宮城県議会 > 2022-02-18 >
02月24日-03号

  • "遠隔監視制御設備工事"(/)
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  1. 宮城県議会 2022-02-18
    02月24日-03号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    令和 4年  2月 定例会(第382回)          第三百八十二回宮城県議会(定例会)会議録                              (第三号)令和四年二月二十四日(木曜日)  午前十時開議  午後三時四十一分散会      議長                     菊地恵一君      副議長                    外崎浩子君出席議員(五十九名)        第一番                  金田もとる君        第二番                  佐々木奈津江君        第三番                  小畑きみ子君        第四番                  石田一也君        第五番                  伏谷修一君        第六番                  松本由男君        第七番                  柏 佑賢君        第八番                  福井崇正君        第九番                  渡邉重益君        第十番                  大内真理君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  三浦ななみ君       第十三番                  枡 和也君       第十四番                  佐藤仁一君       第十五番                  わたなべ 拓君       第十六番                  伊藤吉浩君       第十七番                  八島利美君       第十八番                  瀬戸健治郎君       第十九番                  櫻井正人君       第二十番                  村上久仁君      第二十一番                  高橋宗也君      第二十二番                  庄田圭佑君      第二十三番                  天下みゆき君      第二十四番                  三浦一敏君      第二十五番                  佐々木功悦君      第二十六番                  境 恒春君      第二十七番                  太田稔郎君      第二十八番                  高橋 啓君      第二十九番                  遠藤伸幸君       第三十番                  横山のぼる君      第三十一番                  遠藤隼人君      第三十二番                  渡辺勝幸君      第三十三番                  横山隆光君      第三十四番                  佐々木賢司君      第三十五番                  守屋守武君      第三十六番                  外崎浩子君      第三十七番                  池田憲彦君      第三十八番                  佐々木幸士君      第三十九番                  熊谷義彦君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  渡辺忠悦君      第四十二番                  菅間 進君      第四十三番                  坂下 賢君      第四十四番                  ゆさみゆき君      第四十五番                  吉川寛康君      第四十六番                  伊藤和博君      第四十七番                  村上智行君      第四十八番                  高橋伸二君      第四十九番                  菊地恵一君       第五十番                  佐々木喜藏君      第五十一番                  石川光次郎君      第五十二番                  中島源陽君      第五十三番                  本木忠一君      第五十四番                  中山耕一君      第五十五番                  安藤俊威君      第五十六番                  畠山和純君      第五十七番                  仁田和廣君      第五十八番                  藤倉知格君      第五十九番                  中沢幸男君-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    佐野好昭君      副知事                    遠藤信哉君      公営企業管理者                櫻井雅之君      総務部長                   大森克之君      復興・危機管理部長              佐藤達哉君      企画部長                   志賀真幸君      環境生活部長                 鈴木秀人君      保健福祉部長                 伊藤哲也君      経済商工観光部長               千葉隆政君      農政部長                   宮川耕一君      水産林政部長                 佐藤 靖君      土木部長                   佐藤達也君      会計管理者兼出納局長             佐藤靖彦君      総務部参事兼秘書課長             石川佳洋君      総務部財政課長                鈴木雄貴君    教育委員会      教育長                    伊東昭代君      副教育長                   布田秀一君    選挙管理委員会      委員長                    皆川章太郎君      事務局長                   諸星久美子君    人事委員会      委員長                    千葉裕一君      事務局長                   吉田信幸君    公安委員会      委員長                    森山 博君      警察本部長                  猪原誠司君      総務部長                   佐藤宏樹君    労働委員会      事務局長                   高橋裕喜君    監査委員      委員                     吉田 計君      事務局長                   林  毅君-----------------------------------    議会事務局      事務局長                   阿部正直君      副事務局長兼総務課長             藤田信治君      議事課長                   菅原敏彦君      参事兼政務調査課長              川村 満君      副参事兼総務課総括課長補佐          砂金義徳君      議事課副参事兼総括課長補佐          二上秀幸君      政務調査課総括課長補佐            長谷川共子君      議事課長補佐(班長)             田村和江君      議事課主任主査(副班長)           狩野嘉孝君-----------------------------------    議事日程 第三号                 令和四年二月二十四(木)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第四十号議案及び議第六十一号議案第三 議第六十二号議案 令和三年度宮城県一般会計補正予算第四 議第六十三号議案 令和三年度宮城県公債費特別会計補正予算第五 議第六十四号議案 令和三年度宮城県母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算第六 議第六十五号議案 令和三年度宮城県国民健康保険特別会計補正予算第七 議第六十六号議案 令和三年度宮城県中小企業高度化資金特別会計補正予算第八 議第六十七号議案 令和三年度宮城県農業改良資金特別会計補正予算第九 議第六十八号議案 令和三年度宮城県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算第十 議第六十九号議案 令和三年度宮城県林業・木材産業改善資金特別会計補正予算第十一 議第七十号議案 令和三年度宮城県県有林特別会計補正予算第十二 議第七十一号議案 令和三年度宮城県土地取得特別会計補正予算第十三 議第七十二号議案 令和三年度宮城県港湾整備事業特別会計補正予算第十四 議第七十三号議案 令和三年度宮城県水道用水供給事業会計補正予算第十五 議第七十四号議案 令和三年度宮城県工業用水道事業会計補正予算第十六 議第七十五号議案 令和三年度宮城県地域整備事業会計補正予算第十七 議第七十六号議案 令和三年度宮城県流域下水道事業会計補正予算第十八 議第七十七号議案 次世代育成・応援基金条例第十九 議第七十八号議案 東日本大震災復興交付金基金条例の一部を改正する条例第二十 議第七十九号議案 後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例第二十一 議第八十号議案 緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例第二十二 議第八十一号議案 森林整備地域活動支援基金条例の一部を改正する条例第二十三 議第八十二号議案 道路占用料等条例の一部を改正する条例第二十四 議第八十三号議案 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第二十五 議第八十四号議案 建築基準条例の一部を改正する条例第二十六 議第八十五号議案 工事委託契約の締結について(一般国道三百四十七号漆沢道路改築工事)第二十七 議第八十六号議案 工事委託変更契約の締結について(主要地方道仙台村田線菅生道路等改築工事)第二十八 議第八十七号議案 工事請負契約の締結について(渋井川水門設備工事)第二十九 議第八十八号議案 工事請負契約の締結について(仙台南部地区特別支援学校(仮称)校舎等新築工事)第三十 議第八十九号議案 工事請負契約の締結について(仙台南部地区特別支援学校(仮称)校舎等新築空調工事)第三十一 議第九十号議案 工事請負契約の締結について(仙台南部地区特別支援学校(仮称)校舎等新築電気工事)第三十二 議第九十一号議案 工事請負契約の締結について(仙台南部地区特別支援学校(仮称)校舎等新築衛生工事)第三十三 議第九十二号議案 工事請負変更契約の締結について(主要地方道気仙沼唐桑線本町道路改築工事)第三十四 議第九十三号議案 工事請負変更契約の締結について(吉田川堤防等改良工事)第三十五 議第九十四号議案 工事請負変更契約の締結について(吉田川堤防等改良工事(その二))第三十六 議第九十五号議案 工事請負変更契約の締結について(吉田川堰等改良工事)第三十七 議第九十六号議案 工事請負変更契約の締結について(吉田川護岸等改良工事)第三十八 議第九十七号議案 工事請負変更契約の締結について(渋井川水門新築工事)第三十九 議第九十八号議案 令和三年度市町村受益負担金について第四十 議第九十九号議案 令和三年度市町村受益負担金の変更について第四十一 報告第一号 専決処分の報告について(宮城県船形の郷居住棟改築工事の請負契約の変更)第四十二 報告第二号 専決処分の報告について(宮城県船形の郷活動棟等改築工事の請負契約の変更)第四十三 報告第三号 専決処分の報告について(宮城県産業技術総合センター試験棟新築工事の請負契約の変更)第四十四 報告第四号 専決処分の報告について(波路上漁港防潮堤災害復旧及び新築工事の請負契約の変更)第四十五 報告第五号 専決処分の報告について(浦の浜漁港防潮堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十六 報告第六号 専決処分の報告について(波伝谷漁港防潮堤等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第四十七 報告第七号 専決処分の報告について(気仙沼漁港防潮堤新築及び鹿折川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十八 報告第八号 専決処分の報告について(鮪立漁港防潮堤等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第四十九 報告第九号 専決処分の報告について(水門・陸閘(漁港)遠隔監視制御設備工事その二)の請負契約の変更)第五十 報告第十号 専決処分の報告について(一般県道石巻女川線浦宿橋(仮称)新設(上部工)工事の請負契約の変更)第五十一 報告第十一号 専決処分の報告について(一般県道石巻雄勝線真野道路改築工事の請負契約の変更)第五十二 報告第十二号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号雄勝一号橋(仮称)新設(上部工)工事の請負契約の変更)第五十三 報告第十三号 専決処分の報告について(一般県道釜谷大須雄勝線尾崎道路災害復旧工事の請負契約の変更)第五十四 報告第十四号 専決処分の報告について(面瀬川護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第五十五 報告第十五号 専決処分の報告について(荒川護岸等改良工事の請負契約の変更)第五十六 報告第十六号 専決処分の報告について(神山川等護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第五十七 報告第十七号 専決処分の報告について(水門・陸閘(港湾)遠隔監視制御設備工事その二)の請負契約の変更)第五十八 報告第十八号 専決処分の報告について(仙台塩釜港仙台港区防潮堤建設工事(その四)の請負契約の変更)第五十九 報告第十九号 専決処分の報告について(宮城県志津川高等学校屋内運動場等改築工事の請負契約の変更)第六十 報告第二十号 専決処分の報告について(和解及び損害賠償の額の決定)第六十一 報告第二十一号 専決処分の報告について(交通事故に係る和解及び損害賠償の額の決定)第六十二 一般質問(代表)     〔佐々木幸士君、境恒春君、金田もとる君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二ないし日程第六十一 議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第四十号議案及び議第六十一号議案並びに議第六十二号議案ないし議第九十九号議案及び報告第一号ないし報告第二十一号三 日程第六十二 一般質問(代表)         〔佐々木幸士君、境恒春君、金田もとる君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。----------------------------------- △会議録署名議員の指名 ○議長(菊地恵一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、九番渡邉重益君、十番大内真理君を指名いたします。----------------------------------- △諸報告 ○議長(菊地恵一君) 御報告いたします。 お手元に配布のとおり、令和四年度予算に関する説明書の一部に正誤がありました。----------------------------------- △議第一号議案ないし議第十五号議案 △議第十七号議案ないし議第四十号議案 △議第六十一号議案 △議第六十二号議案ないし議第九十九号議案 △報告第一号ないし報告第二十一号 △一般質問(代表) ○議長(菊地恵一君) 日程第二ないし日程第六十一、議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第四十号議案及び議第六十一号議案並びに議第六十二号議案ないし議第九十九号議案及び報告第一号ないし報告第二十一号を一括して議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました令和三年度一般会計補正予算案をはじめ提出議案の概要を御説明申し上げます。 新型コロナウイルス感染症に関しては国内で最初の感染者が確認されてから二年余りが経過いたしましたが、我が県においては昨年四月から五月にかけてのまん延防止等重点措置に続き、八月から九月には緊急事態措置が適用されるなど今年度も感染状況の推移に細心の注意を払いながらの一年となりました。今年に入ってからのオミクロン株による感染の急拡大はこれまでとは大きく様相が異なるものであり、現在は県独自の緊急特別要請に基づき、ワクチンの追加接種や教育現場などでの感染防止対策に向けた対応を強化しているところであります。県民の皆様には様々な面で御負担をおかけしているところですが、医療提供体制の逼迫を回避しつつ社会経済活動の維持を図るには集中的な対応が不可欠であることから、なお一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。 一方、コロナ禍による様々な制約が重なったところではありますが、新・宮城の将来ビジョンの初年度として震災からの復旧・復興や富県宮城の推進に向けては、着実な県政運営ができたものと考えております。昨年四月には松島自然の家の本館がオープンし防災体験活動も含め様々なプログラムが実施されております。六月には震災の記憶や教訓を後世に伝えるとともに、県内各地の震災伝承施設への玄関口としての役割を果たすみやぎ東日本大震災津波伝承館が開館いたしました。インフラの整備に関しては復興支援道路として整備を加速してきたみやぎ県北高速幹線道路の佐沼工区が開通し、沿岸部を南北に縦断する三陸沿岸道路との間で広域的な道路網が形成されました。また、八月には県内二か所目となる水素ステーションが岩沼市内に開所したほか、平成二十八年に医学部が新設された東北医科薬科大学からは東北の地域医療を支える新たな人材が初めて巣立とうとしているなど、創造的な復興に向けた取組も着々と実を結んでおります。ソフト面での息の長い支援と合わせ、今後とも決して気を緩めることなく復興の完遂へと歩みを進めてまいります。 また、今年度は震災後に寄せられた国内外からの御支援に感謝の思いを伝えるイベントも開催することができました。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会では復興五輪の理念の下、六月には聖火ランナーが県内を巡り翌月には男女合わせて全十試合のサッカー競技が有観客により開催されました。この大会で培われた各地との絆や競技開催地としての経験をレガシーとして根づかせ、今後の県政にも生かしてまいりたいと考えております。十月に開催された第四十回全国豊かな海づくり大会では、天皇皇后両陛下にオンラインで御臨席を賜りますとともに、全国から多くの皆様をお迎えし御支援への感謝の思いや復興が進む我が県の姿を広く発信することができました。大会開催の意義と理念、そして森と海のつながりを次世代に継承しながら明るい水産業の未来に向け今後とも取組を進めてまいります。 今年度の財政運営については、県税収入や地方譲与税が感染症の影響を考慮した当初予算の想定から大きく増加する見通しとなり、国の経済対策の一環として普通交付税の再算定も行われたことから、結果として大きな支障を来すことなく推移をいたしました。一方で、来年度以降の地方交付税への影響などには留意していく必要があると考えております。 今回の補正予算案では新型コロナウイルス感染症対策として最近の感染状況を踏まえた予算の追加を行うとともに、その他の事業については歳出予算の執行状況や財源の見通しを踏まえた計数整理を行ったほか、県土の保全や子育て支援などの経費について予算化いたしました。また、特例的な県債である行政改革推進債の発行を見合わせるとともに、令和四年度当初予算における臨時財政対策債の大幅な減額や今後の感染症対策に万全を期す観点なども踏まえ、財政調整基金の取崩しを一部取りやめるなど安定的な財政運営にも配慮したところであります。 補正予算案の主な内容ですが、新型コロナウイルス感染症対策についてはオミクロン株による感染拡大も踏まえ医療機関等に対する設備整備への助成のほか、軽症者等宿泊療養施設の確保による療養体制の充実や介護分野などでの感染防止対策の強化を図ります。また、中小企業等を対象とした販路開拓等への支援について追加計上を行い、今議会の冒頭で提出いたしました。今年度補正予算や新年度当初予算と一体的に執行することにより事業者への支援を強化いたします。また、公共土木施設に係る東日本大震災からの復旧に要する経費を計上するとともに、通常事業に関しては今年度の降雪状況を踏まえ除融雪に要する経費を増額するほか、静岡県で発生した大規模な土石流災害を受けて実施した盛土総点検の結果に基づく安全対策に向けた調査や防波堤の倒壊事案を踏まえた県管理漁港における現況調査などを行います。更に、子供・子育て施策の継続的な実施に向け次世代育成・応援基金に必要となる財源を積み立てるとともに、社会福祉施策の円滑な推進や県有施設設備の維持更新などへの対応のため関係基金に所要の財源を積み立てることといたします。 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正額は、一般会計で五百五十九億二千百余万円の減額、総計で四百二十四億二千三百余万円の減額となります。財源としては、県税二百二十一億三千三百万円、地方交付税百七十七億二千五百余万円などを追加する一方、諸収入四百十八億七千七百余万円、県債三百六億九千百余万円、国庫支出金二百七十八億一千七百余万円などを減額しております。 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆二千七百九十一億六千九百余万円、総計で一兆七千四百二十六億四千五百余万円となります。 次に、予算外議案については、条例議案八件、条例外議案十五件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第七十七号議案は子供・子育て支援及び若者の職業生活における活躍の推進を図るため、次世代育成・応援基金を新たに設置しようとするもの、議第七十八号議案及び議第八十号議案は基金の失効期日を延長しようとするもの、議第八十四号議案は東日本大震災により被害を受けた者に係る建築確認申請等の手数料の減免期間を延長しようとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第八十五号議案は工事委託契約の締結について、議第八十七号議案ないし議第九十一号議案は工事請負契約の締結について、議第九十八号議案及び議第九十九号議案は市町村の受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。 ○議長(菊地恵一君) 補正予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 地方公務員法第五条第二項の規定により、関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。……………………………………………………………………………………………                          宮人委第5097号                          令和4年2月18日 宮城県議会議長 菊地恵一殿                         宮城県人事委員会                           委員長 千葉裕一           条例案に対する意見について 令和4年2月14日付け宮議第423号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。                 記 「議第18号議案 職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例」  この条例案は,本県職員の服務宣誓の際に署名押印等を不要とする所要の改正を行うものであり,適当と認めます。 「議第19号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例」  この条例案は,人事院規則19-0(職員の育児休業等)の改正に準じ,所要の改正を行うものであり,適当と認めます。 「議第20号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」  この条例案は,防疫等作業手当における加算措置等を講じるため所要の改正を行うものであり,適当と認めます。 「議第33号議案 学校職員の勤務時間,休暇等に関する条例の一部を改正する条例」  この条例案は,人事院規則15-14(職員の勤務時間,休日及び休暇)に準じ,所要の改正を行うものであり,適当と認めます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(菊地恵一君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第六十二、一般質問とを併せて行います。 質疑、質問は順序に従い許します。三十八番佐々木幸士君。    〔三十八番 佐々木幸士君登壇〕 ◆三十八番(佐々木幸士君) 一八七二年、明治五年二月十六日、旧仙台藩を中心とした仙台県から改称する形で宮城県が誕生いたしました。そして本年二月、宮城県は誕生から百五十年の節目の年を迎えます。宮城県に生まれ育ち、暮らす県民の一人として、その歴史の歩みを誇らしく思いますとともに、今日に至るまでふるさと宮城を導いていただきました先人皆様のたゆまぬ御努力に心から敬意を表します。また、今を生きる県民の代表として宮城県議会議員の職責を負託いただき、この議場におりますことに心から感謝を申し上げます。この県制百五十年という時代の節目に立ち、私の政治信条である歴史に学び、過去に打ちかち、自分たちの時代は自分たちでつくる、その覚悟を改めて自らの心に誓うところであります。本県が誕生した明治五年は新橋と横浜間に鉄道が開通し群馬県に官営の富岡製糸場が開業するなど、歴史の教科書で誰もが目にしてきた日本の近代国家への歩みを始めた象徴的な年でもありました。また、全ての国民が教育を等しく受けられることを定めた学制が公布され、その条文には「必ず邑に不学の戸なく、家に不学の人なからしめんことを期す」とあるように、全ての六歳以上の男女が小学校教育を受けることを定め、教育を充実することによって国民の知識を高め、国家の近代化を更に推進させるという重要な政策が制定された年でもありました。教育は国家百年の大計と申しますが、まさに宮城県は日本の教育制度と同時に誕生し百五十年間同じ時の歩みを重ねてきたと言えます。発展の礎となる教育も県政も時代の要請を取り入れながら常によりよい形に進歩させていかなければなりません。本議会においても百五十年目からの一歩をしっかりと形にしてまいりたいと考えております。 コロナ禍にあり約二年、私たちの生活は何を行うにしても、やることよりもやらないことを選択する気持ちが蔓延し閉塞感に包まれた日常の中にあります。しかしながら、コロナはあらゆる人々の英知によって未知の特別なウイルスから徐々に共存可能なウイルスに変わろうとしております。コロナとの闘い真っただ中にあるこの大切なときに政治の停滞は許されません。必要とされる社会の仕組みをつくり、明日は今日よりもっとよくなる、宮城に生まれてよかった、そう県民に実感してもらうための政策の議論、宮城県勢に光を宿す責任が私たちにはあります。そして、私たち会派三十四名一人一人は知事以上に日々の活動の中で県民と密接に関わっているという自負を持っております。第三百八十二回県議会の本議会の始まりに際し、ふるさと宮城への思いを込めた会派議員や私たちに御意見をくださった県民の皆様、それぞれの思いに村井知事をはじめ執行部の皆様に改めて正面から向き合って議論していただくようお願いを申し上げ、自由民主党・県民会議を代表し、以降、大綱三点についてお伺いしてまいります。 大綱一点目、新型コロナウイルス感染症について。 新型コロナウイルスが今なお世界中で猛威を振るっており、本県もその影響をあらゆるところで受けております。特に昨年末、収束の兆しが見え始めてきたところに現れたオミクロン株は非常に感染力が高く、一日当たりの感染者数も最多を更新いたしました。県民の皆様においては、いまだ先の見えない状況への不安や日々細心の注意を払いながらの長い窮屈な生活によって心身ともに疲れ果てている状況にあります。ただ、従来のデルタ株とは違いオミクロン株は感染しても比較的軽症や無症状の方も多く、重症化率も低い傾向にあるため、これまで一律に行ってきた感染症への対応を段階的な対応に緩和するなど医療提供体制をいかにマネジメントしていくか、めり張りをつけた対策は重要であると考えます。知事はオミクロン株の特性・特徴をどのように捉え、第六波への対応として病床逼迫を避けるための入退院基準やホテル療養基準も含め、今後、何に重点を置いて対策を進められていくのか、御所見をお聞かせください。 二月十八日現在、三十六都道府県において、まん延防止等重点措置が適用されておりました。本県の感染状況も措置が取られた地域とさほど変わらない状況にあり、感染拡大傾向の際には仙台市長から二度にわたり、まん延防止等重点措置の適用が必要であるとの見解も示されました。しかし、結果的に本県は政府に対してその要請を行わなかったため、県民の皆様からは会派所属議員に対して県の対応に対する多数の問合せが寄せられました。これらの経緯を踏まえ、政府に対して県がまん延防止等重点措置を要請する際の判断基準を明確に整理しておく必要があると考えますが、伺います。 岸田首相は急拡大するオミクロン株への対応を政権の最優先課題とし、三回目のワクチン接種を前倒しする考えを表明しました。政府は医療従事者等や高齢者を含む三千百万人分の先行接種を行い、六十四歳以下の一般向け接種も五千五百万人分を前倒しで実施し、更には十二歳未満の子供についてもワクチン接種を受けられるよう手続を進めております。本県の追加接種対象者数及び国からのワクチン供給量とそのスケジュールを伺いますとともに、医療従事者と高齢者、六十四歳以下の一般の方、それぞれの接種完了見込みについてお聞かせください。 また、診療所における個別接種や県や市町村が行う集団接種、職域接種に対する財政措置やその支援策についてもお聞かせください。 三回目のワクチン接種に対する必要性をはじめ交互接種の効果と安全性に関する情報や若い世代に多く見られる副反応への懸念の払拭、更に新たな試みである十二歳未満の子供のワクチン接種などについて、県民へ丁寧で分かりやすい情報発信を強化する必要があると考えます。その取組事例と十二歳未満の子供のワクチン接種開始時期と接種完了見込みについてお聞かせください。 オミクロン株の感染拡大時期に重なる一月中旬以降から、飲酒業とその関連事業者、観光、運輸、エンターテイメントなど各事業者の皆様から、「現状は緊急事態宣言下にあった昨年以上にひどい状況にある」との悲痛な声を頂戴しております。感染対策を最優先に行うため社会全体で自粛、制限というブレーキをかけたわけですが、このブレーキによってもたらされた、今後も業界の皆さんは抱え込むことになる負のイメージは、想像以上に厳しい現実として残るものと思われます。今後はウィズコロナの生活を基本と位置づけ、県が率先して経済活動を動かすためのアクセルの役割をしっかりと担っていくべきであると考えます。特にこれからの季節は、歓送迎会、卒業・入学祝い、春の行楽シーズンを控えております。飲食、観光、運輸、エンターテイメント業界のこれからの在り方について、業界皆様の今後の希望となるような村井知事の強いメッセージをお聞かせください。 コロナの影響を受ける県内事業者の厳しい現状に対する経済対策として、二月補正予算及び当初予算における施策は大いに期待しておりましたが、正直なところを申し上げればインパクトに欠け期待外れの印象を持っております。仙台市では県の市町村向けコロナ補助金を活用した国の事業復活支援金に最大二十五万円を上乗せする給付金なども実施することになりましたので、ぜひ同様の経済支援を仙台市のみならず県内一律に展開する制度を検討していただきたいと考えます。 また、利用が二月二十八日までに制限されている宮城県認証店おうえん食事券の大幅な使用期間の延長や、まん延防止等重点措置の適用がないために助成率が現状で八割から九割にとどまっている雇用調整助成金を助成率十割にするための支援策や、大幅な適用期間の延長、消費拡大活性化施策など県独自の更なる経済対策を求めますが、御所見をお聞かせください。 コロナ感染医療のまさに救世主であり、ウィズコロナ社会を有言実行するための鍵となる経口薬の迅速な供給が待たれるところであります。政府はメルク社と供給合意する経口薬ラゲブリオ百六十万人分について、既に全国約二万二千の医療機関・薬局が登録し二十万人分を確保済みであるとのことです。また、ファイザー社が開発した経口薬パキロビッドについても二月十日に薬事承認され、二百万人分の購入について最終合意済みとのことであります。国産である塩野義製薬の経口薬も今年度中に実用化される見通しであります。本県でも経口薬ラゲブリオについては供給が開始されていると思いますが、県内登録医療機関及び薬局の数、今後の供給量とスケジュールについてお聞かせください。また、ファイザー社の経口薬パキロビッドの供給見通しについてもお聞かせください。 県民の皆様の間では、感染した場合には経口薬が全員に処方されると誤認している方が多いようですが、経口薬の処方はあくまで重症化リスクがあり医師が必要と判断した高齢者や基礎疾患のある十八歳以上の方に限定するという話を聞いております。改めて、現状の経口薬の処方対象者と処方の在り方についてお聞かせください。 政府はこれまでコロナ対応を客観的に検証し、次の感染期に備えて司令塔機能の強化や感染症法の在り方、保健医療提供体制の確保など六月をめどに中長期的な対応を取りまとめる方針を示しております。オミクロン株は拡大時から重症者率の低いことが認知されており、感染症分類を二類相当から五類へ引き下げるための議論も盛んに行われました。世論調査においても引下げを支持する声が少なくありません。六月までに取りまとめられる政府方針ではこの点についても十分議論いただきたいと考えますが、政府に強い影響力を持つ全国知事会においても新型コロナウイルスオミクロン株については、二類相当から五類に見直す議論を始める時期にあるのではないかと考えますが、御所見をお聞かせください。 大綱二点目、危機管理と原子力防災について。 昨年九月、内閣府から自治体に対し災害時の安否不明者の氏名公表は個人情報保護条例の例外とする指針が示され、現在、都道府県による公表を基本とし市町村への手続の検討を要請している状況にあると思います。災害時の安否不明者における氏名公表及び氏名以外の年齢、住所、職業など個人情報の公表については、東日本大震災の最大被災地としての村井知事の知見が大いに参考にされるべきであると考えますが、御所見をお聞かせください。 女川原子力発電所二号機について、昨年末、東北電力は原子力規制委員会から工事計画の許可を受け令和四年度の工事完了を目指し、現在、安全対策工事を進めております。政府は昨年十月に決定した第六次エネルギー基本計画において安全を大前提とした原子力発電の最大限の活用を明記しているほか、カーボンニュートラルが世界の潮流となる中、世界各国で二酸化炭素を排出せず安全性や柔軟性が優れた小型モジュール炉SMRも注目を集めているところであります。日本の原子力発電は東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所の事故という大きな教訓を糧とし、自然環境を意識した社会的な潮流と技術開発が進む中で、世界で最も厳しい規制基準を基に原子力規制委員会が専門的かつ厳格に審査し、その安全性が確立されているものと認識しております。また、万が一にも事故が起きた場合の防災対策についても国による原子力災害対策指針が定められており、この指針に基づき内閣総理大臣を議長とする原子力防災会議が行われ、本県では令和二年六月に女川地域の緊急時対応の了承を受けたところであります。しかしながら、原子力防災の取組に終わりや完璧はなく不断の努力で絶えず実効性を更に高めていく必要があることから、二月十日から十二日にかけて国の原子力総合防災訓練と一体となった原子力防災訓練が実施され、会派の所属議員もこの訓練を視察しております。視察を通じて検査場所の混雑を解消するための動線の確保や今回参加していない高齢者や障害者などの災害弱者への対応など、行政目線からの反省点のみならず住民目線からの課題抽出も重要であると感じたところでありますが、知事は訓練を終えてどのように感じられたのか、現時点での反省点を含めた御所見をお聞かせください。 令和元年度に本県では避難計画の実効性向上を目的に女川原子力発電所の原子力災害時に係る避難経路阻害要因調査を実施しております。円滑な避難を阻害する要因や課題を抽出するため、あえて現実を超える過大な負荷をかけて調査分析を行ったわけですが、その結果、避難には最大三日から五日を要するという試算が示されたことにより負の印象だけが残ってしまい、具体的な調査結果とその改善が県民には見えていないように映ります。令和元年度に実施したこの調査結果について、何が課題として分かり、それを踏まえた改善などがどの程度進んでいるのか、伺います。 また、前回の調査以降、牡鹿半島部の復興道路や崎山トンネル、県北幹線道路、渡波稲井線などの道路整備の進捗が見られているほか、十八か所であった避難退域時検査場所の候補地を二か所増やすなど避難環境の変化が進んでおります。このため、一月に会派として改めてこの件の調査の実施を知事へ要望させていただきましたが、新たな調査の方向性とこれを踏まえた今後の原子力防災体制の実効性向上への取組について伺います。 大綱三点目、村井県政五期目の取組と県政の諸課題について。 昨年十月、第四十回全国豊かな海づくり大会が天皇皇后両陛下の御臨席を賜り石巻市で初めて開催されました。大会では自然がもたらす豊かな恵みへの感謝と森から海へ至る自然環境を守り続け次世代に受け継ぐ理念が大会を通じて示されるなど、本県、そして海洋国家である日本にとりましても大変意義のある大会となりました。また、東日本大震災十年の節目の年の開催は震災復興が進んだ水産業の姿を全国に発信し、これまでの御支援に対する感謝の思いを伝える最良の機会となったと同時に、全国の皆様からは大変大きな関心が寄せられました。その背景にはNHK連続テレビ小説おかえりモネを通じて、気仙沼市や登米市の自然と関わる地域の生活ぶりが多くの皆様に紹介された時期に開催できたことによる相乗効果が働いたものと考えます。ドラマでは海や森林などの自然と密接に関わる地域の暮らしが丁寧に描かれておりました。こうした機運の高まりを更に的確に生かし、本県の豊かな森林に目を向けていただくための提言をさせていただきます。本県沿岸部には地域をまたいだ広大な海岸林がありますが、そのほとんどは人の手によって植えられ管理されてきたものであります。特に、仙台湾の海岸林の歴史は古く四百年以上前の藩政時代にまで遡り、一六〇〇年、慶長五年、仙台藩祖伊達政宗公が農地開拓に併せ、潮風や飛砂を抑えるために松林づくりを推奨したことから始まったとされております。松林と砂浜が延々と広がる光景は白砂青松とも称され、全国に誇れる我が国の原風景としての人々の心や文化に根差した貴重な情景でもありました。この海岸林には幾度となく自然災害と復旧を繰り返しながらも、長い間、地域の方々の手によってしっかりと守られ、防風林・防災林としての重要な役割を果たし続けてまいりましたが、東日本大震災の津波によって沿岸部の海岸林は約一千四百ヘクタールにも及ぶ大きな被害を受けました。海岸林の再生は官民を挙げての植林や下刈りの活動などを行い、最近になってようやく植林が完了するところまでにたどり着いた状況であります。今後、本県の海岸林がその機能を発揮していくためには、まだまだ長い年月を要して適切に管理していく必要がありますので、この機会に豊かな森林を守り育てることの大切さや復旧した海岸林を管理していくことの重要性をしっかりと県民に分かるよう発信していくべきであると考えますが、御所見をお聞かせください。 全国豊かな海づくり大会と同様に森を守り育てることの大切さの普及啓発の機会となる国民的行事に全国育樹祭があります。全国育樹祭は毎年秋に開催されており、全国植樹祭において天皇皇后両陛下がお手植えされた樹木に皇族殿下がお手入れをなさる行事であります。全国植樹祭は過去二度、大衡村、白石市において開催されてきましたが、全国育樹祭はまだ宮城県では開催されておりません。全国育樹祭は県民の皆様へ海岸林管理の重要性を発信する絶好の機会であると思いますので、ぜひ宮城県で開催できるよう誘致に努めてみるべきと考えますが、御所見をお聞かせください。 今年は五年に一度の和牛の祭典である第十二回全国和牛能力共進会が十月六日から鹿児島県で開催されます。会派役員にて十二月に鹿児島県庁を視察した際には、前回の宮城大会を参考に開催準備を進めており、折に触れて助言をいただいていることに対する御礼の言葉を頂戴したところであります。視察では鹿児島県の肉用牛の総産出額一千二百七十八億円、頭数約三十三万六千頭という、その金額と頭数の多さに圧倒されましたが、本県も前回大会を契機に肉用牛の増頭数や畜産経営基盤の強化を図ってきており、過去最高の成績を収めた前回の大会の勢いそのままに鹿児島県大会においても好成績を期待しております。第十二回全国和牛能力共進会に向けたこれまでの取組と出品対策や県代表牛の最終選考会に向けたスケジュールについてお聞かせください。 一月、会派の水産漁港議員連盟にて大和町沢渡ふ化場を視察いたしました。県内の水産業は地球環境の急激な変化に伴い非常に厳しい状況に置かれていて、水揚げ量、取扱高ともに激減しており、特にサケ漁は最盛期の九八%減にまで落ち込んでいて、サケの放流に必要な種卵の収容率は県内のサケふ化場のほとんどで二〇%以下に陥っているなど、まさに危機的な状況にあります。内水面における採卵・稚魚育成財源の一部は海面漁業の水揚げ協力金七%で補っているものの、これほど極端な不漁に対処するには、財政支援も含め新たな仕組みづくりが必要であるとの認識をこのたびの視察で強く持ちました。今後のサケ漁業に関する支援方針、そして、宮城の水産業を環境の変化に対応した強靱で持続可能な産業に育てるための方針についてお聞かせください。 昨年九月に政策医療の課題解決に向けた県立病院等の今後の方向性をまとめ、日本赤十字社、労働者健康安全機構に新たな枠組みを提案し協議することにしております。その後、第三百八十一回県議会定例会を終えた十二月二十日に仙台医療圏の四病院の統合・合築に係る県としての構想も示されたところです。ここに至るまでの経緯の一端には令和元年の県立がんセンターの今後の在り方に関する報告書の中にある、がんを総合的に診療できる機能を有する病院の実現も含まれているものと認識しております。がんは国民病と位置づけられ、日本人ががんと診断される確率は男性六五%、女性五〇・二%と二人に一人、本県の年間がん罹患数は二万人にも上ります。県立がんセンターは五大がん治療はもとより民間医療機関では対応に限界がある希少がん、難治がんなどの高度な医療提供にも対応しております。また、併設のがん研究所ではスタッフ一人当たりの科研採択件数は全国の県立がんセンター研究所の中においてもトップクラスにあり、民間の研究助成金を合わせると総額約一億五千万円の研究費を獲得しながら、県内のみならず日本のがん治療の進展に多大な貢献を果たしてきております。この度の四病院再編構想には、これまで県立がんセンターが果たしてきた役割である本県のがん政策医療拠点病院としての位置づけと、国内トップレベルにある研究所機能を維持することも議論の大きな礎となっているものと理解してよろしいか、まずは確認させてください。 また、令和三年九月以降、県と日本赤十字社、県と労働者健康安全機構、それぞれ二つの枠組みにおいて協議を開始しておりますが、現段階の進行状況と令和四年度のいつぐらいを目途に基本合意を目指しているのか、伺います。 令和三年公立病院の現状と課題の総務省資料によれば、これまで七つの公立病院と公的病院が経営統合の実施もしくは実施中であり、その全てにおいて運営主体は公立病院に決定されているというデータもあります。運営主体決定の大きな理由は公的病院が運営主体の場合は国の交付税措置がされないという点にあります。現在、運営主体を含む病院規模などについて協議されていると思いますが、仮に公立病院である県立がんセンターと公的病院である仙台赤十字病院が統合した場合、先に述べたとおり先例に倣う形で運営主体はおのずと決まってくると考えます。経営基盤の安定と強化は何より重要でありますが、現時点での運営主体の考え方と公的病院である仙台赤十字病院と統合した場合の県としての財政的なメリット・デメリットについてお聞かせください。 県立精神医療センターは、当時の精神衛生法に基づき昭和三十二年に県立名取病院として誕生し、平成十五年に現在の名称に変更、開院以来、精神科医療の基幹病院としてその役割を果たしてきました。平成二十二年の県立精神医療センターのあり方検討会議において早急な新病院建設の必要性が示され、平成二十七年には詳細設計を終え、平成三十年には新病院完成の予定となっておりましたが用地取得がうまく行かず、やむなくこの計画を断念することになりました。会派医療福祉議員連盟役員にて現地調査もさせていただきましたが、雨漏りや浴室における配管の破損による水漏れ、病室内のカビなど築四十年の老朽化は著しく個室や隔離室も不足している現場の厳しい実状も確認しております。多様化する精神疾患への対応を求められ厳しい精神医療に従事されている皆様の職場環境としては劣悪ともいえる現状にあり、早急な改善が必要であると考えます。新病院建設構想からは既に十四年の月日も過ぎております。この度の四病院再編構想の中では特に議論を先行していただき、新病院建設に向けた方針を示し一日も早い建て替えを検討いただきたいと考えます。また、現場の窮状はこれまで述べたとおりでありますが新病院建設に至るまでには時間を要します。現病院の不具合がある必要な修繕も早急に行うべきであると考えますが、御所見をお聞かせください。 宮城県民会館等の県有施設再編の議論、特に県美術館の移転については経済発展に重点を置くことが多いように映る宮城県政にあって、多くの県民から施設移転だけではなく文化芸術に対する考えや意見を呼び込む機会となったことは、結果として大変価値のある議論であったと考えます。ここまで高まった議論を冷ますことなく、今後はハードからソフトへ文化芸術振興の在り方の議論へ展開していくべきであります。仙台市は懸案としていた音楽ホールの建設予定地を青葉山交流広場とする方針を打ち出しました。元来、仙台市は東北大学や博物館、そして、県美術館も含めた青葉山地区の文化的拠点としての価値を高く評価しており美術館の移転には反対の立場にありました。県美術館が文化芸術施設として、県内外から多角的に非常に高い評価を受けてきたこれまでの議論や県民の関心が現地存続の方針とともに終了してしまえば、音楽ホール建設とともに今後高まっていく仙台市の文化芸術の理念に組み込まれるだけの県有施設になってしまうのではないかと懸念しております。美術館移転問題で右往左往してしまったことを教訓とし、ハードだけではなくソフトの面も含めた文化芸術における核となる理念を改めて確認し、時代の要請に合わせて肉付けする時期にあると考えます。文化芸術に関する今後の在り方について主導的な議論の展開と核となる理念の構築を求めますが、御所見をお聞かせください。 築四十年が経過し武道関係者から建て替えについて強い要望を頂戴している宮城県武道館については、昨年の一般質問において議論させていただき知事からも老朽化対策の課題をご認識いただくとともに、利便性を確保し当面は必要な修繕を行いながらの運営となるが他の県有体育施設整備の在り方と併せて、武道館の今後の方向性の検討も進めていくとの答弁も頂戴しました。その後の進行状況を伺いますとともに、コロナ禍により大会開催の自粛など思うように活動ができていない状況にはありますが、本格的な活動の再開への活性化にもつなげる県有体育施設における再編に関する基本方針を早期に策定し、県武道館をはじめとするスポーツ施設の整備を進めるべきと考えますが、御所見をお聞かせください。 台湾と宮城県は深い絆で結ばれており、東日本大震災において多額の支援金を寄せていただいたことは多くの県民が知るところであります。県議会でも日台議員連盟として台湾との政策実現やパートナーとなる団体や県民の皆様と行動を共にしながら、コロナ禍において活動が制限される中においても途切れることなく交流を続けて参りました。昨年三月には台湾パイナップルの買い支え運動を展開し、十月にはサンモール一番町商店街で行われたディスカバリー台湾二〇二一を議員連盟として後援させていただき、出展ブースとともに台湾との友好の歩みも紹介させていただきました。十一月には全国日台国際交流大会第七回日台交流サミットIN神戸にも参加し交流を深め、本年二月、台北駐日経済文化代表処の李世丙副代表、全国日台友好議員協議会藤田会長が宮城県議会にお越しくださり、令和五年に行われる第九回日台交流サミットの仙台市での開催要請もいただいたところです。来年の開催、実現の際には台湾からの政府・議員関係者など大勢の皆様をお招きしたいと考えております。宮城県、東北のインバウンド復活の旗印には、これまで築き上げてきた台湾との深い絆を是非とも生かしていただき、また、仙台空港からの海外便、直行便についても、このように本県と最も良好な友好関係にある台湾便から始めていただきたいと考えます。コロナ禍における本県と台湾との交流の現状と今後の取組について伺います。 政府では保護者の経済的負担の軽減と教育の機会均等を図ることを目的に、一定の所得要件を満たす世帯の生徒の授業料に充当する高等学校等就学支援金を設けております。公立高校では月額の授業料と同額が支給され、支給の上限は年額十一万八千八百円まで、世帯年収の区切りを九百十万円にしております。私立高校では年収五百九十万円未満の世帯は上限年額三十九万六千円まで、年収五百九十万円から九百十万円の世帯は年額十一万八千八百円となっており、これに県単独補助として年収五百九十万円から六百二十万円の世帯には年額十一万八千八百円上乗せの補助が行われております。いずれの場合も世帯年収九百十万円で区切られ、それ以上の収入がある世帯は支給がゼロになっております。税金も収入に比例する形で相応に収めている以上、ある一定の収入を超えた段階でまったく支援されなくなるという施策は公平さに欠けると考えます。子供の教育に対しては保護者の所得によって差をつけることなく、社会が平等に支援すべきではないでしょうか。仮に所得制限を設ける場合であっても、ある金額を境にゼロか百になるのではなく、所得額に対し段階を設けるなど丁寧な所得スライドを行っていくべきであります。また、十五歳以上二十三歳未満の兄弟姉妹がいる場合の第二子以降への多子世帯への所得要件の緩和も行うべきであり、今定例会に提案された次世代育成・応援基金の今後の充当事業の一つとして、ぜひ検討していただきたいと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。 村井知事は昨年の選挙戦の公約として高校教育の全国募集による入学選抜の実施を挙げております。実施モデル校である志津川高校と中新田高校は、これまでも学校の特色や魅力づくりに取り組まれてきたことは十分理解しております。しかし、少子化や震災を影響とする人口減少など、地域としての大きな課題を抱えている中での学校主体の取組はハードルが非常に高く、やはりここは公約実現に向けた知事のリーダーシップと県教育委員会のバックアップが必要であります。入学選抜実施に向けて本格的な準備に入っている段階であると思いますが、募集人数、全国募集実施へ向けてのスケジュールについてお聞かせください。 県立聴覚支援学校については、令和元年九月定例会の代表質問において大学進学を望む生徒のための高等部の普通科新設を求めさせていただき、新設の方向性が示されました。その後の進捗として、高等部や専攻科における今後の学科再編の検討状況と普通科の新設の時期、生徒募集開始時期をどれくらいと考えているのか、お聞かせください。 また、聴覚支援学校の児童生徒数は減少傾向の中、現在七十六名になっております。産業構造の変化に伴い卒業後の進路も多様化している状況も踏まえ、学校規模や学科再編の基本方針を示し整備計画についても早急に策定すべきであると考えます。今後の方向性と老朽化に伴う改築時期について伺います。 本県はこれまで高等学園の新設や支援学校の分校や分教室の設置などにより知的障害特別支援学校の狭隘化対策も進めて参りました。そして、令和六年四月に三十六学級二百十人規模の特別支援学校が仙台市太白区秋保に開校する運びとなり、これまでの取組が一つの大きな区切りを迎えると思いますが、仙台圏域の知的特別支援学校の狭隘化対策における現状と課題、今後の方向性について伺います。 昨年、宮城県私立幼稚園連合会において特別な配慮を必要とする幼児についてのアンケートを初めて実施しました。百二十三園に回答いただき報告された園児数一万七千九百二十四名に対し、保護者の同意の有無にかかわらず教職員で共有している園として配慮が必要な幼児の数は一千五百八十三名にまで上り、そのうち三百三十三名のみが県特別支援教育申請幼児となっております。今回のアンケート結果から、特別支援教育補助金の対象とならない支援の必要な幼児が多い現状を既に看過できない状況にあると認識しております。幼児教育の現場ではできるだけ個別支援や配慮が必要な幼児に対し補助的役割の教員を増員させており、クラスを一人で担任していることが少なくなっております。保育園や認定こども園においても同様の状況にあるものと思われます。特別支援教育や障害児保育の対象とならない支援の必要な幼児の増加に対応するため、幼稚園教諭や保育士の複数配置に対する財政支援、市町村と連携した相談支援体制の強化を図るべきであると考えますが、ご所見をお聞かせください。 本県の暴力団排除条例、通称暴排条例は暴力団排除に関して基本理念を定め県民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的として平成二十三年四月一日に施行されました。これにより県内の暴力団の勢力は、平成二十三年に一千六百人であったものが令和二年には六百人と大幅に減少したところであり、県警察をはじめ関係機関団体、事業者皆様のこれまでの御尽力に敬意を表します。先日、仙台弁護士会民事介入暴力及び業務妨害対策委員会、通称民暴委員会の委員長と副委員長が会派にお越しくださり、本県の暴排条例には暴力団事務所の開設や運営を禁止する規定が設けられていないこと、本県以外の全ての都道府県の暴排条例には暴力団事務所の開設や運営を禁止する規定が罰則規定とともに設けられていること、複数の府県で暴力団事務所の開設や運営を禁止する範囲を拡大するための条例改正が行われていることを伺いました。本県の暴排条例にほかの全ての都道府県で設けられている暴力団事務所の開設や運営を禁止する規定がないことは、すなわち本県が暴力団事務所の開設や運営を容認しているという誤ったメッセージを与えかねないことにつながり、県民生活の安全と平穏の確保を図るためにも、また、近年多発している特殊詐欺事件に暴力団が関与し青少年を特殊詐欺に加担させている事実が全国的にも確認されていることから、青少年の健全育成を図るためにも本県の暴排条例に暴力団事務所の開設や運営を禁止する規定を盛り込む必要性があるとの意見をいただきました。本県の暴排条例については、条例施行から既に十年以上が経過しているという状況を踏まえても改正する必要があるのではないかと考えます。暴排条例に関しての現状認識と今後について、県警本部長の御所見をお聞かせください。 以上、壇上での質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 佐々木幸士議員の代表質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、新型コロナウイルス感染症対策についての御質問にお答えいたします。 初めに、オミクロン株の特性・特徴への認識や今後の重点対策についてのお尋ねにお答えいたします。 オミクロン株は感染力が強く、先月はじめ以降、県内でも子供を中心に若い方の感染が増加しており、家庭内での感染拡大事例も多く見られております。若年者の場合、軽症のまま軽快する方が多いのに対し高齢者は感染を契機に持病が悪化し入院するケースが増えてきていることから、私自ら各医療機関に対し改めて入院受入れ体制の強化を依頼したところであります。軽症者の療養の在り方については三十九歳以下で重症化リスクの低い患者について原則自宅療養に切り替えましたが、自宅療養者の家庭内感染が増加し病床逼迫の一因となったことから、再度、原則宿泊療養、ホテルの療養に戻したところであります。今後とも必要な患者を円滑に入院させることを最重点に、軽症者や無症状者もできる限り宿泊療養とすることを基本に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、県がまん延防止等重点措置を要請する際の判断基準を明確にすべきとの御質問にお答えいたします。 まん延防止等重点措置など社会経済活動の制限を伴う強い対策を講じる際には、感染状況や医療の逼迫具合などの指標に加え、対策の実効性や地域に与える様々な影響なども含めた総合的な判断が求められるものと認識しております。我が県では強い対策に移行する判断の目安として国が示しておりますレベル分類の考えに基づき、確保病床使用率などの指標や専門家の意見を伺いながら感染レベルを決定することとしており、現在は強い措置を検討すべきレベル二プラスに移行していると判断しております。一方、今回の第六波においては、教育・保育現場や福祉施設、職場、家庭など、より暮らしに近い場面で感染が拡大しており、飲食店に限った時短要請を主な内容とする現在の重点措置では明確な感染抑制効果は見込めないものと考えております。このため、我が県では重点措置によらずワクチン三回目接種の加速化、教育・保育現場及び高齢者・障害者施設での対策強化、テレワーク等の推進を柱とする独自の緊急特別要請を行ったところであり、引き続き適時適切な感染抑制策に取り組みながら社会経済活動の維持に鋭意努めてまいります。 次に、ワクチン接種の完了時期についての御質問にお答えいたします。 追加接種の対象となる二回目接種を終えた十八歳以上の方は約百八十四万人となります。ワクチンについては、国からファイザーが約九十一万回分、モデルナが約百八万回分、合計で約百九十九万回分が割り当てられており、このうち約百五万回分は供給済みですが、残りの約九十四万回分は今後五月までの間に対象者の接種時期に合わせて供給されることとなっており、十分な量が確保されております。追加接種完了の見込みにつきましては、医療従事者と高齢者は来月末までにおおむね接種が完了するよう市町村と共に取り組んでまいります。六十四歳以下の一般の方については、二回目接種がほぼ完了した昨年十一月から六か月が経過する五月に完了することを目指し、接種計画の見直しが進んでいない市町村を支援してまいります。 次に、接種に対する財政措置及び支援策についての御質問にお答えいたします。 医療機関における個別接種や自治体の集団接種については国から必要な経費に対する負担金が交付されております。また、接種促進のための追加支援策として、医療機関が一定回数以上の接種を行った場合や接種体制を整備・強化した場合などに補助金を支給しております。企業等が医療機関に委託して実施する職域接種の場合も中小企業が共同実施する場合などに必要な経費を県が補助しております。 次に、接種に関する情報発信及び十二歳未満の子供への接種についての御質問にお答えいたします。 県では県民が安心して接種できるよう追加接種や交互接種の効果、副反応等についてホームページなどで情報発信を行っているほか、私自ら記者会見の場などの機会を捉えて追加接種の必要性などを呼びかけてまいりました。また、医師会の御協力もいただき各医療機関から県民の方々への積極的な周知もお願いしております。十二歳未満の子供へのワクチン接種については省令改正により今月二十一日から接種が可能となり、三十二の市町村において来月からの接種に向けた準備が進められておりますが、完了時期につきましては、今後、市町村の計画を確認してまいります。なお、子供に対しては接種努力義務が課されないことから、ワクチンの効果や副反応等について正しい知識を持っていただくため、保護者への丁寧な説明に努めるよう市町村に助言を行ってまいります。 次に、業界へのメッセージ及び県独自の更なる経済対策についての御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた度重なる営業時間短縮や不要不急の外出自粛などの要請に加え、オミクロン株による感染再拡大の影響により飲食業や観光業をはじめ様々な業種の皆様が大変厳しい状況にあるものと認識しております。県といたしましては、まずは、県民の皆様が安心して消費活動ができる環境を一日も早く取り戻せるよう感染拡大防止に注力するとともに、今後、国や市町村とも連携し県内経済の早期回復に向けて全力で取り組んでまいります。具体的には、業況が悪化している事業者を支援する市町村への助成、飲食業や小売業向けのキャッシュレス決済推進事業及び宿泊割等の需要喚起策、中小企業の経営形態転換・販路拡大などの事業再構築・再起に向けた支援など、様々な業種の状況に応じたきめ細かな支援策を積極的に講じてまいりたいと考えております。市町村への助成につきましては地域の実情や事業者のニーズに応じた迅速な支援が可能となることから、県の財政状況も勘案しつつ、市町村に対し更なる支援を含めた今後の方向性について早期にお示ししたいと考えております。 次に、経口抗ウイルス薬ラゲブリオを処方できる医療機関と薬局の数及び今後の供給量とそのスケジュール、また、パキロビッドの供給見通しについての御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の患者を対象とした経口抗ウイルス薬ラゲブリオについては全国で百六十万人分が確保されており、先月末現在、県内の二百七十七医療機関及び二百二十六薬局が配分の対象機関となっております。先月末時点で県内医療機関では百三人分、薬局では四十三人分の投与実績があり、今後も医療機関等の配分希望に沿って供給されることとなっております。また、経口抗ウイルス薬パキロビッドの供給見通しについては国において二百万回分を確保しており、既に四万人分が先行して輸入され今月下旬から県内の医療現場等への供給が開始されております。 次に、経口抗ウイルス薬の処方対象となる患者と処方の在り方についての御質問にお答えいたします。 経口抗ウイルス薬のラゲブリオとパキロビッドは、いずれも高齢者であることや基礎疾患があるといった重症化リスク因子を有する等、医師の判断により本剤の投与が必要と考えられる患者が対象となっております。無症状の患者は対象とならないとされているほか、ラゲブリオについては十八歳未満、パキロビッドは十二歳未満または体重四十キロ未満の方が対象外とされております。また、パキロビッドについては併用禁忌の薬剤が多数あることから、服薬中の薬剤を全て確認するなど慎重な投与が必要とされております。 次に、全国知事会での感染症類型の見直しに向けた議論についての御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症は、現在、昨年二月の法改正により二類に分類される感染症以上の行動制限を可能とする新型インフルエンザ等感染症に分類されており、蔓延を防止するため必要がある場合は陽性者に対する入院勧告や就業制限、健康状態の報告や外出自粛の要請等が可能とされております。一方、五類に分類される感染症については蔓延防止のための入院勧告や就業制限、外出自粛などの措置は行われず、新型コロナウイルス感染症が五類に分類された場合、患者や濃厚接触者の行動制限が緩和され医療機関や保健所の負担が軽減されることになります。しかしながら、治療薬の開発やワクチン接種も進んでいるとはいえ、現時点ではまだ重症者や亡くなる方が一定数いることや五類に分類された場合、医療費の公費負担がなくなるといった面も指摘されております。この問題は専門家の意見を踏まえ国の責任で判断すべきものでありますが、全国知事会等の場を通じて他の都道府県とも意見交換をしてまいりたいと考えております。 次に、大綱二点目、危機管理と原子力防災についての御質問にお答えいたします。 初めに、災害時の安否不明者の氏名等公表について東日本大震災の知見を参考にすべきとのお尋ねにお答えいたします。 東日本大震災では甚大かつ広範囲にわたる地震津波被害により安否不明者をはじめとする様々な被災情報が錯綜し、被災者の救助活動・捜索活動は困難を極めました。また、災害の規模に比例して死者・行方不明者情報に対する国民の関心も増大することから、混乱を招く不確実な情報の拡散を防ぐ必要性が高まったものと認識しております。こうした震災の教訓を踏まえ我が県では救助活動の円滑化につながる安否不明者の氏名等について、人命救助を有効とされる発災から七十二時間以内の速やかな公表を目指し市町村との協議を進めてきたところであります。また、死者・行方不明者の氏名等公表の在り方についても市町村の意向を十分に酌み取りながら最終的な調整を行っており、今年度内の運用を目指し鋭意取り組んでまいります。 次に、原子力防災訓練を終えての所感はどうかとの御質問にお答えいたします。 今回の原子力防災訓練は我が県として初めて国の原子力総合防災訓練と一体で実施され、より災害時に近い形で通信訓練や輸送訓練などが大規模かつ広範囲に行われました。新型コロナウイルス感染症拡大による避難訓練への住民参加の見合せなど一部実施方法の変更もありましたが、ほとんどの訓練は予定どおり実施いたしました。災害対策本部やオフサイトセンターの運用訓練では災害対応にあたる国の職員との連携や、国、市町との通信連絡体制確立のための手順などを重点的に確認しました。避難訓練では私もバスで避難経路をたどり車両の検査や避難所の受付、感染症対策などを体験しました。実際に避難者の立場になってみると検査場所や避難所の受付での混雑など改善の余地があるものと実感したところであります。三日間の訓練を通して様々な場面で問題点が確認されたと思われますので、まずは参加いただいた機関の皆様から課題を早急に聞き取り、着実に検証してまいりたいと思います。 次に、避難経路阻害要因調査で判明した課題と改善策の進捗状況についての御質問にお答えいたします。 令和元年度に実施した避難経路阻害要因調査は、実態以上に交通量を増やした条件を設定するなど過大な負荷をかけて避難計画上の課題を注視したものであります。調査の結果、課題として特定の避難退域時検査等場所で渋滞が発生すること、その渋滞が他の避難経路での円滑な避難を阻害すること、住民が一斉に避難した場合にも渋滞することなどが明らかになりました。これらの課題への対応として、現在、渋滞緩和のための検査場所の追加やリーフレットの配布による段階的避難の周知徹底を進めているところですが、関係市町とも連携し使用する検査場所の分散化や動線の改善などにも取り組んでまいります。 次に、新たな調査の方向性と原子力防災体制の実効性向上への取組についての御質問にお答えいたします。 阻害要因調査により課題が抽出されたことに加え、最近の道路整備の進捗や避難退域時検査等場所の追加など避難に係る環境も変化していることから、来年度、新たな視点で避難時における交通シミュレーションを実施したいと考えております。調査に当たっては様々な条件の下で避難時間を推計し今後の対策に役立てるとともに、適切な避難行動への理解向上に努めてまいります。原子力災害への備えに終わりや完璧はありません。今月実施した原子力総合防災訓練での検証により新たに得られる知見・課題や交通シミュレーションの結果等を踏まえ、不断の見直しを行い原子力防災体制の充実・強化を更に進めてまいりたいと考えております。 次に、大綱三点目、村井県政五期目の取組と県政の諸課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、海岸林の大切さや管理の重要性を分かりやすく発信すべきとのお尋ねにお答えいたします。 森林は水源涵養や山地災害の防止などの公益的機能を持ち、その中でも海岸林は潮風や砂から農地や住宅を守るなど県民生活に重要な役割を果たしております。このような海岸林の役割や適切な管理の重要性を広く県民に分かりやすく発信することは、県民共有の財産である海岸林が多くの人々に親しまれる身近な存在として将来にわたり健全に維持される上で重要であります。また、復旧した海岸林の姿を通じ健全で活力ある森林を育てることの大切さや森と海のつながり、更には震災の記憶や教訓などを全国に向けて発信していくことは、震災を経験した我が県にとりまして大変重要な使命であると考えております。 次に、我が県における全国育樹祭の誘致についての御質問にお答えいたします。 御提案のありました全国育樹祭は、全国植樹祭の開催実績がある都道府県において公益社団法人国土緑化推進機構との共催により、昭和五十二年から毎年秋に開催されている行事であります。今年度は北海道で第四十四回大会が開催され、現時点では令和六年度に福井県で開催される第四十七回大会まで決定しております。全国育樹祭は森林を継続して守り育て、次の世代に引き継いでいくことの大切さを伝える大会であり、海岸林の重要性を発信する観点からも大変有効であると認識しております。県といたしましては、全国豊かな海づくり大会の開催を契機に醸成された自然環境保全に対する機運の高まりも追い風として、最短となる令和七年度の第四十八回大会の開催を目指し、今後、関係機関等と協議してまいります。 次に、第十二回全国和牛能力共進会に向けた出品対策や県代表牛の選考日程についての御質問にお答えいたします。 全国和牛能力共進会は和牛の改良と肉質を競う日本最大の大会です。我が県では宮城大会の終了後、出品対策協議会を立ち上げ定期的な出品候補牛の発育調査や巡回指導を実施し、また、鹿児島大会から重要視される脂肪の質に応じた肉質向上対策も進めております。更に、会場となる鹿児島県までの長距離輸送に対応するため出品牛のストレス軽減対策にも取り組んでおります。今後のスケジュールとしては県代表牛を決定する最終選考会を七月中旬に行い、その後、調教などの最終調整を経て十月六日から開催される鹿児島大会に出品する予定となっております。県といたしましては、引き続き生産者や関係団体と協力しながら出品区分の一つで日本一を獲得した宮城大会以上の結果を出せるようしっかりと取り組んでまいります。 次に、我が県の水産業を持続可能な産業に育てていくための方針についての御質問にお答えいたします。 我が県の水産業は海洋環境の変化により冷水性魚種の水揚げが減少するなど厳しさが増しており、特にサケの漁獲量の減少はこれまで資源を支えてきたふ化放流事業の継続に重大な影響を及ぼすことが懸念される状況にあります。このため、県では国や関係機関等と連携し、サケ稚魚の生産経費に対する支援の拡充やふ化放流団体間の連携強化など生産体制の抜本的な見直しを進めております。また、海洋環境の変化に対応した強靱で持続可能な産業とするため、自然環境の影響を受けない陸上養殖の研究や高水温に強い新規養殖種の探索、効率的な生産のためのスマート水産業の推進などに新たに取り組み、持続的で収益性が高く創造的な漁業・養殖生産体制の構築に努めてまいります。 次に、県立がんセンターと研究所機能の維持についての御質問にお答えいたします。 県では、がん征圧拠点として県立がんセンターを設置しており、生活習慣等によるがんの種類の多様化、化学療法等のがん治療の多様化、医療体制の均てん化が進むなどがんセンターに求められる役割は変化してきておりますが、がん政策医療の拠点としての役割を果たしているものと認識しております。そのため、がんの連携拠点病院の位置づけは統合による新病院に引き継ぐこととし、研究所につきましては東北大学病院をはじめとする県内の研究医療機関との連携と補完を念頭に引き続き検討してまいります。また、協議の進捗については昨年九月の公表以降、私自ら日本赤十字社と労働者健康安全機構のトップや県立病院の幹部職員との意見交換を行っているほか、実務レベルでの検討を続けており、来年度のできる限り早い時期の基本合意を目指しております。 次に、運用主体の考え方と県に生じる財政的なメリット・デメリットについての御質問にお答えいたします。 県立がんセンターの運営費負担金として県では昨年度決算で約二十三億円を県立病院機構に支出しておりますが、そのうち約七億円が地方交付税で措置され約十六億円は県独自の負担となっております。統合による新病院の運営主体については財政的なメリット・デメリットも重要な視点ではありますが、再編の効果を最大化する観点からがん・周産期・救急などの政策医療を総合的に担う病院を安定的に運営できることが第一に求められることと考えております。財政的なメリットに関しては地方交付税や県の独自負担だけではなく、自立的な経営ができるかどうかという視点も重要であると考えており、新病院の診療科目、病床数などと連動して経営収支の試算を行ってまいります。 次に、精神医療センターの修繕についての御質問にお答えいたします。 精神医療センターは老朽化が著しく建て替えの検討着手から十年以上が経過していることから、早期に着手できるよう協議を加速することが重要であると考えております。一方、今後、数年間は現在の建物で運営していくこととなるため、医療機能に支障を来さないよう必要な修繕について中期計画に位置づけているところであり、今後も適切に予算措置を行ってまいります。 次に、文化芸術に関する今後の在り方についての御質問にお答えいたします。 県では第三期文化芸術振興ビジョンにおいて、様々な社会課題解決に向け文化芸術・人・社会の質の高い高循環の創出を基本目標に掲げるとともに、文化芸術の持つ力の活用や文化芸術の振興と継承などを基本方針とし、様々な分野と連携した文化芸術の振興に取り組んでおります。また、その施策の推進に当たっては市町村や文化芸術団体等と我が県の目指す文化芸術振興の姿を共有し、連携・協働しながら展開していく必要があると認識しております。このため、今議会に提案しております県民会館とNPOプラザの複合施設整備においては、これまでにない新たな機能として、人材育成等を行う創造・育成・連携拠点部門や県民が日常的に文化芸術に触れることができる交流・コミュニティ部門を設けるほか、設計業務等においてホールやギャラリーの使用や施設運営等について関係者の御意見を幅広く伺いながら進めることとしております。県といたしましては文化芸術振興の新たな拠点整備に併せ、施設の特性も生かした文化芸術振興の在り方について広く議論を展開し、新・宮城の将来ビジョンに掲げる宮城の姿を目指してまいります。 次に、武道館の今後の方向性に係る検討状況と県有体育施設の今後の在り方についての御質問にお答えいたします。 武道館など県有体育施設の在り方は重要な検討課題と認識しており、現在、各施設の現状や課題について整理を進めております。一方で、オリンピック・パラリンピックを契機とした多様な競技への関心の高まりやコロナ禍を通じた社会環境の変容などスポーツを取り巻く諸情勢にも様々な変化が見られるところであり、県有体育施設の在り方は今後のスポーツ振興の在り方と密接不可分な関係にあるものと考えております。県といたしましては、来年度、今後のスポーツ振興の方向性を示す次期スポーツ推進計画の策定を予定しており、県有体育施設の在り方につきましても、この計画策定に向けた議論を踏まえながら、できる限り早期に整備の方向性をお示ししたいと考えております。 次に、台湾との交流についての御質問にお答えいたします。 台湾につきましては新型コロナウイルス感染症の感染拡大前において外国人延べ宿泊者数の四割以上を占めており、我が県にとって大変重要な地域であると認識しております。台湾との交流につきましては、震災から十年を迎えた昨年三月に感謝と復興の状況を伝える現地イベントを開催したほか、台北ランタンフェスティバルへの出展や台湾の高校を対象とした教育旅行オンライン説明会の開催、高校生同士の交流支援など関係強化に努めているところであります。県といたしましては新型コロナウイルス感染症の収束後を見据え、引き続き台湾への定期便再開や現地サポートデスク等を活用したインバウンド施策、県内企業と台湾企業のマッチング支援など交流の回復と拡大に向け積極的に取り組んでまいりたいと思います。 次に、高等学校等就学支援金についての御質問にお答えいたします。 高等学校等就学支援金は教育に係る経済的負担を軽減するため国が統一の所得基準を設定し授業料相当額を支給する制度であり、我が県では公立と私立を合わせて約八三%の生徒が受給しており、教育の機会均等を図る上で重要な制度であると認識しております。御指摘のありました丁寧な所得スライドによる上限の更なる緩和や第二子以降への要件緩和などを行う場合、多額の財政負担を要すると見込まれることから国への要望を含め対応について検討してまいります。 次に、幼稚園等における教諭配置や相談体制等の支援強化についての御質問にお答えいたします。 幼稚園や保育所においては特別支援教育や障害児保育の対象となる幼児が増加傾向にあり、また、その対象とならないまでも配慮を必要とする幼児が増えていると伺っております。このため、県では保育所や認定こども園等における必要経費について市町村振興総合補助金により支援しているほか、職員配置に対する財政的な支援等について全国知事会を通じ国へ働きかけているところであります。また、特別支援学校のコーディネーターが就学前の幼児に係る相談に対応しているほか、県としても悩みを抱える保護者からの相談に応じる市町村の取組を支援しております。更に、昨年四月に幼児教育センターを設置し、公立、私立、施設類型の区別なく教職員の資質能力向上や保幼小接続のための研修、幼児教育アドバイザー派遣等による教育現場への支援も行っております。今後も幼児一人一人の状況に応じた適切な教育保育が行われるよう市町村との連携を一層強化しながら支援に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
    ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱三点目、村井県政五期目の取組と県政の諸課題についての御質問のうち、県立高校の入学者選抜における全国募集についてのお尋ねにお答えいたします。 全国募集の実施については、志津川高校と中新田高校の二校をモデル校として令和五年度からの実施に向けて準備を進めているところであります。実施に当たっては、学校・町・県教育委員会が一体となって学校と地域の魅力化や生徒の受入れ体制の整備を進めることが重要であり、現在、三者で協議を重ねております。募集人数については県内生徒の募集定員とは別に定めることとしており、今年五月の公表に向けて検討しているところです。今後、県外の意欲ある生徒の応募につながるようリーフレットの配布やSNS等を活用した情報発信などにより、南三陸町及び加美町と共に全国に向けて学校や地域の魅力をしっかりアピールしていきたいと考えております。我が県の高校生が県外の高校生と共に学び、様々な価値観に触れることで互いの視野を広げながら地域の未来を切り開く人に育つことを目指して取り組んでまいります。 次に、聴覚支援学校の学科再編についての御質問にお答えいたします。 聴覚障害のある生徒の多様な進路に対応した高等部普通科の新設や時代の要請に合った専門学科への改編は、喫緊の課題であると認識しております。現在、学校から高等部普通科の新設と専門学科四科を工業科系と家庭科系の二科にする改編概要案が示され、教育委員会としてこれを承認したところです。今後は教育課程や必要な施設整備等をまとめた学科改編の基本方針を速やかに策定し、高等部普通科を含めた新学科の開設は受験生への周知期間を考慮し最短で令和六年四月を目指したいと考えております。また、校舎や体育館、寄宿舎については、いずれも昭和四十年代に建設されたもので老朽化が進んでいることから建て替えが必要であると認識しており、できるだけ早く着手できるよう学科改編を踏まえて検討を進めてまいります。 次に、仙台圏域における特別支援学校の狭隘化対策についての御質問にお答えいたします。 仙台圏域の知的障害特別支援学校の狭隘化の解消は重点課題と認識しており、これまで平成二十九年度に策定した第二期県立特別支援学校教育環境整備計画に基づき、利府支援学校塩釜校、小松島支援学校松陵校、名取支援学校名取が丘校を設置し、更に、令和六年四月に向けて秋保地区への特別支援学校の開校準備を進めているところです。しかしながら、近年の特別支援学校に就学する児童数の増加や昨年九月に国が策定した特別支援学校設置基準等を考慮すると、一層の狭隘化解消に向けた取組が必要であると考えております。その対策の一つとして、仙台市の施設を借用している小松島支援学校松陵校へ高等部を新設することについて仙台市と協議を進めているところです。今後も仙台圏域をはじめ県内の知的障害特別支援学校の狭隘化の解消に向け検討してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 警察本部長猪原誠司君。    〔警察本部長 猪原誠司君登壇〕 ◎警察本部長(猪原誠司君) 大綱三点目、村井県政五期目の取組と県政の諸課題についての御質問のうち、暴力団排除条例に関する現状認識についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の暴力団排除条例に暴力団事務所の開設や運営を禁止する区域規定がないことは御指摘のとおりです。また、昨今、他の複数の府県において禁止区域の範囲を拡大するための条例改正が行われていることも承知しております。我が県の暴力団排除条例は施行から十年が経過しており諸情勢も著しく変化しているほか、何よりも暴力団事務所が近くに開設等されることは県民の皆様が大変な恐怖と不安を覚えるものと考えております。このため、県警察といたしましては御指摘等を踏まえ条例改正に向け前向きに検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 三十八番佐々木幸士君。 ◆三十八番(佐々木幸士君) 新型コロナ対応の経済対策について再質問させていただければと思います。 百八十四万人の追加接種対象者に対して百九十九万人分のワクチン接種が五月には終わるような旨の答弁があり、更には、経口薬、ファイザー社のパキロビッドについても二月下旬から供給の見通しもされており、いよいよ、まさにウィズコロナの道筋がようやくできつつあるという思いを強くいたしております。そしてまた、先般の補正予算の高橋宗也委員の総括質疑に対しても、まん延防止等重点措置がされていない本県の状況を勘案した上で、知事からも六月定例会までに追加の経済支援対策を含めて補正予算を計上するような旨の答弁があったかと思います。そこの部分においては今回も触れているとおり飲食以外の仙台市のような、いわゆる給付金的な意味合いが非常に強いと思っております。それと同時に大事なのがやっぱり経済を動かす消費喚起施策、簡単に言えば認証店おうえん食事券です。これは本当にコロナ、年度末関係ないので三月で終わってしまいます。新年度以降速やかに認証店おうえん食事券、こういった県独自の施策、まさに即効性のある消費喚起施策を求めますが、知事から答弁いただければと思います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 必要なものだと思っております。ただ、宮城県だけではなくても全国の皆さんが同じでありますので、国としてもGoToトラベルは今止めていますけれども、同じようなそういった認証店を応援するようなものについて国も考えているようでありますので、こういったようなものを全国知事会等が足並みをそろえてしっかりと国に訴えまして、まずは財源を確保しなければできませんし県の一般財源でできるような規模でありませんので、まずはその辺を見越しながら県としての独自の支援もできるかどうかということをよく検討してまいりたいと思います。いずれにしても必ず落ち着きましたら、なるべく早く、そういった経済対策というものを打っていかなければならないと強く意識しているところであります。 ○議長(菊地恵一君) 三十八番佐々木幸士君。 ◆三十八番(佐々木幸士君) ぜひ、国と調整を図りながら、いち早く実施していただきたいと思います。 それと同時に大切なのは県民へのメッセージ。かつて知事は県職員に対しても「県経済を引っ張る気概を持って会食してほしい。」と発言されました。今の時期はなかなか難しいと思いますが、そういったメッセージが民間企業に波及していくので、改めてそのタイミングの時には、ぜひそういったメッセージを発信していただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 非常にタイミングが難しいのですが、行けると思いましたら、まずは、隗より始めよで県職員にそういった活動をしてもらうように私からもお願いしたいと思いますし、私自らもそういうことをしてまいりたいと思います。昨日の夜、女房と二人で外食して御飯を食べました。お客さんはやっぱり少なかったですね。非常に責任を感じましたが、自らそういったようなことに努めてまいりたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 三十八番佐々木幸士君。 ◆三十八番(佐々木幸士君) 本当に令和三年度補正予算の編成も先ほどので第十一回、恐らく三月に第十二回、毎月一回予算編成がなされてきた状況でございます。そこの柱となって新型コロナ対応、また震災復興、村井知事をしっかりと支えてきたのが佐野副知事でございます。改めて、財政課長、環境生活部長、総務部長、そして副知事までお務めなされ、また、常々、我々平成十九年当選組の一九会の勉強会で御指導いただきました。改めて感謝申し上げます。これまでを振り返っての今後の県勢発展に向けた、残される私たちに対して最後にメッセージをいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。 ○議長(菊地恵一君) 副知事佐野好昭君。 ◎副知事(佐野好昭君) 私のためにこのような発言の機会をいただきありがとうございます。また、ただいまは、ねぎらいの言葉をいただき恐縮しております。私は昭和五十八年に入庁して以来、一般職として三十五年、副知事として四年、通算三十九年間、県職員として大変お世話になりました。この間、県議会との関係で一番思い出に残っているのは、やはり東日本大震災直後の対応です。大震災直後の予算特別委員会、本会議、大震災対策調査特別委員会などの執行部側出席者につきましては、執行部が震災対応に専念できるようにとの議会の御配慮で、村井知事、当時の三浦副知事、今野総務部長に財政課から課長の私と現議会事務局の藤田副事務局長の五人だけで、しかも、その五人の中でも分担しながらの出席となりました。これらの会議などで議員の方々から多くのお叱りもいただきましたが最後は必ずねぎらいと励まし、そして、一緒に頑張ろうと言葉をかけていただき、何もかもぎりぎりの状況の中で大いに勇気づけられ、「よし、頑張るぞ。」と思ったことを今も忘れることができません。その後も佐々木議員一九会の皆さんをはじめとして議員の皆様からの励ましのおかげで、部長、副知事として微力ながら大震災からの復旧・復興と県勢の発展に取り組むことができたことを誇りに思っております。今は、やはり災害と呼ぶべき新型コロナウイルスと闘っている最中であり、また、これからは誰も経験したことがない人口減少社会を迎えるわけですが、議会と執行部が力を合わせれば必ずや乗り越えられると信じております。最後に、退任まであと一か月余りありますが、これまでの御指導・御鞭撻に改めて感謝申し上げますとともに、宮城県議会のますますの御発展を祈念いたしまして御礼の答弁とさせていただきます。 長い間、本当にありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 三十八番佐々木幸士君。 ◆三十八番(佐々木幸士君) 終わります。 ○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。    午前十一時三十四分休憩-----------------------------------    午後一時再開 ○議長(菊地恵一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。二十六番境恒春君。    〔二十六番 境 恒春君登壇〕 ◆二十六番(境恒春君) みやぎ県民の声の境恒春でございます。質問に先立ちまして、このたびの新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた皆様に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、罹患された方々に心よりお見舞いを申し上げます。また、自らの感染リスクを顧みず、新型コロナウイルス感染症の対応に当たる医療従事者、医療機関の皆様に敬意と感謝を申し上げますとともに、感染拡大防止に日々御尽力されている村井知事はじめ、関係部局の皆様には心より敬意を表します。 今月、本県は誕生から百五十年を迎えました。一八七二年二月十六日、旧仙台藩を中心とした仙台県から改称する形で誕生した宮城県は、戦災や東日本大震災などの様々な自然災害に直面しつつも、県民一丸となり力を合わせながら幾度となく訪れる困難や苛酷な試練を乗り越えてきました。我々は、先人の英知とたゆまぬ努力により発展してきた宮城県を、誰もが心豊かに安心して暮らしていけるまちとして更に発展させ、次世代に引き継いでいく責任を果たしていかなければなりません。県民の命と暮らしを守り抜き、県勢発展の一助となれるよう決意を新たにするところであります。 議長よりお許しをいただきましたので、通告に従い大綱五点について会派を代表し、質問させていただきます。 大綱一点、知事の政治姿勢と来年度予算案について伺います。 知事は来年度の予算編成について、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の両立及び人口減少をはじめとした県政運営上の重要課題に的確に対応するため、新・宮城の将来ビジョンに掲げる宮城の将来像の実現に向けた取組の着実な推進、感染症対策と東日本大震災からの復興完遂に向けた施策に着実に取り組み、若者の県内定着や子供・子育てを社会全体で支える環境整備、外国人材の受入れ促進、本格的な人口減少局面を見据えた施策、脱炭素社会の実現やデジタル技術の活用に向けた取組に関して、積極的かつ重点的な予算編成を行う方針を示しました。また、知事は新年度予算の考え方について二月七日の定例記者会見で、今後急速に進む人口減少社会に対応するため、若者の県内定着や子供・子育ての社会全体での支援、外国人材の受入れ促進等に重点的に取り組むための予算のほか、復興の完遂に向けたきめ細やかなサポートや新たな日常の構築、抜本的なデジタル化への進歩など、ウィズコロナ、ポストコロナも見据えた予算案となっており、新型コロナウイルスの感染拡大で県民が大変な状況に置かれている中、様々な方々の願い、思いを詰め込み、優しさや愛にあふれたハートフルな予算にしたいとの思いを込めて、宮城の未来を育むハートフル予算とネーミングした、こういった趣旨を述べられました。ですが、上下水道と工業用水の運営権を一括して民間に売却するみやぎ型管理運営方式の導入、宿泊税の導入、広域防災拠点の整備、仙台医療圏四病院の再編、東京オリンピックの有観客開催、また、震災後を振り返れば被災者の医療費等の減免措置の打切りなど、時に県民に対する優しさを感じない県民置き去りの独断専行的な県政運営が目立つ場面があったことも事実であります。新年度予算編成に対し、宮城県の未来を育むハートフル予算と命名した知事の思いをどのような形で予算編成に反映したのか、また、県民から時に独断専行と受け取られる知事の政治姿勢について御自身はどのように捉え、今後県民目線に立った県政運営をどのように進めていくおつもりなのかをお伺いいたします。 財政の健全化と持続可能な財政運営の実現及び富県躍進に向けた予算重点配分の実現を主眼に策定をした第三期みやぎ財政運営戦略に基づき、歳入歳出両面にわたる対策を計画的に進めるとおっしゃいましたが、今後、県税収入などの一般財源の大幅な増加を期待できる状況にはなく、歳出面においても高齢化に伴う福祉・医療関係経費など社会保障関係費の大幅な増加や復興事業によって整備した各施設や設備の維持管理費、公共施設の老朽化対策費など増加が避けられない経費への対応が様々求められることから、今後厳しい財政状況が続くと見込まれます。また、厳しい財政状況に加え、今後の急激な高齢化の進展や人口減少などを踏まえた場合、慎重さや計画性を持ち得た上で新たな発想や視点から本県の財政基盤を強化し、重要施策の推進を図っていくことも重要と考えますが、本県財政の将来見通し及び将来を見据えた攻めの展開を軸とした財政運営について、知事の所見を伺います。 大綱二点、新型コロナウイルス対策について伺います。 新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大がいまだ続く中、本県におきましても過去最多となる新規陽性患者を確認し、県内全域において感染拡大が収まる兆しも見えない状況が続いております。政府は、今年一月新型コロナウイルス対策に係るまん延防止等重点措置を広島県、山口県、沖縄県の三県で先行適用し、その数は全国三十六都道府県に拡大。期限を迎え適用解除となる県もありますが、多くは期限延長となりました。本県では連日過去最多の新規陽性患者が確認されるなど、予断を許さない状況が続く中、まん延防止等重点措置の適用を国に求めることに否定的な立場を貫いております。知事は、重点措置を適用しても全国の感染者数の数字は下がっておらず、飲食店が主な感染拡大の原因ではない、協力金は飲食店が拡大の起因になっている場合に払うものとして適用要請を見送っております。私の地元である気仙沼市では、新型コロナウイルスの感染急拡大で市内の飲食店などが再び苦しい状況に追い込まれております。三陸新報社によると、今年に入り感染拡大とともに来店者が激減し、自主的に休業や営業時間の短縮を行う店が日を追って増加し、ゴーストタウンのように人影が消えております。認証店おうえん食事券などにつきましても、利用自粛が求められるなど我慢の営業が続いている現状にあります。飲食店の営業を認めながら認証店おうえん食事券の利用自粛や人数制限を客に求めるのは、矛盾した対応に思いますが、知事の認識をお伺いいたします。 夜営業を行う飲食店での来店者数減少は、酒販店などの関連業者にも影響を及ぼしております。みやぎ県民の声会派として知事へ緊急要請もいたしましたが、改めて宮城県全域でのまん延防止等重点措置の適用についての知事の考えを伺うとともに、飲食店対策を中心とした現在のまん延防止等重点措置を改め、実効性を伴う内容に改定するよう国に要請することを求めますが、知事の御所見をお伺いいたします。 また、二月一日より実施されている県独自の緊急特別要請については、県民への理解が進んでいないとの声もあります。不要不急の外出を控えること、自宅での感染対策の徹底、三回目のワクチンの早期接種など知事が二月十一日から十三日までの三連休の過ごし方について呼びかけましたが、私の地元である気仙沼市の道の駅では来客に変化はなく、同じく地元の南三陸町の商店街ではお昼時には駐車場が満車に近い状態になるなど、ふだんの週末と変わらない人出でありました。知事は、三連休で不要不急の外出自粛要請によって人流抑制を図り、感染拡大に歯止めをかけたい考えでしたが、その効果は極めて限定的であり、知事はワクチン接種についても想定より進まなかったとおっしゃっております。知事の声が県民に届きづらくなり、冷ややかな反応を示す県民が増えている背景には、県民に対しての強引な手法や県民の声、そして事業者の声に耳を傾けない姿勢が影響しているのではないかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 新型コロナウイルスの影響で売上げが減少した中小事業者等を支援する事業復活支援金が、今年一月三十一日より申請が開始となりました。事業者への支援をめぐっては、本県はまん延防止等重点措置が適用されておらず、飲食店が時短営業などに伴う協力金を受け取ることができません。したがって、感染拡大で利用客が減った飲食店や大幅な減収になった事業者を応援する制度である事業復活支援金を積極的に活用するように、事業者に給付を申請するよう呼びかけなければなりませんが、県民からは相談窓口の早期開設や手続の簡素化を求める声に加えて、対象に飲食店が含まれることを知らないなどの周知不足を指摘する声まで届いております。県として、国との連携による早急な対応及び対策を求めますが、知事の御所見をお伺いいたします。 滋賀県は一定の売上げが減少した事業者に対し、事業復活支援金に上乗せした県独自の支援金を支給するそうです。地域経済を下支えする県独自の経済対策を早急に検討すべきと考えますが、併せてお伺いいたします。 最後に、県が新型コロナウイルス新規感染の公表形式を簡略化したことに、気仙沼市をはじめ県内の自治体から戸惑いの声が出ております。簡略化した昨年九月、私も環境福祉委員会にて伊藤保健福祉部長をただし、詳しい情報を欲している県民からの問合せが多いことを伝え再考を求めましたが、個人情報保護の強化や保健所の負担軽減につながるとして見直す方針は示されませんでした。東北地方においては、新規感染者の公表に関して宮城県及び秋田県以外の四県で、患者ごとの形式を維持しております。気仙沼市の菅原市長はじめ、自治体や県民からの多くの声に対して、年代及び職業だけでも公表の見直しを図るべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 大綱三点、本県の医療政策について伺います。 県は、県民の医療に対する安心と信頼の確保、良質な医療が適切に提供される医療提供体制の確立を基本理念に、二〇一八年度から二〇二三年度までの六年間を計画期間とし、第七次宮城県地域医療計画を策定しました。本県の地域医療を取り巻く環境は、少子高齢化や人口減少の更なる進行。また、二〇二五年には団塊の世代が七十五歳以上の後期高齢者となって超高齢社会を迎えるなど、かつてないほどの大きな変化に直面しております。限られた医療資源の中で各地域の政策医療の課題を解決しながら、適切な医療や介護を将来にわたり持続的かつ安定的に提供していくためには、将来的に必要となる医療機能などを見据え、地域の医療機能の補完・連携を進めることが重要ですが、本県医療が抱える課題と対策について県の認識を伺います。 本県の医療政策における課題として、慢性的な医師の偏在問題があります。最も多くの医師を抱えるのは仙台医療圏であり、県全体の七〇%以上が仙台医療圏に集中しております。本県における医師の偏在問題が一向に解消されない原因についての課題と対策についてお伺いいたします。 現在、日本の病床は高度急性期病床を含む急性期病床が過半数を占めておりますが、高齢化が進み、リハビリや介護などの機能を持つ回復期病床の需要が高まっております。仙台医療圏における機能別の必要病床数は、急性期病床が現状及び二〇四〇年頃においても、地域医療構想に示す必要病床数を上回る状況にあります。その一方、回復期病床は必要数を下回っており、その不足を解消するため回復期への転換に係る支援を進めております。このような現状を踏まえ、本県の急性期病床や回復期病床の現状及び今後の見通しと対策、また病床数や病床機能の適正化について県の認識を伺います。 県は政策医療の在り方について、分野ごとの課題整理や検討に取り組み、がん医療については県立がんセンターのあり方検討会議からの報告書を踏まえ、救急医療、周産期医療、災害医療、新型コロナウイルスなどの新興感染症対策、精神医療といったがん医療以外の政策医療の課題解決の可能性も探りながら検討を進め、本県の地域医療が抱える課題の解決に向けた検討を行い、東北労災病院、仙台赤十字病院、県立がんセンターに県立精神医療センターを加えた四病院の今後の方向性について、新たな枠組みを示されました。県の方針では仙台赤十字病院と県立がんセンターを統合、東北労災病院と県立精神医療センターを合築。候補地は未定としておりますが、仙台赤十字病院と県立がんセンターを仙台医療圏南部、東北労災病院と県立精神医療センターを仙台医療圏北部と想定しており、誘致に名乗りを上げた名取市と富谷市がそれぞれ有力視されております。もともと病院がない地域と病院がなくなってしまう地域の住民感情についての理解と丁寧な説明が求められるはずであります。その中でも、県立精神医療センターの合築による富谷市への移転は問題が残ります。老朽化による早期建て替え、個室の空きがないことや身体合併症への対応などを理由に構想を進めておりますが、突然の計画変更で患者やその家族には不安が広がっており、県の説明不足によってその不安は解消されることもなく、患者不在の議論が進んでいるように思えてなりません。また、連合宮城や宮城県医療労働組合連合会は撤回や現地存続を主張し、県に提出した要請書では、精神医療センターは長い時間をかけてグループホームや社会復帰に向けた施設など地域との密接な関係を築いてきた、と指摘しております。患者やその家族への対応はもちろんのこと、長期に入院されている患者への対応、地域との密接な関係を築いてきた施設などに対して、県として丁寧な説明、そして対応が求められますが、知事の御所見を伺います。 地域医療を守る上での医療人材の育成と地域包括ケアの推進は必要不可欠です。東北地方における医師不足、医療崩壊の現状を踏まえ、東北地方の医療を将来にわたって担い、超高齢化社会における地域医療提供体制の構築に資することを目的に、東北医科薬科大学の医学部が新設され、今年はいよいよ一期生が医師として巣立ちの時を迎えます。地域医療と災害医療に対応できる総合診療医を養成する特色ある教育を構想に掲げ、医学部を新設したこの経緯の中で、地域医療の人材不足の解消が期待されますが、医師不足の現状を、かつて真っ暗なトンネルと例えた村井知事の卒業生に対する思い、また地域医療の人材が特に不足する総合診療、在宅医療、産科などの人材不足解消に向けた今後の取組についてお伺いいたします。 大綱四点、デジタル化の推進について伺います。 令和二年九月、本県は都道府県として初めてデジタルファースト宣言を発出しました。県として行政、産業、教育などの様々な分野におけるデジタル技術活用の重要性を踏まえ、官民を挙げたデジタル化推進の取組姿勢を示したものであり、デジタル化に関する県の政策を力強く推進することについての決意を表明するものであるとともに、各種施策を積極的に推進するための牽引力にするとの方針を示しております。宣言発出から一年半が経過し、コロナ禍を契機として様々な場面でデジタル化が急速に進展する中、デジタル化推進に係る本県のこれまでの取組状況についてお伺いいたします。 県は、新・宮城の将来ビジョンに掲げられた人口減少などの社会変化を踏まえ、官民データの利活用や手続のオンライン化など、宮城県の情報化を推進するための方針や指針を定めることを目的として、みやぎ情報化推進ポリシーを策定しました。重点目標として、最適化による県民サービスの向上、地域の課題解決と活力の創出、デジタル化による働き方改革の推進、この三つの柱を掲げておりますが、県民からは本県のデジタル化推進の柱や中心となる施策が分かりづらいとの声があります。例えば、二〇二〇年の世界電子政府ランキングで一位を獲得した世界トップクラスのICT教育先進国であるデンマークでは、全ての教育現場や学校生活における様々なシステムにICT環境を整備・導入し、世界で勝ち抜くための教育システムの構築と教育分野でのデジタル化を進めております。朝日新聞の記事によると、同国ではコミュニケーション、ツール、マテリアルの三つをキーワードとして、ICT教育が普及しています。そのうち一つ目のコミュニケーションでは、教師と子供、教師と親、学校と親の連絡体系はデジタルプラットフォームを用いて行い、出欠連絡などもアプリ上で操作。二つ目のツールは、タブレットやパソコンなどのICT機器の基本的な機能や操作、ICT機器を用いた情報収集やプレゼン資料の作成、IDやパスワードを利用したプライバシーの保護など、社会人となり自らの人生を歩んでいくことを念頭に置いたICTスキルの向上を目指すもの。三つ目のマテリアルは、ICT機器の基本操作を習得した上で、オンライン学習プラットフォームやデジタル素材のドリルなどを使って学習。テキストに加えて映像や音声つきで多角的に学び、学習の可能性を広げるICT教育となります。同国は小学三年生頃からパソコンやiPadを授業で活用しながらICTスキルを身につけ、政府や行政からの連絡も十五歳からはEメールで受け取るそうです。デジタル化を進めることにより子供たちの学習の進捗、得意・不得意も可視化でき、個別最適化した教育が実践されております。今後、子供たちはデジタル化された世界的な競争社会の中で生き抜いていかなければなりません。根拠となる情報を自らで探し、分析し、それに基づいて議論をする能力が求められます。ICT機器を使ったグループディスカッションなどによってスキルや経験を義務教育のうちから習得することは、子供たちにとって大きなメリットです。本県の子供たちがグローバル社会で活躍する人材に成長できるよう、教育分野におけるデジタル化推進を柱に据え、全国一のデジタル教育県を目指すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 デジタル人材の確保は急務です。今月、東京都はデジタル人材の育成方針を定めた資料、東京都デジタル人材確保・育成基本方針を公表しました。同資料によると、東京都の行政サービスをデジタルテクノロジーを活用してQoSを向上させていくに当たって、都庁内部にデジタル人材を確保し育成していくことが重要であり、都は今年度都政とICTをつなぎ課題解決を図る人材として、新たにICT職の採用を開始し、その能力向上のための研修を実施するほか、デジタルに関する豊富な知識・経験を有する高度専門人材を民間から積極的に登用するなど、多様な人材の確保を進めておりました。加えて、都政のDXはICT職や高度専門人材といった専門性の高い人材のみで進めるものではないとして、デジタルの専門職ではない事務職や土木職などの職員であっても、デジタルテクノロジーに関する理解を深め、それを使いこなせるようリスキリングを進めております。これらの職員が都におけるデジタル人材として連携して能力を発揮することで、QoSの高いデジタルサービスの実現につなげていく方針を示しております。本県としても東京都を参考にし、デジタルに関する豊富な知識・経験を有する高度専門人材を民間から積極的に登用するなど、デジタル化推進のため多様な人材の確保を進めるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 また、デジタルの専門職ではない職員であっても、デジタルテクノロジーに関する理解を深め、それを使いこなせるようリスキリングを進めるべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。 東京都は、様々な分野の業務を遂行する上で必要となるデジタル関連の能力を二十二個のスキル項目として設定。更にスキル項目ごとに四段階のレベルを設定するなどのデジタルスキルマップを導入し、一人一人のICT職がどのようなスキルをどのレベルで保持しているのかを可視化できるシステムを構築しております。人材育成について研修メニューなど強化すべきポイントの把握に活用するほか、それぞれのICT職の能力向上の取組をサポートし、人材の確保についてもどういったスキルを保有した人材を登用するかなど、採用にも活用していくとの方針。本県としても、東京都を参考にデジタルスキルマップの導入を検討すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 滋賀県では来年度当初予算編成方針において、現在が大きな転換期にあるとの認識の下、基本構想で掲げる人口減少を見据えた未来へと幸せが続く滋賀の実現を目指すべく、こころの健康、次世代・子ども政策、活力ある滋賀づくり、グリーン社会への挑戦の四つの柱を掲げ、その実現に向けコンテンツ開発、プロモーション、効果検証の予算配分は三対六対一の割合が最適とする、いわゆるサーロインの法則を用い、予算配分及びデジタル化を強力に推し進めるとしております。また、施策検討に当たってはEBPMに基づく政策立案、SDGsの達成に向けた施策の推進、多様な主体との協働の視点に加え「三は作る、六は届ける、一は測る」を踏まえたデジタルを活用した「届ける」という視点を意識し、施策の実現につなげるそうです。県は、来年度当初予算案に係る予算編成の中で、デジタル技術の活用に向けた取組に関し、積極的かつ重点的に予算化していく方針を示しておりますが、県政の重要課題に対して的確に対応するに当たりデジタル技術をどのように活用した予算化を考えているのか、また、滋賀県のようにサーロインの法則にのっとった県政運営や予算配分を行う考えはあるのか、お伺いいたします。 宮城県情報化推進ポリシーの重点目標の一つに掲げる最適化による県民サービス向上のうち、マイナンバーカードの普及及び活用促進につきまして、利用者や行政ともに手続の効率化に関するメリットが大きく、デジタル社会の基盤となるマイナンバーカードの普及と啓発に力を入れて取り組むとし、県は今年度の目標指数八〇%の普及を掲げておりますが、現在の交付状況及び仮に目標に達していないようであれば、その要因と目標達成に向けた方策についてお示しください。 本推進ポリシーにおいて、高速大容量回線や無線通信網など地域内外の交流や連携を支える情報通信インフラの整備を進め、デジタルディバイド対策を行うとのことですが、高齢者や障害者、地域間のデジタルディバイド問題は深刻です。県としての認識と具体策について伺います。 高齢化が進む日本においては、若者と高齢者との間にあるデジタルディバイドに対する課題意識が高まっております。県は高齢者のデジタルディバイド問題解消の施策として、高齢者を対象に市町村や関係団体と連携し、デジタル機器の操作教室やデジタル機器を活用したイベントの開催を通じて、デジタルスキルの向上を図るとのことでありますが、今年度から総務省が実施している高齢者等が身近な場所で身近な人からデジタル活用について学べる講習会などを推進するデジタル活用支援推進事業について、本県としての活用状況をお伺いいたします。 社会全体のデジタル化が急速に進む中、高齢者を取り残すことのない更なる支援策を求めますが、県の認識を伺います。 一人一人の多様な幸せを実現する誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を目指し、デジタル庁が発足してから半年が経過しようとしております。我が国のデジタル社会形成の司令塔となるデジタル庁創設によって、国では行政手続のオンライン化などデジタル時代にふさわしい官民のインフラを今後集中整備する方針を示しております。現場が抱える課題や地域のニーズなどを国に伝え、地域の声を踏まえたシステムの標準化や共同化など、本県のみならず我が国におけるデジタル化の更なる推進に向け、国と地方の一層の関係の構築を図るべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 大綱五点、復旧・復興事業の遅れについて伺います。 東日本大震災の発生から来月十一日で十一年が経過いたします。また、復興庁が設置されてから今月十日で十年を迎えました。村井知事がリーダーシップを発揮し、市町村や国及び関係機関と連携を図りながら県民の皆様と一丸となって復旧・復興に取り組んできたことで、復興のつち音が地域の至るところで聞こえるようになりましたが、被災者の心のケアや地域コミュニティーの形成など、復興の進展に応じ対応すべき課題はいまだ山積しております。その中でも復旧・復興事業の遅れは深刻さを増しております。震災後、県は二〇一一年度から二〇二〇年度までの十年間で復興を達成するとの目標を定め、宮城県震災復興計画を策定。宮城の将来ビジョンとともに県政運営の最上位計画に位置づけ、復旧にとどまらない抜本的な再構築などを基本理念として、復旧・復興に取り組んでこられました。そんな中、宮城の将来ビジョン、宮城県震災復興計画、宮城県地方創生総合戦略が昨年度で終期を迎えるに当たり、それぞれの理念を継承しつつ一つの計画に統合した後継計画として、新・宮城の将来ビジョンを策定。今後見込まれる社会の変化などを踏まえながら、将来の宮城のあるべき姿や目標を県民と共有し、その実現に向けて取り組むべき施策を明らかにすることを策定の趣旨としております。また、県政運営の基本的な指針として、県の施策や事業を進める上での中長期的目標に位置づけております。震災から十一年を迎える中、被災者の心のケアや地域コミュニティーの再生などのソフト面の取組についても、中長期的なサポートが求められておりますが、これまでの県としての復旧・復興の取組についてどのように評価・検証されているのか、また被災者の現状を踏まえた課題及び課題解決に向けた取組についてお伺いいたします。 今年度中の完成を予定していた復旧・復興事業のうち、堤防や防潮堤、河川などで県内六十か所、農地整備などでは十六地区の工事が遅れ、来年度に持ち越されることになりました。県は復旧・復興事業について、震災から十年となる昨年度の完成を目指しておりましたが、事業の遅れにより一年延長し、今年度内の完成を予定しておりました。しかし、隣接事業との施工調整等により水産林政部で三十三か所、福島県沖地震による手戻りや新型コロナウイルス感染症の拡大などの影響によって土木部で二十七か所、農政部でも同じく新型コロナウイルス感染拡大や他事業との調整によって十六地区の事業進捗に遅れが生じております。その中でも気仙沼市の蜂ヶ崎防潮堤など、人命に関わるインフラ整備の遅れについては、防災の観点から考えれば最優先で行わなければならない事業であり、また、人命に直接関わらないインフラ整備であっても、完成が遅れることは、人口の定着やなりわいの再生を目指す上で障害となり得るかと思いますが、復旧・復興事業の遅れについて、県の認識と今後の見通しをお伺いいたします。 昨年度に引き続いての復興予算の繰越しとなり、仮に来年度内に完成しない場合は、予算が打切りとなりますが、県としての認識をお伺いいたします。 以上で、壇上からの代表質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 境恒春議員の代表質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず大綱一点目、知事の政治姿勢と来年度予算案についての御質問にお答えいたします。 初めに、私の思いの予算への反映についてのお尋ねにお答えいたします。 私はかねてより、急激な人口減少、特に子供の減少や若者の流出は我が県の活力の低下や県勢の衰退につながるものとして大きな危機感を抱いておりました。この問題を直視し、できる限り先手先手で対応することが、今後の我が県の発展に必要不可欠なものと考え、若者の県内定着や子供・子育ての社会全体での支援、外国人材の受入れ促進などについて今回は重点的に予算化したところであります。また、喫緊の最重要課題である感染症への対応については、新たな日常の構築やデジタル化の推進など、ウィズコロナ、ポストコロナも念頭に置きながら、令和三年度補正予算との一体的な編成により、感染症の拡大防止や社会経済活動の再開などへの切れ目のない対応に配慮いたしました。これらの予算編成に当たっては、今まで以上に県民の皆様の様々な思いを酌み取るよう努め、宮城の未来を育むハートフルなものとなるよう心がけたところであります。 次に、私の政治姿勢と県民目線に立った県政運営についての御質問にお答えいたします。 私はこれまで県民の皆様との対話を通じてニーズや課題を共有し、多様な主体と連携しながら県政を推進してまいりました。そして反対意見や少数意見にも真摯に耳を傾け、常に全体の利益を考えて最終的な決断をすることがトップの責任であるとの信念の下、行動してきたところであります。今後とも、県議会や県民の皆様の御意見を十分に伺いながら、県政運営に全力で取り組んでまいります。 次に、県財政の将来見通しと将来を見据えた財政運営についての御質問にお答えいたします。 先日公表した中期的な財政見通しでは、従来からの課題である社会保障関係経費の増加に加え、老朽化・強靱化対策などを見込んだ結果、令和四年度以降毎年度百二十億円から百四十億円の収支不足が生じるものと見込んでおります。また、感染症の動向などによっては、更に収支不足が拡大する可能性もあると危惧しているところであります。こうした中、新・宮城の将来ビジョンに掲げる宮城の将来像を実現するためには感染症対策や復興の完遂に加え、人口減少や少子高齢化の進展といった社会構造の変化に伴う諸課題への対応など山積する課題に真摯に向き合い、取り組んでいく必要があります。このため、今後の財政運営に当たっては、みやぎ財政運営戦略第三期に基づき、民の力を最大限に生かしつつ政策効果の高い事業への重点化や行政運営のデジタル化、企業版ふるさと納税の活用をはじめとした更なる歳入確保などに取り組みながら、持続可能な財政運営と政策推進との両立に取り組んでまいります。 次に大綱二点目、新型コロナウイルス対策についての御質問にお答えいたします。 初めに、飲食店の利用に関する県の要請内容についてのお尋ねにお答えいたします。 認証店おうえん食事券につきましては、国のGoToEatキャンペーン事業の一環として発行されているものであり、感染状況がレベル二プラスまで拡大したため、国の運用方針にのっとり利用自粛の呼びかけを国に要請したものであります。また、感染拡大を抑制しながら社会経済活動を維持していくためには、営業継続を前提とした感染リスクの低減対策が必要であると認識しており、国の基本的対処方針に基づき、会食時の人数制限の呼びかけを行っているところであります。 次に、まん延防止等重点措置の適用可能性と措置内容を実効性あるものに改めるよう国に要請すべきとの御質問にお答えいたします。 今回の第六波においては、感染拡大の場面がより暮らしに近い教育・保育の現場や福祉施設、職場、家庭などへと変化してきており、飲食店に限った時短要請を主な内容とする現在の重点措置適用を国に要請することは現時点では考えておりません。また、オミクロン株の特性や感染拡大の実態を踏まえた効果的な対策が講じられるよう全国知事会等の場を通じて、国の基本的対処方針の見直しを求めているところであり、引き続き国の動向等を注視してまいりたいと考えております。 次に、外出自粛の要請や追加接種の呼びかけなどの効果と私の政治姿勢についての御質問にお答えいたします。 県の新型コロナウイルス対策に対しては厳しい御意見も含め、様々な声が寄せられているものと承知しております。私といたしましては、感染状況に応じた外出自粛やワクチンの追加接種などの対策は感染拡大防止に有効であると認識しておりますことから、県民の皆様の御理解・御協力が得られるよう引き続きお願いしてまいります。 次に、国の事業復活支援金についての御質問にお答えいたします。 事業復活支援金につきましては、事業者の皆様にしっかり活用していただけるよう東北経済産業局との情報交換など国との連携を密にし周知に努めるとともに、県としても新聞広告を繰り返し行い、更には宮城県行政書士会と連携し、支援金の申請に係る巡回相談の実施に向けた準備を進めております。また、国の申請サポート会場の県内への複数設置や申請書類の簡素化などについて全国知事会を通じ要望を行ってきており、今後も働きかけてまいります。 次に、県独自の経済対策についての御質問にお答えいたします。 県では事業者の事業継続に向けた支援は大変重要であると考えており、滋賀県をはじめ他県の取組事例についても把握に努めております。県といたしましては、飲食業や小売業等への需要喚起、事業の再起や再構築に向けた支援を行うとともに、県の新型コロナウイルス感染症対応事業者支援市町村事業補助金を活用し、市町村に地域の実情や事業者のニーズに応じた事業者支援策を講じていただけるよう働きかけてまいります。 次に公表形式の見直しについての御質問にお答えいたします。 新規陽性患者の公表につきましては、昨年九月から内容を簡素化し、陽性者ごとの年代や職業の公表ではなく、居住市町村や年代・性別・職業を取りまとめて発表する方法に変更しているところであります。変更の理由は、感染症法の規定に基づき、個人情報の保護に留意する必要があるとともに、公表について本人や家族に同意を得る保健所の負担に配慮したものであります。なお、引き続き感染状況を効果的に周知することによって、注意喚起を行い、感染拡大の防止に努めてまいります。 次に大綱三点目、本県の医療政策についての御質問にお答えいたします。 初めに、我が県の医療が抱える課題と対策への認識についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の医療政策上の課題としては、少子高齢化が進む中での疾病構造や医療ニーズ、働き手の確保など医療を取り巻く環境変化への対応であると認識しております。県といたしましては、限られた資源の中で今後も持続的かつ安定的な医療提供体制を構築していくために、その地域にふさわしいバランスの取れた医療機能の分化と連携を推進していくことが重要であると考えております。 次に、仙台医療圏への医師偏在の原因と対策についての御質問にお答えいたします。 仙台医療圏への医師の集中は、仙台市への医療機関の集積、東北大学を中心とする教育研究機関の存在などが要因と考えております。県としては仙台市以外への政策的医師配置に取り組んでおりますが、今後、東北医科薬科大学の卒業医師により医師不足が顕著な地域へ配置可能な医師数も増加することから、自治体病院等の要望をお聞きし医師の偏在解消に取り組んでまいります。 次に、急性期・回復期病床の現状や今後の見通し等についての御質問にお答えいたします。 地域医療構想では、県内全ての医療圏で現在及び将来の必要病床数に対し、急性期病床は余剰が生じる一方、回復期病床は大幅に不足するため、急性期の削減と回復期の確保が今後の課題となっております。そのため県では、急性期から回復期への転換などにより病床の適正化を図るための財政的支援をしており、引き続き地域医療構想の実現に向けて取り組んでまいります。 次に、精神医療センターに関わる患者や家族、施設等に対する丁寧な説明と対応についての御質問にお答えいたします。 精神医療センターの患者や家族などへの説明については、今後立地場所などの検討が進んだ段階で県立病院機構と連携しながら、丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。県といたしましては、老朽化している施設を早期に建て替え、全室個室化や身体合併症にも対応できる医療体制を実現することが第一の課題と考えておりますが、精神医療センターが移転した場合に想定される影響については、関係者との意見交換により様々な御意見や御指摘をいただいているところであり、患者や家族の方々が必要なサービスを継続して受けられるようできる限りの配慮をしてまいります。 次に、東北医科薬科大学の卒業生に寄せる思いと特に不足する診療科の人材不足解消についての御質問にお答えいたします。 東北医科薬科大学医学部がこの春第一期生を輩出することは非常に喜ばしく、また、卒業生が我が県への愛着を深め、大いに力を発揮されることを期待しております。今後も幅広い診療能力を持つ総合診療医などの育成を支援するほか、産婦人科や小児科など特定診療科への従事を促すなど関係機関と連携をしながら、我が県の地域医療の人材不足解消に取り組んでまいります。 次に、大綱四点目、デジタル化の推進についての御質問にお答えいたします。 初めに、デジタルファースト宣言以降の取組状況についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、昨年度九月に行ったデジタルファースト宣言を踏まえ、今年度四月にみやぎ情報化推進ポリシーを策定し、組織体制の強化や予算の拡充も図りながら、全庁でデジタル化の推進に力を入れております。具体的には、オンラインによる県税の納付や施設の利用予約、デジタルマーケティングの手法を活用した県産品の販売促進など、今年度からサービスを開始し一定の成果を上げている取組もあるほか、許認可などの行政手続を電子申請から電子納付までワンストップで行うためのシステム構築などにも取り組んでおります。 次に、民間からの人材確保と職員のスキル習得についての御質問にお答えいたします。 県では民間からの高度専門人材の活用として、デジタルみやぎ推進アドバイザーをお迎えし、デジタル技術の活用について日常的に相談できる環境を整えているほか、研修の講師としても職員のICTスキル向上に協力をいただいております。また、大学や大手IT企業などから講師を招いた講演や研修機関で実施される専門研修、様々なレベルでのeラーニングなど、幅広いメニューを用意してデジタル人材の育成に努めております。今後は、日々進展するデジタル技術に対応するため、国や他の自治体の事例も参考にしながら、多様な人材の確保の在り方について更に検討を進めるとともに、長期的な視点に立って研修メニューの体系化や研修内容の更なる充実を図ってまいります。 次に、デジタル関連の能力や習得レベルを可視化するシステムの導入についての御質問にお答えいたします。 デジタル関連業務に従事する職員の専門知識や技能の向上のためには、一人一人の能力を的確に把握することが必要であり、例えば各種研修の受講履歴や資格取得の状況などにより、体系的に能力を可視化することが有効であると考えております。今後、他の自治体の取組も参考にしながら課題や効果を検証し、我が県としての対応を検討してまいります。 次に、当初予算におけるデジタル関連事業とデジタル化の推進に向けた予算配分や施策検討についての御質問にお答えいたします。 新年度の政策財政運営に当たっては、あらゆる分野においてICT等デジタル技術をフルに活用することを基本に、全庁で具体的な施策の検討を重ねてまいりました。また、当初予算の編成方針において事業効果の改善等が期待できるデジタル技術の活用経費等については、優先的に予算措置を行う旨を明記し、関連する事業を積極的、重点的に予算化いたしました。主なデジタル関連事業としては、5G技術を活用した実証実験、県内企業のデジタル化支援、スマート農林水産業やオンライン教育の推進、AIマッチングシステムを活用した婚活支援などを予定しており、その周知にも力を入れてまいります。今後も各分野にデジタル技術の活用を広げながら、その恩恵を広く県民の皆様に享受していただけるよう実効性のある取組を推進してまいりたいと考えております。 次に、マイナンバーカードの交付状況と目標達成に向けた方策等についての御質問にお答えいたします。 我が県におけるマイナンバーカードの交付率は先月末時点で四一・一%となっており、目標には届いていないものの昨年度末時点の二七・二%からは一三・九ポイント増加しております。目標達成に向けた課題としては個人情報の漏えいを心配される方々が依然としてかなりの割合でおられるほか、具体的なメリットなどカード取得に対する魅力が十分には浸透していないことなどが挙げられます。国では健康保険証としての利用も可能とするなどサービスの拡大を図るとともに、マイナポイント付与の拡充などにより更なる普及に力を入れております。県といたしましても、新年度からはイベント会場に出張ブースを設けて県民の皆様に取得を働きかけるなど、市町村と連携を図りながら取組を一層強化してまいります。 次に、デジタルディバイド問題への認識と対応策についての御質問にお答えいたします。 誰もがデジタル化の恩恵を享受するためには、デジタルディバイド解消に向け、継続的に対応していくことが重要と認識しております。高齢者の方々に対しましては国のデジタル活用支援推進事業に加え、来年度は県としても各地でセミナーを開催するなど取組を強化してまいります。また、障害のある方々に対しましてはIT機器の操作に加え、障害に応じた支援ソフトを活用して情報収集できるようみやぎ障害者ITサポートセンターにおいて、訪問講習や相談などの支援を行っております。更に来年度は、携帯電話不感地域解消に向けた調査事業を実施するほか、宮城FreeWi-Fiの設置箇所を拡大することとしており、今後も地域間のデジタルディバイド対策に取り組んでまいります。 次に、国のデジタル活用支援推進事業に関する県内の活用状況と高齢者への更なる支援策についての御質問にお答えいたします。 国のデジタル活用支援推進事業は、高齢者等を対象に行政手続や民間サービスの利用方法について講習会を開催し、助言や相談などの対応を行うものであります。国では令和七年度までに延べ一千万人の参加を目指しており、都道府県ごとの参加者数など詳細は公表されていないものの、県内においても携帯電話の販売店などで広く実施されております。県としても来年度から、例えばオンラインショッピングや家族・友人とのコミュニケーション、囲碁・将棋といった趣味など高齢者の皆様が生活に身近なデジタル技術を気軽に学べる新規事業を立ち上げることとしており、国の事業とも連携を図りながら更なる支援に努めてまいります。 次に、国と地方の連携強化についての御質問にお答えいたします。 国が年末に取りまとめたデジタル田園都市国家構想関連施策の全体像においては、デジタル基盤の整備や地方におけるデジタル技術の実装などの四つの取組を柱に据え、持続可能な経済社会を目指すとされております。県といたしましては、この構想の実現に向けて国や市町村との緊密な連携の下、地域の課題を丁寧に把握し、新たに創設されたデジタル田園都市国家構想推進交付金も積極的に活用しながら、県内各地での展開を図ってまいりたいと考えております。 次に、大綱五点目、復旧・復興事業の遅れについての御質問にお答えいたします。 初めに、復旧・復興事業の評価・検証と被災者の課題解決に向けた方策についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、これまでの復旧・復興事業について、宮城県震災復興計画の体系に基づき検証を実施しており、ハード面については震災復興計画で目指してきた復興の姿をおおむね達成しつつある一方で、被災者の心のケアや産業・なりわいの再生などのソフト面については、今後も中長期的な対応が必要な状況であると総括しております。また、国においても第二期復興・創生期間以降における東日本大震災からの復興の基本方針に基づき、事業の進捗に応じた被災者支援を継続することとされております。県といたしましては、今年度からスタートした新・宮城の将来ビジョンに被災地の復興完了に向けたきめ細かなサポートを掲げ、心のケアや産業・なりわいの再生などに全庁一丸で取り組むこととしており、国、市町村、民間団体等と連携しながら、地域の実情に応じた丁寧かつ継続的な支援を行ってまいります。 次に、ハード事業の遅れについての御質問にお答えいたします。 東日本大震災に伴う復旧復興事業につきましては、今年度の全箇所完成を目指し全力で取り組んでまいりましたが、一部の事業につきましては隣接する事業との施工調整や現在も続く新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響などから更に遅れが生じ、年度内の完成が困難となったものであります。これらの事業は防災やなりわいの再生などに重要な役割を担っており、誰もが生き生きと暮らせる安全・安心な地域を形成するために一日も早く完成させることが必要であると認識しております。県といたしましては、津波から県民の生命と財産を守る防潮堤や地域の社会・経済活動を支える道路・漁港施設などのインフラは、次世代に安全・安心に引き継ぐためにも確実に完成させることが大切であると考えており、引き続き早期の事業完遂に向けて全力で取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱四点目、デジタル化の推進についての御質問のうち、全国一のデジタル教育県を目指すべきとのお尋ねにお答えいたします。 みやぎ情報化推進ポリシーにおいてはICTを活用した教育環境を整備し、教育の情報化を進めることを行動指針の一つとして掲げており、教育分野におけるデジタル化の更なる推進が重要と考えております。県教育委員会では、これまで各種機器の整備を進めるとともに、教員のICT活用指導力の向上に努めるなどICTを活用した教育の質の向上に取り組んできたところです。現在策定中の次期みやぎの教育情報化推進計画においては、教育用グループウエアやAIドリル等の活用により、児童生徒の情報活用能力の向上を図りながら、個別最適な学びと協働的な学びの取組等を推進することとしており、今後もデジタル教育の一層の推進に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 二十六番境恒春君。 ◆二十六番(境恒春君) 御答弁ありがとうございました。 新型コロナウイルス対策につきまして、まん延防止等重点措置が適用されない県内の飲食店に対して、知事の考えとして、制限はないから自由に営業して稼いでください、こういう認識でよろしいんでしょうか。私の地元、気仙沼市の夜の街、全く人が出ておりません。感染拡大によって、長期にわたって客足が途絶えている、そういう状況にあります。こういう状況で商売だとか生活が成り立つのでしょうか。知事は市町村に対しての助成について更なる支援策を早期に示したい、そういう答弁をされておりましたけれども、今日だとかあしただとか、もう今の生活すらままならない状況にある事業者に対して、やはりここは県独自に事業復活支援金に更に上乗せ給付するなど、六月定例会までにと言わず、早急な緊急的な支援策、これが必要だと考えますが、知事、いかがですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これはもう飲食店だけではなくて運輸業にしてもその他のいろいろな事業者、多くの方が影響を受けているということでございます。繰り返しになりますけれども、まん延防止等重点措置というのは蔓延を拡大しないために、防止するためにというのが最大の目的でありました。それが飲食店に起因するということであれば、飲食店に時短をお願いをすると。そしてその結果感染を抑えていくということで、目的が経済対策では決してないということは御理解いただきたいと思います。もうそろそろ二月が終わろうとしてますけれども、二月に入りましてから飲食店を起点とするクラスター、今ゼロです。したがって、そういう中で飲食店の皆さんに時短をお願いするというのは、ほかの事業者の皆さんのことを考えましても難しいと判断したということであります。県独自でというのも考えはいたしましたけれども、当然そうなりますと非常に時間がかかってしまうということ、また手続が非常に煩雑になってしまう。国から来ております交付金を活用して、今、市町村がいろいろ独自に考えておられて、これは市町村が一番事業者の皆さんに身近でよく分かっておられますので、そういったものを県が後ろから支えることで応援をしていくということが非常にいいのではないかと考えているということです。議会に予算を諮るのは当然もう六月議会ということになりますけれども、今既に調整を始めてまして、市町村にどれぐらい配分すればいいのかということをできるだけ早くお示ししたいと思っておりますので、県の財政もありますけれども、勝手に私のほうが配ればいいということではなく、受け取る側の問題もあります。この間の予算特別委員会で答弁いたしましてからすぐに指示をいたしまして、この辺は市町村とも調整をしておりますので、できるだけ早く市町村に対して幾ら位渡せるかということをお諮りしたいと思います。それをベースに市町村のほうで計画を立てていくということです。それから、これで全て終わりではなくて、当然先ほどの佐々木議員の質問にもお答えしましたけれども、その他の経済対策というのもこれまた当然考えていかなければならないと思っております。これは大変な財源が必要になってまいりますので、これについては全国知事会を通じて国とよく調整いたしまして、そして早め早めに対策を打っていきたいと思ってます。したがって事業復活支援金に上乗せするだけが方策では決してない、いろいろなことを考えて対策を取っておりますので、そこは御理解いただきたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 二十六番境恒春君。 ◆二十六番(境恒春君) 今の知事の答弁でいろいろな支援策を考えているということなんですけれども、とにかく今、今、大変なんです。ぜひ早急な対策を求めたいと思いますので、重ねてお願いしたいと思います。 ちょっと切り口を変えますけれども、気仙沼市では事業復活支援金、商工会議所でも事前確認の対応をしているんですけれども、確定申告の時期と重なっていて業務過多なんです。人手が足りていないんです。そしてまた国のサポートセンターが仙台市にしかないので、気仙沼市からわざわざ行かされている、こういう事業者もいるんです。県として、この現状は把握してますか。 ○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長千葉隆政君。 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 国のほうで今回、事業復活支援金に係る登録確認機関というのを設けております。それで気仙沼市の場合ですと全部で十八機関ございます。気仙沼市の商工会議所のほうからもかなり多忙でなかなか手が回らないというお話は聞いておりますので、県としても商工会議所以外にもそういった機関があることをしっかりとPRしたいと思いますし、あとは県の地方振興事務所だったり、そういったところでも入り口段階での相談のほうにはしっかり対応するようにしたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 二十六番境恒春君。 ◆二十六番(境恒春君) 例えば石巻市だとか仙台市以外の市町村にもサポートセンターがあれば、多少なりとも事業者の負担軽減につながるのではないかなと思いますけれども、知事、いかがですか。 ○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長千葉隆政君。 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) サポートセンターについては、一昨年の持続化給付金の場合も国のほうで何か所か設けたというところもありまして、多ければ当然いいものですから、私どものほうからそのように国に対してお願いをしているところでございます。ただ、国の判断といたしまして、逆に登録確認機関のほうをしっかり御活用いただきたいというところもございます。あと、それ以外に相談対応のために、今、行政書士会と巡回相談とか、そういったようなところも検討しているところでございます。 ○議長(菊地恵一君) 二十六番境恒春君。 ◆二十六番(境恒春君) 行政書士会の話も出ましたけれども、とにかくスピーディーな対応と対策を求めます。 大綱三点目に移らせていただきます。 本県の医療政策につきまして、二〇一八年に国が導入した新専門医制度において、高齢社会の地域医療の柱となる総合診療専門医の成り手が依然として不足しています。東北医科薬科大学の卒業生は、東北そして本県の地域医療を担う人材でありまして、今後総合診療専門医としてぜひとも活躍していただきたいと思うんですけれども、県としてはこれまで地域医療を担うための医師育成の仕組みづくりに、どのように関与してきたのか、そしてまた総合診療専門医を目指す医師が育つ環境というのはちゃんと本県において整備されているのか。知事、いかがですか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 御指摘の専門医としての総合診療医の育成は本県の地域医療の底上げと担い手確保に非常に重要だと思っております。東北医科薬科大学で今春初の卒業生が出ますけれども、大学としても総合診療医の育成に力を入れておりますので、県としても引き続き協力して、ちょっと時間はかかりますけれども、今後、総合診療医の育成に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 二十六番境恒春君。 ◆二十六番(境恒春君) 国が導入した新専門医制度とちゃんとリンクするようにという話ですからね、よろしくお願いします。 ちょっと時間がないので次いきます。 デジタル化の推進のところなんですけれども、県は高齢者のデジタルディバイド問題解消の施策として、高齢者を対象に市町村、関係団体と連携して、様々なイベント開催だとかを通じてデジタルスキルの向上を図るということでありますけれども、積極的に参加される方、そしてデジタルに対して興味が持てなくて消極的な方だとかそしてまた健康状態が悪くて参加ができない方、こういった偏りが生じる、こういったことも懸念されるわけであります。県内の高齢者からは個人情報の漏えいや詐欺だとかの被害に遭いそうで不安だ、そして自分の操作ミスや知識不足が原因で加害者になることが怖い、キャッシュレス決済が信用できない、いろいろな不安の声が寄せられています。デジタルに苦手意識を持つ方も多く見受けられました。ただ一方で、新型コロナウイルスのワクチン接種の予約の電話がつながらなくてオンライン予約に挑戦し、これができたことで自信につながったと。三回目接種の予約は前回の予約情報が保存されていたから簡単だった、こういう前向きな声が聞かれたというのもやはり事実なんです。こういった声に対して、県としてはどういうふうに捉えてデジタルディバイド対策に結びつけるのか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 企画部長志賀真幸君。 ◎企画部長(志賀真幸君) 来年度の高齢者向けのデジタルディバイド対策事業として、各地でセミナーをやるようなことも考えてますけれども、同時にある程度エリアを見つけてモデル的にやるようなことも考えていきたいと思ってます。その中では必ずしも積極的に参加してくださる方という視点だけではなくて、いろいろな方がいらっしゃると思いますので、例えば関心のない方だとかなかなか身近にITに接する機会がないような方などもお招きするような仕組みを考えまして、今御紹介いただいたような成功体験を積んでいただいて、ぜひITに身近な可能性を感じていただきたいなと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 二十六番境恒春君。 ◆二十六番(境恒春君) 昨年の七月に都道府県別のデジタル度ランキング、これを野村総合研究所が発表したんです。野村総合研究所が都道府県別のデジタル度を可視化するために、デジタル度の調査を行っているんです。ランキングをつけているんですけれども、トップが東京都、次いで神奈川県、埼玉県となり、首都圏がトップスリーを占めてますけれども、知事、本県の順位を御存じかどうか分かりませんけれども、本県は二〇二〇年一月で最下位ですから。最下位です。残念ながら。ただ、今回の調査だと二十四位に急浮上してます。知事、この結果をどう受け止めますか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 統計というのは取り方によって順位が大きく変わりますので、それでその一つの統計を取って、それで一喜一憂する必要はないと思いますけれども、同じ統計の取り方をして、最下位から二十四位まで上がってきたということでありますので、施策としては、方向性としては、間違ってないと捉えていいのかもしれません。しかし、それでも決して上位ではないと思います。企画部長が言いましたけれども、先ほど紹介されたように、やってみたらできた、ちょっと自信を持てたということで、このように取り組んでもらえるように、セミナーでいろいろ説明するだけではなくて、参加する人はもともと意識の高い方なので、そういった方ではなくて、もうデジタルというだけでのけぞってしまうような方にちょっと触ってもらう、やってもらうという工夫を考えていく必要があるだろうなと思っております。そこは非常に大きな課題だと思っておりますので、そういう姿勢で取り組んでいきます。 ○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。    午後二時十二分休憩-----------------------------------    午後二時三十分再開 ○議長(菊地恵一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。一番金田もとる君。    〔一番 金田もとる君登壇〕 ◆一番(金田もとる君) 日本共産党宮城県会議員団の金田もとるです。会派を代表して質問いたします。 大綱一点目、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 オミクロン株の急拡大で、まん延防止等重点措置が出された都道府県は三十六都道府県を数えましたが、宮城県は知事の判断で重点措置の適用申請は行わないできました。国も県も強い感染力を持つ変異株の特徴を踏まえた包括的対策を打ち出せていません。新たな感染の波から国民の命と生活、中小企業等の営業を守る政策をパッケージで示すことを求めて、以下、質問に入ります。 日本における三回目のワクチン接種率がいまだ一七・八%にとどまっています。これは、政府が医学的な根拠もないままに二回目接種との間隔を原則八か月以上とした当初方針を年明けまで続けたことが響いています。県は市町村に接種計画の前倒しと県民に対しての早期接種を呼びかけています。しかし、対象者によって二回目接種からの経過日数の扱いが異なっていることやファイザー社とモデルナ社の供給量のアンバランスもあって、各市町村のワクチン供給に対する不安は解消されず、ワクチン必要量の確実な供給について市町村との間で情報や認識のずれも指摘されています。県は追加接種の時期を本年九月三十日までとしていましたが、二月二十一日時点での接種率は一九・一%となっていました。県が計画したテンポからも遅れています。今日の午前中の知事答弁では、六十五歳未満の対象者も含めて五月中を目途に終了できるようにとありました。接種テンポを上げて、かつ六月以降の接種予定だった方についても前倒しで終えられる見通しなのか、伺います。お答えください。 日本共産党が当初より訴えてきた無料でのPCR検査等の実施が、ようやく県内でも一月一日から感染拡大傾向時の一般検査事業として開始されました。二月十四日時点で県内七十九か所の事業所で検査が受けられるようになっていますが、全国的な検査資源、検査キット等の不足から各事業所での一日当たりの検査数が制限され、数店舗をはしごしても検査が受けられないという事例も発生しています。感染が下火になっていた昨年十月から十二月の間に検査体制の拡充、検査能力の拡大を怠っていた政府の責任が、ここでも問われています。更に、無料でのPCR検査等で無症状の人たちが陽性と判定されても、その後に医療機関で確定診断を受けるまでに時間が相当かかって困っているという声もお聞きしました。宮城県のいわゆる発熱外来、診療・検査医療機関は、直近二月十八日時点の公表では三百九十三医療機関となっています。担当課からは非公表も含めると六百一か所とお聞きしました。全国的にも医療機関でPCR検査を受けてから結果が出るまでの期間が延びています。より迅速な診断、その後の隔離、療養を円滑に進める上では、県内でも診療・検査医療機関をもっと増やす必要があります。いかがでしょうか、伺います。 現在、診療・検査医療機関は大変厳しい状況に置かれています。医療提供体制確保支援補助金は昨年九月末で受付が終了しました。年末にはPCR検査の保険点数が大幅に引き下げられ、院内で検査をやろうとすると、人件費も含めるとやればやるほど赤字になる。更に、現在ある加算措置もこの四月の診療報酬改定で算定基準が厳しくなり、実際に算定できない医療機関が続出するとの悲鳴が上がっています。一方で、ワクチン接種や本来保健所が担うべき自宅療養者への医療支援も求められ、通常診療に支障を来す医療機関も出ています。ある診療所の医師は、「しっかりコロナに対応するためには、国の財政的な後ろ盾が必要。診療報酬の引下げは言語道断だ。検査や医療をやればやるほど赤字になる状況を何とかしてほしい。」と語っています。国に補助金の再開や保険点数を直ちに元に戻すことを求めること。更に、県内の診療・検査医療機関を増やす上では、現在ある感染症発生時の経営支援補助金のみでは不十分です。この補助金は当該医療機関で感染症の患者等が発生し、外来診療、入院診療の休止、縮小を余儀なくされた場合の補助金でしかありません。診療・検査医療機関を支援する追加措置を求めます。お答えください。 国が感染急拡大している地域での陽性者の扱いについて、症状に応じて宿泊療養、自宅療養として差し支えないとしたことを受けて、宮城県でも一月二十八日から三十九歳以下で重症化リスクが低いと判断される患者については、原則自宅療養としました。その後、変更しております。第五波では自宅療養者に医療や支援の手が届かないままに不幸な転機に至った方が全国で二百人を超えました。宮城県では最悪の事態に至った事例の報告はありませんでしたが、引き続ききめ細かな対応が求められています。県が開設した自宅療養者フォローアップセンターは、現在委託業者が札幌市内で看護師十人を含む三十人体制で電話でのフォローアップに当たっています。仙台市は自宅療養者へのケアを強化するとして医師や看護師による夜間の電話相談を開始し、自宅療養者を訪問する健康観察支援チームの体制も厚くしました。仙台市以外の全ての市町村でもそうした対応ができるよう県が積極的に市町村へ必要な情報を提供し、地域医師会とも協力して自宅療養者へ迅速で適切な医療提供が可能となる仕組みをつくるべきです。県内首長からも必要な情報提供を求める声が上がっています。知事いかがですか、お答えください。 今、政府は主に重症者の数をいろいろな判断基準の基本に置いています。知事も同じ考えのようです。オミクロン株はデルタ株に比べ重症化率が低いとされ、軽症例が多いことが強調されてきましたが、新型コロナウイルス感染症による死者は二月に入ってから二十二日までに六千五百二十人と急増しています。オミクロン株の特徴の一つに、重症とカウントされる前に亡くなる方が多いということがあります。二月十四日に県は自宅療養中の子供から高齢者への感染など家庭内での感染が増加しつつあり、病床が逼迫する一因となっていることから、新たな感染を抑制するために新型コロナ陽性者については原則宿泊療養とする方針に再転換しました。家庭内感染を防ぐ上での判断としては賢明な判断だと思います。現状、宿泊療養施設に空室の余裕があるので判断できたが、今後余裕がなくなれば改めて自宅療養の方針に戻すとも報じられていました。宿泊療養施設については最大時二千六百室を目標にして、二月十四日の時点では一千七百十室確保ということですが、今後も原則宿泊療養の方針を変えずに済むよう必要な施設数を確保することを基本にすべきです。知事のお考えを伺います。 保健所体制の強化について伺います。 直近、一月三十日の対策本部会議でも保健所体制については応援体制の強化にとどまっていました。恒常的な人員増について政府は二〇二一年度予算で保健所で感染症対応に従事する保健師数を一・五倍に増やす方針を打ち出しましたが、その内実は全国の保健所一か所当たりに直せば二〇二一年度に一人、二〇二二年度にもう一人増やすという規模でしかありませんし、宮城県においても現にその範囲内での増員にとどめられています。現場の要求も聴きながら、臨時採用や応援派遣によって保健所の緊急増員を図るとともに増やした職員を定員化し、正規職員の恒常的な増員につなげていくことが重要です。東京都の墨田区保健所は昨年の第四波に際して感染症対応の人員を定員の十倍に当たる百人に、第五波では百二十五人にまで増やして重症者、死亡者をゼロに抑え全国的に評価されています。こうした規模での体制強化が求められています。県として保健所の人員を最大限に確保し、住民の命と健康を守る取組を進めるとともに職員の抜本増のため国費を投入せよと国に求めていただきたい。知事いかがですか、お答えください。 栗原保健所と登米保健所の支所化について伺います。 二月十四日付で令和四年度組織改編について通知されました。当該自治体、地域住民の反対を押し切って、コロナ禍の下で登米と栗原両保健所の支所化が強行されようとしています。この間、栗原保健所へは一日当たり八人から九人の体制強化、登米保健所へは同じく七人から十人の体制強化でコロナ対応をされています。本所となる大崎保健所へも八人から十人、石巻保健所へは二十一人から二十六人もの体制強化を行っています。全県的にコロナ感染が広がる中で両保健所の支所化に向けた人員配置の検討、事務分掌の検討作業はどこまで進んでいるのでしょうか。現状からいって支所化は中止し、文字どおり新型コロナ対応を最優先にした業務運営の再徹底に全力を尽くすことこそが求められていると思います。知事は支所化の中止を決断すべきです。いかがですか。 事業者支援策について伺います。 知事はまん延防止等重点措置の申請を行わないことに関して重点措置の実効性を問いながら、今回は飲食店が起因となって感染が爆発的に広がっているわけではないし、時短要請に伴う協力金は経済対策ではなく感染防止のためのものと繰り返し発言してきました。国の制度設計自体に問題がある、こういう認識に立つのであれば県独自でもっと事業者に対する支援策、経済対策を押し出すべきです。今議会の十号補正で知事は、県の補助金という形で市町村にお渡しし地域の特徴に合わせた独自の施策を進めてほしいとして十億円を計上しました。しかし、予算特別委員会の総括質疑でもこの前段の代表質問の中でも指摘がありましたが、支援予算額が回を重ねるごとに薄くなっていることは問題です。知事からは市町村からも引上げをとの声が上がっており六月補正で上積みを考えているとの答弁がありましたが、予算規模はどれくらいで考えておられるのか、お答えください。 飲食店が爆発的な感染の起因となっているわけではないとしながら緊急特別要請では認証店おうえん食事券、GoToEat食事券の利用を控えること、同一グループの同一テーブルでの五人以上の会食を避けることが呼びかけられ、飲食店に関わる要請は重点措置と変わりません。三連休中のステイホームの呼びかけも不興を買いました。全国ではこれ以上の感染拡大を防ぐためとしてまん延防止等重点措置の適用が広がりました。重点措置の実施区域では休業支援金・給付金、小学校休業等対応助成金の支給上限額も引き上げられます。十七日には岸田首相が感染した入所者がいる高齢者施設への補助金を一人当たり最大十五万円から三十万円に倍増させると表明されました。使える制度は全て使って感染拡大を抑えることや、事業者をはじめ県民への支援を行うことに力を尽くすべきです。実態に応じてこれからでも重点措置の適用を国に求めるべきです。いかがですか。 また、県として中小企業等再起支援事業や時短要請等関連事業者支援金のような中小企業を支援する事業を改めて構築し、速やかに実施することを求めます。決してばらまきと言われることはないと思います。知事いかがですか、併せて伺います。 大綱二点目、コロナ禍の下での四病院の再編・統合議論の中止を求めて質問いたします。 急激な感染拡大に際して日本の医療提供体制の貧弱さが改めて浮き彫りになっています。地域医療構想による病床・医療体制のリストラを政府は撤回すべきです。昨年十一月、政府はコロナ患者の受入れ病床を昨夏第五波時の三割増しで確保することを各都道府県に指示。宮城県は新年度、医療提供体制整備費四百四十一億円を計上しました。一方で地域医療構想については新興感染症対策を位置づけることを指示しながらも、至上命題である病床削減方針はそのままとされています。二〇二〇年度、コロナ禍にさらされる中、全国で地域医療構想に基づいて三千四百床が削減されました。宮城県では五病院で百五十三床の病床が削減され、病床機能再編支援費二億五千九百万円は全額国費、二〇二一年度も三病院八十七床を削減、同支援費一億五千六百万円は消費税が財源とされました。二〇二二年度も三病院百三十床の削減を見込んでいます。コロナ禍の下で入院病床確保が求められる中での病床削減の中止を求めます。知事お答えください。 地域での病床削減は単に地域住民が入院できるベッドが少なくなるという影響にとどまらず、在宅医療や在宅介護といった地域包括ケアシステムの構築にも連動します。また、地域で働く医療や介護、社会福祉の専門職をはじめとする地域経済の担い手にも影響を及ぼします。地域医療構想が目標年度とした二〇二五年まであと三年ですが、仙台医療圏で高度急性期、急性期合わせて二千五百八十九床を削減するなど、地域の実態を顧みない計画でしかありません。現在の地域医療構想の中止を求めます。知事いかがですか。 新年度予算案には四病院の統合・合築について、仙台医療圏地域医療構想推進費として八千三百六十万円が計上されました。あたかも統合・合築、新病院の整備が既定の方針のように扱われ、事業概要説明には新病院の整備に向けた必要な基本構想素案の作成を行うとまで書かれていることは問題です。二〇一九年からの三か年間の県立病院機構の中期目標には、そうした記述はありませんでした。二〇一九年十二月に出されたそれぞれのセンターの今後の在り方に関する報告書でも、他の医療機関との連携・統合についても検討、あるいは近隣の一般病院との連携体制等を勘案といった記述にとどまっていました。一昨年八月以降、知事は本件については関係者と協議中でありまだ何も決まっていない、発表に合意できた事項があれば速やかに公表すると言い続けてきました。しかし、新年度予算では基本構想作成まで予算化しています。いつから四病院の統合・合築が既定方針になったのでしょうか。なし崩し的に四病院の再編・統合を進める予算八千三百六十万円の計上は認められません。予算の取下げを求めます。四病院の再編・統合の検討そのものもやめるべきです。あわせて、知事に伺います。 医師確保計画については、県内で一人も医師を増やさない内容から抜本的に増やすものに改めることを党県議団として求め続けてきました。県内の自治体病院等からの医師配置要望数に対して医師確保対策関係事業による医師確保の状況を見ますと、二〇二一年度に二〇一七年度以降で初めて全体要望数を上回る百二十二人を配置することができました。関係部署の御努力に敬意を表します。しかし、それでも配置数には臨床研修医四十六名が含まれ、各科ごとのアンバランスもあることから、この二月の各自治体病院・診療所の登録求人医師数は二十二病院・三診療所から八十一人となっています。まだまだ医師が充足しているという状況ではありません。医師確保計画は医師を抜本的に増やす計画に転換させるべきです。知事いかがですか。 来月に初めての卒業生を送り出す東北医科薬科大学では、一期生の六割が東北エリアで初期研修を開始することとなりました。地域医療への意欲と高い臨床能力を持つ総合診療医の養成についても県として関わりをより強めていく必要があると考えますがいかがでしょうか、お答えください。 医療・介護・福祉労働者の確保には賃金・労働条件の改善も急務になっています。今般、国が措置する看護職員一人当たり月額平均四千円の賃上げについても、現場からは桁が違うという声と併せて対象医療機関が限定されていることにも不満の声が上がっています。県独自の上乗せ支援策を求めます。知事いかがですか。 高齢者施設職員、児童養護施設等職員、障害福祉施設職員に対する一人当たり月額平均九千円の賃上げについても国が全額措置することになっていますが、対象期間がそれぞれ今年九月までで、その後は介護報酬あるいは措置費改定による対応を見込むとされています。利用者、被保険者の新たな負担増につながります。十月以降についても国の責任で必要な額を措置するよう国に強く求めることと、ここにも県独自の上乗せ支援策を求めます。お答えください。 大綱三点目、コロナ禍の下、困窮する県民に寄り添う民生委員、児童委員の活動について質問いたします。 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、市民の生活と健康を守る取組がますます重要になっています。民生委員について、児童委員を兼ねますが民生委員法の第一条において、社会奉仕の精神を持って常に住民の立場に立って相談に応じ、及び必要な援助を行い、もって社会福祉の増進に努めるものとすると規定され、介護、医療、妊娠、子育て、生活全般についての不安など様々な相談に応じ必要な支援が受けられるようにサポートし、住民と専門機関とのつなぎ役となることが求められています。また、その報酬については同法第十条で給与を支給しないと規定されていますが、交通費などについては実費弁償として活動費が支給されることになっており、地方交付税で民生委員・児童委員活動費、地区民生委員協議会活動推進費が措置されています。宮城県では民生委員関係事業補助金交付要綱に基づいて交付するものとされています。問題なのはここから先の交付金の流れです。党県議団としてこの間、所管の保健福祉部社会福祉課に照会し、また、個別に各市町の実情を調査したところ、県から各民生委員協議会に下ろされた交付金が必ずしも民生委員、児童委員に届いていない、実費弁償されていない事例があることが判明いたしました。各市町村の協議会においての処理がまちまちですし、同じ市においても地区協議会ごとに異なった処理が行われているところもあります。法律の立てつけは異なりますが、消防団における報酬等の処遇改善については昨年四月に消防庁からの通知があり、復興・危機管理部消防課で迅速かつ丁寧に対応いただいた結果、年額報酬、出動報酬、報酬の個人支給の課題それぞれについて新年度中に九四%から一〇〇%の市町村が基準を満たす見込みと伺っています。こういった取組を参考にぜひ改善を図っていただきたい。県として各自治体、地区民生委員児童委員協議会の実態を調査し、是正が必要なところには是正を求めるべきと考えます。お答えください。 民生委員・児童委員活動費については地方交付税で措置された額と同額が各市町村の協議会のところまでは下ろされていますが、地区民生委員協議会活動推進費については所管の保健福祉部社会福祉課と財政課との協議の下に独自に民生委員割、協議会割の金額が定められて支給されています。令和三年度のその額、国からの地方交付税額三千万円に対し、各協議会への交付額合計は当初予算ベースで一千三百九十七万四千円と半分にも満たない額です。このことが各協議会から民生委員、児童委員に同額が下ろされないことの理由になっていると指摘する声もあります。地方交付税措置相当額を民生委員協議会運営費として各地区民生委員児童委員協議会に下ろすべきと考えます。知事の所見を伺います。 大綱四点目、知事が重点政策として掲げる次世代育成、出産・子育て環境の改善について質問いたします。 次世代育成、出産・子育て環境の改善を掲げるのであれば、仙台市が前進させたように子供の医療費助成の対象年齢の引上げと所得制限の撤廃を行うべきです。仙台市は就学援助の認定基準額の引上げを行うとともに国保の均等割についても国の制度に上乗せし、未就学児については全額減免、それ以降十八歳まで五割減免に制度を拡充します。子育て世代には大きな支援です。県としても各市町村を支援する立場で、国二分の一に県四分の一を上乗せするなどの支援策に踏み出すべきです。知事いかがですか、お答えください。 母子・父子家庭医療費助成制度及び障害者医療費助成制度は助成対象者、家族に対し経済的な負担の心配なく十分な医療提供の機会を確保するという点で重要な施策になっていますが、いまだに償還払い方式です。既に乳幼児医療費助成制度については県が各市町村、医療機関、保険者との調整を行う中で、医療機関等での窓口負担のない現物給付方式がとられるようになっています。全国的にも現物給付方式を採用する県が増えています。県内市町村においても受給者の負担軽減の観点から現物給付が望ましいとの認識が示され、数年来、県市長会や各地区広域行政連絡協議会からも現物給付方式への変更が要望されているところです。県議会においても本会議並びに所管の環境福祉常任委員会の場で、各会派から現物給付方式の採用が再三求められてきました。母子・父子家庭医療費助成制度及び障害者医療費助成制度について、宮城県としても一日も早く現物給付方式の採用に踏み切ること、母子・父子家庭医療費助成についての通院一件一千円、入院一件二千円の自己負担についてはなくすことを求めます。知事の所見を伺います。 公立高校でのタブレット配備について伺います。 二〇一〇年にスタートした高校無償化法による授業料免除の制度は二〇一四年に自民党、公明党政権によって高等学校等就学支援金制度に衣替えされ所得制限が導入されてしまいましたが、高校の無償化は世界の流れであり教育現場では無償化は長年の悲願でした。今般、公立高校でのタブレットの配備をめぐって、自治体負担とするところと保護者負担とするところと対応が分かれる状況が生まれています。報道によれば、四十七都道府県のうち二十四県は公費負担となっています。それでなくても高校入学時には制服代、教科書代、通学定期代など保護者の経済的負担が重いところに五万円から七万円もの端末機代の上乗せは到底受け入れられません。公費負担と決められた府県では小中高と学びの連続性を絶やさない、学びを更に充実させるためには公費による整備は当然と判断されています。今般、十号補正で貸出し用約六千台分の予算が追加され、全体の約六割、数にして約二万二千台分が確保されるところまで来ました。残り約一万四千台分を新年度予算で確保することを求めます。知事の決断を求めます。お答えください。 大綱五点目、気候危機、省エネ・再生可能エネルギー問題と県計画、条例制定について質問いたします。 気候変動による脅威と被害は日本でも経験したことがない豪雨や暴風、猛暑など極めて深刻です。国連IPCCの昨年八月の報告書は人間の影響が温暖化させてきたことにはもはや疑う余地はないとし、同時に向こう十年の思い切った削減、二〇五〇年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロの達成とその後も大気中のCO2の濃度を下げる努力を続けることによって、二十一世紀の最後の二十年には世界の平均気温の上昇を産業革命前に比して一・四度までの上昇に抑えることができることも示しました。日本政府が昨年四月に発表した二〇三〇年度の削減目標は二〇一〇年比で四二%削減、二〇一三年度比で四六%削減でした。国連が示した二〇一〇年比四五%削減という全世界平均よりも低い先進国として恥ずべき目標でした。そして、宮城県地球温暖化対策実行計画で掲げている目標は更に低い二〇一三年度比で三一%削減というものです。県は今年秋頃を目途に見直しが行われる地球温暖化対策実行計画区域施策編では、石炭火力や輸入バイオマス発電の新設規制、既設の発電所に対する期限を区切っての撤退勧奨なども盛り込んで削減目標を引き上げる必要があります。知事の決意を伺います。お答えください。 日本共産党は再生可能エネルギーの普及を進める上で、全国各地につくられる小規模な再生可能エネルギー発電をどこでも簡便に活用できる体制をつくることが必要と考えています。再生可能エネルギーは地域と住民の力に依拠して活用を進めてこそ大規模な普及が可能になり、地域おこしにとっても貴重な資源となります。今、再生可能エネルギーの普及の大きな障害になっているのがメガソーラーや大型風力発電のための乱開発が森林破壊や土砂崩れ、住環境の悪化や健康被害の危険を広げていることです。目先の利益追求での乱開発、環境破壊を放置するなら、再生可能エネルギーへの大胆な転換を阻害し、気候危機も打開できなくなってしまいます。環境を守る規制を強化し、乱開発をなくすことが必要です。森林法などの現行法は、そもそも森林を伐採してメガソーラー発電所をつくるなどの事態を想定していません。環境保全のための森林法改正、土砂崩れの危険性も評価事項に加えるなどアセスメントの改善が必要です。発電事業の開始後も点検を行い、環境破壊や人体への悪影響がある場合には必要な是正措置を執らせなければなりません。宮城県の太陽光発電施設の設置等に関する条例制定に向けた基本方針案では、対象施設を五十キロワット以上の太陽光発電施設とされていますが、先行事例の山梨県では当初十キロワット以上としていたものの、この二月議会に全ての野建ての太陽光施設を対象とする改正案が提案されています。提案理由は太陽光発電事業と地球環境との調和及び県民の安全で安心な生活の確保を図るため、規制対象となる施設の定義について所要の改正を行う必要があると明確です。発電出力十キロワット未満の施設は規制対象外としてスタートしたものの、十キロワット未満であってもやはり規制の対象とせざるを得ない状況が発生したことからと報じられています。先行事例にも学んで宮城県も山梨県並みの条例とすべきと考えますがいかがでしょうか、お答えください。 県が提案を準備している太陽光発電施設の設置等に関する条例制定に向けた基本方針案では、風力発電施設が対象施設に含まれておりません。風力発電施設もこの条例に含めて規制すべきです。いかがですか。 太陽光発電施設も風力発電施設も許認可に関わる手続、評価は個々の事業ごとに行われ、同一あるいは隣接した地域で複数の事業が行われた場合のリスクについて対応できていません。露骨なアセス逃れと国会でも取り上げられた丸森町でのメガソーラー事業については一定の規制がかけられることになりましたが、氷山の一角にすぎません。現在、県北部の大崎市、栗原市、加美町、色麻町に係る地域で七つの風力発電事業が計画され、全て実施に移されると百八十基を超える風車群が奥羽山脈の尾根筋に林立することになります。風車は大きいもので高さ二百メートルを超えます。中山にある仙台大観音が高さ約百メートル、SS30ビルが百四十三メートルの高さですからまさに巨大風車群です。既に着工に入った加美町の建設現場では、昨年十二月に大雨などで土砂が流出していたことも分かりました。巨大な風車のブレードを搬入するために五メートル幅の林道をつくる。多くの木を伐採し山が削られます。風車一基当たり三十メートル掛ける七十メートル、この面積を平地化する。大量の土砂が出ます。事業地で自然林や保安林を伐採することで、土地環境や水環境への影響と土砂災害リスクは確実に増加します。生態系への影響も懸念されます。風車による低周波が与える健康被害についても全国各地で訴えられています。県内ではほかにも石巻市や丸森町などで設置計画が進められています。見直し作業に入っている宮城県環境影響評価条例並びに新たに制定される太陽光発電施設の設置等に関する条例では、個々の事業ごとの評価・規制にとどまらず、地域エリア全体を見渡した評価・規制が可能なものとすべきと考えます。知事いかがですか。 最後に、気候変動危機を打開していくためには縦割り行政の弊害を打破する必要があります。現状は再生可能エネルギーの推進については再生可能エネルギー室が、林地開発許可は自然保護課が、環境影響評価は環境対策課が対応するなど、政策課題の推進と開発許可・規制がばらばらに対応されています。宮城県のエネルギー問題を総合的かつ現実的な問題意識を持って、開発だけではなく必要な規制を含めて対応していく態勢が必要になっていると考えますが、いかがでしょうか。 以上を伺って、壇上からの質問といたします。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 金田もとる議員の代表質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、新型コロナウイルス感染症対策についての御質問にお答えいたします。 初めに、追加接種の進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。 三回目接種に使用するワクチンは県全体として必要な数量が確保されていることから、医師会などの関係者と連携しながら接種体制の整備を進めております。国が三回目接種の対象者を段階的に前倒ししてきた経緯もあり、各市町村の接種計画の見直しや接種券の発行が遅れておりましたが、現状では医療従事者と高齢者は来月末までに、また、六十四歳以下の一般の方につきましても五月におおむね完了するよう市町村と共に取り組んでまいります。 次に、診療・検査医療機関の更なる拡充についての御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症患者への対応が可能な診療・検査医療機関につきましては、郡市医師会等を通じ各医療機関に周知の上、随時指定を行っているところであり、現在県内で六百一医療機関を指定しております。また、患者にとって分かりやすい情報発信のため、同意のあった医療機関につきまして昨年十月から県のホームページで名称の公表を行ったほか、先月からは所在地や電話番号等も公表しております。 次に、診療・検査医療機関を支援する追加措置についての御質問にお答えいたします。 診療・検査医療機関に対する支援につきまして、県では感染症等発生時経営支援補助金に加え外来協力医療機関設備整備補助金による支援を行っているほか、今月上旬には不足がちであった抗原定性検査キットの提供を行っております。また、県のホームページで名称等を公表された場合は診療報酬の特定加算の対象となることから、各医療機関に働きかけを行っております。診療・検査医療機関の体制維持のためには国による財政支援が不可欠であり、全国知事会等を通じ引き続き要望してまいります。 次に、自宅療養者へ迅速かつ適切な医療提供を行う仕組みをつくるべきとの御質問にお答えいたします。 自宅療養につきましては先月二十八日からフォローアップセンターを開設し、毎日二回程度の健康観察を行うほか、医療の提供については各保健所が郡市医師会と調整の上、診療・検査医療機関等において必要に応じ電話診療やオンライン診療、往診・薬剤処方などを行うこととしております。また、市町村が陽性者や濃厚接触者の自宅での生活を支援するために必要な場合には、本人の同意を得た上で市町村に情報提供しているところであります。引き続き、関係機関と緊密に連携をしながら自宅療養者の健康観察及び医療提供体制の充実に努めてまいります。 次に、軽症者等については宿泊療養を原則とし、これに必要な宿泊療養施設の確保を基本とすべきとの御質問にお答えいたします。 県では現在、十棟一千七百十室の宿泊療養施設を確保しております。新型コロナウイルス感染症患者の急増を受け、既に確保していた宿泊療養施設が逼迫する事態が予想されましたことから、先月二十八日に三十九歳以下で重症化リスクの低い患者は原則自宅療養としたところですが、今月十五日からは家庭内での高齢者に対する感染を抑制するため、原則宿泊療養に戻しました。症状急変時の適切な対応や家庭内での感染防止の観点から、軽症者等の療養については可能な限り宿泊療養が望ましいと考えております。現在、仙台市内の二棟を新たに借り上げ、三月中旬を目標に二百四十室程度を追加したいと考えております。 次に、保健所の体制強化についての御質問にお答えいたします。 県では保健師や会計年度任用職員の増員、民間派遣人材の活用などにより、これまでも保健所の体制強化に努めてまいりました。更に、このたびの感染再拡大を踏まえBCPを再徹底するとともに全庁的な応援体制の構築や市町村からの応援派遣など最大限の体制強化に努めております。また、保健所の体制強化を含む国の財政支援につきましては、これまでも全国知事会を通じ要望を行っております。 次に、栗原・登米保健所の支所化についての御質問にお答えいたします。 今回の組織再編は多様化・複雑化する保健医療行政に係る専門性の強化と新興感染症や災害が発生した場合の機動的な応援体制の確保を目的に行うものです。再編後も感染症対策、母子保健や精神保健、食品薬事関係など住民や事業者に密接に関わる業務は支所に残し、これらの業務の担当職員については現在の数を維持することとしております。また、事務分掌についても検討を進めており、最終的な調整段階に至っております。御指摘のありました感染症対策等に最優先かつ柔軟に対応するためにも今回の組織再編は早期に実現することが必要であり、予定どおり四月から実施したいと思います。 次に、新型コロナウイルス感染症対応事業者支援費の増額についての御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症対応事業者支援費につきましては、今般の急激な感染拡大により厳しい状況にある事業者の皆様へ支援が行き渡るよう、先日十億円の追加補正をお認めいただいたところであります。六月補正予算での増額につきましては今後の感染状況の推移や県の財政状況等も勘案しつつ、できるだけ早期に方向性を市町村にお示ししたいと考えております。 次に、感染拡大の抑制と事業者や県民への支援に向け、我が県でも重点措置の適用を国に申請すべきとの御質問にお答えいたします。 今回の第六波は県民生活や県内経済に甚大な影響を及ぼしているものと承知しており、こうした事態の収束を図るため一日も早く感染を抑え込む必要があると考えております。一方で、今回の感染拡大の場面はより暮らしに近い教育・保育の現場や福祉施設、職場、家庭などへと変化してきており、飲食店に限った時短要請を主な内容とする現在の重点措置の適用を国に要請することは現時点では考えておりません。また、オミクロン株の特性や感染実態を踏まえた効果的な対策や重点措置を適用しない地域においても事業者の実情に十分配慮した支援が講じられるよう、引き続き全国知事会等の場を通じて国に求めてまいります。 次に、中小企業への支援についての御質問にお答えいたします。 県では昨年度から中小企業等再起支援事業を実施し販路開拓等に向けた取組を支援しているところであり、事業者のニーズも高いことから中小企業等事業再構築支援事業とともに来年度早期に再募集できるよう準備を進めております。また、より多くの事業者に国の事業復活支援金を活用していただけるよう引き続き市町村、関係機関と連携し制度の周知と申請支援に努めます。 次に、大綱二点目、コロナ禍の下での四病院の再編・統合議論は中止せよについての御質問にお答えいたします。 初めに、コロナ禍での病床削減についてのお尋ねにお答えいたします。 地域医療構想は地域の実情に応じた質の高い医療提供体制の構築を図るため、病床数の適正化を図っているものであります。新型コロナウイルス感染症対応で入院病床の確保が求められていることにつきましては、国において感染拡大時の短期的な医療需要には医療計画に基づき機動的に対応することとしているものであり、地域医療構想については背景となる中長期的な状況や見通しは変わっていない以上、その基本的な枠組みを維持し対応することとされております。このことから、地域医療構想に基づく病床数の適正化は推進する必要があるものと考えております。 次に、仙台医療圏における地域医療構想についての御質問にお答えいたします。 地域医療構想では急性期病床の削減と回復期への転換を図ることとしておりますが、このことは回復期から在宅への円滑な移行や病院完結型から地域完結型への移行など、地域包括ケアシステムの課題解決に向けた取組と一体的に推進すべきものであると考えております。したがいまして、地域医療構想に基づく病床の適正化につきましては着実に進めていく必要があると考えております。 次に、仙台医療圏地域医療構想推進費についての御質問にお答えいたします。 四病院の統合・合築は既定の方針となっているものではなく、昨年九月に地域医療の課題解決のため最も望ましい方向性として県が提案し、その実現に向けて関係者間で協議の開始を合意したものであります。御指摘のありました仙台医療圏地域医療構想推進費は新病院の診療科、病床数、経営収支などのデータ分析を行う業務であり、協議に際し必要不可欠なものであります。 次に、四病院の再編・統合の検討を中止すべきとの御質問にお答えいたします。 四病院の再編・統合についての検討は仙台医療圏を中心として県全体の政策医療の課題解決のために必要でありますので、検討の中止は考えておりません。 次に、宮城県医師確保計画について医師数の抜本的な増加を目指すものに転換すべきとの御質問にお答えいたします。 現在の医師確保計画における目標医師数は国のガイドラインにより一律の基準で算定されたものですが、県としては医師不足や偏在の解消に積極的に取り組むこととしております。令和六年度からとなる次期の計画については実情に即したものとなるようガイドラインの見直しを国に要請してまいります。 次に、総合診療医の養成に向けて県として東北医科薬科大学への関わりを強めていくべきとの御質問にお答えいたします。 東北医科薬科大学においては幅広い診療能力を身につけた総合診療医の育成に向け、講義による地域医療教育に加えて地域の医療機関や介護施設等と連携した体験実習等を積極的に取り入れた教育を行っております。同大学医学部は卒業生の地域定着及び総合診療医の育成を趣旨として設立された大学であることから、県といたしましても同大学の取組を引き続き支援してまいります。 次に、看護職員の賃金引上げについての御質問にお答えいたします。 看護職員の処遇改善につきましては本年九月分まで一%程度引き上げるための補助金を来年度当初予算案に計上し、また、十月以降分は三%程度の引上げを診療報酬で手当てする方向性が示されております。看護職員の不足解消のためにも重要な処遇改善については診療報酬など国の制度として改善されるべきものであることから、県としては充実強化を強く求めてまいりたいと考えております。 次に、高齢者施設などの職員の賃金引上げについての御質問にお答えいたします。 高齢者施設などの職員に対する今年二月から九月の賃金引上げ分としては全額国の交付金を財源として県から支給し、十月以降は介護報酬や児童保護措置費の仕組みの中で実施する方向性が示されております。高齢者、障害者、子供に関わる施設の職員の処遇改善は重要な課題と認識し、国の制度として一律に改善するよう要望してきたところであり、今回の処遇改善は一定の評価をしております。県としては前倒しとして来年度当初予算案に計上した支援策を着実に実行するとともに、十月以降は国の制度として確実に運用されるよう求めたいと思います。 次に大綱三点目、コロナ禍の下、困窮する県民に寄り添う民生委員、児童委員の活動についての御質問にお答えいたします。 初めに、民生委員関係事業補助金について実態を調査した上で必要な対応をとるべきとのお尋ねにお答えいたします。 市町村民生委員協議会へ交付している民生委員関係事業補助金のうち活動費については、民生委員本人の活動に要する通信費やガソリン代などの費用に充てることを基本としておりますが、協議会における合意の下、民生委員の活動に資する会議や研修などの経費に使用することも認めております。住民の直面する福祉的課題が複合化、多様化する中、民生委員の重要性はますます高くなっていることから、補助金がより効果的に活用され民生委員がその役割を十分に果たすことができるよう協議会に対して指導・助言を行ってまいります。 次に、民生委員協議会の運営費に対する県の支援についての御質問にお答えいたします。 市町村民生委員協議会の運営費に係る補助金については、予算編成に当たって事前に県民生委員児童委員協議会と協議を行い、意見を聴取した上で必要な額を計上しているところであります。引き続き各地区の民生委員協議会の適切な運営が図られるよう必要な予算の確保に努めてまいります。 次に、大綱四点目、知事が重点政策として掲げる次世代育成、出産・子育て環境の改善についての御質問にお答えいたします。 初めに、乳幼児医療費助成の拡充や国民健康保険の負担軽減に係る国費へのかさ上げについてのお尋ねにお答えいたします。 市町村が実施する子供医療費助成については現在二十九市町村において対象年齢を十八歳年度末までとしており、二十八市町村が所得制限を設けておりません。子供の医療費についてはこれまでも全国一律の制度創設を国に求めてきたところであり、全国知事会などと連携しながら引き続き要望してまいりたいと考えております。また、国民健康保険につきましては法改正により、今年四月から未就学児を対象とした保険料等の均等割の五割を減額する措置が始まりますが、県もその財源の四分の一を負担することとなっております。法改正の内容以上に子育て世帯の負担軽減を検討している市町村もありますことから、国に対して減免の対象範囲や割合の一層の見直しを引き続き要望してまいります。 次に、母子・父子家庭や障害者の医療費助成に係る現物給付方式等についての御質問にお答えいたします。 医療費助成制度に現物給付方式を採用した場合、国民健康保険の国庫負担金が減額措置されることなどによる市町村の更なる財政負担への影響が懸念されております。昨年開催した市町村担当課長会議では財政負担や事務手続などに関する市町村の検討状況も様々であったことから、県としましては継続して市町村の意向把握に努めるとともに国に対しては国庫負担金減額措置の廃止を粘り強く要望してまいります。また、母子・父子家庭医療費助成の一部自己負担につきましては、三十二の都道府県で実施されていることもあり一定の自己負担は必要と認識しておりますが、市町村の意向を十分に踏まえながら負担の在り方を検討してまいりたいと思います。 次に、大綱五点目、気候危機、省エネ・再生可能エネルギー問題と県計画・条例制定についての御質問にお答えいたします。 初めに、我が県における温室効果ガスの削減目標についてのお尋ねにお答えいたします。 地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出が多い石炭火力発電は脱炭素社会の実現を目指していく上で好ましいものではなく、また、輸入バイオマス発電についても輸送時における温室効果ガスの排出などの課題があるものと認識しております。そのため脱炭素社会の実現に向け温室効果ガスを大規模に排出する事業者への働きかけや、太陽光発電など地産地消型のエネルギーへの転換を可能な限り進めていくことが重要であると考えております。県といたしましては宮城県環境審議会の意見等を踏まえながら、国が目標としている四六%削減を基本として更なる省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入などにより新たな削減目標を見定めてまいります。 次に、条例の対象となる施設の対象範囲の拡大についての御質問にお答えいたします。 五十キロワット以上の太陽光発電施設については電気事業法上、規制の必要が高い事業用電気工作物の取扱いとされていることから、特に事業内容を事前に把握し地域住民への説明等が必要であると考えております。県ではこのような法律による規制の考え方や先行する他県のほとんどの事例が五十キロワット以上の施設を対象としていることを踏まえ、新たな条例では五十キロワット以上の施設を対象とする方向で検討を進めております。また、風力発電施設については環境影響評価等の手続によって事業を把握することが可能であるほか、その手続の中で事業者に対して環境に配慮したよりよい事業計画の策定を求めていくことができると考えております。一方、太陽光発電施設については手続の点で事業の把握が困難であるほか、簡易に設置できるなどの特性を有しており、事業者に対しては特に適切な事業の実施を求める必要があることから、新たな条例では太陽光発電施設を対象としたいと考えております。 次に、条例案の検討に当たり地域全体の状況を考慮した規制等についての御質問にお答えいたします。 再生可能エネルギーの更なる導入を図るためには、地域と共生した形で導入されることが重要であります。このため現在検討を進めている太陽光発電施設の設置等に関する条例案では、地域と共生する発電事業の普及拡大を促進することを目的としており、環境影響評価条例に基づく環境配慮や環境コミュニケーションの取組の拡充と併せて個々の発電事業が適正なものとなるよう取り組んでまいります。なお、地域全体の視点から再生可能エネルギーの導入を促進し地域づくりを進めていくことは重要であると考えており、国で検討を進めている促進区域等の制度を活用しながら地域の課題解決にも資する再生可能エネルギーの導入を促進してまいります。 次に、エネルギー問題に対応する態勢についての御質問にお答えいたします。 再生可能エネルギーの普及は自然的、社会的条件と調和しながら進めていくことが重要であり、これまでも関係部署が連携しながら推進と規制の両面から取組を進めてまいりました。県においては専門性の維持・向上を図るため、それぞれの所管部署が関係する法令等に基づき開発許可や規制等を行っており、特に環境生活部においては環境影響評価や再生可能エネルギーの推進のほか、資源エネルギー行政に関する調整を行うなどエネルギー問題に一体的に対応する体制を整備してきたところであります。県といたしましてはこれらの組織の緊密な連携の下、引き続き脱炭素社会の実現に向けてしっかりと取組を進めてまいりたいと思います。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱四点目、知事が重点政策として掲げる次世代育成、出産・子育て環境の改善についての御質問のうち、県立高校でのタブレット端末配備についてのお尋ねにお答えいたします。 今回の補正予算では、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し貸出し用端末を整備することとしておりますが、国による恒久的な支援が見込まれない中、県が独自に全台数を公費で整備することは難しい状況であると考えています。また、一部の県立高校で個人端末の持込み、いわゆるBYODを先行して導入しており、生徒が端末を自分のものとして課題研究や探求活動などに幅広く活用することでICTスキルが大幅に向上する成果が出ていることも踏まえ、我が県においてはBYODによる端末整備の方向性を示したところです。一方、BYODについては保護者の理解を得ることに一定の時間を要することや低所得世帯への配慮が必要となることを考えれば、貸出し用端末を数多く整備することが必要であり、更なる充実に向けた財源確保について引き続き国に対して求めてまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) それぞれに答弁ありがとうございました。幾つか再質問をさせていただきます。 最初に民生委員、児童委員の活動費についてですけれども、市あるいは地区民生委員児童委員協議会それぞれの事情があってというお話をされました。この間、担当課で調べていただいた中で満額の五万九千円が個人に実費補償という形で下ろされているところもあれば、個人には一円も下ろされていない地区もあるということが明らかになっています。知事、この点については認識されていますでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 承知しております。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) 先ほど壇上で引き合いに出させていただいた消防庁通達について関連して御質問させていただきますけれども、消防庁としてこういった通達を出すに至った背景について、年々消防団員の確保が厳しい状況が続いている中で若者の参加、あるいは団員の皆さんの士気向上や家族の方々の活動への理解を得るために処遇改善が必要だと、こういう判断もあったとも言われております。地域コミュニティーの維持の上で民生委員、児童委員活動の継続、世代継承も待ったなしの課題になっていると認識しています。実際にこの五万九千円が下りているところ、あるいは全く下りていないところ、こういうばらつきがある実態を調査することについて、知事お約束いただけませんでしょうか。いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 先ほど知事から答弁申し上げましたように状況は把握しております。五万九千円を直接委員の方に交付しているところ、全く交付しないで団体として使っているところ、それからその中間的なやり方をとっているところなど様々でございます。引き続き各市町村の実情をよく聞いてまいりたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) それぞれの民生委員児童委員協議会の活動費がしっかり下りていないことも一つ背景にあるということを先ほど壇上でも指摘させていただきました。引き続き調査の上、適正な対応をお願いしたいと思います。本当に民生委員、児童委員の方々が地域の中で大変な思いをしてコロナ禍の中で対応されていることについて、ぜひ適切な対応をお願いしたいと思います。 続いて、気候危機、省エネ・再生可能エネルギー問題についてですけれども、石炭火力からの撤退を宣言できない日本、COP26で今回も化石賞を受賞するという不名誉にあずかりました。宮城県での地球温暖化対策実行計画の柱として石炭火力や輸入バイオマス発電の新規規制は必須だと思いますけれども、既にある発電所に対しても期限を区切っての撤退を勧奨していただきたい。特に仙台パワーステーションについては震災後、創造的復興を掲げて知事自身が被災地の企業誘致に全力を挙げられた知事の実績の一つだったのかもしれませんけれども、当時から環境汚染、温暖化を促進するものだという県民の批判が大きく、運転差止め訴訟にまで発展した経緯もあります。誘致に道を開いた責任も重く受け止めて運転停止、撤退への道筋をつけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長鈴木秀人君。 ◎環境生活部長(鈴木秀人君) 石炭火力発電所の撤退を勧奨すべきではないかということでございますが、勧奨を進めると地域経済に与える影響もいろいろありまして非常に難しい、雇用の問題などあろうかと思います。ただ先ほど知事がお答えしましたように、やはりこれから地球温暖化対策をどう考えるかということはそれぞれの事業者、もっと言うと大規模事業者は特に考えなければいけないということになりますので、県といたしましてはそういった事業者に対してこれから働きかけを行っていく、いろいろ意見交換をしていく、そういう姿勢が大事ではなかろうかということでございます。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) 石炭火力を止めるということは非常に重要なポイントだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それから太陽光発電の規制条例の件ですけれども、十五日に公表された条例素案では、設置規制区域及び設置許可に関する事項については施行日前に工事に着手した発電施設については適用しないと、状況報告を求めるというふうになっていますけれども、これについて現在届出審査中あるいは既設の施設についても検証・調査を行って、やはり危ない場所に建っている、この指定区域、規制区域、そういったところに該当するところについては必要な指導も行った上でこそ、地域と共生できるような施設になるかと思うのですが、この点いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長鈴木秀人君。 ◎環境生活部長(鈴木秀人君) 既設の施設に対しての遡及というのは非常に難しい問題ではないかと思いますので、既設の施設に対しましてはそれ以降の維持管理あるいは保守管理の状況、そこはきちんと情報提供していただく、そういった状況を住民の方に開示していただきまして適正な施設の在り方、あるいはその地域と共生した施設の在り方というのを考えていただきたいというところでございます。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) 丸森町で悪質なアセス逃れというふうな指摘を受けて国会でも取上げられて規制がかかったところ、二つ合体させたこの事業のうち一つを断念されて、一つが進行しております。この地域も非常に危険な区域だということは指摘されております。現在申請中、あるいは既設のところについても危険なところについては危険だという指摘をやはり続けなきゃならないと思うんです。この点をぜひお願いしたいと思います。 次に移ります。 新型コロナウイルス感染症対策についてですけれども、感染拡大時の一般検査事業について一月三十一日までを二月二十八日まで延ばしました。三月一日以降の対応について決められておりますでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) まだ決まっておりませんけれども、現在国と事前協議中であります。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) 現状から見れば二月二十八日で無料検査は終わりですというふうにはならないと思いますので、引き続き継続に向けて御努力をお願いしたいと思います。 それから、感染が確認された方の療養方針について二月十五日から再び原則宿泊療養に戻したわけですけれども、二月二十日現在の状況を見ても方針変更前の二月十四日時点と比べて、当然ですが自宅療養者も宿泊療養者も増えているんです。この一週間の感染者数が五千人を超えていますからそうなるのは当然だと思うんですけれども、自宅療養の中で同居する家族間での二次感染がほぼ一〇〇%と、こういう状況の中では当然の帰結だと思います。やはり原則として宿泊療養、入院療養の方針を堅持していただきたい。そういった中で入院ベッドの確保というのが改めて重要だと思います。病床確保という点では地域医療構想に基づく急性期病床の削減の中止を求めたい。結局、感染症対応の病床は急性期病床ということになります。この間、最も大変な状況だったのも仙台圏での病床の確保ということでございますので、長期的な地域医療構想の視点、新興感染症対応は短期的あるいはそういうものだという御説明もありましたけれども、全体としてこの新興感染症に対しての地域医療構想の見直し作業について県内の各医療圏ではどういうふうにこの後進められる予定なのか、この点についていかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 感染症対応の話と地域医療構想の話しを合わせて御質問いただいておりますけれども、まず地域医療構想については先ほど知事から答弁いたしましたように、その前提であります中長期的な病床のミスマッチという問題は変わっておりませんので、これは着実に進めたいと考えております。 短期的な新型コロナの病床対応につきましては主要病院長会議で知事からもお願いしておりますように、現在五百十一床の確保病床を持っておりまして、これを機動的に順次即応病床にするように対応しているところでありまして、現在何とかその中で対応できているという認識であります。引き続き感染状況を注視しながら対応していきたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) 四病院の件で再質問させていただきます。 病院の再編統合議論について、今回仙台医療圏地域医療構想推進費として予算計上されている八千三百六十万円。これは県立がんセンターと県立精神医療センターに関わる分の調査費用なのか、それとも四病院全体の今回の再編に関わる調査費用になっているのか、この点いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 再編と合築をする対象の四つの病院を視野に考えております。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) そうしますと、調査費用全体について仙台赤十字病院、あるいは東北労災病院の御負担も別途あるということですか。この点いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) お話のような負担は考えておりません。これはあくまで地域政策医療の課題、それから地域医療の在り方を検討する県としての調査と考えております。なお、それぞれ赤十字病院や労災病院のほうでも御自身の判断としての検証は当然するものと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) もう一点、地域医療構想調整会議との関係でお聞きします。 仮定の話で恐縮ですけれども、この問題について仙台医療圏の地域医療構想調整会議に一回は報告されていますけれども、この後当然改めて報告された上で更にこの八千三百六十万円のデータも含めて議論されていくかと思うんですが、そういった中で調整会議の場でそれぞれの委員から強く反対の声、あるいは同意できないという声が出された場合には構想撤回ということも想定されるのでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 医療圏における病床の組替えを伴いますので地域医療構想調整会議には適時報告し意見を聴きながら進めたいと思いますけれども、仮に全体の合意を得られない場合には、この構想そのものを意見を聴きながら適宜修正することはあると思っております。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) 知事の認識を伺いたいんですけれども、仙台医療圏での地域医療構想調整会議の座長を仙台医師会の安藤先生が務められております。安藤先生はこの間、仙台市が構成した在り方検討会議の中でも委員として発言されていますが、座長という立場でしっかりと自分の意見を述べることはなかなか大変な状況にあろうかと思うんですけれども、知事自身はこの問題を含めてどのようなお考えなのか、いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 当然、地域医療構想調整会議にいろんなことをお諮りしていかなければならないと思っております。その中でいろんな御意見があれば考え方を修正していくというのは当然のことだと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) 少なくともこの間、仙台医療圏の地域医療構想調整会議、直近予定されていた二月九日の会議はコロナの関係もあって書面開催ということになってしまいました。知事の先ほどの答弁の前段で、令和四年度内での合意を目指すという発言もございました。本当にこの仙台医療圏での合意形成、知事の答弁にはなかなか地域の患者さんのこととか町内会の方々のこととか出てこないんですけれども、そういったものも含めて合意形成を進めていくというのが非常に大事なポイントだと思います。この点について改めて知事のお考えを伺いたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 先ほどから答弁しておりますように、急性期の病床はかなり余裕が既に出てきており、更に今後は大幅に余裕が出てしまう。一方、回復期が圧倒的に足りなくなる。そしてどうしても仙台に集中している。また、同じ仙台医療圏においても地域によってかなり救急搬送等に差がある。こういったようなことを考えながら、県の政策医療はどうあるべきかということも考えながら三十年後、五十年後、そういった長いスパンで物事を考えていくということであります。したがって、その上で大方針が決まった後に当然今かかっておられます患者さんをどうケアしていけばいいのか考えますが、今いる患者さんのことだけを考えて将来のことは考えなくていいというのは、我々の立場としては非常に無責任なのではないかと、私はそう考えます。
    ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) 仙台市の在り方検討会のお話を引き合いに出して申し訳ございませんが、二回目の在り方検討会の中で仙台市立病院の亀山先生がお話しされておりました。市立病院の移転まで十年かけてかかりつけ医と言われる地域の先生方、あるいはほかの大きな病院の先生方とも丁寧な合意をつくる、更には地域の患者さん、地域の町内会の方々ともそういうことをやって移転にこぎ着けた。こういうプロセスは絶対必要だと思うんです。知事、この点やはり尊重してしかるべきだと思います。ぜひ丁寧な対応を改めて求めたいと思います。いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 当然、丁寧に対応していきたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 一番金田もとる君。 ◆一番(金田もとる君) 重ねて丁寧な議論を求めたいと思います。本当に急性期病床が多いということ、その背景、診療報酬上の問題も含めて、県としてもぜひ考えていただければならないと思います。 以上で質問を終わります。 ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○議長(菊地恵一君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日はこれをもって散会いたします。    午後三時四十一分散会...