサイクリングなどを想定した牛久沼周遊ルート案が承認されたと承知しております。この周遊ルートは良好な水辺空間の創出を目指すという観点などから、牛久沼水際線地域計画の趣旨が反映されているものと考えております。今後の協議会での議論を踏まえ、関係部局と連携しながら、例えば他地域における自転車道整備の先行事例を市町に情報提供するなど、必要な技術的助言を行ってまいります。
県といたしましては、牛久沼の治水安全度の向上に努めるとともに、活用に向けた周辺市町の取組についても積極的に支援してまいります。
37
◯半村登議長 坂本隆司議員。
〔28番
坂本隆司議員登壇〕
38 ◯28番
坂本隆司議員 部長、ありがとうございました。
この牛久沼の現状を話しますと、水辺、水の水面というのが龍ケ崎市の管理になっています。そこに龍ケ崎があり、牛久市があり、つくば市があり、つくばみらい市、そして、取手市が周りの周辺を囲んでいるという立地条件になっています。先ほど協議会が発足したこの6市町、そこに水利権が、河内町も入りますので、その河内町が入って協議会がスタートしたところでもあります。
長年、やはり本当にきれいな夕日が見れたり、そういったところを考えると、地域の人たちにとって、ここを何とか観光の名所ですとか、いろんな意味での活用ができないか、本当にいろんなことが話がされていました。その点に関しますと、やはり一番最初にスタートしなければいけないのは周遊の道路であろうということが、この間の協議会でもお話が出たところでもあります。中には花火大会をしたいとか、いろんな話が出ておりますが、やはりまずは周辺の整備が必要であろうというふうに思っております。
その中でも、龍ケ崎市では今回、道の駅を中止と判断しました。それも、牛久沼の周辺につくる予定だった場所です。でも、牛久沼を活用するための道の駅の整備ではあったんですが、道の駅だけではやはり難しい部分があるだろう、そしてまた、今回の越水したという部分もありまして、中止という判断を今の市長がされたということでもありますが、でもやはりこの牛久沼の活用、まだまだ明るい未来を待っている、そんな場所だと私も思っておりますので、どうかまずは周遊道路、そこに向けて話合いが進んでいければなというふうに思います。
話をしますと、二千間堤といいまして、取手市やつくばみらい市のところに向かう堤防の上の土手なんですが、そこの区間だけがまだ舗装されていないんです。そこが舗装されれば、先ほど部長がおっしゃっていたように、サイクリングロードにもなり得る可能性もある、そういったこともありますので、今後の活用方法に期待をしておりますので、どうぞよろしくお願いしたい、そのように思います。
それでは、最後の質問に移らせていただきます。
生徒の熱中症事故防止に向けた大会運営の在り方についてお伺いをいたします。
夏の暑さが年々厳しさを増す中、総務省消防庁の調査によれば、昨年5月から9月の熱中症による救急搬送は全国で9万1,000人となり、猛暑であった一昨年より20%も増加をしているほか、本県においても2,600人もの方が、この熱中症で搬送されていると伺っております。
学校に目を向ければ、県においても熱中症事故防止対策に向けて対策が進められていると思いますが、多くの保護者からは、夏の暑い時期の大会運営の在り方について改善を求める声が上がっております。全国中学校体育大会や、そして全国高等学校総合体育大会、そして全国高等学校野球選手権大会など、夏に実施されている大会、その予選となる県大会の多くもこの暑い時期に実施されております。大会が夏にあることから、本番が近づくにつれ、炎天下の中でも無理して練習をせざるを得ない状況にあるのではないでしょうか。そして、選手はもとより、応援に行く生徒や教員などへの配慮も必要だと考えております。生徒の健康と安全を守ることが第一であり、県大会等の開催時期の見直しや、それが難しい場合には、特に屋外競技について、夜間のナイターの試合や、そしてまた早朝の大会運営、こういった大会の実施などについて、国や関係団体に強く働きかけるなど、生徒が安全かつ安心して大会に参加できる環境づくりを進めていただきたい、そのように考えております。
そこで、生徒の熱中症事故防止に向けた大会運営の在り方について、教育長にお伺いをいたします。
39
◯半村登議長 森作教育長。
〔森作教育長登壇〕
40 ◯森作教育長 生徒の熱中症事故防止に向けた大会運営の在り方についてお答えいたします。
近年、記録的な猛暑が続いており、子どもたちの命を守る観点からも、大会における熱中症事故への対策は大変重要であります。スポーツ庁では今年度、中学生が部活動練習後の帰宅途中に熱中症の疑いで死亡するという痛ましい事故を受けて、適切な水分補給や空調の利用、暑さ指数の活用など、熱中症による事故防止の徹底に向け全国の学校に注意喚起をしております。県におきましても、部活動運営方針において、気温、湿度などの環境条件を考慮して活動を行うことや、暑さ指数が31度以上の場合は原則として屋外の活動を行わないことなど、熱中症事故への対策を行うよう各学校に対し指導しております。
このような中、議員から御提案がありました、暑い時期に開催される大会の開催時期や時間帯の見直しについては、県といたしましても今後も安心・安全に大会を開催する上で必要なことと認識しております。このため、県では、地方大会の主催者である県中学校体育連盟や県高等学校体育連盟、県高等学校野球連盟等に対して、環境条件に応じて大会の延期や中止等、柔軟な対応を行うことや、やむを得ず開催する場合は、生徒や関係者の健康に十分に配慮した運営について要請してきたところでございます。
こうしたことを受け、各主催者団体においては、例えば高校野球では、大会期間の拡大による過密日程の回避や延長線におけるタイブレーク制の導入、また今年度からは、体温を下げるために5分間の休憩時間を取るクーリングタイムを導入するなど、暑さ対策への取組が進められております。また、議員御指摘の開催時間帯の見直しや応援者への配慮については、例えば陸上競技の長距離走において、気温が上がる前の時間帯にレースを開始するなど、選手の健康に配慮した工夫を行っておりますほか、応援者に対し、高校野球の大会主催者が事前に服装の軽装化、健康管理の徹底等、熱中症対策を示し対応を促すなどの対策を講じております。このほか、サッカー競技では試合中にプレーを中断し、水分補給や休憩するための時間を設けていることに加え、競技によっては大会会場への暑さ指数計の設置や看護師等の医療スタッフの常駐などの対策を行っております。今後はこれらに加えて、大会の開催時期について、全国規模の主催団体に対し、上位大会の日程変更を含めた大会運営の在り方を検討するよう働きかけてまいります。
県といたしましては、熱中症は命に関わる危険性があることを改めて生徒や教員にしっかりと周知し、対策を指導するとともに、各大会主催者と今後の大会運営の在り方を協議し、生徒の安全確保と事故防止の徹底により一層努めてまいります。
41
◯半村登議長 坂本隆司議員。
〔28番
坂本隆司議員登壇〕
42 ◯28番
坂本隆司議員 教育長、答弁ありがとうございました。
この大会運営、本当に昨年からいろんな話を伺っておりました。なぜこの時期に私、質問したかというと、今大会の日程を組むときに、やっぱり夏の大会を考えると、この時期から動いていただかないと、日程が過密日程になるということにつながると思ったので、今回質問をさせていただきました。特に高校野球に関しては、日程を調整するというだけで一日二日の余裕の日程を組まなくちゃいけない。そういったことを考えますと、大会の運営、その下の県南大会まで行ってしまうとさらに日程調整が必要になる、そういったことを考えますと、早い段階での措置をお願いしたい、そのように思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
今回の質問、多岐にわたり県民の声を中心にお話をさせていただきましたが、今後も県民の意見が県政に届くような活動を行っていきたいと思いますので、知事、執行部の皆様には御理解いただきますようにお願いを申し上げ、私の一般質問を終了とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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43
◯半村登議長 暫時休憩をいたします。
なお、会議再開は午後2時15分を予定いたします。
午後2時1分休憩
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午後2時15分開議
県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑(続)
44 ◯西野一副議長 休憩前に引き続き会議を開き、県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。
この際、申し上げます。
次の質問、質疑は、分割方式により行われます。
なお、傍聴人の皆様に申し上げます。
傍聴人の拍手は禁止されておりますので、御留意願います。
山本美和議員。
〔10番山本美和議員登壇、拍手〕
45 ◯10番山本美和議員 公明党の山本美和でございます。
初めに、令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、被災地の一日も早い復旧と復興を心よりお祈り申し上げます。
それでは、通告に従いまして順次質問してまいりますので、大井川知事をはじめ、県幹部の皆様には明快なる御答弁をお願いいたします。
初めに、住民参加を踏まえた流域治水対策について伺います。
記録的な豪雨が頻発化、激甚化する中、流域全体での河川整備、浸水対策、避難行動などに、国や自治体、事業者、地域住民らが協働して取り組む流域治水対策には3つあると言われています。1、ハード対策、2、まちづくり面での総合的な対策、3、避難やリスクマネジメント、早期復旧・復興対策です。地域住民の命と暮らしを守る流域治水対策は、地域住民の理解と協力の下に進めることが求められます。
災害対策には、自分自身や家族で備える自助、地域で助け合う共助、行政が行う公助があり、中でも7対2対1と言われるように自助が基本となります。具体的には、災害対策基本法、防災基本計画、地域防災計画、水防法など、多岐にわたる個別法令等に基づいて行われています。
水防法では、浸水想定区域がある市町村長は、洪水浸水想定区域に避難場所や避難路等を記載した洪水ハザードマップを、配布や
インターネットなどの方法により、住民、通勤・通学者、旅行者等に周知しなければならないと定められています。近年の県内の水害を見ると、浸水想定区域図と実際の浸水域がほぼ一致していたにもかかわらず、ハザードマップを見たことがない、現実に自分が被災すると思っていないという方が大変多く、結局のところ自助面での対策はなされていなかったと言えます。
また、河川ごとに管理者が違う場合や、用水路、ため池、雨水排水など、複数の管理者や担当行政機関にまたがっている場合に、浸水リスクを住民自らが判断することは難しいことから、これら全てを一体的に取り扱った生活者視点に立ったリスク情報の開示が求められています。自主防災組織リーダーの育成やマイ・タイムライン作成講座、要配慮者利用施設の避難確保計画の策定推進などの取組がなされているところではありますが、今後の流域治水をさらに推進していくためには、災害を自分事として捉えること、リスクコミュニケーション、この2つが重要なのではないでしょうか。
実際、牛久沼の越水や取手市の双葉地区などの内水氾濫による浸水、中小河川の溢水による日立市役所などの浸水などは記憶に新しく、最近は大きな河川の氾濫だけでなく、内水氾濫などによっても被害を受ける可能性が高まっております。意識の高まっている今だからこそ自分事として捉え、ハザードマップの確認、地区計画の策定やマイ・タイムラインの作成などによりあらかじめ備え、実際に早めの避難などの行動に結びつけていくための周知徹底が必要であります。また、地域住民、企業、自治体など地域全体での相互理解、すなわちリスクコミュニケーションを推進するための体制整備も欠かせません。できることを着実に進め、減災につなげていただきたいと考えます。
そこで、茨城県として、近年の水災害の経験から、マイ・タイムラインや水害ハザードマップに係る取組を加速させているところであると認識しておりますが、これらについての現状と課題認識について、住民参加を踏まえた流域治水対策について、知事の御所見を伺います。
この項目の壇上からの質問は以上です。
46 ◯西野一副議長 山本美和議員の質問、質疑に対する答弁を求めます。
大井川知事。
〔
大井川和彦知事登壇〕
47
◯大井川和彦知事 山本美和議員の御質問にお答えいたします。
住民参加を踏まえた流域治水対策についてお尋ねをいただきました。
近年、全国各地で記録的な台風や集中豪雨が相次いでおり、堤防整備などの従来の河川整備だけでは対応し切れない水害が発生しております。本県におきましても、昨年の令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号や台風第13号により県内で甚大な浸水被害が発生しており、こうした災害から県民の安全・安心を確保することが喫緊の課題となっております。
これらの課題に対応していくため、流域全体のあらゆる関係者が協働して治水対策を行う流域治水に取り組んでいるところでございます。この流域治水は、氾濫をできるだけ防ぐ河川対策や、河川への雨水の流出を減らす流域対策に加え、住民の適切な避難を促す被害軽減対策など、流域全体で実施すべき、ハード、ソフトが一体となった対策を総合的に進めるものであります。
こうした流域治水の対策を進める上では、災害時におけるリスク情報などを住民一人一人が理解して、災害を我が事と捉え、自らが行動することが重要であります。このため、県では河道掘削や調節池の整備などの河川改修の計画策定、実施の各段階における説明会などを通じ、住民に事業の必要性を御理解いただくとともに、過去の洪水被害の実績などを提示することで、災害に対する意識啓発につながるものと考えております。
また、住民への適切なリスク情報の提供も重要であることから、市町村において、洪水、内水氾濫などのハザードマップの作成が進められております。県では、洪水ハザードマップの作成に必要となる洪水浸水想定区域図について、全ての県管理河川において来年度中に作成を前倒しし、早期に市町村に提供していくとともに、内水ハザードマップについても、未作成の市町村に対し速やかに作成するよう働きかけてまいります。さらに洪水時における人的被害ゼロに向けては、適切なタイミングで避難できるよう、洪水ハザード内の各家庭でのマイ・タイムライン作成支援に取り組むとともに、避難行動要支援者の支援体制の整備を進めております。加えて、今年度から開始した洪水ハザード内の全ての住民を対象とした避難訓練につきましては、来年度は台風シーズン前までに実施することとしております。
こうした取組を促進するためには、行政の取組だけではなく、日頃から地域の防災活動を牽引していくリーダーの存在も重要となるため、自治会の代表者などを対象とするリーダー研修会やいばらき防災大学を開催し、人材育成にも取り組んでいるところでございます。
県といたしましては、頻発化、激甚化する大規模水害から県民を守るため、国、市町村など流域の関係者と協働し、住民の主体的な参加も得ながら、ハード、ソフトが一体となった流域治水対策に全力で取り組んでまいります。
48 ◯10番山本美和議員 再質問します。
令和5年11月に公表されました医師偏在指標につきましては、全国平均が255.6に対し、本県は193.6で、全国43位となり、全国的に見ても際立った医師少数の県というふうに当たっております。県内におきましては、つくば医療圏と水戸医療圏が医師多数の区域である一方、日立医療圏を含む6つの医療圏が医師少数区域となっておりまして、県内の地域間での医師の地域偏在は最も深刻となっております。
医療機関の現状の経営状況は全体的にあまりよいとは言えず、全国にある一般病院の7割弱が赤字経営であると言われておりまして、国民の超高齢化が進み、病院の経営は、今後さらに厳しい状況になることが予測されております。あわせて、増え続ける患者に対しまして、医療に従事できる医師や看護師の数が不足しておりまして、需要と供給のバランスが取れていない状況にもあります。
全国的な人口の減少、若い世代の職業意識の変化、医療ニーズの多様化などによりまして、医師の確保の難しさが医療現場では問題になっていると感じております。
さらに、医療業界では、医師の奉仕的な長時間労働に頼ってきた側面が大きかったことが以前から指摘もされておりましたが、令和6年4月から開始される医師の働き方改革によりまして、従来の医師の長時間労働が改善されることで、病院などの医療機関サイドは医師の数を増やさざるを得なくなるのではないかというふうに思っております。
地方では、これまでも医師不足が問題視されまして、特に過疎地域におきましては、1人の医師への依存度も大変大きいものとなっており、医師の働き方改革によりましては、地域格差がさらに深刻になることが懸念されております。
一方で、医療機関が雇用する医師の数を増やせば、その分、医療機関の人件費等の財政的負担も増えることとなるために、病院の経営がさらに悪化してしまうのではないかというおそれもあります。
そこで、医師の確保につきまして県はどのように取り組んでいかれるのか、
保健医療部長にお伺いをいたします。
次に、文化財を継承する担い手の確保についてお伺いをいたします。
本県は、豊かな自然景観、長い歴史や伝統のある文化等を背景に、名勝、史跡、歴史的建造物など数多くの文化財を有しており、国指定、県指定、市町村指定を合わせますと、約3,800の文化財が県内に分布されております。
県においては、県内の文化財の総合的な保存・活用の具体的推進を図るために、令和2年5月に茨城県文化財保存活用大綱を策定しております。この大綱におけます文化財の基本的な方向性については、県民の共有財産である文化財を社会的、そして社会全体で適切に保存・活用し、次世代へ確実に継承する体制を構築していくほか、文化財の保存・活用には社会全体で取り組むとしておりまして、県民が郷土への愛着と誇りを持ち、本県の魅力の向上や地域づくりにつなげていくこととされておりまして、文化財の保存・活用等の基本方針が示されております。
私の地元である高萩市では、推定樹齢1,000年と言われる安良川の爺スギが国の天然記念物に指定されているほか、江戸時代に建造されました穂積家住宅が県の有形文化財に指定されており、指定文化財の中には、地元の魅力向上や観光につながっているものも多々ございます。
しかし、建造物など有形文化財には、個人が所有・管理しているものがありまして、文化財の日常管理や維持管理に要する金銭的負担が個人所有者に大きく負担がなっているとのお話を聞くことがあります。また、現在の個人所有者が高齢で、財政的負担などを負い切れなくなってきておりまして、次の世代にその負担を残してしまうことに不安を持っているとの話をも耳にすることがございます。
文化財は国民的財産であるとともに、地域の魅力的な観光資源として活用されることで価値が認識され、地域社会の活性化につながっていくものであり、貴重な文化財を後世に残していくためには、持続可能な保存体制や支援等が必要だというふうに考えます。しかし、足元では、県民共有の財産である文化財の負担が、個人や、その継承者に重くのしかかっている状況とも言えます。
文化財の維持管理や継承する担い手の確保については、所有する個人の問題ではなく、地域の課題として地元自治体との連携を図るなど、地域全体で支えていく必要があるのではないでしょうか。
そこで、文化財の個人所有者の財政的負担等が大きくなり、継承がますます難しくなっていく中、文化財を継承する担い手を今後どのように確保していくのか、教育長に御所見をお伺いいたします。
最後に、ゾーン30及びゾーン30プラス等の取組についてお伺いをいたします。
本県における交通事故につきましては、平成25年に比べまして、令和5年中、発生件数は6,790件でマイナス51%、死者数はマイナス70人で、マイナス43%と、それぞれ大幅に減少がしております。また、過去10年平均と比べましても、令和5年中の発生件数はマイナス2,705件でありまして、マイナス29%、死者数はマイナス28人で、マイナス23%と、それぞれ減少しており、交通事故は減少傾向にあることがうかがえます。
一方で、令和5年中の交通事故発生件数は6,489件でありまして、都道府県別の死者数については、平成25年以降、ワースト10位前後に位置する現状にあります。
また、過去10年におけます交通事故死者の特徴を見ますと、状態別では、歩行中が422人と、35%で最多でありました。
さらに、令和5年中の交通事故死者93人のうち、状態別では、歩行中が33人と最も多く、36%を占めておりまして、このうち、ドライバーの前方不注意が事故要因となるものが23人と最も多く、70%を占めております。
これらを踏まえますと、ドライバーに緊張感を与え、歩行者に対する保護意識の醸成を図るソフト面の対策に加えまして、ハード面の対策である道路環境整備も重要であると考えます。
現在、全国各地や県内におきまして、生活道路における人、優先の安全・安心な交通空間の整備を推進するために、最高速度が時速30キロに速度制限されている区域、ゾーン30が設定されているほか、近年は、ゾーン30やハンプ、そして狭窄などの物理的デバイスを組み合わせて、交通安全の向上を図ろうとするゾーン30プラスが設定されており、交通安全のためのゾーン規制の活用が全国的にも図られてきております。
ゾーン30は、ゾーン内の最高速度30キロメートルの区域規制や、路側帯の設置、拡幅と車道中央線の抹消による道路の狭隘化をベースとする対策でありまして、また、ゾーン30プラスについては、ゾーン30で実施する対策に加えまして、道路の隆起部分を設けるハンプや、道路の横断歩道、そして、そのものをマウンドアップさせるスムーズ横断歩道を設置しまして、ドライバーに減速と横断歩行者の優先の意識を促すほか、狭窄やシケインを設置することによりまして、道幅を一部狭くしたり、カーブさせた形状とすることで、自動車の走行速度を抑制し、抜け道として利用しにくくするなど、物理的に車両の速度を低下させる効果や、ドライバーに歩行者等の安全確保に一層の注意を喚起させる効果が期待されておりまして、交通事故のリスクの減少に一定の効果が見込まれると考えます。
令和4年度末の時点で、全国にはゾーン30が4,288か所、ゾーン30プラスが66か所整備がされておりまして、そのうち、県内にはゾーン30が79か所、ゾーン30プラスが2か所整備がされております。私の地元であります高萩市にも平成28年度から国道6号東側の2か所、1か所が有明町1丁目と肥前町の1丁目の一部、もう一つが有明町の2丁目の一部にゾーン30が2か所整備がされておりますが、整備から7年が経過し、市民に対する認知度が薄れてきているのではないかというふうに感じるところでございます。
引き続き、警察本部におかれましては、道路管理者等の関係機関と連携をしまして、ゾーン30やゾーン30プラスの整備を進めるとともに、これまでのゾーン30整備区間についての見直しを行いまして、必要と思われるところに物理的デバイスを設置し、ゾーン30プラスにすべきと考えております。
また、小学校や高齢者施設周辺等で進めております横断歩道のカラー舗装などの横断歩行者保護対策など、総合的に交通安全対策に取り組むほか、ゾーン30やゾーン30プラスの対策をより効果的に上げる対策としていくために、整備の目的や位置づけなどについて県民に周知し、安全・安心の実感できる、そのような社会を実現していただきたいというふうに思います。
そこで、ゾーン30やゾーン30プラス等のハード対策について、今後どのように取り組まれていくのか、警察本部長にお伺いをさせていただきます。
各部局におかれましては、これまでの項目の質問に明快なる御答弁を賜りますよう、お願いを申し上げます。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
88
◯半村登議長 大足光司議員の質問、質疑に対する答弁を求めます。
山崎防災・危機管理部長。
〔山崎防災・危機管理部長登壇〕
89 ◯山崎防災・危機管理部長 大足光司議員の御質問にお答えいたします。
災害に備えた対応についてお尋ねをいただきました。
市町村との連携についてでございます。
迅速な災害対応のためには、あらかじめ災害の規模などを想定した上で、県と市町村が連携して対策を準備しておくことが重要であり、県が実施している地震被害想定では、最大で10万3,000人の方が避難所に避難することになっております。
こうした大規模な災害発生時に想定される市町村ごとの避難者数により検証いたしますと、市町村によっては、あらかじめ指定している避難所だけでは不足が生じる可能性があります。実際に避難所が不足する場合には、県において、近隣市町村への避難所開設の要請や、災害時応援協定に基づくホテルや旅館の活用、また、県立高校などの県有施設を提供するなどして、避難所確保を支援することとしております。
また、物資の備蓄についても、県と市町村が連携して取り組んでいるところであります。例えば、水や食料については、それぞれの市町村において、地震被害などで想定している最大の避難者数の3日分を備蓄することとしておりますが、県においても2万5,000人の3日分を備蓄しているところであります。こうした備蓄物資については、県において毎年度、県の備蓄分について品目ごとに数量を点検するとともに、市町村の備蓄分の状況についても確認し、県全体の備蓄状況の把握を行っているところであります。
こうした県と被災市町村の備蓄分だけで不足する場合には、災害時応援協定を締結しているスーパーマーケット、ホームセンター、レンタル企業などからの調達や、他の市町村の備蓄分からの調達などで対応することとしており、また、より早急の対応が必要な場合には、被災市町村からの要請を待たずに、国や県が必要な物資を想定して届けるプッシュ型支援も実施することとしております。
なお、国や県が物資を被災市町村に届けるに当たっては、国が整備している物資調達・輸送調整等支援システムを活用することとしております。このシステムは、被災市町村による必要な物資の入力や、国や県による物資の手配状況の入力により、これらの情報が被災市町村と国、県において直ちに共有できることから、速やかな対応が可能となるものであり、毎年度、システムに習熟するための訓練を国、県、市町村が合同で実施しております。
また、迅速に災害に対応するためには、災害発生直後から県と市町村が緊密に連携を取り合い、情報共有を図ることが重要であります。このため、平常時から市町村との勉強会を開催し、被害状況などの情報を共有する重要性と、その手段について確認し合うとともに、地震発生時や災害発生のおそれが高まった警報の発表時などにおいては、被害状況などを把握次第、県に報告するよう、改めて市町村に注意喚起の連絡を行っているところであります。
また、被災市町村に県職員を派遣して被害状況などを把握するとともに、必要な支援を行うこととしており、昨年度、水害の発生した自治体に対しても、県や他の市町村の職員を派遣し、災害対策本部の運営や、住家の被害状況の調査、災害廃棄物の仮置場の設置などの支援を行ったところであります。
県といたしましては、今後も情報を共有するための連絡体制の強化と支援体制の強化に努め、災害時における市町村との連携に取り組んでまいります。
90
◯半村登議長 次に、林県民生活環境部長。
〔林県民生活環境部長登壇〕
91 ◯林県民生活環境部長 外国人向けの防災対策についてお答えいたします。
本県における在留外国人の数が過去最高を記録し、今後も増加が見込まれる中で、外国人が安心して暮らすことができる社会を形成していくことは大変重要でございます。
近年、気候変動の影響等により、自然災害がますます頻発化、激甚化しており、本県におきましても、今後発生するであろう災害から外国人の生命・財産を守るための対策を推進していく必要があると考えております。
このため、県では、茨城県地域防災計画に外国人に対する防災対策の充実を掲げ、各種の取組を進めているところです。
まず、外国人向けに防災や災害時に必要な知識をまとめた災害時マニュアルは、現在、やさしい日本語を含む15言語で作成し、ダウンロード可能な冊子として、県や県国際交流協会のホームページ上に掲載しております。
また、県の防災・危機管理ポータルサイトにおいて、9言語で防災情報を発信しているほか、県独自の我が家のタイムラインを外国人向けのやさしい日本語版を含む11言語で提供するなどの取組も行っているところです。
こうした情報発信の取組を1人でも多くの外国人の方に知っていただけるよう、引き続き県主催の会議など、様々な機会を捉えて周知を行いますとともに、県広報紙や市町村の広報紙、SNSなど、多様な媒体を活用し、積極的な広報に努めてまいります。
また、災害発生時における外国人の支援には、安否確認や避難誘導、避難所運営などに第一線で対応する市町村の役割が極めて重要となるため、県では、2021年度から市町村の職員等を対象に災害時外国人支援研修を行っております。今年度は2回開催し、まず、昨年5月に、災害時に外国人が困らないためにはどうするべきかについて基礎的な知識を学ぶ講義方式の研修を実施したところです。
さらに、11月には、水戸市のアダストリアみとアリーナで、同市在住の外国人の方にも参加いただき、災害時に多言語で情報発信する研修や、避難所に避難した避難者役となった外国人参加者から、避難に当たってのニーズをヒアリングするなど、支援につなげる実践的な研修を行いました。
この実践研修については、日本での被災経験がないなど、避難情報等を正しく認識することが難しい外国人と、外国人を支援する市町村職員の双方にとって大変有用であるとの声をいただいていることから、来年度以降、さらに充実した内容の研修となるよう工夫をし、より多くの方に参加いただいて実施してまいります。
また、外国人向けの防災対策では、災害時を想定した取組のみならず、平時に安心して暮らせるための相談体制の充実などの取組も大変重要です。
県では現在、県国際交流協会の外国人相談センターにおいて、生活全般の相談に11言語で対応しているところです。
加えて、このたび、本県に暮らす外国人に対する母語による相談・支援体制の強化を目的に、IBARAKIネイティブコミュニケーションサポーター制度を創出いたしました。認定されたサポーターの方には、外国人の身近な相談への対応のほか、例えば、気象情報や避難情報、被災者支援情報など、災害関連情報のSNSなどでの発信にも御協力いただくことになっております。
今後もできるだけ多くの方が、同じ出身国・地域、あるいは言語のサポーターの支援を受けられるよう、サポーターの拡充を進め、母語による相談体制や、災害時における情報発信の充実を図ってまいります。
県といたしましては、県内の外国人が安心して暮らせる社会の実現を目指し、情報発信や周知をはじめとする防災対策の充実にしっかり取り組んでまいります。
92
◯半村登議長 次に、一瀬警察本部長。
〔一瀬警察本部長登壇〕
93 ◯一瀬警察本部長 警察署が被災した場合の対応等についてお答えいたします。
初めに、災害対応に関する警察の機能について御説明いたします。
まず、警察本部においては、県内で大規模な災害が発生し、または、発生するおそれがあるときは、私を長とする災害警備本部を設置し、被害情報の集約、各警察に対する一元的指揮、救出救助部隊の編成及び運用、警察庁や他の都道府県警察との連絡調整等に当たります。
そして、各警察署においては、警察本部と緊密に連携しながら、被災地における避難誘導、救出救助、交通規制、防犯対策等の任務を遂行します。
さらに、警察庁においては、警察法等に基づき、被災地警察に対する応援部隊の派遣に関して、被災地警察及び派遣元警察との間の調整を行うこととされております。
このように、大規模災害が発生した場合は、地元警察署だけではなく、警察本部、県内各警察署、そして全国警察が連携し、一体となって対応いたします。
警察署が被災した場合であっても、救出救助や防犯対策といった警察署が担うべき警察活動については、隣接警察署を拠点として展開してまいりますので、これらの活動に大きな支障を来すことはございません。
次に、災害発生時の対応について、議員から御指摘のあった大雨による水害を例に御説明いたします。
水害に関しては、多くの場合、気象予報や河川の水位等から発生を事前に予測することができます。そのため、発生のおそれが高まった段階で警察本部に災害警備本部を設置するとともに、その指揮の下で、警察署が地域住民に対する避難誘導等を開始することとなります。
さらに、警察署の浸水が予想される場合には、無線機や車両等の資機材をあらかじめ高所の代替施設に移動し、被災地における活動拠点としての機能を維持することとしております。
なお、代替施設については、各警察署が地元自治体と協定を締結するなどして、複数の施設を確保しており、例えば、高萩警察署であれば、高萩市文化会館や北茨城市役所の一部を代替施設として確保しております。
そして、災害発生後は、警察本部の指揮の下で、警察本部や県内に27ある警察署から応援部隊を派遣するほか、災害の規模に応じて他の都道府県警察からも応援部隊が派遣されます。現に、平成27年の関東・東北豪雨では、鬼怒川の堤防が決壊するなどして大きな被害が生じ、1都12県から延べ約3,000名の応援部隊が派遣され、救助活動等が行われました。
次に、警察署が被災した場合を想定した訓練について御説明いたします。
警察本部においては、大規模災害を想定した災害警備本部の設置訓練を実施しており、その中で警察署に対する警察機能の移転に関する指揮や応援部隊の派遣、警察庁への援助要請等に関する訓練を行っております。
また、警察署においては、代替施設への移転訓練を反復継続して実施しているほか、移転先で使用する資機材の整備、災害の影響で道路が通行できなくなることを想定した移転経路の複数設定等を行っております。
県警察といたしましては、平素からこうした訓練やシミュレーションを行い、災害に関する警察機能を最大限に発揮できるようにし、救出救助をはじめとする災害対応に万全を期してまいります。
次に、ゾーン30及びゾーン30プラス等の取組についてお答えいたします。
初めに、当県において昨年発生した自動車と歩行者の事故のうち、歩行者が死亡した事故33件の特徴について申し上げますと、1点目、夜間の発生が76%を占めること、2点目、被害者に占める65歳以上の高齢者の割合が昼間は88%、夜間は68%を占めること、道路幅員5.5メートル以上の幹線道路での発生が94%を占めること、4点目、これらの事故の最大の原因は運転者の前方不注意であり、その割合は夜間では72%、昼間では63%を占めることが挙げられます。
このため、県警察では、昨年5月以降、幹線道路における高齢歩行者の保護を重点に、1点目、夜間の交通事故対策としての反射材の着用促進、2点目、昼間における交通事故対策としての横断歩行者妨害の取締り等を強力に推進してまいりました。その結果、取組を開始してから昨年12月末までの間の自動車と歩行者の死亡・重傷事故は、前年同期と比較して17%減少し、このうち、夜間の事故については29%の減少となっております。これらの数は、月別の統計が残る平成2年以降最少となっており、顕著な成果が現れているものと考えております。
次に、道路交通環境の改善について申し上げます。
冒頭申し上げましたとおり、昨年の当県における自動車と歩行者による交通死亡事故は、そのほとんどが幹線道路で発生しております。
しかしながら、例えば、昨年は、生活道路上において死亡事故には至らないものの、歩行者事故、全体の27%に当たる129件の事故が発生しております。生活道路における歩行者事故の発生には、それぞれの地区における道路環境が影響していると考えられることから、県警察といたしましては、議員御指摘のゾーン30等をはじめとする道路環境対策も進める必要があるというふうに考えております。
こうした観点から、県警察では、これまでにゾーン30を79か所、ゾーン30プラスを2か所整備しております。このうち、例えば、令和5年3月に整備した水戸市渡里町のゾーン30プラスについては、通行車両数が36%、実勢速度が13%、それぞれ低減しており、令和4年中に3件発生していた人身交通事故は、整備後は一件も発生しておりません。
県警察では、これらの効果的事例も踏まえつつ、ゾーン30プラスの整備を推進するとともに、道路管理者と連携しつつ、既存のゾーン30のゾーン30プラス化や横断歩道のカラー舗装などのハード面での整備にも努めてまいります。その際には、議員御指摘のゾーン30等の整備目的等の周知につきましても、警察署協議会や交通安全団体との会合の場において発信してまいります。
県警察では、引き続き反射材の着用促進や交通指導取締りといったソフト面での対策を強力に推進しつつ、ハード面での交通環境の整備に努め、生活道路における安全を確保してまいります。
94
◯半村登議長 次に、
森川保健医療部長。
〔
森川保健医療部長登壇〕
95
◯森川保健医療部長 HACCPに沿った衛生管理の適正な実施の促進についてお答えいたします。
近年、国民の食へのニーズの多様化やグローバル化の進展により、我が国の食を取り巻く環境が変化する中、食中毒の発生数が下げ止まり傾向にあることから、食品等事業者における、より一層の食品衛生管理の徹底が課題となっております。さらには、食品の輸出促進を見据え、国際標準に合致した衛生管理が求められているところです。このため、2018年6月、食品衛生法が約15年ぶりに大幅に改正され、国内の食品全体の安全性向上に向けて、HACCPに沿った衛生管理が制度化されました。
食品等事業者がHACCPに沿った衛生管理に、円滑に取り組める基盤づくりのため、国においては、食品製造におけるHACCPモデル集などを作成するとともに、各業界団体が作成した手引書をホームページに掲載して周知しております。食品等事業者は、これらの手引書などを参考にして、食品衛生上の危害発生を防止するための衛生管理計画を作成し、作業記録を取ることが求められております。
しかしながら、食品等事業者の中には、新たに取り組むこととなった衛生管理方法を実践していく中で、日々の作業記録を負担に感じている方もいます。こうしたことから、県では、作業記録を取ることは、衛生管理の重要なポイントが明確化され、効率的な衛生管理が行えることで、食品の安全性の向上、食中毒の発生防止につながるなどといった利点があることを日頃から説明し、理解の促進に努めております。
加えて、HACCP関連のリーフレットや手引書を配付し、適正な実施方法について周知を行うほか、食品等事業者向けの衛生講習会では、衛生管理計画の作成方法や作業記録の記載方法などの実例を説明するといった取組を通じて、食品等事業者への適切な助言・指導に努めております。
議員から御指摘のありました、コロナ禍以降に増加したデリバリーやテークアウトなど、多様化した食品提供を行う施設につきましては、改めて調理から提供までの衛生管理の徹底が求められているところです。このような施設への立入検査を行う際は、よりきめ細かな指導を行い、HACCPに沿った衛生管理の適切な実施を促してまいります。
また、食品等事業者の指導に当たる保健所職員の人材育成と資質向上についても、国が開催するHACCP指導者養成研修会への積極的な派遣を行うとともに、県内で発生した食中毒や違反食品に関する事例検討会を開催しているところです。
あわせて、県食品衛生協会との連携につきましては、食品等事業者に対し、助言や相談活動を行う食品衛生推進員との合同巡回指導を継続して行うとともに、県食品衛生協会が実施する食の安心・安全・五つ星事業など、自主的な衛生管理の取組の支援を行っているところです。
また、食品等事業者向けの講習会についても、県食品衛生協会と連携し、受講しやすい開催日時の設定や、未受講者への再受講通知の送付を行うほか、新たに、eラーニングを活用して受講率の向上を図ってまいります。
さらに、食品衛生推進員が巡回指導の際に役立てられるよう、最新の食品衛生事情や、HACCPに沿った衛生管理の適切な実施方法について情報提供などに努めてまいります。
県といたしましては、引き続き県食品衛生協会と緊密に連携を図りながら、HACCPに沿った衛生管理の適正な実施の促進に努め、県民の皆様のみならず、本県に来訪される方々にも食の安全・安心を提供できるよう取り組んでまいります。