令和 5年 9月 定例会(第389回) 第三百八十九回宮城県議会(定例会)会議録 (第四号)令和五年九月十四日(木曜日) 午後十時開議 午後三時一分散会 議長 菊地恵一君 副議長 池田憲彦君出席議員(五十八名) 第一番 金田もとる君 第二番 佐々木奈津江君 第四番 石田一也君 第五番 佐藤剛太君 第六番 伏谷修一君 第七番 松本由男君 第八番 柏 佑賢君 第九番 福井崇正君 第十番 大内真理君 第十一番 福島かずえ君 第十二番 三浦ななみ君 第十三番 枡 和也君 第十四番 佐藤仁一君 第十五番 渡邉重益君 第十六番 わたなべ 拓君 第十七番 伊藤吉浩君 第十八番 八島利美君 第十九番 瀬戸健治郎君 第二十番 櫻井正人君 第二十一番 村上久仁君 第二十二番 高橋宗也君 第二十三番 天下みゆき君 第二十四番 三浦一敏君 第二十五番 佐々木功悦君 第二十六番 境 恒春君 第二十七番 太田稔郎君 第二十八番 遠藤伸幸君 第二十九番 横山のぼる君 第三十番 高橋 啓君 第三十一番 庄田圭佑君 第三十二番 遠藤隼人君 第三十三番 渡辺勝幸君 第三十四番 横山隆光君 第三十五番 佐々木賢司君 第三十六番 守屋守武君 第三十七番 外崎浩子君 第三十八番 池田憲彦君 第三十九番 熊谷義彦君 第四十番 岸田清実君 第四十一番 渡辺忠悦君 第四十二番 菅間 進君 第四十三番 坂下 賢君 第四十四番 ゆさみゆき君 第四十五番 仁田和廣君 第四十六番 吉川寛康君 第四十七番 伊藤和博君 第四十八番 佐々木幸士君 第四十九番 高橋伸二君 第五十番 菊地恵一君 第五十一番 佐々木喜藏君 第五十二番 石川光次郎君 第五十三番 中島源陽君 第五十四番 本木忠一君 第五十五番 中山耕一君 第五十六番 安藤俊威君 第五十七番 畠山和純君 第五十八番 藤倉知格君 第五十九番 中沢幸男君欠員(一名) 第三番
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 伊藤哲也君 副知事 池田敬之君 公営企業管理者 佐藤達也君 総務部長 小野寺邦貢君 復興・危機管理部長 千葉 章君 企画部長 武者光明君 環境生活部長 佐々木 均君 保健福祉部長 志賀慎治君 経済商工観光部長 梶村和秀君 農政部長 橋本和博君 水産林政部長 吉田信幸君 土木部長 千葉 衛君 会計管理者兼出納局長 大庭豪樹君 総務部参事兼秘書課長 村田俊顕君 総務部参事兼財政課長 高橋寿久君 教育委員会 教育長 佐藤靖彦君 副教育長 佐藤芳明君 選挙管理委員会 委員長 皆川章太郎君 事務局長 後藤和隆君 人事委員会 委員長 西條 力君 事務局長 北沢康一君 公安委員会 委員 星 倫市君 警察本部長 原 幸太郎君 総務部長 横山 裕君 労働委員会 事務局長 中村今日子君 監査委員 委員 吉田 計君 事務局長 小林一裕君
----------------------------------- 議会事務局 事務局長 目黒 洋君 副事務局長兼総務課長 大場則昭君 参事兼議事課長 菅原敏彦君 政務調査課長 佐野浩章君 総務課副参事兼総括課長補佐 堀 喜昭君
議事課総括課長補佐 大友幸二君 副参事兼
政務調査課総括課長補佐 千葉恵子君 議事課長補佐(班長) 我妻則之君 議事課主任主査(議事運営担当) 二上秀幸君
----------------------------------- 議事日程 第四号 令和五年九月十四日(木)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第百十号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第三十号第三 一般質問 〔庄田圭佑君、わたなべ拓君、福島かずえ君、遠藤伸幸君〕
----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第百十号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第三十号三 日程第三 一般質問 〔庄田圭佑君、わたなべ拓君、福島かずえ君、遠藤伸幸君〕
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△開議(午前十時)
○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
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△会議録署名議員の指名
○議長(菊地恵一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、二番佐々木奈津江君、四番石田一也君を指名いたします。
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△諸報告
○議長(菊地恵一君) 御報告いたします。
公安委員会委員長庭野賀津子君から本日欠席、
公安委員会委員星倫市君が代理出席する旨の届出がありました。
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△議第百十号議案ないし議第百三十二号議案
△報告第二十五号ないし報告第三十号・一般質問
○議長(菊地恵一君) 日程第二、議第百十号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第三十号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とを併せて行います。 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。三十一番庄田圭佑君。 〔三十一番 庄田圭佑君登壇〕
◆三十一番(庄田圭佑君) 自由民主党・県民会議の庄田圭佑でございます。議長のお許しを頂きましたので、通告に従い、今任期最後の一般質問に臨みます。 まず、村井知事におかれましては、全国知事会会長への御就任、誠におめでとうございます。「結果を残す知事会を目指す」と抱負を述べられているように、知事会の方向性としては、海外へのアプローチ、国内へのアプローチ、大規模自然災害時の支援機能の強化を掲げておられます。今後、全国知事会でのますますの御活躍を御祈念申し上げるとともに、子供たちに誇れる未来をつくっていただくことを切に願うものであります。 さて、そんな知事会の方向性と同じくするかのような、大綱一点目、宮城県の国際交流強化についてお伺いいたします。 去る六月一日から九日の日程で、安藤俊威議員を団長に、ブラジル宮城県人会創立七十周年記念式典参加と、ブラジル及びアメリカとの国際経済交流・
海外ビジネス支援政策等に関する海外調査に参加いたしました。今回の調査の主な目的は、急速に人口減少が進む中にあって、農林水産物をはじめとした県産品や加工品の販路拡大、今後の経済連携の可能性を見いだすというものです。八泊九日のうち機内泊が四回という強行スケジュールでしたが、訪問した南加宮城県人会、ブラジル宮城県人会、ハワイ宮城県人会の皆様との交流に加え、在
サンパウロ日本国総領事館、
ジェトロサンパウロ事務所、
地元カメイグループの
ミツワコーポレーションやハワイ州観光局との意見交換では、今後の宮城県とのコラボレーションの可能性など、様々な御示唆を頂き、大変意義深い調査となりました。今回の訪問は、今後の国際交流強化、販路拡大に向けた布石を打つよい機会になったとも感じております。その一方で、各県人会との交流は、周年事業や会長が来県される際の意見交換程度と、決して積極的に交流を図っている状況ではなく、各県人会の皆様からも宮城県ともっと交流を深めたいとの声もありましたし、本県の各種PRに協力したいと、大変頼もしいお話もありました。特に、ハワイ県人会の皆様からは、すずめ踊りをぜひ、
ホノルルフェスティバルと呼ばれる、日本各地のお祭りをはじめ文化・芸能並びに武道・スポーツ、手芸などの様々な交流を図るイベントに出演してほしいと、より踏み込んだ御提案もありました。そこで、これらの点を踏まえ、今回のブラジル訪問の所感及び県人会を活用した海外での本県PR活動について、今後どのように考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 また、今回訪問した
ミツワマーケットプレイスは、米国内で日本食料品や生活雑貨を中心に扱う日系最大の
ショッピングセンターチェーンであり、カリフォルニア州を中心に十二店舗を運営しています。各店舗では定期的に日本の各自治体や地域との
コラボレーションイベントも多く開催しており、お隣の山形県では、トップセールスでつや姫のPRをした実績もあるとのお話でした。また、訪問したタイミングでは、本土のトーランス店など三店舗で独自に宮城フェアを開催しているとのことでした。カメイグループということもあり、今後は宮城をはじめとした東北の食材提供の拡大に取り組みたいとの大変ありがたいお話も頂きました。そこで、県が積極的に関与する形で、
ミツワマーケットプレイスを核に、米国での県産品の販路拡大に向けた取組を検討していくべきと考えます。県の見解をお伺いいたします。 布石を打つという点で、私は平成二十八年三月の予算特別委員会において、当時中間所得人口が十二倍に増え、人口二億五千万人を有する魅力的なマーケットである、インドネシアをインバウンドのターゲットにしてはどうかと尋ねたことがありました。当時は、マーケットとして大変魅力的、将来有望だと考えているが、東アジアの国々を重点地域にしている。農林水産部のハラール対応食の事業もあるので、これを契機として、
インドネシア大使館または留学生の活用、そういった面からまずは始めて、観光情報の収集・発信に努めたいという答弁でありました。その後も、何度かインドネシア関連の質問をさせていただきましたが、現状維持の答弁が続き、執行部というガリバー企業に挑む個人事業主の私は、おのれの無力さを痛感したものでありました。ところが、私の質問が布石となったか否かは知事のみぞ知る世界ですが、今議会の提案理由説明でも述べられていたように、七月二十八日に、全国の都道府県に先駆けて、県はインドネシア政府と人材交流に関する覚書を締結しています。また、締結に合わせ、みやぎフェアを開催し、既卒含むインドネシア国内の学生を対象に、県の情報発信や、県内企業とインドネシア人材の相互の理解を深めたと伺っております。まずは、インドネシアでの覚書締結及びみやぎフェアの所感について、知事にお伺いいたします。 初質問から約七年が経過して、インドネシア市場を開拓する雰囲気が整い、私の思いが知事に通じたのだと勝手に思っていますが、議員をやっていてこれほどうれしいことはありません。ただ、議連役員として調印現場に伺えなかったのが唯一の心残りであります。昨年十二月に
インドネシア友好議連を会派内で立ち上げて以降、宮城県とインドネシアの積極的な交流について、全国から耳目を集めています。先日、
日本インドネシア協会の皆様と意見交換した際にも、本県の今後の取組を注視しているとのお話を頂いておりますし、協会が発行する月刊誌に議連の取組を連載させていただくことにもなりました。協会からは、今後の事業展開について特に興味を持たれておりましたし、私といたしましても、様々な機会を捉えて、インドネシアと更なる交流を深めたいと考えております。そうした中、次年度以降もみやぎフェアを開催したいというような知事の声も漏れ伝わってきております。次年度以降、インドネシアでの事業展開についてどのようにお考えなのかお伺いいたします。 知事会の海外への
プロモーション活動等の効率化という方向性を我が県に当てはめるなら、みやぎフェアというイベント開催だけでは、効率的なものとは考えにくいかと感じます。インドネシアでの事業シナジーを考えれば、過去に私が取り上げた縁日祭への本県ブース出展や、縁日祭に合わせてみやぎフェアの開催を検討すべきと考えます。知事の御所見をお伺いいたします。 あわせて、インバウンド誘客のターゲットにインドネシアを加えるべきと考えます。県の見解をお伺いいたします。 大綱二点目、行政改革の取組についてお伺いいたします。 行政改革について広辞苑で調べると、「国・地方の行政機関または特殊法人の機構・制度・運営を改革すること。主として合理化・簡素化や定員削減を行い、行政の効率化と行政費用の抑制を図ることを目的とする」とあります。何やら大層な印象を受けますが、行政組織の効率化と経費削減ということに尽きると理解しております。この点から申し上げると、私がこれまで積み重ねてきた、働き方改革をはじめとしたデジタル化やシステム統合による業務効率改善も、行政改革ということになります。つい先日も、六月議会の予算総括質疑で指摘させていただいた、事業によってばらつきのある委託事業費の在り方について、県は、補助金給付する事業の委託費削減に向け、複数事業を一社に一括委託する改善策を固めた旨の記事が掲載されておりました。この点、スピード感を持って御対応いただいたことに、執行部の皆様に感謝申し上げる次第であります。まずは、委託事業における一括委託の現状と今後の予定についてお伺いいたします。 小さな改善一つだけでは改革とまでは言えないまでも、小さな改善が幾つも続き、やがて大きなうねりとなって改革につながる、そう信じて、これまでも質問を積み重ねてまいりました。本県においても、こうした小さな改善を積み重ねる組織として、新しい働き方推進の中で、庁内複業制度が導入されています。令和三年九月には、デジタルツールを活用した業務改善を図る
デジタルカイゼン隊の前身となるエクセルカイゼン隊が、令和四年七月には、ナッジやデザイン思考を活用し、アジャイル文化の普及とEBPMのきっかけづくりを通じて政策効果の向上を図る、宮城県
行動デザインチームMyBiTが設立されています。担当課からは、所属や役職にとらわれず、得意分野を生かして業務の効率化や課題解決に取り組むグループ活動を庁内複業として推進し、職員の自己実現や働きがいの向上を図っていると伺いました。また、二年間で千三百時間の事務作業時間を削減した
デジタルカイゼン隊の活躍ぶりが、七月に地元紙でも取り上げられ、今後の動向を一層注視したいと思っております。そこで、これまでの働き方改革推進、MyBiTによる取組成果や
行政コスト削減効果について、可能な範囲でお示しください。また、働き方改革に向けた現状の課題認識と今後の取組についてお伺いいたします。 こうした働き方改革をはじめとした行革の取組は、我が国の人口減少社会を鑑みれば、更に進めていくべきことに異論を挟む余地はないものと思っております。村井知事も、全国知事会の方向性の中で、人口減少と拡大する行政需要に対応するため、行政のスリム化を目指しております。これまでの行政は、時代の変遷とともに、様々な住民サービスを提供するため仕事を増やす決断をしてきましたが、これからの時代は職員数を増やすこともままならず、仕事を減らす決断をする、あるいはデジタルで代替していく、最低限このことは進めていかなければなりません。人や時間がないなら仕事を減らす決断をすることが鉄則であります。私は、人口減少社会の中で求められる、これからの行革に必要な視点は何か考えてみました。究極には、生産性の最大化です。具体的には、デジタル化で職員の事務負担を減らし、その時間を県勢発展に向けた創造的な仕事に邁進してもらいます。そして、職員一人一人の事務負担削減と創造的な仕事の成果を可視化すること。次に、行政コストを削減した課に、削減額の一部を事業予算として認めるインセンティブを与え、更なる創造的な仕事に邁進してもらい、県民サービスの向上につなげる好循環の流れをつくること。最後に、優れた人材を確保するために、これまでの職員給与体系にとらわれない、成果報酬型などの給与体系を導入することが必要ではないかと考えました。そこで、このことを踏まえて、これからの行革に必要と思われる取組等について、知事の御所見をお伺いいたします。 大綱三点目、安全・安心づくりについてお伺いいたします。 これまでも、県民の皆様の安全・安心の確保に向けて、再犯防止、特殊詐欺対策に向けた振り込み制限、消費者教育の強化など、様々な角度から質問をさせていただきました。今回も、防犯、治水、福祉の面から、県民の安全・安心づくりについて、何点かお伺いさせていただきます。 昨年の刑法犯認知件数は、新型コロナウイルスの行動制限が緩和された影響か、前年比五・九%増の六十万千三百八十九件で、二十年ぶりに増加に転じました。街頭犯罪の件数が一四・四%増加した一方で、侵入犯罪は一・九%減少したとのことです。これまでは行動制限があったので、認知件数の増加という表現よりは、元に戻ったと捉えるほうが適正な印象を受けます。昨今では特殊詐欺被害が後を絶たず、今議会でも、
特殊詐欺被害防止対策費として二百十万円が計上されております。私も実際に泉区内の交番を何か所か回り、直接、現場の警察官と意見交換いたしましたが、特殊詐欺被害が増え、一軒一軒啓発活動で歩いているというお話を伺い、頭が下がる思いであります。また、交番によっては、事故が多発する幹線道路があったり、交番設置以降に新たな団地が造成されて、受持ち区域の人口も市街化区域も増えているところもあり、交番ごとの負担感には相当な差があるものと認識しております。実際、東日本大震災以降、泉区では西中山に住宅が増え、仙台大観音周辺に新たな商業施設も張りついています。最近では都市計画区域外の根白石川向地区でも住宅が増え、更に
泉パークタウン朝日街区の分譲も始まり、若い世代の流入が続いております。こちらのパネルを御覧ください。(パネルを示す)泉区とその周辺を含む、泉区の交番・駐在所マップでございます。水色の線が区境を、薄い赤色の建物が交番・駐在所を、薄いグレーが市街地を表しています。先ほど述べた西中山や仙台大観音周辺の商業施設を受持ちする長命ヶ丘交番、根白石・朝日を受持ちする根白石交番の区域を、それぞれ紫、オレンジの網かけで表しております。マップを見ると一目瞭然ですが、泉区に隣接する北署管内の交番・駐在所は近い範囲に六つもありますが、寂しいかな、泉署管内は八つの交番・駐在所で全域をカバーしております。特に長命ヶ丘交番は、北環状線や大規模商業施設を有し、かつ、受持ち区域も広く、多忙な交番の一つです。また、根白石交番は、泉区西部全域と受持ち区域がとても広範な上に、今後、朝日の入植が進むことで相当の人口増が見込まれ、負担が増すことが推測されます。そこで、今申し上げた長命ヶ丘交番及び根白石交番の受持ち区域を見直し、赤い網かけで示した泉中山・
泉ヴィレッジかいわいの要交番新設区に、新たな交番を設置する必要があると考えます。警察本部長の御所見をお伺いいたします。 初当選以来、二〇一五年の関東・東北豪雨で甚大な被害をもたらした七北田川の河川整備について、幾度となく質問させていただきました。この間、二〇一六年に上流域が水位周知河川に指定されるとともに、二級河川七北田川水系河川整備基本方針が示されました。その後、二〇一八年には二級河川七北田川水系河川整備計画が策定され、計画策定からおおむね三十年の間に河川を整備することとされています。三十年の計画とはいえ、新たな計画により赤生津大橋から上流区間で築堤や河道掘削などが進められ、流下能力が向上し、浸水被害対策が進むものと期待している一方で、雨のシーズンを迎えるたびに、七北田川流域の皆様からは、整備の早期完了など、多くの御要望を頂戴いたします。これまで、令和二年度に詳細設計や用地買収を行い、令和三年度の工事着手を目指す旨、知事から答弁いただいておりますが、一般的に事業着手が遅くなる上流域の皆様からは、現状を問うお尋ねも多い状況であります。そこで改めてお伺いいたしますが、七北田川上流域の河川整備の進捗状況及び今後の見通しについてお示しください。 先日、会派医療福祉議連役員と宮城県介護事業者連盟役員の皆様と意見交換を行いました。このとき、仙台市を含めて福祉関係に関する御要望を幾つか頂きましたので、お尋ねさせていただきます。 現在、本県での認知症施策の中核を担う認知症介護実践者等研修事業に関しては、宮城県社会福祉協議会に委託し開催されていると伺いました。しかしながら、連盟からは、認知症対応型サービス事業者管理者研修など、開設基準要件の研修や人材育成に関する研修回数が年一、二回程度にとどまり、事業者側として受講選択の柔軟性に欠けるため、時期を逃すと次年度に受講せざるを得ないというお話を頂きました。今後、高齢人口の増加が進めば、認知症施策推進における人材育成及び研修体系の充実が求められることから、現在の研修について、受講者が受講しやすいよう、委託先を増やすなどして開催回数を充実させることで、人材育成確保につなげるべきと考えます。県の見解をお伺いいたします。 重度の知的障害を伴う自閉症の方に多いと言われる、自分自身や周りの人を傷つけたり、物を壊したりといった行動が頻繁に見られる強度行動障害を持つ人は、全国に少なくとも延べ七万八千人以上いるとされています。ところが、この状態にあると、グループホームなどでは支援スタッフの負担が大きいとして利用を断られるなど、本人や家族が十分な支援を受けられず、行き場のない状態に強いられているとのお話を伺いました。こうした状況を受け、厚生労働省は、次年度より強度行動障害の専門的な知識を持った広域的支援人材を新たに育成し、都道府県や政令市が運営する発達障害者支援センターなどに配置する方針を固めています。広域的支援人材の主な支援内容は、専門的な研修を受けた人材が困難事例などに対して支援計画を作成するなどの指導・助言を行うこととされています。国の方向を踏まえ、次年度以降、本県でも強度行動障害のある方やその家族が地域で安心して暮らせる環境を整えていくことになろうかと思いますが、現段階で、本県での強度行動障害の実態についてどのように捉え、次年度の事業にどのように取り組むのかお示しください。 大綱四点目、投票率向上についてお伺いいたします。 今回の宮城県議会議員選挙では、届出用紙がデジタル配信されること、立候補の段階では候補者の自宅住所が居住地区までしか公表されないなど、時代の変遷とともに、選挙の在り方も変わってきているものと実感しております。一方、時代の変遷とともに投票率は低下し続け、去る七月三十日に執行された仙台市議会議員選挙の投票率は、過去最低の三四・三%と、有権者の三人に一人しか投票に行かない状況でありました。投票率が低いということは、企業・団体など特定の組織を持つ候補が有利になり、その結果、候補が一部の支持者のことのみを考えるようになり、世論を無視した県政運営につながる可能性もあり得ます。我々議員も含め、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」ということを再度認識し、多様な意見を反映する民主主義の根幹となる選挙の投票率向上に努める必要があると考えます。そこで、今回の仙台市議会議員選挙をはじめとした低投票率に関する問題認識について、知事の御所見をお伺いいたします。 一昨年八月には、県議会が包括連携協定を結ぶ宮城大学と初の連携事業となる、投票率向上のためにできることを考えるシンポジウムを、宮城大学にて開催しました。また、後日、宮城大学からシンポジウムに基づく政策提言を、当時の石川議長に手交いただきました。この提言は、学生自身がKJ法を使ってシンポジウムで出された意見を分析し、取りまとめたものであります。具体的な内容として、一、投票率向上のためには、変化する多様なニーズに応える環境、情報発信や投票の方法などを整えること、一人一人の意識づけが必要。二、学生からの視点では、議員・候補者の取組や選挙・投票について知り、選挙を自分事として考えることが求められる。三、上記二点を目的とする議員と学生・若者は関わることができる機会を継続して実施し続けることというものでありました。この提言書は、議長を経由して、選挙管理委員会にも送付されております。送付から約二年が経過し、この間、国政選挙も含む各種選挙が執行されています。提言を受け、具体的な対応や事業の取組状況についてお伺いいたします。 これまで選挙管理委員会では、投票率向上に関して、選挙出前講座の実施や啓発冊子の作成、大学入学式での啓発物配布などを実施してきております。また、大学への期日前投票所の設置は若年層の投票率向上に有効であると認識し、様々な機会を捉え、関係市町村選挙管理委員会に働きかけを行う旨、答弁を頂いております。大学への投票所設置は、様々な事情があり、具体的な成果は見えてきておりませんが、今回の宮城県議会選挙は、少なくとも前回選挙の投票率三四・八%という数値は最低限死守することが必要と認識しております。そこで、今回の県議会議員選挙における投票率向上に向けた取組について、お示しください。あわせて、大学などの有権者にとって利便性の高い場所への投票所設置について、市町村選管の動向についてお伺いいたします。 以上で壇上からの質問といたします。御清聴ありがとうございました。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 庄田圭佑議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、宮城県の国際交流強化についての御質問にお答えいたします。 初めに、ブラジル訪問の所感と県人会を活用した海外でのPR活動についてのお尋ねにお答えいたします。 私は今回、ブラジル、米国カリフォルニア州、ハワイ州を訪問し、現地で我が県とのかけ橋となっている県人会の皆様と、様々な意見交換などを通して交流を深めてまいりました。今回の訪問を通して、三世、四世の方でも日本の伝統文化に関心が高い方や、トレッキング愛好者が多いなど、現地に住んでいるからこそ得られる知見を基に、今後の我が県の海外プロモーションに対する様々な御意見を頂いたところであります。また、来年三月には、ハワイ県人会から御提案を頂きました
ホノルルフェスティバルに参加し、七夕飾りの設置などによる観光PRや、みやぎ米をはじめとした県産品の紹介などを行う予定であります。県としては、引き続き、県人会への助成や定期的な本県情報の提供を通じて、我が県のPR活動へ御協力を頂くなど、県人会の皆様との連携を強化しながら、現地のニーズを踏まえた効果的なプロモーション活動に取り組んでまいります。 次に、米国での県産品の販路拡大に向けた取組についての御質問にお答えいたします。 海外販路を開拓する我が県の企業にとって、米国は人口増が続き、個人消費支出がGDP全体の約七割を占めるなど、購買力が高いことから、大きな可能性を持つマーケットとなっております。一方、米国への食品輸出については、加工品の添加物規制や対米HACCPへの対応が必要であるほか、生活習慣や文化が多様であり、世代により価値観や嗜好も異なっていることから、戦略的に開拓すべき国の一つと認識しております。このことから、県では、これまで、米国輸出に関するコンプライアンス実務の専門家派遣やセミナーの開催に加え、米国シアトル都市圏において、テストマーケティングを兼ねた物産展等のプロモーション事業を実施してまいりました。今年度は、御指摘のありました
ミツワマーケットプレイスの協力を得ながら、販路開拓の有望地域とされるダラス都市圏を中心とした物産展を実施する予定としております。今後も、同社を含め現地での販売のノウハウを持つ企業の知見も十分に活用しながら、なお一層、米国での県産品の販路拡大を図ってまいります。 次に、インドネシアでの覚書締結とみやぎフェアの所感についての御質問にお答えいたします。 私は今回、インドネシア労働省と人材の受入れに関する覚書を締結し、これを契機に優秀な人材を送り出したいとの強い要望を受けてまいりました。あわせて、日本への就職に関心を持つ学生等を対象に、我が県の主要産業や暮らしやすさなど、宮城の魅力を紹介し、県内での就労を促すため、みやぎフェアを開催いたしました。当日は六百人を超える多くの若い方々に御来場いただき、インドネシアの方々の我が県に対する熱い思いを肌で感じ取った次第であります。親日国であり勤勉なインドネシアの皆様に、我が県で就労し定着していただくことは、地域活力の維持や活性化につながるものと認識しております。県といたしましては、インドネシアをはじめ県内産業を支える外国人材の更なる受入れ促進に向け、今後も関係機関と連携し、我が県で能力を発揮したいと望む外国人材の就労を積極的に推進してまいります。 次に、大綱二点目、行政改革の取組についての御質問のうち、行政改革に必要な取組等についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、持続可能な行財政運営を図るため、財政基盤及び組織体制の強化とDXを通じて業務プロセスの変革を進める、宮城県行財政運営・改革方針を策定し、四つの取組の柱を掲げて、行政改革を進めております。四つの取組の柱のうち、特にICT活用と働き方改革の推進については、デジタルツールを積極的に活用して業務の生産性向上を図り、創造的な業務に充てる時間の確保に努めております。また、マイナンバーカードを活用したデジタル身分証アプリの普及を通じて、災害時における安全かつ効率的な避難活動のほか、地域経済の振興などにつながる取組を進めているところであります。今後も、これまでの仕組みや手法にとらわれることなく、民間の知恵やデジタル技術を積極的に活用しながら、急速に進む人口減少社会にも対応できる県政を推進してまいります。 次に、大綱四点目、投票率向上についての御質問のうち、低投票率に関する問題認識についてのお尋ねにお答えいたします。 選挙は民主主義の基盤をなすものであり、国民一人一人にとって、よりよい社会を築くための代表者を選ぶ重要な政治参加の機会であると考えております。県議会議員選挙の投票率につきましては、平成七年執行の一般選挙以降、低下傾向が続いておりますが、民主主義が実効的に機能するためには、多様な民意ができるだけ政治に反映されることが必要であり、投票率の向上は重要な課題であると認識しております。県といたしましては、選挙管理委員会と連携を図りながら、投票環境の向上や県民の政治意識の涵養に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 総務部長小野寺邦貢君。 〔総務部長 小野寺邦貢君登壇〕
◎総務部長(小野寺邦貢君) 大綱二点目、行政改革の取組についての御質問のうち、補助金給付事業の一括委託についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県における補助金給付業務については、想定される補助対象者が少ない場合は、各所属内の職員で対応しておりますが、補助対象者が多いと見込まれる場合には、申請書類の確認等の業務について、各所属単位で会計年度任用職員を任用するほか、業務委託や労働者派遣の活用などにより対応しているところです。六月議会での補助金給付業務の委託に関する御指摘を踏まえ、庁内で改善策を検討した結果、今後は補助金給付業務に必要な人材の派遣を人材派遣会社との間で一括契約し、各所属に適正な人員を割り振る方向で調整を行っております。こうした取組により、県としては、国の物価高騰対策に係る追加の支援策が明らかになり次第、県民や事業者の皆様に、必要な補助金を効率的かつ速やかにお届けできるよう、準備を進めてまいります。 次に、働き方改革に関するこれまでの成果や今後の取組についての御質問にお答えいたします。 県では、議事録作成支援システムやペーパーレス会議システムを導入するなど、働き方改革を推進した結果、昨年度は、少なくとも八千時間に及ぶ作業時間の縮減と、四十二万枚ものコピー用紙削減を達成いたしました。また、庁内複業を推進するために昨年七月に設置したMyBiTの活動を機に、研修会や勉強会を通じて横展開が図られ、職員のデザイン思考等の認知度が向上したところです。今後、人口減少が本格化する中で、拡大する行政需要に対応しながら県民サービスの維持・向上を図るには、デジタル技術を活用した生産性向上の取組が一層必要になるほか、時代のニーズに対応できる優秀な人材の確保が重要であると認識しております。そのため、職員の負担軽減につながるデジタルツールを積極的に導入・活用するとともに、一人一人の職員が働きがいを感じ、気持ちよく仕事ができる職場づくりに努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長志賀慎治君。 〔保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕
◎保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱三点目、安全・安心づくりについての御質問のうち、認知症介護実践者等研修事業についてのお尋ねにお答えいたします。 認知症については、原因となる疾患によって様々な特徴があり、介護従事者等には、その特徴に応じた知識や対応が求められることから、研修を充実していくことは大変重要であると認識しております。県では、介護従事者等に対して、適切な介護方法などの研修のほか、指導者養成研修などを実施し、認知症ケアの質的向上を図っており、昨年度には、認知症介護基礎研修において、研修機会の確保のため、eラーニングを導入しているところです。各研修の開催回数については、申込者数の状況等を踏まえて設定しておりますが、今後も市町村や関係団体の声を聞きながら、受講者が受講しやすい環境づくりに努め、介護人材の育成に取り組んでまいります。 次に、強度行動障害の実態と次年度の取組についての御質問にお答えいたします。 強度行動障害は、周囲の環境等によってあらわれる状態であり、適切な支援や環境により改善され得るものですが、自分や他人を傷つける行為など、危険を伴う行動を特徴としており、障害福祉施設の受入れが困難であったり、適切な支援がなされない可能性があると認識しております。国では、昨年度、地域における支援体制の在り方や支援人材の育成・配置等について検討・報告が行われており、今後、強度行動障害に関する専門的知見を持つ広域的支援人材等の育成のための研修を実施することとしております。県としましては、国の研修への参加を促進し、地域における指導的人材の育成を目指すとともに、市町村や発達障害者支援センターなどの関係機関と連携を図り、強度行動障害を持つ方々の地域支援体制の整備を図ってまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長梶村和秀君。 〔経済商工観光部長 梶村和秀君登壇〕
◎経済商工観光部長(梶村和秀君) 大綱一点目、宮城県の国際交流強化についての御質問のうち、インドネシアでの次年度以降の事業展開についてのお尋ねにお答えいたします。 インドネシアとの交流に関し、来年度については、今回締結した覚書に基づき、これまで以上にインドネシアからの労働者の受入れを促進していく必要があるものと認識しております。このため、みやぎフェアをより規模を拡大して実施し、人材の送り出しを通じて、現地と有力な関係を構築している機関を多数お招きするほか、介護、水産、建設分野等で、特に人材不足に直面している県内企業に現地に赴いていただき、実際に我が県で就労を希望する方との個別相談も実施することなどにより、戦略的なマッチングを図ってまいります。あわせて、外国人材の確保に関しましては、人口減少や労働力不足に直面する他国との競争でもあることから、みやぎフェアにおいては、既にインドネシアの方々が活躍している県内企業を紹介するなど、具体的な就労環境や生活環境をお伝えし、宮城で働きたいと思っていただけるような取組も盛り込んでまいります。これらの事業の実施により、より多くの方々に我が県で就労していただくよう、今後とも強力に推進してまいります。 次に、インドネシアの縁日祭を活用したPRとインバウンド誘客についての御質問にお答えいたします。 インドネシアで開催される縁日祭は、日本の食と文化が集うインドネシア最大級のお祭りでありますが、二〇一九年を最後に開催を見合せていると伺っており、県といたしましては、開催の見通しについて、引き続き情報収集を行ってまいります。また、みやぎフェアと縁日祭の同日開催については、会場の確保やスケジュール調整など難しい課題もありますが、今後、縁日祭の主催者やインドネシア政府などの意見を伺いながら検討してまいります。一方、インドネシアから我が県へのインバウンドについては、観光庁の二〇二二年宿泊旅行統計調査によると、全体の二・四%にとどまっておりますが、大変な親日国であり、経済成長に伴い誘客拡大が期待される市場であることから、県では、東北観光推進機構等と連携して、影響力のある現地インフルエンサーを招請し、宮城・東北の魅力を発信しているところです。今後とも、インドネシアを重要なターゲット市場と捉え、縁日祭のほか、一般消費者へ直接PRする機会となる他の現地イベントへの観光ブース出展を検討するなど、インバウンド誘客促進に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。 〔土木部長 千葉 衛君登壇〕