平成30年 2月 定例会(第363回) 第三百六十三回
宮城県議会(定例会)会議録 (第一号)平成三十年二月十五日(木曜日) 午後一時開会 午後一時四十四分散会 議長
中島源陽君 副議長
只野九十九君
出席議員(五十七名) 第一番 大内真理君 第二番 角野達也君 第三番 内藤隆司君 第四番 高橋 啓君 第五番
遠藤伸幸君 第六番 村上久仁君 第七番
高橋宗也君 第八番 庄田圭佑君 第九番 深谷晃祐君 第十番 中嶋 廉君 第十一番
福島かずえ君 第十二番
天下みゆき君 第十三番 三浦一敏君 第十四番
佐々木功悦君 第十五番 境 恒春君 第十六番 太田稔郎君 第十七番
横山のぼる君 第十八番
遠藤隼人君 第十九番
渡辺勝幸君 第二十番 横山隆光君 第二十一番
佐々木賢司君 第二十三番 熊谷義彦君 第二十四番
渡辺忠悦君 第二十五番
遠藤いく子君 第二十六番 すどう 哲君 第二十七番 吉川寛康君 第二十八番 伊藤和博君 第二十九番 守屋守武君 第三十番 長谷川 敦君 第三十一番
佐々木幸士君 第三十二番
村上智行君 第三十四番 高橋伸二君 第三十五番 菊地恵一君 第三十六番
只野九十九君 第三十七番
佐々木喜藏君 第三十八番
石川光次郎君 第三十九番
佐藤光樹君 第四十番 岸田清実君 第四十一番 菅間 進君 第四十二番 坂下 賢君 第四十三番 ゆさみゆき君 第四十四番 藤原のりすけ君 第四十五番
坂下やすこ君 第四十六番 庄子賢一君 第四十七番
中島源陽君 第四十八番 本木忠一君 第四十九番 中山耕一君 第五十番
長谷川洋一君 第五十一番 安部 孝君 第五十二番 齋藤正美君 第五十三番 安藤俊威君 第五十四番
畠山和純君 第五十五番 仁田和廣君 第五十六番 藤倉知格君 第五十七番
相沢光哉君 第五十八番 中沢幸男君 第五十九番
渡辺和喜君
欠席議員(一名) 第三十三番 細川雄一君欠員(一名) 第二十二番
-----------------------------------説明のため出席した者 知事
村井嘉浩君 副知事
山田義輝君 副知事 河端章好君
公営企業管理者 遠藤信哉君
総務部長 佐野好昭君
震災復興・
企画部長 伊東昭代君
環境生活部長 後藤康宏君
保健福祉部長 渡辺達美君
経済商工観光部長 吉田祐幸君
農林水産部長 武藤伸子君
土木部長 櫻井雅之君
会計管理者兼
出納局長 増子友一君
総務部参事兼
秘書課長 武内浩行君
総務部財政課長 清水裕之君
教育委員会 教育長 高橋 仁君 理事兼
教育次長 西村晃一君
選挙管理委員会 委員長
伊東則夫君
事務局長 伊藤正弘君
人事委員会 委員長
小川竹男君
事務局長 青木直之君
公安委員会 委員長 森山 博君
警察本部長 高須一弘君
総務部長 倉島英明君
労働委員会 事務局長 正木 毅君
監査委員 委員 石森建二君
事務局長 吉田 計君
----------------------------------- 議会事務局 局長 今野 順君 次長兼
総務課長 伊藤吉隆君
議事課長 三浦正博君 参事兼
政務調査課長 大浦 勝君 副参事兼
総務課長補佐 三浦 理君 議事課副参事兼
課長補佐 千葉良信君
政務調査課副参事兼
課長補佐 千葉俊彦君
議事課長補佐(班長) 二上秀幸君
議事課主幹 齋 真
左志君----------------------------------- 議事日程 第一号 平成三十年二月十五日(木)午後一時開議第一
会議録署名議員の指名第二 会期の決定について第三 議第一号議案 平成三十年度宮城県
一般会計予算第四 議第二号議案 平成三十年度宮城県
公債費特別会計予算第五 議第三号議案 平成三十年度宮城県
母子父子寡婦福祉資金特別会計予算第六 議第四号議案 平成三十年度宮城県
国民健康保険特別会計予算第七 議第五号議案 平成三十年度宮城県
中小企業高度化資金特別会計予算第八 議第六号議案 平成三十年度宮城県
農業改良資金特別会計予算第九 議第七号議案 平成三十年度宮城県
沿岸漁業改善資金特別会計予算第十 議第八号議案 平成三十年度宮城県林業・
木材産業改善資金特別会計予算第十一 議第九号議案 平成三十年度宮城県
県有林特別会計予算第十二 議第十号議案 平成三十年度宮城県
土地取得特別会計予算第十三 議第十一号議案 平成三十年度宮城県
土地区画整理事業特別会計予算第十四 議第十二号議案 平成三十年度宮城県
流域下水道事業特別会計予算第十五 議第十三号議案 平成三十年度宮城県
港湾整備事業特別会計予算第十六 議第十四号議案 平成三十年度宮城県
水道用水供給事業会計予算第十七 議第十五号議案 平成三十年度宮城県
工業用水道事業会計予算第十八 議第十六号議案 平成三十年度宮城県
地域整備事業会計予算第十九 議第十七号議案
介護医療院の施設に関する基準を定める条例第二十 議第十八号議案
職員定数条例の一部を改正する条例第二十一 議第十九号議案 職員の分限に関する条例の一部を改正する条例第二十二 議第二十号議案 附属機関の
構成員等の給与並びに旅費及び
費用弁償に関する条例の一部を改正する条例第二十三 議第二十一号議案 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例第二十四 議第二十二号議案 特別職の職員の給与並びに旅費及び
費用弁償に関する条例の一部を改正する条例第二十五 議第二十三号議案 職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例第二十六 議第二十四号議案
公立大学法人宮城大学評価委員会条例の一部を改正する条例第二十七 議第二十五号議案
手数料条例の一部を改正する条例第二十八 議第二十六号議案
事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例第二十九 議第二十七号議案 申請等の受理の特例に関する条例の一部を改正する条例第三十議 第二十八号議案 廃棄物の処理及び清掃に関する
法律施行条例の一部を改正する条例第三十一 議第二十九号議案 病院及び診療所の人員及び施設に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第三十二 議第三十号議案
地方独立行政法人宮城県立こども病院評価委員会条例の一部を改正する条例第三十三 議第三十一号議案
地方独立行政法人宮城県立病院機構評価委員会条例の一部を改正する条例第三十四 議第三十二号議案
看護学生修学資金貸付条例の一部を改正する条例第三十五 議第三十三号議案
軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第三十六 議第三十四号議案
養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第三十七 議第三十五号議案
特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第三十八 議第三十六号議案
介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第三十九 議第三十七号議案
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第四十議 第三十八号議案
指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第四十一 議第三十九号議案
指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第四十二 議第四十号議案
指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに
指定介護予防サービス等に係る
介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第四十三 議第四十一号議案
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第四十四 議第四十二号議案
指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第四十五 議第四十三号議案
指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第四十六 議第四十四号議案
指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第四十七 議第四十五号議案
指定障害者支援施設の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例第四十八 議第四十六号議案
障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第四十九 議第四十七号議案
国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する等の条例第五十 議第四十八号議案
主要農作物品種審査会条例の一部を改正する条例第五十一 議第四十九号議案
家畜伝染病予防法施行条例の一部を改正する条例第五十二 議第五十号議案
家畜検査手数料条例の一部を改正する条例第五十三 議第五十一号議案
県立都市公園条例の一部を改正する条例第五十四 議第五十二号議案
建築士法施行条例の一部を改正する条例第五十五 議第五十三号議案
建築基準条例の一部を改正する条例第五十六 議第五十四号議案
美術館条例及び
歴史博物館条例の一部を改正する条例第五十七 議第五十五号議案
公安委員会関係手数料条例の一部を改正する条例第五十八 議第五十六号議案
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例を廃止する条例第五十九 議第五十八号議案
公平委員会の事務の受託について第六十 議第五十九号議案 学校給食に関する事務の委託について第六十一 議第六十号議案 県行政に係る基本的な計画の策定について(新みやぎ森林・林業の将来ビジョン)第六十二 議第六十一号議案
包括外部監査契約の締結について第六十三 議第六十二号議案
地方独立行政法人宮城県立病院機構の
定款変更の変更について第六十四 議第六十三号議案
地方独立行政法人宮城県立病院機構の
定款変更について第六十五 議第六十四号議案
地方独立行政法人宮城県立こども病院が作成した業務運営に関する目標を達成するための計画の認可について第六十六 議第六十五号議案
工事委託契約の締結について(
一般県道石巻雄勝線藤の
巻道路改築工事)第六十七 議第六十六号議案
工事請負契約の締結について(
石巻漁港桟橋改築工事)第六十八 議第六十七号議案
工事請負契約の締結について(波路上
漁港護岸等災害復旧工事)第六十九 議第六十八号議案
工事請負契約の締結について(波路上
漁港防潮堤災害復旧及び
新築工事)第七十 議第六十九号議案
工事請負契約の締結について(
気仙沼漁港防潮堤災害復旧及び
新築工事)第七十一 議第七十号議案
工事請負契約の締結について(
一般国道三百九十八
号崎山トンネル(仮称)工事)第七十二 議第七十一号議案
工事請負契約の締結について(
一般国道三百九十八
号西内海橋災害復旧工事)第七十三 議第七十二号議案
工事請負契約の締結について(
一般国道三百九十八号相川一号橋(仮称)新設(上部工)工事)第七十四 議第七十三号議案
工事請負契約の締結について(
主要地方道河南米山線豊里大
橋架換工事)第七十五 議第七十四号議案
工事請負契約の締結について(
一般県道石巻雄勝線八幡町
道路災害復旧工事)第七十六 議第七十五号議案
工事請負契約の締結について(
一般県道釜谷大須雄勝線尾の
崎橋災害復旧工事(その二))第七十七 議第七十六号議案
工事請負契約の締結について(
一般県道石巻女川線浦宿橋(仮称)新設(上部工)工事)第七十八 議第七十七号議案
工事請負契約の締結について(
石巻市道湊町四丁目門脇町五丁目
線鎮守大橋(仮称)新設(下部工)工事(その二))第七十九 議第七十八号議案
工事請負契約の締結について(
野々島地区海岸護岸等災害復旧工事)第八十 議第七十九号議案
工事請負契約の締結について(五間
堀川赤井江遊水地排水機場機械設備工事)第八十一 議第八十号議案
工事請負契約の締結について(
南貞山運河護岸等災害復旧工事(その九))第八十二 議第八十一号議案
工事請負契約の締結について(
富士川堤防等災害復旧工事)第八十三 議第八十二号議案
工事請負契約の締結について(皿貝川
等護岸等災害復旧及び
新築工事)第八十四 議第八十三号議案
工事請負契約の締結について(沖ノ田川
護岸等災害復旧工事(その三))第八十五 議第八十四号議案
工事請負契約の締結について(
七北田川護岸等災害復旧工事(その八))第八十六 議第八十五号議案
工事請負契約の締結について(
仙台塩釜港塩釜港区
水門等建設工事)第八十七 議第八十六号議案
工事請負契約の締結について(
仙台塩釜港石巻港区
防潮堤建設工事(その十四))第八十八 議第八十七号議案
工事請負契約の締結について(
仙台塩釜港石巻港区
防潮堤建設工事(その十五))第八十九 議第八十八号議案
工事請負変更契約の締結について(吉田東部二期
地区農地災害復旧及び
区画整理工事)第九十 議第八十九号議案
工事請負変更契約の締結について(
渡波漁港桟橋等災害復旧工事(その二))第九十一 議第九十号議案
工事請負変更契約の締結について(
気仙沼漁港防潮堤等災害復旧及び
野積場補修工事)第九十二 議第九十一号議案
工事請負変更契約の締結について(
気仙沼漁港護岸等災害復旧及び
防潮堤新築工事)第九十三 議第九十二号議案
工事請負変更契約の締結について(
渡波漁港防波堤等災害復旧及び
防潮堤新築工事)第九十四 議第九十三号議案
工事請負変更契約の締結について(
雄勝漁港防潮堤災害復旧工事)第九十五 議第九十四号議案
工事請負変更契約の締結について(
気仙沼漁港防潮堤新築工事(その二))第九十六 議第九十五号議案
工事請負変更契約の締結について(
松島湾沿岸漁場整備工事(その二))第九十七 議第九十六号議案
工事請負変更契約の締結について(
戸倉地区海岸等護岸等災害復旧工事)第九十八 議第九十七号議案
工事請負変更契約の締結について(
片浜地区海岸堤防等災害復旧工事)第九十九 議第九十八号議案
工事請負変更契約の締結について(
鹿折川護岸等災害復旧工事(その二))第百 議第九十九号議案
工事請負変更契約の締結について(
八幡川等護岸等災害復旧工事)第百一 議第百号議案
工事請負変更契約の締結について(大原川
護岸等災害復旧工事)第百二 議第百一号議案
工事請負変更契約の締結について(五間
堀川堤防等災害復旧及び
護岸等改良工事)第百三 議第百二号議案
工事請負変更契約の締結について(
津谷川等護岸等災害復旧工事)第百四 議第百三号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港塩釜港区
胸壁等災害復旧工事)第百五 議第百四号議案
工事請負変更契約の締結について(雄勝港
防潮堤災害復旧工事)第百六 議第百五号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港石巻港区
防潮堤等建設工事(その二))第百七 議第百六号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港塩釜港区
防潮堤等災害復旧工事)第百八 議第百七号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港塩釜港区
胸壁等災害復旧工事(その四))第百九 議第百八号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港松島港区
胸壁等災害復旧及び
建設工事)第百十 議第百九号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港石巻港区
航路等災害復旧及び
浚渫工事)第百十一 議第百十号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港石巻港区
防潮堤災害復旧及び
建設工事(その二))第百十二 議第百十一号議案 平成三十年度
流域下水道事業受益負担金について第百十三 議第五十七号議案
指定管理者の指定について(
閖上漁港の
指定施設(
ヨット等の
保管施設及び倉庫)及び研修室)
----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一
会議録署名議員の指名二 日程第二 会期の決定について三 日程第三ないし日程第百十二 議第一号議案ないし議第五十六号議案及び議第五十八号議案ないし議第百十一号議案四 日程第百十三 議第五十七
号議案-----------------------------------
△開会(午後一時)
○議長(
中島源陽君) 第三百六十三回
宮城県議会を開会いたします。
-----------------------------------
△開議
○議長(
中島源陽君) これより本日の会議を開きます。 本日の
議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
-----------------------------------
△
会議録署名議員の指名
○議長(
中島源陽君) 日程第一、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員に、三十一番
佐々木幸士君、三十二番
村上智行君を指名いたします。
-----------------------------------
△諸報告
○議長(
中島源陽君) 御報告いたします。 お手元に配布のとおり、平成二十九年度
公共事業再評価に係る評価の結果の概要、平成二十九年度
行政活動の評価の結果の
反映状況説明書について、それぞれ提出がありました。
地方自治法第百二十一条の規定により、お手元に配布のとおり、
議場出席者の通知がありました。……………………………………………………………………………………………
議場出席者名簿 第363回県議会(平成30年2
月定例会) 知事
村井嘉浩 副知事
山田義輝 副知事 河端章好
公営企業管理者 遠藤信哉 総務部長 佐野好昭 震災復興・
企画部長 伊東昭代 環境生活部長 後藤康宏 保健福祉部長 渡辺達美 経済商工観光部長 吉田祐幸 農林水産部長 武藤伸子 土木部長 櫻井雅之 会計管理者兼
出納局長 増子友一 総務部参事兼
秘書課長 武内浩行 総務部財政課長 清水裕之 教育委員会 教育長 高橋 仁 理事兼
教育次長 西村晃一 選挙管理委員会 委員長
伊東則夫 事務局長 伊藤正弘 人事委員会 委員長
小川竹男 事務局長 青木直之 公安委員会 委員長 森山 博
警察本部長 高須一弘
総務部長 倉島英明
労働委員会 事務局長 正木 毅
監査委員 委員 石森建二
事務局長 吉田 計
-----------------------------------
△会期の決定
○議長(
中島源陽君) 日程第二、会期の決定についてを議題といたします。 お諮りいたします。 今回の会期は、本日から三月十六日までの三十日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
中島源陽君) 御異議なしと認めます。 よって、会期は三十日間と決定いたしました。
-----------------------------------
△議第一号議案ないし議第五十六号議案
△議第五十八号議案ないし議第百十一号議案
○議長(
中島源陽君) 日程第三ないし日程第百十二、議第一号議案ないし議第五十六号議案及び議第五十八号議案ないし議第百十一号議案を一括して議題といたします。 知事から提案理由の説明を求めます。知事
村井嘉浩君。 〔知事
村井嘉浩君登壇〕
◎知事(
村井嘉浩君) 本日、ここに第三百六十三回
宮城県議会が開会され、平成三十年度一般会計当初予算案を初めとする提出議案を御審議いただくに当たり、平成三十年度の県政運営の考え方と議案の概要を御説明申し上げます。 説明に先立ち、今月、台湾東部で発生した大地震では高層建築物が損壊するなど大きな被害が生じました。不幸にして亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに被災された皆様にお見舞いを申し上げます。台湾の皆様からは東日本大震災に際して多大な御支援をいただき、その後も交流が続いているところであり、県としてできる限りの支援をしてまいりたいと考えております。 東日本大震災の発生から間もなく七年が経過しようとしております。改めまして震災で犠牲となられた方々の御霊に哀悼の誠をささげますとともに、筆舌に尽くしがたい歳月を送ってこられた被災者の方々の心中をお察し申し上げる次第であります。震災前後の環境の激変を受け入れつつも、その深い断層に今なお苦悩する方々は多く、なりわいの場を全て失い、立て直しに試行錯誤する方々の未来への希望とやり場のない思い、ただただ宮城、東北というだけでハンデを負ってしまう風評との闘いに憤りながら根気強く取り組む方々、復興が進み新たなまちの姿に期待を寄せる一方で、自宅の跡がわからなくなったと悲しそうに微笑む方など、私が県内各地で目の当たりにした県民のお姿は胸に深く刻み込まれております。震災の爪跡は表面的には薄れてきましたが、心の痛手は簡単に癒やされるものではありません。このことを十分に踏まえながら私たちは前を向き、心を奮い立たせながら復興へ、そして更なる発展を目指して震災前よりも暮らしやすい、ふるさと宮城を築き上げるべく歩みを進めなければなりません。県民一人一人があすはきょうよりもっとよくなるという希望が持てる社会を目指し、全身全霊を尽くしてまいりますので、県民の皆様及び議員各位の更なる御理解、御支援をお願い申し上げる次第であります。 平成三十年度は宮城県
震災復興計画に定める発展期の三年間がスタートし、復旧から復興へと県民の皆様とともに取り組んできた流れをより強く確かなものとし、復興の総仕上げに向けて踏み出す極めて大切な年となります。平成三十二年度までに復興を果たすとの意気込みで復旧・復興事業の更なる推進を図ることとしており、災害公営住宅の整備は来年度中に全て完了する見通しであるほか、公共土木施設等の復旧・復興事業の進捗はおおむね計画どおりとなっております。複数の事業間での工程調整や計画の見直しが必要となったり、用地取得や地元合意に時間を要したりするなど、進捗に課題を抱える事業もありますが、全国各地から派遣いただいている応援職員の力も得ながら丁寧かつ粘り強く対応してまいります。ソフト対策では心のケアセンターの運営や被災地域の自治会活動への助成などを初め被災者の心のケア、災害公営住宅等に入居されている方々の心身の健康状況の把握や地域コミュニティーの形成に関するきめ細やかな支援は来年度も的確に実施してまいります。更にこれらは息の長い取り組みが必要であることから、中長期的な視点に立って今後の対応を検討したいと考えております。地域振興、経済振興策は復興需要の収束もにらんだ施策展開が必要となってまいります。少子化や人口減少社会への対応にも留意しながら産業の活性化、観光振興、雇用創出や人材育成、若年層の県内定着などに取り組むとともに、競争力と魅力ある農林水産業の創出に知恵を絞り、地域経済の持続的な発展、交流人口の拡大と定住者の増加に向けて取り組んでまいりたいと思います。少子高齢化や人口減少は国を挙げて乗り越えなければならない極めて大きな社会的課題でありますが、我が国の技術力は高く、潜在的労働力も活用の余地は十分にあり、ロボットの導入や外国人労働者の受け入れなど、持続可能な社会の実現に向けて検討されるべき方策はまだまだあります。本県が進める介護分野でのIT、ロボット技術を活用した機器の導入支援や外国人人材の活用、また留学生の県内定着を目指した施策などはこうした課題への対応と軌を一にするものであり、鋭意推進するとともに子供を産み育てやすい環境づくり、更には高齢者や女性の社会参加を促進し多くの方が生きがいを持って暮らせる社会の形成に向けて力を注いでまいります。 上工下水の三事業一体として官民連携により運営するみやぎ型管理運営方式につきましては水道法改正の動向など外的要因に左右される部分もありますが、平成三十二年度の導入を目指して全力を傾けてまいります。そのため来年度は専門的な知見を十分に加えながら実施方針の策定や事業者の募集、選定に向け準備を進める予定としております。また市町村や県民の皆様にも事業の導入効果などについて丁寧に説明を行い、御理解を得られるよう努めながら民の力を最大限活用するモデル事例となるよう取り組んでまいりたいと考えております。 世界に目を転じますと多極化、無極化が進展する中で大きな時代の転換期のただ中にあることをひしひしと実感いたします。大国間のパワーバランスには変化が生じ、我が国周辺における緊張の高まりには引き続き注意が必要です。またヨーロッパでは欧州連合の行方や独立運動の波紋が注目され、中東情勢はさまざまな不安要素をはらんでおります。寛容と多文化共生の精神の重要性が増す中で、オリンピックとパラリンピックの平和の祭典としての意義は大変大きいものがあります。平昌での本県ゆかりの選手を初めとする日本選手団の活躍を切に願う次第です。東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けましても、サッカー競技が実施される本県としまして、円滑な開催はもとより復興五輪の位置づけのもと、復興の姿や復興支援への感謝に加え本県の魅力を国内外に発信できるよう着実に準備を進めてまいります。国際政治に波風が立つ中で、世界経済は不確実性を抱えつつもおおむね堅調に推移してまいりました。しかし金融市場の動向や新興国経済の下振れリスクなど先行きには不透明感も漂っています。我が国の経済については先月公表された政府の経済見通しによりますと、雇用、所得環境の改善が続く中で緩やかに回復しており、今年度の実質経済成長率は一・九%のプラス成長が見込まれております。来年度においても、海外経済の回復基調を前提としながら国の新しい経済政策パッケージの政策効果などにより、雇用、所得環境の改善が続き、消費や設備投資など民需中心の景気回復が見込まれるものとされております。本県においては復興需要が収束に向かうという固有の状況を抱えており、この課題に対処し国内の景気浮揚の流れを地域経済や中小企業、小規模事業者に確実に呼び込み、一人でも多くの県民が景気回復の実感を得られるようにすることが肝要です。県土の均衡ある発展にも意を用いながら富県宮城の取り組みを引き続き推進し、保健、医療、福祉や環境、教育施策の充実につなげる好循環を一層確固たるものにしたいと意を強くしております。 次に、当初予算の編成に当たっての基本的な考え方を御説明申し上げます。 国の平成三十年度予算案は税制改正や経済対策とあわせて、経済再生と財政健全化の両立を実現する予算として編成されております。その中には保育の受け皿拡大、保育士、介護士の処遇改善等の人づくり革命や地域企業による設備、人材への投資促進等の生産性革命のほか、地方創生の推進などに要する経費が重点的に盛り込まれ、一般会計の総額は九十七兆七千億円と過去最大の規模となりました。また東日本大
震災復興特別会計には
震災復興特別交付税を初め災害復旧事業費や復興交付金など、復興の推進に必要な財源が計上されており、来年度も引き続き復興事業に専心できるものと評価しております。地方財政対策では社会保障関係費や地方創生、公共施設等の適正管理に要する経費が重点的に計上された結果、地方一般財源はほぼ前年度並みの水準が確保されました。地方税収は全体で若干の増加を見込む中、地方交付税原資の確保に地方公共団体金融機構の金利変動準備金の活用を図り、赤字地方債である臨時財政対策債は今年度並みとするなど、所要財源の確保と財政健全化の両立に苦心がうかがえる内容となっております。 平成三十年度当初予算案は昨年十月に策定した平成三十年度政策財政運営の基本方針に基づき、引き続き被災した方々への支援を初めとする震災からの迅速な復興に最優先で取り組むとともに、政策展開の方向性に沿った施策など、課題解決のための施策に予算を重点配分することとして編成したものです。このうち震災対応分は国の復興予算を最大限活用するとともに復興基金など県独自の財源も活用し、
震災復興計画の着実な実施に向けて、被災した方々への支援や地域活性化につながる施策を積極的に予算化したものであります。通常分の歳入では税収の大きな伸びは期待できないほか、地方交付税は抑制基調とされており、収支均衡予算の編成には退職手当債など特例的な県債の活用や基金の大幅な取り崩しに依存せざるを得ない状況です。このため既存事業はシーリングの設定などにより抑制を図った上で新たな施策を厳選して重点化しております。この結果、平成三十年度当初予算案は一般会計の総額では今年度を下回りましたが、依然として一兆円を超える規模に達しております。震災に係る国の手厚い支援制度は復興・創生期間の終期である平成三十二年度までは継続される見通しですが、その後も取り組みが必要な施策は種々ございます。現時点におきましては平成三十三年度以降の財政面を初めとする国の支援策は明確となっておりませんが、今後も他の被災自治体と連携しながら情報収集に努め、国に対して被災地の実情を明確に示し、支援の働きかけを行ってまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。 このような先行きの不透明感や厳しさが一段と増した財政状況を踏まえ、持続可能な財政の堅持に向けて財政運営の指針となる新たな戦略を策定いたしました。来年度はこれに基づく対策を着実に実施するとともに事務事業の見直しに向けた取り組みを継続しながら予算の効果的、効率的な執行を徹底し、災害や多少の景気変動では揺るがない足腰の強い財政基盤を築いてまいりたいと考えております。 平成三十年度当初予算案における主な施策について、政策財政運営の基本方針に掲げた四つの政策推進の基本方向に沿って御説明申し上げます。 初めに、
震災復興の総仕上げについて御説明申し上げます。 まず、被災された方々の生活再建と生活環境の確保ですが、今なおプレハブ仮設住宅等で不自由な暮らしを余儀なくされている方々が、一日も早く恒久的な住まいを確保できるよう、相談や個別訪問など転居に関する支援を進めます。また新たな住まいで安らぎと潤いのある生活を送るためには地域とのかかわりが極めて重要です。このためコミュニティーの形成について交流拠点の整備やイベント活動への支援を継続的に行います。被災者の心の復興では地域で活躍するNPO等の役割も非常に大きいことから、活動経費の助成などを行い、行政と民間が連携してきめ細やかなサポートに努めてまいります。 放射性物質汚染廃棄物が保管されている地域の方々にとりましては廃棄物の処理が終わらない限り真の復興はありません。各圏域で農林地還元や試験焼却に関する取り組みが進められておりますが、県といたしましても一刻も早い一時保管の解消を目指し、各圏域での処理の促進が図られるよう、市町村と緊密に連携しながら対応してまいります。 地域における保健、医療、福祉提供体制の回復では引き続き心のケアセンターの運営を支援し、被災された方が心身の問題や不安から解放され、暮らしに笑顔が戻るよう着実な取り組みを進めてまいります。震災当時の中学一年生がことし成人式を迎えるなど、この七年間で子供たちはそれぞれ大きく成長いたしました。しかし幼少期や多感な時期にいや応なく惨状を目にし、家族や友人を一瞬にして失うという壮絶な体験をした方の中には、今なお潜在的な心の傷を抱えているケースも多いと指摘されています。来年度は新たに石巻圏域において子ども・若者総合相談センター設置モデル事業を実施し、関係機関のネットワークによるさまざまな困難事例への相談対応を行うとともに地域の実情に応じた支援のあり方を検討いたします。また各学校には引き続きスクールカウンセラーを配置するほか、こども育英基金を活用し、心のケア支援員による一人一人に寄り添ったきめ細やかな対応を図るなど、支援が行き届くよう努めてまいります。 次に、富県宮城の実現に向けた経済基盤の再構築についてでありますが、引き続きグループ補助金や県単独補助金などにより被災事業者の本設復旧などを支援いたします。また経営の安定化や海外も視野に入れた販路の回復、開拓や新たな創業意欲をお持ちの方への支援を行います。観光面ではこれまでの取り組みで得られた手応えを踏まえ、来年度は通年型のキャンペーンを実施いたします。先月公表しましたとおり、幅広い年代から支持を受ける国民的男性アイドルグループの強力な御支援が得られることとなっております。特に若年層や親子向けに大きな訴求力が期待できますことから、我が県の四季折々の魅力を存分に発信し、交流人口の拡大と県全域での底上げを図ってまいります。また観光入り込み客数が伸び悩む沿岸部においては、教育旅行の誘致に向けた交通費助成制度を創設いたします。更に気仙沼市や東松島市などでは来年度中のオープンに向け韓国版トレッキングであるオルレのコース整備が進んでおり、県としてもより一層のPRやコースの充実に努めます。民営化二年目を迎えた仙台空港は国内線、国際線ともに新規就航により路線が拡充され、昨年の利用者は速報値で三百三十七万人と過去最高を記録するなど、好調に推移しております。四月からは東北と山陰とを結ぶ初めての直行便となる出雲線が開設される予定であり、航空会社等との連携による更なる路線拡充とともに航空需要の拡大や二次交通の利用促進に取り組みます。 農林水産業の早期復興については被災農地や漁港施設等の復旧を推進するほか、沿岸地域のニーズを踏まえ、震災による小規模な山林崩壊箇所の復旧を促進いたします。また企業版ふるさと納税の活用による六次産業化の取り組みを進めるなど、創意工夫しながら農業の更なる所得向上と雇用創出を図ります。水産業関係では県産水産物の販路拡大に向け「みやぎ水産の日」の取り組みを継続するほか、販売会や商談会への出展費用を助成します。また海外販路の拡大に対応できるよう食品衛生管理の基準であるHACCPの認証取得について引き続き事業者への支援を行います。震災記憶の風化が進む一方、風評被害はいまだ根強いことから、首都圏等での県産品の魅力体験イベントの開催や各種広報媒体を活用した情報発信などに丁寧に取り組むほか、特用林産物の放射性物質検査について新たに検査機器を導入し県内産の安全な原木の供給再開を後押ししてまいります。公共土木施設の早期復旧については沿岸部の河川、海岸、港湾などの防潮堤工事が最盛期を迎えており、引き続き他自治体からの応援など可能な限り人員を配置するとともに、積算や工事監督支援業務などの外部委託を最大限活用しながら平成三十二年度の完了を目標に進捗を図ってまいります。また復興事業として整備が進む三陸縦貫自動車道、県北高速幹線道路や県道大島浪板線など交通インフラの整備につきましても、一日も早い完成に向け重点的に整備を推進いたします。 次に、安心して学べる教育環境の確保についてでありますが、復旧を進めていた農業高等学校につきましては四月から、気仙沼向洋高等学校は八月から、それぞれ待望の新校舎での授業が開始されます。待ちに待った生徒や学校関係者の感慨もひとしおと思います。地域産業に貢献する人材の育成という県民の期待に今後とも十分に応えられるよう、充実した環境でより一層勉学に励んでいただくことを期待しております。防災機能と治安体制の回復につきましては自主防災組織の育成・活性化モデル事業の実施箇所数をふやし、地域防災力の総合的な強化に力を入れます。また震災の記憶、教訓を広く国内外、次世代に伝え続けていくことができるよう今年度実施している伝承のあり方検討を踏まえ、震災遺構や伝承施設、アーカイブ等のネットワーク化に官民連携で取り組む仕組みの具体化を図ってまいります。被災庁舎の復旧では石巻合同庁舎は今月末、防災ヘリコプター管理事務所は四月から供用開始の運びとなり、南三陸警察署は来年度中に用地取得を行う予定です。被災した交番、駐在所のうち、いまだ復旧に着手してない箇所につきましては今後、市町の復興まちづくりの進展も勘案しながら復旧の可否を慎重に検討してまいります。 次に、地域経済の更なる成長についてであります。 私は先日、フランスへ赴き、パリ郊外の放射光施設を視察してまいりました。現地では施設周辺への企業、研究所の集積状況や地域の変化について説明を受け、波及効果の大きさを実感いたしました。関係機関と緊密に連携しながら我が県への整備実現を目指すとともにセミナーや地域企業の参入に向けた勉強会の開催など、産業利用を見据えた取り組みも進めてまいりたいと考えております。企業誘致には引き続き注力し、県内への投資促進を図るとともに地元企業の技術力向上や取引拡大を進め、雇用の場の創出と県内ものづくり産業の底上げにつなげてまいります。次世代素材として脚光を浴びるセルロースナノファイバーにつきましては産学官のプロジェクトによる情報収集、技術開発と応用拡大を図り、製品開発に向けた研究、普及啓発に努めます。地域の中小企業、小規模事業者の振興につきましては震災後の環境変化、人口減少や多様化する消費者ニーズに対応するため、新たな販売手法に取り組む商業者等を支援し、地域の買い物機能の補完強化と商業の持続的発展を図ります。また、みやぎ産業振興機構の中小企業の支援ノウハウを基盤として伴走型支援体制を拡充し、ものづくり産業の生産現場における生産性改善の取り組みを強化するほか、新商品や新サービスの研究、開発など新事業の創出を支援いたします。人手不足の解消と人材育成につきましては首都圏の大学生を対象とした県内企業へのインターンシップを実施するほか、UIJターンを希望する学生の就職支援拠点を仙台市内及び東京都内に設置し、県内企業の人材確保を支援いたします。更に民間就職サイトに特集コンテンツを開設し、学生に対し本県の魅力を発信するほか、県内中小企業、小規模事業者の求人情報の掲載経費を助成します。また外国人留学生は本県においても増加傾向にありますが、卒業後に日本での就労を希望する学生と、ものづくり産業やIT産業等の県内中小企業とのマッチングを支援し、有為な人材の宮城への定着と人手不足の解消に努め、県内企業へのダイバーシティー経営の浸透にもつなげてまいります。 昨年末、水田農業地帯の大崎地域が世界農業遺産に認定されました。 中世から続く大崎耕土の水管理などで冷害や洪水、渇水を克服しながら良質米を生産し、地域の生物多様性を維持してきた水田農業システムが評価されたものであり、伝統や文化を守ってこられた地域の皆様の御尽力に敬意を表するとともに、関係各位に改めてお喜びを申し上げます。県といたしましても、大崎地域の恵まれた資源の磨き上げと発信に力を入れ、多くの方々に訪れていただけるよう取り組みを進めてまいります。農林水産業の振興につきましては来年度に本格デビューする「だて正夢」の生産体制の整備とブランド構築を着実に推進するほか、宮城米全体の評価向上にも取り組みます。地域農業の担い手が減少する中にあっては特に農業法人の役割が重要ですが、経営のノウハウや労務管理などの面で課題を抱えている法人も多いことから、経営安定化のための支援を行います。このほか先進的な園芸法人の育成のため経営サポートや施設整備へ助成を行うとともに、アグリビジネス経営体の育成や農産物直売所の支援にも取り組み、雇用の創出と地域農業の活性化を図ります。農産物の生産工程を管理する手法でありますGAPにつきましてはリスク管理体制の整備によって農産物の安全性が確保され、経営改善や販路拡大にもつながるものであることから、農、畜、林産の各分野において認証取得を後押しします。昨年九月に開催された全国和牛能力共進会では県代表牛が区分のトップを獲得し、都道府県別の団体表彰では過去最高の四位となるなど、関係各位の努力が実り躍進を果たしました。来年度も引き続き優良な雌子牛の導入経費への助成など生産基盤の強化を図り、県産牛の生産拡大に努めてまいります。県産材の利用拡大については中高層建築にも利用可能な建材として注目されるCLTの活用を促進するため、モデル施設の建設を支援いたします。平成三十二年度には本県で第四十回全国豊かな海づくり大会が開催されます。復興した我が県水産業の姿と宮城の魅力を全国の皆様に示す絶好の機会であり、来年度は実行委員会の運営や事務的な準備について、関係各方面と連携し、成功に向けて着実に推進してまいりたいと考えております。 次に、安心していきいきと暮らせる宮城の実現についてであります。 今年度は乳幼児医療費助成の拡充を初め、入学準備支援制度や子育て世帯への貸付金の創設など子育て分野の充実に大きく踏み込みました。来年度はこれらの取り組みに加え、保育補助者の雇用経費に対する助成制度の創設や保育士キャリアアップ研修の実施といった保育人材確保の取り組みを強化するなど、更に前進させます。また次代を担う子供や若者が希望に包まれて成長でき、地域社会に活力がみなぎるよう、結婚、出産、子育てまで切れ目のない支援体制の整備や貧困対策の拡充に取り組みます。更に一人一人が多様な場で活躍できる社会づくりを目指し、男女共同参画社会の実現に向けた動きをより一層促進するため魅力ある働き方と女性の活躍を全国に発信するフォーラム「WIT二〇一八宮城」を開催し、県内企業、団体等と連携して社会全体の機運醸成を図ります。福祉分野では外見からはわかりにくい困難を抱えた方々への配慮を示すヘルプマークを導入し、必要な方へ配布するとともにマークの普及啓発に取り組みます。また商業施設等の御協力も得ながら、障害のある方などが施設の駐車区画の一部を優先的に利用できるようパーキングパーミット制度を実施いたします。更に、がん治療による脱毛に悩む方々に対する医療用ウィッグの購入助成や骨髄提供者が入院、通院をする際の経費を助成します。日常のさまざまな場面で手助けを必要とする方々について、可能な限りきめ細やかな支援に努めてまいりたいと考えております。医療分野では精神科救急の二十四時間対応について、仙台市とも連携しながら体制を整え、県立精神医療センターにおいて来年度中に実施することとしております。また救急搬送時間の短縮に向けて、仙台医療圏において救急医療情報システムの機能強化を行います。従来の医療機関側で入力する情報に加え、現場の救急隊員がリアルタイムで入力する搬送情報等が新たに共有されることにより、搬送の効率化が図られるものと期待しております。更に障害のある方が身近な場で適切な歯科治療が受けられるよう、県歯科医師会が行う在宅歯科に係る人材育成や機器整備を支援いたします。介護現場の環境改善や介護士の処遇改善の支援、また外国人人材の活用につきましては今年度に引き続き着実に取り組みます。国民健康保険につきましては来年度から県も運営に加わり、財政運営の責任主体として安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保など中心的な役割を果たしてまいります。このため新たに国民健康保険特別会計を設置し、来年度の予算規模は一千九百四十三億八千九百余万円となっております。策定した運営方針に基づき、市町村と十分に連携しながら円滑な制度移行に努めてまいりたいと考えております。 教育の面では英語力を向上させ国際的視野を広めるとともに、海外の大学での学びを目指す挑戦を後押しするため仙台二華高等学校において国際的に認められる大学入学資格が得られる国際バカロレアの認定取得を進め、グローバル人材の育成に取り組みます。県立の高等学校及び特別支援学校におきましては今後四年間で主な教室にプロジェクターやタブレットパソコン等のICT機器を整備いたします。授業の効率化が図られ、児童生徒の考える時間の増加や教員の負担軽減にもつながるものであり、ICTを活用した学習指導力の向上を図り、情報化社会において主体的に学び、考え行動する人材の育成を目指してまいります。また私立学校に対しては引き続き運営費補助や授業料軽減補助などにより経営の健全化と保護者負担の軽減を支援してまいります。いじめ・不登校対策につきましては不登校が増加するいわゆる中一ギャップの解消に向け、小中学校の連携を強化するなど、新たな不登校を生まない調査研究モデル事業に着手いたします。このほか子どもの心のケアハウスは来年度、新たに七つの市町が設置する予定であり、児童生徒の学校復帰支援体制の構築を支援いたします。四月には宮城県体育協会と宮城県スポーツ振興財団とが合併し、宮城県スポーツ協会が新たに誕生いたします。合併の相乗効果を発揮し、競技力向上と県民がスポーツに親しむ機会の創出による健康増進、スポーツの力による地域活性化など本県のスポーツ振興の大きな推進力になるものと認識しております。県といたしましても、来年度はスポーツ選手強化のための予算を拡充するとともに、特にジュニア世代からアスリートの発掘、育成強化を推進します。 警察関係では築館警察署と若柳警察署を統合する(仮称)栗原警察署につきまして用地取得費を計上し
建設工事の準備に着手いたします。近年は犯罪事案にインターネットが何らかのかかわりを持つケースが非常に多くなっております。既にサイバー空間は不可欠な社会インフラであり、IoTの普及によって重要性は不可逆的に増大することから、サイバー犯罪対策を増強いたします。また依然として後を絶たない特殊詐欺事案やDV防止への対応について引き続き着実に取り組んでまいります。 次に、美しく安全なまちづくりについてであります。 近年頻発する豪雨や台風による被害低減に向け緊急的に取り組んでいる災害に強い川づくりは、吉田川、大江川や七北田川などにおいて、床上浸水対策特別緊急事業や河川局部改良事業を進め、流域住民の一層の安全・安心を早期に確保できるよう引き続き適切に対応してまいります。大規模災害への備えとしましては七つの圏域で整備を進めている防災拠点に大型テントや投光器など運営資機材等の配備を順次進める計画であり、円滑な初動体制の構築に向けて万全を期します。 なお、火口周辺での火山活動の高まりが懸念されております蔵王山につきましては、関係機関との情報共有など連携を強化しながら対応に万全を期すとともに、風評被害が生じないよう正しい情報の発信等にも留意してまいります。震災により失われた海岸防災林につきましては平成三十二年度までに再生工事を完了させますが、植栽した樹木が活着し生長するまでの期間は特に管理が重要となってまいります。このため県民参加型の防災林管理活動を促進することとし、活動団体への支援のほか育林体験ツアーやシンポジウムの開催など地域とのパートナーシップを重視した取り組みに着手いたします。 公共施設の長寿命化につきましては土木施設を初め、公営住宅、学校や文化、スポーツ施設などの修繕を行うこととしております。施設が多岐にわたり箇所数も多いことから、優先度を適切に見きわめつつ、県庁舎等整備基金も十分活用しながら計画的に進めてまいりたいと考えております。 なお、この取り組みは県庁舎等整備基金の残高維持が肝要でありますので、その点にも留意してまいります。 持続可能な社会の実現につきましては地球温暖化が喫緊の課題であり、県も率先して対策に取り組んでおりますが、太陽光や地中熱などの新エネルギーを県有施設へ導入することは温室効果ガスの排出量削減に加え、中長期的な管理コストの低減や災害時の電力確保が期待できます。このため来年度は主要な施設について導入可能性調査を実施し、費用対効果など検討に必要な基礎的データの収集を行います。また市町村が行う下水処理と一般廃棄物処理を連携し、汚泥と食品廃棄物を混合して処理する高効率のメタン発酵技術の開発を進め、食品廃棄物等のリサイクルの推進に向けた研究を行います。中山間地域を中心に大きな課題となっている鳥獣被害の防止につきましては、対策予算を増額するほか、地方振興事務所に配置する鳥獣被害対策専門指導員も更に二名増員することといたしました。市町村と密接に協力しながら被害の低減に鋭意努力いたします。 以上、施策の主な内容について御説明申し上げましたが、平成三十年度の当初予算規模は一般会計で一兆一千二百六億一千余万円、総計で一兆六千百十五億九千五百余万円となります。財源の主なものとしては県税二千九百十六億円、地方交付税二千十四億円、国庫支出金二千七百六十一億五千三百余万円、繰入金二千二百四十六億百余万円を計上し、また臨時財政対策債及び借換債を含め県債二千四十一億八千八百余万円を発行することにしております。 次に、予算外議案については条例議案四十件、条例外議案五十五件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第十七号議案は、
介護医療院の施設に関する基準について必要な事項を定めようとするもの、議第二十二号議案は、知事及び副知事の退職手当の支給割合を引き下げようとするもの、議第二十三号議案は、一般職の職員の退職手当支給率の見直しを行おうとするものであります。また議第二十五号議案、議第二十八号議案、議第四十九号議案ないし議第五十三号議案及び議第五十五号議案は、手数料の新設、改定や廃止などを行おうとするものであります。議第三十三号議案ないし議第四十六号議案は、国が定める基準の改正を受け、福祉施設の人員、設備や運営に関する基準を改正しようとするもの、議第四十七号議案は、国民健康保険財政安定化基金による交付事業の要件等を追加しようとするもの、議第五十四号議案は、美術館及び歴史博物館において障害のある方に対する観覧料の減免割合を引き上げようとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第五十八号議案は、
公平委員会の事務の受託について、議第六十号議案は、新みやぎ森林・林業の将来ビジョンの策定について、議第六十一号議案は、
包括外部監査契約の締結について、議第六十四号議案は、
地方独立行政法人宮城県立こども病院が作成した業務運営に関する目標を達成するための計画を認可することについて、議第六十五号議案ないし議第八十七号議案は、工事の委託及び請負契約の締結について、議第八十八号議案ないし議第百十号議案は、
工事請負変更契約の締結について、議第百十一号議案は、市町村受益負担金についてそれぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。
○議長(
中島源陽君) 当初予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 ただいま議題となっております各号議案中、議第六十五号議案ないし議第百十号議案についての質疑に入ります。 質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 議第六十五号議案ないし議第百十号議案については、お手元に配布の議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。…………………………………………………………………………………………… 議案付託表 第三百六十三回
宮城県議会(二
月定例会)平成三十年二月十五日議案番号件名提出年月日委員会議第六十五号議案
工事委託契約の締結について(
一般県道石巻雄勝線藤の
巻道路改築工事)三〇・二・一五建設企業議第六十六号議案
工事請負契約の締結について(
石巻漁港桟橋改築工事)同環境生活農林水産議第六十七号議案
工事請負契約の締結について(波路上
漁港護岸等災害復旧工事)同環境生活農林水産議第六十八号議案
工事請負契約の締結について(波路上
漁港防潮堤災害復旧及び
新築工事)同環境生活農林水産議第六十九号議案
工事請負契約の締結について(
気仙沼漁港防潮堤災害復旧及び
新築工事)同環境生活農林水産議第七十号議案
工事請負契約の締結について(
一般国道三百九十八
号崎山トンネル(仮称)工事)同建設企業議第七十一号議案
工事請負契約の締結について(
一般国道三百九十八
号西内海橋災害復旧工事)同建設企業議第七十二号議案
工事請負契約の締結について(
一般国道三百九十八号相川一号橋(仮称)新設(上部工)工事)同建設企業議第七十三号議案
工事請負契約の締結について(
主要地方道河南米山線豊里大
橋架換工事)同建設企業議第七十四号議案
工事請負契約の締結について(
一般県道石巻雄勝線八幡町
道路災害復旧工事)同建設企業議第七十五号議案
工事請負契約の締結について(
一般県道釜谷大須雄勝線尾の
崎橋災害復旧工事(その二))同建設企業議第七十六号議案
工事請負契約の締結について(
一般県道石巻女川線浦宿橋(仮称)新設(上部工)工事)同建設企業議第七十七号議案
工事請負契約の締結について(
石巻市道湊町四丁目門脇町五丁目
線鎮守大橋(仮称)新設(下部工)工事(その二))同建設企業議第七十八号議案
工事請負契約の締結について(
野々島地区海岸護岸等災害復旧工事)同建設企業議第七十九号議案
工事請負契約の締結について(五間
堀川赤井江遊水地排水機場機械設備工事)同建設企業議第八十号議案
工事請負契約の締結について(
南貞山運河護岸等災害復旧工事(その九))三〇・二・一五建設企業議第八十一号議案
工事請負契約の締結について(
富士川堤防等災害復旧工事)同建設企業議第八十二号議案
工事請負契約の締結について(皿貝川
等護岸等災害復旧及び
新築工事)同建設企業議第八十三号議案
工事請負契約の締結について(沖ノ田川
護岸等災害復旧工事(その三))同建設企業議第八十四号議案
工事請負契約の締結について(
七北田川護岸等災害復旧工事(その八))同建設企業議第八十五号議案
工事請負契約の締結について(
仙台塩釜港塩釜港区
水門等建設工事)同建設企業議第八十六号議案
工事請負契約の締結について(
仙台塩釜港石巻港区
防潮堤建設工事(その十四))同建設企業議第八十七号議案
工事請負契約の締結について(
仙台塩釜港石巻港区
防潮堤建設工事(その十五))同建設企業議第八十八号議案
工事請負変更契約の締結について(吉田東部二期
地区農地災害復旧及び
区画整理工事)同環境生活農林水産議第八十九号議案
工事請負変更契約の締結について(
渡波漁港桟橋等災害復旧工事(その二))同環境生活農林水産議第九十号議案
工事請負変更契約の締結について(
気仙沼漁港防潮堤等災害復旧及び
野積場補修工事)同環境生活農林水産議第九十一号議案
工事請負変更契約の締結について(
気仙沼漁港護岸等災害復旧及び
防潮堤新築工事)同環境生活農林水産議第九十二号議案
工事請負変更契約の締結について(
渡波漁港防波堤等災害復旧及び
防潮堤新築工事)同環境生活農林水産議第九十三号議案
工事請負変更契約の締結について(
雄勝漁港防潮堤災害復旧工事)同環境生活農林水産議第九十四号議案
工事請負変更契約の締結について(
気仙沼漁港防潮堤新築工事(その二))同環境生活農林水産議第九十五号議案
工事請負変更契約の締結について(
松島湾沿岸漁場整備工事(その二))同環境生活農林水産議第九十六号議案
工事請負変更契約の締結について(
戸倉地区海岸等護岸等災害復旧工事)三〇・二・一五建設企業議第九十七号議案
工事請負変更契約の締結について(
片浜地区海岸堤防等災害復旧工事)同建設企業議第九十八号議案
工事請負変更契約の締結について(
鹿折川護岸等災害復旧工事(その二))同建設企業議第九十九号議案
工事請負変更契約の締結について(
八幡川等護岸等災害復旧工事)同建設企業議第百号議案
工事請負変更契約の締結について(大原川
護岸等災害復旧工事)同建設企業議第百一号議案
工事請負変更契約の締結について(五間
堀川堤防等災害復旧及び
護岸等改良工事)同建設企業議第百二号議案
工事請負変更契約の締結について(
津谷川等護岸等災害復旧工事)同建設企業議第百三号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港塩釜港区
胸壁等災害復旧工事)同建設企業議第百四号議案
工事請負変更契約の締結について(雄勝港
防潮堤災害復旧工事)同建設企業議第百五号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港石巻港区
防潮堤等建設工事(その二))同建設企業議第百六号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港塩釜港区
防潮堤等災害復旧工事)同建設企業議第百七号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港塩釜港区
胸壁等災害復旧工事(その四))同建設企業議第百八号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港松島港区
胸壁等災害復旧及び
建設工事)同建設企業議第百九号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港石巻港区
航路等災害復旧及び
浚渫工事)同建設企業議第百十号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港石巻港区
防潮堤災害復旧及び
建設工事(その二))同建設企業
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△議第五十七号議案
○議長(
中島源陽君) 日程第百十三、議第五十七号議案を議題といたします。 知事から提案理由の説明を求めます。知事
村井嘉浩君。 〔知事
村井嘉浩君登壇〕
◎知事(
村井嘉浩君) 提出議案の概要を御説明申し上げます。 議第五十七号議案は、公の施設の
指定管理者を指定することについて議会の議決を受けようとするものであります。 何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。
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