平成28年 2月 定例会(第355回) 第三百五十五回宮城県議会(定例会)会議録 (第七号)平成二十八年三月一日(火曜日) 午前十時開議 午後三時三分散会 議長 安部 孝君 副議長 長谷川洋一君出席議員(五十九名) 第一番 大内真理君 第二番 角野達也君 第三番 内藤隆司君 第四番 高橋 啓君 第五番 鎌田さゆり君 第六番 遠藤伸幸君 第七番 庄田圭佑君 第八番 深谷晃祐君 第九番 遠藤隼人君 第十番 中嶋 廉君 第十一番 福島かずえ君 第十二番 天下みゆき君 第十三番 三浦一敏君 第十四番 佐々木功悦君 第十五番 境 恒春君 第十六番 太田稔郎君 第十七番 横山のぼる君 第十八番 渡辺勝幸君 第十九番 横山隆光君 第二十番 佐々木賢司君 第二十一番 守屋守武君 第二十二番 石川利一君 第二十三番 熊谷義彦君 第二十四番 渡辺忠悦君 第二十五番 遠藤いく子君 第二十六番 すどう 哲君 第二十七番 吉川寛康君 第二十八番 伊藤和博君 第二十九番 長谷川 敦君 第三十番 佐々木幸士君 第三十一番 村上智行君 第三十二番 細川雄一君 第三十三番 高橋伸二君 第三十四番 菊地恵一君 第三十五番 只野九十九君 第三十六番 佐々木喜藏君 第三十七番 石川光次郎君 第三十八番 佐藤光樹君 第三十九番 中島源陽君 第四十番 岸田清実君 第四十一番 菅間 進君 第四十二番 坂下 賢君 第四十三番 ゆさみゆき君 第四十四番 藤原のりすけ君 第四十五番 坂下やすこ君 第四十六番 庄子賢一君 第四十七番 本木忠一君 第四十八番 中山耕一君 第四十九番 長谷川洋一君 第五十番 安部 孝君 第五十一番 齋藤正美君 第五十二番 安藤俊威君 第五十三番 渥美 巖君 第五十四番 畠山和純君 第五十五番 仁田和廣君 第五十六番 藤倉知格君 第五十七番 相沢光哉君 第五十八番 中沢幸男君 第五十九番 渡辺和喜君
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 三浦秀一君 副知事 若生正博君
公営企業管理者 犬飼 章君 総務部長 山田義輝君 震災復興・企画部長 大塚大輔君
環境生活部長 佐野好昭君
保健福祉部長 伊東昭代君
経済商工観光部長 吉田祐幸君
農林水産部長 後藤康宏君 土木部長 遠藤信哉君 会計管理者兼出納局長 宮原賢一君 総務部参事兼秘書課長 平間英博君
総務部財政課長 齋藤元彦君 教育委員会 委員長 伊藤 均君 教育長 高橋 仁君 教育次長 西村晃一君
選挙管理委員会 委員長 菊地光輝君 事務局長 冨田政則君 人事委員会 委員長 小川竹男君 事務局長 谷関邦康君 公安委員会 警察本部長 中尾克彦君 総務部長 岡崎良則君 労働委員会 事務局長 武藤伸子君 監査委員 委員 工藤鏡子君 事務局長 大内
仁君----------------------------------- 議会事務局 局長 西條 力君 次長兼総務課長 半沢 章君 参事兼議事課長 菅原幹寛君
政務調査課長 泉 洋一君 副参事兼
総務課長補佐 菅原 正君 副参事兼
議事課長補佐 川村 満君
議事課長補佐(班長) 布田惠子君
議事課長補佐 菅原 厚君
----------------------------------- 議事日程 第七号 平成二十八年三月一日(火)午前十時開議第一
会議録署名議員の指名第二 議第百六十五号議案 副知事の選任につき同意を求めることについて第三 議第百六十六号議案
教育委員会教育長の任命につき同意を求めることについて第四 議第百六十七号議案
公害審査会委員の任命につき同意を求めることについて第五 議第一号議案ないし議第五十三号議案及び議第百二十一号議案ないし議第百五十五号議案並びに報告第一号ないし報告第百四十四号第六 一般質問 〔大内真理君、藤倉知格君、角野達也君、伊藤和博君〕第七 議第百五十六号議案 平成二十七年度宮城県
一般会計補正予算第八 議第百五十七号議案 平成二十七年度宮城県
水道用水供給事業会計補正予算第九 議第百五十八号議案 平成二十七年度宮城県
工業用水道事業会計補正予算第十 議第百五十九号議案
工事請負契約の締結について(
東名地区海岸護岸等災害復旧工事(その六))第十一 議第百六十号議案
工事請負契約の締結について(
湊川等護岸等災害復旧工事)第十二 議第百六十一号議案
工事請負契約の締結について(仙台塩釜港石巻港区
防潮堤建設工事(その七))第十三 議第百六十二号議案
工事請負契約の締結について(仙台塩釜港石巻港区
防潮堤建設工事(その八))第十四 議第百六十三号議案
工事請負契約の締結について(仙台塩釜港松島港区
胸壁等災害復旧及び建設工事)第十五 議第百六十四号議案 平成二十七年度
市町村受益負担金について第十六
請願----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一
会議録署名議員の指名二 日程第二ないし日程第四 議第百六十五号議案ないし議第百六十七号議案三 日程第五 議第一号議案ないし議第五十三号議案及び議第百二十一号議案ないし議第百五十五号議案並びに報告第一号ないし報告第百四十四号四 日程第六 一般質問 〔大内真理君、藤倉知格君、角野達也君、伊藤和博君〕五 日程第七ないし日程第十五 議第百五十六号議案ないし議第百六十四号議案六 日程第十六
請願-----------------------------------
△開議(午前十時)
○議長(安部孝君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
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△
会議録署名議員の指名
○議長(安部孝君) 日程第一、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員に、二十九番長谷川敦君、三十番佐々木幸士君を指名いたします。
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△議第百六十五号議案ないし議第百六十七号議案
○議長(安部孝君) 日程第二ないし日程第四、議第百六十五号議案、副知事の選任につき同意を求めることについて、議第百六十六号議案、
教育委員会教育長の任命につき同意を求めることについて、及び議第百六十七号議案、
公害審査会委員の任命につき同意を求めることについてを一括して議題といたします。 知事から
追加提出議案の提案理由の説明を求めます。
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました議第百六十五号議案は、三月三十一日をもって三浦秀一さんが副知事を退任することになりましたので、山田義輝さんを新たに選任することについて、議第百六十六号議案は、
教育委員会教育長に高橋仁さんを任命することについて、議第百六十七号議案は、
公害審査会委員が三月三十一日で任期満了となりますので、阿部京子さん、江成敬次郎さん、佐々木好志さん、高根昭一さん、千葉達朗さん、末永智一さん、山本玲子さんを再任し、内田美穂さん、久下周佐さん、久慈るみ子さん、三瓶淳さん、須藤幸藏さんを新たに任命することについてそれぞれ御同意を得ようとするものであります。何とぞ御同意を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(安部孝君) これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 お諮りいたします。 ただいま議題となっております各号議案につきましては、委員会の審査を省略することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安部孝君) 御異議なしと認めます。 よって、委員会の審査を省略することに決定いたしました。 これより採決いたします。 初めに、副知事の選任に関する議第百六十五号議案について同意することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安部孝君) 御異議なしと認めます。 よって、同意することに決定いたしました。 次に、
教育委員会教育長の任命に関する議第百六十六号議案について同意することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安部孝君) 御異議なしと認めます。 よって、同意することに決定いたしました。 次に、
公害審査会委員の任命に関する議第百六十七号議案について同意することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安部孝君) 御異議なしと認めます。 よって、同意することに決定いたしました。
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△議第一号議案ないし議第五十三号議案
△議第百二十一号議案ないし議第百五十五号議案
△報告第一号ないし報告第百四十四号・一般質問
○議長(安部孝君) 日程第五、議第一号議案ないし議第五十三号議案及び議第百二十一号議案ないし議第百五十五号議案並びに報告第一号ないし報告第百四十四号を議題とし、これらについての質疑と、日程第六、一般質問とをあわせて行います。 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。一番大内真理君。 〔一番 大内真理君登壇〕
◆一番(大内真理君) 足元の悪い中わざわざおいでくださいました皆様、本当にありがとうございます。私は、宮城野区選出、
日本共産党会派の大内真理です。 本日私は、大綱三点について、村井知事及び執行部の皆さんに質問いたします。 大綱一点目、地域を支える福祉労働者、とりわけ介護、保育労働者の処遇改善について質問します。 安倍政権が打ち立てた介護離職ゼロ、出生率一・八、最低賃金時給千円以上の数値目標は非常に重要だと考えます。しかし実際には政策が伴っていない上、安倍政権が行っている過去最大級の
社会保障費削減とも相まって、掲げた目標と実態はむしろ乖離の一途をたどっています。私は、
福祉サービスを受ける方々、提供する事業所、働く労働者の三つの角度から実態を整理する中で、職員不足とその背景にある低賃金、処遇の悪さを打開することなしに地域崩壊を免れないと思い至っています。介護、保育など福祉労働者の賃金は、全労働者平均より月十万円も低いのです。しかもこの分野は次代を担う若者の割合がとても多い職種です。夫婦二人で介護士や保育士という友人たちは、仕事にやりがいと誇りを持ちつつも、低賃金、過密労働で生活そのものが厳しくて、子どもを産み育てることの困難さを訴えています。労働に見合った賃金や環境を整備することが喫緊の課題です。まずは、介護現場の実態についてです。 昨年四月、介護報酬がマイナス改定となり、介護事業所の倒産件数は介護保険法が施行された二〇〇〇年以降史上最多となりました。地域における介護基盤が根底から崩壊する危機的事態に直面しています。ある
社会福祉法人理事長は年間一千万円の報酬減で大打撃、このままではいずれ施設はやっていけなくなる、せめて介護報酬をもとに戻してほしい、安倍政権は介護離職ゼロのため施設をふやすというが働く人が集まらない、どうやって運営するのですかと憤っています。この声にも示されているように、とりわけ深刻なのが幾ら求人をかけても定員が満たされない職員不足にあります。
介護士養成校の入学者は昨年春時点、全国で八千八百八十四人、ピーク時と比べて何と四六%、半分以下に激減し、過去十年で最低水準となりました。抜本的な手を打たず放置すれば、現場への人材供給は更に減り続けます。本県でも、一昨年、
青葉福祉服飾専門学校で二枚看板の一つである介護コースがなくなりました。介護事業所からはとても優秀な人材を現場に供給してきた養成校が一つなくなったことを嘆く声が聞かれます。
厚生労働省福祉基盤課も今後更に学生が減れば、推計以上に人材不足が拡大しかねないと警鐘を鳴らします。厚生労働省は、団塊の世代が後期高齢を迎える二〇二五年に、介護労働者が全国で三十七・七万人不足すると試算し、宮城県はその中でも全国で最も
介護労働者不足になると指摘しました。宮城県では、二〇二五年に向けて四万七千六十四人の介護職員が必要と推計され、需要ギャップを含め一万七千四百八十八人の新たな介護職員の確保が必要だと見込まれています。二〇二五年に向けて、本県ではどのような
介護職員確保対策が考えられているのか、お尋ねいたします。 介護コースをやめ志望先を変えた学生に理由を聞くと、介護は給与が低くて仕事がきついよと親からアドバイスをされたと言います。国は、介護労働者の処遇改善加算を実施したのだと息巻きます。しかし、労働組合、全労連が全国三千九百五十人の介護労働者から得たアンケートによると、介護報酬の大幅減で加算分のほとんどが相殺され、実際に給料が上がったと実感している方は五人に一人の割合でした。
介護労働者不足の一番の原因である低賃金を抜本的に解消するために、宮城県として介護報酬の増額を求め、せめて元に戻すよう国に働きかけていただきたいと考えます、いかがでしょうか。 同時に、国の動向待ちで手遅れになる前に、宮城県独自で現場の働き手に対して直接支援する仕組みが必要ではありませんか。介護報酬とは別建てに賃金に直接補助する仕組みや
家賃補助制度などの創設を求め、所見を伺います。 あわせて、
特別養護老人ホームなど施設整備の拡充と高い利用料の改善が急務です。ある市営住宅の町内会長は、夫婦二人分の年金でようやく生活している高齢者が、いざ介護が必要になったときの受け皿が全くないと話されました。特養ホームに入る年金受給者で減免制度を受けられたとしても、最低月約七万円の支出になります。更に、二〇一五年八月から、食費と居住費の減免措置を受けられなくなった方々もいらっしゃいます。年金は減り続け、平均受取額は月四万円程度です。とても払えません。介護ニーズに対し、圧倒的に足りない特養ホームの穴を埋める小規模多機能型施設は宿泊日数をふやすほど自己負担がふえ、月十六万円を超える支出に家族が悲鳴を上げています。しかもここに来て、医療・
介護総合確保推進法により、要支援一、二の訪問、通所介護を市町村に丸投げし、
住民ボランティアなどにゆだねる事業が始まりつつあります。他県の先行自治体では、介護から締め出され認知症などが悪化したそんな事例が報告されています。来年四月までを期限に段階的にスタートする制度ですが、介護難民を生まないよう県独自の取り組みが求められています。知事には、この保険あって介護なし、このような地方にとって重過ぎる改悪を押しつけるなと国に対し強く働きかけていただきたいと考えます。いかがでしょうか。 低所得者の施設入所は入り口から厳しいのが実態です。県内でも一万人を超える
特養ホーム待機者を解消し、低所得者の方々も利用できる施設や制度整備を急ピッチで進めることが必要です。県の
特養ホーム待機解消目標と
施設整備計画について伺います。 また、低所得者が
介護サービスから排除されないために、利用料の
減額免除制度も県独自にでも必要だと考えますが、いかがでしょうか、伺います。 次に、保育現場の実態について伺います。 介護労働者と同様、低賃金、過重労働のもと、労働者が極端に不足しているのが、
保育労働現場です。国は、子ども・子育て支援新制度を昨年四月に発足しました。しかし、待機児童は依然として解消されていないのが現状です。目玉だった
小規模保育事業、
家庭的保育事業は土曜日に開所していないところも多く、認定を受け新制度の枠内で入所したにもかかわらず、土曜日の預け先を自力で探さなくてはならない家庭も存在しています。県は実態を把握なさっていますか、伺います。 新しい年度スタートを控える今、低年齢児どころか三歳児までも待機児童がふえています。また、行政の事務量が大きく増加して認定ミスも起きています。具体には、認可外から認可保育園へ入所希望を出していたにもかかわらず、
小規模保育事業へ入所している状態に認定されていたために、希望していた保育園に空きが出ても、選考すらされなかったという事例がありました。また、
保育料算定方式が変わり、仙台市では前年比較四倍もの保育料が請求された事例までありました。これらは新制度移行による弊害です。こういった矛盾について解消する役割が県にも求められていると考えますが、どのようにお考えでしょうか、伺います。 ある認可保育園では一日の一時預かり保育の枠は十名に対し、登録世帯は百八世帯。待機児童の多くが一時預かり保育で日々をしのぐ実態でやむなく十三名から十四名を受け入れているとのことでした。その保護者たちはトータルすると、通常保育料の倍以上支払って仕事に出ています。そうしなければ仕事をやめざるを得ないからです。一時預かり保育を利用している世帯の中には、DV被害世帯や貧困世帯、発達が気になる子供も年々ふえ、一人一人の子供と保護者の対応に追われ、本来の一時預かり保育機能がまったく果たされないばかりか、一人一人の子供たちに目が行き届かない、事故が心配だと担当保育士さんは話されていました。今保育士は本来業務だけでなく、さまざまな背景を抱える保護者に対し、時間外であっても話を聞き寄り添いながら、子供たちと保護者の生活を一歩間違えれば重大事態になるぎりぎりのところで支えています。現場における人材不足は明らかであり、常に人が欠けている状態が続いています。低賃金で休暇がとれず、休憩も削りながらの業務が行われています。
全国福祉保育労働組合の実態調査によると、回答した二千二百五十四人の保育士の皆さんのうち、仕事にやりがいを感じるという方が九割あったにもかかわらず、やめたいと思ったことがある、やめたいと答えた方が七割に上りました。ほとんどの方が低賃金を理由に挙げています。実際に離職する方のうち、これから施設の中核をなすはずだった六年目から八年目の離職も目立ちます。結果、新人が突然重い責任を負う、新たな離職者が生まれる悪循環がとまりません。昨今の保育施設で増加傾向にある子供の死亡事故は、どの施設にとっても他人ごとではなく、マンパワーが極端に不足しています。東京都では、二〇一五年度予算で、保育士の月給を平均二・一万円アップさせる補助制度が成立しました。国と東京都の施策を合わせると、保育士一人当たり月額三万円の賃金アップです。神奈川県では市町村に対し、
保育士雇用経費の二分の一を補助する制度も創設されております。横浜市では経験年数五年未満の保育士に限り、家賃を上限六万円助成しています。これらが相まって首都圏での
保育士就職者は増加しています。翻って見ると、地方から首都圏に人材が流出しています。今働いている保育士の離職防止と、これから働く保育士をふやすために、紹介したような、他県でもやっている県独自の
支援制度創設が必要ではないでしょうか。介護士のところでも求めたように、賃金アップに直接充当することや
家賃補助制度創設を強く求め、知事の所見を伺います。 大綱二点目、子供の貧困解決に向けた総合的な取り組みについて質問します。 全労働者の四割、女性の五割を超える方々が非正規労働者です。非正規労働者の八割から九割もの方が年間所得で二百万円以下のワーキングプアです。退職金やボーナスもなく、教育訓練の機会は乏しく、雇用保険や健康保険、厚生年金もほぼ適用されていません。病院代が払えず病態を悪化させ就労できない親を看病し、学校に行けていない小学生がいる、何日もおふろに入っていない、ご飯もまともに食べていないようだ、ネグレクトかもしれない、学校の先生が気づいて関係機関に掛け合うも、学校で何とかしてくれとたらい回し、こんな実態がふえています。既に、貧困状態で日々をしのぐ親子にとって支援団体や支援制度の存在を知るすべはなく、生活保護制度を申請をする壁はとても高く、自己責任論でSOSの口はふさがれ、生保基準以下で暮らす親子の生活は子供の成長とともに待ったなしです。県民意識調査の中で、県政に求める最大の項目は、若い世代の経済的安定でした。非正規労働者を放置しておけば、結婚や子育て以前に生活の見通しが立たず、深刻な少子化を食いとめることはできません。本県でも、子ども食堂など、子供の貧困解決に向け、さまざまな取り組みが提案されており、歓迎いたします。私はとりわけ正規雇用の拡大と子供医療費無料制度の拡充について要望し、質問いたします。 まず何よりも、非正規労働者を正規雇用に誘導する施策を求めます。 宮城県の非正規雇用率は全国平均を上回る三九・三%です。宮城県として、正社員化を進める数値目標と計画をつくることを求めます。いかがでしょうか。 国は同様の問題意識から出発し、キャリアアップ助成金制度を創設しました。中小企業で六カ月以上就労する非正規労働者を正規雇用へと置き換える際、一企業十五人まで五十万円ずつ助成を行うという制度です。この制度の本県での利用状況は申請件数で三百八十六件。県の担当課はもっともっと広報、周知し、利用をふやしたいとおっしゃってくださいました。ぜひ更に大きく普及していただきたいと考えます。県として、この事業の更なる普及をどう強めようとなさっているか、改めてお聞かせください。 東京都ではこの国の制度に同額を上乗せし、一人当たり合計百万円の助成を行うとして、三年間で一万五千人の雇用を正規雇用へと転換させる数値目標を定め取り組み、年間二十五億円の予算化を図っています。既に今年度の募集人員を突破し、二次募集が開始されるほど評判がいいとお聞きいたしました。宮城県も東京都同様の独自上乗せ施策に踏み切ってはいかがでしょうか。東京都並みの支援でやれば、一千人の正規雇用を実現するために必要な予算は約五億円です。ぜひ具体化を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 正規雇用の拡大が求められている中、県内に進出し、雇用の受け皿だった大企業の工場閉鎖、正社員削減の動きが相次いでいます。これでは本末転倒です。二〇一二年に富士通から半導体製造工場を譲り受けた村田町のジェイデバイスが、五百二十人の従業員を抱える宮城工場を六月末までに閉鎖することがことし一月に明らかになりました。昨年十二月角田市では、本田系部品製造大手のケーヒンが約四百人の早期退職者の募集を発表をいたしました。対象の年齢は県内勤務者で四十六歳以上、まさに働き盛りの正社員です。どちらも地方経済の根幹となってきた事業所です。大手であればあるほど撤退や閉鎖で雇用と地域経済に与える影響ははかり知れません。どちらも、村井県政が重視する製造業事業所です。宮城県が事業者に対し、事業の継続と従業員の雇用確保に責任を持つよう強く働きかけるべきだと考えます。知事いかがでしょうか。あわせて県としての対応策についてお答えください。 同時に改めて思います。大企業誘致にばかり莫大な予算を当てるよりも何があっても地元で頑張り抜く中小零細企業が正規雇用をふやせるように応援する県政転換こそ必要ではありませんか、伺います。そうしてこそ定住する方、とりわけ若者をふやし、世代継承が図られ、まちづくりが活性化し、それが復興へとつながるのではないでしょうか。所見を伺います。 次に、子供の医療費助成制度拡充を求め質問します。 現在、子供の医療費助成を行う自治体に対し、国が国保の国庫補助金を減額する措置、いわゆるペナルティーが講じられています。コンビニ受診が増大するなどと国が責任を放棄するペナルティーについて全国知事会や市長会、町村会がこぞって廃止を国に求め続けてきました。国もようやく検討会を実施し、春には見直し、結論を出すと述べています。これは国に先んじて努力してきた宮城県以外の他の都道府県や市町村の本気の構えが実らせたものです。群馬県は平成二十一年から、県単独で中学生までの子供医療費無料化を実施しました。群馬県の
保健福祉部長は保護者二千五百世帯に出したアンケート結果をもとに、時間外受診はむしろ減少傾向にあること、対象年齢拡大前と比べて、小中学生の虫歯の治癒率が上がっており、子供のときから歯を健康な状態に保つことは、生涯にとってとても大切だと答弁しています。アンケートには経済的負担の軽減に感謝の声も多く、早期治療による子供の健全な成長促進に有効と九割の方が答え、過剰な受診は控えているなどの回答も多く、適正受診への心がけもうかがえると答弁しています。これが明確な実例です。早期治療で医療費全体も少なくなることもあわせて、子供医療費無料化の拡充がもたらす積極的な効果は全国で証明されています。さきの県議会で知事は、十八歳まで無料という自治体もあるわけで、必ずしもすべての県民から不満が出ているという状況ではない、年に数回しか風邪を引かないような子供の医療費を無料にすることが果たして本当の福祉と言えるだろうかとおっしゃいました。とんでもない発言だと思いました。宮城県内三十五すべての自治体から意見書が出され、宮城県市長会、町村会、県歯科医師会、郡医師会など、各会を代表する方々がこぞって全国最低の宮城県、二歳枠をせめて就学前まで引き上げるよう求めてきました。さきの十一月議会では、自民党の畠山議員も求めてくださいました。財政がいくら厳しくても県内すべての自治体が頑張って独自財政で合計四十五億円を助成しています。一方、県は九億円しか助成していません。これでもなお県は、他人ごとのように市町村任せにし続けるのでしょうか。国に拡充を求める方はもちろんです。ここで問われているのは、国がやるまでは県がせめて就学前まで拡充することが、県の役割なのでないでしょうか、ということです。いかがでしょうか、お答えください。 他の都道府県と比べても、環境税など全国一高い超課税金を課している宮城県です。県民から余分に税金を徴収しておいて、他の都道府県すべてが実施している施策もやらない。全国最低二歳まで、いつまで放置するつもりなのでしょうか。せめて一歳ずつでも拡充していくことが、県民と市町村に対し、県の誠実な姿を示すことにつながるのではないでしょうか。知事の英断を求め、所見を伺います。 大綱三点目、被災者が主役の復興を、について大震災後五年を経過した被災者の方々に思いをはせ、命綱である医療費一部負担免除の継続について、県が独自助成を行い、イニシアチブを発揮していただくよう心から求め、質問いたします。 県内の医師や歯科医師のうち千六百二十名が集う県保険医協会が、五度目の被災者向けアンケート調査を行ってくださいました。アンケートが実施されるたびに、被災者の方々の生活がより深刻かつ複雑なものになっていることがデータとして明らかになっています。二千五百二十七件の回答のうち、何と千六百四十八人もの方がわずかな自由記載欄にびっしりと切実な実態をつづり、心苦しいのですが、どうか継続してくださいという思いを託しています。このアンケート結果は知事にも届けられています。知事、この切実な声を読まれましたか。感想をお聞かせください。 もともとなりわいが厳しく地域全体が疲弊していたこの地域を、大震災、津波、原発事故放射能が襲いました。何年たったというけれど毎日毎日が三・一一、こう漏らす被災者の声は、知事の耳に届いているでしょうか。免除措置が終了した場合、四割弱の方が病院受診をやめる、回数を減らすと回答しています。免除が打ち切られれば、病態悪化や生活破綻など被災者がより窮地に追い込まれることが明らかになりました。大震災で家が流され貧乏になってしまい、五年で再建など無理な状態です。親の介護も伴い、安定した職もない老後破算が迫っています、という声や免除が続かない場合には生きていけません、現在ものすごく不安な状態です、自殺も考えていますなど自死にまで言及する深刻な実態が書き込まれています。宮城県みずからが毎年調査している応急仮設住宅入居者健康調査の結果でも七十歳以上、無職、ひとり暮らしの高齢者が二二・七%と年々増加していることも明らかになりました。疾病や睡眠障害を訴える方が増加する中で、既に治療を中断している方は百十三人も生まれています。不自由な仮設住宅での生活、高齢化による将来不安などにより一層の健康悪化がいずれの調査でも明らかになりました。県が市町村任せにし傍観してきたことが、後期高齢者広域連合、奥山恵美子連合会長の、市町村がばらばらで、広域連合としては打ち切らざるを得ないという発言につながってしまったのではありませんか。今回免除が打ち切られようとしている方々は非課税世帯であり、七十五歳以上、高齢者の方々です。もっとも生活が厳しいこの方々が今でさえ経済的に厳しい、免除が終了したら病院に行けないと訴えています。このまま市町村任せで事態を放置すれば、県がこういう方々を見捨て、切り捨てることになるのではないでしょうか、伺います。 今からでも県が自治体負担の半額を助成すると表明してください。今判断すればぎりぎり間に合います。市町村の努力を激励喚起していただくことが複雑さをます被災地でたびたび聞かれる、こんなことならいっそあのとき助からなければよかったという、こんな悲しい言葉を漏らすほど追い詰められている方々にとって、生きる希望につながるのではないでしょうか。知事、どうか政治が希望を示してください。 被災者の医療・介護料減免、免除継続のため、国保と後期高齢者、介護保険に県が自治体負担の半額を充当する場合、必要なお金はたったの七億五千万円です。この事態を前にして復興を名目に据えながら、水素自動車のために四億円当てている場合ではないのではないでしょうか。遠藤いく子県議、佐々木功悦県議が先にただしたように、何よりも最優先する県政課題は、命を守る手当てなのではないでしょうか。県として市町村に自治体負担の半額を支援するのかどうか明確にお答えください。 命を守ることを最優先にしていただくことを心からお願い申し上げまして、壇上からの私からの質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 大内真理議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、福祉労働者の処遇改善と育成についての御質問にお答えをいたします。 初めに、二〇二五年に向けた
介護職員確保対策についてのお尋ねにお答えをいたします。 介護職員の確保対策については、早急かつ長期的に取り組むべき課題であると認識をしております。県といたしましては、みやぎ高齢者元気プランに基づき、介護福祉士養成校や介護施設を通じた若年層から中高年層への働きかけなど多様な人材の参入促進、キャリアアップ支援等による職員の資質向上、新人職員の交流促進、経営者のマネジメント力の向上等による労働環境、処遇の改善を三つの柱として、宮城県介護人材確保協議会と連携し、効果的な人材確保に取り組むこととしております。 次に、介護報酬の増額についての御質問にお答えをいたします。 今回の報酬改定が事業の運営や職員の処遇改善等に及ぼす影響について、現在県内の介護事業者団体などから意見を伺っているところであります。県としては、国の次期報酬改定に向けた調査や関係団体へのヒアリングの状況を踏まえ、他の都道府県と連携して、介護報酬の適正な見直しが行われるよう、国に対して要望を行ってまいりたいと考えております。 次に、県独自の賃金等への補助についての御質問にお答えをいたします。 介護職員の処遇など、介護保険サービスの提供に必要な費用につきましては、介護保険制度の中で負担することとなっております。県といたしましては、平成二十七年度の報酬改定で拡充された介護職員の処遇改善加算が有効活用されるよう、引き続きその周知を図ってまいります。また今回の処遇改善加算につきましては、対象が介護職員に限られるなどの課題もあることから、他の都道府県と連携して、国に対して必要な要望を行ってまいります。 次に、医療・
介護総合確保推進法の施行による自治体の負担についての御質問にお答えをいたします。 今回の介護保険制度の改正に伴い、予防給付のうち、訪問介護と通所介護が市町村の地域支援事業に移行いたしますが、財源構成は移行前と変わらないほか、移行時期の猶予や事務手続の簡素化など、市町村の業務増への配慮がされているところであります。地域包括ケア体制の構築に向けては、医療・介護連携体制の確立や生活支援サービスの充実など、市町村が主体となって、地域の実情に応じた取り組みを進めていく必要があります。県としては引き続き市町村の取り組みを積極的に支援していくとともに、制度の円滑な実施に向けて、必要に応じて国に対して働きかけてまいります。 次に、
特別養護老人ホームの待機者解消と整備計画についての御質問にお答えをいたします。 今年度を初年度とする第六期みやぎ高齢者元気プランの策定に当たり、実施した入所希望者実数調査では、優先的に入所が必要と考えられる、在宅で要介護三以上の方は三千百五十一人となっております。この優先待機者の解消を図るため、調査時点で既に整備に着手済みでありました、千七百六床を差し引きました千四百四十五床を整備必要量と位置づけ、これを上回る千五百四十二床を整備目標としております。 次に、低所得者に対する利用料の減免等についての御質問にお答えをいたします。 低所得者対策といたしましては、社会福祉法人による生計困難者等に対する利用者負担軽減制度事業により、生活保護受給者や市町村が認めた生計困難者などを対象に、利用負担の一部について補助を行っております。また、原則自己負担となっております、施設利用者の食費や居住費の負担を軽減する補足給付につきましても、今回の制度改正で負担公平性の観点から資産要件などが追加されましたが、市町村民税非課税世帯の方など、低所得者に対しましては、引き続き負担軽減を行っております。県としては、これらの制度を通して、引き続き低所得者に対する負担軽減を行ってまいります。 次に大綱二点目、子供の貧困解決の総合的な取り組みについての御質問にお答えいたします。 初めに、工場閉鎖や正社員削減が相次ぐ中、事業者に対し、県として事業の継続と従業員の雇用確保を強く働きかけるべきではないかとのお尋ねにお答えをいたします。 企業活動のグローバル化に伴い、迅速かつ的確な経営判断が求められる中、このたびの発表は、私といたしましても、地域経済に大きな影響を与えるものと深く憂慮しているところであります。ジェイデバイスに対しましては、宮城工場の再編計画発表後の一月二十二日に村田町とともに神奈川県の本社に伺い、工場の存続と完全雇用の維持などを求めてきたところであります。また、ケーヒンにつきましても、再就職先の確保についてしっかり対応していただくようお願いしております。県といたしましては今回の工場閉鎖等の動きを受け、二月一日に事業再編起業支援チームを立ち上げたところであり、離職者の円滑な再就職先の確保に向け、県内他企業の雇用ニーズを把握するほか、承継企業の開拓等を行うこととしております。このほか、公益財団法人産業雇用安定センターを通じた社員の移籍支援制度の活用を促すほか、転職希望者の求職ニーズに合わせ、ハローワークや関係市町と協力し、必要に応じて合同就職面接会等を開催するなど、離職を余儀なくされた方が早期に円滑な再就職が可能となるよう万全を期してまいります。 次に、中小・零細企業による地元労働者の正規雇用化への支援に県政のかじを切るべきとの御質問にお答えをいたします。 私はこれまで企業誘致などの産業振興により、安定した経済基盤を構築し、県経済の成長を図る富県宮城の実現に全力で取り組んでまいりました。この結果、自動車や高度電子機械分野などのものづくり産業の集積が進み、地元中小企業の取引拡大や、九千人を超える雇用創出に結びついたほか、震災からの産業復興を下支えしているものと認識しております。またさきに制定された中小企業・小規模企業の振興に関する条例を踏まえ、雇用環境の整備や人材育成、創業、事業承継などの課題に対し、目配りのきく伴走型支援の拡充を図るほか、関係機関と連携した雇用対策にも取り組み、県内中小・零細企業の成長を力強く後押しすることとしております。県としては、引き続きこれらの施策を着実に進め、復興の更なる加速化と若者を初めとする県民一人一人が安心して暮らし働き続けられる地域社会の実現に邁進してまいります。 次に、乳幼児医療費助成制度の拡充についての御質問にお答えいたします。 乳幼児医療費助成制度については、国が責任を持って対応すべきものであると考えており、国に対して新たな子供の医療費助成制度を創設するよう強く要望しているところであります。厚生労働省は、昨年、子どもの医療制度の在り方等に関する検討会を立ち上げ、子供の医療費の自己負担のあり方などについて検討しておりますので、県としては、その状況を注視してまいりますが、増加する社会保障経費への対応が迫られている現状を考えますと、拡充はなかなか難しいということであります。 次に大綱三点目、被災者が主人公となる復興についての御質問にお答えをいたします。 初めに、被災者向けアンケートの結果に対するお尋ねにお答えをいたします。 宮城県保険医協会が実施したアンケートにつきましては、医療費の一部負担金の免除の実施について賛否もございました。さまざまな御意見が寄せられたものと承知をしております。 次に、事態を放置すれば、生活の厳しい被災者を見捨てることにならないのかとの御質問にお答えをいたします。 被災者の医療費の一部負担金免除を継続するかどうかにつきましては、保険者である市町村や後期高齢者医療広域連合が判断すべきものであります。一方、被災者の心身の健康維持は重要な課題であり、県といたしましては、仮設住宅や災害公営住宅等での健康調査や見守り活動などを通じて、被災者の健康状況を把握し、市町村等と連携をしながら、必要な医療やケアにつなげてまいります。 次に、医療費一部負担免除等に係る市町への支援についての御質問にお答えをいたします。 国保については、多数の市町村が免除の継続をしないこととしており、これは財政状況のみならず、被災された方々の生活再建の状況や免除措置がなされていない、ほかの医療保険制度とのバランスを踏まえて、総合的に判断したものと受けとめておりますので、県として、国保の医療費免除に対する支援を行うことは考えておりません。また、介護保険につきましては、市町村が免除を実施する場合、県が介護保険法の規定による法定負担分の負担を行うことになります。 私からは、以上でございます。
○議長(安部孝君)
保健福祉部長伊東昭代君。 〔
保健福祉部長 伊東昭代君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊東昭代君) 大綱一点目、福祉労働者の処遇改善と育成についての御質問のうち、
小規模保育事業等の実態把握についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年四月に施行された子ども・子育て支援新制度については、その円滑な実施に向け、昨年八月に圏域別の説明会を開催し、市町村と意見交換を行うなど、実態把握に努めてきたところです。
小規模保育事業等の土曜日の預け先を含め、保護者が抱える問題については、実施主体である市町村が対応することとなっておりますが、新制度を着実に進めていくためには、県としても市町村を支えていくことが重要であることから、引き続き市町村との情報共有に努めるほか、保育所監査などの機会を活用し事業者から意見を聞くなど、実態把握を行ってまいります。 次に、新制度移行による矛盾の解消についての御質問にお答えいたします。 幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援の充実を目的とする新制度については、徐々に理解が進み、制度として定着しつつあると考えておりますが、運用していく中では、課題も出てくるものと認識しております。そのため県では昨年十一月、新制度を所管する内閣府と県内市町村との情報交換会を開催いたしました。その場では活発に意見が交わされ、市町村において制度の理解が一層深まるとともに、国に対して保育現場の実情が直接伝わったと考えております。県といたしましては、引き続き、市町村と情報共有を図るとともに、さまざまな機会を通じて国に改善を要望し、課題の解消に努めてまいります。 次に、保育士確保に向けた県独自の支援制度についての御質問にお答えいたします。 保育士確保については、処遇改善も重要な要素の一つであることから、新制度施行に伴い、公定価格の算定において、保育士給与三%分が改善されたほか、公務員給与改定に対応した改善も図られているところです。また、消費税以外の恒久的な財源が確保できた場合は、更に二%の改善を図ることとされていることから、県として国に対し早期実現を要望しているところです。県といたしましては、昨年度開始した保育士人材バンクによる就業支援に加え、来年度は、保育士養成施設の学生に対する修学資金の貸し付けや、新任保育士の離職防止を目的とした研修などを実施いたしますので、これらの事業にしっかりと取り組むことにより、保育士確保に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(安部孝君)
経済商工観光部長吉田祐幸君。 〔
経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕
◎
経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱二点目、子供の貧困解決の総合的な取り組みについての御質問のうち、正社員化の数値目標と計画策定についてのお尋ねにお答えいたします。 若者や子育て世代など、県民が安心して暮らしていくためには、製造業を中心とした産業集積により、正社員など質の高い安定した雇用の創出が重要であると認識しております。また、県では、昨年十月に宮城労働局及び県教育委員会と雇用の安定と定住推進協定を締結いたしました。この協定では、毎年度実施方法や数値目標などを定めた事業計画を策定することとしており、今年度は、新規高卒者の就職内定率の向上や早期離職率の低下などのほか、正規雇用に結びついたフリーター等の件数を数値目標に掲げております。来年度の計画においても正社員化の推進を含め、取り組みを強化してまいります。 次に、キャリアアップ助成金の普及についての御質問にお答えいたします。 派遣労働者などの非正規労働者から、正社員など安定した雇用形態への転換に向け、キャリアアップ助成金は有効な制度であり、宮城労働局においても、昨年夏に実施した正社員実現キャンペーンなどで周知を図っております。また、県では、毎年実施している経済団体への雇用要請や、企業向けのセミナーにおいて周知を行ってまいりました。今後とも、宮城労働局としっかりと連携を図りながら、企業訪問や専門家派遣などさまざまな機会を通じて、助成金制度を周知し、更なる活用促進につなげてまいります。 次に、キャリアアップ助成金の上乗せ補助制度についての御質問にお答えいたします。 県内でのキャリアアップ助成金の支給申請件数は大幅に増加しており、また、国においては、企業における正社員転換や待遇改善の強化を図るため、先月十日から有期雇用契約労働者の正規雇用化を実施した場合、助成金額を五十万円から六十万円に引き上げるなど制度を拡充したところです。このことから、県といたしましては、まずは、拡充後の助成金の活用状況を注視していくとともに、若者の採用、育成を積極的に支援する若者応援宣言事業も含め、企業への周知及び活用を促進してまいります。今後とも、雇用の安定と定住推進協定の事業計画に定めた目標の達成に向け、宮城労働局と連携しながら、正社員化に向けた施策を総合的に実施してまいります。 以上でございます
○議長(安部孝君) 一番大内真理君。
◆一番(大内真理君) 御答弁ありがとうございました。介護労働者、保育労働者についての処遇改善加算についてなんですけれども、それでは足りないということを申し上げているのでございます。結局ボーナスなどでちょっぴり上がったとしても、結局賃金全体が厳しくて生活が成り立たないから、介護士も保育士も選ばないという方が数多くいらっしゃるということも、このアンケート結果の中でも明らかになっています。ぜひ、基本給を上げるような政策を県として何としても考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 介護職員の皆さんの非常に所得が低いと、そして仕事がきついということが、介護離職につながり、また、若い人がなかなか介護の職についてくれない最大の理由であるということは、これは御指摘もありましたけれども、私もそのとおりだというふうに思っております。そういう意味で、生きがいを感じてもらう意味でも、しっかりとした所得を得られるようにしていかなければならないと思っております。ただこれ宮城県単独で何かをやるというよりは、国全体の施策として進めているものですので、この点についてはしっかりと知事会とも連携をしながら国の方に、制度改正あるいは手当の支給等考えていただかなければならないというふうに思っているところでございます。
○議長(安部孝君) 一番大内真理君。
◆一番(大内真理君) 国に対して働きかけていくというのは、それはもう私たち議員も一丸となって、行政職員の皆さんと一緒にやっていく決意であります。そうではなくて、ということなんです。あわせて、県独自での上乗せ助成ということをほんとうに考えていただきますように改めてお願いして、これは決意で結びます。 次に、被災者の医療費一部負担免除継続に質問を移します。 免除を既に打ち切られている方々やほかの被保険者から発信される不公平感、こういったものも出されているというふうに知事が先ほど賛否あるということでおっしゃっておりましたけども、結局、賛否ではなくて、自分だってこんなに苦しいんだと、助けてほしいんだという悲鳴なのではないでしょうか。そもそも収入が減り続けている上に、国民健康保険料や介護保険料などが重くて、医療費の窓口負担そのものが高過ぎて、大多数の生活そのものが苦しいです。社会保障制度、この十年間で大きく改悪されました。一緒に県民の命と健康を守る立場で、国の制度改正を働きかけるとともに、宮城県自体がこの一番苦しんでいる、被災者の方々、一番苦しんでいるこの人たちに助成をしてください、いかがでしょうか。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 今まで、県としても、今年度までいろんな御支援をしていたわけでありますが、かなり各被災地も、十五の市町、復興に、進捗状況に差が出てきたということもあります。また、これはたびたび申し上げておりますけれども、保険者である市町村であったり、あるいは後期高齢者の場合は連合だということになりますので、そういった主体となるべきところがまずは判断されるべきだというふうに考えております。いろんな御意見を伺いますと、このアンケートも読ませていただきましたけども、アンケートの大部分が我々に対して厳しい御意見でありましたが、中には無料化をやめた方がいいという御意見もありました。その中に、国保ばかりが何で優遇されるんだと、我々はその対象になっていないと、同じじゃないかというような、そういう厳しい御批判もあった、そういう声が市町村の方に届いているということも聞いております。そういうこともあって市町村それぞれ、御判断をなさってこの制度を今年度でやめるというような判断なさったところもあるということでございます。県としては、全体をまず見なければいけないということで、各市町村の国保財政を見ましたならば、相当ばらつきがございました。継続できるとしたところは国保財政にやや余裕があるところがやはり多かったわけです。厳しいながらもやったところもありますけれども。したがって、やりたくても国保財政が枯渇をしていてやれないといったようなところもございますので、そういった自治体に対して手を差し伸べていくのが行政、県としての役割ではないかとそのように判断したということでございます。今後とも、よく市町村とよく話し合いをしながら、そうは言っても本当に苦しい方たちがおられるわけですので、そういった個別のケアをどうしていくのかということをまずは考えていかなければならないと思いますけれども、大きな制度としてはこのようなやり方をぜひとらせていただきたいということでございます。
○議長(安部孝君) 一番大内真理君。
◆一番(大内真理君) まさに県の役割がこの苦しんでる方を救うことだと思います。最後に強く要望して質問を終わります。ありがとうございます。
○議長(安部孝君) 五十六番藤倉知格君。 〔五十六番 藤倉知格君登壇〕
◆五十六番(藤倉知格君) 皆さん、おはようございます。藤倉知格と申します。 宮城県、仙台市の連携による音楽ホールの整備についてから質問してまいりたいと思います。 宮城県文化芸術振興条例が公布施行されたのが、平成十六年七月でございました。自民党会派有志の勉強会から始まり、その間、関係団体からのさまざまな意見、提言を盛り込み、成立にこぎつけた議員提案条例でありました。条例制定を契機に、本県のグレードの高い多彩な文化芸術の花を咲かせ、県民生活に潤いといやし、活力をもたらす取り組みに一層弾みをつけることに強い期待を寄せてきました。一方、その県民の芸術文化活動の拠点、殿堂でもある県民会館の現状とそのあり方について関心を抱き続けてきた一人です。県民会館は、昭和三十九年九月開館、築五十年以上経過、長い歴史を刻み半世紀にわたって多くの県民に音楽、舞台の作品鑑賞や発表の機会を提供するなど、本県の文化芸術活動を支え大きな役割を果たしてきました。しかし、施設や設備機器の老朽化が進み、音楽環境の面でも質的に見劣りが目立ち始め、これまで広く県民から建てかえを望む声が寄せられていました。一方、仙台市では、市民会館も同様の課題を抱え内部検討が行われてきましたが、今年度新たに音楽ホール等の整備検討のための基礎調査が実施され、新年度も引き続き調査を継続するとしており、整備構想の熟度の深まりに期待が集まっています。さて、東日本大震災から丸五年を迎えますが、同じように、阪神大震災で甚大な被害を受けた兵庫県では、復興のシンボルとして、兵庫県立芸術文化センターが西宮市に完成してから、昨年十月で十周年を迎えました。兵庫県立芸術文化センターの基本構想は震災前の一九九〇年に策定されましたが、設計が進むさなか震災が起き、復旧・復興が最優先され中断を余儀なくされました。しかし復興の過程で、芸術文化の持つ力が被災した多くの人々に実感され、地域再生に向けた夢や希望がセンターに結集していく原動力となったのです。同センターの林伸光ゼネラルマネジャーや副館長の藤村順一氏によれば同センターは、コンサートを中心に、オペラやバレエを上演する二千一席の大ホール、演劇や古典芸能に適した中ホール八百席、リサイタルや室内楽を想定した小ホール四百十七席があり、年間イベント数は八百二十五件、施設稼働率は九六%、全国公立文化施設の平均稼働率七八・九%を上回り、半数近くが主催公演で入場率九割、登録会員数六万人、入場者数は昨年五百万人を突破しています。同センターは音楽活動が活発で大小ホールが集中する大阪、神戸という二大都市に挟まれており競合が激しく、決して恵まれた立地条件とは言えません。成功の主な要因としては、昨年ウイーンの楽団の音楽監督に就任した著名な指揮者である、佐渡裕さんが芸術監督として広報戦略で敏腕をふるったこと、観客の選択肢をふやすためバラエティーに富んだ主催事業を実施したこと、若手音楽家による専属オーケストラの設置、安定したホール運営と芸術活動継続のため、公演のチケットを売り切り、経済的に成功させてきたことなどが指摘されています。さて、同じ大震災を経験した本県においては、昨年九月、仙台オペラ協会、宮城県合唱連盟、宮城県吹奏楽連盟を初めとする諸団体が音楽の力による心の復興に向けて、楽都・仙台に復興祈念二千席規模の音楽ホールを市民会議が設立され、広く県民市民に賛同者と建設資金を募る活動を展開しています。更に、仙台経済同友会など経済団体が発起人となり、音楽ホール建設のため三年間で総額十億円を目標とする音楽ホール建設基金が創設されました。ちなみに経済同友会は一昨年、震災復興第五次提言の中で、音楽ホールの建設について村井知事にも要請をしています。音楽関係者によると、仮に音楽ホールが新築される場合、二千席規模のホールが必要な根拠として次のような点を挙げています。一つ、世界的に著名なオーケストラや演奏家を招聘し演奏会を開催して興行的に成立させるためには、一定規模の観客数を確保することが不可欠であり、そのガイドラインが二千席規模と言われていること。二、著名なオーケストラの場合、仮に千五百席を満席にしたとしても観客一人当たりの入場料を相当高く設定しなければ経費は賄えず、二千席以上あればある程度入場料を安く設定できることから、県民、市民も良質な音楽を手軽に聞く機会がふえること。三、二千席規模のホールがないことにより、公演場所として宮城県、仙台市は当初から選択の対象から外され、現在では東京以北では、札幌というのが現状であること。結果として宮城県民、仙台市民は世界的に評価の高い音楽に接する機会を失っていることになり、大きな損失とも言えること。四、アマチュア音楽においても、合唱や吹奏楽の世界では、持ち回りで開かれる全国大会は延べ数千人が出入りすることから、二千席以上のホールが求められ、東北の中枢都市である仙台市では開催できない現状にあり、東北大会のレベルでは相当無理をして県民会館を使用していること。五、ホールは音響や客席数のみならず、立地環境、観客動線、楽屋、搬入口、リハーサル室、出演者の動線などバックヤードも含め、関係者だけでなく、出演者、音楽マネジメント会社にとっても使い勝手のよいことが選ばれるための大きな要素であること、音楽イベントの主催者はトータルな音楽環境を考慮して会場の選定することから、仕方なく使うのではなく、選ばれる音楽ホールが不可欠であること等々と指摘しています。ちなみに仙台には県民会館千五百九十六席を筆頭にイズミティ21千四百五十六席、仙台市民会館千三百十席、川内萩ホール千二百三十五席、電力ホール千席などとなっています。山形市では二〇一九年県民複合文化施設が開館予定ですが、県立としては東北最大級の二千一席の大ホールが設置され、トップクラスの演奏会や演劇、イベントを呼び込めるようバックヤードの充実を図るとしています。特に東京交響楽団正指揮者であり、山形交響楽団監督を務め、今、広く脚光を浴びている飯森範親氏の活躍によって、今後山形に視線が注がれ話題をさらうだろうとも言われています。秋田市では二〇二一年県民会館と市文化会館を統合した新施設が完成予定です。仙台市の基礎調査の実施、経済界の積極的な動き、音楽関係団体の活発な運動によって、今、かつてなく機運の醸成が図られつつあり、震災から丸五年を控え、大きな節目となるタイミングにこの好機を逸せず、県民会館のあるべき姿について、建てかえを含め、総合的に検討すべき時期を迎えていると受けとめています。以上、るる指摘した点について、知事の認識を伺います。 村井知事はこれまで仙台市との連携による整備の可能性について、たびたび言及し、検討を進めると議会答弁してから数年が経過しましたが、これまでの検討状況を伺います。 県も整備検討のための基礎調査の実施や、仙台市との連携を視野に検討組織の立ち上げを望みますが、いかがでしょうか。 最大の課題は財源問題ですが、だからこそ県と仙台市の二重行政の解消とコスト分散、軽減を図るシンボルともなり得るモデル事業として位置づけられると思いますが、いかがでしょうか。 そのために、村井知事と奥山市長とのトップ会談を設定してほしいと思っています。知事の前向きの答弁を求めます。かつて、青葉区北根の仙台文学館建設に当たって、県と仙台市が共同連携し、県から多額の補助金を交付した前例、実績もあります。 次に、統合医療の推進について伺ってまいります。 医学の進歩によって数多くの病気の治療が可能になってきました。ところが生活習慣病は蔓延し、心の病はふえ、医療費は増加の一途をたどっています。そして疾病構造の変化と人々の健康意識の変化によって、病気の治療にとどまらず、生活の質を重視した医療が求められるようになってきました。最新の研究では、一部の伝統医療や相補・代替医療の科学性と有効性が証明されるようになり、こうした方法を現代西洋医学と組み合わせることで、費用対効果が高く、生活の質を重視した医療を実現できる可能性が出てきています。伝統医療や各種健康法が健康増進や病気の予防に役立つならば、病気を減らして医療費を削減することにつながります。このように、医療に対して多様なアプローチや質を求める背景から、今、世界的に統合医療、インティグレイティブ。メディスン、口が言うことを聞きませんが、注目を集めており、総合的な見地から現在の医療制度を検討する動きが始まっています。統合医療の方向性は、現代医療の先にある生活習慣の改善を支援する医療、治療のみでなく病気の予防や健康増進に寄与する医療、患者の体質、生活環境、生きがいなどに配慮した生活の質重視の医療、有意義な人生を送り、穏やかな死を迎えるための包括的な医療、医療経済や環境などにも配慮した永続可能な医療など、新しい医療を切り開くことを目標にしています。以上のような命題を掲げ、我が国の統合医療の研究、推進に共鳴する自由民主党の国会議員二百五十五名が結集し、自由民主党統合医療推進議員連盟が結成されています。議連の当面の取り組みは(仮称)統合医療推進基本法の制定と関連予算の獲得に力を注ぐことです。議連の活動と提言を受けて、今月、厚生労働省医政局総務課に統合医療企画調整室が設置されました。ちなみに私ども自民党会派内の有志による関連議連でも相沢光哉会長を中心に同じ問題意識で活動しています。統合医療に関する教育は、日本ではまだ実施されていませんが、欧米、とりわけアメリカやイギリスでは既に医学部や他の医療系学部の多くが教育プログラムに取り入れており、世界的に統合医療の理念と実践が大きなベクトルになりつつあります。統合医療には医療モデルと社会モデルがあり、医療モデルは医師中心のチーム医療で病気を治療する手段であり、社会モデルは地域コミュニティーが主体となってお互いの生活の質を高める手段とされています。このようなコンセプトに基づくさまざまなモデルが日本統合医療学会で検討されており、その中の一つにコミュニティー・ベース・メディスンという、コミュニティー自身の中に、本来的に心身の健康をもたらす力があるという社会モデルの重要性を強調しています。このような、統合医療のコンセプトの上に立って、神奈川県では一昨年黒岩知事が音頭をとり、未病を治すかながわ宣言を発表しています。未病とは、いまだ病気の症状はあらわれていないものの、病気に向かいつつある状態のことです。その上で、神奈川県は二日間にわたって、未病サミットを開催し、未病の考えや取り組みを国内外に発信しました。未病は海外でもミビョウと呼ばれ、米国ハーバード大学、公衆衛生大学院には二〇一三年、日米共同の研究機関、日米未病研究プロジェクトが設立されるなど、今、未病をキーワードにした取り組みが統合医療というコンセプトの中で広がりを見せ始めています。県は平成二十五年度から二十九年度までを期間とする第二期宮城県医療費適正化計画が進行中ですが、ここ数年、本県の医療費は六千億円台を推移しながら、確実に増加傾向をたどっています。医療費の膨張を食いとめるためには、従来型の医療体制を続ける限り改善は不可能であり、統合医療のコンセプトを順次導入、推進する方向に一歩踏み出すことを提案をいたします。適正化計画の進捗状況も踏まえ、統合医療への認識を含め、知事の所見を伺います。 紹介したように神奈川県では、未病を治すかながわ宣言を発信するなど先進的なチャレンジに踏み切っていますが、本県ではスマートみやぎ県民会議をスタートさせました。私は県民会議の立ち上げについては、大いにこれを多とし、着実な成果に結びつくことを願っていますが、統合医療企画調整室を設置した国の動きや今後の趨勢を見きわめながら、より実効性のある取り組みを求めるものです。今後の対応について伺います。 新設医学部は、総合診療医の育成を主な目的としており、県立の教育機関ではありませんが、統合医療の理念と実践を学ぶ機会や講座の開設などに道を開くことができるよう、県としても、今の段階から課題や問題意識を蓄積しておく姿勢が必要だと思っています。いかがでしょうか。 東北放射光施設誘致に関しては、昨年六月定例会で質問に立ちましたが、改めて取り上げたいと思います。 放射光施設の誘致については、東北の七つの国立大学で設立した東北放射光施設推進会議が口火を切り、東北の産学官が東北放射光施設推進協議会を立ち上げ、シンポジウムやセミナーの開催、要望活動を展開、県議会も議員連盟を発足し機運の醸成に力を注いできました。その間、丸森町、松島町、大郷町の順で誘致に名乗りを上げてそれぞれ協議会を設置して熱い思いを発信してきました。一方、国は平成二十六年度、次世代放射光施設の調査費として一千万円が文科省に計上され、平成二十七年度当初予算では、光量子科学研究拠点形成に向けた基礎技術開発として、約十五億円が調査費に計上をされました。十五億円は内数ということで、放射光施設に特化した予算額は不明ですが、この規模の調査費が計上されたことで、いよいよ本格的な動き出しのシグナルを感じ取ったものです。しかしこのような矢先、昨年五月ごろ文科省から協議会に対して極めて厳しい情報がもたらされました。一つ、文科省は新たな中型高輝度放射光施設の整備については全くの白紙であること。二つ、スプリングエイトのバージョンアップと設備の更新が視野に入っていること。三つ、中型放射光施設を整備するためには、整備を望む地域が相当程度の費用を負担しなければ支援しないこと、建設費三百億円の半分、年間に係る運営費、約二十億円の全額の負担が示されました。更に、施設建設後もビームラインの整備に新たに五億円から十億円の費用負担が発生し、運営費二十億円をかけても通年運転できない可能性もあり、世界の最先端を目指す場合、数年ごとのバージョンアップが必要となるため、運営費は更に増加する可能性があるということでした。以上のような文科省からの極めて厳しい、言わば条件提示を踏まえながら、今後の対応について質問いたしましたが、これに対して村井知事は、東京オリンピックを控えており、国において放射光施設整備のための財源確保が極めて困難な状況にあるとの認識を示していました。東北放射光施設で想定されている次世代型の三ゲブクラスの施設は、近年産業界では高いニーズがあるにもかかわらず、国内の既存九施設では十分に対応できていない領域をカバーする施設として熱い期待が寄せられています。最新の最先端科学技術の分野で世界をリードし、これを活用し、ものづくりで勝負に打って出なければ、世界の市場で勝ち残れない。我が国の産業構造に照らせば一刻も早く建設に着手、運用を開始することが求められる施設のはずです。財源を理由に引き延ばしおくれをとれば、世界の先進国のスタンダードから取り残される事態は避けられません。本来は世界を見据えた産業政策として、国家戦略として取り組むべき課題ですが、私は、結果的にオリンピックの財源が優先され、日本の産業界の死命を制する放射光施設が劣後に位置づけられていることに強い危機感を禁じ得ません。そもそもオリンピックと、放射光施設に象徴される我が国の科学技術や産業政策が財源という同じテーブルで順位づけされること自体おかしいことです。全く別なテーマのはずです。六月議会では知事は再三、情報収集活動に努めるとしていましたが、国はその後新しい動きや進展に向けた兆しなど、状況変化のシグナルを示しているのか、伺います。 国が財源の見通しがつき、整備方針を示すのを待ちの姿勢で終始するのではなく、指摘したような問題意識から、国策として国家戦略として、一日も早く設置できるよう財源確保を含め強く要請をすべきです。これまでの取り組み状況を伺います。 その上で、東北放射光施設推進協議会の共同代表の村井知事、東北大学総長、東北経済連合会長を初め六県知事、七国立大学トップ、東経連各代表等の構成メンバーが打ちそろってその必要性、緊急性を国に訴え、国を動かすという熱意を示してはどうでしょうか。村井知事の意気込みと決意をお聞かせください。 指定廃棄物問題に関するテーマについては、今議会、既に六名もの議員がそれぞれの切り口から真剣勝負の質問に臨み、村井知事もその都度、真摯な答弁に終始してきました。しかし、深い霧が立ち込める山野に一条の光が降り注ぐような光景を全く見出せないまま、むしろますます五里霧中の感を深くしています。このような混迷を招いた大きな要因の一つに、臨機応変かつ柔軟な思考と気概を欠いた環境省らしい官僚体質に加え、それ以上にその官僚を督励すべき政治及び政治家のリーダーシップの欠如にこそ、その責任と原因を求めなければなりません。そもそも指定廃棄物は福島第一原発事故が発生元となり、放射性物質が広範囲にまき散らされ、混迷を深めていた最中、冷静沈着な判断がおぼつかない当時の民主党政権のもとで、特措法及びこれに基づいた政府の基本方針が打ち出されたことに端を発します。その後政権交代により自公政権が誕生したものの、民主党政権時代の基本方針を手直しもせずそっくり丸ごと引き継いでしまったことは今さらながら悔いが残ります。政権交代のタイミングは、このスキームを見直す好機でしたが、結局今日までこの呪縛を解けず、どつぼにはまり込んでしまいました。厚く重く垂れ込めた濃霧は今や視界ゼロです。さて、指定廃棄物の放射性濃度の再測定結果及び今後の減少推計値の公表は三市町の候補地返上、白紙撤回表明とともに、今後の展開に決定的な影響を及ぼすことが予想され、新たな局面に入ったと言えます。しかし、特措法及び政府の基本方針に手をつけず、同じ枠組みのまま問題解決の核心に迫ることは不可能です。したがって、次回市町村長会議においてはこの見直しを前提に、今後の本県としての対処方針を意見集約し、これを全市町村の最終合意に位置づけ、決着が図られるよう村井知事のリーダーシップを求めます。そして、今度こそこの対処方針に全市町村が歩調を合わせ、一糸乱れず取り組む道筋をつけるべきです。とにかく、次のステージに移行させなければなりません。以上、指摘した提言に対する所見及び今後の対応、知事の決意をお聞かせをください。 以上をもちまして、壇上からの一般質問を終了いたします。 御清聴ありがとうございました。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 藤倉知格議員の一般質問にお答えをいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、宮城県、仙台市の連携による音楽ホールの整備についての御質問にお答えをいたします。 初めに、宮城県民会館のあるべき姿を総合的に検討すべき時期ではないかとのお尋ねにお答えをいたします。 宮城県民会館は開館から五十年以上が経過し老朽化が進んでおり、仙台市民会館においても同じ課題を抱えているものと認識をしております。また御指摘のとおり、経済界や音楽関係団体の音楽ホール設置に向けた積極的な運動や、他県の状況から、新しい文化施設への県民の期待が高まりつつあると感じております。復興が進む中で、被災者の方々の心の復興への取り組みは、今後ますます重要になることから、宮城県民会館の役割は非常に大きいものと考えており、今議会に提案しております文化芸術振興ビジョンにおきましても、宮城県民会館のあり方について検討することとしたところであります。宮城県民会館のあり方につきましては、文化芸術活動を支え広く発信する拠点として、建てかえを含むあらゆる角度から本格的に検討を行っていく必要があるものと考えております。 次に、宮城県民会館の整備に関するこれまでの検討状況と基礎調査や検討組織の立ち上げについての御質問にお答えをいたします。 宮城県民会館のあり方につきましては、これまで利用者の意見聴取などにより、課題の把握に努めるとともに他県事例の調査を行うなど、継続的に検討を行ってきたところであります。また、仙台市とは所管する施設の現状などについて、定期的に情報交換を行ってまいりました。宮城県民会館の老朽化は年々進んでおりますので、今後は、そのあり方について更に議論を深めていく必要があると認識をしており、新たに庁内関係課等による宮城県民会館のあり方に関する検討会を立ち上げるとともに、引き続き、事務レベルで仙台市と定期的に意見交換を行ってまいります。なお、基礎調査については、仙台市で行われている調査の結果や今後の議論の内容を踏まえながら、必要に応じて実施してまいりたいと考えております。 次に、県と仙台市のコスト分散やトップ会談についての御質問にお答えをいたします。 宮城県民会館のあり方を検討するに当たっては、厳しい財政状況を初めとして、解決すべき課題が山積しております。御指摘のありました二重行政の解消やコスト分散といった視点は大変重要だと考えておりますので、こうした点も考慮しながら、仙台市との連携や民間事業者の活用も含め、さまざまな角度から議論を行ってまいります。なお、仙台市長とは常日ごろからさまざまな機会をとらえて諸課題について意思疎通を図っているところでありますので、宮城県民会館のあり方についてもこうした議論を踏まえながら、必要に応じて意見交換をしてまいりたいと考えております。 次に、大綱三点目、東北放射光施設誘致への取り組みについての御質問のうち、意気込みと決意についてのお尋ねにお答えをいたします。 私も産業界からのニーズが高い領域をカバーし、我が国のものづくり産業の国際競争力の維持、向上に貢献することが期待される東北放射光施設は、議員と同様、国策として取り組むべき課題と認識をしております。復興財源のあり方も変わり、県としては、施設整備への多額の地域負担が困難な状況に変わりありませんが、現在、東北大学及び東北経済連合会が中心となり、民間資金を活用した新たな施設整備の方策を検討しており、施設の利用ニーズが高い我が国の主要な産業界に働きかける活動を行うと伺っております。県といたしましても、東北放射光施設はイノベーションの創出による我が国の科学技術の発展と地域活性化への貢献が期待されることから、今後も昨年度設立いたしました東北放射光施設推進協議会を中心として、東北大学及び東北経済連合会との連携も密にしながら、実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、大綱四点目、指定廃棄物問題についての御質問にお答えをいたします。 指定廃棄物の処理の問題はどんな方針をとっても、必ずだれかから反対される解決が非常に難しい問題でありますので、国のリーダーシップを求めてまいりましたが、残念ながら十分に発揮されたとは思っておりません。また、これまで国に対して、他県での集約処理について、国の基本方針の見直しを求めてまいりましたが、明確に否定されてきており、現時点では、放射性物質汚染対処特措法及び基本方針の見直しを国に求めましても、実現する可能性は低いものと考えております。しかしながら、今般、国から県内の指定廃棄物に係る放射能濃度の再測定結果と今後の方針が示されましたので、県といたしましては、まずは、近く開催する予定の市町村長会議で率直な意見交換を行ってまいりたいと考えております。そして事態が膠着状態に陥ってしまった今こそ、県民の不安や一時保管者の負担を一刻も早く解消するため、国と自治体が協力して解決策を模索していく必要がありますので、調整役として汗をかいてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(安部孝君)
保健福祉部長伊東昭代君。 〔
保健福祉部長 伊東昭代君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊東昭代君) 大綱二点目、統合医療の推進についての御質問のうち、医療費適正化計画の進捗を踏まえた統合医療の認識及び今後の対応についてのお尋ねにお答えいたします。 平成二十六年度における我が県の医療費は、六千八百九十四億円に達しており、社会保障制度の持続可能性などの観点から懸念すべき状況にあります。県では第二期医療費適正化計画を定めて取り組みを進めており、平均在院日数の短縮や、後発医薬品の使用促進が図られつつありますが、今後も医療費の適正化に努めていく必要があると考えております。一方で、統合医療は近代西洋医学と代替療法や伝統医学を組み合わせて行う療法とされ、その中には、病気になる以前の状態から兆候をとらえ、治療を行う予防的な意味合いを有するものがあることから、医療費の削減につながるとも言われております。統合医療については現在、国においてその範囲や安全性、有効性に関する調査研究を進めており、県としては、国の動向を注視しながら情報の把握に努め、今後の取り組みの方向性について検討してまいります。 次に、新設医学部が統合医療の理念と実践を学ぶ機会や講座開設等に道を開けるよう、県として課題や問題意識を蓄積していくべきだと思うがどうかとの御質問にお答えいたします。 ことし四月に新設される東北医科薬科大学医学部は、地域医療に貢献する総合診療医の育成を柱としており、総合診療医には多様で広範な医療知識と技術が求められることから、同大学においても、統合医療の重要性を認識していると伺っております。また現在、東北大学病院内においても漢方内科を設置しているほか、大学院医学系研究科と共同でセミナーを開催するなどの取り組みを行っておりますので、こうした取り組みや、国の動向等を注視しながら、新設医学部において幅広い素養を持った総合診療医が育成されるよう、県としても、統合医療などさまざまな課題について考えてまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(安部孝君)
経済商工観光部長吉田祐幸君。 〔
経済商工観光部長 吉田祐幸君登壇〕
◎
経済商工観光部長(吉田祐幸君) 大綱三点目、東北放射光施設誘致への取り組みについての御質問のうち、国の状況変化とこれまでの取り組み状況についてのお尋ねにお答えいたします。 来年度政府予算案においては、放射光施設などに用いられる加速器共通の要素技術を開発する予算は盛り込まれているものの、東北放射光施設整備のための予算は計上されていないことから、財源確保が厳しく、早期の施設整備が難しい状況に変わりはないものと認識しております。県の取り組み状況といたしましては、施設の整備について継続的に要望活動を実施してきたほか、東北大学及び東北経済連合会と共同での情報収集や情報交換にも努めております。また、東北放射光施設整備推進協議会では、施設の有用性について理解を深めていただくことを目的に、地域企業の方々を対象とした産業利用セミナーを先月開催するなど、機運醸成と理解促進を図っているところです。今後とも粘り強く誘致につながる活動に取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(安部孝君) 五十六番藤倉知格君。
◆五十六番(藤倉知格君) 答弁ありがとうございました。とりわけ、先ほど村井知事自身から、県民会館のあり方についての本格的な検討に入ると、大いに仙台市とも連携を深めていくという非常に強い思いをにじみ出していただいた答弁を言っていただきまして、非常に意を強くしておりますが、兵庫県の文化芸術センターの前例なども紹介しながら、復興への一つの大きいはずみとしてああいう前例、成功例もあるわけでありまして、大いに兵庫県さんの方とも今までの、ここまで至る経過などもしっかりと連携をとっていただきながら、参考にしながら仙台市との連携を更に深めていただいて、強化していただいていずれ近いうちに共同での建てかえという姿が、目に鮮やかに入ってくるような状況なんですね、ぜひ村井知事の御奮闘、期待したいというふうに思っております。 それから指定廃棄物の最終処分場問題なんですが、今回六名もの方、関連質問されておりました。私の質問に対しても例の特措法と基本方針の見直しについては、とにかく幾ら今までも、国に対して要請をしてきた、今後も恐らくそういうことを言っても、国は変更はしないだろうと、変えないだろうということを村井知事が何回もこの場で繰り返されているんですが、しかし、現実は私も指摘したように、大和も栗原も加美も首長さんが十二月の市町村長会議で、候補地返上、白紙撤回をもう表明したわけです。そしてこの三市町の首長さん方はもうそれ表明しちゃったものですから、地元ではその表明の転換はできないんですね、もうできないんです。状況ものすごく大きく変わったと思います、このことによって。そして再測定結果も公表された。しかも三十年後までの六%まで下がるというなところまで出てきた。大きな状況変化がここで起きたということ。それを受けての市町村長会議ということになるわけですから、必ずめぐりめぐって、そうは言いましても、特措法と基本方針に帰ってきちゃうわけですよ、すべての根拠になってるのはこれなわけですから。この見直しをやはりあきらめずに求めていくこと、それを次回の市町村長会議で総意として市町村長会議として、意見集約してほしいんですよ。そして、そこで決めたことは私もさっきも言いましたが、とにかく一糸乱れずやはりどういう方向になるかわかりませんよ、それは。しかしここでまとまったことはある程度の一つをたたき台、対処方針が市町村長会議の場で意見集約される、あるいはそれを受けてその後に四月、五月ごろに村井知事が最終的に取りまとめるのかもしれませんが、いずれにしろ、今度の市町村長会議、極めて大事な場になるだろうと思います。成否を、この問題の成否を左右する機会になるんだろうと思うんです、今度の市町村長会議というのは。これまでよりも決定的に大事になってくるんです。ですから、そういう方向で一つ取りまとめていただく村井知事のリーダーシップをぜひお願いしたいなというふうに思っております。県というのは知事というのは、国と市町村の中間、都道府県というのは中間なわけですから、中間の中で国と市町村との間に入って、村井知事も大変な思いで、この問題だけじゃないんですが、とりわけこの指定廃棄物問題については、国にものも言わなければならない、市町村にも御理解いただけない、そのはざまの中で相当もみくしゃになったと思うんですが、しかし、ここまで来れば次の市町村長会議これほんと勝負ですよ、勝負です。この指定廃棄物問題の成否を分ける起点になるだろうというふうに私は思っておりますから、大いにその辺のリーダーシップを発揮していただきたいということを重ねて要請して、そのことに対して改めて知事の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 今の御質問に答える前に、県民会館につきましては、県庁内の関係課等であり方に関する検討会を立ち上げるといったまでで、まだ本格的に検討を始めるということはまだ一言も申し上げてない。マスコミが聞いているものですから、本格的にと書くかなんかでまた大分県民の捉え方が違いますので、訂正しておきたいというふうに、誤解を解いておきたいと思います。庁内の検討会を立ち上げるということでございます。 それから、指定廃棄物につきましてですが、正直を申し上げまして、環境省はここに至るまで五年間でかなり言っていることが、右に行ったり左に行ったりしているんです。正直私どもも、筋を通してほしいと、言ったことはやってほしいと。この間もどなたかが質問されましたが、指定廃棄物、五箇所で必ず最終処分場つくると言ったじゃないかと。大臣、副大臣もそう言ったじゃないかと、ところが茨城でまた方針が変わりました、そのようなことが今までも多々あるんです。したがって、環境省がこの後どう進むのかという正直不安を持っているのは事実なんですが、しかしこれ処分をする権限を持っている責任がある環境省が県内に一カ所、宮城県の場合は最終処分場をつくるんだと言ってる以上はそれはもう私としてはそれを信じて、それについていって早く処理をしていくということがまず重要だと思っているということであります。私がその責任者であればまた考え方が違ってくるかもしれませんが、しかし、少なくても国がそういう方針でやると今言ってる以上はそれを信じてついていくということが大切だと思っているということです。今度の市町村長会議ではその指定廃棄物の最終処分場をどうするのかという問題もありますが、それ以上に重要なのは、今回出てきた結果を報告をして、そして、八千ベクレルを下回ったものが三分の二あると二千トンあるということですので、これをこれからどうすればいいのかという考え方をまず皆さんから聞くということと、まだ全然測定をしていない未指定の廃棄物がございますので、この分についてこれを測定するのかしないのか、市町村ごと個別にやるのか、県がやるのか、国がやるのか、一括してやるのか、そういったようなことをそんな大きな枠組みを決めた上でその後に指定廃棄物の問題をどうするのかということを話し合っていくというふうになると思います。ただし、国はそのような方針を示していてそして三つの市町は、もう絶対に反対だと言っておりますので、恐らくこの問題については、次回の市町村長会議、あるいはその次の市町村長会議、なるべく早く続けて開こうと思ってますけれども、そこで何らかの結論がぽんと出るということはなかなか難しいというふうに思います。ただ、言ったように今回の最大の目的は、まず再測定の結果報告、そして八千ベクレル以下のものをどうするのか、そして未指定のものをどうするのか、これについて市町村長会議で市町村長さん方の本音を聞きたいというのが、私のこの会のねらいでございます。よろしいでしょうか、以上です。しっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。私も間に挟まってなかなか大変なんですけども、頑張りたいと思います。
○議長(安部孝君) 暫時休憩いたします。 午前十一時四十三分休憩
----------------------------------- 午後一時再開
○議長(安部孝君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。二番角野達也君。 〔二番 角野達也君登壇〕
◆二番(角野達也君) 日本共産党の角野達也です。 まず、私学助成について質問します。 本県の私立高校に通う生徒は、今年度一万七千百十七名で全県で三〇%、中部地区は四〇%を占め、本県の高校教育の一翼を担う役割は大変大きくなっています。その中で私立学校は、どこでも懸命な経営努力とともに、魅力ある学校づくりに取り組んでいます。そうした私立高校の果たす役割を認め、公立学校との負担格差の軽減を図るために、国は昭和五十年に私学振興助成法を制定し、私学助成を推進してきました。しかし、本県の現状は、授業料や施設整備費を合わせた学費が全国的にも高くなっています。平成二十六年度の本県の私立高校一年生の学費は、授業料、施設整備費合わせて年間六十五万三千二百七十八円、福井、京都、神奈川、岡山についで全国五位の高学費です。その結果、私学に子供を通わせている家庭に重い経済的負担がかかっています。同時に、私学に進学したくてもできない生徒も増えています。ある方が、保育コースのある私立高校を志望していた娘に、経済的に厳しいので公立にしてと言わざるを得ず、希望をかなえさせてあげられない悔しさを私に語ってくれました。私学がそれぞれ特徴ある学校づくりに努力されていることはすばらしいことだし、そこに魅力を感じ、あの学校で頑張りたいと子供が望むのも当たり前のことです。こうした思いにこたえ、励まし、支援していくのが、行政の役割ではないでしょうか。 まず、本県の高学費の現状をどう受けとめていますか、お答えください。 高い学費の要因の一番は、全国水準を下回る私学への経常費助成の低さにあります。平成二十七年度の本県の私立高校運営費への高校生一人当たりの補助額は全国三十五位となっています。なぜこうなっているのか、調べて驚きました。補助金の内訳は、国庫補助と地方交付税、県単独の補助金の三つで成り立っています。本県の場合、県単独補助が極めて少ないのです。東北の各県と比べてみると、今年度、国基準に対して、山形四万六千八百三十七円、福島二万八千八百二十四円、岩手は一万七千二百五十九円上乗せしていますが、宮城は百三十五円にすぎません。スズメの涙とも言えない水準です。おくれているという認識があるのでしょうか、お答えください。 更に、県は、この県単独分を毎年減らし続けています。平成十年には四万五千三百八十円だったものが、二十年に四千六百六十四円に激減し、現在は百三十五円、何も助成していないと言われても仕方ないような落ち込み具合です。昨年の宮城県私学振興大会の松良千廣中高連会長のあいさつでも、心配なのは県からの上乗せ額は七年前は一人当たり三千円を超えていたが、昨年は一人当たり三百三十九円、ことしは百三十五円とゼロに近づいていることと指摘されています。限りなく県の補助が消えゆこうとしていることに重大な危惧が叫ばれているのです。なぜ、こんなにも助成を減らしているのか、その理由をお答えください。 県の担当者は、それでも少しずつふえているとおっしゃいます。確かに総額では毎年一%程度増額されていますが、それは国がふやしているからであって、県が減らしていることの言い訳にはなりません。私学振興助成法が制定されたときの国会附帯決議でも経常費の二分の一を補助すると目標が定められていました。本県の平成二十六年度の高等学校経常費に対する運営費補助割合はどうなっていますか。三六・二%ではありませんか。より早く二分の一助成に近づけるためにも、直ちに県単独の補助を引き上げるべきです。知事の決断を求めます。 低い助成は、高学費で家庭を苦しめているだけではありません。教職員の中に非正規が広がり、今では四七・〇四%、半分近い教職員が非正規という状況に置かれています。公立高校で非正規の教員が半分だったら大問題になるはずです。それは私学の責任だと突き放すのではなく、私立学校法や私学振興助成法の本旨にのっとり、県の支援で正規の先生をふやし、私学教員の待遇改善を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。 私学の就学支援金は、入学時に申請書と前年度の課税証明書を提出し、六月から七月に届け出書と当該年度の課税証明書をつけて提出、その後決定されることになっています。仕組み上、基本的に入学してから夏までの授業料は、まず払わなければなりません。とりわけ入学時は大きな負担がかかります。決定されるまでの間、県が立てかえるような制度をつくることも大事な仕事と考えます。検討を求めます。お答えください。 次に、三十五人学級について質問します。 本県の三十五人学級は、小学校一年生と二年生、中学校一年生の三学年だけの実施となっています。党議員団は、市民団体や教職員組合の皆さんとともに、一貫して中三まで全学年での実施を求めてきました。市長会・町村会からも少人数学級の拡充を求める要望が出されていますが、県は、国がやるべきお金の関係でできないと退けてきました。しかし、いじめや不登校、学力の問題、情緒不安の子供の増加、教職員の過重負担や精神疾患の増大など、学校教育をめぐってさまざまな問題が社会問題となっているとき、国がやるべきとか、お金がないと言って、先延ばしすることは許されません。教育長も文教警察委員会で私の質問に対して学校現場、各教室で先生方が子供たち一人一人によりきめ細かく指導支援していくためには、人数が少ない方がそれが効果的にできるというふうに考えておりますとその有効性を認めているではありませんか。改めて、教育長に確認します。この認識は今も同じですね、お答えください。 私は、国がやるべき、お金がないからというのは理由に値しないと思います。それは、県自身が一部で三十五人学級や少人数学級を県のお金を使って進めているからです。県内には、県立の中高一貫校が二校あります。古川黎明中学と仙台二華中学です。両校とも一学年の定員は百五名。三クラスですから最初から三十五人学級が前提となっています。そしてそのことが入学案内や学校紹介で魅力としてアピールさえされているのです。同じ県が管轄する義務教育の過程で、一方では少人数学級を保障し、一方では多人数状態を放置することは、教育の機会均等、どの子も等しく教育を受ける権利を保障する憲法から見てあってはならないことだと考えますが、いかがでしょうか。 少人数学級の効果は既に実証されています。山形県では、さんさんプランと銘打って小一から中三まで全クラスを三十三人以下にしています。山形県における少人数学級編成の効果については、文科省の初等中等教育局財務課のホームページでも、学力の向上、不登校の減少、欠席率の低下の効果があることが紹介されています。私は、学ぶところが大きいと考えますが、本県の現状と比べて、この山形の成果をどう受けとめておられますか、お答えください。 本県の現状が、全国から見ても異常だと認識すべきです。青森県、小四までと中一が三十三人以下、岩手県、小四までと中一が三十五人以下、秋田県はこの四月から小六も加えて、中三まで全学年で三十人程度、福島県も中三まで三十人以下となっており、どこも県が独自の財源を確保して少人数学級を実現しています。東北最大の財政力を持つ本県の現状が、まさに財政の執行権者である知事の姿勢にこそ最大の問題があります。県立中学では実施をしています。知事の決断を強く求めます。お答えください。 九歳の壁という言葉がありますが、現役の先生から話を聞き、小学校三年生って本当に大変だなと思いました。知事は、三年生が何を新たに習うか、知っていますか。国語は、一年生で八十字、二年生で百六十字だった漢字が、二百字になります。習字も始まって、筆の持ち方の指導や墨をこぼして後始末にも手がかかります。理科では、観察や実験が始まり、教員は実験器具の管理にも気を使わねばなりません。社会は、校外学習も増え、音楽では、リコーダーが加わって、ハーモニカと両方習わなければなりません。算数は、足し算、引き算、掛け算とはまた違う割り算という新たな演算が導入され、その後には小数の勉強もしなければなりません。教える側の先生にとってもこれまで以上の苦労が求められ、習う側の児童にとっても、理解したり、授業を受けるにも、最も跳躍が求められるのが小学校三年生なのです。ところが宮城では、三年生になった途端、四十人学級となり、大人数で学ばなければならない、教えなければならない。大変だと思います。私は、中三まで全学年での三十五人以下学級を求めていますが、こうした視点から、まずは小三から早期に開始すべきではないでしょうか。全学年で実施をするのに約四十一億円かかりますが、小三だけだと五億円でできると県当局も試算しています。一般財政の〇・〇六パーセントのやりくりができないとは言わせません。直ちに開始することを強く求めますが、いかがでしょうか。 三つ目に、県財政について伺います。 県民がおさめている税金がどのように使われているのか、県の財政状況がどうなっているのか、県民にわかりやすく知らせるのは税金を扱う県の大事な責任です。県民が知る方法として、唯一当局から広報されているのが、県政だよりに掲載される普通会計決算です。平成十一年度から二十六年度まで、どういう報告がされているのか、つぶさに見てみました。見出しに厳しい財政という言葉がまくら言葉のように踊っている決算報告ですが、私が不思議に思うのが、借金はグラフで書かれているのに、貯金、株などの財産は一切書かれていないことです。財政課のホームページに公表されている財政状況によると、平成二十六年度末で、県有財産として、基金四千六百七十八億円、更に株や出資による権利なども含めて、総額で一兆三千五百億円の財産を有しているとなっています。私は、こうした貯金や資産もきちんと掲載し、県民に正しく知らせるべきと考えます。改善を求めますが、いかがでしょうか。 県政だよりでは、臨時財政対策債を借金と一くくりにして、県債残高が二十六年度で一兆六千二百十二億円と紹介されていますが、この描き方は県民に誤解を与えるものであり、改善を求めます。なぜなら、臨財債が始まる前年の平成十二年は、県債残高は一兆三千三十三億円、それが現在、臨財債を除く県債残高は一兆九百二十六億円で二千億円以上減少しているのに、そのことが県民にストレートに伝わらないからです。総務部長は、十一月議会で県の借金について聞かれ、県民一人当たり平成十一年度は五十五万七千五百九円、二十六年度は七十三万五千五百四十円と答えられました。これは臨財債も含めた数字ですが、それだけ聞けば、県民はえっ、宮城県てそんなに大変なの。震災もあったから借金がふえたんだろうな。やっぱり我慢しなきゃならないのかなって思ってしまいます。でも、事実は違います。平成十二年までは、国が国債を発行して地方交付税措置をしていたものを、これ以上国債発行できないから、とりあえず地方債で賄って立てかえといてと導入されたのが、臨財債です。あとで、国から交付税で返ってくるものです。それをあたかも実質の借金のように宣伝するのは、県民に真実を知らせているとは言えません。借金は減っているのに、ふえているかのように報告するという、真実をゆがめる姿勢は直ちに改めるべきです。改善を求めます。いかがでしょうか。 国は、毎年臨財債の発行可能額を示しています。県は一部年度を除いて、一〇〇%発行していますが、平成二十三年九二・一%、二十五年は七一%、二十六年は七四・八%しか発行していません。まず、なぜこの時期にだけ満額発行しなかったのか、その理由を示してください。 県政だよりには、実質的な剰余として純粋な黒字がグラフで書かれています。平成二十二年、百六十九億円、二十三年、百五十六億円、二十四年、八十一億円、二十五年、四十八億円、二十六年、五十七億円と下降線をたどっています。説明でも財政状況が好転しているということはできない状況と述べていますが、本当に財政は好転していないんですか、お答えください。 この評価は、わざわざ、県民のために使えるお金が余っているわけではないことを殊さら強調するために、書かれている文章だとしか思えません。なぜなら平成二十五年度も二十六年度も臨財債を七割しか発行していないからです。未発行額は、それぞれ百八十九億円、百六十億円です。仮に満額発行していたら、黒字がもっとたくさんあることを示すことになります。更に、県民や被災者のためにもっと仕事ができたことを示すことになります。私には、それを隠すための財政操作としか思えません。こういう財政操作をしておいて、黒字を小さく見せることは、県民に正しく知らせているとは言えません。県政だよりには、せめて臨財債の発行を抑えたので、黒字額は低くなっていますが、県財政は大丈夫ですと、正直に書いたらいかがですか、お答えください。 いずれにせよ、県財政が県政だよりが言うほど、悲観的でないことは明らかです。この県政だよりを見ていると、県民に財政の厳しさを強調し、我慢を強いるために、かなり意図的に編集されているふうに思ってなりません。県民だけではありません。こういう宣伝が職員の皆さんの頑張りに報いないことになっているのではないかと強い懸念を持っています。この間、私は文教警察委員会で、県武道館のシャワー室が壊れたまま長期にわたって放置されてきた問題や信号機設置要望が年間五百九十カ所以上出されているのに、設置されるは二十八カ所と大変お粗末な状態であること、更には道路のとまれ表示でさえ、警察庁から原則として設置することとするという通達が出されているのに、予算がないとして警察職員が市町村に書いてくださいとお願いして回って、市町村も対応に苦慮していることを指摘してきました。そこに共通しているのは、限られた予算しかないという理由で、予算要望すらまともにされなくなっている現実です。知事や財政当局の極端な宣伝によって、職員の皆さんが、県民の命や安全、健康のために必要な仕事もできなくなっているとすれば、それは県政にとって大きな不幸ではないでしょうか。改めて、財政の実態を、県民に、そして職員の皆さんにもわかりやすく、正確に、正直に知らせるよう改善を求めます。お答えください。 知事を初め執行部の皆さんにあっては、県民や子供たちに寄り添った、心のこもった答弁を求めて、壇上からの質問とします。 ありがとうございました。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 角野達也議員の一般質問にお答えをいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、私学助成の拡大についての御質問のうち、全国五位となっている県内私立高校の高学費の現状についてのお尋ねにお答えをいたします。 平成二十六年度文部科学省の調査において、宮城県は授業料及び入学料は全国平均を下回っているのに対し、施設整備費が全国平均を上回っておりました。私立学校は、建学の精神に基づき、特色と魅力ある教育を展開しております。そのため、中には非常に充実した施設設備を整えているところもあり、それに見合った設備整備費の設定がされているものと考えます。なお、低所得世帯に対しましては、平成二十六年度から授業料以外の教育費負担を軽減するため、高校生等奨学給付金が創設され、保護者の負担軽減が図られております。授業料、入学料は安いということでございます。 次に、大綱二点目、三十五人以下学級の拡充、直ちに小学校三年生で実施を、についての御質問のうち、我が県も実施を決断すべき、まずは小学三年生から早期に開始すべきとのお尋ねにお答えをいたします。 義務教育については、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものであり、本来、学級編制も含めて、国の責任において定められるべきものと考えております。その上で、現在我が県では、国で標準としている小学一年生に加えて、小学二年生と中学一年生においても三十五人以下学級を実施しておりますが、中学一年生で不登校となる生徒の割合が全体の中でも突出しているなど、その成果については明確になっていない状況であります。このようなことから、現状においては三十五人以下学級を小学三年生に拡大するよりも、不登校やいじめ問題などへの対応、子供たちの心のケア対策等に重点を置いて取り組むべきものと考えております。 次に、大綱三点目、県財政は本当に厳しいのか、県民に正直に報告を、についての御質問にお答えをいたします。 まず、県の資産の状況の県民への周知についてのお尋ねにお答えをいたします。 県の資産の状況につきましては、これまでも御指摘の財政状況を公報やホームページに掲載するほか、財産現在高明細書を決算説明資料として議会に提出するとともに、県政情報センター及び県政情報コーナー等に配架するなど、広く県議会や県民の皆様にお知らせしてきたところでありますが、今後、県政だよりへの掲載も含めて、より一層の周知が図られるよう検討してまいります。 次に、県債残高の表現の仕方を改善すべきとの御質問にお答えをいたします。 県の財政状況については、県政だよりや県のホームページ等を活用して、県民の皆様へお知らせしているところであります。県の借金である県債残高については、普通会計決算の状況をお知らせする際に、地方交付税の振りかわりである臨時財政対策債とその他県債に区分し、それぞれの残高を明示しております。また、臨時財政対策債について、返済財源は後年度に国が措置することになっている旨を注記しております。なお、平成二十六年度の普通会計決算をお知らせした平成二十八年一月、二月号の県政だよりにおいて、県の借金である県債残高総額は、前年度と比べて減少しており、これまでの財政状況の改善のため取り組んできた県債の発行抑制の効果が、徐々にあらわれていますと正直に記載し、県債残高が減少に転じたことをお知らせしております。今後とも、県の財政状況、特に県の借金である県債残高について、臨時財政対策債の取り扱いを明確にするなど、なおわかりやすい工夫を検討してまいりたいと思います。 次に、過去に臨時財政対策債を満額発行しなかった理由についての御質問にお答えをいたします。 我が県では、毎年度二月補正予算において、県税等の歳入の状況や所要額の精査、事業の執行状況等の歳出の状況等を踏まえて、歳入が歳出を上回った場合は、県債の発行抑制や基金への積み立て等を行う一方、財源に不足が生じた場合は、県債の増発や基金の取り崩しを行い、その後も、年度末の専決処分等において、同様の対応を追加して行っております。お尋ねのありました平成二十三年度、二十五年度、二十六年度においては、歳入が歳出を上回っており、また、基金残高は一定程度確保されたことなどから、将来負担を軽減することが財政運営上最善であると判断し、二月補正予算及び年度末の専決処分において後年度に財政措置のない行政改革推進債や退職手当債等のほか、臨時財政対策債の一部について発行を抑制したものであります。 次に、財政状況についてのお尋ねにお答をいたします。 我が県の来年度当初予算の編成においては、必要性や優先度が高い事業に重点的に配分し、通常の事務事業の徹底的な見直しを継続するなど、みやぎ財政運営戦略に掲げる歳入、歳出両面にわたる取り組みを着実に実施したにもかかわらず、平成二十七年度当初予算を上回る百三十八億円の財源不足が生じ、財政調整基金の取り崩しで対応いたしました。また、この財源不足の解消に活用する財政調整関係基金については、平成二十五年度決算時の残高約五百四十一億円から毎年度減少し、来年度当初予算の編成後では、二百八十二億円となっております。五百四十一億円が二百八十二億円ということでございます。なお、先日公表した中期的な財政見通しにおいても、毎年度財源不足が発生し、平成三十一年度には財政調整関係基金が枯渇し、約百十六億円の財源不足が生じる見通しとなっております。このように、我が県の財政は、依然として厳しい状況が続くものと懸念しており、今後もみやぎ財政運営戦略に掲げるさまざまな財源確保対策を着実に実施するとともに、予算の調製や執行の過程において、更なる財源確保対策を講じてまいりたいと考えております。 次に、臨時財政対策債の発行抑制と財政状況の周知についての御質問にお答えをいたします。 繰り返しになりますが、過去において臨時財政対策債の一部の発行を抑制したのは、年度末において歳入が歳出を上回り、また基金残高が一定程度確保されていたことなどから、将来負担を軽減することが財政運営上最善であると判断したためであります。また、先日公表した中期的な財政見通しでは、平成三十一年度には埋めることができない財源不足が生じる試算となっておりまして、県財政を取り巻く環境は引き続き厳しい状況が続くということでございます。 次に、県財政の実態の周知についての御質問にお答えをいたします。 県の財政状況につきましては、これまでも、各年度への予算や決算、財政の中期見通しなど県政だよりやホームページなどで、わかりやすく、正確にお知らせするよう努めてまいりました。今後も、県の財政状況について正しい理解が一層深まるよう、県民の皆様に対する丁寧な情報提供に心がけてまいります。 以上でございます。
○議長(安部孝君) 総務部長山田義輝君。 〔総務部長 山田義輝君登壇〕
◎総務部長(山田義輝君) 大綱一点目、私学助成の拡大についての御質問のうち、私立高校運営費に対する県単独補助金についておくれているという認識はあるのかとのお尋ねにお答えいたします。 私立高等学校の平成二十七年度運営費補助単価においては、一万二千三百三円の県単独補助を措置しておりますが、別途補助している共済費相当額一万二千百六十八円を単価から控除していることから、国の財源措置との差額が百三十五円となっております。文部科学省調査による平成二十六年度確定ベースでの運営費補助単価の全国順位は三十位でありますが、各県の補助単価の差は、大都市圏を抱えているかなど、各県の事情が異なることによるものと認識をいたしております。 次に、県単独補助金が毎年減り続けている理由についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、厳しい財政状況のもと、歳入の確保と歳出の削減など、事務事業の徹底的な見直しを実施しており、県単独補助金についても、その対象としているところであります。今後も、県財政は厳しい状況が続くことが見込まれますことから、引き続き、不断の見直しが不可欠と考えておりますが、学校教育において私立学校が果たす役割の重要性を踏まえ、私学助成の充実に努めてまいります。 次に、高等学校経常費に対する運営費補助の割合を二分の一に近づけるためにも、直ちに県単独補助金を増額すべきとのお尋ねにお答えいたします。 県による運営費補助の根拠法である私立学校振興助成法においては、都道府県が補助する場合、国がその一部を補助することができると規定されておりますが、二分の一助成についてはうたわれておらず、立法過程での、二分の一補助に努めるとの国会附帯決議につきましては、私立大学に関するものと承知しております。我が県の私立高等学校の経常費に対する運営費補助割合は、各学校により異なっており、補助額が経常費の二分の一に近づいている私立高等学校もございますが、運営費補助単価につきましては、前年度を上回るよう引き続き努めてまいります。 次に、県の支援で私立学校の正規職員をふやし、待遇改善を図るべきではないかとのお尋ねにお答えいたします。 私立学校では、特色ある教育を行う中で多種多様な科目を展開しており、一週間当たりの授業時間数が少ない科目も多いこと、また、毎年の入学者数に応じて、学級編制等を柔軟に行う必要があることなどの事情があるものと認識いたしております。教職員の数や配置、その待遇等については、各学校の事情に応じた対応がなされているものと考えております。 次に、就学支援金が決定されるまでの間、県による立てかえ制度を創設すべきとのお尋ねにお答えいたします。 私立学校の生徒に対する就学支援金は、学校設置者が生徒にかわって受け取り、授業料と相殺し、就学支援金と授業料との差額を生徒が負担することとなっております。就学支援金の支給認定は、課税証明書等の書類の確認が前提でありますので、県からは四半期ごとに概算払を行っておりますが、他県の状況や学校側の実情等を確認してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(安部孝君) 教育長高橋仁君。 〔教育長 高橋 仁君登壇〕
◎教育長(高橋仁君) 大綱二点目、三十五人以下学級の拡充、直ちに小学校三年生で実施を、についての御質問のうち、少人数学級の有効性に関する認識についてのお尋ねにお答えいたします。 基本的には、教室で子供たち一人一人によりきめ細かく指導していく上では、子供たちの人数が少ない方がよいと考えております。 しかしながら、我が県の昨年度の学級規模別の不登校出現率のデータなどを見ると、そのことと少人数学級の有効性とは必ずしも一致するものではないと、現時点では認識しております。 次に、県立中学校は三十五人学級でありながら、他の中学校において多人数状態を放置していることは、教育の機会均等の原則に反しているのではないかとの御質問にお答えいたします。 中学校の学級編制については、設置者の判断により個々の学校ごとの事情に応じるなど、教育的配慮の観点から弾力的な運用が可能となっており、県内の三市町においても、三十五人以下の学級編制を独自に実施しているところであります。県立中学校の定員については、中高一貫校として開校した初年度から非常に高い倍率が続いたことや中高一貫校における中学校と高等学校の生徒数のバランス、更には、近隣中学校に与える影響などを総合的に考慮した結果、平成二十五年度からそれまでの募集定員八十名を、二十五名ふやし、百五名としたものであります。 次に、隣県の少人数学級の成果をどう受けとめているのかとの御質問にお答えいたします。 山形県においては、小学一年生から中学三年生まで全クラスを三十三人以下にするとともに、指導方法の工夫などさまざまな取り組みによって、一定の成果が出ているものと承知しております。文部科学省においては、山形県の取り組みも紹介しながら、三十五人学級の実現を目指しており、県教育委員会としましては、国において小・中学校全学年で三十五人学級が早期に実現されるよう、要望を継続してまいります。一方、我が県においては、不登校の出現率と一クラスの生徒数との関連性が特に認められないというデータなどもあることから、まずは、震災による児童生徒の心のケアを初め、いじめ問題や不登校対策などに優先して取り組んでいくことが必要であると考えております。 以上でございます。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) まず、私学助成ですが、私学共済にも出しているというお話だったんですが、それは通用しない議論だと思います。ほかの県も私学運営費への一般的な補助とともに、別枠で共済への補助をやってるんです。日本私立学校振興共済事業団に聞いてみました。ほとんどの県で援助を受けており助かっているとおっしゃいました。問題は、学校への運営費補助です。低いですよね、認めてください。
○議長(安部孝君) 総務部長山田義輝君。
◎総務部長(山田義輝君) 経費を順番で並べるところによれば、先ほど申し上げたとおり決算ベースでは全国三十位であるということは、事実でございます。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) では、その運営費補助、今年度二十八年度は来年度予算の中では国基準、国の財政措置に対してプラス何円となっていますか。
○議長(安部孝君) 総務部長山田義輝君。
◎総務部長(山田義輝君) 二十八年度については、ゼロとなってございます。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) 私は、愕然としました。県単独補助は結局マイナス百三十五円。ついにゼロです。私学団体の皆さんが恐れていたことが現実になろうとしています。これでは理解は得られないと思います。来年度予算、見直すべきです、いかがですか。
○議長(安部孝君) 総務部長山田義輝君。
◎総務部長(山田義輝君) 平成二十八年度ということであれば、見直す予定はございません。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) そんなにお金かかるわけじゃないんです。仮に一人当たり一万円引き上げるとすれば、一億七千万円です。その程度の助成をすることは、今すぐにでも可能だと思います。また、これからでも遅くはありません。改めて増額を求めますが、知事、お願いします。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 先ほど答弁しましたが、御質問の中にありましたけれども、単価自体は増えているということでありまして、学校に与える影響自体はプラス方向に動いているというふうに御認識いただきたいと思います。これに限らず、ありとあらゆる事務事業を見直して、そして県はここまでずっとやってきました。一気にゼロにするわけにいかないということで学校と話し合いをしながら、徐々に徐々に減らしたという経緯がございます。したがってこの点につきましては急に突然、ある日突然ばっと切ったわけではなくて、少しずつ話し合いをしながら減らしてきたというそういった事情も、御理解をいただきたいというふうに思います。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) 本当に一人一人の高校生をどう見るのかということだと思うんです。総務部の担当なのでお金でしか見ないのかもしれないけれども、問題は一人一人の高校生が公立高校に行こうが私立高校に行こうが安心してそこで学んで、そして親の経済的負担もできるだけかけないで学んで、そして社会に送り出そうというための私学助成です。考え方が違うと思います、どうですか。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 国の方もそのような形で支援をしているということございまして、それについては県も国の制度にのっとって、きちっと対応しているというふうなことでございます。ずっと先ほどから御質問を聞いておりましたら、たった七億、たった十億、たったとおっしゃってたと思ったんですけども、別の人が言ってたんですか。そのようにおっしゃってましたけれども、そういうのを積み重ねていくと、すぐに二十億、三十億、五十億という形になります。こういったようなものは当然ですけど一回やるとやめられなくなってしまうということで、それが十年、二十年すると、あっという間に何百億というお金になってしまうと。したがって、踏み切るまでには相当程度、きょう、明日のことだけではなくて長い目で、スパンで見ながら対応を考えていかなければいけないということです。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) 本当に今の宮城県の県政の本質がこういうところにあらわれているんだなということがよくわかりました。また、総務企画委員会だとか別の場でもこの問題については、しっかりと求めて追及していきたいと思います。 三十五人学級、教育長に移ります。確かに県立高校、いろいろ特色を出したりしているのは事実だし、それから受験があって競争もあるというのもこれは事実です。しかし、同じ義務教育の過程で一方の学校は配慮するけれども、もう一方の学力や体力にも差があって、さまざまな個性を持って、いろんな問題を抱えた子供もいるかもしれない。そういう子供たちが通う学校にはきめ細かい指導が行き届かなくてもよいとおっしゃるんでしょうか。どの子もひとしく成長させる責任が教育にはあるんじゃないですか。
○議長(安部孝君) 教育長高橋仁君。
◎教育長(高橋仁君) 県立中学校の募集定員の変更については、先ほど答弁で申し上げたとおりでございます。中学校の子供たち一人一人にできるだけゆきとどいた教育をしたいという思いは、議員と私と同じだというふうに認識をしております。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) だからやってほしいんですけれども、さっきから不登校との因果関係だけをおっしゃいますが、私きょう一言だけ不登校と言いましたけど、あとは学力の問題だとか、いじめや不登校の問題だとか、先生の負担だとかさまざまなものを総合して三十五人以下にすることは効果があるし、大事なんじゃないかと言ったんです。それを教育長が前の議会でも出された不登校だけをもってどうこうという、それだけをもって今もおっしゃるんですけど、私と認識が違うんです。そこちゃんと答えてください。
○議長(安部孝君) 教育長高橋仁君。
◎教育長(高橋仁君) 私、不登校のことでデータがあると申し上げました。不登校などのデータなどもというふうにお話ししたんですが、実は二十六年の全国学力学習状況調査、これも学級規模別にとっております。これを見ると正答率が高いのは必ずしも三十一人から三十六人ということでもないです。中学校ですと、三十六人から四十人の方が三十一人から三十五人以上より高い正答率になっているというデータもございます。ですから不登校だけに限らず、さまざまなことについて必ずしも三十五人学級が有効かどうかというのは、まだちょっとわからないというふうに思っております。それよりも、今やるべきことは不登校であるとか、いじめであるとかそういったところにしっかりと予算を充当して対策を講じていくことが優先だというふうに考えているということでございます。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) 一体、山形から何を学ばれたのか、耳を疑います。次に、そのうえで。ところで教育長、小学校三年生が八十四割る二をどう習っているか御存じですか。
○議長(安部孝君) 教育長高橋仁君。
◎教育長(高橋仁君) 現在どういうふうに教えているかは、承知しておりません。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) 小学校三年生は、八十四割る二を八十と四にまず分けるんです。その八十が、八が十個あると考えて八を二で割って、二、四が八で四という答えが出てくる。そしてそれが十個あるので四十という値が出る。その残った四をもう一回二で割ってこれは、二、二が四で四になる。だから二という値が出る。これを四十と二を足して四十二という答えがやっと出てくるんです。大人が考えても難しいことを子供たちはやっているんです。そのあと、筆算にいくんです。だから小学校三年生のときって大変でわからなくなっちゃったり、ついていけない子が出てくるんです。だから私は九歳の壁を現場の先生だけの頑張りに、児童だけの頑張りにさせてはならないと思って言ってるんですが、一歩踏み出せませんか。
○議長(安部孝君) 教育長高橋仁君。
◎教育長(高橋仁君) 今、小学校三年生の算数の割り算の教え方についてお話いただいて、改めて先生方が、さまざまな工夫をしながら子供たちの発達段階に応じて適切な指導をされているんだなというふうに感じたところでございます。それについて四十人の学級の中でもできる部分もあるでしょうし、さまざまな工夫の仕方があるかというふうに思っております。先ほど申し上げましたように、まず優先すべきは、いじめ、不登校、そして子供たちの心のケア、これに優先して教育委員会としては取り組んでいかなければならないと考えております。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) どっちが優先ということでなくて、全部やる必要があると指摘しておきたいと思います。 財政に移ります。臨財債の未発行について、将来の負担軽減のためとおっしゃいました。しかし、これは事実と違うと思います。大体、臨財債は四年後から三十年にかけて県の実質的な償還が始まり、発行してもしなくても国からは五年据え置いた上で、二十年から三十年かけて交付税措置をされるものです。だから未発行の効果があらわれるのは、そもそも二十年くらいあとのことです。そんな先のことを理由とするのは、私はまやかしだと思います。臨財債の発行額は最終的に二月の補正時に判断されるので、二十五年、二十六年度は発行しても黒字だし、これ以上発行すると黒字が大きくなってまずいと判断したとしか思えないんです。そういう意図はなかったんですか、正直にお答えください。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 臨財債を三カ年度発行抑制したというのは、事実でございます。角野議員がおっしゃるように、これは将来、国から交付税措置される財源、これを発行して財源を確保しておけばよかったんじゃないか、それを使えばよかったじゃないかという、そのお気持ちはよくわかるんですが、震災からまだ五年、それであと五年で国のいろんな施策が恐らく終わるだろうという考え方のもとに、当然、災害対策、復興やってるわけですが、十年たったらじゃ、すべて復興が終わるかというと決してそうではなくて、これからまちづくり等が始まって、そういった企業の支援であったり、今の子供さん方の支援であったり、いろんなことがでてくるということです。また、震災を契機に、いろんな事業を一時とめてるものもあるということで、これから非常に大きな財政需要が見込まれてくるということです。それに合わせて、しっかりと財源は将来において確保しておかなければならないということがありますんで、まず、今その臨財債を使ってどんどんお金を使っていけばいいという、今のことだけならそれでいいんですけれども、やっぱり長い目で十年、二十年考えて復興完成させるということを考えると、そう簡単に新たな借金をして財源をつくっていくということは必ずしも好ましいことではないということは御理解いただきたいと思います。その上で我々としてはトラウマがございまして、三位一体改革のときに、十年前です。三位一体改革で、ある日突然ばさっと財源を切られて、交付税を切られて、それで我々一気に倒産寸前、財政再生団体になる直前にまで追い込まれてしまって、職員給与カットしないとならないという状況まで追い込まれたということです。やはり借金はできればしない方がいいに決まってるんです。借金をしなくても、お話のあったように、必ず将来、地方交付税でその財源はきますので、ですからその財源が来るのを将来のために使いたいということで、我々は今回発行を抑制したということでございます。発行を抑制したことによって、当然ですけど三位一体改革のときのようなリスクも低減できたということでありますので、私は対応としては間違っていなかったのではないかなというふうに思います。ただ、共産党の角野さんの主張としては、そのお金があれば今おっしゃったような、いろんな施策をやれるじゃないかというのもそのとおりだというふうに思います。それをすると十年、二十年すると間違いなく宮城県は財政破綻してしまいますので、その優先順位をどこにとるかということで、今の教育長の答弁のようにもなってくるということでございまして、その中で、いろんな御意見をいただいてますので、我々としては、取り入れられるのは取り入れますけれども、すべて何もかもやれるというような状況では、決してないということは御理解いただきたいと思います。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) 全国でそういうことをやっているのは、宮城県ぐらいだということを指摘しておきます。それで、中期財政見通しを錦の御旗のようにして三十一年度には財調基金が枯渇するというふうにおっしゃいますけれども、この見通しって全く何のあてにもならないものなんです。だって毎年同じこと言ってるんです。二十二年には二十五年度に枯渇する。二十三年には二十六年度に枯渇する。二十四年度は二十七年度に枯渇する。必ず三年後枯渇することになっているんだけれども、枯渇したことは一度もないんです。天気予報よりも正確性のないものなんです。こんなものを使って県民に大変なんですと言ったって、だれが信用できますか。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) オオカミ少年じゃないかと言われても仕方ないかもしれませんが、そうとらえられてもしょうがないんですが、ただ我々としては、前提が当然あるということです。これも三位一体改革のトラウマなんです。前提があるということです。ですからその前提に基づいて、ことしと同じようなことでずっと続けていって社会保障費がずっと伸びていったときにはどうなるかという前提の基にやってるということです。したがって、その前提を変えれば、いかようにもなるんですけれども、一番厳しい状況で見ざるを得ないということです。ですから何かあったときに、宮城県も一時は本当に財政調整基金が枯渇したときもあるんです。本当に倒産寸前まで、ぎりぎりまで追い込まれたときがあったんです。そういうときに職員の採用も全部とめなければいけなくなってしまった。そういう時期があったんです。そういうふうにならないように、宮城を復興させていかなければいけない、発展させていかなければならないということで、私だって、角野さんが言ったことをわかりましたと言えたらこんな気持ちのいいことはないわけですけれども、それは言いたくても言えないという、そこを御理解いただきたいというふうに思います。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) ですから、これは、そういうものなので財政の担当者が日々頭を働かせるための参考資料ぐらいにしておけばいいんです。何もこれで県民をあおることはないんです。村井知事が今おっしゃったことは、あるプロ野球球団が、まだ弱くて先が見えないからといって、選手の年俸を抑えておいて選手が頑張って、ファンもせっせと球場に足を運んで観客動員も収入もふえ、更に日本一になっても、三年後がどうなるかわからないと言って年俸を上げないのと同じことなんです。選手も、県民も、たまったもんじゃありません。そのことを指摘しておきます。ところで、県政だよりの見出しですけれども、すごいです。平成十一年、引き続き厳しい財政状況。十二年、なお厳しい財政状況。十三年、以前続く厳しい財政状況。十四年、財政規模が四年連続で縮小。十五年、財政規模五年連続で縮小。十六年、財政規模六年連続で縮小。十七年、県財政の硬直化進む。十八年、以前続く財政の硬直化。十九年、極めて厳しい財政状況反映。二十年、厳しい財政状況が続いています。二十一年、税収が減少し厳しさ続く県財政。二十二年、東日本大震災で厳しさ増す県財政。二十三年、依然として厳しさ続く県財政。二十四年、復興推進するも厳しさ続く県財政。二十五年からは、震災対応の加速化と財政の健全化の堅持、維持など大見出しのニュアンスは変化していますが、小見出しでは、ちゃっかり二十五年、予断を許さない財政状況。二十六年、県債残高が減少するもなお予断を許さない財政状況。二十年近くにわたって、今にも破産寸前というような見出しが、これでもかこれでもかと続いています。これこそオオカミ少年なんです。全く信用できないんですが、こういう極端な見出しはやめるべきです。どうですか。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) まさに、それくらいの危機感を持ってやってるということなんです。これを県民の皆さんに御理解をいただきたいと思って繰り返し、繰り返し、繰り返し言ってるわけです。これは、少なくとも私が県知事をやってる間はずっと言い続けると思います。そうしないと、後世の人に負担を押しつけることになるんです。私たちは後世の人に希望を持っていただくような社会をつくらなければいけない。そのためにも借金を一兆二千億円、一兆二千億といったら大変な金額ですから。一万円の札束をずっと並べると十数キロになるんです。それくらいのお金を宮城県で今、借金をしているわけです。これは我々の、これから生まれてくる子供たちが返していかなければいけないということです。それを少しでもゼロに近づけるように努力をするということが重要だと思います。県のOBの人にこの間ちょっと酒飲みながら聞きましたら、県が財政が厳しくなって破綻するような時には、当時の共産党の先輩の方から、何をやってるんだと。こんなに赤字にしてどうするんだということで、すごい怒られたそうです。バブルのころはもっと使え、もっと使えって、何で使わないんだって怒られたということです。何をやっても結局怒られてしまうんです。我々としては頑張って、頑張って何をやっても怒られる。それは怒るのが共産党の皆さんのお仕事ですので、それは結構なことなんですけれども、我々としては、やってる方向としては何も間違っていないと、たまには褒められることも頑張ってやりますので、ぜひ、それまでもう少し御辛抱いただきたいというふうに思います。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) こんなに言い続けるとおっしゃいましたけど、こんなことを言い続けている県てほかにないんです。しかも、きょう議会に配られた、この二十八年度の一般会計当初、これ見たら、ここに財政指数っていって宮城県と他の県の数字がずっと並んでいます。これ見ても例えば実質収支や財政調整基金の残高や地方債の残高、経常収支比率出てます。ほかの県と比べて別に宮城県遜色ないです。しかも実質収支や財調の残金なんかは、他県よりも上回ってんです。でもほかの県の、こういう県政だよりみたいなの見ると、そんな見出しつくってる県はどこにもないんです。ちゃんと事実を事実として書いてるんです。改善を求めます。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) ほかの県がやっていて、宮城県がやってないものを、ことさら取り上げておられますけれども、逆に他県がやっていなくて、宮城県がやってるという施策も当然いろいろあるわけです。したがって、そういった全体のバランスを考えながらコントロールをしてるということです。それを方向性を決めるのが私の仕事であって、それを皆様方にいろいろ御指導いただきながら方向修正をしてやりながら、微修正をしながら進めているということございまして、ぜひ、その点について角野議員には御理解と御協力を賜りたいと思います。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) どうしても認めたくないようですけれども、現時点で県財政に余裕があることは間違いありません。ホームページの財政状況を見て、確信に変わりました。これを見ると、平成十七年から二十六年にかけて、臨財債を除く県債は千九百億円減少しています。一方、県有財産は三千五百億円もふえ、その中でも基金が三千七百億円、復興分を除いても二千五百億円以上ふえています。借金を大きく減らし、貯金を大きくふやしているじゃありませんか、これは事実ですよね。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) どこを切り取っておっしゃってるのか、ちょっと私も手元に資料がありませんからわかりませんけれども、年度末、一千二百億ほど基金があるというふうなことを議員の方おっしゃいましたけれども、それを四百億ほど取り崩して、そして今回、予算を編成したということです。つまり、全体を見ていただきたいんですけれども、やはり、年度末に余っているようですけれども、実は、それを取り崩して次の年度の予算に回しているということで、決して余裕はないです。本当にないです。そんな余裕があれば信号機もたくさんつけたいですし、とまれのマークもつけたいと思うんですけど、それをできないぐらい、今しっかりと予算を抑えながら、いろんな事業をやっているということについて、よく資料を読まれてると思いますが更に深読みをしていただきたいというふうに思います。
○議長(安部孝君) 二番角野達也君。
◆二番(角野達也君) 全部、県の資料を使って言ってんですけれども、ちゃんとその辺はそちらこそ勉強してほしいと思います。結局、県民に対しては、借金を大きく、黒字は小さく見せ、いかにも県財政は厳しいと強調して、県民に本当の姿は知らせない。その上でやっていることは、年間三台しか普及予定のない、三人しか使わない水素自動車のためには四億円近いお金をつぎ込む一方で、私学助成にしろ、三十五人学級にしろ、数万人の子供たちのためには、数億円のお金も出し渋る。こういう県政は、やっぱり間違っているし、これからも県民の皆さんとともに改革を求め続けることを述べて質問を終わります。 ありがとうございました。
○議長(安部孝君) 二十八番伊藤和博君。 〔二十八番 伊藤和博君登壇〕
◆二十八番(伊藤和博君) 間もなく、東日本大震災から五年となる、三月十一日を迎えます。県民の皆様は、さまざまな思いで、この日を迎えることになると思います。今なお、約五万人もの方々が仮の住まいで不自由な生活を送られております。復興はいまだ道半ばであります。議会庁舎ロビーで開催されている東日本アーカイブを見ると、きのうのことのように震災のときを思い出します。歴史を思い返せば、四百年前に起きた慶長三陸地震の大津波でも、三陸の沿岸地域は甚大な被害を受けました。しかし、当時、仙台藩主だった伊達政宗公の指揮のもと、復興事業が始まり、米や木材等を運ぶ運河、沿岸部の新田開発、更に製塩業の振興など次々に手が打たれ、この時の挑戦が後に実質百万石と言われる雄藩に成長する基礎となりました。文字どおり、マイナスをゼロに戻すだけでなく、プラスへ転じた文字どおりの創造的復興でした。 私も、十月の選挙で三期目の当選をさせていただき、有権者の皆様への感謝と責任の重さを感じ、被災された皆様と復興に全力で取り組んでいく決意を新たにしております。 議長のお許しをいただきましたので、公明党の県議団、伊藤和博、大綱三点について順次通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 大綱一点目、交通安全対策についてお伺いいたします。 平成二十一年には宮城県議会として自転車が関係する交通死亡事故数が極めて憂慮される事態となったことから、自転車の交通ルールの遵守と通行環境の整備に関する決議がなされました。その決議では、県当局に対し、関係機関等と連携し、自転車利用者の交通ルールの遵守の徹底及び自転車の通行環境の整備に関する施策を充実することを強く要請するとともに、交通事故のない安全で安心な社会の実現に向けて不断の努力を払うことを決意いたしました。しかし、全国的には、平成二十六年の自転車乗用中の交通事故件数は十万九千二百六十九件。交通事故件数に占める割合は一九%と、いまだに二割程度で推移しております。また、自転車事故による死者数は五百四十人で依然として多くなっております。本県では、ピーク時の、平成十六年の二千二百八件の約半数の千百七十四件まで自転車事故は減少しております。しかし、健康志向や環境問題への関心の高まり等から、自転車利用者は増大するものと思われ、それに伴う自転車事故の増加が懸念されています。死亡事故については、近年、交通事故の死亡者数が減少する中、増減を繰り返しています。二十七年では、四名の方が命を亡くされています。多い時では、平成十九年の十八名、十八年の十六名、二十三年の十二名等があります。県内での自転車利用者に対する指導警告としてのレッドカード交付は、二十六年に比べ、一万一千五百八十九件減って二万一千二百六十八件となっています。そうした状況を踏まえ、信号無視などの危険な行為を繰り返す自転車運転者に講習受講を義務づける改正道路交通法が平成二十七年六月一日に施行されました。危険行為とみなされる十四項目を決め、自転車利用者への周知徹底を図るとともに、これを契機に、社会全体で自転車マナー等の向上を推進していくことが重要であり、悪質な運転への対策が求められています。 初めに、本県の自転車事故に対する県警本部長の御所見を伺います。 次に、他県では、自転車交通安全教室チリリン・タイムの神奈川県、自転車のマナーアップ運動の群馬県、県内すべての県立高校ヘルメット着用の義務化を定めた愛媛県、そして、全国初、自転車保険の加入条例施行の兵庫県などで六都府県、三十一市、三区で条例を制定しております。先日、兵庫県の企画県民部交通安全室を訪れ、話をお聞きしてまいりました。兵庫県では、昨年三月に自転車保険など損害賠償保険への加入義務化を盛り込んだ自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例を成立させました。この条例の施行により、自転車利用者などは、自転車事故により生じた他人の生命又は身体の損害を補償する保険への加入が義務化されるとともに、自転車販売業者などは、自転車を販売したり貸し出したりするときに、利用者に保険加入の有無の確認が義務づけられました。ただし、罰則は設けておりません。兵庫県での条例制定は、県庁所在地である神戸市で圧倒的に事故が多いことから、神戸市での条例制定でよいのではといった議論もあったそうですが、昼の交流人口や広く広報啓発を行っていく方がよいということで、県の条例制定に至った経緯があったそうです。宮城県では、マナーアップみやぎ運動を積極的に推進し、交通事故のない安全で快適な交通社会の実現を目指して運動を進めております。しかし、宮城県でもこうした条例が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 更に、緊急雇用創出事業活動区域限定による、自転車安全利用等指導員の廃止がありましたが、街頭指導等での影響についてお伺いいたします。 マナーアップみやぎ運動を推進し、街頭活動を行っておりますが、関係する交通安全協会や町内会役員、PTA等の有志の皆さんも参加されるわけですが、その皆さんの安全対策や保険の加入の対応等についてお伺いいたします。 兵庫県における保険への加入の義務化は、平成二十五年の神戸地裁の坂道を下ってきた小学五年の少年の自転車が歩行中の六十二歳女性と衝突し、歩行者の女性が意識不明になった事故が起因となっていると伺いました。その他にも、自転車事故による高額賠償事例を見ますと、平成二十年の東京地裁の自転車運転中の男子高校生が車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた二十四歳会社員男性と衝突し、会社員は言語機能の喪失などの重大な障害が残った事件等、九千万円を超える賠償金額が発生いたしました。こうしたことを考えますと、自転車保険の加入促進や義務化を図ることが急務と考えますが、執行部の見解を求めます。 兵庫県等では、条例施行前でも高校ぐるみの加入促進を進めてきた事例もあるとお聞きしました。自転車通学を認めている中学・高校などでは、特に加入促進を図るべきと考えますが、宮城県内の中学・高校の事例などを教育長にお聞きいたします。 また、宮城県内の自転車事故の特徴の一つに、高校生の事故が多いことがあります。この事故の予備軍的な自転車レッドカード交付結果を見ると、高校生への交付が全体の約三割になっております。高校生の意識向上を図る教育庁の取り組みについてもお伺いいたします。 警察では、総合的な自転車対策として、三本柱の施策で大きく事故発生件数、レッドカードの交付等を減らしてきておりますが、今後更に必要なことがあれば御所見をお伺いいたします。 次に、一月初めに、京都市で四十年以上無免許で車を運転していたとして六十六歳の男が逮捕されました。過去にも二回無免許運転で逮捕されております。事故がなかったことは幸いですが、このような事件の背景には、自動車販売業者が自動車を販売するときに、所有者又は使用者の免許証の有無を確認していないという問題があります。車庫証明取得や割賦販売の際には契約者、使用者本人の住民票を提出する必要がありますが、それはあくまでもその理由によるものであって、免許を取得しているのかどうかを確認しておりません。事故が起きてから無免許運転が発覚したという事件は珍しいものではありません。世の中には発覚しないだけで、無免許運転をしている犯罪者は宮城県にもいるかもしれません。こうした状況を踏まえると、自動車販売業者には使用者が無免許のものには販売してはならないという規定を条例で定めて、宮城県下の事故ゼロを目指すよう提案をいたします。刑罰として、無免許運転のほう助罪の適用範囲を車の貸与者のみならず、売買した者も対象とすることが望ましいと思いますが、県警本部長の御所見を求めます。 次に、大綱二点目、県産材の有効活用について質問いたします。 先日、木材の先進的な利用を推進する岡山県真庭市を訪れ、市役所本庁舎バイオマスボイラー、真庭バイオマス発電所、CLTを使った建設現場の見学やCLT建築普及促進セミナーに参加してまいりました。皆さん御存じのように里山資本主義で一躍有名になった真庭市はバイオマスタウン真庭に認定され、基盤整備や普及啓発などの事業展開を図っていました。しかしながら、近年は、木材は圧倒的な需要不足に陥っています。戦後、植林された立木が伐採期を迎えているにもかかわらず、住宅着工戸数の建築用材の需要縮小により、需給バランスは大きく崩れています。真庭市のバイオマス発電所の事業は再生可能エネルギーの固定買い取り制度の施行により間伐材など未利用材の評価を高くできることから、新たなバイオマス産業の創出と林業、木材産業の活性化、雇用の創出、拡大、更には森林機能の回復、温暖化防止、循環社会の形成、観光振興、中山間地の活性化など多くの成果を上げております。昨年九月の関東・東北豪雨災害では、我が泉区の根白石馬橋の欄干に流木がかかり、ダムのように川をせきとめ沿岸に大きな被害を及ぼし、本年一月の弾丸低気圧では、海に流れ出た流木が養殖施設に大きな傷跡を残しました。一方で、有効活用されている木材が、宮城県では、県民生活に悪影響を及ぼすことになっていることが残念でなりません。宮城県では、自然エネルギー等の導入促進及び省エネルギーの促進に関する基本的な計画を定め、平成三十二年までの七年間の取り組みの中で、地域に根差した再生可能エネルギー等の導入と持続的利用の推進を掲げ、木質バイオマス利用システムモデルの構築を示しております。現在、どのような進捗状況になっているかをお示しください。 宮城県でも、これまで捨てられていた間伐材をバイオマス発電に活用する試みが、気仙沼市で地域ぐるみで始まっています。事業を担うのは東日本大震災後に発足した気仙沼地域エネルギー開発株式会社。発電で生まれる熱を地元ホテルに販売し、燃料代の半分を地域通貨で支払うなど、地域活性化を意識した取り組みも注目されています。出力目標は八百キロワットで三月から本格稼働します。平成三十年には石巻市で、民間企業が石炭混焼で十四万九千キロワットの発電量を目指していると聞いております。エネルギー資源としての木質バイオマスの利活用については昨年二月にも質問をいたしました。執行部からは、林業振興を初めとし、化石資源の節減や二酸化炭素の排出削減など多くの利点があり、積極的に進めていく必要があるものと認識しております。このため、県では、平成二十四年三月に策定したみやぎ材利用拡大行動計画や、平成二十六年三月に策定した自然エネルギー等の導入促進及び省エネルギーの促進に関する基本的な計画において、公共建築物における木質バイオマスを燃料とした暖房器具などの設置を掲げているところです。これまでのところ、実績はございませんが、今後、公共施設の新設や大規模改修の機会を利用して率先導入に努めてまいりますとの御答弁をいただきました。この一年で公共建築物における木質バイオマスを燃料とした暖房器具などの設置が進んだのかどうかをお伺いいたします。 次に、廃棄物をエネルギー資源として有効に活用することについても質問しました。 県では、二十六年度、木工所から排出される木くずを利用してペレットを製造する設備に対して補助を行いましたが、このことにより木くずの処理費用が削減されたほか、廃棄物がペレットというエネルギー源に変わり、資源の有効化が図られることとなりました。また、製造されたペレットは、花卉園芸農家などへの販売が予定されているところです。県といたしましては、今後とも地域に根差した資源を活用しながら、再生可能エネルギーの利活用について積極的に取り組んでまいりますとの御答弁をいただきました。この事業が新たな展開を迎えるかどうかもお伺いいたします。 国では、二十六年参議院予算委員会で安倍総理大臣が建築物の実証や建築基準の見直しなどを進めて、CLTの活用、普及に努めていきたいと発言。当時の太田国土交通大臣はCLTの活用は極めて重要。平成二十八年度をめどにCLTによる建築物の基準を策定するとともに、設計事例等について関係団体と強力に進めていくとの発言があり、大きく進展することになりました。CLTは板の繊維が直交するように互い違いに重ね合わせ、厚いパネル状にした建材で強度が強く、断熱、耐火性にすぐれています。中高層階の集合住宅などで鉄筋コンクリートにかわり活用が可能で、国内で普及が進めば、国産材の需要増が期待されます。平成二十七年十月に策定された宮城県地方創生総合戦略の第五章基本目標、具体的施策の中で、農林水産業等の成長産業化の中で、木質バイオマス燃料の安定的供給やCLTなど新しい木材利用技術による木材需要の創出に取り組み、林業の成長産業化に取り組みますと明言しております。我が宮城県でも、この二月に各業界の既存のネットワークを活用し、CLTに関する全国的な流れを県内に広めるとともに、県産材の利用を進める目的で、宮城県CLT等普及推進協議会が設立されました。大きく県産材の利用促進に寄与するCLT建築です。この推進協議会には、七十九の団体、企業が参加しております。県は、こうした団体と一体となって、普及促進に取り組むべきと考えますが、県の果たすべき役割についてお伺いします。 また、石巻市の民間工場では、LVLが製造されておりますが、今後、県内でのCLTの生産についての見通しをお伺いいたします。 一部自治体では、モデル事業等で公営住宅に使用しておりますが、建築物の基準が国から示された後に、県の施設等にも導入すべきと考えますが御所見を求めます。 県産材利用エコ住宅普及促進費は二十七年の補正予算では、百三十棟分ふやし、二十八年度の予算では二百棟分ふやして七百棟分の枠にするとの知事の説明がありました。二十七年、二十八年での県産材の利用予測、経済効果をどのように見通しているかお伺いいたします。 県産材の建材としての利用と木質バイオマス燃料としての活用を一体化して更なる活用を目指していただきたいと思います。 続いて大綱三点目、宮城県における薬物乱用対策についてお伺いいたします。 薬物の乱用の防止については、国では、二十六年十一月の法改正により導入された告示禁止物品についての告示がなされ、宮城県でも、総合的な薬物乱用防止対策に取り組んできております。しかしながら、薬物の乱用による被害や事故の発生、覚せい剤事犯検挙件数が高どまりするなど、状況は依然として厳しいものであります。このことから、薬物乱用の防止に関する規制や普及啓発について更なる対策の強化などが必要でありました。このような現状から、九月議会で議員提案条例として、宮城県薬物の濫用の防止に関する条例として制定され、十二月一日から施行されました。条例では、知事指定薬物の指定や知事指定薬物などに対し警告や命令などの規制を行うものとしております。また、医師や薬剤師などの関係者の責務を規定し、新たな店舗の出現を防止することなどを目的として、不動産の譲渡等における措置の規定を設けております。これらのことが法律と相まって、薬物乱用の防止対策への更なる効果が期待できます。更に、警察職員の立入調査権についても、本条例において規定し、条例の実効性を高める内容となっております。事件、事故についても二十六年の九十七件から二十七年には四件と激減しております。更に、民間の依存症の相談を受ける仙台ダルク等でも相談件数が大きく減少していると伺いました。国の法律と条例も相まって大きな抑止効果を持っているものと考えられます。条例が施行されますと、実際に運用する執行部の責任は重大です。本条例について、知事はどのような御所見をお持ちなのかをお伺いいたします。 更に、十二月施行後、具体的に知事指定薬物の指定等が行われているかもお伺いいたします。 条例の第十二条には、県は、関係行政機関、患者団体その他の関係団体と連携し、薬物濫用の防止に関する施策に係る協議及び当該施策の実施に係る連絡調整を行うための機関又は協議会を組織するものとすると規定しています。実効性を高めるためには、最も必要なものだと考えます。機関又は協議会を組織することの対応についてお伺いいたします。 近ごろでは、一月には宮城、山形県警の合同捜査本部は、岩沼の建設業者と従業員を逮捕し、危険ドラッグ三十八キロを押収しました。二月にはもとプロ野球の有名選手の覚せい剤所持事件が起き、一月には、覚せい剤取締法違反で、神奈川県の中学三年生の女子生徒や岐阜県の高校一年生女子生徒が逮捕されました。昨年末には、小学六年生の男子児童が大麻を吸引し、兄の高校一年生が逮捕される衝撃的な事件が相次いで起きました。こういった報道を見ますと、薬物の取引の巧妙化や店舗から形を変えた流通形態が見受けられ、社会全体で対応する必要性を感じます。更に、生徒児童にまで薬物が行き届いている現状を見ますと教育現場における啓発活動は、非常に大切であることは言うまでもありません。そんな中で、宮城県における薬物乱用防止教室の開催率が全国でもワーストに近い状況でしたが、二十七年における開催状況はいかがなものか、その開催への意気込みについても教育長にお伺いいたします。 国では、危険ドラッグを含め、薬物依存は大きな社会問題となっており、その対策は重要な課題と位置づけ、薬物依存者等を対象とした刑の一部の執行猶予制度が平成二十八年六月までに施行されます。薬物依存者の再犯の防止は、刑事司法機関のみでは不十分なことは言うまでもありません。保護観察所と医療、保健、福祉機関及び民間支援団体との有効かつ緊密な連携体制の構築が不可欠ということで、薬物依存のある刑務所出所者等の支援に関する地域連携ガイドラインを策定しております。ガイドラインにおける県の役割をどのようにとらえているかお伺いします。 また、薬物依存者本人に対する支援の中で、保護観察中の支援の中で、回復プログラムの実施が記載されておりますが、どのような形で実施する予定なのかをお伺いいたします。 更には、宮城県薬物乱用対策推進計画の見直しを行う予定があるのかもお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 伊藤和博議員の一般質問にお答えをいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、交通安全対策についての御質問にお答えをいたします。 初めに、自転車の安全で適正な利用を図る条例の制定についてのお尋ねにお答えをいたします。 県では、自転車の交通安全対策について、県警及び関係機関、団体等との連携を強化し、危険行為の防止、自転車安全利用五則の遵守と交通マナーの向上、保険制度の普及啓発等に努めております。自転車の交通事故件数は、近年、全国的に減少傾向にありますが、その中で、自転車と歩行者の事故については、おおむね横ばい状態となっております。自転車条例の制定については、先行して条例を制定している各県等の状況や今後の自転車交通事故の発生状況を注視しながら、県警や市町村、関係団体等とも連携を図り、引き続き検討してまいります。 次に、自転車保険の加入促進や義務化についての御質問にお答えをいたします。 自転車利用者が起こす交通事故については、歩道上での危険走行や交差点における信号無視など、基本的な交通ルールを遵守していないことが主な原因となっており、その際、歩行者との事故は、自転車利用者が加害者となることから、被害者の救済と加害者の負担を軽減するため、保険への加入はぜひ行っていただきたいと考えております。このようなことから、県としては、広報チラシの配布等により、自転車保険の必要性や内容を周知し、加入促進を図っているところであります。今後も、保険制度の普及、啓発はしっかり行ってまいりますが、保険加入の義務化については、県民に負担を強いることにもなりますので、国の交通安全施策の方針や、既に条例化している兵庫県の状況等を見きわめながら、対応について慎重に検討する必要があるものと考えております。 次に、大綱二点目、県産材の有効活用についての御質問のうち、木質バイオマス利用システムモデル構築の進捗状況についてのお尋ねにお答えをいたします。 県では、未利用間伐材などの森林資源の利活用を推進するため、間伐材の搬出や農業用施設などへの木質ボイラー導入、モデル地区でのペレットストーブの導入などに対する支援を行い、供給から利用までの一貫した木質バイオマス利用モデルの構築を目指してまいりました。その結果、気仙沼市や大崎市においては、地域の間伐材などを利用した発電や熱利用施設の整備により、地域における木質バイオマスの利用拠点が形成されたほか、南三陸町や東松島市においては、家庭や店舗でのペレットによる暖房利用が始められるなど、先駆的な取り組みが進められております。また、川崎町や七ヶ宿町においても、地域の木質資源を活用したバイオマス利用の検討が進められていることから、県といたしましては、これらの取り組みを支援するほか、市町村や木材生産団体などと連携を図りながら、他地域への普及についても進めてまいります。 次に、大綱三点目、宮城県における薬物乱用対策についての御質問にお答えをいたします。 初めに、宮城県薬物の濫用の防止に関する条例についてのお尋ねにお答えをいたします。 危険ドラッグに起因する事件等の減少や販売店舗の一掃など、危険ドラッグをめぐる問題は、一見鎮静化した感もあります。しかし、インターネットやデリバリーによる販売形態は撲滅に至っておらず、また、新たな危険ドラッグが出現するなど、依然予断を許さない状況にあります。このような状況下において、昨年、議員提案により制定された本条例は、知事指定薬物制度の導入や警察職員への立ち入り権限の付与など、危険ドラッグを決して許さないという県としての決意を県内外に示したものであり、他の地域からの薬物流入に対する大きな抑止力になっているものと考えております。県といたしましては、薬物乱用のないみやぎの実現に向け、条例を適切かつ効果的に運用してまいります。 次に、知事指定薬物の指定実績と協議会等の設置状況についての御質問にお答えをいたします。 知事指定薬物につきましては、東京都等からの情報提供に基づき、興奮や幻覚等、人体への精神毒性を有し、かつ、県内で乱用される恐れがあるものとして、これまで二度にわたり六つの物質を指定しており、今後も関係自治体等との連携を密にし、迅速かつ適切な指定に努めてまいります。また、協議会等の設置状況につきましては、私を本部長とする国、県などの関係行政機関で構成する宮城県薬物乱用対策推進本部と、医師、薬剤師、民間団体等の外部有識者で構成する宮城県薬物乱用対策有識者会議を条例第十二条で規定する機関又は協議会に位置づけたところであります。今後ともこれらの組織を有機的に連携させ、危険ドラッグを含めた薬物の乱用防止に関する施策を推進してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(安部孝君)
環境生活部長佐野好昭君。 〔
環境生活部長 佐野好昭君登壇〕
◎
環境生活部長(佐野好昭君) 大綱二点目、県産材の有効活用についての御質問のうち、廃棄物をエネルギー資源として有効活用することについて、木くずなどの利用に積極的に取り組むための事業が新たな展開を迎えたのかとのお尋ねにお答えいたします。 昨年二月の定例会でお答えしました、補助事業により県内の木工所に導入された木くずからペレットを製造する設備については、予定どおり稼働を開始しており、生産されたペレットは、地元の花卉農家やペレットストーブユーザーなどに販売され、廃棄物由来のエネルギー源として有効活用されております。一方で、燃料としての品質向上や更なる販路開拓などの課題も浮き彫りになってきており、現在、環境産業コーディネーターの派遣などにより、こうした課題の解決に向け支援を行っているところでございます。県といたしましては、引き続き、ハード、ソフト両面での各種支援により、木くずなど地域に根ざした資源を生かした再生可能エネルギーの利活用に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(安部孝君)
保健福祉部長伊東昭代君。 〔
保健福祉部長 伊東昭代君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊東昭代君) 大綱三点目、宮城県における薬物乱用対策についての御質問のうち、地域連携ガイドライン及び宮城県薬物乱用対策推進計画の見直しについてのお尋ねにお答えいたします。 薬物依存のある刑務所出所者等の支援に関する地域連携ガイドラインでは、薬物依存者の再犯防止のためには、保護観察所と地域の関係機関や民間団体の連携体制の構築が不可欠であるとされております。この中で、県は、地域における関係機関等の連携が円滑に図られるための調整役を担うこととされていることから、今後、保護観察所や地域の関係機関等と緊密な連携を図ってまいります。治療・回復プログラムにつきましては、今年度から国の研修に職員を派遣するなどしておりますが、専門性の確保や人員配置等の課題があるため、今後、他の自治体の事例を参考とし、既に取り組んでいる医療機関や民間団体の協力を得ながら、実施の方向性について検討してまいりたいと考えております。また、宮城県薬物乱用対策推進計画については、今般の条例制定を受けて見直すこととしており、今後とも法令改正等の社会状況の変化を反映させてまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(安部孝君) 農林水産部長後藤康宏君。 〔農林水産部長 後藤康宏君登壇〕
◎
農林水産部長(後藤康宏君) 大綱二点目、県産材の有効活用についての御質問のうち、公共建築物における木質バイオマスを燃料とした暖房器具などの設置状況についてのお尋ねにお答えいたします。 県内の公共建築物においては、この一年間で、県の施設での導入例はありませんでしたが、市町村の施設において、大崎市の温浴施設や南三陸町の町立病院、小学校、保育所に木質チップボイラーや木質ペレットストーブなどが、防災拠点への再生可能エネルギー導入に対する県の支援により設置されております。木質バイオマス利用設備の導入は、林業振興に寄与するほか、二酸化炭素排出削減や自立分散型のエネルギー確保の観点でも重要であることから、引き続き、県施設への設置についても検討を進めながら、市町村とともに導入に努めてまいります。 次に、CLTの普及促進についての御質問にお答えいたします。 CLTの生産、普及は、県内の森林資源の有効活用につながることから、県はCLT普及推進のための組織づくりを積極的に進めてまいりました。その結果、ことし二月には宮城県CLT等普及推進協議会が設立されたことから、県といたしましては、引き続き、協議会運営に参画し、CLT試作品の強度試験に協力していくほか、モデル施工等の取り組みを支援してまいりたいと考えております。県内でのCLT生産については、現在、石巻の合板企業がCLT製造ラインの整備を進めており、ことしの五月下旬には生産が可能となる見込みであります。今後は、生産体制の構築に併せて、CLTの需要を拡大していくことが重要であることから、現在、民間企業が進めている県内初となるCLT工法による建築事例を対象とした現場見学会や、協議会が行うモデル施工に関する研修会などにより、関係者の理解を深め、公共建築物などへの導入を進めてまいりたいと考えております。 次に、県産材利用エコ住宅普及促進費における県産材の利用予測と経済効果についての御質問にお答えいたします。 県産材の利用予測については、これまでの実績をもとに算出すると、六百三十棟を計画している今年度は約一万立方メートル、七百棟を計画している来年度は約一万一千立方メートルと予測されます。また、経済効果については、平均的な木材価格をもとに、木材の生産から加工までの効果を試算すると、今年度は約七億五千万円、来年度は八億三千万円と見込まれます。なお、この事業は、県産材で家づくりを行う工務店数の増加や一般消費者の県産材の認知度向上などの効果もあることから、我が県の林業、木材産業振興への波及効果は大きいものと認識しております。 私からは、以上でございます。
○議長(安部孝君) 教育長高橋仁君。 〔教育長 高橋 仁君登壇〕
◎教育長(高橋仁君) 大綱一点目、交通安全対策についての御質問のうち、学校での自転車保険への加入についてのお尋ねにお答えいたします。 県教育委員会では、これまでも高校生の自転車保険への加入を勧めてきており、学校とPTAが協議の上、学校として保険に加入するケースがふえてきております。県内の公立高校において、自転車事故で加害者となった際の賠償責任補償制度に学校単位で加入しているのは、今年度四十校となっており、昨年度よりも五校ふえております。今後とも、万が一の事故を想定した保険への加入について、引き続き推奨してまいります。 次に、高校生の自転車事故防止のための意識向上を図る取り組みについての御質問にお答えいたします。 多くの高校生が自転車を利用して通学している現状にあり、自転車の事故や交通ルール違反に占める高校生の割合が多くなっていることについては、大きな課題であると認識しております。各学校では、地域の警察署や自動車学校と連携した交通安全教室の開催、自転車の安全点検、教職員による街頭指導等を行っているところであります。また、県教育委員会と警察本部が連携して毎年、みやぎ高校生サイクルサミットを開催し、スタントマンによる事故の再現や他校の生徒との意見交換を通して、安全意識の向上や危険回避能力を高める取り組みを行っております。県教育委員会としましては、今後とも警察と連携しながら、生徒の交通事故防止とマナーアップに向けた取り組みを更に充実させるよう、各学校に対して促してまいります。 次に、大綱三点目、宮城県における薬物乱用対策についての御質問のうち、薬物乱用防止のための教室の開催状況等についてのお尋ねにお答えいたします。 今年度の県内の学校における薬物乱用防止教室の開催状況については、現在調査中で、まだまとまっておりませんが、昨年度の開催率については、高校では七〇%で前年度と同程度であるものの、小学校で五八%、中学校で七一%と、いずれも前年度より約三十ポイント高くなっております。危険ドラッグ等の薬物は、児童生徒の心身の発達に極めて悪い影響を及ぼすものであり、薬物の危険性について、発達段階に応じてしっかりと教育していくことが必要であると考えております。今後とも、学校の担当者や薬物乱用防止指導員等を対象とした研修会を行いながら、毎年、すべての学校で薬物乱用防止教室が開催されるよう、学校現場の取り組みを促してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(安部孝君) 警察本部長中尾克彦君。 〔警察本部長 中尾克彦君登壇〕
◎警察本部長(中尾克彦君) 大綱一点目、交通安全対策についての御質問のうち、我が県の自転車事故について、マナー向上と悪質運転への対策が求められているのではないかとのお尋ねにお答えいたします。 自転車事故の発生件数につきましては、この十年間で半減しておりますが、近年のエコ志向、健康志向の高まりから、今後も自転車利用者は増加していくものと思われ、これに伴い交通事故の発生や自転車利用者のルール、マナー違反を厳しく指摘する県民の声が大きくなっております。特に、自転車事故の七割弱を占める仙台市内の対策が極めて重要となっているほか、自転車事故の死傷者の四割に、自転車側にも安全不確認や信号無視等の違反が認められるところであります。警察といたしましては、関係機関、団体と緊密に連携し、協働して自転車利用者のマナー向上や自転車走行環境の整備に向けた各種対策を推進しているほか、自転車事故に直結する悪質、危険な自転車利用者に対する取り締まりやレッドカードの交付、自転車運転者講習制度の周知徹底等による自転車の安全対策に努めているところであります。 次に、自転車安全利用等指導員の廃止に伴う街頭活動への影響についての御質問にお答えいたします。 主要交差点において自転車利用者に対する広報啓発活動を行ってきた自転車安全利用等指導員については、国の緊急雇用創出事業の見直しにより、平成二十六年度をもって打ち切りとなったところであります。そのため、今年度は、交通ボランティア等の関係機関、団体の皆様の御協力をいただきながら街頭指導を行っておりますが、自転車安全利用等指導員が行ってきた特定の交差点における長時間の活動が困難な状況にあります。また、自転車利用者等に対する交通安全の声掛けが減少したことなどから、県民から復活を求める声も寄せられているところであります。県警察といたしましては、国や県、各市町村等の関係機関と調整を図りながら、効果的な街頭指導のあり方等について検討してまいりたいと考えております。 次に、交通安全協会等の交通ボランティアの安全対策や保険の加入の対応等についての御質問にお答えいたします。 県内では、これまで交通ボランティアの皆様が関係する死亡事故等の重大事故の発生はありませんが、活動には危険が伴いますので、交通ボランティアの皆様方に対する安全指導や警察官と連携した活動を推進するなど、安全対策に万全を期しているところであります。また、保険の加入につきましては、県警察及び各自治体において、各種イベント、キャンペーン活動中の負傷事故等に備え、必要に応じ個別に保険を締結しており、交通安全協会につきましても、九割弱の地区安全協会において、年間契約により保険を締結していると承知しております。 次に、自転車安全利用促進のため、今後更に必要なことはなにかとの御質問にお答えいたします。 県警察では、自転車の更なる安全利用促進を図るため、自転車通行環境の確立、自転車利用者に対するルールの周知と安全教育の推進、自転車利用者に対する指導取り締まりの強化を三本柱として各種対策を講じているところであります。その中でも、事故や違反の多い高校生に対する安全教育が課題となっております。身近なルールを意識してきちんと守らせることは、規範意識の向上につながるとともに、悲惨な交通事故から命を守ることにもなりますので、引き続き、教育庁、学校当局及びその他の関係機関と連携を密にし、自転車の安全利用促進に努めてまいります。 次に、自動車販売店に対する無免許者への販売禁止に係る条例制定等についての御質問にお答えいたします。 全国的に無免許運転による重大事故が散見されており、県警察におきましては、これまでも無免許運転が関係する事件、事故が発生した際には、違反者本人のみにとどまらず、車両を貸与したもの及び同乗したものに対しても捜査を徹底し、車両提供罪等で検挙しているところであります。しかしながら、議員御提案の自動車販売店における運転免許を持たない方に対する車両販売禁止につきましては、親が購入して子供が運転したり、会社が購入して社員が運転するなどさまざまなケースがありますので、現時点で条例を制定することは難しいものと考えております。また、自動車販売業者に対するほう助罪の適用拡大につきましては、平成二十五年十二月の道路交通法改正により車両提供罪が新設されており、無免許運転することを認識して販売した場合には、車両提供罪の適用は可能であると考えております。 以上でございます。
○議長(安部孝君) 二十八番伊藤和博君。
◆二十八番(伊藤和博君) 御丁寧な答弁ありがとうございました。 まず初めに、交通安全の件でございますけれども、今、県警本部長から、今後必要なことで、通行環境の整備等も含めた三つの柱が示されましたけれども、先ほど、いみじくも私の前の答弁で、知事が、予算があれば、さまざまな信号機等もつけたいというお話がありました。そんな中で、私、今県庁に来る際に青葉区の宮町を通ってくるんですが、カラーリングされたんですね。自転車通行帯を定めたところがカラーリングされましたけれども、そういった環境整備が今後進められていくのかと思いますけれども、今の段階で、そういったきちんとした整備がされている道路等が必要になってくるかと思いますけれども、そういった整備の面について、県警本部長はどうお考えなのかお伺いしたいと思います。
○議長(安部孝君) 警察本部長中尾克彦君。
◎警察本部長(中尾克彦君) そういう対策が必要であろうかというふうに考えております。今後とも道路管理者とか、その他自転車の安全利用推進委員会とも連携しながらそういう整備を促してまいりたいというふうに思っております。
○議長(安部孝君) 二十八番伊藤和博君。
◆二十八番(伊藤和博君) 最近ついたもんですから、よく見ていると自転車で通る人たちが歩道を走っていいのか、道路を走っていいのかとか、また、商店街で積み下ろしのトラック等もとまることがあるので、そういった新しく設置されたところで街頭指導等を行う予定があるのかどうか、またそういった必要性も感じますけれども、本部長の御所見を伺いたいと思います。
○議長(安部孝君) 警察本部長中尾克彦君。
◎警察本部長(中尾克彦君) 御指摘のとおり自転車利用者に対するルールの周知、あるいはマナーの向上のためには、街頭指導が極めて有効であるというふうに考えております。どの場所でやるかにつきまして、また、その設置場所、そういう先ほどの御指摘があったような場所も含めて状況を見て検討してまいりたいというふうに思います。
○議長(安部孝君) 二十八番伊藤和博君。
◆二十八番(伊藤和博君) 次は、二点目の県産材の有効活用について御質問をさせていただきますけれども、さまざまな、気仙沼であったり大崎市であったり、木質バイオマスの利用が進んできているということと、また町の施設で南三陸町だとかそういったところで進んでおりますが、知事の答弁の中では、川崎、七ヶ宿で検討段階に入ったということで地域的なバランスが非常に県北方面に偏っている状況があると思いますが、輸送費等も考えれば、仙台エリアまた仙南エリアでの、そういった有効活用を図る段階に入っていると思いますが御所見を求めます。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 木質バイオマスは二酸化炭素の排出抑制という観点からも、非常に有効でございますし、県産材を間伐材等、有効に活用するということでも効果がございますので、これは県としてもぜひ積極的に進めていきたい施策の一つでございます。輸送コストというのを考えなければいけませんので、そういった意味では、やはり近場で使えるというのが一番いいというふうに思います。バランスよく、地域バランスを考えながら整備を進めていけるように市町村ともよく協議をしてまいりたいというふうに思っております。
○議長(安部孝君) 二十八番伊藤和博君。
◆二十八番(伊藤和博君) 更に、CLTという新しい建材というんでしょうか、CLT協議会の中で、協議会の設立総会のときに、知事の祝辞を後藤部長が代読をされたというふうに記事で見ました。その中で報道によりますと、CLTは大きな可能性と将来性を秘めている建築材料、林業、木材産業にとどまらない波及効果が期待されると、地元経済の活性化に期待を寄せた祝辞だったそうですけれども、どんな波及効果が期待されるのかお伺いをしたいと思います。
○議長(安部孝君) 農林水産部長後藤康宏君。
◎
農林水産部長(後藤康宏君) CLT推進協議会には御承知いただいておりますように、建設業それから設計業の方々も御参画いただいております。そこで新しい建材として、利活用を広めていただくということを一つの大きな目標としておりますので、そういった関連業界のところでも、さまざまな利活用が検討され、経済波及効果が大きいのではないかというふうに考えているところでございます。
○議長(安部孝君) 二十八番伊藤和博君。
◆二十八番(伊藤和博君) 先ほどの御答弁の中で、五月には試作品が石巻の工場で完成をするというところまで来ているというお話を伺いました。今後、県の例えば基準が通ったときに、県有の施設等でもそういったCLTを取り入れる考えがあるかどうか、取り入れるべきだと考えますが御所見を求めます。
○議長(安部孝君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 費用の、経費の面もありますので、何でもかんでもというわけにはいきませんけれども、当然CLTを推進する立場のものとして、できるだけ活用してまいりたいというふうに思っております。単価がわかりませんので、その辺もよく見ながら検討してまいりたいというふうに思います。
○議長(安部孝君) 以上をもって、質疑、質問を終結いたします。 お諮りいたします。 ただいま議題となっております各号議案中、議第一号議案ないし議第十五号議案及び議第百二十二号議案ないし議第百三十六号議案につきましては、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安部孝君) 御異議なしと認めます。 よって、さように決定いたしました。 残余の各号議案は、お手元に配布の議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。…………………………………………………………………………………………… 議案付託表 第三百五十五回宮城県議会(二月定例会)平成二十八年三月一日議案番号件名提出年月日委員会議第一号議案平成二十八年度宮城県一般会計予算二八・二・一六予算特別議第二号議案平成二十八年度宮城県公債費特別会計予算同予算特別議第三号議案平成二十八年度宮城県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算同予算特別議第四号議案平成二十八年度宮城県中小企業高度化資金特別会計予算同予算特別議第五号議案平成二十八年度宮城県農業改良資金特別会計予算同予算特別議第六号議案平成二十八年度宮城県沿岸漁業改善資金特別会計予算同予算特別議第七号議案平成二十八年度宮城県林業・木材産業改善資金特別会計予算同予算特別議第八号議案平成二十八年度宮城県県有林特別会計予算同予算特別議第九号議案平成二十八年度宮城県土地取得特別会計予算同予算特別議第十号議案平成二十八年度宮城県土地区画整理事業特別会計予算同予算特別議第十一号議案平成二十八年度宮城県流域下水道事業特別会計予算同予算特別議第十二号議案平成二十八年度宮城県港湾整備事業特別会計予算同予算特別議第十三号議案平成二十八年度宮城県水道用水供給事業会計予算同予算特別議第十四号議案平成二十八年度宮城県工業用水道事業会計予算同予算特別議第十五号議案平成二十八年度宮城県地域整備事業会計予算同予算特別議第十六号議案がん登録情報利用等審議会条例同保健福祉議第十七号議案水産技術総合センター使用料条例同環境生活農林水産議第十八号議案職員定数条例の一部を改正する条例二八・二・一六総務企画議第十九号議案地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例同総務企画
文教警察議第二十号議案学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理等に関する条例同総務企画
環境生活農林水産
建設企業
文教警察議第二十一号議案職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例同総務企画議第二十二号議案高等学校授業料減免事業等支援臨時特例基金条例の一部を改正する条例同総務企画議第二十三号議案手数料条例の一部を改正する条例同総務企画
環境生活農林水産
保健福祉
経済商工観光
建設企業議第二十四号議案宮城県県税条例の一部を改正する条例同総務企画議第二十五号議案事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例同総務企画議第二十六号議案衛生試験手数料条例の一部を改正する条例同環境生活農林水産議第二十七号議案電気事業法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例同環境生活農林水産
建設企業議第二十八号議案県民の森等の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例同環境生活農林水産議第二十九号議案消費生活条例の一部を改正する条例同環境生活農林水産議第三十号議案犯罪のないみやぎ安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例同環境生活農林水産議第三十一号議案青少年健全育成条例の一部を改正する条例同環境生活農林水産議第三十二号議案地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例二八・二・一六保健福祉議第三十三号議案指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例同保健福祉議第三十四号議案指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例附則第五項の規定によりなおその効力を有するものとされる指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例同保健福祉議第三十五号議案東日本大震災みやぎこども育英基金条例の一部を改正する条例同保健福祉議第三十六号議案指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例同保健福祉議第三十七号議案指定障害
福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例同保健福祉議第三十八号議案緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例同経済商工観光議第三十九号議案国営土地改良事業負担金等徴収条例の一部を改正する条例同環境生活農林水産議第四十号議案県営住宅条例の一部を改正する条例同建設企業議第四十一号議案ライフル射撃場条例の一部を改正する条例同文教警察議第四十二号議案文化財保護条例の一部を改正する条例同文教警察議第四十三号議案保健所運営協議会条例を廃止する条例同保健福祉議第四十四号議案行政不服審査法第八十一条第一項に規定する機関の事務の受託について同総務企画議第四十五号議案環境基本計画の策定について同環境生活農林水産議第四十六号議案食の安全安心の確保に関する基本的な計画の策定について同環境生活農林水産議第四十七号議案県行政に係る基本的な計画の策定について(宮城県消費者施策推進基本計画)二八・二・一六環境生活農林水産議第四十八号議案文化芸術振興ビジョンの策定について同環境生活農林水産議第四十九号議案民間非営利活動の促進に関する基本的な計画の策定について同環境生活農林水産議第五十号議案青少年の健全な育成に関する基本計画の策定について同環境生活農林水産議第五十一号議案健全な水循環の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画の変更について同環境生活農林水産議第五十二号議案農業・農村の振興に関する概ね十年を期間とする基本的な計画の変更について同環境生活農林水産議第五十三号議案包括外部監査契約の締結について同総務企画議第百二十一号議案平成二十八年度流域下水道事業受益負担金について同建設企業議第百二十二号議案平成二十七年度宮城県
一般会計補正予算二八・二・二四予算特別議第百二十三号議案平成二十七年度宮城県公債費特別会計補正予算同予算特別議第百二十四号議案平成二十七年度宮城県母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算同予算特別議第百二十五号議案平成二十七年度宮城県中小企業高度化資金特別会計補正予算同予算特別議第百二十六号議案平成二十七年度宮城県農業改良資金特別会計補正予算同予算特別議第百二十七号議案平成二十七年度宮城県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算同予算特別議第百二十八号議案平成二十七年度宮城県林業・木材産業改善資金特別会計補正予算同予算特別議第百二十九号議案平成二十七年度宮城県県有林特別会計補正予算同予算特別議第百三十号議案平成二十七年度宮城県土地取得特別会計補正予算同予算特別議第百三十一号議案平成二十七年度宮城県土地区画整理事業特別会計補正予算同予算特別議第百三十二号議案平成二十七年度宮城県流域下水道事業特別会計補正予算同予算特別議第百三十三号議案平成二十七年度宮城県港湾整備事業特別会計補正予算二八・二・二四予算特別議第百三十四号議案平成二十七年度宮城県
水道用水供給事業会計補正予算同予算特別議第百三十五号議案平成二十七年度宮城県
工業用水道事業会計補正予算同予算特別議第百三十六号議案平成二十七年度宮城県地域整備事業会計補正予算同予算特別議第百三十七号議案国民健康保険財政安定化基金条例同保健福祉議第百三十八号議案手数料条例の一部を改正する条例同建設企業議第百三十九号議案住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例同総務企画議第百四十号議案地域環境保全特別基金条例の一部を改正する条例同環境生活農林水産議第百四十一号議案食品衛生取締条例等の一部を改正する条例同環境生活農林水産
保健福祉
建設企業
文教警察議第百四十二号議案消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例同環境生活農林水産議第百四十三
号議案地域医療再生臨時特例基金条例の一部を改正する条例同保健福祉議第百四十四号議案自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例同保健福祉議第百四十五号議案森林整備担い手対策基金条例の一部を改正する条例同環境生活農林水産議第百四十六号議案一級河川の指定及び変更について(名取川水系川内沢川及び杉の沢川)同建設企業議第百四十七号議案訴えの提起について同保健福祉議第百四十八号議案民事調停の申立て及び調停の目的が達成されなかった場合における訴えの提起について同保健福祉議第百四十九号議案工事請負変更契約の締結について(宮城県立こども病院等改修工事)同保健福祉議第百五十号議案工事請負変更契約の締結について(五ヶ村堀排水機場建設工事)二八・二・二四環境生活農林水産議第百五十一号議案権利の放棄について(生活保護費の徴収金に係る債権)同保健福祉議第百五十二号議案権利の放棄について(農業改良資金貸付金の償還金の支払いの不履行による違約金に係る債権)同環境生活農林水産議第百五十三号議案権利の放棄について(林業改善資金貸付金の償還金の支払いの不履行による違約金に係る債権)同環境生活農林水産議第百五十四号議案権利の放棄について(県営住宅の滞納家賃等に係る債権)同建設企業議第百五十五号議案平成二十七年度流域下水道事業受益負担金の変更について同建設企業
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△議第百五十六号議案ないし議第百六十四号議案
○議長(安部孝君) 日程第七ないし日程第十五、議第百五十六号議案ないし議第百六十四号議案を一括して議題といたします。 知事から
追加提出議案の提案理由の説明を求めます。
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 平成二十七年度
一般会計補正予算案を初め、提出議案の概要を御説明申し上げます。 国は、一億総活躍社会の実現に向けた対策やTPP関連政策大綱に基づく施策などを柱に、総額三兆三千億円に上る今年度補正予算を編成し、一月にその成立を見たところであります。今回御審議をお願いいたします補正予算案は、この国補正予算に対応して編成したものであります。 その主な内容として、まず、国から交付される予定の地方創生加速化交付金を活用して、地域の活性化を目指す七つの取り組みについてでありますが、一つ目には、ICTを活用して生産性の向上や新事業の創出を図るため、水産加工品の原価管理システムやギンザケ養殖の自動給餌システムの開発等を進めてまいります。 また、二つ目には、自動車関連産業における取引拡大や中小企業のマーケティング活動などを強力に支援し、産学官金連携によるものづくり企業等の集積を促進してまいります。三つ目には、海外向けインターネット販売に加え、昨年秋から県産品の展示販売を行って好評を得たベトナムの大型小売店や海外の姉妹州などを足がかりにして、農林水産物等の輸出を加速化させてまいります。四つ目には、東北二百十号の平成三十年度ブランド米デビューに向けて準備を進めるとともに、六次産業化による新商品開発に取り組むなど、地域の事業者と連携した新ブランドの創出に力を入れてまいります。五つ目には、県民総活躍人づくりとして、若者の地元定着を初め、障害のある方々や子育て女性などの就職を支援するとともに、小学生から大学生までのキャリア教育を更に推進してまいります。六つ目には、企業の経営戦略に精通した人材の我が県へのUIJターンを促進し、更に七つ目には、日本創生のための将来世代応援知事同盟に加入する十二県が合同で、首都圏の方々を対象に移住イベントを開催いたします。 地方創生以外の取り組みとしては、TPP対策として、県内十四地区の圃場整備を進めますとともに、園芸施設の整備を補助してまいります。また、関東・東北豪雨を踏まえた災害に強い川づくりの一環として、水位観測局の増設やテレメータ化などを更に進めるほか、土砂災害危険箇所の基礎調査を急いでまいります。その他、国の補助金等の内示を受けて、国道三百四十七号の改良工事や情報セキュリティ対策の強化に取り組むほか、障害者福祉施設整備への補助や安心こども基金への積み増しを行います。 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計で七十億二千四百余万円、総計で七十億二千七百余万円となります。財源としては、国庫支出金四十三億九百余万円、県債二十一億五百余万円などを追加しております。この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆四千七百八十六億七千九百余万円、総計で一兆八千三百八十九億九千七百余万円となります。 次に、予算外議案でありますが、議第百五十九号議案ないし議第百六十三号議案は、仙台塩釜港などの災害復旧工事等に係る請負契約の締結について、議第百六十四号議案は、市町村の受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。
○議長(安部孝君) 補正予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 お諮りいたします。 ただいま議題となっております各号議案中、議第百五十六号議案ないし議第百五十八号議案につきましては、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安部孝君) 御異議なしと認めます。 よって、さように決定いたしました。 残余の各号議案は、お手元に配布の議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。…………………………………………………………………………………………… 議案付託表 第三百五十五回宮城県議会(二月定例会)平成二十八年三月一日議案番号件名提出年月日委員会議第百五十六号議案平成二十七年度宮城県
一般会計補正予算二八・三・一予算特別議第百五十七号議案平成二十七年度宮城県
水道用水供給事業会計補正予算同予算特別議第百五十八号議案平成二十七年度宮城県
工業用水道事業会計補正予算同予算特別議第百五十九号議案
工事請負契約の締結について(
東名地区海岸護岸等災害復旧工事(その六))同建設企業議第百六十号議案
工事請負契約の締結について(
湊川等護岸等災害復旧工事)同建設企業議第百六十一号議案
工事請負契約の締結について(仙台塩釜港石巻港区
防潮堤建設工事(その七))同建設企業議第百六十二号議案
工事請負契約の締結について(仙台塩釜港石巻港区
防潮堤建設工事(その八))同建設企業議第百六十三号議案
工事請負契約の締結について(仙台塩釜港松島港区
胸壁等災害復旧及び建設工事)同建設企業議第百六十四号議案平成二十七年度
市町村受益負担金について同環境生活農林水産
建設企業
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△請願
○議長(安部孝君) 日程第十六、請願を議題といたします。 お手元に配布の文書表のとおり、請願六カ件が提出されております。 所管の委員会に付託いたします。…………………………………………………………………………………………… 請願文書表 第三百五十五回宮城県議会(二月定例会)平成二十八年三月一日請願番号要旨請願者名紹介議員受理年月日所管委員会三五五の一放射能被ばくに対する子どもの健康調査の実施を求めることについて
ゆきとどいた教育をすすめる宮城県連絡会
代表 坂下やすこ・遠藤いく子
岸田清実二八・二・二六保健福祉三五五の二宮城県独自の学級編制弾力化事業を拡大し、公立小・中学校全学年で三十五人以下学級の実施及び特別支援学級の編成基準を八名から六名に改善することを求めることについて
ゆきとどいた教育をすすめる宮城県連絡会
代表 坂下 賢・遠藤いく子
岸田清実二八・二・二六文教警察三五五の三特別支援学校の狭隘化解消を速やかに進めることを求めることについて
ゆきとどいた教育をすすめる宮城県連絡会
代表 坂下 賢・遠藤いく子
岸田清実・菅間 進二八・二・二六文教警察三五五の四少子化・過疎化が進む地域の高校の存続を図るとともに、学級編成基準を三十五人以下とするなど弾力的な運用を認めることを求めることについて
ゆきとどいた教育をすすめる宮城県連絡会
代表 坂下 賢・遠藤いく子
岸田清実二八・二・二六文教警察三五五の五政務活動費交付条例の一部改正に関することについて
仙台市民オンブズマン
代表 三浦一敏・岸田清実
菅間 進二八・二・二九総務企画三五五の六東日本大震災被災者の医療費一部負担金免除ならびに介護保険利用者負担減免に関することについて
東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター
代表
外五名ゆさみゆき・遠藤いく子
熊谷義彦・菅間 進二八・二・二九保健福祉
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△休会の決定
○議長(安部孝君) お諮りいたします。 委員会審査のため、明日から三月十四日まで十三日間本会議を休会とし、三月十五日再開することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安部孝君) 御異議なしと認めます。 よって、明日から三月十四日まで十三日間本会議を休会とし、三月十五日再開することに決定いたしました。 なお、ただいま御出席の諸君には改めて通知いたしませんから、御了承願います。
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△散会
○議長(安部孝君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 三月十五日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後三時三分散会...