令和 5年 9月 定例会(第389回) 第三百八十九回
宮城県議会(定例会)会議録 (第二号)令和五年九月十二日(火曜日) 午後十時開議 午後四時一分散会 議長 菊地恵一君 副議長 池田憲彦君出席議員(五十八名) 第一番 金田もとる君 第二番
佐々木奈津江君 第四番 石田一也君 第五番 佐藤剛太君 第六番 伏谷修一君 第七番 松本由男君 第八番 柏 佑賢君 第九番 福井崇正君 第十番 大内真理君 第十一番 福島かずえ君 第十二番 三浦ななみ君 第十三番 枡 和也君 第十四番 佐藤仁一君 第十五番 渡邉重益君 第十六番 わたなべ 拓君 第十七番 伊藤吉浩君 第十八番 八島利美君 第十九番 瀬戸健治郎君 第二十番 櫻井正人君 第二十一番 村上久仁君 第二十二番 高橋宗也君 第二十三番 天下みゆき君 第二十四番 三浦一敏君 第二十五番 佐々木功悦君 第二十六番 境 恒春君 第二十七番 太田稔郎君 第二十八番 遠藤伸幸君 第二十九番 横山のぼる君 第三十番 高橋 啓君 第三十一番 庄田圭佑君 第三十二番 遠藤隼人君 第三十三番 渡辺勝幸君 第三十四番 横山隆光君 第三十五番 佐々木賢司君 第三十六番 守屋守武君 第三十七番 外崎浩子君 第三十八番 池田憲彦君 第三十九番 熊谷義彦君 第四十番 岸田清実君 第四十一番 渡辺忠悦君 第四十二番 菅間 進君 第四十三番 坂下 賢君 第四十四番 ゆさみゆき君 第四十五番 仁田和廣君 第四十六番 吉川寛康君 第四十七番 伊藤和博君 第四十八番 佐々木幸士君 第四十九番 高橋伸二君 第五十番 菊地恵一君 第五十一番 佐々木喜藏君 第五十二番 石川光次郎君 第五十三番 中島源陽君 第五十四番 本木忠一君 第五十五番 中山耕一君 第五十六番 安藤俊威君 第五十七番 畠山和純君 第五十八番 藤倉知格君 第五十九番 中沢幸男君欠員(一名) 第三番
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 伊藤哲也君 副知事 池田敬之君
公営企業管理者 佐藤達也君 総務部長 小野寺邦貢君 復興・
危機管理部長 千葉 章君 企画部長 武者光明君
環境生活部長 佐々木 均君
保健福祉部長 志賀慎治君
経済商工観光部長 梶村和秀君 農政部長 橋本和博君
水産林政部長 吉田信幸君 土木部長 千葉 衛君
会計管理者兼出納局長 大庭豪樹君
総務部参事兼秘書課長 村田俊顕君
総務部参事兼財政課長 高橋寿久君
教育委員会 教育長 佐藤靖彦君 副教育長 佐藤芳明君
選挙管理委員会 委員長 皆川章太郎君 事務局長 後藤和隆君
人事委員会 委員長 西條 力君 事務局長 北沢康一君
公安委員会 警察本部長 原 幸太郎君 総務部長 横山 裕君
労働委員会 事務局長 中村今日子君 監査委員 委員 成田由加里君 事務局長 小林一裕君
----------------------------------- 議会事務局 事務局長 目黒 洋君 副事務局長兼総務課長 大場則昭君 参事兼議事課長 菅原敏彦君
政務調査課長 佐野浩章君 総務課副参事兼
総括課長補佐 堀 喜昭君
議事課総括課長補佐 大友幸二君 副参事兼
政務調査課総括課長補佐 千葉恵子君
議事課長補佐(班長) 我妻則之君
議事課主任主査(
議事運営担当) 二上秀幸君
----------------------------------- 議事日程 第二号 令和五年九月十二日(火)午前十時開議第一
会議録署名議員の指名第二 議第百十号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第三十号第三 一般質問(代表) 〔外崎浩子君、石田一也君、三浦一敏君〕
----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一
会議録署名議員の指名二 日程第二 議第百十号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第三十号三 日程第三 一般質問(代表) 〔外崎浩子君、石田一也君、三浦一敏君〕
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△開議(午前十時)
○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
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△
会議録署名議員の指名
○議長(菊地恵一君) 日程第一、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員に、五十七番畠山和純君、五十八番藤倉知格君を指名いたします。
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△議第百十号議案ないし議第百三十二号議案
△報告第二十五号ないし報告第三十号・一般質問(代表)
○議長(菊地恵一君) 日程第二、議第百十号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第三十号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とを併せて行います。 質疑、質問は順序に従い許します。三十七番外崎浩子君。 〔三十七番 外崎浩子君登壇〕
◆三十七番(外崎浩子君) 自由民主党・県民会議の外崎浩子です。議長のお許しを頂きましたので、会派を代表し質問をさせていただきます。 今回の九州、関西、そして秋田での豪雨災害においてお亡くなりになられた方々に心からのお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。 議会におきましては、先日の
杉岡広明議員、千葉達元副議長の訃報に接し、これまで
宮城県議会を築いてこられた先輩方に、改めて深い敬意を表するものであります。 さて、この二〇二三年九月議会は、私たち五十八人の
宮城県議会議員にとって、任期最後の議会となります。今期を最後としてこの
宮城県議会を勇退される、
中沢幸男議員、
安藤俊威議員、
菅間進議員、
岸田清実議員、
池田憲彦議員、
太田稔郎議員、
櫻井正人議員、そして
境恒春議員。様々な場面でお力を発揮していただきましたこと、この場より感謝を申し上げます。議会を離れた後もお元気に御活躍されますことを、心から御祈念申し上げたいと思います。 また、我々は、この任期中に
坂下やすこさんというかけがえのない議員を失ったことも、心から哀悼の意を表し、
坂下やすこさんという友をこれからもずっと忘れずにいることを皆で誓い合いたいと思います。 さて、処理水に関してです。 あの二〇一一年三月十一日に起きた
東日本大震災を由来とする福島第一原発の多
核種除去設備等処理水、いわゆる処理水の海洋放出が、八月二十四日より始まりました。あの震災以来、増加の一途をたどるこうした処理水の対応につき、様々な場面で検討を重ね、水産業に従事する方々を中心として、東京電力や国との協議が重ねられてきました。震災から来年で十三年、まだまだ人々の心は癒やされることがないと思っております。そして、ハード面が幾ら整備されようとも、あのときのあの出来事を、我々は忘れることなく後世に語り継いでいかなければいけません。こうして道路や橋がきれいに整えられる宮城に比べますと、千個以上のタンクが並ぶ福島県大熊町、双葉町を中心とする地域の福島県民の皆さんにとっては、あのタンクがなくなり、そして元の平穏な町に戻ることこそが、復興の終えんなのだと思います。そうした県民の皆さんの感情を思うとき、隣県の我々とは、「復興」という二文字に対する思いが微妙に異なっていることは改めて認識しなければなりません。一方において、これまでも震災以来大きな痛手を受けた海を守り、そしてこれからも未来の子供たちへ、この海を起源とするなりわいを、この海を引き継いでいく漁業者の方々にとっては、今回の海洋放出は大変な痛手であることも間違いではないのです。
宮城県議会としても、これまで国へ二度にわたり、処理水の海洋放出については反対の意見書を提出してまいりました。知事の発案によっての宮城県内各関連機関との連携会議はこれまで七回開催され、私も副議長職にありましたときに出席をし、一貫して
宮城県議会は放出反対との立場を貫いてまいりました。そうした中での放出が開始されたという今回の現状に鑑みて、以下質問いたします。 国としても、これまで「関係団体の理解なしには放出を進めない」との厳しい態度を示しておりましたが、IAEAをはじめとする調査機関や有識者の知見を総合的に判断し、国が放出を決定いたしました。東京電力側からは、漁業者側への補償についての発言が二転三転する中で、確たる姿勢がいまだに見えない状況が続いています。二〇二二年の日本から中国への輸出額が千六百億円に上ることも考慮すれば、中国が日本からの水産物・
水産加工物の
輸入全面禁止を打ち出すといった状況が長く続くことによって、宮城でも大きな影響を及ぼすことが懸念されます。こうしたことから、知事に対して、今回の国が行った
処理水放出に関しての宮城県での今後の対応状況を伺います。昨日の記者発表において、漁業者・
水産加工業者に対しては迅速な対応を取ると決定したようでありますが、改めてこの場においても状況についてお伺いするところです。
ALPS処理水の海洋放出の風評被害に関しては、東電の賠償の考え方を見ますと、十一月二十日から請求を受付し、その後に調査の上で支払うとされ、被災者にとってはあまりにも賠償の
支払いスピードが遅過ぎる計画が示されています。このままでは運転資金等にも困難を来すおそれのある状況も危惧される中ですので、対策の一日でも早い実施をこの場から求めます。 更には、今後、東京電力に対しても、業種別・魚種別・時期別の賠償額の提示など
風評被害対策の透明性の高い公表を求め、誰一人取り残さない適切な賠償に努め、被害の軽減を進めていくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。 さて、中国などに見られる食材の禁輸措置は、あまりにも一方的な対応で、県内でも輸出をメインに行ってきた水産業・
水産加工業の業者の方々には多大な損失を与えます。国際的にも問題視されている以上、今後、国からのWTOへの提訴など厳しい対応を求めていくべきと考えますが、予定される国への要望についてお聞かせください。 村井知事が
定例記者会見以降発信している宮城・福島の安全・安心な海産物の消費拡大については、それらを使った県庁食堂での積極的な
メニュー展開を応援するため、県議会としても、今後は様々な場面において県民の皆様への広報活動や実食へと、菊地議長を先頭に、ここにいる議員が皆で協力してまいりたいと思っています。今後の
県内食材提供展開の予定や、予定されている県内外への発信の具体策をお聞かせください。 さて、村井知事が今回、宮城県政におきましては
大変エポックメイキングな出来事を創造していただきました。それは、村井知事が
全国知事会の会長となられたことであります。事前に会長選に出馬なさるとの報を受けておりましたが、無投票で確定。
宮城県知事としては初めて、東北での知事としても福島県の
木村守江知事以来、四十七年ぶりとの快挙です。改めてこの場を借りて祝意を申し上げます。今回の
全国知事会会長への出馬につきましては、村井知事は、これまでの震災対応など防災力への全国の強化など、メッセージを述べて来られました。前述のとおり、
東日本大震災、それは県政百五十年において、この県土に未曽有の被害を与え、多くの貴い犠牲を払うことになった出来事であります。あの二〇一一年三月十一日以降の村井知事のリーダーシップ、そして決断が、宮城県の、そして東北の今を形づくっていることを実感するところでもあります。
東日本大震災を起源とした防潮堤の是非の議論、その後の発展税、未完に終わった宿泊税や美術館の移転問題、今回の四病院統合、再エネ課税など、この宮城県の課題は、寄せては返す波のように繰り返し訪れます。村井知事による県政運営が行われて十八年、その一期目の選挙戦は、県議選初挑戦の私も一緒に戦った同志であります。そうした観点から、以下質問を行います。 国内を俯瞰しましても、決して楽観視できない各
地方自治体の財政運営が続きます。国からの
交付金頼みという姿勢も、各自治体において厳しい視点から議論を続けていかなくてはならないでしょう。国が行う政策の一つ一つが、地方の国民の声をしっかり聞き取った結果となって十分に効果のある
交付金補助となっているのか、我々も機会を逸することなく、国へ強く物申していかなければなりません。今回知事が全国の知事のトップとなって、これまでの宮城県政という
自治体運営の経験を十二分に生かしながら、各
地方自治体の声を確実に、そして忖度なく、強く国に発信を続けてほしいと思っているところですが、まずは、知事の
全国知事会会長就任への意気込みをお聞かせください。 七月下旬には、猛暑の中、
仙台市議会議員選挙が行われました。各候補者も酷暑を物ともせずに選挙戦を戦ったわけですが、今回はこれまで議席がなかった日本維新の会が五議席を獲得し、大阪から始まった地域政党としての存在であったこの政党の潮流が関西のみならず全国へと席巻しつつあることは、我が自民党にとっても大変な脅威であることは間違いありません。今後行われます
宮城県議会議員選挙におきましても、仙台市内の選挙区を中心に
候補者擁立の動きがあることを考えますとき、共にこれまで、よりよい宮城の発展、そして進歩を旨として歩んできた村井知事の今後の姿勢については、誰しもが興味を抱くところであります。この
仙台市議選を振り返っての村井知事は、「日本維新の会の皆さんは、身を切る改革を挙げて、行政改革などに熱心に取り組む政党である。そして、そういった意味では、私と考え方は近い部分があると思うので、今後の活躍を期待したい」と、エールとも取れる発言をされています。今後ますます選挙戦がヒートアップしていく中で、村井知事のこうした発言については、会派を代表いたしまして、その真意を問わなければいけません。以前、地方紙の投稿欄に「国難の下のリーダー論」と題した投稿を発見いたしました。その投稿によれば、関東大震災後の日本において、岩手県奥州市出身の後藤新平が、その才覚によって近代的な上下水道の整備、国内の衛生状況の向上、更には日清戦争後の帰還兵のコレラの
検疫の実施、
東京市長時代の
都市計画設計など、後藤の発案による改革は枚挙にいとまがありません。以前奥州市の
後藤新平記念館を訪れた際にも、その功績の偉大さに驚きを覚えました。私は、そうした構想力、指導力、そして決断力を、改めて今後の村井知事に期待するものですが、この
アフターコロナ、自然災害、経済の混迷、国難とも言える時代において、宮城にとどまらず、今後、全国のリーダーとも言える村井知事が果たすべきミッションは一体どういうものなのか、そして、その
ミッション達成の方策はいかがお考えなのか、お聞かせください。 さて、四病院についてです。 議論が始まってから二年を迎える
仙台医療圏の再編協議ですが、協議のスタート時から課題が多く、村井知事の暴走ではないか、県民の意見を無視した暴挙などと、非難はやむことがありません。当初、再編協議につきましては、知事も運営組織と何らまだ話ができていない、あるいは立地自治体に関してもまだまだ白紙の状態とのことで、議会にも度々説明をなさっておられました。しかし、五月には富谷市、そして名取市両自治体が
建設予定地を県に示すなど、既にスタートが切られたような様相を呈しております。一方において、特に現存する病院の立地する太白区や青葉区におきましては、各
連合町内会会長からも市民・県民への説明が不十分ではないかとの厳しい御意見を頂くなど、受け止める議会側としても苦慮していることは事実であります。そして、先日は第三回宮城県
精神保健福祉審議会において、知事が直接会場に赴き、
審議会委員に対して直接説明をなさったとのこと。このことについては、地方自治法に定める知事の諮問機関である審議会の定義、設置根拠などから考慮しますと、公平性・中立性を著しく侵害したものではないかと懸念するところであります。更には、今後、議事録などを精査する必要があると思われますが、村井知事のこれまでのよさであった丁寧さや穏やかな発言とはかけ離れたものであるかの報道を見るにつけ、この問題のネゴシエーションの手法については、遺憾の意を禁じ得ません。更なる県民理解に向けての丁寧な御努力、そして御尽力を要望するものであります。このようなことから、以下何点か質問いたします。 改めて、この協議が始まって以来、様々な場面で問われましたが、宮城県内では、今後もますます少子高齢化が進んでいきます。また、仙台市を中心とする医療機関の偏在も今後加速度的に進んでいくことに鑑みて、将来を見据えた今回の四
病院再編統合の目指す意義、そして実現に向けた率直なる思いをお聞かせください。 そして、この再編の議論については、医療機関が不足している、あるいはその偏在化によって恒常的に問題が派生している
県内自治体にとっては、その効果を期待する声も聞かれます。しかし、一方においては、
設置予定地の近隣地域や、現在通院している患者の方々はじめ、勤務している
医療従事者の方々の懸念の声も多数届いています。このような状況を県ではどのように受け止め、今後対応しながら基本合意を目指していくおつもりであるのか、お伺いします。 現在の
精神医療センターについては、施設自体の老朽化もあり、移転についてはやむなしとの御意見もある一方で、やはり通院している患者の方々にとっては環境の変化ということも、今後の治療においては重要なインシデントとなりかねません。名取市内での建て替えができないかとのこれまでの指摘もあり、切実な影響のある患者の方々からは移転反対の声が上がっていることを考慮し、県の考えを一層丁寧に説明することが必要であると考えます。今後の取組についてお聞かせください。 再編を推進する上で最大の課題とも言える
精神医療センター移転後の体制確保については、先日の宮城県
精神保健福祉審議会で、知事が県の精神医療・保健・
福祉システムの継続性の確保に向けた施策により、新たに
民間精神科病院の名取市への誘致を提案されました。今回のこの提案については、患者の方々などの意見に耳を傾け、慎重に対応策を検討した上での提案と考えれば、ある意味評価できるものと考えます。であればこそ、こうした提案をもう少し丁寧に、拙速にならないように議論を重ねれば、審議会の理解が深まったのではないか、そして、その点が今後の審議会の経過においても禍根を残すことになりはしないかと、大変惜しまれるところであります。そこで改めて見解を問いますが、今回の提案は、この四病院統合の議論の当初の基本計画には見られない、唐突過ぎるとの受け止めも多く、現状においては、
審議会メンバーはもとより、この課題を取り巻く関係者の間においても更なる混乱が続く状況と思われますが、その発案に至るまでの検討の経緯をお示しください。 今回打ち出されました民間との連携は、これまでの議論に風穴を開ける新しい解決方法とも取れますが、精神医療の分野においては、人と人との信頼関係はもとより、ある意味採算を度外視した政策医療であり、必要な医療の機能・質の確保が重要となってくると思われます。今後のこうした民間医療機関を仮に公募することになった場合の医療機関へ提示する条件など、現状の状況について、お考えを具体的にお示しください。 各組織との基本合意については、再三、まだ緒についたばかりとの発言を繰り返してきた村井知事ではありますが、政策医療の課題解決に向けて寄せられる意見も十分踏まえていただくことは言うまでもありませんが、宮城県のよりよい医療の確立への合意形成に向けての、この課題の総合的なタイムスケジュールについてのお考えをお示しください。 さて、女性議員としてのミッションです。 私は二〇〇五年にこの
宮城県議会に初当選以来、一度四年の空白期間がありましたが、自由民主党所属県議会議員として、県政に関わってまいりました。当選以来、議会運営委員会委員長をはじめとした委員長職や、第三十九代副議長としても、百五十年を数える県政史上、常に女性で初めてという機会を頂いてまいりました。県政に初当選したときも、他会派には先輩女性議員がいらっしゃり、大変に勉強をさせていただいたことは、この場で申し述べておきたいと思っております。しかし、いずれも共通して言えることは、我々は女性だからこの場にいるのではなく、ほかの男性諸氏と互いに切磋琢磨をし、選挙という荒波を越え当選し、女性としての意見や考えを思う存分政策や活動に生かしていく、そのことを旨としているのだと改めて感じています。現在、
宮城県議会では七名の女性議員を有しており、その割合は全体の一二・一%、全国平均の一一・八%を僅かに超えてはいますが、まだまだ市町村においても女性がゼロの議会もあるなど、今後の意思決定過程における女性の比率向上においては、努力を図っていかなくてはならないと認識しています。詳細は内閣府などのデータに論拠を求めるものですが、議会においての政策決定に関しても、これまでやはり男性が中心で議論をされてきた歴史の長さを考えれば、今後、女性議員の発案による政策について、特に福祉や教育、労働分野など、女性ならではの政策・方針決定過程の参画が一層必要になってくると考えています。そうした観点から、宮城県政における女性政策の今後についてお伺いします。 初めに、法定設置の各委員会や審議会における女性委員比率についてです。 これまで女性の社会参加や女性活躍という単語も目新しいものでありましたので、これまでは比率が三割は困難であると思われてきましたが、今後は国で示されているこの目標値に甘んじることなく、更なる女性の登用を望むものですが、取組についてお伺いします。 農業分野においても、農業委員会での女性委員数の増加については何らかの方策、人材の育成などを求めるものですが、いかがでしょうか。アファーマティブ・アクションなど作為的な女性のただ単なる数合わせについては、私は異論を唱える立場でありますが、差別ではなく区別という観点から、あるいは女性は命を宿す一時期があることを考慮するならば、そのことも乗り越えて様々な分野で男女の差別なく挑戦をし、実力を発揮すべきと考えます。そうした観点から、宮城県の女性政策において、今後の展開についてお伺いします。 宮城県ではこの五月から、出産・育児などで離職した子育て期の女性が、仕事と家庭を両立しながら、自らの能力を発揮し安定的な雇用の下で働けるよう支援するため、仙台駅前マークワンビルに、みやぎ女性のキャリア・リスタート支援センターを設置いたしました。我々自由民主党宮城県連女性局は、この六月に早速メンバーで現地を視察し、運営委託業者であるパーソナルテンプスタッフの方々より説明を受け、相談者の現状や今後の支援事業の展開などについて意見交換を行ってまいりました。このコロナ禍は働く誰しもに困難な状況であったと思いますが、特に非正規雇用の女性にとっては、やむを得ない解雇などにあって、急激な経済的困窮の状況にある女性が増加していることも指摘をしておかなければいけません。今後、子育てが一旦落ち着いた女性が再スタートする支援を強力に推し進めていくためにも、県としての事業展開や周知広報、センターの利用率の増加を図っていくべきと考えますが、現状についてお知らせください。 また、二〇二二年に公布された、困難な問題を抱える女性の支援に関する法律については、これまでの女性支援が一九五六年に制定された売春防止法が根拠とされており、売春を行うおそれのある女性の保護更生などを規定していたことを考慮すれば、この新法を根拠とし、飛躍的にその範疇や対象などが明確になり、今後の女性支援について、女性の意思が尊重され、相談、心身の健康回復のための援助、自立するための援助など、多様な支援体制の整備が期待されるところであります。こうしたことから、宮城県が行う、性的な被害を受けた女性への支援、家庭や地域社会での様々な事情から困難な問題を抱える女性の支援政策について、お伺いいたします。 さて、宮城県内の農業政策についてであります。 食料をめぐっては、気候変動や国際的な状況などにより、これまでに例を見ない情勢が、我が国でも急激に変化していることは間違いありません。そして、日本の農業をめぐっては、歯止めの利かない人口減少、担い手不足や高齢化が叫ばれ続けており、厳しい状況が依然として続いています。昨今の大規模な自然災害、一方において将来にわたって懸念される渇水の状況などから考えますと、食料安全保障の観点からも、我が県からも国に対して一層の体制強化、支援の充実を求めていく必要があると感じています。以下質問いたします。 まず第一に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等でこの九月まで賄われてきた生産資材や飼料高騰対策については、継続実施の要望が大きく、執行部側でも整理を進めた上で、ぜひ引き続き国に強く求めるべきと存じます。いかがでしょうか。電力料金やガス料金の高騰は、生産者に直接影響を及ぼすだけでなく、価格転嫁も難しい業種であるだけに、この時点での対応については、どのような対応になるのか県民の注目が集まっている議論でありますので、ぜひ迅速に対応をお願いしたいものです。 更には、例年にないこの高温状態は、尋常ならざる影響を県内にもたらしております。自然界の大きな変化が今年は顕著に現れ、秋田での大雨被害に始まって、山火事など、例年とは違った現象が起こっております。この高温や少雨による露地野菜の生育不良、出荷不能の現状にあり、宮城県は渇水被害の状況や実態調査などをどのように行っているのか、現状についてどう認識しているのか、お伺いさせていただきます。 世界的に見ても自然災害が多発している現状におきましては、今後も、生産者にとっても、宮城県での対策は急務であります。自然災害対応に向けた、共済加入率も低迷を続けている中、今後の環境整備や、来年に向けた次期作付生産支援などの補填も必要になってくると思われますが、いかがでしょうか。 前段の大項目、処理水の部分において言及したとおり、今後、国際的な措置が取られない限り、水産物、
水産加工物のみならず、輸出農産物における中国や香港の禁輸措置政策は大きな影響をもたらします。国や東電の農業分野に対しての更なる風評被害発生防止と、風評被害発生時の万全の救済措置についてもお伺いいたします。農産物に影響した場合の情報窓口の設置や、関係機関の更なる情報共有についての対応策の検討状況や現状をお聞かせください。更に、東電による現状の損害賠償スキームが農産物に対しても有効に機能するのか、お聞かせいただきたいと思います。 先ほどから、知事先頭に立っての安心・安全な県産食材のPRについては、水産物のみならず、農産物に対してもしっかりと力強く後押しを望むものであります。いかがでしょうか。 さて、宮城県内の経済状況についてです。 宮城県経済の復活に関しましては、宮城県商工会議所連合会の藤崎三郎助会長より、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが見直された結果、三年以上にわたって制限されてきた社会経済活動がようやく正常化に向けて動き出すとの認識の下、十二年が経過した
東日本大震災からの創造的復興の完遂と富県宮城を通じた地方創生の実現に向けた要望書が、県議会に提出されたところです。様々、県内経済の復興につきましては、要望の中にも述べられているところですが、被災事業者の県民の皆さんがなりわいとして懸念し続けていることは、今後の資金繰りであり、使い勝手のよい補助制度の実現がどうなるのかといった項目であると考えます。今後も継続支援が必要であると思われますが、講ぜられる対応についてお伺いします。 飲食店や小規模事業者は、コロナ禍を過ぎても物価高騰、そして電力料金値上げなどにより、更にダメージが深刻であり、価格転嫁をすれば消費者の購入意欲を減退させるのみで、よい結果にはつながりません。こうしたことから、県内各地の飲食店などへの対策については今後どのような対策を講じているのか、お伺いをさせていただきます。 世界を俯瞰すれば、一年以上戦火の絶えないウクライナの状況や、台湾を取り巻く中国の情勢など、我々の平和な世界を脅かすやもしれない状況となっております。三年前に始まったコロナ禍は、宮城県民だけではなく、世界中が大きな渦に巻き込まれ、翻弄された年月を過ごしました。二類から五類へと変わった現在でも、コロナに罹患する方は後を絶たず、今後の暮らしの上でも不安は募る一方です。二類から五類へと変更となった新型コロナウイルス感染症については、九月まで、その治療費のうち入院費用は激変緩和措置として月最大二万円軽減となっています。また、治療薬についても、九月末までは自己負担なしとの措置となっていますが、今後十月以降、季節による患者数の変動によっては、全国でも国への新たな補助要望などを求める声も出てくると思いますが、どのような対応を県として検討しているか、現状をお伺いさせていただきます。 さて、医療的ケア児、そして家族の皆さんへの対応についてです。 令和三年九月施行の国においての議員立法、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律に基づき、令和四年七月一日に宮城県医療的ケア児等相談支援センター、愛称ちるふぁが、仙台市泉区南中山に開設されました。宮城県での医療的ケア児の対応については、その様々な課題について、以前から代表の遠山裕湖さんにお話を伺ってまいりましたが、開設から一年での相談件数は九百件、当事者の方より、医療的ケア児の皆さんを見守る支援者の方からの相談も多いとのことです。人工呼吸器や経管栄養・吸引などが必要なお子さんを見守る御家族やお世話をしている皆さんの日々の緊張は、計り知れないものがあります。こうした支援センターが地域や当事者の方々としっかり連携を取って、そのお子さんに合った支援をみんなで考えていく。宮城県内にようやくこうした安堵できる場ができたことは、本当に心強いと感じています。遠山さんをはじめスタッフの皆様の今後の活動も期待を持って見守るものでございます。以下質問してまいります。 こども家庭庁においては、医療的ケア児の災害時避難マニュアルを策定することが予定されています。医療機器の使用に欠かせない電源確保でありますとか、
医療従事者との連携などが指針に盛り込まれることとなります。自治体においても、保育施設の課題の調査などが予定されるほか、改正災害対策基本法にうたわれている自力で避難できないケア児の個別避難計画作成が、市区町村の努力義務となっています。県内市町村での計画づくり、あるいはその策定の進捗についてお伺いするところです。 このような子供たちのケアも含めて、これまでも何度か質問されてきた課題が、小児がんと闘っている子供たちへの対応です。脳性麻痺などの医療的ケア児は障害者手帳を持っていることから、学校に通ったり、宿泊などへの一部支援がありますが、小児がん患者は手帳がありませんので、医療費以外の支援が十分ではありません。そして、このような状況にあって、家族、特にきょうだい児など本人だけではなく地域から孤立しがちであるということが指摘をされているところです。子供たちも親もストレスを抱えがちなこのような状況に鑑みて、神奈川県横浜市では「うみとそらのおうち」というこどもホスピスが開設されており、先日、現地を視察してまいりました。現在七十五家族が登録、月に一から二回利用しているとのことです。ホテル並みに清潔に整えられたその施設では、看護や医療の資格を持つスタッフが子供たちやその家族の要望を最大限にかなえるよう、日々活動が展開されています。子供の誕生日会や、料理を実際にみんなで作ったり、祖父母や親戚と三部屋ある宿泊施設で一緒に過ごしたり、演奏家を呼んでコンサートを行ったり、特別な思い出をつくって過ごせる場所、家族にとってもきょうだいにとっても、病院では経験できない時間を共有できる場所が、このこどもホスピスであります。現在、宮城県内にも小児がんのお子さんは多数いらっしゃり、決して余命が短い子供さんたちばかりではありません。仮に本人が亡くなったとしても、その場で時間を共有したスタッフとともに家族が改めて集い、誕生会などを開き、その子供の思い出を共有したり、残された家族のグリーフケアなども行う、そうした場を宮城県内でも創造していくきっかけを今後つくっていく必要性を感じております。全国こどもホスピス支援協議会十五団体のうち、休眠預金の活用などで支援がなされている団体は五団体です。宮城県でも、仙台市泉区に事務局を置く、宮城こどもホスピスプロジェクトの皆さんが活動を進めています。宮城県の小児がんの患者の子供たちへの対応の現状と、今後のこどもホスピスの設置などについてお伺いさせていただきます。 さて、最後になりましたが、宮城県の教育現場でのAI、ICTの活用についてであります。 宮城県内の学校現場においても、今後、DX推進、IT、ICTなど、大きく変革が迫られている現状であることは間違いありません。これまでの教育のスタイルが変化をし、子供たちの水準も、我々大人が考えているよりもはるかに高い異次元を進んでいるのかもしれません。これまでの公教育で求められていた、全ての子供が公平に皆同じような進捗スピードで行われる授業では、その興味関心が満たされない子供たちがいることも否定はできません。教育の質の向上を求めることは、公立であれ私学であれ、今後の未来を担う子供たちを育んでいく上では大変重要な視点でありますし、教育現場の教員の方々にとっても、とても大きなミッションであると考えています。そうした観点から、以下質問させていただきます。 現在、教育現場でも話題の一つとなっている単語に、チャットGPTがあると思っています。チャットGPTは、高度なAI技術によって、人間のように自然な会話ができるAIチャットサービスです。二〇二二年十一月に公開され、たちまち無料で利用できる革新的なサービスとして注目を集め、生成した文章の見事さや人間味のある回答がSNSなどで大きな話題となりました。大学生の課題作成や、ともすれば学会の論文などでもチャットGPTが使われていたのではないかと疑念が持たれるケースもあり、今後の社会状況について十分注意を払っていかなくてはなりません。そうした中で、県内の教育現場におきましても、子供たちへの読書感想文などの課題でチャットGPTを利用するなど、そのような状況が頻発すれば、成績評価にも支障が生ずるおそれもあり、本来の目的である自分で考える力を身につける意味でも、今後、何らかの線引きやマニュアルづくりが急務であると思われますが、取組についてお伺いいたします。 以上で壇上よりの質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 外崎浩子議員の代表質問にお答えいたします。 大綱一点、宮城県政における諸課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、処理水の海洋放出に対する県の今後の対応と水産業、
水産加工業への支援についてのお尋ねにお答えいたします。 先月二十二日、処理水の海洋放出開始が決定され、同日に県庁を訪れた経済産業副大臣に対し、私から、既に県内の水産業や輸出関連の事業者に影響が出始めており、国は十分な対策を講じるとともに、賠償に当たっては東京電力任せにせず、国が責任を持って指導するよう、強く要請いたしました。また、来月上旬には、処理水の取扱いに関する宮城県連携会議を開催し、国や東京電力に対し、風評対策や賠償などに関する申入れを行うこととしております。 次に、水産業等への支援状況については、中国や香港の動きを受けて、連携会議水産部会に設置した水産支援チームが水産関連団体や事業者を訪問し、影響の具体的な状況や要望内容などの把握に努めてまいりました。これらを踏まえ、県では、相談窓口、経営支援、情報発信、販売促進の四本柱から成る「みやぎ水産応援パッケージ」として取りまとめ、総合的な支援を開始しております。県としては、事業者の声を丁寧に聞き取り、継続して支援するとともに、連携会議などを通じて、国に対し水産事業者の意見を反映した支援策の充実・強化を求めてまいります。 次に、東京電力に対し
風評被害対策の透明性の高い公表を求め、被害の軽減を進めるべきとの御質問にお答えいたします。 県ではこれまで、東京電力に対し、連携会議の場や要請書により、風評被害が発生する場合には、迅速かつ適切な賠償を行うよう求めており、国に対しましても、東京電力を指導・監督するよう要望してまいりました。また、今後、処理水の海洋放出に関する損害賠償請求説明会と弁護士による無料個別相談会を開催し、風評被害を受けた事業者を支援することとしております。県としては、引き続き、東京電力に対し、
風評被害対策の透明性を高め、適切な賠償を行うよう強く求めてまいります。 次に、これから予定される国への要望についての御質問にお答えいたします。 処理水の海洋放出に伴い、中国や香港などが日本の水産物について輸入を停止・禁止した措置については、何ら科学的な根拠に基づくものではなく、国は規制の撤廃を強く求めていくべきであると認識しております。中国が世界貿易機関WTOに輸入停止措置の決定を通報したことに対し、国が即時撤廃を求める反論文書を提出したことなどについては報道で承知しており、国が責任を持って適切に対応していくものと考えております。県としては、連携会議での意見も踏まえながら、必要な要望を行ってまいります。 次に、今後の海産物の消費拡大に向けた具体策についての御質問にお答えいたします。 県産水産物の消費拡大については、今月二十二日に開催する県産水産物PR応援キックオフイベントを皮切りに、県庁内のレストラン・食堂において、宮城県と福島県の水産物を使ったメニューを継続して提供していただく予定としております。あわせて、みやぎ水産の日の取組を中心に、県庁等での販売会や、県内外における量販店でのポイントアップキャンペーンのほか、シーフードショーへの出展など販路拡大に取り組んでいるところであります。今後とも私が先頭に立って、県産水産物の魅力を発信し、県内外の皆様に味わっていただく機会を増やしていくことで、消費拡大を推進してまいりたいと思います。 次に、
全国知事会会長への意気込みについての御質問にお答えいたします。 このたび、多くの知事の皆様から御推薦を頂きましたことから、多大なる復興支援に対する御恩返しとして、
全国知事会会長の職をお引受けいたしました。地方行政を取り巻く環境は、急速な人口減少、頻発化・激甚化する自然災害、パンデミック、地球環境問題など、厳しさを増しております。こうした時代であるからこそ、
全国知事会が果たす役割はとても重要であると考えています。このような課題解決に向けて、私は、震災からの復興や、自衛官、県議会議員などの経験を生かして、他の都道府県のお力もお借りしながら、結果を残す知事会となるよう、力を尽くしてまいりたいと思います。 次に、
仙台市議会議員選挙後の私の発言についての御質問にお答えいたします。 私はこれまで、創造的復興をはじめ、民の力の活用と徹底した行財政改革に取り組み、県政の運営に臨んでまいりました。そのような中、身を切る改革などを掲げる日本維新の会について、行政改革に熱心に取り組むといった点において、考えが近い部分もあるのではないかと発言したものであります。私といたしましては、今後、人口減少が本格化する中で、県政のデジタル化をはじめ、業務の効率化や働き改革の推進、社会構造変化に対応できる人材の育成など、不断の行政改革に取り組む覚悟でありますので、引き続き議員各位の御理解と御協力を賜りたいと思います。 次に、全国のリーダーとして果たすべきミッションと、その方策についての御質問にお答えいたします。 我が国は、急激な人口減少とともに、多様化・複雑化する社会課題に直面しております。
全国知事会は、現場であらゆる課題に向き合う知事の集まりだからこそ、その力を合わせることで様々な危機や課題を克服できるものと考えております。このような考えの下、四十七都道府県の力を結集し、行政パフォーマンスを向上させ、国内外に積極的に働きかけてまいります。具体的には、海外でのプロモーション活動等の効率化、人口減少と拡大する行政需要に対応するための行政のスリム化、分権型社会の実現に向けた国民的議論の喚起、更には大規模自然災害に備え、地方によるバックアップ体制の強化に重点的に取り組んでまいります。
全国知事会には、十の本部のほか多くの委員会やプロジェクトチームが設置されております。会長の私が全てを決めるのではなく、これらの組織それぞれが最大限の力を発揮していけるよう、会長として努めてまいりたいと考えております。 次に、四病院再編の目指すべき意義と実現に向けた思いについての御質問にお答えいたします。 今回の病院再編につきましては、
仙台医療圏を中心に県全体の地域医療の現状及び将来を見据え、老朽化に伴う建て替えの時期に合わせて病院機能の集約・拠点化を図ることにより、政策医療の課題解決を目指すものであります。具体的には、救急医療や災害医療、周産期医療を担う拠点病院の適正な配置による医療提供体制の強化、高齢化に対応した急性期病床から回復期病床への転換など、病床機能の適正化が挙げられます。私は、少子高齢化や人口減少が進む中、県民に適切な医療を持続的に提供していくために病院再編が必要であると考え、公約にも掲げたものであり、実現に向けて引き続き関係者との協議を進めてまいりたいと考えております。 次に、患者や
医療従事者などからの懸念の声についての御質問にお答えいたします。 病院再編については、患者や家族、
医療従事者のほか、地域住民の方々などから不安や懸念の声が届いており、こうした御意見を真摯に受け止め、議論を積み重ねていくことが必要だと考えております。県としては、引き続き様々な御意見を伺いながら、住民説明の機会を設けるなど、丁寧に協議を進め、基本合意を目指してまいりたいと考えております。 次に、県立
精神医療センターの移転に係る県の説明についての御質問にお答えいたします。
精神医療センターの移転につきましては、患者・家族をはじめとした関係者の方々から御意見を伺うとともに、
精神保健福祉審議会において、これまでの検討の経緯や県の考え、対応案について説明してまいりました。また、県では、十年以上にわたり名取市内での移転を目指して用地確保に取り組んでまいりましたが、様々な理由により実現に至らなかったことから、令和元年度のあり方検討会議の提言も踏まえ、現在、東北労災病院と県立
精神医療センターの移転合築について協議を進めているものであります。今回、これまでの経験や関係者の意見を踏まえて、名取市内に官民連携による
民間精神科病院を公募する対応案を提示させていただきました。県としては、老朽化が著しい
精神医療センターの建て替えは喫緊の課題であり、早期の実現を図りたいと考えておりますので、今回の対応案について丁寧に説明しながら、調整を進めてまいります。 次に、
民間精神科病院の名取市への誘致に至った経緯についての御質問にお答えいたします。 県立
精神医療センターの移転に伴い、これまでセンターを中心として築いてきた精神障害にも対応した地域包括ケアシステム、いわゆる「にも包括」が崩壊するとの懸念や、急性増悪--急に悪くなるという意味ですね。急性増悪に対応できる入院機能の確保を求める声が上がっております。このことから、県南部の精神科医療提供体制を支える病院機能を確保するため、移転後の
精神医療センターの協力の下で病院運営を行う、官民連携での病院の公募・開設を対応策として取りまとめたものであります。検討の過程では、医療法の特例措置の適用を受けることについて国の指導・助言をいただくとともに、県立高等看護学校用地の無償貸与や、
精神医療センターからの職員出向などの支援策を盛り込むことにより、応募しやすい条件を整えたところであります。県としては、この取組により、患者や家族、精神医療関係者の不安や懸念を解消するとともに、官民連携の「にも包括」のモデルケースにできるよう努めてまいりたいと思います。 次に、
民間精神科病院の公募の考え方についての御質問にお答えいたします。 公募する
民間精神科病院については、公募要項に、県内で精神科病院を運営し信頼や実績等を有することを明記するとともに、有識者による選考委員会を開催し、事業実施候補者を決定した上で、医療審議会での審議、厚生労働大臣協議を経て開設許可を行うという手順を踏むことを想定しております。また、富谷市に移転する県立
精神医療センターからの医療スタッフの出向等により、患者との信頼関係の維持や患者対応のノウハウの継承に努めるとともに、デイケアや訪問看護の実施についても要件に加えることにより、必要な医療機能及び質の確保を図ってまいりたいと思います。 次に、合意形成に向けたタイムスケジュールについての御質問にお答えいたします。 県では、今年二月に日本赤十字社及び労働者健康安全機構とそれぞれ協議確認書を取り交わし、各病院の機能や病床規模などの検討を行っております。また、県立
精神医療センターに関しましては、身体合併症の対応等のため、東北労災病院との連携に向けて病院間で実務的な打合せを重ねているほか、富谷市への移転に対する懸念の声を踏まえ、民間病院の公募等の検討を進めているところであります。県といたしましては、これらの協議等の進捗状況を踏まえながら、年度内のできる限り早い時期に基本合意を締結したいと考えております。 次に、みやぎ女性のキャリア・リスタート支援センターの今後の事業展開や利用率増加等に向けた取組についての御質問にお答えいたします。 県では、出産や子育てを機に離職した女性の再就職を支援する、みやぎ女性のキャリア・リスタート支援センターを今年五月二十九日に開設し、先月末までの実質三か月間で、延べ八十名を超える県内の子育て期の女性の方々に御利用いただき、うち十一名から就職決定の御報告をいただいております。キャリアカウンセリングの利用者からは、「子育てをしながら求職活動について悩んでいたが、前向きになれた」「自分の適性について考えることができた」などの声をいただいているところであります。これまで、市町村の保健師などと連携し周知に努めるとともに、子育て支援センター等子育て期の女性の利用が見込まれる施設へのチラシ配架を行うなどにより、事業の周知広報に取り組んでまいりました。今後は、市町村の保健福祉部門と連携した出張相談会を開催するなど、当センターの利用率の増加を図り、女性の再就職支援を更に強力に推し進めてまいります。 次に、性的な被害を受けた女性や困難な問題を抱える女性への支援策についての御質問にお答えいたします。 県では、性暴力の被害者等の要請に応じた支援のコーディネートを行う拠点として、性暴力被害相談支援センター宮城を運営し、被害者等からの電話相談・面接相談に応じているほか、付添い支援や緊急避妊措置料・検査費用、人工妊娠中絶費用の助成などの支援を行っております。また、困難な問題を抱える女性への支援については、女性相談センターや保健福祉事務所に女性相談員を配置して面接や電話での相談に応じ、関係機関と緊密な連携を取りながら、自立のために必要な助言指導を行っているほか、NPO法人への委託事業として、メールやチャットでの相談にも対応しております。更に、夫等からの暴力から逃れる必要が生じた女性に対しましては、県の一時保護所や県と連携した民間シェルターにおける保護を行うなど、幅広い支援策に取り組んでいるところであります。 次に、生産資材や飼料高騰対策の継続要望についての御質問にお答えいたします。 資源高や円安等による生産資材等の価格高騰により、農業者の経営は大変厳しい状況にあると認識しております。県では、農業者や農業団体からの要望を受け、肥料や飼料に対する国の支援措置への上乗せや、燃料等の高騰分に対する支援を行うとともに、省エネ化や再エネ利用を推進し、中長期的に価格高騰の影響を受けにくい農業経営への転換を支援してきたところであります。現在、国において農畜産物等の適正な価格形成について議論されておりますが、当面は激変緩和措置の継続が必要と考えております。県では、今年度の政府要望において、特に影響の大きい畜産の配合飼料や施設園芸の燃料について予算措置を求めておりますが、全国的な課題であることから、今後、各都道府県の意見を伺いながら、国に対し必要な財源措置の継続を強く要望してまいります。 次に、
ALPS処理水の海洋放出による農産物への影響に関する対応策等についての御質問にお答えいたします。 処理水の海洋放出に伴う対応として、県では、各地方振興事務所農業振興部等を窓口に、海洋放出の影響に関する相談を受け付けているほか、農業団体等と密接に情報共有を行っております。また、東京電力では、農産物も水産物と同様のスキームで損害賠償を行うとの方針を示しているほか、農業者からの賠償請求に関する担当者を配置し、相談に備えていると伺っております。県といたしましては、引き続き状況の把握に努めるとともに、国や東京電力に対し、風評の発生防止や、農業分野で被害が発生した場合には、損害賠償が適切に行われるよう強く求めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君)
環境生活部長佐々木均君。 〔
環境生活部長 佐々木 均君登壇〕
◎
環境生活部長(佐々木均君) 大綱一点、宮城県政における諸課題についての御質問のうち、各委員会や審議会における女性委員登用についてのお尋ねにお答えいたします。 国では、都道府県の審議会等の女性委員の割合目標を四〇%以上としているのに対し、我が県では、令和三年三月に策定した第四次宮城県共同参画基本計画において、四五%を割合目標としております。この達成に向けて、宮城県女性人材リストを作成し、積極的に登用を図っているところですが、適任者が少ない分野もあることから、新たな人材の発掘が重要であると認識しております。県民が真に豊かで安心とゆとりある生活を実現していくため、男女が共に、その個性と能力を十分に発揮できる環境の整備に、引き続きしっかり取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君)
保健福祉部長志賀慎治君。 〔
保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱一点、宮城県政における諸課題についての御質問のうち、市町村の個別避難計画の進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。 医療的ケア児や高齢者など、自ら避難することが困難であり、特に支援を要する避難行動要支援者の個別避難計画の作成は、令和三年の災害対策基本法の改正により市町村の努力義務となり、地域における洪水や土砂災害などの危険度や対象者の心身の状況などから判断し、優先度の高い要支援者について、おおむね五年程度で作成することとされております。県内では、今年一月現在において、二市町で全部作成、十六市町で一部作成しており、未作成は十七市町村となっております。県では、市町村担当課長会議等で作成に向けた働きかけを行うとともに、今年七月から未作成の市町村を訪問し、課題や進捗状況を伺いながら、市町村の計画作成を促進する取組を行っております。今後とも、医療的ケア児を含む避難行動要支援者の円滑かつ迅速な避難を図るため、市町村の取組を支援してまいります。 次に、小児がんの子供たちへの対応の現状等についての御質問にお答えいたします。 県では、がんを含む小児慢性特定疾病の医療費助成に加え、「小慢さぽーとせんたー」での相談事業、通院に介護を必要とする患者への助成、アピアランス支援などの取組を行っております。御指摘のありましたこどもホスピスについては、県内に設立に向けた動きがあることは承知しております。また、国において、国内における取組の現状把握や今後の施策の在り方を検討するための基礎資料を得ることを目的として、今年度、調査研究が行われると伺っております。県といたしましては、今後の国の動向などを注視するとともに、小児がん患者とその家族の療養生活を支える取組の充実について検討してまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症の治療費に係る今後の対応についての御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症に係る入院医療費や薬剤費の十月以降の取扱いについては、感染状況や他の疾患との公平性も考慮しつつ、その必要性を踏まえて国が検討することになっております。薬剤費については、依然として高額であり、患者負担が増加することによる受診控えや治療控えが生じることも懸念されることから、県では、
全国知事会を通じ、十月以降も現在と同等の公費支援を継続するよう国に要望したところでございます。県といたしましては、今後の感染再拡大による患者数の動向等を見極めながら、引き続き入院医療費及び薬剤費に係る患者の費用負担軽減について、必要に応じて柔軟かつ適切に対応するよう国に求めてまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君)
経済商工観光部長梶村和秀君。 〔
経済商工観光部長 梶村和秀君登壇〕
◎
経済商工観光部長(梶村和秀君) 大綱一点、宮城県政における諸課題についての御質問のうち、被災事業者の資金繰りに関する今後の対応についてのお尋ねにお答えいたします。
東日本大震災発災以降、被災事業者の経営状況については、回復傾向にある事業者がいる一方で、依然として厳しい経営を強いられている事業者も多いことから、県といたしましては、引き続き丁寧な支援を継続していくことが重要であると認識しております。これまでも被災事業者への資金繰りについては、みやぎ中小企業復興特別資金による融資を行うほか、グループ補助金利用者への無利子貸付けを行うなど、国や関係機関と連携しながら、資金調達の円滑化について最大限取り組んでまいりました。今後も被災事業者の声に十分に耳を傾けるとともに、継続して支援を行えるよう国に対して要望してまいります。 次に、物価高騰等により影響を受けている飲食店や小規模事業者への対策についての御質問にお答えいたします。 物価高騰に伴う飲食店等への影響については、大変大きな課題と認識しております。事業者が厳しい経営環境の中で事業継続と業績回復を図るためには、販路開拓や生産性の向上に加えて、新たなサービスや商品の開発などの取組が重要であると考えております。県では、こうした取組に幅広く活用できる中小企業等再起支援事業を実施しており、今年度はこれまで千件を超える申請を頂いているところでございます。県といたしましては、引き続き、国や市町村、商工会・商工会議所等の関係機関と連携しながら、物価高騰に対応する事業者の取組を支援してまいります。 私からは、以上となります。
○議長(菊地恵一君) 農政部長橋本和博君。 〔農政部長 橋本和博君登壇〕
◎農政部長(橋本和博君) 大綱一点、宮城県政における諸課題についての御質問のうち、農業委員会の女性委員増加に向けた方策等についてのお尋ねにお答えいたします。 女性農業者は、農業・農村の振興に大きな役割を担っており、地域の農業政策に女性の意見を反映させるためには、農業委員会への女性の登用は大変重要と認識しております。このため、県では、女性農業委員を中心に組織された「みやぎアグリレディス21」や宮城県農業会議とともに、各市町村長や議会議長、農業委員会長に対し、直接、女性委員の登用促進を働きかけているほか、関係機関と連携し研修会を開催するなど、積極的に人材育成に取り組んでおります。その結果、昨年度末時点で、我が県における農業委員会の女性比率は一九%と、全国第二位となっております。県といたしましては、農業委員会への女性登用が進むよう、引き続き関係機関とともに機運醸成や人材育成に努めてまいります。 次に、猛暑下の県内農作物の生育状況等についての御質問にお答えいたします。 今年の夏の気候は高温少雨となり、特に八月は仙台市の平均気温が平年より四・二度も高く、降水量は平年の約二割にとどまりました。このため、県では、七月に高温に対する農作物等の技術対策情報を発行し、農業改良普及センターや家畜保健衛生所において、農業者等に対する技術指導を行ってまいりました。これまでのところ、園芸品目では、生育不良や収穫物の品質低下などは一部にとどまっており、畜産では牛などで暑熱による死亡頭数の増加が認められるものの、経営に大きな影響を及ぼすまでには至っておりません。また、農業用水は渇水までには至らず、水稲においても特段の被害は見られておりません。県といたしましては、引き続き、農作物の生育状況等の実態把握に努めるとともに、農業経営への影響が最小限となるよう技術指導を徹底してまいります。 次に、共済加入率向上に向けた、今後の環境整備や次期作付生産支援についての御質問にお答えいたします。 近年、自然災害が頻発化・激甚化しており、様々なリスクの低減に向けた対策が重要であると認識しております。このため、国では、それぞれの農業経営体の基準収入の九割を上限として補償する農業経営収入保険制度を平成三十一年に創設したところであり、県としても、宮城県農業共済組合と連携し、その加入促進を図っており、目標を上回る加入者数となっております。なお、自然災害などで甚大な被害が発生し、農業保険制度ではカバーできない事態が生じた際は、県では、これまでと同様に、次期作付支援や農林業災害対策資金の発動のほか、必要な対策を検討しながら、農業者の営農継続を支えてまいります。 次に、農産物も含めた県産食材のPRについての御質問にお答えいたします。 本県産の農産物につきましては、まずは従来から行っている放射性物質検査の結果をしっかりと公表しながら、安全性を周知してまいりたいと考えております。それに加えて、県といたしましては、県庁一階での販売会や県内産地の見学会、県外の飲食店や小売店での販売促進フェア等のほか、水産物のPR等とも合わせながら、県産農産物の魅力を発信するなど、引き続き県産品の消費拡大に積極的に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君)
教育委員会教育長佐藤靖彦君。 〔
教育委員会教育長 佐藤靖彦君登壇〕
◎
教育委員会教育長(佐藤靖彦君) 大綱一点、宮城県政における諸課題についての御質問のうち、チャットGPTの利用についてのお尋ねにお答えいたします。 教育現場でのICTの活用については、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に進めていく上で必要不可欠なものと認識しており、ICTを新たな学びのツールとして、子供たちの興味・関心を引き出しながら、適切に活用できるようにすることが重要と考えております。チャットGPTをはじめとする生成AIの活用については、七月に国から暫定版のガイドラインが示され、県立学校や市町村に周知したところです。ガイドラインでは、子供の生成AIへの理解や活用能力の育成が重要であるとする一方で、リスクや課題などを踏まえ、現時点では限定的な利用から始めることが適当とされております。県
教育委員会といたしましては、現在作成中の「メディアとのつきあい方ガイドブック」に生成AIの活用に当たっての留意点や授業での活用方法等を盛り込み、年度内には市町村に周知する予定としております。また、一部の県立学校において試行的に活用し、課題や効果の整理を行うとともに、教員のリテラシー向上のための研修を行うなど、教育現場における生成AIの適切な利用に向けた取組を進めてまいります。 以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 三十七番外崎浩子君。
◆三十七番(外崎浩子君) 御答弁を頂戴しありがとうございました。 村井知事。長い歴史を振り返ってみますと、私が県議会議員に初挑戦いたしましたその直前、村井知事は自由民主党県連の幹事長をお務めであり、その場で私も初めてお目にかかったという歴史を今思い返すところでございます。あの時にも、私自身も大変に、まだまだ若かったものですから、本当に青雲の志を持ち、この県議会に挑戦したということでございますが、村井知事におきましても、あの二〇〇五年十月の戦いは、本当にこの宮城県を御自分のふるさととして、そして更には、いつも村井知事がおっしゃっていらっしゃることでしたけれども、ヘリコプターでこの宮城県を見たときに、なんて自然がすばらしいんだ、あるいは、本当に立地としても大変すばらしい土地であるから、私はこの土地で頑張りたいんだというようなお気持ちを、たしか聞いたような気がいたしました。今回、知事会の会長ということでございます。先ほどのコロナの対応のときにも、部長からお話がありましたとおり、
全国知事会を通して国のほうにというようなことでありますので、この
全国知事会という組織が大変国にとっても重要な組織であると私は認識しておりますが、その場面で会長という立場になられます。ですから、このような場を利用して、やはり国全体がこれからもしっかりとした日本の国づくり、あるいは人づくりという面で進んでいくためには、もっと知事会としてのアピール、あるいは発信をしていく必要があろうかと思っておりますが、改めていま一度、期待、抱負を伺わせていただけますでしょうか。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 知事会自体は予算を持っているわけでもなく、何か政策をつくってそれを執行する、そういう権限を持っているわけではないのですけれども、少なくとも、私が知事会の国民運動本部長を今までやっていて感じたのは、非常に国民から信頼をされている。そして政府も、知事会の意見がまとまったならば、それを無視することができなくなってきているということだと思います。それはやはり何と言っても、国民の信頼が得られているからだというふうに思います。したがって、それを最大限やはり活用して、政府のやっていることに対して我々の意見をしっかりと伝えて、そして我々の方向に向けていく、これが非常に重要なことだなと思っております。いたずらに反り合うだけではなくて、時に反り合うことがあっても、やはりこの国をよくするというその目的は同じでございますので、その方向に向けて力を合わせて協力して、四十七人の方向を同じベクトルに向けていくように努力していきたいなというふうに思っております。
○議長(菊地恵一君) 三十七番外崎浩子君。
◆三十七番(外崎浩子君) ありがとうございました。そういった意味ではやはり私も先ほど述べましたとおり、忖度ないところで、国民の側の意見ということで国にしっかりと対処していただきたいと思っております。その点においては、先ほどの医療の分野、病院の分野のお話に立ち返るわけでありますけれども、やはり今回の四病院の統合に関しましては、様々に県内各地で嵐が巻き起こっております。これまでの知事の県政運営に関しましても、私と同年でございますので、県庁内で職員の方々が知事よりもだんだんと年が若くなっていくということであります。そういたしますと、やはり知事の権限というようなものが大変肥大化していくのではないか。そして、今回の病院の件に関しましても、あるいは先ほど申し述べましたこれまでの宿泊税、あるいは美術館の移転、そうした課題に対しても、知事の本当に、独断というのでしょうか、それが県庁内にすぐに、何も文句を言う方がいらっしゃらなくてというような状況が続くのではないかと私は懸念するところでございますが、知事がこうしたように新しい発想、そしてまた様々なアイデアというようなものを考えるときに、どこを指針として、どういう部分で新しい発想を求めていくのか、何か基があるのか確認させていただけますでしょうか。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 私は常に全体の利益はどこにあるのかといつも言いますけれども、それを考えて判断しております。きっかけは私の着想によるものもありますけれども、職員からのアイデアというところからスタートしたものもあります。この四病院の問題、最初三病院からスタートして四病院、今度五病院になるようなことになってきていますけれども、これは一番最初のきっかけは幹部会でです。これは本当の話なんです。幹部会で部長から、こういうことをお考えになったらどうでしょうかというのが今の--もう定年になった、お辞めになった部長さんですけれども、そこから発言があって、じゃあ検討しようじゃないかということで、いろいろみんなで検討して積み上げてきたということでございます。この問題、非常に県民の皆さんにとって大きな問題でありますので、早めにこういうことを考えているということをお出ししたほうがいいだろうということで、三病院のときから発言をして、順繰りやってきたということであります。プロセスとしては、何事も最初に発言をぽんと出したときには、突然に突拍子もなくというふうに映るかもしれませんけれども、そこに至るまでは県職員といろいろブレーンストーミングして意見交換をして、そしていろんなところとすり合わせをして出しておりますので、私が独断専行で全てを決めて打ち出したものでは決してないということは御理解いただきたいと思います。
○議長(菊地恵一君) 三十七番外崎浩子君。
◆三十七番(外崎浩子君) 今回の代表質問は、私自身は全体を俯瞰してということで質問させていただきました。後に続く我が会派の大変精鋭がおりますので、その方々に各論はお預けしたいと思いますが、やはり知事の政治姿勢といたしましては、最近大変見受けられます、この県の
精神医療センターのことに関しましても、それから、昨日の記者発表あるいは知事の会見ということで発表されました宮城の水産応援パッケージ、これなどについても、我々にとりましてもかなり唐突であるなということは否めません。ですからその点につきまして、やはり我々も県政与党であるというふうにも--一部ちょっと問題はあるかもしれませんが、県政与党であるということは私たちは本当に光栄に思っておりますし、しっかりと知事を支える場だと思っておりますので、ぜひその点をお含みおきいただきたいと思っております。 さて、処理水放水に関して、宮城の水産パッケージ、昨日発表されましたけれども、記事から拝見したということでございますが、これにつきましては利子補給ということで考えさせていただきますけれども、この財源については既決予算、そしてまた、自主財源を使うということでありましたが、その点で間違いないか確認させていただけますでしょうか。
○議長(菊地恵一君)
水産林政部長吉田信幸君。
◎
水産林政部長(吉田信幸君) パッケージのほうでお知らせしております漁業経営サポート資金でございますけども、これにつきましては、災害時等の緊急事態に応じまして資金融資するということで制度化してございまして、今回これを発動するということで対応することといたしました。予算的には利子補給ということでございますので、こちらのほうは予算は準備してございますので、それを活用してまいるということでございます。
○議長(菊地恵一君) 三十七番外崎浩子君。
◆三十七番(外崎浩子君) 従前から迅速なる実施をお願いしたいということで申し述べてまいりましたので、今回の件は歓迎したいというふうにも存じております。 それから、一転しまして病院の問題を取り上げさせていただきますが、やはり手法に関してはかなり、何ていうんでしょう、私たちにとりましても本当に唐突という感を否めませんし、また、今回の民間病院に関しては、改めて移転をするというふうな話でありながら、もう一病院民間の病院をつくる、それも土地に関しては県の土地を無料貸与するというようなことでありまして、この点で税法上に関しては民間の病院と、それから県とでそごがないのかどうか、この辺りを確認したいと思います。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 過去に循環器・呼吸器病センターを廃止いたしまして、栗原中央病院の横に結核病棟を建てましたけれども、残った循環器・呼吸器病センターを民間のほうに貸与しておりまして、固定資産税だけは払っていただいております。したがって、今回も固定資産税分はお支払いいただかないと--名取市にお支払いしないといけないということになるので、民間にお貸しするとなるとですね。それについては払っていただかなければならないと思っていますが、法的な問題、税法上の問題は大丈夫だろうというふうに思っております。過去に例があるということです。
○議長(菊地恵一君) 三十七番外崎浩子君。
◆三十七番(外崎浩子君) 改めまして、審議会へ知事が赴いてお話をされたというような現状でありますが、やはり先ほど申し述べたとおり、自治法上で公平性や中立性というような審議会の場を、かなり難しい場面に落とし入れてしまったのではないかと懸念いたしますが、いかがでしょうか。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) なかなか私の思いというか気持ちが正しく伝わらなかったなというふうに思っています。それは私の努力不足でありますので、反省すべきところであると思っておりますが、また、県の職員だと、なかなかその場で自分の考えというのを伝えるわけには当然いきませんので、後で持ち帰りますということになると思いまして、それよりもやはり私が直接出て、いろいろな疑念をお持ちですので、それに対してお答えしたいと思いました。また、全く新しい考え方をお示しすることになりますので、やはりこれは審議会の皆さんに一番最初にしっかりお示ししなければならないと思って、私の口から話したいと思ったということであります。これも、ずっと過去の経緯を調べてもらうと分かるのですけれども、専門家の先生方から在り方検討していただいて、合併症等に対応するために総合病院を一緒にというような御提案があって、そして労災病院さんが協力をすると。それで、土地がなかなか見つからない中、富谷市さんからいい土地がありますよというふうに提案をいただいたということでありまして、将来的に、この新しい病院は、今ある患者さんは当然ですけれども、これから生まれてくる子供さん方の中で精神病を患うような方、これから病気になる方、我々もそうですけど可能性があるわけですから、そういった人たちのための五十年ぐらい先、六十年先のことまで考えた病院ですので、私は富谷市にということで選挙公約まで掲げましたから、それを持っていくと。ただし、
精神保健福祉審議会や南の患者さんの中から、急性の増悪、悪化した場合の入院が急に必要になったときに、十キロ二十キロ先までなかなか運べないだろうといったようなことであったり、デイケアや訪問看護がおざなりになるのではないかという厳しい御意見もありました。それをやはり補うために何らかの方法はないだろうかと、今度のがんセンターと日赤さんの病院の中に精神科を設けてもらうことも考えて進めていたのですけれども、それだと重い患者さんを診るのには少し難しいのではないかといったような御意見もありましたので、そういった対応ができるような病院を南に置くことによって、今まで出てきた課題が全て解決できるのではないかなということであります。これも、私の着想というよりも、いろんな人の御意見の中から、そういったことも検討したらどうだろうかというような声があって、それを採用することにいたしました。まずは大きな方針だけを
精神保健福祉審議会でお示しいたしまして、そしてその上で、ある程度急ピッチでありましたけれども、公募要領等を定めて、また近いうちに、今日か明日に
精神保健福祉審議会を開催いたしまして、お示しをして、次のステップに進みたいと考えております。したがって、唐突だと言われるのですけれども、やはり課題が出てきて、その課題を解決するためにどうすればいいのかということをみんなでまた議論をして、そして出てきたものを提案して、うまくいくかどうかはやってみないと分からない部分もありますけれども、その上で駄目だったらまた次のほうと、いろいろ考えながら前に進めていくというのが、私は非常に民主的なやり方ではないかなと思っております。一度しっかりと、県内で実績のある病院さんが、手を挙げてくださる病院があるかどうか、まずお諮りをしてみたいなというふうに思っております。御理解いただきたいと思います。
○議長(菊地恵一君) 三十七番外崎浩子君。
◆三十七番(外崎浩子君) 最後になりました。夢を与えてください。私たち宮城県の一丁目一番地は、やはり一次産業だと思っております。これを応援するためにも、水産業を頑張っていかなければいけない、農作業をやっている方も応援しなければいけない。その意味では、ひとめぼれ、ササニシキはやはり高温では向かないというようなお話を伺いました。古川農業試験場で新しく開発される品種などについて、人材の育成も含めてお伺いできますでしょうか。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 今非常に、各都道府県ごと、いいお米が出てきて、厳しい競争になっております。だて正夢、非常においしいお米ですけれども、やはり高温、また、水が少ないようなときにも、しっかりとしたおいしいお米ができるような新しい品種の開発が非常に重要だと思っています。人材も含めて支援、努力していきたいというふうに思っております。
◆三十七番(外崎浩子君) 終わります。
○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。 午前十一時二十二分休憩
----------------------------------- 午後一時再開
○議長(菊地恵一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。四番石田一也君。 〔四番 石田一也君登壇〕
◆四番(石田一也君) お疲れさまです。みやぎ県民の声の石田一也でございます。議長のお許しを頂きましたので、会派を代表して代表質問に臨ませていただきます。 質問に先立ちまして、さきの豪雨災害でお亡くなりになられた方々に、心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての皆様に、改めましてお見舞いを申し上げます。 会派の皆様に後押しを頂き、今任期最後の代表質問に立たせていただくことになりました。会派の皆様に感謝いたしますとともに、会派政調会長の立場で、山積する県政課題の改善につながるよう、以下、大綱六点について質問をさせていただきます。あわせて、村井知事におかれましては、
全国知事会会長に御就任され、これまで以上に地方の行財政に関し、より強く国に要望、政策提言ができるお立場になられました。国の諸課題についてもお伺いをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 初めに、大綱一点目、物価高騰への対応についてお聞きいたします。 八月三十日、岸田総理大臣は、ようやく燃料油価格対策について会見を行い、ガソリンや灯油等の激変緩和措置を九月七日に発動することを発表されました。これにより、レギュラーガソリンの小売価格が一リットル当たり百七十五円程度になっています。また、電気、都市ガス料金の補助金などの延長を含む経済対策を、今月中に取りまとめることも述べられています。九月末で様々な物価高騰対策が期限切れになることが分かっていて、燃油や物価の高騰が続いている中で、対応が遅過ぎたと私自身は感じています。 九月定例会に提出された物価高騰対応予算は、流域下水道事業利用料金補償費を除くと、農業水利施設の省エネルギー化の取組を支援する水利施設管理強化促進費、四千百万円だけです。地方議会の日程を考えれば、もっと早く延長をお決めになって、必要な経済対策を講じるべきであったと考えています。宮城県が関わる物価・燃油高騰対策のうち、九月末に期限が切れてしまう事業はどのくらいあるのか、あわせて政府の経済対策が、いつまとまるかにもよりますが、宮城県として今議会中に追加で補正予算を提案する予定があるのか、お聞かせください。 次に、燃料油価格激変緩和補助金、いわゆるガソリン補助金についてお聞きします。 ガソリン価格の高騰が止まらず、八月末の時点でレギュラーガソリンの全国平均価格は、過去最高の百八十五円六十銭になりました。ガソリン価格高騰の原因は、昨年末にはロシアのウクライナ侵攻問題前の水準に戻っていた原油価格が再び大幅に上昇したこと。円安、そして補助金額の上限価格が切り下げられたことによるものです。二〇二二年一月にスタートした際には、ガソリンの全国平均価格が一リットル当たり百七十円を超えたら五円を上限に、石油元売企業に上限五円を補助するスキームでしたが、補助上限は度々変更されて、資源エネルギー庁の資料によると、これまでの補助金額の最高値は、二〇二二年六月の一リットル当たり四十一円九十銭、直近では十二円程度でした。ガソリン補助金に投じられた予算規模は、一年八か月で約六兆二千億円と莫大な予算が投入されてきました。年末までの延長が決まりましたが、当面の間、円安基調、インフレ傾向が変わることはなさそうです。だからこそトリガー条項発動を求める声が大きくなっています。鈴木財務大臣は、国・地方の財政へ影響があるとしていますが、この補助金に投じられた予算は、減収分を大きく上回っています。買い控えや駆け込み需要が起き、流通が混乱する等と説明をされていますが、混乱が起きないように対策を打つのが政治の役割だと考えます。減税した場合の経済効果についても試算をするべきです。今回、ガソリン補助金の十二月末までの延長が固まりましたが、それ以降については、ガソリン元売会社に限りなく補助金を投入する不透明な仕組みを改めるべきだと考えます。
全国知事会会長として、一時しのぎの補助金ではなく、トリガー条項の発動を国に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、大綱二点目、
ALPS処理水の海洋放出についてお聞きします。 八月二十四日、東京電力は、福島第一原発で貯蔵する
ALPS処理水の海洋放出を開始しました。人や環境への影響は無視できるレベルという、国際原子力機関IAEAの調査報告書のとおり、科学的には安全性は立証できているという立場です。しかしながら、二〇一五年に政府と東京電力が福島県漁連と約束した「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない。」との約束はほごにされてしまいました。
宮城県議会は、海洋放出に反対し、海洋放出以外の処分方法を検討することや、科学的な根拠に基づく情報を分かりやすく発信すること、風評被害などが起きた場合は、国が責任持って財政措置を講じることを求めた意見書を全会一致で可決しています。海洋放出の影響を受ける可能性が高い宮城県漁協も、海洋放出には一貫して反対してきました。放出計画の公表が放出予定及び前日であったことについても問題視されています。関係者の理解なしにはいかなる処分も行わないとの約束がほごにされたことに対し、
宮城県知事として政府に抗議すべきだと考えますが、海洋放出後、政府に対し何らかの申し入れは行ったのでしょうか、お聞きします。 八月二十五日、野村農林水産大臣は、日本産水産物を全面禁輸とした中国の対抗措置に対し見解を問われ、大変驚いたと述べ、日本産水産物を全面禁輸することは、想定外だったとの見解を述べられました。そのニュースを見た多くの方々が大変驚いたのではないでしょうか。岸田総理は、八月二十四日の会見で、風評被害をはじめ、水産事業者が
ALPS処理水の海洋放出によって損害を受けることがないよう、基金の活用や東京電力による賠償等も含め、万全の体制をとると述べられましたが、担当大臣が驚いているようでは心配になってしまいます。二〇二二年の日本産水産物の対中輸出額は八百七十一億円に達し、全体の二二%を占め、日本産水産物の最大の輸入国になっています。今年一月から七月に日本から輸入した冷凍ホタテは、中国の冷凍ホタテ輸入総額の九八・二一%を占め、約二百億円、ナマコは三十四億円、クロマグロは二十九億円、日本産の冷凍サケや冷凍タラなども大きなシェアを持っているそうです。香港でも宮城県産水産物の禁輸措置を決めました。宮城県内に与える影響について試算をしていますでしょうか、御教示ください。 二〇二〇年、東京大学公共政策大学院が、公共政策の経済評価で、福島第一原発処理水の取扱いに関する費用分析を行っています。
ALPS処理水の海洋放出については、経済産業省汚水処理対策委員会が発足させた「トリチウム水タスクフォース」が、処理水の取扱い方法について検討を行い、海洋放出と水蒸気放出を提言したことからスタートしています。このトリチウム水タスクフォースの試算では、風評被害の試算が行われていなかったことから、政府と地元住民の合意に基づく処理水への対処の一助となることを目的に費用分析を行ったそうです。この費用分析では、海洋放出、水蒸気放出、大型タンクによる長期保管の三つの案を比較検討していますが、
東日本大震災での風評被害の七四・九%以上の風評被害が発生すれば、大型タンクによる長期保管の費用が最小になり、七四・九%未満にとどまるなら、海洋放出が最小になるとの分析です。更に、風評被害によって全体の費用が大きく増大することから、風評被害を最小化するための十分な情報提供の必要性と、風評被害のより厳密な評価のための調査を求めています。既に海洋放出が開始されましたが、モルタル固化案を含めて、今後も海洋放出以外の処理方法の検討を求めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、大綱三点目、四病院の統合・合築に係る懸念についてお聞きいたします。 私たちの会派にも、四病院の統合・合築に関わる懸念の声が多く寄せられています。この場では、
精神医療センター移転への懸念、周産期医療への懸念、救急医療体制への懸念について質問させていただきます。
精神医療センターの移転構想については、医療的な視点、医療サイドの意向が先行していて、福祉や介護、利用者の視点が欠けているように感じています。先日開催された県
精神保健福祉審議会では、民間病院を誘致する新しい案が提示されましたが、委員からは異論が続出し、採決の結果、十七名中、反対が十一名、保留が五名、退席が一名となり、賛成はゼロだったとの報告を受けました。唐突感のある提案に対してだけでなく、性急に事を進めようとする村井知事・宮城県の姿勢に対する反発があったように推察をしています。村井知事自身が出席されるのであれば、まずは
審議会委員の御意見を聞くことに徹し、その上で、日を改めて提案すべきだったのではないでしょうか。実現性に乏しいとの声がありますが、たたき台になりうる可能性があったのに残念でなりません。所管外とはいえ、知事御自身が任命された審議委員に対し、問答無用に意見を切り捨てたのでは、まとまるものもまとまらなくなってしまいます。様々な懸念に対する回答がないまま、性急に事を進めれば、社会や地域の分断を深めてしまうことにもなりかねません。なぜそんなに急ぐのでしょうか。改めまして、丁寧な議論が必要だと考えますが、所見を伺います。 次に、周産期医療への懸念についてお聞きします。 仙台市内分娩施設の分娩件数のうち、一割以上の分娩を仙台赤十字病院に担っていただいています。仮に仙台赤十字病院が仙台市外に移転すれば、仙台市内の分娩の一〇%をどこの病院で担うのか。また、県内に三か所ある周産期医療における三次医療施設には、十八床の母体胎児集中治療室があり、そのうち六床が仙台赤十字病院で運用されています。市外への移転により、母体救命のため、救命率に影響が及ぶことが懸念されています。これらの懸念に対し県はどのような代替策をお考えなのか、お示しください。 次に、救急医療の懸念についてお聞きします。 令和元年実績を基にした仙台市の試算によると、仙台赤十字病院及び東北労災病院が仙台市外に移転した場合、両病院合わせて五千八百六十六件の救急搬送受入れ能力が減少する一方で、仙台市外からの搬送件数の減少は、三千三百件程度にとどまることから、仙台市は、市外からの搬送件数が減少するとは言えず、仙台市内の救急医療体制の負担がむしろ増加する可能性があると示しています。一方、県の考え方では、仙台市内から新病院に搬送されるケースが増えることから、仙台市内医療機関の負担が減るとしています。同じデータを基に試算しているのに、見立ては正反対になってしまっているのはなぜなのでしょうか。見解をお聞かせください。 次に、大綱四点目、みやぎの子ども・子育てについて質問いたします。 子供・子育てについては、昨年十一月定例会でも取り上げ、その際二〇二一年の出生数が八十一万千六百二十二人だったことを紹介しました。今年六月に公表された二〇二二年の出生数は、七十七万七百四十七人となり、初めて八十万人を割り込みました。前年から四万人以上の減少です。合計特殊出生率は一・二六。既に御案内のとおり、宮城県は一・〇九、東京の一・〇四に次いで二番目に低い結果となっています。我が国の少子化対策は効果が上がっていないと言わざるを得ません。 国立社会保障人口問題研究所の調査によると、一九八〇年から二〇二〇年の四十年の間に、未婚者数が大幅に増加し、女性は四・四五%から一七・八一%に、男性は二・六%から二八・二五%まで増えています。男性については、四人に一人以上が生涯未婚です。結婚した夫婦が持つ子供の数はほぼ横ばいなのに、少子化が止まらないのは、未婚化が大きな原因だと言われています。男性においては、高収入・高学歴であるほど子供の数が多くなっています。一九七一年以降に生まれた女子については、大卒とそれ以外の方々の出生率に差がなく、女性の社会進出や高学歴化が少子化の要因という見解が間違いであることも明確になっています。宮城県・仙台市の場合、若年女性の関東圏への流出も大きな課題です。ニッセイ基礎研究所のレポートでは、今後、少子化問題を解決し出生率を引き上げるためには、子育て世帯に対する対策だけではなく、未婚率や晩婚率を改善するための対策により力を入れるべきであり、そのためには、何よりも安定的な雇用と賃上げが必要であるとし、特に男女間における賃金格差、出産や育児による経歴断絶、ガラスの天井など結婚を妨げる問題を改善し、女性がより安心して長く労働市場に参加できる環境をつくることを求めています。岸田総理が発表したこども未来戦略方針でも、女性支援制度を拡充させる方向性は示されていますが、これまでの女性支援制度は、正社員や公務員中心で、それ以外の非正規、自営業者との格差は大きいのが現状です。例えば、出産前後の金銭的支援制度は正社員が圧倒的に多く、社会保障費免除も正社員は最大二年間ですが、自営業は四か月しかありません。地方の非正規や自営業の女性に光が当たらないのでは、格差はますます広がるばかりです。
全国知事会長として、非正規、自営業の女性への支援策拡充を提言すべきと考えますが、所見を伺います。 ニッセイ基礎研究所のレポートでは、若者が結婚して子育てができるように、負担が少ない公営住宅や民間の空き家を活用する支援策、更に、多様な家族を認めて、社会保障制度の恩恵が受けられる社会をより早く構築する必要があるとしています。宮城県では、基本、県営住宅を建て替えないこととし、用途廃止が適当とされた県営住宅について、入居者の移転先の確保や負担軽減を図り、移転が円滑に進むよう移転支援の基本的な方針を策定しました。既に県営住宅の集約に伴う移転支援相談窓口も開設されています。住宅政策の視点であれば、県営住宅を建て替えないという方針について理解できますが、少子化政策の視点に立つと、リノベーションが可能な県営住宅については、活用を再検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、大学などの授業料減免と給付型奨学金をセットで行う、高等教育の修学支援新制度についてお伺いいたします。 同制度については、二〇二四年度から対象となる年収上限を現行の約三百八十万円から六百万円程度に引き上げることが発表されています。しかしながら、子供三人以上の世帯という条件付で支援は四分の一しかありません。全額支援の対象者は、これまで同様の年収二百七十万円までの住民税非課税世帯に限られています。昨年の一般質問でも取り上げましたが、国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、出産に慎重になる最大の理由は、子育てや教育にお金がかかり過ぎることです。私自身は、高等教育についても、国公立は全て無償にすべきとの立場ですが、せめて子供三人以上という条件はなくすべきだし、所得制限についても、最低でも児童手当と同程度の年収九百六十万円程度まで対象を広げるべきだと考えます。
全国知事会として更なる支援拡充を求めるべきと考えますが、所見を伺います。 岸田総理は、こども未来戦略方針に関する記者会見で、障害児や医療的ケア児など、特に支援強化が必要な課題について、多様な支援ニーズにきめ細かい対応していくことが重要だとし、全ての子供・子育て世帯について、親の働き方やライフスタイル、子供の年齢に応じて、切れ目なく必要な支援が包括的に提供される、総合的な制度体系を構築することを発表されました。具体的な中身はまだ分かりませんが、改善につながる支援策が出てくることを期待して待ちたいと思います。宮城県内でも、障害児・医療的ケア児に対する支援のニーズが増えています。ショートステイや放課後デイサービス、児童発達支援の拡充や移行期支援、避難行動要支援者名簿の作成、人材育成などなど、多くの課題がありますので、ぜひ支援策の拡充をお願いしたいと思っています。 この場では、発達障害児の支援策についてお聞きいたします。 先日、発達障害児を育てる御家族との意見交換の機会がありました。全ての御家族が仙台市在住でしたので、仙台市議会議員二名にも同席いただき、主に障害託児施設、保育所等への入所が困難な現状についてお話を伺いました。「仙台市は、二年連続待機児童ゼロを達成したと言っているが、私たちは保育所に通わせたくても断られてしまっている。私たちは、待機児童にカウントもしてもらえないんです。」、「全国的に共働き世帯の割合が増えていて、仙台市でも四六%を超える世帯が共働きです。私たちも普通に子供を保育所に預けて仕事をしたいけど、私たちは正社員での復職はおろか、パートでの仕事も不可能な状態です。」、「今の世の中、一定の蓄えが必要ですが、将来の自分たち、子供の将来のために、普通に夫婦二人で仕事をしながら、子育てをしたいだけなんです。これを行政から否定され、悔しくて仕方ありません。」などの切実な現実をお聞かせいただきました。宮城県では、発達障害児・発達障害者の実数を把握されていますでしょうか。把握していないとすれば、本年実施した医療的ケア児者数と同様に、実態調査を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。 現在の育児休業制度では、女性は、出産後八週間経過後、子供が一歳の誕生日を迎える前日までの八か月間、男性は、子供が生まれてから一歳の誕生日を迎えるまでの十二か月間の取得が可能で、期間内であれば一人の子供に対して分割して二回まで取得が可能です。また、保育所に入所を希望しているが、入れない場合は最長二歳の誕生日までの延長が可能になっています。先ほど御紹介した御家族の中にも、間もなく二歳になるお子さんを育てている御家族がありました。間もなく育児休業の延長期間が終わってしまうことで、退職を余儀なくされてしまうそうです。現状は、健常児の親御さんも、障害児の親御さんも同じ育休制度になっていますが、自治体側の受入れ体制が整っていないケースについては、特例的な再延長を可能にすべきと考えますが、所感を伺います。 次に、大綱五点目、日本、そして宮城の課題について質問いたします。 宮城の諸課題、産業政策等については、先輩議員が一般質問等でお聞きする予定になっております。
全国知事会長と議論できる、せっかくの機会ですので、この場では、人口減少局面における国、そして宮城県の課題認識についてお聞きいたします。 最初に、日本の現状について、様々な調査結果がありますので御紹介いたします。前回の一般質問でも紹介いたしましたが、経済産業省がまとめた未来人材ビジョンでは、生産年齢人口は三十年で二千百万人減少。日本は高度人材を誘致・維持する魅力度ランキング第二十五位。日本企業の部長の年収はタイより低い。日本の国際競争力はこの三十年で一位から三十一位に落ちた。などなど、先進国と呼ばれてきた日本が、今や世界から完全に取り残されてしまった現状がまとめられています。最近のトピックを紹介すると、潜在成長率は、米国が一・八%なのに対し、日本はゼロ%台、四月の実質賃金は三・〇%減、十三か月の連続減少です。二〇二一年の日本の平均年収三万九千七百十一USドルで、これも世界二十四位。二〇〇〇年からの上昇率で見ると、日本が二・三%の上昇だったのに対し、米国は二九・九八%、お隣の韓国は四四・八八%の増加です。IMD世界デジタル競争ランキングは、前年の二十八位から二十九位にダウン、二〇二二年の労働生産性の国際比較によると、OECD加盟国三十八か国中の二十七位。一人当たりの生産性で見ると、何と二十九位です。この地盤沈下の最大要因は、人口減少であると考えます。更に少子高齢化に伴う人口動態の変化、特に生産人口の減少が深刻だというふうに思っています。日本の現状と課題について、改めて、村井知事の御認識をお聞きいたします。 少子高齢化や人口減少に伴い、国も地方も、様々な社会課題を抱えています。この社会課題に対応するための一つが、デジタル技術の活用、あらゆる領域でのデジタルトランスフォーメーションだと考えます。しかしながら先ほど紹介したとおり、日本の世界デジタル競争力ランキングは低位のまま、マイナンバーを含め行政の効率化・デジタル化も思ったように進んでいません。既に人口減少局面に入り、これまでとは違う劇的な制度改革が必要で、その一つのツールがデジタル化、DXの推進だと考えているのですが、デジタル化への理解はなかなか深まりません。なぜ日本のデジタル化、DX化が進まないのか、こちらについても、改めて所見を伺います。 人口減少による地盤沈下の抜本的な対策として、もう一つは移民政策の転換があります。少し話はそれますが、二十数年前、最初に秘書として仕えたのが、当時宮城五区の安住淳代議士でした。当時の安住代議士は、毎週末に地元に帰ってきては、地域の皆さんと、いわゆるお茶懇、ミニ集会を繰り返していました。お茶懇では、国政報告だけでなく様々な旬のテーマについて話をしていましたが、私が一番記憶に残っているのは、移民についての話です。二十年後には、日本の人口が減少していくこと。人口が減少することで経済を成長させることが難しくなること。人口減少局面で経済成長を求めるなら、移民を受け入れることが一つの選択肢であること。移民を受け入れることには、治安の心配など、賛否が二分する可能性が高いことなどを説明した上で、移民を受入れずに低成長社会を受け入れるのか、多少のハレーションがあっても、移民を受入れて高成長社会を目指すのか、集まった皆さんに御意見を聞いていました。石巻の牡鹿半島の浜々でこんなことを聞いていました。あれから二十数年が経過しましたが、この国では本格的な議論は残念ながら始まっていません。このまま日本の地盤沈下が続けば、日本を目指す外国人がいなくなってしまうかもしれません。私自身は、インクルーシブ社会の実現を目指す上でも、一定の条件を設けた上で移民の受入れには肯定的な立場です。日本の移民政策の転換について、村井知事の御所見をお聞かせください。 大綱六点目、最後に、投票率を少しでもアップさせるための方策についてお聞きいたします。 七月三十日に行われた
仙台市議会議員選挙の投票率は、過去最低の三四・三〇%となり、前回を一・七七ポイント下回り、過去最低となりました。前回、令和元年の
宮城県議会議員選挙の投票率は三四・八〇%、仙台市五区だけで見ると、投票率は三〇・三五%で、宮城野区と若林区では三〇%を割り込んでしまいました。一方、投票率の低下傾向が止まらない中で、期日前投票の投票率は増加傾向にあります。滋賀県長浜市では、商業施設などに十か所の期日前投票所を設けたほか、当日の共通投票所を三十七か所に増やしたことで、全体の投票率が九ポイント上昇したそうです。当日の投票者のうち、一七・二%が居住地以外の投票所を利用したことも併せて発表されています。期日前投票を含めて、投票しやすい環境整備が一定の投票率向上につながることは明らかになっています。選挙期日が迫っており、今回は難しいかもしれませんが、宮城県として、期日前投票所、当日の共通投票所を増やす自治体の支援を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 石田一也議員の代表質問にお答えいたします。大綱六点ございました。 まず、大綱一点目、物価高騰への対応についての御質問にお答えいたします。 初めに、追加補正予算の提案予定についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県における物価高騰対策は、地方創生臨時交付金を最大限に活用し、速やかに支援を行う観点から、国の電気・都市ガス・燃料油価格の激変緩和対策の期限を踏まえ、今年四月から今月までを集中的に支援しているところであり、支援期間が今月末までの事業は十二事業であります。こうした状況の中、国では燃料油価格の激変緩和対策について、年末までの延長を決定するとともに、その他の課題に対しましてもできる限り早い時期に経済対策を策定し、対応していく方針と承知しております。また、
全国知事会においては、物価高騰は全国的な課題であることから、できる限り国の責任において統一的な対策を講じるとともに、地方で実施する対策に対しましては、必要な財源を追加配分するなど、国に対する要望を検討しているところであり、
全国知事会会長として、その実現に全力を尽くしてまいります。県としては、国の経済対策やその裏づけとなる予算措置が明らかとなり次第、速やかに追加の補正予算を編成したいと考えております。 次に、トリガー条項の発動を国に求めるべきとの御質問にお答えいたします。 ガソリンなどの燃料油価格の高騰は、県民の暮らしや地域の事業者の経営に大きな影響を与えており、国の責任において必要な対策を講じるよう、
全国知事会として求めてまいりました。国では、九月末までとしていた燃料油価格等への補助による負担軽減策を継続し、新たな激変緩和措置として九月七日から対策を講じているところであります。トリガー条項につきましては、生活や産業に不可欠な灯油や重油が対象とならないこと、そして発動した場合に流通の混乱のおそれがあることなどを考慮し、国としての方針が決定されたものと承知しております。私といたしましては、人々の暮らしや経済活動への影響を軽減する燃料油高騰対策につきましては、機動的かつ柔軟になされることが何よりも大切ではないかと考えております。 次に、大綱二点目、
ALPS処理水の海洋放出についての御質問にお答えいたします。 初めに、海洋放出後の国に対する申し入れについてのお尋ねにお答えいたします。 県では、令和三年五月に設置した処理水の取扱いに関する宮城県連携会議における御意見等を踏まえ、国に対して継続して要望を行ってまいりました。先月二十二日、処理水の放出開始決定後に経済産業副大臣が来庁した際、風評被害等に対し、国が必要な対策を講じること。また、賠償に当たっては国が責任を持って東京電力を指導することなどを要請いたしました。処理水の海洋放出については、その必要性、安全性の理解が深まってきている一方で、十分に納得をされていない方々もいると認識をしており、県としては、水産業をはじめとした関係団体の皆様の御意見を伺いながら、引き続き国と東京電力に対し必要な申し入れを行ってまいりたいと考えております。 次に、処理水の海洋放出以外の処理方法の検討を求めるべきとの御質問にお答えいたします。 県ではこれまでも、連携会議の場や政府要望等において、国と東京電力に対し、海洋放出以外の処分方法の検討を求めてまいりました。先月二十四日から処理水の海洋放出が開始されましたが、これまで同様、国と東京電力に対し、海洋放出以外の処分方法の検討を求めてまいりたいと思います。 次に、大綱三点目、四病院の統合・合築に関わる懸念についての御質問にお答えいたします。 初めに、改めて丁寧な議論を求めるとのお尋ねにお答えいたします。 県では、今年二月に労働者健康安全機構等と取り交わしました協議確認書を踏まえ、県立
精神医療センターの移転に係る県の考えなどについて、
精神保健福祉審議会に報告するとともに、医療や福祉などの関係団体や、
精神医療センターを利用している患者・家族をはじめとした関係者の方々から御意見を伺ってまいりました。こうした御意見等を踏まえて慎重に検討を重ね、先月三十一日に開催した
精神保健福祉審議会では、様々な懸念に対する回答として、官民連携による精神科新病院の名取市内への開設をはじめとした県の対応案を提示したところであります。委員の皆様からは、実現可能性に関する疑問など様々な意見が出されたところであり、これらの御意見に対する県としての考えを取りまとめた上で、改めて
精神保健福祉審議会を開催し説明してまいりたいと考えております。近日中に開催いたします。県としては今後とも、患者や家族、関係者の皆様の不安の払拭につながるような議論の積み重ねに努めてまいりたいと思います。 次に、仙台赤十字病院が仙台市外に移転した場合の影響や対応策についての御質問にお答えいたします。 名取市に整備される新病院では、仙台赤十字病院に設置されている総合周産期母子医療センターの機能を引継ぎ、各地域の地域周産期母子医療センターなどと連携をしながら、仙台市を含む全県の周産期医療に対応できるよう、体制確保を図る予定としております。また現在、東北大学病院と仙台赤十字病院に周産期救急搬送コーディネーターを配置し、関係機関と連携をしながら母体の円滑な搬送受入れを行っており、新病院におきましても引き続きその役割を担うことを考えております。県としては、周産期医療協議会などの場で御意見を伺いながら、各医療機関の連携により、県内の周産期医療体制が維持されるよう検討を進めてまいります。 次に、救急医療体制に関する仙台市と県の考えの違いについての御質問にお答えいたします。 救急搬送に関する仙台市の試算では、市外から市内の医療機関に救急搬送される件数の推計に当たって、市内の三次救急医療機関で受け入れている軽症・中等症を含む全搬送件数などを計上しており、新しく整備する二つの病院での受入れ能力を低く評価する形となっております。一方、県の考えでは、各新病院は救急機能を強化した病院となる予定であり、現在、仙台市外から仙台市内に流入する患者のうち、軽症及び中等症の患者の大多数と、重症患者の一部の受入れを想定しておりますので、搬送件数の考え方に違いが生じているものであります。県としては、急性期機能の集約化による新病院の機能強化を図るとともに、関係者からの指摘がある急性期病院と回復期病院との連携の強化や、救急科専門医の確保を通じて、
仙台医療圏全体の救急医療体制の強化を目指したいと考えております。 次に、大綱四点目、みやぎの子ども・子育てについての御質問にお答えいたします。 初めに、
全国知事会会長として、非正規や自営業の女性への支援策の拡充を提言すべきとのお尋ねにお答えいたします。 御指摘のとおり、正規雇用と非正規雇用、自営業者の間には、育児期間中の収入保障や社会保険料の取扱いのほか、基本給や各種手当等の待遇面等に差があることは認識をしております。このため、これまでも
全国知事会として、非正規雇用労働者の処遇改善につきましては、不本意な非正規雇用労働者の正規化の促進、基本給や各種手当等の充実、非正規雇用労働者や自営業者の育児期間中の休業給付の受給可能化などについて、国に提言してまいりました。今後につきましても、今年五月に新たに設立いたしました、みやぎ女性のキャリア・リスタート支援センターにおいて、利用者の御意見を伺いながら、非正規や自営業などで働く女性への支援策の拡充について、引き続き
全国知事会として国へ提言してまいりたいと思います。 次に、高等教育の修学支援新制度についての御質問にお答えいたします。 本制度については、令和六年度から、年収約三百八十万円から六百万円程度の世帯のうち、扶養する子供の数が三人以上の世帯及び私立学校の理学・工学・農学系の学生にも対象が拡大されることとなっております。
全国知事会では、先月国に提出した提案・要望の中で、多子世帯や理工農系に限らない支援を求めていたところであり、今後は、
全国知事会会長として、これらの要望が早期に実現されるよう精いっぱい努力してまいります。 次に、大綱五点目、日本、そして宮城の現状と課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、人口減少を踏まえた日本の現状と課題についてのお尋ねにお答えいたします。 国立社会保障・人口問題研究所の人口推計によると、我が国の人口は、二〇七〇年には現在の約七割の八千七百万人になるとされており、特に生産年齢人口の著しい減少が大きな課題と認識をしております。御紹介のありました、未来人材ビジョンについては、デジタル化の加速度的な進展や、脱炭素化の世界的な潮流による労働需要の変化を見据え、我が国の雇用システムや教育システムの見直しの方向性が示されており、今後の議論の参考になるものと考えております。また、
全国知事会としても、地方創生・日本創造への提言において、人口減少対策を最重要課題として捉え、安心して子供を産み育てることができる環境づくりに取り組むとともに、地域産業の高付加価値化やデジタル化の推進などを進めることとしております。私としては、こうした観点から、国と地方が連携して社会システム全体のありようを考えていく必要があると考えております。 次に、移民政策の転換についての御質問にお答えいたします。 我が国の人口減少が本格化していく中で、外国人の受入れを促進し、地域活力の維持や活性化につなげていくことは、今後ますます重要になるものと認識をしており、国においては、このような状況を踏まえ、現在、外国人材の円滑かつ適正な受入れについて議論が進められているところであります。県におきましても、これまで以上に外国人が県内に就労し定着してもらうため、外国人材マッチング支援事業のほか、外国人材高度化転換支援事業等を実施してまいりました。また、昨年度のベトナムに続き、今年七月にはインドネシア政府と覚書を締結したところであり、外国政府と連携した事業などを通して、多くの外国人材を受け入れることができるよう強力に取り組んでいくこととしております。今後も外国人に選ばれる宮城を目指し、我が県で能力を発揮したいと望む外国人材の就労を積極的に推進するとともに、外国人がともに生きる社会の一員として活躍できるような、共生社会の実現を図ってまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 企画部長武者光明君。 〔企画部長 武者光明君登壇〕
◎企画部長(武者光明君) 大綱五点目、日本、そして宮城の現状と課題についての御質問のうち、日本でデジタル化やDXの推進の取組が進まないことについてのお尋ねにお答えいたします。 我が国では、人口減少・少子高齢化が進展する中、DXの推進を成長戦略の柱に掲げ、デジタル庁の設置やインフラ整備、規制緩和などの取組を推進しておりましたが、いまだ諸外国に遅れをとっている状況にあると認識しております。デジタル化が遅れている主な要因としては、業務改革や生産性向上のためのICT投資が少ないことや、専門人材の不足・偏在・情報セキュリティーやプライバシー漏えいへの不安感などが挙げられております。こうした課題を解決していくためには、投資環境の整備や企業等におけるデジタル人材の育成、国民のリテラシー向上などに一層取り組んでいくことが重要であると考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君)
保健福祉部長志賀慎治君。 〔
保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱四点目、みやぎの子ども・子育てについての御質問のうち、発達障害児や発達障害者の実態把握調査についてのお尋ねにお答えいたします。 厚生労働省のレセプト情報・特定健診等情報データベースによれば、県内において、令和二年度に発達障害と診断された外来患者数は八千百一人、入院した患者数は二百十八人であり、外来患者数は年々増加しております。発達障害については、年齢や環境によって発現する症状も様々であり、また、相談内容によって支援機関も多岐にわたることから、医療機関を受診していない発達障害者の実数について、医療的ケア児者で実施したような調査方法によって状況を把握することは困難であると考えております。県といたしましては、発達障害者支援センターや各圏域に配置している地域支援マネージャーを中心に、発達障害者が乳幼児から学齢期、成人期までのライフステージに応じて、身近な地域で必要な支援を受けられるよう、市町村をはじめとする支援機関同士の連携強化とともに、相談支援体制の充実を図ってまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君)
経済商工観光部長梶村和秀君。 〔
経済商工観光部長 梶村和秀君登壇〕
◎
経済商工観光部長(梶村和秀君) 大綱二点目、
ALPS処理水の海洋放出についての御質問のうち、香港における禁輸措置が我が県に与える影響についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の輸出戦略を考える上で、県産食品の輸出量や金額について、現状を把握することは重要であると認識しております。一方で国が公表している農林水産物及び食品の輸出実績は、全国の空港、港湾からの通関データを集計した貿易統計に基づいているため、生産地ごとの輸出量やその金額については、正確に把握できないことから、今般の香港における禁輸措置が県内の生産者等に与える影響についての試算は難しい状況です。県としては、今後も情報把握に努めるとともに、風評被害の相談が寄せられた生産者等に対しましては、国の支援や東京電力からの賠償が適切に受けられるよう支援してまいります。 次に、大綱四点目、みやぎの子ども・子育てについての御質問のうち、障害児を持つ親御さんの特例的な育休の再延長についてのお尋ねにお答えいたします。 現在の育児休業制度は、お子さんの障害の有無等の個別の事情に応じた制度設計とはなっておらず、保育所などの受入れ体制に困難がある障害児を持つ親御さんにとって、子育てと仕事との両立を支援する制度の拡充は大変重要であると考えております。厚生労働省の今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会においても、子の年齢に応じて一律に適用される法の最低基準に加え、育児休業期間の延長について、障害児等に限らず、独り親家庭など各家庭の事情に応じて、可能な範囲で事業主の配慮を求めていくことも必要な旨の報告がなされているところです。県としては、今後も国の議論を注視し、必要に応じて国への働きかけを検討してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。 〔土木部長 千葉 衛君登壇〕
◎土木部長(千葉衛君) 大綱四点目、みやぎの子ども・子育てについての御質問のうち、少子化政策の視点に立った県営住宅の活用についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、子育て世帯が安心して暮らせる住まいの確保が重要であると認識しており、令和三年十二月に改定した宮城県住生活基本計画において、子育て世帯への居住支援を基本方針に位置づけ、子育てしやすい住まいや居住環境の整備等に取り組んでおります。その中で、県営住宅については、本来の目的である低所得者向けの住宅供給を基本としながら、子育て世帯に対する優遇措置や母子・父子家庭等に限定した募集など、子育て世帯の入居機会の拡大を図っているところです。県といたしましては、県営住宅の長寿命化対策を計画的に進めるとともに、外壁の断熱化や風呂釜設置などの居住環境の改善を図りながら、子育て世帯にも配慮した県営住宅の活用について、引き続き検討してまいります。 私からは、以上です。
○議長(菊地恵一君)
選挙管理委員会委員長皆川章太郎君。 〔
選挙管理委員会委員長 皆川章太郎君登壇〕
◎
選挙管理委員会委員長(皆川章太郎君) 大綱六点目、投票率を少しでもアップさせるためにとの御質問にお答えいたします。 国政選挙、地方選挙を通じて投票率が低下傾向にある中、有権者が投票しやすい環境を一層整備し、投票率の向上を図っていくことは重要な課題であると認識いたしております。県
選挙管理委員会では、各種会議や個別の意見交換を通じて、有権者の利便性向上に資する効果的な投票所の配置に向けた、市区町村
選挙管理委員会の取組を積極的に支援してまいりました。今回の県議会議員一般選挙でも、気仙沼市や富谷市において、大型商業施設への期日前投票所の設置や投票所までの移動支援等の取組が新たに行われる予定でございます。県
選挙管理委員会といたしましては、こうした投票しやすい環境づくりにつながる市区町村
選挙管理委員会の取組を引き続き支援してまいります。 以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。
◆四番(石田一也君) ありがとうございました。前向きな御答弁もありまして感謝いたしたいと思います。少し時間がありますので再質問させていただきます。 物価高騰対策のところですが、海外の中央銀行は、インフレに対応する利上げをほとんど進めていて、今、まだマイナス金利政策を続けているのは日本だけだと思っています。報道によると今年度末には海外との金利差が五%近くに拡大するのではないかと言われていて、当面、円安が続くのかなあというふうに想定ができるかなと思っています。そうすると、なかなかこの物価高騰とか燃油高騰は、当面終わらないのではないかと思っています。一方で、財政的な負担は今も莫大な金額になっていて、今のガソリン補助金もそうですが、既に六兆円を超えるお金が入っていて、これがいつまで続けられるんだろうとちょっと危惧をしております。そういった意味では出口戦略というんでしょうか、非常に難しくて、大変重要なんだろうと思っているんですが、
地方自治体にとっても本当にこれは大変な問題で、知事として、出口戦略というんでしょうか、物価高騰対策、どういう形にしていくのがいいと思っていらっしゃるのか、何となく、漠とした感じでいいんですが、何かあればお聞かせいただきたいなと。正直言うとどうするんだろうなと思っていまして、なかなか回答が見つからないんですが、何かあれば。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 非常に難しい問題だと思います。恐らくこのままいくと、ずっと円安が続くということで、当然、ウクライナ情勢もあってロシアからの原油が入ってこないということになりますので、恐らく、ずっとこういう状況が続いていくだろうと。どんどん借金が膨らんでいくだけだということだと思いますが、また一方で、利上げをすると、今おっしゃったようなまた別の側面で影響も出てくると。特に我々すごい借金をしている自治体・国からすると、利上げというのは、後々、後世の人に負担をかけてしまうことにもつながるということでありますので、非常に難しいと思うんですが、私としては、利上げのタイミングをどういうタイミングでやるのかということを、やはりある程度国民に示していただかないと、何となく漠然とした不安がついて回るんじゃないかなと思うんですよね。こういう状態になったら利上げを考えると、こういう状態だったら更に一歩踏み込んで、どれぐらい上げるんだというようなことをですね、やはり日銀がある程度示していただくと、それに向けて、政府も、政治でそういった方向にコントロールしていくというようなことも可能ではないかなと思うんですが、今のところそういった客観的な目標みたいなものは何もないので、ずるずるいってると。これは本当に日本の悪いところだろうなというふうに思っております。
○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。
◆四番(石田一也君) おっしゃるとおりですね、企業の経営者の方とかと話をすると、コロナが五類になって、これから今まで、何ていうんでしょうね、休んでいた、設備投資含めて、お金を少しかけて、反転攻勢に出たいんだけど、なかなか国の状況が分からないと。だから投資のしようがないんだというお話をされます。ですからトリガー条項が何で私いいかなと思うと、自動的にこれ以上過ぎれば、税金分がストップするというような形なので、分かりやすいですし、想定しやすいんだと思うんですよね。これがなかなかその先が読めないと、本当に企業経営者の皆さんも大変だし、農業をやってる皆さん、一次産業やっている皆さんも本当に大変なんだと思うんですが、その辺りの国全体の在り方みたいなところを、ぜひ知事会の中で御提言いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) トリガー条項には先ほど説明したように、灯油や重油が対象となっておりませんので、トリガー条項発動したとしても、結局、灯油や重油は補助金で穴埋めしていくということになりますので、なかなか、それでストレートに全て解決するわけではありませんし、一度発動してしまいますと今度、元に戻すのは非常に難しくなってしまう。よく消費税を下げろと言われているのと同じ議論だというふうに思うんですよね。簡単にはいかないんですが、おっしゃったように、知事会としても、そういったようなことを根本的なところから、検討するということは非常に重要だというふうに思います。今日も先ほどお昼休みに、岩手県の達増知事さんが農林商工の委員長をしていまして、経済対策について、今度、多分、内閣が替わるでしょうから、新しい内閣が出て、組閣が出て、そしてある程度の方針が示されたら、間髪入れずに、我々の意見をどんどん入れられるように、準備を各都道府県のほうに、情報を取って取りまとめるよう、今のうちからしてほしいということ、早速お願いいたしました。なるべくタイムリーにですね、間髪入れずに、すぐに対応できるようにしてまいりたいというふうに思います。
○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。
◆四番(石田一也君) ぜひよろしくお願いいたします。 次に、
ALPS処理水のところを少しお聞かせいただきます。 宮城県では水産業の輸出業の関係者に向けた総額約三億二千万円の独自支援策。先ほども御説明ありましたが、みやぎ水産応援パッケージというのを打ち出されました。宮城県の漁協を通じて、融資を受ける漁業者への利子補給だとか、水産加工品の販路開拓のための商談会支援などが盛り込まれているということでございます。一方で先ほどの部長の答弁ですと、宮城県産水産物に、どのくらい影響があるのか試算ができないというお話だったかと思うんですが、聞いていただければ分かるのではないかなと思うんですけど、水産業やっていらっしゃる、直接、魚のまま出るのがあるのか分かりませんが、加工屋さんも含めて、聞いていただいたら、どのくらいの影響があるのか、すぐ分かるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(菊地恵一君)
経済商工観光部長梶村和秀君。
◎
経済商工観光部長(梶村和秀君) 先ほど答弁の中で申し上げました貿易統計によればですね、宮城県内の税関から香港向けに輸出された水産物の実績というのは、乾燥ナマコ、フカヒレなど約十六億円ございます。ただ、これは、東北六県のほかの県からのものもありますから、なかなか把握が難しいという答えをさせていただきました。今議員御指摘のとおり、我々としましても、それだけでは実態把握できないということで、現在、約三百者の
水産加工業者にアンケートを出しまして、ただ、なかなか返ってくる率が低いんですけれども、返ってきた中で、影響があるとかですね、いろいろな話をされているところにつきましては、コミュニケーションを取りながら、今後の適切な支援につながるようフォローしているところでございます。
○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。
◆四番(石田一也君) 今回の水産支援パッケージ三億二千万円ということですけど、なかなか被害というんですか、影響の実態が分からないと今後の対応の打ちようがないというか、対策の打ちようがないと思いますので、ぜひ催促してでも、お忙しいとは思いますが、現場の、会社の皆さんもですね、何とか、それなりのデータを集めて対策を講じていただきたいなというふうに思います。 次です。四病院の再編のところをちょっとお聞かせいただきます。 携帯の中に入っているLINEを使って、タウンマッチという、アンケートを取る仕組みがあるということで、先日宮城県の諸課題について、私の地元の仙台市太白区になりますが、この会社がいろんなアンケートを取ってくれて、その結果をこの前見させていただきました。LINEで、三千三百八十六名の方がそのアンケートを開封されていて、そのうちの三百四十七名の方が回答を寄せられています。年齢層は三十代が一番多くて、次に四十代、二十代という形になっているんですが、この四病院の再編について聞いたアンケートの中身なんですけど、一番断トツトップが、当事者の声を丁寧に聞くべきだという答えが一番多いということでした。次は、単純に反対ですという、これが二四・七%。三番目が宮城県と仙台市がしっかり協議すべきだというのが二〇・六%、賛成が八・九%、分からないという方も七・四%いらっしゃるという結果でした。ずっとこの間の私以外の皆さんも、この四病院については、しっかり県に丁寧に説明をしてくださいと、あとできる限りの情報公開をしてほしいという話をしていますが、その都度、県はできる範囲でやっていますという回答を頂いているのですけど、結果を見ると、やはり大半の方が、もっと丁寧に聞くべきじゃないのかという話をされているようですし、このあたりは大分、知事含めて、県の担当者の方とですね、実際の市民・県民の皆さんの間に乖離があるのではないかなと感じますが、今のこの数字を聞いて、どのような感想をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) おっしゃるとおりだと思います。当事者の話を聞けと。いろいろアプローチをしているんですけれども、南の方は、会って話もしたくないというようなことで、なかなか話を聞けないということですね。北のほうの方は何人かあっていただいたというようなことがありまして、決して会いたくないわけではなくて、会おうというアプローチはしているんです。ただ、マスコミを通じて、あるいは専門家の方から話を聞いてですね、一番のネックは、入院する病院がなくなってしまう、急性の憎悪となったときに、入院できなくなってしまうというのは一番大きい心配だと不安だと。あと、スタッフが変わってしまうので、今までコミュニケーションが取れていたのが取れなくなってしまうと、非常にそれが大きいと。それから、デイケアまた訪問看護、これに対してしっかりやっていただけるのか不安だということでございました。突き詰めていくと、やはり拠点となるものが抜けるということに対して、すごく不安だということです。我々としては、総合病院と一つにするというようなこともあり、県の中央部にというようなことでずっと話を進めてまいりまして、何よりも土地が、今すぐにでも建てられる状況になっているんです。南のほうは、土地が、ずっと、本当に探し続けたんですけどなかったんですね。そういうようなことで、今、がんセンターの隣というような話も出ていますが、そこも今から全部調査をしてということになると、相当時間かかってしまうということもありまして、そこで、やはり新たな病院を造れないだろうかというようなことで、今回提案をいたしました。正直、いろいろアドバイスがあって、そういうこと提案をしたんですけれども、それが見つかるかどうか分かりませんけれども、そういうことになるとですね、またかなり状況が変わってまいりますから、その時点で、今の段階では多分今までと同じ議論になってしまいますから、公募することによって、
精神医療センターのスタッフが、かなり病床が減りますので、余裕が出てくる職員を回しまして、それでちゃんと引継ぎをしていきますので、患者さんとちゃんと会いますと、こういう先生が、こういうスタッフがいますから御安心くださいと。そして訪問看護なりデイケアもですね、そこでちゃんとやれるようになりますから、御安心くださいということでアプローチできるので、ちょっとここで今、アプローチしようとしても、なかなか同じ、止まったままだと思いますから、次のステップに進む段階でかなり見えてくると思いますから、もしこれで手が挙がってくる病院がないということになったら、またちょっと別のことを考えなきゃいけないと思うんですが、とにかく、そうやって、やっていきながら、患者さんの声、あるいは専門家の皆さんの声を聞いて、一番いい方法を私たちなりに、県庁として考えていって、それをどんどんどんどんお出ししていって、話を合わせていきたいなというふうに思っています。今までは正直、日赤さんにということで話をしていましたので、それでは、いざ悪くなったときに、入院ができないんじゃないかと。また、知り合いのスタッフがいなくなってしまうんじゃないかということに対しての答えにはなっていなかったので、今回一つの答えになると思います。そういう病院から手が挙がってくればですね、かなり状況が変わってくると思いますので、今議会中にはとても全部間に合わないと思いますが、まずはそういう話を進めながらですね、近いうち行われる
精神保健福祉審議会において、そういったお話を更にさせていただきたいなというふうに思っています。できるだけ丁寧にやっていこうと思っています。
○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。
◆四番(石田一也君) コロナのときにですね、介護施設のクラスター対策でいろいろ大変だったときに、長寿社会政策課の中にワーキングチームをつくっていただいて、そこに介護の専門家であったり、認知症の当事者であったり、入っていただいて、あと、感染症の専門家も入っていただいて、その場で現場の声を聞いていただく場をつくっていただいたというふうに記憶しています。全部がもちろん、入っていただいたワーキングチームのメンバーの意見が通ったわけではありませんけれども、宮城県のこの介護クラスター対策、私は比較的ほかの県と比べてもよかったと思っていますし、その一つの大きな要因がこのワーキングチームだったというふうに私は思っています。こういうチームを、今回少し時間がかかるかもしれませんが、一旦戻ってですね、専門家の皆さんが入って、平場でやっていただくような機会をつくるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 当然やらなきゃいけないと思っています。ただ、まず大きな枠組みが決まらないのに、入っていただいて、わいわいがやがや、どうぞと言ったら、恐らく何の方向も出てこないというふうに思いますので、まずはこういう形で、こういう枠組みで、県はやりますと、やりたいんですということを言った上で、それをよりよきものにするために、いろんな御意見を頂くために、そういった当事者の皆さん、あるいは専門家の皆さんも入っていただいて、いろいろ意見を頂くのは当然必要なことだろうというふうに、それがワーキングチームという名になるのか、何になるか分かりませんけれども、そういう形で進めていきたいというふうに思っております。
○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。
◆四番(石田一也君) 専門家の皆さんをもう少し信頼していただいたほうがいいかなというふうに思います。皆さんやっぱり長くこの分野で、そういう意味では、担っていただいて、やっていただいた。
精神医療センターに限りませんが、周産期も含めて救急もそうだと思いますが、各専門家の皆さんにもんでいただくというのが、一番私はいい結果が出るんじゃないかなというふうに思います。私は専門家じゃないので、どういう形がいいのかというのは、ここで偉そうに言うほどの知見もないので、ぜひそこのところだけですね、専門家の皆さんの意見をぜひ聞いてほしいということだけ、ここで申し上げたいというふうに思います。 もう一点だけ、子供・子育てのところで、先ほどのタウンマッチというアンケートなんですけど、宮城の教育に求めることについても聞いています。一番が、これは返済不要の給付型奨学金の拡充というのが一番でした。二番目が、中学校までの教育費の無償化というところです。県ではなくて、基礎自治体がやるべきところももちろん入っているんですが、やはり教育に対するお金がかかるというのが、一番子供・子育てのネックになっているんだろうなというふうには思います。私の肌感覚とも一致しているので、ぜひこのあたりも検討して、やっていただくというのもそうですし、国もこのあたりをしっかりやっていただくように、知事会としてもぜひ更に要望いただきたいと思うんですがいかがでしょうか。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 返済不要の奨学金制度であったり、教育費の無償化であったり、あるいは給食費の無償化等についてはですね、知事会としても非常にみんな関心を持っていまして、やって間違いではないわけですよね。ただ、これを全部都道府県や市町村でとなると、当然財政負担があまりにも大きくなり過ぎて、できないということで、かなり地域によって色合いが変わってくるということになりますので、こういったことは、やはり国が一定程度の責任をしっかり負うということが何よりも大切だというふうに思います。岸田内閣も子供・子育てを最重要課題として取り組んでおりますので、しっかりと検討は、知事会としても申入れをしていきたいというふうに思っております。
○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。
◆四番(石田一也君) 終わります。ありがとうございました。
○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。 午後二時十三分休憩
----------------------------------- 午後二時四十分再開
○副議長(池田憲彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。二十四番三浦一敏君。 〔二十四番 三浦一敏君登壇〕
◆二十四番(三浦一敏君) 日本共産党県議団を代表して、代表質問を行いたいと思います。 まず第一は、村井県政五期十八年の検証と問題点というテーマでございます。 私は七期十九年石巻市議を務め、二〇一一年三・一一
東日本大震災を経験し、二度延期された十一月の県議選に挑戦し初当選しました。石巻の党組織では過去に何度も挑戦しましたが、県議には手が届かない時代が続きました。ですから、日本共産党の議席は、大変奇跡的な出来事だったと思います。やはり、大津波に見舞われた極限状態の被災者支援のために、東京や全国から寄せられた救援活動が決定的だったと思います。以来、村井知事とも論戦し、住民の声が県政に届かないもどかしさを持ちながら、あっという間に三期十二年が過ぎさろうとしております。ですから、私は、党県議団の代表質問ではありますが、私自身今期最後の質問になりますので、これまでの十二年間で感じた村井県政の問題点を幾つか質問します。 まず第一は、
東日本大震災からの復興と今日的課題についてであります。 村井県政五期十八年、特に大震災から十二年を振り返ってみると、一番の特徴は、被災者や県民に大変冷たい県政だったということではないでしょうか。その最たるものが、被災者医療費免除の打切りであります。住民は声を上げ続けましたが、国は一年半で打切り、宮城県は二年で打切りました。その後、仮設住宅の自治会長や市民団体による県や国に対する運動が大きく広がる中で一部減免措置が復活しましたが、間もなく打ち切られました。隣の岩手県は十一年も継続し続けました。この違いは一体何なのか。どこからそのような発想が出てきたのか。財源の問題ですか。それとも、人間優先、被災者や弱者に寄り添う思想、哲学の欠如ですか。今だからこそ知事の本音を聞きたいのであります。お答えください。 もう一つ強調したいことは、被災者住宅再建でも県政の最大の使命を事実上放棄し、土地選定から最終的な管理まで全て自治体任せにしました。これも驚きであります。宮城県は結局、市町村の要望には耳を貸さず、災害公営住宅一万五千八百二十三戸のうち、県の責任で最低一千戸を造るという土木部長答弁の約束も知事は反故にしました。県がやったことは、受託代行だけでした。岩手県は、市町村と協議し、県も約半分を建設し、住宅の管理まで分担しているのですから天地の差であります。これは、過去の問題では決してありません。突然持ち出された県営住宅からの住民追い出し政策のひどさ、やり方です。県営住宅に長年ついの住みかとして住み続けている市民がいる限り、こんな乱暴な無理無理移転させるようなことは、あまりにもひどいではありませんか。古くなった県営住宅を建て替えしないということは、つまり、宮城県政として公営住宅から完全に撤退し放棄するということにほかなりません。
全国知事会会長という大役に就任した
宮城県知事が、このようなことをやっては駄目です。模範になりません。県営住宅の廃止方針の撤回を求めるものです。お答えください。 次に指摘したいことは、知事の県民無視の強引な政治姿勢と目的を果たすためのトップダウンであります。 大震災との関係では、創造的復興の一丁目一番地として強行されたのが桃浦の水産特区でした。県漁協は猛烈に反対し、浜の絆は分断され、今に至るも修復はなされないままです。知事はこの水産特区に道を開いたことを時々自慢していますが、桃浦に続く浜はどこも現れませんでした。知事の水産特区は完全に失敗に終わったのではないか。これを認めますか、お答えください。 また、創造的復興として高過ぎる防潮堤が守るものがない海岸沿いまで機械的に、住民の合意が不十分なまま建設されました。川幅が狭く、水がちょろちょろしか流れていないところに巨大なコンクリートブロックの河川堤防がつくられたことは、復興財源の無駄遣いであり、後世からも厳しく指摘されるでしょう。 知事のトップダウンとして今も事業の見通しが立たないのが、宮城野原広域防災拠点整備と、JR貨物ターミナル駅の岩切移転であります。平成二十一年に県土木部が専門家の参加を得て行った候補地の評価では、大崎市三本木地区の評価が最高で、宮城野原は最低でした。ところが、平成二十四年九月の村井知事の指示により計画地として動き出したのです。宮城野原は、市街地を避けるよう求めている内閣府の要件も、災害時に機能することを求めている総務省の要件もいずれも満たしていませんでした。しかし、知事の指示を受け、平成二十五年、専門家を入れないで県土木部の職員だけで評価し、事業費は対象外という全く不自然な評価を行い、平成二十一年の評価八点から九点が、平成二十五年にはなんと二十点に跳ね上がったのです。まさに最低から最高へ、知事の意向に沿って評価を逆転させたものであります。議会では、三会派二十人が反対しましたが、総額三百億円の大事業が承認されたのです。JR貨物に便宜を図ったと言われても過言ではない。このようなやり方が順調に進むはずがありません。この事業は、村井県政最大の失政であり、莫大な税金の無駄遣いと言えるものです。その結果、事業費は三百二十四億円をはるかに超え四百億円以上になるのではないか、お答えください。当初計画より完成時期が十二年も遅れ、ずるずる延びる貨物駅移転と広域防災拠点がいつまでに完成するのか。総事業費は一体どこまで伸びるのか。はっきりお答えいただきたいのでございます。 そして、ごり押ししようとして画策したが失敗に終わったのが、宿泊税導入でした。二〇二一年四月から導入することに、このときにコロナ感染の広がりに苦しむホテルや旅館おかみさんたちが一斉に反発し、議会でも与野党双方から批判が出て、ついに知事は断念に追い込まれることとなりました。また、知事の強引さが失敗した事例として印象深いのが、どなたかも言いましたが、宮城県美術館移転問題です。大変貴重な歴史的建造物の県美術館を現在地で修復する計画が決まっていたにもかかわらず、宮城野原移転を持ち出したのが村井知事でした。美術、建築関係者や全国から反対の声と署名運動が巻き起こり、ついに移転を阻止し、現地存続が決まりました。元河北新報記者のOさんが、宮城県美術館というタイトルで二百五十九ページもの詳細な記録を出版しました。記者らしい視点で取材したもの、県美術館誕生の歴史と経過がよく分かるし、建築上の優れた点や、収蔵品の特徴、佐藤忠良館ができるまでの関係者の努力等々、美術館をめぐるエピソードが満載です。この本を読んで初めて分かったことは、実は県は、美術館を十五億円で売りさばくために交渉したのが、家具のニトリとカニトップで有名なジャパンヘルスであったこと。一番の驚きは、知事が最後まで諦めずに移転反対派の自民党県議の説得に乗り出したこと。権力者の執念をかいま見た思いです。知事として、今振り返って何か反省点はありますか、伺います。これ事実ですから。 そして今、大問題になっているのが、四病院再編問題であります。 去る二月議会の一般質問で私も取り上げました。八月三十一日夜、休憩なしの三時間余に及ぶ第三回県
精神保健福祉審議会が開催され、傍聴しました。知事が審議会に事実上乗り込んで、局面打開のため名取市に
民間精神科病院を県内から募集したいと突然提案しました。資料も、委員から事前配布を要望されていたのに配布せずに、当日ぎりぎりでした。最大百二十床の精神科新病院という提案に対し、疑問や不安が次々と出されました。県精神科病院協会会長の岩舘敏晴委員からは「
民間精神科病院の会長をやっているが、現実に手を挙げる病院があるか疑問」、また、別の委員からも「県の精神科医療の政策課題解決に向けて、県立
精神医療センターの富谷市への移転が必要と結論づけていることの説明がない」などなど、異論が相次ぎました。知事は「選挙の公約であるし、やらせていただきたい」「白旗を上げて駄目になれば知事を辞職する」とも発言。委員から「知事の辞職と審議会は関係ない」「知事がそこまで言うのなら、審議会としてこの場で態度を表明する必要がある」等の発言が続く中、しびれを切らした村井知事が「審議会がどういう結論を出そうが、私の結論は変わらない。私を止めることができるのは県議会だけだ」と挑発し、審議委員の怒りを買いました。この発言は、知事が任命した審議会の存在そのものを否定するものであり、撤回すべきです。撤回することによって、初めて再スタートを切れると私は思います。知事の答弁を求めます。 採決の結果、知事提案に反対が十一人、保留が五人で一人も賛成がありませんでした。このこと自体が異常ではないか。新たに民間病院を公募して、名取市内で外来・入院・訪問看護・デイケアを担っていただくのであれば、
精神医療センターを名取市内に残すことのほうがより現実的です。新病院の公募はやめるべきです。知事、お答えください。 名取市に民間の精神科病院を誘致する計画は、一体誰がどうやって考えたのか。利用している患者さんや精神医療関係者の意見も聞かず、名取市にも何の相談もしていなかった。仙台市長も「寝耳に水」と強い不快感を表している。結局、三病院再編が行き詰まり、
精神医療センターを加えた四病院再編、そして患者さんや精神科医療に関わる関係者から指摘された矛盾を解消するために、今度は
民間精神科病院を名取に誘致して打開を図る知事のもくろみは、更に県民の怒りを買うことになったのではないか。違いますか。 知事は審議会でも「公約したのだから、必ず実現したい」との発言を繰り返されていますが、私は、公約よりも患者さんの命を一番に考えることが大事であって、知事の頭からそのことがすっぽり抜け落ちていることを指摘します。知事、いかがでしょうか。お答えください。これ以上、県政を混乱させ、関係者の理解なしに県
精神医療センターの富谷移転と四病院再編移転の強行はやめるべきだということを強調して、次に移ります。 次に、宮城の基幹産業である農林水産業の現状と課題について進めます。 昨年来の世界的な食料危機は、食料の六割以上を外国に依存する我が国の危うさを浮き彫りにしました。岸田政権は昨年来、食料・農業・農村基本法の見直し作業に乗り出し、六月に政府が新たな展開方向を公表した。しかし、その内容は差し迫る危機への緊迫感が微塵も示されていないし、危機を招いた政策の根本的な検証もない。そもそも自公政権には食料自給率の向上にまともに取り組む姿勢はなかったと言えるでしょう。そして、今度は日本全国の知事会をまとめて、国・政府に物を言う立場になった村井知事に、食料自給率向上のために何が必要か、伺います。 なお、宮城県の二〇二〇年の食料自給率は、東北最低の七二%、全国十一位であります。こういう中で、宮城県の農業産出額は、令和二年までの千九百億円台から令和三年は千七百五十五億円に減少している。内訳は畜産が七百五十三億円、園芸が三百二十四億円、米が六百三十四億円で、なんと百六十一億円も減少してしまった。コロナ禍の中、外食産業での米の需要が落ち込んだのが要因と言われます。米の需要がどうなろうと、年間七十七万トンのミニマムアクセス米が農家に重くのしかかっている。この際、輸入自由化路線を見直すべきであると思う。 宮城の米はササニシキとひとめぼれ、そして、だて正夢と新品種を売り出しているが、主力はひとめぼれになっているのが現状です。他県に負けない更においしい米などの開発を担うのが古川農業試験場であり、三十数名の職員が頑張っているわけで、二千数百万円の県単独の予算で推移しているが、令和三年・四年は、国や民間の受託費が減額になったという関係で県単独の予算が増えているが、もっと思い切って拡充すべきではないか。お答えください。 ウクライナ侵攻によって、ウクライナ、ベラルーシ原産の肥料が値上がりしている。この際考えるべきは、環境に優しく、今注目の有機農法に宮城県も大胆に切り替えていくべきと思う。宮城県には登米市のような先進的取組があります。千葉県いすみ市や徳島県など他県にも学び、有機栽培による食材を学校給食に活用してはいかがでしょうか、伺います。 宮城県の畜産が今や米をしのぐ生産額になっていることは、関係者の努力のたまものであります。問題はその経営内容と言えば、大変厳しく「もう限界だ」の声が相次いでおり、極めて深刻な実態です。二倍三倍に跳ね上がった餌代の高騰です。だからといって生産者は価格に転嫁できず、市場任せで逆に値段が安く、踏んだり蹴ったりなのです。国の対応待ちでなく、県として、畜産農家向けの支援を増額して継続すべきと思うが、いかがでしょうか。 和牛農家五十頭以上飼育している農家戸数は、若干減少となっているが、それ以下の飼育農家がこの経営難で令和元年から五年までで四百七十経営体も大きく減少している深刻な実態です。宮城県で大規模に養豚業をやっている方に話を聞きましたが、餌代高騰前に比べて利益は半分になっている、経費の餌代は六から七割を占め、残りは人件費、電気代、諸経費といいます。若い人が農業で食える、畜産で食える、そういう当たり前の状況をいかに用意するかが政治の責任です。 一方、宮城県の水産業の現状はどうか。令和四年度版社会経済白書によれば、産地魚市場の主要四港、塩釜・石巻・気仙沼・女川の水揚水量は二十二万九千二百一トンで若干増え、水揚げ金額の合計は四百七十六億円で、前年に比べ四億円の減となった。これは、令和二年実績でございます。異常な猛暑と温暖化の中、海洋環境も変化し三陸沖で捕れる魚種が今後どうなるのか予測がつきません。水産業者、加工業者支援のために、県として、特別プロジェクトチームを立ち上げ、福島原発事故の海洋放出の風評被害の実態も直接聞きながら悩みと具体的な要望を生かして、今後の施策に生かしてはどうかと提案するものですが、いかがでしょうか。 ところで、石巻市にある県水産試験場などの純粋な研究費は、十年前と比べても県単独の予算でみて減少している。もっと増額すべきではありませんか、お聞きします。 次に、子ども・子育て支援について。 子ども医療費は、今や仙台市と白石市を除いて十八歳まで無料、今年十月から全ての市町村で所得制限が撤廃されます。これは、それぞれの市町村が努力し頑張ってきたからです。全くやらないで平気な顔しているのが政府です。次にひどいのが、全市町村長から毎年要望されているのに、時計の針が止まったように就学前から全然前進していないのが、我が宮城県なのです。自己負担なしで十八歳まで無料にするため、県が二分の一を助成すべきと考えるが、お答えいただきたいのであります。また、最近、学校給食費の無償化も話題になり、宮城県も十四市町村で実施に踏み出しました。この実態を知事や教育長、我々県会議員はきちっと力を入れて考えるべきです。これも県が二分の一を助成すれば、全県的に実施できるのです。財源はざっと五十億円。一兆二千億円の予算ですから、〇・四%です。このようなことできないはずがありません。知事に伺います。 次に、国民健康保険の均等割は、赤ちゃんが一人生まれるたびに課税される仕組みです。国の負担対象は、就学前児童が対象で、補助も半額にとどまっています。これに対し石巻市や仙台市など十市町が独自減免を行い、うち涌谷町、美里町など五町は均等割ゼロなのです。宮城県が子育て世帯を励ます意味でも、均等割額の二分の一を支援したらどうか、答弁を求めます。 次に、宮城県の財政力を生かし、暮らし応援、県土の均衡ある発展について伺います。 宮城県の財政力はどうなっているのか、私が調べたところでは、大変よくなっているのです。大事な自主財源の構成比が令和五年度で五八%となり、他の指標でも財政力指数が東北六県と北海道の中で一番よく、類似県の広島県や三重県を上回っていることは驚きであります。二〇一一年には
東日本大震災が発生し大変な犠牲と、地域産業は壊滅的打撃にあった。そして十年後、いよいよこれからというとき、コロナが発生し、また経済にブレーキがかかった。こういう中で好転した謎は何か。私なりに考えてみました。法人事業税が増えた事実はあるが、大震災の復興財源の莫大な投入と、国からのコロナ交付金の活用によって、県の自主財源をさほど活用しない手法がとられたのではないか。その結果、医療、福祉、教育など県民の願いに応えてこなかった。事実です。復興事業は、ほぼ全額国費であり、県負担がなく特例であった。その財源は国民に復興特別所得税という形で長期にお願いしていることを忘れてはならない。ですからこの財政力を物価高対策や飼料、資材高騰で苦しんでいる関係者に振り向けるべきであります。ただいま述べた福祉や医療、暮らしの救済などに活用することを提言したい。知事の誠意ある答弁を求めます。 大きな二として、
ALPS処理水の海洋放出と女川原発再稼働に関連して伺います。 大震災と福島原発事故からやっと水産漁業が本格化する矢先の八月二十四日、
ALPS処理水が海洋放出されました。これは、国と東電が二〇一五年に、関係者の理解なしには、いかなる処分も行わないとする約束、国民との公約を公然と投げ捨てたものとして断じて許されないものです。岸田首相は「今後数十年の長きにわたろうとも、全責任を持って対応することを約束する」と言ったが、僅か八年前の約束も守れない人が何を言っても誰も信じない。三陸の海を汚す海洋放出は直ちに中止すべきと思うが、知事の見解を求めます。 原発大事故で溶け落ちたデブリに接触した大量の汚染水をALPS処理したからといって、トリチウムの他セシウム、ストロンチウム90やヨウ素129など核種微量であっても海洋に放出する、しかも何十年にわたって流し続けることは、世界では初めてのことです。ですから、この海洋への影響を軽々に言うことはできないのです。原子力市民委員会座長の龍谷大学の大島堅一教授は「汚染水処分の大原則は、環境に影響を与えてはいけないということです。手っとり早く海に流してしまう海洋放出は、全く科学的ではありません」と批判します。三陸沖で九月四日から底引き網漁船の操業が再開されました。一方、養殖漁業者のホヤやホタテ、これからのナマコなど、中国・香港・マカオなどが一斉に日本産水産物の輸入停止を発表した影響が牡鹿半島・女川・雄勝・北上などで出ています。販路を失い価格の下落、賠償があると言っても結局、若手・中堅が養殖業をやめて廃業する。こんな最悪のシナリオが心配されます。知事も浜の現状、現場の声を聞くために行動すべきと思うがどうか。 次に、女川原発二号機の電線管の火災防護対策の追加工事について伺います。 私たち共産党県議団で、原子力安全対策課から東北電力に問い合わせていただいたところ、次のことが分かりました。原子力規制庁から関西電力に対して、電線管に対する系統分離対策の施工について、基準不適合の指摘がされたことを受けて、二〇二二年十月に関西電力から情報提供があり、東北電力は二〇二二年十二月に追加工事を決定したこと。この追加工事は、二〇二一年十二月二十三日に認可された工事計画に記載されていたこと。そして、火災防護対象ケーブルの総延長は数十キロであるが、今回の追加工事の電線管は、三百メートルほどであること。追加工事の内容は、三時間あるいは一時間耐火性のある耐火ラッピングを施すこと。追加工事は再稼働までに実施することでした。 そこで伺います。第一に、電線管の火災防護対策の追加工事は、いつ着工して、いつ完成するのか。第二に、二〇二一年十二月に認可された工事計画には記載されていたにもかかわらず、関西電力への原子力規制庁の指摘がなければ工事しなかったということは、規制基準違反と考えるが、知事の見解を求めます。第三に、技術基準では、電線ケーブルの火災防護について、水平距離を六メートル以上とるとか、耐火性のある隔壁で分離するなど空間的に系統分離することを求めています。耐火ラッピングでよいとする根拠は何か、その安全性が保てるのか。以上三点についてお答えください。 追加工事により、基準不適合が解消されたのかどうかは、使用前検査で確認する必要があります。ところが、二〇一七年の法改正で使用前検査は、電力会社の自主検査に変更されました。今回の追加工事は、経過から見ても工事内容の点からも、東北電力の自主検査だけでは信用できません。また、格納容器の一部が基準地震動に耐えられないと判明して、溶接で補強する追加工事についても客観的な検証が必要です。そこで、県独自の安全性検討委員会を再設置して、圧力抑制室の溶接補強と電線管の火災防護対策の検証を再稼働前に行うことを求めます。お答えください。 第三に、石巻・須江のバイオマス発電について伺います。 G-Bio社が、石巻市須江の静かな農村部の住宅地の裏山に突如計画されてから足かけ七年が経過し、今正念場を迎えています。発電の燃料として経済産業省に申請したのがパーム、その後、夢のポンガミアでした。南アジアやオセアニアに分布するマメ科植物ですが、最初の住民説明会では、ポンガミアでやりたいと力説しました。最近、経済産業省から、ポンガミアはFIT認定されないと会社側に業務改善命令があったと言われています。住民説明会で何度も説明しておいてこのありさまです。県環境影響評価技術審査会もポンガミアを使用する前提で議論したのではありませんか。何も言えないのですか、伺います。それで今度は、住民説明会を開き直して九月九日と十日に開催して、九十人ほどの人たちが参加してたくさんの疑問が出されました。G-Bioの説明で驚いたのは、ポンガミアで説明してきたのは、東北経済産業局の指導だったなど、とんでもないことまで飛び出しました。パーム油は今、値段が三倍になり、品薄で日本に入ってきていません。ですから角田市でG-Bioが建設し、パーム油不足で運転停止が相次ぎ、次々転売されていると聞きます。石巻須江も同じ事態になるのではないかと予想されます。知事として何らかの勧告はできないのか伺います。また、先月二十六日にG-Bio側は全長十四メートル、幅二・五メートル、積載二十トンの大型燃料トレーラーで石巻工業港を出発し、須江地区
建設予定地を経由して試験走行した。二台で往復したが、本格稼働となれば十一台が一日三回、延べ三十三台が走行することになる。これに立ち会った住民は「道路幅が狭く、更に燃料を積んだらどうなるのか不安だ」と怒りの声です。住民説明会では、批判的な意見が相次ぎました。環境悪化で一変する、このような事態になった要因には、経済産業省の安易な認可があります。農村地帯の静かな住宅地に、現地も見ないで書類が整えば許可を出す。知事、これは問題ではないでしょうか。知事会として、FIT認定取消しを経済産業省に求めるべきと思うが、お答えください。 最後に、鳴瀬・奥松島-利府インター間の無料化について。 私がこの問題を質問したのは、二〇一七年十一月の一般質問です。道路公社がこの区間の工事を受託した昭和四十七年からみて五十一年かかり、半世紀も経過しています。区間十八・三キロメートルですが、令和四年の交通量は一日当たり三万二千五百台、料金収入は五十七億円と伸びています。令和四年度末の未償還額は九十四億円で、償還率は八四%になっています。前回の質問に対し、当時の土木部長は償還が終わるのに「機械的に計算すれば、六、七年という形になります」と。ですから、六年たちましたから償還のめどは立ってきたのでしょうか。ユーザーの利便性に応え、一刻も早く無料にするために、こういうときこそ知事のイニシアチブを発揮していくべきと思うが、どうか。早く国と協議して、無料化の見通しを示すべきと思いますが、そのことを聞きまして、壇上での質問といたします。
○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 三浦一敏議員の代表質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、村井県政五期十八年の検証と問題点についての御質問にお答えいたします。 初めに、被災者医療費免除についてのお尋ねにお答えいたします。 被災者に係る国民健康保険の一部負担金の免除につきましては、震災後、平成二十四年九月までは、国の特別な財政措置により国が全額負担する形で実施され、平成二十四年十月から平成二十五年三月までは、国の財政支援が八割に減額となったことから、県が減額分の財政支援を行う形で実施されました。平成二十五年度につきましては、国の財政支援が終了したことを受け、市町村と意見交換を行った結果、本県の減免額が岩手県の約五倍となっており、継続は困難との意見が出されたことから、免除措置が一旦中断されました。その後、県議会での請願採択等を踏まえ、国に要望活動を行った結果、国の追加的財政支援が行われることとなり、平成二十六年四月から対象者を限定した形で免除が再開され、平成二十八年四月以降は、一部の市町村において、平成三十一年三月まで免除が実施されました。県としても、この間、免除措置の継続のために財政支援を行ったほか、市町村との意見交換を重ね、国に要望してきたところでございます。 次に、県営住宅の廃止方針の撤回を求めるとの御質問にお答えいたします。 人口減少・少子高齢化の進行に伴い、住宅ストックの余剰が増えていくことに加え、我が県では、災害公営住宅が整備され、新たな公営住宅の整備を積極的に進める状況ではなくなってきております。また、耐用年限を迎える県営住宅の老朽化が進行しており、耐震性の低下への対応など、安全性の確保が課題であると認識しております。県では、こうした状況を踏まえ、宮城県住生活基本計画や宮城県公共施設等総合管理方針などに基づき、県営住宅の新たな建設及び建て替えは行わず、既存ストックの長期的活用を図りながら、耐用年限を迎え用途廃止が適当とされた住宅については、集約移転を進めることとしております。県としては、県営住宅の集約に伴う移転支援の方針に基づき、入居者の個別事情に十分配慮しながら、円滑な移転に向けて丁寧に進めていくとともに、入居者の方々が安心して暮らせるよう、引き続き、県営住宅の長寿命化対策や居住環境の改善に努めてまいります。 次に、水産業復興特区についての御質問にお答えいたします。 水産業復興特区は、震災により壊滅的な被害を受けた漁業者が、漁業を継続していくための選択肢の一つとして、持続的・効率的な漁業経営を実現するために提案したものであります。この制度により、漁業権の免許を受けた合同会社は、漁業者十五名でスタートし、その後、安定した給与や福利厚生の充実により、新卒者などの就業も進み、現在では十五名から二十九名の従業員によって継続的に漁業生産が行われております。復興特区制度は、震災からの復興に寄与すると同時に、浜から漁業者が減少することで漁業生産力が低下するおそれがある場合に、民間の力を借りて地域の漁業を維持することを目的としておりました。平成三十年十二月に公布された漁業法の改正において、国もこの考え方を踏まえ、利用度が低下した漁場につきましては、民間企業も含め、地域の水産業の発展に最も寄与するものが漁業権の取得を可能とするよう、法律が改正されたところでございます。このように、水産業復興特区は、全国的に漁業者の減少と高齢化が進む中、漁業生産力を維持・発展していくための先駆的な考え方として、我が国漁業の将来に対して一石を投じたものであり、私は大いに成果があったものと考えております。 次に、広域防災拠点の候補地の評価や、完成時期と総事業費についての御質問にお答えいたします。 県では、
東日本大震災の教訓を踏まえ、傷病者の域外搬送拠点機能の充実強化、広域支援部隊の一時集結場所やベースキャンプ用地の確保、物資輸送中継拠点の整備等が必要であると強く認識したことから、被災区域を県内全域と想定し、広域防災拠点としての役割や医療機関等との連携、高速道路へのアクセス性などを再度整理、評価した上で、宮城野原地区に整備することとしたものであります。広域防災拠点の完成時期につきましては、今年二月の定例県議会において答弁いたしましたとおり、整備の前提となるJR貨物仙台貨物ターミナル駅の移転完了が令和十一年度、広域防災拠点の整備完了が令和十四年度となる見込みであります。また、総事業費につきましては、現在、公共補償基準に基づき、補償費の内容を細かく精査しているところであり、確定次第皆様に御説明したいと考えております。県としては、宮城野原地区の広域防災拠点は、我が県が進める防災体制の構築に極めて重要な施設であることから、引き続き、一日も早い供用に向けしっかりと取り組んでまいります。 次に、宮城県美術館の現地存続が決まったことについての御質問にお答えいたします。 美術館につきましては、県民や建築関係者等の皆様からの御意見を真摯に伺い、三つの案のメリット・デメリットの分析を経て、増築を伴わない現地改修を行うこととしたものであります。こうした合意形成のプロセスを通じて、建物の維持・継承とともに、財政負担の軽減が図られ、文化的な視点と行政経営的な視点の両立が図られたものと考えております。 次に、
精神保健福祉審議会での私の発言についての御質問にお答えいたします。 県立
精神医療センターの移転につきましては、今年二月と五月に
精神保健福祉審議会へ報告を行うとともに、委員からの御意見などを踏まえ、先月三十一日に開催した審議会で民間病院の公募をはじめとした県の対応案を提示させていただきました。審議会での私の発言は、政策決定過程においては賛成反対の様々な意見がある中で、最終的に執行機関である知事が判断するものであり、審議会の意向に即した形にならないケースもあり得るという前提のもとでお話したものであります。今回の対応案は、審議会をはじめ患者の皆様などから頂いた様々な御意見を取り入れて、慎重に検討を重ねた上で提示したものであり、その内容等につきましては、改めて審議会において説明してまいりたいと考えております。 次に、新病院の公募はやめるべきとの御質問にお答えいたします。 県立
精神医療センターは老朽化が著しく、これまで相当の時間をかけて、移転先の検討を重ねてまいりました。令和元年度のあり方検討会議において、早期の建て替えが必要との御指摘に加え、今後、一般病院との連携体制の構築により、高齢化による身体合併症の増加に対応することが必要とされたところでありますが、この条件に見合う名取市内での建て替えは適地が見いだせない状況にあります。このような中、富谷市から用地提供の申出があったとともに、東北労災病院との移転・合築の協議開始について労働者健康安全機構の理解を得られたことから、現在、検討を進めているものであります。今回の名取市内への民間病院の公募案につきましては、患者、家族をはじめ関係者の不安の声を受けて、
精神医療センター移転後の診療体制や、地域移行等の機能を維持するための対応策として提案したものであり、改めて審議会に説明を尽くし、その実現に向けて、公募手続を進めてまいりたいと考えております。 次に、公約よりも患者の命を一番に考えることが大事なのではないかとの御質問にお答えいたします。 今回の病院再編につきましては、救急医療をはじめとする政策医療の課題解決に向けて関係者と協議を進めているものであり、
仙台医療圏そして県全体の医療体制の将来を見据え、何よりも県民の命を最優先と位置づけて検討しております。特に、県立
精神医療センターは施設の老朽化に加え、個室化にも十分に対応できておらず、また、身体合併症への対応も十分でないことから、患者のためにも一刻も早い建て替えが必要との思いで、富谷市における東北労災病院との移転・合築についても選挙公約に掲げたものであります。県としては、引き続き、関係機関等との協議を進めながら、
仙台医療圏の病院再編の実現に向けて取り組んでまいります。 次に、食料自給率向上についての御質問にお答えいたします。 国では、食料・農業・農村基本法の見直しを進めており、平時からの国民一人一人の食料安全保障の確立を基本理念に、輸入リスクの軽減に向けた食料の安定供給の強化などを、政策の新たな展開方向として取りまとめております。この中では、海外依存度の高い品目である小麦や大豆、加工・業務用野菜等の国内農業生産の増大と、飼料・肥料等の生産資材の確保などが掲げられており、これらの取組が今後ますます重要になってくるものと認識しております。引き続き、国の動向を注視するとともに、各都道府県の意見も伺いながら、国に対し、国内生産の増大を強力に推進するよう要望してまいります。 次に、畜産農家に対する支援についての御質問にお答えいたします。 飼料価格については、国際情勢や円安などの要因により高止まりしていることから、畜産経営は依然として深刻な状況にあると認識しております。このため、県では、飼料価格の高騰対策として、今年度から配合飼料購入費の補助単価を一トン当たり二千五百円から四千三百円に増額し、第三四半期まで継続して支援することとしております。県としては、今後も配合飼料等の価格動向や、畜産農家の経営状況をしっかり把握するとともに、国の支援等も活用しながら、必要に応じた対策を講じるよう努めてまいります。 次に、漁業者等支援のための特別プロジェクトチームについての御質問にお答えいたします。 近年、我が県沿岸で漁獲量が減少するとともに、水揚げされる魚種が大きく変化しており、これらに対応した操業体制の転換や加工原料の確保が課題となっております。このため、県では、宮城県沿岸漁船漁業不漁対策検討会を立ち上げ、今月一日に、漁業者等の意見を反映した沿岸漁船漁業の目指すべき方向性を取りまとめ、今後新たな操業体制への転換等を進めていくこととしております。また、令和二年二月に、みやぎ水産加工振興協議会を設置し、関係機関と定期的な情報共有を図るとともに、
水産加工業者等を個別に訪問して、風評被害を含む課題やニーズなどを聞き取り、必要な支援策を検討しております。県としては、漁業者、
水産加工業者の経営の安定が図られるよう、引き続き、実態を把握し、今後の施策等に反映させてまいります。 次に、宮城の財政力を生かし暮らしの応援に活用すべきとの御質問にお答えいたします。
東日本大震災からの復興や新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、国からの手厚い支援により、県財政の極端な悪化を回避しながら進めることができたものと認識しております。御指摘の我が県の財政力指数が震災前に比べて改善傾向にあるのは、企業誘致等の成果による税収増に加え、復興需要を背景とした一時的な税収増などによるものでありますが、令和五年度当初予算におきましても、多額の財政調整基金の取崩しを余儀なくされていることから、我が県の財政運営は決して楽観できる状況にはないと考えております。県としては、これまでも医療、福祉、子育てなど、社会保障関係費の確保・充実に取り組んできたところであり、引き続き持続可能な財政運営と予算の重点配分に努めながら、県政の課題解決や県勢発展に向けた様々な施策に取り組んでまいります。また、現下の物価高騰は全国的な課題であることから、できる限り国の責任において統一的な対策を講じるとともに、地方で実施する対策に対しましては、必要な財源を追加配分するなど、
全国知事会として国に対する要望を検討しているところであり、会長として、その実現に全力を尽くしてまいります。 次に、大綱二点目、
ALPS処理水の海洋放出と女川原発再稼働に関連して、との御質問にお答えいたします。 初めに、海洋放出は直ちに中止すべきとのお尋ねにお答えいたします。 処理水の海洋放出につきましては、国際原子力機関IAEAが、国際基準に合致し、人や環境への影響は無視できるレベルであると評価しているほか、IAEAも含めて、国や複数の機関が継続的にモニタリングや評価を行うことと承知しており、科学的な安全性は担保されているものと認識しております。一方で、科学的な安全と安心とは違うとの考えもあり、県としては、国と東京電力に対して、引き続き、理解醸成や海洋放出以外の処分方法の検討などを求めてまいります。 次に、現場の漁業者の声を聞くべきとの御質問にお答えいたします。 処理水の海洋放出が始まり、今後の経営に不安を抱える漁業者も出ているものと認識しております。このため、県では、連携会議水産部会に設置した支援チームが、漁業者等への訪問などを通じて、
処理水放出後の影響や要望などの把握に努めているところであります。この状況を踏まえ、私も来月開催する連携会議の場で、現場の声をしっかりと聞き、国と東京電力に対して、漁業者等のなりわいが維持・継続できるよう強く求めてまいります。 次に、大綱三点目、石巻・須江のバイオマス発電についての御質問のうち、FIT認定についてのお尋ねにお答えいたします。 FITの取得に関しては、土地の確保、関係法令の遵守などが事業認定の基準として定められており、認定時に審査を行うとともに、認定後に事業者がこれに違反した場合は、国が指導や改善命令を行うほか、必要に応じて、認定の取消しを行うことができることとされております。一方、FIT認定施設の建設については、防災・環境上の懸念等をめぐり地域住民との関係が悪化するなどの問題が全国的に生じていることなどから、これまで
全国知事会では、手続の厳格化などを国に要望してきております。このような状況を受け、国において、事業規律の強化に向け、FIT認定の要件として住民説明会などの実施を加える等の取組を進めているものと認識しております。県としても、今後の
全国知事会や国の動向を踏まえ、必要に応じて国への働きかけなどを行ってまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○副議長(池田憲彦君) 復興・
危機管理部長千葉章君。 〔復興・
危機管理部長 千葉 章君登壇〕
◎復興・
危機管理部長(千葉章君) 大綱二点目、
ALPS処理水の海洋放出と女川原発再稼働に関連して、との御質問のうち、女川原発二号機の火災防護対策の追加工事についてのお尋ねにお答えいたします。 今回の追加工事は、今年三月に現地調査を開始し、八月には現地作業に着手しており、十一月中の完了を目指して工事を進めていると聞いております。規制基準違反の有無については、今回の追加工事が、原子力発電所の稼働前に実施する国の使用前確認までに完了すると聞いていることから、規制基準違反の問題は生じないものと認識しております。耐火ラッピングの根拠については、原子力規制委員会が制定した実用発電用原子炉及びその附属施設の火災防護に係る審査基準において、火災防護対象機器及び火災防護対象ケーブルについて耐火能力を有する隔壁等で分離することが求められており、耐火ラッピングは、この隔壁等の要件を満たすものとして、先行する他の原子力発電所の新規制基準適合性審査で認められているものと承知しております。 次に、県独自の安全性検討会の再設置についての御質問にお答えいたします。 安全対策工事の実施内容については、原子力規制委員会が使用前確認等において、責任を持って厳格に確認すべきものと考えております。県としては、国の確認状況を注視するとともに、女川原子力発電所周辺の安全確保に関する協定に基づき設置している環境保全監視協議会における学識経験者からの御意見等も参考としながら、安全性をしっかりと確認してまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(池田憲彦君)
環境生活部長佐々木均君。 〔
環境生活部長 佐々木 均君登壇〕
◎
環境生活部長(佐々木均君) 大綱三点目、石巻・須江のバイオマス発電についての御質問のうち、環境影響評価技術審査会におけるポンガミア油使用の議論についてのお尋ねにお答えいたします。 石巻・須江のバイオマス発電事業については、昨年三月に終えた環境影響評価手続における環境影響評価技術審査会では、ポンガミア油を使用することを前提として審査いただきました。このたび、事業者が行った燃料の変更は、ポンガミア油から同じ植物油であるパーム油への変更であり、環境影響評価技術審査会の意見を伺った上で、排ガス排出量や燃料使用量の一〇%以上の増加がないなど、条例上、改めて環境影響評価を実施する要件には該当しないと判断したものです。しかしながら、このたびの変更は、これまでの事業者の説明や、評価書の内容と相違していることから、県では、事業者に対し、評価書を修正の上、改めて住民説明会を開催し、燃料の変更に至った経緯、変更に伴う環境影響や環境保全措置などを丁寧に説明するよう指導したところです。 次に、燃料不足の懸念に対する勧告についての御質問にお答えいたします。 環境影響評価制度は、環境保全の観点から、事業者自らが調査、予測、評価を行い、より環境に配慮した事業計画をつくり上げていく手続です。そのため、事業継続のための燃料の安定確保については、環境影響評価の対象ではなく、再生可能エネルギー特別措置法に基づき、国において適切な指導が行われるものと認識しております。 私からは、以上でございます。
○副議長(池田憲彦君)
保健福祉部長志賀慎治君。 〔
保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱一点目、村井県政五期十八年の検証と問題点についての御質問のうち、子ども医療費助成についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県では、県から市町村に対する助成対象を、入院・通院ともに就学前までとしており、一部自己負担金を課していないこと、完全現物給付方式を採用していること、政令指定都市への補助率に差を設けていないことを踏まえれば、全国的に遜色のない制度と認識しております。対象年齢の引上げについては、新たな負担増を毎年継続していくための恒久的財源が必要になるなど、課題があるものと考えております。県としては、こうした制度本来、ナショナル・ミニマムとして国が責任を持って整備すべきと考えてございます。 次に、国民健康保険の子どもの均等割に対する県の財政支援についての御質問にお答えいたします。 子どもに係る国民健康保険料・税の均等割については、昨年四月から、未就学児を対象とした均等割額の五割減額が措置されております。軽減措置の更なる拡充については、子育て世帯の経済的負担の軽減という観点から、全国共通で取り組むべき事項であり、国が責任を持って対応すべきものであることから、
全国知事会等を通じ対象年齢の拡大及び軽減割合の拡充を国に要望してきたところでございます。 私からは、以上でございます。
○副議長(池田憲彦君) 農政部長橋本和博君。 〔農政部長 橋本和博君登壇〕
◎農政部長(橋本和博君) 大綱一点目、村井県政五期十八年の検証と問題点についての御質問のうち、古川農業試験場の県単独予算についてのお尋ねにお答えいたします。 古川農業試験場では、消費者ニーズに加え、気象変動への対応も含めた新品種の育成などの試験研究に取り組んでおります。その財源としては、これまでの一般財源に加え産業廃棄物税や、令和三年度からは、みやぎ環境税を活用し、県単独予算による研究を拡充してきたところです。県としては、今後も国などの受託試験の予算を確保するとともに、県単独予算を有効に活用しながら、生産現場に求められる農業技術の開発に取り組んでまいります。 次に、有機農法への転換や学校給食への活用についての御質問にお答えいたします。 県では、第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画に基づき、有機農業や特別栽培農産物の取組拡大を推進しております。学校給食での活用については、関係機関と連携して取り組んでいる特別栽培農産物の環境保全米が県内三十市町村に供給されており、全国的に見ても先進的な取組と評価を頂いております。県としては、有機農業に関心がある市町村に対し、国の有機農業産地づくり推進事業などを活用しながら、有機農産物の学校給食への利用も含めて支援するなど、更なる取組の拡大に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(池田憲彦君)
水産林政部長吉田信幸君。 〔
水産林政部長 吉田信幸君登壇〕
◎
水産林政部長(吉田信幸君) 大綱一点目、村井県政五期十八年の検証と問題点についての御質問のうち、水産試験研究費についてのお尋ねにお答えいたします。 近年、陸上養殖など新たな技術開発や、海洋環境の変化による磯焼け、不漁などへの対応が求められており、研究課題として積極的に取り組む必要があると認識しております。昨年度の県単独予算における試験研究費は、平成二十三年度の予算と比較して減少しておりますが、今年度は、ギンザケ・イワナなどの陸上養殖に関する研究のほか、松島湾におけるカキのへい死などに対応するための環境調査など、優先度の高い研究に重点的な予算措置を行い、必要な研究費の増額を図っております。県としては、引き続き、現場のニーズに応じた試験研究の充実を図り、漁業者等を支援してまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(池田憲彦君) 土木部長千葉衛君。 〔土木部長 千葉 衛君登壇〕
◎土木部長(千葉衛君) 大綱四点目、三陸道・鳴瀬・奥松島から利府中インター間の無料化についての御質問にお答えいたします。 宮城県道路公社が管理する仙台松島道路は、全線四車線化事業が完了した平成二十七年度以降、三陸沿岸道路の延伸もあり、計画を上回る交通量で推移し、令和元年度には過去最高の交通量となっております。その後、新型コロナウイルス感染症の影響により、交通量は一時的に減少したものの、昨年度は、コロナ禍前の令和元年度と比較し、九六%まで回復しており、今後も、計画を上回る交通量で推移した場合は、令和二十一年度としている償還完了時期が早まることが想定されます。一方、松島海岸インターチェンジでは、ランプ構造が平面交差で信号制御となっているため、特に観光シーズンには著しい渋滞が発生しているほか、松島大郷インターチェンジでは、料金場が三か所に分散する複雑な構造のため、事故や誤進入が度々発生するなど、利用者の利便性向上や安全性の確保が喫緊の課題となっております。このため、道路公社では、両インターチェンジの機能改善に向けた検討を進めており、現在、測量や道路設計などに着手しております。県としては、道路公社と連携しながら、機能改善の早期事業化に向けて、必要な手続を進めるとともに、償還完了に伴う無料開放の時期について、機能改善の具体的な内容を踏まえながら検討してまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(池田憲彦君)
教育委員会教育長佐藤靖彦君。 〔
教育委員会教育長 佐藤靖彦君登壇〕
◎
教育委員会教育長(佐藤靖彦君) 大綱一点目、村井県政五期十八年の検証と問題点についての御質問のうち、学校給食費への助成についてのお尋ねにお答えいたします。 近年、地域の実情に応じて、子育て支援や人口減少対策、物価高騰対策など、様々な理由で学校給食費の無償化や、保護者負担の軽減に取り組んでいる市町村が増えてきております。学校給食は、学校給食法により、実施に必要な施設・設備と運営に関する経費は学校設置者が、食材料費等は児童生徒の保護者が負担するとされているところです。県としては、給食費の負担の在り方については、我が県だけでなく、全国の公平性が確保されるよう、法改正等を含めた必要な措置の検討について、引き続き国に働きかけてまいります。 以上でございます。
○副議長(池田憲彦君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) 答弁を頂きましたが、過去を振り返って今に生かすこと何か一つは、今考えてみるとやっぱり改善すべき点はあったとか、反省すべき点があったということが何か一つあるかなと。全部とは思っていませんよ。しかし今の話を聞くと、全く知事はそういう問題について、何かと理屈つけて、みんなとにかく自分で都合のいいように解釈しているんだね。それを展開していくと時間がなくなりますから、今焦点の四病院再編問題について幾つか伺いたいと思います。 今日の代表質問でも出ていましたように、この四病院再編は、大変混迷を極めていると。名取市の県立
精神医療センターの富谷移転に対して、仙台圏だけでなくて全県で、なんて言われているか。もうニュースやテレビで見ていますから。村井知事は人の話を聞かない人になってしまったと。いや本当です。ああいう人ではなかったのですがねと。強引なやり方にこういう……。これは仙台圏だけではないのです。これはやっぱり非常に全県的に怒りが広がっているというふうに見たほうがいいですよ。県精神科病院協会が八月末までにまとめた内容によりますと、富谷移転に反対している精神医療保健福祉関係の七十八団体・機関が名前を連ねて、知事のこのやり方に対して、富谷移転に反対を表明しているのですよ。名前をずらっと上げて。やっぱり知事はこの事実を真正面から受け止めるべきではないですか。
○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) その署名を求めたときは、今回の名取の新病院の話は全く出る前の話でありました。新病院が見つかるかどうか分からないですけれども、今議会はなかなか議論がかみ合わないかもしれませんけれども、まずはやらせていただいて、それが見つかるようなことになれば、入院ができる、デイケアもできる、訪問看護もできるということになりまして、しかも、
精神医療センターからお手伝いにも行くということになりましたならば、また局面は変わってくるのではないかなというふうに思います。したがって、今までそういったいろんな反対の意見があったことを踏まえて、今回そういう対案をお示ししたということでございますので、まずはそこを見ていただきたいというふうに思います。あと、全然反省してないということですけども、毎日当然寝るときに反省しておりまして、今日も夜寝るときには、三浦さんにこういう答弁したらよかったなというふうに必ず反省すると思います。
○副議長(池田憲彦君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) そういうのではごまかされませんから。知事、怒りが広がっているというのは、八月三十一日以降、特になんだよ。逆なんだよ、知事。八月三十一日、私も傍聴したのが初めてなのだけど、今日のような知事の雰囲気ではないからね。すごく最初は丁寧にやっていたけど、途中から、もうまさにあなたの感情をむき出しの対応に激変したのですよ。石巻では、民間最大のこだまホスピタルさんの名前も出ているわけです、この反対の声明の中に。ですから、そういう点では、やっぱり八月三十一日の知事のやり方は改めないと駄目なのですよ。だって、ああいうふうにもう挑戦的にやったでしょう。審議員がどういうふうな結論を出そうと、私はとにかくこれをやらせてもらうのだと。ああいうふうになったから結局、委員長は冷静な人で、結果を出したくなかったのだけど、ああいうふうになったと。だからあれを反省して今度また出るようですから、やっぱりああいうやり方、撤回をしてスタートラインに立つ必要があるのではないですか。どうなんですか。
○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君
◎知事(村井嘉浩君) 近日中に行います
精神保健福祉審議会には、この間私が出て方針を示しましたので、出席する予定にはしておりません。議会の準備をしようというふうに思っております。私が感情的になったと見えたならば、それは、私の不徳のいたすところでありまして、決してそんなつもりなかった。私は冷静に話をしていたつもりではあるのですけれども、そういうふうに見えたということであれば、それは大変申し訳なかったというふうに思います。ただあのとき私が言いたかったのは、やっぱり選挙で公約をしたということは非常に重いですし、今いる人たち、病院に通っている人たち、入院している人たち、また、精神科の先生方の御意見、専門家の皆さんの御意見は非常に重要ですけれども、あの病院は、これから生まれてくる子供たちも含めて、今後五十年六十年と使う病院でありますので、特定の人たちの病院ではない。どこに病院をつくったらいいのか、そして、どういう病院をつくったらいいのかというのを最後に決めるのは県民であるはずなので、選挙公約で掲げた以上は、私はやはり、何としても遂げたいと、考えるべきだと思っていますということを申し上げました。そして、審議会の皆さんがちょっと誤解されているなと思ったのは、この審議会で認める・認めないと話をされましたので、審議会が認める・認めないということではないのですと。最終的に私が施策を決めて、決める・決めないというのは、県議会が決めることなのですと。私は、当然のことをお話ししただけなのですけれども、それはちょっと切り取られ方で誤解を与えるようになってしまった。それについては、私はそういうつもりはなかったのですけれども、事実を淡々と伝えたつもりなのですけれども、そういうふうに相手に伝わってしまったということであります。伝え方が悪かったということであれば、そこは、真摯に反省しなければならないというふうに思っております。
○副議長(池田憲彦君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) とにもかくにも反省という言葉が出ましたけど、やっぱり自分が選んだ審議委員に対して、ああいう言い方・やり方は駄目だと思いますよ、どんな立場の人でも。この間、名取市に民間の精神科病院を提起する上で、混迷しているのですよ。最初は富谷市に移転ということを言ったでしょ。次、名取市に外来機能を残すと言ったでしょ。今度は名取市に入院機能が必要なので、民間精神病院を公募で新設すると。だからそういう点では、もうずっとこういうふうに、こういう問題が出ればこういうふうにする、ああいうふうにする。知事は、みんなの意見が出てきたからそうやったと言うけど、そのきっかけはやっぱり富谷に移転したことによって発生しているわけだから。この問題をやめなければ、これはますます袋小路に入るのではないかなというふうに私は思うのですよ。違いますか。
○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) はい、違います。ここに至るまで、まずは
精神医療センターを名取市内で単独で探そうと思ってずっとやっていたのですけど、本当になかったのです。がんセンターの隣もアプローチしましたけど、当時の地主さんは売らないとおっしゃった。そして、土地区画整理事業の中に造ろうと思ったら、地主さんがやはり
精神医療センターは嫌だというふうにおっしゃって駄目になった。ぎりぎりまで行ったのですけど駄目になってしまった。そういうようなことを繰り返したと。そのうち、専門家の先生方のあり方検討会で、合併症・高齢化も進みますので、合併症への対応ということを考えて、総合病院と連携するということを考えなさいということでありました。そのときにこの土地の問題も富谷だと解決できるということになったということでありまして、それを私は選挙公約に掲げたということです。したがって、ちゃんとしたプロセスを経て、急に思いつきでやったわけではなくて、ずっといろんな歴史的な経緯があって、いろんな人の意見を聞いて決めたということです。では、南の病院で通院だけをということだったら、それではあまりにも県南の皆さんが大変だと。これでは、にも包括に対応できないということでありましたので、次の策としてこういう案を出してきたということであります。ですから、ここでこれ以上議論しても、うまくいくかどうかまだ正直分からないものですから、まずは、これをやらせていただいた上で、結果を見た上で、恐らく十一月議会、三浦議員がまた県議会に戻ってこられたときにまたいろいろお話ができればというふうに思っております。
○副議長(池田憲彦君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) 九月一日に病院協会の岩舘会長が緊急声明を出しているわけです。やっぱりこの民間病院が大半を宮城県で、歴史的には頑張って維持してやってきているわけでしょう。そこに対する感謝なり、そういう気持ちがやっぱり知事や私どもには必要だと思いますよ。問題は、名取で公募すると、県内から。この人たちがそういうふうなことで非常に怒って、そういう声明も出しているときに、公募してうまくいくはずないではないですか。民間の皆さんぜひ力を貸してくださいと言っているときに、その人たちから反発されているのですよ。なんと言っているか、これまでも宮城県は民間丸投げで、名取にセンター一つあったけど、こういうことを続けていっていいのかと言っているのですよ。それは利があるのではないですか。こういうことで知事は、公募して何とかやってみて駄目ならまた次のことを考える。大体そういう姿勢では、もう完全にダッチロールですよ。だから、そういう協会の人たちの共感と賛成をもらっていかなければできないということですよ。違いますか。