令和 6年 6月 定例会(第392回) 第三百九十二回
宮城県議会(定例会)会議録 (第一号)令和六年六月十三日(木曜日) 午後零時五十九分開会 午後一時二十二分散会 議長 高橋伸二君 副議長 本木忠一君出席議員(五十八名) 第一番 ふなやま由美君 第二番 かっち 恵君 第三番 平岡静香君 第四番 石森ゆうじ君 第五番 阿部眞喜君 第六番 柚木貴光君 第七番 高橋克也君 第八番 さとう道昭君 第九番 熊谷一平君 第十番 藤原益栄君 第十一番 金田もとる君 第十二番 荒川洋平君 第十三番
佐々木奈津江君 第十四番 小野寺 健君 第十五番 大池康一君 第十六番 菊地忠久君 第十七番 杉原 崇君 第十八番 村岡たかこ君 第十九番 伏谷修一君 第二十番 松本由男君 第二十一番 渡辺重益君 第二十二番 わたなべ 拓君 第二十三番 天下みゆき君 第二十四番 小畑仁子君 第二十五番 三浦ななみ君 第二十六番 枡 和也君 第二十七番 佐藤仁一君 第二十八番 遠藤伸幸君 第二十九番 横山のぼる君 第三十番 伊藤吉浩君 第三十一番 八島利美君 第三十二番 瀬戸健治郎君 第三十三番 村上久仁君 第三十四番
高橋宗也君 第三十五番 高橋 啓君 第三十六番 遠藤隼人君 第三十七番 渡辺勝幸君 第三十八番 横山隆光君 第三十九番 三浦一敏君 第四十番 渡辺忠悦君 第四十一番 熊谷義彦君 第四十二番
佐々木功悦君 第四十三番 坂下 賢君 第四十四番 ゆさみゆき君 第四十五番 吉川寛康君 第四十六番 伊藤和博君 第四十七番
佐々木賢司君 第四十八番 守屋守武君 第四十九番 外崎浩子君 第五十番 村上智行君 第五十一番
佐々木幸士君 第五十二番 高橋伸二君 第五十四番
佐々木喜藏君 第五十五番 石川光次郎君 第五十六番 中島源陽君 第五十七番 本木忠一君 第五十八番 中山耕一君 第五十九番 藤倉知格君欠席議員(一名) 第五十三番 菊地恵一君
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 伊藤哲也君 副知事 池田敬之君
公営企業管理者 佐藤達也君 総務部長
小野寺邦貢君 復興・
危機管理部長 高橋義広君 企画部長 武者光明君
環境生活部長 佐々木 均君
保健福祉部長 志賀慎治君
経済商工観光部長 梶村和秀君 農政部長 橋本和博君
水産林政部長 中村彰宏君 土木部長 千葉 衛君
会計管理者兼出納局長 大庭豪樹君
総務部秘書課長 鈴木政幸君
総務部財政課長 後藤和隆君
教育委員会 教育長 佐藤靖彦君 副教育長 佐藤芳明君
選挙管理委員会 委員長 櫻井正人君 事務局長 黒澤 治君
人事委員会 委員長 西條 力君 事務局長
駒井達貴君 公安委員会 委員長
佐藤勘三郎君
警察本部長 細田 正君 総務部長 鈴木孝彦君
労働委員会 事務局長
諸星久美子君 監査委員 委員 吉田 計君 事務局長 佐藤洋生君
----------------------------------- 議会事務局 事務局長 目黒 洋君 副事務局長兼総務課長 相澤一行君 議事課長 千葉良信君
政務調査課長 佐野浩章君 総務課副参事兼
総括課長補佐 堀 喜昭君
議事課総括課長補佐 大友幸二君
政務調査課副参事兼
総括課長補佐 工藤智広君
議事課主幹(班長) 山崎能子君
議事課主任主査(
議事運営担当) 二上秀幸君
----------------------------------- 議事日程 第一号 令和六年六月十三日(木)午後一時開議第一
会議録署名議員の指名第二 会期の決定第三 議第九十二号議案 職員の
特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例第四 議第九十三号議案 知事等の
損害賠償責任の一部免責に関する条例の一部を改正する条例第五 議第九十四号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第六 議第九十五号議案
手数料条例の一部を改正する条例第七 議第九十六号議案 宮城県
県税条例等の一部を改正する条例第八 議第九十七号議案 過疎地域における県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例第九 議第九十八号議案
特定復興産業集積区域における県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例第十 議第九十九号議案
地方活力向上地域における県税の
課税免除等に関する条例の一部を改正する条例第十一 議第百号議案
被災関連市町村から特定の交換により土地を取得した場合の県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例第十二 議第百一号議案
水質汚濁防止法に基づく排水基準を定める条例の一部を改正する条例第十三 議第百二号議案 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する
法律施行条例の一部を改正する条例第十四 議第百三号議案
大麻取締法施行条例の一部を改正する条例第十五 議第百四号議案
国民健康保険法に基づく
国民健康保険事業費納付金の徴収に関する条例の一部を改正する条例第十六 議第百五号議案
屋外広告物条例の一部を改正する条例第十七 議第百六号議案
県立都市公園条例の一部を改正する条例第十八 議第百七号議案 県道の路線変更について(出島線)第十九 議第百八号議案 訴えの提起について第二十 議第百九号議案 財産の取得について(三次元
座標測定機一式)第二十一 議第百十号議案 財産の取得について(
万能試験機一式)第二十二 議第百十一号議案
工事委託変更契約の締結について(
主要地方道築館登米線萩沢道路改築工事)第二十三 議第百十二号議案
工事請負変更契約の締結について(宮城県
総合運動公園スタジアム災害復旧工事)第二十四 議第百十三号議案 専決処分の承認を求めることについて(宮城県県税条例の一部を改正する条例)第二十五 議第百十四号議案 専決処分の承認を求めることについて(令和五年度宮城県
一般会計補正予算)第二十六 報告第七号 令和五年度宮城県歳出予算の繰越使用について第二十七 報告第八号 専決処分の報告について(和解及び損害賠償の額の決定)第二十八 報告第九号 専決処分の報告について(
県営住宅等の
明渡請求等に係る訴えの提起)第二十九 報告第十号 専決処分の報告について(交通事故に係る和解及び損害賠償の額の
決定)----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一
会議録署名議員の指名二 日程第二 会期の決定三 日程第三ないし日程第二十九 議第九十二号議案ないし議第百十四号議案及び報告第七号ないし報告第十
号-----------------------------------
△開会(午後零時五十九分)
○議長(高橋伸二君) 第三百九十二回
宮城県議会を開会いたします。
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△開議
○議長(高橋伸二君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
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△
会議録署名議員の指名
○議長(高橋伸二君) 日程第一、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員に、三十八番横山隆光君、三十九番三浦一敏君を指名いたします。
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△諸報告
○議長(高橋伸二君) 御報告いたします。 先般の人事異動により新たに任命いたしました
議会事務局職員を紹介いたします。 副事務局長兼総務課長 相澤一行君 議事課長 千葉良信君
政務調査課副参事兼
総括課長補佐 工藤智広君 以上で、紹介を終わります。 お手元に配布の諸
報告一覧表のとおり、
地方自治法第二百四十三条の三第二項の規定により、宮城県
土地開発公社等の令和五年度
事業報告書及び
決算書並びに令和六年度
事業計画書及び予算書、
障害者基本法第十一条第八項の規定により、み
やぎ障害者プランについて、それぞれ提出がありました。 また、条例の規定により、附属機関の設置及び構成員の選任等の状況、
ものづくり産業の振興施策に関する令和五年度事業の実施状況及び令和六年度の主な取組、第五期み
やぎ観光戦略プランの令和五年度の実施状況、令和五年度多
文化共生社会の形成の推進に関して講じた施策について、それぞれ提出がありました。
地方自治法第百二十一条の規定により、お手元に配布のとおり、
議場出席者の通知がありました。 ここで、
議場出席者中の新任者を御紹介いたします。 復興・
危機管理部長 高橋義広君
水産林政部長 中村彰宏君
総務部秘書課長 鈴木政幸君
総務部財政課長 後藤和隆君
選挙管理委員会委員長 櫻井正人君
選挙管理委員会事務局長 黒澤 治君
人事委員会事務局長 駒井達貴君 公安委員会委員長 佐藤勘三郎君
警察本部長 細田 正君
警察本部総務部長 鈴木孝彦君
労働委員会事務局長 諸星久美子君
監査委員事務局長 佐藤洋生君 以上で、紹介を終わります。……………………………………………………………………………………………
議場出席者名簿 第392回県議会(令和6年6月定例会) 知事 村井嘉浩 副知事 伊藤哲也 副知事 池田敬之
公営企業管理者 佐藤達也 総務部長
小野寺邦貢 復興・
危機管理部長 高橋義広 企画部長 武者光明
環境生活部長 佐々木 均
保健福祉部長 志賀慎治
経済商工観光部長 梶村和秀 農政部長 橋本和博
水産林政部長 中村彰宏 土木部長 千葉 衛
会計管理者兼出納局長 大庭豪樹
総務部秘書課長 鈴木政幸
総務部財政課長 後藤和隆
教育委員会 教育長 佐藤靖彦 副教育長 佐藤芳明
選挙管理委員会 委員長 櫻井正人 事務局長 黒澤 治
人事委員会 委員長 西條 力 事務局長 駒井達貴
公安委員会 委員長
佐藤勘三郎 警察本部長 細田 正 総務部長 鈴木孝彦
労働委員会 事務局長
諸星久美子 監査委員 委員 吉田 計 事務局長 佐藤洋生
-----------------------------------
△会期の決定
○議長(高橋伸二君) 日程第二、会期の決定についてを議題といたします。 お諮りいたします。 今回の会期は、本日から七月一日までの十九日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋伸二君) 御異議なしと認めます。 よって、会期は十九日間と決定いたしました。
-----------------------------------
△議第九十二号議案ないし議第百十四号議案
△報告第七号ないし報告第十号
○議長(高橋伸二君) 日程第三ないし日程第二十九、議第九十二号議案ないし議第百十四号議案及び報告第七号ないし報告第十号を一括して議題といたします。 知事から提案理由の説明を求めます。
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 本日ここに第三百九十二回
宮城県議会が開会され、提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。 初めに、最近の経済情勢と人口減少への対応についてであります。 日本銀行は、三月の
金融政策決定会合で、二%の物価目標の持続的・安定的な実現が見通せる状況に至ったとの判断を示し、
マイナス金利政策の解除など、大規模な
金融緩和策の転換を図りました。先月公表された国の
月例経済報告によれば、国内景気はこのところ足踏みが見られるものの、緩やかに回復しており、先行きについてもこの傾向が続くと見込まれております。県内におきましても、弱い動きが見られながらも経済は持ち直してきており、今月からは国の経済対策の一環として所得税及び
個人住民税の定額減税が実施されることから、消費の底上げにつながることを期待しているところであります。その一方で、世界的な金融引締めに伴う影響や先行き不透明な中国経済、物価上昇、
地政学的リスクの高まりなど様々な懸念が指摘されており、引き続き経済動向を注視する必要があると考えております。 また、物価高や人手不足を背景に、大企業を中心に雇用・所得環境の改善が進んでおり、この動きが中小企業・
小規模事業者へ拡大するよう、国は
賃上げ促進税制などの支援を講じているところです。賃金と物価の好循環、そして個人消費の活性化に向け、我が県としましても、持続的成長を支える経済基盤の強化に意を用いていかなければならないと考えております。このような認識の下、次代への連綿予算と銘打った今年度当初予算では、急激に進む人口減少や変動する経済環境においても、富県躍進に向けて持続的な経済成長と発展が遂げられるよう、
少子化対策や若者の県内定着、DXの推進、
半導体産業の振興と集積など、次の時代を見据えて積極的かつ重点的に予算化を図ったところであります。 我が国の昨年の人口推計における総人口は十三年連続で減少し、企業の人手不足や地域の担い手不足など各方面で深刻な影響が憂慮されております。私は、こうした現状に強い危機感を持ち、
人口減少対策を重要な政策課題に掲げ、我が県の総力を挙げて取り組んでいるところであります。 必要な対策としましては、まずは少子化傾向に歯止めをかけることが重要であり、今年度は
不妊治療費用への助成や産後
ケアサービスの受け皿確保に向けた支援などの新たな施策に取り組むとともに、市町村において地域の実情に応じた子育て支援が講じられるよう交付金の拡充を図るなど、市町村との連携を強化して対策を進めております。また、当面の構造的な人手不足への対応では、質の高い雇用の創出や若者の県内定着の促進、外国人材の受入確保に向けた施策を一体的に取り組んでいるところでありますが、外国人材については国際的な獲得競争が激化しており、関係国との協力体制の構築や受入体制の整備が急務となっております。このような状況を踏まえ、我が県におきましては、ベトナムや
インドネシアと覚書を締結し、緊密な協力関係の下で人材確保の取組を進めており、今年度は海外での
サポートセンターの設置を推進しているほか、九月には
インドネシアで県内企業とともに大
規模なみやぎジョブフェアを開催することとしております。引き続き、
人口減少下においても地域経済が持続的に発展できるよう、全身全霊を傾けて取り組んでまいります。 また、こうした危機を乗り越えるためには、あらゆる分野で
デジタル化による業務効率や生産性の向上を図っていくことが不可欠であります。今年度におきましては、各分野におけるDXの推進や
デジタル人材の育成・確保のほか、県民向けのDX施策として、
デジタル身分証アプリの普及拡大に加え、県窓口における
キャッシュレス決済の導入や運転免許の
申請手続き等の
デジタル化に力を入れております。中でも
キャッシュレス決済の推進については、多くの県民の皆様に利便性を享受いただけるよう、官民の連携がより一層重要であることから、四月に国、
地方公共団体、金融機関、民間団体が共同で、み
やぎキャッシュレス納付推進宣言を行ったところであります。今後とも、
デジタル化の推進を通じて
県民サービスの向上や地域課題の解決に向けた取組を進め、持続可能な地域社会の実現を目指してまいります。 次に、
半導体産業の振興についてであります。 私は先月、台湾で建設された
半導体製造工場の開所式に出席してまいりました。この工場は大衡村に建設が予定されている工場のモデルとなるもので、その圧倒的なスケールや技術の粋を集めた
製造プロセスなどを体感してまいりました。また、周辺地域の視察や
現地関係者との意見交換を通じて、道路等の
インフラ整備や技術人材の育成・確保など、今後必要となる取組を確認することができました。更に、昨年開設された
福岡半導体リスキリングセンターを視察し、目的、習熟度に応じた受講体系や県内外から多くの受講者を受け入れている状況などの説明を受け、自治体間の連携協力の必要性を強く認識したところであります。四月には、東北地方の
半導体生産基盤の強化と高度人材の確保などを目的に、民間主導による支援組織、
東北半導体・エレクトロニクスデザインコンソーシアムが設立され、関連産業への進出を目指す企業の大きな力になるものと期待しております。我が県としましても、産学官が緊密に連携し、関連産業の集積はもとより、県内企業の取引拡大や人材育成・確保などの施策を戦略的に推進していけるよう、その取組指針となる仮称み
やぎ半導体産業振興ビジョンの年度内策定に向けて、関係者と調整を進めてまいります。 次に、交流人口の拡大と地域経済の活性化についてであります。 人口減少の下で、我が県経済の持続的な成長と魅力ある
地域づくりを実現するためには、交流人口とインバウンドの拡大を図ることが極めて重要であります。昨年度の仙台空港の利用状況は、国内線の需要回復や国際線の定期便再開などが進み、利用客数はコロナ禍前の水準まで回復しつつあります。特に訪日外国人旅行者数については、円安も追い風となり、全国的には増加傾向にありますが、三大都市圏以外の地方への誘客が課題となっており、戦略性を持って観光プロモーションを推進していく必要があると考えております。 こうした観光を取り巻く状況を踏まえ、我が県が戦略的に観光振興策を展開していくためには、多様化する観光ニーズへの対応や受入環境の整備などを地域と一体となって継続的に推進していくことが重要であり、安定的な財源の確保が必要と考えております。このため、市町村や観光関連事業者等の皆様から今後の観光施策に関する御意見を伺いながら、仙台市とも足並みを揃えて新税導入に向けた準備を進めているところであります。早期に条例案を提案できるよう、引き続き関係者と調整を進めてまいりますので、議員各位におかれましては、御理解・御協力を賜りますようお願い申し上げます。 また、交流人口の拡大に関連した取組として、四月に我が県の県議会議長、教育長をはじめとした関係者が台湾の高級中等以下学校国際教育交流連盟と台北市を訪問し、両者と教育旅行促進に向けた覚書の締結等を行いました。これを契機に台湾との教育交流を促進し、児童生徒の国際社会に対する理解を深め、グローバル社会で活躍する人材育成につなげてまいりたいと考えております。更に、交流や観光を通じて地域の魅力を体験することで、観光リピーターや移住者の獲得にも寄与するものと期待しているところであります。 台湾東部で発生した地震への対応では、震源に近い沿岸地方を中心に甚大な被害が生じていることを受け、いち早く見舞金をお届けするとともに、関係機関等に見舞状をお送りいたしました。台湾の皆様には、東日本大震災に際し多大な御支援をいただいており、これからもその御恩を忘れずに、心を寄せて交流を深めてまいりたいと考えております。 次に、持続可能な医療提供体制の構築についてであります。 人口減少と少子高齢化の影響は地域医療の提供体制にも及んでおり、医療・介護需要の増加とともに、生産年齢人口の減少により医療の担い手不足が見込まれております。限りある医療資源で適切な医療・介護を将来にわたって持続的かつ安定的に提供していくためには、病院再編を含め、将来を見据えた地域医療提供体制の整備が不可欠であります。特に仙台医療圏では、高度医療を担い地域連携の核となる地域医療支援病院が仙台市内に集中していることや、病院間の競合による病床稼働率の低迷や施設老朽化など経営上の課題を抱える病院があることを踏まえつつ、立地場所や病院規模・機能を見定めていく必要があります。こうした観点から、地域バランスも勘案した拠点病院の移転整備に加え、診療内容の充実や医療従事者の適正配置を図ることで、質の高い医療を安定的に供給する持続可能な医療提供体制を目指し、仙台医療圏の病院再編を進めております。 地域への説明会については、これまで仙台市で四回、名取市及び富谷市でそれぞれ一回実施し、本県が抱える医療の課題や現状、病院再編の方向性等について共有を図るとともに、地域住民や医療関係者の皆様から様々な御意見を伺いました。また、仙台市とは、救急医療と精神医療のほか、周産期医療、災害医療及び地域への影響等について、現状認識の共有と今後の対応に関する協議を行っているところであります。引き続き、関係各位の理解醸成につながる情報提供に努めるとともに、仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合について、東北大学にも協力を頂きながら、関係機関と具体的な診療科や人員体制等の協議を進めてまいります。また、昨年度内の合意に至らなかった東北労災病院と県立精神医療センターの移転・合築につきましても、黒川地域の政策医療の課題解決に向けて、可能な限り早期に基本合意ができるよう、関係者と調整を図ってまいります。 令和六年能登半島地震への対応については、地震発生から五か月が経過し、被災地では、上下水道、道路などのインフラの復旧や応急仮設住宅の建設が進んでおります。一方で、被害が甚大な地域においては、がれきの撤去や被災した建物の解体など、依然として多くの課題を抱えており、引き続き被災地のニーズに応じた支援が必要となっております。本県では、発災直後から対口支援などで応援職員を派遣してまいりましたが、四月以降は石川県及び富山県からの要請を受け、順次職員を中長期的に派遣し、災害復旧に係る設計・工事監理や復興プランの作成などの業務支援を行っているところであります。今後とも、東日本大震災の経験を十分に活かし、被災地の一日も早い復旧・復興に向けて、支援を継続してまいります。 令和七年秋に開催する第四十八回全国育樹祭に関しては、理念や各行事の内容、開催規模、運営体制等の基本的事項を盛り込んだ基本計画を策定いたしました。本大会は、健全で活力ある森林を次代へ引き継ぐことの大切さとともに、宮城伝統こけしなど地域に根差した木の文化、CLTや広葉樹を活用した新しい木材利用の取組、東日本大震災から復旧した海岸防災林を通じた震災の教訓を全国へ発信する、またとない機会と考えております。今年度は、式典の具体的な演出や詳細な運営方法等を定めた実施計画を策定するほか、プレイベントや記念行事の開催を予定しており、大会の成功に向け、引き続き関係機関と連携を図りながら準備を進めてまいります。 なお、今年度当初予算は、新・宮城の将来ビジョンの実現に向けた取組に最大限配慮し、通年予算として年間所要額を計上したところであります。当面は現計予算の計画的かつ効率的な執行と歳入の確保に努めることとし、物価高騰対策など追加需要に対応する補正予算につきましては、今月から始まる定額減税の効果を見定めるとともに、県税や地方交付税等の財源確保の見通しを踏まえながら、経済情勢の変化などを総合的に勘案し措置してまいりたいと考えております。 今回御審議をお願いいたします提出議案は、条例議案十五件、条例外議案八件でありますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第九十二号議案は、職員の
特殊勤務手当について、支給対象業務や支給額の加算措置を追加しようとするもの、議第九十六号議案は、地方税法等の改正に伴い、外形標準課税の適用対象法人の見直しなど、
県税条例等の一部を改正しようとするもの、議第九十七号議案ないし議第九十九号議案は、過疎地域、
特定復興産業集積区域及び
地方活力向上地域における法人事業税等の
課税免除等の適用期間を延長しようとするもの、議第百号議案は、
被災関連市町村から特定の交換により土地を取得した場合における不動産取得税の課税免除の適用期間を延長しようとするもの、議第百二号議案は、認定こども園の職員配置基準を改正しようとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第百七号議案は、県道の路線変更について、議第百八号議案は、訴えの提起について、議第百九号議案及び議第百十号議案は、財産の取得について、議第百十一号議案及び議第百十二号議案は、工事委託及び
工事請負変更契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。また、議第百十三号議案は、地方税法等の改正に伴う県税条例の一部改正について、議第百十四号議案は、令和五年度宮城県一般会計予算の補正について、それぞれ専決処分を行いましたので、その承認をお願いしようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。
-----------------------------------
△休会の決定
○議長(高橋伸二君) お諮りいたします。 議案調査のため、明日から六月十九日まで六日間本会議を休会とし、六月二十日再開することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋伸二君) 御異議なしと認めます。 よって、明日から六月十九日まで六日間本会議を休会とし、六月二十日再開することに決定いたしました。 なお、ただいま御出席の諸君には改めて通知いたしませんから、御了承願います。
-----------------------------------
△散会
○議長(高橋伸二君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 六月二十日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後一時二十二分散会...