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  1. 茨城県議会 2016-08-01
    平成28年総務企画常任委員会  本文 開催日: 2016-08-01


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2020-09-30
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                  午後1時開議 ◯横山委員長 ただいまから,総務企画委員会を開会いたします。      ─────────────────────────────── 2 ◯横山委員長 初めに,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。  森田委員と西野委員にお願いいたします。      ─────────────────────────────── 3 ◯横山委員長 次に,本日の日程について申し上げます。  本日の閉会中委員会における重点審査テーマであります「未来を拓く新たな価値を生み出すイノベーション県いばらきづくり」に関しまして,参考人の方をお招きし,意見聴取を行いたいと思います。  なお,意見聴取の進め方でございますが,初めに,参考人の方からの御意見をいただき,その後,参考人の方との意見交換を行いたいと思いますので,よろしくお願いいたします。      ─────────────────────────────── 4 ◯横山委員長 次に,新任の出席説明者の紹介をお願いいたします。  渡邊理事兼政策審議監。 5 ◯渡邊理事兼政策審議監 知事直轄で,去る4月1日付の人事異動により出席説明者の変更がありましたので御紹介します。  国際課長の山岸浩一でございます。  以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 6 ◯横山委員長 また,本日,今瀬企画部長から,矢口科学技術振興課長が私事都合のため欠席する旨の届があり,委員長においてこれを受理しましたので,御了承願います。  なお,本日の執行部の出席説明者は,議題に関係する課長等に限って出席を求めておりますので,あわせて御了承願います。  それでは,少しお待ち願います。                 〔平塚参考人入室〕      ───────────────────────────────
    7 ◯横山委員長 それでは,これより議事に入り,参考人の方からの意見聴取を行います。  御紹介いたします。  株式会社エデュケーションデザインラボ,代表取締役社長,平塚知真子様であります。  平塚様のプロフィールにつきましては,お手元にお配りしておりますので,ごらんおき願います。  平塚様には,大変お忙しい中を本委員会に御出席いただきまして,まことにありがとうございます。委員会を代表して心から御礼申し上げますとともに,忌憚のない御意見をお述べくださるようお願いいたします。  なお,説明にはスクリーン画像が使用されますので,見えにくい場合は適宜,席を移動してごらん願います。  それでは,「茨城から女性の働き方を変える-スマートワークビズ-」について,御意見をお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 8 ◯平塚参考人 平塚でございます。本日はお呼びいただき,ありがとうございます。  それでは1時間いただいておりまして,こちらのテーマ,「茨城から女性の働き方を変える-スマートワークビズ-」ということで,当社が取り組んでおります新しい働き方について御説明させていただきたいなと思います。  私,1999年につくば市に転勤してまいりまして,翌年,「ままとーん」という子育て支援のNPOを立ち上げました。当時,つくば市の職員の方はもちろん,県の職員の方にもすごくいろいろなことを教えていただいて,本当にただの専業主婦だったんですけれども,この間ずっと毎日子育て中のお母さんだとか,この世の中を,自分たちのできることを,できるだけ1人ずつちょっとずつやると世の中変えられるということをやってまいりまして,それで,今,会社をつくって10年目なんですけれども,ようやくこういった形に落ち着きましたので,ぜひ聞いていただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。  まず,今のこの世の中についてなんですけれども,皆さんは本当に御承知おきのとおり,今,人口減少化社会ということで,私も昨年,まち・ひと・しごとで地方創生の委員会とかに出させていただきましたが,このままで行くと本当に人口減少化社会になってしまって働き手がいなくなる。女性にもぜひ活躍してほしくて,仕事をしてほしいということで,各方面から,かつてないほどの期待が高まっている状況だと思います。  実際のところ,日本は有名なM字曲線という形で,子どもを育てたり,結婚したりすると仕事をやめてしまって家庭に入ってしまうという方が多いということですが,最近は大分,このMもへこまないでそのままお仕事をされているという方がふえております。ただ実際のところ,やめるか,続けるかの二者択一,やめない方は余り子どもを産まないという状況になっていまして,やはり子育てをする方は仕事をやめる方がほとんどです。  次のスライドですが,実際のところ,女性の活躍を期待したいという声はすごくあるんですけれども,実際に出産を機に家庭に入った主婦の本音ですとか,現実的な課題というものを余り御理解いただいていないと言わざるを得ないような施策しか現在はないと思っていまして,このままでは,やはり女性が社会に出てもう一度活躍するというのはなかなか難しいなと,誰もやってくれないんだったら自分たちで,女性の立場から何か新しい案を考えようということで,今回,こういったスマートワークビズというものを立ち上げるに至りました。  実際のところ,今,大体子どもができたら3分の2の方がおやめになっています。ところが,やめた方の本音というのを,これ2014年のリクルートジョブズというところの,主婦1万人に対する就業に対してアンケートをとった結果というのが非常に大きく報道されたので,御存じの方もいらっしゃるかもしれないんですが,実際に家庭に入ってしまった主婦の86.2%が働きたいと実は思っている。ところが,いざ働けているのかというと,不安があると,育児との両立には不安があると答えている人が93.7%ということで,ほとんどの方が一旦家庭に入って専業主婦になってしまうと,もう一度復帰するのに対してすごく不安を抱えているということなんです。  こちらのスライドのほうが,配付資料にしていただいて全く同じものですので,こちらのほうが見えなければ,お手元の資料を見ていただきたいんですが,ここの5ページ目のスライドで一番言いたいのは,家庭に入った主婦の方が一体何を考えているかというと,働きたいんだけれども,フルタイムでばりばり働きたいかというと,全然そうではないということなんです。現実的に働いている人,子育てしながら働いている人の約55%はアルバイトやパート社員ですし,逆にこれから働きたい,もう一度復職したいと思っている方の75.9%,ほぼ4分の3がパート・アルバイトで働きたいと言っているんですね。  これはなぜかと言いますと,家庭を大事にしたいという気持ちがすごくあります。また,自分を成長させたいとは思っているけれども,扶養の範囲でまずは働きたい,あとは,余りばりばりやって子どもが熱を出したときに断らなければいけないとか,あと失敗したくないという思いがすごく強くて,まずは自分のできる範囲で戻りたいと思っていますし,あと,この上の小さいグラフは,理想と現実で実際にどれぐらいの年収をもらえば満足かということなんですけれども,皆さんは幾らぐらい主婦が稼ぎたいと思っていらっしゃいますか。  大体100万円未満でいいやと思っている方が,最低でもこのぐらい欲しいと思っている年収が100万円未満で44.5%です。なので,2人に1人は100万円,月に七,八万円稼げればいいやと思っているんですね。100万円から200万円未満という方が42%なので,何と女性の8割近い方が200万円以下で満足と思っていらっしゃると,自分の能力だったら最大限このぐらい稼げると思っている数値になると,200万円というところもままふえるんですけれども,でも現実としては,なかなか子どもを育てながらは難しいだろうと考えているというわけです。  今の政府の施策は,女性のリーダーということで,女性管理職をふやそうということなんですけれども,その施策は施策としていいんですが,やはりM字曲線で一旦家庭に入ってしまった主婦をどんなふうに救うのかと言いますか,そういった200万円の年収でもとにかく社会に出てもう一度稼ぎたい,子どもの塾代ぐらいは稼ぎたいと思っている方を,どういうふうに今後社会に戻していくのかということは,すごく課題だと思います。  実際に働きたい専業主婦の方は300万人を超えているといわれています。この方々が仕事を選ぶ際に重視する項目なんですけれども,この青いものは場所ですね,そしてオレンジのものが休日,時間とか働き方をイメージしていまして,何と1位が転勤がないこと,通勤の便がよいこと,勤務地が家から近いということですね。それから,4位に休暇をとりやすいこと等々,やはり家庭を重視してワーク・ライフ・バランスというんですけれども,家庭のほうを重視して,できるだけ子どもや夫に迷惑をかけたくないと思っているからこういった結果になっていると,これを踏まえないと,今,時間で主婦の方を雇用されて,勝手に休まれると困るという会社が多いと思うのですけれども,子どもが熱を出したときとか,親がちょっとぐあいが悪いというときに柔軟に対応できるような会社の仕組みにしない限り,なかなかこういった層を取り込んでいくのは難しいだろうなと思います。  両立の悩みで一番大きいのが,40%近い方が,子どもが病気になったときに仕事を休めるかということをすごく気にしています。また,仕事に対する不安の大きさ,先ほど9割近い方がほぼ100%の方が不安だと言っていましたが,その不安の大きさなんですけれども,ブランクといいまして,全く子育てだけに集中して仕事を一個もしないと,無職のような状態をブランクというと思うのですが,そういったブランク期間が長ければ長いほど不安が大きくなるということで,本当にITの進化のスピードとかも速いですし,ちょっと1年,2年会社を休んで休職しているだけでも,もう戻れないかもしれない,私はついていけないかもしれないという不安が強くなってきます。  また,女性の本音というところで,今長々と調査結果を御紹介しているんですけれども,女性が何を考えているかというと,仕事は,だからお金が欲しいわけではないんですね,どちらかというと人に感謝されたいとか,与えられた仕事をミスなくこなしたときに,すごく仕事にやり甲斐を感じる,また上司に褒められたときとか,あと自分の目標を達成したときということで,やはり他者からの承認,結局,家庭の中で専業主婦というのはある意味王様でして,子どもに対しても,夫に対しても,割と自分の自由気ままに決めたとおりに毎日の生活を組み立てていけるんですけれども,一方で社会から認められたい,自分も価値のある人間として報酬をもらって,そして自分にできることを果たしたいという気持ちがすごく強いと思うのです。こういった形がすごく,これはリクルートジョブズさんの調査なんですけれども,私自身「ままとーん」という子育て支援のNPO法人を立ち上げまして,育児情報誌をつくったり,イベントをやったり,そのときに彼女たちは全然報酬を受け取らないんですけれども,なぜあれだけ大きなイベントを無償でやれるのかというと,やはりやり甲斐ですとか,自分がそれをやって参加して,自分にもできちゃったとか,みんなが喜んでいるといったことがすごく意義があると感じていただけるから,参加してくれるというわけなんです。  そういった気持ちがすごく伝わってきますし,実際に自分たちでできることをやって,自分たちがやってよかったということを一個一個やっていく中で,この調査の結果というのはすごく私たち専業主婦の気持ちをそのままあらわしているものだなと感じます。  ここまで,現在の専業主婦の皆さんの本音のようなものを,リクルートジョブズさんの調査をおかりして御紹介してきたんですけれども,私自身は子育て中で,子どもが小さいのにどうして育児情報誌を発行したりとか,あとイベントをやったりとか,何でできるのと言われてきたんですけれども,それはIT技術のおかげだったと思います。  何でかというと,会議で子どもがわーんと泣いて帰らなきゃいけないといっても,その後,ファクスで議事録が送られてきたりとか,あるいはメールを使うことによって,家で原稿を仕上げて必要な人に見てもらって,それで問題なく仕事が進むですとか,とにかくテクノロジーを上手に家の中に入れて活用したおかげで,できないと思われていたことができるようになりました。  さらに,現代,もっともっと便利になっています。クラウドと今すごく言われていますけれども,クラウドを活用することで,本当に時間と場所の制約を超えることができると思っています。自宅で働くことができますし,9時5時以外の働き方ということも実現できるようになっています。これによってワーク・ライフ・バランスを実現することができると思います。  仕事というのは,1時間働きに行ったら時給900円とか1,000円がもらえるというのがお仕事なんじゃなくて,やはり自分ができることを,社会の中で自分の価値を提供して報酬をもらうということが仕事の本当の意味だと思っていますし,また,家庭と子育てというのは,自分以外に取りかえがきかない役割,お母さんというのは,ほかの誰もできない,自分の子どもの親というのは自分しかいない。そういう中でやり甲斐というか,その子どもをいかに育てていくかというところに,長い時間を,10年とか20年を通して1つの人間関係をつくり上げていく大切な仕事だと思います。  こういったものを両方とも大切にして幸せな人生を創造するということが,ワーク・ライフ・バランスであって,仕事が忙しくて,仕事でも一生懸命やりたいし,子どもの面倒もちゃんと見たい,でもできないといって,サイボウズさんという会社が動画をつくって,CMで流してすごく有名になったんですけれども,ああいうぎりぎりの中で無理をしながら,いっぱいいっぱいでやっている方が,今,すごく働いている方などは多いんだと思うのですけれども,やはり人生の中で子育てを優先させて仕事の割合は小さくする,ある程度子どもが大きくなっていったら徐々に仕事のほうをふやしていく,そういった働き方が選択できれば,子育てしながら働くという当たり前のことが,今できない社会が日本と言えると思うのですけれども,それを変えていく新しい考え方として,このITをうまく活用するということが欠かせないと思います。  私,仕事柄,2014年にGoogleAtmosphereというグーグル社が公式のイベントを毎年やっているんですけれども,そこにスタッフというか,出展者側のお手伝いで参加させていただきました。そのときに,2014年に初めて「仕事の“幸福度”が高まるWorkSmart」,賢く働けというコンセプトですけれども,それが発表されました。これを聞いて本当に衝撃を受けまして,グーグルが言うには,もっともっと女性は柔軟に働けると,テクノロジーを上手に使うことで,もっともっと幸せになれるんだよという呼びかけをしたんですけれども,まさにこの働き方が,2年たった今もどんどん広がりを見せていまして,日経さんとかでもやっているし,朝日新聞のAERAさんとかでも,女性の働き方ということでコミュニティーをつくられてどんどんやっています。あと,埼玉県などでも在宅ワークということですごく取り上げて,県ぐるみで取り組みを進められているんですね。  私自身は,「ままとーん」をやっていたというのがきっかけで,創業してことしで10年目なんですけれども,2年目のときに,在宅でテストのマルつけをするお母さんたちを組織できないかとお話をいただきまして,それでデジタル採点といって,子どものテストをスキャンしまして,それでインターネット上において,貸与されたパソコンにデータをダウンロードするとテストの答案が映るんです。そして1がマルで2がバツという感じで,1,2,1,2とマルつけをしていくというのがデジタル採点なんですけれども,当然近年は記述式,ただのマルつけではなくて,長文読解とか,英作文とか,そういった頭を使わないとマルつけができないといったものがふえてまいりまして,それをつくばでできないか,つくばの若いお母さんたちならできるはずだということで,何十年もマルつけをやっている会社さんなんですけれども,やはりベテランの方はITに余り対応できないということで,つくばは新しい支所として8年前にお声がかかったという状況です。  私自身はこのデジタル採点をうまくやらせるために,やはり情報の共有,タイミングよく必要な人に必要な情報が必要なときに届くという仕組みを,ITでつくりました。それのおかげもありまして,あと,つくばの真面目なお母さんたちの気質も功を奏して,年々売り上げは拡大して,現在,うちの売り上げの約半分がこの,高々1枚マルをつけますと50円とか60円でマルつけをしております。でもそれを何十万枚とやるんですね。  繁忙期のときとかは,本当に徹夜が2日,3日と続くというぐらい,入試の前にテストを受けますので,12月,1月が一番繁忙期なんですけれども,そういった形で人数をふやしてまいりまして,今,60名ほど採点だけをやっている方がいます。  こういった経験もそうなんですけれども,私,もともと「ままとーん」で子育て中のお母さんたちに,1つの目標に向かって仕事をしていただくというのを長くやっていまして,お母さんたちには,みんな最初にお誘いすると,私にはとてもできませんと言うんですよ。時間もないし,能力もないし,そんなこと絶対無理ですと言うんですけれども,あなたは,こういうことをこれぐらいのことだったらできるよねといって,やることをあらかじめちゃんと提示して,ここまでやっていってくれればいいからと,ある程度のどこまで持っていったら合格なのかということをお示しするんですね。そうすると,そこまでだったらできるかもとか,あと,もし子どもが熱を出したり,自分の具合が悪くなったらかわりの人はいると聞くんですね。なので,いますよと,もうそうなったら言ってください,嫌になったら言ってください,できないなと思ったら言ってください,やらなくていいです,かわりの人をちゃんと紹介しますという感じで言うと,みんな,じゃあやってみると。やっていただくと,当初の見込どおり,いや見込以上,120%,130%と実力を発揮して,すばらしい成果を上げてくれるわけです。  真面目な女性って,そういうところがありまして,自分ができないかと思うことを約束しないんですね。なので,ゼロか1かになってしまって,そこを0.2ミリぐらいで刻んで低い階段を提示してあげることで,気がついたら半年から1年やっていただくと,物すごく優秀なスタッフが誕生するということを長くやってまいりまして,まさにそういう1人1人が考えてやってくれるので,1の力を,100人集まれば1の力も100になる,なかなか1人で100の力を出すというのは無理だと思うのですけれども,やはり多くの人の力が集まって初めてできることがあるということが,私の信条になっています。  2008年からデジタル採点を始めまして,現在も写真のように,若い方から,それなりに年配の方がスタッフにおりまして,もともと会社を立ち上げた当初は育児情報誌を出版して,「つくば教育ガイドブック」みたいな本をつくったりしたんですけれども,やはりマーケットが狭過ぎて全然仕事になりませんで,それは2年で畳んでしまいました。  あともう1個,うちの事業の柱となっていたのがNetCommonsというソフトウエア導入を支援するという仕事で,そのNetCommonsが何かといいますと,国立情報学研究所という文部科学省の直轄の研究機関がありまして,その研究所が開発したオープンソースソフトウエアです。そのホームページが,自動パン焼き機みたいに専門知識がなくてもホームページがつくれるとか,あと最近ですとeラーニングといって,動画をとっておいて,あらかじめその会員だけがアクセスできるところにその動画を入れておくことで,その動画を見れば直接何回も教えなくても理解してもらえるという,メンバーの育成などに使いますけれども,そういったものをソフトとして国が国家プロジェクトで開発しまして,ちなみに,今,このNetCommonsは茨城県の県立高校全てがお使いいただいていますし,土浦市の小中学校も全て使っていますし,あと,大子町とか古河市の小中学校も全てNetCommonsというソフトを使って学校ホームページを運営されております。  そのNetCommonsを開発された新井紀子先生のところに,私,勤めていたことがありまして,その絡みで15年間ぐらいですか,ずっとNetCommonsの導入サポートをやってまいりました。  そのシステムのメンテナンスですとか,初期画面の構築といったところに,費用をいただいて現在もやっています。これは,10人いたら9人使えるソフトで,それをワーカーさんに使い方をお伝えすることで,専業主婦であってもすぐに使えるようになってしまいますので,そのインターネット上での情報共有というのを,在宅ワーカーさんとうちが自由自在に設計できるようになって,今に至るという感じで,現在,古河市の教育委員会は本当に総務省とか文部科学省のトップの方が視察に見えるほど,今,全国で最先端の学校教育のICT化を進めていらっしゃいます。  真ん中にいらっしゃるのが指導主事の平井先生,右側にいるのがNTTドコモの担当者の方なのですけれども,年に2回,教育ICTフォーラムを開催されていまして,本当にここ一,二年で急激に注目をされていまして,このプロジェクトに当社もかかわっております。ですので,学校教育におけるICT化というのも,すごくうちは専門分野でして,女性にしても,学校の子どもたちにしても,やはりこのICTという道具を,どんなふうに使っていくと皆さんがうまく使えるのかというのをずっと研究してきたような形になります。  ちなみに,このNetCommonsを開発された新井紀子先生が,右下に写っている真ん中の女性なのですけれども,このソフトウエアは女性が開発したすごく異質なものでして,通常ですとIT企業がつくるので,業界の常識にとらわれてつくるのですが,新井先生は数学者でいらっしゃるので,業界の常識全く関係なく,自分が使うとしたらこんなふうになったら便利だということで,理屈はわかっているのでコーディングさせたという代物です。ですので,通常のIT企業はちょっととっつきにくいということで,余り得意な方はいらっしゃらないのですけれども,今や全国の小中学校で一番最も導入されているのがNetCommonsで,シェアは10%を超えました。ですので,ソフトバンクさんとかドコモさんとかNTTさんなども,続々とNetCommonsのほうを扱うようになってきているのですけれども,できれば自分の開発したソフトを使ってほしいということで,なので,うちは一番NetCommonsに関しては詳しい会社といえます。このNetCommonsを使っているのが,結構うちの肝です。  2015年の春に,2014年にワークスマートというのを聞いて,あっこれうちでもやっているじゃないかと,デジタル採点だけじゃなくて,もっと可能性があるかもしれないと気づいて,昨年の春にスマートワークビズという事業をスタートさせました。  これはどういうビジネスモデルかというと,最近,クラウドソーシングといいまして,クラウドワークスとかランサーズという会社が上場も果たしたぐらい活気のある業界なんですが,そのクラウドソーシングですと,インターネット上で個人のワーカーさんと企業をつなぐという役割なんですが,当社はお客様とうちの会社が契約を結びまして,そこでいろいろな打ち合わせですとか,業務の要件定義等をして,そしてうちのほうで契約している,登録されている個人事業主の方にその仕事を紹介し,やり方を教え,それに必要なトレーニングなども当社で教えまして,納期とクオリティーの担保を当社がしてクライアントさんに納めるという形をとっています。  このため,スマートワーカーと呼んでいる在宅ワーカーさんは,自分で仕事をとってくる必要がありません。今,埼玉県で進めている在宅ワークビジネスは,全部在宅ワークでできることは教えるから,あとは仕事は自分でとりなさい,リスクも自分でとりなさいという感じで,普通なのですけれども,なかなかそれだと難しいのです。  営業とリスクマネジメントを不要にしたのが当社のスマートワークビズでして,この個人事業主は,実際に仕事をするときにチームで仕事をしていただくんですけれども,チーフと呼ばれるベテランのワーカーさんに,本来ですとうちの社員に当たるような役割を担っていただくというのが肝です。  この方に一般のワーカーさん,初心者の方とか中堅どころの方を上手に監督,訓練していただくことで,OJTのような形で,仕事をしながら,報酬をもらいながら覚えていっていただく。仕事をやりながらどんどんやっていく中で,失敗もしながら,そこをカバーするのはベテランの方がチームでやるので,結局,クライアントさんに失敗したねと言われる前に,チームでその失敗をつぶすという形でやっています。  クラウドソーシングビジネスモデルは,先ほど申し上げたとおり,企業がオンライン上のサービスサイトで仕事の情報を提供して,在宅ワーカーの方にエントリーしてもらって,それでここで業務委託契約が発生するのですけれども,これには隠れたリスクがありまして,クライアントさんにとってのリスクは,納期とか質とか,コンプライアンスがちゃんとこの人できるのかなというのを確かめるすべがなかなかないのです。  オリンピックのロゴじゃないのですけれども,すばらしいロゴができたと思って会社の方,喜んで使っていたら,一,二年たってぱくりだったというのがわかったら大変みたいな,結局一個人の方にお仕事を頼むので,安くは頼めるのですけれども,そういったリスクの担保をどうするのとか,あと,作業者に直接企業の方が指示をしなければいけませんので,指示をしなれている方が担当になればいいのですけれども,全く自分の会社のことを知らない方,一個人の方にお仕事を頼むので,この方の力量がないと,やはり10のことを言っても,3しか理解しない個人事業主が当たってしまうと,残りの7を何回でも自分が説明しなければいけないことになります。  逆に,このワーカー,働く側にとってもリスクがすごいありまして,結局,この人はこの仕事をするのに10の仕事があるよねと思うのだけれども,ここに書いてあることは3しか書いていないとすると,この方は初心者だったりすると,3の仕事でこの金額だったり,すごく時給がいいわと思ってエントリーしますね。だけど,なれている方だと,その3の仕事の裏に7があるということがわかるので,手を出さないのです。でも初めての方はわからないので,それで契約成立して頑張ろうと思って,この方から当然7もやるでしょうと言われて,あっという間に時給が300円ぐらいになってしまうということが頻発しています。  結局そういうリスクとかも全部自分次第になってきますので,自己責任ですね。なので,1回やると懲りて,余りそこに手を出さなくなるとか,やっぱり難しそうだという形で,結局のところ,今,100万人とか多分何十万人,20万人とか登録者がいると思うのですけれども,業会では大体そのうちの10%の人しか仕事ができていないといわれています。  当社の場合,100人のワーカーがいますけれども,現在,稼働率は95%となっていまして,全員の方にトレーニングをして,全員の方が仕事ができるような仕組みというのを心がけています。  このビジネスモデルを昨年6月に常陽銀行主催のビジネスアワードで発表させていただいたところ,379件中の第2位ということで選んでいただきまして,それでこのビジネスモデルはいけるのではないかということで,その後,約1年,ブラッシュアップを重ねているところです。  具体的にどんな仕事なのか,こちらは画面をごらんいただきたいのですけれども,これは実際にうちがお仕事をお引き受けしている,アンガーマネジメント協会さんの事例です。限られた方に見せるのだったらいいよということで,普通,ログインして関係者しか見られないところを,特別に許可をいただいてお見せさせていただきます。  こちらは御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが,最近すごくテレビにも出ていますし,怒りをどうコントロールすればいいのかということで,現在,まだ立ち上がって2年目ぐらいの協会なのですが,現在2,500人ぐらいの認定講師を抱えていまして,毎月毎月50人から80人くらいの新しい認定講師の方が誕生して,職場とか学校とか企業ですとかにご講演に行かれているという事例です。  こちらに,これは公式サイトです。普通にWebサイト上から見れるところで,これはずっとスクロールしていただきますと会員様サイトというリンクが張ってありまして,そこをクリックするとこの画面に行きます。この画面からがうちが管理しているNetCommonsのホームページになります。ここでIDとパスワードを入れてログインすると非公開の画面に出るのですが,こんなふうになっていまして,ログインすると,ここはグループスペースから下が全部ログインしている,IDを持っている人しか見られないページになっています。現在,3,000人ぐらいの認定講師さんが登録されているページで,ここの管理運営をうちが代行しています。  例えば,ここにありますけれども,このAMFT養成講座,これはアンガーマネジメントのトレーナーの養成講座なのですけれども,この入門講座というのが認定講師さんができる講座になります。この入門講座のデモを代表の安藤さんが1時間25分しゃべっているという,ここに動画が上がっています。それから,その入門講座を開催するために理解しておきたいことということで,1,2,3と分けて,それぞれ1時間1分,34分,18分という形で動画が整備されていまして,ここをクリックすると,動画が開いて何回でもその動画を見ることができるようになっています。  なので,このアンガーマネジメントさんは,この会員サイトをeラーニングの講座,教育用のWebサイトという位置づけで活用されていますが,それ以外にも協会から一斉にお知らせを出すとか,あと,公募情報といいまして,今度NHKで取材があるので,こういうテーマの方は名乗りを上げてくださいとか,ここでこういう雑誌の取材があるので,こういう経験がある人いませんかとか,そういったものを公募されています。  あと,1カ月の予定などもカレンダー,あと文書ですね,例えば規約が変わりましたというときにここで上げておくだけで,2,000人からの人が,自分の必要なときにそこに取りに来てダウンロードすれば,規約の変更とかもすぐそこで共有できるような形になっています。  これは,1分動画のところをクリックするとこんなふうになっていて,目次みたいになっていますが,これはそれぞれに動画がリンクされていまして,例えば一番最初のところをクリックすると,これは動画の場面です。Vimeoという動画を格納するWebサーバーがありまして,そこもうちが契約して,動画をとりました,USBメモリーが送られてきます,それを編集して動画のサーバーにアップロードして会員さんが見られるように設定して,できたら会員さんに設定完了しましたので見られますよとお知らせをするところまでを,在宅ワーカーさんが会員制サイトの事務代行みたいな形でお受けしております。  あと,よくあるのが,動画が見られませんとか,ログインできませんとか,パスワードわかりませんというのに対しても,うちのほうで逐一受けて返しているという,そういうすごく細かいのだけれども,1つ1つは些細な仕事なのだけれども,放置したり,ミスがあったりすると信用が失墜する,あるいは大事になってしまい炎上してしまうというものを防ぐようなお仕事です。  それから,これはもう1つ,協会ビジネスアカデミーといいまして,そういった認定講座を開催して講師の方が成長していくという,教育ビジネスを提唱している前田さんという方がやっている,そういうサイトなのですけれども,ここはWebサイトの運営と,それから,会員サイトの運営をNetCommonsで一元管理することができまして,一般公開されている,誰でも見られるページがホームページ,それから,右上のログインから会員のIDとパスワードでログインして,非公開で見られる会員サイトと1つのNetCommonsで同時にコントロールできるようになっていまして,それの運営代行もうちでやっています。  このバナーを設置したり,こういうニュース一覧をまめまめと,通常ですと1回更新するのに3,000円くださいとか,よくホームページを20万円でつくったけれども,その後,更新しようと思ったら1回当たり3,000円くださいとか,毎月1万円で月に1回だけA4,1枚分だけ更新しますよとかあるんですけれども,うちは何回でも,いつでもまめまめまめまめちまちまちまちま仕事をいただいて,大体相場の半額ぐらいでやっています。それはどうしてかというと,在宅ワーカーさんを使っているということと,NetCommonsでやると物すごく簡単にできるからなのですね。  やはり採用するシステムによって更新がすごく難しい,専門スキルが必要であるとなると,それを担当する人を育成するにも時間がかかりますし,お金がかかるのは当然,時間もかかります。でもNetCommonsを使っているおかげで,すごく安価にできるようになっています。  こちらも同じくログインした画面がこちらですね。ここの特徴は何かというと,このメニューのところを拡大しますとこんなふうになっていまして,会員・受講生専用ページについて,協会ビジネスアカデミー会員,認定講師大学,教育起業家育成講座,東京1期ベーシックコース,東京2期ベーシックコース等々となっていますが,これは今私が管理者のIDで入っているので全部出ていますけれども,例えばこの東京1期ベーシックコースだけを受講された方は,自分がログインするとこのメニューに,この一番上の会員・受講生専用ページについてというページと,東京1期ベーシックコースというところしかメニューに表示されないとなっていまして,自分が所属するグループしかアクセスができないということが簡単にコントロールできるようになっています。ですので,1つの団体さんの中で複数のプロジェクトを走らせているときに,このプロジェクトはこのメンバー,このBというプロジェクトはまた別のメンバーという登録を,簡単にWeb上で情報共有の場をつくることができまして,この東京1期ベーシックコースの方がログインすると,そこに資料が全部置いてあって動画も置いてあれば,面倒くさいことは一切ないのです。ログインして,そこのページを見に行ってください,そこに全部書いてありますといえば,二度手間,三度手間を減らせますし,メールで添付して送ってください,メールの添付がありませんでしたとか,文字化けしていましたとか,そういうことも一切なくて,全部ログインしてWeb上のクラウドのスペースから必要なものをダウンロードしてもらう,そういう仕組みをつくることができて,こういったものをこんなふうに設定すると,階層を分けて,こういうメンバーにして,こういう目的で使うのだったらこの機能を使うといいですよといったようなコンサルも含めて,うちのほうで引き受けています。  こちらが,今,すごい好調でして,毎月説明会をやっているのですけれども,クライアントさんの約8割の方が成約に至るという感じで,こちらの可能性もすごくあるかなと感じています。  ちなみに,金額的には今は月々7万円で,システム利用料込みで,大体20時間分ぐらいの作業費込みで,システム利用料,先ほどの動画のサーバーですとか,ドメインの管理とか,そういったもの全部込み込みでやっています。  ちょっと具体的にお見せしましたけれども,当社の一番言いたいことというのは,情報発信の仕組み化をしましょう。PDCA,プラン・ドゥー・チェック・アクションですけれども,皆さんホームページをつくられると完成で終わったと思ってしまうのですけれども,現代は日々,日々更新していかないと,この会社やっているのとか,ここの団体元気ないわねと見られてしまいます。チラシを配っても,チラシを見てWebサイトをチェックします。  ですので,やはりホームページの存在はすごく大きいので,できたら終わりではなくて,そこからいかに継続をするのか,いかに更新をしていくのか,いかに改善をしていくのかという仕組みまで考えて,このサイトをつくらなければいけないのですけれども,このときに,ITツールを何を選ぶかによっても変わってきてしまいますし,それをどう使うと一番効果が高く出るのかとか,あとITツールの使い方を知っている人手がセットされていれば,物すごく効率よく回ると思うのです。  それを全部これワンセットでスマートワーカーに教えて,もちろんチームワークですので,ベテランの人に,私も入って毎月1回,必ずアナログで顔を合わせたミーティングをやっていまして,仕事はWebでやるのですけれども,大事なのはアナログの人間関係,信頼関係だという信念のもと,毎月,必ずミーティングをやって育成をしているところです。  このサービスを導入することで,必要な人に必要な情報を必要なタイミングでお届けできないとか,ITがちょっと苦手なスタッフで,すごく優秀なのだけどインターネット関係が苦手という秘書さんは多いです。なので,ITの部分だけをお助けする。結局,ばらばらばらばら情報が,今,クラウドもすごく便利になっていますので,いろいろなクラウドに情報を入れていると,こっちはドロップボックス,こっちはフェイスブック,こっちはツイッターみたいになって,どこに何を置いたかわからなくなってしまうのですね。なので,組織で使う場合は一元管理されていないといけないので,その一元管理をする管理等をうちが代行しているということで,結果的に,それを全部統合するとコストは割安になるということで,ビフォー,アフターで言えば,アフターは関係者間の情報共有が非常に早くタイムリーにお届けできるようになるので,成功するスピードが格段に早くなります。やはり現代はスピードが結構命でして,同じことをやるにも,半年でやるよりも1カ月でやったほうが結果が絶対早く出るわけで,PDCAを早く回せますので,そういう意味でコスパがよくなって情報の一元管理ができて,ストレスが,何しろストレスがなくなりますね。  どこに何を置いたのかわからないとか,必要な情報になかなかたどり着けないというのが,すごく今皆さんお忙しいので,いらいらするもとです。そういったものを全部整理整頓してお届けできるようにする,まさにスマートデバイスを使ってスマートワークをする人材ということで,スマートワーカーを育成しております。  これ以外に,今,スマートワークビズでやっている事業としては,データ入力の仕事があるんですが,それもただの名刺のデータを入力するとかではなくて,こちらを御存じでしょうか,「ロボットは東大に入れるか。」というプロジェクトなのですけれども,人工知能の研究です。こちら,今,始まって3年目になっていまして,これは人工知能を東大合格させるにはどういう研究というか,どこまでできるのかということをやっているのですが,実は人工知能の頭をよくすることが目的ではなくて,人工知能が苦手とする分野はどこなのか,要するに人としてこれから人工知能に勝つためには,何を子どもたちに教えればいいのかという,そういう目的で研究がされていまして,実はこれは野村総研さんとか,本当に東大は入っていなかったかもですけれども,結構日本のかなりオールスターチームがオールジャパンで取り組んでいる研究で,これも国立情報学研究所がやっている研究で,研究のプロジェクトリーダーが先ほどの新井紀子先生なんですね。それで,今うちにもらっている仕事としては,この人工知能を賢くするためのデータ,要するに人工知能にインプットするデータを,要するに辞書をつくらないといけないのですね。人工知能が賢いか,賢くないかは,人工知能にインプットする辞書,人工知能がどういうふうに判断すればいいかというもととなる辞書が優秀かどうかで決まるということなのですけれども,その辞書をつくっている仕事です。  仕様がありまして,Web上から,例えばこれは世界地図と書いて,よくわからないのですけれども,鎌倉幕府という言葉を例えばこの人工知能に理解させるために,こういう要件で情報データを収集して辞書をつくってくださいという仕様があって,それを確実にうちのスタッフが入れてやったところ,ことしの「東ロボ君」という人工知能は偏差値をいきなり上げまして,今,上位20%に入るぐらい頭がよくなったということなのです。これもデータをつくる人間によって,いいか,悪いかが決まってくると言っていました。そんな感じで,データ入力でも頭を使う仕事をしています。  ということで,在宅ワークなのですけれども,従来は内職といわれていて,時給換算すると大体200円から400円,単純作業ばかりで低賃金で時給アップ,ステップアップというのはほとんどないでしょうといわれている仕事でした。  一方,高収入の業務委託というのは,例えば翻訳ですとか,通訳ですとか,いろいろ添削ですとかあると思うのですけれども,現在はクラウドソーシングによって英文契約書の翻訳なども時給333円でひどいというのが2ちゃんねるに書き込みがあったりとか,あと添削でも有名なZ会でうちのスタッフで8年目という人がいるのですけれども,やはり時給換算すると500円程度だといっていましたので,なかなか稼ぐのは難しいです。  じゃあ独立して個人事業主になって起業すれば,もっと稼げるのではないかといっても,リスクは自分次第,スキルアップも自己投資が必要ということで,なかなか一般の女性たちにはハードルが高いと思います。  そこで,このスマートワークビズで研修・評価・報酬体系を構築して,私たちが言っているのは専業主婦のスマートワークビズで働きたいという方に,あなたは一体月幾らぐらいお金が欲しいんですかと言うと,大体皆さん4,5万円とか,8万円とか言うのですね。そうすると,今の生活の中に時給1,000円だとして月4万円ほしいということは40時間働くということですけど,その40時間を子育てしながら,あなたはちゃんと仕事をすると切りかえて時間を生み出すことができますかと聞くと,無理ですとおっしゃるケースが多くて,結局,漠とお家で片手間に何かやればお金が稼げるという方は,うちはお引き受けできませんと言っていまして,結局,お仕事をするということは,相手のしてほしいことをして初めて報酬がもらえるので,相手がして欲しいことは何なのか,どこまでやれば合格なのかという,そういう要求に寄り添う能力を高めてくださいということ,あとは,組織で仕事をするためのスキルと考え方というのを身につけて,自分でも学んでどんどん成長していきたいですかということに対して,はっきりとイエスと,あと家族の協力は得られるかどうかということを聞いて採用をしています。そういう方はきっちり仕事をしてくれます。  初めのうちは,とにかく,ずっと専業主婦で子育てだけをやってきたので,まずは体験して徐々に段取りを覚えて,先ほど言った階段を細かく刻むというものを一個一個こなしていただき,いずれは一人前として仕事ができるようになったら,今度は先輩として後輩を育てて,そして同じ立場の人に,自分と同じようにできなかった人をできるようにしてあげる,行く行く子どもが大きくなったら,フルタイムの社員で正社員として復帰してもいいし,パートタイムに行かれるのも結構ですし,あるいは起業してもいいだろうし,自分は在宅は向いているということであれば,ベテランスマートワーカーとして,うちの方で長く勤めていただいてもいいですよという形で,まずは専業主婦の方を社会とかかわらせて一歩一歩覚えていただく,ITを使いながら覚えていただくということをやっています。  子どもと一緒に,あいた時間で,片手間でも,誰でもできるというのは,うちでは違いますよと,それは間違っていますと,バツと。うちが提案しているのは,自宅でIT技術を活用して,10分から数時間を仕事モードで,これ何の写真だといわれたんですけれども,要するに子どもと午前中思い切り走り回って遊んで,子どもが疲れて寝たところで仕事をしてくださいということなのですけれども,子どもが遊んでいて,ママってこっちを見ているのに,パソコンに向かって仕事をするのはやめましょうといっています。子ども優先で,ただ1日の時間の使い方というのを工夫すれば,子どもとの時間をたっぷりとりながら仕事をきっちりするということもできるはずだといっています。  なので,従来の在宅ワーカーさんとスマートワーカーさんの違いというのは,やはりお手本となる先輩が身近にいるということですよね。あと,仕事はオンラインでやるけれども,何かあったときに研修とか,会議は直接すぐに顔を合わせて相談できる人がいるという,そういうバックアップ体制だと思っています。  何よりも一番重要なのは,私たち何の役に立てるのかといったら,1日家庭でITを使ってわずか数十分しか働かなくともなぜ役に立てるのかというと,ITが余り得意じゃない経営者の方がたくさんいらっしゃいますし,でもITを使わないとレバレッジをかけることができないので,このコンテンツをWebツールにのせることで影響力は拡大しますので,やはりITを使うのはすごく重要なのですが,経営者の方はこっちのコンテンツを生み出す,どういう文章をWebサイトに乗せるのかということを考えていただく時間をつくっていただきたくて,Webにのせるのに,このタグはどうでとか,1つの動画をアップロードする,例えば30分の動画をアップロードするにも,大体1時間ぐらいかかってしまいますので,そういった時間は私たちが在宅でやりますよという形になれば,結構1カ月でならしてみると,1日数十分しかやらない時間もありますけれども,それでも時給換算すれば1,000円払えれば,10分しかやらなければ,その60分の1しかやらなくても,ちゃんと1,000円相応はもらえるという仕組みがつくれると思っています。  毎年,年に1回,御苦労さま会,お疲れさま会ということで,ワーカーさんからアンケートをとっているのですけれども,これ,ことしのアンケートの結果からなのですが,「他人を信頼してチームで仕事をする楽しさを感じました」とか,「さりげなくサポートしてくださるメンバーやチーフの存在にとても感謝しています」とか,「時間の使い方がうまくなり,人間関係も以前より柔軟に対応できるようになった」とか,あと,「時給換算で他の在宅ワークに比べ倍は稼げている」「使っているITツールの高度さに驚く1年だった」ということで,仕事を通して新しい世界を見ていただいているということで,このお金,やり甲斐,仲間,人間性,経験,スキルアップという6つの報酬を受け取れるのがスマートワークビズですと言っています。  これを,本当に2014年の春から始めまして,今やっと1年半がたったところで,ほぼほぼ型はできてきているのですけれども,これからはシステム化をしたりですとか,あと,大量生産といいますか,多くの方を一度に採用して研修ができる仕組みとか,何しろ評価と報酬の関係ですとか,そういったものをほぼほぼ決めまして,それで全国展開を図っていきたいなと。あくまで全国展開といっても,地域密着型で,その地域の核となる場所を決めて,そこに自転車で来られるぐらいの方が,コンビニみたいな感じですね,展開できるといいなと。  本当に子育て支援をやったときに,集いの広場事業というのがあったのですけれども,それと似たような感じで仲間同士で教え合いながら,ITを使って最先端のサービスをクライアントさんには提供できるような仕組みづくりというものを,今,一生懸命考えています。  大体専業主婦の方は300万人いるということなので,3人に1人,100万人がスマートワーカーになったら,女の人の働き方が変わって,子育てしながらでも多少,月に1万円でも3万円でも稼ぎながら社会とつながりを持って,ITの進化にもついていって,いずれ子どもが大きくなって手が離れたときには,ちゃんとその最先端の機器を使って仕事ができる,そういう人として雇ってもらえるというのはありなのではないかと思って,ちょっと大きいのですけれども,言ってみました。  これを,今,つくばでやっているわけなのですが,やはりつくばはブランドがあるみたいで,つくばでやっていますというと,頭のいいお母さんたちいっぱいいそうですねと言っていただけるのですね。実際,そういう方,多いのですけれども,つくばでないとできないというものもあるかもしれないのですが,先ほどの事務代行みたいなことだったら,普通の事務員でもちゃんとやり方を教えて,何がゴールなのかということをきちんと指導すればできるようになると思っていますし,何よりもやはりやる気だとか,人の役に立ちたいという気持ちがあれば,結構できてしまいます。  ITって,皆さんすごく難しいと,ここにいらっしゃる方は違うかもしれませんけれども,世間一般的にITって何かすごく難しくて,高くて,何か厄介とか思っている方が多いのですけれども,実はITはすごくばかで,決められた手順のとおりにやればうまくいくけれども,1個でも手順を間違えるとNGが出るという,その決められた通りにやることが大事なので,手順を覚えてしまえば結構早くできますし,誰でもできるのですね。  それで今,地方創生ですし,まち・ひと・しごとということで,仕事を創出するというので,つくば市のトライアル認定企業になったのですけれども,なかなか時間がかかるなというか,私としては,今,長野県と大阪のほうから,これをぜひ地方で展開するときには声をかけてほしいと言っていただいている事案があるのですけれども,できれば,まずは茨城県の中からこのできるところをふやして,それで茨城県内各所で展開できるというめどが立ったならば全国展開するとか何か,せっかく子育て支援でずっと,つくば,茨城県にお世話になっていまして,何か町おこし的なところに貢献できないかなというのはちょっと考えているところがあります。そういった意味で,もし茨城県のほうとうまく連携ができたら,また応援していただけるようでしたら,この仕事の仕組みというのを今後拡大させていきたいなと思っているところです。  ということで,きょうはお時間をいただきまして,ありがとうございました。 9 ◯横山委員長 ありがとうございました。  これより意見交換の時間とさせていただきます。  ただいまの御意見につきまして,委員の方で何か意見または質問がありましたらお願いいたします。  磯崎委員。 10 ◯磯崎委員 本当にありがとうございます。御丁寧に説明していただきまして,私からちょっと聞かせていただきたいのは,聞かせていただきまして,いかにこれから女性の方が,社会に孤立化しないで,自分もやり甲斐を持って認められて働きに行ける社会づくりをしていくかということを,改めて勉強させていただきました。  その中でちょっと教えていただきたいのは,在宅ワーカーということで,実際,最初はこんなことは私はできませんという方が,徐々に,徐々にその方のできる状態,そしてバックアップできる体制づくりを整えられるシステムということで,これについてはいろいろな仕事に対して,これから我々県議会としてもそういったことを企業と一体となってやっていくべきだと思うのですが,その中で1つ,社員の方,在宅ワーカーのわからなければ先輩方に聞ける体制,そしてまた実際,時には相談ができると。  そういったことを聞かせていただいて,社会との孤立も防げて,そして先輩とも相談できる,年にそういったみんなで,みんなでというのは難しいと思いますけれども,集まれる,そういう体制づくりというものが,もう少しそこを詳しく聞かせていただければありがたいのですけれども。 11 ◯平塚参考人 ありがとうございます。  うちではチームワークでお仕事をしていまして,お客さん別に専属のチームをつくっているのですが,チーフと呼ばれる方が複数のチームを面倒見る形になっていて,初心者,中堅,ベテランの方の大体今10人ぐらいのチームが2つあります。採点は9人から12人のチームが5チーム,それは国語チーム,英語チーム,社会チームみたいなのですけれども,そういう形でチーフを中心として10人から15人ぐらいのチームをつくっていまして,そのチーム別に月に1回は必ず顔を会わせたミーティングをやってくださいといっています。  それとは別に,そのチーフだけを集めて,私も入れて月に1回ミーティングを持っていますので,チーフは月2回集まっている,それくらいのペースで十分というか,やはり1カ月は結構早いので,余り頻繁に毎週とかやってしまうと負担になってしまうし,家から出るのは結構何だかんだ,子どもが熱を出したりとか,今だと夏休みなので,夏休み中は予定が合わないということで,チームのミーティングはなしにしています。  あとは,随時仕事のためにスカイプとかハングアウトというオンラインのチャットで,都度,都度開いたり,あと保育園が一緒という方とか,幼稚園が一緒という方も結構いらっしゃるので,幼稚園で子どもを送った後に延々とその仕事の話をされたりとか,そういうことはあるみたいですけれども,うちのほうでお願いしているのは月1ですね。 12 ◯磯崎委員 どうもありがとうございました。在宅ワーカーがそういったことで,みんなと,私は福祉の仕事をしていて実際皆さんが来て一緒にする体制になっているので,その辺が社会との孤立の部分で,いかに自分も関わり合いながらといったところが気になったところなのですけれども,言われてみれば,スカイプを活用されて,そうすると一緒にいるような感じにもなりますし,あとは今のペースというのが,今聞かせていただいてちょうどいいんだろうなということで,本当にいろいろ勉強させていただきました。  ありがとうございます。
    13 ◯平塚参考人 ありがとうございます。おっしゃるとおり,スカイプですと,自分がオンラインだと緑になっていて,夜中の1時に,採点などだと,結構夜中の1時,2時に何人かの緑のランプがついているだけで,ああ私以外にも仕事しているって思うみたいで,すごく1人でやらなきゃいけない孤独感はないと言っていました。 14 ◯横山委員長 ほかにございませんか。  川口委員。 15 ◯川口委員 御説明ありがとうございます。  一応お聞きしたかったのは,御社の場合は,女性の在宅は女性をチームで使ったということなのですけれども,そのチームが幾つかあって,まとめる方がいらっしゃるという話でしたが,女性だけのチームの場合は,ちょっとうまくいくのかなという感じがするのですが。いろいろな感情が入り乱れてというか,私など後援会で女性だけだとちょっといろいろな問題があるのですけれども,その場合はどうなのかなというのをお聞きしたいと思います。 16 ◯平塚参考人 するどい質問をありがとうございます。  なくはないと思うのですけれども,私たちは仕事をしていますと言っていまして,仲良しグループとかサークルではないので,この仕事を成功させるために協力し合いましょうみたいな感じでやっていて,そうですね,何でそういう問題が起きないのかが本当不思議なのですけど,ちょっとそういう和を乱すような方がいらっしゃると,10人のほかのメンバーからの無言の圧力があるみたいで,そういう方は結構やめていくのですよ。何か自己中な発言を何回も繰り返していくと,長くとも半年ぐらいでやめていますね。その辺は,私は全然口出しをしていなくて,チーフがやりやすいようにやってくださいといっています。 17 ◯川口委員 ありがとうございます。自然淘汰されているみたいなのですけれども,今後の展開で,茨城県内でと,私としては茨城県にチャンスをということを今非常にありがたいような気がするのですけれども,先ほど言ったように,御社の場合はデジタルを使って,それでも大事なところはアナログ会議でやられるというお話でしたけれども,ということは,茨城県内でも,全国展開するにしても,その拠点となるところの周りの方,会えるというのが大前提の1つのブロックごとにつくっていく予定だということで考えてよろしいですか。 18 ◯平塚参考人 基本はそうしたいと思いますし,そうじゃないと,やはり何か起きたときにすぐ来て一緒に相談しようみたいなときに,ここから1時間とか2時間とかいうと,やはりフォローができないのです。どうしても毎月会っていますと,皆さんも多分そうだと思うのですけれども,何かこれ言わなくていいかな,報告しなくていいかな,多分いいのだろうけれども,ちょっと気になるなみたいなときに顔に出るのですよ。それで何かちょっと口ごもっているので,どうしたのと突っ込むと,聞かれちゃったから言うかみたいな感じで言うと,それ結構大事になりそうなトラブルの予感のような,そういうことがありまして,なので顔を合わせてもう一歩踏み込んで,大丈夫,元気にやっているとか,ちょっと無理し過ぎていないとか,そういうことが言える関係というのは顔をあわせるのがすごく大事だと思っているので,そこはなくても回るんでしょうけれども,うちはそこを大事にして展開したいなと思っているので,そのつもりで。  多分3,4年とか5年ぐらいたって,ある程度,仕組みがすごくちゃんとうまくいったら,そういう全然遠い方でミーティングに来れませんという方も,そのころにはスカイプ会議とかで簡単にWebでミーティングができるようになっているとすれば,ありだなと思います。実際に本当に体験すると,1回会った人であれば,全然問題なく会議できるのですね。そういう実験もやっていまして,それは本当に思うので,改善されるかもしれませんけど。 19 ◯川口委員 ありがとうございます。  あと,平塚さんが先ほどおっしゃった,つくばという土地柄なんですけど,今,立ち上げてやられているのは,つくばでやられているので,そのつくばの優秀な方が,私が考えると平塚さんのように,優秀な方が入ってきた,奥さんも優秀で,そういう方がやられているので,うまく運んでいるということもあるのかなという気がするんですけれども,先ほど平塚さんは,そんなことはなくて,どこでもできるのではないかとおっしゃっていたけど,その辺はどうなんでしょう。 20 ◯平塚参考人 多分,できる仕事とできない仕事があるのかなと思っていまして,ホームページの更新代行とか,eラーニングサイトの運営代行とかは,多分全然できます。ただやり方を教えてもらわないとわからないと思うし,あと,皆さんもそうだと思うのですけれども,インターネットは,やっている人はああなるほどああいう感じねとなるのだけれども,1回もやっていないと,イメージがわかないですよね。なので,そこら辺をどういうふうにやっていくかというと,体験していただくしかないので,このITを使うことで,こんなに便利なんだよねというのを腑に落ちると,すごくサポートの仕方もしやすくなると思うので,そういう教育のプログラムというものがすごく大事だと思うし,あと,そこに女性ならではの失敗したら嫌だとか,優秀であればあるほどプライドも高いので,結構何か難しいんですけれども,そこら辺は逆に同じ立場だからわかるところもすごいありまして,私はつくばで子育て支援をやる前に山形でやっていまして,山形市で1回立ち上げているのですね。そのときも全然できましたので,むしろ本当に個性が違うというか,そこは地域の会社は地域のワーカーさんが支えるというのがいいのではないかなと思っています。 21 ◯川口委員 ありがとうございました。大変興味深い話でありがとうございます。ぜひとも,茨城県にチャンスを与えていただきたいと思います。ありがとうございます。 22 ◯横山委員長 ほかにございませんか。  井手委員。 23 ◯井手委員 何点かお伺いいたします。  確かにeビジネスというか,スマートビジネスといった在宅ワーク,すばらしいと思うのですが,今,平塚さんがいみじくもおっしゃっていました,最初の立ち上げをどういうふうにするかというのは,すごく難しいと思うのです。  例えば,つくば市に御社がある。サポートがすぐに自転車で行けるぐらいの距離のところである。ところが,そういう企業様がないところ,もっと言えば,本来であればこういう1つの在宅ビジネス等は,茨城県で言えば県北の地域であったりとか,なかなかそういう会社がないところでもネットを使えば,ある意味では,先ほどもこちら側の話だけれども,全国から,全世界から仕事がもらえるよねというのが本来のうたい文句であるんだけれども,逆にそういうところに住んでいる方にとってみれば,やっとネットは来たけれども,例えばスカイプといわれても,スカイプってどうやって立ち上げるのという,その方々が圧倒的に多いのが現実だと思うのです。最低限スカイプが使えるようにしましょう,ネットが使えるようにしましょう,ウインドウズでもマックでもいいのですけれども,パソコンが使えるようにしましょうというところまで誰がやるんだというところは,実は本当はそこが一番問題であって,それがある程度,ファンダメンタルなプラットフォームとして皆さんが共有できれば,まさに平塚さんのような人がぽっと手を挙げれば,それは日立市でも大子町でも,どこでも手が挙がるのではないかと。  ところが,そこまで行くのはどうするのか,それは誰がやるのか,例えば平塚さんの会社のパートナーの会社が大子町なら大子町につくって,そこで仕事を始めましょうといっても,逆にそこでは在宅ワークをしてくれるような人が少なくて仕事にならないとか,いろいろな課題があると思うのです。  そのある一定のところまで専業主婦の方を引き上げるために,これは行政がやるべきものなのか,また民間の企業に100%お任せするものなのか,例えばNPOだとか何か中間的な方々がやるべきものなのか,そういうもののイメージというのは,ちょっとこれは今のお仕事を離れていただいて,もう少し具体的に言うと,例えば大子町でそれを立ち上げようとしたら何が必要ならば立ち上がるとお考えですか。 24 ◯平塚参考人 ありがとうございます。本当に現実的に考えると,おっしゃるとおりだと思うのです。  1つ,まずそのスカイプを立ち上げようと思ってもということなのですけれども,実際,今,つくばのお母さんたちはすごく優秀そうなイメージがあるかもしれないのですけれども,彼女たちも同じで,ログインはどうするのですかとか,ダウンロードしたファイルがどこか行ってしまったのですけどとか,そこからお教えするので,そこは余り大子町でもつくば市でも,実は専業主婦の方ってIT苦手という意識が強くて,何かあるとすぐパパーという方が多いのですね。なので,そこは割とつくば市でやっていても変わらないのかなというのが1点。  あと,そういう方でも,手取り足取り3カ月ですね,3カ月ちゃんとサポーターがついて,忘れてしまっても教えて,また忘れてしまっても教えてとやっていると,3カ月ぐらいで結構一人前になるという事例がうちにあります。  その方は龍ケ崎市にお住まいで,子どもが大学に入ったので時間はたっぷりあって,だけど駅まで送り迎えしなきゃいけないから,どうしても家を離れられない,これからもしかすると介護も発生するかもしれないという中で,在宅ワークを今からできるようにしたいという思いがあるので,絶対に月1のミーティングは絶対に来ますということで,来ていただいて,その方は本当に最初すごく自信なさそうで暗い顔だったのですけれども,会うたびに顔色が明るくなって,今は3カ月たって,本当に結構いっぱし頑張ってくれています。  なので,必要なものは本人のやる気と,もちろんWeb環境もありますけど,あとは教えてあげる,伴走してくれる一緒のチーフみたいな役割が本当に必要だと思います。なので,その仕組みが最初のうちは,つくばを中心にフォローしていくと思うのですけれども,それぞれの地域でそういう方が育ってくれば,大体3カ月から半年の間に多分第1世代が育つので,多分一,二年の間には,ちゃんとその場所だけでもリードできる方がふえると思っています。  あと,行政がやるべきか,企業がやるべきかという話なのですけど,やはり私の感覚としては,産官学民とすごく言われていて,実際うちも筑波大発ベンチャーで,応援していただけると信用度が全然違うので,つくば市でトライアルですよとか,常陽銀行さんがビジネスアワードで表彰してくれましたよとか言うだけで,すごく信用が違うと思うのです。特に在宅って,だましてパソコン買わせてどろんみたいな,そういうところがすごく多いので,賢いお母さんたちは,まずみんな疑ってかかるのですよ。  そういう中で,なぜうちに来たのというと,平塚さんは「ままとーん」やっていたからとか言ってくれるので,やはりそこは信頼関係がすごく大事で,そういう意味では行政の力といったら,今,市を挙げてこのビジネスを立ち上げできるように応援しているのですと言っていただけるだけでも全然十分ありがたい。  あと,ネットワークのことは,古河市が実は余りネットワークが十分でなかったのですけど,今回,古河市の教育委員会は一念発起しまして,こういうことをやるのだといって,年間の事業規模で2億円ぐらいだと思うのですけれども,それを立ち上げて議会を通したのですね。そうしたら,NTTさんが,NTTの負担で1個アンテナを立てたのんですね。アンテナ立てるってよくわからないのですけれども,そういうのを立ててネットワークのインフラを整えるのがNTTの仕事だからということで,そこは一切もちろん古河市の負担はなく,それを平井先生が持って来ちゃったのですね。  だから,やはり何をしようとしているのかとか,何のためにそれをやろうとしているのかというところで共感を得られて,それがビジネスとしても今後発展していくかもしれないと思えば,多くの方の協力は引きつけられるというのは,本当に古河市の平井先生から学ばせていただきましたし,あと,そういう意味ではつくばで学校教育でICT使ってやっていますって,どこも,つくばだからでしょうとか言うのですけど,古河市でやると,じゃあうちでもできるかもとおっしゃるのですね。  でもそれは,古河市が本当にちょうど平均的な市町村で,実際に私も今,三和東中学校に入らせていただいて先生方のを見ているのですけど,本当に別段今まで全然ITは得意ではなかったけれども,これを古河市がやるのだという思いに共感して,これからの子どもたちの未来はICTをうまく使えるようにならないとだめだというところに共感された方々が,すごく使い始めていて,今までどうしても子どもたちに考えさせるとかできない先生,ついつい自分がわあっとしゃべっちゃって,子どもが置き去りにされちゃうという英語の先生がいらしたらしいのですけれども,そのITのツールを入れて,子どもと対話しながら授業が成立するように環境を切りかえたら,その先生も今は3カ月目で授業のスタイルが全然変わったと,教頭先生がすごく,この間の授業見学でびっくりされていたのですけど,変わるじゃんみたいな,変われるじゃんみたいな感じで,なので,目的,何をしたくてこれをやっているのかというところは,きちんと目標を立てたら,それが実現するように見ていかなきゃいけないと思うのですけれども,どんなことでもやってみないとわからない問題は山ほどあるので,まず始めて,それでだめだったら諦めるし,だめもとといいますか,改善できてもっとよくできるようになったら,そこは改善すればいいのではないかと思っているので,その土地,土地に応じて全然違う問題が,つくばはつくばならではの問題が起きるし,大子町なら大子町ならではの問題が起きると思うのですけれども,そこは大子町にいらっしゃってスマートワークをやろうと思っている人たちで一生懸命考えて乗り越えていけばいいのではないかなと思います。 25 ◯井手委員 月1のミーティングというところが,やはり1つの肝なんだと思います。そこに集まって来れるか,来れないかというだけでも大きな差になってくると思いますし,そういったものを,ネットは距離の壁がないと言っても,月1なら月1のミーティングがないと,距離の壁は結果的には破れないところもあるなというのがあるので,そこは1つのいろいろなケースを考えていきたいと思っているんですね。  最後に時間もありませんのでNetCommonsについて1つだけ聞きたいのですけれども,なぜタブレットなのですか。要するに機器は,何でウインドウズのタブレットを使っているのですか。 26 ◯平塚参考人 NetCommonsはウインドウズでもアップルでもクロームブックでも大丈夫です。インターネットに接続しさえすれば使えるソフト。 27 ◯井手委員 古河市はタブレット。 28 ◯平塚参考人 古河市は,小学校がタブレットばやりで,それでタブレットになっただけで,今,三和東中学校はこういうノートパソコン型でやっていますし,そこは別にたまたまといいますか,流行というか。 29 ◯井手委員 古河市のことでちょっと聞きますけれども,古河市は,例えば小学校とか中学校もNetCommonsでホームページをつくっているのですか。 30 ◯平塚参考人 はい。 31 ◯井手委員 そうすると,スマホはなぜ対応していないのですか。 32 ◯平塚参考人 スマホも対応しています。見られませんか。 33 ◯井手委員 見られません。というか,普通のウインドウズの画面が出てしまいます。 34 ◯平塚参考人 それは最適化されていないけど一応映るという状態ですね。  今,NetCommonsも今使っているバージョンが出て間もなく10年たとうかという状況で,今NetCommons3というバージョンがことしの夏公開されるのですけど,それは完全にスマホを最適化されるのですけど,今はちょっと古いバージョンなので,フルブラウザみたいな感じで。 35 ◯井手委員 分かりました。了解しました。 36 ◯横山委員長 ほかにありますか。  西野委員。 37 ◯西野委員 そのNetCommonsについて,私も基本的なことについて聞きたいのですけれども,1つは,県立高校で全て今使っていますということですけれども,県立高校で使っているのは採点だけなのですか,それ以外には使っていないのですか。 38 ◯平塚参考人 採点の仕事とNetCommonsの仕事は全然別で,採点で使っているのはスマートワーカーさんが60人からいて,その連絡をする基盤にNetCommonsを使っているだけで,マルつけをするシステムは,うちのマルつけを委託してくる委託元が開発したソフトを使っています。  なので,NetCommonsというのは,ホームページがつくれる,あと会員制サイトがつくれる,eラーニングサイトがつくれる,あと,ポータルサイトがつくれるみたいな感じで,インターネット上で情報発信したり,情報共有したりするのに使えるソフトですね。  つくば市の子育て支援情報システムと,茨城県の生涯学習支援システムNetCommonsでうちがやらせていただきました。 39 ◯西野委員 先ほど土浦市,大子町,古河市という話ですが,大子町が話で出ましたけれども,ちょっと違和感あるのですけれども,どういう形で使っているのでしょうか。 40 ◯平塚参考人 お見せしたいのですけど,今は準備に時間がかかってしまうのであれですけど,NetCommonsを1つインストールします。Webサーバーにインストールするのですね。そうすると,そこにホームページをつくるスペースができるので,そこの上にインターネットを通してブラウザで,本当レゴブロックみたいな感じで飛行機をつくりたいといったら,翼の機能を使って飛行機になるし,列車というと,列車の車両がついているブロックがあって,それを組み合わせていくと列車になるみたいな感じで,形をいろいろ変えることができるのですけど,なので,見た目は普通のホームページです。ただ,登録フォームだとか掲示板だとかブログだとか,あとスライドショーとか,そういう機能が最初からNetCommonsの場合,オールインワンで標準装備されているのですよ。なので必要なときに,それをぽっとクリックするだけで,必要なタイミングでその機能をWebサイトに設置できるのです。  でも普通のソフトはそうではなくて,1回ホームページができちゃうと,またそれをタグとかコードとか書いて,外から持ってきた機能を埋め込まないといけないのですね。そうすると,埋め込んだところに穴があいているとセキュリティーホールができるし,埋め込んだものが異物なので,本体のほうがバージョンアップすると,埋め込んだものが追いついていけないと,それがまた使えなくなったりとかいろいろ問題があって,それを何とかするのに高いお金を払わなければいけない,ワードプレスとかそうなのですけれども,それに対してNetCommonsは最初から全部組み込まれているので,すごい簡単に追加機能とか各柔軟性があって多目的に使える感じです。 41 ◯西野委員 そういうふうに使う場合,簡単につくれるのはわかりましたけれども,そうするとセキュリティーの問題はどういうふうになりますか。 42 ◯平塚参考人 セキュリティーに関しては,ログインをした後に,そこがハックできないように,何と言うんですか,専門的ないろいろな対策をしています。それは国立情報学研究所が学校とか教育委員会が使うことを前提に配布しているソフトウエアですので,有償のものと同等か,それ以上の気を使ってセキュリティーは守られているので,今まで1回もそういうハックされたようなことはないです。 43 ◯西野委員 ありがとうございます。 44 ◯横山委員長 森田委員。 45 ◯森田委員 きょうはありがとうございます。  今,何回かお話を出していただきました三和東中学校のすぐ近くに住んでおりまして,平井さんが,特に教育委員会が熱心なものですから先進的なのかと思ったりもしますけど,そういった取り組みを続けてほしいなと思っています。  ただ,私は執行部に質問というか,聞きたいのですが,そういうふうに頑張っているママたちがたくさんいる,それから在宅である程度の収入が得られるということは,すばらしいことだと思うのです。そういった意味からすると,私は県とか市町村で支援できることはたくさんあるのかなという気がするのですよ。  ましてや,そのネットだけでなく,エクセルとか,ワードなどの範囲でもいいと思うのですが,もっともっと仕事を出せるのではないかと思うのです。仕事そのものを,お母さん方の要望に応じたような仕事という意味ですよ。そして,先ほど月7万円とか8万円とかという話もございましたけれども,そういうところでやはりある程度収入がないと,その次の展開につながっていかない,やる気も起きてこない,組織も認知されない,そして1台買えば,パソコンも何回も買いかえる必要が出てくるわけです。  まるっきり仕事がないということがありますので,ぜひ,そういった在宅の仕事が定着するように,市町村あるいは県自体も仕事を出してほしいと思うのですが,いかがですか。  企画部長。 46 ◯今瀬企画部長 先ず,私のほうから,今の御質問は,県の業務の中で,こういった在宅でやっている主婦の方などにも発注できるような業務があれば,それをどんどん出すような仕組みをやったらどうかと,こういう御趣旨だと思うのですが,確かに県発注の今の仕方からすると,個人に発注するというのは,なかなか制度上は整っていないと思います。  そういった発注できるような仕事がどのぐらいあるかも整理してみないとなりませんが,きょう話をお聞きしていると,まさに県の中にもここで扱ってお話を聞いたような業務というのは,確かにたくさんあると思います。そういったものをどういう形で発注できるかは,これは総務課サイドとか会計サイドとかと検討をしていく必要があると思いました。 47 ◯森田委員 私は以前に委託費というものを調べたことがあるのですが,その委託費の中には物すごい仕事がありますよね。本来,職員ができるような仕事もあるのですが,専門性も含めて委託しているのですけれども,ここは委託費の中を精査すると物すごく仕事として出せるものがあるのではないかと思いますよ。  今までの委託費よりも安く,もしかしたら出せるものもあるのではないかと思いますので,これは早急に,全部局にわたって精査しながら仕事を出してつくってもらえればありがたいと思いますので,そういったことをお願いして終わります。  平塚さん,頑張ってください。 48 ◯横山委員長 時間がまいりましたので,以上で平塚様からの意見聴取を終了いたします。  本日いただきました御意見等につきましては,今後の委員会審査に役立ててまいりたいと存じます。  平塚様には,大変貴重なお話をいただき,まことにありがとうございました。  ここで暫時休憩いたします。再開は午後2時50分といたします。                 午後2時32分休憩      ───────────────────────────────                 午後2時50分開議 49 ◯横山委員長 休憩前に引き続き委員会を再開し,参考人の方からの意見聴取を続行いたします。  御紹介いたします。  公立大学法人,札幌市立大学,理事長・学長,蓮見孝様です。  蓮見様のプロフィールにつきましては,お手元にお配りしておりますので,ごらんおき願います。  蓮見様には,大変お忙しい中を本委員会に御出席いただきまして,まことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして心から御礼申し上げますとともに,忌憚のない御意見をお述べくださるようお願いいたします。  なお,説明にはスクリーン画像が使用されますので,見えにくい場合は適宜,席を移動してごらん願います。  それでは,「イノベーション県いばらきづくりについて-茨城県と北海道の比較などから-」御意見をお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 50 ◯蓮見参考人 蓮見でございます。よろしくお願いします。  まずは,きょう総務企画委員会の参考人ということでお呼びいただきまして,まことに光栄に思います。遠くからやってまいりましたけれども,何か茨城に来ると懐かしいなという感じで,毎日でもいいですので,呼んでいただければという気がいたします。  それでは,こんなこと言っていてもしようがないので,1時間ぐらいしか時間がないものですから進めさせていただきたいと思うのですけれども,きょうは,ここにタイトルがありますように,「イノベーション県いばらきづくりについて-茨城県と北海道の比較などから-」ということでお話をさせていただきたいと思います。  まず,自己紹介をさせていただきたいと思いますが,今,横山委員長のほうから自己紹介というか,紹介いただきましたので,ちょっとめぐりたいと思います。めぐりたいと思うのですけれども,簡単に言いますと,68歳になりました。札幌に住んで4年と4カ月,茨城県在住21年,そして東京に40年という感じでございます。  1991年の4月に,40年住みなれた東京を畳んで,縁もゆかりもない茨城県にやってまいりました。筑波大学に奉職するということで茨城県にやってきたのですが,何かとても田舎に行くんだなという感じがしたのですね。何か田舎というのはとても封建的で住みづらいのではないかなということでやってきたんですけれども,来たその日にすっかり気に入ってしまいまして,ああここがいいと思ったんですね。  それは何かと言いますと,私が生まれて小学校1年のときに,荻窪から世田谷の外れのまちに引っ越したのですけれども,そのときの東京の風景が茨城の風景そのものだったということで,今,東京,東京って自慢そうに言っていますけれども,本当に茨城って東京の原点なのではないかと思っております。  私は50年近くデザイナーという仕事をしてきたわけなのですけれども,その間,いろいろな仕事にかかわりました。ここにある1つ1つの升が私がかかわってきた仕事でございまして,これは小さ過ぎて絶対見えないと思うのですけれども,余りはっきり見えたら困るということで,適当にいっぱいあるのだなということだけ御認識いただければと思うのですけれども,一言で言いますと,デザインというのは格好いい形をつくるだけでなくて,さまざまな領域にかかわって,非常に領域の広い仕事であるということを言いたいなと思っております。  きょうは,このさまざまな仕事の中から,行政支援というデザインの仕事について,的を絞ってお話をさせていただきたいなと思っております。  ここにありますように,茨城県の総合計画,これが私の行政支援のデザインの代表的な仕事だなと思っております。平成23年から27年の,前の茨城県の総合計画「いきいきいばらき生活大県プラン」の策定から副会長としてかかわらせていただいて,今年度からの「いばらき未来共創プラン」というのも引き続き副会長として,その計画のまとめにかかわらせていただいたものでございます。  きょうは,この「いばらき未来共創プラン」に絞ってお話をしたいと思うのですが,この総合計画というのは3つのパートからなっておりまして,皆さんよく御承知かと思うのですけれども,基本構想と基本計画と重点プロジェクトという3パートからなっております。  それで,この基本構想の3番目,2番目,茨城のめざす姿の3番目のところに目標と将来像というのがありまして,「人が輝くいばらき」「活力あるいばらき」「住みよいいばらき」というのがあるのですが,その将来像として,「生活と産業の未来を拓くイノベーション大県いばらき」ということが明記されているのですね。  それで,大体わかるんですけれども,「イノベーション大県」というのは一体何だろうかというところがちょっとわかりづらいところがあるのかなと思います。わかりづらいこの言葉が,実はこのいばらき未来共創プランの非常に大きな売りになっていて,これが訴求ポイントであるということでもありますので,ちょっとそのイノベーションというキーワードについて,さらに絞って考えを述べてみたいなと思います。  イノベーションというのは一体何かということなのですけれども,このイノベーションという言葉を使うかどうかということについては,総合計画審議会でも一部の委員さんから,イノベーションってちょっと変なんじゃないみたいな御意見が出たのを覚えております。それはどういうことかというと,イノベーションというと技術革新と大体訳されるんですね。それはイノベーションという英語が日本に入ってきたときに,誰かが技術革新という言葉で訳したので,皆さん,技術革新と思って,これは産業技術のことじゃないかと誤解されがちなんですけれども,イノベーションというのはあらゆるものの革新であるということでございまして,生活のイノベーションということも十分考えられるということなのですね。  さらに,産業技術的なイノベーションというのは,技術革新だからわかるのだけれども,生活のイノベーションというのは一体どんな概念なのよということがありますので,それについて,私なりの考え方をきょうはお話させていただきたいと思います。  まず,私たち研究等でよく使うSWOT分析というのがあります。これは研究推進とかビジネスマネジメントを行うとき,あるいは企業の企画戦略を立てるときによく使う方法なのですね。これはどういうことかといいますと,SWOTというのはS,W,O,Tをあわせた言葉で,1つは強みです。Strengthsという強み,これを強みを見つけて強みを強化していこうということが1つなんです。2つ目がWなんですけど,これはWeaknessesということで,こっちは弱みです。弱みは克服していくということですね。それから,OはOpportunitiesということで,これは機会,チャンス,これを最大限に利用していく。それから,脅威はThreatsということで,脅威は回避していくと,このそれぞれのSWOTについて,都合よくこういうものをみずからの力にしていくということをどうしたら力になるかということを,戦略的に考えていくと,これが非常に役に立つということでございます。  このSWOT分析は,まさに基本的には自己分析ということが基本になります。自分は何が強いのか,何が弱いのか,一体どんな機会があって,どんな脅威にさらされているのかを自分自身のことを考えるわけです。その自分自身を考えるに当たっては,自己分析ということ,内省とも言いますけれども,リフレクションということがどうしても必要になってくるのですね。  例えば自分は強いのか,弱いのかを考えたときに,急にあなたは強いのですか,弱いのですかと聞かれると,わけわからなくなりますよね。そういうときにどうするかというと,ほかと比較すると,ほかよりも強いかなとか,ほかよりは弱いかなということが,とてもわかりやすく見えてくるものでございます。そこで,私が4年4カ月暮らしております北海道と茨城県を比較してみたらどうだろうかということで,ちょっと比較してみたわけです。  何で北海道と茨城を比較するのだと言われても,私は単に暮らしてきた2カ所ということで決めたようなものなのですけれども,実は,ブランド総合研究所がずっとやっている全国のブランド力の調査をしますと,北海道が47都道府県で第1位,茨城県が47位ということで,1位とどん穴というところで,すごくコントラストがよくきいているので,これを比較してみたいと思います。
     事細かく比較するにはちょっと時間がないのでございますけれども,こちらが茨城でこちらが北海道です。まず,自然・気候ではどうも同じ日本でも随分違うということで,茨城は温暖湿潤的な気候なのに対して,北海道は亜寒帯湿潤ということで,寒い地域だということが言えると思います。当然暖かいところのほうが暮らしやすい,寒いところは暮らしにくいと,こういうコントラストでございます。  それから,面積とか可住地面積で比べますと,日本の中では,ともにとても広いということが言えるのですね。  産業を見ますと,茨城県は1・2・3次産業がそれぞれ非常に大きく発展してきているのに対して,北海道はどちからと言うと2次産業はちょっと弱くて,1次産業と3次産業ですごく頑張って何とか支えているという形がございます。  次に,所得,お金持ち度合いはどうかということで,平均年収を比べてみますと,茨城県は483万円で7位,北海道は386万円で36位ということになっています。  ブランド総研の調査で言いますと,大体ブランドイメージが高いのが,1位が北海道,2位が沖縄ということになっているのですけれども,ともに所得,年収は非常に低い地域なのですね。これはどういうことかなと言うと,お金を稼がなければいけないから一生懸命ブランドイメージを高めようとして必死に頑張っている地域だということが言えると思うし,茨城のブランド力が低いというのは何かと言うと,ブランド力なんか高めなくてもちゃんと生活ができるから,余り真剣にやっていないのではないかということが言えるのではないかなと思います。  それから,生活で比べますと,さっきも言いましたけれども,茨城は温暖で暮らしやすい,北海道は冬は厳しくて,とても暮らしにくいということがあります。  札幌市の年間の除雪費用が210億円ということで,とてつもない費用をかけて雪かきをやっているということで,雇用を創出しているといえば創出しているのでしょうけれども,本当にどぶに捨てているようなお金が非常にかかっているということが言えるのですね。  これだけを見ますと,どうも絶対私は北海道よりも茨城のほうが暮らしやすいと思っています。  ところが,茨城のウィークネスズというのがあるのですね,茨城の弱み。強みは絶対強いんです。だけど決定的な弱みがあるというポイントがあります。それは何かと言うと,ブランド総研のブランド力は最下位になっている,その最も根幹にあるところだと思うのですが,茨城は郷土愛の愛着度,自慢度で非常に低いというか,ほとんど最下位なんですね。それに対して北海道というのが郷土愛,愛着度で1位,自慢度で2位ということになっています。  これは,私も北海道,札幌で暮らしてびっくりしたのですけれども,みんな自分の国を褒めるんですね。茨城から来ましたと言うと,北海道っていいでしょう,札幌ってすてきですよねと言うんですよ。私,21年間茨城に暮らしたんだけど,茨城っていいでしょう,すてきですねという声は一度も聞いたことがないような気がするのですね。何もないんだとか,ひどいと。  そのような実態があるのですね。実はこれが最大の克服課題ではないかと私は思っております。  どうして最大の克服課題かということでございますけれども,それは,これから少子高齢化,過疎化というのがさらに加速的に進展していく中で,47都道府県の各地域がいかにしたたかに生き抜き合うかという,その生き抜く力を競い合う時代に入っていくと,そのときに郷土愛というのは非常に大きな力として影響してくるということが言えると思います。  そういう中で,地域に潜在する資産とかパワーをみんなで見つけ出して,生かして,それを価値化していくという力が必要不可欠になってくると思うのです。それこそが生活イノベーションというものであろうと思います。  茨城の郷土愛を一気に日本一に高めて,そしてそれを日本全国,そして世界に向けて自慢げに唱えることができるかどうかということが非常に大きなポイントになってくると思います。  私,21年間茨城に住んで,茨城県だけでなくて44の市町村のかなりの市町村にもお伺いして,いろいろなプロジェクトを行ったことがあります。そういう経験を通して言いますと,私,車の設計デザインが専門なので,車的に言うと,茨城県のブレーキ性能はすごく高い,だけどアクセル性能がすごく低いということが言えるのではないかと思います。  車ではブレーキ性能が第1だということで,1番大事な性能はブレーキ性能だということで,そういった意味ではいいかもしれないのですけれども,茨城の場合ですと何か新しいことをしよう,イノベーションをしようと言ったときに,そのイノベーションがもたらすリスクとか,課題とか,そういったことが最初にどうも頭に浮かばれるようなのですね。それで,ほかがやっていないからやめておこうという発想が往々にして出てきがちであるということがあるのですね。  それに対してアクセル性能を高めるということはどういうことかというと,一人一人さまざまな立場の人が当事者意識を強く持って,そして身を捨てて新しいことに挑戦する姿勢がどれだけあるかというところが,非常に大きなポイントになってくるのではないかと思うのです。  こんなこと言っていても,具体的にどうなのというところがおわかりになりにくいと思うので,具体的事例を御紹介したいと思うのですけれども,ささやかなイノベーションということでごらんいただければと思うのですけれども,2つ御紹介したいと思います。  1つは,高知県の四万十町というのがあります。高知県って御存じですよね。今のまち・ひと・しごと創生本部というのができていまして,創生戦略というのをつくると言ったときに,そのモデルになったのが高知県なのですね。どういうことかと言うと,実は一番日本で過疎化が進むであろうと,あるいは人口が減るであろうと思われている高知県を救うためにどうすればいいかという発想なんです。それぐらい高知県というのは非常に過疎化が進んでいるという県で,大体人口は今,72万人ぐらいしかいないのですね。茨城県が290万人近く人口があると思うし,札幌市も196万人いる中で,県でありながら72万人しかいないと。  四万十町は1万7,000人の人口で,高齢化率が限りなく40%に近いというところなんです。だから非常に少子高齢化,過疎化の先端地というか,先進地というか,そういうことが言えると思うのです。ここが一体どんなことをやっているのか,どれくらい危機的状況に陥っているのかということを調べていくといいと思うのですけれども,実はどっこい,とても元気のいい人が多いのです。  高知県がどのようにして,これから持続的に生き残っていくかと考えていったときに,単に数合わせで人をふやすとか,何か新しい産業を導入するとか,誘致するとかということよりも,今住んでいる人たち一人一人がどれだけ元気に暮らし続けることができるかということが,1つの大きい課題になっていくと思うのですけれども,これがその例です。  四万十町に「道の駅とおわ」という道の駅があるのですが,そこを株式会社四万十ドラマという会社が経営しているわけなのですけれども,この道の駅とおわのコンセプトというのは,四万十の自然を商品化してお届けするというコンセプトなのですね。どこでもそのような地産地消ということは,少なからず言うケースが多いとは思うのですけれども,ここはとてもすばらしい商品開発力があります。  1つ,例えばどういうのがあるかと言うと,「ひのき風呂」という商品があります。これは,このぐらい小さな,蒲鉾の板よりさらに小さいぐらいの,蒲鉾の板,わかりますよね,蒲鉾の板ぐらいの,もっと小さいぐらいの板を1枚300円で売っているのです。これにヒノキチオールというヒノキのエキスをしみ込ませてあるのですね。その四万十のヒノキの廃材,それで板をつくって,そこにヒノキチオールをしみ込ませてラップして,要するに浴室の浴槽に入れるとヒノキ風呂になると,こういうものなんですね。  廃材を使っていますので産廃処理にもなるし,皆さんお土産にいっぱい買っていってくれるのでありがたいと,最近はネットでもいっぱい売っている商品なのですけど,この商品が何でいいかというと,小さい,軽い,手頃な値段,いっぱい買って近所に配っても喜ばれるということで,とてもいいんですね。  それで,茨城のお土産は何でもばかでかい箱のものが多いじゃないですか。いっぱい入っているのですけれども,これどうやって食うんだろうみたいなものが多いのですけど,コンパクトなわけです。こういったものが次々とヒット商品を生むのですね。  「かおり米」という商品もあって,これはこんな小さな袋に100グラムぐらいお米が入っているのですけれども,これは四万十町でお米の新しい品種を開発して,とても香りのいいお米ができたらしいのですけれども,これを炊いたら香りがよすぎて,むしろ,こんな臭いもの食べられないと言われて失敗しちゃったらしいんですよ。せっかく開発したのにということで,彼らは優れた知恵を使って100グラムずつ包んだのですね。それで,これを一緒に炊き込んだら,どんなまずいお米も「かおり米」になりますよと言って売っているのですね。それが日本一高いお米ということになっているらしい。とにかく,ないところだからない知恵を絞るというか,必死になって何かやろうということで頑張ってきているところなのですね。  そこの四万十町の道の駅とおわというのは,小さい町ですから,町の人たちが総出で道の駅に集まって道の駅の経営をしている。そこに,あるおばあさんがお手伝いに,半ばボランティアみたいな形で道の駅のお手伝いに来ていたのですが,そのおばあさんがある問題意識を持つのですね。それはどういう問題意識かというと,道の駅とおわは四万十の自然を売るお店でしょう,だけどせっかく自然を商品化したものをいっぱい買ってくれるお客さんに,最後,ビニール袋に入れて渡す,これは何かすごく私は抵抗がありますと,こういうふうに,そのおばあさんは思ったらしいのですね。だから,お土産を買っていただいたら,買っていただいた商品を入れる入れ物も,何かとても自然なものがいいということで,ふと彼女が思いついたのは,私が昔,昔,まだ子どもだったころに,おばあちゃんが教えてくれた新聞紙でバッグをつくるという,そのつくり方を思い出して,私ちょっと覚えているから,要らない新聞紙でバッグつくってみましょうということで,バッグをつくったんですね。その幾つかできたバッグに買ってもらった商品を入れてお渡ししたら,買ってくれた方がすごく喜ばれたということで,だんだん話題になっていって,きょうは紙バッグないんですかみたいな感じで,むしろ商品より紙バッグのほうがだんだん有名になっていったということがあったらしいです。それで,そのおばあさんはすごく忙しくなっちゃって,朝から晩まで新聞紙でバッグをつくるわけです。  それでどういうことが起こるかというと,大変なことが起こってきて,古新聞がなくなっちゃったと,困ったなということで,新聞がないと人気商品の,ただなんですけど新聞紙バッグがつくれないということで,この道の駅とおわの社長が高知新聞にかけ合いに行きまして,売れ残りの新聞紙をくださいと,そのかわり新聞紙を折ったら,これは英字新聞ですけれども,この一番メインのところに新聞社の名前,高知新聞というのがここに来るように折らせますのでくださいと言ったら,おやすい御用です,うちも産廃に捨てないで済むから,どうぞお使いくださいといって,売れ残った新聞紙をどさっと道の駅とおわに置いていってくれたらしいのですね。  それから,そのおばあさんだけでなくて,町の人がよってたかって新聞紙をがんがんがんがん量産するようになったらしいということで,結果はどうなったかと言うと,あるとき,とてもすてきなニュースがアメリカから入ってきたと,それは何かと言うと,ニューヨーク近代美術館ミュージアムグッズに採用されましたということなのです。だから,世界超一流の美術館が,ミュージアムグッズとして,この紙新聞バッグを扱っているということで,ニューヨーク近代美術館だけでなくて,いろいろな美術館が今,この新聞紙バッグを使っているということのようです。  ここから言えるのは何かというと,イノベーションというのは,別に一生懸命知恵を絞って難しいことをやるだけでなくて,日常普通にあることを少し読みかえただけで,非常に新しい価値が生まれるのだということを示しているのではないかと思うのです。  次に2つ目の事例ですけれども,これは皆さん御存じの「真壁のひなまつり」ですね。これは,ここに2003年と書いてありますけれども,実はもっと前から私は真壁に入っていました。何で入っていたかというと,真壁から呼ばれて,何とかこの真壁の古い町並みを生かしたまちづくりができないかという話を聞かせていただいていたのですよ。  蓮見先生,どうですかと言われたので,はっきり無理ですねと言って冷たくあしらってしまっていたのですけれども,実は私も幾つか絶対無理だというところが,実は不死鳥のようによみがえった例がありまして,一度島根県の山奥の吉田村というところに調査に行って,蓮見先生,何かいい考えないですか,吉田村がよみがえる方法はと言われて,いや無理ですね,こんな山奥では,と言って帰ってきたのですけれども,何年かしたら吉田村が大ブームになったのです。それは何かと言うと,「卵かけご飯」というブームを吉田村がつくったと。卵かけご飯専用醤油というのを吉田村がつくったということなのです。  これ,どこにでもあるというか,日本の食の原点でもあるかもしれない,そのようなものが実は町を救うということがあるのですけれども,茨城の真壁も,結局何もないのだけど,ここは古い町並みということを町の人たちがとても大事に思ったということです。それから,古い町並みが1軒,2軒と壊されて何か非常にバランスの悪いというか,調和に欠ける何か新しい建物がふえたり,歯抜けになったり,駐車場になったりして町並みが崩れていくということを非常に憂いている人たちがいて,それで登録文化財に指定してもらうという運動を起こして,幾つかの古い家屋が登録して文化財に指定されたということがあったのですね。  普通はそれで終わってしまうのですけれども,せいぜい伝建地区にまた昇格するということはあるにしても,町並みは町並みで終わってしまうのですけれども,あるとき,ちょうど年明けの寒いころ,この古い町並みの家屋の写真を撮りに来た何人かの写真家の方が町を歩いているわけです。それを見た町の人が,こんな木枯らしの吹く寒い冬に,うちの町に来て写真を撮ってくれるのはありがたいけど,私たちは全然どうおもてなしをしていいのかわからないと,せめて何か私たちでできることはないか,せっかく来てくれた方に何らかのおもてなしができないかと考えて,それである人が,お蔵に眠っているひな人形を飾ってお迎えしたらどうだろうかということを思いついたらしいのです。それで,皆さんどうですか,お蔵に眠っているひな人形を飾りませんかと言ったら,娘も嫁いで,孫も遊びに来ないし,ここ何年もひな人形はお蔵入りしたままだと,久しぶりに出してみますかねと言って,その呼びかけに応えて数十軒の家がお蔵からひな人形を出してきて,店先とか居間に飾って,どうぞ御自由にごらんくださいというのを2003年に始めた。  そういうささやかなおもてなしのイベントだったわけなのですけれども,それがある種ブレイクしたわけです。ことしで14回ですか,今も初心を大切に,2月から3月にかけて何万人も人が来るのだけれども,昔のまま余り商売っ気も出さず,ただ来てくれた方をおもてなしするという初心を大切にして,今もこの祭は続けられているという,そういうお祭なのですね。  これは,全然経済的波及効果も及ぼさないのですけれども,この町のある旅館のおかみさんが調査のときに言っていらっしゃったのですけれども,真壁のひなまつりが始まってから,私たち一家は真壁の出身ですと声を大きく自信を持って言えるようになったって,つくづくおっしゃっていたのが,とても印象的だったなと思っています。  ですから,必ずしも生活イノベーションというのは生活を豊かにするということだけではなくて,何かの地域の尊厳を呼び戻すとか,そういったこともイノベーションなのではないかと思っております。  というふうに,地域の話をするとささやかな話になるのですけれども,実はこのようなことが,今,全世界で同時多発的に起こっていると,地域イノベーションという言葉,ローカルイノベーションという言葉が非常に大きく声高に唱えられるようになりました。これは一体どういうことかなと言うと,すごく大きなイノベーションなのですね。どういうイノベーションかと言うと,その前,東西冷戦の時代というのが長くありましたでしょう,それは,両大国が世界を牛耳っていた時代というのがあったのです。  それから大都市が一極集中で力を発揮するという時代,これは今もありますけれども,そういうふうに都会がほとんどの利益,食料,人,エネルギー,情報,全部吸い取っていって,吸い取られた地方がぼろぼろになっていくという構造社会がありました。  もう1つは,国と大企業というのが両輪になって経済を寡占化するという,そういう時代もあります。それが大体今の現代のパラダイムということであるのですけれども,それがどうもひっくり返るということなのですね。  だから,ISというとんでもない連中が大変なことをやっていますけれども,あれは,いい,悪いは別として東西冷戦の逆構造なのですね。民族主義がまたいろいろなところで火を噴いてるということがありますし,大都市一極集中は何とかしなくちゃいけないということが始まっていますし,国と大企業による寡占化ということについては,今,私がお話した,例えば四万十の紙バッグということがあるのですけれども,こういう事例が実は日本全国に山ほど起きているということなのですね。  それはどういうイノベーションかというと,大きな全体というものがあって,そしてそれに対して一人一人,あるいは1つ1つの地域が,その部分とか部品という形で存在する,そういう構造があったということなのですね。それに対して,これからの価値というのはどういうことかと言うと,小さな全体,今までは大きな全体の部分とあったものが,小さな全体の集合体しての世界と大きく読みかえられていく,そういう時代になっていくのだということが言われています。  そうなるかどうかわかりませんけれども,世界各国のいろいろな人がそのようなことを言っているということで,これは私がちょっと書いた概念なのですけれども,おさんぽ族と通勤族というのがあって,世の中には会社に忠誠を尽くし,あるいは県に忠誠を尽くして,とにかくひたすらに仕事に明け暮れる通勤族という人たちがいると,この人たちは仕事で頑張りたいからいい大学に入り,いい大学に入るためにいい高校に入りという形で,ずっと競争社会を生き抜いて,今も頑張っている人がいると。そういうのに対して,私は半ばそっちの方になってしまっているのですけれども,おさんぽ族というのがいて,これは朝から犬を連れて,ぶらぶら何となく目的意識もなくうろつき歩いている人というのがいるのですね。  ピエール・ブルデューという,フランスの割と最近活躍している哲学者がいるんですけれども,その人がプラクシスからプラティークへという理論を唱えています。それは何かと言うと,紀元前500年ぐらい,アリストテレスという哲学者がいてプラクシスということを言ったと。それは何かというと,実践することが大事だと言ったと。その実践という言葉をプラクシスと言ったのですね。プラクシスというのは,ちゃんと目的意識を持って計画的にあることをなし遂げていくことが大事だということなのです。  それに対して,今,大事だといわれているのは,むしろプラティークという概念なのですね。プラティークという概念というのは一体何かと言うと,日常習慣的行為,だから誰でもが日常をごく自然に深く考えないで自然にやるようなことが,非常に人間にとって大事だということが言えるのかなということなのですね。それは一体どういうことかと言うと,例えば家事をする,ホームキーピングをする,お掃除をする。別にしなくたっていいのですよね,死ぬわけじゃないから,放っておけばいいのだけど,でもきちっと部屋をきれいにする,あるいは玄関先を掃いて水をまく。何で水をまくのだということを深く問われるとよくわからないです。だけど何か清めたいなという気持ちで玄関先に水をまく。  それから,お年寄りが何か近くの子どもたちに声をかけて,何とかちゃん,こんにちは,元気だねと声をかけるという行為をするという,1つ1つ,何気ない,ほとんど価値があるかないかわからない,あるいは現代社会がそういったものは価値がないとして無視してきたようなことが,今すごく大事だと。  良寛さんという人がいましたけれども,これもよく御存じと思いますけれども,良寛さんみたいな,ああいうアジア的な生き方はすごく大事だと言われるようになったわけなのですね。それが実は産業イノベーションと物すごく密接に結びついているのであるということが言えるのではないかということなのです。つまり,産業イノベーション産業イノベーション生活イノベーション生活イノベーションということでなくて,その両者は産業のイノベーションと生活のイノベーション,今まで割とシステム的に高度化してきた社会の中で,人が日常的に何気なくやるようなことが大事なんだよねというようなことが言われ始めた背景に,より高度な人間社会の構築という課題があるのではないかと思われるのですね。  それはどういうことかと言うと,アリストテレスが言っていた論理展開の社会においては,プラクシス思考で何でも物事を考えるということがありました。学問の世界で言いますと,インダクションディダクションという,帰納法と演繹法を使って物事の真理を解き明かすということをやるのですね。  ディダクション,演繹法ってわかりますよね。例えば誰かが私のことをばかだと言ったら,私は怒ります。何で俺がばかだと言うんだと言ったら,本にそう書いてあると言われたら,そんな本,俺がばかだと書いてあるのかと言って見てみると,確かにばかだと書いてある。じゃあ,やっぱり俺はばかなのだと,これは演繹法ですよね。  それから,帰納法というのは,蓮見はばかだと言ったときに,いやばかじゃない,でも山田君も言っている,佐藤君も言っている,鈴木君も言っている,みんながそう言っているよと言ったら,じゃあやっぱりばかなのだというのが帰納法なのですよ。  そうやってみんな理論展開しながら物事の真理というのを追っかけてきたんだけれども,本当に新しいことを,インダクションディダクションで見つけ出すことができるのかというと,できないのですね。  これは筑波大学の前の学長で江崎玲於奈先生がいましたけれども,彼はよく私なんかに言っていたんですね。僕の書いたノーベル賞の論文はわずか4ページだよみたいなことを言うのですけれども,江崎先生はインダクションとかディダクションというのは大して大事じゃないと,大事なのはひらめきだと言ったのですね。新しいことを発見するのは,理屈じゃなくて,あるときぱっとひらめくということが大事なんだと。  ですから,ニュートンはインダクションディダクションで万有引力を発見したのではなくて,リンゴが落ちたときに何かある種のショックがあって,あれ何でリンゴが落ちるんだろう,リンゴを落とす力はどこにあるのだろうと考えて万有引力というのを発見したと。じゃあ,その思いつきってすごく大事だけれども,思いつきというのは一体どういうことなのだろうかと言ったら,結局,日常習慣的行為なのですよ。つまり,好奇心があって観察力がある人が,好奇心と観察力をずっと積み上げていくと,あるときぽっと思いつくということがあるということ,そういうふうに考えていきますと,下のプラティーク思考というのが科学技術の世界の中でも非常に重要だと言われています。  それは何かというと,アブダクション,リトロダクションと同じようなことですけれども,仮設展開力ということがあるのですけれども,これはこうじゃないかというとんでもない仮説を考え出す力,これひらめきですね。それから,ヒューリスティクスと言って,大筋を発見する。  今までの科学技術というのは,全てつじつまが合わないと真理だと証明されなかったのだけれども,アバウト,100のうち80ぐらいが合っているとそれでいいのではないかと,そういう方法が今非常に重視されている。これはコンピューターのいろいろなシステムを考えるときに,全部つじつまが合うということを考えていると,多分何回地球が回ったって解けない。だけど,アバウトに合っていると,結構いいのではないかということが重視されるようになった。  それから,ホリスティック・アプローチというのは全体最適化法,大体全体が大筋合っていればいいのではないかということなのですね。  それで,今,科学技術が,例えば非常に注目して一生懸命追っかけている人工知能というのがありますね。  今まではコンピューターというのは,むしろ演算機能ですよね,足し算,引き算,掛け算,割り算みたいのをいかに早く瞬間的にやるかという,そういう能力を追っかけてきたのですけれども,これからのコンピューター,人工知能というのは,もっと高度な知的能力を備えなければいけないといったときに,じゃあ一体何を追っかけるのかということなのですけれども,例えば機械がどうやったら思いやりを持つことができるか,これはさっき,おばあさんが子どもを見て,きょうも元気だね,行ってらっしゃいという思いやり,それはちょうど子どもが行き過ぎて何となく疲れているようなときに,ちょっと声をかけてあげることで,その子がとても元気づくみたいなことをちょうど適切なときにやってあげるような,そういう能力,心配り。  それから,茨城県の総合計画でも明記してあります,おもてなし,それから,動物が人になつく,なつきとか,それから,見立て,一目見てこの草は食えるか食えないかを見分ける力,腐っているけど食えるものか,腐っているから死ぬかもしれないのかという,その危機を読み取る力,これ食べてみて確かめるわけにいかないですね。こういう能力って一体誰が持っているかというと動物が持っているのです。  そうすると犬,猫,などの動物が,実はすごく高度な能力を持っている。人工知能はなかなかそういうところを解析できない。それをしないと人工知能にならないということで,今,そういう完成研究が非常に強く行われているというところがあるのですね。  それは何かと言うと,人工的なアルゴリズムという,人工的な物事の考える手順というのに対して,自然のアルゴリズムというのがあるのですね。自然が持つ物事の考え方というか,筋立ての仕方というのがあって,そこにどうも神秘があるわけなので,そこがすごく大事だということが,今求められているということがあるのかなということがあって,ここが非常に重要になってくるでしょう。  そういったときに,例えば茨城の強みは何と聞かれたときに,私は常々言っているんですけれども,発酵食品ですよねと言うのですよ。なぜかと言うと,生き物をコントロールしている。納豆,納豆と人はばかにしますけれども,ひょっとして世界の食料危機を救うのは,私は発酵食品じゃないかと思うのです。何か硬くて食べられないものをおいしいごちそうに変えてしまうわけですから,それは人がいろいろな薬を混ぜたりなんじゃかんじゃでつくったのではなくて,バイオでできるわけです。農業大県はバイオの技術がすごく進んでいるわけだから,そういうところにこれからの将来性があるとすると,非常にそれが茨城の強みになってくるはずだということなのです。つまり,今まで何となく後進的と言われていたものが,実は最も最先端になる可能性がある。  これ,インバージョンと言うのですけど,世界の歴史は繰り返している。ですから,コンピューターが発達して,インターネットが発達して,今,どういうことが大事にされているかというと,口コミですよね。口コミサイトなんていうのが重要になっているということは,口コミというのは一番原始的なコミュニケーションの形なのだけど,最先端のコミュニケーション技術が,実は口コミを非常に重視しているということで,また昔に逆戻りしたり何かしているのですけれども,そうやって世界は動いているのだということが何となくわかってきたということが言えると思います。  それから,もう1つ,社会そのものが非常にイノベーティブに動いているということがあります。これは随分昔から私が言っていることなのですけれども,社会が,もともとあった冷たい社会から熱い社会に変わり,それから,ポスト熱い社会に変わっていって,マルチチュードというのが形成されるということなのですね。  これは,ある種,議会制民主主義の否定というところにもつながってくるので,ちょっと大げさな言い方ですけれども,どういうことかと言うと,これはレヴィ=ストロースという文化人類学者が言ったことなのですけれども,彼は1930年代に南米の原住民の部族を1つ1つ丹念に全部調べて,その原住民の部族がどういう社会構造をしているかということを調べていたのですね。  その結果,レヴィ=ストロースは,全ての部族が同じ社会構造をしているということを発表します。それはどういう社会構造かというと,冷たい社会という形であります。その冷たい社会というのは,言葉を変えて言いますと,日本語的に言うと村社会と。この円錐形をしている最下層の人から,だんだん階層的に上に行くに従って数が少なくなっていって,一番上の階層に一番偉い人がいるのだけど,この偉い人は人間であって人間ではないと,人であり神様であるよと,この人はどうして尊いかと言うと,天井の神様と交信することができるからということで,この人を敬いなさいという,そういう社会だったということなのですね。  この社会はどうしてこういう形をしているかというと,限られた食料を最も効率的に配分して1人でも多くの人が生き長らえるように,こういう安定的な形をとっていたと。こういう安定を求める社会ですから,1人でもはみ出そうとする者がいると,みんなで寄ってたかって叩くと,出るくいは打たれるというものですね。それから,それでも言うことを聞かないと村八分にするということで抹殺すると,そういうことをやっていた社会なのですね。それが1930年代のアメリカ,あるいは1945年の終戦以降の日本の高度経済成長の中で大都市という構造ができてきます。それはどういうことかと言うと,高度消費社会ですから,消費という一軸を中心に,みんなが欲深く,もっと物が欲しい,もっと豊かになりたいと言ってみんなでこまを回すと,このこまの速度が早くなってこの社会が安定すると。ところが,何か事があって,この回す力が弱まると,これがよたよたするので,またアベノミクスみたいなことをやって何とかこのこまの回転を早くしようと,そうやってよたよたしたり,何とか元通りになったりしながら,何となく今日まで長らえてきたのだけれども,このこまは非常に不安定ですから,いつか倒れるのです。  倒れちゃったら終わりになってしまうので,また冷たい社会に戻るのは嫌だなと,どうしたらいいかなと考えたときに,恐らくですけれども,この熱い社会の一番の欠点は1つの軸しかなかった。つまり,経済,産業,高度消費というような,そういう物欲にかかわるところしか,あるいは金融というところにかかわるところしか軸がなかったので,それを多軸化する,つまり,小さいこまなんだけど,いろいろな軸があって,その軸にかかわる人がみんなで一生懸命このこまを回し合うことによって,多くのこまが回るとなっていくことによって社会が安定すると考えられるのですね。  そういうふうにしますと,小さいこまがいっぱい集まったこういう社会というのがマルチチュードと,多数的なものという意味なのですけれども,これは民衆の逆と言われますね。それぞれが自己を持って,小さい全体を持って自立的に,自主的に,主体的にそれぞれが動き合うという社会にこれから変わっていくだろうと思われます。  ということで,これからの社会というのは,最後になりますけれども,リゾームとノマドが大事だと言われています。リゾームというのは根っこ,ノマドというのは応援団ということですね。つまり,今の都会に集中しているさまざまな産業技術とか価値が,根なし草のような感じの非常に短命なものであるのに対して,しっかりと大地に根を張って枝葉を広げているものこそが価値があると。どんな雨風にも耐えられるという,その根っこがある文化というのは一体どこにあるのかなというと,これは地域にあるのですよ。  地域で何百年も,千年以上もずっと生き長らえてきて今に至っている,そういう大事な地域の文化というものを,もう1回再度注目して,そういったものに光を当てて,それを輝かしめることによって,そういった地域の宝物をよしとして人が集まってくる。つまり,ノマドという牛追いのことですけれども,ノマドという人たちが集まってきて,それを支えてくれるというような,そういう関係性が非常にこれからの社会において大事なことなのではないか。  そのために地域は発信する力と,もてなす心と,そしてネットワークする力というものを形成していかなければいけないと思いますし,そういったことが,今,地域に問われているのであろうと思われます。  ということでちょうど時間になりましたけれども,イノベーションというのは,単純に科学技術を進化させるだけではなく,地域全体の大きな変革というものを背景に持っているのだということを,ぜひ皆様に訴えたかったということで,私からの話とさせていただきます。どうもありがとうございました。 51 ◯横山委員長 ありがとうございました。  これより意見交換の時間とさせていただきます。  ただいまの御意見につきまして,委員の方で何か意見または質問がありましたらお願いいたします。  磯崎委員。 52 ◯磯崎委員 先生,どうもありがとうございました。  先日我々の委員会も北海道のほうに視察に行ってまいりまして,それで感じましたのは,タクシーにも何回か乗りましたし,あとは,皆さん本当に一生懸命おもてなしの心というのは,感じました。それで,感じますのは,茨城県はもしかしたら,今の段階ではそんなに困っていない。平穏で豊かで過ごしやすい,そういったところもあって,もしかしたら投票率もそんなに高くない,低い。そして,生活もできているというようなことだと思うのですが,先生が茨城県民はいかに郷土愛を高めていき,日本のみならず世界に発信をしていくぐらいの,そういった気持ちを持っていくことが,これから大切ではないかという言葉が非常に強く印象に残っています。  そこで,私自身,先生にちょっとアドバイスをいただきたいのは,茨城県も郷土検定ということで,いろいろ中学生とか小学生とかに,茨城県をもっと知っていただいて,そして茨城県を愛してもらえるように,頑張っていろいろやってはいるのですけれども,実際北海道のほうですと,観光がなければなかなか北海道は厳しい土壌があるといったところも,もしかしたら,その辺が根付いているのかなという気がするのですが,例えは私のひたちなか地区なども阿字ヶ浦という地区がございまして,そこは,以前は海水浴で日本一の海水浴客が来るようなところだったのですが,今は非常に寂しい状況になっていまして,ただ若い人たちが何とか頑張ろうということで,いろいろなことをみんなで話し合いをしながら,いろいろな手を打ちながらも試行錯誤してやっていっているのですけれども,先生が見て,この茨城県,こんなことをすればもっといいのではないかとか,幾つかきっと思っていることがあるかと思うのですけれども,そんなところが先生のほうで御意見いただければ大変ありがたく存じます。よろしくお願いします。 53 ◯蓮見参考人 御質問ありがとうございます。  茨城の44の市町村の中で,ひたちなかは多分トップ5に,私は入るのではないかというぐらい,さまざまなものがありますね。海浜公園とか,鉄道も結構価値があるし,ロックフェスもあるし,十分じゃないかと。干し芋もあるし,十分じゃないかと。そんなに深刻度は高くないとは思うのです。  ですが,やはり何と言うのか,1つ1つをもっと価値化していける可能性はいっぱいあるのかなと思うのです。  今度都知事選挙があって,某候補が厚化粧だと言われて,それを逆手にとって票を伸ばしたというのがあるように,ひょっとしたらサメなども,サメと一緒に泳げる海水浴とか,あとは夏は海水浴だけど,秋にどうやって浜辺を楽しめるかとか,あと,僕はもっとできるのではないかというのは,白亜紀の浜がありますよね。あそこなどはジオパークなので,もっと博物誌的なところを強調して,学べる浜みたいな感じでやっていけば光ると思うのです。  橋1つで水族館もあるし,すごく周りにいろいろなものがあるのだけれども,まだまだいっぱいありそうな気がするのです。大丈夫です。 54 ◯磯崎委員 ありがとうございます。先生の今のお話を聞かせていただきまして,やはり四万十市のほうも何もないけれども,ないなりにどうしようということで,いろいろ,人間,ピンチをチャンスに変えるというか,そういった中でこれからひたちなか市もそうですし,茨城県でも,その地域,地域にできることというのは,まだまだ埋もれている部分があるのかなというのを感じましたので,そういったことで各地域で頑張って,茨城県を本当に一番来たい県にできるように頑張って我々行きたいと思います。  ありがとうございます。 55 ◯横山委員長 ほかにございませんか。  井手委員。 56 ◯井手委員 北海道がすごい進んでいると,北海道という地域に誇りを持っているということですけど,全国に発信をする。茨城はそうじゃないという話はよくよくわかるのですが,そもそも何でそういうふうになったのかというところがよくわからないのですね。  確かに北海道は開拓の歴史ですから,自分たち,また自分たちの先輩,祖先がしっかりと汗を流してこの北海道という大地をつくって開いていったから,誇りを持って北海道の人たちはいるのかもしれない。  逆に茨城県の人は,そういうことなしに何となくすばらしい気候だとか,あんのんとして暮らせてしまうので,そういったところで郷土のありがたさがわからないのかもしれないと思っているのですが,そういった意味では1つは,なぜ北海道に住んでいる人と茨城に住んでいる人たちに郷土愛に差が出てくるのかなということを,両方にお住まいになった先生はどうお考えになっているか,1つ聞きたい。  もう1つは,それに対して行政とか,教育とか,そういう部分は何か,私はそういうことをやる必要は余りないのではないかと思うのですけれども,郷土愛を育てるような教育とか,行政とか,そういったものは,例えば茨城はやっていなくて北海道はやっているのだよということが仮にあるとすれば,最高学府の学長というお立場もあるでしょうから,その辺も2つお伺いしてみたいのですけど,ちょっと意地悪な質問かもしれませんけれども,お願いします。 57 ◯蓮見参考人 難しい質問かなというふうに思うのですけれども,そうですね,例えばですけれども,子どもたちを学校が教えるというのが,そもそも間違いではないかなと思うのです。それで,今,札幌市とうちの大学でやっているのは,みんなで学生を教える。実は学生と一般市民を一緒にする。私の大学院の授業は,一般市民の方にも参加を募って,大学院生とみんなでやるのですね。そうすると,私の意見は余り関心ないのだけれども,町のおじいちゃん,おばあちゃんが言ってくれたことは,学生はぐさっと来るらしいのですよ。それで,学生は飢えているのかもしれないと思うのですね。  というのは,私が子どものころというのは,何か毎日のように戦争の話を親から聞かされたわけですね。B29がやってきてボロン,ボロン,ボロンといって焼夷弾を落として,みんなが逃げまどって,死体がばらばらしてみたいなことを聞かされて,怖いよ,怖いよと言って寝た覚えがあるのですけれども,ああいうふうに,さっきのプラクシスな学びというのは,授業がちゃんと教育指導要領があって,それに基づいて全ての子どもたちが同様に公平な教育を受けるという部分のプラクシスな教育というのは,きちっとしてきましたけれども,プラティークな,さまざまな人がさまざまな立場でちょこっと何か言うというところの教育学習というのは,すごく弱ってきたのだと思うのです。そういったところを,縦横斜めから,いろいろな人がいろいろな形で,その1人の人間の形成にかかわるという,網の目のような教育の仕方がとても大事になってくるのだろうなと思います。  それは,また生まれてから死ぬまでの生涯にわたって地域で学習をするという,そういうフレームも非常に大事になってくるのです。  ということは,物心ついたころから学びということについて,非常に大事に思うということがあると思います。そのときに,今,地域包括ケアなんてことが言われて,保健,福祉,医療が一体でやらなきゃいけない,そうしないと財政パンクしちゃうとよく言われるのですけれども,ゼロ歳から健康に対して意識の強い子どもを育てていかなければいけないわけなのですね。そのときに,今,どうでしょうか。今の健康の意識は,サプリメントをどうやって飲むかとか,どうやって体重を減らすかとか,テレビショッピングでいろいろなシジミ何とかとかいっぱい出てきますよね。あれも,しこたま飲まないと健康にならないみたいなところがあるのですけれども,そうではないと思うのです。  もっと,例えば,この間,私,台湾で18時間集中授業をやってきたのですけれども,台湾ってすごくて,みんな食べ物に対する意識が高いのですね。どの草は食べられるとか,どれは食べられないとか,それから,どの果物は体を冷やして,どの果物は体を温めるから,こういうときにはこういったものを食べたほうがいいよとか,ライチって,あれは5つ以上食べてはだめだよとかって,結構みんなそういうことをよく知っているのですよ。つまり,それって自然技術ですよね。自然が教えてくれているもの,そういったものがすごく,しっかりと台湾はまだ残っていると思うのですけれども,日本はそれがすごく,ビジネスが進化する中で消えていってしまったというところがあって,教育そのものがプラクシスになっている。  ひょっとすると,それをもう一度読みかえて,何か,多分食べ物とか,おやつとか,そういった身近なものからみんなで学び合うような,そういう文化を太くしていったらいいのではないかと思いました。  それから,もう1つ,台湾で感じたのは,台湾って外食文化なのですね。日本も外食文化なのですけれども,日本の外食文化というのは,コンビニで何か弁当を買って帰ると。私も時々買って帰るのですけれども,大体この間まで298円の弁当がスーパーに並んでいたのだけれども,今は198円ぐらいの弁当がいっぱい並んでいます。みなお年寄りが,年金暮らしだから,お金がないので選んでいますよ。だけど台湾って台所でお料理つくらないらしいですね。みんな町に出て屋台でできたてのものを食べると,そうするとみんな町に出てきて,町がにぎわってエネルギー効率もいいと,交流も生まれるという文化が,随分前の日本,私が子どものころはまだありましたけれども,そういったものがあるわけで,そういったことも大事だろうと。
     つまり一緒に御飯を食べるというちょっとした日常習慣的なことが,実はすごく大事な郷土愛を生むかもしれないということがあって,何かそのようなささやかなことから,やはり多様に始めていくということが大事だと思うので,いっぱいいろいろな運動体をつくったらどうかなと,私は思っているところなのですけれども。  すみません,何か,回りくどい説明になってしまったかもしれません,申しわけありません。 58 ◯横山委員長 ほかにございませんか。  江尻委員。 59 ◯江尻委員 水戸に住んでおります江尻と申します。  四万十の新聞バッグの話を聞いていて,私は隣の徳島県が出身なので,徳島で言うと上勝町の葉っぱプロジェクトみたいな形なのかなということで,その物語性が後ろにはちゃんとくっついているところが人の魅力にも映るポイントなのかなと思ってお聞きしていたのですけれども,私も茨城に来て,茨城県の地域のよさ,資産というのがたくさんあるとは常々感じているのですが,先生がさっき宝が実は発酵食品,納豆じゃないかとおっしゃったのも,関西人は比較的納豆を食わず嫌いと言われることはありますけれども,私はもともと徳島にいるときから納豆が大好きで,ただ向こうでスーパーに買い物に行くと,二,三種類しか納豆がなかった。それが水戸に来たら何十種類,それも納豆を使ったお料理も,ありとあらゆるところに納豆が,うどんの中にまで入っているというところはびっくりしたのですが,そういう地域の資産はたくさんあると思うのですが,先生がおっしゃっていた,そういうそれを評価する視点とか,それをどうやったら活用するかという機会が少ないのかなということをいつも感じているのですが,行政でも個人でも民間でも,そういうのをどうやって評価していくのか,どうやったら活用できるかと,いろいろな機会をつくる仕組みづくりというのが何かヒントになるものがあれば教えていただきたいなというのと,最後に,多軸社会とおっしゃったように思ったのですが,何かイノベーションでいろいろなものをつくろうというときは,今までどうすれば大量に多くの方に受け入れられて売れるかということが重視されてきていたと思うのですが,どっちかというと,今はマイノリティーというか,少数の方のために合った商品,少ないかもしれないけれども,その人がどうしても必要としているものを開発していく社会の御発想も必要なのかなと感じているのですが,その点について,もしお考えがあれば。その2つなのですが,お聞かせいただければありがたいと思います。 60 ◯蓮見参考人 私は自動車メーカーで20年間仕事をしてきた中で,マスマーケットミニマーケットというのがあって,みんなマスマーケットを狙うのです。マスマーケットを狙った結果,どうなるかと言うと,そこに大量に似たようなものが投入されますから,あとは価格競争になって価格破壊が起こって,つぶし合いになって消えていくというようなことを,どうも繰り返しているような気がするのです。  それは,高度経済・高度消費社会の特質ではないかと思うのですけれども,やはり小さいものが小さいなりに生き残っていけるということが,すごく大事な気がするのですね。そのためには,小さいものに価値を持って,そういったものを大事にするという文化が醸成されないと,自然淘汰されていなくなってしまうので,そこをどうするかということがすごく大事だと思うのです。  それで,徳島で人形浄瑠璃ってありますよね,一般的に阿波踊りが有名なんだけれども,実は各集落ごとに人形浄瑠璃の舞台が神社のところなんかにちゃんとあって,子どものころから人形浄瑠璃のお稽古をしたり何かしますよね。何か,お稽古事をする,あるいは大人のお手伝いをするというところから,地域のちょっとしたささやかなことに対する好奇心とか何とかが育てられていくのではないかと思うのです。  今の高度経済社会にどっぷり浸かって,それとともに大きくなってきた人は,これから小さなものも大事にしましょうと言っても,なかなか理解が至らないと思うのですけれども,今の小さな子どもから,そういう地域の本来の面白さとか,楽しさとか,そういったことを実践的に教えていくということが,行われればいいなと思っています。  北海道というのは,何かすごくそういったことを大事にするのですよね。一番大きいのは雪を嫌っている人がいないということが,僕は一番びっくりしました。210億円かかる,あのやっかい者,雪がなければと誰も言わなくて,雪が降ったら降ったで,雪積み上げてお庭つくっている人がいたりするのです。うちの向いのおじいさんとおばあさん,夜中じゅう庭づくりをやっています。雪かきをやっているのだか,庭づくりしているのだかわからないみたいな感じ,春になって雪がなくなると,雪のかわりに花を植えるという形で,ずっと自分の周りの何か1つのランドスケープを,自分なりに手を入れてきれいにしようという心が,宿っているのだなと思うし,町全体がすっきりきれいなのは,やはり雪のせいで,1つにはいろいろなものを置いておいても雪かきがしにくいですから,家の周りには何も置かないということがあるとは思うのですけれども,同時に何かいつも家の仕事を,手仕事をしていないと埋もれてしまうということがあって,それは営みだと思うのです。そういう人の営みというか,非常に原点的なものが,その自然環境の中で生き続けているということがあると思うので,何か茨城にもそういったものが,恐らくきっとあるのではないかと思います。 61 ◯横山委員長 よろしいですか。  森田委員。 62 ◯森田委員 きょうはありがとうございます。  タイトルが「未来を拓く新たな価値を生み出すイノベーション県いばらきづくり」という勉強会を我々は持っているのですが,そうしますと,つくばを代表するような技術革新と言われましたけれども,今ではイノベーションというのは,ないものを新たにつくり出すとか,発見するというようなことらしいのですけれども,そういうふうに捉えていたものですから,非常にきょうのお話は心温まるような,温かくなるような話が多かったですね。  それから,私どももできるのかなというのがイノベーションという感じがしまして,ほっとしている部分が非常に多いのですけれども,そうしますと,軸がたくさんあるとか,他動的なものだという話がございました。それで,必ず地域ごとに自慢できることとか,生活の知恵みたいなものを,我々も高齢者ですけれども,高齢者の方からも集めて,そういったコンクールじゃありませんけれども,この地域にはこういう特色がある,こういうよさがあるとか,こういうものを生かしてやってきたのだとか,そういう事例集みたいなものを出し合って,そして茨城県全体で取りまとめたら面白いイノベーションになるのかなと,今聞かせてもらったんですけれども,どうでしょうか。 63 ◯蓮見参考人 すごくいいと思います。  いろいろな市町村ごとにお互い見学に行って,視察に行って,その視察に行った先のいろいろなものを見せていただくということは,行く本人もすごく新しい発見があるでしょうし,迎えるほうも,わざわざ来てくれるわけですから,何か必死にどこに連れていって満足してもらおうかということで考えますよね。  そういうふうに,例えば44市町村が,縦,横,斜めにいろいろな交流をしていくと,実はお互いに何か磨き合って新しい価値が発見できてくるということが,きっとあるのではないかと思うのです。 64 ◯森田委員 そういうことが地域の活性化なり,県全体の活性化にも結びつくと捉えてよろしいのでしょうか。 65 ◯蓮見参考人 ええ,それはすごく結びつくと思います。  今,茨城新聞が「いばらきセレクション125」というのをやっていて,44市町村ごとに125のいばらきの地域の誇り,宝を見つけようとやっているのですね。そういう中で子どもたちから多く出てきているのが,例えば自然とか,海とか,川とか,そういったのがいっぱい出てくるのですよ。とてもそういうところに目をつけているのはいいなとは思うのですけれども,何かすごく抽象的なことしか浮かばないのかなとも思ったりするのですね。  例えば私だと,水戸の駅前の銀杏坂のイチョウというのがありますよね。あるんですよ。あれは戦争を生き残った,大火を生き残った,とても力強いイチョウの木で,みんなが大事にしているのですけれども,一回も出てこないのですね。それって何かもったいないな,もっともっといっぱいあるはずだけど,例えば駅前に限ってどこかの,例えば常陸太田市の方が水戸駅前の視察ということで,駅前にどんな宝物があるだろうと探し出すと,必ず出てくる宝物なのです。  だから,お互いに発見し合ったり何かする機会が結構少ないのかもしれないので,そういうことをやったほうがいいと思いました。  私は奈良の遷都1300年祭というのに行ったのですね。奈良の遷都から1300年になって,奈良県がすごい莫大なお金を使ってやったお祭なのですけれども,奈良のまちに泊まったら,町中にもシカがいっぱいいるではないですか。それで,奈良って,そう言えばシカがいっぱいいるのですけれども,何でこんなにシカがいっぱいいるのですかねと言って,宿のおかみに聞いたら,このシカはと言って話が始まったのですよ。私たちの遠い遠い先祖が,茨城から白いシカに乗ってやってこられたのですよという話をされたのです。  ああそうかって,奈良の人は茨城に誇りを持っているのかって思ったのだけど,そういう古い昔から長屋王の木簡を見ると,茨城からアワビが何個とか書いてありますよね。そういったことも何人の子どもが知っているのだろうかとか,でもそれは教科書に書いてあるから覚えて,試験に出るから学んだのではなくて,実際にいろいろなところに行って,日本全国のいろいろな津々浦々にどんなふうに茨城が生きているのかを見つけてくるというくせも,きっと交流し合うことによって出てくるのではないでしょうか。 66 ◯森田委員 それから,もう1つ,プラティークということで,日常,習慣的なことということで,私も毎朝起きて,顔を洗って,歯を磨いて,シャワーを浴びてということで,ずっと繰り返していて,何かこんなこと毎日やっていてということが本当に多いのですけれども,子どもたちには,そういうところからさっき教えていただいた発想,新しい発想なり閃きなり,そういうところから生まれるのだということを,あえて話してあげる必要がありますかね。 67 ◯蓮見参考人 ええ,あると思います。  私たちの大学は看護学部があるのですけれども,やはり健康のために歯が一番大事とかということがあって,歯1つだって,小さいころからきちっと自己管理していかないと抜けていってしまうわけですから,例えばかむというのは健康の源なので,そういったことで日常生活の中にも実践で覚えていくことはいっぱいあると思うのです。食べ方,寝方,さまざまあると思うので,そういう1つ1つの生活の習慣というのをきちっと身につけていくということは大事なことだし,それを教えられる人は,やはり家族しかいないのではないかという気はします。 68 ◯森田委員 ありがとうございました。 69 ◯横山委員長 ほかにございませんか。  ないようですので,以上で蓮見様からの意見聴取を終了いたします。  本日いただきました御意見等につきましては,今後の委員会審査に役立ててまいりたいと存じます。  蓮見様には,大変貴重なお話をいただき,まことにありがとうございました。 70 ◯蓮見参考人 どうもありがとうございました。      ─────────────────────────────── 71 ◯横山委員長 以上で,委員会を閉会いたします。                 午後4時19分閉会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...