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  1. 茨城県議会 2001-10-10
    平成13年第3回定例会(第3号) 本文 開催日: 2001-10-10


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 平成13年10月10日(水曜日)午後1時5分開議          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◯議長(鬼沢忠治君) これより本日の会議を開きます。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 諸般の報告 2 ◯議長(鬼沢忠治君) 諸般の報告をいたします。  9月26日以降10月5日正午までに受理いたしました請願は,お手元に配付の請願文書表第2綴のとおりでありまして,それぞれ所管の常任委員会に付託いたしましたので,報告いたします。  次に,知事から追加議案が提出されておりますので,報告させます。議事課長。                    〔田波議事課長報告〕                                        財  第  379号                                        平成13年10月10日  茨城県議会議長  鬼  沢  忠  治 殿                              茨城県知事  橋  本     昌                議 案 の 送 付 に つ い て  平成13年第3回茨城県議会定例会に下記の議案を提出するため,説明書を添えて別添のとおり送付します。                        記  第131号議案 公安委員会委員の任命について        =ないし=  第133号議案 土地利用審査会委員の任命について          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    日程第1 第112号議案=ないし=第130号議案,認定第1号,報告第3号 3 ◯議長(鬼沢忠治君) これより議事日程に入ります。  日程第1,第112号議案=ないし=第130号議案,認定第1号及び報告第3号を一括して議題といたします。          ────────────────────────────── 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑 4 ◯議長(鬼沢忠治君) これより県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を許します。  田所嘉徳君。                  〔14番田所嘉徳君登壇,拍手〕 5 ◯14番(田所嘉徳君) 自由民主党の田所嘉徳です。  通告に従いまして,一般質問を行いますが,きょうは,橋本知事の政治姿勢を支持しているたくさんの下館市民が傍聴に来ております。別室までおられますので,橋本知事を応援してよかったと言って帰れるように,積極的な答弁を期待しております。  橋本知事,3選を果たされまして,まことにおめでとうございます。この3期目は,新世紀のいばらきを創造するために大変重要な意味を持っていると思います。どうかしっかりと頑張っていただきたいと思います。  それでは,まず,国の政策への対応について,知事にお伺いいたします。  現下の社会情勢は大変厳しく,我が茨城も,財政再建団体への転落も想定せざをを得ないという厳しい状況が続いております。しかし,橋本知事は茨城が将来に大きな可能性を持ち,大きく飛躍する県であると主張しており,大変心強く感じております。これをしっかりとした県政のかじ取りによって実現していただきたいと思います。  今,国では,小泉首相が改革なくして成長なしと公言し,「聖域なき構造改革」により公共事業の抑制,地方交付税の削減や道路特定財源一般財源化など,大胆な改革が実施されようとしております。これらは痛みを伴うとされ,地方の切り捨てともなってしまうことが懸念されております。  これらの実施によって,本県がおくれている道路等の社会資本の整備がさらに遅延し,多岐にわたる行政サービスの低下を招くことになれば,本県にとって大きなマイナスとなり,黙って見過ごすわけにはいかないのではないかと思います。  先ごろの小泉首相の,地方も国に頼るだけでなく独自の税源を確保すべしとの発言に対し,橋本知事はすぐにこれに反応し,課税対象には大体網の目がかぶっていて現実的ではない。また,地方交付税の削減は地方分権に逆行するとの意見を表明しました。このようにタイムリーな意見を強く発信することは,非常に重要なことであると思います。橋本知事には常にこのような姿勢を持っていてほしいと思っております。国の政策に翻弄され,あるいは盲従するのでは,茨城300万県民の利益を守ることはできません。  そこで,まず,本県の発展と県民の利益を守るために,橋本知事は国の政策に対して,どのような対応をしようとしているのか,基本的な考えをお伺いいたします。  次に,地方分権についてであります。  昨年,地方分権一括法が施行されたことにより,国と地方は,上下主従から対等協力の関係となり,これまでの中央集権型社会から,各地方の特性を生かすことのできる分権社会の実現を目指しております。分権法の施行により,機関委任事務が廃止されることや独自条例の制定により議会の関与ができることなど,制度的には整いました。しかし,現実的効果という面では,甚だ心もとないのではないかと思います。  今般の知事選挙においても,これまでの成果が問われましたが,この成果として,本県独自の,本県初の施策は地域ケアシステムやお手伝い手帳などで多くを認めることはできません。これらのことは,いかに橋本知事が独創性を発揮しようとしても,現在の法律,制度のもとでは,それが大変難しいことをあらわしていると思います。  しかし,一方では,茨城が際立って成果を上げてきたものもあります。それは,市町村の合併の推進であり,昭和60年以降,あるいは橋本知事が誕生した平成5年以降,全国で合併が実現したものの3割以上が茨城県内で行われたものです。これらの実績を踏まえて,制度改正に対する国への提案を積極的に行い,合併算定がえの延長であるとか,合併特例債の創設,3万人で市制施行できる要件緩和など法改正の中に数多く反映されております。これらのことは,現実的に茨城発の政策が法制度に反映できることを証明しており,大変大きな成果であると思います。  今後,本県の特性を生かした豊かな地域づくりができるように,幅広い分野にわたって制度改革の主張を発信することが大変重要であると思いますが,真の分権社会を実現するために,どう取り組もうとしているのか,知事にお伺いいたします。  次に,本県の構造改革についてであります。  財政収支見通しによると,平成17年まで,毎年800億円の財源不足が見込まれており,このままでは平成14年度には再建団体に転落してしまうことをあらわしております。しかし,これを財政再建プランに基づいて何とか回避しようとしておりますが,この中身は財政健全化債財源対策債などの活用が大きな割合を占めており,言うならば借金の先送りや地方税財政制度の改正のように,まだ導入が不確実なものを予定しており,実質的な改善にはなっておりません。  これでは,来年度に再建団体に陥らなかったとしても,次の年にはまた同じような危機が訪れ,綱渡りのような状況が繰り返されることは明白であります。これは行財政の根本的な構造が変わらないからであり,今行われている内部管理経費の抑制や事務事業の見直しなどの対症療法的な再建策では,限界があることを示しております。また,外的環境も大変厳しく,公営企業では,企業債残高が平成12年度末で1,900億円の巨額に上っており,出資団体の問題については,知事も,今議会の冒頭で見直しが必要であることを認めているとおりであります。  本県としても,待ったなしの構造改革の断行が迫られております。しかも迅速に対応しなければならないと思いますが,本県の構造改革についてどのように考えているのか,お尋ねいたします。  次に,危機管理についてであります。  アメリカにおいて発生した同時多発テロは,世界を震撼させる大事件であり,多数の市民を巻き込んだ大変卑劣な事件であります。本県においても,無差別テロを引き起こしたオウム教団の問題が発生し,また,原子力施設や防衛施設などが立地していることから,決して遠い国の出来事と座視してはいられません。  この問題に対しては,昨日,本会議において意見書が採択されたところであり,市長会や町村会からも政府関係機関に対して,テロ防止のための対策強化を求める要望書が出されております。  特に本県では,苦い経験として,一昨年のJCOの臨界事故があります。私たちの生活している身近なところで危険な核燃料の加工が安易な方法で行われ,いとも簡単に制御不可能な臨界に達することが証明されてしまいました。テロリストが,これまでに核施設をターゲットにしたという報道もあり,もし本県の原子力施設がテロの標的となり,破壊あるいは核燃料等が略奪されるようなことがあれば,大変な事態となります。これについては政府も懸念を表明しており,この対策は一地方の問題ではなく,国家的なリスク管理を茨城が担っていることになります。無差別テロ等を含めた本県の危機管理のあり方について,どのように考えているのか,知事にお伺いいたします。  次に,雇用対策について,商工労働部長にお伺いします。  我が国の完全失業率が5%に達し,調査開始以来,最悪の結果となったことは,現在の景気の悪化を示す大変衝撃的な出来事であります。日本の失業者は336万人と,茨城のすべての人口を超えており,本県においても,雇用保険受給者数は2万2,000人にも上っております。世界的な景気後退の中で,大企業も軒並み業績が悪化しております。大規模なリストラの実施を表明しており,今後,小泉政権による構造改革が進めば,不良債権処理に伴うさらなる失業者の発生が予想されます。まさに今,セーフティーネットとしての雇用対策を緊急に実施しなければならないわけであります。  現在,実施されている緊急雇用対策では,平成11年半ばから本年度までの事業で,国全体では,総事業費2,000億円の予算で30万人,本県においても,基金約42億円を財源とし7,000人の雇用を図ろうとしております。  しかし,この緊急雇用対策を実施してなお現在の最悪ともいうべき雇用情勢に至っていることは,この政策の本格的な雇用を誘発する,その効果には疑問があります。また,雇用対策国会と銘打って,現在臨時国会が開催されており,公的機関による雇用創出や中小企業への支援など,総合的な雇用対策が実施されると報道されております。国と県が一体となって,効果的な雇用対策を実施しなければならないと思います。  そこで,雇用の拡大を図り,県民の雇用不安を解消するために,今後,本県として雇用対策をどのように進めようとしているのか,お伺いいたします。  次に,新規開業率の向上についてお伺いいたします。  今定例会において講習会や雇用相談,また,雇用開発計画の策定などの予算案が提出されております。しかし,これらは雇用の場があって初めて効果が出るもので,雇用を確保するためには,何と言っても多くの事業所がなければどうにもなりません。本県の事業所の推移は,新規開業率は3.3%,そして廃業率が4.8%です。これでは事業所が減少してしまうことになり,雇用の拡大を図るどころか,ますます失業者が増加してしまいます。  本県の開業率3.3%は,全国平均の4.1%と比較しても著しく低く,国の研究機関の3分の1が県内に立地しているという優位性がありながら,それが生かされないことは問題であり,まことに残念であります。新規開業を促進するためには,起業家の育成と技術の活用,そして金融支援等が必要であり,新技術やアイデアがあっても,それを生かす土壌がなければなりません。これに対応する目的で,新たにベンチャーマーケットを組織化すると聞いております。既にヤングベンチャー支援事業創業活動支援融資など,幾つかの目的において類似の政策が実施されておりますが,これらが実効性の伴うものとして機能しなければなりません。  そこで,本県の新規開業についてどのように考え,開業率向上のための政策をどう進めようとしているのか,商工労働部長にお伺いいたします。  次に,県民の健康づくりについてであります。  先ごろ,最新の平均寿命の発表がありました。男性77.64歳,女性84.62歳となっており,男女とも記録を更新し,世界一の長寿国の座を維持したことは大変喜ばしいことであると思います。これは生活水準,衛生的環境,医療体制などにおいてすぐれていることをあらわしており,ある意味では国の力を示すもので,まさに世界に誇れることであると思います。日本が経済の優等生と言われたのは過去の栄光で,その地位はかなり低下してしまいました。しかし,世界一の長寿国であるという優位性は,何としてもこれを守り保持しなければならないと思います。みんなが健康に関心を持ち,健康づくりを促進することは,その人にとってよいことであるばかりでなく,家族や社会の負担軽減にもなり,また,社会全体の元気と活力につながるものであります。  このような背景のもとで,本年,健康いばらき21プランが策定されました。これは,国の健康日本21で求めた地方計画という位置づけがされており,各地域の状況に即した計画の必要性から,策定されたものであります。これが,健康づくりの総合的な計画であるという観点からすると,すべての県民に理解された県民運動として展開する必要があります。また,健康づくりの環境整備など,広範な対策を考慮しているところから,関係部局との協力,さらには市町村・民間企業・ボランティア団体などとの連携が必要であります。  そこで,この健康いばらき21プランは,どの点において茨城としての特性を生かして策定されているのか,また,実績管理と評価を行いながら,どのように総合的な県民運動として展開しようとしているのか,保健福祉部長にお伺いいたします。  次に,農業政策について,農林水産部長にお伺いいたします。  あらゆる分野において国際競争が激化し,海外からの安価な輸入品の急増が,現在の顕著なデフレ傾向や構造不況の原因となっていると言われております。工業製品では,人件費が格段に安い海外製品との競争が大変難しいことは理解できますが,野菜などについては新鮮さが命であり,国内品が絶対的有利な位置にありながら,海外からの輸入品に駆逐されるようなことになれば,全く最後のとりでを失うことになります。事,農産物については,安定的な自給を確保する食料防衛という観点から,あるいは,環境の保全など多面的機能からも,日本の農業を守ることは非常に重要であることが認識されております。  そこで,輸入農産物の増加により,重大な損害を受けるおそれがあるということで,現在,セーフガードが暫定発動されております。しかし,これによって貿易摩擦が生じており,中国は自動車などの自国への輸入に対して報復関税をかけており,対中自動車輸出はほぼ停止状態になっていると言われております。また輸入制限が消費者にとっての利益という点では,問題があるのではないかという指摘もあります。  このような中で,本県はネギとシイタケの産地となっており,セーフガードの早期発動を要望してきた経緯もありますので,この成果についてしっかりとした評価を行い,対外的に公表しなければ,各方面からの批判に耐えられないのではないかと思います。  そこで,政府ガードの暫定発動の期限が来月には切れる今,県として,セーフガード発動の効果をどのように評価しているのか,暫定発動の効果を踏まえた上で,本発動に対してどのような見解を持っているのか,農林水産部長にお伺いいたします。  次に,産地改革の推進についてお尋ねいたします。  このたびのセーフガードは,この期間中に農業の構造改革を行い,国際競争力を確保するために発動されたものであります。仮に本発動に移行しても,最長4年間で改革しなければなりません。これに対応し,今議会に産地改革計画策定事業が提案されております。これは各産地において,数値目標を設定して改革を図ろうとするものであると聞いております。少なくとも30%のコストダウンを果たさなければ,購買意欲が喚起できないとも言われております。現在の農家の形態は,小規模な家族経営がほとんどであることから,生産性向上には限界があり,機械化や流通の改善による合理化も難しい面があります。  しかし,産地改革は何としてもなし遂げなければならない課題であり,これが実現しなければ,いたずらに貿易摩擦を引き起し,消費者の負担を増大させただけだという非難を受けることになります。この産地改革計画策定事業をどう生かそうとしているのか,また,どのように国際競争力のある農業構造を実現しようとするのか,お伺いいたします。  次に,稲作についてであります。  本県において水田は全農地面積の58%で,農産物の中で最も大きな割合を占める重要な基幹作物であります。特にコシヒカリについては,全国第2位の生産量を誇る大産地であります。中でも,我が下館の水田面積は県内第2位で,県内有数の稲作産地であります。私も家でとれたお米を食べておりますけれども,私はどこよりも茨城のお米はおいしく,品質もよいと思っております。  しかし,市場での評価は高くありません。ことしの自主流通米入札価格によると,コシヒカリの単価は1万6,000円ほどで全国平均よりも低く,福島産と比べると約1,000円,新潟産の一般より約2,000円安く,魚沼産と比較すると,何と1万円も安いのが現状です。  このような中で,本県においても特別栽培農産物認証制度が設けられました。これは,無農薬栽培から減農薬,減化学肥料栽培まで8種類の認証区分があり,既に認証を開始し440人が申請していて,そのほとんどが稲作農家とお聞きしております。何とか付加価値をつけて,経営安定を図ろうとする姿勢のあらわれであります。  そこで県としても,県産米についてPR等により積極的にイメージアップを図り,農家の経営安定を図ってもらいたいと思います。県産米が,特別栽培農産物認証制度の定着やイメージアップなど,販売価格に反映するような施策が重要と思われますが,今後どのように進めようとするのか,農林水産部長にお尋ねいたします。  次に,増加する犯罪の対策について,警察本部長にお伺いいたします。  最近まで,我が国は非常に治安のよい国であると自負しておりました。しかしここ数年,犯罪が急増しております。本県における刑法犯認知件数の推移を見ると,5年前の平成7年には3万4,000件であったものが,平成12年では5万2,000件と50%もふえていながら,一方の検挙率は, 62%が21%と激減しております。昨年の集計では傷害や恐喝などの粗暴犯が前年対比90%の増加,けん銃発砲事件は16件で,昨年に比べ10件増加し,全国最悪であります。さらに,先ごろ発表されたことし上半期の事件の発生状況は,刑法犯認知件数,検挙率とも過去最悪の記録を更新しているということであります。  外国人による組織犯罪,殺人や強盗などの重要犯罪,傷害や恐喝などの組織犯,さらには,けん銃発砲事件が多発し,麻薬の密売事件も摘発されており,身近なところでこれらの事件が蔓延している状況は,まさに急激な治安悪化で,大きな不安を抱かざるを得ないのであります。  交通事故防止では,茨城県交通安全計画に基づいて安全対策を講じておりますが,犯罪対策には具体的な計画が示されておりません。警察として,犯罪防止検挙率アップのために中長期的な計画を講じる必要があると思います。  また,地域住民や自治体と協力する体制づくりも重要ではないかと思います。水と安全はただと言われ,何の努力をしなくとも得られるという考え方から,常日ごろより,住民と協働して安全を確保するシステムを構築する必要があると思います。  そこで,急増する犯罪に対する認識と犯罪防止検挙率アップのための中長期的方針をどうするか,また,住民との協働による防犯のあり方についてどのように考えているのか,警察本部長にお伺いいたします。  次に,県西地域発展のための筑西幹線道路について,土木部長にお伺いいたします。  筑西幹線道路の整備に県が本格的に乗り出し,本年度の予算化,そして岩瀬インターから新4号国道までの概略ルートが発表になったことで,県西地域ではこの事業推進に対する期待がにわかに高まっております。本事業を進めることは,県西地域の活性化のために大変効果的であり,現在の厳しい財政の中にあるにもかかわらず,積極的な取り組みを行おうとしていることは,高く評価すべきものと考えております。  これは,北関東自動車道と連携して効果が発揮されるもので,数年後の岩瀬インターの開通を考慮し,順次供用開始ができるように整備を進める必要があり,計画的に事業の推進を図らなければなりません。このルートは,今回発表された37キロメートルを含む全延長が42キロメートルにも及び,この中には,長期間を要する橋梁の整備が必要なところ,また,これから都市計画の必要なところ,あるいは調査期間が数年を要する環境調査が必要と思われるところがあり,これらを早急に開始する必要があります。  また,県西総合公園以西都市計画決定はされているが,既設の道路も橋もない部分については,すぐにも事業化に移行する必要があります。これら各地域の条件を十分考慮して,迅速に事業推進が図られるように,合理的でしっかりとした事業計画を定めることが非常に重要であります。  また,筑西幹線道路の整備主体が,一部区間については,当該市の事業として実施する方向で進んでいると聞いております。しかし,この筑西幹線道路が,広域的な利用を目的とする幹線道路であることから,県事業として整備することが妥当であり,今後,この対策について十分な考慮を求めるものであります。  そこで,まず,この筑西幹線道路の整備の進め方及びスケジュールについてどう考えているのか,特に下館市周辺における整備をどのように進めようとしているのか,土木部長にお伺いいたします。  最後に,県西総合公園の整備についてであります。  この公園は下館市,協和町,明野町にかけての約55ヘクタールに,第1期と第2期の2段階に分けて整備する計画で,昭和58年から第1期の整備が進められ,平成4年に供用開始されております。現在,スポーツや憩いの場として大きな役割を果たし,地域の交流拠点となっております。  このような中で,この公園を縦断する形で筑西幹線道路の整備が行われようとしており,現在進めている第1期の整備も,平成14年までで終了することになっております。また,これまで長年にわたって都市計画法で規制をかけてきたことから,この第2期工事について,今後どのように進めるのか,方針を決定する時期に来ております。  現在,県西においては本格的な球場がなく,高校野球の予選もできないのが現状であり,野球場の整備が切望されております。幸い,この第2期工事には,野球場を中心とする施設の計画がされており,ぜひこれを実現してほしいと考えております。  県西総合公園の当初の目的とされる機能が十分発揮されるよう,継続的に整備を進めることが必要であると思いますが,今後の県西総合公園の第2期工事についてどのようにするのか,その方針について土木部長にお伺いいたします。  以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) 6 ◯議長(鬼沢忠治君) 田所嘉徳君の質問,質疑に対する答弁を求めます。  知事橋本昌君。                    〔知事橋本昌君登壇〕 7 ◯知事(橋本昌君) 田所嘉徳議員の御質問にお答えいたします。  まず,国の政策への対応について,7つの改革を中心に申し上げたいと思います。  現在,国が進めている構造改革につきましては,具体的な内容が明確になっていないものもありますが,明らかに本県にとって不利益を及ぼすのではないかと思われるものもございますので,中央要望や全国知事会等を活用して,国等に対して積極的に提案・要望を行っているところでございます。  具体的には,まず,公共事業の抑制につきましては,公共投資に係る予算配分の削減や長期計画の見直しなどの方向が示されておりますが,本県における社会資本整備の現状を踏まえ,所要の財源を確保されるよう,特に,既にスタートした公共事業が途中で中止されることなどのないよう,継続的かつ計画的な実施について,国に対して要望しているところであります。  また,地方交付税の削減につきましては,地方行財政の運営に支障が生じかねないこと,さらには,地方交付税の段階補正の廃止または縮小につきましては,小規模市町村においては死活問題となることも懸念されることから,地方交付税の総額の安定的確保を図るよう,全国知事会や町村会・市長会など関係団体と連携しながら,要望してきたところであります。  一方,道路特定財源一般財源化につきましては,本県は可住地面積が広く道路延長も長いため,まだまだ道路整備を進める必要があることから,また,日本道路公団の民営化が議論されておりますが,現在公団施行で進められております北関東自動車道及び東関東自動車道水戸線の整備が,民営化に伴い国直轄事業となった場合には,本県の負担額が1,000億円も発生することなどから,所要の道路整備費の確保について,機会あるごとに国に働きかけているところでございます。  今後とも,国の政策に対しましては,国と対等・協力の立場に立って積極的な政策提言を行い,本県の実情や県民の要望にこたえた事業の推進に努めてまいりたいと存じます。  次に,地方分権の推進についてであります。  御指摘のとおり,地方の個性や独創性を発揮しようとしても,全国統一的な法令や制度のもとでは,十分になし得ない面があるのは確かでございます。しかし,そのような状況下にありましても,これまで工夫を凝らしながら,すべての小中学校でのティームティーチングの実施や妊産婦医療費の無料化の実現,中小企業に対するテクノエキスパート派遣制度の創設,全市町村が参加する租税債権管理機構の設立など,全国に先駆けた先進的な取り組みや本県の実情に即した施策を着実に実施してきたところでございます。  このような中,地方分権一括法の施行により,機関委任事務制度の廃止や国の関与の見直しなどが行われたことにより,地方の自己決定権が拡充し,より自主的・主体的な行政運営が可能となるなど,行政システムの改革としては,一定の前進が図られたところでございます。  しかしながら,税財源の移譲が実現しないなど財政システムの分権化という面においては不十分であり,また,行政システム面においても,国の個別法令による自治体への細かな事務の義務づけ等の見直しがほとんど手づかずに終わっているなど,地方分権を実効あるものとするためには,いまだ多くの課題が残されていると感じているところでございます。  このようなことから,真の地方分権を実現し,地方が自主的・主体的な行財政運営を展開してまいりますためには,私は,まず,何と申しましても,地方税財源の充実強化が不可欠であると考えており,個人県民税及び地方消費税の充実など,国から地方への税源の移譲が早急に行われるべく,機会あるごとに国に対して強く働きかけているところであります。  また,個別の行政分野につきましても,幾つか申し上げますと,例えば雇用関係では,県に職業紹介業務が付与されていないなど,地域の実情に応じたきめ細かな施策を実施しにくくなっていることから,制度の改善を図る必要があると考えております。そのほかにも,産業廃棄物処理施設の設置許可についても,国からの法定受託事務とされていること,4ヘクタールを超える農地転用の許可権限がいまだ国に留保されていることなどといった事例があり,地方が社会経済情勢の変化に的確に対応し,主体的に地域の行政を担えるよう,これらの制度の見直しが必要であると考えております。  さらには,国が地方公共団体に影響を及ぼす法令の制定等を行う場合に当たっては,地方の意見が十分に反映される仕組みと機会の確保が必要であり,知事会を通じ,強く国に働きかけているところであります。  次に,本県の構造改革についてお答えいたします。  本県では,歳入・歳出両面にわたり徹底した行財政改革に取り組んでいるところでありますが,本県の歳出構造を見ても,歳出の約7割は国の施策,予算と関連の深い,福祉・医療関係費,教育費,公共事業費の3分野が占めており,県の取り組みだけでは,歳出構造を抜本的に改革するには限界があると考えております。  また,歳入面におきましても,御指摘がありましたとおり,県でできることには限界があり,超過課税や法定外税の割合は,現在のところ,あわせて都道府県税の1.3%に過ぎず,多額の税収が見込め,基幹税目となるような新税は,現実的にはなかなか課税対象が見当たりません。  このような中,現在,国におきましては,骨太の方針に示されました地方自立・活性化プログラムに基づき,国庫補助負担金の整理合理化や法令等による国の関与の廃止・縮減等の見直しが行われることとされておりますが,地方歳出の自立性の向上・効率化や地方税財政制度の拡充が図られ,真に地方の構造改革に資するような取り組みが行われることを期待しているところでございます。御指摘のとおり,対症療法的な再建策ではなくて,行財政の根本的な構造改革が必要とされております。  いずれにいたしましても,県としては,当面,現行制度のもとでの改革に全力で取り組む所存であり,平成14年度予算編成におきましても,例えば,病院等の公営企業会計や県出資法人等に対する支援の見直しなど,これまでなかなか手をつけにくかった分野にまで踏み込んだ見直しを行うこととしており,引き続き徹底した行財政改革を断行し,本県の構造改革に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に,危機管理のあり方についてでございます。  議員御指摘の原子力施設や防衛施設につきましては,これまでも,各施設において厳重なる警戒体制を敷いてきたところでありますが,今回のテロ事件を受け,特に原子力施設に関し,国に対して,より一層の防護対策を講じるよう緊急の要望を行ったところでございます。  このようなテロに対する危機管理に大事なことは,まず第1に,緊急事態は起こり得るとの認識のもと,常日ごろからあらゆる事態を想定した警戒体制を敷きつつ,的確な情報の収集によって,可能な限り事態の発生を防止することであります。  第2に,不幸にして緊急事態が生じた場合には,初動体制を速やかに立ち上げ,迅速かつ的確に情報を収集,分析した上で,何をなすべきかを判断し,適切な対応策を直ちに講じることではないかと考えております。
     一昨日の米国等による軍事行動に対しましては,休日ではありましたが,その日のうちに,全庁的な組織として緊急テロ対策連絡会議を立ち上げ,国からの通知に基づく,本県の対応状況についての情報収集に当たっているところでございます。  原子力事故や自然災害につきましては,防災訓練などを行っていることに加え,災害対策本部の設置など緊急時の体制が確立されているところでありますが,今回のテロ事件のような想定が困難な事態につきましては,本部組織体制についても,設置方法などが確立されていない状況にあります。  しかしながら,県民の安全確保のためには,どのような事態に対しても,適時適切に対応できることが不可欠でありますので,新たな危機管理体制について,早急に整備を図ってまいりたいと考えております。 8 ◯議長(鬼沢忠治君) 商工労働部長福田克彦君。                 〔商工労働部長福田克彦君登壇〕 9 ◯商工労働部長(福田克彦君) 雇用対策についてお答えいたします。  雇用情勢は大変厳しい状況にあり,県民の不安を解消するため,再就職や高校生の就職の支援を初め,中小企業に対する金融支援,新しい産業の育成や企業誘致などにより,新規雇用の場の創出を図ってまいります。  当面の対策といたしましては,今回補正予算を御提案させていただいておりますが,中高年向けの就職面接会の開催や各地方総合事務所に配置しております雇用相談員を増員するほか,本県独自に高校における求人開拓員を本庁に配置するとともに,企業のニーズに対応するための中高年齢者に対するパソコン等の技術講習会を開催いたします。また,地域雇用開発促進法に基づき計画を策定し,国との連携により雇用のための措置を行うこととしております。さらに,緊急雇用対策基金を活用した松くい虫対策事業,PCB廃棄物適正処理推進事業などにより,雇用の場を確保し,雇用や就業に結びつく事業に取り組んでまいります。  一方,国におきましては,総合雇用対策を取りまとめ,この秋の臨時国会の早い時期に補正予算を成立させると聞いております。  県といたしましては,これら国の施設の積極的な活用や職業訓練の充実を図るとともに,中期的に雇用創出を図る新産業の育成などの施策の充実により,効果的な雇用対策を推進し,県民の雇用不安の解消に取り組んでまいります。  次に,開業率の向上についてでございます。  本県の開業率は,議員御指摘のように3.3%と,全国平均と比較して低い状況にあります。その要因といたしましては,本県に集積している技術や人的資源,大学等の研究成果等の産業資源が必ずしも十分に活用されていなかったことや特定の親企業に依存する製造業の割合が高いことなどが考えられます。  これらの課題を克服し,開業率の向上を図るため,これまでにベンチャープラザにおいて,創業から事業化までの総合的な相談に応じるとともに,テクノエキスパートなどの専門家を中小企業に派遣するなど,創業のための支援を行ってまいりました。  また,創業者研修や筑波大学などとの協力のもと,約120名の参加を得て起業家セミナーを開催したほか,若い世代の創業を促進するため,ヤングベンチャー支援事業を実施しております。さらに,中小企業の独自技術を育成するため,産学官共同研究による技術移転の促進や,新製品・新技術に対する助成などの支援を行っております。  今後,創業期の金融支援の一つとして,創業活動支援融資の金利を1.9%に引き下げるとともに,対象者を創業1年以内から,5年以内に拡充をしてまいります。  また,新たにつくばや県北地域に集積している研究成果などの知的資源を活用した創業や中小企業の新分野進出を促進するため,ベンチャー起業家と投資家等とのマッチングの場やつくばサイエンスアカデミーと連携し,大学等の研究成果と企業ニーズの出会いの場の提供など,経営ノウハウや資金確保のための支援体制づくりを進めてまいります。  今後とも,本県に集積する技術や人的資源を最大限に生かしながら,起業家を育成し,開業率の向上に努めてまいりたいと考えております。 10 ◯議長(鬼沢忠治君) 保健福祉部長綿抜剛君。                  〔保健福祉部長綿抜剛君登壇〕 11 ◯保健福祉部長(綿抜剛君) 健康いばらき21プランについてお答えいたします。  まず,健康いばらき21プランにおいて,本県の特性をどう生かしているのかについてでございます。  初めに,本県は豊かな農林水産物を産しますので,これを用いてバランスのとれた食生活をはぐくむことにより,生活習慣病の予防を図ることとしておりますとともに,昨年実施いたしました県民健康実態調査の結果では,運動不足を認識されている方が全国平均よりも多いことから,本県の平たんな地域特性を生かしたヘルスロードの整備,促進を図ることとしております。  また,つくばにはすぐれた学術研究機関が集積しておりますので,それらが有します新しい技術あるいは知識,ノウハウを生かした情報提供や調査研究の充実によりまして,科学的根拠に基づき健康づくりを支援することとしていることなどが,本県の特性を生かしているところでございます。  次に,総合的な県民運動の展開についてでございます。  計画全体の推進機関といたしまして,健康づくり関係団体を初め,経済・労働,市民活動団体などと行政の32団体機関で構成いたします健康いばらき推進協議会をさきに設置したところでございます。この協議会は,県民運動の企画立案を担うほか,県が定期的に実施することとしております県民健康実態調査の結果や目標達成状況の把握によりまして,計画の進行管理と評価を行うこととしております。あわせまして,県食生活改善推進団体によるヘルシーメニューづくりのように,この協議会の構成団体みずからも実践活動に取り組むこととしているところでございます。  また,県民に身近な生活圏におきましても,保健所・市町村・関係団体の連携のもとに,地域に根差した取り組みを広めていくこととしておりまして,例えば,古河・猿島地域では,健康古河・猿島21プランを策定いたしまして,地域・職域保健の連携を図るための学習会の開催などを行っているところでございます。  さらに,健康づくり運動が,より県民に親しまれますようシンボルマークを定め,統一スローガン「健康で ひらくみんなの ゆめ・みらい」を掲げまして,プランの普及啓発を図りますとともに,創造的な健康づくりを実践する個人・団体に対する顕彰制度を創設するほか,健康づくりサークルの育成を行う市町村に対して助成をしてまいります。  このように,県民総ぐるみによる健康づくり運動を展開することによりまして,すべての県民が健康で明るく元気に暮らせる社会の実現を目指してまいります。 12 ◯議長(鬼沢忠治君) 農林水産部長石田寿君。                  〔農林水産部長石田寿君登壇〕 13 ◯農林水産部長(石田寿君) 農業政策についてお答えいたします。  まず,セーフガード暫定発動の評価と今後の対応についてでございます。  発動から170日が経過いたしましたが,この間,輸入量は急増傾向から減少に転じ,ほぼ割り当てられた数量に従い輸入が行われており,国内生産も干ばつによる影響が一部に見られたものの,おおむね良好に推移しており,また,価格につきましても,国産品は低下傾向からおおむね平年並みに回復するなど,一定の効果が得られたものと考えております。  また,消費者にとりましても,大幅な値上がりはなく,大きな影響はなかったのではないかと思われます。さらに,産地におきましては,作付面積などの変動も少なく,輸入に対抗するための産地改革に対する意欲が高まっているところでございます。  この産地改革を実現するためには相当な時間が必要とされ,現に生産者の方々からも本発動に向けた要請をいただいていることなどから,県といたしましても,国に対して本発動の実施を要望してまいりたいと考えております。  次に,産地改革の推進についてでございます。  野菜や生シイタケの産地と言いましても,地域の特性や状況は異なりますので,その産地ごとに明確な目標を持った構造改革を進めることが必要となります。このため,今回の補正予算には,ネギ,生シイタケの産地改革計画を作成するための経費を計上させていただいたところであります。  この産地改革計画は,産地みずからが低コスト化,高付加価値化,従来取り組みの少なかった契約取引などの方向性と,コスト低減などの数値目標や目標実現の方策,その後の姿などを明確にしていただき,これに基づき,3年から4年程度で構造改革を進めるためのものとしております。  具体的な方策として,低コスト化につきましては,機械施設の共同利用やリースの活用による収穫調製作業などの省力化や規模拡大,高付加価値化につきましては,安全安心志向への対応,こだわり商品の生産,地産地消の推進,契約取引の推進では,業務需要にこたえながら生産コストの低減に加え,包装や出荷規格の簡素化などに取り組んでいくこととしております。  県といたしましては,これらの取り組みをソフト・ハード両面から積極的に支援いたしまして,関係者が一丸となって,産地の構造改革を何としても実現してまいりたいと考えております。  次に,県産米のイメージアップについてでございます。  本県産米は,一部に高い評価を受けているものもございますが,新潟コシヒカリなどと比べると知名度が低く,計画流通米としての量も少ないことなどから,有利販売につながっていない状況もございます。  このため,まず,適正水分や粒ぞろいなど品質の向上や統一化に取り組み,大粒でよくそろったうまい米づくりを進めるとともに,集荷率を高めるため,集荷団体に対しまして,庭先集荷や大口の出荷農家へのメリット措置について強く働きかけてまいりたいと考えております。  また,安心・安全な米に対する消費者ニーズにも対応し,農薬や化学肥料を削減した栽培に取り組む生産者の努力を正当に評価するため,特別栽培農産物認証制度を本年5月から始めたところでございます。今後は,県の広報媒体やマスコミを活用したPRを積極的に進め,制度の普及定着を図ってまいります。  さらに「味や品質がよく安全である」ことを卸業者や消費者に正しく評価していただくことが重要でございますので,テレビ,ラジオによるコマーシャルや各種イベントでのPRの実施,卸業者や量販店など大口需要者に対します産地説明会での働きかけなど,農業者団体と一体となって着実に行うことによりまして,本県産米のイメージアップを図り,販売価格に反映できるよう努めてまいります。 14 ◯議長(鬼沢忠治君) 警察本部長玉井篤雄君。                  〔警察本部長玉井篤雄君登壇〕 15 ◯警察本部長(玉井篤雄君) 増加する犯罪の対策についてお答えいたします。  最近の治安情勢に関する認識でありますが,県内ではここ数年,強盗,放火等の重要犯罪や自動車盗,車上ねらい等の窃盗事件のほか,来日外国人による組織的な犯罪など刑法犯が著しく増加しており,発生に検挙が追いつかず,極めて厳しい状況と認識しております。  次に,検挙率の向上についてでありますが,特に刑法犯の9割以上を占める窃盗犯の増加と検挙の落ち込みが目立つところから,今春の組織改正により窃盗犯捜査を専門に担当する捜査第3課の新設や,本部執行隊の運用の見直しを行うなど,捜査体制の強化を図っているところであります。  今後とも捜査員の増強,装備資器材の充実強化,効率的な捜査手法の導入等,捜査力の向上を図るとともに,各種の防犯活動を強化して犯罪の総量抑制に努め,悪化する犯罪情勢に歯どめをかけてまいりたいと考えております。  犯罪防止対策につきましては,街頭におけるパトロール等制服警察官の活動の強化に努めているところでありますが,警察活動のみでは犯罪の抑止には限界があるところから,昨年来,市町村,関係機関団体や地域住民等と協働し,道路,公園等の公共施設やアパート,マンション等の構造,設備,配置等について,防犯灯の整備や周囲の見通しの確保など,犯罪防止に配慮した環境設計を行う安全・安心まちづくり事業に取り組んでおります。  また,地域住民で構成するセーフティ・マイ・タウン・チームや防犯連絡員等の各種の防犯ボランティアの方々に対し,タイムリーに各種の防犯情報を提供するなど,その活動の活性化に努めているところであります。  なお,この10月1日から市町村及び住民等の防犯に関する責務等を明文化した,いわゆる生活安全条例が取手市等で施行されましたことは,防犯対策上,まことに時期を得た取り組みであると期待しております。  県警察としましては,中長期的な犯罪防止対策の推進のためには,安全・安心まちづくり事業など,自治体や各種防犯ボランティア等との緊密な連携が不可欠であると認識しており,今後とも,そうした観点からの地域安全活動の強化に取り組んでまいります。 16 ◯議長(鬼沢忠治君) 土木部長島田健一君。                  〔土木部長島田健一君登壇〕 17 ◯土木部長(島田健一君) 県西地域の活性化について答えいたします。  まず,筑西幹線道路についてでございます。整備の進め方でありますが,この道路は延長が長く大規模橋梁もあり,建設費が極めて大きくなると見込まれますことから,事業中のバイパスや計画されている道路,既存の道路も組み入れながら,極力効率的な整備に努めることとしております。  今後のスケジュールといたしましては,鬼怒川や小貝川への架橋など,事業効果の大きいと見込まれる箇所から順次着手し,平成20年代前半の概成を目指してまいりたいと考えております。  また,下館市周辺につきましては,このたび公表しました概略ルートにより,既に都市計画決定されている下館市南部の環状道路や現在事業中の関城バイパスを筑西幹線道路として位置づけ,整備を進めてまいります。このうち,現在,事業化されていない環状道路につきましては,今後,県と市が一体となって整備を進めるなど,関係市町村と十分協議を行いながら,筑西幹線道路の整備推進に努めてまいります。  次に,県西総合公園の第2期工事についてでございます。  この公園は,これまでにテニスコートや子供広場などの整備が完了しており,現在多くの県民に利用され親しまれております。  御質問の公式野球場を含む第2期計画の約31ヘクタールの整備につきましては,今後,地質調査などを行うとともに,関係する8市町村と十分調整を図りながら,検討してまいります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 18 ◯議長(鬼沢忠治君) 暫時休憩いたします。  なお,会議再開は,午後2時20分を予定しております。                     午後2時9分休憩          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                     午後2時23分開議 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑(続き) 19 ◯議長(鬼沢忠治君) 休憩前に引き続き会議を開き,県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。  塚越恵子君。                  〔12番塚越恵子君登壇,拍手〕 20 ◯12番(塚越恵子君) 日本共産党の塚越恵子です。  初めに,アメリカで起きた同時多発テロについて,テロの犠牲者と御家族,関係者の方々に心からの哀悼とお見舞いを申し上げます。こうした卑劣きわまりない行為に対し,深い憤りをもって糾弾するものです。その怒りがいまだおさまらぬうちに,世界が憂慮していた事態が起こりました。米軍によるアフガンニスタンに対する軍事報復の開始です。3日連続の空爆は軍事施設だけでなく飛行場,発電所などのエネルギー施設もその標的にされました。NGOの事務所の爆撃では,ついに民間人の死者も出ました。テロ行為に対する今回の軍事報復は,大規模なテロそのものであり,さらに新たなテロを呼ぶ悪循環をつくり出し,事態を一層泥沼に導くものです。  事件後のギャラップ社による31カ国世論調査では,軍事報復に反対が8割,9割を超えました。今,テロ根絶のために重要なことは軍事力による報復ではなく,国連憲章と国際法に基づいて,テロの容疑者と支援者を厳正に裁くことではないでしょうか。  特に本県の特殊性は,国際テロ事件と連動して,直ちに警戒態勢に入るような施設を抱えていることです。事件発生直後に原子力発電所や再処理工場,さらに米軍との共同使用基地である航空自衛隊百里基地が厳重な警戒態勢に入りました。県民の安全を守るためには,これ以上の原子力施設の集中,特にITER計画の誘致や百里基地での共用化計画などを進めるべきではありません。軍事力で防ぎ得ないテロ行為がある以上,テロがテロを呼ぶ報復戦争ではなく,法による裁きを国連と国際社会に強く働きかけるべきです。アメリカに追随して報復戦争参加法案の強行など,許されることではありません。憲法9条に照らして知事はいかがお考えでしょうか,御見解をお示しください。  次に,大型開発の見直しについてお尋ねいたします。  御承知のように,新しい長期総合計画が策定され,人口想定が大幅に下方修正されました。これによって本県の大型開発にも,重大な変更が迫られております。バブル期に策定した県水道整備基本計画によれば,ことしの人口は420万人を超えているはずでした。実に120万人,秋田県の全人口より多い過大見積もりと,これをもとに多額の血税を投入したことは,単なる誤算では済まされない大失政と言わなければなりません。新しい長期総合計画は,その反省の上に立って策定したのでしょうか。確かに現況と世論に押されて, 2020年の人口を323万人に下方修正しましたが,過大見積もりの失敗には全く触れておりません。それどころか,「陸・海・空の交通ネットワークづくり」と称して,相変わらず公共事業偏重の道を突き進んでおります。  しかし,日本世論調査会が9月末に行った調査結果では,公共事業についてむだがあると回答した人が93%,減らすべきだという人が73%を占めたと報道されました。百里基地の増強,常陸那珂港の拡充,霞ヶ浦導水事業の推進などの大型開発は,世論と真っ向から対立する施策ではないでしょうか。  こうした中で,霞ヶ浦導水事業を考える県民会議の代表は,県と知事を相手取って,建設の凍結と損害賠償を求める訴状を水戸地裁に提出いたしました。訴えでは,水需給への疑問とともに環境ホルモン,アオコ毒や細菌,魚類などが移動し,生物群集を攪乱,生態系を破壊すると述べております。事実,国立研究所の春日清一主任研究員は,現在の霞ヶ浦を「これほど極端な生態系の破壊は世界でも例がない」と報告しております。この水を那珂川と行き来させることが,どれほど無謀なことか考えていただきたいのです。  ところが,旧建設省は「導水によって,植生プランクトンの種の特定,種組織の変遷の予測は不可能」と述べて本格調査を放棄し,対策についても「十分留意する必要がある」という無責任ぶりです。県も「事業活動を規制するものではない」と,あくまで導水事業を推進しようとしております。河川や湖は,土木工事の対象物と見ているのでしょうか。  こうした視点は,需要予想にもあらわれております。ことし,水・土地計画課の作成した「いばらき水のマスタープラン策定委員会」の資料によれば, 2020年の水戸市,日立市を含む那珂・久慈水系区域の人口は98年に比べ,1万5,000人しかふえないと想定しました。茨城の主な大型開発である常陸那珂港,常陸那珂開発,ITER誘致計画などはすべて那珂・久慈水系の区域です。この区域の人口が, 20年間で1万5,000人しかふえないとしているのに,新たに10万トン, 20万人以上の水需要を想定し,工業用水に至っては10年間で2倍になると予測しています。現実を無視した需要想定で,導水事業を強行しようという意図は明白です。霞ヶ浦導水事業は予備調査から30年,人口想定の出発点から足を踏み外し,浄化効果,供給施設としての効果が疑問視されている今,国に対しては規模縮小ではなく,中止を申し入れるべきだと思うのですが,改めて知事の見解を求めるものです。  常陸那珂港も,またむだ遣いの典型です。既に2,900億円が投入され,その70%, 2,030億円が県の負担となりました。北埠頭の取扱貨物の目標は426万トンのところ,昨年度は12月までで1割以下の32万4,000トン,使用料収入は1億1,000万円にしかなりません。最新鋭の国際海上コンテナターミナルをうたいながら,扱ったコンテナ貨物は1万8,000トンという惨たんたるありさまです。コンテナ貨物の94%は韓国航路で,それも新たに開拓したのではなく日立港から振りかえてもらった貨物です。その上,この港は特定港,出入国港,港湾運送事業法,家畜伝染病予防法の指定をすべて受けずに開港した最悪の国際港湾です。規制緩和を名目に,無法状態の方が船を呼びやすいと考えているとしたら,この港は自滅への航路を進むことになるでしょう。それでなくても全国の中枢・中核港湾の取扱量は,この8年間減り続けております。  厳しい海運情勢のもと,大阪商船三井船舶の生田社長は「地方ばらまき型国際港湾整備は,建設先にありき,壮大な税金のむだ遣い」と批判しました。外航海運の社長がこのような批判をすること自体,極めて異例のこととして注目されています。常陸那珂港に,これ以上県民の税金を投入すべきではありません。新たに着工した中央埠頭は,建設中止を求めるものですが,知事の所見を伺います。  次に,深刻化する雇用問題についてお尋ねいたします。  8月度の完全失業率は5%と最悪の状況で,県内失業者も2万2,000人を超えました。  第1要因は,大企業のリストラ計画です。本県に主力工場を持つ日立製作所は,この3年間だけでも,関連子会社への転属などで1万5,000人以上も削減してきましたが,さらに今回,1万4,700人を削減する計画を発表しました。こうした大規模なリストラ計画は,下請中小企業は言うまでもなく,地域経済や自治体にも重大な影響を与えております。  知事は,県内のリストラ計画の実態を把握しているのでしょうか。これだけ深刻になっている以上,国のやることだとして拱手傍観している場合ではありません。企業に対しリストラ計画の調査,説明を求めていただきたいと思います。大規模な事業所の閉鎖,移転,縮小について,企業に関係自治体との事前協議を義務づけることや計画の変更,中止を県が勧告できるような条例の制定が必要になっていると思いますが,見解を求めます。  第2は,県自身が雇用政策を放棄していることです。知事は,全国1スリムな体制にしたことを成果としていますが,企業と競い合って職員を削ることが果たして知事の自慢になるでしょうか。自治体本来の任務は,住民の福祉,暮らしを守ることであり,そのために必要な部門に必要な人員を配置するのは当然過ぎることです。しかし,やってきたことは,保健所や農業改良普及センターなどの統廃合で職員を減らすことでした。これ以上の職員削減計画は撤回すべきです。県民生活に直結する福祉や教育分野での専門職の採用をふやすなど,今,県みずからが率先して,公的雇用の創出にあらゆる努力をするべきではないかと思いますが,いかがでしょうか。  第3は,大型開発優先で生活密着型の公共事業をなおざりにしてきたことです。県内労働者の8割が働いている中小企業の雇用を守る上で,生活密着型の公共事業が大規模事業より雇用効果があることは,国の統計でも実証されています。そうした視点からも,築後40年を経た中央児童相談所一時保護所やこども福祉医療センターなど,老朽化した県立社会福祉施設の存続を図り,改築・改修については年次計画を立て,すぐにでも実施に踏み切るべきです。知事の見解を伺います。  次に,教育行政についてお尋ねいたします。  不況や雇用不安により,地域や家庭の危機が増していますが,その否定的影響が子供たちにも反映し、 学力低下など子供と学校をめぐる困難は深まっています。こうした中,国立教育政策研究所が6月,少人数学級の方が「教室の雰囲気がよいなど教育効果が大きい」との調査結果を発表しました。本県では既に7割の市町村議会が, 30人以下学級の実現を求める請願を採択しています。  国は,本年,法を改正して,学級編制基準は40人に据え置いたものの,国基準を下回る編制基準の設定を各都道府県の判断にゆだねました。そのために,ことしになって幾つかの県が少人数学級に踏み切り,山形県が来年度から2~3年をめどに, 30人学級を正規教職員で実現すると表明したことは,全国にも波紋を広げています。  本県での30人学級は,試算では小学校で各学年15億円,中学校では25億円の財政措置となります。大型公共事業のむだと比べたら,財政上も無理難題ではありません。要は政策選択の問題です。茨城の未来を担う子供たちのための投資こそ,優先すべき課題ではないでしょうか。他県が動き始めた現況下,ティームティーチング加配という緊急避難的対応ではなく,本県でも30人以下学級実現の決断を求めるものですが,御所見をお尋ねいたします。  次に,このこととも関連して臨時的任用教員,いわゆる臨時教員への対応についてお尋ねいたします。  もともと教員の定数は,児童数や学校規模等によって定められており,産休や病休など特別の事情を除いては,正規の教員を配置しなければなりません。この例外的措置を拡大・乱用し,正規教員の新規採用を低く抑え,恒常的に臨時教員で定数を補う今の状況は極めて異常です。平成13年度の正規採用者は,小・中・高を合わせて263名にとどまり,一方でその3倍以上の830名が,定数欠員補充の臨時教員です。  教職員を1,700名削減するとの県計画を強行してきた結果,正規教員の年齢構成にもゆがみが生じ, 20代の教員は,小・中では7%以下,高校では8%と極めて少なく,将来の学校運営上からも懸念されています。教員を目指す前途ある多くの青年が,身分の不安定な臨時雇用とされている現状の改善は急務であり,新規採用教員の枠の拡大を求めるものです。さらに,臨時教員の処遇改善策として,任用名を「講師」から「教諭」と改め,俸給については2級格付に改善し,何ら身分保障のない非任用期間を1日のみへと短縮することを求めるものです。  次に,学校施設の整備についてお尋ねいたします。
     平成8年度を初年度とする地震防災緊急事業によって,本県で対象となる老朽校舎は,小・中・高ともに全校舎の6割を超えていますが,改修率は小学校でわずか9%,中学校で6%,高校で19%という状況です。改修がおくれている原因は,小・中学校については国の補助があるものの,市町村負担が重過ぎるからです。児童生徒の安全確保のために,これ以上の先送りは許されません。  この際,県としても,小・中学校の改修への補助制度を創設し,当面改修しなければならない多くの学校を抱える県南地域などに対しては,国制度に上乗せして,緊急の支援策を講じていただきたいと思います。これら改修工事は,地元中小業者に発注できる仕事であり,地域活性化にもつながります。なお,高校については県の責任であり,予算の増額で早期改修を図っていただきたく,あわせて見解をお尋ねいたします。  次に,福祉行政についてお尋ねいたします。  介護保険制度がスタートして1年半がたち, 10月からは高齢者の保険料が満額徴収となりました。本県での導入1年目の実績は,保険料の徴収率が全国平均以下,認定を受けながらサービスを利用しなかった人が2割以上,利用した人も限度額の3割台にとどまるなど,全国最低クラスという結果でした。スタート1年後で既に他県と比べ大幅におくれをとっているこの状況は,順調な滑り出しなどと言えるものではありません。保険料や利用料の負担が大きい,入りたい施設が足りないなどの切実な声が出されています。  こうした事態のもと,独自の減免を実施した市町村は,本県の中では利用料減免が18,保険料減免が6となっています。住民の要求にこたえたものです。この市町村の動きをどうお考えでしょうか。県民の要望や市町村の努力にこたえ,低所得者のために,県としても独自の支援策を行うよう求めるものですが,あわせてお尋ねいたします。  次に,いばらき高齢者プラン21の見直しについてお尋ねいたします。  同プランは,介護保険導入前に策定したもので,目標値そのものが介護保険導入後の実態から大幅に下回っています。本来,介護制度は在宅支援を進めるはずでしたが,導入後,かえって施設入所者が増大しています。とりわけ特養の待機者は激増し,本年3月末で導入前の 3.3倍, 2,715名で,平成16年のプラン最終年までの整備数と比べ,既に2,000床も不足しています。ほかにもショートステイ専用床,老人保健施設など,目標値そのものが低過ぎます。急を要する特養はもとより,プランの目標値を見直し,拡充・推進を求めるものです。特養増設計画については,各圏域ごとに割り振った整備目標値ではなく,市町村の要望・実態に合わせて整備していくよう求めるものです。  以上,これらについて,保健福祉部長の御所見を伺います。  最後に,県南地域の居住環境整備についてお尋ねいたします。  中小規模の都市が各地に散在している本県の特徴から見れば,県民のための基盤整備や必要不可欠な施設は,分散配置が望まれています。しかし,人口が急増した県南地域では,児童相談所や保健所,障害者のための福祉施設が不足しています。地域住民参加で,これらの総合的検討が求められますが,その中で役割を果たしている消費生活センター取手分室についてお尋ねいたします。  今,多様な商品のはんらんなど複雑な社会経済環境の中で,県の消費生活センターでの相談件数は年々ふえ続け,そのうち取手分室では,毎年1,000件以上の相談を受け付けています。取手分室は,県内最初の分室であり,県南地域の拠点として位置づけ,その体制・機能の充実強化を図っていただきたいと思います。生活環境部長の御所見を伺うものです。  最後に,取手競輪についてお尋ねいたします。  戦後復興策などを目的として開設した同競輪は,既に半世紀を経ました。この間地元の取手住民は,地域環境の悪化や青少年への悪影響などで悩まされ続け,近年では廃止そのものを求める声も圧倒的多数であり,このことは県も御承知のはずです。  県はこうした世論に逆らい,売り上げ増を図る中長期計画を打ち出しました。全国的にも赤字施行者がふえる中,1年たっても展望は全くありません。そうした中,取手市議会でも「地域にとって発展の阻害要因である」などの声が高まり,本年9月,廃止も視野に入れた競輪事業調査特別委員会を設置しました。もともとギャンブル推進など,県のやるべき仕事ではありません。同競輪事業は,この際,廃止の方向を打ち出すことを改めて求めるものです。こうした取手市の動きを,県はどう受けとめているのかについてもお答えください。  以上で,私の質問を終わります。  御答弁によっては,再質問をさせていただきます。(拍手) 21 ◯議長(鬼沢忠治君) 塚越恵子君の質問,質疑に対する答弁を求めます。  知事橋本昌君。                    〔知事橋本昌君登壇〕 22 ◯知事(橋本昌君) 塚越恵子議員の御質問にお答えいたします。  まず,今回の同時多発テロ事件への対応について,どのように考えるかとの御質問をいただきました。  去る9月11日,米国において発生いたしました同時多発テロ事件は,死者,行方不明者が,現段階において,合わせて5,600人前後にも上るものと推計されており,極めて卑劣で許しがたい暴挙であります。そして,日本を含む極めて多くの国の国民が,この事件に巻き込まれているところであり,世界の平和と安全に対する挑戦そのものであります。  法的に対応すべきという塚越県議の御意見でございますが,現在の国際情勢のもとで,おっしゃられるように,国連が中心になり,テロ犯罪の容疑者を逮捕し,裁判にかけ,法に照らして厳正に処罰すべきという考え方につきましては,できるのかどうか,現在の状況を見る限り,不可能のように考えられるのではないかと思っております。現にマスコミ報道によれば,アメリカ軍とイギリス軍によるタリバンの軍事訓練施設等に対する爆撃につきましては,ロシアや中国を含め,世界の多くの国がこれを支持しているとのことであります。確かに,報復はさらなるテロを生む可能性もありますが,現在の状況を見る限り,私はアメリカのとった行動を支持していきたいと考えております。  次に,ITERについても御質問いただきましたけれども,ITERは人類の恒久的なエネルギー源として期待される核融合発電の研究施設であり,地球温暖化などの解決にも大きく貢献するものとして,国際協力のもとに進められている計画でございます。日本の国際貢献が求められている中で,このような平和的な科学技術により国際的な研究をリードすることは,科学技術立国を目指している日本のあるべき姿ではないかと考えられますし,本県に,世界の多数の科学者が集まって最先端の研究を行うことにより,県内の科学技術や産業活動にも大きな波及効果が期待できますので,ぜひこれを誘致したいと考えております。  また,百里飛行場についてでございますが,民間共用化は県民の利便性の向上,効率的な交通ネットワークの構築に大きく寄与するものでありますので,安全の確保に十分留意しつつ,引き続きこれを推進してまいりたいと思っております。  次に,大型開発の見直しについてお尋ねがありました。  公共事業にむだがあるという御意見が多いというお話をいただきましたが,一般論として,アンケート等を取ると,そういった御意見が多いわけでございますけれども,先ほども筑西幹線道路について御質問がございました。具体的な話になりますと,筑西幹線道路一つとりましても,大変多くの県民の方々が早期の完成を望んでおられるわけでございまして,自分に関係のないところはむだだと言って,自分のところはすぐにやれといったような傾向も感じられるわけでございまして,私どもといたしましては,必ずしも本県の社会資本の整備の状況が余り進んでいないという状況を考えれば,まだまだ公共事業は必要ではないかと思っております。  そういった中での霞ヶ浦導水事業についてでございますが,現行の長期水需給計画では,目標年次の平成22年における予測人口を370万人としておりましたが,昨年12月の県の長期総合計画の改定に伴い,平成32年における予測人口が323万人となったことから,長期水需給計画を見直すこととし,本年1月に専門家等による「いばらき水のマスタープラン策定検討委員会」を設置し,検討していただいているところでございます。この委員会における御議論の中で出された御意見等も踏まえ,県といたしましては,将来における水需給バランスを適正なものとするため,去る6月19日に,国土交通省に対し,霞ヶ浦導水事業による本県利水量を毎秒3.5立方メートル削減することを要望したところでございます。  しかしながら,残る開発水量毎秒5.2立方メートルにつきましては,現在これを担保に暫定水利権を得て取水しているところでございまして,水道用水等の確保に不可欠なものであるほか,本事業は霞ヶ浦の水質浄化等に大きく寄与するものであり,本県にとって必要な事業でありますので,引き続き早期完成を目指して事業の促進を図ってまいりたいと考えております。  次に,常陸那珂港の事業見直しについてでございます。  新しい港がつくられました場合には,どうしても利用者は最初は少なく,次第次第に多くなっていくのが一般的な傾向といいますか,当然の傾向でございます。御承知のとおり,常陸那珂港につきましては,昨年4月の北埠頭の供用開始以来,韓国コンテナ航路や北米RORO航路及び国内航路などの定期航路が短期間に,新しい港としては大変順調に開設をされておるところでございます。また,港湾関連用地が25区画ございますけれども,そのうち既に23区画に物流事業者が進出を決定しており,中には操業を開始した事業者もあるところでございます。  このように常陸那珂港は,国際物流拠点としての発展性が極めて高いところから,昨年の8月には,輸入促進地域(FAZ)について国の承認をいただき,埠頭内には物流倉庫が整備され,利用されているところであります。これらのことは,常陸那珂港の地理的優位性や港湾施設の利便性が,荷主企業や物流事業者に高く評価された結果と考えております。今後,北関東自動車道の全線開通などにより,栃木県,群馬県などの内陸部からの集荷も大いに見込まれており,常陸那珂港の利用はさらに活発化するものと思われます。  このような状況の中で,今後,北埠頭地区ではコンテナ船とRORO船など,他の利用船舶との競合が懸念されるところから,本年2月,中央埠頭の国内航路用岸壁の整備に新たに着手したところでございます。また,将来常陸那珂港の中核施設として計画しております中央埠頭のコンテナターミナルにつきましては,北埠頭における取扱貨物量の状況や航路の開設状況などを十分考慮し,整備の進め方を検討してまいりたいと存じます。  なお,先ほど,既に2,030億円の県の税金を投入しているといったお話がございましたが,これまでに投入している県のお金は1,343億円でございまして,そのうち一般財源としての税が600億円,あとは用地の造成などに充てますために起債で賄ったものは743億円といった状況にございます。使用料で徴収する予定の起債で賄ったものでございます。今後とも,常陸那珂港につきましては,県政発展の中核プロジェクトとして,着実に整備を進めてまいりたいと考えております。  次に,雇用対策についてお答えいたします。  県内企業のリストラ状況の把握につきましては,民間調査機関による倒産情報を初め,県内経済団体を通じた地域産業・商工業の動向,労働組合からの雇用状況など多方面から情報の収集に努めております。ただし,リストラによる離職者の範囲のとらえ方の問題やリストラの状況把握が,企業経営上の秘密にかかわること,さらに,費用対効果の観点などさまざまな問題がございますので,全事業所を対象とした調査を行う考えは持っておりません。  また,条例をもって一律に解雇等を規制すべきという御提言でありますが,そのことにより,企業が存続できないことになれば,従業員全体の雇用が失われることにもつながりかねず,さらに,本県が他県に先駆けて条例で規制することになれば,企業の信頼を失うことも懸念され,ベンチャー企業の創出や企業の立地に大きな支障が出ることも想定されることなどから,条例により規制することは極めて不適当であると考えております。  むしろ,解雇の回避策,再就職先の見通しなどについて,労使間で十分に話し合っていただきますとともに,県としても,労働者に対し個々の相談,問題解決のための支援体制を充実させていくことが必要なのではないかと考えております。このため,県では,これまでの労働総合相談センターや中小企業労働相談所での労働相談に加え,この10月1日に,地方労働委員会において労働者個人と使用者との間の紛争解決を目的とする個別的労使紛争解決サービスを開始し,文字どおり相談からあっせんまで,迅速で一貫した支援が図られるよう体制を充実・強化したところであります。いずれにいたしましても,これまでも企業が倒産し,相当数の離職者が発生した場合,社会的・経済的影響が大きいところから,労働団体などからの相談に応じ,できる限り雇用情報の提供などの支援をしてまいったところであり,今後とも労働者の雇用を守るため,県としてできる限りの対応をしてまいりたいと考えております。  次に,公的雇用の拡大についてでございます。  県におきましては,先ほども御質問の中にございましたように,定員適正化計画を現在推進し,簡素で効率的な行政体制の確立を目指しているところでございます。  このようなことから,一時的な雇用創出のために,県職員として定年まで雇用し続ける正規の職員を採用することは,行革の趣旨に反するものであり,行うべきではないと考えております。  このようなことから,平成11年度から実施しております緊急雇用対策基金を活用した地方自治体における雇用対策においては,臨時的な雇用を創出することとしており,小・中学校への社会人ティームティーチング講師1,691人の配置や,市町村社会福祉協議会などへの介護保険相談員372人の配置などの公的雇用を初めとして,平成11年度から3年間で6,400人程度の臨時的な雇用創出を図っているところでございます。  次に,福祉部門などの増員についてでございますが,事務事業の見直しや組織改正などにより行政需要が相対的に低くなっている部門を削減することにより,全体としては職員数を抑制している中においても,児童虐待対策の強化のための児童福祉司や地域リハビリテーション推進のためのソーシャルワーカーの増員など,真に必要とされる分野には重点的に職員を配置し,最も効果的な執行体制の整備に努めているところでございます。  次に,県立社会福祉施設の改善・改修についてでございます。  県立社会福祉施設につきましては,昭和30年代から整備を進めてきたところであり,老朽化が目立つことに加え,民間施設の着実な整備により,機能面での見直しも必要になっているところでございます。このようなことから,県立社会福祉施設等あり方検討委員会からの提言,県議会の行財政改革調査特別委員会の調査報告などを踏まえ,官民の役割分担という視点に立ち,民間に任せられる施設については民間に任せ,県立施設は,民間施設での対応が困難な分野や先駆的・モデル的機能を担っていく方向で見直しを行っているところでございます。  このため,まず,内原厚生園につきまして, 24時間緊急ステイや強度行動障害者への援助,グループケアといった新しい機能を加えて,コロニーあすなろと一体化することとし,平成15年度の開設に向けて,現在整備を進めているところでございます。今後,その他の県立施設につきましても,厳しい財政状況のもとではありますが,緊急度の高いものから計画的に整備を進めてまいりたいと思っております。  なお,中小建設業者の受注機会の確保につきましては,これまでも絶えず配慮をしてまいっているところでございます。 23 ◯議長(鬼沢忠治君) 教育長川俣勝慶君。                   〔教育長川俣勝慶君登壇〕 24 ◯教育長(川俣勝慶君) 教育行政についてお答えいたします。  まず,公立義務教育諸学校の学級編制に係る御質問についてでございます。  公立小・中学校の一学級当たりの児童生徒の数につきましては,御承知のとおり,国が定める公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に,その根拠が定められており,本県におきましては,これに基づきまして,適正な学級編制を実施してきたところでございます。  今回,同法律の一部改正により,学級編制の標準は40人と変わりませんが,都道府県が特に必要と認める場合には,国の定める標準を下回る児童生徒数で学級編制基準を定めることができるとした,いわゆる学級編制の弾力化が示されたところでございます。  しかし,これにつきましては,例えば,すべての学級を30人以下に引き下げるような,県下一律の引き下げを認めていないこと,また,引き下げに必要となる教員については,国の加配措置もありませんし,財源措置がない。そういうことで,新たな負担が都道府県にかかることなどがございますので,それらを勘案いたしまして,地域や学校の実態等を踏まえながら,今後慎重に検討してまいるべきと考えております。  一方,本県では,ティーム・ティーチングのための教員の配置について,国の加配定数に加え,全国に先駆けて,県単独のTT加配や緊急雇用対策交付金を活用した社会人TTを配置するなど,体制の整備を図ってきたところでございまして,大変好評でございます。したがいまして,今後ともティーム・ティーチングのための教員の配置に努めながら,より一層のきめ細かな指導ができるような体制の整備を進めてまいりたいと考えております。  次に,臨時的任用職員への対応についてお答えいたします。  まず,臨時的任用職員の解消についてでございます。本採用しないで臨時的に採用する教員,いわゆる期限つき講師をやめて,本採用の教員を採用すべきではないかということでございますが,御承知のとおり,教員の定数は児童生徒数の増減に左右されるものでございまして,児童生徒の数が減れば学級の数も減少し教員の定数も減るということになっているわけでございます。  したがいまして,現在の教員定数内のものをすべて本採用にしてしまいますと,たとえ退職者の数を考慮しても,教員の定数から見て,過剰な教職員を抱え込んでしまうというおそれも出てくるわけでございます。そうなりますと,新規に採用することが全くできないという場合もございますし,また,採用はできたとしてもその数が極端に少なくなってしまうことも予想され,年齢構成のバランスが崩れて,各学校においても教育上,また学校経営上好ましくない状況が生ずることが考えられます。このような状況を避けまして,安定的な教員数の採用と健全な学校経営のために雇用期間を定めた,いわゆる期限つき講師を採用しておりますので,人数の多少は異論があろうかと思いますが,その制度は御理解をいただきたいと思います。  次に,待遇改善についてでございますが,2点ございました。  まず,臨時的任用職員の採用の期間についてお答えさせていただきます。地方公務員法により6カ月を超えない期間で任用ができ,1回に限り更新を行うことができると規定されております。したがいまして,臨時的任用の講師は,4月1日から9月30日までの6カ月間,そして1回更新して, 10月1日から翌年3月27日までの期間で任用しておる現状にございます。  御質問の3月30日まで任用期間を延ばすことにつきましては,本来は,児童生徒が登校している3月の終業式の日までの期間で任用するというのが本来の考え方と思っておりますが,業務の整理や引き継ぎ等の職務上の必要性がありますので,3月27日まで任用しているという現状にございますので,引き続き現行の制度を維持していくのが適切ではないかと考えております。  また,給与につきまして,教諭と同じ格付にできないかということでございますが,本県では公立学校の教員採用選考試験に合格してその職についた者を教諭,試験をしないで期限を付して臨時的に採用した者を講師として任用いたしております。現実的には,講師も教諭と同様に,教員免許状を有するものでなければなりません。その点では,教諭と同等の資格を有するものであり,授業など児童生徒に対する教育指導面におきましても,教諭とほぼ同様の仕事を行っており,中には教諭よりも評判のいいという講師の先生もいらっしゃるわけでございます。したがいまして,給与につきましては,教諭に準じた給与を支給いたしておりますし,通勤手当,住居手当,期末手当,勤勉手当などの諸手当につきましても,教諭と同様に支給対象としているところでございます。なお,その給与水準につきましては,他県と比較しましても,本県は中位以上でありますことから,妥当な水準であろうと考えております。  次に,学校施設の改修についてでございます。  2点ございましたが,まず,県立学校の耐震補強工事からお答えさせていただきます。県としましては,建築基準法施行令の耐震設計が改正されました昭和56年以前に建築された建物は,耐震性の面でやや弱いとされていることから,特に南関東直下型地震の対策地域内の県立学校の建物について,平成7年度から耐震診断を実施してきたところでございます。診断の結果,補強が必要な建物に対して耐震補強工事を進めており,今年度末までに,これらの建物の約7割について,改修を終える予定でございます。今後につきましても,非常に厳しい財政状況ではございますが,耐震補強事業を計画的に推進してまいりたいと考えております。  次に,県南地区の市町村の支援についてでございます。  小・中学校につきましては,学校教育法により,市町村が設置,管理運営するとされており,これらの学校に要する経費は,原則として学校の設置者が負担するとされておりますことは御承知のとおりでございます。一方,これらの施設整備につきましては,全国的に一定の水準を確保する必要があるということから,義務教育諸学校施設費国庫負担法などによりまして,国がその経費の一部を負担することとされており,特に地震防災対策事業につきましては,通常の改修工事に比べ,国の負担率が3分の1から2分の1に引き上げられているところでございます。さらに,県南地区を初めとする,過去に児童生徒が急増した市町村につきましては,施設改修に必要な経費について,補助対象限度額を2億円から3億円に引き上げるなどの優遇措置を講じているところでございます。  今後,県といたしましては,小・中学校の施設整備につきまして,特に耐震補強工事の推進が図られるよう,国庫補助制度の活用等について市町村に助言してまいりたいと考えております。また,国に対しましては,国庫補助金の確保や制度改善等について,市町村と一体となって積極的に要望を行ってまいる考えてございます。 25 ◯議長(鬼沢忠治君) 保健福祉部長綿抜剛君。                  〔保健福祉部長綿抜剛君登壇〕 26 ◯保健福祉部長(綿抜剛君) 福祉行政についてお答えいたします。  まず,介護保険料,利用料の軽減措置についてでございます。介護保険制度は,高齢者の介護を社会全体で支えるため創設されたものであり,高齢者の費用負担割合は,全体のおよそ6分の1となっております。さらに,高齢者の保険料は所得段階に応じ,原則5段階に設定されておりまして,県内市町村の平均である1カ月当たり約2,400円を基準額といたしますと,最も所得の高い第5段階の方が3,600円に対しまして,最も所得の低い第1段階の方は1,200円という計算になります。また,低所得者に対する保険料軽減措置につきましては,市町村の判断により,所得段階別の負担額の幅を拡大することや6段階の設定を行うことができることとなっております。  一方,利用料につきましても,所得段階に応じて,1カ月の負担額の上限を1万5,000円から3万7,200円の3段階に設定するなど,低所得者に配慮した制度となっております。また,制度施行前にホームヘルプを無料で利用していた方には,施行後一定期間については,利用者負担を本来額の10%から3%に減じるなどの措置も講じられております。  このような中で,県内で独自に保険料を減免しておりますのは7市町村,利用料については18市町村が軽減策を設けております。このうち幾つかの市町村の軽減措置については,制度の趣旨に反する点があり,従前から改善に向けて指導,助言を行ってきているところでございます。低所得者の保険料や利用料に対する軽減措置に関しましては,全国共通に実施している社会保険制度としての基本的な課題の一つでありますので,県といたしましては,国が統一的に検討すべきものと考えております。  次に,いばらき高齢者プラン21の拡充・推進についてでございます。  介護サービス基盤の整備につきましては,いばらき高齢者プラン21に基づきまして,在宅サービスの充実とあわせ,施設サービスにつきましても,必要なときに身近な施設に入所できるよう,計画的に整備を進めているところでございます。特別養護老人ホームの整備状況につきましては,今定例会におきまして御提案させていただいております8施設を含めますと116施設, 6,575床となりますことから,平成13年度目標数に対する進捗率は101.9%となる見込みでございまして,着実に整備を進めているところでございます。  なお,いばらき高齢者プラン21は,3年ごとに見直すこととなっておりますことから,平成15年度から19年度までの新しい計画の策定に当たりましては,介護サービス利用実績の分析評価や利用者の意向調査などにより,サービスの目標を定めることとしております。その際,特別養護老人ホームの整備目標の設定につきましても,入所希望者の置かれている生活環境や希望する入所時期などがさまざまでありますことから,実態調査などにより,利用者ニーズを的確に把握したいと考えております。  今後とも,高齢者が必要なときに適切なサービスを利用でき,また,家族の介護負担の軽減などにもこたえることができますよう,介護サービス基盤の整備を計画的に進めてまいる所存でございます。 27 ◯議長(鬼沢忠治君) 生活環境部長五来義忠君。                 〔生活環境部長五来義忠君登壇〕 28 ◯生活環境部長(五来義忠君) 消費生活センターについての御質問にお答えいたします。  県消費生活センターは,まず,昭和44年に水戸市に本センターを設置いたしました。次いで昭和54年に取手分室,さらに昭和56年には鹿行・県南・県西の各地方総合事務所管内に,それぞれ鉾田・土浦・下館の各分室を設けまして,商品選択に必要な知識や情報の提供,消費者の自主性を高めるための研修会の開催,苦情相談などを実施し,県民の消費生活の安定と向上を図っているところでございます。  県消費生活センターにおける相談件数は,開設以来,ほぼ一貫して増加の傾向にあります。平成12年度には初めて1万件を超えまして,市町村受け付け分を合わせますと,1万5,700件余となっているところであります。この相談内容を見てみますと,電話情報提供サービスに関するものが前年より大幅にふえたほか,多重債務を含めた消費者金融に関するものや資格取得を口実に多額の教材購入を強要する,いわゆる資格講座商法に関する相談などが上位を占めております。  消費者保護基本法の趣旨からいたしますと,本来消費者苦情処理は,一次的には市町村が行うべきこととされておりまして,消費者の利便性の向上のためには,市町村における体制の充実が望まれるところでございます。このため,県ではこれに対する支援も行っておりまして,市町村における相談受け付け体制は順次整備され,独自の消費生活センターも,日立市,水戸市を初め,県南では土浦市,取手市,つくば市など,7市において設置されているところでございます。  県消費生活センターの将来的方向につきましては,平成12年2月に消費者保護審議会から知事あてに意見書が提出されておりまして,市町村の消費者苦情処理体制が整備されるまでの間は,県の処理体制を継続することとあわせて「将来的には市町村の消費者苦情処理体制の整備の進捗を踏まえ,県は,処理が困難な事例や市町村域を越えた広域事例などに対処すべきである」旨の提言がなされているところであります。  したがいまして,県といたしましては,審議会の意見を踏まえながら,市町村との役割分担をさらに進めていく中で,取手分室の位置づけも含めた県消費生活センター全体のあり方について,検討してまいりたいと考えております。 29 ◯議長(鬼沢忠治君) 総務部長末宗徹郎君。                  〔総務部長末宗徹郎君登壇〕 30 ◯総務部長(末宗徹郎君) 競輪事業廃止に向けた取り組みについてお答えいたします。  取手競輪事業は昭和25年2月の競輪開催以来,これまでに約606億円を県の一般会計に繰り出し,福祉,教育の充実,生活関連の社会資本整備や市町村振興等の貴重な自主財源として活用されてきたところでございます。また,昨今の厳しい雇用情勢の中にあって,現在約600人の雇用を確保していますほか,地元商工業に携わる方々に対しまして経済効果をもたらすなど,地域経済の活性化に貢献してきております。このほか,競輪選手など関係者による競輪場周辺の清掃活動ですとか,地元関係者との意見交換会など,地元の理解を深めるための活動を展開いたしますとともに,桜まつりや防災訓練などでの施設の地域開放やけいりんフェスティバルなどの市民参加型のイベントの開催などを通じ,取手競輪場のイメージアップに努め,地元に親しまれる競輪場づくりへの取り組みにも努めているところでございます。  また,確かに他県では,赤字経営が続いていることを理由に競輪事業から撤退している施行者も一部にはございますが,取手競輪場での施行者につきましては,県,取手市,2市組合ともに,経営努力等により黒字経営を維持しているところでごさいまして,撤退をしている施行者とは事情が異なるものと認識いたしております。  以上申し上げましたことから,県といたしましては,中長期計画に沿って経営改善や地域に親しまれる競輪場づくりに努めながら,今後も存続を前提に事業運営に当たってまいりたいと考えております。  次に,取手市の競輪事業調査特別委員会の設置についてのお尋ねでございますが,同委員会は去る9月に設置されたばかりでございまして,まだ活動に至ってないと聞いております。県といたしましては,現在のところは,その動向を見守ってまいりたいと考えております。 31 ◯議長(鬼沢忠治君) 塚越恵子君。                   〔12番塚越恵子君登壇〕 32 ◯12番(塚越恵子君) それぞれ御答弁をいただきました。  1点についてお尋ねをいたします。常陸那珂港についてです。  常陸那珂港は,ひどい港と非難を浴びております。全国港湾労働組合の書記長が「常陸那珂港は,港湾運送事業法の指定を受けていない。非指定港は無法地帯であり,料金ダンピングの温床,不安定な雇用の元凶になりかねない」と指摘していることを御存じでしょうか。さらに,ことしの1月,全国港湾労働組合協議会が,知事あてに厳重抗議文を送付してきました。知事は御承知のことと思います。常陸那珂港において年末年始に荷役を強行したことが,産別協定に違反しているという抗議です。抗議文を見ますと,知事が行政として不介入の立場と表明してきたにもかかわらず,労使協定に介入して荷役を強行したことについて,極めて重大な事態であり看過できないという厳しいものです。港湾課の担当者からは,謝罪したと報告を受けましたが,真偽のほどをお聞かせください。  もう1点,県が18億円もかけたガントリークレーンは,知事が会長をしている常陸那珂埠頭株式会社に管理を任せています。ところが,この埠頭会社はクレーンを動かす資格がありません。船が入ると,隣の日立埠頭から出張して動かしているのが現状です。コンテナ基地が売り物の港と埠頭会社がこのありさまでは,どんなポートセールスをしても逆効果です。新たに着工した中央埠頭の建設を中止し,莫大な建設費を福祉,教育に回した方が県民のためになると思うのですが,いかがでしょうか。  以上で私の再質問を終わります。(拍手) 33 ◯議長(鬼沢忠治君) 塚越恵子君の再質問に対する答弁を求めます。
     知事橋本昌君。                    〔知事橋本昌君登壇〕 34 ◯知事(橋本昌君) お尋ねの,全国港湾労働組合協議会からの件でございますけれども,これにつきましては,当時の港湾振興監の難波氏個人の名前で回答を行っておるところでございます。  それから,もう一つの日立港の方から,資格のある者を持ってきてということでございますけれども,これにつきましては,いろいろと勤務条件その他,例えば土曜,日曜の問題など,これは先ほどの全国港湾労働組合の問題とも関係出てまいりますけれども,こういったものについて,現在の世界の潮流の中で,どうやってユーザーの要望によりこたえやすくするか,世界の中でおくれないような港にしていけるかという観点から,こういう形をとっておるわけでございまして,私どもとしては,このままやっていくつもりでございます。         〔「無法地帯と言われているんですよ」と議場より発言する者あり〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 35 ◯議長(鬼沢忠治君) 暫時休憩いたします。  なお,会議再開は,午後3時45分を予定いたします。                     午後3時25分休憩          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                     午後3時48分開議 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑(続) 36 ◯副議長(海野透君) 休憩前に引き続き会議を開き,県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。  飯岡英之君。                  〔22番飯岡英之君登壇,拍手〕 37 ◯22番(飯岡英之君) 自由民主党の飯岡英之であります。  質問に先立ちまして,一言申し上げます。橋本昌知事,3期目,御当選まことにおめでとうございます。橋本知事におかれましては,県政発展のため,自覚と責任を持って300万人県民をリードし,元気な茨城へ全力を挙げていただくことを心からお願い申し上げる次第であります。  それでは,通告に従いまして,知事,出納長,教育長並びに関係部長に質問いたしますので,明快なる御答弁をお願いいたします。  まず,新産業の創出についてお伺いいたします。  初めに,技術移転の促進についてであります。現在,日本経済の長期低迷の中,小泉内閣の掲げる構造改革の成否を占うかぎとして,不良債権処理に伴うリストラや倒産で離職者がふえるのに備えた雇用対策が焦点となっております。この雇用対策において最も大切なのは,やはり新産業を創出していくことであろうと私は考えております。かつて,戦後日本の高度成長は,日立やソニーやホンダのように,新製品,新技術を武器にして,日本国内にとどまらず,海外にまで出かけていったベンチャー精神あふれる企業がなし遂げてきたのであります。 21世紀を迎えた今も,数々の先人たちがなし遂げてきたその流れをとめてはならないと私は考えます。  御案内のとおり,本県では国の研究機関の3分の1が集中し,国際的にも有数の研究集積を誇っている筑波研究学園都市や大強度陽子加速器など,未来のエネルギーの研究施設の建設が予定されている東海・ひたちなか地区があるなど,全国でも類がないほどの恵まれた環境にあるわけであります。しかし,せっかくこれらのすぐれた研究集積は,県内の新事業創出に必ずしも結びついていないのが現実であります。  現在,大学,研究機関では,いかに事業化に結びつく研究成果を出すかに加え,産業界に技術移転をいかに効果的に行うかを最重要課題として取り組んでいると聞き及んでおります。さらに,国立研究所の独立行政法人化,筑波大学の関東エリア産学連携大学連合を初め,産学官連携の仕組みが飛躍的に進行中とのことであり,私は研究集積を活用した新事業の創出に大きな期待を抱いているところであります。  一方,このようなつくばを初めとする研究機関は,あくまでも研究の場であって,事業活動の場ではないとの一般認識がまだまだ残っております。また,研究支援,技術移転の支援機関は幾つか存在しているものの,事業創出の支援,産業集積形成のPR活動が不十分なため,外部の企業家に対して,研究機関のシステムが見えにくいのではないかとの指摘もあります。  このような問題点を一歩一歩改善しながら,本県のつくばやひたちなかなどの研究集積のポテンシャルを活用して,新規事業創出,さらには産業集積の拠点としていくことが重要であり,地域経済の活性化はもとより,日本経済の活性化という相乗効果も期待できるのではないでしょうか。  そこで県としては,大学や公的研究機関及び産業界などとどのような連携を図り,より効果のある技術移転を進め,新しい産業を起こしていくお考えなのか,知事の御所見をお伺いいたします。  次に,特許の活用促進方策についてであります。  国土や資源の乏しい日本が,戦後飛躍的な経済発展を遂げた理由の大きな要因は,やはり先人たちのユニークなアイデアであり,すぐれた発想があったからであろうと私は考えます。人間の知恵は,たとえ資源に恵まれないような状況でも,使い方次第で頭の中に貴重な財産を生み出すことができます。現在,日本には1999年時点において,特許登録件数が約100万件あり,そのうち66万件の特許が休眠状態にあると言われております。せっかく先人たちが生み出した貴重な知恵の産物が,ほとんど生かされないまま眠っているというこの現実は,まさに驚くべきことであり,高度経済成長の終えん,さらにバブル経済の崩壊と日本人が厳しい現実に直面していく中で,我々日本人は,いつの間にかものづくりの競争力をも失ってしまいました。  そこで,先人たちが残した膨大な特許や技術を組み合わせて新たな技術,産業の種をつくることは,失われたものづくりの競争力の回復のためにも,大変有効な手段かと考えます。特許の流通を進めるには,大学や公的研究機関に眠っている特許を開放することが何よりも大切であり,多額の研究費をつぎ込んだ特許というものは,使わなければ宝の持ち腐れになってしまいます。  そこで,今後は県においても,特許権を介した技術を県内の中小企業が積極的に特許を活用する,例えば,特許流通市場の整備などの思い切った特許の活用促進方策を検討する必要があると私は考えますが,商工労働部長の御所見をお伺いいたします。  次に,ペイオフ解禁への対応についてお伺いいたします。  まず初めに,県の対応方策についてであります。既に御案内のとおり,平成14年4月からペイオフが解禁されるところであります。これにより,万が一金融機関が破綻した場合,一般の預金については, 1,000万円までしか保護されなくなるわけであります。当然,地方公共団体の公金につきましても,特別の保護措置はなく,一般の預金者と同様に,保護されるのは1,000万円までということであります。  しかしながら,地方公共団体の公金は,いわば県民からお預かりしている共有の財産でありますので,ペイオフ解禁に向けて,何らかの特別保護措置があってもよかったのではないかと私は考えます。一方,国の資金が日銀に預託されて,安全に守られていることを考えれば,国と地方公共団体の扱いに差があるとも言えるのではないでしょうか。ペイオフ解禁に伴う地方公共団体の公金保護の対応方策については,総務省から提言が出されており,各地方公共団体において,これをベースにした対応策の検討が進められていると聞いております。  さらに本県においても,来年4月のペイオフ解禁を前に公金保護のための対策を取りまとめるため,関係課から成るペイオフ対応連絡会議を設置し,現在検討を進めているところと聞き及んでおります。そこで,現在までの検討状況と今後の対応について,出納長にお伺いいたします。  次に,市町村の対応についてであります。公金の保護は,市町村においても真剣に取り組む必要があります。市町村の場合,県と比べて扱う公金の額も小さく,また専任の職員も少ないということで,対応が難しい面もあるのではないかと私は思うのであります。ペイオフ解禁により,預金の保護に上限が設けられたということは,反面でこれからの資金の管理は,自己責任が基本になるということであります。今後は市町村においても,みずからの公金管理について,十分な注意を払って取り組むことが求められるのではないでしょうか。さらに,県内の84市町村の公金管理について,それぞれ市町村の実態を踏まえて,きちんとした対応方策を取りまとめ,来年4月のペイオフ解禁を安心して迎えられるようにすることも,県の重要な役割ではないかと私は考えます。そこで,市町村のペイオフ解禁に向けての取り組みについて,今後どのように支援をしていくのか,あわせて出納長にお伺いいたします。  次に,NPOに対する今後の取り組みについて,生活環境部長にお伺いいたします。  バブル崩壊後の90年代に入り,企業への就職と将来の保障が必ずしもイコールとはならなくなり,また,就職条件の悪化により,若者に魅力のある職場が少なくなったことから,若者の間では一つのコースに入ってしまうと突き進む道が決まってしまう生き方,いわゆる終身雇用制に飽き足らない若者が増加していると聞いております。若者の仕事に対する意識の変化は,フリーターといった新しい言葉を生み出し,さらに最近では,ボランティアとアルバイトを合わせた「ボラバイト」といった言葉まで使われるようになっております。若者の意識が変化した背景には,行政,企業,学校等の既存の組織あるいはシステムの制度疲労があるものと考えられます。さらに,既存の組織,システムでは対応の困難な課題が現出するなど,制度疲労に基づく機能不全が顕在化したことにより,これまでの組織を補完する市民の自発的な取り組みに大きな関心が集まったところであります。  特に,平成7年1月の阪神・淡路大震災後の被災地におけるNPOやボランティアの目覚ましい活躍は,行政・企業セクターに並ぶ市民セクターの役割とその重要性を認識させ,地域における住民活動が活発化する契機となったことは記憶に新しいところであります。  これらの事情を反映して,平成10年3月には特定非営利活動促進法,いわゆるNPO法が成立し,一定の要件を備えた市民団体に簡易な手続で法人格を付与する制度がスタートしたところでありますが,この法律の重要性は,市民が自由に行う社会貢献活動の社会的存在意義を我が国の法制度として初めて認めたところにあり,法人格を取得せずに活動する多くの市民活動団体に対しても,この法律の成立は大きな意味をもたらしたと認識しているところであります。  小泉総理も,本年5月の所信表明演説において,「広く地域住民やNPO等のボランティアの参加を呼びかけ,介護や子育て等を皆で支え合う 『共助』 の社会を築く」と述べておりますように,現在,我々が直面している少子・高齢化社会においては,子育てを支援するNPOや介護福祉サービスを提供するNPO,あるいは高齢者みずからが高齢者の自立生活を支援するNPO等の役割が,非常に大きなものとなってきております。  また,経済企画庁が行った民間非営利活動団体に関する経済分析調査によりますと,日本のNPOの経済規模は,付加価値で約300億円,産出額で1,200億円,さらにNPO活動を有償評価すると,約6,500億円もの規模に上ると推計されております。このように,NPOは既に行政を補完する役割だけにとどまらず,我々が社会生活を送る上でなくてはならないものになってきており,加えて経済社会においても,その存在価値が極めて高くなっていると申し上げても過言ではないと考えます。  NPO先進国のアメリカでは,既にNPOが一般の企業,事業所と並ぶ雇用の場として,確固たる地位を築いており, 120万に上るNPOが, 1,000万人の雇用を生み出していると言われております。  一方,我が国では,経済産業省が本年9月から,経済産業大臣の諮問機関である産業構造審議会にNPO部会を設け,全国で約9万に及ぶとも言われているNPOを新たな雇用の受け皿とするため,税制上の優遇措置等の支援策の検討を開始したところであります。我が国においては,NPOをアメリカなどと同様な位置づけにするためには,さまざまな難しい問題があろうかと思いますが,NPOを今後の社会を担う新しい主体として,その活動を支援する方策を検討することは,私としても極めて重要なことであると認識しております。  また,都道府県レベルにおいても,本格的な地方分権の時代を迎え,地域が自立しみずからの責任により,地域を経営し支えていくためには,県や市町村のみならず,NPOやボランティア等のさまざまな主体の連携と協働により,活力にあふれた暮らしやすい地域づくりを進めていくことが求められているところであります。  県では,これまでNPOに対してさまざまな取り組みを進めてこられたと伺っております。今後は,NPOと行政が協働できる分野において,望ましいパートナーシップを築き上げることのできる取り組みを積極的に進めていくことが必要ではないでしょうか。そこで,行政とNPOとの協働について,今後,県はどのように取り組んでいかれるのか,生活環境部長にお伺いいたします。  次に,農業問題について,農林水産部長にお伺いいたします。  初めに,農業協同組合の指導についてであります。既に21世紀の幕が開きましたが,今の我が国の状況を見ますと,依然として「世紀末」という表現が,そのまま当てはまるような状況に置かれております。いじめや不登校の増加,若い親たちの我が子に対する児童虐待などが,毎日毎日,これでもかというほど報道されております。また,世界的な視点で見れば,地球温暖化など地球環境問題の顕在化もあります。温暖化はこのまま産業活動が続くとすれば, 21世紀を通じて一層拡大し,私たちの子供や孫たちの世代に取り返しのつかない影響を及ぼすことになると予想している学者も数多くおります。  一方,日本の農業は従事者の高齢化や後継者不足などにより,耕作放棄地が年々増大するなど,存続そのものが危ぶまれるほど世紀末的,深刻な危機を迎えております。私は自然と直接にかかわり,共存しながら,私たちが生きていくために欠くことのできない食料を生産している農業は,同時に,農村ならではの極めて日本的な,豊かな自然環境を保全し,子供たちを健やかに育て,さらには,地球環境問題にも大きな抑止効果を持っているなど, 21世紀になくてはならない産業であると思っております。茨城県が21世紀の輝く未来を実現するためにも,陸・海・空の交通ネットワークの整備などにあわせて,農業の活性化を通じ,こうした農業の持つ人間や自然に優しい機能を発揮させるべきだと考えております。  国が産業構造改革の一つとして,IT関係などに従事する人をふやそうとしておりますが,少子高齢化が進んでいる社会においては,おのずから限界は見えていると思うのです。このような中でみずからの体力や欲求に合わせ,体の動く限り,生涯現役として活躍できる農業こそ, 21世紀の成熟社会を支える基幹産業になっていくのではないでしょうか。気候,地形などの自然条件や首都圏に位置する社会条件を考えれば,まさに茨城県はその先駆けとして,十分活躍できる非常に恵まれた県ではないかと思うのであります。そしてこの農業の活性化には,農業者みずからの活躍はもちろんですが,JA,農業協同組合のあり方が大きな影響を持つような気がします。私が日ごろ接する機会のある農家の方々と話をしても,農協に対しては「我々農家の要望に十分耳を傾け,農家の利益につながるようにしてほしい」との声がよく聞かれます。農協の第一の仕事は,組合員の経営・技術向上に目を向けた営農指導を行うことであるという原点に立ち返る必要があります。地域の農業を発展させ,農業者の利益を上げるために,何をどうつくってもらい,どのように売り込んでいくべきかを常に考えていくのが農協であると考えます。  そこで県として,これからの農業協同組合に対する指導をどのように行っていくのか,農林水産部長の御所見をお伺いいたします。  次に,農業法人の育成についてであります。  農林水産省では,武部農林水産大臣が,小泉内閣の聖域なき構造改革と歩調を合わせて,「食料の安定供給と美しい国づくりに向けて」と題し,農業の構造改革を断行する決意を表明しております。その内容は,構造改革がおくれている米やセーフガード暫定措置発動に至った野菜等において,構造改革を重点実施するとともに,育成すべき農業経営として,意欲と能力のある経営体を明確化した上で,これら経営体が創意工夫を生かした農業経営を展開できるよう,家族農業経営の活性化や農業経営の法人化等を推進するなど,構造改革のための支援策を可能な限り集中化させることを提案しております。さらに,食料自給率の向上を基本とした食料の安定供給を図るためには,このような構造改革の推進により,効率的で安定的な経営体が,農業生産の大部分を担う望ましい農業構造を早急に確立する必要があるとしております。  私も,農業経営を効率的,安定的に進めていくためには,農業経営の法人化,特に意欲のある担い手が,地域の中核的な担い手として活躍できるような法人の設立を推進すべきだと思っております。私の知っているある会社では,「茨城県に広大な農地を取得して,養鶏と野菜作などを組み合わせた自己完結型の循環型農業をやってみたい」と語っております。最近,株式会社にも農地の保有が認められるようになってきましたが,農地の保有には厳しい要件があり,こうしたことが簡単に実現できるものではないことは十分承知しております。しかし,この社長の夢を簡単に笑い飛ばしてしまえるほど,農業の現実は余裕がありません。特につくるものがない,つくる人がいないとして耕作放棄された農地を目の当たりにするたびに,私の胸にそうした言葉が強くこだまするのです。作物を栽培してこそ農地であり,効率的に利用してこそ,守る価値も,理由もあるのではないかと思います。農協が広域化し,一方で農業者の高齢化が急速に進行している現在,農業法人などしっかりした担い手が,女性や高齢者なども巻き込みながら地域の農地を守り,農業を活性化していくことが必要ではないでしょうか。そのためには地域に密着し,場合によっては品質の統一や作期の調整など,農業協同組合の果たしてきた役割を担えるような農業法人の育成が重要であると考えます。  そこで県では,農業法人の育成をどのように進めていく考えなのか,農林水産部長にお伺いいたします。  次に,新治地域の振興策について,土木部長にお伺いいたします。  国においては,構造改革の一環として,現在,道路特定財源の一般化や地方単独事業費の削減を検討しているなど,来年度における地方道路の整備を取り巻く環境は,非常に厳しい状況に直面しております。  しかしながら,地方には,早急に整備しなければならない道路がまだまだたくさん残っており,特に本県の道路整備は全国でも最下位であること等から,道路に対する県民の要望も大変強いものがあります。今後は,このような状況を踏まえ,ぜひとも必要な道路予算の確保が図られ,今まで以上に県民のための道路整備に邁進していただきたいと思うのであります。  まず初めに,朝日峠のトンネル化の今後の整備見通しについてお伺いいたします。  筑波研究学園都市の成熟やつくばエクスプレス,首都圏中央連絡自動車道などの整備計画が進展する中で,つくば,土浦,牛久を中心とする地域の背後地として,新治地域は大きなポテンシャルを有しております。  しかしながら,八郷方面からつくば方面に向かうためには,恒常的に峠越えを余儀なくされ,冬季の路面凍結による通行不能とも相まって,自動車利用者には大変不便を来しております。これでは,せっかくの新治地域のポテンシャルが発揮できず,地域の発展も著しく阻害されているといっても過言ではありません。このようなことから,地元では,この朝日峠のトンネル化を今か今かと待ち望んでおります。  私も,平成12年第2回定例会において,朝日峠のトンネル化について質問したところ,トンネル化に向けて諸調査を進めているとの答弁をいただきました。その事業進展に大きな期待を抱いているところでもあります。  下館方面から,八郷や石岡方面を東西に結ぶ上曽峠のトンネル化事業については,おかげをもちまして,事業着手の運びとなりました。今後は,八郷方面とつくば方面を結ぶ朝日峠のトンネル化を強く期待するところです。  ついては,朝日峠のトンネル化に向けて,これまでの検討状況及び今後の整備見通しについて,土木部長にお伺いいたします。  次に,神立駅周辺のまちづくりについてであります。  常磐線の神立駅は,土浦市に立地している駅でありますが,千代田町及び霞ケ浦町に隣接しているため,2つの町の出張所が駅近辺に置かれているなど,駅を核として住民の交流が密接に行われています。駅周辺には工業系の産業が集積しており,通勤や通学などで駅を利用する人は,1日当たり1万3,600人と石岡駅に近い乗降客を数える県内常磐線の中でも有力な駅であります。  しかしながら,旧態依然とした駅施設,また,駅前広場や駅前通り線など道路網が必ずしも十分とは言えない状況があります。神立駅周辺については3つの市と町の境に位置しているため,行政枠を越えたまちづくりが必要と考えますが,県ではどのような対応をしているのか,土木部長にお伺いいたします。  次に,国道355号玉里石岡バイパスの整備促進についてお伺いいたします。  国道355号は,千葉県の佐原市と本県の笠間市を結び地域の連携,発展の根幹となる道路であります。このため,現在国道355号におきましては,笠間バイパス,石岡岩間バイパス,牛堀麻生バイパスの整備を推進していると聞き及んでおります。  しかし,国道355号の玉里村地内における交通量は年々増加しております。特に朝夕の通勤時間帯や夏場などには交通渋滞が慢性化し,地域住民の生活に支障を来しております。また,百里飛行場民間共用化に当たり,国道355号バイパスは交通渋滞を緩和し,地域振興の面でも,玉里村を初めとする関係市町村の大きな期待を担っているわけであります。  そこで,国道355号の玉里石岡バイパスの今後の事業化の見通しについて,土木部長にお伺いいたします。  最後に,安全な学校づくりについて,教育長にお伺いいたします。  去る6月8日,大阪教育大学附属池田小学校の事件において,児童,教員23人が刃物で刺され,うち児童8人のとうとい命が奪われるという痛ましい事件が起きました。亡くなられた児童,また,被害に遭われた方々に対しまして,心から御冥福とお見舞いを申し上げます。  さて,今回のこのような事件は,二度とあってはならないことであるということは言うまでもありません。県では,今回の事件を受け,文部科学省の示した学校の安全管理に関する39項目について点検を行い,ほとんどの項目で,学校や市町村,そして家庭や地域において,既に取り組んでいるという結果が出ているということであります。また,今後も対応策を実施していこうとしているとのことですが,安全な学校づくりに十分過ぎるということはなく,地域と一体となった開かれた学校づくりを進める上でも,子供たちが安心して学ぶことができる環境づくりが重要であり,なお一層の対策を求めるものであります。  さらに国においては,今回の事件を受け,学校における緊急対策に要する費用についての財政措置を講ずるとともに,学校の安全管理の点検項目の見直しを行い,学校や教育委員会のそれぞれの具体策をより明確にしたところであります。  そこで,まず,県が直接所管している県立学校における安全な学校づくりについて,どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。また,今回の事件の犠牲者は小学校一,二年生という,まだあどけない子供たちであり,そのためにも,小中学校における安全対策が重要となります。小中学校については,市町村の責任で行うものでありますが,子供たちの命のとうとさを考えれば,県としても,積極的な取り組みをする必要があります。  そこで県として,市町村に対しどのように取り組んでいかれるのか,お伺いいたします。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 38 ◯副議長(海野透君) 飯岡英之君の質問,質疑に対する答弁を求めます。  知事橋本昌君。                    〔知事橋本昌君登壇〕 39 ◯知事(橋本昌君) 飯岡英之議員の御質問にお答えいたします。  新産業を創出するための技術移転の促進についてお尋ねをいただきました。新しい産業を創出するためには,つくばなどに集積している研究成果を活用して,新しい製品,新しい技術を開発するなど,技術移転が大変重要であります。このため県といたしましては,ベンチャープラザにおいて,創業から事業化までの総合的な相談やテクノエキスパートなどの専門家の派遣による技術開発や経営に関する指導を行うほか,つくば研究支援センターや日立地区産業支援センターと連携して,筑波大学や茨城大学の研究成果の発表会や技術移転を促進するための企業との研究交流事業などを実施しております。また,工業技術センターによる独自技術を育成するための産学官共同研究,ひたちなかテクノセンターが大学等と共同開発したCAD・CAMとITを組み合わせたものづくりシステムの活用,新製品,新技術開発に対する助成などにより,競争力のある中小企業の育成を図っております。これらにより,自動開閉ふすまや生ごみ処理機など,過去5年間に約90件が製品化されております。  一方,国立研究所の独立行政法人化や国立大学教官の兼職規制の緩和により,産学官連携が容易になるなど,技術移転しやすい環境が整いつつあります。これらの動きを加速して新たな産業集積づくりを目指し,つくばサイエンスアカデミーにおいては,分野を越えた研究者と企業との研究交流や研究成果と企業ニーズの出会いの場であるつくばテクノロジー・ショーケースを行うこととしております。また,筑波大学や産業技術総合研究所など19機関によるつくば連絡会を立ち上げ,技術移転を含めた創業のための総合的支援について検討を進めているところでございます。  また,東海・ひたちなか地区におきましては,サイエンスフロンティア21構想において,大強度陽子加速器施設の成果などを新たな産業創出へ結びつけるための方策を検討しているところでございます。今後は,県内の研究集積や人的資源を生かし,このような産学官の密接な連携のもとに,技術移転や資金調達など,多様な支援を行うことにより,新しい産業の創出を図ってまいりたいと考えております。 40 ◯副議長(海野透君) 次に,商工労働部長福田克彦君。                 〔商工労働部長福田克彦君登壇〕 41 ◯商工労働部長(福田克彦君) 特許の活用促進方策についてお答えいたします。  県におきましては,茨城県中小企業振興公社に知的所有権センターを設置し,中小企業に対し,国内の特許に関する情報提供や移転を促進してきたところであります。具体的には,同センターでは,年間約260件の特許情報の提供を行い,約900件の技術相談に応じているほか,大学や研究機関等が持つ有望特許の紹介やあっせんを行う特許技術交流プラザを水戸市及びつくば市で開催しております。さらに平成9年度から,特許流通アドバイザーを配置し,年間150件を超える企業訪問を行い,未利用特許の移転促進を図っております。  また,国におきましては,全国的な視点のもとに特許流通フェアの開催や,特許流通データベースの利用促進,特許権者と企業間を仲介する専門取引業者の育成などを内容とする,いわゆる特許流通市場の整備がなされており,本県でも,特許流通フェアなどの事業に参加してまいりました。  今後は,このような国の事業との連携をさらに密にし,県内中小企業が特許の重要性を認識できるよう,ベンチャー・テクノフェアなどの各種イベントを利用した普及啓発を行ってまいります。さらに,インターネットによる特許関連情報の提供や特許流通アドバイザーが企業に訪問する際,技術相談などに加え,新たに大学等が持つ研究成果の紹介,あっせんを行うなど,知的所有権センターの業務を充実し,特許の活用促進を積極的に図ってまいりたいと考えております。 42 ◯副議長(海野透君) 出納長小瀬信一君。                  〔出納長小瀬信一君登壇〕 43 ◯出納長(小瀬信一君) ペイオフへの対応方策についてお答えいたします。  公金は県民共有の財産であり,これを失いますと,県財政に大きな支障となりますので,来年4月からのペイオフ解禁を前に,万一の金融機関の破綻に備え,公金の保護方策を十分に講じておくことが不可欠であると考えております。このため,既に総務部,出納事務局などの庁内関係11課から成るペイオフ対応連絡会議を設け,公金の保護方策について検討を進めてまいりました。公金は大きく分けまして,歳計現金と各種の基金,そして中小企業向け制度融資預託金でありますので,連絡会議の中にこれら公金ごとの検討部会を設け,現在保護方策の詳細について詰めているところでございます。  保護方策の内容でございますが,まず公金を預ける金融機関の経営状況について,ふだんからよく情報の収集把握に努め,適切な運用をすることが基本となるものと考えております。また金融機関が万一破綻した場合,県の預金と地方債,借入金との相殺により,公金の保護を図ることができますので,まずこれを基本に置きながら,その他金融機関からの担保等により保全策,あるいは公金の債券による運用につきまして,その可能性や課題,問題点について詳細に検討を重ねております。さらに,過般は,公金の預金先の金融機関の皆様にお集まりをいただき,県の基本的な考え方を御説明しながら,協議をいたしたところでございます。  公金保護方策の策定の時期でございますが,対策の詳細の詰めを行うとともに,金融機関の対応状況を見きわめ,年内には取りまとめができるものと考えております。  次に,市町村の対応についてでございます。県内の市町村におきましても,ペイオフ解禁を控え,公金管理の実態を踏まえた保護方策について,それぞれ検討をしていると聞いております。  県といたしましても,市町村の対策がスムーズに講じられますよう,先般,市長会,町村会と共催で市町村収入役会議を開催し,ペイオフ対策について協議,説明を実施したところでございます。今後とも市町村におきまして,公金の十分な保護方策がとられますよう,さまざまな機会をとらえて,情報の提供や助言などの支援に努めてまいりたいと考えております。 44 ◯副議長(海野透君) 生活環境部長五来義忠君。                 〔生活環境部長五来義忠君登壇〕 45 ◯生活環境部長(五来義忠君) NPOに対する今後の取り組みについてお答えいたします。
     多様化する県民ニーズに適切に対応していくためには,企業や行政などが柔軟性,機敏性などの面ですぐれているNPOと,これまで以上に連携,協働していくことが重要になってきております。  県といたしましては,これまでNPOとの連携,協働を促進するため,交流サルーンいばらきの機能を生かした情報提供や行政とNPOとの交流会等を行ってまいりましたが,今年度からは,新たにNPOなど地域活動団体の情報をインターネットで配信するなど,NPOが活動しやすい環境づくりに努めているところであります。  現在,県内では74のNPO法人が福祉,環境,まちづくりなど,さまざまな分野で活動しているところでありまして,今後は新たな雇用の受け皿としても,期待されるところでございます。  これまで,NPOと行政が連携,協働した事例といたしましては,県では,災害時応急医療活動検討調査や地域リハビリテーション支援活動調査研究などをNPOに委託したほか,福祉マップ作成検討委員会に,NPO関係者にも委員として参画していただいたということがございます。市町村にありましては,石岡市におけるまちかど情報センターの管理運営や日立市の移動図書館の管理運営,また,竜ヶ崎市や茎崎町での障害児の学校生活支援などが,それぞれNPOへの委託という形で行われております。  しかしながら,本県における行政とNPOとの連携,協働は,これからより一層進めていかなければならないものと考えております。したがいまして,今後,NPOとの連携,協働を進めるため,既に庁内に設置しております県民活動促進連絡調整会議におきまして,NPOとの連携,協働ができる事業やその手法などについて,NPO関係者の意見も反映しながら,より具体的な方策を検討してまいりますとともに,住民に最も身近な行政体として,NPOと密接な連携,協働ができる市町村にも強く働きかけをしまして,行政とNPOとの良好なパートナーシップの構築に努めてまいりたいと考えております。 46 ◯副議長(海野透君) 農林水産部長石田寿君。                  〔農林水産部長石田寿君登壇〕 47 ◯農林水産部長(石田寿君) 農業問題についてお答えいたします。  まず,農業協同組合の指導についてでございます。農協は農業者の協同組織としての原点に立ち返って,地域農業の振興に積極的な役割を果たしていくことが求められており,去る6月に改正されました農業協同組合法におきましても,営農指導が農協の行う事業の第1番目に位置づけられております。  県内の農協系統組織におきましては,昨年のJA大会で営農企画部門の強化,営農指導員の資質の向上及び生産から流通,販売に至る一貫した指導など,営農指導体制の強化にみずから取り組むことを決議しております。  県といたしましては,平成12年度から,これまでの技術を中心とした営農指導に加えて,生産,流通について高度な技術,専門的な知識を有する普及員OBや販売コンサルタントなどを営農アドバイザーとして農協に派遣し,経営や販売を重視した営農指導の強化に努めているところでございます。さらに,営農指導員の資質の向上を支援するために,農業改良普及センターの普及員と農協の営農指導員が一体となった現地指導の充実や農業情報ネットワークシステムなどを活用した情報の一層の共有化を図ってまいります。  また,農協の営農指導体制を充実するためには,農協の安定した経営基盤の確立が大切でございますので,農協検査等により,適正な業務執行体制の確立,資産の健全性の確保について指導,監督しているところでございます。さらに,経営効率化に有効な手段の一つであります広域合併の推進や組合員へのサービスの向上,改善につながる農協区域の重複,いわゆる農協のゾーニングのあり方についても,検討してまいりたいと考えております。  県といたしましては,これらを通じて,JA大会の決議の実現に向けた農協の活動を支援し,農業者のニーズに的確に対応した営農指導の取り組みが強化されるよう,引き続き指導してまいります。  次に,農業法人の育成についてでございます。  農業経営を法人化することは税制上のメリット,低利資金の借入限度額の大幅なアップなど経営的に有利な面があり,人材の確保,経営の規模拡大,多角化を意欲的に進める上で,有効な手だての一つと考えております。このため,県農業会議に農業法人化推進センターを設け,法人化を志向する農家や組織に対する設立指導を行うとともに,設立されました法人に対して,経営のコンサルティングや人材確保のための情報提供などを実施しております。  現在,県内には農業法人が約400設立されており,この中には農協が出資し,作業受託や苗の販売を手がけている法人や,複数の農家が集まって大規模経営を実現している法人なども育ってきております。また,ことし3月の農地法改正によりまして,一定の制限のもと農業生産法人に株式会社化の道が開かれるなど,その活動範囲も広げられたところでございます。  県といたしましては,農業従事者の高齢化による担い手の減少や耕作放棄地の増加が進む中で,地域農業を活性化するためには,その一翼をともに担ういろいろな形態の法人を育成することも重要であると考えます。このため,新たに農業法人と地域の農業者が連携して行う作付計画や土地利用などの調整活動,消費者との交流活動などに対する支援を行うこととしております。  今後とも,農業法人の経営体質の強化に向けた支援を行うとともに,農地の有効活用,女性や高齢者に対する雇用の場の提供,若い人材の育成などといった地域の抱える課題に対応できる農業法人を育成し,地域農業の発展につなげてまいりたいと考えております。 48 ◯副議長(海野透君) 土木部長島田健一君。                  〔土木部長島田健一君登壇〕 49 ◯土木部長(島田健一君) 新治地域の振興策についてお答えいたします。  まず,朝日峠のトンネル化の今後の見通しについてでございます。現在の道路は,朝日峠において急勾配や急カーブが連続している上,冬季には凍結や積雪により通行どめになるなど,住民や観光客の利用に支障を来している状況にあります。  このため県といたしましては,トンネル化についての地元や利用者からの強い要望を踏まえ,これまでに航空写真測量や道路経済調査などを実施し,昨年度はトンネルを整備した際の広域的な利用見通しを把握するため,交通量の予測調査を行ってまいりました。  これらの検討結果を踏まえ,今年度はルート選定のため,県道つくば千代田線から石岡つくば線までの延長約5キロメートルについて,道路概略設計を行うこととしております。また,このルートは,水郷筑波国定公園内を通過することとなりますので,あわせて環境調査を実施するなど,事業化に向けた取り組みを進めてまいります。  次に,神立駅周辺のまちづくりについてでございます。  神立駅周辺は,土浦市,千代田町,霞ケ浦町と行政上区分されているものの,駅を拠点として結びつきのある地区であり,それぞれの市,町の総合計画の中でも,整備を推進する地区として位置づけられております。  そこで,1市2町が協力して,都市活力の再生を目的とした調査を平成12年度から3カ年の計画で実施しております。昨年度は1市2町のほか,茨城県,鉄道事業者,都市基盤整備公団から成る神立駅地区再生計画策定委員会を設置し,整備に関する基本方針を定めたところであります。この基本方針の中で神立駅周辺については,個性的で魅力ある交流拠点の形成を目指し,土地利用の方針としては既存商業の充実に加え,業務拠点や環境に優しい住宅地の形成を図ることとしております。また,公共施設の整備方針としては,交通ターミナル機能を高めるため,駅へのアクセス道路やバリアフリーにも配慮した駅前広場などの整備を図ることとしております。  今年度も,引き続き,この基本方針に基づき,具体の計画策定に向けて調査を進めております。県といたしましても,1市2町が一体となってまちづくりができるよう,今後とも支援してまいります。  次に,国道355号玉里石岡バイパスの整備促進についてでございます。  現在の国道は,慢性的な交通渋滞が生じているとともに,沿道には家屋が連檐していることから,バイパスの整備が必要であると考えております。これまでに文化財や土地利用状況の調査,動植物や大気などの自然環境調査を踏まえ,ルートの検討を行うとともに,道路構造等についても基本的な検討を進めてまいりました。  現在,地元市町村等とルートの確定の協議を進めており,今後はできるだけ早期に都市計画決定を行い,事業に着手できるよう努めてまいります。 50 ◯副議長(海野透君) 教育長川俣勝慶君。                   〔教育長川俣勝慶君登壇〕 51 ◯教育長(川俣勝慶君) 安全な学校づくりについてお答えいたします。  初めに,県立学校における取り組みについてでございますが,大阪教育大学附属池田小学校における殺傷事件発生後,速やかに学校の安全管理に関する緊急的対応策を決定し,各学校に指示いたしました。これを受けまして,各学校においては,来訪者と不審者を識別するための受け付けを設けて,記帳と名札等の着用,教職員による校内巡視の強化,PTA,地域社会,警察等との連携を深め,学校周辺の不審者等に関する情報の収集や警察による定期的な学校周辺の巡回パトロールの要請,緊急事態を想定した避難訓練などを実施したところでございます。  また,恒久的対応策としましては,各学校の実態に応じた安全管理マニュアルの見直しのために「学校安全管理の手引き」を作成し,各学校に配付したほか,不審者侵入を想定した防犯実技訓練及び避難訓練の実施,学校間での情報提供の体制の整備,緊急事態が発生した場合の児童生徒の心のケア体制の整備などの方策を決定し,各学校に指示するとともに,自分の身を守るのが困難な児童生徒が在籍する特殊教育諸学校につきましては,警察に直結した非常通報装置の全校設置,そして防犯ブザーの全職員配備を行ったところでございます。各学校におきましては,マニュアルの見直しや校内組織の再点検を行うほか,不審者侵入を想定した防犯実技訓練や避難訓練を実施するなど,児童生徒の安全管理に努めているところでございます。  次に,市町村に対する取り組みでございますが,事件発生直後,緊急の対応策として,幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理について再点検を指示しますとともに,正門等における受付案内表示,来校者の目的確認,受付簿への記入及び名札等の着用,教職員等による校内の巡回,緊急避難経路の確認等の指導の徹底を図ったところでございます。  また,事件の再発防止に向けて警察との連携の強化,教職員の危機意識の高揚と防犯実技訓練の実施,不審者侵入を想定した避難訓練の実施,県が配付した「学校安全管理の手引き」を指針として不審者侵入に対する危機管理マニュアルの作成,その4点を実施するよう指導してきたところでございます。  その結果,防犯実技訓練の実施を除いた3点については,ほぼ100%の実施状況となっております。しかし,防犯実技訓練につきましては,学校だけでは実施できないことから,警察との連携のもとに計画的に実施していますので, 10月1日現在では, 80%を超える実施率になっております。なお,ハード面につきましては,国の特別交付税措置を活用して整備を図るよう指導してきたところでございます。その結果,緊急事態発生時の非常通報用に各教室にインターホンや防犯ベルの設置,さらには,校内非常通報装置の整備等さまざまな対応がなされてきているところでございます。  今後とも,学校の安全管理につきましては,各種の訪問指導等を通して,学校の実情を踏まえた具体的な改善点等の指導に努めながら,万全を期してまいりたいと考えております。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日程第2 第131号議案=ないし=第133号議案 52 ◯副議長(海野透君) 次に,日程第2,第131号議案ないし第133号議案を一括して議題といたします。          ──────────────────────────────  第131号議案 公安委員会委員の任命について  第132号議案 収用委員会委員の任命について  第133号議案 土地利用審査会委員の任命について          ────────────────────────────── 53 ◯副議長(海野透君) この際,知事から追加提出議案の説明を求めます。  知事橋本昌君。                    〔知事橋本昌君登壇〕 54 ◯知事(橋本昌君) 本日,追加提出いたしました議案は,人事に関するもの3件であります。  第131号議案は,公安委員会委員のうち,来る10月15日付をもって任期満了となる西野虎之介氏を再任しようとするものであり,第132号議案は,収用委員会委員のうち,中井川一氏,新実清臣氏が,来る10月15日付をもって任期満了となることに伴い,中井川一氏を再任し,鈴木孝二郎氏を新たに任命しようとするものであり,第133号議案は,土地利用審査会委員全員が,来る11月30日付をもって任期満了となることに伴い,人見孔哉氏,平田洋子氏,平塚修氏,井坂雄氏,山形耕一氏の各氏を再任し,島村孝友氏,冨久尾育雄氏の各氏を新たに任命しようとするものであります。  何とぞ適切な御議決を賜りますようお願いを申し上げます。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 55 ◯副議長(海野透君) 以上で,本日の日程は全部終了いたしました。  次回は,明10月11日午後1時から本会議を開き,一般質問,質疑を続行いたします。  本日は,これにて散会いたします。                     午後4時49分散会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...