令和 3年 11月 定例会(第381回) 第三百八十一回宮城県議会(定例会)会議録 (第五号)令和三年十二月七日(火曜日) 午前十時開議 午後二時五十四分散会 議長 菊地恵一君 副議長 外崎浩子君出席議員(五十九名) 第一番 金田もとる君 第二番
佐々木奈津江君 第三番 小畑きみ子君 第四番 石田一也君 第五番 伏谷修一君 第六番 松本由男君 第七番 柏 佑賢君 第八番 福井崇正君 第九番 渡邉重益君 第十番 大内真理君 第十一番 福島かずえ君 第十二番 三浦ななみ君 第十三番 枡 和也君 第十四番 佐藤仁一君 第十五番 わたなべ 拓君 第十六番 伊藤吉浩君 第十七番 八島利美君 第十八番
瀬戸健治郎君 第十九番 櫻井正人君 第二十番 村上久仁君 第二十一番
高橋宗也君 第二十二番 庄田圭佑君 第二十三番 天下みゆき君 第二十四番 三浦一敏君 第二十五番
佐々木功悦君 第二十六番 境 恒春君 第二十七番 太田稔郎君 第二十八番 高橋 啓君 第二十九番 遠藤伸幸君 第三十番 横山のぼる君 第三十一番 遠藤隼人君 第三十二番 渡辺勝幸君 第三十三番 横山隆光君 第三十四番
佐々木賢司君 第三十五番 守屋守武君 第三十六番 外崎浩子君 第三十七番 池田憲彦君 第三十八番
佐々木幸士君 第三十九番 熊谷義彦君 第四十番 岸田清実君 第四十一番 渡辺忠悦君 第四十二番 菅間 進君 第四十三番 坂下 賢君 第四十四番 ゆさみゆき君 第四十五番 吉川寛康君 第四十六番 伊藤和博君 第四十七番 村上智行君 第四十八番 高橋伸二君 第四十九番 菊地恵一君 第五十番
佐々木喜藏君 第五十一番 石川光次郎君 第五十二番 中島源陽君 第五十三番 本木忠一君 第五十四番 中山耕一君 第五十五番 安藤俊威君 第五十六番 畠山和純君 第五十七番 仁田和廣君 第五十八番 藤倉知格君 第五十九番 中沢幸男君
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 佐野好昭君 副知事 遠藤信哉君
公営企業管理者 櫻井雅之君 総務部長 大森克之君 復興・
危機管理部長 佐藤達哉君 企画部長 志賀真幸君
環境生活部長 鈴木秀人君
保健福祉部長 伊藤哲也君
経済商工観光部長 千葉隆政君 農政部長 宮川耕一君
水産林政部長 佐藤 靖君 土木部長 佐藤達也君
会計管理者兼出納局長 佐藤靖彦君
総務部参事兼秘書課長 石川佳洋君
総務部財政課長 鈴木雄貴君
教育委員会 教育長 伊東昭代君 副教育長 布田秀一君
選挙管理委員会 委員長 皆川章太郎君 事務局長 諸星久美子君
人事委員会 委員長 千葉裕一君 事務局長 吉田信幸君
公安委員会 委員 山口哲男君
警察本部長 猪原誠司君 総務部長 佐藤宏樹君
労働委員会 事務局長 高橋裕喜君 監査委員 委員 成田由加里君 事務局長 林 毅君
----------------------------------- 議会事務局 事務局長 阿部正直君 副事務局長兼総務課長 藤田信治君 議事課長 菅原敏彦君 参事兼
政務調査課長 川村 満君 副参事兼
総務課総括課長補佐 砂金義徳君 議事課副参事兼
総括課長補佐 二上秀幸君
政務調査課総括課長補佐 長谷川共子君
議事課長補佐(班長) 田村和江君
議事課主任主査(副班長) 狩野嘉孝君
----------------------------------- 議事日程 第五号 令和三年十二月七日(火)午前十時開議第一
会議録署名議員の指名第二 議第二百三号議案、議第二百四号議案、議第二百七号議案ないし議第二百十九号議案、議第二百二十一号議案、議第二百二十三号議案ないし議第二百四十三号議案、議第二百四十八号議案及び報告第六十五号ないし報告第七十一号第三 一般質問 〔
瀬戸健治郎君、
高橋宗也君、枡和也君、福井崇正君〕
----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一
会議録署名議員の指名二 日程第二 議第二百三号議案、議第二百四号議案、議第二百七号議案ないし議第二百十九号議案、議第二百二十一号議案、議第二百二十三号議案ないし議第二百四十三号議案、議第二百四十八号議案及び報告第六十五号ないし報告第七十一号三 日程第三 一般質問 〔
瀬戸健治郎君、
高橋宗也君、枡和也君、福井崇正君〕
-----------------------------------
△開議(午前十時)
○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
-----------------------------------
△
会議録署名議員の指名
○議長(菊地恵一君) 日程第一、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員に、五十四番中山耕一君、五十五番安藤俊威君を指名いたします。
-----------------------------------
△諸報告
○議長(菊地恵一君) 御報告いたします。
公安委員会委員長森山博君から本日欠席、
公安委員会委員山口哲男君が代理出席する旨の届出がありました。
-----------------------------------
△議第二百三号議案・議第二百四号議案
△議第二百七号議案ないし議第二百十九号議案・議第二百二十一号議案
△議第二百二十三号議案ないし議第二百四十三号議案
△議第二百四十八号議案
△報告第六十五号ないし報告第七十一号・一般質問
○議長(菊地恵一君) 日程第二、議第二百三号議案、議第二百四号議案、議第二百七号議案ないし議第二百十九号議案、議第二百二十一号議案、議第二百二十三号議案ないし議第二百四十三号議案、議第二百四十八号議案及び報告第六十五号ないし報告第七十一号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とを併せて行います。 十月三日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。
十八番瀬戸健治郎君。 〔十八番
瀬戸健治郎君登壇〕
◆十八番(
瀬戸健治郎君) 議席
十八番瀬戸健治郎でございます。ただいま議長のお許しをいただきましたので、一般質問を始めたいと思います。 私は、大綱三点について、質問いたします。 まず一問目、栗原・
登米保健所支所化について。
新型コロナウイルス感染症が発生して以来、
保健福祉部はじめ県内各保健所の皆様には、自分も感染し家族にもうつすかもしれない不安を抱えながら県民のために献身的に対応していただいたこと、心から感謝を申し上げます。 今議会に
栗原保健所を
大崎保健所の支所に、
登米保健所を
石巻保健所の支所とする条例改正案が提案されました。保健所は
地域保健法第五条第一項において、都道府県と
政令指定都市、中核都市、特別区に設置義務が明記されており、人口規模を勘案して地域の特性を考慮しながら住民に公平なサービスを提供するために設置されております。また、同法において保健所は十四項目に関する企画、調整、指導などの事業を実施されることが明記されています。具体的には、一、地域保健に関する思想の普及及び向上に関する事項、二、
人口動態統計その他地域保健に係る統計に関する事項、三、栄養の改善及び食品衛生に関する事項、四、住宅、水道、下水道、廃棄物の処理、清掃その他の環境の衛生に関する事項、五、医事及び薬事に関する事項、六、保健師に関する事項、七、
公共医療事業の向上及び増進に関する事項、八、母性及び乳幼児並びに老人の保健に関する事項、九、歯科保健に関する事項、十、精神保健に関する事項、十一、治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病により長期に療養を必要とする者の保健に関する事項、十二、エイズ、結核、性病、伝染病その他の疾病の予防に関する事項、十三、衛生上の試験及び検査に関する事項、十四、その他地域住民の健康の保持及び増進に関する事項となっていて、地域住民の健康の保持・増進に寄与する役割を担っています。栗原・
登米保健所の支所化についての説明では、年々多様化、複雑化する医療機関の
指導監査業務については病院等の規模に応じ事務職員のほか、医師、保健師、薬剤師、
診療放射線技師など数多くの職員で対応する必要があるが、限られた人員体制では職種によっては他所属の保健所からの応援に頼らざるを得ないことに加え、職員個々のノウハウの蓄積が所属単位では困難な状況となっていることを挙げています。また、
新型コロナウイルス感染症の対応を含め災害時の対応としては、所属単位で緊急かつ機動的な体制を組む際の人員には限りがあることも理由として挙げられております。職員録を見ますと、今、
栗原保健所、
登米保健所とも兼任を含め三十八人体制で業務に当たっています。兼任も含めて所長、副所長等五人をはじめ
企画総務班は三人、
地域保健福祉部二人、成人・高齢班九人、母子・障害班六人、
疾病対策班四人、
環境衛生部二人、
食品薬事班七人で構成されています。それぞれの保健所が担う業務として、
住民サービスに密接に関わる住民の健康、精神保健、
結核感染症、住民福祉、食品衛生・環境衛生、窓口機能の六つの業務を挙げています。支所化してこれまで担ってきた
住民サービスに影響がないのか、それぞれの班をどのように編成し支所運営に当たるのか、具体的な人数をお示しいただきたい。 次に、幸い日本では、現在、
新型コロナウイルス感染症は小康状態にありますが、新たな
変異株オミクロン株がアフリカやヨーロッパを中心に世界中で蔓延してきています。日本でも第六波を引き起こすことが心配される中、保健所の支所化で対応できるのかが最も懸念されることであります。このことについて丁寧な説明を求めます。 栗原市にはかつて国の機関として法務局があり県の教育事務所もありました。今は大崎市に移ってしまったため移転前より二十三キロも離れてしまいました。県境の
金成有壁地区や栗駒地区からは五十キロ、耕英地区からだと六十キロ、往復で百二十キロもあります。昨年、十一月十六日に
栗原市議会議長はじめ議員二十六名全員で県庁を訪れ、佐藤久義前議長が
栗原保健所を支所化しないよう求める申入れを不在だった村井知事の代わりに佐野副知事に手渡ししていかれました。支所化に反対するその理由は、
栗原市議会議員の皆様は
市議会議員選挙の際、供託金手続をするため立候補した議員全員が法務局に来て手続をしていて大崎市古川との距離を身をもって感じていること。そして、
新型コロナ集団感染が日本中のあちらこちらで発生している時期に、保健所を支所化することで栗原地域の健康の保持・増進を弱体化させることにつながるのではないか。また、今回は取りあえず保健所を支所化しておいて、四年から五年後には地方の機関を人口の多いところへ持っていくことを常態化し、最終的には全部、大崎市へ持っていかれるのではないかと宮城県への不安な思いを抱いていることが
支所化反対の理由と思われます。実際に数年後には
仮称栗原警察署の建設に伴い用地造成が終了し、若柳・
築館警察署が統合される予定で人員削減も予想されることから、現在、両警察署が置かれている地域から町が寂れてしまうという声もあります。県庁のある仙台市との格差は一層広がり均衡ある宮城県の発展に逆行することになるのではないかと危惧するものであるが、知事の考えを伺います。 また、今回の支所化の説明では年々多様化、複雑化する医療機関の
指導監査業務については、病院等の規模に応じて事務職員のほか、医師、保健師、薬剤師、
診療放射線技師など数多くの職員で対応する必要があるが、限られた人数体制では職種によっては他所属からの応援に頼らざるを得ないことに加え、職員個々のノウハウの蓄積が所属単位では困難な状況となっている。このことを挙げております。
新型コロナウイルスの感染症の対応も含め災害時の対応としては、所属単位では緊急かつ機動的な体制を組む際の人員に限りがある。そのままこれを当てはめると
気仙沼保健所についても該当することになるが、どのようになるのか、伺います。 大綱二点目、神の
じゅうたん・栗駒山紅葉時期の渋滞解消について伺います。 栗駒山は宮城県、岩手県、秋田県にまたがる高さ千六百二十六メートルの山で、九月下旬から十月にかけて山全体が紅葉し全国からたくさんの観光客や登山家、写真家が訪れています。八甲田山や八幡平をはじめ山岳紅葉が見事な東北の山岳の中で栗駒山がとりわけ美しく日本一と言われるゆえんは、ナナカマドやブナ、カエデなどの紅葉、黄葉が同時に進みハイマツの緑色と絶妙な組合せ、配色の妙にあります。真っ青な天空と色鮮やかで美しい配色の妙を目にすると思わずため息が漏れ魂が震えるほどの感動を覚えます。神々しいまでの美しさは言葉や写真ではなかなか表せませんが、錦秋や神の
じゅうたんという言葉がまさに栗駒山の紅葉にふさわしいと実感します。栗駒山が多くの登山客に親しまれている理由は、山頂まで二時間で登れる
中央コースをはじめ
東栗駒コース、
湯浜コース、
須川コース、
産沼コースなど、およそ九つの初級者から
中級者コースがあり温泉も湧いている魅力いっぱいの山であることです。近年はテレビでも
紅葉シーズンになると必ず栗駒山が全国放送され、国内はもちろんのこと、海外からも多くのお客様が訪れています。その昔、この山には秋田県小安温泉を結ぶ古道があり岩ケ崎を起点として秋田県小安温泉へ向かう道を
羽後岐街道又は文字街道、地元では通称上ば道と呼ばれていました。現在の
県道築館栗駒公園線は耕英地区までは交差しながら古道に沿ったところを通っています。もう一つ、築館を起点に花山ダムの湖底を通り、温湯温泉御番所を通り一迫川に沿って小安温泉へ向かう道を小安街道、または、地元では通称下ば道と呼ばれていました。国道三百九十八号はこの付近を通っております。現在も花山峠から秋田県側に入ったところに三本の杉の巨木がありますが、上ば道、下ば道はここで合流し小安温泉へ向かっていたようです。この古道は前九年の役に源頼義親子が安倍氏征討のために清原氏の援軍を得て一万数千の兵がこの峠道を越えた記録があります。昭和六十一年に建てられた標柱に、天保八年気仙沼の熊谷新右衛門は米千俵を秋田より仙台へ越すとあり、藩の凶作に対応するため文字越えを通った町人、熊谷は文字越えは日本一の難所と記しています。江戸時代から明治半ばまでは仙台と秋田間の交易は活発で小安温泉が荷継場、商いどころとなり、その背負子がこの活況を支えていました。背負子は秋田、仙台の双方にいて秋田は小安衆、仙台は文字衆または沼倉衆と呼ばれていました。しかし、明治二十六年に秋田県平賀郡と岩手県和賀郡を結ぶ馬車も通れる平和街道が開通してからは、
羽後岐街道・小安街道は寂れてしまいました。現在のようになったのは、昭和四十八年に頂きに車道ができて昭和五十七年に秋田県湯沢まで開通し国道三百九十八号として正式に命名されてからです。現在、この道は秋田県側に入ると大型バスが余裕で擦れ違うことができる道路に改良されていますが、宮城県側の浅布ではバス一台がやっと通れるような状況で、紅葉時期などに対向車が来たときには擦れ違うことができません。これまで何度も地元自治体や住民からの要望を受け地権者と折衝していることとは思いますが、一日も早く
センターラインのある大型バスが擦れ違える道路を造っていただくとともに、冬期も閉鎖せず通年通行を目指していただきたいと思いますが、どうでしょうか。 また、
県道築館栗駒公園線は、いわかがみ平で行き止まりになっていて引き返すしかありません。多くの人が、「ここから国道三百九十八号、花山峠に続く道を造ればよかったのに。」と思っております。
県道築館栗駒公園線については、先頃、崖崩れを起こし片側復旧開通したスノーシェッドから先、耕英地区まで、そして、狭窄部はもう一か所、
荒砥沢ダム上流大崩落地を左手に見ながら、いわかがみ平に登っていく市道につながる県道文字上尾松線の新田地区も乗用車同士の擦れ違いができない箇所があります。新緑や紅葉の時期は特に混雑し大渋滞が発生しています。全線改良は時間がかかるとしても待避所を造り渋滞時に対処していただきながら、
全線大型バスが擦れ違いできる規格の道路改良を望むところでありますが、どうでしょうか、伺います。 宮城県では
蔵王レストハウスと
栗駒レストハウスを設置していますが、蔵王山と栗駒山の入り込み数を比較すると圧倒的に蔵王山が多いが、その理由はどこにあると思われるか、伺います。 最後に、本年十月、紅葉時期に新聞報道された、いわかがみ平駐車場付近の駐車車両が大渋滞を引き起しました。渋滞対策を含め県土木部、警察、栗原市と協議の上、適切な対応を望むところでありますが、どうでしょうか、伺います。 大綱三点目、
蕪栗沼遊水地の活用と上流地域の水害防止についてであります。 栗原市の東南部は古くから伊豆沼・内沼、そして蕪栗沼など広大な低湿地帯が広がる原野でありました。江戸時代から新田開発が進み戦後の食糧難の時代まで度重なる水害と闘いながら農地を広げてきました。瀬峰地区の水害の形態が変わったのは明治時代に東北本線が開通してからです。アメリカ人が設計したものですが
水害常習地帯なので線路は水害を避けるため高く設計され、完成後、その西側の居住世帯が度々冠水、水没するようになったのです。これを受け東北本線に二か所の隧道を設け排水対策を講じてきました。令和元年の台風十九号では
小山田川上流、高清水で総降水量二百五十五ミリ、瀬峰泉谷で総降水量二百六十三ミリが記録されています。この影響で小山田川や瀬峰川の堤防が数か所で越流、決壊、下藤沢から瀬峰駅一帯が冠水し床上・床下浸水が多数発生しました。「東北本線さえなければ、あふれた水はここにとどまることなく東へ流れるのに。」という住民の声が多数寄せられました。また、この地区は交通の要衝でもあり、
県道河南築館線、
田尻瀬峰線、
古川佐沼線など主要地方道が通っており交通の遮断は経済活動にも大きな影響を与えました。迅速な復旧工事が完了した今、再び同じような災害に遭わないよう改めて瀬峰地区の洪水対策について見解と対策を伺います。 台風十九号の
小山田川上流部の降水量は丸森町などと比べるとはるかに少なく、洪水になるのは地形が大きく影響していると考えられます。
蕪栗沼遊水地は大崎市、登米市、栗原市にまたがり、戦前から戦後にかけて食糧を増産するため干拓が進み昭和初期には沼の面積が四分の一にまで減少しております。このことも影響し昭和二十二年、昭和二十三年の
カスリン・アイオン台風によって大水害が起き、治水対策のため遊水地を整備する計画が立てられました。しかし、沼を干拓して水田をつくり各地から移住してきた農家の反発が大きく、住宅の移転や補償交渉は困難を極め着工したのが計画を立ててから十六年後の一九七〇年でした。遊水地が完成したのは二〇〇一年、何と三十一年もの歳月を要しました。当初は遊水機能の確保から沼の全面掘削を計画しましたが、蕪栗沼とそれを取り巻く自然環境へ配慮するため全面的に見直しを行うとともに、地域住民、各分野で構成する
蕪栗沼遊水地懇談会を設立し遊水地の保全管理に関わる様々な取組が行われてきましたと宮城県資料にあります。平成十七年には蕪栗沼と周辺水田がラムサール条約湿地となり、伊豆沼・内沼と並び鳥類の日本最大の越冬地として世界に名をはせます。蕪栗沼に合流している主な河川は、小山田川、萱刈川、瀬峰川で、遊水地は、蕪栗沼、白鳥、四分区、野谷地、沼崎の五区からなり総貯水容量は百五十八万立法メートルであります。アイオン台風クラスの降水量があると
蕪栗沼遊水地には毎秒六百六十五立方メートルの水が流れ込みます。旧北上川はこれだけの水量を受け止められないため、毎秒四百二十五立方メートルを一時的に遊水地にため、旧北上川へ内水排除を含め毎秒三百立方メートルを流下させるとなっております。この地域での台風十九号の降水量はまさにアイオン台風並み、もしかするとそれを上回る豪雨だったのかもしれません。この台風で最大遊水地である野谷地遊水地のラバーゲートが機能しなかったと地元住民から指摘がありました。つまり遊水地としての機能が十分発揮できず遊水地への流入が滞り上流部へ影響を及ぼした可能性があった。その原因は何だったのか対策を講じるべきと考えますが、どうでしょうか。 また、
蕪栗沼遊水地の機能を十分発揮させるためには遊水地へ注ぐ河川の上流部堤防のかさ上げも必要と思われますが、現在の堤防は暫定堤防なのか、それとも完成堤防なのか、仮に暫定堤防とすれば瀬峰駅前地区を含む東北本線西側を守るためどうすればよいのか、計画を伺います。 また、洪水時の排水機場の運用について状況を伺います。 県内の排水機場や施設は老朽化が進んでいると思われますが、この水系に関する排水機場のアセットマネジメントについても併せて伺います。 近年、田んぼダムの取組が大崎市で試験的に行われておりますが、小山田川の上流端は菅生ダム付近で旧迫川合流部まで河川延長およそ三十一キロメートルと流入する河川では最も長く、瀬峰川、萱刈川の比較的河川延長の短い河川が蕪栗沼で合流しております。田んぼダムは狭い沢沿いの段々田んぼのような地形にこそ効果があると考えますが、田んぼダムの取組を拡大することについて伺います。 この地区の排水は特に東北本線の影響が大きく、JR東日本とも協議し解決に向け力を尽くすべきと考えますが、どうでしょうか。 以上で、第一回目の質問を終わります。 答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君)
瀬戸健治郎議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、栗原・
登米保健所支所化についての御質問にお答えいたします。 初めに、移行後の組織体制についてのお尋ねにお答えいたします。 公衆衛生の広域的、専門的、技術的拠点である保健所は地域保健の要として近年は、より一層の体制強化が求められております。そのため、今回の組織再編は
大崎保健所と
石巻保健所の所管区域を大くくりにすることで、まず、医療機関や福祉施設の指導監督業務では、これまで栗原と登米では一人で担当していた人員の集約化を図り、数人の職員体制で実施することで分業や相談を可能とし専門性を高めようとするものであります。また、本所と支所全体の職員で業務に当たることで、新型コロナへの対応を含む危機管理的な業務では機動的な体制を組むことも可能となります。これまで地域の皆様から懸念の声が寄せられていた
住民サービスへの影響については、住民や事業者に密接に関わる業務は支所に残すことに加え、各種免許申請や相談などの窓口業務を残して住民の方が本所に足を運ぶ不便がないように整理したところであります。なお、組織体制について支所の班や職員の数は、今後、業務量を精査の上、決定いたしますが、現場対応の職員の人事配置については、できる限り配慮してまいりたいと考えております。 次に、地方機関の再編統合についての御質問にお答えいたします。 地方機関は地域振興等の総合的な調整機能や市町村の支援補完機能、現地対応機能を持つ地域における県の執行機関としての役割を担っております。地方機関の再編統合に当たっては多様化する県民のニーズを把握し広域的な課題に対応するため、業務内容や県民の利便性、地域の特性などを考慮してきたところであり、今回の再編は将来的な統合を目的としたものではなく、所管区域の見直しを行うことで専門性の確保などの保健所の体制強化を図るものであります。県といたしましては、引き続き県行政を取り巻く状況の変化に対応できるよう市町村にも配慮しながら、必要に応じた組織の見直しを行うことで均衡ある県土の発展に努めてまいります。 次に、大綱二点目、紅葉時の渋滞解消と道路改良についての御質問のうち、国道三百九十八号の整備等についてのお尋ねにお答えいたします。 国道三百九十八号は、我が県と秋田県とを結ぶ広域的な防災道路ネットワークを形成する路線として緊急輸送道路に指定されているほか、栗原地域の観光振興や秋田県との文化・経済交流などの観点からも重要な路線であります。県ではこれまで安全で円滑な通行を確保するため栗原市花山の水無地区等で道路改良を進めてきたほか、急カーブが連続している七曲地区においては、見通しを確保するため部分的な拡幅を行い今年四月に完成したところであります。一方、浅布地区においては土地所有者から用地協力の御了解が得られず一部未改良となっているため、紅葉などの観光シーズンには渋滞が発生するなど早期の整備が必要であると認識しております。県といたしましては、引き続き栗原市と連携しながら土地所有者の御理解が得られるよう丁寧な用地交渉に努め、早期整備が図られるよう取り組んでまいります。また、温湯地区から秋田県境までの冬期閉鎖区間は雪崩の危険性が高いことから、冬期間の安全な通行を確保するため湯浜地区においてスノーシェッドなどの防雪対策工事を計画的に進めるとともに、秋田県と綿密に調整を行いながら冬期閉鎖期間の短縮にも鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、栗原・
登米保健所支所化についての御質問のうち、第六波の対応への懸念についてのお尋ねにお答えいたします。 今回の保健所再編により危機管理的な業務では本所と支所の大きな枠での柔軟な応援が可能となるものです。現在、栗原及び
登米保健所は約三十人体制ですが、約六十人規模の大崎及び
石巻保健所の職員と合わせることによって、新型コロナの健康観察業務や災害時の避難所の運営支援などに迅速かつ計画的に従事させることができ、交代要員が生まれるなど職員一人一人の負担軽減にもつながります。なお、広域災害や新型コロナの大規模な感染拡大の場合は宮城県災害時公衆衛生活動ガイドライン等に基づき、これまでと同様に本庁において必要な人員の派遣調整を行うこととしております。 次に、
気仙沼保健所の取扱いについての御質問にお答えいたします。
地域保健法の規定により保健所の所管区域は、医療法に基づく二次医療圏及び介護保険法に基づく高齢者福祉圏域を参酌して設定することとされておりますが、我が県の現状では大崎・栗原医療圏に二つ、石巻・登米・気仙沼医療圏には三つの保健所が存在しております。今回の再編では石巻・登米・気仙沼には二つの保健所本所の体制となります。これは今回の組織再編の目的である災害発生時の緊急かつ機動的な応援体制の確保の点で石巻市と気仙沼市の距離が相当程度あること、また、
気仙沼保健所は二つの市町との広域的な調整の役割があることから再編の対象と考えていないものであります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君)
経済商工観光部長千葉隆政君。 〔
経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕
◎
経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱二点目、紅葉時の渋滞解消と道路改良についての御質問のうち、蔵王山と栗駒山の入り込み数についてのお尋ねにお答えいたします。 県では宮城を代表する山岳景勝地である蔵王山と栗駒山にレストハウスを設置し、登山者や観光客の利便性の向上や安全性の確保に努めているところです。
新型コロナウイルス感染症流行前の令和元年度の蔵王山刈田岳山頂の入り込み数は約三十五万人に対し、栗駒山いわかがみ平は約十四万人となっております。入り込み数の差の原因については、蔵王山へは宮城・山形両県から山頂近くを通る蔵王エコーラインが開通している一方で、栗駒山山頂と道路終点のいわかがみ平との距離があるなどのアクセス性や周辺エリアに集積する観光資源との相乗効果、更にはゴールデンウィークから初夏の登山や秋の紅葉など旅行客が訪れるピークが多い蔵王山と、秋の紅葉時に観光客が集中する栗駒山との入り込み状態などが挙げられると考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 農政部長宮川耕一君。 〔農政部長 宮川耕一君登壇〕
◎農政部長(宮川耕一君) 大綱三点目、栗原市瀬峰地区の洪水対策と
蕪栗沼遊水地の機能についての御質問のうち、洪水時における排水機場の運用とアセットマネジメントの現況についてのお尋ねにお答えいたします。 蕪栗沼上流の排水機場については、原則として操作規則や排水計画書等に定められた洪水時の河川の外水位や内水位の基準値に基づき、機場の運転の開始や停止を行っております。具体的には、例えば、萱刈川水系の大里排水機場では内水位がKP四・四〇メートルに達し更に水位が上昇するおそれがある場合--これは自然排水がきかなくなる水位ということでございますが、排水機場の運転を開始し、同水系の泉谷樋管地点の外水位がKP七・二〇メートルに達した場合--これは排出先河川の計画高水位が七・五五ということでその手前に来たときということでございますが、排水機場の運転を停止することとなっております。また、排水機場の維持管理については、蕪栗沼に合流する小山田川、瀬峰川、萱刈川に関係する農業用の排水機場十二施設のうち、標準耐用年数を超過している施設が十一施設あり、そのうち宮城県農業農村整備事業等管理計画に位置づけられている五施設については、計画に基づき令和十二年度までに長寿命化対策の事業に着手する予定としております。更に、その他の六施設についても土地改良区など施設管理者と調整を行い、適時適切な保全対策を実施し施設の機能維持及び長寿命化を図ってまいります。 次に、田んぼダムの取組についての御質問にお答えいたします。 県では気候変動による水災害リスクの増大に備えるため、集水域から氾濫域までの流域全体のあらゆる関係者が協働して水害を軽減させる流域治水を進めております。この取組の一つである田んぼダムは、流域の上流部や中流部に設置することで下流部の洪水被害を軽減する効果が期待できる取組であり、また、多くの水田で田んぼダムに取り組むことで洪水被害の軽減が一層期待できるものと考えております。県といたしましては今年六月に宮城県田んぼダム実証コンソーシアムを設立し、大崎市千刈江地区において田んぼダムの設置による湛水区域の検証や適地の選定等の実証事業を進めており、関係機関や農家の御理解と御協力を得ながら普及に努めているところです。小山田川流域での田んぼダム導入につきましては、今後、農地整備等の機会を捉えて地元の御意見を伺いながら検討してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 土木部長佐藤達也君。 〔土木部長 佐藤達也君登壇〕
◎土木部長(佐藤達也君) 大綱二点目、紅葉時の渋滞解消と道路改良についての御質問のうち、
県道築館栗駒公園線等の整備についてのお尋ねにお答えいたします。 栗駒山への主要なアクセス道路となる
県道築館栗駒公園線については、栗駒沼倉地区の行者滝から耕英地区の旧いこいの村付近までの約六キロメートルが未改良となっているほか、栗駒山麓ジオパークに認定された荒砥沢ダムに通じる県道文字上尾松線についても荒砥沢ダムまでの約四キロメートルが未改良となっております。この二つの区間とも幅員が狭いことから大型観光バス同士の擦れ違いが難しく、紅葉時期などには交通渋滞が度々発生しておりますが、地形が急峻で河川と並行する区間もあることから整備に当たっては大規模な事業となることが想定され、抜本的な改良整備は難しいものと認識しております。県といたしましては未改良の区間の安全で円滑な交通の確保に向けて、まずは部分的な拡幅や待避所の設置などの必要な対策について栗原市や地元の皆様の御意見を伺いながら検討してまいります。 次に、いわかがみ平の渋滞対策についての御質問にお答えいたします。 栗駒山は山全体が紅葉する様子が神の
じゅうたんと称され全国から多くの登山客や観光客が訪れる県内有数の観光地であり、栗原市では、例年、
紅葉シーズンの渋滞に対応するため、シャトルバス運行による一般車両の利用規制と周辺駐車場への交通誘導などを実施しております。こうした中、緊急事態宣言解除後の最初の週末となった十月三日は好天にも恵まれたことから昨シーズンピーク時の約三倍以上の人出があり、いわかがみ平駐車場付近では路上駐車も発生し、
県道築館栗駒公園線では約六キロメートルにわたる渋滞により、けが人などの救急搬送にも影響が出る事態となりました。このため、県では速やかに栗原市や関係機関と協議し路上駐車を防ぐバリケードや渋滞予告看板の設置など追加の渋滞対策を実施したところです。県といたしましては今回の渋滞状況を検証し来年の
紅葉シーズンに向け駐車場の増設などの受入れ体制確保のほか、他の観光地で実施されているマイカー規制の導入など効果的な渋滞対策等について、栗原市や警察などの関係機関と検討を進めてまいります。 次に、大綱三点目、栗原市瀬峰地区の洪水対策と
蕪栗沼遊水地の機能についての御質問のうち、栗原市瀬峰地区の洪水対策についてのお尋ねにお答えいたします。 令和元年東日本台風では栗原市瀬峰地区を流下する小山田川及び瀬峰川の十四か所でのり欠けやのり崩れなどの被害が発生し、そのうち瀬峰川の東北新幹線から上流部において左岸側の堤防が一か所決壊し農地への浸水被害が発生いたしました。その災害復旧工事につきましては昨年五月に完了しております。これまで瀬峰川の整備は東北本線より下流部については旧迫川の河川改修事業として昭和五十一年度に完成しており、上流部については瀬峰市街地を洪水から守るため昭和五十七年度から平成九年度にかけて河道掘削や護岸工事を実施しております。これらの整備により計画の河道断面はおおむね確保されているものと認識しており、今後は堆積土砂の撤去や支障木の伐採等について計画的に実施していくこととしております。県といたしましては激甚化する水災害から県民の生命・財産を守るため、河川ごとの改修水準や被災状況、周辺の土地利用状況等を踏まえ、優先度を考慮した上で治水安全度の向上に向けて総合的な治水対策を進めてまいります。 次に、遊水地における洪水調節と上流河川への影響についての御質問にお答えいたします。
蕪栗沼遊水地については蕪栗沼と周辺の干拓地を四つの地区から成る遊水地群として整備したものであり、令和元年東日本台風による洪水では、白鳥地区、四分区地区及び沼崎地区の各遊水地において洪水調節が行われました。お尋ねのありました野谷地地区については他の遊水地に流入した後に洪水調節を行うこととなっており、今回の洪水では他の遊水地への流入状況を確認しながらラバーゲートの操作を適切に判断したものであり、機能上も問題はなかったものと認識しております。また、蕪栗沼上流に位置する小山田川については、河川水位が計画高水位まで達していないことから浸水被害は内水氾濫により発生したものと考えております。県といたしましては内水を含めた浸水被害の軽減に向けて市町や関係機関等と連携し、流域全体で減災に取り組む流域治水対策を推進してまいります。 次に、遊水地上流部の河川堤防及び東北本線の影響についての御質問にお答えいたします。
蕪栗沼遊水地へ注ぐ小山田川ほか四河川については旧北上川の背水の影響を受けることから、
蕪栗沼遊水地の整備と合わせて背水区間である東北本線下流までの区間について河道掘削や築堤などの整備を行い完成堤防となっております。東北本線より上流部の小山田川については、一部区間で堤防幅が不足する暫定堤防があるものの堤防高は確保されており十分な流下能力を有しております。瀬峰駅前地区を含む東北本線西側の浸水被害を防ぐためには内水対策が重要であると考えており、排水方法については東北本線の影響も含めて検討する必要があることから、今後、JR東日本との協議も含めて栗原市と対応について考えてまいります。 以上でございます。
○議長(菊地恵一君)
十八番瀬戸健治郎君。
◆十八番(
瀬戸健治郎君) まず、伊藤
保健福祉部長は栗原市、登米市を訪れて市長及び市議会議員の皆さんに丁寧に御説明されたと伺っております。そこでどのような御意見をいただいたのか、お話しいただきたいと思います。
○議長(菊地恵一君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 今議員にお話しいただきましたように、何度か両市長のところにお話に行きましたことに併せ、先月末に栗原市、登米市それぞれの市議会議員の皆さんの前で説明して御意見を伺う機会をいただいたところであります。その中では様々な御意見がありました。例えば、栗原市議会ですと、特に現地を知っている保健師が少なくなることに対する懸念、それから先ほど議員も言われましたように、支所化という言葉で栗原市からいろんな機関やサービスがなくなっていくことを非常に心配する声などがありました。また、市議会全員で県に要望に来ましたが、その後どのような対応をしてきたのかなどの御意見がありました。総じて、やはり私どもが説明しておりますような専門性の強化ということについては御理解をいただいているものと受け止めておりますが、栗原市民にとって不便がないのかということを強く御心配されていると受け止めておりました。私からは、先ほど議員からお話がありましたように、サービスについては大部分は残す。例えば、大崎市に出向くことはないようにすることなどを御説明いたしまして、そういった説明については受け止めていただいたと思っております。
○議長(菊地恵一君)
十八番瀬戸健治郎君。
◆十八番(
瀬戸健治郎君) 私もそのようなお話は伺いました。やっぱり、特に昨年はコロナが蔓延しておりましたし、今もコロナ対策に対する不安が大きいのが一番の原因だと思っております。また、先ほどコロナ対策についてもお話しいただきましたが我々はイメージできません。もし、コロナが発生した場合、それは栗原市だけではなく日本全国、宮城県一円にたちまち広がるものですから、例え支所化して本所機能を高めてもそれで対応できるのかというと、どうもその辺に不安があるようでございます。そして何より、特に県境に住んでいる我々は、今後も県の機関あるいは国の機関が次々になくなっていくのかという思いであります。ちなみに、本所機能を栗原市に持ってくるとか、登米市に持ってくるとなれば、私どもの市民の皆さんも大歓迎だと思いますが、知事、今後、そのような事業箇所によっては、むしろ地方にこれを持っていって地方を活性化させるという考えはいかがでしょうか。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) これは当然、組織の目的によって変わってくると思います。地域を活性化させるための何か組織をつくるということになれば、そういったようなものを外に持っていくというのは当然のことだと思います。今回の場合は保健所の支所化ということでありますが、これは全県にありますいろんな保健所の機能を強化することが最大の目的でございますので、それに見合った対策を取ったということでございます。必ずしも全てここにということではないということでございます。
○議長(菊地恵一君)
十八番瀬戸健治郎君。
◆十八番(
瀬戸健治郎君) 御存じのように、知事は選挙のときに宮城県全体をくまなく回られたと思いますが、私どもの紅葉の渋滞地区は雪が降ると半年間は観光客が来ません。ですから観光客が来れる時期にたくさんの人を受け入れる必要があると思います。蔵王山と一番違うのは、やっぱり蔵王エコーラインという山形県までしっかり越えられる道路があるということだと思っております。本来なら耕英地区から国道三百九十八号まで道路が欲しいと思いますが、あそこはブナの群生林で本当にこれからも大変必要なところでありますので、そこまでは申しませんが、今までの道路を先ほどの答弁のとおり、しっかり見通しのよい、あるいは退避所を造って対応していただきたいと思います。 最後に、野谷地遊水地のラバーゲートの件でありますが、いろいろ決まりはあるようですが、もし、人為的にいろんな操作が無理な場合や危険な場合もありますので、今後は本所の職員が直接スイッチを押せば遠隔でも操作できるようなものが必要だと思います。 以上を御指摘して、質問を終わりたいと思います。
○議長(菊地恵一君) 二十一番
高橋宗也君。 〔二十一番
高橋宗也君登壇〕
◆二十一番(
高橋宗也君) おはようございます。議長のお許しをいただきましたので質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 二〇二一年、今年も残すところあと二十四日となりました。この十年間、あの東日本大震災の発生、そして世界的なパンデミック、まさに激動の十年でありました。我が宮城県においては村井県政五期目がスタートいたしました。私は広く県民の皆様の意見を聴き多くの県民の皆様の信頼を得て、光輝くところは最大限に伸ばしつつ光の当たらないところにも光を当てていくことが政治の原点だと考えております。知事におかれましては不断のリーダーシップを発揮して課題を先送りすることなく、持続的な発展と確かな未来に向けた政策を県民の皆様に示し確実に実施していくことを改めて強く期待いたします。まさに、これからが正念場であります。今後の県勢発展に向け、残された復興の課題、百年、千年と続く震災の記憶伝承、防災力の強化、そして感染症禍における農業・水産業の振興などについて横断的に県の方針をお伺いいたします。 初めに、今後の防災力強化について伺います。 私の手元に十年前の手帳があります。東日本大震災の年、二〇一一年から二〇一三年まで使う予定で購入した、いわゆる三年ダイアリーです。しかし、三年間使い続けることはできず二〇一一年の一年間でびっしりと余白まで使い切ってしまいました。震災時、私は東松島市で復興業務を担当する一人として地域の合意形成、復興計画の策定、そして国との事業や許認可制度の調整に携わっておりました。個人的なことで誠に恐縮でありますが、当時、私は津波で亡くした娘の葬儀を行うことも叶わず住居も仮設住まいでありました。一人の被災者として、また、ある意味で復興の真ん中にいる行政の担当者として、もがいておりました。尽きることのない膨大な業務に追われていたと言ったほうが正確かもしれません。被災自治体は人も地域も、また庁舎さえも大きな被害を受け苛酷さを極めておりました。もとより、私だけではなく東日本大震災時、基礎自治体の職員はその多くが自ら被災し、ある者は家族、親戚、友人等を亡くし、また、住居を失いながら通常業務に加えて復旧・復興、医療ケア、避難所対応、行方不明者捜索、御遺体の安置、物資・食料調達など膨大かつ緊急的な業務に当たっておりました。改めて当時の私の手帳を読み返すと、業務の膨大さに加えて国の各省庁との制度調整には特に時間を要していたことや、結果として被災者への説明が十分に行えないもどかしさ、歯がゆさなど残念な気持ちがつづられています。そのような状況が約一年続き、その後、二〇一二年二月十日、復興庁が設置され初めてワンストップ的な省庁がスタートして、当初の混乱的な状況から脱し復興業務も次第に軌道に乗ってきたことを記憶しております。現場を経験した者の一人として災害対応が一元化されていない我が国の防災体制の改革は必須だと確信しています。現況の内閣府特命防災担当大臣と復興大臣の二面方式や消防庁長官指揮下の緊急消防援助隊、国土交通省指揮下の緊急災害対策派遣隊など、すばらしい人材がそろっていますが制度的には課題があります。制度の改革は、まず当事者、そして現場から声を上げることから始まります。私はこれまでも継続的に訴えてきたとおり、災害が起こった後の後追い対策であり続けてきた我が国の防災体制は根本的に見直す必要があると考えています。復興庁の設置法は当面延長されたものの時限法であり、このままでは復興庁の組織も築き上げてきた知見も散逸してしまいます。これまでの十年間の復興で積み重ねてきたノウハウを生かし、加えて、防災政策を担う仮称防災復興庁の創設を最大被災地宮城県として、継続的に国に強く訴えていくことが必要ではないでしょうか。知事は、県議会は民意を反映しており、その意思を最大限に尊重する旨、各方面で発言されておりますので申し添えますが、我が県議会としては一昨年、防災復興庁を創設し常設化する意見書を全会一致で採択しており、言わば我が県の意思は防災復興庁の設置推進です。危機管理は最悪の事態を想定しておくことが必要です。世界的にも国家組織が防災を担うことが標準化されており安全安心はSDGsの根底にある基本政策です。加えて、共同通信社のアンケート調査によると、我が国の自治体の六一・四%は災害の備えから復興までを一手に担う国の専門機関、防災省が必要と考えており、その多くが理由として防災業務が複数省庁に分散する弊害を指摘しています。復興庁が蓄積した情報や経験を生かし防災面の指揮系統を一元化して巨大災害に備え復興を担うことには大きな意義があります。根本には、この東日本大震災で私たちが経験したあまりにもつらい状況を繰り返すようなことがあってはならないというシンプルで強い思いがあります。また、このたびの感染症禍においては特に東京を含む首都圏一極集中の課題、そして、その脆弱性については改めて全国民が再認識したところです。国難となる首都直下地震、また、東南海地震などに備えるためには過度な東京集中から位置的にもリスク分散を図ることが必須であります。なお、新たな組織は防災インフラが整備され気候的にも適した地域、すなわち我が県をはじめ東北地方が最適地だと考えます。知事は全国知事会、国民運動本部の本部長であり知事会の危機管理・防災特別委員会委員でもあります。震災十年の節目に当たり私から改めてこの課題について提言し、知事の考え方と今後の見通し等について伺います。 次に、震災伝承について伺います。 東日本大震災を踏まえた教訓継承の基礎となる資料や記録は次第に充実してきています。また、今年から県が被災地を巡るバスツアーを初めて企画するなど震災伝承の充実強化に向けて当局が動き始めたことは評価しています。一方で時間の経過やコロナ禍等もあり震災の経験を伝承する人材の減少や高齢化が進行しています。記録は保存だけではなく活用していくことによって本来の目的を達成し、何があったのかを語る人がいてこそ教訓が伝わります。実際に現場で経験した方の生の声で伝えることが最も訴求力があることは論をまちません。今後、百年、千年と伝承の継続が求められる中で、あの東日本大震災からたった十年が経過したにすぎません。今後の伝承体制の充実に向けて仕組みを整えていくのは、まさに今がそのタイミングです。県内各地には東日本大震災のことを詳しく知りたい、被災地を訪れて学びたいという人々のために通称語り部と言われる人々がいます。各地で語り部または語り部的な活動を行っている方々は多くが被災者であり、また、御遺族である方もいらっしゃいます。当時のことを思い出すのもつらい状況という方が多数いる中で、強い使命感で今後の防災力の強化や悲しみを繰り返さないという思いの下、この活動に取り組んでいることに改めて心からの敬意と感謝をささげます。東日本大震災の語り部の育成、そして組織的・広域的な連携は既に福島県で本格的に事業着手しており、震災の記憶や教訓、被災地の現状や復興状況などをお伝えする方々や団体を県が積極的に育成、ネットワーク化し、全国、世界に向けて情報発信しています。東日本大震災からこれまでの十年間は記憶に残る期間であったかもしれませんが、これからがまさに震災伝承に向けて工夫しながら継続・充実していく期間になります。県として震災の記憶を語り継ぎ次の世代に伝承していく具体的な取組を強化すべきです。今後の震災伝承、また、語り部活動に対する県の支援方針を伺います。 次に、震災遺構の広報強化について伺います。 各地に整備保存された震災遺構については全国の人々に対して興味を持っていただけるように、また、訪れたいと行動を起こしていただけるように紹介し広報していくことが求められています。みやぎ東日本大震災津波伝承館はゲートウエー機能を果たし、被災自治体と文字どおり連携していくことが本来の役割だと思われますが、県として現在の各震災遺構の広報状況と各地との連携方針を伺います。 次に、所有者不明の土地問題について伺います。 東日本大震災からの復興においては事業の用地取得等を行う際、相続の手続未処理や共有名義の放置問題など権利関係の調整が必要な事案が多く、中には全体の筆数の約三割にも及ぶ地域もありました。こうした土地の権利調整は難航し東日本大震災・復興特別区域法の改正によって手続の緩和が実現したのは、震災から三年以上が経過した二〇一四年四月末でした。その後、我が県議会としても意見書提出等の要請を続けたこともあり法令の見直しにつながりました。二〇一八年に成立した所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法、二〇二〇年の土地基本法の改正、今年四月に成立した民事基本法則の見直しの三つの法改正が実現したことは、東日本大震災の経験を踏まえた土地政策や民事法制にも踏み込んだ制度改善の一つではないかと思います。一方で土地の問題は、人口減少という社会の変化と前時代的な不動産制度のはざまで広がってきた構造的な課題となっており、我が国全体でこのような所有者不明の土地の総面積は実に九州全土を上回る四百万ヘクタールにも上り、今後も増えていく可能性が高いと言われています。法の改正は行われたものの、制度の周知や理解、そして実際の改善はまだまだ不十分です。また、この問題は県内各被災地で課題となっている被災元地の活用についても所有者が不明な土地が多数存在し、利活用促進のブレーキとなっています。今後、次なる災害に備えるため、更に限られた土地を有効に活用していくため土地問題は重要な課題であり、国・県と市町村、そして民間が連携して取り組んでいくことが不可欠です。なお、同特措法では反対する権利者がおらず現に利用されていない所有者不明土地については、市町村長の意見を聴いた上で都道府県知事の裁定により事業者が使用権を設定できるなど以前より踏み込んだ措置が講じられています。まだまだ土地問題については現況の認識も含めて未対応のところが多いと推察しておりますが、我が県における所有者不明土地の問題について、県では面積や割合等の概要把握をしているかどうか、また、今後の本県としての対応方針について伺います。 次に、本県のサイクリングロードの復興とサイクルツーリズムの振興について伺います。 自転車専用道路の復興について昨年一般質問したところ、県自転車活用推進計画をつくり震災復興・伝承みやぎルートを基幹として確実に整備していくということでありました。御答弁のとおり今年三月に計画が策定され沿岸部復興の最終盤の事業として注視しているところです。私たちの会派におきましてもサイクルツーリズム推進議員連盟を組織し、道路や施設の整備、観光交流、健康増進など各方面から今後の政策調整を進めています。過日、同議連役員で瀬戸内しまなみ海道の調査に行ってまいりました。愛媛県においては自転車新文化推進課というサイクルツーリズム推進の専任担当部署を設置するほど力が入っており、自転車を中心とした各種政策を推し進めています。美しい海を眺めながら走るコースはイギリスの大手メディア、CNNからも世界で最もすばらしい七つのサイクリングコースに選ばれ、国内外から多くのサイクリストが訪れています。また、県民の健康づくりや地域振興にも寄与しています。当初は知名度が低かった瀬戸内しまなみ海道は、愛媛県知事の政策によってサイクリング道路のハード整備と市民、事業者の協力が進み、今治市と広島県尾道市なども加わって今や世界的にも自転車の聖地と言われ、サイクリストだけで年間三十三万人以上の利用者が訪れるまでになりました。瀬戸内しまなみ海道には通称ブルーラインと言われる青色で塗られた自転車専用通行帯が整備され、サイクルターミナルの設置や県境を越えての乗り捨ても可能になる仕組みが整っています。私たちも実際に体験いたしましたが、今治市から尾道市間のルートは連続して路面にブルーラインが引かれており地図を見なくても目的地にたどり着けます。また、一キロメートルごとに距離が示されているのも安心で景観や交流が楽しめます。我が宮城県においては県独自の自転車安全利用条例が制定され、県として自転車の安全な交通環境を整備推進する旨、自ら宣言したところであります。加えて、宮城の誇り、日本三景松島、更に三陸復興国立公園、栗駒、蔵王の国定公園などの景勝地が連なっています。また、震災伝承施設や復興商店街を含め自然景観や交流施設は瀬戸内しまなみ海道にも全く引けを取りません。今後、被災地のサイクリング道路のハード施設整備が整い、更にソフト的な関係機関の連携と道路標示を含むPRを適切に行えば、世界的な潮流となっているサイクルツーリズムの日本の拠点となる要件は十分備えています。本県のサイクルツーリズムの振興策について、今後の自転車道路のハード整備や年次的な計画、また、推進方針等を伺います。 次に、小型特殊自転車の活用特例について伺います。 近年、サイクリングに加えて電動キックボードなど新しいタイプの乗り物が世界各国で注目を集めています。このような新型のモビリティーについて我が県でも仙台港周辺での試行モデルがスタートしておりますが、自転車道の通行など今後の活用拡大についてはどのようにお考えでしょうか。既に国は道路交通法施行規則の適用に関して原動機付自転車としての取扱いに加え、産業競争力強化法に基づく小型特殊自転車として規制緩和的な特例措置の取扱いを全国約十の都府県で先行して実施しています。三大都市圏など人口過密な都市部では一部で課題も発生しておりますが、我が県の自転車道はまだ通行に余裕もあり、観光の振興や産業活性化に向けて小型特殊自動車の安全な通行は十分可能であります。この特例措置については国の認可となりますが、本県の自転車道など一部を先行的に安全なエリア設定を行い、電動キックボードなどの活用を幅広く検討していくことが必要ではないでしょうか。活用を希望する市町村や団体・企業への支援策など今後の当局の方針を伺います。 次に、大綱の二点目、感染症対策と産業の再生について今後の方針を伺います。 このたびのパンデミックによって多くの産業が大きな影響を受けました。それぞれの業界にとってはまさに死活問題です。その中で本県の重要な一次産業、農業、水産業にとってあまりにも大きな影響が生じています。緊急的な一次産業救済措置の発動が必要でありますし、加えて、長期的な視点ではそれぞれ生産者が将来に希望を持てるような持続的な仕組みづくりが必要不可欠だと考えます。以下、対応策を伺います。 まず、農業政策について伺います。 県産米の概算金が約二五%から三〇%急激に下がりました。採算ベースが割り込む誠に深刻な事態に直面しています。このような状況から今年度は独自施策として十アール当たり二千円から一万円を交付する方針を示した市町村が多くなっています。緊急的措置として必要なことではありますが、基礎的自治体の財政支援には限界もあり長期的な継続が難しいことは既に多くの農業者が認識しております。低下の要因については世界的な感染症禍による需要減少、在庫米の増加とすることには理解を示しつつも問題はもっと根本にあるのではないでしょうか。近年でも概算金は著しく低下したことがあります。二〇一〇年に八千七百円、二〇一四年には八千四百円に下落したことがありました。米価の問題はコロナ禍の要因だけではありません。持続できる農業の将来像を示し根本的な対応を取って、農家の営農意欲や将来の希望が持てる農業経営を実現していくことが必要です。今議会における県の対応補正予算七億四千万円については、まさに焦眉の急として必要な対応でありますが、私からは米政策についての長期的な県の対応方針を伺います。今回の米価の低下は県単位で著しい差異が生じていました。一方で、新しいブランドや販売戦略、関係機関との綿密な協力等によって米価の著しい低下に歯止めをかけた地域もあります。まず、県としてこれまでの米政策に係る総合的な評価を伺います。そして、その評価を踏まえ、これからは何を優先して進めていくのか、そして、どんな将来像を目指していくのか、今後の確固たる県の戦略についてお示しください。 次に、水産業について伺います。 水産業は、価格、漁獲ともに非常に深刻な状況を迎えています。コロナ禍による価格の低迷だけではなく漁業は温暖化等による漁獲の低下で二重に苦境に陥っています。我が県は平成十五年、みやぎ海とさかなの県民条例を制定し、県、県民、そして水産事業者が果たすべき役割を定め次世代に引き継いでいくことを決めています。今こそ県としての役割を果たしていくときであり緊急的な支援と長期的な温暖化対策の二方面から政策立案が急務です。例えば、カキについては、今年十月、今シーズン初入札時の落札価格は一部で昨年より実に約四割落ち込みました。また、サケ漁は非常に深刻です。今年の漁獲は最盛期の実に一%から二%、まさに壊滅的な状況に陥っています。県内の定置網漁業者の多くはサケ漁が主体であり、このままでは定置網漁業の継続は困難となり宮城のサケの食文化すら危機的な状況に陥ります。このままでは多いときで約六千六百七十万尾を放流していたサケの稚魚放流に必要な魚卵の確保がままならないのは明らかです。内水面における採卵・稚魚育成財源の一部は海面漁業の水揚げ協力金七%で補っています。財政的にも宮城のサケは誠に大変な状況を迎えています。今年の深刻なサケ水揚げ状況では稚魚育成放流に関する仕組みが根本的に成り立ちません。特に今年は全国的にサケが極端な漁獲減少に陥っており他県に頼ることもほぼ不可能です。このような状況の中、県内のサケ漁業者は遡上するサケの減少によって種卵確保が困難になっているため、定置網などに入る海のサケから採卵する海産親魚と言われる取組に着手しています。本来なら高値で売れる海産のサケをあえて採卵に回している状況です。サケ漁の極端な不漁に関しては財政援助も含めて行政的な支援が緊急的に必要になっています。このままでは宮城のサケのDNAが未来永劫、途絶えてしまいかねません。当局の英断を強く期待しつつ、今後のサケ漁業に関する支援方針をまず伺います。 また、併せて今年を含む経年のサケの漁獲水揚げ数、そして同様に稚魚放流の見込みなどを伺います。 最後に、水産業の温暖化対策について伺います。 沿岸海域で明らかな海況の変化が発生しており温暖化に対応した漁獲の回復に向けて、まずは海況の調査を以前よりも綿密に行っていく必要があります。県内でも松島湾は温暖化の影響が著しく、数年前は一部の漁場でカキが死滅するなど大きな被害が発生いたしました。今年も同様な傾向が見られます。県では松島湾内の十八ポイントで水温や塩分濃度等の水質調査を二か月に一度実施していますが、調査箇所の不足や回数の不足が漁業者から指摘されています。近年の著しい海水温の上昇など海況変化に対応した調査を以前より強化して実施すべきです。また、サンマ、イカなど従来主力だった漁獲のほとんどが極端な不漁となっている状況の中、今後の漁業の持続に向けては、つくり育てる漁業、養殖に大幅にシフトしていく必要があります。そのためには温暖化の対応が欠かせません。今後、漁業振興のプランは環境変化に対応した温暖化バージョンに大きく変えていく必要が生じています。そのための一歩は水質等の調査強化と以前にも増した種苗生産の強化など養殖への更なる投資拡大です。まず、水質調査の強化について、更に漁業政策に係る養殖産業の温暖化対応について伺います。 以上で、壇上からの質問を終了いたします。 御清聴ありがとうございました。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 高橋宗也議員の一般質問にお答えいたします。大綱二点ございました。 まず、大綱一点目、残された復興の課題と防災力の強化についての御質問のうち、仮称防災復興庁の新設についてのお尋ねにお答えいたします。 大規模化・頻発化する災害に対応するため、東日本大震災をはじめとする過去の災害や復興への取組から得た教訓を最大限に生かすとともに、復旧・復興までを見据えた防災・減災対策を国全体で強化する必要があると考えております。そのため、県では国の指揮命令系統を明確化し調整権限や予算措置権限等も含めて、災害への備えから復旧・復興までの一連の対策を担う防災・減災体制の整備について全国知事会を通じて国に求めております。また、国の災害対策本部など首都圏に集中している政府の危機管理機能を首都圏以外の地域へ分散・移転することは重要であると考えていることから、北海道東北地方知事会を通じて代替機能を持った施設の東北地方への整備についても国に要望しているところであります。 次に、大綱二点目、感染症対応と農業・水産業の持続的発展についての御質問にお答えいたします。 初めに、米政策の総合的評価と今後の戦略についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県は、ササニシキ、ひとめぼれ、だて正夢などの優れた品種を育成し、生産者やJA等農業団体、行政が連携して生産・販売両面でたゆまぬ努力を重ね、米の主産県としての地位を維持してまいりました。一方で、みやぎ米は冷害や水害、更には東日本大震災など度重なる災害の影響を受け、結果として定時・定量出荷が求められる小売店等の販路が減少することとなりました。このため、中食・外食向けの需要の開拓に取り組み全国でも業務用米比率の高い産地となりましたが、今回の
新型コロナウイルス感染症拡大によってこの業務用米の消費が低迷し現在の状況になったものと考えております。県といたしましては米の需給改善に努めるとともにJA等農業団体の考えをしっかりと伺いながら、消費者や実需者のニーズを捉えた様々な販路開拓に一体となって取り組んでまいります。更に、水田の効率的な利用に向け基盤整備や土地利用調整を進めるほか、麦・大豆の団地化、園芸作物の産地形成、アグリテックを活用した低コスト化などの取組を支援し県内稲作農家の経営安定を図ってまいります。 次に、今後の漁業政策における温暖化への対応と具体的な政策についての御質問にお答えいたします。 我が県の水産業は、近年、海洋環境の変化によりサケやサンマなどが不漁となる一方、マイワシなどの漁獲量増加が顕著となっており、持続可能な水産業の発展に向けて、こうした変化に柔軟に対応していくことが極めて重要であるものと認識しております。このため、県では漁獲低迷に苦しむ小型サンマ漁船によるマイワシの試験採捕や高水温に耐性のあるワカメの育種のほか、ヒジキやアカモクなど新たな養殖品種の導入に向けた試験研究に取り組んでおります。また、環境変化に影響を受けない陸上養殖への期待が高まっていることから、閉鎖循環式陸上養殖研究施設の整備も進めているところであります。県といたしましては、今後、新たに立ち上げる不漁対策会議などでの県漁協や関係漁業者との議論を踏まえ、効果的な対策を講じることにより第三期水産基本計画に掲げた持続的で収益性が高く、創造的な漁業・養殖生産体制の確立の実現を図ってまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 復興・
危機管理部長佐藤達哉君。 〔復興・
危機管理部長 佐藤達哉君登壇〕
◎復興・
危機管理部長(佐藤達哉君) 大綱一点目、残された復興の課題と防災力の強化についての御質問のうち、伝承者や伝承団体に対する今後の支援方針についてのお尋ねにお答えいたします。 震災の記憶と教訓を後世に伝え継いでいくためには、当時の被災体験などを現地で直接語りかける語り部など伝承団体の皆様の活動が重要であると認識しております。こうしたことから、県では伝承団体や被災市町との意見交換を通し関係者間のネットワーク化を図るとともに、各地域で抱える課題解決の一助となるよう研修会を開催しているところでございます。今後は伝承団体や学校などと情報を共有しながら若い世代の語り部の育成につなげていくほか、県内各地の震災伝承施設等の情報を一元的に取りまとめ、パンフレットやホームページを通じて国内外に向けて広く発信してまいります。更に、みやぎ東日本大震災津波伝承館の多目的スペースを活用し伝承団体と連携した震災学習プログラムや座談会を企画するなど、震災伝承の拠点施設として多様な主体が集う場の創出と関係団体の相互連携に努め、持続的な伝承活動へつながるよう取り組んでまいります。 次に、伝承館についての現状認識と各地の震災遺構に係る広報の状況、連携方針についてのお尋ねにお答えいたします。 伝承館には今年六月の開館以来、県内児童生徒の校外学習や県外からの修学旅行、企業の研修旅行など多くの団体に御来館いただいており、震災の記憶と教訓を後世に伝える施設として、また、防災意識の向上を図る施設として一定の成果を上げているものと認識しております。一方、来館者からは映像を見るための機器が少ない、津波の恐ろしさを実感できるリアルな展示物がない、他の伝承施設とのネットワークが見えないなどの御意見をいただいており課題も見えてきております。各地の震災遺構に係る広報については、現在、パネルの展示などにより行っておりますが、今後は語り部の講話と合わせた新たなパネルの展示や現地の遺物を展示した特別企画のほか、各地の伝承施設等を映像で紹介するための大型モニターの設置などゲートウエー機能を強化してまいります。また、各地の震災遺構との連携を図るため県内の伝承施設等の情報を集約し、施設間の周遊を促進するパンフレットを新たに作成するほか、被災地を巡るバスツアーの企画や教育旅行等の誘致を行うなど関係団体と連携した情報発信に更に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 企画部長志賀真幸君。 〔企画部長 志賀真幸君登壇〕
◎企画部長(志賀真幸君) 大綱一点目、残された復興の課題と防災力の強化についての御質問のうち、所有者不明土地についてのお尋ねにお答えいたします。 いわゆる所有者不明土地につきましては様々な定義があり、また、個別の土地取引の過程において判明するものであることから、その把握は困難でありますが、国では全国の地籍調査対象地のうち約二二%が所有者不明土地に当たると推定しております。この数値を基に我が県における所有者不明土地の潜在量を試算いたしますと、その面積はおよそ十二万七千五百ヘクタールとなります。また、国では所有者不明土地の解消に資するため、法務局において長期間相続登記がされていない土地の法定相続人を調査し相続人に通知する取組を進めており、今後は所有者による土地の適正な管理がますます重要になるものと考えております。このため、県といたしましては土地の有効利用、更には今後の災害に備える観点からも相続登記の義務化や土地所有者等の責務の明確化などについて周知に努めるとともに、現在行っている地籍調査の全市町村における早期完了に向け引き続き計画的に取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君)
経済商工観光部長千葉隆政君。 〔
経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕
◎
経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱一点目、残された復興の課題と防災力の強化についての御質問のうち、新型モビリティーの活用についてのお尋ねにお答えいたします。 新型モビリティーの活用は観光振興の観点から旅行形態が変化する中、町内散策や近郊周遊などマイクロツーリズム推進に向けて有効な交通手段の一つとなる可能性があるものと認識しております。一方で電動キックボードに関する特例措置については、現在、実証実験の段階にあり、更に、特例措置によらない利用についても導入に向けた体制整備や導入後の維持管理、通行に関する安全性の確保などの課題もあるものと承知しております。県といたしましては先進事例の状況を注視しつつ、導入を希望する市町村がありましたら関係企業、団体と協力し、今後の活用方策や支援について検討してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君)
水産林政部長佐藤靖君。 〔
水産林政部長 佐藤 靖君登壇〕
◎
水産林政部長(佐藤靖君) 大綱二点目、感染症対応と農業・水産業の持続的発展についての御質問のうち、サケ漁業への支援方針と漁獲量や稚魚の放流数についてのお尋ねにお答えいたします。 震災以降、サケの沿岸漁獲量については平成二十五年度の六千五百十三トンをピークに毎年減少を続けており、定置網漁業、刺し網漁業などの沿岸漁船漁業は厳しい経営環境にあるものと認識しております。このため、今後はサケ来遊数の回復に向けて、ふ化放流体制の抜本的な見直しも視野に入れた、ふ化場間や海面漁業者との協力体制の更なる強化や海産親魚の買上げ補助の拡充、回帰率向上に向けた取組支援など国や関係機関等と連携し放流種苗の確保に向けた取組を強化してまいります。また、沿岸漁船漁業に関しては養殖業との兼業など多様な漁業経営によるリスク分散を検討するとともに、新たに増加した暖水性魚種の活用推進や付加価値向上に取り組んでまいります。なお、今漁期の沿岸漁獲量は十一月中旬までで七十一トンと昨年同期の一九%にとどまる大変厳しい状況にあります。稚魚放流数についても平成三十年度までは五千万尾を超える放流を継続しておりましたが、令和元年度は二千万尾、昨年度は二千五百万尾と大きく減少しており今漁期も十分な稚魚放流数の確保は厳しい状況にあると認識しております。 次に、水質調査の今後の取組方針についての御質問にお答えいたします。 県ではこれまで松島湾などで定期的に水質調査を行っているほか、カキやノリなど主力養殖品目の種苗を採取する時期には、おおむね週一回程度海水温などの漁場環境調査を実施しております。また、県内七か所に自動観測ブイを設置しておりホームページ上で海水温の日々の変化を確認することが可能となっております。一方、松島湾の最奥部など一部海域においては、これまでの観測によって把握できない変化が生じている可能性があるものと認識しております。県といたしましては継続的に調査を実施するとともに必要に応じて地元関係者と協議を行い、観測点の追加や頻度の見直しにより海洋環境の正確な把握に努め情報を発信してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 土木部長佐藤達也君。 〔土木部長 佐藤達也君登壇〕
◎土木部長(佐藤達也君) 大綱一点目、残された復興の課題と防災力の強化についての御質問のうち、自転車道の整備についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県は日本三景松島や蔵王国定公園などの全国的に有名な景勝地に加え、沿岸部においては震災遺構などの震災伝承施設も数多くあり、そうした観光拠点等を有機的に結びサイクルツーリズムを推進していくことは、観光振興や地域の活性化に大いに効果があるものと認識しております。このため、県では今年三月に宮城県自転車活用推進計画を策定し、その中で沿岸部の震災遺構や伝承施設等を巡る震災復興・伝承みやぎルートを基幹ルートとして位置づけたところです。今年度からは県内の圏域ごとに市町村や関係団体、自転車ユーザーなどで構成する地域部会を立ち上げ、基幹ルートと連携する各地域のサイクルルートの設定のほか、ブルーラインによる路面標示や観光施設の案内看板等の走行環境の整備、休憩施設やサポート施設等の受入れ体制などについて検討を進めております。県といたしましては、今後、地域部会における議論を踏まえハード整備やソフト対策を具体的に取りまとめた実施計画を策定し、市町村及び関係団体等と連携しながら官民挙げてサイクルツーリズムの推進に取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(菊地恵一君) 二十一番
高橋宗也君。
◆二十一番(
高橋宗也君) 何点か確認も含めて再質問させていただきます。 まず、一点目からですが、私、東日本大震災の被災地はもちろん全国の自治体、そして世論も含めて防災省が必要だと考える声が非常に多いと思っております。 まず、知事に伺いたいと思います。 以前は防災省の創設について積極的に知事会としても政府提言を行っていたと思いますが、ただ、暫定的な復興庁が延期されたことでいささかトーンダウンしているようにも感じます。ただいまの答弁で国に移転も含めて積極的に要望するということをお伺いしましたが、全国知事会の国民運動本部長である知事の先頭に立つ思いを含めて、ぜひ防災省の設置については、これからも継続的に声を上げていただきたいという思いを強く持っております。ちなみに、政府はデジタル庁の設置に続き、こども庁の設置にも向かっております。時間は当然必要だと思いますが、この防災省の問題は被災地の宮城県が発信していかないとなかなか進まないと思っています。この件について知事の方針を確認したいと思います。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 先ほど御質問の中で震災の直後に国との調整に非常に戸惑ったというお話がございました。私自身もあの時に国と一つ一つ調整するのに非常に大変な思いをしたことを今でもよく覚えております。そういった意味では、いざというときに一元的に財源も含めて国の考え方をまとめることができるような組織があると、大きな災害が来たときに非常にスムーズに復旧・復興が進むのではないかなという思いを持っております。そういったこともあり、全国知事会、そして北海道東北地方知事会、両方どちらからも国に要望しております。継続的に要望し続けたいと思っております。
○議長(菊地恵一君) 二十一番
高橋宗也君。
◆二十一番(
高橋宗也君) ありがとうございます。ぜひ、そのように強く発信していただきたいし仲間を増やして知事会で声を高めていっていただきたいと思います。我々の実務経験上、残念ながら被災地のマンパワーには非常に限りがあります。更に大都市圏などの人口密集地のことを申し上げますと、前回の台風十九号でもはっきりしましたが避難所に入れない住民の方が物すごくいて二割、三割しか入れない。自治体によっては被害を受けていながら避難所にも行けない住民が多いのです。残念な現実ですが、極端に言うと我が国では避難所に行けば食事もお風呂も大丈夫なこと、あるいは、避難所に行かなければ三日間、食事が手に入らないことを御存じない方が多いと思っています。もう一度、我々も含めて十年前をしっかり思い出して、その思いを発信していただかないと伝わらないというのが残念な現実なので、ぜひ、その思いを酌んでいただきたいと思います。 それで、伝承のほうですが、復興・
危機管理部長の答弁で他の伝承施設とのネットワークが見えないとありましたが、私もそのとおりだと思っております。残念ながらこのような状況で災害対策基本法では伝承は住民の責務となっておりますが、地方自治体は努めなければならないという努力規定です。ただ、我が宮城県にとって努力規定というレベルではないと私は思っています。現況で伝承関係について不足だという御答弁をいただきましたので、これから本当に高めていただきたいと思いますが、現況では県のホームページに各地域の震災遺構のネットワークのリンクすら貼られていません。このような状況では本当に今の御答弁のとおりかと思って疑問に思うところがあります。本当に十分だとお思いなのでしょうか。抜本的な改革的なお話もありましたが、どこから改革していかれるのか、お考えをお聞きしたいと思います。
○議長(菊地恵一君) 復興・
危機管理部長佐藤達哉君。
◎復興・
危機管理部長(佐藤達哉君) 先ほど来場された皆様のお声も御紹介させていただきました。ネットワークが見えないというお話もございました。こうした御意見、それから伝承団体の皆さんとも意見交換も並行してやっておりますので、そうした中で我々も足りない部分、至らない部分をしっかり意識しながら施策を検討していきたいと考えております。
○議長(菊地恵一君) 二十一番
高橋宗也君。
◆二十一番(
高橋宗也君) やっとコロナ禍が少し落ち着きまして伝承施設にも修学旅行も含めて訪れるようになっています。もしかすると十年目の節目の今がその伝承活動を見直す機会だと思います。復興・危機管理部ができ、これからだと思いますが、今年一年の活動がなかなか見えてこない部分がありました。ぜひ、その部分は強めていただきたいと重ねてお願いしたいと思います。 続いて、産業部分ですが、先に水産業の対応をお伺いいたします。 同じく
水産林政部長から抜本的な見直しを行う、また、観測地点の追加を行うという御答弁がありましたが、養殖事業にかじを切っていくことに関しての積極的な回答がなかったようにも拝聴いたしました。例えば、サケは我が県の文化でもあります。ギンザケに振り替えざるを得ないと言いますか、ギンザケが今、宮城県の中心にもなっています。今や水揚げだけで七十億円以上、関連だと百億円産業です。ただ、いまだに稚魚も卵も北海道あるいは海外に頼っています。こんな状況で本当にいいのかと我々は県漁協との意見交換でも再三にわたって言われております。このあたりの種苗の強化について、今後、どのような方針で臨まれるのか、伺いたいと思います。
○議長(菊地恵一君)
水産林政部長佐藤靖君。
◎
水産林政部長(佐藤靖君) ギンザケの養殖につきましては、種苗については北海道の二業者から提供されて、それを宮城県や岩手県にある内水面の養殖業者が種苗を作って、宮城県の海面に入れて養殖するというサイクルで成り立ってございます。今、議員がおっしゃられましたとおり宮城県としても種苗の確保というのは喫緊の課題であると認識しておりまして、県漁協といろいろ連絡を密にしながら対応等について協議してまいりたいと考えております。
○議長(菊地恵一君) 二十一番
高橋宗也君。
◆二十一番(
高橋宗也君) 近々的にはそのとおりですが抜本的な見直しを行うということであれば、ここは投資を深めていくほうが適切だと思います。総務部長の範疇かもしれませんが、財政的にもぜひ、この水産業の苦境を救うと言いますか、水産業を持続させていただくためには、この部分は必要不可欠だと思っております。ちなみに、震災前、四千経営体の漁業者がいましたが、今、半減です。宮城県はそれだけ深刻です。そこはぜひ思いを酌んでいただいて、これからの投資を深めていただくように重ねてお願いしたいと思います。その件に関して、知事、御答弁いただけますか。
○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 本当に海の環境が劇的に変わっているということです。これは恐らく今の技術力では変えることはできないと思います。ですから、やはり環境に合わせて我々もなりわいが成り立つようなことを考えていかなければならないと思っております。そういった意味では、種苗を一つ取りましても、いろいろ工夫していくことは非常に重要だと思っております。閉鎖循環式陸上養殖研究施設の整備を進めており間もなく完成いたしますので、こういったようなものを使って新しい漁業というものを研究していきたいと思っております。積極的に、前向きに多少お金がかかっても優先度を上げて、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩
----------------------------------- 午後一時再開
○副議長(外崎浩子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。十三番枡和也君。 〔十三番 枡 和也君登壇〕
◆十三番(枡和也君) 十三番、みやぎ県民の声の枡和也です。議長のお許しが出たので、通告に従い、一般質問いたします。 今回の質問は、大綱一点、共生社会へ向かう、まちづくりについてです。 皆様の記憶にも新しいと思いますが東京五輪に続き開催された東京パラリンピックは、百六十二の国と地域、そして難民選手団が参加しパラリンピック史上最多の約四千四百人が出場しました。コロナ禍での観客不在の開催は結果として選手たちに焦点を当てるきっかけとなり、アスリートのための大会という五輪の原点に立ち返る運営がなされ、様々なツールを持つ選手やLGBT、性的少数者を公言する選手にスポットが当てられました。また、自分にないものをマイナスとして捉えずに個性として生かす、一人一人の個性を誰もが互いに認め合い、心の壁をなくしていくことが共生社会の原点ではないかと思わされた東京開催のパラリンピックでもありました。東京パラリンピック運営に対する称賛の声が多く、イギリスのBBCのニュースでも日本選手の快進撃に加えて大会を支えたボランティアの方々の働きぶりは称賛に値すると報じられました。また、コロナ禍で不確実性が多かった状況でも運営が順調で記憶に残る大会となったと評価されました。まさに、ここに多様性社会へ向けての礎が築けたのではないでしょうか。SDGsのコンセプトにも通じる普遍性・統合性・包摂性・多様性は、様々な分野で境界を越えた連携及び相互扶助がますます社会に求められていくのだと感じました。今回、たくさんのパラアスリートの方々、特に宮城ゆかりのメダリスト、バドミントン女子の鈴木亜弥子選手、車椅子バスケットボール男子の豊島英選手、藤本怜央選手の活躍には、このコロナ禍で制限を余儀なくされている私たち県民にも元気と勇気を与えていただきました。また、国内でも大会招致をきっかけに建物や公共交通機関のバリアフリー化が進みましたが、パラリンピックで活躍されたパラアスリートの取材の記事で、開催中の活動拠点となった選手村は建物内の通路を幅広く取り、段差も解消するといったバリアフリー仕様で様々な障害や選手たちの事情に対する理解と配慮を感じたと言っていました。ただ、競技を終えた後に選手村から町なかに出ると、歩道と車道の間に段差が残るなど介助が必要なケースもあったと自身の経験を語った記事があり、私たちの身近な地域も含め、まだまだバリアフリー化が進んでいない実情に気づかされました。 話が変わり、共生社会へ向けて今後の大きな課題であるエネルギー政策についてですが、COP26、国連気候変動枠組条約第二十六回締約国会議が十月三十一日から開催され十一月十三日に閉会しました。当初は十二日までの予定でしたが、気温上昇を一・五度以内に抑える目標の位置づけや最大の対立点であった石炭火力発電など、化石燃料の取扱いをめぐり合意に至るまで交渉が難航し一日延長となった経緯がありました。主要国の議論が活発に行われている様子が伝わってきていましたが、火力発電の撤廃などの要請があるように、日本の立ち後れた具体的な政策に対する自主的な目標達成の懸念はますます広がるばかりです。開催国としてエリザベス女王は、「環境対策について誰もが永遠に生きることはない。私たちのためではなく子供やその子供たちのためだ。」と声明されました。また、メディアにも取り上げられましたが海面上昇の危険に直面している南太平洋の島嶼国、ツバルのサイモン・コフェ外務大臣が青い幕を背景にスーツにネクタイ姿でのアップから始まり、カメラが引くと海に浸かっていることが分かる内容の映像は、とても衝撃的で全世界規模の温暖化対策は待ったなしだということを再認識させられました。また、バース大学などの調査によると若者の九割が気候変動と地球の未来に不安を抱いていることが発表されています。この不安を少しでも緩和するように実際にできることを行動に移すことが政治に携わる者の使命ではないかと考えています。以上の社会状況を踏まえ、質問いたします。 (一)二〇二〇年から次の十年へ、新・宮城の将来ビジョンについてです。 新・宮城の将来ビジョンが次の十年へ向けて今年度よりスタートしました。SDGsとの関係性を基本趣旨策定に掲げていることには共感したものの、大きな枠組みにおいて早くも時代を見据えた改定が必要だと思いました。令和二年二月定例会でも新・宮城の将来ビジョンについて質問させていただきましたが、短期間に世界を取り巻く状況はコロナを経験して急激にその変貌を余儀なくされ、目標に対する大胆な軌道修正が必要だと感じております。当初の目標であった地方への定住や移住への流れをつくる一辺倒なものでは立ちいかないのが現在の社会状況です。内閣府が行った若年層への調査の結果、地方移住への関心も高まっていることが報告されています。その理由の一つに人口密度が低く豊かな環境に魅力を感じたためとあります。まさにコロナ禍の影響によるものではないでしょうか。このように本当に短いスパンで社会情勢の変化が極端に速くなっていると感じています。また、令和二年度の成果と評価は宮城の将来ビジョン及び宮城県震災復興計画にて報告されていますが、今後は社会の状況変化に合わせるように、更に短期間で新・宮城の将来ビジョンを見直して対応していかなければならないのではないでしょうか。コロナによる負の二年の経験を少しでも前向きに対応するためにも、その内容を見直さなければならないのではないかと感じております。新・宮城の将来ビジョン実施計画第三章の冒頭に感染症の収束後も見据えてと明記されていますが、日本では収まりつつあるコロナも世界では感染拡大のニュースが再燃しています。十一月二十五日に南アフリカでは高い感染力のおそれがある新たな
変異株オミクロン株が確認され、十二月五日には四十四の国と地域に感染拡大したとも報道されています。やはり、これはウイルスが前提の社会へ移行していくことが予想されます。コロナを経験して、今回の主題でもある共生社会へ向かっていく理念の構築そのものが自治体として必要ではないかと考えますが、その短期間での状況の変化に対する今後の将来ビジョンの在り方について、知事の見解を伺います。 政策推進の基本方向四の強靱で自然と調和した県土づくりに続いて、取組十五の環境負荷の少ない地域経済システム・生活スタイルの確立、取組十六の豊かな自然と共生・調和する社会の構築に関してですが、コロナの経過とともに、この先の不安を感じています。環境省からも今を生きる私たちが環境問題の解決を図りながら傷ついた経済を立て直し、将来の世代が豊かに生きていける社会を実現させるためには脱炭素社会への移行、循環経済への移行、分散型社会への移行、三つを加速させることにより持続可能で強靱な経済社会へのリデザインを進めることを警鐘しています。県民の不安を少しでも取り除くためにも今後の社会に対しての地方の役割はとても重要で、地域循環型共生圏かつ地方分散型の社会への移行を重要視する考え方に基づいた地域づくりでの理念の再構築は急務だと考えています。また、以前よりも増して地方が注目されている現状はコロナの功罪と言ってもよいのではないでしょうか。地方の魅力が浮上し、しかも短期間で今までとその価値が逆転してしまいました。政府の調査によると地方移住への強い関心は、東京圏の二十歳代に絞ると二〇一九年十二月は三二・一%だったのに対し二〇二〇年十二月では四〇・三%と増加し、地方移住に関心がある人の割合が多い結果になりました。だからこそ今、地方への分散型社会への移行の契機として移住につながる発信をすべきではないでしょうか、知事の見解を伺います。 (二)バリアフリー社会の実現に向けた整備と今後の計画についてです。 東京オリンピック・パラリンピックを契機に国立競技場のバリアフリー整備の取組は、世界へ発信するよい機会になったと感じています。また、東京メトロの一部の駅では点字ブロックに貼られたQRコードをアプリで読み取ると音声で案内してくれます。この仕組みは駅や図書館、公共施設に整備され始めたように、今後はハード面と共にIT技術を活用したバリアフリーの試みが更に増えていくと実感しました。新・宮城の将来ビジョンに政策推進の基本方向三、取組十三、障害の有無に関わらず安心して暮らせる社会の実現のために、障害者が自ら望む地域・場所で暮らせるための環境整備を図りサービスの充実を進めるとあり、整備が進んでいるように感じる一方で、実際の建物や公共施設での整備が障害者にとって本当に使いやすい状況になっているのかと考えると不安になりました。本県の具体的なバリアフリー整備に関する目標はどのようになっているのでしょうか。だれもが住みよい福祉のまちづくり条例に基づく適合施設の認証が令和元年と令和二年で計五件しかない状況です。これで誰もが住みよいまちづくりができているとは想定できません。今後の取組について、知事の見解を伺います。 また、先日、宮城県柴田高等学校へ宮城県障がい者カヌー協会の車椅子の方と一緒に訪問したときに、それまで私自身、何度か訪問していたのですが、健常者の方と一緒のときは全く気がつきませんでしたが、何とメインエントランスに直接車椅子でアプローチできるスロープがなかったのです。後で担当の方に調査いただき分かったのですが生徒優先で考えたことにより主要動線の逆側に整備されていました。来訪者や父兄に対するバリアフリーの対応はどのようにお考えでしょうか。今後の目指すべき共生社会において整備が不十分であると実感した出来事でした。まずは多くの県民が利用する県の庁舎や各地域の合同庁舎及び教育施設などを優先的に、かつ、率先してバリアフリーに対する整備の見直しを早急にしなければならないのではないでしょうか。県執行部では整備完了と認識している施設であっても再度計画を見直すべきではないでしょうか。障害者の方々に直接現地を訪問調査していただき、使いやすく、かつ、必要な整備をピックアップしてもらい計画を実行することが喫緊の課題かと思いますが、知事の見解を伺います。 また、大河原町で現在建設が進んでいる県立の大河原産業高等学校においては、ユニバーサルデザインを取り入れた誰にとってもストレスのない効率的な計画となっているのか、併せて伺います。 (三)第六次エネルギー計画と宮城の省エネとエネルギー政策についてです。 第六次エネルギー基本計画が閣議決定されましたが、COP26がイギリスのグラスゴーで開催され、日本は火力発電を撤廃する方針ではなく、まだ依存していることを発表したことで、また不名誉とも言える化石賞を受賞しています。エネルギー政策を進める上では第六次エネルギー基本計画において、安全性、Safetyを前提とした上でエネルギーの安定供給、Energy Securityを第一とし、経済有効性の向上、Economic Efficiencyによる低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に環境への適合、Environmentを図るSプラス3Eの視点が重要だとコンセプトが示されました。更にCOP事務局は、各国から提出された二〇三〇年の温暖化ガスの排出目標が現行の排出削減目標ではパリ協定の目標を実現するには不十分で、二〇三〇年時点での温暖化ガス排出量は二〇一〇年比一六%増になると指摘しています。また、国連環境計画、UNEPは各国が掲げる温室効果ガスの削減目標を達成しても、今世紀末には世界の平均気温が産業革命前から二・七度上がるとする報告書を公表しました。また、COP26での成果として、今までは二度以内との目標であったのが基本上昇を一・五度以内に抑える努力を追求することが決定し、更に石炭火力発電の利用は段階的な削減へ努力を加速することも盛り込まれました。世界的な動向にしっかりと目を向けて早急に対応しなければならない状況は明らかです。宮城県からは宮城の将来ビジョン成果と評価で、再生可能エネルギー導入量は令和二年度約二・二万テラジュールの実績として報告されています。長野県では再生可能エネルギーが二〇一六年度約一・五万テラジュールの実績であったのを、二〇三〇年にはその約三倍の四・一万テラジュールにする野心的な目標を発表しています。この姿が宮城県にも必要かつ急務なことだと思います。しかも今回の第六次エネルギー基本計画で再生可能エネルギーは三六%から三八%、最優先の原則で最大限の導入を促すとのこと、二〇一九年度時点の目標でありました二二%から二四%と比較すると約一・五倍の目標となっています。そういった状況からも再生可能エネルギーの割合に対する目標設定の読み直しが早急に必要だと思います。次の二〇三〇年までの経過目標に対しての実効性が問われていることは明らかです。今後の計画の状況、また、昨今の社会状況ですと国からの方針を待っているとの回答では許されない対応ではないでしょうか。COP26でも主要国が声明しているように十年で抜本的に社会変革を実行しなければならないのです。国の方針は既に示されているので国に足並みをそろえるために待っているのではなく、長野県や東京都のように自ら目標を設定することが必要であると考えますが、知事の見解を伺います。 次に、再生可能エネルギーの取組についてです。 欧州では洋上風力の発電量を増やすことで効率的に目標へ向けて実行していますが、日本では環境への影響調査などに八年程度の時間がかかり、本格導入は二〇三〇年度以降となることが発表されていることを勘案すると、当面は太陽光発電に頼らざるを得ない状況です。ただ、国土面積当たりの日本の太陽光の導入量は既に主要国の中で最大で、パネルの設置場所は限られている状況が資源エネルギー庁の資料で発表されています。太陽光発電パネルが主役に成り切れるかは見通せない状況ではありますが、それでも、まずは太陽光パネルを最優先に普及させなければならないのは周知の事実です。政府からは国や自治体が公共建築物を造る場合、新築は原則として太陽光発電設備を設置し再生可能エネルギーの導入量を増やす方針が発表されました。環境省の推計では公共建築物で導入可能な太陽光発電の設備容量は、最大で約一千九百万キロワットと国内で既に導入された太陽光の三割に相当するという発表がされています。県有施設の屋根貸しなどもとてもよい試みだとは思いますが、その計画だけではとても普及へ向けての目標を達成しないのではないかと考えています。国・地方脱炭素実現会議が前菅総理大臣の指揮の下、行われ、国と地方の協働・共創による地域における脱炭素社会へ向けて地域脱炭素ロードマップが発表されました。重点対策一に屋根など自家消費型の太陽光発電が挙げられています。また、令和三年十一月、みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇でも公表していただいているとおり、まだイメージと明記されていますが県有施設における率先垂範が重点対策として挙げられています。積極的に県の方針として、まずは公共建築への太陽光発電パネルの設置について、条例などに義務化するなど法的な整備をすることはいかがでしょうか、知事の見解を伺います。今後は野心的な取組が必要な状況だと思います。 県立高校について太陽光発電パネルの設置状況を調査しましたが、中には実用性のある整備であるとは思えない箇所もあり設置している学校は二十七校と少なく、各地域の災害の拠点になるように整備を見直すことが県の姿勢として施設を積極的に有効活用するために必要ではないかと考えますが、県内の太陽光発電を設置している学校にはどのような効果があるのか、併せて教育長の見解を伺います。 次に、公共施設の省エネ化についてですが、宮城県内の学校は太陽光発電を搭載しながらシングルガラスのサッシを使用している教室が多くあります。これではエネルギーをせっかく作っても、事実上、サッシのガラス面からそのままエネルギーを捨てていることになってしまいます。内部サッシを設置するだけでも約三割も消費電力をセーブできる調査データもあります。例えば、ドイツの小学校ではZEB、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルを超えたプラスエネルギー建築が建てられている例もあります。一年間トータルでの一次エネルギー消費をプラスにする建物です。こうして教育現場がまず率先して近い将来のスタンダードを見せるべきではないでしょうか、教育長の見解を伺います。 更に、警察関係施設の省エネも早急な整備が必要ではないでしょうか。県警本部はじめ警察署への太陽光発電パネルの設置状況も確認しましたが、ほとんどの施設に設置されていないようです。緊急事態の対応、そして県民を守ることからレジリエンスな対応が必要だと考えます。また、県内の警察関係の施設におけるサッシなどの整備の状況を調査して分かりましたが、太陽光発電の設置と併せ省エネの対策として、せめてインナーサッシを設置して断熱効果を高めて、緊急時に温度低下を抑制する措置を講じてレジリエントな対応を建物そのものでもすべきだと考えますが、県警本部長の見解を伺います。 (四)ゼロカーボンドライブにおける宮城県の取組についてです。 地域脱炭素ロードマップでは重点対策五にゼロカーボン・ドライブを挙げています。省エネ電力とEV、電気自動車、PHEV、プラグインハイブリッド、FCV、燃料電池自動車を活用するゼロカーボン・ドライブを普及させ、自動車による移動を脱炭素化すると報告されています。COP26で議長国であるイギリスは、二〇四〇年までに世界の新車販売をEV車などの排出ガスを出さない車にする目標をまとめ、二十か国以上が合意したと発表しました。ただ、自動車産業が大きい日本やアメリカ、ドイツなどは参加を見送りました。世界は大きくEV車などの普及にかじを切ったのです。東京都は二〇三〇年までにガソリン車の新車販売をゼロにする考えを発表しています。政府も二〇三五年には自動車販売をEV車、電動車のみとする目標を掲げています。 次に、EV車の充電設備の整備についてですが、東京都では民間の施設に充電設備を設置する場合の補助を企画しているようですが、宮城県では充電設備補助金の活用が二〇一九年二件、二〇二〇年三件と低調なものになっているようです。今後、宮城県のガソリン車の規制とそれに伴う補助制度などはどのように計画されているのでしょうか。また、それに伴い、今後のEVステーションの供給予定はいかがでしょうか。相当早いピッチでの設置が必要となり、その整備が急務になると思われますが、知事の見解を伺います。 県単独ではEV車購入などへの補助金制度がないようですが、東京都はその政策における具体的な提案を早急に整備して目標実現に向けて邁進していることが分かります。例えば、EV車購入への補助額をアップして個人に対しての枠組みを設定し一台当たり六十万円としています。今、その即応力が求められていると思います。また、長野県では自動車取得税を免税しています。このように県民にEV車を広める取組が必要だと考えております。宮城県でも普及に向けては更に効果のある対応が必要かと思いますが、今後の計画はいかがでしょうか、知事の見解を伺います。 次に、FCVの補助制度についてですが、燃料電池自動車への補助をあっせんしていますが個人負担が一台当たり五百万円以上と提示されていて、とても限定された方々への補助となっていて普及へ向けて進むとは思えないのですが、いかがでしょうか。令和三年十一月十六日現在の県のデータによりますと県内の自治体では三自治体の導入だけとなっているので、まずは県内市町村に協力いただき、公用車に採用してもらうことで普及を促進させてはいかがでしょうか。また、本来は補助金における対投資効果については水素の製造段階からどのぐらいのCO2が削減できるのか、一台当たりの削減効果はEV車と比較してどうなのかを検討することが大切ではないかと思いますが、知事の見解を伺います。 一般質問初日に先輩の仁田議員も取り上げられておりましたが、今年十一月十二日にオンラインで開かれた全国知事会の第一回脱炭素・地球温暖化対策本部会議において、村井知事は水素の利活用・普及が脱炭素の鍵になると強調。東北唯一の県内の製油所が水素供給の核となれば、カーボンニュートラルにつながると主張したと新聞報道されましたが、知事は大規模製油所で水素を製造し各地に供給する考えのようですが、石油製品から水素を製造、供給すれば製造過程及び運搬過程で発生する二酸化炭素の問題を疑問に思わなかったのか。また、富谷市の事業に見られる再エネ由来水素こそがカーボンニュートラルにつながる考えから、分散型再生可能エネルギー製造に力を入れることにより、脱炭素社会の先導的な地域を創造する方針を明確に打ち出すべきではないか。また、あわせて、今後、本県は水素の利活用の対象になる有意の事業をどのようにして想定し普及するのか、知事の見解を伺います。 以上、壇上からの質問といたします。 御清聴誠にありがとうございました。
○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 枡和也議員の一般質問にお答えいたします。 大綱一点、共生社会へ向かう、まちづくりについての御質問にお答えいたします。 初めに、短期間で大きく変化した社会情勢に対する将来ビジョンの在り方についてのお尋ねにお答えいたします。 新・宮城の将来ビジョンは県政運営の基本的な指針として二〇三〇年度までの遠方目標を定めたものであり、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大リスクやこれに伴う社会経済環境の変化等を大枠で見据えた内容としていることから、現在のところ計画そのものの見直しの必要性はないものと考えております。一方で、新ビジョンのアクションプランである実施計画については、御指摘のような社会情勢の変化や各事業の進捗状況などを踏まえ毎年度見直しを行うこととしており、これにより新ビジョンが目指す将来像の実現に向けて必要な取組を機動的に推進できるものと考えております。 次に、移住につながる情報発信の強化についての御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大を契機として若年層をはじめ働き方に対する考え方などが大きく変化していることは、地方移住の推進に向けて重要な事実と認識しております。県では、これまで移住専用ウェブサイト、みやぎ移住ガイドの運営、東京での移住相談窓口の設置、首都圏での対面型移住イベントの開催などにより情報発信を行ってまいりました。我が県は首都圏からの交通利便性がよく、密を避ける社会情勢下においてコロナ禍で離職した方などが関心を持つ傾向が見られ、NPO法人ふるさと回帰支援センターが今年三月に発表した相談者を対象とした移住希望先アンケートにおいても全国五位と躍進いたしました。こうした好機を生かすべく、現在、オンラインでの移住相談イベントの開催やインスタグラムの活用など、若年層も意識した情報発信に新たに取り組んでいるところであります。今後とも従来の対面型とデジタル技術の活用を効果的に組み合せながら、更なる情報発信の強化に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、石油由来の水素による二酸化炭素発生についての御質問にお答えいたします。 先月開催された全国知事会の脱炭素・地球温暖化対策本部において、私からは水素が幅広い分野での活用が期待されていることを踏まえ、需要と供給の両面から普及拡大の必要性を述べた上で、製油所が水素供給の核となることによって、地域のサプライチェーン全体のカーボンニュートラルにつなげられるような取組について言及いたしました。この趣旨といたしましては石油からの水素製造を意図したものではなく、現状では製造や運搬過程での課題はあるものの、脱炭素社会の到来を見据え再生可能エネルギー由来の水素を新たな資源として位置づけ、社会実装を加速化するための基盤の確立に取り組むことの必要性を述べたものであります。県といたしましては今後とも水素の利活用の推進を含め、脱炭素社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君) 総務部長大森克之君。 〔総務部長 大森克之君登壇〕
◎総務部長(大森克之君) 大綱一点、共生社会へ向かう、まちづくりについての御質問のうち、県庁舎等のバリアフリー化についてのお尋ねにお答えいたします。 県庁舎等の整備に当たっては障害をお持ちの方や高齢者、乳幼児をお連れの方などの視点に立ち、誰もが利用しやすい施設とすることが重要であると認識しております。近年の気仙沼及び石巻合同庁舎の新築に際しては、だれもが住みよい福祉のまちづくり条例に基づきエレベーターや誘導ブロックの設置のほか、動線上の段差の解消や授乳室の設置などを行いました。また、既存の庁舎におきましてもバリアフリーの観点からトイレの改修や誘導ブロックの設置、更には人感センサー式トイレ照明の設置を進めるなど計画的な改修整備を図ってまいりました。今後とも、より利便性が高まり利用しやすいものとなるよう障害をお持ちの方の声なども伺いながら、適切な整備や維持管理に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
環境生活部長鈴木秀人君。 〔
環境生活部長 鈴木秀人君登壇〕
◎
環境生活部長(鈴木秀人君) 大綱一点、共生社会へ向かう、まちづくりについての御質問のうち、再生可能エネルギーの更なる導入に向けた目標設定についてのお尋ねにお答えいたします。 県では再生可能エネルギー・省エネルギー計画において二〇一三年度を基準年とし、二〇三〇年度までに再生可能エネルギーの導入量を二・二倍にするなどの目標を設定し様々な取組を進めてまいりました。再生可能エネルギーの直近二〇二〇年度の導入量については基準年比で約一・四倍まで向上しており、太陽光発電を中心におおむね順調に導入量が増加してきました。一方、近年の世界的な脱炭素化に向けた動きを踏まえ、国が新たに策定した第六次エネルギー基本計画において、二〇三〇年度の電源構成における再生可能エネルギーの割合を大幅に引き上げる方針が示されたことから、さきの九月定例会で計画見直しのための基礎調査費について債務負担行為の設定をお認めいただき、以降、計画の見直しに着手いたしました。県といたしましては今後の計画の見直しの中でより効果的な施策を積み上げ、更なる目標の引上げについてしっかり検討してまいります。 次に、公共建築への太陽光発電設備の設置義務化についての御質問にお答えいたします。 県ではこれまで県内の公共施設への太陽光発電設備の導入を推進するため、県有施設の屋根貸し事業や国のグリーンニューディール基金を活用した市町村の庁舎や学校、公民館などへの導入を進めてまいりました。今年六月に策定された国の地域脱炭素ロードマップでは、国や自治体の設置可能な建築物に太陽光発電設備を二〇三〇年に約五〇%、二〇四〇年に一〇〇%導入することを目標とすることが示されたことから、今後、県や市町村でも率先して取り組む必要があると認識しております。県といたしましては引き続き市町村に対して必要な情報提供や財政的支援を行うとともに、今後見直しを行う地球温暖化対策実行計画の中で県有公共施設等への太陽光発電設備の率先導入を改めて位置づけ、積極的に取り組んでまいります。 次に、ガソリン車規制やEVと充電設備の普及促進に向けた取組方針についての御質問にお答えいたします。 地球温暖化対策としてのガソリン車規制の考え方として、国では乗用車の新車販売におけるハイブリッド車などを含む電動車の割合を二〇三五年までに一〇〇%とする目標を掲げたところです。一方、充電した電気だけで走るEVは航続距離や充電時間などに課題があるため、ガソリン燃料車からの転換には一定の技術革新などが必要であるものと認識しております。また、現在の我が国の電源構成は二酸化炭素を排出する火力電源が主力電源となっているため、地球温暖化対策としてのEVの普及には使用する電力の状況も見据えていく必要があると考えております。このため県では、まずは電源構成に占める再生可能エネルギーの比率を高めるため、個人や事業者における太陽光発電設備等の導入を促進しているほか、EVを活用したモデル的な取組についても支援しているところです。県といたしましてはEVや充電設備の普及に向け、電源構成に占める再生可能エネルギーの状況に加え、ガソリン燃料車からEVへの転換に伴う雇用や経済への影響などを見極めながら購入費補助等の支援の在り方を検討してまいります。 次に、FCVの購入費補助と市町村における公用車の採用についての御質問にお答えいたします。 燃料電池自動車、いわゆるFCVの購入費補助については積極的な導入を支援するため、国と協調した補助制度として同種・同格のガソリン車との価格差に対して国がその三分の二を、県が残りの三分の一をそれぞれ補助しており、都道府県が実施する支援措置としては全国的にも高い水準となっております。今年八月に県内二か所目の水素ステーションが開所した効果もあり県内のFCV登録台数も着実に増えてきていることから、引き続き導入拡大に向けた支援を継続してまいります。また、市町村における公用車の採用については、イベント等での活用による水素エネルギーの啓発効果が見込まれることから、市町村が導入する場合には県からの補助額を増額し導入を促しております。FCVをはじめとした水素エネルギーの利活用推進は脱炭素化に向けた重要施策の一つであり、引き続き市町村と連携しながら水素社会の実現を目指して一層取り組んでまいります。 次に、補助金の投資効果に係る比較検討についての御質問にお答えいたします。 FCVとEVとの二酸化炭素排出削減量の比較については、FCVに充填される水素やEVに充電される電力の製造・発電の方法により排出される二酸化炭素量が異なり、一概に比較することは難しいものと考えております。一方、製品の生産から使用、廃棄に至るまでのライフサイクルを通じた二酸化炭素排出量を把握・低減しようとする視点は重要であることから、県といたしましては、今後、県の地球温暖化対策実行計画の見直しに当たっては、こうした考え方も視野に入れながら検討してまいります。 次に、再生可能エネルギー由来水素の推進と水素の利活用推進方策についての御質問にお答えいたします。 水素は地球上に無尽蔵に存在し多様な方法で製造できるクリーンエネルギーであることから、脱炭素化はもとよりエネルギーの多様化にも貢献できるエネルギー源として大いに期待されております。一方、その製造方法によっては二酸化炭素が排出されるため、脱炭素の観点からは製造から利用までの一連の過程において二酸化炭素排出量を低減することが重要であり、現在、国では技術開発や実証事業を推進しているところです。また、国においては今後五年間を集中期間と位置づけ、脱炭素先行地域づくりや脱炭素の基盤となる重点対策を全国的に推進することとしております。県といたしましては、そのような国の動向や技術開発の進展等を注視しながら、国や市町村、企業などと連携を図り再生可能エネルギー由来水素の導入拡大を促進するとともに、幅広い分野において水素利活用の裾野が広がるよう各種施策の推進に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点、共生社会へ向かう、まちづくりについての御質問のうち、我が県のバリアフリーに関する目標と今後の取組についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、だれもが住みよい福祉のまちづくり条例に基づきバリアフリーに係る整備基準を満たした施設に対して適合証を交付しており、第四期宮城県地域福祉支援計画では令和七年度までの累計交付件数の目標値を四百六十五件としております。一方、今年三月末現在の交付件数は三百七十五件であり、三月末時点の目標値である四百五十件を下回ったところです。基準に適合しない事情としては、施設出入口から道路までの敷地内通路への点字ブロックについて、職員の介助で対応するなどの理由から設置しない場合などでありますが、条例に基づく届出があった際に不適合の理由の説明を求めているところです。県としましては、できるだけ多くの施設が基準に適合するよう設計の段階から整備基準を満たすことが重要であると考えておりますので、これまでのホームページや県政だよりによる協力の呼びかけに加えて、建築関係団体を通じて建築設計者に協力をお願いしてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
教育委員会教育長伊東昭代君。 〔
教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕
◎
教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱一点、共生社会へ向かう、まちづくりについての御質問のうち、仮称宮城県大河原産業高等学校におけるユニバーサルデザインについてのお尋ねにお答えいたします。 県立学校の整備に当たっては、障害等の有無にかかわらず誰もが安全かつ円滑に学校生活を送ることができるよう環境整備に努めているところです。仮称宮城県大河原産業高等学校は昨年十二月から建設工事に着手し、令和五年四月の供用開始に向けて工事を進めております。新校舎ではエレベーターのほか全てのトイレを洋式にするとともに各階に多目的トイレを設置することとしております。また、昇降口や玄関には緩やかなスロープを設置するなどユニバーサルデザインを取り入れた設計としているところです。 次に、県立高校への太陽光発電パネル設置による効果についての御質問にお答えいたします。 学校施設については児童生徒の学習の場であるとともに、災害時には地域住民の避難所等としての機能を果たす場合もあることから、安全性の確保や防災機能の強化が重要と認識しております。県立高校への太陽光発電設備の設置による効果としては、学校で消費する電力の一部や非常用の電力を賄うことができるとともに、環境への配慮、更には環境教育の観点からも有効であると考えております。県
教育委員会といたしましては、こうした太陽光発電設備の効果も踏まえ、県立学校への更なる導入に向けて取り組んでまいります。 次に、県立学校への高い省エネ性能を持つサッシの設置についての御質問にお答えいたします。 県立学校では平成十九年以降に建築した学校の窓ガラスに複層ガラスを採用しているところです。県
教育委員会といたしましては今後とも県立学校の校舎の新築や改築、大規模改修に併せて複層ガラスを設置するとともに、照明設備のLED化など様々な形で省エネルギー設備を取り入れるよう努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
警察本部長猪原誠司君。 〔
警察本部長 猪原誠司君登壇〕
◎
警察本部長(猪原誠司君) 大綱一点、共生社会へ向かう、まちづくりについての御質問のうち、警察施設への太陽光発電パネルの設置と併せて省エネ対策を講じ緊急事態への対応力を高めるべきとのお尋ねにお答えいたします。 既存警察施設への太陽光発電設備等の導入は、設置スペースや構造的問題等から直ちに対応することが困難な場合が多くありますが、これまでに新設施設や設置可能な既存施設計五か所に太陽光発電設備等を導入し、省エネ対策及び緊急時の対応力の強化に取り組んできたところであります。加えて、災害時の停電等にも備え非常用発電設備の機能強化等にも取り組んでいるところであります。近年、脱炭素社会の実現と環境対策への社会的要請も高まりつつあるため、今後新たに整備する警察施設を中心に必要に応じて太陽光発電設備等の導入等、省エネ対策実施について検討し、環境に配慮した施設整備を進めるとともに緊急時の対応力向上にも努めてまいります。 以上でございます。
○副議長(外崎浩子君) 十三番枡和也君。
◆十三番(枡和也君) 答弁が長過ぎてなかなか要点がつかめなかったところもありますが、何点か再質問させていただきます。 バリアフリー社会のことですが、先ほど
保健福祉部長から適合施設の認証実績について三百七十五件という報告がありましたが、この三百七十五件の内訳といたしまして民間、公共、それぞれどれぐらいの件数か教えてください。
○副議長(外崎浩子君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大変申し訳ありませんが、民間と公共の区別での数字を今手元に持っておりませんのでお答えできませんが、種別で申しますと福祉施設八十七件、医療施設四十八件、物販施設九十三件、集会場・公民館等三十二件などとなっております。
○副議長(外崎浩子君) 十三番枡和也君。
◆十三番(枡和也君) この制度は平成九年から始まっている制度ですが非常に認定数が少ないのではないかと感じておりました。だれもが住みよい福祉のまちづくり条例の第七条第二項で公益的施設などの整備を促進するとありますが、例えば、今言われた指定施設での認証数が少ないのに、第十八条二項にあるように公益的設備を所有し、または管理する者は整備基準に適合するように整備に努めなければならないと努力義務になっています。例えば、既存の建物に対する努力義務になっているところの整備促進に対しては、今後、どういった取組をしていくのか、お聞かせください。
○副議長(外崎浩子君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 公益的な施設、それから公営・公立の施設でありましても基準に適合してないものが多いという実情であります。先ほど申しましたように、だれもが住みよい福祉のまちづくり条例の規定では基準を満たさない理由を求めているところでありますが、これは届出としていただいているものですので、設計の段階からしっかりと県も助言できるように設計団体等との連携によって周知を図ってきたいと考えております。
○副議長(外崎浩子君) 十三番枡和也君。
◆十三番(枡和也君) ぜひ認定施設が増えるような取組にしていただきたいと思っております。 公共建築への太陽光パネルの設置の件ですが、多分、今の県の行政庁舎には太陽光パネルがないと思いますが、例えば、今後、ほかの自治体などに搭載してくださいとお願いしていく上でも、例えば、県の行政庁舎や警察庁舎の上には最低でも太陽光発電設備を設置したほうがいいと思いますが、その辺の見解をお聞かせください。
○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) その前に、一点、部長の答弁を訂正させていただきたいと思います。 先ほど公共建築への太陽光発電設備の設置義務化についての
環境生活部長の答弁の中で、国から二〇三〇年に約五〇%導入することを目標とすると言わなければいけないところを、二三年に約五〇%導入することを目標とすると言い間違えましたので、訂正させていただきます。西暦二三年というとキリストが生まれた頃ですので大きな誤りでございました。訂正させていただきたいと思います。 その上で、行政庁舎の太陽光設備をいろいろ調べさせていただいたことがありますが、屋上がヘリポートになっており、ヘリポートの下が日陰になってしまい太陽光発電設備を設置することができません。今、いろいろ新しい技術で壁につけたり、薄膜の窓ガラスにつけるものがあるということなので、そういう技術が更に進みましたら窓ガラスにつけたり、壁につけたりということもできるかと思いますが、ちょっと今の技術では費用対効果を考えてもちょっと難しいということで、設置できていないということでございます。ほかの施設はなるべくつけるようにしております。
○副議長(外崎浩子君) 十三番枡和也君。
◆十三番(枡和也君) ぜひ、進めていっていただければと思います。 あと、県立高校の太陽光パネル設置でありますが、今新築されております仮称大河原産業高等学校には太陽光発電パネルの設置計画というものはあるのでしょうか、その辺をお聞かせください。
○副議長(外崎浩子君)
教育委員会教育長伊東昭代君。
◎
教育委員会教育長(伊東昭代君) 現在、建設中であります仮称大河原産業高等学校につきまして、今の段階で太陽光発電のパネルを設置するという計画はないところでございます。今後、脱炭素社会の実現に向けて県庁全体で取り組んでいくという中で、県
教育委員会としても整備が進むように努めてまいりたいと考えております。
○副議長(外崎浩子君) 十三番枡和也君。
◆十三番(枡和也君) 計画されていないということですが、脱炭素社会に向けて再生可能エネルギーを多くしていかなければならないと言っているさなかに、新築の建物でありながら、なぜ太陽光発電パネルの設置を計画しないのか、その辺がちょっと理解できないのですが、なぜでしょうか。
○副議長(外崎浩子君)
教育委員会教育長伊東昭代君。
◎
教育委員会教育長(伊東昭代君) 検討されていると承知しておりますが、今の段階では総合的なトータルコストも勘案しながらということで、なかなか県立高校については国からの支援もない中で、ちょっと実現が難しかったということがございます。今後、機運が高まり全庁的にそういう動きが進むと思いますので、そういう中で県
教育委員会としてもできるだけ設置できるように、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(外崎浩子君) 十三番枡和也君。
◆十三番(枡和也君) 補助もないということですが太陽光パネルについてはいろんな補助があると思います。例えば、エコスクール・プラスなど補助事業では検討されなかったのか、その辺をお聞かせください。
○副議長(外崎浩子君)
教育委員会教育長伊東昭代君。
◎
教育委員会教育長(伊東昭代君) エコスクール・プラスについては検討しているということでございますが、これについても基本的に国の支援が県立高校についてはないということで、それを活用することができなかったということでございます。
○副議長(外崎浩子君) 十三番枡和也君。
◆十三番(枡和也君) ぜひ、今後、新しい高校、県の建物を新築する際には、当初から太陽光パネル、再生可能エネルギーなどを検討して設置していかなければならないと思いますが、その辺、知事の見解をお聞かせください。
○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 私、ちょっと高校のことを知りませんでしたが、新しく造った地方振興事務所は太陽光発電設備を設置しています。
教育委員会からそういう話があればしっかりと対応してまいりたいと思います。
○副議長(外崎浩子君) 十三番枡和也君。
◆十三番(枡和也君) ぜひ、予算をつけて太陽光パネルを設置するようにお願いいたしまして、一般質問を終わります。 ありがとうございました。
○副議長(外崎浩子君) 八番福井崇正君。 〔八番 福井崇正君登壇〕
◆八番(福井崇正君) 自由民主党・県民会議、福井崇正です。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い大綱三点について質問いたします。 大綱一点目、県の経済回復に向けた取組について伺います。 世界的には、
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中ですが、日本は感染者数も低く抑えられている傾向であり、経済活動の面でも大変重要だと思います。感染状況や病床の使用状況が大きく改善し、リバウンド防止期間も再び延長することなく終了しました。県内の感染防止対策、大規模接種会場をはじめとする県内各地でのワクチン接種体制の構築に御尽力いただきました医療従事者の皆様に御礼申し上げます。経済回復に向けた取組として村井知事も十一月二十四日の提案理由説明の中で、飲食店への営業時間短縮要請等の影響を受けた関連事業者に対する支援金の受付を継続。また、十月十五日から認証を受けた県内飲食店で利用できる食事券の販売を開始しました。大きく落ち込んだ観光・宿泊需要の喚起策として、県民を対象とした地域限定クーポン付き宿泊割を開始した旨の説明がありました。続けて、今回の事業による効果が十分行き届くようしっかり取り組むと知事は語っておられます。日本政府は十一月十九日、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策を臨時閣議で決定し、岸田文雄総理が掲げる分配政策を柱に、子育て世帯や所得が低い家庭などを幅広く支援する政策を進めることとなりました。地方の活性化につながる観光支援事業のGoToトラベルの再開も決定したところであります。観光庁のGoToトラベルは代金の割引率を三五%から三〇%に引き下げ、割引額も一万四千円から最大一万円に減らし、地域共通クーポンは平日三千円、休日千円とすることを決定し、早ければ来年一月下旬か、二月上旬から実施されるという報道があります。都道府県が独自に行う住民向け旅行割引、県民割の国庫補助の対象も広げ隣県旅行も追加されます。整備が整った地域から実施可能としておりますが、宮城県の状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 また、GoToトラベルキャンペーンでは様々な課題もあったかと思います。例えば、高級旅館に申込みが集中し、それ以外の旅館や小規模宿泊事業者へキャンペーンの恩恵が感じられず、宮城県では仙台・宮城すずめのお宿キャンペーン事業を実施しました。ただ、小規模宿泊事業者の場合には、経営から営業、館内の管理まで少人数のため、有効な広告宣伝ができない上、宿泊料金も低額のため、旅行サイトに載せたのでは更に利益が下がるという課題もあります。観光事業者や宿泊事業者で誰も取り残さない政策推進が必要と考えますが、宮城県でどのように考えているのか、お伺いいたします。 また、県民割キャンペーンは県民対象であることから、郊外の温泉宿に集中し、仙台市中心部のシティーホテルや中小規模の宿泊事業者ではその恩恵も少ないと考えられ、各地域で色分けしたよりよい補助が必要という声も聞いております。このような課題や事業者の声を踏まえ宮城県ではどのように考えているのか、お伺いいたします。 また、観光の観点で県はこれまで交流人口とそれに付随する消費の拡大に様々な政策を展開されてきましたが、感染症の影響により来県を拒むような状況が起きた場合、GoToトラベルや県民割等の対策を講じない限り、一度落ちた売上げはなかなか回復しません。つまり補助が終了したところで、コロナ前のような需要が戻ってくる約束はない状況であります。宮城県として交流人口だけではなく幅広い関係人口の拡大に力を入れるべきではないでしょうか。総務省によれば関係人口とは、移住した定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉として定義されています。現在、宮城県をはじめとする地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面しておりますが、地域によっては若者を中心に変化を生み出す人材が地域に入り始めてきており、関係人口と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手になることが期待されています。関係人口についてもう少し説明しますと、行き来する人、近くに住んでいて地域内にルーツがある人、過去の勤務・居住・滞在等を通して何らかの関わりがある人、遠くに住んでいて地域内にルーツのある人の四つに分類されます。本年度、宮城県ではワーケーションを推進するため、現在六つの補助事業者が県内各地において、ワーケーションプログラムの造成を行っておりますが、関係人口の拡大という視点で見たときに注目すべきは、塩竈市で補助事業者である宮本商店が先日モニターツアーを行ったばかりの副業型ワーケーションです。このプログラムは宮本商店がコーディネーターとなり、首都圏のコンサルティング会社や広告代理店に勤務しており副業を許されている者と塩竈市内の地元企業とマッチング、各社が抱える課題解決の糸口を副業者がそれぞれ考え、ワーケーション後、地元企業と副業者双方が合意すれば、コンサルティング業務を中長期にわたって行うものです。現在、全国で行われているワーケーションはまだまだ観光型が主流で、事業創造型のものは少ない実態があります。副業者と宮城県内の事業者のマッチングを行い、地域事業者が持つ課題を全国に散らばるハイスキル人材の知見、経験を生かし、解決に導く事業を県が主体的に行ってはいかがでしょうか。 また、これからの宮城県の観光も関係人口を意識しながら施策を練っていくべきだと考えます。観光のスタイルもアフターコロナからこれまでと大きく変化し、都会より地方、インドアよりアウトドア、そして大人数より少人数を求める傾向が増加しております。観光客は少人数化した分、より地域と密接な関係性を求めます。ワーケーションと同様、地域が抱える問題に少しでも自分が貢献しているという観光客も増えてきています。震災後にボランティアとして被災地に入り、その後、移住を決めた人々の数は少なくありません。それは間違いなく、ボランティアに入ったその地のファンになり仲間ができたからです。移住とまではいかないまでも、我々は宮城県を訪れる人々に宮城県のファンになってもらい、地域の人々と接点を増やし、仲間と呼べる人々を増やす、すなわち関係人口を増やすことにも注力すべきではないでしょうか。宮城県のファンになり仲間ができた人々は、たとえ離れたところに住んでいてもファンになった地域の名前を見ると、反射的に行動を起こします。例えばデパート等で宮城物産展が催されていれば思わず購入したくなりますし、インターネットニュースに宮城県の文字を見ると読みたくなってしまう。そして、最終的にふるさと納税も宮城県へ寄附をするという流れになるのです。そのような宮城県に愛着を持つ関係人口の拡大へ取り組むプランを検討しているのか、県の所見をお伺いいたします。 飲食店に目を向けますと、飲食店自体は時短への協力金や認証及び食事券への加盟による支援策が講じられております。みやぎGoToEat食事券の利用も二月まで延長され、十一月二十二日の知事定例記者会見内で発表されました認証飲食店専用の二割増し食事券に関して、販売期限を来年一月三十一日、利用期限を二月二十八日までそれぞれ延長することになったことは、利用者や飲食店にとって喜ばしいニュースだったかと思います。ただ、それぞれの応援食事券の発行と利用が現在どれくらいの状況であるのか。また、一月末まで食事券延長に伴う事業の在り方や利用促進に係る広報についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 また、酒類販売事業者への補助も前回の議会で支援策が講じられました。しかし、食品や飲料の卸、花卉販売、農業・漁業の生産者への支援はまだまだ足りないと感じております。みやぎイートエール事業を更に進めるような地産地消推進の拡充支援策が必要と考えます。生産者と地方行政である生産地、飲食店と消費者である消費地、双方にとってメリットのある四方よしの取組として、生産地と消費地のマッチングができるウェブ上での直販取引の場をパッケージとして提供することはできないでしょうか。地域の一次産業が抱える社会課題解決に貢献し得る基本的な仕組みを物流業界と連携で構築し、コロナ禍における農水産物一次生産者向け行政支援策の受皿として機能させ、地域内の有力な事業者、例えば観光協会やDMO等と連携して、各種食材を個人向け・法人向けとも直販に特化できるようなECサイトを構築、運用することが必要だと考えます。また、コロナ前、県内では様々なイベントが行われ、地域のコミュニティーや外部との交流が盛んだったと思います。県でも十一月二十二日に
新型コロナウイルス感染症対策本部会議にて、イベント開催の人数制限を緩和することが決定されました。歓声などの大声を出さないイベントは、二十五日から県に感染防止安全計画を提出することを条件に人数上限がなくなります。また、全国的な移動を伴うか一千人以上のイベント開催時に必要だった県への事前相談は不要となります。そのような緩和策が講じられたところですが、小規模イベントや市町村が行うイベント、ライブなどは開催量が少ない状況であります。主な要因は主催者やイベント会社がここまでイベントがないと市町村のイベントに対するマインド低下やイベント実施企業の体力が相当減退している状況だと伺っております。国のGoToイベントはチケット販売事業者として登録が必要で、地方の小規模イベントでの活用は厳しく、GoTo商店街では期限が延長されたもののスキームに関し不明な状況です。例えば宮城県限定のイベントや商店街で開催するイベントに関して補助事業等があると、イベントの開催ができるという声を頂戴しているところであります。宮城県で今後イベントに関する支援策を検討しているのか、お伺いいたします。 更に県でイベントを開催する際、事業者団体からは県主催のイベント業務において県内企業に限定して発注することや下請会社も県内企業にすることなど要望をいただいているところですが、県の所見をお伺いいたします。 大綱二点目、県のDX推進に向けた取組についてお伺いいたします。 十一月十六日に開催されました第二十一回都道府県議会議員研究交流大会第二分科会に参加してまいりました。東北大学大学院情報科学研究科准教授、都道府県議会デジタル化専門委員会座長河村和徳氏から具体的に災害対応でのオンライン会議、仮想空間を用いた住民懇談会、オープンデータを活用した住民との政策評価、議員として執行部の示すデータの分析や議会として情報発信を取り入れるなど、利活用の手法について御教示いただき、民主主義のDX化は住民にとって必要不可欠な議会の取組であることを感じてまいりました。そのような取組を今後検討するに当たり、宮城県のデジタル化についてお伺いいたします。 村井知事は、提案理由説明の中でもデジタル技術を様々な分野で最大限に活用しながら県民サービスの向上や県内産業の活性化、働き方改革の推進を図るとともに、若者の定住・定着や子供・子育てを社会全体で支える環境の整備、外国人材の受入れ促進に取り組むと語っておられました。県では、みやぎ情報化推進ポリシー二〇二一から二〇二四を作成し、新・宮城の将来ビジョンに掲げた人口減少などの社会変化を踏まえ、官民データの利活用や手続のオンライン化など、宮城の情報化推進のための方針・指針を定めましたが、全ての県民にデジタル化の恩恵が行き渡るような社会を目指すため具体的にどのような取組を考えているのか、それにより県民にどのような恩恵が行き渡ることを想定し、ゴールがどこにあるのか、お示しください。 庄田議員が県政のキャッシュレス推進を強く提言したこともあってか、今年度から自動車税がスマホアプリで納税できるようになりました。キャッシュレスで利便性が向上したことは明らかですが、三つのDという重点目標を進めた先にある恩恵をどのように県民の皆様に示していくのかも同時に重要であると考えます。どのように周知していくのか、お聞かせください。
新型コロナウイルス感染症対策臨時交付金を活用し、建設現場遠隔臨場等推進事業が今議会に提案されております。土木部業務における建設事業者等との接触機会を減らすことにより、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の推進、ASP--ASPとはアプリケーションサービスプロバイダーの略で、インターネットを経由してソフトウエアやソフトウエア稼働環境を提供する事業者のことを指しますが、現在は事業者が提供するサービスそのものをASPと呼ぶケースが増え、インターネットを通して提供されるアプリケーションやサービスそのものをASPと呼んでおります。また、遠隔臨場などの公共工事における受注者間の非接触型現場管理や県庁が事業者・市町村・地方公所向けに開催する複数参加型ウェブ会議を円滑に実施するための環境整備費用ということでした。このことにより、現場管理で移動時間の短縮や感染症防止にも資する取組であると感じております。また、建設現場では現在でも人手不足、そして将来、技術者不足が深刻な状況であります。このような取組によって行政手続の迅速化、暮らしの安全を高めるサービスの向上、安全で快適な労働環境の実現、AI等の活用による作業の効率化、熟練技能のデジタル化で効率的に技能を習得、調査業務や監督・検査業務の変革、点検・管理業務の効率化など建設に従事する官民両方にとって働き方にも大きく貢献できるものと感じております。その中で、今まで県として整備が進まなかった理由や他県と比較して、今まで県の整備状況がどうだったのか、お伺いいたします。 また、国土交通省ではインフラ分野でもデジタル・トランスフォーメーションを強力に推進しており、国土交通省東北地方整備局主催のEE東北でもDXの取組を紹介する企業のブースが多くなったと実感しております。そのようなDXを活用するような工事は宮城県でどれくらいあるのか。また、今後どれくらい公共事業の中でDXを活用した工事を検討しているのか、お伺いいたします。 建設団体の方にお話を伺うと、宮城県として積極的に進めていただくことはありがたいが、企業への環境整備の補助もお願いしたいということでした。県として今後そのような補助制度は考えているのか、お伺いいたします。 また、設計を三次元化するソフトなどは様々開発されているものの、互換性が低いという課題もあります。国土交通省では互換性を高めるため令和五年から本格稼働させるプラットフォームを作成中ということでした。工事に関わるソフトの購入費用等が削減されることは、官民にとって大いにメリットがあると思います。国土交通省のプラットフォームに参加することで統一した利活用が可能となりコスト削減にもつながると思いますが、県として国土交通省のプラットフォームに参加することは考えているのか、お伺いいたします。 建設業界は三Kと呼ばれ、人材不足が顕在化している一面があります。対策として二〇二四年までに働き方改革の中で残業時間を減らすDXの取組は、官民挙げて環境整備を推進することで残業時間減少、完全週休二日制の一助を担うことができます。そのような取組をすることで、人材確保や人材育成を更に進めることができます。いざ災害があったときの初動・備えとして必要だと感じております。今後人材が不足し技術者が育成できなくなった場合には、業界の保護が必要になってくる時代が訪れることになります。公平・公正な競争原理が必要な一方で、競争する相手がいない時代に突入する事態が着々と進んできていると伺っております。そのような事態が訪れないためにも、官民挙げて対策を行う必要があります。災害時に対応できる人材育成が復旧や復興には必要であることは、災害を経験した県や県民の皆様が一番分かっていると思います。官民挙げて対策を検討する組織があるのか、お伺いいたします。 大綱三点目、県の公共建築物整備に対する考え方についてお伺いいたします。 県
公共施設等総合管理方針の中にある公共施設等の更新の経費見込みでは、公用・公共用施設は推定期間四十年で年平均更新等費用は三百九億円とされています。このように多額の改修費用により県財政の圧迫も懸念されるわけですが、市町村に目を向けても同様の課題が今後顕在化することは明らかであり、どのように維持や建て替え、その他の方法を検討していくのかという議論も各地で必要かと考えます。人口減少、少子高齢化が進む中で、自治体においても公共建築の長寿命化、施設の再配置や東日本大震災後の新たなまちづくりが進められる一方で自治体の建築技術職員の不足といった課題も散見されます。そのような状況において良質な公共建築整備や地域のまちづくりを進めることが今後できるのかという問題も生じていると感じております。また、働き方改革や効果的かつ効率的に公平にということが言われる昨今でも、職員の繁忙状況を考えれば、市町村ではついついよい提案をするコンサルタント会社へ相談し、多額の費用を請求され、公平とは言えない入札制度を押しつけられ、提案したコンサルタント会社と契約せざるを得ないケースも少なくないと聞いております。それが本当に公共の福祉であり、税金を支払っている住民にとって大事なことなのか、疑問を持っている人も少なくないと漏れ伺うところでございます。そこで中立的な立場で自治体を支援する組織、建築や都市計画の専門知識を要した団体が必要であると感じておりましたところ、建築・まちづくりプラットフォーム宮城という組織の存在を知りました。早速、意見聴取に伺うと、組織は公益社団法人日本建築家協会東北支部宮城地域会、一般社団法人宮城県建築士事務所協会、一般社団法人宮城県建築士会、一般財団法人宮城県建築住宅センターの四団体で構成され、各団体から一名の幹事を出し、国土交通省東北地方整備局建政部、宮城県土木部営繕課から組織され、自治体の公共建築物やまちづくり等に係る相談に対する調査や助言、提案等に関することや建築・まちづくりに関する情報交換、共有、発信を行うことを取組として行っていると伺いました。入札に関し、かなり深い提案も可能であることにより、選考に偏りが生じることが疑問視されるのではないかという私の指摘に対し、入札に関わる可能性がある会員はその調査に関わらないことや情報を制限することなどが取り決められ、入札に参加することができないなど独自で透明性を図る取組を行っており、自治体に対し中立的に調査や助言、提案することができる官民連携した組織であることを知りました。本来であれば、宮城県の出先機関にまちづくりの相談窓口を設けて、県として対応するのが望ましいと考えます。あるいは、県庁内に建築まちづくりに関する委員会を設置し、市町村からの相談事などを官民一体となって対応することがいいのかもしれません。しかし、そのようなことができないからこそ、建築・まちづくりプラットフォーム宮城が設立されたのだと伺いました。市町村が困ったときに相談できる窓口の選択肢を増やすことは必要だと思います。その中で、建築・まちづくりプラットフォーム宮城から宮城県のホームページにリンクを張っていただいたり、基礎自治体へのお声がけや、自治体担当者とプラットフォームの定期的な協議会の開催支援等の要望がありました。このような要望について、県の所感をお伺いいたします。 今後考えられるまちづくりや公共建築物の在り方を検討する方法や調査、地域住民の意見聴取等を行政の代行者として進めることにより、自治体職員の働き方改革に寄与するとともに、技術者育成、ノウハウの伝承、そして中立な立場の提案が可能になることは、必ず住民の福祉向上やスクラップ・アンド・ビルドの時代から持続可能な開発目標SDGsにもつながる施策を推進できるのではないかと確信しております。事例を伺いましたところ、県内において公共建築物を解体するか保存するかという相談をいただき解体して民間に売却する提案があったものの、団体がまちを俯瞰的に見て調査と助言を行うことにより公共建築物は残し、リノベーションすればそのまま使えるという提案に共鳴した企業の誘致に結びつきつつある案件があり、まちづくりにも協力したいという企業の誘致にこぎつけられそうだというお話でございました。このように、コンサルタント会社にはない公平な調査や提案を行い、都市計画に寄与する団体を市町村が利用しやすくすることも県の大きな役割の一つと考えますが、県の所見をお伺いいたします。 最後になりましたが、村井知事、五期目の当選おめでとうございます。 前向きな答弁を期待しつつ、壇上からの質問を終了したいと思います。 御清聴ありがとうございます。
○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 福井崇正議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、県の経済回復に向けた取組についての御質問にお答えいたします。 初めに、県民限定宿泊割引の検討状況についてのお尋ねにお答えいたします。 今年十月に開始いたしましたみやぎ宿泊割キャンペーンはこれまで約十四万人泊の実績となっており、宿泊需要の拡大に一定の効果が出ているものと認識しております。新たに打ち出された国の経済対策では実施要件が緩和され、割引対象者が県民限定から隣県の在住者まで拡大されたほか、事業期間が来年三月十日まで延長可能となりました。県といたしましては、先月二十九日に開催された観光庁の説明会を踏まえ、現在、対象範囲の拡大に向け隣接する四県との協議のほか、実施要件の変更に伴う関係者との調整を進めており、条件が整い次第、今月中旬を目途に対象を拡大し、事業期間を延長することにしたいと考えております。宿泊事業者の皆さんに非常に喜ばれるのではないかと思います。 次に、関係人口の拡大を目指す取組についての御質問にお答えいたします。 今後到来する本格的な人口減少社会を見据えれば、県外にいながらも様々な形で我が県に関わりを持っていただく関係人口を拡大していくことは、大変重要であると認識しております。このため、これまで以上に訴求力のある戦略的な情報発信や双方向の継続的な交流を可能とする仕組みを構築し、将来にわたって支えていただける宮城のファンを数多く獲得できるよう、全庁一丸となって取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、県のDX推進に向けた取組についての御質問にお答えいたします。 初めに、具体的な取組や県民への恩恵等についてのお尋ねにお答えいたします。 県では全庁一丸となってデジタル化を推進するため、今年四月にみやぎ情報化推進ポリシーを策定し、県民サービスの向上などを重点目標に掲げ取組を進めております。具体的には、行政手続のオンライン化やキャッシュレス化等を推進することにより、時間や場所に制約されず手続を可能とするなど、県民の利便性向上につなげてまいります。また、デジタル技術の活用を促進することで、産業分野では顧客サービスや生産性の向上を後押しするとともに、医療・福祉・教育といった分野においても、安心・安全な暮らしの実現に努めてまいります。これらの取組については従来のホームページ等による情報発信に加え、スマートフォンなどからの行政サービスの利用やSNS等による広報を進めることで一層の周知を図ってまいります。今後も国の動向やデジタル技術の進捗を踏まえながら、市町村、企業、大学などと連携し、全ての県民がデジタル技術の恩恵によって便利で豊かな生活を享受できる社会の実現を目指し、取組を推進してまいります。 次に、建設業界における災害に対応できる人材の育成・確保対策についての御質問にお答えいたします。 社会資本の整備や維持管理、災害対応を担う地域建設業が地域の守り手として持続的に発展していくためには、担い手の確保・育成は喫緊の課題と認識しております。このため県では今年三月に策定した第三期みやぎ建設産業振興プランに基づき、建設就業者の処遇改善に資する建設キャリアアップシステムの活用促進や週休二日制の推進、人材育成・職業能力向上研修など、担い手の確保・育成に向けた各種取組を推進しております。更に昨年度、建設業団体や学識者で構成するみやぎ建設産業振興プラン推進連絡会議を設置したところであり、今後、育成に関する具体的な目標も共有しながら、効果検証や改善検討などを行っていくこととしております。県といたしましては、持続可能な建設産業の振興を図るとともに、引き続き、昨今の激甚化・頻発化する災害にも対応できる人材を育成してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
経済商工観光部長千葉隆政君。 〔
経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕
◎
経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱一点目、県の経済回復に向けた取組についての御質問のうち、小規模な観光宿泊事業者に配慮した施策展開についてのお尋ねにお答えいたします。 宿泊助成制度の実施に当たっては、施設規模や立地場所によって集客にばらつきが生じている状況にあり、全国的な課題となっているものと認識しております。このため県では、みやぎ宿泊割の実施に当たり、できるだけ多くの事業者が参加できるよう手続の簡素化に努めるとともに、規模や立地にとらわれることなく各事業者の希望に応じて予算を配分しているほか、新聞への広告掲載やテレビでの特集等を通じ、需要拡大に向けた周知を幅広く行ってきております。今後、中小の事業者の支援については国の経済対策においてGoToトラベルキャンペーンの再開に当たり、低価格帯の実質割引率の引上げなどが予定されているほか、ゴールデンウイーク後の都道府県事業では団体旅行に対する一定の専用給付枠の割当てなどが示されております。県といたしましては、国の施策や市町村の需要喚起策と相互に連携を図りながら、引き続き多くの事業者に宿泊助成の効果が行き渡るよう配慮するとともに、持続的な支援に努めてまいります。 次に、地域企業と高いスキルを持つ人材とのマッチングについての御質問にお答えいたします。 近年、雇用形態や働き方が多様化する中、自らの経験やスキルを生かしながら他社の経営改善に寄与する副業・兼業者を活用していくことは、中小企業など県内企業がより一層発展していく上で非常に重要であると認識しております。これまで県では、高度人材の活用促進に向けて設置したプロフェッショナル人材戦略拠点において、副業・兼業人材について十六件のマッチングを成立させたほか、県内金融機関での副業・兼業人材紹介事業の実施を支援してまいりました。県といたしましては、副業・兼業人材の一層の活用に向け、塩竈市内のワーケーション補助事業の実施事例も参考としながら、宮城ワーケーション協議会をはじめとした民間団体や金融機関、経済団体と協議・協力し、活用に向けた機運醸成や人材ニーズの把握、人材と地域企業とのマッチングなどの手法に改善を重ね、より多くの成果が生み出せるよう取り組んでまいります。 次に、観光を通した関係人口拡大についての御質問にお答えいたします。 全国的に人口減少や地域づくりの担い手不足が喫緊の課題となっており、交流人口の拡大を契機として、将来的にその地域に関わる関係人口、ひいては定住人口の増加にも結びつけていくことは非常に重要であると考えております。県ではこれまで関係人口の拡大を視野に、地域との交流が生まれる農林漁業体験プログラムの造成や復興ツーリズムを中心とした教育旅行の誘致、ワーケーションに対する支援などの観光施策を推進してまいりました。県といたしましては、現在策定中の第五期みやぎ観光戦略プランに関係人口創出の重要性を位置づけることとしており、この中で観光をきっかけとして我が県の地域の魅力を感じ、地域住民との交流などに参加するリピーターや宮城のファンの拡大を積極的に進めてまいります。 次に、GoToEat食事券及び認証店おうえん食事券についての御質問にお答えいたします。 GoToEat食事券については既に販売終了となっておりますが、一冊当たり額面五千円の食事券が約百四万冊、五十二億円分販売され、先月十五日現在で約百万冊、五十億円分が利用されております。また、現在販売中の認証店おうえん食事券については、一冊当たり額面一万二千円の食事券が、先月二十八日現在で約十二万冊、十四億円分販売され、先月十五日現在で約二万冊、二億四千万円分が利用されております。現在、認証店おうえん食事券について、テレビやラジオでのコマーシャルに加え、動画サイトなどインターネット上での広告掲載など様々な手段により周知が図られているところであり、年末年始に向け販売数、利用数ともに増加していくものと期待しております。更に、認証店の参加登録の促進に伴い、認証店おうえん食事券を使用できる飲食店も着実に増えてきておりますので、多くの方々に感染防止対策に十分留意しながら、積極的に御活用いただきたいと考えております。 次に、商店街等のイベントに対する県の支援策についての御質問にお答えいたします。 県では、商店街等の集客確保と売上げ回復に向け、今年五月から商店街グローアップ支援事業により、商店街等が実施するPR動画作成等の集客促進やコワーキングスペースの整備などアフターコロナを見据えた積極的な取組を支援しております。また、感染状況が落ち着いてきた十月からは、感染対策を行い実施する集客イベントについても補助対象に加えたことにより、クリスマスや年末年始のイベントに係る申請が寄せられております。更に、昨日から商店街グローアップ支援事業の追加公募を開始したところであり、来年二月までのイベント開催を数多く支援したいと考えております。県といたしましては、今後も国の施策の動向も踏まえながらイベント開催への補助など、必要な支援に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君) 土木部長佐藤達也君。 〔土木部長 佐藤達也君登壇〕
◎土木部長(佐藤達也君) 大綱二点目、県のDX推進に向けた取組についての御質問のうち、公共工事関連業務のデジタル化の整備状況についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県では、働き方改革や
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて、インターネット上の情報共有サービスであるASPを活用した工事書類の電子化や建設現場の遠隔臨場など公共工事関連業務のデジタル化を推進しております。ASPの活用については、平成二十七年度から全国的な取組として導入が始まりましたが、我が県では平成二十八年度から試行を開始し、昨年度から本格運用しており、工事書類の提出、決裁及び保管の省力化・効率化を図っているところです。また、建設現場の遠隔臨場については、今年七月に庁内ネットワークの改修に伴い、全ての職員端末で実施可能な環境が整ったことから他県と同様に運用を開始したところでございます。十一月末時点で七件の工事で遠隔臨場を活用しており、コロナ禍における請負業者との接触回避はもとより職員の現場までの移動時間の削減などの効果が出ております。県といたしましては、今回計上した補正予算において、これら取組の更なる効率化と活用促進に向けた環境整備を図るほか、国土交通省の先行事例を参考に全ての工事への適用や調査設計業務への拡大など引き続きデジタル化の推進に取り組んでまいります。 次に、工事におけるDXの推進についての御質問にお答えいたします。 県では、公共工事における生産性の向上や働き方改革の推進を図るため、ASPの活用や建設現場の遠隔臨場をはじめ、情報通信技術を使用したICT活用工事及び三次元モデルと属性情報を合わせたBIM/CIM活用業務を実施しているところです。ICT活用工事については、主に土工や舗装工などを対象に、今年度十一月末時点で七十二件を実施しており、BIM/CIM活用業務については、橋梁工事の設計など四件で実施する予定となっております。今後は施工技術の更なる進展を踏まえ、ICT活用工事の対象を、地盤改良工事やコンクリート構造物工事などに拡大していくほか、BIM/CIM活用業務の三次元成果に基づくICT施工の実現など、より高度な活用に向けて取り組んでまいります。 次に、建設業者のデジタル化に向けた支援についての御質問にお答えいたします。 建設工事における遠隔臨場やICTの活用などDXの推進に向けては、導入に踏み込めない中小企業への普及促進が課題であると認識しております。建設業界からは、その理由としてノウハウを持った人材の不足に加え、施工機械や測量機器など高額な機材の導入による採算性への懸念が示されております。このため県では、工事や測量設計に携わる中小企業への普及促進と人材の育成に向けて、国や建設関係団体と連携し、ICTや三次元測量などの基礎知識や導入事例などに関する講習会を毎年実施しているところです。県といたしましては人材育成等の支援を継続するとともに、建設業者のデジタル化に向けた環境整備に対する支援については、今後、県内企業のニーズを把握しながら、国や他県の取組状況も踏まえて検討してまいります。 次に、国土交通省のプラットフォームについての御質問にお答えいたします。 国土交通省では、国が保有する国土や都市、交通、気象などのデータと、民間等が保有する建物や物流、人流などのデータを連携し、現実空間の事象を仮想空間で再現するいわゆるデジタルツインを構成することにより、業務の効率化やスマートシティー等の国土交通施策の高度化、産学官連携によるイノベーションの創出を目指す国土交通データプラットフォームの整備を進めております。このプラットフォームと地方自治体との関わりとしては、昨年度、公共インフラの維持管理分野について複数の自治体との連携を試行しており、現在、国では参加団体の拡大方策を検討中と伺っております。一方、我が県では道路施設の維持管理分野のうち橋梁点検について、東北大学が中心となって構築した東北インフラマネジメントプラットフォームと昨年度から連携し、施設管理の効率化を図っているところです。県といたしましては、東北インフラマネジメントプラットフォームとの連携を継続するとともに、今後、国土交通データプラットフォームの整備状況やその活用状況を見極めながら、参加についても検討してまいります。 次に、大綱三点目、県の公共建築物整備に対する考え方についての御質問のうち、中立的立場で市町村の取組を支援する組織への協力及び当該組織を市町村が利用しやすくなることについてのお尋ねにお答えいたします。 市町村においては、公共建築物の長寿命化や再配置、新たなまちづくりが進められている中、業務を担う建築技術職員の確保に苦慮しており、技術的な支援が求められているものと認識しております。県におきましては、これまでも災害公営住宅の整備や建築物の耐震化など、公共建築物の整備や地域のまちづくりに係る市町村からの相談について丁寧に対応してきております。更に中立的立場で市町村の取組を支援する組織として、昨年九月に設置された県内の建築関係四団体で構成される建築・まちづくり支援プラットフォーム宮城に国土交通省東北地方整備局と共に参画しております。県では、建築・まちづくり支援プラットフォーム宮城が行う、より専門的で幅広い支援に期待していることから、県ホームページへの掲載や市町村からの相談の際に紹介するなど周知に努めるとともに、その活動へ協力することにより引き続き市町村の支援に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
会計管理者兼出納局長佐藤靖彦君。 〔
会計管理者兼出納局長 佐藤靖彦君登壇〕
◎
会計管理者兼出納局長(佐藤靖彦君) 大綱一点目、県の経済回復に向けた取組についての御質問のうち、県主催のイベント業務に関する事業者団体からの要望についてのお尋ねにお答えいたします。 出納局で把握している令和二年度の県主催イベント業務の発注件数は、
新型コロナウイルス感染拡大の影響などによりオリンピック・パラリンピックや観光関連イベントなどが減少し、対前年度比で約五割となっております。また、県内のその他のイベントも減少していることなどから、県内イベント事業者は大変厳しい状況にあるものと認識しております。県では、これまでも地元中小企業の受注拡大を図るため、地元企業の受注拡大に関する調達方針を定め、地域で調達できるものは地域に発注することを基本方針とし、イベントについても地元企業に優先的に発注するよう取り組んでまいりました。今後とも基本方針に基づき、下請企業も含め地元企業に配慮した発注を前提に、業務内容や運営体制などを考慮した適切な発注となるよう努めてまいります。 以上でございます。
○副議長(外崎浩子君) 八番福井崇正君。