○議長(
高橋伸二君) これより質疑に入ります。 本意見書案に対し質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 お諮りいたします。 本意見書案については、委員会の審査を省略することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
高橋伸二君) 御異議なしと認めます。 よって、委員会の審査を省略することに決定いたしました。 討論の通告がありますので、発言を許します。十一番金田もとる君。 〔十一番 金田もとる君登壇〕
◆十一番(金田もとる君) 日本共産党県会議員団の金田もとるです。提案されている意見書第十一号議案、
外国法人や外国人による土地等の取得に対し、
国土保全の取組を更に推進することを求める意見書について、反対の立場で討論を行います。 近年、外国資本や外国人による土地の取得について問題視されるきっかけとなったのは、二〇〇八年以前に長崎県対馬市内の海上自衛隊防備隊の隣接地が外国資本によって購入されていた事実、あるいは、二〇一四年に北海道千歳市周辺の航空自衛隊基地や駐屯地に隣接する土地が同じく外国資本によって取引されていたことを、マスコミが取り上げたことからでした。政府は、外国資本による不動産購入を契機とする漠とした不安を、殊さらに安全保障上の懸念と結びつけ、二〇二一年六月に重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律、いわゆる重要土地等調査法を強行成立させ、二〇二二年九月に全面施行させるに至りました。同法については、その法案審議の段階でも、重要施設周辺の注視区域及び特別注視区域の指定や利用状況の調査、利用規制の段階で、プライバシー権や思想・良心の自由、財産権などの基本的人権が侵害されるおそれが極めて高いと指摘され、成立時点では、日本弁護士連合会をはじめ、仙台弁護士会を含む各地の弁護士会、市民団体から抗議声明が相次ぎました。そもそもの立法事実をめぐっても、先述の対馬市の事案は、韓国資本が観光開発目的でホテルを購入したということであり、千歳市の事案も、投資目的で買い取られた森林から三キロ離れた場所に空港があったということ、更に、政府自身が、二〇二〇年二月二十五日の衆議院予算委員会では、現時点で、防衛施設周辺の土地の所有によって自衛隊の運用等に支障が起きているということは確認をされてないと答弁しています。法案の必要性が存在しないとも指摘されていました。それが今や、同法による区域指定は、本年三月二十九日の第四回目の指定で、四十七都道府県全て、計五百八十三か所にも上っています。宮城県内では、三回目までに多賀城・仙台・霞目の各駐屯地と、石巻市の防衛マイクロ上品山通信中継所、金華山の五か所が指定されていましたが、この四回目の指定では、女川原子力発電所、船岡駐屯地、防衛統合ディジタル豊里無線中継所、松島基地、反町分屯地、大和駐屯地に丸森町のディジタル次郎太郎山無線中継所、防衛マイクロ手倉山通信中継所の八か所が追加されました。自治体区分で見ると十五市町村に上ります。これらの施設の周辺の区域、おおむね一キロメートル圏内の注視区域においては、土地等の所有者、賃借人等の氏名・住所・国籍等や土地の利用状況に関わっての調査が行われることになり、機能阻害行為が確認されれば、国が中止を勧告・命令。従わなければ刑事罰が科されます。法案審議の段階から、不動産事業関係者からは、通常の不動産取引・売買に影響を与える、区域内の土地・建物が敬遠され資産価値が下がるとの懸念が示され、政府も土地取引価格の下落を招く可能性があることを認めました。一方で、そのことについて、政府として補償は予定していないとも答弁していました。機能阻害行為とは全く無縁の一般市民・国民が経済的不利益を被ることは、到底認められません。 提案されている意見書では、同法に「それ以外の住宅地、農地、マンション等は対象に含まれていないため、今後もこうした土地等が
外国法人等に無秩序に取得されると、我が国の主権が脅かされ、安全保障上の重大な問題に発展することが危惧される」としていますが、当初から、罰則を伴う規制立法であるにもかかわらず立法事実が存在せず、要件が不明確かつ無限定だと指摘された法律の要件を更に広げることにつながる意見書には反対です。 意見書では、
外国法人や外国人による土地等の取得を問題にしていますが、
国土保全の問題は、土地の適正利用にあるのではないでしょうか。意見書でも言及されている
サービスの貿易に関する一般協定--GATS協定ですが、二〇一一年五月十七日の外交防衛委員会において、外国資本による国内の森林買収を規制するために外国人土地法の施行令の制定等の対応を求められた際の政府答弁は、GATS協定第十七条第一項の規定を根拠に、我が国は外国人等による
サービス提供に係る土地取得について内国民待遇義務を負っており、他のWTO加盟国の国民等が
サービスの提供に際して我が国の土地を取得することについて、原則として国籍を理由とした差別的制限を課すことは認められないといったものでした。実際に外国資本が日本国内の土地を取得し保有したとしても、その土地の管轄権が外国に移るわけではありません。また、その利用についても、建築基準法、都市計画法、農地法に各自治体の条例など、日本国内の様々な法令を遵守する必要があります。北海道では、水源周辺の山林などの土地が適正に利用されるよう、北海道水資源の保全に関する条例が制定されていますし、ニセコ町でも、ニセコ町地下水保全条例が制定され、地下水の採取について規制を行っています。宮城県の再生可能エネルギー地域共生促進税も、外国資本だからといって条例の対象外になるわけではないことは、皆さんも御存じのとおりです。 直近、加美町のゴルフ場、やくらいゴルフ倶楽部の土地・建物の不自然な取引に、外国資本の関与が疑われている旨の報道がありました。土地転がしとも言われるような不正常な土地取引を認めるわけにはいきませんし、現時点では私どもも新聞報道以上の情報を持ち得ておらず、加美町の対応も、ホームページ上で「議会とも協力し、町民の皆様にご納得いただけるよう、しっかりとした対応をとる所存でおります。暫しのお時間を頂ければと思います」との町長のメッセージを掲載するにとどまっています。いずれにしても、事態の全容解明が待たれる段階です。 改めて、
国土保全の取組は、土地を取得・保有するのが外国資本であることが問題なのではなく、土地の適正利用がなされるかどうかこそが問題だと、このことを指摘して、意見書第十一号議案への反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。
○議長(
高橋伸二君) 三十四番
高橋宗也君。 〔三十四番
高橋宗也君登壇〕
◆三十四番(
高橋宗也君) 意見書第十一号議案、
外国法人や外国人による土地等の取得に対し、
国土保全の取組を更に推進することを求める意見書について、会派を代表して賛成の討論をさせていただきます。
外国法人や外国人による土地等の取得や開発行為などについて課題が発生していることについては、既に各議員御案内のとおりであります。ただいまの反対討論の内容では、漠とした不安という言葉で単にいたずらに不安感をあおっているかのような指摘表現がありました。また、重要土地等調査法に特化した討論でありましたが、現状で本当に全く問題はないのでしょうか。 現時点で、国家レベルで国土を保全・網羅する規制やルールがない我が国では、それぞれの地域で問題が顕在化しており、県内でも各地で課題が発生しています。このような状況を放置して、本当に大丈夫なのでしょうか。もちろん、憲法が保障する基本的人権や経済的自由、そして民法の権利能力平等の原則などについては尊重していかなければなりませんが、世界を見ると、諸外国では、
国土保全や公共の福祉、貴重な自然環境のエリア・水源地、一次産業地域等の土地については、一定のルール化や適切な規制等を進めている事例が多くなっております。その現状を認識すべきではないでしょうか。 例えば、同様の課題を抱えるニュージーランドでは、農地やリゾート地などの大規模な土地が外国人によって購入されるケースが増加し、地元住民が土地や住宅を購入することが困難になる事態となりました。このため、二〇一八年には、外国人による既存住宅の購入を制限する法律が施行されました。また、オーストラリアでも、外国人による土地購入が地元農業の経営に大きな影響を与え、更に同国の都市部では、住宅価格の過剰な高騰が加速し、オーストラリア政府は外国人投資家に対する規制を強化し、農地購入の際には政府の事前承認を求めるようになっています。ほかにも、日本以外の多数の国では、外国人の土地所有を禁じるか、制限を加えています。更に、土地所有自体を認めず、例えば五十年などの期限を区切った借地権として認めている国は、以前から多くあります。 現状で日本人は海外・他国の土地はなかなか購入ができない中で、我が国では、外国人が土地を何の制限もないまま利用、あるいは活用することについて認めていることは、あまりにも不合理・不平等で、かつ無防備であります。不平等とは、特定の側の要求や権利が通用するような差別的な状況のことを指し示します。一方で課題は多岐にわたるため、これらを解決するためには、包括的な政策と多様なステークホルダーの協力が必要です。当然のことながら、憲法をはじめとする法制度、経済政策、GATS等の国際協定の枠組みを踏まえたバランスの取れたアプローチが求められることは言うまでもありませんが、現行法制下では、国土利用計画関連法、森林法、農地法などにも、海外からの買収を想定した適切な条項等はなく、我が国でも、
国土保全の取組を推進する法整備は急務であります。 EUでは、森林破壊等を阻止する画期的な新法の成立に各国で合意がなされ、今年十二月からは、気候変動対策と生物多様性の保護のため、EU域内で販売若しくは輸出する対象品は、森林破壊によって、あるいは自然破壊によって開発された土地で生産されていないことを義務づけるなど、国土や環境の保全に向けた一定のルール化は、直近では世界の潮流となってきています。我が国においても、外国資本による土地の売買等について適切な
管理体制を構築し、しっかりと国土を保全する法の整備に早急に取り組む必要があります。 以上、本意見書の趣旨を御理解いただきまして、議員各位の賛同を切にお願い申し上げ、意見書第十一号議案の賛成の討論とさせていただきます。御賛同のほど、どうかよろしくお願いいたします。
○議長(
高橋伸二君) 以上で、討論を終結いたします。 これより採決いたします。 意見書第十一号議案、
外国法人や外国人による土地等の取得に対し、
国土保全の取組を更に推進することを求める意見書を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(
高橋伸二君) 起立多数であります。 よって、意見書第十一号議案は原案のとおり可決されました。
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△議第九十二号議案ないし議第百十四号議案
○議長(
高橋伸二君) 日程第七、議第九十二号議案ないし議第百十四号議案を議題といたします。 本件について委員長の報告を求めます。
環境福祉委員長、四十七番
佐々木賢司君。 〔四十七番
佐々木賢司君登壇〕
◆四十七番(
佐々木賢司君)
環境福祉委員会の審査の結果を御報告申し上げます。 一議第九十五号議案関係分。一議第百一号議案ないし議第百四号議案。 本委員会は、以上の付託議案を審査した結果、全会一致で原案を可決すべきものと決しました。 以上のとおり御報告申し上げます。
○議長(
高橋伸二君) 経済商工観光委員長、二十八番
遠藤伸幸君。 〔二十八番
遠藤伸幸君登壇〕
◆二十八番(
遠藤伸幸君) 経済商工観光委員会の審査の結果を御報告申し上げます。 一議第百九号議案。一議第百十号議案。 本委員会は、以上の付託議案を審査した結果、全会一致で原案を可決すべきものと決しました。 以上のとおり御報告申し上げます。
○議長(
高橋伸二君) 建設企業委員長、三十二番
瀬戸健治郎君。 〔三十二番
瀬戸健治郎君登壇〕
◆三十二番(
瀬戸健治郎君) 建設企業委員会の審査の結果を御報告申し上げます。 一議第百五号議案ないし議第百八号議案。一議第百十一号議案。 本委員会は、以上の付託議案を審査した結果、全会一致で原案を可決すべきものと決しました。 以上のとおり御報告申し上げます。
○議長(
高橋伸二君) 総務企画委員長、三十三番
村上久仁君。 〔三十三番
村上久仁君登壇〕
◆三十三番(
村上久仁君) 総務企画委員会の審査の結果を御報告申し上げます。 一議第九十二号議案ないし議第九十四号議案。一議第九十五号議案関係分。一議第九十六号議案ないし議第百号議案。一議第百十二号議案。 本委員会は、以上の付託議案を審査した結果、全会一致で原案を可決すべきものと決しました。 一議第百十三号議案。一議第百十四号議案。 本委員会は、以上の付託議案を審査した結果、全会一致で承認すべきものと決しました。 以上のとおり御報告申し上げます。
○議長(
高橋伸二君) 以上で、委員長報告を終わります。 これより質疑に入ります。 委員長報告に対し、質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 これより議第九十二号議案ないし議第百十四号議案を一括して採決いたします。 委員長報告は、議第百十三号議案及び議第百十四号議案は承認、他は全部原案可決であります。 委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
高橋伸二君) 御異議なしと認めます。 よって、議第九十二号議案ないし議第百十四号議案は、委員長報告のとおり決定いたしました。
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△
議員派遣
○議長(
高橋伸二君) 日程第八、
議員派遣についてを議題といたします。 お諮りいたします。
宮城県議会会議規則第百三十条第一項の規定により、お手元に配布のとおり議員を派遣することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
高橋伸二君) 御異議なしと認めます。 よって、さように決定いたしました。……………………………………………………………………………………………
議員派遣について 令和6年7月1日 次のとおり議員を派遣します。1
宮城県議会議会改革推進会議の検討事項に関する調査 (1)目的 県議会と市町村議会との連携についての意見交換 (2)場所 宮城県柴田郡大河原町 (3)期間 令和6年8月19日(1日間) (4)議員
菊地恵一議員、
村上智行議員、高橋啓議員、
村上久仁議員、
八島利美議員、
横山のぼる議員、
佐藤仁一議員、
小畑仁子議員、
渡辺重益議員、小野寺健議員2
宮城県議会議会改革推進会議の検討事項に関する調査 (1)目的 県議会と市町村議会との連携についての意見交換 (2)場所 宮城県大崎市 (3)期間 令和6年8月22日(1日間) (4)議員
菊地恵一議員、
吉川寛康議員、
渡辺忠悦議員、
村上久仁議員、
瀬戸健治郎議員、
横山のぼる議員、
佐藤仁一議員、
藤原益栄議員
-----------------------------------
△委員会の
継続審査・調査事件
○議長(
高橋伸二君) 日程第九、委員会の
継続審査・調査事件についてを議題といたします。 各常任委員長及び議会運営委員長から、
宮城県議会会議規則第七十四条の規定により、お手元に配布のとおり、閉会中の
継続審査・調査事件の申出がありました。 お諮りいたします。 各委員長から申出のとおり、閉会中も
継続審査・調査とすることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
高橋伸二君) 御異議なしと認めます。 よって、閉会中も
継続審査・調査とすることに決定いたしました。…………………………………………………………………………………………… 常任委員会及び議会運営委員会
継続審査・調査事件一覧表 第392回
宮城県議会(6月定例会)令和6年7月1日 総務企画委員会番号件名1行財政の運営について2県政の総合企画調整について3地域振興対策について4総合交通対策について5私立学校の振興及び公立大学の運営について6スポーツの振興について7前記各号に係る放射線対策について
環境福祉委員会番号件名1環境の保全及び公害の防止について2県民生活の安定及び向上について3青少年の健全育成について4保健衛生及び医療対策について5社会福祉対策及び社会保障対策について6病院事業について7前記各号に係る放射線対策について 経済商工観光委員会番号件名1商業及び工業の振興について2観光の振興について3雇用及び労働対策について4前記各号に係る放射線対策について 農林水産委員会番号件名1農業、林業及び水産業の振興について2農地関係の調整について3土地改良事業について4前記各号に係る放射線対策について 建設企業委員会番号件名1道路及び河川事業について2都市計画及び住宅事業について3建築行政について4港湾及びその他の土木事業について5公営企業の運営について6前記各号に係る放射線対策について
文教警察委員会番号件名1学校教育(私立学校及び公立大学関係を除く。)及び社会教育の振興について2学校体育及び文化財保護対策について3交通安全対策について4防犯対策について5前記各号に係る放射線対策について 議会運営委員会番号件名1定例会等の日程について2議員発議の議案、委員会条例及び会議規則について3議会運営に関する事項について4議長から諮問された事項について
-----------------------------------
△閉会
○議長(
高橋伸二君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 これをもって、第三百九十二回
宮城県議会を閉会いたします。 午後一時三十分閉会
△(イメージ)提示資料
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△(イメージ)提示資料
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