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  1. 宮城県議会 2023-09-01
    09月20日-06号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    令和 5年  9月 定例会(第389回)          第三百八十九回宮城県議会(定例会)会議録                              (第六号)令和五年九月二十日(水曜日)  午前十時開議  午後三時四十一分散会      議長                     菊地恵一君      副議長                    池田憲彦君出席議員(五十八名)        第一番                  金田もとる君        第二番                  佐々木奈津江君        第四番                  石田一也君        第五番                  佐藤剛太君        第六番                  伏谷修一君        第七番                  松本由男君        第八番                  柏 佑賢君        第九番                  福井崇正君        第十番                  大内真理君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  三浦ななみ君       第十三番                  枡 和也君       第十四番                  佐藤仁一君       第十五番                  渡邉重益君       第十六番                  わたなべ 拓君       第十七番                  伊藤吉浩君       第十八番                  八島利美君       第十九番                  瀬戸健治郎君       第二十番                  櫻井正人君      第二十一番                  村上久仁君      第二十二番                  高橋宗也君      第二十三番                  天下みゆき君      第二十四番                  三浦一敏君      第二十五番                  佐々木功悦君      第二十六番                  境 恒春君      第二十七番                  太田稔郎君      第二十八番                  遠藤伸幸君      第二十九番                  横山のぼる君       第三十番                  高橋 啓君      第三十一番                  庄田圭佑君      第三十二番                  遠藤隼人君      第三十三番                  渡辺勝幸君      第三十四番                  横山隆光君      第三十五番                  佐々木賢司君      第三十六番                  守屋守武君      第三十七番                  外崎浩子君      第三十八番                  池田憲彦君      第三十九番                  熊谷義彦君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  渡辺忠悦君      第四十二番                  菅間 進君      第四十三番                  坂下 賢君      第四十四番                  ゆさみゆき君      第四十五番                  仁田和廣君      第四十六番                  吉川寛康君      第四十七番                  伊藤和博君      第四十八番                  佐々木幸士君      第四十九番                  高橋伸二君       第五十番                  菊地恵一君      第五十一番                  佐々木喜藏君      第五十二番                  石川光次郎君      第五十三番                  中島源陽君      第五十四番                  本木忠一君      第五十五番                  中山耕一君      第五十六番                  安藤俊威君      第五十七番                  畠山和純君      第五十八番                  藤倉知格君      第五十九番                  中沢幸男君欠員(一名)        第三番-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    伊藤哲也君      副知事                    池田敬之君      公営企業管理者                佐藤達也君      総務部長                   小野寺邦貢君      復興・危機管理部長              千葉 章君      企画部長                   武者光明君      環境生活部長                 佐々木 均君      保健福祉部長                 志賀慎治君      経済商工観光部長               梶村和秀君      農政部長                   橋本和博君      水産林政部長                 吉田信幸君      土木部長                   千葉 衛君      会計管理者兼出納局長             大庭豪樹君      総務部参事兼秘書課長             村田俊顕君      総務部参事兼財政課長             高橋寿久君    教育委員会      教育長                    佐藤靖彦君      副教育長                   佐藤芳明君    選挙管理委員会      委員長                    皆川章太郎君      事務局長                   後藤和隆君    人事委員会      委員長                    西條 力君      事務局長                   北沢康一君    公安委員会      警察本部長                  原 幸太郎君      総務部長                   横山 裕君    労働委員会      事務局長                   中村今日子君    監査委員      委員                     吉田 計君      事務局長                   小林一裕君-----------------------------------    議会事務局      事務局長                   目黒 洋君      副事務局長兼総務課長             大場則昭君      参事兼議事課長                菅原敏彦君      政務調査課長                 佐野浩章君      総務課副参事兼総括課長補佐          堀 喜昭君      議事課総括課長補佐              大友幸二君      副参事兼政務調査課総括課長補佐        千葉恵子君      議事課長補佐(班長)             我妻則之君      議事課主任主査(議事運営担当)        二上秀幸君-----------------------------------    議事日程 第六号                 令和五年九月二十日(水)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 発議第六号議案 宮城県再生可能エネルギー等省エネルギー促進条例の一部を改正する条例第三 発議第七号議案 宮城県犯罪被害者等支援条例第四 議第百三十三号議案 教育委員会委員の任命につき同意を求めることについて第五 議第百十号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第三十号第六 一般質問    [守屋守武君、安藤俊威君、仁田和廣君、中沢幸男君]第七 議第百三十四号議案 令和四年度宮城県一般会計決算及び各特別会計決算の認定について第八 議第百三十五号議案 令和四年度宮城県水道用水供給事業会計利益積立金の目的外使用について第九 議第百三十六号議案 令和四年度宮城県流域下水道事業会計利益積立金の目的外使用について第十 議第百三十七号議案 令和四年度宮城県公営企業会計決算の認定について第十一 議第百三十八号議案 令和四年度宮城県水道用水供給事業会計処分利益剰余金の処分について第十二 議第百三十九号議案 令和四年度宮城県工業用水道事業会計処分利益剰余金の処分について第十三 議第百四十号議案 令和四年度宮城県地域整備事業会計処分利益剰余金の処分について第十四 議第百四十一号議案 令和四年度宮城県流域下水道事業会計処分利益剰余金の処分について第十五 報告第三十一号 令和四年度宮城県水道用水供給事業会計継続費精算の報告について第十六 報告第三十二号 令和四年度宮城県工業用水道事業会計継続費精算の報告について第十七 報告第三十三号 令和四年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率の報告について第十八 請願-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二及び日程第三 発議第六号議案及び発議第七号議案三 日程第四 議第百三十三号議案四 日程第五 議第百十号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第三十号五 日程第六 一般質問    〔守屋守武君、安藤俊威君、仁田和廣君、中沢幸男君〕六 日程第七ないし日程第十七 議第百三十四号議案ないし議第百四十一号議案及び報告第三十一号ないし報告第三十三号七 日程第十八 請願----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。-----------------------------------会議録署名議員の指名 ○議長(菊地恵一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、七番松本由男君、八番柏佑賢君を指名いたします。----------------------------------- △諸報告 ○議長(菊地恵一君) 御報告いたします。 お手元に配布の諸報告一覧表のとおり、地方自治法第百五十条第六項の規定により、令和四年度宮城県内部統制評価報告書について提出がありました。 お手元に配布のとおり、条例の規定により、令和五年度政策評価・施策評価に係る評価の結果の概要について、提出がありました。 監査委員成田由加里君から本日欠席、監査委員吉田計君が代理出席する旨の届出がありました。----------------------------------- △発議第六号議案・発議第七号議案 ○議長(菊地恵一君) 日程第二及び日程第三、発議第六号議案、宮城県再生可能エネルギー等省エネルギー促進条例の一部を改正する条例、発議第七号議案、宮城県犯罪被害者等支援条例を一括して議題といたします。……………………………………………………………………………………………発議第六号議案 宮城県再生可能エネルギー等省エネルギー促進条例の一部を改正する条例 右の議案を別紙のとおり地方自治法第百十二条第一項及び宮城県議会会議規則第十五条第一項の規定により提出します。  令和五年九月十五日    提出者  議員 高橋宗也    賛成者  議員 佐々木功悦 中島源陽  横山隆光            八島利美  大内真理  横山のぼる            菅間 進 宮城県議会議長 菊地恵一殿……………………………………………………………………………………………  宮城県再生可能エネルギー等省エネルギー促進条例の一部を改正する条例 宮城県再生可能エネルギー等省エネルギー促進条例(平成十四年宮城県条例第四十一号)の一部を次のように改正する。 題名中「宮城県」の下に「地域と共生する」を加える。 前文を次のように改める。 地球的な規模での資源・環境の有限性という制約に直面している今日、エネルギー需給システムを今後どのような形で構築していくのかは、二十一世紀の地球社会にとって最重要課題の一つである。 我が国を含めた多くの国が西暦二〇五〇年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量の間の均衡を達成することをいう。以下同じ。)を達成するという目標を掲げており、石油・石炭などの化石燃料の使用を抑制して二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量を削減するとともに、自然環境の維持・整備等により温室効果ガスの吸収源となる森林や海洋の保全等に取り組む必要がある。 また、気候の大幅な変動は、自然災害の増加をもたらし、地球規模で大きな被害が発生し、本県もその例外ではない。 このような状況において、限られた資源を大切に使いながら、環境の保全に十分な注意を払い、地域の持続的発展を可能にしていくためには、カーボンニュートラルを目指す取組を通じて再生可能な循環型社会への変革を強力に推し進め、社会成長につなげなければならないことは明らかである。 「地球規模で考え、地域に根ざして行動する」ことが求められている今、再生可能エネルギー等の導入促進について地域住民と事業者等が相互理解を基本に共生しつつ、地域資源の有効活用に努めること及び省エネルギーの施策を推進することによって、良好な環境を将来に引き継いでいく必要がある。 このような認識に立って、地球環境問題の解決に貢献し、持続的な発展を可能とする循環型社会及び脱炭素社会を築き上げるため、私たちができる役割を最大限に自ら果たすことを決意し、この条例を制定する。 第一条中「について」の下に「、基本理念を定め」を加え、「事業者」を「事業者等(営利又は非営利で事業を行う個人又は法人をいう。以下同じ。)」に、「環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築並びに現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保」を「地球温暖化対策の更なる推進並びに自然環境の保全及び地域社会の健全な発展」に改める。 第二条第一項中「次に掲げる」を「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、永続的に利用することができる」に改め、各号を削る。 第二条の次に次の一条を加える。 (基本理念)第二条の二 再生可能エネルギー等の導入促進及び省エネルギーの促進は、関係法令及びこの条例の遵守の下、地域環境等に配慮し、また、地域特性に適合するよう適切に行われなければならない。2 再生可能エネルギー等の導入促進及び省エネルギーの促進は、地域住民への説明及び地域住民との対話により十分な理解を得ながら、地域との共生が図られるよう適切に行われなければならない。第三条第一項中「県は」の下に「、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり」を加える。第四条中第二項を第三項とし、第一項を第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。 市町村は、再生可能エネルギー等の導入に係る施策の実施に当たっては、基本理念にのっとり、地域から十分な理解が得られるよう必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 第五条第一項中「県民は」の下に「、基本理念にのっとり」を加える。 第六条を次のように改める。 (事業者等の責務)第六条 事業者等は、再生可能エネルギー等の導入に係る事業の実施に当たっては、基本理念にのっとり、地域から十分な理解が得られるよう努めなければならない。2 事業者等は、その事業活動を行うに当たっては、自ら積極的に再生可能エネルギー等の導入及び省エネルギーの推進に努めなければならない。3 事業者等は、県が実施する再生可能エネルギー等の導入促進及び省エネルギーの促進に関する施策に協力するものとする。4 発電等関連事業者(電力の発電や送電、小売、熱の生成や供給等の事業に関わる者をいう。)は、その事業において、可能な限り再生可能エネルギー等の導入拡大に努めなければならない。 第七条中「事業者及び民間非営利活動団体その他の民間団体(以下「民間非営利活動団体等」という。)」を「事業者等」に改める。 第八条中「県は」の下に「、西暦二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現を目指し」を加え、同条第三号中「事業者」を「事業者等」に改める。 第十条中「事業者」を「事業者等」に改め、「推進の」の下に「効果並びに」を加える。 第十一条の見出し中「民間非営利活動団体等の」を削り、同条中「事業者又は民間非営利活動団体等」を「事業者等」に改める。 第十二条中「事業者」を「事業者等」に改める。    附則 この条例は、公布の日から施行する。……………………………………………………………………………………………提案理由 再生可能エネルギー等の導入促進及び省エネルギーの促進について、地域住民への説明及び地域住民との対話により十分な理解を得ながら、地域との共生が図られるよう、条例の題名を改め、基本理念を定めるなど、所要の改正を行うため、本条例案を提出するものである。……………………………………………………………………………………………発議第七号議案 宮城県犯罪被害者等支援条例 右の議案を別紙のとおり地方自治法第百十二条第一項及び宮城県議会会議規則第十五条第一項の規定により提出します。  令和五年九月十五日    提出者  議員 中山耕一    賛成者  議員 ゆさみゆき 佐々木幸士 遠藤隼人            松本由男  金田もとる 遠藤伸幸            岸田清実 宮城県議会議長 菊地恵一殿……………………………………………………………………………………………  宮城県犯罪被害者等支援条例改正する条例 宮城県犯罪被害者支援条例(平成十五年宮城県条例第七十六号)の全部を改正する。目次 前文 第一章 総則(第一条-第十条) 第二章 基本的施策(第十一条-第二十二条) 第三章 推進体制(第二十三条・第二十四条) 第四章 普及啓発(第二十五条・第二十六条) 第五章 雑則(第二十七条-第二十九条) 附則 安全で安心して暮らせる平穏な社会を実現することは、県民すべての願いであり、このような社会を実現するためには、不幸にして犯罪等による被害を受け、心身への影響や生活への支障を来した人々について、一人ひとりが我が事として捉え、社会全体として共有し、課題解決を目指していかなければならない。 これまで、県においては、国の法律施行に先駆け全国初の条例を制定するなど、犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為による被害者救済のための努力が積み重ねられてきた。しかし、依然として様々な犯罪等が後を絶たず多くの人々が被害者及びその家族又は遺族となっている。 犯罪被害者等の多くは、十分にその権利が尊重され支援を受けてきたとは言い難く、社会において孤立を余儀なくされている場合がある。さらに、犯罪等による直接的被害にとどまらず、誹謗中傷等による二次的被害に苦しめられている事例が後を絶たない。 このような状況にある犯罪被害者等が、地域社会において再び安全で安心な日常生活を営むことができるようにするためには、国、県、市町村その他の関係行政機関をはじめ、関係する主体が相互に連携し、犯罪被害者等に寄り添った、きめ細やかで、実効性ある取組が必要である。また、犯罪被害者等の権利利益の保護が図られる社会の実現のための不断の努力が求められる。 よって、私たちは、犯罪被害者等のための施策の基本理念を明らかにして、その方向性を示し、国、県、市町村その他の関係行政機関、民間支援団体等の連携のもと、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進するため、ここに条例を制定する。    第一章 総則 (目的)第一条 この条例は、犯罪被害者等のための施策に関し、基本理念を定め、並びに県、市町村、県民、事業者及び民間支援団体の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等のための施策の基本となる事項を定めること等により、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もって犯罪被害者等が受けた被害の回復又は軽減及び犯罪被害者等の生活の再建を図ること並びに犯罪被害者等を社会全体で支え、誰もが安全に安心して暮らすことができる社会の実現に寄与することを目的とする。 (定義)第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。 二 犯罪被害者等 犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族をいう。 三 犯罪被害者等のための施策 犯罪被害者等が、その受けた被害を回復し、又は軽減し、再び平穏な生活を営むことができるように支援し、及び犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する手続に適切に関与することができるようにするための施策をいう。 四 再被害 犯罪被害者等が、当該犯罪等の加害者から再び被害を受けることをいう。 五 二次的被害 犯罪被害者等が、犯罪等による被害を受けた後に、周囲の者による理解又は配慮に欠けた言動、インターネット等を通じて行われる誹謗中傷、報道機関による過剰な取材等により、受ける精神的な苦痛、身体の不調その他の被害をいう。 六 民間支援団体 犯罪被害者等早期援助団体犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(昭和五十五年法律第三十六号)第二十三条第一項の団体をいう。)その他の犯罪被害者等の支援を主たる目的として適切に行う民間の団体をいう。 (基本理念)第三条 犯罪被害者等のための施策は、次の各号に掲げる事項を基本理念とし、犯罪被害者等の立場に立って適切に推進されなければならない。 一 犯罪被害者等は、個人としての尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利が尊重されること。 二 犯罪被害者等のための施策は、犯罪被害者等が受けた被害の状況及び原因、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて適切に行われるとともに、再被害及び二次的被害が生じることのないよう十分に配慮されること。 三 犯罪被害者等が日常生活を平穏に営み、安心して暮らすことができるよう、一人ひとりに寄り添った必要な支援が途切れることなく提供されること。 四 国、県、市町村その他の関係行政機関、民間支援団体等による相互の連携及び協力のもとに推進されること。 (県の責務)第四条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、国、市町村その他の関係行政機関、民間支援団体等との適切な役割分担を踏まえ、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進する責務を有する。2 県は、市町村が犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進できるよう、必要な情報の提供及び助言その他の支援を行うものとする。 (市町村の責務)第五条 市町村は、基本理念にのっとり、国、県その他の関係行政機関、民間支援団体等との適切な役割分担を踏まえ、当該地域の状況に応じた施策を推進するとともに、県が実施する犯罪被害者等のための施策の推進に協力するよう努めるものとする。 (県民の責務)第六条 県民は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等のための施策の推進の必要性について理解を深め、再被害及び二次的被害が生じることのないよう十分配慮するとともに、県が実施する犯罪被害者等のための施策の推進に協力するよう努めるものとする。 (事業者の責務)第七条 事業者は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等のための施策の推進の必要性について理解を深め、県が実施する犯罪被害者等のための施策の推進に協力するよう努めるものとする。 (民間支援団体の責務)第八条 民間支援団体は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等のための施策の推進の必要性について理解を深め、犯罪被害者等の支援に関する専門的な知識及び経験を活用するとともに、県が実施する犯罪被害者等のための施策に協力するよう努めるものとする。 (犯罪被害者等支援計画)第九条 知事は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進するため、犯罪被害者等支援計画(以下「支援計画」という。)を定めるものとする。2 支援計画には、次に掲げる事項について定めるものとする。 一 犯罪被害者等のための施策の基本的な考え方 二 犯罪被害者等のための施策に係る役割分担及び連携に関する事項 三 犯罪被害者等のための施策に係る具体的な取組 四 前三号に掲げるもののほか、犯罪被害者等のための施策を推進するために必要な事項3 知事は、支援計画の策定に当たっては、県民の意見を反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。4 知事は、支援計画を定めたときは、速やかにこれを公表するものとする。5 前二項の規定は、支援計画の変更について準用する。 (財政上の措置)第十条 県は、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ効果的に推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。    第二章 基本的施策 (相談及び情報の提供等)第十一条 県は、犯罪被害者等が日常生活を平穏に営むことができるようにするため、犯罪被害者等が直面している各般の問題に係る相談への対応、必要な情報の提供及び助言、犯罪被害者等の支援に精通している者の紹介その他の必要な施策を講ずるものとする。 (安全の確保)第十二条 県は、犯罪被害者等が更なる犯罪等により被害を受けることを防止し、その安全を確保するため、一時保護、施設への入所による保護、防犯に係る指導、犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する手続に証人等として関与する場合における特別措置、犯罪被害者等に係る個人情報の適切な取扱いの確保その他の必要な施策を講ずるものとする。2 県は、犯罪被害者等の保護、その被害に係る刑事事件の捜査又は公判等の過程において、名誉、生活の平穏、犯罪被害者等の人権等に十分な配慮がなされ、犯罪被害者等の負担が軽減されるよう、犯罪被害者等の心身の状況、その置かれている環境等に関する理解を深めるための訓練及び啓発、専門的知識又は技能を有する職員等の配置その他の必要な施策を講ずるものとする。 (居住の安定)第十三条 県は、犯罪等により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図り、並びに再被害及び二次的被害を防止するため、犯罪被害者等の一時的な利用のための住居の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 (雇用の安定)第十四条 県は、犯罪被害者等の雇用の安定を図り、並びに再被害及び二次的被害を防止するため、次に掲げる施策その他の必要な施策を講ずるものとする。 一 事業者に対し、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等支援の必要性について理解を深める啓発を行うこと。 二 犯罪被害者等に対し、自らの雇用を守るために活用できる制度の理解を深める啓発を行うこと。 (損害賠償の請求に関する支援)第十五条 県は、犯罪等による被害に係る損害賠償の請求の適切かつ円滑な実現を図るため、犯罪被害者等の行う損害賠償の請求についての援助、損害賠償の請求について、その被害に係る刑事に関する手続との有機的な連携を図るための制度の拡充その他の必要な施策を講ずるものとする。 (経済的負担の軽減)第十六条 県は、犯罪被害者等が受けた被害による経済的負担の軽減を図るため、犯罪被害者等に対する経済的な助成に関する情報の提供、助言その他の必要な施策を講ずるものとする。 (保健医療サービス及び福祉サービスの提供)第十七条 県は、犯罪被害者等が心理的外傷その他犯罪等により心身に受けた影響からの回復を図るため、その心身の状況等に応じた適切な保健医療サービス及び福祉サービスが提供されるよう必要な施策を講ずるものとする。 (民間支援団体等に対する支援)第十八条 県は、民間支援団体その他犯罪被害者等の支援を行う者が適切かつ効果的に犯罪被害者等の支援を推進することができるよう、県が実施する犯罪被害者等のための施策に関する情報の提供、助言その他の必要な施策を講ずるものとする。 (人材の育成)第十九条 県は、犯罪被害者等のための施策の充実を図るため、相談、助言及び日常生活の支援等を担う従事者を育成するための研修の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。 (学校における教育の実施)第二十条 県は、学校の設置者等と連携し、児童、生徒、学生等に対して犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等のための施策の必要性並びに再被害及び二次的被害の防止の重要性について理解を深めるための教育その他の必要な施策を講ずるものとする。 (被害が潜在化しやすい犯罪被害者等に対する支援)第二十一条 県は、自ら被害を訴えることが困難で被害が潜在化しやすい犯罪被害者等である子ども、障がい者、高齢者、性犯罪・性暴力被害者、配偶者からの暴力による被害者等が、被害を認識し、被害に応じた相談ができるようにするため、体制の確立、支援のための環境づくり、わかりやすい広報その他の必要な施策を講ずるものとする。 (県民が県外で発生した犯罪等の被害を受けた場合等の支援)第二十二条 県は、県民が県外(国外を含む。)で発生した犯罪等により被害を受けた場合には、国、市町村その他の関係行政機関、民間支援団体等と連携して、当該犯罪等による犯罪被害者等が直面している各般の問題について相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の必要な施策を講ずるものとする。2 前項の規定は、県内に住所を有しない者又は居住していない者が県内で発生した犯罪等により被害を受けた場合に準用する。    第三章 推進体制 (宮城県犯罪被害者等支援審議会の設置)第二十三条 県は、基本理念にのっとり、支援計画及び犯罪被害者等のための施策の重要事項を審議するため、宮城県犯罪被害者等支援審議会(以下「支援審議会」という。)を設置する。2 支援審議会は、知事が任命する委員十人以内で組織する。3 委員の任期は、二年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。4 委員は、再任されることができる。5 支援審議会に、会長及び副会長を置き、委員の互選によってこれを定める。6 会長は、会務を総理し、支援審議会を代表する。7 会長に事故があるときは、副会長が、その職務を代理する。8 前各項に定めるもののほか、支援審議会の運営に関し必要な事項は、会長が支援審議会に諮り定める。 (宮城県犯罪被害者等支援連絡協議会の設置)第二十四条 県は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等のための施策及び具体的な事業を総合的かつ効果的に調整するため、宮城県犯罪被害者等支援連絡協議会(以下「支援連絡協議会」という。)を設置する。2 支援連絡協議会は、関係行政機関及び民間支援団体等をもって構成する。    第四章 普及啓発 (普及啓発)第二十五条 県は、犯罪被害者等のための施策の推進の重要性について、広く県民の理解を得るよう努めるとともに、県民の犯罪被害者等のための施策への参画を促進するための普及啓発に努めるものとする。2 犯罪被害者等支援関連の週間は、十一月二十五日から十二月一日までとする。 (調査研究)第二十六条 県は、犯罪被害者等の支援に関し必要な調査研究を行い、その成果の普及に努めるものとする。    第五章 雑則 (個人情報の適切な管理)第二十七条 県は、犯罪被害者等支援における個人情報の重要性を認識し、犯罪被害者等及びその関係者の個人情報を適切に管理するものとする。 (年次報告及び公表)第二十八条 知事は、毎年度、支援計画に基づき実施した犯罪被害者等のための施策の取組状況について、議会に報告するとともに、これを公表するものとする。 (委任)第二十九条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項については、県が別に定めるものとする。    附則 (施行期日)1 この条例は、令和六年四月一日から施行する。 (経過措置)2 この条例の施行の際現に改正前の宮城県犯罪被害者支援条例第九条の規定により策定されている犯罪被害者支援推進計画は、改正後の宮城県犯罪被害者等支援条例第九条の規定により策定された支援計画とみなす。 (附属機関の構成員等の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部改正)3 附属機関の構成員等の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例(昭和二十八年宮城県条例第六十九号)の一部を次のように改正する。 別表宮城県犯罪被害者支援審議会の委員の項中「宮城県犯罪被害者支援審議会」を「宮城県犯罪被害者等支援審議会」に改める。……………………………………………………………………………………………提案理由 平成十五年十二月に宮城県犯罪被害者支援条例を全国に先駆けて制定したが、制定から約二十年が経過しており、犯罪等の被害者及びその家族又は遺族が置かれている現状により即したものとなるよう、全面的な見直しが必要であることから、条例の題名や施策の基本となる事項を改めるなど、条例の全部を改正するため、本条例案を提出するものである。…………………………………………………………………………………………… ○議長(菊地恵一君) 提出者から提案理由の説明を求めます。二十二番高橋宗也君。    〔二十二番 高橋宗也君登壇〕 ◆二十二番(高橋宗也君) おはようございます。ただいま議題となりました発議第六号議案、宮城県再生可能エネルギー等省エネルギー促進条例の一部を改正する条例案について御説明申し上げます。 本条例は、平成十四年に議員提案条例として制定され、その後、改正を経ていますが、地球環境の変化が加速している現在、二〇五〇カーボンニュートラルの実現に向けた取組の推進が急がれる一方で、地域の合意形成や自然環境等への影響に対する懸念の高まりなど、エネルギー等を取り巻く環境は大きな変革の時代を迎え、これらを踏まえた対応が急務となっています。今年の夏の沸騰するような暑さ、その後の豪雨災害の多発。まさに、再生可能エネルギーの導入と省エネルギー化の推進等による地球温暖化対策は、喫緊かつ最大の課題であります。 一方で、国際エネルギー機関IAEAによると、日本のエネルギー供給における化石燃料等の使用率は、残念ながら、世界で最も高いレベルにとどまっています。二〇五〇年までにカーボンニュートラルを実現するという重要な国の目標を達成するためには、我が県としても迅速に行動していく必要があります。 本条例の改正案は、こうした状況を踏まえ、各会派より選出していただいた議員で構成された条例見直し検討会において、関係団体や執行部の意見を聴取するとともに、パブリックコメントにより県民の皆様から様々な御意見を頂きながら、約十か月にわたり議論を重ね、作成いたしました。題名に「地域と共生する」を加え、新たに共生の視点を盛り込み、更に県、市町村、事業者、県民のそれぞれの責務等を定めるなど、制定以来最大規模となる大幅な改正となります。改めて、検討に御協力いただいた全ての皆様に、心からの感謝を申し上げる次第であります。 検討会を通じ、全ての関係者が、加速的に進む地球温暖化に強い危機感を共有していることを感じました。条例の文言に込められている課題の認識と今後の促進に向けた思いを、議会と執行部、共に共有していただき、条例に基づいた政策、事業等を進め、カーボンニュートラルの実現に向け、先進的な役割を果たす宮城県となるべく、関係者一丸となって進めてまいりたいと考えております。 以上、本提案理由をもって、ここに、地方自治法第百十二条第一項及び宮城県議会会議規則第十五条第一項の規定により、議員提案として、宮城県再生可能エネルギー等省エネルギー促進条例の一部を改正する条例案を提出いたします。何とぞ、この趣旨を御理解いただきまして、皆様の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(菊地恵一君) 五十五番中山耕一君。    〔五十五番 中山耕一君登壇〕 ◆五十五番(中山耕一君) ただいま議題となりました発議第七号議案、宮城県犯罪被害者等支援条例について御説明申し上げます。 犯罪等の被害に遭われた方々への支援に関し、基本理念や県の責務、基本的施策等を定めた全国初の条例として、平成十五年に議員提案条例として宮城県犯罪被害者支援条例が制定されました。制定から約二十年が経過し、この間、被害者救済の努力が積み重ねられてきましたが、依然として様々な犯罪等が後を絶たず、また、全ての被害者等が十分にその権利が尊重され、支援を受けてきたとは言い難い現状があります。 こうした現状を踏まえ、本条例案では、条例の題名を「犯罪被害者」から「犯罪被害者等」に改め、犯罪等の被害に遭われた方々の御家族や御遺族も支援の対象となることを明らかにしたほか、経済面、医療、福祉、住まいなど、多岐にわたる支援を中長期的かつ総合的に提供するため、基本的施策を見直すとともに、条例の所管を公安委員会から知事部局に改めることとしております。 本条例案の検討に当たっては、各会派より選出いただいた議員で構成される任意の検討組織、宮城県犯罪被害者支援条例見直し検討会が設置され、これまで約十か月間、議論を重ねてまいりました。検討の過程では、犯罪被害者等の支援に関わる方々から、支援の現状・課題や条例に盛り込むべき内容などに関して、貴重なお話、御意見を伺うことができました。また、執行部の意見を聴取するとともに、パブリックコメントを実施し、県民の皆様から様々な御意見を頂きながら議論を重ね、条例案を作成いたしました。検討に御協力いただいた全ての皆様に、心からの感謝を表する次第であります。 以上、ここに、地方自治法第百十二条第一項及び宮城県議会会議規則第十五条第一項の規定により、議員提案として、本条例案を提出したものであります。何とぞ、条例案の趣旨を御理解いただきまして、皆様の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(菊地恵一君) これより質疑に入ります。 発議案二か件に対し、質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 発議案二か件につきましては、お手元に配布の議案付託表のとおり、環境福祉委員会に付託いたします。……………………………………………………………………………………………    議案付託表       第三百八十九回宮城県議会(九月定例会)令和五年九月二十日議案番号件名提出年月日委員会発議第六号議案宮城県再生可能エネルギー等省エネルギー促進条例の一部を改正する条例五・九・二〇環境福祉発議第七号議案宮城県犯罪被害者等支援条例同環境福祉-----------------------------------    議第百三十三号議案 ○議長(菊地恵一君) 日程第四、議第百三十三号議案、教育委員会委員の任命につき同意を求めることについてを議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました議第百三十三号議案は、十月十二日で任期満了となります教育委員会委員の齋藤公子さんの後任として、新たに鳩原潤さんを任命することについて御同意を得ようとするものであります。 何とぞ御同意を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(菊地恵一君) これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 お諮りいたします。 本案につきましては、委員会の審査を省略することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(菊地恵一君) 御異議なしと認めます。 よって、委員会の審査を省略することに決定いたしました。 これより採決いたします。 本案について同意することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(菊地恵一君) 御異議なしと認めます。 よって、同意することに決定いたしました。----------------------------------- △議第百十号議案ないし議第百三十二号議案
    △報告第二十五号ないし報告第三十号・一般質問 ○議長(菊地恵一君) 日程第五、議第百十号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第三十号を議題とし、これらについての質疑と、日程第六、一般質問とを併せて行います。 九月十五日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。三十六番守屋守武君。    〔三十六番 守屋守武君登壇〕 ◆三十六番(守屋守武君) おはようございます。御指名いただきました守屋守武でございます。今任期最後の一般質問、最終日のトップでございます。まずもって、今任期で勇退なさる議員の皆様に、これまでの御指導に対しまして、心から御礼を申し上げます。また、本日は我が会派の七期務めます安藤俊威議員、そしてまた最終盤には、九期を務めます中沢幸男議員が最後の登壇となります。これまで県政の発展、議会の活性化、そして私たち議員に御指導いただいたことに、改めて心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。 それでは、通告に従いまして、質問をさせていただきます。 大綱一点目、宮城県が管理する自然の家の施設改善について伺います。 夏祭りで声をかけられ、孫娘が志津川自然の家の宿泊活動に参加したときに、「暑くて大変だった」「参加者の中には具合を悪くした子も数名いたようで、冷房設備はないのでしょうか」とのことでありました。そこで、八月二十九日に志津川自然の家に伺って、施設を見せていただきました。部屋は船の船室をイメージした細長い形状で、作りつけのベッドで八人の部屋と十二人の部屋があり、暑さ対策は部屋ごとに扇風機二台のみでありました。部屋の形状からして、熱気がこもります。職員さんに聞くと、今年はあまりに暑くて夜眠れない子供たちも多かったようで、エアコンつきの研修室で休んだ子供たちもいるとのことであります。多分、多くの子供たちが睡眠不足で翌日の活動に参加したと思います。今年は酷暑で熱中症アラートが頻繁に出されておりましたから、職員の皆さんは氷を用意したり、暑さ対策、健康管理に大変な御苦労をなさったようです。温暖化が進行している現状を考えると、エアコンの設置は緊急課題であります。対応について伺います。 あわせて、蔵王自然の家も同様に、エアコン未整備のようであります。標高が高いとはいえ、今年のような酷暑の夏は大変でありますから、対応について伺います。 次に、志津川自然の家の公用車は、二十九年を経過したバス、これは天井に穴があいたので修理したとのことでした。また、軽トラックが一台とのことであります。一番活躍していたワゴン車、これは三十年物です。そのマフラーが落ちて修理の部品がなく、先日、廃車になったとのことでありました。自然の家は集団での屋外活動が基本ですから、地震・津波など緊急事態には、車の活用が必須であります。それを考えると、危機管理上どうなのか疑問であります。早急に対処すべきではないのか伺います。 これまで各施設において重大な事故がなかったことは、職員皆さんの献身的なサポート体制と危機意識があったからこそと思い、感謝するところであります。また、震災で被災し再建した松島自然の家を除き、志津川、蔵王は、Wi-Fi環境も整備されておりません。デジタル化がうたわれて久しい今日、Wi-Fi整備は必須ではないのでしょうか、伺います。 次に、トイレは志津川、蔵王とも洋式化は一部整備となっておりますが、ウォシュレット化の整備も必要ではないでしょうか、伺います。 また、蔵王自然の家には温泉が引かれていたと伺いました。蔵王ならではの設備であり、修繕し復活したらいいのではないか、伺います。 自然の家は、集団宿泊研修を中心とした自然体験活動を通じて、青少年の健全な育成を図るとともに、県民の心身の健全な発達を図ることを目的とした施設であります。このような施設を利用した子供の頃の様々な体験が、生き方の基盤となり、大人になったときの活動意欲やコミュニケーション能力につながり、自然体験が多いほど自己肯定感を高く持つ傾向が各調査から分かっております。少子化の進行が著しい今の時代だからこそ、必要な施設であり活動ではないでしょうか。自然の家の役割について、教育長の見解を伺います。 大綱二点目、福島第一原子力発電所廃炉に伴うALPS処理水の海洋放出の対応について伺います。 ALPS処理水とは、東京電力福島第一原子力発電所の建屋内にある放射性物質を含む水を、トリチウム以外の放射性物質について安全基準を満たすまで浄化した水のことであります。放出に当たって、トリチウムについても安全基準を十分に満たすよう、海水で大幅に薄め、国の定めた安全基準の四十分の一、WHO飲料水基準の約七分の一未満にしているものであります。更に安全基準を満たした上で総量も管理して処分するとしております。原子力分野について専門的な知識を持った権威ある国連の関連機関であるIAEAは、ALPS処理水の海洋放出は国際安全基準に合致し、人及び環境に対する放射線影響は無視できるほどであるといった結論が盛り込まれた包括報告書を、本年七月四日に公表しました。このような経過の中で、去る八月二十四日から、ALPS処理水の海洋放出が始まりました。我々宮城県議会は、政府に対してALPS処理水の海洋放出について反対の立場で意見書を出し、海洋放出以外の方策の検討も要請してきたところであり、遺憾であると言わざるを得ないものであります。しかしながら一方では、閣議決定された状況下において、我が県の全ての水産関係者が安心して水産業を営むために、風評被害などの不安の払拭と補償について納得のいく対応をしていかなくてはなりません。このような状況下において、中国からと思われる「処理水」を「汚染水」とする嫌がらせの電話が日本国内にかかってきているのは狂気の沙汰としか言いようがありませんが、与野党の国会議員の中で、ALPS処理水を「汚染水」と発言する者がいることには憤りを隠せません。まさに風評被害と言わざるを得ません。今回の処理水放出では、中国に輸出していた殻つきホタテに放出前より影響が出ており、その後、中国、香港が輸入禁止措置を取ったことから、価格や水揚げに大きな損害が発生したところです。このことは、ある意味実害であります。我々県議会自民会派の水産議員連盟は、八月十七日に地元国会議員とともに経産省や東電に対して、現状を打開する対策と風評に対する施策を早急に取るよう、強く要望しておりました。そこで、今回の処理水放水に対する中国、香港などの対応について、生産者、漁協、行政、議会が一体となって対応していかなくてはなりません。県における現状把握及び対応について伺います。 次に、県では、みやぎ水産応援パッケージをつくり、相談窓口の設置、融資を含む経営相談、情報発信、販売促進の四本柱で支援するとのことであります。パッケージの柱である漁業経営サポート資金は、五百万円上限で据置き一年、償還期限が二年で無利子の制度ですが、償還期間が二年は厳しいのではないでしょうか。また、融資枠四億円の範囲で五百万円の上限額も上げることで、より使いやすくなるのではないでしょうか、伺います。 今回、改めて、私たちの生活が世界とつながっていることを認識させられました。海外でくしゃみをすると日本の産業が風邪を引くようではいけないことが分かりました。そこで、足元の水産業の経営強化、販路の確保、加工技術の開発がいかに大切であるか、また、今回のパッケージを活用したサプライチェーンの構築など、基盤の強い体制づくりが必要であります。取組について伺います。 更に、温暖化の進行により、南の産地海域では、ノリ、ワカメ、カキなどの品質の低下、数量の減少が顕著になっております。明日は我が身であり、高温耐性の品種改良など、研究に力を注ぎ、生産基盤の将来性を開発するべきであります。県の方針について伺います。 今回、中国への水産物輸出品の中で、ホタテが最も取引数量が多いことから対応に苦慮しておりますが、今後は、ノリ、ワカメ、カキ、また、水揚げ魚種なども注視していかなくてはなりません。ホタテは実害ですが、今後風評被害が出ないように寄り添った対応が必要であります。また、加工関係や資材納入業者等にも影響が出ていると伺っております。丁寧な聞き取りと早い対応に努めていただくことを要望いたします。 大綱三点目、インドネシア共和国との覚書締結と人材の育成、交流事業について伺います。 私たち自民党・県民会議インドネシア友好議員連盟のメンバーは、七月二十七日からインドネシアを訪問し、一日早く出立した村井知事と同行させていただきました。インドネシアに三百五十以上あると言われる人材派遣の送り出し機関の視察や、二十八日に行われたインドネシア共和国労働省との協力覚書締結式などにも同席させていただきました。背景には、高齢化の進行と労働人口の大幅な減少により、あらゆる産業において人材が不足する事態となっていることが挙げられます。特に、漁業や介護といった分野は厳しい状況が続いており、中でも深刻なのが介護人材であります。県の試算では、二〇二五年には四千百八十八人不足すると想定しており、人材確保は喫緊の課題となっております。今回の覚書締結は、インドネシアのイダ・ファウジヤ労働大臣と村井知事との間で、技能実習生制度と特定技能制度における両国の効果的な活用と、宮城県は、生活・労働環境など受入れ体制の充実と健康や安全を保障することなどを取り交わしたものであります。イダ・ファウジヤ労働大臣は、インドネシアの課題は労働力における教育、いわゆる技術訓練と失業であり、宮城県がインドネシア人労働者に研修や就労の機会を提供することに非常に感謝していると述べられました。宮城県にとっても大変ありがたいことであり、ぜひ働く場所に宮城県を選んでいただきたいと思います。今回の覚書締結について、村井知事に手応えと今後の展望について伺います。 インドネシアは人口二億七千万で世界第四位、平均年齢は二十九歳であり、エネルギーに満ちあふれております。二十九日にみやぎフェア--宮城県PRイベントのジョブフェアがジャカルタで開催され、宮城県内の水産、宿泊、介護、建設、製造業、農業の分野から五社の企業がブースを設けて対応しておりました。会場には六百名を超す学生が来場し、各ブースでは「どうしたらあなたの会社で働けますか」と、とにかく売り込みがすごいとのことでありました。今後は参加企業を増やし積極的に進めるべきであると思いますが、取組について伺います。 また、各地区の管理団体で様々な意見を頂いているので、中でも苦労していることについて二点伺います。一つは、ベトナム、インドネシア、ミャンマーからの実習生が多くなっており、通訳がいないので、県で通訳の人材バンクを構築していけないかということであります。二つ目としては、実習生から特定技能に移行すると転籍が可能になり、ほとんどが関東・関西の都市部の企業に転籍します。自由意思での転籍が認められていることではありますが、一定期間は東北圏内の転籍範囲にするなどできないか、国際理解が得られるラインでの制度設計が必要ではないかとのことであります。これは県から国に対する要望ということになりますが、検討いただきたいと思います。 一方で、外国人技能実習制度・特定技能制度の見直しについて、政府の有識者会議は、十月末頃をめどに最終報告書を取りまとめられる予定とのことであります。有識者会議の委員でもある全国中小企業団体中央会では、見直しの方向性について、取りまとめたもので講習会などを開催しております。内容は、制度の今後の方向性として、人材不足を補い国際協調を進める中で健全な関係を築いていくという内容であります。県は、これらの提言を十分に勘案してバックアップ体制を取るべきではないかと思います。いかがでしょうか、伺います。 次に、海洋実習船宮城丸を通じたインドネシアとの交流について伺います。 自民党会派のインドネシア交流議連では、今回、知事のインドネシア訪問に当たり、インドネシアの人たちが水産加工及び漁船漁業など、宮城県の水産業に大きく貢献いただいていることを含めて、水産業分野での交流もプログラムしていただき、インドネシア共和国海洋水産省を表敬し、海洋水産省教育・研究庁長官、イ・ニョマン・ラディアータ氏と会談させていただきました。席上、村井知事からの御挨拶で、宮城丸の海洋実習について触れ、今後の検討であるとしながらも、これまでハワイ沖だった海洋実習のルートを、インドネシアのバリ島に寄港するルートに変更し、お互いの水産高校生が交流することについて提案されました。ラディアータ長官からは、宮城丸の提案に対して大いに賛同いただき、学生たちにとって希望の持てる話であり、このアクションプランについて早く進めたい、年内にも宮城県を訪問する準備があるので、MOU--基本合意を交わそうとのことでありました。我々も、宮城丸の海洋実習が、操業訓練、航海実習などのほかに、若い世代同士が国際交流することは、両国の未来に大変すばらしいことではないかと考えております。長官の「年内にも」というのは気の早い話だとは思いますが、これらの経緯から、宮城丸の寄港地をインドネシアのバリ島に変更し、操業海域も見直すことは、県としてもインドネシアとの交流促進に大いに寄与することであり、進めるべきではないでしょうか、知事に伺います。 日本国内では、多くの県が海洋実習船で海洋実習を実施しており、どの県も遠洋航海実習はハワイ沖で操業し、ホノルルに寄港する計画となっております。今回、宮城県が寄港地をインドネシアのバリ島に変更することは、日本で宮城県が初めてとなり、国際交流的に大きな意味を持ちます。宮城丸は六百九十九トン、令和四年三月に七代目となる海洋総合実習船として気仙沼のみらい造船で建造し、浸水しました。全長六十四・九メートルで、女子生徒に対応した女性区画を拡充し、船内の通信環境、Wi-Fiを充実させ、ICT教育に対応した最新鋭の実習船であります。気仙沼向洋高校と宮城県水産高校の生徒らが、海上に浮かぶ校舎として年三回に分けて海洋実習し、水産分野におけるあらゆる知識や水産人としての考え方、社会や国際環境の中の水産業の意義などを学び、実践して成長を促すものであります。今回の提案を進めることで、水産高校の生徒たちが国際的な見識を広め、大きく成長することを願うとともに、インドネシアの生徒の体験乗船などを実施し、共に理解が進み、日本、インドネシア両国の発展を願うものであります。このことは水産高校の魅力創生にもつながり、宮城の国際教育分野においても成果が上がると思います。教育長に見解を伺います。 また、県内のマグロはえ縄船の多くは、インドネシアで水・燃料を補給して操業しており、その船員のほとんどがインドネシアの人たちです。このことからも、宮城県の遠洋漁業の未来を見据えた重要な役割を担うと思いますが、この点についても伺います。 大綱四点目、宮城県のワークイノベーションの考え方と取組について伺います。 今年一月一日現在の日本人の人口は、一億二千二百四十二万人余り。去年よりおよそ八十万人減り、十四年連続で減少し、減少数・減少率とも、調査を始めた昭和四十三年以降最大となったほか、初めて四十七都道府県全てで人口が減ったとのことです。宮城県の合計特殊出生率は一・一五、全国が一・三〇で、全国四十六位となっており、大変厳しい現実です。村井知事は、五期目に挑戦する際のインタビューで、何をするにも、どこに行くにもちょうどいい宮城県と評しておりました。しかしながら、合計特殊出生率が一・一五で全国四十六位では、ちょうどいいにはなりません。この状況をどのように分析し、これからどのように対応するのか伺います。 地方は、人口減少により、地域の支え合いや防災力の低下、医療や介護、産業の担い手不足など、地域活動、住民生活に大きな影響があります。中でも若者、特に女性が希望する職種の不足、賃金や職場環境の悪化から、更なる人口減少を招くことが懸念されております。各県、各自治体とも、子育て支援の充実に焦点を絞って施策を実施しているところですが、今回、特に女性の働きやすさに着目して取り組んでいる兵庫県豊岡市を例に話をしたいと思います。市では、多様性を受け入れ、支え合うリベラルな気風が満ちたまちづくりを目標に、平成三十一年一月に豊岡市ワークイノベーション戦略を策定し、ジェンダーギャップの解消を大きな課題として、様々な取組を実践しております。その大きな理由が、二十代女性の回復率が二六・七%、二十代男性の約半分に低下し、まちの存続自体が危ぶまれたこと、また、若い女性は、男性中心の社会のありようによって、豊岡に暮らす価値を感じていないとのことでありました。他人事ではありません。私の地元の気仙沼・本吉地域も例外なく、若い女性が地域に残って働きたい職場や、帰ってきたくなる環境が少ないといった実態は共有するところであります。豊岡市では、市内の事業所が、女性が働きたい、働きがいがあって働きやすい仕事・職場への変革をより効果的に進めることによって、採用力を高め、人手不足を解消するとともに、多様な人材の活躍によって生産性向上を図り、企業価値を高めるとして、これに取り組む市内事業所を増やすことで、若い女性らの採用増加を通じ、豊岡市の人口減少対策に貢献するというものであります。社会全体で取り組む在り方に共感するとともに、我が県の郡部における人口減少の窮状を踏まえ、社会全体で女性進出のための職場改革、環境改善に取り組むことなどに支援策を持って進めることが必要ではないでしょうか。考え方と取組について伺います。 以上で壇上からの質問といたします。よろしくお願いいたします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 守屋守武議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱二点目、福島第一原発ALPS処理水の放出に係る宮城県の対応についての御質問にお答えいたします。 初めに、処理水の海洋放出による影響と対応についてのお尋ねにお答えいたします。 中国や香港などの輸入規制強化により輸出できなくなった水産物が国内に滞留することで、価格が下落し、県内事業者にも影響が出ております。このため県では、処理水の取扱いに関する宮城県連携会議水産部会に設置した支援チームが、訪問などにより、水産関係団体や事業者から影響の実態や要望などを把握し、国と東京電力に対し、速やかに伝え対応を求めるとともに、県としての対策をみやぎ水産応援パッケージとして取りまとめたところであります。県といたしましては、対策の一つである県産水産物の情報発信、販売促進など消費拡大に向けた取組を、生産者や県漁協、県議会など関係者と一体となって推進していくとともに、連携会議などを通じて、国と東京電力に対し、輸入規制への対応や販路開拓への支援と、迅速かつ適切な賠償を行うよう強く求めてまいります。 次に、漁業経営サポート資金についての御質問にお答えいたします。 処理水海洋放出に伴う中国などの輸入規制強化の動きを受け、県産ホタテガイの単価下落などが発生したことで、資金繰りが厳しい状況にある漁業者も出ているものと認識しております。このため県では、災害や事故などで、漁業経営に大きな影響を及ぼす場合に適用する、原則無利子の漁業経営サポート資金を発動し、漁業者の運転資金を支援することといたしました。更に、今回の処理水海洋放出による漁業経営への影響は長期化する懸念もあり、県漁協からは当該資金の特例的な対応を求める要望があることから、関係機関と協議し、償還期間の延長や貸付け限度額の引上げを検討しているところでございます。県としては、今後とも漁業者の経営状況や資金需要を確認しながら、必要に応じて融資枠を拡大するなど、なりわいの維持・安定に向けてしっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱三点目、インドネシア共和国との覚書締結と外国人人材の育成、交流事業についての御質問のうち、覚書締結の手応えと今後の展望についてのお尋ねにお答えいたします。 私は今回、インドネシア労働省と人材の受入れに関する覚書を締結してまいりました。インドネシア労働省にとっては初めてとなる海外の自治体との締結式には、イダ労働大臣のほか、アンワル事務次官等、多数の労働省幹部の皆様に御臨席をいただき、外国人材の送り出しに係るインドネシア側の強い熱意を感じ取った次第であります。この覚書に基づき、早速、来月十月にはインドネシア労働省の担当局長を我が県にお招きし、人材フォーラムを開催することで調整しております。当日は、局長御本人より、人材の送り出しに関するインドネシア政府としての考え方について御講演いただく予定としており、労働力不足に直面している県内企業にとって、大変有意義なセミナーになるものと考えております。今回のインドネシアでの締結式では、イダ労働大臣より「労働省と宮城県の間で実行されるインドネシアと日本の協力を全面的に支持する」という御発言も頂いたことから、これまで以上にインドネシアとのパイプを太くし、インドネシアの方々の就労については、私が先頭に立って積極的に推進してまいります。 次に、大綱四点目、宮城県のワークイノベーションの考え方と取組についての御質問のうち、合計特殊出生率の分析等についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の合計特殊出生率は、四年連続で全国四十六位となり、東京都に次いで低い水準にとどまるなど、大変強い危機感を持っております。その背景としては、未婚化や晩婚化・晩産化といった全国的な要因に加え、我が県の傾向として、二十代から三十代にかけての有配偶率と有配偶出生率がいずれも低く、平均初婚年齢や第一子出生時年齢が高いといった点が考えられるところであります。こうしたことから、県におきましては、結婚や妊娠・出産を望む方が早期に希望をかなえられるよう、次世代育成・応援基金を活用し、結婚や子育てを応援する機運醸成に向けた取組や、不妊検査に対する費用助成、地域の実情に合った子育て施策に対する支援などを進めてまいりました。国においても、こども未来戦略方針が閣議決定されるなど、子供・子育て政策の抜本的な強化に向けて取り組むことが示されたことを踏まえ、県として、引き続き、総合的な少子化対策を強力に推進してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長梶村和秀君。    〔経済商工観光部長 梶村和秀君登壇〕 ◎経済商工観光部長(梶村和秀君) 大綱三点目、インドネシア共和国との覚書締結と外国人人材の育成、交流事業についての御質問のうち、みやぎフェアの今後の取組についてのお尋ねにお答えいたします。 今回のインドネシア訪問に併せて開催したみやぎフェアについては、想定を上回る方々に御来場いただき、我が県で就労したいというインドネシアの学生の高い意欲を感じ取りました。あわせて、参加した県内企業からは、「インドネシアには若者が多く、日本にはない活気が感じられた」や「インドネシアの可能性を感じることができた」といった高い評価を頂いたところです。このことから、来年度のフェアをより規模を拡大して実施し、人材の送り出しを通じて現地と有力な関係を構築している機関を多数お招きするほか、介護、水産、建設分野に加え、今回参加されなかった機械や食品製造業など多数の分野の企業の皆様にも広くお声がけして、実際に現地に赴いていただき、我が県で就労を希望する方との戦略的なマッチングを図ってまいります。更に、フェア当日は、我が県で就労を希望する学生に対して、企業の魅力や県内で働くインドネシアの方々の活躍ぶりなどを詳細にお伝えする内容も盛り込んでいくことで、相互理解の醸成を図ってまいります。 次に、通訳の人材バンク構築と、転籍防止に係る制度変更の国への要望についての御質問にお答えいたします。 今後、各国からの技能実習生が増えていくことが想定される中で、通訳の確保は重要な課題であると認識しております。県では、外国人県民等からの相談に対して、三者で通話可能な電話機を設置し、十三言語により対応しております。更に、災害時や医療相談等での通訳を確保し、必要時に派遣できる体制を整えております。外国人材の就労・定着については、相談体制の構築が重要であることから、今後は監理団体との役割分担を整理しながら、御指摘の通訳を含めた支援体制の在り方について検討してまいります。また、転籍については、現行制度上、技能実習から特定技能に在留資格を変更した場合、一定の条件の下、就業先の選択が可能となっており、こうしたことが賃金水準の高い都市部への流出につながることは承知しております。このことについては、現在行われている国の議論を見守りながら、国への要望についても検討してまいりますが、県といたしましては、技能実習生サンクスパーティーや地域住民との交流事業などを通じ、宮城に愛着を持っていただけるような取組を行うほか、事業者においても受入れ環境の向上を図っていただけるよう、今後ともセミナーや講習会の開催を実施し、外国人材が継続的に県内で活躍いただけるよう努めてまいります。 次に、全国中小企業団体中央会の要望への県の支援についての御質問にお答えいたします。 国に設置された技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議が出した中間報告に対し、全国中小企業団体中央会において、講習会の実施とともに、中央会としての考えが示されたことは承知しております。中央会としては、今回の国の改正に当たり、現状を踏まえた技能実習と特定技能のすみ分けを図ることや、監理団体の許可、技能実習実施計画の認定が円滑に行われるよう、事務手続の簡素化などの要望をしています。技能実習制度等の改正に係る国の有識者会議においては、北海道知事をはじめ自治体の首長や全国中小企業団体中央会の幹部も委員として参画し、しっかり地方の実情を踏まえたものとなるよう議論いただいていると理解しておりますが、人材不足に直面している県内中小企業が必要な人材を確保できる体制になるよう、県としても、国の動きを注視してまいります。 次に、大綱四点目、宮城県のワークイノベーションの考え方と取組についての御質問のうち、県の考え方と取組についてのお尋ねにお答えいたします。 民間調査によると、女性を含む若者の地元就職の基準として、給料が高いこと、志望する職種があることなどの回答が多く、給与水準、職場環境などが価値基準となっていることから、豊岡市が進める、女性の働きやすい環境を整備するワークイノベーション戦略は、女性の地元企業定着に向けた重要な取組であると認識しております。県では、みやぎの女性活躍促進連携会議において、女性の力を存分に発揮できる環境整備などを議論するとともに、みやぎ人材活躍フラグシップ企業育成事業において、昨年度、女性活躍をテーマに約二十社の参加を得て勉強会を開催し、県内の先進的な取組を共有したほか、女性のチカラを活かす企業認証制度により、育児・介護休暇制度等の環境整備に取り組んでいる企業を六百社以上認証してきたところです。更に今年度は、女性が働きやすい環境づくりに資するため、女性にやさしい職場環境づくりモデル事業を創設し、更衣室や託児スペースなどの施設整備の支援を行っているところです。御指摘の豊岡市の事例を参考にするなど、今後とも庁内一体となり、県内企業の女性進出のための職場改革を推進してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 水産林政部長吉田信幸君。    〔水産林政部長 吉田信幸君登壇〕 ◎水産林政部長(吉田信幸君) 大綱二点目、福島第一原発ALPS処理水の放出に係る宮城県の対応についての御質問のうち、水産業の基盤強化に向けた体制についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の水産業においては、漁獲量の減少や生産コストの増加など様々な課題を抱える中、処理水海洋放出に伴う影響も生じており、これまで以上に経営基盤の強化や加工技術の開発、販路の多様化などが重要になると認識しております。これまで県では、がんばる漁業による経営の安定化や輸出先国の衛生基準に対応する施設整備の支援、魚食普及や県産水産物の販路拡大などに取り組むことで、サプライチェーンの強化を進めてまいりました。今般の処理水海洋放出を受け、国では基金などにより、国内での消費拡大や加工体制の強化、輸出先の転換などに向けた支援を進めることとしております。県といたしましては、その活用を促進するとともに、県産水産物の流通が少ない地域でのプロモーション活動や、取引先の開拓に向けた商談機会の創出などに努め、国内外における新しいサプライチェーンの構築など、環境変化に強い体制づくりに取り組んでまいります。 次に、高温耐性の品種改良等、生産基盤の開発についての御質問にお答えいたします。 近年、本県の養殖業は、海水温上昇により、カキのむき身開始時期やワカメ種苗の沖出し時期が遅れるなどの影響が出ており、高温耐性種苗の育種や新規養殖種の導入など、環境変化に対応した研究開発が重要な課題であると認識しております。このため県では、ヒジキや高水温に耐性を持つワカメの実用化に向けて、養殖漁場での実証試験に取り組んでいるほか、イガイやイタヤガイなど、高水温に適応できる新しい養殖種の導入に向けた試験研究に取り組んでいるところです。また、養殖漁場の環境変化を迅速かつ的確に把握するため、自動観測ブイを活用した水温・塩分モニタリング体制の整備や、松島湾カキ漁場環境調査などを実施しております。県といたしましては、他県の養殖生産の状況や大学等の研究情報、漁業者の意見などを参考にしながら、環境変化に適応可能な養殖技術に関する試験研究の強化を図り、安定した生産基盤の確立に向けて取り組んでまいります。 次に、事業者に寄り添った対応についての御質問にお答えいたします。 処理水の海洋放出が始まり、県内の漁業者や水産加工業者に加え、水産資材などを扱う関連事業者にも影響が出ているとの声を聞いております。県では、水産支援チームにおいて、水産事業者を中心に訪問し、影響や要望などの把握に努めており、関連事業者からの相談があった場合にも丁寧に聞き取り、相談内容に沿って対応しているところです。また、事業者の関心が高い賠償については、処理水の海洋放出に関する損害賠償請求説明会と、弁護士による無料個別相談会を開催し、風評被害を受けた事業者に対して、業種にかかわらず支援することとしております。県といたしましては、国に対し、風評被害が発生しないよう、国内外に向けた科学的根拠に基づく情報発信や、関連事業者を含む水産事業者の意見を踏まえた支援策を求めるとともに、東京電力に対し、風評等被害の実態に即した賠償が迅速かつ適切に行われるよう要望してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長佐藤靖彦君。    〔教育委員会教育長 佐藤靖彦君登壇〕 ◎教育委員会教育長(佐藤靖彦君) 大綱一点目、宮城県が管理する自然の家の施設改善についての御質問のうち、蔵王自然の家と志津川自然の家の空調設備の設置についてのお尋ねにお答えいたします。 蔵王自然の家と志津川自然の家の空調設備については、保健室や共有スペースである研修室などに優先的に設置してまいりました。また、施設利用者に対しては、自然体験活動中の水分補給や休憩などの声がけのほか、冷風機の活用や保冷剤の提供などを行い、暑さ対策に努めてきたところです。今年の記録的な猛暑を踏まえると、今後、安心して施設を利用していただくためには、宿泊室等への空調設備の設置は喫緊の課題であると認識しており、自然の家や関係部署と十分に協議を行い、早期に整備できるよう検討してまいります。 次に、志津川自然の家の公用車の適正な配置についての御質問にお答えいたします。 自然の家の公用車については、施設の状況や自然体験プログラムの内容、活動場所なども踏まえ、車種や台数などを考慮しながら配置してまいりました。なお、志津川自然の家のワゴン車については、今月からリース契約により車両を確保したところであります。今後も、自然の家の活動に支障が生じないよう、公用車の適正な配置と管理に努めてまいります。 次に、蔵王自然の家と志津川自然の家の無線LANの整備等についての御質問にお答えいたします。 無線LANの整備については、近年、施設利用者等から、自然体験活動や探求活動でタブレット端末を活用したい等の要望もあることから、年内には活用できる環境を整えたいと考えております。施設全体のトイレの温水洗浄便座化や、蔵王自然の家の温泉設備については、今後、他の施設の状況なども踏まえ、その在り方について検討してまいります。 次に、自然の家は、少子化の進行が著しい現代にこそ必要な施設であると考えるが認識はどうかとの御質問にお答えいたします。 自然の家は、青少年をはじめ多くの方々が、自然に親しむとともに、集団での自然体験活動を通じて健全な青少年の育成を図るなど、大変重要な施設であると認識しております。これまでも、登山やマリンスポーツなどの自然体験や、野外炊飯などの共同活動を通じて、自然の美しさや豊かさを感じながら、人間性や社会性を育んでまいりました。県内でも少子化が進行し、自然の中での集団活動の機会が減少する中、自然の家の果たす役割は、より一層高まるものと考えております。県教育委員会としましては、子供同士が関わり合いの中で自主性や協調性を育むプログラムの充実を図るとともに、様々な教育課題の解決にも資する取組を実施するなど、自然の家の更なる利用促進に努めてまいります。 次に、大綱三点目、インドネシア共和国との覚書締結と外国人人材の育成、交流事業についての御質問のうち、宮城丸の寄港地等の変更についてのお尋ねにお答えいたします。 海洋総合実習船宮城丸は、船舶職員の養成施設であり、海洋技術の習得や資格取得等を目的として、ホノルルを寄港地に、年三回、ハワイ沖で操業実習を実施しております。インドネシアを寄港地とする高校生の海洋実習は、実現すれば全国初のケースとなります。県教育委員会といたしましては、来年度、職員を現地に派遣し、事前調査や交流相手校との調整を行うなど、早期の実現に向け、準備を進めてまいりたいと考えております。 次に、宮城丸のインドネシア寄港による高校生の国際交流と、遠洋漁業の未来を見据えた役割についての御質問にお答えいたします。 これまで、宮城丸の海洋実習においては、ハワイ県人会との交流を行ってまいりました。御提案いただきましたインドネシアの高校生との交流については、両国の水産業の実態や魚食文化等について学ぶことができ、水産高校の魅力向上にもつながるとともに、国際理解教育の観点からも、大変有意義であると考えております。また、こうした交流を積み重ねることにより、両国の相互理解が深まり、近い将来、インドネシアの若者が、県内の漁船で船員として活躍することも期待されます。県教育委員会といたしましては、宮城丸を通じた学校間の交流をきっかけに、我が県とインドネシアの、水産業が盛んな地域同士の関係が深められるよう努力してまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) ありがとうございました。順を追って質問させていただきます。 自然の家の対応、ありがとうございます。実は、関東のほうではこういった施設の利用が増えていて、東北とかが減っているんですね。こういう自然体験が子供たちの将来に非常に大きな影響があるということで、向こうのほうでは増えているということなのです。だから物すごい重要な施設であるというふうに思うし、かつて小野寺総務部長も担当所管でここを担当したときに、Wi-Fiの設置をすることで、海外の台湾とかの誘客というか、来てもらうということで、一生懸命やったという話を聞いておりました。今回、教育長のほうからWi-Fiもきちっと整備しますよという話ですが、この自然の家のことをよく分かっていると思いますけれども、どうでしょうか。この辺の対応について一言お願いします。 ○議長(菊地恵一君) 総務部長小野寺邦貢君。 ◎総務部長(小野寺邦貢君) まずは教育委員会の中でしっかり御検討いただいて、要求が出てまいりましたら、しっかりと対応させていただきたいというふうに考えております。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) 担当を外れると本当に主体性がなくなりますね。様々、教育長ありがとうございます。この自然の家の活動の中で、やはり宮城の子供たちが多くのことを得るし、それから非認知能力、こういうことが高まる。それから、自然の家で不登校の子供たちとか、そういった受入れもやっていきますよというお話をしておりました。実は、花山青少年自然の家もエアコンがなかったのですが、国会議員のほうにお願いをして、付ける方向で今進んでいるところであります。こういった形の県内の施設を大事にして、ここを基地にしてしっかりと活用して、台湾とか韓国との交流というところに結びつけていくと、更に広がったいろんなことになると思います。残念ながら学校のほうが行事を削減しているということがありまして、一泊二日ではなかなか効果が上がらないということがありますけども、本日、いい形で対応いただけるということですので、ぜひ期間的にも。車がずっと要望していたのだけど、全く手配がつかなかったというお話でした。今回の対応に感謝いたします。ありがとうございます。 続きまして、ALPS処理水に関係した部分でありますけども、まさに今、私たちが支えていかなければならないというふうに思っておりました。吉田部長からも、この漁業経営サポート資金のほうは、二年で償還って、はなから大変な話になってしまいますからね。こういったところは十分に要望を酌んで、または融資枠のほうも考えていくということであります。ここを充実していただくというのがまず一つ大事なことでありますので、このところはしっかり進めていただきたい。それで、様々な企画があるのですが、やはり県民として我々がしっかり支えていかなければならないということが第一だというふうに思います。今まで--今日が水産の日なんですよね。でも、こういうことがないと、なかなか分からないではないですか。日本酒で乾杯の条例などもつくりましたけども、水産みやぎとして、やはり我が県の水産物をしっかり活用する、食べる、こういったことの条例などもつくっていったほうがよりいいのかなというふうに思いますから、今後はそういう取組も必要なのではないかなと思いますが、食材王国みやぎの中では、食と農ということで、農になってしまっているんです。ここ、水産の部分をうまく取り込んだ考え方をしていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 宮城県は第一次産業が大変な主要産業でございますので、当然、農、水、林も含めて活性化するように、全体が底上げするように努力していきたいというふうに思います。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) ありがとうございます。まず私たちがしっかり対応しなければならないんだというふうに思います。向こうで輸出を禁止したから大変なことになるではなくて、おいしいホタテがたくさん食べられるんだとかね、そういった方向に切り替えていくことが必要だと思いますから、これからしっかり宮城県の、国内での物産とか、そういったことにもしっかり力を入れていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。今度、昼食を皆さんと水産物でやりましょうということでありますから、そういったことも含めて、しっかり進めていければなと思います。 それから、宮城丸の件、ありがとうございます。まさに、これをやると、今言ったように日本で初なんですよ。ほかでみんなあるんだけど、行ってないです。ホノルルに寄るというのは、ビザが必要になりますよね。ですから、ホノルルに行っても、実は国際交流になってないんですよ。ワンタッチしてちょっと見るだけという話になります。今回インドネシアのほうと、この路線を変えてやっていくということは、多分、向こうの水産関係の皆さん、海洋水産省長官もそうですけど、それと我が県のこれからの先々の交流ということになるのだというふうに思います。ですからここのところは、しっかり取り組むことで、多分、ほかの実習船もいろんな面で大変なのだろうけれども、宮城の水産高校の大きな魅力になるのだというふうに思います。ここのところは、教育長、しっかりと推し進めていただきまして、今後の交流に非常に大きな役割を担ってくると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。この間、言ったように海洋水産省長官が少しでも早くやりたいというお話ですから、こういった件も向こうにお伝えいただく、十月に人材の関係で来られるということもありますから、こういったことが非常に交流にとっては大きな役割を果たすのだなというふうに思います。ありがとうございます。これを積極的に進めていただければすごくいいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 引き続き、ワークイノベーション。 ワークイノベーションって豊岡市が作り出した言葉ではあるんですね。私もこの話を聞いてびっくりしたのは、公明党の遠藤議員が質問をしていて、奨学金のほうを幾らでも支援できないのですかということで、今度検討するということであります。私たち気仙沼・本吉地域から考えると、「仙台の人たちもおらほに来てけらいん」って話なんですね。幾らでもやはり地域に帰ってきてほしい。地方が元気になることは、宮城県は普通に元気になる、仙台は元気になるんですよ。だから地方で働く場所をやはりつくってやるということが必要なのだと思います。今日のラジオで、年金事務所かな、そこがこのワークイノベーションというか、育休も含めて、物すごいがっちりやっているという話でした。そのためには、仕事をきちっと分けていくんだと。要は仕事の断捨離をして、またはいろんな形でデジタル化をして、休める体制をつくっているということでありました。地方にとっては、やはり若い女性が帰ってきてもらわないといけないのだけど、地方に、例えば仙台くらいの選べる職種ってないんですよ。そして、今県で進めている女性活躍の部分もありますが、大きな会社でないとできないんです。ですから、ここのところは中小企業、小企業でも対応できるようなメリットがないといけないんだというふうに思いますが、その点いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 女性の皆さんが働きやすい環境をつくることは非常に重要なのですが、どうしてもまずは大きな企業からということになってしまっているのが現状だと思います。中小企業までしっかりと波及させていくことが、結果として宮城県で働いてくださる方が増えることになり、また、それがひいては出生率の向上にもつながっていくことだというふうに思っております。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) 地方の人口を増加させることってなかなか難しいのだと思いますが、そういった形の地方支援というのは、これから欠かせないのだと思います。子供のおむつも替えたことのない私が言うのもなんですが、男性が今若い人たちは随分育休を取っています。取りやすい環境をもっとつくっていくことが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。終わります。 ○議長(菊地恵一君) 五十六番安藤俊威君。    〔五十六番 安藤俊威君登壇〕 ◆五十六番(安藤俊威君) 議長のお許しを得て、一般質問に入らせていただきます。 思い返してみると、前回の一般質問、実は六年前でございます。この壇上に立ったこの景色、やっぱり緊張しますね。何回登壇しても変わらないなという思いでいます。 実は、今日かけてくる予定だった眼鏡が、夕べ飲んで泊まったもんで、忘れてきまして、残念ながらこの眼鏡だと原稿が読みにくいもんですから、眼鏡を取って話させていただきます。 平成七年の初当選以来、思い返せば二十八年と半年の間、この議会に在籍させていただき、今期を限りに引退させていただくことになり、この第三百八十九回宮城県議会が最後の議会となりました。せっかく頂いた一般質問の時間ではありますが、思い出多い議場に別れを告げる議員として、少々思い出話をさせていただきますので、しばらくの間お付き合いください。 あれは、私自身の十年目の結婚記念日だった平成七年五月十六日、私にとっての初議会、第二百五十九回宮城県議会臨時議会が開催され、議席番号七番の席で会期二日の短い議会が始まりました。あのとき知事は、たしか議席番号五番だったと覚えております。当時、私が所属した会派は、自由民主党宮城県議会議員会。三十六名で構成する議会最大会派です。もちろん、議会開催前に会派の会議などのために何度か招集を受け、会派の一員としての簡単なレクを受けたり、同期初当選の十二名で同期会をつくったりと、初めての経験を山ほどさせていただきました。そのとき、三十六名という会派の人数がどのような意味を持つのか先輩たちから教わり、宮城県議会は六つの常任委員会があるので、その全てで過半数を持つ安定多数であることを知りました。議員総会では、安定多数の最大会派として責任ある議会運営を求められる。ゆえに正副議長をはじめとする議会の主要なポストは、我が会派で独占していくということを申し合せました。中でも最重要の議長については、会派の総意をもって決定し、一丸となって本会議に臨むとなり、会派内での候補選考が始まりました。私たち初当選議員は、候補として手を挙げられた三名の方々を十分に存じ上げているとは言えないものですから、十二名で話し合って、三人の方に同じ質問をして、回答いただく機会をつくらせていただきました。言ってみれば、初当選議員が大先輩方を面接し、同期としての結論を出そうというのですから、今にして思えば、かなり大胆かつ失礼なことをしたものだと思いますが、十二名という数の力と、同期の年長者として会長になっていただいた渡辺栄一先生が、県庁農政部の次長まで務められた方で、初当選議員とは思えないぐらいの重みのある方だったので、実現したのだろうと思います。 臨時議会の主な目的は議会構成ですから、議長選挙が最初です。単記無記名の投票が始まり、初めての堂々巡りを終え開票結果を待っていたのですが、開票立会人の渡辺栄一先生の様子が少し変です。聞かされた開票結果は、会派で決めた候補者には二十八票しか入らず、三十三票を獲得したのは、候補としては会派内で手を挙げられた方でもない、高橋健輔先生でした。その後、本会議は休憩になったんですが、会派総会がもめにもめ、いつまでたっても本会議は開かれません。一度、五時前に時間延長の手続のため本会議が開かれるのですが、すぐにまた休憩です。結局この臨時議会、日程は大幅に変更になり、会期も一日延長し、私が入った自民党会派は解散。今の自由民主党県民会議二十九名と、みやぎ県民クラブ七名という形になって、再スタートを切ることになりました。二十九名の最大会派といっても、議長も議運の委員長も出しておらず、常任委員会も委員長三つ、副委員長一つというありさまでしたが、二十九名中当選回数一期と二期合わせて、二十三名という所帯でしたからそんなものでしょう。この会派は、後に当時の自民党県連会長の強い指導の下、平成九年に三十三名と過半数回復までいくのですが、その後、十一年の改選を機に再分裂し、以来、平成十九年の改選期まで過半数割れの最大会派となっていました。知事が当選して初議会のときは、我が会派は二十七名、その一年半後、三十八名ですから、村井知事の誕生が我が会派にとってどれほど大きく影響したかを十分察することができます。 議会の最大の機能は議決です。特別多数議決以外の議決は、定数を満たした議会が、出席議員の過半数をもって議決することで成立します。したがって、最大会派が過半数を維持するかどうかは、議会における決定権を持つかどうかという意味があります。我々地方議会は議院内閣制とは違い、知事も議員も直接有権者によって選ばれる二元代表制ですから、厳密に言えば与野党という概念は存在しませんが、執行権者にとって、政策の遂行に協力的会派を一般的に与党と呼び、是々非々の会派を中間派、非協力的会派を野党と呼びます。村井県政に協力的と思われている我が会派も、基本は是々非々であり、知事がどのように暴走しても必ず議決に協力しますとは言えません。かつての浅野県政で長年過半数割れ最大会派だった頃、議会は、修正案、附帯意見つき可決のオンパレードと報道されたこともありましたが、当時議員だった知事の現在の自分との比較も含めて、感想をお聞かせください。 さて、私の手元に、財政課の協力の下にまとめられた過去三十年分の宮城県決算の中で、県税、県債、公債費、投資的経費、県債残高、県債管理基金の確定値一覧表があります。平成五年度から令和四年度、今日議会に上程されます、ほやほやの数字までの一覧です。これは、四年前の決算総括質疑に立ったとき、平成の三十年間を振り返るという話をさせていただき、およそ決算などというものは、過去データとして、三十年分ぐらいをまとめてみなければ、何の意味もないというようなことを言ってしまった私として、思い出話の正確さを期すために作っていただいたものです。前半の十二年間は浅野県政、後半の十八年間は村井県政ということになります。より理解しやすいデータとするために、表は二つ、上段には一億円単位の生の数字、下段には平成五年の数字を百とした変化を見るための数字が書いてあります。今年の二月議会、令和四年度第九号補正予算の総括質疑のときにも触れましたが、平成二十七年から昨年まで、この八年間県税収入はずっと三千億円以上をキープし、とうとう昨年度は三千五百億円を超えました。これは、平成五年度を百とした場合、何と一・五倍の百五十です。資料の説明はさておき、思い出話に戻ります。 平成七年は、阪神・淡路大震災に始まり、地下鉄サリン事件などの一連のオウム心理教事件が起きた年です。一方、時代は地方の時代と言われ、地方分権一括法の施行などとともに、首都機能移転なども話題にされた頃です。広域連合制度なども始まり、いずれは道州制などの地方公共団体改革が始まると本気で思えた頃であり、同期会で酒を飲みますと、私は道州制論者だとか、いやもう一歩進めた連邦制のほうがいいとか、そういう議論に花が咲きました。たしか知事は道州制論者だったと記憶していますが、あの頃と比べて少子高齢化が進む、あるいは消滅可能性自治体だとか、地方の時代とはとても言えない昨今の社会情勢を踏まえた上でなお、地方六団体のトップ、頂点とも言える全国知事会長に就任した知事に、あえてお聞きします。 今後の日本に地方の時代とは来るのでしょうか。 道州制などの地方公共団体改革はどうなるんでしょうか。 知事は今でも道州制への制度移行などを必要と思っているのでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。 私はかつて、三十代で初当選した我々が、現役のうちに実現するだろう道州制の初代州議会議員を目指したいと言いました。首長よりも、国会議員よりも、地方議員の頂点をやりたいと本気で思っていたんです。二十四時間三百六十五日休みなしに働かされ、うまくいって当たり前、少しでも失敗などあれば、すぐに批判の対象である上に、本当の仲間などいない、孤独な首長職など頼まれても真っ平御免。国会議員になるチャンスは複数回あり、党内予備選挙も二回経験してますが、結局なれなかったのは、巡り合わせとか運というよりも、むしろ本気でなろうという思いが、自分自身に足りなかったからだと思っています。それだけ地方議会を大事に考えてますし、地方議会の今後にも期待しています。地方自治体という住民の幸せに直結する行政を、主権者本位に運営するための担保として、直接選挙で選ばれる首長と議会。この二元代表制の議論から、よりよい行政を紡ぎ出していくためには、双方のリスペクトと、それを生むべき双方の研さんが必要です。そして何より首長も議員も、自治体とそこに住む住民への深く大きな愛情がなくてはならないと思います。この私の持論について、知事の感想があればお聞かせください。 平成七年だけで終わってしまいますと、二十八年を振り返るが、二十八年前を振り返るになってしまいますので、先に進みます。 平成八年は、日本で初めての小選挙区比例代表並立制衆議院選挙がありました。宮城は六つの選挙区で始まりましたが、次回からは五選挙区に減ります。平成九年には、全国植樹祭が天皇皇后両陛下の御出席のもと開催され、当時の県議会議長が、雲一つないすばらしい天気を「天皇晴れ」と表現しました。平成十年には、我が県の第二地銀だった徳陽シティ銀行が北海道拓殖銀行に引き続いて破綻しました。県内企業の資金繰りが難しくなってしまい、多くの連鎖倒産を生むことになりました。 平成十一年、私も二期目になりました。平成五年に七千百億円程度だった県債残高は、一兆二千八百億円を超え、宮城県は財政危機を宣言します。Y2K問題と言われて、コンピューターの誤作動が懸念された平成十二年も終わり、時代は二十一世紀に入ります。 平成十三年、第五十六回国民体育大会が宮城で開催され、私にとって二度目の行幸啓を経験できました。当時の県議会議長が、両陛下の前で声が裏返るほどテンションの高い挨拶をしたのを鮮明に思い出します。 平成十四年、財政危機宣言以来減り続けた建設投資も、ピーク時の半分ほどになり、県税収入も落ち込みますと、経済再生戦略が必要と、県費職員の二年間の給与カットによる二十数億円の原資での政策が打ち出され、議会も騒然となりました。行政とは直接関係のない司法警察職員や学校教職員の給料にまで手をつけるこの計画は、結局組合との合意などないままに平成十六年に実施され、平成十五年、三期目の議員になった私は、この政策の検証をする羽目になりました。三年間に経済の再生ができたかといえば、先ほど申し上げた資料で、事業税収入や県税収入全体を見ても、そのような傾向は見えず、県内に「県庁がやっているんだから」とまねる民間企業など、むしろ県民所得の低下につながったのではと懸念されました。私は今でも、この政策は宮城県政史上最悪の政策だったと思っています。なぜなら、景気や経済動向に与える影響の主な要因は、国や時代によって様々なのですが、我が国の現代の最大要因は一般消費であり、その比率は六割を超えます。いかなる経済刺激策も、一般消費に冷水を浴びせる給与カットなどという手法とは両立できません。この件についても、村井県政の今後における給与カットという手法の可能性も含めて、知事のコメントを頂きたいと思っています。 平成十六年の二月議会、我が宮城県議会は第三百回の節目の議会を迎え、この議場において生のオペラを聴くことができた記念議会が開催されました。 そして、平成十七年、浅野知事が三期満了で辞めるという発表の後の、第三百六回宮城県議会で当時会派の幹事長だった私は、初めての代表質問で浅野県政の十二年間を振り返るという質問をしたことを思い出します。ここまでが浅野県政での十二年です。 平成十七年の晩秋に産声を上げました村井県政は、明けて十八年、早々におめでたい出来事に当たります。トリノ冬季オリンピックで、フィギュアスケートの初金メダルを、我が県出身の荒川静香さんが獲得したからです。村井県政では、この後も何度か経験することになる強運の最初の一つでした。 平成十九年には、四期目の議会生活に入り、先ほども申し上げたとおり、会派の規模が突然大きくなったことで、議会の構成なども、最大会派が主要ポストを独占する現在の形になりました。 平成二十年、村井知事の富県戦略が順調に滑り出したかと思えた矢先、まるで冷水をぶっかけられたかのような、リーマンショックが襲います。ようやく三千億円に届きそうだった県税収入も、二千五百億円台まで落ち込みます。 平成二十一年、二十二年、二十三年と落ち込んでいく県税収入と、二十三年三月十一日に襲ってきた東日本大震災は、宮城県政史上最大の危機であり、議会にとっても知事にとっても、忘れることのできない記憶だと思います。財源で苦しむ宮城県政にとって、震災以後の日本中、いや世界中から寄せられた支援の手は、リーマンショックから立ち直ろうとしていた時代背景を考えると、感謝の気持ちもより一層大きくなり、改めて忘れてはならない記憶として刻むべきと感じました。ところが、こんな真っ暗闇のようなときでも、村井県政の強運は光を呼びます。球団創立九年目の楽天イーグルスが、まだ瓦礫の残る平成二十五年、我が県に初優勝という光を与えてくれました。 そして、翌二十六年、ソチオリンピックで、震災の夜を仙台の避難所で過ごした羽生結弦君がフィギュアスケートの金メダル獲得を成し遂げ、我々宮城県民を希望の光で照らしました。一方宮城県議会は、平成二十六年十一月、第三百五十回の記念議会を迎えます。たまたまこのとき議長を務めていた私は、議場コンサートに被災の激しかった気仙沼で活動を続けていた、シンガーソングライターの熊谷育美さんをお招きすることにさせていただきました。議場に響く彼女の歌声に、自分たちのそれぞれの被災地を思い出し、涙ぐむ議員も多かったのを覚えています。 平成二十七年、この年から宮城県は、県税収入三千億円を達成し、私は議長を終え六期目の議員生活に入ります。ここから今までの八年間は、特に思い出話はしません。議場のほとんどの皆さんが思い出せることばっかりです。その中で、自分自身の思いが徐々に強くなっていったのは、かつての浅野県政時代、過半数割れの最大会派として、数より政策と議員発議政策条例に取り組み、理念条例にとどまる限界を議決権条例で突破し、日経グローカルなどの専門誌からも、日本一の議会と評価されたことは、今は昔の物語。あの時を経験した議員として、このままでいいのだろうかと思いながらも、熱意も体力も気力も取り戻せない自分に腹が立つと同時に、引き時というものを考えるようになりました。人によって年の取り方は様々です。私よりずっと年上なのに、体力はともかく、気力と情熱は昔のままで、来月の県議選に臨もうとしている方。期数も年齢も私より若いのに、議員生活に区切りをつけようとしている方。様々な方がこの議場におられ、来月行われる選挙で、また新しい議会がこの議場で構成されます。そして、今までもそうであったように、新しい議会の議席も、当選三回以下の皆さんで過半数を占めることになると思います。本当に不思議なことなんですが、全国千七百数十ある地方議会のほとんどが、過去現在にかかわらず、当選三回以下が過半数なんです。これは、議会の総意は常に新しく、議会の時計は後戻りしないということを意味していると思います。十八年前は、宮城県議会の議員だった村井知事を、議会の仲間だったという認識の議員など、もうほとんどいなくなっているんです。このことについて、知事はどのように認識され、今後の議会対応はどのようにすべきとお考えなのかお聞きします。 私は、七回当選させていただき、第二百五十九回宮城県議会から今議会まで、百三十一回の議会を途切れることなく経験させていただきました。同じ経験を共有しているのは、我が会派で同期の畠山さん。一期先輩の藤倉さん。他会派では、ゆささん。そして村井知事。僅か五人だけとなりました。二十八年間途切れることなく百三十一回の議会を共に歩んだわけですが、改選期を経るたびにそれぞれの新しい議会ができていたと思っています。議会には様々な年代、様々な期数、様々な経歴の持ち主が混在してこそ、多様な民意を酌み取ることができると思います。その上、常に当選三回以下が過半数であれば、いわゆる多選弊害など起こるはずもありません。ところが首長は違います。私は、最近久しぶりに行政棟四階に行く機会があり、秘書課に入ろうとして驚きました。鍵がかかっています。横のインターホンを利用し、名前と要件を告げると簡単に解錠してくれましたので、さほど不便になったわけではありません。全国知事会長ともなれば、地方六団体の頂点、言わば閣僚にも匹敵する国の重要人物ですから、また、大統領制をしいている国にとっては、次期大統領有力候補とも言える立場ですから、セキュリティーが厳しくなるのは当然だと思いますが、違和感は消えませんでした。そういえばここ数年、かつては気軽に通された知事室も入ったことはなく、いつも知事応接です。 私から見た村井知事は、スキルもリテラシーも、我が県あるいは県民を思う愛情も含めて、どう考えても県内の余人をもって代え難い知事です。それでいて、プライベートに話すときは、昔のまんまの村井ちゃんであり、昔に比べれば、相応に年老いたものの、体力も気力も情熱も失っておらず、安心して県政を任せられるリーダーだと思います。しかし、周りは違います。議会も県庁もいつの間にかベテラン知事、全国でも会長を務めるほどの大物知事、全県選挙で参議院も含め前人未到の八十万票を獲得した知事という扱いになってきたことは否めません。 最近特に感じるのは、知事がなりたての頃、知事より一回り以上年上の部長たちが、議会の再質問で一生懸命知事答弁をフォローしていたんですが、最近は部長答弁を知事がフォローする姿も見られることです。もっとも、部長も手を挙げるんですが、知事が手を挙げてますから議長が知事を指名しちゃう。そういうことが起こってます。十八年間真剣に県政の諸課題に取り組んできた結果、県庁内の誰よりも諸課題の問題点や、あるいは歴史的背景に精通したのは知事自身の研さんのたまものであり、これはある程度致し方ないと思いますが、果たしてこのようなことでいいのでしょうか。知事は人間ですから、不老長寿というわけにはいきません。一方県庁は組織であり、構成する職員が入れ替わり、議会と同じように新陳代謝していきます。常に県民にとってよりよい県政をつかさどる県内最大の組織として、村井知事がいなくなっても機能しなくてはなりません。そのためには、村井知事の答弁の結果、県議会が可決したとか、村井知事の議会対策、とりわけ議員個々の個別説得によって議決を得られたなどという事態は避けなければなりません。一方知事としてみれば、自分が正しいという信念の下、我が県と県民のためよかれと、議員個々の理解を、自らの説明で得ようとするのも当たり前だと思います。 そこでお伺いします。知事は自民党県連幹事長時代に、多選又は高齢の首長、具体的には四期以上又は七十二歳以上の現職首長に、自民党宮城県連の機関決定は原則して出さないと決めたことを思い出していただき、首長の多選について今どのように考え、今後、自分自身のことをどのように決めていかれるのか、迷いや悩みもあるのか、そういったことを含めて、率直な気持ちをお聞かせください。 宮城県は、産業構造が特殊で大きなウエートを占める三次産業が稼ぎ頭。一次産業にかつての収益力は期待できず、二次産業は脆弱ということに着目して、宮城の産業構造改革を進めた村井知事。その功績は、安定した県税収入という形で返ってきました。ただし、今後もこの基調が変わらないという保証はどこにもありません。たまたま現代日本の製造業の中でも、花形の自動車産業と、半導体製造装置のマザー工場の誘致成功をきっかけにここまで来たのです。これからも、この二つの分野はしばらくの間、経済の牽引役を担ってくれるでしょう。しかし、未来永劫というものではありません。その中で、直近の未来に日本が世界をリードする分野に二次電池があります。キャパシタを含むこの分野には、多くの特許を日本の企業が有し、安全保障のゲームチェンジャーであるレールガンの実用化、あるいはオフグリッドの決め手となる、高効率、長寿命、安全、安価な二次電池は、バイポーラや全個体などの新技術とともに、間もなく時代のニーズに応え、新たな花形産業になると思います。我が県が誘致に成功しているパナソニックEVエナジーなどは、自動車産業のおまけなどではなく、新たなマザー工場に発展する可能性を秘めています。ナノレベルで構造の解析に役立つ仙台のナノテラスの稼働など、新たな装置も含め環境も整いつつあります。次世代産業を育てるのは、二次産業強化を図った村井県政の正常発展形です。航空宇宙産業やバイオ技術、ナノ技術産業など、次世代産業技術に対するアンテナを常に高くし、この議場での丁々発止の議論から、次の時代の強く優しく安全な宮城県が生まれてくることを心から祈念します。 百三十一回、議場で相まみえました、故人を含む全ての県議会議員、そして故人を含む全ての執行部の皆さん方に心からの感謝を申し上げ、壇上から最後の発言とさせていただきます。本当にありがとうございました。(拍手) ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 安藤俊威議員の一般質問にお答えいたします。 大綱一点、議員生活二十八年を振り返るについての御質問にお答えいたします。 初めに、県議会と知事との関係についてのお尋ねにお答えいたします。 安藤議員と私は、県議会議員の初当選同期であり、当時を振り返りますと、議員として県民にとって何が一番良いかを考えながら、当時の執行部と是々非々の立場で建設的かつ積極的な議論を行い、事案によっては修正や意見を付すことを決めたこともございました。こうした議員時代や松下政経塾での経験を踏まえ、知事に就任してからは、衆知を集める県政を基本姿勢とし、県議会をはじめ、多くの皆様と意見を交わしながら、県政の運営に当たってまいりました。今後とも、県議会と知事がそれぞれの立場で活発に意見を出し合い議論を深めることで、県民にとって望ましい政策の実現に向けた合意形成が図れるよう、丁寧に取り組んでいかなければならないと、改めて御質問を聞きながら考えた次第でございます。 次に、道州制に対する認識についての御質問にお答えいたします。 地方分権改革については、平成七年に地方分権推進法が成立し、その後、機関委任事務制度の廃止や、国による義務づけ、枠づけの見直しがなされるなど、地方分権の実現に向けた期待が極めて高まりました。しかし、国と地方における権限と財源の在り方につきましては、残念ながら大きく変化しておらず、課題が多いと認識をしております。このようなことから、私は、国と地方の在り方を抜本的に変える道州制の導入が必要であると考えておりますが、その実現に向けては、国と地方が同時に取り組むことが必要であり、残念ながら平成三十年の自民党臨時総務会において、道州制推進本部が廃止されて以降、国における議論は停滞していることから、まずは国の動向を注視しなければならないと考えております。 次に、地方自治における首長と議会の関係についての御質問にお答えいたします。 二元代表制においては、県議会と知事が共に県民の負託を受けた対等の立場で、様々な議論を展開し、車の両輪として県政運営を行っていくことが重要であると認識をしております。このような関係の下、県勢を更に発展させていくためには、県議会議員も知事もお互いを尊重し、それぞれの意見に謙虚に耳を傾けながら、切磋琢磨し、地域のために何が最適かを常に導き出していくことが何よりも大切であると考えております。今後とも、心から宮城と県民を深く愛する気持ちを持って、県議会をはじめ皆様から御意見を伺いながら、県民の皆様お一人お一人が幸福を実感し、安心して暮らしていける地域づくりに力を尽くしてまいりたいと考えております。安藤議員におかれましても、今度は一県民として、またいろいろ御指導いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、経済再生戦略の下で実施した県職員の給与カットについての御質問にお答えいたします。 平成十六年度と十七年度に実施した、緊急経済産業再生戦略による給与の削減につきましては、当時厳しい状況にあった県財政の再建に取り組みながら、疲弊した地域経済を再生し、新たな成長への道筋をつけるという課題に対応するために行ったものというふうに認識をしております。私も県議会議員時代、この場に立って質問し、世紀の愚策だと言ったようなことを今でもよく覚えております。しかしながら、最終的には可決をしたということでありますので、私にも責任は当然あるし、安藤議員にも責任あるのではないかなというふうに思います。しかしながら、職員の生活の基本となる給与を削減するということは、真にやむを得ない場合の特別な例外措置でありまして、また、県経済に及ぼす影響も極めて大きいものであったというふうに思っております。将来、決してこのような事態に陥ることのないよう、交付税措置のない特例的な県債の発行を抑制するなど、県債残高を適正に管理していくほか、大規模災害や国の政策変更に備えるため、財政調整関係基金の確保に努めるとともに、引き続き企業集積の促進など、自主財源の核となる県税収入の増加につながる取組を進めまして、持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えております。職員の生活を守るというのも、私の大切な仕事だと思っておりますので、安易に職員給与をカットするようなことのないようにしてまいりたいというふうに思います。人事委員会の勧告あれば別ですけれども。 次に、今後の議会への対応についての御質問にお答えいたします。 私は、平成七年四月の県議会議員選挙で初当選をいたしましたが、当時、議員の先輩に、現在衆議院議員をされている土井亨先生や首長をされている伊藤康志大崎市長などの諸先輩方がたくさんおられました。そして厳しい中にも優しさをもって、議員としての在り方などについて御指導いただいたことを、今でも懐かしく思い出しております。現在、私が県議会議員であった当時から苦楽を共にした議員の方が少なくなっていることは寂しさを禁じ得ませんが、選挙を通じて若手議員が増えるなど、議会の世代交代が図られることは、「議会の総意は常に新しく、議会の時計は後戻りしない」という安藤議員のお考えに私も全く同じ思いであります。知事も県議会議員も、住民から直接選ばれており、お互いの主張を議会という場で是々非々の立場で議論し、意見を闘わせる中で、住民にとって最も望ましい政策、施策を決定し、実行することが大切ではないかと考えております。今後とも、議会との議論を大切にし政策の執行に努めてまいりたいと思います。 次に、首長の多選についての御質問にお答えいたします。 県民の皆様にとりまして、よりよい県政を運営するためには、二元代表制を担い、県民を代表する県議会議員の皆様から御理解を得ることが不可欠であります。また、そのために私をはじめ執行部が説明を尽くすことは当然であり、どなたが知事であっても変わりがないものと考えております。私が自民党県連の幹事長であった平成十五年当時、県連の候補者選考規定が改定され、首長選挙では、七十二歳を超える者と通算三期を経過した者は、公認または推薦しないという条項を加えました。しかし、これは出馬してはならないということでは決してなく、県連としては、公認や推薦をしないという趣旨でございます。首長の多選につきましては、これまで様々な議論がなされておりますが、何期、何年努めたかではなく、候補者が選挙公約の中で自らの政策を明確に打ち出し、最終的には有権者に御判断をいただく姿こそが、民主主義の基本的な理念に沿ったものであると考えております。まずは私に与えられております、再来年十一月二十日までの五期目の任期につきまして、その職責を全力で果たし、誰もが生まれてよかった、育ってよかった、住んでよかったと思っていただける県政運営に努めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。全て私が答弁いたしました。 ○議長(菊地恵一君) 五十六番安藤俊威君。 ◆五十六番(安藤俊威君) 全部の答弁、知事しかできない答弁を質問しましたので仕方ないと思いますけれども。私ね、村井嘉浩という人間をね、好きなんですよ。本当に長年見てますけど、真面目で誠実で少々ワーカホリックなとこあるんだけど、おちゃめで周りに気配りできるいい男だと思っています。でもね、世の中で、独善的な「くそじじい」みたいに言われると、本当にちょっと腹が立つんです。でも、首長というのはそういうものだと、さっき私、壇上で述べましたとおりですから、あえて言うつもりはありません。我々議員や知事にとって、宮城県というのは上着みたいなものだと思います。我々より重い上着を着ているのは分かりますけど、前任者がぼろぼろにしたものを一生懸命繕って、今、着心地も悪くないようになったんだと思う。脱ぎ難いのは分かるんだけど、先に上着を脱ぐ者として、二年かけて、知事が孫を連れて遊びに来れるような準備をちゃんとしておきますから、この二年間、真剣に悩んでください。そして、全国知事会長として、一年やそこらで交代する閣僚なんかにできないような、すばらしい成果を残してくれることをお願いします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(菊地恵一君) 暫時休憩します。    午前十一時四十六分休憩-----------------------------------    午後一時再開 ○議長(菊地恵一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。四十五番仁田和廣君。    〔四十五番 仁田和廣君登壇〕 ◆四十五番(仁田和廣君) 通告に従い、大綱三点、一般質問させていただきます。 私は、今の県政の状況を憂慮しながら、いろいろ国のほうに陳情に盛んに行っております。特に内閣府、財政、それから外務省を含めて。先般、朝に、私はホテルでの朝食よりも、ビーフカレーで有名な新橋の店にお伺いしました。ビーフカレーもおいしいし、そしてシャリもおいしい、御飯もおいしいということで、実は私は、これがひとめぼれであったらなあということで店員さんに聞きました。そうしましたら奥に入っていって、店長からのお答えで「まさしくひとめぼれですよ」というお話を頂き、その日一日、大変楽しい思いをしました。ただ、そのあとに店長とお会いしたら、処理水の話が出たら、お客さんによっていろいろ出たら変えねばならないかもしれませんという苦い話もあったわけでございます。また、我が七ヶ浜の菖蒲田浜、海水浴、大盛況でありましたけれども、今回、ブルーフラッグの認証を世界から得ました。日本国内で十か所ほど得ているようでありますけれども、ブルーフラッグを取るためには、まず海水浴場が安全・安心、また、海がきれいでないと駄目なわけでありまして、それで最後にその認証をもらったときに言われたのが「処理水の影響が出たら取消しもあり得るよ」ということでありまして、何をか言わんやであります。 さて、通告いたしました大綱三点。一点目は、国土強靱化及び激甚災害であります。 去年七月、大崎地方、名蓋川を含めて、あの辺で大水害がありました。そのとき知事も現場に行かれて、復旧・復興にはがっちりやると。しかし、その大前提である局激、それを指定がなされるのが前提だったようでありますし、私もそう思っておりました。それで内閣府に行ってその担当者、特に参事官、四人の参事官にお会いをし、もし激甚災害が指定されない場合にはどうなるのですかと、まあ暗に、それであったら災害等々の別な予算で何とかしてくれということを何度も言いました。案の定、三月には局激の話が白紙になりました。私から言わせると、法律で指定されれば百、指定されなければゼロという話はあり得ないと考えております。何回か行っている間、あれは七月だったですか、またお伺いをして、実は三月に指定されなかったと、宮城県は河川の予算、そういういろんな予算が二、三十億円しかないので、どうにもならないんですと言いましたら、おかげさまで、災害のほうで大体九五%処理をしますという話をがっちり頂きました。どうですか知事、また執行部でその話を受けているかどうだか含めて。ただ、そのとおり、国も大変この水害対策には思い切って力を入れねばならないということであります。ですから、例えば名蓋川にしてみれば、中流域が九五%出来上がったとしても、完全にやはり回復するには、上流も下流も何らかの措置をしなければならないわけで、私がいつも内閣府に行くのも、国土強靱化予算の執行状況を確認しながら、何とか宮城県にその予算がもらえないかという話をしているわけでございます。今回も議会で阿武隈川が八島議員から出ましたし、それから七北田川上流域が庄田議員から出ました。そのとおり各地域をやるためには、やはり国土強靱化予算、これはぜひ必要であります。私は七北田川の新田地区を随分回りましたけれども、現場でかさ上げもしましたし、中の土砂の撤去、支障木、それも皆やっているのですけれども、やはり大雨になると、ごうごうと上流から流れてくる、あれを見ると不安でなりませんという話であります。ですから今後、七北田川を含め、また吉田川もまだまだ今からやらねばなりませんし、特に迫川は、栗原の親分がおりますけれども、やはり迫川は何回もあふれています。ですから、あらかじめ、その豪雨に相当するような河川の整備は、一迫、二迫、三迫とやらなきゃならないんじゃないかな。その辺知事は、あふれてから騒いで、私も前、現場に行って区長さんの奥さんとお話をしましたら、いやあ、長押って皆さん御存じだと思いますけれども、上の高いところ、ここまで来たんだよと泣いていました。もうここには住みたくないと。そのように思わせることでは駄目だと思うので、ぜひもうちょっと力を入れて、国土強靱化の予算を使いながら、頑張ろうではありませんか知事。 次に、大綱二点目、バリアフリーであります。 私は何度となく、駅のバリアフリーをずっと言っていました。陸前山王駅、西塩釜駅、それから今回は陸羽東線鳴子駅を含めたバリアフリーを、やはり今回、知事、私ね、何回もこの場でこのお話をしていても全然進まないんです。JRがやると思ったら大間違いでありまして、私、多賀城駅のバリアフリー化、また駅の--その時に大概分かりました。あのとき、全体で百十億円かかっているんです。しかし、なかなかJRからの支援を求めても無理だと。しかし完成すれば一番やはりJRが利益を得るのはもとよりなのですけれども、利用されている方々が大変言うわけでございまして、例えば陸前山王駅は階段が三段も四段もあって、車椅子では全然利用できない。そういう駅をやはりいち早くバリアフリー化すべきだと思います。それから、例えば県道整備の中で、実は塩釜七ヶ浜多賀城線という、キャッスル多賀城から仙塩病院までの歩道があります。従来は傾斜がついていて、車椅子で歩けないのです。また狭くて。それを県内で初めて、土木部の協力をもらってバリアフリー道路にしました。今見ても大変--今後、県道整備、それから歩道整備に、このバリアフリーというのを標準的に入れるべきではないですかね知事。前向きな答弁を求めたい。 また、今、県のいろんな建物、県民会館を含めてあります。私も委員会でしょっちゅう、何とかそのバリアフリー、具体的に言えば、例えば二階、三階までスロープを造る、それからエレベーター、エスカレーター、それから下のほうにはやはり高規格トイレ、これを標準装備すべきだと私は思うのです。今後、県のいろんな建物をやるときには、このバリアフリー化というのは標準にやって、障害を持った方々がやはり安心して生活できる、また県の施設を利用できるようにやるべきだと思いますが、知事いかがですか。前向きな答弁を求めたいと思います。 次に、仙台港であります。 石川光次郎議員のポートラジオ、方向として出たようでありまして、私も、やはり釜山港を含めていろんなところを見ていると、ああいうのはもう前段で全てやっているんですよ。仙台港が遅れていたからどうかなと思っていましたけれども、何とか今後は進めればと思います。ただ、私から言わせると、今、港湾計画の変更がいよいよ緒につきます。そのときに、少し大きな話になりますけれども、国際戦略港湾という大型のコンテナ船が入る港じゃないとどうにもならないんです。先般、中国に--中国は農産物含めて大型のコンテナ船をもう縦横無尽に使って、使用料も高くしまして全部集めています。日本の物流にも相当影響が出ております。しかし仙台港は、いつも言っているとおり、決して見下げたものではないんです。例えば航路上の関係、サンフランシスコ、ロサンゼルスから大圏コースを通ってアリューシャンをかすめると仙台港に着くんです。それから将来的には、今ロシア問題がありますけれども、北極海があけたら、アリューシャンを抜けたら室蘭が一番近いんだけれども、それより便利なのは仙台港なんです。そういう意味では、いよいよ国際戦略港湾に打って出て、やはり大型コンテナ船、いろんなものを入れる、そういう考えを持つべきだと僕は思うので、知事も前向きに、今述べます水素ステーションも含めて始めているようでありまして、特に水素ステーション、今日エネルギーの話もありましたけれども、将来はやはり水素、液体水素で入れて、そして仙台港で気化をさせて、例えば東北電力さん、トヨタ、また一般的なエネルギーにも、また東北・北海道にそれを供給するぐらいの壮大な考えを進めて、知事も大分前向きなので、その辺の再度、今、港湾のいろんな会議の中でもお話されていますから、また、二〇二四年問題、輸送関係が相当逼迫してくると、仙台港に入っているフィーダー船、小型の船が、やはり日本国内含めていろいろ動いていますから、それはやはり解決の一助になるのかなと思いますので、ぜひこれもやらねばならない。やはり港というのは、鶏が先か卵が先かではないんです。港が整備されていなければ、大型コンテナ船、ドラフト(喫水)も深いやつが入ってきません。ぜひともその点は前向きに捉えるべきだと思いますが、港湾計画変更の折を含めて、また相当予算もかかります。内閣府とのお話の中では、国土強靱化予算もこれでは使えるという話のお墨つきも頂いておりますから、ぜひ頑張っていただきたいなと思います。 それから、大綱三点目、知事の政治姿勢であります。 私は知事が知事選に出るときに、もうつぶさに全て知っております。あの当時知事は、謙虚であり、清廉であり、そしてもう一つ私にあのとき言ったのは、弱い立場の県民の方々を守る立場の行政をやりたいと。私はそれでもう胸を打たれました。それ以来、あらゆる場面で私は知事を応援していたつもりでございます。しかし昨今の、例えば四病院問題、それから、極めつけは県営住宅です。県営住宅六か所で約千人の方の居住が決まるわけでございまして、まず廃止ありきで、そんなでたらめ、無鉄砲な法治はありません。まず今、市町では公営住宅をいろいろ持っているわけで、あの公営住宅を譲り受けながら、そして、そこにその県営住宅を廃止するところの方々を全員当てはめてから、これは「じゃあ廃止します」でよかったはずなんです。ところが冒頭からもう廃止しますという話ですから、話になりません。よく、板を削る場合も、順目で削ればきれいにカンナというのはかかります。しかし、逆目で削れば削れないわけでありまして、やはり議論を百出させてから変えるのでは、僕は--だから知事ね、知事選に最初出たときの謙虚さ、そして弱い立場の人を守る、そういう立場から私はあえて言いたいなと。この際一回立ち止まり、四病院もしかりです。例えば地域医療、それからがん、それから精神医療等々、罹患されている方々は本当皆命がかかっているんです。例えば名取から富谷に行きなさいなんていう無謀な話をしても通りません。ぜひ、ここは一回、元の最初の知事に立ち戻って、謙虚に、そしてその弱い立場の人たちを守るという位置づけでやってはいただけないでしょうかね。どうぞ考えてください。 それから、処理水の問題です。 先ほど守屋議員もお話ししていました。しかし、皆さんよく考えてください。私も七十年もやっている漁業家です。漁協の組合長もやらせていただきました。海を汚すことは何人たりともできない。例えば内閣総理大臣でも、そんなことにオーケーをするのは決してよくないと私は思います。トリチウムを含めたああいうものを流して、それで風評被害とか、まあ僕は中国は大嫌いな国だけれども、ああいうふうなことまで言わせるようにする、これはやはり明らかに間違いなんです。僕はトロール漁業というのをやっていました。トロールというのは、大きな網を使って一網打尽にする漁業です。しかし昔は、切り捨てた網を全部海中に捨てていたんです。これは漁網自体が石油関連のあれでビニールと同じですから、全然それは海に捨てられても永遠に残ります。そういうのを僕は徹底的に乗組員にも言って、例えば使った網と今後使う網と、それから修理する網、全て持ち帰りを推奨させました。ノリ漁業の陸上採苗というのをやったときもそうなんです。中間育成でビニールをちょっと捨てなければならない事態もあったので、陸上採苗でそれを再生させれば、問題なく、海を汚すことにならないわけで、あらゆる面で漁業家ももう--ですから今回、漁民の皆さんといろいろ話をする中で、何でなんだろうと。知事、覚えているでしょう。例の水産特区のときに、知事と私は直接いろいろ話をしました。そのときに、知事に私は言われました、「私は水産を守るために命をかけたい」と。東日本大震災があった一年後の話です、水産特区のとき。皆さんも、自民党の中でも私が偏向したので、「君子豹変す」などというね、悪い言葉ではないので、言われたことを私は今でも覚えております。それでもやはり知事が水産に命をかけるということであればしょうがないなと。しかし現状の処理水の話のとき、知事は明らかに反対も賛成もしない。今、捨てられたからどうでもいいということではないんですよ。やはり基本的に、知事は県民の代表でもあるし、県議会でも何回も採択をして反対決議をしていますし、現にもう既に、例えば先ほど守屋議員が言っていたホタテとか、中国関係と貿易している人たちは今ゼロです。また、私は、さっき冒頭で言いました風評被害がどの程度出るか、大変危惧しております。ですから今後、命をかけて守るということを言ってもらうんだったら、今こそ知事が前面に立って水産及び宮城県民の先に立って、例えば補償交渉なり--今私が一番心配しているのは後継者なんです。ノリ漁業は後継者がいっぱいおります。しかし今回のことで相当影響が出たら我々もやめたいなんて言う後継者も出ております。そういうことをもろもろ考えれば、今こそ、知事が全国知事会の会長にもなったことですから、このことは全面的に反対をしながら私が宮城県民を代表して補償交渉全てに当たるよという位置づけを出していただければ、元の清廉で謙虚な、県民も思う知事になるのかなと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上で壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 仁田和廣議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱二点目、仙台港及びバリアフリーについての御質問にお答えいたします。 初めに、水素ステーション設置に向けた検討状況についてのお尋ねにお答えいたします。 我が国の港湾は、輸出入貨物の九九%以上が経由する国際サプライチェーンの拠点であり、二酸化炭素排出量の約六割を占める発電所や製油所など、多くの産業拠点が立地するエネルギーの一大消費地でもあることから、港湾における脱炭素化の推進は、カーボンニュートラル社会の実現に向けて非常に重要であると認識しております。このため、県では、昨年度、昨今の港湾を取り巻く環境の変化を踏まえ、明日の仙台塩釜港を考える懇談会を立ち上げるとともに、脱炭素化の推進に向けて、仙台塩釜港カーボンニュートラルポート協議会を設置したところであります。現在、仙台塩釜港周辺における温室効果ガス削減に向けた取組や水素等次世代エネルギー需要量の推計に加え、国が進めている水素等の国際的なサプライチェーン構築に向けた動向を注視しながら、水素等受入れ拠点に必要な環境整備などについて検討しております。仙台塩釜港は、高速道路ネットワークや鉄道網が充実しており、水素の広域的な輸送においても高い優位性があることから、県といたしましては、協議会等の検討状況を踏まえ、引き続き、立地企業や関係団体等と緊密に連携しながら、カーボンニュートラルに配慮した、更なる競争力を有する港を目指し、鋭意取り組んでまいります。 次に、物流の二〇二四年問題への対応についての御質問にお答えいたします。 国の働き方改革関連法に基づき、来年四月から、トラックドライバーの時間外労働時間に上限規制が適用され、労働時間が短くなることで輸送能力の不足が懸念される、いわゆる物流の二〇二四年問題により、今後、陸上輸送から海上輸送へ転換するモーダルシフトの進展が見込まれております。このため、国際フィーダーコンテナ船の国内屈指の拠点港である仙台塩釜港においては、船舶の大型化や更なる貨物取扱いの増加が想定されることから、県では、明日の仙台塩釜港を考える懇談会において、モーダルシフトの進展を見据え、埠頭の再編や港湾施設の機能強化など、今後の仙台塩釜港の在り方について議論を進めております。物流の二〇二四年問題は、内航航路が充実している仙台塩釜港にとって、貨物取扱量を増やす絶好の機会と捉えており、県といたしましては、引き続き、積極的なポートセールスにおいて、より一層の集貨・創貨に努めるとともに、懇談会の検討状況などを踏まえ、我が県のみならず東北地方の暮らしと経済を支える拠点となるよう、鋭意取り組んでまいります。 次に、県有施設のバリアフリー化についての御質問にお答えいたします。 県有施設は、不特定多数の方々が利用するものであり、そのバリアフリー化は重要であると認識しております。このため県では、宮城県公共施設等総合管理方針において、県有施設の改修等に当たっては、障害の有無はもとより、外国人や乳幼児をお連れの方も含めて、誰もが年齢や性別その他を意識することなく、安全で気持ちよく利用できるよう、ユニバーサルデザイン化について検討することにしております。県としては、この方針に基づき、バリアフリーの実現を図ってまいりたいと考えております。 次に、大綱三点目、知事の政治姿勢についての御質問にお答えいたします。 初めに、処理水の海洋放出中止の立場を明確にすべきとのお尋ねにお答えいたします。 県では、令和三年四月に国が処理水の海洋放出の方針を決定したことを受け、処理水の取扱いに関する宮城県連携会議を設置し、これまでに七回の会議を開催して、国と東京電力に対し、直接、風評被害の懸念を訴え、海洋放出以外の処分方法の検討などについて、一貫して要請してまいりました。処理水の海洋放出については、国際原子力機関IAEAの包括報告書で、人や環境への影響は無視できるレベルであると評価されており、科学的に安全なものであると認識しておりますが、処理水に関する国内外における理解醸成は不十分であり、中国や香港などが我が国の水産物の輸入を禁止した措置により、既に県内の水産業や輸出関係の事業者に影響が出ております。県といたしましては、我が県の水産業が将来にわたり安心して続けられるよう、引き続き、事業者の声を丁寧に聞き取り、国と東京電力に対し、海洋放出以外の処分方法の検討をはじめ、万全な風評対策の実施となりわいの支援など、責任ある対応を求めてまいります。 次に、四病院再編についての御質問にお答えいたします。 仙台医療圏の病院再編については、地域医療の現状と課題を踏まえ、病院機能の集約・拠点化により、救急医療やがん医療、精神医療などの政策医療の課題解決を目指すものであります。また、再編後の病院が地域医療の充実に貢献できるよう、現在、具体的な病院機能の検討を進めているところであり、各病院の診療内容が充実されることで、患者の立場からも大きなメリットがあると考えております。県としては、引き続き様々な機会を捉え、患者や家族、関係者の皆様に寄り添って御意見を伺うとともに、県民に対しましても、病院再編の意義を丁寧に説明してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱一点目、国土強靱化予算についての御質問のうち、名蓋川の復旧についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年七月の大雨では、県北部を中心にこれまでの観測記録を上回る豪雨となり、名蓋川では、広範囲で堤防からの越水が確認されるとともに三か所で堤防が決壊するなど、甚大な被害が発生いたしました。今回の被害は、激甚災害に指定はされなかったものの、名蓋川においては、多田川合流点から国道三百四十七号までの約四・一キロメートル区間について、再度災害防止を図るため、原形復旧にとどまらず、被災していない箇所も含めて、堤防のかさ上げや河道拡幅などの改良復旧を行う災害復旧助成事業として採択され、今年度から用地買収を進めるとともに、一部工事に着手する予定としております。また、名蓋川が合流する多田川においては、助成事業と併せて、一部堤防のかさ上げを実施するほか、名蓋川の国道三百四十七号から上流区間についても、河道掘削を実施するとともに、昨年十月に立ち上げた多田川流域治水部会において、河川の一部改修、家屋の浸水防止対策や流出抑制対策など、具体的な対策を国・県・市町で検討しているところです。県といたしましては、名蓋川沿川の皆様が安心して暮らせるよう、国土強靱化予算も含め、必要な予算を確保しながら、一日も早い対策の完了に向けて、しっかりと取り組んでまいります。 次に、県内河川について、国土強靱化予算を活用して整備を加速すべきとの御質問にお答えいたします。 近年、気候変動の影響に伴い、水災害が頻発化・激甚化しており、以前にも増して災害のリスクが高まっていることから、これまで以上に重点的に河川整備を進めていく必要があると認識しております。これまで県では、令和元年東日本台風による洪水被害の発生を契機として、再度災害防止や浸水被害の軽減を目的に、新・災害に強い川づくり緊急対策事業アクションプランを令和二年度に策定し、緊急的・集中的な治水対策を進めてきたところです。しかしながら、昨年七月の大雨で県北部を中心に甚大な被害が発生したことから、今年三月にアクションプランを改訂し、名蓋川や迫川など被災した六十四河川の災害復旧と併せて、災害常襲河川の堤防機能の強化や、河道断面確保による流下能力の向上など、事業費を大幅に増額して取り組んでいるところです。県といたしましては、県民の方々が安全で安心して暮らせるよう、引き続き、国土強靱化予算を最大限活用しながら、県内河川整備の更なる加速化を図ってまいります。 次に、大綱二点目、仙台港及びバリアフリーについての御質問のうち、港湾計画改訂についてのお尋ねにお答えいたします。 仙台塩釜港においては、平成二十五年六月に改訂した港湾計画に基づき、我が県のみならず東北を牽引するグローバル港湾の実現に向けて、現在、向洋地区において、今年度末の完成供用を目指し、マイナス十五メートルの大水深コンテナバースである高砂埠頭三号岸壁の整備を進めております。一方、近年、世界では輸送コストを抑え、競争力強化を図るため、コンテナ船の大型化が加速しているほか、脱炭素社会の実現に向けた取組の推進、物流の二〇二四年問題に起因するモーダルシフトの進展など、港湾を取り巻く環境が大きく変化しており、これらの動きに的確に対応していく必要があると認識しております。このため、県では、昨年度から、明日の仙台塩釜港を考える懇談会や、仙台塩釜港カーボンニュートラルポート協議会を立ち上げ、仙台塩釜港全体における将来ビジョンや、大水深岸壁を含めた港湾の機能強化など、今後の整備の在り方について議論を重ねております。県といたしましては、これら懇談会等の検討状況を踏まえ、北米航路などの地勢的なポテンシャルを最大限に生かしながら、我が国のサプライチェーンの一翼を担う、高い国際競争力を有する港を目指し、引き続き、次期港湾計画について検討してまいります。 次に、大綱三点目、知事の政治姿勢についての御質問のうち、県営住宅の集約・廃止方針についてのお尋ねにお答えいたします。 人口減少・少子高齢化の進行に伴い、住宅ストックの余剰が増えていくことに加え、我が県では、災害公営住宅が整備され、新しい公営住宅の整備を積極的に進める状況ではなくなってきております。また、対応年限を迎える県営住宅の老朽化の進行や耐震性の低下など、入居者の安全性の確保が課題となっております。県では、こうした状況を踏まえ、県営住宅の新たな建設及び建て替えは行わず、既存ストックの長期的活用を図りながら、対応年限を迎え、用途廃止が適当とされた住宅については、市町村とも協議しながら、集約を進めることとしております。集約に当たっては、入居者のなりわいや地域との関わりにできるだけ配慮しながら、より居住環境の整った県営住宅へ移転していただくことを基本としており、市町村営住宅への移転希望があった場合は、当該市町村と調整させていただくこととしております。県といたしましては、入居者の中には、御高齢の方や体の不自由な方もいらっしゃることから、お一人お一人の御希望、御意見をお聞きしながら、安心して移転していただけるよう、時間をかけて丁寧に進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 四十五番仁田和廣君。 ◆四十五番(仁田和廣君) 答弁漏れも甚だしいね。まず一つは、駅のことをほとんど触らず、こんなに住民の方々が、例えば西塩釜も、それから陸羽東線も含めて言っているんですよ。これの答弁がなっていない。 それから、知事の政治姿勢の中で、僕らの約束の中のやつも答弁がない。知事、今なんだよ、大事なのは。知事が姿勢を示して、そして県民に、また、水産の人たちに、私が全面的にやろうと、それで補償交渉から将来のことも任せておけと、どーんと胸をたたけば今の知事だと何でもできる。そういうことで、ちょっと答弁してください。 ○議長(菊地恵一君) 企画部長武者光明君。 ◎企画部長(武者光明君) 鉄道駅舎のバリアフリーについてお答えいたします。 鉄道の駅舎のバリアフリーにつきましては、誰もが住みよいまちづくりを進めていく上では非常に大事なことだと思っております。これまでも、西塩釜駅や陸前山王駅のバリアフリー化につきまして、宮城県の鉄道整備促進期成同盟会を通じて、JR東日本に対して要望してまいりました。今後、地域の御意向や利用状況、そういったことの把握に努め、JR東日本に対しての要望を強めていきたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四十五番仁田和廣君。 ◆四十五番(仁田和廣君) 前の知事の答弁でも、そのバリアフリーは言っていました。期成同盟会から含めてね。そこから一歩進めないと。多賀城駅を造ったときが全くそうなんですよ。あのときは下馬駅まで延伸させようという話もあって、ただそれにすると二百四、五十億円かかるというので、我々も断念しなければいけないなと思いましたけれども。まず手始め、特に陸羽東線、議長の地元だけれども、やはり必要なんですよ。そうすると利用者も増える、また、障害を持った方々も利用ができる。やはり県が主導で、その期成同盟会、またJRに陳情していましたで終わるのでは、話になりません。知事どうですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 陸羽東線、今非常に経営状況が厳しいところで、バリアフリー化することによってお客も使いやすくなるのではないかと、そのとおりだと思いますが、これはJRであったり、あるいは大崎市などともよく話し合っていかなければならない問題ですので、ここで何とか任せてくださいというようなことはなかなか言えないのですが、非常に重要な御指摘だというふうに受け止めたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 四十五番仁田和廣君。 ◆四十五番(仁田和廣君) やはり大崎市と、また、利用している方々との話合いは大事です。しかし異口同音で多分皆さんからバリアフリーになれば利用率が上がるよとかね。あと陸前山王もそうです。今、都市化が大分進んでいまして、浮島の駅とともに両方を使おうということが大分膨らんできているんです。ですから、現状だけを見ないで、将来、宮城県として、さっき道路とか、それから県の管轄の建物を含めてバリアフリーのいい方向性が出たから僕は安心しているんだけど、もう一頑張りやってください。 それからもう一つは、処理水の話。今、緒について大変な影響なんです。例えば中国と取引している方、この間も水産の方十人ぐらいと話しました。ゼロになります。それから、今後心配するのは、ノリが最盛期になってきて、そのときに、やはり今、国でも風評被害が出ないようにいろんな場面で経済同友会含めて使ってもらおうと思って努力しています。その姿勢に知事が先頭に立ってお願いをして歩く、こういう姿勢をみんな県民、水産の人たちは求めているんですよ。起きてからでは遅いんです。ですから、知事が今いい立場にあるわけだから、逆に言うと俺との約束はもう忘れたようだけれども、その辺も踏まえてどうですか知事。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 今、全国知事会の会長という立場もありますので、当然、販売促進においても、また、いろんな交渉、賠償に当たるにしても、先頭に立たなければならないというふうに感じております。まずは、放流をしてからしばらく時間がかかってまいりましたので、全国知事会としても、今回、私は当初は福島県及び福島県の周辺の県が風評被害で大変なダメージを受けると思っていたのですが、北海道から沖縄まで全国的な被害、影響が中国の輸出禁止から出ておりますので、まず全国的にどういう影響が出ているのか、被害額がどれくらいなのか、そして、それに対して各県がどういう対策を取ろうとしているのかということを、まず知事会としてもしっかり取りまとめたいと考えまして、農林商工常任委員会の委員長であります岩手県の達増知事さんに、そういったようなことを調査してほしいということを、知事会として今お願いをしているところでございます。まずは、その上で風評対策、中国の影響対策というものを考えていきたいというふうに思いますし、販売促進につきましては、今皆にお願いをいたしまして、各県で協力して皆で食べようという、そういったキャンペーンを展開しているところであります。 ○議長(菊地恵一君) 四十五番仁田和廣君。 ◆四十五番(仁田和廣君) 前の答弁と違って大分前向きに、とにかく知事会長として、ぜひこの風評被害対策はやってください。国内の方々は、私が当初考えていた以上に、経済界も含めて大変前向きにこのこと自体を捉えていますので、知事会長として最初の仕事としてこれをやっていただけるように望みます。 それから、河川ですけれども、やはり誰しも宮城県内で例えば百五十ミリぐらいの雨が降ったらどの川だってあふれるというのが現状の認識なんですよ。そうしましたら、せっかく今、国土強靱化予算もまだ残っている、全額ではないけど、あれ十五兆円あったのでね。その中でも僕らが、例えば内閣府の参事官としゃべると、「そんなに先生、五千億円も一兆円も宮城県で使えますか、できますか」と、そこまで僕らはばかにされる。いや、僕から言わせれば、何兆円でもどうぞと。宮城県のスタッフみんな、特に土木部長含めて優秀なスタッフだからできますよと。ただ僕が願っているのは、県民が、さっき迫川の話をしましたけど、たまたま迫川のほうが雨が降らなかったから、大崎地方だったから向こうは被害が出ていない、そういう現状なんです。七北田川だって、上流域だって危ない。やはりもうちょっと計画を緻密に立てて--東北大学の先生がお話しされていたでしょう、施工されたところは、あふれる現場が少ないと。これはまさしく東北大学から宮城県に対するエールなんですよ、あの先生のお話を聞いても。やはりそのとおり、あらゆるところにこの国土強靱化予算を使って、そして一兆円でも、ねえ知事、獲得して、県内の河川を皆よくしようじゃありませんか。どうですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 宮城というよりも東北の河川は、もともとあまり雨が多い場所ではなかったので、川幅がどうしても狭いという課題がございます。そういったことから、最近の局地的な豪雨によって氾濫が非常に、宮城だけではなく、先般秋田が大変な被害がありましたけれども、そういう状況になっております。すぐに川幅を広げるということはできませんけども、現在は流域治水というような新しい考え方も出てきておりますので、流域全体で被害を最小限にすると。また、国土強靱化予算等を活用して河川を強化していくと。今非常に重要なことだと思いますので、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。 ○議長(菊地恵一君) 四十五番仁田和廣君。 ◆四十五番(仁田和廣君) やはり県民の皆さんにも、特にその流域の方々、今流域治水をお話しされましたけど、迫川でも吉田川でも七北田川でも、阿武隈川、またその他の河川もいっぱいあるんです。やはりそういう住まいをしている方々に、県として国土強靱化予算五千億円を使ってがっちりやるから、いろいろ要望とか、あと技術的なことを指導しながら、そういうふうなことをやるべきではないのですか。部長、この治水対策、あふれてから騒いで、私と部長は県下を歩きましたよね。阿武隈川にしろ、七北田川、吉田川、迫川。あのとき異口同音で言われたのは、まだまだ予算が足りないからいろいろやってくださいと。例えば迫川は、支障木撤去しただけで、あれだけ皆さんから喜ばれているんです。そういうものも踏まえてどうですか、技術的に。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。 ◎土木部長(千葉衛君) 県内も昨年の七月豪雨、また、令和元年、また、二十七年の関東・東北豪雨もありました。我々宮城県のみならず、やはり全国各地で水災害が頻発化・激甚化していると。そういった中では、やはり河川整備をしっかりと進めていく必要があると、先ほど答弁申し上げたとおりです。そのためには、やはり通常だけではなかなか難しい部分がありますので、現在も国土強靱化予算を活用しながら河川整備の促進、また、流下能力確保のための河道掘削、支障木伐採をしてございます。今回、国のほうで国土強靱化基本法を改正されて、初めて法令に基づいて国土強靱化の中期計画を立てていくになります。まずは、五か年加速化対策を進める中で、その次期の中期計画にこれから必要なものをしっかりと、河川、あとは事業費、期間を位置づけながら、次期の計画にも盛り込みながら、更に一層、河川整備に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○議長(菊地恵一君) 四十五番仁田和廣君。 ◆四十五番(仁田和廣君) あとは港湾ですね。知事がやはり前向きに答弁されたので、大分いいかなと。ただ港湾の場合には、先ほど言ったように鶏が先か卵が先か、違うんですよ。やらなければ大型コンテナ船だってフィーダー船だって、まあフィーダーは入るにしても。ですから、宮城として、私、国土交通省に行ったときも言われましたけど、方向性ね。もし国際戦略港湾を狙うんだったらそれなりの、私は日本の港湾行政というのは隣の韓国と全く違うんです。日本はいろんなところに港湾をいっぱいつくって、空港もしかりですけど、韓国は釜山と仁川に集中している。ですから、予算の小さな国であっても、多額の予算、釜山港なんか今、港湾のTEUから言うと一万TEUぐらいまでもう伸びているんですよ、あのエリアから全部。それを見て宮城に帰ってくると私はがっかりします。ですから、最初の水素ステーションの話のときも、オーストラリアのブリスベンに行ったとき、ブリスベン港はもう既にコンテナ設備とか液体水素を出す方向を出しているんです。今やろうとしているのが、インドとかもう韓国が物すごい。ただ、宮城がそこまでやれとは、僕は今の予算状況でも言えない。また国のほうでも。しかしやる気は示さなければ、今後、知事会の会長になってやはり東北・北海道を牽引するのが、私は宮城だと思っています。知事の標榜するGDP、これの例えば二十兆円、三十兆円、港湾を整備してそれだけのことをやれば、あっという間にできるんですよ。それも踏まえて、大分前向きな話になっているからだけれども、部長からその辺の国際戦略港湾に向けた方向とかもっと出してください。どうですか。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。 ◎土木部長(千葉衛君) 我々も今、様々機能強化も進めてございますが、ちょうど今現在、明日の仙台塩釜港を考える懇談会を立ち上げて、次期港湾計画に向けて動き出してございます。その中でも、やはり委員の方からも、昨今のモーダルシフトも含めて大型化も進んでいるので、大水深岸壁を造るべきだとか、耐震化も進めるべきだというお話も伺ってございます。そういった中身をしっかりと取りまとめて、それを基礎資料として、来年度から次期港湾計画改定に向けて、しっかりと取り組んでまいりたい。もちろん、着実に集貨・創貨を進めながら、やはり高みを目指して頑張りたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四十五番仁田和廣君。 ◆四十五番(仁田和廣君) 知事の答弁も大分前向きに出たので、これを漁民の皆さんが聞いたら大変喜ぶなと僕は思います。ぜひ、知事会の会長として全国をそれで巻き込んで、特に宮城も巻き込みながら進めてください。 それから四病院については、また蒸し返すようだけれども、やはり一回立ち止まって、これだけ、だってよく考えてみると、精神医療関係の審議会委員の方々、あれは任命したのは知事でしょう。その方々が総じて反対をしている、これは異常事態なんです。だから、やはり知事ももう一回足元を考えて、最初に知事が私に言ったこと、俺は今でもよく覚えているけれども、弱い立場の人を守る、それから謙虚にやりたいという、そういう知事に私は戻れると今だったら思っていますけど、もう一言どうですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) ここまで、いろんな御意見を聞きながら前に進めてまいりました。今度新しくできる病院は、当然、今いる人たちもそうですけれども、これから生まれてくる子供たちの中にも精神障害を持つ子供さんもおられるということで、そういった未来への、弱い立場の人たちのことも考えながら考えてきたものでございます。仙台医療圏は、これから二十年ぐらいで二百三十万人が百八十万人になってしまう。たった二十年ちょっとで五十万人も減ってくるということです。それを見越して、仙台医療圏をどうすればいいのかと、そういった視点から専門家の先生に御議論をいただいて、積み上げてきた。そして、総合病院を出すことによって、救急医療を、救急車の到着時間が遅い、あるいは助かる命を助けられなかった地域に、より光を当てていきたいと。それも弱い人たちのことを考えてということであります。今、精神医療センターに通院している人たちだけが弱いのではなくて、弱い人たちが世の中にいっぱいいますので、その全体を見ながら対応しております。決して今まで立ち止まらなかったわけではなくて、何度も立ち止まっては考え、悩み、職員と議論をして、そしていろんな人に相談をしてここまで積み上げてまいりましたので、ぜひこの新しい考え方につきましても、まずは御理解いただいて、見守っていただきたいなというふうに思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四十五番仁田和廣君。 ◆四十五番(仁田和廣君) 知事、残念ながら、そういうふうに見守る時はもう過ぎているんですよ。だから、もう一回立ち止まろうや。そして、知事がやはり言っていた、その弱い立場の人を含めて、謙虚に、やはりこういう時代だからこそ一回立ち止まってやりましょう。要望して終わります。ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 五十九番中沢幸男君。    〔五十九番 中沢幸男君登壇〕 ◆五十九番(中沢幸男君) 今回の質問で最後の質問となります。昭和五十八年四月の初当選以来、通算九期、三十五年余りの長きにわたり、県議会議員を務めてまいりました。これまでの歩みを振り返ってみますと、あっという間であったようにも思われます。質問に入ります前に、これまでの議員生活の思い出を幾つか述べさせていただきたいと思います。 その前に、村井知事におかれましては、全国知事会の会長就任、誠におめでとうございました。どうぞ健康に留意されて、活躍をお祈り申し上げます。 私が仙台市議から県議に転身した最大の理由は、仙台市の政令指定都市への昇格の問題でありました。市民の意向を県政に反映させる必要があり、私自身が市民と県政のかけ橋にならなければと決意したからであります。政令指定都市移行には、県議会の議決が必要でありました。市民と県政のかけ橋ということで、仙台の発展なくしては宮城県の発展はあり得ないとの思いから、昭和五十八年六月定例会において、県議会議員として最初の質問で、当時の山本壮一郎知事に、仙台市の政令指定都市問題と県政の関わり合いについて質問いたしました。当時は旧議事堂でありまして、私は新議事堂、今のこの議事堂でございますが、こちらにも議論した内容を持っていかなければならないとの思いを強く抱いておりました。その思いが旧議事堂での私の最後の質問に表れておりますので、その一部を紹介させていただきます。「新しい酒は新しい革袋に盛れという故事がございますが、新しい袋はまさに目の前に完成しようといたしております。しかし、この古い袋の中で蓄えられたすばらしい酒の香り、すなわち宮城県議会の諸先輩議員の堂々と、営々と築かれた権威と伝統並びに英知は、新しい革袋、すなわち新しい議事堂に持ち運ばなければならないと思うのは、私一人だけではないと思います」。この思いを胸に、新議事堂になってからも、この件についていろいろと活動を続けてまいりました。昭和六十二年には、所管大臣で、大学で先輩でもあった梶山静六自治大臣兼国家公安委員長を仙台にお招きし、山本壮一郎知事、石井亨仙台市長に陳情をしていただきました。そのかいもありまして、平成元年四月一日に、仙台市は全国で十一番目に、めでたく政令指定都市に移行されたのでありました。 また、私は議員になりましてから、少子化対策をライフワークとして、「子供は宝だ」、この合い言葉で、これまでも、誰もが安心して産み育てられる社会の実現を一貫して主張してまいりました。そのために特に力を入れてまいりました、第二子以降の幼稚園等の授業料の無償化であります。私は、平成元年から十年まで、宮城県私立幼稚園PTA連合会の会長、その前は十年間、仙台市私立幼稚園連合会の会長をさせていただき、平成九年には全日本私立幼稚園PTA連合会会長も務め、その実現に向けて邁進してまいりました。この壇上からも幾度か訴えてまいりましたし、時には、当時の内閣総理大臣でありました竹下登先生、橋本龍太郎先生、小渕恵三先生にも直訴いたしました。現在、幼稚園等を利用する三歳から五歳までの全ての子供たちの授業料が無償化されておりますが、もっと早く実現していればと思う一方で、ようやくこれまでの活動が実を結んだことに、感慨無量なものがございます。 次に、平成三年二月定例会において、「低肺機能患者への助成を」との私の質問に対し、当時の本間知事より「医療費自己負担分の一部を助成することといたします」との答弁があり、傍聴席におられた当時の東北白鳥会の村上会長さんの、あの感涙にむせんだお顔が今でも忘れられません。 次に、二十一世紀初の大会として本県で開催された、「いいね!その汗、その笑顔」のスローガンの下、第五十六回国民体育大会がこの宮城で行われましたことも、忘れがたい出来事です。私は当時、宮城県水泳連盟会長を務めておりまして、県総合運動公園プール、国際公認プールで開催された夏季大会において、当時の皇太子殿下、現在の天皇陛下でございますが、御案内役をさせていただき、大変光栄なことでございました。このときの成績はもちろん、水泳部門では第一位でございました。 次に、台原にあった、一日五百人以上の透析患者を治療しておられた仙台社会保険病院の廃止問題が持ち上がり、これは大変だと、地域の方々と「仙台社会保険病院を公的病院として守る会」を立ち上げ、その際の世話人として、私は厚生労働関係者、国会議員の先生方に陳情を重ね、そして、この議会でも平成十八年十一月定例会において意見書を提出させていただいて、採択をいただきました。おかげさまで、現在、泉区紫山にて、JCHO仙台病院として患者・関係者の方々に大変喜ばれていることは周知のことです。 そして、どうしても忘れがたい出来事は、あの痛ましい未曽有の東日本大震災に見舞われたことです。私は当時議員でありませんでしたので、直接復興・復旧には関わることはできませんでしたが、建築士事務所の方から、どうしても現場に行くには四輪自動車では行けない、瓦礫が邪魔で通れないので、何とか足のつくバイクをぜひ欲しいんだということを依頼され、ちょうど知り合いに赤い羽根共同募金会の方がおられたので、そちらにお話をいたし、そしてバイクで被害地をかけめぐったということは、今でも忘れません。そして、発災から一か月後に、志津川中学校で避難生活をしている方々を勇気づけようと、津軽三味線で有名な柴田三兄妹を案内することにしましたが、まだ電気が復旧していなかったため、マイクとスピーカーが装備されている私の選挙カーで伺ったこと、その後、二〇一七年七月十五日のサンオーレそではま海水浴場の再開式には、オリンピック銅メダリストの森田智己選手を派遣したことなどが、昨日のように思い出されます。震災の復興はハード面がおおむね完了しましたが、被災者の心のケアや風評対策などのソフト面については、引き続き、皆さんと力を合わせて頑張っていかねばならないと思っております。 これまでの三十五年余りを振り返ってみますと、県議会として取り組むべき課題がまだまだ残されているようでありますけれども、しかしながら、今後の宮城県勢の発展は、同僚議員の皆様や、私の後に続く新しい世代の皆様に託したいと思います。 前段の最後になりますが、今日まで支えてくださった--今日も四十年間続いているラジオ体操の皆さんも傍聴に来てくださっておりますけども、その皆さん、それから後援会の皆さん、議員各位、村井知事はじめ執行部の皆さん、県民の皆様に、心より感謝を申し上げる次第であります。 前置きが大分長くなりましたが、県議会議員としての最後の質問を、通告に従いまして、今後の県政に望むことと、私がこれまで力を入れて取り組んできた政策を中心に、幾つかお伺いいたします。 まず、富県宮城の実現に向けた施策についてでありますが、東北大学青葉山新キャンパスに整備中の次世代放射光施設ナノテラスは、いよいよ来年度からの本格運用開始を迎え、ナノテラスの名前に込められた願いである、世の中を明るく照らす光のとおり、今後の県経済に光を当てる存在となることが期待され、大変喜ばしい限りであります。振り返りますと、この次世代放射光施設につきましては、これまで何度か整備の必要性をこの議場で訴えてまいりましたが、その都度、知事をはじめとする執行部の皆様からは、整備の実現に向けた取組に対する力強い言葉を頂戴し、そうした取組の一つ一つが、次世代放射光施設の整備実現という形で実を結んだものだと、大変意義深く感じております。ナノテラスは、食品、資源・エネルギー、化粧品、自動車、金属加工、医薬品など、様々な産業分野での活用が期待されているほか、新たなイノベーションの創出や産業の発展、理工系学生の地元定着、県全体に及ぶ経済波及効果や雇用創出といった、単なる復興ではない創造的復興に大きく寄与するものであり、本県のみならず、東日本の経済産業の中心になるものと大きく期待されております。そこで、来年度の本格運用開始を見据えた、次世代放射光施設ナノテラスを核とした誘致政策の展開や、県内企業の利用促進のための取組についてお伺いいたします。 また、ナノテラスは、専門家と非専門家をつなぐスタートアップについても期待されております。現在、国ではスタートアップ育成五か年計画を策定し、革新的なビジネスを生み出すスタートアップ企業の支援に向けた取組を進めておりますが、本県では地元の既存企業とスタートアップ企業をつなぐネットワークがまだ乏しい状況であります。このような状況を打開するため、東北大学などが有する高度な研究成果を活用し、ビジネスへと展開するテック系スタートアップ企業への産学官金の連携による支援を目的とした、テクスタ宮城が設置されました。スタートアップ企業が地域経済の成長に向けたエンジンとなるように、この組織が中心となって、県内製造業や金融機関、研究機関とのマッチングを促進し、地域定着を図っていく必要があると思いますが、現在の取組状況について伺います。 次に、観光振興についてであります。 本県ではこれまで、東日本大震災からの再生を遂げ、観光産業が地域経済の復旧・復興を力強く牽引する役割を果たせるよう、観光振興に取り組んでまいりました。その結果、観光客入り込み数は震災前を上回る水準まで回復し、宿泊観光客数については、令和元年に過去最高となる九百八十九万人泊を記録し、外国人観光宿泊者数についても五十万人泊を達成するなど、大きな成果を上げてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による大幅な観光需要の減少に直面し、観光業は深刻な影響を受けることになりました。現在の観光を取り巻く現状は、人口減少・少子高齢化の進行に加え、新型コロナウイルスによる旅行需要の減少、観光ニーズの多様化・デジタル化の進展、持続可能性に対する意識の高まりなど、大きな変化のさなかにあります。このような中、本県の持続的な発展を実現するためには、世界の潮流を見極め、変化に的確に対応しながら、本県の自然、文化、食といった魅力を最大限に生かした取組を、地域住民や観光関連事業者などと一体となって取り組んでいくことが重要となります。感染症により落ち込んだ観光産業を、単なるコロナ前への復興ではなく、コロナによる変化やコロナ前からの課題を踏まえた持続可能な形での復活を図りつつ、宮城の観光の新たなステージに向けて、地域住民や観光関連事業者の皆さんが自らの力を発揮し、将来にわたって光り輝き続ける観光地域づくりを目指すべきだと思いますが、知事の所見を伺います。 また、昨日の仙台市議会において、宿泊税を導入すべきとの質問に対し、仙台市が検討を開始したいとの発言をされました。このことについて、県においてどう受け止めるのか、知事の所見を伺います。 次に、介護ボランティアの活用を中心とした長寿社会政策の更なる充実についてであります。 これまで、介護人材の確認のために、介護分野に市民力を取り入れ、寄り添いボランティアの活用を積極的に推進するよう、この議場で訴えてまいりました。それに対して、慢性的な介護人材不足に対応するために、元気な高齢の方をはじめ多様な人材の参入促進を図るとともに、NPOやボランティアと協働した取組が重要であることから、これまで県は、セミナーや研修を通じて、その必要性について普及啓発を図っており、その結果、ボランティアを活用した取組は県内に浸透してきている状況であるとの回答を頂きましたところであります。一方で、七月に県が公表した令和五年三月末時点の本県の高齢者人口調査の結果では、六十五歳以上の高齢者人口は約六十五万四千人、高齢化率は二九・一%に達し、七十五歳以上の方も約三十三万五千人と、高齢者数、高齢化率ともに増加してきている状況であります。更に、間もなく迎える団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、そして高齢者数が最大になると見込まれている二〇四〇年に向けては、介護施設の人材確保をはじめとした長寿社会政策の一層の充実が必要な状況となっております。本県ではこれまで、第八期みやぎ高齢者元気プランに基づき、高齢者が要介護状態になっても可能な限り住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるよう、地域包括ケアシステムの充実を図り、高齢者が地域で自分らしい生活を安定して送れる社会を目指して、みんなで支え合う地域づくり、自分らしい生き方の実現、安心できるサービスの提供を基本的目標として掲げて、宮城県地域包括ケア推進協議会を設置するなど、各種施策を推進しているところですが、先ほど述べたとおり、特に二〇二五年に向けては、第八期計画の最終年度である本年度の取組状況を踏まえて、更なる取組の推進が求められているところであります。そこで、初めに、第八期計画において掲げている介護職員の人数や特別養護老人ホーム入所定員数などの十の目標達成状況について、県の総括を伺います。 次に、第八期計画では、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を目途に、高齢者が要介護状態となっても可能な限り住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援の各サービスが一体的に提供される地域包括ケアシステムを全県的に充実・推進し、高齢者を主体にしながら、将来、障害のある人や子供も視野に入れた共生社会を目指すこととしておりますが、二〇二五年が目前に迫っている中で、現時点における地域包括ケアシステムの取組状況についてお伺いいたします。 公益財団法人介護労働安定センターが行った令和四年度介護労働実態調査結果によりますと、従業員の過不足状況への問いに対して、六六・三%の事業所が不足感があると回答しており、介護人材の確保はいまだに難しい状況となっております。第八期計画の九つの施策の中の一つである「生きがいに満ちた生活の実現」の項目でも記載されておりますが、介護助手や介護ボランティアなど、元気な高齢者を含む多様な人材の福祉・介護分野への参入促進に関して、介護人材確保のためにも、介護ボランティアの活用が重要であり、積極的に推進してもらいたいと考えますが、現在の活用状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 最後に、二〇二五年が間近に迫る中、先日、第二回目の高齢者元気プラン推進委員会において骨子案を示されましたが、現在策定作業中の第九期みやぎ高齢者元気プランにおいて、長寿社会政策の更なる充実に向けて、特に介護ボランティアの更なる活用を含め、どのような政策を展開していくつもりなのか、お伺いいたします。 次に、県民会館建て替えと跡地の活用についてであります。 文化芸術の振興につきましても、これまで私なりに努力させていただいた分野ですが、我々県議会では、藤倉議員を中心に、議員提案により、宮城県文化芸術振興条例を平成十六年に可決しております。本条例では、文化芸術は県民にとって自信と誇りをくみ上げる源泉であり、文化芸術に対する理解と関心を深めると同時に、文化芸術を鑑賞し、これを創造するための機運を醸成することが必要であるということを指摘した上で、「文化芸術の香り高いみやぎ」を目指すことを宣言し、文化芸術の承継と新たな創造に向け、力強く取り組むことを決意しているところであります。それ以降、県では、この条例に基づき、文化芸術振興ビジョンを策定し、第三期となる現在のビジョンでは、「文化芸術・人・社会の”高”循環の創出」を基本目標として、文化芸術の振興と継承等に取り組んでおられます。このような中、新たに整備する県民会館において、県の文化芸術の中心拠点として、文化芸術の振興、人材育成、文化芸術による多様な価値観の形成などの推進が求められております。報道等によりますと、先月開催されました、県民会館とみやぎNPOプラザの複合施設に関する県民向け説明会におきまして、基本コンセプト、約二千二百席の客席や東北初となる四面舞台を備えた大ホールの詳細、施設の管理運営方針などを示されるとともに、建物の延べ床面積の増床や免震構造の導入などにより、総事業費が当初より五十億円も増え、約三百億円超になるとの見通しも明らかにされたところです。私は、平成三十年の二月定例会において、県民会館の規模については、全国的なコンクールの開催や著名アーティストを誘致できる二千から二千五百席規模のホールを建設する必要があると思うがと質問した経緯がありますが、こうして着実に検討が進んでいることを目にしまして、大変うれしく思っております。今後も、物価変動に加え、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル、ZEB化の検討など事業費の変動要素はあり、その精査は引き続き十分に行っていく必要があると思いますが、東北最高峰の文化芸術拠点にふさわしい、十分な機能を備えていただきたいと思います。新しい県民会館が、本県の文化芸術--将来にわたり県民に親しまれる拠点として、魅力あるプログラムの提供、次代を担う人材の育成やソフト面の取組充実の検討と併せて、今後どのように整備していくかお伺いします。 現在の県民会館は、昭和三十九年九月のオープン以来、本県の文化芸術の拠点であるとともに、定禅寺通周辺エリアのにぎわい創出に大きく寄与してまいりました。その一方で、地元の方々から様々な支援を受け、支えられてきた施設でもあります。現在の県民会館跡地の活用については、前回の六月定例会においても、現時点においてその方策を具体的に協議する段階ではないとの認識を示されておりますが、定禅寺通のまちづくりに取り組んでいる、定禅寺通街づくり協議会や一般社団法人定禅寺通エリアマネジメントといった地元の関係者や、将来を担う若い世代などから丁寧に意見を聞きながら、景観形成や地域の活性化につながるよう活用が望まれますが、この点についてどう考えておりますか。 最後に、四病院再編成について触れさせていただきますが、先月の三十一日に、県は精神医療センターが富谷に移転するという、いろいろ今まで議論されておりましたけれども、どうぞ、この四病院再編成につきましては、いろんな方々からお話がありましたので、知事、よくこれは立ち止まって、今後いろいろな方々とお話しながら決断していただければと思っております。 時間がなくなりました。皆様方にも、最後になりましたけれども、よく知事の話す言葉で、引用しますけれども、この宮城に生まれてよかった、住んでよかったと思えるような宮城県を築いていかれることを、議員各位、そして村井知事はじめ執行部の皆さんに切にお願い申し上げまして、この壇上からの最後の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 中沢幸男議員の一般質問にお答えいたします。 大綱一点、議員活動三十五年の歩みと今後の県政に望むことについての御質問にお答えいたします。 初めに、ナノテラスを核とした誘致施策や県内企業の利用促進についてのお尋ねにお答えいたします。 世界トップクラスの性能を持つ次世代放射光施設ナノテラスは、新たなイノベーション創出の拠点として、国内外の学術研究機関や企業から大きな注目を集めており、多くの企業等が利用の意向を示しているところであります。この動きを具体の企業誘致につなげていくため、県では、企業の経営者層を対象としたセミナーを来月開催するなど、トップセールスに力を入れるほか、研究施設等の県内設置を促すため、ナノテラス利用企業に特化した賃料補助や立地奨励金の制度を設けることとしております。県内企業の利用促進に向けては、県が事務局を担うナノテラス利用推進協議会を通じて、講演会を開催するなど、普及啓発を進めていくほか、他県の放射光施設を体験利用する研修事業なども推進しております。県としては、運用開始を来年度に控えるナノテラスの産業利用を促進させ、この好機を地域経済の発展に最大限生かしていけるよう、全力で取り組んでまいります。 次に、仙台市が宿泊税導入の検討を再開することについて、受け止めはどうかとの御質問にお答えいたします。 宿泊税につきましては、今年四月時点で全国九つの自治体で導入され、更に幾つかの自治体で導入の検討や議論が進んでいると認識しております。なお、我が県の宿泊税導入につきましては、令和二年二月議会において宿泊税条例議案を提案いたしましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、当面は宿泊税導入を見送ることとし、県内経済の回復状況を見守ってきたところであります。今般、仙台市において、宿泊税導入も視野に入れ、観光財源を検討すると伺いましたが、県としては、宮城県全体としての安定的な観光財源の確保に向けて、引き続き検討してまいります。 次に、第九期みやぎ高齢者元気プランにおける介護ボランティアの活用を含めた施策展開についての御質問にお答えいたします。 団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を計画期間とする第九期高齢者元気プランにおいては、高齢者人口がピークを迎えるとされる二〇四〇年を見据え、これまで以上に中長期的な視点に立ち、施策を展開していくことが重要であると認識しております。施策展開に当たり、介護ボランティアについては、社会参加促進に関する一般県民への普及・啓発や、市町村の先進事例を横展開するなど、更なる活用を推進してまいります。また、地域の実情に合わせた地域包括ケアシステムの深化・推進、中長期的な人口動態や地域の介護ニーズを踏まえた、施設整備の促進や、介護人材の確保などに取り組む予定であります。県といたしましては、有識者等で構成されるみやぎ高齢者元気プラン推進委員会の意見などを踏まえながら、第九期プランを策定し、高齢者福祉施策の一層の充実を図ってまいります。 次に、新たな県民会館の整備についての御質問にお答えいたします。 新県民会館の整備につきましては、現在、鋭意設計を進めているところであり、ポピュラー音楽やオペラ、バレエなどの多様な演目に対応する約二千二百席規模の大ホールや演劇公演を基本としながら、様々な活動にも対応可能なスタジオシアター、県民の創作活動の発表の場となるギャラリーなどを計画しております。また、施設の安全性を一層高めるため、基礎免震構造を採用するなど、東北最高峰の文化芸術拠点にふさわしい施設を目指しております。施設運営については、「そこにしかない文化を創造し、共に育み、豊かな暮らしを次代につなげる」ことを基本方針に掲げ、様々な魅力あるプログラムの提供や次代を担う人材の育成のほか、市町村文化施設との連携強化などの取組の充実を図ってまいります。県民会館・NPOプラザ複合施設は、令和十年度の開館を予定しており、引き続き、文化芸術関係者等の意見を広く伺いながら、整備を着実に進め、新県民会館を拠点として、県内の文化力の底上げを図り、「文化芸術の香り高いみやぎ」を目指してまいります。 次に、県民会館の跡地利用についての御質問にお答えいたします。 県民会館の跡地利用につきましては、仙台医療センター跡地における県有施設の再編に向けた基本構想において、「定禅寺通エリアの活性化や魅力向上につながるような利活用方策について、仙台市をはじめ関係機関や関係団体等との協議調整を行う」こととしております。定禅寺通エリアについては、地元の関係者や若い世代が中心となって、地域の活性化や魅力向上に資する様々な取組が行われており、最近では、大学院生が独自の調査研究によって多彩な活用案を発表するなど、仙台市のまちづくりにおいて重要な位置づけにあると受け止めております。県としては、今後、県民会館跡地の利活用方策を検討していく際には、こうした地元の動向も踏まえ、仙台市をはじめとした関係者と協議してまいりたいと考えております。 次に、四病院再編統合についての御質問にお答えいたします。 仙台医療圏の病院再編は、病院機能の集約・拠点化により、政策医療の課題解決を図るとともに、県民に質の高い医療を提供し、将来にわたって持続可能な医療提供体制の確保を目指すものであり、県全体の利益につながるものと考えております。また、県では、関係者との協議過程においても、できる限りの情報提供に努めるとともに、患者や家族をはじめ、医療・保健・福祉の関係者や地域住民の方々などから御意見を伺いながら、検討を進めてまいりました。県としては、今後とも、病院再編の目指す姿や必要性について、様々な機会を捉えながら丁寧に説明を行い、病院再編の実現に向けた県民理解の醸成に力を尽くしてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長志賀慎治君。    〔保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕 ◎保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱一点、議員活動三十五年の歩みと今後の県政に望むことについての御質問のうち、第八期みやぎ高齢者元気プランに掲げる目標の達成状況についてのお尋ねにお答えいたします。 第八期みやぎ高齢者元気プランにおいては、「高齢者が地域で自分らしい生活を安心して送れる社会」を基本理念に掲げ、介護職員の人数や特別養護老人ホーム入所定員数など十の目標指標を設定し、各種施策を展開しております。目標の達成状況については、生活支援コーディネーター養成研修修了者数など、四つの指標が目標を達成する見込みであり、残りの六つについては、新型コロナウイルス感染症の影響などから、目標達成が困難なものもあるところです。このうち、特別養護老人ホーム入所定員数については、待機者や待機期間の減少など、一定の効果が見られており、今後、各指標の達成状況の更なる分析や検証を行いながら、今年度策定予定の第九期プランに生かしてまいります。 次に、地域包括ケアシステムの取組状況についての御質問にお答えいたします。 地域包括ケアシステムの構築に当たっては、医療・介護・福祉・行政など様々な関係機関が連携しながら、地域住民とも一体となって取り組んでいくことが大変重要であると認識しております。地域包括ケアシステムの取組状況については、県内全ての市町村において地域支援事業が実施されており、通いの場づくりや認知症カフェの設置、医療と介護の切れ目のない提供体制の構築、住民主体の地域づくりなどに取り組んでいるところです。県としましては、今後も、地域支援事業が円滑に進められるよう、市町村職員を対象とした研修会を開催するとともに、アドバイザーを派遣するなど、きめ細かに市町村の支援を行いながら、地域包括ケアシステムの更なる充実に努めてまいります。 次に、介護人材確保のための介護ボランティアの活用状況についての御質問にお答えいたします。 高齢者が住みなれた地域で安心して暮らしていくためには、多様な人材の参入による介護人材の確保が大変重要であると認識しております。県では、在宅高齢者等を支える介護ボランティア育成に取り組む市町村への支援のほか、元気な高齢者などによる、介護の周辺業務を担う介護助手の活用に向けた支援にも取り組んでいるところです。現在、地域介護予防活動支援事業を通じて、県内の約七割の市町村が、介護予防ボランティア等の人材育成やボランティアポイント付与などに取り組んでおり、多くの方々が施設におけるボランティアや介護予防の活動で活躍しております。今後も、市町村や関係団体と連携しながら、介護ボランティアや介護助手など、元気な高齢者を含む多様な人材を活用し、介護人材の確保に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長梶村和秀君。    〔経済商工観光部長 梶村和秀君登壇〕 ◎経済商工観光部長(梶村和秀君) 大綱一点、議員活動三十五年の歩みと今後の県政に望むことについての御質問のうち、テクスタ宮城の取組状況についてのお尋ねにお答えいたします。 今年五月に設立したテクスタ宮城には、これまで多くの企業や団体の皆様に賛同いただき、支援対象となるスタートアップは三十八者、支援者となる企業や団体は七十二者まで増えてきているところです。これまで、テクスタ宮城では、主な機能となるマッチングを推進するため、まずはスタートアップからのヒアリングに注力し、ニーズ把握に努めてまいりました。今後は、把握したニーズを基に、資金や人材などの外部資源を持つ構成員とスタートアップとの個別マッチングを進めていくとともに、今月下旬からは、イベント開催を通じた交流機会を設けるなど、スタートアップが成長しやすい環境整備に取り組んでまいります。また、スタートアップの地域定着を強力に促進するため、ベンチャーキャピタルの出資を受けて、県内に工場や研究施設等を立地するスタートアップに対する奨励金の創設について、検討を進めているところです。我が県がテック系スタートアップの集積、成長の先進地域となり、富県宮城推進の新たなエンジンとなれるよう、引き続き、関係機関と緊密に連携しながら、テクスタ宮城の活動をより充実させてまいります。 次に、地域住民や観光関連事業者と連携した観光地域づくりについての御質問にお答えいたします。 我が県の観光の持続的な発展のためには、御指摘のありましたとおり、地域住民や観光関連事業者等と協力・連携していくことが重要であると認識しており、昨年度策定した第五期みやぎ観光戦略プランにおいても、その必要性を掲げております。このプランに基づき、新型コロナウイルス感染症により落ち込んだ観光需要を早期に回復させた上で、新たなステージに向けた取組を進めているところです。具体的には、宿泊・観光施設の収益性向上、高付加価値化のための改修等を支援しているほか、インバウンドの地方誘客、観光消費拡大のため、観光事業者と一体となった体験型コンテンツを造成しております。更に、宮城ワーケーション協議会と連携した、ワーケーション普及促進のためのポータルサイトの運営等に取り組んでいるところです。県といたしましては、引き続き地域一体となって、宮城の魅力発信や観光産業の体制強化等に取組、地域内外から選ばれる持続可能な観光地域づくりを推進してまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 五十九番中沢幸男君。 ◆五十九番(中沢幸男君) 答弁ありがとうございました。知事にちょっとお伺いしますけども、四病院に関連して、黒川利雄先生は御存じでしょうか。がん制圧を終生の悲願として、各会議を研修してがん対策の体系化、殊に集団検診をされた方であります。我が宮城県民は今日までどれだけ先生の恩恵を受けて来られたかと思いますときに、この四病院のがんセンターが今日あるのは、黒川利雄先生の恩恵があったと思うんですよ。その先生の魂といいますか、それをぜひ大事にして、この四病院の柱であるセンターをぜひ頭の中にきちっと入れておきながら進めていただきたいなと思います。いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 黒川利雄先生は、後に宮城方式として広く知られることになりました胃がんの集団検診を、全国に先駆けて行った大変著名な方でございます。県立がんセンターにつきましては、都道府県がん診療連携拠点病院として、専門的かつ高度な診療機能を有し、我が県におけるがんの制圧拠点として重要な役割を担ってまいりました。新病院の整備に当たりましては、がんセンターが担ってきた医療機能や研究機能について、東北大学病院などとの役割分担や連携によって、必要な機能を維持してまいりたいと考えております。 ◆五十九番(中沢幸男君) それでは終わります。ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 以上をもって、質疑、質問を終結いたします。 お諮りいたします。 ただいま議題となっております各号議案中、議第百十号議案ないし議第百十二号議案につきましては、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(菊地恵一君) 御異議なしと認めます。 よって、さように決定いたしました。 残余の各号議案は、お手元に配布の議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。……………………………………………………………………………………………    議案付託表       第三百八十九回宮城県議会(九月定例会)令和五年九月二十日議案番号件名提出年月日委員会議第百十号議案令和五年度宮城県一般会計補正予算五・九・五予算特別議第百十一号議案令和五年度宮城県中小企業高度化資金特別会計補正予算同予算特別議第百十二号議案令和五年度宮城県流域下水道事業会計補正予算同予算特別議第百十三号議案特定都市河川浸水被害対策法施行条例同建設企業議第百十四号議案手数料条例の一部を改正する条例同建設企業議第百十五号議案環境審議会条例の一部を改正する条例同環境福祉議第百十六号議案生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備等に関する条例同環境福祉議第百十七号議案公衆浴場法施行条例の一部を改正する条例同環境福祉議第百十八号議案こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例同環境福祉議第百十九号議案公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例同建設企業議第百二十号議案県立学校条例の一部を改正する条例同文教警察議第百二十一号議案市町の境界変更について(仙台市と利府町)同総務企画議第百二十二号議案財産の取得について(宮城県築館高等学校新第二グラウンド用地)同文教警察議第百二十三号議案工事請負契約の締結について(志田谷地排水機場機械設備補修工事)同農林水産議第百二十四号議案工事請負契約の締結について(主要地方道気仙沼唐桑線本町道路改築工事(その二))五・九・五建設企業議第百二十五号議案工事請負契約の締結について(川内沢ダム放流設備等工事)同建設企業議第百二十六号議案工事請負契約の締結について(宮城県美術館改修工事)同文教警察議第百二十七号議案工事請負契約の締結について(宮城県美術館改修電気工事)同文教警察議第百二十八号議案工事請負契約の締結について(宮城県美術館改修空調工事)同文教警察議第百二十九号議案工事請負変更契約の締結について(女川町道女川出島線出島大橋(仮称)新設工事)同建設企業議第百三十号議案工事請負変更契約の締結について(宮城県宮城第一高等学校校舎等改築工事(その一))同文教警察議第百三十一号議案工事請負変更契約の締結について(宮城県宮城第一高等学校校舎等改築工事(その二))同文教警察議第百三十二号議案工事請負変更契約の締結について(仙台南部地区特別支援学校(仮称)校舎等新築工事)同文教警察----------------------------------- △議第百三十四号議案ないし議第百四十一号議案 △報告第三十一号ないし報告第三十三号 ○議長(菊地恵一君) 日程第七ないし日程第十七、議第百三十四号議案ないし議第百四十一号議案及び報告第三十一号ないし報告第三十三号を一括して議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 提出議案の概要を御説明申し上げます。 議第百三十四号議案及び議第百三十七号議案は、一般会計及び特別会計並びに公営企業会計の令和四年度決算について、それぞれ議会の認定をお願いするもの、議第百三十五号議案及び議第百三十六号議案は、水道用水供給事業会計及び流域下水道事業会計の令和四年度利益積立金の目的外使用について、議第百三十八号議案ないし議第百四十一号議案は、水道用水供給事業会計工業用水道事業会計地域整備事業会計及び流域下水道事業会計の令和四年度未処分利益剰余金の処分について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであり、詳細につきましては会計管理者及び公営企業管理者から御説明申し上げます。 何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。 ○議長(菊地恵一君) 会計管理者から説明を求めます。会計管理者兼出納局長大庭豪樹君。    〔会計管理者兼出納局長 大庭豪樹君登壇〕 ◎会計管理者兼出納局長(大庭豪樹君) 令和四年度宮城県歳入歳出決算の概要について御説明申し上げます。 初めに、県政運営の状況についてであります。 令和四年度の我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症による影響からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続きました。その一方で、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退への懸念など、我が国経済を取り巻く環境に厳しさが増しました。このような中、本県の経済動向は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、外出機会の高まりや人流の回復等により、個人消費が持ち直すなど、緩やかな持ち直しの基調が続きました。 新・宮城の将来ビジョンのスタートから二年目となる令和四年度当初予算では、感染症対策と復興完遂に向けた施策に取り組みつつ、若者の県内定着や子ども・子育てを社会全体で支える環境整備、外国人材の受入促進など、本格的な人口減少局面を見据えた施策のほか、脱炭素社会の実現やデジタル技術の活用に向けた取組を積極的・重点的に予算化し、着実に進めました。特に、令和四年二月に県制百五十周年の節目を迎え、宮城の歴史や文化に着目し地域の魅力を内外に発信するための取組を官民を挙げて推進しました。また、新型コロナウイルス感染症により、感染症対策と社会経済活動の両立が課題となる中、医療提供体制の維持を図り、関係団体や市町村と連携して、速やかに対策を講じながら、観光キャンペーンをはじめ多様な主体によるイベントの実施を促進しました。更に、デジタル技術を活用した社会変革や生産性向上が着目される中、人口減少など様々な社会の変化に対応するため、DXによる変革みやぎを掲げ、県民一人一人がデジタル化の恩恵を受けられる社会づくりを目指し、全庁を挙げて取り組みました。 次に、令和四年度に実施した主な施策について御説明申し上げます。 初めに、新型コロナウイルス感染拡大防止対策と社会経済活動の両立についてであります。 新型コロナウイルス感染拡大防止対策については、医療提供体制の充実と感染拡大防止対策の強化として、病床の確保や民間宿泊施設の借上げなど療養体制を拡充したほか、ワクチンの大規模接種会場を運営し追加接種を進めました。また、県内経済の回復に向けては、昨年度に引き続き、宿泊・観光需要の喚起策に取り組んだほか、国際情勢の影響による物価高騰も含めた総合的な対策により事業者等への支援を行いました。 次に、被災地の復興完了に向けたきめ細かなサポートについては、住民が主体となったコミュニティー再生に向けた取組を支援したほか、様々な事情により復旧に着手できなかった事業者に対し、グループ補助金による施設復旧の支援などを引き続き行いました。また、コロナ禍においても復興情報や震災の記憶・教訓を国内外に広く発信できるよう、オンラインコンテンツの充実や広報媒体の多言語化を図りました。 次に、富県宮城を支える県内産業の持続的な成長促進については、次世代放射光施設ナノテラス整備に向けた整備・運用事業者の支援を行いました。更に、園芸生産の拡大に向けた取組を総合的に推進したほか、令和四年四月には、県内の林業事業体に就業した人材のスキルアップを主な目的としてみやぎ森林・林業未来創造カレッジを開校し、各種研修を実施しました。 次に、社会全体で支える宮城の子ども・子育てについては、少子化対策や子育て環境の整備として、令和四年三月に創設した次世代育成・応援基金を活用し、総合型地域スポーツクラブを拠点とする子育て支援プログラムを実施したほか、子どもを希望する夫婦への不妊検査費用の助成や結婚応援パスポートの創設など、新たな支援に取り組みました。また、教育分野としては、小中学校へ学び支援教室を設置することにより、学習支援と社会的自立支援を行いました。 次に、誰もが安心していきいきと暮らせる地域社会づくりについては、新規就農者の確保に向けた女性を対象とする農業体験や女性農業者の就労環境整備への支援、水産加工業における女性の活躍を目的とした伴走型支援を行いました。更に、県民会館とNPOプラザの再編に向けた基本構想に基づく新築設計等を進めました。加えて、デジタル田園都市国家構想推進交付金を活用し、図書館及び美術館における所蔵品のデジタル化を推進しました。 最後に、強靭で自然と調和した県土づくりについては、脱炭素社会の形成に向けた二酸化炭素排出削減に取り組む事業者へ支援を行ったほか、原子力防災対策として、避難時間の短縮に向けた避難退域時検査等場所の改善策を検討しました。また、激甚化・頻発化する災害への対策の強化として、道路・河川等公共インフラの強靭化に取り組んだほか、道路・橋梁の維持管理の効率化を目的としたAI及びIoT技術の活用に向けた実証実験を行いました。 次に、一般会計及び特別会計の決算額について御説明申し上げます。 令和四年度の予算現額は、一般会計で一兆三千三百八十四億四千五百余万円、特別会計で四千五百四十億二千八百余万円、合計一兆七千九百二十四億七千三百余万円となり、前年度に比べ一千百三億五千二百余万円、五・八%の減となりました。これは、一般会計において新型コロナウイルス感染症対策事業の縮小に伴い、感染症対策関連予算が減少したこと及び復興事業の進展により復興関連予算が減少したことが主な要因であります。これらの執行に当たりましては、議会の議決の趣旨を踏まえ、財源の適切な確保と事業の効率的な執行に留意するなど、適正な執行に努力してまいりました。 初めに、歳入決算についてでありますが、決算額は、一般会計で一兆二千七十一億六千七百余万円、特別会計で四千五百三十億六千余万円、合計一兆六千六百二億二千八百余万円となり、前年度に比べ九百四十七億三千四百余万円、五・四%の減となっております。 歳入の主なものは、県税については法人事業税等が増加し、県税全体で三千百三十二億二千四百余万円と前年度に比べ三十四億三千九百余万円の増となりました。また、一般会計に占める県税の割合は二五・九%となり、前年度より二・七ポイント高くなっております。 地方交付税は、普通交付税、特別交付税ともに減少し、一千五百七十六億二千三百余万円と前年度に比べ百六十三億八千百余万円、九・四%の減となっております。 国庫支出金は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が減少し、二千四百七億五千七百余万円と前年度に比べ四百五十七億九千九百余万円、一六・〇%の減となっております。 諸収入は、中小企業経営安定資金等貸付金の融資残高が減少したことなどにより、一千百三十四億二千九百余万円と前年度と比べ百八十六億四千五百余万円、一四・一%の減となっております。 収入未済額については、一般会計で六百七十四億九千五百余万円となっておりますが、このうち国庫支出金が六百一億八千六百余万円で、その主なものは、翌年度繰越事業に係る国庫支出金であります。また、特別会計の収入未済額は、九千百余万円となっておりますが、その主なものは、貸付金の未返還金であります。 次に、歳出決算についてでありますが、決算額は、一般会計で一兆一千七百二十三億八千余万円、特別会計で四千四百八十一億八千二百余万円、合計一兆六千二百五億六千二百余万円で、前年度に比べ六百八十九億九千六百余万円、四・一%の減となっております。このうち、一般会計の歳出決算額について、構成比が高いものは、教育費一五・六%、諸支出金一三・〇%、商工費一二・六%、民生費一二・五%の順となっております。また、主な特別会計の歳出決算額については、公債費特別会計が二千三百六十二億四千八百余万円、国民健康保険特別会計が二千十三億九千七百余万円となっております。なお、主な事業の実績については、新・宮城の将来ビジョン成果と評価のとおりであります。 令和五年度への予算の繰越しについては、一般会計で、繰越明許費が一千六十二億二千九百余万円、事故繰越しが百七十億六千七百余万円となり、特別会計で、繰越明許費が十五億六千八百余万円、事故繰越しが一億六千余万円となっております。 不用額については、一般会計で四百二十七億六千八百余万円、特別会計で四十一億一千六百余万円となりましたが、これは事業の執行残などによるものであります。その結果、実質収支については、一般会計で百三十三億九千七百余万円の黒字となり、前年度に比べ百三十四億九千九百余万円、五〇・二パーセントの減となりました。 次に、基金については、地域整備推進基金などの年度末残高が取り崩しにより減少する一方、県債管理基金などの増加により、全体としては、前年度より百五十五億一千七百余万円増加しております。 以上をもちまして、令和四年度決算の概要についての説明を終わりますが、何とぞよろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(菊地恵一君) 公営企業管理者から説明を求めます。公営企業管理者佐藤達也君。    〔公営企業管理者 佐藤達也君登壇〕 ◎公営企業管理者(佐藤達也君) 令和四年度宮城県公営企業会計の決算の概要及び利益の処分について御説明申し上げます。 企業局におきましては、地方公営企業の経営の基本原則である企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉の増進を達成すべく、健全経営、安心信頼の確保、安定供給の持続を目指した企業経営に取り組んでおります。しかしながら、水道事業においては、全国的な課題として、人口減少社会の到来等による水需要の逓減傾向に加え、施設の老朽化に伴う更新費用の増加等により、経営環境が一層厳しさを増していくものと指摘されております。 このような中、宮城県上工下水一体官民連携運営事業、いわゆるみやぎ型管理運営方式を令和四年四月から開始しており、事業初年度は、運営権者による安定的な運営の早期確立を支援したほか、運営権者、県及び経営審査委員会による複層的なモニタリングを着実に実施し、安全・安心な水の供給及び安定的な汚水の処理に努めました。 また、地域整備事業においては、仙台港国際ビジネスサポートセンター、愛称アクセルや、仙台港周辺地域に保有する資産の有効活用のほか、仙台港周辺地域の更なる賑わいの創出に向けた取組が求められる中、保有資産の有効な運用や、仙台港周辺地域の恒久的な賑わいの創出に向けて、周辺企業と連携し取組を進めてまいりました。今後も、将来を見据えた事業の安全性や安定性、持続可能性の確保に向けて、市町村や関係団体との連携を強化しながら事業の推進に努めてまいります。 以下、各事業会計の決算概要について御説明申し上げます。 初めに、水道用水供給事業会計について御説明申し上げます。 水道用水供給事業は、大崎広域水道事業及び仙南・仙塩広域水道事業の二事業で、給水対象の二十五市町村に対し、八千九百余万立方メートルの水道用水を供給しました。 収益的収入の決算額は百五億九千七百余万円、収益的支出の決算額は九十九億七千八百余万円となっており、二億二千三百余万円の純利益となっております。資本的収支に係る建設工事については、大崎広域水道事業では田尻幹線(美里町牛飼)管路更新工事等を、仙南・仙塩広域水道事業では姥ヶ懐調整池(躯体・配管)工事等を実施しました。 資本的収入の決算額は三億九千四百余万円、資本的支出の決算額は七十四億九千九百余万円となり、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する額、七十一億五百余万円は過年度分損益勘定留保資金等で補填しております。 水道用水供給事業については、水道施設の耐震化や強靱化に加え、水管橋定期点検計画に基づき水管橋の点検を行ったほか、濁度上昇などに対しても受水市町村への影響が最小限となるよう運営権者と連携して対応し、安全で良質な水の提供に努めました。今後も、水需要に応じた適正規模での施設更新を進めるとともに、安全・安心な水の供給に努めてまいります。 次に、工業用水道事業会計について御説明申し上げます。 工業用水道事業は、仙塩工業用水道事業、仙台圏工業用水道事業及び仙台北部工業用水道事業の三事業で、延べ七十四事業所に対して、年間三千二百余万立方メートルの工業用水を供給しました。収益的収入の決算額は十五億九千三百余万円、収益的支出の決算額は十四億四百余万円となっており、一億五千六百余万円の純利益となっております。 資本的収支に係る建設工事については、仙塩工業用水道事業では宮町四丁目外導水路改築工事等を、仙台圏工業用水道事業では谷地堀工業用水道管移設工事等を実施しました。資本的収入の決算額は四億九千二百余万円、資本的支出の決算額は十一億七千余万円となり、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する額、六億七千七百余万円は過年度分損益勘定留保資金等で補填しております。 工業用水道事業については、運営権者と連携して良質な水の提供に努めたほか、経営状況の改善に向けての検討結果を踏まえ、適切な管理修繕の実施や施設の長寿命化に取り組み、更新投資を抑制することにより費用の削減に努めました。今後も、厳しい経営環境を意識し、経営の安定化に向けた取組を着実に実施してまいります。 次に、地域整備事業会計について御説明申し上げます。 地域整備事業は、アクセルの運営や仙台港周辺地域における土地の貸付を行いました。 収益的収入の決算額は五億三千七百余万円、収益的支出の決算額は二億八千百余万円となっており、二億五千六百余万円の純利益となっております。 地域整備事業については、保有資産の適正な管理に努めるとともに、仙台港周辺地域の賑わいを確かなものとするための推進母体である官民連携組織、仙台港周辺地域賑わい創出コンソーシアムの事務局として、運営を支援してまいりました。今後も、保有資産の有効かつ効率的な運用や官民連携による仙台港周辺地域の更なる賑わい創出に向けて事業を進めてまいります。 最後に、流域下水道事業会計について御説明申し上げます。 流域下水道事業は、仙塩流域下水道事業、阿武隈川下流流域下水道事業、鳴瀬川流域下水道事業、吉田川流域下水道事業、北上川下流流域下水道事業、北上川下流東部流域下水道事業及び迫川流域下水道事業の七事業で、二十六市町村が管理する公共下水からの汚水、一億二百余万立方メートルを処理しました。 収益的収入の決算額は、百二十二億九千四百余万円、収益的支出の決算額は百十億一千二百余万円となっており、十二億六千九百余万円の純利益となっております。 資本的収支に係る建設工事については、主なものとして、仙塩流域下水道事業の七北田川左岸幹線管渠改築工事、北上川下流流域下水道事業の石巻浄化センター汚泥処理棟耐震改築工事等を実施しました。 資本的収入の決算額は十八億五千二百余万円、資本的支出の決算額は三十億七千二百余万円となり、資本的収入が資本的支出に対して不足する額、十二億一千九百余万円は過年度分損益勘定留保資金等で補填しております。 流域下水道事業については、下水道施設の計画的な更新や耐震化に取り組んだほか、処理後の放流水が河川や海域の水質に悪影響を与えないよう、浄化センターごとに法令基準よりも厳しい県独自の管理目標値に基づいた運転を実施し、公共用水域の水質維持に努めました。今後も、公衆衛生の向上と公共用水域の水質保全に資するため、下水道施設の適切な運用、維持管理に努めてまいります。 続きまして、公営企業会計の利益の処分について御説明申し上げます。 水道用水供給事業会計においては、令和四年度の純利益である二億二千三百余万円、利益積立金から取り崩して欠損金の補填に使用したことにより未処分利益剰余金となる三億五千三百余万円、利益積立金の目的外使用により未処分利益剰余金となる十二億四千六百余万円の、合わせて十八億二千三百余万円が未処分利益剰余金として発生しており、全額を翌年度以降の企業債の償還に要する財源として減債積立金に積立てを行う予定としております。 工業用水道事業会計においては、令和四年度の純利益である一億五千六百余万円、減債積立金から取り崩して企業債の償還に使用したことにより未処分利益剰余金となる九千百余万円、利益積立金から取り崩して欠損金の補填に使用したことにより未処分利益剰余金となる一千六百余万円の、合わせて二億六千四百余万円が未処分利益剰余金として発生しております。このうち、九千四百余万円は、翌年度以降の企業債の償還に要する財源として減債積立金に、七千八百余万円は、翌年度以降の欠損金の補填に要する財源として利益積立金にそれぞれ積立てを行い、また、九千百余万円は、資本金に組み入れる予定としております。 地域整備事業会計においては、令和四年度の純利益である二億五千六百余万円の未処分利益剰余金が発生しており、全額を一般会計へ納付する予定としております。 流域下水道事業会計においては、令和四年度の純利益である十二億六千九百余万円、減債積立金から取り崩して企業債の償還に使用したことにより未処分利益剰余金となる一千九百余万円、利益積立金の目的外使用により未処分利益剰余金となる四億五百余万円の、合わせて十六億九千四百余万円が未処分利益剰余金として発生しております。このうち、十六億七千五百余万円は、翌年度以降の企業債の償還に要する財源として減債積立金に積立てを行い、また、一千九百余万円は、資本金に組み入れる予定としております。 以上をもちまして、令和四年度公営企業会計の決算の概要及び利益の処分についての説明を終わりますが、何とぞよろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(菊地恵一君) 決算に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 お諮りいたします。 ただいま議題となっております議第百三十四号議案ないし議第百四十一号議案につきましては、お手元に配布の要綱案により、決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(菊地恵一君) 御異議なしと認めます。 よって、議第百三十四号議案ないし議第百四十一号議案につきましては、決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決定いたしました。……………………………………………………………………………………………    決算特別委員会設置要綱(案)第一条 議第百三十四号議案ないし議第百四十一号議案を審査するため、宮城県議会に決算特別委員会(以下「委員会」という。)を設置する。第二条 委員会は、監査委員を除く議員全員をもって構成し、委員長及び副委員長は、委員会において互選する。第三条 委員会の円滑な運営を図るため、委員会に理事会を置く。2 理事会は、委員長、副委員長及び理事をもって構成する。3 理事は、委員会で選任し、十二人とする。4 理事会は、委員長が招集する。第四条 委員会に六分科会を置く。2 分科会は、現に設置されている常任委員会の委員(監査委員を除く。)をもって構成し、議案のうちその所管事項に関する部分を審査する。3 分科会に主査、副主査及び主査職務代行者を置くものとし、主査には常任委員長、副主査には同副委員長及び主査職務代行者には同委員長職務代行者をもって、それぞれ充てる。第五条 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、理事会に諮って委員長がこれを定める。…………………………………………………………………………………………… ○議長(菊地恵一君) 決算特別委員会の委員長及び副委員長互選のため、暫時休憩いたします。    午後三時六分休憩-----------------------------------    午後三時四十分再開 ○議長(菊地恵一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 御報告いたします。 決算特別委員会の委員長及び副委員長は、互選の結果、次のように決定いたしました。     委員長    佐々木喜藏君     副委員長   坂下 賢君 以上のとおりであります。----------------------------------- △請願 ○議長(菊地恵一君) 日程第十八、請願を議題といたします。 お手元に配布の文書表のとおり、請願一か件が提出されております。 総務企画委員会に付託いたします。……………………………………………………………………………………………    請願文書表       第三百八十九回宮城県議会(九月定例会)令和五年九月二十日請願番号要旨請願者名紹介議員受理年月日所管委員会三八九の一政府及び国会に対し私学助成に関する意見書の提出を求めることについて宮城県私立中学高等学校連合会       会長  外二名外崎浩子・ゆさみゆき 三浦一敏・伊藤和博 岸田清実・菅間 進
    吉川寛康・仁田和廣五・九・一三総務企画----------------------------------- △休会の決定 ○議長(菊地恵一君) お諮りいたします。 委員会審査のため、明日から十月三日まで十三日間本会議を休会とし、十月四日再開することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(菊地恵一君) 御異議なしと認めます。 よって、明日から十月三日まで十三日間本会議を休会とし、十月四日再開することに決定いたしました。 なお、ただいま御出席の諸君には改めて通知いたしませんから、御了承願います。----------------------------------- △散会 ○議長(菊地恵一君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 十月四日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後三時四十一分散会...