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03月03日-一般質問及び質疑(一般)-07号

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  1. 福島県議会 2020-03-03
    03月03日-一般質問及び質疑(一般)-07号


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    最終取得日: 2023-06-08
    令和 2年  2月 定例会令和2年3月3日(火曜日) 午後1時1分開議 午後4時27分散会議 事 日 程   午後1時開議 1、日程第1 県の一般事務に関する質問 2、日程第2 知事提出議案第1号から第91号まで        付議議案に対する質疑本日の会議に付した事件 1、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第91号  までに対する質疑出 席 議 員      1番 渡 辺 康 平 君   2番 鈴 木 優 樹 君      3番 渡 邊 哲 也 君   4番 太 田 光 秋 君      5番 江 花 圭 司 君   6番 水 野   透 君      7番 山 口 信 雄 君   8番 真 山 祐 一 君      9番 三 村 博 隆 君  10番 荒   秀 一 君     11番 橋 本   徹 君  12番 大 場 秀 樹 君     13番 大 橋 沙 織 君  14番 佐 藤 郁 雄 君     15番 佐々木   彰 君  16番 坂 本 竜太郎 君     17番 佐 藤 義 憲 君  18番 高 宮 光 敏 君     19番 宮 川 政 夫 君  20番 先 﨑 温 容 君     21番 伊 藤 達 也 君  22番 渡 部 優 生 君     23番 三 瓶 正 栄 君  24番 椎 根 健 雄 君     25番 佐久間 俊 男 君  26番 吉 田 英 策 君     27番 鈴 木   智 君  28番 佐 藤 雅 裕 君     29番 遊 佐 久 男 君  30番 星   公 正 君     31番 山 田 平四郎 君  33番 小 林 昭 一 君     34番 安 部 泰 男 君  35番 紺 野 長 人 君     36番 円 谷 健 市 君  37番 髙 野 光 二 君     38番 宮 本 しづえ 君  39番 宮 川 えみ子 君     40番 佐 藤 政 隆 君  41番 勅使河原 正之 君     42番 長 尾 トモ子 君  43番 西 山 尚 利 君     44番 渡 辺 義 信 君  45番 今 井 久 敏 君     46番 古 市 三 久 君  47番 高 橋 秀 樹 君     48番 宮 下 雅 志 君  49番 神 山 悦 子 君     50番 吉 田 栄 光 君  51番 杉 山 純 一 君     52番 満 山 喜 一 君  53番 佐 藤 憲 保 君     54番 青 木   稔 君  55番 亀 岡 義 尚 君     56番 宗 方   保 君  57番 西 丸 武 進 君     58番 瓜 生 信一郎 君欠 席 議 員     32番 矢 吹 貢 一 君説明のため出席した者 県       知     事  内 堀 雅 雄  君       副  知  事  鈴 木 正 晃  君       副  知  事  井 出 孝 利  君       総 務 部 長  佐 藤 宏 隆  君       危 機 管理部長  成 田 良 洋  君       企 画 調整部長  佐 竹   浩  君       生 活 環境部長  大 島 幸 一  君       保 健 福祉部長  戸 田 光 昭  君       商 工 労働部長  金 成 孝 典  君       農 林 水産部長  松 崎 浩 司  君       土 木 部 長  猪 股 慶 藏  君       会 計 管 理 者  阿 部 雅 人  君       出納局長(兼)  阿 部 雅 人  君       原子力損害対策  五十嵐 俊 夫  君       担 当 理 事       企 画 調 整 部  安 齋 浩 記  君       避 難 地 域       復 興 局 長       企 画 調 整 部  野 地   誠  君       文 化 スポーツ       局     長       保 健 福 祉 部  佐々木 秀 三  君       こども未来局長       商 工 労 働 部  宮 村 安 治  君       観 光 交流局長       総 務 部政策監  國 分   守  君       風 評 ・ 風 化  鈴 木 竜 次  君       対  策  監       知事公室長(兼) 鈴 木 竜 次  君 総  務  部       秘 書 課 長  本 田 伸 雄  君       総 務 課 長  清 野 宏 明  君       総 務 部 主 幹  玉 川   啓  君 企  業  局       企 業 局 長  吉 田   孝  君 病  院  局       病院事業管理者  阿 部 正 文  君       病 院 局 長  河原田 浩 喜  君 教 育 委 員 会       教  育  長  鈴 木 淳 一  君 選挙管理委員会       委     員  岩 渕   敬  君       事 務 局 長  金 子 市 夫  君 人 事 委 員 会       委     員  大   峰 仁  君       事 務 局 長  杉   昭 彦  君 公 安 委 員 会       委     員  佐々木 貢 一  君       警 察 本 部 長  林     学  君 労 働 委 員 会       事 務 局 長  高 荒 由 幾  君 監 査 委 員       監 査 委 員  美 馬 武千代  君       事 務 局 長  林   千鶴雄  君 議会事務局職員       事 務 局 長  佐久間 弘 元  君       事 務 局 次 長  増 田   聡  君       総 務 課 長  鈴 木 陽 一  君       議 事 課 長  新 妻 政 弘  君       政 務 調査課長  橋 本 雅 之  君       議 事 課主幹兼  坂 上 宏 満  君       課 長 補 佐       議事課主任主査  富 塚   誠  君       議事課主任主査  三 瓶 和 子  君       兼 委 員会係長   午後1時1分開議 ○議長(太田光秋君) ただいま出席議員が定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。 △県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第91号までに対する質疑 ○議長(太田光秋君) 直ちに日程に入ります。 日程第1及び日程第2を一括し、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第91号まで、以上の各案に対する質疑を併せて行います。 通告により発言を許します。2番鈴木優樹君。(拍手)   (2番鈴木優樹君登壇) ◆2番(鈴木優樹君) 自由民主党議員会鈴木優樹であります。初めての県議会一般質問に臨むに当たり、一言御挨拶をさせていただきます。 私はこれまで13年間、国会議員の秘書として活動してまいりました。その間、がむしゃらに働き、様々な経験をし、多くのことを学ばせていただきましたが、まだまだ35年の人生経験しかなく、未熟者であります。しかし、私はこの若さこそが、がむしゃらさこそが今の自分にとって最大の力であり、歴史と伝統を誇るこの福島県議会の中にも新風を巻き起こし、新しい福島、情熱あふれる福島をつくっていけるものと強く思っております。 人を動かすのは人と人のつながりであり、心を動かすのは心と心のつながりであります。私は、持ち前の行動力と若さを生かし、これからも県民の皆様の中にどんどん飛び込み、つながりを育んでいきたいと考えております。そうして県民1人1人の心を奮い立たせ、「よし、それなら一緒にやろうぜ」と言っていただけるような政策をどんどん提案してまいりたいと思います。 私には、ここにいらっしゃる全ての皆様とともに何としても成し遂げたい2つの大きなテーマがあります。 1つ目は、子育て、教育環境の充実であります。 私と同じ世代には、子育て真っ最中という方がたくさんいらっしゃいます。しかし、話を聞いてみると「夫婦で共働きをしたいけれども、希望するような保育園、幼稚園に子供を入れることができない」、「安心して子育てをしていける環境をつくってほしい」、「子供たちが夢を持てる社会にしてほしい」などの意見が多く聞かれます。 子育てや教育の問題については、各市町村、県において全力で対応していただいておりますが、今以上の対応を求められているのであります。私は、何が何でも子育て、教育は福島県が日本一だと県民が思えるようにしていくために、この分野をライフワークとして全ての力を注いでまいります。 もう1つが災害対策であります。 災害対策につきましては、既に県議会でも様々な討議がなされてきたことと承知しております。効果的な対策をスピード感を持って進め、県民の皆様が安心して暮らしていけるように、常に前例にとらわれず、よりよいアイデアがあれば積極的に取り入れ、より強靱な県土づくりに私も全身全霊で取り組んでまいります。 もちろんこのほかにも、経済の活性化、全ての県民の安心と安全の確保、強い福島県の農業の創造など重要な課題が山積しております。今目の前にある課題解決のために全力で立ち向かうのは当然のことであります。 しかし、私はこれからの福島を背負っていく若い世代の1人として、若い世代の希望を託された者の1人として、目先のことだけにとらわれるのではなく、より長期的なビジョンを持って、日本一の福島をつくるために県議会の場で勇気を持って果敢に取り組んでまいりたいと決意しております。 それでは、通告に従い質問をさせていただきます。 まず初めに、台風第19号等についてであります。 昨年10月に発生した台風第19号等により、県内の広い地域で河川の堤防の決壊、越水などによる浸水、土砂崩れなどの甚大な被害がもたらされました。 私の地元、郡山でも一級河川阿武隈川の溢水、県管理河川の堤防決壊、越水により住宅、事業所、学校等が浸水し、甚大な被害を受けました。被害を受けた方々は、4か月が過ぎた現在も生活の再建、事業の再開に向け必死に努力し、今もなお懸命に復旧・復興に取り組んでおられます。 しかしながら、世界的な気候変動により今回のような規模の水害が再び起きるのではないかとの不安を全ての方が抱えており、住宅の再建、事業の再開をためらう企業も多くあると聞いております。県民の生命と財産を守り、安心と安全を提供するためには、一刻も早い治水対策が必要であります。 そこで、県は台風第19号等による被害を踏まえ、郡山市内を流れる県管理河川の整備にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 また、これほどまでに激甚化する台風や降雨等から県民の生命を守るためには、施設整備等治水対策だけでは限界があり、行政、住民、企業等はハード対策では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するものだと意識を変革し、まずは避難をするなど命を守る行動を1人1人が取らなければならないと考えることが必要であります。 1人1人に貴い命を守る行動を取ってもらうために、行政としてはハード対策のみならず、台風等の災害時には適切なタイミングでの的確な情報発信をすることが必要であります。 そこで、県は住民の避難に必要な河川情報の提供についてどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、子育て、教育、福祉についてであります。 妊娠22週から生後満7日未満の期間、いわゆる周産期は、母体や胎児、新生児の生命に関わる様々なトラブルの可能性が考えられるため、産科、小児科の協力による総合的な医療体制が必要であります。 しかし、近年の医師不足、とりわけ産科医、小児科医不足は特に危惧すべき問題であります。県内でも地元でお産がしたいが、できずに離れた市町村の分娩取扱施設に行かなければならないといった問題を抱える地域も多くあります。 また、今は分娩取扱施設を営んでいるが、後継者がおらず、近い将来廃業を検討している、様々な理由によって大学病院からの産科医の派遣がなくなってきているといった話も多く聞かれます。少子高齢化の進む中で、新しく誕生する命、母体を守っていく体制の構築、10年後、20年後の将来まで考えた取組が必要だと考えます。 そこで、県は周産期医療体制の充実にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 多くの子供たちにとって、初めての先生が保育士であります。無邪気で社会性、協調性がまだ備わっていない子供たちの安全を確保しながら、養護、教育し、成長させてくれる保育士は社会的にも大変重要な専門職であります。しかしながら、保育士を取り巻く環境は十分とは言えず、誰もが耳にしたときのある保育士不足が続いており、処遇改善、環境整備等の具体的かつ総合的な対策が必要であります。 保育士資格を取得したが、保育士として働いていない潜在保育士は約80万人いると言われ、潜在保育士が保育園への就職を希望する環境づくりが急務であります。また、実際に働いている保育士たちの処遇面、職場環境等の理由での早期離職の傾向も顕著であり、保育士が就業継続をするための対策も講じなければなりません。 そこで、県は保育人材の定着にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 教員が学習指導だけではなく生徒指導などを一体的に行う日本型の学校教育は国際的にも評価をされてきました。しかし、時代の変化とともに学校を取り巻く環境の変化や学校内での考慮すべき様々な問題など、学校の抱える課題は複雑化、多様化しております。教員の働く環境が厳しくなれば、熱意や使命感のある教員も疲れてしまい、子供たちに向き合っている時間もほかの業務に追われ減ってしまいます。 AIやロボット技術等の発達により便利にはなるが、社会変化が激しくなっていく中で、次の時代を生きる子供たちは答えのない問題に対し、自分で考え、仲間と協力して取り組む力をつけるなど、AIやロボットでは代替できないような力を身につける必要があります。 そのような力を子供たちに身につけさせるためには、教員の子供たちと向き合っていない時間での業務改善、環境整備等の対策をし、自己研さんの時間の確保や教員の生活の質の向上が必要であります。そのためには、保護者や地域も一体となって子供にとって最善の環境づくりが重要だと考えます。 そこで、県教育委員会は教員が子供たちと向き合う時間を確保するための働き方改革にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 近年子供が被害者となる刑法犯が多く発生しています。不審者や犯罪者の撲滅はもちろんですが、子供を狙った犯罪ができなくするような対策も必要であります。昔ながらの日本の地域で子供を育てる、守るといった考え方も社会変化による地域コミュニティーの希薄化などによりできなくなりつつあり、子供たちの安全と安心を具体的に対策し、担保していかなければなりません。 ある地域、学校では、登下校時の防犯対策強化を図るため、ICTを利用した子供たちの見守りなどの実証実験に取り組み、保護者や地域からここの子供たちを狙った犯罪はできないと思わせる抑止力にもなり、不安軽減につながるとの声が多数あり、非常に効果があったとの事例もあります。福島県においても、子供たちを守るための具体的な対策が必要であると考えます。 そこで、県教育委員会公立小中学校児童生徒の通学時における安全確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 本県には、こども病院などの子供の専門的な医療機関がなく、郡山市にある県総合療育センターがその役割を果たしているところでありますが、現在の施設は整備から30年以上が経過するなど、施設設備の老朽化に伴う諸問題が生じているだけではなく、療育センターの小児科、精神科といった発達障がいの子供が多く受診する診療科外来においては、新患待機が1年近くにも及んでいると聞いております。 先日もある親御さんから「1歳6か月健診時に健診担当の医師から発達障がいの疑いがあると言われ、総合療育センターの受診を勧められたことから、何も分からないまま診察を申し込んだところ、予約日が約1年後であった。その間、親としていろいろと調べてはみたものの、つらく不安な時間を過ごした。子供の成長の中での1年はとても重要な時間であり、親としては早く子供にとって必要な支援をしてあげたかった」といった内容の手紙を頂きました。 発達障がい児の支援に当たっては、専門医の診断を受け、その後の専門的な治療、支援が重要であり、専門医の確保が急務であります。同時に、専門医の診断が得られる前であっても、保護者や保育士、教員などの身近な支援者が発達障がいの基本特性や関わり方への理解を深め、適切な援助を実践することで、保護者の不安や子供の生活のしづらさの解消につなげていくことも重要であると考えます。 そこで、県は総合療育センターにおける発達障がい児の支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 県立特別支援学校においては、障がいの重度、重複化と医療の進歩に伴い、医療的ケアの必要な児童生徒が多数在籍しております。 必要な医療的ケアを実施することにより、授業の継続性が確保され、安心・安全に学校生活を送ることができ、保護者にとって将来不安の解消につながることから、1人1人に応じたケアを適切に行うための環境を整備する必要があると考えます。 そこで、県教育委員会県立特別支援学校における医療的ケアにどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 平成28年、児童福祉改正法では、児童が権利の主体として位置づけられ、適切な養育を受け、健やかな成長発達や自立等を保障されること等が明記されました。 しかしながら、全国の児童相談所における児童虐待に関する相談対応件数は一貫して増加しており、本来子供を我が命に代えても守らなければならないはずの親による重大な児童虐待事件も後を絶ちません。全ての子供は愛され、幸せになる権利を持って生まれてくるのであり、守らなければならない弱者なのです。 福島県においても、地域のつながりの中で子供とその家族を孤立させることのない社会をつくるとともに、社会全体で虐待防止に関する理解を深め、児童への重大な権利侵害である児童虐待から子供を守っていく体制をつくっていくことが重要であります。そのため、県議会としても児童虐待防止のための条例制定に向けて取り組んでいるところであります。 こうした条例の趣旨を踏まえ、知事は児童虐待防止対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、農林業の振興についてであります。 全国3位の県土面積を有する福島県は、東北地方の一番南にあって、地形や気候などから、中通り、会津、浜通りの3つの地域に分けられ、それぞれの地方の自然条件を生かしていろいろな農産物が生産され、全国でも有数の農業県であります。 私の地元、郡山では、ミネラルが豊富で保肥力の高い粘土質の土地や清らかな水、澄んだ空気など農業に適した環境を有し、質、量ともに全国トップクラスの米の産地として知られています。 この地質をさらに生かし、野菜でも郡山ならではのブランドを育てていきたい、そんな思いから、やる気と意欲を持った若手の生産者の方々が野菜などのブランド化に取り組み、安全性はもちろんのこと、それ以上においしさで選ばれるような野菜作りに日々奮闘しております。 そのほかにも、勤めを辞め、高齢化の進む地域の農業の担い手として頑張っていこうと考える方もおられます。そういった意欲とやる気を持った方々が安定的に農産物生産を続け、強い福島県の農業をつくっていくには、ハード、ソフト両面での施策が必要であると考えます。 そこで、県は農業の担い手をどのように支援していくのかお尋ねいたします。 福島県の県土面積の約71%を占める森林は、県土保全、水源涵養、地球温暖化防止、木材をはじめとする林産物の供給等の多面的機能を有し、県民生活及び県民経済に大きく貢献しております。 このような森林の有する多面的機能を持続させるためには、下刈り、間伐など森林を適正に整備し、保全することが重要であります。しかし、近年林業は長期にわたる産出額の減少、木材価格の下落、林業従事者の不足、高齢化など厳しい状況に置かれてきました。 このような中、国においては森林・林業基本計画を策定し、CLT等の開発普及等による新たな木材需要の創出と主伐と再造林対策の強化等による国産材の安定供給体制の構築を進め、林業、木材産業成長産業化を推進していくこととしています。 私は、今こそ循環利用ができ、豊富な森林資源を生かし、本県林業を地方創生につなげることができると考えております。 そこで、県は林業、木材産業成長産業化に向け、県産材の需要拡大にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 最後に、消防防災ヘリの運航体制についてであります。 2月1日、県警ヘリあづま不時着事故が発生いたしました。当時、県の消防防災ヘリふくしま、県警がもう1機運航するばんだいが耐空証明検査中であり、あづまの事故後、緊急事態に対応する県のヘリが2月中に1機も飛べない状況に陥り、県民からの不安の声が多く聞かれました。特に救急搬送や遭難者救助林野火災等に対応する消防防災ヘリの運航ができないことに不安を感じる声が強くありました。 そこで、県は消防防災ヘリ法定検査等による運航休止期間中の出動要請にどのように対応するのかお尋ねいたします。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(太田光秋君) 執行部の答弁を求めます。   (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 鈴木議員の御質問にお答えいたします。 児童虐待防止対策についてであります。 私は、福島の子供を虐待から守るために、社会全体で虐待防止の共通意識を持つとともに、虐待予防から発生時の迅速な対応、虐待を受けた子供の自立支援に至るまで、切れ目のない支援を受けられる体制を構築する必要があると考えております。 このため、虐待防止対策や体罰によらないしつけの方法などの普及啓発、子供自身への権利教育を行い、子供を虐待から守る意識を醸成してまいります。 また、安心して子育てができるよう、市町村の母子保健の充実に向けた取組や子ども家庭総合支援拠点設置支援などにより地域の相談支援体制を整えるとともに、児童相談所の専門的な対応の強化のため、職員の増員や研修による人材育成、県中児童相談所の整備を行うなど、地域での子育て支援から子供を守る迅速な対応まで幅広く取り組んでまいります。 さらに、虐待から保護された乳幼児を医療と連携した安全な環境で養育するため、民間事業者の提案を生かした手法による乳児院の建て替えに着手し、家庭的な養育を担う里親委託の推進と併せて、保護された子供が健やかに成長できる環境を整えてまいります。 虐待は決して許されないという新たな条例案の理念の下、強い決意を持って子供を虐待から守ってまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。   (危機管理部長成田良洋君登壇) ◎危機管理部長(成田良洋君) お答えいたします。 消防防災ヘリ運航休止期間中における出動要請につきましては、本県と隣接する6県を含む11道県との相互応援協定に基づき、緊急の応援出動を要請いたします。 また、大規模災害等においては、消防庁へ緊急消防援助隊の派遣を要請するほか、必要に応じて自衛隊や海上保安部へ出動を要請し、対応することとしております。 引き続き、関係機関と密接に連携し、本県の安全を空から守ってまいります。   (保健福祉部長戸田光昭君登壇) ◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。 周産期医療体制につきましては、総合周産期母子医療センターを中心に地域の分娩取扱施設等と分娩のリスクに応じた役割分担や連携を図り、妊娠、出産から新生児まで対応する医療提供システムを構築しております。 今後も、各施設の機能の維持、強化に向けた支援や様々な人材育成、周産期医療協議会での十分な議論などを通して周産期医療体制の充実を図り、安心して出産できる環境づくりを進めてまいります。   (農林水産部長松崎浩司君登壇) ◎農林水産部長(松崎浩司君) お答えいたします。 農業の担い手の支援につきましては、経営管理能力や栽培技術の向上をはじめ作業の効率化や省力化による収益性の向上が重要であると考えております。 このため、普及指導員による技術等の指導や研修会の開催、経営相談所による法人化支援、農地中間管理事業を活用した農地集積や大区画化、ICT等の省力技術や規模拡大に向けた高性能機械の導入など経営の高度化を進め、将来にわたり地域農業を支える担い手となるよう支援してまいります。 次に、県産材の需要拡大につきましては、レーザ計測による森林資源情報の把握、林業機械の導入支援など丸太供給力の強化を図るほか、製材施設の整備や加工技術の開発を支援し、住宅や公共施設、木質燃料等への利用を進めております。 今後は、資源量が増加する大口径の杉材や広葉樹材の需要を創出するため、新しい建築用製品の開発、首都圏や海外への販路拡大の支援と併せ、伐採から加工、流通に至るサプライチェーンの構築を推進してまいります。   (土木部長猪股慶藏君登壇) ◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 郡山市内を流れる県管理河川の整備につきましては、3か年緊急対策等を活用し、河道掘削や樹木の除去などに取り組んでおります。 今後は、台風第19号等による被害を踏まえ、逢瀬川などの改修事業の進捗を早めるとともに、谷田川等において河道掘削や堤防の上の舗装などの整備にしっかりと取り組んでまいります。 次に、住民の避難に必要な河川情報の提供につきましては、県管理河川の水位情報等が閲覧できる河川流域総合情報システムにおいて、台風第19号等の際にアクセスが集中し、つながりにくい状況が生じたことから、システムの強化を図るとともに、危機管理型水位計や監視カメラを増設するなど、住民へ広く確実に情報が提供できるよう取り組んでまいります。   (こども未来局長佐々木秀三君登壇) ◎こども未来局長(佐々木秀三君) お答えいたします。 保育人材の定着への取組につきましては、国に対し賃金改善を要望しているほか、職員の経験年数、職責に応じた賃金の加算等や宿舎借り上げへの補助などを行っております。 また、職場での不安や悩みを相談できる窓口の設置、臨床心理士によるカウンセリング、さらには福島の保育士として誇りと連帯感を持つことができるよう新採用保育士の合同研修を行うなど、やりがいと魅力のある働きやすい環境づくりに努めてまいります。 次に、発達障がい児の支援につきましては、身近な人たちが児童への支援方法を学ぶことが重要であるため、総合療育センターにおいて発達障がいの特性を学ぶ研修や療育相談を実施するほか、保育所、幼稚園等への訪問相談、地域のかかりつけ医を対象とした研修を通じ、地域での支援力の向上に努めてまいります。 また、新年度に医師配置など診療体制の拡充を図り、発達障がい児の支援を強化してまいります。   (教育長鈴木淳一君登壇) ◎教育長(鈴木淳一君) お答えいたします。 教員の働き方改革につきましては、多忙化解消アクションプランに基づき、スクール・サポート・スタッフの活用方法や学校行事等の準備、運営の見直し方策等を新たに取りまとめ、今月中に各校に送付することとしております。 今後とも、教員が子供たちと向き合う時間の確保に努めることにより、児童生徒が安心して学び、保護者も信頼できる教育環境づくりに向け、働き方改革に取り組んでまいります。 次に、児童生徒の通学時における安全確保につきましては、市町村教育委員会に対し、危険箇所での見守り活動の活性化や防犯ブザーの活用など、登下校防犯プランに基づいた安全対策の推進について助言しております。 今後とも、地域や保護者、関係機関と連携した安全確保対策を強化するとともに、自ら危険を予測し、回避することができるよう、実践的な防犯教育の徹底に努めてまいります。 次に、県立特別支援学校における医療的ケアにつきましては、保護者の負担軽減や児童生徒の学びの場の確保のために重要であることから、今年度はたんの吸引や経管栄養など必要なケアを実施する13校に看護師27名を配置しているところであります。 今後とも、児童生徒が安心して学校生活を送れるよう、家庭や医療機関と連携し、必要な医療的ケアを実施してまいります。 ○議長(太田光秋君) これをもって、鈴木優樹君の質問を終わります。 通告により発言を許します。12番大場秀樹君。(拍手)   (12番大場秀樹君登壇) ◆12番(大場秀樹君) 県民連合議員会の大場秀樹です。 昨年の福島県議会議員選挙を経て、再び県政の壇上に立つことができました。今後も県民の皆様の期待に応えられるよう頑張っていく所存です。先輩議員、そして皆様には変わらぬ御指導をお願い申し上げます。 さて、先週28日、県民連合議員会は内堀知事に対しまして、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急要望をいたしました。 国内でも感染経路の不明な感染者が増大し、アジア圏のみならず世界に広がっています。また、学校等の休校に伴う社会的な混乱も予想され、県民の不安は増大しております。本日予定しておりました後援会の方々の傍聴も、現下の情勢を鑑み、御遠慮いただきました。 県におかれては、的確で迅速な情報発信、相談体制の強化、検査、治療体制の拡充など、万全を期されるよう強く求めます。 それでは、質問に移ります。 まずは、人口減少対策について知事にお伺いします。 昨年、県議会議員選挙の期間中、福島市内で遊説を行いました。繁華街から山間部まで伺い、多くの人々と接し、それぞれの地域を見ることができました。 その中で印象に強く残ったのは、山間部地域においてでした。かつては子供の遊ぶ声がこだまし、夏の盆踊り、秋の運動会も地域を挙げて盛大に行われていた小学校が児童数の減少により休校を余儀なくされた地域は、特に寂しさを感じました。 福島県政において、東日本大震災からの復興、台風被害への対応をはじめ課題が山積しております。その中でも、人口減少をいかに食い止めるかが地域を守る意味でも最重要課題であると思います。 また、日本全体を見ても、人口減少、少子高齢化が進行する中、東京、大阪、名古屋の3大都市圏への人口集中と若い世代を中心とする東京一極集中の流れが止まりません。 本県では、平成10年1月、約214万人をピークに人口減少が続いており、本年1月1日現在、約184万人となりました。この20年間で約30万人が減少しております。 さらに、人口減少、少子高齢化の進行は県内でも差が生じており、市と町村の間でも大きく違いますし、福島市内だけ見ましても、中心市街地と周辺の農村地域の差は歴然としており、厳しい状況と感じております。県では、平成27年に策定したふくしま創生総合戦略に基づき、様々な取組を進めてきたところですが、人口減少の解決には至っておりません。 県は、直近の人口動向等を踏まえ、昨年12月、福島県人口ビジョンを更新し、令和22年に150万人程度の維持を目指すとの目標を掲げました。この目標を実現するためには、本県の実情に応じた施策を積極的に展開していく必要があります。 そこで、本県の現状を踏まえ、人口減少対策にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。 次に、移住、定住の促進について伺います。 県民連合議員会の部会で東京にありますふるさと回帰支援センターに伺ったことがあります。そこでは、福島県が震災前には移住希望先で第1位であったものの、震災以降に順位を落とし、近年回復傾向にはあるものの、震災前の水準には回復していないとのことでした。また、首都圏から地方へ移住を希望する人数は増加傾向にあり、若い世代の地方志向の顕在化も知ることができました。 昨年度、本県への移住世帯数は390世帯で過去最大となり、特に若い世代が7割を占め、倍増傾向にあります。私は、本県における人口減少対策の一環として、首都圏を中心に県外からの移住者を呼び込む移住促進の取組を積極的に展開すべきと考えます。 全国の自治体においても、移住者や移住相談件数が増加傾向にあり、本県同様、首都圏を中心に様々な移住施策を展開しております。首都圏の移住潜在層や移住希望者をめぐる地域間競争はますます激しくなってきています。 こうした中、本県への若い世代の移住促進に向けては、最大のターゲットである首都圏での移住施策をいかに他県に遅れず展開していくかがより重要になります。 そこで、県は首都圏からの移住、定住の促進に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次は、避難に関わる情報発信についてです。 台風第19号等への対応に当たって、地域の避難情報が分かりにくかったとの声を聞きました。市町村は、できる限り対象地域を特定して避難勧告等を出そうと努めていました。 しかし、例えば行政区域ごとに発令した場合に、区域の境界では隣同士の避難対応が異なってしまうなど、避難範囲と必要性について分かりにくさがありました。住民へのきめ細かな情報の発信が必要ではなかったかと考えます。 コミュニティーFM放送は、1995年、平成7年、阪神・淡路大震災以降に地域における非常用伝達手段を確保することを理由に規制緩和が進み、全国各地で誕生しました。現在県内においても、福島市をはじめ7局が放送しております。インターネットやスマートフォンを通じた災害情報を利用しない高齢者の方でもラジオは聞かれる方が多いと思います。 県内でも、避難勧告等を確実に伝達するため、コミュニティーFM放送を含めた多様な情報発信に取り組むべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 次に、フルーツラインの整備について伺います。 東北中央自動車道の相馬インターチェンジから相馬山上インターチェンジ間が昨年12月に開通し、東北中央自動車道と常磐自動車道が接続されました。また、令和2年度内には霊山インターチェンジから桑折ジャンクション間の開通も予定されています。さらに、山形県の東根から尾花沢間の開通も予定されており、福島県と山形県の県境を越えた広域的な交通網が整備されます。 このような中、県道上名倉飯坂伊達線、いわゆるフルーツラインは、福島大笹生インターチェンジと国道13号や国道115号線を結ぶ重要な路線であるとともに、飯坂、高湯、土湯の各温泉地ともつながり、また沿線には観光果樹園等の誘客施設を擁しております。広域的な交流連携を担う路線として、フルーツラインに対する期待がますます高まっているものと考えます。しかし、現在でも片側2車線が突然片側1車線に狭まり、天戸橋をはじめ通行しづらい箇所もあります。 私は、福島市議会議員時代より農業団体や地元住民の皆様とともにフルーツラインの整備を訴えておりますが、県道上名倉飯坂伊達線の整備状況と今後の見通しについてお尋ねいたします。 次は、外国人住民との共生についてです。 県内においても、国際結婚や技能実習生に代表される外国人の方々が多数在住しており、その数も毎年約10%増加しております。 本県の外国人数は、法務省の在留外国人統計によれば、昨年6月末現在、1万4,886人で、国籍別で見ますと、最多が中国人で3,701人、次いでベトナム人が3,135人、フィリピン人が2,771人となっており、特に近年はベトナム人の増加が著しい傾向にあります。 国においては、外国人材の受入れ、多文化共生のための総合的対策において、生活者としての外国人に対する各種支援策を打ち出し、共生社会実現のため環境整備を推進しているところです。一方、受入れ地域においては、外国人住民と日本人住民との円滑なコミュニケーションや生活習慣の理解など解消すべき課題があります。 今後も外国人住民が増加していくと考えられますが、外国人が県民の一員として安心して生活できる環境づくりが必要であります。 そこで、県は外国人住民との共生にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、看護職員の確保についてお聞きします。 県内各地を回り、医療機関や介護施設の方々から「看護師を確保してほしい」、「相談に乗ってほしい」、「看護師を紹介してほしい」という切実な声をいただく場面が増えています。 人々の療養の場が多様化し、高齢化社会への対応として地域包括ケアが推進される中で、医療機関以外にも在宅医療や介護サービスなど様々な場面での看護ニーズが拡大しており、看護職員の確保は非常に重要なものとなっています。 私は、平成29年12月定例会の質問で潜在的看護師の復職について取り上げました。今回は、看護職員の育成の観点から質問します。 少子化の進行に伴い、本県においても18歳人口が減少していく中で看護職員を確保していくためには、次代の看護を担う人材の育成もますます重要になっていると考えます。 そこで、県は看護職員の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、介護人材の確保について伺います。 高齢化が進行し、要介護者の増加が予想される中で、介護サービスを安定的に提供していくためには介護人材の確保は重要な課題です。昨年12月の介護関連職種の県内雇用情勢は、有効求人倍率が3.5倍で、全職種の1.46倍と比べ、2倍以上の高い数字を示しており、介護人材の不足が顕著であります。 一方で、少子化により生産年齢人口の減少が見込まれております。今後増加する介護サービスのニーズに対応するためには、介護現場における外国人材の受入れを県内においても進める必要があると考えます。そのためには、外国人材を介護現場で円滑に受け入れることができるよう支援するとともに、受入れ環境の整備も重要であります。 そこで、県は介護分野での外国人材の受入れにどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、不妊治療について質問いたします。 近年、晩婚化等を背景に不妊に悩む夫婦が増加しており、どこに相談し、いつ受診したらよいか、いつまで治療を続けたらよいかなど、悩んでいる方々の声をよく聞きます。 我が国では、不妊の検査や治療を受けたことがある、または現在受けている夫婦は全体の18.2%で、子供のいない夫婦で見ますと28.2%との調査結果があり、これは夫婦全体の5.5組のうち1組に当たります。 不妊の治療は、検査や投薬、頻繁な通院により、身体的にも精神的にも大きな負担がかかり、さらには体外受精、顕微授精は治療費が高額になることから経済的な負担もあります。 このような中、県は不妊に悩む夫婦への支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、子供の貧困対策についてお伺いします。 厚生労働省の調査では、子供の7人に1人が貧困状態にあり、特に独り親世帯の子供にあっては約半数であると言われております。また、平成28年度、県が実施した子どもの貧困に関する実態調査によると、支援を必要とする子供や家庭に支援制度の内容や手続が十分認知されていないという結果が報告されています。 私の理想とする政治は、国民の誰もが同じスタートラインに立てる、いわゆる機会の平等を実現することであり、親の経済環境が子供の将来を左右してしまう貧困の連鎖を断ち切る施策が大切だと考えます。たとえ現在子供の置かれている環境が困難なものであっても、前向きに将来の夢と希望を持って成長していけるよう支援していくことが重要であります。 そこで、県は子供の貧困対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次は、中高年のひきこもり対策についてです。 近年、中高年のひきこもりが問題になっております。昨年の内閣府の調査では、40歳以上64歳以下の広義のひきこもり状態にある方が約61万人との推計が発表されました。また、ひきこもり状態にある期間が長期化していることも明らかとなりました。 ひきこもりの状態にある方は、地域や社会との関係性が薄く、孤立していたり、対人関係や将来への不安を抱いている場合も少なくないため、そうした本人の複雑な状況や心情を理解し、丁寧に寄り添う対応が必要であります。 中高年のひきこもりについては、若者のひきこもりが長期化すれば、親も高齢となり、収入や介護など様々な問題が発生してしまいます。これは、80代の親と50代の子の親子関係の問題であることから、8050問題と呼ばれています。 このように、経済的に困窮している場合も少なくないため、対象者の個別の状況に応じたきめ細やかな支援が必要であると考えます。 そこで、県は中高年のひきこもり対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、産業人材の育成について質問します。 東日本大震災及び原子力災害から9年が経過しようとしております。大震災からの復興再生を推進していくためには、ロボットや再生可能エネルギー、航空宇宙等の新産業の創出や集積等、地元の企業の参入を進め、新たな雇用の確保を図っていかなければなりません。そのためには、これからの新産業を担う人材の育成が不可欠であります。 県立テクノアカデミーは、高等学校等を卒業した若者を対象に、機械や電気、電子、情報等の分野における教育訓練を実施し、育て上げた産業人材を多くの県内企業に輩出しています。今後その役割は一層重要になると思われます。 そこで、県はテクノアカデミーにおいて、新産業を担う人材の育成にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、学力向上について伺います。 昨年4月、児童生徒1人1人の学力を経年で把握し、きめ細やかな指導の充実を図っていくため、小学校4年生から中学校2年生までを対象としたふくしま学力調査が開始されました。 この調査は、平均正答率や児童生徒1人1人の学力レベルが分かることに加え、学力の伸びを経年で把握し、努力の成果をきめ細かく分析することができる学力調査であると伺っております。 また、埼玉県教育委員会と連携協力協定を結び、埼玉県の知見を取り入れ、共同で結果の分析を行うなど、先進的な取組がなされています。 そこで、県教育委員会はふくしま学力調査を活用し、学力の向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 最後の質問は、警察行政についてであります。 昨年発生した台風第19号災害時に避難中の家屋において、家人が不在であることに乗じた、いわゆる火事場泥棒が発生しているとの記事を目にして非常に憤りを感じました。 また、最近では新聞のお悔やみ欄を見て葬儀などの不在世帯を狙った空き巣犯数名を逮捕したとの報道がありました。 災害時の混乱や人の不幸に便乗した窃盗犯は、災害で被害を受け、つらい思いをしている方々や、身内の訃報に際し悲しんでおられる方々にさらに追い打ちをかける悪質な行為であり、絶対に許すことができないと強く感じています。 こうした犯罪をなくすためには、警察による徹底した検挙が求められるとともに、被害を未然に防ぐための取組も重要と考えます。 そこで、災害時の混乱等に乗じた窃盗犯罪の現状と県警察の取組についてお尋ねし、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(太田光秋君) 執行部の答弁を求めます。   (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 大場議員の御質問にお答えいたします。 人口減少対策についてであります。 本県の人口減少は、出生数の減少、進学や就職等に伴う県外流出が震災前から続く厳しい状況にあります。 昨年、高校生及び本県出身の大学生3万人を対象に行った進路希望調査の結果では、「ずっと福島に住みたい」あるいは「一度は県外に出ても戻ってきたい」が半数、「今は分からない」が4割でありました。 私は、未来を担う若者が福島の未来を信じ、希望に向かって挑戦できる福島をつくることが人口減少を克服する鍵であると考えており、その前提は魅力的で安定した仕事づくりであります。 福島イノベーション・コースト構想をはじめ未来を開き復興を牽引する新産業の創出、しなやかで力強い地域産業の育成、地域資源を生かした創業支援、AI、ICT、ロボット等を活用したスマート農林水産業の推進等を進め、併せて仕事と家庭を両立でき、安心して子供を産み育てられる環境づくりを進めてまいります。 次期総合戦略には、具体的な施策を盛り込み、1人1人の思いを大切に、福島で生まれ、育ち、暮らすことを誇りに思う「ふくしまプライド。」を基本とした県づくりにしっかりと取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。   (危機管理部長成田良洋君登壇) ◎危機管理部長(成田良洋君) お答えいたします。 避難勧告等の確実な伝達につきましては、自らの命を自ら守る避難行動の前提となるものであり、極めて重要であります。 市町村においては、地域の実情に応じて携帯電話会社が提供するエリアメールなどを活用しておりますが、確実な情報伝達のため、地域に密着したコミュニティーFM放送も含めた情報発信手段の多重化、多様化について市町村と連携して取り組んでまいります。   (企画調整部長佐竹 浩君登壇) ◎企画調整部長(佐竹浩君) お答えいたします。 首都圏からの移住等の促進につきましては、福島の魅力や支援策に関する専用SNSや移住ポータルサイトによる情報発信、首都圏の相談員4名と振興局単位に配置している移住コーディネーターと連携した受入れ体制の整備に取り組んでまいりました。 新年度は、地域資源を生かした新しい働き方や暮らし方の体験事業の拡大、首都圏の専門人材や副業人材の知見の活用など、新たな人の流れづくりに取り組んでまいります。   (生活環境部長大島幸一君登壇) ◎生活環境部長(大島幸一君) お答えいたします。 外国人住民との共生につきましては、福島県国際交流協会と連携し、多言語による生活相談窓口を設置するほか、各種講座やイベントを通じた国際理解の促進等に取り組んできたところであります。 新年度においては、外国人住民へのアンケート調査結果を踏まえ、日本語教室の開設を支援するとともに、スマートフォンで必要な情報を入手できるよう協会ホームページを充実するなど、共生の環境づくりを進めてまいります。   (保健福祉部長戸田光昭君登壇)
    保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。 看護職員の確保につきましては、これまで看護学生への修学資金の貸与や再就業支援、勤務環境の改善を促す研修会の開催など様々な取組を行ってまいりました。 新年度は、新たに小学生と保護者を対象に医療従事者との交流や看護体験などを行う親子病院ツアーを開催するとともに、中学生を対象に看護師による出前講座を行うなど、より若い世代に看護の魅力を伝え、理解を深める事業を展開することにより、看護職員の確保に取り組んでまいります。 次に、介護分野での外国人材の受入れにつきましては、留学生に奨学金等を支給する施設への支援や施設等で働く方を対象に日本の生活や介護の技術等が学べる研修などを行ってまいりました。 新年度は、施設等に対し、新たに受入れ制度等の説明会や受け入れた外国人材が十分に活躍できる職場環境をつくるための研修会を開催することとしており、今後とも関係団体等からの意見をいただきながら外国人材の受入れに取り組んでまいります。 次に、中高年のひきこもり対策につきましては、ひきこもり支援センターが相談に対応するとともに、経済的な困窮対策として生活自立サポートセンターが関係機関と連携し、生活再建等のプランを策定するなど、きめ細かな支援を行っております。 新年度は、新たに就労準備支援員を配置し、ひきこもりからの自立に向け、適切な生活習慣や社会的能力の形成、就労体験などを計画的、段階的に実施することとしており、今後とも中高年のひきこもりに対する支援にしっかりと取り組んでまいります。   (商工労働部長金成孝典君登壇) ◎商工労働部長(金成孝典君) お答えいたします。 テクノアカデミーにおける新産業を担う人材の育成につきましては、これまでも一部の科目で新産業に対応した訓練を実施してまいりましたが、新年度からは郡山及び浜校の訓練科のカリキュラムや名称を見直し、AI、IoTの新技術やロボット活用のためのソフトウエア開発技術、エネルギーマネジメント技術等の教育訓練を充実させ、ロボット等の新産業を担う人材の育成に積極的に取り組んでまいります。   (土木部長猪股慶藏君登壇) ◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 県道上名倉飯坂伊達線につきましては、大笹生地内の上八反田橋工区において工事中の通行を確保するための仮橋の設置が完了したところであり、今後は橋梁本体の工事に着手してまいります。 さらに、福島大笹生インターチェンジと国道13号の間で未改良となっている約2キロメートル区間及び在庭坂地内の天戸橋工区において用地の取得を進めており、引き続き早期供用に向け整備を進めてまいります。   (こども未来局長佐々木秀三君登壇) ◎こども未来局長(佐々木秀三君) お答えいたします。 不妊に悩む夫婦への支援につきましては、各保健福祉事務所で保健師による相談対応や夫婦同士の交流会を行うとともに、不妊治療費に助成し、負担軽減を図っております。 また、県立医科大学に設置した不妊専門相談センターと生殖医療センターで高度な相談対応と不妊治療を行っており、新年度は医師や検査技師等を増員して生殖医療センターの体制を一層強化し、子供を授かりたい希望をかなえられるよう、夫婦に寄り添い支援してまいります。 次に、子供の貧困対策につきましては、幼児期から高等教育までの教育費負担の軽減、独り親世帯への児童扶養手当や福祉資金貸付、生活困窮世帯の子供への学習支援などを推進しており、これらの支援内容をまとめたガイドブックを県内の全中学2年生に配布するとともに、より詳細な情報をウェブサイトにおいて周知し、家庭の経済事情にかかわらず子供の将来が開けるよう支援してまいります。   (教育長鈴木淳一君登壇) ◎教育長(鈴木淳一君) お答えいたします。 ふくしま学力調査を活用した学力向上につきましては、児童生徒1人1人の学力や学習の状況を分析し、きめ細かな学習指導につなげることが大切であると考えております。 このため、新年度は前年と比較した学力の伸びが分かる詳細なデータを各学校に提供するとともに、研修会等において活用法を普及し、データに基づく個に応じた指導に生かすことにより、児童生徒の学力向上に取り組んでまいります。   (警察本部長林  学君登壇) ◎警察本部長(林学君) お答えいたします。 災害時の混乱等に乗じた窃盗犯罪の現状と取組につきましては、昨年の台風第19号の被災地域では窃盗被害が22件発生し、このうち5件の事件を検挙しております。 また、葬儀中の不在家屋等を狙った窃盗被害については、昨年は39件発生し、このうち26件の事件を検挙しております。 今後もパトロールや捜査による検挙活動を推進するとともに、戸締まり等の防犯広報を強化するなど、被害の未然防止の取組も推進してまいります。 ○議長(太田光秋君) これをもって、大場秀樹君の質問を終わります。 通告により発言を許します。14番佐藤郁雄君。(拍手)   (14番佐藤郁雄君登壇) ◆14番(佐藤郁雄君) 自由民主党議員会の佐藤郁雄です。初めての質問となります。よろしくお願いします。 令和2年、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後から続いている各地の復興への取組をさらに加速化させ、福島の再生をさらに前進させていかなければなりません。 昨年は、多くの災害がありました。その中でも令和元年東日本台風の豪雨災害は甚大なものでした。32名もの犠牲者があり、住宅や農地などにも大きな被害が出ています。一刻も早い復旧に取り組まなければなりません。県民が安心して生活できる体制づくりを構築していかなければなりません。 明るい話題もあります。東京2020オリンピック・パラリンピックが開催され、本県においても野球・ソフトボール競技が開催されます。農産物などの輸入規制をしている諸外国の方々に福島の食の安全をPRする大きなチャンスですので、今まで以上に丁寧で分かりやすい広報に取り組んでいかなければなりません。根気強く行っていかなければならないと思います。 また、私の大好きな福島県の日本酒が7年連続新酒鑑評会金賞受賞数が日本一となっています。福乃香という酒造好適米も開発され、風評払拭のためにも、県外、海外への輸出などの販路拡大に力を入れていかなければなりません。 では、通告に従い質問します。 最初に、JR只見線についてであります。 紅葉が美しい鉄道や雪景色のきれいなローカル線のランキングで上位に入るなど、以前から鉄道ファンに有名であった只見線ですが、近年は絶景の秘境路線としてテレビなどで紹介される機会も増え、国内外を問わず、その知名度も上がってきております。 この秋には、車窓から紅葉を楽しむため、ツアー客を含む多くの乗客で列車内がにぎわったと聞いております。三島町にある第1只見川橋梁のビュースポットには、連日カメラを持った旅行客が訪れているほか、かつて存在した渡し舟を復活した霧幻峡の渡しは、川霧の中を進む幻想的な雰囲気が人気となるなど、只見線と沿線地域への注目が高まっております。 こうした流れを只見線の全線再開通に向けて確かなものにするため、平成30年3月に策定された只見線利活用計画の実現に向け、より一層の取組強化が求められるところです。 そこで、知事はJR只見線の利活用促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、ふくしまグリーン復興構想についてであります。 県は、昨年環境省と共同でふくしまグリーン復興構想を策定し、国立公園、国定公園の魅力向上、環境変化を踏まえた県立自然公園の見直し、国立公園等を中心に周遊する仕組みづくりの3つの柱立てから成る取組を進めることとしております。構想の推進は、自然公園の利用者数の回復や交流人口の拡大に寄与するものであり、大いに期待するものであります。 そこで、県はふくしまグリーン復興構想の推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、風評払拭についてであります。 福島県は、東日本大震災及び原子力災害による風評の影響を今なお受けています。福島県は、復興の状況や放射線に関する科学的な知識などの情報を効果的に発信し、風評を払拭するとともに、復興を加速して、安心して生活できるまちづくりに取り組んでいかなければなりません。 しかし、風評により、消費者の県産品の買い控えは弱まっているものの、依然として残っているほか、県内事業者の販売棚の回復も十分ではない状況にあります。農業分野においては、県産農産物の市場価格が回復しておらず、20の国、地域がいまだ県産食品の輸入規制を続けています。観光分野においては、教育旅行の実績が震災前に比べて延べ宿泊数が約7割、学校数が約9割と、いまだ震災前の水準まで回復していません。 先般、復興庁の設置期間を復興・創生期間後10年間延長するとの方針が決定されましたが、福島の復興を加速させるためには、風評払拭に向けた取組を一層進めていく必要があると考えます。 そこで、県は県産品の風評払拭にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 また、県は教育旅行の回復にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、移住、定住の促進についてであります。 東京圏への人口の一極集中が進む中、高齢者の地方移住によってその流れを食い止め、地方創生に貢献することが期待されます。東京圏の高齢者増加による医療介護人材不足が深刻化し、地方から職を求めての人口流出に拍車がかかることが予想されており、その問題解決としても有意義であると考えられています。 このような中、日本版CCRC構想というものがあります。健康な段階で移り住み、要介護状態になっても住み続けることができますが、主体的に地域コミュニティーに参加し、多世代と交流するなどアクティブに暮らすことで、できる限り健康長寿を目指すものです。 また、少子高齢化が加速している地域にとっても有意義なものであるとされています。自身の健康増進、維持を目指し、安心して生き生きと暮らし、多世代のために役立つ地域の担い手として生きることができれば、医療費、介護費の削減にも大きく貢献するとされています。 国では、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略において、こうしたCCRCの考え方を踏まえ、高齢者を含む全世代が生涯にわたって活躍できる社会づくりを推進していくとしております。人口減少が進む中、本県においても地域活力の向上を図るためには、あらゆる世代が持つ活力を生かしていくことが重要であると考えます。 そこで、県は世代に応じた移住、定住の促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、医療、福祉、介護の充実についてであります。 皆様御存じのように、2025年問題が取り上げられています。2015年の後期高齢者の人数は約1,632万人でした。1947年から49年生まれの団塊の世代が全て後期高齢者となる2025年には約2,180万人になると予測されております。 後期高齢者の方々は、身体機能の衰えに伴い、医療や介護サービスに頼るようになり、保険診療や介護保険の利用が増えていきます。その結果、社会保障費の増大が懸念されます。 また、労働人口減少も懸念されます。医療分野においては、人手不足により病院、施設の経営が難しくなり、病院や施設はあっても、今までどおり100%の利用ができなくなる可能性が出てきます。医師不足、看護師不足、介護士不足が顕著になります。 2025年問題の打開策、対応策として、医療、福祉、介護の充実に取り組んでいく必要があります。特に介護サービスを将来にわたって安定的に提供していくために、次代を担う多くの若者に介護の仕事に携わっていただくことが必要不可欠であると考えます。 そこで、県は介護人材の確保のため、若い世代に対し、どのような取組を行っていくのかお尋ねします。 また、5年後の2025年には団塊の世代の全てが75歳以上の後期高齢者となる超高齢化社会を迎えることになります。国では、2040年を展望した2025年までに着手すべき医療提供体制の改革として、地域医療構想の実現、医師などの働き方改革の推進、医師偏在対策の推進の3つの施策を三位一体で推進していくこととしており、県としてもこの取組を推進していくべきと考えます。 そこで、国民の4人に1人が75歳以上になる2025年に向け、医療提供体制の改革を推進すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。 次に、介護離職への対策についてであります。 ワンオペ介護が介護離職の要因となっているとも言われていますが、女性活躍とワーク・ライフ・バランスを促進している本県において、これらの問題をどのように捉え、どのように取り組んでいくのか、大きな問題であると考えております。 仕事と介護の両立を図るための支援制度がありますが、育児・介護休業法を実際に利用している方は極めて少ない状況です。働きながら介護をしているおよそ300万人のうち、何らかの支援制度を利用した方は僅か8.6%でありました。 なぜ支援制度の活用が進まないのか。仕事と介護の両立を図るための支援制度を利用しない大きな理由は、職場における介護に対する理解が進んでいないためと思います。 そこで、県は仕事と介護の両立に対する事業所の理解を促進するため、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、家族の介護などを担う子供への支援についてであります。 身体障がい、あるいは高齢による親や兄弟姉妹、あるいは祖父母などの介護や看護もしくは世話をすることの責任を成人同様に担っている18歳の未満の子供についてヤングケアラーと定義されています。子供が介護を担う原因は、両親などの疾病もしくは障がいの種類や程度をはじめ家族の構成など多岐にわたっています。 ヤングケアラーは、要介護者の疾病や障がいについて専門職者から説明を受ける機会が乏しく、またほかに情報を得るすべもありません。疾病や障がいについての知識がないまま介護を引き受け、不安と期待の双方を抱きながら要介護者と向き合うことになっています。 子供が家族の介護を担うことによる影響は多岐にわたりますが、子供の自尊心の高まりや家族との強い結びつき、技能を身につけるといったプラスの面がある一方、学力への影響や社会的孤立、健康面の問題などマイナスの面も多いようです。ヤングケアラーが介護と学業を両立できるようにするために、学校と地域、福祉機関が連携し、彼らの生活をサポートしていくことが大事であると考えます。 そこで、県は家族の介護などを担うことにより生活や学習に支障が生じている子供をどのように支援していくのかお尋ねします。 次に、人に優しいまちづくりについてであります。 私は、ある視覚障がい者のリハビリを進める会主催の講演会に参加させていただきました。 この講演会で、障がいを持ったから新しいことに取り組むことができないということではなく、その時点から新しいことを始めること、前向きに物事に対処していくこと、取り組んでいくこと、これらは難しいことではありますが、とても大事なことであると気づかされました。 また、ありのままに生きていくことが大事であるとの信念の下に人生を全うしていることも感心しました。難しいことですが、自然体でいることが大事であるとも思いました。 障がいには、義足や人工関節の使用、内部障がいや難病など、目に見えない障がいがあります。このような外見からは分からなくとも援助や配慮を必要としている方のためにヘルプマークがあります。福島県議会としても、国に対しヘルプマークの更なる普及推進を求める意見書を提出しており、積極的に普及すべきと考えます。 そこで、県はヘルプマークの普及にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 障がい者に優しいまちは、誰にとっても優しいまちだと考えます。県では、ふくしまユニバーサルデザイン推進計画を策定し、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れたまちづくりや全ての人のためにという意識づくりにより、誰もが暮らしの快適さを実感できる社会を目指していると聞いております。 そこで、県はユニバーサルデザインの普及啓発にどのように取り組んでいるのかお尋ねします。 次に、災害時医療についてであります。 令和元年東日本台風は、県内各地に甚大な被害を及ぼしています。その際、災害による被害の復旧、災害時の医療体制が大変重要になります。 災害の発生現場において、災害発生からおよそ48時間以内に活動できる専門的な訓練を受けた医療チームのことを災害派遣医療チーム、いわゆるDMATと呼んでいます。 また、災害における被災者への医療支援だけでなく、心理的な支援の重要性も広く知れ渡ったことにより、災害派遣精神医療チーム、いわゆるDPATも発足しています。 多様化する災害が起こっている状況の下、こうした医療チームの活躍が災害時における県民の命と健康を守る上で非常に重要であります。 そこで、県は災害派遣医療チーム、いわゆるDMATの体制整備にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 また、災害派遣精神医療チーム、いわゆるDPATの体制整備にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、がん検診についてであります。 健康長寿県を目指す本県において、死因の第1位であるがんによる死亡を減少させていくことは重要な課題となっております。 新聞報道では、死亡率減少効果が証明されていない検診を実施している市区町村が9割にも上り、科学的根拠が乏しい検診により過剰診療や過剰治療を招きかねないと指摘されています。国立がん研究センターなどが科学的根拠があるとしているのは、胃、大腸、肺、乳房、子宮頸部の5つのがん検診です。 したがいまして、県民のがんによる死亡を減少させ、県民の健康増進を図り、健康長寿県を目指していくためにも、有効性が証明されている胃、大腸、肺、乳房、子宮頸部の5つのがん検診の受診率を向上させていくことが何より重要であると考えます。 そこで、県はがん検診の受診率向上に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、ギャンブル依存症についてであります。 ギャンブル依存症の経験が疑われる人は、全国で320万人以上に上るとされています。全国の都道府県と政令指定都市67自治体のうち、ギャンブル依存症の相談拠点と専門治療が受けられる医療機関を両方とも整備しているのは27自治体で、15自治体では相談拠点、医療機関、いずれも未整備であります。要因としては、専門的に対応できる人材不足が挙げられます。 カジノを含む統合型リゾート施設の誘致が本格化し、精神疾患の一種であるギャンブル依存症への懸念は増大しており、2020年度末までに相談支援の整備と専門医療機関の選定を自治体に要請しているとの報道がありました。現在全国的な取組は鈍く、各自治体によって取組に大きな差が出ています。本県においては、両方とも未整備の状況であります。 そこで、県はギャンブル依存症対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、森林整備の推進についてであります。 緑のダムとは、森林に洪水緩和、渇水緩和、そしてコンクリートダムでは果たせない水質浄化という3つの機能があるという考えです。 豪雨対策については、ダムの洪水緩和機能のみならず、森林の保水機能にも依存することにより、ダムの機能と森林の機能の両方を合わせて災害に対応するべきであると考えます。そのため、森林の管理は非常に重要であります。 本県では、平成18年度から県独自の森林環境税を導入し、水源地域の間伐などの森林整備を推進してきたところではありますが、今日集中豪雨が頻発する中で森林への期待がより一層高まっており、今後さらに森林の整備を力強く進める必要があると考えます。 そこで、県は森林の保水機能の維持増進に向け、森林整備にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 最後に、東京2020オリンピック・パラリンピックの聖火リレーが本県Jヴィレッジよりスタートしますので、多くの県民の方々が参加、応援し、県民一丸となって盛り上げていこうではありませんか。 聖火リレーは、福島の今を伝える絶好の機会です。記憶に残るものとしましょう。新型コロナウイルスによる感染を起こさない万全の対策を講じて成功させましょう。 県民の方々の安心して生活できるまちづくりのため、実現に向けて取り組んでいきます。御指導をよろしくお願いします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(太田光秋君) 執行部の答弁を求めます。   (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。 JR只見線についてであります。 只見線は、沿線地域はもとより、会津地域全体の振興を図る上で重要な役割を担っており、全線再開を契機として、多くの方々に利活用される新たな只見線をつくり上げていくことが重要であります。 昨年度、私は地方ローカル線再生の成功事例であるJR五能線を視察し、車窓からの風景と地元住民のおもてなしが大きな魅力の原点であると感じるとともに、五能線にできて只見線にできないことはないとの思いを強く持ちました。 このため、今年度は列車内での特産品販売や絶景ポイントでの速度低下運転のほか、会津産の食材を使用した限定スイーツの開発、只見線乗車を含む観光周遊バスの運行など、JR東日本等と連携した実証的な取組を進めてきたところであります。 新年度は、これまでの取組に加え、春の新緑と残雪の風景、夏の川霧など季節ごとに異なる沿線の魅力に焦点を当て、年間を通じた誘客を目指すほか、民間団体等が行う来訪者へのおもてなしや只見線にちなんだ商品開発等を支援することとしております。 引き続き、地元自治体や関係団体等とともに地域資源を活用し、新たな魅力を創出するなど、日本一の地方創生路線の実現を目指して利活用の促進に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。   (企画調整部長佐竹 浩君登壇) ◎企画調整部長(佐竹浩君) お答えいたします。 世代に応じた移住等の促進につきましては、平成30年度に移住された390世帯のうち50代以上は約2割、地域おこし協力隊として現在活躍している143名の約1割が同世代となっており、その豊富な経験と知見は地域づくりにとって大きな財産であります。 そのため、世代ごとのニーズに応じ、仕事や住まい、子育て環境等の情報提供、移住者同士や地域住民との交流会等によるリフレッシュする機会の提供など、様々な世代の移住、定住を促進してまいります。   (生活環境部長大島幸一君登壇) ◎生活環境部長(大島幸一君) お答えいたします。 ふくしまグリーン復興構想につきましては、国立、国定公園の魅力向上に向けた外国人の視点によるビューポイントの選定や只見柳津県立自然公園の国定公園編入に向けた調査、自然や地域の魅力を歩いて楽しむロングトレイルの検討を行っております。 新年度は、これらの取組に加え、磐梯朝日国立公園の周遊を促進するため広域的な自転車ルートの設定に取り組むなど、今後とも国や市町村等と連携し、本構想を積極的に推進してまいります。 次に、ユニバーサルデザインにつきましては、公共施設や公共交通などのまちづくりにその考えが積極的に生かされるよう、関係部局と連携して取り組むとともに、誰もが社会参加しやすい環境の整備に向け、障がいについて学び、理解を深め、実際の行動につなげるための講演会やセミナーなどを実施してまいりました。 今後とも、関係団体等との連携を図りながらユニバーサルデザインの普及啓発に取り組んでまいります。   (保健福祉部長戸田光昭君登壇) ◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。 介護人材の確保につきましては、若年層への理解の促進が重要であることから、これまでの養成施設入学者への修学資金の貸与や中高生等を対象とした職場体験などに加え、新年度は介護未経験者への研修機会の拡大や小学生と保護者を対象に職場見学会を開催するなど、将来を見据えて次代を担う若い世代の介護への理解と関心を高める機会の充実を図ってまいります。 次に、医療提供体制の改革につきましては、人口の減少や少子高齢化等により変化する医療需要を見据え、限られた医療資源を効果的に活用していくことが重要であります。 このため、医療圏ごとに地域の実情に応じた役割分担や連携方法などの調整を行うとともに、将来の医療ニーズを踏まえた医師偏在の解消や医師の働き方改革に向けた取組等も含め、総合的に検討することにより、医療提供体制の改革に取り組んでまいります。 次に、ヘルプマークの普及につきましては、市町村を通じたヘルプマークのストラップの配布や理解促進のためのポスターの商業施設等への掲示、パンフレットや動画等での広報などにより県民への周知に努めてきたところであります。 新年度は、新たに交通事業者の協力を得て県内路線バス等の車内に啓発用のステッカーを貼ることにより広く周知を図ることとしており、今後ともヘルプマークのさらなる普及に取り組んでまいります。 次に、DMATにつきましては、災害発生直後の被災地の医療提供体制を確保するため、現在県内13病院に225人の隊員が所属しており、昨年の災害発生時は浸水した病院からの透析患者の搬送など、関係機関連携の下、迅速な医療活動を行いました。 今後も引き続き、養成研修や防災訓練、全国の被災地での災害救助活動等を通して隊員の確保と技能の維持向上に努め、災害医療の充実を図ってまいります。 次に、DPATにつきましては、災害時の精神医療ニーズに対応するため組織するチームであり、県立矢吹病院を先遣隊として登録し、後続隊として7つの精神科病院等と派遣協定を締結しております。 昨年の災害では、避難所の巡回相談や心の健康相談会等を実施したところであり、引き続き関係機関との連携の下、研修会の開催や国の訓練等への参加により構成員の資質向上に努め、災害時の精神医療活動が適切に行われるよう取り組んでまいります。 次に、がん検診の受診率向上につきましては、休日予約制で待ち時間の少ないクイック検診や女性スタッフが対応するレディース検診など、受診機会の拡大に取り組んでいるところです。 新年度は、これらの検診と特定健診を同時に受診できるようにして利便性を高めるとともに、特に未受診者が多い大腸がん検診の精密検査の受診率向上を図るため、個別通知の工夫により受診を促すような勧奨方法を市町村に助言することとしており、引き続き連携協定締結企業と協力し、広く受診を呼びかけるなど、受診率の向上に向けて取り組んでまいります。 次に、ギャンブル依存症対策につきましては、当事者への回復トレーニングプログラムによる支援や家族教室を実施しているほか、啓発活動等に取り組む民間団体への補助等を行っているところであります。 新年度は、精神保健福祉センターに専門職の相談員を新たに配置し、ギャンブルを含む依存症の相談拠点として体制の強化を図ることとしており、引き続き専門医療機関の選定に向けて協議を進めるなど、精神科病院等と連携してギャンブル依存症対策に取り組んでまいります。   (商工労働部長金成孝典君登壇) ◎商工労働部長(金成孝典君) お答えいたします。 仕事と介護の両立につきましては、企業への訪問などを通して国の両立支援等助成金の周知や仕事と生活の両立に向けた取組を促す認証の取得の働きかけを行うなど、事業所の理解促進に取り組んできたところであります。 介護離職は、企業にとっても貴重な人材の喪失につながることから、仕事と介護の両立に向け、介護休業等の制度の活用が図られるよう、先進的な企業の取組事例を紹介するなど、事業所の一層の理解促進に努めてまいります。   (農林水産部長松崎浩司君登壇) ◎農林水産部長(松崎浩司君) お答えいたします。 森林の保水機能の維持増進に向けた森林整備につきましては、間伐による下層植生の回復と樹木の根の発達を促すことが重要と考えております。 このため、森林の循環利用により将来にわたって保水機能が安定確保されるよう間伐を推進するほか、主伐期の森林にあっては、伐採から再造林までの一貫作業を通じた速やかな森林の造成を図るなど、適切な森林整備を推進してまいります。   (こども未来局長佐々木秀三君登壇) ◎こども未来局長(佐々木秀三君) お答えいたします。 家族の介護等を担うことにより生活や学習に支障が生じている子供につきましては、その存在に早期に気づき、子供の負担を減らすことが必要であるため、学校等の子供に関わる機関だけでなく、福祉や医療の支援者が連携し、身近な地域で支援できるよう、市町村の職員等への研修を行うとともに、子供自身に支援の情報が届くよう周知に取り組んでまいります。   (観光交流局長宮村安治君登壇) ◎観光交流局長(宮村安治君) お答えいたします。 県産品の風評払拭につきましては、首都圏情報発信拠点、日本橋ふくしま館や企業マルシェ等への出展による県産品の販売活動をはじめ日本酒や農産物の輸出促進等を通して展開してまいりました。 今後も金賞受賞数日本一の日本酒をはじめ本県が誇る県産品の品質の高さや安全性を国内外に向けて発信し、直接手に取り、購入いただくことを通して理解を得、県産品の振興と風評払拭を推進してまいります。 次に、教育旅行の回復につきましては、関係者が一丸となり、全国の学校等に対して毎年1,000か所近くの訪問活動を重ねてきた結果、昨年度の実績は学校数で約7,000校に達し、震災前の約7,600校の約9割まで回復してまいりました。 今後は、こうした取組に加え、県外校に対するバス助成単価の改定やホープツーリズムのツアーの経験を生かして教育旅行の魅力の向上に取り組むなどにより、教育旅行のさらなる回復を図ってまいります。 ○議長(太田光秋君) これをもって、佐藤郁雄君の質問を終わります。 暫時休憩いたします。   午後2時46分休憩                  午後3時7分開議 ○副議長(長尾トモ子君) この際、私が議長の職務を行います。 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。 直ちに質問を継続いたします。 通告により発言を許します。11番橋本徹君。(拍手)   (11番橋本 徹君登壇) ◆11番(橋本徹君) 県民連合の橋本徹です。 3月1日にJヴィレッジの美化活動に参加してまいりました。草むしりをして、まだ腕は痛いですが、ぜひとも聖火リレーが成功し、オリンピックへの機運がさらに盛り上がっていきたいところです。 それでは、通告に従い質問をいたします。 まずは、被災地域の復興再生について、その中でもイノベーション・コースト構想の推進についてです。 福島イノベーション・コースト構想に基づく福島ロボットテストフィールドなどの拠点施設が今春にも開所するほか、今夏には東日本大震災・原子力災害伝承館が開設される見通しです。 既に東京電力福島第1原子力発電所の廃炉作業の本格化、廃炉が決まった第2原子力発電所など、廃炉産業と地元企業との参画、これらを通じた産学官連携、産業集積、交流人口などの取組が求められ、地域経済を活性化させていくことが必要です。 私は、昨年12月に策定した産業発展の青写真に基づき、地元の企業を中心にした幅広い参画を図りながら、福島イノベーション・コースト構想の効果を全県的に波及させていく必要があると思います。 双葉郡を中心とした原子力発電所の立地自治体は、原子力発電所の事故がありましたが、それでもなお事故発生の当事者である東京電力と東京電力を中心とした関連企業の城下町であることは事実です。原子力産業が廃炉産業に取って代わったにすぎません。 私は、廃炉産業と並び立つ産業を被災地域に根づかせ、住民の帰還や新たな人口の流入を図っていくことが復興と考えています。廃炉に加え、新たな産業を根づかせる原動力となるのは、県をはじめ国が中心となって推進している福島イノベーション・コースト構想にほかなりません。この構想を起爆剤に新たな被災地域の希望あるまちづくりを創造していく必要がありますし、その責務が国とともにあります。 そこで、福島イノベーション・コースト構想の推進について新年度どのように取り組んでいくのか、知事の考えを伺います。 次に、復興公営住宅の入居者と周辺地域の住民との関係づくりについてです。 復興公営住宅と団地が立地する地域との関わりを密にしてほしいとの声を団地住民から伺いました。これまで長年住み慣れた土地を離れ、新たな環境での生活のため、ごみ捨てマナーの違いなど何げない日常の行動に様々な戸惑いが生じているとの話がありました。 また、ある団地の方は、見回り活動など地元の消防団との連携が取れていないことから、団地の消防体制について地元自治会に相談したところ、地元消防団の見回り等の活動を団地も含めて対応してもらえるようになったとのことです。 地域の方と会話を交わし、顔見知りになる機会が増えれば、このような問題も少しずつ解決し、安心して暮らしていけるのではないでしょうか。団地周辺地域の住民との関係づくりは、より一層必要と思います。 そこで、復興公営住宅の入居者と周辺地域の住民との関係づくりを支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、原子力損害賠償紛争審査会に対する対応についてです。 原賠審の委員長は、昨夏原子力被災市町村を巡回しました。そこで各市町村からの要望を受けましたが、指針に関しては類型化などを経なければ変更はないとのことでした。 審査会は年に2回、視察は年1回行われ、各市町村からの要望や現状に触れます。しかしながら、被災者にとっては、要望を強く伝えてもそのハードルは高く、まさにのれんに腕押しの状態と感じています。 私は、被災者の立場に立った賠償、事業再建になっているのか甚だ疑問と思います。様々な事情や現状などを聴取し、対話を通じて現状に即した対応が今こそ必要と思います。 そこで、原子力損害賠償紛争審査会に対し、被害者の置かれている状況を的確に把握し、中間指針を見直すよう求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、避難地域の医療提供体制についてです。 本県は、震災と原発事故により壊滅的となった医療機関の再興のため、まずは各町村に診療所などを再開させるという、いわばハードの整備、支援を中心に取り組んできました。これにより、各町村に1か所は整備され、必要最低限の医療ニーズは満たされたと、住民を代表して感謝いたします。 被災地の現状として、帰還された多くは高齢者です。これからは、ハード面の整備に加え、帰還している多くの高齢者の要望に応えるソフト面の施策の充実が必要と考えています。 そこで、県は避難地域の医療提供体制の充実にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、浜通りの市町村を中心に大学などが行っている教育研究活動、復興知事業についてです。 復興へ向けた教育研究に関し、国においては国際教育研究拠点に関する議論、地元では福島第2原子力発電所廃炉に係る新たな廃炉研究拠点の必要性の声など、様々な議論や意見があります。一方、復興へ向けた多様な課題に対応し、浜通り地域全体へ高等教育機関の知見を結びつける必要があります。 全国の大学などの教員や学生が被災地を訪問し、本県復興に貢献しています。学生たちは、被災地の方々と直接触れ合うことで現状や課題を浮かび上がらせ、これらを具現化、体系化するなどして次への学問に生かしています。これは、本県復興を進めていくための原動力となり、復興知となっています。本県は、この復興知を集積し、活用していこうと取り組んでいます。 そこで、浜通り等の市町村で行われている復興知事業について、大学等による教育研究活動の成果を伺います。 次に、浜通りの観光誘客についてです。 双葉郡をはじめとした浜通り地域は、昨春に全面再開したJヴィレッジや間もなく開設予定のロボットテストフィールド、先ほども言いましたが、東日本大震災・原子力災害伝承館、今月14日に約9年ぶりに全線開通するJR常磐線など大きなはずみとなっています。 これらを組み合わせた交流人口の拡大策を図っていくべきなのは言うまでもありません。ホープツーリズムや修学旅行などの企画を積極的に各方面にPRしていくべきと考えます。 そこで、県は浜通りの観光誘客にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、阿武隈地域等における送電網の強化についてです。 昨年度末の再生可能エネルギーの導入状況が公表され、県内電力消費量の約8割に迫る導入量となりました。再生可能エネルギー先駆けの地の実現に向けては、さらなる導入拡大に向けた取組が必要なところであります。エネルギー分野からの本県復興を一層強化する福島新エネ社会構想は、阿武隈地域及び沿岸部における送電網の増強といった取組が位置づけられております。 県は、再生可能エネルギー先駆けの地の実現に向け、福島イノベーション・コースト構想及び福島新エネ社会構想に基づき、阿武隈地域及び沿岸部における送電網の強化に取り組んでおります。1月には、送電網の一部区間が供用を開始したと聞いておりますが、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大を目指し、引き続き整備が進められていくものと思います。 そこで、県は阿武隈地域等における送電網の強化にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、被災地域の物流についてです。 震災と原発事故の影響で双葉郡を中心に一部荷物が事業所まで届きにくい現状が続いています。これを受けて、現在福島相双復興推進機構などの側面支援を受けながら、複数の事業所向けの荷物を共同で輸送、配送する実証実験が行われています。 富岡町では、産業団地に入居を希望する事業者などから物流の課題について改善を求める声があります。避難地域の復興のためには事業の再開が必要であり、荷物の配送は重要な要素となります。物流の課題が企業進出、新規創業などに影響を及ぼさないためにも、その機能の回復が必要であると考えます。 そこで、県は避難地域の物流機能の回復に向け、どのように取り組んでいくのか伺います。 次に、災害に強い県づくりについてです。 堤防が決壊し、氾濫したいわき市の夏井川などの現状を見てきました。河川敷内に私有地があり、河道掘削や伐木が進まず、被害が発生したと見られる箇所があると聞いております。 また、浪江町の請戸川では、私有地のところだけが堤防がない状態のところもありました。地球規模での気候変動により、また再びあのような豪雨災害が来るかもしれません。対応は待ったなしの状態です。 そこで、台風第19号等により被災した河川にある私有地を解消すべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、交差点の改良についてです。 ヨーロッパなどを中心に、交差点を丸い環状として一方通行とし、信号がなくても車の流れをスムーズにする環状交差点、ラウンドアバウトを取り入れていると知りました。国内でもこの交差点を採用する地域が増えています。信号機が必要なく、停電などの万一の事態にも滞りなく交通がスムーズにいく長所があります。 本県は、震災と原発事故により多くの地域で送電網が停止し、支障ない交通を生み出す信号機が停電で機能しなくなるなどの経験をしています。これからは、道路の改良などをする場合にラウンドアバウトを考慮に入れて設計すべきと思いますが、なかなか進まない状況です。 例えば県庁前の交差点について、どちらが優先なのか分からない運転手が速度を落とすことなく交差点に進入している危険な状況を目にしたことがあります。 そこで、環状交差点、いわゆるラウンドアバウトの整備について、県の考えを伺います。 次に、健康、雇用及び教育についてです。 初めに、気軽にできる運動の推進についてです。 本県は、食、運動、社会参加の3本柱に健康をテーマにチャレンジふくしま県民運動を展開しています。その中でも、体を動かす運動については、それぞれの興味や関心などにより様々ですが、「気軽に無理なく」をキーワードに継続することが大切です。 自分が考える運動のさらなる効果については、リフレッシュ、気分転換です。空いた時間に歩いたりジョギングしたりすることで心も晴れやかな気分になります。おのおのができる運動は、心の健康も図られ、病気の未然防止、明日への活力につながっていくのではないでしょうか。 将来的には、Jヴィレッジを健康の拠点として位置づけ、取り組むべきと考えます。例えば健康経営優良事業所やイクボス宣言をした事業所に呼びかけ、メタボの健診や予備群の方々を対象にした体質改善研修を企画し、参加してもらい、健康増進を図ってもらうことなどです。県民の健康増進には、余暇などに地域で気軽に無理なく運動できることが重要で、それが健康づくりの土台になると考えています。 そこで、県は気軽にできる運動の推進にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、就職氷河期世代の雇用促進についてです。 自分もど真ん中の世代で、前回、昨年9月にも同じテーマの質問をしました。今回は、雇用促進に向けた県の新年度の取組についてです。 私たちは、競争する同学年と前後の世代の人口も多かったほか、学生の頃にバブル経済がはじけて就職も一気に大変、やっとの思いで就職しても、不景気で給料が伸び悩む、さらに結婚適齢期の30歳前後にはリーマン・ショックによる大不況で追い打ちをかけられました。バブル景気に沸いた社会は、どんなものだったのかとも考えてしまいますと発言しました。 私たちは、団塊の世代とその周辺の世代を支える子供たちです。しかしながら、前述したように、非正規などによる低所得、ひきこもり、これらに伴って多く存在する未婚者など、我が国が抱える少子高齢化の急激な進展などに要因していると考えています。 私たちの世代に対する国の支援策がクローズアップされてから全国の官公庁などが就職氷河期世代向けの採用を始めましたが、試験の倍率は数百倍に上るなど非常に狭き門です。これでは大学や高校卒業時に経験した当時の就職試験と変わりありません。より就職しやすいように、求職者への支援に加え、企業の求人の確保など、受入れ機会の拡大に向けた対策を講じるべきと思います。 そこで、県は就職氷河期世代の雇用促進にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、公立小中学校における不登校への対応についてです。 昨年10月に文部科学省から公表された平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によると、全国的に不登校児童生徒の数は増加しており、本県も東北では宮城県に次いで2番目に多く、過去最高となりました。 不登校になる原因も複雑化、多様化しており、具体的かつ効果的な支援が必要であると思います。こうした現状を受け、不登校の児童生徒に対し、きめ細かな支援を行っていくとともに、全ての児童生徒が不登校にならないようにするための取組が必要と考えています。 そこで、県教育委員会公立小中学校における不登校への対応にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、公立中高等学校における読書活動の推進についてです。 読書は、国語力やコミュニケーション能力を高めるとともに、得た知識が際限なく広がる効果が期待されます。 県教委では、毎年読書に関する調査を行っています。昨年度の調査を見ると、調査を開始した平成16年度からの調査結果の推移で、小学生の読書量が15年間で約3倍、中学生が約1.7倍、高校生がこの10年間で約1.3倍となっており、読書量は着実に増加しています。大変喜ばしいことです。 一方で、中学、高校生になると読書量が減る傾向にあります。それぞれの発達段階や学習、生活環境などを念頭に置いた読書の励行を指導すべきと考えます。 そこで、県教育委員会は公立中高等学校における読書活動の推進にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、難関大学を目指す生徒の学力向上についてです。 昨年の決算審査において改めて感じたところですが、教育に係る予算の9割が人件費ということでした。多忙な状況が続く教育現場を預かる教職員の方々への手当は必要ですが、残る1割で次代を担う子供たちの学力向上や体力向上、心身の健全な育成を図っているのかと心細く思ったことも事実です。教職員への現況の待遇を削ることなく、学力向上等の事業予算を充実できるようにしていきたいところです。 こうした中、新年度においては、これまで取り組んできた学力向上のための事業をリニューアルし、いわゆる難関大学を目指す高校生の学力向上にさらに努めていくと聞きました。高校生が高い志を持って志望大学を目指して進むことは、それぞれの意欲や熱意が本県の再生にも寄与していくことと思います。 そこで、県教育委員会は県立高等学校において難関大学への進学を目指す生徒の学力向上にどのように取り組んでいくのか伺います。 最後に、放課後等デイサービスの質の向上についてです。 就学している障がい児が放課後や夏休みなどの長期休暇中に利用する放課後等デイサービスは、平成24年4月の制度創設以降、利用希望者の増加に伴い、事業所数が大幅に増加しています。 このような中、各事業所における療育内容の質の差があるため、療育的な関わりをせず、単なる預かりになっている事業所もあると言われております。サービスの質の向上が求められているところです。 そこで、県は障がい児の放課後等デイサービスの質の向上にどのように取り組んでいくのか伺います。 これをもって質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(長尾トモ子君) 執行部の答弁を求めます。   (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 橋本議員の御質問にお答えいたします。 福島イノベーション・コースト構想につきましては、昨年12月、国とともに取りまとめた産業発展の青写真を具体化する重点推進計画の策定を進めております。 新年度は、本構想の中核的拠点である福島ロボットテストフィールドや福島水素エネルギー研究フィールドが全面開所いたします。 新たな重点分野に位置づけた医療、航空宇宙も含め、廃炉、ロボット、エネルギー、農林水産の分野で積み重ねてきた実証研究等の成果を具体的なビジネスに結びつけていく段階にあり、地元企業と地域外企業とのマッチング、実証プロジェクトへの幅広い参画促進や企業誘致の推進など、産業集積に厚みを持たせる取組を加速してまいります。 さらに、小中学生や高校生に最先端の技術を体験していただくなど、本構想を担う人材育成の取組についても引き続きしっかりと進めてまいります。 そして、国、福島イノベ推進機構、市町村、民間企業との連携を一層密にしながら、浜通り地域等の新しい産業基盤の再構築を進め、世界に誇れる福島の復興・創生の実現に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。   (企画調整部長佐竹 浩君登壇) ◎企画調整部長(佐竹浩君) お答えいたします。 復興知事業につきましては、全国の18大学等の28プロジェクトが進められております。 具体的な成果といたしましては、浜通り地域等にそれぞれ研究拠点を設置し、自動運転等の社会への実装、廃炉ロボット研究のスマート農業への応用、災害、被曝医療分野の人材育成など、産学官による復興の課題解決に取り組んでおり、地元市町村から評価をいただいております。 次に、阿武隈地域等における送電網の整備につきましては、福島新エネ社会構想の具体化の一環として、総延長80キロメートルの6割を超える53キロメートルの部分供用を順次今年1月から開始し、8か所の太陽光発電所が接続しております。 引き続き太陽光発電の接続を進めながら、風力発電の導入に向けた送電網の強化にしっかり取り組んでまいります。   (保健福祉部長戸田光昭君登壇) ◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。 避難地域の医療提供体制につきましては、ふたば医療センター附属病院の運営支援、診療所や薬局等の再開に向けた施設整備や運営費の補助等を行ってまいりました。 新年度は、新たに帰還に占める高齢者の割合が高い状況を踏まえ、患者の送迎や在宅医療に必要な資機材の整備について医療機関を支援するなど、帰還状況に応じたきめ細かな医療提供体制の充実に取り組んでまいります。   (商工労働部長金成孝典君登壇) ◎商工労働部長(金成孝典君) お答えいたします。 就職氷河期世代の雇用促進につきましては、県の就職相談窓口において、企業や求職者のニーズに応じたマッチング支援や就職氷河期世代を正社員として雇用した場合の助成金等の周知などに取り組んでいるところであります。 新年度は、相談窓口に専門相談員を配置し、求人の掘り起こしを行うとともに、セミナーや個別相談会の開催等を通して企業の受入れ環境づくりを支援するなど、雇用促進を図ってまいります。   (土木部長猪股慶藏君登壇) ◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 台風第19号等により被災した河川にある私有地につきましては、河道掘削や築堤などの対策を実施する場所について、工事に先立ち、土地所有者に丁寧に説明しながら、速やかに取得していく考えであります。 次に、いわゆるラウンドアバウトの整備につきましては、現在県道須賀川矢吹線矢吹町寺内地内のバイパス事業において取り入れているところであります。 ラウンドアバウトは、速度低下による事故の減少などの効果がある一方で、交通量が多い場合は円滑な処理ができないなどの課題もあることから、安全性や走行性等を総合的に評価しながら採用してまいります。   (原子力損害対策担当理事五十嵐俊夫君登壇) ◎原子力損害対策担当理事(五十嵐俊夫君) お答えいたします。 中間指針につきましては、これまで原子力損害賠償紛争審査会に対し、本県の現状をしっかりと把握するとともに、適時適切に見直すよう求めてまいりました。 審査会では、委員による現地調査や地元の市町村長及び事業者との意見交換等を通して被災地の実情把握を行っていることから、今後も被害者の生活や事業の再建につながる賠償が的確になされるよう求めてまいります。   (避難地域復興局長安齋浩記君登壇) ◎避難地域復興局長(安齋浩記君) お答えいたします。 復興公営住宅の入居者と地域住民との関係づくりにつきましては、各団地にコミュニティ交流員を配置し、交流会の開催や地元行事への参加などの支援を行うことにより相互理解を深め、良好な関係の構築に努めているところであります。 今後とも、こうした支援を通して、入居者と地域住民が一体となったコミュニティーの形成に取り組んでまいります。 次に、避難地域の物流機能の回復につきましては、国、県、市町村を含めた官民関係者による協議会において必要な対応策等を協議し、双葉郡内で共同配送モデル事業や事業者の課題把握のための調査事業を進めているところであります。 今後も関係機関と連携しながら、避難地域の物流課題の解決に向け取り組んでまいります。   (文化スポーツ局長野地 誠君登壇) ◎文化スポーツ局長(野地誠君) お答えいたします。 気軽にできる運動の推進につきましては、ウオークビズの普及や健康づくりを体感できるフェスタの開催など、健康への気づきや実践機会を提供してまいりました。 今後とも、市町村や関係団体と連携し、地域におけるスポーツ活動の支援をはじめ県民スポーツ大会やレクリエーション活動など様々な行事への参加を呼びかけ、気軽に運動を楽しみ、心身の健康につながる取組を幅広く進めてまいります。   (こども未来局長佐々木秀三君登壇) ◎こども未来局長(佐々木秀三君) お答えいたします。 障がい児の放課後等デイサービスにつきましては、事業所職員を対象とした研修や事業所への訪問指導などを通じてサービスの質の向上に努めております。 また、県内7地域に支援マネジャーを配置し、利用者が最適なケアを受けられるよう、市町村や医療機関との調整や事業所の支援技術の向上を図る助言指導を行うなど、子供の障がい特性に応じた適切な支援が行えるよう取り組んでまいります。   (観光交流局長宮村安治君登壇) ◎観光交流局長(宮村安治君) お答えいたします。 浜通りの観光誘客につきましては、常磐線や相馬福島道路の全線開通、東日本大震災・原子力災害伝承館や福島ロボットテストフィールドのオープンなど、新たな人の流れが期待できることから、新年度浜通りに宿泊する教育旅行と合宿に補助単価を加算して、さらなる誘客強化を図ります。 これまで積み重ねてきたホープツーリズムの磨き上げと件数の拡大、鉄道事業者との一層の連携などにも取り組み、浜通りへの誘客を促進してまいります。   (教育長鈴木淳一君登壇) ◎教育長(鈴木淳一君) お答えいたします。 公立小中学校における不登校への対応につきましては、今年度モデル校7校に教員を加配し、普通教室とは別に不登校児童生徒の居場所となるスペシャルサポートルームを設置して支援を行うことで、不登校の解消に成果が見られたところであります。 このため、新年度はモデル校を倍増するとともに、1人1人に寄り添う取組を広く普及し、全ての児童生徒が安心して学べる環境を整えてまいります。 次に、公立中高等学校における読書活動につきましては、発達段階に応じて読書に親しむ機会を充実させることが重要であると考えております。 このため、このたび策定した第4次子ども読書活動推進計画を基に、一斉読書をはじめ幼児や小学生に対する読み聞かせ、お薦めの本を紹介し合うビブリオバトル大会の開催など、中高等学校における読書活動の推進に積極的に取り組んでまいる考えであります。 次に、難関大学への進学を目指す生徒の学力向上につきましては、生徒が知的探究心を高め、志を持って学ぶことが重要であることから、生徒同士が切磋琢磨する学習会を開催するなどして、自ら学び合う生徒の育成に努めております。 今後は、20校程度を指定し、SDGsの視点を取り入れた課題探究型ワークショップを開催するなど、思考力や表現力等を高め、1人1人の学力の向上を図ってまいります。 ○副議長(長尾トモ子君) これをもって、橋本徹君の質問を終わります。 通告により発言を許します。34番安部泰男君。(拍手)   (34番安部泰男君登壇) ◆34番(安部泰男君) 公明党県議団の安部泰男であります。 東日本大震災と原発事故からの復興、昨年の台風第19号等による水害の復旧と防災・減災対策、そして新型コロナウイルス感染症の封じ込めなど、私たちは今そこにある危機からの県民の命と暮らしを守るため、全力でその対策に取り組むことが求められております。こうした本県の現状を踏まえ、県政一般についてお尋ねいたします。 1つ目は、災害発生時の情報共有についてです。 想定を超える大規模災害が毎年発生している中、被災現場の正確な情報を関係者が広く共有し、的確な対応を迅速に行うことは、地域住民の命と財産を守る上で極めて重要であります。 そのため、国立研究開発法人防災科学技術研究所、いわゆる防災科研は、平成26年から民間と共同で研究開発を進め、組織を超えた防災情報の共有を実現する基盤的防災情報流通ネットワークを開発し、昨年から運用を開始いたしました。 このネットワークシステムは、防災関係機関がそれぞれ持っている気象情報や道路情報、避難所情報、病院情報、被害情報等を共有のデータベースに収納し、現場で利用しやすい情報に加工して迅速に提供することができます。 例えば避難所の避難者数、道路の通行止め箇所、給水拠点などの地図を重ね合わせ、物資支援等の配布に最適な巡回ルートを選定することができます。 また、災害現場をドローンやスマホで撮影した映像、さらには刻々と変化する避難所の情報を現場から直接入力し、地図上から呼び出して共有することも可能であります。 このネットワークを運用している防災科研は、昨年の台風第19号の際にも福島県災害対策本部に常駐し、本部の災害対応をサポートしたと聞いております。 そこで、関係機関の組織を超えて防災情報を共有する基盤的防災情報流通ネットワークを活用し、迅速かつ円滑な災害対応を図るべきと思いますが、県の考えを伺います。 次は、避難所のプライバシー確保についてです。 県は、令和元年台風第19号等による災害への対応と住民避難行動について検証するため、外部有識者を交えた検証委員会を設置し、その結果を福島県地域防災計画等に反映して今後の防災・減災対策を強化するとしています。 特にこのたびの災害においては、各市町村において避難勧告や避難指示などが発令されているにもかかわらず、避難しなかった住民が多くいたとの報道がありました。 そうした住民の行動には、幾つもの要因があると考えられますが、スフィア基準において求められている避難所におけるプライバシーの確保が十分ではないため、避難しにくい状況があるのではないかと考えます。 そこで、市町村と連携し、避難者のプライバシーを確保した避難所の設置を推進すべきと思いますが、県の考えを伺います。 次は、福島第1原発の処理水についてです。 東京電力福島第1原子力発電所の廃炉過程で排出される処理水については、原子力規制委員会が基準以下に薄めて海へ放出することが科学的に合理的な処分方法とする見解を示していますが、地元の住民などからは再び風評被害が起こると心配する声が根強くあります。 内堀知事は、トリチウム水の今後の取扱いについては、現在国において社会的な影響を踏まえた議論がなされているところであり、国及び東京電力においては、環境や風評への影響などを国民や県民に丁寧に説明し、慎重に議論を進めていただきたいと繰り返し表明しております。 そして、常磐もののおいしさや安全性を広く発信しようと、ふくしま常磐ものフェアを東京都内や横浜など首都圏の飲食店で開催し、風評払拭に懸命に取り組んでおります。 トリチウム水の処理方法については、近いうちに国の判断が示されると仄聞しますが、国内外の消費者においてトリチウムを含む処理水への現状認識が進まない中で、国が県沿岸へ海洋放出を容認したことにより、新たな風評被害が発生し、ひいては本県漁業の趨勢に大きな影響が出た場合は、国はその全てに責任を負うべきと考えます。 そこで、国が検討しているトリチウムを含む処理水の取扱いについて、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次は、SDGsについてです。 国連が2030年までに実現を目指す持続可能な開発目標、いわゆるSDGs達成期間までの残り10年を見据え、政府は昨年12月、中長期的な国家戦略であるSDGs実施指針を改定いたしました。 その指針では、ビジネスとイノベーション、地方創生、次世代・女性のエンパワーメントの3本柱を中核とする日本のSDGsモデル展開の加速化が掲げられております。 しかし、内閣府による調査では、全国都道府県市区町村1,788団体中、回答した1,237団体によれば、推進しているが19%、今後推進していく予定が22%にとどまっていることから、国は今後2024年度までに推進する自治体を60%に加速拡大するとしています。 目標達成に向けては、政府や経済界、市民社会といった利害関係者が共同して諸課題に取り組むこととし、環境や社会への貢献を投資基準とする、いわゆるESG投資の重要性のほか、若者が未来の社会を担う中核の存在だと位置づけ、啓発を強化する方針が盛り込まれました。 これから福島復興加速化への新たな10年を踏み出そうとする本県にとっても、誰一人取り残さない社会を目指すSDGsの推進は非常に重要であると考えます。 そこで、本県におけるSDGsの達成に向け、どのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。 次は、福島県災害廃棄物処理計画の策定についてです。 国は、東日本大震災などの経験を踏まえ、災害廃棄物対策指針などで自治体による災害廃棄物処理計画の整備を明記し、仮置場の場所や運用方法、廃棄物処理業者らとの連携の在り方を計画に定めることを求めています。 環境省は、大規模災害時に発生する瓦礫や家具などの廃棄物の処理に関するこの計画について、今後の台風や豪雨に備えるため、この夏までに仮置場の確保や協力事業者の選定など最低限の内容だけでも決めるよう促しています。 令和元年台風第19号等による福島県災害廃棄物処理実行計画によれば、今回の災害の被災37市町村の災害廃棄物発生量は約56万トンに上るなど、大量の災害廃棄物が発生しています。 そこで、国の災害廃棄物対策指針に基づく災害廃棄物処理計画の策定時期についてお尋ねいたします。 また、県は災害廃棄物処理計画を策定する市町村をどのように支援していくのか伺います。 次は、新型コロナウイルス感染症についてです。 1月14日、神奈川県内の医療機関から保健所へ中華人民共和国湖北省武漢市の滞在歴がある肺炎の患者が報告され、国立感染症研究所での検査により、新型コロナウイルスに関連した肺炎の患者の発生が国内で初めて確認されました。現在国は、各地で感染者が相次いでいる状況から、感染経路が見えていたものが見えなくなってきているという認識を示しています。 ところで、国は病原性が高い新型インフルエンザや同様の危険性のある新感染症も対象とする危機管理の法律として新型インフルエンザ等対策特別措置法を制定し、本県においても福島県新型インフルエンザ対策行動計画が策定されたところであります。 この県行動計画は、政府行動計画を踏まえ、病原性の高い新型インフルエンザ等への対応を念頭に置きつつ、発生した感染症の特性により、病原性が低い場合など、様々な状況で対応できるよう対策の選択肢を示すものであるとしています。 そこで、新型コロナウイルス感染症について、新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象となるのか伺います。 また、同行動計画では、発生時における医療体制の維持確保において、患者が増加してきた段階においては、県専門委員会の意見を踏まえた上で、帰国者・接触者外来の診療体制から一般の医療機関で診療する体制に切り替えるとしています。 そして、患者数が大幅に増加した場合にも対応できるよう、重症者は入院、軽症者は在宅療養に振り分け、医療体制の確保を図ることとされています。しかし、最近の報道でも明らかなように、本県の医師等医療人材の不足や偏在で当初予定していた医療体制の維持確保ができるのか懸念されます。 そこで、県は県内で新型コロナウイルス感染症の患者が多数発生した場合の医療体制の維持確保にどのように対応するのか伺います。 次は、子宮頸がんワクチンの正しい情報提供についてであります。 年間1万人がかかり、約3,000人の女性が亡くなる子宮頸がん対策として、HPVワクチンが2013年4月より国の定期接種となりましたが、接種後に多様な症状が生じたとする報告によって、国は2013年6月から積極的な勧奨を差し控えるとしました。 厚労省から接種の積極的な勧奨とならないよう留意することと勧告が出たことで、全国ほとんどの自治体がA類定期接種ワクチンであるにもかかわらず個別通知などによる周知をやめ、結果として接種率は約70%から1%未満まで下がってしまい、子宮頸がんに罹患するリスクが定期接種導入以前に戻ったとされています。 2019年8月30日に厚労省で開催された副反応検討部会のHPVワクチンの情報提供に関する評価についてでは、国民へのアンケートで、接種に関して「分からないことが多いため、決めかねている」と41%が回答しており、HPVワクチンが定期接種であることやこの疾患やワクチンについて知る機会が失われているという現状が明らかになりました。 HPVワクチンは、現在も予防接種法における定期接種A種として位置づけられており、自治体は制度の周知を行う義務もあります。 そこで、子宮頸がんワクチン接種についてさらなる周知を図るべきと思いますが、県の考えを伺います。 次は、糖尿病の重症化予防対策のさらなる推進についてです。 糖尿病は、放置すれば、糖尿病性網膜症、腎症、神経障害の3大合併症を引き起こしかねず、特に糖尿病性腎症が原疾患の4割以上を占める人工透析治療は年間約500万円の費用負担となり、日常生活への支障はもとより、医療費適正化の点でも課題となっております。 こうした中、国は平成31年4月に糖尿病性腎症重症化予防プログラムを改定し、関係者の連携や運用上の課題に対応するなど、さらなる推進を図ろうとしております。 また、国保制度においては、自治体に対して新たなインセンティブである保険者努力支援制度を創設し、糖尿病の重症化予防の取組に高い配点がなされ、令和2年度からはアウトカム指標として県全体の新規透析導入数の減少が設定され、実のある取組が一層求められているところです。 本県では、例えば糖尿病治療中断者対策として、受診勧奨のため、レセプト等の分析がなされております。しかし、国保データベースでは過去5年間の受診履歴まで遡れるにもかかわらず、実際は直近1年間の中断者や検診受診者を対象としています。これでは抽出条件が狭く、少ない人数しか受診勧奨されないのではないかと危惧されるところであります。 そこで、県は市町村が行う国保被保険者の糖尿病治療中断者への受診勧奨をどのように支援していくのかお尋ねいたします。 次は、就職氷河期世代の就労支援についてです。 就職氷河期世代とは、バブル崩壊による不景気で就職が難しかった1990年代半ばから2000年代初頭に高校、大学などを卒業した世代です。1991年に2.86倍を記録した大卒の求人倍率は、その後0.99倍まで急落し、未就職や非正規雇用になる人が増えました。 2018年時点で35歳から44歳の人は約1,689万人、アルバイトなどの非正規社員は約371万人、このうち不本意ながら非正規で働く人は約50万人に達し、他世代と比べ給与にも差が生じています。 政府は、就労環境が改善していない実情を重く見て、支援を本格化させ、今後3年間で同世代の正規雇用者を30万人増やす目標を掲げ、今年度補正予算案と来年度予算案でハローワークへの専門窓口の設置や企業への助成金の拡充などの方針を決定いたしました。 また、政府は3年間で集中的に取り組む施策を具体的に示した行動計画を取りまとめ、就職氷河期世代への支援に関して関係者が安心して取り組めるよう、2019年度補正予算を含め650億円を上回る財源を確保するとしています。 行動計画には、当事者の自宅を訪ねて本人や家族の相談に乗る訪問型の支援強化や、ハローワークへの就職相談から職場定着までを一貫して支援する専門窓口の設置、自治体の取組を後押しする交付金創設などが盛り込まれています。 先月12日、内閣府から都道府県、政令市に対する説明会で、地域就職氷河期世代支援加速化交付金の実施要綱が示されました。第1公募までかなり時間的に余裕がない状況ですが、今後も数次にわたって公募する予定もあるようです。 そこで、県は国等と連携した就職氷河期世代の就労支援にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 次は、補助金申請におけるJグランツの導入についてです。 経済産業省は、2020年より、補助金申請にインターネットを利用して申請、届出をする電子申請システム、Jグランツを導入します。これにより、事業者はいつでもどこでも申請が可能となり、また書面で行う申請に比べて手間やコストを削減できます。 経済産業省の補助金は、2019年度補正、2020年度当初予算で27補助金が対象となり、Jグランツ上でリアルタイムに申請状況や処理状況が把握できるため、手続を迅速に行うことが可能となります。さらに、他省庁や自治体の補助金も含めて随時拡大していく予定としています。 加えて、Jグランツには国と自治体の補助事業が掲載され、ワンストップで補助金情報を収集することもできるとされています。 そこで、国が開発した補助金申請システム、いわゆるJグランツについて、県の補助事業にも導入を進めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 次は、農業経営収入保険についてです。 台風第19号の被害は、農林水産業にも大きな影響を及ぼしました。農林水産業の被害が636億円、うち農業被害が24億円、農地被害は528億円、林業、水産は84億円と甚大な被害となっています。 このような中、国、県は各種支援策を打ち出し、早期回復への対応を進めているところであり、各種支援策が十分に周知されるよう望むところであります。 さて、頻発する自然災害など予期せぬ収入減に見舞われた農家に対し、その一部を補填する農業経営収入保険制度が2019年1月よりスタートし、2年目に入りました。 この制度は、青色申告を行っている方々が対象で、補填金は保険料と積立金の組合せで決まり、過去5年間の平均収入の9割を下回った額の9割を補填、最大補償で8割は維持できます。保険料は掛け捨てですが、積立金は補填に使われない限り持ち越され、保険料の50%、積立金75%を国が補助する仕組みとなっております。 その特徴として、ほぼ全ての農産物を対象としていること、収入減少の要因を幅広く認めている点、例えば市場価格の下落、けがや病気による収穫不能、倉庫の浸水被害、取引先の倒産なども対象とされています。 国は、2022年度を目途に10万経営体加入を目指していますが、2019年の加入実績は全国2万2,812経営体にとどまっており、都道府県別では、愛媛県が1,408経営体の加入で目標の70%に達している一方、本県の状況は792経営体の加入で目標の26%となっており、さらなる推進が望まれます。 国は、今年1月より、補償額が5割、4割、3割で、年額保険料7万円、6万2,000円、4万4,000円に引き下げたタイプも新設して加入推進の取組を進めるとしていますので、本県もさらに推進すべきと思います。 そこで、県は農業経営収入保険の加入者拡大にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次は、土砂災害警戒区域等の周知についてです。 2018年の西日本豪雨や17年の九州北部豪雨など、近年は雨雲が一定の地域に線状にとどまる線状降水帯が原因の集中豪雨による土砂災害が頻発しています。 こうした中、国土交通省は土砂災害危険度評価システムの構築に取り組んでいます。このシステムは、土砂災害のおそれのある線状降水帯を検知し、危険度を3段階で判定する仕組みで、自治体が早期に避難情報を出すための根拠とすることを目的に改良を進めているところであります。 国交省は、都道府県の土砂災害担当者が閲覧できるようにするとともに、都道府県が本システムの情報を市町村に提供して、市町村が総合的に判断し、避難指示が出せるよう実用化を目指していると聞いています。また、将来的には本システムを住民が利用できるようにも考えているようです。 ところで、昨年の台風第19号等においては、県内の広範囲で土砂災害が多発し、人的被害も発生しております。県民の命と暮らしを守るために、ハード、ソフトの両面からあらゆる対策を進めていかなければなりません。特に土砂災害は直接人命に関わることから、住民が日頃よりそれぞれの住まいなどの危険性を認識して、早期避難につながるような取組が重要と考えております。 そこで、県は土砂災害警戒区域等について地域住民にどのように周知していくのか伺います。 次は、優秀な教員の確保についてです。 令和元年度に実施した本県の公立学校教員採用試験では、定年に伴う教員の大量退職のため、小中学校での採用予定者が大幅に拡大されました。しかし、採用試験の志願者は近年減少傾向にあり、倍率は2倍を切る結果となっております。 一方、高等学校では、志願者の減少はあるものの、採用予定者数に大きな変動はないため、全教科の倍率は10倍を超えており、他校種に比べ狭き門となっています。そのため、優秀な人材であっても本県の教員として採用されず、他県の教員や民間企業へ採用されてしまうこともあると聞いています。 また、本県の今年度実施の教員採用試験実施要項によると、一般選考では令和2年4月1日現在満50歳以下の者となっていますが、県内にはクラス担任や部活動顧問をしながら実質正規職員と同じ責務で働いている50歳代の講師もおり、1年でも正規職員として働ける機会を提供すべきと考えます。 佐賀県では、令和2年度に実施する公立学校教員の採用試験から、年齢制限の実質撤廃に加え、試験の免除や試験内容の見直しを決めたとされています。本県においても、子供たちの教育を担う意欲を持った多くの教員志望の皆さんに教員採用試験を受験していただくことが大変重要であり、志望者を増やすことは優秀な教員の確保につながるものと考えます。 そこで、優秀な教員の確保に向け、公立学校教員採用試験の見直しを行うべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。 最後は、高齢者講習等についてです。 高齢者ドライバーによる交通事故が増加しており、その中でもブレーキとアクセルの踏み間違いによる交通事故等が大きな問題となり、道路交通法の一部が改正され、70歳以上の方の免許更新時には高齢者講習の受講が義務づけられ、さらに75歳以上の方の免許証更新時には認知機能検査も義務づけられました。 高齢者講習や認知機能検査を受けるには自動車教習所への予約が必要ですが、県民の方々から、高齢者講習等が大変混み合って受講待ちが長くなり、予約を取るのに大変苦労しているという声が寄せられております。 こうした状況を踏まえ、公安委員会が警察施設において高齢者講習を直接実施する対策も始まっていますが、混雑解消に向けてさらに取組が必要だと思います。 そこで、高齢者講習等の受講待ち解消に向けた取組について、県警察の考えをお尋ねいたします。 以上で私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(長尾トモ子君) 執行部の答弁を求めます。   (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 安部議員の御質問にお答えいたします。 SDGsについてであります。 未曽有の複合災害からの復興再生、急激な人口減少と高齢化、そして昨年の台風災害など、前例のない困難な課題への対応に本県は一丸となって取り組んでおります。 全国的にも共通する課題が先行して顕在化している福島県だからこそ、復興再生と地方創生を両輪で進めることはSDGsの達成に大きく貢献するものと認識しております。 SDGsが示す理念の実現に当たっては、私はまず行政職員が率先して理解を深め、様々な関係者との連携や共働を進めることが重要であると考えております。 昨年、産学官民連携による取組事例等を学ぶ職員向けの研修会を実施したところであり、新年度は市町村職員にも参加いただけるよう受講範囲を拡充してまいります。 さらに、現在策定を進めている新たな総合計画や部門別計画はもとより、今月中に策定する次期総合戦略においても具体的な施策とSDGsの17の目標との関係性を明確化するなど、持続的に発展可能な県づくりをオール福島で前に進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。   (危機管理部長成田良洋君登壇) ◎危機管理部長(成田良洋君) お答えいたします。 基盤的防災情報流通ネットワークにつきましては、台風第19号等への対応の際、防災科学技術研究所が災害対策本部に常駐し、浸水想定地図作成等の支援を受けたところであります。 被災状況等を地図上で視覚的に整理する有用性を確認した一方、さらなる活用のためには電子的な地理情報の準備が必要であるなど課題も多いことから、今後円滑な情報共有に向けた導入について研究してまいります。 次に、避難所のプライバシー確保につきましては、台風第19号等への対応に当たって、県が備蓄する間仕切りを避難所へ送るとともに、国のプッシュ型支援により、段ボール製の更衣室などが整備されたところです。 引き続き、市町村等の現状をお聞きしながら、今回の災害を踏まえ、避難所運営マニュアル作成の手引を見直して周知することなどにより、プライバシーに配慮した避難所の整備を図ってまいります。 次に、トリチウムを含む処理水の取扱いにつきましては、今後政府において小委員会の提言内容を踏まえ、対応方針を決定するとされております。 県といたしましては、国及び東京電力に対し、トリチウムに関する正確な情報発信と具体的な風評対策の提示にしっかりと取り組むとともに、引き続き幅広い関係者の意見を丁寧に聞きながら、慎重に対応方針を検討するよう求めてまいります。   (生活環境部長大島幸一君登壇) ◎生活環境部長(大島幸一君) お答えいたします。 国の指針に基づく災害廃棄物処理計画の策定につきましては、今年度想定される災害規模に基づき、廃棄物発生量の推計等の調査を行うなど、計画策定に向けた作業を進めております。 新年度には、昨年の台風第19号等への対応を踏まえ、市町村や関係団体、有識者の意見を聞きながら計画を策定してまいります。 次に、市町村の災害廃棄物処理計画の策定につきましては、これまで説明会において、国の計画策定モデル事業の広報周知等を通じて取組を促進してまいりました。 今後は、今年度県が行っている調査に基づき、想定される廃棄物の量や仮置場の必要面積等の基礎的資料を市町村に提供するとともに、説明会を開催するなど、計画策定が円滑に進むよう支援してまいります。   (保健福祉部長戸田光昭君登壇) ◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。 新型コロナウイルス感染症につきましては、新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象となる感染症ではありませんが、現在国において新型インフルエンザ等対策特別措置法と同等の措置を講じることが可能となる立法措置を検討していると聞いております。 次に、新型コロナウイルス感染症の医療体制につきましては、感染が疑われる方を帰国者・接触者相談センターで確実に専門外来につないでいるところでありますが、今後患者が多数発生した場合に備え、現在県の対応方針に沿って、一般の医療機関においても患者の受入れが可能となるよう、医師会や医療機関と連携して調整しているところであり、適切な医療提供体制の確保に向けてしっかり取り組んでまいります。 次に、子宮頸がんワクチンの周知につきましては、接種に関する身近な相談の窓口となる市町村職員や養護教諭等を対象とした研修会を開催し、理解促進を図ってまいりました。 今後は、ホームページをリニューアルするなど、接種対象者やその保護者がワクチンの有効性や安全性についての理解を深められるよう、分かりやすい情報発信に努めてまいります。 次に、糖尿病治療中断者への受診勧奨につきましては、国保連合会から市町村に提供される指導対象者リストに特定健診データ等を追加し、指導の優先度が明確になるよう、現在新たなリストの開発に取り組んでおります。 新年度からは、研修会や現地実習を通してリストを活用した保健指導の実践力向上を図り、より効果的な受診勧奨につなげてまいります。   (商工労働部長金成孝典君登壇) ◎商工労働部長(金成孝典君) お答えいたします。 就職氷河期世代の就労支援につきましては、新年度国が県や市町村、経済団体等の関係機関の参画による一元的な推進体制を整備し、新たな交付金の活用も図りながら、地域の実情に応じた取組を行うこととしております。 県といたしましては、本県の実態やニーズ等を踏まえ、きめ細かな対応が図られるよう、関係機関と連携しながら就労支援に取り組んでまいります。 次に、いわゆるJグランツの導入につきましては、電子申請に適する補助事業の選定や事業者のニーズ、システム運用に係る今後の県の費用負担の見込み等を考慮し、他の自治体の導入状況等も見極めながら検討してまいります。   (農林水産部長松崎浩司君登壇) ◎農林水産部長(松崎浩司君) お答えいたします。 収入保険の加入者拡大につきましては、県政ラジオ番組や県のホームページの活用、農業者等が出席する会議での説明などにより、加入促進に努めてまいりました。 今後は、台風第19号被害により営農再開支援の対象となった農業者を中心に加入を促すとともに、実施運営主体である福島県農業共済組合との連携を密にしながら、説明会の重点開催など、加入率の低い地域での加入者拡大に取り組んでまいります。   (土木部長猪股慶藏君登壇) ◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 土砂災害警戒区域等の地域住民への周知につきましては、これまで区域指定について住民説明会や県のホームページなどで公表しております。 今後は、地域住民が日頃から土砂災害の危険性を認識できるよう、区域等を示した標識を住民の協力を得ながら現地に設置するなど、市町村と連携し、実効性のある避難行動に向け、土砂災害警戒区域等の周知に努めてまいります。   (教育長鈴木淳一君登壇) ◎教育長(鈴木淳一君) お答えいたします。 教員の採用につきましては、近年志願者の減少が喫緊の課題となっていることから、その対応策を検討してきたところであります。 今般、来年度の教員採用試験において受験資格の年齢制限を撤廃するとともに、中学校と高校の併願制度を導入するなど大幅に見直しを図ることといたしました。 今後は、積極的に周知することで志願者を増やし、優秀な教員の確保に努めてまいります。   (警察本部長林  学君登壇) ◎警察本部長(林学君) お答えいたします。 高齢者講習等の受講待ち解消に向けた取組につきましては、昨年委託先の各教習所に対し、講習の実施回数及び1回当たりの受講者数の拡大や認知機能検査と高齢者講習の同日実施などを指導しております。 その結果、受講待ち平均日数は昨年当初の約116日から昨年末には約51日に短縮されています。 引き続き、教習所を指導するとともに、県警察が直接実施する高齢者講習等の実施回数の拡大などにより、さらなる待ち期間の解消に努めてまいります。 ○副議長(長尾トモ子君) これをもって、安部泰男君の質問を終わります。 本日は、以上をもって議事を終わります。 明3月4日は、定刻より会議を開きます。 議事日程は、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第91号までに対する質疑並びに議員提出議案第25号に対する審議並びに議案撤回の件であります。 これをもって、散会いたします。   午後4時27分散会...