宮城県議会 > 2023-02-17 >
02月24日-03号

  • "吉田川堰等改良工事"(/)
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  1. 宮城県議会 2023-02-17
    02月24日-03号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    令和 5年  2月 定例会(第387回)          第三百八十七回宮城県議会(定例会)会議録                              (第三号)令和五年二月二十四日(金曜日)  午前十時開議  午後四時二十一分散会      議長                     菊地恵一君      副議長                    池田憲彦君出席議員(五十八名)        第一番                  金田もとる君        第二番                  佐々木奈津江君        第四番                  石田一也君        第五番                  佐藤剛太君        第六番                  伏谷修一君        第七番                  松本由男君        第八番                  柏 佑賢君        第九番                  福井崇正君        第十番                  大内真理君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  三浦ななみ君       第十三番                  枡 和也君       第十四番                  佐藤仁一君       第十五番                  渡邉重益君       第十六番                  わたなべ 拓君       第十七番                  伊藤吉浩君       第十八番                  八島利美君       第十九番                  瀬戸健治郎君       第二十番                  櫻井正人君      第二十一番                  村上久仁君      第二十二番                  高橋宗也君      第二十三番                  天下みゆき君      第二十四番                  三浦一敏君      第二十五番                  佐々木功悦君      第二十六番                  境 恒春君      第二十七番                  太田稔郎君      第二十八番                  遠藤伸幸君      第二十九番                  横山のぼる君       第三十番                  高橋 啓君      第三十一番                  庄田圭佑君      第三十二番                  遠藤隼人君      第三十三番                  渡辺勝幸君      第三十四番                  横山隆光君      第三十五番                  佐々木賢司君      第三十六番                  守屋守武君      第三十七番                  外崎浩子君      第三十八番                  池田憲彦君      第三十九番                  熊谷義彦君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  渡辺忠悦君      第四十二番                  菅間 進君      第四十三番                  坂下 賢君      第四十四番                  ゆさみゆき君      第四十五番                  仁田和廣君      第四十六番                  吉川寛康君      第四十七番                  伊藤和博君      第四十八番                  佐々木幸士君      第四十九番                  高橋伸二君       第五十番                  菊地恵一君      第五十一番                  佐々木喜藏君      第五十二番                  石川光次郎君      第五十三番                  中島源陽君      第五十四番                  本木忠一君      第五十五番                  中山耕一君      第五十六番                  安藤俊威君      第五十七番                  畠山和純君      第五十八番                  藤倉知格君      第五十九番                  中沢幸男君欠員(一名)        第三番-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    遠藤信哉君      副知事                    池田敬之君      公営企業管理者                佐藤達也君      総務部長                   志賀真幸君      復興・危機管理部長              佐藤達哉君      企画部長                   千葉 章君      環境生活部長                 佐藤靖彦君      保健福祉部長                 伊藤哲也君      経済商工観光部長               千葉隆政君      農政部長                   宮川耕一君      水産林政部長                 吉田信幸君      土木部長                   千葉 衛君      会計管理者兼出納局長             冨田政則君      総務部参事兼秘書課長             相澤一行君      総務部財政課長                大町久志君    教育委員会      教育長                    伊東昭代君      副教育長                   嘉藤俊雄君    選挙管理委員会      委員長                    皆川章太郎君      事務局長                   後藤和隆君    人事委員会      委員長                    西條 力君      事務局長                   千葉幸太郎君    公安委員会      委員長                    山口哲男君      警察本部長                  原 幸太郎君    労働委員会      事務局長                   小松直子君    監査委員      委員                     成田由加里君      事務局長                   武内浩行君-----------------------------------    議会事務局      事務局長                   阿部正直君      副事務局長兼総務課長             藤田信治君      議事課長                   菅原敏彦君      参事兼政務調査課長              川村 満君      総務課総括課長補佐              堀 喜昭君      議事課副参事兼総括課長補佐          二上秀幸君      政務調査課副参事兼総括課長補佐        千葉恵子君      議事課長補佐(班長)             我妻則之君      議事課主任主査(副班長)           狩野嘉孝君-----------------------------------    議事日程 第三号                 令和五年二月二十四(金)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第一号議案ないし議第十五号議案及び議第十七号議案ないし議第四十二号議案第三 議第四十三号議案 令和四年度宮城県一般会計補正予算第四 議第四十四号議案 令和四年度宮城県公債費特別会計補正予算第五 議第四十五号議案 令和四年度宮城県母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算第六 議第四十六号議案 令和四年度宮城県国民健康保険特別会計補正予算第七 議第四十七号議案 令和四年度宮城県中小企業高度化資金特別会計補正予算第八 議第四十八号議案 令和四年度宮城県農業改良資金特別会計補正予算第九 議第四十九号議案 令和四年度宮城県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算第十 議第五十号議案 令和四年度宮城県林業・木材産業改善資金特別会計補正予算第十一 議第五十一号議案 令和四年度宮城県県有林特別会計補正予算第十二 議第五十二号議案 令和四年度宮城県土地取得特別会計補正予算第十三 議第五十三号議案 令和四年度宮城県港湾整備事業特別会計補正予算第十四 議第五十四号議案 令和四年度宮城県水道用水供給事業会計補正予算第十五 議第五十五号議案 令和四年度宮城県工業用水道事業会計補正予算第十六 議第五十六号議案 令和四年度宮城県地域整備事業会計補正予算第十七 議第五十七号議案 令和四年度宮城県流域下水道事業会計補正予算第十八 議第五十八号議案 企業版ふるさと納税基金条例第十九 議第五十九号議案 単純労務職員の用語の整理のための関係条例の一部を改正する条例第二十 議第六十号議案 手数料条例の一部を改正する条例第二十一 議第六十一号議案 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例第二十二 議第六十二号議案 緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例第二十三 議第六十三号議案 家畜伝染病予防法施行条例の一部を改正する条例第二十四 議第六十四号議案 行政不服審査法第八十一条第一項に規定する機関の事務の受託の廃止について第二十五 議第六十五号議案 公平委員会の事務の受託の廃止について第二十六 議第六十六号議案 県道の路線認定について(吉田山元線)第二十七 議第六十七号議案 県道の路線廃止について(吉田浜山元線)第二十八 議第六十八号議案 工事委託変更契約の締結について(主要地方道仙台村田線菅生道路等改築工事)第二十九 議第六十九号議案 工事請負契約の締結について(宮城県船形の郷管理棟等改築等工事)第三十 議第七十号議案 工事請負契約の締結について(漆沢ダム法面災害復旧工事)第三十一 議第七十一号議案 工事請負変更契約の締結について(気仙沼漁港防潮堤等災害復旧及び新築工事)第三十二 議第七十二号議案 工事請負変更契約の締結について(気仙沼漁港防潮堤等新築工事)第三十三 議第七十三号議案 工事請負変更契約の締結について(気仙沼漁港防潮堤等災害復旧工事(その二))第三十四 議第七十四号議案 工事請負変更契約の締結について(吉田川堤防等改良工事(その二))第三十五 議第七十五号議案 工事請負変更契約の締結について(旧砂押川護岸等改良工事(その一))第三十六 議第七十六号議案 工事請負変更契約の締結について(旧砂押川護岸等改良工事(その二))第三十七 議第七十七号議案 工事請負変更契約の締結について(吉田川堰等改良工事第三十八 議第七十八号議案 工事請負変更契約の締結について(荒川護岸等改良工事)第三十九 議第七十九号議案 工事請負変更契約の締結について(渋井川水門新築工事)第四十 議第八十号議案 工事請負変更契約の締結について(名取市道笠島川内線愛島笠島道路改築工事)第四十一 議第八十一号議案 工事請負変更契約の締結について(迫川等水門改良工事)第四十二 議第八十二号議案 工事請負変更契約の締結について(南部地区職業教育拠点校(仮称)校舎等新築工事)第四十三 議第八十三号議案 工事請負変更契約の締結について(仙台南部地区特別支援学校(仮称)校舎等新築工事)第四十四 議第八十四号議案 令和四年度市町村受益負担金について第四十五 議第八十五号議案 令和四年度市町村受益負担金の変更について第四十六 報告第一号 専決処分の報告について(気仙沼漁港防潮堤新築及び鹿折川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十七 報告第二号 専決処分の報告について(鮪立漁港防潮堤等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第四十八 報告第三号 専決処分の報告について(水門・陸閘(漁港)遠隔監視制御設備工事(その二)の請負契約の変更)第四十九 報告第四号 専決処分の報告について(日門漁港防潮堤等新築工事の請負契約の変更)第五十 報告第五号 専決処分の報告について(一般県道石巻雄勝線真野道路改築工事の請負契約の変更)第五十一 報告第六号 専決処分の報告について(一般県道釜谷大須雄勝線尾崎道路災害復旧工事の請負契約の変更)第五十二 報告第七号 専決処分の報告について(富士川堤防等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十三 報告第八号 専決処分の報告について(神山川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十四 報告第九号 専決処分の報告について(仙台塩釜港塩釜港区防潮堤改良工事の請負契約の変更)第五十五 報告第十号 専決処分の報告について(宮城県宮城第一高等学校校舎等改築工事(その一)の請負契約の変更)第五十六 報告第十一号 専決処分の報告について(宮城県宮城第一高等学校校舎等改築工事(その二)の請負契約の変更)第五十七 報告第十二号 専決処分の報告について(宮城県宮城第一高等学校校舎等改築工事(その三)の請負契約の変更)第五十八 報告第十三号 専決処分の報告について(仙台南部地区特別支援学校(仮称)校舎等新築空調工事の請負契約の変更)第五十九 報告第十四号 専決処分の報告について(仙台南部地区特別支援学校(仮称)校舎等新築衛生工事の請負契約の変更)第六十 報告第十五号 専決処分の報告について(和解及び損害賠償の額の決定)第六十一 報告第十六号 専決処分の報告について(県営住宅の明渡請求等に係る訴えの提起)第六十二 報告第十七号 専決処分の報告について(交通事故に係る和解及び損害賠償の額の決定)第六十三 一般質問(代表)     〔中山耕一君、ゆさみゆき君、福島かずえ君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二ないし日程第六十二議第一号議案ないし議第十五号議案及び議第十七号議案ないし議第四十二号議案並びに議第四十三号議案ないし議第八十五号議案及び報告第一号ないし報告第十七号三 日程第六十三 一般質問(代表)         〔中山耕一君、ゆさみゆき君、福島かずえ君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。----------------------------------- △会議録署名議員の指名 ○議長(菊地恵一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、二十一番村上久仁君、二十二番高橋宗也君を指名いたします。----------------------------------- △諸報告 ○議長(菊地恵一君) 御報告いたします。 お手元に配布のとおり、令和五年度当初予算案に係る出納局長説明要旨の一部に正誤がございました。 警察本部総務部長佐藤孝治君が本日欠席する旨の届出がありました。 監査委員吉田計君から本日欠席、監査委員成田由加里君が代理出席する旨の届出がありました。----------------------------------- △議第一号議案ないし議第十五号議案 △議第十七号議案ないし議第四十二号議案 △議第四十三号議案ないし議第八十五号議案 △報告第一号ないし報告第十七号・一般質問(代表) ○議長(菊地恵一君) 日程第二ないし日程第六十二、議第一号議案ないし議第十五号議案及び議第十七号議案ないし議第四十二号議案並びに議第四十三号議案ないし議第八十五号議案及び報告第一号ないし報告第十七号を一括して議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました令和四年度一般会計補正予算案をはじめ、提出議案の概要を御説明申し上げます。 宮城県誕生から百五十年の節目に合わせ、今年度は、郷土への更なる愛着の醸成と地域の魅力の再発見と発信をテーマに、官民を挙げて記念事業を展開してまいりました。一連の取組を通じ、我が県が誇る多様な特色を内外に発信するとともに、県内各地の様々な地域資源に光を当て、活性化の契機にできたものと考えております。私にとりましても、多くの先人によるたゆまぬ努力を礎として現在の県土が成り立っていることを再認識するとともに、これからの宮城を担う若い世代の皆様が我が県のことを思い、躍動する姿に勇気づけられることの多い一年間でありました。改めて、この豊かな郷土を将来へしっかりと引き継ぐべく、思いを新たにしたところであります。 今後に向けては、急激な人口減少という、これまでに経験したことのない環境変化を前提とした社会づくりが求められてまいります。一方で、私たちには東日本大震災がもたらした未曽有の被害からの復旧・復興に、県民一丸となって取り組んできた経験があります。持続可能な地域の実現に向け、東北を牽引する気概を持って、これからの県政を推進してまいりたいと考えておりますので、議員の皆様におかれましても、引き続き御理解・御協力を賜りますようお願い申し上げます。 また、感染症の推移に依然として留意が必要ではあったものの、新・宮城の将来ビジョンの二年目として、今年度も堅実な県政運営が実現できたものと考えております。震災からの復旧・復興に関しては、持続可能な水道経営の実現を目的としたみやぎ型管理運営方式が、昨年四月にスタートいたしました。また、十二月には我が県が事業主体として進めていた復興道路の整備が全て完了するなど、ハード事業についても進捗が図られたほか、沿岸被災地を中心とした震災の記憶や教訓の伝承については、九月に発足した震災伝承みやぎコンソーシアムを通じ、様々な主体が連携した取組が進んでおります。 その他の施策につきましては、子供・子育て支援等を推進するための安定的な財源の確保を目的に設置した次世代育成・応援基金などを活用し、結婚・出産・子育てを応援する環境の整備や若者の県内定着に向けた取組を進めました。県内経済の安定や成長に関しては、新型コロナウイルス感染症や物価高騰等の影響を受けた事業者に対する各種支援のほか、富県宮城の実現に向けた施策推進を図ったところであり、その矢先に届いた平成三十年度における県内総生産十兆円達成の知らせにも気を緩めることなく、ポストコロナの環境においても更なる飛躍を実現できるよう、今後とも全力を尽くしてまいります。 今年度の財政運営については、県税収入などが当初予算を上回る見通しであるほか、地方交付税の再算定が行われたこともあり、県政の諸課題への対応に向け必要な財源をおおむね確保することができたものと考えております。一方で、急激な物価高への対応もあり今後の世界経済は減速も予想されるなど、多くの不安定要因を抱えていることから、引き続き慎重な財政運営に努める必要があるものと考えております。 今回の補正予算案では、新型コロナウイルス感染症関連経費に関して、これまでの執行状況を踏まえた予算の追加を行うとともに、その他の事業については、歳出予算の執行額や財源の確定見込みを踏まえた計数整理を行いました。また、特例的な県債である行政改革推進債の発行を見合わせるとともに、来年度以降の安定的な財政運営も見据え、財政調整基金の取崩しを一部取りやめることといたします。 補正予算案の主な内容ですが、新型コロナウイルス感染症に関連した経費としては、軽症者等の療養体制の整備やワクチンの大規模接種会場の運営に要する経費などについて、実績を踏まえ必要となる予算を計上いたします。また、緊急小口資金等の特例貸付事業に関し、今後の債権管理に必要となる経費を助成するほか、中小企業向け制度融資の保証料補助など、来年度以降の財政需要に備え基金への積立てを行います。 その他の施策としては、マイナンバーカードの更なる普及促進に向けて、市町村と連携した申請支援に要する経費を追加いたします。また、我が県が行う地方創生に関する取組に対して寄せられた企業版ふるさと納税について、新たに設置する基金への積立てを行うとともに、親を亡くした子供たちのために全国各地からお寄せいただいた御厚意を東日本大震災みやぎこども育英基金に積み立てます。このほか、県有施設の維持更新や長寿命化、社会福祉の推進などの観点から、関係する基金に所要の財源を積み立てるとともに、県税収入が上振れしたことによる来年度以降の普通交付税の精算に備え、地域整備推進基金に積立てを行います。 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正額は、一般会計で三百三十七億一千余万円の減額、総計で二百三十二億二千百余万円の減額となります。財源としては、繰入金六十六億五千四百余万円、地方消費税清算金五十九億六千七百万円などを追加する一方、諸収入四百十九億七千三百余万円、県債六十一億七千七百余万円、国庫支出金二十二億八千余万円などを減額しております。 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆二千四百四十九億二千百余万円、総計で一兆七千三百十五億五千六百余万円となります。 次に、予算外議案については、条例議案六件、条例外議案二十二件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第五十八号議案は、まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に関する施策を推進するための基金を設置しようとするものであります。また、議第六十二号議案は、基金の失効期日を延長しようとするもの、議第六十三号議案は、知事が登録する飼養衛生管理者による豚熱ワクチンの接種が可能となったことに伴い、所要の改正を行おうとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第六十四号議案及び議第六十五号議案は、公平委員会等の事務の受託の廃止について、議第六十九号議案及び議第七十号議案は、工事請負契約の締結について、議第八十四号議案及び議第八十五号議案は、市町村の受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。 ○議長(菊地恵一君) 補正予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 地方公務員法第五条第二項の規定により、関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。……………………………………………………………………………………………                           宮人委第303号                          令和5年2月17日 宮城県議会議長 菊地恵一殿                         宮城県人事委員会                           委員長 西條 力           条例案に対する意見について 令和5年2月14日付け宮議第467号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。                 記 「議第19号議案 会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」  この条例案は,会計年度任用職員の期末手当の支給割合について,所要の改正を行うものなどであり,適当と認めます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(菊地恵一君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第六十三、一般質問とを併せて行います。 質疑、質問は順序に従い許します。五十五番中山耕一君。    〔五十五番 中山耕一君登壇〕 ◆五十五番(中山耕一君) おはようございます。自由民主党・県民会議の中山であります。通告に従い、代表質問を進めてまいりますが、項目と字数が多いので、少々早口になることを御了承ください。 それでは、大綱第一点目、本県の防災・減災についてであります。 東日本大震災発生後、県では、震災復興計画により、職員一丸となって全力で復興に取り組んできた結果、ハード面の復旧・復興工事については多くの地域でその取組が完了し、全ての事業の完遂まであと僅かとなっております。これまで復旧・復興に御尽力された県の職員をはじめとする多くの関係者の皆様の御労苦に謝意を表するところであります。一方、ソフト面については、被災者支援など今後も取り組んでいく必要がある事業が残っております。被災者一人一人に寄り添ったきめ細かな支援を引き続き要望します。 さて、近年、宮城県沖や福島県沖を震源とする大規模地震が発生し、県内でも多くの被害に見舞われたことは記憶に新しいところでありますが、今後更に大きな地震の発生も懸念されているところであります。これまで県では、千島海溝・日本海溝巨大地震モデルや東北地方太平洋沖地震モデルを基に設定した津波浸水想定を昨年五月に公表しており、また、現在、震災対策などの基礎資料とするため、人的被害や建物被害、経済被害などを算出する第五次地震被害想定調査を実施しているところであります。更に昨年九月には、日本海溝・千島海溝型地震により津波が発生した場合に、特に著しい被害が生じるおそれがあり、その対策を特別に強化するべきである津波避難対策特別強化地域に、本県沿岸市町が指定されております。これらを踏まえると、頻発化・激甚化する自然災害等に適切に対応するためには、本県における防災・減災対策の強化が必要であると考え、以下伺ってまいります。 創造的復興の象徴であり、今後起こり得る大規模災害への防災・減災対策の中核的役割を担う広域防災拠点について、その整備の前提となる岩切地区への駅移転完了時期が、「令和四年度」から「令和七年度または令和八年度」と約四年延伸すると、令和三年三月の予算特別委員会・建設企業分科会において説明がありましたが、今般、それが更に三年程度延伸されるとの話も聞いております。県が行う広域防災拠点整備の前提となるJR貨物・仙台貨物ターミナル駅の具体的な移転時期と、広域防災拠点の整備完了時期はいつとなるのか、また、その延伸理由をお聞かせください。 このような完了時期の延伸は、今後の防災・減災対策に大きな影響を与えるのではないかとの思いを禁じ得ず、県民の安全・安心のためには、一日も早い広域防災拠点の整備が求められるところであります。改めて、県が進める広域防災拠点の役割と必要性について、知事の所見を伺います。 本県の市町村への防災支援体制は、広域防災拠点を中心とし、県内七圏域に八か所選定されている圏域防災拠点や市町村の地域防災拠点がネットワークを構築し、これらが機能補完・相互連携することで、より効果的な防災・減災対策となるものと考えます。この中核的な役割となる広域防災拠点は、供用までの間、圏域防災拠点である利府町の県総合運動公園を代替施設として運用することとしております。東日本大震災の教訓を踏まえると、傷病者の域外搬送拠点などの機能の面から、宮城野原地区に広域防災拠点整備が必要であると考えますが、今回、その整備の前提となる駅移転完了時期の延伸に伴い、広域防災拠点の整備完了時期も延伸となることが見込まれ、このことによる本県の防災・減災対策への影響はないのか伺います。 今回の整備完了時期の延伸により、平成三十一年三月の予算特別委員会・建設企業分科会において報告があった広域防災拠点整備事業の全体事業費約三百二十四億円につきまして、今後増額となるのではないかと懸念しております。昨年九月議会における佐々木賢司議員の質問に対する答弁にもあったとおり、鉄道事業者に対する補償費について、近年の急激な物価高騰に対する事業費の影響について、現在精査を行っているとのことでありましたが、当該補償費以外に、広域防災拠点の施設整備費についても物価高騰の影響があると思われます。今後、広域防災拠点整備事業の全体事業費は増額となるのか、また、その場合はいつ分かるのか伺います。 今後起こり得る大規模災害への備えとして、広域防災拠点を中心とした相互ネットワークによる本県の防災・減災対策の充実強化には、物価高騰という状況下においても整備をしっかりと進めていく必要があると考えており、そのためには、県民の皆様にその必要性をしっかりお示ししていくべきであると考えております。本県の行政評価制度は、事前・事中・事後のそれぞれの状況において、必要性、有効性、効率性などの観点から事業を評価する仕組みとなっております。今回の広域防災拠点整備事業についても、整備完了期間の延伸などに対して、公共事業再評価を行うと伺っております。公共事業再評価の内容と、その実施時期についてお披瀝ください。 次に、仙台医療圏における病院の再編についてであります。 一昨年、知事が公約に掲げた仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合及び東北労災病院と県立精神医療センターの合築による新病院の整備については、これまで真摯にその取組を進めてこられましたが、このことに関し、以下伺ってまいります。 我が県では、将来に向けて急性期病床を減らし、回復期病床を確保する必要があります。また、病院、診療所、在宅の流れをつくる地域医療連携も課題となっており、これらの課題解決と病院再編の関係についてはどのようにお考えか、伺います。 地域医療構想の実現という意味では、国の大きな方針に従うものであります。国への財政支援の要望について、お考えがあればお披瀝願います。 病院再編について、二月二十日に各設置主体と協議確認書を取り交わしておりますが、その内容及び知事としての評価について伺います。 特に、日本赤十字社との確認書には、精神科外来機能について協議を進めるとありますが、どのようなことを意図して確認書に盛り込まれたのか、併せて伺います。 国の発表によると、救急搬送による通報から病院収容までの時間は、令和三年においては全国で四十二・八分でしたが、本県は四十四・九分で、前年より一・九分長くなりました。全国順位は前年度三十九位から四十位に低下しております。一概に病院の位置だけが要因ではないと思われますが、この現状をどう分析し、病院再編で何を目指していくのか伺います。 そもそも大きな総合病院は、患者が最初から行く場所ではなく、近隣のクリニックなどで診療を受け、精密検査や手術は大病院に紹介し、他方で急性期後の回復期には、逆紹介の流れで身近なクリニックや在宅に戻るという連携と役割分担に基づく地域における切れ目のない医療・介護が重要だと思料します。病院再編でどのような姿を目指していくのか、お考えを伺います。 また、災害や感染症についてはどのような姿を目指しているのか併せて伺います。 県立精神医療センターの移転については、移転や候補地の話題が先行した嫌いがありますが、そもそもなぜ移転なのかについてよく説明すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 名取市在住の患者や関係者などから反対の声があります。また、県では、二月八日の精神保健福祉審議会で課題整理や方向性について報告したとのことですが、今後どのように対応していかれるのか伺います。 仙台市における医療の在り方に関する検討会議から仙台市長への提言の中では、病院再編について慎重な検討が必要で、仙台市の検証・検討に必要なデータや資料の提供を働きかけるべきとありますが、このことについてはどのようにお考えか伺います。 また、当該提言では、仙台モデルを目指し、中長期を見据えた医療政策の方針を定めるとしておりますが、このことについては県としてどのように受け止めているか、伺います。 次に、大綱第三点、DXの推進についてであります。 村井知事の打ち出す新・宮城の将来ビジョンの中でも、今後、改めて大きな柱となり得るテーマがDXによる変革みやぎであると思われます。県内各層で進デジタル化でありますが、村井知事が自ら旗振り役となり、他の自治体に先駆けた異次元の攻めの姿勢を示すことが重要であると考えます。市町村においては、人材の不足や資金面での困難な状況の場合は、一朝一夕に解決するものではなく、改めて丁寧な対応や広範な人材の発掘、その有効な働きに向けての仕組みづくりが必要であります。更には、県民生活の利便性の視点からすれば総合的なシステム構築や機器整備は言うまでもなく、また、それが可及的速やかに実行・実践されるべきと考え、以下伺ってまいります。 これまでも行政サービスにおいては、AIやIoTの手法を取り入れてこられましたが、令和五年度に向けて新たな意識や方向性などについて伺います。 現状に鑑みれば、県内市町村の行政サービス面においての格差も、県内全体のDX化においては支障となっております。改めて、市町村への支援体制も含めて、市町村業務オンラインサービス普及事業の現状と今後の課題について伺います。 現在、国で進めているマイナンバー普及事業においては、デジタル社会の基盤であるマイナンバーカードの普及率向上を進める必要があり、特に取得率の低い若年層に対してのアクセスをいかに図っていくお考えなのか、伺います。 高齢者のデジタルデバイド解消支援事業については、東松島市の通いの場デジタル実証事業や宮城いきいき学園におけるシニアリーダー向けスマホ教室などで実績を上げていると認識しておりますが、こうした事業の県内全体への今後の展開について伺います。 携帯電話不感地域を抱えている地域があります。通常時はもとより、特に災害時や緊急時においては非常通信手段となる重要なツールであることから、主要四キャリアのエリアマップを統合し、不感地域の徹底調査や、更には観光、防災などの観点も含めてエリア整備が必須と考えますが、いかがでしょうか。 DX人材については、現在、慢性的な人材不足という問題を抱えており、教育現場においても、DX対応の業務が特定の教諭に集中するなどの問題点も指摘されております。こうした状況や今後の更なるDX人材獲得のためには、宮城独自の戦略を打ち出し、展開していく必要があると考えます。知事が今議会開会日に知事説明で言及した全国の大学生を対象とした宮城版ハッカソンの進捗状況について伺うとともに、この分野における学術連携についてどのようにお考えか、伺います。 次に、犯罪被害者等への支援についてであります。 犯罪被害者は、生命や財産を奪われたり、障害を負わされるなどの直接的な被害を受け、また、その御家族にあっても、様々な心配や負担を負うこともあります。更に、被害後は心にも深い傷を受け、生活上の問題、加害者からの更なる被害を受ける心配、捜査上や裁判に伴う様々な負担など、多くの困難と向き合うこととなります。このようなことから、我が県では全国に先駆け、犯罪被害者に対する総合的な支援により、受けた被害の早期軽減を図る目的で、議員提案による犯罪被害者支援条例が制定され、平成十六年四月一日から施行されました。その後、犯罪被害者等基本法が制定され、これまで多くの自治体で犯罪被害者等支援のための条例が制定されました。我が県の条例が施行されてから、当初の内容のままもうすぐ十九年経過しようとしております。そのような中、我が自由民主党・県民会議会派内において、改正の必要性についての議論が始まり、プロジェクトを立ち上げて検討してまいりました。その結果、条例は法律施行前に制定され、法律との整合が図られていないところがあるなど、改正が必要であることを確認し、超党派での条例見直し検討会の必要性について議長に申し入れ、議長により検討会が設置され、検討が始まっております。この件に関しては、これまで複数の質疑・質問がありましたが、今後検討を進めるために必要な事項について、以下伺ってまいります。 初めに、条例自体の所管についてであります。 犯罪被害者への直後の対応は警察ですが、その後の住居や仕事の支援については知事部局であります。第二十一条の委任規定において「条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会が別に定める」と規定されているように、この条例は公安委員会が所管してきております。犯罪被害者等の支援に当たっては、国や市町村のほか、民間団体を含む様々な関係機関との連携の下、犯罪直後から再び平穏な生活を営むことができるようになるまで、途切れのない支援を行う必要があります。このことから、他の都道府県のように、今後は知事部局が所管し、オーガナイズ機能を発揮すべきと考えますが、知事のお考えを伺います。 また、これに関連して、現行条例においては、犯罪被害者支援推進計画について公安委員会の所管となっておりますが、犯罪被害者等支援を総合的かつ計画的に推進し、進行管理を行うためには、知事部局が所管し、主体的に取り組むことが適当であると考えますが、知事のお考えを伺います。 先般、我が会派の池田議員が一般質問で、見舞金をはじめとする様々な行政支援サービスの提供について取り上げておりました。犯罪被害者が受けた被害による経済的負担の軽減を図るための経済的支援の具体的取組については、県内二十一の市町村で条例に基づく見舞金が制度化されており、令和五年四月一日までに、仙台市を除く他の市町でも、同様に制度化する予定であることを把握しております。くだんの一般質問への答弁で、市町村への支援など、その在り方について検討するとのことでありましたが、現時点での知事のお考えを伺います。 次に、吉田川水系流域治水対策の総合的な取組についてであります。 宮城県のほぼ中央部を流れる吉田川は、歴史的な文献によると江戸元禄期より多くの水害があり、昔から暴れ川と言われる川でありました。記憶の新しいものでは、昭和二十二年のカスリーン台風、翌二十三年のアイオン台風、更には昭和六十一年の八・五豪雨、近年では平成二十七年の九・一一豪雨、令和元年の台風十九号と、沿川集落家屋等に甚大な被害をもたらし、そのたびに生命財産に大きな打撃を与えてきた河川であります。沿川住民は、被害のたびごとに知恵を絞り、それを受け継いだ者は、先人の知恵に更なる知恵を絞り、住居はもちろん、なりわいとしての美田を必死に守り抜いて今日を迎えているのであります。鹿島台のわらじ村長、鎌田三之助村長が品井沼の排水と干拓のために行った努力は有名な話であり、先人の知恵として現在に語り継がれております。また、昭和に入ってからも、昭和七年から九年にかけて吉田川を品井沼から分離するために、鶴田川及び高城川と吉田川を立体交差させて幡谷サイフォンを建設し、干拓と水害の解消への努力もありました。更に近年の異常気象に対処すべき方策として、流域のあらゆる関係者が協働で行う流域治水への方向転換は、まさに大事なことであり、正鵠を射た対策であります。このような中で、吉田川の流域治水の推進について、国、県、市町村と関係機関で協議調整を行う吉田川流域治水部会で、流域治水の取組をより実効性のあるものにするため、吉田川と鶴田川及び高城川を特定都市河川浸水被害対策法に基づく特定都市河川に東北地方では第一号の指定を目指して準備を進めていることを確認したと聞いております。一方で、農林水産省が令和五年度から吉田川流域の国営総合農地防災事業に調査着手するとの発表がありました。鶴田川や高城川流域も含め、農地の湛水被害の軽減に大きな期待を寄せるところであります。今般、国土交通省の働きかけにより、市町村をはじめ多くの関係者の御理解及び御尽力による特定都市河川の指定申請が行われ、今後指定された後に策定される流域水害対策計画では、国や県が行う河川整備に加えて、農業関係者の長年の悲願であった農林水産省の国営総合農地防災事業と緊密に連携することにより、農業を支えながら水害に強いまちづくりを総合的に推進する必要があります。県外からも注目を集めているこの事業について、県の前向きな取組も含め、知事の所見を伺います。 次に、ヤングケアラーへの支援についてであります。 ヤングケアラーを取り巻く課題については、我が県議会でも様々な場面で取り上げられてまいりました。子供、若年層の孤独、孤立の問題なども含め、今後更に大きな社会課題の一つとなっていくものと思料します。子供たちの中には、お手伝いとしての感覚で家族の世話をしている子もいれば、特に高校生などは学業を犠牲にして家族の面倒を見ざるを得ない家庭環境にあるケースなど、様々な例があります。厚生労働・文部科学両省が二〇二〇年十二月から二〇二一年二月に行ったヤングケアラーに関する実態調査によれば、調査した中学二年生及び高校二年生のヤングケアラーに該当する生徒のうち、平日一日七時間以上世話に費やしている生徒がそれぞれ一割を超えていたという結果でありました。このようなことから、ヤングケアラーについては、核家族化、高齢化、家族による介護の限界、一方において介護者支援と言われる介護の提供者の支援について、社会全体で検討していく必要があると考えます。このようなことを踏まえ、我々会派役員は、一月に京都府ヤングケアラー総合支援センターを視察し、意見交換も行ってまいりました。このことも参考に、宮城県のヤングケアラーの取組について、以下伺ってまいります。 初めに、本県では今年度ヤングケアラーの実態調査に取り組んでおりますが、その進捗状況などについて伺います。 京都府の支援センターでも説明がありましたが、ヤングケアラーは家庭内のことなので分かりにくいという特徴があります。また、ヤングケアラーの子供たちには、本人にその自覚がない場合も多いと聞きます。このため、学校の先生方や周囲の身近な大人などが、そういった視点を持って子供たちを見守っていく必要があると思いますが、学校の先生方や市町村、関係機関などへのヤングケアラーに関する情報提供や研修など、対応力向上に関する取組についてはどのようにお考えか伺います。 子供たちが、自身がヤングケアラーかもしれないと思ったり悩みを抱えたりしたときに、気軽に相談できる窓口が必要であります。また、子供たち同士で悩みを共有できるような、県内のどこからでもアクセスできるオンラインを活用したサロンなども必要と考えます。相談を受ける体制整備の現状について伺うとともに、京都府のように相談支援に関するノウハウを持っている外部の民間の力を活用することについてのお考えを伺います。 次に、看護職員に関する諸課題についてであります。 看護職員の数は、全国でこれまで右肩上がりに増え続けておりますが、それでも看護業界は深刻な人材不足という現状があります。更には、今後団塊の世代が後期高齢者となることから、医療や介護を必要とする患者と看護師の数の不足が予想されている二〇二五年問題が懸念されております。現在はコロナ禍が続いており、罹患者への医療のために多くの人材を要し、人材不足に拍車をかけていることは周知のとおりであります。このような現状に鑑み、県が医療行政を推進する中でどのように対応するか、以下伺ってまいります。 慢性的な人材不足は、一人当たりの業務負荷を増大させ、看護職の離職を招くことにつながることもあり、医療サービスの低下につながる場合もあります。県は、看護人材不足の現状及び将来についてどのように捉えているのか、伺います。 もともと人材不足の潜在的な原因は、前述のとおり就業者数に対して高齢者の増加などによる人材ニーズが急激に増加していること、そして決して少なくない離職者数であります。とりわけ離職の原因として挙げられるのは、過去の厚生労働省の調査から、結婚や出産・育児のほか、人間関係、超過勤務や夜勤の負担等の労働環境、給与への不満、責任の重さや医療事故への不安などが影響していることが読み取れました。育休・産休の取得や職場復帰がスムーズにできること、また、職場等への不満や不安がなければ、離職者は軽減されるということがうかがわれます。結婚や出産・育児などについては、例えば勤務形態の見直しによる夜勤の免除、時短勤務の導入、有給休暇や看護休暇を取得しやすい環境整備、院内託児所の設置など、看護師のライフスタイルに合わせたサポートが一層充実することで離職せずに済むケースが増え、一旦離職しても復職しやすい環境が整うと考えますが、このことについての見解を伺います。 宮城県より宮城県看護協会が指定を受け、看護職員の定着・確保に関する事業を行っている宮城県ナースセンターがあり、求人求職の検索サイトeナースセンターなどにより、無料で職業紹介事業を行っております。また、ハローワークと連携するなど工夫しているところですが、半数以上が民間事業者により就職しているとの調査結果もあり、様々な実態から、人件費にかかる経費を圧迫しているとの声も多数聞きます。日医総研の指摘によれば、一つの対策として、ハローワークとナースセンターの強化を挙げております。県として更なる支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。 また、給与に着目しますと、現在の俸給表に準じて運用している場合は、八〇%以上が二級までの格付であります。先般、医療職俸給表三の級別標準職務表を改正する人事院規則が公布され、本年四月一日から施行されますが、管理的立場にある看護師や特に高度の知識経験に基づき困難な業務を処理する看護師について、キャリアアップに伴い、より高い職務の級に昇格できる環境整備が図られることになりました。今後は、新たな昇格基準などにより運用されることと思われますが、その運用によって待遇改善の効果に差異が生じます。どのような方針で運用することが望ましいとお考えか、また、県の立場で県内の看護師の待遇改善のための働きかけなどのお考えを伺います。 県の医療行政のためにも、看護師の充足は喫緊の課題であります。以上のことについて今後、県の立場で、県内の医療機関や介護施設などの看護師の待遇や環境改善のために、何らかの手だてを講じる必要があると考えます。前向きな答弁をお願いいたします。 次に、高齢者福祉施設への支援についてであります。 特別養護老人ホームなどの介護施設を取り巻く環境は、物価高騰やコロナ禍などにより厳しい経営を余儀なくされる一方で、待遇面などから人材の確保も容易ではなく、施設の運営に非常に苦慮している状況が続いております。全国的には、特別養護老人ホームの三割から四割が赤字になっているという調査結果も出ており、介護事業者の倒産件数も過去最多となっております。また、新型コロナによる施設の利用控え、感染者発生による事業休止、衛生用品購入の負担、最低賃金の上昇、社会保険加入範囲の拡大による事業者の負担増加なども伴い、事業継続が困難になる事業所は更に増えることが予想されます。これらの現状に鑑み、以下伺ってまいります。 特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護保険施設は、介護報酬、食費、居住費などの価格が介護保険制度で決められているため、ごく一部を除き、ほとんどは経費負担分を価格に転嫁することはできません。そのため、物価高騰やエネルギー価格高騰対策のための臨時の介護報酬改定や介護保険制度の見直しについて、国に対して要望していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、令和四年度に引き続き、介護事業者への経済的支援について、県の独自政策も含め、強力に推し進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 介護施設は生活施設であるため、エネルギーや電気使用量削減にも限界があります。県では、令和五年度においても引き続き脱炭素のための事業が展開される予定ですが、介護事業所においての負担軽減と脱炭素の取組が一体的に進められるよう、介護事業所の省エネ対策のための支援を強化し、また、活用しやすい制度の構築が必要と考えますが、お考えを伺います。 新型コロナウイルスの感染症法上の分類については、現在、五月のゴールデンウィーク明けに二類から五類にすることで進められております。このことにより、保健所の関わりがなくなるどころか、様々な公費負担もなくなることが予想されます。しかし、新型コロナウイルスの分類が変わっても、ウイルスが弱毒化するものではありません。それどころか、感染対策が緩和されれば、これまで以上に感染者が増加することも予想され、介護施設でもクラスターが頻発し、亡くなる方が増加することも予想されます。また、介護事業所の職員も様々な我慢を強いられ、精神的にも限界を感じているという声も多く、このままでは介護業界への就職をためらう人材や、むしろ離れてしまう職員が増えることも懸念されます。そのためにも経済的支援のみならず、ワクチン接種の公費負担や介護事業所への検査体制の支援など、高齢者及びその高齢者を支える職員も安心できる支援を引き続き行い、環境を整える必要があると考えますが、お考えを伺います。 これまで処遇改善が行われてきたものの、いまだに全産業平均と比較すると、介護分野の平均給与は低い状況にあります。介護保険事業にあっては、職員の人件費水準を抑えることで成り立たせている例もあるとの声も聞かれ、加えて物価高騰などの影響もあり、介護職員の待遇悪化、更にはサービスの低下につながってしまうおそれがあります。このため、介護人材の不足にますます拍車がかかり、人材確保の面でも支援が必要であります。現在、宮城県介護人材確保協議会が設置され、産学官が一体となり、人材確保策などを進めておりますが、近年は新型コロナウイルスの影響もあり、ほとんどが行政主導で事業が進められている状況です。このため、介護現場の実態や状況をしっかりと事業者に反映させていくことが容易ではなく、改めて産学官が話合いを重ねながら有効策を検討し、実施していくことが求められますが、いかがでしょうか。 次に、農業分野における諸課題についてであります。 ロシアのウクライナ侵攻以来、国際的に燃料や物資等の価格や流通に大きな影響が生じ、農業分野においても、肥料や家畜飼料の価格の高騰、農業用施設の電気料金の高騰その他資材価格の高騰など、農業経営を継続することが非常に厳しい状況となっております。過日の自由民主党・県民会議農政議員連盟と畜産農家との懇談の中では、全くの赤字続きだという苦境のお話が複数ありました。また、土地改良区の皆さんとの懇談においては、電気料金が一・五倍程度増額する見込みであるとのお話もありました。こうした点などを踏まえ、県としても令和四年度予算の中で一定の対策を講じてきておりますが、令和五年度においても継続的な支援が必要と考えます。県としての考え方と具体的な支援策について伺います。 本県においては、第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画において、園芸の農業産出額について、平成三十年三百三十三億円を令和十二年六百二十億円と倍増する目標を立てております。しかしながら、ここにも昨今の物価高騰の流れが大きく影響しており、効率的なエネルギー活用、資材等の高騰対策が必要であるほか、担い手対策や販売対策など、様々な課題を克服していかなければなりません。県として、目標達成に向けた方針と具体的な取組について、どのようにお考えか伺います。 主食用米については、令和五年産の生産の目安は令和四年と同面積となりましたが、水田農業においては多くの課題を抱えております。生産という視点においては、昨今の温暖化に対応した水稲品種の開発や飼料用米の適正品種の開発のほか、子実用トウモロコシの生産活用の推進、肥料の自給化の推進、カントリーエレベーターの老朽化に伴う改修などがあり、流通販売という視点では、昨今、本県のコンビニ等で他県産米のおにぎりなどがメイン商品となっていることなどが散見され、みやぎ米の戦略的な販売の推進の必要性を痛感いたします。また、県産米による日本酒の輸出拡大等、県産米の差別化や高付加価値化など、前向きな取組も重要であります。こうした様々な現状と課題を踏まえ、県としての水田農業の振興についての基本的な考えと具体的な取組について伺います。 昨年十月に開催された全国和牛能力共進会鹿児島大会では、九州勢の強さが目立ちましたが、本県も和牛農家や和牛関係者の皆様の御尽力により、県産和牛の底力を示したものと思われます。今大会では、特に和牛肉の脂肪の質が今後の評価として極めて重要であるとの認識が全国で共有され、次回北海道大会では、更に脂肪の質の競争が熾烈さを増すものと考えます。本県としても、しっかりと脂肪の質に関する基礎データを収集した上で分析し、改良していく取組が求められていると考えますが、所見を伺います。 次に、水産業分野への支援策についてであります。 これまで述べてきたように、エネルギー価格の高騰のほか、日本とアメリカの異なる金融政策による円安の進行などによる物価高騰や、海洋環境の変化による海水温度の上昇など、水産業を取り巻く状況は依然厳しいものがあります。これらのことを背景に、今般、県漁業協同組合から、漁業者の経営維持と漁家経営の安定に向けた施策の要望が寄せられております。県では、令和五年度においても水産業のための施策を予定しておりますが、県漁協からは特に漁業用燃油・資材の高騰化支援などの漁業振興策についての要望があります。今後の漁業振興策について、基本的なお考えを伺います。 このほか、ALPS処理水海洋放出については、県漁協の各部会からも様々な意見や要望が寄せられております。風評被害は甚大であり、今後漁業関係者が安心できるような方向づけが必要であります。このことについて、県としてどのように考え取り組んでいくのか伺います。 以上で、壇上からの質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 中山耕一議員の代表質問にお答えいたします。大綱十点ございました。 まず、大綱一点目、本県の防災・減災についての御質問にお答えいたします。 初めに、仙台貨物ターミナル駅の移転及び広域防災拠点の整備完了時期とその延伸理由についてのお尋ねにお答えいたします。 広域防災拠点整備の前提となる仙台貨物ターミナル駅移転につきましては、今年度の移転完了を目指し、事業主体となるJR貨物を積極的に支援してきたところでありますが、埋蔵文化財の発掘調査や鉄道工事の工程精査等により、駅移転完了時期が令和七年度または八年度になることを、令和三年三月の予算特別委員会・建設企業分科会において御報告したところであります。その後、鉄道事業者において追加で実施した現地調査等を基に、昨年提出された詳細設計の成果を確認した結果、駅移転予定地内の市道--仙台市の市道です。市道・踏切廃止のために必要となるアンダーパス工事の軟弱地盤対策の追加や、列車運行を配慮した信号設備工事等の工程精査により、移転完了時期が令和十一年度と更に約三年延伸となり、併せて、広域防災拠点の整備完了時期が令和十四年度になる見込みとなったものであります。今回の完了時期の遅れは、詳細設計の成果を踏まえた工程精査によるものでありますが、このような事態になったことにつきましては大変申し訳なく思っております。 次に、広域防災拠点の役割と必要性についての御質問にお答えいたします。 広域防災拠点につきましては、東日本大震災の教訓を踏まえ、傷病者の域外搬送拠点機能の充実強化、広域支援部隊の一時集結場所やベースキャンプ用地の確保、物資輸送中継拠点の整備等が必要であると強く認識したことから、緊急輸送道路を含む幹線道路とのアクセスや、県内唯一の基幹災害拠点病院に近接するなど、圧倒的に地理的優位性が高い宮城野原地区に整備することにしたものであります。今回、完了時期が更に延伸する見込みとなりましたが、県内では東日本大震災以降も、昨年、一昨年に発生した福島県沖地震や、令和元年及び昨年七月の豪雨被害など、自然災害が頻発化・激甚化しており、今後発生が想定される大規模災害に的確に対応するためには、広域防災拠点の整備が必要不可欠であると改めて認識しております。県といたしましては、鉄道事業者をはじめとする関係機関とこれまで以上に緊密に連携しながら、一日も早い供用に向け、職員一丸となって取り組んでまいります。 次に、広域防災拠点の整備完了時期の延伸による防災・減災対策への影響についての御質問にお答えいたします。 広域防災拠点は、県内全域をカバーする防災拠点として中核的な役割を担うものであり、これを中心として、圏域防災拠点や市町村が整備する地域防災拠点との機能補完、相互連携を行うことにより、防災体制の構築を図るものであります。現在、広域防災拠点の整備完了までの期間につきましては、利府町の県総合運動公園を代替施設として運用しているほか、昨年四月から、宮城野原地区の整備予定地のうち約二ヘクタールを広域支援部隊のベースキャンプとして暫定的に供用しておりますが、緊急輸送道路を含む幹線道路とのアクセス性や基幹災害拠点病院との連携などを踏まえると、完了時期の延伸は、我が県が目指す防災体制の構築に影響があることは、私自身認識しているところであります。県といたしましては、引き続き広域防災拠点の一日も早い供用を目指すとともに、現在行っている第五次地震被害想定調査の結果を踏まえ、更なる防災・減災対策の強化にしっかりと取り組んでまいります。 次に、広域防災拠点整備事業の全体事業費についての御質問にお答えいたします。 広域防災拠点整備事業の現時点における全体事業費は、宮城野原地区の用地取得費、仙台貨物ターミナル駅移転に要する補償費、広域防災拠点整備費を合わせて、約三百二十四億円となっております。現在、県では、鉄道事業者から提出された詳細設計の内容について、公共補償基準に基づき、移転に係る補償額の妥当性を確認するとともに、ウクライナ情勢等の影響に伴う鋼材をはじめとする資材価格の変動状況や、アンダーパス工事の軟弱地盤対策等の追加費用について精査するなど、補償費や施設整備費の再算定を行っているところであります。こうした状況から、全体事業費は増額せざるを得ないものと認識しており、県といたしましては、引き続き鉄道事業者との協議等を進め、来年度内のできるだけ早い時期に補償費を含めた全体事業費を確定し、皆様に御説明したいと考えております。 次に、広域防災拠点の再評価の内容と実施時期についての御質問にお答えいたします。 県が行う公共事業につきましては、事業着手した年度から十年度以内に事業の完了が見込めない場合は、その最終年度に公共事業再評価を行うこととしております。具体的には、整備に要する費用や事業期間、進捗状況等を踏まえ、その必要性や有効性、費用対効果等について、学識者や県民の皆様の御意見をいただいた上で、事業継続の妥当性を判断するものであります。広域防災拠点整備事業につきましては、来年度が事業着手から十年度目に当たることから、現在精査している全体事業費が確定した上で再評価を行うこととしております。県といたしましては、このような再評価も含め、様々な機会を通じて、広域防災拠点整備の重要性について広く県民の皆様に御理解をいただくよう、引き続き丁寧な説明に努めてまいります。 次に、大綱二点目、仙台医療圏における病院の再編についての御質問にお答えいたします。 初めに、地域医療連携の課題解決と病院再編の関係及び国に対する財政支援の要望についてのお尋ねにお答えいたします。 病院の再編については、政策医療の課題解決のため、県が考える最適な方策として令和三年九月に方向性を示し、その実現に向けて関係者間で鋭意協議を進めてまいりました。一方で、検討に当たりましては、地域医療構想調整会議や救急医療協議会、周産期医療協議会などの会議で説明するとともに、様々な御意見にも耳を傾けてきており、これらを踏まえて県民全体にとって一層有益な再編にしたいと考えております。また、病院再編に関する助成制度として、国では地域医療介護総合確保基金を活用した、病床を削減する場合の支援制度を整備しておりますが、県といたしましては、病院の統合の場合や重点支援地区域としての支援が充実されることで、再編の協議がより一層加速するものと考えております。今回の病院再編は、急性期病床が過剰となっている仙台医療圏の課題解決に寄与するなど、地域医療構想の推進に大きな役割を果たすものと期待され、厚生労働省も注目している案件でありますことから、県としても協議の状況を説明しながら、支援の必要性などを働きかけてまいりたいと考えております。 次に、協議確認書についての御質問にお答えいたします。 今月二十日に、日本赤十字社の社長及び労働者健康安全機構の理事長と私の間でそれぞれ取り交わした協議確認書の内容につきましては、これまでの協議を通して共有できた認識や、今後詳細を検討すべき事項を確認したものであります。今後の協議の方向性を県民の皆様に広くお示しすることができたとともに、これをもって関係者からの御意見などをうかがえるようになったという点で、大きな前進になったものと考えております。また、県立精神医療センターに通院されている患者や家族の皆様の不安の軽減につながるよう、名取市の新病院への精神科外来機能の設置についての協議を進めることといたしました。そうした状況でありますので、外来機能の具体的な内容につきましても検討してまいりたいと思います。今後、県立病院機構や各病院を加えて、できるだけ早期に、具体的な病床規模や詳細な診療科など、新病院整備の方向性について合意できるよう、協議を進めてまいります。 次に、救急搬送による病院収容までの時間の現状分析と、病院再編で目指す方向性についての御質問にお答えいたします。 救急搬送時間につきましては、新型コロナウイルスの影響もあり、全県的に長くなっておりますが、特に仙台医療圏では、黒川地域消防本部、名取市及びあぶくま消防本部で救急搬送時間が長いことが課題であると認識しております。県といたしましては、救急医療の体制強化には、これまでも救急医療協議会等で指摘されている専門医の育成・確保や後方病院との連携により、断らない救急体制を構築するとともに、地域バランスが取れた病院配置が重要な要素であると考えており、今回の再編を通じて、仙台医療圏全体で救急搬送時間の短縮を目指してまいります。 次に、病院再編により目指す姿についての御質問にお答えいたします。 仙台医療圏では、地域医療支援病院十病院のうち九つの病院が仙台市内に集中しており、再編によりバランスの取れた地域医療連携体制の確保につながるものと認識しております。残り一つは坂病院です。合わせて十病院ということになります。具体的には、仙台医療圏北部及び南部の地域において、かかりつけ医の機能を担っている診療所にとって、仙台市内の病院との間で患者の紹介や逆紹介を行っている現状よりも、総合病院が近くにあることによって連携の強化が期待されるほか、患者自身の負担軽減にもつながり、地域における切れ目のない医療連携等が可能になるものと考えております。また、災害は場所を問わず発生するため、広域的な応援体制や役割分担が必要であると専門家も指摘していることから、災害拠点病院のない黒川地域に整備することにより、バランスの取れた配置になるものと考えております。更に、新興感染症につきましては、来年度策定する第八次地域医療計画においても検討すべき項目とされており、重症化した患者に対応できる診療体制を各地域に整備することを通じて、県内の新興感染症対策の強化につなげてまいりたいと考えております。 次に、県立精神医療センターの移転理由と患者や関係者の声を踏まえた今後の進め方についての御質問にお答えいたします。 県立精神医療センターの建て替えは喫緊の課題であり、これまで早期の建て替えに向けて検討を進め、様々な候補地を考えてまいりましたが、現在地の名取市近隣では適地がなく、大きな課題となっておりました。このような中、一般病院との連携による身体合併症への対応の観点から、再編の協議の中で労働者健康安全機構の理解を得て、東北労災病院との合築による課題解決とともに、富谷市の候補地が望ましいという方向性を打ち出すことができたものであります。一方で、名取市在住の精神医療センターの患者や関係者の懸念等につきましては切実な思いとして受け止めております。県といたしましては、精神医療センターがこれまで果たしてきた役割や実績は評価しておりますが、将来に向けて各地域でどのような地域包括ケアシステムを実現できるのかを検討することが必要だと考えております。今後とも、移転の必要性について理解を得られるよう説明に努めてまいります。 次に、仙台市の提言についての御質問にお答えいたします。 病院の再編につきましては、これまで仙台市長をはじめ仙台医療圏の市町村長と意見交換を行ったほか、仙台市からは病院再編に関する御意見をいただいてまいりました。県では、御意見を踏まえた県の考え方についても示してきたところであり、提供できるデータや資料につきましては今後も提供してまいります。また、仙台市の提言は、主に政策医療の体制強化や地域医療連携の充実を求めるものであり、政策医療の課題解決に向けて目指す方向性は共通していると認識しております。県が来年度、第八次地域医療計画の策定作業を行うに当たり、仙台市の検討は大変参考になるものと考えており、仙台医療圏や県全体の医療提供体制の充実を目指したいと考えております。 次に、大綱三点目、DXの推進についての御質問にお答えいたします。 初めに、来年度に向けた新たな意識や方向性についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、これまで、あらゆる分野においてデジタル技術をフルに活用することを基本に、AIマッチングシステムを活用した婚活支援や観光地等の混雑状況の可視化など、AIやIoTの技術を取り入れた様々な施策を実施してまいりました。来年度においては、マイナンバーカードと連携したスマホアプリを活用するなど、県民の利便性向上につながる行政サービスを各分野で提供することとしており、民の力を活用しながら、全ての県民の皆様がDXの効果を感じることができるような取組を一層進めてまいります。 次に、市町村のオンラインサービスについての御質問にお答えいたします。 市町村のオンラインサービスにつきましては、県と二十五の市町が共同でみやぎ電子申請サービスを運用しているほか、市町単独でサービスを運用しているところもあります。しかしながら、一部の市町で利用が低調なことから、共通で利用できる標準様式を提供し、利用拡大を図っているほか、オンラインサービス未導入の市町村に対しましては、県と市町村で構成する電子自治体推進協議会において、情報提供やサービスの共同利用を働きかけております。 次に、マイナンバーカードの普及についての御質問にお答えいたします。 若年層のマイナンバーカードの交付率は、他の世代に比べて低い傾向にあることから、県では、商業施設や大学、高等学校において、出張申請ブースを設け、カード取得を支援しているほか、今後、中高校生向けのチラシを作成し、配布することとしております。県としては、若年層をはじめ、全世代への働きかけを継続するとともに、引き続き国や市町村と連携を図りながら、普及促進に努めてまいります。 次に、高齢者デジタルディバイドについての御質問にお答えいたします。 県では、今年度、東松島市の通いの場や宮城いきいき学園において、体験講座やセミナーを開催し、約三百人の方に参加していただきました。来年度においては、通いの場での取組を他地域に拡大するほか、高齢者へデジタル技術を普及する支援員を育成し、県内各地で活動いただくなど、高齢者がデジタル技術に親しみやすい環境の整備を進めてまいります。 次に、携帯電話不感地域についての御質問にお答えいたします。 県では、現在、携帯電話サービス主要四キャリアのエリア情報を統合したマップを作成し、現地調査を行った上で、防災や観光の観点から、エリア整備が必要な箇所を把握する事業を実施しております。今後、調査結果や市町村の意向を踏まえながら、国が設置する協議会での情報提供やキャリアに対する要請等により、不感地域の解消に努めてまいります。 次に、みやぎハッカソンの進捗状況及び関係機関との連携についての御質問にお答えいたします。 みやぎハッカソンは、デジタル人材の発掘と起業家育成等を図ることを目的に、来月二日から四日にかけて秋保温泉を主な会場に、今回初めて実施するものであります。今回の大会は、県民がデジタル技術の利便性を実感できるようなアプリを学生の自由な発想で開発してもらう企画として募集した結果、定員を上回る七十一チーム、三百二十二人から申込みがありました。七十一チーム三百二十二人、大変申込みが多かったということです。提出されたエントリーシートに基づき選考した結果、地元東北大学の学生をはじめ、全国からインターンシップ等の実務経験や他の大会で受賞歴のある開発経験豊富な学生など、十チーム五十人に参加いただくことで現在準備を進めております。県としては、この大会を契機として、県内IT関連団体が大学等と連携して実施しているインターンシップ等の更なる充実化など、技術力の高いデジタル人材の育成を図るとともに、参加者の県内での起業に向けた支援を行うなど、関係機関と連携をしながらDX関連産業の集積を一層進めてまいります。 次に、大綱四点目、犯罪被害者等への支援についての御質問にお答えいたします。 初めに、犯罪被害者支援条例及び犯罪被害者支援推進計画を知事部局が所管し、主体的に支援に取り組むべきとのお尋ねにお答えいたします。 不幸にも犯罪に巻き込まれ、精神的にも経済的にも苦しい立場に置かれている被害者及びその御家族が、再び平穏な生活を取り戻せるよう支援していくことは大変重要であると認識しております。犯罪被害者に対しましては、警察における被害直後の支援に始まり、その後も、福祉、医療、住居、就労など広範な分野にまたがる中・長期的な支援が求められており、他の都道府県においては、ほとんどが知事部局で所管しております。我が県ではこれまで、警察本部と知事部局が連携・協力して取り組んできたところでありますが、経済的支援や生活再建に関する幅広い支援を行うに当たっては、当該条例及び計画について知事部局の所管とし、関係機関と連携を図りながら総合的な調整を行うことが、より望ましいものと考えております。 次に、見舞金制度の検討状況について御質問にお答えいたします。 見舞金制度につきましては、犯罪被害者等が受けた被害による経済的負担の軽減を図るため、他都道府県においても制度化されていることから、現在支給対象者や支給内容、金額等について、把握に努めております。今後、条例や計画の所管が知事部局に変更となる場合には、計画の見直しも必要となることから、見直しに合わせ、見舞金制度につきましても検討してまいりたいと考えております。 次に、大綱五点目、吉田川水系流域治水対策の総合的な取組についての御質問にお答えいたします。 吉田川では、これまで昭和六十一年八月洪水を契機に全国初に指定された水害に強いまちづくりモデル事業を進めてきたほか、昨年三月には、令和元年東日本台風の甚大な被害を踏まえ、流域治水を基本とした吉田川・新たな水害に強いまちづくりプロジェクトを取りまとめ、あらゆる関係者が協働し、水災害対策を推進しているところであります。このプロジェクトでは、「人命と地域の生業を守り、安全・安心な社会を形成する」ことを目標に掲げ、治水対策と併せて、農地の早期湛水解消を目的とした排水機場の能力の強化などの取組が位置づけられております。このため、農林水産省では、これらの取組の実現に向け、来年度から国営総合農地防災事業の調査に着手する予定と伺っております。また、昨年十一月には、市町村などの関係機関で構成される吉田川流域治水部会において、流域治水の実効性を高めるための特定都市河川に指定する方針について合意したことから、現在、国土交通省とともに早期指定に向けた調整を進めているところであります。県といたしましては、激甚化・頻発化する水災害の軽減に向け、農林水産省や国土交通省、市町村などと連携し、引き続き地域の基幹産業である農業を支えながら、流域治水対策にしっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱六点目、ヤングケアラーの支援についての御質問にお答えいたします。 初めに、実態調査の進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。 県では昨年十一月から十二月にかけて、仙台市立を除く県内の小中高及び特別支援学校に通う小学五年、中学二年、高校二年の合計約四万人の児童生徒を対象に調査を実施いたしました。現在、調査結果の精査段階で確定値ではありませんが、「世話をしている家族がいる」と回答したのは、小学五年生の七・九%、中学二年生の七・三%、高校二年生の五・八%であります。また、「自分がヤングケアラーにあてはまる」と回答したのは、小学五年生で〇・八%、中学二年生で一・四%、高校二年生で二・二%となっております。更に、「ヤングケアラーについて聞いたことがある」と回答したのは、小学五年生の三二・七%、中学二年生の四六・二%、高校二年生の四九・一%でありました。現在、世話を必要としている家族の状況、世話の内容及び時間やそのことによる影響、更には相談の有無や必要な支援などのアンケート結果について分析を進めているところであります。 次に、関係機関への対応力向上に関する取組についての御質問にお答えいたします。 県では、今年度新たに、ヤングケアラーの把握とその支援について事例を通して学ぶ、教職員向けの研修会を県内四か所で実施いたしました。また、市町村の児童福祉担当職員向けに、関係機関が連携した支援体制構築のための研修会を開催するとともに、市町村の希望に応じて、ヤングケアラー支援に関する基礎研修会の講師を派遣いたしました。県としては、今後もこれらの取組を継続するとともに、研修の対象者を更に広げ、早期発見や支援の充実に努めてまいります。なお、学校における支援や対応力の向上につなげられるよう、ヤングケアラーへの理解とその支援体制や方法等を記載した資料を、調査実施に合わせて配布したところであります。 次に、相談支援体制の現状と相談支援に関する市民団体の活用についての御質問にお答えいたします。 現在は、県で設置しているSNSを活用したみやぎ子ども・子育て相談や子供に身近な学校の教員やスクールカウンセラーなどが、ヤングケアラーに関する相談を含め、困難を抱える子供からの相談を受けている状況であります。しかしながら、ヤングケアラーが抱える課題は多岐にわたっており、学校や行政関係機関だけでなく、民間団体も含め地域全体で支えていくことが求められております。このことから、県としてはヤングケアラーに特化した相談窓口の設置やオンラインサロンの実施に向けて、民間団体との連携やノウハウの活用など幅広く検討し、支援体制の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、大綱七点目、看護職員に関する諸課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、看護人材不足の現状と今後の見通しについてのお尋ねにお答えいたします。 県内の看護師数は年々増加しており、離職率は全国平均を下回っているものの、人口十万人当たりの看護師数は全国平均より少ないことから、看護師の確保が課題となっており、また、仙台市に看護師が集中し、地域偏在も課題となっております。国が令和元年に行った看護職員需給推計によると、我が県は二〇二五年に最大四千五百人の不足が見込まれていることから、県といたしましては、引き続き学生に対する修学資金の貸付けや就職ガイダンスなど、県内就業の促進等に努めてまいります。 次に、ライフスタイルに合わせた支援の充実についての御質問にお答えいたします。 看護師の確保のためには、各医療機関等において働き方・休み方の改善や働きやすさの確保など勤務環境の改善に取り組むことで定着を促進し、離職を防止することが重要であると認識しております。県では、医療勤務環境改善支援センターを設置し、医療機関の相談に応じているほか、看護補助者等の配置や労務管理システムの導入など勤務環境改善に向けた取組への支援、病院内保育所の設置費用や運営費の助成などを行っております。県としては、引き続き、様々なライフステージにおいて看護師が離職をせず働き続けることができるよう、医療機関の勤務環境改善の取組を支援してまいります。 次に、ナースセンターについての御質問にお答えいたします。 県では、看護師等の人材確保の促進に関する法律に基づき、宮城県看護協会を宮城県ナースセンターに指定し、無料職業紹介や潜在看護師の把握、復職支援のほか、県内各地のハローワークと連携し、地域の潜在看護師の掘り起こしやマッチング強化のため巡回相談を行っております。昨年度は延べ一千四百七十九人の求職者のうち延べ五百二十一人が就職しておりますが、県ナースセンターが十分に活用されるためには、機能の底上げや認知度を高めることが重要であることから、マッチングに至らなかった原因の分析や県政だよりへの掲載などの周知・広報の強化に努めるとともに、各種事業が効果的に実施されるよう、今後も県ナースセンターを運営する県看護協会と連携を強めてまいります。 次に、看護師の処遇改善についての御質問にお答えいたします。 国では、看護師の職務の実態を踏まえ、管理的立場にある看護師等を適切に評価するため、国家公務員の級別標準職務表の見直しを行い、より高い職務の級に昇格できる環境を整備いたしました。県といたしましても、看護職がその職能と権限に応じた処遇を受けることは重要だと認識しておりますので、看護師の処遇改善の推進を要請する国からの通知を県内医療機関に周知したところであり、今後も処遇改善が進むよう努力してまいります。 次に、大綱八点目、高齢者福祉施設への支援についての御質問にお答えいたします。 初めに、物価高騰等に係る国への要望及び介護事業者への支援についてのお尋ねにお答えいたします。 介護事業者においては、物価やエネルギー価格の高騰などにより、厳しい経営環境にあると認識しております。県では、今年度、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、介護事業所に対し光熱費等を支援するための補助事業を実施したところであります。来年度につきましても、状況を注視していく必要がありますが、このことは全国的な問題であることから、これまでも全国知事会を通じて国に要望しており、引き続き強く要望したいと考えております。 次に、省エネ対策の支援についての御質問にお答えいたします。 県では、エネルギー価格等の高騰の影響を受けた高齢者施設に対し、運営コストの抑制や事業活動で生じる二酸化炭素の排出削減を図るため、来年度においても省エネ設備等の導入を支援することとしております。今年度は年度途中の事業実施にあったため、申請を断念した事業者の方もいたことから、来年度の事業実施に当たっては、申請受付期間や事業実施期間を十分に確保し、より多くの事業者に補助金を活用していただけるよう取り組んでまいります。 次に、介護施設の利用者や職員が安心できる環境を整える必要があるとの御質問にお答えいたします。 県では、これまで感染が発生した施設に対しては、掛かり増し経費への補助や応援派遣体制の支援のほか、従事者等を対象とした抗原検査を行ってきたところであります。五類移行後も、高齢者施設における感染の拡大防止や予防対策を徹底する必要があることから、県としても、従事者のワクチン接種の推進とともに、現場の従事者の具体的な感染対策を解説する研修の実施などにより、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。 次に、介護人材の確保対策を産学官が一体となって検討すべきとの御質問にお答えいたします。 団塊の世代が全員後期高齢者となる二〇二五年には、県における介護職員の不足人数は四千百八十八人と見込まれることから、介護人材の確保が喫緊の課題であると認識しております。県では、平成二十六年に介護人材の確保・定着を目的に、宮城県介護人材確保協議会を設立し、多様な人材の参入促進、職員の資質向上、労働環境・処遇の改善を柱に、関係団体と連携した様々な取組を進めてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、今年度、協議会主催の介護職員合同入職式が中止となるなど活動に支障が生じているほか、協議会を開催しての意見交換等も実施できない状況でありました。このことから、介護現場の実態や状況を事業に的確に反映していくため、今年度中に協議会を開催し、関係団体の方々との意見交換をしっかりと行うこととしております。 次に、大綱九点目、農業分野における諸課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、家畜飼料や電気料金等の高騰に対する継続的な支援についてのお尋ねにお答えいたします。 資源高や円高等による昨年春からの急激な資材価格高騰により、県内農業者の経営は大変厳しい状況にあると認識しております。このため県では、今年度、肥料や飼料、燃油等の資材価格高騰に対し、短期的な支援策のほか、省エネ機器の導入を促進するなどの中長期的な支援策も講じてきたところであります。特に、高止まりとなっている畜産の配合飼料につきましては、来年度も掛かり増し経費への支援を継続するとともに、粗飼料の増産を支援することにより、畜産経営を下支えするよう取り組むこととしております。資材価格の動向は今後も見通せないことから、県といたしましては、引き続き国に対して必要な財源措置の継続を要望していくとともに、農家に寄り添った対応に努めてまいります。 次に、園芸産出額倍増の目標達成に向けた方針と取組についての御質問にお答えいたします。 県では、第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画において、令和十二年の園芸産出額を六百二十億円とする目標を掲げ、先進技術を駆使した全国トップレベルの施設園芸、担い手を核とした収益性の高い大規模露地園芸を目指すべき姿とし、園芸の生産振興を進めております。今年度の具体的な取組といたしましては、イチゴの百億円産地の育成に向けて、高度な環境制御技術を有する施設の整備や海外への輸出を支援したほか、枝豆、クロマツなどの品目で、産地と実需者が連携した効率的なサプライチェーンの構築による販路拡大、付加価値向上の取組を支援してまいりました。また、人材育成の面でも、普及指導員による伴走型の支援や、施設園芸における栽培管理者の育成などに取り組んでおります。更に、来年度から新しくみやぎ大規模施設園芸立地奨励金を創設し、資材高騰など厳しい状況の中でも、施設園芸の立地がより一層進展するよう取り組んでまいります。 次に、水田農業の振興についての御質問にお答えいたします。 国内における主要主食用米の需要減少が続く中、農業者が安定的に営農を継続していくためには、需要に応じた米の生産・販売に加え、水田を最大限に活用し、バランスの取れた農業構造を構築することが重要であると考えております。そのため、生産面では、みやぎ米の高品質・安定生産に向けて、デジタル技術を活用した生育診断手法の開発や高温登熟性にすぐれた品種の開発等に取り組んでおります。また、国、県の事業等を活用しながら、収益性の高い園芸作物や大豆・麦類、飼料作物等への一層の転換を進めてまいります。流通・販売面では、需要拡大が期待される金のいぶきや誕生六十周年を迎えるササニシキなどの一層のブランド力向上のほか、販売事業者等が行うPR活動への支援、日本酒の輸出促進など、新しい需要の創出にも取り組んでまいります。県といたしましては、これらの取組を通じて、引き続き競争力の高いみやぎの水田農業の実現を図ってまいります。 次に、和牛肉のうまみに関する改良についての御質問にお答えいたします。 和牛肉のうまみの一つとされる脂肪の質は、肉質の評価において新しい指標とされつつあり、全国和牛能力共進会鹿児島大会では、初めて脂肪の質を競い合う出品区が設けられました。県といたしましては、脂肪の質の改良を効果的に進められるよう、これまで以上にデータの収集・分析体制を強化するとともに、我が県独自の取組として行っているアミノ酸などの分析結果も活用し、これまでの霜降り度合いなどに加えて、和牛肉のうまみも考慮した種雄牛の選抜や雌牛の整備を進めてまいります。あわせて、飼料給与方法などの検討も進め、令和九年度に開催されます北海道大会での県産和牛の上位入賞を目指してまいりたいと考えております。 次に、大綱十点目、水産業分野への支援についての御質問にお答えいたします。 初めに、今後の水産業振興策についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の水産業は、主要魚種の不漁や燃油・資材価格の高騰などにより、非常に厳しい状況にあるものと認識しております。このため県では、今年度、県内産地魚市場に水揚げする漁業者や出荷用資材を購入する養殖業者への支援などを行っており、来年度も継続することといたしました。また、本県水産業が海洋環境や社会情勢の変化に対応できるよう、県の水産基本計画に基づき、暖水性魚種の利活用や新たな養殖種の探索、陸上養殖技術の開発・普及などの取組を進めることとしております。県といたしましては、今後とも持続的で収益性が高い漁業・養殖生産体制の確立を目指し、関係者の皆様とともに全力で取り組んでまいります。 次に、多核種除去設備等処理水に関する風評被害対策についての御質問にお答えいたします。 処理水の風評被害対策につきましては、漁業関係者が安心して事業を継続できるよう、風評を生じさせないことはもちろん、万が一風評が発生した場合を想定した対策を、国と東京電力の責任において着実に講じることが重要であると認識しております。このため県では、処理水の取扱いに関する宮城県連携会議を通じ、具体的かつ効果的な風評対策を、国と東京電力に求めてきたところであります。これを受け、国から理解醸成など風評を生じさせないための取組や、漁業担い手確保対策など漁業関係者のなりわいを支援する取組が示されたほか、東京電力から風評被害に係る賠償の基本的な考え方が示されております。県といたしましては、これら対策が着実かつ効果的に実施されるよう、海洋放出以外の処分方法の検討と併せ、引き続き国と東京電力に対し強く求めてまいります。 以上です。 ○議長(菊地恵一君) 五十五番中山耕一君。 ◆五十五番(中山耕一君) 丁寧な答弁ありがとうございました。幾つか再質問させていただきます。 広域防災拠点なんですが、延期になるということで、そのものの整備完了時期が令和十四年というようなことで多分驚いている人は多いと思います。それで、中身のほうに手を入れるのは、なかなか私には見えないんですけれども、ただ、思いとして、令和十四年よりも前倒しできるとしたら、それは汗をかくと言いますか、そういう意向があるのかどうかを教えてください。
    ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 私としては一日でも早くという思いを持っておりますが、これが時間がかかっておりますのは、JR貨物のいろいろな関係のためでありまして、私といたしましては、できるだけJR貨物やJRを支援しながら、一日も早く進むように、できれば一年でも前倒しできるように努力してまいりたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 五十五番中山耕一君。 ◆五十五番(中山耕一君) よろしくお願いします。 仙台医療圏病院再編でありますけれども、拠点病院の存在というのはすごく大きくて、地域医療は診療所だったり、クリニックだったり、そういったところとの連携、少し述べましたけれども、そういうことがすごく大事で、それが構築されていないところに拠点病院が行くというのは、すごく大きい話なんですね。それで、行った後の医療の地域連携がどういうふうに構築されるか、県でどういうふうに働きかけていくのか、そこがすごく肝だと思うんです。その辺の考えを教えていただけますか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 基本的に、地域包括ケアシステムをどのように構築していくのかというのは、これは市町村が一義的にやることになっております。それを県は、当然広域的な視点からいろいろサポートしていくということになります。今回の病院の移転に関しましては、実現するとなると、県がかなり大きく関わっておりますので、当然市町村任せにできないということから、動きが更に見えてまいりましたら、いろいろな自治体とお話合いを進めていくことが必要だと思っております。今まで、県の考え方というのはいろいろ外に出しましたけれども、日本赤十字社、それから労働者健康安全機構の考え方というものを外に出すことはまだできなかったわけです。そういったことから、いろいろな関係団体と話合いをすることもできなかったわけでありますが、今回、確認書という形で、一定のものを出すことができた。つまり、労働者健康安全機構や日本赤十字社がどう考えているのかということを、少なくとも文書として出すことができましたので、これからはいろいろお話合いを進めていくことできますから、お困りであるとおっしゃっている方も含めて、話合いを進めてまいりたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 五十五番中山耕一君。 ◆五十五番(中山耕一君) 犯罪被害者等の御答弁で、今、条例見直しの検討を進めておりまして、今日の答弁で今後進めやすくなったかなと思います。本当にありがとうございます。よろしくお願いします。 吉田川の関係でありますけれども、農林水産省と国土交通省が今はすごく良好な関係でありまして、国、県、市町村というその流れも、それから関係機関、土地改良区など、いろいろな機関の連携がすごく成り立ってきているというような印象なんですね。それで、県のほうでも土木部と農政部などがありますけれども、更に横串を通していただくような体制を強くしていただきたいと思うんです。それを国のほうでも望んでおりますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 当然のことであります。毎週月曜日に幹部会というのをやっておりまして、これは私の考え方を伝えるとともに、いろいろな部局に横串を刺して連携させるというのが狙いでございます。そういった意味では、ほかの県に比べて宮城県は比較的、そういった横の連携がうまくいっているのではないかなと思っているんです。今御指摘のありました分野につきましても、しっかりと土木部と農政部で連携が取れるように指導してまいりたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 五十五番中山耕一君。 ◆五十五番(中山耕一君) よろしくお願いしたいと思います。 看護職員不足の関係ですけれども、なかなか直接に県が手を出せないところもあったりして御苦労があろうかと思いますが、なるべく前向きに頑張っていただきたいと思います。 それから、遠藤副知事、長いお付き合いをさせていただいております。それで今般、次のステージに進まれるということで、本当にいろいろお世話になりまして、感謝申し上げる次第であります。地元を歩いたりしているときに、時々、遠藤信哉さんというふうに名前が出てくるんですよね。あのときお世話になったとか、いろいろな話も聞かされていて、頑張ってきたんだなというのをその都度感じるんですけれども、そういったことで、頑張ってこられたことに敬意を表したいと思います。これまで四十四年間歩んでこられた所感と、今後の宮城に対する期待について、あればお披瀝ください。 ○議長(菊地恵一君) 副知事遠藤信哉君。 ◎副知事(遠藤信哉君) ただいま中山議員から過分なお言葉と、私に対しての発言の機会を頂戴いたしまして、ありがとうございます。今お話のありました私ごとで恐縮なんですが、昭和五十四年に土木技術職として入庁させていただきまして、その間四十四年間、県職員として勤務させていただきました。また、この十年間は議場に出席させていただいておりまして、議員の方々といろいろと答弁等もさせていただいた次第でございます。四年前に図らずも知事から御指名をいただきまして、また、議会の皆様の承認をいただきまして、副知事に就かせていただいたわけでございますが、技術職の私に果たして副知事が務まるんだろうかという思いで、自問自答の毎日でございました。一方で、議員の皆様、それから村井知事、そして職員の皆さんの支えによりまして、力不足を感じながらも充実した四年間を過ごさせていただいたと思っております。改めて感謝を申し上げたいと思います。私が県職員の間で一番思い出深いなと思っておりますのは、やはり未曽有の大災害となりました東日本大震災における復旧・復興事業だと思っております。復興まちづくりをはじめといたしまして、防潮堤、復興道路、そして災害公営住宅の建設など直接携わらせていただいたことは、私にとっても大きな糧でありました。また、知事が創造的復興として掲げられました仙台空港の民営化、それからみやぎ型管理運営方式、あと広域防災拠点事業に携わらせていただいたという意味では、私自身の人生にとっても大きな糧であったと思っております。いまだなお新型コロナウイルス感染症対策に対応しなければならない状況でありますが、DX--デジタルトランスフォーメーション、子育て、再生可能エネルギー、病院再編、それから県土の強靱化という意味で、県政が担う課題は非常に山積していると思います。私は退任をしますが、四月からは村井知事の下、新しい執行体制で、そういった課題に果敢に挑戦をしていただくと思っておりますし、議会の皆様におかれましても、その部分について御理解、御支援を賜ればと思っております。最後になりますが、長い間、御指導、御鞭撻をいただきましたことに対しまして、改めて感謝を申し上げますとともに、宮城県政、それから宮城県議会が、今後ますます発展することを御祈念申し上げまして、私の最後の答弁とさせていただければと思います。最後ではないかもしれないですが。長い間、本当にありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。    午前十一時三十八分休憩-----------------------------------    午後一時一分再開 ○議長(菊地恵一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。四十四番ゆさみゆき君。    〔四十四番 ゆさみゆき君登壇〕 ◆四十四番(ゆさみゆき君) みやぎ県民の声を代表し、誰一人取り残さない県政の実現を求め、質問してまいります。 東日本大震災から十二年となる三月十一日を迎えます。復興に係るきめ細かな支援や激甚化する自然災害等への継続した対応が求められています。そうした中、トルコ・シリアの大地震により、約五万人の貴い命が犠牲になりました。心から御冥福をお祈りいたします。 今日でロシアのウクライナ侵攻から一年、一日も早く停戦し、平和的解決を心から願います。円安による原油価格・物価高騰は、県民生活や地域経済に大きな影響を与えています。長期化も想定されることから、追加的な経済対策や県民の暮らしを守る支援、コロナ対策などを継続することも必要です。国会では、所得制限なしの子ども手当、幼児教育から大学までの教育無償化など論議をされています。G7議長国である日本は、世界標準となっている選択的夫婦別姓制度、LGBT法、同性婚法が成立されていません。日本の性的マイノリティーに対する姿勢が今問われています。多様性を認め様々な価値観があってこそ、未来が開かれるのではないでしょうか。みやぎ県民の声は、社会的・経済的課題も山積みしている今、誰一人取り残さない県政の実現に向けて、新年度予算に向け、優先的に取り組まれるべき重要項目八テーマ六十五項目をまとめ、知事に提言を行いました。以下、提案を含め質問してまいります。 二月十四日、知事は、令和五年度の県政運営の考え方を示されました。次の世代に何をつなぐことができるのか、常に自問しながら復旧・復興に邁進してきた。それは時に大きな議論を呼ぶこともありましたが、我が県の明るい未来を一心に思い描き、批判を恐れずに積極果敢に取り組んできたと胸を張りました。昨今の村井知事による県政運営は、もちろん評価する声もありますが、トップへの行き過ぎた権力集中により、権威主義的な県政運営になっているのではないでしょうか。 県政運営において、政治的な意思決定のプロセスを公開し、人権や少数意見を尊重し、県民との対話と協働で解決を探る、県民参加、情報公開を推進する真の民主主義を確立すべきではないでしょうか、お伺いします。 少子化対策において、失われた十年を取り戻すためにも、幼児教育から大学までの教育無償化を実現し、今を生きる子供・若者・子育て支援、福祉、教育の充実を最優先に取り組んでいただきたいと思います。知事、教育長のお考え方を伺います。 二月二十日、全国の二十三の県知事とともに、「多様性への理解促進と誰もが安心して暮らし、活躍できる社会づくりを求める緊急共同声明」を知事は発表しました。LGBT法、同性婚法、選択的夫婦別姓制度をG7まで成立することを早期に国に求め、宮城県においても、再三求めておりますパートナーシップ制度を早期に導入すべきです。知事のお考え方をお伺いします。 次に、東日本大震災からの復興まちづくりと未来への伝承についてお伺いします。 県は、復興の完了に向けて、被災者の心のケアなど実情に応じたきめ細かな対策を講じるとしています。心のケアセンターでは、子供から大人まで切れ目のない支援を実施するため、精神保健福祉活動の向上を目指し、メンタル面での問題を抱えた母親への支援依頼により、市町村担当者と連携しながら訪問等を行っています。気仙沼地域センターでは、圏域全体が被災している地域で、震災発生時から心のケアに関わる専門職が不足し、短期的にも中長期的にもマンパワーが足りない状況が続いています。震災から十二年となる現在においても、子供に関する若い世代からの相談が多く、新規など相談件数は高止まりの状態が続いております。多様な要因が複雑に絡んでいるために、継続的な支援が求められています。心のケアセンターは、令和七年度の活動終了を見据え、各機関への移行を計画的に実施するとしています。心のケアセンターが閉鎖した令和八年度以降、地域精神保健福祉活動について、継続した市町村への支援体制をどのようにお考えなのか。 復興に関わる専門家は、復興からの心の支援は二十年必要であり、その拠点として宮城、岩手、福島の復興支援を視野に入れた災害・心のケア・家族支援等の機能を持つナショナルセンターの設置をすべきだと提言しています。また、このナショナルセンターは、これから起こり得る災害支援にも大きな役割を果たすと考えられます。今後、具体的に検討すべきではないでしょうか。 続いて、NPO支援についてお伺いします。 東日本大震災後に、NPO等多くの団体が立ち上がり、子供・若者・語り部、コミュニティーをつなぐ復興の担い手として活躍しています。新・宮城の将来ビジョンにおいて、NPO団体は、宮城を支える大切な協働による課題解決の推進の担い手として活躍していただけるように、平時の支援事業の中で継続して活動を支援していくことが必要だと考えます。 県は、県民会館、みやぎNPOプラザを仙台医療センター跡地に移転集約する施設を、二〇二八年度に開館を想定して整備を進めています。NPO法施行から二十四年が経過し、NPOの設立や法人化、運営相談、団体に対する支援体制、これは一定の水準まで来ておりますが、様々な分野でNPOが活躍しています。現在、県内のNPO支援施設は、仙台、石巻、塩釜、気仙沼、白石、名取、多賀城、岩沼、登米、栗原、大崎の十一か所あります。今後のNPO促進について、ニーズの変化は団体支援から協働による課題解決の促進に必要性が変化し、一方で、地域社会が抱える課題は複雑化、多様化し、NPOに限らず特定の主体だけで解決をしていくことは、ますます難しくなっていきます。一つの地域課題を解決していくために、NPOのほか行政や企業、教育機関、住民自治組織など、多様な主体が協働で課題に取り組むべき必要があり、そのような協働を生み出すために、NPOにも中間支援組織にも求められていますが、十分とは言えません。団体への支援は継続しつつ、特に中間支援組織による支援や県域の支援においては、協働による解決の促進に重きを置く必要があると考えます。そのために、NPO団体からの要望として、今後、住民自治組織も広義のNPOとして位置づけること。宮城県の果たす役割として、市町村だけではできない役割として、広域の視点による支援、個別の地域課題と多様な主体で解決していくための場づくりの支援。企業、行政、NPO、ステークホルダーが顔を合わせて話し合う解決の仕組みを、地域円卓会議で取組を推進。まちづくりアドバイザーの派遣、県の体制強化、みやぎNPOプラザの在り方は、市町村との役割を分担し、県域だからこそ必要な支援として、移転に当たっては、合築される県民会館とハード面の機能について、重複回避も含め、後世に過大な負担を残すことがないよう精査していくことが大切であり、ハード面の機能から、市町村センターと連携した全国で進んでいるアウトリーチによるニーズ調査・把握、協働のコーディネートや、災害時の連携支援などといったソフト面での機能に重点をシフトすべきと、各団体から提言されています。まさにNPO花盛りの宮城県を本質的な意味で取り戻すためにも、この十数年停滞してきた支援機能の見直し、支援を強化すべきです。NPO団体の支援や、NPOプラザの今後必要な機能を兼ね備えた拠点として整備促進について、どのようにお考えなのかお伺いします。 今後の宮城における医療提供体制についてお伺いします。 知事は、宮城県が主導する仙台医療圏四病院の再編構想について、二十日の定例記者会見で、今後の協議事項に関する確認書を取り交わしたと発表し、県民に大きな不安と疑念が広がりました。今回の四病院再編は、仙台医療圏における地域の基幹的な役割を果たす医療機関で、そして県民のがん治療、精神疾患の要となる施設に関わる重大な問題であり、かつ、多くの県民が注目しています。現在、未曽有の超高齢化・少子化の到来に向け、地域医療構想をはじめとした医療提供体制の抜本的な見直しが行われる中、本来、こうした県の医療政策の根幹に関わる事案については、県民全体として、あるいは該当する地域における必要な医療機能や医療提供体制の考え方が示され、県民に十分な情報提供がなされるべきではないでしょうか。患者や医療、福祉関係者からの十分な意見聴取をすることなく、村井知事が病院の統合・合築ありき、移転ありきで四病院再編を強引に進める行為は、県の重要な医療政策推進の手続として、瑕疵となるおそれがあるのではないでしょうか。 仙台医療圏四病院再編について、運営・経営母体と確認書を取り交わす内容と、これまでの経緯、今後の対応について説明を求めます。 労災病院との合築、建て替えについて、対応についてお伺いします。 精神医療センターの在り方についてお伺いします。 宮城県精神医療センターの建て替えについて、これまでの経過は、基本設計、平成二十六年十二月、独立行政法人宮城県立病院機構が県立精神医療センターの病院建設工事基本設計を三・五億円かけて作成しました。平成二十七年三月十日には、県立精神医療センターの建て替え事業説明会を地元で行い、その後、平成二十八年九月建て替え、地権者の同意を得ることが困難になり、建て替えの候補地を変更。平成二十八年度から令和五年、適地について検討しました。今月、二月八日の宮城県精神保健福祉審議会において、県立精神医療センターの在り方に関する整理、今後の課題、方針と方向性について、移転による影響、名取地域を中心とした手厚い体制、県南精神医療のケアの懸念について認識しており、丁寧な対応が必要。県内唯一の公的病院として、県に果たす役割として、精神障害にも対応した地域包括ケアによる市町村の視点から、今後の精神医療センターの医療的役割、政策医療、モデル的医療の方向性は必要であると示し、今後、県立精神医療センターが移転した後の現在の名取市を中心とする県南部の患者への対応、新たな県立医療センターの在り方の場を設置するとしています。二〇一六年から二〇二三年の七年間、適地への対応、単独、合築への対応について、どのように検討してきたのかお伺いします。 これまで法律が異なる精神科医療と一般医療は、ある意味それぞれ独自な体制整備がされてきましたように、確かに、国が進める精神障害者にも対応した地域包括ケアシステム。これは高齢者に対応した精神疾患の体制整備が求められますが、合築イコール効果ではなく、それぞれの課題に対応した施策やシステム構築が必要ではないでしょうか。全国的にもあまりない合築の形態を取る一番の理由は何か、また、合築医療機関が東北労災病院であることはどうしてなのでしょうか、お伺いします。 精神医療センターが南から北へ移転することによる、県南エリアの精神医療体制をどのように再構築するのか。加えて、精神医療センターを富谷に移転することで、今後、高齢者人口が一気に増加すると予測される仙台市を中心とした近隣行政区の精神科救急をどのようにデザインするのか、お伺いします。 一般医療と精神医療の二つの病院を合築した他県、岩手県の事例において、県が効果として挙げている身体合併症への対応や救急搬送受入れ能力の向上はなされておらず、様々な法的条件や組織的理由により、管理運営に多くの課題があると伺っています。単に性質の異なる二つの病院を合築しただけでは、県が期待する効果や管理・運営面の効率化の実現は難しいのではないでしょうか。また、これから激変が予想される精神科医療を取り巻く環境下において、県内唯一の公的病院、かつ、精神医療の要となる精神医療センターの新築は、新たな機能や役割を県が果たす役割として、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを見据え、急増する認知症患者や精神疾患を持つ救急患者への対応、更には、これから起こりうる新興感染症など、有事に対応できる機能を持つ全国のモデル的な医療を担うことを優先すべきではないでしょうか、お伺いします。 新たな県立精神医療センターの在り方を論議する場を設置するとしていますが、どのようなメンバー構成を考えているのか、そして論議する場での検討状況について、県民に対してどのようなタイミングで情報公開されるのか、お伺いします。 伊藤哲也保健福祉部長は、二月八日、宮城県精神保健福祉審議会で、議論の進め方で心配をかけ、反省している。最初から富谷移転や合築を決めたわけではなく、何が何でも進めるわけではないと理解を求めましたと報道されています。県は、新年度予算に仙台医療圏地域医療構想推進費として五千百万円を計上しています。最初から富谷移転や合築を決めたわけではなく、あくまでも検討のための予算なのか、お伺いします。 次に、社会で支える子ども・子育て・若者支援についてお伺いします。 どんな家庭に生まれても望む教育を受けることができ、望む職業を選択できる。宮城に生まれて本当によかったと思ってもらえる環境をつくるために、子供の権利を保障し、子供の声、声なき声、若者の声を県政に反映することが必要です。県は、県内の大学・短大十九校、約二万五千人を対象に、就職に対する考え方や就職先を求める要件、将来展望などを調査し、宮城県への定着に向けた行政施策ための基本資料とすることを目的に、ウェブアンケートシステムを活用した調査を行ったと聞いています。回答者は千八百八十二人、八%の回答率です。その結果から見えた課題について、詳しくお示しください。 今後、調査を踏まえ、若者政策にどのように反映するお考えなのか、お伺いします。 社会的養護の子供たちについてお伺いします。 社会的養護、里親で育った子供たちは、養護施設を退所後、他の奨学金などを併用しても進学を断念するケース。生活支援なども含めて様々な貸付けを受けた場合、卒業時には一千万円近い借金を負って社会に出ていかざるを得ない、試算の結果、借金額に驚いて進学を断念せざるを得ない子供たちがいます。社会福祉協議会の児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業は、大学生、これは専門学生を含みますと、生活支援金月五万円。この貸付けは、令和三年度実績、新規貸付け分がたった四人、継続が二十三人です。大学など進学者の中でも、貸付けを受けない選択をした方もいるので、実際の進学者数は把握できていない状況です。 県は、令和五年度に、児童養護施設退所者の状況把握をするための実態調査を行う提案をしています。現状を把握し、必要とされる支援を早急に行うことを求めます。 みやぎ県民の声は、会派で提案した、次世代を担う若者層の県内定着が促進されるよう、多くの学生が望んでいる県独自の給付型奨学金制度を創設すべきではないでしょうか。 次に、宮城は子供の遊び場が少ない、若い世代から要望が多いのが実態です。子供の健全育成の環境をつくり、安全・安心な子育て環境の実現に向けて、加瀬沼公園にプレーパークの整備を提案しています。遊びの可能性を広げるプレーパークを配置することに期待したいと思います。そのために子供会議をつくり、子供の意見を反映した子供の遊び場、居場所への環境づくりを推進していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 県の子供・子育て分野を審議する子ども・子育て会議の中で、県の施策について教育、福祉、子育て有識者、関連団体のお一人お一人から出されていた意見について、国や県の必要とする利用したい制度、事業は実施したいと思っても、各部署に分かれていて使えない、使いにくいと異口同音に課題を提起しています。縦割りの弊害をなくし、子供を中心に教育・福祉など必要な支援、施策を行うために、各部署との連携を図り、新年度予算にどのように反映したのか、知事、教育長にお伺いします。 こども家庭庁が設置され、それに伴い市町村では、子供支援策が矢継ぎ早に市町村に示され、ただでさえ数少ない人数、深化する課題に対する職員は、出産・子育て応援交付金の対応など手いっぱいの状況です。前回の私の代表質問で、子供施策について知事は、県として市町村に対しきめ細かに支援し対応していくと御答弁されました。子供を真ん中に置き、子供や子育て世帯に対する信頼を基盤に置き、公的な責任を明確にし、子育てに関係する専門性を発揮できる環境整備に力を注ぎ、中長期的なビジョンで企画立案を行うために、具体的な支援策をどのように考えているのか、お伺いします。 また、これまで数度、子ども局として教育・福祉・医療などを一元化する組織を提案してきましたが、今こそ対応すべきではないでしょうか、お伺いします。 医療的ケア支援についてお伺いします。 新年度予算において、医療的ケア児通学支援モデル構築費に二百二十一万六千円が計上され、医療的ケア対象児が家族の付添いなしで安全・安心に通学できるよう、児童・生徒とその家族を支援するモデルケース事業を提案しています。これは、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族が離職の防止を防ぎ、モデル事業から通常事業へ拡充に期待したいと思います。 全国的に医療的ケア児が増加しておりまして、令和三年度においては二万百八十人です。県では、いまだに平成二十八年度の医療的ケア児の現状数値を使用している状況です。早急に実態調査をし、医療的ケア児の支援充実に向けて、医療型、福祉型の短期入所の整備、医療的ケアの対応した人材育成・確保や、医療的ケアコーディネーターの養成研修など、必要な支援を実施することを求めます。 現在、県は、移行期医療支援体制の検討委員会において、移行期医療支援センターの設置を目指し、移行期支援コーディネーターが県内の医療体制を把握し、小児期から成人期への移行期に当たる小児慢性疾患児等に関する課題を解消するため、自身の疾病の理解を深め、相談支援、医療機関の連絡も行い、移行期体制の整備を目指しています。宮城県における小児期、成人期の医療機関における課題を踏まえ、今後の移行期医療支援センターの設置の見通しについてお伺いします。 次に、ホスピス設置についてお伺いします。 二月十五日は、国際小児がんデーです。県立こども病院では、小児がんで天に召される小さな命があります。緩和ケアにより、最期の時まで家族や兄弟と過ごす時間を大切にしています。ホスピスは、一九六七年にイギリス・ロンドンで末期がんの患者の苦痛を取り除くために設置された施設で、専門家チームを組んで患者の痛みを和らげるケアを実践し、イギリスでは、子供ホスピスは数多く存在します。しかし、日本では、まだ制度が確立されておらず、子供ホスピスは数少ない現状です。一昨年、神奈川県横浜市に子供ホスピス「うみとそらのおうち」が開設され、宮城では、小児がんの子供たち、その家族をサポートするための「ひまわりスマイルプロジェクト」が立ち上がり、また、「宮城こどもホスピスプロジェクト」など、ホスピス設置を望む声が高まっています。宮城において全ての子供の命が輝くように、子供ホスピス設置に向けて検討を始めてはいかがでしょうか。 子供のホスピスは、緩和ケアのみならず、子供、家族が楽しい時を過ごす大切な場所、ハウスでもあるために、医療従事者、兄弟、家族支援を行っているNPOなどと連携し、宮城モデルとして子供ホスピスの設置を求めます。 次に、持続可能な社会の実現についてお伺いします。 県は、全国で初めて再エネ施設の適地誘導を目指す税制度として、経済的な負担が重くなる状況をつくり出すことによって、森林以外の適地への誘導を図り、大規模森林開発の抑制と平地の未利用地など、連携誘導を図り、地域とともに共生する再エネ施設の設置を促進する目的に、再エネ課税の導入について、六月定例会への条例提案を目指しています。みやぎ県民の声は、二月十七日に学識者とのオンラインによる意見交換を行いました。有識者の意見交換から、課税によって誘導する制度は、事業者の計画を具体的に確認して、よりよい計画内容に改善させるという手続が存在しない。申請者が開発を諦めさせる程度に高い税率をかけることができなければ、事業者に免罪符を売ることになる。せっかく新しく制定した太陽光発電施設設置等に関する条例があるので、その条例の効果を高めるように、運用面の改善を図っていくべきではないかと指摘されています。再エネ課税の導入は、法定外税の導入前提である総務省の同意が必要です。国税または地方税の課税標準を同じくし、住民の負担が著しく過重となること、地方公共団体における物の流通に重大な障害を与えることなど、国の経済対策に照らして適切であるか、国の再生可能エネルギー促進策との関係をどう判断するかも課題です。再エネ課税導入について、十分に検討する点が多く、再エネ施設適地への誘導を目指す税制度としての本来の目的を達成するため必要な制度なのか、指摘をどう受け止めているのかお伺いします。 省エネルギー及び再生可能エネルギーを普及するために、地域の中小企業や市町村、市民団体等が活躍する地域分散型エネルギー社会を目指し、地域経済の活性化を実現するために、地域の雇用を創出する持続可能なまちづくりを推進すべきではないでしょうか、お伺いします。 最後に、誰もが安心して暮らせる社会の実現についてお伺いします。 先ほど、代表質問で中山耕一議員の質問にもありました。現在、県議会では、犯罪被害者支援条例の見直し検討が行われています。犯罪被害者とその家族らを精神的・経済的にサポートする支援条例が、年度内にも、仙台市を除く三十四市町村で制定される見通しです。令和四年刑法犯認知件数は、強制性交五十五件、強制わいせつ百四十件。性犯罪、ストーカーによる認知件数が増加しています。現在、国では、同意のない性行為を処罰対象とする刑法の性犯罪要件を改正する要綱案が審議される予定となっています。犯罪被害者支援として、性犯罪、ストーカーによる被害者支援の充実が求められます。以下、お伺いいたします。 犯罪被害者支援について、市町村への支援、対策を強化するために、知事部局、県警との連携の在り方について、お考え方をお伺いします。 知事部局で対応すると御答弁がありましたが、どのように充実強化するのか、お伺いします。 性犯罪被害者へのきめ細かな継続した必要な支援について、また、ストーカー被害者への対策を強化するために、被疑者への警告、禁止命令を発する段階から積極的に治療につなげるカウンセリング制度の充実を求めます。積極的な御答弁を求めます。 全ての人権をどう守るか、今、県政に問われています。人権教育及び人権啓発の推進に関する法律において、第五条、地方公共団体の責務について、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、人権教育及び人権啓発に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。」とされています。しかし県では、この人権施策に関する計画をいまだに策定していない状況です。予算を見てみますと、委託事業、これは各部署の六百七十五万円、市町村への委託事業は、四百六十一万六千円、他の事業に比べましても、重きを置いていない状況です。全国の人権施策に関する計画等について、宮城をはじめ東北各県、山梨、沖縄県を除く、各都道府県で策定され、知事部局、保健福祉部が担当しています。人権啓発に関する取組姿勢についてどのようにお考えなのか、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律第五条に基づく計画を早急に策定すべきです。知事、教育長にお伺いいたします。 私たちみやぎ県民の声は、子供の声、声なき声を聞いて、今回の質問を行いました。教育長、そして知事、県警本部長においては、積極的な御答弁を求め、壇上からの質問を終わります。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) ゆさみゆき議員の代表質問にお答えいたします。 大綱一点、誰一人取り残さない県政の実現についての御質問にお答えいたします。 初めに、政策決定過程の公開や県民との対話等についてのお尋ねにお答えいたします。 私はこれまで、衆知を集めた県政を推進するため、多くの方々から広く御意見を伺い、政策・財政会議等で意思決定を行うとともに、行政評価などを通じて、企画立案過程の透明性確保に努めてまいりました。その過程において、全体の利益を考えて必要と思うことについては、臆することなく提案してまいりましたが、結果として、賛否を問わず様々な御意見を頂き議論が深まることは、民主主義の健全な姿であると受け止めており、反対意見や少数意見を踏まえて、最終的な決断をすることが、リーダーとしての責務であると考えております。今後とも、県議会や県民の皆様の御意見を十分に伺いながら、新・宮城の将来ビジョンの下、多様な主体と連携・協働し、県政の発展に向けて取り組んでまいります。 次に、教育無償化など子育て支援や福祉・教育の充実に最優先に取り組むべきとの御質問にお答えいたします。 私は、急激に進行する人口減少に危機感を抱くとともに、少子高齢化への対応や地域の持続可能性確保の必要性を見据え、新・宮城の将来ビジョンにおいて、「子ども・教育」分野を社会を構成する重要な要素として独立させた上で、「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」を政策推進の新たな柱に加え、強力に施策を推進しているところであります。教育の無償化につきましては、全国共通の課題であることから、これまでも全国知事会を通じて要望しており、令和元年十月から、主に三歳児以上の幼児教育・保育の無償化が実現しております。また、私立高等学校や大学・専門学校等の修学支援制度につきましては、令和二年四月から一定の収入要件を満たす世帯を対象に授業料の実質的な無償化が始まりましたが、その要件緩和の更なる拡充を図ることなどを、国に対し引き続き要望してまいります。 次に、LGBT法案、同性婚、選択的夫婦別姓制度の早期成立と、パートナーシップ制度の早期導入についての御質問にお答えいたします。 少子高齢化や社会経済のグローバル化、価値観やライフスタイルの多様化が進む中、我が国が持続的に発展していくためには、年齢や性別、障害の有無や国籍、性的指向・性自認などの違いにかかわらず、一人一人が個性や能力を発揮し、自分らしく安心して暮らし、活躍することができる社会の実現を図ることが重要であると認識しております。このため今般、私を含む二十三県の知事が「多様性への理解促進と誰もが安心して暮らし、活躍できる社会づくりを求める緊急共同声明」を行い、LGBT等の性を含めた多様性が尊重され、誰もが活躍できる社会の実現に向け、国において、あらゆる政策分野における取組を更に進められるよう後押ししていくことを表明したところであります。県としては、今回の共同声明により、全国的に理解が進むことを期待するとともに、当事者の方々が自分らしく安心して暮らしていけるよう、全国自治会などを通じ、要望してまいりたいと考えております。また、パートナーシップ制度について、県といたしましては、県民の理解が必要不可欠であると考えており、引き続き県民に対する意識醸成に取り組むとともに、先行自治体の情報収集に努め、今後の対応を研究してまいります。 次に、心のケアセンター活動終了後の市町村への支援や復興支援拠点の設置についての御質問にお答えいたします。 心のケアセンターは、令和七年度での活動終了を予定しておりますが、それ以降は住民に身近な市町村が中心となって被災者の心のケアに対応することとし、県としては、保健所が困難なケースへの支援などを行うほか、精神保健福祉センターが専門的な見地から、アウトリーチによる市町の職員の支援を行うこととしております。このように、地域の精神保健・福祉活動に移行するため、現在、県ではセンターや市町、保健所などと協議を進めるとともに、市町の人材育成の支援も行っております。また、お話しのナショナルセンターについては、現在、国立精神・神経医療研究センターにおいて、災害に関する精神保健医療対策等の調査・研究が進められておりますので、こうした国レベルでの議論を注視してまいりたいと考えております。 次に、みやぎNPOプラザの整備の方向性についての御質問にお答えいたします。 複雑化、多様化している地域課題を解決するためには、それぞれの地域の行政をはじめ、NPO、町内会・自治会といった地縁組織、商工会や商工会議所、社会福祉協議会など、多様な主体との連携・協働が必要不可欠と考えております。連携・協働の具体的な取組の推進に当たっては、まずは各地域におけるNPOのサポート役であるNPO支援施設が重要な役割を果たすことが期待されております。このため、みやぎNPOプラザでは、各支援施設に出向いて指導・助言や職員の人材育成を行うとともに、支援施設との協働事業として、NPOを対象とした講座や相談会などに取り組み、支援施設との連携強化に努めております。新しいNPOプラザの整備については、民間非営利活動促進委員会から意見を伺っているほか、利用団体や指定管理者との意見交換を行いながら、必要な施設・機能についての検討を進めているところであります。その中において、ハード整備にとどまらず、ソフト面として、支援施設や中間支援組織との連携強化についての課題も指摘されていることから、今後も関係者との協議を継続し、多様な主体とのパートナーシップの確立に向け、新しいNPOプラザの機能強化を目指してまいります。 次に、日本赤十字社及び労働者健康安全機構と取り交わした確認書の内容と経緯、今後の対応等についての御質問にお答えいたします。 仙台医療圏における病院再編については、令和三年九月以来、様々な事項について協議を重ねてきたところであり、現時点において再編の合意には至っておりませんが、今月二十日付けの確認書においては、医療機能などの認識を共有した内容のほか、今後、詳細を詰める必要がある事項を確認したものであります。今後は、県立病院機構や各病院を協議に加え、病院機能や運営上の問題点などを聞きながら、具体的な病床規模、診療科、運営主体などの協議事項について、令和五年度の早期の合意を目指してまいります。 次に、精神医療センター建て替えの検討経過についての御質問にお答えいたします。 県立精神医療センターにつきましては、平成二十八年に、がんセンターの西側山林への移転を断念して以降、老朽化が著しく、個室化にも対応できない精神医療センターの早期建て替えを最優先事項として、複数の候補地について検討し、その実現に向けて鋭意努力してきたところであります。一方で、身体合併症患者への対応など、センター単独では難しい課題があることから、令和元年度に開催した県精神医療センターのあり方検討会議の提言を踏まえ、総合病院との連携体制の構築についても、その必要性を踏まえて検討してまいりました。このような中、東北労災病院、仙台赤十字病院及び県立がんセンターの三つの病院の連携・統合の協議において、早期建て替えが懸案でありました精神医療センターにつきましても、再編の対象として検討することとなり、令和三年九月に東北労災病院との合築について協議を開始することで合意したものであります。 次に、東北労災病院との間で合築を行う理由についての御質問にお答えいたします。 精神科病院と一般病院を合築することで、岩手県立南光病院と磐井病院の事例のように、身体合併症患者への対応の課題解決につながり、また、施設や医療機器の共有によるコスト削減の効果を期待できるものと考えております。このような合築の相手として、東北労災病院は地域医療支援病院として地域医療に貢献しているほか、二十五診療科をそろえ、幅広く身体合併症に対応できることから、連携の効果を発揮できるものと考えております。 次に、精神医療センター移転後の県南地域の精神科医療体制の再構築と、仙台市を中心とした近隣自治体における精神科救急医療体制についての御質問にお答えいたします。 県南エリアの精神医療体制につきましては、訪問看護事業や地域のグループホーム、市町の保健福祉活動等と連携した体制の中で、県立精神医療センターが、患者やその家族に対して必要な医療を提供してきたと認識しております。精神医療センターが移転した場合、現在センターが担う外来機能については、関係者の意見を丁寧に酌み取りながら、必要な体制の確保について検討してまいります。また、仙台市を中心とした地域の精神科救急については、精神医療センターのほか、急性期対応を担う民間及び公立の病院が引き続き基幹的な役割を担っていくものと認識しております。 次に、合築の課題と先駆的な医療体制を構築すべきとの御質問にお答えいたします。 岩手県立南光病院と磐井病院においては、双方の調整や協議を経て、救急搬送の受入れや身体合併症の対応、往診の実施等により、円滑な連携が可能となっていると認識しております。県としても、そのような事例を参考にしながら、円滑に連携するための具体的な体制づくりを今後協議してまいります。また、新たな県立精神医療センターの整備に当たっては、施設の早期建て替えが喫緊の課題である中、あり方検討会議でも報告されている一般病院と連携した身体合併症の対応や個室化等の課題に対応するとともに、関係者の声を丁寧に聞きながら、精神保健福祉法上、県が設置を求められている県立病院として、今後の精神障害にも対応した地域包括ケアシステムにおける役割や機能を検討してまいります。 次に、精神医療センターの在り方を議論する場についての御質問にお答えいたします。 現在、精神科に関わる医療、保健及び福祉の各関係者から、県立精神医療センターの移転の影響に関して意見を伺っており、これらの結果について、機会を捉えて関係者に報告したいと考えております。今後とも、各分野の関係者や患者家族の声に耳を傾けながら、県民全体にとって一層有益な再編となるよう努めてまいります。 次に、新年度予算についての御質問にお答えいたします。 仙台医療圏地域医療構想推進費は、今年度実施している各病院の基礎調査や新病院の方向性の検討を踏まえ、病床数や診療科などの新病院の具体的な姿の検討を更に進めるため、データ収集などを委託するものであります。なお、東北労災病院と県立精神医療センターの移転・合築による新病院の整備場所は、まだ決定しておりませんが、今月二十日の協議確認書のとおり、富谷市からの提案地を前提として協議を進めてまいります。 次に、県内大学生等を対象とした調査における課題と、今後の若者政策への反映についての御質問にお答えいたします。 県では、若者が県内に就職し、定住したいと思う環境づくりに向けた施策に役立てるため、昨年六月に、県内の大学生・短期大学生を対象に、就職等に関する意識調査を実施いたしました。この調査からは、女子学生の約四割が県内での就職を希望し、就職先につきましては、男子学生に比べて規模にはこだわらない傾向が見られました。一方、県内企業に関する情報が十分に得られていると答えた女子学生は一割にも満たず、また、就職先を選ぶときに重視するポイントとして「人間関係や職場の雰囲気」が約六割と最も高いなど、学生が求める情報と企業が提供する情報に乖離があることが分かりました。県では、今回の調査結果を踏まえ、来年度は特に、女子学生を対象とした県内企業へのバスツアーを行い、企業の事業内容だけではなく、職場の雰囲気や福利厚生の状況を直接知る機会を提供するとともに、新たに「女性活躍応援ポータルサイト」というものを立ち上げ、県内企業で働く女性をロールモデルとして紹介するほか、女子学生が求める企業の情報を提供できるように工夫してまいります。今後も調査結果を様々な角度から分析し、今後の若者政策に生かせるよう、必要な取組について更に検討してまいります。 次に、児童養護施設退所者等の実態把握と支援についての御質問にお答えいたします。 児童養護施設の退所者等が必要とする支援をきめ細やかに行うためには、実態の把握が大変重要であることから、県では来年度、退所者等と継続的に関わっている児童養護施設や民間の支援団体などの意見を伺いながら、実態調査を実施することとし、関係経費を新年度予算案に計上しております。調査結果を踏まえ、退所者等の自立に向けた課題や県の関わり方について、検討してまいりたいと考えております。 次に、県独自の給付型奨学金制度創設についての御質問にお答えいたします。 奨学金の給付や、貸付金の償還免除を含めた返還支援は、大学生等の県内への定着を促す有効な施策の一つと考えております。このため、低所得世帯を対象とした国の就学支援制度に加え、県独自でも、医療従事者や保育士など、就業者の確保が困難な分野を中心に、資格を取得するため大学等に在籍している学生に対して、一定期間、県内に勤務した場合に返済を免除する修学資金貸付事業を実施しております。今後も各分野において、関係機関や大学、企業などと連携した人材の確保育成に努めるとともに、インターンシップ事業やUIJターン就職支援策等の積極的な展開を図ることにより、若者の県内定着を促進してまいります。 次に、子供の意見を反映した居場所づくりについての御質問にお答えいたします。 県内には、子供たちの身近な遊び場、居場所として、児童厚生施設である児童遊園や児童館が約三百施設設置されております。児童館の中には、学年の異なる子供たちが意見を出し合いながら、自分たちで行事を計画したり運営したりできるよう、職員が側面支援している施設もあり、今後、こども基本法施行に伴い、子供の意見の尊重がますます重要になる中、注目すべき取組であると認識しております。また、県では、都市公園である加瀬沼公園の屋外遊び場整備に当たり、子育て支援団体の意見を丁寧に聞きながら検討を進めており、子供の遊びを誘導するプレーリーダーを配置し、子育て世代に配慮した管理運営を推進いたします。遊び場や居場所づくりを設置・運営する場合は、今後も子供の意見を反映させるとともに、こうした取組が県内に更に広がるよう、市町村に積極的に情報提供しながら、遊び場づくりを推進してまいります。 次に、子供・子育て施策の新年度予算への反映についての御質問にお答えいたします。 県では、将来を担う子供の健全な育成と、子供を産み育てやすい地域社会づくりを総合的に推進するため、子ども・子育て会議等において、福祉、教育、労働関係者に加え、学識経験者など専門家の幅広い意見を伺いながら、みやぎ子ども・子育て幸福計画を策定し、全庁を挙げて積極的に施策を展開しております。施策の推進に当たっては、私を本部長とする次世代育成支援・少子化対策推進本部において、知事部局のみならず、教育庁などの関係機関との総合調整を図り、連携して効果的に進めるよう指示しております。新年度予算につきましては、次世代育成・応援基金のほか、国の補助金などを含む各部局の予算も活用しながら、市町村が地域の実情に応じて実施する少子化対策への支援や、県産木材を活用した置き型授乳室の設置促進、都市公園プレーパーク整備などを推進することとしております。子供・子育ては幅広い分野に関連することから、引き続き関係部局が連携し効果的に取り組むよう、私が先頭に立って施策を推進してまいります。 次に、市町村の施策への支援と組織についての御質問にお答えいたします。 子供・子育て施策は、地域のニーズや資源に合った市町村の対策が特に重要であることから、次世代育成・応援基金を活用しながら、市町村が実施するきめ細かな子育て施策への支援などを実施しており、引き続き地域のニーズを踏まえながら施策を展開してまいります。また、御提案のありました組織の設置は、現在は考えておりませんが、これまでも次世代育成支援・少子化対策推進本部において、部局の枠を超えて子供・子育て施策を推進してきたところであり、引き続き市町村をはじめ関係機関とも緊密に連携・協力をしながら取り組んでまいります。 次に、医療的ケア児の実態調査や支援についての御質問にお答えをいたします。 県では、昨年七月に宮城県医療的ケア児等相談支援センター「ちるふぁ」を開設し、医療的ケア児やその家族、支援者からの各種相談などに対応しております。今年度は、医療的ケア児等の支援のための調査を実施することとし、医療的ケア児等の人数、ニーズの把握方法や支援施策などについて、市町村から回答してもらうこととしております。現在、短期入所事業所の整備に向けたモデル事業や医療的ケア児等コーディネーターの養成研修などにも取り組んでいるところでありますが、今後、医療・福祉・教育等に関わる有識者で構成する協議の場を設置し、調査結果や「ちるふぁ」の活動により得られた課題などを踏まえ、医療的ケア児やその家族の方に対する支援の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、今後の移行期医療支援センターの設置見通しについての御質問にお答えいたします。 小児期から成人期への移行期にある患者が、適切な医療を受けることができる移行期医療支援につきましては、小児領域と成人領域の医療の連携や患者の自立支援等において課題があるものと認識しております。県では、昨年三月に東北大学病院や県立こども病院をはじめとする医療関係者から構成される移行期医療支援体制検討委員会を立ち上げ、小児医療機関や成人医療機関に慢性疾病児童等の受入れに係るアンケート調査を行うなど、実態の把握及び情報の共有を進めているところです。お尋ねの移行期医療支援センターは、移行期医療支援を円滑に進めていくために重要なものと考えており、設置する医療機関や支援コーディネーターの配置などの課題について、検討委員会で議論を進めながら、早期のセンター設置について検討してまいりたいと考えております。 次に、子供ホスピス設置に向けての検討についての御質問にお答えいたします。 県内では、直近のデータである令和三年に十五歳未満の方が、がんにより四人亡くなられており、がんに伴う身体的・精神的苦痛や社会生活の不安を和らげる緩和ケアは重要と認識しております。また、来年度新設されるこども家庭庁の基本方針においても、「小児がん患者等が家族や友人等と安心して過ごすことができる環境の整備について検討を進める」こととされております。国における検討を注視してまいりたいと考えておりますが、県といたしましても、東北大学病院や県立こども病院の緩和ケアチームの活動の状況を踏まえるとともに、在宅療養生活における支援につきまして、関係者と連携をしながら充実を図りたいと考えております。 次に、再生可能エネルギー発電施設に係る新たな税制に関する有識者の指摘についての御質問にお答えいたします。 再エネ施設の事業計画をめぐっては、特に森林に設置される場合、土砂災害や景観、環境への影響等を懸念する県民の声が大きく、反対の要望も多い状況にあることから、地域との共生を図りつつ、再エネの最大限の導入と環境保全の両立を目指す新たな対策が求められているものと認識しております。県ではこれまで、太陽光発電施設の設置等に関する条例の制定による規制の強化や、環境影響評価制度の適切な運用などに取り組んできており、更に、新たな税の導入により適地への誘導などを事業者に促すことで、規制と税との両面から、再エネ事業計画をめぐる様々な問題の解決を図ってまいりたいと考えております。新税の制度設計に当たり、県では、審議会に諮問するとともに、新たな税制研究会を設置し、税の目的や必要性、負担の在り方など、様々な観点から有識者等による議論を丁寧に重ねてきたところであり、先日、新税の骨子案について了承されたところであります。今後、パブリックコメント等を実施し、県民の皆様や発電事業者の御意見をいただきながら議論を進め、次期定例会において条例案の提出を目指してまいりたいと思います。 次に、持続可能なまちづくりに向けた省エネルギーや再生可能エネルギーの普及促進についての御質問にお答えいたします。 地域の企業や住民等が中心となり、地域特性に応じたエネルギーの地産地消を進めていくことは、雇用創出をはじめとした地域経済の活性化にもつながり、持続可能な社会を構築していく上で大変重要であると認識しております。このため、今議会に提案しているみやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略においても、重点対策の一つとして、自家消費や地域内における需給一体型の再エネ活用モデルの促進に取り組むこととしております。県ではこれまでも、東松島市の地域新電力を活用した災害公営住宅等への電力供給事業や、南三陸町での家庭等から出る生ごみを活用したバイオガス発電事業など、地域の先進的な取組に対し、調査段階から事業化まで一貫した支援を行ってまいりました。県といたしましては、今後も地域特性に応じたエネルギーの地産地消の取組が各地で展開され、持続可能なまちづくりが推進されるよう積極的に取り組んでまいります。 次に、犯罪被害者支援を実施する市町村への支援などに対する、知事部局と警察の連携についての御質問にお答えいたします。 犯罪被害者に対しましては、警察における被害直後の支援に始まり、その後も、福祉、医療、住居、就労など広範な分野にまたがる中長期的な支援が求められており、我が県では、警察本部と知事部局で連携・協力して取り組んできたところであります。市町村に対しましては、県警において条例や見舞金制度の創設等の働きかけを行ってきたほか、知事部局においては、犯罪被害者支援に関する研修会等を実施してまいりました。近年、経済的支援や生活再建に関する幅広い支援が求められていることなどから、より望ましい役割分担への見直しも含め、更なる連携協力体制の構築に努めてまいります。 次に、性犯罪被害者への継続したきめ細かな支援についての御質問にお答えいたします。 県では、性暴力の被害者等に対する支援を行う拠点として、性暴力被害相談支援センター宮城を設置し、被害者等に対する相談や付添い支援、医療機関の紹介のほか、カウンセリングや法律相談などの費用助成等を行っております。また、昨年度からカウンセリング回数の拡充や、国との連携により二十四時間電話相談体制の構築を図るとともに、今年度からはメールでの相談受付や外国語による相談対応を行うなど、取組の充実強化を図ってまいりました。今後とも被害者に寄り添った支援が行われるよう、取組の充実に努めてまいります。 次に、人権啓発についての御質問にお答えいたします。 近年、人権問題は感染症による差別や虐待、プライバシーの侵害など複雑化・多様化しており、人権教育や人権啓発は重要であると認識しております。我が県においては、人権に関する計画は策定しておりませんが、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律第五条に基づき、地域の実情を踏まえて、多文化共生シンポジウムやHIVに関する正しい知識の普及、DV被害者や子供に関する人権啓発などの施策を策定し、横断的に事業を展開しております。今後も事業の実施が円滑に行われるよう、国や市町村等の関係機関との調整及び連携に努めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱一点、誰一人取り残さない県政の実現についての御質問のうち、教育無償化など教育の充実についてのお尋ねにお答えいたします。 市町村教育委員会及び県教育委員会においては、就学援助や就学支援金などの国等の支援制度を活用しながら、幼児期から高校段階まで、保護者の教育に係る経済的負担の軽減を図っております。また、更なる支援の充実に向け、高校の授業料に対する就学支援金について、段階的な所得要件の緩和や多子世帯への支援の拡充などを継続して国に要望しているところです。県教育委員会としましては、今後も知事部局と連携しながら、子供たちが安心して学び続けることができるよう、更なる教育の充実に注力してまいります。 次に、関係部署と連携した新年度予算の取組についての御質問にお答えいたします。 子供たちを取り巻く環境が多様化・複雑化する中、一人一人の健やかな成長を促していくためには、保健福祉部をはじめ知事部局と連携しながら一体的に取り組んでいくことが重要であり、これまでも児童虐待等への対応や障害のある児童生徒への支援、幼児教育や家庭教育など、様々な分野において協力して取り組んできたところです。知事部局との連携に当たっては、知事と教育委員で構成される宮城県総合教育会議などを通じて課題や方向性を共有しているところであり、来年度においても、医療的ケアが必要な児童生徒に対する支援や、ヤングケアラーに対する支援、産業人材の育成などを関係部署と連携しながら行っていくこととしております。今後も、目まぐるしく変化する社会の中で、子供たちがたくましく生き抜く力と高い志を育めるよう、知事部局と緊密に連携を図りながら、効果的な施策の実施に努めてまいります。 次に、人権教育及び人権啓発の推進についての御質問にお答えいたします。 県教育委員会では、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律等を踏まえ、各学校に人権教育の組織的・系統的な推進を図るよう促すとともに、小中学校においてはいじめ防止動画コンクール、高等学校においてはいじめ根絶キャンペーンを実施するほか、PTAや幼児教育等関係者、医療関係者等を対象にした人権指導者研修会を開催し、指導者の育成や資質向上に努めております。様々な偏見や差別をなくし、共生の心を育成することが重要であり、今後とも学校教育・社会教育の両面から人権意識の向上に向けた取組を推進してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 警察本部長原幸太郎君。    〔警察本部長 原 幸太郎君登壇〕 ◎警察本部長(原幸太郎君) 大綱一点、誰一人取り残さない県政の実現についての御質問のうち、ストーカーの被疑者へのカウンセリング制度の充実についてのお尋ねにお答えいたします。 ストーカー事案については、近年、年間七百件以上発生と、依然として高水準で発生しており、被害者の安全確保を最優先とした対応を基本として、被害者の避難措置等の保護対策を図っています。加害者に対しては、関連法令を駆使した検挙や警告、禁止命令等により被害の再発防止に努め、平成二十八年度からは、検挙等と並行して、執着心を軽減させるなどの効果が見込まれる精神科医療機関の治療やカウンセリングを、本人の同意の下、可能な限り受診していただいています。引き続きストーカー加害者の更生と再発防止に向け、加害者及びその家族等に対し、カウンセリング等の重要性を丁寧に説明して、医療機関等への受診を勧奨してまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 御答弁ありがとうございました。 まず、政治姿勢、健全な姿である、今回は、四病院再編の問題からお話をさせていただき、再質問します。 今回、こちらの確認書を見てみました。この確認書を見てみますと、三年間かかっていて、やっと合意に行き着いた。しかし何も決まっていない。一方、がんセンター、中には精神医療センターがあるということに関して、これまで三年間、特に精神医療の方々、精神疾患の方々は、非常に苦しめられ、そして不安と疑念をもたらしている、追い詰め苦しめているのではないですか。こういうやり方は、やはり県知事としてあってはならないと思います。どのように責任を感じていますか、まず伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) この問題は、県民全体に関わる大きな問題でございます。本来でしたら、基本合意が出るちょっとくらい前に出すべきことだと私は思っておりました。つまり、最初三病院からスタートして、そして結果的に四病院になってここまで来たわけです。三年かかったということですが、こういった類いの問題というのは、企業誘致もそうなんですけれども、非常に時間がかかるんです。ですから、個人的にはもう少し待ってから出したほうがいいのではないかということだったんですけれども、庁内で議論した結果、これはやはり県民に広く影響のある問題なので、早めから出しましょうということになりまして、三病院の議論を始めるということからスタートいたしました。突然出たと言われるんですけど、突然出たのではなくて、最初こういうことを考えているというところから出したということで、私としては、いろいろ批判はありますけど、丁寧に情報を出してきたつもりであります。しかし、相手のあることでありますので、相手の御了承が得られない限りは、外に、相手がどう考えているのかを出すことが許されなかったということです。やっとここまで出ましたので、これをベースに、これからいろいろ御意見をお伺いする場をつくっていきたいと思っております。今、苦しんでおられる方がおられて、その方に対してどうだということでありますが、これはやはり早めに情報を出したから起こったことでありまして、これにつきましては、もう少ししっかりと、相手の方たちにもこういうことを考えているということを情報としてお伝えしたほうがよかったのではないかという思いは持っておりますが、同時に、まるでマスコミ報道を見ますと、精神医療センターに例えば通っておられる方が、入院されている方も含めて全ての方が反対しているような受け止め方をされていますけれども、中には富谷のほうに移りたいという方もおられるわけですよ。ただそれは、そういった方は全然声を上げませんから、マスコミも捉えづらい。ですから、全ての方が反対しているわけでは決してないということを御理解いただき、ただ、反対されている方のほうが多いことは事実です。多いことは事実だと思いますけれども、ですから、いろんな声があるということです。それについて、これからしっかりとお話を聞いてまいりたいと思います。まだ最終的な合意が得られておるわけではありませんので、そうした声も労災機構側に、また、日赤側にですね、いろんなこういう声があるということを、いろんな声を伝えていきながら、そして、あちら側にも判断を促していきたいというふうに思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 知事はよく、この問題で企業誘致を引き合いに出しますが、企業は利益を優先します。しかしながら今回の目的は、高齢者への対応、先を見据えた変化、病院完結型から地域完結型へ、地域完結をすることが地域医療を解決するということになっています。よって、合築や、例えば移転、これはあくまでも手段であって、目的ではないのではないでしょうか。人間は、精神医療の方々も、もし自分の健康を回復するためには、一人の人間があって、医療関係者、ソーシャルワーカー、そして様々な地域、地域の中で受入れがあってこそ医療が進みます。そして病診連携、病病連携、富谷のシステムはどうなのか、機能が明らかにされずして形だけの議論になっているということを言っているんです。それは、これが当たり前だというならば、私から言わせていただきますが、知事の健全な姿は、権力者になっている末期症状であるというふうに思います。よって、命を守る知事ならば、まず患者の声を聞き、住民の声を聞き、賛成の反対、反対の賛成も聞き、まずシステムをつくる機能から始めるべきではないでしょうか。そこから改善していただきたい。どうですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) まず、企業誘致と一緒だなんて一言も言っておりませんで、相手のあることだということの例として挙げたわけであります。県が、全て県の財源で、県の意思決定だけでできるのであれば、もっと早くいろんなことを出せるのですけれども、残念ながら相手のあることだということの例として企業というものをお話を出しましたので、同じとは全く思っておりません。それから、地域完結主義だと、地域完結型が大切だと、そのとおりだというふうに思います。これ、まさに地域というのが、考え方次第なんですけれども、町内会単位という地域ではなくて、私は、医療圏、仙台医療圏というそういった地域で考えるべきだろうと考えておりまして、仙台医療圏ということ、全体のバランスを考えたならば、多くの病院が、坂病院以外は全部仙台に集中しているといったようなことを考えますと、そう考えて、また、塩釜地区は、坂病院があるおかげで随分救われていて、それによって救急搬送時間も非常に短くなっていることを考えると、今日、先ほどの中山議員の質問にもありましたけれども、全体のバランスを考えて、まさに地域完結型という視点から、私は富合や名取に総合病院を置くことが非常に合理的、正しい姿ではないかなと思っております。また、患者の声をしっかり聞きなさいというのはそのとおりだと思います。ただ、特定の患者さんの声だけでは駄目だと思っていまして、先ほども言ったように、移りたいと思っている患者さんの声もしっかり聞きながら、また、移ってほしくないという患者さんの声もしっかり聞いていく、これがやはり大切だと思っております。今まではこういった議論がなかなかできなかった。これからはできるような体制にだんだん整ってきておりますので、ゆさ議員の御指摘のように、しっかりと患者さんの声を聞くように努力してまいりたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 保健福祉部長がどんな場で聞くんですか。耳を傾けるだけではなく、医療政策、福祉政策をしっかり反映する場が必要です。どんな場を設置しますか、お伺いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これについては、まだ意思決定したわけではないんですけれども、数人の、あるいは数十人の、そういう有識者なり代表の人たちが集まってもらって議論するというのも一つの方法なんですけれども、今考えておりますのは、我々が、私、全てではないんですけれども、県の職員がいろんなところに出ていって、そして、団体であったり個人であったり、そういったところに出ていって、お話をなるべく聞いて、それを吸い上げていくという形をとりたいと私は今思っております。何とかの会議、何とかの検討会とかで、著名な先生を集めて御議論いただくというのではなくて、そういうのも重要なのかもしれませんが、それよりも、やはり一人一人いろんな人の声を拾っていくような体制を取ったほうがいいのではないかなと思っております。まだ決定はしておりません。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 知事と肩を並べていたときに、県立こども病院の設置、反対、賛成ありましたね。そのときには、部会をつくって適地かどうかということも議論して、様々なNPOの方々、お話を聞きました。今、遠藤課長が様々出向いているのは分かります。しかしながら、一つの方向性を導くためには、患者、医療関係者、医師会、それぞれの一つになった場をつくることで、方向性を見いだす機能は、そうした連携の場が必要だというふうに考えます。ぜひそこを再考願いますが、いかがですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 連携を取るということは重要なことですので、いろんな形で連携を取れるようにしていきたいと思っております。ただ、先ほどの中山議員の答弁でも申し上げましたけれども、地域包括ケアという視点が今、当然重要です。全てが、精神病の患者さん、がんの患者さんに対して、病院だけでケアをするのではなくて、地域全体でケアをしていかなければいけないと、そういうことがありますから、地域包括ケアといったような視点も入れながら、連携の場というものをどうすればいいのか考えていきたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 知事が言っている「にも包括」は、すぐできるようなものではありませんで、これまで精神医療センターが培ってきたシステムでもあります。ぜひこれはですね、そういった場をしっかりつくりながら、あるべき機能を話し合っていただきたいと思います。 次に、仙台市長は、仙台のこういった開かれた場を設けてほしいと言っています。仙台医療圏の問題については非常に重要です。ぜひ、こういった場を設けるべきではないですか、お伺いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 当然、仙台医療圏という視点で考えたならば、仙台市の考え方、非常に重要になってくるというふうに思っております。決して仙台市の考え方を無視するつもりはなくて、仙台市にもいろんな形で関わっていただいて、御意見を頂きたいと思います。いずれにせよ、病院が仙台の近接に仮に移るということになると、仙台市の救急搬送をどうするのかということも当然関わってまいりますので、仙台市さんにもいろいろ御意見を伺いながら、一緒になって、県任せではなく、仙台市任せではなくて、一緒になって考えていきたいというふうに思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 今回、非常に私は問題だと思うのは、先ほど申し上げましたように、手法として、まずは合築ありきという話をしています。合築について岩手県の事例を調べてみますと、同じ病院でも医局は一つにならず、それぞればらばらですし、電子カルテも連携できていない、精神疾患の患者さんもなかなか受け入れにくいということもあります。よって、合築すれば全て解決するものではありませんし、まずは、何回も言いますけれども、機能を前提として考えるべきである、これが一つです。そして、場所の選定。これは富谷が前提として考えていますけれども、やはり、これまで三・五億円かけた基本設計を、がんセンターの隣に設置して、その設計も私たちみやぎ県民の声は調べました。いわゆる行政計画というのは、合築してどういう機能をするのか、それで単独はどういいのか、名取にあって、現地のほうがいいのか、富谷がいいのかということを、相対的に、まず機能あるべきであり、そしてその次に場所があり、どうすべきかという相対理論の中で、行政計画あるべきではないですか。何々ありきというのが、先ほど言った企業誘致の在り方というふうに見えるんです。よって、機能があって、最適なところがあるならばということを、ゼロベースで考えるべきではないんですか。ゼロに戻る気はないですか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 岩手県の南光病院と磐井病院、これは県立病院なんですけれども、総合病院と精神科の病院が一つになっていると。当然、性格の違う病院が一つになるわけですから、隣同士くっつくということですので、課題も当然あるかと思いますが、課題だけに目を奪われるのではなくて、やはり何よりも、精神科の患者さんの中で高齢化が進んできて、いろいろ合併症等を持つような方が増えてきたと。その方をわざわざどこかの遠くの病院に行く、急に具合が悪くなったときでも遠くの病院に連れていかなければいけないというのではなくて、すぐ隣の病院に運べるようになるということが、いかに患者さんにとってメリットが大きいか。当然デメリットもあるかと思いますけれども、メリットとデメリットをやはり比べてみると、メリットのほうが大きいのではないかと考え、岩手県はそういう判断をされたんだと思います。宮城県の場合は、県立の病院と民間の病院ということになりますけれども、私は今までずっと、労災機構さんとお話をしていて、可能ではないかなという思いを持っているということでございます。まだ課題はあろうかと思います。これからその辺の話合いをしていくということであります。それから、場所についてですけれども、私、知事になって十八年目ですけれども、私が知事になった頃から、精神医療センターの場所、できれば名取、あるいはその周辺でということで、ずっと探していました。今御指摘のあった場所以外にも候補地があったんですけれども、全部潰れてしまったんですよ。本当にないんです。今になって、がんセンターの隣の地権者の方が代替わりになって、売却してもいいとおっしゃっているんですけれども、そのためには、埋蔵文化財の問題であったり、いろいろ測量であったり、あと、まだ山ですから、それを崩すと。一方、富谷のほうは、もう既に土地ができ上がっているような状態ですので、そう考えると、やはり一日も早くいい環境で治療を受けさせてあげたいということから考えましても、もう一回ゼロベースに戻すことはあるかということですが、今の段階で県からゼロに戻すということはあり得ないと思います。もちろん、これは繰り返しになりますけれども、労災機構さんや赤十字さんが手を下ろしたいということになれば、これはもう下ろさざるを得ないということです。ですから、相手があることですので、ゼロになる可能性もあるというのはそういう意味でありまして、私のほうから、選挙で公約でも掲げたことでありますので、ゼロにすることはないということであります。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 不確実性を持って県政に臨むのではなく、もしゼロになる可能性があるならば、もう一つの計画を策定していく、これが行政の責務ではないですか。まずはそうした観点で、相手があって、相手がノーだったら計画はストップする。これは法的拘束力、確認書でも、それは知事が言っています。それは、やはり行政責任として、県民の命を守る知事としては、全く県民の負託に応えていないのではないですか。ゼロというのは、一旦立ち止まって、まずこの計画は、合築してどんな機能を発するのか。そして、もし相手がノーだったらば、どんな計画を策定するのか。様々議論をする素材をつくりながらですね、やっていくべき、これが医療計画ではないですか。原点に立ち戻るべきと言っているわけです。もしゼロになったらどうしますか、そこからもう一回やり直しますか。同じことを言っていると思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) ゼロにならないように努力をしていく。ゼロになったらどうするんだということですけど、ゼロにならないように努力をしていく。もうそれしか方法がないというふうに思っています。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 私は非常に危惧をしているのはですね、こういう議論のときに、もうトップの人事が決まっていて、内定していて、何も県民には明かされないで、本当は決まっていたということが、非常に県民を愚弄することだと思っているんです。病院は、一旦そこに設置したら、三十年、知事も私も生きていないかもしれませんね。そういう継続しなければならない大切な拠点なんです。ハードではなく、何回も言いますけど、人の命を地域包括、「にも包括」は、地域福祉、そして医療、福祉、地域の皆さんとの理解の中でなければなりません。よって、私は計画策定について、しっかりと見直し、そして、または原点に返ってやるべきだ。これを理解していただけないといけない、または、もし決まっていることがあるならば、つまびらかにしてください、ここで。お願いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 決まっていることは、現時点においては確認書が全てです。来年度中に基本合意的な、私としては、また同じことの繰り返しになりますけど、具体的な場所、場所を今回基本に考えるというふうに言ってありますけれども、あと診療科であったり、病床数であったりですね、職員の数まで出るかどうか分かりませんけど、そういったところをできるだけ具体的に出して、更に詳細を詰めていけるようにしたいというふうに思っております。相手が途中段階でここまで出してもいいよと言っていただけたら、その場では出しますけれども、相手がまだ早いということであれば出せないということで、その点は御理解をいただきたいと思います。他の病院の移転問題でも同じように、途中途中で地元の人にどんどん情報を出すということはなくて、大体ほぼ決まった段階でぽんと出すんですけど、宮城県の場合はそういうわけにいかないということで、当初の段階から、まだ本当に真っ白な、紙を出して書き始めたときから、皆さんにこういうことを検討しているということを話をしていったということでございますので、私としては非常に、県民不在ではなくて、逆に県民の皆さんに情報をどんどん小まめに出していったというふうに自分では考えております。それで、何よりもやはり県民の皆さんがその意思をはっきり示せる知事選挙において、私は、富谷と名取ということを選挙の公約に掲げて、そして反対の方は、それを絶対阻止するとおっしゃって、それが最大の争点になったということは、ゆさ議員も御存じのとおりであります。ですから、それだけで投票した方ではないというふうに言うかもしれませんけれども、それを見て投票した方もおられるわけですから、そういった意味では、県のほうから、宮城県のほうから手を下ろすと、ゼロにするといったようなことは考えられないと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 私は、手を下ろすなどと言っていません。まずは一つ、もしこういう計画があったらば、病院計画は、立地計画が三か所選定をしました。こども病院もそうでしたね。愛子、栗原のほうもそうでしたね。そういう総体的にABCの議論をすべきということを言っているわけです。御理解ください。それから、相手相手と言いますけれども、病院は病院だけで完結するものではなく、地域に愛されて、そして地域の中で連携していかなければなりません。よって、これから五千百万円のコンサル料ですか。そのときには、やはり場所ありき、そして、もし、そういったものはあるかどうかも含めてですね、検討すべきである。まさに、私は行政計画の原点を言っているつもりです。そこを御理解いただきたいと思います。五千百万円、どのように検討されますか。いかがですか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) ゆさ議員のおっしゃるいろんな選択肢を考えるというのは、もう終わった段階でして、ですからそこをいろいろ検討して、三病院を検討したときから、A案B案C案、いろいろ考えていって、積み上げていって、やっとここまで来たということです。この五千百万円を何に使うかということですけれども、新病院の医療機能や病床規模等の詳細の調査であったり、新病院の運営主体が策定する計画の検証であったり、その検証結果や協議内容等に係る東北大学等との調整であったり、新たな精神医療センターに係る基本計画等の取りまとめに関する支援であったり、合意条件の整理、各種会議の資料作成に関する支援であったり、こういった経費に充てたいなと思っております。これも、今後の進み具合によって、予算をどこまで使うかということが決まってくるということであります。まだ大きくパッと予算を組んでいるということでございます。まずこの予算がなければ、次の、ゆさ議員がおっしゃるようなところまで進めなくなってきますので、ぜひ御理解をいただき、御賛同いただきたいというふうに思います。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) それならば、これまでの情報を公開してください。どう積み上がってきたのか、それは説明責任を果たすべきです。それはもう終わっているという話は、これはやはり、宮城県の行政としては、情報公開、県民参加、そして相手があること、これは納得いきません。ぜひこれは出していただきながら検討すべきではないですか。いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) これまでも情報を開示するというようなお話は議会で頂いておりましたけれども、我々としましては、情報公開条例の規定に従いまして、相手方との協議に関わることですので、開示できないところがありますことは御理解いただきたいと思います。先ほど知事からもお話がありましたように、私たち担当部としましても、この問題は、協議の段階から、こういう方向で県としては協議に臨むんだということを、地域医療を今後どう守るかという観点から整理して、仙台市も含めてお話をして、随時、様々な疑問に対しても答えてきたと、そういった経緯についても併せて御理解いただきたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 今日、御答弁では、患者の声、そして地域の声を聞く場を設置する方向で検討すると。そうすると、県立精神医療センターは五年間で、基本設計から病院計画を立てました、どのぐらいのスパンの計画を考えているんですか、知事の考え方を伺います。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) まだ協議の途中でありますので、このあとどのくらいのスパンということを明確には申し上げられませんけれども、前回考えますというような、想定しましたようなスパンはかかるのではないかと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) これは知事、どのようにお考えですか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) まずは来年度中に大きな合意にまでいきますと、私としては、できるだけ早くと思っておりますけれども、当然、細かい調整まではある程度時間がかかるだろうというふうに思います。ここについては、今の段階で、あと何年とかいう段階ではなく、まずは一定の合意、県民の皆さんにお示しできる、議会にお示しできる合意を目指して、まずは来年度中に、できるだけ早い段階で合意できるように、最大限努力をしていくと。そこまでしか具体にお話しできないことはお許しをいただきたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 何回も確認しますね。合意できなかったらどうするのか、端的にお答えください。これ重要です。お願いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君 ◎知事(村井嘉浩君) 合意できなければ、そのときはもう一度、まさにゼロベースから考え直すということになりますが、私としては、何としてもいきたいと、これは知事選挙のときの公約ですので、県民に対する約束事ですから、これができないということになれば、当然、政治的な責任ということにもつながっていくだろうと思います。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) できなければ政治的な責任を取るんですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 知事選挙の最大の公約ですから、これが実現できないということになれば、当然これは責任問題になるだろうなというふうに思います。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 知事が命をかけているならば、精神障害者の方、そして患者の命をもっと考えていただきたい。県民参加や情報公開をしてほしい。これを強く要望します。 最後に一点、移行期医療支援センター。これをぜひ早めに設置してほしい。これだけ前向きの答弁、一つだけでもいいからください。お願いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 今日答弁した中には、一つではなくて複数前向きな答弁したつもりではあったんですけれども、子供から大人に移行するときですね、このときに、それぞれの病院で連携を取っていかなければいけませんので、その移行期の支援というのは非常に重要だと考えておりまして、今おっしゃったような組織をしっかりと、できるだけ早期につくれるように努力していきたいというふうに思います。 ○議長(菊地恵一君) 四十四番ゆさみゆき君。 ◆四十四番(ゆさみゆき君) 命を守るように、ぜひよろしくお願いいたします。 これで質問を終わります。 ○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。    午後二時三十三分休憩-----------------------------------    午後三時再開 ○議長(菊地恵一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。十一番福島かずえ君。    〔十一番 福島かずえ君登壇〕 ◆十一番(福島かずえ君) 福島かずえです。日本共産党県会議員団を代表し、質問いたします。 トルコ・シリア地震で被災された皆さんにお見舞いと、亡くなられた方々へお悔やみを申し上げます。また、ロシアがウクライナを侵略して一年になります。一日も早くロシアが撤退し、平和と日常が戻ることを願います。 テーマ一、県民のいのちと安全を守ることは知事の責任。 初めに、岸田政権の「大軍拡、大増税」について伺います。 知事は、昨年十二月の記者会見で、東日本大震災復興特別所得税の防衛費への転用などの大増税について、「国としてしっかりと説明責任を果たして、国民の皆さんの理解を得た上で進めていただきたい」と発言しています。一方、防衛費を増額することの必要性については、「平和主義を声高に掲げていて、国の安全が保たれるわけでは決してないというのは、もう皆さん理解をしていると思います。そういうことから、必要な、自らの国も、自らできるだけ守るんだという、そういう気概を持つことは重要だ」と述べています。知事は、岸田政権が閣議決定だけで進める大軍拡に賛成ですか、反対ですか、明確にお答えください。 五年間で四十三兆円、二〇二七年度には、GDP比二%以上という大軍拡を進めれば、日本の軍事費は、アメリカ、中国に次ぐ、世界第三位になります。他国の領土を深くまで攻撃できる長射程のミサイルの大量配備は、専守防衛という歴代政権が掲げてきた安全保障の根本すら投げ捨てるものです。自衛隊がアメリカ軍とシームレスで完全に融合して、安保法制を実行し敵基地等を攻撃すれば、相手国から報復攻撃を受け、日本が戦場になりかねません。軍事対軍事の悪循環では、国民の命、安全が守れないことは、これまでの戦争の事実が証明しています。今こそ、外交努力と交渉に最大限の力を注ぐべきです。ASEAN、東南アジア諸国連合は、互いに友好協力条約を結び、あらゆる紛争問題を徹底した話合いで解決する平和の地域共同体をつくり上げています。ASEANと憲法九条を持つ日本が協力し、東アジアサミット、EAS、ASEANに日本、アメリカ、中国、ロシアなどが参加し、十八か国という平和の枠組みを強化し、東アジアを戦争の心配がない地域にしていくべきです。戦争を避ける、戦争をしないことが政治の最大の役割、責任です。いかがですか、知事のお考えを伺います。 復興事業の大失策「広域防災拠点事業」について伺います。 東日本大震災から間もなく丸十二年です。しかし、宮城野原の広域防災拠点の完成予定は、二〇二〇年度から二〇二六年度以降にずれ込み、今や供用開始がいつなのかすら見通せない状況です。全体事業費三百二十四億円の六八%に当たる二百二十億円が執行されています。加えて、知事は一月の記者会見で、総事業費が更に膨らむ可能性があると明言しました。こんなに事業費が増え、期間も延びる原因は、JR貨物のターミナル駅移転事業とリンクしているからです。執行額の半分以上である百十四億円がJR貨物、JR東日本などへの移転補償費です。これは引っ越し代と新しい駅舎等の建設費で、用地代を含んでいません。以前から、JR貨物が宮城野原ターミナル駅移転を希望していたことは報道もされ、周知の事実でした。土地の取得を土地収用事業で進めたことによって、移転補償が発生しました。そうではなく、駅移転はJRに自前で行ってもらい、移転後に跡地を購入するというものであれば、こんなに事業費が膨らみませんでした。知事、いかがお考えですか。 昨年十二月に公表された最新の長町利府線断層地帯の地震想定では、冬の夕方で死者千九十五人、建物全壊焼失が二万三千七百棟という被害想定です。宮城野原地区の震度は六強で、仙台圏の住宅密集地の火災被害は、特に大きいと予測されています。隣接している宮城野原公園総合運動場は、仙台市の広域避難場所に指定されており、火災の広がりにより、指定避難所などにとどまることができないような場合に数万人という人が逃げる避難広場です。災害時に大勢の市民が逃げ込む地域に全県一か所しかない防災拠点を置くのは、渋滞と混乱が予測され、リスク管理上避けるべきと思いますが、知事のお考えを伺います。 宮城野原の広域防災拠点事業は、事業着手から十年が経過するので、二〇二三年度には、公共事業再評価の手続が取られます。現在利府町のグランディ21が、暫定的な広域防災拠点になっています。暫定的にでも使用できるのですから、当初計画どおり、グランディ21に整備すれば、期間も事業費もこんなにかかることはありませんでした。知事の強引なトップダウンで、宮城野原に決定した経緯を振り返れば、宮城野原の広域防災拠点整備は、知事の完全な失策と言えます。お答えください。 テーマ二、強引に進める「四病院再編移転」は撤回を。 二十日、知事は、四病院再編移転について、東北労災病院を運営する労働者健康安全機構と、そして、仙台赤十字病院の運営体である日本赤十字社と、それぞれ協議確認書を取り交わし、そのことを定例記者会見で発表しました。当事者や県民から求められている説明もせず、県議会議員にも何のお知らせもないままでした。県民や議会軽視も甚だしく、日本共産党県会議員団は、県民とともに、満身の怒りを込めて、断固抗議するものです。私たち県議会議員には、記者会見の前にも後にも、まともな説明、報告がなかったのは、どうしてですか。テレビや新聞の報道を見れば分かるから、それでいいと思ったのですか、伺います。 急遽取り寄せた二つの協議確認書には、どちらも病床数や診療科など、病院づくりに欠かせない基本的かつ必要な事項はなく、具体性に欠けています。新たな点として、一、二〇二二年度内に知事が目指した基本合意の確認はできず、二〇二三年度に先送りしていること。二、仙台赤十字病院と、県立がんセンターの統合による新病院は、運営主体について記述がないこと。三、仙台赤十字病院と県立がんセンターの新病院で、県から提案された精神科外来機能について協議を進めていくこと。四、確認書のどちらにも法的拘束力を有しないとあること。五、合意に至らないときは協議の上、解除できるとの記述がどちらにもあり、労災病院と精神医療センターの確認書には、令和五年度合意に至らないときは、合意の解除について時期が明示してあることの五点が挙げられます。それぞれの点についてどうしてこうなったのか、理由を伺います。お答えください。 今月八日、宮城県精神保健福祉審議会は、精神医療センターを労災病院と合築し、富谷市に移転するという県の進める方向性について、初めて議論しました。委員のほとんどから、当事者、専門家抜きで、ここまで検討してきた県の進め方に厳しい批判が出され、富谷市移転に反対する意見が大勢を占めました。精神医療の専門家からは、「知事の発言は、皆さんの意見を聞いてつくっていくということではない。ほとんど人の意見を聞いていない」「患者や医療関係者の声を聞かず、旗を振るのは、行政のやり方として失格」「移転見直しが議論の前提」という意見が出され、家族会の代表は、「移転には賛成できない」と断言。仙台市の代表は、「経緯や理由が明らかにされないまま、水面下での議論が進められて、大変憂慮している。合築ありきでなく、住民、患者、家族、関係者の不安、疑問を受け止めての検討を強く求める」と発言し、審議会会長の富田東北大学院教授も、「議論の時間が足りない、最初に意見を聞いた上で構想をつくって欲しかった」と語っています。法や条例に基づいて、必置が義務づけられている審議会での委員の意見は重く、真摯に受け止めるべきです。これ以上、当事者抜きに移転合築の検討を進めるべきではありません。私たち抜きに私たちのことを決めないで、と求める患者や家族、精神科医療や保健福祉の関係者による議論の場を正式に設け、そこで出された意見や要望を、精神医療センターの今後の在り方に生かしていくためにも、まずは富谷への移転を白紙に戻すことを求めます。いかがですか、お考えを伺います。 この審議会で、伊藤保健福祉部長は、「議論の県としての進め方で心配をかけ、反省している」「場所や合築は最初に決めて、もう、てこでも動かずやっているということではない。何が何でもこれで必ず行くということではない」と重ねて語っています。二十日の記者会見でも知事は、「元に戻ることも、なくなることもある」と語っています。これらの発言を素直に受け止めていいですか、お答えください。 今月三日、がんセンター周辺住民からがんセンター西側へ精神医療センター移転新築を求める要望書が提出されました。二〇一三年度に、移転候補地として、いったん決定した土地六ヘクタールのうち、約五・六ヘクタールの地権者同意もあるそうです。これに対して知事は、「富谷市明石台は既に土地の造成が終わっているので、スピードという観点では相当早くできるし、経費も抑えられる」「時計の針を戻すことは、よほどのことがない限りない」と語り、富谷移転を目指す考えを強調しました。スピードや経費も大事ですが、何よりも尊重すべきは、現在治療中の患者さんたちが安心して治療を継続できる環境を整えていくこと。今の医療水準を向上させ、医療の質を落とさないことです。いかがですか、伺います。 富谷市明石台の移転予定地六ヘクタールは、昔の調整池をそのまま埋め立てた部分があります。どこに病院を建設するかによっては、掘り返して、調整池の底や壁面のコンクリート構造物を撤去しなければならず、お金も時間もかかるという情報が寄せられています。いかがお考えですか。 また、二〇一四年につくった精神医療センターの基本設計の敷地面積は六ヘクタールでした。合築だとしても、二つの病院をつくるには、六ヘクタールでは狭いのではないですか。高層建築を検討するようですが、精神医療センターの患者さんには、高所やエレベーターの閉所が苦手な方もおり、高層建築はなじみません。大きな医療機器の搬入や地盤強化も高層になればなるほどお金もかかります。災害時にも脆弱です。いかがですか、併せてお答えください。 知事は、「宮城県全体にとって、それが、メリットがあるか、デメリットがあるかをまず考えて、その上で不便な人たち、困る人たちをどうケアしていくのかを考える」と述べています。これは、根拠となる科学的なデータも資料も示さず、宮城県全体という極めて曖昧で抽象的な言葉を使い、意図的に県民同士を分断し、県の事業で不便な人や困る人が出ても構わないとも受け止められる発言です。このような、自治体の長としてふさわしくない発言は、撤回すべきです。いかがですか、伺います。 知事は、県内で二十四時間の患者受入れをしているのは、精神医療センターのみ、精神科のスーパー救急という位置づけも、県内で唯一、県精神医療センターだけだから、県南にあるより、県中央部にあるほうがいいと主張しています。しかし、精神科救急は、身体疾患の救急と異なり、移送時間以上に、移送手段や受入れ体制側の準備が重要であり、病院までの距離より、病院に連れていく手段の問題が大きいと現場で言われています。県中心部の富谷への移転にこだわる必要はありません。いかがお考えですか、伺います。 宮城県の精神科救急医療は、これまで全県一区、ワンブロックで進めてきましたが、将来的には、二次医療圏域での対応を目指して、県が人的・財政的支援等を行い、まずは県内二つのブロックで対応できるよう整備すべきです。いかがですか。 国も県も、生活圏域での医療、保健福祉の連携、名取市で今行われている地域包括ケアシステムを推進しています。この地域包括ケアシステムの自治体や地域ごとの構築は、精神医療センターの移転新築問題と切り離しても、そもそも県が進めていくべき喫緊の課題です。グループホーム、訪問や通所サービス外来診療に加えて、往診や訪問看護、デイケアなど、ニーズに応じた福祉、保健、医療の充実、関係者の人材育成、情報共有など連携体制の整備が必要です。これらの整備に、県が本格的に予算を投入して、市町村を支援しながら、必要があれば県が直接行うことも含めて、もっと取り組むべきです。いかがですか、伺います。 高度ながん治療ができる、都道府県がん診療連携拠点病院は、通常県内に一か所となっていますが、宮城県は、県立がんセンターと東北大附属病院の二か所あります。民間医療機関では対応に限界のある希少がん、難治がんを重点的に診療しているがんセンターは、放射線、薬物、手術療法のいずれも、県南部の拠点になっています。未来型がん医療に対応するには必須の機能であるゲノム医療など、国内トップレベルの研究所機能とともに、こうしたがんセンターの重要な位置づけ、役割は、日赤病院と統合することによって、大きく損なわれるおそれがあります。公表された協議確認書では、新病院が引き続き、がん研究所機能も保ち、都道府県がん診療連携拠点病院として存続し、これまでどおり、高度ながん治療を継続できるかどうか分かりません。この点はどうなのか、明確にお答えください。 これまで、高度ながん医療は、東北大一か所に集中させるとも受け止められる答弁がありました。しかし、がんセンターが担ってきた一年間の症例数を、東北大だけで同じ一年間で受け入れ、実施することが本当に可能だと言えるのですか。例えば希少がん、難治がんなど、二〇一八年度にがんセンターでは二千三百を超え診療しており、東北大も三千近くに及んでいます。これを、東北大だけで治療しようとすれば、放射線、薬物、手術療法のいずれも二倍近い施設を整備し、スタッフも二倍程度、東北大に確保しなければ対応できません。それができるのですか、伺います。 県立がんセンターと精神医療センターという、かけがえのない県民共有の財産を再編移転させようと知事は、場所まで挙げながら、非公開で県民や議会の合意もなく、一年以上も、日赤本社と労働者健康安全機構と協議を続けてきました。公言してきた年度末にも、目ぼしい進展が得られないまま、法的拘束力のない確認書を交わしました。この確認書は、四病院再編移転を既定の事実のように描き、撤回を求めて広がる県民の意見、世論を抑え込み、諦めさせようとする意図すら感じます。これ以上、確認書を前提にした四病院再編移転を強引に進めるのはやめるべきです。知事は掲げた構想の白紙撤回を恐れず、立ち止まって、求められている県立病院の在り方、政策医療について、当事者や関係者や医療の専門家、仙台市との協議を民主的に進めることを優先すべきです。いかがですか、伺います。 テーマ三、県営住宅の集約・廃止方針案の撤回と建替え計画。 昨年十二月の建設企業委員会に突然、百一団地九千四十八戸ある県営住宅について、完成年度や構造別に、用途廃止時期を設定し、その十年前に団地ごとに廃止検討を行い、入居者説明会を開催し、移転支援を行っていく方針中間案が発表されました。宮城県はこれまでも老朽化した県営住宅の建て替えは行わず、公営住宅は市町村が主体的に行うことが基本と議会答弁し、県営住宅から将来的に撤退する考えを示していました。二〇三二年度までに順次廃止検討を行う対象とされた三十団地は、合計二千六百三十七戸で、全体の約三割に当たります。これだけ多くの入居者に大きな影響を与える集約・廃止方針案に対して、入居者にも、県民にも事前説明会やパブリックコメントを行わず、三月中旬に決定しようとしています。県営住宅は、県民共有の貴重な財産であり、それをどうするかは、県民の意向を十分に反映して決めるべきです。方針を決定する前に、入居者や県民に対して説明会やパブリックコメントを行うべきです。いかがですか、伺います。 最も早い二〇二三年度に廃止を検討し、説明会開催予定となっている仙台市中江や黒松など六団地、五百七十一戸の入居者に対して、共産党県議団は緊急調査を行い、御意見や御要望を伺いました。「昨年五月に入居した。入居させておいてこの方針は納得いかない」「こんなめちゃくちゃな方針は白紙撤回だ」「突然で驚いている。年金暮らしでついの住みかと思っていた。低い家賃だから支払いできている」「子育て中なので引っ越したくない」「八十五歳で引っ越しできない」などと切実な声がたくさん寄せられました。県住宅課でも、一月六日付けで、方針案の概要をA4用紙両面に記したお知らせ一枚を、県営住宅入居世帯全てに配布し、一月二十五日締切りで意見募集を行いました。しかし、二〇二三年度以外の廃止検討予定の団地には、お住まいの団地が当面の間、検討する対象団地ではありませんと書いているものの、用途廃止検討時期がいつなのか記述がなく、極めて不親切なものです。二〇二四年度に廃止検討予定している百三十八戸の仙台市宮城野区幸町団地から、「当面の間検討しないと書いてあるのに、来年廃止検討する予定となっている。いいかげんなお知らせだ」と怒りの声が上がっています。そういう不十分なお知らせでも、四十通程度の意見が県に届いているそうです。どういう内容の意見ですか。また、それらの意見は方針にどう生かすつもりですか、伺います。 近隣の公営住宅への集約移転が基本とされていますが、県営住宅は、いずれどこも廃止対象でついの住みかにはなりません。県は市町村住宅や民間賃貸住宅も移転先に挙げていますが、市町村との協議は始まったばかりです。県営住宅四千六百六戸がある仙台市は、「突然の話、これだけの数は到底受け入れられない」と議会で答弁しています。民間賃貸住宅との家賃差額に対しても県は、支援はしないとのことです。移転支援を本当に行うのか、心配ばかりが募ります。県営住宅に入居している高齢世帯は五二%、高齢単身世帯は二六%、障害を抱えている人がいる世帯は十八%、独り親世帯は二六%と多く、引っ越し先を見つけることや、引っ越すこと自体が大きな負担になります。住んでいるコミュニティーを壊して進める集約・廃止方針案は、あくまで行政の事情からのものです。入居者が住み続ける権利は、憲法や公営住宅法、借地借家法で保障されています。転居の強要はしないこと、一人でも住み続けたい、住んでいる人がいる限り、その住宅の質を維持し適切な管理を行うこと、住民の居住権を保障することを求めますが、いかがですか、お答えください。 憲法で保障された、健康で文化的な生活に住まいは欠かせません。国の住生活基本計画でも、住宅セーフティーネットの中心的役割は公営住宅であり、計画的な建て替えやバリアフリー化、長寿命化等のストック改善の推進が基本的施策と位置づけられています。転居するか、老朽化する住宅に住み続けるかの二者択一の方針案は撤回し、コミュニティーを維持しながら進める建て替え計画も持つべきです。いかがですか、お答えください。 テーマ四、県水道「コンセッション方式民営化」で起きた水質悪化事故と料金等改定手続き。 昨年十二月九日、仙南仙塩広域水道で水質悪化事故が起きました。仙台市太白区茂庭高区調整池と白石市南部山中央監視室の間で、電気通信設備の定期点検作業を行った際に、緊急遮断弁が全閉するというトラブルから、翌十日に松島受水点で、県基準〇・一度を超える濁度〇・四度が発生しました。五段階の要求水準違反のうち、レベル三に当たる重大事故です。直接的な原因は、事前措置として行った養生作業、実際に遮断弁が閉じないようにしていく作業で二重のミスがあり、作動させてはいけない遮断弁が全閉したからと運営権者みずむすびマネジメントみやぎが説明しています。そのような人為的ミスが生じたのは、養生作業についての手順書、マニュアルがなかったからです。年に一回だけの点検作業を記憶や勘に頼るようでは、失敗は防げません。OM維持管理会社みずむすびサービスみやぎが維持管理を始めてから、定期点検中の事故やトラブルは、昨年八月に大崎広域水道中峰浄水場で、九月には仙塩工業用水事業の鶴ケ谷ポンプ場で起きており、これで三件目となります。全ての定期点検作業において、それぞれの作業手順書が作成され、存在しているのか。その手順書を作業員が理解し、活用しているのか、県は、総点検すべきではないでしょうか、伺います。 また、茂庭で点検作業員の手順ミスがあったとしても、南部山の中央監視室の運転員がモニターでしっかりチェックしていれば、直ちに異常に気づいたはずですが、約十五分間見逃していました。茂庭からの連絡でようやく、遮断弁が全閉状態であることに気づくという運転員の監視ミスもありました。ミスの連鎖が、このような重大事故につながりました。全国初のコンセッション方式民営化がスタートして、僅か九か月目に、最も心配していた水質悪化事故が起きました。昨年四月から、現場の維持管理、運転作業を行っているOM会社の技術力が不安定であること、そして運営権者の危機管理や事故防止という基本的なガバナンスが不十分であることが明らかになりました。県民の十分な理解を得ないまま強引にコンセッション方式を進めてきた村井知事がこの事故をどう受け止めているのか、伺います。お答えください。 県は十二月二十一日に、運営権者に改善命令を出し、運営権者は改善計画書を一月十二日に県に提出しました。県は、その計画にある改善対策が適切に行われているのか改善措置の有効性などを随時モニタリングし、改善対策をチェックする必要と責任があります。改善が行われていないと判断した場合や、再発監視期間である三月三十一日までに、要求水準違反が再発した場合は、運営権者に対して、一日二百二十万円の違約金を請求することができます。県のモニタリングはどのように行っていますか。また、県が行ったモニタリング結果を早急に県議会や県民に公表すべきです。いかがですか、伺います。 県は、今回の事故を仙台市水道局からの「水量が減っているが、何かあったのか」という問合せの一報で初めて分かりました。今回の事故の影響範囲は、仙台市、富谷市、多賀城市、利府町、塩竈市、七ヶ浜町、松島町の四市三町に及びました。県は受水自治体や県民へ安全・安心の水を低廉に提供する責任があります。運営権者から県への事故の第一報、企業局災害対策本部設置、関係市町への情報提供や対応策の報告、議会や県民への報告、いずれも遅く、不十分だったと言えます。上半期に二回定期点検中の事故、トラブルが発生していたのに、今回の重大事故を防ぐことができませんでした。運営権者のミスを見逃さない、県の技術力の維持向上が求められています。県も、今回の重大事故を検証し、教訓を引き出すべきです。いかがですか、お答えください。 今年九月には、広域水道料金と流域下水道維持管理負担金の改定議案が出る予定です。関係市町村には既に金額案が提示され、その裏づけになる経営シミュレーション等の資料も配布されていますが、県議会や県民には非公開のままです。県が全てを運営していたころと違い、施設の維持管理や改築は、民間会社が行う中での初めての料金改定です。県と関係市町村の間で覚書を交わす前に、必要な情報を県議会や県民に公開し、主権者である県民が料金や維持管理負担金改定の議論に参加できる民主的な手続を踏むべきです。また、二十年間で総額三百三十七億円の経費削減ができると話してきたのですから、料金等を引き下げることを市町村や県民は期待しています。広域水道も流域下水道も改定金額は値下げすべきです。併せてお答えください。 テーマ五、「人口減少、少子化」対策と子育て支援策の充実。 人口減少、少子化がこれほど進んだのは、この三十年間、賃金がほとんど上がらず、非正規雇用が増えたからです。一九九〇年代後半以降、歴代政権が、労働法制を規制緩和し、低賃金の非正規雇用が増え、賃金が押し下げられました。年収二百万円未満のワーキングプア、働く貧困層は、約千二百万人に上ります。お金がなければ、自立した生活も結婚も子育てもできません。八時間働けば普通に暮らせる社会へ戻していく政策が必要です。そして、女性への賃金差別をなくし、ジェンダー平等社会を進めていくことが重要です。知事は、人口減少、少子化を前提に政策執行していますが、人口減少、少子化を食い止めるために、必要な政策支援策を本気になって行おうとはしていません。隗より始めよで、賃金アップのために、県の会計年度任用職員を正規職員として採用することや、待遇改善を図ること、教員の定数割れが、年度半ばで起きないように、教員をもっと正規採用すべきです。自治体の裁量であるはずの職員定数に対して、それを管理し、増やせばペナルティーを与えるような国の制度をやめさせることも必要ですが、まず県の努力だけでもできることを行うべきです。いかがですか、伺います。 第一次産業、農林水産業だけの所得でも、結婚や子育てできる所得補償、価格保障を政府に求めていくことです。そうすれば、人口減少の心配をする自治体が減ります。県独自でも、もっと努力し、予算と施策を充実すべきです。いかがですか、伺います。 宮城県の低い出生率の背景に、若い女性にとって魅力的な働く場所がなく、そのため、就職時に首都圏への流出が止められないことが指摘されています。女性も男性も働きやすい職場づくりを積極的に進めるポジティブアクションやワークライフバランス、仕事と生活の両立に取り組む企業を応援する、女性の力を生かす企業認証制度を宮城県でも実施していますが、認証メリットをもっと拡充するとともに、この制度の周知徹底を求めます。また、県自ら、ジェンダー平等推進に本気になって取り組まないと取り残されてしまうことを自覚し、企業だけでなく、自治体や地域のあらゆる団体、組織にジェンダー平等がもっと浸透するように、県のジェンダー平等施策を拡充し、啓発すべきです。併せてお答えください。 子ども医療費と学校給食費の無償、無料化は、子育て支援策の中心的課題であり、切実な緊急課題です。昨年知事あてに、県市長会から、どちらについても、国への制度化と、県独自の支援を求める要望書が提出されました。ところが県の新年度予算にはこの要望が反映されていません。子ども医療費助成は、県町村会からも同様の要望が出ています。今年から、県内全ての市町村で、所得制限が撤廃される予定です。また、仙台市と白石市を除いて、対象年齢も十八歳まで拡充してきました。市町村はかなりの努力を行っています。その努力を県が後押しし、支援すべきです。県内全ての子供が、地域間格差なく、十八歳まで医療費無料となるよう、県が所得制限を撤廃し、対象年齢を十八歳まで引き上げることを求めます。いかがですか、伺います。 学校給食費も、七ケ宿町、大郷町、大衡村に続き、二〇二三年度から栗原市、富谷市、気仙沼市、南三陸町、川崎町が完全無償化に踏み切ります。一部無償化や補助なども合わせると既に過半数の自治体が取り組んでいます。原油や物価の高騰で、食材購入も影響を受け、学校給食費の値上げを検討せざるを得ない状況です。これ以上保護者の経済的負担を増やさないために、県が市町村の学校給食費無償化に二分の一補助を行うべきです。お答えください。 安心して子育てできる環境づくりとして、教職員や保育士を増やすことが重要です。いじめや虐待に早く気づき対応するためにも、障害を持つ子供や学校に行かない子供など、一人一人の子供と不安や悩みを抱える保護者にゆっくり向き合えるようにするためにも、県独自でもっと教職員を増やすことを求めます。また、不適切な保育が全国的に問題となっています。背景として、慢性的な保育士不足による現場の疲弊が指摘されています。子供たちにもう一人保育士をという世論が広がっています。四、五歳児に対する保育士配置基準は、七十五年前と同じ三十人に一人のままです。保育の質を守るため、自治体や認可園は、独自に上乗せして保育士を配置していますが、保育所運営費は、国の最低基準を基に計算するため、民間認可園などは、賃金や処遇が低くなっています。国に保育士配置基準を増やすよう求めるとともに、県としても支援すべきですが、いかがですか。併せて伺って、第一問といたします。御清聴大変ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 福島かずえ議員の代表質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、県民のいのちと安全を守ることは、知事の責任についての御質問にお答えいたします。 初めに、さきに閣議決定された防衛費増額の方針についてのお尋ねにお答えいたします。 ロシアによるウクライナ侵略やインド太平洋におけるパワーバランスの変化、更には周辺国等による相次ぐミサイル発射など、我が国を取り巻く安全保障環境は、一層厳しさを増していることから、今般、国においては、我が国の平和と国民の生命財産を守るため、防衛力の抜本的強化を図ることとしたものと認識しております。今後、国の責任において、財源の確保を含め、国民の理解が得られるよう丁寧に対応すべきものと考えております。 次に、東アジア首脳会議の枠組みを強化して戦争を回避する努力についての御質問にお答えいたします。 昨年二月のロシアによるウクライナ侵略以降、連日報道されている、現地の状況を見るにつれ、戦争の悲惨さを改めて痛感しております。国民の生命財産を守るため、戦争を回避することは政治の大きな役割であり、首脳会議等の外交交渉の場を通じ、対応を継続し、国際社会の平和と安定の実現に努力していく必要があると考えております。 次に、JR貨物移転後に用地を購入し、広域防災拠点の事業費を抑制すべきだったとの御質問にお答えいたします。 宮城野原地区の仙台貨物ターミナル駅移転につきましては、平成十六年に国により設置されたJR貨物宮城野駅の在り方に関する検討委員会において、今後の課題の一つとして、現駅における抜本的改良が非常に困難であることから、長期的には、移転も含めた検討が必要であると整理されておりますが、その後JR貨物においては、駅移転については具体化されなかったものと認識しております。こうした状況の中、東日本大震災の教訓を踏まえ、複数の候補地を比較した上で、地理的優位性の高い宮城野原地区に広域防災拠点を整備することとし、仙台貨物ターミナルを所有するJR貨物と協議を進め、公共補償基準に基づき、駅移転に必要となる経費を保障することとしたものであります。 次に、広域避難場所である宮城野原公園総合運動場の隣接地に広域防災拠点を整備することについての御質問にお答えいたします。 宮城野原地区の広域防災拠点整備予定地に隣接する宮城野原公園総合運動場につきましては、火災の延焼拡大などにより、指定避難所等にとどまることが危険な場合に、一時的に避難する広域避難場所として、仙台市が指定しております。広域防災拠点の整備に当たりましては、災害発災時の活動拠点として速やかに機能を発揮させることはもちろんのこと、宮城野原公園総合運動場の広域避難場所としての機能に支障がないよう配慮した計画としております。県としては、広域防災拠点の適切な運用に向け、引き続き仙台市など関係機関と緊密に連携をしながら取り組んでまいります。 次に、県総合運動公園に広域防災拠点を整備すべきだったとの御質問にお答えいたします。 東日本大震災においては、救援物資の輸送や傷病者の搬送など、広域的な連携の面で様々な課題が明らかになりました。県ではこのような教訓を踏まえ、傷病者の域外搬送拠点機能の充実強化、広域支援部隊の一時集結場所やベースキャンプ用地の確保、物資輸送中継拠点となる広域防災拠点の整備が必要であると強く認識したものであります。候補地の選定につきましては、県総合運動公園などを含む複数の地域と比較して、緊急輸送道路を含む幹線道路とのアクセス性や、県内唯一の基幹災害拠点病院に近接することなど、圧倒的に地理的優位性が高い宮城野原地区を選定したものであります。この広域防災拠点は、県内全域をカバーする防災拠点としての中核的な役割を担うものであり、我が県が進める防災体制の構築に極めて重要な施設であることから、一日も早い供用に向け、しっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、強引に進める「四病院再編移転」は撤回を、についての御質問にお答えいたします。 初めに、協議確認書の説明についてのお尋ねにお答えいたします。 今月二十日に、各設置主体と協議確認書を取り交わすことができましたが、それまでの間、確認書の内容について、最終的な調整を続けており、当日の朝に私が署名したのが実情であります。私といたしましては、代表質問の前に、県民の皆様にお示しし、議会でも御議論いただくことができたものと思っております。 次に、協議確認書の内容についての御質問にお答えいたします。 まず、今年度内に目指していた基本合意ができなかったのは、十分な時間がなかったためであります。第二に、運営主体につきましては、様々な検討や協議を行ってまいりましたが、現時点では合意に至ることができなかったものであります。第三に、精神科外来機能につきましては、県立精神医療センターに通院されている患者や家族の皆様の負担の軽減につながるよう、私から提案し、今後具体的な内容を検討することを確認したものであります。第四に、法的拘束力を有しないとの記述は、相手方の要望によるものでありますが、現段階では、確定した合意ではないことの反映であります。最後に、合意の解除に関する記述の違いでありますが、いずれの確認書でも、令和五年度中の合意を目指していることから、同じ趣旨であると認識しております。 次に、精神保健福祉審議会での意見を重く受け止め、移転を白紙にすべきとの御質問にお答えいたします。 精神保健福祉審議会でいただいた御指摘は、主として、患者や家族の方々の懸念であり、重く受け止めております。県としては、有識者による精神医療センターの在り方検討会議での議論を踏まえた上で、早期の建て替えの実現を目指して検討しているものでありますが、引き続き多くの方々の御意見を伺ってまいります。 次に、私や部長の発言の受け止めについての御質問にお答えいたします。 県立精神医療センターの移転は、県の最優先の課題として、私の選挙公約にも掲げ、また、今回の確認書で、整備の方向性を確認できましたので、できるだけ早く前に進めたいと考えております。しかしながら、連携相手の労働者健康安全機構との間で、いまだ合意に至っているものではなく、実現できない可能性もありますので、そのような趣旨を私や部長が発言しているものであります。 次に、患者が安心して治療を継続できる環境整備等を尊重すべきとの御質問にお答えいたします。 県立がんセンター西側の土地は、地権者の同意が得られたとしても、事業認定、開発許可、農振除外及び埋蔵文化財調査などの行政手続が必要となり、造成に着手するまでに長期の時間を要することが見込まれます。県としては、高齢化が進む中での身体合併症対応も含め、課題を抱える精神医療センターのできる限り早期の医療機能の向上を実現させたいと考えております。 次に、精神医療センターの移転候補地についての御質問にお答えいたします。 富谷市の移転候補地における建物の配置は、今後の検討になりますが、地中の構造物の撤去などの余分な費用や時間を要することはなく、施設が建設できると見込んでおります。また、六ヘクタールでは狭いとの御指摘ですが、現在の東北労災病院の敷地が約二・五ヘクタール、精神医療センターが約二・三ヘクタールであり、合築する二つの病院の敷地として対応でき、また高層としなくても建築が可能であると考えております。 次に、県全体をまず考えるとの私の発言についての御質問にお答えいたします。 私は将来を見据えて解決すべき課題には正面から取り組むことを常に心がけておりますが、県立精神医療センターにつきましては、早期の建て替えと身体合併症等にも対応した機能の強化を実現したいと考えております。検討に際しましては、当然様々な立場の方々にとってメリットやデメリットを含むどのような影響があるかを総合的に踏まえるべきものと考えており、御指摘の私の発言も、そのような趣旨で申し上げたものであります。 次に、富谷市への移転の必要性についての御質問にお答えいたします。 富谷市に移転することだけを先に決めた、あるいは県中心部という立地だけにこだわっているわけではありません。先ほども申し上げましたとおり、早期の建て替えが可能で、身体合併症の対応も可能な総合病院との合築による富谷市への移転が課題解決のために望ましいと考えております。 次に、我が県の精神科救急医療についての御質問にお答えいたします。 精神科救急医療につきましては、県内の精神科病院が連携をしながら対応し、県立精神医療センターが対応困難症例を受け入れることなどにより対応が図られております。このように、全県を視野に入れた体制が構築されておりますので、精神医療に関する圏域を設定するという議論よりは、病院間の連携や補完を強化することで、精神医療体制の充実を図りたいと考えております。 次に、地域包括ケアシステムの体制整備についての御質問にお答えいたします。 精神障害の有無や程度によらず、地域で誰もが安心して暮らすことができる地域包括ケアシステムの構築は必要であると認識しております。システムの構築は、日常生活圏域を基本に、市町村を中心として進めることとともに、個別支援の積み重ねから生じてきた地域課題について、保健、医療、福祉関係者等による協議の場で議論し、解決することが重要であります。県としては、保健所や精神保健福祉センターにおいて、市町村との協働により、精神障害者のニーズや地域課題を共有しながら、市町村を中心とした体制の整備を支援してまいります。 次に、新病院は研究所機能を保ち、都道府県がん診療連携拠点病院として存続するのかとの御質問にお答えをいたします。 新病院の整備に当たっては、がん診療連携拠点病院の位置づけを引き継ぐことを確認書で盛り込んでおります。がん治療の水準につきましては、現在検討している新病院が備えるべき診療機能に応じて決まるものと考えております。また、研究所機能につきましては、東北大学等と在り方を協議しておりますので、確認書では言及していないものであります。 次に、高度ながん医療を東北大学病院に集約することは困難だと思うがどうかとの御質問にお答えいたします。 県立がんセンターが有している医療機能や研究機能につきましては、東北大学病院などとの機能分担や連携の観点から検討を進めているところであります。検討に当たっては、東北大学病院が対応できる範囲で役割分担をすることとして進めております。 次に、県立病院や政策医療の在り方の検討を広く民主的に進めるべきとの御質問にお答えいたします。 県では、これまで市町村長の会議や、医療関係者の会議などの公開の場で意見交換を行うなど、できる限り丁寧な進め方に努めてまいりました。今回の確認書でも、検討の状況や方向性を明らかにし、これをもとに、広く御意見をいただくために公表したものであります。今後も様々な方々の声を踏まえながら検討を進めてまいります。 次に、大綱三点目、県営住宅の集約廃止方針案の撤回と建て替え計画についての御質問にお答えいたします。 初めに、方針決定前に説明会やパブリックコメントを行うべきとのお尋ねにお答えいたします。 今回策定する県営住宅等の集約に伴う移転支援の方針は、既にパブリックコメントを経て策定した宮城県住生活基本計画や、宮城県公共施設等総合管理方針に基づき、用途廃止される住宅の入居者に対する移転先確保や、移転補償など、移転支援の基本的な考えを取りまとめたものであります。このため、パブリックコメントを行っておりませんが、移転を円滑に進めるに当たっては、入居者の御理解や御協力が必要不可欠であることから、中間案のお知らせと併せて、御意見を伺っております。更に、公営住宅の供給主体となる市町村や住宅施策等を担う関係団体で構成する、みやぎ住まいづくり協議会の会員の方々にも御意見を伺っており、これらの御意見を踏まえ、本方針を策定することとしております。県としては、本方針を踏まえ、来年度から用途廃止の対象となる住宅の入居者に対し、説明会を開催するなど、個別事情に十分に配慮しながら丁寧に対応してまいります。 次に、入居者からの意見についての御質問にお答えいたします。 県では、一月に全ての県営住宅の入居者の約七千世帯に、県営住宅等の集約に伴う移転支援の方針の中間案についてお知らせをし、意見募集を行ったところ、これまで四十五件の御意見が寄せられております。その意見の内容の主なものは、通院、通学や高齢者、障害者などへ配慮した移転先を確保してほしい、移転への補償や家賃負担へ配慮してもらいたいなどの要望のほか、早期の移転や建て替えの検討を求める意見がありました。こうした意見や要望の多くは、移転支援の内容に関するものであることから、本方針の中に配慮すべき事項として反映してまいりたいと考えております。 次に、転居を強要しないことや、適切な管理を継続することについての御質問にお答えいたします。 本方針は、県営住宅において、老朽化が進行し安全上の問題が発生する前に、十分な期間を設けて、より居住環境の整った住宅への移転を円滑に進めるために策定するものであります。移転支援に当たっては、入居者の要望を聞き取りながら丁寧に進めることとしており、決して移転を強要するものではございません。また、移転までの期間については、各種点検や必要な修繕等を適切に行い、居住環境の維持に努めてまいります。 次に、建て替えも含めた計画を持つべきとの御質問にお答えいたします。 人口減少、少子高齢化の進行に伴い、住宅ストックの余剰が増えていくことに加え、我が県では、災害公営住宅が整備され、新たな公営住宅の整備を積極的に進める状況ではなくなってきております。また、耐用年限を迎える県営住宅の老朽化が進行しており、耐震性の低下への対応など、安全性の確保といった課題が生じております。県では、こうした状況を踏まえ、宮城県住生活基本計画や宮城県公共施設等総合管理方針等に基づき、県営住宅の新たな建設及び建て替えを行わず、既存ストックの長期的な活用を図りながら、耐用年限を迎え、用途廃止が適当とされた住宅につきましては、集約移転を進めることとしております。県としては、今回策定する県営住宅等の集約に伴う移転支援の方針に基づき、入居者の個別事情に十分配慮しながら、円滑な移転に向け、しっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱五点目、「人口減少、少子化」対策と子育て支援策の充実についての御質問にお答えいたします。 初めに、会計年度任用職員の待遇改善等についてのお尋ねにお答えいたします。 地方公共団体における公務の運営においては、任期の定めのない常勤職員、いわゆる正規職員を中心とすべきとされておりますが、一方で多様化する県民ニーズに応えるため、正規職員のほか必要に応じて、会計年度任用職員を任用しているところであります。会計年度任用職員の処遇については、これまでも、正規職員との均衡を考慮しながら、必要な改善に努めてきており、今議会におきましても、会計年度任用職員の給与の引上げに係る条例改正を提案しております。また、会計年度任用職員の任用に当たっては、その職務内容や責任の程度を考慮し、競争試験を原則とする正規職員と異なり、面接等による能力実証のみで選考していることから、会計年度任用職員を正規職員として採用するには、別途競争試験による選考が必要と考えております。引き続き、会計年度任用職員が県行政の推進において重要な役割を担っていることを踏まえ、適切に対応してまいります。 次に、第一次産業就業者に対する所得補償や県独自の施策についての御質問にお答えいたします。 農林水産業においては、台風などの自然災害や、水産物販売価格の下落、燃油の高騰など、様々なリスクに対処するため、農業保険や森林保険、漁業共済等、国の補償制度が整備されております。また、中山間地域などの条件不利地に対しては、日本型直接支払制度による支援も行われております。こうした制度の活用と併せ、我が県では、新・宮城の将来ビジョンにおいて、地域の底力となる農林水産業の国内外への展開を掲げ、付加価値の高い県産品の安定生産や、六次産業化等による経営の多角化を推進することで、収益性の高い産業構造への転換を支援しているところであります。県としては、引き続き、農山漁村発イノベーション対策等により、労働生産性の高い農林水産業の確立に向けて取り組んでまいります。また、今後、農林漁業経営に大きな影響を及ぼす不測の事態が発生した場合には、国に対して更なる支援策の創設を求めるとともに、県独自の支援策を講じるなど、農林漁業者に寄り添った対応に努めてまいります。 次に、女性の力を生かす企業認証制度及びジェンダー平等についての御質問にお答えいたします。 県では、県内企業において、女性も男性も能力を発揮しやすい職場環境づくりを推進するため、平成二十年度から女性の力を生かす企業認証制度を設けております。認証企業は、今年一月末時点で、昨年から六十八社増の五百六十五社となっており、年々増加しております。認証のメリットにつきましては、建設工事等の入札参加登録審査での加点や、中小企業融資制度における金利等の優遇のほか、令和二年度からは、総合評価落札方式による加点を新たに加えたところであります。認証制度の周知につきましては、県のホームページやリーフレット配布などにより行ってきたところでありますが、更に、今年度新たに開設する女性活躍応援ポータルサイトの中で、認証企業のPRを行うこととしております。ジェンダー平等に関しましては、県主催による、女性活躍、イクボスの推進、LGBTへの理解促進等を図るためのセミナーや研修を行うとともに、各地域において、市町村との共催によるワークショップの開催などを行っております。今後、こうした取組を通じて、企業だけでなく、地域の団体等にも浸透できるよう、市町村等と連携をしながら、ジェンダー平等の啓発に必要な施策の推進を図ってまいります。 次に、子ども医療費助成についての御質問にお答えいたします。 我が県では、県から市町村に対する助成対象を入院、通院ともに就学前までとしており、一部自己負担金を課していないことや、完全現物給付方式を採用していることを踏まえれば、全国的に見ても遜色のない制度と認識しております。対象年齢の引上げ及び所得制限の撤廃につきましては、新たな負担増を毎年継続していくための恒久的財源が必要となるなど、課題があるものと考えております。県としては、こうした制度は本来、ナショナルミニマムとして、国が責任を持って整備すべきものと考えており、全国一律の制度創設について引き続き国に要望してまいります。 次に、保育士の配置についての御質問にお答えいたします。 保育現場が質の高い保育を実践するためには、保育士の配置基準と処遇の改善が不可欠でありますが、国において実施するとしていた一歳、四歳、五歳児の配置基準が改善されていないことから、全国知事会を通じて強く要望しているところであります。県ではICT化による業務効率の向上や保育補助者の雇い上げ支援などにより、引き続き適正な保育の確保に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 公営企業管理者佐藤達也君。    〔公営企業管理者 佐藤達也君登壇〕 ◎公営企業管理者(佐藤達也君) 大綱四点目、県水道「コンセッション方式民営化」で起きた水質悪化事故と料金等会計手続きについての御質問のうち、定期点検作業における作業手順書の作成状況等についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年十二月、仙南仙塩広域水道で発生した濁度上昇は、高区調整池で実施していた電気通信設備の定期点検において、養生作業が適切でなかったため、予期せず、緊急遮断弁が作動したことが直接的な原因であります。この点検に当たっては、スケジュールや従事者等を記載した施工要領書は作成されていたものの、具体的な手順を明文化した作業手順書が作成されておりませんでした。運営権者は、今回の事案を踏まえ、これまで必ずしも作成されていなかった作業手順書を全ての定期点検で作成し、事前に読み合わせを実施するとともに、従事者への研修を行うなど、再発防止に向けた改善を図ったところであります。県としては、今後作成される作業手順書と研修の実施状況などを確認し、安全・安心の確保に努めてまいります。 次に、今回の事案に対する受け止めについての御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式においては、危機管理に関する要求水準として、BCPや危機管理マニュアルの策定等により、災害または事故等が発生した場合に、被害を最小限に抑制する体制の構築を求めており、運営権者は、訓練の実施等により、対応力の維持・向上に努めております。そのような中で発生した今回の事案については、水道法に定める水質基準は遵守しており、健康上の問題はないものの、県基準を超えた重大な事象と認識しております。県としては、今回の事象について、実効性のある再発防止策や、職員の技術力を向上するための教育研修等に組織的かつ継続的に取り組んでいくことが、ガバナンスとして重要であると考えており、引き続き、運営権者の改善状況を確認するとともに、厳格なモニタリングを継続し、水道事業者としての責任をしっかりと果たしてまいります。 次に、運営権者の改善計画に基づく対策の確認方法と、その結果の公表についての御質問にお答えいたします。 運営権者の改善計画書は、県と運営権者において、事故原因の究明と、効果的な再発防止策について意見交換を行い、その結果を踏まえて作成したもので、一月十二日に提出を受けております。本計画においては、具体的な作業手順書の作成による業務プロセスの改善や、水質を悪化させる可能性の高い業務等を抽出するリスク評価の実施に加え、事故対応力強化のための危機管理マニュアルの見直しなど、継続的な改善を行うこととしており、既に、運営権者のホームページにおいて公表されているところであります。県としては、点検作業への臨場や、運営権者の研修に参加するなど、県職員が直接改善状況を確認したところであり、確認の結果等については、今後、議会へ報告するとともに、県のホームページにも掲載する予定としております。 次に、県も今回の事案を今後の教訓にすべきとの御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式は、官民が連携して運営する事業であることから、運営権者のみならず、県職員の技術力の維持・向上が重要であると認識しております。このため県では、職場研修に加え、日本水道協会や東京都が主催する研修に職員を派遣し、より高度な知識、技術の習得にも努めているところであります。更に、今回の事案を検証した上で、職員の異動等があった場合にも、迅速な対応が可能となるよう、事故や対応結果を記録、保存し活用していくほか、事故発生時の具体的な作業計画を策定する研修も実施するなど、更なる技術力の向上に取り組んでまいります。 次に、水道料金等の改定についての御質問にお答えいたします。 県の広域水道料金と流域下水道維持管理負担金は、県民生活に影響することから、今回の改定は大変重要であると認識しており、これまで議会に対して、会議資料や市町村の主な質問と県の回答内容などを示したところであり、今後も、可能な限り情報の提供に努めてまいります。また、みやぎ型管理運営方式導入の効果については、管路の本格更新等に備えた経営基盤の強化等、料金上昇の抑制に活用することとし、次期料金に反映した上で、市町村と協議を進めているところであり、県としては、市町村が、その効果を最大限享受できるように、引き続き協議してまいります。 私からは、以上です。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱五点目、「人口減少、少子化」対策と子育て支援策の充実についての御質問のうち、教員の正規採用を増加させることが必要とのお尋ねにお答えいたします。 新規教員の採用に当たっては、児童生徒の減少や、学校統廃合など、教員定数の変動等を推計し、正規教員の割合の向上も勘案しつつ行っており、近年は、教員の大量の定年退職等に伴い、新規採用者数を大幅に増やしているところです。一方、年度途中で教員が育児休業や病気休暇を取得した場合、その教員の代替として講師を任用しておりますが、講師経験者の多くが正規教員として採用され、結果的に講師の任用が難しくなっている状況にあります。これまでも、教員養成大学等と連携し、インターンシップや様々な広報活動を行うほか、今年度新たに、現に教職についていない教員免許状保有者を対象とする説明会を実施するなど取り組んでいるところであり、引き続き教員確保に努めてまいります。 次に、市町村の学校給食費無償化に要する経費の半分を補助すべきとの御質問にお答えいたします。 県や多くの市町村は、学校給食の食材料費について、昨今の物価高騰への対策として、国の臨時交付金を活用して、栄養バランスや量を保った給食の確保と保護者負担の軽減に取り組んでおります。また、一部の市町村では、子育て支援や定住促進などの観点から、給食費を無償化していると認識しております。学校給食法では、給食の実施に必要な施設・設備と運営に関する経費は学校設置者である市町村が、食材料費等は児童生徒の保護者が負担すると定められており、給食費の負担の在り方については、国において統一的に整理されるべきと考えられることから、引き続き、県内の状況把握に努めるとともに、法改正を含め、国への働きかけを行ってまいります。 次に、教職員を増員すべきとの御質問にお答えいたします。 児童生徒が抱える諸課題については、その要因が複雑化・多様化してきており、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの積極的な活用や、福祉、医療などの関係機関との連携を進めているところです。義務教育における教職員定数の在り方については、国の責任において定められるべきと認識しており、県教育委員会としては、市町村教育委員会の意見をしっかりと聞きながら、必要な学校に必要な教員を配置するとともに、引き続き、教職員定数の充実について国に要望してまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 御答弁ありがとうございます。再質問させていただきます。 まず、四病院問題でございます。 私たち抜きで私たちのことを決めないでといった訴えを昨日二十三日、仙台市の福祉プラザで行われた県精神医療センターのユーザーの方たちが開いた集会で聞いてきました。これまで、当事者団体や家族会の意見聴取、公開ヒアリングの機会を県のほうが一度もつくってこなかったことを厳しく批判しています。知事どう受け止めますか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 何度も申し上げているように、ここまでは、このたたき台となる話ができなかったということであります。大きな方針がだんだん示されてきておりますので、そういった話をしていかなければならないというふうに思っております。ただ、私たち抜きで私たちのことを決めないでという表現ですけれども、あの病院は今入院していて反対をされている方たちだけの病院ではないと。これから入院される方、通院される方、また、病院を移転してほしいという人たちの、患者さんの病院でもありますので、反対されている方たちの意見だけで物事を決めるのも問題があるのではないかなというふうに思っております。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 全くこのスローガンの意味が伝わってないなと思います。もう少し勉強してほしいなと思います。県民共有の県立病院ですから、患者さんだけじゃなくて、それ以外の県民全てが当事者だということも、知事がそこまでおっしゃるならば、言わせていただきますし、そもそもこのスローガン、どういうことなのか理解してほしいと思います。 知事は先ほど、元に戻る、なくなることもある、これは素直に受け止めていいですかという質問に対して、相手のあることだからということで、さっきの質問に対しても、交渉相手だけに知事は意識が向いているようですけれども、もっと当事者の声を聞くべきだと思います。先ほどから、これからは当事者の声、関係者の声を聞くというふうにおっしゃいましたけれども、ちゃんとそういう機会を設けるということを確認させてください。
    ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 当事者、関係者の声も聞くように努力をしてまいりたいというふうに思います。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 四病院の五つ目の質問なんですけれども、スピードのことを答弁では早くできるからいいんだと、知事はそれしか答えておりませんでしたけれども、やはり移転に当たって何より尊重するのは、患者さんが安心して治療を継続できる環境整備や、医療水準の向上、そちらを尊重すべきじゃないかという質問なので、どうなんですか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 今回、県立精神医療センターと東北労災病院の合築の方向で検討を進めることの大きな動機といたしまして、一刻も早く建て替え、個室化するというような施設の老朽化の隘路解消とともに、身体合併症も一つの大きな課題でありました。これを解決する展望が開けたというふうに思っておりまして、そのような方向で今協議しているところです。そういう意味で、まさに精神医療センターの果たすべき医療の質の向上に当たると思っております。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 当事者抜きでは物事が進まないということを、知事は宿泊税や美術館移転問題で学んだはずだと思います。時間がなかったから合意に至らなかったと言っておりますけれども、そもそも道理もない、手順を踏まない、無理筋は幾ら時間をかけても無理筋だと思うのですが、いかがですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 決して無理筋ではないと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) いろんな捉え方ができますけれども、公式の場で部長も、それから記者会見でも知事は、何が何でもこのまま進むわけではないと言いました。それから、当事者、専門家、関係者、県民の声もこれから聞いていくとおっしゃいました。勇気ある撤退も選択肢の一つではありませんか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 選挙公約に掲げましたので、先ほど答弁したように、県のほうから撤退することはない。撤退することがあるならば、労災さんや日赤さんから、やはりこれは難しいですということになればということであります。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) そういう答弁が、県民の声や当事者の声を聞こうとしていないというふうに言われるのです。 次に移りたいと思います。県営住宅の集約・廃止方針案ですけれども、コミュニティー等、住まいの質の維持、居住権の尊重というのは県の責任です。これは当然のことで、していくというお答えがありました。何度も繰り返しますが、県民共有の財産をどうするのか。大きな問題になってきますので、ぜひ決める前に説明会やパブリックコメントを行うべきですが、再度伺いたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君 ◎土木部長(千葉衛君) 先ほど知事からも答弁していただきましたが、そもそも上位計画でございます宮城県住生活基本計画、また、宮城県公共施設等総合管理方針の中では、基本的にパブリックコメントを行いながら策定していると。その上で個別計画を踏まえまして今回の方針を出しているということで、基本的にはそういう上位計画でパブリックコメントを経てやってございますので、今回は実施しませんが、先ほど御答弁しましたように、入居者の方々の御意見をいただくことは非常に大事だということで、今回、中間案のお知らせと併せてやってございます。引き続き、利用者の方々の御理解をいただくよう丁寧に進めてまいりたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 次、広域防災拠点ですが、当初計画より十二年も遅れることが明らかになりました。知事が強引に宮城野原にこだわってきた結果だと思います。お金もなお膨大にかかります。更に、被災地の真っただ中に予測される場所に、全県をカバーするたった一か所の中核的施設を固定的に置くという考え方でいいんですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) はい、いいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 岩手県では、既存施設二十九か所を活用し、災害に応じて広域拠点を変更できる分散連携型を僅か五千万円で整備し、更に、三陸道や国道百六号の開通を踏まえ、現在新たな計画を策定中です。宮城県は周回遅れと言えます。今後どれだけ事業費が増えるのか分からないけれども、その費用の多くはJR側への移転補償です。土地収用という手法を使ってまで宮城野原にこだわった知事の責任は重大だと思います。先ほど中山議員には謝りましたが、謝って済むと思っていますか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 先ほど中山議員に申し上げたのは、時間が延びたということで、広域防災拠点の構想自体を間違っていたと謝ったわけでは決してないということを御理解いただきたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 時間だけじゃなくてお金もこれから増えるということですが、それについてはどうなんですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) まだこれについては、JR貨物といろいろ交渉しているところでございますので、何とも申し上げられませんが、しかし常識的に考えて、資材が高騰したり、いろんな工事が更に付加されているということであれば、予算が上がっていくことは考えられるというふうに思います。それについては、しっかりとしたことが分からない段階であのような形で数字を出してしまっているということでありますから、そこはしっかりと反省しなければならないというふうに思っております。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 水道コンセッションは復興事業の一丁目一番地と知事が推してきたものです。今回の事故の受け止めを知事からも伺いたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 今回ミスを起こした業者というのは、実は下請業者さんが間違ったわけですが、この業者さんはみやぎ型管理運営方式が始まる前からやっていた業者さんなんです。ですから、今回のみやぎ型管理運営方式によって、何か誤った手順が行われたわけではなく、業者さんの作業員がミスをしてしまったと。それは恐らくですから分かりませんけれども、みやぎ型管理運営方式があったとしてもなかったとしても、起こっていた可能性があるというふうに思います。しかし、だからいいということでは決してなくて、非常に反省しなければならないことだと思います。今回、みずむすびマネジメントみやぎは、これを非常に重く受け止めまして、全ての点検作業をマニュアル化して、きちっとチェックをするというふうにしました。ここは、コンセッションの前から、そういったマニュアルをしっかり作っていなかったということでありますので、これはやはり県としての大きな問題だと思っております。公営企業管理者には、しっかりとそういったことが起こらないようにチェックするようにということを厳しく私からも言わせていただいているところでございます。これについては本当に申し訳ないというふうに思っております。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) テーマ一に戻りますけれども、憲法に地方自治の原則を盛り込んでいるのは、戦争を進める国の暴走を国民や自治体がストップできるようにしたと聞いています。知事にはそのような役割が与えられ、求められている。だから、もっと積極的に、戦争しないために行動すべきじゃないですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 私も、今のウクライナ情勢等見まして、本当に心を痛めております。そういったことから、そういったようなことを止めることは非常に重要ですが、同時に、やはりこの周辺の今の環境というのは、非常にシビアになってきていることを考えますと、今回の政府の考え方というのも理解できるものかなというふうに思っています。これは、やはり政府が責任を持って国民・県民に対してしっかり説明して、理解を得られるように努力していただきたいというふうに思っております。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 子育て施策については、知事は本気の取組になっていないなという感想を述べて、また質問に行きますけれども、四病院問題も、それから、県営住宅の移転・集約・廃止問題も、それから、水道事業のコンセッションも、打ち出した施策でも県民の理解と合意がなければ、途中でやめる、白紙に戻す、そして開かれた場で県民参加で見直すことが必要だと思いますけど、いかがですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) いかなる政策も、誤っているということになれば、それはその場で立ち止まる、撤退するというのは当然のことだと。これは一般論として申し上げたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 十一番福島かずえ君。 ◆十一番(福島かずえ君) 議会で安定多数の与党勢力におごって民主主義的な基本的な手続を省いてはなりません。当事者抜きに物事を決めない、進めない、当事者、県民参加で県政を運営する、当たり前のことをきちんと行っていただきたいと申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。----------------------------------- △休会の決定 ○議長(菊地恵一君) お諮りいたします。 明日から二月二十七日まで三日間本会議を休会とし、二月二十八日再開することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔異議なしと呼ぶ者あり〕 ○議長(菊地恵一君) 御異議なしと認めます。 よって、明日から二月二十七日まで三日間本会議を休会とし、二月二十八日再開することに決定いたしました。 なお、ただいま御出席の諸君には改めて通知いたしませんから、御了承願います。 残余の質疑、質問は、二月二十八日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○議長(菊地恵一君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 二月二十八日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後四時二十一分散会...