令和 6年 2月 定例会(第391回) 第三百九十一回宮城県議会(定例会)会議録 (第二号)令和六年二月二十日(火曜日) 午前九時五十九分開議 午後三時五十五分散会 議長 高橋伸二君 副議長 本木忠一君出席議員(五十八名) 第一番 ふなやま由美君 第二番 かっち 恵君 第三番 平岡静香君 第四番 石森ゆうじ君 第六番 柚木貴光君 第七番 高橋克也君 第八番 さとう道昭君 第九番 熊谷一平君 第十番 藤原益栄君 第十一番 金田もとる君 第十二番 荒川洋平君 第十三番 佐々木奈津江君 第十四番 小野寺 健君 第十五番 大池康一君 第十六番 菊地忠久君 第十七番 杉原 崇君 第十八番 村岡たかこ君 第十九番 伏谷修一君 第二十番 松本由男君 第二十一番 渡辺重益君 第二十二番 わたなべ 拓君 第二十三番 天下みゆき君 第二十四番 小畑仁子君 第二十五番 三浦ななみ君 第二十六番 枡 和也君 第二十七番 佐藤仁一君 第二十八番 遠藤伸幸君 第二十九番 横山のぼる君 第三十番 伊藤吉浩君 第三十一番 八島利美君 第三十二番 瀬戸健治郎君 第三十三番 村上久仁君 第三十四番 高橋宗也君 第三十五番 高橋 啓君 第三十六番 遠藤隼人君 第三十七番 渡辺勝幸君 第三十八番 横山隆光君 第三十九番 三浦一敏君 第四十番 渡辺忠悦君 第四十一番 熊谷義彦君 第四十二番 佐々木功悦君 第四十三番 坂下 賢君 第四十四番 ゆさみゆき君 第四十五番 吉川寛康君 第四十六番 伊藤和博君 第四十七番 佐々木賢司君 第四十八番 守屋守武君 第四十九番 外崎浩子君 第五十番 村上智行君 第五十一番 佐々木幸士君 第五十二番 高橋伸二君 第五十三番 菊地恵一君 第五十四番 佐々木喜藏君 第五十五番 石川光次郎君 第五十六番 中島源陽君 第五十七番 本木忠一君 第五十八番 中山耕一君 第五十九番 藤倉知格君欠席議員(一名) 第五番 阿部眞喜君
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 伊藤哲也君 副知事 池田敬之君 公営企業管理者 佐藤達也君 総務部長 小野寺邦貢君 復興・危機管理部長 千葉 章君 企画部長 武者光明君 環境生活部長 佐々木 均君 保健福祉部長 志賀慎治君 経済商工観光部長 梶村和秀君 農政部長 橋本和博君 水産林政部長 吉田信幸君 土木部長 千葉 衛君 会計管理者兼出納局長 大庭豪樹君 総務部参事兼秘書課長 村田俊顕君 総務部参事兼財政課長 高橋寿久君 教育委員会 教育長 佐藤靖彦君 副教育長 佐藤芳明君 選挙管理委員会 委員長 皆川章太郎君 事務局長 後藤和隆君 人事委員会 委員長 西條 力君 事務局長 北沢康一君 公安委員会 委員 山口哲男君 警察本部長 原 幸太郎君 総務部長 横山 裕君 労働委員会 事務局長 中村今日子君 監査委員 委員 成田由加里君 事務局長 小林一裕君
----------------------------------- 議会事務局 事務局長 目黒 洋君 副事務局長兼総務課長 大場則昭君 参事兼議事課長 菅原敏彦君 政務調査課長 佐野浩章君 総務課副参事兼総括課長補佐 堀 喜昭君 議事課総括課長補佐 大友幸二君 副参事兼
政務調査課総括課長補佐 千葉恵子君 議事課長補佐(班長) 我妻則之君 議事課主任主査(議事運営担当) 二上秀幸君
----------------------------------- 議事日程 第二号 令和六年二月二十日(火)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第一号議案ないし議第四十五号議案第三 議第四十六号議案 令和五年度宮城県一般会計補正予算第四 議第四十七号議案 令和五年度宮城県
公債費特別会計補正予算第五 議第四十八号議案 令和五年度宮城県
母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算第六 議第四十九号議案 令和五年度宮城県
国民健康保険特別会計補正予算第七 議第五十号議案 令和五年度宮城県
中小企業高度化資金特別会計補正予算第八 議第五十一号議案 令和五年度宮城県
農業改良資金特別会計補正予算第九 議第五十二号議案 令和五年度宮城県
沿岸漁業改善資金特別会計補正予算第十 議第五十三号議案 令和五年度宮城県林業・
木材産業改善資金特別会計補正予算第十一 議第五十四号議案 令和五年度宮城県
県有林特別会計補正予算第十二 議第五十五号議案 令和五年度宮城県土地取得特別会計補正予算第十三 議第五十六号議案 令和五年度宮城県
港湾整備事業特別会計補正予算第十四 議第五十七号議案 令和五年度宮城県
水道用水供給事業会計補正予算第十五 議第五十八号議案 令和五年度宮城県
工業用水道事業会計補正予算第十六 議第五十九号議案 令和五年度宮城県
地域整備事業会計補正予算第十七 議第六十号議案 令和五年度宮城県
流域下水道事業会計補正予算第十八 議第六十一号議案
公立学校情報機器整備基金条例第十九 議第六十二号議案 県立自然公園条例の一部を改正する条例第二十 議第六十三号議案 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第二十一 議第六十四号議案
指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに
指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第二十二 議第六十五号議案 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第二十三 議第六十六号議案 指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第二十四 議第六十七号議案 指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第二十五 議第六十八号議案
指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第二十六 議第六十九号議案 指定障害者支援施設の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第二十七 議第七十号議案
障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例第二十八 議第七十一号議案 障害者支援施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第二十九 議第七十二号議案 緊急雇用創出事業臨時
特例基金条例の一部を改正する条例第三十 議第七十三号議案
指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例を廃止する条例第三十一 議第七十四号議案 県道の路線廃止について(山下停車場線)第三十二 議第七十五号議案 工事請負契約の締結について(一般国道二百八十六号支倉三号橋(仮称)新設(上部工)工事)第三十三 議第七十六号議案 工事請負契約の締結について(渋井川
排水機場機械設備工事)第三十四 議第七十七号議案 工事請負契約の締結について(名蓋川護岸等災害復旧工事(その一))第三十五 議第七十八号議案 工事請負契約の締結について(名蓋川護岸等災害復旧工事(その二))第三十六 議第七十九号議案 工事請負契約の締結について(名蓋川護岸等災害復旧工事(その三))第三十七 議第八十号議案 工事請負契約の締結について(旧笊川
排水機場機械設備工事第三十八 議第八十一号議案 工事請負契約の締結について(宮城県
迫桜高等学校校舎等改修工事)第三十九 議第八十二号議案 工事請負契約の締結について(
宮城県立視覚支援学校校舎等改築工事)第四十 議第八十三号議案 工事請負変更契約の締結について(宮城県
総合運動公園スタジアム災害復旧工事)第四十一 議第八十四号議案 工事請負変更契約の締結について(宮城県船形の
郷管理棟等改築等工事)第四十二 議第八十五号議案 工事請負変更契約の締結について(荒川護岸等改良工事)第四十三 議第八十六号議案 工事請負変更契約の締結について(渋井川水門新築工事)第四十四 議第八十七号議案 工事請負変更契約の締結について(
川内沢ダム本体築造工事)第四十五 議第八十八号議案 権利の放棄について(平成十三年
地場産業等活性化事業費補助金の返還金並びに当該返還金の加算金、延滞金及び履行延期特約の利息に係る債権)第四十六 議第八十九号議案 権利の放棄について(農業改良資金貸付金及び当該貸付金の違約金に係る債権)第四十七 議第九十号議案 令和五年度市町村受益負担金について第四十八 議第九十一号議案 令和五年度市町村受益負担金の変更について第四十九 報告第一号 専決処分の報告について(一般国道百十三号福岡蔵本二号橋(仮称)新設(上部工)工事の請負契約の変更)第五十 報告第二号 専決処分の報告について(渋井川水門設備工事の請負契約の変更)第五十一 報告第三号 専決処分の報告について(迫川等水門改良工事の請負契約の変更)第五十二 報告第四号 専決処分の報告について(和解及び損害賠償の額の決定)第五十三 報告第五号 専決処分の報告について(県営住宅の明渡請求等に係る訴えの提起)第五十四 報告第六号 専決処分の報告について(交通事故に係る和解及び損害賠償の額の決定)第五十五 一般質問(代表) 〔守屋守武君、坂下賢君、三浦一敏君〕
----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二ないし日程第五十四議第一号議案ないし議第四十五号議案、議第四十六号議案ないし議第九十一号議案及び報告第一号ないし報告第六号三 日程第五十五 一般質問(代表) 〔守屋守武君、坂下賢君、三浦一敏君〕
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△開議(午前九時五十九分)
○議長(高橋伸二君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
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△会議録署名議員の指名
○議長(高橋伸二君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、十八番村岡たかこ君、十九番伏谷修一君を指名いたします。
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△諸報告
○議長(高橋伸二君) 御報告いたします。
公安委員会委員長庭野賀津子君から本日欠席、
公安委員会委員山口哲男君が代理出席する旨の届出がありました。
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△議第一号議案ないし議第四十五号議案
△議第四十六号議案ないし議第九十一号議案
△報告第一号ないし報告第六号・一般質問(代表)
○議長(高橋伸二君) 日程第二ないし日程第五十四、議第一号議案ないし議第四十五号議案、議第四十六号議案ないし議第九十一号議案及び報告第一号ないし報告第六号を一括して議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました令和五年度一般会計補正予算案をはじめ、提出議案の概要を御説明申し上げます。 今年度は、世界的に猛威を振るった
新型コロナウイルス感染症が五類感染症へと移行したことにより、県民生活や社会経済活動の回復に向けた動きが進んだ一方で、光熱費など物価高騰に直面する生活者や事業者への支援が求められるなど、多難な一年でありましたが、新・宮城の将来ビジョンに掲げる目標の実現に向けた施策を堅実に進めることができたものと考えております。 また、我が県経済が活力を取り戻していく中でもたらされた半導体及び自動車産業における大手企業の県内進出という朗報には、県全体が大きな喜びに沸いたところであります。今後、関連産業の集積が急速に進んでいくと見込まれており、県としましても、国や大学、関係自治体等と連携して、更なる企業誘致などの取組を強化するとともに、特に半導体産業に関しては、工場の立地に伴い、台湾から来日を予定している従業員とその家族の方々の不安の解消を図り、円滑に操業が開始できるよう支援してまいります。 東京電力福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の海洋放出への対応では、昨年九月にみ
やぎ水産応援パッケージを打ち出し、国の支援と併せて水産物の消費拡大や関連産業の経営安定に向けた支援を行っております。一方で、今もなお一部の国や地域において輸入禁止措置が続いていることから、引き続き水産業関係者の皆様から御意見を伺いながら、事業者に寄り添った支援を進めてまいります。 人口減少への対応については、子育てしながら働く女性を応援するみやぎ女性のキャリア・
リスタート支援センターなどの新たな施策にも取り組みながら、安心して子どもを産み育てることができる社会の実現に注力しました。また、構造的な人手不足への対応として、インドネシアと人材確保に関する覚書を締結し連携強化を図ったほか、外国人材の円滑かつ適切な就労及び職場定着に向けた取組にも力を入れて進めることができました。業務効率化や生産性向上に資するDXの取組に関しては、産業、福祉や教育などあらゆる分野において、社会課題の解決に向けたデジタル化を推進いたしました。中でも県民向けのDX施策では、デジタル身分証アプリを基盤に、防災、地域ポイント、観光スタンプラリー、インフラ異常箇所通報などの分野で実証実験を重ね、県民に各種サービスや必要な情報を迅速かつ効率的に届けるアプリの効果を実感したところであります。今後も市町村等と連携を図りながら様々な施策を動員して、地域社会が持続的に発展していけるよう、全力で取り組んでまいります。 今年度はこのほかにも、
再生可能エネルギー地域共生促進税の導入や仙台医療圏における病院再編、大規模化・多様化する自然災害への備えなど、様々な県政の課題解決に向けて一歩一歩着実に前進させることができたものと考えております。来年度においても、復興完了に向けてきめ細かな対応を図りながら、富県躍進を旗印に多様な主体との連携による活力ある宮城を目指すとともに、人口減少や少子高齢化、気候変動などの大きな課題にも気概を持って挑戦してまいる所存でありますので、なお一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。 今年度の財政運営については、県税収入や地方譲与税は当初予算を上回る見込みであるほか、国の経済対策の一環として普通交付税の再算定が行われたこともあり、各種事業に必要な財源はおおむね確保できる見通しとなりました。一方で、海外景気の下振れや物価動向、金融資本市場の変動等の影響などから、先行きは不透明感が強まっており、引き続き慎重な財政運営に努める必要があるものと考えております。 今回の補正予算案では、物価高騰に対応した経済対策事業に関して、更なる支援が必要な分野に予算を追加するほか、その他の事業について、歳出予算の執行額や財源の確定見込みに伴う計数整理を行いました。また、今後の経済情勢の変化や大規模災害に備える観点から、財政調整基金の残高を一定程度確保するなど、来年度以降の財政運営にも配慮して編成したものであります。 補正予算案の主な内容ですが、経済対策関連として、電気料金等の高騰により厳しい経営状況に置かれている倉庫事業者への支援や水産加工事業者等を対象に省エネ設備等の導入への助成を行うとともに、円安基調の為替相場等を背景に配合飼料価格の高騰が続いている畜産農家への助成を追加します。また、介護事業所や
障害福祉サービス事業所における人材確保に向けて、介護職員等の処遇改善を支援するほか、高齢者施設等における防災・減災のための設備整備に対して助成を行います。更に、小中学校等における情報機器の計画的な整備を行うための基金を造成いたします。 半導体産業に関しては、関連産業の集積と振興を図るための市場調査等を行うとともに、台湾から来日を予定している従業員及びその家族の方々向けの本県のPR素材を作成し、今後の支援に活用してまいります。 このほか、地方創生に関する取組に対して寄せられた企業版ふるさと納税を基金に積み立てるとともに、県有施設の維持更新や長寿命化、社会福祉の増進などの観点から、来年度以降に生じる財政需要を見据え、関係する基金に所要の財源を積み立てたいと考えております。 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正額は、一般会計で六百七十三億八千二百余万円の減額、総計で五百七十六億四千八百余万円の減額となります。財源としては、地方交付税百十八億五千四百余万円、県税六十億九千九百余万円などを追加する一方、国庫支出金八百二十二億四千九百余万円、分担金及び負担金十七億四千余万円、諸収入十三億一千三百余万円などを減額しております。 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆七百七十九億百余万円、総計で一兆五千七百六十七億八千三百余万円となります。 次に、予算外議案については、条例議案十三件、条例外議案十八件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第六十一号議案は、小中学校等における情報機器の整備を推進するための基金を設置しようとするものであります。また、議第六十三号議案ないし議第七十一号議案は、国が定める基準の改正に伴い、福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準等について所要の改正を行おうとするもの、議第七十二号議案は、
緊急雇用創出事業臨時特例基金の失効期日を延長しようとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第七十四号議案は、県道の路線廃止について、議第七十五号議案ないし議第八十二号議案は、工事請負契約の締結について、議第八十八号議案及び議第八十九号議案は、権利の放棄について、議第九十号議案及び議第九十一号議案は、市町村の受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。
○議長(高橋伸二君) 補正予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 地方公務員法第五条第二項の規定により、関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。…………………………………………………………………………………………… 宮人委第287号 令和6年2月15日 宮城県議会議長 高橋伸二殿 宮城県人事委員会 委員長 西條 力 条例案に対する意見について 令和6年2月13日付け宮議第441号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。 記 「議第18号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」 この条例案は、級別標準職務表のうち、医療職給料表(三)に警察本部の職務を追加するもの等であり、適当と認めます。 「議第19号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」 この条例案は、支給対象の見直し等に伴い所要の改正を行うものであり、適当と認めます。……………………………………………………………………………………………
○議長(高橋伸二君) 地方自治法第二百四十三条の二第二項の規定により、関係議案について県監査委員の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。…………………………………………………………………………………………… 宮監委第137号 令和6年2月14日 宮城県議会議長 高橋伸二殿 宮城県監査委員 佐々木喜藏 宮城県監査委員 佐々木功悦 宮城県監査委員 成田由加里 宮城県監査委員 吉田 計 条例案に対する意見について(回答) 令和6年2月13日付け宮議第442号で意見を求められた下記条例案については,異議ありません。 記 議第20号議案 知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例の一部を改正する条例……………………………………………………………………………………………
○議長(高橋伸二君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第五十五、一般質問とを併せて行います。 質疑、質問は順序に従い許します。四十八番守屋守武君。 〔四十八番 守屋守武君登壇〕
◆四十八番(守屋守武君) おはようございます。自由民主党・県民会議の守屋守武でございます。高橋伸二議長のお許しを頂き、会派代表質問をさせていただきます。 質問に先立ちまして、今年一月一日の能登半島地震でお亡くなりになられた方々の御冥福を謹んでお祈りするとともに、多くの被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また、被災地での復旧作業や支援活動に従事されている方々に深く敬意を表しますとともに、一日も早い復興がかないますように心から願っております。 また、最近起きている幼い子供に対する実の親による痛ましい事件に心から憤りを覚えるとともに、このようなことのない世の中にしなければならないと誓うものであります。 それでは、通告に従い、会派代表質問をさせていただきます。 まず初めに、四病院再編についてお伺いいたします。 今回の四病院再編は、人口減少・少子高齢化に対応した仙台医療圏の医療体制の充実を図ることを目的に進められていることは周知のとおりであります。一方、その進め方や説明の仕方において、「丁寧さを欠く」「医療の役割に対する意識が不十分である」「患者さんの意見、働く人たちの意見、地域の意見が反映されていない」などなど、進める上での多くの課題も出ております。そのような中で、私も様々な立ち位置における御意見は、新聞報道をはじめ同僚議員、または当事者の皆さんからも伺っておりますが、気仙沼・本吉地区から選出された立場として向き合ってみました。そうしたとき、今回の四病院再編計画については、仙台医療圏だけの問題ではない部分もあると考えております。気仙沼市と南三陸町の二次医療圏は、石巻、登米、気仙沼、南三陸で構成されております。その中で、自治体病院である気仙沼市立病院は、今年の四月から常勤の産婦人科医がゼロとなり、帝王切開をする場合はあらかじめ近くの中核病院、石巻日赤病院や県境を越えて岩手県の大船渡病院に対応をお願いすることとなります。気仙沼市役所から石巻日赤病院までは約一時間を要し、大船渡病院までは三十五分であります。気仙沼市立病院は初診時・再診時選定療養費制度を取っており、診療は重症や専門的な部分を受け持つこととなっているので、市民の日常の診療はかかりつけ医になっております。そのときに、かかりつけ医から仙台の病院を紹介されるケースは少なくありません。そのために、気仙沼・本吉地方からも多くの人たちが患者として、また検査のために、仙台医療圏の病院にお世話になっております。また、命の道、三陸沿岸道路が開通したことで、私たちは大変助かっております。このような観点から見ますと、今回の四病院再編統合問題は、仙台医療圏だけの問題ではない側面があることも認識いただけたと思います。県民ひとしく命の重さに対する安全安心の環境整備にも配慮が必要ではないでしょうか。知事の見解を伺います。 先日、県に対して仙台市から、宮城県の四病院再編案に係る協議の要請がありました。私たちは、医療体制の安定、安全な環境になるように、共に県民として理解を深めること、同じベクトルで進むことが肝要だと思っており、今回の協議がそのような機会になればと思っておりますが、県として協議会に臨む姿勢について伺います。 次に、昨年十二月に仙台赤十字病院と県立がんセンターが基本合意を結びました。一方で、東北労災病院と県立精神医療センターは、提案では令和五年度内に基本合意を目指すとしておりました。仮に計画どおり進んだ場合の建設、機能移転の目安はどのようになっているのか伺います。 次に、地方の医療体制は年々脆弱になり、自治体病院の運営も厳しさを増しております。県として、県民医療の安全安心の確保の観点から見て、医師の偏在など医療圏ごとに大きな格差が生じてきていることについて、今後の対応を知事にお伺いいたします。 次に、広域防災拠点についてお伺いいたします。 広域防災拠点整備事業については、昨年、仙台貨物ターミナル駅移転完了時期を令和八年度から令和十一年度に、宮城野原広域防災拠点整備完了時期を令和十四年度と示されました。また、公共事業再評価において、公共事業評価部会では、全体事業費を三百二十四億円から四百二十二億円と、九十八億円増額となることが示されました。初めはターミナル駅の移転完了を令和二年度と示していたことが、変更、変更で十一年度となったことは、鉄道ダイヤの合間を縫っての施工であったり、働き方改革等における労働時間の規制等もあり、移転事業費の大幅な増額については、知事も予期しておらないこととはいえ、憤りを覚えるものであります。そのような中で、今年一月の能登半島地震を見て防災・減災の必要性をまざまざと感じたこともあり、改めて防災拠点整備事業の早期の完了を求めるものであります。知事の所見を伺います。 また、今回の能登半島地震に対して、知事は全国知事会の会長でもあり、全体を取りまとめて国とともに救済・復興に尽力いただいているものと理解するところでありますが、東日本大震災における最大の被災県であります宮城県において、災害からの復旧支援等について相当のアドバイスなりサポートができることと思っております。全力の対応を願うものであります。 次に、宿泊税について伺います。 宮城県は二〇二〇年二月に宿泊税を提案しましたが、新型コロナウイルスのパンデミックで取り下げた経緯があります。このときは、観光事業に充てられていた復興財源が終了することを受けて、その財源確保に充当するための提案であり、財源確保というあまりにも直接的なことに戸惑いました。宿泊税は、来訪されるお客様によりよい観光地・サービスを提供するためのものであり、お客様から頂いたお金を形を変えて還元するというのが基本的な考え方ではないでしょうか。その意味で、宿泊税を有効活用する、いわゆる「あなたのよりよい満足のために」ということをしっかりアピールすることが大事であります。この視点がないと、宿泊事業者も宿泊客も腑に落ちないことになってしまいます。この点について、今回の提案にどのように配慮しているのか、県の考え方を伺います。 次に、地方は人口減少が急速に進んでいる現状から、各市町村ともに観光振興を基幹産業に挙げて交流人口の拡大を進めております。しかし、誘客を進めるための観光施策の展開をするためには財源が必要であり、その意味では、今回の宿泊税の提案は必要であると思います。そのときに、宿泊業者皆様には徴税をお願いするという観点から丁寧な説明とケアが必要であり、それぞれにメリットがあることをお伝えすることが大事になります。特に、徴収する税率及び使途については、総体的な話だけでなく、その地域ごとに納得のいく説明が必要ではないでしょうか。県の考え方を思います。 次に、宮城県と同時に仙台市でも宿泊税を検討しているとのことで、仙台は魅力的な街であり、私もいい街だなというふうに思っております。私は宮城県といっても岩手県陸前高田市との県境の気仙沼・本吉地方に住んでいる住人として見てみますと、気仙沼・本吉地方に来る観光客のほとんどは、仙台経由で来られております。言い換えれば、地方の観光地の魅力が上がること、また、そのように誘導することによって、仙台への入り込み数は増加します。このように考えると宿泊税は、宮城県と政令市仙台が県域発展のために共に協調して進める施策であります。このことについて知事の考え方を伺います。荒れた海に漁はないと言います。よろしくお願いいたします。 不登校の現状と対策についてお伺いいたします。 令和四年度の国立・公立・私立の小中学校の不登校児童生徒数が約二十九万九千人、これは過去最多であります。うち、学校内外で相談を受けていない児童生徒数が約十一万四千人、これも過去最多となりました。宮城県の小中学校の不登校児童生徒数は三千五百二十九人、仙台市を除いております。そのうちの約三割が他機関との連携による支援を受けていない状況であります。もちろん過去最多であります。なぜ最近、不登校が急速に増えたのか。文部科学省は、理由は様々で一概には言えないとしながらも、コロナ禍の長期化で生活環境が変化したことや、学校生活での様々な制限で交友関係が築きにくくなったことなどが背景にあると分析しております。アンケートによる調査では、不登校のきっかけや不登校継続の理由で最も多かったのが、小中学校ともに気力が湧かないということで、その次に不安などの情緒的混乱や勉強への不安が来ております。このような状況の中で危惧するのは、他機関との連携による支援を受けていない不登校児童生徒であります。対応についてはこれまでもアプローチしてきたこととは思いますが、せめてコンタクトが取れるようなことが必要であります。県の方策についてお伺いいたします。 また、不登校の理由の気力が湧かないということに関して、教育長はどのように捉えておりますか。多様な学びをともにつくる・みやぎネットワーク、通称みやネットが実施したアンケートは少し違っていて、学校の雰囲気であったり友達関係、学校の先生などの順でより具体的であります。問題の捉え方によって対応が変わりますから、このことについて県の見解を伺います。 政府においては、児童生徒が安心して学ぶことができる、誰一人取り残されない学びの保障に向けた取組の緊急強化を図るため、不登校・いじめ緊急対策パッケージが取りまとめられました。その主な施策は、不登校緊急対策として令和五年三月に取りまとめたCOCOLOプランを前倒しし、次の三つを重点に進めるというもので、一つ目は不登校の児童生徒全ての学びの場の確保、二つ目は心の小さなSOSの早期発見、三つ目は情報提供の強化としております。内容は、校内教育支援センター、スペシャルサポートルームなどの設置や、心の健康観察の推進などが挙げられており、そのほかにもボリュームのある対策となっております。思うところ、これは誰が担当するのか、従前の体制で担当するのでは大変だなと思って見ておりますが、県としてどのように取り組むのかお伺いいたします。 宮城県は不登校児童の居場所として学びの多様化学校が三校、ほかにけやき教室や心のケアハウスをはじめフリースクールやNPO団体がそれぞれ役割を担っており、みやネットのアンケートでは、学校に行きづらい日に過ごす場所の五一%が家で、その次に二九%でフリースクールとなっております。危惧するのは、多くのフリースクールは震災関連の助成事業をベースに運営しており、十五年で助成が切れることから、間もなく財政的に厳しくなるところが出てくるということであります。不登校児童生徒が増加している現状を鑑み、県は市町村と連携して、それぞれのフリースクール等民間の活動をしっかり支えるべきではないでしょうか。県の考えを伺います。 農政についてお伺いいたします。 みやぎ食と農の県民条例基本計画で目指す将来の姿として、「共創力強化~多様な人材が豊かな未来をつくる みやぎの食と農~」をキャッチフレーズに、人口減少や高齢化が進む中で、食と農業・農村への消費者の理解と協働の下、農業者だけでなく、次世代の若者も含め、食と農に関わる全ての人材が結びつき活躍することにより、豊かなみやぎの食と農の未来をつくっていく力を強化するとして、それぞれの具体的な目標を挙げて取り組んでおります。気仙沼・本吉地方は中山間地が多く大規模化とはいかないのですが、高収益作物への取組を促進するなど工夫が必要であります。一方で、登米や大崎などはまさに米どころであり、宮城の台所であります。そこで、まず米政策から伺ってまいります。 米の主産地である本県は、昨年は猛暑や資材高騰の影響はありましたが、他県と比較すれば収量や一等米比率も高い結果となり、安心したところであります。一方で、五年水張り問題などの課題もあり、現場における生産離れが懸念されるところであります。安定的な稲作経営を進めるために、水張り問題も含め、今後どのような計画で進めていくのかお伺いいたします。 次に、地域の農業や農地を維持していくためには、担い手の確保が重要であり、現在、地域の担い手を明確化するため、地域計画や目標地図の作成が進められておりますが、県全体でどのようなイメージで考えているのかお伺いいたします。 次に、県では、米、畜産、園芸のバランスが取れた生産構造を図るため、みやぎ食と農の県民基本条例基本計画やみやぎ園芸特産振興戦略プランにおいて園芸産出額倍増を上げておりますが、水稲から園芸にどのように切り替えていくのかお伺いいたします。 次に、畜産について伺います。 畜産部門は、牛枝肉卸売価格が低迷していることから、肉用子牛価格も低迷する中で、輸入に頼っている配合飼料価格は、円安で為替レートが高いために高止まりしており、厳しい状況が続いております。中でも酪農経営は大変厳しく、国や県の支援の継続が必要であります。対応についてお伺いいたします。 肉用牛の飼養戸数は、平成九年のときには一万八百戸あったのが、令和五年では二千五百五十戸と四分の一まで減っており、減少傾向に歯止めをかけなければなりません。補助や支援は長く続かないこともありますので、生産が成り立つような出口戦略が重要となってまいります。以前にも質問しましたが、仙台牛の輸出戦略を本格的に取り組むべきではないでしょうか、伺います。 また、県内消費を促進するためのキャンペーンや温泉観光地との連携、魚のまち気仙沼や石巻などと仙台牛の連携企画はギャップがあって興味が湧くのではないでしょうか。取組についてお伺いいたします。 次に、営農型太陽光発電、ソーラーシェアリングについてお伺いいたします。 営農型太陽光発電は、一時転用許可を受け、農地に簡易な構造で、かつ容易に撤去できる支柱を立てて、上部空間に太陽光発電設備を設置し、営農を継続しながら発電を行う取組であります。作物の販売収入に加え、発電電力の自家利用等による農業経営の更なる改善が期待できます。まだまだ実績は少ないですが、エネルギー価格が高止まりしている現状において取組を進めることも必要ではないでしょうか。県の見解をお伺いいたします。 次に、水産振興についてお伺いいたします。 コロナ禍における経済活動の停滞や、昨年のALPS処理水放水に対する中国などの輸入禁止措置、そして国際紛争における燃料や資材の高騰で、沿岸漁業は厳しい状況にあります。更に追い打ちをかけたのが昨年の海水温の上昇であり、カキやホタテがへい死するなど大きな被害が出ました。そこで伺います。 昨年夏の高水温によるカキ被害は、現時点において昨シーズンの約五〇%まで落ちると思われております。また、ホタテも随分へい死したとのことでありました。更に、宮城県の生産者が青森県から仕入れているホタテの半成貝が、青森県もまた高水温により壊滅状態となり、生産者は半成貝の仕入れが不安な状況にあります。更に、今年一月二十一、二十二日と沿岸を襲った低気圧で、宮城県沿岸のワカメが大きな被害を受けました。被害状況は現在取りまとめているとのことですが、生産者は次の仕込みもあり資金が必要となりますから、急ぎ宮城県漁業経営サポート資金の対応を図るべきではありませんか。県にお伺いいたします。 また、被害の状況次第では、貸付け金額、貸付け期間の見直しについても視野に入れて検討するべきでありますので、併せてお伺いいたします。 次に、地球温暖化の影響で海水温が上昇していることは、養殖業にとって大きな問題であり、特に冷水を好むサケにとっては厳しい環境が続いております。全国シェア九〇%を誇る宮城県のギンザケ養殖は、以前はお盆頃まで出荷できていたのですが、近年は海水温の高止まりから出荷期間が短くなりました。このような状況から、高温耐性への品種改良に取り組むことは喫緊の課題であります。昨年視察した京都大学のベンチャー企業、リージョナルフィッシュのゲノム編集技術は、マダイの可食部の筋肉の量を一・二倍から最大一・六倍に増やした二十二世紀鯛として既に養殖が始まっております。ギンザケのみならず、このような企業と産業連携しながら高温耐性の開発に取り組むことが必要であります。県の考えをお伺いいたします。 水産業の後継者問題と事業の安定継承について伺います。 沿岸漁業・養殖業の経営体数は、一九八八年から二〇一八年までの三十年間で、十九万経営体から七万九千経営体まで五八%減少しました。大震災後は、復興事業の中で漁場の集約や機械化を進めて個々の事業規模を拡大し、生産量や金額は回復してきたところであります。しかしながら、後継者の確保が大きな課題となっており、そのためには、家族経営から協業化や法人化などを進め、幅広く人材を確保し安定経営を目指していくことが必要であります。その支援、アドバイスを県として積極的に進めるべきではないでしょうか、県の考えを伺います。 次に、外国人人材の確保についてお伺いいたします。 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議は、今年四月から制度を見直して、名称を育成就労制度とし、目的をこれまでの国際貢献から外国人材の確保と育成にすることにしました。主な変更内容の一つは、他の企業への転籍を可能としたところで、基本三年で一定の専門性や技能を持つ水準まで育成し、これまでは原則できなかった別の企業に移る転籍は、一年以上働いた上で一定の技能と日本語の能力があれば、同じ分野に限り認めるとしました。また、変更内容の二つ目は、実習生の多くが母国の送り出し機関や仲介者に多額の手数料を支払って来日していることから、その負担に関して、日本の受入れ企業と分担する仕組みにするもので、受入れ企業はこれまで以上に負担が増すこととなります。受入れ企業としては、転籍による人材流出と増える費用負担については悩ましいところですが、国際的な人材獲得競争の中では、日本が選ばれる国になることが重要であります。このような国際情勢の中で、昨年七月に知事がインドネシア共和国と包括協定を結べたことは大変大きな成果であり、県内の各企業にとっても人材確保に期待を寄せているところであります。令和六年度予算において、みやぎフェア・宮城県PRイベント&ジョブフェアを開催する事業費が計上されており、多くの企業の参加を頂き、成果を上げてほしいと思っております。県の立場では、雇用の局面には関与しませんが、雇用の経緯や状況についても把握しておくことが必要であります。県の立ち位置についてお伺いいたします。 また、今回の育成就労制度について、一年で転籍が可能になることから、宮城県が人材流入の窓口になり、他県に人材が流出してしまうことも懸念材料であります。今後は、受入れの監理団体や受入れ企業などと情報交換をするとともに、受け入れたい企業等にも広く情報提供することが必要であります。取組についてお伺いいたします。 同僚県議が東北大学さんと外国人人材の確保に関する施策について様々な情報交換をしております。東北大学は、国際卓越研究大学の認定候補に選定されたこともあり、国際課題に対する社会貢献に対して前向きに取り組んでおられます。その中で、外国人関連の受入れ体制の在り方に対して、パイロット事業として学生が学びを実践する機会をつくり、もって社会貢献をする。他国、他県に先んじた取組の実践として有効ではないかと思います。知事の所見をお伺いいたします。 次に、スポーツ振興についてお伺いいたします。 運動部活動の地域移行の取組と現状についてお伺いいたします。 公立中学校の休日の部活動については、二〇二三年度から二〇二五年度までの三年間を改革推進期間として地域移行に段階的に取り組み、可能な限り早期に実現することを目指すとして進められております。しかしながら、現状は県内の自治体間における温度差があり、協議会すら設置していない自治体の割合は一八%もあります。その課題の一つが指導者不足であり、県は指導者バンクをつくって登録を呼びかけ、指導者の公認資格のない方でも、県が行う講習を受講すれば指導ができるとしております。一方で、部活動指導員は会計年度職員として一般職の公務員となり、学校長の許可が必要であり、先生の代わりに部活動を見ることができます。こちらも公認指導者資格の有無は問わず、講習を受ければ指導をすることができます。更に、外部指導者制度もあり、技術的な部分の指導を担っており、現在、この立場で携わっている方が一番多いと思います。今回設置する指導者バンクには、部活動指導員や外部指導者は学校との関係で発生するとしても登録になるのか、更に教員が登録することもあり得るのではないかと思います。また、日本スポーツ協会の公認資格を有している人はどのように扱うのか、様々な状況が考えられます。県として一定の方向性を示すことが必要ではないでしょうか、お伺いいたします。 指導者の確保として、企業に協力を頂き就業時間内に部活動の指導をお願いする代わりに、企業に対して県や自治体が何らかのインセンティブを考える方法があります。実際に行っているところもあります。この辺りは県が積極的に進めるべきだと思いますので、対応についてお伺いいたします。 教職員の働き方改革から、部活動を切り離すことに主眼を置いた部活動の地域移行でありますが、少子化の著しい地方の中学校では、野球やサッカーなどチーム人数の必要な部活動が単独校で活動できない状況が増えていることから、地域が受皿となる地域移行は、ある意味、渡りに船であると言える政策であります。課題は、受皿をどうするかということであります。地域の宝である子供たちの受皿を地域でつくるためには、体育協会やスポーツ少年団だけでなく、目先を変えてまちづくり団体なども含めて協議することも大切であります。このように取り組むことによって、文化部の受皿も浮かんでまいります。スポーツで地域を笑顔にし、また、文化活動で心を豊かにする。部活動の地域移行は、少子高齢化、人口減少で悩んでいる自治体にとって、地方創生の糸口になります。そのような観点で取り組むと、企業版ふるさと納税なども活用できるのではないでしょうか。取り組み方について、県の見解をお伺いいたします。 障害者スポーツの振興についてお伺いいたします。 昨年十月二十八日から三十日まで、鹿児島の白波スタジアムで開催された二〇二三年特別全国障害者スポーツ大会の開会式に参加し、本県代表選手の皆さんを激励してきました。日焼けした皆さんの笑顔がすがすがしく感じられて、よい大会になると感じました。来年二〇二五年には、聴覚障害者のスポーツの祭典、デフリンピックが初めて東京で開催されます。また、私も会員になっているスペシャルオリンピックス日本・宮城は、知的障害者の皆さんがそれぞれのレベルで競技に挑戦しておられます。障害がありながらも、それを受け止めて社会で活躍している皆さんには、いつも励まされます。宮城県の障害者スポーツの推進における取組事業は、障害者スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会団体競技予選会や全国障害者スポーツ大会の県選手団の派遣等を支援しているところであります。一方で、障害があるなしにかかわらず、障害者スポーツを楽しむためには、障害者スポーツ指導員の育成や障害者スポーツボランティアの養成が重要になります。そのようなことから、仙台以外の地方の市町村においては、指導者不足や少子高齢化もあり活動機会が減少し、障害者の皆さんが思うように活動できていない状況と聞いております。できれば、県全体で偏りなく障害者スポーツを楽しめるように企画し、体制を整えていくべきであると思いますが、県の対応についてお伺いいたします。 更に、障害のある方々は交通手段、活動場所などにおいて制限があり、おのずと活動から遠ざかる傾向にあります。初めて活動に参加する場合など、地方では思うようにならない場合が多い状況にあります。県としては、地方でも障害者が気軽にスポーツを楽しめる企画を出していくことが必要ではないでしょうか。県の考え方についてお伺いいたします。 次に、加速器産業の促進についてお伺いいたします。 国際リニアコライダーILCは、電子と陽電子を衝突させる直線型加速器を用いた次世代の国際的な素粒子実験施設で、従来の円形加速器と比べ、より高い高エネルギーと高い精度の衝突を実現し、素粒子の世界を更に深く解明することを目的としております。このILCの建設候補地は、二〇一三年、国際的な評価会議によって、日本の北上山地が最適であると結論づけられました。その大きな理由は、施設が地下百メートルに全長二十キロメートルのトンネルを設置することから、北上山地が安定した花崗岩帯であり活断層や地震のリスクが小さいこと、また、日本が国際的に安全であることなどが評価されたものであります。ILC建設は、地域経済の活性化に大きく貢献することはもとより、建設期間中には雇用創出や技術開発の促進などが期待され、完成後は世界中から多くの研究者が集まる国際的な学術拠点となることが期待されております。しかしながら日本政府は、建設予算が八千億円と巨額なこと、国際的な合意形成や建設費用の調達などを問題とし、北上山地へのILC建設を正式決定しておりません。我々岩手県議会・宮城県議会国際リニアコライダー建設実現議員連盟では、先月一月二十三日に鈴木財務大臣、盛山文部科学大臣らに建設実現に対する要望活動を行うとともに、今月八日には盛岡市において岩手県立大学の鈴木厚人学長、元KEK高エネルギー加速器研究機構の機構長の講演を頂いて活動を展開しております。ILC計画は、東北のみならず日本にとって大変大きな国際科学的な信用を得ることはもちろん、国際平和にも大きく貢献する事業であります。全国知事会の会長である村井知事の突破力を期待して、停滞する日本の科学技術発展に光をともしていただきたいと思います。村井知事の見解をお伺いいたします。 次に、次世代放射光施設ナノテラスについてお伺いいたします。 この四月に運用を開始するナノテラスは、ILCの誘致実現のためにも、その活躍が大きく期待されているところであります。また昨年、東北大学が国際卓越研究大学に候補認定された際には、このナノテラスにおける最先端研究についても期待されておりました。また、台湾PSMCの半導体工場誘致に関連して、ナノテラスとの産学連携も大きく期待されております。しかしながら、ナノテラスの現状に関して、一月三十日に気になる記事が配信されております。経済ジャーナリストの町田徹さんという方が、運営の財政面における懸念を指摘している記事で、コアリションメンバーという民間企業が当初の想定より不足しているとのことであります。産学官はじめ地域を挙げて一身に期待を集めているナノテラスの運営に万が一のことがあってはなりませんし、兵庫県のスプリングエイトも運用開始後、軌道に乗るまでの間は厳しい財政状況であったと仄聞しております。宮城県としても知事を先頭に支援をしてきたところでありますが、ナノテラスの運営について、現状の認識を伺うとともに、万が一のことがないよう何らかの対応をすべきであると考えますが、知事の見解をお伺いいたします。 以上で壇上からの質問とさせていただきます。意のある答弁をお願いいたします。
○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 守屋守武議員の代表質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、宮城県の諸課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、病院再編に係る県民の安心安全な環境整備と仙台市との協議についてのお尋ねにお答えいたします。 今回の病院再編については、仙台医療圏を中心に県全体の地域医療の現状と将来を見据え、病院機能の集約・拠点化を図ることにより、政策医療の課題解決に貢献する持続可能な病院の実現を目指すものであります。県といたしましては、救急医療や周産期医療などの政策医療について、仙台医療圏のみならず、県全体での視点に立って課題解決に取り組み、県民の安心安全な環境整備に努めてまいりたいと考えております。また、今月九日に仙台市から病院再編に係る協議の要請がありましたが、この協議を通じて、病院再編に伴う地域医療への影響等を改めて検証するとともに、個別課題の解決策や病院再編の効果を県民に広くお示しできるよう、真摯に対応し、病院再編に対する理解の醸成に取り組んでまいります。 次に、東北労災病院と県立精神医療センターの合築に係る建設、機能移転の目安についての御質問にお答えいたします。 東北労災病院と県立精神医療センターの移転・合築については、年度内の基本合意を目指し、身体合併症への対応に関する病院間の連携などの協議を行うとともに、県南部の精神科医療体制の確保に向けて、精神医療センターのサテライト案の検討を進めているところであります。合築する新病院の開院や機能移転の時期につきましては現在協議中でありますが、想定される病院整備の期間としては、基本計画の策定や設計書の作成、その後の工事期間も含め、基本合意から五年以上は必要になるものと考えております。 次に、医師の偏在などの医療圏ごとの格差についての御質問にお答えいたします。 国では、地域間の医師偏在状況を評価する物差しとして、二次医療圏単位で医師偏在指標を設定しております。この中で、仙台医療圏は医師多数区域となっておりますが、他の三つの医療圏は医師少数区域に分類されており、こうした格差が生じていることは大きな課題であると認識しております。このため県では、修学資金の原資を負担し、東北大学及び東北医科薬科大学の医学部に地域医療への従事を義務づける地域枠を設定するなど、それぞれの大学と連携しながら、県内の地域医療に貢献する医師を育成しております。これらの医師の継続的な輩出等により、将来的には医療圏ごとの格差が縮小するものと期待しております。県といたしましては、現在策定中の第八次地域医療計画に基づき、既存の医療資源も有効に活用しながら、引き続き、こうした取組を通じて安心安全な医療環境の整備に努め、持続可能な地域医療提供体制を確保してまいります。 次に、広域防災拠点事業の早期完了を求めるとの御質問にお答えいたします。 我が県では、東日本大震災の教訓を踏まえ、傷病者の域外搬送拠点機能の充実強化、広域支援部隊の一時集結場所やベースキャンプ用地の確保、物資輸送中継拠点の整備等が必要であると強く認識したことから、県内唯一の基幹災害拠点病院に近接するなど、地理的優位性が高い宮城野原地区に広域防災拠点を整備することとしたものであります。県内では、東日本大震災以降も、令和三年、令和四年に連続して発生した福島県沖地震や、令和元年東日本台風など、近年、自然災害が頻発化・激甚化しております。更に、今年一月には令和六年能登半島地震が発生しており、今後、想定される大規模災害に的確に対応するためには、広域防災拠点の早期整備が必要であると改めて認識したところであります。今般、公共事業評価部会において、事業の必要性、事業費の増額や期間延長の理由、費用対効果等について審議した結果、「事業継続は妥当」との答申と併せ、「今後の事業実施に当たっては、事業効果の早期発現に努めること」などの意見を頂いたところであります。県といたしましては、今回の答申の重みを十分認識し、一日も早い供用に向けて、鉄道事業者等の関係機関と緊密に連携し事業を推進していくとともに、第五次地震被害想定調査結果に基づき、更なる防災・減災対策の強化にしっかりと取り組んでまいります。 次に、宿泊税の有効活用に関するアピールについての御質問にお答えいたします。 宿泊税については、御指摘のとおり、観光地の魅力向上や新たなサービス提供に関する取組を通じて、税を負担いただく宿泊客に還元していくことが重要であり、このため、宿泊税の充当事業については、宿泊施設整備支援など観光産業の体制強化や、二次及び三次交通対策など、宿泊客のための受入れ環境整備を中心に構築する予定としております。また、税の有効活用の周知についても重要であり、税導入の周知に当たっては、DXを活用したアプリなどによる効果的な周知方法を検討しているほか、宿泊施設へのポスター掲示、リーフレットの配架や、駅、空港等における広告活動など、様々な媒体を活用しながら、宿泊税への理解が得られるよう、積極的なPRに努めてまいります。また、事業実施後は、みやぎ観光振興会議などへ報告を行うとともに、宿泊客や観光関係者の皆様などに対し、デジタルリーフレットの提供などにより、広く事業の実績や成果を明らかにすることで、宿泊税の使途の明確化や事業効果の見える化を図り、宿泊税の有効性をお伝えしてまいりたいと考えております。 次に、宿泊事業者への丁寧な説明とケアについての御質問にお答えいたします。 宿泊税の導入に当たっては、宿泊客から税を徴収し県に納入いただく宿泊事業者の皆様の御理解と御協力が必要不可欠と考えております。このため、県ではこれまで、みやぎ観光振興会議を全体会議、圏域会議合わせて計八回開催し、税の必要性や制度概要、使途の考え方などについて意見交換を行ったほか、計六十に及ぶ事業者、団体を個別に訪問し、制度の趣旨・内容の説明に努めてまいりました。また、現在も前回の訪問で御意見が多かった地域を中心に、改めてそれぞれの地域の実情を把握し、それを解決するための施策などについて意見交換を実施しているところであります。今後とも、県内各圏域の観光事業者と協議を重ねながら、特に御意見の多い、税収を活用した宿泊施設への還元策や、税導入に伴う宿泊事業者の事務負担の軽減策などを検討し、事業者の皆様の御理解を頂けるよう、引き続き丁寧な対応に努めてまいります。 次に、宿泊税導入に当たっての仙台市との協調についての御質問にお答えいたします。 仙台市では、仙台市交流人口拡大推進検討会議において、今後必要となる観光施策やその財源の議論を進めており、今月五日の会議で宿泊税導入の方向性を打ち出し、委員からおおむね理解を得られたものと承知しております。仙台市の検討内容では、宿泊施設の高付加価値化や観光産業の人材確保などの受入れ環境の充実や、各エリアの特色を生かした魅力磨き上げ等を今後強化すべき施策として位置づけており、我が県の魅力向上に必要と考える施策の方向性は、県と仙台市で一致しているものと認識しております。このため、昨年十一月に開催された仙台市の検討会議の開催以降、仙台市との間で、税の制度設計をはじめ、使途や導入時期について、緊密に協議を重ねているところであります。県といたしましては、仙台市が実施する施策との相乗効果により、県内での周遊や滞在時間が増加するよう、宮城県全体の魅力ある観光地域づくりについて、仙台市と連携の下、強力に取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、農林水産振興についての御質問にお答えいたします。 初めに、安定的な稲作経営についてのお尋ねにお答えいたします。 全国の主食用米の需要量は毎年約十万トン減少しており、水田農業を基幹とする我が県において、農業者が安定的に営農を継続していくためには、需要に応じた米の生産により再生産可能な価格を維持するとともに、国の交付金も活用しながら、収益性の高い園芸作物や大豆、麦などへの転換を進め、所得を確保することが重要と認識しております。一方国では、令和四年度から令和八年度までの五年間で一度も水張りが行われていない水田については、水田活用の直接支払交付金の交付対象から除外することとしております。県といたしましては、地域農業再生協議会等と連携を密にし、引き続き、需要に応じた米の生産と収益性の高い作物への転換を進めるとともに、地域の実情に応じたブロックローテーションや畑地化による産地形成が円滑に進むよう支援することで、水田農業の振興と農業者の所得向上に努めてまいります。 次に、地域計画策定における県全体のイメージについての御質問にお答えいたします。 農業者数が減少する中で、地域農業や農地を維持していくためには、担い手を確保し、将来誰が耕作するのかを特定していくことが重要となってきております。こうした状況などから、市町村においては、令和六年度末までに目標地図を含む地域計画を策定することになっております。このため県では、昨年度より圏域ごとにモデル地区を設置し、地域計画の策定を支援するとともに、市町村・農業委員会職員のコーディネートスキルの習得に向けた研修会等を行ってまいりました。これらの取組により、市町村においては、意向調査など工程表に沿った地域計画の策定作業がおおむね順調に進められております。県といたしましては、全ての地区で期限までに確実に地域計画が策定されるよう、引き続き支援するとともに、地域計画策定を契機に、担い手の確保・育成や、これまで地域で守り続けてきた農地が次の世代へ引き継がれるよう、しっかりと取り組んでまいります。 次に、水稲から園芸への切替えについての御質問にお答えいたします。 我が県の農業を地域経済を支えるもうける農業として持続的に発展させるためには、先進的施設園芸や大規模露地園芸の振興による園芸生産の拡大が重要であることから、第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画において、県の園芸産出額を倍増する目標を掲げております。この目標の実現に向けて、加工・業務用野菜において、実需者ニーズに基づいた生産、加工、販売など一連の仕組みを確立するサプライチェーン構築の取組を支援し、水稲に比べ収益性の高い園芸品目への転換を図ってまいりました。特に、実需者からはポテトチップス用バレイショやタマネギ、サツマイモなどの品目が求められていることから、県内各地において産地化を進めているところであります。県といたしましては、新たな品目も加えながら、引き続き実需者との連携を図り、水田における園芸産地づくりを推進してまいります。 次に、配合飼料価格高騰対策の継続支援についての御質問にお答えいたします。 配合飼料価格については依然として高止まりしており、特に酪農経営に大きな影響を及ぼしていると認識しております。県では、国の配合飼料価格安定制度等による支援について継続を要望してまいりましたが、国による緊急的な支援は昨年十二月をもって終了となりました。このため、昨年度から県で実施している飼料購入費の一部の助成について、今年度第四・四半期の単価を増額して支援するため、本定例会に補正予算を提案したところであります。国では、配合飼料価格安定制度の在り方について、今月から検討を始めると伺っておりますが、県といたしましては、酪農を含む畜産農家が安心して経営を継続できる制度となるよう、引き続き全国知事会等を通じて国に要望してまいります。 次に、仙台牛の輸出戦略や県内消費の促進に向けた取組についての御質問にお答えいたします。 初めに、仙台牛の輸出戦略についてですが、我が県では牛肉を輸出基幹品目の一つとして掲げ、仙台牛銘柄推進協議会など関係機関と連携し、香港、台湾、ベトナムなどからバイヤーを招聘し、仙台牛を部位別に提案しているほか、海外では飲食店向けのプロモーションを行うなど、仙台牛の輸出拡大に向けた取組を展開しております。また、台湾においてエバー航空のラウンジでも仙台牛が紹介されているなど、海外における仙台牛に対するニーズは高いことから、県としては、引き続き広く海外の市場に目を向け、積極的にプロモーションを行い、新しい商流の構築や輸出量の拡大に取り組んでまいります。 次に、仙台牛の県内消費の促進については、仙台牛銘柄推進協議会において、温泉旅館を含む仙台牛提供店などを対象としたキャンペーンを毎年行っておりますが、より一層の消費促進を図るため、提供店の拡充が必要と考えております。県といたしましては、流通業者や仙台牛提供店などに加え、市町村の観光部局と連携した新しい企画についても検討するなど、仙台牛の更なる消費促進につなげてまいります。 次に、高水温等による養殖被害への対応についての御質問にお答えいたします。 昨年夏の異常な高水温の影響を受け、カキなどがへい死し、生産量が減少しているほか、先月の南岸低気圧でワカメなどに大きな被害が生じており、資金繰りが厳しい状況にある漁業者も出ているものと認識しております。災害等による資金繰りの支援として、県では、一時的に経営が悪化している漁業者の運転資金を支援する、原則無利子の漁業経営サポート資金や、被害の影響が長期化する場合に、貸付け期間がより長く限度額の大きい水産業災害対策資金を制度化しております。県としては、漁業者の生産や経営の状況に応じて、この二つの制度資金を効果的に活用できるよう、宮城県漁業協同組合等と協議を進めており、早期の発動に向けて対応してまいります。 次に、外国人材に係る雇用の経緯や状況把握についての御質問にお答えいたします。 現行の技能実習制度は、人材育成等の観点から転籍ができないことや、監理団体による監理・支援が十分でない場合があることなどが指摘されてきたところであります。今般、技能実習制度に代わり、外国人材の確保・育成を目的とする育成就労制度が新たに制定される予定であり、新制度では特定技能への移行がより円滑に進むため、外国人材が長期就労できる道筋が整うものと考えております。更に新制度では、送り出し機関に関する情報の透明性を高め、手数料等を受入れ機関と外国人が適切に分担するための仕組みを導入し、外国人の負担軽減を図ることとされており、我が国が魅力ある働き先として選ばれる国になる環境が整うものと考えております。県といたしましては、御指摘のとおり、雇用の経緯や状況について、監理団体や受入れ企業へのヒアリングに加え、外国人技能実習機構や国際人材協力機構等とも更に連携を深めながら、実態把握に努めてまいります。 次に、大綱三点目、スポーツ振興についての御質問にお答えいたします。 初めに、企業等へのインセンティブについてのお尋ねにお答えいたします。 部活動の地域移行を円滑に進めるためには、指導者の確保について、スポーツ関係団体だけでなく、民間企業に協力いただくことも重要であると認識しております。国においては、スポーツを通じた従業員の健康増進に取り組む企業の認定制度があるほか、他県では、アスリートを雇用している企業を入札制度において評価している事例があると承知しております。県としては、これらの事例を基に、既に部活動に指導者を派遣している県内企業などにお話を伺いながら、民間企業の地域クラブ等への積極的な協力を促す効果的な手法について検討してまいりたいと考えております。 次に、企業版ふるさと納税の活用についての御質問にお答えいたします。 部活動の地域移行を契機として、地域全体で多様な主体がスポーツや文化活動を楽しむことは、地域のにぎわい創出や地域コミュニティーの形成など、地方創生の観点において重要であると認識しております。こうした考えの下に、県では現在、国の地方創生交付金や企業版ふるさと納税を活用し、総合型地域スポーツクラブと連携し子育て支援を目的としたモデル事業を実施しております。県といたしましては、部活動の地域移行を踏まえ、スポーツを通じたにぎわいの創出に向けて、企業版ふるさと納税が活用できるよう、企業に対して積極的に働きかけを行ってまいります。 次に、県全体で偏りなく障害者スポーツを楽しめる体制整備等についての御質問にお答えいたします。 障害者スポーツは、障害のある方の健康増進や生きがいづくり、社会参加の促進の面で大きな効果があるほか、障害に対する理解を深める効果もあると認識しております。しかしながら、各障害者スポーツ団体が仙台医療圏に集中していることから、県内各地域における障害者スポーツの普及拡大が課題となっております。そのため県では、障害者スポーツに関する知識・技能を有する指導員やボランティアの養成や派遣などを行っているところであります。今後も、市町村や県障害者スポーツ協会などと連携し、指導員等の増加を図るとともに、スポーツ体験のイベントを県内各地で開催するなど、障害のある方が気軽にスポーツに参加できるように取り組んでまいります。 次に、地方で障害者スポーツを広める企画についての御質問にお答えいたします。 交通手段等の制限のある障害者がスポーツに親しむ機会を創出できるよう、地域においてスポーツ活動に参加しやすい環境整備が必要と考えております。県では、障害者スポーツの普及のため、県障がい者福祉協会を通じ、活動団体等からの要請に応じて、各種スポーツ大会や体験会などの指導や支援を行っているほか、県内の支援学校や障害者施設などを訪問し、障害者スポーツを体験する巡回指導教室を実施するなど、障害のある方が身近な地域でスポーツに参加できるよう取り組んでおります。県といたしましては、県内各地でのスポーツ普及に引き続き取り組み、障害者の参加を促進してまいります。 次に、大綱四点目、加速器産業の振興についての御質問にお答えいたします。 初めに、ILCについてのお尋ねにお答えいたします。 ILCの誘致実現は、国際的な協力関係の下、世界各国から研究者が集まり最先端の研究が行われることにより、技術革新や人材育成が図られるほか、地域に対する経済効果や雇用創出など、様々な面で大きな波及効果が期待され、東北、そして我が国の未来を切り開くプロジェクトになるものと考えております。県ではこれまでも、東北ILC推進協議会や岩手県等の関係団体と密に連携し、国への要望活動や誘致に向けた機運醸成に取り組んでおり、また、全国知事会としても、ILCの国内への誘致に向けて、国として国際的な議論を積極的に主導するよう、継続して要望しております。県といたしましては、引き続き、県議会の皆様のお力添えも頂きながら、全国知事会と連携して、ILCの誘致実現に向け、国に働きかけてまいります。 次に、次世代放射光施設ナノテラスについての御質問にお答えいたします。 ナノテラスの整備は、一般財団法人光科学イノベーションセンターにおいて行われており、その費用は、利用企業からのコアリション加入金及び地域パートナーからの各種支援等により賄われることとなっております。既に、県においては、同財団に対して、ナノテラスの整備が円滑に進むよう、四十億円の補助金を交付しているところであります。ナノテラスは、今年四月の運用開始に向けて順調に施設整備が進められておりますが、長期的な安定運営のためには、更なるコアリションメンバーの獲得による産業利用の促進が必要不可欠であります。県といたしましては、今年度からナノテラスを利用する企業向けにオフィス等の賃料補助を実施するほか、来年度からはコアリション加入企業を対象とした立地奨励金制度を予算化するなど、引き続き、更なるコアリションメンバーの獲得による安定運営に寄与してまいりたいと考えております。ナノテラスが宮城、東北、日本全体の新たなイノベーション創出の拠点となるよう、地域パートナーとともに取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 企画部長武者光明君。 〔企画部長 武者光明君登壇〕
◎企画部長(武者光明君) 大綱三点目、スポーツ振興についての御質問のうち、人材バンクへの登録についてのお尋ねにお答えいたします。 部活動の地域移行については、指導者の確保が大きな課題であると認識しております。県ではこれまで、新たな指導者の掘り起こしのために、市町村をはじめスポーツ・文化芸術関係団体や企業に対して協力を依頼するとともに、人材バンクの開設についての説明を行ってきており、昨日現在で九十五名の方に登録いただいております。この人材バンクに登録いただいた方のマッチングに当たっては、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格取得者、教員免許保持者、県の研修を受けた方、その他の指導者資格保有者を条件としております。県としましては、指導者の資質向上を図るため、一昨日に指導者研修会を実施し、百六名の方に参加いただいておりますが、地域クラブの指導者については、公認資格を取得していることが一番望ましいと考えているところであります。このようなことから、指導者の方に対して資格取得の働きかけを引き続き行うとともに、教育委員会と連携し、資格取得のための支援について他の自治体の事例を参考にしながら、どういったことができるかを考えてまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 経済商工観光部長梶村和秀君。 〔経済商工観光部長 梶村和秀君登壇〕
◎経済商工観光部長(梶村和秀君) 大綱二点目、農林水産振興についての御質問のうち、育成就労制度に係る情報交換と企業への情報提供についてのお尋ねにお答えいたします。 今般、新たに制定が予定されている育成就労制度については、転籍の在り方や監理団体の許可基準が現行の技能実習制度から大きく変更されることとなっており、県内企業においても不安を感じているところも多いと認識しております。このことから、今国会で議論されると伺っている育成就労制度の具体的な内容の理解促進を図るため、県においては、県内企業に対するセミナーや個別企業訪問に加え、来年度は専任コーディネーターによるアフターフォローも徹底してまいります。また、外国人材活用の検討から採用・育成・定着に至るまでの相談をワンストップで実施する外国人材相談窓口も設置することとしており、これらの事業を通して、企業に寄り添った支援をしっかりと行ってまいります。 次に、外国人材の受入れに係る学びの実践についての御質問にお答えいたします。 今後、我が国における外国人の比率が高まっていくことが確実視される中で、日本人の学生が外国人材の実際の就労環境を体験し、生の声を聞くことなどが大変重要であると考えております。これまで県では、東北大学全学教育科目、インクルージョン社会において、多文化共生や外国人材に係る講義を行うなど、次世代を担う学生から、県の外国人施策について意見を伺ってきたところでございます。このような取組に加え、県内の監理団体や外国人を受け入れている企業を実際に訪問しフィールドワークを行うことは、学生が具体的なノウハウを蓄積し、外国人材との共生社会を構築する上でも有効であることから、大学等からそのような御提案を頂いた際には、県が持っているネットワークを活用し、学びを実践する機会の創出に最大限協力してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 農政部長橋本和博君。 〔農政部長 橋本和博君登壇〕
◎農政部長(橋本和博君) 大綱二点目、農林水産振興についての御質問のうち、営農型太陽光発電の取組についてのお尋ねにお答えいたします。 営農型太陽光発電は、作物の販売収入に加え、売電による収入や発電電力の自家利用による農業経営の更なる改善等が期待できる取組であると認識しております。県内では、令和三年度末までに約二十八ヘクタールの農地で太陽光発電が行われておりますが、営農に当たっては、日照不足による作物の生育障害が見られるなどの課題も生じております。県といたしましては、優良農地の確保に努めることを基本としながら、農業者の収益向上と農業農村の振興につながるよう、関係機関と連携しながら、営農型太陽光発電の活用を支援してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 水産林政部長吉田信幸君。 〔水産林政部長 吉田信幸君登壇〕
◎水産林政部長(吉田信幸君) 大綱二点目、農林水産振興についての御質問のうち、高温耐性の魚種への品種改良に向けた、民間企業との共同研究についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県のギンザケ養殖は、海水温上昇に伴い養殖期間が短くなっており、今後の養殖振興を図る上で、高水温に耐性を持つ品種への改良は有効な対策になるものと認識しております。県においては、これまで、養殖期間の短縮に対応するための高成長ギンザケの作出などに取り組んでおりますが、民間企業等では、ゲノム編集などの新しい技術を応用し、高温耐性を有する魚類養殖の研究が進められていることから、現在、ギンザケ養殖について、そのような技術を持つ企業と情報交換を行っております。県といたしましては、引き続き、大学や研究機関を含めて幅広く情報収集を行うとともに、民間企業との共同研究も視野に入れながら、県内の主要養殖種であるギンザケ養殖の安定生産に向けて取り組んでまいります。 次に、後継者の育成等についての御質問にお答えいたします。 我が県の漁業就業者数は、後継者不足や高齢化により急激に減少しており、持続的な漁業経営を図る上では、経営基盤強化に向けた協業化等も推進しながら、後継者の育成と労働力の確保を進めることが必要であると認識しております。このため県では、漁業就業に係るワンストップ相談窓口の開設や、みやぎ漁師カレッジ研修などにより、新規就業者の確保に努めるとともに、法人化・協業化に向けて、専門家の派遣や勉強会の開催などを行っております。また、国では、複数の漁業者が共同で養殖施設等を整備する場合に対応した補助制度を設けており、その活用などを通じて、協業化の取組を支援しているところです。県といたしましては、引き続き、このような取組を推進するとともに、各地域に配置した水産業普及指導員を中心として現場のニーズを把握しながら、漁業経営体の基盤強化につながる協業化・法人化等について積極的にアドバイスを行うなど、本県漁業を担う人材の確保、漁業経営の安定化に向けてしっかりと取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 教育委員会教育長佐藤靖彦君。 〔教育委員会教育長 佐藤靖彦君登壇〕
◎教育委員会教育長(佐藤靖彦君) 大綱一点目、宮城県の諸課題についての御質問のうち、他機関との連携による支援を受けていない児童生徒への対応等についてのお尋ねにお答えいたします。 宮城県内の仙台市を除く市町村立学校で、学校に登校していない児童生徒三千五百二十九人のうち、他機関との連携による支援を受けていない児童生徒は約三割おりますが、これらの児童生徒に対しても、学校での別室支援や家庭訪問等により学校が支援に当たっており、支援が届いていない児童生徒は約四%となっております。県教育委員会といたしましては、こうした児童生徒に対して、市町村教育委員会が設置する教育支援センターが中核となって、学校、関係機関、フリースクール等民間施設が連携し、個に応じたアプローチの方法を検討するなど、適切な支援につなげられるよう、市町村教育委員会と連携して取り組んでまいります。また、気力が湧かないという理由については、勉強への不安や友達関係の悩みのほか、学校の雰囲気になじめないなどにより、登校に意欲が持てないという状況になっているものと捉えております。県教育委員会では、学習内容や学び方を選択しながら自ら学ぶ授業への改善や、友達と関わりながら楽しく取り組める活動の充実を図るほか、子供たちの声を聞きながら、学校運営の改善を図るなど、魅力ある、行きたくなる学校づくりを推進してまいります。 次に、国の不登校・いじめ緊急対策パッケージは多くの事業で構成されているが、県はどのように取り組むのかについての御質問にお答えいたします。 教室で過ごすことに不安を抱える児童生徒については、学校内及び学校外の両面から支援していくことが重要であると認識しております。県教育委員会としましては、国の不登校・いじめ緊急対策パッケージを受け、不登校児童生徒全ての学びの場の確保のため、学校内での学び支援教室の拡充や、学校外でのみやぎ子どもの心のケアハウスの教育支援センターとしての機能強化を図っていくほか、心の小さなSOSの早期発見のため、来年度から、新たに県立高校において心の健康観察相談システムをモデル的に導入するなどの取組を進めることとしております。今後も児童生徒が安心して学ぶことができるよう、COCOLOプランの趣旨を踏まえ、国の制度も活用しながら、市町村教育委員会と連携して取り組んでまいります。 次に、フリースクール等へ市町村と連携し支援すべきとの御質問にお答えいたします。 学校に登校していない子供への支援については、個々の児童生徒の状況に応じた多様な教育機会を提供することが重要であり、フリースクールやNPO団体等の民間施設もその役割を担っていると認識しております。県教育委員会では、市町村の実情に応じた支援ができるよう、みやぎ子どもの心のケアハウス運営支援事業において、市町村教育委員会が設置する教育支援センターの機能を民間団体に委託可能とするほか、教育支援センターの支援員をフリースクール等民間施設に派遣し、学校に登校していない児童生徒の状況に応じた支援を可能とするなど、柔軟な運用に努めているところです。児童生徒の学びの場の確保や支援体制の整備については、地域の実情によって異なることから、県教育委員会としましては、各市町村教育委員会における児童生徒支援についての方針を確認しながら、関係部局とも連携し、学校に登校していない児童生徒が社会的自立を図っていけるよう、引き続き市町村教育委員会を支援してまいります。 以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 四十八番守屋守武君。
◆四十八番(守屋守武君) ありがとうございました。四病院再編、大変大きな課題だというふうに思いますが、私たち地方から見ますと、実は医療と教育が整っていないと若い人がなかなか返ってこないということがございまして、そういった、その二次医療圏を包括するような、やはりシステムが必要だし、医師の配置も必要なのだろうと思いますから、そこのところはしっかりと対応いただきたいというふうに思います。 また、宿泊税につきましては、実は国のほうでは、県とか市町村の課税競争争いになってはいかんよということを一番警戒していたわけですね。そういった観点から行きますと、今、仙台市と宮城県、ここがしっかりと連携していただかないと、それこそ荒れた海には漁がないということになると、どこにもいいことにはならないんですね。ここの観点をもう一度確認させてください。
○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) まず、私と郡市長の間でしっかり協議をして、できれば同じタイミングの議会に提案しましょうということを決めまして、その後、池田副知事と仙台市の藤本副市長の間で今具体的なものを詰めながら、そして細かい作業は担当者を通してやらせていただいているということであります。六月議会以降に出せるように、仙台市もまだ最終的に詰めきっていない部分がございます。県は三百円というお金を決めて、仙台市は二百円と決めておりますので、その辺についてどのような形ですり合わせていくのか、また、仙台市内の分については誰が責任を持って徴収するのかといったような最後の詰めを今やっているところでございます。
○議長(高橋伸二君) 四十八番守屋守武君。
◆四十八番(守屋守武君) 宿泊税の在り方が課税競争にならないようにというのは、地方は地方の政策を打ちたいんだと。だから地方でもかけたいのだけども、県がやるのであれば、地方にもその分しっかり目配りをしてほしいという、その観点がないとなかなか理解いただけないということです。今、圏域会議の中でそちらのほうをやっていくということでありますから、そこのところはそういう形に期待したいというふうに思います。 不登校対策でありますが、本当に学校が物すごい仕事量になるのではないかと思っていて、こういったところのシステムがもう少し何か必要なのではないかというふうに思っているところであります。なかなかびっくりするのは、やはりその子供が小学校低学年なんかだと、行きたくないと言ったときに、親は行かなくてもいいと言う、これは積極的不登校とか選択的不登校と言われていて、こういったことの境ですね。行かせることで非常に大きな負担になる場合と、例えばそうではなくて、今日の気分がよくないから行きたくないと言ったことがそのまま継続してしまうという、この見極めというのはそれぞれの家庭大変だと思うんですよ。こういった点について、教育長どのようにお考えでしょうか。
○議長(高橋伸二君) 教育委員会教育長佐藤靖彦君。
◎教育委員会教育長(佐藤靖彦君) 不登校の児童生徒の出現率が増加していくことについては、不登校への理解が深まった部分と、保護者の登校に対する意識の変化が見られるというところはございます。また、
新型コロナウイルス感染症の影響がありまして、児童生徒の生活リズムが乱れやすい状況が続いたことや、学校生活において様々な制限がある中で交友関係を築くことが難しかったことなどが、登校する意欲が湧きにくい状況にあったということも背景にあるというふうに感じているところでございます。県教育委員会といたしましては、学校に行けなくなることはどの児童生徒にも起こり得ることであるということで、登校していないということだけで問題行動であると受け取られないように配慮しながら、児童生徒の最善の利益を最優先に考え支援を行うことが重要であると考えているところでございます。
○議長(高橋伸二君) 四十八番守屋守武君。
◆四十八番(守屋守武君) 部活動の地域移行というのは、今、地方が大変な状況にあるときに、一つの活性化、地方創生の目玉になると実は思っているんですね。大変だ大変だと言ってやっていない、取り組む角度が違っているんだというふうに思います。そういったところを見直してやっていく必要があるし、人材も、教員は例えば行った学校に自分がやりたいクラブがない人、こういう人はどうやって活用するのと。ほかの学校に行って指導できるのかとかね、こういう弾力性が必要だと思いますから、そういったことをしっかり考えていただきたいというふうに思います。 水産でありますけど、大変な被害が出ました。サポート資金とか災害対応資金、ありがとうございます。これ、早急に対応してください。来年に向けて、やはり地域の生産者は、このしけで今ワカメのほうもなかなか早く切り上がるのではないかと言われています。今までにない、私たちのところの、沖の海水温も十度を下回らないという、こんなことは今までなかったということなんですね。ですから、これからまだまだそういった部分では被害が出てくるのだろうというふうに思いますので、ここのところは地域の実情に応じてしっかりと対応いただきたいと思います。 ILCは、せっかく知事会の会長でありますから、しっかりとお願いしたいというふうに思いますし、ナノテラスであります、コアリションメンバー、これをしっかり獲得していくことが大事だと思いますので、その辺のところは、いま一度お伺いしておきます。
○議長(高橋伸二君) 経済商工観光部長梶村和秀君。
◎経済商工観光部長(梶村和秀君) 議員御指摘のとおり、ナノテラスにつきましては、財団はもとより、地域のパートナーであります東北経済連合会、それから仙台市、東北大学とともに、まずは状況の認識を共有しております。それから、認識の共有もしておりまして、トップ級会談としまして定期的に池田副知事もその会談に出ておりまして、状況を把握しながら必要な支援を今後とも行ってまいりたいと考えてございます。
○議長(高橋伸二君) 四十八番守屋守武君。
◆四十八番(守屋守武君) この加速器産業というのは、やはり東北に大きな転機をもたらすもの、半導体と一緒にね。だからそこをきっちりやってほしいのだけど、疑問点があるから質問しました。知事どうですか。
○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) まずILCにつきましては、岩手県の北上山地にトンネルを掘ってというものであります。一期生の方たち、ちょっと初めて聞いて具体的に分からないかもしれないですけれども、要は研究施設で、電子と陽電子ですかね、ぶつけて、それによってヒッグス粒子というものが発生する、それを調べると。ヒッグス粒子というのは宇宙の一番始まりのときに出ていたものであって、それを調べるということです。つまり宇宙の始まりを調べる研究施設ということです。宇宙を調べようと思うと、宇宙の果てまで飛んでいくか目で見るかしかないのですけれども、それだと宇宙というものが分からないということで、ヒッグス粒子を人工的に生み出すというものだそうであります。もしかすると、それに更にダークマターと言われる今まで知られていない物質が分かるかもしれないということでありますから、宇宙科学、この宇宙がどうやって生まれたかを調べるためには本当に非常に重要な施設だというふうに思います。それを中国も造りたいというふうに考えているので、科学技術を考えると、やはり日本で造って研究施設として世界中の研究者が集まってくるような地域にしたいという考え方であります。私も大賛成でございまして、知事会としても、岩手県の知事を中心にではありますけれども、しっかりとサポートさせていただきたいというふうに思っております。 それから、放射光施設についてはまた全然違うものであって、物体の性質を調べるというものであります。これは強くしたX線を当てて調べるものでありまして、これは物質科学、物を調べるのには最適な研究施設であります。今まで、三GeVの--三ギガエレクトロンボルトというエネルギー体のものがありませんでしたので、調べるエネルギー体がありませんでしたので、そういう意味では、物質等調べる意味で非常に有意義な施設だろうというふうに思っております。残念なのは、先ほど守屋議員が御指摘のとおり、コアリションメンバーのお金を集めて運用していくということなんですけど、それが思ったよりなかなか集まっていないと。つまり資金ショートする可能性が出てきているということであります。先ほど部長が答弁したように、これは宮城県だけが誘致したものではなくて、東北大学も、そして科学技術イノベーションというところが財団でやっていて、東北大学と東経連と県と仙台市がサポートしているということでございますから、全て県が責任を負うということはできませんけれども、みんなで力を合わせてコアリションメンバーをまず集めていくということであります。先般も一つ企業をみんなで、県職員の力を合わせて集めてきました。協力してもらうことになりました。誰か任せではなくてみんなで力を合わせて、とにかく資金ショートしないように、サポートしていきたいというふうに思っております。
○議長(高橋伸二君) 四十八番守屋守武君。
◆四十八番(守屋守武君) 最後になりますけれども、フリースクールが子供たちの受皿になっております。ここの財政支援、しっかりとお願いをしまして、質問を終わります。
○議長(高橋伸二君) 暫時休憩いたします。 午前十一時三十五分休憩
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○副議長(本木忠一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。四十三番坂下賢君。 〔四十三番 坂下 賢君登壇〕
◆四十三番(坂下賢君) まず質問に先立ちまして、さきの能登半島地震において犠牲になられました皆様に哀悼の意をささげたいと思います。そして、被災した皆様にもお見舞いを申し上げたいと思います。 それでは、通告に従いまして、質問を始めます。 まず、災害対策の徹底と強化について。 令和六年新年の幕開けに、北陸、能登半島においてマグニチュード六、最大震度七を記録する大地震が発生し、大きな被害が生じております。気象庁の発表によると、震源の深さは約十六キロで、揺れは阪神淡路地震に匹敵するほどとの見解が示されております。特に被害が甚大だった石川県珠洲市や輪島市、七尾市、穴水町などをはじめ、複数の市町で現時点において関連死を含め、計二百四十名もの犠牲者が確認され、いまだ行方不明者の捜索が行われております。また、輪島市では、観光地でもある輪島市朝市周辺で震災の影響による火災が発生し、二百棟以上、約四千平米が消失するなど、火災による被害が生じております。輪島市の場合、木造住宅が密集しており、地震直後で水の確保困難などにより、初期消火が遅れたため拡大したとの見方が指摘されております。更に各地において津波も観測されており、地震発生直後に珠洲市や七尾町では、四メートル超え、その他、県外の富山県富山市や新潟県上越市においても津波の痕跡が確認されております。津波の原因については、専門家からは、富山湾の海底で斜面の一部が四十メートルにわたって崩壊したことが、海上保安庁の調査で確認されており、そのことが原因ではないかとの可能性を示唆しております。東日本大震災との大きな違いは、犠牲者の多くが津波よりも建物の倒壊による圧死や窒息死であることが分かっておりますが、被災地では、住宅被害は二万千四百十一棟で約三五%が倒壊の危機にあります。特に被害の大きかった石川県珠洲市や輪島市、能登町の二市一町では、高齢化により住宅の耐震化が進んでおらず、耐震基準強化前の住宅が六割だったことが国交省の取りまとめで分かっております。我が県では、全国平均八七%を上回る九二%が耐震性を有しておりますが、特に年配の一人暮らし世帯など、今後更に進めていく必要があり、そのための調査の徹底や周知、補助制度充実など施策が急務と考えますがいかがでしょうか。 あわせて、倒壊の危険のあるブロック塀の改善・撤去について、我が県はスクールゾーンにおいて比較的早くに取り組んできたところですが、今後の推進策について伺います。 更に石川県輪島市や珠洲市をはじめ、能登海岸各地で液状化により最大四メートルの隆起が見られることが確認され、岸壁付近が陸地化する、または水深が浅くなり漁船が接岸あるいは出航できないなどの被害が、石川、富山、新潟三県で計七十一漁港に発生し、漁船の転覆や沈没、座礁・流出など、漁船被害は約百七十隻に及び、福井県を含めて四県に及んでおります。東日本大震災の際にも、我が県では漁港や漁場、漁船、水産加工施設など甚大な被害が生じており、震災を契機として水産業から離れる関係者も多数おりました。その間、失った販路の回復・開拓、福島第一原発事故による風評被害対策など、関係者の並々ならぬ努力があったことは言うまでもありませんし、全国から漁船の無償提供などをはじめとする、絶大な支援があったことは忘れてはなりません。そして、震災から十三年かけてようやく震災前の漁獲量・金額の水準まで戻すことができたのは、単なる復旧にとどまらない、震災に強い施設や新たな取組や人材育成などをつくり出すことが肝要と思いますが、県はこれまでどう取り組み、実践してきたのでしょうか、お答えください。 当時知事は、県内漁港の集約化を打ち出しましたが、漁業関係者からの猛反発もあり、実現しませんでした。また、漁業関係者から、浜の分断を招くなど反対の声の大きかった水産業復興特区について、知事の強引とも感じられた手法で導入されたものの、結局、桃浦の一社のみで、それに続く参入の動きはありませんでした。私はそのことからも、災害に強い漁港施設づくりや漁場の確保、粘り強い漁業復活への関係者一丸となった取組こそが、功を奏したものと思いますが、所感をお聞かせください。 また、こうした経験を能登半島地震の被災県や水産・漁業関係者にも伝えていくことは、日本の水産業にとっても非常に重要と思いますが、県の考え方をお聞かせください。 北陸電力志賀原発では、一号機、二号機ともに変圧器に亀裂が入り、油が漏れ外部電源の一部が使えなくなるなどの被害がありました。その時点では、放射能漏れなど確認はされなかったようですが、その後、一号機の非常用ディーゼル発電機を試運転したところ、その一つが自動停止するなどの不具合が生じております。また、能登半島北部にある海底活断層の連動が北陸電力では合わせて九十六キロとしていたものが、今回の能登半島地震では百五十キロと想定をはるかに上回る結果となりました。原子力規制委員会では、今回の地震を受け、震源の活断層について確定するには、年単位でかかり、審査はそれ以上かかる、と審査の長期化を指摘する結果となりました。また、志賀原発で重大な事故が発生した場合の避難ルートの十一路線中、七路線が通行止めになるなどの問題も生じております。原子力規制委員会では、先月十七日に行われた第五十九回の会議において委員から、能登半島地震の状態から今までの指針は複合災害の想定が足りないなどの意見が出され、原発事故の際の屋内退避の在り方について再検討する方針を示しました。女川原発二号機は、本年五月の再稼働予定を、追加工事のために数か月延期するとしており、昨日、再稼働を九月に想定しているということが発表されましたけれど、規制委員会の再検討時期、内容、また、複合災害を想定した県や市、町の避難計画改定、避難道路の整備などの勘案の上、県民理解が得られるまで二号機の再稼働について、当面の間、見合せ凍結すべきと思いますが、知事の考えをお聞かせください。 被災地では、現在、孤立集落は解消されたようですが、能登半島の地形上道路は寸断され渋滞も深刻であり、復旧作業車両や支援物資の配送もままならない状況であり、かつまた、大雪や降雨による二次災害の危険もあり、復旧や救出作業も思うように進まなかったとのことであり、大災害発生直後の特に最優先の人命救助など、初動体制の構築の難しさが浮き彫りとなりましたが、東日本大震災発災を経験した我が県として、災害の種類にもよりますが、まず学んだことは、できるだけ自分の身は自分で守る、津波の危険が報じられれば、海岸付近には近づかず高いところへすぐ逃げる、などがまず一番と思いますが、テレビのアナウンサーも、海に近づかず高いところへ避難して、と繰り返していたのが印象的でしたが、知事は、最大の被災県として、震災直後何をすべきか全国へどのようなメッセージを発信するのでしょうか、お聞かせください。 能登半島地震による避難者は、当初三万人超えと言われておりましたが、震災から約五十日たった現在でも、なお二次避難を含め一万四千人超えと言われております。このうちホテルや旅館に避難している被災者は約五千人ですが、いつまでいれるのか分からずに不安な日々を過ごしている方も多いと聞きます。また、在宅避難者については、いまだ把握しきれていない現状であります。被災地での仮設住宅への入居は始まっているようですが、仮設住宅やみなし仮設、公営住宅、自宅へ戻るなどの選択を迫られる中、まだまだその整備が追いついていないのが実情です。避難所においても、水道などライフラインが未復旧で、トイレの不足など衛生面に問題があるなどにより、
新型コロナウイルス感染症や感染性胃腸炎拡大を引き起こすなど、問題が発生しております。また、寒さで体調不良を訴える避難者も出始めており、その対策は急務であります。我が県では、宮城県十戸、石巻市十一戸、仙台市十戸など、計百四十七戸の公営住宅を用意しておりますが、一時的な被災者の受入れ及びスムーズな住宅提供体制について、現在はどうなっているのでしょうか、お答えください。 これまで我が県や県内市町村からも、ステージに応じてその都度、情報連絡員はじめ物資拠点支援業務、避難所運営支援業務、住家被害認定調査業務などに行政職員などを派遣、また、保健師、医師、看護師など医療スタッフの派遣が行われており、被災地の初動体制立ち上げや被災者の健康維持に貢献しております。まだまだインフラ整備が十分でなく、交通渋滞を招く、救急車両の妨げになる、仕分など人手が足りない、などを理由にボランティアの受入れは、事前登録したおよそ二万五千人、支援物資についても企業団体、自治体に限り、ある程度まとまった量でなど、まだまだ制限されているようでありますが、我が県においても、災害発生時の瓦礫や震災ごみの撤去、泥のかき出しや物資調達により復旧の進捗が進んだことで、ボランティアの存在や物資を調達できたことは有益であり、その体制整備は急務と考えます。災害ごみの処理も大きな課題となっており、輪島市や珠洲市、能登町や穴水町の能登半島北部二市二町での震災ごみの量は、通常の処理量の五十九年分と言われる、百五十一・三万トンで、石川県の災害ごみ量の約六割を占めております。石川県では二年間での処理完了を掲げており、県外での処理を極力要請しており、隣県の福井県で協力を表明しております。東日本大震災の際には、石巻市で五百三十八万トンもの災害ごみが発生し、およそ百年分の量と言われておりましたが、北九州市はじめ全国からの支援もあり、数年で処理できたという実績もあり、アドバイスすべきことも多々あると思いますが、いかがでしょうか。 特に東日本大震災を経験し、最大の被災地とも言われ、日本中、そして世界各国から支援を受け、いまだ道半ばとはいえ、復旧・復興を着実に進めてきた我が県の役割は大きいと思います。知事の能登半島地震の復旧・復興に対する我が県の使命、役割や取り組む姿勢、決意についてお聞かせください。 政府の地震調査委員会では、今年になってから、今後三十年以内に予測される大地震について発生確率を更新し発表しました。昨年まで三十年以内に宮城県沖で発生するマグニチュード七・四クラスの地震の発生確率を七〇から八〇%としていたものを、七〇から九〇%に引上げております。同時に十年以内でゼロから二〇%、二十年以内で八から三〇%と引上げられ、四十年以内は九〇%と変わらずの予測でしたが、改めてこの発生確率の高さに対して畏怖の念を抱かずにはいられません。宮城県では昨年十一月に最新の津波浸水想定や第五次地震被害想定調査の結果を盛り込み、東北地方太平洋沖地震でマグニチュード九とした場合、震度六強及び最大津波高二十二メートルで、県内死者数最大で約五千五百人、そのうち津波死者数約五千三百人を想定し、今後十年で死者数八割減を目標とするなど、地域防災計画、地震災害対策編・津波災害対策編・風水害等災害対策編に加え、原子力災害対策編それぞれに訂正を行っており、多様な主体と連携した被災者支援や、県内に大規模な被害をもたらす地震の想定、被害の予測、減災目標の設定などについて修正がされております。これまで東日本大震災を経てからも震度六弱・強を記録する地震の頻発、台風十九号や令和四年の大雨による出来川や名蓋川をはじめとする風水害及び土砂災害の発生など、我が県では非常に大きな災害が頻発しております。今後三十年以内に高い確率で発生すると言われる大地震災害について、原子力災害や津波浸水想定を含めた複合的な災害発生についての被害想定や、避難シミュレーションなど必要と思いますが、いかがでしょうか。 我が県は、創造的復興の名のもとに、防潮堤や高台移転など大型土木事業に特化した復興に終始したとする声もありますが、自助・公助・共助の考え方を基本としつつ、原子力災害を含んだあらゆる災害に対応した避難計画確立とともに、減災という理念を盛り込んだ、複合災害に対応した防災計画の策定が急務と思いますが、いかがでしょうか。 県が進める仙台医療圏四病院の統合再編は、二つの組合せのうち、仙台赤十字病院と県立がんセンターを名取市内に統合再編する計画について、県、日本赤十字社、県立病院機構との間で、昨年十二月二十二日に基本合意が交わされております。合意内容によれば、新病院は日本赤十字社が主体となって運営すること、病床規模は四百床程度とすること、令和十年度中の開院をめどとすることなどが盛り込まれ、主な機能として、救急医療、周産期医療、がん医療、災害医療、新興感染症対応などが明記されております。知事は基本合意締結について、病院再編に向けて大きな一歩を踏み出したとし、今後協議で決まったことは、どんどん説明できるようになると発言しております。この基本合意締結に先立ち県では十七日に太白区八木山地区において、また、締結の翌日には青葉区台原地区でそれぞれ説明会を開始しております。知事は基本合意について、同月十七日の説明会の前から決まっていたとする旨の発言をしておりますが、であれば、なぜ説明会の際にそのことについて触れなかったのでしょうか。後日の県の説明では、基本合意締結の前日に県立病院機構の理事会があり、発表できる段階でなかったとの説明をしておりますが、知事との認識と差異があるのではないでしょうか、お答えください。 同月二十三日の説明会においても、そのことを問題とする声が上がっておりましたが、県の明確な説明はなく、ガス抜きやアリバイづくりのための説明会の開催ではないか、などの県民の不信を招く結果となっております。知事は、病院がなくなる地元の人から厳しい意見が出るのは当然とし、今後も説明会を重ねて理解を深めたいとしておりますが、初めから地元住民に対して、不誠実と取られかねない内容では理解を得ることは難しいと思いますが、いかがでしょうか。 本年一月二十六日の説明会において、知事自身の出席を求める声も上がっておりますが、改めてお聞きいたしますが、知事も自らが説明会に出席し、住民や関係者からの生の声をしっかりと聞いた上で、賢明なる判断をしていくことが重要と思いますが、知事の考えをお聞かせください。 赤十字病院と県立がんセンターの統合再編により、県立がんセンターががん診療連携拠点病院として、これまで担ってきた機能について、東北大学と補完・連携を強め、他のがん診療連携拠点病院とともに、県内のがん政策において必要な機能を維持するとしておりますが、これまで県立がんセンターが有してきた、発がん制御研究部、がん先進治療開発研究部、がん薬物療法研究部、がん幹細胞研究部、がん疫学・予防研究部の五つの研究部が活動しており、今年に入ってからも、薬物療法研究部による神経内分泌がんに関する研究論文がNature Communications誌、Editors Highlights in Cancer、エディターが選ぶがん研究分野の重要論文に選出されるなどはじめ、高度ながん治療に対する研究が行われておりますが、今後、新病院の設置が実現した場合、東北大学にどう集約していくのでしょうか。我が県の先進的ながん治療や研究が後退することが危惧されますが、知事の所見をお聞かせください。 本年一月十六日に国から、仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合について基本合意に達したとのことで、重点支援区域に選定されましたが、選定に当たっての条件として、関係自治体に丁寧に説明を行い理解を得ること、影響を受ける地域住民に丁寧に説明を行い理解を得ることの二点が課せられました。これに対して郡仙台市長は、国が重点支援区域を条件付で選定した前例はなく、県の丁寧さを欠くプロセスに疑問を抱いたのではと発言しましたが、こうした条件がついたことに対して所感があればお聞かせください。 また、仙台市のほうから県に対して、再編後の影響などを踏まえた救急医療体制の在り方など十二項目について協議を始めるよう申入れし、県も受け入れる考えを示しております。今後の協議について、スケジュールや村井知事と郡市長のトップ同士の会談などあるのかお示しください。 更に、国から課せられた条件をクリアするためにどう進めていくのかお聞かせください。 赤十字側によれば、病床数については全て急性期で四百床程度としており、医師を百二十から百三十人確保、診療科は三十一科程度とし、希少がんについては特に東北大と連携するなどの考えを示しております。現在病床数は赤十字病院で三百八十九床、県立がんセンターが三百八十三床で計七百七十二床であり、病床稼働率については、ここ数年間の平均で六〇から七〇%となっております。急性期病床については、過剰と言われてはいるものの、半減とした理由についてお尋ねします。 令和五年四月一日現在、仙台赤十字病院には五百四十五名、県立がんセンターには五百二十八名の職員が働いていますが、病床数が半減すれば当然職員にも相当数の余剰人員が出てしまい、職員の雇用に大きな影響が出てきますが、基本合意では職員の処遇について、医療機能に関する詳細な協議を踏まえ、職員の意向に配慮した上で、日本赤十字社・県・県立病院機構の三者で協議し決定との記載がされておりますが、具体にどのように進めていくのでしょうか。 今回の統合による新病院の建設費については約三百億円で、日赤が百億円、県が二百億円の負担が見込まれていることが県から示されております。県の二百億円のうち、半分は地域医療介護総合確保基金などからの支出とのことですが、重点支援区域に選定され条件を満たすと、地域医療介護総合確保基金の優先配分や病床機能再編支援事業、統合支援給付金支給事業などにより、国からの財政支援が受けられるとのことで、交付予定の二十六億円を基金に積むことが今定例会で提案されております。県は今後どの程度支援が得られると見込んでいるのでしょうか、お聞かせください。 また、四病院の統合再編について。病院職員からも根強い移転反対の声が上がっております。東北労災病院の労組による職員アンケートには、看護師中心に百八十一件の回答が寄せられ、そのうちの七四%が反対、勤務継続は六〇%の人が困難という結果が出ております。また精神医療センターに勤務する職員に対するアンケートでは二百十九名中百九十一名から回答が寄せられ、賛成は僅か二%で、反対は九〇%まで上り、富谷市に移転した場合は四割の人が退職すると答えております。両方のアンケート結果からは、富谷に移転したとしても継続勤務する職員が少数となり、医師や看護師はじめ人員を確保するのが相当困難であることが示されておりますが、いかがでしょうか。 県立精神医療センターの富谷への移転合築案については、これまで県からは名取の新病院に一日九十名程度、診療対応の精神科外来を設置する、最大百二十床規模の民間の精神病院を公募するなど二転三転しながら、いずれも頓挫・断念し、現在では富谷に本院、名取に分院を設置し、病床数について現行二百五十八床に対して、本院分院合わせて百七十床とし、一案、本院百二十床、分院五十床、二案、本院百四十五床、分院二十五床、三案、本院百十床、分院六十床として、分院の入院対応に差異をつけた三案を精神医療センターに提示しております。現場では人手と赤字を懸念しており、病床数の増加を県に対して要望しておりますが、協議はどの程度進んでいるのでしょうか。 労災病院と県精神医療センターの年度内基本合意締結を焦るあまり、現場を混乱させるようなことは、万に一つでもあってはならないと思いますがいかがでしょうか。 いろいろと述べてまいりましたが、いまだ四病院統合再編の機は熟していないのではないでしょうか。知事は、いま一度謙虚な姿勢で患者や地域住民、病院トップだけではない病院関係者、職員、医療現場にいる専門家の皆さんとも、胸襟を開いてじっくりと協議することが肝要と考えますが、所感をお聞かせください。 次に、東京アンテナショップ宮城ふるさとプラザについて伺います。 宮城県は、平成十七年に東京都豊島区池袋に開設し、十八年にわたって展開してきた、首都圏アンテナショップ宮城ふるさとプラザの閉店を決めました。令和五年一月に首都圏アンテナショップ在り方検討懇話会を立ち上げ、五回にわたって検討を重ね、今後の方針として、方向性一、現在の宮城ふるさとプラザを活用した販路拡大支援、方向性に、新たな情報発信・収集手法による顧客獲得支援の二つの案が示されております。懇話会においては、リアル販売、対面販売の重要性や、何らかの形でアンテナショップのような場が必要、人口減少が進み首都圏以外の大都市のみならず、地方都市を視野に入れた新規の顧客開拓が必要などの意見が出されたと伺っております。県ではこの二案を協議した結果、リアルとデジタル両面から、これまで以上に首都圏をターゲットとし、特に県産品との接点を増やす取組及び販売情報分析・活用スキル向上につながる事業に重点的に取り組むとし、現行の宮城ふるさとプラザの令和七年二月に期間満了となる賃貸契約を更新しない方針が示され、閉店とする方針が決定しました。この報道を受けて、県内外では常連客からは閉店を惜しむ声が上がっております。また、出品事業者からも、首都圏での販売拠点を失うと落胆の声も上がっております。開店以来、アンテナショップの運営を担ってきた公益社団法人宮城県物産振興協会では、会長名で、宮城県アンテナショップ宮城ふるさとプラザの「設置母体である宮城県の判断は、残念であるとしか言いようがありません。開設から十八年、延べ一千二百六十万人のお客様に御来店いただき、延べ八十億円にものぼるたくさんの県産品をお手に取っていただきました。その間に積み上げられた、お客様からの信頼、また生産者の方からの期待は計り知れないほどの価値があると考えています。」とした声明を寄せ、「県内の生産者を支え、共に成長してゆくため、またお客様や生産者の皆さまに支えていただいた財産を失うことなく引き継いでゆくため、私たちで後継の店舗を開設できないか、検討を進めているところです。」と結んでおります。また、こうした動きを受けて、店の常連客でもある、宮城が生んだ人気お笑い芸人コンビ、サンドウィッチマンの伊達みきおさんは、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組冒頭で閉店の話題を取り上げ、新人時代によく訪れたことを明かし、大変なショックと落胆の色を隠せずに、「天下の宮城がアンテナショップがないのは駄目ですよ」、「村井知事聴いているかな。誰もやんねえなら、俺がやろうかな」と発言し、相方の富澤さんもそれに賛同しております。知事は、このやり取りを知って、大変ありがたい申出とし、二人の所属事務所にどこまで本気なのか確認するよう職員に指示を出したそうですが、会見の席で、「もしやっていただけるのなら、お金以外の支援は全力でさせていただきたいと思う」と発言しております。私は、このやり取りを聞いて、非常に寂しさを感じてしまいました。幾ら超がつくほどの人気芸人の伊達さんの発言であったとしても、民間人、あるいは個人の方がここまで宮城を思い、アンテナショップを愛する気持ちがひしひしと伝わってくるのに対して、お金は出さないとした知事の発言には大きな違和感を覚えてしまいます。知事は、費用対効果を持ち出し、県の年間経費一億三千万円に対して、県の収入は一千万円だとすれば、残りの一億二千万円を、有効な形で使ったほうが効果的としておりますが、常設でない一過性の物産展などのイベントやコンビニなどの一角を借りた販売方式で、どの程度の効果が認められるのでしょうか。 実際に商品を手に取り、試食することなどができないECやネット販売などで、どこまで宮城県の特産品をアピールし拡販できるのでしょうか。 宮城ふるさとプラザを通して培ってきた豊島区との友好関係を、今後どう維持し再構築していくのでしょうか。 知事は、コロナ禍により取り下げていた宿泊税について、六月議会以降に再度上程したい旨の発言をしております。提案前ですので賛否についてはまだ何とも言えませんが、この宿泊税の使途として、県産品をアピールし宮城県内への宿泊を促す目的として、物産振興協会を中心として賛同してくれる個人・団体などを募り、新たなアンテナショップを立ち上げるように促し、県も宿泊税を財源として財政支援するなどの考えはないのか、知事の英断を求めますが、いかがですか。 次に、県の教育行政について伺います。 宮城県教育委員会では、県立高校に勤務していた三十代女性教師が上司の男性教諭からパワハラを受けたことで、令和二年十月に自死していたことを明らかにしました。男性教諭は、令和二年六月に他の職員がいる前で業務の内容について、当該職員に執拗に追い詰めるような態様で問い詰め、その後メモで両者間の業務上の伝達を行うこととなったものの、男性教諭が女性教諭に対して不満をぶつけるような手紙を女性教諭の机の上に置いたことから、管理職の指導によりメモを出すことを禁じられました。しかしながら男性教諭はメモを継続し、そのメモには女性教諭を非難する内容も含まれ、業務から排除する内容を記した手紙を女性教諭の机の上に置くなど、こうした一連の行為により女性教諭を精神的不安定にさせ、その後女性教諭が自死したとするものです。県教委は、こうした男性教諭の一連の行為に対して、パワハラがあったと認定し停職三か月の懲戒処分を下しました。 そこでまず伺いますが、県教委がパワハラを認定し処分するまで三年数か月が経過しておりますが、なぜここまで時間がかかったのでしょうか。 また当時、女性教諭から管理職に対して何度も相談があったと伺っておりますが、どのような対応がされたのでしょうか。 また、パワハラ行為があったかどうかについて、どの時点で調査を開始したのでしょうか。 教育長はマスコミの取材に対して、御遺族に心からおわび申し上げる。パワハラは決して許されない行為。個人間ではなく、学校全体の問題として組織的に対応すべきだったとコメントしております。県教委の教職員に対する懲戒処分原案の基準によれば、パワハラの懲戒処分の基準として停職が一番重いものとなっており、他都道府県にある免職は規定されておりません。今回の停職三か月とする処分については、軽いのではという声も寄せられておりますが、当初、教育長は処分は妥当とし、懲戒処分の基準見直しについて今後検討したいと発言しておりましたが、具体的な検討時期などについて明言を避けるなど、曖昧な態度に終始したように見受けられましたが、一転して、今月十三日に行われた臨時校長会の席で、今年度中の基準見直しや相談窓口の開設について方針を示しております。処分についての批判の声が高まり、ようやく重い腰を上げたとの感がしてなりませんが、いかがでしょうか。 私は、前途有望な若い教師がパワハラにより精神を病み、自ら命を絶つといったこのような悲しい事態が二度と起きないように、教育長自らがスピード感を持ってリーダーシップを発揮し、未来ある子供たちの教育を先生方が生き生きとし、やりがいを持ちながら能力を発揮できる環境をつくっていくことが、教育長、あなたの役目であると思いますが、いかがでしょうか。決意をお聞かせください。 以上で、私の壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 坂下賢議員の代表質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、災害対策の徹底と強化についての御質問にお答えいたします。 初めに、水産業の復旧・復興の取組についてのお尋ねにお答えいたします。 私は知事として、我が県の将来の発展を見据えた創造的復興を掲げ、宮城の水産業の復活に向けて様々な取組を進めてまいりました。被災した漁港の復旧などの基盤整備をはじめ、みやぎ水産の日を核とした販路回復や、漁師カレッジの創設による人材の確保育成など、県内の水産業関係者の皆様と一丸となって新しい取組に邁進した結果、漁業産出額は震災前の水準まで回復したものと認識しております。また、拠点に機能を集約した漁港の復旧や、漁業法改正につながった水産業復興特区は、漁業者の減少や高齢化が進む水産業の将来を見据えた先駆的な取組であり、復興に大きな役割を果たしたものと考えております。このような我が県の水産業における様々な取組は、他の被災地域でも参考になるものであり、県といたしましては、甚大な被害を受けた能登半島地域の水産業関係者に対し、将来像を描きながら意欲を持って課題に取り組めるよう、東日本大震災での経験や我が県水産業での取組を伝え、早期の復旧・復興に向けて支援してまいります。 次に、女川原子力発電所二号機の再稼働についての御質問にお答えいたします。 女川原子力発電所二号機については、現在、原子力規制委員会から認可を受けた設計及び工事の計画に基づき、再稼働に向けて東北電力株式会社による安全対策工事が行われているところであります。再稼働の時期については、東北電力が判断するものですが、県では、発電所の状況等について随時報告を受けるとともに、必要に応じて立入調査等を行うなど、女川原子力発電所の安全管理の徹底を求めてまいります。また避難計画については、女川地域の緊急時対応として取りまとめられ、国において原子力災害対策指針等に照らし、複合災害時の対応も含め、具体的かつ合理的であるとして了承されております。県といたしましては、能登半島地震の被害状況等を踏まえた原子力規制委員会の検討を注視するとともに、引き続き国、市町と連携し、訓練の実施等を通じて、継続的に避難計画の検証・改善を図ってまいります。 次に、東日本大震災の最大の被災県として、震災直後に何をすべきか、どのようなメッセージを発信するのかとの御質問にお答えいたします。 大規模災害の発生直後においては、命を守るために冷静な行動を取るよう呼びかけることが何よりも重要だと考えております。私は、東日本大震災の際、県民の皆様に対して、地震や津波が続いており、自身の安全に十分注意することや、生活の安全確保や災害復旧に全力を挙げるので落ち着いて行動するなどを呼びかけるメッセージをいち早く発信いたしました。県といたしましては、引き続き、東日本大震災の最大の被災県として、震災から得た経験や知識、ノウハウを全国へ伝えるなど、防災・減災の普及と被災地の支援に取り組んでまいります。 次に、復旧・復興に対する我が県の使命、決意等についての御質問にお答えいたします。 県では、災害廃棄物の処理に対する支援として、東日本大震災などで処理業務を経験した職員を能登町に派遣しており、災害廃棄物発生量の推計など、技術的な助言や提案を行っているほか、ボランティアの受入れに対する支援については、県内の社会福祉協議会が職員を志賀町に派遣しているところであります。また、私は、今月十日に石川県を訪問し、馳知事、大森能登町長とそれぞれ意見交換をしてまいりました。馳知事からは、県内の被災状況とともに、災害廃棄物の処理など、復興に向けた課題について説明がありました。我が県には、東日本大震災からの復興の過程で得られた経験や知識等を能登半島地震の被災地に伝え継いでいく使命があるものと認識しており、私からは、復興業務は長期にわたる対応となるため、継続的に支援していく旨お伝えしております。県としては、引き続き、被災地への支援に県庁一丸となって取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、仙台医療圏四病院の統合再編についての御質問にお答えいたします。 初めに、基本合意の発表についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年十二月二十二日に日本赤十字社、県立病院機構及び宮城県の三者で基本合意を締結いたしましたが、それぞれの機関の最終的な意思決定が締結式の直前となり、十二月十七日に開催した地域説明会の時点では、基本合意が確実な状況ではありませんでした。また、基本合意の内容が確定した場合には、おのおのの関係者、職員に対する説明を優先する必要もあったことから、その場では言及できなかったものであります。 次に、説明会についての御質問にお答えいたします。 地域説明会での移転反対の御意見は、新病院の具体的な内容や地域住民への対応などについて、現段階では十分に示すことができず、移転後の地域医療に対する不安や懸念の声が上がったものと受け止めております。基本合意の締結を受け、今後は日本赤十字社からも地域住民に対して説明を行っていく予定であり、県といたしましても、協議の進捗に応じてできる限りの情報提供を行うとともに、丁寧に御意見を伺いながら、地域住民の理解を得られるよう努めてまいります。 次に、説明会に出席し、住民や関係者からの声を聞いた上で判断していくことが重要との御質問にお答えいたします。 これまで開催した地域説明会では、病院再編に係る説明や意見交換について、副知事をはじめ、職員がしっかりと対応しており、出席者から頂いた御意見についても後日詳しく報告を受けております。私自身も各種要望や講演などの場で賛成・反対それぞれの声を直接聞いているところであり、引き続き様々な機会を通じて御意見を伺いながら、病院再編の協議を進めてまいりたいと考えております。 次に、県立がんセンターの機能についての御質問にお答えいたします。 県立がんセンターが担ってきた機能については、東北大学病院を中心とした機能分担や連携などにより、新病院において必要な機能を確保したいと考えておりますが、研究所を含め、その在り方について、現在関係者と協議を行っているところであります。県といたしましては、今後、機能分担と連携の成果を県全体のがん医療の向上に生かしていきたいと考えており、具体的な対応について引き続き協議してまいります。 次に、重点支援区域の選定に係る条件についての御質問にお答えいたします。 先月十六日に国から重点支援区域に選定された際の条件については、財政支援等を行う上での制約となるものではなく、新病院の開設に向けて、引き続き関係者に対する丁寧な説明に努めてほしいとの趣旨で付されたものと認識しております。また、仙台市からの協議要請については、現在、今後のスケジュールや協議の進め方等について打合せを行っているところであります。当面は事務レベルでの協議を重ねた上で、できる限りの理解が得られるように努めてまいります。県としては、仙台市との協議を通じて、病院再編の必要性や効果を県民の皆様に改めてお示しし、関係自治体や地域住民の理解を得られるよう取り組んでまいります。 次に、名取の新病院の病床数及び統合に伴う職員の処遇についての御質問にお答えいたします。 新病院の病床規模については、基本合意書で定めた医療機能の実現のほか、将来の医療需要を踏まえた新病院の経営的な視点などを総合的に勘案し、四百床程度としたものであり、具体的な病床数については、今後、運営主体である日本赤十字社が策定する基本計画の中で、県や県立病院機構も関与しながら精査されるものと考えております。また、仙台赤十字病院及び県立がんセンターに勤務する職員の処遇につきましては、新病院の医療機能を踏まえた人員体制などが見えてきた段階において、三者で協議してまいりたいと考えております。なお、県立病院機構の職員につきましては、意向調査を丁寧に行った上で、県立循環器・呼吸器病センターの閉院時の対応などを参考にしながら、県立病院機構とともに、可能な限り職員の意向に沿った対応ができるよう努めてまいります。 次に、新病院に対する財政支援についての御質問にお答えいたします。 名取の新病院に対する財政支援や、県立がんセンターの解体等にかかる費用などに活用するため、来年度から令和九年度までの四年間で、約百四億円の基金積立てを行いたいと考えており、そのうち三分の二に当たる約七十億円が国から県に交付される見込みとなっております。また、このほか新病院に対しては、病床の減少に伴う給付金など約九億円が国庫から補助される見込みです。 次に、病院移転後の人員の確保についての御質問にお答えいたします。 東北労災病院と県立精神医療センターの富谷市への移転・合築については、基本合意の締結に向けて協議を進めている段階であり、両病院の具体的な姿などが定まっていないため、両病院の職員の不安や懸念が大きいものと認識しております。現在、移転後の病院間の連携の在り方などの検討を行っているところであり、職員と意見交換を重ねる中で、移転・合築に対する理解醸成を図るとともに、高い士気ややりがいを感じながら、新病院で力を発揮していただけるよう、県といたしましても、労働者健康安全機構と県立病院機構とともに、おのおのの職員の意向に十分配慮しながら協議を進めてまいりたいと考えております。 次に、サテライト案の協議状況についての御質問にお答えいたします。 現在、県立精神医療センターのサテライト案について、職員と意見交換を重ねながら検討を進めているところであり、今月十五日に開催した精神保健福祉審議会にも、現段階における検討案を報告したところであります。サテライト案に対しては、精神医療センター職員から、病床数の配分や人員配置など、様々な視点で意見が出されたところであり、県といたしましては、引き続き意見交換を重ね、サテライトを含めた精神医療センターの機能や人員体制、財政負担の規模などについて、丁寧に検討してまいりたいと考えております。なお、年度内の基本合意を目指して引き続き協議を進めてまいりますが、サテライト案の検討状況などを踏まえ、拙速にならないように取り組んでまいります。 次に、改めて患者や地域住民、関係者等と協議すべきとの御質問にお答えいたします。 仙台医療圏の病院再編につきましては、令和三年九月の協議開始以来、様々な機会を通じて、患者や地域住民をはじめ、病院関係者や専門家などの意見を幅広く伺うとともに、病院再編の検討過程において、できる限り意見を尊重するよう努めてまいりました。県といたしましては、病院再編が地域医療の課題解決に大きく寄与するものと考えていることから、その実現に向けて、引き続き丁寧に御意見を伺いながら協議を進めてまいりたいと考えております。 次に、大綱三点目、東京アンテナショップ宮城ふるさとプラザについての御質問にお答えいたします。 県では、昨年一月から十月にかけて五回にわたり、学識者や県内食品製造事業者などの有識者の方々で構成する、首都圏アンテナショップ在り方検討懇話会を開催してまいりました。本懇話会では、食品分野における対面でのコミュニケーションの重要性や人口減少下における新規顧客開拓の必要性、急速な社会環境の変化に柔軟に対応できる施策展開の必要性などについて御意見を頂きました。これらの御意見を踏まえ、県では、来年二月に終期を迎える宮城ふるさとプラザの賃貸借契約の次期更新は行わないこととし、より多くの消費者の目に触れる機会を創出することができるよう、リアルとデジタル両面から、首都圏以外もターゲットに、県産品との接点や露出を増やす取組や販売情報分析・活用スキル向上につながる事業に重点的に取り組みたいと考えております。現在、公益社団法人宮城県物産振興協会において、新たなアンテナショップの設置を検討していると伺っておりますので、県といたしましても、その動向を確認してまいります。なお宿泊税につきましては、現在、次回定例会以降に条例案を提案する準備を進めているところでありますが、税収使途に関しましては、インバウンド受入れ拡大に向けた宿泊施設整備支援などの観光産業の体制強化や、二次及び三次交通対策事業などの観光客の受入れ環境整備を中心に想定しております。 私からは、以上でございます。
○副議長(本木忠一君) 復興・危機管理部長千葉章君。 〔復興・危機管理部長 千葉 章君登壇〕
◎復興・危機管理部長(千葉章君) 大綱一点目、災害対策の徹底と強化についての御質問のうち、複合的な災害発生時の被害想定や避難シミュレーション、及び複合災害に対応した防災計画についてのお尋ねにお答えいたします。 宮城県地域防災計画において、県や市町村、防災関係機関は、複合災害の発生の可能性を認識し、計画等の見直しや備えの充実に努めることとしております。昨年十一月に取りまとめた宮城県第五次地震被害想定調査では、宮城県沖地震を含む四つの地震と、これに伴う津波等による地震動や液状化、津波浸水等の分布範囲や、人的・物的被害の予測等を行い、その結果を地域防災計画へ反映したところであり、来年度には、震災対策アクションプランを策定することとしております。現行の地域防災計画は、災害別にまとめられておりますが、例えば原子力災害に関しては、自然災害が発生している場合の措置についても内容に含まれております。県としましては、引き続き訓練等を通じて避難計画の検証や改善を図り、必要に応じて各種計画を見直すことにより、防災・減災に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(本木忠一君) 土木部長千葉衛君。 〔土木部長 千葉 衛君登壇〕
◎土木部長(千葉衛君) 大綱一点目、災害対策の徹底と強化についての御質問のうち、耐震改修や危険ブロック塀の改善推進についてのお尋ねにお答えいたします。 県ではこれまで、阪神淡路大震災を契機に策定した宮城県耐震改修促進計画に基づき、市町村と連携しながら、住宅の耐震化や危険ブロック塀等の改善に取り組んできたところです。このうち、住宅の耐震化率は、約九二%と全国平均より高い水準で進捗しておりますが、今回の能登半島地震による住宅被害を踏まえると、住民の安全・安心を確保するためには、更なる取組の強化が必要であると認識しております。このため耐震対策費用の負担軽減を図るため、国や市町村と実施している助成制度に加え、住宅金融支援機構等と連携した高齢者向け融資制度の活用を周知するほか、施工事例をパンフレットで紹介するなど、引き続き耐震化の促進に取り組んでまいります。また、スクールゾーン内の危険ブロック塀等については、今年一月末現在、除却が必要な施設は約八五%、改修等が必要な施設は約三九%が改善されており、県といたしましては、今後も所有者に対して現地訪問などによる働きかけを強化するほか、助成制度の更なる活用を促すため、事例を紹介したパンフレットを新たに配布するなど、引き続き早期に改善が図られるよう努めてまいります。 次に、被災者の受入れと住宅提供体制の現状についての御質問にお答えいたします。 県及び県内市町村では、令和六年能登半島地震被害を踏まえ、速やかに被災者の受入れが可能な公営住宅等について、二月十六日現在、合計百九十七戸を確保しており、国において、我が県を含む全国自治体の状況を一元的に取りまとめ、被災自治体への情報提供を行っております。県営住宅の提供に当たっては、収入要件を問わず敷金や家賃を免除するほか、必要書類の提出時期の柔軟な運用など、被災者の負担軽減を図ることとしており、また、被災者や親戚の方などから相談があった場合には、県営住宅に限らず、市町村で確保している住宅等の情報提供や希望住宅への内覧同行など、被災者に寄り添ったきめ細やかな対応を進めているところです。県といたしましては、引き続き県内市町村と連携を図りながら、被災者の方が少しでも早く落ち着いた生活が送れるよう、迅速かつ柔軟に対応してまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(本木忠一君) 教育委員会教育長佐藤靖彦君。 〔教育委員会教育長 佐藤靖彦君登壇〕
◎教育委員会教育長(佐藤靖彦君) 大綱四点目、県の教育行政についての御質問のうち、パワハラ行為に対する調査及び対応についてのお尋ねにお答えいたします。 学校という職場内で発生した教職員間のパワーハラスメントにより、将来有望な若手教職員が精神的ストレスを高め、自ら命を絶つという大変痛ましい結果となり、一人の大切な職員を失ったことは、ざんきの念に堪えません。御遺族には心からおわび申し上げます。今回のことにつきましては、教職員のパワーハラスメントへの認識・理解が欠如していただけではなく、組織的な対応が不十分であったと認識しております。管理職の対応については、当事者である両教諭から話を聞くなどしており、被処分者である男性教諭に対しては、メモを出すことをやめるよう指導しておりましたが、学校全体の問題として認識し、組織的に対応することは行われておりませんでした。県教育委員会では、被害職員が自死したという学校からの報告を受け、事実の確認・調査を進めてきたところであります。今回の事案については、パワーハラスメントに係るものであり、事実関係を慎重かつ十分に確認する必要があったため、その認定に時間を要したものであります。 次に、懲戒処分の基準見直しなどの対応方針についての御質問にお答えいたします。 懲戒処分の基準の見直しについては、これまでも検討を続けておりましたが、このようなことを二度と起こさないという強い決意を持って、今回、再発防止策を示すにあたり、パワーハラスメントに係る基準を今年度中に見直すこととしたものであります。処分基準について、厳しい意見が寄せられていることについては、真摯に受け止めております。県教育委員会といたしましては、教職員一人一人がパワーハラスメントへの認識・理解を深められるよう、よりきめ細かな研修等の取組を実施してまいります。また、早期発見・早期対応が図られるよう、学校として組織的に対応することを徹底するとともに、県教育委員会として、管理職のマネジメントを支援するほか、当事者のみならず、周りで気づいた職員も相談できるよう、教職員SOS相談窓口の新設等により、相談体制の充実を図るなど、教職員一丸となってパワーハラスメントの防止に取り組んでまいります。 次に、このような悲しい事態が二度と起きないようにするための教育長としての決意についての御質問にお答えいたします。 パワーハラスメントの防止と学校教育の信頼回復に向けた取組を徹底するため、先日、臨時の校長会議を開催し、このようなことを二度と起こさないという強い決意を持って、全ての県立学校長に対し、私から訓示を行うとともに、パワーハラスメント防止策を示したところであります。県教育委員会といたしましては、パワーハラスメント防止体制を抜本的に見直し、その防止に取り組み、全ての教職員が働きやすい環境を整備するとともに、我が県の教育行政の信頼回復に全力で取り組んでまいります。私は、職場の仲間とは、お互い助け合っていくべきものと考えております。今回、一人の教職員の貴い命が失われてしまったこと、守り切れなかったことを深く反省し、宮城で学ぶ子供たちのために、全ての教職員と認識を共にして、強い決意を持って取り組んでまいります。 以上でございます。
○副議長(本木忠一君) 四十三番坂下賢君。
◆四十三番(坂下賢君) 御答弁ありがとうございました。仙台医療圏四病院の件について伺ってまいります。 精神医療センターの富谷・名取での本院・分院案について、さきに行われた県精神保健福祉審議会において、二拠点化でコストの増大を招く、医師確保が難しい、医療の質が下がる、当直を組むのが難しいなどの疑問や批判の声が相次いでおります。知事は、昨日の会見において、北と南に一か所ずつ病院があれば、患者の負担は間違いなく軽くなるというような発言しておりますが、この十三名の審議会委員のうち、十名が反対で三名が保留というようなことで、賛成は誰一人いなかったんですが、まず、この結果についての受け止めについてどう感じているのか、お聞かせいただきます。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 現時点では、まだ、案を示して、特に、ここに集約をすると、意見をまとめるといったような段階ではなくて、その案に対していろいろ御意見を聞いている段階でございますから、それに対して、賛成か反対かという意見を取りまとめたということについては、ちょっと私としては納得ができない部分でございます。当然、精神保健福祉審議会の委員のメンバーの中に、いろんな御意見があるのは当然だというふうに思うのですが、私のところには、ぜひ早くやってくれと言っている声も多数寄せられておりますので、反対の声、賛成の声をいろいろ聞きながら、判断していくことになるということであります。
○副議長(本木忠一君) 四十三番坂下賢君。
◆四十三番(坂下賢君) 審議会のほうからは、やはりそういった疑問の声というものが出ているのは事実なんですよね。知事は前回、民間の公募案のとき、どんな意見が出ようと自分の考えに変わりはない、止めることができるのは議会だけというような、そういったかたくなな姿勢を示しておったんですが、その姿勢はまだ変わってないんですか、お聞きします。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 当然のことを言ったまででありまして、法令上、審議会が賛成・反対ということを意思決定することはできないんですと。まるでその前の議論をずっと聞いていたら、我々が決めるんだというようなことをずっとおっしゃっていたので、いや、そうじゃないですよと。どうするのかということを決めるのは私であって、それを認めるか認めないかというのは県議会なんですと、僕はもう当たり前のことを言ったものでありますので、当然変わりはございません。
○副議長(本木忠一君) 四十三番坂下賢君。
◆四十三番(坂下賢君) 当たり前という知事の判断についてちょっと理解しかねますが、この精神医療センターと県との分院化をめぐるこの議論、病院側からは、病床数、人員の不足、こういったものが指摘されておりまして、この議論がなかなかかみ合ってないというような、そういう話もあったようなのですが、この議会が終わってから、また再度センターと協議するということをおっしゃっているんですが、患者である利用者、家族、センターの職員とか、そういう方々から声を聞くということは非常に大事だと思うのですが、いつ聞くのでしょうか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 精神医療センターの患者さんに対して、いろいろ意見交換をしたいということは、度々投げかけているんですけれども、先方のほうから、その時期ではないということでございますので、残念ながら実現していないということでございます。一方、仙台の北にお住まいの患者さん、あるいは関係者の方とは、既に意見交換をさせていただいたということもございました。決してそれを拒むものではありません。患者さんの意見を聞くのも非常に重要なんですが、患者さんの状態を一番分かっていて、そしてどのような対応をすればいいのかという、治療の方法を御存じの関係者ですね、それは精神医療センターのスタッフだというふうに思いますので、まずそういう人たちとよく意見交換をして、そして、毎日のように患者さんと接しているわけですから、ある程度方針が固まったならば、そうした人たちの協力を得ながら、患者さんに接触していくということのほうが、病気の内容が内容だけに、私はそちらのほうが丁寧なのではないかなと考えているところでございます。患者さんのほうから、県のほうに直接会って話をしたいということであれば、それはもう喜んで、会ってお話をさせていただくことになるというふうに思います。
○副議長(本木忠一君) 四十三番坂下賢君。
◆四十三番(坂下賢君) ぜひ患者さんの意見も聞いてほしいと思います。この二拠点化した場合、県の運営負担金、七億円とも八億円とも言われておりますが、それ以外に、最大七億円以上がかかると、赤字が出るというふうにも見込まれているんですが、そこまでして富谷に移転するという、その意味があるのかどうか、理解できないんですけれど、いかがですか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) ちょっとあれ誤解されているなと思ったのはですね、減価償却が入ってくるんです。当然新しい病院ですから、新しい機材が入ると、その分減価償却出てきますから、仮に一つの病院にまとめたとしても、減価償却分出てきて、当然そういう見かけの数字は赤字になるということです。一方のサテライトの部分の造り方次第だと思います。本院と同じ立派な病院をドーンと建てれば、これは当然、二拠点化で大きな病院を二つ造って、同じようなスタッフを配置してとなると、本院と同じような病院を二つ造ると、当たり前ですけども非常にお金がかかりますけれども、それは造り方次第で、今ある施設をうまく活用するといったようなことをすることによって、そちらは減価償却発生しなくなりますから、ですから、古い建物をリニューアルすると低く抑えられますから、そういう工夫をすれば、そちらのほうはそれほど大きな支出にはならないだろうと。ただし、人がたくさん要ることは間違いありませんから、長い目で見ると、人件費分は当然、費用としては出ていくことは間違いないというふうに思いますので、全く変わらないというような、そういった言い方はいたしませんが、結果として、県北の、北の方は非常に期待をされておられますので、実際、仙台市以外の市町村長さん方、やったほうがいいという方ばかりでございまして、特に北の首長さんからは、早くしてほしいという声も届いておりますから、そういうことを考えますと、北の患者さんのことも考え、そして南のほうの患者さんのことを考えると、このやり方というのは私は間違ったやり方ではないかなと思っております。ただ、説明が足りないということについては反省すべきだと思っておりますので、更にしっかりと説明をするように努力してまいりたいと思っております。
○副議長(本木忠一君) 四十三番坂下賢君。
◆四十三番(坂下賢君) そうしますと、この分院を、現在の名取の建物を使うということなんですか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) それも含めて検討するということでございます。
○副議長(本木忠一君) 四十三番坂下賢君。
◆四十三番(坂下賢君) そもそも精神の合併症患者や救急患者の受入れについて、労災病院とはどの程度これ話が進んでいるのか、そこが最大の肝ではないのかなというふうに思いますが、そこが進まない限り基本合意を結ぶことというのはできないと思いますし、病院再編計画の前提が崩れるというふうに思いますが、いかがですか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 労災病院との話を今どんどん詰めているところであります。非常に難しいのは、よく他の地域の病院の合併の話をされるんですけれども、公的病院同士だとか、あるいは公的病院が全体を飲み込むといったような話ではなくて、今回は民間の病院の力を活用させていただいて、北の場合は、二つの病院を合築するという話でございますので、当然相手の病院の許可が、理解が得られないと、外に情報を出すことができないということであります。日赤さんとがんセンターの話も、今まで出せなかったのは、やはり日赤さんが駄目だということであったので出せなかった。これからは日赤さんが前に出て住民説明会も自分たちでも開催するし、県と一緒になって開催するというふうに言ってくださっております。これによって患者さんに対して直接いろいろ話をして疑問にも答えられるようになるということであります。したがって、まず基本合意まではですね、どう説明会をするにしても、労災さんの場合は、県だけしかできないと。そうするとなぜ必要なのかという大きな枠組みしか、まだ話せることはできないということしか、今の段階ではお話しできないということであります。いずれ基本合意ということになりましたならば、労災さんと一緒になって説明会なども開催できるようになるのではないかというふうに期待しているところであります。
○副議長(本木忠一君) 暫時休憩いたします。 午後二時十三分休憩
----------------------------------- 午後二時二十九分再開
○議長(高橋伸二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。三十九番三浦一敏君。 〔三十九番 三浦一敏君登壇〕
◆三十九番(三浦一敏君) 日本共産党宮城県会議員団を代表しまして、代表質問を行います。 まず、知事の政治姿勢について伺います。 しんぶん赤旗日曜版が二〇二二年十一月六日号で初めて自民党派閥のパーティー券収入の不記載を報道したことをきっかけに、上脇博之神戸学院大学法学部教授が何度も東京地検に告発状を提出し、特捜部はこれは悪質な事件に発展すると判断。そして、一年後、裏金事件が自民党を直撃することとなります。岸田首相は、国民の批判をかわすため、突然、派閥解消を打ち出しました。しかし、岸田首相が言う派閥解消が裏金づくりの論点そらしにすぎないことが早くも明らかになっています。これまでの約二十年近く、自民党安倍派を中心に各派閥は、事実上の企業・団体献金である政治資金パーティーのキックバックで荒稼ぎをやってきたのです。政治資金規正法は、「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に」収支の公開と透明性を求め、同法二条二項で、「政治資金の収受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない」と規定している。今度こそ、金権腐敗政治を一掃しなければなりません。自民党の長年続いてきた政治資金パーティー・裏金事件と企業・団体献金についての知事の所見を伺います。 新年度予算と村井知事の施政方針が示されました。知事は次代への連綿予算と名づけたようですが、私から言わせれば、生活実態とかけ離れた人の心や痛みが感じられない冷たい予算と命名したいと思います。予算の目玉にしたのが半導体推進でありますが、大企業誘致とデジタル化に前のめりになる富県戦略の危うさを感じさせるものです。実質賃金や年金は下がり続け、物価高、資材高騰で県民生活は大変厳しく、中小企業は人手不足で四苦八苦の現状なのですが、ところが、今予算には物価高対策や生活弱者への配慮が極めて弱いものになっています。コロナ対策の予算はゼロ、村井県政の大きな弱点である子育て支援や人口減少対策は、打開への布石も気迫も感じられません。四病院再編では、これほど、住民や患者、病院職員や専門家の意見も聞かずに、ごり押しする県政がかつてあったでしょうか。後でも触れますが、宮城の基幹産業の農林水産に至っては、予算一兆円規模のたった四・六%しか配分しないとはひどいものです。この指摘は間違っているでしょうか。知事の見解を伺います。 次に、能登半島地震の被害と志賀原発の教訓について伺います。 元日の能登半島を直撃した大地震によって、たくさんの貴い人命と家屋を失ったことに対し、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。私たち日本共産党も全国から寄せられた義援金一億円余りを現地にお届けしたところであります。 能登半島地震はマグニチュード七・六、最大震度七で、志賀町では観測史上最大の地震加速度二千八百二十八ガルを記録されましたが、特に志賀原発では、基準地震動を超える地震加速度が記録されました。地震調査委員会は、能登半島で動いた断層を約百五十キロと評価しましたが、北陸電力は九十六キロでよしと過小評価しました。女川原発周辺では、海域活断層の調査範囲そのものが三十キロ範囲にとどまっており、その外側にどんな活断層があるのかよく調べられていません。東北電力は、女川原発二号機の適合審査で、F-六断層とF-九断層が連動する可能性を認め、一千ガル程度としましたが、これが過小評価になっている可能性があります。そこで、国と原子力規制委員会に対し、女川原発周辺の海域断層の調査と基準地震動の再評価を求めるべきと思うがどうか、答弁を求めます。 能登半島地震によって、停止中の北陸電力の志賀原発一号機と二号機も危機一髪だった。外部電源五系統のうち、六割を占める主力の外部電源が機能しなかった。北陸電力社長の一月三十一日の会見によれば、変圧器の配管が破れ、油が漏出。一月末になっても一系統二回線が使えない状態。変圧器は部品が入らず修理の見通しが立っていないといいます。また、使用済み核燃料プールに一千四百七十七体の核燃料が保管されていたが、この二つのプールから放射能物質に汚染された水が流れ出し建物内にあふれる事態に。まさに危機的状況で、福島第一原発事故の再現もあり得たと言われている。東日本大震災のとき、女川原発も外部電源の五系統のうち一系統しか機能せず、海水が流入し熱交換器二機のうち一機は水没。残った一機だけが機能し、危機を乗り切ったことを忘れてはならない。 女川原発二号機のゴーサインが国と村井知事によって出されたものの、それ以降も圧力抑制室、サブレッションチェンバーの耐震補強工事や、電線管の火災防護対策工事などが行われているが、施工した電力会社任せではなく、専門家による、いわゆる安全性検討会を再開し、検証すべきと思うが、伺います。 また、能登半島に類似した牡鹿半島の女川原発で大地震が発生した場合、五キロ圏から三十キロ圏のUPZの住民は屋内退避が原則となっているが、崖崩れや道路が壊れ、津波が発生すれば船も利用できず、本当に避難できないのではないか。この根本的見直しが必要となると思う。昨年十一月に公表された宮城県第五次地震被害想定調査最終報告書に基づいて、震災対策のアクションプランを見直す作業が求められています。そこに能登半島地震が発生したのですから、新たな知見を踏まえて複合災害時の緊急対応を時間をかけ、腰を据えて再検討すべきです。当然、避難計画のつくり直しが求められると思うが、知事の見解を伺います。 避難アプリの普及で避難が順調にいくような幻想を振りまくのではなく、複合する大災害時に広域避難をどうすべきか真剣に考えるべきではないでしょうか。そのことを強調しておきます。 次に、四病院再編問題について伺います。 今議会の最大焦点は、宮城県が主導する四病院再編問題であります。昨年十二月十九日、定例会が終了した三日後に、仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合に向けた基本合意が締結された。具体的内容はこれから詰めていくというものの、市民、県民や、がんセンターの医療従事者、議会内外から「県立がんセンターが事実上消滅するのではないか」「がん治療の拠点病院がなくなれば大変なことになってしまう」という不安と怒りが出ています。「村井知事は、宮城の病院・医療をどこまで壊す気なのか」との声が仙台医療圏以外の私の地元でも聞かれますが、知事はどう答えますか。 この基本合意前に、知事は、県立がんセンターの山田総長や佐々木院長に会って直接意見を聞いていますか、お答えください。もし、後日報告したなどというなら大問題です。 仙台日赤三百八十九床、県立がんセンター三百八十三床で合計七百七十二床ですが、基本合意では、病床規模は四百床程度とすると明記し、県立がんセンターの病院としてはなくなるわけで、仙台日赤が主体となって四百床の枠の中で、がんセンターの機能の一部だけを引き継ぐことが想定されますが、違いますか。はっきりお答えください。 県立がんセンターは宮城県の貴重ながん治療と研究で頑張ってきた歴史を持つ施設です。一九六七年に、宮城県立成人病センターとして開設、一九九三年宮城県立がんセンターとなり、研究所新設。二〇〇六年には都道府県がん診療連携拠点病院の指定と前進します。ですから、開設以来五十七年がたち、今や東北大学病院とがんセンターのツートップ体制が構築されているのです。東北大学病院とほぼ同じレベルの高度医療機器を備えている。これは宮城県、いや、東北の誇りではないのですか。村井知事がやるべきは、高齢化社会の中でがん患者が増えているのですから、がんセンターを県立で更に充実させていくことではないでしょうか。違いますか、答弁を求めます。 ところで、がんセンターの経営ですが、公立病院として高度がん医療など政策医療に県から繰出金を入れていますが、これは、県民の命を守る観点で地方交付税で措置されています。また、国内トップレベルの研究所機能を持っており、経営的にも頑張っているのです。がんセンターは、医師七十名も含め職員数は五百二十八名です。臨時やパートさんを含めると六百人以上になると言います。この方々の雇用は一体どうなるのでしょうか。県が雇用した公務員を知事自ら不安に陥れることは言語道断であります。答弁を求めます。 次に、県立精神医療センターを富谷市に移転させる構想も関係団体や住民から反発を買い、二転三転しています。去る二月四日、福祉プラザホールで、「村井知事の暴走を許さない!STOP!四病院再編・移転県民大集会」が超満員の三百八十名の参加で開かれた。八木山連合町内会会長は「日赤がなくなったらどうすればいいのか。一万三千人の署名で反対を表明している。知事会トップの人がこのようなことをやっていいのか」と怒りの発言。台原の説明会では百五十名が参加したが、「知事が説明に来ないとはひどいではないか」との声が上がりました。東北労災の職員は、アンケート調査に百八十名の職員の七〇%は富谷移転に反対、賛成は一〇%のみと回答。職員に全く理解されていない結果を紹介し、「富谷の医療を何とかしたいというなら、公立黒川病院を強化すべきだ」との発言に、会場は共感の拍手に包まれました。思春期外来患者家族の方は「孫が八年精神医療センターに通っているが、知事に手紙を出した。あなたのお孫さんがこのように苦しんでいたらどうするのですか」と怒りの声をあらわにしました。このような声に知事はどう答えるのですか、伺います。 県が提示した精神医療センター移転分院の三案が示されたが、十五日の保健福祉審議会でも分院案には誰も賛同者は出ませんでした。名取市のサテライトの案でも矛盾は広がるばかりです。結局、名取市に建て替えすれば、全ての矛盾は解決するではありませんか。移転断念を決断すべきと思うが、答弁を求めます。 知事が強引に推し進める再編なるものは、実は、とんでもない県立病院潰しの暴挙なのです。こんな再編構想は直ちにやめるべきです。村井知事が言い出したのですから、知事が決断すればすぐやめることができるでしょう。そのことを指摘しておきます。 広域防災拠点構想の問題点について伺います。 このことについては、議会からも「事業費が青天井で増え続けている」「いつ大地震が起きるか分からない状況で、度々工期が遅れるのでは意味がない」と批判され、河北新報の社説でも負の遺産になりかねないと指摘されている。移転補償費が急増し、当初計画の二百九十五億円から四割増の四百二十二億円に膨張した。当初、二〇二〇年とされた完成時期も三回も延期され、更に十二年も遅れて二〇三二年となった。知事の肝煎りで一大プロジェクトとして推進された事業が、本来、JR貨物自身がやるべき移転事業であるにもかかわらず、県が肩代わりし、かつ、事業費がどんどん拡大する大変ずさんなものであったということがいよいよはっきりしました。創造的復興の最終形と位置づけた知事は、この責任をどう感じているのか、改めて答弁を求めます。 能登半島地震を体験し、県も大きな被害を想定している長町利府断層が懸念されるところに、なぜ、広域防災拠点をつくるのかとの疑問が出されています。新年度予算に公共補償費等五億四百万円が計上され、二〇二九年度までの債務負担行為として七十五億一千万円計上されているが、広域防災拠点の完成がこんなに延々と延びることによって、全県的な大規模災害を想定した訓練もできないではないですか。大きな損失であります。知事に伺います。 岩手県では、お金をかけずに既存施設を活用した分散・低コストで広域支援拠点と、四か所に後方支援拠点を設置し、二〇一九年に備蓄五か年計画をつくったことが報道されているのと比較しても、宮城の実態は真逆です。 ところで、令和五年度公共事業評価部会が開かれ、十年が経過した広域防災拠点も審議された。県からは「大規模災害時の効果も加えた結果、費用対効果は一・七三から二・六三に上がった」と説明された。ところが、ある委員から「大規模災害時の効果は分けるべきだ」と指摘され、今年一月十九日の部会では、大規模災害時ではなく、平時の公園の費用対効果が報告されたと地元紙は報道した。なぜ見直されたのかといえば、我が党の藤原県議が十一月の一般質問で厳しく指摘し、パブリックコメントの中でも市民の方々から異議を唱える意見が寄せられたことによります。結局、総便益は、事業着手時より評価が一・七三から一・一に下がり、効果は事業着手時よりも低下したことを知事はどう深刻に受け止めているのか、答弁を求めます。 希望ある県政を目指して、幾つか伺います。 子供医療費無料化についてでありますが、新年度予算で重点項目として打ち出したのが、人口減少対策であります。合計特殊出生率は一・〇九で過去最低の全国四十六位であり、この打開策を打ち出していますが、結婚、妊娠、出産、子育てのライフステージに応じた切れ目のない支援として、子育てしやすい環境の整備が必要と強調した割には、この分野に四・七億円とは非常に規模が少ないのではないかと思いますが、伺います。 一方、企業立地奨励金に三十二億円や半導体推進費に三・二億円の大盤振る舞い予算となっています。結局、知事の子育て支援や人口減少対策は、これまで成果を上げていない従来パターンを脱却し切れないと指摘したい。 この分野で知事がやるべきは、県内三十五市町に寄り添い、励ます施策は何かを考えるべきです。市長会や町村会から毎年、県に対し乳幼児医療費助成の拡充を求める要望が出ているでしょう。にもかかわらず、宮城県は依然として就学前までとなり、七年も時計の針が止まったままなのです。県内のほとんどの自治体は、少ない財政規模でも十八歳まで無料化で頑張っているのです。子供の医療費無料化は国の責任だと繰り返すのではなく、十八歳まで垂範率先して二分の一助成に踏み出すことです。政府も国保の国庫負担が減額されるペナルティー措置について、二〇二四年度から十八歳未満までを対象に廃止することを決めました。それだけ全国に広がり、十八歳まで医療費無料が主流になっているのです。議会で何回も同じ質問をさせないでくださいよ。知事の前向きな答弁を求めます。 次に、子育て支援の大切な学校給食費無償化についてであります。 さきの県議選でも与野党問わず、学校給食費無償化を公約に掲げて当選した方々がこの議場におります。教育長はさきの議会での答弁でも「学校給食法では施設や人件費は市町村で、食材費は保護者の負担と規定されていますので御理解ください」と答弁しています。しかし、憲法二十六条二項は「義務教育は、これを無償とする」と明記されています。学校給食法十一条で学校給食費の私費負担を規定しているものの、学校給食費を公費負担とすることを妨げていないということです。国会でも確認していることです。各地で署名活動も展開され、全県・全国に広がり、生活が大変な中でもみんなが等しく栄養バランスのいい学校給食を提供することはみんなの喜びであり、気仙沼市や栗原市など十市町で無償化実施に、四市町が一部実施に踏み出し、市長会からも再三要望されています。県が二分の一を助成すれば、多くの自治体で実施に踏み出すことは間違いありません。知事の決断を求めます。いかがでしょうか。 そして、この財源のためには、前のやり取りの中でも教育長は、今の物価高を考慮しても、二分の一は五十億円程度だということを答弁しております。全国知事会会長として自ら模範を示し、一兆円予算の〇・五%を工面すれば実現できるのです。その上で、国が責任を果たすべきと迫ることが一番説得力を持つことは明らかでないでしょうか。 次に、教員不足の解消は、県政の緊急課題について伺います。 教員不足が各地で起き、学校がもたないという声が上がっています。今、校長先生の一番の仕事は、臨時の講師を探すことだそうです。各教育事務所の奪い合い、時には他県の岩手などにも声をかけるそうです。それだけ、学校現場は大変な状況になっているのです。なぜ教員がそんなに足りなくなったのか。それは、現在四十五歳から五十五歳の教員採用時が、実は、就職氷河期と言われ、採用が大きく減ったことです。その後、教員の多忙化、長時間労働が問題となり、その調整弁として臨時の講師で賄う手法が取られた。若い教員が教育実習で実感したことは、こんなに忙しく大変な仕事ではとてもやっていけないと、多くの青年が教職への夢を諦めたと言われます。その悪循環はますます深刻となり、学校現場は、まさに言わばブラックと言われる程になってしまったのです。全日本教職員組合は昨年十二月二十五日、病気などで休職した教職員の欠員を補充できず、未配置になっている人数の調査結果を発表しました。それによると、三十二都道府県十二政令市でなんと三千百十二人に上ります。東部教育事務所管内では昨年十月末時点で、教員の未配置は小学校で十一名、中学校で八名になっており、その理由は、産休、病休、中途退職、病気による死亡などが理由です。宮城県全体の未配置はどうなっているのか、答弁を求めます。 一方、教員の多忙化、長時間労働も大変深刻です。宮城県の残業時間の実態はどのようになっていますか。具体的に伺います。夜八時になっても、職員室の明かりが消えない。早く帰れたとしても、仕事を自宅に持ち帰る忙しさ。教員に時間的余裕がなくなれば、子供達と触れ合ったり、教職としての人間的成長とか、授業のスキルの向上などが本当にできるのか心配です。その根本には残業代ゼロのため長時間労働に歯止めがかからない現状があります。これを許したのが一九七一年制定の公立学校教員給与特別措置法、いわゆる給特法です。これは、教員には残業代を支給しない、その代わりに給与に四%上乗せして本給として支払うというものです。しかし、長時間労働の歯止めにはならなかったのです。当たり前の八時間労働は学校では全く通用しないのであります。県独自の財源を活用してこの事態を改善するという点では、宮城県は特に弱かったのではありませんか、答弁を求めます。 全国知事会など地方三団体は、政府に対し二〇二三年十一月九日に、教員が依然として長時間勤務であり、教師不足が全国的に深刻化しており、これらの解決を図ることが急務となっていると要求したことは大きな意味があります。 最後に三点について県としての改善を求めます。 一つは、自治体が押しつけている不要不急の業務の改善。その点でも現場の先生方の意見をよく聴くことです。二つ目、過大な授業時数の削減です。ただでさえ教員が少ないのに、標準以上の授業を行うことは先生たちも疲れ、子供たちにとっては逆効果となります。三つ目、県独自の教職員の増員に努力すること。以上について答弁を求めます。 次に、信号機設置はなぜ進まないのかについて伺います。 被災地石巻など沿岸部には新しい道路が幾つもできました。それに伴い交通の流れも変わり、交通事故が増えています。昨年十一月には石巻市中屋敷一丁目の市道釜大街道線の交差点で、横断歩道を渡っていた女児が車にはねられる重傷事故が発生しました。幸い一命を取り留めたことに安堵しましたが、この交差点には信号機がありませんでした。早速、市長はじめ町内会や関係者、議員が信号機設置を要望し、異例の速さで一月二十三日に工事が始まり立派に完成し、テレビでも放映されました。信号機の十年間の推移を見ますと、平成二十六年度は要望数は六百十八件、新設数はたったの三十一件です。最近の令和五年度は要望数三百十四件、新設数はそれこそたったの八件であります。なお、この要望数は、順番待ちでいつになるか分かりません。 信号機は国補助が五〇%でありますが、この設置基準が国の通知で平成二十七年から非常に厳しくなりました。その内容を説明してください。また、併せて、信号機新設一基の定周期信号と押しボタン式信号機の設置費用についても伺います。 交通規制課の令和五年度の交通安全施設等整備事業予算は二十九億八千万円になっていますが、信号機新設費用は八基で五千万円程度となります。国の設置基準の見直しを求めますが、同時に、県単独でも信号機設置が可能と伺いましたので、新年度から改善を求めたいと思います。いかがでしょうか。 次に、農林水産業に思い切った手だてを。 日本農業の危機は、一九六一年の旧農業基本法以来の、まさに失われた六十九年のなれの果てともいうべきものです。国の方向だけを向くのではなく、宮城県独自の施策を打ち出していくことが鍵となります。いっぱい課題がある中で今回、新規就農者をいかに増やし、定着させていくかについて提案しながら質問します。 先日私は、福島県二本松市を視察し、大変驚きました。二本松市は米をはじめ、野菜、リンゴ、黒毛和牛の飼育など畜産業も盛んです。農村特有の悩みは共通していますが、農業と真剣に向き合う新規就農者が増えているのが特徴です。首都圏からのUターンでゼロからスタートするケースも多いようです。私が見学した東和地域には、ここ十五年で約四十人の新規就農者を迎えているそうです。特に有機栽培で野菜を生産し、道の駅を核とした東和ふるさと協議会を立ち上げたことです。二〇二二年には、実行委員会を立ち上げ、新規就業者の集いを開くなど、青年たちが主役となり、何でも相談できる体制をつくったことです。更に、ワンストップで就農の相談ができる窓口をつくってほしいと運動し、福島県は二〇二四年四月からスタートさせたいと準備をしているとのことです。福島県の新規就農者は二年連続三百人以上となり、二〇二三年十一月時点で三百六十七人になりました。宮城県は百六十人から百九十人前後ですから、約二倍以上です。ぜひ、先進的経験にも学び、県として、新規就農者支援のワンストップ相談窓口を各振興事務所につくっていくべきと思うがどうか、前向きな答弁を求めます。 もう一点、鳥獣被害の対応です。 昨年十一月二十二日、鳴子のイノシシ被害の実態を当県議団で視察、相談を受けた方は二十年以上前に移住し、高齢で田畑を続けられない人たちの相談を受け、そば組合を設立。その後、法人化して十年になるそうです。イノシシ被害は想定外で震災六年後から急速に増えだし、一晩で二から四ヘクタール荒らされることも。電気柵などやれる手は全てやっているが、十アール当たり五千五百五十一円の経費増になっている。イノシシは子供のウリ坊を助けるため、電気柵を突破するときもある。最近は熊も民家の柿の実を食べに出没。その現場も見ました。現地の猟友会はあるが、高齢化でイノシシを撃つ習慣になっていないとのことです。大崎から栗原にもどんどん北上し「今や野放し状態。現場を見て危機感を持ってほしい、県として効果ある対策をお願いしたい」と訴えられました。この際、知事が本部長になって陣頭指揮を執るくらいの本気の意気込みで、東部地域の鹿対策をはじめ、今紹介したイノシシ対策の予算増額と体制を抜本的に強化すべきではありませんか、答弁を求めます。 最後に、異常な温暖化の中、水産漁業にどう対応するかについて伺います。 自然相手の農林漁業などの一次産業は、今も昔も気象相手の不安定なものです。まず、令和六年一月二十一日から二十二日に発生した暴風、波浪警報による被害に驚きました。気仙沼市や特に南三陸町では、ワカメ、カキを中心に大打撃。東松島市や松島町、七ケ浜町、亘理町などの南部管内では、ノリ、カキの被害。また、中部の石巻十三浜では、収穫前のワカメの半分近くが駄目になり、養殖施設も大きな被害となりました。途中経過でありますが、十五億円以上の被害になっています。県として、被害状況をつかみ、資材購入費などの支援をすべきと思うが、知事に伺います。 また、これとは別に、先ほどの質問にもありましたが、異常な海水温上昇による被害が本当に大変な局面です。雄勝のホヤ、ホタテ。女川竹浦のホヤ、谷川浜から寄磯浜のホヤ、ホタテの死滅や落下などが大変なのです。また、ギンザケの稚魚がこの高水温で弱っており、今後どうするか大変困っています。今、大事なことは、官民一体で海洋の温暖化にどう立ち向かうについて、技術研修と専門的研究の体制を本格的に立ち上げる必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。また、水産業の専門的プロパー養成の人事政策を長い目で構築すべきと思うが、併せてお答えください。 以上で壇上からの質問といたします。御清聴ありがとうございました。
○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。 〔知事村井嘉浩君 登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 三浦一敏議員の代表質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、知事の政治姿勢についての御質問にお答えいたします。 初めに、自民党の政治資金パーティーや裏金事件、企業・団体献金禁止についてのお尋ねにお答えいたします。 政治資金規正法は、政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与することを目的として、会社等の寄附の制限などの政治資金授受の規制、政治資金パーティーの節度ある開催や政治団体に係る政治資金の収支公開など、政治資金の明朗化を図るために定められたものであります。そのような中、自民党の政策集団において、法違反となる不透明、不適切な会計処理が指摘されたことは、パーティー券を購入された方をはじめ、国民の信頼を損なう、誠に残念なことであると思っております。私といたしましては、現在、自民党の政治刷新本部において、具体的な改革案や再発防止策についての検討が進められているところであり、岸田総理が今国会で政治資金規正法改正を実現するとも明言されていることから、必要な法改正など不断の改革を進め、政治に対する国民の信頼回復に努めていただきたいと考えております。 次に、新年度予算案への見解についての御質問にお答えいたします。 来年度は、少子化対策や若者の県内定着、DXの推進など、県民や事業者、国や市町村など様々な主体と連携しながら、富県躍進につながる取組を予算化いたしました。産業分野では、半導体関連産業の集積や振興のほか、農林水産業のデジタル化、担い手対策などにも力を入れて取り組んでいくこととしております。また、物価高騰対策については、国の賃上げ実現に向けた取組や、今年六月から実施予定の定額減税なども踏まえながら、先ほど追加提出した今年度補正予算案との一体的な編成により、県民の皆様の生活や県内企業等の事業継続に配慮して、できる限りの予算措置を講じたところであります。これらの取組は、人口減少局面においても、我が県の社会経済活動の持続性を確保し、更なる発展につながるものであることから、来年度予算案は、次代への連綿予算と銘打ち、その編成に当たっては、将来の我が県の姿を思い描きながら、今まで以上に県民の皆様の様々な思いを酌み取るよう心がけたところであります。 次に、大綱二点目、能登半島地震の被害と志賀原発の教訓についての御質問のうち、避難計画のつくり直しが必要ではないかとのお尋ねにお答えいたします。 女川原子力発電所周辺七つの市町の避難計画については、国が設置した女川地域原子力防災協議会において、女川地域の緊急時対応として取りまとめられ、原子力災害対策指針等に照らして、具体的かつ合理的であることが確認されております。緊急時対応では、複合災害を想定しており、まずは自然災害による人命へのリスクを回避する行動を優先することとしているほか、避難時に陸路が使用できない場合は、海路・空路による避難を行うこととしております。県としては、国において、能登半島地震の検証を行った上で、必要な支援や対策を行うよう要望するとともに、原子力防災に終わりや完璧はないことから、引き続き、国、関係市町と連携し、訓練の実施等を通じて継続的に避難計画の検証・改善を図ってまいります。 次に、大綱三点目、四病院再編問題についての御質問にお答えいたします。 初めに、仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合に向けた基本合意についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年十二月に、日本赤十字社及び県立病院機構と基本合意を締結し、名取の新病院の医療機能のうち、がん医療については、がん診療連携拠点病院として、県内のがん政策において必要な機能を維持する方向性を示したところであります。具体的な医療機能については、今後、関係者と協議を進めてまいりますが、令和元年度のあり方検討会議で提言された、がんを総合的に診療できる機能を有する病院を実現するとともに、県全体としてがん医療の水準を確保できるよう、十分に検討を重ねてまいります。また、県立がんセンターの幹部に対しましては、基本合意前の段階において、保健福祉部の職員から説明を行うとともに、新病院の医療機能に関する協議や病院の統合に伴う職員の処遇に関する御意見等を伺っております。 次に、名取の新病院における、がん医療機能についての御質問にお答えいたします。 名取の新病院では、がん診療連携拠点病院として、東北大学との補完・連携を進め、県内のがん政策に必要な機能を維持してまいりますが、その機能については、がん医療の需要や、他のがん診療連携拠点病院等との役割分担・連携の状況により決定するものと考えております。県といたしましては、新病院の具体的な機能について、県全体のがん医療の水準が確保できる体制づくりを見据えながら、引き続き関係者との協議を進めてまいります。 次に、県立がんセンターを更に充実させていくべきとの御質問にお答えいたします。 県内のがん患者数は、高齢化の進展とともに増加する見込みですが、入院患者は二〇四〇年頃、手術件数は二〇三〇年頃を境に減少していくと推計されており、効率的ながん医療提供体制を確保するためには、機能の集約化が必要であると考えております。県といたしましては、仙台赤十字病院との統合により、がんを総合的に診療できる機能を有する病院の実現が図られるものと考えており、県全体として、がん医療の充実を目指してまいります。 次に、県立がんセンター職員の雇用についての御質問にお答えいたします。 基本合意書においては、職員の処遇について、新病院の医療機能に関する今後の詳細な協議を踏まえ、職員の意向に配慮した上で、県立病院機構、日本赤十字社及び県で協議の上、決定することとしております。県といたしましては、県立循環器・呼吸器病センターの閉院時の対応などを参考にしながら、職員の雇用の確保など、必要な措置を講じるよう最大限努力し、職員の不安払拭に向けて取り組んでまいります。 次に、県立精神医療センターの富谷市への移転についての御質問にお答えいたします。 移転の協議を進める上で、地域説明会やアンケート調査などを通じて様々な御意見を伺っており、患者の家族をはじめ、地域住民、病院職員の方々からの不安や懸念の声が大きいことは十分承知しております。県としては、地域説明会などの場で、県の考えをお伝えするとともに、患者や家族の方々などの御意見を踏まえ、県立精神医療センターのサテライト案の検討などを進めているところであり、移転・合築に伴う不安や懸念を少しでも払拭できるよう、引き続き取り組んでまいります。なお、精神医療センターの富谷市への移転については、労働者健康安全機構の理解の下で検討を行っているところであり、名取市内の移転適地が見当たらない現状において、令和元年度のあり方検討会議で示された、老朽化が進む建物の早期建て替えや身体合併症への対応能力の向上等が図られることから、この枠組みで引き続き協議を進めてまいりたいと考えております。 次に、大綱四点目、広域防災拠点構想の問題点についての御質問のうち、知事の責任についての所感はどうかとのお尋ねにお答えいたします。 県では、東日本大震災の教訓を踏まえ、傷病者の域外搬送拠点機能の充実強化、広域支援部隊の一時集結場所やベースキャンプ用地の確保、物資輸送中継拠点の整備等が必要であると強く認識したことから、県内唯一の基幹災害拠点病院に近接するなど、地理的優位性が高い宮城野原地区に広域防災拠点を整備することとしたものであります。本事業については、近年の資材・人件費高騰等の影響のほか、関係機関との協議による変更、着手後の現地調査結果による変更などにより、事業費の増額や事業期間の延伸が生じたものでありますが、いずれも事業着手時には想定し得なかったことから、やむを得ないものと考えております。宮城野原地区の広域防災拠点は、県内全域をカバーする防災拠点として中核的な役割を担うものであり、我が県が進める防災体制の構築に極めて重要な施設であることから、今回、公共事業評価部会から頂いた、事業継続は妥当との答申を十分踏まえ、引き続き、一日も早い供用に向けしっかりと取り組んでいくことが、私の責務であると考えております。 次に、大綱五点目、希望ある県政を目指してについての御質問にお答えいたします。 初めに、人口減少対策の規模についてのお尋ねにお答えいたします。 御指摘のありました重点項目は、来年度に向けて特に力を入れるべき分野に関して、新規事業や拡充事業等を中心に代表的なものを抜粋してお示ししたものであり、県の行う取組は、これに限られるものではありません。人口減少については喫緊の課題であることから、部局を横断した検討を進めるとともに、来年度予算案においては、不妊治療に対する助成事業を創設するなど、次世代育成・応援基金の活用規模を倍増させ、約四億円を取り崩し充当することとしております。引き続き、こうした取組を着実に進めながら、情勢の変化に応じて機動的に新規施策を展開するなど、あらゆる手だてを講じて、人口減少対策に力を尽くしてまいります。 次に、各地方振興事務所への新規就農者支援に係るワンストップ窓口設置についての御質問にお答えいたします。 新規就農者を確保・育成していくことは、本県農業の持続的な発展を図るためにも大変重要であると認識しております。このため、県では、農業大学校の設置のほか、就農相談をはじめ、就農に向けた研修資金や経営開始資金の助成、就農後の経営発展に必要な機械・施設の導入等の取組を支援しております。新規就農者支援のワンストップ窓口については、我が県では、農業経営・就農支援センターを設置しており、その地域窓口として、県内に九か所ある農業改良普及センターが就農や農業経営に関する様々な相談に対応しております。また、近年はUターンや新規参入など、就農相談も多様化していることから、今年度より、就農に関する総合的な案内役として、コンシェルジュを新たに配置し、対応しております。県といたしましては、今後とも、市町村や関係機関と連携し、就農前から就農後まで切れ目のない支援を行うことにより、次世代の地域農業を担う人材の確保・育成に取り組んでまいります。 次に、波浪等による水産業被害への支援についての御質問にお答えいたします。 先月発生した波浪等による水産業への影響について、現在、判明しているところでは、ワカメやノリなど、生産物や養殖施設において大きな被害が確認されております。漁業者においては、生産活動を優先しながら、施設の復旧や撤去作業を行っておりますが、県では、現在、地方振興事務所が主体となり、宮城県漁業協同組合と連携し、詳細な被害状況の把握に努めているところであります。県といたしましては、この調査結果を踏まえ、漁業者や県漁協、沿岸市町の意向や要望等をお聞きしながら、来漁期の円滑な事業実施に向けて、制度資金の早期の発動などを含め、必要な支援策を検討してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 復興・危機管理部長千葉章君。 〔復興・危機管理部長 千葉 章君登壇〕
◎復興・危機管理部長(千葉章君) 大綱二点目、能登半島地震の被害と志賀原発の教訓についての御質問のうち、原子力規制委員会に対し、女川原子力発電所の基準地震動の再評価を求めるべきとのお尋ねにお答えいたします。 女川原子力発電所の基準地震動については、国の審査において、海域活断層調査も含め、発生する可能性がある最大地震を選定した上で揺れの強さを評価したものであり、その結果を踏まえ、耐震設計が決定されたものと認識しております。なお、今後、国において、今回の能登半島地震に関する調査・研究結果を踏まえ、新たな知見が確認された場合には、遡及適用、いわゆるバックフィット制度により規制がなされるものと考えております。 次に、専門家による安全性検討会を再開すべきとの御質問にお答えいたします。 女川原子力発電所二号機については、東北電力株式会社が原子力規制委員会に設置変更許可申請を行い、厳格な審査の結果、安全対策に関する基本方針や基本設計が、新規制基準に適合しているものとして許可されたものと承知しております。その後の設計及び工事計画の認可を踏まえて行われている安全対策工事の内容の検証については、原子力規制委員会が使用前確認等において、責任を持って厳格に行うべきものと考えております。県としては、国の確認状況を注視するとともに、立地市町と女川原子力発電所周辺の安全確保に関する協定に基づく立入調査等により、安全性をしっかり確認してまいります。 次に、大綱四点目、広域防災拠点構想の問題点についての御質問のうち、広域防災拠点の完成が延び、訓練ができないことについてのお尋ねにお答えいたします。 県内の防災拠点の訓練については、みやぎ県民防災の日総合防災訓練において、利府町の県総合運動公園の開設訓練、九・一総合防災訓練において、圏域防災拠点の開設訓練に取り組んでいるほか、暫定広域防災拠点、圏域防災拠点へ派遣される職員を対象とした資機材の操作訓練等も行っているところです。宮城野原地区の広域防災拠点については、暫定整備地での訓練にとどまっておりますが、他の訓練を通じて関係機関との連携に向けた取組を着実に進めております。県としましては、様々な訓練の実施と検証を重ねながら、引き続き、大規模災害に備えた防災体制の構築に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 保健福祉部長志賀慎治君。 〔保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕
◎保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱五点目、希望ある県政を目指してについての御質問のうち、乳幼児医療費助成の拡充についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県では、県から市町村に対する助成対象を、入院、通院ともに就学前までとしており、一部自己負担金を課していないこと、完全現物給付方式を採用していること、政令指定都市への補助率に差を設けていないことなどを踏まえれば、全国的に見て遜色のない制度と認識しております。対象年齢の引上げについては、新たな負担増を毎年継続していくための恒久的財源が必要になるなど、課題があると考えております。県としては、こうした制度は本来、ナショナル・ミニマムとして国が責任を持って整備すべきと考えており、全国一律の制度創設について、全国知事会を通じて、引き続き国に要望してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 農政部長橋本和博君。 〔農政部長 橋本和博君登壇〕
◎農政部長(橋本和博君) 大綱五点目、希望ある県政を目指してとの御質問のうち、鹿対策とイノシシ対策の抜本的な強化についてのお尋ねにお答えいたします。 野生鳥獣の捕獲数については、鹿は依然として石巻市など東部地域に多く、イノシシについては近年、特に大崎市や栗原市など北部地域で大幅に増加しております。このため、市町村等が国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用し、侵入防止柵の設置やICTわななどの導入を行っております。また、被害の軽減には個別に取り組むのではなく、集落ぐるみの取組が非常に重要であり効果的であることから、県では今年度、侵入防止柵やわなの設置と維持管理のため、栗原市の四集落に専門家を派遣し、現地点検やワークショップを開催するなど、集落の合意形成を図りながら課題に応じた支援に努めているところです。県といたしましては、緊急捕獲の上限単価の引上げや被害対策に必要な交付金が措置されるよう、国に要請してまいりますとともに、北部や東部圏域など地方振興事務所単位で組織される地域連携会議等において、市町村や農業協同組合、猟友会などの関係機関と緊密に連携し、ICT機器等による効率的な捕獲の推進や、捕獲個体処理の負担軽減など、地域と一体となった取組を支援することで、鳥獣被害の軽減に引き続き努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 水産林政部長吉田信幸君。 〔水産林政部長 吉田信幸君登壇〕
◎水産林政部長(吉田信幸君) 大綱五点目、希望ある県政を目指してとの御質問のうち、官民一体の研究体制及び専門的職員の養成についてのお尋ねにお答えいたします。 近年の海水温上昇等により、様々な魚種で生産が不安定な状況にあり、その対応が喫緊の課題であると認識しております。このため県では、水産技術総合センターを核として、海水温の継続的な観測・分析や、暖水性魚種の漁獲動向調査及び加工技術開発、新しい養殖種の探索など、様々な分野から海水温上昇へのアプローチを行い、漁業者や水産加工業者とも連携して、対応を進めております。また、職員の育成については、大学や国の共同研究による技術向上に加え、今年度から、漁業者と連携した官民一体の技術研修の取組も開始したほか、職員の能力・適性を踏まえ、研究分野で活躍できる職員の育成に向けた人事配置を更に進めることとしております。県といたしましては、引き続き、職員の専門性をより高める取組とともに、関係者の協力も得ながら官民一体となった研究の推進に努め、海洋環境の変化など水産業が直面する課題に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 土木部長千葉衛君。 〔土木部長 千葉 衛君登壇〕
◎土木部長(千葉衛君) 大綱四点目、広域防災拠点構想の問題点についての御質問のうち、公共事業再評価における事業効果についてのお尋ねにお答えいたします。 広域防災拠点整備事業の費用便益比については、事業着手時は、国のマニュアルに基づき、大規模公園としての効果を算定しておりましたが、今回の公共事業再評価においては、これまでの県議会からの御意見を踏まえ、複数の学識者からの助言を得ながら、新たに大規模災害時の効果を追加して、昨年十一月に県行政評価委員会へ諮問したところです。公共事業評価部会では、「大規模災害時の効果の算定根拠について、一定の妥当性は認めてよい」との御意見があったほか、「想定している災害と発生頻度を示すべき」「公園としての効果と大規模災害時の効果を分けて説明すべき」との御意見を頂いたところです。これらの意見を踏まえ、大規模公園の費用便益比については、事業費の増額や事業期間の延伸を考慮の上、一・一と算定し、大規模災害時の効果については、費用便益比の算定には加えず、県の第五次地震被害想定調査における四つの地震に対する便益が約四百三十五億円から約千八百七十六億円となることを再評価調書に示し、部会で説明しております。その結果、県行政評価委員会から事業継続が妥当との答申を頂いたことから、県といたしましては、引き続き、早期完成に向けしっかりと取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 教育委員会教育長佐藤靖彦君。 〔教育委員会教育長 佐藤靖彦君登壇〕
◎教育委員会教育長(佐藤靖彦君) 大綱五点目、希望ある県政を目指してについての御質問のうち、学校給食費の無償化についてのお尋ねにお答えいたします。 学校給食は、児童生徒の健全な発達に資するとともに、学校における食育を推進する上で非常に大切なものであります。学校給食費の無償化については、市長会や町村会などから要望を頂いており、その趣旨を踏まえ、法改正等を含めた必要な措置の検討について、国に要望しているところです。国では、昨年六月に閣議決定したこども未来戦略方針を踏まえ、学校給食費の無償化に係る実態等を把握するための調査を実施し、課題の整理を行っているところであり、県といたしましては、今後の国の動向を注視するとともに、我が県だけでなく、全国の公平性が確保されるよう、引き続き国に働きかけてまいります。 次に、教員の未配置の状況についての御質問にお答えいたします。 我が県の教員の未配置数は、令和五年五月一日現在、小学校で十七人、中学校で十人の計二十七人となっております。ここ数年で減少傾向にはあるものの、解消には至っておらず、喫緊の課題であると認識しております。未配置が生じている主な要因としては、新規教員の大量採用により、講師経験者の多くが採用され、講師の登録者が減少したことが挙げられ、育児休業や病気休暇職員などの代替講師の配置ができなくなっているケースもあります。そのため、講師の確保に向けては、今年度新たに産育休代替講師の前倒し任用に取り組んだほか、いわゆるペーパーティーチャーを対象とする説明会を開催し、今年度は七十人を超える方に参加いただき、そのうち三十一人の方に講師登録を行っていただきました。県教育委員会といたしましては、今後も、教員を志す大学生へのインターンシップの実施や、採用選考説明会などにおける教員の魅力発信など、様々な手だてを講じることにより、教員の確保に取り組んでまいります。 次に、教員の長時間労働の実態等に関する御質問にお答えします。 正規の勤務時間外における在校等時間が月八十時間を超えたことがある教職員の割合については、令和四年度において、仙台市を除く市町村立小学校で六・四%、同じく中学校で三〇・六%となっております。平成三十年度と比較して減少傾向にはありますが、引き続き長時間勤務の縮減に取り組むことが重要であると認識しております。県教育委員会では、教職員の働き方改革に関する取組方針を昨年三月に改定し、取組の柱として、業務改善・削減による在校等時間の縮減を掲げ、県立学校の教職員の働き方改革に取り組むとともに、市町村教育委員会にも取組を促してきたところです。現在、国では、中央教育審議会の質の高い教師の確保特別部会において、教師の給与に関する制度の枠組みの見直しを含めた処遇改善について検討を進めていると承知しており、県教育委員会といたしましては、国における検討の推移を注視してまいります。 次に、不要不急の業務の削減及び過大な授業時数の削減、県独自での教職員増員についての御質問にお答えいたします。 学校現場においては、各種調査への回答など、授業以外の事務処理に対して負担を感じているものと認識しております。県教育委員会では、学校への依頼や照会について、必要最小限となるよう精選を図っているところであり、今後も市町村教育委員会とも認識の共有を図り、現場の意見を聞きながら、業務の削減につなげてまいります。授業時数については、これまでも指導主事訪問等を通じて適切な設定等について働きかけているところですが、今後更に各学校が指導体制や教育課程編成の工夫・改善に取り組み、適切な授業時数を設定できるよう、市町村教育委員会を支援してまいります。義務教育における教職員定数の在り方については、国において定められ、その責務として必要な財源を確保すべきものと考えており、県教育委員会としては、市町村教育委員会の意見をしっかりと聞きながら、必要な学校に必要な教員を配置するとともに、引き続き、教職員定数の充実について、国に要望してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 警察本部長原幸太郎君。 〔警察本部長 原 幸太郎君登壇〕
◎警察本部長(原幸太郎君) 大綱五点目、希望ある県政を目指してについての御質問のうち、信号機の設置基準と費用についてのお尋ねにお答えいたします。 信号機は、交通の安全と円滑を確保するために効果があります。設置に当たっては、事前に交通量、交通事故の発生状況等を調査分析し、真に必要性の高い場所を選定します。その選定に当たっては、準拠すべきものとして、警察庁において、信号機設置の指針を示しています。指針に示されている必要条件として、安全に擦れ違う車道幅員の確保、歩行者滞留場所の確保、一時間の主道路往復交通量が三百台以上、隣接信号機の距離が百五十メートル以上、信号柱設置場所の確保の五項目があり、これらを全て満たす必要があるほか、交通事故の発生状況、小中学校の有無等、択一条件のいずれかに該当することが必要となります。県警察としては、今後も地域住民の意向を的確に把握しながら、道路管理者と十分に連携を図るなどして、信号機の計画的な整備に努めてまいります。また、信号機の形式である定周期式、感応式及び押しボタン式のうち、お尋ねの定周期式信号の設置費用は約九百万円、押しボタン式信号が約五百万円となります。 次に、県単独での信号機新設についての御質問にお答えいたします。 信号機は、交通の安全を確保するための重要な施設ではありますが、現時点、国が定める設置基準が問題とは認識しておりません。お尋ねの今年度予算における新設信号機は八基であり、このうち六基を県単独予算により整備しております。交通安全施設整備費に係る来年度の当初予算案のうち、県単独予算における信号機新設や道路標識・標示の整備等に必要な経費として、前年比約一億円増の約六億九千八百万円を計上し、そのうち信号機新設に係る経費は約四千八百六十四万円、信号機七基を新設する予定です。なお、信号機の新設が困難な場合は、道路環境や交通量等を踏まえ、一時停止等の交通規制や道路管理者による安全施設の整備、道路改良等の必要な対応を実施します。引き続き、交通の安全と円滑を確保するため、交通安全施設等の適切な整備と必要な予算の確保に努めてまいります。 以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 三十九番三浦一敏君。
◆三十九番(三浦一敏君) 前向きな答弁もありましたけれども、幾つか質問いたします。 まず、能登半島の地震の教訓を女川原発にどういうふうに生かしていくかということなのですが、一つは安全性の問題。これは、専門家というか、国とか規制委員会にお願いするとか指示を待つというのではなくて、やっぱり我々は、自分でこういう--非常に大きな能登半島の地震があったわけで、志賀原発が危機一髪だったということもいろいろ言われていますから、そういう点ではこの事に対して、やっぱり住民も声を上げるし、県などでもそのことを問題にして、国に迫っていく必要があるのではないかということなのですよ。だって、北陸電力は、この断層は九十六キロぐらいだというふうにしていたのですよ。ところが今回は百五十キロ、約倍近く動いたわけです。だから、北陸電力のこの件を教訓にすれば、実際上、女川原発の半径三十キロで今まではやっているのだから。そこをとにかく調査して、基準地震動を決めているわけですよ。こういうことではおかしいというふうに知事なり部長は思いませんか。
○議長(高橋伸二君) 復興・危機管理部長千葉章君。
◎復興・危機管理部長(千葉章君) 志賀原発の基準地震動でございますけれども、報道でも言われておりますが、想定を上回ったと言われているのですけれども、新規制基準の審査が今やっているところで、実際、新規制基準上の基準地震動というのはまだ決まってないということでございます。ですから、規制委員会のほうでも、今回の地震を踏まえて、しっかり見直すというか審査をするので、時間がかかるだろうということになっています。一方で、女川のほうですけれども、先ほど御答弁申し上げたとおりなのですけれども、海域活断層の調査も含め、また、プレート内での地震、そういったものも全部含めて審査を受けまして、今ある知見の中では大丈夫だということで確認されているということですので、まずはやっぱり規制委員会のほうでその辺、疑問があるのであれば、しっかり調べていただくということが大事ではないかというふうに考えております。
○議長(高橋伸二君) 三十九番三浦一敏君。
◆三十九番(三浦一敏君) 失礼だけれど、部長の認識は間違っているよ。女川原発は、海側のほうは三十キロまで音波探査で調査したということになっているわけ。けれども、能登半島では、海岸沿いで五つの活断層が連続して動いて大きな被害になった。これは結局見落としたわけ。だから、三十キロ圏の中は一応音波で女川はやっているけれど、その外はやっていないのですよ。そういうことでよろしいのかということを言っていて、だから、外側もちゃんと見なければ駄目ではないかということを言っているの。そう思いませんか。
○議長(高橋伸二君) 復興・危機管理部長千葉章君。
◎復興・危機管理部長(千葉章君) 規制委員会の中でもそのような意見が前からあったということは承知しております。それで、今まだ新規制基準の話が決定したわけではございませんので、その辺はしっかり規制委員会で審査をするというふうに認識はしております。以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 三十九番三浦一敏君。
◆三十九番(三浦一敏君) だから、受動的に向こうからのやつをただ待つだけでなく、ぜひこちらからも声を上げてほしいということを言っているわけ。 それで、圧力抑制室の耐震補強とか電線管は大分工事が進んで、再稼働の時期も一応示されたのだけれど、この検査は、電力会社に任せておいたのでは駄目なんじゃない。私は、そのための検査のシステム、専門の検討委員会をつくってやるべきではないかという提案をしているのですが、この点はいかがなのですか。答弁は直接はなかったかなと思うのだけれど。
○議長(高橋伸二君) 復興・危機管理部長千葉章君。
◎復興・危機管理部長(千葉章君) 一部答弁でも触れておりましたけれども、安全対策工事の内容の検証については、原子力規制委員会が使用前確認等を行う。検査そのものは、電力会社のほうで行いますけれども、その検査をしっかりやっているかということを規制委員会のほうで確認するということでございます。なお、規制委員会のほうでは現地に事務所がございますけれども、その職員が女川原発のほうに行って常駐しながらやっているという話も聞いておりますので、しっかりやっているものだというふうに認識しております。
○議長(高橋伸二君) 三十九番三浦一敏君。
◆三十九番(三浦一敏君) やっぱり、第三者のそういう専門的な機関をつくって、それは前もやっているのだから、そういうふうにやる必要があるのではないかと私は思いますよ。 それから、知事なり部長にお聞きしますが、この避難計画。非常に地形も似ているところだから、結局それは、家屋もああいうふうな状態になったり、どういうふうな地震になるか災害になるか分かりませんけれど、そういうふうなことを想定すると、避難計画というのは、自宅退避なども含め、見直しがいずれ来るだろうということなのですね。来るまでは再稼働はできないのだね。どうなの。
○議長(高橋伸二君) 復興・危機管理部長千葉章君。
◎復興・危機管理部長(千葉章君) 見直しが来るという答弁で申し上げましたのは、国のほうの原子力規制委員会でつくっております原子力災害対策指針に基づいて避難計画もつくられておりますけれども、規制委員会のこの間の話もございましたけれども、基本的な考え方としては、今回の能登半島地震を踏まえても間違ってはいないと。それで今は、屋内退避をどうするのか、いつまでするのか、そういうところのしっかりした見直しは必要だということで見直しにかかっているということで承知しているところでございます。それで、県としましては、そういった知見があれば当然見直しということでございますけれども、それを待たずしても、毎年度やっております訓練を通じて検証を行って、足りないところは補って改正していくということを繰り返していくということでございまして、それと再稼働とはまた別の話だというふうに認識しております。
○議長(高橋伸二君) 三十九番三浦一敏君。
◆三十九番(三浦一敏君) 全然別ではないですよ。ちゃんと実行できる避難計画ができないではないですか。いつ、どういうふうにしてその局面で号令を出したりなんかすると。今の避難計画自体、退避で混乱しないようにということを前提にしてやっているのですよ、当然。その前提が崩れるということは、もう一回見直す必要があるのではないですか。違いますか。
○議長(高橋伸二君) 復興・危機管理部長千葉章君。
◎復興・危機管理部長(千葉章君) 今も女川地域の緊急時対応は、例えばですけれども、道路が寸断された場合には、海路、空路、そういったものも使うということを前提に、複合災害のことも前提につくられているということでございます。ですから、今回の一月にやった訓練でも、ヘリコプターでの輸送、また船舶での輸送ということも行いましたので、そういった訓練を通じて更に複数のルートが必要だということであれば、そういったことを避難計画に盛り込んでいくということでございます。