宮城県議会 > 2018-02-20 >
02月23日-03号

  • "流域下水道事業受益負担金"(/)
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  1. 宮城県議会 2018-02-20
    02月23日-03号


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    最終取得日: 2024-09-18
    平成30年  2月 定例会(第363回)          第三百六十三回宮城県議会(定例会)会議録                              (第三号)平成三十年二月二十三日(金曜日)  午前十時開議  午後四時三分散会      議長                     中島源陽君      副議長                    只野九十九君出席議員(五十八名)        第一番                  大内真理君        第二番                  角野達也君        第三番                  内藤隆司君        第四番                  高橋 啓君        第五番                  遠藤伸幸君        第六番                  村上久仁君        第七番                  高橋宗也君        第八番                  庄田圭佑君        第九番                  深谷晃祐君        第十番                  中嶋 廉君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  天下みゆき君       第十三番                  三浦一敏君       第十四番                  佐々木功悦君       第十五番                  境 恒春君       第十六番                  太田稔郎君       第十七番                  横山のぼる君       第十八番                  遠藤隼人君       第十九番                  渡辺勝幸君       第二十番                  横山隆光君      第二十一番                  佐々木賢司君      第二十三番                  熊谷義彦君      第二十四番                  渡辺忠悦君      第二十五番                  遠藤いく子君      第二十六番                  すどう 哲君      第二十七番                  吉川寛康君      第二十八番                  伊藤和博君      第二十九番                  守屋守武君       第三十番                  長谷川 敦君      第三十一番                  佐々木幸士君      第三十二番                  村上智行君      第三十三番                  細川雄一君      第三十四番                  高橋伸二君      第三十五番                  菊地恵一君      第三十六番                  只野九十九君      第三十七番                  佐々木喜藏君      第三十八番                  石川光次郎君      第三十九番                  佐藤光樹君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  菅間 進君      第四十二番                  坂下 賢君      第四十三番                  ゆさみゆき君      第四十四番                  藤原のりすけ君      第四十五番                  坂下やすこ君      第四十六番                  庄子賢一君      第四十七番                  中島源陽君      第四十八番                  本木忠一君      第四十九番                  中山耕一君       第五十番                  長谷川洋一君      第五十一番                  安部 孝君      第五十二番                  齋藤正美君      第五十三番                  安藤俊威君      第五十四番                  畠山和純君      第五十五番                  仁田和廣君      第五十六番                  藤倉知格君      第五十七番                  相沢光哉君      第五十八番                  中沢幸男君      第五十九番                  渡辺和喜君欠員(一名)      第二十二番-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    山田義輝君      副知事                    河端章好君      総務部長                   佐野好昭君      震災復興・企画部長              伊東昭代君      環境生活部長                 後藤康宏君      保健福祉部長                 渡辺達美君      経済商工観光部長               吉田祐幸君      農林水産部長                 武藤伸子君      土木部長                   櫻井雅之君      会計管理者兼出納局長             増子友一君      総務部参事兼秘書課長             武内浩行君      総務部財政課長                清水裕之君    教育委員会      教育長                    高橋 仁君      理事兼教育次長                西村晃一君    選挙管理委員会      委員長                    伊東則夫君      事務局長                   伊藤正弘君    人事委員会      委員長                    小川竹男君      事務局長                   青木直之君    公安委員会      警察本部長                  高須一弘君      総務部長                   倉島英明君    労働委員会      事務局長                   正木 毅君    監査委員      委員                     石森建二君      事務局長                   吉田 計君-----------------------------------    議会事務局      局長                     今野 順君      次長兼総務課長                伊藤吉隆君      議事課長                   三浦正博君      参事兼政務調査課長              大浦 勝君      副参事兼総務課長補佐             三浦 理君      議事課副参事兼課長補佐            千葉良信君      政務調査課副参事兼課長補佐          千葉俊彦君      議事課長補佐(班長)             二上秀幸君      議事課主幹                  齋 真左志君-----------------------------------    議事日程 第三号               平成三十年二月二十三日(金)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第一号議案ないし議第五十六号議案、議第五十八号議案ないし議第六十四号議案及び議第百十一号議案第三 議第百十二号議案 平成二十九年度宮城県一般会計補正予算第四 議第百十三号議案 平成二十九年度宮城県公債費特別会計補正予算第五 議第百十四号議案 平成二十九年度宮城県母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算第六 議第百十五号議案 平成二十九年度宮城県中小企業高度化資金特別会計補正予算第七 議第百十六号議案 平成二十九年度宮城県農業改良資金特別会計補正予算第八 議第百十七号議案 平成二十九年度宮城県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算第九 議第百十八号議案 平成二十九年度宮城県林業・木材産業改善資金特別会計補正予算第十 議第百十九号議案 平成二十九年度宮城県県有林特別会計補正予算第十一 議第百二十号議案 平成二十九年度宮城県土地取得特別会計補正予算第十二 議第百二十一号議案 平成二十九年度宮城県土地区画整理事業特別会計補正予算第十三 議第百二十二号議案 平成二十九年度宮城県流域下水道事業特別会計補正予算第十四 議第百二十三号議案 平成二十九年度宮城県港湾整備事業特別会計補正予算第十五 議第百二十四号議案 平成二十九年度宮城県水道用水供給事業会計補正予算第十六 議第百二十五号議案 平成二十九年度宮城県工業用水道事業会計補正予算第十七 議第百二十六号議案 平成二十九年度宮城県地域整備事業会計補正予算第十八 議第百二十七号議案 平成二十九年度宮城県一般会計補正予算第十九 議第百二十八号議案 民間資金等活用事業検討委員会条例の一部を改正する条例第二十 議第百二十九号議案 住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例第二十一 議第百三十号議案 環境美化の促進に関する条例の一部を改正する条例第二十二 議第百三十一号議案 食品衛生取締条例等の一部を改正する条例第二十三 議第百三十二号議案 旅館業法施行条例の一部を改正する条例第二十四 議第百三十三号議案 青少年健全育成条例の一部を改正する条例第二十五 議第百三十四号議案 地域医療再生臨時特例基金条例の一部を改正する条例第二十六 議第百三十五号議案 自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例第二十七 議第百三十六号議案 緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例第二十八 議第百三十七号議案 県営土地改良事業条例の一部を改正する条例第二十九 議第百三十八号議案 県営住宅条例の一部を改正する条例第三十 議第百三十九号議案 障害児就学指導審議会条例の一部を改正する条例第三十一 議第百四十号議案 国民健康保険広域化等支援基金条例を廃止する条例第三十二 議第百四十一号議案 国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会記念基金条例を廃止する条例第三十三 議第百四十二号議案 和解について第三十四 議第百四十三号議案 工事請負変更契約の締結について(仙台塩釜港石巻港区海岸離岸堤災害復旧工事(その一))第三十五 議第百四十四号議案 工事請負変更契約の締結について(宮城県水産高等学校校舎等改築工事)第三十六 議第百四十五号議案 権利の放棄について(応急仮設住宅として供与した住宅の不法占有期間における賃料等相当額に係る債権)第三十七 議第百四十六号議案 権利の放棄について(平成十四年度社会福祉施設等施設整備費(既存施設等改修老人デイサービスセンター整備事業費)補助金の返還金に係る債権)第三十八 議第百四十七号議案 平成二十九年度市町村受益負担金について第三十九 議第百四十八号議案 平成二十九年度市町村受益負担金の変更について第四十 議第百四十九号議案 平成二十九年度流域下水道事業受益負担金の変更について第四十一 報告第一号 専決処分の報告について(石巻合同庁舎災害復旧及び新築工事の請負契約の変更)第四十二 報告第二号 専決処分の報告について(石巻合同庁舎災害復旧及び新築電気工事の請負契約の変更)第四十三 報告第三号 専決処分の報告について(石巻合同庁舎災害復旧及び新築空調工事の請負契約の変更)第四十四 報告第四号 専決処分の報告について(気仙沼合同庁舎災害復旧及び新築工事の請負契約の変更)第四十五 報告第五号 専決処分の報告について(宮城県防災ヘリコプター管理事務所災害復旧工事の請負契約の変更)第四十六 報告第六号 専決処分の報告について(大谷地工区農地災害復旧及び区画整理工事の請負契約の変更)第四十七 報告第七号 専決処分の報告について(長須賀林地荒廃防止施設災害復旧工事の請負契約の変更)第四十八 報告第八号 専決処分の報告について(渡波漁港護岸等災害復旧及び赤堀地区海岸堤防新設工事の請負契約の変更)第四十九 報告第九号 専決処分の報告について(石巻漁港岸壁等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十 報告第十号 専決処分の報告について(波路上漁港防潮堤災害復旧工事の請負契約の変更)第五十一 報告第十一号 専決処分の報告について(波路上漁港防潮堤災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第五十二 報告第十二号 専決処分の報告について(渡波漁港防潮堤災害復旧工事の請負契約の変更)第五十三 報告第十三号 専決処分の報告について(波路上漁港物揚場等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十四 報告第十四号 専決処分の報告について(志津川漁港防波堤等補修工事の請負契約の変更)第五十五 報告第十五号 専決処分の報告について(閖上漁港広浦橋架換(下部工)工事の請負契約の変更)第五十六 報告第十六号 専決処分の報告について(気仙沼漁港防潮堤新築工事の請負契約の変更)第五十七 報告第十七号 専決処分の報告について(波路上漁港防潮堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十八 報告第十八号 専決処分の報告について(伊里前漁港防潮堤等災害復旧及び野積場補修工事の請負契約の変更)第五十九 報告第十九号 専決処分の報告について(波伝谷漁港防潮堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第六十 報告第二十号 専決処分の報告について(波伝谷漁港防潮堤災害復旧工事(その一)の請負契約の変更)第六十一 報告第二十一号 専決処分の報告について(波伝谷漁港防潮堤災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第六十二 報告第二十二号 専決処分の報告について(波伝谷漁港防潮堤等災害復旧及び新築工事の請負契約の変更)第六十三 報告第二十三号 専決処分の報告について(気仙沼漁港等防潮堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第六十四 報告第二十四号 専決処分の報告について(気仙沼漁港防潮堤災害復旧工事(その一)の請負契約の変更)第六十五 報告第二十五号 専決処分の報告について(気仙沼漁港防潮堤災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第六十六 報告第二十六号 専決処分の報告について(渡波漁港防潮堤災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第六十七 報告第二十七号 専決処分の報告について(渡波漁港物揚場等災害復旧及び胸壁等新築工事の請負契約の変更)第六十八 報告第二十八号 専決処分の報告について(雄勝漁港等防潮堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第六十九 報告第二十九号 専決処分の報告について(気仙沼漁港防潮堤新築工事(その三)の請負契約の変更)第七十 報告第三十号 専決処分の報告について(鮪立漁港防潮堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十一 報告第三十一号 専決処分の報告について(松岩漁港防潮堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十二 報告第三十二号 専決処分の報告について(志津川漁港防潮堤等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第七十三 報告第三十三号 専決処分の報告について(雄勝漁港防潮堤等災害復旧及び野積場補修工事の請負契約の変更)第七十四 報告第三十四号 専決処分の報告について(閖上漁港広浦橋架換(上部工)工事の請負契約の変更)第七十五 報告第三十五号 専決処分の報告について(浦の浜漁港防潮堤新築工事(その二)の請負契約の変更)第七十六 報告第三十六号 専決処分の報告について(一般県道石巻工業港矢本線定川大橋災害復旧工事の請負契約の変更)第七十七 報告第三十七号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号相川トンネル(仮称)工事の請負契約の変更)第七十八 報告第三十八号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号大和田川橋(仮称)新設(上部工)工事の請負契約の変更)第七十九 報告第三十九号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号真野川橋(仮称)新設(上部工)工事の請負契約の変更)第八十 報告第四十号 専決処分の報告について(主要地方道女川牡鹿線小乗浜トンネル(仮称)工事の請負契約の変更)第八十一 報告第四十一号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号相川一号橋(仮称)新設(下部工)工事の請負契約の変更)第八十二 報告第四十二号 専決処分の報告について(石巻市道湊町四丁目門脇町五丁目線鎮守大橋(仮称)新設(下部工)工事の請負契約の変更)第八十三 報告第四十三号 専決処分の報告について(主要地方道石巻鮎川線風越橋(仮称)新設(下部工)工事の請負契約の変更)第八十四 報告第四十四号 専決処分の報告について(一般県道石巻女川線浦宿橋(仮称)新設(下部工)工事の請負契約の変更)第八十五 報告第四十五号 専決処分の報告について(一般県道釜谷大須雄勝線尾の崎橋災害復旧工事の請負契約の変更)第八十六 報告第四十六号 専決処分の報告について(一般県道大島浪板線磯草道路改築工事の請負契約の変更)第八十七 報告第四十七号 専決処分の報告について(桜川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第八十八 報告第四十八号 専決処分の報告について(長須賀地区海岸等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第八十九 報告第四十九号 専決処分の報告について(最知地区海岸等堤防等災害復旧工事の請負契約の変更)第九十 報告第五十号 専決処分の報告について(折立川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第九十一 報告第五十一号 専決処分の報告について(東名地区海岸護岸等災害復旧工事(その四)の請負契約の変更)第九十二 報告第五十二号 専決処分の報告について(長清水川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第九十三 報告第五十三号 専決処分の報告について(坂元川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第九十四 報告第五十四号 専決処分の報告について(神山川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第九十五 報告第五十五号 専決処分の報告について(港川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第九十六 報告第五十六号 専決処分の報告について(桜川護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第九十七 報告第五十七号 専決処分の報告について(水戸辺川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第九十八 報告第五十八号 専決処分の報告について(定川護岸等災害復旧工事(その五)の請負契約の変更)第九十九 報告第五十九号 専決処分の報告について(中島地区海岸等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百 報告第六十号 専決処分の報告について(中貞山運河護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第百一 報告第六十一号 専決処分の報告について(真野川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百二 報告第六十二号 専決処分の報告について(面瀬川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百三 報告第六十三号 専決処分の報告について(津谷川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百四 報告第六十四号 専決処分の報告について(南北上運河等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百五 報告第六十五号 専決処分の報告について(南貞山運河(七北田川水系)等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百六 報告第六十六号 専決処分の報告について(坂元川等護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第百七 報告第六十七号 専決処分の報告について(南貞山運河護岸等災害復旧工事(その六)の請負契約の変更)第百八 報告第六十八号 専決処分の報告について(定川護岸等災害復旧工事(その六)の請負契約の変更)第百九 報告第六十九号 専決処分の報告について(追波沢川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百十 報告第七十号 専決処分の報告について(皿貝川護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第百十一 報告第七十一号 専決処分の報告について(津谷川護岸等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第百十二 報告第七十二号 専決処分の報告について(大島地区海岸護岸等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第百十三 報告第七十三号 専決処分の報告について(大島地区海岸護岸等災害復旧工事(その四)の請負契約の変更)第百十四 報告第七十四号 専決処分の報告について(東名運河水門等災害復旧工事の請負契約の変更)第百十五 報告第七十五号 専決処分の報告について(只越川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百十六 報告第七十六号 専決処分の報告について(野々島地区海岸等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百十七 報告第七十七号 専決処分の報告について(伊里前川護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第百十八 報告第七十八号 専決処分の報告について(八幡川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百十九 報告第七十九号 専決処分の報告について(女川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百二十 報告第八十号 専決処分の報告について(波路上地区海岸護岸等新設工事の請負契約の変更)第百二十一 報告第八十一号 専決処分の報告について(五間堀川護岸等災害復旧工事(その十)の請負契約の変更)第百二十二 報告第八十二号 専決処分の報告について(南貞山運河護岸等災害復旧工事(その七)の請負契約の変更)第百二十三 報告第八十三号 専決処分の報告について(南貞山運河護岸等災害復旧工事(その八)の請負契約の変更)第百二十四 報告第八十四号 専決処分の報告について(北貞山運河護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第百二十五 報告第八十五号 専決処分の報告について(七北田川護岸等災害復旧工事(その六)の請負契約の変更)第百二十六 報告第八十六号 専決処分の報告について(湊川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百二十七 報告第八十七号 専決処分の報告について(大沢川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百二十八 報告第八十八号 専決処分の報告について(善川護岸等災害復旧及び改良工事の請負契約の変更)第百二十九 報告第八十九号 専決処分の報告について(横須賀地区海岸護岸等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第百三十 報告第九十号 専決処分の報告について(五間堀川護岸等災害復旧工事(その十一)の請負契約の変更)第百三十一 報告第九十一号 専決処分の報告について(大谷地区海岸等護岸等新設工事の請負契約の変更)第百三十二 報告第九十二号 専決処分の報告について(白浜地区海岸護岸等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第百三十三 報告第九十三号 専決処分の報告について(坂元川等護岸等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第百三十四 報告第九十四号 専決処分の報告について(戸花川等護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百三十五 報告第九十五号 専決処分の報告について(仙台塩釜港石巻港区防潮堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第百三十六 報告第九十六号 専決処分の報告について(仙台塩釜港石巻港区防潮堤災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第百三十七 報告第九十七号 専決処分の報告について(雄勝港防潮堤災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第百三十八 報告第九十八号 専決処分の報告について(仙台塩釜港石巻港区防潮堤災害復旧工事(その四)の請負契約の変更)第百三十九 報告第九十九号 専決処分の報告について(仙台塩釜港塩釜港区護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第百四十 報告第百号 専決処分の報告について(仙台塩釜港塩釜港区防潮堤等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第百四十一 報告第百一号 専決処分の報告について(仙台塩釜港塩釜港区物揚場等災害復旧及び防潮堤建設工事の請負契約の変更)第百四十二 報告第百二号 専決処分の報告について(仙台塩釜港石巻港区防潮堤建設工事(その六)の請負契約の変更)第百四十三 報告第百三号 専決処分の報告について(仙台塩釜港塩釜港区船揚場等災害復旧及び防潮堤建設工事の請負契約の変更)第百四十四 報告第百四号 専決処分の報告について(仙台塩釜港石巻港区防潮堤建設工事(その十)の請負契約の変更)第百四十五 報告第百五号 専決処分の報告について(雄勝港防潮堤災害復旧工事(その五)の請負契約の変更)第百四十六 報告第百六号 専決処分の報告について(仙台塩釜港仙台港区防潮堤建設工事の請負契約の変更)第百四十七 報告第百七号 専決処分の報告について(仙台塩釜港石巻港区防潮堤建設工事(その十二)の請負契約の変更)第百四十八 報告第百八号 専決処分の報告について(仙台塩釜港石巻港区海岸離岸堤災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第百四十九 報告第百九号 専決処分の報告について(宮城県農業高等学校用地造成工事の請負契約の変更)第百五十 報告第百十号 専決処分の報告について(宮城県農業高等学校校舎等災害復旧工事(その一)の請負契約の変更)第百五十一 報告第百十一号 専決処分の報告について(宮城県農業高等学校校舎等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第百五十二 報告第百十二号 専決処分の報告について(宮城県農業高等学校校舎等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第百五十三 報告第百十三号 専決処分の報告について(宮城県気仙沼向洋高等学校校舎等災害復旧工事(その一)の請負契約の変更)第百五十四 報告第百十四号 専決処分の報告について(宮城県気仙沼向洋高等学校校舎等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第百五十五 報告第百十五号 専決処分の報告について(宮城県気仙沼向洋高等学校校舎等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第百五十六 報告第百十六号 専決処分の報告について(宮城県農業高等学校校舎等災害復旧工事(その四)の請負契約の変更)第百五十七 報告第百十七号 専決処分の報告について(宮城県農業高等学校校舎等災害復旧工事(その六)の請負契約の変更)第百五十八 報告第百十八号 専決処分の報告について(宮城県石巻北高等学校校舎等改築工事の請負契約の変更)第百五十九 報告第百十九号 専決処分の報告について(宮城県若林警察署(仮称)庁舎新築工事の請負契約の変更)第百六十 報告第百二十号 専決処分の報告について(和解及び損害賠償の額の決定)第百六十一 報告第百二十一号 専決処分の報告について(交通事故に係る和解及び損害賠償の額の決定)第百六十二 一般質問(代表)     〔菊地恵一君、藤原のりすけ君、中嶋廉君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二ないし日程第百六十一 議第一号議案ないし議第五十六号議案、議第五十八号議案ないし議第六十四号議案及び議第百十一号議案並びに議第百十二号議案ないし議第百四十九号議案及び報告第一号ないし報告第百二十一号三 日程第百六十二 一般質問(代表)         〔菊地恵一君、藤原のりすけ君、中嶋廉君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(中島源陽君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。----------------------------------- △会議録署名議員の指名 ○議長(中島源陽君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、三十七番佐々木喜藏君、三十八番石川光次郎君を指名いたします。----------------------------------- △議長発言 ○議長(中島源陽君) この際、一言申し上げます。 既に皆様御承知のとおり、平昌冬季オリンピックにおきまして本県出身の羽生結弦選手が見事に金メダルを獲得されました。(拍手) けがを乗り越え、フィギュアスケートでは六十六年ぶりとなる連覇を果たされた姿は、東日本大震災からの復旧・復興に向かう私たち宮城県民に大きな感動と勇気を与えてくれました。 心からの感謝とお祝いを申し上げます。----------------------------------- △諸報告 ○議長(中島源陽君) 御報告いたします。 公営企業管理者遠藤信哉君が、本日欠席する旨の届け出がありました。----------------------------------- △議第一号議案ないし議第五十六号議 △議第五十八号議案ないし議第六十四号議案 △議第百十一号議案 △議第百十二号議案ないし議第百四十九号議案 △報告第一号ないし報告第百二十一号・一般質問(代表) ○議長(中島源陽君) 日程第二ないし日程第百六十一、議第一号議案ないし議第五十六号議案、議第五十八号議案ないし議第六十四号議案及び議第百十一号議案並びに議第百十二号議案ないし議第百四十九号議案及び報告第一号ないし報告第百二十一号を一括して議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました平成二十九年度一般会計補正予算案を初め提出議案の概要を御説明申し上げます。 その前に、平昌で開催中の冬季オリンピックにおいて、本県出身の羽生結弦さんがフィギュアスケートで見事に金メダルを獲得されました。この種目での連覇は六十六年ぶりとなるまさに偉業であり、更にけがを乗り越えてオリンピックの舞台で実力を発揮した姿は、復興に邁進する県民に大きな感動と勇気をもたらしてくれました。羽生選手と関係の皆様に心からのお祝いと深い感謝を申し上げます。 それでは、御説明申し上げます。 東日本大震災の発生から間もなく七回目の三月十一日を迎えようとしております。 今年度の県政運営を振り返りますと、震災復興計画に定めた再生期の最終年度として、復旧・復興を推し進め、来年度からの発展期につなぐための重要な年でありました。創造的な復興は着実に進み、ハードの復旧につきましても、平成三十二年度までの完了に向け総力を挙げて取り組んでいるところであり、災害公営住宅の整備は来年度中に完了する見込みとなっております。 燃料電池自動車につきましては購入費用の一部補助制度の活用等により、企業などを中心として徐々に導入が進んでおります。また仙台市内ではタクシー運行が始まるなど、県民の皆様が目にする機会もふえてきており、一層の普及促進に努めてまいります。更に来月には楽天生命パーク宮城において、太陽光を活用した自立型の水素製造、貯蔵、発電設備の設置が完了する見込みであるなど、水素社会先駆けの地に向けた取り組みは着実に進展しております。 公共インフラに関しましては三陸縦貫自動車道が昨年十二月に歌津インターチェンジまで開通し、年度内には本吉気仙沼道路の大谷から気仙沼の区間が開通する予定であるほか、常磐自動車道では四車線化の整備が着実に進んでおり、地域活性化に大きな効果が期待されております。また交流人口拡大の面でも、大きな進展がありました。仙台空港では昨年七月に神戸線が就航し、九月にはピーチ・アビエーションによる拠点化が行われ、札幌線や台北線が就航するなど民営化の効果が顕著にあらわれております。更に全国高等学校総合文化祭や南東北インターハイ、全国和牛能力共進会など大規模なイベントが開催され、多くの方々に宮城にお越しいただきました。復興にひた走る本県の活気ある姿と支援への感謝をお示しできたものと考えております。 今年度は私自身がいつにも増して県内を駆けめぐり、県民の皆様と触れ合う機会が格段に多くございました。大勢の方々からじかに御意見や御要望を伺い、考え方やニーズの多様化を改めて認識するとともに、その声に真摯に応えていかなければならないと意を強くしたところであります。 当初予算で「震災復興新ステージ予算」と銘打ち、ソフト対策の比重を高めて取り組んでまいりましたが、復興の進展により、対処すべき課題や被災地のニーズは変化いたします。職員に対しては常々、地域の実情を的確に把握し、県民一人一人の思いに可能な限り応えられるよう、現場を重視する姿勢の重要性を説いております。来年度からは震災復興計画に定める発展期がスタートいたします。県庁一丸となり、謙虚に衆知を集めながら復興の総仕上げに向けてひたすら邁進してまいりたいと考えております。 今年度の財政運営は、県税収入は当初予算における見込みから上振れし、ほぼ前年度並みを確保できる見込みですが、地方譲与税は当初予算額を割り込む見通しであるほか、臨時財政対策債は依然として多額の発行を余儀なくされるなど、厳しい状況が続いております。震災復興分では事業費の見合いによって震災復興特別交付税は減額となりますが、必要な事業量は確保できており、一般会計の明許繰越額は二千四百九十九億円と前年度に比べ六百八十億円減少しております。このような情勢を踏まえ、今回の補正予算案では復旧・復興関連事業を初めとする歳出予算の執行額や歳入予算の確定に伴う計数整理等を行ったほか、国の補正予算への対応につきましても別途、予算措置を講じたところであります。 補正予算案の主な内容ですが、初めに、震災復興関連事業及び通常分の事業についてであります。 震災復興関連事業につきましては先月、国に第二十回の申請を行った復興交付金を基金に積み立てるとともに、震災で親を亡くした子供たちなどのためにお寄せいただいた御厚意を、東日本大震災みやぎこども育英基金に追加して積み立てます。また来年度以降の復興施策の財源として活用するため、全国の方々から寄せられた寄附金等を東日本大震災復興基金及び地域整備推進基金に積み増します。 次に、通常分の事業についてですが、保育人材の確保のため、保育士修学資金の貸し付けに係る経費を増額するとともに事業期間を平成三十二年度まで二年延長し、貸付対象人数も倍増させます。また昨年十月の台風二十一号にかかる農業施設の災害復旧や崖崩れ対策等に要する経費を予算化しております。更に国民健康保険の財政安定化に必要な費用に充てるため、国民健康保険財政安定化基金に積み増しを行うほか、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた施設改修経費等に活用するため、自治宝くじの収益金による支援分をスポーツ振興基金に積み立てます。このほか、みやぎ発展税の増収分等を富県宮城推進基金に積み増すほか、県有施設設備の維持更新や長寿命化を計画的に進めるため、一定額を県庁舎等整備基金及び文化振興基金に積み立てます。 なお、平成三十年度当初予算において地方交付税などの歳入の減額が見込まれることから、今年度予定していた財源調整機能を担う基金の取り崩しを一部取りやめて残高を確保し、改めて平成三十年度当初予算の財源として充当することにより、収支均衡を図ることとしております。 次に、新しい経済政策パッケージの内容も盛り込んだ国の補正予算に対応して実施する施策についてであります。 まず、公共事業関係では県道築館登米線などの道路橋梁、七北田川等の河川、砂防、農業農村整備、治山、漁港などの事業費を増額しております。公共事業以外では障害者福祉施設、鳥獣被害防止施設、木材の加工流通施設の整備や阿武隈急行の車両整備及び鉄道施設の安全対策に係る経費に対し助成を行います。あわせて東北電力女川原子力発電所の周辺地域において、要配慮者等の一時的な屋内退避施設に係る放射線防護対策の経費を助成し、防災対策の充実を図ります。 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正額は震災復興関連及び通常分に係る補正予算については、一般会計で五百六十八億四千七百余万円の減額、総計では六百十八億八百余万円の減額となります。財源としては、県税七十一億円、寄附金七億八千九百余万円などを追加する一方、繰入金二百三十億九千余万円、国庫支出金百七十三億六千七百余万円、諸収入九十六億二百余万円などを減額しております。また国補正予算への対応に係る補正予算については、一般会計、総計ともに百二億一千余万円の増額となります。財源としては、国庫支出金五十六億三千二百余万円、県債三十一億九千百余万円などを追加しております。この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆二千二百十三億六千三百万円、総計で一兆四千九百九十二億五百余万円となります。 予算外議案については、条例議案十四件、条例外議案八件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第百二十九号議案は、住民基本台帳の本人確認情報を提供する事務を追加しようとするもの、議第百三十一号議案は、東日本大震災により被害を受けた者に係る各種手数料の免除の期間を延長しようとするもの、議第百三十二号議案は、旅館業法等の改正に伴い、構造設備の基準を緩和するなど所要の改正を行おうとするもの、議第百三十三号議案は、いわゆる青少年インターネット環境整備法の改正に準じ、所要の改正を行おうとするもの、議第百三十四号議案ないし議第百三十六号議案は、基金の失効期日を延長等しようとするもの、議第百三十八号議案は、公営住宅法等の改正に伴い、県営住宅における認知症患者等の収入申告義務の緩和など所要の改正を行おうとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第百四十二号議案は、道路改築事業用地の所有権に係る和解について、議第百四十三号議案及び議第百四十四号議案は、工事請負変更契約の締結について、議第百四十五号議案及び議第百四十六号議案は、権利の放棄について、議第百四十七号議案ないし議第百四十九号議案は、市町村の受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。 ○議長(中島源陽君) 補正予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 地方公務員法第五条第二項の規定により、関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。……………………………………………………………………………………………宮人委第311号                         平成30年2月20日 宮城県議会議長 中島源陽殿                         宮城県人事委員会                           委員長 小川竹男           条例案に対する意見について 平成30年2月15日付け宮議第536号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。                 記 「議第19号議案 職員の分限に関する条例の一部を改正する条例」 この条例案は,地方公務員法(昭和25年法律第261号)第28条第4項の規定による職員の失職の特例等について所要の改正を行うものであり,適当と認めます。 「議第21号議案 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」 この条例案は,学校教育法(昭和22年法律第26号)の一部改正に伴い,所要の改正を行うものであり,適当と認めます。 「議第23号議案 職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例」 この条例案は,国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)の一部改正等に伴い,所要の改正を行うものであり,適当と認めます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(中島源陽君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第百六十二、一般質問とをあわせて行います。 質疑、質問は、順序に従い許します。三十五番菊地恵一君。    〔三十五番 菊地恵一君登壇〕 ◆三十五番(菊地恵一君) おはようございます。 自由民主党・県民会議の菊地恵一でございます。 チーム大崎、中島議長のお許しをいただきましたので、会派を代表して、もしかしたら最初で最後かもしれませんが、場合によっては来年立場をかえてもう一回できるかもしれませんが、代表質問を行わさせていただきます。 また、この機会を与えていただいた会派の皆さん、あるいは議場の皆様に心から感謝を申し上げ、更には地元を支えていただいております皆様にも感謝を申し上げながら質問とさせていただきます。 まず、最初に大綱一点目、羽生結弦選手の国民的偉業に対する県としての祝意について質問を行います。 冒頭の議長、知事のお言葉にもありましたように、去る二月十七日、平昌の冬季オリンピックのフィギュアスケート男子において、仙台市出身の羽生結弦選手が前回のソチオリンピックに引き続き金メダルを獲得し、六十六年ぶりの五輪二連覇を達成いたしました。宮城県民のみならず、全ての国民の皆さんが喜びに沸いたと言っても過言ではない、すばらしい快挙であり、偉業でありました。ここに私どもも心からの祝福を羽生選手にお送りしたいと思いますが、この感動的な二連覇達成に対して、羽生選手の出身である宮城県知事としてのお立場から、改めて村井知事のその感動のお気持ちをお伺いしたいと思います。 また、宮城県においては早速、県民栄誉賞を授与する方針を固めたとの報道がありましたが、羽生選手は平成二十六年四月二十六日、ソチオリンピック金メダル獲得に対して一度、県民栄誉賞を授与されております。今回は直前に右足首を負傷するというアクシデントを乗り越え、その不屈の精神力と更に真摯で礼儀正しい人柄に、海外でも大きな人気を得ており、試合会場でも日本からの応援だけではなく、韓国や中国の女性ファンからの声援も多く、海外のメディアも絶賛し大きく報道しておりました。まさに宮城県出身の国際的な王者であり、ヒーローでもあります。このように前回にも増す大きな感動と希望を与えてくれた羽生選手に対して県として、この際二回目の県民栄誉賞ということではなく、更に何らかの大きな形での賞賛を提案いたしたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。 次に、村井知事の選挙公約の具現化について質問を続けます。 村井知事は昨年十月二十二日に行われました宮城県知事選挙において、八十二万五千四百六十票、得票率にして八七%という驚異的ともいえる得票で四回目の当選を果たされました。これは大震災からの復興に全力で当たられ、また富県宮城の旗印のもとで企業立地等への取り組み、更に仙台空港の民営化などの実績が、広く無党派層の県民の皆様からも指示をいただいた結果であると思います。東日本大震災から七年目となり、震災復興計画において仕上げの発展期とされる最後の三年を迎えた本年、知事としてその行政手腕とリーダーシップに大いに期待をしたいと思います。 さて、その選挙戦において知事は富県宮城の新しいステージに向けた六つの政策を掲げました。 まず、東北放射光施設の青葉山誘致による東北版シリコンバレーの実現についてお尋ねをいたします。 放射光施設とはリング型の加速器の中で光の速さで回る電子を磁力をもって方向を曲げたときに発生する光、いわゆる放射光、ただし実際には加速器であるシンクロトロン放射による電磁波でありますけれども、その放射光を利用してナノレベル、つまり十億分の一メートル、小数点以下にゼロが九個並ぶ、いわば原子レベルという非常に小さいレベルでの物質の構造を解析する施設であります。世界各国に設置され、日本には兵庫県のSpring-8など九カ所にも設置をされておりますが、今回の誘致を目指す施設は現在の国内最高性能といわれるSpring-8の光の百倍の明るさを目指し、物質の性質がより詳しく解析できる次の世代の型となる放射光施設で、一月十八日に文部科学省の有識者委員会より早期整備を進めるべきとする報告書が提出をされました。東北への誘致を目指して活動をしている東北大や東北経済連合会でつくる一般財団法人光科学イノベーションセンター等の関係団体の期待も高まっております。またこの二月九日に知事はフランス、パリ郊外エソンヌ県にあるシンクロトロン実験施設ソレイユを視察調査され、議会からも自由民主党・県民会議の私と佐藤光樹議員、みやぎ県民の声から境恒春議員が同行、前述の光科学イノベーションセンター理事長でもある東北大学教授の高田昌樹先生にも御一緒いただき、種々御指導を頂戴いたしました。ソレイユはフランスの二大大手国営研究機関である、フランス国立科学技術センターとフランス原子力・代替エネルギー庁によって設立され、両機関が管理する第三者法人が運営をし、一周の長さが三百五十四メートルのリング形の加速器を持ち、その円から接線方向に伸びた二十九本の装置で観測を行う施設です。そのソレイユによる分析サービスを利用した主な産業部門は製薬、化学及び石油化学、化粧品、バイオテクノロジーなどとなっており、単なる研究施設ではなくて、産業にダイレクトに活用でき、二〇一六年にはフランスの民間製薬会社がソレイユ内に研究所を設立し、周辺にも研究機関や企業も立地しておりました。このようにソレイユとそれを取り囲む周辺の状況を視察調査した知事が直接ソレイユをごらんになっての、そしてこの視察からどのようなことを学ばれたとお考えでしょうか。 一方、東北放射光施設も電子部品、新素材、医薬品、化粧品などの幅広い分野での活用が期待をされておりますが、その施設誘致の意義をどう捉えておられますでしょうか。 更に、それらのことを広く県民に発信して、次世代ものづくり産業をリードする可能性の高い拠点が宮城に置かれるということが県民共通の認識となるように図らなければならないと思いますが、いかがお考えでしょうか。 この施設の整備費は約三百四十億円、年間の運用経費は約二十九億円と試算され、今後のスケジュールとして、国は整備運用で連携する企業や自治体でつくるパートナーの公募を行い、その締め切りはこの三月二十二日とされております。その公募への取り組み対応はどうなっておりますでしょうか。 また、県はこの施設誘致に向けてどのような支援を考えておられるのでしょうか。 そして、誘致が実現した際に、県は地域振興にどのように生かしていこうと考えているのか、その見通しについても御所見をお尋ねいたします。 さて、ものづくりという観点から見ますと、大崎市と加美郡、遠田郡を加えた、いわゆる大崎地方も特色ある工業エリアを形成しております。一九六四年に現在の新幹線古川駅南西に進出をいたしましたアルプス電気は、その地に役立ち、その地に根付くことを掲げ、東北を中心に工場を展開し、常にヒットする製品の開発と製造を行ってきました。加えて地域に多くの関連会社を育て、例えばここ三年間の富県宮城グランプリにおきましては、本社を色麻町に置くヤマセ電気株式会社が主力のエレクトロニクス事業に加えて新商品、新技術の開発に取り組んで事業の多角化を進め、県内経済発展への貢献が顕著であり、富県宮城の実現に向けた県民一丸の取り組みのモデルであるとして第四回のグランプリを獲得しました。また第五回ではNPO未来産業創造おおさきが大崎市と連携しながら官民連携による産業創造の仕組みを構築し、また、おおさき産業フェアの事務局として市民にものづくりの現場を知る絶好の機会を提供するとともに学生へのキャリア教育や優秀な人材の地元定着に大きく寄与しているとして、地域産業革新部門賞を受賞しました。本団体は既に前述の高田昌樹先生の講演をいただき、放射光施設への中小企業による小口の寄附にも応じる準備をしているとのことです。更に第六回となる本年は美里町に本社を置き、電子デバイス産業を中心として設計から組み立て、出荷検査までの一貫生産体制を確立し、また共同研究などを通じて、いち早くトヨタ自動車東日本との新規取引を開始し、更に航空宇宙関連産業分野においても新規参入を果たして、県内中小企業の新規参入に向けて道筋をつけ、県内企業の牽引役として貢献するとしてキョーユー株式会社がグランプリを獲得しました。更にインテリア建材を製造するYKK・AP、あるいは水晶デバイスを製造する古川NDK株式会社など特色あるものづくり企業が立地をしております。加えてこれらの企業では地域社会に貢献する多くの社員やOBを輩出していて、ものづくりが地域づくりであることも実践されております。これらの大崎地方におけるものづくり産業の状況に対して、知事はどのような御所見をお持ちでしょうか。 そして、この大崎地方、更にトヨタ自動車東北とその関連会社が立地する黒川エリア、更に放射光施設が青葉山に誘致されることによって、知事がこれまで培ってきた富県宮城の一層の加速と政策に掲げた東北版シリコンバレーの実現も夢ではないと思われますが、いかがでしょうか。 その見通しについてのお考えをお示しください。 更に、その連携に加え、一層の企業立地を図ることによって宮城を日本のものづくりのあるべき一つの姿を示せるモデルエリアとなることも可能と思われますが、いかがでしょうか。 また、大崎地区のものづくりに関連しての話題でございますが、最初にお話しをしたアルプス電気がこの秋、生産基盤の維持、拡大と将来的な事業拡大に向けて古川西部の北原工場に新工場棟を建設、移転をいたします。そうしますと、もともとの新幹線古川駅に隣接する八万四千四百八十平方メートルの工場の跡地に、その全てがというわけではございませんけれども、広大な土地が出現することになります。この跡地は仙台からも新幹線で十五分の距離でもあり、不動産屋的な表現では交通至便、環境良好という場所でもあります。この跡地を利用して、何かものづくりに関連し、宮城の工業に寄与でき、情報発信もできるような研究施設などの設置に最適ではないかと思いますし、あるいは見方を百八十度変えて、現在議論をされております県立の文化会館などの建設にも適しているのではないかと考えられます。まさに交通至便のこのような土地は今後、なかなかあらわれるものではありませんし、県、大崎市、更に関係する団体との中で何らかの検討を加えていただければと考えますが、いかがでしょうか。 また、今回は知事の視察に私ども議員が同行させていただくという調査でありましたが、これまで余りそういったことはございませんでした。執行部のトップである知事と議会議員が同じ視察を行い、その成果を共有することは大変有意義であると思いますが、このことについての知事の御認識と今後の方向性についてのお考えをお伺いいたします。 次に、県立高校の国際バカロレア認定取得によるグローバル人材の育成について質問を続けます。 国際バカロレア、通常インターナショナルバカロレアの頭文字をとってIBと呼ばれており、このIBはジュネーブに本部を置く国際バカロレア協会が提供する国際的な教育プログラムです。一九六八年に世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、その生徒が未来に責任ある行動をとるための態度とスキルを身につけることができ、更に国際的に通用する大学入試資格である国際バカロレア資格を与えて、世界の大学進学へのルートを確保することを目的としてスタートいたしました。今回県内有数の進学校でもある仙台二華高等学校にこのIBの導入を目指し、平成三十年度から申請の準備をし、三年間の準備期間を経て三十三年度からの認定プログラムの開始を目指すとのことです。 そこで、質問をいたします。 まず、県が県立高校にIBを導入することの意義と目的をどのように捉えておられるのでしょうか。 また、IBにはその対象となる生徒の年齢によって四つのプログラムが準備をされておりますが、今回は十六歳から十九歳を対象としたディプロマ・プログラム、通称DPと申しますが、そのDPの導入とのことです。 しかし、宮城県立の中高一貫校である仙台二華校として十一歳から十六歳のいわゆる中学生世代を対象としたミドル・イヤーズ・プログラム、通称MYPの導入は検討されなかったのでしょうか。 また、DPの授業や試験は原則として英語、フランス語又はスペイン語での実施とされておりますが、国際バカロレア機構と日本の文部科学省の協力により英語と日本語で授業を行う日本語DPも認められております。二華校でのIBはどの言語によるプログラムが予定をされているのでしょうか。 DPのカリキュラムは母国語の言語と文学、外国語言語取得、個人と社会、理科、数学、芸術の六つの教科のグループとコアと言われる三つの必修要件、つまりEEと称される課題論文、TOKと呼ばれる知の理論、CASと呼ばれる創造性、活動、奉仕を並行して履修することになり、現在行っておる高校の授業形態とは全く異なっていて、その授業に当たっては教師側にも新たなスキルが必要となります。その教員養成への対応はどのように予定をされているのでしょうか。 また、これらの科目を二年間で学習することになりますが、DPを実施するに当たっての適正な生徒数と言われる二十五人のコースを二華校でも新設するとされておりますが、どのような流れでこのプログラムのクラスが形成されていくのでしょうか。 ところで、知事、また教育長におかれましては、このIBの授業の現場をごらんになったことはございますでしょうか。現在、国内では公立として筑波大附属と東京学芸大附属の国立の二校並びに東京都立国際高校の都立の一校が認定を受けておりますが、私立では仙台育英学園が東北で唯一、平成二十七年度四月からIB、DPを導入し、昨年三月には第一回目の卒業生が誕生しております。この際ぜひ近場でもありますので、一度仙台育英学園のIBの授業の様子を視察して、IBの現状を把握するとともに本県が公立と私立合わせてのIB導入モデル県として、IBによる世界市民とも言える人材を輩出するため、公立、私立の枠を越えて相互に連携をしていくことが有効ではないかと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねをいたします。 次に、大綱三点、観光戦略の諸課題への取り組みについて質問を続けます。 県の第四期みやぎ観光戦略プランによれば二〇二〇年には観光客の入り込み数の目標を七千万人、宿泊客数を一千万人と設定され、更にこの入り込み数をもとに観光消費による経済波及効果として、飲食や宿泊、お土産や買い物などの直接効果が四千億円、全体の経済波及効果が八千四百六十八億円と想定をされています。このことは観光が裾野の広い産業であり、更なる復興に向けての大きな原動力であることを示し、また減少する定住人口を交流人口拡大によって補い、富県宮城を推進するため県も動画によるPRやキャンペーンなど、さまざまな手法でその数字の達成に向けて努力を続けております。 ただ、ここで気になる点が一つあります。 それは入り込み数という考え方です。これは「しなやかな日本列島のつくりかた」という書籍の中で、日本総合研究所主席研究員である地域エコノミストの藻谷浩介さんとスイスの国際山岳リゾートであるツェルマットで観光事業者として活躍し、日本各地の地域経営プランナーとしても活躍する、海外在住の唯一の観光カリスマ山田敬一郎さんの会談でも指摘をされておりまして、日本は観光庁初め各地域で入り込み数を一番重視をしていますが、入り込み数というのは宿泊をしない単純な来訪者数のことです。すなわち泊まらない人はお金をほとんど使うことがなく、例えば観光バスでどっと乗りつけてすぐに立ち去る団体客がふえたところで、本当の意味で地域は潤わず、何泊したかで数えるほうが経済的な実態に即しているのに日本ではどこもそれをやっていない。本当に大切なのは顧客満足度と宿泊のリピート率と断言をされております。したがって県の観光戦略プランで重要なのは宿泊数の一千万人という目標のほうであり、この実現のための戦略を練っていくべきだと思うのですが、この点についての御認識をお尋ねいたします。 また、県においては平成三十年度の観光キャンペーンに幅広い年代から指示を受ける国民的男性アイドルグループの強力な支援を受けられるとしております。これがジャニーズ事務所の「Hey!Say!JUMP」であり、大いに期待されるところでございますけれども、この冬の湯渡軍団に対する石原プロモーションの全面的協力など、これまでにはない有力な芸能関係者との連携が行われております。このような望ましい連携が次々に実現している経緯についてお示しをください。 また、今回のキャンペーンは五月から来年三月にかけて実施する予定とされておりますが、どのようなお客様をターゲットとした内容のキャンペーンが予定されており、そのことでどれくらいのお客様の来県が期待されるのか、お伺いをいたします。 次に、宮城オルレの推進について質問を続けます。 昨年十一月二十一日、財団法人済州オルレ徐明淑理事長と村井知事との間で、菅原気仙沼市長、渥美東松島市長、伊藤大崎市長の同席のもと、宮城オルレ業務提携協定締結式がとり行われました。一昨年の十一月議会で初めてオルレが取り上げられてから、わずか一年で協定締結式が行われるまでの事業の推進が図られました。 さて、その協定締結を経て、本年は秋のオープンを目指し、唐桑コースと東松島コースの整備が進められるところであり、次いで大崎市でもコースの設定が予定され、平成三十年度の当初予算でもその推進費が措置をされております。 そこで、まず、今回の唐桑コース並びに東松島コースの整備とそのPRに向けての今後の具体的な取り組みについてお伺いをいたします。 また、今回、大崎耕土の巧みな水管理による水田農業システムがイタリア、ローマに本部のある国連食糧農業機関、FAOにより世界農業遺産に認定され、大崎地域は東北で初めての認定地域となりました。これまで当たり前のこととして見ていた農業や農業を育む文化、生物多様性、機能的な農村景観、そういった農業システムが未来に残すべき生きた資産として評価されたものです。県においても、このことを高く評価し、例えば温泉や発酵食などの食文化と組み合わせ、地元の関係者と協力しながら新しい観光メニューの創出を目指し、地域の活性化と交流人口の増加を図るとしております。この大崎地域の世界農業遺産認定に対する県の期待をお伺いいたします。 また、見慣れたはずの農村の景観がオルレにおいてはすばらしい価値を持つ素材として活用が可能です。実際に九州オルレでは何気ないあぜ道が四季折々の極上のあぜ道として人気のコースになっているとも伺います。ぜひ県においては大崎市と連携して、この世界農業遺産を活用できるようなオルレコースの整備を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 また、現在このオルレについて新たな観光素材として取り組んでみたいと考えている市町や団体があると伺っております。また過日、私は同僚議員と九州オルレについて九州観光推進機構並びに福岡県の関係者の方々に調査に伺い、さまざまに意見交換と御指導をいただいてまいりました。オルレのよいところは急にブームとなって大きく燃え上がり、あとはぱっとしぼんでしまうというものではなくて、穏やかに徐々に徐々に人気が高まっていくために地域にとって大変優しい観光であり、九州オルレの場合は毎年各県ごとに一つのコースを選定し、九州オルレ認定地域協議会と九州観光推進機構の審査を経て、済州オルレの審査を受け、九州オルレとして認定されるという仕組みですが、昨年末で第七次の認定まで進み、九州全県で合計二十一コースが誕生しております。宮城オルレの場合はあくまで宮城県内が対象ですが、コースの開設を目指す地域に対して、コースの設営から済州オルレの審査というプロセスに県はどのようなサポートを考えておられるか、お尋ねをいたします。 また、このようなオルレを含めて今後の観光の展開に対する財源についてはどう見通しておられるでしょうか。 これまでは東北観光復興対策交付金などもありましたが、更なる観光振興を目指すためには、やはりしっかりした財源を確保することが必要と考えます。そこで考えられるのは宿泊税の導入です。この導入に向けてはこれまでも一般質問などでも取り上げられてきましたが、二〇〇二年十月から東京都、二〇一七年一月からは大阪府が導入をし、更に本年二〇一八年十月からは京都市が導入することとなっております。これらはいずれも法定外目的税として各地方自治体の条例で定められており、ホテルなどの宿泊施設が宿泊者から特別徴収をして、各自治体に納入をされますが、対象となる施設や金額は自治体によって異なります。これまで北海道や福岡県、金沢市などでもその導入が検討されてまいりましたが、本県においても今後の県の歳入の見通しと観光に係る施策への必要な予算などを鑑み、一度検討委員会などを立ち上げて検討してみるということを提案したいと思いますが、いかがお考えでしょうか。 次に、全共の総括と次回への決意、仙台牛ブランドの展開について質問を行います。 昨年九月に開催をされました第十一回全国和牛能力共進会宮城大会において、我が県は種牛の部第二区で登米和牛育種組合の小野寺正人氏による「さいぜんれつ号」が見事に悲願の日本一の栄誉を獲得いたしました。また団体表彰でも第四位となり、前回の長崎大会を大きく上回る見事な成績を残すことができました。大会から既に五カ月が過ぎましたが、改めて大会開催とその成績に対する知事の思いをお伺いいたします。 ところで、大会で総合第一位を獲得し、更に次回の大会開催地でもある鹿児島県に過日調査に伺いました。鹿児島県は想像以上に畜産振興に意を注いでおり、鹿児島黒牛だけではなくて「かごしま黒豚」そして「かごしま地鶏」の総合的な畜産「かごしまブランド」の確立を目指しており、生産振興と販売、流通などの総合的な施策も多々行っていて、名実ともに畜産県であることを痛感いたしました。今回の和牛能力共進会に向けては平成二十五年度から具体的な取り組みを開始して、今回の日本一を獲得したわけですが、その理由をお尋ねしたところ、「チームかごしま」として農家と行政、JAそして関係団体が五年間にわたって団結し、力を合わせてきたところが大きいとのお話でもありました。そして次回、第十二回全国和牛能力共進会に向けては平成二十八年七月には準備委員会を設置し、更に二十九年五月には実行委員会を設立、同年七月には種牛の部会場として霧島市の牧園地区を決定し、その開催に向けての準備と第十一回の検証を行いながら第十二回に向けて取り組みを開始しているとのことでした。振り返って本県においては第十二回大会への取り組みはどのように行われており、その掲げる目標はどのようなものとなるのか、その新たな決意をお尋ねいたしたいと思います。 今回、鹿児島に伺ったもう一つの目的は、日本一達成後のPR活動についてであります。と申しますのは本県でも、たとえ一つの種目とはいえ、日本一を獲得したわけですから、そのことを大きく取り上げて、仙台牛や仙台黒毛和牛の一層のPRとセールスを行うのかと思っておりましたが、特に大きく目立った動きもなく、初めて日本一をうたったポスターを見たのは十月十九日、大阪の伊丹空港でのことでした。その後、東京でも見かけましたが、県内では私はそれを見ることができず、そのあたりの広報活動について県と関係団体はどのように取り組んでおられたのでしょうか。 ただ、大会後、私も関係する多くの場でいろいろと意見を交換させていただきましたが、今さらながら気づかされたのは、全国和牛能力共進会は和牛の入り口である生産現場の優越を競う大会であって、出口とされる育てた牛を販売するためのマーケティングとか消費者目線を考慮する大会ではないのだということです。そのために松阪牛とか神戸ビーフは出品をされておりません。この視点に対しての御所見をお尋ねいたします。 とはいえ、鹿児島県ではその日本一を鹿児島県黒牛として海外への一層の展開やイタリア、ドイツ大使館での利用、また総理大臣にもチャンピオン牛を食べてもらうというイベントも開催したそうです。更に前述のようにそもそも生産と流通、消費についてはリンクして取り組んでいるとのことでした。本県においても生産体制を高めるとともに、かねてより申し上げているとおり、販売面では仙台牛というブランドの一層の確立と仙台黒毛和牛との区別など、今後の展開にもう一工夫する余地があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 次に、県庁職員の意識高揚と能力活用について質問を行います。 本県においては宮城の将来ビジョンの県政運営の理念、宮城県震災復興計画の基本理念及び宮城県地方創生総合戦略の基本目標を踏まえた新しい政策アイデアを発掘し、政策形成過程への積極的な関与を促し、政策立案能力、そしてプレゼンテーション能力などの向上を図ることにより、職員の人材育成に資することを目的として職員の政策提言コンテストが実施をされています。数年来の実施とのことですが、平成二十八年度よりコンテストの第一位受賞者には提案について知事と直接意見交換をする機会が与えられるとのことであり、一層コンテストに向けて熱が入ったと伺いました。このコンテストは職員の方々の意識高揚、政策提言に非常に効果があると思われますし、仄聞ではありますが直接知事と意見交換をできるということは職員の方にとっても大変名誉なことであり、大きなモチベーションになっているそうです。更に大切なポイントはその提案を実際の政策にどのように反映していくかということです。 そこで伺いますが、これまでの主な提案にはどのようなものがあったのでしょうか。 また、これらの提案が実際の政策にどのように反映をされたのか、更に今後このコンテストを継続して実施、県庁職員の方々の意識高揚と能力の活用を図っていくべきと考えますがその方向性についてお尋ねをいたします。 最後に、定住促進へのふるさと回帰支援センターの活用について質問を行います。 現在本県議会においては議員定数に関する検討が行われておりますが、その検討のための基礎資料として提出をされた、平成二十七年国勢調査による各選挙区の人口一覧と平成二十二年との比較を見てみるとき、その現実には改めて憂慮すべき状況となっております。本県で人口の増加が見られる選挙区は仙台市と名取、岩沼、富谷、黒川、宮城のいわゆる仙台都市圏だけであり、それ以外では減少。更に県全体としても減少県となっており、東北全県で見ると更に深刻な事態を迎えております。このような状況のもとで他地域、特に東京を中心とした東京圏から本県への移住の促進を図ることも重要であり、この件については昨年の九月議会で、長谷川敦議員の一般質問においても指摘をされています。その際も首都圏における本県への定住促進に向けての拠点は、みやぎ移住サポートセンターとふるさと回帰支援センターの二つがあり、その二カ所と東京事務所の相互連携が特に重要であるとの答弁がございました。このうちみやぎ移住サポートセンターは主に移住後の就労支援、仕事の支援を担い、ふるさと回帰センターの宮城県のブースではみやぎ暮らし相談センターとして県内市町村と連携して、それぞれの暮らし方についての情報を提供しております。このふるさと回帰センターでは各道府県ごとに担当の移住・交流相談員が配置され、センター主催のイベントや県主催の移住交流フェア、市町村が実施する移住モニターツアーなどを活用しながら各県への移住の相談に乗っておるそうです。しかしこのセンターは各県が一緒に活動しているためそれぞれの道府県でそれぞれの取り組み状況がわかり、また比較できるという状況でもあります。その中で本県の取り組みは他県と比較するとどうしてもおおらかというか、必死さが少ないという指摘がありました。そこで村井知事にはぜひ一度このふるさと回帰センターを訪問し、ほかの地域の雰囲気と取り組み状況を視察いただき、改めて対策を考えていただき、本県への移住がより増加するように図っていただければと思いますが、いかがでしょうか。 有楽町の交通会館、交通の便のよい立地ですし、ほかの各県の知事もよくお見えになるそうであります。百聞は一見にしかず。四期目を迎え、より勢力的に県政に当たられる生まれ変わった村井知事の行動力に御期待を申し上げ、壇上での質問を終わらさせていただきたいと思います。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕
    ◎知事(村井嘉浩君) 菊地恵一議員の代表質問にお答えいたします。大綱六点ございました。 まず、大綱一点目、羽生結弦選手の国民的偉業に対する県としての祝意についての御質問にお答えをいたします。 初めに、出身地の知事として偉業に対する所感はどうかとのお尋ねにお答えをいたします。 今回の平昌での冬季オリンピックにおける羽生結弦選手の金メダル獲得は六十六年ぶりの二連覇という快挙であり、県民を代表して心からお祝いを申し上げたいと思います。特にオリンピックを前にして大きなけがを負いながらも大舞台で気迫あふれる演技をし、頂点に立たれた姿は私も大変感動いたしました。震災からの復興を力を合わせてなし遂げようとしている県民に対して再度大きな勇気を与えていただき、知事として改めて感謝を申し上げたいと思います。 次に、県民栄誉賞の授与だけではなく更に大きな形でたたえてはどうかとの御質問にお答えをいたします。 県民栄誉賞は文化、スポーツなどの分野で輝かしい功績を上げ、県民に希望と活力を与えた方に送られる最高の賞であります。今回冬季オリンピック二連覇という偉業をなし遂げた羽生選手に対し本県初となる二度目の県民栄誉賞を授与することで、最大の祝意を贈りたいと考えております。また大きな感動と希望を与えてくれた羽生選手に対し県民を挙げてお祝いを申し上げるため、仙台市内での凱旋パレードを開催したいと考えており、御本人から受諾をいただければ今後仙台市や県警など関係団体と連携しながら検討を進めることにしております。 次に、大綱二点目、村井知事の選挙公約の具現化についての御質問にお答えをいたします。 初めに、ソレイユを視察しての所感と得られた知見についてのお尋ねにお答えをいたします。 今回私が視察いたしましたフランスの放射光施設ソレイユは電子エネルギーが約三ジェブ(GeV)、蓄積リングの周長も約三百五十メートルなど、我が県が関係機関とともに設置実現に取り組む東北放射光施設との共通点が多い施設であることがわかり、設置された場合の規模を実感することができました。またソレイユが立地する地域は大学や世界中の企業が集積している地域であり、ソレイユが立地したことにより大学の学術研究と企業の研究開発との相乗効果が生まれていることや企業の研究開発の拠点化を通じて地域が大きく発展していく現状を確認いたしました。我が県は半導体製造産業の産学官連携の取り組みがあり、今後は放射光施設が新たなイノベーションの創出や産業の発展につながるものと私自身、改めて実感いたしましたので、今回の視察は大変大きな意義があったものと考えております。 次に、放射光施設誘致の意義についての御質問にお答えをいたします。 文部科学省が整備を推進する次世代型放射光施設は触媒科学や創薬、材料分野など学術研究のみならず、高い産業利用ニーズが見込まれており、我が国の多岐にわたる研究開発分野の研究力、産業力の向上に寄与することが期待されております。放射光施設を核に国内外の大学や企業の研究者が集まり、研究者同士の交流を通じることで新たな研究開発や実用化への取り組みの活発化が見込まれます。またこれらの動きが重なることで研究施設や生産施設への投資に結びつき、集積が図られることも期待されます。更に放射光施設があることにより東北大学を中心に産学連携による高度な研究が行われる地域として、我が県のイメージ向上にもつながることが考えられます。これらのことから我が県が公募で選定され、次世代型放射光施設の設置が実現した場合には我が県の発展に大きく貢献するものと捉えております。 次に、県民共通の認識の醸成についての御質問にお答えをいたします。 我が県では県民の皆様に放射光施設設置の意義を御理解いただくためホームページを初めさまざまな機会を捉えて普及啓発を図っているほか、東北放射光施設推進協議会の取り組みを通じて放射光施設に対する理解の促進、産業利用促進を目的とした地域企業向けセミナーやシンポジウムなどの取り組みを平成二十六年度から継続して実施しております。今後とも一般社団法人東北経済連合会や一般財団法人光科学イノベーションセンターなど関係機関と連携しながら積極的に取り組んでまいりますとともに、施設の完成後には多くの県民の皆様に見学に訪れていただくことで科学技術の発展に寄与する施設として県民共通の認識の醸成を図ってまいりたいと思います。 次に、国のパートナー公募への対応状況と施設誘致に向けた支援内容についての御質問にお答えをいたします。 文部科学省は国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構とともに整備、運用に積極的にかかわる地域及び産業界のパートナーの公募を平成三十年一月二十三日付で開始しており、三月二十二日が提案書の提出期限となっております。我が県においては東北放射光施設推進協議会の活動方針に基づき一般財団法人光科学イノベーションセンターを中心として提案書提出に向けた準備を進めており、県も関係機関との役割分担のもと提案書作成に携わっております。 なお、パートナーの決定公募はことしの六月初旬ごろとなる予定となっております。今後、光科学イノベーションセンターがパートナーに選ばれ、我が県への設置が決定した際には施設整備費の着実な予算化に向けて国等への働きかけを行うほか、放射光施設設置の意義に鑑みて、その整備費用について応分の負担をする方向で検討してまいります。 しかしながら、公募においてまだ我が県への設置が選定されたわけではございませんので、まずは選定されるよう関係機関と連携し全力で取り組んでまいります。 次に、放射光施設の地域振興への活用についての御質問にお答えをいたします。 放射光施設の設置が実現すれば世界中の研究者が我が県に関心を持つことで研究開発の拠点化が進むことが期待されます。また県内の中小企業が施設を利用することで研究開発が促進されるほか、大企業との取引機会の確保やメンテナンス業務の受注につながることも見込まれます。更に県内の研究機関や企業が多く集まることで、地元の理工系学生を初め優秀な人材の地元への定着や誘致により地域活性化が図られることも期待できます。また我が県に世界最先端の研究を行う研究者が集まることで研究拠点としてのイメージが高まり、国内外からの進学者や留学生の増加につながることも考えられます。放射光施設の設置により期待されるこのような効果を我が県全域に波及させ、中小企業の成長や産業の振興につなげられるよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、大崎地域におけるものづくり産業の状況についての御質問にお答えをいたします。 大崎地域においては以前より複数の大手電子機器メーカーを核にして、電子部品や情報通信などの地元企業がこれを支える形で幅広い裾野を形成しており、長い時間をかけてものづくり産業との親和性が培われてきた地域であると認識しております。このところ県内に進出した自動車関連企業との取引が拡大してきておりますのも、こうした素地があったからこそであり、まさに富県宮城の屋台骨を支える産業拠点と言っても過言ではございません。また大崎地域内では産業支援機関である未来産業創造おおさきが旗振り役となって、地元企業のレベルアップに向けた研究活動や商談及び交流の場としての産業フェアの開催などに地域一体で取り組んでおり、年を追うごとに厚みが増し、質の面でもますます磨きがかかってきております。県といたしましては、こうした動きとも歩調を合わせて地元企業の底上げと更なる取引拡大を図るとともに、学校や市町村とも連携しながら若者の定着や他地域からの定住促進はもちろんのこと、女性や高齢者を含めた地域のさまざまな人材が地元で働きやすい環境づくりを一層進め、富県宮城の実現につなげてまいります。 次に、東北版シリコンバレーの実現見通しについての御質問にお答えをいたします。 県内では自動車産業や高度電子機械産業の集積が進み、世界を相手にした厳しい競争の中で日々新技術、新工法の開発や実用化にしのぎを削っており、革新的な研究成果の創出とその実用化にますます期待が高まってきております。こうした背景のもとで東北放射光施設の設置が実現すれば、東北大学の研究はもとより、その成果を活用した技術開発が更に促進されるとともに、施設を利用する研究者、研究機関、企業の研究開発部門などを初め部品供給やメンテナンスなど施設の運営を支えるさまざまな企業も続々と集まり、新たな研究開発の拠点が形成されていくものと見込まれます。このような空間を思い描くことで東北版シリコンバレーと表現しておりますが、この言葉の中に思いが込められておりますとおり、私といたしましては富県宮城の加速化はもとより、やがては東北全体の産業経済の発展にもつながっていくものと大いに期待しているところであります。 次に、ものづくり企業と放射光施設の連携と更なる企業立地により、本県がものづくりのモデルエリアとなることも可能ではないかとの御質問にお答えをいたします。 産業面においても幅広い分野での活用が期待される東北放射光施設の実現は、イノベーションの創出や新製品の研究開発など、地域産業への貢献が期待されるとともに、放射光施設を利用する関連企業による研究施設や工場等の新たな立地など企業誘致においても活性化が図られるものと認識をしております。このため県としては、放射光施設の誘致に関係機関と連携して全力で取り組むとともに、中長期的には一大産業拠点としてのモデルエリアとなれるよう取り組みたいと考えております。 次に、古川駅前の土地利活用についての御質問にお答えをいたします。 アルプス電気株式会社におかれましては大崎市古川北原地区の古川第二工場を増設中であり、ことし十月の竣工に向けて古川工場からの移転に重点的に取り組んでいるところと伺っております。古川第二工場の新工場棟は既存工場従業員と合わせて二千人規模で、生産品目はスマートフォンなどのモバイル機器向け、車載向け電子部品や将来的には今後需要拡大が見込まれるIoT関連製品の生産も視野に入れた「次の五十年を見据えた機能的な先端工場」を目指していると伺っており、富県宮城の実現に大いに貢献していただけるものと期待をしております。このため県といたしましては、まずは円滑に移転が完了し、操業が開始されるよう大崎市と連携しながら各種支援に取り組んでいるところでありますので、その後の利活用につきましては移転計画が落ちついてから御意向を伺ってまいりたいと考えております。まだちょっと早いということです。 次に、知事と議会の代表者の同行調査に対する認識と今後の方向性についての御質問にお答えをいたします。 今回のフランス視察におきましては県議会から三名の代表者に同行をしていただきましたが、現地で同じものを見て説明を受けることで政策上の意義を共有するとともに、政策に対する方向性や課題への理解を互いに深めることができました。議会の代表者との同行調査は、これまでの経験からも大変有意義であると認識しておりましたが、今回の視察を通じ、その思いを更に強くいたしました。今後とも機会を捉え議会の代表者との同行調査につきましては積極的に検討してまいりたいと思います。 次に、県立高校に国際バカロレアを導入することの意義とその目的についての御質問にお答えをいたします。 スイスに本部を置く国際バカロレア機構が提供するプログラムは多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、よりよい、より平和な世界を築くことに貢献する探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としております。現在世界百四十以上の国や地域において実施されており、最終試験に合格することで国際的に認められる大学入学資格を得ることができるとされております。我が県においてもこのプログラムを県立高校に導入することにより国際社会のさまざまな場面で活躍し、宮城の復興と発展に貢献できるグローバルリーダーの育成を目指していきたいと考えております。 次に、既に国際バカロレアを導入している高校の現状把握及び公立、私立の枠を超えた相互の連携についての御質問にお答えをいたします。 国際バカロレアプログラムを既に実施している県内外の高校の状況については県教育委員会において視察しており、逐次報告を受けながら現状把握に努めているところであります。県立高校への国際バカロレアプログラムの導入に当たっては、ふるさと宮城、そして日本の将来を担う有為な人材の育成に向け、公立、私立の垣根を越えて、先行している高校と連携しながら生徒たちにとってより充実した学習環境を整備していくことが重要であると考えております。 次に、大綱三点目、観光戦略の諸課題への取り組みについての御質問にお答えをいたします。 初めに、宿泊観光客数一千万人の目標についてのお尋ねにお答えをいたします。 現在策定を進めております第四期みやぎ観光戦略プランについては宮城県産業振興審議会において御審議をいただき、二〇二〇年の目標として宿泊観光客数を一千万人、観光消費額を四千億円とする答申を昨年十二月にいただいたところであります。御指摘のありましたとおり宿泊観光客は日帰り観光客と比較して観光消費額が高く、地域の経済が潤うためには特に県外宿泊客や外国人観光客の誘客に一層力を入れることが必要であると認識しております。県といたしましては、県外宿泊客や外国人観光客の増加を図るためHey!Say!JUMPとタイアップした通年観光キャンペーンや宮城オルレの推進のほか、台湾、中国、韓国、香港の重点市場に加え、欧米、豪からの外国人観光客の誘客に向けた取り組みなどを展開し二〇二〇年の宿泊観光客数や観光消費額の目標達成に向けて果敢に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、観光キャンペーンにおける芸能関係者との連携が実現した経緯についての御質問にお答えをいたします。 冬の観光キャンペーンにおける石原プロモーション様との連携につきましては、震災復興時の炊き出し支援をいただいた御縁があったことから、昨年夏に事務所にお願いに伺ったところ趣旨を御理解いただき御快諾を得て実現の運びとなったところであります。来年度の観光キャンペーンにつきましては、Hey!Say!JUMPの八乙女光さんが宮城県の御出身で我が県への震災復興への思いが強く、メンバーも八乙女さんと思いを共有していると伺い,昨年十二月に復興支援活動で御縁があるジャニーズ事務所様に観光キャンペーンのキャラクターへの起用について私から特にお願いしたところ快くお引き受けをいただいたものであります。国内観光客の旅行需要喚起のためには需要拡大につながる新たなムーブメントとなる観光キャンペーンの展開が必要と考えており、今後も私が先頭に立って進めてまいります。 次に、通年観光キャンペーンにおける客層や内容及び本県への誘客の期待についての御質問にお答えをいたします。 県では来年度、更なる国内旅行客数の底上げを図るため十代から四十代の女性親娘を中心、にその家族や旅行への関心が薄い若年層も取り込むことを目的として、Hey!Say!JUMPを観光キャンペーンキャラクターに起用いたしました。キャンペーンの内容としましてはPR動画やガイドブック、ポスターの制作などによる大々的な広告、ターゲット層を意識したプレゼント企画や周遊企画のほか、沿岸被災地でのHey!Say!JUMPによる震災復興支援タイアップ事業なども計画してまいりたいと考えております。Hey!Say!JUMPは全国的に非常に人気の高いグループであり、大きな誘客効果が期待できることから過去最大の観光客入り込み数を目指すとともに、お越しいただいた多くの方に我が県の魅力を知っていただき、心に残る旅を楽しみ、リピーターとなっていただくことで観光消費の増大にもつなげてまいりたいと考えております。 次に、宮城オルレのコース整備とPRの具体の取り組みについての御質問にお答えをいたします。 宮城オルレの取り組みについては、県と地元市町村が役割分担をしながら進めていくことにしております。御指摘のありました宮城オルレ二コースについては、地元の気仙沼市及び東松島市では引き続き住民の理解を得るなど地域の協力体制の強化に努めるとともに、済州オルレ事務局の助言によるコース修正やコース内の案内板設置など、コースオープンに向けた準備を進めていくことにしております。また県といたしましては、引き続きコース整備に関しては、コース修正の助言や済州オルレ事務局との調整などに取り組んでまいります。更にPRに関しましては宮城オルレの知名度向上のため韓国を中心としたプロモーションの展開やファムトリップなどの誘客対策などに取り組んでまいります。今後とも地元自治体と連携を密にし、ことし秋のコース開設に向け、万全を期してまいります。 次に、大崎地域の世界農業遺産認定に対する期待についての御質問にお答えをいたします。 大崎地域の世界農業遺産認定は先人の努力と知恵に育まれた巧みな水管理による農業システムと居久根といった伝統文化、多様な生態系などが国連食糧農業機関に高く評価されたものであり、大崎地域世界農業遺産推進協議会を初め関係の皆様の御尽力のたまものと認識をしております。この大崎地域世界農業遺産の保全計画においては多様な主体の参画による水管理基盤の管理体制強化や生物多様性にも配慮した自然共生型農業の普及拡大のほか、農業遺産資源をめぐるジアス・ツーリズムといった都市農村交流の推進などにより農業遺産の保全と活用を図ることとしております。県といたしましては、これらの取り組みにより大崎地域における伝統的水管理システムや豊かな農村の文化、景観などの地域資源について再認識と活用が図られ次世代への継承に寄与するほか、積極的な情報発信による交流人口の拡大など、今後の地域振興にもつながるものと大いに期待をしております。 次に、大崎市と連携して世界農業遺産を活用したオルレコースの整備を進めるべきとの御質問にお答えをいたします。 オルレのコース設定には地元の観光協会など関係団体の熱意や住民の理解を前提として、市町村が主体となって地域の協力体制を構築し、コース内の観光スポット等の設定などに取り組んでいく必要があります。世界農業遺産に認定された大崎地域は、豊かな水田の湿地生態系や何世代にもわたり形づくられてきた伝統的な農文化が継承されてきた地域だと認識しておりますが、オルレのコース設定においては大崎市の意向も十分確認しながら支援をしてまいりたいと考えております。まずは鳴子地域を考えているところなので、その次の段階だというふうに考えております。 次に、オルレのコース開設を目指す地域に対する支援についての御質問にお答えをいたします。 宮城オルレは県内市町村の事業目的への理解が広がるに従い、関心を寄せる団体がふえてきていると認識をしております。県といたしましては、開設を目指す地域に対して情報提供、先行事例の普及啓発及び地域資源の磨き上げなどの支援が必要と考えており、今後もコース設置を希望する市町村の意向を確認しながら、コース設定への助言や済州オルレ事務局との調整に取り組むほか、先行する気仙沼市や東松島市における推進体制の事例紹介や済州オルレ及び九州オルレへの視察への調整などを実施してまいります。 次に、宿泊税の検討についての御質問にお答えをいたします。 今後我が県の定住人口が一層減少していくことが見込まれている中で、交流人口を拡大することは極めて重要なことと認識しております。このため自然、文化、歴史、食などの観光資源の発掘、磨き上げや受け入れ環境の整備、国内外へのプロモーションや情報発信などを継続的に実施し、観光客の誘客拡大を図ることが必要と考えております。そのような中、平成三十年度における観光関連予算は約二十四億円を計上させていただいており、その財源につきましては国の東北観光復興対策交付金が約二割、東日本大震災復興基金などの基金が約五割となっております。 しかし、東北観光復興対策交付金も期間限定のものと認識しており、今後も継続した観光施策の展開を図るためには安定的な財源の確保が重要と考えております。そのため御提案のありましたように他の自治体の例も参考としながら、観光施策の財源のあり方について有識者で構成する検討組織において幅広く議論を進めてまいりたいと考えております。 次に、大綱四点目、全共の総括と次回への決意、仙台牛ブランドの展開についての御質問にお答えをいたします。 初めに、大会開催とその成績に対する思いについてのお尋ねにお答えをいたします。 出品頭数が五百十三頭と過去最大となった第十一回全共宮城大会では仮設牛舎等の施設整備も含めスムーズな運営を実現できた結果、全国の出品関係者等からも絶賛の声を数多くいただくなど成功裏に大会を終えることができました。また目標を上回る四十一万七千人もの皆様に御来場いただき、宮城の食や観光等の魅力に加え震災復興への感謝の気持ちも発信することができたと考えております。更に審査会場では来場された多くの皆様が調教が行き届いた出品牛を見て感嘆の声を漏らしており、一般消費者にとってこの大会が和牛のすばらしさや生産者の日ごろの活動に対する理解をこれまで以上に深めていただく大きな契機になったものと考えております。団体表彰で全国第四位となったほか、種牛の部では初めて日本一を獲得するなど過去最高の成績となりましたことは、オール宮城で取り組んできた生産者や関係団体の努力のたまものであると考えております。 次に、第十二回全共鹿児島大会に向けた取り組みについての御質問にお答えをいたします。 今回の大会においては出品に係る母牛の調査から交配、選抜、調教、指導までの一貫した出品対策を、生産者を初めすぐれた技術を持つ全共指導員や関係団体、行政が一丸となって実施してまいりました。次回大会に向けては今回の取り組みの成果と課題について検証を進めているところでありますが、まずは日本一の獲得に貢献した県有種雄牛「好平茂号」等の産子を次回の大会の素材として確保することが重要となりますので、引き続き重点的に優良雌牛の保留を進めてまいりたいと考えております。また第十二回大会の出品区分や条件が明らかとなる平成三十一年度までに先進県のような出品対策を担う組織を新たに立ち上げ、具体的な対策を進めたいと考えております。次回大会の目標につきましては今大会で培った出品技術を更に磨き上げ、更なる上位入賞を目指したいと考えております。 次に、全共で獲得した日本一という成果を生かした広報活動についての御質問にお答えをいたします。 全共日本一獲得につきましては大会終了後、県庁や県合同庁舎等で横断幕を掲げたほか、仙台駅等の県内交通拠点で電子広告やポスター掲示、首都圏では主要駅での電子広告、関西圏では伊丹空港でポスター掲示を行いました。このほか女性をターゲットにしたテレビ、ラジオ、フリーペーパーでの広報や東京アンテナショップでのイベント、関西での仙台牛弁当販売などを活用して全共日本一をアピールしてまいりました。更に大消費地である東京都において牛肉の消費が伸びる年末に、新聞紙上に全面広告を行ったほか、仙台牛銘柄推進協議会と協力し量販店での販売促進イベントを現在も継続して行っております。県といたしましては、関係団体と協力しながら県内はもとより、今後認知度を上げていきたい首都圏を中心に、全共日本一を生かした仙台牛PRに引き続き取り組んでまいります。 次に、全共の大会開催の視点についての御質問にお答えいたします。 全共は和牛の能力と斉一性の向上を目指す大会として五十一年前に始まり、出品区ごとに性別や月齢など一定の条件下で競うことにより、発育や肉質など和牛の産肉能力向上にこれまで大きく貢献してきたと伺っております。前回長崎大会から肉質の評価項目として脂肪交雑だけではなく脂肪の質を加えるなど、消費者が求めるおいしい牛肉を効率的に生産することを目標として取り組まれております。また生産者にとりましては、牛肉の味のよさを保ちつつ短期間で肥育する技術の研鑽の場でもあります。このように全共は消費者においしい牛肉を安定して供給するという農業の本質的役割を果たす上で大変重要な大会であります。同時にここで好成績をおさめることにより、すぐれた牛肉の産地であることを国内外に印象づけ、ブランド力の向上につなげる機会であると認識をしております。 次に、仙台牛ブランドの確立、仙台黒毛和牛との区分など工夫が必要ではないかとの御質問にお答えをいたします。 仙台牛は全国で唯一、五等級のみという最高級牛肉として、他の銘柄牛との差別化を図ってまいりました。近年高値がついていた枝肉価格は、価格を維持する五等級に対し四等級以下は昨年になって値下がりしており、市場評価に大きな差が出てきております。また農業専門誌や食肉の流通業者を対象に行った調査では、仙台牛は格付の厳しさから高品質をアピールしやすく注目が集まっているという結果も出ております。これらのことは五等級に特化した仙台牛のブランド戦略が正しかったことを示していると考えております。今後の展開といたしましては販路拡大に向けたネットショップへの取り組み支援や牛肉の理化学分析により、おいしさを指標化することで消費者に訴求できるような試みなど新しい取り組みを今年度から始めております。このような取り組みを今後も継続し、また全共日本一もアピールすることで、トップブランドとしての仙台牛の地位を一層強固なものとし、セカンドブランドとしての仙台黒毛和牛との違いを明確にしながら県産和牛のPRを行ってまいります。 次に、大綱五点目、県庁職員の意識高揚と能力活用についての御質問にお答えをいたします。 政策提案コンテストについては職員の政策立案能力の向上などを目的として、平成二十五年度から実施してきたところであり、産業振興、子育て支援、震災復興など幅広い分野に関する提案がなされてきました。これまでの第一位のうち、歴史文化を活用した観光振興、災害発生時のプッシュ型職員派遣、男性の育児参画の推進については提案と同趣旨の取り組みを実施しております。また昨年度第一位となりました農業高校と農業大学校が連携した教育の推進につきましては部局横断によるタスクフォースの検討を経て、来年度から新規に取り組みたいと考えております。更に今年度第一位であるマイカーを活用した二次交通の整備につきましても、関係部局による事業化に向けた検討を開始したところでございます。今後ともコンテストの開催を通じて、職員の意識の高揚と政策立案能力の向上を図るとともに、すぐれた提案を政策に反映できるよう積極的に取り組んでまいります。 次に、大綱六点目、定住促進へのふるさと回帰支援センターの活用についての御質問にお答えをいたします。 宮城の魅力を発信し、移住者を増加させるためには各県の相談窓口が集まり、全国的な発信力がある、ふるさと回帰支援センターを有効に活用していくことが重要であると考えております。私自身も平成二十七年十二月に開催した「宮城県・広島県共同移住フェア」でその会場となった同センターを訪れており、各県の移住への取り組みに対する盛り上がりを実感したところであります。県ではこれまで同センターへの相談窓口設置に加え、移住交流フェアの開催などに取り組んできたところでありますが、更に来年度からは現在二つ設置している首都圏の移住相談窓口をこのセンター内に一元化し、取り組みを強化していくこととしております。今後ともふるさと回帰支援センターが有しているさまざまなノウハウや集客力を最大限に生かしながら、他県の先進的な取り組みなども参考とし、我が県への移住者の増加を図ってまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 教育委員会教育長高橋仁君。    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕 ◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱二点目、村井知事の選挙公約の具現化についての御質問のうち、国際バカロレア、ミドル・イヤーズ・プログラムの導入は検討しなかったのかとのお尋ねにお答えいたします。 国際バカロレア機構では高校段階でのディプロマ・プログラムのほかに、中学校段階のミドル・イヤーズ・プログラムも提供しております。今回の導入に当たっては小学校における英語の学習が導入されて間もないことやプログラム提供のための教員の確保、施設整備の見直しなど準備に多くの時間を要することから中学校段階でのプログラム導入は見送ったところであり、まずは高校段階のプログラムの円滑な導入と定着を目指してまいりたいと考えております。 次に、仙台二華高校ではどの言語によるプログラムが予定されているのかとの御質問にお答えいたします。 国際バカロレアプログラムは語学教育に主眼を置くものではなく、双方向型、協働型の授業を通して学び方を学ぶことが重要とされております。また我が県において全てのプログラムを英語で実施するためには多くの教科ですぐれた英語力を有する教員を育成し配置することが必要であり、その確保は極めて困難であります。このような現状を踏まえ、仙台二華高校においては日本語によるディプロマ・プログラム、いわゆる日本語DPを実施したいと考えております。日本語DPの場合であってもプログラムにある六科目中少なくとも二科目以上は全て英語で授業を行うことになるため十分な指導力を備えた教員の確保に向け必要な研修等を行ってまいります。 次に、教員養成への対応についての御質問にお答えいたします。 ディプロマ・プログラムでは教師が講義するだけではなく、課題解決に向けて生徒同士が議論すること等により探求する力、思考力、表現力、コミュニケーション力等を向上させる学習方法が中心となります。そのため教員には英語力はもとより教科についての深い理解と教養を兼ね備えるとともに、生徒の深い学びを促し能力を引き出すファシリテーターの役割が期待されております。また教員同士が教科を超えて常にコミュニケーションをとり、プログラムをマネジメントしていく力も求められます。そのため国際バカロレア機構から義務づけられているワークショップへの参加を初め、既にプログラムを実施している国内の高校への派遣研修やIB研究コースを設定している国内外の大学での研修などを行いながら教員の指導スキルの向上を図ってまいります。 次に、仙台二華高校では二十五人のコースを新設するとしているが、どのような流れで高校二年次から当該プログラムのクラスを形成するのかとの御質問にお答えいたします。 国際バカロレア機構では学級の規模や人数を規定しておりませんが、少人数によるグループ学習が中心となるため二十五人程度が適切な人数であると考えております。仙台二華高校の国際バカロレアコースについては、二年次からの選択科目群として開設することを想定しております。科目の選択に当たっては入学直後から保護者を含めたガイダンスを丁寧に行い選択希望者を募り、卒業後の進路希望などを確認しながら受講者を決定することになるものと考えておりますが、詳細な方法については今後学校において更に検討することとなります。 次に、既に国際バカロレアを導入している高校の現状把握及び公立、私立の枠を超えた相互の連携についての御質問にお答えいたします。 県教育委員会では県立高校への国際バカロレアプログラム導入の検討に当たって県内外の先進校視察を行い、情報収集をしながら現状把握と導入に向けた課題等の整理を行ってきたところであります。今後も先進校といろいろな形で連携しながら円滑な導入に向けて取り組みを進め、グローバル人材の育成を目指してまいります。 以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 三十五番菊地恵一君。 ◆三十五番(菊地恵一君) 御答弁をいただきました。ありがとうございます。 まず、羽生結弦選手の件ですが、二回目の県民栄誉賞ということではなくて、すごい偉業でありますので、それに何て言うんでしょう、制度としては、ないというのはわかりますけれども、それにまさる、何て言うか、顕彰の仕方があったらいいのではないかという御提案でございました。ぜひその辺をもう一度考えていただければと思うんですが、どんなもんでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 先ほども答弁いたしましたけれども、県民栄誉賞というのは現制度の中では一番上位の賞で、これ以上の賞が見当たらないということでございまして、同じ賞を二度もらってどうするんだというのもあるかもしれませんが、しかしそれだけ、それぐらい今回は価値のある受賞であったという我々の気持ちは十分伝わるのではないかというふうに思ってます。まず県民栄誉賞をお渡ししたいということを、今、羽生さんのほうにお伝えをしておりまして、受けてくださるかどうかというのも含めて、まずは御返事を待ちたいというふうに思います。 ○議長(中島源陽君) 三十五番菊地恵一君。 ◆三十五番(菊地恵一君) すごい偉業だと思うので、ぜひ二回目というのも価値はあるんでしょうけれども、もう少し何とか配慮していただきたいと思うわけでございますけれども、制度がないんであれば最高の賞であることは間違いないんですけれども、何とか検討を加えていただきたいと思っております。本人が受けるか受けないか、スケジュールの問題もあるかと思いますけれども、ぜひ引き続き検討をいただければと思います。 あともう一つ、これは仄聞するところによりますと、何か羽生選手は、まだ選手を続けて、いずれは地元に戻って指導者としても活躍をしたいというような希望を持っているという話も聞きます。きょうの趣旨とまた違うんですけれども、そうなると宮城県内にアイスアリーナ、いずれは必要になってくるんだろうなと思います。これは今考えておることでございますし、御答弁は要りませんけれども、そういったことも含めて、それだけ偉大な選手でありますので、この偉大な選手を、人材を宮城県としてしっかりと、今後ともお力をかりながらともに頑張っていくと。仙台はフィギュアスケート発祥の地でもありますので、そういったこともぜひ心におとめをいただきたいなと思うわけでございます。詳しくは、あとは担当の高橋伸二議員あたりからまたいろいろ頼みますが、そのあたりはよろしくお願いを申し上げたいなと思います。 それから、オルレについてでございますけれども、オルレは本当に一年間でこれだけのことができたということ、村井知事の御決断、そして担当職員の皆さん、更には地元のために多大なお力を発揮いただいた地元畠山議員、そしてあるいは東松島市長、そして唐桑、東松島の地元の方々、更に適切なアドバイスとパイプで強力なバックアップをいただきました駐仙台の総領事館とか、いろんな力の結集でこれができたんだなと思います。そして先ほど申しましたように、オルレというのは九州でも様子を聞きますと、始まった当初は何だこれって、ほとんどの方がわからないと、何だこれっていうふうなオルレだったらしいんですが、始まってみましたら、あれよあれよという間に、結構いいねということになりまして、非常に効果があると。しかもそれは多大な投資を必要としている観光ではなくて、今あるものを今見ると。行くことが目的ではなくて、トレッキングが非常にブームですけれども、トレッキングほど、何て言うんでしょう、競技性がもっと緩やかな散歩とトレッキングの間にあるようなということでございまして、そういったことも知事も御経験なさったと思いますけれども、非常に宮城にとっては有用ではないかなというふうに思ってます。それで九州はこれまで韓国がメーンだったんですけれども、東京都とか関東圏からのお客さんがふえていると。となるとそれだけ九州のオルレが人気を博してきてるとなると、今度東京圏ですから、宮城にもオルレのコースがもう少しできてくれば十分に、その間の地域から宮城にも寄ることができるんではないかなというふうな可能性も教えていただきました。であれば九州と宮城は何らかの形で連携をとりながら、向こうも二十コース近くあるわけですけども、九州との連携というのも考えられると思いますが、その点について御所見を伺いたいと思います。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) まず、その前に県民栄誉賞についてなんですけども、ノーベル賞を受賞された田中耕一先生も県民栄誉賞ということで、ノーベル賞を受賞された方と同じ賞だということでその辺は御理解いただきたいというふうに思います。 それから、九州オルレとの連携についてですが、当然考えていくべきだというふうに思ってます。まずは、最初から九州と連携ありきではなくて、まずは東松島、そして気仙沼のオルレを順調にスタートさせて、そして大崎もスタートさせて、県内でほかのところにも広がっていくような取り組みを進めた上で、その上で他の地域、九州とどのような形で協力していけばいいのかということを考えていきたいと思います。私も御一緒に歩かせていただいて、風を受けながら海辺を歩いたり、ちょっと山のほうに、森の中に入って行ったり、本当に気持ちよかったです。これは必ず日本でやっても成功するだろうなというのは自分でも感じましたので、ぜひ皆さんと力を合わせて成功に導いていきたいというふうに思っております。 ○議長(中島源陽君) 三十五番菊地恵一君。 ◆三十五番(菊地恵一君) ぜひそのようにお願いしたいと思います。 次の時点でということで、あちこちの連携だったりとか、そういうこともあると思いますし、大崎市の場合も鳴子温泉のほうで今コースの設定がということのようでございますし、まずコースをつくることが先決でございますので、よろしくお願いをしたいなと思ってます。 それから、県民栄誉賞はそれだけ権威のある賞だと、これを二回もらうなんてめったにないと、これだけすばらしいんだというふうな論理ですね。ぜひアイスアリーナの件も、どうか心にとめておいていただきたいと思います。 それから、先ほど大崎をものづくり産業拠点という認識をいただきました。大変ありがたく思います。そうしてアルプス電気さんの件もありましたけれども、今、新しい道路だったり新しい工場に向けてのさまざまなサポートを市と協力しながら県のほうからもいただいております。ぜひこれをしっかりとサポートいただいて、その後になりましたら、今度あくであろう土地も、現工場側の利活用に対しても、ぜひ御配慮をいただきたいなということで、これは御要望でございます。 それで、宿泊税の件ですけれども、明確に知事のほうからは宿泊税という言葉はありませんでしたけれども、今の予算の中身を見ますと結構復興に係る特別の予算が多いということで、これからしっかりと復興後の観光をつくっていくためには独自の予算が必要なんだろうなというふうに思っております。宿泊税を含めてその財源について検討を行うという答弁だと理解してよろしいのでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) そのとおりでございまして、観光施策のための新たな財源の確保策というものを検討してまいりたいと思います。他県あるいは京都市の例を見ましても内部だけではなくて、いろんな有識者の御意見を聞きながらやっているようでありますので、有識者で構成をする検討組織というものをまず立ち上げます。そこにどのような形で観光施策のための財源の確保をできるのかということを御協議いただいて、そのお答えをもって更に内部でよく話を詰めて皆様に相談をするという形にしたいというふうに思っております。 ○議長(中島源陽君) 三十五番菊地恵一君。 ◆三十五番(菊地恵一君) そうしますと、観光税ありきではないけれども、ちゃんとした財源に向けて検討が始まるということということですね。了解いたしました。 それから、知事と同行の海外視察というか調査の件でございましたけれども、本当にいい時間、いい調査をさせていただいたと私も感謝を申し上げます。反面これから、今度は議会側が行う海外の調査というものも考えられます。今度逆に、国際リニアコライダーに対する視察等々も予定をされておりますけれども、例えば議会側が企画したそういう視察に担当の職員さんを同行させていただくというのは、こういったことも検討の対象とはなりますか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これは議員の皆様の調査活動の一環でございますので、必ずしもというわけにはいかないというふうに思います。ケース・バイ・ケースということになろうかと思います。 ○議長(中島源陽君) 三十五番菊地恵一君。 ◆三十五番(菊地恵一君) 同じものを同じように見るということで、全部が全部オーケーとはならないでしょうけれども、ぜひそのことも含めて、そういった重要なポイントでは御検討いただきたいなというふうに思います。 IB、バカロレアの件でございますけれども、教育長さんも授業は見られました。 ○議長(中島源陽君) 教育委員会教育長高橋仁君。 ◎教育委員会教育長(高橋仁君) 直接教室に行っての授業は見ておりません。 ○議長(中島源陽君) 三十五番菊地恵一君。 ◆三十五番(菊地恵一君) 私拝見をさせていただきましたが、全然違うんです。もちろん報告では上がってるでしょうけれども、あの現場を見ると、これまでの高校の教育というか、学校の教育--先生が前にいて、教科書があって、黒板にというんではなくて、もう全てが先ほど言ったファシリテーター、教員は何かを教えるというよりは生徒同士の何というんでしょう、動きを本当に整理して、あとは全部生徒同士がということでございました。しかもこれだけのプログラムでございますし、当然、先行する事例、あちこち見て歩かないとだめだったということでございますけれども、どうぞこれからもごらんをいただいて、実のあるものに、宮城にとってのバカロレア、IBが知事が掲げます国際的な視野を持った人材に、ぜひ邁進していっていただきたいと思いますし、たまたま仙台には二校あるわけでございますので、その連携は先ほど図っていただくという話がありました。どうぞ連携を密にして、これからも有望な人材の発掘、そして教育を目指していただきたいというふうに思います。 以上で、質問を終わります。 ありがとうございました。 ○議長(中島源陽君) 暫時休憩いたします。    午前十一時三十七分休憩-----------------------------------    午後一時再開 ○議長(中島源陽君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。四十四番藤原のりすけ君。    〔四十四番 藤原のりすけ君登壇〕 ◆四十四番(藤原のりすけ君) 地方自治法は、日本国憲法第九十二条、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」に基づき、地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、あわせて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、第一条に規定してあるとおり「民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする」法律であり、一九四七年四月十七日に公布され、日本国憲法とともに五月三日に施行され、その後二〇〇〇年四月一日には地方分権一括法が施行され、昨年で施行七十年の節目を迎えました。地方税としては住民税や固定資産税、事業税などがありますが、これでは必要経費の三分の一程度にしかならないので三割自治と呼ばれています。国はその不足分を国庫支出金と地方交付税の二つの財源を与えることで補ってきましたが、それでは国のコントロールを逃れることはできません。税源の移譲が必要ですが一向に進みません。地方交付税は一九五〇年に地方財政平衡交付金として創設され、地方税収の不十分さを補充し財源の地域均衡化の役割を果たしてきましたが、一、手厚過ぎる財政調整機能が過度の中央依存体質をつくり出している。二、地方公共団体の税収が増加してもほぼ同額の交付税が減額されるので自助努力への意欲が鈍りがちである。三、地方交付税を通じた地方債の償還保証制度がモラルハザードになり、地方みずから借金をしている意識が乏しくなりがちであります。以上、今から約二十年前に私が書いた本の中で指摘をした問題点がそのまま残されていると考えますが、執行部はいかがお考えでしょうか。 ひもつき財源である国庫補助負担金は使い勝手が悪いと思います。国庫補助負担金の中にも災害復旧事業国庫負担金など必要不可欠なものがあるのでこれをゼロにするわけにはいきませんので、年間総額おおむね二十兆円に上っている自治体向けの国庫補助負担金のうち、約十兆円強をこれまでどおり国庫補助負担金として残し、残りの約半分の十兆円弱は国税から地方税への税源移譲と地方交付税原資への繰り入れにすべきであるというのが地方分権推進委員会の主張であり、そのとおりではないでしょうか。国からの事務権限の移譲について宮城県の提案により法改正に至ったのは、保安林の指定解除に係る国の同意協議の廃止と介護支援専門員の登録解除における都道府県知事の裁量権の付与の二件があるようですが、宮城県が県内全市町村へ八十二種類の事務、延べ千百六十四事務を移譲しているのに比べ余りに少な過ぎるのではないでしょうか。全国知事会を通じて強く迫るべきではないでしょうか。決意をお聞かせください。 東日本大震災は、地震、津波、原発事故による三重の複合災害であり、都市型災害ではなく農山村型災害であり、広域激甚災害であるという特殊性を持っているとともに、一方多くの津波火災を起こしました。消防白書では建物の消失した面積が三万三千平米、一万坪を超える火災を大火としているので、東日本大震災の際は大火ではないものの約四百件の出火がありました。火災発生メカニズムからは四種類に分けられるようです。主に三陸沿岸地域に見られた津波によって破壊された家屋などの瓦れきや金属間の火花が出火の原因となり燃えたまま津波に乗って流れる、斜面瓦れき集積型、仙台市や名取市で発生したプロパンガスボンベや車などの生活エネルギーが火災拡大をもたらし、平野部なので建物や土手に集積した漂流物に延焼する、都市近郊平野部型、気仙沼市などで見られた重油などの危険物が流出し海上での大規模火災が継続する、危険物流出型、広く津波浸水地域で見られた建物や自動車の電気系統から出火する、電気系単発出火型の四つです。津波火災は一たび延焼すると瓦れきによって消火活動が困難になり、津波の避難場所となり得る高台や中高層建築物の安全性を脅かすことになります。このため津波火災を発生させない対策とともに、発生してしまった津波火災の延焼をいかに抑え人命を守るかといった対策に力を入れなければならず、危険物施設の対策や消防力の確保、避難計画との整合性を図るのは当然としても、延焼対策としての建物開口部の強化、ブロック塀などを利用した防火壁の形成などの個別対策も重要だと考えますが、いかがでしょうか。 平時のときに有事のことを考えておくことの大切さは言うまでもなく、そうした意味では先手防災の重要性から考えても、時系列の防災計画であるタイムラインの作成とともに災害時の受援計画を策定し災害時のために訓練を重ね、受援力を高める必要があります。災害対応のスケジュール表であるタイムラインとは、災害が発生することを前提として関係者が事前にとるべき行動を、いつ、誰が、何をするのかに着目して時系列で整理したものを言います。 平成二十七年九月の関東・東北豪雨災害で氾濫危険情報が発表された市町村のうち、実際に避難勧告及び避難指示を発令した市町村の割合は、タイムラインを策定済みの市町村が七二%、未策定市町村では三三%となっており、タイムライン策定の先手防災としての効果が実証されました。宮城県では国が平成二十八年八月にタイムラインの策定・活用方針を公表した後、県内の直轄四水系全てにおいてタイムラインを策定、運用しているとのことですが、今後の課題と県下の市町村の策定状況をお示しください。 阪神大震災から二十三年、東日本大震災から七年たち、被災地の要請を待たずに物資を届けるプッシュ型支援も実施されるようになり災害ボランティアも定着し、災害時の重層的な支援体制が築かれるようになりましたが、平成二十八年四月に起こった熊本地震で見られたように、課題は相変わらず多方面から寄せられる支援を災害現場で生かし切ることのようです。被災自治体の受け入れ体制が整わないために、救援物資が途中で滞って避難所に届かなかったり、せっかくの応援ボランティアを生かせなかったりすることになります。支援と表裏一体である、支援を受ける側の受援の観点で災害対応を見直す必要があります。神戸市は既に受援計画を策定しており、応援受け入れが必要となる百三十の業務を洗い出すとともに災害対策本部とは別に応援受け入れ本部を設けており、担当者が連絡調整を行うことはもちろん、業務ごとに受援シートを作成し応援者に求める職種、資格などを初め指揮命令系統、執務スペースなどをチェックできるように工夫しているようです。内閣府は平成二十九年三月に災害時受援体制に関するガイドラインを公表しており、本県も平成三十年度に受援計画を策定する予定のようですが、その場合のポイントと課題及び県下市町村の状況についてお聞かせください。また受援計画に民間の知恵を生かすことも大切だと考えますが、いかがでしょうか。 また庁舎が被災した際の代替庁舎や優先業務を決めておく業務継続計画、BCPについては、本県及び県下市町村の策定状況はいかがでしょうか。 本県の防災教育は、多賀城高校災害科学科において地域と連携した先進的な防災教育を実践し、かつ地域合同防災訓練や防災教室を実施しています。千葉県教育委員会では防災教育を中心とした実践的安全教育総合支援事業を各市町村のモデル校において実施しており成果を上げています。内容は全校生徒を対象とした防災教育教材の視聴に始まり、学校と地域住民や関係諸機関の参加による合同防災訓練の実施、生徒の自助、共助の心を豊かにするための防災講演会の開催、学校における防災教育の取り組みについての授業公開、災害発生時の学校と地域住民や関係諸機関の役割の再検討と実効性ある防災マニュアルの作成、帰宅困難、引き渡し訓練などであり、高く評価する向きもあります。所感をお聞かせください。 言うまでもないことですが、公共政策はその解決すべき問題を類型化し緊急度や発生度の高いものを選択することになりますが、財源は有限、課題は無限なので、政策の優先順位と制約条件、そして公平性、効率性、効果性を基準として策定されることになります。公共政策の構成要素は、誰に、何を、いかなる方法で提供するのか、その負担は誰が幾ら負担し、期間はどれくらいかということですが、財政が厳しくなる中でより厳しい姿勢が望まれるようになっています。宮城県における行政評価は、平成十一年、一九九九年から順次導入されています。当時私は行政評価の成否を決定するのは、顧客志向の徹底、成果志向、実効性の担保、情報公開の徹底であるとの意見を述べましたが、約二十年が経過しての評価をお聞かせください。 最初に導入した三重県の事務事業評価の目的は、職員の意識改革と政策形成能力の向上であったとされますが、総務省の全国の自治体を対象とした調査によると行政評価導入の狙いは、行政運営の効率化、行政活動の成果向上、職員の意識改革、PDCAサイクルの確立、アカウンタビリティー、住民サービスの向上、予算圧縮・財政再建という順番になっていますが、本県もそうでしょうか。 行政評価と予算の関係については六三%の自治体が、先に評価結果が提示されこれに即して予算編成が進められると回答し、七二・九%の自治体が何らかの形で行政評価結果を予算編成に反映していると回答していますが、本県はどうでしょうか。 行政評価を用いて施策や事務事業の進捗状況の確認により、遅延や停滞が生じているのであればてこ入れを検討すべきでしょうし、逆に目標値を簡単に達成しているのであれば目標値の見直しを検討すべきですが、そうされているのでしょうか。 経済学は社会科学の女王と呼ばれ最も政策的な学問だと言われていますが、昨年のノーベル経済学賞は人の心を扱う行動経済学のアメリカシカゴ大学のリチャード・セイラー教授でした。経済学は本来人々を豊かにし幸福をもたらすために生まれた学問ですが、経済学で描かれてきた人間像は、みずからの利益を最大化することを最優先し、感情に流されず常に合理的な判断をする存在というイメージですが、心理学を経済学に反映させ、人の心を組み込んで実際の人間がどのように選択、判断するかを重視したのが行動経済学だと言われます。英国のキャメロン元首相がセイラー氏に協力を求め税金を滞納している人に、「英国の納税者のほとんどが税金を期限内に払っています」という手紙を添えると納税率が大きく改善したそうです。日本の例では省エネを促すために政府が「地球環境に優しくしましょう」と呼びかけても効果は上がりませんが、「各家庭にあなたの地域で同じ家族構成の家では、節電によって電気代がこれだけ減りました」といった文書を送ると節電を心がけるようになるようです。これまでの政策形成は経済学を初めとする社会科学に基づく分析は必ずしも重視されてきませんでした。政策立案者の直感に頼ったり関係者の要求にこたえる形でつくられてきたようです。しかし少子高齢化社会の到来を迎え、財政も逼迫する中で政策資源を有効に活用する必要に迫られている現在、不確実性を伴う意思決定に際して既存のエビデンス、実証的証拠を十分に活用すべきだと考えますが、いかがでしようか。 去年知事選のときに出された村井嘉浩政策集では、子どもたちに夢と生きる力をと題して少人数学級のほか、習熟度別少人数授業などの学習指導体制をできる限り工夫し、確かな学力向上を図るとしています。習熟度別学級はピアエフェクト、友人や周囲から受ける影響の効果を高め、特定の学力層の子供たちだけではなく全体の学力を押し上げるのに有効な政策であり、もともと学力が低かった子供たちには大きな効果をもたらすことがわかっています。一九九二年にノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のベッカー教授が提唱した人的資本論は、教育を経済活動として捉えると、将来に向けた投資として解釈できるということであり、人的資本の収益率は年齢とともに低下することが実証されており、最も収益率が高いのは子供が小学校に入学する前の就学前教育、幼児教育であるとのことです。それは学力だけではなく忍耐力や社会性など一般的に生きる力と言われる非認知能力は将来の年収や学歴などに影響しますが、それは人から学び獲得するものであると言われており、その面からも幼児教育の重要性が指摘されています。これまで宮城県私立幼稚園連合会と同PTA連合会は、東北地区で最下位であり全国でも四十二位の下位にある宮城県私立幼稚園運営費補助の改善と教員人材確保のために処遇改善を行った場合の必要経費の追加助成の要望を行っていますが、実現すべきではないでしょうか。ハーバード大学のチェティ教授らの研究によれば、付加価値で見たときに下位五パーセントに位置する教員を平均的な教員に置きかえるだけで子供の生涯収入の現在価値を一学級当たり二千五百万円も上昇させることができると推計しており、教員の質の改善によって私たちの社会や経済が得る便益は大きいと考えられます。少子化が進んでいく中で、教員の質を高める政策が教育効果や経済効果を高める可能性があるとのことです、いかがお考えですか。 アベノミクスの新三本の矢では、合計特殊出生率を一・八にする目標を掲げていますが、村井知事の平成三十三年度の合計特殊出生率は一・四一と低い目標値になっています。その根拠をお示しください。 出生率を決める要因とされているのは子供を持つコストです。教育資金など子育てに直接的にかかる費用に加え、子供を持たなければ稼げたはずの所得も費用としてカウントすることになります。したがって金銭的な補助と同時に女性が復職しやすくなる行政的な支援や保育所の拡充を図る必要があり、村井知事の保育所待機者ゼロという目標は堅持すべきだと考えます。また男性の育児休業取得率の平成三十三年度の目標は一三・五%であり、平成二十九年度の宮城の将来ビジョンの目標である六・〇%を大きく上回っておりますが、どのように実現しようとされているのか、その根拠を具体的にお示しください。 特別委員会は、時宜に合った特定の付議事件を審査するために設置されるものであり、通常いずれかの常任委員会の所管に属さないものであるか、二個以上の常任委員会の所管に属するものか、特に重要な事件であるので特定の常任委員会から切り離して審査する必要性があるか、または行政全般にわたるような総合的な施策が必要になる場合に設置されます。今回の代表質問に際し過去五年間の延べ八つの特別委員会の報告書を全て読み直し、それらの提言のうち三十二項目についてその後どう取り組まれているかを調査いたしました。濃度に差はありますが誠実に取り組まれていることが理解できました。平成二十七年十月二日に出された地方創生調査特別委員会の提言は、女性の活躍推進に重要なのは仕事と子育ての両立支援と妊娠、出産、子育て支援の充実であるとの認識に基づくものでした。宮城県は妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供するために、市町村における子育て世代包括支援センターの設置を進めるとともに、子育て世帯の経済的負担の軽減を図るために乳幼児医療費助成制度の対象年齢の引き上げなどを行っています。福島県は十八歳以下の医療費の無料化などの子育て環境の充実策により、震災や原子力事故の影響により大きく落ち込んだ特殊出生率が平成二十六年には一・五八と全国九位にまで回復しました。今後一層の取り組み強化を進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 平成二十六年十一月二十日に出された再生可能エネルギー等調査特別委員会提言の再生可能エネルギー導入促進策は、村井嘉浩政策集の持続可能な社会の実現と自然・生活環境の保全の中で再生可能エネルギー導入量の目標指標として、宮城の将来ビジョン震災復興実施計画の平成二十九年度二万六千九百九十三テラジュールに対して平成三十三年度三万二千テラジュールとなっており、しっかりと受け継がれています。宮城県の再生可能エネルギー導入の実績を平成二十四年度と平成二十八年度を対比しますと、伸長度は太陽光が七・一九倍になってる以外はバイオマス一・一三倍、水力一・〇一倍、地熱〇・九〇倍とほぼ横ばいになっています。太陽光発電については住宅用発電設備に対する補助金の交付件数が二万件を超え、県が取りまとめた屋根貸し事業における災害公営住宅への発電設備投資は千七百十七戸、県立高校等県施設への設置は十一など県の積極的な関与が効果を上げていると考えられます。風力発電はこれまでほぼゼロでしたが、昨年気仙沼市で四基稼働しました。エネルギーの地産地消が深刻な過疎化問題の突破口になるのではないでしょうか。自治体が再生可能エネルギーの導入に当たって必要になってくるのが民間企業が持っている技術と運用のノウハウであり、一方大型発電を設置する場合、民間企業が事業参入するのに必要なのが敷地であり、風力や水力発電の場合でも周辺住民の理解が必要となり、バイオマス導入の場合の木質チップの輸送を確保するための交通整理が必要となります。そこで民間企業参入の橋渡し的な役割を期待されるのが、地域の特性や地域を知り尽くした自治体の調整力です。地域に発電所が建設されればそこで働く人材が必要となり、地元の住民を雇用する流れができ地域が活性化することが期待できます。エネルギー問題は国の政策だと言っている場合ではないと考えますが、いかがでしょうか。 また、再生可能エネルギーを活用した地域活性化を目指す協議会の設置は直近二カ年では一市五町にとどまっていますが、一層の促進を図るべきではないでしょうか。 平成二十九年十一月二十一日に出されました、地域活力調査特別委員会の提言の介護人材不足の解消と介護従事者の処遇改善については、県内の介護関係十八団体で構成する宮城県介護人材確保協議会を中心に介護人材確保支援事業などの各種事業に取り組むとともに、ロボットなど介護機器の導入支援による介護職員の負担軽減を図っているようですが、今後の方向性についてお聞かせください。また北欧などで単なるケアを行うだけではなく個人の自己実現を支援する、パーソナルアシスタントについても検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 以上、行政が行ってきた政策の効果を高めていくためには、計画、実行、評価、改善のPDCAサイクルの循環が欠かせませんが、結果を分析して新たな計画に移るのではなく、単なる願望で計画を立てたり、改善を急ぎ過ぎて変更が頻繁になったり、計画づくりに時間がかかり過ぎてその間に市場やトレンドが変化してしまうことのないようにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。 また政策遂行に当たっては、一、国の指示を待って法律に基づいて行う後追い行政になることなく、二、県民ニーズを反映したはみ出し施策や上乗せ施策を実施するように努め、三、改革がお題目に終わることなく現場の一人一人にまで浸透するように配慮し、四、常により少ない予算で効率的でよりよいサービスができないかを前向きに考えていく習慣を身につける一方で、五、新しい試みが次々導入されて職員の方々が消化不良になることなく、六、とかく行政組織内の不満を抑えるために人員や予算も各部局一律削減になりがちですが、優先順位を明確にして予算と人員の傾斜配分を行い、七、縦割り行政の弊害を乗り越えるために部局を超えた横断的プロジェクトの積極的活用を知事のリーダーシップのもとで実現していただきたいと願いますがいかがでしょうか。 以上をもって、壇上からの質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 藤原のりすけ議員の代表質問にお答えをいたします。大綱四点ございました。 まず大綱一点目、地方自治法施行七十年目の課題についての御質問にお答えをいたします。 初めに、地方交付税の問題点についてのお尋ねにお答えをいたします。 平成十六年度から実施されたいわゆる三位一体の改革において、地方交付税総額は五・一兆円削減され、その後も抑制基調に据え置かれている一方で、行革努力が地方交付税の算定に反映される仕組みの導入や留保財源率の引き上げなど税収増が地方の一般財源増加につながる見直しが行われました。更に我が県における、みやぎ発展税のように課税自主権を活用した超過課税についてはそのまま手元に残る制度となっております。これらのことから、手厚い財政調整機能による過度な中央依存や税収増への自助努力の意欲が鈍化するといったことはないものと考えております。また地方債に係る元利償還金の一部を後年度に交付税措置する仕組みがモラルハザードを生じさせやすい側面もあることは否定できませんが、我が県ではプライマリーバランスを重視した上で必要な事業を厳選し世代間の負担の公平という観点も踏まえて、地方債を活用しているものでございます。 次に、国庫補助金を税源移譲や地方交付税の原資の対象とすべきとの主張についての御質問にお答えをいたします。 先ほど申し上げましたとおり、三位一体の改革においては国庫補助負担金の縮減と地方への税源移譲が行われましたが、同時に地方交付税総額は大きく抑制される結果となりました。更なる地方分権を推進し各自治体による自立した行政運営を実現するためには、権限だけでなく財源についても積極的な移譲を図り、自由度の高い地方の一般財源を拡大していくことが不可欠であると考えております。その中で地方交付税については、地域間格差が拡大する状況でも行政サービスを安定して提供するため、財政調整機能が適切に果たされる必要がありますが、現在は財源不足を補填するため多額の臨時財政対策債の発行を余儀なくされており、法定率の引き上げなど特例措置に依存しない持続可能な制度の確立が求められているところであります。今後とも自治体財政の自由度拡大に向けて地方六団体等と足並みをそろえ国への要望を継続してまいります。 次に、国からの権限移譲についての御質問にお答えをいたします。 国と地方の役割分担については、国は外交、防衛など国家の存立にかかわる事務に専念し、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体に委ねていくべきと考えております。こうした考え方のもと、県では全国知事会などと連携し国に権限移譲等を求めてきたところであり、これまで累次にわたる地方分権改革により、土地利用の権限や国による義務づけの見直しなど数多くの権限移譲や規制緩和が実現してきました。また、平成二十六年度から提案募集方式が導入されたことから、県では他の自治体と連携し積極的にこの制度を活用してまいりました。これまで四十九件の提案を行い、介護支援専門員の登録消除に関する裁量権など二件の法改正を含む二十件について規制緩和等がなされております。今後とも地方自治体が多様化し増大する行政ニーズに効果的、効率的に取り組み、住民サービスの向上を図ることができるよう権限と財源の大幅な移譲を全国知事会とともに国に対し積極的に要望してまいります。 次に、大綱二点目、先手防災の取り組みについての御質問にお答えをいたします。 初めに、津波火災の抑止についてのお尋ねにお答えをいたします。 津波火災への対応については東日本大震災の教訓を踏まえ、防災対策の大綱である、宮城県地域防災計画に津波発生時の火災に対する予防対策等を盛り込み、出火防止や延焼防止等の対策を推進しております。具体的には危険物施設における浸水対策や施設の緊急停止によるガス等の漏えい防止策等の検討、消防力の確保を図るための消防資機材等の整備などであり、県では消防機関等に指導、助言することでこうした取り組みを促進しております。しかしながら、現下の法制では沿岸部の全ての建築物について耐浪化の確保や津波火災を防止するための防火対策を講じることは非常に困難であると認識しているところであります。御指摘の延焼防止対策としての住宅等の防火対策については、津波火災対策の研究課題であると考えておりますことから、引き続き国や学術関係機関等の専門的な研究を注視してまいります。 次に、タイムラインについての御質問にお答えをいたします。 水害タイムラインは、施設だけでは防ぎ切れない災害は発生するものとの考えに立ち、大規模洪水等による被害を最小限とするため、河川管理者や関係市町村、企業等が連携してそれぞれが事前にとるべき防災行動を時系列で整理したものであります。県では、流域面積が大きく、人口、資産が集積する河川を対象に水害タイムラインを策定することとしており、県内の国管理河川では四水系全てで平成二十七年に策定され、県管理河川についても計画している三十二河川で出水期前の昨年五月までに策定が完了し、現在関係する全二十九の市町村で運用されているところであります。 一方、昨年の九州北部豪雨など近年豪雨災害が激化、頻発化していることから、今後水害タイムラインの訓練を通じて関係機関の役割や防災行動の確認を行うとともに、新たな河川のタイムラインの策定についても検討を進め、減災のための体制強化を図ることとしております。県といたしましては、大規模洪水時の人的被害ゼロを目指して、引き続き国や関係市町村等と連携を図りながら、ハード、ソフトによる減災のための取り組みをより一層推進してまいります。 次に、受援計画策定におけるポイントと課題等についての御質問にお答えいたします。 東日本大震災においては、支援の受け入れ、調整を行うための体制が十分でなく、市町村の支援ニーズの把握や支援受け入れの調整が困難となったことから、県ではより効果的な受援体制の構築に取り組んでおります。県が策定を予定している受援計画におきましては、内閣府策定の「地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドライン」を踏まえ、被災市町村の人的、物的資源に関する応援、受援の状況把握や総合調整等、応援、受援に係るさまざまな業務に対応する機能の強化がポイントであり、各業務の体系的な整備が課題であると考えております。また計画策定に当たっては、被災地の課題や支援を進めるべき事項についてきめ細かく把握できるボランティア団体等の意見も聞きながら進めてまいります。 なお、県内市町村の状況については、一部において受援計画の策定が進められているものの全体として取り組みが十分とは言えないことから、県といたしましては、計画策定を支援し、市町村への応援や受援に係る調整が円滑に行われるよう努めてまいります。 次に、県及び県内市町村における業務継続計画の策定状況についての御質問にお答えをいたします。 業務継続計画、いわゆるBCPについて我が県では平成二十八年三月に東日本大震災と同規模の地震が発生した場合を想定した、宮城県業務継続計画を策定しており、昨年十一月に一部業務について訓練を行ったところです。今後も定期的に訓練を実施するほか、各合同庁舎を対象としたBCPの策定にも取り組み、より実効性の高い計画となるよう努めてまいります。また市町村の状況につきましては、平成三十年二月現在、二十七の市町村がBCPを策定しております。今後も引き続き全ての市町村においてBCPが策定されるよう市町村向け研修会を開催するなど必要な支援を行ってまいります。 次に、大綱三点目、政策評価と科学的根拠のある政策についての御質問にお答えをいたします。 初めに、これまでの行政評価の実施に関する評価と行政評価の目的についてのお尋ねにお答えをいたします。 行政評価については、県民の視点に立った成果重視の行政運営等を目的として条例に基づき実施してきたところであり、この二十年間改善を加えながら着実に取り組んできたことによって、職員の意識改革やPDCAサイクルの定着が図られてきていると認識しております。また国が調査を行った行政評価の目的については、宮城県といたしましても行政運営の効率化、行政活動の成果向上、職員の意識改革など全国の自治体と同様に考えているところでございます。 次に、行政評価と予算の関係についての御質問にお答えをいたします。 行政評価の結果を予算に適切に反映させ、PDCAサイクルを回していくことは大変重要と認識しております。我が県では、政策評価・施策評価を進めていく中で、施策や事業の進捗状況を把握し、評価結果に基づいて進捗のおくれが見られる施策や更なる展開が必要な施策について、政策財政運営の基本方針で重点化を図るなど、翌年度の当初予算案に反映させているところであります。今後とも施策の進捗状況等を踏まえて目標指標の見直しも行いながら、行政評価を適切に実施しその結果を予算に反映させることにより、県民の視点に立った成果重視の県勢を進めてまいりたいと考えております。 次に、政策形成へのエビデンスの活用についての御質問にお答えをいたします。 政策形成において統計的分析や実証的研究等によるエビデンスを活用して意思決定を行うことは大変重要であると認識しております。こうしたエビデンスの活用はPDCAサイクルにおける評価の質を高め、行政運営の効率性と質の向上などにもつながるものと考えております。少子高齢化の進展や厳しい財政状況の中で限られた資源を有効に活用していくため、地域経済分析システムなどの各種統計を更に積極的に活用するとともに、県民ニーズや社会情勢、事業の費用対効果などを考慮しながら効果的な政策の形成に努めてまいります。 次に、私立幼稚園に対する運営費補助の改善及び教員人材確保のための追加助成についての御質問にお答えをいたします。 県では財政状況が非常に厳しい中、運営費補助につきましては平成十三年度以降毎年その単価を引き上げてきたところであります。私学団体調査による平成二十九年度当初予算ベースでの運営費補助単価の全国順位は四十二位でありますが、文部科学省調査による平成二十八年度確定ベースでの全国順位は三十一位となっております。運営費補助金の全国順位は調査する団体や時期により異なることから、順位のみにこだわる考えはありませんが、引き続き補助単価の引き上げに努めてまいります。また、私立幼稚園が教員の確保に苦慮している状況を踏まえ、国が導入した補助制度を活用し処遇改善を行った幼稚園に対する補助を今年度から実施することとしました。具体的には通常ベースアップ及び定期昇給のほかに処遇改善を行った場合、その処遇改善に係る費用に対し補助することとしております。私立幼稚園が幼児教育の振興に果たす重要な役割を考慮し、今後もできる限りの支援を行ってまいります。 次に、合計特殊出生率の目標値についての御質問にお答えをいたします。 我が県の合計特殊出生率は人口に占める学生数の割合が高いことの影響などから平成十四年以降全国値を下回る状況が続いており、平成二十八年は全国の一・四四に対して一・三四となっております。したがいまして当面は全国値をもとに設定した目標を掲げて取り組みを強化しながら、国が掲げる一・八の目標値の達成を目指してまいりたいと考えております。 次に、保育所待機者ゼロの目標堅持についての御質問にお答えをいたします。 県では、保育所の待機児童の早期解消を目指し、保育所整備に対する補助事業や保育士人材バンクを通じた就職マッチングなどの取り組みを進めてまいりましたが、復興の進展等に伴って、潜在的保育需要が顕在化してきていることなどから、昨年四月現在で七百九十人の待機児童が生じております。今後とも国や市町村と連携しながら、認可保育所や企業主導型保育所の整備に対する独自の補助制度等に加え、さまざまな保育士確保対策の推進に努め、早期の待機児童解消に向けて鋭意取り組んでまいります。 次に、男性の育児休業取得率の目標実現についての御質問にお答えをいたします。 男性の育児参加については、少子化の抑制や女性の活躍推進等のためにも重要であることから、私の政策集において男性の育児休業取得率を国の平成三十二年度までの目標値の一三%を踏まえ、県の将来ビジョンの目標に上乗せしたものであります。この目標を達成するため、県では経営者の意識改革が必須と考えており、中小企業へのアドバイザー派遣やシンポジウム開催などの取り組みに加え、私も呼びかけ人となり、「みやぎイクボス同盟」を設立し民間企業等と連携した普及啓発に努めております。また働き方改革の更なる浸透も必要なことから、女性のチカラを活かす企業認証制度を運用するとともに、優良企業への知事表彰に男性のワーク・ライフ・バランス推進部門の特別賞を設け、その取り組みを広く紹介しております。今後とも宮城労働局などの関係機関と連携を図りながら男性の育児休業取得率の向上など、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取り組みを進めてまいります。 次に、大綱四点目、特別委員会政策提言の実現度についての御質問にお答えをいたします。 初めに、子育て支援の取り組み強化についてのお尋ねにお答えをいたします。 地方創生に取り組んでいくに当たっては、仕事と子育ての両立、結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援を総合的に推進していくことが重要であると考えております。そのため子育て世代包括支援センターの設置促進や乳幼児医療費助成制度の対象年齢引き上げのほか、今年度からは子育て世帯への経済的支援として小学校入学準備支援事業や子育て世帯支援融資事業等の新たな取り組みを実施しております。また、みやぎ青年婚活サポートセンターの設置等による結婚支援事業や不妊に悩む方への治療費支援、独自のかさ上げによる保育所整備の促進など幅広く手厚い支援に取り組んでいるところであります。今後も市町村や企業、関係団体等と連携しながら安心して子供を産み育てることができる地域社会の実現と女性の活躍促進にしっかりと取り組んでまいります。 次に、再生可能エネルギーの導入に当たっての橋渡しの役割と地域活性化についての御質問にお答えをいたします。 地域への再生可能エネルギーの導入に当たっては、民間企業の持つ技術やノウハウを生かした上で環境保全との調和や地元関係者との合意形成などが円滑に進むよう、自治体に対して一定の橋渡しの役割が期待されているものと考えております。そのため県では例えば洋上風力発電等の県内沿岸地域への導入については、漁業者を初めとした関係者による研究会を設置し、課題解決のための環境整備や合意形成に取り組んでおります。またバイオマス発電については、地元材の活用に向けて林業者やチップ加工業者、民間発電事業者等を対象としたセミナーを開催するなどし、エネルギーの地産地消による地域活性化を目指した取り組みを支援しているところであります。我が県では再生可能エネルギー等・省エネルギー促進条例に基づき基本計画を策定し、これまで再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでいるところであり、今後とも地域での経済循環や地域活性化に資するよう、各種事業を推進してまいります。 次に、再生可能エネルギーを活用した地域活性化を目指す協議会についての御質問にお答えをいたします。 地域が主導してその特性に応じた再生可能エネルギーを活用し、地域活性化を目指す取り組みは、持続可能な社会を構築していく上で大変重要なものと認識しております。我が県では、震災復興計画の復興のポイントの一つとして再生可能なエネルギーを活用したエコタウンの形成を掲げ、市町村や地域住民が参加する協議会等の活動を支援してまいりました。具体的には協議会の立ち上げから事業化までの各段階に応じた補助制度のほか、全市町村を構成員とするエコタウン推進委員会での情報交換や先進地視察等を通じて市町村を支援してきたところであります。県といたしましては、今後も地域での説明会や県内事例集の作成などを通じ、エコタウン形成を目指した協議会の取り組みが県内各地で展開されるよう引き続き積極的な支援を続けてまいります。 次に、介護人材確保対策の今後の方向性についての御質問にお答えをいたします。 県では平成二十六年度に県内の介護関係十八団体で構成する宮城県介護人材確保協議会を設立し、「多様な人材の参入促進」、「職員の資質向上」、「労働環境、処遇の改善」を三つの柱として、介護人材の確保に向けた取り組みを推進してきているところであります。今年度は外国人介護福祉士の養成や介護職員の初任者研修の受講支援、新任職員の合同入職式の開催、介護職員の負担軽減や介護職の魅力向上のためのロボット等介護機器の導入支援等を実施しております。来年度からはこれらの事業を推進するほか、これからの介護事業を担う次世代の経営者を育成するビジネス塾の開講やロボット等介護機器の効果を体感できるモデル施設の設置等新たな事業にも取り組むこととしており、今後とも関係団体と連携を密にしながら介護人材の確保、定着に全力で取り組んでまいります。 次に、パーソナルアシスタントについての御質問にお答えをいたします。 パーソナルアシスタント制度は、障害のある方が介助者をみずから選んで雇用し、介助内容及び報酬を決定する制度で、スウェーデンなど北欧を中心に実施されている福祉施策であると認識しております。県内では、障害福祉サービスを提供している社会福祉法人ありのまま舎が居宅介護や重度訪問介護サービス等において、利用者が望むケアの実現を目指し、本人が希望するスタッフによる介助を受けられる試みを行っていると聞いております。高齢者を対象とする介護保険サービスでは利用者が介護者をみずから雇用することはできませんが、ケアマネジャーが利用者の希望を取り入れながら本人の自立支援に資するサービスが提供されているところであります。県といたしましては、パーソナルアシスタント制度の趣旨を参考にしつつ、ケアマネジャーの資質向上等を図りながら、それぞれの高齢者の希望に沿ったサービスがより適切に提供されるよう取り組んでまいります。 次に、PDCAサイクルに基づいた計画策定についての御質問にお答えをいたします。 県勢運営に当たっては、政策、施策及び事業の進捗状況を客観的に検証、分析し、その結果を次の企画立案や予算編成に反映するPDCAサイクルの循環が重要であると認識しております。このような考え方のもと県民ニーズや課題をしっかりと把握した上で、中長期的な計画を策定し進行管理を適切に行いながら、さまざまな施策を適時的確に打ち出してまいりたいと考えております。 次に、政策遂行に当たっての基本姿勢についての御質問にお答えをいたします。 御指摘のありました政策遂行に当たっての考え方は、それぞれ大変重要なものであると考えております。これまでも県から国に対し積極的に働きかけを行い、仙台空港民営化や医学部の新設を実現するなど、従来とは異なる新しい制度設計や思い切った手法を取り入れ、複数部局が連携したプロジェクトとして推し進めてきたところであります。引き続き私がリーダーシップを発揮し、現場主義や県民の視点に立った成果重視の県勢運営に努め、震災からの復興と宮城の更なる発展に向け、県庁一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 教育委員会教育長高橋仁君。    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕 ◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱二点目、先手防災の取り組みについての御質問のうち、千葉県の防災教育の取り組みに対する所感についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県においては東日本大震災の厳しい教訓を踏まえ、命を守る防災教育の実践を目指し、みやぎ学校安全基本指針を策定し、全ての学校において防災マニュアル等の整備を徹底させるとともに防災教育副読本を活用し、児童生徒や地域の実態に即し、地域と一体となった防災教育を展開しているところであります。国の委託事業である防災教育を中心とした実践的安全教育総合支援事業については、我が県では石巻市と柴田町が取り組んでいるところでありますが、千葉県においても学校と地域住民や関係諸機関が参加する合同防災訓練等の取り組みが行われ、成果を上げていると承知しております。今後、震災後に生まれた子供たちが小学校に入学することとなりますが、震災の記憶を風化させることなくその教訓を児童生徒等に語り継ぎ、後世に伝える取り組みを実践し自他の命を守るために行動できる児童生徒を育ててまいりたいと考えております。 次に、大綱三点目、政策評価と科学的根拠のある政策についての御質問のうち、教員の質の改善施策が教育効果や経済効果を高める可能性があると考えるがどうかとのお尋ねにお答えいたします。 我が県の創造的復興を実現し持続可能な地域社会を形成していくためには、未来を担う質の高い人材の育成が不可欠であり、こうした人材の育成に学校教育が果たす役割は極めて大きいものと認識しております。そのため学校における教育環境の充実が重要であり、とりわけ児童生徒に直接接する教員の影響力は大きく、その資質能力の向上が必要不可欠であると考えております。これまで県教育委員会では我が県の教員に求められる資質能力を明確に示し、それらを踏まえた研修の充実に取り組むとともに授業改善に向けた五つの提言を示すなど、教員の資質能力全体の底上げに努めているところであります。今後とも教員の養成を担う大学との連携も推進しながら、教員の養成、採用、研修の一体的な充実を図り、教員の資質能力の向上のための取り組みを継続してまいります。 以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) 御答弁ありがとうございました。地方自治法の課題なんですけれども、結局のところ歳入の自治がないので歳出の自治を確立できないのではないでしょうか。歳入の自由がないために補助金の獲得に走らざるを得ない。政府の企画した事業を受け入れ補助金を獲得すれば地方債の起債が認められますが、同時に地方公共団体のいわゆる裏負担をしなければならないという点によくあらわれていると思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 歳入の自治が更に拡大をされれば当然のように歳出の自治が広がっていくと。今の補助制度はどうしても裏負担が生じ、またAという事業がやりたくてもAという事業には補助金がなくて、Bという事業には補助金がついているということであれば、我々はBよりもAをしたくてもBという事業をせざるを得ないといった意味では議員のおっしゃるとおりだというふうに思います。ただ、今の国の財政状況を考えましてもそう簡単にはいかないというのもこれまた事実でございまして、三位一体改革、余り声高にみんなで頑張った結果としてこのようになってしまって、自分で自分の首を絞めてしまったというようなことにもなりかねませんので、その辺は言うべきことは言いながらも、余り無理なことだけを主張して結果的に首を絞めることないように、それのバランスというのも必要ではないかなと。過去の教訓で私はそのように思っております。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) あつものに懲りてなますを吹かないように。事務権限の移譲については、平成二十九年七月に出されました全国知事会の提言「地方分権の推進について」で「国は、外交、防衛など国際社会における国家としての存立にかかわる事務など、本来国が果たすべき役割を重点的に行う一方、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体に委ねていくという基本的な改革の方向性を徹底する必要がある」としています。これまで全国知事会は、農地転用、ハローワーク、中小企業、農林水産業への支援などに関する事務権限の移譲を国に対して要望してきたようですが、今後の見込みをお聞かせください。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 知事会では過去そのような議論してましたけども、現時点において、更に具体的にこの権限をというような議論は余りなされていないというふうに認識しております。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) 県から基礎自治体には随分事務事業の移譲が進んでます。国が渋る理由というのを一言で言えばどんなものなんですか。どういう言い方をして渋っているんでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 決して国も渋っているわけではなくて、先ほども言ったように宮城県からもいろんな提案をさせていただいて、四十九の提案を行って、そして二十件については規制緩和等がなされておりますので、今の政権、前政権もそうですけれども規制緩和については非常に積極的にされておりますし、権限移譲もできるものはしたいというふうに考えているようであります。ただやはりどうしても権限移譲にともなって財政負担というものも生じてくるというような部分もございますので、その辺は国も財政が厳しいということで、うまく調整がいかない部分も散見されるというところだと思っております。やろうとすることは、権限はできるだけ移譲しようというそういう意思は少なくとも政治の世界では持ってるというような気持ちは持っております。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) やっぱり聞いてみないとわからないものですね。やっぱりそういうように捉える向きもあると、こういうことですね。 政策評価なんですけれども、数値目標は必ず出ます。数値目標は人口の減少を見据えるとともに、その産業の将来性や時代のニーズを的確に捉えたものとすべきです。当然ですよね。ところが農林漁業など一次産業などは議会を意識してか、現状以上の数値目標になりやすい面もあるのではないかと私は考えますがいかがですか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) いろんな数値目標を設けておりますが、かなりチャレンジングだなと思える目標も確かにございます。これは私の性格にもよるものなんですけれども、批判を恐れると低めに設定しておいて、全て成功したと言ったほうが批判を受けないわけですけれども、それだとやっぱりやる気が起こらないと思って、ちょっと高め高めに私は数値を目標にするような形にして職員を鼓舞するようにしております。特に一次産業というのは宮城県の基幹産業でございますので、そういった意味では農林漁業しっかり頑張ってほしいという、職員を鼓舞する意味からも高目に設定しているというのは否めないというふうに思いますが、頑張れば達成できるというふうな思いを持ってつくっているのも事実でございまして、絵に描いた餅だったと後でお叱りを受けないようにできる限り努力をしてまいりたいというふうに思っております。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) 気持ちは大変すばらしいと思いますが、空回りすることのないように。そして何よりも執行部や担当者が政策評価を大切にして、いかに自分たちの事務事業に生かしていくかという気持ちが重要だと思いますが、これまでやっていたことだからと惰性にならないように気をつけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 政策評価・施策評価というのは、しっかりと最終的には庁議、政策財政会議にまで諮ってそして副知事、各部長、全部いる中で議論をしてこれでいいのかということを決めてますし、必ずその後に、ただそれで評価して終わりではなくてこれを次の事業に生かさなければ意味がないんだということ言っております。政策評価・施策評価はかなり厳しくチェックをしておりますし、また我々がした政策、施策評価が本当に正しかったかどうかということをまた外部のほうに再チェックをしていただいておりますので、そういう意味では自己評価は厳し目厳し目にさせていただいておりまして、だめなものは次の年度以降にしっかりと改善するようにしております。そういったこともしながら今回の議会に提案をしている、いろんな施策を出しておりますので、ぜひともお認めいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) エビデンス、実証的証拠に基づく政策についてですけれども、例の税金の滞納者に対するです。宮城県は自動車税などの税金滞納者に対しては、督促状、催告書、差し押え予告書を出すなど厳しく対応されていることは承知していますが、イギリスで税金滞納者の納税率を高めた督促の手紙の件ですけれども、手紙を出さなかった場合の徴収率が六七・五%であったのが、「英国民は」とすると七二・五%になり、「あなたの町では」と範囲を狭めると八三・〇%にまで徴収率がアップしたようです。人は知ってる人には悪く思われたくないという心理が働くようです。参考にされてはいかがでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 御質問伺っておりまして非常におもしろいなと思って聞いておりました。ぜひ参考にさせていただきたいと思います。督促の仕方、何日までに払ってくれないとこうなりますよという脅し文句のようなものだけじゃなくて今言ったように、このように皆さんに協力をしていただいてますと、あるいはこういうことで我々いろんな事業ができておりますと。「あなたの町は」という言い方をすることによって、気持ちを前向きにしてもらえるように工夫をしていきたいというふうに思います。非常に参考になりました。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) 男性の育児休業率と合計特殊出生率についてなんですけども、安倍内閣の成長戦略は政策群ごとにKPI、成果を図るための指標を設定しており、保育の受け皿に関するKPIは進んでいるようですが、待機児童解消というKPIは達成困難な状況にあり、男性の育児休業取得率もほとんど改善していないとのことですが、国では難しいけれども本県では可能だという点をもう少しわかりやすく説明していただけますか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 決して安倍内閣も国ではできないというふうにはおっしゃっていないというふうに思います。当然国ができないのに県だけでやるというようなことも難しいと思っておりまして、当然国や県、市町村また企業にも御協力いただきながらみんなで力を合わせてやっていかなければならないと思います。その中でまずは県としては県職員が育児休業、男性職員が取得しやすいように、まずは隗より始めよで自分のところからやれるようにしていきたいなというふうに思って、事あるごとに職員に男性の育児休業がとりやすいように、まずは職場の雰囲気を改善していかなければだめだよというようなことを何度も申し上げているということであります。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) 村井知事の前向きな積極的な姿勢は大変すばらしいと思います。しかし合計特殊出生率というのはそう簡単にはふえないんです。宮城県の人口は平成十五年をピークに減少しており、平成五十二年には県下の八つの市町で人口減少率が四〇%を超え、二十の自治体では三〇%以上減少すると予測されています。人口がふえない中では、いかに元気な若者を多くつくるかという視点と人口減少社会にあっても利便性が確保されるコンパクトシティー政策を推進するという姿勢が大切なのではないでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 日本は移民政策を認めておりませんので、どうしても今のこの制度のままでは、この減少率というのを抑えるのは難しいというふうに思っておりまして、恐らく今御指摘のあったような平成五十二年にはそのような数字にだんだん近づいていくのではないかなというふうに考えてございます。そういうことを前提に考えますとおっしゃったように、いかに元気な若者をふやしていくのかと。自分たちのところでふえないのであれば外から持ってくる。あるいはより一人一人の能力を高めて付加価値を生み出すようなことをやっていただけるようなそういう若者をふやしていくと。あわせてコンパクトなまちをつくって税金を効率的に使えるような、そういうまちづくりを目指していくというのは非常に重要なことだというふうに思います。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) 再生可能エネルギーについてなんですけども。宮城県は再生可能エネルギーの導入促進に向けて風力発電所の建設適地を一覧できる地図を初めて策定したとの報道がありましたが、まさに時宜を得た施策だと考えます。民間企業参入へ向けて宮城県として調整力を更に発揮していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。民間との間の調整力を発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 当然再生可能エネルギーをふやしていくということは非常に重要なことでございまして、風力発電にかかわるその他の再生可能エネルギーにつきましても民間の活力を活用しながら進めていく必要があると思ってございます。そういった意味ではその間に入って調整を図っていくという務めはしっかりと果たしていきたいなというふうに思っております。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) パリ協定の温室効果ガス大幅削減の方針に基づき、経済産業省の有識者会議は、二〇三〇年度のエネルギー基本計画で再生可能エネルギーの構成比を二二%ないし二四%としました。県はバイオマスや地熱を今後の重点分野としており、更に農業用水路を活用した中小水力発電の可能性も探るべきだと考えますが、大きく伸ばすにはなかなか難しい面もありますので、現実的に可能性が大きい省エネルギーにもっと力を入れるべきだと私は考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 再生可能エネルギーをふやしていく努力をするのも当然なんですが、どうしても限界がございます。時間かかります。そういった意味では省エネ、エネルギーを使わない努力をするということも極めて重要であるというふうに思っております。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) 映画にもなりました、例のチェルノブイリの原子力発電所の事故。あれから三十年が経過して初めて発電所ができました。それが風力発電所でした。だから非常に象徴的だと思うんですけれども--アメリカでは太陽光発電の雇用がふえて二〇一五年で七十七万七千人の雇用が生まれています。世界の自然資源の八〇%を総人口のわずか二〇%が消費していますが、世界のエネルギー消費の二〇%を照明が占めています。LEDだけでなく最近蛍を光らせる酵素を使ってクレソンを長時間発光させることができることにアメリカでは成功しているようです。省エネについて更に力を入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 今のアメリカの新しい技術というのは初めてお聞きをいたしましたけれども、そういった新しい技術開発も含めて県としてもいろいろ協力できることは協力をしていきたいというふうに思います。そういった分野に、もし力を注いで成果が出るというような大学の研究成果であったり、あるいは企業の成果があれば県としてもいろんな形で支援をしていきたいと思いますので、そういう情報がありましたら教えていただければというふうに思います。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) 幼児教育なんですけども、どの教育段階の収益率が最も高いのかと聞かれれば、最も収益率が高いのは、効果があるのが子供が小学校に入る前の幼児教育であるとほとんどの経済学者が一致した見解を述べています。シカゴ大学のヘックマン教授らによりますと、社会収益率は七ないし一〇%にも上るということであり、四歳のときに投資した百円が六十五歳のときには六千円から三万円ほどになって社会に還元されるという研究結果があります。より一層幼児教育に力を入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 私も子供を育てた経験から、幼児教育というのは非常に重要だろうなというふうに思っております。具体的に幼児教育にこれだけ投資したら今後、将来どのように返ってくるのかまでは私はわかりませんけれども、しかし人格形成の面でも非常に幼児教育というのは大きいだろうというふうに思ってございまして、しっかりと力を注いでまいりたいと思います。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) うそをつかない、他人に親切にする、ルールを守る、勉強するの四つの基本的なモラルをしつけとして教わった人が、それらを全く教わらなかった人と比較すると、年収が八十六万円高いという神戸大学の実証研究があります。幼児教育と教員の質の向上に更に真剣に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 本当におっしゃるとおりだというふうに思いまして、幼児教育につきましては、限られた財源でありますけれどもしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。教育につきましては教育長のほうから答弁をいたします。 ○議長(中島源陽君) 教育委員会教育長高橋仁君。 ◎教育委員会教育長(高橋仁君) 今知事から幼児教育の件がございましたが、知事部局と一緒になって現在学ぶ土台づくりということで就学前の子供たちに対する、今議員からお話のあったようなことをしっかりと身につけてもらうための取り組みを進めているところでございます。教員の資質能力については先ほど答弁申し上げましたが、やはり全体として底上げをしていかないと、外れの先生がいないんだという状況にすることが極めて重要だと思っておりますので、今後ともしっかりと研修を中心に進めていきたいと思います。 ○議長(中島源陽君) 四十四番藤原のりすけ君。 ◆四十四番(藤原のりすけ君) ありがとうございます。最後に一通の手紙を紹介させてください。「この国の人々は今まで発見された国民の中で最高であり、日本人よりすぐれている人々は異教徒の間では見つけられない。彼らは親しみやすく一般に善良で悪意がない。何よりも名誉を重んじ、大部分の人は貧しいがそのことを不名誉だとは思わない。」これは一五四九年日本にやってきたフランシスコ・ザビエルが本国のスペインに送った手紙です。日本人としての誇りを大切に、よりよい教育ですばらしい次の世代をともに育てていきたいと心から願っております。終わります。 ○議長(中島源陽君) 暫時休憩いたします。    午後二時十九分休憩-----------------------------------    午後二時四十分再開 ○議長(中島源陽君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。十番中嶋廉君。    〔十番 中嶋廉君登壇〕 ◆十番(中嶋廉君) 日本共産党の中嶋廉です。代表質問をいたします。 旧優生保護法のもとで不妊手術を強要された人が全国で初めて仙台地裁に国を相手取って損害賠償請求を起こしました。本定例会開会日の二月十五日、当事者と関係者の方々が意見書の提出などを求めて宮城県議会を訪れましたが、当事者の方々のお話は涙なしには聞けないものでした。宮城県議会で昭和三十七年十月、複数の議員が強制不妊手術について発言しており、当議会がこれを推進していた事実は重く受けとめなければならないとも思いました。知事に伺います。当時は法に基づくこととされていたとはいえ、宮城県政が進めた強制不妊手術は深刻な人権侵害であり、今の到達点に立ってみずからの誤りをえぐり出してこそ初めて責任を果たしたと言えるのではないでしょうか。県は、情報の開示、被害者の救済につながる対応を始めていますが、更に国による補償の実現、相談窓口の設置など当事者の方々からの要望に真摯に対応することはもとより、県に調査委員会を設けて関係資料の照会や収集に当たり、なぜ全国二位の約一千四百件もの不妊手術が本県で行われたのか、その原因と経過の全容を可能な限り明らかにする必要があると思います。当事者、関係者の皆様への謝罪も必要だと思いますが、お答えください。 さて、村井知事は新年度予算を今後三年間の復興完成期に向かう「ジャンプアップ予算」と銘打ちましたが、被災者、県民の生活が本当にジャンプアップする予算なのか冷静な検証が必要です。ことしは村井県政が富県戦略を掲げて十三年、東日本大震災からの創造的復興を掲げて八年目を迎えます。富県戦略は国際的にも破綻したトリクルダウン論に立ち、大企業を応援すればやがて県民に果実が滴り落ちてくるという、アベノミクスの宮城県版とも言えますが、実際は勤労者の実収入が落ち込み企業の収益が上がっても県民には返ってきていないのが現実です。また大震災を受けて知事が進めた創造的復興は惨事便乗型資本主義そのものでハード中心、被災者は置き去りにされています。こうした中で、今、被災者と県民の声に耳を傾ける暮らし第一の県政への転換が強く求められています。私は以上の認識のもと直面している県政課題について提案を含めて質問いたします。 まず、東日本大震災からの復興と被災者の生活再建支援について伺います。 東日本大震災では、私有財産の形成に公金を投入することはできないという従来の考え方を転換して、事業所の復興のために中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業を初めとする、従前よりも手厚い支援が行われました。しかし労働力を確保できない、販路を回復できないなどの理由で水産加工業や食品加工業を中心に業績がなかなか回復しない企業もあります。再建途上の企業は新商品を開発するための新たな設備投資や旧設備の更新、修繕に充てる補助金を求めています。また中小企業は活用できる制度を自分で探し出すことが難しいので、支援にかかわる情報はわかりやすく定期的に各団体、企業に提供してほしいと要望しています。申請書類の作成に当たる伴走型支援の充実も求めています。お答えください。 販路が回復しない要因の一つに福島第一原発事故の放射能にかかわる風評被害がありますが、東電は賠償を打ち切っています。復活を引き続き強力に働きかけるべきです。国内の取引でも輸出でも放射能の検査証明書が求められることがありますが、その経費を補助することを求めます。県が補償し東電に求償できないでしょうか、お答えください。 みやぎ産業振興機構などによる中小企業診断士などの派遣は小規模企業者に該当する場合は三回まで無料ですが、三回だけでは実情把握しかできない、四回目以降は手弁当でやったという例があります。無料派遣の回数を実情によりふやせないでしょうか、伺います。 津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金ですが、支援の割合がわかりにくく、応募してみたら補助率が低いことがわかり仕方なく辞退したという話がありました。採択され実行されたのが九十二件なのに対し、採択された後で辞退したのが百二件もありました。この補助金の継続と運用の改善を政府に求めてほしいのですが、いかがでしょうか。 サンマ、イカなどの不漁が続き魚体も小型化しています。これが長期間続くおそれがあり、原材料確保の支援の仕組みづくり、強力な販路拡大を県政が音頭をとって進める必要があるのではないかと思いますが、お答えください。 被災市町では自治体職員のマンパワー不足に悩まされていますが、復興事業の業務量と進捗状況を踏まえて支援体制を重点的に強化する必要が生まれています。最大被災地の石巻市は二月一日現在、必要な職員数四百四十六人に対して三十六人が確保できず新年度は更に不足する見込みです。石巻市は復興事業は平成二十九年度と三十年度が最大の山場と言っていますが、大震災の後に全国各地で災害が発生し、他の都道府県から派遣されている職員がどんどん引き上げていく傾向が生まれており、特に土木や用地取得の技術者が不足しています。気仙沼市、石巻市を初め必要な市町に思い切った県職員の配置を求めますが、お答えください。 人口流出が著しい地域では、復興期間の後々までを視野に入れて、まちづくりとあわせて被災地それぞれの地域の産業振興、子育て支援、公共交通の確保などの諸課題を総合的に進めていくことが求められます。住民参加で地域の将来計画を練り上げて市町が推進していく必要がありますが、計画立案段階から県が関与して長期にわたって粘り強く支援していく取り組みが必要です。高知県が人口減少に歯どめをかけるという一大目標を正面に据えて全市町村に県の企画支援員を配置し、それぞれの地域課題の推進に市町村の職員とともに当たり、県政の対応を現場から見直すという取り組みを進めています。高知県の取り組みから学び、支援を必要としている被災市町に県職員を系統的に配置すること、県庁の各部局の力をそれぞれの市町村の支援に横断的に発揮できる仕組みづくりを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、被災者の生活再建支援について五点ほどお伺います。 まず、被災者生活再建支援金について。 県は四月十日までで基礎支援金の受け付けを終了する考えですが、仙台市の実情を固定資産税台帳から調べてみたところ、以前から把握されていた未申請者三百二十人に加えて大規模半壊で家屋を解体した人のうち二百十六人、半壊で解体した人のうち四百九十人が未申請者で未申請者は合計で一千人を超えることがわかりました。県は市町村に問い合わせた上で判断したとしていますが、受け付けを延長し市町村に再調査を求めるべきですが、お答えください。 災害公営住宅の家賃減免についてです。 復興庁の十一月二十一日付の通知を徹底していただき、五市町が災害公営住宅の家賃減免を継続すると表明しました。財源は十分に交付されており、災害公営住宅を建設している二十一市町の全てで延長することが可能なので、県のイニシアチブ発揮を求めますが、いかがですか。 またいわゆる収入超過者についてですが、平成二十三年に改正された公営住宅法に基づけば入居を継続できる人が圧倒的多数です。働き盛りの世代が多く、災害公営住宅のコミュニティーを維持する力にもなる人たちです。復興庁の通知がわざわざ収入超過者に言及し公営住宅法を踏まえた条例改正をすること、建設費高騰等の震災特有の要因による家賃増加分を減免する手法まで例示しているその趣旨を市町村に徹底して、市町村間で格差が生じることなく収入超過者の減免が継続されるようにすることを求めますが、お答えください。 被災者の医療、介護の負担免除の継続についてです。 岩手県は収入にかかわらず医療、介護、障害者福祉サービスの利用料の免除を継続しています。宮城県では、住民税非課税の低所得者に限定し、九つの市町で医療、介護の負担免除を継続してきましたが、免除措置をとればその八割は国が支援します。残り二割については被災三県に対して国保財政が困難な保険者に対する特別調整交付金による国の支援があり、市町村の判断により残り二割の負担に充てることができます。二〇一八年度から県が国保の保険者になりますから、県は少なくとも低所得者については支援するという判断を示すべきです。お答えください。 在宅被災者について。 半壊などの被害を受け、さまざまな住宅と生活の課題を抱えながら、自宅で暮らし続けているがために支援から取り残されてきた在宅被災者に対する対応について、NPOと仙台弁護士会から重要な提言が寄せられました。今現実に苦しんでいる在宅被災者のため、既存の見守り活動とは別に、県がこちらから出かけていく戸別訪問や出張相談などに当たる体制の確立、今ある被災者支援総合交付金や生活困窮者支援法の施策の活用を市町と連携して急ぐことを求めます。国への対応についても、アウトリーチ型法律相談支援事業、ケースマネジメント体制の確立を喫緊の課題として国に求めることなど、在宅被災者の願いへの対応を求めますが、お答えください。 水産特区について伺います。 ことし秋に五年ぶりに漁業権の更新が予定され、県は今、特区導入の結果を検証しています。平成二十五年に国に提出した復興推進計画に掲げられていた諸目標が、計画期間の平成二十八年度までに達成できたかどうかが大事です。仙台水産のホームページに桃浦かき生産者合同会社の売上額が公開されていたので計画期間の実績を計算してみたところ、累積売上高は計画の六三・一%にとどまっていました。金額では計画より三億七千万円も少なく、当期純利益を計算すると累積で赤字四千六百万円という結果でした。計画と実績は大きく乖離していると思いますが間違いないでしょうか。事業の継続性が懸念されます。桃浦かき生産者合同会社が債務超過に陥っていないか実情を伺います。浜の連帯を壊したことや漁師のあり方を変えたこと、他産地カキの流用を引き起こしたことなどから特区は廃止して漁業権の取り扱いは漁師の自治に委ねるべきですが、お答えください。 県政の各分野のうち教育に重点を置いて伺います。 昨年末の十二月二十六日、文部科学大臣が学校における働き方改革に関する緊急対策を発表し、その内容が二月九日付で教育長に通知されました。教員が余りにも多忙で子供たちと向き合えなくなっていますが、十年ぶりに行われた教員勤務実態調査で更に勤務時間が延びていることがわかりました。過労死ラインを超える長時間労働は小学校で三三・五%、中学校で五七・六%、他産業をはるかに上回っているという非常に深刻な状況です。緊急対策と通知は、中教審が昨年十二月二十二日に公表した、「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」いわゆる「中間まとめ」と呼ばれるものに基づくものです。教員の命と健康にとっても子供の教育にとっても、教員の異常な長時間労働を是正することはまさに喫緊の課題になっています。中間まとめと通知を積極的に受けとめ、必要性の乏しい行事の廃止など従前の対策から大きく踏み込んで具体化すべきですが、県教委の受けとめ方をお答えください。 この通知の具体化に当たって留意すべき点があると思います。第一に、通知が、削ることを検討する対象に授業準備の時間を上げていることは問題です。国は教員定数を算定するのに一時間の授業に一時間程度の準備が必要という考え方をとっています。しかも主体的、対話的な深い学びをつくれという新指導要領からの要請は、教員に従来以上の授業準備を求めており、教材研究や授業準備の時間はしっかり確保すべきですが、お答えください。 第二に、学校における働き方改革について中間まとめは、押しつけではなく基本的には各学校の主体性を大事にしながら行うべきで、教職員間で業務のあり方、見直しについて話し合いの機会を設けることが有効であるとしています。現場の教職員の意見を尊重して進めるべきですが、お答えください。 第三に、中間まとめは学習指導要領の改訂による授業時間の増加の問題に踏み込んでいません。教員が長時間労働になったのは、授業こま数がふえたのにそれに見合う定数増をしてこなかったことが主な要因ですが、県教委は要因をどう考えていますか、伺います。 第四に、中間まとめは教職員の増員に控え目な要求しか出していません。日本教育新聞がことし一月、学校の働き方改革のため国に期待する施策を尋ねたところ、全国の市区町村の教育長の実に九七%が教職員定数の改善を挙げたと報道いたしました。これが教育現場の圧倒的多数の声です。仙台市の郡和子市長が、新年度からの二年間で中学校の全学年を三十五人学級にすることを打ち出し、宮城県の教育行政に新しい風が吹き始めました。隣の山形県教育委員会は三十三人を目安に少人数学級編制に移行した後、一クラスの人数が減ったことによる効果として、一、欠席が減り不登校が減った。二、学力が向上した。三、教員のゆとりが生まれ意欲的に仕事を進めるようになったと報告いたしました。これこそ宮城県民が願っている本物の学校の働き方改革です。国に対して教職員定数の抜本改善を求めることは当然ですが、県独自に教職員を増員すること、少人数学級を目指すことを改めて求めますが、お答えください。 仙台二華高校で海外の教育プログラム、国際バカロレアの認定取得を目指す予算二千三百五十万円にかかわって伺います。 国際バカロレアそのものは全人教育が特色で、思考力、表現力に重点を置いた高い知的水準の達成を目指すとともに、異文化に対する理解力、寛容性、社会の一員としての自覚と責任を養うことを目標としており、それ自体は意義あるものだと理解しています。しかし安倍政権のもとでの国際バカロレアの導入は成長戦略実行計画や日本再生の基本戦略などに位置づけられ、グローバル人材を育成するという名目のもとで、ごく一握りのエリートを養成する狙いの英語教育強化の一環として持ち出されてきたものです。高知県では、各地で県が説明会を開催して三千人を超える県民が参加し、高知県議会でも二〇一四年からその功罪が論議されてきています。ところが本県では県立高等学校将来構想審議会や教育委員会の会議でも国際バカロレアそれ自体は議論されていません。昨年十月の宮城県知事選挙で村井知事の選挙公約に登場し、知事のトップダウンで拙速に予算化されたことは大問題です。県民への説明や教育関係者の論議を先行させるべきです。お答えください。 転機を迎えている特別支援教育について伺います。 特別支援学校に通学する児童生徒がふえていることに伴い、県教委は二〇一七年度に利府支援学校の分校を塩竈市に開設し、二〇一八年度には小松島支援学校の分校を泉区松稜に、二〇一九年度には名取支援学校の分校を名取市内に置く予定です。太白区秋保町に特別支援学校を新設する計画が新年度に動き出すことになっています。しかし仙台圏の特別支援学校の保護者からは、過大過密の問題が一向に解決されていないという声が絶えません。利府支援学校、名取支援学校のプレハブ校舎はいつ解消できるのでしょうか、お答えください。 仙台圏では特別支援学校の児童生徒が今年度の千五百十七人から七年後の二〇二四年度の千七百二十人まで増加を続け、その後も余り減少しないで推移するという見通しで、特に高等部がそうです。秋保のほかにもう一校の特別支援学校を仙台圏に設置することを早期に決断するよう求めます。また各支援学校の規模について、児童生徒数をおおむね百人以下にすることを目指して今後の整備計画を考えてほしいのですが、お答えください。 言語障害や発達障害などがあり、小中学校で通級指導を受ける児童生徒が急増しています。本県でも通級指導教室の開設が進み、今年度仙台市以外の公立小学校の通級指導教室は百五十二学級で、通級している児童数は二千二百九十人、中学校は十一学級が開設され通級している生徒数は七十四人です。小学校には発達障害の診断がある児童生徒が八百六十四人、中学校には四百八十人、合わせて一千三百四十四人が在籍しています。診断はないけれども発達障害が疑われる児童生徒は約二千九百人で合計で約四千二百人に達します。ほとんどの学校で通級指導のニーズがあると思われますが、特に中学校での活用がおくれています。通級指導教室は対象の児童生徒十三人に教員一人が配置されます。文部科学省は通級指導の体制の充実を目指し、昨年度まで加配で対応していた通級指導にかかわる教員を今年度から十年かけて段階的に基礎定数化する措置をとり、本県でも今年度二十人が基礎定数化されました。県がニーズをよく把握するようにして通級指導学級をふやせば教員定数もふえます。積極的に教員を配置し、十年を待たずに指導体制を充実するよう求めますが、お答えください。 新年度から高等学校の通級指導教室が制度化されます。知的おくれのない発達障害の子供とその保護者、中学校の特別支援教室を卒業した後の子供の進路に悩んでいる保護者を初め、多くの人々が必要な場合にどこの高校でも実施されるようになることを期待しています。新年度に予算は確保されているでしょうか。新年度何校で実施する予定でしょうか、お答えください。 東日本大震災と原発事故の複合災害が深刻な福島県で、今なお多くの人々が避難を続けているにもかかわらず、安倍政権が福島の被災者への補償の打ち切りに動き、その一方で日立のイギリスでの原発建設に一〇〇%の政府保証を与え、利益は原発企業に、ツケは国民にという政治を進めていることは言語道断です。小泉純一郎元首相、細川護煕元首相らが顧問を務める原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が原発の稼働停止や電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を高めることを明記した、原発ゼロ・自然エネルギー基本法案を提案いたしました。再生可能エネルギー開発、脱原発、脱石炭という世界の流れに日本が大きく立ちおくれていることは一刻も早く打開しなければならず、日本共産党は、いわゆる原発ゼロ法案には全面的に賛成です。村井知事にいわゆる原発ゼロ法案に関する見解を求めます。 女川原子力発電所二号機の適合性審査を進めている東北電力は、主要な論点の説明を五月末にも終えたいという意向を表明しており、宮城県議会が再稼働にかかわる意向の確認を求められる日が、早ければ年内にも訪れるかもしれないという状況になっています。新しい原子力災害対策指針のもとで三十キロ圏内の住民は、五キロ圏内の住民を先に逃がしている間、自宅退避をすることになっていますが、そのことを自覚している人は少数です。防災関係者の多くも指示に従う人は少数にとどまるだろうと見ています。自宅退避は居住地域が高濃度に汚染されてから避難することになりかねないからです。自宅退避は強要することができません。緊急時に被曝を避けて避難する権利を奪うことができないからです。住民避難はできるだけ早期に行うことが鉄則であり、無用の被曝を避ける不合理な指針は見直すよう政府に求めていただきたいのですが、お答えください。 原発周辺の二市二町と県内避難先自治体との避難協定がまとまりましたが、地震、津波などの自然災害と同時に原発事故が発生した場合は、避難先自治体は受け入れることは難しいとしており、避難計画は絵に描いた餅と言わざるを得ません。知事は大規模な広域避難訓練を秋ころに実施したいという意向を定例記者会見で示しましたが、島根県や福井県などで行われた大規模広域避難訓練では避難計画どおりの時間ではとても避難できず、放射能汚染の検査手順が守られていないなど重大な欠陥や課題が幾つも見つかっています。実効性のある避難計画なしの再稼働がそもそも許されませんが、大規模訓練もそれを生かした避難計画の見直しもまだであることしの秋に、再稼働への地元同意を求められたとしても、そもそも判断できる前提がないと思いますが、お答えください。 避難計画にもかかわり、最近動きがある蔵王を初め火山噴火の評価について伺います。 四国電力伊方原発三号機の運転差しとめを求めて広島市の住民らが申し立てた仮処分の即時公告審で、広島高裁が昨年十二月十三日、阿蘇山の噴火にかかわる原子力規制委員会の判断を不合理だとして運転を差しとめる決定を下しました。広島高裁の決定は、原発に対しては考え得る限り最大の災害に備えなければならないという考え方を示したと思います。伊方原発と阿蘇山の距離は約百三十キロですが、女川原発と蔵王は約百キロメートルです。女川原発の火山にかかわる適合性審査は広島高裁判決前だったので、それが適切だったかどうか、女川原子力発電所二号機の安全性に関する検討会に意見を求めていただきたいのですが、伺います。 女川原発では炉心損傷に備えて原子炉格納容器の下部に注水する設備を設けて、溶融した核燃料を水で冷却することにしていますが、高温の溶融核燃料が水と接触したら水蒸気爆発を引き起こす可能性があります。県も水蒸気爆発の可能性を認め、私の質問に対して「国の審査の状況を注視してまいりたい」と答弁しておりました。ところが原子力規制委員会は、水蒸気爆発が発生したTROIと呼ばれる実験を結果的に無視して合格を出してしまい、専門家から激しい批判が沸き起こっています。原子力規制委員会の水蒸気爆発にかかわる審査は不当ですが、県はどのように判断しているでしょうか、お答えください。 安全対策として導入される格納容器の下部への注水は、安全どころか東日本を壊滅させる大惨事を招く危険があり、私はこのまま実行に移されてはならないと考えています。女川原子力発電所二号機の安全性に関する検討会に水蒸気爆発の可能性を評価するよう求めていただきたいのですが、お答えください。 最後に、航空機の原発への衝突防止にかかわって伺います。 新規制基準では航空機の衝突に耐えられる原発を求めるとともに、原発上空を飛行禁止にして安全確保が図られていますが、軍用機の墜落、特に航空法適用除外の米軍機による事故が安全対策の盲点になっています。米軍オスプレイの飛来に当たり、県を含む王城寺原演習場対策協議会が二月七日、人家や学校などを避けて飛行することや事前に飛行ルート、飛行時間等を明示するよう要望しましたが米軍と防衛省は無視しています。そこへ二月二十日、米空軍三沢基地所属のF16戦闘機の事故と小川原湖への燃料タンク投棄が発生いたしました。オスプレイにかかわる要請を無視されても県が中止要請も抗議もしないという態度をとったことは遺憾です。米軍機事故から県民の安全を守るために言うべきことは主張するという態度を貫くこと、オスプレイは特に事故が多い欠陥機であり厳しく対応することを求めます。お答えください。 壇上からの質問は、以上です。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 中嶋廉議員の代表質問にお答えをいたします。大綱五点ございました。 まず大綱一点目、旧優生保護法下の人権侵害についての御質問にお答えをいたします。 旧優生保護法に基づく優生手術は、当時の法規定にのっとり医師や学術、司法等の関係者から構成された県の優生保護審査会における審査等の手続を経て実施されたものであります。また手術に要する費用については、国庫負担のもとで関連予算の議決を経て県が支弁することとされておりました。県ではこれまでも関係する文書や資料の保存と捜索、そして現存する資料等の内容に関する調査、公表など、でき得る限りの真摯な対応に努めてまいりました。現代に生きる私どもとして、手術を受けた方々が心身ともに大変つらく苦しい思いをされてきたことに対しましては深い同情の意を禁じ得ません。しかし先月三十日に国に対する損害賠償請求訴訟が提起されたところでもありますので、現時点におきましては司法の判断や国の動向を見守ってまいりたいと考えております。 次に、大綱二点目、これからの復興と被災者の生活支援、水産特区についての御質問にお答えをいたします。 初めに、東日本大震災からの再建を目指す企業への支援についてのお尋ねにお答えをいたします。 未復旧の施設や設備の更新についてはグループ補助金において従前から補助対象としてきておりますが、平成二十七年度から新商品を開発するための新たな設備投資等についても新分野の事業として補助の対象にしており、平成二十八年度末時点で百四十三事業者に対して約百億円を交付決定しております。また中小企業、小規模事業者に対する支援制度の周知については、県のウエブサイトへの情報掲載やガイドブックを作成したほか、商工会、商工会議所など中小企業支援機関を定期的に訪問し、新たな取り組みや制度についての情報提供を行っております。県といたしましては今後とも、中小企業、小規模事業者に対する伴走型支援体制の強化を図るとともに、関係機関と連携しながら各種支援策が有効に活用されるよう、その周知に努めてまいります。 次に、東京電力福島第一原子力発電所事故による風評被害に対する賠償等についての御質問にお答えをいたします。 風評被害対策については、県ではこれまで国内外のさまざまなイベント等において県産品の安全性や魅力をPRするとともに、損害賠償請求に係る説明会や弁護士による個別無料相談会の実施により民間事業者の支援に努めてまいりました。民間事業者の風評被害に対する損害賠償については、閣議決定された、「損害がある限り賠償する」という方針を踏まえ、県といたしましては被害の実態に応じて十分かつ迅速な賠償を行うよう、引き続き東京電力に対し要請するとともに、国に対し東京電力を指導するよう要望してまいります。また放射性物質の検査証明に係る経費については、取引先から検査証明を要請された資料等があれば、原則として賠償しているという実態があることから、各事業者が東京電力に対し損害賠償を請求すべきものと考えております。 次に、中小企業診断士などの専門家派遣についての御質問にお答えをいたします。 県では公益財団法人みやぎ産業振興機構を通して、中小企業、小規模事業者に対し生産管理やマーケティング、取引あっせんなどのさまざまな経営課題を解決するため、中小企業診断士等の専門家派遣を実施しております。その際、派遣を受けるに当たっては三分の一の自己負担をお願いしておりますが、経営基盤が脆弱な小規模事業者に対しては派遣費用の自己負担を三回目まで無料とし負担の軽減に配慮しております。更に震災により被災した中小企業者等については、復興を支援するため八回目まで派遣費用を無料としております。県といたしましては引き続き中小企業、小規模事業者の負担軽減に十分に配慮しながら各種の支援施策の推進に努めてまいります。 次に、津波補助金の継続と改善を国に求めるべきとの御質問にお答えをいたします。 津波補助金については、平成二十五年度に創設され、これまで第七次公募まで実施されており、我が県の採択は百九十四件、うち辞退が百二件となっております。辞退の理由は経営計画の変更や想定していた補助率に達せず、事業実施が困難となったことなどさまざまな事情がありますが、補助金の審査は補助対象の要件、投資計画の熟度、事業の将来性、雇用の創出効果、地域の産業復興への貢献度などの項目により、国の事務局が設置した第三者委員会により公平公正に審査されているものと認識しております。県としては事業完了まで採択企業のフォローアップに努めており、多数の採択企業が事業を完了できるよう引き続き支援してまいります。また補助金の継続については地域の実情を踏まえ、運用期間などの再延長も含めた十分な措置が図られるよう、あらゆる機会を捉えて国に働きかけてまいります。 次に、水産加工業における原材料確保や販路拡大についての御質問にお答えをいたします。 沿岸被災地域の復興のためには水産加工業の再生、発展が重要であると考えております。このため県ではこれまで、震災の影響により水産加工原料の調達が困難となった事業者に対し、調達先の変更により増加した経費を助成するなどの支援を行うとともに、県内外での商談機会の創出や売れる商品づくりのほか、国際市場を念頭に置いた販売戦略の展開やブランド化推進などの販路回復、拡大に向けた支援を行ってまいりました。今後もこれらの取り組みを積極的に推進していくとともに、安定した加工原料の確保の観点から資金面なども含め必要な対策を検討してまいります。 次に、職員が不足している被災市町への思い切った県職員の配置についての御質問にお答えをいたします。 全国からの人的支援については相次ぐ災害等により引き揚げが増加しており、被災市町のマンパワー不足は深刻な状況にあるものと認識しております。このため県ではこれまでも被災市町の要望に可能な限り応えるべく任期付を含む県職員の派遣を初め、先ごろ内陸市町村に対しても職員派遣に一層の協力を要請したほか、全国自治体に対する応援要請や任期付職員の採用支援など総合的に取り組んできたところであります。県といたしましても、みずから膨大な復旧・復興事業を進めており、慢性的な人手不足のため被災市町への派遣総数をふやすことは難しい状況にありますが、来年度についても可能な限り県職員の派遣人数を確保することとしており、中でもマンパワー不足の深刻な気仙沼市や石巻市などについては重点的に支援することとしております。今後もこうした県職員の派遣を初め、あらゆる手段により被災市町のマンパワー確保に努めてまいります。 次に、市町村支援の仕組みづくりについての御質問にお答えをいたします。 県では、被災市町へ職員を派遣するとともに地方振興事務所が中心となって市町と緊密に情報交換を行い、さまざまな地域課題の解決に向けた支援につなげているところであります。また平成二十四年度から関係部局が参加した沿岸十五市町震災復興計画所管部課長会議を開催し、各市町が抱えている課題を共有するとともに効果的な取り組みを促進するなどの支援を行っております。復興期間終了後を見据え被災市町における地域課題の解決に向けて他県の例も参考に、より効果的な仕組みなどを検討しながら今後も部局がしっかりと連携して市町を支援してまいります。 次に、被災者生活再建支援金の基礎支援金に係る申請期間についての御質問にお答えをいたします。 被災者生活再建支援金に係る申請期間については、昨年の十一月議会において基本的に市町村の意向に基づき対応することとし、最終的には十二月末現在の申請状況等を踏まえて判断していく旨答弁したところであります。延長の有無に関する意向確認については、個別ヒアリングや四半期ごとの申請状況の報告を求めながら継続的に確認したものであり、ことし一月に市町村の意向に沿って基礎支援金は延長しない判断をしたところでありますので再調査を求める予定はありません。県といたしましては、これまでも県政だより等により継続的に広報による周知を図っており、市町村においても個別通知等を行っておりますが、御指摘のありました解体済みの半壊等の世帯の中で対象となる方も含め、申請期間内に一人でも多く申請していただけるよう引き続き、県、市町村ともに周知や申請勧奨等に努めてまいります。 次に、災害公営住宅の家賃減免に係る御質問にお答えをいたします。 復興庁の通知では災害公営住宅に入居している収入超過者や東日本大震災特別家賃低減事業の対象者の家賃について、被災市町が独自に減免することが可能である旨が示されております。家賃減免については各市町が地域の実情に応じて判断すべきものでありますが、情報の共有化が重要でありますことから、昨年十二月に会議を開催し、国の考え方や趣旨について各市町に対し説明をしたところであります。こうした中、ことしに入り最大の被災地である石巻市や仙台市、気仙沼市などでは地域の実情に応じた独自の家賃減免措置を講じる動きが出てきたことから、二月十四日に改めて市町との意見交換を実施し、隣県の状況も含め最新の情報について共有化を図ったところであります。県といたしましては、引き続き情報共有に努めるとともに個別にその制度設計等について助言を行ってまいります。 次に、低所得者の医療、介護の一部負担金免除について、国民健康保険の保険者となる県が支援の判断をすべきとの御質問にお答えいたします。 県は国民健康保険の制度改正に伴い来年度から保険者となりますが、一部負担金免除を実施するか否かにつきましては、改正国民健康保険法の定めるところにより、市町村が引き続き判断することになります。県といたしましては、医療や介護の一部負担金等免除措置の実施につきましては、市町村が国の財政支援制度のもと、地域の復興状況や被災された方々の生活再建の状況及び財政状況などを踏まえ総合的に判断していると認識しており、今後も市町村の意向を尊重すべきと考えております。 なお、北海道東北地方知事会を通じ被災三県において国保財政を安定して運営できるよう特別調整交付金による十分な財政支援を国に対し引き続き要望してまいります。 次に、在宅被災者についての御質問にお答えをいたします。 震災から間もなく丸七年を迎えますが、在宅で不自由な生活を送られている方々を含め、それぞれの被災者が抱える課題は高齢化や生活困窮、介護問題など多様化しております。被災市町ではいわゆる在宅被災者を含め、こうしたさまざまな課題を抱える被災者に対して、福祉施策や住宅施策などを活用しながら、訪問や相談を含めた支援を行っているところであり、全ての被災者にできる限りきめ細かく対応していくことが重要であると考えております。県といたしましては、石巻市が実施した在宅被災者に関する実態調査の結果も踏まえながら、さまざまな課題を抱える被災者に対して市町が十分な訪問や相談対応を行うことができるよう、被災者支援総合交付金の活用や、必要な支援制度の国への要望、検討を含め、被災者支援について市町としっかりと連携してまいります。 次に、水産特区についての御質問にお答えいたします。 桃浦かき生産者合同会社の経営状況につきましては、昨年度はノロウイルスによる風評被害等の影響を強く受け、生産額が計画値に対して六四%にとどまっていたため、当期損失約三千八百万円を計上しておりますが、高圧カキむき機の活用促進など単価の高い製品への生産構造のシフトにより収益の改善が可能であると考えております。加えて今後とも支援企業による継続的な支援が想定されることから、県としては現時点では経営の継続性には問題はないものと考えております。また現在外部の専門家の意見も踏まえた復興推進計画の検証を行っておりますが、水面の総合的利用や地元漁民のなりわいの維持に支障がないことに加え、ブランド化や需要拡大等において他地区との連携、協調も図られており、今後も目標達成に向けた取り組みを継続することが重要であると考えております。 次に、大綱五点目、原発ゼロ法案、女川原発の避難計画と安全審査についての御質問にお答えをいたします。 初めに、原発ゼロ・自然エネルギー法案についてのお尋ねにお答えをいたします。 原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が、ことし一月に原発ゼロ・自然エネルギー基本法案の骨子を発表したと承知しております。我が県は東日本大震災を経験しエネルギーの多様化や自立分散型エネルギーの確保の必要性を強く認識しており、地域特性を踏まえた再生可能エネルギーの導入について積極的に推進しているところであります。一方エネルギー政策は国の根幹をなす極めて重要な問題であり、国全体として安定的なエネルギーの需給構造を国の責任で構築することが必要であります。今後、国会等において十分に議論が行われるべきものと考えております。 次に、原子力災害対策指針の見直しについての御質問にお答えをいたします。 原子力災害発生時においては、放射性物質による健康影響をできる限り少なくする必要があり、状況に応じて避難や屋内退避の防護措置を適切に実施することが極めて重要であると認識をしております。原子力災害対策指針では東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、原子力発電所から近いPAZ内については、高線量被曝の影響を避けるため放射性物質の放出前から予防的に避難することを基本としておりますが、原子力発電所から比較的離れたUPZ内においては、放射性物質の吸入による内部被曝のリスクや避難行動による危険を避けるために、まずは屋内に退避し定められた空間放射線量率に達した地域から順次避難を行うことにしております。県としてはこのような指針の考え方は適切であると考えており、UPZ内の住民に対しては指針に基づき策定された市町の避難計画により避難するよう市町とともに周知を図ってまいります。 次に、再稼働への地元同意への判断についての御質問にお答えをいたします。 実効性のある避難計画の策定は再稼働の有無にかかわらず大変重要であると認識しており、現在県では女川地域原子力防災協議会の作業部会において、国や関係七つの市町と連携しながら、各市町の避難計画を含む女川地域の緊急時対応の策定に向けた作業を進めております。仮に国が女川原子力発電所の再稼働を進める方針を決定し、再稼働の同意を求められた場合には、安全性や緊急時対応などの国の方針について県民や自治体に説明がなされた上で、周辺自治体を初めとする県内の市町村長や県民の代表である県議会の御意見をしっかりと伺い判断したいと考えております。避難計画については絶えず検証と改善を行う必要があると認識しており、県といたしましては県民も参加する原子力防災訓練等による検証や作業部会での検討を通じてその具体化、充実化に努めてまいります。 次に、女川原子力発電所二号機における火山に関する審査についての御質問にお答えをいたします。 適合性審査における火山の審査については、原子力規制委員会が策定した審査ガイドに基づき立地評価と影響評価が行われております。女川原子力発電所二号機の審査においては、半径百六十キロメートルの範囲から将来の活動の可能性が否定できない火山として蔵王山など十一火山が抽出され、過去の活動履歴や火砕流の範囲等から評価した結果、発電所に影響を及ぼす可能性が十分小さいことから、立地評価についてはおおむね妥当とされております。今後は影響評価において考慮すべき影響とされた火山灰への対応について、設計や対策に関する審査が行われることになっております。女川原子力発電所二号機の安全性に関する検討会においては、国の審査を踏まえ新規制基準に適合することにより向上する安全性等について確認いただくこととしております。 次に、原子力規制委員会における水蒸気爆発に関する審査についての御質問にお答えをいたします。 新規制基準においては、原子炉格納容器の破損を防止するため、溶融し落下した炉心を冷却するために必要な設備を設けることとされており、女川原子力発電所二号機では原子炉格納容器下部への注水により冷却することとされております。韓国で実施されたTROI実験については、原子力規制委員会において溶融炉心の温度や原子炉格納容器下部の水深などの実験条件について確認が行われた結果、実際の発電所においては水蒸気爆発の発生の可能性が十分に小さいと評価されたものであります。女川原子力発電所二号機における水蒸気爆発に関する具体の審査は今後行われることとなっており、県といたしましては引き続き国の審査状況を注視してまいります。 次に、米軍機事故から県民を守る態度が必要との御質問にお答えをいたします。 オスプレイの参加を含め日米共同訓練は国が責任を持って実施するものであり、県がその可否を判断するものではありませんが、米軍用機等の事故、トラブルが多発している状況を踏まえ、県民の安全確保を第一に、安全対策等に万全を期すよう今月七日に防衛大臣に要望書を提出したところであります。訓練開始後は訓練の実施情報やオスプレイ飛来情報について、東北防衛局が設置した日米共同訓練現地連絡本部から情報提供を受けており、本県ではホームページを通じて随時県民に周知しているところであります。 なお、今月二十一日にオスプレイを使用した訓練は終了との連絡を受けているところでありますが、訓練は三月二日まで継続することから、引き続き地元自治体と協力しながら対応してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 教育委員会教育長高橋仁君。    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕 ◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱三点目、教師の働き方改革と国際バカロレアについての御質問のうち、学校の働き方改革においては従前の対策から大きく踏み込んだ対応をとるべきとのお尋ねにお答えいたします。 学校が抱える課題が複雑化、多様化する中、多忙化解消の観点から教職員の業務のあり方についても見直す必要があると考えております。県教育委員会では教職員の在校時間調査を行い、多忙化の要因の一つとして考えられる部活動について、適切な休養日設定等を明示したガイドラインを昨年三月に策定するとともに、事務負担の軽減を目指したICTを活用した県立学校における学校運営支援統合システムの導入、コミュニティースクール等による保護者や地域と協働した学校運営の推進などに取り組んでいるところです。現在国において行われている働き方改革の議論を踏まえ、学校現場における在校時間縮減に向けたこれまでの取り組みを引き続き進めるとともに、教職員の業務の適正化に向けた組織体制の充実強化に積極的に取り組むとともに、研修や各種会議等を通じて教職員の意識改革も進めてまいります。 次に、教材研究や授業準備の時間を確保すべきとの御質問にお答えいたします。 教員が授業を行うに当たっては経験年数や教科、指導内容等に応じて教材研究や授業準備を日常的に行っているものと認識しております。今回の学習指導要領で示している、主体的・対話的で深い学びについては、これまでの授業実践の蓄積を生かしながら授業改善を推進するための視点として捉えており、新たに特別な指導方法が求められているものではなく、これまでと同様に教材研究や授業の準備が行われるものと考えております。 次に、学校における働き方改革は現場の教職員の意見を尊重して進めるべきとの御質問にお答えいたします。 学校における教職員の業務の見直しに当たっては、教職員のみならず児童生徒や保護者、地域の状況等もよく把握しながら進めることが必要不可欠であり、日常的に各学校や市町村教育委員会等と情報交換をしながら進めているところであります。平成二十二年度から県教育委員会内に設置した学校運営支援組織において、教職員との意見交換会を毎年実施してきており、学校現場の教職員と県教育委員会が直接意見交換する取り組みも進めてきているところであります。今後も学校現場の状況把握を積極的に行いながら、風通しのよい教育行政の推進に努め、更なる教職員の負担軽減に取り組んでまいります。 次に、教員の長時間労働の要因についての御質問にお答えいたします。 県教育委員会では教職員の在校時間調査を継続的に行っており、長時間の従事内容についての調査結果から、小学校においては校務処理や保護者対応、中学校においては部活動、課外活動指導、校務処理等が主な要因となっており、これらの改善を図ることが重要と認識しております。このため県教育委員会では部活動のガイドラインの策定や事務の共同実施、発出文書の精選等を進めているところであり、今後も在校時間の縮減に努めてまいります。 次に、国に教職員定数の改善を求めること、県独自に教職員を増員すること、少人数学級を目指すべきとの御質問にお答えいたします。 義務教育における学級編制のあり方については、全国どこに住んでいても同じ教育が受けられるよう、国の責任において定められるべきものと認識しており、引き続き国に対して少人数学級の対象学年の拡充などの教職員定数改善について要望してまいります。また県独自に教職員を増員することについては、厳しい財政状況のもとで新たな財政負担を伴うことになり極めて困難でありますが、少人数学級については現状の取り組みを来年度も継続実施できるよう努めてまいります。 次に、国際バカロレアの導入について県民への説明や教育関係者の議論を先行させるべきとの御質問にお答えいたします。 急速に進展するグローバル化に対応するため、我が県においても国際社会で活躍する人材の育成が求められており、広く県民の御意見を集めながら昨年三月に策定した第二期宮城県教育振興基本計画においても、国際的な視野に立ち、世界の平和や発展に貢献しようとする態度を育てる教育的活動を推進するということを明記しているところであります。その具体化の一方策として県教育委員会では国際バカロレアプログラムを仙台二華高校に導入することとしたものであります。仙台二華高校を選定した理由としては、社会のリーダーとして我が国や世界の発展に貢献できる人間を育成するという教育方針のもとに、開校当初から国際社会の中でたくましく生き抜く生徒の育成を目指して、さまざまな探求活動に取り組んできたこと、平成二十六年度からは文部科学省のスーパーグローバルハイスクールに指定され、学校全体でグローバル人材の育成に向けた取り組みを推進してきたこと等であります。今後学校と十分に連携しながら導入に向けた準備を進めるとともに広報活動にも力を入れ、広く県民の皆さんの御理解を得られるよう努めてまいります。 次に、大綱四点目、特別支援学校の増設と通級指導教室の拡充を求めるについての御質問のうち、利府と名取の支援学校のプレハブ校舎が解消する時期はどうかとのお尋ねにお答えいたします。 現時点においてプレハブ校舎の具体的な解消年次をお示しすることは困難でありますが、県教育委員会では仙台圏域の知的障害特別支援学校における児童生徒の増加に対応するため、富谷市及び塩竈市に利府支援学校の分校、川崎町に岩沼高等学園の分教室を設置してきたところであります。更にことし四月には、小松島支援学校松陵校を開校するほか、西多賀支援学校に知的障害を併置することとしており、来年四月には名取支援学校の分校を名取市立不二が丘小学校内に開校するよう現在準備を進めております。今後仙台南部地区に特別支援学校を新設することで、仙台圏域の特別支援学校の狭隘化の解消が図られるよう新設校の規模も含めて検討してまいります。 次に、仙台圏への更なる新設と今後の整備計画では各校の児童生徒数を百人以下とすべきとの御質問にお答えいたします。 仙台圏域の特別支援学校の狭隘化解消に向け現在検討を進めている仙台南部地区の新設校については、仙台圏域の県立特別支援学校における定員超過教室や特別教室からの転用教室、仮設プレハブ校舎で対応している教室など現状において不足している教室数と今後の対象児童生徒数の見通しを踏まえ、これらに対応した規模とするよう検討を進めているところであります。特別支援学校の規模については、在籍する児童生徒等の障害の状態に応じ必要となる施設や設備がさまざまであること等から、その適正規模について一律の基準を設けることは困難であると考えております。 次に、通級指導教室の指導体制を充実すべきとの御質問にお答えいたします。 発達障害等の児童生徒への通級による指導のために必要な教員の定数については、地方自治体による教員の安定的、計画的な配置に寄与するため、義務標準法の改正により今年度から平成三十八年度までの十年間で段階的に加配定数から基礎定数化されることになったところであります。小中学校の発達障害児等の通級指導教室の開設については、市町村教育委員会において児童生徒の状況や学校の実情等を考慮した上で行われており、県教育委員会としては、今後も市町村教育委員会の希望を踏まえた通級指導教室への教員の配置に努めてまいります。 次に、高等学校における通級指導についての御質問にお答えいたします。 学校教育法施行規則の一部改正により、平成三十年度から高等学校においても障害に応じた特別の指導を行う必要がある生徒を教育する場合に、特別の教育課程による指導ができることになります。県教育委員会では、平成二十七年度から障害のある児童生徒が障害のない児童生徒とともに学ぶ場合の効果的な教育方法等の確立に向けた、共に学ぶ教育推進モデル事業を展開しており、今年度からは県立高校もモデル校として取り組み、高校における通級指導のあり方について実践研究しながら今後の体制整備につなげていくこととしております。今回規則改正はなされましたが、その実施については具体的な評価のあり方など学校現場ではまだ多くの課題があるため、モデル校での実践や他県の先行事例も参考にしながら更に研究を継続することとしており、来年度も必要な予算を計上しております。 以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 十番中嶋廉君。 ◆十番(中嶋廉君) 答弁ありがとうございました。まず旧優生保護法のことについて伺いますけれども、この問題、相模原の事件が最近あったばかりですけれども、優生思想の悪影響というのは非常に根深いものがあると思います。女性の地位向上に努めた方ですとかノーベル賞を受賞した著名な自然科学分野の研究者でありますとか、今日の到達点で見て優生思想の過ちに陥っていたという人がかなり近代でもいらっしゃいます。取り除いていく上でやはりその時々、腰を据えた取り組みが必要ではないかと思っていますし、そういう努力を尽くすことが医療研究とか遺伝子研究に当たる、人権とか倫理の問題に対応する上でも力になると思っています。ですからかなり深刻な問題だという受けとめ方をしてほしいというふうに思っております。それから何分にも年月たってますから、後で調査をすることが、おくれると不可能なので、今の時点での調査が大事だと思ってるんですけれども、この点についての認識はいかがでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これは現在の倫理に照らしますと非常に深刻な問題であるという認識は私は持っております。ただ先ほども言いましたように、現在国に対して損害賠償請求が提起されているところでございますので、これ以上の踏み込んだ発言は控えたいというふうに思います。今の時点でできるだけの調査をしろということで、徹底的にやりました、調べました。ただ文書規程にのっとって残っているもの、あるいは文書規程にのっとってなくても保管していたものについては全て調べました。その上でできる限りの公表をして、また対象者に対しましては詳細な報告をさせていただいてるということでございまして、資料がないものについて探せと言われてもこれ以上は出てこないということは御理解をいただきたいというふうに思います。 ○議長(中島源陽君) 十番中嶋廉君。
    ◆十番(中嶋廉君) 県が一生懸命対処されてるということは承知しております。ただ知事の答弁にもありましたけれども、審査会がつくられて有識者の人が当時それなりに参加していますし、医療機関とか民生委員の人も関与しているということがあります。それでなぜこれだけ大きな過ちを宮城で犯してしまったのかということを考えるときに、調査を今どこまでやったらいいかとか、その調査の方法について私は倫理とか医療、法律の専門家の方に助言をいただいて今どういう調査をしたらいいのか、県の内部資料の発掘だけではなくて、必要な検討をどこかでされるべきではないかと思っていますが、意見を聞いてみるつもりはございませんか、お答えください。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 現在ある資料に対して調べるということは可能ですけれども、それを踏み出して倫理上どうであったのか、また当時の審査会の方たちがどういう判断をなさったのかというようなことまで調べることは、これはなかなか難しいというふうに思っております。その点については宮城県だけの問題だけではなくて国全体で法律にのっとって行ったものでございますので、これは国の責任において統一した調査というものが私はあってもよろしいのではないかなというふうに思っております。 ○議長(中島源陽君) 十番中嶋廉君。 ◆十番(中嶋廉君) 国の対応というのは本当に求められると思いますが、県の対応について医療界ですとか当時かかわっていた人に対して任意で情報提供とか、いろんな証言を求めるとか、そういうことも可能なんではないかと思っています。ですから有識者の方々の意見を聞いてみるとか、県の内部情報の収集だけではない対応も、今の時点で急いで判断を持つことが必要だと思うんですが、もう一問お答えいただけますか。 ○議長(中島源陽君) 保健福祉部長渡辺達美君。 ◎保健福祉部長(渡辺達美君) この問題につきましては、やはり国全体で統一して対応していくということが必要であると思いますので、現時点におきましては国の動向そして裁判の動向を見守りながら、県としては持っている資料を精査していくという対応が現時点では妥当というふうに考えてます。 ○議長(中島源陽君) 十番中嶋廉君。 ◆十番(中嶋廉君) 優生保護法にかかわる調査については、視野を広げて今の時点で調べる必要があるんじゃないかという問題意識を持っていますので、引き続き御検討お願いしたいと思います。 次に、順番がいろいろあるんですが原発のことについて伺います。 火山の影響評価ですけれども、答弁にあったように立地評価、影響評価がやられました。要するに巨大噴火の予測ができるかということと、噴火のレベルがどの程度のものかということを判断するという議論だったわけですが、原子力規制委員会は巨大噴火を予知できる、それから噴火の程度についても、あらかじめわかるものだという前提で電力会社が主張したものを認めたわけですが、日本火山学会が厳しく批判し、広島高裁はだめですという判決を下したわけです。知事、一昨日のことでまだ耳に届いていないかもしれませんが、参議院の資源エネルギー調査会で日本共産党の山添拓議員の質問に対する答弁で、原子力規制委員会の更田豊志委員長が「噴火の規模や時期の特定については予測できないものであると考えている」という答弁をしました。これは従来とってきた原子力規制委員会の態度を明らかに変えるものだと私は思っていて、審査の議論自身が変化していく可能性が生まれていると思います。ぜひ県としても情報を収集して検討会でこの点踏み込んだ議論していただきたいと希望してるんですけれども、いかがでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これはまずは女川原発の再稼働に係る問題、女川第二原発だけではなくて原発政策全体にかかわる問題でありますので、一義的に国の規制委員会なりが、しっかりとまず一定の基準で調査をして、そして判断をしていくべきものであるというふうに思います。 ○議長(中島源陽君) 十番中嶋廉君。 ◆十番(中嶋廉君) 規制委員会が一定の基準で安定した審査をしていただいている状況であれば、私はこの場でこういうことは言ってないんです。いいですか、噴火は予知できる、規模もわかるんだということ言って審査をした規制委員会が批判をされ、裁判所から判決を下され、とうとう国会で予知はできないと認めちゃったんです。そのくらい今揺れ動いているんです。地方の自治体が設置した検討会に国とは別に専門の知恵を集めてそこで議論していただいて、必要な意見を出していただくということが規制委員会の審査をより適正なものにする上で力になるんです。ですから国にげたを預けておくんだという答弁だと思うんです、今の答弁は。そうではなくて県としてもできるだけのことはするんだという立場で、知事から検討会に問題提起をしてほしいんです、いかがですか。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 私どもの検討会は、国の審査を踏まえて新規制基準に適合することによってどれぐらい安全性が向上するのかということを今御議論いただいておりまして、火山にまで踏み込んで議論をするというところまでは考えておりません。先ほども言いましたように火山の影響、蔵王山の影響というものについては、やはりこれは国のこういったようなことについて知見を持ってる方というのは、日本で本当に一部限られた方だと思いますので、そういった一部の限られた方たちの知識を集約をしていただいて衆知を集めて、そして国全体として一定の判断のもとで女川原発について御判断をいただければと。恐らく宮城県がやろうとしても同じ研究者の方にお願いすることになると思いますので、そういった意味では国で数えるほどしかいない研究者の方たちの知見をしっかり聞いて国全体としての統一の見解をお示しをいただき、そして判断をしていただければというふうに思っております。 ○議長(中島源陽君) 十番中嶋廉君。 ◆十番(中嶋廉君) 宮城県として知恵を集めるべきだということを申し上げておきます。 次に、水蒸気爆発の評価についてこれはもっと深刻なんですが、先ほどの答弁で、実際の原発の温度では爆発は起きないと、そのリスクは少ないというふうに原子力規制委員会が評価したという発言がございました。これはTROI実験の二〇〇二年報告書というものを取り上げて原子力規制委員会は審査していて、非常に高い温度で実験が行われて実際の原発とは違う温度だと、だからTROI実験の結果は無視していいんだとそういう判断だったわけです。県の答弁は原子力規制委員会と共通していると思いますが、この二〇〇二年報告書のほかに二〇〇三年と二〇〇七年のTROI実験の報告書が存在しています。それは御存じでしょうか。そこにどんなことが書かれているかも御存じでしょうか、部長でも結構です。 ○議長(中島源陽君) 環境生活部長後藤康宏君。 ◎環境生活部長(後藤康宏君) 私のほうで承知しておりますのは、最初に知事から答弁を申し上げた根拠になっている二〇〇二年の状況でございまして、新たな今、中嶋議員おっしゃった点については、申しわけございませんが把握してございません。 ○議長(中島源陽君) 十番中嶋廉君。 ◆十番(中嶋廉君) こういう質問しますということを四週間ほど前に原子力安全対策課のほうにレクチャーしてあります。実験というのはやればやるほど熟達するんです。測定値も正確になるんです。TROI実験の二〇〇二年の報告書というのは温度の評価に問題があったんです。それでその後の報告書で正確を期すための測定データの補正というものが行われて、水蒸気爆発が実際の原発とまさに同じ温度で発生したということがわかったわけです。後から行われた実験ほど重要で信頼性が高いんですけれども、原子力規制委員会は最初の実験だけやり玉に上げて全部無視するという手口をとったんです。知事、何でこれを取り上げるかっていうと、これはうかつにこれ認めてスルーしちゃったら、万一事故起こったら東日本壊滅するんです。ですから規制委員会認めちゃっているので、私たち知恵集めてとめる以外うまい方法ないんです。ぜひ検討していただいて、検討会に求めてほしいんですがいかがですか。 ○議長(中島源陽君) 環境生活部長後藤康宏君。 ◎環境生活部長(後藤康宏君) 安全性検討会は先ほど知事から申し上げましたように、規制委員会のほうで審議された事項について確認をさせていただいて、宮城県にとって女川第二原発の安全性が確認できるのかどうかというのを検討する場でございますので、新たなこういう科学的知見を必要とする内容については、もしそれが科学的に認められるものであれば、規制委員会のほうでもバックキャストという考え方をとって新たな知見を入れながら、審査基準を更新していくという考え方をとっておりますので、そういった中にまた入ってくるんではないかというふうに思います。現時点で規制委員会のほうで見解を変えないのであれば、それはさまざまな見解の中の一つとして処理されているんではないかというふうに考えます。 ○議長(中島源陽君) 十番中嶋廉君。 ◆十番(中嶋廉君) TROI実験の全部のデータ取り寄せるということはできるので、ぜひ検討を申し入れてください。要するに規制委員会のやった検討がまともだったかどうかを検証していただくということですから‥‥‥。 最後、被災者生活支援金についてどうしても伺います。 仙台市青葉区台原にある半壊の認定を受けているマンションで、解体する合意が決まったことが通告した後わかりました。時間がかかったようです。解体となれば被災者生活再建支援金を申請できるようになりますが、受け付けが四月十日まででは、できなくなります。百戸以上入っています。仙台市には共産党の議員団から働きかけていますけれども、実情を調べてぜひこれ救済してほしいんですが、いかがですか。 ○議長(中島源陽君) 総務部長佐野好昭君。 ◎総務部長(佐野好昭君) いろいろ個別の事情はあると思いますけれども、県としても仙台市を初めとして県内全市町村に対して意向というものも一年間かけて確認してまいりました。その上で基礎支援金については延長する要望がないと、そういうのを受けて手続を進めてまいりましたので、期限をまた延ばすというのはなかなか難しいというふうに考えております。 ○議長(中島源陽君) 十番中嶋廉君。 ◆十番(中嶋廉君) 文書で市町村から回答を求めたのは七月ころだったじゃないでしょうか、お答えください。 ○議長(中島源陽君) 総務部長佐野好昭君。 ◎総務部長(佐野好昭君) 照会を文書で出したのはその時期でございますけれども、その後も四半期ごとの報告、それから個別のヒアリングでずっと継続して変わりはないかということを確認してきております。十二月末での状況も聞きましたので、その際にもまた一月になってからも確認はしております。 ○議長(中島源陽君) 十番中嶋廉君。 ◆十番(中嶋廉君) 共産党の市町村の議員に紹介して実情を調べたんですが、打ち切っていいという報告を出してしまったことについて今になって問題意識を持ってる担当者が少なからずいます。私としては台原のマンションの人たちをぜひ救ってほしいと思いますし、再度調査して継続していただくことを検討してほしいと申し上げて終わります。ありがとうございました。----------------------------------- △休会の決定 ○議長(中島源陽君) お諮りいたします。 議案調査のため、明日から二月二十六日まで三日間本会議を休会とし、二月二十七日再開することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(中島源陽君) 御異議なしと認めます。 よって、明日から二月二十六日まで三日間本会議を休会とし、二月二十七日再開することに決定いたしました。 なお、ただいま御出席の諸君には改めて通知いたしませんから、御了承願います。 残余の質疑、質問は、二月二十七日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○議長(中島源陽君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 二月二十七日の議事日程は追って配布いたします。 本日はこれをもって散会いたします。    午後四時三分散会...