福島県議会 > 2015-09-14 >
09月14日-一般質問及び質疑(代表)-02号

  • 成人式(/)
ツイート シェア
  1. 福島県議会 2015-09-14
    09月14日-一般質問及び質疑(代表)-02号


    取得元: 福島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    平成27年  9月 定例会平成27年9月14日(月曜日) 午後1時2分開議 午後3時18分散会議 事 日 程   午後1時開議 1、日程第1 県の一般事務に関する質問 2、日程第2 知事提出議案第1号から第47号まで        付議議案に対する質疑本日の会議に付した事件 1、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第47号までに対する質疑出 席 議 員      1番 木 田 孝 司 君   2番 先 崎 温 容 君      3番 鈴 木   智 君   4番 斎 藤 勝 利 君      5番 丹 治 智 幸 君   6番 佐 藤 雅 裕 君      7番 遊 佐 久 男 君   8番 本 田 仁 一 君      9番 矢 島 義 謙 君  10番 椎 根 健 雄 君     11番 佐久間 俊 男 君  12番 紺 野 長 人 君     13番 宮 本 しづえ 君  14番 矢 吹 貢 一 君     15番 山 田 平四郎 君  16番 小 林 昭 一 君     17番 阿 部   廣 君  18番 西 山 尚 利 君     19番 勅使河原 正之 君  20番 安 部 泰 男 君     21番 水 野 さちこ 君  22番 星   公 正 君     23番 円 谷 健 市 君  24番 古 市 三 久 君     25番 石 原 信市郎 君  26番 長谷部   淳 君     27番 吉 田 栄 光 君  28番 長 尾 トモ子 君     29番 渡 辺 義 信 君  30番 桜 田 葉 子 君     31番 杉 山 純 一 君  32番 佐 藤 金 正 君     33番 今 井 久 敏 君  34番 髙 野 光 二 君     35番 宮 下 雅 志 君  36番 坂 本 栄 司 君     37番 立 原 龍 一 君  38番 宮 川 えみ子 君     39番 阿 部 裕美子 君  40番 満 山 喜 一 君     41番 柳 沼 純 子 君  42番 太 田 光 秋 君     43番 斎 藤 健 治 君  45番 甚 野 源次郎 君     46番 本 田   朋 君  47番 川 田 昌 成 君     48番 亀 岡 義 尚 君  49番 三 村 博 昭 君     50番 神 山 悦 子 君  51番 佐 藤 憲 保 君     52番 遠 藤 忠 一 君  53番 小桧山 善 継 君     54番 青 木   稔 君  55番 宗 方   保 君     56番 西 丸 武 進 君  57番 渡 部   譲 君     58番 瓜 生 信一郎 君説明のため出席した者 県       知     事     内  堀  雅  雄  君       副  知  事     鈴  木  正  晃  君       副  知  事     畠     利  行  君       総 務 部 長     藤  島  初  男  君       危 機 管理部長     樵     隆  男  君       企 画 調整部長     近  藤  貴  幸  君       生 活 環境部長     長 谷 川  哲  也  君       保 健 福祉部長     鈴  木  淳  一  君       商 工 労働部長     飯  塚  俊  二  君       農 林 水産部長     小  野  和  彦  君       土 木 部 長     大 河 原     聡  君       会 計 管 理 者     鈴  木  千 賀 子  君       出納局長(兼)     鈴  木  千 賀 子  君       原子力損害対策     成  田  良  洋  君       担 当 理 事       企 画 調 整 部     伊  藤  泰  夫  君       避 難 地 域       復 興 局 長       企 画 調 整 部     篠  木  敏  明  君       文 化 スポーツ       局     長       保 健 福 祉 部     尾  形  淳  一  君       こども未来局長       商 工 労 働 部     橋  本  明  良  君       観 光 交流局長       総 務 部政策監     佐  藤  宏  隆  君       風 評 ・ 風 化     野  地     誠  君       対 策 監 兼       知 事 公 室 長 総  務  部       参事兼総務課長     佐  藤     隆  君       秘 書 課 長     久  保  克  昌  君       総 務 部 主 幹     小  林  弘  文  君 企  業  局       企 業 局 長     鈴  木  清  昭  君 病  院  局       病院事業管理者     丹  羽  真  一  君       病 院 局 長     佐  竹     浩  君 教 育 委 員 会       委  員  長     高  橋  金  一  君       教  育  長     杉     昭  重  君 選挙管理委員会       委  員  長     菊  地  俊  彦  君       事 務 局 長     林     昭  彦  君 人 事 委 員 会       委  員  長     今  野  順  夫  君       事 務 局 長     須  藤  浩  光  君 公 安 委 員 会       委     員     満  田  盛  護  君       警 察 本 部 長     石  田  勝  彦  君 労 働 委 員 会       事 務 局 長     佐 久 間  弘  之  君 監 査 委 員       監 査 委 員     美  馬  武 千 代  君       事 務 局 長     石  本     健  君 議会事務局職員       事 務 局 長     熊  本  俊  博  君       事 務 局 次 長     水  野  成  夫  君       事 務 局参事兼     高  玉     薫  君       総 務 課 長       議 事 課 長     角  田     仁  君       政 務 調査課長     星     貴  文  君       議事課課長補佐     坂  上  宏  満  君       議 事 課 主 査     二  瓶  倫  子  君       議 事 課委員会     富  塚     誠  君       係     長  午後1時2分開議 ○議長(斎藤勝利君) ただいま出席議員が定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。 △県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第47号までに対する質疑 ○議長(斎藤勝利君) 直ちに日程に入ります。 日程第1及び日程第2を一括し、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第47号まで、以上の各案に対する質疑をあわせて行います。 通告により発言を許します。50番神山悦子君。(拍手)  (50番神山悦子君登壇) ◆50番(神山悦子君) 日本共産党の神山悦子です。日本共産党県議団を代表して質問いたします。 先週末の台風18号による記録的大雨は、関東・東北地方に大きな被害をもたらしました。被災された皆さんへ心よりお見舞いを申し上げます。地球温暖化がもたらす異常気象による自然災害と、活動期に入った日本列島で地震や火山の噴火が相次いでいます。 一方、東日本大震災と人災で引き起こされた原発事故から今月でちょうど4年半です。いまだにふるさとに戻れない避難者は約10万6,000人、そのうち県外には約4万4,000人、県内には約6万1,000人となっています。災害関連死は今もふえ続け1,900人を超え、震災関連自殺者は累計で72人と被災3県で最多です。ところが、安倍政権はあと2年ないし3年で避難者支援や賠償の打ち切りなど福島切り捨てを進めているのです。 本県が掲げる「原子力に依存しない社会づくり」、「日本一子育てしやすい県」、「全国に誇れる健康長寿の県」を目指し、県民1人1人に寄り添った「人間の復興」を優先させ、それを支える人員もしっかり確保するよう冒頭述べまして、以下質問いたします。 戦後70年のことし、安倍政権は二度と戦争しないと世界に誓った現憲法を踏みにじり、日本を海外で戦争する国に180度変える安保関連法案、戦争法案を今週中に強行採決を狙っています。 しかし、この法案は安倍政権が言う国民を守るどころか、アメリカ軍の指揮下に入り、海外の戦闘地域に出かけ、後方支援、米軍への武器や燃料の輸送、補給をする兵たんと呼ばれる重要な軍事行動を行うことが国会で明らかになりました。しかも、非人道兵器であるクラスター弾劣化ウラン弾毒ガス兵器、果ては核兵器まで法律上は運べると認めましたが、これ自体、憲法上絶対認められない行為です。廃案しかあり得ません。 さらに、我が党が入手した自衛隊の2つの内部文書では、既に自衛隊を軍隊と呼び、アメリカ軍との軍・軍間の調整所の設置を明記、さらに河野自衛隊統合幕僚長が昨年12月に訪米し、米軍中枢幹部と来年夏までなどと戦争法案の成立時期を述べていたなど、国会、国民を無視した自衛隊の暴走も明らかになったのです。 これに対し、圧倒的多数の憲法学者、元内閣法制局長官に続き、元最高裁長官、元判事も明確に憲法違反と指摘、弁護士会、大学の学者、研究者、SEALDsなど学生や若者、若いママの会などみずからの意思で立ち上がり、戦争法案に反対する行動は全国でも県内でも空前の規模で広がっています。 戦後70年を迎えたことし、県民の命と財産を守り、福祉の増進を図る地方自治体の長として、憲法違反の安保関連法案・戦争法案の撤回を政府に強く求めるべきと思いますが、知事の見解を伺います。 次に、マイナンバー制度についてです。 マイナンバー法が2013年に可決され、ことし10月から住民票を持つ全ての国民へ番号通知がスタートし、来年1月から稼働するとしています。しかし、さまざまな問題と課題が浮かび上がっています。 2002年に稼働した住基ネットは、氏名、生年月日、性別、住所の4情報に限定されているのに比べても、マイナンバー源泉徴収票への記載など民間でも広く番号が使用されるため、量的にも質的にも番号の広がりという点では比べ物にはなりません。 また、番号で参照される個人情報も多岐にわたるため、この点でも危険性が飛躍的に高まります。ことし6月の年金情報漏れのように、情報の流出リスクも避けられません。社会保障、税、災害の3分野98行政事務に加え、法改正で銀行・ゆうちょ口座も対象に拡大されました。政府の最大の狙いは、国民の収入、財産の実態をつかみ、税、保険料の徴収強化と社会保障の給付制限を押しつけることにあります。 また、例外規定で警察、公安機関などにも個人情報を提供することに公然と道が開かれたことは、安倍政権が進める秘密保護法や盗聴法、戦争立法などと相まって、監視国家、秘密国家につながりかねないものです。 コスト面においても制度導入に3,000億円以上の税金の投入、維持管理費も多額で、中小企業に重い負担がのしかかり、全国的にも企業の準備がおくれています。いずれにしても、国民にとっては実施中止しても何ら支障はないのです。マイナンバー制度の10月からの実施中止を国に求めるべきです。県の考えを伺います。 当面、共通番号づけする情報は極力限定し、個人情報を管理している地方自治体や諸機関から情報を流出しないよう監視強化が必要ですが、マイナンバー制度特定個人情報の保護について県の考えをお示しください。 8月11日、新規制基準のもとで初めて九州電力の川内原発1号機の再稼働が強行されましたが、11日は我が県民にとっては月命日に当たる日です。大震災、原発事故を受けた本県の県民感情を深く傷つけるもので、福島の原発事故を反省もせず、教訓にもしようとしていない国や電力会社の姿勢があらわれています。 そもそも安倍首相が世界最高水準だと評価する新規制基準は、審査そのものがずさんだったことは核燃料装荷後わずか5日で桜島の噴火レベルが4になり、10日後の21日には復水器内の配管に穴があき、海水が流入したトラブル発生を見ても明らかです。火山学会が大規模噴火は予知できないとしていたのに九州電力は予知できると強弁し、政府もそれを追認したのです。 避難計画も自治体任せで、医療・介護施設を初め住民避難のまともな計画と体制がとられていません。炉心溶融した場合のコアキャッチャーもなく、重要免震棟も完成していないなど、世界最高水準どころか国際的な標準にすら達していないのです。 本県の原発避難者からも「どうして今再稼働なのか。誰が責任をとるのかはっきりしていない。」、「世界一の安全基準なんてうそ。もう我々のような被害者を出してほしくない。」との怒りの声が届いています。 日本中の原発が停止した原発稼働ゼロは700日、1年11カ月に及び、この間原発が稼働していなくても、冬も酷暑の夏も電力不足は起きませんでした。再稼働には一片の道理もないことを厳しく指摘するものです。 8月31日、国際原子力機関IAEA東京は、東京電力福島第1原発を総括した最終報告を公表しましたが、東電や日本政府の規制当局に対し「巨大津波が第1原発を襲う危険を認知していたが、実効的な対策を怠った。」と明確に批判しています。 原発被災県として国と九州電力に強く抗議するとともに、再稼働した川内原発の停止を求めるべきです。県の考えを伺います。 安倍政権は、2030年の電源構成で原発比率を20から22%と決定するなど原発推進をあらわにしています。この構成比率でいけば廃炉を決定した残りの原発を合計しても足りません。 去る8月5日、6日に開かれた県議会の全員協議会では、東電も国も「第2原発については未定だ。」と答え、廃炉を明言しませんでした。第2原発の4基の再稼働もあり得るということです。県はオール福島で求めている福島第2原発の廃炉について、国や東京電力の姿勢をどう捉え、どう決断を迫り、いつまでに明言させていく考えなのか、見解を伺います。 ことし2月、2号機建屋屋上からの汚染雨水がK排水路を通じて外洋に漏れていたのに1年近くも情報を隠していたことが発覚、この排水路から汚染雨水があふれ出るトラブルが今も続いています。また、今回の台風による大雨で敷地全体から海にあふれ出ました。K排水路のつけかえ工事の早期完了とその間の短期的対策の早急な実施を東電に強く求めるべきです。県の考えを伺います。 また、東電は第1原発建屋周辺のサブドレンから汚染された地下水をくみ上げ、浄化して海へ放出する方針を漁業関係者に迫り、8月25日に苦渋の決断をさせ、きょう14日から浄化した地下水を海に流します。320億円もの多額の費用をかけた凍土遮水壁の効果も不明です。 しかし、汚染水対策や原発の事故収束なしに本県の復興も避難者の帰還もあり得ません。地下水の観測データや水質、地質に関する詳細なデータを公表するよう東京電力に求めるべきですが、県の考えを伺います。 また、国の現地職員、原子力規制庁現地駐在員を増員し、文字どおり国が前面に立って汚染水対策に取り組むよう強く求めるべきですが、県の考えをお尋ねします。 同時に、県独自に求めたデータの解析や問題提起ができるよう、県として汚染水問題の解決を図るための体制を強化すべきと思いますが、考えをお示しください。 さらに、汚染水問題に関する情報を伝えるため世界の英知を結集し、県主催の汚染水対策シンポジウムを開催するよう求めますが、見解を伺います。 ところで、福島第1原発で作業中の原発労働者の死亡が8月だけでも続けて3件、9月にも1件発生しました。原発労働者の死亡災害の原因究明と再発防止、スケジュールありきの作業工程の見直し、待機中の休業補償を国、東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 原発労働者労務費割り増し分、いわゆる危険手当が支給されるよう国、東電に求めるべきですが、県の考えを伺います。 加えて、経験浅い原発労働者の指導育成を強化し、処遇を国家公務員に準じたものとするよう国、東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えをお示しください。 ことし6月12日、福島復興指針が改定され、帰還困難区域を除いた居住制限区域避難指示解除準備区域は2017年3月末までで全て避難解除するとしています。 9月5日、全町民が避難指示を受けた自治体として楢葉町が初めて避難指示解除となりました。しかし、楢葉町の住民からは「順序が逆ではないか」、「解除は時期尚早」との意見が出ているように、解除されても住宅、病院、買い物などのインフラは整っていないのです。避難指示の解除を行うに当たっては、引き続き住民との協議の場を持ちながら対応すべきです。県の考えを伺います。 2017年3月末で避難解除した後も避難指示区域からの避難者への仮設・借り上げ住宅の供与を2017年4月以降も継続し、追い出しなどがないようにすべきですが、県の考えを伺います。 また、復興公営住宅入居対象者避難指示解除準備区域の住民にも拡充できるよう要件を緩和すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。 また、自主避難者については、住宅供与期間終了後は県独自に支援するとしましたが、本来は国が継続すべきものです。福島県への帰還を強制したりせず、県内であろうと県外であろうと自主避難者に対して仮設・借り上げ住宅供与期間終了後も家賃支援を継続すべきと思いますが、県の考えを伺います。 避難者が安心して帰還するためには除染の推進は欠かせませんが、再除染が必要とされる住宅のフォローアップ除染も試験的にしか実施されず、森林除染も住宅圏にとどまっています。除染特別地域においては住民が納得できる除染を国に認めさせるべきではないでしょうか。県の考えを伺います。 市町村除染では、仮置き場、自宅保管の分も含め中間貯蔵施設への搬出の見通しが立たず、市町村は対応に苦慮しています。一方で、中間貯蔵施設への搬入はパイロット事業という試験搬入の段階です。中間貯蔵施設予定地の地権者約2,400人のうち800人は死亡か行方不明、残り1,200人の地権者との用地交渉は進まず、現在契約ができたのはわずか7人です。そもそも地権者との話し合いに環境省が真摯に対応せず、上から目線で対応していることが問題です。 中間貯蔵施設の用地交渉において、国は原子力政策を推進してきた加害者責任を認識し、地権者の納得と理解のもとに進めるよう求めるべきです。県の考えをお尋ねします。 次に、賠償についてです。 営業損害の賠償を受けた事業所は避難区域内で8,000、区域外で約3万事業所とのことですが、改定福島復興指針では相当因果関係が認められなければ賠償を打ち切るとしています。 避難区域外の観光業でも教育旅行が大きく落ち込み、震災前の5割にも満たない現状です。営業損害の賠償打ち切りで倒産や廃業となれば地域経済にも大きな影響を及ぼします。 避難指示区域外における商工業等に係る営業損害賠償については、原発事故との相当因果関係を幅広く認め、本年8月以降もこれまでどおり賠償を継続するよう国、東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 精神的損害賠償については全ての県民が被害者として賠償されるよう国、東京電力に求めるべきと思いますが、考えを伺います。 また、避難指示の解除によって精神的損害賠償を2018年3月で打ち切ることなく、被害の実態に応じて賠償を継続するよう東電に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 県民の健康に関する取り組みについてです。 安倍政権の3年間で、診療報酬の実質マイナス改定、70から74歳の患者負担2割への引き上げ、介護報酬の大幅引き下げや要支援者への保険外し、年金のマクロ経済スライド発動、生活保護の生活扶助削減に続き住宅扶助削減など消費税増税と一体で次々と強行されてきました。その結果、年金は減額され、国保税や介護保険料の負担がふえ、生活が苦しくなったという県民がふえています。 そもそも震災前から全国最下位レベルだった本県の医師不足を初めとした医療供給体制は、大震災、原発事故によって一層顕在化しています。また、この4年半の避難生活や野外活動の制限による運動不足やストレスで成人の肥満率や子供の肥満率が増加していることが県民健康調査学校保健統計調査でも明らかになっています。 県が策定する地域医療構想については、厚生労働省があくまでも医療機関の自主的な取り組みが基本と強調しているように、大震災、原発事故によって顕在化した本県の脆弱な医療供給体制の実態や県民の健康への影響を踏まえて策定し、構想区域ごとに必要な医療供給体制を構築できるようにすべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。 また、不足している医師や看護師の確保、特に産科医の確保について県はどのように取り組んでいく考えなのか伺います。 また、県は双葉郡の医療体制の再構築にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 さらに、福島原発事故を受けた県民が将来にわたる健康の維持増進を図るため、成人向けの特定健診、がん検診等の費用を原則無料とする県独自の制度を創設すべきと思いますが、考えを伺います。 一方、県内の特別養護老人ホームの待機者はここ数年間1万2,000人台で推移しています。特別養護老人ホームの待機者の解消が図れるよう施設整備を促進すべきと思いますが、県の考えをお示しください。 安倍政権のもとで国民全体に一層格差と貧困が広がり、子供の貧困率は16.3%、6人に1人が貧困状態にあり、シングルマザーの貧困率は50%を超えています。その背景に女性や若者の低賃金、非正規雇用があり、安倍政権は今月11日に今度は全労働者を対象に正社員ゼロ、生涯派遣となる労働者派遣法の改悪案を強行採決しましたが、貧困対策という面から見ても全く逆行しています。本県の18歳以下の医療費無料化に続き、県全体で子育てを支援していく政策が引き続き求められます。 文部科学省学習費調査では、保護者が学校へ支出する費用については、どの収入階層も公立小学校で年間約10万円、うち給食費は4万円、公立中学校で17万から18万円、うち給食費は約3万7,000円となっています。本県独自の子育て支援策として以下の保護者負担の軽減策を実施するよう求めます。 まず、保育料、幼稚園授業料ですが、現行制度で第2子の保育料は半額、第3子は無料です。ただし、保育所は第1子が小学校就学前まで、幼稚園は第1子が小学3年生までという条件つきです。県として保育所、幼稚園を無料化するよう求めますが、考えをお示しください。 また、県内でも学校給食費の補助を独自に実施している自治体が5つあります。本県でもまともな食事が学校給食だけという子供がふえています。食育と子育て支援の観点から県として公立小中学校学校給食費を無料化すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。 さらに、経済的理由で進学ができないことがないよう、高校生のみならず大学・専門学校生を対象とした返済義務がない給付型奨学金制度を創設すべきです。県教育委員会の考えをお尋ねします。 また、被災児童生徒向け震災特例採用奨学資金について来年度も継続するよう国に求めるとともに、県内全ての高校生が貸与を受けられるよう制度を拡充すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。 最近報道されたように、本県でも不登校の子供の割合がふえています。震災、原発事故による影響が子供たちにもさまざまな形であらわれているのではないでしょうか。 全国に先駆け実施している30人以下学級を全ての学年に拡大することを求めます。また、スクールソーシャルワーカーを中学校区単位で配置できるよう増員を求めますが、県教育委員会の考えをお尋ねします。 一方、学校施設に関しても整備が必要です。被災県というのに小中学校の耐震化は全国最下位レベルです。急いで対応すべきと思いますが、県教育委員会に伺います。 今後も増加傾向にある特別支援学校の施設整備のおくれも待ったなしです。教室不足、遠距離通学が解消されずにいます。県立特別支援学校について入学する児童生徒数を予測して整備すべきですが、県教育委員会にお尋ねします。 安倍政権の「骨太の方針」は、全体として社会保障や地方財政などを一層削減し、公的サービスの産業化や民間開放路線を強力に推し進めようとしています。これで本県の復興や地域の再生ができるのでしょうか。 まず、財源についてですが、原発事故による復興・再生に向けて県民1人1人に寄り添い、きめ細かなニーズに対応できるよう、ハード事業に偏らずソフト事業にも使える自由度の高い財源を国に求めるべきですが、県の考えを伺います。 特に本県は、原発被災地を中心に介護分野の職員不足が深刻になり、受け入れ入所制限をしている施設がふえています。介護職員確保のための県独自の賃金アップ制度を創設すべきではないでしょうか。県の考えを伺います。 また、県は避難者の孤独死などを防止するための生活支援相談員を400人に増員するとしたものの、単年度雇用のため委託された県社協では必要な人員が確保できないでいます。単年度ごとの雇用形態を見直し、常用雇用とすること、また支援スタッフをコーディネートする人が必要です。県はどうお考えでしょうか。 都市部、農村部を問わず、人口減少は本県も例外ではなく、長年にわたる自民党政治による農業と地方切り捨て政策がもたらした結果ではないでしょうか。安倍政権は骨太の方針で「地方創生基本方針2015」を閣議決定し、地方への財源として新型交付金も創設しました。しかし、地方創生というより、もともとの地域資源を生かした地方再生が求められていると思います。 私が居住する中田町は、郡山市の東部に位置する阿武隈山系の農村地域です。しかし、農業の衰退とともに30年前までは人口1万人で推移していましたが、現在は5,000人を切っています。高齢者や高校生の足となっている生活路線バスは本数や路線も不足となる一方、高校生の通学費の父母負担は重く、3年間でバス代は約70万円から80万円にもなります。学童保育を希望しても人数が少ないからと設置されず、結局市の中心部へ引っ越しをしていった若い世代もいます。農業だけでは生活が成り立たず、兼業農家が多く農家の高齢化も進んでいます。 一方、今週19日に開催する海老根手漉和紙を使った「秋蛍」、20日には江戸時代から伝わる柳橋歌舞伎を上演する予定ですが、地元保存会の皆さんが復活させて毎年続けている伝統行事です。中山間地でも高齢者や若い世代が安心して住み続けられるよう、真の地方再生のために総合的な支援が求められます。 そこで、地域特性に応じたバス路線やデマンドタクシーを運行する市町村への支援について県の考えを伺います。 さらに、高校生に対する通学費用を助成する制度を設けるべきと思いますが、県教委の考えを伺います。 中山間地域など児童生徒数が少ない学校においても学童保育を開設できるようにすべきですが、県の考えをお聞かせください。 あわせて、学童保育指導員、放課後児童支援員の資質の向上を図るべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。 ところで、昨年の米価下落は本県農業に大きな打撃となりました。県の米価下落対策をことしも実施し、再生産を保障できるよう支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。 最後に、本県など東北はもともと食料生産基地です。TPP交渉から撤退し、家族農業を守り、農業・農村を支援すべきです。地域主導型、地産地消型の再生可能エネルギーこそ農村部や中山間地にふさわしい産業です。県が行う呼び込み型の企業誘致一辺倒を転換し、福祉型、地域循環型の経済に転換し、本県の基幹産業の農業と地元中小企業を支援していくことが真の地方再生につながることを最後に述べまして、共産党県議団を代表しての質問を終わります。(拍手) ○議長(斎藤勝利君) 執行部の答弁を求めます。  (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 神山議員の御質問にお答えいたします。 安全保障法制につきましては、我が国の防衛、安全保障政策にとって極めて重要な問題であり、国会において慎重かつ十分な議論がなされるべきであると考えております。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。  (危機管理部長樵 隆男君登壇) ◎危機管理部長(樵隆男君) お答えいたします。 K排水路につきましては、排水先を港湾内につけかえる工事や新設排水路の設置の前倒しを検討するよう申し入れたところであり、また、これらの工事が完了するまでの間の短期的な流出防止の措置についても引き続き東京電力に対して強く求めてまいる考えであります。 次に、地下水等のデータにつきましては、汚染水対策を検討する上で水質や地質に関するデータに基づく地下構造の把握等が必要となることから、廃炉安全監視協議会等において必要に応じて資料の提示を求めており、引き続き東京電力に対して必要な資料の提出と公表を求めながら、汚染水対策への取り組みをしっかり監視してまいる考えであります。 次に、国の現地職員につきましては、体制を強化するよう繰り返し求めてきたところ、原子力規制事務所と廃炉・汚染水対策現地事務所において増員がなされてきておりますが、依然として死亡事故や汚染された雨水の海への流出などが発生していることから、引き続き廃炉・汚染水対策に国が前面に立ち、総力を挙げて取り組むよう求めてまいる考えであります。 次に、汚染水問題に係る県の体制につきましては、これまで廃炉安全監視協議会の専門委員の追加委嘱や原子力専門員の増員、現地駐在職員の配置など体制の強化を図ってきたところであります。 引き続き課題に応じた専門家からの意見聴取や職員に対する研修等によりさらに専門性を高めながら、国及び東京電力に対し、汚染水問題の解決に必要な対策の実施を求めてまいる考えであります。 次に、汚染水問題に関する情報伝達につきましては、県はこれまで廃炉安全監視協議会や、県民や各種団体の代表から成る廃炉安全確保県民会議において国及び東京電力の汚染水対策に関する取り組み状況等を確認し、その内容を報道やホームページなどにより広く情報発信しているところであります。 引き続き汚染水問題の解決に向けた取り組みの状況等を迅速かつわかりやすく情報提供してまいる考えであります。 次に、原発労働者の死亡災害につきましては、今月2日に開催した県の労働者安全衛生対策部会において、国に対しては関係事業者への指導監督を強化すること、東京電力に対しては再発防止対策を徹底することや安全を重視して作業を行うこと、作業中断により原発労働者に不利益が及ばないよう対応することなどを求めたところであります。 次に、危険手当につきましては、これまで労働者安全衛生対策部会において、国に対しては関係事業者の指導監督の徹底を、東京電力に対してはアンケート調査や企業へのヒアリング等により、さらなる実態の把握や対応を求めてきたところであり、引き続き原発労働者に危険手当が適切に支払われるよう国及び東京電力に求めてまいる考えであります。 次に、原発労働者の育成等につきましては、これまで国への要望活動や労働者安全衛生対策部会等において、作業員や現場を管理できる人材の育成、労働条件の明示等による雇用の適正化、危険手当の適切な支給などが確実に行われるよう繰り返し求めてきたところであり、引き続き国及び東京電力に対して、労働者が安定的に安心して働くことのできる環境の整備を求めてまいる考えであります。  (企画調整部長近藤貴幸君登壇) ◎企画調整部長(近藤貴幸君) お答えいたします。 マイナンバー制度につきましては、国民の利便性向上や行政の効率化などに資する重要な社会基盤となる制度であることから、法律制定後、国を初めとする関係機関では、個人情報の保護に万全を尽くしつつ利用開始に向けて準備を進めているところであります。 県においては、市町村や事業者等に対し、制度内容や安全管理措置について周知を図るため県内各地で説明会を開催するなどの対応をしてきたところであり、今後も関係機関と協力しながら利用開始に向けた準備を進めてまいる考えであります。 次に、特定個人情報の保護につきましては、制度面においては、マイナンバーを利用できる業務が法令により厳格に定められるとともに、国の第三者委員会である特定個人情報保護委員会による特定個人情報の取り扱いに関する監視、監督や重い罰則などの措置がとられることとなります。 また、システム面においても、通信の暗号化やファイルの分散管理などを行うこととされております。このように、制度、システムの両面から適切な安全策が講じられているものと考えております。 次に、原発の再稼働につきましては、東京電力福島第1原発事故の影響によりいまだ多くの県民が避難を続けている本県の厳しい現状を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国及び事業者の責任において検討されるべきものと考えております。 次に、東京電力福島第2原発の廃炉につきましては、これまで国及び東京電力に対し繰り返し求めてきており、先月末にも改めて知事から経済産業副大臣や東京電力社長に対し直接求めたところであります。今後ともあらゆる機会を捉えて求めてまいる考えであります。 次に、自由度の高い財源につきましては、国の復興事業では対応できない地域の実情を踏まえた自主的かつ主体的なソフト・ハード事業のために必要であることから、取り崩し型の復興基金の設置や電源立地対策交付金の拡充などに努めてきたところであり、今後も個別の復興事業の財源確保とともに、自由度の高い財源の確保を国に求めてまいります。  (生活環境部長長谷川哲也君登壇) ◎生活環境部長(長谷川哲也君) お答えいたします。 除染特別地域の除染につきましては、これまで国に対し、地元市町村の意向を十分に反映した除染を迅速かつ確実に実施するよう求めてきております。 除染を進めるに当たっては住民の理解が重要であることから、国に対し、住民に対し丁寧に説明するとともに、追加的除染も含め必要な除染を確実に実施するよう引き続き国に求めてまいる考えであります。 次に、中間貯蔵施設につきましては、放射性物質汚染対処特措法及び同法の基本方針に基づき、原子力政策を推進してきた国が責任を持って必要な措置を講ずることとされており、これまで繰り返し国に対し責任ある対応を申し入れてきたところであります。 県といたしましては、地権者の理解が何よりも重要であることから、引き続き国に対し、地権者への丁寧な説明と寄り添った対応を強く求めてまいる考えであります。 次に、地域特性に応じたバス路線等につきましては、県民の日常生活に必要な交通手段として重要であることから、市町村が主体的に運行するバス路線やデマンドタクシーに対し、経常損失額について県が単独で市町村に補助を行っているところであり、今後とも地域の実情に応じ、生活バス路線等の交通手段が確保されるよう市町村への支援に取り組んでまいります。  (保健福祉部長鈴木淳一君登壇) ◎保健福祉部長(鈴木淳一君) お答えいたします。 地域医療構想につきましては、医療機関が担う機能の分化と連携を推進し、効率的で質の高い医療提供体制の確保を図ることが求められており、策定に当たっては、今後構想区域ごとに設置する地域医療構想調整会議の意見を踏まえ、高度急性期から在宅医療・介護までの病状等に応じて地域において適切な医療が受けられる総合的な医療提供体制の構築を目指してまいる考えであります。 次に、医師や看護師の確保につきましては、修学資金制度の拡充やドクターバンク、ナースバンクによる就業のあっせんなどに取り組んできたところであります。 特に産科医の確保においては、今年度新たに貸与額を増額して周産期医療医師確保修学資金貸与制度を設けたほか、県立医科大学に周産期医療を担う医師の育成や医療支援等を行う中核的な組織を設置し、体制の強化を図ってまいります。 次に、双葉郡の医療体制につきましては、帰還住民はもとより、復興関連事業従事者等の健康を守るため必要な医療の確保が喫緊の課題となっていることから、今月7日に地元市町村、国、医療関係団体の参加を得て、双葉郡等避難地域の医療等提供体制検討会を設置したところであります。 今後は整備すべき医療機能や確保に向けた方策等について協議検討し、その結果を踏まえながら、当地域の医療等提供体制の再構築にしっかりと取り組んでまいります。 次に、健診等の無料化につきましては、特定健診やがん検診の実施主体である市町村や医療保険者等の判断によるものと考えております。 次に、特別養護老人ホームの整備につきましては、要介護認定者の推移見込みや入所希望者の状況などを踏まえて、市町村が必要とする整備量を積み上げた介護保険事業支援計画に基づき施設整備を支援しているところであり、今後とも入所希望者の待機解消に向けて計画的な整備を促進してまいる考えであります。 次に、介護職員の賃金につきましては、原発事故の影響により人材不足が特に深刻な浜通り地域などを対象に、特例措置として全額国庫による賃金手当制度の新設を国に求めているところであり、今後も引き続き働きかけてまいりたいと考えております。 次に、生活支援相談員の雇用形態につきましては、国に対して複数年にわたる雇用が可能となるよう必要な措置を要望しているところであります。避難生活が長期化する中、同一の相談員が継続して支援していくことが被災者の安心につながることから、引き続き国に対して柔軟な対応を求めてまいります。 次に、生活支援相談員のコーディネートにつきましては、県内5地域において支援活動の調整を行う総括生活支援員に加え、今年度から生活支援相談員のサポート等を行う主任生活支援員及び県全体をマネジメントする管理職員を配置するなど相談支援体制の拡充を図ったところであり、今後とも避難者の支援にしっかりと取り組んでまいる考えであります。  (農林水産部長小野和彦君登壇) ◎農林水産部長(小野和彦君) お答えいたします。 米価下落対策につきましては、昨年産米の大幅な価格下落を受け、単年度限りの緊急措置として種子購入経費の一部助成を実施したものであります。 県といたしましては、米価の安定につながる主食用米の需給均衡に向けた飼料用米等の生産拡大や経営所得安定対策等への加入を促進し、稲作農家の経営安定に取り組んでまいります。  (原子力損害対策担当理事成田良洋君登壇) ◎原子力損害対策担当理事(成田良洋君) お答えいたします。 避難指示区域外における本年8月以降の商工業等に係る営業損害につきましては、原子力発電所事故との相当因果関係を確認する場合であっても簡易な手法で行うなど、事業再建につながる賠償を確実に行うよう国及び東京電力に求めているところであります。 7月に行われた関係団体への説明において、東京電力は統計資料等によって事故の影響を確認し、相当因果関係を簡便に認める考えを示しており、引き続き被害者の立場に立った賠償を行うようしっかり求めてまいります。 次に、精神的損害につきましては、これまで原子力損害対策協議会の活動等を通し、損害の範囲を幅広く捉え、被害の実態に見合った賠償がなされるよう国及び東京電力に求めてまいりました。 引き続き個別具体的な事情への対応を含め、被害者の立場に立った賠償が的確になされるよう取り組んでまいります。 次に、精神的損害に対する賠償の継続につきましては、原子力損害賠償の指針において、区域の状況や被害者の個別具体的な事情に応じて賠償の対象期間を柔軟に判断すべきとの考えが示されているところであり、引き続き被害の実情を踏まえた賠償がなされるよう求めてまいります。  (避難地域復興局長伊藤泰夫君登壇) ◎避難地域復興局長(伊藤泰夫君) お答えいたします。 避難指示の解除につきましては、日常生活に必須なインフラや生活関連サービスの復旧、除染の進捗などおおむね環境が整ったところから、国が県、市町村、住民との十分な協議を踏まえ判断するとしております。 県といたしましては、十分な協議が行われるよう今後とも対応していくとともに、国が取り組む事項がしっかり実施されるよう求めてまいります。 次に、仮設・借り上げ住宅の供与期間につきましては、現在供与対象の54市町村全てにおいて平成29年3月までとしており、避難指示区域からの避難者への同年4月以降の供与については、避難指示の解除や復興公営住宅の整備状況等を踏まえ今後判断することとしております。 次に、復興公営住宅入居対象者につきましては、避難元市町村からの避難状況や除染の進捗状況等により、避難指示解除準備区域においても、避難生活が長期化する可能性がある子育て世帯等について入居対象者として準備を進めております。 さらに、今般の南相馬市の復興公営住宅の入居者再募集においては、南相馬市の避難指示解除準備区域の住宅確保困難な世帯も入居対象者としたところであります。 次に、供与期間終了後の家賃支援につきましては、災害救助法による応急救助にかわる新たな支援策として、避難指示区域以外からの避難者の生活再建に向け、さらに一定期間支援が必要との判断から経過措置として実施するものであり、一定の要件のもと県内外を問わず避難生活の継続が必要となる世帯を対象とする方向で検討しております。 今後とも帰還や生活に関する相談会、各種交流会などさまざまな機会を捉え、避難者の意見を伺いながら支援の内容を決定してまいります。  (こども未来局長尾形淳一君登壇) ◎こども未来局長(尾形淳一君) お答えいたします。 保育所、幼稚園の無料化につきましては、子育て世帯の経済的な負担軽減のため、国の制度の活用に加え、県独自に多子世帯の保育料の軽減を図るとともに、今年度からは婚姻歴のないひとり親の保育料の軽減にも取り組んでいるところであります。 県といたしましては、現在国において幼児教育の段階的無償化に向けた検討が進められていることから、その動向を注視してまいります。 次に、放課後児童クラブの開設につきましては、子ども・子育て支援新制度の開始に伴い、児童数の下限が撤廃され、山間部等においては1人からでも補助の対象となるよう拡充されたところであり、放課後児童クラブを設置する市町村を今後とも支援してまいります。 次に、放課後児童支援員につきましては、子ども・子育て支援新制度に基づき、今年度からその資質の向上のために、子供の育成支援、安全・安心の対応、地域との連携などの科目から成る支援員認定研修の受講が必要となったところであり、本県では本年12月を目途に実施する予定であります。 県といたしましては、今後とも放課後児童クラブの充実と職員の資質の向上に努めてまいります。  (教育長杉 昭重君登壇) ◎教育長(杉昭重君) お答えいたします。 公立小中学校における給食費につきましては、学校給食法により、学校給食の施設設備及び運営に要する経費については学校の設置者が負担し、それ以外の学校給食に要する経費については保護者が負担することとされており、また、いわゆる要保護・準要保護及び被災児童生徒については負担する給食費への支援が行われていることから、県教育委員会による支援については困難であると考えております。 次に、給付型奨学金制度の創設につきましては、限られた財源を有効に活用し、より多くの生徒の修学を支援する上で給付型よりも貸与型が適していると考えております。 次に、震災特例採用奨学資金の継続につきましては、被災生徒への支援を安定的にできるよう国に対して引き続き要望しているところであります。 また、本奨学資金は、東日本大震災により被災し、経済的理由により修学が困難となった高校生を支援することを目的としており、経済に関する要件は必要であると考えております。 次に、30人以下学級を全学年に拡大することにつきましては、本県では全国に先駆けて30人学級及び30人程度学級を導入しているところであり、今後とも少人数教育の特色を生かしたきめ細かな指導に取り組んでまいる考えであります。 次に、スクールソーシャルワーカーにつきましては、関係機関等の協力を得ながら、今年度教育事務所と市町村教育委員会に増員して配置し、教育相談体制の充実に努めているところであります。 次に、市町村立小中学校の耐震化につきましては、設置者である市町村が学校の統廃合なども考慮しながら早期完了に向けて取り組んでいるところであり、昨年度は新たに4市町が完了し、平成27年4月1日現在で31の市町村が耐震化を完了しております。 県教育委員会といたしましては、今後とも市町村がそれぞれの状況に応じ可能な限り早期の耐震化を図れるようきめ細かに相談に応じ、取り組みを支援してまいる考えであります。 次に、県立特別支援学校の整備につきましては、特別支援学校への通学が困難な地域や通学に長時間を要する地域において、市町村教育委員会と連携を密にし、小学部に入学する児童数の把握に努めるとともに、中学部、高等部に進学する生徒数の推移や地元自治体からの要望などを踏まえ、児童生徒の負担の軽減を図るため特別支援学校等の設置のあり方について検討を進めてまいる考えであります。 次に、県立高校生への通学費用の助成につきましては、原発事故により通学環境が大きく変化した生徒を対象として修学機会の確保と保護者の経済的負担軽減のため通学費支援金を交付しているほか、いわゆる要保護・準要保護世帯に対しては通学費用の助成が行われているところであり、県立高校生全体を対象とした助成制度を設けることは困難であると考えております。 ◆50番(神山悦子君) 再質問させていただきます。 最初に、知事にお伺いいたします。 安保関連法案・戦争法案についてです。 この法案については国会でも大議論になり、そして今週にも強行採決かという重大な局面を迎えています。これは、これまでの戦後70年の日本国憲法のもとで進められてきた平和の日本が大きく変貌することは否めません。 そういう意味で、地方自治体として県民の命と財産を守り、福祉を増進するという立場から私はお尋ねしたわけですけれども、もう一度お尋ねしたいのですが、県内でも8月30日の全国総がかり行動が行われて、県内各地でも反対の行動があり、国会周辺でも10万人以上、全国各地1,000カ所で行われました。 昨日も県民集会が開かれましたが、2,500人の参加でございました。これは、私も述べましたように、弁護士会、大学の教員、研究者など含め県内でも反対の声が大きく広がっていることなのですけれども、やっぱりこの問題は知事からも国にきちんと言うべき問題であり、県内にも自衛隊基地があり、自衛隊員の家族からも、また隊員からも不安の声が広がっていることを見れば、私は、自衛隊員が海外でアメリカ軍とともに戦争をして、殺し殺されるという、こんな関係にさせてはならないと思います。 ですから、県民の命を守るという立場からもお答えいただきたいのと、地方自治体にとっては、この戦争法案が通れば軍事費がふやされ、今でも社会保障は削られておりますが、国民向けの社会保障の大幅な削減と地方への財源も縮小されかねません。そういう立場から、もう一度知事に見解をお尋ねいたします。 次に、汚染水問題について危機管理部長にお尋ねいたします。 きょうにもサブドレンの海への放出が始まりましたけれども、幾らやっても汚染水対策は一向に改善しません。私が求めたのは、県自身の専門委員の研修などもするということですけれども、県自身がきちんとそれを解析したり、あるいは世界の英知を集めるという点でもシンポジウムの開催も求めたところです。もうそういう事態になっているのではないでしょうか。汚染水の対策なしに帰還も避難解除もあり得ません。ここが一番重要ですから、もう一度お聞きしたいと思います。 それから、企画調整部にお尋ねします。 2点お尋ねしました。第2原発の廃炉について、もっと具体的にいつまで、どこまでというふうに求めない限りは、国は全員協議会でも言いましたけれども、未定だと言ったまま何も返事しません。これも我が県の避難解除や復興にとっては重要な問題ですから、この点についてどうお考えなのか。 それから、復興財源の自由度を求めましたが、私は冒頭演説で申し上げましたように、復興を支える人員がどこでも足りません。特に医療、福祉、教育の分野が圧倒的に足りないのです。処遇改善を県独自に行うようにも保健福祉部長にも求めましたが、そうしたことが行えるような財源の保障がないとこれは実行がなかなか難しいのかと思いましたので、この復興財源のあり方についてもう一度お答えいただきたいと思います。 教育長にお尋ねいたします。 学校給食費なども市町村がやるべきだということで仕切られてまいりましたけれども、今貧困問題が子供たちに大きく広がって、その貧困対策法もできて、その対策も県にも具体的にどうするのか求められているのです。市町村任せではこの子供たちを救えないのではないか、そういう立場から私は求めたわけです。 学校給食の無料化も含め、県立学校の高校生の通学費も含め、いろんな立場で私はこの対策を具体的にすべきだと思いますが、教育長の御答弁、もう一度お願いいたします。 ◎知事(内堀雅雄君) 神山議員の再質問にお答えいたします。 安全保障法制は、我が国の防衛、安全保障政策に大きくかかわる重要な法案であります。このため国会の場で十分かつ丁寧な議論がなされる必要があると考えております。 ◎危機管理部長(樵隆男君) 再質問にお答えいたします。 汚染水、そして汚染された雨水、こういったものを漏らさないということが大前提でございまして、国及び東京電力はしっかりと対策をとるべきであると考えております。 しかしながら、汚染された雨水等の海への流出が続いており、大変遺憾でございます。申し入れの具体化を引き続き強く求めてまいりたいと考えております。 ◎企画調整部長(近藤貴幸君) 東京電力福島第2原発の廃炉についての再質問にお答えいたします。 これまで国及び東京電力に対しまして、東京電力福島第2原発の廃炉につきましては機会あるごとに求めてきたところであります。今後とも県民の強い思いである県内原発の全基廃炉をあらゆる機会を捉えて強く求めてまいる考えであります。 次に、自由度の高い財源を活用した復興を支える人材の人件費支援という御質問でございますけれども、今後本県の復興を加速させるためにも、各種の復興業務に携われる方々のマンパワーの確保が重要となりますことから、政府予算要望等におきましても国に強く求めてきております。 国の来年度予算概算要求の中に、これまで緊急雇用として対応されていたその後継事業として、原子力災害対応雇用支援事業というものでありますとか、生活サポートを行う相談員を配慮する被災者支援総合交付金が統合拡充されて、そういった予算が盛り込まれたところでございます。
    ◎教育長(杉昭重君) 給食費の無料化についてお答えいたします。 一部の学校設置者においては、地域の実情や学校給食費の負担のあり方について総合的に勘案し、独自の措置を行っております。また、いわゆる要保護・準要保護及び被災児童生徒については負担する給食費への支援が行われております。そういうことから、県教育委員会による支援については困難であると考えております。 通学費の助成についても、震災で被災し、サテライト校で避難を余儀なくされている生徒についての通学費の補助は県としてやっております。その他の県全体の高校生に対する通学費の補助も困難であると考えております。 ◆50番(神山悦子君) 再々質問をさせていただきます。 原子力損害対策担当理事にお伺いいたしますが、先ほど御答弁いただきましたが、相当因果関係についてはこの間議論があったところです。これまでも賠償については相当因果関係があってもということはあったのですけれども、今度の改定された新指針では、むしろこれを盾に賠償はもう終わりだという意向を東京電力も強めているのです。 県からも柔軟な対応を求めたということですけれども、相当因果関係を証明する書類をもっと出せとか、こんなことを言っているわけなのですけれども、これでは本当に、打ち切ることはしないなどと言っていますが、実際は打ち切るということと同じではないですかね。個別対応になったらなかなか難しいわけですから、ここは引き続き賠償の継続を求めていただきたいのと、相当因果関係についてもきちんと対応するように求めていただきたいのですが、もう一度御答弁をお願いいたします。 それから、避難地域復興局長にお尋ねいたします。 私は3点ほどお聞きしたわけですけれども、ちょっと確認させていただきたいと思います。自主避難者については、県独自にやるということになりました。これは県外の自主避難者に対しても当然ですけれども、県内の自主避難者というのは、もう既に解除されている広野町や川内村の住民などが当然対象にすべきと考えているのではないかと思うのですけれども、具体的な答弁はありませんでした。 川内の皆さんは、期限が来たら仮設を追い出されるのではないかと非常に心配しています。これについての御答弁をお願いしたいのと、それから一定の要件ともおっしゃいましたけれども、これは報道によれば低所得者への家賃助成に限るということなのでしょうか。そんなことはすべきではないと私は思うのです。県が考えているように、県内であろうと県外であろうと、解除された人も含めて家賃の助成は当面必要であればやるというふうになっているわけですから、もう一度そこをお聞かせいただきたいと思います。 それから、農林水産部長にお尋ねいたしますが、ことしは米価下落対策は必要ないかのような答弁でございました。今後どういうふうになるのか、価格の面でもよくわかりませんけれども、しかし、ずっと被害を受けているのは、放射能の風評被害によって本県の米価はずっと下がっているわけです。去年は全国的な問題も加わって大変な低価格だったわけですけれども、私は、本県の農家の皆さんが再生産を保障できるような、1俵1万2,000円台と言っておりますが、こういうところまで県が助成して本県で農業を続けられるようにすべきだと思うのです。このあたりが具体的にないのです。 私は、最後のところで、中山間地の農業、また地域づくりのためにも農業は大切だと思っていることを申し上げましたが、本県の農業に対する具体的な経済的な支援、これがなければやっぱり続けられないのではないでしょうか。原発事故を受けた福島県だからこそそうした具体的な対応が必要だと私は思いますので、もう一度御答弁いただきたいと思います。 そして、教育長ですけれども、今までやっていることを答弁されたにすぎませんね。やっていないわけではないけれども、それは被災地だったり困難な家庭にやるのは当然ですよ。しかし、この人口減少の中でふるさとに残って、そこで生活している県内の子供たちがいるわけです。その人たちに対する高校生の通学費助成制度を直接やっても、それは何ら問題ないと思うのです。それが本当の人口減少対策にもなるし、子育て支援にもなると思うのです。それは教育サイドからなのですけれども、そこは改めてお聞かせいただきたいと思います。 最後に、こども未来局長に伺います。 私は、貧困問題を中心に幾つか保育料や幼稚園の無料化を県でやるべきだと言いましたけれども、具体的にはやっぱりもう少し県自身も子育て支援、それから貧困対策という観点からいろんな施策が求められていると思いますので、まずはここをやっていただきたいのと、県独自の支援策をやってこそ県全体が市町村も進むと思うのです。このあたりのお考えをお聞かせください。 ◎農林水産部長(小野和彦君) 再質問にお答えいたします。 昨年度の米価下落対策でございますが、緊急に種子購入経費の助成等を行ったということでございます。 そもそも米の再生産のためには、現在主食用米の需給バランスが非常にアンバランスになっているということを踏まえまして、県といたしましては、需給均衡に向けたさまざまな施策、飼料用米等への生産拡大、あるいは経営所得安定対策等への加入を促進して農家の経営安定に努めてまいるつもりでございます。 ◎原子力損害対策担当理事(成田良洋君) 再質問にお答えいたします。 営業損害についてであります。 この問題につきましては、原子力損害対策協議会の活動を通じこれまで取り組んでまいりましたが、事業者の方から相当因果関係の証明について非常に負担が大きいとか困難だという声は多くいただいていたところでありまして、全体会議においても知事から東京電力の社長のほうにその辺を簡便に、柔軟に認めるように強く求め、社長からもそのように進めていくというような回答を引き出したところであります。 区域外の8月以降の賠償はまだ始まっておりませんで、これから実際の請求手続が始まりますが、今後関係機関と連携を図って実態をよく把握しながらしっかり取り組んでまいりたいと思います。 ◎避難地域復興局長(伊藤泰夫君) 再質問にお答えいたします。 平成29年4月以降の仮設住宅の供与期間終了後の家賃支援についてでありますが、6月15日に平成29年3月までの仮設住宅の供与期間の延長を発表いたしました。その時点で避難指示が出ていない地域が家賃支援の対象ということで考えておりまして、広野町、川内村も対象ということでございます。 それから、一定の要件というものにつきましては、現在検討中でございますが、公営住宅の収入要件、あるいは母子避難の二重世帯等であれば、子ども・被災者支援法の関係で例えば収入を調整して半分にするとか、そういう方向で現在検討を進めているところでございます。 ◎こども未来局長(尾形淳一君) 再質問にお答えいたします。 県独自の支援策についてという御質問でございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、現在、幼稚園保育料、いわゆる幼児教育の段階的無償化に向けまして、国のほうでさまざまな観点から検討が進められております。制度の実現には継続的財源が必要不可欠と考えております。こういった状況を鑑みますと、当面国の現在の検討状況を注意深く見守ってまいりたいと考えております。 ◎教育長(杉昭重君) 再質問にお答えいたします。 サテライト校など原発被害により避難を余儀なくされている生徒に対して先ほど申しましたように通学費用の補助を県で行っているところでございます。また、本当に困っている要保護・準要保護世帯のほうにも通学費用の助成というのが行われておりますので、県全体の高校生にまで広めるということは困難であるというふうに考えております。 ○議長(斎藤勝利君) これをもって、神山悦子君の質問を終わります。 通告により発言を許します。32番佐藤金正君。(拍手)  (32番佐藤金正君登壇) ◆32番(佐藤金正君) 32番、自民党議員会の佐藤金正であります。9月定例会に当たり、会派を代表して質問させていただきます。 冒頭、先週9月9日から10日にかけて猛威を振るった台風17号と18号の影響は、関東地方から東北地方南部にかけて、一部では50年に一度と言われる記録的な豪雨となり、本県の南会津地方や中通り北部、さらに相双地方においても大災害が発生いたしました。被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げる次第であります。 我が会派としては、先週の11日に災害対策本部を立ち上げ、伊達市及び南会津町の現地の状況を確認してまいりました。引き続き広範な情報収集に努めながら、県民の皆様の安全・安心を取り戻すため早期復旧に全力を挙げてまいりますが、県当局におかれましても、本日午前中に我々議員会として緊急に6項目の申し入れをさせていただきました。確実・迅速な対応を望むところであります。 さて、質問に入ります。 初めに、風評・風化対策についてであります。 常磐自動車道や国道6号の全線開通、あるいは復興拠点の整備、一部市町村での避難指示解除など復興が着実に進んでいると感じておりますが、本県ではいまだに風評が残り、一方では風化も進んでいる状況にあると思います。 低価格が続き、売れ行きの悪い県産米を初めとする農産物や低迷している教育旅行などの観光産業、徐々に回復してきているとは言われますけれども、震災前の水準に回復しておらず、県民の生活に大きく影を落としています。また、海外においても、多くの国々で輸入規制が続くといった厳しい状況があります。 こうした中、知事は国内外に向け、風評の払拭、風化の防止に精力的に取り組まれており、7月には就任後初めてとなる海外訪問としてスイス、イギリスの2カ国を訪問され、本県の現状と復興に向けて進む姿を広く伝えてこられました。この風評と風化という問題は、本県の復興を前に進める上での大きな課題であります。しっかりと解決に向けて取り組む必要があります。また、県では今月7日に風評・風化対策の強化戦略を取りまとめられました。 そこで、知事は欧州訪問の成果も踏まえて、風評払拭及び風化の防止に向けどのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。 次に、復興・再生に向けての取り組みであります。 原子力災害からの復興には困難なハードルが多数あり、長い時間を要します。とりわけ避難地域の各市町村においては自分たちで何とか復興を進めたいという強い思いがある一方、市町村単独においては取り組みに限界があり、葛藤や苦しみを抱えています。 ことし5月、我が自民党がリードしてまとめた第5次提言を踏まえ、7月末に将来像が取りまとめられました。中長期、広域の視点に立って取りまとめられた将来像の提言においては、広域自治体として県が果たすべき役割について言及されており、避難12市町村の現状を考えるとまさに広域自治体としての県の役割は極めて大きいものと考えます。 そこで、知事は広域自治体の長として、避難地域の将来像の実現を初め福島の復興・再生に向けてどのように取り組んでいくのかを尋ねます。 次に、中間貯蔵施設について質問いたします。 震災から4年半が経過しましたが、既に現場保管は10万カ所を超えていると言われております。県民の安全・安心をしっかり確保するためにも早急な施設整備と搬出が求められております。 先月行われました県議会全員協議会の場における用地確保と本格輸送の工程表の提出についての質問に対し、国はできるだけ早い時期に示せるよう努めるとの回答にとどまり、県民への具体的な話はありませんでした。国は本県の環境回復、そして復興に対し、しっかりと責任を持って対応しなければなりません。 そこで、中間貯蔵施設についてこれまでの国の取り組み状況をどのように受けとめ、どのように対応していくのか、知事の考えを尋ねます。 さらに、デスティネーションキャンペーンの今後の取り組みについてであります。 先月末のDC成果発表記者会見においては、「4月から6月の3カ月間開催されたふくしまDCにおいて、観光入り込み数1,357万人、経済波及効果295億円、それに加えて今後の観光振興に向けた地域でのさまざまな新しい取り組みが生まれました。」と発表がありました。 本県の観光は、東日本大震災により大きなダメージを受けましたが、DC開催期間中は県内各地域で特別企画やイベントなどが開催され、観光客でにぎわう様子を見ることができ、全県的には大きな成果があったものと感じております。 DCを契機に本県観光の回復に向けて弾みをつけているところですが、キャンペーンの実施により、観光振興に向けた課題も幾つか見えてまいりました。本当の意味でキャンペーンを成功と位置づけるためには、来年のアフターキャンペーンにおいて、今回生まれた地域の取り組みとおもてなしの心を継続し、さらに発展させていくことが必要であると考えます。 そこで、知事はふくしまデスティネーションキャンペーンの成果を踏まえ、どのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 次に、福島相双復興官民合同チームについてであります。 避難指示等の対象である12市町村の事業者、農業者等の方々は、一部の帰還ができる地域で再開された方、さらには避難先で再開された方々を除き、その多くは事業を再開されていないものと承知いたします。避難地域の復興推進や住民の帰還を促進するためにもこれら地域の事業者、農業者の再開への取り組みが大変重要な役割を担うものと考えます。 さて、本年5月、安倍首相が来県された際に、12市町村の事業者の皆様の事業再開等を支援するため官民が一体で活動する組織を立ち上げる旨の報道がありました。この総理の意向や与党の第5次提言を受けて、ことし6月に政府は福島復興指針を閣議決定し、その中で福島相双復興官民合同チームを創設することになりました。 先月24日、高木経産副大臣を本部長として、国、県、そして民間を構成員とする福島相双復興官民合同協議会が開催され、畠副知事もメンバーとして参画するとともに、正式に福島相双復興官民合同チームが発足いたしました。このチームは、1次産業も含めた事業者に対して、官民合同チームが直接伺うなどしながら個別にニーズを把握し、今後の施策へ展開していくとのことであります。 そこで、福島相双復興官民合同チームを通じて12市町村の被災者の事業や営農の再開支援にどのように取り組むのか、副知事の考えを尋ねます。 次に、再生可能エネルギーの推進についてであります。 避難地域における再生可能エネルギーの推進は、復興に向けた施策の柱に再エネの飛躍的推進を掲げる本県として大変重要なテーマであると考えます。昨年度発生した系統接続保留問題の際には、県は速やかに「福島からの緊急提言」を取りまとめ、国等に強く働きかけ、その結果、財政措置を初めとした本県向けの特別対策が実現されることになりました。 しかしながら、相当の地域において送電網が弱いため再生エネルギー事業の意欲を有する地元事業者の参入に支障が生じております。引き続き避難地域においては、復興や帰還の観点から再生可能エネルギーの導入をしっかりと進めることが重要であります。 そこで、県は避難地域における再生可能エネルギーの推進にどのように取り組んでいくのかを尋ねます。 次に、危機対応力の強化についてであります。 大規模複合災害が発生したときに先頭に立って災害対応を担うべき県や市町村がみずからの庁舎や職員の被災などにより初動対応がおくれることは県民の安全・安心に重大な影響を及ぼします。東日本大震災の際にも初動対応が十分ではなかったとの反省もあるところであります。このようなことから、災害への対応力を強化するために県を初めとする行政機関における業務継続計画の必要性が指摘されています。 県では、ことしの2月に本庁における業務継続計画を策定いたしました。また、県内市町村の業務継続計画については、策定中も含め8市町村にとどまっております。東日本大震災を経験した本県としては県内の全ての市町村で1日も早く策定することが強く求められていると思います。 そこで、災害発生時に重要な役割を担う業務継続計画について県はどのように取り組んでいくのかを尋ねます。 また、本年4月に県では、東日本大震災の教訓を踏まえ危機対応力を高めるため危機管理部を新設し、新たに危機管理監を設置いたしました。県には今回の組織改正が十分機能し、県と市町村、関係機関等との連携を一層強めながら、県全体として大規模複合災害等の危機事象への対応力を高めていかなければなりません。 そこで、県は危機への対応にどのように取り組んでいくのかをお尋ねします。 次に、復興公営住宅の整備についてであります。 東日本大震災から既に4年半、原子力災害によりいまだ多くの方々が避難を余儀なくされております。県内外で不自由な生活を続けておられます。そのような中、避難されている方々が1日も早く生活を再建するためには居住の安定を確保することが何より大切であり、県が整備を進めている復興公営住宅の早期完成が待たれるところであります。 県ではあらゆる手段を講じて整備の加速化を図るとのことですが、買い取り制度の導入等々も含めて幾つかの団地では完成が前倒しされるところも発生しております。 そこで、復興公営住宅について、整備の見通しと早期整備に向けた取り組み状況をお尋ねいたします。 次に、復興・創生期間における道路整備についてであります。 国の平成28年度以降5年間の復興・創生期間における復旧・復興事業の枠組みが6月に決定され、本県が復興事業を進めていく上で必要な財源が確保されました。本県の復興・再生には道路の整備は重要であり、ふくしま道づくりプランにより確実に進めていかなければなりません。 そのような中、日々職員が復興事業に邁進していることは承知しておりますが、今持っている人員体制や仕組みでやり切れるのかと危惧しております。本プランを確実に進めていくためには、私はこれまでのやり方だけでは達成できないのではないかという認識に立ち、新たな方策に取り組んでいく必要があると考えます。 そこで、県はふくしま道づくりプランの実現に向けどのように取り組んでいくのかを尋ねます。 次に、警察行政についてであります。 避難指示区域の再編に伴い、住民の帰還が進められるなど、復興に向け着実に前進をいたしている状況が感じられ、うれしい限りであります。 このような中、先日大阪において凶悪事件を起こした犯人が福島県内で除染作業に従事していたことが大きく報じられ、復興に向け欠かすことのできない除染事業にかかわる作業員が凶悪事件を引き起こしたことに対して県民は大きな不安を感じております。 この不安を払拭するためには、被災地を初めとした県内の安全・安心をしっかりと確保していかなければなりません。現在全国から警察官の応援をいただき、警戒に当たっておりますが、住民が安心して帰還し、また、帰還した住民が安心して暮らしていけるようにするためにも避難指示区域等の一層の治安確保を図らねばなりません。 そこで、避難指示区域等の治安の確保に向けた県警の取り組みについて尋ねます。 次に、地方創生についてです。 今まさに全国で地方創生に向けた取り組みが進められています。福島県においては、東日本大震災、原子力災害の影響により残念ながら他県と比べても急激に人口減少が進んでおります。中でも中山間地域においてはその減少が顕著であり、市町村においてもそれぞれ総合戦略の策定に取り組まれていますが、県の戦略についてはこれからの福島県の未来を担う非常に大事な戦略であり、県民も大いに注目しているところであります。策定に向けたこれまでの取り組みを踏まえ、本県がどのような姿を目指すのかを戦略で示し、その実現に向けしっかりと取り組んでいかなければなりません。 そこで、県は総合戦略においてどのような姿を目指していくのかお尋ねします。 さらに、県民運動についてであります。 これまでの「新”うつくしま、ふくしま。“県民運動」は平成26年度末をもって終了いたしましたが、新たな県民運動については震災から5年が経過する来年度に向け、県民が夢や希望に向かっていける目標が必要であります。現在県においては、来年度以降の県民運動のあり方について検討を行っていると聞きますが、県民にとって直接かかわる取り組みについてはできるだけ早目に発表していくべきと考えます。 そこで、新たな県民運動の検討状況について尋ねます。 さらに、医療人材の確保についてであります。 本県における医師を初めとする医療従事者の不足については、原子力災害の影響により県外流出が進み、今なお深刻な状況が続いております。特に医師については県立医科大学の入学定員の増員により養成数をふやす取り組みは行われてきましたが、さらなる医師の確保を図るために県立医科大学はもちろん、全国の医学生が本県の医療に関心を持っていただき、県内の病院で臨床研修を行ってもらうよう働きかけることが大きな政策だと思います。 そこで、県は臨床研修医の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 また、先日保健医療従事者養成に係る有識者会議から県に対して、理学療法士や作業療法士、診療放射線技師、臨床検査技師の4職種について4年制の大学課程の整備を求める提言がなされました。高齢化の進展や避難の長期化による要介護者の増加などに伴い、不足する理学療法士等の医療従事者の養成や県内定着を図るためにはそれら養成施設を早急に整備していく必要があると考えます。 そこで、新たな保健医療従事者養成施設の整備について県の考えをお尋ねいたします。 次に、子供の貧困対策についてであります。 格差社会と言われておりますが、所得の格差が拡大し、非正規労働者やひとり親世帯の貧困が社会問題化いたしております。とりわけ子供の貧困率が上昇していることが大きな問題であります。 子供のころの貧困の経験は、子供の健やかな成長を妨げ、大人になってからの所得や生活水準などにマイナスの影響を及ぼすと言われています。国を挙げて少子化対策に取り組んでいる中にあって、未来の宝である大切な子供を環境に左右されず健全に育むことが大切であると考えます。親や育てている人の経済的な問題によって子供の将来が左右されるようなことはあってはなりません。 そこで、県はどのような視点のもとで子供の貧困対策に関する計画を策定するのかお尋ねをしたいと思います。 次に、認知症対策について質問します。 我が国における認知症の人の数は2012年時点で約462万人、65歳以上高齢者の7人に1人が認知症であると言われてきました。また、この数は高齢化の進展に伴いさらに増加が見込まれており、2025年には5人に1人に上昇する見込みとなっております。 本県においては、認知症の人が約8万人、予備群が7万人いると推計されております。今後認知症高齢者の増大が見込まれることを踏まえると、その生活を支える仕組みを構築することは喫緊の課題であります。 国においては、介護保険制度の中で平成30年3月までに医師や保健師、介護福祉士などの専門職が訪問による本人や家族支援を行う認知症初期集中支援チームの設置を全ての市町村に求めるなど市町村の体制整備を推進していますが、本県では今年度7つの市町村で設置すると聞いております。私は、認知症の人や家族が認知症とともによりよく生きていくことができるよう県を挙げて早急に環境整備に取り組んでいくことが必要だと思います。 そこで、県は認知症対策についてどのように市町村を支援していくのか尋ねます。 次に、地域における新たな事業創出です。 本県において、特にこの災害以降、10代、20代の人口流出が著しく、人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小がさらに人口減少を加速させるという負のスパイラルに陥ることが懸念されています。 県民が安心して生活を営み、子供を産み育てられる社会環境をつくり出し、活力にあふれた地域を創造していくためには、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立する方向へ新たなチャレンジをしていかなければなりません。 そのためには企業誘致はもとより、新たな事業を起こしていく起業家への積極的な支援が必要であると考えます。新たなビジネスを起こす起業家は新たな雇用を生み出すだけでなく、産業構造の転換やイノベーション促進の原動力となって、広く地方経済の活性化に大きな役割を果たすことが期待されます。また、新たなことにチャレンジする元気のよい人材がそこに住むことによって地域の活性化にも結びつくことが大いに期待できるところであります。 そこで、県は地域産業の活性化のため創業支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、木質バイオマスの利用促進について尋ねます。 本県の豊かな森林を再生し林業を振興するためには、年々充実する森林資源を積極的に利用して、伐採後は新たに植えかえることなどにより、持続的な利用を図っていくことが必要であります。とりわけ木材のバイオマス利用については、林地残材や製材端材などの未利用材の有効活用につなげるためにも地域の林業、木材産業を活性化するための有効な手段であります。 このため、阿武隈地域を初めとする県内の森林資源をバイオマスとしてより一層活用することは、環境の保全のみならず地場産業の持続的な発展と雇用の確保につながる極めて重要な政策だと考えます。 そこで、県は木質バイオマスの利用促進にどのように取り組んでいくのか尋ねます。 さらに、建設業の担い手の育成について尋ねます。 建設業は、県土の復旧・復興はもちろん、公共施設の維持管理や災害発生時のライフラインの確保、地域経済の活性化や雇用の確保など大きな役割を担っており、地域の安全・安心の確保のためにはなくてはならない極めて重要な産業であります。 また、公共工事の品質確保の促進に関する法律等の改正では、インフラの品質確保とその担い手の中長期的な育成確保がうたわれ、発注者、受注者の責務及び取り組むべき事項が明確にされました。 しかしながら、本県の建設業は平成9年以降、特に若年労働者の減少を招いており、その大半が50代以上であるため、今後の大量退職に備えて建設業が持続的にその役割を果たしていけるよう担い手育成に積極的に取り組まなければならないと思います。 そこで、県は建設業の担い手育成にどのように取り組んでいくのかを尋ねます。 次に、公立小中学校の学力向上についてであります。 過日発表されました今年度の全国学力・学習状況調査の結果を見ますと、本県の公立小中学校の児童生徒の学力は、小学生5科目、中学生5科目のうち、小学生の国語Aを除き、残りの9科目で全国平均を下回り、特に算数・数学において全国との学力の差が大きく開いているという大変厳しい結果となりました。 県はこれまで全国に先駆けた取り組みとして少人数教育を実施し、また、教育先進県の秋田県の取り組みを参考にするなどさまざまな対策に取り組んできたと言われていますが、この結果を受け、学力向上対策におけるこれまでの検証を急ぎ、一層の学力向上に努める必要があります。 東日本大震災からの復興と再生を目指す本県にとって、児童生徒に自信と誇りを持たせながら未来を切り開いていく力を身につけさせることは我々が果たすべき責務であり、そのために児童生徒の確かな学力の定着を図ることは喫緊の課題であり、県民全ての願いであると思います。 そこで、県教育委員会は今年度の全国学力・学習状況調査の結果を踏まえて、公立小中学校における児童生徒の学力の向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 さらに、公立小中学校の不登校対策についてであります。 本県の小中学校の不登校児童生徒は、8月に公表された文科省の報告によりますと、小学生は昨年度より62人ふえて291人、中学生は84人ふえて1,494人になり、3年連続で増加しております。 東日本大震災から4年半、いまだに児童生徒1人1人を取り巻く学習環境や生活環境が十分でないことや社会の急激な変化などにより、子供たちはさまざまな心の悩みや不安を抱えていることが心配されます。 このような中、不登校児童生徒を生まないための学校・学級の環境づくりや、家庭と地域との連携を図りながら、一旦不登校になってしまった児童生徒に1日も早く登校を促す援助を行うことが重要であります。 そこで、県教育委員会公立小中学校における不登校対策にどのように取り組んでいくのかをお尋ねします。 最後に、県立高等学校における主権者教育についてであります。 本年6月17日、参議院本会議において、選挙権年齢が18歳に引き下げられる改正公職選挙法が成立し、来年夏の参議院議員通常選挙から適用される見通しとなりました。これは、学校現場から見れば高校在学中において有権者となる生徒が出てくることを意味しており、高校生に対する政治や選挙などに関する教育の充実はまさに喫緊の課題であります。 また、福島県の復興、さらには日本の新たな未来を築いていくためにも、これからの社会の中心となる若年層が主権者意識を持ち、積極的に地域や社会にかかわることが大変重要であります。 そこで、県教育委員会は県立高等学校における主権者意識を育む教育にどのように取り組んでいくのかお尋ねして、私の代表質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(斎藤勝利君) 執行部の答弁を求めます。  (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。 風評払拭及び風化防止についてであります。 私は、震災と原発事故による風評と風化という困難な課題に打ちかつためには、安全・安心の確保に向けた取り組みを土台として、福島の魅力と懸命な努力を続ける県民の姿を丁寧に発信をし、多くの方々との共感の輪を広げていくことが大切であると考えております。 このため県産農産物のトップセールスや企業経営者等が集まる全国懇談会などにおいて、これまでの支援への感謝と福島の今を私みずから発信するとともに、7月の欧州訪問では、各国政府関係者等に対し、感謝の思いと、光と影の両方が混在をしている福島の現状を率直に伝え、福島の復興に対して全力で協力したいとの声が寄せられるなど復興への思いを共有し、つながりを感じてもらえたと確信をしております。 こうした中、今般風評・風化対策の総合的な行動計画としての戦略を取りまとめ、震災前の水準の回復、さらには福島ブランドの再生、構築を目指し、流通事業者等への働きかけによる県産品の販路回復、県産日本酒などの食と連携をした観光誘客の促進、学校等への訪問活動による教育旅行の回復などの取り組みを強化いたします。 また、海外に対しては、さきの欧州訪問のきずなを生かした英国・イギリス学生の招聘や10月のミラノ国際博覧会などの機会を通し、本県の現状や復興が進む姿を発信するなど、県民の皆さんを初め市町村や国、応援をいただく県外自治体、企業、団体の方々と一体となって取り組みを1つ1つ積み重ね、風評払拭と風化防止に全力で取り組んでまいる考えであります。 次に、避難地域を初めとする福島の復興・再生に向けた取り組みについてであります。 避難地域におきましては、常磐自動車道の全線開通、ふたば未来学園高等学校の開校、全町避難の自治体として初めてとなる楢葉町の避難指示解除、世界最大級の浮体洋上風力発電の実証など未来を照らす希望の光が数をふやし、より明るさを増しております。 そうした中で、7月に取りまとめられた避難地域の将来像には、私が有識者検討会の場で求めてきた国の責務による避難地域の復興を初め本県が目指している再生可能エネルギー先駆けの地、イノベーション・コースト構想の実現など、避難者の方々がイメージを描きやすい具体的な項目が盛り込まれ、復興をなし遂げた30年から40年後の姿の一端を示すことができたと考えております。 前例のない困難に直面をする避難地域で将来像に描いた未来の姿を実現していくことは、今を生きる私たちの責務であります。市町村単独では解決できない医療や地域公共交通などの広域的な課題を初め避難地域の市町村が抱える課題に対し、県が広域自治体として主導的に取り組み、避難地域の復興をなし遂げるとともに、その成果を県内全体に広げることや地域創生、人口減少対策、風評・風化対策等の相乗効果などにより本県の復興・再生につなげてまいります。 次に、中間貯蔵施設についてであります。 中間貯蔵施設は、地元に大変大きな負担を強いるものであります。一方、本県の環境回復を図る上で大変重要な役割を果たす必要な施設であることから、昨年8月には建設受け入れの容認、さらにことし2月には搬入受け入れの容認というまさに苦渋の決断を行ったところであります。 これを受け、3月にはパイロット輸送が開始され、これまでに先行9市町村を初め学校から、あるいは積雪の影響が大きい会津地域から搬出が行われるなどある程度取り組みが進んでおります。一方、用地取得につきましては地権者への個別訪問等は進んでおりますが、契約に至るまでに時間を要している状況にあります。 国は地権者のふるさとへの思いや地方自治体の苦渋の受け入れ判断、そして県内市町村の意見をしっかり受けとめ、施設の設置者として責任を持って総力を挙げて対応すべきと考えております。 県といたしましては、引き続き国に対し省庁連携による体制の充実強化を初め地権者へのわかりやすい丁寧な説明と寄り添った対応を求めるとともに、地権者への説明を円滑に進めるための県駐在員を通じた取り組みや安全協定に基づく搬入搬出等の状況確認、輸送に係る協議調整など、広域自治体として積極的に取り組んでまいる考えであります。 次に、ふくしまデスティネーションキャンペーンの今後の取り組みについてであります。 今回のキャンペーンでは、地域主体の新たな観光素材の掘り起こしや、2万人の県民が感謝の気持ちを込めてSLに手を振ったファイナルイベントに代表される福島ならではのおもてなしなど県民一丸となった取り組みの結果、観光客入り込み数の増加による経済波及効果や民間企業等との連携など、県内各地でさまざまな成果が生まれました。 一方で、多くの観光客が訪れた地域の先進的な取り組みを全県的に広めていくことや、地域みずからが考え、磨き上げた観光素材を外国人インバウンドの誘客や教育旅行の回復に活用していくことなど、これからの課題も見えてまいりました。 今後は、二度三度と訪れたくなる福島を目指し、酒蔵など本県が誇る地域資源を生かした取り組みや地域の核となる人材育成などにより各地域での観光力の底上げを図るとともに、来年春のアフターデスティネーションキャンペーンに向けて今回の成果を一過性のものとせずに、地域へ定着をさせ、さらに発展させていくため引き続き全力で観光復興に取り組んでまいる考えであります。 その他の御質問につきましては、副知事等から答弁させますので、御了承を願います。  (副知事畠 利行君登壇) ◎副知事(畠利行君) お答えいたします。 官民合同チームにつきましては、被災された事業者や農業者が置かれている厳しい状況に寄り添った支援を行い、事業、なりわいや生活の再建を後押しするために、先月、国、県、民間の総力を挙げて取り組む体制で発足したところであります。 まず、事業者には、それぞれの事業者を直接訪問し、意向や要望を丁寧に伺い、その状況を踏まえ、事業再建計画の策定や生活再建など専門家も活用した支援に取り組むこととしております。 また、農業者には、市町村と連携し、農業者の意向等の把握に努め、農業経営再開の具体的な指針となる地域ごとのマスタープランの策定や福島県営農再開支援事業を初めとするさまざまな支援策の実施など地域単位での取り組みにきめ細かく対応してまいります。 さらに、官民合同チームの活動を通じて得られる新たな課題に対しては、既存の施策の柔軟な運用はもとより、新たな支援策を国や民間と一体となって検討するなど1日も早い事業、なりわいの再建を通した12市町村の復興を加速してまいる考えであります。  (危機管理部長樵 隆男君登壇) ◎危機管理部長(樵隆男君) お答えいたします。 業務継続計画につきましては、災害により庁舎や職員が被災し、情報の収集などに制約を受けた中でも、初動対応や非常時の優先業務が迅速かつ的確に実施できるよう、あらかじめ優先順位や職員体制などを定めておくものであり、災害対応力を高める上で極めて重要であると考えております。 このため、本年2月に策定した本庁機関の業務継続計画との整合性を図りながら、出先機関においても本年度内に策定することとしており、また、市町村が災害対応に大きな役割を果たすことから、説明会や相談会の開催などを通して市町村の業務継続計画の策定を支援してまいる考えであります。 次に、危機への対応につきましては、自然災害や新型インフルエンザ、新たな危機事象などに対して全庁的に迅速な初動対応を行うことが重要であることから、日々の業務の中で部局間の連携強化や情報の一元化、共有化を図るとともに、危機への対応力向上のための研修や訓練を繰り返し実施しているところであります。 さらに、市町村、警察、消防、自衛隊などと合同で実施する各種訓練の充実により関係機関との連携の強化を図るとともに、さまざまな危機に応じた取り組みや関係機関等との役割分担などについて県民へわかりやすく積極的に情報発信を行うことにより、県民の安全・安心につなげてまいる考えであります。  (企画調整部長近藤貴幸君登壇) ◎企画調整部長(近藤貴幸君) お答えいたします。 避難地域における再生可能エネルギーの推進につきましては、復興の加速化、地域経済の再生の観点において大変重要と考えており、国庫補助制度の創設や農地転用の特例等を実現してまいりました。 さらに、去る7月には推進協議会を設立し、東京電力の使用していない送電線を活用した発電事業の参入促進と売電収入を活用した地域復興の仕組みを構築したところであります。 今後とも国や電気事業者に対し、送配電網の増強などを求めるとともに、風力、水力などの多様なエネルギーの活用、地域主導による発電事業への支援など、避難地域の復興や地域活性化に貢献する再生可能エネルギーの導入拡大に向けて全力で取り組んでまいる考えであります。 次に、総合戦略につきましては、これまで人口分析や有識者会議での議論に加え、県内8方部における地域懇談会、地方創生フォーラムの開催及び若者等へのアンケート調査を通じ、課題やニーズの把握に努めてまいりました。 これらを踏まえ、人口減少対策に向けては、若者の定住や移住に結びつく働く場の確保や地域の魅力向上、結婚、出産、子育てを後押しする仕組みづくりなどに重点的に取り組む必要があると考えております。 未来を担う若者の希望に応え、持続可能な「ふくしま」をつくり上げていくことを目指して総合戦略を策定し、人口減少をめぐる課題解決に向けた施策に全庁を挙げて取り組んでまいる考えであります。  (保健福祉部長鈴木淳一君登壇) ◎保健福祉部長(鈴木淳一君) お答えいたします。 臨床研修医につきましては、県内での研修の実施が将来の定着につながる傾向にあることから、18の臨床研修病院が合同で行う病院ガイダンスや見学会等を支援するとともに、研修医の技術向上のための機器整備に対する補助を行うなど研修環境の充実を図ってきたところであります。 今回新たに研修医の希望に沿う魅力あるプログラムとなるよう、身近な診療から高度医療までそれぞれの特徴を生かしながら複数の病院が協力して行う場合の研修モデルを作成し、全国の医学生に情報発信するとともに、協力病院が研修医用宿舎の確保に要する経費に対して補助することとしており、今後とも臨床研修医の県内定着に向け積極的に取り組んでまいります。 次に、保健医療従事者養成施設の整備につきましては、最新の医療技術や高度な知識を幅広く習得できる教育環境の中でチーム医療の一翼を担うことができる専門職を県内で養成すべきとの提言が先月24日に有識者会議からなされたところであります。 県といたしましては、高齢化の進展に伴う医療・介護需要の増大や高度化、専門化が進む医療環境に対応するため、より質の高い保健医療従事者を養成する必要があると考えておりますことから、この提言内容を踏まえ、今後施設の設立理念、設置方法、規模等、整備に際しての基本構想を年内を目途に策定し、その具体化を図ってまいる考えであります。 次に、認知症対策につきましては、早期診断、早期対応が重要であることから、これまで専門的医療の中核を担う認知症疾患医療センターを県内に4カ所指定するとともに、市町村や地域包括支援センター職員のスキルアップを図るための研修会などを実施してまいりました。 今年度はこれに加えて、複数市町村による認知症初期集中支援チームの共同設置に向けた準備会議の開催、認知症サポート医や医療と介護の連携調整を行う認知症地域支援推進員の養成などの支援を行っております。 今後とも全ての市町村において認知症の症状に応じた医療・介護サービスを提供できるよう体制整備を積極的に支援してまいる考えであります。  (商工労働部長飯塚俊二君登壇) ◎商工労働部長(飯塚俊二君) お答えいたします。 創業支援につきましては、これまで女性や若者が創業時に必要とする経費の補助やインキュベート施設における低料金での設備提供など、創業を志す方や創業間もない事業者に対して一貫した支援を実施してきたところであります。 また、地方創生を推進するためには、地域の産業を活性化させる起業家の役割がますます重要となることから、今後地域に元気をもたらすリーダー的起業家を首都圏等から呼び込み、地域における創業の機運を高め、新たなビジネスを生み出す起業の連鎖創出事業を実施し、創業支援をさらに充実してまいる考えであります。  (農林水産部長小野和彦君登壇) ◎農林水産部長(小野和彦君) お答えいたします。 木質バイオマスの利用促進につきましては、森林の循環利用につながる重要な取り組みであることから、需要の創出を図るため火力発電所における混焼拡大への働きかけや身近な森林資源を活用できる道の駅や公共入浴施設などにおける冷暖房や給湯ボイラー、さらには一般住宅へのまきストーブなど多様な利用施設の導入促進に取り組んでいるところであります。 あわせて、木質燃料の安定供給を図るため、作業道の整備や高性能林業機械の導入、木質燃料の製造施設の整備などへの支援に努めてまいります。  (土木部長大河原聡君登壇) ◎土木部長(大河原聡君) お答えいたします。 復興公営住宅の整備につきましては、これまで未定となっていた5地区369戸の用地が確保できる見込みとなり、整備計画に掲げた4,890戸について平成29年度末までに完成する見通しとなったところであります。 また、整備手法の1つに建物の買い取り方式を採用したことにより、会津若松市白虎町地区の19戸など3地区74戸で2カ月から4カ月間の完成時期の前倒しが可能となったことから、この方式による整備戸数をふやすとともに、あらかじめ工場で生産したコンクリート部材を使用する工法の活用など今後ともあらゆる手段を講じて早期整備に取り組んでまいります。 次に、ふくしま道づくりプランにつきましては、本県の復興に資するため、これまで計画的かつ着実に取り組んできたところであります。 今後は福島復興再生特別措置法に基づき、沿岸部と中通りを結ぶ吉間田滝根線において県道では初めてとなる国代行事業の着手を目指すとともに、さらに増大する道路整備に対応するため浜通りの大規模な事業で実施してきた事業監理や調整業務等の外部委託を全県的に展開するなど新たな手法を取り入れながら、プランの実現に向けて全力で取り組んでまいります。 次に、建設業の担い手育成につきましては、これまでもさまざまな広報活動による建設業のイメージアップや関係団体と連携した合同就職説明会の開催による新規就業者確保に取り組むとともに、技能者育成に向けた研修などを実施してまいりました。 また、今年度から若手技術者の技術力向上を目的に、発注者及び受注者合同で研修会等を開催することとしたところであります。 さらに、来年1月を目途に福島県建設業審議会を開催し、有識者や建設業関係者などから幅広く意見を聞きながら、今後の担い手育成などの施策について検討してまいる考えであります。  (文化スポーツ局長篠木敏明君登壇) ◎文化スポーツ局長(篠木敏明君) お答えいたします。 新たな県民運動につきましては、本年7月に各分野の有識者等から成る検討委員会を設置し、来年度以降の県民運動について検討を進めております。 これまでの議論では、「健康」をキーワードに、運動などの取り組みを通して人も地域も笑顔で元気になれることが望ましいとの方向性が示されております。 震災から4年半が経過した本県の状況を踏まえ、県民の皆さんが心を1つにして、子供からお年寄りまで誰もが参加しやすい県民運動となるようさらに検討を進めてまいります。  (こども未来局長尾形淳一君登壇) ◎こども未来局長(尾形淳一君) お答えいたします。 子供の貧困対策につきましては、本県の子供たちがその生まれ育った環境に左右されず、夢と希望を持って成長できるよう支援していくことが大切であると考えております。 このため、子供に貧困を連鎖させないために、教育、生活、就労など幅広い視点から対策を検討するとともに、教育や保育、福祉、労働等さまざまな分野の専門家から成る子ども・子育て会議での議論も踏まえながら、学校現場を初めとするさまざまな主体が連携し、ライフステージに応じて切れ目のない支援を行う計画を策定し、子供の貧困対策に取り組んでまいります。  (教育長杉 昭重君登壇) ◎教育長(杉昭重君) お答えいたします。 学力向上の取り組みにつきましては、今年度の全国学力・学習状況調査の結果から、さらなる対応が強く求められていると真摯に受けとめております。 指導方法の改善を図るため、各学校に対して、調査結果や各施策への取り組みを多面的に検証し、明らかになった課題への具体的な対応策の立案とその徹底を指示したところであります。 今後は家庭における学習習慣や生活習慣のさらなる確立を図るため、学校と家庭が連携した「つなぐ教育」を県内全域で実施し、その成果を全ての学校に確実に普及させるなど児童生徒の学力向上に取り組んでまいります。 次に、不登校対策につきましては、1人1人の状況に応じたきめ細かな支援体制をより一層充実させるなどのさらなる取り組みが必要であることから、本県独自の指導資料「ストップ・ザ・不登校手をたずさえて」を最大限に活用し、これまでにも増して児童生徒の心の変化を的確に捉えた丁寧な指導をするよう改めて各学校に指示したところであります。 今後は指導主事を学校に派遣し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと一体となった教育相談体制の充実や適切かつ具体的な対処方法などについて指導の徹底を図り、不登校の未然防止や解消に取り組んでまいります。 次に、県立高等学校における主権者意識を育む教育につきましては、社会の一員としての意識を高め、社会に主体的に参画する態度を養うことが大切であると考えていることから、現代社会や政治・経済などの授業において政治や地域が抱える課題等について学習し、それをもとに討論や発表を行う活動を通して、主体的に考え、判断する力を育成するとともに、生徒会活動や学校行事などにおいて地域に貢献する活動を行うなど社会の形成に参画する意義を実践的に学ぶ機会を設けているところであります。 今後とも国が作成する副教材も活用し、学校教育全体において主権者意識を育む教育に積極的に取り組んでまいります。  (警察本部長石田勝彦君登壇) ◎警察本部長(石田勝彦君) お答えいたします。 避難指示区域等の治安の確保に向けた取り組みにつきましては、住民が安心して帰還することができるよう、本県警察官や全国警察からの応援部隊による警戒活動を実施しております。 また、避難指示解除等の情勢の変化を踏まえ、先日双葉警察署楢葉駐在所及び福島警察署山木屋駐在所において業務を開始したところであります。 さらに、現在閉鎖をしている双葉警察署等その他の警察施設につきましても再開に向けた検討を進めております。 県警察といたしましては、避難指示区域等の情勢の変化を的確に踏まえて警戒活動を効果的に推進するなど避難指示区域等の治安の確保に万全を期してまいる考えであります。 ○議長(斎藤勝利君) これをもって、佐藤金正君の質問を終わります。 本日は、以上をもって議事を終わります。 明9月15日は、定刻より会議を開きます。 議事日程は、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第47号までに対する質疑並びに休会の件であります。 これをもって、散会いたします。    午後3時18分散会...