福島県議会 > 2020-09-30 >
09月30日-一般質問及び質疑(一般)-05号

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  1. 福島県議会 2020-09-30
    09月30日-一般質問及び質疑(一般)-05号


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    最終取得日: 2023-06-08
    令和 2年  9月 定例会令和2年9月30日(水曜日) 午後1時1分開議 午後4時46分散会議 事 日 程   午後1時開議 1、日程第1 県の一般事務に関する質問 2、日程第2 知事提出議案第1号から第36号まで  1 付議議案に対する質疑  2 議案第1号から第30号まで及び第36号    各常任委員会付託  3 議案第31号から第35号まで    決算審査特別委員会設置    同委員、委員長、副委員長選任    議案付託 3、日程第3 請願撤回の件 4、議長提出報告第9号 請願文書表本日の会議に付した事件 1、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第36号  までに対する質疑 2、知事提出議案第1号から第30号まで及び第36号各常任委員会付託 3、知事提出議案第31号から第35号まで  1 決算審査特別委員会設置  2 同委員、委員長及び副委員長の選任  3 議案付託 4、議員提出議案第58号から第64号まで  1 付議議案に対する質疑  2 各常任委員会付託 5、請願撤回の件 6、議長提出報告第9号 請願文書表出 席 議 員      1番 渡 辺 康 平 君   2番 鈴 木 優 樹 君      3番 渡 邊 哲 也 君   4番 太 田 光 秋 君      5番 江 花 圭 司 君   6番 水 野   透 君      7番 山 口 信 雄 君   8番 真 山 祐 一 君      9番 三 村 博 隆 君  10番 荒   秀 一 君     11番 橋 本   徹 君  12番 大 場 秀 樹 君     13番 大 橋 沙 織 君  14番 佐 藤 郁 雄 君     15番 佐々木   彰 君  16番 坂 本 竜太郎 君     17番 佐 藤 義 憲 君  18番 高 宮 光 敏 君     19番 宮 川 政 夫 君  20番 先 﨑 温 容 君     21番 伊 藤 達 也 君  22番 渡 部 優 生 君     23番 三 瓶 正 栄 君  24番 椎 根 健 雄 君     25番 佐久間 俊 男 君  26番 吉 田 英 策 君     27番 鈴 木   智 君  28番 佐 藤 雅 裕 君     29番 遊 佐 久 男 君  30番 星   公 正 君     31番 山 田 平四郎 君  32番 矢 吹 貢 一 君     33番 小 林 昭 一 君  34番 安 部 泰 男 君     35番 紺 野 長 人 君  36番 円 谷 健 市 君     37番 髙 野 光 二 君  38番 宮 本 しづえ 君     39番 宮 川 えみ子 君  40番 佐 藤 政 隆 君     41番 勅使河原 正之 君  42番 長 尾 トモ子 君     43番 西 山 尚 利 君  44番 渡 辺 義 信 君     45番 今 井 久 敏 君  46番 古 市 三 久 君     47番 高 橋 秀 樹 君  48番 宮 下 雅 志 君     49番 神 山 悦 子 君  50番 吉 田 栄 光 君     51番 杉 山 純 一 君  52番 満 山 喜 一 君     53番 佐 藤 憲 保 君  54番 青 木   稔 君     55番 亀 岡 義 尚 君  56番 宗 方   保 君     57番 西 丸 武 進 君  58番 瓜 生 信一郎 君説明のため出席した者 県       知     事  内 堀 雅 雄  君       副  知  事  鈴 木 正 晃  君       副  知  事  井 出 孝 利  君       総 務 部 長  佐 藤 宏 隆  君       危 機 管理部長  大 島 幸 一  君       企 画 調整部長  橘   清 司  君       生 活 環境部長  渡 辺   仁  君       保 健 福祉部長  戸 田 光 昭  君       商 工 労働部長  宮 村 安 治  君       農 林 水産部長  松 崎 浩 司  君       土 木 部 長  猪 股 慶 藏  君       会 計 管 理 者  阿 部 雅 人  君       出納局長(兼)  阿 部 雅 人  君       原子力損害対策  高 荒 由 幾  君       担 当 理 事       企 画 調 整 部  安 齋 浩 記  君       避 難 地 域       復 興 局 長       企 画 調 整 部  野 地   誠  君       文 化 スポーツ       局     長       保 健 福 祉 部  佐々木 秀 三  君       こども未来局長       商 工 労 働 部  國 分   守  君       観 光 交流局長       総 務 部政策監  阿 部 俊 彦  君       風 評 ・ 風 化  鈴 木 竜 次  君       対  策  監       知事公室長(兼) 鈴 木 竜 次  君 総  務  部       秘 書 課 長  山 内 建 史  君       総 務 課 長  清 野 宏 明  君       総 務 部 主 幹  金 田   勇  君 企  業  局       企 業 局 長  安 達 和 久  君 病  院  局       病 院 局 長  伊 藤 直 樹  君 教 育 委 員 会       教  育  長  鈴 木 淳 一  君 公 安 委 員 会       警 察 本 部 長  和 田   薫  君 議会事務局職員       事 務 局 長  佐久間 弘 元  君       事 務 局 次 長  星   貴 文  君       総 務 課 長  鈴 木 陽 一  君       議 事 課 長  新 妻 政 弘  君       政 務 調査課長  熊 耳 知 徳  君       議 事 課主幹兼  菅 野   義  君       課 長 補 佐       議事課主任主査  富 塚   誠  君       議事課主任主査  三 瓶 和 子  君       兼 委 員会係長   午後1時1分開議 ○副議長(長尾トモ子君) この際、私が議長の職務を行います。 ただいま出席議員が定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。 △県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第36号までに対する質疑 ○副議長(長尾トモ子君) 直ちに日程に入ります。 日程第1及び日程第2を一括し、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第36号まで、以上の各案に対する質疑を併せて行います。 通告により発言を許します。27番鈴木智君。(拍手)   (27番鈴木 智君登壇) ◆27番(鈴木智君) 自由民主党議員会の鈴木智です。 このたび菅義偉総理が誕生いたしました。私は、平成7年から10年まで神奈川県選出の参議院議員の秘書をしており、当時横浜市会議員から衆議院に初挑戦すべくエネルギッシュに活動しておられた姿を記憶しております。東北地方、秋田の農家出身、地方議会議員の経験があるということで、親近感も湧くところでありますが、定評のある着実な手腕で本県復興を前に進めていただきますよう期待を申し上げます。 さて、新型コロナウイルス感染症感染拡大が続いております。県内の死亡者も3例となり、亡くなられた皆様に心よりお悔やみを申し上げますとともに、療養中の皆様の1日も早い回復をお祈り申し上げます。 病院内での感染拡大も発生し、医療従事者の皆様の御苦労、御心労も大きいものと感じております。医療・介護や福祉に携わる皆様、また人と接して仕事をする方々は、心休まらぬ日々を過ごしていると思います。一刻も早くワクチンや特効薬等、治療策の目途がつくことを期待するとともに、私たちが原発事故の後に学んだように、恐れるものの正体を正しく学び、正しく恐れることが広まっていくことを期待するところであります。 今月13日投開票のいわき市議会議員選挙は、新型コロナウイルス感染拡大防止を優先した選挙戦となりました。これまで選挙の常道とされていた大規模集会や個人演説会を開く候補者はごく一部、それもあまり集まらないようにと声がけを調整し、支援者との握手をやめるなど、既存の手法に代えてインターネット配信で政策を伝えたり質問に答えるなど、新たな試みがなされました。 このように新しい生活様式の下、社会は変容しつつあります。見えないものだからこそ恐怖感が増大し、ちょっとしたきっかけで平常時では考えられないような行動に至る人間の心理には改めて驚かされました。 しかし、当初は未知のウイルスだったCOVID―19ウイルスも既存のコロナウイルスと同様に防御が可能であることが分かってきました。最大限の努力をしながら、経済活動の回復にもしっかりと取り組むことを県当局にも要望し、以下通告に従い一般質問を行います。 1つ目は、地域医療についてであります。 医師を養成する医学部について比較をいたしますと、人口385万人の四国地方が国立大学の医学部が4つあり、定数は443名。人口933万人の東北地方は国立大の医学部が4つあり、そのほかに県立1、私立2で、定数が810名、医師当たりの人口で見ますと、1人に対し四国8,600名と、東北1万2,200名と差があります。 なお、医学部の西高東低の流れは戊辰戦争に端を発するという説もあるようです。この現状を踏まえ、今後あらゆる手段で医師及び診療科の偏在を是正していく必要があります。 さて、国が示す医師偏在指標で全国43位の医師偏在県と位置づけられる本県でありますが、今年1月には医師不足が課題の青森、岩手、福島、新潟、長野、静岡県の各知事が発起人となり、合計12県の知事がメンバーの地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会を発足させました。 医師不足と地域偏在の解決に向け、活動内容としては、医師の偏在問題に関する医療関係者、行政の理解促進、国民の機運醸成、国への働きかけの3つを掲げ、国の主体的な関与による医師の偏在解消を図る仕組みの構築や都道府県の枠を超えた調整、研修中に医師が地域医療に携わる機会の導入などを求めるとされております。 7月には、12県の知事がウェブ会議を開き、提言決議をまとめ、共同で政府に対して要望したと聞いております。新型コロナウイルス感染症の拡大も懸念される中、地域医療提供体制を安定して維持していく上で、医師の育成、養成、招聘、定着のいわゆる医師の確保が極めて重要な課題となっているところです。 そこで、知事は地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会の活動を通し、本県の医師確保対策をどのように強化していくのか伺います。 次は、本県の予算確保についてであります。 国の予算編成の時期であります。令和3年度予算編成において、各省庁からの概算要求期限新型コロナウイルス感染症対応に専念するため例年より1月遅くずれ込み、この9月末となっていると仄聞しているところであります。また、菅内閣誕生における新たな大臣就任もあり、例年どおりのスケジュールとはいかないだろうと感じております。 コロナ禍で大人数の面会を避ける状況が続く中で、これまでどおりの要望活動ができず、本県の事業においての重要性やスピード感、そして熱意を伝える場がなくなりつつあるのではないかと懸念をするところです。特に令和3年度予算は、復興・創生期間が終了し、第2期復興・創生期間最初の予算となり、本県復興の鍵となる予算となるのは言うまでもありません。 そこで、新型コロナウイルス感染症の影響により、国に対する提案・要望活動がこれまでのように進められない中、国への働きかけをどのように取り組んでいくのか伺います。 次は、廃炉関連産業についてです。 廃炉作業の長期化が見込まれる中、県内事業者廃炉作業に参画し、産業の振興につながることを期待しているところであります。県としても、これまで廃炉関連産業マッチング可能性調査事業などを行い、課題抽出に取り組んできました。 そこでは、廃炉作業の元請企業から発注される仕事や参画方法等が不明確であること、地元企業の技術力等の把握も十分ではないことなどが解決すべき課題として挙げられており、その点を踏まえ、さきの7月1日には福島廃炉関連産業マッチングサポート事務局が設置され、10月には初の会合を開催すると聞いております。今後の地元企業の参入及び技術力の向上も期待をするところであります。 そこで、県は廃炉関連産業への県内企業の参入をどのように促進していくのか伺います。 次は、がん検診についてであります。 日本人の死因のトップであるがん対策について、国は平成19年に策定したがん対策推進基本計画の中で個別目標の1つとしてがん検診の受診率を50%以上とすることを掲げ、令和4年度においても同様の50%以上を目標としております。 厚生労働省が3年に1回調査する国民生活基礎調査によりますと、令和元年におけるがん検診の受診状況は、入院者を除く40歳から69歳の者について、過去1年間に胃がん、肺がん、大腸がんの検診を受診した者の割合を性別別で見ますと、以下年齢対象は省きますが、男女とも肺がん検診が最も高く、男性で53.4%、女性で45.6%となっています。 過去2年間に胃がん、子宮がん、乳がんの検診を受診した者の割合を性別別に見ますと、胃がん検診は男性が54.2%、女性が45.1%、子宮がんは女性43.7%、乳がん検診は女性47.4%となっております。いずれの検診においても、上昇傾向になっているとのことであります。しかし、国が目標とする受診率50%を辛うじて上回っているのは男性の胃がんと肺がん検診だけという結果になっております。 なお、本県においては、同様の年齢層データがないため直接の比較はできませんが、本県において県独自で集計している市町村がん検診の受診率の推移を見てみますと、5つのがん検診ともに僅かずつ減少している状況となっております。 医療現場の声を聞きますと、例えば両親が外国人で日本語能力が不十分な方がいたり、本当に受診機会や検診が必要なところへの支援をどのようにするかが課題との声もありました。 また、今年度は特に新型コロナウイルス感染症の影響でがん検診受診率の低下が懸念されているところであります。がん検診そのものは、健康増進法に基づき、市町村が実施する健康増進事業でありますが、県としての役割をきちんと果たしていかなければなりません。 そこで、県はがん検診受診率向上にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、結婚応援についてであります。 私は、16年前の平成16年に市議会議員となりましたが、当時結婚に対する支援を議場で質問する議員がいると、そのような個人的な問題かつデリケートな課題は行政が積極的にやるものではないという声が出たものでありました。今や最優先の課題として、国、県、市町村が様々な形で結婚支援、婚活に取り組んでおります。 さて、今年5月に閣議決定された第4次少子化社会対策大綱では、少子化の主な原因として未婚化、晩婚化の進行を指摘しており、本県でも年々未婚率や平均初婚年齢が上昇していることから、若い世代への結婚支援は極めて重要な課題と認識しております。 このような中、新型コロナウイルス感染症の影響は結婚相手を探す婚活にも大きな影響を及ぼしています。現状では、実際婚活イベント婚活交流会などの活動が軒並み中止になっているほか、新型コロナウイルス感染拡大を受けて婚活そのものを休止している人もおります。 そこで、県はウィズコロナの状況の中、結婚応援にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。 次は、小名浜港についてであります。 7年前の一般質問の前段でも少し触れましたが、私ごとで恐縮でありますが、私の祖父についてお話をさせていただきます。 祖父は、明治40年、石城郡田人村、現在のいわき市田人町に生まれ、高等小学校を出てしばらく農業に従事し、海軍に志願し、機関兵となりました。昭和18年頃、駆逐艦「澤風」に乗船し、太平洋海岸線の防御の任に当たり、翌昭和19年に南洋群島防衛のためグアム島の陸戦で戦死しました。その後、祖母は幼い子供4人を連れ親戚を頼り、小名浜に身を寄せたそうであります。 太平洋戦争終戦後、小名浜港には2隻の駆逐艦が沈められ、防波堤の基礎となりました。先ほど申し上げた駆逐艦「澤風」は今の魚市場の防波堤として、日本海方面にあって人間魚雷「回天」の搭載艦となっていた駆逐艦「汐風」は現在の1号埠頭、いわき・ら・ら・ミュウの先端でそれぞれ沈められ、防波堤の礎となりました。 その後、魚市場の拡張のため「澤風」は引き揚げられ、紆余曲折があったようですが、熱意ある皆様の御尽力で三崎公園にタービンが設置され、歴史を伝えています。私にとって小名浜港は、子供の頃から親しんだ場所であるとともに、写真でしか知らない祖父が最後に動かした船の眠る貴重な足跡なのです。 以前この場で、内務省へ決死の陳情を行った白襷隊から始まって、多くの関係者の熱意で今の小名浜港があると申し上げました。人や物、情報の結節点としての小名浜港のさらなる効率的な利活用、運用の高度化を進めなければ、今後小名浜港を積極的に使ってもらえなくなることもあり得ます。 港同士も競争です。国内だけでなく、海外の巨大港とも渡り合っていかなければなりません。選ばれる小名浜港、そして福島県が都市間競争に打ち勝つために、期待を込めて以下3点質問をいたします。 まずは、小名浜港の滞船解消についてであります。 整備を進めていた小名浜港東港地区でありますが、本年3月に初めて石炭貨物船が入港いたしました。今週の土曜日には、小名浜港国際バルクターミナル供用式が開催されます。国、県の工事は今年度末完了を目指し、また特別目的会社が高性能の荷さばき施設の整備を行い、来年度中にはいよいよ本格稼働となるという状況にあります。 国際バルク戦略港湾として、東港地区の整備がバルクものの取扱量を増大させ、滞船の解消につながるものと期待するところでありますが、利用する事業者からは、今後の整備の過程においても、運用の弾力化で少しでも滞船の解消に取り組めないかとの声も聞いているところであります。 そこで、小名浜港の滞船を解消するため、東港地区について完成前においても有効活用すべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、コンテナターミナルの機能強化についてであります。 小名浜港から京浜港を経由し、世界的メガキャリアと接続して世界各地に向かう航路である国際フィーダー船航路が様々な原因から不定期運航となっている状況にあります。 京浜港をつなぐ航路は大変魅力的であり、不定期便となっている現状は大変残念であります。再開にはコンテナターミナルの機能強化が欠かすことができず、今後に期待をするところであります。 そこで、県は小名浜港のコンテナターミナルの機能強化にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、組織体制の強化についてであります。 小名浜港は、ばらもののバルク、コンテナ、そして再生可能エネルギー関連資材等の拠点として期待される藤原埠頭もあり、今後の取扱量の増大が期待されておりますが、現状でも混雑をしていると言っていい状況です。これからは、港湾運営の高度化を期待する声が高まっております。 本県では、ハード整備とそれに付随する事務以外の例えばポートセールスや行政との調整、庁内各課との連携は港湾課の中のチーム及び小名浜港湾建設事務所港営課で対応していますが、那珂湊などの茨城港と鹿島港を抱える隣県茨城県は港湾課に本県の倍の人員を配置し、課内室として港湾経営室を置き、港の経営管理、港湾振興を所管しております。こういった視点を加えていくことも必要ではないかと感じているところであります。 そこで、小名浜港の利用拡大のため組織体制を強化すべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、教育行政についてであります。 新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けているのが教育の現場であります。私の長女が通う中学校では、修学旅行や学園祭が中止となり、その代替行事ができないかと、先生、生徒が共に悩みながら様々な意見を出し、話し合い、実現に向け努力をしているようであります。どうしてもできないこと、こうすればできること、開催にこぎつけるプロセスを体験できたことは、生徒にもプラスになるのではないかと感じているところです。 そのような中、いわき市では中体連支部大会の代替大会を開催することとなり、先日出場する生徒を応援するための出陣式が中学校で行われました。例年ならば体育館での開催ですが、3密を避けるため校庭で、しかも雨のため2回延期した後に開催に至りました。出場する生徒の応援ということで、先生方がラグビーニュージーランド代表オールブラックスに扮し、士気を高めるダンスであるハカを披露し、生徒たちの喝采を浴びておりました。 また、少しでも学習の遅れを埋めるべく、様々な手法を使って教育活動を充実させようと努力している教職員の皆さんの尽力にも感謝を申し上げたいと存じます。 人口減少社会を迎え、その意味においても、1人1人の個性を伸ばし、しっかりと次代を担う児童生徒を育てていかなければなりません。そして、東日本大震災で被災し、自らも悩み苦しむ大人たちと社会を見てきた本県の子供たちだからこそ、自らの夢を実現し、未来をしっかりと見据えて歩んでほしいと思います。 そして、そのためには、福島県と地域、そして福島県の子供たち児童生徒を愛し、熱意のある教員が必要であり、志高い教員志願者が増えていくことが必要だと感じております。 そこで、県教育委員会教員志願者の確保に向け、どのように取り組んでいるのか伺います。 次に、いわゆる県立高校入試についてであります。 令和2年度県立高等学校入学者選抜においては、大きな変更がございました。様々な状況の変化を踏まえ、円滑な中高接続、学力向上、志願してほしい生徒像の明確化の3つの視点の下、確かな学力の育成を目指した変更として、大きな点は特色、一般の前期選抜志願者全てに学力検査を課した点であろうかと思います。 先月には、令和3年度福島県立高等学校入学者選抜における基本方針も発出されたところでありますが、変更により所期の目的を達成できたか、令和3年度の選抜にどのように臨むかが課題であります。 そこで、県教育委員会は昨年度から新たな制度で実施している県立高等学校入学者選抜をどのように捉えているのか伺います。 次に、特別支援教育におけるICTの推進についてであります。 新型コロナウイルス感染拡大に伴う学習保障や新しい時代を生きる子供たちの学びを充実させるため、国のGIGAスクール構想実現事業により、本県でもICT環境の整備を進めていくと聞いております。 特に視覚、聴覚、身体等に障がいのある児童生徒には、障がいによる種々の困難をサポートするツールとしてICT機器を効果的に使用することで将来の自立と社会参加の可能性が広がると考えます。 そこで、障がいのある児童生徒へのICTを活用した教育にどのように取り組んでいくのか、県教育委員会の考えを伺います。 最後に、歩行者の安全確保についてであります。 警視庁は、今年春の交通安全運動時から東京セーフティーアクションと銘打ち、歩行者の信号機のない横断歩道でのアクションを提案しております。1つ目は、渡る前に顔を車の方向に向ける、2つ目は手を挙げる、3つ目は、横断歩道の手前で足を一歩出し、渡る意思を伝える、この3つを、特に最近はマスクをする方がほとんどで表情が読み取りづらいとして、周知に取り組んでいると聞いております。 また、大阪府警ではハンドサインとして軽く手をかざし意思表示をすることを提唱しており、いかにして事故防止につなげていくかという議論が各県においても行われております。 昨年12月議会にも質問をいたしましたが、現在の交通の教則では手を挙げる必要はないとされております。横断者が手が塞がっている、けがをして手が挙がらないなどの理由があった場合や、手を挙げれば安全に渡れるとして事故に遭う可能性も否定できません。現在では、あくまでも補助的な取組であり、自動車は横断歩道があるところではまず徐行し、横断者がいるときは停止、これが最優先となっております。 もちろん自動車という大きな物体を動かしている以上、しっかりとこのルールを守らなければなりません。しかし、歩行者も交通社会の一員であるという気持ちを持ち、横断する意思を明確にすることは大事なことであることを重ねて指摘しておきたいと思います。 そこで、県は信号機のない横断歩道での交通事故防止にどのように取り組んでいくのか伺います。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(長尾トモ子君) 執行部の答弁を求めます。   (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 鈴木議員の御質問にお答えいたします。 医師確保対策についてであります。 新型コロナウイルス感染症への対応を通して、改めて地域医療提供体制とそれを支える医師確保の重要性が浮き彫りになりました。 本県の医師数は、震災と原子力災害の影響で大きく減少し、危機的な状況となったものの、修学資金の拡充など様々な施策展開により震災前を超えるまで回復するに至りました。しかし、全国的に見れば医師少数県の状態にあります。 その背景には、今なお続く大都市圏への医師の集中等があり、本県における医師確保をさらに進めていくためにも、都道府県域を越えた医師の偏在対策を講じる必要があります。 このため、私自身が発起人の1人となり、同じ思いを共有する12名の知事による地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会を今年1月に発足させたところであります。 7月には、構成県の知事同士で医師確保対策について直接意見を交わすとともに、8月には知事の会として、医学部における定員増の恒久化や全国規模の地域偏在解消のための仕組みづくり、財政支援の拡充等を国に強く求めてまいりました。 今後とも、構成県の知事と力を合わせ、医師の偏在対策をはじめとする各種要望の実現を通じて本県における医師確保の強化を図ってまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。   (企画調整部長橘 清司君登壇) ◎企画調整部長(橘清司君) お答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた国に対する提案・要望活動につきましては、テレビ会議システム等を積極的に活用する一方、6月の政府要望や8月の福島復興再生協議会等、相手に本県の気持ちや姿勢をしっかりと伝える必要がある重要な局面においては、感染拡大防止対策を徹底した上で、知事が関係大臣等と直接対面し、本県の要望を強く求めてまいりました。 引き続き、状況に応じてオンラインと直接対面による折衝を適宜織り交ぜながら、最も効果的な方法で本県の実情を訴えてまいります。   (生活環境部長渡辺 仁君登壇) ◎生活環境部長(渡辺仁君) お答えいたします。 信号機のない横断歩道における交通事故防止につきましては、運転者に対し一時停止を周知するテレビやラジオCM等を新たに制作し、秋の交通安全運動と併せて交通ルールの遵守と歩行者保護の意識向上を図るための啓発を実施しております。 今後は、歩行者に対しても横断歩道を渡る際の意思表示についてテレビCM等で呼びかけるなど、横断歩道での交通事故防止にしっかりと取り組んでまいります。   (保健福祉部長戸田光昭君登壇) ◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。 がん検診受診率向上につきましては、ピンクリボン運動など企業と連携した啓発活動やレディース検診など対象者が受診しやすい検診に取り組んでおります。 今後は、新型コロナウイルス感染症の感染防止や対象者の利便性に配慮し、予約制で3つの密を避けることができるクイック検診と特定健診を同時に受診できるようにし、また個別通知の工夫により受診を促す方法を市町村に助言するなどして、引き続きがん検診受診率向上に取り組んでまいります。   (商工労働部長宮村安治君登壇) ◎商工労働部長(宮村安治君) お答えいたします。 廃炉関連産業への県内企業の参入につきましては、福島イノベ推進機構、福島相双復興官民合同チーム、東京電力の三者共同によるサポート事務局を本年7月1日に立ち上げ、これまで既に約60社からの相談を受け付けるなど活発な活動を展開しております。 今後は、事業者間をつなぐマッチング会や現地見学会等の開催を通して廃炉関連産業への理解を深めていただくことで県内企業の参入促進を図ってまいります。   (土木部長猪股慶藏君登壇) ◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 小名浜港東港地区につきましては、来年度中の全面供用に向け国際物流ターミナルの整備を進めております。 小名浜港全体の利用促進を図る上で、滞船の解消は大きな課題であることから、石炭の取扱いを既存埠頭から東港へ少しでも早く転換していくため、港湾利用者と調整しながら、整備が進み利用可能となった施設から順次供用を図ってまいります。 次に、小名浜港のコンテナターミナルの機能強化につきましては、増加するコンテナ貨物に対応するために実施してきたコンテナヤードの拡張工事が今年度完了する予定であります。 今後は、国際競争力を高めるため、京浜港を経由して基幹航路に直結する国際フィーダー定期航路の再開が重要であることから、コンテナターミナルのさらなる機能強化に向け、荷役機械等の施設整備の検討を進めてまいります。 次に、小名浜港の利用拡大につきましては、東港地区国際物流ターミナルの供用やコンテナヤードの拡張に加え、常磐道と直結する小名浜道路の整備などにより、今後小名浜港のポテンシャルが一層高まることから、いわき市や関係団体と連携して積極的にポートセールス等に取り組むため、必要な組織体制について検討してまいります。   (こども未来局長佐々木秀三君登壇) ◎こども未来局長(佐々木秀三君) お答えいたします。 ウィズコロナの状況における結婚応援につきましては、新たにオンライン婚活サイトを開設し、婚活講座、若者向けの婚活勉強会、結婚世話やき人の情報交換会等を開催するほか、結婚マッチングシステム「はぴ福なび」にオンラインによるお見合いを導入するなど、結婚を希望する方の出会いの機会を積極的につくってまいります。   (教育長鈴木淳一君登壇) ◎教育長(鈴木淳一君) お答えいたします。 教員志願者の確保につきましては、今年度の採用試験から地域採用枠や中高併願制度を導入し、年齢制限も撤廃するなど、制度の改善に取り組んでいるところであります。 さらに、本県ならではの教育を紹介するパンフレットを新たに作成し、大学訪問や教員採用セミナーにおいて活用するとともに、PR動画をホームページに掲載するなど、本県の教員として働く魅力を広く発信してまいります。 次に、新たな入学者選抜につきましては、学力検査を必須としたことにより生徒の学習意欲の喚起につながった旨、中学校側からも評価をいただいております。 また、各高校においても、改めて自身の使命を問い直し、特色選抜で独自性を示すなど、魅力化につながっているものと考えております。 一方、特色選抜の出願が伸び悩んだことから、今後は中学生に向けて各高校の特色をより積極的に発信するなど、意欲的な志願につながるよう努めてまいります。 次に、障がいのある児童生徒へのICTを活用した教育につきましては、学習上のハンディを軽減し、より主体的に学習に取り組めるよう、今般視線入力装置や音声読み上げソフトなどの入出力支援装置を障がい種に応じて各校に導入することといたしました。 今後は、特に先月指定したモデル校3校において、学習効果の検証、教育方法の開発及び指導事例の蓄積に取り組み、ICTの効果的な活用を進めてまいります。 ○副議長(長尾トモ子君) これをもって、鈴木智君の質問を終わります。 通告により発言を許します。11番橋本徹君。(拍手)   (11番橋本 徹君登壇) ◆11番(橋本徹君) 県民連合の橋本徹です。通告に従い質問をいたします。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策の影響による生活困窮者への支援についてです。 政治や行政は、弱い立場の方々のためにあると思っています。新型コロナウイルス感染症の拡大によって影響を受けた人たちのうち、解雇された方や所得が大幅に減少した方々への迅速、的確な支援が求められます。離職や廃業、収入が減少し、生活に困窮する方が増えています。 県は、実態を踏まえながら、影響を受けた県民に対し、実質無利子の貸付けや助成などを通じてできる限りの支援に努めていますが、生活するために資金が必要となったり、住宅の家賃を支払うことができず住居を失うおそれが生じたりしている県民が多くなっています。 そこで、県は新型コロナウイルス感染症の影響により生活が困窮した方々への支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、県産農林水産物の地産地消の推進についてです。 新型コロナの感染拡大により、首都圏などの大消費地の需要や輸出が減少し、県産農林水産物に大きな影響を及ぼしています。外食控えなどにより消費も停滞しました。 そのような中、地元で生産されたものを地元で消費する地産地消が改めて注目されています。これは、災害などの有事の際にも地元で取れた農林水産物を地元でまずは消費するという意味で有効ではないでしょうか。流通の体制など別な仕組みを構築してもいいのかもしれません。地産地消の取組を通じて、地元の農林水産物のすばらしさを地元の消費者に再認識してもらい、消費の拡大が図られると考えます。 そこで、県は県産農林水産物の地産地消の推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、放課後児童クラブの整備促進についてです。 新型コロナの流行に伴う緊急事態宣言、突然の臨時休校により、放課後児童クラブの役割と職員の負担が激増したのは言うまでもありません。春休みを前倒しした格好となり、早朝から夜まで子供たちの面倒を見ました。関係者の対応に改めて敬意と感謝を表します。 県内における放課後児童クラブの登録児童数は年々増加し、2019年、令和元年5月現在、約2万2,000人の児童が登録しているとのことです。小学校児童約8万7,000人の25%、約4人に1人が放課後児童クラブを利用している状況にあります。 今後女性の就業率の上昇に伴い、放課後児童クラブのニーズはさらに高まることが予測され、遊びや生活の場として小学校の余裕教室や児童館等を活用した施設整備を支援し、子供たちを安全に見守ることが必要と考えます。 そこで、県は放課後児童クラブの整備促進にどのように取り組んでいくのか伺います。 次は、人口減少社会への対応についてです。 まず、県の総合戦略についてです。 2015年、平成27年に策定されたふくしま創生総合戦略では、国の動向を踏まえた人口の自然増の対策を進めるとともに社会増の対策に注力するとしていました。 その後、全国的な人口減少に歯止めがかかっておらず、同戦略の5年間の結果、県が昨年12月に更新した人口ビジョンでは「令和22年、福島県総人口150万人程度の維持を目指す」と人口目標を見直し、それに伴い、前提条件である合計特殊出生率の令和22年目標値を2.16から2.11に下方修正し、また、社会動態をプラス・マイナス・ゼロを実現する目標年度を令和2年から令和12年に変更しました。 出生率が伸び悩み、東京一極集中が続いている状況を考慮すれば、目標の変更は仕方ないことと思います。ただ、人口減少対策は最重要課題であり、人口ビジョンを踏まえて今年3月に策定した第2期ふくしま創生総合戦略を着実に推進していく必要があります。 そこで、県は第2期ふくしま創生総合戦略の下、人口減少対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、不妊治療の支援についてです。 バブル経済破綻後の就職氷河期に就職できた自分も同様に、就職してから給料は伸び悩み、適齢期の30歳前後でリーマン・ショックを経験し、団塊の世代ジュニアの未婚と晩婚化に拍車がかかりました。晩婚化の進展により、体外受精などによって生まれた子供は2017年度、平成29年度で年間5万6,000人を超え、出生児全体の約17人に1人が高度不妊治療により誕生している実態にあります。 自分も38歳のときに1年間不妊治療を経験したことがあります。実際に不妊で悩む夫婦は、不妊治療を始めるタイミングや治療終了時期、あるいは仕事との両立や周囲の理解不足など様々な悩みを抱えているのも事実です。不妊治療は、検査や投薬、頻繁な通院などによる身体的、精神的な負担に加え、高額な治療費のため経済的な負担も生じています。 特に妊娠には適齢期があり、そのことを知らないために不妊治療の開始時期が遅れてしまうこともあり、加齢により女性は妊娠しづらくなることなど、不妊治療の周知啓発も必要と思います。 そこで、県は不妊治療を望む夫婦への支援にどのように取り組んでいくのか伺います。 視点を変えて、次は県外から県内へ呼び込む移住促進についてです。 まずは、地域おこし協力隊についてです。 総務省によると、2009年、平成21年に始まったこの取組は10年間で60倍以上に増加しました。任期後の隊員の約6割が任期後も活動地域に定住、都市部から地方へ人の流れを生み出すことに一定程度成功していると思います。 一方、隊員のやりたいことと受入れ側が求めることの間でミスマッチが生じているケースも散見されるほか、任期後の仕事の確保も定着における課題となっております。任期後にそのまま住むことを希望する隊員の思いを酌み取り、地域への定着を促し、県の活力につなげていくことが重要です。 そこで、県は地域おこし協力隊の定着にどのように支援していくのかお尋ねします。 また、本県人口は減少傾向にある中、昨年度の本県の移住実績が前年度に比べて100世帯以上増加し、初めて500世帯を超えたと聞きました。新型コロナの影響も踏まえ、若者が地方への移住をさらに志向する傾向にあります。40代以下の若い世代の移住をさらに促進すべきで、やる気のある若者の移住は地域の活性化の観点でも重要です。 移住に当たってのポイントは仕事と住まいです。移住希望者それぞれ置かれている状況は様々であるため、きめ細かな対応が必要と思います。 そこで、若者の移住受入れに当たり、きめ細かな支援が必要と思いますが、県の考えをお尋ねします。 移住、定住を促進するため、テレワークの拠点整備について伺います。 コロナウイルス感染症の流行を機会に仕事の形態が変わり、テレワークが進みました。勤務先に行かなくても、ICT環境があれば仕事ができるようになりました。これは、企業が集中する首都圏の勤務先に行かなくても、例えば地方に住んでいても仕事ができることが証明されました。本県は、首都圏に近接している優位性をアピールし、この流れを地方への移住に結びつけていくべきです。 そこで、移住、定住を促進するため、テレワークの拠点整備を支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、帰還困難区域の復興再生についてです。 帰還困難区域は、震災から9年半が経過してもなお一部を除いて避難指示が続いております。特に特定復興再生拠点区域外については、いまだに避難指示解除の見込みさえも示されておらず、地域で生活を営んでいた住民は故郷への帰還を見通せないまま避難生活を続けております。私は、一刻も早く帰還困難区域の避難指示解除の見通しをつけることが重要だと考えます。 そこで、県は帰還困難区域の復興再生にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 また、自然災害により被災を受けた世帯に支給される被災者生活再建支援金については、制度上、家屋の全壊、大規模半壊、半壊解体の場合に支給されるもので、半壊のみの判定では支援金の対象にはなっていません。半壊の場合、倒壊による危険防止などの理由で解体することが支給の条件とのことでありますが、現在帰還困難区域の特定復興再生拠点区域外については家屋の解体が認められていないため、支援金を受け取ることができません。 そこで、被災者生活再建支援制度の弾力的な運用や拡充を国に求めるべきだと思いますが、県の考えをお尋ねします。 次に、福島イノベーション・コースト構想についてです。 本構想の実現に向け、昨年12月には復興庁、経済産業省と共に中長期的な産業発展のビジョンである福島イノベーション・コースト構想を基軸とした産業発展の青写真を策定しました。今年5月には、この青写真を踏まえて重点推進計画の変更を申請し、内閣総理大臣の認定を受けたところです。 また、今月12日には福島ロボットテストフィールドの開所式典も執り行われるなど、これまで整備してきた各拠点が完成し、本構想の取組を加速させる環境が整いつつあります。 さらには、国が国際教育研究拠点を整備することとしており、構想に対する地域の期待が高まっているところであります。拠点の選定に当たっては、選定の過程の透明性を確保しながら、公正で公平な視点で絞り込んでいただきたいところです。 一方で、地元からはいつになったら「構想」が外れて実行段階に移るのかと言われました。これは、実態は見えにくい面があるものの、期待の裏返しと自分は解釈しました。県民の人たちが実感できるよう、本構想を復興の原動力として、雇用創出、賃金アップなどにつなげていかなくてはいけないというふうに考えております。 そこで、福島イノベーション・コースト構想の実現に向け、どのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねします。 次は、医療関連産業の集積についてです。 本県は、医療用機械器具の部品等の生産金額が全国1位であり、オリンパスやジョンソン・エンド・ジョンソン等の大手医療機器メーカーの生産拠点が立地するなど、全国有数の医療機器生産県です。 震災後は、復興を進める重点産業の1つと位置づけられ、さらにはイノベーション・コースト構想において医療関連分野が重点分野に追加されるなど、関連産業の振興へのさらなる取組が求められています。 医療機器等は、人間にとって身近で必要不可欠な存在であり、メードイン福島の技術が使われていることは復興に取り組む本県の力強いメッセージとなり、また景気に左右されにくいとされる医療関連産業への参入は企業にとって経営の安定化にもつながると思われます。 ふくしま医療機器開発支援センターは、すばらしい設備や機能を有しており、センターを活用した県内企業への支援等により一層の医療関連産業の振興に取り組むことを願っております。 そこで、県は医療関連産業の振興にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、Jヴィレッジの利活用促進についてです。 Jヴィレッジは、原発事故の事故収束拠点として使用されてきましたが、昨年度全面再開を果たしたことは記憶に新しいところです。東京オリンピックの聖火リレーの出発地点に選ばれるなど、Jヴィレッジは双葉郡の復興を牽引する施設として期待を集めています。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により聖火リレーが延期され、施設利用者数も減少しているなど大きな影響を受けています。 双葉郡の復興のためには、復興のシンボルであるJヴィレッジについて、これまで以上に利活用に取り組んでいく必要があると考えます。例えば健康づくりをメニューに加えた企業研修など、コロナ禍でも取り組める、あるいはコロナ禍だからこそ取り組むべき利活用促進策を検討すべきです。 そこで、県は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、Jヴィレッジの利活用促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、浜通りにおける教育旅行の推進についてです。 今月20日に東日本大震災・原子力災害伝承館が開館し、当日行ってきました。思い出すことはつらかったですが、震災と原子力災害を忘れない、忘れさせない取組、教訓継承に向け、これからも展示物の不断の見直しを図りながら情報を発信していかなくてはならないと強く感じました。 震災、原発事故から10年が経過しようとする中、被災地の正確な姿を知ってもらうことは、風評払拭、風化を防ぐことにつながります。浜通りは、常磐線全線開通と東北中央自動車道の開通により交通網の整備が進んでいます。県内外からアクセスが飛躍的に向上したことに加え、震災を伝える施設や復興のいま、象徴となる施設が整備されつつあります。これは、本県に目を向けてもらう絶好の機会です。 さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、海外を予定していた教育旅行の行き先変更などが生じていると聞いています。 教育旅行は、次世代を担う子供たちに浜通りの今を知ってもらうのに効果的ですが、県は浜通りにおける教育旅行の推進にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、スマートコミュニティーについてです。 ドイツでは、シュタットベルケと呼ばれる事業体が主体となって、地域で生み出した再生可能エネルギーで発電された電気を地域で消費するなどの取組が行われています。エネルギー事業を主体とするシュタットベルケは約900存在するとされ、電気のほか、ガスなどに加えて、上下水道、公共交通、公共施設の維持管理など、市民生活に密着した幅広いサービスを提供しています。 こうした取組は、地域のエネルギー資源を活用した地域活性化等に資するものであることから、県内でも市町村におけるスマートコミュニティーの構築を進めることが重要と考えます。 そこで、県は市町村におけるスマートコミュニティーの構築に向けた取組をどのように支援しているのか伺います。 次に、農業の担い手確保についてです。 双葉郡の復興は、目に見えて進んでいます。これからの復興のキーワードの1つは農業であり、双葉郡はもとより、本県農業の再興には次代を担う若い就農者を増やすことが重要と考えます。しかし、若者は経験や資金が不足しており、参入のためには地元の受入れ側の支援が必要です。 そこで、就農希望者をどのように支援していくのか伺います。 次に、地域高規格道路、(仮称)あぶくま横断道路についてであります。 昨年双葉郡の8町村では、「ふたばの夢あるみらいづくりを目指そう」を基本理念として、双葉郡の将来像を描いたふたばグランドデザインが取りまとめられました。 ふたばグランドデザインでは、基本構想の1つに広域連携を支える地域交通システムを掲げており、交流拡大と他地域との連携を図る観点から高速交通体系の整備に取り組む必要があるため、双葉郡と中通りを結ぶ地域高規格道路として(仮称)あぶくま横断道路等を整備し、地域ポテンシャルを高めていくことを提案しております。 そこで、双葉郡と県中地域を地域高規格道路で結ぶべきと思いますが、県の考えを尋ねます。 最後に、教員採用試験についてです。 県教育委員会は、小学校の一般選考、特別選考I、・において、採用後に南会津西部と両沼西部を勤務地区とする奥会津採用枠と、相馬、双葉地方を勤務先とする相双採用枠の地域採用枠を新設しました。採用後は10年程度勤務することが条件と聞いています。 意欲ある志願者が多く受験し、高倍率の難関になったと聞いています。次代を担う子供たちには、郷土愛と熱意あふれる教職員が不可欠です。 そこで、県教育委員会は教員採用試験で新設した地域枠を人材の確保にどのように生かしていくのか伺います。 これで質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(長尾トモ子君) 執行部の答弁を求めます。   (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 橋本議員の御質問にお答えいたします。 福島イノベーション・コースト構想についてであります。 福島ロボットテストフィールドをはじめとする、これまで整備してきた拠点や本構想の司令塔となることが期待される国際教育研究拠点を含めて、各拠点や研究成果の有機的な連携により本構想の具体的な効果を発現させ、地域の企業の皆さんに実感してもらえるよう取り組んでいくことが重要であります。 このため、拠点を活用した実証事業の促進やビジネスマッチング、企業誘致に取り組むほか、新たな事業の立ち上げを目指す企業に対し、それぞれの段階に応じた助言、助成を行うなど、新産業の育成・集積に向けた取組を進めております。 あわせて、福島イノベ倶楽部において、会津や中通りの企業に浜通り地域等の企業や拠点を現地で見てもらいながら互いの交流を図ることにより、本構想に参画する企業の拡大や具体的なビジネスの創出を図るなど、様々な取組を展開しているところであります。 引き続き、国、市町村や福島イノベ推進機構、関係団体等と緊密に連携を図りながら、世界に誇れる福島の復興・創生に向けて取組を加速させてまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。   (企画調整部長橘 清司君登壇) ◎企画調整部長(橘清司君) お答えいたします。 人口減少対策につきましては、第2期ふくしま創生総合戦略に基づき、ひとづくりをはじめとする4つの基本目標の下、自然増対策と社会増対策を一体的に進めることとしたところであります。 一方、今般の新型コロナウイルス感染症は人々の日常生活や働き方などにおいて価値観や行動の変容をもたらしており、こうした社会変革も的確に捉えながら、結婚、出産、子育て支援の充実や、副業、テレワーク等による新たな人の流れづくり等、ウィズコロナの状況を踏まえた効果的な取組を進めてまいります。 次に、地域おこし協力隊の定着につきましては、任期中に地域との良好な関係の構築や任期後の起業等も視野に入れたスキルアップを図ること、不安を解消することなどが重要であると認識しております。 そのため、協力隊を募集する市町村への専門家派遣による受入れ態勢の整備や任期後の定着をテーマとする研修会の実施、交流会開催を通じた隊員同士やOB、OGとのネットワーク形成等に取り組んでいるところであり、今後とも隊員の地域への定着を積極的に支援してまいります。 次に、若者の移住受入れにつきましては、東京に移住及び就職の相談窓口を設置し、オンラインを含めた対応をしているほか、各地方振興局に配置した移住コーディネーターによる仕事や住まいに関する現地案内、移住後の定着に向けた支援など、移住希望者のニーズに合わせてきめ細かな対応を行っているところです。 引き続き、市町村や地域の移住受入れ団体とも緊密に連携しながら若者の移住支援にしっかりと取り組んでまいります。 次に、テレワークの拠点整備への支援につきましては、今の仕事を変えずに地方で働くという新たな移住スタイルを促進する上で効果的であると考えます。 このため、市町村等が行うテレワーク施設への改修支援に加えて、新たに県外企業がサテライトオフィスを開設する際の支援を始めたところであります。 今後とも、テレワーク環境の充実を図り、新たな人の流れを本県への移住に結びつけられるよう取り組んでまいります。 次に、Jヴィレッジにつきましては、新型コロナウイルス感染症による利用者の減少等を踏まえ、県民の健康づくりに資する支援事業にいち早く取り組むなど、新たな利活用を促進してまいりました。 今後とも、復興のシンボルとしての特徴を十分生かしながら、感染が拡大する地域等から訪問先を変更する学校の教育旅行の誘致や地元町村等との連携による地域利用の促進など、新型感染症の状況に応じた幅広い利活用促進に取り組んでまいります。 次に、スマートコミュニティーの構築につきましては、地域の活性化やエネルギーの有効活用の観点から重要であり、官民連携による取組が進んでおります。 今年度は、田村市、須賀川市、いわき市が実施する基礎調査への支援に加え、大熊町の特定復興再生拠点区域における導入可能性調査を実施しているところであり、引き続き市町村や事業者等と連携の上、積極的に取り組んでまいります。   (保健福祉部長戸田光昭君登壇) ◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。 生活困窮者への支援につきましては、県社会福祉協議会との連携の下、緊急小口資金等の特例貸付けや住居確保給付金の支給を行っております。 貸付けや給付の実績は依然として高水準が続いていることから、貸付けの受付期間を延長するとともに、給付金等の相談支援員を増員して対応し、引き続き制度の周知を図り、必要な方に必要な支援が迅速に届くよう取り組んでまいります。   (商工労働部長宮村安治君登壇)
    ◎商工労働部長(宮村安治君) お答えいたします。 医療関連産業の振興につきましては、ふくしま医療機器開発支援センターを活用した安全性評価や人材育成をはじめ機器開発支援や商談機会の創出等、総合的な取組を展開しております。 今年度は、浜通りの企業の製品開発と販路開拓への支援を開始するなど域外や異分野からの参入を図っており、福島イノベーション・コースト構想の重点分野である医療関連産業の振興に努めてまいります。   (農林水産部長松崎浩司君登壇) ◎農林水産部長(松崎浩司君) お答えいたします。 県産農林水産物の地産地消の推進につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が低迷している県産牛肉や地鶏、水産物の学校給食での活用を進めております。 また、県内の直売所や量販店におけるトップセールス、飲食店等と連携した消費拡大キャンペーンに加え、子供たちを対象とした農林漁業体験等を通じて県産農林水産物の魅力を県民に伝えるなど、地産地消の推進に取り組んでまいります。 次に、就農希望者の支援につきましては、意欲ある希望者が不安なく農業を開始できるよう、就農相談や農地、住宅等の情報提供を行う市町村やJAなどのサポート組織の活動を支援するとともに、青年農業者等育成センターや農林事務所において、就農計画の作成協力や農業法人等でのお試し就農への誘導、農業次世代人材投資事業による給付、無利子融資制度の紹介などサポート組織と連携しながら、就農の実現に向けきめ細かに支援してまいります。   (土木部長猪股慶藏君登壇) ◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 双葉郡と県中地域を結ぶ道路につきましては、現在避難解除区域等の復興を支えるふくしま復興再生道路として国道288号や県道小野富岡線の整備を進めているところであり、地域高規格道路については、生活圏相互の連携・交流機能の強化に向けた県全体での広域道路ネットワークを計画していく中で、福島イノベーション・コースト構想の進展など、浜通りの復興再生を見据えながら必要性を検討してまいります。   (避難地域復興局長安齋浩記君登壇) ◎避難地域復興局長(安齋浩記君) お答えいたします。 帰還困難区域の復興再生につきましては、特定復興再生拠点区域において除染や家屋解体、インフラ整備等を進めており、特定復興再生拠点区域外については、自治体の意見を尊重しながら丁寧に協議を重ね、具体的方針を早急に示し、帰還困難区域全ての避難指示解除について、国が責任を持って対応するよう求めているところであります。 引き続き、国や地元自治体等と連携しながら、帰還困難区域の復興再生に向け、しっかりと取り組んでまいります。 次に、被災者生活再建支援制度につきましては、住宅に被害を受けた世帯を支援する上で重要なものであると認識しており、これまで国への提案・要望活動をはじめ北海道東北地方知事会による提言などにおいて、半壊世帯への支給対象の拡大を求めているところであります。 今後とも、被災者の生活再建が十分に図られるよう国に求めてまいる考えであります。   (こども未来局長佐々木秀三君登壇) ◎こども未来局長(佐々木秀三君) お答えいたします。 放課後児童クラブの整備促進につきましては、新たに放課後児童クラブを開設するための施設整備費や小学校の余裕教室、児童館、民家等の既存施設を活用した場合の改修費等への補助を行っております。 さらに、既に開設しているクラブにおいても、児童数の増加等に伴い必要となる施設改修費等に補助しており、今後とも市町村が地域の実情に応じて進める放課後児童クラブの環境整備を支援してまいります。 次に、不妊治療を望む夫婦への支援につきましては、保健福祉事務所の保健師による悩み相談や県立医科大学に設置した生殖医療センターの体制強化による不妊治療の充実、経済的負担を軽減するための体外受精等への治療費助成を行っております。 また、適切な時期に治療に取り組めるよう、不妊に関する知識の普及啓発を図り、子供を持ちたいと願う夫婦の希望がかなうよう支援してまいります。   (観光交流局長國分 守君登壇) ◎観光交流局長(國分守君) お答えいたします。 浜通りにおける教育旅行につきましては、福島ならではの学びを体験できるホープツーリズムを中心に県内外から児童生徒を受け入れてまいりました。 東日本大震災・原子力災害伝承館の開館を契機に、未来を創造する子供たちに浜通りの過去と現在を伝え、福島の挑戦を感じ取ってもらえるよう、さらなる教育旅行の推進に取り組んでまいります。   (教育長鈴木淳一君登壇) ◎教育長(鈴木淳一君) お答えいたします。 教員採用試験の地域枠につきましては、地元出身者が少ない奥会津地域や相双地域での勤務を希望する者を優先的に採用し、教員として一定期間配置できるよう、小学校の採用において新設したところであり、若干名の募集に対し、合わせて73名の応募があったところであります。 今後とも、地域の信頼に応える教員を育成し、地域に根差した教育の充実を図るため、地域枠を有効に活用してまいります。 ◆11番(橋本徹君) 再質問をさせていただきたいと思います。 観光交流局長に再質問させていただきたいと思います。 浜通りの教育旅行の推進についてです。施設の名前にありますように、伝承館ということで、伝承という意味を今考えながら聞いていたのですが、受け継いで伝えていくことという意味なのかなと思いました。 それで、局長の御答弁で挑戦を感じ取れるというふうなことをおっしゃいましたけれども、私が20日に見た限りは、挑戦というよりは伝える施設の重きが多いかなというふうに感じました。その上で、福島に来て何を学んでいくかをきちんと整理していかなくてはいけないというふうに改めて感じている次第でございます。 教育旅行を推進する上で、しっかりとしたパッケージを県としてつくるべきだと思いますが、この点に関しまして、もう一度教育旅行に関して質問させていただきます。 ◎観光交流局長(國分守君) 橋本議員の再質問にお答えいたします。 教育旅行の推進につきましては、東日本大震災・原子力災害伝承館を中心に据えたプログラム、こちらをワークショップですとか、あるいは現地での研修、そういったものを取り込んだ形で、しっかりしたものを策定して教育旅行にしっかり取り組んでいきたいと考えております。 ○副議長(長尾トモ子君) これをもって、橋本徹君の質問を終わります。 通告により発言を許します。6番水野透君。(拍手)   (6番水野 透君登壇) ◆6番(水野透君) 自由民主党議員会、水野透です。通告により一般質問を行います。 大項目1番、自然災害から県民を守る対策について。 1、釈迦堂川の越水対策について。 過日、我が党会派、佐藤政隆議員の代表質問の災害対策の強化については、市町村への支援体制の充実及び民間活用による備蓄物資の効率的な運用などの取組を強化するとの答弁、そして県民連合会派の宗方保議員の代表質問の流域治水については、河川管理者としての治水対策と市町村の流出抑制対策を併せて、流域治水プロジェクトにより流域治水に取り組むとの答弁がありました。 私が質問する内容は、県が管理する河川の個別の具体的な内容になりますが、県内全ての河川において共通の課題でもありますので、質問させていただきます。 須賀川市内で阿武隈川と合流する釈迦堂川については、須賀川市の中心部を流れる主要河川であります。その釈迦堂川の下流は、阿武隈川本流の河床断面との兼ね合いで河道計画の断面が確保できておりません。本来川底がもっと掘り下げられるべき計画でありますが、施工できていない状態であります。 昨年の越水は、堤防があと50センチ高ければ、上流や下流の住宅地ではない場所での被害は発生したかもしれませんが、住宅地での浸水は回避できたかもしれません。現在の状況からもう一歩進んだ対策を講じるには、特殊堤の築堤が必要であります。 今年度は、雨期に間に合わせるために暫定的に大型土のう袋トンパックを設置していただきましたが、あくまでも災害が起きたときに避難する時間を稼ぐことができるにとどまり、住民の安全と安心を得られるまでの効果は期待できません。 令和元年東日本台風がもたらした豪雨により、国道4号上流右岸部より水があふれ、周辺の住宅地では多くの家屋が浸水し、お二人の方が亡くなるなど甚大な被害が発生しました。住民の安全と安心を確保するためには、釈迦堂川の整備を急ぐ必要があると考えます。 そこで、県は須賀川市館取町付近における釈迦堂川の越水対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 2、被災者生活再建支援法の対象拡大について。 水害被害では、同じ床上浸水でも浸水の深さにより被害認定が異なり、それによって受けられる支援も差が生まれています。水害の場合、一旦床上浸水になれば、家財は使えなくなり、壁や床の補修に加え、水回りなどの交換など多額の修理代がかかり、生活再建が困難になります。 そこで、被災者生活再建支援法の対象世帯をさらに拡大するよう国に求めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 3、河川の氾濫により浸水した住居の高台移転について。 近年の激甚化、頻発化する豪雨災害を踏まえ、住民の生命と財産を災害から守るため、居住に適当でないと認められる区域内にある住居については高台への移転を促進する必要があると認識しております。 高台へ移転するためには、市町村が地域の声を聞きながら計画的に事業を実施することが求められていますが、県として支援する必要があると考えております。 そこで、県は洪水により浸水した住居について、市町村が行う高台移転をどのように支援していくのかお尋ねいたします。 4、緊急防災・減災事業債の継続について。 近年、台風や豪雨などによる自然災害は大規模化、激甚化する傾向にあり、河川の決壊や氾濫、道路や橋梁の崩壊、土砂崩れなど、昨年本県を襲った令和元年東日本台風のような甚大かつ深刻な災害が毎年のように全国各地で発生しております。 市町村においては、消防車両の整備をはじめ指定避難所となる学校体育館へのエアコン設置や情報伝達のための防災無線屋外拡声子局の増設など、様々な防災・減災対策を実施しているところでありますが、厳しい財政状況の下、必要な財源をいかに確保するかという課題に直面しております。 このような中、緊急防災・減災事業債については、地方債の充当が100%、元利償還金に対する交付税措置率が70%であり、市町村にとって極めて重要な財源になっており、市町村においては積極的に活用されているところであります。 この緊急防災・減災事業債は、令和2年度をもって終了の予定であり、昨年からの台風災害への対応など、市町村においては防災・減災対策についてスピード感を持って進める上でも当該事業の継続は必要であると考えております。 そこで、市町村の防災・減災対策を推進するため、国に緊急防災・減災事業債の継続を求めていくべきと考えますが、県の考えをお尋ねいたします。 大項目2、ウィズコロナにおける福島ならではの取組について。 1、新型コロナウイルスと地方創生について。 新型コロナウイルス感染症が全国的に感染拡大している状況の中、本県においても新規感染者数が増加傾向にあり、今後も感染症対策は県民の命を守る重要な取組であると考えます。また、感染症により国内外との移動が制限されるなど、本県においても観光をはじめ経済活動に影響を及ぼすなど非常に深刻な状況にあります。 そのような中、私は今般の感染症は人と人との交流を前提とする地方創生の考え方を根幹から揺るがし、取組の成果が十分に得られないのではないかと危惧しております。 そこで、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、地方創生にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。 2、県立医大医学部卒業生の県内定着について。 新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大している中、本県でも200人を超える感染者が出るなど、地域医療提供体制への影響が懸念されております。本県の安全・安心の基盤となる地域医療提供体制を安定して維持していく上で、その前提となるのは医師等の医療人材であり、特に医師確保の重要性が改めて浮き彫りになりました。 厚生労働省が示す医師偏在指標では、本県は全国43位という厳しい状況に置かれております。本県が安定した医師確保を図っていくためには、まずは本県唯一の医学部を持つ大学である県立医科大学の卒業生にできるだけ多く県内に定着していただくことが必要であり、定着に向けた取組を行うことで、少しずつでも将来的に地域医療の現場で活躍する医師を増やしていくことにつながるものと考えます。 そこで、県は県立医科大学医学部卒業生の県内定着のためにどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 3、オンライン診療の取組について。 厚生労働省の医療施設従事医師数の推移の調査では、本県の医師数は様々な施策の効果があり、東日本大震災前の平成22年には3,705人で、震災後に大きく減少しましたが、平成30年度には3,819人に回復、増加しております。しかし、地域によって医師の偏在があるようです。 そして、新型コロナウイルス感染症の影響で医療機関への受診にも変化が生じております。平成21年度末には2,560か所あった医療機関が10年後の令和元年度末には2,407か所に減少し、社会状況の変化も散見されます。今、感染状況や社会状況の変化に対応した医療体制の構築が求められております。 そこで、県内におけるオンライン診療の取組状況についてお尋ねいたします。 4、感染症患者を受け入れている医療機関への支援について。 新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる県内の医療機関では、2月14日にダイヤモンドプリンセス号での感染患者を初めて受け入れて以来、半年以上にわたって陽性患者の受入れに備えたスタッフや病床の確保のため大変な苦労を続けております。 また、通常の入院機能の縮小などに伴う収入減少のため、経営的にも大変苦しいと聞いております。その中でも、感染症指定医療機関として感染拡大の初期から県内の中核になって対応を続けてきた公立、公的病院等につきましては、スタッフの疲労や経営へのダメージは計り知れないものであります。 こうした感染者を受け入れる中核的な病院を県は重点医療機関に指定していると聞いておりますが、引き続き感染症対策を進めていく上で、こうした医療機関には特に支援を行っていく必要があると考えます。 そこで、感染者などの受入れの中核となる重点医療機関の支援にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお伺いいたします。 大項目3、農業を支える政策について。 1、企業の農業参入支援について。 2015年農林業センサスによりますと、本県の耕作放棄地の面積については、5年前より2,832ヘクタール増加しております。私の地元である須賀川市でも、整備された圃場であっても、農業者の高齢化や後継者の他産業従事などにより、営農の継続が困難になっている事例が見られます。 県内には、機械やオペレーターを有する建設会社等が耕作放棄地を解消して野菜を作付するなど、異業種からの農業分野への参入が見られており、新たな担い手の確保や農地活用の観点から期待されているところです。 そこで、県は企業の農業参入をどのように支援していくのかお尋ねいたします。 2、令和元年東日本台風等で被災した農機具等の復旧支援について。 令和元年東日本台風で被災した農家の農業用機械、施設の復旧は、国の担い手づくり総合支援事業によりほぼ完了しておりますが、年に1度しか使わない農機具もあることから、被災直後には気づくことができなかった農機具の故障や不具合が判明するケースがあると聞きました。震災や台風など度重なる被災に果敢に立ち向かい、意欲を持って取り組もうとする農家への支援が必要であると考えます。 そこで、県は令和元年東日本台風等から長期間経過した後に被害が判明した農機具等の復旧についてどのように支援しているのかお尋ねいたします。 3、イノシシの埋却や焼却の支援について。 イノシシ被害の増大により、農業者の営農意欲に多大な影響を与えています。市町村では、捕獲体制を強化するなどの対策を取っておりますが、捕獲したイノシシの埋却場所の掘削作業や焼却処理時の解体作業などの労力に苦慮しております。 そこで、県はイノシシの埋却、焼却に係る労力の軽減をどのように支援していくかお尋ねいたします。 大項目4、県の行政事務について。 1、建設業法に係る建設業許可等の制度の適正運用について。 地域における建設業は、インフラの整備や維持管理を担い、災害時には最前線で安全・安心の確保を担うなど地域の守り手であり、非常に重要な産業であります。また、今般のコロナ禍においても公共工事は継続すべき事業とされ、建設業は社会において必要不可欠な仕事、エッセンシャルワーカーとして認識されたところであります。 このため、新たに建設業に参入しやすい環境の確保が必要と考えられますが、建設業者が県や市町村の発注する公共工事への参入を希望する場合、各発注機関の入札参加資格審査を受ける必要があります。 その前提として、建設業法に基づき建設業許可を得て、さらには経営事項審査を受けることになっておりますが、申請書類が多く、内容も複雑であり、また時々改正等も行われていることから、審査における円滑な事務、申請者への分かりやすく丁寧な周知が必要であると考えます。 そこで、県は建設業法に係る建設業許可等の制度の適正な運用にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 2、育児休業の取得促進について。 男性の育児参加についてであります。近年、少子高齢化と人口減少、これに伴う社会保障や地域社会の持続可能性の低下といった課題が叫ばれる中、日本社会全体として男女共同参画社会の実現がますます重要になっております。 そのような中、男性の育児参加を促進していくことは、自らの働き方が見直され、仕事と家庭の両立ができるようになるだけでなく、心身の健康の確保や労働時間の短縮などの効果も期待できます。また、女性の活躍促進や少子化対策という観点からも極めて重要であると考えております。 このため、男性が子育てに積極的に関わることができるよう、育児休業の取得促進に向けた環境整備を進めることが重要であり、まずは県職員の皆さんが率先して育児休業を取得し、これまで以上に真剣に子育てに取り組む姿勢を示すべきと考えます。 そこで、知事部局における男性職員の育児休業の取得状況についてお尋ねいたします。 また、県は、男性職員の育児休業取得を促進するためにどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 一方、県内事業所におきましても、男性が子育てに積極的に関わることができるよう、男性の育児休業の取得促進に向けた環境整備を推進していくことは重要なことであると考えます。 そこで、県内事業所における男性の育児休業の取得状況についてお尋ねいたします。 また、県は県内事業所における男性の育児休業の取得を促進するためにどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 3、県管理道路の街路樹等の管理について。 県管理道路に植えられたケヤキなどの街路樹は、成長とともに枝葉が生い茂り、バスやトラックなどの大型車両の通行に支障を来し、また通学路などの歩道では、根っこによる影響で舗装が凸凹となっております。枯れた街路樹については、倒木を避けるために伐採をしていただいておりますが、切り株が残る箇所では、草が伸び、暗くなると見えにくく、地域の方々からは危険を感じるとの声を聞いております。 そこで、県は県管理道路における安全な通行確保のため、街路樹等の管理にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 4、除去土壌等の仮置場の現状回復について。 既に帰還困難区域を除き面的除染が終了し、現在は除染により発生した除去土壌等を中間貯蔵施設に搬出する作業が進められております。県内各地に設置された仮置場や現場保管は着実に減少しており、現時点において市町村が設置する仮置場はピーク時と比べ約4割減少しているとのことです。市町村において、今後は役割を終えた仮置場を土地所有者に返還すべく、原状回復が進められていくものと考えます。 こうした中、土地所有者の中には、時間の経過や周辺環境の変化に伴い、跡地の利用について、以前と異なる利用方法を希望する方もいると聞いております。返還に当たっては、土地所有者の意向に十分配慮する必要があると思われます。 そこで、除去土壌等の仮置場の原状復旧についてどのように進めていくのか、県の考えをお尋ねいたします。 5、市街化調整区域の開発許可制度の運用について。 市街化調整区域においては、例えば既存建築物の売買に伴い用途を変更して使用する場合は都市計画法により許可が必要となるほか、変更できる用途も限られるなど制限がなされてきました。その結果、人口減少、高齢化社会の進行等により空き家が生じ、集落のコミュニティー維持が困難になるなど、地域活力の低下などの課題が生じております。 市街化調整区域は開発が規制されることは十分に理解しておりますが、これらの課題を解決していくためには、今後都市計画法による開発に関して地域の実情に応じた柔軟な対応が必要ではないかと考えております。 そこで、市街化調整区域における集落のコミュニティー維持のために開発許可制度の弾力的な運用が必要と思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 今回、台風被害からの再建、防災、コロナ禍の取組、農業政策、県行政の事務について質問させていただきました。改めてコロナウイルス感染症の拡大に対して最前線で働いている医療従事者の皆様に敬意と感謝を申し上げます。そして、コロナ対策と経済の両立に向けて官民一体となって取り組んでいかなければなりません。 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(長尾トモ子君) 執行部の答弁を求めます。   (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 水野議員の御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた地方創生についてであります。 今般の新型感染症は、県民生活や県内経済はもとより、地域コミュニティーの在り方から国内外との交流機会の減少に至るまで地方創生にも大きな影を落としております。 一方、暮らし方や働き方、地方移住に対する都市部からの関心の高まりなど、新型感染症がもたらした価値観の変化により、地方創生に新たな可能性が芽生えつつあります。 このため、国の臨時交付金などを活用し、感染拡大防止と社会経済活動の維持再開の両立に向けて、新しい生活様式の定着やイベント等への再開支援を行うなど、地方創生の下支えにつながる取組を進めながら、未来を開く新たな産業の育成・集積や交流から移住への段階的なつながり支援など、第2期ふくしま創生総合戦略に掲げた取組を進めているところであります。 引き続き、逆境を力に変える強い思いを持ち、1人1人が輝く社会づくり、魅力的で安定した仕事づくり、暮らしの豊かさを実感できる地域づくり、地域の魅力発信による新たな人の流れづくりなど、福島ならではの地方創生をさらに進めてまいる考えであります。 その他の御質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。   (総務部長佐藤宏隆君登壇) ◎総務部長(佐藤宏隆君) お答えいたします。 知事部局における男性職員の育児休業の取得状況につきましては、福島県職員男女共同参画推進行動計画における男性職員の育児休業取得率の目標値10.0%に対し、過去3年間の取得率が平成29年度は17.6%、平成30年度は21.6%、令和元年度は17.8%となっております。 次に、男性職員の育児休業の取得促進につきましては、知事のイクボス面談を継続することに加え、今月からは子供が生まれる予定の男性職員に育児休業の取得計画表の作成を促し、職場全体で休業中の事務を分担するなどにより仕事と子育ての両立を支援する取組を新たに開始したところです。 今後も男性職員が育児休業を取得しやすい職場環境づくりを進めてまいります。   (危機管理部長大島幸一君登壇) ◎危機管理部長(大島幸一君) お答えいたします。 被災者生活再建支援法につきましては、これまで全国知事会等を通して住宅の半壊世帯に支給対象を拡大するよう求めております。 近年多発する水害による被害を踏まえ、国において半壊世帯の一部にも支給対象を拡大することについて検討されているところであり、引き続き全国知事会等と連携し、制度の充実について要望してまいります。 次に、緊急防災・減災事業債につきましては、防災情報伝達手段の強化や避難所の耐震化など、市町村が防災力の向上を図る上で非常に重要であると認識しており、これまで全国知事会等を通して制度の恒久化など必要な財源の措置について国に求めているところであります。 引き続き、市町村が防災・減災対策を着実に実施できるよう、全国知事会等と連携し、国に要望してまいります。   (生活環境部長渡辺 仁君登壇) ◎生活環境部長(渡辺仁君) お答えいたします。 仮置場の原状回復につきましては、国のガイドラインにおいて、借地した時点の状態に実現可能で合理的な範囲、方法で復旧することを基本とし、跡地利用に支障を来さないよう機能回復を図ることとされています。 県といたしましては、原状回復に当たり、土地所有者の意向を丁寧に確認しながら、ガイドラインに基づき円滑に進められるよう助言するなど、市町村を支援してまいります。   (保健福祉部長戸田光昭君登壇) ◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。 県立医科大学医学部卒業生の県内定着につきましては、入学者の地域枠の設定や修学資金の貸与により一定期間の県内勤務を義務づけるほか、将来の定着につながる臨床研修を充実させるため、研修病院への設備整備支援等を行っているところであります。 今後は、本年3月に策定した地域枠医師等キャリア形成プログラムに基づくサポートなどの実施により一層の定着を図ってまいります。 次に、オンライン診療につきましては、これまで電話や通信機器を用いて再診の患者に対する診察や処方箋の交付等が行われてきましたが、感染症の拡大に際し、時限的、特例的な扱いとして初診からの取扱いも可能となり、県内でも導入する医療機関が増加したところであります。 県では、オンライン診療を実施している医療機関をホームページで案内するとともに、引き続き関係機関に制度を周知してまいります。 次に、重点医療機関への支援につきましては、感染者の診療や受入れに向けた設備整備への助成などに加え、入院病床確保に対して手厚く費用を補助するとともに、個人防護具を優先的に配布しております。 今後は、さらに透析患者や妊産婦など特別な配慮が必要な患者に対してより高度かつ適切な治療を行うための機器整備への助成を行うなど、引き続き感染者等の受入れに必要な支援をしっかりと行ってまいります。   (商工労働部長宮村安治君登壇) ◎商工労働部長(宮村安治君) お答えいたします。 県内事業所における男性の育児休業の取得状況につきましては、県の労働条件等実態調査において、過去3年間の取得率が平成29年は3.2%、平成30年は8.7%、令和元年は9.8%となっております。 次に、県内事業所における男性の育児休業の取得促進につきましては、セミナー開催による普及啓発や次世代育成支援企業の認証に加え、男性の育児休業取得に対する奨励金の交付上限を今年度から引き上げるなど充実を図ってきております。 引き続き、企業を個別に訪問し、次世代育成支援等の認証取得やイクボス宣言の実施を働きかけるなど、男性の育児休業取得促進に取り組む企業の増加を図ってまいります。   (農林水産部長松崎浩司君登壇) ◎農林水産部長(松崎浩司君) お答えいたします。 企業の農業参入につきましては、相談会やセミナー等を開催し、農地利用に関する制度や補助事業の紹介、栽培品目等の相談に対応するとともに、参入する企業が円滑に生産を開始できるよう、種苗代等の初期費用の一部を助成しております。 引き続き、市町村や農業委員会等と連携し、農地のマッチングや栽培技術支援等により、地域農業の持続的発展を支える担い手として企業の農業参入を支援してまいります。 次に、令和元年東日本台風等で被災した農機具等の復旧につきましては、国の補助事業に県が独自に上乗せし、修繕や再取得の支援を行っております。 被災直後に故障や不具合が判明しなかった農機具等については、市町村の被災証明による被災の事実や申請が遅れた理由等を確認した上で補助対象とし、農業者の営農再開を支援しております。 次に、イノシシの埋却や焼却に係る労力の軽減につきましては、埋却時の掘削や焼却時の解体が課題となっております。 このため、市町村等に対しましては、国の補助事業を活用して、解体せずに処分できるイノシシ専用の焼却炉や解体を容易にする冷凍施設の整備を支援するとともに、他県の優良事例を情報提供するなど、今後も労力の軽減を支援してまいります。   (土木部長猪股慶藏君登壇) ◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 須賀川市館取町付近における釈迦堂川の越水対策につきましては、応急対策として6月末までに約400メートル区間で堤防の上に大型土のうを設置したところであります。 今後は、下流の阿武隈川本川を含む国管理区間の改修計画と整合を図りながら、河道掘削や堤防のかさ上げなど必要な越水対策を検討してまいります。 次に、市町村が行う高台移転につきましては、地域コミュニティーを守りながら集団で移転が可能な防災集団移転促進事業の活用が有効であると考えております。 この事業は、地域の合意形成から始まり、条例により建築が制限される災害危険区域を指定した上で、移転する区域の設定や高台の造成工事を行うなど多くの段階を踏み、かつ規模の大きい事業となることから、国と連携し、財源の確保や技術的助言を通じ市町村を支援してまいります。 次に、建設業法に係る建設業許可等の制度につきましては、近年建設業界において働き方改革の推進等が課題となっている中で、建設業法の改正に伴う許可要件の一部改正など様々な見直しが行われていることから、許可等の事務を担う職員への研修を充実するとともに、申請者に対する説明会の開催を通して制度の理解を深めるなど、引き続き建設業許可等の制度が適正に運用できるよう取り組んでまいります。 次に、県管理道路における街路樹等の管理につきましては、通行に支障となっている枝葉の剪定や枯れ木等を伐採するとともに、根の成長により隆起した歩道について舗装の修繕などを行っており、今後とも安全で良好な道路環境を確保するため、道路パトロールにより危険箇所の把握に努めるとともに、利用者からの要望などを踏まえ、必要な対策を速やかに実施してまいります。 次に、市街化調整区域における開発許可制度につきましては、既存集落のコミュニティー維持のため、移住、定住の促進に向けて農家住宅から賃貸住宅への用途変更を可能にしたほか、激甚災害で被災した建築物を同じ集落内の他の安全な土地に移転できるよう審査基準の改正等を行っております。 今後も人口減少や空き家の増加など社会情勢の変化を踏まえながら、必要に応じ開発許可制度の弾力的な運用を図ってまいります。 ○副議長(長尾トモ子君) これをもって、水野透君の質問を終わります。 暫時休憩いたします。   午後2時56分休憩       午後3時16分開議 ○議長(太田光秋君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。 直ちに、質問を継続いたします。 通告により発言を許します。21番伊藤達也君。(拍手)   (21番伊藤達也君登壇) ◆21番(伊藤達也君) 公明党の伊藤達也です。通告に従い、質問させていただきます。 初めに、新たな総合計画についてであります。 現在の福島県総合計画、ふくしま新生プランは、平成25年度から令和2年度までの8年間の計画であり、現在今後10年間の県づくりの指針となる新たな総合計画の策定に向けた検討が進められていますが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、本年12月の策定時期は来年9月まで延長されました。 新型コロナが経済や社会活動に与える影響は非常に大きいため、私は新たな総合計画を実りあるものにするためには、新しい生活様式やウィズコロナを意識したビジネスモデル、医療や教育など様々な分野でのデジタル化等を生かしつつ、復興再生と地方創生を両輪でしっかりと進めていくべきと考えます。 そこで、新たな総合計画において、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、復興再生と地方創生にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねします。 次に、知的財産の活用についてであります。 本県の2017年の県内総生産は8兆637億円と、一定の回復は認められますが、除染などの復興需要が大きな要因だと考えられます。企業収益を見ても、復興関係の金融支援や補助金、賠償金は損益計算書でも営業外収益や特別利益に入っており、営業利益がどれぐらい回復しているのか確認が必要です。特に個人事業主では、営業外収益という概念は申告書になく、全て売上げに入っており、本業の売上げを分析する必要があります。 また、新型コロナで観光、飲食、輸送、娯楽などのローカル産業が大きな影響を受けましたが、今後は世界的需要減少による自動車、家電などの耐久消費財や国際航空会社などのグローバル産業への打撃、さらに長期化すれば金融危機が懸念されます。 さて、兵庫県では阪神大震災の10年後に検証委員会を立ち上げました。発災後3年間は、国の集中的な復興支援策で平均成長率は上がりましたが、それ以降は落ち込んで、企業倒産も増えました。福島県は、原発事故という特殊事情があり、現在も復興途上であるので、阪神大震災よりも長いスパンで経済の周期を見ていく必要があります。 ウィズコロナや復興需要後の福島経済を守るため、発災10年目の検証委員会を設置し、しっかりと分析を行い、次世代への教訓を残しながら、新たな福島県の経済成長のための産業政策を検討すべきと考えます。 その柱の1つとして、知的財産の活用によるイノベーションが考えられます。本県の優れた資源や技術を生かしながら、県、市町村、企業、団体、公的産業支援機関、大学等などが有する研究成果を積極的に活用し、新たな産業や新事業の創出、技術革新、独自性のある製品、サービスの開発、意匠登録、ブランド化等を推進していくことが重要です。 本県においては、平成17年2月にうつくしま、ふくしま知的財産戦略を策定し、目指すべき姿として知的財産を経営戦略の核とした企業の創出を掲げ、その実現に向けて、知的財産を尊重する風土づくり及びうつくしま発知的財産の創造と活用の促進を図ってきました。 同戦略策定から15年以上が経過し、その間東日本大震災と原発事故という未曽有の複合災害を経験し、福島イノベーション・コースト構想などの復興・創生の推進や、新型コロナウイルス感染症に対応した在宅勤務やオンライン会議、学習の普及など、本県を取り巻く環境は大きく変化しており、うつくしま、ふくしま知的財産戦略検討委員会を新たに設置し、必要な改定を行うべきと考えます。 その際、近年激動する世界の経済社会情勢の中で同戦略を実効性のあるものとするためには、同戦略に3か年ごとのタイムスケジュールを盛り込むことが不可欠だと考えます。 そこで、県は戦略的な知的財産の活用によるイノベーションの創出をどのように促進していくのかお尋ねします。 次に、行政のデジタル化についてであります。 地域経済の発展と生活の向上のためのキーワードの1つはデジタル化です。国内総生産の成長率や賃金が横ばいの近年、スマートフォンの登場が我々の生活を劇的に変え、生活満足度を上げています。 例えばLINEやツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどの無料のSNSが価格と支払い意思額の差である消費者余剰を発生させており、無料のSNSについて、「あなたは月幾らまでなら支払えるか」、あるいは「あなたに月幾ら払えば1か月間利用をやめられるか」の質問に対し、結果LINEであれば1,500円から2,000円が支払い意思額と見られており、LINEやツイッター、フェイスブック、インスタグラムの4つのSNSが国内年間20兆円の消費者余剰、いわゆる消費者が感じるお得感を生み出していると考えられます。 デジタル化、いわゆるインターネットの利用頻度やブロードバンドの普及率、自治体の手続のオンライン化の度合い、高度なITスキルを保有する人材がどれくらいいるかなどの水準の高い都道府県が生活満足度も高くなるという調査結果もあります。また、デジタル化の中でも、行政のデジタル化が進んでいるデンマークなどの北欧諸国は生活満足度も高いと言われています。 そこで、県は行政のデジタル化の推進に向け、情報化推進計画の改定にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、災害に備えた民間企業との連携強化についてであります。 福島県で地震や洪水、火山の噴火、感染症などが発生した場合、初動対応が非常に重要です。本県は、農林水産物や加工品、工業製品などの生産や、建設や建築、土木、解体、廃棄物処理、検査などの多様な企業が存在しており、必要な物資や役務を災害時に被災地域に届けるために事前に企業や団体との連携が必要です。 他県では、企業の倉庫にある食料品を災害時にそのまま非常食にするなどの協定を結んでいるところもあります。また、高知県では、知事の肝煎りで県内企業の防災製品を分野ごとにまとめたカタログを発行しています。 そこで、県は災害に備えた民間企業との連携強化にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、火山防災対策についてであります。 県内には、吾妻山、安達太良山、磐梯山の3つの火山と、福島県にも被害が及ぶ栃木県の那須岳への警戒が必要です。現に7月22日に吾妻山の大穴火口付近が明るく見える現象が確認され、仙台管区気象台は現地調査を行い、現象は火口内での硫黄の燃焼によるものだと発表しました。噴火警戒レベルは1を継続しますが、一方で硫黄の燃焼に伴い、大穴火口周辺で高濃度の火山ガスが発生しているおそれがあるため、注意するよう呼びかけています。入山規制がなくても、御嶽山の噴火被害に見るように、予測なしで突然噴火するケースもあり、平時の備えが必要です。特に本県は融雪と火山灰との火山泥流が深刻な被害をもたらすと言われています。 アルメロの悲劇という言葉があります。1985年、南米コロンビアでネバドデルルイス火山が噴火し、火山泥流が発生、麓にあるアルメロ市を襲いました。町の人口2万8,700人のうち4分の3に当たる2万1,000人が死亡しました。そのとき、13歳の少女、マイラ・オマイラさんが泥水に埋まり、顔と手だけを出して、懸命の救助の試みもむなしく、3日後に息を引き取り、水の中に沈んでいく映像が世界中に報道されました。なぜ住民が逃げ遅れたのか、その原因は、何度も噴火が起きるというデマが蔓延し、噴火への危機感が薄れていたのと、市長が避難による住民のパニックを恐れ、火山の噴火はないと住民へ放送したことだと言われています。 突然の噴火で、地域住民や火山周辺を訪れる登山者、観光客がパニックを起こさないためにも、事前にハザードマップの徹底や、避難所や避難方法の確認、災害弱者の避難支援、交通規制、自衛隊や警察、消防との連携など、きめ細かくシミュレーションしておく必要があります。特に車での避難が殺到し、一般車両の事故や立ち往生などで病院や高齢者、障がい者施設などの災害弱者の輸送車両が通行できなくなるおそれがあります。 また、病院も噴火による噴石や火山泥流による重傷者とともに、火山灰はケイ素でできており、いわゆるガラス片と一緒であり、目をこすることによる結膜炎や、喉や気管を痛めた患者が急増すると言われており、ふだんからゴーグルとマスクの備えを促すことが重要です。 そこで、県は火山防災対策の啓発にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、令和元年東日本台風等からの復旧についてであります。 世界的にベストセラーとなったスウェーデン医師、ハンス・ロスリング著の「ファクトフルネス」にある質問が出ています。それは、「世界で自然災害で毎年亡くなる人の数は過去100年でどう変化したでしょう」。答えは3択で、「A、2倍以上になった」、「B、あまり変わっていない」、「C、半分以下になった」。答えはCの自然災害の死亡者は「半分以下になった」が正解です。これは、科学技術が進み、インフラ整備、メンテナンス、強靱化がなされた結果であると思われます。 我が国においても、昭和の3大台風、いわゆる1934年の室戸台風では、死者、行方不明者は3,000人以上、1945年の枕崎台風では、死者、行方不明者は3,800人近く、1959年の伊勢湾台風では、死者、行方不明者は5,000人に達する大惨事となりました。 死者5,000人を超える台風は、近年では見られませんが、大型台風による洪水、大雨による土砂災害など、各地で水害が毎年発生し続けています。昨年10月に東日本を襲った令和元年東日本台風では、人的被害が本県は最も多く、38名の方が犠牲となりました。また、阿武隈川流域での多くの河川で決壊や氾濫が相次ぎ、多くの家屋が浸水し、各地で土砂崩れや道路の損壊など大きな爪痕を残しました。 海水温が平年より高く、エネルギー源となる水蒸気を多く取り込んだことが要因の1つだと考えられています。地球温暖化問題が叫ばれている中、海水温の上昇が今後も続くと思われ、このような超大型台風が今年も本県を通過するおそれがあり、阿武隈川緊急治水対策プロジェクトとして国は約1,840億円を計上し、対策を講じていますが、その他の県管理河川についても一刻も早い河川復旧が重要です。 特に福島県は、一級河川の長さは全国4位、二級河川は全国7位と河川県であり、上流で洪水を貯留するダムや遊水地の整備、下流から計画的に行う堤防整備、河道掘削等のハード対策と、電力事業者などの治水者と連携した既存ダムの有効活用や企業の御協力による貯留施設の整備等の関係機関との協力、ハザードマップの周知徹底やマイ・タイムラインの作成、新型コロナウイルス感染症対応時の避難の在り方などの体制づくり等、いわゆる河川管理者が主体となった従来の施設整備のみならず、避難体制の強化や迅速な復興などを加えた流域治水の概念を取り入れ、総合的対策を行わなければなりません。 また、最近では台風が来ると豪雨による河川の氾濫や土砂災害が起こるという、台風と氾濫、土砂災害がセットとなっており、河川の改修とともに、地盤の状況や変化など地質学も徹底して調査する必要があります。 県土の強靱化を図る上で私が考えている内容を述べさせていただきましたが、県民の安全・安心を確保するためには、まずは昨年の東日本台風等で被災した県管理河川の復旧と再度災害の防止が必要であると考えます。 そこで、県は令和元年東日本台風等により被災した県管理河川の復旧と再度の災害防止にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。 県内外の感染状況を見据えると、今後も長期的な対応が求められる状況にあります。特に学校の教育活動の実施に当たっては、家庭や地域とより一層連携し、感染拡大防止に取り組むとともに、学校の安全・安心の確保を徹底し、児童生徒の学びを保障することが重要であります。 そこで、県教育委員会は公立学校における感染症対策にどのように取り組んでいるのかお尋ねします。 次に、患者やその家族に対する差別や偏見、誹謗中傷が社会問題となっております。本県でも児童生徒や学校関係者の感染事例も見られ、感染や濃厚接触者として登校できない児童生徒に対して、差別や偏見によるいじめにつながることが懸念され、特に感染症の理解が難しい小中学生においては危惧されるところです。 そこで、県教育委員会は公立小中学校における感染症に関連したいじめの防止にどのように取り組んでいるのかお尋ねします。 次に、子供の犯罪被害防止についてであります。 県警察本部によると、県内の防犯ボランティアの数は10年前より大幅に減少しており、ボランティアに従事していただいている方々の平均年齢も高齢化の傾向があると聞いております。 地域住民の防犯力を向上させ、安全・安心の社会実現に取り組まなければなりません。NHKの健康寿命に関するアンケートでは、治安がよい地域に住むお年寄りは健康寿命も長いとの結果も出ており、お年寄りが外に出て目を光らせることで犯罪防止にもつながり、地域の治安が向上するものと思います。 高齢者の例はほんの一例であり、地域の方々が日常生活や仕事をしながら子供の安全を見守る、ながら見守りなどは、犯罪被害防止には大変効果的だと思っております。 犯罪を未然に防ぐためには、地域が一体となった地域力の向上が重要であり、自治体や警察、学校、地域防犯ボランティアなどが連携を図っていく必要があります。地域社会が協力し合いながら、それぞれできる範囲で子供の安全確保に取り組んでいける、そんな社会の実現を強く願うところであります。 そこで、登下校時における子供の犯罪被害防止について、県警察の取組をお尋ねします。 次に、ペットの飼い主への支援についてであります。 先日、三春町の福島県動物愛護センターを訪問しました。そこには念願の会議室が新たに整備されていました。郡山市にあった富岡町応急仮設住宅集会所を移築したすばらしい1戸建てで、構造もしっかりしており、今後長く犬猫の飼い方講習や譲渡前講習をはじめ各種研修や会議、視察受入れなどに利用されることとなります。 会議室整備に知恵を出し、尽力された関係者に心より敬意と感謝を申し上げます。動物愛護の拠点として、さらなる設備や機能を充実させながら、犬猫の殺処分削減に向けた取組を期待するものであります。 さて、8月3日、ペット保険会社アニコムホールディングスは新型コロナウイルスに感染した飼い主から預かった犬2匹がPCR検査の結果、陽性だったことを公表しました。同社は、新型コロナウイルスに感染した2世帯から7月下旬に1匹ずつ預かり、PCR検査を複数回行い、陽性となりました。ほかのペットや従業員は、いずれも陰性でした。 第一義は、飼い主が感染予防に努め、犬猫をほかの動物に接触させないようにすることが大切ですが、飼い主が感染した場合は、早急に感染者のペットの取扱いを考える必要があります。 このように、飼い主の予期せぬ病気や突然の災害発生により、ペットの飼養が一時的に困難になることが考えられ、ペット保険に加入していない飼い主も多いことから、それらに対する支援が必要です。 そこで、県は一時的にペットの飼養が困難になった飼い主をどのように支援していくのかお尋ねします。 最後に、モモせん孔細菌病対策についてであります。 今夏の県北地方の桃が昨年以上にモモせん孔細菌病に発病しました。風を伴う雨により雨滴に混じって分散し、感染が拡大すると言われており、特に繁殖しやすい15度から30度で、葉は最大風速10メートル以上で降水量5ミリ以上の日数、果実は最大風速5メートル以上、降水量20ミリ以上の日数で発病しやすくなります。まさに今年の長雨が続く気候が被害を大きくしました。 先日、献上桃で有名な桑折町と伊達市保原町の桃農家を視察しました。2年前は水不足、昨年からモモせん孔細菌病が発症と、3年連続不作が続いており、特に今年の発病は昨年以上であったとのこと。現にほとんどの桃が発病し、発病していない桃を探すほうが難しい状況で、このまま桃農家を続けられるのか、悲鳴に近い不安の声が聞かれました。 物理的防除として有効な防風ネットの設置について、多くの農家は高齢で後継者がおらず、あと何年続けられるか分からない状況での防風ネットの設置にまで踏み切れない現実があり、今回県の補正予算で産地における防風ネットの設置や改植に要する経費が計上されたことは大いに評価します。 また、殺菌剤として硫酸銅と生石灰の混合溶液であるボルドー液が使用されていますが、被害を防ぐことはできておりません。このため、桃生産者からは一刻も早く防除効果に優れた新農薬の誕生を求める声が上がっています。 農薬は、国や農薬メーカーが研究開発を行い、効果が確認された後に登録や適用拡大がなされますが、その登録等に当たっては都道府県の研究機関の試験結果が必要だと聞いております。 そこで、モモせん孔細菌病に効果のある農薬の登録等に向けた県の取組状況についてお尋ねします。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(太田光秋君) 執行部の答弁を求めます。   (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。 新たな総合計画についてであります。 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、県民生活や県内経済に深刻な影響をもたらし、現在も厳しい状況が続いております。 こうした中、本県の復興再生は新型コロナウイルス感染症の影響下においても切れ目なく進めていくことが必要不可欠であり、6月の復興庁設置法や福島特措法の改正に続き、7月には第2期復興・創生期間の事業規模と財源の決定など、今後の復興を支える仕組みとして重要な体制、制度、財源が確保されたところであります。 一方、地方創生については、新型感染症が生活や仕事に対する価値観の変化をもたらしつつあり、大都市部における人口集中の是正や地方への関心の高まりなど、新しい地方創生の在り方を生み出す大きな契機となります。私は、こうした変化は福島の新たな未来の創造につながる大切な機会であると考えております。 新たな総合計画におきましては、ウィズコロナの状況下における人々の価値観や行動の変容を復興再生と地方創生に向けた施策にしっかりと反映させ、県民1人1人が豊かさや幸せを実感できる県づくりに取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。   (危機管理部長大島幸一君登壇) ◎危機管理部長(大島幸一君) お答えいたします。 災害に備えた民間企業との連携強化につきましては、食料、物資の調達や医療・福祉の支援など286件の災害時応援協定を締結しております。 昨年の台風災害への対応では、協定に基づき、必要な物資の調達などを行ったところであり、引き続き協定団体との情報交換会の開催や新たな協定締結などに取り組み、民間企業との連携強化を図ってまいります。 次に、火山防災対策につきましては、吾妻山、安達太良山、磐梯山の火山活動が活発化した場合の避難計画において、避難対象地域や主な避難経路、立入規制等について定めるとともに、火山防災リーフレットを作成し、観光施設等で配布していただくことなどにより啓発に取り組んでおります。 引き続き、テレビ、ラジオ等の活用による広報や年次計画に基づく火山防災訓練の実施など、関係機関と連携して火山防災対策の啓発を進めてまいります。   (企画調整部長橘 清司君登壇) ◎企画調整部長(橘清司君) お答えいたします。 県の情報化推進計画の改定につきましては、新型コロナウイルス感染症による社会的変革や新内閣における国、地方を通じた行政のデジタル化の方向性を踏まえ、これまでの業務プロセスにデジタル技術を導入することでいかにして新たな価値を創出できるかの視点から見直しを行い、来年度策定する新たな総合計画との整合性も図りながらデジタル関連施策の方向性を示してまいりたいと考えます。   (保健福祉部長戸田光昭君登壇) ◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。 一時的にペットの飼養が困難になった飼い主への支援につきましては、動物愛護センター等で飼い主からの相談に対し個別事例に応じた助言指導を行っており、今後も丁寧な対応に努めてまいります。 また、ペットを守れるのは飼い主だけであり、万一の事態に備え、あらかじめ預かり先を確保しておくことが重要であることから、譲渡会や講習会などあらゆる機会を活用して、理解が深まるよう取り組んでまいります。   (商工労働部長宮村安治君登壇) ◎商工労働部長(宮村安治君) お答えいたします。 戦略的な知的財産の活用につきましては、専門家の派遣によるシーズ発掘や気づきの提供、技術や製品開発への支援、特許出願や商標登録経費の助成等、各段階における支援を総合的に展開しております。 今後は、さらに開放特許を活用した新製品開発やデザイン思考のものづくり支援など新たな取組を通して、県内企業の開発型企業への転換とイノベーションの創出を積極的に後押ししてまいります。   (農林水産部長松崎浩司君登壇) ◎農林水産部長(松崎浩司君) お答えいたします。 モモせん孔細菌病の農薬の登録等につきましては、安定した桃の生産のために重要であることから、本県では農薬メーカー等の農薬登録に向けた3つの農薬の試験に取り組んでおります。 その結果、1つは本年9月から使用可能となり、残りは登録等準備中となっております。 今後も国等と連携し、本病に効果の高い農薬の登録等の加速化に努めてまいります。   (土木部長猪股慶藏君登壇) ◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 令和元年東日本台風等により被災した県管理河川につきましては、令和3年度までの完了を目指し、復旧工事を進めるとともに、対策が必要な箇所において、河道掘削や樹木の伐採による流下能力の確保、護岸のかさ上げや堤防の上の舗装などの補強を行い、再度の災害防止にしっかりと取り組んでまいります。   (教育長鈴木淳一君登壇) ◎教育長(鈴木淳一君) お答えいたします。 公立学校における新型コロナウイルス感染症対策につきましては、本県独自の対応マニュアルを作成し、感染防止対策を徹底するとともに、感染リスクの高い活動や宿泊を伴う活動、寄宿舎や寮での生活について改めて注意喚起を行っているところであります。 今後も発達段階に応じた感染症教育を行い、新しい生活様式の定着を図りながら、教育活動が継続できるよう努めてまいります。 次に、感染症に関連したいじめの防止につきましては、特に小中学校における取組が重要であると考えております。 このため、今月改めて誹謗中傷や不安に対する相談窓口を周知するとともに、差別や偏見を防ぐ指導について通知いたしました。 また、県独自の道徳教材を基に差別や偏見について考える家庭向けリーフレットを配布したところであります。 今後も学校と家庭が一体となり、差別や偏見によるいじめの防止に努めてまいります。   (警察本部長和田 薫君登壇) ◎警察本部長(和田薫君) お答えいたします。 登下校時における子供の犯罪被害防止につきましては、地域における犯罪の発生状況等を踏まえ、警察官による警戒活動をはじめ防犯ボランティア等と連携したパトロールなどを実施しております。 また、地域の方々が日常生活や事業活動を行いながら防犯の視点を持って子供の見守り活動を行う、ながら見守りの普及促進に取り組んでおります。 引き続き、関係機関・団体等と連携し、子供の犯罪被害防止に努めてまいります。 ○議長(太田光秋君) これをもって、伊藤達也君の質問を終わります。 通告により発言を許します。5番江花圭司君。(拍手)   (5番江花圭司君登壇) ◆5番(江花圭司君) 5番、自由民主党議員会、江花圭司です。 自治体におけるデジタル化の推進についてお伺いします。 県のデジタルトランスフォーメーションについて。 自治体におけるデジタル変革をデジタルトランスフォーメーション、DXといい、都道府県単位でも進められております。かねてから使われているICT化とは、業務効率化や省力化、コスト削減を目的とした用語で、デジタル変革、DXは住民本位の行政、地域社会の実現を目的として、しっかりと区別されております。 多くの自治体がそうであるように、少子高齢化、地域経済の停滞など様々な課題を解決し、価値を創造し、新しい仕組みを構築するには、国からの人、物、金に大きく依存した地域経営では限界があると考えております。そこで、近年一般化しているデジタル技術を活用することで、住民本位の新しい自治体の経営モデルを実践していく必要があります。 国では、デジタル庁が設置され、7月17日に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針2020においても、第3章にデジタルトランスフォーメーションの推進が明記されました。既に東京都がスマート東京実施戦略、三重県はみえデジタル戦略推進計画を策定、また愛媛県では県内自治体を巻き込んだ愛媛県デジタル総合戦略の策定作業が進んでいます。 さらに、群馬県や神奈川県ではデジタルトランスフォーメーションを推進する司令塔として外部人材を採用しています。これらは、各自治体の現状に対する危機感と強い自治体の志を感じるところでございます。 総合計画とデジタル変革DXについて。 新たな総合計画にデジタル技術の活用による変革、いわゆるDXの視点を盛り込むべきと思いますが、知事の考えを伺います。 次に、県政においてデジタル変革、DXを進めるには、行政において業務の可視化、情報のデータ化、業務のICT化を推進する基盤が整っていなければなりません。現状、稟議、紙資料の膨大さ、その紙資料を作成する業務効率の改善など、様々な課題を洗い出さなければなりません。 そこで、県はDXにどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、市町村のデジタルトランスフォーメーションの支援についてでございます。 私の選挙区内にある磐梯町では、昨年11月に日本の自治体では初めてCDO、最高デジタル責任者を設置し、DXを推進しています。磐梯町では、総合計画に「誰もが自分らしく生きられる共生社会を実現するためにデジタルトランスフォーメーションを推進すること」を明記して、デジタル変革戦略室を設置し、磐梯町デジタル変革戦略を策定し、着実な取組を推進しています。既に幾つかの成果も出ており、デジタル変革戦略室はテレワークと業務効率改善のため、ペーパーレス化が標準化されております。 また、コロナ禍にあっても、オンラインで首都圏の企業やクリエーティブ人材が磐梯町の取組に関わり、ワーケーションでも町の課題解決にアイデアをいただいております。6月には、町議会が日本初でオンライン常任委員会を開催し、マスメディアに大きく取り上げられました。 これら磐梯町の取組を中心となって推進しているのが磐梯町CDO、最高デジタル責任者の菅原直敏氏であります。CDOによると、町や村では規模が小さいので、独自のCDOを設置してDXを推進するよりも、人材、組織、知見を広域で共有することで、より効率的な取組が推進できるとのことでした。私は、この町、村におけるデジタルトランスフォーメーションこそ県が支援する役割ではないかと考えております。 市町村のDXへの支援について。 県は市町村が行うDXの取組をどのように支援していくのか伺います。 次に、会津におけるデジタル変革について。 会津地方振興局管内13市町村の会津地域課題解決連携推進会議による首長オンライン研修が行われました。 そこで、会津地域課題解決連携推進会議におけるDXに関する市町村との取組状況をお伺いします。 次に、多様なニーズに対応した県有林の利活用についてでございます。 トレッキングはのんびり山を歩く、トレイルは林道。林道からつながる遊歩道は、昭和に整備されたものが大変多く、遊歩道を進めば展望台のビュースポットが数多くあります。 しかし、行政区における林道管理において、高齢化、人口流出、さらにコロナ禍で人足、道普請などができない状況もあり、年々倒木や草木が生え茂っているのが現状です。その反面、トレッキングやマウンテンバイク等のトレイルを活用したスポーツは増えています。 そのような中、森林においても、自転車とトレッキングを組み合わせた健康づくりや新たな観光資源としての活用が求められており、県内には猪苗代湖を一望できる天鏡閣周辺など風光明媚な地に豊かな県有林を有しております。 そこで、県は多様なニーズに対応した県有林の利活用についてどのように取り組んでいくのかお伺いします。 次に、広域的なサイクリングルートについて。 平成28年に自転車活用推進法が成立し、県においても今年の3月に福島県自転車活用推進計画を策定したところでございます。大川喜多方サイクリングロードの未整備区間6キロにおいては、現道を活用してブルーライン、矢羽根と言われる線で結び、土地カンがない人でもサイクリングロード出発点から終点まで行けるようになります。また、西会津町ではベルギーのサイクルプランナーを招聘して、サイクリングと地域資源を結ぶルートづくりの取組も始まりました。 また一方、東北の太平洋沿岸部では、青森県から福島県相馬市の松川浦まで4県28町村にまたがる全長1,025キロの国内最大級となるみちのく潮風トレイルが環境省により策定されるなど、近年各地でロングトレイルと呼ばれる広域的なトレイルの整備が進められているところです。私は、自転車の活用推進を図るには、複数市町村をまたいだ長距離コースの設定が必要だと考えます。 そこで、県は広域的なサイクリングルートの形成にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、有害鳥獣対策についてでございます。 国が実施する野生鳥獣による農作物被害状況調査によると、会津地方ではイノシシ被害が特に増加し、農作物被害額にニホンザルも加えると、被害額は全体の約7割を占めます。さらに、ニホンジカの生息数の増加及び生息域の拡大により、今後さらなる被害増加が危惧される状況です。 国立公園内の刈り払いについて。 地域住民や観光客の安全・安心を確保するため、磐梯朝日国立公園におけるツキノワグマ対策として、樹木の伐採、やぶの刈り払いなどの対応について県の考えを伺います。 次に、鳥獣被害対策の負担軽減についてでございます。 イノシシや鹿の農作物被害は、市町村や地域住民での取組だけでは限界に来ており、国や県の対策の充実が重要で、農作物の鳥獣被害対策における地域の負担軽減をどのように図っていくのか、県の考えを伺います。 次に、イノシシ対策についてでございます。 生息域が拡大し、保護や侵入防止柵整備では被害は減少しない現状で、県はイノシシによる農作物被害防止対策の効果を上げるため、どのように取り組んでいくのか伺います。 ニホンジカ対策について。 新年度に向け、尾瀬国立公園では希少な高山植物の食害対策が引き続き必要な状況で、県は尾瀬におけるニホンジカの被害防止対策にどのように取り組んでいくのかお伺いします。 次に、狩猟者の確保について。 免許保持者の高齢化で、野生鳥獣被害対策には新しい人材確保が必要です。 県は、狩猟者の確保にどのように取り組んでいくのか伺います。 また、緩衝帯の整備について。 中山間地域の集落においては、人間の生活圏と野生の動物の生息圏との境界となる緩衝帯を設けることが必要で、そのため除伐や刈り払い、森林整備の重要性が高まっております。 県は、有害鳥獣対策に有効な緩衝帯となる森林整備にどのように取り組んでいるのか伺います。 次に、鳥獣の解体処理の支援についてでございます。 国からの出荷制限指示及び摂取制限指示エリアの見直しについて、平成25年から当面の間は捕獲した対象鳥獣の食品としての利用は困難であるとの指示が出されています。現在まで基準値超えの検体は出ていないものの、制限解除への方針も示されておりません。 毎年捕獲数は増えており、自治体によっては、捕獲後、解体し、ごみ処理施設へ搬入しています。解体施設を整備した場合、その自治体だけではフル活用には至らないため、広域自治体でジビエカーという移動解体処理車を活用できれば、捕獲した場所の近くまで行き、解体し、処理施設へ搬入できます。このジビエカーについては、前提として食用にするもので、さらに食肉処理業や食肉販売業の営業許可が必要となり、かなりハードルが高いのが現実です。 福島県内は、放射能関係でイノシシ等については出荷制限指示及び摂取制限指示でジビエにはできず、埋設または焼却処分しなければなりません。また、過疎債を充当しようとしても、ジビエ利用がないと充当できない状況です。 有害捕獲した鳥獣を食肉として利用するための移動式解体処理車の購入を支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、野生キノコの出荷制限解除等についてでございます。 震災、原発事故から10年目となる今年、いまだに会津地方においては多くの種類が存在する野生キノコを一くくりにして出荷制限されており、秋の行楽シーズン、観光資源として生かすことができない状況です。 全国有数の出荷量を誇ったキノコ原木生産地、原木林の再生、事業承継の問題は、山林における数少ない産業の振興において大変重要な課題でございます。 野生キノコの出荷制限解除について。 現状1品でも基準値を超えた場合、全品目が出荷制限対象となっていますが、品目によっては放射性物質濃度が低いものもあります。 また、面積が広い自治体では、区域により汚染状況も異なることから、市町村単位での制限は地域の実情に即していない状況にもあるもので、野生キノコの出荷制限は品目ごとや区域を限定して行うべきと思いますが、考えを伺います。 次に、野生キノコ等の検査方法についてでございます。 野生キノコや山菜における出荷制限解除は、3年間定点観測を行った上、60検体の検査が必要とされているため、時間と労力を要しているにもかかわらず、出荷制限解除は進んでいないのが現状でございます。このため、出荷が制限されている品目でも非破壊検査機器を用いて安全性が確認された生産物は出荷できるようにすべきと考えます。 県は、野生キノコ等の出荷再開に向けた非破壊検査機器の導入にどのように取り組んでいるのか伺います。 次に、モニタリング検査の迅速化についてでございます。 旬のものである野性キノコや山菜は出荷時期が限られ、事前のモニタリング検査が必要となり、検査点数など野生キノコや山菜の実態に合わないと生産者から指摘されており、検査を生産者の負担が軽減される仕組みに改善していく必要があります。 県は、野生キノコ等のモニタリング検査の迅速化にどのように取り組んでいくのか伺います。 キノコ原木林の再生について。 キノコ原木として活用されてきたコナラ等の原木林の再生については、次世代への更新に必要な伐採や作業道の整備等を行うための広葉樹林再生事業を実施してきており、実施自治体においては大変よい制度として評価され、活用されてきましたが、この事業は本年度までとされています。この事業を令和3年度以降も継続していくことが重要と考えます。 また、本事業では皆伐後3年間、放射性セシウムの濃度調査を行っておりますが、原発事故から10年目を迎え、これまでの調査結果から分かってきたことなどを踏まえて、調査項目や調査点数を見直しながら本事業を進めていくことが必要です。 県は、キノコ原木林の再生にどのように取り組んでいくのかお伺いします。 最後に、農業振興についてでございます。 コロナ禍により、イベントや会合の自粛でまとまった量の地酒やそばが消費されなくなり、飲食店向けの出荷も減っています。また、生産者においては、7年連続金賞受賞数日本一の福島県がようやく酒造好適米を県産米で賄うことができるようになりました。 県内の原材料の取引業者は、令和元年度産を供給しなければ、これから収穫が始まる令和2年度産を入れる倉庫や保管場所を確保するための予算にも苦慮しております。 そこで、県内蔵元において落ち込んだ需要に応じた酒造り、原料米の貯蔵リスク低減のほか、需要回復期に備えて、従来の原料供給体制を維持できるかなど課題は山積しております。 酒米は、蔵元との契約栽培が多く、日本酒の需要減少により酒米の栽培面積も減少せざるを得ない面がありますが、私は蓄積された栽培技術が途絶えることを懸念しております。 そこで、県は酒米の生産振興にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、県の奨励品種であるそば「会津のかおり」について、現在喜多方市山都地区の玄そば保管場所である雪室には、約1,800袋のそばが行き場を失い、貯蔵されております。地域のブランドである熟成雪室そばとして低温貯蔵されていますが、これから令和2年度産のそばが収穫されれば他の貯蔵場所を確保しなければなりません。 県内でも、貯蔵期間の長期化は玄そばの品質低下も懸念されることから、令和元年度産の流通を一層促進していく必要性があります。 県は、そばの流通促進にどのように取り組んでいくのかお伺いします。 最後に、私は経済活動の一環で新しい生活様式を取り入れ、夜の経済活動、昼の経済活動をしております。しかし、私1人の100杯よりも100人の1杯が大切だと感じております。来て、呑んで、味わって、住んでいただきたい思いで最後の質問をいたしました。福島における発展的な答弁をどうぞよろしくお願いします。(拍手) ○議長(太田光秋君) 執行部の答弁を求めます。   (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 江花議員の御質問にお答えいたします。 デジタル技術の活用による変革、いわゆるDXについてであります。 これまで本県においては、震災からの復興や人口減少、少子高齢化など、本県が直面する様々な課題解決に向け、情報化推進計画に基づき、ICTとデータで真の豊かさを享受できる社会の実現を目指して取り組んでまいりました。 一方、DXの理念は既存の業務の進め方を単にデジタル技術に置き換えることではなく、ICTを活用し、より高い成果の達成に向けて取組手法や業務プロセスそのものを変革させるとともに、行政サービスのさらなる向上など、新たな価値を創出することであると認識をしております。 今般の新型コロナウイルス感染症は、新しい生活様式の実践など、これまでの常識や価値観を根底から揺るがし、社会を大きく変革させ続けております。 新たな総合計画におきましては、こうした社会的変革に対応するため、DXの理念を念頭に置き、県民お一人お一人がデジタル技術による恩恵を実感をしながら豊かに暮らすことができる社会の実現を目指し、県議会や審議会等で御審議をいただきながら、みんなでつくり上げる福島の将来の姿を描いてまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。   (総務部長佐藤宏隆君登壇) ◎総務部長(佐藤宏隆君) お答えいたします。 会津地域課題解決連携推進会議の取組につきましては、先月地方振興局独自の新たな支援策として、自治体におけるDXの必要性や磐梯町の実践内容を紹介する研修を行ったところであります。 参加市町村からは、広域連携による取組への期待やトップと職員の意識改革が必要などの前向きな意見が出されており、今後も会津地域での市町村の取組を支援してまいります。   (企画調整部長橘 清司君登壇) ◎企画調整部長(橘清司君) お答えいたします。 DXの取組につきましては、既存の業務プロセスにデジタル技術を活用するばかりでなく、新しい生活様式を踏まえた取組手法や業務プロセスそのものを変革させることが不可欠であります。 これらの取組を通じて、ウィズコロナ時代の社会的変革に対応した行政サービスのさらなる向上につながるDXの推進に全庁一丸となって取り組んでまいります。 次に、市町村のDXにつきましては、ウィズコロナによる社会変革の時代を迎え、デジタル技術を活用して既存の業務プロセスを見直すとともに、新しい価値を創出することは市町村にとっても重要な取組と考えています。 このため、市町村におけるDXが進むよう、ふくしまSociety5.0推進事業を検証しながら、課題解決策の提案や財政支援をはじめ行政手続のオンライン化など既存の事業も活用し、しっかりと支援をしてまいります。   (生活環境部長渡辺 仁君登壇) ◎生活環境部長(渡辺仁君) お答えいたします。 磐梯朝日国立公園における樹木の伐採ややぶの刈り払いにつきましては、特定の地域において自然公園法の許可が必要となります。 許可の申請に当たっては、県が窓口となり、地元自治体から実情を聞き取った上で、熊を誘引させないために必要な行為として許可を行う環境省に意見を申し述べるなど、地域住民や観光客の安全確保に向けた取組がなされるよう、しっかりと対応してまいります。 次に、尾瀬におけるニホンジカの被害防止対策につきましては、これまでも大江湿原への鹿の侵入防止柵設置や捕獲の強化などの対策を行ってまいりました。 今後は、これらの取組に加え、環境省や関係4県等で構成するニホンジカ対策広域協議会の下、関係機関が連携し、鹿の移動が集中する地域や尾瀬の周辺で捕獲をさらに強化するとともに、侵入防止柵の追加設置等に取り組み、尾瀬の自然環境を守ってまいります。 次に、狩猟者の確保につきましては、鳥獣被害対策を推進する上で重要であることから、これまで狩猟免許の取得に向けた研修会や試験の受験機会の拡大などを実施しており、新規の免許取得者数は年々増加しております。 また、狩猟者の技術向上を支援するため、わな免許取得者向けの講習会の充実のほか、市町村主催の研修会や銃猟初心者の射撃訓練の費用に対する助成などを行っており、引き続き狩猟者の確保に向け、関係機関と一体となって積極的に取り組んでまいります。   (農林水産部長松崎浩司君登壇) ◎農林水産部長(松崎浩司君) お答えいたします。 県有林の利活用につきましては、これまで森林環境教育等に取り組む公的機関によるキャンプ場や散策路等の設置を許可し、県民等の利用に供してまいりました。 近年、森林内のランニングや自転車走行など、スポーツを含めた多様な利活用へのニーズが生まれてきていることから、他県の状況を踏まえながら県有林の使用許可の在り方などについて研究してまいります。 次に、鳥獣被害対策における地域の負担軽減につきましては、有害鳥獣の捕獲から処分までを警備会社等に委託することが可能となっているほか、今年7月、国がICTの活用や地域外からの狩猟免許所持者の参画等により地域の負担軽減を図る取組を支援することとしたところであります。 このため、今後市町村と連携して、これら支援策の活用を図りながら地域の負担軽減に取り組んでまいります。 次に、イノシシによる農作物被害防止対策につきましては、総合的な対策に取り組む鳥獣被害対策モデル集落等において、野生鳥獣の管理に関する知識や技能を有した専門職員がその地域特性に合った指導を行うことにより被害が大きく軽減された結果が確認できていることから、引き続きモデル集落等の実証の成果を広く波及させるとともに、市町村への専門職員配置を支援してまいります。 次に、有害鳥獣対策に有効な緩衝帯となる森林整備につきましては、農地に隣接した里山の見通しをよくして、有害鳥獣が人の生活圏に出没しにくい環境を整備することが効果的であるため、引き続き市町村等と連携し、森林環境基金を活用しながら、里山林の除伐や下草の刈り払いなど、地域住民等が主体的に取り組む森林整備を支援してまいります。 次に、移動式解体処理車につきましては、本県においては、放射性物質の影響により、鳥獣の食肉としての利用が困難であることから、国の補助事業の対象外となっております。 このため、市町村等に対しては、捕獲した鳥獣の解体に関して、より効果的かつ効率的な解体処理施設や冷凍保存施設の設置を促してまいります。 次に、野生キノコの出荷制限につきましては、国のガイドラインにおいて制限区域は市町村単位と規定されており、品目についても、種類が多い野生キノコを正確に判別することが難しいことから、全品目を一括して制限するとされております。 今後、区域設定についての市町村の意向や現在国が進める放射性物質の吸収特性により野生キノコを分類する研究の成果を踏まえ、出荷制限の在り方について国と調整を図ってまいる考えであります。 次に、非破壊検査機器の導入につきましては、キノコ等の形状などが均一でないことを踏まえ、昨年度から厚生労働省において検査精度が確保できる測定方法の検証を県の研究機関や検査機器メーカーと連携して進めているところであります。 引き続き、国や関係機関と協力しながら非破壊検査機器の実用化を目指すとともに、検査で個別に安全が確認された野生キノコ等の出荷を可能とする制度への見直しを国に要望してまいります。 次に、モニタリング検査の迅速化につきましては、これまで地域の要望を踏まえ、市町村ごとの検査点数を3点から原則1点に見直すほか、山菜の検査対象品目を減らすなど、生産者の負担軽減に取り組んでまいりました。 今後も野生キノコ等の収穫期において臨時の検査日を設け、出荷の円滑化を図るとともに、国のガイドラインの改正に合わせて検査対象品目を見直すなど、検査方法の改善に努めてまいります。 次に、キノコ原木林の再生につきましては、広葉樹林の更新を促す伐採と放射性物質の調査に取り組んできたところであり、令和3年度以降についても原木林等の産地再生に向けた取組を進めることが復興の基本方針に明記されております。 今後は、これまでの調査結果を踏まえ、調査項目などを絞り込むとともに、放射線量が低減されてきた地域において事業の実施区域を拡大し、原木林の再生を着実に進めてまいります。 次に、酒米の生産振興につきましては、県内蔵元が原料とする酒米の一部が他県産となっていることや吟醸酒などの高級酒の消費が堅調であることから、本県産酒米である「福乃香」等の利用拡大を見込むことができるため、産地交付金を活用した作付拡大や蔵元が本県産酒米の利用量を増やす場合の助成など、生産と利用の両面から酒米の生産振興に取り組んでまいります。 次に、そばの流通促進につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、県内の主要なそば産地への観光客等が減少し、外食の需要が落ち込んでいることから、販路開拓に取り組んでいく必要があります。 このため、そば振興団体が行うアンテナショップでのPR等を支援するとともに、感染拡大後においても着実に売上げを伸ばしているオンラインストアへの新規出店料を助成するなど、そばの流通促進を図ってまいります。   (土木部長猪股慶藏君登壇) ◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 広域的なサイクリングルートにつきましては、今年3月に策定した福島県自転車活用推進計画の中に桧原湖周遊ルートや東白川郡の奥久慈街道などをモデルルートに位置づけ、重点的に利用環境を整備することとしております。 今後も市町村や関係機関、民間事業者等と連携し、本県の優れた自然や景観、史跡などを広域的に巡る新たなモデルルートを選定するなど、魅力的なサイクリングルートづくりに取り組んでまいります。 ○議長(太田光秋君) これをもって、江花圭司君の質問を終わります。 以上をもって、日程第1及び日程第2の質問、質疑を終結いたします。 暫時休憩いたします。   午後4時26分休憩       午後4時41分開議 ○議長(太田光秋君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。 △知事提出議案第1号から第30号まで及び第36号各常任委員会付託 ○議長(太田光秋君) この際、知事提出議案第1号から第30号まで及び第36号、以上の各案は、別紙付託表記載のとおり、各常任委員会の審査に付することにいたします。    (付託表別冊参照) △知事提出議案第31号から第35号まで(決算審査特別委員会設置、同委員、委員長及び副委員長の選任、議案付託) ○議長(太田光秋君) お諮りいたします。知事提出議案第31号から第35号まで、以上の各案を審査するため、委員の定数を21人とする決算審査特別委員会を設置することに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(太田光秋君) 御異議ないと認め、本特別委員会を設置することに決しました。 次に、本特別委員会の委員、委員長及び副委員長の選任を行います。 本件は、お手元に配付いたしました選任書により行います。                  (参  照) ○議長(太田光秋君) お諮りいたします。決算審査特別委員、委員長及び副委員長は、お手元に配付の選任書記載のとおり、一括選任することに御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(太田光秋君) 御異議ないと認めます。よって、本件はお手元に配付の選任書記載のとおり、一括選任されました。  次に、お諮りいたします。知事提出議案第31号外4件は、ただいま設置いたしました特別委員会の審査に付することに御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(太田光秋君) 御異議ないと認めます。よって、知事提出議案第31号外4件は、本特別委員会の審査に付することにいたします。 △議員提出議案第58号から第64号まで各常任委員会付託 ○議長(太田光秋君) 次に、議員提出議案7件、別紙配付のとおり提出になっておりますから、御報告いたします。                  (参  照) ○議長(太田光秋君) お諮りいたします。ただいま御報告いたしました議員提出議案第58号「ALPS処理水の取扱いについて慎重な判断を求める意見書」外6件を本日の日程に追加し、一括議題とすることに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(太田光秋君) 御異議ないと認めます。よって、議員提出議案第58号外6件は、日程に追加し、一括議題とすることに決しました。 直ちに各案を一括議題といたします。 お諮りいたします。各案は、説明を省略することに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(太田光秋君) 御異議ないと認めます。よって、各案は説明を省略することに決しました。 これより議員提出議案第58号から第64号までに対する質疑に入ります。御質疑はありませんか。   (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(太田光秋君) 御質疑ないと認め、質疑を終結いたします。 この際、議員提出議案第58号外6件は、別紙付託表記載のとおり各常任委員会の審査に付することにいたします。                  (参  照) △請願撤回の件 ○議長(太田光秋君) 次に、商労文教委員会において継続審査中の請願2件、別紙配付のとおり、紹介議員を経て撤回の申出がありますから、御報告いたします。                  (参  照) ○議長(太田光秋君) 日程第3、請願撤回の件を議題といたします。 お諮りいたします。ただいま御報告いたしました請願撤回の申出は、これを承認することに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(太田光秋君) 御異議ないと認めます。よって、本件は承認することに決しました。 △議長提出報告第9号 ○議長(太田光秋君) 次に、議長より報告第9号を提出いたします。 なお、報告第9号請願文書表は「国に対し消費税率5%以下への引き下げを求める意見書の提出について」外6件の請願であります。 この際、報告第9号の各請願は、それぞれ文書表記載の各常任委員会の審査に付することにいたします。                  (参  照) ○議長(太田光秋君) 本日は、以上をもって議事を終わります。 明10月1日及び2日は各常任委員会、3日及び4日は県の休日のため休会、5日は各調査特別委員会、6日は総括審査会及び各常任委員会、7日は定刻より会議を開きます。 議事日程は、知事提出議案第1号から第36号まで並びに議員提出議案第58号から第64号まで及び前回より継続審査中の議員提出議案並びに議長提出報告第9号及び前回より継続審査中の各請願に対する審議並びに「避難地域復興・創生等対策について」、「災害に強い県づくりについて」及び「少子高齢化・人口減少対策について」であります。 これをもって、散会いたします。   午後4時46分散会...