◆23番(
渡辺ゆり子議員)
日本共産党山形県議団を代表し、請願二〇号を不採択としたことに反対討論を行います。 請願二〇号は、国に対し消費税五%以下への引下げを求める意見書の提出を内容とするものです。その趣旨にあるように、昨年の消費税増税以降にさらに
新型コロナウイルス感染症の影響が追い打ちをかけ、経済に打撃を与えています。 県経営者協会の二〇二〇年度雇用動向調査によると、今後の採用見込みでは、前年比で正社員の採用を減らすと答えた企業が三・三倍、非正規社員の採用を減らすが三・〇倍に増加しました。景況感判断も大幅悪化し、コロナ禍の影響と報道されています。 山形銀行の調査月報十二月のまとめによると、耐久消費財の購入状況について「消費増税およびその後のコロナ禍によって、全体としては購入意欲が減退している様子がうかがえる」として、「コロナ禍が今後の暮らし向きに及ぼす影響への懸念は根強く」と記しています。 経済情勢が厳しい下で、経済対策として消費税減税を求める声が強くなっています。国民や中小企業、国政野党はもちろんのこと、三月三十日には、百名を超える自民党若手議員らが
新型コロナウイルス感染拡大を受けた経済対策をめぐって消費税減税を求める緊急声明を出しました。その中では、景気の致命的下降あるいは恐慌を食い止めるため消費税の減税は欠かせないものであると述べています。この間、消費税・付加価値税を何らかの形で減税している国は二十五か国以上となっています。それだけ効果があると判断されているのです。 そもそも税金は、支払う能力に応じて負担する応能負担が原則です。不公平な税制を改めることで財源を確保することは可能です。 消費税導入から三十年。庶民と中小企業は増税に苦しめられてきましたが、全体として見れば、消費税の税収は、法人税、所得税などの税収減に飲み込まれてしまいました。コロナ禍でも大企業の内部留保は十兆円増となっています。税理士さんが共同代表を務める「不公平な税制をただす会」は、六月にコロナ禍の中で消費税に頼らずに必要な財源を確保する税制改革の財源試算を発表しています。もうかっている大企業と富裕層に応分の負担を課すべきと述べています。 コロナ禍で営業不振の小規模事業者やフリーランス、収入の道を断たれた非正規労働者やアルバイト学生にも消費税一〇%がのしかかり、生活費が日々消費税で削られています。消費税減税は待ったなしです。 請願の願意は妥当。強く採択を主張し、討論を終わります。
○議長(
金澤忠一議員) 以上で通告による討論は終わりました。 これをもって討論を終結いたします。 これより採決に入ります。 まず、議案について採決いたします。 お諮りいたします。議第百五十三号から議第百八十一号まで及び議第百八十三号の三十議案については、いずれも原案のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
金澤忠一議員) 御異議なしと認めます。よって、議第百五十三号から議第百八十一号まで及び議第百八十三号の三十議案はいずれも原案のとおり可決されました。 次に、請願について採決いたします。 初めに、請願一九号について採決いたします。 請願一九号に対する
厚生環境常任委員長の報告は
継続審査であります。 お諮りいたします。請願一九号については、
委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(
金澤忠一議員) 起立多数であります。よって、請願一九号は
厚生環境常任委員長報告のとおり決定いたしました。 次に、請願二〇号について採決いたします。 請願二〇号に対する
総務常任委員長の報告は不採択であります。 お諮りいたします。請願二〇号については、
委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(
金澤忠一議員) 起立多数であります。よって、請願二〇号は
総務常任委員長報告のとおり決定いたしました。 次に、ただいま採決いたしました請願一九号及び請願二〇号を除く請願五件について採決いたします。 お諮りいたします。これら請願五件については、いずれも関係
常任委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
金澤忠一議員) 御異議なしと認めます。よって、請願八号から請願一〇号まで、請願一四号及び請願一五号の請願五件はいずれも関係
常任委員長報告のとおり決定いたしました。〔参照〕
△(イメージ)請願審査結果一覧表
△(イメージ)
継続審査請願審査結果一覧表
△日程第三十二発議第十八号の意見書案一件
○議長(
金澤忠一議員) 次に、日程第三十二発議第十八号
尖閣諸島周辺海域における安全確保を求める意見書案を議題に供します。
△(イメージ)発議第18号
○議長(
金澤忠一議員) この場合、お諮りいたします。発議第十八号については、議会運営委員会において十分検討の上提出された案件でありますので、所定の手続を省略、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
金澤忠一議員) 御異議なしと認めます。よって、所定の手続を省略、直ちに採決することに決定いたしました。 これより採決に入ります。 お諮りいたします。発議第十八号については、原案のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
金澤忠一議員) 御異議なしと認めます。よって、発議第十八号は原案のとおり可決されました。 なお、可決されました意見書の字句の整理は私に御一任願います。
○議長(
金澤忠一議員) 以上をもって今期定例会の議事は全部終わりました。
△知事発言
○議長(
金澤忠一議員) この場合、知事より発言を求められておりますのでこれを許可いたします。吉村知事。
◎知事(
吉村美栄子君) 本日の本会議が私の任期満了直前の本会議でありますので一言御挨拶申し上げます。 この四年間を振り返りますと、まさに時代の転換期であったというふうに感じております。 昨年は、天皇陛下が御即位され、御代替わりの「令和」という新しい時代が幕を開けました。 また、県では今年三月、今後おおむね十年間の県勢発展に向けた指針として第四次山形県総合発展計画を策定し、基本目標として、人と自然が生き生きと調和し、県民一人一人が真の豊かさと幸せを実感できる山形の実現に向けて取り組みを始めたところであります。 こうした中、今年は世界規模の大災害とも言える
新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るっており、国内でも感染拡大が止まりません。本県では、十二月以降新規感染者が急増し、重症化リスクの高い高齢者の感染が増加しておりますので、大変な危機感を持っているところでございます。しっかりと対処してまいります。 さて、改めてこの四年間を顧みますと、社会資本整備につきましては、平成三十一年三月に東北中央自動車道の東根-東根北間、同四月に南陽高畠-山形上山間が相次いで開通し、東根市から南側が首都圏と高速道路で結ばれました。また、南東北エリアに高速道路の環状ネットワークが形成されたところであります。去る十二月十三日には、日本海沿岸東北自動車道の酒田みなと-遊佐比子間が開通し、本県の高速道路整備率は七八%となりました。私の就任時は五〇%でございましたから、しっかりと着実に進んできたなと感じております。 また、酒田港の整備につきましては、令和元年にコンテナクレーンの更新・大型化を行い、さらに今年八月には高砂岸壁の延伸と埠頭用地の造成が完了し、国際ターミナルの拡張部を供用開始いたしました。 文化・芸術につきましては、本県の新しい文化・芸術活動の拠点として山形県総合文化芸術館いわゆるやまぎん県民ホールが開館し、新しい複合文化施設として本県の優れた魅力を発信しているほか、県立図書館がリニューアルオープンするなど、県民の皆様が芸術や文化に親しみ、読書を楽しむ環境づくりを進めたところであります。 農林水産業につきましては、トップブランド米でありますつや姫、雪若丸はもとより、「庄内北前ガニ」「山形ラ・フランス」のGI登録など、県産
農林水産物のブランド化を推進するとともに、「やまがた紅王」「ニジサクラ」などの新品種開発、東北農林専門職大学、仮称ですが、その
設置構想の具体化など、本県農林水産業の将来を牽引する新たなシーズの創生にも意を用いてきたところであります。 医療・福祉では、「みんなで取り組む健康長寿県やまがた推進条例」を制定するとともに、北海道・東北では初となる山形大学医学部東日本重粒子センターの開設支援を行うなど、健康長寿日本一を実現するための環境を整備いたしました。 人材育成に向けましては、県立高校への探究科・探究コースの設置や県立米沢栄養大学大学院の開設、また、産業技術短期大学校の土木エンジニアリング科の設置など教育環境の充実を図り、将来の本県を支える人づくりと若者の県内定着のための基盤づくりを進めたところでございます。 一方、この四年間には、多くの全国的なイベントを開催いたしました。平成二十九年には、現在の天皇陛下であられる当時の皇太子殿下の御臨席を仰ぎ南東北全国高等学校総合体育大会、そして翌三十年には全国農業担い手サミットを開催いたしました。また、国際的なイベントとして、東北初となる国連世界観光会議やIWC インターナショナル・ワイン・チャレンジ「SAKE部門」審査会を開催したところでございます。こうした大規模イベント開催の成功を契機として、本県の優れた魅力を国内外に広く発信することができたと考えております。 このように、この四年間を通して様々な挑戦を重ね、各分野で県勢発展の基盤が着実に形成されてきたものと受け止めております。例を申し上げれば、製造業付加価値額が一兆円を超えましたほか、生産農業所得は一千二百億円を突破して、私の就任時の二倍以上となりました。順位も東北五位から二位となりました。また、総合的な指標としましても、一人当たり県民所得が平成二十九年に過去最高の全国二十六位となりました。直近のデータであります。さらに、七十五の指標で客観的に評価する日本総研の都道府県幸福度ランキング二〇二〇年版で本県の総合ランキングが八位となるなど、県民生活の質的な向上に結びついているものと認識しております。これもひとえに県議会の皆様、市町村、各界各層の皆様、県民の皆様と一体となって努力してきたたまものと思っております。改めて深く感謝申し上げます。 一方、近年、全国的に自然災害が頻発化・激甚化しており、本県におきましても、平成三十年の最上・庄内地域を中心とした記録的豪雨や令和元年の山形県沖を震源とする地震など、ここ数年大きな災害が発生しております。加えまして、今年七月の豪雨災害は、本県の風水害としては過去最大の被害額となり、現在も、被災市町村等と連携して、復旧復興に全力で取り組んでいるところでございます。 また、冒頭でも申し上げましたが、世界規模の大災害とも言える
新型コロナへの対応につきましては、県民の皆様の命と暮らしを守るため、
感染防止対策や医療提供体制の整備を図るとともに、県内経済回復の取組を全力で進めております。今後も引き続き
感染拡大防止と県内経済再生の両立を図り、この難局を県民の皆様、県議会の皆様、市町村、関係機関、そして事業者の皆様方と一丸となって乗り越えてまいりたいと考えているところです。 現在のコロナ禍におきましては、
デジタル化が進行しているほか、東京一極集中から地方分散への流れが生まれるなど、大きな変化が生じております。こうした動きを的確に捉え、ポストコロナにおきましては、人と自然が生き生きと調和し、県民一人一人が真の豊かさと幸せを実感できる山形県を実現してまいりたいと考えております。 具体的には、本県の発展に向けた希望の光として、「子育てするなら山形県」の実現、「健康長寿日本一」の実現、県民幸せ
デジタル化、「一人当たり県民所得」の向上、そしてやまがた強靭化という五本の柱を掲げ、県民の皆様との対話を大切にしながら、全身全霊で県勢発展に尽力してまいりたいと考えておりますので、今後とも御理解と御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 結びに当たり、県議会の皆様のさらなる御健勝と御活躍を心から祈念申し上げ、御礼の言葉といたします。皆様、本当にありがとうございました。
○議長(
金澤忠一議員) 知事の発言は終わりました。
○議長(
金澤忠一議員) 十二月定例会を閉じるに当たり私から一言御挨拶を申し上げます。 本年を振り返りますと、これまで経験したことがないような出来事が数多くありました。その中で最も県民生活に影響を与えたのが、
新型コロナウイルス感染症であります。
新型コロナは世界中で猛威を振るい、我が国では四月に初の緊急事態宣言が発令され、人々の生活や経済活動が大きく制約されました。 本県においても、三月三十一日に初の感染者が確認されて以来、三百名を超える感染者が確認され、入院されたお二人が亡くなられました。謹んで哀悼の意を表しますとともに、今も入院されている方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い回復をお祈りいたします。 この間、執行部におかれましては、昼夜を問わず
感染拡大防止と県民生活の安定、社会経済活動の両立に向けて全力で取り組んでこられ、特に医療従事者をはじめとする
新型コロナ対策に携わる全ての方々に感謝申し上げます。 加えて、令和二年七月豪雨は、本県においても広範囲で非常に激しい降雨となり、最上川の四つの観測地点で観測史上最高の水位を記録し、各地で氾濫が発生いたしました。最大で一万人を超える県民が避難し、県内で発生した風水害による被害額が過去最大となる甚大な被害をもたらしました。 しかし、この災害で一人の犠牲者も出さなかったことは不幸中の幸いであると同時に、県民の防災意識の高さを示すものであります。執行部においては、速やかに災害対策本部を設置し、孤立集落の解消とライフラインの復旧、道路・河川の応急復旧対策に取り組まれました。 また、関係者の御努力により、早期に激甚災害の指定を受けることができました。復旧復興はもとより、頻発化・激甚化する自然災害を踏まえた防災・減災、県土強靱化対策を、なお一層講じていかなければならないとの思いを強くいたしたところであります。 議会活動を振り返ってみますと、今年ほど臨時会や予算議案の追加提案があった年はなかったのではないかと思います。議会としても様々な対応を行うとともに、活発な議論がなされたのであります。 四月臨時会では、
新型コロナ対策の予算を審議するとともに、今後の影響と対策を調査するため特別委員会を立ち上げ、県民の命と健康を守る医療従事者等に対し敬意と感謝の意を表する決議を可決いたしました。 六月定例会においては、議員各位の御協力を得て議員報酬の減額を含む経費削減を行い
新型コロナ対策に充てるとともに、六十三年ぶりに最終日で議案に対する質疑を行い、八月臨時会においては七月豪雨に係る災害対応予算を審議し、さらに今定例会でも追加の補正を行ったことで、今年度の県の累計予算額は七千四百億円を超えることとなりました。 また、十二月定例会においては、誹謗中傷を根絶し
新型コロナの克服を目指す決議を可決いたしました。この決議は、市町村議会での同様の決議につながり、県内に大きな流れをつくりました。さらに、本県議会の継続性を確保するため、
新型コロナ対策に係る危機管理マニュアルを策定したところであります。 県議会として、県民一人一人が議会に参画しているという実感を持てる「信頼される議会」の実現に向けて、県民の生の声を聞きながら、国への意見書の提出や知事への提言など、時期を失することなく、県民の命と暮らしを守るための
新型コロナ対策や災害復旧に全力を挙げて取り組んでまいりました。 県政を見ますと、今年は、日本海沿岸東北自動車道の酒田みなと-遊佐比子間が開通し、地域経済の活性化や交流人口の拡大に向け、道路ネットワークの整備が着実に進んでおります。また、四月に流水型としては東北初となる最上小国川ダムが本格運用を開始したほか、五月には山形県総合文化芸術館・やまぎん県民ホールが開館し、八月には「山形ラ・フランス」のGI登録、また、全米日本酒歓評会やIWCでの県産酒の高評価など、将来の安全安心、産業振興につながる明るい話題もありました。 さて、吉村知事におかれましては、平成二十一年二月の就任以来、十二年にわたり県政運営に取り組んでこられました。ここに、これまでの御尽力に対し改めて敬意を表する次第であります。 議員並びに執行部の皆様におかれましては、まさに年末年始が
感染拡大防止に向けた正念場となりますので、「新・生活様式」を実践し
新型コロナ対策に万全を期していただくとともに、なお一層御自愛いただき、よい年を迎えられますことを祈念申し上げ、挨拶とさせていただきます。 以上をもって令和二年山形県議会十二月定例会を閉会いたします。 午前十一時五十分 閉会議長 金澤忠一会議録署名議員 相田光照同 五十嵐智洋同 山科朝則...