宮城県議会 > 2020-02-17 >
02月21日-03号

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  1. 宮城県議会 2020-02-17
    02月21日-03号


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    最終取得日: 2023-06-18
    令和 2年  2月 定例会(第371回)          第三百七十一回宮城県議会(定例会)会議録                              (第三号)令和二年二月二十一日(金曜日)  午前十時開議  午後四時十七分散会      議長                     石川光次郎君      副議長                    齋藤正美君出席議員(五十九名)        第一番                  金田もとる君        第二番                  小畑きみ子君        第三番                  三浦ななみ君        第四番                  石田一也君        第五番                  柏 佑賢君        第六番                  福井崇正君        第七番                  渡邉重益君        第八番                  わたなべ 拓君        第九番                  伊藤吉浩君        第十番                  大内真理君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  枡 和也君       第十三番                  佐藤仁一君       第十四番                  遠藤伸幸君       第十五番                  八島利美君       第十六番                  瀬戸健治郎君       第十七番                  櫻井正人君       第十八番                  村上久仁君       第十九番                  高橋宗也君       第二十番                  庄田圭佑君      第二十一番                  深谷晃祐君      第二十二番                  遠藤隼人君      第二十三番                  天下みゆき君      第二十四番                  三浦一敏君      第二十五番                  渡辺忠悦君      第二十六番                  佐々木功悦君      第二十七番                  境 恒春君      第二十八番                  太田稔郎君      第二十九番                  高橋 啓君       第三十番                  横山のぼる君      第三十一番                  渡辺勝幸君      第三十二番                  横山隆光君      第三十三番                  佐々木賢司君      第三十四番                  守屋守武君      第三十五番                  外崎浩子君      第三十六番                  佐々木幸士君      第三十七番                  村上智行君      第三十八番                  高橋伸二君      第三十九番                  熊谷義彦君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  菅間 進君      第四十二番                  坂下 賢君      第四十三番                  ゆさみゆき君      第四十四番                  坂下やすこ君      第四十五番                  吉川寛康君      第四十六番                  伊藤和博君      第四十七番                  庄子賢一君      第四十八番                  菊地恵一君      第四十九番                  佐々木喜藏君       第五十番                  石川光次郎君      第五十一番                  中島源陽君      第五十二番                  本木忠一君      第五十三番                  中山耕一君      第五十四番                  齋藤正美君      第五十五番                  安藤俊威君      第五十六番                  畠山和純君      第五十七番                  仁田和廣君      第五十八番                  藤倉知格君      第五十九番                  中沢幸男君-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    佐野好昭君      副知事                    遠藤信哉君      公営企業管理者                櫻井雅之君      総務部長                   江口哲郎君      震災復興・企画部長              後藤康宏君      環境生活部長                 大森克之君      保健福祉部長                 伊藤哲也君      経済商工観光部長               鈴木秀人君      農政部長                   佐藤夏人君      水産林政部長                 小林徳光君      土木部長                   門脇雅之君      会計管理者兼出納局長             吉田 計君      総務部秘書課長                藤田信治君      総務部財政課長                小野寺邦貢君    教育委員会      教育長                    伊東昭代君      教育次長                   千葉 章君    選挙管理委員会      委員長                    伊東則夫君      事務局長                   鈴木雄貴君    人事委員会      委員長                    千葉裕一君      事務局長                   青木直之君    公安委員会      委員長                    庭野賀津子君      警察本部長                  松岡亮介君      総務部長                   青山達二君    労働委員会      事務局長                   山本雅伸君    監査委員      委員                     石森建二君      事務局長                   宮川耕一君-----------------------------------    議会事務局      局長                     峯浦康宏君      次長兼総務課長                小野寺 明君      議事課長                   佐々木康栄君      参事兼政務調査課長              二瓶克之君      副参事兼総務課長補佐             山内好尋君      議事課長補佐                 二上秀幸君      政務調査課副参事兼課長補佐          相澤亮子君      議事課主幹(班長)              田村和江君      議事課主幹                  渡辺祐司君-----------------------------------    議事日程 第三号                令和二年二月二十一日(金)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第四十九号議案、議第六十九号議案及び議第七十号議案第三 議第七十一号議案 令和元年度宮城県一般会計補正予算第四 議第七十二号議案 令和元年度宮城県公債費特別会計補正予算第五 議第七十三号議案 令和元年度宮城県母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算第六 議第七十四号議案 令和元年度宮城県国民健康保険特別会計補正予算第七 議第七十五号議案 令和元年度宮城県中小企業高度化資金特別会計補正予算第八 議第七十六号議案 令和元年度宮城県農業改良資金特別会計補正予算第九 議第七十七号議案 令和元年度宮城県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算第十 議第七十八号議案 令和元年度宮城県林業・木材産業改善資金特別会計補正予算第十一 議第七十九号議案 令和元年度宮城県県有林特別会計補正予算第十二 議第八十号議案 令和元年度宮城県土地取得特別会計補正予算第十三 議第八十一号議案 令和元年度宮城県土地区画整理事業特別会計補正予算第十四 議第八十二号議案 令和元年度宮城県港湾整備事業特別会計補正予算第十五 議第八十三号議案 令和元年度宮城県水道用水供給事業会計補正予算第十六 議第八十四号議案 令和元年度宮城県工業用水道事業会計補正予算第十七 議第八十五号議案 令和元年度宮城県地域整備事業会計補正予算第十八 議第八十六号議案 令和元年度宮城県流域下水道事業会計補正予算第十九 議第八十七号議案 職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例第二十 議第八十八号議案 手数料条例の一部を改正する条例第二十一 議第八十九号議案 食品衛生取締条例等の一部を改正する条例第二十二 議第九十号議案 旅館業法施行条例の一部を改正する条例第二十三 議第九十一号議案 公衆浴場法施行条例の一部を改正する条例第二十四 議第九十二号議案 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例及び指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第二十五 議第九十三号議案 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行条例の一部を改正する条例第二十六 議第九十四号議案 自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例第二十七 議第九十五号議案 緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例第二十八 議第九十六号議案 和解及び損害賠償の額の決定について第二十九 議第九十七号議案 工事請負契約の締結について(吉田川堰等改良工事)第三十 議第九十八号議案 工事請負契約の締結について(吉田川護岸等改良工事)第三十一 議第九十九号議案 権利の放棄について第三十二 議第百号議案 令和元年度市町村受益負担金について第三十三 議第百一号議案 令和元年度流域下水道事業受益負担金の変更について第三十四 議第百二号議案 専決処分の承認を求めることについて(調停に代わる決定に対して異議の申立てをしないこと)第三十五 報告第一号 専決処分の報告について(一般県道石巻雄勝線藤の巻道路改築工事の委託契約の変更)第三十六 報告第二号 専決処分の報告について(波路上漁港物揚場等災害復旧工事の請負契約の変更)第三十七 報告第三号 専決処分の報告について(波伝谷漁港防潮堤等災害復旧及び新築工事の請負契約の変更)第三十八 報告第四号 専決処分の報告について(小鯖漁港防潮堤新築工事の請負契約の変更)第三十九 報告第五号 専決処分の報告について(松岩漁港防潮堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十 報告第六号 専決処分の報告について(泊(歌津)漁港防潮堤災害復旧及び新築工事の請負契約の変更)第四十一 報告第七号 専決処分の報告について(雄勝漁港防潮堤等災害復旧及び野積場補修工事の請負契約の変更)第四十二 報告第八号 専決処分の報告について(雄勝漁港防潮堤等災害復旧及び新築工事(その二)の請負契約の変更)第四十三 報告第九号 専決処分の報告について(波路上漁港防潮堤災害復旧及び新築工事の請負契約の変更)第四十四 報告第十号 専決処分の報告について(気仙沼漁港防潮堤災害復旧及び新築工事の請負契約の変更)第四十五 報告第十一号 専決処分の報告について(石巻漁港防波堤災害復旧工事(その五)の請負契約の変更)第四十六 報告第十二号 専決処分の報告について(波伝谷漁港防潮堤等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第四十七 報告第十三号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号崎山トンネル(仮称)工事の請負契約の変更)第四十八 報告第十四号 専決処分の報告について(主要地方道河南米山線豊里大橋架換工事の請負契約の変更)第四十九 報告第十五号 専決処分の報告について(一般県道釜谷大須雄勝線尾崎橋災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第五十 報告第十六号 専決処分の報告について(石巻市道湊町四丁目門脇町五丁目線鎮守大橋(仮称)新設(下部工)工事(その二)の請負契約の変更)第五十一 報告第十七号 専決処分の報告について(一般県道石巻雄勝線真野道路改築工事の請負契約の変更)第五十二 報告第十八号 専決処分の報告について(一般県道大島浪板線磯草道路改築工事(その二)の請負契約の変更)第五十三 報告第十九号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号西内海橋災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第五十四 報告第二十号 専決処分の報告について(一般県道石巻雄勝線八幡道路災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第五十五 報告第二十一号 専決処分の報告について(神山川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十六 報告第二十二号 専決処分の報告について(中島地区海岸等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十七 報告第二十三号 専決処分の報告について(追波沢川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十八 報告第二十四号 専決処分の報告について(伊里前川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十九 報告第二十五号 専決処分の報告について(五間堀川等堤防等改良工事の請負契約の変更)第六十 報告第二十六号 専決処分の報告について(大沢川護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第六十一 報告第二十七号 専決処分の報告について(中島川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第六十二 報告第二十八号 専決処分の報告について(大沢川護岸等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第六十三 報告第二十九号 専決処分の報告について(戸花川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第六十四 報告第三十号 専決処分の報告について(沖ノ田川護岸等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第六十五 報告第三十一号 専決処分の報告について(追波沢川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第六十六 報告第三十二号 専決処分の報告について(東名地区海岸護岸等災害復旧工事(その七)の請負契約の変更)第六十七 報告第三十三号 専決処分の報告について(中島川等護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第六十八 報告第三十四号 専決処分の報告について(加茂川護岸等改良工事の請負契約の変更)第六十九 報告第三十五号 専決処分の報告について(浦戸地区海岸護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第七十 報告第三十六号 専決処分の報告について(中島地区海岸離岸堤災害復旧工事の請負契約の変更)第七十一 報告第三十七号 専決処分の報告について(八幡川護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第七十二 報告第三十八号 専決処分の報告について(津谷川護岸等災害復旧工事(その四)の請負契約の変更)第七十三 報告第三十九号 専決処分の報告について(仙台塩釜港仙台港区防潮堤建設工事の請負契約の変更)第七十四 報告第四十号 専決処分の報告について(仙台塩釜港石巻港区防潮堤建設工事(その十四)の請負契約の変更)第七十五 報告第四十一号 専決処分の報告について(都市計画道路門脇流留線魚町道路改築工事(その二)の請負契約の変更)第七十六 報告第四十二号 専決処分の報告について(都市計画道路門脇流留線南光町道路改築工事の請負契約の変更)第七十七 報告第四十三号 専決処分の報告について(和解及び損害賠償の額の決定)第七十八 報告第四十四号 専決処分の報告について(県営住宅の明渡請求等に係る訴えの提起)第七十九 報告第四十五号 専決処分の報告について(交通事故に係る和解及び損害賠償の額の決定)第八十 一般質問(代表)   〔高橋伸二君、坂下賢君、三浦一敏君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二ないし日程第七十九       議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第四十九号議案、議第六十九号議案及び議第七十号議案       議第七十一号議案ないし議第百二号議案及び報告第一号ないし報告第四十五号三 日程第八十 一般質問(代表)       〔高橋伸二君、坂下賢君、三浦一敏君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(石川光次郎君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。----------------------------------- △会議録署名議員の指名 ○議長(石川光次郎君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、二十一番深谷晃祐君、二十二番遠藤隼人君を指名いたします。----------------------------------- △議第一号議案ないし議第十五号議案 △議第十七号議案ないし議第四十九号議案 △議第六十九号議案及び議第七十号議案 △議第七十一号議案ないし議第百二号議案 △報告第一号ないし報告第四十五号 △一般質問(代表) ○議長(石川光次郎君) 日程第二ないし日程第七十九、議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第四十九号議案、議第六十九号議案及び議第七十号議並びに議第七十一号議案ないし議第百二号議案及び報告第一号ないし報告第四十五号を一括して議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました令和元年度一般会計補正予算案を初め、提出議案の概要を御説明申し上げます。 間もなく東日本大震災の発生から九回目となる三月十一日を迎えることとなります。 今年度については、震災復興計画に定める発展の二年目に当たることから、復興の総仕上げを達成するための極めて重要な年と捉え、復旧・復興事業の推進に最大限の力を注ぐとともに、富県宮城の実現、地方創生の推進などの数多くの県政課題に全力で取り組んでまいりました。 振り返りますとおよそ三十年続いた平成が幕を閉じることとなり、五月には天皇陛下が即位され、令和という新たな時代がスタートいたしました。本県においては、四月に地域の方々にとって半世紀に及ぶ悲願であった気仙沼大島大橋が開通したほか、八月から約二か月にわたり「リボーンアート・フェスティバル二〇一九」が石巻市を中心に開催され、大勢の方々に被災地へ足を運んでいただきました。また、先月には東日本大震災で被災した亘理町の新庁舎が完成し業務が開始され、県内自治体の全てにおいて被災庁舎の復旧工事が完了したところであります。今年度は、このような被災地を中心とした明るい話題を多く耳にしたところであり、未曽有の大震災からの復旧・復興が着実に進んでいるものと実感しております。 民営化から四年目を迎えました仙台空港は、国際線ではタイ国際航空のバンコク便、中国国際航空の大連便の運航が再開されたほか、国内線ではエアアジア・ジャパンの名古屋便が新規就航するなど、利便性が更に向上し、今後、利用者の一層の増加が見込まれます。加えて人気キャラクターとタイアップした通年観光キャンペーンも皆様に好評をいただいているとともに、来月には宮城オルレ四コース目となる「登米コース」もオープン予定であり、今後、多くの観光客が本県を訪れるものと期待しております。更に、上水道、工業用水道、下水道の三事業に係る「みやぎ型管理運営方式」については、さきの議会において実施方針に係る条例の改正案が成立したところであり、今年度は、議員各位の御協力をいただきながら、創造的復興に向けた各施策を順調に進めることができたものと考えております。 一方で、昨年十月に発生した令和元年台風第十九号に伴う豪雨により、県内各地に甚大な被害が生じました。現在、全力を挙げ河川施設や農地・農業用施設の復旧を急ぐとともに、被災された方々の生活やなりわいの再建に取り組んでおり、一日も早く被災地に明るい笑顔が戻るよう、国や関係市町と連携しながら、しっかりと対応してまいります。 本県は令和という新しい時代において、東日本大震災及び台風による豪雨災害という二つの大きな災害からの復旧・復興を成し遂げなければなりません。震災復興計画の最終年度となる来年度に向け、改めて被災された方々を初めとする県民の皆様一人一人の声に真摯に向き合いながら、県政運営に当たっていく所存であります。その上で県民全体の英知を結集し創造的復興を推し進め、更には震災復興計画の先も見据えながら富県宮城の実現を目指すとともに、少子高齢化や人口減少という我が国が抱える大きな課題にもひるむことなく立ち向かってまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解、御支援をお願い申し上げる次第であります。 今年度の財政運営についてでありますが、復旧・復興事業に係る財源については、事業費見合いにより、震災復興特別交付税が当初予算における見込みから減額となったものの、復興交付金など国の手厚い財政支援が継続されたことから、必要額を確保することができました。通常事業の財源については、普通交付税が上振れし、また、県税や地方譲与税、臨時財政対策債は当初予算計上額を概ね確保できる見込みであることから、富県宮城の推進を初めとする各種事業について、計画どおりに取り組むことができたものと考えております。 今回の補正予算案では、東日本大震災及び令和元年台風第十九号からの復旧・復興事業を初めとする歳出予算の執行額や、歳入予算の確定見込みに伴う計数整理を行ったところであります。また、特例的な県債である退職手当債の発行を見合わせたほか、財政調整基金の取り崩しを一部取りやめて残高を確保するなど、来年度以降の財政運営も見据えた編成を行っているものであります。 補正予算案の主な内容ですが、震災復興関連事業につきましては、先月、国に第二十六回の申請を行った復興交付金を基金に積み立てるとともに、来年度以降の復興施策の財源として活用するため、全国の方々からの寄附金等を東日本大震災復興基金及び地域整備推進基金に積み増します。 通常分の事業については、令和元年台風第十九号による被災市町村の災害復旧資金として、市町村振興資金等を計上しております。 このほかみやぎ発展税の所要額等を富県宮城推進基金に積み増すほか、県有施設設備の維持更新や長寿命化を計画的に進めるため、所要の財源を県庁舎等整備基金及びスポーツ振興基金に積み立てることとしております。 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正額は一般会計で五百七十六億一千百余万円の減額、総計では五百七億余万円の減額となります。財源としては普通交付税三十六億五千五百余万円などを追加する一方、国庫支出金百二十七億六千五百余万円、諸収入百二十一億九千百余万円、繰入金百十九億七百余万円などを減額しております。 この結果今年度の予算規模は、一般会計で一兆二千百三十三億三千三百余万円、総計で一兆七千五十七億六千四百余万円となります。 予算外議案については、条例議案九件、条例外議案七件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第八十七号議案は、会計年度任用職員制度の導入に伴い、職員の服務の宣誓に関して所要の改正を行おうとするもの、議第八十九号議案は、東日本大震災により被害を受けた者に係る各種手数料の免除の期間を延長しようとするもの、議第九十四号議案及び議第九十五号議案は、自殺対策緊急強化基金及び緊急雇用創出事業臨時特例基金の失効期日をそれぞれ延長しようとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第九十六号議案は、和解及び損害賠償の額の決定について、議第九十七号議案及び議第九十八号議案は、工事請負契約の締結について、議第九十九号議案は、権利の放棄について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。また、議第百二号議案は、履行保証保険金請求事件に係る履行保証保険金請求調停事件に関し、調停に代わる決定に対して異議の申し立てをしないことについて専決処分を行いましたので、その承認をお願いしようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。 ○議長(石川光次郎君) 補正予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 地方公務員法第五条第二項の規定により、関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。……………………………………………………………………………………………                           宮人委第294号                          令和2年2月17日 宮城県議会議長 石川光次郎殿                         宮城県人事委員会                           委員長 千葉裕一           条例案に対する意見について 令和2年2月12日付け宮議第460号で意見を求められた条例案に対する意見については、下記のとおりです。                 記「議第24号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」 この条例案は,人事院規則9-30(特殊勤務手当)の改正等に準じ,所要の改正を行うものであり,適当と認めます。「議第25号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」 この条例案は,学校教育法等の一部を改正する法律(令和元年法律第11号)の施行により国立大学法人法(平成15年法律第112号)の一部が改正されたことに伴い,規定の整理を行うものであり,適当と認めます。「議第27号議案 非常勤職員公務災害補償等条例の一部を改正する条例」 この条例案は,地方公務員法(昭和25年法律第261号)の改正に伴い,規定の整備を行うものであり,適当と認めます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(石川光次郎君) 地方自治法等の一部を改正する法律(平成二十九年法律第五十四号)附則第二条第七項及び附則第四条第六項の規定により、関係議案について県監査委員の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。……………………………………………………………………………………………                            宮監委第97号                          令和2年2月14日 宮城県議会議長 石川光次郎殿                      宮城県監査委員 本木忠一                      宮城県監査委員 太田稔郎                      宮城県監査委員 石森建二                      宮城県監査委員 成田由加里           条例案に対する意見について 令和2年2月12日付け宮議第447号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。                 記「議第17号議案 知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例」 この条例案は,地方自治法等の一部を改正する法律(平成29年法律第54号)の施行に伴うものであり,異議ありません。……………………………………………………………………………………………                            宮監委第98号                          令和2年2月14日 宮城県議会議長 石川光次郎殿                      宮城県監査委員 本木忠一                      宮城県監査委員 太田稔郎                      宮城県監査委員 石森建二                      宮城県監査委員 成田由加里           条例案に対する意見について 令和2年2月12日付け宮議第448号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。                 記「議第18号議案 公立大学法人宮城大学に係る地方独立行政法人法第十九条の二第四項に規定する条例で定める額を定める条例」 この条例案は,地方自治法等の一部を改正する法律(平成29年法律第54号)の施行に伴うものであり,異議ありません。「議第21号議案 地方独立行政法人宮城県立こども病院に係る地方独立行政法人法第十九条の二第四項に規定する条例で定める額を定める条例」 この条例案は,地方自治法等の一部を改正する法律(平成29年法律第54号)の施行に伴うものであり,異議ありません。「議第22号議案 地方独立行政法人宮城県立病院機構に係る地方独立行政法人法第十九条の二第四項に規定する条例で定める額を定める条例」 この条例案は,地方自治法等の一部を改正する法律(平成29年法律第54号)の施行に伴うものであり,異議ありません。…………………………………………………………………………………………… ○議長(石川光次郎君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第八十、一般質問とをあわせて行います。 質疑、質問は、順序に従い許します。三十八番高橋伸二君。    〔三十八番 高橋伸二君登壇〕 ◆三十八番(高橋伸二君) 皆さんおはようございます。 大綱一点、県政における課題について、自由民主党・県民会議の代表質問を行います。 初めに、新型コロナウイルス対策について伺います。 県では、国に先駆け、村井知事を本部長とした対策本部を設置し、蔓延防止に全庁を挙げて取り組んでおりますが、全国的な感染拡大に応じて日を増すごとに、県民の不安が高まっている状況にあります。県民の安全安心の確保に向けた万全を期した今後の対応について、まずは伺いたいと思います。 東日本大震災から間もなく九年が経過しようとしています。物質的復興は一定の進捗を見ておりますが、心の復興が成就してこそ、復興完遂であると考えるとき、解決すべき多くの課題があることを強く感じるところであります。令和二年度は震災復興計画の最終年度となります。まさに復興総仕上げの年とするべく、全力を挙げてあらゆることに力を注いでいくことが求められています。また七月には東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会のサッカー競技が宮城スタジアムで行われるほか、九月には天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、第四十回全国豊かな海づくり大会が開催されることとなっており、これまで国内外からいただいた御支援への感謝の気持ちを積極的に発信できる絶好の機会が訪れます。そのような中での令和二年度当初予算でございますが、知事は復興計画完結予算と位置づけております。一般会計一兆一千三百三十六億円、前年比プラス二・一%、そのうち震災対応分は二千八十九億円で、特にハード整備事業における必要な予算を全て盛り込んだとのことであります。また通常予算は九千二百四十六億円で、こちらはプラス九・二%となっており、総額として八年ぶりの増であります。震災復興や地域経済の更なる発展のために、更には県民の安心安全を確保し、生き生きと暮らしていただける地域を創造するために極めて大切な予算となります。令和二年度の当初予算編成に当たっての考え方や期待される成果について伺います。 歳入面においては県債一千九億円で前年比プラス一五%となっております。臨時財政対策債が三百六十九億円で、前年比五・四%の減ではあるものの、依然として多額に上っております。建設地方債等のうち、通常債は前年比三〇・二%の増額、災害復旧債は前年の四・三倍の大幅増となるなど、将来負担が重くのしかかることが懸念されます。また、財源不足を補うため、基金繰入金は百二十億円、令和二年度末の財政調整関係基金残高は、財政調整基金六十七億円、県債管理基金の一般分百九十八億円の計二百六十五億円となり、平成三十年度末残高から百六十五億円の減少で、こちらも懸念材料となりますが、今後の財政運営のあり方と中長期的な見通しについて伺います。 東日本大震災以降、激減した我が県への旅行客を拡大するために、県は国内外への誘客促進のための観光資源の発掘や、受け入れ体制の整備、観光施設の整備等さまざまな観光振興策を展開しており、その事業により最近の宮城県の観光入り込み客数や、訪日外国人旅行客数は着実に伸びており、数字的な実績となってあらわれています。しかし、そのための財源となっていた東北観光振興対策交付金等の財源が、令和二年度以降削減となることで、財源に穴が空くこととなり、令和三年度以降の県による観光振興策が、これまでのように展開できなくなること、そのことにより宮城県への宿泊客の減少が懸念され、我が宮城県経済の成長エンジンとも言うべき、観光事業に打撃を与えることになり、これを何としても避けなければならないことにあると理解しております。しかし、宿泊事業者からは、徴税目的が不明確である、宿泊業界だけが新税を担う理由は何か、これまでの観光振興策の検証、精査は行われたのか、宿泊税導入は余りに拙速ではないかなどの問題点が指摘されております。新税導入による観光振興策の中身が見えてこなかったこと、中小宿泊事業者が宿泊税を価格に転嫁できず、経営圧迫の懸念が生じること、そして何より宿泊税について、宿泊事業者との協議が不十分だったことに対する強い不信感が生まれたことなどが解決すべき課題だと考えます。これらが解決されず、生煮えのままの議案提案となったことについては、極めて遺憾と言わざるを得ず、猛省を促すものであります。この宿泊税は、特別徴収義務者となる宿泊事業者の理解と協力なしには、決して成り立たない事業であることは言うまでもなく、逆に宿泊事業者との協力体制が確立されれば、宿泊税導入によって宮城の観光振興が今まで以上に大きな力となって歩みを進めることができると考えます。 以下、質問いたします。 これまでの県の観光施策について、全く成果があらわれず、恩恵がほとんどなかったとの指摘があるが、これまでの観光関連事業の取り組みやその成果等についてどのように総括するのか伺います。 次に、今回の観光振興財源を検討するに至った背景と、財源検討会議の検討経過について伺います。 財源検討会の答申から、議案提案までの期間が短く余りに拙速との指摘がある中で、今定例会への提案となった理由について伺います。 一泊三千円以上の宿泊者へ一律三百円の課税とした、金額の根拠について伺います。 自由民主党・県民会議では知事に対し、十八歳以下の子供たちの修学旅行や、学校行事等に対して免税すべきとの要望を提出しました。その後の回答において、知事は変更を加えることなく、かたくなな姿勢を崩しておりません。改めて伺います。修学旅行についてはやはり免税すべきと考えますが、いかがでしょうか。 宿泊税導入により、他県へ宿泊客が流出し、結局宿泊者数が減少するのではないかとの声にはどう答えるのか伺います。 宿泊客には宮城県民も多く、やはり負担が大きいとの指摘にはどのように答えるのか伺います。 圏域ごとの観光振興会議が設置されると伺っていますが、観光振興施策には宿泊事業者の意見を十分に取り入れる必要があり、どのような姿勢で会議に臨むのか伺います。 宿泊税の導入目的や五年間の条例設置期間内で取り組む、主な事業はあるのかないのか伺います。 東日本大震災からの復興途上である沿岸部や、温泉地等の事業者及び小規模宿泊事業者の経営状況にも、配慮した使途とすることを明確にすべきであり、宿泊割引制度等を実施する場合には、入り込み数が減少する閑散や地域を限定した実施のほか使い勝手がよい手続方法とするなど、小規模事業者等にも十分に恩恵が行き渡るように配慮すべきと考えますが、いかがでしょうか。宿泊事業者に対する説明を含め、拙速であるとの県民の声を踏まえ、十分な説明を尽くし、事業者の理解を得ることが必要不可欠と考えますが、その対応策について伺います。 軽油引取税などで交付されている特別徴収義務者への交付金については、どのように検討されているのか伺います。 宿泊税導入する際の徴税に係る事業者のシステム変更等の初期費用への支援は、検討されているのか伺います。 宮城県の宿泊数の現状は九百四十万人泊でありますが、この財源を利用した観光振興施策展開による県内宿泊客数の目標について伺います。仮に宿泊税導入が決定された場合は、予算執行に当たって議決を必要とする基金条例を新たに設置し、その使途について、議会の意向を明確に反映させることが必須と考えますが、どのように検討されているのか伺います。 現在仙台市においても、宿泊税が検討されていますが、その導入が決定された場合の対応について伺います。 昨年十二月、県は県有施設等の再編に関する基本方針について、その中間案をまとめました。建てかえや大規模改修の必要な十施設について、担当部局間において協議が行われており、その内容について県有施設再編等在り方検討会において協議され、昨日、県有施設等の再編に関する基本方針の最終案が提示されましたが、来月にはこの基本方針が決定されると聞いております。ここで問題とされているのは、県民会館と美術館等を仙台医療センター跡地に集約、複合化しようという再編案であります。県教委では、平成二十九年三月に宮城県美術館リニューアル基本構想を策定し、この基本構想を実現するために平成二十九年八月から平成三十年二月にかけて、宮城県美術館リニューアル基本方針策定検討会議が開かれ、宮城県美術館リニューアル基本方針が既に策定されております。今回の方針転換に異議ありの声を上げたのが、宮城県芸術協会関係者を初め、多くの美術館利用者であります。突然の方針転換について何ら説明がされていない、文化的側面からの検討がなされていない、日本建築界をリードした故前川國男氏の設計であり、建築的価値が高い建物である。山と川に囲まれて自然環境と一体化しており美術館の評価を高めている。県民の深い愛着があり育った美術家も多いなどなど、いずれも傾聴すべき意見であります。関係者との合意形成なきままに、集約、複合化の再編方針が決定されることになれば、将来に重大な禍根を残す結果になると危惧するところであります。 最近、知事に対しては県民から独断専行、唯我独尊、人の話を聞かない、自分一人で何でもやれると勘違いしているなどと言われており、更に辛辣な批判をする方が結構いることを御存じでしょうか。そのたびにそんなことはありませんなどと、私が言いわけをしているのであります。もしそうでないとするならば、ここは一旦立ちどまり、じっくりと腰を据えて関係者との十分な合意形成に努める必要があると考えますが、いかがでしょうか。 昨年九月の代表質問における佐々木幸士議員ほか複数の議員から、県民会館の建てかえについて仙台市で計画されている市民会館の建てかえ事業と連携を図り、いわゆる二重行政とならないようにすべきとの提案がなされており全く同感であります。仙台市から要請があれば話を聞いてもいいなどと上から目線にならず、再度仙台市に協議を申し入れてはいかがかと考えますが、見解を伺います。全国学力・学習状況調査における令和元年度の宮城県の小学校の平均正答率は、国語六一%、全国との比較がマイナス三ポイント、順位は東北で六位、全国では四十位。算数は六四%、全国比はマイナス三ポイント、順位は東北で六位、全国では四十三位と低迷しています。中学校では国語が七一%で全国からマイナス二ポイント、東北で六位、全国で三十七位。数学が五五%で全国からマイナス五ポイント、東北で六位、全国で四十六位。英語が五〇%で全国からマイナス六ポイント、東北で六位、全国で四十六位となっていて、こちらも低迷しているところであります。しかし一方で児童生徒の学習等に関する調査結果を見ると、家庭においては自分で計画を立てて勉強していると回答した児童が全国比プラス五・二ポイント、学校の授業以外の勉強時間についても、小学校で三十分以上勉強していると答えた児童が全国比プラス三・八ポイントなど、全国を上回る項目が多くを占めていて、このことがやがて成果となって数字にあらわれてくるとの期待も持てるところであります。児童生徒の学力向上に対するこれまでの取り組み状況と成果、今後の対応策について伺います。 宮城県の児童生徒の体力合計点の全国順位は、小学校五年生男子二十八位、女子三十三位、中学校二年生男子二十六位、女子三十七位と低迷しています。しかし運動やスポーツをすることが好きですかとのアンケートに、好き、やや好きと答えた児童生徒は、小学校五年生男子九三・八%、女子八七・五%、中学校二年生男子八九%、女子七八・四%となっています。つまり多くの児童生徒が運動やスポーツについて好意的に捉えていると言えます。児童生徒の運動やスポーツに親しむ環境をもっと充実させることで、体力、運動能力が向上していくと考えられます。特に学校において、児童生徒の運動する機会をふやすことが重要と考えますが、見解を伺います。 来月二十日には東松島市の自衛隊松島基地に聖火が到着し、石巻市及び仙台市において「復興の火」の展示を経た後、同二十六日からいよいよ聖火リレーとなります。宮城県においては六月二十日から二十二日までの三日間、津波被害を受けた沿岸十五市町を約二百七十名の聖火ランナーがリレーすると伺っております。今大会は、復興五輪として、我が県においても大変意義深い大会となりますが、今後開催されるさまざまのオリンピック・パラリンピック関連イベントについての準備状況と、県民への機運醸成の取り組みについて伺います。 また今大会の成功とともに、大会終了後において、開催都市にとってどのようなレガシーを残すかといった課題が各方面から提起されております。県ではこのレガシーをどのように捉えているのか、また今大会後に残したいレガシーとは何か伺います。昨年はラグビーワールドカップが開催され日本チームはワンチームの合い言葉のもと、ロシア、アイルランド、サモア、スコットランドと、次々強豪チームを撃破し、決勝トーナメント進出の快挙を成し遂げました。その初戦、順々決勝で南アフリカに敗れたものの、その戦いぶりに日本中が湧きかえり、一大旋風を巻き起こしたことは記憶に新しいところであります。また宮城県関係では、NBAドラフト一巡目で、ワシントン・ウィザーズから指名を受けた八村塁選手の活躍は、バスケットボール界のみならず、スポーツ界全体に活力を与えました。更に十二月に行われた全国高校駅伝競走大会の仙台育英高校の男女そろっての優勝なども、県民のスポーツ振興に対する意識を大いに高めてくれることとなりました。一方で昨年の茨城国体における我が県の成績は、総合成績十位台を目指して奮闘するも、目標に届かず二十八位となりました。平成三十年度福井国体が三十位、平成二十九年度愛媛国体三十四位から順位を上げてはいるものの、もう一歩抜け出せずにいると言えます。言うまでもありませんが、スポーツは体力の向上及び健康の増進のみならず、人々に勇気と感動を与えます。また苦しい練習を乗り越えたときの達成感は何にもかえがたいものであり、競技者の精神面を鍛えてくれます。個人競技または団体競技、あるいは障害者スポーツを問わず、まさにワンチームで連携することで、心の豊かさを育むことにつながります。したがって、スポーツ振興は県民の心と体をより健康で豊かにするための施策として重要な要素であり、積極的に取り組むべき課題と言えます。 県の現状認識と今後の我が県の取り組みについて伺います。 スポーツ振興が思うように進まない原因について、県民のスポーツ振興を担う担当課が学校教育を担う教育庁のスポーツ健康課の中にあるためだという指摘があります。全国的に見るとスポーツ先進県においては、学校教育とスポーツ振興は切り離し、文化振興部門とともに知事部局に置いてあり、新しいスポーツ産業の育成を目指して体制をつくって取り組んでいると聞いています。東北では岩手県がこのことに取り組んでおり、仙台市でも市長部局に置いていると聞いております。民間のスポーツクラブ運営会社と連携を充実させ、地域スポーツクラブを育成する上においても、スポーツ振興部門を知事部局に移管することは、十分に検討に値すると考えますがいかがでしょうか。 ところで名取スポーツパークは今どうなっているのでしょうか。一昨年十月に長野県の学校法人に譲渡されたと聞いておりましたが、その後の進展についてはうかがい知ることができず、今日に至っております。復旧整備され、一般利用も可能との確約のもとに譲渡を決めたと聞いておりましたが、間違いではありませんでしょうか。名取スポーツパークの置かれている現状と今後の見通しについて伺います。 県では平成三十年度に第七次宮城県地域医療計画を策定し、県民の医療に対する安心と信頼の確保や良質な医療が適切に提供される医療提供体制の確立を目指し、医療機能の分担と連携による切れ目ない医療提供体制の構築に向けて取り組んでおります。同計画では、医療圏ごと及び病床機能区分ごとに、将来における医療需要の推計の上、今後必要となる病床機能の分化と連携充実に向けた方向性を示す地域医療構想を定め、医療圏ごとに開催する地域医療構想調整会議において、地域の医療関係者との情報共有と共通認識の形成を図るための取り組みがなされております。また国においては、公立及び公的医療機関等の役割が当該医療機関がなければ担えないものに重点化されているのか、再検証が必要な医療機関として全国で四百二十四の医療機関、県内では十九の医療機関が対象として昨年九月に発表されました。本年一月には国から都道府県に対して通知がなされ、対象医療機関に対する再検討の要請や地域医療構想調整会議において合意形成を図ることなど、県の対応が求められております。 国からの通知について知事の所見と、今後の対応について伺います。 また、国による助言や集中的な支援を行うことで、二〇二五年に達成すべき医療機能の再編等を進める重点支援区域に、仙南医療圏の公立刈田綜合病院とみやぎ県南中核病院の二つの病院と石巻、登米、気仙沼医療圏の登米市民病院と豊里病院及び米谷病院の三つの病院が選定されたところであります。県は今後この二医療圏の五つの病院について医療機能の再編等を推進し、医療機能体制充実のための課題解決に向けて、強いリーダーシップを発揮していく必要があると考えますが、今後の取り組みについて伺います。 また、みやぎ県南中核病院は、仙南医療圏における母子医療センターとして、分娩を担当できる唯一の公立病院としてその役割を担ってきました。東北大学産婦人科医局から今年度末の退職を希望している医師の後任補充ができず、本年十月から分娩中止との指示を受けております。このままでは十月以降、分娩可能な公立病院を有する二次医療圏を県は初めて失うことになります。このことによる仙南医療圏へ与えるマイナスの影響ははかり知れません。県内どこでも安心して生み育てることのできる医療体制を目指す宮城県としても、到底容認できない問題であります。県としての現状認識と今後の対応について伺います。 きつい、汚い、危険のいわゆる三Kと報道されるなど悪い印象をすり込まれ、介護職が敬遠されて職員不足の解消が進んでおりません。国では介護離職ゼロを目指す施策により、特別養護老人ホームを初めとする高齢者の施設整備が進められる中、介護人材不足のため定員を割って運営をせざるを得ない施設が多くなっている現状にあります。介護人材不足解消は喫緊の課題であり、その解決に向けた取り組みが何より重要であります。対応策としては外国人労働者を積極的に受け入れていく必要がありますが、その課題として介護福祉士候補の入国前の費用や、介護福祉士資格取得に向けた日本語指導や、技術、知識の習得に要する費用が多額に上るため、小規模法人では受け入れが困難な現状にあります。また、技能実習生や留学生においても同様の課題があるため、支援の必要があること。国内の新規採用者確保策として、小中学校への福祉指定校をふやすことや学生による職場体験や教員への研修を通じて、教員、生徒、親など社会全体が介護や福祉に対する意識を変えていく必要があること。また、人材不足を補う上での介護ロボット、AI導入を促進するための補助制度の充実。更には、国家公務員の給与支給制度に基づく介護報酬について、地域区分により東京都や政令指定都市よりも低く設定しなくてはならず、報酬の面でどうしても不利になるため、東京や政令市への人材流出に歯どめがかかっていないこと。初期の特別養護老人ホーム建設から四十数年以上が経過し老朽化が進んでいる中で、財源確保が困難なため改修工事に踏み込めない施設がふえてきているなど喫緊の課題が山積しております。 これらの解決に向けた取り組み、現状と今後の対応について伺います。 宮城県における農業産出額は平成三十年度、一千九百三十九億円で全国第十八位となっており、農業県宮城、食材王国みやぎの名に恥じない状況かといえば、まだまだ物足りないと言えるでしょう。お隣岩手県の農業産出額が二千七百二十七億円で、全国十位と健闘している状況にあり、そこから学ぶべきことがあるのではないかと思われ、今後の宮城県の農業振興の取り組みが期待されるところであります。先日、JAグループ宮城の皆様との意見交換を行う機会がありました。懇談会の主なテーマとして、鳥獣被害対策の強化、稲作振興対策、園芸振興対策、産地交付金のあり方等についてであります。イノシシやニホンジカ等の鳥獣被害が深刻化している現状にあって、営農継続に支障を来しており、移動式大型捕獲おり導入などのより実効性の上がる対策が必要とされていますが、県のこれまでの取り組みと今後の対応について伺います。 令和元年産のひとめぼれの一等米の比率は猛暑の影響などにより、六一・八%と過去十年間で最低となっております。近年の気候変動を踏まえ、晩期栽培や直播とともに晩生品種の開発が急務であることが挙げられましたが、新品種の開発について県の取り組み状況はどうか伺います。米の消費動向や農業所得拡大のための園芸振興が図られているが、それを推進する上において、産地形成及び維持、後継者の確保のための支援が必要であると考えます。県の取り組み状況と今後の対応について伺います。産地交付金についてですが、その交付要件について転作作物の振興を図る観点から見直しが必要なことなどが挙げられましたが、現状認識と対応策について伺います。 第三みやぎ食と農の県民条例基本計画の策定のポイントと、目指す方向性について伺います。 昨年十月十二日、関東・東北地方の広範囲に縦断し、甚大な豪雨被害をもたらした台風十九号の発生から四カ月が経過しましたが、その爪跡は現在も各地に深く残っています。県内においても、十二日の夕方から十三日の未明にかけて、広い範囲において総雨量が二百ミリ以上を観測し、特に丸森町筆甫地区では総雨量が五百九十四ミリとなり、年間降水量の約四割に相当する雨量が一晩で降ったこととなりました。そのすさまじさをあらわしております。死者十九人、行方不明者二人、住宅被害は全壊三百四棟、半壊二千九百七十四棟、一部破損二千七百十八棟となっています。公共土木施設の被害状況については、県所管分が千七百三十三カ所、約四百二十五億円、仙台市を除く市町村所管分が千三百二十一カ所、約二百二十八億円、合計で三千五十四カ所、六百五十三億円となっています。このうち県所管分の河川については、百八十二河川、千二百十カ所、約二百三十二億円、十八河川、三十六カ所で堤防が決壊するという過去に例のない被害となりました。近年の気候変動の影響により、豪雨被害が頻発化した上に激甚化する中で、宮城県においても平成二十七年九月の関東・東北豪雨に続き、わずか四年後にそれを上回る被害を受ける事態となりました。このように我が県を初め、全国各地において豪雨等による水害や土砂災害が頻発し、甚大な被害が発生していることを考慮すると、今後の気候変動に伴う降水量の更なる増加や、地球温暖化の影響による海水温や海水面の上昇等による豪雨被害の頻発化、激甚化が予測されその対策は急務であると言えます。これらの昨今の状況を踏まえると、県としても河川整備のあり方を根本的に整理し直さなくてはならない状況に来ていることは間違いないと言えます。県内河川の状況については、本来の河川機能を阻害する堆積土砂の撤去や、支障木伐採のおくれといった目前の課題があります。また、下水道施設の計画を上回る降雨により、排水が追いつかず内水氾濫が各地で発生したことを踏まえて、排水ポンプの設置や防災調整池のない小規模開発地域の対策、水田など農業のため池機能の有効活用など、総合的な治水対策の検討などが必要となります。更に過去に何度も浸水に見舞われている地域には、人命にかかわるリスクを抑えるためのソフト対策も重要と考えられます。これらの課題を解決するための対策を着実に進めていく必要がありますが、県としての現状認識と今後の取り組みについて伺います。 また、今回の台風十九号は、東日本大震災からの復旧・復興事業にも大きな被害をもたらしました。令和二年度は、震災復興計画で定める計画期間の最終年度となることから、震災復興がおくれたり滞ったりすることは避けなくてはなりません。この点について現状と対策について伺います。 阿武隈急行線は通勤通学など、地域住民の貴重な公共交通として重要な役割を担ってきました。また、阿武隈川に沿う四季折々の美しい風景を楽しむことができる観光路線でもあり、あぶきゅうの愛称で親しまれてきております。しかし昨年十月の台風十九号は甚大な被害をもたらし、十二月六日に丸森駅と槻木駅間は復旧したものの、丸森駅と福島県の富野駅間の県境区間は特に被害が大きく、復旧には多額の費用を要することから、全線復旧について不透明な状況で、存続の危機にあると心配する関係者もいて、しかし何が何でもあぶきゅうを復旧させて地域振興に役立てたいという熱意が痛いほど伝わってくるのであります。阿武隈急行線全線復旧に対する県の積極的な取り組みが期待されていますが、この件についてはいかがでしょうか、伺います。 親による体罰禁止を盛り込んだ改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が本年四月から施行されます。今回の法改正により、虐待行為を行う親への再発防止への努力義務が都道府県に課せられております。厚生労働省によれば、二〇一八年度の虐待相談件数は、十五万九千八百五十件で過去最多となり、二十八年連続の増加、我が県においても昨年仙台市において小学校二年生男児への傷害容疑で父親が逮捕され、また、二十五歳の母親が二歳の女児を三日間放置して死に追いやり、逮捕されるなどの痛ましい事件が発生しております。現在我が県の児童相談所の県管轄分に関しては、現職警察官を配備しておりますが、仙台市において大変多くの相談がなされ、結果として幼い命が奪われている以上、仙台市の所管する児童相談所にあっても、子供たちの命を守るため現職警察官を配備すべきであると考えますがいかがでしょうか。 また、今議会において、警察関係の施設整備予算が計上されておりますが、県民安全のための基地となる警察署整備、自然災害対策等、どのような方針でこの警察署整備に当たっていくのか伺います。一昨年に発生した警察官が殉職する事件を受け、県内全交番内部への防犯カメラ設置は既に予算措置されております。今回、防刃チョッキの予算も計上され、安全確保対策が進められておりますが、警察官が襲われ拳銃を奪われるような事件は何としても防ぐ必要があります。県における今後の交番整備の見通しと、安全対策における検討状況について伺います。 以上、壇上からの質問といたします。御清聴ありがとうございました。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 高橋伸二議員の代表質問にお答えいたします。 大綱一点、県政課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねにお答えいたします。 県では一月二十七日に宮城県新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げ、県医師会、関係医療機関、大学、市町村などと連携し、一般の方々の相談、診療・検査などの体制構築と専門病院の入院体制整備を進めてまいりました。 県民の安全・安心の確保のため、引き続き、私を先頭に、関係機関との連携を強化しながら、新型コロナウイルス感染症の予防及び蔓延の防止に万全を期して取り組んでまいります。 次に、当初予算編成の考え方や期待される成果についての御質問にお答えいたします。 令和二年度当初予算案は、震災復興計画の最終年度の予算として、ハード面の復興に必要な経費を全て計上するなど、私自身が策定した復興計画をしっかりと完結させようという意識を強く持って編成いたしました。一方で、心のケアなどのソフト面の復興は道半ばであることから、真の復興に必要な経費について、引き続き重点的に計上するとともに、復興計画期間後への移行に当たることを念頭に、復興需要の収束を視野に入れた地域経済の更なる活性化や人材確保対策、教育・福祉の充実、防災・減災、国土強靭化対策など、各分野における県政課題を解決するための施策を積極的に予算化いたしました。 この予算により、我が県の震災及び台風被害からの復興が力強くかつきめ細かに図られるとともに、オリンピック・パラリンピックなどの機会を通じて、その姿を国内外に発信できるものと期待しているところであります。また、予算に計上した各施策を着実に実行することにより、来年度策定する次期将来ビジョンを見据えた富県宮城の更なる躍進につなげてまいりたいと考えております。 次に、今後の財政運営のあり方と中長期的な見通しについての御質問にお答えいたします。 今後の県財政を取り巻く環境は、人口減少や少子高齢化の進展といった社会構造の変化に伴う財政収支への影響に加え、復興後を見据えた地域経済の活性化や交流人口の拡大、公共施設等の老朽化対策など、山積する課題に対応していく必要があるため、引き続き厳しい状況が続くものと考えております。 今月公表した我が県の中期的な財政見通しでは、県税収入の伸びが期待できない中、インフラの維持修繕費や社会保障関係費の伸びなどを反映させた結果、財政調整関係基金残高は、機械的に試算すれば令和五年度末には二十二億円まで落ち込むものと見込んでおり、今後、再び大きな災害が発生したり、復興・創生期間後の国の財政支援の内容によっては、更に減少する可能性もあると危機感を抱いているところであります。このような認識のもと、今後の財政運営に当たっては、事務事業の省力化、効率化など徹底した見直しを行うほか、収入未済の縮減を初めとした更なる歳入確保を図るとともに、執行段階で財源に余裕が生じた場合には、県債の発行抑制や基金残高の確保に努めるなど、歳入歳出両面で財政基盤の体質強化を一層図ってまいります。 また、令和三年度以降の復興財源については、国が昨年十二月に閣議決定した基本方針に基づき、必要な財政支援を継続していただけるよう、国に強く働きかけてまいります。 次に、これまでの観光関連事業への取り組みや成果などについての御質問にお答えいたします。 県では、みやぎ観光戦略プランに基づき、東日本大震災の発災前は観光キャンペーンの開催、観光コンテンツの情報発信、観光客へのおもてなし向上及び観光振興を推進する官民連携のイベントなどに取り組んでまいりました。 加えて、震災後は、東北観光復興対策交付金を活用した外国人観光客の誘客プロモーションなどを行い、沿岸部を初めとした風評払拭にも積極的に取り組んでまいりました。 また、無線LAN機器や多言語観光案内板の整備など外国人を初めとした観光客の受け入れ環境整備や、宮城オルレの推進など観光資源の発掘、磨き上げ及び沿岸部の交流人口拡大のための宿泊観光施設などへの整備支援などにも取り組んでいるところであります。 その結果、平成三十年の県内への観光客入り込み数につきましては六千四百二十二万人で過去最高を記録し、宿泊観光客数も着実に伸びております。また、昨年の外国人観光客宿泊者数につきましては、初めて五十万人の大台を突破する見込みとなっております。 あわせて、仙台空港では、民営化により台湾便が週二往復から週十九往復へと大幅に増加し、タイ便が運航再開するなど、東北のゲートウエーとしての機能が一層向上し、外国人観光客が大幅に増加している状況です。更に、ヨーロッパからの外国人旅行客に影響がある旅行ガイドブックのロンリープラネットでも、二〇二〇年のおすすめ旅行先に東北が選出されるなど一定の成果があらわれてきており、今後の更なる発展の土台が整ってきているものと認識をしております。 次に、観光振興財源の検討に至った背景と財源検討の財源検討会議の検討経過についての御質問にお答えいたします。 県では、ものづくり産業の集積を柱に据え、富県宮城の実現に向けた産業振興政策に取り組んでまいりましたが、急激な人口減少社会が到来する中で、地域経済を今後とも持続的に発展させるためには、成長が期待される観光産業の振興が極めて重要であると認識しております。震災後における国の東北観光復興対策交付金や復興関連基金は、活用できる期間が限られ、将来にわたり安定した財源ではないことから、新たに安定的かつ継続的な財源が必要であると考え、私は、平成二十九年十月の知事選挙において、交流人口の拡大のための必要な財源の確保に関する公約を掲げたところであります。その後、会議設置に係る条例に基づきまして、外部有識者による宮城県観光振興財源検討会議を設置し、平成三十年十月から九回にわたり、財源検討の必要性、財源確保を行う理由、財源確保のあり方などを中心に、幅広く議論が重ねられてまいりました。また、意見集約に当たっては、観光、経済関係団体及びホテル、旅館、交通関連の事業者等の皆様とのヒアリングや、パブリックコメントが実施されました。その結果、一月十日に検討会議から、一定規模以上の財源を継続的かつ安定的に確保できる地方税の法定外目的税として、宿泊行為への課税の導入が適当であるとの答申をいただいたところであります。 次に、今議会に宿泊税条例を提案した理由についての御質問にお答えいたします。 新たな観光振興財源の検討やその説明の進め方につきましては、拙速ではないかと多くの方々から御批判をいただいていることに対し、率直におわび申し上げます。一方で、今後二十五年で我が県の人口が約五十万人減少することを見据えますと、切れ目なく観光振興施策を力強く展開し、更には充実を図ることで、インバウンドや交流人口拡大していくことは、我が県の将来にとって極めて重要であると考えております。しかし、県の観光振興予算の約三割を占める国の東北観光復興対策交付金は、来年度を最後に終了が予定されており、また、同じく約四割を占める復興関連基金も、復興計画期間後となる令和三年度以降は十分な活用を見込むことができません。加えて、社会保障の充実やインフラ老朽化対策などに避けがたい需要増が見込まれる一般財源を観光関連予算にこれまで以上に充当することは極めて難しい状況でありますことから、観光振興のための財源確保は我が県にとって喫緊の課題であります。こうした中、検討会議において慎重な審議を重ねていただいた結果、一月の答申となりましたが、私といたしましては切れ目のない観光振興を図るために、令和三年四月から新たな財源を投入することが最善であると考えました。また、県や宿泊事業者の皆様のシステム改修や、制度の幅広い周知が必要であることも考慮し、最低でも一年程度の準備期間を要することから、今議会への条例の提案を決断したところでございます。 次に、一泊三千円以上の宿泊者に対して、一律三百円の課税とした根拠についての御質問にお答えいたします。 観光振興財源検討会議の答申では、観光振興に向けて必要な施策の事業規模として、最大四十五億円が示されました。これを踏まえ、県が実施する施策として、復興ツーリズムや教育旅行など体験、滞在型の観光資源の整備や、町並み形成による旅行者の満足度を高める観光の推進、デジタル技術を活用した観光の分析など、財源を有効に活用する視点で精査し、約三十二億円程度の事業規模が必要であると判断いたしました。 こうしたことから、税率につきましては、この事業規模に基づき、年間宿泊者数を約一千万人と見込んで三百円と想定して設定したところであります。また、宿泊者が旅行によって受ける観光情報やWi-Fi環境、決済機能など、快適な旅行環境に関連した公共サービスの受益の程度は、宿泊料金にかかわらず同等であることから、原則として全ての宿泊者に課税することが適当と考えました。その上で、免税点について検討することが望ましいとの答申を踏まえ、低廉な宿泊施設に宿泊する方々の負担感や小規模宿泊事業者の経営に配慮し、三千円未満を免税点とすることが適当と判断したものであります。 次に、修学旅行などの宿泊は課税を免除するべきではないかとの御質問にお答えいたします。 修学旅行等による宿泊への配慮については、パブリックコメントのほか、これまでの県民や宿泊事業者への説明会の中でも多くの御意見を頂戴し、あわせて自由民主党・県民会議や宮城県町村会からの要望などもいただいたところであります。 私といたしましては、修学旅行等につきましては、税の徴収後、還元策を講じることで対応することを考えておりましたが、多くの方々の要望を踏まえまして、その対応案を検討した結果、修学旅行を初め、学校の教育活動として、学校長による証明書の提出が可能な部活動などに伴う宿泊につきましても、幅広く課税免除の対象にすることといたしました。なお、我が県の場合、こうした公益上の事由等による課税免除につきましては、県税減免条例に規定していることから、この条例の一部改正案を今議会において追加で提案したいと考えております。 次に、宿泊税導入による宿泊者数の減少や、県民負担が大きいのではないかとの御質問にお答えいたします。 他県へ宿泊客が流出するという懸念につきましては、多くの方々から示されておりますが、観光客にとって重要なのは、魅力的な観光資源や周遊コース、快適な旅行環境などであり、それらが地域に整っていることが必要であると考えております。 このため、県といたしましては、より多くのお客様に県内で宿泊していただけるよう、地域の意見を伺いながら、県及び市町村、地域の観光関連事業者などが一体となり、地域を周遊できるコース設定や、地域の観光資源の発掘、磨き上げなどに積極的に取り組み、観光客にとって満足度の高い観光地を形成してまいります。 また、県民への宿泊税による負担については、新たな観光振興財源を活用した振興策の強化、拡充を検討しているところであり、例えば旅行割やスキー場リフト券提示による宿泊料割引などを実施することにより、結果的に県民の皆様にも幅広く還元され、恩恵が享受されるよう努めてまいります。 次に、観光振興会議に臨む姿勢についての御質問にお答えいたします。 今後、人口減少が進んでいく中で、地域経済の成長軌道を確保するためには、産業振興政策の柱の一つとして、成長産業である観光産業の振興を位置づけることが重要であり、インバウンド及び交流人口の拡大に向け、地域の皆様とともに、これからの我が県の観光を考える体制を構築していく必要があるものと考えております。 こうした状況を踏まえ、県全体及び圏域単位の会議で構成する仮称観光振興会議では、今後のみやぎ観光戦略プランや、新たな観光振興財源活用施策の方向性などについて、宿泊事業者などから意見を聴取することとしております。あわせて、地域における観光資源の魅力向上に資する施策等の企画や検討、それらの施策の成果等の検証については、地域の関係者からの意見を取り入れながら進めていくことと考えております。 県といたしましては、この会議の設置により、県及び市町村、地域の観光関連事業者等が一体となり、地域の特性や強み、持ち味を生かした観光振興に積極的に取り組んでまいります。 次に、宿泊税の導入目的や、五年で取り組む主な事業についての御質問にお答えいたします。 県では、ものづくり産業の集積を柱とした富県戦略に取り組んでまいりましたが、急激な人口減少社会が到来する中で、地域経済を持続的に発展させるためには、今後、成長が期待される観光産業の振興が極めて重要であり、そのための安定的かつ継続的な財源が必要であることから、このたび宿泊税の導入を提案したものであります。宿泊税の導入後、五年間で取り組む主な事業につきましては、ソフト面では、これまで取り組んできた復興ツーリズムや教育旅行誘致に更に力を入れていくほか、今年度実施している「ふっこう割」のような旅行割引制度を実施し、時期や対象地域、手続などについて、小規模事業者の方にも使い勝手がよい方法を検討してまいります。 一方、ハード面では、現在、沿岸部を対象に実施している集客施設整備の拡充等のほか、温泉街や観光地の景観形成を考えている地域に対し、町並み再生の支援などを検討してまいります。 また、インバウンド誘客の拡大のためには、特にデジタル技術の活用が有効であり、ターゲットをより絞り込んだ効果的な情報発信による観光地の認知度向上、外国人ニーズに対応した体験、滞在型コンテンツの充実、更には施策の効果測定などにも取り組んでまいります。 次に、沿岸部などや小規模宿泊事業者の経営状況にも配慮した使途についての御質問にお答えいたします。 宿泊税の導入に当たり、東日本大震災からの復興途上である沿岸部などや小規模宿泊事業者の経営への配慮は大変重要であり、今後、使途を決定していく上においても、十分考慮する必要があるものと認識しております。 このため、県では、例えば閑散や沿岸部、温泉地での旅行割の実施のほか、復興ツーリズムのバス経費に対する助成など、地域の現状と課題を踏まえた取り組みを検討しているところであります。 また、これまで実施してまいりました観光振興施策の進め方につきましても、宿泊事業者などの皆様から、さまざまな地域の課題やニーズに応じた御意見を頂戴いたしました。 こうしたことを踏まえ、今後、圏域単位に設置する予定の仮称観光振興会議において、沿岸部などや小規模事業者にも配慮した取り組みを地域の皆様と一緒に考え、地域の意見をしっかりと反映させてまいりたいと考えております。 次に、宿泊事業者の理解を得る必要性についての御質問にお答えいたします。 私としては、今後の人口減少社会を見据え、本県の経済等観光産業の成長に向けて、切れ目のない観光振興施策の展開に必要となる安定した財源を確保するため、令和三年四月から、宿泊税を導入すべきと決断したものでありますが、その間の検討や説明の進め方に対し、拙速ではないかと多くの方から御指導、御指摘を頂戴いたしました。 この制度は、県民や宿泊事業者など多くの皆様の御理解、御協力がなければ成り立たないものと考えており、これまでも、県民の皆様や宿泊事業者の皆様に可能な限り説明してまいりましたが、これからも更に、県幹部が直接継続的に宿泊事業者等への説明に赴き、その理解が得られるよう最大限努力してまいります。 次に、特別徴収義務者への交付金についての御質問にお答えいたします。 県では、徴税上の便宜から、特別徴収制度をとっている軽油引取税や産業廃棄物税などにおいては、徴収を行う事業者の事務負担を考慮して、納期内に納入された税額の一定割合を特別徴収義務者交付金として交付しております。 これまで宿泊税を導入している先行自治体においても同様に、日々の徴収事務で、負担の生じる宿泊事業者に対して、税収の一定割合が交付されているところであります。我が県の宿泊税においても同様の対応が必要であると考えており、先行自治体の例も十分に参考にしながら、条例可決後、交付金の支出を規定する規則を改正して適切に交付してまいります。 次に、システム変更等の初期費用への支援についての御質問にお答えいたします。 宿泊税の特別徴収義務者となる県内の宿泊事業者に対しては、その事務負担に照らして、特別徴収義務者交付金の交付を予定しておりますが、この義務的な事務を正確に処理するため、会計システムの改修など制度の導入時点において、事業者には特別の負担が生じることも考えられ、このような負担に対しても、適切な配慮が求められるものと認識しております。 具体的な支援の方法につきましては、制度導入の初期に限定して、特別徴収義務者交付金に定率または定額の上乗せ交付をしている先行自治体の例や、実際にシステム改修の必要がある宿泊事業者の御意見などを十分に踏まえながら、その交付時期を含め検討してまいります。 次に、県内宿泊者数の将来目標についての御質問にお答えいたします。 県では、現在、第四みやぎ観光戦略プランにおいて、令和二年までに観光客入り込み数を七千万人、宿泊観光客数を一千万人泊、外国人観光客宿泊者数を五十万人泊とするなど、目標値を設定しているところであります。 昨年の外国人観光客宿泊者数は、これまでの東北観光復興対策交付金によるインバウンド施策の効果もあり、観光庁の統計によれば五十万人泊に達する見込みとなっております。 今回、宿泊税導入をお認めいただき、引き続きインバウンドや交流人口の拡大に係る施策を実施していくことで、外国人観光客宿泊者数については、今後五年間で現在の五十万人泊を百万人泊に倍増させる意気込みで取り組んでまいります。一方、観光客入り込み数や宿泊観光客数については、県全体では震災前の水準を超えているものの、圏域別で見ると沿岸部及び内陸部の一部においては、震災前の水準まで回復していないことから、特にそうした圏域への観光振興にも力点を置きながら取り組んでまいりたいと考えております。こうした状況を踏まえて、宿泊観光客数の将来目標については、来年度中に策定を予定している第五みやぎ観光戦略プランの中で、観光客入り込み数や観光消費額など、他の目標とともに検討してまいりたいと考えております。 次に、基金条例の制定についての御質問にお答えいたします。 法定外目的税である宿泊税は観光目的にのみ活用することとしておりその使途の明確化、透明性を確保することが何よりも重要であると考えております。 このため、我が県で既に導入しているみやぎ発展税やみやぎ環境税などと同様に、宿泊税においても、別途、税収とそれに基づく使途との関係が明らかになる基金を設置するための条例制定を予定しております。 次に、宿泊税に関する仙台市への対応についての御質問にお答えいたします。 仙台市においては、先月、交流人口拡大のために、今後必要となる施策や、その財源等について、宿泊事業者を含めた有識者による仙台市交流人口拡大財源検討会議を設置し、議論が重ねられていると承知しております。 また、今月六日に開催された第三回検討会議において、市の新たな観光施策の財源確保手段として宿泊税が適当とする素案が提示され、税率については宿泊事業者等の事務負担が増大しないよう、県の制度案である税率の範囲内で検討されており、現在、パブリックコメントで意見を伺っていると承知しております。 こうした状況から、県といたしましては、仙台市の動向を注視し、仙台市が正式に宿泊税導入を決定した場合には速やかに協議に入り、県民及び市民の皆様や宿泊事業者の皆様の負担感にも十分配慮した対応を検討してまいります。 次に、県有施設のあり方について、関係者との十分な合意形成に努める必要があるとの御質問にお答えいたします。 今後の人口減少と財政規模の縮小等を見据え策定した宮城県公共施設等総合管理方針において、文化・社会教育施設については他目的施設との合築等の方策を検討するとした考え方に基づき、県では、昨年四月から、老朽化が進む県有施設等の再編のあり方について、検討を進めてまいりました。 議論のたたき台となる基本方針の中間案に対する要望やパブリックコメントでは、美術館の移転・集約に関して、反対または慎重な対応を求める御意見を多数いただいているところであります。 このことを踏まえ、昨日、懇話会でお示しした基本方針の最終案では、美術館については、集約・複合化する方向で更に検討を進めると記載を改め、十分な時間をかけることといたしました。 来年度予算を計上した県有施設再編等調査費を活用し、美術館の現地改修と移転新築のメリット、デメリット等についてわかりやすく、具体的に示しながら、県民の皆様や美術館関係者に丁寧に説明する機会を設け、合意形成を図ることができるよう努めてまいります。 次に、県民会館と仙台市民会館の建てかえについての御質問にお答えいたします。 昨年度、県が実施した県民会館需要調査では、二千席規模のホールが仙台市内に二つあっても供給過剰にならないとの調査結果が得られており、また、現状でも、関係団体からは、仙台市内のホールの予約がなかなか取れないとの声が多く寄せられております。 また、県民会館の整備のあり方に関する有識者会議では、新しい県民会館に求められる機能や規模、仙台市が整備を検討している音楽ホールとの役割分担などについて御議論いただきました。 仙台市とは事務レベルでの調整のほか、私と郡市長との意見交換を通じて、それぞれの施設の特性や機能などが固まりつつあります。今後とも、お互いの構想、計画の進捗に合わせて緊密に調整を行い、県民や市民にとってよりよい施設となるよう努めてまいります。 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会に向けた準備状況と機運醸成についての御質問にお答えいたします。 復興五輪に位置づけられた東京二〇二〇大会は、聖火到着や復興の火の展示が三月二十日に迫り、また県民による応援サポーター活動も始まるなど、大会開催の雰囲気が伝わり始めているものと感じております。 県では、東京二〇二〇大会宮城県推進会議のメンバーとも協力し、今大会に向けて関連イベントなど更にさまざまな取り組みを行ってまいります。具体的には五月のNIPPONフェスティバル、六月の聖火リレーでの盛り上がりや復興支援への感謝の気持ちの発信、各市町でのホストタウン事業、街頭での大会ポスター掲示や都市装飾等により次々と開催目前の臨場感を高めてまいります。また、七月のサッカー競技開催時には、利府町と共同でPRイベントを開催、そして、その熱を八月のパラリンピック聖火採火式の実施につなげてまいります。今後も、観戦に訪れる方々を県全体でお迎えする雰囲気づくりにつながるよう、機運醸成に努めていくとともに、大会の円滑な運営に向けて大会組織委員会と取り組んでまいります。 次に、東京二〇二〇大会のレガシーについての御質問にお答えいたします。 オリンピックにおけるレガシーは近年、国際オリンピック委員会が最も力を入れているテーマの一つであり、我が県としても大会開催の主要な課題として捉えています。 県内では、多くの県民がボランティアとして参加する予定であり、特に我が県が募集した都市ボランティアでは、高校生など若年者の参加を促したところであります。 このようなボランティア活動が県民に貴重なレガシーとして残り、スポーツボランティア活動の裾野が広がり、また、復興への更なる力として一層活発になるよう取り組んでまいります。 更に、ホストタウン事業による国際交流の振興や、オリンピアンなどの一流選手との交流事業を通じた子供たちのスポーツへの関心の高まりをレガシーとして期待しているところであります。 県といたしましては、多くの県民にオリンピック関連事業に積極的にかかわってもらう取り組みを進め、よりよいレガシーを実感できるよう努めてまいります。 次に、スポーツの振興の現状認識と今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。 我が県の成人のスポーツ実施率は全国的に見ても低く、また、一日の歩数も同様に少ないことから、県民が気軽にスポーツのできる環境の充実や機会の創出に向けた取り組みの強化が重要となっております。 そのため県では、総合型地域スポーツクラブの設置に向けた市町村への働きかけや、障害者を対象とした各種スポーツ大会やスポーツ教室の開催のほか、みやぎウォーキングアプリの運用など、さまざまな施策を展開しているところであります。これに加えて来年度は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を機に、県民のスポーツへの関心が更に高まることから、その機運をその後につなげていけるよう、市区町村交流リレーマラソンなどのイベントの開催も予定しております。 今後とも、県スポーツ協会や県障害者スポーツ協会などの関係機関と連携しながら、県民の体力向上と健康増進に努めてまいります。 次に、スポーツ振興部門の知事部局への移管についての御質問にお答えいたします。 スポーツの振興は、体力向上や競技力向上に加え、地域活性化や障害者の社会参加など、幅広い目的を持っていることから、推進体制もそれを踏まえて考えることが重要であります。 我が県ではこれまでも必要に応じて体制の見直しを行ってきており、現在は、知事部局においてオリンピック・パラリンピックを初めとしたスポーツ関連イベントやプロスポーツ及び障害者スポーツを、教育委員会において生涯スポーツとアマチュアの競技スポーツを所管し、双方が連携を図りながら、施策を進めているところであります。今後、オリンピック・パラリンピック後のスポーツ振興の体制について、他県の状況等も参考にしながら検討を進めてまいります。 次に、名取スポーツパークの譲渡についての御質問にお答えいたします。 東北電力株式会社が所有しておりました旧名取スポーツパークについては、平成三十年十月に、長野県の学校法人が運動施設として利用するほか、地域での利用も可能な施設として再整備する目的で購入されたと伺っております。今後の整備につきましては、学校法人による事業でございまして、なかなか県が関与することは難しいわけでございます。確認したところ、まだそのような目的は持ったままであるということでございますので、もう少し経緯を見てみたいと思っております。 次に、公立病院等のあり方の再検証などを求める国の通知への今後の対応と所見についての御質問にお答えいたします。 厚生労働省は、昨年九月、人口減少や少子高齢化が進展し、我が国の医療を取り巻く環境が厳しさを増していることから、再編統合について特に議論が必要な公立・公的医療機関の具体名を公表いたしました。こうした手法は異例であり、関係者から不安の声が上がっていることは承知しております。 一方、地域医療を維持していく上では、病院経営の安定化は欠かせないものであることから、公立病院の改革は待ったなしの状況であるとも認識しております。 県といたしましては、地域医療構想調整会議の場における丁寧な協議を進めるなど、地域の実情を踏まえながら、必要に応じて各病院の規模や機能の見直しが進展するよう支援してまいります。 次に、国による重点支援区域に選定された二医療圏五病院の機能再編などに向け、県のリーダーシップが必要ではないかとの御質問にお答えいたします。 先月、国による助言や集中的な支援を行う重点支援区域に仙南医療圏と石巻・登米・気仙沼医療圏が選定されました。 まず、仙南医療圏の基幹病院である公立刈田綜合病院とみやぎ県南中核病院は、診療科目の重複や過剰な病床数による経営の悪化が深刻な課題であることから、東北大学と県は、両病院の連携プランを提案し、地域の意見を伺いながら検討を進めてまいりました。今後とも連携の具体化に向けて主体的に役割を果たしてまいりたいと考えております。 また、登米市の三病院については、経営の悪化が顕著であり、限られた医療資源の集約化や、高度急性を担う近隣の病院との連携強化が緊急の課題と認識しており、県としても、登米市における医療機能再編の検討に具体的に助言していくなど、強力にバックアップしてまいります。 次に、みやぎ県南中核病院の産科医不足に対する現状認識と対策についての御質問にお答えいたします。 今般の分娩休止は、民間診療所はあるものの、安心して子供を産み育てる地域づくりにとって憂慮すべき状況にあると認識しております。 県としても、仙南地域二市七町の要望を踏まえ、産科医師の派遣元である東北大学医学部に配置を強く働きかけましたが、現状では厳しいとの回答があったところであります。 これまで、県ではドクターバンクなどの取り組みにより、医師確保を図ってきたところでありますが、これに加え今回新たに県外から転入し、仙台市以外の自治体病院などで勤務する産科医師に交付する奨励金を大幅に拡充することといたしました。 更には、東北医科薬科大学医学部宮城枠の修学資金貸付貸与者に係る義務年限について、十年間を二年間短縮する特定診療科として産婦人科を指定することにより、産科医師の増加を図ってまいりたいと考えております。 次に、高齢者福祉の喫緊の課題解決に向けた県の取り組み状況と今後の対応についての御質問にお答えいたします。 県では、第七みやぎ高齢者元気プランに基づき、介護人材の確保や施設整備などの取り組みを進めてきたところであります。 特に、喫緊の課題である人材確保については、来年度新たに介護人材確保対策緊急アクションプラン事業として、介護職週休三日制の導入支援や、みやぎ絆大使のサンドウィッチマンを活用した介護のイメージアップに取り組むほか、外国人介護人材の確保を強力に推進するため、来月、私みずからベトナムを訪問し、政府と技能実習生の送り出しの覚書を締結する予定としております。 更に、ICTを活用した介護ソフトや、AIを活用した介護ロボットなどの導入のための助成制度を新設することとしております。こうした新たな取り組みにより、働きやすい魅力ある職場環境づくりを推進し、介護人材の確保、定着をより一層加速してまいります。 また、特別養護老人ホームの老朽化対策については、国において来年度から大規模改修への助成を設けることとされましたが、その要件として施設の新設をあわせて行うこととなっておりますので、老朽化した施設の改修についてのニーズを踏まえ、単独での大規模改修工事の助成が認められるよう、国に対し強く要望を行ってまいります。 次に、鳥獣被害への対応についての御質問にお答えいたします。 県では、広域圏ごとに市町村や農協などの関係機関と対策会議を組織し、連携して捕獲頭数の増大や鳥獣被害防止柵の設置の取り組みを進めております。 このうち、捕獲頭数の増大に向けては、センサーカメラなどのICT技術を活用した効率的な捕獲おりの導入も支援しております。 今後とも、鳥獣被害の防止に向け、市町村や関係機関と一体となって取り組みを進めてまいります。 次に、晩生品種の開発について、県の取り組み状況はどうかとの御質問にお答えいたします。 県では、古川農業試験場において、温暖化への対応のため良食味の晩生品種の育成を稲の育種目標の一つに掲げ、取り組んでおります。なお、新品種の開発、定着には相当程度の時間が必要となることから、品種開発とあわせて、既存の品種の高温対応対策として、晩期栽培や直播栽培の拡大について、県の農業改良普及指導員や農協の営農指導員が一体となって推進しているところであります。 次に、園芸作物の振興についての御質問にお答えいたします。 県では、みやぎ園芸特産振興戦略プランを策定し、重点振興品目を定めて、産地形成を推進しております。このプランに基づき、農協の生産部会等による機械・施設の整備や、農業法人への就農といった後継者確保の取り組みを支援しており、亘理町、山元町のイチゴ、登米市のキュウリ、加美町のネギなどの産地が形成されてきております。県といたしましては、引き続き、農協等の関係機関と一体となり、農業所得の向上に向け、園芸作物の振興を図ってまいります。 次に、産地交付金の現状認識と対応策についての御質問にお答えいたします。 産地交付金は地域の裁量により、地域が振興しようとする転作作物の作付拡大や収量向上につながる技術導入等の支援が可能であり、転作作物の振興に当たって有効な支援策と認識しております。県としては、今後とも地域が活用しやすい形で産地交付金を支出できるよう、弾力的な交付要件の設定や必要な予算の確保について、国に働きかけてまいります。 次に、第三みやぎ食と農の県民条例基本計画についての御質問にお答えいたします。 第三基本計画については、SDGsの観点も踏まえながら、人口減少社会の中でもさまざまな主体が連携することにより、我が県の食と農の躍進につながる独自性のある計画を策定していきたいと考えております。 具体には、県産業振興審議会において、年末までに議論いただき、来年の二月議会へ提案できるよう進めてまいります。 次に、豪雨災害が頻発化、激甚化する中、河川整備の総合的な対策についての御質問にお答えいたします。 気候変動に伴う豪雨災害の頻発化、激甚化に対応するためには、まずは、堆積土砂撤去や支障木伐採により既存の河川の機能を確実に発現させることに加え、近年の降雨状況を踏まえた河川整備や越水した場合でも決壊しにくい堤防強化などのハード対策に計画的に取り組んでいく必要があると考えております。 また、住民の自発的な避難行動を促すための水位観測態勢の充実・強化や浸水想定区域図の作成など、ソフト対策の更なる強化とあわせ、森林の保水機能や水田等の遊水機能の活用、下水道などの内水対策との連携、土地利用の規制、誘導などを加えた総合的な治水対策が必要と考えております。 このため県では、河川、防災、気象などの有識者で構成する令和元年台風第十九号を踏まえた今後の治水対策の在り方検討会を今月設置したところであり、ことし九月を目標に取りまとめ、行動計画を作成することとしております。 県といたしましては、激甚化する水災害から県民の生命を守り、安全で安心して暮らせる災害に強い県土づくりに向けて、全力で取り組んでまいります。 次に、台風第十九号被害により、震災復興計画に支障が生じることのないようにすべきと思うが、現状と対策についての御質問にお答えいたします。 東日本大震災からの復旧、復興事業については、ことし一月末現在、公共土木施設等災害復旧事業の約九五%の箇所が完成したほか、復興まちづくり事業においても、ほぼ全ての地区で住宅等の建築工事が可能になるなど、仕上げの段階を迎えております。 こうしたことから、県では、来年度の当初予算を復興計画完結予算として、復旧・復興事業の完了に必要となる費用を全額計上したところであります。 一方、昨年十月の令和元年東日本台風の豪雨により、道路のり面の崩壊など、復旧・復興工事中の二十三カ所において被害が発生したことから、その追加対策費約三十三億円については、昨年十一月の県議会で御承認をいただき、現在、鋭意対応しているところであります。 県といたしましては、令和元年東日本台風による被災箇所の早期復旧を図るとともに、事業期間の短縮に向けた工程の精査や施工上の工夫など、これまで以上に事業進行管理を徹底し、事業完了に向け、全力を挙げて取り組んでまいります。 次に、阿武隈急行の復旧についての御質問にお答えいたします。 阿武隈急行線に関しては、阿武隈急行株式会社が復旧工事を進めているところであり、被害が甚大な県境の区間においても、回送列車を走らせることができるよう、線路に流入した土砂の撤去や路盤などの復旧、レールの補修などが着実に進んでいるところであります。その結果、福島県の梁川車両基地での整備が可能となれば、丸森駅槻木駅間で、朝及び夕方以降の時間帯に限定している運行について、増便が可能になるものと見込まれております。 また、県境の区間では、路盤整備に加え、隣接する山間部の斜面の土どめ工事による、線路への土砂流入等の防止とともに、老朽化が進むトンネルなどの鉄道施設については、追加の詳細調査を行うなど、安全対策に万全を期することも重要であると考えております。 我が県といたしましては、地元、沿線市町の意向を十分に伺いながら、阿武隈急行株式会社や福島県などとの協議を進め、しっかりと支援をしてまいりたいと思います。 私からは、以上でございます。 ○議長(石川光次郎君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕
    ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱一点、県政課題についての御質問のうち、児童生徒の学力向上に対するこれまでの取り組み状況と成果等についてのお尋ねにお答えいたします。 県教育委員会では、子供たちの確かな学力の育成を目指し、これまで学力向上研究指定校事業を初め、指導主事による県内全ての小・中学校訪問等を実施し、県が提唱している授業改善や家庭学習など、学力向上に向けた五つの提言の実践を促してきました。 今年度の全国学力・学習状況調査では、依然、平均正答率は全国を下回るものの、小学校において、全国との乖離の縮小が見られたところです。 更に今年度から、学力向上に成果を上げている県内の市町村の取り組みを参考にした学力向上マネジメント支援事業を四つの市で展開しており、児童生徒一人一人に確かな学力を定着させるPDCAサイクルの確立等に取り組んでおります。 今後は、本事業で得られる成果を、県内市町村へ広げていくなどして、小・中学校における学力の全体的な底上げを図ってまいります。 次に、学校において運動する機会をふやすことが重要だと思うがどうかとの御質問にお答えいたします。 児童生徒の体力、運動能力を高めるためには、運動機会をふやすことが大変重要であることから、県教育委員会では、子供たちの意欲を高められるよう教員の指導力向上を図る研修を実施してきたほか、ウエブ上で記録を競うことができるwebなわ跳び広場を開設しており、参加校の体力合計点が県の平均を上回る成果を得ています。 また、今年度は、体育の授業改善や休み時間における運動遊びの機会を創出するため、大河原町や利府町の大学や民間企業と連携した取り組みを支援しており、自作遊具の開発や工夫した運動遊びの実践等を通じて、体を動かす遊びが好きだという児童が増加しております。 今後も、このモデル事業等で得られた成果を教員研修会において広く伝達するなど、児童生徒が運動に親しむことができる環境づくりを推進してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(石川光次郎君) 警察本部長松岡亮介君。    〔警察本部長 松岡亮介君登壇〕 ◎警察本部長(松岡亮介君) 大綱一点、県政課題についての御質問のうち、仙台市児童相談所への現役警察官の配備についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年中、県警察が児童虐待事案として、仙台市を含めた児童相談所に通告した児童数は、暫定値ではあるものの一千二十七人であり、また、虐待事件として検挙した件数は三十八件と、いずれも過去最多となりました。 県警察では、関係機関と連携し、児童の安全を最優先とした救出保護に努めておりますが、中でも県所管の三児童相談所への現役警察官の派遣は、相互の連携強化と情報共有に大きな効果が認められたと考えております。 御指摘のありました仙台市児童相談所への現役警察官の派遣については、仙台市担当部局との協議を行い、ことし四月から派遣する方向で進めているところであります。 次に、自然災害対策等を含めた警察署整備の方針についての御質問にお答えいたします。 今後の警察署整備については、災害時において警察活動に影響が生じない場所への建設や人口、治安情勢等のほか、他の官公署との連絡、交通環境等の住民の利便性等を総合的に勘案した上で、治安維持の最前線に立つべき警察の拠点が機能不全に陥ることのないよう整備に当たっていくこととしております。 次に、県内の交番における今後の整備見通しと安全対策についての御質問にお答えいたします。 交番・駐在所の安全対策については、既に防犯カメラ、小型盾、催涙スプレー、耐刃手袋、さすまた等を配備し、カウンター等についても年度内に配備することとしており、ハード面での安全対策はほぼ完了したところであります。 また、ソフト面では、複数勤務体制の構築や科訓練、対処訓練の強化等を行っているところであります。 更に、街頭活動における安全対策をより向上させるため、来年度から、改良型耐刃防護衣の整備を図ることとしております。 今後とも、住民との良好な環境を損なわないようにしつつ、治安維持の最前線を支える警察官の安全対策に一層努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(石川光次郎君) 三十八番高橋伸二君。 ◆三十八番(高橋伸二君) 答弁ありがとうございました。まず最初に、観光振興財源でございますけれども、先ほどいただいた答弁の中で、修学旅行等に対する免税措置をするというふうな答弁だったと思いますが、加えて学校行事などにもというようなお話だったと思いますけど、そのあたりの確認をもう一度させていただきたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 京都あたりは修学旅行を免除しているんですが、修学旅行のみとしておりました。修学旅行のみといたしますと、例えば、学校で行ったスキー合宿といったようなものであったり、あるいは部活動で宮城県にこられた方、インターハイでこられた子供さん方というのは対象外になってしまいますので、今回は、宮城県の場合はそういう御意見があったということで、その人たちも入れて幅広く学校関連でお越しになった関係ということにさせていただいたということでございます。ただし、誰でもというわけにはいきませんので、学校長等の証明をいただくことにはなると思います。 ○議長(石川光次郎君) 三十八番高橋伸二君。 ◆三十八番(高橋伸二君) ありがとうございます。会派として知事に対して申し入れを行いました。実は知事からさきに回答いただいた内容については、会派内でも非常に不満がうずまいておりました。それを受けて更に今回の質問ということになったわけでありますけれども、私どもの考えを聞き入れていただいたということで、この点については評価をしたいと思います。ありがとうございました。これは聞いていただかないと、知事は本当に人の話を聞かない人なんだなという評価がまた高まってしまうということになりかねないなと考えておりましたので、ありがとうございました。 続いて圏域ごとの観光振興会議、仮称ということでございますけれども、これについての答弁がございました。こういう会議をするからどうぞ宿泊事業者の皆さん意見を寄せてくださいということになるんだろうと思いますが、もう現時点で今回の提案過程においてあるいは宿泊税導入の発表の仕方などについて、宿泊事業者の皆さんからは県に対する不信感がどうしても出ているんだろうと思います。この振興会議をやったとしてもどうせ話を聞いてくれないのではないかということで、そのような感覚もお持ちの方もいると聞いておりますけれども、決してそうではないんだということをもう一度ここでお話しいただければと思います。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) マクロ的な視点でいつも私は数字を見ておりまして、宮城県の宿泊者数が東日本大震災でどん底まで落ちたんですけれども、だんだんよくなってきたと。沿岸部はまだ途上ですけれども宮城県全体としては上がってきたということで、それなりの成果があるという正直自負あったんですけれども、今回この問題が起こりまして、宿泊関係事業者の方といろいろ話しておりまして、非常に県のやってきた観光施策に対して、不満に思っておられるということがよくわかったわけであります。その話を聞いていて一番感じたのは、今まで県がこういう施策をやるから皆さん御協力してくださいっていうお願いをして、それに対して前向きに協力していただくというそういう仕組みをずっとやっていたわけですけれども、私は今回すごくそれを反省いたしまして、地域ごとそれぞれ特徴があるし、お客さん来る時期来ない時期、来ていただきたい時期それほどでもない時期、いろいろあろうかと思うので、そういったことをしっかり話を聞いて、そして、具体的な取り組みを進めるべきじゃないかなと考えたということであります。圏域ごと聞いて、同じようなことをやるのではなくて、例えばふっこう割一つにいたしましても、その時期ややり方、これを地域ごとに変えていくというようなことがあっていいのではないかと思いましたし、例えばできるだけ遠くからお客さんを連れてこなければいけませんので、今回はこの旅行会社とこの地域に来るお客様にこういう割引をするというのと航空会社とタイアップしてやっていくと。こういうことを具体的に皆さんと話し合って詰めていって、その地域にとって圏域にとって非常にメリットのあるやり方というものを考えていければなと思っています。ただそれをやるにしても今のままだと恐らくもう再来年度になると、東北デスティネーションキャンペーンで全ての財源を使い切ってしまって、そういうようなことができなくなってしまうということです。ですから私はオリンピックが終わって、東北デスティネーションキャンペーンの後のことも考えますと、こういったようなことは、痛みは伴いますけれども、結果として皆様にとってメリットがあることになっていくだろうと思って御理解を求めているということであります。したがって、今回の観光振興会議につきましてもただのガス抜きの会議ではなくて、具体的に地域ごとの要望を聞いて地域単位での施策というものを打っていくと、これは市町村と一緒になって打っていくということをやっていきたいなと考えているということであります。したがって形のあるものにしていきたいと思っています。 ○議長(石川光次郎君) 三十八番高橋伸二君。 ◆三十八番(高橋伸二君) ぜひそのとおり実行に移していただきたいと思います。何しろ特に沿岸部の中小の宿泊事業者の皆さん、あるいは温泉地の宿泊事業者の皆さんにとっては、県の今までの施策がほとんど役に立ってないんじゃないかというような指摘もありますので、その部分についてはしっかりと意見を聞いていただいた上で、そして、協力体制を得られるような施策を展開していただきたいと思いますが、もう一度お願いします。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 観光ということを考えますと、仙台市といった大きな都市も大切ですけれども、私は地域振興ということを考えると仙台市以外の地域にもしっかりと光が当たるようにしていくと、仙台だけがひとり勝ちというようなことにならないようにしていくというものが非常に重要だろうと思っています。そういうことをやるための税でございますので、どうか御理解をいただきたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 三十八番高橋伸二君。 ◆三十八番(高橋伸二君) それからことしオリンピック・パラリンピック大会がありますけれども、終了後の景気の減速が予測されると言われております。宿泊税導入をすることによって来年度からということになれば、オリパラ後の景気冷え込みに追い打ちをかけるような形になりはしないかというような懸念もありますけれども、その点についてはどのようにお答えになるんでしょうか。伺います。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) トレンドとしてはそうなると思います。オリンピック・パラリンピックが終わる、そして特に宮城県の場合は来年度で復興が特にハード事業が一段落をするというようなことがありますから、それに合わせてこれから人口が減っていく、特にお金を落としてくれる若い人たちが減っていくということです。したがってそう考えると景気が非常によくなるというような見込みはなかなか立てづらいというのは事実でございます。そうした中でこういったことをお願いするというのは非常に私も心苦しいわけでありますけれども、しかしやらないと恐らくもっともっとすごく加速的にひどい状況になっていくだろうということです。この財源を二倍にも三倍にも四倍にも、効果のあるものにしてまいりたいと思ってございまして、決して無駄であったということのないようにしてまいりますので、どうか御理解いただきたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 三十八番高橋伸二君。 ◆三十八番(高橋伸二君) オリパラ後の景気減速を、冷え込みを抑えるためにもこれは何としてもやらなければならないんだというようなお話だと思いますが、本当にこれはやってよかったと後で評価を受けるような施策の展開が何としても必要だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。あとはこの事業は答弁いただきましたけれども、宿泊事業者の皆さんの理解、それから協力がないと成り立たない事業であります。なるべく出向いて説明に伺うというお話でございましたけれども、県内の対象となる宿泊施設はおよそ一千軒と伺っております。全軒回るくらいの、丁寧に説明をするという意気込みで取り組んでいただかなくてはならないと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 限られた人手でいろんな施策を打っていかなければいけませんので、千戸の事業者を全部歩くっていうのは正直難しいと思います。ただこの議会で認められましたら、観光振興会議を四月からすぐに立ち上げたいと思ってございますし、それぞれいろんな組織もございますので、そういったところに足を運びながらしっかりと説明をしてまいりたいと思います。ただ全てというのはなかなか難しいところも御理解いただきたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 三十八番高橋伸二君。 ◆三十八番(高橋伸二君) 全て県の幹部が出向いてという話ではなくて、各振興事務所の例えば担当の職員に行ってもらうというようなこともありだと思いますが、それでもやはり難しいことなのでしょうか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) できる限りお願いをしていかなければなりませんし、システム改修などでも赴かなければいけませんので、幹部が部長以上で全部回れというのはさすがに無理だという意味でお話しいたしましたが、一軒一軒丁寧に歩いて説明をしていく、御理解いただくようにお願いするのは当然のことだと思います。 ○議長(石川光次郎君) 三十八番高橋伸二君。 ◆三十八番(高橋伸二君) ぜひそのようにお願いしたいと思います。導入する場合においての基金条例での件でございますけれども、これを新たに設けてその上で使途を明確にしていくということでございました。これは基金を取り崩して宿泊税充当の事業を展開するという上においては、議会の議決が必要な条例になると、このような認識でよろしいでしょうか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) そのとおりでございます。もし今議会でこの条例をお認めいただけるということになりましたならば、来年の二月議会までに条例を提案するということになると思います。 ○議長(石川光次郎君) 三十八番高橋伸二君。 ◆三十八番(高橋伸二君) その条例が施行される中において、議案として、例えば宿泊税導入に充当の事業についての議会での議決はどのような形になりますか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 来年の二月議会には、認められたらですけれども、再来年度のいろいろな観光施策について議会にお諮りをするということになります。その際にはこの基金を活用してということがわかるようにして、提案をしたいと思っております。したがって、この基金から、この事業この事業と切り出してちゃんと説明できるようにしてまいりたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 三十八番高橋伸二君。 ◆三十八番(高橋伸二君) ぜひそのような形でしていただきたいと考えております。県有施設、美術館の件ですけれども、先ほどの答弁によりますと一旦立ちどまってと申し上げましたが、その点についてはそのとおりでよろしいのでしょうか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 最終案をお示しいたしましたけれども、立ちどまってというよりはたたき台をお示ししましたので、それをベースにまずいろんな御意見を聞きながらよく話し合いをしたいと考えているということであります。拙速だという強引だというような御批判を受けないように、県の考え方をよく聞いていただいておりませんので、報道だけを見てちょっと誤解をされている部分もありますし、真意というものを御理解いただいてない部分もありますので、その辺は慎重に対応したいという意味でお話しをしたということであります。 ○議長(石川光次郎君) 三十八番高橋伸二君。 ◆三十八番(高橋伸二君) 知事は誤解だというお話だとすれば、これ不幸なことでありますので、しっかりとした説明のうえでそして合意形成をしっかりと図っていって、最終的に決定を見ていただきたいと思いますけれども、もう一度お願いいたします。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) そのつもりでございます。しっかりと説明をさせていただきたいと思っております。 ○議長(石川光次郎君) 三十八番高橋伸二君。 ◆三十八番(高橋伸二君) 以上で終わります。ありがとうございました。 ○議長(石川光次郎君) 暫時休憩いたします。    午前十一時四十八分休憩-----------------------------------    午後一時再開 ○議長(石川光次郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。四十二番坂下賢君。    〔四十二番 坂下 賢君登壇〕 ◆四十二番(坂下賢君) 東日本大震災発災から来月三月十一日をもって、間もなく丸九年が過ぎ十年目に突入しようとしております。今後一年間は我が県震災復興計画の最終年となり、復興の総仕上げとともに総点検を行っていかなくてはなりませんが、知事は新年度予算案について復興計画完結予算として今定例会に上程しております。特に復興分のハード面では必要分全てを計上したと会見で述べておりますが、現場の声を聞くと、とてもじゃないが期間内には終わらない、人手不足による工事のおくれ、権利関係が壁となり、なかなか工事が進まないなどの声が聞こえてくるのも事実であります。国も、こうした被災地の事情を勘案してか、期間内に終了しないハード事業について期間終了後も継続する方針が示されていますが、こうした積み残しの部分が発生した場合、計画の継続として被災地の復興完了に向けた、きめ細やかなサポートを行うとありますが市町村事業を含め、県として具体的にどう対処していくのでしょうか。 県は宮城県地方創生総合戦略を一年延長し、宮城県震災復興計画と宮城の将来ビジョンを統合して仮称、新・宮城の将来ビジョンの策定を目指しております。県から示された骨子案には、持続可能な未来づくりに向けた横断的な視点をもって人づくりや地域づくり、イノベーションを掲げSDGsの推進につなげるとしております。従来までの宮城の将来ビジョンにおいては、県政運営の理念「富県共創!活力とやすらぎの邦づくり」として富県宮城の実現、県内総生産十兆円への挑戦、安心と活力に満ちた地域社会づくり、人と自然が調和した美しく安全な県土づくりの三つの政策推進の基本方向を掲げ取り組んできたとありますが、現在まで県内総生産は九・四兆円までの伸びを見せており、一定の成果は見られるようですが震災による特需も相当数含まれており、今後復興工事が完了していった場合、十兆円の目標達成とともに県内業者の継続・安定についてどのように活路を見出していくのでしょうか。 宮城県震災復興計画で検証された被災者の心のケアや教員の加配やスクールカウンセラーの配備など、児童生徒のケア、地域コミュニティー醸成など今後も必要なものもあり、計画期間終了後五年間事業を継続し、その後の必要性についても検討していくことが盛り込まれ閣議決定された事業もあり、この夏に予算規模や事業内容を検討し決定することとなっております。まだまだ仮設から公営住宅など新しい住居に移って以降も地域コミュニティーの不足、アルコール依存や鬱などの症状を抱え苦しんでいる被災者とケアが必要な児童生徒も増加傾向にあるため、中長期にわたる支援が必要と思いますが、県としてどの点に力点をおきながら進めていくのでしょうか。 また、同計画では期間を十年と定め、復旧三年、再生四年、発展三年とし被災者の住居の確保に努めてきましたが、災害公営住宅、集団移転、区画整理など、それぞれにおくれが出てしまいましたが、おくれた原因として挙げられた業者や人手、資材の不足、被災者の意向調査のおくれなどが挙げられると同時に、地区によって住宅確保の進捗に濃淡が出るなど地域間による格差が生じております。一律に同じ時期というのは困難と思いますが被災者同士に不公平感がなるべく生じないように、今後大規模災害が発災した際、その反省を生かした施策について伺います。 宮城県地方創生総合戦略改定最終案では、二〇六〇年に向けて宮城が目指すべき将来の方向において、遠方目標として人口減少社会が続き合計特殊出生率は依然として低位に推移している中において、合計特殊出生率を二〇三〇年に一・八に、二〇四〇年には二・〇七に達した場合に百八十四万人までに減少を抑えられるとしております。具体の方策については、安定した雇用の確保や移住・定住の流れをつくるなど方向づけし、新・宮城の将来ビジョンにおいて震災復興計画における被災地の復興完了に向けた、きめ細やかなサポートを継続し、従来の三つの柱に加え新規に社会全体で育む宮城の子供・子育てを掲げ、今後具体な計画をつくり施策展開するとしております。知事が思い描く宮城の子供・子育てについて、結婚、出産、子育てなどの支援の充実をどう図っていくのでしょうか。 また、人口減少社会に立ち向かっていくための県としての方向性をお示しください。 昨年十二月中旬に中国湖北省武漢市において確認された新型肺炎の発症は、市政府より年末になってから、ようやく原因不明の肺炎患者が確認されたと発表されました。ようやく本年一月七日に中国当局より、患者から新型コロナウイルスを検出したとWHOが発表され、武漢市の男性が死亡し、一月十九日より全国の感染者数を発表、武漢市の閉鎖などの措置がとられましたが、今や中国全土で感染者が少なくとも二月十七日時点で七万五百四十八人、死者が千七百七十名確認されており、日ごとにその数は増加しており現在では世界中で猛威を振るう事態となっております。我が国においても湖北省などに滞在する邦人を既にチャーター機五便で帰還されておりますが、横浜港に停泊中の大型クルーズ船やチャーター機の分を除いても、国内で感染者が四十六名確認されるなど終息が見えず、むしろ拡大しているのが現状であります。武漢市、中国の初動のおくれや情報隠し、危機意識の欠如と同時にWHOテドロス事務局長が我が国やアメリカ、フランスなどによる武漢市からの自国民の退避を進めることについて、過剰反応などと発言し人から人への感染は不明とし、緊急事態宣言が一月二十三日時点でも見送られ中国寄りの態度が見え隠れする中で、その発動がやっと三十一日未明にされるなど大幅におくれたことは見通しや判断の甘さ、誤りが今日の状況を生み出したといっても過言ではありません。新型肺炎はかつて、やはり中国から発生した重症急性呼吸器症候群SARSと比較すると致死率については低いと言われておりますが、ウイルスの性質が変化していけば感染が拡大するおそれがあると言われ、SARSの中国国内感染者数五千三百二十七名を大幅に超え十倍以上となっております。まさに今最悪の状況に陥っているのではないでしょうか。当初の甘い見通しや危機感の欠如が大きな要因の一つと思われますが、県ではどのように分析されているのでしょうか。県における命にかかわる感染症などが発生した場合の初動の体制、訓練、対策などについてはどう対処する準備をされているのでしょうか、知事の所見を伺います。 中国の長期休暇期間である春節や、その前後に我が県を訪れた中国人や中国からの渡航者も相当数に上ると思われます。既に中国では国内外の団体旅行を禁止する、政府でも指定感染症の指定が施行され、湖北省に二週間以内に滞在した外国人や湖北省発行の中国旅券を持つ外国人の入国を拒否するなどの措置が日本側でもとられており、上海便や大連便を週一往復に減便するなど実施されており、せきなど呼吸器症状や熱が三七・五度以上の症状が見られる新型肺炎の疑いのある患者が出た場合、医療機関を経て指定医療機関へと送致され更なる疑いが発生した場合、入院勧告、陽性であれば継続入院の上、濃厚接触者などが調査されるなどの措置が施されております。現在の我が県における空港や港などによる水際対策はどうなっているのでしょうか。 検査キットがないことも問題となっているようですが、仙台空港ではサーモグラフィーによる健康チェックや、健康カードの配布などで体調不良の際の自己申告などを促しておりますが、最大十四日間と言われる一定期間の潜伏期間もあり、無症状のままウイルス検査で陽性と出る場合もあり更なる対策強化を国に申し入れるとともに、県としての対策を講ずるべきと思いますが、所見をお聞かせください。 更に、県や仙台市、石巻市、東松島市など県内各自治体で対策本部が既に設置されており、相談窓口の開設や土日を含む電話相談が実施されておりますが、住民自身、症状が感じられるときは、県と仙台市が県庁内に共同設置したコールセンターにまず連絡してほしいと呼びかけておりますが、市町村おのおのの対策本部や相談窓口とコールセンターとの情報共有や連絡体制、連携体制についてはどう構築されているのか、お答えください。 患者が発生した場合の受け入れ体制については、東北大学病院や石巻赤十字病院など県内七病院が指定され二十九病床が確保されております。政府では受け入れ体制の強化を要請しておりますが、医療従事者の感染も確認されており対応する医師や看護師の体制はどうか。 また、検体を採取した際には県保健環境センターなど二カ所で行われることになっており、検査時間も大分短縮されたようですが、その検査体制強化についてお聞かせください。 次に、予防対策について伺いますが、空気感染はないと言われておりますが飛沫感染や人から人への感染など二次感染の危険が指摘されており、国内でも武漢市への渡航歴のない観光バスの運転手やガイドが武漢市からの団体客を乗せ、一定時間車内で同乗し過ごしたことが原因で新型肺炎に感染したことが確認されております。うがいや手洗いの厳行、せきがある人のマスクの着用などは必須ですが、県として職場や学校、人の多く集まる場所などにどう周知徹底していくのか。 マスクが店頭から消えるなどの現象が見られ現在でも続いておりますが、気仙沼市や大崎市などでは妊婦の方にマスクを配布するなどの取り組みが既に行われております。県では、市町村が備蓄するマスクを三十万枚借り上げ等により、不足する医療機関へ配布するなどの取り組みが行われておりますが、妊婦の方を初め障害者や病人、お年寄りや乳幼児など、不足しているマスクや消毒液などの予防グッズが十分に行き渡るための方策を講じる必要があると思いますが、こうした取り組みをする市町村に対する助成制度創設や予防を促進するための実効的で効果のある方策についてお示しください。 次に、中国を初めとし韓国、台湾、香港などからツアー客も激減しております。我が県における経済的な打撃も深刻な状況となっているのが実情であります。二〇一八年の速報値によると、中国から日本への旅行客は前年比一四・五%増の九百五十九万人であり、総消費額は一兆七千七百十八億円で一人当たりの支出額は二十一万円であります。しかしながら、新型肺炎の影響により我が県内のホテルや旅館など宿泊施設ではキャンセルが相次ぎ、それに伴う食材などの納入業者、また、土産物屋、県内の百貨店や大型店、小売店などでも外国人客が減少しているとの声が聞こえております。また、トヨタやホンダ、ユニクロなど中国の日本企業を初め中国国内の企業についても、新型肺炎による影響で春節後の操業見合わせ、縮小など停滞する企業も後を絶たない状況となっており、中国経済が大きな打撃を受ける中、我が国においても日経平均の株価が一時期平均で二日続けての下落で六百十円のマイナスで、一月二十日以降八百六十円超えの下げ幅となるなど日本経済への影響が出ております。また、中国のサプライチェーンの休業により日産の国内工場にも影響が出ております。我が県経済における影響については、どの程度見込まれているのか。 また、早期の対策が必要と思いますが、知事の所見を伺います。 中国での状況はまだまだ大変な状況にあることは事実ですが、一方で中国人に対する誹謗中傷、差別や反中の動きも拡大、ネットによるデマの書き込みやにせ情報で不安をあおるなど、あってはならない、そして心ない行為が一部横行し拡散する動きがあると聞いておりますが、こうした行為は許しがたい行為であり厳に慎むべきでありますが、県としての新型肺炎に対する正しい発信はどのように行われているのでしょうか。 武漢市からの邦人の帰国のためのチャーター便五便には、行きの便に食料やマスクを積んで現地を支援し大変喜ばれたと聞いております。隣国であり、大連・北京便や上海便の二路線の直行便が飛んでおり、東日本大震災の際にも我が県と友好関係にある吉林省からも十万米ドルの義援金を受け取るなど中国からの支援を得ております。我が県としても何らかの支援を検討してはいかがでしょうか。 情けは人のためならず、困ったときはお互いさまなど日本のよき文化を象徴する言葉が頭に浮かんできますが、我が県の心温まる支援策についてお聞かせください。 この新型コロナウイルスによる新型肺炎のワクチンや特効薬は、まだ開発されておりませんが一部インフルエンザ薬やエイズ治療薬を投与した結果、症状の改善が見られるなどの例が報じられておりますがワクチン開発に一年半かかるなどと示されており、いずれにしても長期戦となることが予測されております。相当の覚悟と決意を持って新型肺炎の蔓延を防ぎ、県民の安心、安全を確保していかなくてはなりませんが、知事として取り組む姿勢と決意についてお聞かせください。 知事は、今定例会に新たな観光振興財源の確保を目的とし、二〇二一年四月から県内宿泊施設で三千円以上の宿泊料金で宿泊した場合、宿泊者に対して一人一泊当たり三百円の宿泊税を課す宿泊税条例案を提案しております。業界団体を初め県民からも猛烈な反対の声や疑問も多数寄せられるという事態となっており、関係者や県民の理解が不十分と言われ、また、宿泊税導入を検討する仙台市との間でも協議も始まらない中で知事は強硬な姿勢を崩しておりませんが、あえて本条例を今定例会に上程した理由についてお聞かせください。 県は、平成三十年七月に宮城県観光振興財源検討会議を設置し、これまで九回にわたり検討を重ねてきました。検討会では、今後必要な観光振興施策の方向性及び事業規模について四つの方向性と十九の取り組みイメージが示され、事業規模は三十五億円から四十五億円としており、財源確保の手段として一人一泊百円から五百円の範囲が適当とし、法定外目的税である宿泊税の導入が提案されております。県は、これを受けA案として三千円以上の宿泊に三百円、更に二万円以上の場合五百円とする、B案として三千円以上に三百円課税するの二案を検討し、その後B案に決定しておりますが、その決定理由について改めて伺います。 今年度当初の観光関連予算二十四億円のうち東北観光復興対策交付金や復興関係基金などが七割を占めることが示され、今後、終了や減少が見込まれるとし四つのイメージと十九の取り組みに必要な三十から三十二億円のうち、一般財源八億円を除いた金額を税収見込みの二十三億円を充てるとして三百円という金額をはじき出したように思えますが、適正かつ妥当な金額と言えるのかどうか。 他の導入自治体の二万円以上の宿泊料金に税率を上げた部分を除けば、日本一高い税率となっておりますが、そこについてどのような検討がされたのか。 利用者や観光・宿泊業者の視点が欠けていると言わざるを得ませんが、知事の所感をお聞かせください。 また、これまでの県の観光予算について検証をどのように行ってきたのでしょうか。 タレントやアニメ、時には知事自身が出演するプロモーションやキャンペーンに偏ってきた感もありますが、県としてどう総括し成果につなげてきたのでしょうか、お聞かせください。 県境を接する岩手、山形、福島、秋田など隣県と比較した場合、宮城は宿泊税三百円が隣県よりもプラスされるという利用者の宮城離れについて、県内の宿泊業界関係者が大きな打撃を受けることを危惧しておりますが、そこについては検討会議や県としてどんな検討がされたのか、お聞かせください。 宿泊税の導入を強引に推し進めようという知事の姿勢ばかりが目につく感がいたしますが、観光・宿泊業界関係者や県民との間で丁寧に意見交換を重ねながら、しっかりと打ち出し理解を得る努力をするということが本来の姿だと思いますが、知事自身も認めているとおり拙速さや説明不足を感じざるを得ません。今後仙台市との間でどのように協議していくのか。 また、導入に対して慎重な議論を求めるとした県内市町村からの声も聞こえてきますが、県は今後どのように関係団体や県民との間で意見交換や説明を尽くしていくのでしょうか。 見切り発車の状態では到底理解が得られることはできないと思いますが、県民や関係団体とどう向き合っていくのか、知事の姿勢をお示しください。 東京電力福島第一原発事故による風評被害対策について伺います。 我が県におきましては、東日本大震災で大きく被災した農地や農業施設、漁港や水産施設などの復旧に一定の進捗が見られますが、依然として福島第一原発事故の影響による風評被害や販路が回復できない、中国や韓国などへの輸出の規制などにより農産物及び水産物の出荷が震災前を下回る状況にあります。昨年の韓国の水産物禁輸をめぐるWTOの日本側の逆転敗訴は、我が県の水産業者は大きな失望感を味わう結果となってしまいました。もちろん、近年の不安定な天候や海の状況の変化もあり不作・不漁などもあるかと思いますが、一番の原因は、やはり原発事故による風評被害が大きな要因と推察されております。県漁協は、東電による漁業補償を二〇二〇年度までと大筋の合意をしておりましたが、この深刻な事態に県は漁協とともに東電に対する強力な対応が必要と思いますが、いかがでしょうか。 また、このまま福島第一原発事故が一定の収束を見ない限り、水産加工業を含め厳しい状況は続いていくものと思われ、県内市町村からも福島県と同様の確実な補償が必要との声が寄せられておりますが、県の対応策をお示しください。 さて、こうした状況下、経済産業省の小委員会は処理済み汚染水の処分方法を海洋放出か大気放出、若しくは、この二案を併用するの三案に絞り込んでおります。敷地内でのタンクでの保管はあと二年ほどで満杯となり、そろそろ限界。敷地内での埋設も難しいとの意見が出されております。しかしながら、三案いずれの方法も風評被害が更に拡大することは必至であり、我が県の農林水産業も大きな打撃を受けることを避けることは不可能であります。知事は昨年六月定例会で、私の汚染水を海洋放出することには県として絶対に反対の立場でいいのか確認した問いに対して、「風評被害の影響が出ることは間違いがない。漁業に携わる皆さんの理解なしにあってはならない。国や東電に対しても厳しいことを言うのは当然。」と答えられましたが、第二案、第三案についても影響が出ることは一緒でありますので、ぜひ、その立場を崩さずに毅然とした態度で臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 我が県の食の安全や風評被害対策として、現在農林水産物や土壌や飼料、キノコ原木などに対する放射性物質検査やモニタリング調査を行っております。現在基準値を超える生産品は出ておりませんが、その検査体制の効率化や安全だということをPR活動及び発信にどうつなげていくのでしょうか。 また、首都圏を中心に東京アンテナショップや物産展、イベントを通じて食材王国みやぎの発信や魅力体感事業の展開で、イメージアップや販売促進などに取り組んでおりますが、風評被害を払拭し販路の拡大にどうつなげていくのか、お聞かせください。 女川原発一号機の廃炉について、東北電力から今後三十四年がかりで四百億円超えとなるなどの計画が県や石巻市、女川町に説明されました。それぞれに東北電力に対して安全・安心な工事の進行、環境への配慮など協議したと伺っておりますが、今後のスケジュールと安全対策や工程管理についても県も積極的にかかわるべきと思いますが、県の考え方を伺います。 次に、女川原発の二号機の稼働の是非について知事の考え方を伺います。 昨年の二月定例会では、市民団体から十一万人以上の署名を添えて提起された東北電力女川原子力発電所二号機の稼働の是非に係る住民投票条例案について、我が県議会では四十三年ぶりとなる総務企画委員会、環境生活農林水産委員会による連合審査会は、それぞれ参考人を呼び五時間に及ぶ白熱した議論が行われました。知事は、住民投票の是非に対して触れることなく、公務員の意見表明など懸念されている点を列挙した意見を付して議会に付議し、本会議で住民投票条例案について問われた際に知事は、一つの方法と思うが多様な論点を包含される原発の再稼働に対する県民意見の表明方法として、条例案の内容には課題があると答弁しておりました。その後、そうした課題を解消すべく修正案が出されましたが、最終的には賛成二十一反対三十五の賛成少数で否決となりました。反対の主な理由として挙げられたのが、二択では住民の多様な意見が酌み取れないという点が挙げられておりましたが、知事は女川原発二号機の再稼働の可否について同意するか否かを決定する立場にありますが、県民の意向をどのようにして把握されるおつもりでしょうか。 議員提案が検討される有権者の選択肢を四択とする住民投票条例案について、知事はどう考えるのか、所感について伺います。 間もなく原子力規制委員会から女川原発二号機の新基準への適合が許可され、審査書の公表もあるとした動きが予測されております。県の女川原子力発電所二号機の安全性に関する検討会もこれまで検討を重ねておりますが、検討結果についてはどれくらいをめどに出され意見聴取されるのでしょうか。 原子力施設等の新増設や変更に当たっては、県、石巻市と女川町、東北電力で結んだ安全協定に基づく協議をすることになっており、UPZ三十キロ圏内の石巻市、女川町を除いた五市町との間で覚書を交わしており、協議、意見聴取した上で意見を付して最終的に知事が東北電力に回答するとなっております。まず知事は、県、石巻市、女川町は対等な立場としておりますが、どのように協議を進めていかれるのでしょうか。 また、UPZ五市町との協議、意見聴取については丁寧に進めることが必要と思いますが、知事の所見を伺います。 また、国から稼働の可否について同意を求められた場合には、住民説明会を県が設置して行うことになっているようですが、知事はどこで何カ所、どのような形で行うのか、伺います。 また、当然、県議会に対して意見を求めることになると思いますが、石巻市や女川町との協議、覚書を結んだUPZ五市町との協議などある中で、知事はどのタイミングで議会に対して女川原発再稼働の是非を問うのか、伺います。 東日本大震災の政府主催でこれまで開催されてきた追悼式が震災から十年となる来年で終了する方針が示されました。東京の国立劇場を会場に天皇皇后両陛下が参列する中で、我が県からの代表者も追悼の言葉を述べてきました。この決定に対し被災三県の首長からは、唐突、尚早、復興道半ばと戸惑いや残念がる声が多く上がる一方で、一つの節目とする政府の見解に一定の理解を示す声も上がっております。被災三県知事の反応は、福島県内堀知事は、政府からの事前説明はなかったとしながらも「再来年からの県主催の追悼式典の開催を検討する。」と発言しております。岩手県達増知事は、「再来年以降も被災地の状況を勘案しながら、被災者の声をしっかりと聞いて検討してほしい。」としております。一方で、最大の被災県であり死者行方不明者合わせて一万一千七百八十五名の犠牲者が生じた我が県村井知事は、「政府が決めればいい。追悼式典だけが風化防止の施策ではない。被災者のケアを継続すること。復興の基本方針の実効あるいはそれ以上の施策をとってほしい。」とのコメントをしております。もちろん復興施策の充実を求めていくことは当たり前のことですが、宮城県でも震災の日と定める三・一一は、特に犠牲者に対する鎮魂や防災意識の高揚、被災地から全国各地への発信など大きな意義があるのではないでしょうか。自治体それぞれがみずから主催して再来年以降も続けていく意向を示している自治体や、気仙沼市を含む三陸沿岸七市でつくる三陸沿岸都市会議では被災地に整備する国営追悼施設、祈念施設を活用して政府主催で継続するよう国に対する要望書をまとめております。石巻市では再来年以降も続ける意向を示しておりますが、石巻市内の国・県・市で整備を進める石巻南浜津波復興祈念公園は本年の一部開園が予定をされております。また、令和三年三月には中核的施設において震災伝承関連の公開を目指しております。再来年以降政府主催の追悼式典を行わないということであれば県が主催し、この石巻南浜津波復興祈念公園を皮切りに毎年被災地持ち回りで会場を設定し、追悼式典を開催してはいかがでしょうか。 震災から二十五年が経過した阪神・淡路大震災追悼式も兵庫県主催で行われておりますが、知事の英断を求めます。 山形県の創業三百七十年の老舗デパート大沼百貨店が、先月二十七日、山形地裁に自己破産を申請し同日に破産手続開始の決定を受けるとの一報に、私たち宮城県民も驚きを感じた方も多くいらっしゃると思います。我が県への影響は限定的との見方もあるようですが、その数日後、本県においても東北最大級の造船会社で東日本大震災からの復興の象徴とまで言われたヤマニシが東京地裁に会社更生法を申請したというニュースが飛び込んできました。令和二年一月の我が県における倒産企業の件数はヤマニシを含め十二件、負債総額は約百三十六億五千八百万円となっておりますが、まさに寝耳に水という感がいたしました。ヤマニシは一九二〇年創業で造船ブームに乗って堅調な業績を維持してまいりましたが、リーマンショック後、業績が落ち込んだところに東日本大震災に見舞われ壊滅的な被害を受け、企業再生支援機構やグループ補助金など公的支援やメーンバンクの七十七銀行など金融機関からの支援を受け、新造船事業と修繕事業の両方の事業の再開を果たしてきましたが、造船事業を取り巻く厳しい環境などにより赤字受注を余儀なくされ、債務超過も四十二億円まで上り赤字が膨らむなど財務状況の悪化、資金繰りの手当もつかないなどにより、今回の措置に至ったと説明会の中で会社経営者側から説明されたと聞いております。県の出資団体である公益財団法人みやぎ産業振興機構も債権者の一つになっておりますが、現時点でのヤマニシの負債が約百二十三億円、債権者二百二十二名となっており今月に入ってすぐに債権者説明会が行われました。ヤマニシでは今後四月をめどに支援企業を選定し、経営改革しながら再建を目指していく方向が示されており、当面はメーンバンクの支援を仰ぎながら船舶の修繕事業を中心に事業継続していく方針が示されております。そこでまず伺いますが、債権者に対する支援について、県として今後どのように取り組んでいくのでしょうか。 造船業界も裾野が広くなっており連鎖倒産など懸念されますが、先般、石巻市や商工会議所からも東北経済産業局や県に対して支援の要望が寄せられ、相談窓口の設置などいち早く対応を決めておりますが、連鎖倒産防止資金やセーフティネット資金の活用など低利の融資のあっせん・支援策について伺います。 また、百五十人いる従業員の継続雇用についても、ヤマニシでは雇用維持を目指していくとしておりますが、県としてどのようなバックアップができるのでしょうか、お聞かせください。 以上で壇上からの質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 坂下賢議員の代表質問にお答えいたします。大綱六点ございました。 まず、大綱一点目、復興の総仕上げとポスト復興についての御質問にお答えいたします。 初めに、復興事業の完了に向けた対応についてのお尋ねにお答えいたします。 震災の発生からこれまで被災市町や国と力を合わせ復旧・復興に取り組んだ結果、県内の主要な道路や橋梁、病院、学校といった生活に密着した公共インフラの整備や災害に強いまちづくりに向けた取り組みは、おおむね順調に進捗している状況にあります。しかしながら、市町の事業も含め一部のハード事業については、計画変更や事業間調整等により想定以上の期間を要している箇所も残っていることから、引き続き、関係機関と連携を密にしながら復興計画期間内の完了を目指し更に事業を推進してまいります。なお、やむを得ない事情により期間内に完了できないことが見込まれる事業については、昨年十二月に閣議決定された復興・創生期間後の基本方針に係る調整過程において既に国と協議を進めているところであり、事業の進捗状況を踏まえ国の支援が継続されるよう全力で取り組んでまいります。 次に、県内総生産十兆円の目標達成と復興工事完了後の県内業者の継続・安定についての御質問にお答えいたします。 東日本大震災以降増加し続けていた我が県の県内総生産は、平成二十八年度に震災後初めてわずかに減少しました。これは震災からの復旧・復興工事の進捗を背景とした工事の減少などにより、建設業などの第二次産業がマイナスに寄与したためと考えられます。県といたしましては、富県宮城の実現に向け、ものづくり産業の集積に加え次世代放射光施設の利活用によるリサーチコンプレックスの形成や、AI・IoTなど先端技術を通じたイノベーションの創出、インバウンドなど交流人口の拡大による観光産業の成長促進など、人口減少、少子高齢化など大きな社会環境の変化に対応した産業振興政策を展開してまいります。 また、復興需要収束後も県内の建設事業者が老朽化の進むインフラの維持管理や防災・減災、国土強靭化への対応など、地域の守り手としての役割を担い建設業が持続的に発展できるような施策を引き続き実施してまいります。 これらの産業振興策を通じて、さまざまな産業に幅広い波及効果を生み出し県内産業の付加価値の創出につなげてまいりたいと考えております。 次に、中長期にわたる被災者支援においてどこに力点を置くのかについての御質問にお答えいたします。 公共インフラの整備や復興まちづくりなどハード面の事業については、完成の見通しが立ちつつある一方で、被災された方々への支援とソフト面については、よりきめ細やかに対応しなければならない課題が残されており、その状況も地域ごとに差異があることから、一つ一つの課題に丁寧に対応していく必要があると認識しております。このため、現在策定を進めております次期総合計画の骨子案においては、被災地の復興完了に向けたきめ細やかなサポートを柱の一つに掲げ、心のケアや地域コミュニティーの再生支援など生活再建の状況に応じた切れ目のない支援、回復途上にある産業・なりわいの下支えなどの取り組みに注力していくという考えをお示ししたところであります。今後とも、こうしたソフト面の課題解決に向け、国や被災市町、NPOや関係団体等と緊密に連携を図りながら一人一人に寄り添った支援に努めてまいります。 次に、被災者の住居の確保について、不公平感が生じない施策を行うべきとの御質問にお答えいたします。 東日本大震災において壊滅的な被害を受けた我が県沿岸部では、その復興に当たって高台移転や内陸移転などにより、被災した集落や市街地を新たに整備する必要があったため、発災直後から地域の合意形成などに時間を要することが懸念されておりました。このため、県では沿岸市町に対し被災状況や地形を踏まえた復興まちづくり計画案を示し、更には復興まちづくり事業カルテにより箇所ごとに事業の進捗を管理しながら、土木部市町支援チームによる住宅再建のための指導・助言などを行ってまいりました。加えて膨大な復旧・復興工事が行われる中で、技術者不足や資材不足等による影響の拡大が懸念されたことから、その時々の事象に応じて復旧・復興建設工事共同企業体制度の創設や資材供給が難しい地域への生コン供給のための仮設プラントの設置、遠隔地からの資材調達に係る費用の計上など、さまざまな対策を講じてきたところであります。県といたしましては、東日本大震災での取り組みや教訓を生かし、今後とも被災された方々の住居の確保など被災者に寄り添った対策が講じられるよう取り組んでまいります。 次に、子供・子育て支援の充実と人口減少に立ち向かう方向性についての御質問にお答えいたします。 県では、平成二十七年に宮城県地方創生総合戦略を策定し、安定した雇用の創出や子供を産み育てやすい環境づくりを初めとしたさまざまな施策を推進してまいりました。特に子供の健やかな育ちと子育てを支えることは、我が県の未来の構築につながる最重要課題の一つと認識しており、現在策定を進めております次期総合計画の骨子案においても政策推進の基本方向となる新たな柱として位置づけたところであります。県といたしましては、今後とも企業誘致による産業集積や地域産業の競争力強化によって若い世代の雇用機会をしっかりとつくり出すとともに、市町村と連携した総合的な母子保健対策やニーズに応じたさまざまな子育て支援の充実、企業や地域との協働に一層力を入れることで、誰もが安心して子供を産み育てることのできる社会づくりを進めてまいります。 また、これらの取り組みにより大幅な人口減少に歯どめをかけ、持続可能な地域社会を構築してまいります。 次に、大綱二点目、新型肺炎対策についての御質問にお答えいたします。 初めに、新型肺炎の感染拡大に対する県の分析についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年十二月に中国湖北省武漢市において確認された新型コロナウイルス感染症については、国内外において感染者数が増加し早期の事態収束が見通せない状況となっております。中国国内の初動体制やWHOの緊急委員会による緊急事態宣言の判断については、さまざまな見方があると思いますが、我が国においては緊急事態宣言を待たず政府対策本部を設置するとともに指定感染症に指定し、入院措置を可能にするなどの対策が講じられたことは評価できるものと考えております。 次に、感染症等発生への準備状況についての御質問にお答えいたします。 県においては、既に新型インフルエンザ等対策特別措置法の制定や政府行動計画の策定を踏まえ県行動計画や対応マニュアルを策定し、急速に蔓延し重篤になるおそれのある新たな感染症の発生を想定した初動体制の確認などを行う訓練を実施してまいりました。今般の新型肺炎発生を受け、国に先駆け一月二十七日に宮城県新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、全庁的な体制を整えるとともに有識者の意見を伺いながら医師会等の関係機関とも連携し、発生予防と蔓延防止に向けた準備に努めてきているところであります。 次に、空港や港などの水際対策と県の対策についての御質問にお答えいたします。 県内の空港や港では、検疫所においてポスターでの流行地域滞在歴等の自己申告の呼びかけとともに、質問票の回収やサーモグラフィーによる体温の計測等を行い、症状のある方や濃厚接触者等の把握を行っております。今月一日には検疫法に基づく検疫感染症に指定され、更に今月十四日には必要な隔離や停留が行えるようになり水際対策の強化が図られたものと認識しております。これら水際対策は国が主体となって行うものでありますが、県といたしましては検疫所と連携を密にし県内の蔓延防止に努めてまいります。 次に、県内自治体の対策本部や相談窓口とコールセンターとの情報共有、連携体制の構築についての御質問にお答えいたします。 県では、一月二十四日から本庁及び各保健所に相談窓口を設置し県民からの相談に応じてまいりましたが、今月四日からは仙台市と共同でコールセンターを設置し県内における相談窓口の一元化を図ったところであります。多くの市町村において対策本部を設置して体制を整えるとともに、県のコールセンターの電話番号等をホームページで周知するなど対応に努めていると承知しております。県としては、引き続き市町村と連携して県民に対して正確な情報提供を行い、不安払拭にしっかりと取り組んでまいります。 次に、患者に対応する医師や看護師の体制と検査体制の強化についての御質問にお答えいたします。 県では、今月六日に感染症指定医療機関等を参集した感染症ネットワーク会議を開催し、専門家を交え患者の受け入れ時における課題について情報共有を図ったところであります。現在、感染症指定医療機関は七カ所、二十九床あり、医師や看護師は県内で患者が発生した場合においても十分に対応できるよう平時より新しい感染症に対応する訓練を行っております。更に、感染症指定医療機関以外の医療機関にも協力を要請し、入院患者受け入れ体制の拡充を図っているところであります。 また、県内の検査体制につきましては、県保健環境センター及び仙台市衛生研究所の二カ所で検体の検査が可能となっております。今後、検査対象者が増加した場合に備えて、国が医療機関や民間検査機関による検査実施など検査体制の強化を進めていることから、国の動向を踏まえ適切に対応してまいります。 次に、予防対策の周知徹底と市町村への助成制度創設や予防促進方策についての御質問にお答えいたします。 感染予防のためには、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にせきエチケットや手洗いなどを実施することが大変重要であり、国や県では新型コロナウイルス感染症に関する啓発資料を作成し、市町村や関係団体等を通じて予防対策の周知を図っております。現在マスクや消毒液などの衛生資材が十分に市場に流通していないことから、妊婦や高齢者にマスクを配布している市町村があることは承知しております。県といたしましては、市町村が備蓄しているマスクを借り上げ、県医師会と連携し県内の民間医療機関に配布したところであり、お借りしたマスクについては当該市町村に補填することとしております。なお、予防対策については、引き続き市町村、医療機関、社会福祉施設、学校や職場など地域のネットワークを活用し、県民一人一人に最新の情報が行き渡るように努めてまいります。 次に、我が県経済の影響と対策についての御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症による県経済への影響については、現在関係団体の協力等も仰ぎながら状況把握のための情報収集に努めておりますが、例えば製造業における中国国内の生産拠点の稼働状況や中国との物流への影響のほか、観光分野においては中国だけでなく国内の団体旅行客からもキャンセルが出ているなどの情報を得ているところであります。県としては、新型コロナウイルス感染症により影響を受ける事業者向けの相談窓口を今月十八日に設置し、中小企業・小規模事業者からの経営相談にきめ細かく対応することとしております。 また、事業者の資金繰りを支援するため、一般資金や小口事業資金などの制度融資により対応するとともに、通常の保証枠とは別枠で金利も保証料も有利な条件となるセーフティネット資金の適用について、国に強く要請しているところであります。今後も事態の推移や我が県経済を取り巻く状況の変化を見きわめつつ、国とも連携しながら必要な対策を講じてまいります。 次に、新型肺炎に関する適正な情報発信についての御質問にお答えいたします。 県では、啓発資料を関係機関に配布するとともにホームページやSNSで情報提供を行い、冷静な行動を呼びかけてきたところであります。 また、コールセンターを設置し県民の皆様の相談や不安に対応しているところであり、今後も感染症に罹患した方などが差別を受けることがないよう積極的に正しい情報の発信に努めてまいります。 次に、中国への支援についての御質問にお答えいたします。 東日本大震災の際には、中国吉林省から十万米ドルの義援金のほか飲料水十トン、ゴム手袋一万組の支援をいただき、物心両面で厚い支援をいただいたことに大変感謝をしております。今回吉林省などからも我が県に対して支援物資の提供について相談があったことから、直ちに送付可能な物資として県の備蓄物資の中から市販用のマスク五千五百枚、現地事務所がある遼寧省大連市にも市販用のマスク千枚を提供いたしました。県といたしましては、我が県の防疫体制の構築に影響のない範囲で継続して支援物資の提供を検討してまいります。 次に、新型肺炎対策に取り組む姿勢と決意についての御質問にお答えいたします。 現在、国主導のもとワクチン開発が急ピッチで進められておりますが、実用化までには一定の時間を要するものと認識しております。県としては県民の安全・安心を確保するため、国や市町村、医療機関などと十分に連携を図りながら新型肺炎対策に全力で取り組んでまいります。 次に、大綱三点目、宿泊税についての御質問にお答えいたします。 初めに、今議会に条例を提案した理由についてのお尋ねにお答えいたします。 急激な人口減少社会が到来する中、地域経済を持続的に発展させるためには、高い経済効果をもたらすインバウンドや交流人口の拡大が必要であり、今後も切れ目のない観光振興施策を安定して展開することが極めて重要であります。一方で、県の観光関連予算の約七割を占める国の東北観光復興対策交付金や復興関連基金は、今後確保が難しくなるとともに社会保障の拡充やインフラ老朽化など、避けがたい需要増が見込まれる一般財源を観光関連予算にこれまで以上に充当することは極めて厳しい状況にあります。こうした中、先月、宮城県観光振興財源検討会議から示された答申内容を受け、私としては切れ目のない観光振興を図るために令和三年四月から新たな財源を導入することが最善であるとの考えに至りました。 また、県や宿泊事業者の皆様のシステム改修や制度の周知期間を考慮すると最低でも一年程度の準備期間が必要と考え、今議会に条例を提案することにしたものであります。 次に、三千円以上の宿泊に対し三百円の課税とした理由についての御質問にお答えいたします。 検討会議の答申を受け、県としては宿泊税の導入を検討するため二つの税率案を示し、県民及び宿泊事業者説明会などを通じて意見を幅広く伺ってまいりました。これまでいただいた意見の中には宿泊税を徴収する際に宿泊事業者の負担を考慮し、できるだけ簡素な税制度が望ましいとの意見があり、また、検討会議の答申でも宿泊者が旅行によって受ける観光情報やWi-Fi環境、決済機能など快適な旅行環境に関連した公共サービスの受益の程度は、宿泊料金にかかわらず同等であるとの考えが示されたこともあり、最終的には三千円以上の宿泊に対し一律税率三百円とする案を採用し、提案することにしたものであります。 次に、税率の妥当性の検討状況と、利用者や宿泊事業者等の視点が欠けているのではないかとの御質問にお答えいたします。 検討会議の答申では、観光振興に向けて必要な施策の事業規模として最大四十五億円と試算し、税率については他の自治体の例を参考に納税義務者にとって過度な負担となり過ぎない百円から五百円の範囲内で設定することが望ましいと示されました。答申を踏まえ、県が実施する施策として財源を有効に活用する視点で精査したところ、三十二億円程度の事業規模が必要であり、年間宿泊者数を約一千万人と見込んで税率を三百円と設定したところであります。課税対象となる宿泊をされる方々を初め、特別徴収義務者となる宿泊事業者の皆様にも御負担をおかけすることになりますが、今後県の人口が大きく減少していくことを踏まえると今後も観光振興策を更に充実させ、インバウンドや交流人口の拡大により地域経済を活性化させることが不可欠であることから、御理解をいただきたいと考えております。 次に、観光予算の検証と総括についての御質問にお答えいたします。 現在取り組んでおります観光振興施策については、第四みやぎ観光戦略プランに基づき観光客入り込み数、宿泊観光客数、外国人観光客宿泊者数、観光消費額の四つの数値目標の達成を目指して事業を実施しているところであります。それら観光振興施策の検証につきましては、観光戦略プランに基づき年度ごとに実施した事業の成果を取りまとめており、その結果は翌年度の県議会に報告させていただいております。 また、事業としては国内外の観光プロモーションなどのほか、外国人を初めとした観光客の受け入れ環境整備や宮城オルレの推進など観光資源の発掘・磨き上げ、被災地における宿泊観光施設等への整備支援などにも取り組んできたところであります。その結果、県内の観光客入り込み数や外国人観光客宿泊者数が増加するなど一定の成果があらわれているものと認識しております。今後とも観光戦略プランで掲げている目標の達成に向けて効果的な事業実施に努めてまいります。 次に、宿泊税導入に伴う宮城離れについての検討状況はどうかとの御質問にお答えいたします。 検討会議で実施したヒアリングや県民説明会などにおいても、特に隣県と隣接している地域では他県へ宿泊客が流出する懸念が示されているところであります。一方、観光客が旅行先を選ぶ際には、魅力的な観光資源や周遊コース、快適な旅行環境なども重視しており、それらが整っていることも大変重要であります。そうしたことから県といたしましては、より多くの観光客に県内にできるだけ長く滞在し、宿泊していただけるよう地域を周遊できるコース設定や、観光資源の磨き上げに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、仙台市との協議及び県民、関係団体との意見交換や説明方針についての御質問にお答えいたします。 仙台市では、先月、仙台市交流人口拡大財源検討会議を設置し、現在宿泊税の導入も含めて議論が重ねられており、まだ正式に意思決定がなされていないものと承知しております。県といたしましては、仙台市の動向を注視し、仙台市が正式に宿泊税導入を決定した場合には速やかに協議に応じてまいりたいと考えております。 また、宿泊税の制度は県民や特別徴収義務者となる宿泊事業者の皆様の御理解、御協力がなければ成り立たないと考えており、これまでも説明してまいりましたが、今後も県幹部が直接継続的に説明に赴き御理解が得られるよう努めてまいります。 次に、大綱四点目、我が県の原子力政策についての御質問にお答えいたします。 初めに、東京電力による漁業及び水産加工業への損害賠償についてのお尋ねにお答えいたします。 宮城県漁業協同組合は、東京電力と令和二年度までの損害賠償について合意しており、これまでの県内漁業者からの請求に対し、おおむね支払いが完了していると聞いております。しかしながら、昨年のWTOにおける逆転敗訴は我が県水産業にとって深刻な問題であることから、県では東京電力に対し令和三年度以降の賠償の継続について要請し、既に県漁協との間で協議が進められているものと承知しております。なお、我が県の水産加工業者については事故との因果関係が認められた損害は賠償されており、福島県と同様の内容と認識しております。今後とも風評被害が完全に払拭されるまで、必要な賠償が行われるよう東京電力に強く要請してまいります。 次に、汚染水の処分方法についての御質問にお答えいたします。 経済産業省の小委員会において今月十日に公表された報告書では、処分方法の三案に加えリスクコミュニケーションの取り組みや経済的支援など、風評被害対策の方向性についても提言されており、国においては、今後地元の意見を聞きながら最終的な処分方針を決定することとするとしております。県ではALPS処理水の取り扱いについてわかりやすく情報提供し、地元関係者だけではなく国民の理解を得られるよう丁寧かつ慎重な検討を要請してきたところであります。今後も東京電力に対しては定期報告や現地調査の機会を捉え必要な要請を行うとともに、国に対しては風評被害対策を含めしっかりとした対応を強く求めてまいります。 次に、放射性物質検査の検査体制の効率化や安全性のPR等についての御質問にお答えいたします。 県産農林水産物等の放射性物質検査については、国のガイドラインに基づき県計画を策定し検査を実施しておりますが、これまでも検査結果を踏まえ検査対象を見直すなど検査体制の効率化を図ってまいりました。また、検査結果については定期的に記者発表するとともにホームページで公表しており、国内外の消費者の皆様に県産食材の安全性をPRしております。県としては消費者の皆様の不安解消と風評払拭に向け、今後とも効率的な検査の実施と速やかな情報発信に努めてまいります。 次に、風評被害の払拭と販路拡大についての御質問にお答えいたします。 原発事故に伴う風評被害の払拭に向け、県では各種広報媒体や各種イベント等において積極的な情報発信を行ってまいりました。その結果、東京アンテナショップや県外物産展の売り上げは年々増加しており、首都圏を初めとした県外における風評被害の払拭、販路の拡大につながっているものと考えております。今後とも私が先頭に立って県産品の魅力を発信し、全国の消費者の皆様が県産品にじかに触れ味わっていただくことを通じて、風評被害の払拭と更なる販路の拡大に取り組んでまいります。 次に、女川原発一号機の廃炉についての御質問にお答えいたします。 東北電力女川原子力発電所一号機の廃炉については、現在廃止措置計画の認可に関し原子力規制委員会において審査が行われております。県では、この計画について東北電力から安全協定に基づく事前協議を受けており、今後国の審査を踏まえた計画の内容や安全対策等について確認した上で回答することになります。なお、実際に廃炉作業が進められる段階では、安全協定に基づき東北電力から定期的に報告を受け各工程において必要な確認や要請を行ってまいります。 次に、女川原発二号機再稼働に係る県民意向の把握と住民投票条例案についての御質問にお答えいたします。 仮に国が女川原子力発電所二号機の再稼働を進める方針を決定した場合には、住民説明会を開催した上で、県内市町村長や県民の代表である県議会の意見をしっかりと伺いたいと考えております。女川原子力発電所二号機の稼働の是非に係る県民投票条例については昨年の二月定例会において一度議論されておりますが、今回改めて条例案が議員提案されるということであれば、議会においてその内容を議論いただきたいと考えております。 次に、安全性検討会の検討結果についての御質問にお答えいたします。 女川原子力発電所二号機の安全性に関する検討会については、これまでに二十二回公開で開催し、八十五の論点項目について専門的知見を有する委員から意見聴取を終えております。今後は原子力規制庁の審査官を招き国の審査の結果について説明を受ける予定であります。なお、検討会からは委員の要望や意見を論点ごとにまとめ県に報告いただくことになっておりますが、その時期はまだ未定であり、また、一般からの意見聴取は想定されておりません。 次に、石巻市及び女川町並びにUPZ五市町への対応についての御質問にお答えいたします。 安全協定に基づく事前協議に対する回答については、原子力発電所の安全性を科学的・工学的観点から確認した上で判断するものであり、安全性検討会の議論の経過や意見等を踏まえ、女川町及び石巻市とその内容について協議することとなります。UPZ五市町については、県との覚書において県があらかじめ回答内容をUPZ五市町に説明し、意見等の提出があった際にはその意見を付して東北電力に回答することとしており、県といたしましては、この規定に基づき適切に対応してまいります。 次に、住民説明会の実施方法と県議会への意見聴取についての御質問にお答えいたします。 仮に、女川原子力発電所二号機における再稼働の方針について政府から理解確保の要請があった場合には、住民説明会を開催して関係省庁からその必要性、安全性、防災対策について説明を受けたいと考えております。なお、住民説明会はUPZ内を基本に数カ所程度で開催することを想定しておりますが、詳細については現在検討しているところであります。 また、県議会への意見聴取のタイミングについては、いまだ審査の途上であり現時点でははっきり申し上げられませんが、住民説明会を開催した後の県議会において議論をいただくことになると考えております。 今までは、大臣から同意が求められるというような表現をしておりましたが、正確には理解確保の要請があって理解を示す、示さないというような表現が正しいということでありますので、今後は同意が求められるというような表現は使わないで、理解確保の要請がある、なし、そして私が理解を示す、示さないという表現にかえさせていただきたいと思います。 次に、大綱五点目、東日本大震災追悼式についての御質問にお答えいたします。 被災地である我が県において、震災で亡くなられた方々に追悼の意を表し、震災の記憶や教訓を風化させることなく後世に語り継いでいくことは大変重要であると考えております。このため、県では三月十一日をみやぎ鎮魂の日と定めた上で、これまで県庁や大河原合同庁舎、大崎合同庁舎等に献花台や記帳所を設置し追悼の意を表するとともに、県内沿岸市町の追悼式に毎年、私を初め副知事や部局長が出席してまいりました。県といたしましては、十年の節目になる来年までは、これまでと同様の対応を行うことと考えておりますが、再来年以降の追悼のあり方については追悼式典を実施している沿岸市町の意向も参考にしながら今後検討してまいります。 次に、大綱六点目、県内の大型企業倒産についての御質問にお答えいたします。 株式会社ヤマニシは、東日本大震災で壊滅的な被害を受けながら関係機関の手厚い支援のもと、翌年には本社工場を再建し復興の象徴的存在として被災地の経済再生をリードしてきただけに、今回の更生手続開始の申し立てに至ったことは大変残念な思いで受けとめております。同社は大正九年設立の老舗造船会社として協力企業や下請企業を多数有していることから、取引先も含めた地域の中小企業者への影響が懸念されております。このため、県では債権者や取引先などを対象とする相談窓口を今月十四日に設置し事業者からの経営相談にきめ細かく対応するほか、連鎖倒産防止資金や昨日国の指定により取り扱いが開始されたセーフティネット資金などの県制度融資により、関係事業者の資金繰りを支援しているところであります。今後とも石巻市や石巻商工会議所と緊密に連携をしながら必要な支援に努めてまいります。 また、従業員の雇用維持につきましては今後の推移を慎重に見守り、万が一、短期間に相当数の離職者が発生する場合には、県としても宮城労働局などと連携し適切に対応してまいる所存であります。 以上でございます。 ○議長(石川光次郎君) 四十二番坂下賢君。 ◆四十二番(坂下賢君) 知事、御答弁いただきましてありがとうございました。 まず、女川原発二号機の再稼働について住民の意見をどう把握し、聴取するかということなんですが、知事は昨年二月議会で議論されました、この市民団体からの住民投票条例案について多様な観点からの議論が必要なことから、県議会の議論が有益で県内市町村長の意見をしっかり伺って判断することが妥当だというような意見を付しております。それでは、この住民からの意見というものを一体いつ聴取し把握するのかということなんですが、同意じゃなくて理解するかしないかということだそうですが、そのことがあってから説明会を開催すると、UPZ圏内も含めて何カ所かということだったんですが、これまで住民からの意見聴取ということは知事として余りやってこなかったと思うんです。今回その説明会をやるということで、これは県が設置して国の省庁担当者に説明させるというようなお話だったんですが、知事は議会の中で今まで避難計画の実効性だとか議論になったときには、国の責任だということで一貫して明言はしてこなかったんですが、例えばそういった部分についても、その説明会の中でしっかりと国の担当者であれば、その方々から説明をさせて住民からの疑問にも答えさせるということでよろしいんですか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) その前に一カ所答弁の訂正をさせていただきたいと思います。 先ほど、女川原発一号機の廃炉についての質問に対する回答の中で、冒頭、東北電力女川原子力発電所一号機というところ東京電力女川原子力発電所と言い間違えましたので、東京ではなく東北電力女川原子力発電所一号機と訂正をさせていただきたいと思います。 今の質問に対する回答でございますが、当然、住民説明会を行って、そしてそこの場で国の責任のある方にしっかりと説明をしていただくということは重要だと思ってます。まだ国から何もその点についてお話が来ておりませんで、まだ審査途上だということでございますので、現時点においては具体的にこうするということをまだ申し上げる段階ではないと思ってございますが、いずれにせよ、理解確保の要請が経産大臣から私のところに届くようなことがあれば、その際にはよく調整をして、しっかりと住民説明会を行いたいと思います。それも、できるだけ、少なくともUPZの地域の皆さんが参加できるような回数、場所で行えるように調整をしてまいりたいと思っております。 ○議長(石川光次郎君) 四十二番坂下賢君。 ◆四十二番(坂下賢君) 知事は議会ともしっかり議論する、意見を聴取するということなんですが、これまでも国の専権事項だということで議論がかみ合ってなかったんじゃないのかなと思うんです。理解するか、しないかの議会での議決権というものは、ないのかもしれませんけど、既に再稼働した他県の例を見ますと議会みずからが請願とか陳情の審査をしたり、みずから提案した決議案、意見書、こういったものを議会が結論を出すということがこれまでだったんですが、知事はそういった議論に知事自身どういうふうにアプローチしていかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 先ほど申し上げましたが、まだ審査途上でございますので、これからのことについては具体的な言及は避けなければならないと思ってございますが、少なくとも議会の判断というものをがどういう形になるかは、現時点においてはわかりませんが、いずれ国から原発の再稼働に向けて何らかの動きがあった場合には、議会がどのような考え方をしているのかということを自分なりに注意をもって見守っていきたいと思っております。私から何かしてくれというよりも自然に議会としていろんな議論が出てくると思いますので、そういったようなものを自分なりによく注視して見てまいりたいと思っております。 ○議長(石川光次郎君) 四十二番坂下賢君。 ◆四十二番(坂下賢君) 時間ですので終わりますが、そろそろ知事は自分の意思を理解するのか、しないのかを明らかにする時期だと思っていますので、そのことを申し上げて終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(石川光次郎君) 暫時休憩いたします。    午後二時十五分休憩-----------------------------------    午後二時五十分再開 ○議長(石川光次郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。二十四番三浦一敏君。    〔二十四番 三浦一敏君登壇〕 ◆二十四番(三浦一敏君) 日本共産党宮城県会議員団を代表しまして、代表質問を初めてさせていただきます。 前者と一部重なるところもありますが、お許しをいただきたいと思います。 まず冒頭、連日報道されている新型肺炎コロナウイルス対策について伺います。 日本政府の初期対応のまずさが国内外から批判されています。大型客船ダイヤモンド・プリンセスに多数の人たちを閉じ込めたまま、連日、船内感染が拡大したことです。乗客乗員全員の検査を、なぜもっと早く実施しなかったという指摘です。そうこうしているうちに、国内感染も広がり、中国湖北省や浙江省と関係のない、感染ルートが特定できないケースも広がっています。まだ宮城県では幸い新型肺炎の患者は出ておりませんが、政府からの指示待ちにならず、感染防止と患者が発生したときの対応を急がなければなりません。 そこで伺います。宮城県でウイルス検査できる施設はどれほどあるのか。また一日に検査可能な検体数は幾らか。 万一感染者が出た場合、指定病院はどこで、どれだけの収容ベッドがあるのか。また受け入れ可能なのか。 三つ目、不足するマスクの確保のため、市町村から三十万枚借り上げて医療機関に対応するということですが、本来県として備蓄しておくべきだったと思うがいかがか。 四つ目、県民の不安にどう応えていくかという問題と、対応する医療機関あるいは一般医療機関の医療スタッフを守っていくという、大変難しい問題があります。冷静かつ軽視しない対応をわかりやすく県民に周知することが大切と思います。以上の点についてお答えください。 次に、県震災復興計画最終年度に当たっての認識を伺います。 知事は、当初予算の説明要旨の中で、東日本大震災の発生から九年、十年目に突入しているとき、創造的復興完遂の言葉はあったが、被災者の生活となりわいの再建への意気込みは、私には感じられないものでした。知事は一月十四日付石巻の地元紙インタビューで、震災復興は将来を見据えた日本のモデルとなるよう、民間を最大限活用した創造的復興の取り組みを進め、着実に実を結んできたと述べています。私には大変な違和感があります。それは、県営の復興住宅は一戸もつくらない。水産特区を強行したが、誰もそれに続く浜はなかった。被災者医療費のいち早い打ち切り。独自の生活再建や住宅再建支援は創設しない。画一的な高すぎる防潮堤の建設など、矛盾は大きいのであります。岩手県と対比して、被災者目線の人間復興だったのかが問われています。よいことばかりでなく、策定中の宮城県震災復興計画の検証にも、こういう視点を反映させるべきです。知事は所信の中で、被災された方々に寄り添って、きめ細かい息の長い支援の継続と述べています。言葉だけにせず、被災者や被災自治体の意向をよく聞いて対応してほしいと思いますが、いかがでしょうか。 首相主催の桜を見る会疑惑が安倍首相を直撃し、一年半ぶりに支持率と不支持率が逆転する。それに追い打ちをかける、安倍政権の成長戦略の目玉としてきたカジノを中核とした統合型リゾート事業をめぐり、自民党の秋元衆議院議員が収賄容疑で逮捕され、疑惑は深まっています。政治のモラル破壊が進み、いよいよ安倍政権の終わりが見えてきた二〇二〇年であります。 ところで、村井知事は仙台空港民営化に関連し、昨年の当初議会に五百万円の予算を計上し、IRカジノ誘致可能性調査をコンサルに検討させてきました。その報告書によれば、事業採算性を考慮すると過大投資となることが想定されるとなっています。私たち日本共産党県議団は、どのような動機があるにせよIRカジノ検討などをやるべきでないと厳しく指摘してきました。人の不幸を食い物にする海外大手カジノグループに、多額の資金を流し込むIRカジノ疑惑は、まさに利権の構図だったことが誘致段階からも明らかになりました。知事のIR汚職事件への所見と、仙台空港へのカジノ誘致はきっぱりやめるべきと思いますが、いかがでしょうか。 次に、今話題の県美術館の移転問題について伺います。 今回の移転案は二重三重に問題があります。何よりも、文化芸術団体を初め、県美術館の発展にかかわってきた方々の意見も聞かずに方針案が突如出されたことです。県美術館は建設以来三十八年が経過し、二〇一五年度から大規模改修が検討され、二〇一八年三月にはリニューアル基本方針がまとめられ、県美術館が果たしてきた役割や今後の発展方向が関係者の努力で示されたばかりです。そこでは、現在の立地環境を生かした今後の機能と客観的優位性が強調され、場所が変わればこの基本方針は全て台なしになってしまいます。現在の美術館は、世界的な建築家、故前川國男氏の設計による近代的建物で、広瀬川沿いに立たずみ、静かな歴史、文化の薫り高い場所に立地していること自体が美術館全体の景観を醸し出しているといえます。 二月十五日、県美術館についてのシンポジウムに行ってきました。建築の歴史研究科の松隈洋教授は、宮城県美術館は前川國男氏が学芸員と一緒に組み立てたもので、これまでの彼の到達点と言えるものと紹介していました。県民会館だけでは医療センター跡地が埋められない。そこで国の有利な起債活用を急ぐ県は、移転・集約案を十一月十八日、県有施設の再整備のあり方を考える有識者懇話会で示しました。歴史を踏まえず、現地での改修方針を知事のトップダウンで突然ひっくり返すとはひどい話だ。猛省を促したい。基本方針に立ち戻るべきと思うがどうでしょうか。 河北新報社のLINEアプリのアンケートでも八割が移転反対。また有志グループが県議、仙台市議、学識経験者やインターネットでのアンケート調査でもやはり移転反対が八三・九%に上っている。知事の提案説明では、県民会館や美術館などの集約・複合化に向けた基本構想について引き続き検討を進めていくと述べて、四千二百万円の予算を計上しているが、全く反省がない。民意を受けとめ、美術館移転、新設をやめるべきと思うがお答えください。 大きな批判の中で、二月今議会に上程された宮城県宿泊税に厳しく抗議するものであります。そもそも、有識者検討会議に新税導入の意図を持って指示したのは、村井知事自身であります。検討会議の取りまとめ案を十一月二十日に行い、十二月六日から一月六日までの年末年始の一番忙しいときにパブリックコメントをとったことも、通常では考えられません。そのパブリックコメントでも一千二十八件中、七割から八割は宿泊税に否定的な内容といいます。そして一月十日に答申、一カ月後の二月十二日に条例提案は余りにも拙速で強引であります。知事はどう認識しているのかお聞きします。 急いで宿泊業者への説明会はやったものの、どこでも批判と異論が噴出しました。被災地の宿泊業者によれば、復興工事のための建設労働者は長期的契約者。工事終息の中、業者競争で宿泊料は低下傾向。一過性の客と違い新税賦課は重いと話します。また石巻旅館組合の組合長は、宿泊税は中小業者を潰す、これが県の政策かと怒りをあらわにしました。気仙沼や南三陸、そして鳴子関係業界からも正式に反対の要望が出されています。石巻圏域の県議と石巻市との懇談でも、石巻市から宿泊税に強い懸念が表明され、慎重に、つまり導入しないでとの要望書が出されました。そのくらい危機感を持っているということです。みやぎおかみ会の若おかみからは、村井知事から叱咤激励され、観光振興のために一緒に頑張ってきたのに、知事に裏切られたとその心情を表明しています。それでも知事は政治生命をかけて、この条例を提出したとはどういう意味でしょうか伺います。 また、仙台市と調整もしない中では、いずれ条例改正になるではありませんか。そういう矛盾を抱えたまま強行した理由は何でしょうか。 東京、大阪、京都、福岡などの大都市や観光都市のまねをして、東北の被災地宮城として宿泊税を導入するのは、そもそも論が間違っていると言わざるを得ません。経済商工観光委員会で、一月三十日、大阪府の宿泊税を調査してきました。七千円から一万五千円が百円で、七千円以下が免税。全宿泊者の五三%が課税対象です。しかも外国人が多数を占めます。宮城県とは状況が全く違うのです。宮城県の三千円以上の課税対象では、ほぼ全ての方が対象となるではありませんか。大半の方に一律に課税した理由をお聞きします。 仙台市では市内の宿泊業者を対象に意見募集を行い、市民に向けてアンケートもやるとしています。県も拙速に上程する前に、県内全ての宿泊業者にアンケートを出し、意見を聞くべきだったのではないでしょうか。私は今からでもやるべきと思いますが伺います。 みやぎ発展税、環境税、今度は宿泊税など税金をとることが好きな村井県政ですが、宿泊事業者の理解が得られない条例を提案して、これから説明に努力するとは順序が逆ではありませんか。景気が急速に悪化する中、矛盾が大きい宿泊税はやめるべきと思うがお答えください。 安倍政権は、国民の強い反対を押し切って原発を容認し、海外輸出を強めています。東京電力福島原発事故から九年目を迎えました。いまだに多くの人たちが原発に苦しみ、廃炉、汚染水対策など事故収束のめどすら立っていません。核燃料サイクルも破綻し、使用済み核燃料は処理の見通しもなくふえ続けています。更に、再稼働した原発が安全対策のおくれから次々と再停止に追い込まれています。原発へのテロ対策が起きた際の特重施設が期限内に完成しないためです。女川原発では、この対策はどのように対応されているのでしょうか伺います。 コスト削減の関係では、東北電力は女川原発二号機が再稼働すれば、年間三百五十億円の火力燃料費が低減できると発言しています。本当にそうでしょうか。龍谷大学の大島堅一教授の試算によれば、再稼働を中止すれば維持費五百五十四億円が削減でき、燃料代などバックエンド費用も不要になるのです。再稼働しないほうが結局トータルとして三百二十九億円も負担が減る驚くべき試算です。再稼働は実は誰のためにもならないのです。そのような認識はありますか。 原子力規制委員会が事実上の合格を出したが、県民の納得と合意は得られていません。福島事故の痛苦の教訓を踏まえれば、炉心溶融に万全の対策をとらなければならないのは当然です。しかし新規制基準は、欧州で認証され最新の原発に標準装備されているコアキャッチャーを要求しておらず、安倍首相が言う世界で最も厳しい水準どころか、世界レベルにはほど遠いのです。女川原発ではコアキャッチャーにかわる溶融炉心対策として、格納容器下部に水を張って溶融炉心を受けとめる対策がとられることになっています。これは、これまでに指摘したように、安全どころか水蒸気爆発を招く懸念があります。このような心配がある中、規制委員会が合格したからといって国の判断任せにすることは、県民の安全安心を最優先する最高責任者の知事として責任が持てないと思うが、見解を伺います。 更に大きな問題点として、新規制基準はセシウム137の放出量を百テラベクレル以下にすることを求めていますが、フィルターベントが使用できない場合、最後の手段として耐圧強化ベントを使用せざるを得ない。女川原発二号機では、最大で基準をはるかに超える三百六十テラベクレルの放射能を放出することがわかりました。これは不合格にすべきだったのではないでしょうか伺います。 仮に原子力規制委員会による適合性審査の結果が正式に出たときには、立地自治体や県民への説明会を開くべきと思いますが、いかがでしょうか。 女川原発の避難計画を考える会の石巻市民十七名が、宮城県と立地自治体の石巻市に対して再稼働の同意に応じないことを求める仮処分を申請し、審査が行われています。知事は十二月の一般質問の中で、広域避難計画の策定は国、内閣府の仕事であり、県には責任がないかのような答弁をしました。しかし、広域避難計画は内閣府の原子力防災担当の支援を受けながら、県と関係市町が一緒になってつくり上げることになっているではありませんか。国、内閣府が最終責任を持って作成するとしているが、それが本当に信用できるのか。県の責任を回避するような認識は許されません。再度お答えください。 避難計画で明らかになった問題点は、一・五キロメートル圏を最優先に、それ以外の三十キロメートル圏は屋内退避など、原発事故発生時に段階的な避難ができるのか、どのように徹底するのか。二として、避難経路の途中で退域時避難検査所と受付ステーションの二カ所のチェックポイントを経るわけですが、退域時検査所を十八カ所にふやしたが、何台の車が集中し、検査に係る時間の予測は立てられているのか。例えば私の地元、開北小学校区、四千四百台の車が避難完了するまで何時間かかると想定しているのか、はっきりお答えください。渋滞の予測、気象条件、道路事情などの程度を考慮しているのか。仮に退域時検査所を通ってこなければ、受付ステーションでは拒否するということか。 三つ目に、石巻市の人口十四万二千七百六十六人、五百五十五平方キロメートルの広さの人たちを、県内二十七自治体に振り分け避難するとしているが、短時間に避難が本当にできるのか。保育所や学校の子供たち、交通弱者や福祉介護、病院入院患者、障害者などを本当に安全に避難することが可能なのか。複合災害のときには避難先の自治体は受け入れできるのか。福島原発を教訓にすれば、三十キロメートル圏で区分することは無理があり、県外避難も考えなくてはならないのではないか。福島原発の教訓からして八十キロメートル圏まで避難、つまり全部が宮城県外となるのではないか。そうは思いませんか伺います。 気象条件、風向きによって想定する避難計画が全く機能しない心配が出てくる。それへの対応は誰がどのように判断するのか、この疑問に対しお答えください。 上工下水みやぎ型管理運営方式について伺います。 そもそも日本への水道の民営化は、二〇一三年四月、麻生副総理がワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所を訪れたときに、スピーチの中で日本の水道は全て民営化しますと発言したことから始まります。二〇一六年十月に安倍総理が出席して開催された未来投資会議に、村井知事もテレビ会議で参加し、上水、下水だけでなく、工業用水も一緒にして上工下水一体で民営化を考えていますと発言し、水道法の改正を要望しました。翌年三月の日経地方創生フォーラムで知事は、とにかく民間事業者のやりやすいようにすることを、上工下水道コンセッションの検討に当たって担当職員へ最初に指示したと述べています。そして二〇一八年十二月に水道法が改正されました。こうした流れを見ると、みやぎ型管理運営方式と名づけてはいるものの、水道民営化は知事の思いつきで始まったのではありません。世界の水メジャーや大企業が水道事業への参入を企て、それを安倍政権が促進し、その先陣を切って、全国初を好む村井知事が復興の一丁目一番地として導入しようとしているのが実態であり、人口減少の中、管路更新に莫大な費用がかかり、このままでは水道料金が大幅に引き上がるので、それを防ぐために民営化を考えたというのは、私は後からくっつけた理屈づけではないかと言わざるを得ません。いかがでしょうか伺います。 県当局は、コンセッション方式でやれば二十年間で県五十億円、運営権者が百九十七億円、合わせて二百四十七億円削減できるとしています。運営権者の百九十七億円削減の中身は、委託費百八億円、薬品費二億円、動力費や修繕費、管理費等で三十六億円、合わせて百四十四億円、そして更新投資の百三十億円です。知事はよく薬品が一括購入できるメリットを言いますが、二十年間で二億円の削減にしかならない薬品費を殊さらに強調するべきではありません。それより百八億円も削減できると主張する委託費はどういう中身なのか。委託費の削減は委託先で働く労働者の賃金低下につながるのではと危惧します。お答えください。 また更新投資の百三十億円の削減とは、どういう内容を想定して出てきた数字なのか、具体的にお示しください。 また、県は人件費十五億円と企業債利息などで五十二億円削減できる一方で、モニタリングで二億円の支出があるとしていますが、県が行うモニタリングはどういう内容なのか。上工下水それぞれ誰がどう行うのか。抜き取り検査も行うのか伺います。 水道料金が二十年間で約一割値上げを抑えるとした根拠は何か伺います。 下水道の排水基準の検査について、昨年十一月定例会本会議において、我が会派の金田もとる議員の質問に対して、当局は現行と同等レベルを求めると答弁しました。しかし一月の建設企業委員会において、福島かずえ議員の現在行っている検査について、頻度を間引きすることなく、同じように運営権者に行わせると約束できるかという質問に、当局は性能発注を理由にして明言しませんでした。性能発注だから検査の頻度は運営会社に任せるということは、事故を未然に防ぐために必要な頻度で検査する現状から後退すると言えます。問題や事故が起きてからでは取り返しがきかないのではないか伺います。 現在、仙塩流域下水道仙塩浄化センターなどの指定管理を請け負っている宮城県下水道公社は、もともと県が出資し、技術力を担保するためにつくった外郭団体です。下水道の運営権を民間事業者に売却するコンセッションを行うことになれば、この下水道公社を解散するという話が出てきています。宮城県が養ってきた技術力を県が持ち続けるためにも公社は存続すべきです。考えを伺います。 水道事業も同様です。年々技術力が失われている企業局が、更に運営権を売却すれば、運営権者の業務水準などを指揮、監督することは不可能になり、結局誰も責任をとらない仕組みになるとの専門家の指摘があるが、こういう声にどう答えるのか伺います。 最後に、気候変動の深刻さと水産業について。 昨年十一月に発表された国連環境計画によれば、現在各国から出されている目標どおりに削減しても、世界の平均気温上昇は産業革命前に比べ、今世紀中に三・二度上昇し、地球は破局的事態に陥るといいます。パリ協定で掲げる一・五度以内に抑制するには、削減目標の大幅な引き上げが必要となります。そのためには、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにしなければなりません。宮城県の目標もそれを掲げていますが、あと三十年、それをなし遂げるために、あと数年の取り組みが正念場となっています。南極の気温が二十度になったとか、あるいはオーストラリアの森林火災や、日本でも、宮城県でも台風、豪雨災害の大規模化、猛暑による農業被害、海水温上昇による漁業被害など深刻であります。知事は気候変動についてどのような認識か伺います。 一番の元凶である石炭火力発電所を新設させない。既に稼働中の火力発電所でも世論の力で操業停止に追い込んでいくことが大切です。仙台パワーステーションの進出阻止に有効な手を打たなかった県の姿勢、また石巻港雲雀野県有地を売却したいがために、環境を悪化させる輸入バイオの危険性に手を貸す姿勢は大問題であります。知事の見解を求めます。 東松島市など五市町が、東北SDGsの未来都市サミットで気候非常事態宣言を打ち出し、長野県では都道府県レベルで初の宣言を出しました。これらの自治体に学び、気候非常事態宣言を宮城県としても行い、本気になった取り組みを開始すべきと提案しますがいかがでしょうか。 次に、宮城の大事な漁業、水産の深刻な危機について伺います。 石巻、気仙沼、女川の各魚市場の水揚げは、昨年、数量、金額とも前年を下回り深刻な状況が続いています。東北の各市場が記録的不漁に頭を抱えています。私は先日、県水産技術総合センターに伺い話を聞きました。女川沖の江島に約百十年間の歴史を持つ定置観測所があり、住民が一日二回水温を測定し、現在は自動観測になっているが、一九一一年から二〇一八年までの百七年間に〇・八一度上昇した。これは地球全体の平均〇・五六度よりも高くなっているショッキングな報告でした。この近くには大量に流す女川原発の温排水もあります。その結果、浅いところに生息するコウナゴは、仙台湾、陸奥湾、伊勢湾など、どこでも大変な不漁になっています。逆に高級な鍋料理に使うカニのガザミが、本来なら有明や瀬戸内海でとれるが、二〇一五年には県内で全国一位の五百十八トンの漁獲量になっています。また日本海でとれるサワラやブリ、そしてタチウオがふえています。海水温上昇はこれからも続く中、冷水性の魚種が減少し、暖水性の魚種がふえる状態となります。これらの変化に対応した水産加工の工夫や調理方法など、県として本格的な対策をとるべきと思いますがいかがでしょうか。 九月二十七日、全国豊かな海づくり大会が宮城県石巻魚市場で初めて開催されます。一過性のイベントに終わらせることなく、世界三大漁場の一つである三陸金華山沖漁場を持ち、豊富な養殖漁業や特定第三種漁港を三つも抱える水産県宮城として、水産振興の予算と体制を抜本的に強化すべきと思います。その決意を伺いまして、壇上での質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 三浦一敏議員の代表質問にお答えいたします。大綱六点ございました。 まず大綱一点目、新型肺炎への対応についての御質問にお答えいたします。 初めに、検査体制についてのお尋ねにお答えいたします。 県内で新型コロナウイルスを検査できる施設は、県保健環境センターと仙台市衛生研究所の二カ所となっております。 また、両施設とも一日の検査可能検体数は、現在のところ十検体となっております。 次に、指定病院についての御質問にお答えいたします。 県内には感染症指定医療機関が七カ所、病床数は二十九床あり、これらの施設では平時から訓練を実施し、新しい感染症患者の受け入れ体制が整えられておりますので、新型コロナウイルス感染症患者についても受け入れ可能となっております。 次に、マスクの備蓄についての御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大により、マスクが品薄となり、供給に時間を要する状況になったことから、医療機関の診療体制を確保するため、市町村が備蓄しているマスクを一時的に借り上げ、県医師会を通じて診療所等に配布したところであります。県では業務で使用するマスクは一定程度備蓄しておりますが、今回の状況を踏まえ、全国的な感染症対策のためのマスクの確保方策について検討してまいります。 次に、冷静かつ慎重な対応の県民への周知についての御質問にお答えいたします。 県民の不安への対応と医療体制の安定的な確保のためには、正しい情報に基づいた冷静かつ慎重な対応を、わかりやすく県民に周知することが大切であります。県ではコールセンターを設置し幅広く相談に応じるとともに、啓発資料の配布により正しい情報を提供し、県民の不安解消に努めております。また、受診に当たっては特定の医療機関にとって過度の負担とならないよう、保健所に設置した帰国者・接触者相談センターにおいて受診先を調整し、適切な受診ができるようにしております。 次に大綱二点目、村井県政の問題点と課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、被災者に寄り添った支援についてのお尋ねにお答えいたします。 震災の発生以来、私は被災者の方々の生活支援と被災地の復興に最優先に取り組むとの決意のもと、被災市町や国と力を合わせて全力で取り組んできた結果、震災復興計画で目指した復興の姿はおおむね達成しつつあります。しかしながら、これまで進めてまいりました復興の取り組みの検証を踏まえると、ソフト面については中長期的な視点に立った対応が求められる課題が残されており、その状況も地域ごとに差異があることから、一つ一つの課題に丁寧に対応していく必要があるものと考えております。このため、現在策定を進めております次期総合計画の骨子案においては、被災地の復興完了に向けたきめ細かなサポートを柱の一つに掲げ、切れ目のない被災者支援などの取り組みに、引き続き注力していく考えをお示ししたところであります。 県としては、今後とも被災市町などとも緊密に連携を図りながら、被災された方々に寄り添ったきめ細かな支援に取り組み、一日も早く復興がなし遂げられるよう力を尽くしてまいります。 次に、IR汚職事件への所見と、県内へのIR誘致についての御質問にお答えいたします。 カジノを含む特定複合観光施設、いわゆるIRの国内への誘致をめぐり、関係者間において贈収賄が疑われる事件が生じていることは承知しており、このことによりIRに対して国民の抱くイメージに、少なからず影響を与えているものと認識しております。県ではIR関連法の成立と県内におけるIR誘致に向けた動きなどを踏まえ、今年度県内へのIR導入の可能性等について客観的な情報を得るため、経済効果や社会的な影響の面から調査を行ってきたところであります。調査報告書では、法令等で定める要件を満たすためには非常に大規模な施設整備となり、需要予測に基づく事業採算性の面から過大投資となるほか、人材確保や施設周辺環境への影響、更にはギャンブル依存症など負の社会的な影響の広がりも想定され、我が県へのIR施設の導入可能性は極めて低い結果となっております。 県といたしましてはこの調査結果を踏まえ、我が県にIR施設を誘致することは難しいものと考えております。 次に、大綱三点目、県美術館移転問題と宿泊税についての御質問にお答えいたします。 初めに、基本方針に立ち戻るべきとのお尋ねにお答えいたします。 今後の人口減少と財政規模の縮小等を見据え、平成二十八年七月に策定した宮城県公共施設等総合管理方針においては、文化・社会教育施設について、各施設の必要性を精査して、施設の統廃合を進めること及び建てかえ等に当たっては他目的施設との合築等の方策を検討することが明記されております。この総合管理方針にのっとって、昨年四月から部局を横断した県有施設のあり方について検討を進めてきたところであり、昨日その基本方針最終案を提示させていただきました。美術館と県民会館については、類似機能が多い部分を共有化することなどにより、施設規模の適正化や稼働率の向上、施設管理の効率化に加え、さまざまな分野の交流による文化芸術活動の活性化や集客面での相乗効果も期待されるところであります。そして何よりも、震災復興計画期間が終了した後の次代の宮城の姿を考えていくに当たり、文化・芸術の振興による真の意味での復興を果たすため、リニューアル基本方針の内容を十分に生かしながら、より多くの県民の皆様に親しんでいただけるような施設を目指してまいりたいと考えております。 次に、美術館移転、新設をやめるべきとの御質問にお答えいたします。 県ではこれまで広く有識者から御意見を伺う懇話会を開催するとともに、議論のたたき台となる基本方針の中間案をお示しした上で、県民の皆様からパブリックコメントを募集したところであります。その結果、いただいた御意見、御要望の大半が美術館の移転、集約に関して反対または慎重な対応を求めるものであったことを踏まえ、美術館については時間をかけて、更に検討を進めることにいたしました。来年度予算案に計上した県有施設再編等調査費を活用し、現地改修と移転新築のそれぞれのメリット、デメリットなどについて、わかりやすく具体的に示しながら、美術館の今後のあり方について、県民の皆様に丁寧に説明する機会を設けてまいります。 次に、今回の宿泊税条例の提案は拙速で強引ではないかとの御質問にお答えいたします。 宮城県観光振興財源検討会議では、平成三十年十月から九回にわたり財源検討の必要性、財源確保を行う理由、財源確保のあり方などを中心に幅広く議論を重ね、その間にも観光関係団体及びホテル旅館等の皆様へのヒアリングや約一カ月に及ぶパブリックコメントを実施し、ことし一月に答申として取りまとめられました。私としてはこの答申内容を重く受けとめ、早期に県の考え方を示す必要があると考え、県民説明会や宿泊事業者説明会などを通じて御意見を伺ってまいりました。これまでに拙速との御指摘も含めさまざまな御意見をいただいてまいりましたが、人口減少社会を見据え、今後も切れ目なく観光振興を図るためには、安定的かつ継続的な観光財源の確保が必要であり、令和三年四月から宿泊税を導入する条例案を今議会に提案することといたしましたので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。 次に、宿泊税条例を提案した意味についての御質問にお答えいたします。 私は平成二十九年十月の知事選挙において、交流人口の拡大のための必要な財源の確保に関する公約を掲げました。その後、検討会議からの宿泊行為への課税が適当という答申を重く受けとめ、宿泊税を導入することとした条例案を今議会に提案したものであります。新たな課税により、宿泊者、観光関係事業者の皆様には御負担をおかけすることになることは十分に理解しておりますが、今後の急激な人口減少社会を見据えると、切れ目なく観光振興施策を力強く展開し、インバウンドや交流人口を拡大していくことは、我が県の将来にとって極めて重要であり、そのためには安定した観光振興財源が必要であると考えたところであります。 次に、仙台市との調整についての御質問にお答えいたします。 仙台市が昨年十二月の市議会での決議を踏まえて、ことし一月に仙台市交流人口拡大財源検討会議を設置し、現在、宿泊税の導入も含めて議論が重ねられており、まだ正式に意思決定がなされていないものと承知しております。県としては、地域経済の持続的な発展のためには、今後も切れ目のない観光振興施策を展開することが必要であることから、今議会に宿泊税条例を提案するものであります。なお、引き続き仙台市の動向を注視し、仙台市が正式に宿泊税導入を決定した場合には、速やかに協議に応じてまいりたいと考えております。 次に、宿泊者の大半に一律課税する理由についての御質問にお答えいたします。 宿泊者がその旅行に関連して受ける公共サービスの程度は、宿泊料金にかかわらず同等であることから、原則一律に課税することとしたものです。ただし、三千円未満の低廉な宿泊料金の場合は、宿泊税の割合が一〇%を超え、宿泊者の負担感が大きくなることなどの理由から免税点を設けたものであります。その上で、高橋議員にも答弁いたしましたが、修学旅行を初めとする学校の教育活動に伴う宿泊については、学校長の証明書の提出により幅広く課税免除とすることが適当と判断したことから、県税減免条例の改正案を追加して今議会に提案することとしております。 次に、県内全ての宿泊業者に対するアンケートについての御質問にお答えいたします。 検討会議では二名の宿泊事業者に委員として参画いただいたほか、関係者ヒアリングでは、地域の代表的な宿泊事業者や沿岸部及び温泉地の民宿などの小規模宿泊事業者など、七名の方から御意見等をいただきました。また、検討会議で実施したパブリックコメントにおいても、宿泊事業者の皆様から多数の御意見をちょうだいしたところであります。その後、検討会議からの答申を踏まえ、県としての考え方を県民説明会や宿泊事業者説明会などで説明してまいりました。県といたしましては、さまざまな形で宿泊事業者の皆様から御意見をいただいておりますので、改めてアンケートを実施することは考えておりませんが、今後実施予定の仮称観光振興会議の中で宿泊事業者の皆様からの御意見を取り入れながら対応してまいります。 次に、宿泊業者の理解が得られていない宿泊税をやめるべきとの御質問にお答えいたします。 急激な人口減少社会が到来する中で、経済の成長軌道を確保するためには、産業振興の柱の一つに観光産業の振興を位置づけることが重要であり、インバウンド及び交流人口の拡大に向け、安定的かつ継続的な財源が必要であることから、このたび宿泊税の導入を提案したものであります。宿泊税の制度が適切に実施されるためにも、県民や特別徴収義務者となる宿泊事業者の皆様の御理解、御協力が不可欠と考えており、これまでも説明してまいりましたが、今後も県幹部が直接継続的に説明に赴き、御理解が得られるよう努めてまいります。 次に、大綱四点目、女川原発再稼働ストップ、原発ゼロを目指してについての御質問にお答えいたします。 初めに、女川原発におけるテロ対策についてのお尋ねにお答えいたします。 新規制基準では、原子力発電所のテロ等による重大事故への対策について、移動式の冷却設備や電源車等、いわゆる重大事故等対処設備を配備することが求められております。また、こうした対策を講じた上で、その信頼性を更に向上させるため、重層的に特定重大事故等対処施設を設けることとされておりますが、原子力発電所本体の工事計画認可から五年間は設置が猶予されております。県といたしましては、テロ対策施設は昨今の国際情勢等から安全上重要なものであると認識しており、東北電力においては、法令の規定を踏まえて、安全対策に万全を期していただきたいと考えております。 次に、再稼働に係る認識についての御質問にお答えいたします。 我が国は資源が少なく、エネルギー安全保障上の脆弱性を有していることから、原子力発電所の稼働の是非を含む原子力政策やエネルギー政策の将来像については、経済に与える影響、地球温暖化対策等も念頭に、国において総合的に判断されるべき問題であると考えております。なお、御指摘の試算については承知しておりませんが、東北電力では、仮に再稼働した場合、火力燃料費の大幅な低減効果のほか、燃料価格変動の影響緩和や二酸化炭素排出量の抑制への寄与などのメリットも期待できるとしております。 次に、水蒸気爆発を招く懸念がある中での県民の安全、安心についての御質問にお答えをいたします。 原子力発電所の安全性の検証については、国が責任を持って厳正に取り組むべきものであり、御指摘の論点に関しては原子力規制委員会において慎重な審査がなされたものと考えております。なお、県といたしましても、女川原子力発電所二号機の安全性に関する検討会において、国の審査等を踏まえ、震災後の施設の健全性や新規制基準に適合することにより向上する安全性について、御確認をいただいているところでございます。 次に、女川原発二号機に係る事故時の放射能放出についての御質問にお答えいたします。 御指摘の耐圧強化ベントは、炉心損傷前の使用が想定されている設備であり、新規制基準によれば、炉心損傷後はフィルターベントを使用するものとされております。事故時におけるフィルターベントの有効性については、原子力規制委員会の審査を受けており、東北電力女川原子力発電所二号機の放出量は、約一・四テラベクレルと評価され、基準を十分に下回っております。 次に、立地自治体や県民への説明会の開催についての御質問にお答えいたします。 今後、原子力規制委員会による許可が出され、女川原子力発電所二号機における再稼働の方針について政府から理解確保の要請があった場合には、住民説明会を開催し、関係省庁からその必要性、安全性、防災対策について説明を受けたいと考えております。 次に、避難計画の策定責任についての御質問にお答えいたします。 原子力災害時の対応は、その特殊性から内閣総理大臣が本部長となる原子力災害対策本部が担い、住民避難や安定ヨウ素剤服用などの重要事項の指示を行うこととされております。避難計画の策定については、災害対策基本法等において自治体の責務と定められておりますが、避難計画を含む女川地域の緊急時対応は内閣府が主導して策定し、国の原子力防災会議の了承を得ることとなります。私といたしましては、原子力の利用は国策として進められているものであり、原子力災害への対応も含め、政府が責任をもって対応すべきものと考えております。 次に、段階的避難についての御質問にお答えいたします。 原子力災害時の段階的避難については、迅速かつ効率的な避難のほか、放射性物質による被曝の低減の観点からも極めて重要であると認識しております。県といたしましては、平時から原子力防災の手引のUPZ内全戸への配布や、防災訓練等の機会を通じ住民への周知に努めておりますが、原子力災害時においても、あらゆる方法で避難等の指示が確実に伝達、共有されるよう取り組みを徹底してまいります。 次に、避難完了までの想定時間等についての御質問にお答えいたします。 避難完了までの想定時間や避難経路上の渋滞発生予測等については、季節や時間帯などの条件により異なることから、今年度実施している避難経路阻害要因調査において把握し、対策について関係市町とともに検討することとしております。なお、避難指示は、モニタリングの結果に基づき基準を超えた行政区単位で段階的に行うほか、避難退域時検査場所の混雑が見込まれる場合には追加で検査場所を開設し、避難経路の変更も含め住民に広報するなど、適切な対応に努めることとしております。 次に、避難所受付ステーションについての御質問にお答えいたします。 避難退域時検査場所では、避難される方に放射性物質の付着がないかを確認する検査を行い、必要に応じ簡易除染を行うこととしております。原子力災害時に広域避難をする際には、健康被害を避けるためにも必ず避難退域時検査場所を通過いただくよう、平時から住民への周知に努めてまいります。 次に、子供や入院患者などの避難及び県外避難についての御質問にお答えいたします。 子供や入院患者の避難については、学校及び医療機関においておのおの避難計画が策定されており、災害時でも安全に避難できるよう原子力防災訓練への参加等を通じて、その手順の確認を行うこととしております。また、複合災害等により指定の避難所が受け入れ困難となった場合には、県災害対策本部が避難所の再割り当てを行い、避難所受付ステーションにおいて新たな避難所を案内することとなります。なお、県内での再割り当てが難しい事態となった場合には、八道県の相互応援協定に基づき、県外避難の調整を行うこととしております。 次に、風向き等による避難計画への影響についての御質問にお答えいたします。 宮城県地域防災計画では、新規制基準による規制強化、東京電力福島第一原子力発電所事故の経験やIAEA国際原子力機関の考え方なども踏まえ、防護措置をあらかじめ準備しておく必要のある区域を約三十キロメートルの範囲と定めており、天候条件や風向きにかかわらず避難計画は十分機能するものと考えております。なお、万が一UPZ外に影響が及ぶような災害が発生した場合については、国の原子力災害対策本部の指示のもと、状況に応じて防護対策を講じていくことになります。 次に、大綱五点目、上工下水みやぎ型管理運営方式についての御質問のうち、みやぎ型管理運営方式の導入についてのお尋ねにお答えいたします。 水道事業を取り巻く経営環境は、人口減少や節水型社会の進展により収益が減少する一方、更新需要は増大していくことが見込まれるなど、今後ますます厳しくなることが予測されております。このため、民の力を最大限活用してコスト削減を図り、経営基盤を一層強化することが将来の県民負担を軽減することにつながることから、早期にみやぎ型管理運営方式の導入を進めることとしたものであります。 次に、大綱六点目、気候変動の深刻さと水産業についての御質問にお答えいたします。 初めに、気候変動に対する認識についてのお尋ねにお答えいたします。 近年、我が国を含め世界各地で記録的な高温や大雨、干ばつなどの異常気象が観測されており、世界気象機関WMOは、これらの異常気象は長期的な地球温暖化傾向と一致しているとしております。気候変動やその要因とされる地球温暖化は、予測される影響の大きさや深刻さから、人類の生存基盤にかかわる安全保障の問題と考えられており、地球規模で解決しなければならない大変重要な課題であると認識しております。 次に、石炭火力発電所の新設などに対する県の姿勢についての御質問にお答えいたします。 一般的に発電所は電気事業法を初めとする法律等の諸条件を満たすことが前提となっているため、石炭、輸入バイオマスを燃料とするだけで火力発電所の新設を拒むことは難しいと考えております。現在、県内における石炭火力発電所の立地予定はなく、バイオマス発電所については複数の立地計画が進行しております。これらの発電所において使用する輸入バイオマス燃料については、固定価格買取制度において第三者認証等により、持続可能性、合法性の確認を行うこととされております。県といたしましては、環境アセスメントなどの手続において、二酸化炭素の排出などへの十分な配慮を求めるとともに、県内を初め、国内の木質バイオマス燃料を可能な限り調達するよう事業者に促すなど、環境への更なる配慮を求めてまいります。 次に、気候非常事態宣言についての御質問にお答えいたします。 私は最近の気候変動は非常事態であり、地球温暖化対策がまさに急務であるとの認識のもと、来年度改定予定の次期宮城県環境基本計画の中で、二〇五〇年、二酸化炭素排出実質ゼロの目標を掲げることをさきの県議会で表明いたしました。県といたしましては、建築物の省エネルギー化の促進、地産地消型エネルギーの導入拡大、環境エネルギー関連産業の立地促進などの取り組みを着実に進めるとともに、最先端の環境研究・技術開発を進める大学や民間企業とも連携をしながら、脱炭素社会の早期実現に向け、強い危機感を持って取り組んでまいります。 次に、魚種の変化に伴う水産加工業への対策についての御質問にお答えいたします。 近年、サンマやスルメイカなどの冷水性魚種の水揚げ量が全国的に減少傾向にあり、これらの魚種を主原料としていた多くの水産加工業者は、原料の確保が大変厳しい状況にあると認識しております。このような傾向は今後も続くと予測されますが、その一方で、イワシやブリ、サワラなどの水揚げ量が増加している魚種もあります。水産加工業者等がこれらの魚種を原料として活用し、事業を展開していけるよう、魚種転換に必要な加工機器の導入や新商品の開発等を支援することで、環境変化に対応できる経営への転換を図ってまいりたいと思います。 次に、水産振興の体制強化についての御質問にお答えいたします。 県では昨年四月の組織再編により、高度化、細分化する課題に的確かつ機動的に対応するため水産林政部を設置し、各種施策に取り組んでいるところであります。また現在、復興後を見据え、環境と調和した持続可能な水産業の確立を目指し、新しい水産業の振興に関する基本的な計画の策定作業を進めております。県といたしましては、全国豊かな海づくり大会を契機として、新たな基本計画に基づき、イノベーションの創出や環境変化などへの対応力が高い産業基盤の確立を図り、令和という新しい時代において、我が県の水産業が持続可能で成長する産業へと発展していくよう努めてまいります。 私からは以上でございます。 ○議長(石川光次郎君) 公営企業管理者櫻井雅之君。    〔公営企業管理者 櫻井雅之君登壇〕 ◎公営企業管理者(櫻井雅之君) 大綱五点目、上工下水みやぎ型管理運営方式についての御質問のうち、委託費の削減内容についてのお尋ねにお答えいたします。 現在公表しているみやぎ型管理運営方式のコスト削減額は、県がこれまでどおり事業を継続した場合と、みやぎ型管理運営方式を導入した場合の総事業費を比較して算定したものであります。このうち委託費については、浄水場などの運転管理や保守点検を民間事業者に委託している経費であり、民間企業への聞き取りを行った結果、百八億円のコスト削減が可能と試算したもので、これは集中管理や遠隔監視などの効率的な運転等により、可能になるものと考えております。 次に、更新投資の削減内容についての御質問にお答えいたします。 県がこれまでどおり事業を継続した場合の二十年間の電気・機械設備の更新費用は、水道用水供給事業が四百四十二億円、工業用水道事業が五十一億円、流域下水道事業が二百九十二億円、三事業合計で七百八十五億円と見込んでおります。みやぎ型管理運営方式を導入した場合は、運営権者が民間調達により実施することになることから、民間企業への聞き取りを踏まえた事業ごとの削減率により、三事業合計で百三十億円の削減が可能と試算したものであります。 次に、県のモニタリングについての御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式における三段階のモニタリング体制のうち、県によるモニタリングについては、県が運営権者の運転管理体制や水質、財務状況について専門家による支援も受けながら確認・監視を行うものであります。みやぎ型管理運営方式導入後においても、県が水道事業における法定五十一項目及びその他百六十八項目の検査を実施するとともに、運営権者が工業用水道事業及び流域下水道事業の水質検査を行うこととし、県は必要に応じて現地確認や抜き打ちでの検査も実施することとしております。 次に、料金上昇抑制の根拠についての御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式導入の効果となるコスト削減額は、今後の水需要の減少や、それに伴う設備機器等のダウンサイジングも織り込んだ上で、民間事業者への聞き取りを行い、総額二百四十七億円と試算したものであり、このうち民間事業者分として、少なくとも百九十七億円以上の削減を求めることとしております。この削減額を全て料金に反映した場合には、県がこれまでどおり事業を継続した場合と比較して、水道用水供給事業及び流域下水道事業とも、料金を一割抑制できると見込んだものであります。 次に、みやぎ型管理運営方式導入後の水質検査についての御質問にお答えいたします。 水道事業や下水道事業における水質検査については、法令等や県が定めた基準の遵守状況を確認する水質検査と、水処理の各段階における水質の状況を監視することを目的とした、水質試験を実施しております。 性能発注となるみやぎ型管理運営方式においては、水質検査は現在と同等を求めることとしており、水質試験については、応募者に対し現状のやり方を参考として提示した上で、センサーによる常時監視など、より効果的な運営がなされていく提案を求め、現在と同等以上の水質試験体制を構築することとしております。 次に、宮城県下水道公社についての御質問にお答えいたします。 宮城県下水道公社は、現在、仙塩浄化センターを含む三浄化センターの指定管理者として管理運営業務を担っておりますが、みやぎ型管理運営方式へ参画する意向はないと伺っております。また、下水道公社は公社等外郭団体には該当しないことから、公社の存続・解散については、公社みずからが判断すべきものと考えております。なお、解散する場合には、公社が担ってきた広域的な事業については、県としてしっかりと受け皿を用意してまいります。 次に、みやぎ型管理運営方式導入後の県の技術力についての御質問にお答えいたします。 県の浄水場等は、これまでも約三十年間にわたって民間事業者が運転管理を担っており、県と民間事業者が連携して事業を運営してきたところであります。県では、職員の技術継承や技術革新へ対応するため、さまざまな研修や技術マニュアルの整備など、技術力の維持向上に努めており、みやぎ型管理運営方式導入後においても、引き続き管路の維持管理を行うほか、水道事業者として、事業全体の最終的な責任を持つことから、これまで以上に人材育成と技術継承を図り、安全安心な水の安定供給に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) ちょっと順番逆になりますが、まずは魚の原魚確保の問題で、石巻の水産業界から苦労を聞きました。なかなか魚で加工するものが上がらないということで、最近どうしてるかというと、三者ぐらいで共同して、北海道にタラが上がるということで、それを十トントラックで共同でとにかく購入して運ぶと。ところがこの運賃が五十万円ぐらいかかると。大変なこれも御苦労をしてるんだということなんです。こういう問題に現地の要望も聞きながら、具体的に手を打てるところというか、そういうことを検討していただいたらどうかというふうに思うんですが、初めて聞く話だと思いますが、一言述べていただきたいと思います。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 私もそういう大変な状況であるということは、事業者やあるいは県の担当からお話は聞いております。先ほど答弁したように、サポートの仕方いろいろあろうかと思います。全ての魚がとれなくなっているわけでありませんので、とれる魚種に合わせていろいろ商品を考えていく、加工品を考えていくというようなことも重要でしょうし、金融面でのサポートというようなものを考えていかなければいけないというふうに思っております。いずれにしても環境が変わってきているということは私も認識しておりますので、事業者の皆さんが、魚がとれないから事業ができなくなったということのないように、できる限りの支援をしていきたいというふうに思っております。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 続きまして、原発のことについてなんですが、耐圧強化ベントを使うということは想定されているのかどうか。つまり規制委員会での電力とのやりとりとか議論で、これを使うということが想定されているかどうか、いかがですか。 ○議長(石川光次郎君) 環境生活部長大森克之君。 ◎環境生活部長(大森克之君) 耐圧強化ベントにつきましては、炉心損傷前に熱を逃がすために使うことがあり得るというふうに認識しております。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) そうしますと使うということを東北電力が言ってるんですか。 ○議長(石川光次郎君) 環境生活部長大森克之君。 ◎環境生活部長(大森克之君) 使うことがあるというか、基本的な考え方として、炉心損傷前には今回フィルターベントという設備ができますので、フィルターベントを優先して使うことにはなりますけれども、炉心損傷前であっても、耐圧強化ベントを使うことはあり得ると。炉心損傷後につきましてはフィルターベントを使って、排出を抑制するという考え方で、こういったベントの説明については、規制委員会のほうで考えられているというふうに認識しております。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 議事録を見ますと、東北電力はつけてはいるんだけど、使用することはあり得ないというふうに言ってますよ。なぜかというと、先ほど答弁で耐圧ベントを使った場合、基準の一・四テラベクレルとかという答弁でしたが、これどういう意味ですか。 ○議長(石川光次郎君) 環境生活部長大森克之君。 ◎環境生活部長(大森克之君) フィルターベントという設備ができましたので、もちろんフィルターベントを使うということが大前提になります。東北電力の説明、あるいは規制委員会のほうの審査の結果を見ますと、仮に炉心損傷があったとしても、フィルターベントを使うと、排出量については一・四テラベクレルというふうな評価になるということで、我々としては認識しております。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) だから万一のときは、やっぱり使うことはあり得ると思いますよ。万一のとき。フィルターベントが使えないときですよ。だからそのときには壇上でも言いましたがセシウム137の放出、それは百テラベクレルにしなければならないというふうになっているそうですよ。それが実際には三百六十テラベクレルというふうなデータが出ているので、これはルールに反するじゃないかと、基準を満たしてないのではないかということの問題提起をしているんですが、どうですか。 ○議長(石川光次郎君) 環境生活部長大森克之君。 ◎環境生活部長(大森克之君) 新規制基準の適合性審査で、セシウム137が百テラベクレルを下回るということを確認するというような基準になっております。これは本当に事故が起こった場合、事故は事象がさまざまな過程で進んでいくわけですけれども、さまざまな事象の進行の過程で、さまざまな防御措置がとられた上で、ほんとに最後の最後に炉心損傷が起こった場合に、フィルターベントによるベントが行われるということで、最後の手段ということで確実に機能するという部分、それから実質の排出量がどの程度なのかということを規制委員会のほうで審査して評価した結果が、先ほど申し上げました一・四テラベクレルということになっているということで理解しております。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) とにかく、こういう三百六十テラベクレル出るということがあるのに、そのままパスしてだめなんだよ。 それから、先ほど避難計画をつくることについて、内閣府云々かんぬんと答弁ありました、知事のほうから。地域原子力防災会議には副知事が構成員に入ってますよね。どちらの副知事が入ってるんですか。 ○議長(石川光次郎君) 副知事遠藤信哉君。 ◎副知事(遠藤信哉君) 私が地域部会のメンバーとして入ってる形になっております。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) それでは頼りにしたいと思います。 それで、問題は先ほど答弁で、開北小学校のケースでどのぐらいかかるんだというときに、答弁がなかったでしょう。避難にどのぐらいかかるのだと。これデータ出ないの。 ○議長(石川光次郎君) 環境生活部長大森克之君。 ◎環境生活部長(大森克之君) 先ほど知事からも答弁申し上げましたけれども、避難完了までの想定時間というのは、その時々の状況、季節でありますとか時間帯などで異なりますので、明確にどれくらいの時間がかかるということを申し上げることは難しいわけでございますけれども、今年度実施しております避難経路阻害要因調査等によって、さまざまなそういった要因を把握しまして、関係市町とともに、もし時間がかかるようであれば、その対策について検討してまいりたいというふうに思っております。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) その避難経路阻害要因調査というのはいつ出てくるの。 ○議長(石川光次郎君) 環境生活部長大森克之君。 ◎環境生活部長(大森克之君) 今年度の事業としてやっておりますので、今年度中に結果として出るというふうに思っております。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。
    ◆二十四番(三浦一敏君) 私も初めて聞いて驚いたんですが、環境経済研究所の上岡先生が避難の時間はどのぐらいかかるのかと。何と開北小学校、四千四百三十三台を想定すると二百三十時間かかるんだって、九日半。一番石巻でかかるのは蛇田小学校区。これは台数も多いからだけど三百五十九時間かかると。十五日間かかると。これは複合災害じゃないよ。こういうふうにかかると言っているわけ。これは違うんだというふうに否定されるならそれでもいいけど、私は車のガソリンをどうするのだと。トイレや食料はどうするのだと。こういう問題がはっきりしない中で、避難計画が曖昧な中で、再稼働などというのは、とてもとてもという状況になると思うんですがどうですか。 ○議長(石川光次郎君) 環境生活部長大森克之君。 ◎環境生活部長(大森克之君) 先ほどの試算ですけれども、どういう前提で計算されたのか承知しておりませんので、コメントをすることはちょっと難しいんですけれども、先ほど申し上げましたとおり、仮に事故があった場合の避難の指示ですけれども、モニタリングの結果に基づいて、基準を超えた行政区単位で段階的に避難をしていただくというようなことを想定しておりますし、避難退域時検査場所での検査につきましても、レーンをふやしたり効率的に行うような訓練なども行っておりますので、そういった形で対応は考えていきたいと思います。なお、現在、女川地域の緊急時対応について最終的な詰めを今行っておりますので、そういった中でも、現在、いろいろと検討しているところでございます。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) とにかく現実との乖離があるということです。このデータは何なのかというのは後でお示しします。 続きまして、県美術館の問題についてお聞きいたします。 まず知事は、いろんなところで建物と収蔵品は別物だと考えていると。これはどういう意味なんですか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 建物というのは建物。収蔵品というのは絵画や彫刻などの特定の分野やコレクションを指すものではなくて、美術品の持つソフト面の機能、こういったようなものを私はイメージをしてお話しをしました。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 知事は、今、美術館にある収蔵品を、こちらに合築して、こちらに移すということを言ってるの。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 外に展示してある美術品等の問題はございますけれども、基本的には移転をするということになれば、中にあったものは、向こうの新しい場所に移ることになるのではないかというふうに思います。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 収蔵品を持っていったら美術館の機能がなくなるじゃないですか。広場にある彫刻というかモニュメント、あれはどういうふうにするの。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君 ◎知事(村井嘉浩君) 当然、そういう移転をするということが完全に決まったら、外に展示してある美術品について、どのような扱いをするかということは考えていかなければならないというふうに思っております。現時点においては、まず大きくこの問題を捉えまして、私は美術品を同じような費用をかけてやるならば、一人でも多くの県民の方に目に触れていただけるような場所に移すことが、県民の利益につながると、このように考えたということであります。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 知事はたたき台を出してもらったと。それで今度は予算計上して云々と言ってるけど、庁議で基本方針を決めるということは、すぐやらないですよね。つまり移転、合築ですよ。 ○議長(石川光次郎君) 震災復興・企画部長後藤康宏君。 ◎震災復興・企画部長(後藤康宏君) あり方の案については、昨日、第六回の懇話会を終了いたしました。そのまとめとしては、三月までに最終案として出させていただきたいというふうに考えております。その中に、今回、美術館のあり方については引き続き検討を進めるということで、最終案で明確に形として決めて出すということではなくて、継続して検討を進めるということを、最終案の中に盛り込むということでございます。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 知事、比較検討を今度やっていくと言うけど、私もせんだって十五日に、全然芸術文化わからないので勉強してきました。知事はそれなりにあると思いますがね。それで、この比較検討というときに、やっぱり歴史的な価値というものをどのように比較検討するかということは、これは素人がやったのではだめなんだよ。現在のところのやつを、新しくこっちにするとか、そういうことを言ったら長寿命化政策などというのを進めるという根拠ないじゃないですか。あれ百年もつといってるんですよ。あれは百年ちゃんと適切にやれば、そのようにできるのだと。大体今までずっと教育委員会の生涯学習課でやっていて、突然何でそれをひっくり返すのか。それを尊重したらどうですか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 教育委員会の中で、美術館のリニューアルについていろいろ御議論いただいたというのは承知をしております。しかし、その後皆さん御承知のとおり、平成二十八年、数年前に宮城県公共施設等総合管理方針を策定いたしました。御承知だと思います。 そこで文化教育施設については、各施設の必要性を精査して施設の統廃合を進めようと。そして建てかえ等に当たっては、他目的施設との合築等の方策も検討しようということを大前提としてうたっておりました。そこで、今回のリニューアルで出てきた内容を盛り込んだ形で、新たな場所で、たくさん人が集まれるような場所で実現できないだろうかというような御検討をいただいたということであります。私は中間案が出てきたとき、それを聞いてなかなかいい案が出たなと思って大変喜びました。と言いますのが、あの美術館の場所は、確かに三浦議員が言うようにすばらしい場所にあるのは事実でありますけれども、美術館に行こうという強い目的がないと、あそこになかなか足を運ぶことができないわけであります。しかし、県民会館と美術館を一緒にする、そして野球場の近くにつくるということになると、大勢の皆様に美術品に触れていただけるようになるんじゃないかというふうに私は考えました。実際、他県の例を見ても、美術館と県民会館のホールを合築すると、間違いなくお客さんがふえているようであります。そういうことから考えますと、決してリニューアルの議論をいただいた内容を無駄にするのではなくて、その考え方を新たに入れて、新たな場所に美術館をつくっていくということは、決して県民の不利益になることではないと私は考えたということでございます。ぜひとも、そういう意味でまずはいろんなたたき台を出しましたので、それに対してメリット、デメリットというものをしっかり比較検討した上で、そして美術関係者皆様にも県民の皆様にも御提示した上で、県議会にも御提示した上で御議論いただきたいと考えているということであります。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) とにかく知事のその手法は納得できない。時間がないので宿泊税に移ります。 それで、まず先ほどの答弁で、いろいろ検討段階で宿泊業者から意見を聞いたと。七業者から聞いたと答弁しました。これを直接聞いたのは宿泊税を導入するということが出てからか。いつの時期ですか。 ○議長(石川光次郎君) 経済商工観光部長鈴木秀人君。 ◎経済商工観光部長(鈴木秀人君) 先ほど知事のほうから地域の代表的な宿泊事業者、あるいは沿岸部及び温泉地の民宿等の小規模宿泊事業者など、七名の方からのヒアリングをさせていただいたというお答えをさせていただきました。これは検討委員会の会議の中でヒアリングをさせていただいたということでございます。 加えまして時期といたしましては、昨年の三月から昨年の七月で行ったということでございます。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 部長それは違うんだね。ずっと経済商工観光委員会に私所属してましたが、何度聞いても宿泊税は出てこなかったから。傍聴者の皆さんも、これは本当なんだから。結局これ出てきたのは十一月段階です。そしてここからやったのかと聞いたら、七業者に聞き取りにとにかく行ったと。だから最近なんですよ、この問題を聞き取ったっていうのは。たった七業者に、しかも物事が宿泊税というのが浮上してからなんですよ。これはアンフェアですよ。だからみんなこの手法そのものを怒ってるんじゃないですか、知事。そういうことではございませんか。 ○議長(石川光次郎君) 経済商工観光部長鈴木秀人君。 ◎経済商工観光部長(鈴木秀人君) 先ほどヒアリングを申し上げましたというのは、確かに宿泊税という言葉が出る前でございまして、いろんな関係者からの必要なアイデアを確認する上で聞いたということでございます。そういう意味からいたしますと、宿泊税という言葉が出る前にヒアリングを行ったというのが事実でございます。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) だからそういうことをやってはだめなんだと。そして一泊三百円は全国一高いですよ。三千円の免税点もひどいものですよ。仙台市が導入したら六月補正で追っかけてまた条例改正するのか。知事どうなんですか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 仙台市が導入するということをまだ決めておりませんので、何とも言えません。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 導入する方向に仙台市がなってきてるから、導入した場合は六月に改正するということが出てくるでしょうと。違いますかと、もしそうなれば。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 現時点においては、まだわからないとしか答えようがありません。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 知事、仙台市が導入の方向にずっときてて、導入した場合に調整はすると言ってるけど、また条例出し直ししなければならないんだよ。どういうふうに分け前どうするかと。そういうときに拙速に今出すということ自体が、まさに調整不足だというふうに私は思います。そして、県民にやっぱりこれだけ心配をかけて、とにかく拙速にやると、やっぱり為政者として、美術館もそうだし、宿泊税もそうだよ。知事は確かに県民の支持や信頼はあるかもしれない。しかし、こういうふうな一生懸命頑張ってる人たちを、何というか心配させるような、そういう政策提言というのは、それはやっぱりうまくないのではないですかね。どうでしょうか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 心配をさせるようなことをしてはならないというのは当然のことでありまして、拙速だというおしかりについても真摯に受けとめなければならないというふうに思ってございますが、同時に、私が主張していることは決して弱い者いじめではなくて、これから急激に人口が減っていく中で、観光施策というものは極めて重要です。しかし、同時に税収が減っていくのが見込まれて、社会保障費がどんどん右肩上がりで伸びていく中で、一般財源を必要とする観光財源をどんどん捻出するということは極めて難しくなってくると、今よりふえることは非常に難しくなってくるということを考えると、ここで厳しい批判があっても一歩を踏み出すことが、結果として県民の利益、宿泊事業者の利益につながると、そう信じて行っておりますので、ぜひとも御理解を賜りたいというふうに思います。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 先ほど新たなアンケート調査をやらないと言ってました。説明会は確かにやった。自由民主党・県民会議の代表質問の中では、説明にみんな歩くべきではないかという厳しい意見もありました。私は、これ今、宿泊業者一千者にアンケートやったら、結果は九十何%反対だよ。異議ありですよ。そういうぐらい数字はわかるから。そういう声だと思いますよ。だから知事が思って自信があるなら、それやったらいいじゃないですか、そのぐらいの意向調査。知事は四十五年目になるんですかね。いつまで知事をやるかわかりませんけれども、こういう形で、今後どのようになるか知事の進退はわかりませんが、やっぱり県民に、さすが知事だったなと言われるようなことをやってほしいですよ。今度の宿泊税に進退をかけるというのはどういう意味なんですか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 公式の場で、私、政治生命をかけるといったことを言った記憶はないんです。記者会見で言ってないと思います。ちょっと記憶がないんです。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 知事はそこまで思い詰めてはいないんですね。宮城県町村会長である南三陸町の佐藤仁町長が持ってきたでしょう、陳情。そのときに村井知事は進退をかけるということで、かたい思いでやっているので、私どもも協力しますとテレビで言ってましたよ。では、あの人が勝手に言ったのか。 ○議長(石川光次郎君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 非公式の場でそのように言ったかもしれませんが、記録に残る公式の場では言ってないということです。もちろんこれに対して非常に私は重く受けとめておりまして、県民の皆様を含め、お泊りのお客様には大変御迷惑をおかけしますし、何よりも宿泊事業者の皆様に大変御迷惑をおかけしますので、これに対して私はすごく大きな責任があるというふうに思ってございます。ただ、政治生命をかけると言ったと言われたら、これは公式の場ですから、議場ですから。議事録として、そういう発言をしてないということを御理解いただきたいという話です。それくらいの思いを持ってるということは事実であります。大変重い責任を持っていると思っておりまして、認めていただきましたならば、やはり何が何でも協力していただいた宿泊事業者の皆さんに感謝していただけるように、結果を出さないといけないというふうな思いを持っております。 ○議長(石川光次郎君) 二十四番三浦一敏君。 ◆二十四番(三浦一敏君) 県民のささやかな楽しみを奪わないでくださいよ。宿泊税も県美術館だって。それは津軽元副知事がこの間出てたでしょう。知事のそういう今のスタンス、やり方、これは急速に県民にそういうイメージが伝わっているんですよ。こういうことをやることが、みんなとにかく反発を招いてやるということ。観光政策とか観光振興にならないじゃないですか。知事なり宮城県と一緒に、みんなで頑張っていこうというような気分に私はならないということを申し上げて、時間になりましたので終わります。 ○議長(石川光次郎君) 経済商工観光部長鈴木秀人君。 ◎経済商工観光部長(鈴木秀人君) 先ほどの発言の内容を訂正させていただきます。 ヒアリングの実施の時期でございますけれども、新たな観光振興策に向けて、どういった施策が必要かという意味でヒアリングを実施させていただきました。その時期につきましては、昨年の一月から七月までの間の三回、検討会の中の三回でヒアリングをさせていただいております。 これに加えまして、新たな財源確保あるいはその新たな財源の使途につきまして、昨年の十一月、これは一月から三月までお聞きしました七名の方を含む合計十九名の方に事務局が直接お邪魔しまして、その結果をその次の検討会議に報告したというものでございます。 以上でございます。----------------------------------- △休会の決定 ○議長(石川光次郎君) お諮りいたします。 明日から二月二十五日まで四日間本会議を休会とし、二月二十六日再開することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(石川光次郎君) 御異議なしと認めます。 よって、明日から二月二十五日まで四日間本会議を休会とし、二月二十六日再開することに決定いたしました。 なお、ただいま御出席の諸君には改めて通知いたしませんから、御了承願います。 残余の質疑、質問は、二月二十六日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○議長(石川光次郎君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 二月二十六日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後四時十七分散会...