令和 5年 2月 定例会(第387回) 第三百八十七回宮城県議会(定例会)会議録 (第三号)令和五年二月二十四日(金曜日) 午前十時開議 午後四時二十一分散会 議長 菊地恵一君 副議長 池田憲彦君出席議員(五十八名) 第一番 金田もとる君 第二番 佐々木奈津江君 第四番 石田一也君 第五番 佐藤剛太君 第六番 伏谷修一君 第七番 松本由男君 第八番 柏 佑賢君 第九番 福井崇正君 第十番 大内真理君 第十一番 福島かずえ君 第十二番 三浦ななみ君 第十三番 枡 和也君 第十四番 佐藤仁一君 第十五番 渡邉重益君 第十六番 わたなべ 拓君 第十七番 伊藤吉浩君 第十八番 八島利美君 第十九番 瀬戸健治郎君 第二十番 櫻井正人君 第二十一番 村上久仁君 第二十二番 高橋宗也君 第二十三番 天下みゆき君 第二十四番 三浦一敏君 第二十五番 佐々木功悦君 第二十六番 境 恒春君 第二十七番 太田稔郎君 第二十八番 遠藤伸幸君 第二十九番 横山のぼる君 第三十番 高橋 啓君 第三十一番 庄田圭佑君 第三十二番 遠藤隼人君 第三十三番 渡辺勝幸君 第三十四番 横山隆光君 第三十五番 佐々木賢司君 第三十六番 守屋守武君 第三十七番 外崎浩子君 第三十八番 池田憲彦君 第三十九番 熊谷義彦君 第四十番 岸田清実君 第四十一番 渡辺忠悦君 第四十二番 菅間 進君 第四十三番 坂下 賢君 第四十四番 ゆさみゆき君 第四十五番 仁田和廣君 第四十六番 吉川寛康君 第四十七番 伊藤和博君 第四十八番 佐々木幸士君 第四十九番 高橋伸二君 第五十番 菊地恵一君 第五十一番 佐々木喜藏君 第五十二番 石川光次郎君 第五十三番 中島源陽君 第五十四番 本木忠一君 第五十五番 中山耕一君 第五十六番 安藤俊威君 第五十七番 畠山和純君 第五十八番 藤倉知格君 第五十九番 中沢幸男君欠員(一名) 第三番
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 遠藤信哉君 副知事 池田敬之君 公営企業管理者 佐藤達也君 総務部長 志賀真幸君 復興・危機管理部長 佐藤達哉君 企画部長 千葉 章君 環境生活部長 佐藤靖彦君 保健福祉部長 伊藤哲也君 経済商工観光部長 千葉隆政君 農政部長 宮川耕一君 水産林政部長 吉田信幸君 土木部長 千葉 衛君 会計管理者兼出納局長 冨田政則君 総務部参事兼秘書課長 相澤一行君 総務部財政課長 大町久志君 教育委員会 教育長 伊東昭代君 副教育長 嘉藤俊雄君 選挙管理委員会 委員長 皆川章太郎君 事務局長 後藤和隆君 人事委員会 委員長 西條 力君 事務局長 千葉幸太郎君 公安委員会 委員長 山口哲男君 警察本部長 原 幸太郎君 労働委員会 事務局長 小松直子君 監査委員 委員 成田由加里君 事務局長 武内浩行君
----------------------------------- 議会事務局 事務局長 阿部正直君 副事務局長兼総務課長 藤田信治君 議事課長 菅原敏彦君 参事兼政務調査課長 川村 満君 総務課総括課長補佐 堀 喜昭君 議事課副参事兼総括課長補佐 二上秀幸君 政務調査課副参事兼総括課長補佐 千葉恵子君 議事課長補佐(班長) 我妻則之君 議事課主任主査(副班長) 狩野嘉孝君
----------------------------------- 議事日程 第三号 令和五年二月二十四(金)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第一号議案ないし議第十五号議案及び議第十七号議案ないし議第四十二号議案第三 議第四十三号議案 令和四年度宮城県一般会計補正予算第四 議第四十四号議案 令和四年度宮城県
公債費特別会計補正予算第五 議第四十五号議案 令和四年度宮城県
母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算第六 議第四十六号議案 令和四年度宮城県
国民健康保険特別会計補正予算第七 議第四十七号議案 令和四年度宮城県
中小企業高度化資金特別会計補正予算第八 議第四十八号議案 令和四年度宮城県
農業改良資金特別会計補正予算第九 議第四十九号議案 令和四年度宮城県
沿岸漁業改善資金特別会計補正予算第十 議第五十号議案 令和四年度宮城県林業・
木材産業改善資金特別会計補正予算第十一 議第五十一号議案 令和四年度宮城県
県有林特別会計補正予算第十二 議第五十二号議案 令和四年度宮城県
土地取得特別会計補正予算第十三 議第五十三号議案 令和四年度宮城県
港湾整備事業特別会計補正予算第十四 議第五十四号議案 令和四年度宮城県
水道用水供給事業会計補正予算第十五 議第五十五号議案 令和四年度宮城県
工業用水道事業会計補正予算第十六 議第五十六号議案 令和四年度宮城県
地域整備事業会計補正予算第十七 議第五十七号議案 令和四年度宮城県
流域下水道事業会計補正予算第十八 議第五十八号議案
企業版ふるさと納税基金条例第十九 議第五十九号議案 単純労務職員の用語の整理のための関係条例の一部を改正する条例第二十 議第六十号議案 手数料条例の一部を改正する条例第二十一 議第六十一号議案 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例第二十二 議第六十二号議案
緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例第二十三 議第六十三号議案
家畜伝染病予防法施行条例の一部を改正する条例第二十四 議第六十四号議案 行政不服審査法第八十一条第一項に規定する機関の事務の受託の廃止について第二十五 議第六十五号議案 公平委員会の事務の受託の廃止について第二十六 議第六十六号議案 県道の路線認定について(吉田山元線)第二十七 議第六十七号議案 県道の路線廃止について(吉田浜山元線)第二十八 議第六十八号議案 工事委託変更契約の締結について(
主要地方道仙台村田線菅生道路等改築工事)第二十九 議第六十九号議案 工事請負契約の締結について(宮城県船形の
郷管理棟等改築等工事)第三十 議第七十号議案 工事請負契約の締結について(
漆沢ダム法面災害復旧工事)第三十一 議第七十一号議案 工事請負変更契約の締結について(
気仙沼漁港防潮堤等災害復旧及び新築工事)第三十二 議第七十二号議案 工事請負変更契約の締結について(
気仙沼漁港防潮堤等新築工事)第三十三 議第七十三号議案 工事請負変更契約の締結について(
気仙沼漁港防潮堤等災害復旧工事(その二))第三十四 議第七十四号議案 工事請負変更契約の締結について(
吉田川堤防等改良工事(その二))第三十五 議第七十五号議案 工事請負変更契約の締結について(旧砂押川護岸等改良工事(その一))第三十六 議第七十六号議案 工事請負変更契約の締結について(旧砂押川護岸等改良工事(その二))第三十七 議第七十七号議案 工事請負変更契約の締結について(
吉田川堰等改良工事)第三十八 議第七十八号議案 工事請負変更契約の締結について(荒川護岸等改良工事)第三十九 議第七十九号議案 工事請負変更契約の締結について(渋井川水門新築工事)第四十 議第八十号議案 工事請負変更契約の締結について(
名取市道笠島川内線愛島笠島道路改築工事)第四十一 議第八十一号議案 工事請負変更契約の締結について(迫川等水門改良工事)第四十二 議第八十二号議案 工事請負変更契約の締結について(
南部地区職業教育拠点校(仮称)校舎等新築工事)第四十三 議第八十三号議案 工事請負変更契約の締結について(
仙台南部地区特別支援学校(仮称)校舎等新築工事)第四十四 議第八十四号議案 令和四年度市町村受益負担金について第四十五 議第八十五号議案 令和四年度市町村受益負担金の変更について第四十六 報告第一号 専決処分の報告について(気仙沼漁港防潮堤新築及び
鹿折川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十七 報告第二号 専決処分の報告について(
鮪立漁港防潮堤等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第四十八 報告第三号 専決処分の報告について(水門・陸閘(漁港)遠隔監視制御設備工事(その二)の請負契約の変更)第四十九 報告第四号 専決処分の報告について(
日門漁港防潮堤等新築工事の請負契約の変更)第五十 報告第五号 専決処分の報告について(
一般県道石巻雄勝線真野道路改築工事の請負契約の変更)第五十一 報告第六号 専決処分の報告について(
一般県道釜谷大須雄勝線尾崎道路災害復旧工事の請負契約の変更)第五十二 報告第七号 専決処分の報告について(
富士川堤防等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十三 報告第八号 専決処分の報告について(
神山川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十四 報告第九号 専決処分の報告について(仙台塩釜港塩釜港区防潮堤改良工事の請負契約の変更)第五十五 報告第十号 専決処分の報告について(宮城県
宮城第一高等学校校舎等改築工事(その一)の請負契約の変更)第五十六 報告第十一号 専決処分の報告について(宮城県
宮城第一高等学校校舎等改築工事(その二)の請負契約の変更)第五十七 報告第十二号 専決処分の報告について(宮城県
宮城第一高等学校校舎等改築工事(その三)の請負契約の変更)第五十八 報告第十三号 専決処分の報告について(
仙台南部地区特別支援学校(仮称)校舎等新築空調工事の請負契約の変更)第五十九 報告第十四号 専決処分の報告について(
仙台南部地区特別支援学校(仮称)校舎等新築衛生工事の請負契約の変更)第六十 報告第十五号 専決処分の報告について(和解及び損害賠償の額の決定)第六十一 報告第十六号 専決処分の報告について(県営住宅の明渡請求等に係る訴えの提起)第六十二 報告第十七号 専決処分の報告について(交通事故に係る和解及び損害賠償の額の決定)第六十三 一般質問(代表) 〔中山耕一君、ゆさみゆき君、福島かずえ君〕
----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二ないし日程第六十二議第一号議案ないし議第十五号議案及び議第十七号議案ないし議第四十二号議案並びに議第四十三号議案ないし議第八十五号議案及び報告第一号ないし報告第十七号三 日程第六十三 一般質問(代表) 〔中山耕一君、ゆさみゆき君、福島かずえ君〕
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△開議(午前十時)
○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
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△会議録署名議員の指名
○議長(菊地恵一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、二十一番村上久仁君、二十二番高橋宗也君を指名いたします。
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△諸報告
○議長(菊地恵一君) 御報告いたします。 お手元に配布のとおり、令和五年度当初予算案に係る出納局長説明要旨の一部に正誤がございました。
警察本部総務部長佐藤孝治君が本日欠席する旨の届出がありました。 監査委員吉田計君から本日欠席、監査委員成田由加里君が代理出席する旨の届出がありました。
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△議第一号議案ないし議第十五号議案
△議第十七号議案ないし議第四十二号議案
△議第四十三号議案ないし議第八十五号議案
△報告第一号ないし報告第十七号・一般質問(代表)
○議長(菊地恵一君) 日程第二ないし日程第六十二、議第一号議案ないし議第十五号議案及び議第十七号議案ないし議第四十二号議案並びに議第四十三号議案ないし議第八十五号議案及び報告第一号ないし報告第十七号を一括して議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました令和四年度一般会計補正予算案をはじめ、提出議案の概要を御説明申し上げます。 宮城県誕生から百五十年の節目に合わせ、今年度は、郷土への更なる愛着の醸成と地域の魅力の再発見と発信をテーマに、官民を挙げて記念事業を展開してまいりました。一連の取組を通じ、我が県が誇る多様な特色を内外に発信するとともに、県内各地の様々な地域資源に光を当て、活性化の契機にできたものと考えております。私にとりましても、多くの先人によるたゆまぬ努力を礎として現在の県土が成り立っていることを再認識するとともに、これからの宮城を担う若い世代の皆様が我が県のことを思い、躍動する姿に勇気づけられることの多い一年間でありました。改めて、この豊かな郷土を将来へしっかりと引き継ぐべく、思いを新たにしたところであります。 今後に向けては、急激な人口減少という、これまでに経験したことのない環境変化を前提とした社会づくりが求められてまいります。一方で、私たちには東日本大震災がもたらした未曽有の被害からの復旧・復興に、県民一丸となって取り組んできた経験があります。持続可能な地域の実現に向け、東北を牽引する気概を持って、これからの県政を推進してまいりたいと考えておりますので、議員の皆様におかれましても、引き続き御理解・御協力を賜りますようお願い申し上げます。 また、感染症の推移に依然として留意が必要ではあったものの、新・宮城の将来ビジョンの二年目として、今年度も堅実な県政運営が実現できたものと考えております。震災からの復旧・復興に関しては、持続可能な水道経営の実現を目的としたみやぎ型管理運営方式が、昨年四月にスタートいたしました。また、十二月には我が県が事業主体として進めていた復興道路の整備が全て完了するなど、ハード事業についても進捗が図られたほか、沿岸被災地を中心とした震災の記憶や教訓の伝承については、九月に発足した震災伝承みやぎコンソーシアムを通じ、様々な主体が連携した取組が進んでおります。 その他の施策につきましては、子供・子育て支援等を推進するための安定的な財源の確保を目的に設置した次世代育成・応援基金などを活用し、結婚・出産・子育てを応援する環境の整備や若者の県内定着に向けた取組を進めました。県内経済の安定や成長に関しては、
新型コロナウイルス感染症や物価高騰等の影響を受けた事業者に対する各種支援のほか、富県宮城の実現に向けた施策推進を図ったところであり、その矢先に届いた平成三十年度における県内総生産十兆円達成の知らせにも気を緩めることなく、ポストコロナの環境においても更なる飛躍を実現できるよう、今後とも全力を尽くしてまいります。 今年度の財政運営については、県税収入などが当初予算を上回る見通しであるほか、地方交付税の再算定が行われたこともあり、県政の諸課題への対応に向け必要な財源をおおむね確保することができたものと考えております。一方で、急激な物価高への対応もあり今後の世界経済は減速も予想されるなど、多くの不安定要因を抱えていることから、引き続き慎重な財政運営に努める必要があるものと考えております。 今回の補正予算案では、
新型コロナウイルス感染症関連経費に関して、これまでの執行状況を踏まえた予算の追加を行うとともに、その他の事業については、歳出予算の執行額や財源の確定見込みを踏まえた計数整理を行いました。また、特例的な県債である行政改革推進債の発行を見合わせるとともに、来年度以降の安定的な財政運営も見据え、財政調整基金の取崩しを一部取りやめることといたします。 補正予算案の主な内容ですが、
新型コロナウイルス感染症に関連した経費としては、軽症者等の療養体制の整備やワクチンの大規模接種会場の運営に要する経費などについて、実績を踏まえ必要となる予算を計上いたします。また、緊急小口資金等の特例貸付事業に関し、今後の債権管理に必要となる経費を助成するほか、中小企業向け制度融資の保証料補助など、来年度以降の財政需要に備え基金への積立てを行います。 その他の施策としては、マイナンバーカードの更なる普及促進に向けて、市町村と連携した申請支援に要する経費を追加いたします。また、我が県が行う地方創生に関する取組に対して寄せられた企業版ふるさと納税について、新たに設置する基金への積立てを行うとともに、親を亡くした子供たちのために全国各地からお寄せいただいた御厚意を東日本大震災みやぎこども育英基金に積み立てます。このほか、県有施設の維持更新や長寿命化、社会福祉の推進などの観点から、関係する基金に所要の財源を積み立てるとともに、県税収入が上振れしたことによる来年度以降の普通交付税の精算に備え、地域整備推進基金に積立てを行います。 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正額は、一般会計で三百三十七億一千余万円の減額、総計で二百三十二億二千百余万円の減額となります。財源としては、繰入金六十六億五千四百余万円、地方消費税清算金五十九億六千七百万円などを追加する一方、諸収入四百十九億七千三百余万円、県債六十一億七千七百余万円、国庫支出金二十二億八千余万円などを減額しております。 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆二千四百四十九億二千百余万円、総計で一兆七千三百十五億五千六百余万円となります。 次に、予算外議案については、条例議案六件、条例外議案二十二件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第五十八号議案は、まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に関する施策を推進するための基金を設置しようとするものであります。また、議第六十二号議案は、基金の失効期日を延長しようとするもの、議第六十三号議案は、知事が登録する飼養衛生管理者による豚熱ワクチンの接種が可能となったことに伴い、所要の改正を行おうとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第六十四号議案及び議第六十五号議案は、公平委員会等の事務の受託の廃止について、議第六十九号議案及び議第七十号議案は、工事請負契約の締結について、議第八十四号議案及び議第八十五号議案は、市町村の受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。
○議長(菊地恵一君) 補正予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 地方公務員法第五条第二項の規定により、関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。…………………………………………………………………………………………… 宮人委第303号 令和5年2月17日 宮城県議会議長 菊地恵一殿 宮城県人事委員会 委員長 西條 力 条例案に対する意見について 令和5年2月14日付け宮議第467号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。 記 「議第19号議案 会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」 この条例案は,会計年度任用職員の期末手当の支給割合について,所要の改正を行うものなどであり,適当と認めます。……………………………………………………………………………………………
○議長(菊地恵一君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第六十三、一般質問とを併せて行います。 質疑、質問は順序に従い許します。五十五番中山耕一君。 〔五十五番 中山耕一君登壇〕
◆五十五番(中山耕一君) おはようございます。自由民主党・県民会議の中山であります。通告に従い、代表質問を進めてまいりますが、項目と字数が多いので、少々早口になることを御了承ください。 それでは、大綱第一点目、本県の防災・減災についてであります。 東日本大震災発生後、県では、震災復興計画により、職員一丸となって全力で復興に取り組んできた結果、ハード面の復旧・復興工事については多くの地域でその取組が完了し、全ての事業の完遂まであと僅かとなっております。これまで復旧・復興に御尽力された県の職員をはじめとする多くの関係者の皆様の御労苦に謝意を表するところであります。一方、ソフト面については、被災者支援など今後も取り組んでいく必要がある事業が残っております。被災者一人一人に寄り添ったきめ細かな支援を引き続き要望します。 さて、近年、宮城県沖や福島県沖を震源とする大規模地震が発生し、県内でも多くの被害に見舞われたことは記憶に新しいところでありますが、今後更に大きな地震の発生も懸念されているところであります。これまで県では、千島海溝・日本海溝巨大地震モデルや東北地方太平洋沖地震モデルを基に設定した津波浸水想定を昨年五月に公表しており、また、現在、震災対策などの基礎資料とするため、人的被害や建物被害、経済被害などを算出する第五次地震被害想定調査を実施しているところであります。更に昨年九月には、日本海溝・千島海溝型地震により津波が発生した場合に、特に著しい被害が生じるおそれがあり、その対策を特別に強化するべきである津波避難対策特別強化地域に、本県沿岸市町が指定されております。これらを踏まえると、頻発化・激甚化する自然災害等に適切に対応するためには、本県における防災・減災対策の強化が必要であると考え、以下伺ってまいります。 創造的復興の象徴であり、今後起こり得る大規模災害への防災・減災対策の中核的役割を担う広域防災拠点について、その整備の前提となる岩切地区への駅移転完了時期が、「令和四年度」から「令和七年度または令和八年度」と約四年延伸すると、令和三年三月の予算特別委員会・建設企業分科会において説明がありましたが、今般、それが更に三年程度延伸されるとの話も聞いております。県が行う広域防災拠点整備の前提となるJR貨物・仙台貨物ターミナル駅の具体的な移転時期と、広域防災拠点の整備完了時期はいつとなるのか、また、その延伸理由をお聞かせください。 このような完了時期の延伸は、今後の防災・減災対策に大きな影響を与えるのではないかとの思いを禁じ得ず、県民の安全・安心のためには、一日も早い広域防災拠点の整備が求められるところであります。改めて、県が進める広域防災拠点の役割と必要性について、知事の所見を伺います。 本県の市町村への防災支援体制は、広域防災拠点を中心とし、県内七圏域に八か所選定されている圏域防災拠点や市町村の地域防災拠点がネットワークを構築し、これらが機能補完・相互連携することで、より効果的な防災・減災対策となるものと考えます。この中核的な役割となる広域防災拠点は、供用までの間、圏域防災拠点である利府町の県総合運動公園を代替施設として運用することとしております。東日本大震災の教訓を踏まえると、傷病者の域外搬送拠点などの機能の面から、宮城野原地区に広域防災拠点整備が必要であると考えますが、今回、その整備の前提となる駅移転完了時期の延伸に伴い、広域防災拠点の整備完了時期も延伸となることが見込まれ、このことによる本県の防災・減災対策への影響はないのか伺います。 今回の整備完了時期の延伸により、平成三十一年三月の予算特別委員会・建設企業分科会において報告があった広域防災拠点整備事業の全体事業費約三百二十四億円につきまして、今後増額となるのではないかと懸念しております。昨年九月議会における佐々木賢司議員の質問に対する答弁にもあったとおり、鉄道事業者に対する補償費について、近年の急激な物価高騰に対する事業費の影響について、現在精査を行っているとのことでありましたが、当該補償費以外に、広域防災拠点の施設整備費についても物価高騰の影響があると思われます。今後、広域防災拠点整備事業の全体事業費は増額となるのか、また、その場合はいつ分かるのか伺います。 今後起こり得る大規模災害への備えとして、広域防災拠点を中心とした相互ネットワークによる本県の防災・減災対策の充実強化には、物価高騰という状況下においても整備をしっかりと進めていく必要があると考えており、そのためには、県民の皆様にその必要性をしっかりお示ししていくべきであると考えております。本県の行政評価制度は、事前・事中・事後のそれぞれの状況において、必要性、有効性、効率性などの観点から事業を評価する仕組みとなっております。今回の広域防災拠点整備事業についても、整備完了期間の延伸などに対して、公共事業再評価を行うと伺っております。公共事業再評価の内容と、その実施時期についてお披瀝ください。 次に、仙台医療圏における病院の再編についてであります。 一昨年、知事が公約に掲げた仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合及び東北労災病院と県立精神医療センターの合築による新病院の整備については、これまで真摯にその取組を進めてこられましたが、このことに関し、以下伺ってまいります。 我が県では、将来に向けて急性期病床を減らし、回復期病床を確保する必要があります。また、病院、診療所、在宅の流れをつくる地域医療連携も課題となっており、これらの課題解決と病院再編の関係についてはどのようにお考えか、伺います。 地域医療構想の実現という意味では、国の大きな方針に従うものであります。国への財政支援の要望について、お考えがあればお披瀝願います。 病院再編について、二月二十日に各設置主体と協議確認書を取り交わしておりますが、その内容及び知事としての評価について伺います。 特に、日本赤十字社との確認書には、精神科外来機能について協議を進めるとありますが、どのようなことを意図して確認書に盛り込まれたのか、併せて伺います。 国の発表によると、救急搬送による通報から病院収容までの時間は、令和三年においては全国で四十二・八分でしたが、本県は四十四・九分で、前年より一・九分長くなりました。全国順位は前年度三十九位から四十位に低下しております。一概に病院の位置だけが要因ではないと思われますが、この現状をどう分析し、病院再編で何を目指していくのか伺います。 そもそも大きな総合病院は、患者が最初から行く場所ではなく、近隣のクリニックなどで診療を受け、精密検査や手術は大病院に紹介し、他方で急性期後の回復期には、逆紹介の流れで身近なクリニックや在宅に戻るという連携と役割分担に基づく地域における切れ目のない医療・介護が重要だと思料します。病院再編でどのような姿を目指していくのか、お考えを伺います。 また、災害や感染症についてはどのような姿を目指しているのか併せて伺います。 県立精神医療センターの移転については、移転や候補地の話題が先行した嫌いがありますが、そもそもなぜ移転なのかについてよく説明すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 名取市在住の患者や関係者などから反対の声があります。また、県では、二月八日の精神保健福祉審議会で課題整理や方向性について報告したとのことですが、今後どのように対応していかれるのか伺います。 仙台市における医療の在り方に関する検討会議から仙台市長への提言の中では、病院再編について慎重な検討が必要で、仙台市の検証・検討に必要なデータや資料の提供を働きかけるべきとありますが、このことについてはどのようにお考えか伺います。 また、当該提言では、仙台モデルを目指し、中長期を見据えた医療政策の方針を定めるとしておりますが、このことについては県としてどのように受け止めているか、伺います。 次に、大綱第三点、DXの推進についてであります。 村井知事の打ち出す新・宮城の将来ビジョンの中でも、今後、改めて大きな柱となり得るテーマがDXによる変革みやぎであると思われます。県内各層で進デジタル化でありますが、村井知事が自ら旗振り役となり、他の自治体に先駆けた異次元の攻めの姿勢を示すことが重要であると考えます。市町村においては、人材の不足や資金面での困難な状況の場合は、一朝一夕に解決するものではなく、改めて丁寧な対応や広範な人材の発掘、その有効な働きに向けての仕組みづくりが必要であります。更には、県民生活の利便性の視点からすれば総合的なシステム構築や機器整備は言うまでもなく、また、それが可及的速やかに実行・実践されるべきと考え、以下伺ってまいります。 これまでも行政サービスにおいては、AIやIoTの手法を取り入れてこられましたが、令和五年度に向けて新たな意識や方向性などについて伺います。 現状に鑑みれば、県内市町村の行政サービス面においての格差も、県内全体のDX化においては支障となっております。改めて、市町村への支援体制も含めて、市町村業務オンラインサービス普及事業の現状と今後の課題について伺います。 現在、国で進めているマイナンバー普及事業においては、デジタル社会の基盤であるマイナンバーカードの普及率向上を進める必要があり、特に取得率の低い若年層に対してのアクセスをいかに図っていくお考えなのか、伺います。 高齢者のデジタルデバイド解消支援事業については、東松島市の通いの場デジタル実証事業や宮城いきいき学園におけるシニアリーダー向けスマホ教室などで実績を上げていると認識しておりますが、こうした事業の県内全体への今後の展開について伺います。 携帯電話不感地域を抱えている地域があります。通常時はもとより、特に災害時や緊急時においては非常通信手段となる重要なツールであることから、主要四キャリアのエリアマップを統合し、不感地域の徹底調査や、更には観光、防災などの観点も含めてエリア整備が必須と考えますが、いかがでしょうか。 DX人材については、現在、慢性的な人材不足という問題を抱えており、教育現場においても、DX対応の業務が特定の教諭に集中するなどの問題点も指摘されております。こうした状況や今後の更なるDX人材獲得のためには、宮城独自の戦略を打ち出し、展開していく必要があると考えます。知事が今議会開会日に知事説明で言及した全国の大学生を対象とした宮城版ハッカソンの進捗状況について伺うとともに、この分野における学術連携についてどのようにお考えか、伺います。 次に、犯罪被害者等への支援についてであります。 犯罪被害者は、生命や財産を奪われたり、障害を負わされるなどの直接的な被害を受け、また、その御家族にあっても、様々な心配や負担を負うこともあります。更に、被害後は心にも深い傷を受け、生活上の問題、加害者からの更なる被害を受ける心配、捜査上や裁判に伴う様々な負担など、多くの困難と向き合うこととなります。このようなことから、我が県では全国に先駆け、犯罪被害者に対する総合的な支援により、受けた被害の早期軽減を図る目的で、議員提案による犯罪被害者支援条例が制定され、平成十六年四月一日から施行されました。その後、犯罪被害者等基本法が制定され、これまで多くの自治体で犯罪被害者等支援のための条例が制定されました。我が県の条例が施行されてから、当初の内容のままもうすぐ十九年経過しようとしております。そのような中、我が自由民主党・県民会議会派内において、改正の必要性についての議論が始まり、プロジェクトを立ち上げて検討してまいりました。その結果、条例は法律施行前に制定され、法律との整合が図られていないところがあるなど、改正が必要であることを確認し、超党派での条例見直し検討会の必要性について議長に申し入れ、議長により検討会が設置され、検討が始まっております。この件に関しては、これまで複数の質疑・質問がありましたが、今後検討を進めるために必要な事項について、以下伺ってまいります。 初めに、条例自体の所管についてであります。 犯罪被害者への直後の対応は警察ですが、その後の住居や仕事の支援については知事部局であります。第二十一条の委任規定において「条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会が別に定める」と規定されているように、この条例は公安委員会が所管してきております。犯罪被害者等の支援に当たっては、国や市町村のほか、民間団体を含む様々な関係機関との連携の下、犯罪直後から再び平穏な生活を営むことができるようになるまで、途切れのない支援を行う必要があります。このことから、他の都道府県のように、今後は知事部局が所管し、オーガナイズ機能を発揮すべきと考えますが、知事のお考えを伺います。 また、これに関連して、現行条例においては、犯罪被害者支援推進計画について公安委員会の所管となっておりますが、犯罪被害者等支援を総合的かつ計画的に推進し、進行管理を行うためには、知事部局が所管し、主体的に取り組むことが適当であると考えますが、知事のお考えを伺います。 先般、我が会派の池田議員が一般質問で、見舞金をはじめとする様々な行政支援サービスの提供について取り上げておりました。犯罪被害者が受けた被害による経済的負担の軽減を図るための経済的支援の具体的取組については、県内二十一の市町村で条例に基づく見舞金が制度化されており、令和五年四月一日までに、仙台市を除く他の市町でも、同様に制度化する予定であることを把握しております。くだんの一般質問への答弁で、市町村への支援など、その在り方について検討するとのことでありましたが、現時点での知事のお考えを伺います。 次に、吉田川水系流域治水対策の総合的な取組についてであります。 宮城県のほぼ中央部を流れる吉田川は、歴史的な文献によると江戸元禄期より多くの水害があり、昔から暴れ川と言われる川でありました。記憶の新しいものでは、昭和二十二年のカスリーン台風、翌二十三年のアイオン台風、更には昭和六十一年の八・五豪雨、近年では平成二十七年の九・一一豪雨、令和元年の台風十九号と、沿川集落家屋等に甚大な被害をもたらし、そのたびに生命財産に大きな打撃を与えてきた河川であります。沿川住民は、被害のたびごとに知恵を絞り、それを受け継いだ者は、先人の知恵に更なる知恵を絞り、住居はもちろん、なりわいとしての美田を必死に守り抜いて今日を迎えているのであります。鹿島台のわらじ村長、鎌田三之助村長が品井沼の排水と干拓のために行った努力は有名な話であり、先人の知恵として現在に語り継がれております。また、昭和に入ってからも、昭和七年から九年にかけて吉田川を品井沼から分離するために、鶴田川及び高城川と吉田川を立体交差させて幡谷サイフォンを建設し、干拓と水害の解消への努力もありました。更に近年の異常気象に対処すべき方策として、流域のあらゆる関係者が協働で行う流域治水への方向転換は、まさに大事なことであり、正鵠を射た対策であります。このような中で、吉田川の流域治水の推進について、国、県、市町村と関係機関で協議調整を行う吉田川流域治水部会で、流域治水の取組をより実効性のあるものにするため、吉田川と鶴田川及び高城川を特定都市河川浸水被害対策法に基づく特定都市河川に東北地方では第一号の指定を目指して準備を進めていることを確認したと聞いております。一方で、農林水産省が令和五年度から吉田川流域の国営総合農地防災事業に調査着手するとの発表がありました。鶴田川や高城川流域も含め、農地の湛水被害の軽減に大きな期待を寄せるところであります。今般、国土交通省の働きかけにより、市町村をはじめ多くの関係者の御理解及び御尽力による特定都市河川の指定申請が行われ、今後指定された後に策定される流域水害対策計画では、国や県が行う河川整備に加えて、農業関係者の長年の悲願であった農林水産省の国営総合農地防災事業と緊密に連携することにより、農業を支えながら水害に強いまちづくりを総合的に推進する必要があります。県外からも注目を集めているこの事業について、県の前向きな取組も含め、知事の所見を伺います。 次に、ヤングケアラーへの支援についてであります。 ヤングケアラーを取り巻く課題については、我が県議会でも様々な場面で取り上げられてまいりました。子供、若年層の孤独、孤立の問題なども含め、今後更に大きな社会課題の一つとなっていくものと思料します。子供たちの中には、お手伝いとしての感覚で家族の世話をしている子もいれば、特に高校生などは学業を犠牲にして家族の面倒を見ざるを得ない家庭環境にあるケースなど、様々な例があります。厚生労働・文部科学両省が二〇二〇年十二月から二〇二一年二月に行ったヤングケアラーに関する実態調査によれば、調査した中学二年生及び高校二年生のヤングケアラーに該当する生徒のうち、平日一日七時間以上世話に費やしている生徒がそれぞれ一割を超えていたという結果でありました。このようなことから、ヤングケアラーについては、核家族化、高齢化、家族による介護の限界、一方において介護者支援と言われる介護の提供者の支援について、社会全体で検討していく必要があると考えます。このようなことを踏まえ、我々会派役員は、一月に京都府ヤングケアラー総合支援センターを視察し、意見交換も行ってまいりました。このことも参考に、宮城県のヤングケアラーの取組について、以下伺ってまいります。 初めに、本県では今年度ヤングケアラーの実態調査に取り組んでおりますが、その進捗状況などについて伺います。 京都府の支援センターでも説明がありましたが、ヤングケアラーは家庭内のことなので分かりにくいという特徴があります。また、ヤングケアラーの子供たちには、本人にその自覚がない場合も多いと聞きます。このため、学校の先生方や周囲の身近な大人などが、そういった視点を持って子供たちを見守っていく必要があると思いますが、学校の先生方や市町村、関係機関などへのヤングケアラーに関する情報提供や研修など、対応力向上に関する取組についてはどのようにお考えか伺います。 子供たちが、自身がヤングケアラーかもしれないと思ったり悩みを抱えたりしたときに、気軽に相談できる窓口が必要であります。また、子供たち同士で悩みを共有できるような、県内のどこからでもアクセスできるオンラインを活用したサロンなども必要と考えます。相談を受ける体制整備の現状について伺うとともに、京都府のように相談支援に関するノウハウを持っている外部の民間の力を活用することについてのお考えを伺います。 次に、看護職員に関する諸課題についてであります。 看護職員の数は、全国でこれまで右肩上がりに増え続けておりますが、それでも看護業界は深刻な人材不足という現状があります。更には、今後団塊の世代が後期高齢者となることから、医療や介護を必要とする患者と看護師の数の不足が予想されている二〇二五年問題が懸念されております。現在はコロナ禍が続いており、罹患者への医療のために多くの人材を要し、人材不足に拍車をかけていることは周知のとおりであります。このような現状に鑑み、県が医療行政を推進する中でどのように対応するか、以下伺ってまいります。 慢性的な人材不足は、一人当たりの業務負荷を増大させ、看護職の離職を招くことにつながることもあり、医療サービスの低下につながる場合もあります。県は、看護人材不足の現状及び将来についてどのように捉えているのか、伺います。 もともと人材不足の潜在的な原因は、前述のとおり就業者数に対して高齢者の増加などによる人材ニーズが急激に増加していること、そして決して少なくない離職者数であります。とりわけ離職の原因として挙げられるのは、過去の厚生労働省の調査から、結婚や出産・育児のほか、人間関係、超過勤務や夜勤の負担等の労働環境、給与への不満、責任の重さや医療事故への不安などが影響していることが読み取れました。育休・産休の取得や職場復帰がスムーズにできること、また、職場等への不満や不安がなければ、離職者は軽減されるということがうかがわれます。結婚や出産・育児などについては、例えば勤務形態の見直しによる夜勤の免除、時短勤務の導入、有給休暇や看護休暇を取得しやすい環境整備、院内託児所の設置など、看護師のライフスタイルに合わせたサポートが一層充実することで離職せずに済むケースが増え、一旦離職しても復職しやすい環境が整うと考えますが、このことについての見解を伺います。 宮城県より宮城県看護協会が指定を受け、看護職員の定着・確保に関する事業を行っている宮城県ナースセンターがあり、求人求職の検索サイトeナースセンターなどにより、無料で職業紹介事業を行っております。また、ハローワークと連携するなど工夫しているところですが、半数以上が民間事業者により就職しているとの調査結果もあり、様々な実態から、人件費にかかる経費を圧迫しているとの声も多数聞きます。日医総研の指摘によれば、一つの対策として、ハローワークとナースセンターの強化を挙げております。県として更なる支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。 また、給与に着目しますと、現在の俸給表に準じて運用している場合は、八〇%以上が二級までの格付であります。先般、医療職俸給表三の級別標準職務表を改正する人事院規則が公布され、本年四月一日から施行されますが、管理的立場にある看護師や特に高度の知識経験に基づき困難な業務を処理する看護師について、キャリアアップに伴い、より高い職務の級に昇格できる環境整備が図られることになりました。今後は、新たな昇格基準などにより運用されることと思われますが、その運用によって待遇改善の効果に差異が生じます。どのような方針で運用することが望ましいとお考えか、また、県の立場で県内の看護師の待遇改善のための働きかけなどのお考えを伺います。 県の医療行政のためにも、看護師の充足は喫緊の課題であります。以上のことについて今後、県の立場で、県内の医療機関や介護施設などの看護師の待遇や環境改善のために、何らかの手だてを講じる必要があると考えます。前向きな答弁をお願いいたします。 次に、高齢者福祉施設への支援についてであります。 特別養護老人ホームなどの介護施設を取り巻く環境は、物価高騰やコロナ禍などにより厳しい経営を余儀なくされる一方で、待遇面などから人材の確保も容易ではなく、施設の運営に非常に苦慮している状況が続いております。全国的には、特別養護老人ホームの三割から四割が赤字になっているという調査結果も出ており、介護事業者の倒産件数も過去最多となっております。また、新型コロナによる施設の利用控え、感染者発生による事業休止、衛生用品購入の負担、最低賃金の上昇、社会保険加入範囲の拡大による事業者の負担増加なども伴い、事業継続が困難になる事業所は更に増えることが予想されます。これらの現状に鑑み、以下伺ってまいります。 特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護保険施設は、介護報酬、食費、居住費などの価格が介護保険制度で決められているため、ごく一部を除き、ほとんどは経費負担分を価格に転嫁することはできません。そのため、物価高騰やエネルギー価格高騰対策のための臨時の介護報酬改定や介護保険制度の見直しについて、国に対して要望していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、令和四年度に引き続き、介護事業者への経済的支援について、県の独自政策も含め、強力に推し進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 介護施設は生活施設であるため、エネルギーや電気使用量削減にも限界があります。県では、令和五年度においても引き続き脱炭素のための事業が展開される予定ですが、介護事業所においての負担軽減と脱炭素の取組が一体的に進められるよう、介護事業所の省エネ対策のための支援を強化し、また、活用しやすい制度の構築が必要と考えますが、お考えを伺います。 新型コロナウイルスの感染症法上の分類については、現在、五月のゴールデンウィーク明けに二類から五類にすることで進められております。このことにより、保健所の関わりがなくなるどころか、様々な公費負担もなくなることが予想されます。しかし、新型コロナウイルスの分類が変わっても、ウイルスが弱毒化するものではありません。それどころか、感染対策が緩和されれば、これまで以上に感染者が増加することも予想され、介護施設でもクラスターが頻発し、亡くなる方が増加することも予想されます。また、介護事業所の職員も様々な我慢を強いられ、精神的にも限界を感じているという声も多く、このままでは介護業界への就職をためらう人材や、むしろ離れてしまう職員が増えることも懸念されます。そのためにも経済的支援のみならず、ワクチン接種の公費負担や介護事業所への検査体制の支援など、高齢者及びその高齢者を支える職員も安心できる支援を引き続き行い、環境を整える必要があると考えますが、お考えを伺います。 これまで処遇改善が行われてきたものの、いまだに全産業平均と比較すると、介護分野の平均給与は低い状況にあります。介護保険事業にあっては、職員の人件費水準を抑えることで成り立たせている例もあるとの声も聞かれ、加えて物価高騰などの影響もあり、介護職員の待遇悪化、更にはサービスの低下につながってしまうおそれがあります。このため、介護人材の不足にますます拍車がかかり、人材確保の面でも支援が必要であります。現在、宮城県介護人材確保協議会が設置され、産学官が一体となり、人材確保策などを進めておりますが、近年は新型コロナウイルスの影響もあり、ほとんどが行政主導で事業が進められている状況です。このため、介護現場の実態や状況をしっかりと事業者に反映させていくことが容易ではなく、改めて産学官が話合いを重ねながら有効策を検討し、実施していくことが求められますが、いかがでしょうか。 次に、農業分野における諸課題についてであります。 ロシアのウクライナ侵攻以来、国際的に燃料や物資等の価格や流通に大きな影響が生じ、農業分野においても、肥料や家畜飼料の価格の高騰、農業用施設の電気料金の高騰その他資材価格の高騰など、農業経営を継続することが非常に厳しい状況となっております。過日の自由民主党・県民会議農政議員連盟と畜産農家との懇談の中では、全くの赤字続きだという苦境のお話が複数ありました。また、土地改良区の皆さんとの懇談においては、電気料金が一・五倍程度増額する見込みであるとのお話もありました。こうした点などを踏まえ、県としても令和四年度予算の中で一定の対策を講じてきておりますが、令和五年度においても継続的な支援が必要と考えます。県としての考え方と具体的な支援策について伺います。 本県においては、第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画において、園芸の農業産出額について、平成三十年三百三十三億円を令和十二年六百二十億円と倍増する目標を立てております。しかしながら、ここにも昨今の物価高騰の流れが大きく影響しており、効率的なエネルギー活用、資材等の高騰対策が必要であるほか、担い手対策や販売対策など、様々な課題を克服していかなければなりません。県として、目標達成に向けた方針と具体的な取組について、どのようにお考えか伺います。 主食用米については、令和五年産の生産の目安は令和四年と同面積となりましたが、水田農業においては多くの課題を抱えております。生産という視点においては、昨今の温暖化に対応した水稲品種の開発や飼料用米の適正品種の開発のほか、子実用トウモロコシの生産活用の推進、肥料の自給化の推進、カントリーエレベーターの老朽化に伴う改修などがあり、流通販売という視点では、昨今、本県のコンビニ等で他県産米のおにぎりなどがメイン商品となっていることなどが散見され、みやぎ米の戦略的な販売の推進の必要性を痛感いたします。また、県産米による日本酒の輸出拡大等、県産米の差別化や高付加価値化など、前向きな取組も重要であります。こうした様々な現状と課題を踏まえ、県としての水田農業の振興についての基本的な考えと具体的な取組について伺います。 昨年十月に開催された全国和牛能力共進会鹿児島大会では、九州勢の強さが目立ちましたが、本県も和牛農家や和牛関係者の皆様の御尽力により、県産和牛の底力を示したものと思われます。今大会では、特に和牛肉の脂肪の質が今後の評価として極めて重要であるとの認識が全国で共有され、次回北海道大会では、更に脂肪の質の競争が熾烈さを増すものと考えます。本県としても、しっかりと脂肪の質に関する基礎データを収集した上で分析し、改良していく取組が求められていると考えますが、所見を伺います。 次に、水産業分野への支援策についてであります。 これまで述べてきたように、エネルギー価格の高騰のほか、日本とアメリカの異なる金融政策による円安の進行などによる物価高騰や、海洋環境の変化による海水温度の上昇など、水産業を取り巻く状況は依然厳しいものがあります。これらのことを背景に、今般、県漁業協同組合から、漁業者の経営維持と漁家経営の安定に向けた施策の要望が寄せられております。県では、令和五年度においても水産業のための施策を予定しておりますが、県漁協からは特に漁業用燃油・資材の高騰化支援などの漁業振興策についての要望があります。今後の漁業振興策について、基本的なお考えを伺います。 このほか、ALPS処理水海洋放出については、県漁協の各部会からも様々な意見や要望が寄せられております。風評被害は甚大であり、今後漁業関係者が安心できるような方向づけが必要であります。このことについて、県としてどのように考え取り組んでいくのか伺います。 以上で、壇上からの質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 中山耕一議員の代表質問にお答えいたします。大綱十点ございました。 まず、大綱一点目、本県の防災・減災についての御質問にお答えいたします。 初めに、仙台貨物ターミナル駅の移転及び広域防災拠点の整備完了時期とその延伸理由についてのお尋ねにお答えいたします。 広域防災拠点整備の前提となる仙台貨物ターミナル駅移転につきましては、今年度の移転完了を目指し、事業主体となるJR貨物を積極的に支援してきたところでありますが、埋蔵文化財の発掘調査や鉄道工事の工程精査等により、駅移転完了時期が令和七年度または八年度になることを、令和三年三月の予算特別委員会・建設企業分科会において御報告したところであります。その後、鉄道事業者において追加で実施した現地調査等を基に、昨年提出された詳細設計の成果を確認した結果、駅移転予定地内の市道--仙台市の市道です。市道・踏切廃止のために必要となるアンダーパス工事の軟弱地盤対策の追加や、列車運行を配慮した信号設備工事等の工程精査により、移転完了時期が令和十一年度と更に約三年延伸となり、併せて、広域防災拠点の整備完了時期が令和十四年度になる見込みとなったものであります。今回の完了時期の遅れは、詳細設計の成果を踏まえた工程精査によるものでありますが、このような事態になったことにつきましては大変申し訳なく思っております。 次に、広域防災拠点の役割と必要性についての御質問にお答えいたします。 広域防災拠点につきましては、東日本大震災の教訓を踏まえ、傷病者の域外搬送拠点機能の充実強化、広域支援部隊の一時集結場所やベースキャンプ用地の確保、物資輸送中継拠点の整備等が必要であると強く認識したことから、緊急輸送道路を含む幹線道路とのアクセスや、県内唯一の基幹災害拠点病院に近接するなど、圧倒的に地理的優位性が高い宮城野原地区に整備することにしたものであります。今回、完了時期が更に延伸する見込みとなりましたが、県内では東日本大震災以降も、昨年、一昨年に発生した福島県沖地震や、令和元年及び昨年七月の豪雨被害など、自然災害が頻発化・激甚化しており、今後発生が想定される大規模災害に的確に対応するためには、広域防災拠点の整備が必要不可欠であると改めて認識しております。県といたしましては、鉄道事業者をはじめとする関係機関とこれまで以上に緊密に連携しながら、一日も早い供用に向け、職員一丸となって取り組んでまいります。 次に、広域防災拠点の整備完了時期の延伸による防災・減災対策への影響についての御質問にお答えいたします。 広域防災拠点は、県内全域をカバーする防災拠点として中核的な役割を担うものであり、これを中心として、圏域防災拠点や市町村が整備する地域防災拠点との機能補完、相互連携を行うことにより、防災体制の構築を図るものであります。現在、広域防災拠点の整備完了までの期間につきましては、利府町の県総合運動公園を代替施設として運用しているほか、昨年四月から、宮城野原地区の整備予定地のうち約二ヘクタールを広域支援部隊のベースキャンプとして暫定的に供用しておりますが、緊急輸送道路を含む幹線道路とのアクセス性や基幹災害拠点病院との連携などを踏まえると、完了時期の延伸は、我が県が目指す防災体制の構築に影響があることは、私自身認識しているところであります。県といたしましては、引き続き広域防災拠点の一日も早い供用を目指すとともに、現在行っている第五次地震被害想定調査の結果を踏まえ、更なる防災・減災対策の強化にしっかりと取り組んでまいります。 次に、広域防災拠点整備事業の全体事業費についての御質問にお答えいたします。 広域防災拠点整備事業の現時点における全体事業費は、宮城野原地区の用地取得費、仙台貨物ターミナル駅移転に要する補償費、広域防災拠点整備費を合わせて、約三百二十四億円となっております。現在、県では、鉄道事業者から提出された詳細設計の内容について、公共補償基準に基づき、移転に係る補償額の妥当性を確認するとともに、ウクライナ情勢等の影響に伴う鋼材をはじめとする資材価格の変動状況や、アンダーパス工事の軟弱地盤対策等の追加費用について精査するなど、補償費や施設整備費の再算定を行っているところであります。こうした状況から、全体事業費は増額せざるを得ないものと認識しており、県といたしましては、引き続き鉄道事業者との協議等を進め、来年度内のできるだけ早い時期に補償費を含めた全体事業費を確定し、皆様に御説明したいと考えております。 次に、広域防災拠点の再評価の内容と実施時期についての御質問にお答えいたします。 県が行う公共事業につきましては、事業着手した年度から十年度以内に事業の完了が見込めない場合は、その最終年度に公共事業再評価を行うこととしております。具体的には、整備に要する費用や事業期間、進捗状況等を踏まえ、その必要性や有効性、費用対効果等について、学識者や県民の皆様の御意見をいただいた上で、事業継続の妥当性を判断するものであります。広域防災拠点整備事業につきましては、来年度が事業着手から十年度目に当たることから、現在精査している全体事業費が確定した上で再評価を行うこととしております。県といたしましては、このような再評価も含め、様々な機会を通じて、広域防災拠点整備の重要性について広く県民の皆様に御理解をいただくよう、引き続き丁寧な説明に努めてまいります。 次に、大綱二点目、仙台医療圏における病院の再編についての御質問にお答えいたします。 初めに、地域医療連携の課題解決と病院再編の関係及び国に対する財政支援の要望についてのお尋ねにお答えいたします。 病院の再編については、政策医療の課題解決のため、県が考える最適な方策として令和三年九月に方向性を示し、その実現に向けて関係者間で鋭意協議を進めてまいりました。一方で、検討に当たりましては、地域医療構想調整会議や救急医療協議会、周産期医療協議会などの会議で説明するとともに、様々な御意見にも耳を傾けてきており、これらを踏まえて県民全体にとって一層有益な再編にしたいと考えております。また、病院再編に関する助成制度として、国では地域医療介護総合確保基金を活用した、病床を削減する場合の支援制度を整備しておりますが、県といたしましては、病院の統合の場合や重点支援地区域としての支援が充実されることで、再編の協議がより一層加速するものと考えております。今回の病院再編は、急性期病床が過剰となっている仙台医療圏の課題解決に寄与するなど、地域医療構想の推進に大きな役割を果たすものと期待され、厚生労働省も注目している案件でありますことから、県としても協議の状況を説明しながら、支援の必要性などを働きかけてまいりたいと考えております。 次に、協議確認書についての御質問にお答えいたします。 今月二十日に、日本赤十字社の社長及び労働者健康安全機構の理事長と私の間でそれぞれ取り交わした協議確認書の内容につきましては、これまでの協議を通して共有できた認識や、今後詳細を検討すべき事項を確認したものであります。今後の協議の方向性を県民の皆様に広くお示しすることができたとともに、これをもって関係者からの御意見などをうかがえるようになったという点で、大きな前進になったものと考えております。また、県立精神医療センターに通院されている患者や家族の皆様の不安の軽減につながるよう、名取市の新病院への精神科外来機能の設置についての協議を進めることといたしました。そうした状況でありますので、外来機能の具体的な内容につきましても検討してまいりたいと思います。今後、県立病院機構や各病院を加えて、できるだけ早期に、具体的な病床規模や詳細な診療科など、新病院整備の方向性について合意できるよう、協議を進めてまいります。 次に、救急搬送による病院収容までの時間の現状分析と、病院再編で目指す方向性についての御質問にお答えいたします。 救急搬送時間につきましては、新型コロナウイルスの影響もあり、全県的に長くなっておりますが、特に仙台医療圏では、黒川地域消防本部、名取市及びあぶくま消防本部で救急搬送時間が長いことが課題であると認識しております。県といたしましては、救急医療の体制強化には、これまでも救急医療協議会等で指摘されている専門医の育成・確保や後方病院との連携により、断らない救急体制を構築するとともに、地域バランスが取れた病院配置が重要な要素であると考えており、今回の再編を通じて、仙台医療圏全体で救急搬送時間の短縮を目指してまいります。 次に、病院再編により目指す姿についての御質問にお答えいたします。 仙台医療圏では、地域医療支援病院十病院のうち九つの病院が仙台市内に集中しており、再編によりバランスの取れた地域医療連携体制の確保につながるものと認識しております。残り一つは坂病院です。合わせて十病院ということになります。具体的には、仙台医療圏北部及び南部の地域において、かかりつけ医の機能を担っている診療所にとって、仙台市内の病院との間で患者の紹介や逆紹介を行っている現状よりも、総合病院が近くにあることによって連携の強化が期待されるほか、患者自身の負担軽減にもつながり、地域における切れ目のない医療連携等が可能になるものと考えております。また、災害は場所を問わず発生するため、広域的な応援体制や役割分担が必要であると専門家も指摘していることから、災害拠点病院のない黒川地域に整備することにより、バランスの取れた配置になるものと考えております。更に、新興感染症につきましては、来年度策定する第八次地域医療計画においても検討すべき項目とされており、重症化した患者に対応できる診療体制を各地域に整備することを通じて、県内の新興感染症対策の強化につなげてまいりたいと考えております。 次に、県立精神医療センターの移転理由と患者や関係者の声を踏まえた今後の進め方についての御質問にお答えいたします。 県立精神医療センターの建て替えは喫緊の課題であり、これまで早期の建て替えに向けて検討を進め、様々な候補地を考えてまいりましたが、現在地の名取市近隣では適地がなく、大きな課題となっておりました。このような中、一般病院との連携による身体合併症への対応の観点から、再編の協議の中で労働者健康安全機構の理解を得て、東北労災病院との合築による課題解決とともに、富谷市の候補地が望ましいという方向性を打ち出すことができたものであります。一方で、名取市在住の精神医療センターの患者や関係者の懸念等につきましては切実な思いとして受け止めております。県といたしましては、精神医療センターがこれまで果たしてきた役割や実績は評価しておりますが、将来に向けて各地域でどのような地域包括ケアシステムを実現できるのかを検討することが必要だと考えております。今後とも、移転の必要性について理解を得られるよう説明に努めてまいります。 次に、仙台市の提言についての御質問にお答えいたします。 病院の再編につきましては、これまで仙台市長をはじめ仙台医療圏の市町村長と意見交換を行ったほか、仙台市からは病院再編に関する御意見をいただいてまいりました。県では、御意見を踏まえた県の考え方についても示してきたところであり、提供できるデータや資料につきましては今後も提供してまいります。また、仙台市の提言は、主に政策医療の体制強化や地域医療連携の充実を求めるものであり、政策医療の課題解決に向けて目指す方向性は共通していると認識しております。県が来年度、第八次地域医療計画の策定作業を行うに当たり、仙台市の検討は大変参考になるものと考えており、仙台医療圏や県全体の医療提供体制の充実を目指したいと考えております。 次に、大綱三点目、DXの推進についての御質問にお答えいたします。 初めに、来年度に向けた新たな意識や方向性についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、これまで、あらゆる分野においてデジタル技術をフルに活用することを基本に、AIマッチングシステムを活用した婚活支援や観光地等の混雑状況の可視化など、AIやIoTの技術を取り入れた様々な施策を実施してまいりました。来年度においては、マイナンバーカードと連携したスマホアプリを活用するなど、県民の利便性向上につながる行政サービスを各分野で提供することとしており、民の力を活用しながら、全ての県民の皆様がDXの効果を感じることができるような取組を一層進めてまいります。 次に、市町村のオンラインサービスについての御質問にお答えいたします。 市町村のオンラインサービスにつきましては、県と二十五の市町が共同でみやぎ電子申請サービスを運用しているほか、市町単独でサービスを運用しているところもあります。しかしながら、一部の市町で利用が低調なことから、共通で利用できる標準様式を提供し、利用拡大を図っているほか、オンラインサービス未導入の市町村に対しましては、県と市町村で構成する電子自治体推進協議会において、情報提供やサービスの共同利用を働きかけております。 次に、マイナンバーカードの普及についての御質問にお答えいたします。 若年層のマイナンバーカードの交付率は、他の世代に比べて低い傾向にあることから、県では、商業施設や大学、高等学校において、出張申請ブースを設け、カード取得を支援しているほか、今後、中高校生向けのチラシを作成し、配布することとしております。県としては、若年層をはじめ、全世代への働きかけを継続するとともに、引き続き国や市町村と連携を図りながら、普及促進に努めてまいります。 次に、高齢者デジタルディバイドについての御質問にお答えいたします。 県では、今年度、東松島市の通いの場や宮城いきいき学園において、体験講座やセミナーを開催し、約三百人の方に参加していただきました。来年度においては、通いの場での取組を他地域に拡大するほか、高齢者へデジタル技術を普及する支援員を育成し、県内各地で活動いただくなど、高齢者がデジタル技術に親しみやすい環境の整備を進めてまいります。 次に、携帯電話不感地域についての御質問にお答えいたします。 県では、現在、携帯電話サービス主要四キャリアのエリア情報を統合したマップを作成し、現地調査を行った上で、防災や観光の観点から、エリア整備が必要な箇所を把握する事業を実施しております。今後、調査結果や市町村の意向を踏まえながら、国が設置する協議会での情報提供やキャリアに対する要請等により、不感地域の解消に努めてまいります。 次に、みやぎハッカソンの進捗状況及び関係機関との連携についての御質問にお答えいたします。 みやぎハッカソンは、デジタル人材の発掘と起業家育成等を図ることを目的に、来月二日から四日にかけて秋保温泉を主な会場に、今回初めて実施するものであります。今回の大会は、県民がデジタル技術の利便性を実感できるようなアプリを学生の自由な発想で開発してもらう企画として募集した結果、定員を上回る七十一チーム、三百二十二人から申込みがありました。七十一チーム三百二十二人、大変申込みが多かったということです。提出されたエントリーシートに基づき選考した結果、地元東北大学の学生をはじめ、全国からインターンシップ等の実務経験や他の大会で受賞歴のある開発経験豊富な学生など、十チーム五十人に参加いただくことで現在準備を進めております。県としては、この大会を契機として、県内IT関連団体が大学等と連携して実施しているインターンシップ等の更なる充実化など、技術力の高いデジタル人材の育成を図るとともに、参加者の県内での起業に向けた支援を行うなど、関係機関と連携をしながらDX関連産業の集積を一層進めてまいります。 次に、大綱四点目、犯罪被害者等への支援についての御質問にお答えいたします。 初めに、犯罪被害者支援条例及び犯罪被害者支援推進計画を知事部局が所管し、主体的に支援に取り組むべきとのお尋ねにお答えいたします。 不幸にも犯罪に巻き込まれ、精神的にも経済的にも苦しい立場に置かれている被害者及びその御家族が、再び平穏な生活を取り戻せるよう支援していくことは大変重要であると認識しております。犯罪被害者に対しましては、警察における被害直後の支援に始まり、その後も、福祉、医療、住居、就労など広範な分野にまたがる中・長期的な支援が求められており、他の都道府県においては、ほとんどが知事部局で所管しております。我が県ではこれまで、警察本部と知事部局が連携・協力して取り組んできたところでありますが、経済的支援や生活再建に関する幅広い支援を行うに当たっては、当該条例及び計画について知事部局の所管とし、関係機関と連携を図りながら総合的な調整を行うことが、より望ましいものと考えております。 次に、見舞金制度の検討状況について御質問にお答えいたします。 見舞金制度につきましては、犯罪被害者等が受けた被害による経済的負担の軽減を図るため、他都道府県においても制度化されていることから、現在支給対象者や支給内容、金額等について、把握に努めております。今後、条例や計画の所管が知事部局に変更となる場合には、計画の見直しも必要となることから、見直しに合わせ、見舞金制度につきましても検討してまいりたいと考えております。 次に、大綱五点目、吉田川水系流域治水対策の総合的な取組についての御質問にお答えいたします。 吉田川では、これまで昭和六十一年八月洪水を契機に全国初に指定された水害に強いまちづくりモデル事業を進めてきたほか、昨年三月には、令和元年東日本台風の甚大な被害を踏まえ、流域治水を基本とした吉田川・新たな水害に強いまちづくりプロジェクトを取りまとめ、あらゆる関係者が協働し、水災害対策を推進しているところであります。このプロジェクトでは、「人命と地域の生業を守り、安全・安心な社会を形成する」ことを目標に掲げ、治水対策と併せて、農地の早期湛水解消を目的とした排水機場の能力の強化などの取組が位置づけられております。このため、農林水産省では、これらの取組の実現に向け、来年度から国営総合農地防災事業の調査に着手する予定と伺っております。また、昨年十一月には、市町村などの関係機関で構成される吉田川流域治水部会において、流域治水の実効性を高めるための特定都市河川に指定する方針について合意したことから、現在、国土交通省とともに早期指定に向けた調整を進めているところであります。県といたしましては、激甚化・頻発化する水災害の軽減に向け、農林水産省や国土交通省、市町村などと連携し、引き続き地域の基幹産業である農業を支えながら、流域治水対策にしっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱六点目、ヤングケアラーの支援についての御質問にお答えいたします。 初めに、実態調査の進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。 県では昨年十一月から十二月にかけて、仙台市立を除く県内の小中高及び特別支援学校に通う小学五年、中学二年、高校二年の合計約四万人の児童生徒を対象に調査を実施いたしました。現在、調査結果の精査段階で確定値ではありませんが、「世話をしている家族がいる」と回答したのは、小学五年生の七・九%、中学二年生の七・三%、高校二年生の五・八%であります。また、「自分がヤングケアラーにあてはまる」と回答したのは、小学五年生で〇・八%、中学二年生で一・四%、高校二年生で二・二%となっております。更に、「ヤングケアラーについて聞いたことがある」と回答したのは、小学五年生の三二・七%、中学二年生の四六・二%、高校二年生の四九・一%でありました。現在、世話を必要としている家族の状況、世話の内容及び時間やそのことによる影響、更には相談の有無や必要な支援などのアンケート結果について分析を進めているところであります。 次に、関係機関への対応力向上に関する取組についての御質問にお答えいたします。 県では、今年度新たに、ヤングケアラーの把握とその支援について事例を通して学ぶ、教職員向けの研修会を県内四か所で実施いたしました。また、市町村の児童福祉担当職員向けに、関係機関が連携した支援体制構築のための研修会を開催するとともに、市町村の希望に応じて、ヤングケアラー支援に関する基礎研修会の講師を派遣いたしました。県としては、今後もこれらの取組を継続するとともに、研修の対象者を更に広げ、早期発見や支援の充実に努めてまいります。なお、学校における支援や対応力の向上につなげられるよう、ヤングケアラーへの理解とその支援体制や方法等を記載した資料を、調査実施に合わせて配布したところであります。 次に、相談支援体制の現状と相談支援に関する市民団体の活用についての御質問にお答えいたします。 現在は、県で設置しているSNSを活用したみやぎ子ども・子育て相談や子供に身近な学校の教員やスクールカウンセラーなどが、ヤングケアラーに関する相談を含め、困難を抱える子供からの相談を受けている状況であります。しかしながら、ヤングケアラーが抱える課題は多岐にわたっており、学校や行政関係機関だけでなく、民間団体も含め地域全体で支えていくことが求められております。このことから、県としてはヤングケアラーに特化した相談窓口の設置やオンラインサロンの実施に向けて、民間団体との連携やノウハウの活用など幅広く検討し、支援体制の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、大綱七点目、看護職員に関する諸課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、看護人材不足の現状と今後の見通しについてのお尋ねにお答えいたします。 県内の看護師数は年々増加しており、離職率は全国平均を下回っているものの、人口十万人当たりの看護師数は全国平均より少ないことから、看護師の確保が課題となっており、また、仙台市に看護師が集中し、地域偏在も課題となっております。国が令和元年に行った看護職員需給推計によると、我が県は二〇二五年に最大四千五百人の不足が見込まれていることから、県といたしましては、引き続き学生に対する修学資金の貸付けや就職ガイダンスなど、県内就業の促進等に努めてまいります。 次に、ライフスタイルに合わせた支援の充実についての御質問にお答えいたします。 看護師の確保のためには、各医療機関等において働き方・休み方の改善や働きやすさの確保など勤務環境の改善に取り組むことで定着を促進し、離職を防止することが重要であると認識しております。県では、医療勤務環境改善支援センターを設置し、医療機関の相談に応じているほか、看護補助者等の配置や労務管理システムの導入など勤務環境改善に向けた取組への支援、病院内保育所の設置費用や運営費の助成などを行っております。県としては、引き続き、様々なライフステージにおいて看護師が離職をせず働き続けることができるよう、医療機関の勤務環境改善の取組を支援してまいります。 次に、ナースセンターについての御質問にお答えいたします。 県では、看護師等の人材確保の促進に関する法律に基づき、宮城県看護協会を宮城県ナースセンターに指定し、無料職業紹介や潜在看護師の把握、復職支援のほか、県内各地のハローワークと連携し、地域の潜在看護師の掘り起こしやマッチング強化のため巡回相談を行っております。昨年度は延べ一千四百七十九人の求職者のうち延べ五百二十一人が就職しておりますが、県ナースセンターが十分に活用されるためには、機能の底上げや認知度を高めることが重要であることから、マッチングに至らなかった原因の分析や県政だよりへの掲載などの周知・広報の強化に努めるとともに、各種事業が効果的に実施されるよう、今後も県ナースセンターを運営する県看護協会と連携を強めてまいります。 次に、看護師の処遇改善についての御質問にお答えいたします。 国では、看護師の職務の実態を踏まえ、管理的立場にある看護師等を適切に評価するため、国家公務員の級別標準職務表の見直しを行い、より高い職務の級に昇格できる環境を整備いたしました。県といたしましても、看護職がその職能と権限に応じた処遇を受けることは重要だと認識しておりますので、看護師の処遇改善の推進を要請する国からの通知を県内医療機関に周知したところであり、今後も処遇改善が進むよう努力してまいります。 次に、大綱八点目、高齢者福祉施設への支援についての御質問にお答えいたします。 初めに、物価高騰等に係る国への要望及び介護事業者への支援についてのお尋ねにお答えいたします。 介護事業者においては、物価やエネルギー価格の高騰などにより、厳しい経営環境にあると認識しております。県では、今年度、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、介護事業所に対し光熱費等を支援するための補助事業を実施したところであります。来年度につきましても、状況を注視していく必要がありますが、このことは全国的な問題であることから、これまでも全国知事会を通じて国に要望しており、引き続き強く要望したいと考えております。 次に、省エネ対策の支援についての御質問にお答えいたします。 県では、エネルギー価格等の高騰の影響を受けた高齢者施設に対し、運営コストの抑制や事業活動で生じる二酸化炭素の排出削減を図るため、来年度においても省エネ設備等の導入を支援することとしております。今年度は年度途中の事業実施にあったため、申請を断念した事業者の方もいたことから、来年度の事業実施に当たっては、申請受付期間や事業実施期間を十分に確保し、より多くの事業者に補助金を活用していただけるよう取り組んでまいります。 次に、介護施設の利用者や職員が安心できる環境を整える必要があるとの御質問にお答えいたします。 県では、これまで感染が発生した施設に対しては、掛かり増し経費への補助や応援派遣体制の支援のほか、従事者等を対象とした抗原検査を行ってきたところであります。五類移行後も、高齢者施設における感染の拡大防止や予防対策を徹底する必要があることから、県としても、従事者のワクチン接種の推進とともに、現場の従事者の具体的な感染対策を解説する研修の実施などにより、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。 次に、介護人材の確保対策を産学官が一体となって検討すべきとの御質問にお答えいたします。 団塊の世代が全員後期高齢者となる二〇二五年には、県における介護職員の不足人数は四千百八十八人と見込まれることから、介護人材の確保が喫緊の課題であると認識しております。県では、平成二十六年に介護人材の確保・定着を目的に、宮城県介護人材確保協議会を設立し、多様な人材の参入促進、職員の資質向上、労働環境・処遇の改善を柱に、関係団体と連携した様々な取組を進めてまいりました。しかしながら、
新型コロナウイルス感染症の影響により、今年度、協議会主催の介護職員合同入職式が中止となるなど活動に支障が生じているほか、協議会を開催しての意見交換等も実施できない状況でありました。このことから、介護現場の実態や状況を事業に的確に反映していくため、今年度中に協議会を開催し、関係団体の方々との意見交換をしっかりと行うこととしております。 次に、大綱九点目、農業分野における諸課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、家畜飼料や電気料金等の高騰に対する継続的な支援についてのお尋ねにお答えいたします。 資源高や円高等による昨年春からの急激な資材価格高騰により、県内農業者の経営は大変厳しい状況にあると認識しております。このため県では、今年度、肥料や飼料、燃油等の資材価格高騰に対し、短期的な支援策のほか、省エネ機器の導入を促進するなどの中長期的な支援策も講じてきたところであります。特に、高止まりとなっている畜産の配合飼料につきましては、来年度も掛かり増し経費への支援を継続するとともに、粗飼料の増産を支援することにより、畜産経営を下支えするよう取り組むこととしております。資材価格の動向は今後も見通せないことから、県といたしましては、引き続き国に対して必要な財源措置の継続を要望していくとともに、農家に寄り添った対応に努めてまいります。 次に、園芸産出額倍増の目標達成に向けた方針と取組についての御質問にお答えいたします。 県では、第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画において、令和十二年の園芸産出額を六百二十億円とする目標を掲げ、先進技術を駆使した全国トップレベルの施設園芸、担い手を核とした収益性の高い大規模露地園芸を目指すべき姿とし、園芸の生産振興を進めております。今年度の具体的な取組といたしましては、イチゴの百億円産地の育成に向けて、高度な環境制御技術を有する施設の整備や海外への輸出を支援したほか、枝豆、クロマツなどの品目で、産地と実需者が連携した効率的なサプライチェーンの構築による販路拡大、付加価値向上の取組を支援してまいりました。また、人材育成の面でも、普及指導員による伴走型の支援や、施設園芸における栽培管理者の育成などに取り組んでおります。更に、来年度から新しくみやぎ大規模施設園芸立地奨励金を創設し、資材高騰など厳しい状況の中でも、施設園芸の立地がより一層進展するよう取り組んでまいります。 次に、水田農業の振興についての御質問にお答えいたします。 国内における主要主食用米の需要減少が続く中、農業者が安定的に営農を継続していくためには、需要に応じた米の生産・販売に加え、水田を最大限に活用し、バランスの取れた農業構造を構築することが重要であると考えております。そのため、生産面では、みやぎ米の高品質・安定生産に向けて、デジタル技術を活用した生育診断手法の開発や高温登熟性にすぐれた品種の開発等に取り組んでおります。また、国、県の事業等を活用しながら、収益性の高い園芸作物や大豆・麦類、飼料作物等への一層の転換を進めてまいります。流通・販売面では、需要拡大が期待される金のいぶきや誕生六十周年を迎えるササニシキなどの一層のブランド力向上のほか、販売事業者等が行うPR活動への支援、日本酒の輸出促進など、新しい需要の創出にも取り組んでまいります。県といたしましては、これらの取組を通じて、引き続き競争力の高いみやぎの水田農業の実現を図ってまいります。 次に、和牛肉のうまみに関する改良についての御質問にお答えいたします。 和牛肉のうまみの一つとされる脂肪の質は、肉質の評価において新しい指標とされつつあり、全国和牛能力共進会鹿児島大会では、初めて脂肪の質を競い合う出品区が設けられました。県といたしましては、脂肪の質の改良を効果的に進められるよう、これまで以上にデータの収集・分析体制を強化するとともに、我が県独自の取組として行っているアミノ酸などの分析結果も活用し、これまでの霜降り度合いなどに加えて、和牛肉のうまみも考慮した種雄牛の選抜や雌牛の整備を進めてまいります。あわせて、飼料給与方法などの検討も進め、令和九年度に開催されます北海道大会での県産和牛の上位入賞を目指してまいりたいと考えております。 次に、大綱十点目、水産業分野への支援についての御質問にお答えいたします。 初めに、今後の水産業振興策についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の水産業は、主要魚種の不漁や燃油・資材価格の高騰などにより、非常に厳しい状況にあるものと認識しております。このため県では、今年度、県内産地魚市場に水揚げする漁業者や出荷用資材を購入する養殖業者への支援などを行っており、来年度も継続することといたしました。また、本県水産業が海洋環境や社会情勢の変化に対応できるよう、県の水産基本計画に基づき、暖水性魚種の利活用や新たな養殖種の探索、陸上養殖技術の開発・普及などの取組を進めることとしております。県といたしましては、今後とも持続的で収益性が高い漁業・養殖生産体制の確立を目指し、関係者の皆様とともに全力で取り組んでまいります。 次に、多核種除去設備等処理水に関する風評被害対策についての御質問にお答えいたします。 処理水の風評被害対策につきましては、漁業関係者が安心して事業を継続できるよう、風評を生じさせないことはもちろん、万が一風評が発生した場合を想定した対策を、国と東京電力の責任において着実に講じることが重要であると認識しております。このため県では、処理水の取扱いに関する宮城県連携会議を通じ、具体的かつ効果的な風評対策を、国と東京電力に求めてきたところであります。これを受け、国から理解醸成など風評を生じさせないための取組や、漁業担い手確保対策など漁業関係者のなりわいを支援する取組が示されたほか、東京電力から風評被害に係る賠償の基本的な考え方が示されております。県といたしましては、これら対策が着実かつ効果的に実施されるよう、海洋放出以外の処分方法の検討と併せ、引き続き国と東京電力に対し強く求めてまいります。 以上です。
○議長(菊地恵一君) 五十五番中山耕一君。
◆五十五番(中山耕一君) 丁寧な答弁ありがとうございました。幾つか再質問させていただきます。 広域防災拠点なんですが、延期になるということで、そのものの整備完了時期が令和十四年というようなことで多分驚いている人は多いと思います。それで、中身のほうに手を入れるのは、なかなか私には見えないんですけれども、ただ、思いとして、令和十四年よりも前倒しできるとしたら、それは汗をかくと言いますか、そういう意向があるのかどうかを教えてください。