令和 2年 6月 定例会(第373回) 第三百七十三回宮城県議会(定例会)会議録 (第三号)令和二年六月二十三日(火曜日) 午前十時開議 午後三時十四分散会 議長
石川光次郎君 副議長 齋藤正美君出席議員(五十八名) 第一番 金田もとる君 第二番 小畑きみ子君 第三番 三浦ななみ君 第四番 石田一也君 第五番 柏 佑賢君 第六番 福井崇正君 第七番 渡邉重益君 第八番 わたなべ 拓君 第九番 伊藤吉浩君 第十番 大内真理君 第十一番 福島かずえ君 第十二番 枡 和也君 第十三番 佐藤仁一君 第十四番 遠藤伸幸君 第十五番 八島利美君 第十六番 瀬戸健治郎君 第十七番 櫻井正人君 第十八番 村上久仁君 第十九番 高橋宗也君 第二十番 庄田圭佑君 第二十一番 深谷晃祐君 第二十二番 遠藤隼人君 第二十三番 天下みゆき君 第二十四番 三浦一敏君 第二十五番 渡辺忠悦君 第二十六番
佐々木功悦君 第二十七番 境 恒春君 第二十八番 太田稔郎君 第二十九番 高橋 啓君 第三十番 横山のぼる君 第三十一番 渡辺勝幸君 第三十二番 横山隆光君 第三十三番
佐々木賢司君 第三十四番 守屋守武君 第三十五番 外崎浩子君 第三十六番 佐々木幸士君 第三十七番 村上智行君 第三十八番 高橋伸二君 第三十九番 熊谷義彦君 第四十番 岸田清実君 第四十一番 菅間 進君 第四十二番 坂下 賢君 第四十三番 ゆさみゆき君 第四十五番 吉川寛康君 第四十六番 伊藤和博君 第四十七番 庄子賢一君 第四十八番 菊地恵一君 第四十九番 佐々木喜藏君 第五十番
石川光次郎君 第五十一番 中島源陽君 第五十二番 本木忠一君 第五十三番 中山耕一君 第五十四番 齋藤正美君 第五十五番 安藤俊威君 第五十六番 畠山和純君 第五十七番 仁田和廣君 第五十八番 藤倉知格君 第五十九番 中沢幸男君欠員(一名) 第四十四番
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 佐野好昭君 副知事 遠藤信哉君
公営企業管理者 櫻井雅之君 総務部長 大森克之君 震災復興・企画部長 佐藤達哉君
環境生活部長 鈴木秀人君
保健福祉部長 伊藤哲也君
経済商工観光部長 千葉隆政君 農政部長 佐藤夏人君
水産林政部長 小林徳光君 土木部長 佐藤達也君
会計管理者兼出納局長 宮川耕一君
総務部参事兼秘書課長 藤田信治君
総務部参事兼財政課長 小野寺邦貢君
教育委員会 教育長 伊東昭代君 理事兼教育次長 小林一裕君
選挙管理委員会 委員長 皆川章太郎君 事務局長 鈴木雄貴君
人事委員会 委員長 千葉裕一君 事務局長 山本雅伸君
公安委員会 警察本部長 千野啓太郎君 総務部長 内海裕之君
労働委員会 事務局長 蜂谷 洋君 監査委員 委員 成田由加里君 事務局長 斉藤敬一君
----------------------------------- 議会事務局 局長 小野和宏君 次長兼総務課長 小野寺 明君 参事兼議事課長 菅原 正君 参事兼
政務調査課長 二瓶克之君 総務課副参事兼課長補佐 砂金義徳君
議事課長補佐 二上秀幸君
政務調査課長補佐 長谷川共子君
議事課長補佐(班長) 田村和江君 議事課主幹 渡辺祐司君
----------------------------------- 議事日程 第三号 令和二年六月二十三日(火)午前十時開議第一
会議録署名議員の指名第二 議第百七号議案、議第百九号議案ないし議第百二十七号議案及び報告第五十二号ないし報告第六十三号第三 一般質問 〔
佐々木功悦君、
佐々木賢司君、金田もとる君、福井崇正君〕
----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一
会議録署名議員の指名二 日程第二 議第百七号議案、議第百九号議案ないし議第百二十七号議案及び報告第五十二号ないし報告第六十三号三 日程第三 一般質問 〔
佐々木功悦君、
佐々木賢司君、金田もとる君、福井崇正君〕
-----------------------------------
△開議(午前十時)
○議長(
石川光次郎君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程はお手元に配布のとおりであります。
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△
会議録署名議員の指名
○議長(
石川光次郎君) 日程第一、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員に四十六番伊藤和博君、四十七番庄子賢一君を指名いたします。
-----------------------------------
△諸報告
○議長(
石川光次郎君) 御報告いたします。 六月十五日に配布いたしました附属機関の設置及び構成員の選任等の状況に誤りがありましたので、再度お手元に配布いたしました。
-----------------------------------
△議第百七号議案
△議第百九号議案ないし議第百二十七号議案
△報告第五十二号ないし報告第六十三号
△一般質問
○議長(
石川光次郎君) 日程第二、議第百七号議案、議第百九号議案ないし議第百二十七号議案及び報告第五十二号ないし報告第六十三号を議題といたします。
地方公務員法第五条第二項の規定により関係議案について
県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。…………………………………………………………………………………………… 宮人委第104号 令和2年6月17日
宮城県議会議長 石川光次郎殿 宮城
県人事委員会 委員長 千葉裕一 条例案に対する意見について 令和2年6月15日付け宮議第91号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。 記 「議第110号議案
家畜伝染病予防法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例」 この条例案中第1条の規定については,
家畜伝染病予防法の一部を改正する法律の施行に伴い,職員の
特殊勤務手当に関する条例について,所要の改正を行うものであり,適当と認めます。 「議第111号議案 職員の
特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」 この条例案は,
人事院規則9-129(
東日本大震災及び
東日本大震災以外の特定大規模災害等に対処するための
人事院規則9-30(
特殊勤務手当)の特例)の改正に準じ,所要の改正を行うものであり,適当と認めます。……………………………………………………………………………………………
○議長(
石川光次郎君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と日程第三、一般質問とを併せて行います。 質疑、質問は順序に従い許します。二十六番
佐々木功悦君。 〔二十六番
佐々木功悦君登壇〕
◆二十六番(
佐々木功悦君) おはようございます。みやぎ県民の声の
佐々木功悦でございます。まず初めに、このたび
新型コロナウイルスによりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、罹患された皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、医療現場の最前線で御尽力されている医療従事者の皆様をはじめとする関係者の皆様にも敬意を表しますとともに、改めて心より感謝を申し上げさせていただきます。それではこれから大綱三点について御質問申し上げます。 まず一点目、村井知事の県政運営と県財政について伺います。
東日本大震災から早いもので九年が経過いたしました。県は
東日本大震災の復興指針としてきました
県震災復興計画最終年度に当たる二〇二〇年度予算を
復興計画完結予算として、現在県政運営が進められてきております。本年度の予算を計上するにあたり、台風十九号豪雨の復旧事業費や大幅な
社会保障費の増加が要因となり、
予算編成過程の中で二百七億円の財源不足に陥り、各種事業の見直しや重点事業を前年度比五%削減する
マイナスシーリングを行い、かつ
行政改革推進債などを活用して約八十七億円を生み出し、残り百二十億円は
財政調整基金を取り崩して財源不足を補うなどの予算編成であったと認識をいたしております。
財政調整基金と
県債管理基金を含む主要な基金の今年度末の残高見込みは二百六十四億円となり、宮城県の適切な基金残高は五百億円と言われておりますことから、来年度より復興の完結を目指す
県財政運営を考えますと、かなり厳しい状況になると推察されます。当然、復興・創生期間が終了すると、国からの財政的な支援が見込めなくなり、復興需要は収束に向かうと思われますが、やや希望が感じられることは、復興庁の設置期限が十年間延長され、今後の財源確保などに期待が持てることであります。しかし、これも果たして現在の世界的な
新型コロナウイルス流行による国家的危機の中で不透明感が増し、期待どおりになるのか懸念されます。また、少子高齢化に伴う県内経済の縮小や税収も減少し、更に
社会保障費の増加が避けられない状況の中で、今回の
コロナウイルス感染症対策という深刻な危機的新たな課題が発生したことにより、先々の県政運営と財政の見通しが思うように立てられないのだと私
自身大変危惧をいたしており、県民の不安もますます高まっていくと感じております。知事はこのような現状を率直にどう分析し、この危機的状況をどう乗り越え、知事が強い意欲を示した震災復興の完結など、今後どのような財政運営を構築する考えなのか、御所見をお伺いします。 なお、村井県政が
東日本大震災復興の中で、歳入された財源を必要以上にため込んでいると主張する県民の方がおりますのでお伺いします。村井知事は「県財政は厳しい」と繰り返しているが、みやぎ県政だよりに、
都道府県平均を下回る将来負担、安定した貯金、五年
連続借金減と、県財政の好転を主張する内容が記載されております。この五年
連続借金減は県民のために必要な財源を使わず被災者と県民の暮らしではなく、借金減らしを優先させたゆがんだ財政運営の結果だと主張する声を聞くことがあります。また、村井県政は
東日本大震災後の三年間で
臨時財政対策債を発行可能額より四百四億円も抑え、被災者と県民に使える巨額の財源を自ら削り、その一方で、
東日本大震災後、巨額の財源を過去の借金の繰上償還に充てて平成二十七年度は五十四億円、平成二十八年度は百四億円余りに達するもので、被災者や住民の暮らしを支えるのが自治体の役目であり、
財政健全化はその手段とするもので、村井県政は本末転倒だと主張する県民の意見がございます。財政運営の考え方にかなりの相違が見受けられますが、知事はどのように思われますか、御所見をお伺いします。 次に、大綱二点目、
新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いします。 今後、新しい生活様式を軸に
社会経済活動を再始動するそれぞれの出口戦略を探り始める中で、当面重要なことは感染拡大の第二波、第三波を起こさずに何とか経済活動を活性化させていくことと考えます。再び
緊急事態宣言発令や行動制限などで日常生活の不安を増幅させ、新たな休業補償など地域経済への財政負担が増える結果とならないためには、
感染症対策の要であるPCR検査など検査体制の拡充と感染者の隔離徹底が何よりも必要で、
医療提供体制の更なる整備・充実が重要であることは言うまでもありません。これまでの県による
感染症対策の取組で、検査及び
医療供給体制についてはどう検証されているのか、そして課題は何か、また今後どのような方針の下で何を重点的に整備して、今後予想される第二波、第三波に備えていく考えなのかお伺いします。 政府の専門家会議は、次の流行の波に備えた政策課題として
医療提供体制の強化を八項目挙げており、知事の強力なリーダーシップの下、広域での連携を深め具体的な取組を求めておりますが、この方針に沿うものなのかを含めてお伺いします。 次に、大綱三点目、
女川原子力発電所第二号機の再稼働に関わる諸課題について二点お伺いします。 まず一点目、
女川原子力発電所第二号機の再稼働の
地元同意手続の進め方などについてお伺いします。 二月二十六日
原子力規制委員会において、女川原発二号機の
原子炉設置変更許可が決定されたことを受けて、三月二日に
経済産業大臣は再稼働を進める旨の方針を示し、村井知事に対し女川原発二号機再稼働への地元同意といえる理解確保の要請を行いました。村井知事は地元同意について県民の理解が必要と強調した上で県主催の
住民説明会を開催することを表明し、その後三十キロメートル圏内の
関係自治体首長をはじめ
県内市町村長の意見、立地自治体である石巻市・女川町の首長の意見を聴くこととし、更に県議会の意見を十分踏まえると表明されました。当然ながら、村井知事が設置しました
女川原子力発電所二号機の安全性に関する検討会が有識者としての意見をまとめて知事に報告することも必須の要件であります。このことは去る六月十五日定例会本会議場にて改めて知事から説明をいただきました。しかし、現在
新型コロナウイルス感染症拡大により県は県民に外出・移動の自粛、多くの
催事開催自粛を要請している状況下にあり、
住民説明会などの手続を進めることは困難となっております。今多くの県民の皆さんは、知事が県民の理解が必要と表明し実施するとした
住民説明会などの手続を簡略化したり省略したりすることを心配しており、十分な県民の意見を聴くことを強く求めております。昨年、
県民投票条例を求めた十一万人超の県民の思いを改めてしっかりと受け止めていただき、丁寧なプロセスを重ねていただくことを願うものです。今後の地元同意への進め方について、改めて知事の御所見をお伺いします。 次に、二点目の質問に入ります。 内閣府、
原子力規制庁や宮城県などで構成されている
女川地域原子力防災協議会が本年三月二十五日に開催されました。女川原発で重大事故が発生した場合の半径三十キロメートル圏内住民の避難計画を取りまとめたもので、この会議において女川地域の緊急時対応の内容が国の
原子力災害対策指針等に照らし、具体的かつ合理的であることが確認されたとのことでありました。近々政府の
原子力防災会議に報告されこの計画が了承されることになれば、その内容を踏まえ県はじめ
関係自治体において、
地域防災計画や避難計画の見直しが行われることになります。今後の再稼働手続の上で重要な位置づけになると思われますので、女川地域の緊急時対応の内容を精査しなければなりません。内閣府主催のこの会議には構成員として遠藤副知事が出席をし確認されたと聞いておりますが、具体的かつ合理的と確認された内容とは私はとても思えません。問題点が見受けられますので、これから関連する点も含め八点について御所見をお伺いします。 複合災害を想定していないのが実態で、複合災害時に実行不可能な計画ではないかという問題です。政府の
原子力災害対策関係府省会議--第三分科会などで複合災害時の問題は一応の検討はされておりますが、複合災害も想定した避難・屋内退避の実効性向上に向けて、とサブタイトルがついているように、複合災害時の対応が困難であることを前提として、少しでも善処しよう、ましにしようというレベル程度の議論でしかありません。緊急時対応の方針には、実際に問題点が数多くあります。例えば、一つ目、準PAZの住民はもともと孤立しており、船や防災ヘリを活用した避難は荒天時には避難行動が不可能になります。二点目、
東日本大震災時には道路が寸断され、孤立した周辺住民は
女川原子力発電所に避難したほどであります。昨年の台風十九号でも、女川町から外部に出ることができる道路は寸断されました。PAZの住民の優先避難は災害時には不可能ではないかと思われます。三点目、緊急時対応では屋内退避の活用が大方針になっておりますが、大地震により住宅が損壊すれば屋内退避が不可能になります。また、避難所の施設も利用できない場合が生じることも懸念されます。四点目、災害が発生した場合に避難先の市町村が対応できないことがあると表明しており、結果としてPAZそしてUPZの住民は避難先がなくなるのではないか等々の問題にはどうお答えしますか。複合災害時には実行不可能な計画ではないかと思いますが、御所見をお伺いします。 次に、二段階避難は現実的か、
放射線モニタリングと初期の
事故情報伝達が完璧にできるのか甚だ疑問があります。新潟県
原子力災害時の避難方法に関する
検証委員会が、国と東京電力に対するヒアリングをした結果、
検証委員会の総意として初期の事故情報や
放射線情報が適切に住民に正確に伝わるかどうかについて疑念が残ると判断をし、国に改善を求めました。これは国から十分な説明がなく、初動期の事故情報や
放射線情報が適切に住民に伝わる担保がないことを証明していると言えるでしょう。安全に避難を履行する条件が整っていないと判断したものであります。また、自主避難の発生を避けることは困難という問題があります。新潟県柏崎市の
UPZ圏内住民への
アンケート調査結果を確認しますと、三〇%程度の割合で自主避難をすると回答がありました。屋内退避を拒絶する被災者がいる場合にどう対応するのか、屋内退避の効果・適切な効果を得るための屋内退避中の行動など、屋内退避の基準そして運用方針についてどう考えるのかお伺いします。 また、このような新潟県での取組について宮城県は承知していると思いますが、
女川地域原子力防災協議会が取りまとめた緊急時対応に新潟県の指摘を生かすべきではなかったかと思いますがいかがでしょうか。私は、新潟県が国と対等以上に取り組み、国の対応には確信が持てないと言い切る責任ある行政を進める姿勢に宮城県も大いに学ぶべきと思いますがどうでしょうか。国が決めること、何もかも国に従うという姿勢から脱却し、県民の生命と財産を守る責任は知事にあるという覚悟で臨むことを期待するものであります。 次に、
放射能汚染シミュレーションで想定している
放射能放出量が異常に少ないのがなぜかについてお伺いいたします。
原子力規制委員会が、緊急時の被曝線量及び防護措置の効果の試算についてを示ししており、内閣府でも使用されておりますが、この試算はセシウム137の放出量を百テラベクレルなどとした想定で行われております。これは福島第一原発事故の約百分の一にすぎません。原発のシビアアクシデントで放出される放射能量は、事故の態様により非常に幅広いものになります。しかし極めて少ない放射能量を想定して、住民の被曝程度や避難計画の妥当性を議論しているのではないかと思われます。これは新しい安全神話をつくる重大な誤りだと思いますが、御所見をお伺いします。 次に、退域時検査ポイントで行うスクリーニングは、本来の目的は住民の被曝の有無、被曝のレベルを調べてその後の被曝医療につなげるためのものですが、基準と測定方法が妥当なのかお伺いします。 汚染が四万カウント・パー・ミニットを超えるかどうかで車両の簡易除染、住民検査を行うかどうかを判断することとしておりますが、新潟県は一万三千カウント・パー・ミニットを判断の基準といたしております。この違いは新潟県が乳幼児の甲状腺の等価線量百ミリシーベルトと同等のレベルに基準を設定しているからであります。また、車両の汚染を調べる中で乗員の測定については車両の一人を代表とする方針ですが、新潟県では乗員一人一人について測定することにいたしております。このように宮城県のやり方では住民の被曝に検査漏れを作る結果になるのではないかと思われます。当然、退域時検査所を通過する時間に違いが生じます。宮城県は通過時間を短くしようとするあまり、住民の被曝を防ぐというスクリーニングの目的を投げ捨てていないか問題があると思うので御所見をお伺いします。 次に、
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて三密を回避する新しい生活様式に基づき、三月二十五日に確認された女川地域緊急時対応は全面的に見直す必要があるのではないかと考え質問をする予定にしておりましたが、先週の十七日、急遽、
女川地域原子力防災協議会が開催されて原発の重大事故時における
感染症対策が追加され計画改定が行われたと聞きました。三月二十五日に協議会開催された以降の経過を含め主な改定内容についてお伺いします。 次に、
女川地域原子力防災協議会の会議において、女川地域の緊急時対応の内容が国の
原子力災害対策指針に照らし、具体的かつ合理的であることが確認されたとありますが、この対策指針は二〇一二年十月三十一日に制定され、なんと一部改定七回、全部改定八回も行われてまいりました。度重なる改定によって指針を後退させているのではと思われる内容が見受けられます。例えば、本来五十キロメートル圏域については、安定ヨウ素剤の配布などを検討する予定であったものがなぜかやめてしまいました。放射能の拡散予測シミュレーションも活用しない方針に変わってしまいました。私には、このように度重なる改定によって指針を後退させることで、より困難な事態を本気で検討しなくても済むようにしてきたと思われてなりません。そこで緊急時対応と避難計画の実効性を調査する上で指針の変遷を調査する必要があると考え、指針を改定した箇所、改定後の内容、改定した理由について、去る五月七日に原子力安全対策課に依頼しておりましたので、既に調査されていると思います。その指針の主な変更部分についてお伺いします。 次に、先般、県が発表した
原子力災害時避難経路阻害要因調査報告書によれば、これまでPAZ住民は六時間で避難できるとしておりましたが、UPZ住民の四割が指示に基づかず自主避難を始めるという現実的な設定をすると五十六時間もかかり、更にUPZの住民全員が行政の指示に従わず自主的に避難した場合、渋滞が激しくなり五日以上かかることがわかりました。このことで避難計画はあまりにも実効性がないことが明らかになりました。しかもこれへの対策が、UPZ住民が自主避難を始めないように周知するというもので、被曝を防ぐ保証がないのに避難させないこととなり、これは住民の被曝を前提とした「棄民政策」に等しいものだと思います。この調査結果について知事はどのように思われますか、お伺いします。 PAZ・UPZ住民も被曝することなく安全に避難できる避難計画ができるまで再稼働への同意はあり得ないと考えますが、知事の御所見をお伺いします。 最後に、三月二十五日に開催された内閣府主催の会議に県代表として出席をし、指針に沿い具体的かつ合理的であると確認された遠藤副知事に御所見をお伺いします。
原子力災害時避難経路阻害要因調査は、調査費用四千八百万円をかけ、本年三月十九日に調査結果の報告を受けたと聞きました。調査によってUPZ住民の自主避難などにより避難期間が三日から五日を要し、様々な要因で更に長期化することがわかり
原子力災害時避難計画の実効性が問われる結果となりました。三月二十五日に開催された
女川地域原子力防災協議会において阻害要因調査の結果が報告されていれば、緊急時対応との合理性に疑問が生じ確認が行われなかった可能性があると思うが、お伺いします。 また、
女川地域原子力防災協議会に阻害要因調査結果を出すことなく確認が行われたことは、考慮すべきことを考慮しない重大な過誤であり違法な手続ではないのかと思いますので、御所見をお伺いするものであります。 以上、壇上からの質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。
○議長(
石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君)
佐々木功悦議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず大綱一点目、村井知事の県政運営と県財政についての御質問にお答えいたします。 初めに、県財政を取り巻く状況と今後の財政運営についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県では長年にわたり行財政改革に努めておりますが、当初予算の編成に当たっては百億円を超える
財政調整基金の取崩しや特例的な県債の活用が常態化するなど厳しい財政運営を強いられております。今後の県税収入については、中・長期的には少子高齢化、短期的には復興需要の収束による減収が見込まれる中、
新型コロナウイルス感染症の県内経済への影響が加わり、県財政を取り巻く環境は一層厳しさを増すものと認識しております。こうした状況下において震災復興の完結はもとより、
新型コロナウイルス感染症への対応、さらにはこれまで先送りしてきた県有施設の老朽化対策、激甚化・大規模化する自然災害への対応、次期将来ビジョンへの予算の重点配分など課題は山積しており、今後の財政運営においては厳しいかじ取りが続くものと考えております。今年度は次期財政運営戦略の策定時期に当たることから、今後の歳入歳出をできる限り高い精度で見積もるとともに、更なる歳入確保対策や事務事業の見直しなどを通じ、県政の諸課題の解決と持続可能な財政運営の両立を果たしてまいりたいと考えております。 次に、
財政健全化優先の財政運営を行っているのではないかとの御質問にお答えいたします。 財政運営の基本的な考え方として、県民の安全・安心や防災・減災、人口減少、少子高齢化など山積する様々な行政課題に的確に対応すると同時に、将来に向けて持続可能な財政基盤の確立を図ることが重要であり、両者の取組をバランスよく進めていくことが肝要であると考えております。先ほども述べましたとおり、今後の財政状況は引き続き厳しい状況が続くと認識しておりますが、一部の財政指標が好転してきましたのは、平成十一年の財政危機宣言以来約二十年の歳月をかけて、その時々の行政課題の解決と
財政健全化のバランスを図りながら、地道な取組を続けてきた結果であると認識しております。今後の財政運営に当たりましても、基本的な考え方に変わりはなく、県民が求める施策の実行と健全財政の両面を常に意識しながら、県民の付託に応えてまいりたいと考えております。 次に、大綱三点目、
女川原子力発電所第二号機の再稼働に関わる諸課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、今後の地元同意への進め方についてのお尋ねにお答えいたします。 東北電力
女川原子力発電所二号機について、政府は
原子力規制委員会による
原子炉設置変更許可を受け、再稼働の方針を決定し、今年三月二日に
経済産業大臣から私に対しその方針に係る理解確保の要請がありました。回答に当たっては、今後
住民説明会を開催し、新規制基準適合性の審査結果、女川地域の緊急時対応等の防災対策、国のエネルギー政策や再稼働方針について、国から説明を聞く機会を設けたいと考えております。その上で、立地自治体をはじめとする県内の市町村長や県民の代表である県議会の御意見を伺い、総合的に判断したいと考えております。 次に、避難経路阻害要因調査結果等についての御質問にお答えいたします。 避難経路阻害要因調査については避難計画等の実効性の向上を目的としたものであり、避難経路上の課題の抽出や対策の効果検証を行うため避難対象区域を広範囲に設定するなど、交通負荷を強くかけた場合の避難時間を算出しております。今後はこの調査結果を踏まえ、経路の見直しや信号機制御等の具体的な検討、防災訓練での検証を行いながら、避難計画の見直しに取り組んでまいります。避難計画を含む女川地域の緊急時対応については、昨日開催されました国の
原子力防災会議において
原子力災害対策指針等に照らし、具体的かつ合理的であるとして了承されたところであります。原子力防災体制の備えに終わりや完璧はなく、今後とも原子力防災訓練などを通じて継続的な検証と改善を図ってまいります。また
女川原子力発電所の再稼働については
住民説明会を開催するとともに、立地自治体をはじめ県内の市町村長や県民の代表である県議会の御意見をしっかりと伺い、総合的に判断したいと考えております。 私からは以上でございます。
○議長(
石川光次郎君) 副知事遠藤信哉君。 〔副知事 遠藤信哉君登壇〕
◎副知事(遠藤信哉君) 大綱三点目、
女川原子力発電所第二号機の再稼働に関わる諸課題についての御質問のうち、
女川地域原子力防災協議会での緊急時対応の確認手続についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年度実施いたしました避難経路阻害要因調査は、原子力発電所を抱える我が県の取組といたしまして関係市町の避難計画の実効性向上を目的に実施したものでございます。一方緊急時対応につきましては昨日開催されました
原子力防災会議において、
原子力災害対策指針等に照らし具体的かつ合理的であるとして了承されたところでございます。この緊急時対応につきましては、策定後におきましても、今回の阻害要因調査結果を踏まえた見直しはもとより、原子力防災体制の更なる具体化・充実化を継続的に行うこととしており、今回の確認手続は適正に進められたものと考えております。 私からは以上でございます。
○議長(
石川光次郎君)
環境生活部長鈴木秀人君。 〔
環境生活部長 鈴木秀人君登壇〕
◎
環境生活部長(鈴木秀人君) 大綱三点目、
女川原子力発電所第二号機の再稼働に関わる諸課題についての御質問のうち、女川地域の緊急時対応は複合災害時に実行不可能とのお尋ねにお答えいたします。 避難計画を含む女川地域の緊急時対応では、津波や台風等の自然災害との複合災害を考慮した対応を行うことになっております。例えば津波との複合災害時においては津波に対する避難行動を優先し、指定緊急避難所等に避難するなど、生命の安全を確保することとしております。また予定された避難道路が不通となった場合に備え、代替の避難経路を設定するほか避難体制が整うまでの間は、屋内退避を実施し道路復旧に着手しつつ避難体制が整い次第必要に応じて実動組織の支援を得て、空路や海路を使用して避難することとしています。県といたしましては、今後原子力防災訓練についても複合災害の要素を取り入れるなどして関係市町の避難計画の更なる実効性の向上を図ってまいります。 次に屋内退避の基準と運用方針等についての御質問にお答えいたします。 国の
原子力災害対策指針では、
原子力災害時にUPZの住民に対し放射性物質放出前の全面緊急事態に至った時点で屋内退避を指示することとされており、放射性物質放出後は放射性プルームによる被曝の影響を避けるため、一時移転または屋内退避解除の指示が出されるまでの間屋内退避を継続していただくこととしております。屋内退避の実施は被曝低減の観点に加え円滑なPAZ住民避難の面からも重要であることから、確実に屋内退避していただくよう広報を通じた周知に加え訓練による習熟に、より一層努めてまいります。また、住民に対する初期の事故情報等の周知については県及び関係市町が防災行政無線や緊急速報メール等で広報することとしておりますが、更に
原子力災害時の様々な情報を集約したポータルサイトの立ち上げなど的確な情報伝達について国に対し要請しているところです。県といたしましては、今後も市町や関係機関と連携を図りながら地域の実情に応じた原子力防災体制の強化に取り組んでまいります。 次に、汚染シミュレーションの放射能量についての御質問にお答えいたします。 新規制基準では、重大事故発生時においても原子力施設から放出するセシウム137の放出量が百テラベクレルを下回ることが審査の基準となっております。この基準に適合しなければ原子力施設を稼働させることはできないこととなっていることから、御指摘のありました試算に使用された放射能の放出量は過小な想定ではないと認識しております。 次に、避難退域時検査場所でのスクリーニング手法についての御質問にお答えいたします。
原子力災害時における避難退域時検査の方法及び簡易除染を実施する際の基準については
原子力災害対策指針に定められており、我が県においてはこの指針に基づきまず車両の検査を行い、結果が基準値である四万カウント・パー・ミニットを超える場合には同様の行動を取った乗員の代表者に対して検査を行うこととしております。この指針の規定については避難等の迅速さを損なわない検査実施のため定められたものと理解しており、妥当な方法であると認識しております。県といたしましては避難退域時検査が確実かつ円滑に行われるよう、引き続き原子力防災訓練等の機会を通じ運営方法の改善や要員の技術の習熟に努めてまいります。 次に、女川地域の緊急時対応の改定についての御質問にお答えいたします。 女川地域の緊急時対応については三月に開催された
女川地域原子力防災協議会において、その内容が
原子力災害対策指針等に照らして具体的かつ合理的であるとして確認がなされたところです。その後
新型コロナウイルス感染症拡大を受け、万が一感染症流行下において
原子力災害が発生した場合には被曝によるリスクと感染拡大によるリスクの双方から、住民の生命・健康を守ることが最優先とされ、内閣府及び関係市町とともにその内容の追加について検討を進めてまいりました。そして今月十七日の
女川地域原子力防災協議会で改定内容の確認がされ、昨日の
原子力防災会議において緊急時対応が了承されたものであります。改定の主な内容については、避難車両や避難所などにおける感染者の分離、人と人との距離の確保など一般的な
感染症対策のほか屋内退避では換気は原則行わないなど感染症流行下における各種防護措置の追加となっております。 次に、
原子力災害対策指針の改定内容についての御質問にお答えいたします。
原子力災害対策指針については、実効性を向上すべく不断の見直しを行うべきとの観点からこれまで合計十五回の改正がなされております。主な改正内容については緊急時活動レベルにおける防護措置実施基準の具体化、国・地方自治体及び原子力事業者の役割等を示した緊急時モニタリングの在り方、
原子力災害拠点病院等の
原子力災害時における医療体制の整備方針、安定ヨウ素剤の事前配布方法や服用に関する考え方などが挙げられます。 私からは以上でございます。
○議長(
石川光次郎君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱二点目、
新型コロナウイルス感染症対策についての御質問のうち、検査及び
医療供給体制についてのお尋ねにお答えいたします。 第一波における対応については、コールセンターの電話がつながりにくい状況や検査の受診調整を行う帰国者・接触者相談センターの体制において一時的に逼迫する期間があったことから、コールセンターの回線増設や保健所の人員増強を行ってまいりました。また
新型コロナウイルス感染症対策アドバイザーチームから意見を頂きながら県医師会等関係機関の協力の下、入院協力医療機関及び帰国者・接触者外来の拡充、PCR検査能力の増強などに努めてきたところです。今後は第二波、第三波に向けて国の補正予算を有効に活用しながら医療用資機材の整備、従事者のサポートなどを通じて、
医療提供体制を万全にすることが課題と考えております。 次に、第二波以降に備えた体制整備と取組の具体化についての御質問にお答えいたします。 現時点の受入れ病床としては八医療機関で五十床程度確保しておりますが、患者が急増する場合には四百床での受入れを想定し機動的に拡充する体制としており、平時の
医療提供体制との切替えが円滑に行われるようにしているところです。またそれらの病床の稼働状況と各医療機関におけるマスク、防護服等の医療用資材の確保状況を国のシステム等を活用して一元的に把握し、医療機関への支援を迅速かつ的確に行うこととしております。更に重症患者の治療に必要な人工呼吸器等の医療機器整備のための助成制度を設けるとともに、検査や入院における他県との連携についても対応に努めてまいります。これらの第二波に備えた我が県の体制は、国の専門家会議の提言の方向性に沿っているものであります。 以上でございます。
○議長(
石川光次郎君) 二十六番
佐々木功悦君。
◆二十六番(
佐々木功悦君) 御答弁ありがとうございました。 女川原発再稼働に関わる問題点について、ただいま御答弁いただいた中でちょっと気になったことについてお尋ねしたいと思います。 一番最後の問題でいわゆる避難経路の阻害要因が報告されていなかったので私が問題提起させていただいたのですが、先ほどの遠藤副知事の答弁ではその阻害要因を踏まえて協議をされて最終的に確認をしたという答弁ではなかったかと思いますが、それは間違いございませんか。大変大事なことですのでお聞きいたします。
○議長(
石川光次郎君) 副知事遠藤信哉君。
◎副知事(遠藤信哉君) 私がお答えしました内容は、まず避難経路阻害要因調査は、避難計画の中でいろいろな避難をする際にどこにネックが生じるか、または障害が生じるかということを調査したものでありますということでございます。それで緊急時対応について了承された内容につきましては、内容的には避難先、避難経路、それから避難車両等の確保など、総合的に総体化されたものを合わせまして、了承されたと。いわゆるそれが具体的・合理性があるということで了承されたということでお答えしたということでございます。
○議長(
石川光次郎君) 二十六番
佐々木功悦君。
◆二十六番(
佐々木功悦君) それでは再度お伺いしますが、今の遠藤副知事の答弁をお聞きすると、県で新たに調査して、そういういわゆる阻害要因調査なんですが、そのことを踏まえて、その部分をしっかりと協議をされて問題ないということで確認されたという解釈でよろしいのでしょうか。
○議長(
石川光次郎君) 副知事遠藤信哉君。
◎副知事(遠藤信哉君) いわゆる緊急時対応の策定内容とその阻害要因の調査そのものについては必ずしもリンクするものではありません。要するに阻害要因の調査につきましては避難計画の実効性を上げるという目的で、避難時間をいろいろ想定しながら、どこにネックがあるかということを導き出すものです。緊急時対応そのものは、今まで各市町村が計画を立ててきたその避難計画、要するに
地域防災計画の中の避難計画を総体的に組み合わせまして、しかも国、県もその中でどういう役割を果たしていくかということを総合的に捉えた形で了承されたということですので、阻害要因調査の結果も含めまして、先ほどお答えしましたが、これから避難経路であったり避難経路における代替経路の設定であったり様々なものを総合的に勘案しながら、そして更にこういった調査の結果に基づいて防災訓練を実施しますので、防災訓練の中でも実効性をより高めていくということでこの調査結果を使わせていただくということでございます。
○議長(
石川光次郎君) 二十六番
佐々木功悦君。
◆二十六番(
佐々木功悦君) それでは知事にお伺いします。たしか昨夜のNHKのニュースの中で、知事は事前協議への回答期限が迫っているとコメントされておったような気がいたしますが、それでその件に関して多くの県民の皆さんから私の所にも問い合わせがあり、具体的にいつまで回答しなければならないなど、そういった国から具体的な求めがあるのでしょうか。
○議長(
石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 特に国から何かの求めがあるわけでは決してございません。震災前からあった宮城県と石巻市・女川町、そして東北電力四者で結んだ協定--紳士協定でありますけれども、何か建屋内の重要な部分を増改築するときには、事前に協議をして、そして了承を求めるということで、それはもうかなり前から--平成二十五年だったでしょうか、既にボールを投げられておりました。我々は福島第一原発の問題がございましたので、県職員だけで判断するべきではないと考え、講学的な見地からも有識者にいろいろな御意見を頂いたり、いろいろ御議論いただいて、それが二十数回開催をしてそろそろそのまとめに入ってきているということでございますので、その辺の結果を見て、判断をする時期がだんだん迫ってきていると。それに今回
経済産業大臣からボールが投げられたということもございますので、それと時期が大体同じになるというのはやはり常識的に当然のことであろうと考えてあのように記者会見で発言をしたということでございます。
○議長(
石川光次郎君) 二十六番
佐々木功悦君。
◆二十六番(
佐々木功悦君) このことについては本当に大きな県民の関心事でありますので、慎重にお願いしたいと思います。安全神話が崩れた今、事故は起こるものとして考えなければなりません。原発による事故のケースはどんな災害に比べても桁違いに大きいことは明らかであります。再稼働に同意することを求められている県知事や、立地自治体の首長の責任は極めて重いと覚悟しなければならないと私は思います。ぜひ
住民説明会などにおいて、できるだけ多くの県民の声、意見を直接知事が聞いていただいて県民の命と暮らしを守ることの重責を認識した上で、再稼働による負の遺産を将来に託すという重い決断を判断されることを強く求めたいと思いますが、再度知事の御決意をお伺いしたいと思います。
○議長(
石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) これは県が設定をして国に説明していただくということになります。私も何回になるかわかりませんが、必ず一回は行きたいというふうに思ってございます。また副知事にも当然聞きに行く場を設けるように指示をしたいというふうに考えております。
○議長(
石川光次郎君) 二十六番
佐々木功悦君。
◆二十六番(
佐々木功悦君) よろしくお願いしたいと思います。最後にお話し申し上げたいと思いますが、福島の人たちが今回の事故を経て原発は一切要らないという状況を、宮城県民がどう受け止めるかが問われているのだろうと思っております。宮城も福島と同様に被災原発の一県であることを受け止めれば、原発へノーを訴える宮城県民は当然の姿だろうと私は思っております。事故をなかったことにする政策に突き進んでいる現状に私は怒りさえ感じているところでございます。そういう県民の思いを今後ともしっかり受け止めて県民の意見を十分聞き取っていただくことを最後にお願い申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○議長(
石川光次郎君) 暫時休憩いたします。 午前十時五十五分休憩
----------------------------------- 午前十一時五分再開
○議長(
石川光次郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。三十三番
佐々木賢司君。 〔三十三番
佐々木賢司君登壇〕
◆三十三番(
佐々木賢司君) 自由民主党・県民会議の
佐々木賢司でございます。議長から発言の許可を頂きましたので、御支援を頂いております宮城県民、大崎市民全ての皆様に感謝を申し上げ、八回目となる一般質問をいたします。 初めに、このたびの
新型コロナウイルス感染が原因としてお亡くなりになられた皆様に心よりお悔やみを申し上げますとともに、現在闘病中の皆様にお見舞いを申し上げます。一日も早い回復をお祈りいたします。また、医療や介護施設においても、休日もない中、精神的・肉体的にも疲労こんぱいな状態であるにもかかわらず、医師をはじめ、看護師、介護スタッフが絶対的使命感の下で献身的に業務を遂行していただいていることに、ただただ頭が下がります。心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。 また、五月十九日に急逝されました坂下やすこ議員におかれましては、所属会派は違いますが、委員会をはじめ様々な場面で御指導を頂きました。特に、ベガルタ仙台の話題になると目を輝かせ、熱く語る姿は今でも鮮明に目に浮かんでまいります。これまでに頂きました御指導に改めて感謝を申し上げ、御霊の御冥福をお祈り申し上げます。 更には、拉致被害者家族連絡会の前代表の横田滋様が六月五日に逝去されました。自由民主党宮城県支部連合会では、毎年仙台七夕開催時に合わせて、早期の解決と拉致の現実を県民に理解していただくため、街頭から訴え、署名活動を継続してきました。自らの娘だけでなく、同様に拉致された人たちを帰国させるため、寸暇を惜しんで、全国各地で訴え続けた横田様の思いを引き継ぎ、日本が一枚岩になって解決させることが何よりの御供養になるものと存じます。心より御冥福をお祈りいたします。 それでは、質問させていただきます。 大綱一点目、教育行政における諸課題について。
新型コロナウイルス感染症拡大防止措置として、三月二日から二十四日まで臨時休校が発表されました。この間、感染患者の発生に収束が見えず、休業措置は五月三十一日まで延長され、想定外の長期休校となりました。三月に予定されていた卒業式や終業式は非常に簡素化された中で行われ、四月に行われるべき入学式は六月一日に延期されるなど学年の締めくくりと進級に向けた心構え、準備期間として重要な時期が休校措置となり、特に新入学の児童生徒、また保護者は不安な気持ちであっただろうと考えます。そのような中、五月二十五日から六月五日まで放映されたテレビを活用した家庭学習支援番組「むすびはなまる一ねんせい」は、実際に三人の教師が演者を務め、学校生活でのポイントや動物のまねを取り入れた体操、通学時の交通ルールなど、外出できず、家庭で過ごす子供たちが保護者と一緒に楽しめる番組になっていたのではないかと思うところであります。この番組は民放四局のメインチャンネルで放映されましたが、画期的な企画であり、民放であるがゆえCMスポンサーの企業との調整もさぞや御苦労されたのではと察するところであります。この場をお借りして、仙台放送・東日本放送・東北放送・ミヤギテレビ各社の御理解と御協力に感謝を申し上げる次第です。今回制作された番組はユーチューブやDVDで、今後も視聴できるとされていますが、仕上がりを見るにつれ来年以降も何らかの形で入学前に放映できるような仕組みを講じるべきと感じます。しかし、トイレの使い方を説明するところでは和式便座を主とし、そのほかにも洋式便座があるという説明の場面がありました。学校や施設のトイレは洋式化すべきという立場から、県内の学校のトイレ改修が進んでいないということが明らかになり、早急の改修工事を進めるべきと改めて思った次第です。今回のテレビ放映等を活用した家庭学習支援番組は、県として初めての試みであったと思いますが、作品に対する感想と次年度以降への展開、公立及び県立学校のトイレ洋式化の現状と今後の改修計画を併せ、知事と教育長の御所見を伺いますが、ある県立高校の教職員トイレに至っては、全て和式便座であるとも伺っております。自宅や民間施設においてもトイレの洋式化は当然のように整備されていますが、いかがお考えでしょうか。 次に、県は六月一日より通常登校としましたが、休校措置の延長は子供たちの生活リズムに大きな影響を及ぼしているものと考えます。また休校期間中は学校から配布される課題等をこなすことが主となっていたため、通常登校再開後の学習面にも不安があることは事実であります。中でも、現在も分散登校措置が取られている特別支援学校に通う児童生徒には特段の配慮が必要であり、その事情を考慮し保護者が希望される場合には休校措置中であっても学校で受け入れ、スクールバスも運行させる体制を取ってきたと認識しています。仙台市内で放課後等デイサービス施設を運営されている事業者から伺うには、実際には登校日以外の自宅学習の日は学校では受入れをしてもらえず、放課後等デイサービスを利用するようにと保護者へ提案されている状況であると伺いました。本件については、仙台市の事業者から先般要望書が提出されましたが、保護者は自宅学習の日だけ仕事を休むわけにいかず、また事業者側も登校日の児童、自宅学習日の児童それぞれに対応する体制整備、煩雑な送迎、施設スタッフの就業時間調整といった人員管理など、施設現場は混乱しながらも受け入れざるを得ない状況にあります。私は地元大崎市内で運営されている放課後等デイサービス事業者にお話を伺いましたが、その施設では開所当時から短時間勤務のスタッフは雇用せず全員フルタイム社員として雇用しているため、そのような状況になっても通常に子供を受け入れているとのことでありました。地域によって違いはありますが、学校と施設の在り方について課題があると考えます。 そこで伺います。 休校措置中であっても、支援学校では児童生徒の登校を認め、スクールバスも運行されるとしていたにもかかわらず、登校を希望する子供の受入れを拒否した学校があったのはどのような理由からであり、県としてどのように受け止めているのか。 二つ目、緊急事態のコロナ禍にあって、各学校と施設の連絡調整、連携は密に行わなければならないと考えますが、放課後等デイサービスを利用している子供を各特別支援学校で人数把握されているのでしょうか。また、学校の教員は子供の体調や学びの環境を把握され、適切な指導・アドバイスはなされていたのでしょうか。 三つ目、医療的ケアを必要とする子供とその保護者には、より丁寧な対応が求められます。学校や医療機関、施設の双方向からの連携が不可欠と考えますが、県としてどのように取り組んでいるのか、その結果を含め、御所見を伺います。 次に、部活動について伺います。 八月十日、開幕予定でありました第百二回全国高校野球選手権大会の中止が決定いたしました。大会が中止になったのは昭和二十年以来となるもので、選手たちの落胆いかばかりかと察するところですが、代替大会として今年の春の選抜大会に出場予定の三十二校を対象とした二〇二〇年甲子園高校野球交流試合を開催するという発表がありました。サッカーであれば国立競技場、ラグビーは花園ラグビー場というように、憧れの舞台に立ちそれぞれが頂点を目指して努力してきた選手たちにとって、阪神甲子園球場を会場に代替大会が開催されることは、希望の光が差し込んできた瞬間でありました。高校生らしいはつらつとしたすばらしいプレーを期待したいものです。他種目も同様に、宮城県においても現在高体連や中体連、各協会との調整、検討協議が行われており、種目によっては具体的な日程と会場が発表され始め安堵するところですが、中学校においては開催しない市町村も多く、それを問題として議会で取り上げられているとも伺っています。 子供たちの取組の成果を発揮できる代替大会の開催に向け宮城県として最大限の努力を強く望むところですが、スポーツ部だけでなく文化部にもしっかりと目を向ける必要があります。外出自粛と施設の閉鎖が続き十分に練習することができず、発表する場を設けられなかった文化部に光を当てなければなりません。六月補正予算において、プロとして文化芸術活動を行う者への支援として、みやぎ文化芸術応援費が計上されていますが、今このときに、自らの成果を発表する生徒たちのステージを県が企画することが必要ではないかと考えます。この際、宮城県美術館を会場に生徒たちの作品展示会を企画してはいかがでしょうか。また、吹奏楽部には県民ロビーコンサートなどをステージとして演奏会を企画してはいかがでしょうか。知事の御所見を伺います。多くの観客を前にした演奏会は、現実的ではないかもしれませんが、できる限り多くの県民に作品や演奏を見ていただける機会を求めたいと考えます。 次に、来年三月の新規学卒者採用について伺います。先日、ある製造業の大手企業の人事担当者にお会いして現在の高校三年生の採用予定について伺いました。例年の企業説明会は工場見学を企画して、取扱い製品や職場の雰囲気・空気感を実際に感じ取ってもらい採用につなげるというものであり、また指定校から生徒を推薦してもらうのだが、学校からの情報がなくこれまで同様に生徒を紹介してもらえるのか不明な状態であるということでありました。景気がよくないときは進学する生徒が増加する傾向にあり、企業が必要とする人材を確保できるかどうか大きな問題になってくるという状況にあります。知事や教育長の連名による本年五月二十六日付けの新規学卒者等採用者に係る要請書にも、企業説明会の見通しが立たないこと、求人情報に接する機会が減少していることが挙げられておりますが、全くそのとおりであります。既に六月一日から求人受付が開始となっておりますが、就職を希望する生徒たちには、例年以上に丁寧にかつ迅速に企業情報を提供できるように学校側の万全の体制が求められます。新卒者の採用枠の拡大と求人情報発信を促すため、企業には仕事内容の詳細を動画で配信するなど、できるだけ分かりやすく提供するように求めていますが、企業側からは学校から推薦できる生徒の人数や希望している生徒はどのような子なのか、そういった情報をいち早く知らせてほしいと考えています。採用者に係る申請書では、新卒者採用に関して企業に依頼する文言が中心で、学校側が企業に足を運んで採用をお願いするといった学校側も努力しますというような記載は一切ありません。私には、今年はコロナウイルスで混乱が生じているので、毎年採用してもらっているから今年も大丈夫だろうという怠慢な姿に映ります。このような状況だからこそ学校側は企業に対して足しげく通い、企業との信頼関係をつなぎ、迅速な情報提供と円滑な採用に結びつけることが重要であります。 そこで伺います。 一つ目、新規学卒者等採用者に係る要請書は、県内の事業主に送付されているものと考えますが、なぜ仙台市長の名前が連名され、他の市町村長の名前はないのでしょうか。仙台市以外の市町村で経済活動を行う企業にとって仙台市長の名前が入る要請書は不要ですが、いかがお考えでしょうか。 二つ目、間もなく求人活動が本格化しますが、例年とは異なる進路指導にどう対応していくのか伺います。 大綱二点目、疲弊するなりわいの再生について。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、飲食店をはじめ、多くの業種が休業要請に協力を頂き感染者発生の抑制につなげていただきました。医療や介護従事者の御尽力は当然ながら、国民県民の理解と努力の結晶であると考えます。昨年、中華人民共和国湖北省武漢市で病原体が不明の肺炎が複数報告されてから今日まで、日本の四季は冬から春、そして夏に入ります。特に春は木々が芽吹き、つぼみから開花する時期で生命の力強さを感じる季節でありますが、今年は外出自粛期間とも重なり、多くの観光客でにぎわうはずの各地の桜の名所は遠くから眺めるだけでありました。我が大崎市三本木でも菜の花が例年にも増して生育がよく、多くの方々に見ていただく準備ができていたのですが、外出自粛期間に他県ナンバーの車が鑑賞に来ているという情報から、密集を避けるため刈り取られました。その後の菜の花畑を確認に行ったときに感じた例えようのないむなしさは今でも心に残っています。その他、一九一〇年から続く鹿島台の春の互市、約六百五十年前から続く加美町の火伏せの虎舞など、春の風物詩は姿を見せることなく、イベントがほぼ中止になったことは残念でなりません。これから本格的な夏を迎えますが、地域の夏祭りや花火大会、大崎市松山地域で十月に行われる予定のフランク永井歌コンクールも早々に中止を発表しています。多くの観客が密集するリスクを避けるため、また準備に期間を要すること、この経済状況下で企業からの協賛金を集めにくいことなど、主催者の努力だけでは解決できない問題を抱えています。また、イベントの開催は地域の商店や事業者の売上げに直結するため、イベント主催者のみならず、地域経済の停滞にもつながっていることは事実であります。本年五月にイベント企画運営関係者から県に対して、休業要請の対象業種としての追加認定、家賃補助支援を求める要望があったと認識しています。イベント開催は、企画から音響、舞台、照明、デザイン、レンタル会社など、様々な業種、スタッフが集まって開催されるものであります。中でも音響や舞台、照明を担う会社は高額の機材を購入し、事務所以外にも倉庫を賃貸して管理している状況であり、固定費の負担が重くのしかかっています。 そこで伺います。 一つ目、このたびの外出自粛と休業要請等によって、県内のイベント中止に係る地域の売上げ減少額と、運営会社等の損失額はどれほどと算出されているでしょうか。 二つ目、昨年同月との比較で、売上げは一〇〇%ダウンというところがあります。中には廃業や転職を検討している事業者もおり、専門職でスペシャリストの廃業は宮城県にとって大きな痛手です。休業要請対象業種として認定し、遡及して協力金の支給対象とすべきと考えますが、知事の御所見を伺います。 次に、東京商工リサーチによれば、
新型コロナウイルスに関連して経営破綻した企業は、六月十二日時点で全国二百四十四件、うち倒産は百七十二件と発表され、二月に二件発生して以来急増しています。この数字は、担当弁護士や当事者から言質が取れたものを集計しているとされ、実際には数字以上の企業が経営破綻している可能性もあります。業種別では、緊急事態宣言の発令で来店客の減少、休業要請が影響した飲食店が三十七件。次いでインバウンド需要が消失し、旅行・出張の自粛も影響した宿泊業が三十五件。百貨店の休業が影響したアパレル関連が二十九件と個人消費関連の業種がもろに影響を受けています。また、新しい生活様式の公表から様々な場面に影響が出ているのも事実です。例えば通夜や葬儀など近親者だけで営むことが主流になり、葬儀後の法要などで準備される供養膳もなくなっていることから、仕出屋や飲食店の売上げにも影響が出ていると関係者の方から伺いました。宮城県においては六件発生しているということでありますが、個人事業主をはじめ従業員を雇用する企業への実効性のある支援が急務となっております。更に休業要請の対象外であった製造業にあっては、生産調整や受注減に対応するため、六月末から週休三日制を導入、雇用調整助成金を活用して、従業員の雇用維持に努める企業の現状も伺っております。県制度融資による資金繰り制度について、市町村の認定を頂き申請したものの、審査が通らなかったという企業からの相談が私に多く寄せられました。その後、日本政策金融公庫への申込みを進め、結果的に融資が実行されました。 そこで伺います。 一つ目、県制度融資の申込み数と融資実績がどれだけあったのでしょうか。 二つ目、企業の存続がかかる緊急事態であるにもかかわらず、様々な理由づけで融資されなかった企業に対して審査及び支給基準を緩和し、柔軟な対応を取るべきだったと考えますが、そのような検討・協議はなされなかったのでしょうか。 国土交通省の観光白書令和二年度版では、二〇一九年度は韓国からの訪日控えがあった一方で、中国等からの旅行客の増加とラグビーワールドカップ二〇一九が開催されたことにより、インバウンドは三千百八十八万人となり、二年連続で三千万人を超えました。観光を地方創生の切り札、成長戦略の柱として位置づけ、更なる受入れ環境整備に取り組み、成果を上げてきたと考えます。しかし、
新型コロナウイルスの影響からインバウンドが減少し、外出自粛措置も相まって、観光業、飲食業等の第三次産業が受けたマイナス影響は食材を生産提供する第一次産業への影響も大きく、製造業にも及んできています。国の第二次補正予算の事業規模は百十七兆円程度とされ、一次補正と合わせると二百三十三兆円を超える規模となり、世界最大の対策となる見込みです。 そこで伺います。 融資を申し込まれた企業は、運転資金調達が第一の目的と思います。地域経済を支え、従業員の雇用を維持する企業の安定した経営を後押しすることが求められると同時に、宮城県の原点と言える農業漁業を守り成長させなければならないと考えますが、対策をどのように考え進めていくのか、知事の御所見を伺います。 大綱三点目、児童虐待と子育て支援について。 厚生労働省が発表した児童虐待相談対応件数の令和二年一月から四月分は六万六千件を超え、昨年と比べ約一二%増加しているとのことであります。自粛生活のストレスで虐待に及んでいるケースもあり、力の弱い子供たちが被害に遭っている状況に心が痛みます。宮城県においては六百七十三件、約二〇%増加しているとあります。児童相談所に通報、相談ができる対応ダイヤル一八九によって件数が増加し、虐待に対する世の中の関心が高まっているあかしとも言えますが、子供が安心して生活できる環境を確保、継続できるように全力を挙げなければなりません。私はこれまで、中央児童相談所や北部児童相談所などで児童虐待の現状や保護状況などについて調査してきましたが、子供の生命の安全を第一に子供の気持ちに寄り添って対応する職員の実情を目の当たりにしますが、その反面、虐待をしてしまった保護者に対する心のケアはどうなっているのかと考えます。例えばコロナ禍にあって休業せざるを得ない状況の中、ふだんの生活環境が変わり仕事に行けないことや子育てに対する不安など、多様な事柄の対応に苦慮する保護者の立場を考えなければ、事の解決には至らないと考えます。二〇一八年九月の一般質問において、私は児童虐待防止について質問し、当時の
渡辺達美保健福祉部長から保護者に対するケアについてペアレントトレーニングの手法を取り入れ、子供への関わり方や怒りの感情のコントロール、暴力を使わない養育方法に取り組んでいる旨の答弁を頂きましたが、発表された数字と照らし合わせると違う角度からの支援が必要ではないかと考えます。先日、ある町で相談員をされている方からお話を伺いましたが、家庭の環境や子供の特性によって支援の在り方も違うはずなのに、横のつながりがないから対応できないということであります。例えば、不登校児に対する支援として子供を見守っているが、保護者がネグレクトの疑いがある。この場合、
教育委員会と保健福祉部の両方が関わるわけですが、長らく不登校の子供に関わっている相談員は保護者の状況も分かるため、双方の支援に関わらなければという心情になり、相談員が保護者と子供両方に関わることが物事の解決につながると思うということでありました。児童虐待を防止し根絶するためには、子供の出生時から対策に取り組まなければならない状況にあると考えます。二〇一八年九月の知事の答弁においても、子供の命を守ることは行政に課せられた使命であるとおっしゃいました。命を守ることは第一であると同時に、子供には明日への希望があること、温かい家庭で育つことを保障できる宮城県であるべきです。 そこで伺います。 一つ目、この現状を鑑みこれまでの児童虐待防止に関する施策の効果、考察と今後の取組について知事の御所見を伺います。 二つ目、子供が生まれた瞬間から子育てが始まりますが、子の親となった保護者に対するペアレントトレーニングはどのように行われているのか伺います。 三つ目、保護者の中には定期の乳幼児健康診査を受診しないケースがあると聞きますが、ネグレクトの可能性の一つとして注意が必要と考えます。その場合の対処としてどのように取り組んでいるのか伺います。 四つ目、家庭での児童虐待が生まれる背景は様々と認識しています。縦割り組織から横断的な庁内ネットワークや、国と市町村の情報共有・対応ネットワークの構築が不可欠と考えますが、どのように認識されているのか伺います。 五つ目、通報や相談で児童相談所が対応した際は、保護者へのペアレントトレーニングを行うとしていますが、地域の見守りの中で発見された児童虐待事案の場合、その保護者への支援はどのように対応されているのか伺います。 以上、壇上からの質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。
○議長(
石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君)
佐々木賢司議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず大綱一点目、教育行政の諸課題についての御質問のうち、家庭学習支援番組への所見と次年度以降への展開についてのお尋ねにお答えいたします。 家庭学習支援番組「むすびはなまる一ねんせい」の冒頭で、新小学一年生とその保護者の皆さんへ私からも励ましのメッセージを送らせていただきました。放送後、保護者等から好評を得たと聞いており、番組制作に当たっていただきました民放四社には、私といたしましても感謝しているところであります。県
教育委員会において、来年度以降もこの番組を有効に活用できるよう取り組み、来年の一年生も大きな「はなまる」がもらえることを期待をしております。 次に大綱二点目、疲弊するなりわいの再生についての御質問にお答えいたします。 初めに、県制度融資の申込み状況・融資実績及び審査等の柔軟な対応についてのお尋ねにお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、事業者の資金繰りをはじめとした経営維持は喫緊の課題であると認識しております。このため県では、事業者からの新規借入れや償還期間延長など貸付条件変更の申込みに対し柔軟に対応するよう今年二月二十五日付けで金融機関及び信用保証協会に要請し、更に金融庁からも民間金融機関に対して繰り返し同様の要請がなされております。
新型コロナウイルス感染症に関する県制度融資の実績については速報値となりますが、五月末までに申込みのあった三千二十六件、五百五十六億円のうち申込み件数の九八・七%に当たる二千九百八十七件、五百四十九億円が先週末までに融資実行されており、残る三十九件についても、融資実行待ちと聞いております。したがいまして、全て融資できるということになります。なお、過去の借入れについて信用保証協会から代位弁済を受けて求償債務が残っている場合などには、事前相談の段階で融資対象外となる旨説明しているケースもあると伺っております。これはルール上やむを得ないということです。県といたしましては引き続き関係機関と連携しながら、中小企業小規模事業者の資金繰りをしっかりと支援してまいります。 次に、企業への経営支援と農業漁業の維持、発展のための施策についての御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、県内の幅広い産業において大幅に売上げが減少しているほか、サプライチェーンが混乱するなど大きな影響を受けており、各産業に対応した事業継続のための支援が必要となっております。そのため県では、中小企業に対し制度融資による資金繰り支援を行うほか、販路開拓や
感染症対策等支援する中小企業等再起支援事業を立ち上げ、早期の売上げ回復を図る企業を後押しすることとしております。また和牛肉、花卉、飲食店向け水産物等の需要が減退し、生産者の経営悪化が課題となっていることから、経営サポート資金などによる経営支援や家庭内での消費拡大を支援するほか、飲食店などでの需要喚起を行うこととしております。県といたしましては、今後も国や市町村、各業界団体などの関係機関と連携しながら、県内事業者の売上げの回復向上に向け、それぞれのニーズに即した支援に全力で取り組んでまいります。 次に大綱三点目、児童虐待と子育て支援についての御質問にお答えいたします。 初めに、これまでの施策の効果等についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県においては、これまでも児童相談所の担当職員の増員や市町村職員を対象とした研修会の開催など、相談体制や連携体制の強化を進めており、一定の成果を上げてきたものと考えておりますが、
新型コロナウイルス感染症の影響による家庭環境の変化や見守り機会の減少などによるリスクの高まりも懸念されるところであります。今後も、児童福祉司の増員やSNS相談の実施などにより、相談体制の強化を図るとともに妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を通じて、子育ての不安、孤立に対応し、児童虐待のリスクを早期に把握できるように市町村などと連携し、早い段階での家庭に寄り添った支援に一層力を入れてまいります。 次に、庁内の横断的な対応や市町村との情報共有等についての御質問にお答えいたします。 児童虐待の早期発見や迅速な対応には、関係機関が共通認識を持ち幅広く連携することが重要であると考えております。庁内での連携につきましては、昨年度新たに学校の教職員等を対象とした研修会を圏域ごとに開催するなど、児童虐待への対応力向上や地域の連携体制の強化に努めております。また、市町村が設置する要保護児童対策地域協議会においては、地域の学校や医療機関などとともに、児童相談所も構成員として参画し、実務者会議や個別ケース検討会議等を通じて、関係機関との情報共有を行っております。今後とも様々な場面を通じた連携の強化を図り、児童虐待の防止対策の強化に努めてまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
石川光次郎君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱二点目、疲弊するなりわいの再生についての御質問のうち、イベント企画運営会社を休業要請対象として認定し、遡及して拡大防止協力金の対象にすべきとのお尋ねにお答えいたします。 県では、四月二十五日から五月六日までの間、新型インフルエンザ等対策特別措置法第二十四条第九項に基づく休業要請として、施設管理者に対する施設の使用停止及びイベント主催者に対する当該施設を使用した催物の開催停止を要請いたしました。この休業要請は、感染リスクの高い施設や多くの人が集まる施設等の使用による感染拡大を防止する観点から、当該施設の管理者や当該施設を使用する催物の主催者に対して行ったものであり、お尋ねのイベント企画運営会社については、これら管理者や主催者に当たらないと判断されることから休業要請の対象とはならないものです。 次に、大綱三点目、児童虐待と子育て支援についての御質問のうち、親となった保護者に対するペアレントトレーニングについてのお尋ねにお答えいたします。 自らの育児に不安や迷いを感じる親への支援は大変重要であると認識しております。市町村においては、親への支援として妊娠期から両親学級等を開催し、妊娠・出産・育児に関する正しい知識の提供や不安の軽減を図るとともに、出産後においても乳児家庭全戸訪問事業や、養育支援訪問事業により保健師等が家庭訪問し育児に関する助言指導を行っているほか、産後鬱の予防につながると評価されている退院直後の母子に対する育児のサポート等を目的とした産後ケア事業に取り組んでいる市町もあります。県としましては、昨年の母子保健法改正で市町村の実施が努力義務となりました産後ケア事業がより多くの市町村で導入できるように助言指導してまいります。 次に、乳幼児健診未受診ケースへの対応についての御質問にお答えいたします。 乳幼児健康診査を受診しない家庭の状況を把握することは、子供の健全な育成のみならず家庭における悩みの早期把握や児童虐待防止の観点からも大変重要であると認識しております。現在、未受診児については市町村が直接訪問等により、状況を把握しております。未受診のケースは虐待のリスクが高いと考えられることから、多くの市町村では未受診児を目視により確認しているほか、要保護児童対策地域協議会に情報提供するタイミングや期限を対応方針で定めている市町村もあるところです。県としては、迅速で確実な状況把握に向けて、必要に応じて児童相談所の同行訪問を引き続き実施するとともに、市町村の未受診児に対する体制づくりについて、助言指導してまいります。 次に、保護者支援についての御質問にお答えいたします。 児童虐待が発生する要因は様々であり、児童相談所における保護者支援の方法についてはその保護者や子供の状況を十分に確認しながら検討するとともに、必要に応じて関係機関と連携した対応を行っております。親権者による体罰禁止を定めた改正児童虐待防止法がこの四月に施行されたことも踏まえ、今年度からは外部の専門機関を活用し、育児に悩む保護者を対象としたすこやか子育て講座を開催し、体罰によらない子供への援助方法や怒りのコントロールなどに関するプログラムを実施するなどの取組を行っております。今後は、この講座の成果を踏まえながら、よりよい保護者支援の在り方を検討してまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
石川光次郎君)
経済商工観光部長千葉隆政君。 〔
経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕
◎
経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱一点目、教育行政の諸課題についての御質問のうち、新規学卒者等採用者に係る要請についてのお尋ねにお答えいたします。 新規学卒者等採用者に係る要請は、例年、新規学卒者の就職支援に関わる宮城労働局、県、仙台市が連名で、県内の主要経済団体を訪問して要請活動を行うとともに、県内企業約一万五千社に対し要請文を送付しております。平成二十二年度までは仙台市でも単独で同様の要請を行っておりましたが、訪問先が重複していたことなどから、関係者で協議した結果、平成二十三年度以降仙台市も含めて要請を実施することとなったものであります。なお、新規学卒者の採用促進については、各地域においてハローワーク、県、市町村、学校などから構成される就職対策連絡協議会の主要課題とされており、一部の地域では、管内全ての市町村長も連名して、同様の要請を行っております。 次に、大綱二点目、疲弊するなりわいの再生についての御質問のうち、外出自粛等に伴うイベントの中止による影響についてのお尋ねにお答えいたします。 外出自粛や休業等の要請に伴い例年九十万人以上の方々が訪れる仙台・青葉まつりをはじめ様々なイベントが中止となり、商工会議所等の関係団体からは、宿泊施設や飲食店にとどまらず広範囲かつ多数の事業者の売上げが大幅に減少し、厳しい状況にあると聞いております。御質問のありました売上げ額の減少等の算定は困難でありますが、例えば今年の仙台七夕まつりの中止による影響額が二百二十億円に及ぶという試算もあり様々なイベントの中止が県経済全体に多大な影響を与えると認識しております。県といたしましては、イベントをはじめ旅行、飲食など広範囲に展開されるGoToキャンペーン等の国の施策と連動しながら、地域経済の回復に向けた取組をしっかりと進めてまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
石川光次郎君)
教育委員会教育長伊東昭代君。 〔
教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕
◎
教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱一点目、教育行政の諸課題についての御質問のうち、家庭学習支援番組への所見と次年度以降への展開についてのお尋ねにお答えいたします。 新小学一年生向け学習支援番組「むすびはなまる一ねんせい」のテレビ放映については、保護者等や学校現場から学びの多い内容であったなどの声が届いており、当初目指した目的を果たすことができたものと考えております。この学習支援番組は、計画の段階から複数年活用を想定し、ユーチューブで配信するとともにDVDを作成し、各小学校・幼稚園等へ配布することとしており、来年度以降においても入学前後の授業で活用することにより学校生活にスムーズに入っていく上で効果的であると考えております。今後のテレビ放映については、
新型コロナウイルス感染症の状況等を総合的に勘案し検討してまいりたいと考えております。 次に、トイレの洋式化の現状と今後の改修計画についての御質問にお答えいたします。 学校における洋式トイレの整備は、教育現場の衛生環境を改善していくための重要な課題の一つであると認識しております。県内の市町村立小中学校における洋式化率は平成二十八年四月の文部科学省調査では、三八%となっていますが、その後平成三十年度からの国の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策事業を活用し、整備が加速化しております。また、県立学校における洋式化率は、昨年四月で四九%でありますが、昨年度は十一校で整備を実施したところであり、引き続き着実な整備に努めてまいります。 次に、臨時休業中の特別支援学校の対応についての御質問にお答えいたします。 特別支援学校においては臨時休業期間中であっても、保護者が希望される場合には子供の居場所確保のため登校を受け入れ、給食の提供やスクールバスにより送迎も実施することとしてきたところです。対応に当たっては学校と保護者、放課後等デイサービス事業者が連携して初めて児童生徒の生活リズムを確立し学習環境が確保できることから、連絡を密に取ることが重要であると伝えておりましたが、こうした意図が徹底されず保護者や事業者の皆様に御負担をかけたところがあったものと考えております。
新型コロナウイルスの感染再拡大に備え、学校現場において保護者や地域の関係機関とより一層連携して対応できるよう、改めて周知徹底してまいります。 次に、放課後等デイサービスの利用人数の把握と教員による指導・助言の状況についての御質問にお答えいたします。 今回の臨時休業期間中、各特別支援学校では、担任等がメールや電話により各家庭等と連絡を取りながら、自宅等で過ごす子供や午前中から放課後等デイサービスを利用する子供の人数を把握してきております。またこうした連絡を取る中で、併せてそれぞれの子供の体調や家庭等で過ごしている様子、学習での困り事等の把握に努め、学校によっては郵送による課題のやりとり、オンラインによる動画配信、家庭訪問等による個別の支援も行ってきたところです。今後に向けて、こうした取組を県内の各学校に広げてまいりたいと考えております。 次に、医療的ケアが必要な子供に対する学校や医療機関、施設の連携についての御質問にお答えいたします。 呼吸器機能の障害等により
新型コロナウイルス感染症による重症化リスクが高い医療的ケアが必要な児童生徒については、各学校が地域の感染状況を踏まえ、主治医や学校医、保護者等に相談を行うこととし、個別に登校の可否を判断してきたところです。また放課後等デイサービス事業者等に対しては、日頃から学校のケース会議や放課後等デイサービス連絡会議への参画をお願いしておりますが、今回の休業期間中は会議開催に代えて、個別に意見を伺うなどしてきたところです。今後、医療機関や事業者、保護者等と緊密に連携しながら、医療的ケアが必要な児童生徒の健康や生活に不安を生じさせないようよりきめ細かな対応に取り組んでまいります。 次に、発表の場を持てない文化部生徒の展示会や演奏会の企画についての御質問にお答えいたします。 外出自粛と施設利用の休止が続いたことからなかなか取組の成果を発表する場がなかった文化部の子供たちのために、そうした機会をつくっていくことが大変重要であると認識しております。今年度七月末から高知県で開催される全国高等学校総合文化祭は、
新型コロナウイルス感染症の影響下でも発表・交流の場を確保しようとウェブで開催されることとなり、県内の学校からも参加が予定されています。また、宮城県高等学校文化連盟においては、八月以降の各種行事の開催を部門ごとに検討しており、今後美術館県民ギャラリーを会場に、高校美術展、書道展、写真展が開催される予定です。県
教育委員会としては、引き続き
新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえながら、県高文連や各学校が企画する事業への支援、会場提供などに取り組んでまいります。 次に、進路指導の対応についての御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、対面での合同企業説明会の開催が見送られたほか、企業訪問活動にも遅れが生じ、企業側・学校側とも例年どおりの情報収集が進んでいないことから、就職指導の強化が極めて重要と認識しております。そのため各学校においては、緊急事態宣言解除後、進路指導の担当教員に加え、連携コーディネーター及び就職支援担当教員が企業と生徒・保護者との橋渡し役として、精力的に企業訪問を行っているところですが、求人動向の先行きが不透明であることから、今後も求人情報や企業の求める人材を早期に把握し、進路検討や就職指導に反映させる取組を強化してまいります。また、就職試験の解禁日が一か月繰り下げられ応募前企業見学や就職試験対策のセミナーをきめ細かに行う期間が確保されたことから、企業ニーズへの的確な対応と生徒の個に応じたマッチングに向け、一層丁寧な就職指導に注力してまいります。 以上でございます。
○議長(
石川光次郎君) 三十三番
佐々木賢司君。
◆三十三番(
佐々木賢司君) 教育長にお伺いします。僕としては、特別支援学校の方の休業措置中であっても受入れをするとしていたのに、学校によっては受入れをしなかったという理解なんです。できなかったのではなくてしなかった、その理由は何だったのでしょうか。もう一度お伺いします。
○議長(
石川光次郎君)
教育委員会教育長伊東昭代君。
◎
教育委員会教育長(伊東昭代君) 先ほど御答弁申し上げましたように、特別支援学校において保護者の希望によって受け入れるということでおりました。例えば四月二十日の段階では、結果的に見ますと全体の平均として放課後等デイサービスの事業者の方に三割の子供たちをお願いしたという状況になっております。それぞれの学校によっていろいろと事情が違うとは思いますが、特に知的障害の学校において、放課後等デイサービスの方の利用をまずお願いしたという経緯があったようでございます。やはりその事業者の方々は子供たちの居場所を確保したいという思いも持っていただいていて、それに対応していただいたということではあると思いますが、そうした思いに応えるためにも、子供たちの居場所に関して、先ほどお話ししたようにしっかりと調整をして受け入れていくべきだったと思っております。
○議長(
石川光次郎君) 三十三番
佐々木賢司君。
◆三十三番(
佐々木賢司君) 教育長、それは学校側が拒否したということではないのでしょうか。要するに、放課後等デイサービス施設の方に行きなさいというのは学校で受け入れしませんって言っているのと同じだと思うのですが、いかがでしょうか。
○議長(
石川光次郎君)
教育委員会教育長伊東昭代君。
◎
教育委員会教育長(伊東昭代君) 私どもの方で話を聞いている中では、ちょっと言葉の表現だと思いますが、拒否ということでなくて、まず放課後等デイサービスの方の利用をお願いしたということで聞いて、学校によって状況は違うと思いますけれども、そういうふうにお願いをしたと聞いております。
○議長(
石川光次郎君) 三十三番
佐々木賢司君。
◆三十三番(
佐々木賢司君) 学校によってというところで学校の裁量権の範囲なのかなと思うのですが、私が聞いているのは、保護者は学校に行ってほしかったのに、学校では受入れをしなかったと、学校で拒否されたということなんですよ。せっかく県教委で子供たちのために、また保護者の負担を軽減させるために学校側で受け入れますということを言ったにもかかわらず、現場では要するに指示に従わなかったということになるんだと思うんですよ。それが学校によっての状況、というか判断の違いでということになると、ある意味、その学校の管理者、校長先生の裁量によってそれが決められるのであれば、その校長先生が誰なのかによって、その学校に行っている子供たちが幸せになる、幸せじゃない、ということにつながるのではないかなと僕は思うんです。本来、本当に子供たちのことを思って校長先生になるべき人がなっているのかなというそういう疑問すら覚えるんです。その点について教育長、どう思われますか。
○議長(
石川光次郎君)
教育委員会教育長伊東昭代君。
◎
教育委員会教育長(伊東昭代君) 特別支援学校の児童生徒の受入れにつきまして、長期休業中の対応については、県の
教育委員会の担当課と校長あるいは教頭等いろいろと、その都度話合いをしながら進めてきているところでございますし、学校としても子供たちの居場所を確保しなければいけないということについては、共通で理解していたと思っております。確かに学校によって対応が異なったといいますか、人数的にも異なっていますけれども、やはり子供たちの状況ですとか保護者の御意向とかいろいろお聞きしながら、そういうことになったと思います。ただ、おっしゃるとおり、やはり放課後等デイサービスの事業者の施設のところでどういう状況になっているのかということについてしっかりと把握しながら、よりよい形で子供たちを受け入れていくことが必要だと考えております。
○議長(
石川光次郎君) 三十三番
佐々木賢司君。
◆三十三番(
佐々木賢司君) 第二波に備えて、しっかりその辺は検証していただいて。あってはならないことだなと私は思うんです。しっかり子供を受け入れると県教委として決めていたにもかかわらず、現場で受け入れなかった。これはすごい問題だと思いますので、これから準備をしていただきたいなと思います。 それから先ほどイベント会社に対する休業補償はできません、協力金の支払いはできませんということでありましたが、現にお話しされたように七夕では二百二十億円の損失になるだろうということでありますが、実際、イベント会社についている音響会社さん、照明会社さん、舞台会社さんというのは、そんなに大きい委託費をもらってやっているわけじゃないんですよ。小さいイベントをどんどん積み重ねていって、時には県外にも行って、そうやって自分の会社の売上げを立てていくわけですが、今回県外への移動も自粛された中では、今年に入った段階でもう既にほとんどのイベントに行けなかったわけですよ。二百二十億円という損失が出ているんだというこの金額を目の当たりにしますと、実際、もっといっぱい大なり小なりイベントがある中では、このイベントに関係する会社さんというのも非常に大きな損害を受けていると一緒だと思うんです。この辺はしっかりと検証されて、休業要請をして、協力金を支払うべき会社の業種として認定すべきではないかなと私は思うんですが、知事いかがでしょうか。
○議長(
石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 先ほど部長が答弁いたしましたけれども、この休業要請というのは感染リスクの高い施設また多くの人が集まる施設、こういったものを使用できないようにお願いをして、それに見合った額ということで休業要請の協力金というものの支払いをいたしました。今お話しいただいたイベント企画の運営会社というのは、残念ながらその対象にならないということで、どこかで必ず線引きをしなければならないということで引かせていただいたということでございます。その他の国のいろいろな支援するお金がございますので、そういったようなものを有効に活用していただく、また、先ほども答弁いたしました資金繰りの支援、こういったものを活用していただくことによって、何とかつないでいただけるのではないかと思っているということでございます。また、当然個別にいろいろな事情があろうかと思いますので、そういった事情がございましたら、別途改めて御相談をいただきたいと思います。
○議長(
石川光次郎君) 三十三番
佐々木賢司君。
◆三十三番(
佐々木賢司君) しっかり現場の声を聞いてほしいと思います。企業としては実は運転資金は借りたくないんです。設備資金だったら分かります、次の仕事があると分かっていますから。これだけ長く休業されている会社に対してしっかりと県は目を向けるべきだと思います。終わります。
○議長(
石川光次郎君) 暫時休憩いたします。 午後零時五分休憩
----------------------------------- 午後一時十分再開
○副議長(齋藤正美君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。一番金田もとる君。 〔一番 金田もとる君登壇〕
◆一番(金田もとる君) 日本共産党宮城県会議員団の金田もとるです。 質問の前に、この間の新型コロナ感染症でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、感染対策の最前線で奮闘されている保健・医療従事者の皆さん、行政職員の皆さんをはじめ感染抑止と経済社会活動の再開を一体に進めるために奮闘されている多くの皆さんに心からの敬意を表します。 質問に入ります。 大綱一点目、
新型コロナウイルス感染症対策と県内保健所、医療機関の整備支援について伺います。 五月二十五日に
新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が全面解除されてほぼ一か月が経過しました。今回の宣言は七週間に及びましたが、一人一人が休業や外出自粛に協力し人と人との接触を大幅に減らしたこと、全国の各自治体や医療従事者の皆さんの献身的な努力の結果でひとまず鎮静化させることができました。この間の宮城県としての対策・対応について知事はどのように概括されていますか、お答えください。 そして今、新規感染者が減っているこの時期に必ずやってくる感染の第二波に備えることが大事です。宮城県も対象となった抗体検査の結果からは大半の人が抗体を持っていないことが確認され、次の流行時の感染拡大の危険性が改めて指摘されています。備えの中でも決定的に重要になるのは、感染者が急増しても対応できる保健・医療体制、感染者の動向をいち早く把握できる検査体制の整備を進めることです。国の
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議からも、数次にわたって
新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言が出され、感染拡大、医療崩壊の防止に向けた対策についてとして保健所の体制強化、クラスター対策の強化、病原体検査体制の整備、
医療提供体制の確保などについて言及されています。今般、全国の保健所は帰国者・接触者相談センターでの相談業務、外来受診調整、検体搬送、感染者と接触した人の調査から入院先の確保、広報対応まで業務が集中してパンク状態になりました。背景には長年の保健所削減路線があります。感染者対策を担い健康危機管理の重要な組織で位置づけられる保健所は、この間の効率化によって一九九〇年には八百五十か所あったものが本年四月一日現在では四百六十九か所に減らされました。この三十年で施設が半数近くまで減っただけではなく予算や人員も減らされました。職員総数は約三万四千人から約二万八千人に減り、中でも医師数は四割以上減っています。宮城県でも一九九七年に九つの保健所から七つの保健所、二つの支所へ、仙台市も二〇一五年に五つの保健所から一つの保健所、四つの支所へと縮小されてきました。専門家会議の分析・提言では、感染者が増加した場合であっても、これらの業務が円滑に行えるよう保健所の体制を強化していく必要がある。更に対応の長期化が見込まれる中、
新型コロナウイルス感染症対策以外の必要不可欠な業務が適切に実施できる体制も確保していく必要があるとされています。今般、県として当該部署への全庁的な応援体制をしき、各保健所へも保健師十一名、事務職員十三名を応援配置、会計年度任用職員十一名の配置も行われましたが、四月は七つの保健所のうち六つの保健所で過労死認定基準の八十時間超えの時間外労働となった方が出ています。本庁の担当班では二月から五月まで百十時間超え、最高百六十七時間となった方もおられます。過重労働、過労死予防、働き方改革の視点からも大きな問題です。応援にとどまらず保健所の予算を増やし人員体制を緊急に補強する定員増に踏み出すべきです。いかがでしょうか、伺います。 保健所に関わる国の削減・縮小路線は、二〇一〇年の新型インフルエンザ対応を総括した政府報告書の提言をも無視して進められてきました。報告書では国立感染研究所や検疫所、地方自治体の保健所や地方衛生研究所を含めた
感染症対策に関わる危機管理を専門に担う組織や人員体制の大幅な強化が提言されましたが、実際には公務員削減が優先され正反対のことがやられてしまったのです。今般六月二日付けで厚生労働省対策推進本部から、
新型コロナウイルス感染症に関するPCR等の検査体制の強化に向けた指針が示されました。保健所体制の強化もうたわれていますが、中身は全庁的な協力体制や業務の外部委託の推進、ITの活用が強調されるばかりで適正かつ必要な人員配置の視点が欠如しています。全庁的な協力体制で臨んだ結果がさきの時間外労働の実態です。コロナ危機に直面した今こそ見直すべきです。ところが、県では二〇一九年度において栗原保健所と登米保健所の支所化も部内で検討され、来年二〇二一年四月が目途とされていることがわかりました。これが実施されれば五つの保健所、四つの支所に再編、更なる広域化が進められることになり各保健所の負荷は増すばかりです。保健所の保健所体制の強化がうたわれているときに縮小の方針はあり得ません。二〇二一年度四月一日での支所移行は断念すべきです。知事の所見を伺います。 次に、病原体検査体制の整備について伺います。 新型コロナへの感染を調べるPCR検査の問題では、国、厚労省は検査数を絞り込む方針に固執。医師が検査が必要と判断しても検査を受けられない状況がありました。宮城県保険医協会の
アンケート調査では、医療機関からPCR検査を公的機関若しくは民間会社に依頼した結果として「受け入れられた」が三十六件、「受け入れられなかった」が三十三件と半数近い四七・八%が受け入れられなかった実態が示されています。また、名取市医師会が実施した、かかりつけ医らへのアンケートでも医師が三、四月に保健所にPCR検査を三十五件要請したものの四割に当たる十四件が断られたとも報じられています。 一方で、県からは医師が必要と判断した検査が断られたという事例は把握していないとの発言が繰り返され、認識に違いが生じていました。この違いがどこから来たものなのか、県としてどのように捉えているか、お答えください。 六月二日付けの国指針では今後の感染拡大局面を見据え、これまでの当該都道府県や全国的な感染拡大の状況を踏まえるとともに、それを上回る感染拡大も視野に置いて、ピーク時における新規感染者数とそれに対応した検査数の見通しを作成するとされています。宮城県でのPCR検査の検体採取の体制、検体分析の体制について実績と現状、そして今後の整備目標について、PCR検査センターや発熱外来の設置に必要な財政規模をどう見込んでいるのかも含めて伺います。お答えください。 検査数の抜本増は、感染者数を把握し早期の隔離治療を行う上でも安心して経済活動を行う上でも、想定される感染拡大の第二波、第三波での医療崩壊を止める上でも喫緊の課題です。村井知事も名前を連ねた十八道県の知事による緊急提言の中でも、これまでの受動的な検査から感染者の早期発見、調査、入院などによる積極的感染拡大防止戦略への転換が位置づけられています。より具体的には、感染が疑われる人、ごく軽症を含む有症者と全ての濃厚接触者を速やかに検査すること、医療、介護、福祉従事者と入院患者、入所者への検査を積極的に行うこと、感染の広がりを把握する抗体検査を広く行うことが求められています。宮城県としてもこの三本柱を位置づけた整備目標とすべきです。知事の所見を伺います。 次に、
医療提供体制の確保について伺います。 今般のコロナ危機では医療現場の逼迫が深刻になる地域が増え医療崩壊が目前に迫りました。
新型コロナウイルス感染者用の病床は、五月二十一日までのピーク時で三万一千三百八十三床が必要だと見込まれていましたが、確保できたのは一万七千六百九十八床、必要病床数の五六%にとどまっていました。小泉政権以降の医療制度改革は、医療費の伸びの多くを占める入院医療費を抑制するため、病床数の削減や医師数の計画的削減などの効率化を図ることを基本方針に据えて、感染症を含む急性期医療の縮小を進めてきました。全国の感染病床数は一九九八年末には九千百三十四床あったものが、二〇一九年末には千八百八十四床まで減らされました。二十一年間で八割近くの削減です。宮城県でも百八十七床から二十九床まで減らしてきました。県として減らし続けてきたことについての反省はありますでしょうか、知事の認識を伺います。 今回の
新型コロナウイルス感染症への対応の中では、入院協力医療機関十三施設五十九床が追加確保され、計八十八床まで受入れ可能とされましたが今後も予断は許されません。予測される感染の流行第二波に対しては、PCR検査の拡充による感染者の早期発見から感染者の隔離・療養への流れをどうつくるかが重要な鍵となります。療養・入院施設の確保・整備について、県内での今後の整備の方向性はどうなっていますでしょうか、軽症者の方の療養施設として確保したホテルについても含めてお答えください。 二〇一四年の医療・介護総合確保推進法では、新たな病床削減の仕組みとして地域医療構想が導入されました。二〇二五年までに全体で三十三万床の病床を削減する構想です。昨年秋には、急性期病床がある約四百四十の公立・公的病院を名指して、病床の削減や統廃合が迫られました。しかし、全国で感染症病床を持つ三百六十七病院のうち九割を超す三百四十六の病院が公立・公的病院です。現に感染症病床を持つ二十四の病院も統廃合リストに載せられています。県内では仙南区域と石巻・登米・気仙沼区域が地域医療構想の実現に向けた国の重点支援区域に選定され、仙南区域で唯一感染症病床を持つ公立刈田綜合病院が医療機能再編などの対象となる医療機関として選定されています。政府はここに来て、再編統合の判定基準に感染症医療を含んでいなかったことにも鑑み、各都道府県に今年九月での討論の取りまとめを求めていたものの、この先送りを容認する判断を示しています。
新型コロナウイルス感染症対策も踏まえて、県も地域医療構想の見直し・検討が求められる局面にあると思いますがいかがでしょうか、お答えください。 国の重点支援区域とされた仙南区域について、県は五月七日に県地域医療構想仙南区域と公立刈田綜合病院の目指す姿についてと題する公立刈田綜合病院とみやぎ県南中核病院の連携プランを提案しています。このプランでは、公立刈田綜合病院の病床は二〇一九年度の三百床から二〇二一年度には百九十九床まで減らされる計画になっています。今求められているのは、第二波に備えて感染症病床を確保し安定した運用を保障する計画です。性急な再編統合の議論は厳に慎むべきです。知事の所見を伺います。お答えください。 次に、この間、
新型コロナウイルス感染症対策の最前線で奮闘してきた医療機関と医療従事者の皆さんへの支援の在り方について伺います。 PCR検査の拡充、感染が疑われる患者さんの受入れ、
医療提供体制の確保の課題でも負荷が増す一方で、
感染症対策上の診療制限や健診、定期検査、手術の延期などで大きく減収となっている医療機関への財政支援が急務となっています。第二波に備えて感染者への
医療提供体制とともに通常の
医療提供体制の確保も重要です。この間、医療崩壊ぎりぎりという訴えが医療現場からも政府の専門家会議からも相次ぎました。今の時期に第二波に備えた医療体制を確立しなければなりません。日本医師会をはじめ多くの医療関係団体からこのままでは経済的医療崩壊が起きるとの声が上がり、それぞれ緊急要望書も提出されています。感染者を受け入れている病院の減収が億単位に及んでいる事例や一般医療機関でも四月は九割以上が前年同月比で減収、全体の四割は減少幅が二〇%以上となっていることが報告されています。日本医師会による調査です。コロナ患者受入れ病院とその他の救急対応する病院との機能分化や地域の診療所の医師がPCR検査センターの当番に出るなど、コロナウイルス感染症に対しては地域全体で医療連携をしていかなければなりません。経済的な面で地域医療が崩壊すれば第二波以降には対応できません。五月二十六日の
県内市町村長会議の場でも各首長から地域の医療機関への財政的支援が訴えられています。医療機関の減収分の補填、前年度診療報酬支払い額を基に概算請求を認める措置を国に強く求めるとともに、県としても独自の支援策を講じられるよう知事の英断を求めます。いかがですか。 大綱二点目、県内での放射性指定廃棄物、汚染廃棄物の処理と福島第一原発の汚染水処理問題について伺います。 東京電力福島第一原発事故から九年三か月が過ぎました。事故を起こした原発の廃炉作業は困難を極め、福島県内の五十万立方メートルを超える汚染土壌を中間貯蔵する作業も遅々として進まず、フレコンバッグの劣化に加え水害などにより袋ごとの流出といった事態も生じています。更には、東京オリンピック招致に際し、状況はコントロール下にあると全世界に宣言した放射能汚染水の処理をめぐって、海洋放出ありきという結論が今押しつけられようとしています。宮城県においても放射性指定廃棄物、汚染廃棄物の処理と汚染水処理の問題は、県民の生活となりわいに大きな影を落としています。知事が強引に推し進めてきた一斉焼却方針をめぐっては、住民訴訟にまで発展し公判継続中です。県内における指定廃棄物、汚染廃棄物の管理状況はどのようになっていますでしょうか。経年変化も含めてお答えください。あわせて、今後の管理・処分方針についてお示しください。 今般、仮に汚染水の海洋放出といった事態となれば漁業者に与える影響は福島県の漁業者にとどまらず、県内の業者にも再び壊滅的な打撃となります。宮城県漁協も明確に反対、県議会としても数度にわたり海洋放出反対の立場で意見書を採択しています。知事も今こそ声を大にして県内漁業者のなりわいを守る、県民の命と健康を守る立場で海洋放出反対を訴えるべきです。いかがでしょうか。 知事はこの間、国が進める事業と強調し「是も非も申し上げていない。関係者にしっかりと説明をして理解を得ることが最優先ではないか。」と繰り返しています。知事自身も関係者であり当事者ではないのでしょうか。当事者意識を持ってお答えください。よろしくお願いいたします。 大綱三点目、女川原発二号機再稼働について伺います。 大綱二点目でも述べたとおり、原発事故が起きた後の処理対応は数十年あるいは数百年のスパンとなり、県民の命と暮らし、なりわいに計り知れないダメージを与えます。安全神話に寄りかかった再稼働は決して許されるものではありません。二月二十六日に
原子力規制委員会での合格を得、国からの再稼働についての理解の要請が求められた後の四月三十日、東北電力は安全対策工事の延期を発表しました。安全対策工事そのものの困難さを示すものですが、県は工事の完了を待たずとも関係する機関の合意や了解を得られれば同意の意向を表明するとしています。今般の安全対策追加工事について東北電力は、
原子力規制委員会の審査を踏まえて追加・変更が必要となったものとして、地下水位低下設備の信頼性向上対策や竜巻防護ネットの設置工事等と説明していますが、県の
女川原子力発電所二号機の安全性に関する検討会では二年の延期について報告・議論されたのでしょうか。工事完了、竣工検査も行われない時点で、知事も理解の要請に応じる判断はできないと思われますがいかがでしょうか。 また、避難計画の実効性をめぐって今般の
原子力災害時避難経路阻害要因調査事業の報告では、UPZ圏内の住民が三十キロ圏外の避難先へ到着するのに現状で三日から五日以上、必要な対策を講じた場合でも二日から三日はかかるとされました。調査事業のシミュレーション自体にも多くの疑義が生じており、実際の必要日数は更に増えるものと想定され、到底計画の実効性が確認される状況にはありません。提案されている二段階避難についても屋内退避期間の被曝の不安は払拭されていません。更には、今般の
新型コロナウイルス危機が投げかけた複合災害時の避難所の諸課題は、原発災害時の避難計画・手段にも重なる課題であり、いわゆる三密を避けての避難計画の策定はより困難なものになっています。この課題での知事の認識を伺います。お答えください。 今般の避難経路阻害要因調査によって示された避難に要する日数は、受付ステーションからさきの避難日数や検査場所の立ち上げに要する日数を考慮すれば、更に延びることになります。その間、避難者が車中でどのような状況に置かれるか、どのような支援が必要であるのかも考慮されていません。食料や飲料水の確保、トイレの確保、バスの交代運転手の確保、燃料給油等の問題が検討されていなかったのは大きな問題です。避難に要する日数の更なる長期化と支援の欠如が合わさって、避難計画に従った行動自体が避難者の命と健康を脅かすものとなりかねません。知事の所見を伺います。 国から求められている
女川原子力発電所二号機の再稼働に関わる理解の要請について、今般のコロナ禍で予定していた
住民説明会が開催できない状態が続いています。住民合意と知事の判断の時期について、今後の見通しをお示しください。 知事はこの間、再稼働に向けて賛成とも反対とも申し上げることはできないとの発言を繰り返しています。さきの汚染水処理問題も含めて事原発問題に関しては言を明らかにしません。九月入学制度の切替え提言をはじめ発信力には定評のある知事らしからぬ対応と言わざるを得ません。今や原子力発電はコストの面からいっても、優れた発電手段とは言えなくなっています。二号機の再稼働で火力発電に要する燃料代、年間三百億円を節約できるとの東北電力の説明も既に三千四百億円にまで増えた安全対策工事費や原発の維持にかかる費用も含めて計算すれば割高になることは明らかです。いまだ見通しが立たない使用済み核燃料の処理問題もあります。東北電力の経営に与える影響を考えてもできるだけ早期に稼働断念を求めるべきです。今こそ全国の知事に先駆けて再稼働断念を発信すべきときだと思いますが、いかがでしょうか。知事の決断を求めます。 ここで、昨年九月十九日の東京地裁における東電旧経営陣、強制起訴判決についての知事の認識を伺います。 判決理由では以下のように述べられています。「原発事故の結果の重大性を強調するあまり、想定し得るあらゆる可能性を考慮して必要な措置を講ずることが義務づけられるとすれば、法令上は原発の設置・運転が認められているのに運転はおよそ不可能ということとなる。」と。かみ砕くと、原発の設置・運転は法令で認められているのに想定し得るあらゆる可能性を考慮して、必要な対策を講じることが求められるとすれば運転はおよそ不可能ということとなると言っています。そして結びで、「事故の結果はまことに重大で取り返しのつかないものだ。しかし、地震発生前までの時点では法令上の規制や国の指針、審査基準の在り方は、絶対的安全性の確保までを前提とはしていなかった。」。このことをもって旧経営陣三人が経営責任を負うということにはならないとした不当判決です。地震発生前、事故前の法規制は絶対的な安全性の確保を前提としていなかったというのは驚くべき告白です。原発は絶対的な安全を確保した上で稼働させていたのではなかったのでしょうか。知事、改めて読み返していただければ地震発生後の現時点では結果の重大性に鑑みれば、運転はおよそ不可能ということに気づかされると思いますがいかがでしょうか、所見を伺います。 大綱四点目、県内のソーラー事業の実態と県の認識について伺います。 FIT制度が導入されて以降、県内でもメガソーラーが急増しています。森林伐採により自然の生態系が変わり災害対策上も懸念が生じています。県としても宮城県太陽光発電施設の設置等に関するガイドラインを策定し、ことし四月施行となったところです。FIT制度が始まった二〇一二年七月以降、県内で林地開発許可の対象となった太陽光発電事業は八十九件、うち五十四件が完了済みで、その事業区域面積は二千五百五十二ヘクタールを超え、実際に伐採される森林面積も千二百五十七ヘクタールを超えています。これは建築面積一万三千三百五十一平米余りの楽天生命パーク宮城の九百三十八個分に当たります。林地開発許可の対象となった分だけですが、県内のFIT制度で認定されたメガソーラー全体の事業認定件数とその事業面積はどれぐらいになっていますか。それぞれお答えください。 そして、これらの事業主体の多くが海外資本を含む県外資本であり、高い利益の確保を求めて進出してきている。この現状に対し知事はどのような所見を持っておられるかお答えください。 また、この間に太陽光発電事業に関わる係争事例が報道されています。県としての実態把握は行われているかどうかについてもお答えください。 本来、再生可能エネルギーは自然と共生するためのものでなければなりません。住民の不安を解消し乱開発を防ぐ上でも国や県の法整備が求められています。 このことを述べて、壇上からの質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。
○副議長(齋藤正美君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 金田もとる議員の一般質問にお答えいたします。 大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、
新型コロナウイルス感染症対策と保健所、医療機関の整備・支援についての御質問のうち、今回の感染拡大への対応についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県は四月十六日から五月十四日まで緊急事態措置実施区域に指定されましたが、対策本部において国の基本的対処方針等を迅速に情報共有するとともに、専門家の御意見も伺いながら県民や事業者の皆様に対して、外出及び催し物の自粛要請、施設の使用制限を機動的に行ってまいりました。このような措置に県民の皆様方の御協力をいただいたことで感染拡大が抑制されたものと考えております。現在、段階的に社会経済の活動レベルを引き上げておりますが、国内では東京都を中心に陽性者の発生報告が続いておりますので、県民や事業者の皆様には今後とも基本的な感染対策の継続など、感染拡大を予防する新しい生活様式の実践・定着をお願いしたいと考えております。 次に、大綱二点目、東京電力福島第一原子力発電所事故による汚染廃棄物、汚染水処理についての御質問のうち、汚染水の海洋放出についてのお尋ねにお答えいたします。 ALPS処理水について、国では小委員会から海洋放出及び水蒸気放出の選択肢が示されたことを受け、現在関係者に意見を聞いた上で方針を決定することにしております。これに関連し今年の二月定例県議会において海洋放出反対の意見書が可決されたほか、今月十五日には宮城県漁業協同組合からも同様の趣旨の要望書が提出され、私といたしましてはこのことを重く受けとめているところであります。 その一方で、この問題は処理水の科学的性質や人体への影響など国がしっかりと国民に説明し、処分方法や風評対策を含め国民的議論の上、最終的な方針を決めるべきものと考えております。県といたしましては、引き続き国に対し漁業者をはじめ地元関係者の意見を十分に聞くことはもとより、国民の理解が得られるよう丁寧かつ慎重に検討していくことを求めてまいります。 次に、大綱三点目、
女川原子力発電所第二号機再稼働についての御質問にお答えいたします。 初めに、安全対策工事の工期延長と理解要請についてのお尋ねにお答えいたします。 安全性検討会は、震災後の施設の健全性と新規制基準へ適合することにより向上する安全性について確認していただくために設置したものであり、工事の期間については検討の対象外であることから、今回の工期延長に関しても検討会で議論はされておりません。 また、理解確保の要請については、政府が東北電力
女川原子力発電所二号機の再稼働の方針を決定し、その理解を求めているものであり、工事の進捗にかかわらず
住民説明会等の必要なプロセスを経て、しかるべき時期に判断したいと考えております。 次に、住民合意と知事の判断時期についての御質問にお答えいたします。
女川原子力発電所二号機の再稼働については、今年三月に
経済産業大臣から理解確保の要請を受けております。今後、
新型コロナウイルス感染防止対策を含む準備が整い次第、
住民説明会を開催し、その上で立地自治体をはじめとする県内の市町村長や県民の代表である県議会の御意見をしっかりと伺い、しかるべき時期に総合的に判断してまいりたいと考えております。 次に、全国に先駆けて再稼働断念を発信すべきとの御質問にお答えいたします。 我が国は資源が少なくエネルギー安全保障上の脆弱性を有していることから、国策として原子力政策が進められてきた経緯があります。原子力発電所の再稼働の是非や核燃料サイクルを含む原子力政策の将来像については、経済に与える影響、地球温暖化対策等も念頭にエネルギー政策を所管する国において総合的に判断されるべき問題と考えております。 私からは、以上でございます。
○副議長(齋藤正美君)
環境生活部長鈴木秀人君。 〔
環境生活部長 鈴木秀人君登壇〕
◎
環境生活部長(鈴木秀人君) 大綱二点目、東京電力福島第一原子力発電所事故による汚染廃棄物、汚染水処理についての御質問のうち、指定廃棄物等の管理状況と今後の方針についてのお尋ねにお答えいたします。 震災から九年が経過し放射性物質濃度が減衰する中、指定廃棄物については国の責任において廃棄物関係ガイドラインに基づき、適切に管理されていると認識しております。その他の汚染廃棄物は市町村と県が連携し、保管施設の定期的な巡回や補修など地域の実情に応じて適切に管理しております。県といたしましては、汚染廃棄物処理が各市町村の方針に基づき円滑に進められるよう引き続き支援してまいります。 また、指定廃棄物については、八千ベクレル以下の汚染廃棄物の処理に一定のめどがついた段階で市町村長会議などの議論を踏まえ、処理責任を負う国に対して適切な対応を求めてまいります。 次に、大綱三点目、
女川原子力発電所第二号機再稼働についての御質問のうち、原発災害時の避難所における
感染症対策についてのお尋ねにお答えいたします。
新型コロナウイルスなどの感染症流行下において
原子力災害が発生した場合には、被曝のリスクと感染拡大のリスクの双方から住民の生命・健康を守ることが最優先で求められます。そのため
原子力災害発生時には、避難車両や避難所等における感染者の分離、人と人との距離の確保など一般的な
感染症対策のほか、屋内退避では換気は原則行わないなど各種防護措置を講じることとしております。この内容については避難計画を含む女川地域の緊急時対応に追加し、改定した上で昨日の国の
原子力防災会議で了承されましたが、今後とも原子力防災訓練などを通じて避難計画の継続的な検証と改善を図ってまいります。 次に、避難経路阻害要因調査についての御質問にお答えいたします。 避難経路阻害要因調査については、避難計画の実効性の向上を目的とし、避難経路上の課題の抽出や対策の効果検証を行うために実施したものです。今後はこの調査結果を踏まえた避難計画の見直しに取り組んでいくとともに、渋滞が発生した場合であっても長時間に及ばないよう、迅速に別の避難経路や検査場所に誘導するための手順を整理するなど渋滞緩和の対応を進めてまいります。原子力防災体制の備えに終わりや完璧はなく、今後とも避難計画の継続的な検証と改善を図ってまいります。 次に、地震発生後の原子力発電所運転は不可能と言わざるを得ないとの御質問にお答えいたします。 国では東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、安全神話と決別するとの考えのもと新たに規制基準を制定しました。また、この新規制基準は諸外国も含めた最新の知見を参考とし、耐震と津波対策の強化やシビアアクシデント対策のほか既設の原子力発電所への遡及適用制度、いわゆるバックフィット制度などが盛り込まれております。これは世界的に見ても厳しい内容で、安全性の向上を目指す揺るぎない姿勢が反映されているものであり、この基準により国において厳格な審査が行われていると認識しております。 次に、大綱四点目、県内におけるソーラー事業の実態と県の認識についての御質問のうち、メガソーラー事業の認定状況についてのお尋ねにお答えいたします。 国の公表資料によると、今年二月時点の県内メガソーラー事業の認定件数は約三百五十件となっております。なお、事業面積については国が公表していないため把握しておりません。 次に、海外資本を含む県外資本の事業者進出についての御質問にお答えいたします。 太陽光発電を含む再生可能エネルギーの導入に当たっては、県内資本や県外資本にかかわらず、法令を遵守し地域と共生を図りながら適切に事業が遂行されることが重要と考えております。県では、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を目指し、二〇三〇年度の再生可能エネルギー導入量を二〇一三年度比で二・二倍にするなどの目標を掲げており、引き続き目標達成に向け再生可能エネルギーの積極的な導入促進に取り組んでまいります。 次に、太陽光発電事業の実態把握についての御質問にお答えいたします。 FIT制度導入後、我が県においても太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの導入が拡大しております。 一方、近年、設置場所、設置方法の多様化や住民への説明不足に起因すると思われるトラブル事案が発生している地域もあると認識しております。このため、今年四月に宮城県太陽光発電施設の設置等に関するガイドラインを策定し、出力五十キロワット以上の太陽光発電設備を設置する場合、地域住民への説明や周辺環境への配慮を求めることとしました。今後も本ガイドラインを通じて実態把握に努めるとともに、地域と共生した太陽光発電事業の導入が進められるよう取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(齋藤正美君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、
新型コロナウイルス感染症対策と保健所、医療機関の整備・支援についての御質問のうち、保健所の人員強化についてのお尋ねにお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症対策では、県民の方々からの相談対応や帰国者・接触者外来との受診調整、積極的疫学調査等を担う保健所の業務量が増大したことから、保健福祉部内はもとより他部局からの応援職員や県を退職した保健師等を任用するなどし、体制の強化を図ったところです。しかしながら
新型コロナウイルスは未知のウイルスでもあり、職員の負担が大きくなったことや先例のない対応を求められる業務が発生したことなども長時間の勤務になった要因と考えております。今後、職員の健康管理に十分配慮するとともに保健師十名を増員するなど専門職の増強を図るほか、外部委託の積極的活用などにより保健所体制の確保に努めてまいります。 次に、保健所の支所化についての御質問にお答えいたします。 現在、保健福祉部においては、保健、医療及び福祉の様々な課題により効果的かつ効率的に対応できるよう、保健所を含む地方機関の組織体制の在り方を検討しております。地域における公衆衛生の中核機関である保健所は、医療機関等の指導監督、住民の健康づくり、災害発生時の被災地支援など近年は業務が多様化・複雑化し、より専門性の高い対応が求められております。 また、我が県において保健所の所管区域の見直しを行った平成九年以降、市町村合併や道路交通網の整備などにより区域の状況は大きく変化しております。これらの状況を踏まえながら各保健所がこれまで以上にその機能を発揮できるよう、引き続き県全体の保健所の組織体制の在り方を検討してまいります。 次に、医師と県との認識の相違についての御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の疑い患者に対するPCR検査については、国が示した検査基準に基づき、帰国者・接触者外来の医師の総合的な判断で検査が必要とされた方に対して全て検査を実施しているところです。三月、四月はその時点における検査基準に該当する方に検査を実施しておりましたが、一般医療機関の医師から帰国者・接触者相談センターに相談された際、帰国者・接触者外来の受診調整に必要な症状に関する情報を十分に提供いただけず、円滑に検査につながらなかったケースもございました。そうした場合には、帰国者・接触者相談センターから主治医に説明し了解を得ていたところですが、そのことが認識の違いにつながったものと考えております。なお、四月下旬には宮城県医師会が医師の総合的な判断の基準を示したことにより、一般医療機関の医師が判断しやすい環境が整備されております。 次に、PCR検査の現状と今後の整備目標についての御質問にお答えいたします。 検体採取の体制については、主にコールセンターやかかりつけ医から帰国者・接触者相談センターを経由して、県内二十七か所の帰国者・接触者外来で検体採取を行っております。 また、検体分析の体制については、県内三施設で一日当たり二百件の検査が実施可能となっているほか、大学、医療機関、民間検査機関で検査を実施しており、今月二十一日までの検査実績は三千四百八十六件となっております。PCR検査センターや発熱外来などについては、地域の実情に応じ規模や設置主体の検討をお願いしているものですが、県といたしましては、県民が利用しやすいよう県内の各地域に設置されることが望ましいものと考えております。県としては、今後、各地域の検討状況を踏まえながら外来の体制づくりを積極的に支援してまいります。 次に、今後の整備目標についての御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、感染の疑われる有症者と全ての濃厚接触者は検査の対象とされたところです。 また、医療、介護・福祉従事者や入院患者・入所者については、医師が総合的に判断し感染が疑われるため必要と認めた場合は、速やかに検査を実施することとしております。第二波・第三波に備えてこのような点も踏まえながら検査体制の整備を行ってまいります。なお、抗体検査については、県内の免疫獲得状況を確認するため国の調査に積極的に協力したところですが、精度や判定結果の評価が確立されていないことから国や研究機関の知見の蓄積を待ちたいと考えております。 次に、感染症病床数についての御質問にお答えいたします。 都道府県が設定する感染症病床数の基準については、感染症法に基づき定められております。この法律はハンセン病等への差別や偏見の歴史を教訓にそれまでの隔離中心の施策から、科学的根拠に基づき人権にも配慮した予防と治療中心の施策への移行を旨として、平成十一年度に施行されたものです。こうした経緯を経て設定された現在の国の基準に基づき、人口に応じて感染症病床を設置するものですが、我が県の場合は地域の実情を勘案して国の基準より五床多い二十九床となっております。なお、今回の
新型コロナウイルス感染症対応においては、患者発生の状況を踏まえ感染症指定医療機関のみならず、入院協力医療機関の協力を得て必要な病床を確保してきたところであります。 次に、第二波に対する今後の療養施設、入院施設の確保及び整備の方向性についての御質問にお答えいたします。 現時点での
新型コロナウイルス感染症患者の受入れ病床としては、常時八医療機関で五十床程度確保しており、患者が急増する場合には四百床程度での受け入れを想定し機動的に拡充する体制を確保しております。 また、宿泊療養施設については継続的に当面百室程度が必要と考えており、今後の施設についても既に確保しております。 次に、国の再編統合の期限延期を踏まえ、地域医療構想を見直すべきとの御質問にお答えいたします。 国による再編統合の回答期限は延期される見通しとなっておりますが、将来にわたって持続可能な
医療提供体制を確保するための医療機能の分化・連携・集約化の検討は不可欠であります。県といたしましては、地域医療構想の実現に向けた取組の具体化を進めてまいります。 次に、性急な再編統合の議論は慎むべきとの御質問にお答えいたします。 公立刈田綜合病院とみやぎ県南中核病院との連携プランは、仙南医療圏の持続的な
医療提供体制の確保と経営の安定化のため、先延ばしにするわけにはいかず早急に取り組むべきものと認識しております。なお、このプランにおける病床削減は一般病床を対象とするものであり、感染症病床については維持することとしております。 次に、医療機関への支援についての御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた医療機関への財政的支援については、全国知事会を通じて国に求めてきたところです。今般、国から診療報酬の大幅な増額と概算前払いが認められたことに加え、国の二次補正予算で
新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関に対して、病床確保料の支援も一層拡充されたところです。医療機関における今回の減収対策は全国的な問題であり、国が統一的な観点から施策化すべきものと考えておりますので、引き続き国に対応を求めてまいります。 以上でございます。
○副議長(齋藤正美君) 一番金田もとる君。
◆一番(金田もとる君) 答弁ありがとうございました。 それでは、
新型コロナウイルス感染症対策の関係で改めて質問させていただきます。 地域医療構想の見直しについて、国の返答期限は九月まで先延ばしされたけれども、大枠のところでこれの構想を変えるつもりはないというお話でございました。ただ、国自身が認めているようにこの間の再編議論に
感染症対策の視点が欠けていたことは事実でございます。この観点で改めて県の地域医療構想を見直す必要があるのではないかとお聞きしておりますが、改めていかがでしょうか。
○副議長(齋藤正美君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 国に対しての検討結果の対応という意味では期限が遅れる見通しであるとは理解しております。ただ、地域医療構想に基づく地域の医療体制の検討、それから具体的に国から指名された各病院を中心とする各病院の医療連携の在り方につきましては、これまでの継続的な課題でありますのでしっかりと検討をしなければいけないということで御答弁申し上げました。引き続き、県としては医療連携については各市町村をまたぐ課題でもありますので、積極的に地域医療連携構想調整会議などの場を通じて調整してまいりたいと考えております。
○副議長(齋藤正美君) 一番金田もとる君。
◆一番(金田もとる君) 改めてお伺いいたしますが、県の地域医療構想の中に
感染症対策の視点は今までも十分反映されている、そこはこの後どうなるのかという観点でお聞きしております。十分だと認識されておりますでしょうか。
○副議長(齋藤正美君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 感染症医療の体制の在り方についても、当然、今回の
新型コロナウイルスの状況を踏まえて課題があると思っております。特に感染症病床の在り方もそうでありますが、一般の病院がいかにして感染症患者を受け入れるかということについても課題は出てきていると思います。先ほど申しましたのは、特に公的病院を中心とする地域医療の連携の在り方については、
新型コロナウイルスの感染症の問題の前からある問題でありましたので、引き続き調整することで申し上げたわけでございます。
○副議長(齋藤正美君) 一番金田もとる君。
◆一番(金田もとる君) 今回の
新型コロナウイルス感染症がここまで拡大した後、私たちの生活そのものも、どのように変えていかなければならないのか、県としても医療の在り方をどのように組み直さなければならないのか、これを真摯に検討していただかなければならないと思います。アフターコロナとかポストコロナとかも言われて新しい生活様式の徹底が叫ばれていますが、ここ宮城県で持続可能な社会、県民が安全・安心な生活を送れるようにしていくことが求められていて、それは保健衛生や医療、介護・福祉の分野でも当然のこととして重視していただかなければなりません。国の責任であり、そして県、自治体の責任であり、そして知事の責任でもあると思いますので、今の視点でぜひ重視していただきたい、このことを重ねてお願いしたいと思います。 続いて質問させていただきます。 放射性指定廃棄物、汚染廃棄物に関してですが、各市町村での今の保管量とかそういったものを経年的な変化も含めて押さえられていますか。お答えください。
○副議長(齋藤正美君)
環境生活部長鈴木秀人君。
◎
環境生活部長(鈴木秀人君) 汚染廃棄物につきましては、どれだけ焼却したか、すき込みをしたかというのはおおむね把握しているところでありますが、当初、保管量として拾い上げましたのが実測じゃなくて推計でございます。今毎年のように把握しているのは実測ということなので、推計とその実測の差をどういうふうにまとめるか、それについては現段階におきましては検討しているというところでございます。
○副議長(齋藤正美君) 一番金田もとる君。
◆一番(金田もとる君) 指定廃棄物について、各市町村のほかはどのようになっていますでしょうか。保管量も含めてお願いいたします。
○副議長(齋藤正美君)
環境生活部長鈴木秀人君。
◎
環境生活部長(鈴木秀人君) 指定廃棄物のほうでありますが、今年三月末現在におけます宮城県内の指定廃棄物数量は三千二百九十・八トンでございまして、平成二十九年三月から百二十二トン減少している状況でございます。
○副議長(齋藤正美君) 一番金田もとる君。
◆一番(金田もとる君) 指定廃棄物は基本、国の管理で、環境省の責任だということになるのかもしれませんが、県内でのこの管理の在り方について山元町も改めてきちんとした管理を行うという方針を出されております。各自治体での責任上について県としても責任を持って、きちっと把握して対処していただきたい。このことを重ねて求めたいと思います。 続けて、女川原発再稼働に関連してですが、本日午前中の
佐々木功悦議員の質問にもありましたが、改めて確認をお願いしたいことがございます。 三月二十五日の
女川地域原子力防災協議会の場では、三月十九日には報告を受けていたとされる避難経路阻害要因調査の結果は報告されていたのでしょうか。このことをお願いいたします。
○副議長(齋藤正美君)
環境生活部長鈴木秀人君。
◎
環境生活部長(鈴木秀人君) 三月二十五日時点での女川地域
原子力防災会議におきましては、昨年度調査いたしました避難経路阻害要因調査の結果については、報告はしておらないという状況でございます。
○副議長(齋藤正美君) 一番金田もとる君。
◆一番(金田もとる君) にわかに信じがたい回答ですけれども、午前中の遠藤副知事の答弁にもありましたが、問題の性格が違うというようなことを述べられていたかと思いますが、決して違わないですよ。これだけ大きな避難経路阻害要因調査という避難計画に、これはシミュレーションのことでございますから、それがここまで明らかになっているのに、そのことがなぜ女川地域の原子力防災協議会の場に報告されないで済むのでしょうか、いかがですか。
○副議長(齋藤正美君)
環境生活部長鈴木秀人君。
◎
環境生活部長(鈴木秀人君) 午前中にお答えいたしましたが、緊急時対応というのは各関係する市町村の避難計画をいろいろ微調整しながら取りまとめ集大成した基本的な枠組みになります、いわゆる基本スペックになります。昨年度実施いたしました避難経路阻害要因調査は、交通シミュレーションをした上で課題を抽出したというものでありますので、今後その基本的な枠組みに今回の調査だけではなくて防災訓練の中からも課題が抽出されますので、そういった課題をもとにチューンアップしながら、調整しながら各地域の避難計画の改善・見直しにつなげていくというものでございます。
○副議長(齋藤正美君) 一番金田もとる君。
◆一番(金田もとる君) 基本スペックの説明はわかりました。しかし、今回避難経路阻害要因調査の結果は、その基本スペックに対しての大きな疑問が投げかけられている中身になっているんです。そのことをなぜ議論されないのか、これが不思議でなりません。そのことはそこまでにさせていただきます。これは本当に大きな問題だと思います。改めて別な場でも議論させていただきたいと思います。 それから、今回のコロナがこれまで拡大した中での避難所の在り方について、先週茨城県議会の中でも同様な議論があって、茨城県知事の認識としてこのような認識が示されました。「
原子力災害時の防護措置と
感染症対策との両立は困難なテーマだと認識している。だけども国や市町村、関係機関としっかりと対応検討していく。」。これは不断の検討が必要でありますから当たり前の回答です。ただ、茨城県知事は
原子力災害時の防護措置と
感染症対策は、困難なテーマだと認識していると答えています。村井知事の認識はいかがでしょうか。
○副議長(齋藤正美君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 非常に難しい問題でございますが、克服しなければならない問題であると思っております。
○副議長(齋藤正美君) 一番金田もとる君。
◆一番(金田もとる君) 時間もありませんのでまとめますが、これまでの知事並びに執行部の皆さんの答弁は、これは国の問題であるとか、これは国が管理している問題だとか、このような答弁が数多くありました。非常に残念に思います。県も当事者の一人として二百三十万県民に責任を持つ。知事、そして執行部の一員としてぜひ責任ある答弁をお願いしたいと、このことを申し上げて質問を終わります。 ありがとうございました。
○副議長(齋藤正美君) 暫時休憩いたします。 午後二時七分休憩
----------------------------------- 午後二時二十一分再開
○副議長(齋藤正美君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。六番福井崇正君。 〔六番 福井崇正君登壇〕
◆六番(福井崇正君) 自由民主党・県民会議、福井崇正でございます。議長のお許しをいただきましたので一般質問を行います。 初めに、初当選させていただき、初質問となります。今までの秘書経験の中で、また、コロナ禍でもある中、県民の皆様から様々な御意見を頂戴しております。 このたびは、
新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々及び御家族、関係者の皆様に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。医療従事者の皆様をはじめ行政の皆様など感染拡大防止に御尽力されている皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。 四月七日、政府より緊急事態宣言が発令され宮城県でも外出自粛や在宅勤務、時差出勤など大きく社会構造が変化する取組にも多くの県民の皆様に御協力いただき、五月十四日に宮城県は緊急事態宣言が解除となりました。しかし、新しい生活様式に見られるとおり今までの日常生活を取り戻すことは困難になっており、そのため多くの業種で影響を受けているところでございます。 さて、大綱の一点、宮城県の観光について伺います。 今までの成長戦略から回復戦略に修正する必要があると考えます。みやぎおかみ会では五月二十一日から、みやぎお宿エール券を独自に発行し、六月五日締切りで一万三千セット販売して大変好評だったと伺っております。宮城県では五月二十五日に村井知事が発表しました愛するみやぎドットコムは、
新型コロナウイルスの影響で深刻な状況の県内観光、宿泊施設、飲食店をクラウドファンディングで応援する非常にすばらしい取組と考えます。国で進める予定のGoToキャンペーンでは、期間中の旅行宿泊商品を購入した消費者に対し、代金の二分の一相当のクーポン等を付与する制度ですが、ぜひ宮城県でも国の施策を併用しながら、短期としては観光業の再活性化に尽力してもらいたいと考えます。山形県では独自で観光支援策として県民限定の割引クーポンを発行し、予約を入れた段階で県が宿泊施設に前金として料金を支払い、資金繰りを支援する取組を行っております。一万円以上の宿泊プランが五千円引きになる。申込み者は六か月以内に予約しますが、旅館・ホテルには六月中に宿泊人数に応じた前金が支払われます。三万枚の個人申込みのほか六月から旅行会社で申込むプラン二万枚を扱い、国の臨時交付金が原資で、土産店等が対象のお出かけキャンペーンを含め三億六千八百万円をかけています。県境を越える移動に関しては踏み切れないが、今まで我慢してきた宮城県民の皆様のために、山形方式のようなインパクトのある割引率の高いクーポンと事業者への前金等の取組を宮城県として行う予定があるのか、考えているのか、伺います。クーポンに関しては、旅館業の皆様から一五%のリベートを取られるよりも組合で協力して手数料が取られないで事業者にお金がしっかり回るようにしたいという考えもあるようですので、加味していただきたいと思います。 また、愛するみやぎドットコムは五月二十五日から六月二十四日まで参加事業者を募集中ですが、現在の募集状況はどうなっているのか、お答えください。 また、国が進めるGoToキャンペーンに関連して、臨時交付金等の活用も含めて検討しているのか。国の政策とはいえ旅行業者任せにせず、県からも積極的に関わりながらGoToキャンペーンを後押しすべきと考えますが、宮城県で考えている取組についてお聞かせください。 旅館業の方々のお話を伺いますと、県内であってもお客様を受け入れるために宿泊事業従事者にPCR検査を受けさせたいという声を頂戴しております。
新型コロナウイルスに対して安全・安心をお客様に知っていただくためにも、ぜひお願いしたいと伺っております。宿泊事業従事者へのPCR検査実施について、宮城県の考えを伺います。 特に、軽症者・無症状の感染者を受け入れていただきました仙台市青葉区作並のLa楽リゾートホテルグリーングリーンと作並温泉組合の皆様、作並地区の皆様には改めて感謝申し上げます。しかし、受け入れた四月十四日から四月三十日までで作並温泉組合では、宿泊者が千件キャンセルになり四件の組合加入の旅館は休業を余儀なくされ、五月の売上げは前年同月比九二・五%減の状況で大変苦しんでいらっしゃいます。ぜひ、消費者の皆様に安心して来館してもらうためにも、風評被害が深刻な作並の宿泊事業従事者だけでもPCR検査など
新型コロナウイルス検査をすることは可能でしょうか。 また、コロナウイルス収束後に村井知事が風評被害に苦しむ作並温泉に宿泊していただき、安全宣言と作並地区の皆様へ感謝を述べていただき、観光PRに一肌脱いでいただくことは可能でしょうか。 外国人観光客宿泊者数は平成二十八年では一七・五万泊で、令和二年の目標数値五十万泊は一年前倒しの令和元年に達成するなど一定の成果を出してきましたが、今後、第四期みやぎ観光戦略プランでインバウンドに特化した観光戦略は、どのように見直していくのか、中長期的にアフターコロナのインバウンド戦略において、どのようなターゲットで行っているのか、お聞かせください。 台湾は四月二十九日の観光経済新聞によりますと、アフターコロナの観光地として東北は第四位という統計が出ております。コロナ前、台湾は週十九便、タイは週三便、そのほか韓国や中国便もありましたが航空便は維持していくのか。航空会社が飛行機を飛ばすためのインセンティブ・メリット等が必要と考えますが、飛行機の路線に関して宮城県はどう捉え、どのように海外路線を展開していくのか、お聞かせください。 これまでは宮城県を知ってもらうための施策として、県庁舎内で考えた観光振興を具現化すべく、広告代理店に協力を仰ぎながら芸能人を活用し県のPRを行っていたと考察しますが、今後は地域観光関係者が一体となった観光振興体制として、先日発足したみやぎ観光振興会議を最大限に活用し、地元の各種団体と話合いの中で各種団体に協力を仰ぎながら、官民連携し共有した目標にお互いの知恵と行動で取り組むべきと考えます。例えば、旅館業組合の皆様と一緒に日本最大の旅行博でありますツーリズムEXPOジャパンへ出展し、宮城県の職員の方と一緒にPRに足を運んだり、また、牛タン組合の組合員の方からもイベント出展などの話があれば参加したり、ともに宮城県を盛り上げたいなどの意見を頂戴しております。ツーリズムEXPOジャパンにおいて、沖縄県は各種団体や企業に呼びかけ、事業者の移動費の二分の一を負担し一緒にPRに行くそうです。PR費に二百万円くらいを使ってブース内に水族館を造り、きれいな海と魚をPRするなど趣向を凝らしています。一方で我が宮城県はというと、ブース内に県内のパンフレットが置いてある程度と参加者の話を聞くと見劣りすると伺います。より魅力的なブース設計をすることで、観光に行きたいと思うようになるのではないでしょうか。村井知事をはじめ、この議場にいる全員の方が御存じのとおり、宮城県にはおいしいもの、すばらしい景色が多くあることに異論はないと考えますが、知事の所見をお聞かせください。 観光振興会議内では今までの観光における事業の検証も必要だと考えます。ぜひ、入札時の採点表や事業の報告書を開示して、より多くの意見を頂戴しながら検証し観光振興会議の内容を県民の皆様に広く開示することで、県民の皆様の観光に対する機運や世論の醸成を高めることにつなげる必要があると考えますが、いかがでしょうか。 私はおととしまで仙台青年会議所に所属し、多くのまちづくり、青少年育成事業に携わり、その関係で今でも多くのまちづくりのイベントにボランティアでお手伝いする機会が多いのですが、触れ合う来場者のお話を聞くと県外からイベントで訪れる観光客も多くいらっしゃることに気づきました。宮城県観光課観光企画班と仙台市観光課で調査した観光客入り込み数は、平成二十九年で六千二百二十九万人、平成三十年で六千四百二十二万人と増加しております。平成三十年十月三十日付けの宮城県の観光の現状の中でも来訪目的で観光の次に高いのがイベント、お祭りとなっております。仙台市内のイベントにおいて、毎年五月に開催される仙台・青葉まつりは二日間で二〇一九年九十七万人、八月に開催される仙台七夕まつりは三日間で二百二十四万人、仙台七夕花火祭は四十七万人、九月に開催される定禅寺ストリートジャズフェスティバルは二日間で七十七万人、十月開催のみちのくYOSAKOIまつりは昨年台風により中止となりましたが、二〇一八年は二日間で四十五万人、十二月に開催されるSENDAI光のページェントは二百八十五万人と主要イベントだけ切り取っても多くの来場者が訪れ、県内外や海外から多くの観光客が増加していることがわかります。そんな中、先ほど
佐々木賢司議員からも質問がありましたが、イベント業界は
新型コロナウイルス感染症により三密発生の可能性が高いため、二月末よりほとんどのイベントが延期、中止を余儀なくされ、新型インフルエンザ等対策特別措置法第二十四条第九項に基づき開催の自粛を要請後、どの業界よりも先に影響を受け、どの業界よりも長く自粛したのにもかかわらず協力金や支援金が全くない上、いまだイベントの開催も見込めず、前年比九〇%減から一〇〇%減という厳しい経営状況が続いております。 また、収束後にイベントを開催する場合に準備に多くの時間がかかり、イベント開催前に体力が持たず準備中に廃業してしまう可能性も抱えています。そのような中、五月十二日、村井知事宛てにイベントの未来を考える会の皆様が県庁を訪れて、要望書と六十一社の署名を添えて提出し窮状を訴えられ、当日は遠藤副知事に御対応いただきました。今後、イベントの未来を考える会メンバーでは、新しい生活様式を励行しながら
新型コロナウイルスを含めた様々な
感染症対策を講じた安全・安心なイベント開催基準、宮城・仙台ルールの策定を進める予定だと伺っております。具体的には、屋内であれば夢メッセみやぎ、屋外であれば勾当台公園市民広場での開催を想定して早急に検討していく予定だと伺っております。そのためにも専門家、有識者、行政関係者の協力が必要と考えますが、当局の所感をお聞かせください。 また、安全・安心なイベント開催基準を遵守してのイベント開催は安全が最優先であります。多くのイベント開催施設や展示棟は県や市の所有物であることが多く、営利目的の場合には使用料が高額になります。そのため感染拡大防止に多くの予算が必要となる現状では、イベント開催での収益確保は難しくなるためイベントを開催する企業や団体が減少することが想定されます。安全・安心なイベント開催基準を遵守してのイベント開催については、行政からの時限的にでも使用料の大幅減免が必要と考えますが、どうお考えでしょうか。 また、その場合には公共施設の利用料の減免分を交付金で補填し、運営する会社も安心して運営してもらえるように、民間会社が収益を確保できる体制づくりが必要と考えますが、所見をお聞かせください。 更に、今後収束を迎えたときには企業としての体力はかなり弱体していることが予測され、コロナショック前と同様の仕事だけをしていたのでは、経営的に成り立たない状況になっていると様々な関係者からお聞きしております。これまで行政主催のイベントは大手広告代理店に一括発注しているケースがほとんどであります。しかし、全てのイベントが大手でなければ開催が不可能なものばかりではないと考えます。イベント業界はイベント企画、運営、音響、照明手配及び操作、司会やスタッフ等の人材の提供、イベント会場の看板やパネル等の制作、テントやステージ関係等の備品のレンタルなど多岐にわたる業種で構成されています。小規模イベントについては、部分発注を検討することは可能でしょうか、所感をお聞かせください。 いい事例として、タイフェスティバルin仙台があります。このイベントは仙台市がバンコク-仙台便の再開を目指して、二〇一六年六月から仙台商工会議所青年部有志から構成される実行委員会と共催で開催しているイベントです。当初、地元大手イベント会社に相談したところ二千万円の見積りを提示されました。しかし、予算的に難しいと判断して、地元の中小企業の経営者の集合体である仙台商工会議所青年部に相談したところ、有志にて実行委員会を結成し、バンコク-仙台便の再開の一助となるイベントという目的のため、七百万円で開催することができたと伺っております。このイベントや昨年八月、村井知事も行かれた東北六県知事同行のバンコク・日本東北トップセールス二〇一九の成果もあり、昨年十月にバンコク-仙台便は見事再開することができました。地元の中小イベント会社に発注をすれば、地域に貢献するという共通の思いを持った経営者が開催の目的を理解して、行政に寄り添いながら適正価格でイベントを開催することができます。結果、低価格でハイレベルなイベントの開催も可能と考えます。 また、リスク配分の観点では光のページェント開催期間中において、勾当台公園内において暗所のイベント設置物につまずき転倒する事故が発生しました。その際、設置指示側の責任ではなく設置業者のみの賠償負担となりました。このように市民の安全に直接的に関わるのはイベント会社となることから、県民・市民への迅速な対応を重視するならば十分なメリットがあると考えます。 また、イベント実施に必要な商材というのはある程度限られており、企画、人材、ステージ、照明、音響、テント関連、備品レンタル等の業種は一堂に会して打合せをすることが通例であり、常時連携がとれていることから窓口の一本化はもちろん、確認事項なので重複する無駄な労力を回避することにもつながります。今後、観光プロモーションやイベントに対して、大手広告代理店に発注するものと地元団体や制作会社に直接発注するようなすみ分けの発注をお願いしたいと考えますが、宮城県として検討いただけますでしょうか、お聞かせください。 厚生労働省とLINE株式会社の
新型コロナウイルス感染症対策のための全国調査の分析結果によりますと、オフィスワーク中心の方におけるテレワークの実施率は、東京都の場合は四月一日調査で三〇・七一%、四月十二日から十三日調査で五一・八八%とテレワークの実施が極めて高くなっている調査結果が出ており、東京をはじめとする首都圏で働き方に大きな変化が生まれております。その環境下で現在注目されているのが、日常的な仕事のワークと非日常の休暇のバケーションを掛け合わせた柔軟な働き方であるワーケーションという考え方、ライフスタイルです。ワーケーションとはその名のとおりワーク、働くとバケーション、休暇を掛け合わせた造語で、休暇中の従業員による遠隔地からのテレワークを企業が認めることで、休暇と業務が同時並行的に行われる仕組みを指します。例えば平日五日間連続で休暇をとり、その期間中、出席しなければいけない会議があった場合、従業員はテレワークで参加し会社はそれを業務とみなします。 また、この制度が導入されれば、まとまった休みをとることも容易となり、企業側にとって二〇一七年に五一・一%となっている有給消化率の向上が期待できます。 また、国の動きとして、一般財団法人環境イノベーション情報機構では、環境省から国立・国定公園への誘客の推進事業費及び国立・国定公園、温泉地でのワーケーション推進事業費の執行団体としての採択を受け、
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けている地域経済の再活性化に寄与する、国立・国定公園及び国民保養温泉地における誘客やワーケーションの推進を支援する事業を実施することとしており、本年五月十九日から六月十日まで募集しました。補助金は、国立・国定公園の誘客推進事業で上限一千万円、国立・国定公園、温泉地でのワーケーション推進事業で上限三百万円となっております。この制度も含め地方活性化のためにワーケーション客の誘致に力を入れる自治体が増えてきております。国内外のリゾート地などへ旅行を楽しみながらオンラインで仕事をするという働き方は、テレワークによる仕事の仕方の変化に伴い、今後首都圏を中心にワーケーション客の需要が増えることを想定すべきだと考えますが、宮城県としてワーケーション施策についてやる気があるのか、また、検討予定であるのか伺います。 ぜひ、宮城県に多く存在する安心が担保された三密とは無縁の別荘地に長期間滞在し、大いに域内消費をしてもらう地産多消を促進してまいりたいと思います。そのためには別荘をリノベーションしWi-Fi環境を整える必要があります。しかし、現在、蔵王、鳴子、青根をはじめとする多くの別荘地がバブル期に開発され、現在は売りたくても買い手がつかず老朽化が進んだまま利活用されておらず、ワーケーションや観光客の宿泊を目的としたイノベーション、そしてWi-Fi環境の整備等に関して県で助成することで、新しい生活様式を求める仙台圏、首都圏、そして海外の新たな利用者層を発掘できるのではないでしょうか。蔵王の貸別荘会社によりますと、同社が管理しているリノベーションを行った複数の貸別荘における
新型コロナウイルス感染症発生前の稼働率は平均六〇%台ととても高く、緊急事態宣言が出てからは八〇%台と更に増えております。宮城県が持つそのすばらしい自然環境と首都圏へのアクセスのよさを生かし、ワーケーションとその先にあるインバウンドにおける一週間から三か月の滞在型需要に対応していく環境を整備すべきと考えます。 しかし、長期のワーケーションにはファミリー層での課題が残ります。それは子供たちの教育機会です。長期間滞在した場合には、子供たちの教育機会の確保は半年間など滞在先の学校への転入など教育機関の柔軟な対応による転校しやすい環境が必要になるものと考えます。宮城県ではワーケーションを進めた場合、学校の転校など柔軟な対応は可能でしょうか。小学校、中学校の場合には基礎自治体が窓口になると思いますが、柔軟な対応について教育庁として指導できるのか伺います。 働くために休むのではなく、休むために働く。そんな文化を宮城県が真っ先に定着させるべきではないでしょうか。 御清聴ありがとうございます。 以上で壇上からの質問を終了いたします。
○副議長(齋藤正美君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 福井崇正議員の一般質問にお答えいたします。 大綱一点、宮城県の観光についての御質問にお答えいたします。 初めに、県民限定の割引クーポンによる経営支援についてのお尋ねにお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症により、宿泊事業者をはじめとした観光業者に甚大な影響が出ていることから、まずは経営の維持を支援するとともに観光需要の回復を県内から図っていくことが急務であると考えております。このため県では、観光事業者を含む中小企業に
新型コロナウイルス感染症対応資金等の活用を促すとともに、宿泊施設や飲食店等がサービスの提供前に経営資金の確保が可能となるクラウドファンディング事業の実行を支援しております。 また、国のGoToキャンペーンに先駆け、県民を対象とした最大五千円の宿泊料金割引に対する補助や県内日帰りバスツアーの造成支援を行うなど、県内での観光需要の喚起に努めていくこととしております。今後も
新型コロナウイルス感染症の収束状況を見極めながら、経営の基盤となる観光需要の一日も早い回復、更には拡大につながる施策に積極的に取り組んでまいります。 次に、GoToキャンペーンに対して、積極的に後押ししていくべきとの御質問にお答えいたします。 国のGoToキャンペーンに対しては、全国の観光地の中から宮城県を選んでいただくための取組など、国からの臨時交付金等を活用しながら積極的に取り組んでいきたいと考えております。このため、全国の皆様に安心して宮城県を訪れていただく環境づくりを最優先課題とし、観光関連団体や個々の事業者の
感染症対策への支援を行い県内各観光地の感染症への対応を促進するとともに、
感染症対策のセルフチェックを行った宿泊施設が共通デザインのステッカーなどを掲示する取組を県全体で行うなど、安心して来ていただける観光地であることを積極的にPRしてまいります。 また、宮城県観光誘致協議会やみやぎおかみ会などの観光事業者と旅行会社に対する誘客活動を行うほか、マスコミやSNS等を活用した宮城県の魅力を伝えるためのPR活動など積極的な情報発信にも努めてまいります。 更に、GoToキャンペーンの恩恵を受けにくい小規模宿泊事業者に対しましては、県独自に最大五千円の宿泊料金割引の補助を行う予定としております。先ほど答弁した五千円は、GoToキャンペーンの前に行う県民限定の割引キャンペーンでありまして、GoToキャンペーンが始まりましたならば、小規模宿泊事業者に対して県独自に最大五千円の宿泊料金の割引の補助を行いたいと考えております。 次に、知事が風評被害が深刻な地域にある宿泊施設に宿泊し、安全宣言を行うなど観光PRしてはどうかとの御質問にお答えいたします。 今回、
新型コロナウイルス感染症に伴う軽症者等の受入れ施設としてLa楽リゾートホテルグリーングリーン様に御協力をいただくとともに、周辺の作並地区の皆様にも御理解、御協力をいただきました。改めて感謝を申し上げます。当初より受入れ施設及び周辺地域で風評被害が発生しないようにすることが重要と考えており、一般社団法人日本旅行業協会とのホテルの借り上げ契約において、期間終了後に受入れ施設をはじめとした作並地区に対する積極的な誘客の支援を行うこととしております。 また、県といたしましても作並地区の観光資源を積極的にPRするとともに、県民向けの旅行商品造成に対する支援の中で作並枠を設けるなど対応してまいりたいと考えております。特別に作並枠を設けたいというふうに考えております。今後、観光需要の回復に向けては安心して宮城県へ訪れていただくことが大変重要でありますので、御提案のように私自身が近いうちにLa楽リゾート・ホテルグリーングリーンに泊まりに行きたいと考えております。 次に、観光振興会議を活用し、機運醸成につなげるべきとの御質問にお答えいたします。 県では、みやぎ観光戦略プランに基づき、国内外の観光プロモーションのほか観光客の受入れ環境整備や観光資源の発掘、磨き上げなどに取り組んでまいりました。今後こうした観光振興施策を官民連携のもと、より効果的に展開していくため、観光事業者等で構成するみやぎ観光振興会議を今月五日に立ち上げたところであります。会議では、今後の観光振興施策の方向性や観光資源の魅力向上に資する施策などについて皆様から幅広く御意見をいただき、今後これまでの施策の評価・検証も踏まえ検討してまいりたいと考えております。県といたしましては、会議における議論等の内容を県民や関係者の皆様に広く周知することにより、県内各地域で関心を高めるなど機運醸成も図りながら県民・観光関係者と行政が一体となった観光振興に努めてまいります。 次に、イベント開催基準を遵守して公共施設を利用する場合の使用料減免についての御質問にお答えいたします。 県有施設でイベント等を開催する場合は、県の
新型コロナウイルス感染症対策で示した目安に基づき、七月三十一日までの間、収容率や人数上限への協力をお願いしているところであります。こうした利用制限等に伴い、イベント事業者においては収益確保が難しく、やむを得ずイベントの中止や延期等の対応を迫られているところもあると認識しております。県としましては、県有施設の利用促進を図るためにも一定の条件を満たした場合の使用料の減免は有力な選択肢であると考えており、指定管理者や事業者の意見なども伺いながら速やかに最善の方策を検討してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○副議長(齋藤正美君) 総務部長大森克之君。 〔総務部長 大森克之君登壇〕
◎総務部長(大森克之君) 大綱一点、宮城県の観光についての御質問のうち、公共施設の使用料を減免する場合における施設運営者への減収補填についてのお尋ねにお答えいたします。 県の
新型コロナウイルス感染症対策の実施に伴い県有施設の指定管理者の収入が減少した場合は、既に昨年度から原則として県がその全額を補填しております。この取扱いは県の
新型コロナウイルス感染症対策の一環として県有施設の使用料を減免する場合においても同様であり、今後とも指定管理者による運営に支障が生じないよう、また、利用の促進が図られるよう必要な対応を行ってまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(齋藤正美君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点、宮城県の観光についての御質問のうち、宿泊事業従事者のPCR検査についてのお尋ねにお答えいたします。 宿泊事業従事者については、他の方と同様に感染者との接触歴や疑わしい症状があるなど医師の総合的判断に基づき、必要と認める場合はPCR検査を実施しているところです。 なお、県が設置した宿泊療養施設については空間と動線を明確に区分しており、宿泊事業従事者が感染リスクのある区域に立ち入ることはありません。 また、感染症専門家による研修を受講していただいていることから、従事者も十分に感染予防に努めているものと考えております。 次に、イベント開催基準についての御質問にお答えいたします。 県では、
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、専門家や有識者の御意見をいただきながら、イベントの主催者に対してその規模や種類に応じた開催の制限を要請しているほか、施設管理者も含め業種ごとに策定されている感染拡大予防ガイドラインを踏まえた感染防止策の徹底などを求めているところです。お話のように、事業者の方が実情に応じた開催基準の策定を進めることは、望ましい取組であると考えますので必要な情報提供等を行ってまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(齋藤正美君)
経済商工観光部長千葉隆政君。 〔
経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕
◎
経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱一点、宮城県の観光についての御質……
○副議長(齋藤正美君) 発言中でありますが、定足数が欠けましたので暫時休憩いたします。 午後二時五十六分休憩
----------------------------------- 午後二時五十七分再開