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  1. 宮城県議会 2017-09-01
    09月12日-04号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    平成29年  9月 定例会(第361回)       第三百六十一回宮城県議会(定例会)会議録                              (第四号)平成二十九年九月十二日(火曜日)  午前十時開議  午後二時五十分散会      議長                     中島源陽君      副議長                    長谷川洋一君出席議員(五十八名)        第一番                  大内真理君        第二番                  角野達也君        第三番                  内藤隆司君        第四番                  高橋 啓君        第五番                  鎌田さゆり君        第六番                  遠藤伸幸君        第七番                  高橋宗也君        第八番                  庄田圭佑君        第九番                  深谷晃祐君        第十番                  中嶋 廉君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  天下みゆき君       第十三番                  三浦一敏君       第十四番                  佐々木功悦君       第十五番                  境 恒春君       第十六番                  太田稔郎君       第十七番                  横山のぼる君       第十八番                  遠藤隼人君       第十九番                  渡辺勝幸君       第二十番                  横山隆光君      第二十一番                  佐々木賢司君      第二十三番                  熊谷義彦君      第二十四番                  渡辺忠悦君      第二十五番                  遠藤いく子君      第二十六番                  すどう 哲君      第二十七番                  吉川寛康君      第二十八番                  伊藤和博君      第二十九番                  守屋守武君       第三十番                  長谷川 敦君      第三十一番                  佐々木幸士君      第三十二番                  村上智行君      第三十三番                  細川雄一君      第三十四番                  高橋伸二君      第三十五番                  菊地恵一君      第三十六番                  只野九十九君      第三十七番                  佐々木喜藏君      第三十八番                  石川光次郎君      第三十九番                  佐藤光樹君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  菅間 進君      第四十二番                  坂下 賢君      第四十三番                  ゆさみゆき君      第四十四番                  藤原のりすけ君      第四十五番                  坂下やすこ君      第四十六番                  庄子賢一君      第四十七番                  中島源陽君      第四十八番                  本木忠一君      第四十九番                  中山耕一君       第五十番                  長谷川洋一君      第五十一番                  安部 孝君      第五十二番                  齋藤正美君      第五十三番                  安藤俊威君      第五十四番                  畠山和純君      第五十五番                  仁田和廣君      第五十六番                  藤倉知格君      第五十七番                  相沢光哉君      第五十八番                  中沢幸男君      第五十九番                  渡辺和喜君欠員(一名)      第二十二番-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    山田義輝君      副知事                    河端章好君      公営企業管理者                遠藤信哉君      総務部長                   佐野好昭君      震災復興・企画部長              伊東昭代君      環境生活部長                 後藤康宏君      保健福祉部長                 渡辺達美君      経済商工観光部長               吉田祐幸君      農林水産部長                 武藤伸子君      土木部長                   櫻井雅之君      会計管理者兼出納局長             増子友一君      総務部参事兼秘書課長             武内浩行君      総務部財政課長                清水裕之君    教育委員会      教育長                    高橋 仁君      理事兼教育次長                西村晃一君    選挙管理委員会      委員長                    伊東則夫君      事務局長                   伊藤正弘君    人事委員会      委員長                    小川竹男君      事務局長                   青木直之君    公安委員会      警察本部長                  高須一弘君      総務部長                   倉島英明君    労働委員会      事務局長                   正木 毅君    監査委員      委員                     成田由加里君      事務局長                   吉田 計君-----------------------------------    議会事務局      局長                     今野 順君      次長兼総務課長                伊藤吉隆君      議事課長                   三浦正博君      参事兼政務調査課長              大浦 勝君      副参事兼総務課長補佐             三浦 理君      議事課副参事兼課長補佐            千葉良信君      政務調査課副参事兼課長補佐          千葉俊彦君      議事課長補佐(班長)             二上秀幸君      議事課主幹                  齋 真左志君-----------------------------------    議事日程 第四号               平成二十九年九月十二日(火)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第百七十七号議案ないし議第百八十九号議案、議第百九十一号議案、議第百九十三号議案及び報告第百六十四号ないし報告第百九十四号第三 一般質問    〔伊藤和博君、庄田圭佑君、境恒春君、只野九十九君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第百七十七号議案ないし議第百八十九号議案、議第百九十一号議案、議第百九十三号議案及び報告第百六十四号ないし報告第百九十四号三 日程第三 一般質問    〔伊藤和博君、庄田圭佑君、境恒春君、只野九十九君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(中島源陽君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。-----------------------------------会議録署名議員の指名 ○議長(中島源陽君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、三番内藤隆司君、四番高橋啓君を指名いたします。----------------------------------- △議第百七十七号議案ないし議第百八十九号議案 △議第百九十一号議案・議第百九十三号議案 △報告第百六十四号ないし報告第百九十四号・一般質問 ○議長(中島源陽君) 日程第二、議第百七十七号議案ないし議第百八十九号議案、議第百九十一号議案、議第百九十三号議案及び報告第百六十四号ないし報告第百九十四号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とをあわせて行います。 九月八日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。二十八番伊藤和博君。    〔二十八番 伊藤和博君登壇〕 ◆二十八番(伊藤和博君) 皆さん、おはようございます。 議長のお許しをいただきましたので公明党県議団伊藤和博、大綱四点について順次通告に従いまして一般質問をさせていただきたいと思いますが、その前に、昨日閉幕した全国和牛能力共進会宮城大会で大変うれしいニュースが飛び込んできました。河北新報にも「登米の小野寺さん日本一 仙台牛全国に印象づけ」「全共宮城初の快挙」の見出しが踊っておりました。県代表牛が初めて主席を獲得するなど九区分中八区分で入賞を果たし、総合四位に輝く快進撃をなし遂げることができました。大変におめでとうございます。地域の枠を超えた努力が実り、オール宮城の取り組みが報われた結果だと思います。受賞された皆様や支えていただいた皆様、そして大会運営に携わっていただいた皆様と大会開催に尽力された皆様に敬意を表するものであります。今後の畜産振興に弾みがつくと思いますけれども、通告にはなかったんですが、知事の所感をお聞かせいただきたいと思います。 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。 大綱一点目、村井県政の三期十二年の総括と今後の県政課題についてお伺いします。 今議会の知事説明の中でも触れられたように、村井知事誕生以来富県宮城の実現に向けたさまざまな施策の推進や東日本大震災の発生後は復旧にとどまらない抜本的な再構築を目指す創造的復興を掲げ、将来を見据えた課題にも積極果敢に取り組み実現してきたことも周知の事実であります。そこで、改めて知事の十二年にわたり深い思いを抱いて取り組んできた事業について総括しての御所見をお伺いいたします。 また今後については、「経済基盤の構築、福祉・教育の充実、販路の回復、観光誘客、農林水産業競争力強化、中小企業・小規模事業者の振興、地域振興、安全・安心な県土づくりなど、県民生活向上と県勢発展に取り組みたいことは枚挙にいとまがない。」と語っておられました。ことし見直された宮城の将来ビジョンは、東日本大震災からの復興を最優先として取り組んでいることも踏まえ、宮城県震災復興計画の終期である平成三十二年度まで四年間延長するとともに必要な見直しがなされました。復興途上にある宮城県にあって総仕上げとなる今後の四年間に向かっての知事の決意を聞かせてください。 政策推進の基本方向として、富県宮城の実現、安心と活力に満ちた地域社会づくり、人と自然が調和した美しく安全な県土づくりを挙げております。「災害公営住宅の建設や地域コミュニティーの再生、心のケアの問題、子供の不登校、子供の教育環境の整備、こういったものにこれからは力を入れていかなければならないだろうと考えております。」と別な記者会見の際には語っておられました。私も、今後はソフト対策が大きな課題となると思いますが、今後の四年間の見通しや課題について知事の率直な所感をお示しください。 大綱二点目、県営住宅に関する諸課題について質問いたします。 私の住んでいる泉区には将監団地があります。この団地は入居開始以来四十年余りがたち高齢化が進んでいます。県営住宅の課題とも言える共益費の問題について、将監団地の例に倣って質問をいたします。 将監団地は入居世帯は、ことし三月現在千百五十四世帯の大規模な県営住宅で、第一から第五自治会で運営されています。入居の際にいただく「県営住宅住まいガイドブック」により自治会で共益費を集めることになっています。ガイドブックには、「県営住宅に附帯している共用施設や共同施設の維持管理に係る費用は入居者負担となります。共益費は住宅に設置されている設備等によって負担額が異なりますが、自治会が維持管理に必要な費用を算定し、皆様から徴収します」と記載されております。百八十世帯ある自治会では、水道代、街灯電気料、電球の交換、草刈りなどに年間百万円弱の支払いが生じています。そのほかにも関連団体の会費等を納めると各世帯から集めた月五百円の年額六千円はなくなり、本来の福祉的活動ができない状況になっています。自治会活動については、環境整備事業入居者相互の融和を図る活動、防犯、防災、秩序維持活動、共益費の管理運営、集会所の管理運営など多岐にわたっております。URの賃貸住宅では、公社が共益費を徴収して公共の場の整備や維持管理を行っている住宅があります。高齢化した住民の皆様も多く自治会活動を担うなり手も不足している現状を踏まえ、共益費などの公共料金の徴収作業は将来的には公社等で担うべきと考えますが、御所見を伺います。 また、空き家の問題が六月議会でも話題になりましたが、将監団地では三月三十一日の段階で管理戸数千二百五十一世帯に対し、入居戸数千百五十四世帯と空き家率は約八%になっております。九月の募集戸数は合わせると二十戸にはなっておりますが、入居者の共益費の負担の割合が高まっていると思いますが、御所見を伺います。 また、自治会費として共益費を一律に徴収しているところもあれば、共益費と自治会費を名目分けして徴収しているところもあります。望ましい徴収のあり方としてどのように考えられ方針を示しているのかをお示しください。 現在高齢者が多数住まわれている県営住宅は、地域のにぎわいづくりや地震等の災害に備えて防災体制の強化及び自治会活動の強化が急ぎ必要となっております。自治会のあり方として、本来の役割である地域コミュニティーの推進などを担っていただくべきだと考えますが、県営住宅内の自治会活動のあり方について考え方をお伺いいたします。 また、自治会への加入については任意の加入になると聞いておりますが、加入率などについて掌握されているかをお伺いいたします。 将監区域は地域の高齢化も進み、将監町内会自治連絡協議会の皆さんを先頭に「皆さんの力で地域再生を」を合い言葉に一丸となって活動を進めているところです。その中で地域の課題となっているのが、一時期ショッピングセンターが閉鎖されクローズアップされたお買い物難民の問題です。開設当初将監団地には中心部にショッピングセンターがあり、周辺にはサブショッピングセンターが整備されておりました。サブショッピングセンターは団地が整備された段階で五カ所に設置され、現在一カ所はコンビニエンスストアとして生まれ変わり四カ所が現状のままです。地元の皆さんからは、四十年以上そのままで、このままでは廃墟化するのではとの声もあり、町内会などでも数回公社との話し合いも行われたそうですが結論にはほど遠い状況でした。ある場所は建物自体が道路に面していないため商店街の機能を有していないだけではなく、夜は空洞化し少年たちのたまり場と化している現状もあり、防犯上の問題も多々見受けられております。その上建物、階段等の老朽化も進み地震があった際には危険な状況です。公社等の話では、マンション法によって管理は管理組合をつくるべきとのことですが、使用者の高齢化が進みこのままだと大変な状況になってしまいます。公社管理となっておりますがサブセンターのあり方について、県の考えをお聞きします。 団地の高齢化が進み将監団地では高齢者を含む世帯数は半数を超え、うち高齢者のみの世帯数は三七・三%と優に三分の一を超えております。地元の住民の皆様の声は、再開発を行い高齢化した住民の利便性向上など、歩いて身近な買い物ができるような安心、快適な暮らしができる場所にしてもらいたいとの声が圧倒的になっています。特に、県営住宅に隣接した公営サブセンターを優先的に再開発すべきだと考えますが、御所見を伺います。 再開発を目指した際に、県若しくは公社は積極的に関与していくことが求められます。もし区分所有者の了解が得られ再開発を前に進めることができるようになれば、建物撤去の補助や移転先住居としての県営住宅の提供などの支援策が考えられると思いますが、県として取り組むことができるかどうか、お伺いいたします。 大綱三点目、県立高校の校舎整備についてお伺いいたします。 今の児童生徒たちは生まれたときから自宅のトイレは洋式という家庭が多く、また公共のトイレを除いて、コンビニ、デパート、ファミレスなど、どこに行っても外出先では洋式トイレが多数を占めております。文部科学省は昨年十一月十日、トイレの日にちなんで公立小中学校施設におけるトイレの状況調査を発表いたしました。これは小中学校が避難所になった四月の九州熊本地震を受け、学校のトイレの実情を把握するため、公立の全小中学校約三万校を対象に初めて実施したものであります。またトイレの洋式化率は全国平均が四三・三%であるのに対して宮城県は三八・四%となっています。また学校設置者千七百九十九自治体のうち千五百三十三自治体、つまり八五・二%が洋式便器を多く設置する方針であることも発表されました。宮城県立高校のトイレはどうなっているのでありましょうか。教育委員会の調べによりますと、洋式化率は四五%になると伺いました。新築や大規模改修された学校では一定数の和式トイレを設置の上洋式トイレを整備しておりますが、古い県立学校のトイレはいまだほとんど和式であるというのが現状であるというのも事実であります。教職員や生徒からの教育環境に関する要望の中で一番挙げられるのが、臭い、汚い、暗い、怖い、壊れているという、いわゆる五Kの学校トイレの改善であります。洋式化二〇%未満の高校や和式になじみのない外国人生徒の在学する高校を初めとして、洋式化がおくれているところについては生徒たちの声にも耳を傾けながら実態を正確に把握し、洋式便器の有効性や附帯設備、仕様や数について工夫していただきたいと思います。また、和式より雑菌が減るという衛生面での利点に加えて、一般的にいうと流す水量は和式十三リットルに対し最新の洋式トイレでは、五から六リットル程度と五〇%もの節水効果が見込まれるそうであります。多角的な側面から洋式化に向けて検証を行い、宮城県として高校のトイレ改修の方針や年次計画を定めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 県立高校の体育館は各種大会の会場として利用され、また日常的に一般開放されさまざまな世代の方に使われております。また災害時には県民の避難所に指定されているところもございます。被災地でも洋式化を望む声が強く、和式トイレは弱者には一利なしと言えます。対策を早急に進めてほしいというような声も上がっております。文部科学省高等学校施設整備指針の中にも、施設のバリアフリー化を図るとともに地域の避難所または緊急避難場所の役割を果たすことも期待されております。そこで避難所となる県立高校体育館のトイレの整備を早急に推進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 整備指針にも示されているバリアフリー化は更に大事な視点だと思います。高校等では、障害者の入試の際に階段を使って車椅子を運ぶ等のことも起きており、入学が決まった段階でエレベーターの設置を検討するとのことですが、障害者差別解消法が制定され、障害のある生徒に対する施設面の整備、エレベーターの設置も急務と考えられますが、御所見をお伺いいたします。 また高校では文化祭や体育祭などの各種イベントが開催されます。障害のある父兄等が足を運び、子供の成長を見るなどの機会はとても大事になると思います。障害のある生徒のみならず、バリアフリー化の推進など父兄への配慮も必要になると思いますので、指摘したいと思います。 次に、エアコン設置についてであります。 高校の空調設備設置状況等の調査を見ますと、宮城県では普通教室、特別教室を合わせた設置率は一七・九%になっております。全国平均では四九・六%になっております。近年は暑さの厳しい状況が続きました。ことしはことしで雨が降り続き、一部ではカビの発生があったと伺いました。整備指針でも、健康的かつ安全で豊かな施設環境として、通風、環境、室温等にも配慮した環境整備を記載しております。また、普通教室よりも特別教室の設置率が高い傾向も見られます。県立高校における空調設備設置の考え方をお示しください。 大綱四点目、ふるさと納税についてお伺いいたします。 ふるさと納税は、地方と都会の税収格差を少しでも是正し自分を育んでくれたふるさとへの感謝や恩返しの気持ちを寄附という形であらわせればとの趣旨により、平成二十年にスタートしてことしで十年目を迎えます。以来全国では着実に納税件数、金額ともふえ続け二十八年度の実績を見てみますと、前年と比較すると約一・七倍の約二千八百四十四億円となり、成果を上げている自治体にとってはまさに貴重な財源となっております。宮城県におけるふるさと納税の実績は、制度創設の平成二十年から震災直前までは年間二百万円前後で推移し、震災直後の平成二十三年度には一億六千万円、平成二十四年度以降は四千万円前後で推移しています。個人版のふるさと納税については、全国的な返礼品の過熱した競争があり、ことし四月総務省では返礼品の金額を寄附額の三割程度に抑える通達を出すなど見直しの方向にかじを切りました。しかし地方自治体にとっては有益な取り組みであると思っております。県としてもっと積極的に取り組むべきと考えます。 そこでお伺いいたしますが、本県としてこれまでふるさと納税に対してどのように取り組んでこられたのか、御答弁をお願いいたします。 また、昨年からは新たに企業版のふるさと納税制度がスタートしております。これは国から認定を受け、自治体に寄附した企業が減税を受けられるものであり、企業のお金を地方に回して地方創生を後押しすることを目的に創設されたものであります。この企業版ふるさと納税制度の活用について県としていかに取り組まれているのか、あわせて御答弁をお願いいたします。 次に、個人版のふるさと納税について質問をさせていただきます。 個人版のふるさと納税について自治体のランキングを見てみますと、どうしても返礼品が充実している市町村が上位になっておりますが、それ以外にも県が少ないというのは、納税される方々にとって市町村よりも県に対するふるさととしての愛着が薄くなってしまうからではないかと言われております。 子供が宮城県で生まれその後義務教育を経て県内の高校に進み、卒業後他県の大学に進学する公立高校の卒業生は年間二千人を超え、同じ割合で私立高校の卒業生も進学すると思われます。更に東京一極集中問題をもう一つの側面から見ると、地方自治体は子供が高校を卒業するまでの間、教育費や医療費、子育て支援などで約一千六百万円も公費負担を行っているという問題が見えてきます。つまり、地方の負担で育てた多くの人材が東京など大都市を支える納税者になっているということであります。このような実態を是正する一つの方策として創設されたのがふるさと納税であります。私はこの趣旨にのっとって宮城県出身の首都圏を初めとした他県在住の皆様に、みずからの卒業した高校を応援するための寄附をお願いしてはいかがかと思っております。卒業生の方は、同窓会を開くと皆母校に対しての思いが深く賛同者が多いと思います。ふるさとに対するイメージというものは、県ということでは湧きづらい面もあると思いますが、ふるさとを離れていても母校に対する思いというものは特別な思いがあります。ぜひ母校の生徒たちにより充実したすばらしい学生生活を送ってもらいたいという卒業生の方々の思いを御理解いただきたいと思います。 現在学校施設整備を、福井、兵庫、熊本、佐賀、神奈川県の五つの県がふるさと納税制度を活用し先行して行っております。福井県などでは、寄附の半分を指定した高校、そして半分を県にプールしてさまざまな教育環境の整備に充てているところもあります。その中で神奈川県に伺い話を聞いてきました。神奈川県では、使途を指定した寄附として、「神奈川動物愛護センター建設基金」、「かながわトラストみどり基金」など九つの基金事業から寄附先を選ぶことができます。その中の一つとして、県立学校等教育施設整備を計画的かつ円滑に推進するための取り組みとして、「神奈川まなびや基金」を平成二十一年にスタートしました。八年間で九億七千八百八十二万円、年にして一億二千二百三十五万円の寄附があり、特定の学校のための寄附や県立学校施設全般の二つから選べるようになっております。これまで教室へのエアコン設置、トイレの洋式化、プロジェクターや車椅子の購入、グラウンドや体育館の照明の改修などさまざまな事業に使われております。同窓会等の篤志家の方々も高い関心を寄せられ、母校の教育環境の充実には適しているとのことです。学校では厳しい運営経費の現実がありますので、高校側とよく話し合いをしながらぜひ県教委としてふるさと納税制度を活用し、学校の施設整備の充実を目指し、使い道を指定した寄附の導入を実現していただきたいと思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 こうした取り組みを行うことにより、高校ごとの学校経営についても大きな影響を及ぼすこととなり、大綱三点目に取り上げた県立高校の校舎整備を推進するには多額の財源を必要とすることになりますが、その円滑な実施に向けてできるだけ自主財源を確保することが必要となります。また、昭和四十八年以降の昭和年代に泉高校を初め多くの普通高校が開校いたしました。それらの高校では五十周年記念事業も予定されてくると思います。ふるさと納税制度は、高校の施設整備の大きな力になると指摘したいと思います。 最後に、返礼品の競争が指摘されるふるさと納税ですが、県立高校の校舎整備や動物愛護など、他県に在住している皆さんが共感できる政策の取り組みについて、今後宮城県として取り組む可能性があるかどうか知事の御所見をお伺いして、伊藤和博の壇上からの一般質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 伊藤和博議員の一般質問にお答えをいたします。 昨日共進会が、閉会をいたしました。過去と比較いたしまして今までにない最高の結果でございました。ここに至るまで、生産者の皆さんはもちろんのことでありますけれども、JAグループそして市町村、県議会そして県庁が一丸となって頑張ってきた結果だというふうに思っております。一区から九区までで九州以外の牛が日本一になりましたのは、宮城県の二区の小野寺さんの牛だけでございました。そういった意味で非常に大きな成果があったというふうに思ってございます。一番大きかったのは、生産者の皆さんや和牛改良に取り組んできた皆さんが自信を持ったということだと思います。ここまでやってきたことが間違いなかったと、これから更に頑張れば更に上を目指せるんだという自信を持てたことが非常に大きいというふうに思ってます。きのうは閉会式でありましたが、同時に五年後に向けたスタートの日でもあります。五年後更にいい結果が出せるように改良に取り組んでいくことをお誓いを申し上げたいというふうに思います。皆さん御協力どうもありがとうございました。 それでは、答弁いたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、村井県政の三期十二年の総括と今後の県政課題についての御質問にお答えをいたします。 初めに、十二年間にわたり取り組んできた事業の総括についてのお尋ねにお答えをいたします。 私は知事就任以降、富県宮城の実現を政策推進の第一の柱に掲げ、自動車関連産業を初めとしたものづくり産業の誘致、集積に力を尽くし、これまで約一万三千人の雇用を創出いたしました。また観光振興にも力を入れ、官民一体となって、仙台・宮城デスティネーションキャンペーンやインバウンド誘致に積極的に取り組み、観光客数を伸ばしてきました。加えて特別養護老人ホームを大幅にふやすとともに保育所の整備や特別支援学校の新設などにも力を入れるなど、安心して暮らせる地域づくりを進めてまいりました。特に東日本大震災の発生以降は震災復興を県政の最優先課題として、復旧にとどまらない抜本的な再構築に取り組んできたところであり、災害に強いまちづくり、仙台空港の民営化、医学部の新設など私が目指す創造的な復興が着実に進んできているものと考えております。 次に、今後四年間に向けた決意と見通しや課題についての御質問にお答えをいたします。 来年度からは震災復興計画の発展期であり、復興の総仕上げの重要な時期となります。このため、離半島部や大規模なかさ上げを行っている地域で復興の進捗に差が生じている現状を踏まえ、復興まちづくりを加速化させるとともに被災者へのきめ細かな支援や被災地の産業再生、人手不足の解消などにも重点的に取り組まなければなりません。また我が県が震災を乗り越え更なる発展を遂げられるよう、創造的な復興を進めるとともに復興需要後を見据えた地域経済の活性化に向け、改定版の将来ビジョンに盛り込んだ産業集積の促進や中小企業等へのきめ細かい支援、安定的な雇用の確保などに力を入れていくことが重要であります。特に、今後四年間はソフト対策として復興の進展に伴って生じる新たな地域コミュニティーの形成支援や、心のケアなどの課題に対応するほか、子育て支援や医療、福祉サービスの充実、不登校対策、誰もが働きやすい環境づくり、若者の地元定着などに注力していくことが必要であります。県民の皆様が幸福を実感し安心して暮らせるよう、震災からの復興と富県宮城の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、大綱四点目、ふるさと納税についての御質問にお答えをいたします。 初めに、これまでの取り組みについてのお尋ねにお答えをいたします。 個人版ふるさと納税は、制度創設以降県ホームページでの周知や県外で行われるイベント等においてリーフレットの配布などによりPRしてまいりました。また寄附者の利便性の向上を図るため、口座振替、クレジットカードなどさまざまな納付方法を利用可能としております。更に平成二十六年度からは、寄附者への御礼として県特産品を幅広く取り扱っておりますギフトカタログを贈呈しており、これらの取り組みを通じふるさと納税の募集に努めてまいりました。 次に、企業版ふるさと納税についてのお尋ねにお答えいたします。 企業版ふるさと納税については、制度ができて間もないこともあり全国的に浸透しているとは言いがたい状況にありますが、民間資金を活用しながら官民一体となって地方創生を推進するための有効な手法の一つであると考えております。県では、企業からの相談、問い合わせ窓口を設けるとともにこれまで震災復興などで御支援をいただいた企業を中心に制度説明や意見交換を行ってきたところであります。今後とも他県の事例等も参考としながら、我が県の地方創生の取り組みへの支援について、企業へのPR活動に努め、制度の活用を図ってまいりたいと考えております。 次に、他県在住者の共感を呼ぶ政策へのふるさと納税の取り組みについての御質問にお答えをいたします。 現在、ふるさと納税東日本大震災復興基金と地域整備推進基金に積み立て、大震災からの復旧・復興等に活用しておりますが、寄附をされる方々の御意向が反映される新たな使途については、大震災からの復興状況等を考慮しながら県全体の財政運営の中で検討してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。    〔土木部長 櫻井雅之君登壇〕 ◎土木部長(櫻井雅之君) 大綱二点目、県営住宅に関する諸課題についての御質問のうち、共益費の徴収は公社等で担うべきとのお尋ねにお答えいたします。 県営住宅の共益費については、県営住宅条例に基づき入居者の方々に負担いただいております。共益費は、入居者のコミュニティーを維持するための自治会活動とも密接にかかわっていること、更には自治会が自治会費と一緒に徴収することが効率的であるといったことから、県といたしましては、自治会で徴収管理することが適切であると考えております。 なお、徴収する際の負担を軽減するため少数世帯単位で班を編成するなど工夫している自治会もあることから、これらの取り組みについて各自治体に情報提供してまいりたいと考えております。 次に、県営住宅の空き家に伴う入居者の共益費負担割合についての御質問にお答えいたします。 共益費は、入居者が共通して使用する施設の維持管理に要する費用であることから入居者において負担することとなっているため、空き家率が高い団地においては入居者の負担割合は高くなります。県といたしましては、空き家戸数が多い団地について現在その解消に取り組んでいるところであり、こうした取り組みを通じて入居者の負担が抑えられるよう努めてまいります。 次に、共益費や自治会費の徴収のあり方についての御質問にお答えいたします。 共益費は、入居者が共通して使用する施設の維持管理に要する費用であり、一方、自治会費は住宅敷地の草刈りなどの環境整備や入居者相互の融和を図る活動などに要する費用であります。入居者が共通して使用する集会所などの施設は、住民の自治会活動とも密接に関連していることから、県では共益費の徴収を自治会が行うこととし、入居者に配布している「県営住宅住まいガイドブック」に記載しております。各自治会ではこれを踏まえ、共益費及び自治会費の徴収方法をそれぞれ定めているところであります。 次に、県営住宅での自治会活動のあり方への所見についての御質問にお答えいたします。 各団地の自治会は、コミュニティーを形成する上で重要な役割を担っており、特に高齢化が進む現状においては、自治会の役割はますます重要になってきているものと認識しております。このため、県営住宅への入居契約の際には自治会への加入をお願いしているほか、入居時に配布する「住まいのガイドブック」において、自治会における環境整備活動や入居者相互の融和を図る活動などを明示し、自治会活動への積極的な参加をお願いしているところであります。 次に、自治会への加入率についての御質問にお答えします。 自治会活動については、住民の自発的な発意により行われていることから、県としては加入率等の調査は行っておらず把握しておりません。 なお、住宅供給公社が作成し年二回入居者に配布している「県営住宅ニュース」では、各団地で行われているさまざまな自治会の取り組みを紹介しており、自治会活動の重要性を広報しているところであります。 次に、将監団地のサブショッピングセンターのあり方についての御質問にお答えいたします。 将監団地は、高度経済成長期の急増する住宅需要に対応するため、昭和四十三年から宮城県住宅供給公社によって開発された団地であり、同団地に設置されているサブショッピングセンターは、地域住民の利便性の向上を図るため整備されたものであります。現在、サブショッピングセンターの土地は宮城県住宅供給公社が所有し、建物は各入居者が区分所有していることから、今後のあり方については、まずはそれぞれの所有者が共通認識を持って地域の意見も踏まえながら検討を進めていくべきものと考えております。 次に、県営住宅に隣接する公営サブショッピングセンターの優先再開発及び県の支援についての御質問にお答えいたします。 サブショッピングセンターの再開発については、今後の将監団地のあり方にかかわることでありますことから、まちづくりを担当する仙台市と同センターの入居者を初め、地域全体で取り組むべきものと考えております。また県の支援につきましては、当該地域の動向を見据えながらその対応について考えてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 教育委員会教育長高橋仁君。    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕 ◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱三点目、県立高校の校舎整備についての御質問のうち、トイレの洋式化の実態と仕様や数について工夫すべきとのお尋ねにお答えいたします。 県立高校のトイレについては和式と洋式の比率を調査しており、現在は平均で四五%の洋式化率となっております。また各県立高校では、毎年行っている学校評価の中で生徒や保護者から施設に関する意見も聞いており、学校の実態等を踏まえた施設整備を行っているところであります。 次に、トイレ改修の方針と年次計画についての御質問にお答えいたします。 県立高校のトイレ改修については、トイレスペース一カ所当たり和式を一つ設置し、それ以外は洋式とすることを原則として整備しております。整備に当たっては、衛生面に配慮し床面の乾式化や自動洗浄装置の取りつけなどを行っております。また和式が多い県立高校については、築年数やトイレの老朽化の状況を踏まえ節水型のトイレの導入等を計画的に進めてまいります。 次に、県立高校体育館のトイレ整備についての御質問にお答えいたします。 国の高等学校施設整備指針では、屋内運動場の整備に当たっては避難所となる場合に備えてトイレ等を計画することも有効であるとされております。この指針を踏まえ県立高校の体育館を新築したり大規模改造する際には、各学校の意向や利用形態も勘案しながら、洋式トイレや多目的トイレを整備してまいりたいと考えております。 次に、障害のある生徒に対する施設面の整備としてエレベーターの設置が急務ではないか、また障害のある保護者が来校するケースも考えられることから、バリアフリー化の推進などの配慮が必要ではないかとの御質問にお答えいたします。 県立高校におけるエレベーターの設置については、これまで校舎の改築等の時期に合わせて整備を行ってきたところです。特に、障害のある生徒が入学する可能性がある学校については優先的に整備を行ってまいりました。また御指摘のように、生徒に限らず障害のある来校者への配慮も必要であることから、今後校舎の改築時だけでなく大規模改造の時期に合わせ、エレベーターの設置等のバリアフリー化を進めてまいりたいと考えております。 次に、県立高校における空調設備設置の考え方についての御質問にお答えいたします。 県立高校における空調設備は学校の実態を踏まえ、体調不良となった生徒等への対応が必要となる保健室、騒音等の理由から窓を開放することが困難な図書室や音楽室、また施設設備の保護、保全が求められるコンピューター室、視聴覚室などの特別教室を優先して設置しております。しかしながら県立高校における空調設備の設置は県の単独事業となるため、設置後の維持管理費、修繕費、年間の稼働日数等を考慮すると、全ての教室に設置することについては更に検討が必要と考えております。 次に、大綱四点目、ふるさと納税についての御質問のうち、ふるさと納税の学校施設整備への活用についてのお尋ねにお答えいたします。 御指摘のありました他県の事例は、学校施設整備を円滑かつ計画的に進めるという観点から参考になるものと考えております。しかしながら施設整備のための財源確保のみならず、その後の維持管理経費もあわせて考える必要もあることから、これらを踏まえ、今後関係部局の意見も聞きながら研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 二十八番伊藤和博君。 ◆二十八番(伊藤和博君) 御丁寧な答弁ありがとうございました。 それでは何点か聞かさせていただきたいと思いますけれども、まず、県営住宅についてお伺いいたします。 二番目の空き家率の解消を目指すということの御説明がありましたが、具体的にはどういった形のことを考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。 ○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。 ◎土木部長(櫻井雅之君) 特に空き家率の解消につきましては、今までは県内一律の観点から、応募数という概念は応募の競争が高いところというよりは、一律に空き家の修繕・改修していたわけでございますけれども、現在応募数が多いところについて優先的に改修をいたしまして、なるべく多くの方々に入っていただく、こういったことでございます。特に仙台市の広瀬でありますとか、今御指摘の将監団地でありますとかそういったところについて、応募数の高い団地を優先的に修繕しながら入れていくということでございます。
    ○議長(中島源陽君) 二十八番伊藤和博君。 ◆二十八番(伊藤和博君) 九月の結果などを見ると将監団地では二十世帯もあるということがうかがえましたので、そういった応募率の件について見ていただきながらそういった団地の解消を目指していただきたいと思います。 次の自治会費と共益費の徴収のあり方でございますけれども、将監の場合、例に引きまして、月額五百円、年額で六千円という額が高いかどうかは議論のあるところだと思いますけれども、自治会費としてあわせて共益費を集めているということで、月五百円が限界だという会長さんのお話も聞きますし、実際集めるのも大変になってきている状況がありますので、それぞれで決めるというのではなくて、ある程度指導性を持って、こういった方向でしたほうがいいというふうな指導性を発揮することはできるものなんでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。 ◎土木部長(櫻井雅之君) 先ほど答弁いたしましたとおり、現在自治会のほうに共益費につきましてはあわせて徴収をいただいているという状況でございます。これは効率性の問題もございますので、そういったことを今させていただいているということでございます。ただ自治会の高齢化等非常に進んでいるという認識もございます。全国的にも数は少ないですけれども、公営住宅所有者みずから納めているという方向に切りかわっているところもございます。ただこれらについてはいろいろな議論が必要かと思ってございまして、まずは、今のところは自治会のほうにお願いしたいというふうに思っておりますが、例えば自治会のほうがほとんど機能しなくなったということであれば、それは当然設置者が共益費を徴収していくということになってございますので、それについては今後ともいろんな全国的な事例を勉強しながら進めてまいりたいというふうに思ってございます。 ○議長(中島源陽君) 二十八番伊藤和博君。 ◆二十八番(伊藤和博君) 住民のコミュニティーを維持する自治会の活動でございますので、なるべく負担を軽減をしてもらいたいと思いますし、また住まわれている方の三分の一以上が高齢者の皆さんということになって、草刈りの問題だとか大変負担になって、業者発注をするようになっている自治会もございます。そうするとその共益費の約半分以上を草刈り代に充てている現状等について、土木部長の御所見をお伺いしたいと思います。 ○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。 ◎土木部長(櫻井雅之君) 自治会費の内容ということになりますと自治会単位でいろいろな決め方があるんだろうというふうに思ってございます。現実問題、ほかの、自治会の有効なことになかなか使えないという状況も承知してございますけれども、それはそれぞれの自治会の中で決めていただければというふうに思っているところでございます。 ○議長(中島源陽君) 二十八番伊藤和博君。 ◆二十八番(伊藤和博君) 次に、先ほど指摘した将監のサブセンターでございますけれども、地域全体で決めていきたいということがありますけれども、例えば町内会連合会、協議会等で公社等に相談してもなかなか前に進まない、そういったときにどなたかしっかりとした、仙台市や区や、また地元の町内会とが定期的に県営住宅があるような地域で、県も入っての懇談会なり開催をしていくことも大事かと思いますけれども、土木部長の御所見をお求めします。 ○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。 ◎土木部長(櫻井雅之君) 確かに団地の中に県営住宅もございます。しかし団地の中にはそれぞれの戸建ての住宅もございますし、まちづくり全体でどうしていくのかということの議論がまずはあるんだろうというふうに思っております。そこに我々県が入る中で整備の優先順位も含めて決めていくということにはなかなかいかないのかなというふうに思っております。まずは仙台市、あるいはそこの入居者等々団地全体で議論をしていただくのが重要ではないかというふうに思ってございます。もっともサブセンターの土地は住宅供給公社が所有してございますので、これらについて一定の方向性が出た段階において県がどういうことができるのかといったことについては、その状況を踏まえながら更に我々としてしっかりと対応してまいりたいというふうに思ってございます。 ○議長(中島源陽君) 二十八番伊藤和博君。 ◆二十八番(伊藤和博君) 将監団地は御存じのように、地域の町内会自治会連絡協議会の皆さんが積極的に事業に取り組まれて、例えば将監沼の公園整備とかにおきましては国土交通大臣賞をいただくなどさまざまな取り組みをしている地域でございます。そういう中で取り扱いというか、まち全体の中で県営住宅のあり方が非常に問題になってきているという現状認識をされて、私も相談をいただいているところでございますので、地域全体としても、いよいよ県営住宅のあり方についても、地域として積極的にかかわろうという時期でございますので、その辺を考慮していただいて柔軟な対応で臨みたいと思います。土木部長いかがでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。 ◎土木部長(櫻井雅之君) 団地の中にある県営住宅でございます。団地の方々と一緒になってその県営住宅というのが一つのまちを構成しているというふうに認識してございます。将監団地、非常に作ってから時間がたってございますし、しかしながらまだ人気がある団地でもございます。地域の方々とともに県営住宅、団地のあり方について、県といたしましても一緒に議論してまいりたいというふうに思ってございます。 ○議長(中島源陽君) 二十八番伊藤和博君。 ◆二十八番(伊藤和博君) 次に、県立高校の件についてお伺いしますけれども、トイレ整備の中で体育館のバリアフリー化の観点からも洋式トイレをというお話をさせていただきましたけれども、新築若しくは大規模改修の際には考慮するとありますけれども、既存の体育館についてはいかがお考えでしょうか。 ○議長(中島源陽君) 教育委員会教育長高橋仁君。 ◎教育委員会教育長(高橋仁君) 既存の体育館のトイレの改修について、学校とそれぞれ状況を確認しながら優先順位をつけてどこからやるかということで計画的に進めていくことにしております。学校によってはトイレ以上にここをやってほしいというところもあるもんですから、なかなかトイレだけ優先してというふうにもいかない現状もございますので、御理解いただきたいと思います。 ○議長(中島源陽君) 二十八番伊藤和博君。 ◆二十八番(伊藤和博君) ふるさと納税の校舎整備、ぜひ検討していただいて導入を図って、既存の財源にしていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。 以上で、質問を終わります。 ○議長(中島源陽君) 八番庄田圭佑君。    〔八番 庄田圭佑君登壇〕 ◆八番(庄田圭佑君) おはようございます。 自由民主党・県民会議の庄田圭佑でございます。すみません、けさ起きたら喉がかれておりまして……。議長のお許しをいただきましたので、一般質問させていただきます。 質問に先立ち、去る七月三十一日に御逝去されました今野隆吉先生の御霊に謹んで哀悼の意を表すとともに衷心より御冥福をお祈り申し上げます。今野先生は、政治の原点は命であるをモットーに、昭和五十八年の初当選以来議会のたびに一般質問に立たれその回数は百を数えるに至り、職務に精励するお姿や旭日中綬章を受章するなど、その多大なる御功績と御活躍に改めて敬意を表するものであります。また今野先生といえば、医療費適正化、透析医療の見直しや糖質制限食の導入、重粒子線がん治療装置導入など、医療、福祉の質問、提言が中心でありましたが、何といっても忘れられないのが旧石器捏造事件です。この問題では解決まで十年もの月日を要し、その間県執行部とまさに不撓不屈の精神で闘ったのでありました。そして、石器を事前に埋めている姿が二〇〇〇年十一月五日付の毎日新聞朝刊でスクープされ、上高森遺跡など県内多くの遺跡が旧石器時代の史跡認定を取り消されるなど全国的な問題となりました。 さて、今野先生が毎議会欠かさず質問に立つ理由が端的に示されているのが、平成二十二年二月定例会一般質問での「どうして私が毎回質問をしているかということは、それは県の職員は担当が変わるとそれまでの場所でかかわってきた事業について失敗しても責任をとらなくていいという実態があるからです。議会として、県の職員が誰も責任をとらず部署を変わっていくということについて、きちんと監視する必要があるからです。曖昧にさせないぞという意味があるわけです。」という発言です。また最後の一般質問となった平成二十七年九月議会では「時に厳しい質問や資料の提供を求めるなど、御苦労をおかけしたかもしれませんが、全ては県民の皆様のためとお許しをいただきたいと思います。」という発言がありました。これらの発言は厳しくも人情味にあふれた今野先生の本質があらわれているのではないかと思います。私自身今野先生の後継として今こうして議場に立たせていただいておりますが、後継という重圧に負けそうになることも多く、勇退された後も大所高所から御指導をいただいていただけに、早くもひとり立ちしなくてはならないことを思えば不安でなりませんが、私なりに一生懸命に県勢発展に取り組んでまいりますので、どうか我が県の行く末を天国から見届けていただきたいと思います。また先輩議員の皆様そして執行部の皆様、まだまだ未熟者でございますので、引き続きの御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 前置きが長くなりましたが、今回も元気はつらつ爽やかに積極提言と質問をさせていただきます。村井知事の選挙前に厳しいことを申し上げるのはどうかと大変迷いましたが、今野先生の後継ということでお許しをいただき、また知事には四期目の課題として引き続き取り組んでいただきたいテーマを中心に質問してまいりたいと思います。執行部の皆様におかれましても、前向きな答弁をいただきますことを切にお願いいたしまして、まずは大綱一点目、県職員の働き方改革についてお伺いいたします。 平成二十八年六月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」では、アベノミクス第二ステージとして我が国が直面する少子高齢化人口減少社会に真正面から立ち向かう一億総活躍社会がうたわれました。このプランの最大のチャレンジは働き方改革であり、多様な働き方が可能になるよう、同一労働、同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善、長時間労働の是正、高齢者の就労促進といった社会の発想や制度を大きく転換していくことが目指されております。実際問題、GDP新基準に基づく二〇一五年の就業一時間当たりの労働生産性を国際比較してみると、日本はOECD加盟二十五カ国中、十九位の四十四・八ドル、一人当たりの労働生産性は七万八千九百九十七ドルで二十二位という数値でありました。どちらの数値も主要先進七カ国では統計がさかのぼれる一九七〇年以降最下位の状況です。特にここ数年、米国との労働生産性水準は緩やかに拡大する傾向にあることからも我が国の生産性を改善することは、人口減少社会を迎えている局面での税収確保という観点では極めて重要であります。ところでこの閣議決定を受け、安倍総理は昨年九月に働き方改革実現会議を主宰し、具体的な働き方改革について十回の会議が開催され、「もはや、先送りは許されない。働き方改革を進めていくということは、人々のワーク・ライフ・バランスにとっても、あるいは生産性にとってもいいと思いながらできなかった。必ずやり遂げるという強い意志を持って取り組む。」と総理自身が述べ、本年三月二十八日には正社員の長時間労働など戦後雇用慣行の見直しに踏み込んだ、働き方改革実行計画が閣議決定されました。この働き方改革がこれから始まる秋の臨時国会最大の焦点になるのではないかと思います。こうした流れを受けてか、本年四月十五日の河北新報には、村井知事が幹部職員との会議の場において東日本大震災で膨らんだ県職員一人当たりの残業時間を四年後までに現在の三分の二以下に抑える目標を設定し、働き方改革を推進する方針を示したとの記事が掲載されておりました。記事によると、毎週水曜日の定時退庁日に加えプレミアムフライデーの定時退庁も促すことや管理職を含む約五千六百人の職員を対象に四月に働き方改革に関する意識調査を実施し、長時間労働を削減する本格的な対策を検討するとありました。知事自身も「復興を発展させるには、職員が心身ともに健康で働ける組織でなければならない」「事業の見直しと生産性の向上は管理職が言わないと進まない。具体的な指示や工夫をしてほしいと求めた」とのことでありましたが、まず、初めにこの働き方改革にかける知事の意気込みをお聞かせください。 また、働き方に関する意識調査の結果と長時間労働削減の検討状況とその見通しについてお示しください。 さて、日本一社員が幸せな会社と言われている、岐阜県本社の未来工業株式会社では、「よそと違う」「日本で初めて」というキーワードに徹底的にこだわり、社員みずからが常に考える習慣を身につけることで、残業や営業ノルマの禁止、岐阜県下で最初の週休二日制導入、全員が正社員、試用期間なしでの採用、育児休暇は三年、休みは有給休暇を除いて百四十日、年間就業時間は千六百四十時間という誰もがうらやむ労働環境を実現しています。この背景には、新製品のアイデアや業務効率改善について提案すると、どんなささいなことでも一回につき五百円の報奨金を出す改善提案制度があるようです。社員みずからがこの会社のために頑張ろうと思ってくれるためにはどうすればよいのか常に考えた結果が、まさに我が国が進めている働き方改革の究極のあるべき姿を映し出しているといっても過言ではないでしょう。翻って我が県においても、職員提案制度として平成六年から効果的、効率的事務の推進及び職員の業務改善意識の醸成を図るため、県の行政運営の改善、向上に関する職員からの提案や改善効果のある取り組み実績を募集されておりますが、これまでの成果についてお示しください。 また、生産性の向上は管理職が言わないと進まないと、知事みずからがおっしゃっておりましたが、未来工業では、社員からのボトムアップに重きが置かれておりました。職員のモチベーションアップと一層の業務効率改善に力を入れるためには、トップダウンも極めて重要ですが、現状の提案制度を充実させることも必要でしょう。現在優秀な提案に総務部長表彰を実施しておりますが、例えばこれに知事表彰を加えるとか、県職員が選ぶ優秀賞を創設することなどが考えられますが、提案制度の拡充について知事の御所見をお伺いいたします。 さて、働き方改革には、県職員の時間外労働にも目を向ける必要があります。御承知のとおり東日本大震災以降、特に沿岸部の出先機関を中心に、復旧・復興業務にかかわる部署の長時間労働が常態化しており、県庁全体では震災前水準の約一・四倍に増加し、高どまりが続いていると伺っております。こうした状況を打開するために、私は人事異動の時期に目をつけました。県の会計年度は、地方自治法の定めにより四月一日から翌三月三十一日までとなっており、これに合わせるように四月一日付で定期人事異動が実施されております。ところが実際の出納決算業務は、五月三十一日が締め日となっております。これにより四月に異動した場合、なれない部署で新たな業務をするだけではなく、出納決算業務を任された場合にはこれまでの経緯を知らない後任者の作業効率が落ち、時間外労働がふえることが容易に想像できます。業務になれた職員が出納決算業務まで責任を持って従事するだけでも業務効率が改善されるはずです。また仮にですが、人事異動の時期を見直し残業時間が抑制できれば、県負担の厚生年金や健康保険などの法定福利費も大幅に削減できる可能性があります。社会保険料の算定には毎年九月に、四月から六月の平均報酬月額をもとに標準報酬等級が決定され掛金が決まります。つまり三月から五月の残業時間が減れば等級が下がり、結果として県が負担する法定福利費を圧縮することにもつながります。例えば、平成二十八年度県職員のあらましの平均給与月額と健康保険、厚生年金保険の保険料額表をもとに簡単な試算すると千人の職員の標準報酬等級が一つ下がると給料を減らさずして、年間約三千五百万円の財源が生まれる計算になります。これらの見地からも、この際財務省や税務署、民間企業でも六月あるいは七月異動を採用している例もありますので、四月一日の人事異動の時期を見直すことも検討すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 また、知事部局だけでも三百三十九台のコピー機を導入していると伺っておりますが、この機種選定に当たっては、契約課が基本契約を結びメーカーから提示された機種、価格、メンテ条件などを一覧表にし、それを課ごとに検討委員会を組織して選定し、個別にサービス契約を結ぶとのことでありました。これを五年ごとに各課が選定するということは効率がよいとは思えません。改善策を検討すべきですが、御所見をお伺いいたします。 ほかにも、現在個別に運用している財務会計システムと予算編成システム、それに付随する関連システムの統合も必要です。昨年二月の予算特別委員会でもシステム統合について今後検討するとの答弁でありましたが、この取り組み状況と統合の見通しについてお伺いをいたします。 私があの手この手で業務効率改善にこだわるのは、マンパワー不足で果たして十年で復興が終わるのかという点を大変憂慮しているからです。全国から応援職員を派遣いただいておりますが、ピーク時には約二百六十人いた職員も現在では約百八十人に減っていることや沿岸部の職員が疲弊しております。業務効率の改善で人員に余裕が生まれ、その分を被災沿岸部にシフトさせることで復興を一層加速させることができるはずです。私でさえそのぐらい危機感を持っておりますが、現状のマンパワーで十年の復興計画を完遂できるのか、是が非でも十年で完遂させるとは思いますが、村井知事に復興をなし遂げていただきたいと思っておりますので、四期目に向けた決意とともに知事の御所見をお伺いし、大綱二点目、県政の諸課題について移ります。 まず、七北田川の整備計画についてお伺いいたします。 一昨年九月十一日の関東・東北豪雨は、我が県に三百億円以上もの甚大な被害をもたらしましたが、その後入札不調などで順調とは言えないまでも県職員皆様の御尽力により、復旧工事や水位計の増設とテレメーター化も着実に進んでおります。特に私の地元、泉区を流れる七北田川では水位周知河川の指定を受け、リアルタイムでの水位情報が得られるようになったことや長年の懸案事項だった馬橋下流域の工事箇所が先月やっと契約したことで、全ての箇所が工事着手を迎える状態が整いました。しかしながら豪雨から二年経過した今日においても、全ての被災箇所で復旧工事が完了していないことは、本格的な台風シーズンの到来を迎えている中で河川沿川の県民にとっては夜も眠れぬ不安な状況ですが、県内の復旧工事完了の見通しについてお示しください。 さて、七北田川の整備計画については、各議員が再三、再四にわたり質問しておりますが、泉区の最重要課題でございますので改めて質問させていただきます。 今回の計画では、昭和二十四年度から実施されている、河口から赤生津大橋に至る十七キロメートルの七北田川中小河川改良工事事業を更に上流まで十四キロメートル延伸させ、冠橋付近まで整備区間を延長する計画で今月中の告示予定とのことであります。今年度はまず測量、設計の実施が予定されておりますが、その具体的な内容と測量、設計完了の見通しについてお伺いいたします。 また、河川整備計画では策定からおおむね三十年間を整備対象期間としております。下流域の整備に七十年近くかかっているので、それよりも短い期間だからよいという発想では困りますが、沿川住民からは三十年間かけて整備しても、もうそのころにはいない、三十年と言ってもその間また豪雨があれば被害が出る、もっと早く整備をしてほしいとの声を多数いただいております。この沿川住民の不安を裏づけるかのごとく、八月十四日には気象庁の統計データから一時間に五十ミリ以上の大雨が降る頻度が三十年前と比較して三〇%以上もふえたことが明らかになりました。さきの九州北部の豪雨では、一時間に約百三十ミリという数値を記録し雨の降り方が激甚化しております。この状況を鑑みると、果たして三十年かけての整備計画が適切なのか。計画は適宜見直すとの記載はありますがこれで本当によいのか。予算措置の問題もあるとはいえ前倒しが必須と思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 また整備計画の中には、動植物の生息、生育、繁殖環境の保全がうたわれており、魚道設置の検討を行う必要があると記載されております。生態系を守るのであれば、じっくりと検討するよりも告示後速やかな魚道整備が必要と思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 あわせて、人と河川との触れ合いの場の確保もうたわれております。現在七北田川では、自然環境を学んだりボートなどを気軽に楽しめる親水空間がありません。例えば、比較的流れが緩やかな赤生津大橋のたもとあたりなどに親水空間を整備していただきたいと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、鳥獣被害対策についてお伺いいたします。 ここ最近地元メディアでは連日のように熊の目撃情報や鳥獣関連の記事を見かけるようになりました。特に秋田や青森では熊による人的被害も相次ぎ、青森県では今年度より秋田、岩手県に次いで、クマ出没注意報・警報制度を創設し、八月二十一日にはツキノワグマ出没注意報が発令されるなど、各県で鳥獣被害の対策に追われております。また農作物被害については、鹿、イノシシ、カラスによる被害が顕著であり、東北農政局の数値では、平成二十七年度東北全体の被害額は前年比一六%減の十三・九億円。我が県での被害額は、平成二十七年度一億三千八百七十万円、平成二十八年度速報値では一億六千百二十九万円となっておりました。こうした事態の打開に向け、我が県でも平成二十五年度からは新人ハンター養成講座の実施、指定管理鳥獣捕獲等事業、狩猟捕獲促進事業等に取り組んでおりますが、今年度より県警OBを専属ハンターとして雇用し鳥獣対策に当たる、鳥獣被害対策専門指導員配置事業が実施されておりますが、現在までの実績、効果や猟友会の反応などについてお伺いいたします。 また、第三期宮城県イノシシ管理計画によると、イノシシの生息数を平成三十五年度末までに平成二十六年度から四割減らすことを努力目標とし、年間五千六百頭の捕獲目標が定められておりますが、さきの予算調製方針の総括質疑で横山隆光議員からもあったように、より繁殖力の強いイノブタの問題が指摘されておりました。このイノブタの推計個体数も把握しないと努力目標とはいえ目標達成が困難となり、鳥獣被害が更に拡大する可能性も考えられますが、個体数の把握についての御所見をお伺いいたします。 一方、長野県大町市では農作物の鳥獣被害対策として、猿追い犬、通称モンキードッグを活用した対策がとられております。もともとは深刻な猿被害対策として猿を追い払うために犬を活用しておりましたが、鹿、イノシシにも有効であるだけではなく、熊を人里に寄せつけない効果も期待されております。このモンキードッグは中型犬以上であれば犬種を問わないことがメリットですが、育成には二十万円程度の費用がかかります。これを県が一部費用を助成するなどして、農作物の鳥獣被害対策のメニューにモンキードッグ事業を追加してはどうかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、インバウンド誘客拡大についてお伺いいたします。 昨年一年間で我が国を訪れたインバウンドは、過去最高の二千四百三万九千人を記録し、我が県においては東北観光復興対策交付金等を活用しながら、震災前水準をようやく上回る十七万五千人を記録しました。しかしながら、平成二十二年度比のインバウンドの伸び率を見ると、全国平均二四六%、東北地方では一二八%、そして宮城県で一一〇%と大きく出おくれている状況であります。ことし七月末時点の我が国のインバウンド推計値は、昨年比で一七・三%伸びて千六百四十三万八千八百人を記録しております。我が県においても今年度は周回おくれを取り戻すため首都圏や北海道からの誘客の取り組み、受け入れ体制整備や観光資源の発掘、磨き上げなどさまざまな施策に取り組まれており一層のインバウンド誘客を期待したいところです。ところで私がインバウンド誘客にこだわるのは、インバウンド八人を誘客すると定住人口一人分の消費支出をカバーできるからであります。我が県の昨年の数値で計算すると約二万二千人相当の定住人口分の消費支出をカバーしたことになります。インバウンドが被災企業の新たな販路創出に一役買っていただける可能性があることから、誘客にこだわっております。ここで知事自身これまでのインバウンド誘客の取り組みについてどのように評価しているのか、また今年度のインバウンド誘客数の状況について、お伺いいたします。 さて、ことしの二月定例会では、インバウンド誘客拡大について質問させていただきましたが、その際、他県に先駆けて欧米豪をターゲットにすべき、そして県の文化財にも今まで以上の支援をすべきと提案させていただきましたが、今議会の知事説明要旨にも「東アジアを重点としつつ欧米に向けてもプロモーションや情報発信をより強化する」との記載がありました。これら欧米の観光客は、自然、気候、文化、食事を中心に体験型観光を楽しまれているようであります。我が県ではこれらの要素がそろっているのは言わずもがなですが、県内の文化財の更なる掘り起こしと磨き上げが欧米の誘客には一層必要です。そのために私は昨年二月定例会の予算総括質疑で、また昨年十一月定例会の一般質問では守屋議員が宿泊税の導入について発言しておりますが、この宿泊税を我が県でも導入し、観光インフラの整備のみならず観光資源となり得る文化財の発掘、保護等に活用すべきと考えます。特に観光資源の磨き上げという観点では、県指定文化財などの修繕の補助率を引き上げたり、また例えば多賀城南門の再建といったものに対しての補助を引き上げたりだとか、インバウンドのみならず国内観光客の誘客につなげていくために宿泊税導入を具体的に検討すべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 庄田圭佑議員の一般質問にお答えいたします。大綱二点ございました。 まず、大綱一点目、県職員の働き方改革についての御質問にお答えいたします。 初めに、働き方改革の推進にかける知事の意気込みについてのお尋ねにお答えをいたします。 職員の時間外勤務は、東日本大震災の発生以前と比べると増加しており、業務が繁忙な状況が続いております。ふるさと宮城の発展のためには、職員が心身ともに健康で意欲を持って働くことができる環境づくりが重要であるという認識から、四月の部課長、地方公所長会議の場で私の思いを伝えたところであります。具体的には、職員一人当たりの月平均の時間外勤務時間数を三分の二程度に減らすことを目標に、月末金曜日における定時退庁日を追加し、私みずから庁内アナウンスによる呼びかけを行っているほか、年間の時間外勤務の上限時間数を設定するなどの取り組みを進めております。今後とも働き方改革の実現に向け、私自身がリーダーシップを発揮し積極的に取り組んでまいります。 次に、システムの統合についての御質問にお答えをいたします。 現在財務会計システムや予算編成システムなどは個別に運用されており、効率性、汎用性に課題があることから、予算から決算まで連結した統合システムの導入について検討を行ってまいりました。今年度からは、開発の方向性や体制構築に向けて関係課による協議を開始したところでありますが、導入に当たって必要となる仕様の策定や関係システムとの調整等の期間も考慮し、平成三十五年度からの稼働を目標に検討を進めてまいりたいと考えております。三十五年度に機械の更新もありますのでそれに合わせたいというふうに思います。三十年度も機械更新するんですが、それには間に合わないということで三十五年度に行いたいと思います。 次に、復興計画の加速化に向けて業務改善を進め、人員を被災沿岸部にシフトすべきとの御質問にお答えをいたします。 我が県では、震災からの復興を十年間でなし遂げるため、インフラの復旧に必要な土木職や用地取得に必要な事務職など多くの職員を内陸部から沿岸部にシフトさせるとともにそれでもなお不足する人員につきましては全国自治体からの派遣職員の受け入れや任期付職員の採用により膨大な業務に対応してきたところであります。来年度からは、震災復興計画の仕上げとなる発展期を迎えることとなりますが、まだ多くの方々が仮設住宅に入居されているなど復興は途上であり、今後も取り組みを加速させていく必要があるものと認識をしております。このため、職員一人一人の業務改善や組織的な業務効率化などをこれまで以上に進め、復興事業に必要となる人員を可能な限り確保し、平成三十二年度までの復興期間内で完遂できるようしっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、県政の諸課題についての御質問にお答えをいたします。 初めに、関東・東北豪雨の復旧工事完了見通しについてのお尋ねにお答えをいたします。 県内における関東・東北豪雨の災害復旧工事につきましては、八月末現在全体四百九十三カ所のうち四百七十二カ所が着手済みであり、今年度末までに全箇所の約九割が完成する見通しとなっております。このうち七北田川につきましては、二十八カ所全てに着手し今年度末までに二十四カ所を完了させることとしております。県内で入札不調により未着手となっております二十一カ所につきましては、現場状況を踏まえた施工計画の見直しなどを行い、七北田川も含め平成三十年度内の全箇所完了を目指してまいります。 次に、インバウンド誘客拡大の取り組みの評価とことしの誘客数の状況についての御質問にお答えをいたします。 県では、インバウンド誘客拡大に向けて、東北が一体となった広域観光の推進、北京、上海、台北への現地サポートデスクの設置、国際経済・観光局長新設による組織体制の強化などを通し情報発信の質や量の拡充、外国人観光客の受け入れ環境整備などに精力的に取り組んでまいりました。その結果、我が県のことしの一月から六月までの外国人延べ宿泊者数は九万八千人を超え、前年の同じ時期と比べ三割増加し着実に成果が上がっております。県といたしましては、東アジアを重点にしつつ欧米豪に向けてもインバウンドに影響を与えるパワーブロガーなどの招聘や情報発信を強化するなど、今後も誘客拡大に向けて積極的に取り組んでまいります。 次に、我が県で宿泊税を導入することについての御質問にお答えをいたします。 インバウンドを初め国内外からの観光客の誘客拡大には、我が県の自然、文化、歴史、食などの観光資源の発掘、磨き上げや受け入れ環境の整備、国内外へのアプローチや情報発信が大変重要と認識しております。このような中、国では平成三十年度税制改正要望において、増加する観光需要に対して高次元で観光施策を実行するため、受益と負担の適正なあり方や訪日旅行需要への影響を勘案しつつ、国の財源の確保等を検討するとされております。またことし七月の全国知事会では、地方税財源の確保、充実等に関する提言を取りまとめ、地方における観光施策実施のため、新たな地方税として宿泊行為に対する課税を法定化することなどについて幅広く検討を深めていくこととされました。県としては、国における観光施策のための財源確保に係る検討状況や全国知事会の動向を注視しながら、引き続き宿泊税導入の必要性について研究をしてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 総務部長佐野好昭君。    〔総務部長 佐野好昭君登壇〕 ◎総務部長(佐野好昭君) 大綱一点目、県職員の働き方改革についての御質問のうち、職員に対する意識調査の結果並びに長時間労働削減の検討状況と、今後の見通しについてのお尋ねにお答えいたします。 ワーク・ライフ・バランスと時間外勤務に関する意識調査は、対象職員の約七五%に相当する四千二百二十八人から回答がありました。調査の結果、一般職員の約九割が業務改善の取り組みを行うよう心がけている一方、日中の対人業務や業務量に対するマンパワー不足、締め切り期限が短い業務への対応などを理由に時間外勤務を行わざるを得ないといった回答が多く見られました。長時間勤務の削減については意識調査の結果も参考に、これまでの取り組みに加え事務事業の更なる見直しや管理職員のマネジメントの向上に関する研修の充実のほか、サテライトオフィスの導入など柔軟な働き方の推進に向けた検討を進め、時間外勤務縮減の目標が達成できるよう取り組んでまいります。 次に、職員提案などの成果についての御質問にお答えいたします。 職員提案は、行政運営の改善、向上に関する職員からのアイデアの募集や職員が実際に行っている業務改善のノウハウを全庁的に公開することにより、県民サービスの向上とよりよい職場環境の実現のために実施している制度であります。毎年度百件程度の応募があり職員にも浸透し、これまでもさまざまな業務改善等が図られてきているところです。最近の成果としては、共通基盤システムを活用した事業所訪問などの情報共有化や県庁内会議室予約システムの導入及び県庁一階総合案内前の会議案内モニター設置などが職員みずからの発案により実現しているところです。今年度は毎年実施している自由提案のほか、課題提案としてワーク・ライフ・バランスの推進と働き方改革の実現に向けた取り組みについて募集しましたところ四十二件の応募がありました。今後その実現性等について検討し、働き方改革の取り組みを推進してまいります。 次に、職員提案制度の充実についての御質問にお答えいたします。 現在働き方改革が叫ばれている中、業務改善に向けた職員提案は、職員一人一人が仕事の進め方などについて見詰め直すよい機会であります。職員の柔軟かつ自由な発想によるすぐれた提案はとても貴重であり、職員自身のアイデアが実現されることは職場環境の改善や職員の意欲向上につながるものと考えております。制度の実施に当たっては、表彰制度も含め運用に工夫を凝らし、職員から多くの提案が寄せられるよう制度の充実を図ってまいります。 次に、職員の残業及び法定福利費の抑制に向けた人事異動の時期の見直しについての御質問にお答えいたします。 出納、決算業務において担当業務に習熟した職員が四月一日以降も引き続き職務に当たることは、業務効率の点から有効な方法の一つであるものと考えられます。しかしながら県では、年度末で退職する職員の補充や新規採用職員の配属を円滑に行うため四月一日を定期異動時期としており、仮に全職員を対象として異動時期を変更すれば、年度当初から人事異動を行うまでの一定期間、所属によっては余剰な人員を抱えたり逆に欠員が生じるなど適正な人員配置が行われない状況も生み出します。また、出納、決算等の特定の業務を担当する職員のみ異動時期を変更すれば、当該職員の異動時期や異動先が限定され、ジョブローテーションによる人材育成が困難になりますことから、直ちに我が県において実施することは難しいものと考えております。御指摘のありました法定福利費の削減効果についてもここ数年の時間外勤務の実績を見ますと、年間を通じて四月から五月が特段多いとは言えず効果は限定的と考えられますことから、県といたしましては、四月一日の定期異動を基本としつつも所属の実情に応じて年度途中での人事異動を行うなど柔軟に対応してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 環境生活部長後藤康宏君。    〔環境生活部長 後藤康宏君登壇〕 ◎環境生活部長(後藤康宏君) 大綱二点目、県政の諸課題についての御質問のうち、鳥獣被害対策専門指導員配置事業についてのお尋ねにお答えいたします。 鳥獣被害対策専門指導員配置事業については、野生鳥獣の捕獲推進及び被害防除対策の強化を図るため、今年度から大河原地方振興事務所に鳥獣被害対策指導員二名を配置したところです。これまでの間、わな及び第一種銃猟の狩猟免許を取得し、銃の所持に向けた手続を進めているほか、新人ハンター養成講座など各種研修の受講、有害鳥獣捕獲等の現場体験、有害鳥獣捕獲推進会議への出席など野生鳥獣捕獲等に関する知識、技能の習得のみならず地域の実情把握にも努めております。また、県猟友会には有害鳥獣捕獲や解体の現場体験などにおいて協力をいただいております。今後は狩猟免許等を生かして管内市町や県猟友会と連携し、有害鳥獣の捕獲等に尽力してまいります。 次に、イノブタの推計個体数の把握についての御質問にお答えいたします。 イノシシと家畜豚との交雑個体いわゆるイノブタについては、平成二十七年度に実施したニホンジカ・イノシシ生息状況等調査において、遺伝子解析調査を実施したところ、県内で捕獲された個体の中にはイノブタは確認されませんでした。また野生化したイノブタの繁殖力についても、専門家による科学的検証がなされていない状況にあります。県といたしましては、イノシシ管理計画においてはイノブタも含むことから、今後ともイノシシなどの生息状況等の調査を継続し実態の把握に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 農林水産部長武藤伸子君。    〔農林水産部長 武藤伸子君登壇〕 ◎農林水産部長(武藤伸子君) 大綱二点目、県政の諸課題についての御質問のうち、猿追い犬、通称モンキードッグの育成についてのお尋ねにお答えいたします。 国では、鳥獣被害防止総合対策交付金において、猿の追い払いや追い上げに効果があるとされるモンキードッグの訓練費用を補助対象とし支援しているところであります。この交付金の我が県での利用実績はありませんが、導入が進まない要因としては追い払いなどにより猿の活動エリアが拡張することで他地域への被害が拡大するのではないかと懸念されていることなどが考えられます。県といたしましては、ニホンザル管理事業において効果的な追い上げ方法を検証しているところであり、その成果や有識者等の意見を踏まえながらモンキードッグの他の動物への活用及び効果についても情報を収集してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。    〔土木部長 櫻井雅之君登壇〕 ◎土木部長(櫻井雅之君) 大綱二点目、県政の諸課題についての御質問のうち、七北田川の測量、設計の具体的な内容と完了見通しのお尋ねにお答えいたします。 七北田川については、現在、赤生津大橋から上流約十四キロメートル区間において、河川整備計画に基づき具体的な改修事業を進めるために必要な地形測量と概略設計をことし三月に着手したところです。地形測量についてはことし十月まで、概略設計についてはことし十二月までの完了を目指して鋭意進めてまいります。 次に、河川整備計画期間の前倒しの御質問についてお答えいたします。 河川整備計画については、河川法に基づき河川整備基本方針に沿った中期的な整備目標を設定し計画期間を定めることとされています。七北田川については、県内最大の二級河川であり流域の市街化が進み、人口、資産が集積しているため、事業規模が大きくなることやこれまでの県内の河川整備に対する投資規模を踏まえて、おおむね三十年間を計画期間として設定しています。県といたしましては、一昨年の関東・東北豪雨やことし七月に発生した九州北部豪雨による被害を踏まえ、地域の方々が安全に安心して暮らせるよう必要な予算の確保に努めるとともに整備区間内の優先度を定めながら事業効果の早期発現に全力で取り組んでまいります。 次に、魚道整備に関する御質問にお答えいたします 良好な河川環境や生物多様性の保全のため堰における魚道の設置は重要であると認識しておりますが、七北田川に設置されている九カ所の堰のうち五カ所の堰については魚道が設置されておりません。河川に設置されている堰は河川法に基づく許可工作物であり、魚道の設置は基本的には各施設管理者が行うこととなっておりますが、河川管理者である県といたしましては、速やかに整備が図られるよう有識者等の意見を参考にしながら、具体的な改善方策について各施設管理者とともに検討を進めてまいります。 次に、七北田川への親水空間の整備についての御質問にお答えいたします。 七北田川については流域の都市化が進んでおり、河川の親水空間が良好な都市環境の形成や環境教育の場として非常に重要であると認識しております。県では、これまでも赤生津大橋下流において、親水性を重視した緩傾斜護岸を七北田公園と一体的に整備してきたところであり、赤生津大橋上流区間におきましても、現在実施している概略設計において地域の方々が親しめる水辺空間の確保について検討してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 会計管理者兼出納局長増子友一君。    〔会計管理者兼出納局長 増子友一君登壇〕 ◎会計管理者兼出納局長(増子友一君) 大綱一点目、県職員の働き方改革についての御質問のうち、コピー機の契約方法を改善すべきとのお尋ねにお答えいたします。 コピー機の利用については、まず契約課がメーカーごとに基本契約を結び、それぞれのメーカーが提供できる機種とその性能などを整理し料金の上限を設定しています。その後各所属において必要とする性能や仕様などを確定し、条件に合った機種のサービス提供について代理店を対象に入札、契約を行っております。基本契約を結ぶ理由は、コピー機に関する情報の整理や事前の調整など、入札、契約に必要な作業を契約課が一括して行い各所属の事務を軽減するためであります。また各所属が個別にサービス契約を結んでいるのは、各所属で必要とするコピー機の性能は同じではなく、それに応じて利用する機種が異なるためであります。コピー機に関する入札、契約については、このほかにも標準的な事務処理のフローや各種の様式を示すなど、各所属の事務の軽減に努めているところですが、今後とも事務処理の効率化に向けて取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(中島源陽君) 八番庄田圭佑君。 ◆八番(庄田圭佑君) ありがとうございました。 働き方改革については、とりあえずアンケートはとってはいますけれども、これから検討していくというような状況だと思います。いろんな提言をさせていただきましたけれども、基本的には今のままというようなことで余り前向きな答弁いただけなかったのかなと残念であります。今の最後のコピー機のお話もそうなんですが、五年ごとに各課でそういった同じ作業をパラレルにやってるというのは非常に効率で考えるとあまりよろしくないんじゃないかということで質問させていただきました。マンパワー不足だということで先ほど答弁にもありましたけれども、それを考えるとできるだけ県職員の業務を減らしていくということは極めて重要だろうというふうに思ってます。なかなか言いにくいところありますけども、どうしてもお上のほうからあれしろこれしろということで、国のほうからいろんな業務がきて、そういったのに忙殺されて県の業務がなかなかそっちまで手が回らないという状況であれば、具体的に職員の皆さんが仕事が減るような取り組みをきっちりとしていくということが極めて重要だというふうに思っておりまして、今回こういうことで質問させていただいたというわけでございます。人事異動の時期についてはそんなに効果がないということでございましたけれども、ぜひこれも継続的に検討していただきたいなというふうに思っております。ただ業務効率改善というのは片手間では絶対できない話ですので、これは職員全体の意識を高めていくということは重要だろうというふうに思いますが、そのあたり含めてもう一度知事から業務効率改善についていただければと思います。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 業務効率を改善をしていくというのは、当然常にやらなければならないことだというふうに思ってございます。後ろ向きの答えではなくて、ここに至るまで本当にいろんな形で改革をして改修をしてそしてやっとここに至っているということでございまして、現時点において特段大きな問題点が発生してないということです。コピー機につきましても私も以前から、この十二年間の間に何度もいろいろ見直しを言いました。ただ各部署によって使うコピー機がかなり違うんです。そういうこともあって、また一つの会社の一つの機種だけというふうにも我々はできないということもあってちゃんと入札制度をきちんとやらなきゃいけないということもありまして、現在このようになっているということであります。人員につきましてもかなり柔軟に対応しております。今回も年度を越えてから、例の汚染廃棄物の処理を市町村も一緒になってやりましょうと、燃やすこともやりましょうということになった関係で、そちらのほうの部署、人員をふやさなきゃいけません。そこでいろんなところから人を剥がして新たな部署を一つ大きくしたというようなこともございまして、この年度内であってもかなり柔軟にやっております。沿岸部に人はもう今、目いっぱい派遣をしておりましてその分内陸部がかなり、本庁も含めて人手が足りないような状況なのでこれを更にと言いましても、だんだん事業量が減ってきている状況なので、これ以上ふやすことはないだろうということで、庄田議員の質問でございますのできのういろいろ議論はさせていただきましたけれども、全体としてはこういう割とトーンダウンしたような答弁にはなっておりますけども、しっかりと受けとめて今後ともやることは間違いないということでございます。 ありがとうございました。 ○議長(中島源陽君) 八番庄田圭佑君。 ◆八番(庄田圭佑君) 沿岸被災地のマンパワー不足というのは極めてこれは重大な問題だと私も認識しておりますので、より一層の業務効率改善をしていただいて、今、目いっぱいということでありましたけれども、それは今知事がそう思ってるだけで、多分もっと絞れば多分出てくるんだと思うんです。しっかりとそれはやっていただきたいなというふうに要望させていただきたいと思います。システム統合については具体的に平成三十五年度ということで明示いただきました。そんなに先でいいのかなという気もしますが、できるだけ県職員の負担を改善していただきたいなというふうに思います。 ということで時間も限られておりますので、次、七北田川の関係で再質問させていただきたいなというふうに思っておりますけれども、魚道の整備について、速やかに有識者と検討していきたいということでありましたけれども、もう少し、速やかにと言っても具体的なスケジュールがないと我々も外回っていると、いったい七北田川どうなっているんだということでかなり泉選出の議員詰められておる状況でございますので、そのあたりもう一度お願いします。 ○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。 ◎土木部長(櫻井雅之君) 先ほども答弁しましたとおり、七北田川には魚道が設置されてない堰が五カ所ございます。まずそのうち四カ所につきましては、今回の河川整備計画、いわゆる上流部に設置してございまして、先ほど答弁では設置者が基本的には改良すべきということになってございますけれども、例えば河川改修で一緒に改築が必要となった場合においては、河川管理者がみずから魚道を設置することは可能だというふうにも考えてございます。あと下流部にもう一つ中野堰がございます。中野堰につきましては改良済み区間でございまして、残念ながらまだ魚道がついてございません。これらについては他県の例等見てみますと、少し簡易な形でも魚道の設置が可能だというような事例もございますので、そういったことも研究しながら堰設置者といろいろと検討してまいりたい、こういったことでございます。 ○議長(中島源陽君) 八番庄田圭佑君。 ◆八番(庄田圭佑君) 今すぐにはスケジュールは提示できないだろうと思いますが、できるだけ早目にいついつまでにということで提示をいただきたいなというふうに思っております。また河川の改修関係で全県内で今年度中に九割ということで、来年度末までには完了するということでございました。来年度末となりますと、関東・東北豪雨から三年半たってるということでございます。来年度末と言わずにいろんな河川の水量の時期の関係もあるかと思いますけれども、できるだけ早目に工事を完了していただくということが河川の沿川住民の方の安心・安全にもつながりますので、それを強く要望しておきたいと思いますけどもその前倒しについて一言だけいただきたいと思います、お願いします。 ○議長(中島源陽君) 土木部長櫻井雅之君。 ◎土木部長(櫻井雅之君) 一日でも早い完成に向けまして全力で取り組んでまいりたいと思います。 ○議長(中島源陽君) 八番庄田圭佑君。 ◆八番(庄田圭佑君) 具体的に言っていただかないと我々も、住民に詰め寄られたときに、いや来年度末までには終わるんですよなんて言ったって、そんな無責任なことあるのかということでかなりお叱りをいただくわけでございまして、先ほど今野先生が議会質問するのは、そのあとの続きにのせなかったんですが、「議事録にきっちり残すと、それで後任の職員に対してもちゃんと責任とってもらうんだ。」というふうなことを述べておりました。まさに議会というのは、県の監視役ということでございますので、そういったところでいついつまでに何をどうするんだということをこの議場の場で述べていただいて、議事録に残すということが極めて重要だろうというふうに私は思っておりますので、ぜひそのあたりもしんしゃくいただいて御答弁いただけるとなお我々議会人として大変ありがたいなというふうに思っております。気が弱いものですから、余り強気では言えないんですが。 それと鳥獣被害対策にということで、モンキードッグの話をさせていただきました。先ほど部長からは猿というお話しありましたけれども、私別にモンキードッグ、猿のために導入をもうちょっと積極的にしたらいいんじゃないかということを申し上げてるんではなくて、農作物の直接的な被害を防ぐには、イノシシとか鹿、熊を直接その農地に寄せつけないことが必要だろうと。これが極めて重要であるというふうに思ったので提案をさせていただいたわけでございます。当然他県の例でも、モンキードッグを置いたがために違うところにそれが行って、違うところが被害を受けているというようなお話もありましたけれども、県内の農作物の被害、直近のデータだと一億六千万円超えてるということで、それなりの金額でございますので、こういったことを対症療法にはなりますけれどもしっかり取り組むということが重要だろうなと思いますけれども、モンキードッグの導入について改めて積極的に県としても勘案すべきじゃないかと思いますが、もう一度御答弁いただきたいと思います。 ○議長(中島源陽君) 農林水産部長武藤伸子君。 ◎農林水産部長(武藤伸子君) 繰り返しになりますけれども、猿の分野におきまして、現在は効果的な追い上げの方法を検証している段階でございます。そういったことを踏まえながら、他の動物への活用、効果につきましても情報を収集してまいりたいと考えております。 ○議長(中島源陽君) 八番庄田圭佑君。 ◆八番(庄田圭佑君) 収集は誰でもいつでもできるので、実際に実行していただくことが極めて重要だと思います。あと対策にはもう少し法人のほうにも手を広げていくということも必要かと思いますけども、そのあたり一言いただきたいと思います。 ○議長(中島源陽君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) モンキードッグということでありましたけれども、決してモンキーだけではなくて、鹿もまた熊もその対象になるというにふうに思います。先ほど部長が言いましたのは、追い払えばその分猿が遠くに行ってしまってまたほかのところで被害が出てしまう可能性があるということです。したがって、一番肝心なのは駆除をしていくということだというふうに思いますので、駆除に力を入れながら、そして特に被害の大きかったところにどう対応していけばいいのかということを前向きに検討したいと思います。猿だけではなくて、鹿や熊も含めてよく検討してまいりたいというふうに思います。 ○議長(中島源陽君) 暫時休憩いたします。    午前十一時五十二分休憩-----------------------------------    午後一時再開 ○副議長(長谷川洋一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。十五番境恒春君。    〔十五番 境 恒春君登壇〕 ◆十五番(境恒春君) みやぎ県民の声の境恒春でございます。議長からお許しをいただきましたので、大綱六点について質問をさせていただきます。 大綱一点、AIによる県の産業振興についてお伺いいたします。 先日、東京にて人口知能、いわゆるAIに特化した勉強会コミュニティーの運営と機械学習、データ分析スキルに特化した人材紹介を行っている株式会社ジェニオ、またAIソリューション開発、AI導入コンサルティング事業などを手がけるエーアイ・トウキョウ・ラボ株式会社を視察しAⅠの定義、AIを利活用した企業の生産性の向上、地方におけるAIの新規業務、事業創出効果等についてそれぞれ代表と意見交換をさせていただきました。ことしの二月定例会一般質問にてAIやIoT、モノのインターネットを活用することで産業構造を大きく転換しようという第四次産業革命について国が進めているAIによる自動運転が実現すれば、自動車産業は製造業から移動サービス業へ転換が予測されるなど第四次産業革命は社会のあらゆる分野に大きな変革や影響をもたらすと想定される中で、この第四次産業革命を活用した我が県の産業振興に関する将来ビジョンについて知事の御所見をお伺いいたしました。県としてはIoTや自動運転に関するセミナーの開催、デジタルエンジニアリング技術の人材育成、宮城県IoT推進ラボにおける新しい地域型交通システムの構築に向けた取り組みを東北大学などと連携を図りながら展開をしているとのことでした。また第四次産業革命に対応した競争力のある企業の誘致や県内企業の生産性と技術力の向上を一層進め、県全体の産業振興に努めていきたいとのお話でしたが、その後の取り組み状況について知事にお伺いいたします。 ことし六月の日本経済新聞に「世界の株、時価総額最高。IT勢にマネー流入」という記事が掲載されました。時価総額の上位には日本企業の姿はなく、アップルやアマゾン・ドット・コムなどのIT企業など一位から八位がアメリカ企業で占められ、九位、十位に中国企業がランクインしておりました。日本企業はITが主導する技術革新の波に乗れず大きく出おくれ、十年前に世界十位だったトヨタ自動車は三十八位に大きく後退しておりました。以前は資源や銀行が中心だった時価総額上位企業の顔ぶれはここ数年で一変し、IoTなどで新市場をつくり出すIT企業に資金が集中し、高株価が成長を加速させる好循環が生まれているようです。現在時価総額が一千億ドルを超す企業は世界で七十八社あり、このうちITビジネスを主力とする企業は十三社と約二割を占めております。IT企業に投資マネーが集まるのはIoTやAIなど新技術を駆使したビジネスモデルに対する期待が膨らんでいるからであり、IT企業が先導する技術革新により今後ますます産業構造等が大きく変化し、更なる新しい技術やサービスの需要が生まれてくることが予想されます。ことし五月佐賀県は佐賀大学発のベンチャーで、スマホ管理や遠隔操作のソフトウェア開発に強みを持つオプティムとAIやIoTの活用推進に向けた包括連携協定を締結しました。同社は東証一部上場後も本店は佐賀県に置き、ドローンを使った農作物や養殖ノリの品質、収量向上、病害対策、作業軽減などに取り組むとともに個別分野で提携をしてきた農業、漁業分野を今後、全産業、前県域へと拡大し、センサーを活用した在宅医療や子育てのほかインフラ整備や防災、人材育成などでの開発も進めていくそうです。佐賀県の山口祥義知事は佐賀県全体をトライアル・フィールドとして失敗を恐れずトライしてもらいたい。我々もトップランナーになるんだという志を持ってやっていきたいと述べております。村井知事は平成三十五年までのみやぎ発展税の課税期間延長にかかる宮城県県税条例の改正案を九月議会に提出しておりますが、みやぎ発展税の活用に関して県内の経済団体や市町村などの関係機関からはIoTやAIなどでイノベーションが起きている情報産業の更なる活性化に向けて予算化を図るべき、今後製造業中心の産業構造が変化すると言われていることからIT産業など新しい分野にも目を向けていく必要があるといった意見が寄せられております。このような関係機関からの意見にしっかりと耳を傾け、佐賀県の事例も参考にし、世界的な時代の流れから取り残されることのないようにAIをみやぎ発展税の活用施策に積極的に反映をさせていく必要があるかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 大綱二点、IT企業の誘致についてお伺いいたします。 宮城県では富県宮城の実現、県内総生産十兆円の目標を達成するためにものづくり産業、製造業の振興に取り組んでおり、その中でも自動車関連産業、高度電子機械産業、エネルギー産業などに重点的に企業誘致を行ってきました。その施策の一環として製造業の誘致や振興に寄与する開発系IT企業、いわゆるソフトウエア開発企業の誘致に力を入れ、宮城県情報通信関連企業立地促進奨励金を交付することで立地する企業の初期投資軽減への支援を行ってきました。ことし六月東京都新宿区にあるIT企業「ポート株式会社」の春日博文代表取締役CEOとお話をさせていただく機会がありました。本社を東京に置くポート株式会社はスマートフォン向けバーティカルメディア事業、遠隔診療事業、採用コンサルティング事業、地方創生事業を主に行っておりますが、もともとは人材派遣業であり、そのネットワークを活用し社会問題の解決に向け業務を拡張する中で地方創生と商店街の再生という観点から、昨年宮崎県日南市で初めてのIT企業としてサテライトオフィスを設置し、全国のIT企業のサテライトオフィスの集結を後押しすることで空き店舗を解消し、シャッター街となっていた約四百メートルの商店街を再生させた実績を持つ企業です。ことし七月には同社より御案内をいただき、宮崎県日南市にあるポート株式会社日南オフィスを視察してまいりました。日南市役所商工政策課の皆さんとも意見交換をしてまいりましたが日南市は「創客創人」を掲げ、雇用の創出と商店街の活性化に重点的に取り組んでおり、ポート株式会社進出後、広告配信やソーシャルゲームの制作、運営会社等の情報サービス関連会社が多数進出し、それ以外にもカフェ、レストラン、ゲストハウス、雑貨屋、美容室、認定こども園などさまざまな業種の方々が進出し、シャッター街だった商店街はにぎわいを取り戻しておりました。日南市とカツオ一本釣りで縁が深い私の地元気仙沼市では総務省からのふるさとテレワーク推進事業の採択を受け、復興ICT拠点整備先導プロジェクト事業を進めております。本プロジェクトは学校統廃合で利用されなくなった廃校舎をオフィスとして改修し、都市部ICT企業向けサテライトオフィスやICTに関連した起業、創業者の事業拠点となるオフィス整備を行うもので、現在IT企業二社が進出に前向きな意向を示しております。気仙沼市の産業構造は水産業への偏りが強い傾向があるため産業のバランスをとり、企業誘致を通して職種の幅を広げ、UIターンの促進と人口流出の抑制に歯どめをかける意味で大変有効な事業であると思っておりますが、二社では寂しい、地元採用も数人程度では効果が薄い。IT企業がもっと進出して来れば若者が地元に帰ってくる。そういった地元住民の意見が私のもとに多く寄せられております。企業の更なる進出を促すためには誘致を後押しする補助内容は大事な決定要因になります。日南市の例を挙げますと、ポート株式会社が日南市に進出するに当たり迷っていたときに崎田恭平日南市長は情報サービス施設等に係る奨励措置として、開設準備の旅費と募集経費の八〇%を負担する開設補助金や人材育成費の八〇%を補助する人材育成費補助金を新たにトップダウンで創設をしたことで進出の後押しをし、結果日南市への十一社のIT企業誘致につながったそうです。先ほど大綱一点目で申し上げた関係機関からの声にもありますとおり、今後、ITまたAI産業などの新しい分野にも目を向けて産業振興の新たなステージへ向かうべく、県としてIT企業誘致に対する奨励措置の拡充、補助金の創設を行うべきと考えますが知事の御所見をお伺いいたします。 また気仙沼市のICT関連産業への新たな取り組みについて県としてどのような形で連携又は支援をしていくのか知事の御所見をお伺いいたします。 大綱三点、手話言語条例の制定についてお伺いいたします。 ことし七月神奈川県庁を視察し、保健福祉局福祉部の方々と手話言語条例についての意見交換をさせていただきました。神奈川県では、ろう者とろう者以外の方が相互にその人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会の実現を目指して、全国的にもいち早く平成二十七年四月に神奈川県手話言語条例を施行いたしました。平成十八年国際連合において障害者の権利における条約が採択され、手話が言語であることが明記されました。日本においてはこの障害者権利条約の批准に向けた国内法の整備が進められ、平成二十三年に改正された障害者基本法において障害者の定義が見直されるとともに障害者権利条約の障害者に対する合理的配慮の概念が盛り込まれ、あわせて手話が言語であることが明記され、その後平成二十六年日本は障害者権利条約を批准しました。神奈川県では手話に対する理解を推進するために条例を制定し、手話は手や指、体の動きなどを用いる独自の語彙及び文法体系を有し、ろう者とろう者以外の者が互いの人権を尊重して意思疎通を行うために必要な言語であるとして手話の普及等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため手話の普及等に関する手話推進計画を策定し実施しております。全国では十三府県が手話言語条例を制定し、東北におきましては山形県と秋田県がことしに入り条例を制定しております。県として聴覚障害者とそれ以外の人が共存できる地域社会を目指し、手話の普及、手話に関する教育や学習の振興、手話をしやすい環境の整備の実施等を含め手話言語条例の制定を前向きに進めるべきと考えますが知事の御所見をお伺いいたします。 大綱四点、アニマルウェルフェアについてお伺いいたします。 ことし八月東京都渋谷区にある認定NPO法人アニマルライツセンターを視察し、岡田千尋代表理事とアニマルウェルフェアについての意見交換をさせていただきました。アニマルウェルフェアとは動物が意識や感覚がある存在であることを理解し、たとえ短い一生であっても動物の生態や欲求を妨げることのない環境で適正に扱うことを意味するヨーロッパ発の考え方で、日本では動物福祉や家畜福祉と訳されてきました。一九六〇年代のイギリスでは工業的な畜産のあり方への批判が高まり、その後イギリス政府が立ち上げた委員会において「全ての家畜に、立つ、寝る、向きを変える、身づくろいする、手足を伸ばす自由を」という基準を提唱。こうした動きを受け、家畜の劣悪な飼育環境を改善させ、ウェルフェアいわゆる満たされて生きる状態を確立するために空腹と渇きからの自由、不快からの自由、痛みや傷、病気からの自由、正常な行動を発現する自由、恐怖や苦悩からの自由の五つの自由が定められ、現在ではあらゆる動物のウェルフェアの基本として世界中で認められております。ことしの六月には二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて諸外国の基準に合った畜肉にしていかなければならないと、民進党の篠原孝衆議院議員、小川勝也参議院議員が呼びかけ人となりアニマルウェルフェア研究会も開かれております。日本には現在畜産動物の飼育方法について実行力のある法規制はなく、諸外国が禁止をしているバタリーケージや妊娠豚用ストールも日本では一般的に使用されている状況です。バタリーケージとはワイヤーでできたケージの中に鶏を入れ、それを何段かに重ねて飼育する方式で、周りを全て金網で囲まれ、ケージの中には一本のわらも何もなくケージは二十センチかける二十センチ程度の大きさで身動きもできない状態です。日本の採卵養鶏場の九〇%以上でこのバタリーケージ飼育が行われているようです。また妊娠豚用ストールとは繁殖用の雌の豚たちを方向転換もできない一平方メートル程度のサイズのおりに入れ、受胎、流産の確認や給餌管理がしやすいよう日本の養豚の八三%で行われているものです。豚たちは一生のほとんどの時間をこのストールの中でたった一頭で過ごします。身動きすることもできない小さなおりに閉じ込められ、一生子供を産ませ続けられて殺される雌豚、麻酔もなく体を切断される子豚、日本の養豚産業では既にEU諸国で禁止となっている苦痛だらけの飼育法がいまだ主流になっているのが現状です。世界的に禁止又は廃止に向かっている採卵鶏のバタリーケージシステムや妊娠豚のストールシステムについて、強い農業づくり交付金や畜産クラスター事業の中でアニマルウェルフェア生産システムへの助成も可能になっており事例も出てきておりますが、これらを利用しアニマルウェルフェア生産システムへの移行を県として農家に促したり、又はアドバイスをするなどはしているのかをお伺いいたします。 また県としてアニマルウェルフェアに配慮をした生産システムへの補助金の交付についても検討すべきかと思いますが知事の御所見をお伺いいたします。 今後の畜産振興の観点からアニマルウェルフェアは必須であり、欧米では既に投資の指標としても取り入れられ始めており、中国なども含めてアニマルウェルフェアの向上が図られております。県の畜産物の評価を下げないためにもアニマルウェルフェアへの取り組みを県として積極的に行うべきと考えますが現在の取り組み状況とアニマルウェルフェアを取り入れた養豚の振興のための具体的な施策などがあればお伺いいたします。 多くの屠畜場には飲水設備がなく最大で二十二時間きれいな水が飲めない状態に置かれて殺されるそうです。宮城県食肉流通センターでは牛は飲水設備があるが豚はシャワーを飲水の代用としている。係留所の一部に飲水できる設備があるが、その他の部分はシャワーを代用にしているとのことでした。また誘導方法につきましても宮城県食肉流通センターは牛の場合は引き綱を引く、手で臀部などをたたく行為により誘導するとのことですけれども豚はスタンガンなどの電気式の追い立て道具、電動式の追い込み機や手による誘導としており、改善の余地があるかと思いますが県としての考えをお伺いいたします。 大綱五点、県における文化芸術の振興についてお伺いいたします。 本年八月十二日から九月十日までの期間せんだいメディアテークで「荒木飛呂彦原画展ジョジョ展inS市杜王町二〇一七」が開催されました。私も伺わせていただきましたが本県仙台市出身の漫画家荒木飛呂彦先生の代表作「ジョジョの奇妙な冒険」の誕生三十周年を記念した同展は仙台市をモデルとする杜王町を舞台としたジョジョ第四部、第八部を中心にカラー原画二百枚以上、作品本編の原稿百八十枚以上を展示。開催途中ではモノクロ原稿の一部入れかえを行い総原画展示数は約五百点。仙台での開催は五年ぶり二度目の開催となりますが全国から訪れた大勢の来場者で開催期間中は大変な活気と熱気に包まれました。また報道によりますと、仙台市民からは「仙台に住んでいてよかった」「ジョジョの舞台になっているのは地元の誇りです」と喜びの声が続出し、「ジョジョのために家族で宮城県に旅行に行ってくる」と遠方からジョジョ展を訪れるという人もいたそうで、経済効果も相当あったものと思われます。ジョジョ展に合わせ仙台市内各所では関連企画も行われました。仙台市は下水道のPRとシティーセールスを目的にジョジョの奇妙な冒険をデザインした下水道マンホールを市内九カ所に設置をするとともにジョジョのキャラクターを使った観光マップ「杜の都仙台魅知案内」を十五万部作成し、仙台の地名に見るジョジョワールドとのゆかりやジョジョマンホールの配置図をマップで紹介するほか仙台の食、観光、催しなどを紹介するパンフレットを配布、仙台市交通局ではジョジョ展を記念してジョジョデザインのICカード乗車券イクスカを一万枚発売しましたが、引きかえ券三千枚は約八分で完売、発売した一万枚も早期に完売し交通局の担当者は短時間での完売は想定していたが、やはりジョジョの人気はすさまじいと話しております。二〇〇九年にはフランスのパリにある世界最大級の美術館の一つでモナ・リザやミロのヴィーナスを初めとした貴重な文化遺産が数多く展示をされているルーブル美術館にも原画が展示、二〇一三年にはグッチのクリエイティブディレクター、フリーダ・ジャンニーニとのコラボ全世界七十店舗を超えるグッチ直営ショップのウィンドーにて展開されるなど荒木先生の作品は日本国内はもとより海外においても高い評価を得ております。そこで世界的に活躍をされている荒木先生に県民に復興への希望と活力を与えていただくとともにこれまで以上に宮城の魅力をPRしていただくためにも、みやぎ絆大使の委嘱をお願いしてはどうかと思いますが知事の御所見をお伺いいたします。 青森県立美術館ではニューヨーク近代美術館やロサンゼルス現代美術館に作品が所蔵されている現代美術の第二世代を代表するポップアート作家である奈良美智さんの立体作品である「あおもり犬」や絵画を常設展示しております。本県でも世界的に高い評価を得ている荒木先生の原画や漫画のキャラクターの立体像などを宮城県美術館でも展示すべきと知事に御提案をいたしますが知事の御所見をお伺いいたします。 大綱六点、気仙沼大島架橋事業についてお伺いいたします。 ことし八月付の地元三陸新報にて「県が事業主体となっている気仙沼大島大橋の建設事業は年度内の舗装工事発注に向けて順調に進んでいるが、県勢計画に位置付けられてから、五十年来の悲願の架橋。二〇一八年度の完成はもちろんだが、一日でも早く供用見通しを示してもらいたい。仮に多少遅れようとも明日への希望につながる。」と論じております。地元気仙沼市では同様の意見が多くを占めております。仮に多少おくれる場合でも供用の見通しを示すべきと知事に御提案をいたしますが知事の御所見をお伺いいたします。 また県では暫定供用は考えていないと示していますが、仮に悪天候の際のフェリー欠航に救急患者の輸送や災害発生時にも暫定供用は考えていないのでしょうか。私は柔軟に暫定供用も考えるべきと御提案をいたしますが知事の御所見をお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。 御清聴まことにありがとうございました。 ○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 境恒春議員の一般質問にお答えいたします。大綱六点ございました。 まず、大綱一点目、AIによる県の産業振興についての御質問にお答えをいたします。 初めに、第四次産業革命に対応した産業振興の取り組み状況についてのお尋ねにお答えをいたします。 政府が未来投資戦略二〇一七において生産性の向上を図り、中長期的な成長を実現するためのかぎとして位置づけている第四次産業革命は県内企業における品質、コスト、納期等の改善に寄与するものと認識をしております。このため県ではこれまで高度電子機械産業、自動車産業、情報産業の各分野で技術センターや人材育成に取り組んでまいりましたが、最近ではIT企業が集中的に立地し、メカとソフトの融合分野の誘致も実現いたしました。また今年度は中小企業におけるIoT導入モデル創出に向けた検討会、産業技術総合センターによる実践的な3Dプリンターの研究会などを新たに開催しております。このように新たな分野にも力を入れながら今後も県内企業の生産性と技術力の向上を図り第四次産業革命に対応した産業振興に努めてまいります。 次に、みやぎ発展税のAⅠ関連施策への積極的活用についての御質問にお答えをいたします。 AIについては我が県においても東北大学がAIシーズの実用化を図るため製造業分野における不良品検知や産業用ロボット向け画像認識システムなどの実用化に向けた実証を進めております。県では東北大学と連携してAIを活用した画像判定装置の開発に取り組んでいる地元IT企業に対しみやぎ発展税を活用して支援してまいりました。引き続きAIに関する情報収集に努めながら関連する要素技術に強みを有する地元企業における先端技術の習得やIT商品の開発を支援してまいります。 次に、大綱二点目、IT企業の誘致についての御質問にお答えをいたします。 初めに、奨励措置の拡充や補助金の創設についてのお尋ねにお答えをいたします。 IT企業の誘致についてはこの一年においても九件の開発系IT企業が県内に立地しており、今後も更に誘致に取り組んでまいります。御指摘のありました新しい分野のIT企業の誘致に向けた支援につきましても対象とする範囲や費用対効果など取り組む上での課題を整理しながら検討してまいりたいと思います。 次に、ICT関連産業に係る気仙沼市の取り組みへの県の支援についての御質問にお答えをいたします。 県においては市町村との合同での企業訪問やIT産業版の復興特区制度や奨励金制度の活用を通して市町村の取り組みを支援してまいりました。今後とも市町村と情報を共有化し、連携しながらICT企業の開発拠点、本社機能、サテライトオフィスなどの誘致活動や産業振興策を着実に支援してまいります。 次に、大綱三点目、手話言語条例の制定についての御質問にお答えをいたします。 手話の普及は聴覚障害のある人もない人も共生できる地域社会の実現のため、大変重要であると認識しております。このため県では聴覚障害者情報センター「みみサポみやぎ」を拠点として手話通訳者の養成や手話が学べる場の情報提供などに取り組んでいるところであります。 一方、手話を日本語と並ぶもう一つの言語として位置づけ、誰もが手話を身につけて自由に使える権利はどこに住んでいてもひとしく享受されるべき権利であり、国の責任において法を整備し対応することが望ましいものと考えております。宮城県議会においても平成二十六年に手話言語法の制定を求める意見書を国に提出されておりますが、私が参画しております手話を広める知事の会でも国に対し早期の制定を働きかけることとしております。 なお、手話言語条例については他県の状況を参考としながら手話の普及を推進していく中で研究してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(長谷川洋一君) 総務部長佐野好昭君。    〔総務部長 佐野好昭君登壇〕 ◎総務部長(佐野好昭君) 大綱五点目、県における文化芸術の振興についての御質問のうち、漫画家の荒木飛呂彦氏にみやぎ絆大使を委嘱してはどうかとのお尋ねにお答えいたします。 みやぎ絆大使は宮城県にゆかりのある方々に宮城の魅力をPRしていただくとともに復興と更なる発展に向け、提言をいただくことを目的に現在八十九人の方に委嘱しております。仙台市出身の荒木飛呂彦氏はお話のありましたとおり大変な御活躍をされていることから、平成二十四年度にみやぎ絆大使の就任をお願いしたところ、残念ながら辞退されております。世界中のファンの方々が作品を通じ架空都市のモデルとなった仙台と震災復興への関心を高めていただいていると伺っており、県としても大変心強く感じております。荒木氏のますますの御活躍を期待しております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(長谷川洋一君) 農林水産部長武藤伸子君。    〔農林水産部長 武藤伸子君登壇〕 ◎農林水産部長(武藤伸子君) 大綱四点目、アニマルウェルフェアについての御質問のうち、国交付金の活用への助言と県による補助の検討についてのお尋ねにお答えいたします。 家畜のアニマルウェルフェア、すなわち家畜の快適性に配慮した飼養管理は家畜の能力が引き出されて健康になり、生産性の向上や畜産物の安全・安心につながるもので畜産振興の観点からも大切であると認識しております。公益社団法人畜産技術協会作成のアニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の飼養管理指針では最も重視されるべきは日々の家畜の観察や記録、家畜の丁寧な取り扱い、良質な飼料や水の給与等の適正な飼養管理により家畜が健康であることと定めており、県ではこの考えに基づいて飼養管理の指導等を行っております。こうしたことから施設等の整備において生産者から国交付金の利用相談があった場合は事業要件や生産者の意向を十分に確認し、安定した事業活動が継続できるかなどの総合的な観点から助言を行うこととしております。またアニマルウェルフェアに配慮した生産システムへの補助については畜産クラスター事業など国の事業が活用できることから、これらを用いて取り組みを支援してまいります。 次に、アニマルウェルフェアへの取り組み状況と養豚振興施策についての御質問にお答えいたします。 県では毎年全ての畜産農家に対し飼養衛生管理基準に基づいた指導を行っており、過密な状態で家畜を飼養しないことなどアニマルウェルフェアにも配慮を求めているところであります。更にアニマルウェルフェアは東京オリンピック・パラリンピックにおける畜産物提供の要件の一つとされるなど、畜産業を維持、発展させる上でその重要性は高まっております。県といたしましては、安全な畜産物の生産性の向上にも寄与するものとしてアニマルウェルフェアを包含する農業生産工程管理、いわゆる畜産GAPの認証が進むよう養豚業者を初めとする生産者に対する研修会、指導員の育成等を順次進め、アニマルウェルフェアの普及啓発に努めてまいります。 次に、宮城県食肉流通センターにおける豚の飲水や誘導方法についての御質問にお答えいたします。 宮城県食肉流通センターは県内での豚の屠畜の約七割が行われる拠点施設であり、平成十九年に包括的な食品安全システムの国際認証規格であるSQF認証を取得するなど安全で高品質な食肉の提供に努めております。御指摘のありました係留所の飲水設備については約千二百頭の収容頭数のうち八百頭程度をカバーするエリアで設置されております。さまざまな大きさの豚を収容するエリアでは一般的な給水施設ではけがや事故のおそれがあるため未設置となっておりますが、職員が家畜の状態を見ながらホースで給水すると伺っており、やむを得ないものと認識しております。また誘導はパネルを使って行っておりますが、どうしても豚が動かない場合に限り電気式追い立て道具を使用しているとのことであり、必要最小限の対応であると考えております。県といたしましては、今後施設の改修等を行う場合、飲水設備の整備を検討してもらうなど、より一層アニマルウェルフェアに配慮した運営を行うよう支援に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(長谷川洋一君) 土木部長櫻井雅之君。    〔土木部長 櫻井雅之君登壇〕 ◎土木部長(櫻井雅之君) 大綱六点目、気仙沼大島架橋事業についての御質問のうち、供用見通しについてのお尋ねにお答えいたします。 気仙沼大島大橋については大島の救急医療や災害時の緊急体制の確保及び地域振興を目的に東日本大震災からの復興のシンボルとして平成二十六年十一月に着工し、ことし三月末に橋梁本体の架設を完了したところであります。引き続き高欄等の交通安全施設や水道管等の占用施設の設置工事などを進め、平成三十年度末の完成に向け事業の進捗を図ってまいります。気仙沼大島大橋の供用の見通しについては今後、気仙沼市や交通管理者などの関係機関と調整を図り、早期にお示しできるよう努めてまいります。 次に、気仙沼大島大橋の暫定供用についての御質問にお答えいたします。 気仙沼大島大橋は橋梁本体工事を初め高欄などの交通安全施設工事や水道管などの占用工事に加え取りつけ道路の工事など、狭隘な現場に多数の工事がふくそうしている中、厳しい工程管理を行いながら平成三十年度末の完成に向け全力で工事を進めているところであり、現時点において暫定供用を行うことは困難と考えております。県といたしましては、今後の工事の進捗や安全管理体制の整備状況等を踏まえ一部区間の供用など暫定供用の可能性について検討してまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕 ◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱五点目、県における文化芸術の振興についての御質問のうち、美術館における荒木氏の作品の展示についてのお尋ねにお答えいたします。 荒木氏の作品ジョジョの奇妙な冒険に関しては一昨日までせんだいメディアテークで開催されておりましたジョジョ展を初め仙台市において観光マップの作成、ジョジョデザインイクスカの販売などを行っており、集客の面で大きな成果を上げていると承知しております。県美術館ではこれまで絵画のみならず、手塚治虫氏と石ノ森章太郎氏の漫画展、篠山紀信氏の写真展など多様なジャンルの展覧会を開催してきたところです。県美術館におきましては今後とも近接するせんだいメディアテーク等の施設とのすみ分けを考慮しながら漫画、アニメを含めた幅広いジャンルの展示を企画してまいります。 以上でございます。 ○副議長(長谷川洋一君) 十五番境恒春君。 ◆十五番(境恒春君) 御答弁ありがとうございました。 それでは、再質問をさせていただきます。 まずは、大綱一点目のAIによる県の産業振興につきまして、AIは過去の技術革新とは違いまして人が業務の中でICTなどの技術を活用するという仕組みから、人とAIはお互いが仕事上のパートナーとなって、これまで人が携わってきた業務の一部を代替することで業務の効率や生産性を向上させたり、これまで人が携わることができなかった業務を担うことでAIの新規業務、そして事業創出の可能性というのは地方において非常に可能性は高いなと私は思ってるんですけれども、県内特に仙台市外です。仙台市外におけるAIの新規業務、あとは事業の創出について知事の将来ビジョンをお伺いいたします。 ○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) どうしても定住人口が減っていく、若い人が減っていく中で人間の能力を十分に補っていただけるわけでありますから、特に人口減少が顕在化していく地域においては非常に可能性があるというふうに考えております。 ○副議長(長谷川洋一君) 十五番境恒春君。 ◆十五番(境恒春君) そうしましたら角度を変えまして、昨年神奈川県の川崎市そして静岡県の掛川市で三菱総合研究所などと共同で住民対話型のAIによる問い合わせ対応サービスの実証実験が行われまして、これは利用者がウェブサイト上で質問文やキーワードを入力すると人口知能が一問一答形式で回答するシステムで、今年度からの本格サービス開始を目指して今検討を進めているようなんです。県としてまず行政におけるAⅠの活用についてはどのように考えているのかをお伺いいたします。 ○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 将来的には当然我々の仕事の一部を担うということで検討していかなければならないというふうに思いますが、現時点においてはまだそれに対する信用性といいますか、これがまだ十分確立されておりませんので、この辺は将来の開発のスピードに合わせて県の業務にどのような形で導入していくのかということをよく検討したいと思います。当然それほど遠くない未来に導入することになるのではないかというふうには思っております。 ○副議長(長谷川洋一君) 十五番境恒春君。 ◆十五番(境恒春君) 今知事がおっしゃったとおりで、AIはここ十年以内ぐらいでもう世界を席捲するようになるんだろうというふうに私は思っておりますので、世界的な時代の流れからおくれないように我が県としても取り組みをぜひ進めていっていただきたいというふうに思います。 それでは、大綱五点目なんですけれども、県における文化芸術の振興。 今の御答弁ですと平成二十四年に荒木先生、みやぎ絆大使を御辞退されたということでしたので非常に残念だなというふうには感じております。先月みやぎ県民の声の会派で岩手県の盛岡市、気仙沼市と南三陸町を視察してきまして、岩手県庁で達増拓也知事を表敬訪問した際に通された応接室で、荒木先生が大震災からの復興に取り組む決意などを盛り込んだ東北復興平泉宣言のイメージイラストを書きおろした絵が飾られておりました。また昨年の希望郷いわて国体と全国障害者スポーツ大会を記念して荒木先生のいわて人間賛歌も知事室に飾られていて、知事大変絵をいただいて喜んでいたんです。県として文化芸術の果たす役割の重要性どのように捉えて、そしてまた文化芸術の持つ力、どのように活用していくのかだけ最後にお伺いいたします。 ○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 文化芸術というのは人間の心を豊かにするということであります。特に震災からの復興、ハードの復興から、これからソフトというふうに言っておりますけれども、福祉、教育も重要なんですが、その中で文化芸術というのは極めて重要なファクターだろうというふうに思ってございます。私の部屋には荒木先生の作品は展示しておりませんけれども、そういうものも知事室等に展示しながら来られたお客様に紹介できるようにしてまいりたいというふうに思います。 ○副議長(長谷川洋一君) 三十六番只野九十九君。    〔三十六番 只野九十九君登壇〕 ◆三十六番(只野九十九君) 質問の前でございますけども、きのうまで開催されました第十一回全国和牛能力共進会が盛会裏に閉会したことにつきまして知事に改めて御礼を申し上げさせていただきたいと思います。大会においては県産品牛が九州勢の大変強い中で総合で四位に入りました。とりわけ二区では小野寺正人さんが所有の「さいぜんれつ号」が見事全区通じて九州以外でただ一頭、県産牛では初めて悲願の日本一を宮城県にもたらしました。恐らくこのことは県内外の畜産農家に光を当てたというふうに思います。改めて知事、生産者初め関係各位の努力に心から感謝を申し上げますとともに今後はなお一層仙台牛のブランド力の向上に努め販売促進につなげていただきたいというふうに思います。手前勝手で申しわけございませんが最後につけ加えさせていただきたいと思います。小野寺さんは私と同じ登米市在住の畜産農家でございます。 では、続けて大綱三点について質問させていただきたいと思います。 大綱一点目、介護保険と養護老人ホームについてお伺いいたします。 日本の高齢者福祉対策は老人福祉法が制定された一九六〇年代に始まり、特別養護老人ホームの創設やホームヘルパーの法制化などが同時期にスタートしました。そして急速に進む高齢化の中、一九九七年介護保険制度の導入を柱とした介護保険法が成立し、二〇〇〇年から介護保険が施行され現在に至っております。この介護保険導入の経過や意義については要介護高齢者の増加と核家族化の進行、介護する家族の高齢化などの社会的状況の変化の中で高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組み、介護保険を創設する必要があるという認識になったことが一番であったと言われてます。しかしこのような経過でスタートした介護保険制度は社会のあり方や家族のあり方の変化や介護に対する財政上の問題や介護サービスメニューの多様化などの中で制度は二〇〇〇年の施行後三年ごとの介護報酬の改定に合わせる形で平成二十六年度まで四回改正してまいりました。平成二十六年の改正では地域包括ケアシステムの構築をうたい、在宅医療、介護連携の推進を進める地域支援事業の充実にあわせ訪問介護、通所介護などの予防給付を地域支援事業に移行するとしました。この地域包括ケアシステムの最大のポイントは高齢者が住みなれた地域で介護や医療、生活支援サポートなどのサービスが受けられるよう市町村が中心となり住まい、医療、介護、生活支援、介護予防などの体制を包括的に整備していくという点であります。そしてこの地域包括ケアシステムを団塊の世代がみんな七十五歳以上になる二〇二五年までの確立を目指して自治体は今動き出しております。この地域包括ケアシステムは国が言う重度要介護者になってもなるべく長く住みなれた地域で暮らすという考え方のもと施設から在宅へケアの場を移行していこうとしている点であります。主体である自治体では二〇二五年に向け体制を整備していくはずですが、このシステム連携の中心の一つは各地域に存在する地域包括支援センターだと考えられております。二〇一二年の四月現在で全国で四千三百六十六カ所が設置されており、その運営主体は自治体が直接やっているところや事業所に委託しているところもあります。まさに地域包括ケアシステムの充実度はその地域の自治体の考えも含め地域力に負うところが大きいと言われております。 そこで、伺います。 このシステムは地域全体で医療や介護、行政との垣根をなくし連携することが大事でありますが、現実この宮城県は医師数や高齢化率が極端に偏在したりばらつきがあったりしています。このことで医療サービスや介護サービスの提供にばらつきが出たり医師不足の中での医療、介護、行政の連携がスムーズにいかなくなると幾ら住みなれた地域とはいえ、高齢者の転居などが考えられ地域格差ができるのではと思うのであります。このことについて県はどのように考えているかお聞かせください。 また地域包括支援センターについてでありますが、地域包括ケアシステムを成功させるには包括支援センターが中心に行う地域ケア会議の充実が大事であるが、現状、会議の活動状況は県内ではどのようになっているかお聞かせください。 また医療と介護は別だと言う医療関係者がいる中でNPOや介護事業所や行政を含めた連携が本当にスムーズにいくのか心配ですが県の考えをお聞かせください。 次に、今回の介護保険法の改正の中で特別養護老人ホームの新規入所者を原則要介護度三以上に限定しました。県も知事の政策で特老に入所希望者を介護度三以上の自宅待機者をゼロにすることでやってきた結果、総定員数は平成十七年度に比べ平成二十六年度は一・六九倍に、要介護度認定者一万人当たり整備定員数も九百三十一人から一千二百四十七人になり全国比較では四十六位から二十六位にアップしましたが、全国的に見ますと古いデータではありますが二〇〇九年から二〇一三年の四年間では特別養護老人ホームへの入所申し込み者数は四十二万一千人から五十二万三千人に増加しています。我が県においても特別養護老人ホームの定員目標を平成二十七年は一万一千百五十四人、平成二十九年は一万二千百四人としていますが、今後包括ケアシステムを中心に進める介護保険制度において平成三十年からの第七期高齢者元気プランにどのように反映しようとしているか県の考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に、平成二十六年度の介護保険制度の改正の中、全国一律の予防給付事業、訪問介護、通所介護を市町村が取り組む地域支援事業に移行し多様化すると書かれていますが事業者にお聞きしますと、地域支援事業の中に創設された総合事業は介護報酬の単価が現行制度よりも減額されるため事業所としてはやりたいと思える事業ではないとの考えも聞きますし、全国的には住民参加型、NPOボランティア団体による総合事業は訪問、通所、介護のどちらにも利用が低調だと聞いていますが、県内の自治体の取り組み状況はどうなっているかお聞かせください。 次に、我が県の介護職員の需給推計によりますと二〇一七年の需要見込みは三万四千八百七十八人に対し供給見込み数は二万九千四百四十七人で充足率は八四・四%であり二〇二五年では四万五千五百三十二人に対し三万一千三百九十六人で充足率は六九%で一万四千百三十六人不足だと推定しており、日本全体では二〇二五年に約三十六万人ほど介護職員が不足すると推定されております。県でも二十六年六月に県内の介護関係団体等が参画し介護業界全体として介護人材確保策の検討を始めました。また本年は県でも県内に在住する外国人の受験資格緩和に向けて国家戦略特区の申請方針を固めたと新聞報道されていました。更にEPA等外国人の国家資格取得に向けた特別講座も開講したと聞いていますが現状の活動状況はどうなっているのかと、今後外国人の介護職員確保対策はどう考えられているかについてもお聞かせください。 我が県としても介護職員の確保は二〇二五年に向けて喫緊の課題であります。県は国に対しても外国人介護職員の確保対策について柔軟に対応するよう強く要請する時期だと思いますが知事のお考えをお聞かせください。 次に、私は訪問介護を主体とする会社の株主総会に提出された事業報告を見させていただく機会があり、その中には介護職員確保策の第一は職員の所得をアップさせるとともに退職金制度を制定するなど継続的待遇改善を行い、一般的な介護現場の3Kイメージを払拭し魅力ある環境を整えていくことが大事で、今後もやり続けなければいけないと書いておりました。求人活動では上記の待遇改善などを前面にPRしたところ、応募者もふえたそうであります。職員の確保対策において職員の待遇改善が一番必要で、そのために会社においては各種の加算の取得は絶対必要だとも書かれていました。 そこで、伺いますが、現在各事業所が申請できる加算事業はどのぐらいあるのか、また県内事業所の取得状況はどうなってるかについてお聞かせください。 報告では職員の待遇改善を進めるためには会社の収益性を高め、より質の高いサービスを提供する会社になることが大事であり、そのために加算を取得できる会社になることが必要であるとはっきり書かれておりました。県にはしっかりと各事業所の加算取得対策を支援してほしいと思いますが県の考えをお聞かせください。 次に、養護老人ホームについて伺います。 養護老人ホームは明治時代に生活に困った高齢者のためにつくられた養老院がモデルになっております。もともと国のサポートなしの慈善活動家の活動の一環として運営されておりましたが、時代の流れの中で一九六三年老人福祉法が制定されたのを受け、高齢者の生活保護を担う養老施設は養護老人ホームという名称になり、運営主体が社会福祉法人や地方公共団体に委ねられて今に至っております。宮城県には現在九つの施設があり定員が七百十六人になっており、入所者数は平成二十九年四月一日現在全部で六百四十二人で入所希望者数は二十一人になっております。また一九六三年の老人福祉法で運営してきた老人ホームは二〇〇〇年介護保険制度の導入と二〇〇五年の介護保険制度の改正により特定施設入居者生活介護の事業者指定を受けた場合は養護老人ホームにおいてデイサービスの入浴や食事サービスや生活支援など介護保険の居宅サービスを利用することができるようになってきています。現状県内の養護老人ホームの入所状況は七十人ぐらい空いている状況で入所希望者も若干二十人ぐらいでありますが、今後もこのような状況が続くと予想している施設関係者が多くいます。またこの空き室と同じように利用が進まない措置対応用の養護老人ホームに併設されている短期入所施設とともに介護保険が適用される特別養護老人ホームや短期入所施設として利用できるようにしてほしいとの声が施設関係者の声として聞きますが、県としての考えをお聞かせください。 また先ほど述べた養護老人ホームの利用者が少ないのは、行政によって社会費用の増大などの中で養護老人ホームの措置を控えているとの声も聞きます。県としてこの措置控えのようなことができないよう何らかの目安を市町村に示すことが大事だと思いますが、このことについて目安を考えていないかお聞かせください。 次に、大綱二点目、減反廃止後の米づくりについてお伺いいたします。 我が県を取り巻く農業、とりわけ稲作についてですが減反廃止が平成三十年産米から始まります。県農業再生協議会では今までの生産数量目標についてどう考え、どのようにしようとしているのかお聞かせください。 このような米づくりの大変換の三十年に向けて消費者対応に自信のある各地の大規模農家や農業法人、組合などは今回の減反廃止の決定をビジネスチャンスと捉えて生産拡大、そして販売方法を変えようとしているようであります。秋田県のある農協の代表は主食用の米の生産を二〇一八年から三年かけて四〇%ふやし、組合として農家が米をたくさんつくることで経営が成り立つようにすることを主眼に売り先との関係強化で乗り切ろうとしています。また新潟県の農業法人では売れる米を売れる分だけつくると話し、生産環境を整備すると話しております。このような生産者や農協などの集荷者も含め平成三十年の減反廃止に向かったいろいろな考えを持っているようであります。更に日本の集荷事業者として最大の全農では米の小売りや外食に直接販売する比率を今の五〇%から七年後に九〇%まで拡大し、また農家から直接全農が買い取る割合を八年後に七〇%まですると考えているようであります。県として今回の改正が農業農家に与える影響がどのようになると考えているかお聞かせください。 次に、米の食味検定について伺います。 県内産の「ひとめぼれ」は日本穀物検定協会による二〇一六年産食味ランキングで宮城米として検定制度が始まってから初めて特AからA評価にランク落ちしたことが発表され県内農家に衝撃が走りました。この協会は良質米づくりの推進と米の消費拡大に役立てるため、昭和四十六年産より全国規模の代表的な産地品種について食味試験を行い、その結果を毎年食味ランキングに取りまとめて発表しているとのことであり、二十八年産米は百四十一産地品種について試験を実施し、特Aが四十四点、Aが七十九点、‘Aが十八点であったとの発表でありました。この食味ランク落ちについて農協関係者に聞くと米の消費の主流になりつつある、おにぎりや弁当などの中食の販売の多いコンビニエンスストアの買い付け条件の中に特Aの米と指定しているところもあり、食味ランキングは販売に直接影響があるとのことでありました。そのような状況の中ひとめぼれ特A奪還を期す県主導による指導者向け技術研修会が開催され、予定よりも想像以上の参加者だったそうで、関係者の危機感が相当なものだったようであります。この研修会の中で参加者のグループ討議が行われ、現場の声として各グループからは経営規模が大きくなり適期作業が難しくなり、このことの食味に与える問題についてなど議論されたそうであります。私は今回の研修会を機に今後の稲づくりにはよりきめ細かな技術研修が今後必要になるだろうと思うのであります。現状の米づくりは米の消費減少、更に農家、農業の担い手不足の中、農地を集積し大規模農業を実現することが農地を守り農業を維持することにとって一番現実であるという中で、田植えも移植植えや、直播も、湛水直播や乾田直播などがあり、今後は転作なども含め稲作農業は大規模になっていきます。必然的に直播の面積はふえていくはずであります。我が県の直播面積は二十八年で二千二百五十八ヘクタールで五年前の倍近く作付けされました。近い将来直播が主力になり大規模に農業をやり、なおかつ県内米は環境保全米としての栽培制約もある中で特A奪還に向けた技術指導もいろいろな稲づくりに適した方法でやる必要があると思うが県の考えをお聞かせください。 更に特A米の必要性は本当に大事でありますが、それとは別に米づくりにおいても消費相手が中食や外食が多くなってくる時代に備えて品質もよい安い米づくりが必要になってきています。まさに農業経営は一俵幾らから一反幾らと考えなければいけない時代になっていくようであります。これは大規模に農業をやり経営をしていく上ではまさに今さらということになるかもしれませんが、本質的に米づくりが一俵幾らの時代から一反幾らの時代になってきたということになれば平成二十八年三月に改定したみやぎ食と農の県民条例基本計画では農業を産業として強くし、農村の維持を図り地域政策を展開し農業を若者が憧れる魅力ある産業に変革するとされておりますが、今回の農協法の改正や全農の米販売に対する考え方、減反の廃止などの中で変化する稲作経営と集落に対する県の考え方をお聞かせください。 また農業や農家の考え方が変化する中で県の組織そのものも変えてはと思います。青森県では農林水産部の中に青森県総合販売戦略課などがあり、法人の経営戦略からブランド品の育成や農産品の輸出や販売や生産品のマッチングなどをやっています。このような時期ですので宮城県としても考えてみてはと思うが県の考え方をお聞かせください。 次に、日本型直接支払制度について伺います。 この制度は農業の多面的機能の維持、発揮のための地域活動や営農活動に対する支援制度であり、支払いは農地維持支払いと資源向上支払いの二つがあり、それぞれ地域活動に支払われております。近年では参加団体も活動組織づくりもふえてきておるとのことでありますが、今後農業は大規模農業でかつ法人主体の農業経営に移行することが目に見えている中で現在の地域の共同作業による支払制度は農地を委託する農家がふえていく中では将来的には維持できないのではと心配しております。今の制度は制度として大規模な農業法人にも単独でこの制度が適用できるようにすることや改良区の活用も必要ではと考えますが県の考え方をお聞かせください。 次に、大綱三点目、宮城の文化財についてお伺いいたします。 平成二十八年四月二十五日文化庁が認定する日本遺産に宮城県が仙台市、塩竈市、多賀城市、松島町とも申請した「政宗が育んだ“伊達”な文化」が認定されました。またユネスコ無形文化財遺産に我が県の登米市東和町米川に伝わる国指定重要無形民俗文化財が他の九件と合わせ来訪神、仮面、仮装の神という名称で登録の提案がなされているそうであります。初めに「政宗が育んだ“伊達”な文化」の日本遺産を構成している施設や文化財はどのようなものなのか、また米川の水かぶりを含めたユネスコ無形文化遺産は現在どのようになっているかお知らせください。 地元で聞くと本当に登録されるかどうか心配だという声も聞きますので状況がどうなっているかについてお聞かせください。 このユネスコの登録の件がマスコミに取り上げられたり市の広報で知らされたりした結果、今年度水かぶりを見にきた人々は例年の三倍以上で二万人ぐらい来たそうであります。多くの外国人の方々も見受けられたそうです。また先ほど述べた日本遺産の認定の考え方には認定された文化遺産の歴史的魅力を積極的に国内外に発信し、地域の活性化と交流の促進につなげていくことが語られています。またさきの六月議会では多賀城の歴史博物館を生かした観光の活性化に多くの質問がありました。まさに県内にある文化財と博物館などの歴史を知ることのできる施設は観光を含めた地域の活性化にとって大事であります。県としてもサン・ファン館の将来のあり方も含め、もっと積極的に文化財と観光客の誘客について考えてみてはと思いますが県の考えをお聞かせください。 次に、宮城県の指定、選定文化財についてですが現在県で指定している文化財はどのくらいあるのかお聞かせください。 とりわけ民俗文化財の分類の無形民俗文化財の民俗芸能についてですが現在県内には国指定が三、県指定が三十七の合計四十が指定されていますが、県三十七カ所の指定は田植踊が十一、鹿踊・虎舞が九、法印神楽が十、他の神楽が二、ほかに能とか大衆踊りや山車などがありますが、ここに県北を中心に盛んに演じられている南部神楽は一つも指定されていません。民俗芸能を伝承している団体は県内では大小合わせて現在五百二団体あり、そのうち百六十七団体が神楽であり、内訳は南部神楽が八十九、十二座神楽が五十一、法印神楽が二十五、太神楽が四であります。数の上では一番多くありますが南部神楽は県の無形文化財に一つも指定されておりません。南部神楽は一八三七年ごろに生まれたとの記述もあり一八六二年の古書の中にも南部神楽のことが書かれております。なぜ指定されていないのか神楽に精通した人の話によりますと、発祥した年月が浅いこと、発祥した過程がよくわからないこと、神楽が幼稚拙劣でほとんど見るべきものがないとの考え方でありますが、現在県内に確認されている神楽の半分以上は南部神楽であり岩手県では南部神楽を仙台神楽と呼び、県内では栗原神楽とも呼んでいます。まさに宮城県の神楽であり百八十年以上も宮城県北の民衆に支援され続けてきた神楽でもあります。地域の多くの人が愛し、ある意味地域の民衆のこころの応援の中で現在に至っています。日本の民俗芸能神楽研究の第一人者であった石巻高校で教鞭をとったことのある故本田安次先生も、舞はほとんど見るべきことがないにしても宮城県で最もたくさん行われている民俗芸能であるので、その由来は整理すべきだと、昭和九年の自分の著書の中で述べています。県の指定基準があるにしても南部神楽の指定無形民俗文化財の指定を考えるべき時期に来ていると思うが県の考えをお聞かせください。 これで壇上からの質問を終わります。 御清聴まことにありがとうございました。 ○副議長(長谷川洋一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 只野九十九議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、介護保険と養護老人ホームについての御質問にお答えをいたします。 初めに、地域包括ケアに関して地域格差が生じることへの懸念についてのお尋ねにお答えをいたします。 地域包括ケアの推進に当たっては地域の限られた医療資源や介護サービスを有効に活用して切れ目のないサービス提供の基盤を構築し高齢者の生活を支えていく必要があり、そのためには医療や介護、行政などの緊密な連携が重要であると認識しております。県といたしましては、地域の実情に応じて必要なサービスが提供されるよう医療機関や介護事業所、行政、住民団体の関係者の顔が見える関係づくりを促進するなど地域格差が生じないように市町村の取り組みを支援してまいります。 次に、特別養護老人ホームの入所希望者数の第七期みやぎ高齢者元気プランへの反映についての御質問にお答えをいたします。 特別養護老人ホームについてはみやぎ高齢者元気プランに基づき整備を進めてきておりますが、昨年四月時点で入所希望者のうち優先的に入所が必要と考えられます在宅で要介護三以上の方は平成二十六年四月時点と比べると減少はしているものの、いまだ二千四百十六名おられます。現在、来年度からの第七期プランの策定に向けてことし四月時点での入所希望者数を調査中でありますが、特別養護老人ホームの整備計画についてはその調査結果をもとに市町村と協議しながら在宅系サービスの動向も勘案し、ニーズを的確に把握した上で検討してまいります。 次に、介護職員確保対策の現状と今後の外国人介護職員の確保対策及び国への要望についての御質問にお答えをいたします。 介護職員の確保は喫緊かつ重要な課題であることから平成二十六年度に県内の介護関係団体等で構成する宮城県介護人材確保協議会を設立し、合同入職式の開催や介護事業所の経営者向けセミナーなどの取り組みを積極的に行っているところであります。今後介護人材の確保の加速化を図るためには新たな担い手としての外国人介護職員の育成、参入を促進することが必要と考えております。このため今年度から新たにEPA等外国人向けの国家資格取得に向けた特別講座を開講し、現在六名を対象に大学等と連携を図りながら介護福祉士の国家資格取得に必要な知識や方言、慣習を取り入れた日本語の習得等を支援しております。また今年度中に介護事業所の経営者を対象に外国人介護職員の活用についてのシンポジウムを開催する予定であります。今後外国人介護職員の更なる確保を図るためにはこれまでの取り組みを超えた施策の展開が必要となることから、外国人介護職員の採用を検討している介護事業者等と意見交換を行いながら特区制度の活用などにより必要な規制改革の実施を国に対して求めてまいります。 次に、大綱二点目、減反廃止後の米づくりについての御質問のうち、生産数量目標の方向性についてのお尋ねにお答えをいたします。 平成三十年産以降の米政策改革への対応方針については平成二十七年十一月に設置した宮城県水田農業振興会議において検討を重ねるとともに生産者や農業団体など現場の意見を幅広く聞いてまいりました。これらの意見を踏まえことし四月に開催した宮城県農業再生協議会総会において対応方針を決定したところであります。この対応方針では国が示した米政策改革が目指す需要に応じた生産に向けて現場の混乱が生じないよう当面の間、県農業再生協議会が主体となり国が示す需給見通しや地域農業再生協議会の生産計画などを踏まえ、生産数量目標にかわる生産の目安を設定し地域農業再生協議会を通じて生産者まで提示する仕組みといたしました。県としては、県農業再生協議会と一体となり、この対応方針が生産者まで十分浸透し需要に応じた生産が実現されるよう取り組んでまいります。 次に、大綱三点目、宮城の文化財指定についての御質問のうち、文化財や文化施設を活用した観光誘客についてのお尋ねにお答えをいたします。 「政宗が育んだ“伊達”な文化」を初めとする我が県の魅力あふれる文化財や文化施設は極めて重要な観光誘客のコンテンツと考えております。このため文化財の魅力向上に努めるとともに日本遺産の認定を契機として伊達政宗公生誕四百五十年記念事業など、我が県の歴史や文化をアピールする情報発信、観光案内情報の充実に積極的に取り組んでいるところであります。 なお、サン・ファン館についてはことし八月に慶長使節船ミュージアムの今後のあり方検討委員会を設置し、慶長遣欧使節の偉業を後世に伝えていく方策や観光の視点を取り入れた誘客方策などについて検討を開始したところであります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。    〔保健福祉部長 渡辺達美君登壇〕 ◎保健福祉部長(渡辺達美君) 大綱一点目、介護保険と養護老人ホームについての御質問のうち、地域ケア会議の県内の現状についてのお尋ねにお答えいたします。 地域ケア会議は全市町村で開催されており、うち二十七市町村が地域包括支援センターごとに個別開催し、八市町が市町レベルでも開催しています。平成二十七年度は県内で九百三十七回開催され一センター当たり平均で約八回開催されております。地域ケア会議においては地域課題を関係者で共有するとともに多職種連携による個別ケース支援の手法の検討などを行っておりますが、より充実させていく必要があると認識しております。県といたしましては、今後も多職種協働に関する勉強会の実施や会議開催への助言を行うとともに市町村からの要請に応じ医師、看護師、保健師、リハビリテーション職員等の専門職を派遣するなど地域ケア会議の充実、強化に向けて支援してまいります。 次に、医療、介護の連携についての御質問にお答えいたします。 地域包括ケア推進のためには医療関係者の理解、関与が重要でありますので県といたしましては、在宅医療、介護連携推進事業等により市町村が進めている医療機関と介護事業所、NPO法人、行政等の連携の取り組みを支援しているところです。こうした中、医療と介護の関係者が入院から退院、在宅生活までの流れを相互に理解し患者が退院後に在宅での生活に円滑に移行できるような情報共有の仕組みを構築している地域もあります。県といたしましても、保健福祉事務所ごとに設置した地域包括ケア推進チームを中心に医療、介護等の積極的な連携推進に向け県内外の先行事例等も紹介しながら引き続き市町村支援に取り組んでまいります。 次に、県内市町村における新しい総合事業の取り組み状況についての御質問にお答えいたします。 新しい総合事業は二年間の実施猶予期間を経て、ことし四月から全ての市町村が取り組みを開始しております。このうち今年度に緩和した基準により、訪問又は通所いずれかのサービスの実施を予定しているのは十二市町村、同様にNPOやボランティア等による住民主体型のサービスについては六市町となっております。これらのサービスに係る単価については市町村が地域の状況やサービス提供内容に応じて設定できるようになっており、現在は地域の実情に合わせた新しいサービスの提供体制が構築されつつある状況と認識しております。 次に、介護保険事業所が申請できる加算事業数と取得状況についての御質問にお答えいたします。 現在介護保険事業所が申請できる加算は居宅系サービスで七十三種類、施設系サービスでも七十三種類の計百四十六種類あり、県内事業所における取得状況は居宅系サービスにおいては約九一%の事業所が施設系サービスでは約九三%の事業所が何らかの加算を取得しております。しかし個別に見ますと、例えば訪問介護事業では特定事業所加算を取得している事業所が現時点では約三七%にとどまっているなど加算制度の更なる活用が必要と考えております。 次に、事業所の加算取得対策についての御質問にお答えいたします。 現在県では保健福祉事務所ごとに実施している介護保険事業所を対象とした集団指導の際に加算制度の周知を図っているほか、実地指導や個別相談等の機会にもアドバイスを行っております。また国においても労務環境改善に関するコンサルタントの派遣などを行っているところです。しかしながら、いまだ県内の事業所が加算制度を十分に活用しているとは言えない状況にありますので、今後関係機関と連携を図りながら加算取得による収益向上を図っている事業所の事例を紹介するなど加算の取得に向けた支援を行ってまいります。 次に、養護老人ホームの空床を特別養護老人ホームや短期入所施設に転用することについての御質問にお答えいたします。 養護老人ホームは環境上の理由や経済的理由により居宅において養護を受けることが困難な高齢者が入所する施設で、ことし八月一日現在県内には九施設あり、定員総数七百十六人に対し入所者数は六百五十名で約一割の空床が生じています。養護老人ホームの一部を介護保険が適用される施設へ転用することは空床の活用策の一つであると考えます。活用のためには介護保険法上の人事配置基準や施設の設備基準を全て満たす必要があり、また措置権者である市町村には低所得高齢者や単身高齢者の増加が予想される中で他利用への転用には慎重な意見もございますが、県といたしましては、事業者から相談があった場合には県全体の空床数や待機者数、市町村の意見等を総合的に勘案し、可否について判断してまいりたいと考えております。 次に、養護老人ホームの措置控えについての御質問にお答えいたします。 県がことし五月から六月にかけて養護老人ホームが所在する市町に対して行ったヒアリングによると高齢者に提供できるサービス及び施設の選択肢がふえていることや介護度が高い高齢者には介護サービスを提供する場合が多いとのことであり、市町が措置を控えているという状況は確認できませんでしたが、今後とも市町村の実情を把握してまいりたいと考えております。 次に、養護老人ホームの措置に関する指針を示すことについての御質問にお答えいたします。 養護老人ホームへの措置については市町村が国の指針に基づき入所判定委員会を設け、入所措置の要否について適正な判断がなされていると認識しており、今後とも適切な運用を行うよう助言してまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(長谷川洋一君) 農林水産部長武藤伸子君。    〔農林水産部長 武藤伸子君登壇〕 ◎農林水産部長(武藤伸子君) 大綱二点目、減反廃止後の米づくりについての御質問のうち、米政策改革が農家に与える影響についてのお尋ねにお答えいたします。 平成三十年産以降の米政策改革は経営規模の拡大や販路開拓などを積極的に展開しようとする農家にとってはみずからの経営戦略を考え実践するよい契機になると考えられます。 一方、仮に米の需要量を上回る過剰生産が行われると需給バランスが乱れ米価下落を招き、農家経営の悪化が懸念されるところであります。県といたしましては、米の需要に応じた生産に取り組むことが重要であることから、宮城県農業再生協議会において生産の目安を設定し契約栽培等の推進による売れる米づくりや水田フル活用による麦、大豆、園芸作物等の振興により米の需給バランスの安定化を図ることとしております。 次に、稲作の多様化を踏まえた特A奪還に向けた技術指導についての御質問にお答えいたします。 稲作経営の規模拡大に伴い直播栽培やおくて品種との組み合わせに取り組む稲作農家が増加しており、またJAグループでは環境負荷軽減のための環境保全米の取り組みを推進するなど県内における米づくりは多様化しております。このような中、宮城県米づくり推進本部では「ひとめぼれ」の特A評価の奪還に向けて適正な肥培管理の実施や適期刈り取りの励行などの四つの技術対策を決定し、研修会などを通じて生産者に指導徹底を図っているところであります。これらの技術指導に当たっては移植栽培、直播栽培、環境保全米など栽培法の違いを考慮して技術資料を作成するとともに移植栽培と直播栽培では生育ステージが異なることから、それぞれ別に現地検討会を実施するなどきめ細かな対応を行ってきたところです。県といたしましては、今後とも関係機関と連携し、多様化する米づくりに対応した技術指導を丁寧に行っていくことで特A奪還に向けしっかりと取り組んでまいります。 次に、これからの稲作農業に対する県の考え方についての御質問にお答えいたします。 これからの稲作農業については農協が自由な経済活動を行う農協法の改正、全農による米の直接販売など農業競争力強化プログラムの取り組み、平成三十年産以降の米政策改革などを踏まえ稲作農家の所得を向上させることが重要な課題であると考えております。このことから県では、水田フル活用による競争力のある水田農業を展開するため麦、大豆や園芸作物などの生産を振興するとともに経営の大規模化や直播栽培を初めとする省力、低コスト稲作への支援、業務用米の取り組み拡大によって収益の安定化を図ってまいりました。更に多様化する米の需要に対応するため新品種「だて正夢」や「金のいぶき」を戦略的に導入し「ひとめぼれ」「ササニシキ」とともに米どころ宮城の復権を目指したブランド化戦略の取り組みを進めているところです。県といたしましては、これらの取り組みを通じ稲作農家の所得向上を図るとともに消費者や実需者の多様なニーズと需要に対応した売れる宮城米づくりを推進してまいります。 次に、農業の考え方が変化する中で本県も組織改編を検討すべきとの御質問にお答えいたします。 農産物の販路拡大を図るためには産地間競争が激しさを増す中で更なるブランド化の推進や実需者とのマッチングを支援していくことが極めて重要であると認識しております。このためことし七月に「みやぎ米ブランド化戦略」を策定し生産者が自信と誇りを持って取り組める宮城米づくりの実現に向けて宮城米の認知度向上と消費拡大に取り組んでおります。また東日本大震災からの復旧・復興や農業担い手への農地集積に伴い法人等が独自に販売に取り組み、ブランド化を志向する動きもあることから、食産業ステージアッププロジェクトにより商品づくり支援やマッチングなどの販路開拓支援を展開しております。今後とも食産業振興課を中心として庁内関係部局が連携し、一次産品の優位性と付加価値の向上を図りながら販路拡大に努めてまいります。 次に、日本型直接支払制度について、大規模法人単独でも制度が適用されることが必要と考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。 日本型直接支払制度の多面的機能支払交付金は農業、農村の有する多面的機能の維持、発揮を図るため地域の共同活動により地域資源の適切な保全管理を推進するとともに担い手への農地集積などの構造改革を後押しするものであります。この多面的機能支払交付金については水路の泥上げや草刈りなど地域資源の基礎的保全活動を支援するもので地域住民の話し合いにより農業者、農業法人等の地域実情に応じた複数の方々で構成される活動組織に対して交付されるものです。また農業法人は農業者が減少する中、地域農業の基幹的な担い手であり地域の環境保全などさまざまな役割を担うものとして大変重要であると認識しております。県といたしましては、多面的機能支払交付金等を活用し地域の農業者を中心として地域住民などさまざまな主体の参画を図りながら共同活動による地域資源の適切な保全管理を支援してまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(長谷川洋一君) 教育委員会教育長高橋仁君。    〔教育委員会教育長 高橋 仁君登壇〕 ◎教育委員会教育長(高橋仁君) 大綱三点目、宮城の文化財指定についての御質問のうち「政宗が育んだ“伊達”な文化」を構成している施設や文化財の状況及び登米市「米川の水かぶり」などのユネスコ無形文化遺産への登録の現状についてのお尋ねにお答えいたします。今回日本遺産に認定された文化遺産は仙台市の仙台城跡、大崎八幡宮、塩竈市の鹽竈神社、多賀城市の歌枕としての壺碑(つぼのいしぶみ)、松島町の瑞巌寺のほか民俗芸能では秋保や大沢の田植踊、伝統工芸品の堤焼など五十の文化財で構成されています。また「米川の水かぶり」などのユネスコ無形文化遺産への登録に関してはことし三月に文化庁からユネスコ事務局に提案書が提出されており、来年十月ごろにユネスコ評価機関による事前審査、十一月ごろにユネスコ政府間委員会における審査が行われる予定となっております。 次に、県が指定している文化財の数についての御質問にお答えいたします。 県指定の文化財は現在のところ建造物や美術工芸品といった有形文化財が百四十三件、伝統技術を指定した無形文化財が三件、カマ神などの有形民俗文化財や民俗芸能、風俗慣習といった無形民俗文化財が合わせて五十二件、史跡、名勝、天然記念物が四十八件で合計二百四十六件となっております。 次に、南部神楽の無形民俗文化財指定についての御質問にお答えいたします。 県指定文化財への指定には学術的な調査により文化財の由来や価値が明らかにされていること、保護、継承の体制が整っていることなどが必要になります。県教育委員会といたしましては、このような考え方を基本としながらも今後の指定に当たってはこれまで指定が少なかった分野や種類、地域、時代、内容に配慮していきたいと考えており、南部神楽もこれに該当するものと認識しております。現在南部神楽については関係市町と連携して実態調査に取り組んでおり、この調査結果をもとに指定について検討してまいります。 以上でございます。 ○副議長(長谷川洋一君) 三十六番只野九十九君。 ◆三十六番(只野九十九君) では、二、三再質問させていただきたいと思います。 まず、初めに養護老人ホームについてでございますけども、現状の養護老人ホームは特定施設入居者生活介護の事業指定を受けますと在宅の訪問入浴や生活支援などのサービスを受けられることになっている介護保険が適用になっていると聞いております。今言いましたとおり七十人ほどの空き室があり、その申し込み者も二十人ぐらいということでございますから、これが養護老人ホームの中では固定して空き室がずっと推移していくという現状の中で、認定を介護保険が適用になる部分もある中で、この部分だけは、なかなかできないというのは不合理のような気がしますし、養護の措置費の養護老人ホームについては独力で努力して経営をよくするというよりも入れてもらって何ぼと、行政措置でございますから自分のとこで入れる、入れないはできないわけでございまして、行政のほうで入所者を決めているということでございますから、これは待機者がずっといる中であればそこらあたりについてはフリーに運用できるような方法を考える時期に来ているのではないかと思いますけどもお願いしたいと思います。 ○副議長(長谷川洋一君) 保健福祉部長渡辺達美君。 ◎保健福祉部長(渡辺達美君) 最近の傾向といたしまして養護老人ホームについては大体一割くらいの空床が生じているということでありますので、そういう空床の部分について介護保険の適用施設として利用というのは有効な方策の一つとは考えるんですけども、市町村のほうに聞きますと今の単身高齢者の今後の動向とか低所得者、高齢者の増加の傾向なんかを踏まえますと、高齢者のセーフティーネットの最後のとりでということで他への利用についても慎重というふうな意見もありますので、有効利用策として検討するに当たって将来の養護老人ホームの需要動向についても検討していく必要がありますし、市町村のほうと協議をしていく必要があるかなというふうに考えてます。 ○副議長(長谷川洋一君) 三十六番只野九十九君。 ◆三十六番(只野九十九君) 次に、多面的機能支払のことについてお聞きしたいと思います。 多面的機能支払の農地維持を図る組織は集落農業でございますけども、農地を委託しながら大規模農家に集積している今の現状の農村の中では、集落作業をしていくということについて将来展望が描けないんだろうというふうに思うんです。そうしますと大規模農業法人にもそれ相当の許認可を与える時期に今来ているんではないかと、農地を守っていくということからしますと責任の何%、責任というよりも責務の何%は農業法人もやっていただくという時代に来ているというふうに考えるんですけどもどうでしょうか。 ○副議長(長谷川洋一君) 農林水産部長武藤伸子君。 ◎農林水産部長(武藤伸子君) 地域の大規模な農業法人につきましても多面的機能維持のための役割を果たしてもらうということは必要なことだと考えております。御質問いただきました大規模法人単独でも制度が適用されるようにといったようなことは現在の制度上無理ですし、また法人だけではなく地域の農業者以外も含めて参画した上でいろいろな作業等を行っていくことが望ましいと考えておりますけれども、先ほどはあのようなお答えをいたしましたが決して法人が参画しなくていいということではなく、農業法人が多面的機能支払交付金の対象組織のメンバーになるとか、あるいは法人のメンバーの方たちが個人として参画するとか、そういった形は望ましいと考えております。 ○副議長(長谷川洋一君) 三十六番只野九十九君。
    ◆三十六番(只野九十九君) 今の話なんですけども県のほうで考えるのは将来の農村が農業がどうあるべきかということについてしっかりした考え方を持たなければいけないんだろうと思います。農地が委託される中で集落が将来どのようになっていくかということにつきまして、誰でも想像できる現状になっていく中で農業法人にその部分の任を担わせるというのは普通の考え方だろうというふうに思います。 それともう一つはそういう状況の中で県の組織の見直しについて提言いたしましたけども、流れについては食品販売ということからしますと単独の課があっても、現状の中で誰も不思議だとは思わないだろうと思うので、将来のあり方からすると今考えるべきだと思うんですけどどうでしょうか。 ○副議長(長谷川洋一君) 農林水産部長武藤伸子君。 ◎農林水産部長(武藤伸子君) 組織についてでございますが、決して今の組織のままでいかなければならないと考えているわけではございません。ただ先ほど食産業振興課を中心にしてというふうに申し上げましたが、こちら流通から販売までを一貫して食品、農産物について扱う部門、既にございますのでそこを中心にしていきたいと思います。もし必要があれば事務の分担を変えるとか組織についても考えますが、現段階では現在の状況で対応できるんではないかなと、庁内の他の部局も含め、また部内も含めて協力することによって対応できるんではないかと考えているということでございます。 ○副議長(長谷川洋一君) 三十六番只野九十九君。 ◆三十六番(只野九十九君) 最後に、南部神楽について御質問させていただきたいと。 岩手県のほうから言わせると宮城県の神楽だというふうな認識でございますから、宮城県が認定に後ろ向きだという考え方はだめなんだろうと思います。宮城県に育ってきた神楽でございますから、宮城県の中できちっとした考えの中で文化財に指定していくという道を開いていただきたいということで質問を終わらさせていただきたいと思います。 ありがとうございます。 ○副議長(長谷川洋一君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○副議長(長谷川洋一君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時五十分散会...