茨城県議会 1997-03-11
平成9年文教治安常任委員会 本文 開催日: 1997-03-11
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時31分開議
◯香取委員長 ただいまから,
文教治安委員会を開会します。
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◯香取委員長 本日の
委員会記録署名委員を指名いたします。
鈴木孝治委員と
長谷川修平委員にお願いいたします。
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◯香取委員長 次に,今定例会における本委員会の審査日程について申し上げます。
さきに御通知申し上げましたとおり,審査は3日間とし,本日は
警察本部関係,12日及び13日は教育庁関係の審査を行うことにいたしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
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◯香取委員長 議事に入るに先立ち,出席説明者の変更がありましたので,紹介をお願いいたします。
西山警察本部長。
5
◯西山警察本部長 去る2月28日付の人事異動によりまして変更になった警察本部の出席説明者を紹介させていただきます。
委員から向かいまして,私の右から2番目が,
藤田警備部長でございます。
次,3番目が,
鈴木地域統括官でございます。
次に,私の左から4番目が,
籠橋交通部参事官兼
交通規制課長でございます。
後列にまいりまして,一番右側が,
田口警備部参事官兼公安課一課長でございます。
次に,右から3番目が,
染谷刑事部参事官兼
生活安全部参事官でございます。
次に,一番左側が,
北川少年課長でございます。
以上でございます。
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6
◯香取委員長 これより議事に入り,
警察本部関係の審査を行います。
本委員会に付託されました
警察本部関係の案件は,平成8年度関係と平成9年度関係がありますが,これらについて一括して説明を聴取した後,質疑を行った上採決といたしたいと思いますので,よろしくお願いします。
それでは,第1号議案 平成9年度茨城県
一般会計予算中
警察本部関係,第66号議案 茨城県
地方警察職員定員条例の一部を改正する条例,第72号議案 平成8年度茨城県
一般会計補正予算(第5号)中
警察本部関係,第 103号議案 平成8年度茨城県
一般会計補正予算(第6号)中
警察本部関係の4件を一括して議題といたします。
これより執行部の説明を求めます。
初めに,
西山警察本部長。
7
◯西山警察本部長 委員各位におかれましては,日ごろから県警が大変お世話になっております。この機会に厚く御礼申し上げます。
今県議会に県警本部から提案しております議案の概要について,まず説明申し上げます。
初めに,平成8年度補正予算について御説明申し上げます。
お手元の資料6)の綴り,平成9年第1回
茨城県議会定例会議案概要説明書(第2綴)の 433ページをお開きいただきたいと思います。
ここから
県警本部関係の予算でございますが,まず,最初の項目の
公安委員会費の8万 2, 000 円の額は,公安委員の交代に伴う報酬の不足額の増額及び運営費の執行残として不用になった経費を減額補正するものであります。
その下の,警察本部費の5億 8,622万 6,000円は,右側の備考欄にございますとおり,職員給与費など警察職員の給与改定に伴う増額を,それから退職手当は,退職者の見込みが少なかったということによりまして減額をするものでございます。
下から2行目,
警察共済組合住宅など賃借料から,次の 434ページの
ヘリコプター運航管理費,
事務合理化推進費,
地域警察運営費,
地域警察刷新強化費,運営諸費及び
ヘリコプターテレビシステム維持管理費,これはそれぞれ執行残額の減額をするものでございます。
次の項目の警察施設費の1億 5,601万円は,右側の備考欄にございますとおり,
駐在所等建設整備費,
警察官待機宿舎建設費,
警察施設改修費及び,次の 435ぺ一ジになりますが,(仮称)
県西機動センター建設費のそれぞれ契約差金の減額を行うものであります。
警察施設敷地購入費は,平成8年度に
土地開発基金により購入しました待機宿舎や駐在所等の土地購入費でございます。
次の 435ページになりますが,運転免許費の 3,161万 1,000円の減額は,免許更新者,受講者の減による残額を補正するものでございます。
その次の項目の一般活動費の 2,642万 1,000円は,
警察電話専用料及び被留置者増加による不足額の増額を行うものであります。
次の項目の装備費の 6,500万 7,000円は,警察車両の
維持管理経費の不足額を増額するものであります。
このページの最後の項目の刑事警察費の 1,174万円は,右の欄にありますとおり,刑事・
生活安全警察活動費については,広域化,スピード化する各種犯罪に迅速的確に対応するため,活動経費の増額と捜査資器材の整備費を増額するものであります。
また,
科学捜査推進費,
暴力追放推進センター補助,
生活安全活動強化費及び次の 436ページにあります
捜査活動強化費は,それぞれ執行残を減額するものであります。
次の
交通指導取締費の 2,119万 1,000円は,
特定交通安全施設整備費の調査費を内容補正するものであります。
右側の備考欄の
交通安全施設整備費,
交通安全施設維持管理費,
交通指導取締強化費及び一番下の行の
交通安全対策費は,執行残を減額するものであります。
交通指導取締費は,
交通事故防止活動を推進するため活動経費の増額,それから,
自動車保管場所証明事務費は保管場所の
現地調査委託料などの不足分をそれぞれ増額補正するものであります。
以上,警察本部計にありますとおり,補正予算の総額は8億 3,490万 2,000円であります。
次は,
予算繰越明許費でありますが,お手元の資料8),第3綴の40ページをお開きいただきたいと思います。
警察施設費の 2,888万円は,
駐在所等建設整備費のうち,
下妻警察署蚕飼駐在所の
建設整備事業が,用地確保の遅延により年度内執行が困難になったために,平成9年度へ繰り越すものであります。
以上が,補正予算の概要であります。
続きまして,平成9年度予算案について説明申し上げます。
県警におきましては,現下の厳しい情勢を踏まえ,平成9年の茨城県
警察運営重点の指針を「県民の期待と信頼にこたえる警察」としまして,6つの項目を最重点事項として掲げました。
1つは暴力団の壊滅とけん銃の根絶,2点目は悪質・重要犯罪の検挙,3点目が
交通死亡事故の抑止,4点目が
地域安全活動と被害者対策の推進,5点目が少年の非行防止,6点目が公共の安全を害するおそれのある反
社会集団対策の推進ということであります。
この6点に沿った警察活動を,組織一丸となって推進していく,そのために必要な予算をということで,平成9年度予算編成に当たりました。
それでは,予算案の概要について御説明いたします。
お手元の資料3)の綴り,A4の横長,この 367ページをお開きいただきたいと思います。
ここから
警察本部関係の予算が記載されております。最初の
公安委員会費 3,330万 4,000円は,報酬としまして公安委員3名の報酬を,運営費は,
自動車運転者等に対する行政処分,
各種営業許可事務等の運営に要する費用であります。
次の警察本部費 474億 8,861万 9,000円は,職員給与費としまして警察官及び一般職員の職員給与費を,
警察職員増員費は,警察官28人と一般職員4人を増員する経費であります。
右側の備考欄の上から12行目,真ん中よりちょっと下付近でありますが,
共済組合負担金,その下の
公務災害補償基金負担金は,職員にかかわるそれぞれの負担金であります。その下の行の
嘱託職員雇用費は,交番相談員23人,
警察署窓口嘱託40人などの経費を計上しておるものでございます。
この交番相談員は,いずれも警察官OBを嘱託することによりまして交番で勤務するということであります。県民から大変好評を得ていますとともに,若い現職の警察官に対する実務教養にも役立っているところでございます。
次の 368ページをお開きいただきたいと思います。
備考欄の上の被服調製費は警察官,
交通巡視員等の被服を,その下の
警察共済組合住宅などの賃借料は,
警察共済組合の資金により建設しました職員住宅の借入金の償還金と公租公課費であります。
その次の行の
財産維持管理費は,庁舎,公舎の維持費や車両にかかわる保険料,重量税等であり,また,2行飛んで,
ヘリコプター運航管理費は,「ひばり」「紫峰」2機の運航に要する経費であります。
そこから3行下になりますが,
事務合理化推進費は,
電算システム経費と
OA機器導入費などであり,その下の
地域警察運営費は,
駐在所等報償費,それから交番,駐在所にかかわる運営費であります。
次の
外国人対策費は,
外国人犯罪対策の強化としまして,捜査などに当たる警察官の外国語の現地教養に要する経費であります。
さらに,そこから5行
下警察運営強化費は,ポケットベル,携帯電話の
維持管理費等であります。
2行下の,新
通信指令システム導入費は,現在建設中の新庁舎への移転に伴い,パトカー等の位置,活動状況をリアルタイムに地図上に表示するカーロケーターシステム,それから緊急配備を効果的にするための
緊急配備指揮支援システムなど,
コンピューターを使った新しい
通信指令システムを導入するための経費であります。
あわせて,誘拐事件,大規模災害等の
重大重要事案に対して組織的に対応するために必要な総合指揮室を整備する経費であります。
次の行の運営諸費は,交通信号機,警察庁舎の電気料など光熱水費及び事務用品等の経費,2行下になりますが,震災対策費は,7年度から計画的に整備しております
資材運搬車等の
救助資器材整備費,それと
震災総合警備訓練に要する経費であります。
次の項目の警察施設費14億 695万 1,000円でありますけれども,右側の備考欄にあります
駐在所等建設整備費は,警察基盤の整備のために交番,駐在所の建て替え12ヵ所の整備費であります。
その下の
警察官待機宿舎建設費は,高萩,取手にそれぞれ1棟12戸の宿舎を建設するものであります。
次の 369ページになりますが,
警察施設改修費は,婦人警察官が夜間勤務することになるなる警察署,交番の改修費。
昨年の11月から婦人警察官も夜間勤務する,いわゆる宿直をすると,男の警察官と同じ。この趣旨は,特に
犯罪被害者対策で,女性が被害に遭ったときに婦人警察官が事情聴取しようということで,前回の議会でも委員会でもお答えしました。そのためには人がいなきゃいけないということで,女性にも泊まってもらうということであります。その施設がありませんとできませんので,ここで予算計上しまして,泊まるところ,着がえするような場所ができ次第,配置するということであります。
それと,
竜ケ崎警察署留置場等の改修費に要する経費であります。
1行飛んで,(仮称)牛久警察署の整備調査費は,警察署新設の調査費であります。
本部庁舎移転関連事業費は,新本部庁舎への移転に伴い,建設中に設置しなければならない特殊機材などの経費であります。
次の項目の運転免許費は,8億 8,152万 6,000円でありまして,免許試験,免許証の作成,それから
自動車運転免許の各種講習に要する経費であります。
なお,
道路交通法の改正によりまして,平成7年度から
小型化用免許証の作成機の整備を図ってまいりましたけれども,平成9年度ですべての警察署への整備がなされます。
次の項目の恩給及び退職年金費2億 3,807万 3,000円は,退職した職員の恩給及び遺族の扶助料であります。
次の項目の一般活動費,6億 1,455万 9,000円でありまして, 110番にかかわる電話加入料及び地域警察の運営に要する活動経費であります。
その次の項目の装備費は,3億 8,982万 6,000円でありまして,
警察装備維持管理費は,警察車両及び警備艇の維持管理費でございます。その下の
警察車両整備費は, 158台の車両更新及び増強1台に要する経費であります。
次は, 370ページをお開きいただきたいと思います。最初の項目の刑事警察費は,3億 5, 386 万 5,000円でありまして,備考欄にございますとおり,
犯罪捜査活動経費や捜査資器材の整備に要する経費であります。
次の項目の
交通指導取締費は,48億 3,093万 3,000円でありまして,備考欄にありますとおり,国の補助事業として行う
特定交通安全施設整備費及び県の事業として行う
交通安全施設整備費。これは,平成8年度を初年度といたします第6次
交通安全施設等整備事業五箇年計画の2年目分としまして,いろいろありますが,主なものを申し上げますと,水戸地区に地域制御化の拡大,国道6号,50号線への
道路交通情報板の設置,それから信号機は 124基の新設であります。そのほか,既設の信号機を系統化したり,高度化したり,あるいは
道路標識の整備,そういったものに要する経費であります。
2行下の
交通指導取締強化費は,各種の
取り締まり機材の整備費。2行飛んで,
交通指導取締費は,交通違反者の取り締まりに要する活動経費及び
交通事故処理に要する経費などであります。
その下の行の
自動車保管場所証明事務は,法律に基づく
自動車保管場所証明書を発行するための
現地調査委託費であります。
以上のとおり,歳出予算の総額は,次の 371ページの警察本部計の欄にありますとおり, 562億 3,765万 6,000円であります。
うち特定財源は,中央の欄にございますとおり,総額63億 5,839万 1,000円,一般財源は 498億 7,926万 5,000円を計上いたしております。
次に,今回の定例会に本部から上程しております条例案の概要について御説明申し上げます。
資料は,お手元の資料1)の綴り, 203ページをお開きいただきたいと思います。
第66号議案 茨城県
地方警察職員定員条例の一部を改正する条例であります。
これは,表にありますように,警察官の小計は 3,889人でありまして,事務吏員,技術吏員,その他の職員 581人の合計 4,470人となっておりますけれども,これは警察官28人の増員,それから一般職4人。この4人の内訳は,被害者対策のための
カウンセリング職員2名,それから
電磁式記録媒体解析要員,
コンピューター関係でありますが,その要員1名。それから,覚せい剤の
鑑定等薬物化学鑑定要員1名,計4人であります。この職員を増員しようとするものであります。
また,女性職員の
育児休業取得に伴う執行力の低下を防止し,体制を維持するために,育児休業者を定員外に置くことができるようにするという改正もあります。
以上が,警察本部といたしまして,今回の県議会に提案いたしております議案の概要でございます。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。以上でございます。
8
◯香取委員長 次に,
小沼生活安全部長。
9
◯小沼生活安全部長 平成8年中における
生活安全部関係業務推進結果と当面の重要課題について御説明いたします。
なお,お手元に資料が配付されていると思います。平成8年中の
警察業務推進概要があろうかと思いますが,このうち1から4までが今から御説明申し上げる関係の資料でございます。
第1は,けん銃摘発の推進についてでございます。
まず,平成8年中におけるけん銃の発砲事件でございますが,暴力団を対象としたものが1件,一般市民,企業を対象としたものが2件の計3件でございまして,前年の12件に比べて大幅に減少いたしております。全国的にも,昨年は 128件の発砲事案がありましたが,その前の年に比べまして40件減少しており,表面的には一応落ちつきつつあるように思われるわけでございます。
しかしながら,本県ではございませんけれども,逮捕に赴いた警察官にけん銃を発砲するなど,極めて凶悪化の様相も見られるところでございます。
このような情勢を踏まえまして,本県警察といたしましては,銃器対策課の
新設等組織体制を強化し,取り締まり,施策の両面からの総合的な銃器対策を推進した結果,平成8年中は,1月に
暴力団山口組小西一家堀政連合の武器庫からけん銃6丁,10月には
暴力団松葉会国井一家の武器庫からけん銃6丁とダイナマイト7本,実包 382個を押収するなど,2つの武器庫摘発を含めまして30丁を押収しております。対前年では,マイナス14丁でございます。
30丁の押収の内訳は,暴力団からが25丁,83.3%,一般人からが5丁,16.7%でございます。
ちなみに全国で申しますと,昨年は 1,549丁,対前年ではマイナス 331丁でございますが, 1,549丁を押収しており,暴力団からは 1,035丁,66.8%,一般人からは 514丁, 33.2 %の押収でございました。全国的にも,また本県におきましても,押収丁数が減少しておりますが,理由として考えられますことは,警察による取り締まりが強化されていること,それからまた重罰化のためのたび重なる銃刀法の改正等が考えられるところでございます。
しかしながら,けん銃は
薬物同様治安の根幹にかかわる問題でございますので,引き続き徹底した摘発を推進していく必要があると考えております。
特に,県内には 1,400名余の暴力団が存在しております。これら暴力団によって多数のけん銃が隠匿所持されていることは明白でありますので,暴力団の
徹底取り締まりを推進するとともに,また押収したけん銃の90%以上が外国からの密輸入されたものであるところから,税関,入管,
海保等関係機関と連携した,いわゆる水際対策を強化して,1丁でも多くのけん銃を摘発してまいりたいと考えております。
なお,県民に対しましても,けん銃情報の提供とけん銃根絶の機運を高めるための
広報啓発活動を積極的に展開してまいりたいと考えております。
第2は,少年の非行防止と
健全育成活動の推進についてでございます。お手元の資料の2でございます。
まず,平成8年中の県内における少年非行の現状でございますが,刑法犯少年,少年非行のバロメーターといわれておりますが,その補導は 2,669人,全刑法犯に占める割合が48.7%でありまして,前年に比べて 235人, 9.7%と増加しているところでございます。
全国的には,昨年は15万 6,823人,全刑法犯に占める割合は全国では49.2%,前年に比べまして 7,686人, 5.2%の増加となっております。
県内の少年非行の特徴的な傾向を見てみますと,1つは,窃盗犯が全体の75.6%を占めている,4分の3は窃盗犯。2つ目には,中・高校生が全体の74.8%,これも大体4分の3でございますが,非行の中心である。3つ目には,テレクラ利用による少女の性的被害が増加している。4つには,
覚せい剤乱用の高校生が検挙されるなど,薬物の高校生への拡散が見られることが挙げられるところでございます。
また,凶悪犯,粗暴犯につきましては,平成8年中は,前年に比べまして20人増の 462人となっており,その内容も,殺人事件や,巷間聞かれます「おやじ狩り」と称されるような
強盗致傷事件,高校生による恐喝事件等,悪質化,粗暴化傾向が顕著に見られるところでございます。
次に,少年の福祉を害する犯罪,少年を酷使し,虐待し,その他少年の福祉を害する犯罪,また少年に有害な影響を与える犯罪と定義されておりますが,福祉犯,いわば子供を食い物にする大人の犯罪と理解していただいてよろしいかと思いますが,平成8年中の検挙は 231件, 174人で,前年に比べまして23件,15人と増加しており,内容的にも暴力団による有害支配,暴力団事務所での電話当番とか,のみ行為のメモ類の整理であるとか,組員の出所の出迎えに同行させたとかという暴力団による有害支配や,
テレホンクラブに係る少女の性的被害,スナック等における
年少者使用事犯等が目立ったところでございます。
特に,
テレホンクラブ等に係る福祉犯につきましては,平成5年以降急増いたしまして,大きな社会問題になったところでございますが,昨年,
公安委員会所管の茨城県
テレホンクラブ等営業の規制に関する条例を制定,施行いたしました。その効果的な運用と少女の性的行為の防止に現在努めているところでございます。
また,
特別法犯少年,特に
覚せい剤乱用少年につきましては,平成8年中は24人を検挙しておりますが,前年に比べては5人減少となっております。しかしながら,都内を初め,近県における中・高校生による
覚せい剤乱用事犯が激増しております。本県への波及が懸念されていたところでありますが,昨年末には,本県におきましても県立高校生2名を検挙するという事犯がございました。その懸念が,まさに現実のものになってきたという感がいたすわけでございます。
全国的にも,昨年は中・高校生 235人が検挙されておりますが,中でも,特に高校生の増加が著しい。ある県では,神聖であるべき教育の現場が覚せい剤の乱用あるいは取引の場となっていたという驚くべき実態が浮き彫りになっておりまして,事態はより深刻化していると考えております。
なお,少年非行の背景には,核家族化,少子化による子供のしつけ不足,あるいは少年の規範意識の低下,さらには少年を取り巻く社会環境の悪化等が考えられるわけでございますが,警察といたしましては,このような少年非行の厳しい現状を踏まえ,県,教育庁,
少年指導員等のボランティアの方々と緊密な連携のもとに,
街頭補導活動の強化,少年の福祉を害する犯罪の
取り締まり強化等の諸対策を推進し,少年の非行防止と健全育成に努めてまいりたいと考えております。
第3は,
覚せい剤事犯の検挙状況についてでございます。資料の3でございます。
本県における覚せい剤の検挙は,昭和46年に4件,2人を検挙したのが初めてでございます。それ以降は年々急激な増加を示しまして,10年後の昭和56年には,これまでの最高の 675人を検挙いたしております。その後,減少傾向をたどりましたが,平成5年以降再び増勢に転じまして,平成8年昨年は 850件, 604人を検挙しており,検挙件数,人員とも前年を大幅に上回っております。押収量は 1,290.5グラムで,前年に比較しますと,約1キロ── 996グラムです──減少しておりますが,例年に比較いたしますと,この数字も決して少ない数字ではございません。これまでの年間の押収量では,過去3番目の押収量ということでございます。
ちなみに,全国で見てみますと,昨年は2万 6,624件,1万 9,420人を検挙しております。また,押収量は 650.8キロ,約 651キロに上っておりまして,前年に比べまして,件数で 3, 242 件,検挙人員で 2,319人,押収量で 565.7グラムの増加。特に,押収量の 650.8キロというのは,過去最高の国内における押収量の記録でございました。
本県の
覚せい剤事犯の特徴的な傾向を見ますと,1つは,暴力団が全体の48.3%を占め,依然として根強く関与をしている,組織の資金源にしているということが明らかでございます。2つは,再犯者が全体の51.3%,過半数でありまして,依然として薬物に対する依存性が高い。ということは,また初心者が半数近くいるということでもございますので,なお拡散化しているということも,反面言えようかと思います。3つ目には,来日外国人による薬物事犯が増加している。特にイラン人の検挙がふえている。4つ目には,女性乱用者が全体の16.3%でありますものの,少年については,女性の比率が非常に高いということでございます。
以上のような特徴的な傾向があるわけでございます。
さらに,第2の少年非行の項で申し上げました中・高校生の薬物乱用の関係でございますが,都内及びその近県では,来日外国人,特にイラン人の密売人から,中・高校生が覚せい剤を購入している実態が明らかになっております。その背景には,繁華街や駅前等でイラン人等の密売人から安価で購入できるなど,少年でも容易に入手できる状況が出てきているということ。2つには,少年に薬物の危険性,有害性という認識が欠けている,薄いということ。ということは,美容に効くとか,ダイエットに効くとか,そういう甘い言葉につい誘われて染まるというケースが非常に多いわけでございます。こういった背景が考えられるところでございます。
本県におきましては,幸いこのようなイラン人からの購入事犯は見ておりませんが,現に,来日外国人が覚せい剤の密売や使用で多数検挙されておりますので,今後,中・高校生へのこうした密売が多分に懸念されるところでございます。
このような,まさに憂うべき薬物情勢に対処するため,県警といたしましては,関係機関・団体等の連携を密にしながら,薬物の供給遮断と需要の根絶を図るべく,暴力団,来日外国人等の薬物密売組織の壊滅と薬物乱用者の徹底検挙に努めるとともに,広く県民に,薬物を拒絶する社会環境づくりのための
広報啓発活動を積極的に推進してまいりたいと考えております。
第4は,風俗関係事犯の検挙状況についてでございます。資料の4でございます。
最近の風俗環境は,国民の享楽的な風潮を反映いたしまして,外国人女性を使用する売春事犯等性を売り物にする事犯や,不法滞在の外国人にかかわる雇用関係事犯等が依然として後を絶たないほか,カジノバーにおける賭博事犯──バカラ賭博等でございますが──等の新しい形態の風俗事犯も見られるところでございます。
また,一般家庭へのパソコンの普及に伴いまして,インターネットへの接続によりわいせつ図画の送受信が容易になっているほか,わいせつビデオ等の販売のためのピンクチラシの無差別な頒布等も全国的に多発傾向にございます。
このため,平成8年中は,暴力団やブローカーが介在する組織的な売春事犯及び外国人雇用の不法就労助長事犯等に重点を指向した取り締まりを推進した結果,総数で 307件, 369人を検挙,前年に比べまして50件,19.5%,9人, 2.3%でございますが,それぞれ増加をいたしております。
特に,風俗営業に稼働する外国人に係る出入国管理及び難民認定法,いわゆる入管法違反では 213件, 198人を検挙し,前年に比べまして74件,53.2%、70人,54.6%でございますが,それぞれ大幅に増加をしているところでございます。
また,売春事犯の検挙は,スナックの管理売春やピンクサロンの場所提供等8件,24人。これは経営者側の検挙数でございまして,売春をした女性の検挙は99人でございます。ほとんどが外国人ということで,入管の方に送っている人員の数字でございます。これらの数字,前年に比べまして,件数は若干減少しておりますが,人員では17人と大幅に増加をしているところでございます。
いずれの事件でも,暴力団がみかじめ料を徴取するなど組織の資金源としていたほか,外国人の供給等には,暴力団や悪質ブローカーが深く関与している実態が明らかでございます。
一例でありますが,鉾田署では,暴力団幹部が,愛人であるタイ人のスナックママと共謀して,人身売買ブローカーから外国人ホステスを買い受け,数百万円もの借金を負わせて売春をさせ,約2年余りの間に1億 2,000万円余の不法収益を上げていたという事実が判明し,ブローカーまで突き上げて検挙したところでございます。
いずれにいたしましても,良好な風俗環境の確保は治安対策上も極めて重要でございますので,今後とも,関係機関と連携を図りながら,取り締まりの強化と業界団体の健全化対策をより一層推進してまいりたいと考えております。以上でございます。
10
◯香取委員長 次に,河邉刑事部長。
11 ◯河邉刑事部長 私からは,刑事部関係について御報告いたします。
引き続きまして,生安部長が使用いたしました平成8年中の
警察業務推進概要を資料として参照していただきたいと思います。
私からは,平成8年中の刑事警察業務推進結果について概要を申し上げた後,当面の重要課題についていたしたいと思います。
まず,資料第5の全刑法犯の認知,検挙状況でございます。表の5番目,全刑法犯,重要犯罪,重要窃盗犯等の認知・検挙状況の左の欄でございますけれども,認知件数が3万 6,211件でございます。これは前年に比べまして 1,615件の増加でございます。この3万 6,211件という数字は,過去最高の数字でございます。
検挙件数は2万 1,328件でございまして,過去10年間で最高となった前年に比べまして, 164件と減少いたしたところでございます。
一方,検挙人員,これは書いてございませんけれども, 5,249人で,これは前年に比べて 208人の増加となっております。検挙率は58.9%でございまして,前年に比べまして 3.2ポイント減少いたしましたけれども,全国平均の検挙率と比較いたしてみますと,全国平均の検挙率を18.3ポイント上回っております。
なお,刑法犯の中で最も認知件数が多いのは,窃盗犯の3万 3,611件でございまして,これは刑法犯全体の92.8%を占めているところでございます。
続きまして,真ん中の欄,殺人,強盗等の重要犯罪の認知,検挙状況について御説明いたします。
昨年の重要犯罪につきましては,認知件数が 332件,検挙件数が 320件,記載しておりませんが,検挙人員が 176人,検挙率が96.4%となっております。いずれも前年を大幅に上回っておりまして,認知件数,検挙件数,検挙率とも過去最高の数字を記録いたしたところでございます。
昨年の特徴といたしましては,同一地域における連続放火事件,あるいは年少者に対する強制わいせつ事件の認知件数,検挙件数が著しくふえたということが大きな特徴でございます。
また,捜査本部を設置した事件につきましては,昨年4月,江戸崎警察署管内におきまして発生いたしました霞ヶ浦湖畔等におけるタイ人男女連続殺人死体遺棄事件など5件でございますけれども,そのうち茨城町奥谷地内における男性殺人事件を除いて4件は,いずれも被疑者を検挙しているところでございます。
また,平成6年10月に鹿嶋警察署管内で発生いたしました住友金属鹿島製鉄所構内における強盗殺人死体遺棄事件につきましても,昨年7月に被疑者を検挙しているところでございます。
次に,一番右の欄の重要窃盗犯について御説明いたします。
侵入盗などの重要窃盗犯の認知,検挙状況でございますが,昨年中は,認知件数が 7,688件,検挙件数が 5,787件,検挙人員は,書いてございませんが, 371人,検挙率75.3%で,前年に比べていずれも減少しておりますが,本年の検挙率,これも全国平均の検挙率と比較いたしますと 3.3ポイント上回っているところでございます。
主な検挙事件といたしましては,暴力団員等18名の窃盗団による高級自動車を対象とした広域自動車盗事件などがございますけれども,この事件に見られますとおり,最近の窃盗犯につきましては広域化,あるいは盗品の売買ルートなども含めて組織化,そして,大量の貴重品を根こそぎ窃取する大規模化という傾向がうかがわれるところでございます。
さらに,表にございませんけれども,汚職などの重要知能犯について御説明いたします。
昨年は,前年に引き続きまして,公共工事発注などをめぐる贈収賄事件や助成金詐欺事件等を検挙,摘発いたしているところでございます。
また,選挙違反取り締まりにつきましても,つくば市長選挙では当選市長を,協和町議選では候補者買収により当選議員を,それぞれ検挙,摘発しているところでございます。
次に,資料6の暴力団犯罪の検挙状況について御説明いたします。
昨年は,暴力団の資金源犯罪や武器の摘発に重点を置いて,県警が一体となって取り締まりを強化した結果,検挙件数が 1,542件,検挙人員 866人を検挙いたしたところでございます。これは前年度と比べますと,件数で 547件の増,人員で 193人の増と,大幅な増加となっておりまして,検挙件数,人員とも過去10年間で最高の数字となっております。
平成7年自体が,検挙人員の伸びの絶対数,また伸び率にいたしましても,全国第1位の実績を残したところでありますけれども,その平成7年の数字をさらに上回る実績を残したところでございます。
暴力団犯罪の特徴的傾向といたしましては,生安部長からも御説明ございましたが,けん銃発砲事件が平成7年は10件あったところ,昨年は3件と著しく少なくなったこと,また,人に向けて発砲したものが発生していないということが,第1として挙げられます。
次には,暴力団対策法による中止命令の発出でございますけれども,これも平成7年22件と,それ以前から比べると大変大きな伸びを示したわけでございますが,その平成7年の数字をさらに4件上回った26件を発出しているところでございまして,内容的にも,依然として企業や個人に対する暴力的要求行為が多いということが特徴的な傾向でございます。
もう1つが,シャモ賭博,競売法違反,富くじ発売事件等資金源犯罪や,覚せい剤取締法違反等薬物犯罪の検挙が増加しているということでございます。
次に,資料7,来日外国人による刑法犯の検挙状況について御説明いたします。
最近,首都圏で連続的に発生いたしましたベンツ等高級外車盗難事件や,あるいは来日外国人同士による男女4人の誘拐事件など,直接外国とつながっている重要事件が,全国的に見ますと発生しているところでございます。このように,最近,とみに犯罪の国際化が著しくなっているところでございます。
このような情勢の中,本県におきましては,直接外国人と結びつく重要犯罪の発生は見ておりませんけれども,それでも,昨年中において来日外国人による刑法犯は,検挙件数 386件,検挙人員 107人に上っており,犯罪の一層の国際傾向がうかがえるところでございます。
なお,検挙件数については,平成7年と比較いたしますと 166件減っているのではないかと疑問に思われるかもしれませんけれども,これは1つのグループなり1名の者が連続して自動販売機などから現金を窃取するというものをやっておりまして,実際には,下の検挙人員の方を見ていただければ,最近の傾向はよくうかがえるのではないかと思います。 107人という検挙人員の数字は,過去最高の数字になっております。そういった意味でも,年々,国際化傾向,国際犯罪の発生の頻度は高まっているということがうかがえるところでございます。
その内容でございますが,外国人同士が被疑者,被害者となった事件でございますけれども,先ほど御説明いたしました霞ヶ浦湖畔などにおけるタイ人男女被害の連続殺人死体遺棄事件,鉾田地内におけるタイ人同士による殺人などの凶悪事件が発生いたしているところでございます。
また,これは推測ではございますけれども,犯罪の手口等から,香港爆窃団と言われる香港出身の中国人の窃盗団によると見られる大量の貴金属窃盗事件の発生も見られるところでございます。
以上が平成8年の概要でございますが,次に,当面の重要課題について申し上げます。
その1は,重要犯罪,重要窃盗犯捜査の推進でございます。
最近の犯罪は,先ほども御説明いたしましたとおり,広域化,スピート化,国際化の進展が著しいところでございます。また,地下鉄サリン事件など,我が国の警察がこれまで経験したことのないような新たな犯罪も発生するなど,ますます複雑,捜査の困難化の様相を示しているところでございます。
このような情勢に的確に対応するため,昨年は,機動捜査隊の増強,重要事件発生時に集中して運用する指定捜査員の枠拡大などを行いまして,初動捜査体制の強化を図る一方,性犯罪の被害者保護の立場に立った適切な捜査を推進するため,女性被害犯罪捜査員を指定したほか,捜査第一課に女性被害犯罪捜査指導官などを配置するとともに,地下鉄サリン事件などに見られますように,新たな犯罪に対応するための科学捜査係を設置するなど,捜査体制の確立,強化を図ってきたところでございます。
また,このたび,県民生活に最も身近な犯罪で,また,先ほど御説明いたしましたが,全刑法犯の92.8%を占める窃盗犯の捜査を強化するため,捜査第一課に盗犯捜査室を新設いたしたところでございます。
第2は,暴力団対策の推進であります。
県民生活の脅威となっております暴力団勢力は,現在, 124組織,約 1,400名を把握しているところでございます。依然として,根強い勢力を保っているところでございます。
暴力団対策につきましては,県警の最重要課題として,暴力団との対決姿勢を一層強め,徹底した取り締まりを実施中でありますが,これら暴力団につきましては,暴対法施行後,その生き残りをかけ,組織からの仮装離脱や標榜右翼への転身など,組織実態の隠ぺい化を進めつつ,表の社会における資金獲得に比重を移して金融経済犯罪を敢行するなど,一層知能暴力化の傾向を強めているところでございます。
こういった情勢に的確に対処するため,このたび,金融不良債権絡みの知能暴力犯への対応を強化するため,暴力団対策課に暴力犯財務特捜係を増員するなど,捜査体制を強化いたしたところでございます。今後も,警察の取り締まりとあわせ,茨城県暴力追放推進センターや茨城県企業防衛対策協議会などの暴排組織との緊密な連携のもと,暴力団排除活動を強力に推進してまいる所存であります。
その3は,重要知能犯捜査の推進でございます。
政治,行政,経済の各分野でのさまざまな不正にメスを入れることを望む声が,かつてなく高まっているところでございます。これにこたえるため,このたび,複雑な金融システム,経済取引の中で敢行される特殊金融犯罪に的確に対応するため,捜査第二課内に財務特捜係を設置いたしまして,要員を増強配置,捜査体制の強化を図ったところでございます。
今後は,さらに捜査力の向上などに配意し,年々巧妙化の傾向にある特殊金融犯罪や汚職など,重要知能犯の検挙向上に努めてまいる所存であります。
その4は,来日外国人犯罪捜査の推進であります。
急増する来日外国人犯罪の対応といたしましては,これまで刑事総務課に国際手配共助係を設置いたしまして,対策の強化を図ってきたところでございますけれども,ますます国際化する来日外国人犯罪に的確に対応するため,このたび国際刑事総務課に国際犯罪対策室を新設いたしまして,外国人犯罪情報の収集,整備,外国人犯罪の捜査支援等を行うことといたしているところでございます。
また,通訳体制の強化を図るため,これまでに,タイ語2名,ペルシャ語1名,広東語1名,合計4名の通訳職員を順次採用し,現在もペルシャ語,タガログ語の通訳職員を募集中であり,国際犯罪捜査力の充実,強化に努めているところでございます。
なお,最後に,当面の緊急の課題としてもう1件,オウム真理教関係指名手配の被疑者の早期検挙について御説明いたします。
オウム真理教関連の事案の全容を解明するため,警察庁特別手配被疑者につきましては,全国警察が組織を挙げて追跡捜査を実施した結果,昨年11月には北村浩一ら3名を相次いで逮捕し,その後12月には,最重点の一人でありました林 泰男らを沖縄県石垣市内で逮捕したところでございます。しかし,長官狙撃事件などのかぎとなる平田 信ら3名につきましては,残念ながらいまだ発見に至っておりません。本年も,残る特別手配被疑者全員の早期検挙を目指して,強力な捜査を推進してまいる所存でございます。
以上で,刑事部関係の説明を終わります。
12
◯香取委員長 次に,萩原交通部長。
13 ◯萩原交通部長
交通死亡事故の特徴と抑止対策について申し上げたいと存じます。
お手元に横長の資料がございます。御参考にしていただきたいと存じます。
まず,平成8年中でございますが,人身交通事故の発生件数及び負傷者数は,前年に比較して増加しております。死者数については,前年比マイナス33人の 385人と大幅に減少させることができました。死者数につきましては,平成6年から3年連続減少でございまして,また平成元年から連続しておりました死者 400人という数字を8年ぶりに切ることができたのでございます。
しかしながら,全国的に見ますと,死者の総数ではワースト7位,平成7年中はワースト9位でございました。人口10万人当たりではワースト2位,平成7年は1位でございました。そして,本年も,昨日現在の死者が87人で,前年対比で6人増加しております。これは全国ワースト第2位と,極めて厳しい状況が続いているわけでございます。
以下,昨年の
交通死亡事故の特徴につきまして御説明させていただきます。
(1)の月別死者数でございますが,6月が前年比でマイナス28人と大幅に減少しました結果,6月末時点では,前年同期比マイナス31人になりました。その後,10月下旬から11月上旬にかけまして死亡事故が多発いたしましたので,11月9日から死亡事故抑止緊急対策を実施いたしまして,昨年11月,12月と死者数を減少させることができたのでございます。12月は,対前年比で13人を減少させることができました。
(2)の地域別死者数でございますが,鹿行が前年比マイナス30人と大幅に減少いたしまして,県南でもマイナス12人の減少となりました。しかし,高速
道路では,7年に比較しまして,7名の増加で13人の死者となっております。この13人中11人は県外の方でございまして,高速
道路の特徴点が出ているかと存じます。
(3)のシートベルト着用別死者数でございますが,四輪車乗車中の死者の77.5%がシートベルトをしておりませんで,全国の構成率69.9%と比較しましても, 7.6ポイントほど高くなっているという現状にございます。
次に,(4)の第1当事者の年齢別発生件数を見ますと,青少年が 114件と最も多く,全体の3割を占めております。第1当事者というのは,死亡事故を起こしました責任の重い方ということで御理解いただきたいと存じます。次いで多いのが,40歳代の65件となっております。
(5)の
道路別死者数でございますが,国道における死者数が 133人と,全体の34.5%を占めております。
道路構成率から見ますと,わずか国道の構成率は2%でございますので,国道における死亡事故の発生率が非常に高くなっていると申し上げることができるかと存じます。
資料には載せてございませんけれども,国道で死者数が多いのは,6号の27人,50号の15人, 294号の13人の順になっております。また,県道につきましては,31人減少の 120人と大幅な減少を見たところでございます。
(6)の違反別死者数をごらんになっていただきますと,違反で最も多いのは最高速度違反の91人,次いで,わき見漫然運転の88人で,この2つの違反で全体の5割近くを占めております。
ここで,その表をごらんになっていただければわかるのですけれども,わき見漫然,うっかりぼんやりで事故を起こしてしまったという構成率は,全国が30.1に比べ,茨城県内は22.9と,構成率が全国平均よりも低くなっております。反面,最高速度違反の構成率,酒酔い,右側通行,一時不停止,優先通行妨害,安全速度などが全国の構成率よりも高くなっております。したがいまして,ルールを守っていただければ防げる重大事故というものが,守らないために発生してしまっているということを申し上げることができるかと存じております。そして,死亡事故を起こしました年齢層の中で一番多い青少年運転者の事故原因を見てみますと,やはり最高速度違反が4割強を占めて,最も多くなっております。
(7)の時間別死者数でございますが,夜間の死者が約6割を占めておりまして,2時間単位で数字を示してございますが,18時から20時の夕方の時間帯が50人と,最も多くなっております。
(8)の年齢別・状態別死者数でございますが,高齢者の死者が,対前年比で3人ふえて 113人で3割近くを占めておりまして,平成6年から3年連続して青少年の死者を上回っているという状況にございます。その高齢者の事故を見てみますと,歩行横断中の死亡事故が多いということでございまして,四輪車乗車中の死亡事故が多い他の年齢層と比較した場合,高齢者の特徴点になっております。
青少年の死者は,対前年比8人減少いたしまして,92人となっております。高校生の死者につきましては,対前年比で3人減少いたしまして24人でございますが,この数は全国ワースト第1位でございます。24人の死者のうち20人は二輪車乗車中,これは原動機付自転車も含むわけでございますが,二輪車乗車中の事故でございます。
幼児,園児及び小学生の死者は,対前年よりも16人と大幅減少を見ているところでございます。
(9)の
道路形状別・類型別死者数でございますが,車両単独事故が 105人と,対前年比で18人,20.7%増加しております。
以上のように,昨年は,交通事故死者を前年比でマイナス33人の 385人と減少させることができたのではございますが,本年に入りまして死亡事故が急増しております。1月には県南地域に地域警報が発令され,さらに全県下に死亡事故多発警報が発令されたところでございます。
また,死者数が全国ワースト第1位が,1月23日から2月17日まで26日間も続きました。本年に入りましてから2月末までの特に顕著な特徴といたしまして,県南,県西での死者が増加しておりますこと,また,先ほど昨年1年間は夜間事故6割と申しましたが,本年に入りましてからは夜間の死者が全体の7割弱を占めていること,時間帯では午後4時から午後6時の間が13人と最も多くなっております。昨年1年間では午後6時から午後8時の時間帯が多かったのですが,それが2時間ほど前に来ているということでございます。
事故を起こした者は青少年が多く,亡くなった方は高齢者が多いということでございます。また,四輪乗車中の亡くなった方のほとんどが,シートベルトを着用していない。先ほどもシートベルトの着用率悪いと申し上げましたけれども,本年に入りまして,93%の方がシートベルトを締めていなかったということでございます。
このような死亡事故の増加に歯どめをかけるために,去る2月5日から20日間,警察といたしましては,緊急対策として,夜間の検問,取り締まりの強化等を実施したわけでございます。
以上,
交通死亡事故の特徴点について申し上げましたが,本年の主な交通事故抑止対策について申し上げます。
本年も,昨年の事故実態を踏まえまして,各種対策の効率的推進を図ってまいりますが,その内容といたしましては,第1に,県,市町村など自治体が行う交通安全活動への支援協力ということでございます。第2は高齢者の交通安全対策の推進ということ,第3は,交通事故分析の高度化とその分析結果に基づいた効率的な交通指導取り締まりを推進してまいるということでございます。第4は交通安全教育を推進してまいりますし,第5には
道路交通環境の整備に努めてまいります。
各種対策の具体的な推進につきましては,1年を季節ごとの事故実態及び年齢層別に分けた対策をとることといたしております。
第1期の1月から3月まではセーフティーヤングプラン,若者の事故を防止しようということで進めているわけでございます。以下,4月からはママ・アンド・チャイルドを対象としたプラン,7月,8月にはセーフティーシルバープラン,9月,10月にはミドルエイジ,中年層の方を対象にした安全対策,そして11月,12月は,セーフティーファイナルプランと申しまして,警察の総力を挙げて死亡事故の抑止に努めていかなければならないであろうと考えております。
また,県内を4ブロックに分けまして,ただいまの第1期には県西ブロックでの死亡事故抑止に力を注いでおりますし,順次,県南,県央,県北,鹿行,そして最後には県内全域を対象に,死亡事故の減少を図ってまいる所存でございます。以上でございます。
14
◯香取委員長 次に,
藤田警備部長。
15 ◯
藤田警備部長 私からは,警備警察の当面の重要課題でございます2つの点について御説明いたします。
まず,第1点でございますが,県内のオウム真理教の現状と旭村における集団居住実態及びこれらの諸対策について申し上げます。
県内情勢の御説明の前に,オウム真理教教団の全国の現状から申し上げますと,主だった幹部がことごとく昨年までに逮捕されておりまして,現在は,教団運営は,形式的には村岡達子代行代表を中心といたします幹部による集団指導体制のもとで行われている模様でございます。しかし,いまだに麻原彰晃は教団にとりましては絶対的な存在でありますことから,麻原の意向に反しての重要事項の決定とか教団運営はされていないというものでございます。
教団の本部とか支部道場等の主要な全国の施設につきましては,昨年の3月の時点で全国で約30ヵ所ございましたが,その後,破産手続の進行等によりまして,施設の閉鎖が行われまして,教団が所有していた施設はすべて閉鎖となったわけでございます。その後,彼らは首都圏を中心に分散いたしまして,マンションなどに集団居住をしたり,民家を借り受けたり,いろいろな動向ございますが,現在,全国では約 200数十ヵ所に集団居住施設を分散して,彼らが住んでいるという現状でございます。
次に,県内の情勢でございますが,オウム真理教の水戸支部は平成7年12月に閉鎖いたしましたが,昨年2月にこれも撤去いたしまして,この場所も撤去いたしまして,水戸市内のマンションの一室を借り上げた信徒のところを活動拠点といたしまして,ここを活動の場としております。
当初,約 300名を数えた県内オウム真理教関係者も,地下鉄サリン事件以降脱会者が相次ぎまして,これら脱会者の大部分は,オウム信徒であったことへの後悔と早く教団を忘れたいという気持ちから,教団と手を切り,仕事に打ち込んでいる者もございますが,脱会したといっても,表面上の脱会を装っている場合もございますので,まだまだこれを見きわめるということが当面の重要な課題でございます。
現在は,約40人近くの信徒が県内で活動しておりまして,日曜日を中心に,月1,2回,10人程度が水戸市内の先ほど申しましたマンションに集まりまして,修行会を開いております。時には,修行も行ったほか,千波湖畔でのウオーキング修行ですか,歩きながら修行していると,こういう形での修行も行っております。いずれにしても,今なお麻原彰晃に対する絶対的な帰依が見られるところでございます。
最近は,元水戸支部長代理でありました女性信徒を中心に,脱会していった信徒に対しまして復帰工作を行っている。いろいろと手を変え品を変え,オウム真理教の名を語らずに,神聖真理発展社とかいろいろな名を使いながら,再び揺り戻しの工作を始めている。修行会等の際にはお布施も集める,資金活動もするということで,人的な面,財政的な面でも建て直しを図っているというところが現状でございます。
また,これらの県内信徒とは別に,委員さん方も御承知と思いますが,昨年11月初旬から旭村の箕輪地内,これはいこいの村涸沼のレジャー施設,ちょうどあの真上のあたりの近いところでございますが,ここの一般住宅と工場跡地を借り上げまして,これは民間の製造業者が倒産した物件を東京の不動産屋が何人かの手を通して借り上げまして,これをさらに,麻原彰晃の妻の松本知子の両親が千葉県の木更津にございまして,この両親の名前で施設を借りた。金は多分オウムから出ていると思うのですが,こういう巧みな借り受けをして旭村に出てきたということでございます。
旭村には,現在,麻原彰晃の子供5人……松本知子というのは,昨年,落田耕太郎さん事件で殺人事件の現場にいたということで逮捕,拘留されておりますが,彼女が麻原との間に6人の子供を産んでおります。このうちの5人が旭村に来ておりまして,女の子4人と男の子2人いるのですが,三女はアーチャリーと申しまして,麻原が最終解脱をしたときに生まれた子供だということで,彼が健在中には次期教祖ということで大事にしていたのですが,今,福島県のいわき市
小名浜に居を構えておりまして,ここの集団施設を借りまして,
小名浜でもいろいろな住民運動が起きていますが,そこにいまして,時々この旭村にも来ているのですが,現在,ここには女の子と男の子2人,一番下にいる男の子2人が,破防法のあれでありますかどうか,新しい教祖として彼らは発表したのですが,ただ,教団運営にはアーチャリーが重要な立場で参画しているということでございますので,行く行くはアーチャリーが跡継ぐのではないかと目されております。
こういうことで,麻原の子供たちの養育係女性4名を含めまして,警備担当の信徒を含めますと,現在,15名が住民登録しておりまして,あと年端のいかない男の子2人は,時々,木更津のおじいさん,おばあさんのところへ帰るという意味で住民登録しておりませんが,17名が現在居住しております。時々,その他の出入りもございますが,大体多いときでも20名まではいかないという実態でございます。
これら移転に伴いまして,オウム信徒が,借り受けた旭村の施設の中にプレハブ3棟を建て増したり,板塀を高く囲ったりいたしまして,警察本部では,昨年12月に、この施設を建築基準法違反で捜索を実施し,施設の隅々まで点検いたしまして確認を行った。
地元の住民は,降ってわいたオウムの進出に対しまして,当初は,大変な困惑と申しますか,騒然とした雰囲気がございまして,マスコミも全社が押しかけてきて連日報道,それから右翼も来て街宣するという情勢でございましたが,警察といたしましては,この間2回にわたる捜索を実施いたしまして中を見た。それから,工場の方も全部点検した。それから,周辺での検問,職務質問,徹底した視察活動も展開しておりまして,やや住民も平静を取り戻しながら,行く行くは最終的には旭村から撤退してもらうと。こういう意味で,現在,住民の団体組織をつくりまして,いろいろな面で法的な措置も含めて住民対策を練っているという現状でございまして,表面だった住民とのトラブルは,現在のところ出ておりません。
そのほかに,委員さん方も御承知のとおり,先般1月31日,公安審査委員会の方で破防法の解散指定の請求が棄却された決定が出ておりますが,依然として,松本サリン事件とか地下鉄サリン事件当時の教団の教義を破棄しておりませんので,この本質はいささかも変わっていない。今後,組織の再建をますます図っていくことが予想されますので,県警といたしましては,現在逃走中のオウム指名手配被疑者の3名の早期検挙を図るとともに,県内信徒の活動実態や資産隠しの実態,さきに破産管財人によりまして,山梨とか向こうの方で現金も施設も含めまして13億円のオウムの財産が没収されて,いろいろな面に活用されておりますが,こういう実態を見ますと,オウムの資産隠しがまだまだあるのではないかといわれます。
そういう意味で,実態把握に今後努めるとともに,旭村集団居住施設に対する動向把握と視察警戒を継続,強化いたしまして,地元住民の不安感の解消に努めるほか,オウム真理教に対しましては,いささかなりとも手を緩めることなく,強い姿勢で対処してまいる所存でございます。
次に,第2点目でございますが,県内右翼の現状とその対策について御説明いたします。
まず,現在の県内における勢力でございますが,暴力団から転化した標榜右翼でございますが,これを含めて茨城県内で活動のある団体は,約50団体, 500人,街宣車の数は約 100台。これ以上あるかもしれないですが,現在把握しておりますのは 100台でございます。
特に,本県は,全国的にも右翼の数がトップレベルにございます。一言に右翼といいましても,いろいろ寄って立つ基盤が違いまして,大きな差がございます。
その辺ちょっと御説明申し上げますと,大きく分類いたしますと,1つは,戦前からの右翼運動の流れをくみます本流右翼,2つは,昭和40年代後半から現在までに結成されてきております標榜右翼,あるいは特殊右翼とも申しますが,そういう右翼と行動右翼,こういうのがございます。
1つ目の本流右翼と申しますと,委員さん方よく御存じだと思いますが,昭和初期からの農本自治主義とか国粋主義とか国家主義とかありまして,水戸は,橘 孝三郎さんが愛郷塾等を開きまして,戦前の右翼活動に大きな影響力を与えまして,昭和初期の世界的な経済の不況の波とか,あるいは我が国の農業恐慌,国民の疲弊,財閥の伸長などの国民不安を背景にしまして,有名な血盟団事件とか2・26事件,5・15事件,数々の右翼のテロ,クーデターを敢行してきたわけでございますが,本県からも,農村あるいは漁村の青年などを中心に,多くの若者がそのテロ等にも参画したことは御案内のとおりでございます。
これらの本流右翼は,現在は体質を変えてきておりまして,彼らは戦前戦後を通じまして共産主義に対する脅威を全面的に押し出しまして,反共,反ソ一辺倒の活動を展開してきたのでありますが,御存じのように,平成3年のソ連邦の崩壊と同時に,世界冷戦の終えんと申しますか,こういう事象,それから,その後の国際共産主義運動の衰退を初めといたしました世界的な社会的構造の変化等に直面いたしまして,現在,その活動の方向を模索しつつあるのが現状でございます。
県内にも幾つかの団体ございますが,年に何回かの定例の集まりとか学習会とか,あるいは先駆者,先ほど申し上げました橘 孝三郎先生のような先駆者等の墓前祭等に参加する程度で,活動は極めて低調でございます。
次に,2つ目の標榜右翼,特殊右翼を中心にした右翼でございますが,昭和40年代後半ごろから,高度経済成長によるさまざまな社会のひずみ,例えば大企業が公害を出したというようなことで右翼の登場する場が出てきたということで,右翼の思想や理論は,極めて乏しいというよりもない。こういう団体が暴力団等の中心になりまして,右翼団体に名をかりまして,街宣車をにわか仕立てで1台つくって,場合によっては,県内でも八百屋さんが使っているような街宣車もありますが,とにかく四輪ついていればその日から街宣車と。県の選管の方に政治団体の届け出を3名連記で出しますと,その日から彼らは政治結社ということになっておりますので,雨後のタケノコのように出てきた。
街宣車を使って国家的スローガンを流せば,例えば北方領土返還と流せば,これに絡めて企業等を集中的に糾弾し,あるいは自治体を糾弾しまして,街宣をかけながら,場合によっては街宣の中止ということと引きかえに賛助金を取るという形でやってきたのが,この標榜右翼の実態でございます。
特に,標榜右翼あるいは特殊右翼は,昭和57年の商法改正の時期が戦後1番目の雨後のタケノコのようにふえた時期。それから,平成3年の暴力団対策法の施行時期の前後ということで,資金源対策としまして新たな手練手管を考えて,選管に届け出を出して,何でもいいからとにかく団体届けを出して,翌日から右翼団体に暴力団がくらがえする。昼間は右翼,夜は暴力団というような顔が県内でもまかり通っているわけですが,これらが自治体とか企業,銀行,政治家はもとより,全くの個人までも含めて,あらゆる人の不祥事とかスキャンダル,トラブル,こういうところのネタ集めを,非常に嗅覚が発達して,利権に絡めて,彼らのノウハウを生かして,組織維持の資金源としているのが現状でございます。
特に,本県の場合は右翼の発祥地といわれるだけに,昔から右翼に対する容認姿勢というのが介在しているのではないかと思われます。そして,今もって,物事を解決する際に,相手方に対して優位の情勢に立つためには,一方の側が右翼を使って圧力をかける。有利な立場の中で物事を推し進めながら,水面下ではしっかりと金を動かせる。いつの間にかこれが解決に向かっているというのは,極めて憂慮すべき事項です。
先般,水戸市内で逮捕しました標榜右翼が供述しておりましたが,街宣車と金はそばとたれの関係なのだと。街宣をやらないときは金がすっぽり入っている時期ですということを彼は自供しておりますが,依頼人についてはなかなか口がかたくて,ガサかけても電話番号ぐらいしか出てこないということで,それ以上,依頼人の仕掛人のところまで到達するのは,なかなか現状難しいのですが,広範囲なガサをかけていけばこれから出てくるのではないかと。
現在,警察といたしましては,これらの集団に対しましては,暴力団同様,県民の平穏な生活を脅かす悪徳きわまりないものであるとの認識のもとに,彼らの資金源活動の封圧と各種違法事案の事件化を両軸といたしまして,積極的な取り締まりを推進しているところでございます。
それで,時間もたっておりますが,まず資金源活動の封圧について若干御説明いたしますと,彼らは,悪質な街宣活動や巧みな威圧行動を背景としまして,先ほど申し上げましたように,銀行とか自治体とか企業に要求しております。
こういう問題に対しまして,警察といたしましては,平成6年の10月に,石岡市内に本拠を持っております大行社清山会というのに,関東管区警察局内では初めての政治資金規正法を適用いたしまして,これは2名でやっていたのですが,事務所もない,街宣車もない,ただ政治結社を届けて資金集めをしていた。これが,かなりの自治体からかなりの多額な資金を得ていたわけです。こういう事件を摘発いたしまして,その実態を明らかにして,広報でも県民の皆さんに知っていただいた。
その後,警察としましては,継続いたしまして,自治体などに対しまして賛助金拠出拒否,出さないでほしいという姿勢を訴えまして,特にこれは各警察署長が中心となりまして,自治体とか企業とか銀行等に訴えまして対策を練ってきた。
一例を申し上げますと,各自治体のこれら団体に対する賛助金拠出の実態というものは,平成4年当時には,64の自治体,自治体プラス議会まで入っておりましたが,64自治体で 930万円余りが標榜右翼に拠出されていたと,政治資金が。この平成6年の事件化後,それからその諸対策後,平成7年には,27自治体,95万円に大幅に減った。それで,昨年平成8年には,わずか8自治体,26万円まで減少するという結果が出てきております。
このほか企業とか銀行に対しましても,同様な拒否対策を,今現在,継続して実施するように要請しているところでございます。
それから,右翼対策のもう1つの軸であります事件化対策でございますが,警察といたしましては,このような右翼の実態を踏まえて積極的に事件化措置を講じていく。県民に対しても目に見える結果を出して,県民の皆さんが,潜在的などんな違法事案でも警察に届ければ事件化してくれるという警察の姿勢を訴えることで,県民と一緒になって標榜右翼対策をやっていくという姿勢で,現在,諸措置を講じているところでございます。
ちなみに,この数年の事件検挙件数を申し上げますと,平成6年中は19件の30名を検挙いたしまして,平成7年中は27件47名,昨年平成8年中は28件50名ということで,年々,大量の標榜右翼を逮捕しております。あらゆる法令を多角的に活用しまして,たとえ軽微なものであっても現行犯で逮捕できれば現行犯で逮捕する,
道路交通法違反でも現行犯で逮捕するという果敢な積極的な姿勢を示して,継続して検挙してきたところでございます。
最近の卑近な例で申し上げますと,昨年、県議会の傍聴席でやじを飛ばした丸徳塾,昨年後半県北方面でかなり悪質な糾弾街宣を展開しておりましたが,この丸徳塾に対しましても,昨年12月までのわずか3ヵ月間に,傷害罪とか暴力行為とか暴力行為処罰に関する法律,それから貸金業,出資法に関する法律の適用。それから,建造物侵入,威力業務妨害。これは,日立市内で10年前に彼がおどかしたとき警察に届けられまして事件化された恨みを持っていまして,ある業者の方が開いたパーティーの席に乗り込んでいって,壇上に戦闘服を着て行きまして御祝儀を渡して嫌がらせをした。これに対しまして,建造物侵入と威力業務妨害で事件化しましてやったのですが,これも警察がもし動かないでいたら,警察は10年前のお礼参りもやってくれないということになったと思うのです。これも事件化して,波状的に5回にわたって,丸徳塾をこの3ヵ月間で全員を逮捕して壊滅状態に追い込んできているということで,警察庁の方でも非常にこれは高く評価していただいているところでございます。粘り強い説得をして,被害者に被害届を出してもらうということが,事件化できた背景でございます。
また,先般,県庁舎起工式に行って妨害したとか,県庁構内に乱入しまして,議会開会中にどなりました水戸塾に対しましても,積極的に事件化いたしまして,現行犯逮捕で臨みまして,構成員ほとんど逮捕いたしまして,現在2名程度になりまして,壊滅状態に追い込んできているということでございます。
事件化措置のほかにも,標榜右翼の悪質な街宣対策といたしまして,昨年6月から,これは本部長の発想でございましたが,街宣活動にかかわる
道路使用許可の内容に検討を加えまして,許可の期限を,従来は30日でどこの警察署で受け付け,東京の街宣車が来ても取手でも水海道でも立ち寄って県北大子町の街宣を取り込めるというシステムでございまして,これが昭和30年以降改正にならなかったものですから,ここでこの悪質な糾弾街宣に対して手を打とうということで,昨年6月この内容を変えまして,これは本部長の規定で改正できることでございますが,許可の期限を従来の30日から15日に短縮した。それから,県内一円というのを,県内の区域を区切って地図にちゃんとした明示をさせて,街宣の場所もコースも全部明示させて提出させるということで,抜本的に内容を変えたわけです。
そのほかにも,全国では初めてですが,指導事項といたしまして,拡声器を用いて個人の住居における個人の平穏な生活を侵害する行為はやめなさいと。街宣禁止の仮処分というのが手続的にあるのですが,これは民事保全法に基づきまして,今,街宣かけられている例えば政治家の方が,執拗に街宣かけられている団体に対しまして,裁判所に申し立てをして,弁護士さんつかないとちょっと難しいのですが,仮処分を出してもらう。
第1次の仮処分は,その指定した地域なり会社なり,あるいは事業所の周辺での街宣はやめなさいと。悪質な街宣がさらに続きますと,2回目の申て立てによりまして、今度は制裁金を科するという仮処分が出されます。これに基づきまして,かつて平成6年八千代町では町長自らこれをやりまして,あそこの政進会を何回もやられました。仮処分を無視してきていたものですから,いろいろな採集活動をやって,ビデオも撮る,写真も撮る,そして裁判所に提出しまして,裁判所が2弾目の制裁金を科した。1回街宣につき10万円の罰金ということです。彼らに言っても払いませんから,内容証明つきで送りつけた。それでも聞かないので,警察が事件で検挙してその街宣車を差し押さえたとき,町長がその街宣車を強制競売,差し押さえしまして,それを一般に競売したのですが,買う人はいないので町長自らポケットマネーで買ったという事案がございました。
こういうことで,仮処分の決定がされた地域では街宣をしてはまかりならぬという指導事項を全国でも初めてつけ加えたわけでございます。こういう政策宣伝に名をかりた悪質な糾弾街宣に歯どめをかけるということが,今後は抜本的に悪質な標榜右翼の行動をとめていくためには効果があると思っております。
いずれにいたしましても,今後も,ありとあらゆる法令を適用して事件化を図るとともに,潜在的な違法事案の掘り起こしと捜査を徹底してまいるとともに,これらの団体を利用している陰の部分,昔でいえば必殺仕置人のような陰の部分があるのではないかと思いますが,こういう陰の部分に介在する依頼人,仕掛人といった部分にもメスを入れていきたいということで,今後の右翼対策の徹底を期してまいる所存であります。以上でございます。
16
◯香取委員長 以上で執行部からの説明聴取を終了いたしますが,説明漏れはございませんか。──。
ないようですので,ここで暫時休憩いたします。
なお,再開は午後1時といたします。御苦労さまでした。
午後0時4分休憩
───────────────────────
午後1時2分開議
17
◯香取委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
───────────────────────────
18
◯香取委員長 これより質疑を行います。
質疑がありましたら,お願いいたします。
鈴木委員。
19 ◯鈴木(孝)委員 私の方から3点ほどお聞きしたいと思います。
まず,交通安全対策についてでございますが,このたびの御報告の中にも,死者別の時間帯等で,夕刻から夜にかけての事故が非常に多いという御指摘がございました。それで,夕闇から夜間にかけての事故に対して特に心がけていらっしゃる防止策といいますか,そういったものが幾つかあろうかと思うのです。
それで,実際の
道路の中でどういったところで事故の死者が多いかということでございますが,交差点,さらには直線ないしはカーブのところ,そういった
道路の形状の上での死者の多発傾向が見られるという御指摘もございました。
実際に県警として,本年度以降どういった点に,夜間の交通事故の防止策といいますか,削減策をお考えなのか,まず総論的な部分からお聞きしたいと思います。
20
◯香取委員長 萩原交通部長。
21 ◯萩原交通部長 確かに,夜間の事故が多発して,全国の構成比に比べてはるかに多いということは,茨城県の地域の特性かと感じているところでございます。全事故を見ますと,夜間の事故というのは30%,ただ死亡事故に限っていいますと,60%ということでございます。夜間は交通が閑散になる上に,やはり速度が絡んで,夜間の事故は直接大きな事故につながりますということであろうと存じております。
夜間の事故防止でございますが,昼間時間帯と同じような運転感覚で車を運転すると危険ですよということを,ドライバーに訴え続けたいと存じます。
委員さん方御存じのように,夜間ライトを下向きにして走ります。その場合には前方40メートルぐらいしか確認ができない。そうすると,60キロで走っていた場合に,40メートル先に危険物を見て,それでブレーキを踏んだのでは既に遅いということも申し上げられますので,常にビームを上向きにし,下向きにし,あるいは対向車線の走車のそういったものを利用しながら夜間
道路上の危険物を発見するような注意力というものを,まずもって各機会においてドライバーに訴え続けたいということが第1点でございます。
第2点目は,どうしても
道路が暗いということがよく指摘されることでございます。実は,茨城県で
道路を横断中にはねられて亡くなるという事故を分析してみますと,ドライバーの進行方向に向かって右から左に横断して来る者がはねられているという実情にございます。夜間下向きにしますと,左側を照射して右側がなかなか発見しづらいという問題があろうかと思います。
東京などの横断中の事故を見ますと,左側から飛び出し的に出た者がやられる事故が多いということも聞いております。そうすると,都内と茨城を比べた場合に,
道路の明るさそのものが違っているのかなということも感じております。
道路を明るくするために,街路照明などもこれからつけてまいらなきゃならないし,
道路管理者に強力に訴えていかなければならないということを感じております。
そういうことで,現在やっていることでございますが,夜間の事故をなくするために,夜間事故防止重点路線を34路線ほど指定してございます。これは,その
道路上を10キロ間隔で区間を区切りまして,その10キロの間で2件の死亡事故が発生したような
道路に対して夜間の安全施設を整備していこうということでございます。
例えば交差点事故という話がございましたけれども,一時停止標識等を自発光式の
道路標識,太陽電池式になっておりまして,夜間になりますとその蓄電したものでライトが点灯して明るくなる標識をつけております。これは約 180本ついております。
それから,高輝度
道路標示は,委員さん方既に御存じでございますけれども,夜間反射して,そこに乗るとビーッという音と振動がするというものでございますが,既に
道路上 670キロほど高輝度標示にセンターラインをしております。
それと,感覚的に交差点を狭く見せるということで,これも高輝度標示などを併用しまして,イメージハンプと申しておりますが,だんだん交差点が狭くなるんだよというイメージを与えるような標示,イメージハンプと申しております。これなども約90個つけております。それから,信号機のつかない交差点で,そこに交差点があるということで自発光式の中心鋲,主
道路の方は黄色点滅で従道路の方は赤の点滅になる,その中心鋲を約 220個くらい整備してきているところでございます。
それから,
道路を明るくするというお話を申し上げましたけれども,平成6年度に
道路を明るくする運動というものを展開いたしまして,7年度,8年度と,それに施策をつけ加えて「アッとナイト運動」というものを展開しております。その結果,
道路照明は,余り
道路延長が長いものですからお気づきにならないかもしれないのですけれども,平成6年から8年にかけまして,1万 1,000基ほど既に設置してございます。
それで,先ほど申し上げました夜間事故防止重点路線での事故死者数は,平成7年度は6年度から比べまして28人死亡事故が減っております。さらに,8年度も3人減っております。そのようなところから,こういう夜間対策は効果を発揮しているものと私どもも考えているところでございますが,第6次交通安全施設整備事業等五箇年計画におきましても計画的に整備していくこととしております。
今後4年間で──既に1年間は過ぎましたので──自発光式の
道路標識は約 800本,自発光式交差点中心鋲も 200個,それから中央線にチャッターバーというものをつけておりますが,自発光式のチャッターバーも整備してまいりたいと考えておりまして,これを9キロメートルほど考えております。それと,高輝度中央線につきましては,先ほど言った乗るとブーッと鳴るところでございますが, 1,000キロぐらいはそういった中央線の標示にしてまいりたいと思いますし,イメージハンプも 500個ぐらいはつけていきたいと計画をしているところでございます。以上でございます。
22 ◯鈴木(孝)委員 6次五計でもさらにということで,その施策の展開については,なお一層の御尽力を賜ればと思います。
道路の照明,いわゆる明るくするということにおいて,私も茨城に来て,例えば県外から来て,
道路の直線のところを照明消してしまいますと,本当に文字どおり真っ暗闇になります。そういうところが非常に多いように感じるのです,まだまだ。前向きに取り組んでいらっしゃるので,さらにそこの部分を,県ばかりでなくて市町村のレベルにおきましても,これは交通事故防止策として非常に有効だと思うのです,明るくしていくということは。
それで,県道,国道はあれですけれども,市町村道が非常に多いということもありますので,具体的に照明をつけた場合とつけない場合をちょっと調べたのですけれども,イギリスの
道路研究所というところでは,明るくして照明改善後には夜間の死亡事故が30%も減少していると。財団法人の
道路照明学会などの調査結果においても,同様の30%の減少が報告されているということです。具体的に,起こったところで3割減っていけば一番効果があったということになるわけですが,3割減を一つの大きな目標値に定めて,事故が減っていくような照明灯等,あるいは先ほどお話しになった自発光標識,あるいは中心鋲なんかは非常にカーブを減速させますから,そういった工夫によって,そういった目標値を定めての取り組みをしたらいかがかと思うのですが,その点はいかがでしょうか。
23 ◯萩原交通部長 御提言ありがとうございます。実は,市町村レベルに関しましては,昨年の4月1日に交通部内に事故現場対策官,警視のポストの者を設置いたしまして,実際に起こりました死亡事故の現場に差し向けまして,それが町村道であるならば町村の
道路管理者と現場で協議いたしまして,そして
道路照明が必要なら
道路照明,あるいはそのほかの標示なり警戒標識が必要ならばそういった面,場合によっては交差点改良,そのようなことも申し入れまして,実施しているところでございます。
実は,一昨年までは 400件近い死亡事故がございましたので,1年に 400ヵ所の危険箇所を改良していけば10年たったら 4,000ヵ所ではないかと,これは極めて大きな事故防止上の力になるだろうと,だからこれを継続してまいろうと,これを現場で申し入れまして,その結果も私どもの方で報告を受けているところでございます。
今後とも,市町村……確かに市町村道の占める比率が非常に多うございます。また,市町村は,片側1車線,あるいはセンターラインも引けないような
道路も多いわけでございますので,市町村長,首長にも,直接署長からの働きかけを強めまして,そして交通安全を図ってまいろうと考えております。
委員が御指摘されましたように,専門研究所での効果のデータもあるということでございます。私たちも,確かに明るくすれば,それだけ見えなかったがための事故というものはなくなってくるだろうと。また,相当距離を置いて前方に動くものが発見できれば,うっかりぼんやりも防げるであろうと思っておりますので,御提言の趣旨を踏まえまして,これからも鋭意努力してまいりたいと存じております。
24 ◯鈴木(孝)委員 交通部の先ほど御説明の中の6つの抑止対策に加えまして,先ほど夜間に限定しての話をさせていただきましたが,6次五計の計画にプラスして,全市町村挙げての取り組みを期待したいと思います。
2点目でございますが,このたび人事異動等の発表も新聞にありましたけれども,
犯罪被害者対策室,あるいは国際犯罪対策室,そして盗犯捜査室と,新たに捜査体制の強化が図られたということでございます。特に,
犯罪被害者対策室と国際犯罪対策室の設置については,青木委員の方からも御指摘ありましたとおり,非常に大事な部分だと思うのです。
今回の予算書を見ますと,1番にある庁舎内の設備整備といいますか,そういったことを伴って部屋を改造しなきゃいけないのか,あるいは箱物の部分でどのぐらいお金かかったのか,それが先ほどの説明の中では十分伺えなかったので……。あと、3)の 368ページにも今回のそれ相当の予算が書いてあるように思うのですが,物理的に目に見える形で部屋をどう改造されるのか,あるいは部屋を別途設けられるのか,そういうところどういうおつもりで9年度入られるかということ。それと,今後の3つの部屋の対応はどうなっていくのか,この辺をお聞きしたいと思います。
25 ◯佐藤警務部長 御指摘のとおり,このたびの人事異動で,
犯罪被害者対策室,盗犯捜査室,あるいは
外国人犯罪対策室という新しい室を設けたところでございます。御承知のとおり,県警本部の新庁舎を現在建設途上ということがございます。それで,この
犯罪被害者対策室,室として設けましたけれども,現在,警務部の中にその要員を置いて,そこで活動しているという状況にございます。盗犯捜査室は捜査一課の方に,国際犯罪対策室は刑事総務課の方に,それぞれ現在の部屋にそれなりの室を設けて対応しているということでございます。
あわせて,委員の質問から若干外れるのかもしれませんが,現在,平成9年度予算要求で,私どもの方は庁舎の改善整備費という要求を出しているところでございます。この関係につきまして,
犯罪被害者対策とのかかわりもございますので,若干御説明をさせていただきたいと存じます。
と申しますのは,今,
犯罪被害者対策室を設け,今後,私どもの方としてやってまいらなければならない一番大きな仕事の一つは,いわゆる犯罪被害に遭った方々から事情聴取をできる体制の拡充整備を図ること,これが大変大きな業務の一つになってくると考えているところであります。
そのような考えのもとに,昨年の9月段階で,既に女性被害犯罪捜査員というグループといいますか,班を編成いたしましてやっているのでありますが,それでもなおかつまだ足りないと考えております。そこで,現在,婦人警察官は,70名のうち約半数が第一線警察署の方に出ているわけでありますが,その婦人警察官をして当直あるいは宿直の勤務につかせるということで,昨年の11月からそれを実施に移しております。
ところで,婦人警察官を当直及び宿直につけようとするならば,当然のことではありますが,女性専用の仮眠室,あるいは女性専用の手洗い等々の整備をしなければなりません。それができ上がれば,順次そのような婦人警察官に泊まっていただくということを考えておるわけであります。この
犯罪被害者対策のためにも,このような方々を第一線警察署の方で当直,宿直につけ,そして夜間に女性が性的な犯罪に遭ったときには,そのような当直,宿直についている婦人警察官が直ちに事情聴取に応じられるようにということも含め考えて,今,対応しているところでございます。
そこで,先ほどの御質問の中にもございました一つであります施設の改善整備費という中には,このような
犯罪被害者対策という面も考慮してお願いをしているところだということでございます。以上であります。
26 ◯鈴木(孝)委員 今,お話しありましたように,新しい庁舎での本格的な取り組みの助走として,この数年,前向きに取り組んでいただけることをすごく期待しております。
3番目に移りますが,先ほど来御報告の中にもありました,また,本会議場の質問の中でも御発言になっている議員さんもいましたけれども,最近のテレクラにまつわる性犯罪といいますか,中・高生の性犯罪の多発が指摘されておるわけですけれども,昨年分のものが発表になりました。
その中で,いわゆる援助交際というのが問題になっておるわけでございますが,従前は,少女の方がたぶらかされて,あるいはおどされて,あるいは何らかの監禁状態の中でというような,いわば被害者としての少女像といいますか,そういったものが非常に言われたと思うのですが,今,テレクラを舞台に主に行われている援助交際というのは,どうも被害者像というよりは,そこにのこのこやって来たおやじさんがおやじ狩りに遭うとか,何か非常に巧妙かつ連続して,本人が請負人みたいになって,それもグループ化してやっているという状態も,一部で指摘されているわけでございます。
そこで,それにまつわる話として2点ほどお聞きしたいのですが,いわゆる売春防止法という法律がありますね。先ほどの報告の中でも,管理売春と,もう1つ何でしたっけ……場所提供の売春ということで想定された売春防止法の一つの実態だと思うのです。法律ではそういうことを想定して制定されているわけですが,最近のテレクラに登場する少女の実態というのは,請負人的に見れば,どうも被害者というよりは加害者と一緒になってやっているような,金品の対価を求めているという点で。こういう状況については,どういうふうにその少女を見ていったらいいのかという点が,まず1点目でございます。
それについて,これは被害者であるとお考えになるのか,それとも私が申し上げたように加害者的な部分もあるのではないかとお考えなのか,その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
27
◯小沼生活安全部長 今,鈴木委員からの御指摘はごもっともな御意見でございました。せっかくの機会でございますので,鈴木委員並びに委員長のお許しをいただければ,最近のテレクラの実態というものを冒頭御報告申し上げたいと思いますが,よろしいですか。
28
◯香取委員長 お願いします。
29
◯小沼生活安全部長 御案内のとおり,ちょうど1年前にテレクラの条例が,委員さん方の力強い御支援で制定,公布されました。そして,昨年の7月1日に施行されて,現在,我々がそれを効果的に運用しているということでございます。
先般,ちょうど7,8ヵ月施行後経過したということもありまして,果たしてその実態がどのようなものなのか,不適正な事犯はないかどうかということで,立入調査などを実施いたしまして,ほぼ確実な実態というのがつかめたところでございます。
数的なことを申し上げますと,先ほども説明の中で触れましたけれども,ちょうど7月1日に施行になりました。施行前は,言葉はちょっときついかもしれませんが,野放しといいますか,全く規制がない状態でございましたので,その時点では,既に何回か出ておりますが,営業所が38,自動販売機が88という数字であったわけでございます。この条例での規制対象が営業所と自販機ということでございまして,この数字で御報告を申し上げていたところでございます。
そして,7月1日に施行ということで,1ヵ月間の経過措置をとりまして,この間に営業を続けるならば届け出を公安委員会にしなさいということであったわけでございます。そこで,施行後,7月1日以降,で1ヵ月間経過期間を置きまして,31日までに届ければ引き続き営業ができるということ。したがって,その施行後の実施状況では,39という数字が65になっておりました。
自販機につきましては,1ヵ間の経過期間がありましたが,以後3ヵ月間は,いわば営業権なり生活権がございますから,しかも自動販売機は屋外が多かったので,これを撤去する諸手続等も考慮いたしまして,9月末までは営業できるということでやっておりました。
7月1日からの届け出状況を見ましたら, 185台という数字でございました。要するに,施行前は営業所が39であったものが,施行後ははっきり65という数字が公安委員会に出てきたと。自動販売機は,88というのが 185という数字になってきたと,こういうことでございました。何でこんなに数字が違うのかといいますと,先ほど申し上げましたように,全く我々関知できない状態でございましたので,把握ができなかったということでございます。
しからば,先般実施した立入調査でどうなったのかと申しますと,現時点で営業所が59,自動販売機が39, 185が39という数字になっております。9月末まで3ヵ月間は,先ほど申し上げましたように,経過措置で屋外でもやることが可能であったわけです。ところが,それ以後は規制されましたから,全く今は屋外への自動販売機は設置してありません。したがって屋内だけということになりましたので,現状は営業所が59の自動販売機が39と。これが,県内の
テレホンクラブに対する規制の対象数でございます。
この間立入調査をやってみたところ,これまでの状況について,営業者,経営者等を立ち会わせて実施をやりましたら,特別な検挙事犯というのはございませんでした。ただ,指導警告をしたのが4件ほどございました。
これは,営業を開始する場合も公安委員会への届け出が必要なのですが,廃止する場合にもまた公安委員会への届け出が必要なのです。その公安委員会への廃止届けをしないで廃業したというものが4店舗ほど,水戸市内で3店舗,鹿嶋市内で1店舗の計4店舗がございました。
それから,業者,いわゆる経営者,店長あたりの声として,こんなことが聞けました。
土浦の方の業者でございますが,「条例ができてから売り上げが4,5割ダウンした」,あるいは水戸の業者は,「客が最盛期の半分に減った」,つくばの方の業者は,「客が減って営業が苦しくなった」,それから県外の業者でございますが,「条例が施行された県はどこも利用客は減ったようだ」と。こういう状況が,すなわち営業所なり自販機が減ってきた要因かなということで,極めてこの条例が有効に機能していると申しましょうか,そういう状況になりつつあって,非常にいい方向にあると言っていいだろうと思います。
7月1日施行後,特異な事案として我々対応してきました事犯といたしましては,既に新聞等で御案内かとは思いますが,1つは,去年の9月ですけれども,公安委員会への届け出をせずにテレクラ営業をやっていたということで,那珂警察署の方で検挙した事例がございます。本部がもちろん応援に行って,那珂警察署と一緒に検挙した事例がございます。
それから,警告事案では,営業所についても自販機についても地域規制があります。広告についてもございます。要するに,規制対象になっている施設から 200メートル以内は,営業所もできないし,広告宣伝もできないのですが,そこで拡声器を使ってテレクラの宣伝をしていたということで,運転者から始末書を取って,営業者を呼び出して警告をしたという事案がございました。これは水戸でございます。
3つ目に,特異な事案として,廃業に追い込んだと申しますか,廃業に至ったという事例でございますが,その1つは,高萩署と本部の少年課で検挙した事案でございますが,届け出をして営業していた営業者でございますが,少女からかかってきた電話を店長自らが,少女との接点を持って不純な性行為をしたと,店長自身が。しかも,その友達を経営者にまで,こんな子がいるよということで不純異性交遊を促したということで,県の環境整備条例違反と,もっと重い児童福祉法の児童淫行,少女を男にやって淫行させたという児童淫行ということで検挙をいたしました結果,商売にならないということで廃業したのが1つ,これは高萩のネルトンクラブといいます。
2つ目には,下館の夢気分という営業所でございますが,公安委員会への届け出はしましたが,営業所が町営住宅の中にあったのです。これは 200メートル云々という規制外でございますから,届け出があれば当然我々公安委員会としては承認しなくてはならないわけでございますが,住宅団地の中で風紀も悪いと,青少年にも影響を及ぼすということで,警察と町の方でもいろいろ経営者に働きかけたところ,ではやめますということでやめた事例が下館であります。
それから,日立の方ではフライデーパート2というのがあるのですが,土地の所有者が営業をやるということをはっきり判らずに土地を貸したと,そこで営業されたということで,土地を返してもらいたい,営業をやめてほしいという話があちこちから出てまいりましたので,経営者,営業者との検討を重ねた結果,廃業するということで廃業した,こういう3点がございました。
これが,先般立入調査をした
テレホンクラブの営業の現状ということでございます。
さらに,つけ加えて申し上げておきたいのは,既に委員さん方御案内のとおり,
テレホンクラブというのは幾つかの形態がございまして,ツーショット型,個室型,伝言ダイヤル型といろいろございます。あるいはそれを一緒にして,個室型とツーショット型とか,ツーショットと伝言ダイヤルを一緒にやっていると,こういう営業所も幾つかあるわけです。
そこで問題なのは,先ほど委員がおっしゃったような,非常に響きがいいのですけれども,温かいソフトな感じがするのですが,援助交際という問題が,最近,非常に問題として出てきているわけです。我々としても,青少年の健全育成上非常に問題だなということで,強い関心を持っているところでございます。この援助交際の最たる,テレクラ営業の形態というのは伝言ダイヤルなのです。結局は,留守番電話ということをお考えいただければ結構だと思います。
どういうことかと申しますと,
テレホンクラブというのは,かける方は大体女性で,女性の場合には無料なのです,フリーダイヤルでかければいいのです。そして,かけますと,ガイダンスが流れまして,ツーショットにしますか伝言ダイヤルにしますか,伝言ダイヤルならば何番をプッシュしてくださいということで,言われたとおりにプッシュしますと,それではあなたがメッセージを入れてくださいということになるのです。それで,いろいろとメッセージを入れるわけです。このメッセージの中身は後で申し上げたいと思いますが,それでいろいろと入れておくわけです。それを男の方が……男の方というのは,大体
テレホンクラブそのものがまさに性を売り物とする産業ですから, 100%性行為を目的としていると見て間違いないと思います。女性の場合には,11歳だ13歳だという子供も中にはいますが,こういう子供さんはそこまではいかなくても,興味本位,好奇心でかけてしまったところが,だまされてそういう道に入ったということもあるでしょうが,女性も,大体99%は性目的だと見てよろしいと思うのです。
ところで,男性の場合はどうかといいますと,男性の場合には普通の電話からはかけられません。といいますのは,仕組みとして,自動販売機で利用カードを買うのです。買うか,または営業所に行って料金を払って,その料金というのは口座番号が何番だからどこどこの銀行で振り込んでくれと言われてもいいのですが,いずれにしても利用カードを買うか営業所に行くかして,個人番号とか暗証番号,会員番号をもらうわけなのです。もらって,普通の電話でも携帯電話でも何でもかけると,やはりガイダンスが流れて,ツーショットにしますか,伝言ダイヤル聞きますかと。伝言ダイヤル聞きますということになりますと,さらにプッシュをしてくれということで,プッシュをすると伝言ダイヤルが聞けると,こういう仕組みでございまして,どこからでも,自動車電話からでも公衆電話からでも,自宅から奥さんがいないときかけるのも,これは可能だということでございます。したがって,かける男の方も女の方も非常に簡単にかけられるということなのです。
その援助交際というのは,まさに個室,ツーショット,伝言ダイヤルのある,この伝言ダイヤルを利用してやられているということです。全く顔も名前も知らないお互いが,そういった伝言ダイヤルを聞いてどこかでドッキングをしてお決まりのコースと,こういうことになるわけでございます。
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○○○,○○○○○○○○○○○○○○○○,○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○,○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○。○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○。
これが,援助交際と称される伝言ダイヤルを利用した行為の実態ということでございます。
そこで,委員さんに対するお答えになろうかと思うのですが,確かに,先ほど説明の中でも性的被害少女ということで申し上げました。過去ずっとそういうことで来たのですが,昨年は35人の被害少女という数字を先ほど御報告いたしましたし,その前年が27,その前年が14,その前が3と,こういう数字で来ました。しかし,本当に正確な数字かといいますと,必ずしも正確ではございません。と思います。それよりは,かなり多い数字が実態ではなかろうかと思うわけでございます。
ただ,27人から,条例制定したのに35人にふえたのは何だと言われますれば,条例をきちっと決めたことによって実態把握ができたこと,警察の取り締まりが可能になったこと,こういうことが挙げられているのかなと思います。
そこで,年々,こういう形で性的な少女,いわゆる性の逸脱行為がふえていくということになりますと,非常な問題になってくるだろうと思うのです。我々は,以前から,そういった余りにもひどいといいますか,本人の性格行状なり,あるいは両親の監護能力とか,いろいろなものを考えながら,児童相談所への通告をしたり,必要な措置はやっておりましたが,数的にも非常に少ないということもあったりして,結局は性的な被害少女というような受けとめ方で,これまでは補導の対象という見方でやってきたことは事実だと思います。
ただ,事案によっては,そういった非行少年という考えで対応してきた事例もあります。しかし,今後,これだけ逸脱行為が見られるということになってまいりますと,性的な被害というよりは,先ほど委員御指摘のとおり,いわゆる加害者,非行少年という形での警察の対応というのが必要になってくるのではなかろうかということで,ある意味におきましては,呼んで事情を聞いて,調書を取って,場合によっては,売春防止法に誘因行為というのがございますが,誘い込む行為ということでの検察庁あるいは家庭裁判所への送致といった強い姿勢を視野に入れながら,今後は対応していくことが必要なのではなかろうかと。
ということが,そうした青少年に対する警鐘にもなりますし,また一般社会に対する警鐘にもなるのではないかなと思うわけでございまして,今後とも,積極的にこういった事案については対応して,健全育成に努めていきたいと思っております。以上でございます。
30 ◯鈴木(孝)委員 本当に御丁寧な御説明をいただきまして,
小沼生活安全部長の真摯に取り組んでいただいている答弁を聞いておりまして,去年以来,青少年育成条例として生活文化課みたいなところで県で取り組んでいるところも多いわけですが,本県におきましては県警が先頭を切ってやっていらっしゃるということで,今さらながら心強くした思いでございます。
実態は,相当潜在化しているというか,文字にもあるいは形になっても見えませんから,そういうことで行われているコミュニケーション,それで成り立つ援助交際ということでございますが,教育関係者とか,先ほど出ました児童相談所,そういった福祉関係,あるいは青少年に対して日ごろ非行指導なさっているような教育センター等々,PTAの関係者,あるいは教育の現場の先生を交えて,そういった対策協議会といった中で,いきなり警察本部が陣頭指揮をとられて,これは誘因行為だということで出てきますと,ちょっと待ってくださいという人たちの声も,中にはあろうかと思うのです。
現実には,そういう会議等の中で,きょう部長が詳しくお話しいただいたような状況をいろいろ説明していただく中で,いかに深刻に事態が推移しているかということを認識される方がふえると思うのです。
今,報道関係者の方どうなさるかは,皆さんの腕次第,判断次第ですよということをお話しになりましたけれども,本来,状況なり事実の認識なくして判断はできないと思うのです。あらゆることについてそういうことが言えると思いますが,特にこの場合は,事実認識が非常に難しいように思うのです。
そういうことで,ぜひそういった
テレホンクラブの被害防止対策会議とか,そういった名称で,対テレクラ対策の中で,この援助交際なるものがいかに深刻かつ進展しているかというところをみんなで議論して,その中で,どうしても悪いことだと,倫理的に悪いことではなくて法的にも処罰があるんだよというような悪いことだという意味で,議論が高まればいいのではないかなと思ったのです。
私,これ,あるスポーツ新聞を読んでいて,スポーツ新聞には大きく取り上げられていたのです。2月1日のスポーツ新聞なのですが,1月に大阪府警ではそういった会議を設けて,やはり生活安全部長の話が載っておりまして,もはや被害者と言えない立場にあるのではないかということで,積極的に売春防止法を適用する考えを明らかにしていったという報道なのです。
本県は首都圏内にあるわけですし,東京にも近いですし,そういう派手な状況というか,非常に進展しているように,水戸市内は特に思うのです。そういうことでぜひ御検討いただいて,できるところから,そういう対策会議等で皆さんに周知していただいて,いきなりみんな補導されていくというのはおかしいですから,みんなの了解で,みんなが,そうだ,それしかないという意見が高まる中で,先ほどおっしゃったような対応をお願いしたいと思うのです。
もう1つは,テレクラそのものでございますが,今,まず最初,家にあるタウンページでテレクラの業者を探す人が多いと。テレホンサービス,括弧してその他のところに,ずらっと出ているのです。県のテレクラ条例では,広告等はしてはいけないという規定はありましたかね,広告はよくないのですよね。広告についてはかなり制限があるわけですが,いわゆる掲載そのものも禁止していくということが検討できないのかと思うのですが,その点についてはいかがでしょうか。まず,最初に水際で。
31
◯小沼生活安全部長 鈴木委員からごもっともな御指摘をちょうだいいたしましたので,お答えをしたい思います。
その前に,先ほど報道のことを申し上げまして,鈴木委員からもちょっと出ましたが,具体的な伝言ダイヤルの中身については,それなりにつくって報道する場合にはしてほしいと,こういう意味でございますのでよろしくお願いします。あからさまに私が言ったそのものを出されては困るという意味でございますので,報道の方よろしくお願いします。
それから,委員からの今の御指摘2点あろうかと思うのですが,1つは,被害防止対策会議といったようなものはどうかということでございますが,この条例は,とても警察だけでつくったものでもないし,また警察だけでつくれるものでもないわけでございまして,多くの県民の方々の御支援をいただいたり,諸先生方の力強い御支援をいただき,また関係の青少年関係機関・団体等の連携,検討を重ねながら,つくり上げたわけでございます。
その後におきましても,施行以来,ありとあらゆるそういった機関,団体の会議,例えば教育庁と警察の連絡会議,あるいは各所であります学校警察連絡協議会,その他県警本部が主管であります少年指導員連絡協議会,あるいは市町村レベルでの青少年相談連絡協議会等々あらゆる会議で,この問題は1番目のテーマとして議論をし,またしていただいているところでございます。
先般も教育庁との全体会議がございまして,教育庁も次長が出ていただきましたし,私も出ました。その中でも,これが話題になりました。今後とも,先ほど申し上げたような一斉立ち入りの実施結果等を踏まえて,また,これだけの大きな問題だということを認識していただく意味でも,そうした会議をまめに開催していきたいと思っております。
ただ,テレクラに関する被害防止対策会議ということについては,我々だけの問題ではなくて,今言ったような関係機関,団体が多くあるわけでございますので,いろいろな会議や検討会を重ねる中で御意見などもちょうだいしていきながら,できればそういったものも検討していきたいなと思っております。
それから,2点目のテレクラのタウンページ,いわゆる職業別電話,今,各家庭にハローページとタウンページがあります。確かに,見てみますと,私も前に見たのですが,ハローページにも載っております。それから,タウンページにはテレクラ営業という形で,県内のがどっと全部載っているという状況でございます。
我々は,これにつきましても,広告物であるのかないのかということを含めて,条例制定前にも,事務レベルではありますが,NTTとの協議をいたしました。その結果,結論的には,我々が保険契約をする場合と同じように,電話サービス契約約款というのがきちっとできていまして,それに基づいて,希望があれば,電話番号,氏名,職業,店名といったものは載せることになっているということでございまして,向こうの方では,それを意識的に恣意的にNTT側が載せないということはできませんということなのです。
向こうで言うには,これは広告ではなくて,いわばサービス行為といいますか,案内なのですよと,電話番号の案内なのですと。
といいますのは,以前には,私もちょっと見たことがあるのですが,この条例ができる前には,電話番号があって,まさに広告的なものが載っていたのです。ところが,今は載っておりません。
ちなみに,関連営業で個室つき浴場業というのがあります。ここだけですが,トルコと昔言っていました。今はそういうことを言ったらしかられますから言いませんが。個室つき浴場業,あるいはちゃんと名前も出て,いかがわしい写真とか記事はありませんが,それはちゃんと出ているのです。これはまさに広告だと思うのですが,このテレクラに関しては,今言ったような電話番号と住所とか営業所の名前とかそういうことだけ,したがって広告物とは言えない,いわゆる案内だと,こういう観点なのです。
先般,新聞で,委員ごらんになったかもしれませんが,熊本県の方で,茨城県でいったら環境整備条例なのですけれども,県がNTTにぶつけているのです。載せないことにしてくれということで,県がNTTにぶつけましたら,一たんは,わかりましたと,載せないようにしましょうと,こういうことになったんですが,ことしになって,あれは間違いでしたと,削除することはできませんと,それは,電話サービス契約約款というきちっとしたのがありますと,こういうことで載せざるを得ないということになって,載せてあるわけでございます。
今後も,NTTとは,いろいろな面で検討,議論をしていく余地などはあろうかと思いますが,現状ではこういう実態でございますので,タウンページからそれを外すということはちょっと無理かなという感じがいたします。以上でございます。
32 ◯鈴木(孝)委員 ありがとうございました。
33
◯香取委員長 ほかにありませんか。
青木委員。
34 ◯青木委員 警察関係の本部長初め,幹部の皆さんにお目にかかるのは,今定例会ではきょうが最後でありますので,所見を申し上げたいと思うのであります。
それは,翻りまして平成8年は,茨城県警にとっては歴史に残るような1年であったと私は考えております。
第1番目に,先ほど来議論になっておりますテレクラ規制条例,全国に先駆けまして公安委員会の条例として制定をされました。当初は,県側の青少年育成条例の一部改正をもって対応しようとした動きがあったのでございますが,西山本部長の強い意思によりまして,全国に先駆けてこの条例が制定され,その運用の効果等については,先ほど生安部長から説明がありましたとおり,画期的な効果を上げております。これは茨城県警の歴史に残る出来事で,まことに賞賛に値すべきものだと思うわけであります。
第2点は,懸案でありました婦人交通巡視員の警察官の身分切りかえに関する制度が,平成9年から実施されるという措置が講じられたことであります。
これは実は,私ここに要望書を持っておりますが,平成7年の3月議会におきまして,
文教治安委員会で全会一致で県知事に対しまして,婦人交通指導員を警察官の身分に切りかえるような措置をして警察力の充実に役立ててほしいという要望があったわけでございます。しかし,これが実りませんで,ちょうど足かけ3年,きょうで丸2年を経過したわけでございますが,今回,これが2ヵ年計画によって実現するという措置が講じられまして,これまた本部長初め,大変お骨折りいただきました関係部長等の尽力のたまもので,これによって警察力の人員の増強に大きく貢献し,かつまた婦人交通巡視員の将来に明るい希望を持たせたということで,画期的な事業の展開であると考えております。
もう1つは,個人名を申し上げることは控えますが,刑事部の大変な御努力によりまして,現在,政官一般,政治家はもちろんでございますが,関係方面において,これからは選挙は金がかからない,金をかける選挙はできないというのが定着しつつあります。これもまた,刑事部長初め関係者の並々ならない努力によりまして,そうした効果が発揮でき,普及しつつあるということは,極めて意義が大きいことでございます。
もう1点は,県警本部長が我が党の代表質問に答えておりましたが,新県庁舎の建設とともに建設される新警察庁舎に,総合指揮所,あるいは情報通信施設の近代的な施設をつくる,装備の充実を図るということがございましたが,これらもまた,私は画期的な予算の獲得であろうと思うのであります。
佐藤警務部長から財政当局にどういう要求をいたしたか,総額については知るすべもございませんが,少なくともこれは満額獲得したのではなかろうかというふうに判断をいたすわけでございます。
翻りまして,私も今月で30年3ヵ月間県会議員生活をいたしておりますが,これほど成果を上げた県警の1年間の実績というものは,かつて経験したことはございません。この機会に,改めて西山本部長初め,関係者の努力に深く敬意を表するとともに,これからも層一層御尽力くださるようにお願いを申し上げます。
特に,私が婦人警察官の問題につきまして強調いたしたいと思いますことは,いわゆる強姦事件です。これは,県内の各警察署で少なくとも1,2件は抱えているはずだと思います。顕在しているのが1,2件,潜在的なものはもっと数が多いと思うのであります。これの捜査というものは,申し上げるまでもなく,男の警察官では微に入り細にわたる調書の作成というものはできません。これは同性,女性の警察官によって初めてできるものでございまして,婦人警察官を各署に配置することによって,そうした絶対許すことのできない強姦事件等の摘発,しかも,これは御存じのように親告罪でございますから,被害者に警察に対して告訴してもらわなければなりません。告訴を導くような指導をするのも,やはり私は男の警察官ではできないと思うのであります。女性の警察官が親身になって事情聴取をし,思い切って告訴に踏み切りなさいという真摯な指導があって初めて立件できる問題だというふうに考えております。その意味におきましても,今回,警察官のこの措置は極めて意義が大きいと思うのであります。
従来ですと,強姦を受けた女性が,屈辱を生涯背負って,両親にも話しできない,結婚しても夫にも話すことのできないという悲しみを胸に秘めて生涯を送ったわけであります。私は,これから,この婦人警察官の活躍によって,そうした悲しい被害,悲しい女性が一人でも少なくなるよう,特に婦人警察官の増員に当たりまして県当局に,警察当局に一層の努力と,この実現にお骨折りをいただきました西山本部長に心から敬意を表する次第でございます。
多分,このことは余り世間に公にされないと思うのでございますが,もし公にされるとすれば,県民の皆さんから,ありがとうございましたという感謝の言葉が必ず返ってくると思います。こいねがわくば,層一層努力を払われまして, 300万県民の期待にこたえられるよう心からお願いを申し上げて,私の所感の一端を披露して終わりとする次第であります。ありがとうございました。
35
◯香取委員長 ほかにありませんか。
鶴岡副委員長。
36 ◯鶴岡委員 1点だけ御要望申し上げたいと思います。1)の 203ページ,予算書の調製というのは出納長が責任を持って行うとなっておりますけれども,議案の定数条例の一部を改正する条例,第2条は十分によくわかります。これは32名の増員があったということでございますけれども,第3条の条文をすべて出す必要があると考えます。
それで,警務部長にこれを説明していただけますか,第3条。
37
◯香取委員長 佐藤警務部長。
38 ◯佐藤警務部長 今,私の手元に資料がなかったので失礼いたしましたが,育児休業を取る女性,婦人警察官,あるいは一般職員を含めて……。
39 ◯鶴岡委員 条文の第3条を全部読んで。
40 ◯佐藤警務部長 ちょっと失礼いたします。
第3条,定員外職員ということでございます。休職者,休暇3ヵ月以上に及ぶ者及び6ヵ月以上の研修参加者(警察教養施設における研修参加者を除く)は,前条の定員のほかに置くことができる。外に置くことができる。これが現行の条文であります。
ここのところに新たにつけ加えたのが,いわゆる育児休業の人間については,休職者,休暇3ヵ月以上に及ぶ者,6ヵ月以上の研修参加者,そして育児休業に従事する者,これについては前条の定員の外に置くことができると,こういう条文改正になっておるわけであります。
41 ◯鶴岡委員 そういうことでございますので,これは予算の調製者である出納長に警察本部の方から,この原文と新しい文を出すように,これをぜひお話しておいていただいた方が説明のためには非常にいいのではないかなと思いましたので,御要望を申し上げたいと思います。以上です。
42
◯香取委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
43
◯香取委員長 ないようですので,以上で質疑を終了いたします。
───────────────────────────
44
◯香取委員長 それでは,これより付託案件について採決をいたします。
採決は一括して行います。
第1号議案中
警察本部関係,第66号議案,第72号議案中
警察本部関係及び 103号議案中
警察本部関係について,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
45
◯香取委員長 御異議なしと認め,原案のとおり可決することに決しました。
───────────────────────────
46
◯香取委員長 次に,請願の審査を行います。
警察本部関係の請願は,新規1件であります。
お手元に請願調査表を配付しておきましたので,御参照願います。
なお,審査の参考上必要ある場合は執行部の意見を求めたいと思いますが,これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
47
◯香取委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。
それでは,8年第26号 北茨城警察署設置に関する請願について審査願います。
48
◯香取委員長 御意見等がありましたら,お願いいたします。
〔「継続」と呼ぶ者あり〕
49
◯香取委員長 継続との声がありますので,本件は継続審査とすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
50
◯香取委員長 御異議なしと認め,継続審査とすることに決しました。
───────────────────────────
51
◯香取委員長 続いて,お諮りいたします。ただいま継続審査に決しました本件につきましては,閉会中の継続審査に付されたい旨議長に申し出ることにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
52
◯香取委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。
以上で,
警察本部関係の審査は終了いたしました。
───────────────────────────
53
◯香取委員長 この際,委員会を閉じるに当たりまして,一言ごあいさつを申し上げます。
御案内のとおり,我々委員の任期は,今定例会をもって満了することになっております。この1年間,議案審査や県内外調査などの委員会活動に当たりましては,委員各位の御指導,御協力と,西山本部長さんを初め,警察本部の皆様の適切な御説明,御案内によりまして,円滑な委員会運営を図ることができました。心から感謝申し上げる次第であります。
顧みますと,先ほど青木委員からこの1年間の実績についての所感を申し述べられましたように,全国初の
公安委員会所管のテレクラ条例の施行により,青少年を取り巻く環境の整備が図られ,また交通事故死者数が8年ぶりに 400人を切るなど,警察本部におかれましては,重要課題に的確かつ迅速に対応されましたことに対し,心から感謝の意を表します。
しかしながら,一方では,刑法犯の増加,ことしに入ってからの交通事故の多発など,本県の治安情勢は必ずしも平穏なものではなく,警察に対する県民の期待はますます大きいものがあります。我々委員も,県民の負託にこたえるべく,引き続き努力をしてまいりたいと思いますので,今後とも,県警の皆様方におかれましても,委員各位から示された意見等を十分配慮の上,平穏で安全な県民生活の確保に御尽力されますようお願いしまして,簡単ではありますが,御挨拶といたします。どうもありがとうございました。
───────────────────────────
54
◯香取委員長 本日は,これをもちまして委員会を閉会いたします。
なお,明日は,10時30分から本委員会を開き,教育庁関係の審査を行いますのでよろしくお願いします。長時間御苦労さまでございました。
午後2時19分閉会
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