平成30年 2月 定例会(第363回) 第三百六十三回宮城県議会(定例会)会議録 (第七号)平成三十年三月二日(金曜日) 午前十時一分開議 午後三時十二分散会 議長 中島源陽君 副議長
只野九十九君出席議員(五十八名) 第一番 大内真理君 第二番 角野達也君 第三番 内藤隆司君 第四番 高橋 啓君 第五番 遠藤伸幸君 第六番 村上久仁君 第七番 高橋宗也君 第八番 庄田圭佑君 第九番 深谷晃祐君 第十番 中嶋 廉君 第十一番 福島かずえ君 第十二番 天下みゆき君 第十三番 三浦一敏君 第十四番 佐々木功悦君 第十五番 境 恒春君 第十六番 太田稔郎君 第十七番 横山のぼる君 第十八番 遠藤隼人君 第十九番 渡辺勝幸君 第二十番 横山隆光君 第二十一番 佐々木賢司君 第二十三番 熊谷義彦君 第二十四番 渡辺忠悦君 第二十五番 遠藤いく子君 第二十六番 すどう 哲君 第二十七番 吉川寛康君 第二十八番 伊藤和博君 第二十九番 守屋守武君 第三十番 長谷川 敦君 第三十一番 佐々木幸士君 第三十二番 村上智行君 第三十三番 細川雄一君 第三十四番 高橋伸二君 第三十五番 菊地恵一君 第三十六番
只野九十九君 第三十七番 佐々木喜藏君 第三十八番 石川光次郎君 第三十九番 佐藤光樹君 第四十番 岸田清実君 第四十一番 菅間 進君 第四十二番 坂下 賢君 第四十三番 ゆさみゆき君 第四十四番 藤原のりすけ君 第四十五番 坂下やすこ君 第四十六番 庄子賢一君 第四十七番 中島源陽君 第四十八番 本木忠一君 第四十九番 中山耕一君 第五十番
長谷川洋一君 第五十一番 安部 孝君 第五十二番 齋藤正美君 第五十三番 安藤俊威君 第五十四番 畠山和純君 第五十五番 仁田和廣君 第五十六番 藤倉知格君 第五十七番 相沢光哉君 第五十八番 中沢幸男君 第五十九番 渡辺和喜君欠員(一名) 第二十二番
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 山田義輝君 副知事 河端章好君
公営企業管理者 遠藤信哉君 総務部長 佐野好昭君 震災復興・企画部長 伊東昭代君
環境生活部長 後藤康宏君
保健福祉部長 渡辺達美君
経済商工観光部長 吉田祐幸君
農林水産部長 武藤伸子君 土木部長 櫻井雅之君 会計管理者兼出納局長 増子友一君 総務部参事兼秘書課長 武内浩行君
総務部財政課長 清水裕之君 教育委員会 教育長 高橋 仁君 理事兼教育次長 西村晃一君
選挙管理委員会 委員長 伊東則夫君 事務局長 伊藤正弘君 人事委員会 委員長 小川竹男君 事務局長 青木直之君 公安委員会 警察本部長 高須一弘君 総務部長 倉島英明君 労働委員会 事務局長 正木 毅君 監査委員 委員 石森建二君 事務局長 吉田 計君
----------------------------------- 議会事務局 局長 今野 順君 次長兼総務課長 伊藤吉隆君 議事課長 三浦正博君 参事兼
政務調査課長 大浦 勝君 副参事兼
総務課長補佐 三浦 理君 議事課副参事兼課長補佐 千葉良信君 政務調査課副参事兼課長補佐 千葉俊彦君
議事課長補佐(班長) 二上秀幸君 議事課主幹 齋 真
左志君----------------------------------- 議事日程 第七号 平成三十年三月二日(金)午前十時開議第一
会議録署名議員の指名第二 発議第一号議案 みやぎ森と緑の県民条例第三 議第百五十号議案 副知事の選任につき同意を求めることについて第四 議第一号議案ないし議第五十六号議案、議第五十八号議案ないし議第六十四号議案、議第百十一号議案ないし議第百四十九号議案及び報告第一号ないし報告第百二十一号第五 一般質問 〔
長谷川洋一君、庄子賢一君、守屋守武君、遠藤伸幸君〕第六 議第五十七号議案 第七
請願----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一
会議録署名議員の指名二 日程第二 発議第一号議案三 日程第三 議第百五十号議案四 日程第四 議第一号議案ないし議第五十六号議案、議第五十八号議案ないし議第六十四号議案、議第百十一号議案ないし議第百四十九号議案及び報告第一号ないし報告第百二十一号五 日程第五 一般質問 〔
長谷川洋一君、庄子賢一君、守屋守武君、遠藤伸幸君〕六 日程第六 議第五十七号議案七 日程第七
請願-----------------------------------
△開議(午前十時一分)
○議長(中島源陽君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
-----------------------------------
△
会議録署名議員の指名
○議長(中島源陽君) 日程第一、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員に、四十五番坂下やすこ君、四十八番本木忠一君を指名いたします。
-----------------------------------
△発議第一号議案
○議長(中島源陽君) 日程第二、発議第一号議案、みやぎ森と緑の県民条例を議題といたします。……………………………………………………………………………………………発議第一号議案 みやぎ森と緑の県民条例 右の議案を別紙のとおり地方自治法第百十二条第一項及び
宮城県議会会議規則第十五条第一項の規定により提出します。 平成三十年二月二十三日 提出者 議員 畠山和純 賛成者 議員 高橋 啓
只野九十九 長谷川 敦 佐々木賢司 横山隆光 境 恒春 内藤隆司 横山のぼる
宮城県議会議長 中島源陽殿…………………………………………………………………………………………… みやぎ森と緑の
県民条例目次 前文 第一章 総則(第一条-第十条) 第二章 基本的施策(第十一条-第二十三条) 第三章 推進体制の整備等(第二十四条-第二十八条) 附則 本県には、東北地方を縦貫する奥羽山脈に連なる、栗駒山、船形山、蔵王連峰などがある。これらの雄大な山々や、日本三景の一つである松島、
三陸復興国立公園をはじめとする海岸線の松林など、緑あふれる豊かな森林は、四季折々の魅力ある美しい風土を形成してきた。 また、森林は、二酸化炭素の吸収源として地球温暖化を防止するとともに、土砂災害や洪水の防止など県土を保全し、水源を涵(かん)養し、河川、湖沼から海に至るまで多種・多様な動植物の生育及び生息の場を提供してきたほか、県民の憩いの場でもあり、極めて貴重な
多面的機能を有している。 さらに、先人によって拓かれ、育てられてきた森林から、木を切り出し、木材の供給などを行ってきた人々の活躍は、林業及び木材産業を盛んにし、私たちが豊かに暮らせる社会の実現に大きく寄与してきた。 しかし、近年の山村地域における過疎化・高齢化の進行や長期的な木材価格の低迷などにより、林業及び木材産業をめぐる経営環境は厳しい状態が続いている。これらの産業の振興を図るためには、幾世代にもわたり循環利用が可能な森林資源の再生産体制の構築が必要である。 私たちは、
循環型社会の形成と持続的な地域社会の発展に向けて、社会全体の共通財産である森林からもたらされる様々な恩恵について再認識するとともに、先人達が守り、育ててきた森林を次世代へと引き継ぎ、それを担う人材の育成に取り組んでいかなければならない。 ここに、県、市町村、
森林所有者、
森林組合等の
林業事業者、県民及び
関係事業者等が相互に連携及び協力しながら、それぞれの役割と責務に基づいて、本県の
森林づくり並びに林業及び木材産業の将来にわたる振興に努めていくことを宣言し、その方策を広く明らかにするためにこの条例を制定する。 第一章 総則 (目的)第一条 この条例は、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興について、基本理念を定め、県の責務並びに県民及び関係者の役割等を明らかにするとともに、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興の施策の基本となる事項を定め、当該施策を総合的かつ計画的に推進することにより、森林の有する
多面的機能の持続的な発揮並びに林業及び木材産業の健全な発展を促進し、もって
循環型社会の形成並びに県の経済及び地域を活性化することを目的とする。 (定義)第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 森林の有する
多面的機能 森林の有する県土の保全、水源の涵(かん)養、自然環境の保全、公衆の保健、地球温暖化の防止、林産物の供給等の多面的な機能をいう。 二 県産材 県内で生産された木材をいう。 三
森林所有者 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二条第二項に規定する
森林所有者をいう。 四
林業事業者 造林、保育、伐採その他の森林における施業(以下「森林施業」という。)を行う者をいう。 五
木材産業事業者 木材の加工又は流通の事業を行う者をいう。 六
建築関係事業者 建築物の設計又は施工の事業を行う者をいう。 七
木質バイオマス 動植物に由来する有機物である資源(原油、石油ガス、
可燃性天然ガス及び石炭を除く。)のうち木に由来するものをいう。 八 直交集成板 ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した木材製品をいう。 九
セルロースナノファイバー 木材等の植物細胞の細胞壁を形成している主な成分であるセルロースを、ナノ単位まで細かく解きほぐした繊維状の物質をいう。 十
国際森林認証制度 国際的な森林認証を行う第三者機関が、森林経営の持続性や環境保全への配慮等に関する一定の基準に基づき、持続可能な森林経営が行われている森林又は当該森林の経営組織等を認証する制度をいう。 (基本理念)第三条
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興は、県土及び自然環境の保全等の
多面的機能を有する森林が、県民生活にとって次世代へ継承すべき貴重な財産であるとともに、林業及び木材産業が
循環型社会の形成及び地域社会の持続的な発展に重要な役割を担っていることに鑑み、将来にわたり継続的に推進されなければならない。2
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興は、森林の整備及び保全が持続的に行われるよう、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興を担う人材の育成を図ることにより推進されなければならない。3
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興は、県、市町村、
森林所有者、
森林組合等の
林業事業者、県民及び
関係事業者等の適切な役割分担並びに相互の連携及び協力の下、継続的に推進されなければならない。 (県の責務)第四条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。2 県は、前項の施策の推進に当たっては、県民及び県内の事業者(以下「県民等」という。)との協働に努めるとともに、国、市町村、近隣の県その他の
地方公共団体及び関係者と緊密な連携を図らなければならない。 (市町村の責務と役割)第五条 市町村は、基本理念にのっとり、県、
森林所有者、
森林組合等の
林業事業者及び
関係事業者等と連携し、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興を積極的に図るよう努めるとともに、
森林所有者、
森林組合等の
林業事業者及び
関係事業者等に対し、必要な助言又は支援を行うよう努めるものとする。 (
森林所有者の責務と役割)第六条
森林所有者は、県が実施する施策に協力するとともに、基本理念にのっとり、自らの所有する森林の
多面的機能が周辺の住民はもとより広く県民等に様々な影響を与えることを自覚し、伐採後、計画的に植える、育てる、使う、植えるという資源の循環利用を通じた森林の適正な整備及び保全に努めるものとする。 (
森林組合等の
林業事業者の役割)第七条
森林組合等の
林業事業者は、県が実施する施策に協力するとともに、基本理念にのっとり、地域における森林経営の中核的な担い手として、森林の適切な整備及び保全、県産材の安定供給の推進その他の林業の振興に努めるものとする。 (
木材産業事業者の役割)第八条
木材産業事業者は、県が実施する施策に協力するとともに、基本理念にのっとり、事業活動における県産材の有効利用及び県産材製品(県産材を用いた製品をいう。以下同じ。)の安定供給の推進、県産材の新たな用途開発その他の木材産業の振興に努めるものとする。 (
建築関係事業者の役割)第九条
建築関係事業者は、県が実施する施策に協力するとともに、基本理念にのっとり、事業活動を通じて、県産材に係る知識の習得、県産材の積極的な利用及び普及並びに
木造建築技術の継承及び一層の向上に努めるものとする。 (県民等の役割)第十条 県民等は、県が実施する施策に協力するとともに、基本理念にのっとり、森林の有する
多面的機能の重要性について理解を深め、日常生活及び事業活動を通じて、森林保全及び県産材の積極的な利用に協力するよう努めるものとする。 第二章 基本的施策 (森林の適正な整備及び保全)第十一条 県は、森林の有する
多面的機能の向上を図るため、市町村と連携して、伐採後、計画的に植える、育てる、使う、植えるという資源の循環利用の促進並びに森林の現況の把握及び森林の境界の明確化による森林の管理体制の整備、山地災害の防止、森林の適正な保全を図るために必要な規制その他の必要な施策を講ずるものとする。2 県は、
森林所有者及び
森林組合等の
林業事業者が適切かつ効率的な森林施業を行うことができるよう、市町村と連携して、
森林経営計画(森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第十一条第一項に規定する
森林経営計画をいう。)の作成への支援、必要な情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 (県産材の利用の促進)第十二条 県は、県産材の利用を促進するため、品質及び性能に優れた県産材製品等の普及の推進、
公共建築物(
公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律(平成二十二年法律第三十六号)第二条第一項に規定する
公共建築物をいう。)及び公共工事における県産材の利用の促進、県産材を使用する住宅等の建設の促進、県産材の利用の促進に関する情報の提供を行うとともに、
合法伐採木材(法令(条例及び外国の法令を含む。)に適合して伐採された樹木を材料とする木材をいう。)の流通及び利用の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。 (県産材の安定供給の推進)第十三条 県は、県産材の安定供給を推進するため、森林施業の集約化及び合理化の促進、
高性能林業機械の導入への支援、林道及び作業道等の路網の計画的な整備、自伐林家(主に自らが所有する森林において、自ら森林施業を行う者をいう。)の育成及びその取組への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (
加工流通体制の整備)第十四条 県は、県産材の
加工流通体制の整備を推進するため、木材の加工施設及び流通施設の整備並びに生産性の向上への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (森林資源の有効活用の促進)第十五条 県は、
木質バイオマスの利活用を促進するため、
木質バイオマスの加工及び利用に係る施設の整備への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。2 県は、県産材の新たな需要の創出を図るため、直交集成板、
セルロースナノファイバー等の新素材等の研究開発及び普及並びに新分野における利用を推進するための情報収集及び情報提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 (
国際森林認証の取得等の推進)第十六条 県は、持続可能な社会を実現するため、県有林における
国際森林認証制度による認証の取得に努めるとともに、
林業事業者等に対する当該認証の取得等への支援、認証材(
国際森林認証制度により認証された森林から産出される木材をいう。)を使用した製品の開発及び普及の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。 (県産材製品等の販売及び輸出の促進)第十七条 県は、県産材及び県産材製品の販路を拡大するため、
森林組合等の
林業事業者及び
木材産業事業者が行う販売及び輸出の促進への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (人材の育成)第十八条 県は、林業及び木材産業の経営を担う人材又は地域の中核的な役割を担う人材を育成するため、市町村、
森林組合等の
林業事業者及び
木材産業事業者と連携し、林業の魅力の発信、森林及び林業に係る教育並びに林業技術及び森林経営に係る研修等の実施及び充実、就労支援、必要な情報の提供、助言その他の必要な施策を講ずるものとする。 (特用林産物の振興等)第十九条 県は、特用林産物(森林原野を起源とする生産物のうち、一般に用いられる木材を除いたものをいう。)の振興を図るため、生産体制の強化、新たな販路及び需要の開拓その他の必要な施策を講ずるものとする。 (魅力ある
地域づくりの促進)第二十条 県は、森林資源を活用した魅力ある
地域づくりを促進するため、森林資源を活用した都市と農山漁村との間の交流、山村地域における就業機会の確保への支援、森林資源に関する地域文化の継承、県産材を利用した木造建築物による景観の形成並びに森林の良好な景観及び癒しの効果等の観光資源としての活用の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。 (研究開発の推進及びその成果の普及)第二十一条 県は、
森林づくり並びに林業及び木材産業に関する技術の向上を図るため、国、大学、民間企業その他の研究機関と連携した研究開発の推進、その成果の普及その他の必要な施策を講ずるものとする。2 県は、県産材製品及び県産材の加工技術の開発を促進するため、新たな製品及び加工技術に係る情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 (
森林所有者の意欲の高揚)第二十二条 県は、
森林所有者の
森林づくりに対する意欲の高揚を図るため、適切な森林整備に関する情報の提供、技術の指導その他の必要な施策を講ずるものとする。 (県民等の参加及び理解の促進)第二十三条 県は、
森林づくりに関する取組への県民等の参加を促進するため、
森林づくりに親しむための機会の提供等により
森林づくりに対する県民等の意識の高揚に努めるとともに、県民等が行う
森林づくりのための活動への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。2 県は、森林の有する
多面的機能及び木材の利用の意義についての県民等の理解及び関心を深めるため、森林に関する情報の提供、森林に関する学習機会の確保その他の必要な施策を講ずるものとする。3 県は、
森林づくり及び県産材の積極的な利用についての県民総参加の意識の醸成を目的として、
森林づくり月間及び県産
材利用推進月間を設けるものとする。4 県は、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関し特に功績があると認められる者に対し、表彰その他の必要な施策を講ずるものとする。 第三章 推進体制の整備等 (基本計画の策定)第二十四条 知事は、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。 一
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する主要な目標 二
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する方針 三
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する基本的事項 四 前三号に掲げるもののほか、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項3 知事は、基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、広く県民等の意見を反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。4 知事は、基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、産業振興審議会条例(平成十二年宮城県条例第百九号)第一条第一項に規定する宮城県産業振興審議会の意見を聴くとともに、議会の議決を経なければならない。 (推進体制の整備)第二十五条 県は、県、市町村、
森林所有者、
森林組合等の
林業事業者、
木材産業事業者、
建築関係事業者、県民等が意見を交換し、相互に協力することができる体制の整備に努めるものとする。 (市町村との連携協力)第二十六条 県は、市町村が
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する施策を実施することができるよう支援するため、市町村と連携協力するとともに、情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 (議会への報告等)第二十七条 知事は、毎年度、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する県の施策の実施状況等を議会に報告するとともに、公表するものとする。 (財政上の措置)第二十八条 県は、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。 附則 (施行期日)1 この条例は、平成三十年四月一日から施行する。 (経過措置)2 この条例の施行の際現に策定されている
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する県の計画であって、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るためのものであるものは、第二十四条第一項の規定により定められた基本計画とみなす。……………………………………………………………………………………………提案理由 森林の有する
多面的機能の持続的な発揮並びに林業及び木材産業の健全な発展を促進し、
循環型社会の形成並びに本県の経済及び地域を活性化することを目的とし、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興について、基本理念を定め、県の責務並びに県民及び関係者の役割等を明らかにするとともに、
森林づくり並びに林業及び木材産業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進する必要があるため、本条例案を提出するものである。……………………………………………………………………………………………
○議長(中島源陽君) 提出者から提案理由の説明を求めます。五十四番畠山和純君。 〔五十四番 畠山和純君登壇〕
◆五十四番(畠山和純君) ただいま議題となりました発議第一号議案、みやぎ森と緑の県民条例について説明いたします。 条例案の前文にもございますとおり、森林は県民の憩いの場であるとともに土砂災害や洪水の防止など県土を保全し、水源を涵養し、河川、湖沼から海に至るまで多種多様な動植物の生育及び生息の場を提供するなど、極めて貴重な
多面的機能を有しています。しかしながら近年、山村地域における過疎化、高齢化の進行や長期的な木材価格の低迷などにより、林業及び木材産業をめぐる経営環境は厳しい状態が続いています。このような中これらの産業の振興を図るためには、幾世代にもわたり循環利用が可能な森林資源の再生産体制を構築する必要があります。また、我々は森林からもたらされるさまざまな恩恵について再認識するとともに、森林を次世代へと引き継ぎ、それを担う人材の育成に取り組んでいかなければなりません。こうした状況に鑑み、県、市町村、
森林所有者、
森林組合等の
林業事業者、県民及び
関係事業者等が相互に連携及び協力しながら、それぞれの役割と責務に基づいて本県の
森林づくり及び林業並びに木材産業の将来にわたる振興に努めていくことを宣言し、その方策を広く明らかにするため、みやぎ森と緑の県民条例を制定しようとするものであります。本条例案は地方自治法第百十二条第一項及び
宮城県議会会議規則第十五条第一項の規定に基づきまして、議員提案として提出するものでございます。本条例案の検討に当たり平成二十八年十一月に(仮称)森林・林業条例検討委員会が設置され、計十三回の委員会が開催されました。検討の過程では林業関係団体などから貴重な御意見を伺ったほか、県民の皆様から幅広く御意見を伺うため、条例骨子案及び条例案についてパブリックコメントを実施しさまざまな御意見をいただきました。これまでの条例の検討に関して御協力をいただきました全ての皆様に心からの感謝を表する次第であります。何とぞ本条例案の趣旨を御理解いただきまして、皆様の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(中島源陽君) これより質疑に入ります。 本発議案に対し質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 本発議案につきましては、お手元に配布の議案付託表のとおり、環境生活農林水産委員会に付託いたします。…………………………………………………………………………………………… 議案付託表 第三百六十三回宮城県議会(二月定例会)平成三十年三月二日議案番号件名提出年月日委員会発議第一号議案みやぎ森と緑の県民条例三〇・三・二環境生活農林水産
-----------------------------------
△議第百五十号議案
○議長(中島源陽君) 日程第三、議第百五十号議案、副知事の選任につき同意を求めることについてを議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました議第百五十号議案は、三月三十一日をもって山田義輝さんが副知事を退任することになりましたので、新たに佐野好昭さんを選任することについて御同意を得ようとするものであります。 何とぞ御同意を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(中島源陽君) これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 お諮りいたします。 本案につきましては、委員会の審査を省略することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中島源陽君) 御異議なしと認めます。 よって、委員会の審査を省略することに決定いたしました。 これより採決いたします。 本案について同意することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中島源陽君) 御異議なしと認めます。 よって、同意することに決定いたしました。
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△議第一号議案ないし議第五十六号議案
△議第五十八号議案ないし議第六十四号議案
△議第百十一号議案ないし議第百四十九号議案
△報告第一号ないし報告第百二十一号・一般質問
○議長(中島源陽君) 日程第四、議第一号議案ないし議第五十六号議案、議第五十八号議案ないし議第六十四号議案、議第百十一号議案ないし議第百四十九号議案及び報告第一号ないし報告第百二十一号を議題とし、これらについての質疑と、日程第五、一般質問とをあわせて行います。 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。五十番
長谷川洋一君。 〔五十番
長谷川洋一君登壇〕
◆五十番(
長谷川洋一君) 皆さんおはようございます。ただいま議長のお許しを得ましたので、通告をいたしております大綱四点について、一般質問をさせていただきます。 本日は地元角田、丸森から傍聴席には大勢の方々にお出かけをいただきました。当地域は我が県の最南端に位置し、現地、現場では道路網の整備、若者定住、イノシシや放射能問題などが課題でございます。例外に漏れず少子高齢化の進行は顕著であります。参加者の皆様は日ごろから問題意識を持っており、村井県政に期待していることの証だと感じております。 初めに大綱第一、米の生産調整(減反廃止)について。 県と農業団体でつくる宮城県農業再生協議会は、昨年十二月水田農業推進会議を開催いたしました。平成三十年産の主食用米や大豆などの生産調整、転作作物について生産の目安となる数量を市町村に提示いたしました。米の生産調整が見直しをされ平成三十年産から国による生産数量目標の配分が解消されました。これを受けて東京と大阪を除く四十五道府県では、行政や農業団体などでつくる協議会で新たに生産量の目安を策定。農林水産省は本年一月各産地に需給状況を判断する材料にしてもらうため一覧表にして示しました。京都を除く、数量を示した四十四道府県の目安を単純に合算すると、前年の生産数量目標の合計を三万二千トン上回る、国が示した平成三十年産の適正生産量七百三十五万トンの〇・四%に当たります。仮に作況が平年作で目安どおりに生産が進めば、需給は安定した状況が続く見通しであります。セーフティーネットとしては、四月一日施行の農業共済保険法に基づき新たに導入する収入保険を実施し、制度説明の徹底を基本に農業共済または収入保険を推進し、農業生産体制に全力を挙げるとしています。その一方で、米の直接支払い交付金、十アール当たり七千五百円がなくなります。しかも減反参加メリットがなくなることで来年以降の米の需給予想が見通せない。そうした中、米の対米輸出を始めている農家もいます。過去三年間輸出量と参加農家がふえ続けているのは減反廃止の効果を見越してのことで、今後の米価下落に備えて保険として輸出し、国内外を問わず売り先を確保しておかないと米価下落のときに困るので、セーフティーネットを築く目的であるという。もう一つのセーフティーネットは飼料用米です。一定水準の所得を得るための選択肢の一つです。また、野菜農家に転換するのか、今まさに農家は重大な経営判断が問われております。以上のような状況について県としてどのような認識か、お伺いいたします。 また本県農業にとりましては、JAグループの役割が更に大きくなると思うが、期待する主なポイントについてどうか伺います。 大綱第二、本県のインバウンドの誘客について。 平成二十九年の訪日外国人旅行者が前年比一九・三%増の二千八百六十九万人となり、五年連続で過去最高を更新しました。中国や韓国などアジアを中心に旅行者がふえたことが要因です。国、地域別の内訳は、中国が七百三十六万人で三年連続トップ。二位の韓国は七百十四万人、三位の台湾は四百五十六万人、四位の香港は二百二十三万人で、上位四位まで東アジアで全体の七〇%を超す二千百二十九万人に達しています。以下、米国が百三十八万人、タイが九十九万人など個別の集計対象二十の国、地域はいずれも過去最多を更新しています。一方、仙台空港の旅客動向は平成二十八年度は三百十六万人が利用し、四年連続で三百万人を突破し、平成二十九年の乗降客数は三百三十七万人となり暦年ベースで過去最高値を更新する見込みとなりました。また仙台空港アクセス鉄道の利用状況も、平成二十八年度は前年度から七万人増で過去最高の約三百四十四万人が利用いたしました。県は平成三十年度から三十二年度の三カ年を計画期間とする第四期みやぎ観光戦略プランの策定を進めています。観光客入り込み数の目標を七千万人に設定し、観光の再生から未来につなぐ新たなステージを目指すとしております。そのうち外国人観光宿泊者数は、近年のインバウンドの増加を背景に、平成二十七年の十六万一千人から三倍の五十万人としています。目標達成に向け県は、東北広域観光ルートの確立や六県が一体となった観光誘客の取り組みを強め、県内各地に設立する日本版DMO観光
地域づくり推進法人を核に、地域圏、産業間の連携を強化し、観光産業の成長を促進しようとするものであります。今後は団体旅行から友人や家族などと楽しむ個人旅行へのシフトに加え、買い物よりも楽しみ方に主眼を置いた消費への関心が高まっており、今後は多様化する形態への対応が急務となります。近年は地方への誘客が進んでおり日本政策投資銀行と旅行会社が昨年、アジアや欧米豪の十二カ国、地域約六千三百人を対象にした調査では訪日経験者二千八百人の九三%が地方の観光地に旅行したいと回答し、旅行目的も温泉、郷土料理などを求めています。今後必要となるのは多様化するニーズに対応する体制整備であります。政策銀の担当者は全国に知られていないままの観光資源も多い。地域の売りを地道に発信し続けることが訪日客の取り込みにつながると発言しています。本県としてはインバウンドを重点的に取り組むに当たり、その具体策についてお伺いをいたします。 また、宮城インバウンドDMO推進協議会と構成員である県南十三自治体の取り組みについてどう評価、分析しているかもお伺いいたします。 大綱第三、一般国道三百四十九号の整備改良の促進について。 東日本大震災では、沿岸部の道路や鉄道などのインフラは完全に機能不全を起こし救援活動にも支障があったことから、県土の横軸のインフラ整備の必要性が強く認識されるようになりました。仙南地方におきましては、平成二十二年九月、伊具盆地に風穴をあける角田山元トンネルが開通し、角田市中心部から常磐自動車道山元インターチェンジまで十分程度でアクセスでき、大災害時には沿岸部の支援に大いに活用されました。平成二十四年五月には国道百十三号丸森大橋が開通。平成二十五年四月には大河原町に仙南東部広域農道金ケ瀬さくら大橋が開通し、国道四号や東北自動車道ともアクセスでき、加えて平成二十八年三月には待望の常磐自動車道が全線開通の運びとなり、関東圏との経済交流等が期待されております。しかしながら丸森町内の一般国道三百四十九号は、茨城県水戸市から福島県を経由して柴田町白幡の国道四号交差点を結ぶ全長二百五十七キロメートルの路線があります。本県の柴田、角田、丸森の一市二町を通っており、丸森町内では実延長十五キロメートル、未改良区間は約六キロメートルであります。以前県から国道百十三号線と国道三百四十九号の同時施工はできないと言われ、国道百十三号線を先行いたしました。丸森町大張及び耕野地区の住民は、この間二十年余り国道三百四十九号の道路改良の再開を待ち続けてきました。整備改良の必要性は、本県と福島県相互の避難道路、復興支援道路として、また国道四号や東北自動車道は白石地区に集中し、災害により通行どめとなった場合その迂回路としても重要であります。平成二十六年の大雪では各地で交通が遮断され、白石市で観測史上最多の五十七センチを記録し、東北自動車道は通行どめ、JR東北本線は運休、国道四号は通行不能となり完全に機能不全に陥りました。この場合、福島県伊達市と丸森町をつなぐ国道三百四十九号を迂回する方法があります。県境の通行不能を受けて阿武隈川沿いの比較的雪の少ない国道三百四十九号を断続的に通行させましたが、左右合わせて一車線道路のため車両の交差や除雪に支障を来し結局通行止めとなりました。平成二十六年の大雪を経験して改めて国道三百四十九号の整備改良の必要性が熱く語られ、強く要望されております。水戸市から柴田町の道路延長二百五十七キロメートルのうち未改良区間は宮城県側五・八キロメートルと福島県側二・四キロメートルのおおむねこの区間だけとなっていると伺っております。これまでの経過や必要性からも整備は必要不可欠と考えております。国道三百四十九号の改良は阿武隈川沿いの山間地に整備する大規模な事業となるため、国直轄事業化も視野に入れて国に要望するよう提案してきました。そうした中、昨年十二月、宮城県道路防災対策検討協議会(国道三百四十九号丸森地区)が開催されたところであります。この検討協議会の結果、現状、課題と必要性について及びこれからのスケジュールについてもあわせて知事の所見をお伺いいたします。 大綱第四、県政における諸課題についてとその対策について。 一、農産物等の輸出について。 平成二十九年の国産農産物輸出量は、牛肉や米などが過去最高を更新したことが財務省の貿易統計で公表されました。平成二十九年の牛肉の輸出量は二千七百トンで、過去最高だった前年を四二%上回り、輸出額は四一%増の百九十二億円となりました。輸出先の主力香港では八百トンと二〇%増、米国でも五三%増の四百トンと伸びており、平成二十九年から輸出が始まった台湾は二百トンでした。米の輸出量推計では前年から二割ふえ、一万二千トン。初めて一万トンの大台を超えました。金額ベースで三十二億円、国別では最多の香港が前年比二四%増の四千トン、シンガポールが二二%増と続き、ともに現地で精米する玄米輸出が牽引をいたしました。新興市場の英国は平成二十六年の二倍を上回る七百トンでした。一方では、福島原発事故を理由に日本からの農林水産物の輸入規制を続ける各国に解除を働きかけておりますが、なかなか改善していないのが現状であります。日本にとって有力な輸出先である中国やロシア、韓国などは東日本を中心に一部地域からの輸入停止を続けております。本県においても輸出戦略において、水産物、米、牛肉、イチゴを重点品目として進めておりますが、本県における輸出支援、輸出実績と課題、問題点についてはどうか、お伺いをいたします。 婚活推進対策について。 自称、私、婚活推進議員であります。二〇一五年国勢調査による本県の三十歳から三十四歳の未婚率は四〇・九%と高く、高い自治体では五割を超えております。三十五歳から三十九歳の未婚率は二九・三%で高い自治体では四割と晩婚化が進んでおります。県内では一部の市町村や県内二十八市町村からの負担金で青年会館に設置した「みやぎ青年交流推進センター」において婚活事業を行ってまいりましたが、認知度の問題や規模も余り大きくなくそれぞれ課題もありました。しかし当センターでは平成六年に開所以来二十年以上経過し、これまで三百組以上の成婚実績を上げております。相談員にお話を伺ったところ、婚活セミナーやパーティーが中心では成果があらわれにくく、やはり一対一のお見合いや親子見合いは成婚率が高いとのことでした。そうした中、本県においても平成二十八年度から婚活推進対策費を予算計上し、これまで県青年会館で運営していた交流推進センターを拡充する形で、名称も「みやぎ青年婚活サポートセンター」に改称して業務を委託いたしました。委託後の二年間の傾向と実績はどうか、また委託前との比較についてどうか、課題等についてもあわせてお伺いをいたします。 子供の虫歯の予防対策について。 現在、第二期宮城県歯と口腔の健康づくり基本計画を策定中であります。三歳児一人当たりの平均虫歯本数は平成二十七年度で本県は〇・八二本と減少傾向ではありますが、全国平均の〇・五八本との比較では全国三十六位と低迷しております。また十二歳児の歯肉に異常のある割合は平成二十八年度では本県は八・三%と悪化傾向であり、全国の四・〇五%との比較では全国四十六位で低位であります。このような乳幼児期、学童期の現状を課題解決するために県が取り組むべき具体策はどうか、お伺いをいたします。 また、県庁内に設置した口腔保健支援センターの役割が大きいと思いますが、その組織、業務内容、課題について、県が進めるべきこととあわせて所見をお伺いいたします。 イノシシ被害の対策について。恒例であります。 東京電力の福島原発により宮城県内では有害駆除されたイノシシが急増しております。平成二十四年度二千百七十九頭から、平成二十八年度八千三百三十頭と約四倍に伸びております。食肉用の出荷制限が出され、原発事故後に生息密度が高まった福島県から流入が加速していると分析されています。捕獲頭数は平成二十八年度では県南の大河原地方振興事務所管内が五千五百十七頭で仙台管内が九百五十頭、北部栗原管内は百十三頭です。福島県に隣接する市町を中心に急増しております。捕獲数は丸森町の千六百四十九頭で最も多く、白石市の千五百九十五頭、角田市の千二百七十七頭と続いております。県内ではイノシシの生息域は昔から丸森町が北限と言われてきました。丸森町の民俗芸能「堂山神楽」では、平安の都に大イノシシがあらわれ人々を悩ませ、嵯峨天皇がイノシシ退治を命じ、小野篁卿は伊具大蔵山の山頂で三メートルもある大イノシシを退治した。その後、地元有志が大イノシシ退治の模様を神楽に創作して現在も伝承されております。また、仙台藩初代藩主伊達政宗公もイノシシ狩りを行ったとの記録も残されております。原発事故後に出荷制限にあってからは丸森町にあった食肉加工場の閉鎖などで狩猟活動が激減し、生息数の増加に拍車をかけたとも言われております。県のイノシシ管理計画を策定した山形大学の玉手教授は、野生動物には県境はなく、隣県同士、隣接市町村が連携して対策を実行する必要があると強調しています。また先般、大震災調査特別委員会で女川町及び町議会に訪問調査に伺った際、鹿による農作物被害が大変なので対応してほしいとの要望がありました。本県の農作物被害は年々深刻化し、平成二十四年度に三千八百七十六万円だったが、平成二十八年度には九千百五十七万円と五年間で二・三倍に増加しました。関係市町村はイノシシや鹿による被害の対策に追われております。野生鳥獣被害の深刻化、広域化に対応するため、地域関係者が一体となった被害防止策への取り組みや施設整備が必要ですが、これまで以上の強化策についてどうか伺います。 また、イノシシや鹿の被害は捕獲駆除することが第一であります。県として捕獲のための計画の見直しをし、捕獲頭数をふやすことをとるべきと思いますが、所見をお伺いいたします。 五番、放射能除染土壌等の処分について。 丸森町においては、平成二十四年一月に施行された放射性物質汚染対策特別措置法に基づき、被曝線量が年間一ミリシーベルト以下とする除染計画を策定し、環境省が策定した除染ガイドラインにより平均空間線量率が毎時〇・二三マイクロシーベルト以上の保育所、学校、住宅等を除染の対象として選定いたしました。除染については特に放射線の影響を受けやすい子供や妊婦等に配慮して、保育所、小中学校等を優先し、次いで放射線の高い地域から住宅等の除染を実施し、平成二十六年度末で作業が完了いたしました。現在仮置き場二十五カ所には除染作業により発生した除染土壌等が約五万トン保管しており、巡視及び線量の測定を行い適正に管理しております。除染廃棄物八千ベクレル以下のものは、福島県内を除き市町村の責任のもと廃棄物として処理するよう求められております。しかし当町にはこれらの処理施設はなく、また大量の除染土壌を抱える自治体は本県には例がないことから一斉処理するような方法は困難な状況にあります。当町では福島県に隣接しており、福島県以外の自治体では唯一、町内全域を除染区域に定めて除染しております。福島県では汚染土壌の運搬が始まっております。このようなことから当町の放射性除染土壌についても、福島県の自治体と同様、国の責任において撤去処理するよう国等に強く働きかけを行っております。県としても仮置き場の放射性汚染土壌の撤去、処理を国等に強く要望すべきと思うがどうか、所見をお伺いいたします。 タケノコの出荷制限の解除について。 タケノコについても出荷制限の指示を受けております。 これまで、原発事故後二年間は全く出荷することができず、また損害賠償の煩雑さや、ほとんどの人は証明書類が整わず補償を受けることができないという状況でありました。丸森町内には旧二町六村のうち、これまで耕野地区、町内地区、小斎地区の三地区は平成二十八年度までに解除されましたが、残りの五地区はいまだ出荷制限の解除がされておらず、生産者はことしこそはと待っております。ことしは八年目の春を迎えます。タケノコの出荷制限の解除に向けた本県の具体的取り組み方針についてどうか、お伺いをいたします。 以上で、壇上からの一般質問を終わります。 御清聴まことにありがとうございました。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君)
長谷川洋一議員の一般質問にお答えをいたします。大綱四点ございました。 まず大綱一点目、米の生産調整についての御質問のうち、生産調整見直しに伴い経営判断が問われている状況についてのお尋ねにお答えをいたします。 今回の生産調整の見直しは、生産者や集荷業者、団体の自主的な経営判断や販売戦略に基づく需要に応じた生産を促すものであります。この見直しを経営規模拡大のよい機会と捉える生産者がいる一方で、過剰生産により米価下落を招くのではないかと不安を覚えている生産者もおります。このため我が県では、宮城県農業再生協議会においてさまざまな生産、販売の取り組みを行っている農業者、農業法人、集落営農組織などから幅広く意見を聞き、それらを踏まえて「平成三十年産以降の米政策改革への対応方針」を策定したところであります。その中で水田フル活用を図るため、主食用米を初め麦、大豆、飼料用米、園芸作物などの生産の目安を設定するとともに、各作物別の所得試算なども示し、農業者みずからが経営判断を行う際の情報を提供したところであります。一般財団法人日本穀物検定協会が発表した、平成二十九年産米の食味ランキングが一昨日発表されましたが、「だて正夢」が二年連続で特A、ひとめぼれが特A奪還といった高い評価を受けたところであり、宮城米のブランド化や販売促進に向けて明るい材料と考えております。県としては収益性の高い作目の組み合わせによる農業経営の安定化に向けた支援を行い、競争力ある水田農業の確立を目指してまいります。 次に、大綱二点目、本県のインバウンドの誘客についての御質問にお答えをいたします。 初めに、インバウンドを重点的に取り組むに当たっての具体策についてのお尋ねにお答えをいたします。 インバウンドの推進には東北の知名度を高めるとともに、受け入れ環境や魅力的な観光コンテンツを整備していくことが重要であると認識しております。我が県ではこれまで知名度向上のためにフェイスブックなどのSNSを活用した情報発信やインフルエンサーの招請のほか、東北観光推進機構及び東北各県と連携し、観光動画の配信やトップセールスなど効果的な情報発信に努めてまいりました。来年度はこれらの情報発信に加え、宿泊予約サイトと連動した個人旅行者向けの情報発信を行うほか、欧米豪の富裕層を顧客に持つ海外の旅行事業者等への直接的なPRや招請など、先を見据えた事業展開を行ってまいります。また受け入れ環境や魅力的な観光コンテンツの整備については、例えば宮城オルレの推進や体験型観光コンテンツの創出、既存の魅力的な観光コンテンツの商品化などを図るとともに台北及び北京、上海にあるサポートデスクなどを活用し海外関係者へ観光コンテンツを売り込むなど、市場動向を把握しながら更なる誘客に努めてまいりたいと考えております。 次に、宮城インバウンドDMO推進協議会の取り組みについて評価と分析はどうかとの御質問にお答えをいたします。 宮城インバウンドDMOは民間中心に設立され、マーケティングや戦略策定を進めるほか、地域の観光情報の発信、観光資源の発掘やツアー造成などにスピード感を持って取り組まれているところであります。また二次交通、ツアー造成など地域課題別のワーキンググループを開催し、タクシー料金の定額制の実現やサイクルツーリズムのモデルコースの造成を進めたほか、昨年十二月には地元首長らによる台北へのトップセールスを実施するなど、東北観光復興対策交付金を活用しながら官民一体となりインバウンドを軸とした新たな広域連携を進めていると評価しております。このほか域内の外国人観光客の動向等について、SNSやWebアンケートなどを分析した結果を公表し、現状の課題とDMOが今後とるべき行動を明らかにするような先進的な取り組みを進めており、県といたしましても、こうした自立を目指すDMOに対して必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、大綱四点目、県政の諸課題とその対策についての御質問にお答えをいたします。 初めに、県が取り組むべき乳幼児期、学童期の虫歯予防の具体策についてのお尋ねにお答えをいたします。 県では、宮城県歯と口腔の健康づくり基本計画に基づきライフステージに応じた取り組みを実施し、三歳児の一人当たり虫歯本数が減るなど一定の成果が見られました。しかしいまだ全国平均を上回っていることから、現在策定中の第二期計画においても乳幼児期と学童期、思春期に重点を置いた取り組みを進めることとしております。乳幼児期においては、市町村の母子保健や子育て支援従事者に対する研修会の開催や乳児を対象としたフッ化物洗口の導入を推進するとともに、現在作成中のパンフレットにより妊産婦期からの虫歯予防の必要性について啓発を行ってまいります。また学童期においては、昨年度県内全ての小中学校に児童生徒向けの歯科保健教材のCD‐ROMを配布し、今年度から各教育事務所と連携してその活用に向けた研修会を実施しております。県といたしましては引き続き市町村や学校、県歯科医師会など関係機関と連携しながらより効果的な子供の虫歯予防対策に取り組んでまいります。 次に、野生鳥獣被害に対する強化策についての御質問にお答えをいたします。 我が県における野生鳥獣による農作物の被害は、イノシシやニホンジカを中心に増加傾向にあり、中山間地域では営農意欲をなくす農業者や耕作放棄地の増加が懸念されております。このため県では、国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用して市町村が行う侵入防止柵の設置や、有害鳥獣捕獲、集落ぐるみの鳥獣被害防止対策などを支援しております。この交付金については市町村からの要望を満たしていない状況にあり、町村会等から被害対策強化として財源確保の強い要望もあったことから、市町村が確実に対策を講じられるよう事業予算を増額し今議会に提案しているところであります。また県では、生息域の拡大防止を目的として国の指定管理鳥獣捕獲等事業交付金により個体数調整を実施しており、この事業についても予算を増額して提案しているところであります。県といたしましては、これらの事業を通じて市町村と密接に協力しながら、野生鳥獣被害防止対策を一層強化してまいります。 次に、除染によって生じた除去土壌等の処分についての御質問にお答えをいたします。 丸森町を初め県内七つの市町に保管されている除去土壌及び除染廃棄物の処分については、農林業系廃棄物の処理と同様、我が県の復興において大変重要な課題であると認識しております。除去土壌についてはいまだに処分基準が制定されておりませんが、国においては福島県外の除去土壌の埋め立てによる処分方法を検討するため、除去土壌の処分に関する検討チームを設置し、ことし春ごろに埋め立て処分に係る実証事業に着手し、秋ごろに中間取りまとめの上その後処分基準を定める予定と伺っております。また除染廃棄物については、まずは農林業系廃棄物の処理を優先的に進めているところであり、その進捗状況を踏まえながら対応を検討してまいります。県といたしましては、国の動きを注視するとともに国に対し除去土壌の処分基準を早急に定めること、除去土壌等の処分が円滑に進むようこれまで以上に積極的に関与することを引き続き要望してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(中島源陽君)
環境生活部長後藤康宏君。 〔
環境生活部長 後藤康宏君登壇〕
◎
環境生活部長(後藤康宏君) 大綱四点目、県政の諸課題とその対策についての御質問のうち、イノシシや鹿の捕獲頭数をふやす方策をとるべきとのお尋ねにお答えいたします。 野生鳥獣による被害対策については、放置された作物等の誘因物を除去し農地周辺のやぶを刈り払うことで人里への侵入や定着を防ぐ生息環境管理、農地を電気柵等で囲う被害防除対策そして個体数管理の三本柱を複合的に実施することが重要であると認識しております。個体数管理の手段としては、農林業被害防止のための有害鳥獣捕獲、生息数や生息範囲の抑制のための個体数調整による捕獲、狩猟による捕獲があります。県ではこれまで市町村が主体となって実施している有害鳥獣捕獲と役割を分担し、生息域の拡大防止を目的として限られた地域で個体数調整事業を実施してまいりましたが、市町村からの捕獲強化の要望を受け、来年度は実施地域を見直し捕獲目標を拡大してまいります。また放射性物質による出荷制限指示に伴う狩猟頭数の減少を防ぐため、狩猟で捕獲されたイノシシの処分費用の一部を助成しておりますが、来年度は新たに出荷制限の対象となったニホンジカについても助成を行ってまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(中島源陽君)
保健福祉部長渡辺達美君。 〔
保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕
◎
保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱四点目、県政の諸課題とその対策についての御質問のうち、婚活推進対策についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、少子化の一因とされている未婚化、晩婚化に対応するため昨年度から結婚支援事業に取り組んでおり、実施に当たっては、若者の結婚支援に二十年以上の実績があり、市町村等の緊密なネットワークを有する一般財団法人宮城県青年会館に業務を委託しております。委託業務の中心は会員登録制のパートナー紹介であり、相談員が直接面談とカウンセリングを行い希望に沿った相手を紹介しておりますが、このほか一般の方でも参加できる婚活イベントも開催し出会いの場の提供を行っております。昨年度からの実績としては、既に六十組を超えるカップルが成婚まで至っており、県が業務委託を行う以前と比べ入会登録者は増加傾向にあり成婚数も倍増していると伺っております。県といたしましては、情報発信の強化や民間団体との更なる連携が必要であると認識しているところであり、昨年七月に開設した「みやぎ結婚支援ポータルサイト」等を活用しながら、市町村や民間団体等が実施する婚活イベント等の情報を積極的に発信するなど、今後とも結婚を希望する方々を応援する取り組みを積極的に推進してまいります。 次に、県庁内に設置した口腔保健支援センターの内容と県が進めるべきことについての御質問にお答えいたします。 県では、歯科保健対策を推進するため、平成二十八年一月に設置した宮城県口腔保健支援センターに歯科医師と歯科衛生士を配置し、歯科口腔保健対策の推進に携わる人材の育成や市町村等への専門的技術的支援などに取り組んでいるところです。センターの設置以降これまで十八市町村において巡回や研修等で助言、指導を行っておりますが、まだ市町村にセンターの活動内容等が十分に浸透していないと認識しております。県といたしましては全ての市町村への巡回指導等を行い、地域のニーズを把握し、歯科医師会や歯科衛生士会等関係機関と連携を図りながら、歯科口腔保健対策の取り組みを一層推進してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(中島源陽君)
農林水産部長武藤伸子君。 〔
農林水産部長 武藤伸子君登壇〕
◎
農林水産部長(武藤伸子君) 大綱一点目、米の生産調整についての御質問のうち、今後役割が大きくなる県内のJAグループに期待するポイントについてのお尋ねにお答えいたします。 JAグループは、県産農産物の集荷、販売業務の中心であり、実需者の需要動向を踏まえ生産、販売計画を策定し生産者を誘導する重要な役割を担っております。平成三十年産からの米政策改革により産地間競争が激化する中、JAグループの役割は今後ますます重要性を増していくものと考えております。こうした中、JAグループでは集荷量をふやし販売先との交渉を有利に進めるための買い取り販売の強化や、安定的な販売先確保に向けた複数年契約などの取り組みを拡大しております。県といたしましては、JAグループがこれまで以上に消費者や市場動向を意識した生産を進めるとともに、ブランド化などによる戦略的な販売に取り組むことで農家所得の向上や地域農業の振興に重要な役割を果たせるよう支援してまいります。 次に、大綱四点目、県政の諸課題とその対策についての御質問のうち、県産農林水産物等の輸出支援や輸出実績、課題等についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、県産農林水産物等の海外での販路開拓を目指す県内事業者を支援するため、宮城県食品輸出促進協議会やジェトロなどと連携し、海外見本市等への参加支援や海外バイヤーの招聘、海外でのプロモーション活動の展開などを行っております。その結果、香港やタイの飲食店向けの鮮魚を中心とした水産物や台湾のスーパーへの米など一定程度まとまった数量で、かつ、継続的な取引につながるような輸出事例が生まれてきております。その一方で、県内事業者にとっては輸出に係る通関や代金決済などのノウハウ不足を初め、バイヤーが求める数量を安定的に確保できないことや少量輸送では物流コストが割高になることなどの課題があります。また、原発事故に伴う諸外国の輸入規制も販路開拓の大きな支障となっております。今後ともこうした県内事業者が抱える課題等を的確に把握し、関係機関と連携してその解決に努めながら県内事業者の意欲的な取り組みを積極的に支援し、県産農林水産物等の輸出拡大に取り組んでまいります。 次に、丸森町におけるタケノコの出荷制限解除に向けた取り組み方針についての御質問にお答えいたします。 タケノコの出荷制限解除に当たっては、放射性物質濃度が安定して低水準であること及び低下傾向であることに加え、解除予定区域全体で安全性が確認できることが必要とされております。このため県では、出荷制限指示が出されている丸森町内五地区の竹林約二百カ所からタケノコを採取し検査しておりますが、このうち十四カ所はいまだ出荷制限解除の要件を満たさない状況となっております。県では、この十四カ所において放射性物質の吸収抑制効果があるとされるカリウム散布や伐竹などを集中的に実施し、タケノコの放射性物質濃度の低減化対策に取り組んでおります。ことしの春にはこれらの対策を講じた竹林を中心に再度タケノコを採取し、検査結果が良好な地区については速やかに出荷制限の解除を国に申請することとしております。県といたしましては、丸森町全域で安全なタケノコが早期に出荷再開できるよう、引き続き放射性物質の検査と低減化対策に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。 〔土木部長 櫻井雅之君登壇〕
◎土木部長(櫻井雅之君) 大綱三点目、国道三百四十九号の整備改良の促進についての御質問にお答えいたします。 国道三百四十九号は、宮城、福島両県の経済交流や観光振興に大きく寄与し、防災上の観点からも国道四号の迂回路になるなど広域的な連携を担う重要な道路であると認識しております。このうち県境部において未改良となっている約六キロメートル区間の抜本的な道路整備には、トンネルと橋梁が連続する大規模で高度な技術力を要することからこれまで県では事業化に向けた技術的な検討を行ってまいりました。こうした取り組みを踏まえ、今年度より国が県の検討に対し技術的な助言を行う全国に先駆けたモデル的な取り組みを実施することとなり、昨年十二月に有識者からなる宮城県道路防災対策検討協議会を設置し、防災や交通安全上の課題などについて更なる検討を行うこととしたものであります。県といたしましては、本協議会において効果的な防災、安全対策を早期に取りまとめ、その後、未改良区間の解消に向け速やかに国の道路調査に移行し直轄権限代行による事業化が図られるよう国に対し強く要望してまいります。 以上でございます。
○議長(中島源陽君) 五十番
長谷川洋一君。
◆五十番(
長谷川洋一君) 御答弁ありがとうございました。最初に、ことしは生産調整の見直しということで減反廃止元年ともいうふうに表現されております。東京に行って米卸、小売を回った農家がおりますが、その中では相当数売り込みに来ているという方々が多数いらっしゃるということであります。まさに産地間競争の時代を確実に迎えるなというふうに思います。そうしたときにやはりかなめになるのは、農業法人あるいは農業の経営体、そういった方々だろうというふうに思います。その人たちのいわゆる農地集約化、そういったものもかなり進めていって、力のある力強い農家を育てていくことが必要だというふうに思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 議員御指摘のとおりでございます。高齢化、少子化の中で担い手も少なくなってきているという現状を踏まえますと、この厳しい産地間競争に勝ち抜くためにも、やはり経営の効率化というものを考えながら農業にも切り込んでいく必要があるだろうというふうに思っております。
○議長(中島源陽君) 五十番
長谷川洋一君。
◆五十番(
長谷川洋一君) うれしいニュースとして「だて正夢」が特Aに格付をされたということでとてもいいことだなというふうに思いますし、更にひとめぼれが特Aから一度Aに落ちまして、今回再び特Aにランクされたということでこれもとても喜ばしいことで、その取引も当然にふえてくるんだろうというふうに思います。ただし今、米屋さんで欲しがっているのは特Aの高い米じゃなくて特に業務用のやつ、そういった中食用のやつがかなり需要が逼迫しているというところであります。そういった面の取り組みについてはいかがなものでしょうか。
○議長(中島源陽君)
農林水産部長武藤伸子君。
◎
農林水産部長(武藤伸子君) 議員のお話のように最近中食でありますとかあるいはコンビニでのおにぎりでありますとか、そういったものが定着してきておりまして需要がふえてきている状況にございます。私どもも、またJAのグループにおきましてもそこのところを意識しまして今回の生産の目安などをつくっていく上においてもそういったことも考えながら取り組んでいるところでございます。
○議長(中島源陽君) 五十番長谷川洋一君。
◆五十番(
長谷川洋一君) 観光戦略の中で訪日外国人を今現在、平成二十七年度十六万一千人から五十万人に宮城県でふやそうということで、飛行場の利用もふえているわけでありますけれども、実際なかなか五十万人に届くには地域の売り、例えば話題になりました、気仙沼のオルレ、東松島のオルレ、そういったものを数多くつくっていくことがこれからの観光需要に結びついていくんだろうというふうに思います。そういう意味でそういったものを数多くつくっていかないと、なかなか東北方面に人は来ないんではないかなというふうに思います。私も東京のある旅行会社に行きましたらパンフレットの数が東北は少ないほうです。それからそういったところの案内所も特にありません。あるいは仙台においても宮城県としての案内所というのがないんですけれども、案内所を設けるとかあるいはパンフレットを置くような場所をもっと積極的に進めるべきだと思うんですが、その点についてはいかがでしょう。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 先ほど海外から来られたお客様十六万一千人とありましたが、昨年の一番新しいデータでは二十三万人までふえてきたということでございます。しかしオリンピックがある年に百五十万人が東北の目標ということで、宮城が五十万人を目標にしたいと考えてございますので、そう考えますとまだ二十七万人届いておりませんからまだまだだというのは議員御指摘のとおりでございます。来られた外国人の目線で考えなければなりませんで、案内所がなかなかないと、またパンフレット等も簡単に見つからないという声も確かに聞こえておりますので、その辺はよく検討してまいりたいというふうに思います。
○議長(中島源陽君) 五十番
長谷川洋一君。
◆五十番(
長谷川洋一君) 次に、農産物の海外輸出ですが、今、お話ですとなかなかまだ緒についたばかりとそんな感じをいたしております。やはり農協系統を利用して米とか牛肉とかを売っていくそれも一つの方法だと思います。更に、せっかく去年全共でチャンピオンが生まれたり上位入賞しているわけであります。そういったところからもぜひ全農なりとも連携をしながら打って出ていくということが必要なんではないかなというふうに思います。ただ一方において輸入規制というところがひっかかりがあります。ただし韓国のホヤにつきましてはWTOの世界貿易機関に日本で訴えをしまして、これが不当な差別であるということで是正勧告が出されました。しかしながらこれをまだ上告するんではないかというふうな話もあるわけでありますので、他の国にも積極的に働きかけるよう再度国のほうに申し出るべきだと思いますが、その点についてお伺いをいたします。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) これは当然一義的には、政府間同士の話になりますので我々といたしましては、知事会や東北知事会を通じて、また県独自で政府に対して更に強い圧力をかけるように訴えていきたいというふうに思います。また同時に私どもも大使館や領事館に行く機会もございますし、大使や総領事にお会いする機会もございますので、そのたびにそういったことについても訴え続けてまいりたいというふうに思っております。
○議長(中島源陽君) 五十番
長谷川洋一君。
◆五十番(
長谷川洋一君) 国道三四九号でございます。 宮城県と福島県八・二キロほどあるんですが、何とカーブが百二十三カ所あります。こういうような道路は全国にもまずないというふうに思います。そういった意味で、しかも緊急時の迂回路というふうにもなりますのでぜひともこれを徹底して調査をしていただいて、国の直轄でも何なりと早目に進められるように、今私たちも考えているわけであります。その点につきましてことしのスケジュールというか、具体的にどういったところをやるのかをお伺いいたします。
○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。
◎土木部長(櫻井雅之君) 先ほど答弁しましたとおり、昨年十二月国も入りまして検討が開始されました。その中では特に丸森側からの約二・六キロ区間、我々はこの区間についてちょうど急峻な山でございますので、こちら側から着手したほうがいいんではないかというような話になってございます。この区間非常に急峻でございますのでトンネルあるいは長大橋が計画されます。この部分は国の力を得ながらやっていく必要があるだろうという話にもなりました。次のスケジュールでございますけど、今度は現場を見ながら、もう少し見たほうがいいなということで雪解けを待ちながら今その時期を狙っているというところでございます。引き続き有識者の意見も聞きながら具体的な計画づくりに進めてまいりたいというふうに思ってございます。
○議長(中島源陽君) 五十番
長谷川洋一君。
◆五十番(
長谷川洋一君) 次に、子供の虫歯あるいは歯肉の問題ということで、全国で三十六位、四十六位という順番でございます。そうしたときに県に設置してあります口腔保健支援センター、医師、歯科衛生士いずれも非常勤で県内市町村をまめに指導して歩くなんてことは難しいんだというふうに思っております。ぜひともこれを正職員化して、じっくりとこういった指導をして歩くような形にすべきではないかなというふうに思いますが、この点についてお伺いをいたします。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 県庁には歯科医の先生に正職員になっていただいてございまして、そういった意味ではいろんな知見、アドバイス等もいただけるような環境にはございまして、今非常に職員数を抑える傾向にもございますので、全体を見ながらよく検討してまいりたいというふうに思っております。
○議長(中島源陽君) 五十番
長谷川洋一君。
◆五十番(
長谷川洋一君) 歯科医師は非常勤だというふうに思います、知事、その辺確認をしておいてください。非常勤になっておりますのでよろしくお願いいたします。 それからイノシシなんですけども、やはり市町村を越えてあるいはかなり広域的に北上しております。そういう意味では管内ごとあるいは県一本で会議を開いて、ぜひとも数を減らすというところに取り組んでほしいと思いますが、この点についてお伺いいたします。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 野生鳥獣の被害が非常に拡大しております。昨年の知事選挙でもいろんなところを回りまして、丸森を回ったときに地元の方からも同じように、非常に被害が大きいという声がありました。そういうことを県のあちらこちらでお聞きしましたので、今回は予算を非常にふやしたわけでございます。ただ非常に難しいのは予算をふやせば全てうまくいくということではなくて、実際にしとめる人がいなければならないとこういった問題もございますので、人材の育成も含めて野生鳥獣被害を少しでも抑えられるように、電気柵等の対策も含めてできるだけ被害が少なくなるように努力をしていきたいというふうに思っております。
○議長(中島源陽君) 五十番
長谷川洋一君。
◆五十番(
長谷川洋一君) 最後になりますが、山田副知事につきましては三月勇退ということで、先ほど勇退されることが確認されました。この四年間を振り返って村井知事をしっかり支えていただいたものというふうに思いますが、最後にこれまでを振り返って、そしてこれからの発展に向けましてどのような所感か、お伺いしたいなというふうに思います。
○議長(中島源陽君) 副知事山田義輝君。
◎副知事(山田義輝君) 私ごとでございますけれども、昭和五十六年に宮城県に採用をいただいておりまして三十七年間だと思います。よき先輩、同僚、後輩の皆様とともに、そして最後は村井知事そして長谷川議員を初めとした議員の皆様の御指導も賜りまして、県民の皆様の幸せの向上のため仕事をさせていただきましたことは大変幸せなことでございました。特に私の県職員生活の最終コーナーからはこの厳粛な本会議場にも出席をさせていただきまして、執行部と議員の皆様によります県勢の発展やそのためのさまざまな課題の解決、特に東日本大震災からの復旧・復興に向けまして、真剣で活発な議論に微力ながら私も参画させていただいたことは望外の喜びでありました。議員の皆様にはこの間さまざまな場面で御指導、御鞭撻を賜りまして心から御礼を申し上げます。今後は一県民の立場ではございますが、最大の課題であります東日本大震災からの復旧・復興のため自分なりになせることを最大限取り組んでまいりたいと思いますので、何らかのおりには引き続き御指導を賜れれば幸いでございます。最後に僭越ではございますが、皆様の一層の御活躍を祈念させていただきまして、答弁とさせていただきたいと思います。 まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(中島源陽君) 四十六番庄子賢一君。 〔四十六番 庄子賢一君登壇〕
◆四十六番(庄子賢一君) 議長のお許しをいただきましたので、大綱四点に関し伺ってまいります。 初めに大綱一点目は、復興と災害対策の取り組みについてであります。 さきの大震災を初め、ゲリラ的な豪雨による河川の氾濫と浸水被害、あるいは草津白根山のような突然の火山噴火による災害など、近年列島にさまざまな自然災害が起きていることに照らしても復興への取り組みを加速することはもちろん、次の災害に備えた強固な防災、減災対策と、きめ細かな被災者支援策の構築も急務であり、そうした観点から復興と災害対策について何点か伺います。 初めに、心のケアについて伺います。 心のケアを考えるとき、最重要課題は何といっても子供たちのケアです。阪神・淡路大震災と違い東日本大震災は発災が日中だったため、親は仕事に出かけ、祖父母は家に残り、子供や孫は学校とばらばらでした。家族と再会できるまで数日かかった子供、あるいは家族が行方不明のまま一カ月も数カ月も不安な時間を過ごした子供たちも多く、彼らが受けた心のダメージがどれほど深いのかはかり知れません。兵庫県こころのケアセンターが行った阪神大震災から十五年後の調査では、百人の遺族のうち約半数に心的外傷後ストレス障害、PTSDの症状が見られたとの報告がありますが、調査に応じた一人の被災者が「私の場合は時間が解決はしてくれなかった、ケアが必要だった」と語っていることからも、心のケア対策はこれからが大事であることは明らかであります。震災後子供の心のケアに取り組んでこられた東洋大学社会学部教授の森田明美先生は、「ふとしたときに子供たちの喪失感は表に出る。子供たちが声を上げたくなったとき、思いを口にしたくなったとき、周囲を気にせず話せる環境が大事」と、我々大人が留意すべき点を指摘されています。本県では、心のケアセンターや心のケアハウス事業など各種対策を講じてきましたが、事の重要性に鑑み、財政的にもマンパワーの上からもより一層支援を強化すべきと考えます。知事の対応策を伺います。 被災者の訪問型支援事業について伺います。 震災後仙台市では、平成二十四年度からシルバー人材センターに委託し、全ての仮設住宅入居世帯の訪問と被災者の実態調査を行ったことは御承知のとおりです。この調査を通じ健康問題や住まいの再建問題、就労に関する課題などを類型化。その世帯、その人が必要とする被災者支援策を提示し、担当の窓口につなぐ作業を行ったことは多方面で評価されています。この取り組みについては昨年十二月、党として仙台弁護士会と地元の支援団体を交え仙台市行政からヒアリングを行い議論してまいりましたが、ことし一月の予算委員会でヒアリングに参加した山本香苗参議院議員が取り上げた際、吉野復興大臣は「すばらしい取り組みであり、復興庁としても仙台市の例をもとに被災者支援に全力を挙げたい」と答弁。また今般仙台弁護士会が取りまとめた、在宅被災者戸別訪問の結果を踏まえた災害法制の整備・運用に関する提言でも、「課題を解決しないまま自宅に閉じこもり、行政などに相談するきっかけもつかめないまま時間だけが経過している災害弱者に対して必要な法的支援を行うためには、来所型の法律相談では不十分であり、自宅などを訪問して相談を行う必要がある」との指摘もあるとおり、この間大規模な災害が起きた際の訪問型支援事業の必要性が明らかになってきたのではないでしょうか。仮設住宅入居者はもちろん、支援情報から遠ざかり自分で問題を解決することが困難ないわゆる在宅被災者も対象にした新たな支援の手法が必要だと思います。弁護士を初め専門職がチームを組み、一人一人を支えていく訪問型支援事業を県として構築すべきと思いますが、知事の見解を伺います。 また、仙台弁護士会の提言にある応急修理制度の増額についても全くの同感であり、上限五十二万円が五十四万七千円に微増しただけでは居住に必要な最低限の補修すらままなりません。被災県として国に強く働きかけをお願いするものですが、御所見を伺います。 震災から七年の節目に改めて振り返って考えると、被災者の実態に支援施策や支援事業がマッチせず、被災者が自立していくには不十分だというケースが少なくありませんでしたが、それは被災者支援策のほとんどが罹災証明に基づいて行われていることに原因があります。罹災証明は単に住まいの被害、壊れ具合いを判定するもので、その人が抱えているさまざまな課題の全体を判断できるものではありませんから、本当の意味で被災者に寄り添い切れ目ない支援を行うためには罹災証明による判断に加えて、一人一人の被災実態をはかる物差しと個別のケースマネジメント事業が必要だと思います。大災害を経験し多くの人命を失い無数の被災者と直面してきた県として、知恵を出し個別のケースマネジメントの制度化へ道を開いていただきたいと思うのですが、知事の認識をお聞かせ願います。 災害援護資金について伺います。 震災の後、本県の貸し付けは仙台市を含め二万三千八百件余り、約四百億円もの貸し付けが行われ、多くの被災者が生活の立て直しのためにこの資金を使いました。そして据え置き六年を過ぎてことしから本格的に償還が始まってまいりますが、被災者の生活実態を考えると償還がかなり重い負担になることが想像できます。償還額について多い方で月額どのぐらいの金額になるのかお示しいただくとともに、償還事務については、被災者の収入や生活の実情を全般的に判断、考慮し、丁寧に対応されるべきと思うのですが、お考えを伺います。 今後に向けた災害、減災対策についてお尋ねいたします。 近年、中小河川で頻発する氾濫と浸水被害は水害対策の緊急性と必要性を物語っています。平成二十七年九月に本県を直撃した台風十八号、いわゆる関東・東北豪雨では、全国で二十人の方が亡くなられたほか、住宅の全半壊は七千棟以上、床上浸水は二千五百二十三棟、床下浸水が一万三千二百五十九棟にも及んだことは記憶に新しいところです。またその後も昨年の九州北部豪雨や台風二十一号など、ゲリラ的な降雨がもたらす水害は市民生活の大きな脅威になっています。河川法第十五条の二に「河川管理者は河川管理施設を良好な状態に保つように維持し、修繕し、もつて公共の安全が保持されるように努めなければならない」と規定し、管理者としての県の役割が明示されておりますが、来年度以降の河川整備、水害対策をどう強化するのか方針をお聞かせ願います。 関東・東北豪雨で浸水被害をもたらした大和町の吉田川に川の水位が一定以上に上昇した際、回転灯で周辺住民に避難を促す、簡易アラート装置が国のモデル事業で設置されました。私も現場を視察しましたが、このアラート装置は護岸に設置されたセンサーから水位のデータを無線で受信し、避難判断水位まで水が上昇すると黄色の回転灯が回り、氾濫危険水位まで達すると赤色の回転灯が回るという仕組みで、段階ごとに住民に危険を知らせていきます。夜間の増水時など川に近づくことなく危険を確認でき、避難行動のきっかけにもなると思います。県にはこうしたソフト事業に力を入れ住民を水害から守ることを求めるものでありますが、拡充のお考えはないか伺います。 大綱二点目は、保健福祉施策の諸課題についてであります。 初めに、在宅医療とみとりの推進について伺います。 国は平成三十年度の診療報酬改定において、高齢者などが住みなれた地域で人生の最後まで暮らせる仕組みづくりに重点を置き、介護と連携を図りながら在宅医療や施設等でのみとりを強化する姿勢を示しています。しかしながら本県では、在宅医療を支える在宅療養支援病院と支援診療所、そして訪問看護ステーションの整備状況は遅れており、人口十万人当たりの支援病院は〇・八二と全国平均の〇・八八に近いものの、診療所は六・二三で全国平均一一・六六をかなり下回り、訪看も五・六二と全国の六・九三より大分低くなっています。在宅医療の充実のために、まず在宅療養支援拠点の整備が急務だと考えますが、県の取り組みを伺います。 また、保健医療機関の所在地と患者がいる自宅や施設との距離が十六キロメートルを超える往診、訪問診療は絶対的な理由や特殊事情がない限り認められず、本人の希望で十六キロを超える往診などをした際には原則往診料は患者負担となる、いわゆる十六キロの壁という問題があります。県は遠隔地等における在宅医療対策として、この十六キロを超えて往診した際の往診料や訪問診療費相当分の補助事業を平成二十八年度と二十九年度にわたり実施をいたしましたが、移動距離が長いと効率が悪く訪問件数が限られるといった理由で実績はゼロでした。地域で暮らす方々が住みなれた家や希望する場所で安心して医療を受けられるようにすべきことは論をまちません。事業の練り直しや新たなサービスの構築、事業者参入の支援策など一層踏み込んだ施策が必要と思いますが、見解を伺います。 精神科救急医療については、新年度から県精神医療センターが二十四時間体制で受け入れることになり、二十四時間体制になっていない残りの四つの県という不名誉な立ち位置からようやく脱することになりました。しかし東日本大震災の後、統合失調やうつ、不安障害など精神的な疾患を訴える方がふえており、県内一カ所では不十分と言わざるを得ません。公立病院などを中心に複数箇所での体制整備が急務と思いますがいかがでしょうか。また、家族連合会の皆さんからは高齢化している家族亡き後の受け皿として、グループホームの整備と人材の確保を望む切実な声が寄せられています。私は他の障害に比べ受け皿が不足する精神障害の方を受け入れるグループホームについては、整備段階で事業者向けに何らかのインセンティブが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 また先日家族会の皆さんからJRやバスの運賃について、身体、知的の障害者と同様に割引制度を導入してほしいとの要望を受けました。県としてぜひ鉄道事業者並びにバス事業者に働きかけ、要望を実現していただきたいと思いますがいかがでしょうか。 薬剤投与に関し国は昨年三月に催眠鎮静薬などの使用上の注意を県や保健所設置市の担当部局へ通達をしています。これは副作用が強く依存性も高いベンゾジアゼピンの用量や使用期間に注意し慎重に投与することを促し、漫然とした継続投与による長期使用を避けることを求めるものであります。これまでも国では何種類ものベンゾジアゼピン系の多剤投与が慣例化したため診療報酬の減算対策をとってきましたが、国内での消費量は大きく減ることもなく現在でも大量に消費が続いています。国連麻薬統制委員会(INCB)やOECDといった国際機関から日本はベンゾジアゼピンの不適切な処方があるとの警告が出されている状況です。県は改めてこの薬物の適正投与について、県、市町村医師会と協議し、医療現場での徹底を図るべきと考えますがいかがでしょうか。 高額療養費制度についてお尋ねいたします。 この制度は、家計に対する医療費の自己負担が重くなり過ぎないよう被保険者の所得や年齢によって限度額を設定するもので、この後も限度額の見直しが予定されております。課題はレセプトの関係で月をまたいで合算できないことや、主治医の指示で歯科やMRI、CT等の検査を他の医療機関で行った際に制度の対象にならないケースがあること、また七十歳以上と違い六十九歳以下は医科と歯科、入院と外来それぞれ二万一千円以上でないと合算できないという点などであります。高齢社会の進展に伴いこの制度がより多くの方をカバーできるよう、一層の改善を国に働きかけていただきたいと思いますが、御所見を伺います。 この項目の最後に、地域包括ケアについてお尋ねいたします。 来年度は、地域包括ケアシステムを構築していく上で、医療や介護の制度改正が重なり市町村の役割が一層高まることから正念場ともいうべき年になります。平成二十七年度から段階的に実施し、来年度から完全実施に移る事業は、在宅医療・介護連携推進事業を初め、認知症初期集中支援チームによる早期関与を促す認知症総合支援事業など四事業であります。しかし被災自治体などは今も復旧・復興に追われており、こうした事業がどこまで実行できるか懸念されています。県としては、事業の円滑な運用に向け各市町村を支える体制が必要と思いますが、市町村の推進状況と県の支援について、お聞かせ願います。 地域包括ケアの中で、生活支援コーディネーターは非常に重要な役割を求められています。高齢者のニーズをつかみ、サービスを開発し、ボランティアや各種団体など地域資源をマッチングさせることで、生活支援が充実するよう全体をコーディネートする役割が期待されています。ルーチンワークとは異なりこの地域にはどんな人的資源があるのか、ニーズは何なのか、人間関係はどうなのかなど地域に飛び込んで人脈を一からつくっていかなければよい仕事ができません。介護のスキルとともにコミュニケーションスキルが必要な仕事であり、ゆえに同じ職種であっても大きく個人差がついてしまう懸念があります。実際非常に悩み、孤立し、苦しんでいるコーディネーターの話を耳にしますが、コーディネーターの育成とスキルアップのため専門職として協議会などをつくり、情報共有と研修システムを充実させる必要があると思いますが、いかがでしょうか。 大綱第三点目は、観光施策の充実強化についてであります。 昨年四月ダボス会議で有名な世界経済フォーラムによる調査結果で、世界百三十六カ国、地域における日本の観光競争力指数は四位であることが発表されました。訪日外国人観光客の増加は人口減少時代に突入した我が国において極めて大きな財産であります。国は訪日外国人旅行を二〇二〇年には四千万人、三〇年には六千万人を目標に、また消費額も二〇年に八兆円、三〇年には十五兆円という高い目標を設定しており、観光産業を自動車や化学製品の輸出額を超える国の大きな柱に据えようという本気度を感じます。本県そして東北はどの地域よりも急速な人口減と高齢化を迎えることを考えると、こうした国のインバウンド戦略に呼応し、宮城県をそして東北を観光大国にしていこうという、観光を県政の真正面に据えた取り組みが必要だと思います。みやぎ国際戦略プランや観光戦略プランなど、個別の事業をやり遂げていくことはもちろんですが、県の知名度をアップし観光振興を目指すという程度のお題目ではなく、宮城を観光大国にしていくという知事の明確なポリシーが今何よりも必要なのではないでしょうか。その明確なポリシーを知事の言葉でお聞かせ願います。 その上で具体的に伺います。私は昨年とことし函館市の工藤市長を訪ね、広域観光の可能性について意見を交わしてまいりました。その際市長からは「外国の観光客も今は北海道の周遊が中心だがいずれ飽きがくる。リピーターのことも考え仙台、宮城と連携したい」また「東北は連携をきちんとやってほしい、個別の県ごとでは無理で、まず東北を売り込んでブランドとして確立すべきだ」更には「仙台のホテルは高い、インバウンドにとってネックになっていくのではないか」等々忌憚のない意見を伺いました。将来を見据えた持続可能な観光戦略と函館のためにも広域的な視点が大事との考えに、私は東北の観光にとって欠くことのできないパートナーだと強く感じました。広域観光というと東北六県の周遊を連想しがちですが、東南アジアを初めとする外国人観光客を引きつけている函館・道南エリアとの広域連携についてより強化すべきだと思います。北海道あるいは函館との東北の合同海外プロモーションなど具体的なアクションを期待しますが、新年度以降の戦略をお聞かせ願います。 インバウンドを伸ばすにはアウトバウンドを強化するいわゆるツーウエーツーリズムという考えが大事です。定期便を持続させる上からも、仙台国際空港の利用を拡大させる意味からも、東北が連携したアウトバウンド戦略は重要な施策であることは明確です。しかし現状を見ると東北各県のパスポート保有率、出国率は全国的に見て極めて低くなっており明らかなワンウエイです。そのため県は、昨年度から仙台空港国際線利用促進キャンペーンを実施。三十歳未満で新規にパスポートを取得し仙台空港から海外へ旅行する場合、最大一万円をサポートするという事業を行い、保有率や空港利用の促進に努めており、今年度は五百八十三人が同事業で取得しているようであります。ただこの事業は対象を宮城県内の若者に限っていないため、取得者中他県の若者が約三割含まれています。仙台空港の利用促進はよいのですが、本県のお金で他県の若者のパスポート取得を支援することには少々違和感を覚えます。むしろこれは宮城県の事業ではなく東北各県が拠出し合い、東北観光推進機構や仙台国際空港の事業として規模をより拡大し行うべきだと考えますがいかがでしょうか。 近年はクレジットカードや電子マネー、更にはスマホ決済など現金を使わないキャッシュレス化が進んでおり、既に韓国では八九%、中国では六〇%、スウェーデン四九%など現金を使わない決済が主流となっています。韓国では二〇二〇年に少額硬貨の廃止を決め、スウェーデンは既に公共交通機関で現金が使えなくなっています。 一方、我が国のキャッシュレス決済比率は約一八%にとどまっている状況ですが、観光庁による外国人旅行者が日本で困ったことは何かという調査では、言葉や通信環境などとともにキャッシュレス決済できないということが挙げられており、ニーズに応える積極策が必要になっています。県は政令市の仙台市とともに端末導入に係る補助事業を強化し、地域間競争力を高めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 大綱四点目は、アスベスト対策についてであります。 御承知のとおり、アスベストは耐熱性や絶縁性にすぐれた繊維状の鉱物で高度経済成長期に使用が急増。総数で約一千万トンが輸入されその多くは建築材料として使われてきました。発がん性が指摘され平成二十四年国において製造、使用の全面禁止に至っています。その後アスベストの吸引による中皮腫患者及び家族による国や建材メーカーに対する訴訟が全国で起こり、原告勝訴の判決が相次いでいます。私は東日本大震災でアスベストの含有が疑われる建物が無造作かつ無防備に解体され、ボランティアなどが軽装備で瓦れきの片づけなどを行っていることに危機感を感じ、平成二十四年の本会議で飛散の危険性を指摘させていただきました。ちなみに平成二十七年にアスベストの吸引による中皮腫で亡くなられた方は全国で千五百四人。交通事故による死亡数が四千百十七人であることと比べても被害はより身近で深刻であることがわかります。そこで、何点か伺います。 本年度で終了する予定だった住宅・建築物アスベスト改修事業は平成三十二年度まで延長される旨、国から通達がありました。通達では市町村が所有する建築物を対象にアスベスト含有調査を行う場合、今年度末までに市町村の計画書作成を要件としています。既に含有調査が終わっている自治体数と調査未定の自治体数をお知らせ願います。 また、民間建築物に係るアスベスト含有調査については、今年度までは仙台市しか行っておらずせっかくの制度が生かされていないのは問題です。他の市町でも調査を行うよう県として強く関与すべきと考えますが、いかがでしょうか。 調査台帳によれば、延べ面積一千平米以上で吹きつけアスベストを目視で確認できる、またはその可能性がある建物は市町合計で二百五十棟あるようですが、この二百五十棟のうち県に報告が上がった七十八棟は全てにアスベスト含有が認められています。報告のない百七十二棟についても報告を求め、有資格者による的確な含有調査が行われるようにすべきですが、いかがでしょうか。 先ごろ、愛知県豊田市は建築物石綿含有建材調査者の協会との間で、災害時のアスベスト調査協定を結んでいます。それによると平時のアスベスト含有調査支援、被災建築物のアスベスト含有建材の露出調査、飛散防止のための具体的提言などとなっており、今後広島県や福岡市、横浜市との協定締結が予定されています。こうした協定はリスク管理の意味からも行政として重要ではないかと考えます。本県としての締結について検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 以上で、壇上からの質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 庄子賢一議員の一般質問にお答えをいたします。大綱四点ございました。 まず大綱一点目、復興と災害対策の取り組みについての御質問にお答えをいたします。 初めに、子供の心のケア対策と強化についてのお尋ねにお答えをいたします。 県では被災した子供の心のケアのため、県子ども総合センターにおいて医師等の専門職によるアウトリーチ型の支援を行ってきたほか、みやぎ心のケアセンターへの委託により民間のノウハウを生かした子供から大人までの切れ目のない支援活動を展開しております。また、保健福祉と教育、その他関係機関の連携強化を図るための庁内連絡会議を開催し情報を共有するとともに、市町村が設置するみやぎ子どもの心のケアハウスへの支援を実施しております。子供の心のケアは中長期的な取り組みが必要であり、安心できる居場所と信頼できる大人の存在が不可欠とも言われていることから、県といたしましては来年度石巻圏域に子ども・若者総合相談センターを設置するなど、NPO等も含めた各機関が連携した総合的な支援体制の強化を目指してまいります。 次に、災害援護資金の償還月額と償還事務の対応についての御質問にお答えをいたします。 災害援護資金の償還額については、貸付限度額の三百五十万円を一・五%の有利子で借り受けしている場合には償還期間が七年間となっていることから、年間の償還額が最大で約五十三万円、月額換算にすると約四万四千円となりますので、借受人の収入状況によっては相当の負担になることが懸念されております。県としては償還に当たっては借受人個々の事情も踏まえた丁寧な対応が必要であると認識しておりますので、市町村に対して神戸市等の担当者を講師とした研修会の開催や少額償還の取り扱いについての方針を示しているところであります。今後とも市町村担当者会議や研修会等を実施するなど、市町村の償還事務が適切かつ丁寧に行われるよう支援をしてまいります。 次に、大綱二点目、保健福祉施策の諸課題についての御質問にお答えをいたします。 初めに、精神障害のある方の運賃割引制度に関する交通事業者への働きかけについてのお尋ねにお答えをいたします。 鉄道やバスの運賃割引制度は、障害のある方の社会参加を促進する上で大きな効果があり、精神障害についても割引の対象とすることが望ましいと認識をしております。このため県では仙台市や県内のバス事業者に協力を呼びかけ、平成二十一年に精神障害も対象とした路線バスや地下鉄の運賃割引制度が導入されたところであります。しかしながら、県境を超えて事業展開をする鉄道や高速バスなどでは、いまだ精神障害を割引の対象外としている例が多い現状でありますので、障害の種別や交通手段を問わず運賃割引を享受できる制度づくりを全国的に進めていく必要があると考えております。県としてはこれまでも精神障害に関する全国的な運賃割引制度の導入を国に求めてまいりましたが、引き続き他の都道府県とも連携し、財源の確保も含めた対策を講じるよう強く要望してまいります。 次に、地域包括ケアシステムの構築に向けての市町村の状況と県の支援についての御質問にお答えをいたします。 地域包括ケアの推進に向けて地域ケア会議については、平成十八年度から全ての市町村で取り組んでおり、平成二十七年度からは専門職の派遣やケアマネジメント支援等によりその充実強化を図っているところであります。またことし四月からは全ての市町村で在宅医療・介護連携推進事業、認知症施策推進事業、生活支援体制整備事業を実施する予定となっており、今後はこれらの事業を実効性のあるものにしていくことが重要であると考えております。特に在宅医療・介護連携については八つの事業項目の実施が求められており、相互理解を深めるための多職種協働に関する研修会や先進事例の紹介などを行っていくことにしております。また認知症施策の推進については認知症初期集中支援チームの活動支援等を行うとともに、生活支援体制の整備促進のため、生活支援サービスの充実に向けたアドバイザー派遣等を行っております。今後とも各保健福祉事務所等に設置した地域包括ケア推進チームを中心に地域の事情を踏まえながら、引き続き市町村をしっかりと支援してまいります。 次に、大綱三点目、観光施策の充実強化についての御質問にお答えいたします。 初めに、宮城を観光大国にしていく明確なポリシーについてのお尋ねにお答えをいたします。 我が県ではこれまでも平成二十三年に策定された、みやぎ観光創造県民条例のもと、官民一丸となって観光王国みやぎの実現に向けて取り組みを進めてまいりました。条例に基づいて現在策定を進めております第四期みやぎ観光戦略プランでは、二〇二〇年の目標について外国人観光宿泊者数を五十万人泊、観光消費額を四千億円、観光入り込み数を七千万人と設定し過去最高を目指すこととしております。このプランの戦略プロジェクトの中では、新しい取り組みとしてDMOの形成等による魅力ある観光
地域づくりやSNSを活用した戦略的な情報発信などを位置づけ、新たなステージへ向け取り組みを強化する内容となっているところであります。県としては今後とも観光客の誘客拡大を図ることにより、宮城の観光が観光業の発展だけでなく、他の産業にも幅広く波及するよう、私が先頭に立って取り組んでまいりたいと考えております。 次に、キャッシュレス決済への対応についての御質問にお答えをいたします。 訪日外国人旅行者がストレスなく快適に観光できる環境整備を促進する上で、決済環境の改善は重要な要素であると認識しております。県としても平成二十四年七月に中国人観光客に対する東北三県の数次ビザの発給が開始されたことを契機として、仙台市等と連携して、仙台・宮城銀れんカード利用推進協議会を設立し、中国からの観光客をターゲットにクレジットカードの利用環境の整備を推進してまいりました。また来年度は仙台市と連携して観光関連事業者を対象としたアリペイやウィーチャットペイなどのセミナーを開催し、キャッシュレス決済に対応することの重要性について普及啓発を図ることとしております。県としてはこうした取り組みを通じて事業者に働きかけながら環境整備を図るとともに、端末導入に係る補助事業の必要性について検討してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(中島源陽君) 震災復興企画部長伊東昭代君。 〔震災復興・企画部長 伊東昭代君登壇〕
◎震災復興・企画部長(伊東昭代君) 大綱一点目、復興と災害対策の取り組みについての御質問のうち、訪問型支援事業についてのお尋ねにお答えいたします。 被災市町においては、いわゆる在宅被災者を含めさまざまな課題を抱える被災者に対して訪問や相談を含めた支援を行い、必要な福祉施策や住宅施策などにつないでいるところです。みずから問題を解決することが難しい被災者を個別に訪問して適切な支援につなぐという取り組みは重要であり、被災者支援において有効な方策であると考えます。県としましては、さまざまな課題を抱える被災者に対して市町が十分な訪問や相談対応を行うことができるよう、被災者支援について引き続き市町と連携していくとともに、専門家の派遣など訪問型支援の手法について意見交換を行ってまいります。 次に、ケースマネジメント事業についての御質問にお答えいたします。 被災者の抱える課題は被災直後から震災復興のステージの進展に伴い、衣食住から就労、生活困窮、介護問題などさまざまな分野にわたってきております。こうした被災者の個別課題を把握し、被災状況や生活状況に応じて福祉施策や住宅施策などを組み合わせることで一人一人の実情に合った支援を行うケースマネジメントは大変重要であり、一部の市町では被災者個々のカルテをつくるなど類似した支援を行っているところもあります。県としましては、被災市町が被災者一人一人に寄り添い、切れ目ない支援を続けていくことができるよう、今回の震災での状況を振り返りながら、大規模災害時のケースマネジメントのあり方について支援体制や人材の確保、支援が必要な被災者の把握など課題への対応も含め市町とともに検討してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(中島源陽君)
環境生活部長後藤康宏君。 〔
環境生活部長 後藤康宏君登壇〕
◎
環境生活部長(後藤康宏君) 大綱四点目、アスベスト対策についての御質問のうち、災害時のアスベスト調査協定についてのお尋ねにお答えいたします。 御指摘のありました協定は、愛知県豊田市が大規模災害時における災害廃棄物の処理や被災建築物のアスベスト含有建材に関する調査への協力を目的として、知見を有する関係団体と締結されたものと承知しております。被災建築物の解体等に伴って生じる廃棄物については市町村がその処理責任を有しておりますので、その際のアスベスト処理については基本的に市町村が協定締結の主体となるべきと考えております。県といたしましては、市町村に先進事例を紹介するとともに協定に対する県の関与や市町村支援のあり方などを検討してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(中島源陽君)
保健福祉部長渡辺達美君。 〔
保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕
◎
保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱一点目、復興と災害対策の取り組みについての御質問のうち、災害救助法の応急修理制度の上限額の増額に関する国への働きかけについてのお尋ねにお答えいたします。 災害救助法に基づく応急修理については、災害により住居が半壊等の被害を受けた場合に、居室、炊事場やトイレ等の日常生活に必要最小限度の部分を応急的に修理することで、緊急的に日常生活を営むことができる生活の場の確保を目的としているものであります。これまで一世帯当たりの限度額は物価変動などの経済情勢に合わせてほぼ毎年見直しがされてきており、応急的な修理の費用としては一定の水準にあるものと認識しております。県といたしましては、今後実際に救助を実施する市町村から応急修理費用の限度額引き上げの求めがあった場合にはそれを踏まえ国に働きかけてまいります。 次に、大綱二点目、保健福祉施策の諸課題についての御質問のうち、在宅療養支援病院等の整備に関する県の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。 住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けていくことを望んでいる住民に対して、適切な在宅医療を提供することは県としても重要な課題であると認識しております。県ではこれまで、在宅医療の充実に向け、地域医療介護総合確保基金などを活用し、在宅療養支援診療所等への参入や医療機関における担当在宅患者数の増加を促すとともに、訪問看護ステーションの整備に対する支援などを行ってまいりました。しかしながら在宅医療を担う医師や看護師等の確保が課題となり、整備が計画どおりに進んでいないのが実情です。今後とも医療人材の確保に努めながら、訪問診療を実施する診療所や病院、訪問看護ステーションの整備促進、医療機関における訪問診療の取り組み強化を進めていくことにより在宅医療の充実に努めてまいります。 次に、在宅医療の推進施策の見直しに関する御質問についてお答えいたします。 県では、訪問診療等を行う医療機関が少ない地域における在宅療養環境を整備するため、保健診療の対象外となる十六キロメートルを超える往診、訪問診療についても診療報酬相当額を補助する制度を設けております。しかしながら医療提供の効率性や診療報酬請求とは別に手続が必要なことなどから補助実績はありませんでした。こうした実態を踏まえ、在宅医療の推進に関する課題の整理や対応策の検討、既存事業の効果検証のため、昨年度在宅医療推進懇話会を立ち上げており、今後とも有識者や在宅医療従事者からの御意見なども伺いながらより効果的な施策の検討を進めてまいります。 次に、精神科救急医療体制についての御質問にお答えいたします。 県では、これまで二十四時間三百六十五日対応可能な救急医療体制の整備を目指し関係機関と協議を重ねてきたところ、空白となっていた深夜帯を県立精神医療センターが対応することにより来年度中に体制が整うことになりました。対応医療機関の複数設置については、夜間帯の医師確保が困難であることや、仙台市以外にある公立病院には精神科病床がないことなどから早期の整備は難しいのが現状でありますが、今回二十四時間化する救急医療体制の運用状況を踏まえ各圏域における課題を関係機関と協議するなど、引き続き身近な地域で医療を受けられる体制の整備を目指してまいります。 次に、精神障害のある方を受け入れるグループホーム整備のためのインセンティブについての御質問にお答えいたします。 長期入院されていた方や親の高齢化に伴い、在宅での生活が困難になった方が地域で生活する住まいとしてグループホームは有力な選択肢でありますが、いまだ不足しているのが現状です。グループホームについては、国が対象経費の二分の一、県が四分の一の負担で補助金を交付し施設整備を促進しておりますが、国庫採択額が申請額を大きく下回る状況が続いております。このため、昨年度から特に不足している精神障害者及び重度障害のある方を対象としたグループホームの創設などについては、国庫補助が不採択となった場合、国負担分を県が肩がわりし、四分の三全額を県が補助するなど一層の整備促進を図っているところです。なお、精神障害のある人を受け入れるグループホーム整備へのインセンティブについては、当面現行の補助制度を運用しながら必要に応じて検討してまいります。 次に、ベンゾジアゼピン系の催眠鎮静薬等の適正投与の徹底についての御質問にお答えいたします。 ベンゾジアゼピン系の催眠鎮静薬等については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が昨年度行った調査において、用法用量どおりに服用しても長期間継続的に服用をした場合には薬物依存などの重篤な副作用が発生している実態が報告されております。国ではこの調査報告を重視し、昨年三月に使用上の注意喚起を図る通知を医療関係団体等に対し発出しておりますが、医薬品卸売業者の調べによると県内におけるこれらの主要な医薬品の医療機関への供給量は、国の注意喚起後も大きな変化は認められておりません。県といたしましては、これらの医薬品の投与により重大な副作用の発生が懸念されますことから、医療機関において適正な投与がなされるよう改めて県医師会等を通じしっかりと周知してまいります。 次に、高額療養費制度のより一層の改善の国への働きかけについての御質問にお答えいたします。 高額療養費制度は家計への医療費負担が重くなり過ぎないよう、医療機関や薬局の窓口で保険適用される診療等に対して支払った一カ月の自己負担額の合計が上限額を超えた場合にその超えた額を支給する国の制度です。この制度における基準は国が制度の円滑な運用などの観点から定めているものと認識しておりますが、月をまたいだ合算ができないことなど、被保険者にとっては不合理な点があると考えますので、県といたしましても課題を整理しながら必要な改善を国に働きかけてまいります。 次に、生活支援コーディネーターの育成等のための情報共有や研修システムの充実についての御質問にお答えいたします。 生活支援コーディネーターは、現在県内市町村に約百八十人が任命されており、生活支援の充実に向けた地域の支え合い活動推進の中心的な役割を担っております。県では、平成二十七年十月に関係二十九団体による、宮城県地域支え合い・生活支援推進連絡会議を設置し、生活支援コーディネーターの新任研修や段階的にスキルを磨くことができる重層的な研修等を行うほか、市町村への情報提供や助言を行うアドバイザー派遣等の支援を行っております。また生活支援コーディネーター自身が現場で悩み、孤立しないように、圏域ごとに情報交換会を開催しているところですが、一方で近隣市町村の生活支援コーディネーターによる自発的な情報交換会も開催されていると聞いております。県といたしましては、生活支援コーディネーターが地域に根差し効果的に支え合い活動を支援できるよう今後も研修等の充実強化を図るとともに、必要に応じて情報交換会を支援してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(中島源陽君)
経済商工観光部長吉田祐幸君。 〔
経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕
◎
経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱三点目、観光施策の充実強化についての御質問のうち、函館・道南エリアとの連携強化についてのお尋ねにお答えいたします。 北海道新幹線の新青森-新函館北斗間が開通したことにより、北海道と東北の広域周遊観光の可能性が高まっていることから、我が県としても訪日外国人観光客に人気の高い北海道と連携した誘客が重要であると認識しております。今年度は北海道やJR東日本等と連携し、中国上海及び北京での観光セミナーや商談会を実施し、九十社以上の旅行会社に参加いただいたほか、上海、北京の旅行会社等を招請し、北海道と岩手、宮城をめぐる観光ルートを視察いただき、北海道と宮城、東北を周遊する旅行商品が造成、販売されました。また、函館市海外観光客誘致促進協議会やJR東日本等と連携し、台湾、香港、タイ、中国のメディア及び旅行会社に函館-仙台の観光ルートを視察いただき、台湾では函館空港、仙台空港との直行便を利用した商品が販売されております。来年度においては、他の市場においても函館-東北の周遊商品が販売されるよう、函館市と連携を図り海外での共同プロモーション等について検討してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。 〔土木部長 櫻井雅之君登壇〕
◎土木部長(櫻井雅之君) 大綱一点目、復興と災害対策の取り組みについての御質問のうち、来年度以降の河川整備と水害対策の強化の方針についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、平成二十七年関東・東北豪雨による水害を契機に災害に強い川づくり緊急対策事業アクションプランを策定し、被災した河川の再度災害防止や水害常襲河川の解消のためのハード整備、警戒避難体制の強化に向けたソフト対策を一体的に推進しているところです。来年度以降の河川整備につきましては、床上浸水対策特別緊急事業として整備する大江川や吉田川のほか、国が昨年十二月に策定した中小河川緊急治水対策プロジェクトにおいて、再度の氾濫防止対策河川に位置づけられた迫川や七北田川を含めた四河川を重点整備してまいります。また県単独事業として水害常襲河川の解消に向け、名取川等十一河川の河道整備と堆積土砂撤去や支障木伐採による流下能力確保を図り、今年度に引き続き精力的に整備を進めてまいります。水害対策については県内全域を対象に設置した大規模氾濫時の減災対策協議会において国や市町村と連携のもと、水害タイムラインなどを活用した速やかな情報伝達や、想定し得る最大規模降雨に対応したハザードマップの作成支援など、住民避難のためのソフト対策の取り組みを推進してまいります。 次に、住民避難を促すソフト事業の拡充についての御質問にお答えいたします。 国では水害時の確実な住民避難対策として、関東・東北豪雨を契機に水位が一定程度上昇した際に、点灯により周辺住民に避難を促すことができる簡易アラートを県管理河川を含めた十カ所に設置し、現在実用化に向けた試験を行っており、その検証結果を踏まえながら県管理河川への設置について検討することとしております。また、県でもホームページでリアルタイムな水位情報を提供しているテレメーター水位計を三十二カ所追加するなど水位情報の充実強化を図っております。更に国では昨年の九州北部豪雨を受け、従来型の水位計より簡易な装置で洪水時に水位が上昇した際に作動する低コストの危機管理型水位計を全国的に普及することとしており、本県でも市町村の要望や河川の重要度を勘案して六十三河川を抽出し、現在具体的な設置箇所について関係市町村と協議を行っているところです。県といたしましては、今後も河川の水位特性や河川周辺の土地利用状況など、地域の実情に応じて適切な水位情報観測システムを設置することにより、確実な住民避難に役立つソフト対策の拡充に努めてまいります。 次に、大綱三点目、観光施策の充実強化についての御質問のうち、パスポート取得支援についてのお尋ねにお答えいたします。 仙台空港を核とした東北の交流人口の拡大を実現するためには、インバウンドのみならずアウトバウンドも含めた双方向での取り組みが重要であると認識しております。県では民営化の効果を最大限に発揮し、仙台空港の拠点性を高めるために東北各県からの広域的なアウトバウンド促進策として、仙台空港から海外旅行へ出発する若者を対象にパスポート取得費用の一部を助成する、パスポート取得キャンペーンを昨年度から実施し、運営権者である仙台国際空港株式会社の取り組みを後押ししてきたところであります。このキャンペーンはその目的から対象を県内在住者に限定してはおりませんが、地元宮城県からの利用促進も重要な課題であることから、今年度は地元の大学への周知活動等を強化した結果、申し込み総数のうち本県在住者が約七割とその多くを占める結果となりました。今後も本事業の取り組み内容や役割分担等について、東北観光推進機構や仙台国際空港株式会社なども参画する、仙台空港国際化利用促進協議会において、意見交換するなど、より効果的で効率的な事業となるよう努めてまいります。 次に、大綱四点目、アスベスト対策についての御質問のうち、市町村が所有する建築物のアスベスト含有調査についてのお尋ねにお答えいたします。 市町村においては、平成十七年度に創設された国の助成制度の活用などにより、みずから所有する建築物のアスベスト含有調査を進めており、平成三十年二月末時点において三十市町村で調査が完了しており、アスベスト含有調査が未了の五市町のうち二市町については調査中であり、残りの三市町についても今年度中に計画を策定し、平成三十二年度までに調査を実施すると伺っております。 次に、民間建築物に係るアスベスト含有調査について、仙台市以外の市町でも調査を実施するよう、県が強く関与すべきとの御質問にお答えいたします。 民間建築物のアスベスト含有調査については、県として早期に実施すべきものと認識しておりますことから、仙台市以外の市町村においても国の助成制度を活用した助成制度の創設が必要と考えております。県ではこれまでも、市町村に対しさまざまな会議等を通じ民間建築物のアスベスト対策を促進するため、市町村独自の助成制度創設を働きかけてまいりました。今後更に県、市町村及び関係団体による連絡会議を立ち上げるとともに個別に助言を行うなど、各市町村における助成制度の創設に向けて積極的に支援してまいります。 次に、未報告の百七十二棟について報告を求め、有資格者による含有調査が実施されるべきとの御質問にお答えいたします。 民間建築物のアスベスト含有調査は平成十七年度の国の通知により、昭和三十一年から平成元年に建設された建築物のうち延べ面積一千平方メートル以上のものを対象とし、その所有者は吹きつけアスベスト等の有無について調査し、県を含め所管する行政庁へ報告することとなっております。県ではこれまで報告のない建築物の所有者に対しては、毎年建築物防災週間にあわせて文書等により報告を求めてまいりましたが、現時点で報告のない民間建築物は百七十二棟となっております。県といたしましては県民の安全で安心な生活を確保できるよう、これら民間建築物の所有者に対してアスベスト含有調査の実施と調査結果に基づくアスベストの除去について継続して促してまいります。更に、有資格者による調査等が条件となっている国の補助制度を活用することにより、的確なアスベスト含有調査の実施が期待できることから、市町村に対して国の助成制度を活用した助成制度の創設について継続して働きかけてまいります。 以上でございます。
○議長(中島源陽君) 四十六番庄子賢一君。
◆四十六番(庄子賢一君) 御答弁ありがとうございました。「市町村が行う」、「市町村が行う」という御答弁を何回か伺って少しがっかりしたところもありますが、特にケースマネジメントと訪問型支援についてはもう御存じだとは思いますが、鳥取県知事がことしの一月に記者会見で表明をし、鳥取県の危機管理に関する条例の一部改正を行って予算もつけ、支援体制のチームも構築し、四月一日から施行するということでもう既に始まっている県もあるんです。鳥取も同じように中部地震で大きな災害を経験し、被災者の方々をどう一人一人支援に結びつけていくかという課題に直面しているからこそ、市町に任せずに県が音頭をとって建築士、宅建士協会あるいはファイナンシャルプランナー協会、さまざまな団体を県が束ねて被災者支援に乗り出しているというところがあるんです。ぜひ宮城県としても現状の今の被災者を更に一層支援し復興させていくために、また今後起こりうる災害に対応するという観点からも、こうした制度一歩踏み込んで御検討いただきたいと思いますが、再度答弁を求めます。
○議長(中島源陽君) 震災復興企画部長伊東昭代君。
◎震災復興・企画部長(伊東昭代君) 鳥取県の事例につきまして詳細に存じ上げているわけではございませんが、やはり鳥取県においても、県も訪問に対してかかわってくるということですが、やっぱり市町村とともにというところはあるわけでございます。というのは被災者を支援していくときにそのコーディネートにしても、どこを訪問していくのか、あるいはその訪問して相談を受けてそれをどうつないでいくのかのところに、その市町村がかかわらないということは、ちょっと考えられないというふうに思いますので、今回、私たちも在宅被災者も含めてなかなか各市町で捉え方がいろいろだったところを、今回、仙台弁護士会、あるいは石巻市でも調査を仙台弁護士会に委託して行いまして、状況ですとか課題ですとかというのが明確になってきているということで、今回県のほうで声がけをしてぜひ石巻市からこういう形で調査をして、こういうことが明らかになったと、こういう対応するんだということを各市町にお話をしていただきながら、みんなでどういうふうにしていったらいいのか、まさにお話のとおり震災があっていろんなことを経験してきておりますので、今後に向けてどういう被災者支援のあり方がいいのかというのを市町とともに一生懸命考えていきたいというふうに思っております。
○議長(中島源陽君) 四十六番庄子賢一君。
◆四十六番(庄子賢一君) 震災からもう七年たつんです。市町とともに検討するという時期じゃもうないんですよ。被災者の方々が置かれている今の現状を考えれば本当に急務だというふうに私は思います。鳥取県の知事は、こういうふうに言った、記者発表で。「災害ケースマネジメントという、そうしたやり方を本県としても制度化していこうと思う。具体的には関係機関が一緒になって、一つ一つの世帯の事情に寄り添って解決策を一緒に考え提示をしていく」中略しますが、「きめ細かに対応しないと、ここから先はなかなか前に進みにくいところもでてきている」という危機感なんです。今の宮城県の被災者、おっしゃっていただいた在宅の被災者も含めてもうなかなかここから先、前に進めないというのは御自分の力で解決する、あるいはリーガルに、いろんなものを使いながら解決をしていく、自立していくということの難しい方々が残ってきているので、市町村だけではこうした専門職のチームを組むそうした人材も余力もないから県がかわってやる、かわってやるというよりも市町村と一緒になってやるというスキームだと私は思います。条例改正は、例えば宮城県も災害対策推進条例という条例があります。これに書き加えるぐらいのことで十分私は予算的にも体制的にも推進できるのではないかなと思いますが、ぜひ知事に一言お願いしたいと思います。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 鳥取県の今お話ありましたけれども、結局鳥取県も自分が全部やるというのではなくて、いろいろコーディネートしながら市町村やその他の団体と連携してやっていきますよという意味では、宮城県と大きく違いはないというふうに思っておりますが、ただ更にもう少し関与を強めてという意味で当然あろうかというふうに思っておりますので、その点については我々もしっかりと取り組んでいこうというふうに思っております。条例に書き加えるかどうかということにつきましては少し検討させていただきたいというふうに思います。
○議長(中島源陽君) 四十六番庄子賢一君。
◆四十六番(庄子賢一君) どうかよろしくお願いをしたいと思います。観光については、さっき知事からは明確に観光大国というお言葉はなかったんですが、そうした言葉こそないけれども、思いとしては観光大国にするという御決意であるということでよろしいのでしょうか。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) はい、そうでございます。
○議長(中島源陽君) 四十六番庄子賢一君。
◆四十六番(庄子賢一君) その知事のお考えに基づいてぜひ目標達成をしていただきたいというふうに思います。 アスベストの問題は、国家資格で専門の調査者制度ができてまだ日が浅いんです。だから過去に調査したもので更に再調査、有資格者による再調査が私は必要があるというふうに思っておりますが、部長どうでしょうか。
○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。
◎土木部長(櫻井雅之君) 先ほども申しましたけれども、やはり有資格者の目で見るということは大事なことだと思いますし、補助調査の場合は、全額調査補助が出ます。したがいまして、この調査、民間部分についてはやはり公共団体が、当該民間が調査する場合には調査要綱をつくって、その部分は国から満額くるということになりますので、当該市町村が要綱をつくりながらそして有資格者で見て、前に終わっていても広く周知することによって、いろいろ調査ができるというふうに感じておりますので、そういった意味においても広く広報してまいりたいというふうに思ってございます。
○議長(中島源陽君) 四十六番庄子賢一君。
◆四十六番(庄子賢一君) 終わります。ありがとうございました。
○議長(中島源陽君) 暫時休憩いたします。 午後零時十九分休憩
----------------------------------- 午後一時二十分再開
○議長(中島源陽君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。二十九番守屋守武君。 〔二十九番 守屋守武君登壇〕
◆二十九番(守屋守武君) 間もなく東日本大震災から丸七年になります。宮城県議会大震災復興調査特別委員会の県内視察は、二月八日に気仙沼市、九日に石巻市、女川町、十三日に山元町、丸森町、名取市、そして十九日に塩竈市と南三陸町に調査を行いました。地域間の復興の進み方に多少の違いはあれ、住民の皆さんの御理解、御協力のもと、国、県、市町の関係者の尽力の中で復興の形が見え、
地域づくりの方向が定まってきたことを感じます。復興期間が平成三十二年までと残すところ三年となり、焦りもありながら無我夢中で復興・復旧に取り組んでいる皆様に敬意と感謝を申し上げます。今回の視察で気仙沼、石巻、女川など市街地が大きく被災した自治体では、復興に係る予算の確保と復興期間終了後の事業継続に関する不安、産業再生に係る人材不足などのハード事業に加えて、コミュニティー形成や被災者支援などのソフトの取り組みに課題が見えてまいりました。仙南地区においては放射性廃棄物の処理、風評被害が大きくのしかかっており、この部分だけは風化せずに時がたつほどに差別化され、復興再生への足かせとなっていることを感じます。考えてみれば、危ないものだけども、効率がいいし、便利だし、多分大丈夫で進めてきた原子力エネルギービジョンのウイークポイントがあらわになり、人類の心配事がここに集約されているのだと感じます。このような中においても、地域の方々は日一日と復興に取り組み仕事に励んでおりました。村井知事は「復興のラストスパート!そして、未来へ!!」を合い言葉に、地域とともにあすの未来に希望の持てる県政を目指し、最高点での四選を果たし県民も期待していることであります。申し上げました諸事情を含む問題を解決してこそ、最大の被災地宮城県が世界各国から大きな支援、励ましをいただいて進めてきた復興が歴史に刻まれるのではないでしょうか。改めて宮城県知事の創造的復興にかける思い、県勢発展にかける覚悟を伺います。 また、七年過ぎた現在もなお、応急仮設住宅には約三千七百名が入居されておりますが、現在は復興完遂に向けて仮設住宅の解消も進んできました。そこで新たな課題も出てまいりました。気仙沼市営球場にも百八戸の仮設住宅があり、平成三十年度中に解消する予定でございます。施設の復旧はグランド部分は県工事によって原形復旧されますが、スタンドや大会本部室等の附帯施設の修繕は復興交付金の対象外とされました。仮設住宅設置後七年間は施設の設置目的である野球での利用ができないので、修繕費を予算計上しなかったことが原因でありますから、県からも宮城復興局に強く働きかけるようお願いをいたします。 大綱第一点、平成三十二年度末を期限とする各種制度の延長について伺います。 被災者支援総合交付金により実施している生活援助員(LSA)事業、被災者の健康づくり支援事業及び絆再生事業は復興期間である平成三十二年度までとなっておりますが、平成三十三年度以降も継続する必要があります。これは財源が被災者支援総合交付金であり、活用期限が平成三十二年度となっているからでありますが、災害公営住宅等における生活再建の本格化に伴い訪問件数は増加傾向にあります。復興事業も大規模事業のおくれで土地の引き渡しのおくれから、新たなコミュニティーの形成と安定には相当の時間を要するものと考えます。また孤独死などの報告もあり、より専門的な資格を持って対応することも求められております。この分野においては県の「地域コミュニティ再生支援事業補助金」も多くの団体が活用しており、コミュニティー再生に一役買っております。今後は更なる連携が必要となりますから、県にはしっかりとしたサポートをお願いします。対応について伺います。 次に、災害援護資金貸し付けについて、ことしの三月三十一日までの期限が平成三十一年三月三十一日までの一年間延長されましたが、気仙沼市では土地区画整理事業終了が平成三十二年度となることから、それ以降に住宅再建する方々が利用できるように平成三十三年度ごろまで延長することが必要です。県の対応を伺います。 次に、被災者生活再建支援金加算支援金についても、国の被災者生活再建支援制度に基づき住宅の再建方法に応じて支給されております。申請期限が平成三十一年四月十日まで延長されましたが、災害援護資金貸し付けと同様に区画整理事業の期限が平成三十二年度ですから同様の延長をお願いをいたします。復興基金の活用についても期限が平成三十二年度とされておりますが、気仙沼、石巻地区においては住宅再建の独自支援等は住宅再建の時期が平成三十二年度以降にずれ込むことや、その他の復興に係る事業の継続に活用できるよう期限の延長が必要でございますので、対応を伺います。 次に、職員派遣に対する対応について伺います。 平成二十九年度沿岸十四市町職員不足状況に示されているとおり、職員が大きく不足している自治体は石巻市、気仙沼市、山元町の三市町となっております。大震災復興調査特別委員会の視察で感じるところは、災害危険区域内の復興・復旧に関する進捗が全体のスピードにかかわってきているということであります。内容的には土地の取り扱いであり、この分野は丁寧な対応が求められるし、法的な措置も必要となります。どうしても時間と手間がかかります。そして各被災地ともに防災集団移転事業や災害公営住宅事業が終わってきたこともあり、また日本の各地で大規模災害が起きていることも他の自治体からの応援が難しくなる要因になっております。このような状況の中、特に出先の県職員や市町の各職員の皆さんにはここが正念場と頑張っていることに感謝を申し上げます。時がたつにつれ課題は複雑になり、基礎自治体の職員は地域住民の皆さんとの調整等に時間と人数が必要となります。今が支え時ですから県と市町がともに汗をかき、復興を前に進めるように働きかけていくことが重要であります。職員等の派遣についてしっかりとした形の県の取り組みを伺います。 次に、東日本大震災復興基金交付金(津波被災住宅再建支援分)の利用拡充について伺います。 これは気仙沼市では防災集団移転事業で住宅再建した方への利子補給等の補助があり、借り入れをしないで再建した方には補助がないことから、市独自支援として東日本大震災復興基金交付金(津波被災住宅再建支援分)、復興基金を活用することが可能であると県から回答いただき実施しております。今回の独自支援の補助が既に防災集団移転事業で借り入れをして再建した方との利子補給額より高額になる方もおり、防集再建者に対して上乗せ補助として対応することは二重補助となる見解から利用不可となりました。市では既に、がけ地近接等危険住宅移転事業で再建した支給済みの独自支援との差額も復興基金交付金(津波再建分)は利用不可との指摘をされたところでありますが、被災者の不公平感をなくすためにも利用を認めていくべきであると思いますので、県の見解をお伺いをいたします。 次に、気仙沼大島の亀山へ登山する手段としてのゴンドラ整備のための過疎債の活用について伺います。 亀山リフトは昭和四十二年五月に開業し、ピーク時の昭和五十三年には年間十二万六千人の利用者がありましたが、震災前には年間三千万円の赤字を計上し、一般会計から補填しておりました。東日本大震災で被災した亀山リフトは公営施設のため国の災害復旧事業の対象外となっております。市では大島大橋開通後の観光需要を踏まえて代替施設による復旧としてゴンドラを計画をしております。施設整備の補助に関して復興庁及び県と協議を重ねておりますが、市では一定の要件の中で過疎債を活用した整備を目指しておりますので、過疎債の配分について県の特段の対応をお願いをいたします。 大綱二点目、国際リニアコライダー誘致に関する宮城県の取り組み姿勢について伺います。 そもそも国際リニアコライダー、ILCとは何者なのかということですが、物質の根源や宇宙の起源に関する研究をするために世界に一つだけ建設される最先端の素粒子実験施設でございます。最初の計画では地下百メートルに長さ三十一キロから五十キロのトンネル内に建設をされ、トンネルの両端からほぼ光速まで加速させた電子とその反粒子である陽電子を中心部で衝突させ、宇宙誕生、ビックバンから一兆分の一秒後の状態を再現し衝突によって生成されるさまざまな粒子を解析することで、未知の素粒子や謎のダークマター、ダークエネルギーの正体に迫ることが期待をされております。現在の宇宙を構成するもののうち私たちが知り得ているのは全体のわずか五%にすぎず、残り九五%のうち二三%は暗黒物質、七二%は暗黒エネルギー、ダークエネルギーと考えられております。欧州原子核研究機構(CERN)のHLC(大型ハドロン衝突型加速器)の実験で、万物の質量への起源とされるヒッグス粒子が発見されたことは有名であります。二〇一三年八月にILC立地評価会議がILC国内候補地を北上サイトに一本化しました。これを受けて文部科学省がILC計画に関する有識者会議を設置し、四つの作業部会で検討し昨年六月で一旦終了しました。昨年十一月七日にステージングによる全長三十一キロから二十キロにする新計画がICFA、国際将来加速器委員会で国際承認されました。全長二十キロメートルからスタートすることで建設費用も五十キロ計画の八千三百億円から五千億円にコストダウンが可能となり、実現の可能性が大きく高まっております。文部科学省有識者会議はこの国際研究者コミュニティー、ICFAによるILC計画の見直し等を見て再検証され、平成二十九年度中に結論が出る見込みです。今、国際情勢は欧州、北米等世界各極では日本政府によるILC建設への前向きな具体的提案を待望している状況にあります。しかしタイムリミットは、二〇二〇年から始まる欧州次期加速器研究計画の検討開始である二〇一八年夏と言われております。ことしの夏であります。国際リニアコライダー誘致、整備に関しては建設期間が約十年間で世界最先端の国際科学研究所が東北の地に建設をされます。運営には数千人ほどの国内外の研究者とその家族が移住をして来るので受け入れ態勢の整備も必要となります。産業面においては東北地方で参入可能性のある企業は七百社以上に上るとされております。ことし知事は、フランスで放射光施設ソレイユを視察し、施設が地域経済に与える影響が非常に大きいと感じたことをコメントしております。東北放射光施設が仙台の東北大キャンパスに誘致計画を進めておりますが、同じ加速器の技術であり、ILCが北上山地に誘致決定となると宮城、岩手のみならず東北全体における経済効果ははかり知れないものがあります。更に科学研究の最先端研究所の設置は日本の若い頭脳の受け入れ先ともなることが期待をされております。平成二十五年八月二十三日に候補地が北上山地に決定したことを受けて、知事はすぐさまコメントをしております。内容は「今のところ、政府としてはILCの国内誘致について意思決定していませんので、まずは、一日も早く正式な国家プロジェクトとして立ち上げられるよう、東北各県の皆様と力を合わせて政府などに対し働きかけてまいりたいと思います。今後とも、広く政・産・学・官と一体になって日本への立地実現に向けて、引き続き汗をかいてまいります」とのことでした。昨年十二月十八日に議会としては、宮城県議会国際リニアコライダー誘致議員連盟と岩手県議会リニアコライダー建設実現議員連盟で、岩手県議会・宮城県議会リニアコライダー建設実現議員連盟を立ち上げ、中島源陽
宮城県議会議長、佐々木順一岩手県議会議長を共同代表として、菅官房長官、大島衆議院議長、超党派の国会議員によるリニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟の河村建夫会長らに国の計画実現への条件整備を進め、誘致方針の早期決定を求める要望書を提出いたしました。当会派の石川光次郎県連幹事長、佐藤光樹県議、それから小野寺五典事務所にお世話をいただき実現したものでございます。文科省の平成三十年度概算要求は「次世代加速器に関する要素技術開発」として二・六億円であり、昨年の一・一億円から倍に増額をされております。このような実情を考えたとき、東北の経済を牽引する宮城県知事としては、岩手県はもとより東北六県をまとめて国に対して強力に働きかけるべきではないでしょうか。国際リニアコライダー、ILC誘致に関する知事の取り組み姿勢についてお伺いをし、壇上からの質問といたします。よろしくお願いをいたします。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 守屋守武議員の一般質問にお答えをいたします。大綱二点ございました。 まず、大綱一点目、震災復興の諸課題についての御質問にお答えをいたします。 初めに、創造的復興にかける思いと県勢発展にかける覚悟についてのお尋ねにお答えをいたします。 震災の発生からこれまで被災した市町や国と力を合わせて、復旧・復興に最優先で取り組んだ結果、被災地では生活インフラや産業の再生などが着実に進展しております。また復旧にとどまらない抜本的な再構築を掲げ、災害に強いまちづくりや仙台空港の民営化、医学部新設などの創造的な復興にも積極的に取り組んでまいりました。一方、今なお多くの方々が仮設住宅等での不自由な生活を余儀なくされているほか、被災者の心のケアや地域コミュニティーの再構築、被災事業者の販路回復と担い手の確保、放射性物質による汚染廃棄物の処理など多くの課題が残されております。こうした課題を解決し復興を果たすことが、これまで国内外の皆様からいただいた御支援への恩返しになるものとの思いを持ち、今後とも被災市町や国と連携してしっかりと復旧・復興に取り組んでまいります。更には復興需要後を見据えた地域経済活性化や人口減少対策などにも取り組み、我が県が震災を乗り越え更なる発展を遂げられるよう力を尽くしてまいりたいと考えております。 次に、気仙沼市民球場の復旧に係る復興交付金等の活用についての御質問にお答えをいたします。 現在、応急仮設住宅がある気仙沼市民球場の復旧に当たりましては、応急仮設住宅を解体撤去してフィールドの原状回復をするための費用に関しましては、東日本大震災に係る災害救助法の弾力運用の対象になるものの、スタンドや大会本部等の附帯設備の改修費用につきましては対象外であるとのことであります。このことから公立社会教育施設としての災害復旧費補助の対象とすべく、現在、気仙沼市教育委員会と協議中であり、まとまり次第国に照会してまいりたいと考えております。 次に、生活援助員事業等の平成三十三年度以降も継続の必要がある事業への県のサポートについての御質問にお答えをいたします。 災害公営住宅等への移転による地域コミュニティーの分散など被災者を取り巻く環境が変化していく中で、被災者の孤立を防止する対策は重要であり、各種事業が連携しながらより効果的に実施していくことが大切であると認識しております。気仙沼市では災害公営住宅等の入居者への見守り活動等を行う生活援助員事業のほか、自治会等では地域コミュニティ再生支援事業補助金を活用し、コミュニティーの機能強化などに取り組んでいるところでありますが、これらの事業は国の被災者支援総合交付金を財源としており、現在のところ平成三十二年度までとされております。県といたしましては、地域ごとにコミュニティーの再構築等に要する時間が異なることを踏まえ、平成三十三年度以降につきましても被災者支援の取り組みについては市町の実情に応じ、サポートができるよう必要となる財源の確保について国への要望も含め、市町と連携しながら今後の対応を検討してまいります。 次に、市町村が設置した復興基金の期限の延長についての御質問にお答えをいたします。 県では市町村の復興の円滑かつ迅速な推進を図るため復興基金の財源として、平成二十四年五月までに東日本大震災復興基金交付金を総額三百三十億円交付いたしました。市町村では本基金を活用して住民生活の安定やコミュニティーの再生、地域経済の振興、雇用維持など被災者支援のためのさまざまな事業を実施してきたところであります。しかしながら、震災から七年が経過しようとしている現在、市町村においては復興の進捗に伴い生じる新たな課題に直面しているほか、被災者の心のケアやコミュニティー形成等について、国の復興期間の期限である平成三十二年度を超える長期的な対応が求められております。このため県といたしましては、復興基金について期間の延長を含め、地域の事情を踏まえたよりきめ細かい事業に活用できるよう必要な見直しを検討してまいります。 次に、大綱二点目、国際リニアコライダー誘致に関する宮城県の取り組み姿勢についての御質問にお答えをいたします。 ILCの誘致は雇用創出や産業集積など大きな効果が期待でき、東北全体の発展に寄与するものと考えております。昨年秋、研究者間においてILC建設費を大幅に削減する段階的整備が承認され実現可能性が高まってきておりますが、政府としてはいまだ誘致の決定には至っておりません。このような中、宮城県と岩手県の議会が共同し、国際リニアコライダー建設実現議員連盟を立ち上げ、国への要望活動を行ったことは非常に意義があるものと考えております。ILC誘致実現のためには岩手県と宮城県のみならず東北全体のプロジェクトとして取り組むことが重要であり、両県の政産学官それぞれが東北の他県との連携を広げていく必要があります。我が県といたしましても、東北ILC推進協議会と力を合わせて、東北が一体となって国に強く働きかけができるよう取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(中島源陽君) 総務部長佐野好昭君。 〔総務部長 佐野好昭君登壇〕
◎総務部長(佐野好昭君) 大綱一点目、震災復興の諸課題についての御質問のうち、被災者生活再建支援金加算支援金についてのお尋ねにお答えいたします。 加算支援金に係る申請期間については市町村の意向に沿った対応を基本として、土地区画整理事業や防災集団移転促進事業の進捗状況、仮設住宅の供与期間、未申請世帯数の状況等を踏まえた上で市町村ごとに判断し、仙台市を初め十市町において平成三十一年四月十日まで一年間延長することと決定したものであります。今後の再延長についても同様に市町の意向等を踏まえた上で、しかるべき時期に市町ごとに延長の有無を判断し適切に対応してまいります。 次に、被災市町への県職員派遣の対応についての御質問にお答えいたします。 沿岸被災市町においては復興の進展に伴いマンパワー不足の状況に差異が生じてきており、市町によっては全国からの人的支援の縮小や、残された復旧・復興業務の複雑化などから引き続き職員の確保に苦慮されているものと認識しております。県といたしましても膨大な復旧・復興事業に従事するための職員が慢性的に不足している状況にありますが、被災市町の深刻な状況を踏まえこれまで継続的に職員を派遣してきたところであります。来年度の県職員の派遣については、市町と同様に全国からの人的支援が縮小していることもあり、総数を大幅にふやすことは難しい状況ですが、可能な限り派遣人数を確保することとしており、中でもマンパワー不足がより深刻な状況にある気仙沼市や石巻市などについては自治体からの要望も踏まえ重点的に支援していくこととしております。更に県では、内陸市町村に対して職員派遣の一層の協力を要請したほか、全国自治体に対する継続的な職員派遣の要請や任期付職員の採用支援を行ってきており、今後もあらゆる手段により被災市町のマンパワー確保に総合的に取り組み、復興を前に進めてまいります。 次に、津波被災住宅再建支援分の基金による上乗せ補助についての御質問にお答えいたします。 東日本大震災復興基金交付金の津波被災住宅再建支援分については平成二十四年度に防災集団移転促進事業等の対象とならない津波浸水区域の住宅の再建を支援するため、東日本大震災復興特別交付税を財源として創設されたものです。このため本交付金の根拠省令においては防災集団移転促進事業やがけ地近接等危険住宅移転事業の対象となるものを除くと規定されており、この基金を活用しての上乗せ補助は認められていないのが現状であります。県といたしましては、市町村の住宅再建支援について取り崩し型の復興基金の活用なども含め、必要な助言に努めるとともに地域の実情を国に訴えてまいります。 次に、気仙沼大島の亀山ゴンドラ整備における過疎対策事業債活用支援についての御質問にお答えいたします。 気仙沼大島の亀山ゴンドラについては、現在整備中の大島大橋の開通を見据え、大島観光のランドマークとして計画されているもので、当初、市では復興交付金の活用を国に要望しておりましたが、復興庁から困難である旨の回答があったことから過疎対策事業債を財源とする計画に変更になったと伺っております。過疎対策事業債は原則として充当率が一〇〇%である上、元利償還金の七〇%が地方交付税で措置されるため財政措置上有利な地方債でありますが、施設の維持管理経費については基本的に事業主体の独自財源により賄われることとなります。県といたしましては、毎年度の地方債計画に基づいて国から示される起債協議可能額も踏まえつつ、後年度負担を考慮した事業規模や財源確保上無理のない事業スケジュールについて助言してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(中島源陽君)
保健福祉部長渡辺達美君。 〔
保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕
◎
保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱一点目、震災復興の諸課題についての御質問のうち、災害援護資金の貸付期間の延長についてのお尋ねにお答えいたします。 災害援護資金の貸付期間については、東日本大震災に係る特例措置により今月末までとなっておりますが、現在内閣府においてこれを一年間延長し、来年三月三十一日までとする政令改正の手続が進められてると承知しております。県といたしましては、災害援護資金の貸付期間の更なる延長について、今後も貸付主体である市町村との密接な連携のもと、被災地の復興状況や被災地の貸付金ニーズの動向を踏まえた上で国に要望してまいります。 以上でございます。
○議長(中島源陽君) 二十九番守屋守武君。
◆二十九番(守屋守武君) ありがとうございました。この被災者支援総合交付金事業、LSAとか訪問介護とかそういった事業については、事業期間である平成三十二年までという形がちょっと示されているんですけども、今、被災の大きい気仙沼、石巻というところに関しては、区画整理事業のおくれからコミュニティーの形成がまだまだこの先になってくる。それから今、災害公営などに移られた方々、そして防災集団移転なんかもそうなんですが、入ってなお課題が出てきているというのが現状なんです。ですから今回多くの議員の皆さんがここの質問をされておりますけども、今までは、ついの住みかにつくまでに努力をしてきた。でもこれからは、入って自分たちがどういう方向で暮らしていくのかというところになります。したがってここのところは今、国の予算でやっております。庄子議員さんのほうからは具体的な制度の設置というかそういう形も提案は出ております。まさにそういった方向で見据えていかないと、自治体そのものがここを一番の課題として今動いているところなんです。何としてもここのところは平成三十二年度以降につきましてもしっかりとした形でサポートをいただきたい。住宅に関する課題、それから健康に関する課題、こういったところが出てきているというのが一つと、それから包括なんかも含めまして個々の訪問なんかもしておりますけども、地域によっては、なかなか自治会の役員さん方が回っても回り切れない、そして包括やらLSAやらのほうでもなかなかわからない、そういう連携のほうは先ほど来の質問の中できちっととっていくという話であります。しかし、気仙沼市も実際に孤独死が発生をしてしまった。何でこういうことが起きるんだろうなということが実はあります。今混同してはいけないのは高齢者のひとり暮らしが災害公営住宅でふえておりますから、この人たちが残念なことに一人でお亡くなりになったりしたことを孤独死というのか、みとりがなかったというのかというところも、いろいろと自治体の中では考えながら対応ということ、またはサポートということをやっていかなければなりません。したがってこの部分のところに関してはしっかりと今後とも国にも予算をきちっと要望しながらやるんだという決意のほどをもう一度確認をさせていただきたいというふうに思います。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) ただいま被災者支援総合交付金を一つの例に挙げられましたけれども、これに限らず平成三十二年度までとされているものがたくさんございまして、復興は形上はハードはほぼ平成三十二年で終わるとは思いますけれども、それ以降の目に見えない部分、これをやるにはかなり時間かかります。これはもう当然県としてもやれることは、お金があるなしにかかわらずやっていかなきゃいけないと思ってございますが、当然国の支援が必要でありますし、市町村と協力してやっていかなければならないわけでございますので、必要なものはしっかりと市や町と協力して国のほうにお話をさせていただこうと思ってます。直前になってからではもう間に合いませんので、いろいろ必要なものを今精査しておりまして、一年ぐらいかけて精査した上で再来年度くらいから具体的に政府と水面下の調整そして表面の調整というものに入っていきたいなというふうに思っております。
○議長(中島源陽君) 二十九番守屋守武君。
◆二十九番(守屋守武君) その辺はぜひよろしくお願いします。 先ほどの公営住宅、仮設住宅の建っていたところの、要はグランド部分でないところのものは認められないと、教育委員会と話してますということなんですけど、実は志津川高校のバックネットもそうなんです。これは再来年ぐらいに修繕をするというような形で多分教育庁のほうでは出してるんです。あそこもたくさんの仮設が建っていて実際に使えないと修繕ができないんです。修繕ができないでいたやつを基礎自治体で費用持ってやりなさいというのは、先ほど補助入れられるように協議していくということなんですけど、これから出てくるんです、こういうところ。ですから公共に使うところ、そして学校施設なんかの場合は、志津川高校のバックネットも再来年の補修のようなお話を聞いておりました。一日でも早くそこを繰り上げてやっていただかないとなかなか大変なんではないか--教育長聞いてないと思いますけど、そういうことがありますので、こういったところはどうしても制度から外れてしまうことで対応できませんので、前向きな形でこういったところは取り組んでいただきたいなというふうに思っております。 そしてそのほかにも本日申し上げた災害援護資金、それから復興基金の加算支援金とかあります。これらのものは一年延長、一年延長でやられてるんです、先ほどの答弁のとおり。だけど明らかに平成三十二年度に区画整理が終わって引き渡しますという箇所が気仙沼とか石巻地区は多いんです。そうするとそれが終わらないと住宅を建てられないということはもう全くの現実なんです。「大丈夫だよ、その後も伸びるから」とよく言うんですが、平成三十二年度と国が決めている期間と言うか、区切りなもんだから、だからここのところに関してはしっかりとこの制度をつないでほしいというところなんです。ことしの、例えば三月三十一日とか四月十日までだったやつが、来年の三月三十一日とか四月十日になります。わかりますよ、これは。復興期間の区域内だから。でも平成三十二年度中に土地が引き渡されるとこはどうするんですかって話なんです。この復興基金の使い方は、先ほどの重複するんだという話もありましたけれども、実際に非常に大きな不公平感を感じているというのが再建している人たちの思いなんです。あるお金でやっているわけではないというところがありますから。ただ、この補助の二重がかりになるのではないかということを復興庁のほうでは言われているんだというふうに思いますけども、ここら辺に関しても、もう少し地域の実情を踏まえて話をしていきたい。そして今の平成三十二年度以降のことを私たちは心配をしております。この復興基金のやつもそうなんです。確かこの独自支援を特別にかけたのは気仙沼市と石巻市なんです。それで気仙沼市の場合は七十二億円かな、それぞれにこの財源を活用しなければならないのがあってやってるんだけども、基本的にはこの復興基金についても平成三十二年度以降は残余のお金に関しては返しなさいと県のほうに来てるはずです。三百三十億円を振り分けたものです。これはもう知事先ほどお話ししたように、今言っておいてくれないといけないんです。そのときになってこうだからではなくて、もう明らかにそういう事情がわかりますから、この辺のところの取り扱いに関してもしっかりそうしますよということをここでお伺いをしておきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 復興基金につきましては特別交付税で六百六十億円入ってきたものを三百三十億円は県、三百三十億円を市や町で配分をしたということでございます。これ特別交付税で入ってきたもんですから一般財源でございます。したがいまして国のほうに返すといったような性格のものではないというふうに認識をしておりますので、これについては平成三十三年度以降につきましても恐らく柔軟に対応できるだろうというふうに思っております。ただ、国が何を言ってくるかわかりませんので、よく確認をした上でなるべく早目に市や町のほうに、心配だという声があれば伝えていくようにしてまいりたいというふうに思っております。
○議長(中島源陽君) 二十九番守屋守武君。
◆二十九番(守屋守武君) その辺はこういうことがあるんだということをしっかりやって、位置づけていただきたいというふうに思います。 それから職員不足のところですが、ここのところも、今、この事業がおくれているのは何なのかと、人手不足なんです。圧倒的に技術者不足しております。それで今このくらい不足してるっていうのは石巻、気仙沼、亘理、山元町です。ここを何とか集中していただくと実は私は後ろが詰まるんでないかと思ってるんです。だから今までのスキームでお願いしますではなくて、ここを少しでも詰められるようにするために何とか人を補充していただきたいというふうに思うんです。そういう形でこういうところの対応をお願いをしたいと思います。 それから大島、亀山、地方でも知事、観光に力を入れると言ってるんですから、公設民営で頑張ろうと言ってるわけです。私も心配なの、こいつ実はね。だけども腹を決めてやろうというときにはしっかりと協力をいただきたいというふうに思っております。発信もできますし、いろんな形でお客さんを引いてくることができるだろうということも含めまして、こういったところの取り組みを頑張ろうということになっておりますから、そのときには前向きに乗っていただきたいというふうに思います。 それから、国際リニアコライダーに入ります。 これにつきましては宮城県知事が音頭をとらないとだめです。そうでしょう。だって北上です。北上にできて東北放射光の加速器の拠点が東北に移ってくる話じゃないですか。筑波はどうですか、筑波にああいう拠点をつくったんだけど科学者は東京に住んでる。つくば市は実はそうではなかったんです、ここに住んで欲しかった。それを考えるとどうしても科学者の皆さんは宮城、仙台のほうに来るんじゃないかと。でもここが気を緩めていたら多分東京行っちゃうんだよね。外国から来る人どこ使うんですか、仙台空港だよね。何千人もの科学者が来る、工事が入った段階で視察なんかも来る。今現在スイスのセルン(CERN)には年間十二万人ぐらい現在も視察団が来てる、世界各国から。そういったことも含めますとこれ岩手の問題じゃなくて、道州制をうたっていた村井知事がここを先頭切ってやらなかったらどうするんですか知事。その辺の意気込みを、さっきいろいろ言ってますけど、インバウンドどころじゃないです、これやるだけで、村井知事。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) ILCにつきましては今言ったようないろんな経済効果が考えられますし、何よりもすばらしい研究者が我が東北にたくさんお越しいただける、住んでいただけるということでは非常に魅力的だというふうに思っております。しかし、これ私が先頭にというよりも、これ東北全体で皆で支えていくものでありますし、岩手県にできる以上は岩手県知事をトップにしながらみんなで支えていくというのが望ましい姿だろうと。岩手県知事を超えて私がやるんだと手を挙げてしまうと岩手県知事に対して失礼な面もございますので、これは岩手県知事を頭にしながら東北六県みんなで支えていくということが望ましいと思います。ただし、今度北海道東北地方知事会なんかもありますので、こういったようなことは岩手県知事自分のことですからなかなか言いづらいかと思いますので、こういうふうなことは私が発言をして、みんなで一緒にやろうじゃないかというようなことを言ってみたいなというふうな思いは持っております。
○議長(中島源陽君) 二十九番守屋守武君。
◆二十九番(守屋守武君) ですから、宮城県は中島議長と佐々木岩手県議会議長と共同代表にしたんです。岩手県知事がじゃなくて、知事、一緒に共同代表でやってください。岩手県知事になんて無理じゃないですか。村井知事、東北の音頭を、一番経済効果あるの多分宮城県です。ここをしっかりと前に進めないといけない。それで知事、今議員団のほうでもいろいろと活動しております。だけど体制をしっかりしてください。というのは震災復興・企画部が対応なんだけども、我々が動くことのサポートしっかりしてほしい。部署は部署として、その対応部署をしっかり独立させるなり何なりしてやって、この夏までの勝負です。その辺の部署の取り扱い、対応について、もうあしたを待てないくらい急がないといけない、どうですか、その辺だけでもしっかりとやっていただかないと知事。
○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。