• 離農抑制(/)
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  1. 宮城県議会 2014-09-01
    10月01日-06号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    平成26年  9月 定例会(第349回)       第三百四十九回宮城県議会(定例会)会議録                              (第六号)平成二十六年十月一日(水曜日)  午前十時開議  午後二時三十九分散会      議長                     安藤俊威君      副議長                    渥美 巖君出席議員(五十九名)        第一番                  太田稔郎君        第二番                  天下みゆき君        第三番                  三浦一敏君        第四番                  境 恒春君        第五番                  堀内周光君        第六番                  石川利一君        第七番                  長谷川 敦君        第八番                  佐々木幸士君        第九番                  村上智行君        第十番                  すどう 哲君       第十一番                  遠藤いく子君       第十二番                  吉川寛康君       第十三番                  伊藤和博君       第十四番                  渡辺忠悦君       第十五番                  細川雄一君       第十六番                  高橋伸二君       第十七番                  菊地恵一君       第十八番                  寺澤正志君       第十九番                  只野九十九君       第二十番                  石川光次郎君      第二十一番                  外崎浩子君      第二十二番                  岸田清実君      第二十三番                  佐藤詔雄君      第二十四番                  菅原 実君      第二十五番                  坂下 賢君      第二十六番                  菅間 進君      第二十七番                  庄子賢一君      第二十八番                  川嶋保美君      第二十九番                  佐藤光樹君       第三十番                  中島源陽君      第三十一番                  本木忠一君      第三十二番                  中山耕一君      第三十三番                  長谷川洋一君      第三十四番                  池田憲彦君      第三十五番                  佐々木征治君      第三十六番                  安部 孝君      第三十七番                  皆川章太郎君      第三十八番                  小野 隆君      第三十九番                  岩渕義教君       第四十番                  本多祐一朗君      第四十一番                  ゆさみゆき君      第四十二番                  藤原のりすけ君      第四十三番                  内海 太君      第四十四番                  坂下やすこ君      第四十五番                  横田有史君      第四十六番                  小野寺初正君      第四十七番                  石橋信勝君      第四十八番                  齋藤正美君      第四十九番                  安藤俊威君       第五十番                  中村 功君      第五十一番                  渥美 巖君      第五十二番                  畠山和純君      第五十三番                  千葉 達君      第五十四番                  仁田和廣君      第五十五番                  藤倉知格君      第五十六番                  相沢光哉君      第五十七番                  中沢幸男君      第五十八番                  渡辺和喜君      第五十九番                  今野隆吉君-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    三浦秀一君      公営企業管理者                橋本 潔君      総務部長                   岡部 敦君      震災復興・企画部長              山田義輝君      環境生活部長                 佐野好昭君      保健福祉部長                 伊東昭代君      経済商工観光部長               犬飼 章君      農林水産部長                 吉田祐幸君      土木部長                   遠藤信哉君      会計管理者兼出納局長             宮原賢一君      総務部秘書課長                平間英博君      総務部財政課長                齋藤元彦君    教育委員会      教育長                    高橋 仁君      教育次長                   吉田 計君    選挙管理委員会      委員長                    菊地光輝君      事務局長                   冨田政則君    人事委員会      事務局長                   谷関邦康君    公安委員会      委員長                    鎌田 宏君      警察本部長                  横内 泉君      総務部長                   吉田邦光君    労働委員会      事務局長                   武藤伸子君    監査委員      委員                     遊佐勘左衛門君      事務局長                   土井秀逸君-----------------------------------    議会事務局      局長                     菅原久吉君      次長兼総務課長                西條 力君      議事課長                   菅原幹寛君      政務調査課長                 泉 洋一君      総務課副参事兼課長補佐            菅原 正君      議事課長補佐                 菅原敏彦君      議事課長補佐(班長)             布田惠子君      議事課長補佐                 菅原 厚君-----------------------------------    議事日程 第六号                平成二十六年十月一日(水)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第二百三十八号議案ないし議第二百五十六号議案、議第二百五十八号議案、議第二百五十九号議案、議第二百八十二号議案、議第二百八十九号議案、議第二百九十号議案、議第三百八号議案ないし議第三百十号議案及び報告第百九十八号ないし報告第二百七十号第三 一般質問   〔中島源陽君、川嶋保美君、佐藤詔雄君、千葉達君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第二百三十八号議案ないし議第二百五十六号議案、議第二百五十八号議案、議第二百五十九号議案、議第二百八十二号議案、議第二百八十九号議案、議第二百九十号議案、議第三百八号議案ないし議第三百十号議案及び報告第百九十八号ないし報告第二百七十号三 日程第三 一般質問   〔中島源陽君、川嶋保美君、佐藤詔雄君、千葉達君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(安藤俊威君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。-----------------------------------会議録署名議員の指名 ○議長(安藤俊威君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、四番境恒春君、五番堀内周光君を指名いたします。----------------------------------- △諸報告 ○議長(安藤俊威君) 御報告いたします。 副知事、若生正博君が本日及び明日、欠席する旨の届け出がありました。----------------------------------- △議第二百三十八号議案ないし議第二百五十六号議案 △議第二百五十八号議案 △議第二百五十九号議案 △議第二百八十二号議案 △議第二百八十九号議案 △議第二百九十号議案 △議第三百八号議案ないし議第三百十号議案 △報告第百九十八号ないし報告第二百七十号 △一般質問 ○議長(安藤俊威君) 日程第二、議第二百三十八号議案ないし議第二百五十六号議案、議第二百五十八号議案、議第二百五十九号議案、議第二百八十二号議案、議第二百八十九号議案、議第二百九十号議案、議第三百八号議案ないし議第三百十号議案及び報告第百九十八号ないし報告第二百七十を議題とし、これらについての質疑と日程第三、一般質問とをあわせて行います。 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。三十番中島源陽君。    〔三十番 中島源陽君登壇〕 ◆三十番(中島源陽君) 皆さん、おはようございます。県議会に来る途中の田んぼに目を向けますと、黄金色の稲穂も半分以上が刈り取られた景色となりました。例年は収穫の喜びで満たされる季節でありますが、秋晴れの中、聞こえるコンバインの軽快な音とは裏腹に、稲作農家の心は底知れない不安により極めて重いものとなっています。 農林水産省は、ことし六月での在庫が過去十年間で二番目に多い、二百二十二万トンと公表しているように、米過剰の流れを受けて、農家が農協に米を出荷した際に受け取る概算金は、ひとめぼれが六十キロ、一等米で前年比二千八百円安い八千四百円、ササニシキが同じく前年比二千九百円安の八千六百円となり、その衝撃は稲作農家にとってはかり知れないものとなっています。もちろん米は翌年までに売り切っていくという販売形態をとっていることから、概算金が最終の米価格ではないにしても、その概算金からスタートするという意味においては、大きな影響を与えるものです。過日、地元のいわでやま農協、古川農協、みどりの農協にお邪魔して、役員の皆さんとお話をいたしました。すると、農家のあの概算金が発表されて農家の皆さんの反応が余りにも静かで怖いくらいである。概算金が余りに低過ぎて言葉を失い、やる気も失っているのではないかと心配をしておりました。東北農政局によれば、二〇一二年の米六十キロ当たりの生産費調査において、平均が一万四千九十四円で、耕作面積五ヘクタール以上の大規模農家でも一万千四百三十二円とのことであり、今回の米概算金のほとんどがその生産費を下回っている状況にあります。日本人にとっての主食の米が生産費割れ状態になることは、日本人にとっての主食料を安定的に確保することを否定することであり、日本人の命の安心をも脅かす事態であります。まず、こうした生産費を下回る米概算金の現状に対して、知事はどう受けとめているのか、伺います。 農協に米を出荷している多くの農家にとっては、ことしの六月三十日に出荷契約金として六十キロ三千円が農協より振り込まれており、秋の米出荷時に相殺される仕組みとなっております。そうしたことから、六十キロ八千四百円の概算金となれば、実質的にはこの秋には六十キロ当たり五千四百円の米代金しか入金されないということであります。農家経済の一年のサイクルからすれば、春からの肥料代、農薬代等も含めて多くの支払いが集中するのが秋であります。そうした意味においては東北農政局の調査によれば、本県の平成二十二年度の農業経営体数は五万七百四十一であり、そのうち水田を持つ経営体数は四万八千六百四十九であり、実に県内農家の九五%以上が水田を有しているということであります。しかも、今回は経営規模が大きいほど大きい影響を受ける事態であります。先日お邪魔した大規模農家でも、ことしコンバインを購入したものの、これほど米概算金が下がることは想定してなく、今後の支払いに大きな不安を感じているとのことでした。このように個々の農家においてもどうやって年を越そうかと頭を悩めているところであります。 こうした事態に対処すべく、全国制度としてナラシ対策がありますが、すべての農家が加入しているわけではありません。本県におけるナラシ対策の加入者数、加入率はいかがでしょうか。あわせて、加入している場合の補てんと加入していない場合の補てんの金額はどのようになると想定しているのでしょうか。そして、知事はこうした状況を踏まえ、この米概算金ナラシ対策が農家経営にどう影響し、地域経済にどのように波及すると考えているのか、伺います。 九月十六日の知事記者会見によれば、農家の当面の資金繰りにつきましては農林漁業セーフティネット資金があり、この活用について知事は説明をされていますが、この資金では借り入れ対象者認定農業者主業農林漁業者認定就農者集落営農組織であり、すべての農業者が対象となっているわけではありません。そうした意味においては、山形県がいち早く独自の米価下落対策緊急資金制度を創設し、貸付額が出荷した米六十キロ当たり三千三百円で、個人農家で五百万、法人や集落営農組織で二千万円の上限となっています。続いて福島県や岩手県も県独自の無利子融資制度を創設しました。本県としても米価下落対策としての支援策を実施すべきと考えますが、知事の所見をお聞きいたします。 また、今回の米概算金下落を受けて、九月十九日には北海道東北地方知事会の緊急要望として、代表して山形県の吉村知事が西川農林水産大臣に要請した、需給・価格安定対策、農業者の経営所得対策、生産体制の強化、転作支援、米の需給拡大の五項目は、極めて重要かつ明快なものであったと思います。特に過剰米の主食用市場からの隔離については極めて緊急性の高いものであり、このことが実施されることで需給バランスが一定程度調整され、米価格の適正水準への移行が図られるものと思います。農業はあくまでも大自然の光や温度などの絶妙なバランスの上に成り立っている産業であることを踏まえれば、冷害や猛暑、干ばつ、風水害等、さまざまな収穫減少の影響がいつでも起こり得るということを覚悟しておかなければなりません。そうした意味においても主要食料の需給バランスの調整を生産現場の当事者にだけゆだねることや、その需給バランスによってのみ価格が決まっていくという経済原理だけにすべてをゆだねることは、大きなリスクを伴うものであり、主要食料の安定的確保のためには、社会全体としての一定のかかわりが必要なのだと思っています。そうした意味において今回の過剰米対策は、まさに今すぐに実行されるべきと思います。知事が西川農林水産大臣とお会いした際には、作況指数を見てから判断するという回答であったと聞きますが、直近の作況指数は全国的に豊作基調でありましたので、その過剰米を市場隔離する環境にあるということだと思います。こうした状況に関しての知事としての所見を伺います。あわせて、その確実な実行に向け、国に対して再度要請していくべきと思いますが、その取り組みについても伺います。 農家経営支援策としてのナラシ対策は、過去五年間の最高と最低を除いた三年間分の平均価格と当該年度の価格の差額の九割を補てんする仕組みであり、確かに一定の支援とはなりますが、価格が下がり続けた場合においては実質的には生産費を割り込んでしまう補てんしか受けられなくなってしまい、ここにこそ制度改善の必要があるのではないでしょうか。私は、再生産を保障する仕組みという視点で、五年間の米六十キロ当たりの平均生産費と当該年度の農家販売米価との差額の九割を補てんする仕組みに変えていくべきと考えています。本県は特に農地中間管理機構の活用により、農地の九割を担い手に集約することを目標に掲げているところであり、そうした意味においては、担い手が安心して経営を継続できる仕組みをしっかりと構築する責任があると思います。県としてのナラシ対策の見直しについてどう考えているのか、知事の所見を伺います。 緊急的需給対策としての過剰在庫の市場隔離が出口対策とすれば、継続的需給対策としての生産調整もまた欠かせないものであります。しかしながら、この生産調整には法律的な縛りは既になく、転作としての麦、大豆、新規需要米等の支援を厚くすることでの誘導を図るのが現状であります。大消費地に近く、米どころの東北や北陸よりも早く稲刈りができる地域の稲作農家需給バランスを無視して生産を続けている現状では、そうしたことを法的に制約することはできないということであり、政府が平成三十年から新たな生産調整の仕組みが機能するように検討するとしていますが、現実は既に政府関与のない状況が存在しているわけであります。そうした意味においては生産調整を行う前提として、つくる自由、売る自由の前に、みんなで需給調整をするという全国規範が確立されなければ、これまで以上にまじめに需給調整をしようとする農家が年々主食用米をつくれなくなり、需給調整を無視する農家が最大面積で稲作経営ができるという理不尽な状態を生み出してしまいます。まずは、この全国規範の確立を求めたいと思いますが、知事のお考えをお聞きします。 その上に立って、需給調整の柱として、これまでの麦、大豆はもちろんですが、今後は新規需要米の拡大が大きなかぎを握るもの思います。しかしながら、特に飼料用米はどこで使うのかという出口確保と、生産現場においては飼料用米専用カントリーエレベーター保管用倉庫等の整備が不可欠であります。この点をどう整えていくのかが増産のかぎを握っており、ひいては生産調整の確実な実施を担保し、需給バランスをとっていくことになるのだと思います。県としてはこの点に関してどう取り組んでいくのか、伺います。 また、農業就業者の六割以上が六十五歳以上という現状からすれば、稲作経営が安定的に維持され、それぞれの地域において農地が農地として活用され続けるためには、一定の集約が図られることは避けられない状況と思います。国も、こうした状況を踏まえて、今年度より農地中間管理機構を制度化して全国で一斉にスタートしました。本県においても、第二回までの借り受け希望者の状況は九百三十経営体の申し込みで、面積としては一万一千六百七十二ヘクタールということであります。まず、本県として、この借り受け希望の状況についてどう受けとめているのか、伺います。 現在、第五回までの借り受け希望の公募が行われているところであり、更に借り受け希望はふえるものと思いますが、今後、一方の貸し出し希望を受け付けしてマッチングすることが本来の役割であります。この際に、平場の基盤整備された圃場の場合は合意が得られやすく、中山間地域は未整備率も高く、高齢化率も高く、合意を得ていくことが難しいと思います。農地中間管理機構では、必要な場合には基盤整備等の条件整備を行うと示していますが、現実は既存の基盤整備事業等の活用によるとも言われており、中山間地においては農地中間管理機構の役割に対して不安を感じている状況があります。宮城県として県独自の中山間地対策が必要と考えます。秋田県ではこうした場合に独自の補助を設けているようでありますが、本県としての対応策についてはどう考えているのか、伺います。 今回の内閣改造により地方創生担当大臣が誕生し、全閣僚で構成され、安倍晋三内閣総理大臣を本部長とする、まち・ひと・しごと創生本部が発足しました。当本部は、人口減少と超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対して政府一丸となって取り組み、それぞれの地域が特徴を生かした自律的で持続的な社会を創生することを目的にされたものであり、若い世代の就労、結婚、子育ての希望の実現、東京一極集中の歯どめ、地域の特性に即した地域課題の解決という三つの視点で魅力あふれる地方を創生することを目的に設置されました。まさに地方に暮らす一人としては、遅きに失したという思いとぎりぎりのところでよく政治の中心に据えてくれたという思いが交錯するところでありますが、今後こうした取り組みが国を挙げて行われるということであれば、宮城県としても我が事として取り組む姿勢が求められると思います。本県も震災前の平成二十二年人口が二百三十四万八千人で、平成十七年人口二百三十六万人より一万二千人減少しており、しかもこの間、仙台都市圏は一・八%増なのに対して、それ以外の圏域は三・四ないし六・六%の減少であります。また、高齢化率においても、総理府のシミュレーションによれば、本県の平成二十三年高齢化率が二二・四%であったものが、平成四十七年では三三・八%になると想定されており、超高齢化の状況になります。まさに宮城県にとっても地方創生は待ったなしの取り組みであると思いますが、知事の地方創生に対する所感と、本県としての来年度における取り組みについて伺います。 先日、ある地域の運動会にお邪魔した際に今回は二つの地区が参加できなかったというお話を聞き、大きなショックを受けました。その地域では体育推進員を引き受けてくれる方がいなくて参加できなかったということでした。いわゆる人口減少や高齢化も現実に大きな問題でありますが、それ以上に、地域を担う人材の育成が地域の中で難しくなっているという問題は、地域の未来に対して極めて大きな影響を与えるのではないでしょうか。もちろん大崎市田尻地区新町のように、お祭りを通して何十年も子供たちから若者、そして大人世代までみんなでステージを盛り上げ、一体感に包まれているような地域には、それぞれの年代にリーダーがいるものです。 そうした意味において地方創生を実現していくためには、その動きを牽引する地域リーダーの存在が重要であり、その育成を同時に進めることが不可欠であります。これまでも県議会のあるこの地が伊達家藩校養賢堂のあった場所であることを例えて、県として人材育成に正面から取り組むべきと提案してきましたが、今もって形にはなっていません。秋田県では新しい取り組みとして、若者会議が全県的に取り組まれて、地域づくり人材のネットワークをつくりながら、それぞれの地域ならではの取り組みを行っています。こうした地域ごとの特徴を生かした人材育成こそ、その人材がしっかりと地域に根差して、地方創生の原動力になっていくのだと思います。本県においてもかつての宮城青年の船や、みやぎ地域づくり実践塾などを行っていたわけであり、地方創生が叫ばれる今だからこそ、時代の要請にこたえる新たな宮城らしい人材育成事業にもう一度汗を流すべきではないでしょうか。知事の所見を伺います。 私は、地方創生のかぎを握るのは人材育成であり、もう一つが地域資源の活用と思っています。先日鳴子総合支所の西側駐車場の足湯のあるわきにもう一つの建物が建っていまして、一人の女性がバケツを持って入っていきました。何事かと思いお聞きすると、東北大学が温泉排湯を活用したメタン発酵システムの開発と循環型社会のモデル構築を目指して設置した施設で、食事の残飯等を持ってきてタンクに入れると、その残飯で発生したメタンガスで沸かしたお茶が飲めるという喫茶コーナーを併設しています。鳴子温泉の熱を利用した新しい価値の創造であり、鳴子温泉エネツーリズムと称していました。これこそ地域資源の活用の姿であり、メタン発酵のガスを使ったガス灯を整備することや、ガス発酵施設に観光要素を付加していくこと、産業化してものづくりにつなげていくこと、そして雇用を生むこと、交流の拠点をつくっていくことなど、さまざまな可能性が生まれてくるものと思います。また、今回の大崎地方の民間住宅事業者が地元材の乾燥・製材施設を建設して、地元材を活用した住宅の供給体制を構築しようと準備をしているところでありますが、こうした動きもまた地域資源の活用の姿であります。まさに地方創生の政策を最大限有効活用して、こうした一つ一つの芽を大きく育てていく役割が県としての役割なのだと思います。県としての地方創生を実現していくための地域資源の活用についての知事の所見を伺います。 また、本県においては、地域資源の試験研究を行っている古川農業試験場、農業・園芸総合研究所、畜産試験場、林業技術総合センター、水産技術総合センター、産業技術総合センターがあります。それぞれに現場の課題を受けて試験研究を行い、その結果を現場に生かしているものと思います。しかしながら、時代の要請にこたえてこれまで以上に地域資源の活用を具現化していくためには、試験研究機関が現場との接点を飛躍的に拡大し現場との夢を共有するとともに、個別に対応する仕組みを超えて課題別に連携し、確実に成果を生み出すための総合力を発揮できるような新たな体制を構築すべきと考えます。知事の所見を伺います。 九月十二日、十三日、宮城県総合畜産共進会が美里町にある総合家畜市場を会場にして開催されました。乳牛の部七十七頭、肉用牛の部百五頭が参加し、それぞれの部門で手塩にかけた牛がその資質を競い合いました。特に肉用牛の部では、平成二十九年度の全国和牛能力共進会宮城大会を意識してことし初めて開催された大崎総合家畜共進会のように、それぞれの地域大会も充実した中で開催された県大会ということもあり、張りつめた緊張感とともに、そのレベルは大いに高まったものと思います。一方では、大崎和牛改良推進組合設立総会時に、全国和牛登録協会会長さんより、本県の和牛について第十回全共長崎大会では優秀な個体による成果が確認されたが、課題としては地域の繁殖雌牛集団の一段のレベルアップと斉一性を高める必要が明らかになっているとの指摘を受けました。こうした課題を克服してこそ、三年後の全共で上位入賞につながるのだと思います。こうした点も含めて県内和牛の姿を確認する場としての県共進会も、全共宮城大会まであと三回しか開催できないということであり、あと三年あるというよりは、あと三年しかないという危機感の共有が欠かせないものと思います。今回の地域共進会からの取り組みと、県共進会での牛のレベルを客観的にどう評価しているのか、県としての所感をお聞きします。 また、県共進会九月十二日の夜、生産者や農協関係者等が焼肉を囲みながら、大いに全共に向けての意気を高めたと聞きます。こうした意気込みを徐々に盛り上げていくことも極めて大切な取り組みと思います。そうしたことを踏まえると、県共進会はさまざまな意味を持つものであり、地域共進会と連動した県共進会として盛り上げていく必要があります。全共の王者たる宮崎県は、一千五百万円の総予算での県共進会の開催であり、県としても三百二十万円の支援を行っております。本県は総額二百七十万円規模の開催であります。出品内容が違うので単純には比較できませんが、宮崎県の並々ならぬ意気込みを感じざるを得ません。宮崎県を上回る意気込みと体制をつくり上げていくことも、県としての大きな役割と考えます。来年度以降の三回しか開催できない地域共進会そして県共進会に対して、当事者として県の強い取り組みを求めたいと思いますが、知事のお考えをお聞きします。 さきに紹介した全国和牛登録協会の会長さんが指摘した繁殖雌牛集団の一段のレベルアップと斉一性を高める必要性にこたえていくためには、本県種雄牛茂洋の産子をいかに多く県内に保留して、親牛として活躍してもらうのかということが極めて大切であります。その意味では子牛相場が非常に高い状況の中で、県として導入補助を実施していることは大いに評価したいと思います。本県では茂重波を基礎として改良を重ねてきた結果、今回の茂洋の誕生、そして後継牛の好平茂、勝洋があるわけであり、県として改良基盤を拡大強化する意味においても、現在の茂洋は極めて貴重な存在であります。そうした意味においても今後とも茂洋の導入支援を継続すべきと思いますが、県としての方針をお聞きします。 他県の和牛関係者にとっても、すべての取り組みは平成二十九年に開催される全共宮城大会のためにあるのだと思いますが、先日の本県共進会には全共参加県の畜産関係者が来ていて、宮城の牛の姿をしっかりとチェックしていったそうであります。また、幾つかの県は会場となる夢メッセを視察していきました。多くの県が着々と準備を進めていることがうかがえるところでありますが、開催県としても会場づくりや運営等いよいよ具体化してくる時期でもあります。現在は実行委員会を組織して準備をしているところでありますが、まだまだ予算も不確定要素が多い段階とのことであります。今後詳細な計画がつくられていくものと思いますが、さまざまな減免措置や県民への広報など、できる限りの県としての側面的支援も欠かせないものと思います。知事のお考えをお聞きいたします。 全共宮城大会の平成二十九年までに本県和牛の改良を着実に進めるとともに、仙台牛のブランド力を確実に上げることも大きな目標であります。仙台牛は牛肉の格付最上位のA5、B5のみを限定して認定しており、他県のブランド牛がA5、A4又はA3を含めて認定しているのとは厳格に差別化をしています。しかしながら、そのことが評価と必ずしも一致していない現実があります。二〇〇九年の日本政策金融公庫の調査によると、仙台牛は、バイヤーによる牛肉ランキングでは第十位、消費者によるランキングでは第八位となっています。いずれも第一位は松阪牛であり、それぞれに神戸ビーフ、米沢牛、鹿児島黒牛、近江牛などが上位を占めています。更には、地元である本県においても、仙台牛と仙台黒毛和牛の違いが消費者には伝え切れていないのではないでしょうか。私は、こうしたことを踏まえた仙台牛ブランド戦略の見直しが必要なのだと思います。県としての基本的な考えをお聞きいたします。 以上で、壇上からの質問といたします。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 中島源陽議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、米価と稲作農業の展望についての御質問にお答えいたします。 初めに、米概算金の現状に対する受けとめについてのお尋ねにお答えをいたします。 今回の六十キログラム当たり八千四百円という概算金額の下落が農家経営に及ぼす影響は大きく、大変厳しいものと受けとめております。今回の下落は、全国的な過剰在庫などから販売環境が非常に厳しい状況にあり、市場変化に対応し、県産米の全量販売に向けたやむを得ない措置と考えているところであります。しかしながら、政府として米の需給が実効あるものとなるよう、過剰米の主食用市場からの隔離や米の需要喚起対策の充実強化を初め、転作支援や生産体制の強化などを要望したところであります。宮城県の米の生産量は全国の約五%、約六百五十万人分の年間消費量に相当し、我が県農業産出額のほぼ二分の一を占める農業の基幹作物であります。県といたしましては、今後とも生産者が安心して持続的に稲作経営に取り組めるよう、収益性の高い生産体制の確立を推進し、競争力のある農業の構築に向け努めてまいります。 次に、ナラシ対策の加入状況と補償額及び米の概算金等が農家経営や地域経済に与える影響についての御質問にお答えいたします。 我が県における今年産のナラシ対策の加入経営体数は二千七百五十四件で、加入率は作付面積ベースで約四五%となっております。加入の有無による補償額の違いにつきましては、今回の概算金が最終的な販売価格になったと仮定をいたしますと、対策に加入している場合、十アール当たりで約二万二千二百円が支払われ、加入していない場合でも、今年産に限り実施される円滑化対策により約八千三百円が支払われると試算されます。また、農家経営や地域経済に与える影響ですが、例えば十ヘクタール規模の経営体では、概算金を前提に比較をいたしますと、収入は前年の九百八十九万円から七百四十二万円へと二百四十七万円減少いたしますが、ナラシ対策により、最大限となる二百二十二万円が補てんされることで、減収額は二十五万円となります。ただし、麦、大豆の収入によってはナラシ対策の補てん額は変動することになります。しかしながら、米の直接支払交付金が前年から減額されたこともあり、農家経営への影響は避けられず、収入減少による消費の減退も見込まれ、地域経済への影響も懸念されるところであります。 次に、農地中間管理事業における借り受け希望の状況についてどのように受けとめているのかとの御質問にお答えをいたします。 農地中間管理事業における今年度の集積目標面積は二千ヘクタールとしておりますが、第二回までの公募により、その目標を大きく上回る一万一千六百七十二ヘクタールの借り受け希望の申し込みがあり、担い手の規模拡大意欲が大変高いものと認識をしております。なお、本日から第五回目の募集を開始いたしましたので、更に多くの借り受け希望があるものと見込んでおります。今後は、稲刈りが終了する今月以降に出し手である小規模農家からの委託申し込みが本格化すると見込まれることから、出し手の掘り起こしや受け手とのマッチングに重点的に取り組んでいくこととしております。県といたしましては、機構、市町村や農協などの関係機関、団体と連携して制度の丁寧な説明を行いながら、担い手への農地集積が円滑に進むよう積極的に取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、宮城版地方創生についての御質問のうち、地方創生への思いと来年度における取り組み姿勢についてのお尋ねにお答えをいたします。 人口減少問題は、社会保障制度の維持を困難にさせるほか、我が国の国際競争力をそぐことにもつながる非常に大きな問題であると認識をしております。このことから、第二次安倍改造内閣において地方創生を最重要課題ととらえ、まち・ひと・しごと創生本部を設置し、東京一極集中に歯どめをかけることなど、人口急減・超高齢化に対して政府が一体となって取り組むことについて大変高く評価をしております。国では、まち・ひと・しごと創生法案をさきに開会した臨時国会へ上程し、年度内に、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定するほか、地方にも来年度内の策定を求めるとしております。県といたしましては、沿岸被災地を中心に仙台都市圏以外の地域において人口減少、人口流出が大きな社会問題となっておりますことから、政府内の検討状況について情報収集を行いながら、県の戦略を早期に策定するとともに、国の地方創生関連の支援策も積極的に活用し、県内市町村等との連携のもと、人口減少、人口流出対策にしっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱三点目、全国和牛能力共進会宮城大会に向けた取り組みについての御質問にお答えをいたします。 初めに、地域大会と県大会に対し県として積極的に支援すべきとのお尋ねにお答えをいたします。 県内各地域で開催される共進会については、三年後に全共が宮城県で開催されることから、日本一獲得に向けた県内生産者の和牛改良への熱い情熱が盛り上がってきており、日常の飼養管理や牛の調教指導を初め、自主的な活動も活発になってきております。また、県畜産共進会については、県内各地域を勝ち抜いた和牛が一堂に会して和牛改良の成果を競う畜産の一大イベントとなっております。県といたしましても、全共を控え、生産者の和牛改良にも意欲が高まっているこの機を逃さず、今後の宮城県肉用牛振興の飛躍的向上を図る上からも、県共進会に対する支援のあり方について検討してまいります。また、県では初めての試みとして、ことしの県共進会の前日に生産者や農協等の関係者に対し、全共で審査項目となっております、おいしさの評価項目に対応するため、生産者を交え牛肉を試食し、食味試験を実施したところであります。今後とも、限られた予算の中ではありますが、各地域共進会や県共進会への運営の支援に努めてまいります。 次に、県の側面的支援についての御質問にお答えをいたします。 全共宮城大会は、和牛のイベントのみならず、県内外へ宮城県の魅力を発信するとともに、東日本大震災からの復興と支援への感謝を示す絶好の機会であると考えております。県としても三十九の関係課室から成る庁内連絡調整会議を設置し、観光、交通対策、食のPR、震災復興など多方面から実行委員会を支援していくこととしております。また、宮城大会の開催経費については、我が県での開催が決定した平成二十二年当時は約四億円と想定しておりましたが、前回の長崎大会を参考に再度試算した結果、約六億六千万円に修正いたしました。現在市町村を初め関係団体に負担を要請しているところであり、この範囲内で最大限効果的な大会運営ができるよう努めてまいります。県民への広報につきましては、大会マスコットキャラクターやイベントテーマの公募などを通じて広く周知を図るとともに、県のさまざまな広報手段を通じて積極的にPRを行ってまいります。更に県全体で盛り上がる大会とするため、市町村等の多彩なイベントとの連携を図ってまいります。 私からは、以上でございます。
    ○議長(安藤俊威君) 震災復興・企画部長山田義輝君。    〔震災復興・企画部長 山田義輝君登壇〕 ◎震災復興・企画部長(山田義輝君) 大綱二点目、宮城版地方創生についての御質問のうち、宮城らしい人材育成についてのお尋ねにお答えいたします。 御指摘のありましたとおり、地域振興活動がうまく機能しているところでは、地域振興活動を企画運営する中心的な人物である地域リーダーが存在し、更にその地域リーダーを取り巻くように人的ネットワークが形成されていると認識しております。現在の地域づくり活動においては、ボランティアやNPO団体などの活動が盛んになっており、今後ともそれらの活動を支援していく取り組みが地域人材の育成につながるものと考えております。県といたしましては、被災地での復興に意欲的に取り組む復興応援隊活動の推進や、被災地での地域づくり活動を支援する、みやぎ地域復興支援助成金の活用のほか、これまで取り組んできたみやぎ地域づくり団体協議会事業や、地域づくりアドバイザーの派遣などを通じて、これからの地方創生を担う人材の育成に取り組んでまいります。 次に、地方創生を実現していくための地域資源の活用についての御質問にお答えいたします。 地方創生の実現のために、特色ある地域資源を活用して付加価値の高い事業を生み出し、雇用の確保につなげていくことは大変重要なことであると考えております。国は、地域の元気創造プランに基づき、地域経済循環創造事業交付金により地域の資源と資金を結びつけ新たに事業を起こすモデル的な取り組みを支援しており、我が県からは、畜産により発生するふん尿を有効活用する取り組みや間伐材を利用した木質バイオマス事業など、これまでに三事業が採択されております。このほかにも市町村の中には地元の資源を生かした取り組みを検討する動きが出てきておりますので、県といたしましては、本交付金に加え、国の地方創生に向けた新たな施策等も活用しながら、引き続き地域資源の活用を支援してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 経済商工観光部長犬飼章君。    〔経済商工観光部長 犬飼 章君登壇〕 ◎経済商工観光部長(犬飼章君) 大綱二点目、宮城版地方創生についての御質問のうち、試験研究機関についてのお尋ねにお答えいたします。 地域資源の活用に際して技術的課題がある場合には、県の各試験研究機関が新製品の開発等を行う事業者と課題や目標を共有しながら、組織の枠を超えて総合的に支援していくことが大変重要であると認識しております。このため、各機関の長で構成される連絡会議等で情報共有を図るとともに、例えば古川農業試験場と産業技術総合センターが共同で冷害やいもち病に強い業務・加工用多収品種の稲の研究を行うなど、各機関が連携した取り組みを行っておりますが、事業者のニーズに的確に対応し着実に成果を上げるためには、各機関の強みを総合的に発揮することが必要と考えております。県といたしましては、今後現場訪問や業界関係者との研究会等の機会を拡大して技術的課題を的確に把握した上で、各研究機関の研究職員による研究会や外部有識者を交えた評価委員会において組織横断的な研究テーマも積極的に設定し、研究や技術支援を活発に行うなど、組織体制を一層強化してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 農林水産部長吉田祐幸君。    〔農林水産部長 吉田祐幸君登壇〕 ◎農林水産部長(吉田祐幸君) 大綱一点目、米価と稲作農業の展望についての御質問のうち、米価下落に対する支援策の実施についてのお尋ねにお答えいたします。 今回の米の概算金の引き下げに対して、去る九月十三日に、知事から西川農林水産大臣に、農林漁業セーフティネット資金の限度額引き上げや、既に借り入れている各種農業制度資金の償還猶予等を要望しており、十九日には、重ねて北海道東北地方知事会として緊急要望を行ったところであります。農林漁業セーフーティネット資金は、専業農家や第一種兼業農家に加え、第二種兼業農家の一部が貸し付け対象となり、我が県の場合、無利子・無担保、かつ貸付限度額も千二百万円に引き上げられており、この制度資金の活用の周知に努めております。また、農業収入として九月に二十五年産米の概算金の追加払いが開始されたほか、来年三月には二十五年産大豆の精算金の上乗せが見込まれますことから、農業協同組合のプロパー資金の活用状況なども注視し、必要な支援を検討してまいります。あわせて、県では、農業経営の安定的継続を支援するため、本日十月一日付で本庁及び各地方振興事務所に営農相談窓口を設置し、農業者の生産意欲の喚起や経営規模に応じた資金繰りの相談などにきめ細かに対応することとしております。 次に、過剰米の市場隔離の確実な実施に向けて国へ再度要請すべきとの御質問にお答えいたします。 米づくりに当たっては、需要と供給のバランスが維持され、農家が営農意欲を維持できる適正な米価水準が確保されることが重要であると考えております。しかしながら、ことしの米の民間在庫量は、概算金が大幅に下落した平成二十二年の在庫量を上回っており、米政策改革が開始された平成十六年以降では最も高い水準となっております。更に、国が公表した本年産水稲の全国の作況指数は先月十五日現在で一〇〇を超えており、更なる過剰米の増加が懸念されております。このことから北海道東北地方知事会として、国が主導し過剰米を主食用市場から隔離するよう緊急要望をしたところであり、今後とも、米の需給が実効あるものとなるよう、機会をとらえて国に要望してまいります。県といたしましては、関係機関が一丸となって県産米の販売促進、販路開拓に向けたPR活動などを一層強化し、宮城米の早期全量販売に努めてまいります。 次に、ナラシ対策の制度見直しについての御質問にお答えいたします。 県といたしましては、ナラシ対策などのセーフティーネットは、農業経営の安定を図るために必要不可欠であると認識しております。御指摘のように、現行制度では農産物の販売収入が年々低下した場合、農家の手取り額が減少し、ナラシ対策による補てんを含めても生産費を割り込むことや、農産物販売価格が下げどまった場合には発動されない仕組みであることなど、改善の必要があるものと考えております。このため、ナラシ対策の要件緩和など制度の見直しを国に要望したところであり、また、現在国においては、ナラシ対策にかわる収入保険制度の創設に向けた検討が行われているところであるため、その状況を注視しながら、現場の声が十分反映され、農業経営の安定化につながる制度となるよう、あわせて国に対し要望してまいります。 次に、米の需給調整を行うための全国規範の確立についての御質問にお答えいたします。 国では、平成三十年を目途に生産数量目標の行政による配分を見直すこととしております。しかしながら国が生産調整に直接関与する間は、国として米の需給及び価格の安定対策を主体的に責任を持って取り組むべきと考えており、米の生産数量目標を重視してきた我が県といたしましては、このような取り組みが全国的な規範となるものと考えております。平成三十年以降については、国では生産者や集荷業者、団体が一体となり、みずからが需要に応じた生産が可能となる体制の構築を目指すこととしておりますが、昨今の米の需給状況や価格の動向から見ると、極めて難しい状況であり、全国的な需給調整のあり方は、慎重にかつ時間をかけ検討しなければならない課題であると認識しております。 次に、飼料用米の需要先の確保と生産施設整備についての御質問にお答えいたします。 現在県内で生産された飼料用米の多くは、県内に工場を持つ配合飼料メーカーに供給することができ、今後も大口需要として実需者との連携強化に努め、更なる需要の拡大を図ることとしております。また、地域内での利用を推進するため、飼料用米のもみ米貯留タンクや玄米粉砕機などの整備に対する補助として、畜産振興総合対策事業費を今回の補正予算に計上しているほか、平成二十一年度から畜産試験場において給与試験を実施しており、その有効性も確認されていることから、引き続き畜産経営者や関係機関に対し情報の提供を行い、利用拡大を図ってまいります。飼料用米の作付拡大に伴う生産施設の整備については、国の交付金を活用し、飼料用米専用に活用できる乾燥調製施設への再編整備や機能強化による流通体制の構築を図ってまいります。また、集出荷団体等における受け入れ体制の整備については、現在補助事業の対象とならない保管用倉庫の整備に対して国の支援が得られるよう、引き続き要望してまいります。 次に、県独自の中山間地域対策についての御質問にお答えいたします。 中山間地域については、農地集積を進める上で担い手の確保が大変厳しい状況にあるものと認識しております。このような地域においては、県や機構、市町村、農協などの関係機関が地域における話し合いの場を誘導し、新たな特産品目の選定や担い手確保のあり方など、地域農業の将来像を徹底的に話し合うことが重要であると考えております。このため、県職員も集落座談会などさまざまな機会をとらえて話し合いに参画し、より広域的な視点からのマッチングに努めてまいります。その上で必要となる農地の基盤整備については、小規模でも実施できる農業基盤整備促進事業などを活用し、他産業からの参入も含め、多様な担い手の発掘に努め、受け手とのマッチングを図ってまいります。あわせて、国に対して、中山間地域等における農地集積・集約化を進めるため、受け手となる担い手がインセンティブを得られる制度の拡充を要請しているところであります。 次に、大綱三点目、全国和牛能力共進会宮城大会に向けた取り組みについての御質問のうち、地域大会からの取り組みと、県大会における牛のレベルの客観的な評価についてのお尋ねにお答えいたします。 全共宮城大会に向け和牛改良への機運が醸成され、今年度、大崎地域を初め新たに県内三地域において市町を越え、統一した改良方針に基づき、計画交配、雌牛の保留などの事業に取り組む和牛改良推進組合が設立されました。これにより宮城の和牛改良を牽引してきた、みどりの、登米、栗原の和牛育種組合とあわせ、県内のほとんどの地域で和牛集団のレベルアップ、飼養管理技術の向上、斉一性を高める組織体制が確立しました。今年度はこれらの組織が中心となり、大崎地域を初め各地域で共進会が開催され、日本一獲得に向けて生産者の和牛改良意欲が高揚できたものと認識しております。また、県大会では全国和牛登録協会本部から審査員を招き、全共と同じ基準での審査を実施しております。今年度の結果としては、全共で上位入賞を十分ねらえる出品牛も出てきているとの評価を得ており、着実にレベルアップしているものと考えております。 次に、茂洋の導入支援についての御質問にお答えいたします。 繁殖雌牛の導入を支援する事業としては、みやぎの繁殖雌子牛保留推進復興支援事業、県で指定した繁殖牛から生まれた雌子牛の保留に対する助成などの県単独事業のほか、国の助成事業、市町村、JA、育種組合などの単独事業があり、県としてはこれらを活用しながら優良雌牛の導入・保留対策を進めているところであります。このうち平成二十六年度みやぎの繁殖雌子牛保留推進復興支援事業では、茂洋を中心とした県基幹種雄牛の雌子牛を導入した場合に助成しており、その助成額は一頭当たり十三万円で百十六頭の導入を計画しております。また、全農みやぎや一部の市、JAなどでも茂洋産子を導入・保留する場合の助成を行っております。このような対策事業に取り組んだ結果、県内に保留されている茂洋産子の繁殖雌牛頭数は約一千四百頭を超えております。今後は茂洋に加え、その後継牛である好平茂、勝洋の活用も図りながら、平成二十九年の全共宮城大会での日本一獲得に向けて積極的に取り組んでまいります。 次に、仙台牛のブランド戦略についての御質問にお答えいたします。 仙台牛は肉質等級が最高のA5、B5の牛肉のみが使用することができる称号であり、全国一厳しい基準を持ち、他の銘柄牛との差別化を図ることによりブランド化を進めてまいりました。仙台牛のブランド化は、本県産黒毛和牛の価格の維持向上にも寄与しているところであります。現在、全国各地で銘柄牛が生産され競争が激化している中で、仙台牛ブランドの評価を更に上げるためには、厳格な基準による品質やおいしさのイメージといった格付の違いを県内外のバイヤーや消費者にこれまで以上に御理解いただくことが重要であると考えております。県といたしましては、平成二十九年度の全共宮城大会に向けて、全共実行委員会を初め、全農宮城県本部、仙台牛銘柄推進協議会などの関係団体と連携しながら、マスメディアを活用したこれまでにない規模の広報宣伝を行うなど、仙台牛のブランド確立に向けて積極的に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 三十番中島源陽君。 ◆三十番(中島源陽君) 御答弁ありがとうございました。 セーフティネット資金、国の制度であります。例えば大崎市でいわでやま、古川、みどりの農協が、大崎市一%利子を負担してJAが〇・五%利子を負担して一人三百万円までということで、無利子で補助をするということになります。今議会にかけるという段階に来ています。今すぐなんですよね、秋の支払いですぐ使いたいというところでありまして、実際のセーフティネット資金は非常に手続が難解で、なかなか地元で話を聞けば、そこが通るまでに非常に事務的なことがあったり時間的なこともあったりで、枠を拡大するというニーズではなくて、今すぐ借りたい、使いたい人にとっては、秋の支払いにという思いなんですね。そういう意味でどうしても山形県やほかの県もそういう農家の状況を踏まえて、独自の又は市町村や農協と連携してというふうになってるんです。地元でそんなふうに市町村と農協がやってきているのに、県は、国のセーフティがあるでしょうということだけでは、私はいけないというふうに思うんですが、いかがですか。もう一度、御検討ください。 ○議長(安藤俊威君) 農林水産部長吉田祐幸君。 ◎農林水産部長(吉田祐幸君) 国のセーフティネット資金、農林水産業のセーフティネット資金でございますが、本県は特別に他の県と違いまして無利子・無担保で、限度額も今千二百万円まで使えるという状況になってございます。この点は他の県との違いの部分になっているところでございまして、これが極めて有利でございますので、まずはこのネット資金を大いに御活用いただきたい。特に大規模農家ほど今回は大変で当座のつなぎ資金が必要だということでございますので、速やかな活用に向けまして相談体制を充実しまして、御活用いただきたいというふうに考えておるところでございます。 ○議長(安藤俊威君) 三十番中島源陽君。 ◆三十番(中島源陽君) どこまでいってもなかなか折り合わないような感じでありますけども、やはり地元から見れば、市町村やJAが汗をかいている。そういうときに県は汗かかないのかというふうに思うんです。そういう意味で市と農協がやってる部分に対して、県が支援をするというのは、私は検討に十分値すると思うんですけど、そこはいかがですか。 ○議長(安藤俊威君) 農林水産部長吉田祐幸君。 ◎農林水産部長(吉田祐幸君) 御指摘のとおりの部分は私も認めておるところでございますので、現在各単協におきまして、それぞれプロパー資金の軽減化などを進めておられます。ただ全体として中央会から要望をいただいているわけではございませんけれども、私どもはそういった地道な動きを各単協さんはなされているのはよくよく承知し、状況を把握した上で、必要性を感じた上でまた次の検討に移らさせていただきたいと考えておるところでございます。 ○議長(安藤俊威君) 三十番中島源陽君。 ◆三十番(中島源陽君) 現場の状況が伝わってないんじゃないかという思いがします。そういう意味で農協や市町村がどういう思いで新しいこうした支援の枠組みをつくってるのかというのをよく調査をしていただきたいというふうに思いますし、それを受けて県としてできる部分をしっかり私は打ち出してほしいということを申し上げておきたいと思います。 次に、和牛の先ほどの導入のお話でありましたが、積極的に取り組むという回答でありました。これは要するに継続するというふうに理解してよろしいですか。 ○議長(安藤俊威君) 農林水産部長吉田祐幸君。 ◎農林水産部長(吉田祐幸君) 全共大会に向けて、茂洋産子の保留対策、極めて重要なことだと考えてございますので、継続して取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(安藤俊威君) 三十番中島源陽君。 ◆三十番(中島源陽君) では、よろしくお願いします。 最後に、地方創生の中で、県としても戦略をつくっていくということであれば、今、宮城県が全体的に地方がどうなってるのか、私は、地域地域で学校が統廃合でなくなっていったりという非常に地域は今苦しい状況になっているというふうに思っています。そういう意味ではこの戦略の中にしっかり地方を元気にするということを打ち立てていただきたいと思いますが、知事、いかがですか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) それが最大の目標、目的でございますので、そこを見失わないように県としても考えてまいりたいというふうに思っております。 ○議長(安藤俊威君) 二十八番川嶋保美君。    〔二十八番 川嶋保美君登壇〕 ◆二十八番(川嶋保美君) 通告いたしております大綱五点について質問させていただきます。 初めに、大綱一点目、指定廃棄物最終処分場問題と風評被害対策についてお伺いいたします。 東京電力福島第一原発事故によって宮城県で発生した指定廃棄物最終処分場に関し、平成二十六年一月二十日、環境省が開催した市町村長会議において、建設候補地として栗原、大和町、加美町の国有地を提示。栗原市の候補地は深山嶽地区で面積二十四・四ヘクタール、大和町は下原地区で九・三ヘクタール、加美町は田代岳地区で七・九ヘクタール、いずれも山間部であります。処分場は仮設焼却炉を併設、汚染した稲わらや牧草などを焼き、灰を地中に埋める。県内での汚染した汚泥、各地での焼却炉で燃やした焼却灰なども処分対象となる。建設する処分場の必要面積は二・五ヘクタール。埋立容量は指定廃棄物を含む県内発生予想の八千七百トン。環境副大臣は、候補地の自治体に大きな負担となるが、詳細調査に向けて住民の理解を得られるよう最大限努力したいと語っておりますが、三市町長及びそれぞれの議会からは、反発と反対の声が上がっております。栗原市は、深山嶽地区周辺には、水がめの栗駒、花山、荒砥沢の三つのダムがあり、岩手・宮城内陸地震で国内最大規模の地すべりが発生した荒砥沢崩落地もあり、更には、栗駒山は活火山、地層は軽く、砂のような岩の上に重い岩が乗る構造で崩れやすく、多くの地すべりがある場所に深山嶽が位置しているのであります。専門家は無謀であると指摘しております。大和町は、候補地は陸上自衛隊王城寺原の着弾地から六百メートルしか離れていない緩衝緑地帯で、安全の配慮に欠けている。下原地区は、過去の調査では地すべり地域と判断しており、不適切。周辺には希少なオオバヤナギが群生している。候補地のそばを流れる荒川は、隣接の色麻町で飲み水に使われている。今までの協力に更なる負担を町民に強いることはできない。加美町では、田代岳は地すべりが起き、山の斜面とのり面が崩落が進んでいる。面積一・九六ヘクタール、傾斜角度は二十六、五度もあり、条件に満たしていない。候補地になっただけで風評被害が起きており、町の存亡にかかわる問題であるとしております。更に、環境省の説明に対して、市民、町民を含む県内農業協同組合が猛反対。大和町ではJAあさひな、くろかわ商工会、黒川森林組合などの九団体は、四月十九日、町民千百人の大集会を開催し、建設断固反対を訴え、反対署名一万一千四百二人分を町に提出。JA栗っこは、四月、二万三千七百四十八人分の建設反対に対する署名を市に提出。栗原の地をしっかり守っていくために、反対ののぼり旗を各地に立て、市民と一緒になって反対運動を展開しております。栗原市文字地区の二百五十戸の人々は、道路に沿いながら独自の反対ののぼりを立てて、代々、里山を汚すことを厳しく禁じて暮らしてきた。現地調査はそれを冒す重大事、命をかけて反対すると言います。加美町では、加美よつば農協など地元四十二団体でつくる放射性廃棄物最終処分場建設に断固反対する会が主催し、建設計画の白紙撤回を求める千二百人集会を開催。栃木県で候補地となった塩谷町の見形町長も駆けつけ、皆さんと力を合わせ連携して反対運動を進める考えを示しております。 第三百四十六回宮城県議会においても、詳細調査において当該自治体及び地域住民理解を得た上で着手することが大前提であり、事態を悪化させることのないよう、国有地であることをもって調査を強行しないよう強く望むとする意見書を国に提出しております。 最終処分場建設をめぐる議論が、五月二十六日、国と県、候補地三市町による五者の協議会が開催、初会合が大きな進展がないまま終了。その後、知事は他県に先駆けて、三市町が最終処分場建設や調査に反対する中、八月四日、詳細調査受け入れを表明されました。その経緯と真意をお尋ねいたします。 二十三年十一月十一日、放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針が閣議決定されたことが、県ごとに最終処分場を建設する根拠になっており、そのことが問題であるとされております。見直すこと国に働きかけるべきと思いますが、知事の所見をお願いいたします。 原発事故に伴う放射性物質により、農作物や山菜などが汚染され、住民が大打撃を受け、風評被害による米を初めとする農作物の消費者離れや販売停止に追いやられております。一例ですが、イワナを養殖し、お店で提供している商店で観光客が激減し、店を閉鎖。秘境のランプの宿として人気のある花山湯浜温泉においては、お客様が七五%も激減し、連休のにぎわいもなく、わずか二、三人の宿泊で経費は三割も上昇しているとのことであります。評判の山菜料理も、地元のものもありながら、放射能の数値も高く使用できず、秋田県で仕入れ、使用しているのが現状であります。このように放射性物質による直接の被害と風評被害に毎日悩まされているのであります。更に、最終処分場が建設された場合、県内どこでも同じでありますが、永久的な風評被害は目に見えておりますし、農業、個人商店、観光、企業、地域の経済産業の衰退を招きかねないのであります。この厳しい現状に対する知事の所見をお伺いいたします。 また、県においては、風評被害に対する対策は今までどのようにしていたのか、お伺いいたします。 栗駒の山の除染も進まない中、内陸部及び水産業における根強い風評被害に対して、その対策をお伺いいたします。 以上、さまざまな指定廃棄物に関する実態や状況を見てまいりましたが、私は、県内での処理は無理だと思います。指定廃棄物処分は、国との排出源の東京電力が責任を持って、東京電力福島第一号原発敷地で集中管理をすべきと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、米価下落による宮城県の支援対策についてお伺いいたします。 九月八日、全国有数の米どころであります我が県の主要品種であるひとめぼれ一等米の概算金は、六十キロ八千四百円。前年比二千八百円引き下げられ、二五%減の大幅な下落。過去最低水準に落ち込んだのであります。交付金も十アール当たり七千五百円に半減となり、地元農家の方々は、もう農業は続けられない、生活も大変だ、嫌になった、消費税が上がり、燃料や資材価格は高どまり、経費は膨らむ一方、経営も苦しくなると、一様に衝撃を受けております。二〇一四年産米の概算金はほとんどの品種が昨年より大幅に下がり、ひとめぼれに関しては八千四百円で二千八百円の減少。参考でありますが、五ヘクタール耕作し県内では大規模な農家を例にすると、十アール当たりの収量六十キロ九俵、五百四十キロの場合、下落の影響金額が百二十六万円となります。このことは農業を基幹産業とする地域はもとより、宮城の経済にも大きな影響を及ぼし、生産意欲の減退を招くことになります。収入からしても、特に担い手大規模農家ほど打撃は大きいのであります。 知事は、九月十三日、西川公也農水大臣が被災地視察のため訪れた仙台市で会談した際、全国的な過剰米の在庫などに伴う米価下落について、離農する農家がふえてしまうなど、国による対策を要請、宮城県だけで解決できる問題でないと話され、国の収入減少影響緩和策、交付金の支払い対象の要件緩和や、交付時期の前倒しなど経営支援を求め、また、米の需給バランスをしっかりやってほしいと、市場原理だけで任せるのは無理がある、国による需給調整が必要と、早い段階で要望されたことは、評価をいたしたい。米をつくる農家の方々には、生活できる米価の実現を図らなければなりません。島根県や秋田県、山形、岩手県は、緊急対策を打ち立てていますが、宮城県としてどのような米価下落に対する支援策と、西川農林水産大臣に要請されたこととあわせてお伺いいたします。 次に、大綱三点目、危険ドラッグの対策についてお伺いいたします。 今年の七月八日、秋田市の男性が無免許で乗用車を運転し、仙台宮城野区国道四十五号線の交差点で右折待ちしていた二トントラックに正面衝突し、事故を起こしたのであります。仙台東署によると、危険ドラッグを吸って意識が遠くなり、気づいたらぶつかっていた。宮城県内の危険ドラッグを買い、運転する直前に車内で吸ったなどと供述しているとのことでありまして、東北で危険ドラッグ吸引による事故も相次いで起きております。六月二十四日、東京池袋の繁華街で車が暴走し歩道に突っ込み、歩行者八人が死傷、日本じゅうを揺るがす危険ドラッグ吸引による大惨事でありました。危険ドラッグ使用後に意識障害などで緊急搬送される患者が急増しており、消防庁の調査では、二〇〇九年一月から今年六月まで、危険ドラッグが原因と見られる症状で救急搬送された人は四千四百六十九人に上ることがわかり、東北では、宮城が八十一人で突出して多く、青森十一人、岩手九人、秋田十一人、山形十四人、福島十三人であり、このことは氷山の一角と言われています。危険ドラッグが絡む車の暴走事故は二年前から多くなり、警視庁によりますと、昨年一年間で全国で起きた危険ドラッグ絡みの交通事故の逮捕は四十人、二〇一二年の十九人から倍増し、危険ドラッグが原因と見られる事故が後を絶たない現状であります。今年の一月から七月の間、危険ドラッグの吸引が原因と見られる交通事故が少なくとも八十四件発生し、被害者は七十一人に上り、被害者が死亡に至った事故は四件発生しております。 私も、薬物乱用防止活動に取り組んで二十年以上になりましたが、覚せい剤や大麻と似た作用があるにもかかわらず、入手しやすく、違法ではないとの触れ込みもあり、若者を中心に危険ドラッグの使用は全国で推定四十万人、平均年齢三十一歳で、若い世代にも瞬く間に広まっているのが現状であります。専門医によりますと、危険ドラッグは大きく分けて、興奮する、そのことを引き起こすもの、また気分を沈み込ませるもの、規制を強めるたびにより粗悪で危険な商品が登場し、何が含まれているかわからないものも多く、国内では最も危険な薬物だと指摘されております。危険ドラッグを吸引した直後の事件事故が相次いでいる問題で二〇一一年以降、死亡したと見られる人が、少なくとも七都道府県で四十人に上ると報道され、今年だけで二十四人が死亡したことが判明しております。先月、石巻で逮捕者が出たようでありますが、宮城県においても危険ドラッグによる事件事故はどうなのか、お伺いいたします。また、その対策についてお尋ねいたします。 七月、宮城県議会文教警察委員会では、危険ドラッグの対策が取り上げられていますが、議員提案を含め、県条例による取り締まりや規制強化をすべきと考えますが、警察本部長の所見をお伺いいたします。 更に、乱用防止や手を出さないための啓発、依存症の治療なども重要になってまいりますが、その対策をお伺いいたします。 若い人たちがハーブという言葉に弱く、染まりやすく、お香やアロマ、入浴剤などの名目で売られているゆえに、若い人たちへの防止への啓発も欠かせないと考えます。また、本県の小中高生まで危険ドラッグの広がりが心配されます。学校での授業を利用した危険ドラッグにかかわる防止の啓発、危険情報の周知等、教育面での重要性を考えますが、教育長にその取り組みについてお伺いいたします。 ネットでの販売も多くなってきております。危険ドラッグの撲滅に県として強力に対策を講じるべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 大綱四点目、栗駒山世界谷地第二湿原の再生についてお伺いいたします。 世界谷地とは広い湿原という意味であり、県内で最も古くにできた数少ない高層湿原であります。形成の歴史は、新しい湿原でも五千年前、古い湿原になると氷河期一万六千年前にさかのぼります。標高千六百二十七メートルの栗駒山の中腹で標高六百六十九メートルから七百七メートルに広がる細長い湿原で、面積は十四・三四ヘクタール。栗駒山の緩やかな南斜面にあります。世界谷地原生花園は上・中・下の三段に分かれて広がる四つのグループ、大小八つの湿原から成っております。第一湿原は六・一二ヘクタールで、その奥に最も大きい第二湿原九・八ヘクタールがあります。第二湿原においては、岩手・宮城内陸地震で延長八百八十八メートルの木道はほとんど壊れ、一般的には入ることができません。六月に、壊れた木道全行程を調査してまいりましたが、地元の人たち、栗駒山や高原の自然を楽しむ方々に早く修繕してほしいと多くの方々の声をいただいております。第一湿原の木道四百二十八メーターは、県が補修工事を行い、平成二十二年四月から開放されております。今年の多いときには一日七百人、昨年は千名ほどの人々が訪れております。六年過ぎても、第二湿原の木道は壊れたままであります。内陸地震や東日本大震災、原発事故の放射能問題で観光人口が激減している状況の中でもあり、早期の修繕と回復を望むものでありますが、観光宮城を標榜する知事の所見をお伺いいたします。 次に、大綱五点目、燃料電池車の早期導入についてお伺いいたします。 水素と空気中の酸素の化学反応で発電する究極のエコカー、燃料電池車・電気自動車と同様にモーターを動かして走行、排出するのは水だけであります。トヨタ自動車が世界初の量産車を今年度中に発売、ホンダが来年、日産自動車が二〇一七年には燃料電池車を発売すると報じられています。燃料電池車用ステーションについては、数社が首都圏、中部、関西、九州で三十一カ所、来年には千カ所までふやす計画をしております。投資額は一カ所当たり五億から六億円で、ガソリンスタンドの五倍から十倍に当たりますが、最近ホンダが小型水素ステーションを開発。設置コストは従来の十分の一で五千万円程度。装置内で水を分解して水素をつくるので普及に弾みがつくと、期待は大きいのであります。政府は、燃料電池車の販売とステーション建設に補助金を検討。トヨタの一号車は、二百万円の補助金となれば、一台五百万円になります。ステーションの建設にも検討しております。経産省が六月作成したロードマップで、燃料コストについては今はガソリン車より割高であるが、二〇一五年には水素の充てん価格をガソリン車と同等に、二〇二〇年ごろにはハイブリッド車の燃料コストと同等に、二〇三〇年にはハイブリッド車の燃料コストの半分にする目標を据えております。また、二〇二五年にはステーション千カ所、燃料電池車二百万台の目標を掲げております。車に積む燃料タンクは、一回の充てんで六百キロメートル行続可能となります。 燃料電池車は他の国でも研究と普及に力を入れておりますが、私は、八年前、平成十六年八月に海外行政視察として欧州を選び、環境、教育、自治の先進事例を調査してまいりました。ドイツ・バイエルン州の水素技術の開発や新エネルギーの開発、ミュンヘン空港では燃料電池車や燃料電池バスに同乗し、水素プロジェクトについての研修をいたしました。更に、アイスランドのアイスランディック・ニューエナジー社の水素製造と活用の実態、水素ステーション及び水素燃料電池バスの運営等の調査をいたしました。両国とも究極のエコカーの普及に力を入れており、特にアイスランドでは、地熱を利用して得た電力により電気分解を行い水素を製造していますが、近い将来、すべての自動車及び漁船の動力を燃料電池にかえ、世界に先駆けて水素社会の実現を目指したいとしておりました。 燃料電池や燃料電池車等については、経産省も含め機会をとらえ調査をしてまいりましたが、いよいよ多くの燃料電池車が走る時代になったのであります。トヨタ自動車は、来年市販する燃料電池車の名前をミライとし、当初年間七百台のペースで生産を始めるとのことであります。トヨタ自動車東日本株式会社本社所在地の宮城県として、水素ステーションの設置とミライの購入を進め、ぜひ、宮城、東北に普及の先駆けとして推進すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。 御清聴をありがとうございました。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 川嶋保美議員の一般質問にお答えをいたします。大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、指定廃棄物最終処分場問題と風評被害対策についての御質問にお答えをいたします。 初めに、詳細調査受け入れの経緯とその真意についてのお尋ねにお答えをいたします。 指定廃棄物処分場の候補地選定については、ことし一月に詳細調査を行う三候補地が選定されてから、国、県、三つの市町との関係者会談や環境副大臣による現地視察を行い、意見交換を重ねてまいりました。しかし議論が平行線となり、ことし七月の第六回宮城県指定廃棄物処理促進市町村長会議で、石原前環境大臣から、県内市町村長の意見の取りまとめを要請されました。この要請を受け、県主催で市町村長会議を開催し意見の取りまとめを行ったところであります。会議では各市町村長からさまざまな意見が出されましたが、最終的には市町村長の総意として、詳細調査の実施はやむを得ないとの結論に至ったことから、その旨を石原前環境大臣に報告したものでございます。 次に、基本方針の見直しを働きかけるべきとの御質問にお答えをいたします。 放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針の見直しにつきましては、ことし八月の市町村長会議に先立ち、環境省に文書照会を行ったところ、見直す予定はないとの回答でありました。また、環境省には、他県に集約して処理を行うことが可能となるよう、方針の見直しを検討していただきたい旨を申し入れておりますが、石原前環境大臣からも望月現環境大臣からも、口頭ではありますが、現時点では見直す予定はない旨の回答をいただいているところであります。したがいまして、現時点では指定廃棄物の保管状況は逼迫しており、迅速な処理を進めなければならないことから、早急に各候補地の詳細調査を実施していく必要があると考えておりますが、今後も機会をとらえて基本方針の見直しを国に働きかけてまいります。 次に、国と東京電力が責任を持って福島第一原発敷地内に集中管理すべきとの御質問にお答えをいたします。 指定廃棄物の県外処理の要望については、県としてもこれまでに要望はしてきているところでありますが、国からの回答は、方針の見直しは難しいとのことであります。今後も機会をとらえて見直しを働きかけてまいりますが、最終的には、事業を実施する国が放射性物質汚染廃棄物全体の処理に与える影響などを勘案しながら判断することになると考えております。 次に、大綱二点目、米価下落による宮城県の支援対策についての御質問にお答えをいたします。 今年産米の概算金の大幅な引き下げは農業経営に大きな影響を与えるものと認識しており、去る九月十三日に私みずから西川農林水産大臣にお会いし、農林漁業セーフティネット資金の限度額引き上げや収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシ対策の弾力化などを行うよう要望したところであります。県としては、短期的には無利子・無担保で運転資金を調達できる農林漁業セーフティネット資金の活用促進やナラシ対策の十分な周知を図るとともに、県産米の消費拡大や販路開拓に向けたPR活動を強化してまいります。また、農家の不安を払拭し、各種営農相談にきめ細かく対応するため、本日、本庁及び各地方振興事務所に営農相談窓口を設置したところであります。更に、中長期的には、地域の中核となる担い手の育成に向け、農地中間管理事業等による規模拡大や農地の効率的な利用による低コスト省力化を図るとともに、水田をフルに活用した収益性の高い作物の作付拡大や六次産業化などを推進し、安定的で持続的な農業経営と農業所得の確保に努めてまいります。 次に、大綱三点目、危険ドラッグの対策についての御質問にお答えをいたします。 初めに、乱用防止の啓発、危険情報の周知等、教育面での取り組みについてのお尋ねにお答えをいたします。 危険ドラッグについては、使用することによって意識障害や呼吸困難に陥るなど危険性が高く、青少年の心身の発達にも大きな害を与えるものと認識をしております。このような認識のもと、県教育委員会では、各市町村教育委員会の教育長との会議や、高等学校長会議などの機会をとらえ、危険ドラッグを含む薬物乱用防止について改めて学校での指導を促すとともに、教職員等を対象として、最新の知見を加えた薬物乱用防止教室指導者研修会を実施し、教職員への情報提供や指導力の向上を図っているところであります。また、現在、各学校においては保健の授業の中で薬物の危険性について指導しているほか、薬物乱用防止指導員や警察関係者等を講師とした薬物乱用防止教室の開催、啓発ポスターの掲示など、危険ドラッグを初めとする薬物乱用の防止に向け、子供たちの意識啓発に取り組んでおります。今後とも危険ドラッグの危険性や有害性を十分理解させるよう、県教育委員会とともに取り組んでまいります。 次に、危険ドラッグの撲滅に向けて強力に対策を講じるべきとの御質問にお答えをいたします。 ことし三月、私が本部長を務め、税関、東北厚生局麻薬取締部、海上保安部などの国の機関も含めた関係行政機関で組織する宮城県薬物乱用対策推進本部員会議において、第四期の宮城県薬物乱用対策推進計画を策定したところであります。この計画におきましては、危険ドラッグの対策を重点的に取り組むべき課題ととらえ、薬物乱用防止に関する教育、啓発、監視・指導取り締まりを対策の基軸として、危険ドラッグの撲滅に積極的に取り組むこととしております。特に、昨今、県内では危険ドラッグが原因と思われる交通事故が頻発していることから、その流通を早急に絶つべく、東北厚生局麻薬取締部や警察本部と連携し、販売店舗に対する検査、販売禁止命令の発動や交通事故の事件化など、取り締まりの強化に努めているところであります。県としては、薬物乱用のないみやぎの実現を目指し、県民の皆様の機運醸成も図りながら、関係機関、団体との連携を一層密にして、危険ドラッグの撲滅に全力を挙げて取り組んでまいります。 次に、大綱五点目、燃料電池車の早期導入についての御質問にお答えをいたします。 水素をエネルギーとする燃料電池車は、走行時に水しか排出しないことから、究極のクリーンカーとも言われており、二酸化炭素の排出削減など環境負荷低減に高い効果があるほか、次世代自動車として自動車産業の発展にも寄与するものと認識をしております。ことし六月には大手自動車メーカーが今年度中の燃料電池車の販売を発表したほか、国や関係業界においても、販売台数が見込める首都圏等四大都市圏を中心に、その導入や水素ステーションの先行整備等を行うこととしており、燃料電池車の普及に向けた動きが具体化してきております。一方で、普及に当たりましては、燃料電池車の車両価格や水素ステーションの整備のほか、県を含めた導入台数の確保などが課題であると認識をしております。しかしながら、低炭素社会の実現は本県の最優先課題の一つでありますことから、四大都市圏に引き続き我が県で普及が進むよう、今後、国の方針や関連事業者の動向等を注視しながら、課題解決に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 環境生活部長佐野好昭君。    〔環境生活部長 佐野好昭登壇〕 ◎環境生活部長(佐野好昭君) 大綱一点目、指定廃棄物最終処分場問題と風評被害対策についての御質問のうち、処分場が建設された場合の風評被害対策についてのお尋ねにお答えいたします。 風評被害対策については、これまでの市町村長会議の中で、環境省からは施設の安全性のPRやモニタリング情報の公開等により風評被害の未然防止に万全を尽くすとの説明を受けております。また、実際に風評被害が生じた場合については、国として責任を持って可能な限りの対策を講じていくと聞いております。県としても、風評被害対策については引き続き万全を尽くしていただくよう、国に求めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 保健福祉部長伊東昭代君。    〔保健福祉部長 伊東昭代登壇〕 ◎保健福祉部長(伊東昭代君) 大綱三点目、危険ドラッグの対策についての御質問のうち、危険ドラッグの乱用防止啓発、依存症の治療などの対策についてのお尋ねにお答えいたします。 危険ドラッグ対策として取り締まりを強化する一方で、乱用防止の啓発や薬物依存からの回復を支援する取り組みも重要であると認識しております。啓発につきましては、地域に根差した活動を強化するため、保護司や薬剤師など二百五十一名を県薬物乱用防止指導員として委嘱し、それぞれの地域において広報啓発活動に取り組んでいただいております。特に学校や地域で開催している薬物乱用防止教室や、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動等の各種イベントにおいて、危険ドラッグの症状や、事件事故の例を挙げるなど、危険情報を取り入れて啓発を行っているところです。また、依存症につきましては、精神保健福祉センターや保健所で、本人、家族及び関係者に対する薬物に関連した専門相談を実施し、必要に応じて医療機関を紹介しています。薬物依存症から回復するためには、本人だけでなく家族等を含めた早期支援が重要であることから、引き続き相談窓口の周知を図るとともに、医療機関や民間団体等との連携体制の構築を図ってまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 経済商工観光部長犬飼章君。    〔経済商工観光部長 犬飼 章君登壇〕 ◎経済商工観光部長(犬飼章君) 大綱一点目、指定廃棄物最終処分場問題と風評被害対策についての御質問のうち、観光面での風評被害対策についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、原発事故の風評被害を受けた観光事業者への支援として、国及び東京電力に対し迅速かつ十分な賠償が行われるよう要望するとともに、賠償請求が円滑に進むよう、圏域ごとの研修会などを実施してまいりました。また、根強い風評の払拭に向けて、首都圏や中部以西での観光キャラバンや観光と物産展において県内の観光の安全性のPRを行うとともに、ホームページなどで県内の放射能に関する正確な情報を日英中韓の四カ国語で提供するサイトを紹介するなど、積極的に取り組んでまいりました。更に、インバウンド対策として、海外メディアの日本駐在員の招請事業では、放射能に関する安全性を訴えたほか、大連、ソウル事務所においては、観光商談会等で現地語により丁寧でわかりやすい説明を行いました。また、本県を訪れた海外からの賓客に対しても、放射能の影響について説明を加えるなど、風評払拭に取り組んでまいりました。県といたしましては、引き続き風評被害対策にしっかりと取り組み、観光客の回復を図ってまいります。 次に、大綱四点目、世界谷地第二湿原についての御質問にお答えいたします。 栗駒山地区の昨年の観光客入り込み数は約八万人と、前年の約七万四千人より増加したものの、岩手・宮城内陸地震前の約一割にとどまっており、いまだ回復に至っておりません。世界谷地第二湿原については、女性や中高年を中心とした昨今の登山ブームやトレッキングブームを踏まえると、第一湿原とともに、非常に魅力のある観光資源の一つであると認識しております。これまで県では観光客の早期回復を図るため、第一湿原の木道の応急修繕や登山道湯浜コースの整備などに取り組んでまいりました。しかしながら、第二湿原の木道整備については、整備する距離が長いことや、ヘリコプターによる資機材の空輸が必要な場所にあることから、多額の財源が必要になります。このため県といたしましては、まず利用客の多い第一湿原の木道について、来年度から三カ年計画で本格的な整備を進めたいと考えております。第二湿原の木道整備については、第一湿原の工事が完了した後、速やかに整備に着手できるよう、今後現地調査を行い、国庫補助金の確保に努めるほか、その他の財源の活用も含め検討してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 農林水産部長吉田祐幸君。    〔農林水産部長 吉田祐幸君登壇〕 ◎農林水産部長(吉田祐幸君) 大綱一点目、指定廃棄物最終処分場問題と風評被害対策についての御質問のうち、風評被害対策についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、農林水産物の風評被害対策として、これまで生産者団体などへの損害賠償が円滑に行われるよう、東京電力との協議の場を設定するなどの支援を行ってまいりましたが、完全な支払いとはなっていないことから、この八月二十七日には知事が直接東京電力の社長に対して、迅速かつ十分な支払いを強く申し入れたところであります。また、農林水産物の安全安心を確保するため、放射性物質検査を計画的に実施し、基準値を超過したものが市場に出回ることがないように万全を期してきたほか、検査結果については、県ホームページやマスコミを通じて広く情報提供してきたところです。更に、JR仙台駅などでの県産品PRフラッグの掲出や、農産物直売所などへの消費者バスツアーの開催のほか、特に風評被害の影響が大きい水産物においては、販路回復のための新商品開発への支援や県内外での商談会の開催など、県産農林水産物の信頼回復と魅力の発信に努めてきたところであります。 次に、内水面養殖業の風評被害対策についての御質問にお答えいたします。 イワナ、ニジマスなどの内水面の養殖業については、平成二十三年九月以降、放射能測定を行っており、結果はすべて基準値以下となっております。また、風評被害に対する損害賠償については、昨年一月の第三次追補により賠償の対象となりましたので、県といたしましては、損害賠償に係る勉強会の開催などにより、内水面養殖業者と東京電力との協議が円滑に行われるよう支援を行ってまいりました。今後とも、損害賠償の協議がスムーズに進むよう支援するとともに、検査結果の周知などにより内水面養殖業の安全性についても情報を発信してまいります。更に、県で開発した伊達イワナの活用やみやぎまるごとフェスティバルでの販売支援などを通じて風評被害の払拭に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 警察本部長横内泉君。    〔警察本部長 横内 泉君登壇〕 ◎警察本部長(横内泉君) 大綱三点目、危険ドラッグの対策についての御質問のうち、我が県における事件事故の発生状況とその対策についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県における本年の危険ドラッグ関連の通報、相談、交通事故等の取り扱いは、九月二十八日現在、延べ八十六件で、このうち九月が二十四件と、九月に入って急増しております。特に、九月十一日以降だけで危険ドラッグの使用が疑われる交通事故が十件発生するなど、一歩間違えば重大な交通事故が発生しかねない状況となっております。県警察では、夏以降、東北厚生局麻薬取締部や県薬務課と連携しての危険ドラッグ販売店に対する共同立入や取り締まりを推進するなど、組織を挙げて危険ドラッグ根絶に向けた取り組みを強化しているところでありますが、いまだ歯どめがかかっていないことから、更なる対策の強化が必要と認識しております。このため、九月十九日付で危険ドラッグの使用が疑われる交通事故事件に対しては、道路交通法の過労運転等の禁止違反による現行犯逮捕を視野に入れた捜査を行うよう指示を行い、九月二十八日には、県内で初めて危険ドラッグを使用して物件事故を起こした運転者を過労運転等の禁止違反により現行犯逮捕いたしました。また、九月二十五日には、全国で初めて過労運転等の禁止違反の幇助容疑で危険ドラッグ販売店に対する捜索を行ったところであります。今後とも、危険ドラッグの使用が疑われる交通事故等が発生した際は、各種法令を活用して積極的な事件化と販売店への突き上げ捜査を徹底してまいりたいと考えております。 次に、県条例で取り締まりや規制強化をすべきとの御質問にお答えいたします。 危険ドラッグを根絶するためには、危険ドラッグの乱用者に対し厳正に対処することはもとより、危険ドラッグの流通を遮断するための販売店対策が極めて重要であると考えております。このため、県警察では、先ほど申し上げたとおり、危険ドラッグ使用容疑事案における販売店への突き上げ捜査を強化しておりますが、他都府県においては、危険ドラッグの流通状況を早期に把握し迅速に対応するため、警察官にも販売店への立入権を認めることや、危険ドラッグを取り扱う店舗を知事監視店に指定して、危険ドラッグの流通に厳しい規制をかけることなどを内容とする条例が検討されていることから、これら条例を研究しつつ、実効ある販売規制等のあり方を含め、条例制定の必要性について知事部局と協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 二十八番川嶋保美君。 ◆二十八番(川嶋保美君) 再質問をさせていただきます。 まず、指定廃棄物最終処分場問題について伺いますが、今までのことで、村井知事は、どこに建設する場合でも住民から大きな反対の声が出るのは当然だと、理解を得るよう県として努力するということを述べておりますが、今まで国の意を酌みながら何とかおさめたいとする努力は十分わかりますが、一月二十日以降、栗原市、大和、加美の首長、議会、住民が猛反対をしている指定廃棄物処分場の設置について、私は、地方自治のトップである宮城県知事として、三市町の立場に立って国に立ち向かってほしいと思いますが、いかがですか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これは宮城県の問題でございまして、宮城県の中に仮置き場として、今、点在をしておりまして、預かっておられます方々に大変御不便をおかけをしている。その方たちに約束した期限も切れているというような状況でございますので、いたずらに国と対峙することによって処理がおくれることがあってはならないということであります。したがって、協力すべきことは協力し、また、言わなければいけないことはしっかり申し上げまして、一番大切なことは、早くこの問題を解決をさせると。そして、安全な場所に一括して保管をするということがその目的でございますので、その目的を達成するために今まで汗を流してきたということでございます。もちろん、言うべきことははっきり言っております。マスコミの前だけではなくて、マスコミがいない場で厳しいことを言ったことも多々ございますけれども、いたずらに対峙すれば物事は解決するということでは決してございませんので、その点は御理解をいただきたいというふうに思います。 ○議長(安藤俊威君) 二十八番川嶋保美君。 ◆二十八番(川嶋保美君) 知事のお気持ちは十分わかりますけども、今までの知事のいろんな活動の中で、選挙戦についてのマニフェストやあるいは著書の「復興に命をかける」、そしてまた各社テレビ等の関係もあって報道への姿勢においても、防潮堤建設に対しては、襲ってくる津波から県民の命を守る。一貫して予定どおり進めておりますし、恐ろしい津波から生命と財産を守りたい。知事の思いは理解できるし、すばらしいという感じは受けておりますが、いろんな面では賛成してまいりました。昨年夏のころから、議会や地域住民の声を聞き、建設の位置、高さ、景観、生態系、建設の有無についても、基本的な姿勢は変わらないにしても、いろいろ配慮しながら、地元の合意を図る姿勢は評価をするものであります。しかし、県民の命と財産を守る姿勢から、指定廃棄物最終処分場を宮城県内に建設する推進役を行っているような姿勢は、県民の命と財産、暮らしを守る政治姿勢からすると、防潮堤への姿勢との整合性がないと思いますが、お伺いします。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 今回の指定廃棄物の最終処分場は、言葉がかなり刺激的なもんですから、非常に危険なものというような認識を皆さんお持ちでありますけれども、既に宮城県に点在をしておりまして、そこで農家の方たち等が管理をしていただいているもの、つまり、その周辺で生活をなさっていても特に放射能の影響はないといったようなものを一カ所に集めて、安全に処理をして、そして安全に管理をすると。それも国が責任を持ってしっかりやるということであります。科学的な継続したデータをとっていって、もし何か問題があれば直ちに対応するということであります。私も専門家でありませんので国から示したデータしかわかりませんけれども、よく言われることは、胃のバリウム検査でぱしゃぱしゃ写真撮りますけれども、あそこで受ける放射能の量の十分の一、あるいは数十分の一の放射能が一年間に放出されるものだということでございますので、皆さん、レントゲン検査を受けられております。そういうことを考えますと、焼却施設の目の前にいて、あるいは最終処分場の目の前に一年間立っていても、レントゲン検査で受ける放射能のレベルよりもはるかに小さいということでございます。私どもは、そういったことも何度もマスコミの前で国も我々も話をしているんですが、残念ながらそういったようなことは報道されません。したがいまして、ただただ不安だけをあおっているということございます。何が言いたいかというと、県民の生命と財産を守るということは当然の責務でありますので、本当にこれが危険なものであって、これをつくることによって県民が大変なことになってしまう。命を失うかもしれないと。何もかも失ってしまうかもしれないということであれば、当然先頭に立って声高に私は反対ということを申し上げますが、そういった安全なものであるならば、これは県内でつくるということを国が判断したならば、これに対して協力することもやぶさかではないと私は考えているということでございます。ぜひその点は御理解をいただきたい。特に栗原あるいは登米、こういったところには今大変多くの牧草やあるいは稲わら、こういったようなものが保管されております。そういったことで、栗原にとっては大変迷惑かもしれませんが、一方で、栗原のそういったものを扱っておられる方からすると一日も早く解決していただきたいという、栗原市民の声もあるということをぜひ受けとめていただきたいというふうに思います。 ○議長(安藤俊威君) 二十八番川嶋保美君。 ◆二十八番(川嶋保美君) 私も地元の事情はよくわかります。いろいろ歩くたびにいろんな話がありまして、その状況については、登米の方についてはちょっと区域外でありますが、栗原については十分承知しているつもりでありますが。処分場の建設がなされれば、恒久的に米を初めとする農産物等風評被害に悩まされ、食品加工製造会社やベビー製品を扱う会社は売れなくなる心配があるということでありますが、宮城から撤退をしなきゃならないという声もあると聞いております。県民に富をもたらそうとしている富県戦略にも影を落とすことになるのではないかなと思いますが、いかがですか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) まずは、もし宮城県内に一カ所、ここだということになりましたならば、それが決して危険なものではないんだということ、それによって食べ物等に影響を与えることはないという正しい情報をまず伝えるということが何よりも重要だというふうに思います。しかし、その後でも風評被害等があって経済的な損害をこうむるということであれば、その場合は、経済的な部分については応分の責任を国に負っていただくということが重要だというふうに思います。その上で更に何らかのサポートが必要であるということであれば、単なるただ国任せではなく、県としてもできるだけの支援をしてまいりたいというふうに考えております。その点については国もしっかりと責任を負うと言ってますし、我々も住民の皆さんを見捨てることのないように、最後までケアをしていきたいというふうに思っております。 ○議長(安藤俊威君) 二十八番川嶋保美君。 ◆二十八番(川嶋保美君) 私は、知事に県民の命と暮らしを守る真の防潮堤になってもらいたいと。ぜひお願いします。私も、地域を守り地域の発展を訴えている県議会議員として、言葉だけでなく体を張り処分場に対する対応のきちんとした反論をして、反対してまいりたいと考えております。 風評被害についての関連ですが、これは先ほどの要望であります。風評被害についての関連ですが、春の山菜、秋のキノコ、その他の山菜類について、セシウム検査について一週間ぐらいかかるというのが地元の声であります。それをもっと早くやってもらえないかということでありますが、何かありましたらばお願いします。 ○議長(安藤俊威君) 農林水産部長吉田祐幸君。 ◎農林水産部長(吉田祐幸君) 林産物の検査の件だと思います。簡易測定器などを活用いたしまして、持ち込んでいただきました林産物の測定をさせていただいております。迅速に答えを出せるように努めておるところでございますが、なお一層、意識して迅速化を図りたいと考えてございます。 ○議長(安藤俊威君) 二十八番川嶋保美君。 ◆二十八番(川嶋保美君) 栗駒山が錦秋の山として紅葉の季節を迎えております。湿原や湖沼など多く、サンデー毎日に十月五日号で大自然の風景や湿原が紹介されております。第二湿原の木道修繕については、関係者は今まで要望しておりますが、早期にお願いをしたいと思いますが、いかがですか。 ○議長(安藤俊威君) 経済商工観光部長犬飼章君。 ◎経済商工観光部長(犬飼章君) 国定公園等の施設整備につきましては、限られた国庫補助金を財源に、発展税と合わせまして計画的に行ってきております。御提言の第二湿原の木道整備につきましては、第一湿原に続きまして、引き続き速やかに整備できるよう努力してまいります。 ○議長(安藤俊威君) 暫時休憩いたします。    午後零時三分休憩-----------------------------------    午後一時一分再開 ○副議長(渥美巖君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。二十三番佐藤詔雄君。    〔二十三番 佐藤詔雄君登壇〕 ◆二十三番(佐藤詔雄君) 通告に従いまして、以下、三点について質問をいたします。 大綱一点目、土砂災害対策について伺います。 八月二十日明け方の時間雨量が百ミリを超える記録的な豪雨により、広島市では大変な土砂災害が発生し、人的被害として、死者七十四人、負傷者四十四人となっています。物的被害としては、住家の全・半壊を初め、公共土木施設や農地・農林・水産施設などが多く被災し、山がけ崩れも多数発生しています。被災された方々の状況が報道されるたびに、東日本大震災により被災した県民の方々との姿とも重なり、我が事のように心が痛みます。そもそも土砂災害対策の根幹をなす法律の一つである土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律、以下、土砂災害防止法と言いますが、この法律は、土砂災害が毎年のように全国各地で発生し、国民生活に大きな被害を与えている一方で、新たな宅地開発が進むことに伴う土砂災害の発生するおそれもある危険個所も年々増加している中、すべての箇所において工事を行い、安全を確保するためには、膨大な予算と時間を要する現状を踏まえて制定されたものです。その内容は、土砂災害防止工事等のハード対策とあわせて、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域を指定し、警戒避難体制の整備等のソフト対策を推進するというものです。この法律の制定は、平成十一年六月末の梅雨前線に伴う豪雨により、広島県沿岸部でがけ崩れや土石流が同時多発的に発生し、多くの人命が奪われたことが契機となっています。その広島県で今回大規模な災害が発生したことになりますが、今後、このような痛ましい災害を発生させないためにも、今こそ、土砂災害対策を強力に推進する必要があると痛感しています。 そこで、以下、土砂災害対策の現状などについて伺います。 まず、土砂災害警戒区域の指定状況について伺います。 今回の広島市の被災地区においては、平成二十四年度に調査を発注し、昨年までに調査を終えたものの、その後の住民説明会の準備中に被災してしまったとのことです。この区域指定がなされなかった、あるいはおくれたことが、被害を大きくした要因の一つとされています。 一方、県内では八千四百八十二カ所の土砂災害危険箇所があり、そのうち、土砂災害警戒区域の指定を終えたのは、七月末現在で一千二百二十カ所、約一四・四%にとどまっています。これは東北六県の中で最も低く、全国でもワースト二位の指定率の低さとなっています。先月九日に登米市で六十カ所を新たに指定したことにより、県内の指定区域は一千二百八十カ所となりましたが、それでも一五・一%にすぎません。こうした状況に対し、八月二十九日に開催された宮城県市長会の会議では、県内にも土砂災害危険箇所が多いが、土砂災害警戒区域の指定は、東北の他県に比べ大きくおくれをとっているとの認識のもと、県内の土砂災害警戒区域の指定を加速するよう、県に要望していくという方針が確認されています。土砂災害防止法は、土砂災害から国民の生命、財産を守るため、土砂災害のおそれのある区域について、危険の周知、警戒避難体制の整備、住宅等の新規立地の規制などのソフト対策を推進しようとするものであることから、まさに土砂災害警戒区域の指定は、その法律の目的を達成するための要であると言えます。その指定が一五・一%にとどまっているということは、大変憂慮すべき事態です。 知事は、八月二十五日の記者会見で、残念ながら宮城県は指定するのが他県に比べるとおくれているというのは事実でございますと述べられています。本県は、東日本大震災からの復旧・復興に最優先で取り組んでいる状況ではありますが、この土砂災害警戒区域の指定も喫緊の課題であると言えます。改めて、この指定率が一五・一%という事実に対する知事の考えを伺います。 本県の土砂災害警戒区域の指定は一五・一%にとどまってはいますが、全く指定が進んでいないというわけではありません。ことしに入ってからだけでも、登米市のほか、七ヶ宿町、大崎市で指定がなされています。これまで土砂災害警戒区域の指定が進まない要因として、予算や指定作業を行う職員の確保、また、建築規制や土砂災害警戒区域指定に伴う地価下落に対する住民理解の問題が挙げられていますが、そもそも本県では土砂災害警戒区域の指定が進んでいない理由は、どういったものなのでしょうか。 本県は、東日本大震災により未曾有の被害を受けているなどの事情もありますが、それ以前から土砂災害警戒区域の指定作業を行ってきていると思います。担当課に市町村別の土砂災害警戒区域指定状況を伺ったところ、土砂災害危険箇所数だけではなく、土砂災害警戒区域の指定状況にも大きな差があり、その指定が全くなされていない市町村もあるようです。 そこで、伺いますが、地域性なども含めてこれまでどのようなことが指定の進まない要因としてあり、そのことに対して、県はどのように工夫し、取り組んできたのでしょうか、お聞かせください。 知事は、さきに引用した八月二十五日の記者会見で、非常に経費もかかるもんでございますので、そう簡単にすべて一斉にということはできませんが、順次、今、調査を実施しておりまして、平成三十四年度にはランク一、五戸以上の人が住んでいる場所については調査を終えたいと思っております。進捗状況を見ながら、できるだけ前倒しできるように努力してまいりたいと思っておりますと発言をされています。また、先月、県は、来年度の土砂災害の調査などの予算を今年度の六千九百万円から一億二千万余と、二倍にふやす検討を始めるとの報道がありました。地方自治体にとって、住民の生命、財産を守ることは極めて重要な責務であり、最も優先されるべきことだと思います。非常に経費がかかるということであれば、予算を増額するなど、十分に確保し、ランク一の箇所の指定を平成三十四年度とは言わずに、前倒しした明確な目標を定めて、一日も早い土砂災害警戒区域の指定に向けて、速やかに作業を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 また、災害対策に当たって、その危険性に対する常日ごろからの県民への正確な情報提供が重要なことは言うまでもありません。ところが、県内の土砂災害危険箇所が八千四百八十二カ所あるというのは、平成十一年度から調査したものとのことでした。本県は、その後、東日本大震災により県土が甚大な被害を受けていますが、土砂災害危険箇所の数値は変わらないものなのでしょうか。特に、沿岸部を中心に、住家などの被害が発生している地域や高台移転・区画整理などにより、市町が新たなまちづくりを進めている中、私は、八千四百八十二カ所という箇所数そのものやランクづけを見直す必要があると思います。さきに述べたとおり、県民に対して正確な情報を提供することは、災害対策の最も基本的なことの一つであると考えています。しかしながら、東日本大震災前に調査をした数値とそれをベースとした指定率の低さがマスコミなどで大きく取り上げられている現状は、県民の不安を大きくするばかりだと思います。 東北地方太平洋沖地震や津波により、地形の変化や住家の流出などの被害が発生したことに伴い、土砂災害危険箇所そのものの見直しやランクづけの変更は、正確な情報を県民に提供するためには必要不可欠であると考えていますが、いかがでしょうか。 また、ランク一の箇所については、平成三十四年度までに土砂災害警戒区域の指定を終えたいとのことですが、県民、特に土砂災害危険箇所付近に居住している住民に対し、自分のところが土砂災害警戒区域に指定されるのかどうか、指定されるとすれば、いつ指定されるのかなど、具体的なスケジュールや優先順位の考え方、なぜ、その時期の指定となるのかなどについて説明、周知し、住民が土砂災害の危険性を十分に認識できるような対策なり機会を早急に設けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 国土交通省は、広島市の土砂災害を受けて、全国の土砂災害危険箇所等の住民に危険性を周知するよう、全国の都道府県に要請しました。その中では、土砂災害危険箇所や土砂災害警戒区域の周辺住民に危険な場所に居住していることを認識してもらうため、土砂災害危険箇所や災害警戒区域の位置、避難場所、住民がとるべき避難行動等について、ホームページや広報誌への掲載、ハザードマップの回覧・縦覧などにより、継続的に周知徹底を図ることとされています。この要請を受け、県では、市町村の担当者を対象に、先月五日、土砂災害危険箇所等の緊急周知及び警戒避難体制の緊急点検に係る説明会を開催していますが、土砂災害危険箇所を数多く抱える県として、どのように取り組まれたのでしょうか。 また、市町村に対してどのような指導・助言を行い、市町村はどのように取り組まれたのでしょうか。 あわせて、同省では、土砂災害危険箇所について、市町村における警戒避難体制の整備状況の点検を要請しています。その中では、危険箇所であることの周知状況、防災気象情報の収集、避難勧告の発令体制、情報伝達の方法、避難場所の周知状況、防災訓練の実施状況について点検することとされています。県内では、仙台市が避難準備情報を住所の小字単位で出すなどの見直しや、ハザードマップの来年度配布の予定を前倒しして配布をしたほか、白石市でも、市議会九月定例会で、ハザードマップ改訂と全戸配布の予算措置を行うなどの動きが見られています。 一方で、土砂災害等の発令基準の策定状況は、県内三十五市町村中、策定済みは二十市町村、作成中が十三市町、未着手も二つの市となっているなど、更なる取り組みの強化・促進が求められています。先月五日の説明会では、土砂災害警戒情報の発令時に県から市町村に対し、土砂災害警戒情報を補足する情報をメールにより新たに配信するとしていますが、今後ますます警戒避難体制の早急な整備・充実が求められると思います。県は、今後の取り組みの加速化・強化に向けてどのように市町村に対し指導・助言を行っていくつもりなのか、具体的取り組みを含む県の考えを伺います。 国では、広島市の土砂災害や土砂災害警戒区域の指定が全国で七割弱にとどまっている現状を踏まえて、秋の臨時国会で改正土砂災害防止法を成立させるべく準備を進めているようです。土砂災害警戒区域の指定を促進するためには、指定手続の簡素化や、基礎調査及び指定作業に関する国からの都道府県への一層の支援拡充・強化が求められているところです。県としては、改正作業を見守るだけではなく、これまで土砂災害警戒区域の指定が進まない要因などを分析し、土砂災害防止法や各種制度の改正、運用の見直しの必要があれば積極的に国に提案、働きかけていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。考えを伺います。 これまで土砂災害防止法に基づくソフト対策を中心に質問をしてまいりましたが、依然として土砂災害防止工事などのハード対策が重要であることは論をまちません。 そこで、伺いますが、本県の八千四百八十二カ所の土砂災害危険箇所における土砂災害防止工事等のハード整備の状況はどのようになっているのでしょうか。これまでのハード整備の推移及び現状について伺います。 国土交通省の平成二十七年度予算概算要求では、気候変動等に備えた災害リスクの最小化のための水害・土砂災害対策、既設のインフラを賢く使う取り組みの予算が一般会計総額で二千九百三十二億円、前年度当初予算比二三%増などの動きが見られています。県として、県民の生命、財産を守るため、十分な予算と人員を確保し、ハード整備を着実に推進することの見通しについて見解を伺います。 気象庁の異常気象分析検討会は、西日本を中心とする八月の豪雨や、日照時間が少なかった気象状況について、三十年に一回の割合と定義する異常気象だったとの見解をまとめ、同会の木本会長は記者会見で、こうした現象はまた起こってもおかしくないと説明されています。 今回の広島市のような局所集中的な豪雨は年々増加していますが、予測は困難とされています。しかしながら、全国の土砂災害の発生状況を見てみますと、八月末現在で八百八十九件の土砂災害が発生し、その主なものだけでも、広島市のほか、長野県南木曽町、高知県高知市、山口県岩国市、京都府福知山市、兵庫県丹波市など、全国で土石流、がけ崩れ、地すべりが発生しています。こうした状況を踏まえれば、土砂災害対策は喫緊の課題であり、県としても責任を持って迅速かつ確実に進めていく必要があると思います。今後の本県の土砂災害対策に対する知事の決意を伺います。 次に、農業問題について伺います。 中島議員からいろいろ農業問題について質疑、質問がありましたので、私の方からは、中山間地域における農業の関係等について質問をさせていただきます。 県内の農家を収入の関係だけで単純に見ますと、平成二十二年度の資料でありますが、専業農家八千五百七十七戸であり、兼業農家と言われる戸数は、うち、農家を主体的に行っている方と言われる第一種兼業農家は六千二十戸であり、第二種兼業農家、いわゆる主体的に企業に働いている方は三万四千七百八十七戸となっています。販売農家数を平成七年と平成二十二年を比較してみますとマイナス二一・三%、第一種兼業農家はマイナス三三・四%、第二種兼業農家は二三・八%マイナスとなっており、専業農家は六・七%プラスとなっておりますが、要因は農業法人の立ち上げ等により耕作地の集約化が進んだことなど挙げられます。 一方、販売農家世帯数は約半数となり、結果として農業就業人口は二八・五%も減少しています。要因は、集約化ができたとしても、肥料、諸経費、機械化に係る費用の高騰などあり、朝から晩まで働いても収入は上がらず、農家を断念するという結果が出ています。無論ただ手をこまねいているだけではなく、若い方々が中心となり農業法人を設立し、耕作地の集約を行い、新たな発想で生産から販売まで行うなど、農業に取り組んでいる地域もありますが、ごく一部の地域にとどまっているのが現状であります。運営を担っている方々も先が見えないというのが現状であります。 九月八日、全農宮城県本部は、農家から販売委託を受けた際に支払う二〇一四年度産米の概算金をそれぞれ発表をいたしたわけでありますが、金額は過去最低で、下落は二年連続となり、対前年比二五%減の大幅減となっています。一方、一三年度米は、全量契約が済み、今月末で販売が完了するという見通しになっています。 農林水産省が公表した六月末の民間在庫数量は二百二十二万トンで、前年同期と同様の高水準で推移、収穫を迎える一四年度産米は東北でやや良、北海道での豊作基調になっており、供給が需要を上回る需給緩和の状況は、ここ十年で最も深刻になるとの予想がされております。一四年度産米は、過去最低だった一〇年産を更に三百円も下回っています。農家の方からは、生産意欲の減退を招く、大規模な農家ほど打撃は大きいなどの意見が出ております。消費税が上がり、燃料や資材価格は高どまり、経費は膨らむ一方であり、低価格が続けば集荷の系統離れが加速し、経営が苦しくなり、農機具更新を機に、米づくりをやめる農家が出てくるのではないかと懸念を示しています。国に対し、過剰米対策を要請するとともに、全農が対応しようとしている事前契約の上積みなどで生産者に追加払いが可能となるような販売努力を行うことなどについて、県当局もしっかりと対応をしていくべきだと思いますし、先ほどのお話を聞きますと、秋にもお金が必要になってくる、その準備をしなければいけないという農家の現況を踏まえて、しっかりと対応をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 農業を進めようとすればするほど、財政的な問題、人手不足の問題が大きな課題となっています。農家によって耕作面積等によって多少の違いはあるにせよ、懸命に努力をしている農家の方々に、県として、地域ごとの方向性を示し、しっかりとした指導を行うべきであります。耕作面積にもよりますが、田んぼの場合は、休日、朝夕の作業だけでも何とかクリアはできますが、プロパーとして企業に勤めている方々と比較をすれば、年間の労働日数、生活面での大きな違いがあります。現状のままでは専業農家を主体的に担っている方々は、高齢化が進めば農家をやめざるを得ないと言っています。例えば年収一千万ある農家の場合、諸経費は約六百六十万ほどかかり、人件費も含め、手に入るのは三百四十万円程度であります。しかし、これには機械の購入費や償却費用は含まれていません。人件費の内訳は最低限二人と見て夫婦の人件費であり、約一人百七十万円程度であります。無論朝夕の時間外費用など見ることは到底できません。このことは、第二種兼業農家に顕著にあらわれておりますように、若い方は企業に働き、家に残り働くのは高齢者だけとなっている最大の要因であります。このような現況にある農業をどのように財政的な面も含めて指導していこうとしているのか、かつまた、長期的に指導をしていくべきだと思いますので、方針も含めお答えをいただきたいと思います。 同時に、農家は現在、イノシシやクマなどによる農作物被害が相次ぎ、これまた大変な状況にあります。イノシシ対策としては、市町村では、電気柵設置などに補助を出し対応いたしておりますが、費用は国庫補助八千円、一部市町村が約二千円程度補助金を出しておりますが、実施は市町村単位ということから補助単価が一律ではなく、かなりのばらつきがあり、同時に猟友会が行うイノシシの捕獲についても同様であります。市町村によって一頭当たりの捕獲料単価はばらばらであります。県は、現在補助を出す方向で農家の方々との会議の中で話しておると聞いていますが、県当局も補助金を分担して、県内同額にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。 このような今日の実情を踏まえ、しっかりとした対策を講じ、農家の方々が安心して暮らせる生活をしっかり守っていくべきであります。一方、対策の中心となって活動している猟友会の会員は、最盛期である昭和五十三年は八千七百五十五人と比較すると、現在、平成二十五年一千四百五十九人と激減しており、高齢化も進み、思うように動けないのが現実であります。県も新人ハンター養成講座を開催するなど対応しておりますが、定員は二十人となっており、実情と乖離しているのではないかと思いますが、地域の実態、実情を踏まえて対応すべきであります。市町村と連携を密にして、今後の方針を示し、指導すべきと思いますが、いかがでしょうか。 大綱三点目、観光地の道路整備について伺います。 県道白石上山線は宮城と山形を結ぶ重要な県道であり、冬はスキー場、春、夏、秋は名峰蔵王山を一望に見て走ります。しかし、蔵王山の入り口とも言われる宮地区から遠刈田温泉までの間は道路が傷んでおり、観光客からは評判が悪く、同時に、同地区は単線であり、大雨、土砂崩れがたびたび発生し、通行どめとなっており、早期改修が必要であります。とりわけ遠刈田温泉街を通行するには、現状、県道を直角に曲がらなければならず、極めて危険です。直角部分の左側所有者は、蔵王町、遠刈田温泉株式会社であり、県道を一部路線変更することは可能であります。今日の現状等も加味し、早期に改修をすべきではないかと思います。 安全安心な宮城の観光地への誘客を行い、宮城の観光地を全国に発信すべきであります。知事の考えを伺いまして、壇上からの質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 ○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 佐藤詔雄議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、土砂災害対策についての御質問にお答えいたします。 初めに、土砂災害警戒区域の指定状況についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の土砂災害危険箇所八千四百八十二カ所のうち、土砂災害警戒区域に指定しているのは先月九日現在、千二百八十カ所、指定率で一五・一%と、全国的にも著しく低い水準にとどまっており、土砂災害から県民の生命を守るため、早急に指定を進めることが急務であると認識をしております。 次に、土砂災害警戒区域の指定が進まない理由と指定に向けた工夫についての御質問にお答えいたします。 我が県の土砂災害警戒区域の指定が進まない理由につきましては、基礎調査の精度を高めるため詳細に実施したことにより、費用と時間を要したことや、東日本大震災による復旧・復興の途上にあって、沿岸部を中心に基礎調査が停滞したことなどが挙げられます。このことから、県では、基礎調査を可能な限り簡略化して、時間や費用の削減に努めるとともに、職員の負担を軽減するために外部委託を活用するなど、効率化を図ってきたところであります。また、土砂災害防止法の趣旨を十分に理解していただくため、地区ごとに関係市町村と連携して説明会を開催するとともに、市町村担当者に対しましても、土砂災害防止に関する講習会を毎年開催するなど、土砂災害警戒区域の円滑な指定に取り組んでまいりました。今後とも、住民の方々の迅速な避難行動に結びつくよう、市町村と連携して鋭意指定を推進してまいります。 次に、土砂災害の危険性などについて住民に説明すべきとの御質問にお答えをいたします。 土砂災害から住民がみずからの生命を守るために、居住地の危険性を認識することは極めて重要であると考えております。このため、県では、土砂災害危険箇所や土砂災害警戒区域の情報を砂防情報システムで公開しており、また、八月の広島市での土砂災害を受け、市町村が改めて住民に対し、土砂災害の危険箇所の緊急周知を行ったところであります。土砂災害警戒区域の指定につきましては、事前に地元市町村と綿密な調整を行いながら、人家の多いランク一の危険箇所から指定を進めております。今後とも市町村と連携して、地域住民に対し土砂災害警戒区域の指定予定や優先度などの周知を図りながら、早期の指定完了に取り組んでまいります。 次に、警戒避難体制の早急な整備、充実が求められる市町村への指導・助言など、具体的な取り組みについての御質問にお答えいたします。 ことしの四月、昨年の大島での豪雨災害等を教訓に、国の避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインが見直されたことから、県では、市町村に対して、避難勧告等の基準の再確認や見直し、更には、それらの住民への周知等を市町村防災担当課長会議など、さまざまな機会をとらえて強く働きかけ、指導・助言に努めてきたところであります。特に、避難勧告・指示の発令の判断、心構えにつきましては、先日、空振りを恐れずちゅうちょなく発令することなどを県内全市町村の首長に直接説明させていただいております。県といたしましては、今後も市町村が土砂災害等の避難勧告等の基準の見直しや避難計画の策定などを適切かつ速やかに実施できるよう個別協議に応じるなど、可能な限りの支援、協力を行ってまいります。 次に、本県の土砂災害対策に対する決意についての御質問にお答えいたします。 我が県における土砂災害対策につきましては、施設整備及び土砂災害警戒区域の指定とも低い水準にとどまっていることにかんがみ、土砂災害から人命を守ることを最優先に掲げ、施設整備とあわせ、土砂災害警戒区域の指定を加速してまいります。また、土砂災害から人命を守るためには的確な避難行動をとることが重要でありますことから、従来、市町村単位で発表されていた土砂災害警戒情報について、危険度に関するより詳細な情報提供を先月十二日から開始したところであります。今後とも、施設整備とソフト対策を合わせた総合的な土砂災害対策を推進するとともに、市町村が進める警戒避難体制の構築を全力で支援してまいります。 次に、大綱二点目、農業の課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、国への過剰米対策の要請及び米の販売努力に対する県の対応についてのお尋ねにお答えをいたします。 過剰米対策につきましては、去る九月十九日に、北海道東北地方知事会の緊急要望として、米の需給バランスの改善に向け、国が主導して、過剰米を主食用市場から隔離する対策を講じるよう要請したところであります。全農宮城県本部では、事前契約推進などの販売努力により、二十五年産米の追加払いが一俵当たり三百円と決定されました。二十六年産米の販売促進については、宮城県米づくり推進本部を初め、全農や宮城米マーケティング推進機構などが一丸となり、県内外でのPRイベントや新幹線車内誌など、さまざまな媒体を活用した広報を行うほか、県としても、大手卸売業等への企業訪問を行うなど、積極的にセールス活動を行い、こうした取り組みにより、生産者への追加払いが可能となるよう努めてまいります。また、生産者が安心して持続的に稲作経営に取り組めるよう、農地集積による経営の大規模化や直播栽培などの低コスト省力化技術の導入を支援してまいります。あわせて、ナラシ対策の更なる拡充など、担い手経営の安定化と所得の確保に向け、今後とも機会をとらえて国へ強く要請してまいります。 次に、県内農業への支援についての御質問にお答えをいたします。 我が県の農業情勢は、担い手の高齢化や減少などの課題に加え、今般の米価下落により大変厳しい状況にあると認識をしております。このため、短期的には、収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシ対策農林漁業セーフティネット資金により、所得の補てんや運転資金の確保に万全を期してまいります。また、中長期的な担い手対策につきましては、平成二十二年度に策定した農業経営基盤強化促進法に基づく県の基本方針の中で、例えば、水稲と麦、大豆の土地利用型経営、水稲と園芸の複合経営など、地域の特色を踏まえた各種経営指標を示し、年間農業所得四百八十万円程度を確保できるよう、経営体育成支援事業などの支援策を講じております。今後とも、経営の更なる大規模化や飼料用米などの導入による水田フル活用、園芸、畜産の導入、更には、六次産業化の推進など経営の多角化を進め、農業所得の向上を図り、我が県農業の中核となる担い手を育成してまいります。あわせて、農家の皆様や関係機関、団体の意見を広くお聞きしながら、今年度から新たな経営指標の策定など、基本方針の見直しに着手することにしております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(渥美巖君) 環境生活部長佐野好昭君。    〔環境生活部長 佐野好昭君登壇〕 ◎環境生活部長(佐野好昭君) 大綱二点目、農業の課題についての御質問のうち、狩猟者の確保について、市町村と連携を密にして、地域の実態や実情を踏まえて対応すべきとのお尋ねにお答えいたします。 狩猟者が減少、高齢化している中、農作物等の被害を増大させているイノシシやニホンジカなどの野生鳥獣を適正に保護管理していく上で、狩猟者の確保は喫緊かつ重要な課題となっております。このため、県では、平成二十五年度から新人ハンター養成講座を開催し、狩猟者の確保育成に取り組んでおります。この講座は、網わなの設置体験や有害鳥獣捕獲現場の見学などの実習を通して、地域における有害鳥獣捕獲の担い手となる若手の狩猟者を養成することも目的としており、こうした実習をより効果的、効率的に実施するためには、定員二十人が限度であることを御理解願います。このほか、以前から実施している狩猟免許試験の開催場所の分散化や休日開催に加えて、市町村からの要望に基づき、新たに市町村単位での試験を実施するなど、引き続き、受験者の利便性の向上を図りながら、地域の実態や実情を踏まえた狩猟者の確保対策を積極的に進めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(渥美巖君) 農林水産部長吉田祐幸君。    〔農林水産部長 吉田祐幸君登壇〕 ◎農林水産部長(吉田祐幸君) 大綱二点目、農業の課題についての御質問のうち、イノシシ対策に係る補助金についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、鳥獣被害対策について、市町村が作成する被害防止計画に基づき、侵入防止柵の設置や捕獲などの被害防止対策を実施する市町村や協議会を支援しております。イノシシ対策としての電気柵の設置については、市町村が鳥獣被害防止総合対策交付金を活用する場合は、費用の全額を交付しております。また、捕獲に伴う経費については、昨年度から、国の鳥獣被害防止緊急捕獲等対策で創設した基金により、イノシシ一頭当たり八千円を上限とし、交付しております。市町村の補助単価にばらつきがありますのは、被害の緊急性に応じて、一部の市町村が独自に予算を上乗せしているかどうかによるものであり、この経費につきましては、特別交付税が充当されることになっております。県といたしましては、鳥獣被害対策は、県及び市町村、地域が一体となって取り組むべきものと認識しており、市町村の広域連携の強化や研修会を通じた人材育成を推進するとともに、今年度は新たに集落ぐるみで効果的な被害防止対策が可能となる仕組みづくりを県内二カ所で実証しており、この成果をモデルとして広く普及してまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(渥美巖君) 土木部長遠藤信哉君。    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕 ◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱一点目、土砂災害対策についての御質問のうち、土砂災害警戒区域の早期指定についてのお尋ねにお答えいたします。 土砂災害危険箇所八千四百八十二カ所のうち、災害時要援護者施設関連の百三十三カ所につきまして最優先に取り組みまして、来年度までに土砂災害警戒区域の指定を完了させることとしております。また、沿岸部が復旧・復興の途上にありますことから当面は内陸部を中心に指定を進め、人家の多いランク一の危険箇所三千三百十カ所につきまして、平成二十九年度までに内陸部の指定を完了させ、残る箇所につきましても、引き続き指定を推進してまいります。 次に、土砂災害危険箇所の周知と市町村の対応についての御質問にお答えいたします。 県では、国からの要請を受け、先月五日に、県内全市町村の防災担当職員を対象とした説明会を開催し、土砂災害危険箇所や土砂災害警戒区域に居住している住民に対しての緊急周知、避難勧告の発令基準、情報伝達の方法などについての緊急点検を依頼し、あわせて周知の方法などについて指導・助言を行ったところであります。土砂災害危険箇所の周知につきましては、ホームページの公表のほか、避難所を記しましたハザードマップの各戸配布や公共施設への掲示など、さまざまな手段により、すべての市町村が住民への周知徹底を図ったところでございます。県といたしましては、今後とも市町村と連携して、住民への的確な情報提供に努めてまいります。 次に、土砂災害防止法の見直しについての御質問にお答えいたします。 土砂災害防止法につきましては、八月に広島県で発生した土砂災害を契機といたしまして、現在、国において、土砂災害警戒区域の指定を促進するための法律の改正作業を進めていると伺っておりますことから、当面はその動向を注視するとともに、土砂災害警戒区域の指定が加速される制度の構築が図られるよう、必要に応じて国に対して働きかけてまいります。 次に、土砂災害危険箇所の施設整備状況についての御質問にお答えいたします。 我が県の土砂災害危険箇所における施設整備は、大正九年の加美町大瀧川砂防堰堤の整備を皮切りに、昨年度までに六百六十二カ所の整備を完了し、全体の整備率は七・八%となっております。これらの施設整備には多くの費用と時間を要するため、直近十年間でも八十八カ所の完了にとどまっておりますことから、県といたしましては、市町村との調整を鋭意図りながら、災害時要援護者施設関連箇所及びランク一の危険箇所の整備を優先的に進め、土砂災害に対する安全度の向上に努めてまいります。 次に、土砂災害対策の予算と人員確保及び着実な施設整備についての御質問にお答えいたします。 土砂災害対策につきましては、近年記録的な豪雨が各地で頻発し、県内でも土砂災害の発生が危惧されますことから、土砂災害への対応に対する国の動向を見ながら、必要な予算を要望してまいります。また、東日本大震災からの復旧・復興の途上でありますため限られた人員での対応となりますが、外部委託の活用による効率化や優先度を加味した施設整備計画を策定し、着実に整備を推進するとともに、避難行動を促すための情報提供などのソフト対策をあわせて実施し、総合的な土砂災害対策を強力に推進してまいります。 次に、土砂災害危険箇所の見直しについての御質問にお答えいたします。 土砂災害危険箇所につきましては、国の点検要領に基づき、公表しているところでありますが、東日本大震災により津波の被災を受けた沿岸部では、防災集団移転促進事業などの実施に伴い危険箇所にも変化があると考えられますことから、沿岸部を中心に調査を実施し、必要に応じて危険箇所やランクの見直しを行ってまいります。 次に、大綱三点目、県道白石上山線整備についての御質問にお答えいたします。 県道白石上山線は、宮城、山形両県の観光振興や地域の主要な交通軸として重要な役割を担う幹線道路であります。東日本大震災以降、県内の交通量の増加に伴い、県管理道路の路面補修の必要性が高まっておりますことから、県道白石上山線につきましても、今年度は、蔵王町宮地区において路面補修工事を実施することとしており、道路のり面等におきましても、定期的に安全点検を行い、必要な対策を講じているところでございます。 また、遠刈田温泉地区におきましては、地域の方々とのワークショップでの検討結果に基づき、歩道や照明灯の設置、大型車同士の円滑なすれ違いを確保するための改良などを実施したところであり、現時点では路線変更を伴う新たな改良工事を実施する予定はございませんが、引き続き、県内の観光振興にも寄与できるよう、安全かつ円滑な道路交通の確保に努めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(渥美巖君) 二十三番佐藤詔雄君。 ◆二十三番(佐藤詔雄君) 答弁ありがとうございました。 順次、再質問させていただきますけれども、一つは、土砂災害に関連をいたしまして、特別警報には、大雨洪水警報があっても土砂災害の項目というのはないんですね、今。自治体として発表する土砂災害警戒災害情報はありますけれども、今申し上げたように、警報ではないんです。したがって、土砂災害に特化をした警報が求められるのではないかというふうに思いますが、ちょっと考えをお聞かせください。 ○副議長(渥美巖君) 土木部長遠藤信哉君。 ◎土木部長(遠藤信哉君) さまざまな情報に対する統括につきましては、気象庁と連携しながら我々対応さしていただいておりますが、やはりそういった大きな枠組みの中で全体が動いておりますので、今の御指摘のような部分については、気象庁との調整をとりながらお話をさしていただくということになりますが、県独自の取り組みといたしましては、先ほどもお答えいたしましたように、土砂災害の危険度情報というのを今回提供さしていただくことになりましたので、県の取り組みとしてはそういった形で、住民の方の安全を確保していきたいというふうに考えているところでございます。 ○副議長(渥美巖君) 二十三番佐藤詔雄君。 ◆二十三番(佐藤詔雄君) 宮城県の場合、一つは指定作業といいますか、指定区域を指定する作業を進めている部分があるわけでありますが、その場合は震災でおくれていることは認めているんですね。復興事業に加えて通常業務がふえて、必要な住民説明が追いつかないという、こういう今、現状もあるわけでありまして、本年度、物件調査の発注を重視をして調査を終えて手つかずの地元へ説明に力を注ぐと、このようなお話もしておるわけでありますけれども、どの程度進んでるのか、お知らせいただきたいと思います。 ○副議長(渥美巖君) 土木部長遠藤信哉君。 ◎土木部長(遠藤信哉君) いろいろ調査の簡略化等を取り組みながらまた外部委託も実施いたしまして、基礎調査を鋭意今、進めているところでございます。基礎調査の結果を踏まえて、今度は住民の皆さんへの説明ということになりますので、今すぐ何カ所ということはお答えできませんが、そういった努力をしながら、特に内陸部若しくは要援護者の関連施設を優先に早急に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。 ○副議長(渥美巖君) 二十三番佐藤詔雄君。 ◆二十三番(佐藤詔雄君) 耕作放棄地の解消についてなんですが、市町村などの取り組みを支援するために、県としても研修会を開催して、施策の説明や、更にはいろんな取り組み等々を行ったという、そういう言い方をしてるんですけれども、どのような効果があったのか、お知らせをいただければと思います。 ○副議長(渥美巖君) 農林水産部長吉田祐幸君。 ◎農林水産部長(吉田祐幸君) 耕作放棄地の解消でございます。残念なことに耕作放棄地は年々少しずつふえている状況にはございます。なかなか抜本的に解消するというところまでには至っていないというのが実情ではございますが、エリアごとに、ぜひ新たに開墾し耕作を始めたいという方がいらっしゃる場合に、緊急対策で、県も一緒に入りまして、かかわらしていただくと、そういうような形で、地道ではございますが、再生させていただいた面積も出てきておると、そういう状況でございます。 ○副議長(渥美巖君) 五十三番千葉達君。    〔五十三番 千葉 達君登壇〕 ◆五十三番(千葉達君) 議長のお許しを得たので、通告に従い、質問をいたします。 大綱一点目、医療・福祉・介護分野におけるICT化についてお伺いをいたします。 未曾有の被害をもたらした東日本大震災の発生から三年半が経過しました。被災地では復興への歩みが着実に一歩一歩進んでおりますが、いまだに多くの方々が仮設住宅等で不自由な生活を強いられており、健康問題等が心配されるところであります。一方で、被災地の医師不足の解消に向け、知事が先頭に立って取り組みを進めてこられた医学部の新設については、県の構想が採択されず、残念に感じておりますが、三十数年ぶりとなる医学部の新設が県内に決まったことで、被災地の医師不足解消に大きく寄与するものと期待しております。 さて、沿岸部の被災地では、東日本大震災の大津波により多くの医療機関や薬局等が流出するとともに、カルテ等の患者の医療情報も流出などにより喪失してしまいました。また、患者側でも、自宅の被災により持病の薬がなくなった、どんな薬だったかわからないといった状況に陥り、被災地の医療は大混乱となりました。東日本大震災では、もともと高齢化が進み医療過疎地であった地域が被災地となり、医師や医療資源等の不足などの地域医療の課題が改めて浮き彫りになりました。更には、災害に伴う医療情報などの喪失への対応、ICTを活用したバックアップ体制の構築という新しい課題も浮き彫りになり、早急な対応が求められているところであります。ある医療機関関係者は、今回の震災では、医療情報はどんなことがあっても絶対に喪失してはいけない情報だと改めて認識したと語っておりました。 県では、この教訓を踏まえ、平成二十三年十月に策定した震災復興計画の復興のポイントで、地域を包括する保健・医療・福祉の再構築として、ICTを活用した医療連携の構築を掲げるとともに、県医師会などとの連携によるオール宮城体制のみやぎ医療福祉情報ネットワーク協議会、通称MMWINの設立や情報ネットワークの整備を支援しているところであります。また、県地域医療再生計画及び地域医療復興計画では、官民の全面的な協力体制のもとで、大幅な医療機関の再編と連携、ICTの活用などに積極的に取り組むことで、我が国における先進的な地域医療モデルの構築を目指すとあります。この県が支援するMMWINによる医療福祉情報ネットワークの整備では、病院、診療所などの医療機関のほか、薬局、介護施設などが組織の壁を超えて情報を共有するという、全国に先駆けた取り組みであると聞いておりますが、具体的にどのような特色があるのかをお伺いいたします。 また、情報ネットワークに参加する医療機関等のメリット及び患者側のメリットはどのような点にあるとお考えなのか、あわせてお伺いをいたします。 仙台地域と石巻・気仙沼地域では、国と県の支援を受け、昨年度中に情報ネットワークの整備が一段落し、運用を開始しております。沿岸部被災地の医療機関等の復旧は途上であるとは思いますが、現段階での医療関係等の参画状況はどのようになっているのか、お伺いをいたします。 残る地域、県北及び県南については整備中であり、今年度末には県内全域で情報ネットワークの基盤整備が完了する予定と思いますが、この二地域における現在の整備の進捗状況についてお伺いをいたします。 今年度末に県内全域でのネットワーク整備が完了いたしますと、今後は、医療圏ごとの対応から、異なる医療圏間、あるいは県内全域での連携が望まれるところであります。また、遠隔医療の推進や今後の地域包括ケアシステムを見据えた更なる医療・介護・福祉の連携などが望まれるところでありますが、今後のネットワークの活用や連携のあり方について、御所見をお伺いをいたします。 さて、昨年五月、国会で国民一人一人の年金などの社会保障給付と納税を一つの個人番号で管理するマイナンバー法が成立いたしました。平成二十八年一月からは、個人に付与されたマイナンバーの利用により、税の申告や年金の給付申請等などにおいて書類添付が要らなくなり、事務手続の簡素化が図られます。しかしながら、当面の利用は社会保障や税などの行政分野に限定され、期待されました医療分野での利用については、施行後三年の平成三十年度をめどに利用範囲の拡大を検討すると、法律の附則で定めるにとどめられ、残念ながら実質先送りとなりました。 このマイナンバー制により医療分野での電子化したカルテなどの患者情報を管理すれば、例えば、いつでも、全国どこの病院でも、過去の治療、投薬歴を確認することが可能となり、検査や投薬の重複を減らすことができます。私は、この取り組みは、ふえ続ける医療費などの社会保障経費の抑制にもつながることができる取り組みになると考えます。歴史にイフ、もしはないと申しますが、もし仮に、震災時にこのシステムが構築されていたなら、多くの被災者が避難先などでスムーズに治療を受けることができ、さきに述べましたような混乱は生じなかったと思われます。一方で、医療情報は、個人の病歴、治療歴というプライバシーにかかわるものであり、医療機関などの民間でのマイナンバー制の利用においては、情報漏えいなどの懸念があることも認識しておりますが、東日本大震災での教訓を生かした取り組みとして、ぜひとも積極的に進めるべきであると思います。 知事は、昨年の国の復興推進委員会において、マイナンバー制と医療福祉情報の関連づけの必要性を強く訴え、まずは特例的に被災地で実験的に導入してはどうかと提案されております。全国に先駆けたMMWINによる情報ネットワークの構築を進める知事として、マイナンバー制での医療機関の医療情報の利用が見送られたことに関する現段階の御所見をお伺いいたします。 今後、MMWINの情報ネットワークが確立した暁には、ぜひとも、復興推進委員会での御提案である被災地での先行した取り組みを進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 厚生労働省がことし三月末に公表した資料には、健康・医療・介護分野において、ICT化が課題解決のためのツールとして適切に応用されれば、社会資源を有効に活用し、より質の高いサービス提供の実現に資することができるものと期待されているところであります。MMWINの取り組みについて質問をしてまいりましたが、この情報ネットワークの構築は、被災地としての教訓を生かした有意義な取り組みであり、地域医療の課題解決に向けた一助になると思います。知事を初めとする関係者の御努力に敬意を表する次第であります。 大綱二点目、貞山運河再生ビジョンについてお伺いをいたします。 本県では、阿武隈川から旧北上川に至る仙台湾沿岸部における全長約四十九キロメートルもの区間が、貞山、東名、北上といった運河により結ばれているという、いわば日本一の運河群が今なお存在し続けております。古くより、海運による運河物流の大動脈として仙台藩、宮城県の発展を支えてきた貞山運河は、江戸時代に建設が始まったもので、治水や利水といった機能のほかに、歴史、環境、景観などの魅力を有する土木遺産として多くの方々に愛されてきたところであります。しかしながら、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びそれに伴う大津波は、本県の沿岸域を広くのみ込み、本県でも死者が一万人以上、行方不明者が千人以上にも上る大きな被害をもたらしてまいりました。物的被害も同様に甚大で、運河群においても例外なく堤防や護岸が大きく被災し、津波の引き波で集められた瓦れきに埋没いたしました。県では現在、災害復旧事業による運河群の復旧を進めているところでありますが、運河群は震災前から貴重な土木遺産として認識され、さまざまな利活用策が検討されてきたことから、その魅力を損なうことなく、更なる魅力を引き起こすことができるよう、各区間における歴史的な位置づけなどを踏まえ、それぞれの地域にふさわしい整備が必要であるものと思われます。各市町の復興計画においては、沿岸域での人々の交流の再生、新しい環境産業の導入などが盛り込まれており、復旧後の運河群の利活用により地域振興を図るといった集客機能の向上も大いに期待されています。この点において、宮城県では、甚大な被害を受けた沿岸地域の復興・復旧に際して、これら運河群を復興のシンボルとして位置づけ、活力に満ちた沿岸地域の再生を図るべく目標とする姿や、それを実現するための仕組みについて示し、さまざまな主体が共通理解のもとに連携し、その再構築を目的とする貞山運河再生・復興ビジョンを昨年五月に策定しました。 そこで、政宗公以来の偉大な業績である貞山運河事業が地域にとって誇りある運河群に再生されることを望み、貞山運河再生・復興ビジョンへの取り組みについて数点お伺いをいたします。 まず、第一点、県の策定した貞山運河再生・復興ビジョンに基づく施策を実現するに当たって、その推進体制として貞山運河再生復興会議を設置したところでありますが、これにより、今後、ビジョンの具体化についてはどのように進められていくのか、お伺いをいたします。 第二点、貞山運河は全長約四十九キロメートルに及ぶ日本一の運河でありますが、その建設された時代は地域ごとに違うことから、それぞれの地域により、歴史、景観、利活用などの特徴が異なるものと思われます。そうした地域の特徴を踏まえた運河の再生・復興に取り組むべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 第三点、単なる復旧のみならず、例えば、遊覧船で航行する運河クルーズのように、将来的には、貞山運河を環境資源として活用することが重要であると考えます。このような取り組みが行政主導だけで進めることは難しいことから、民間との連携が重要となってくると思いますが、御所見をお伺いをいたします。 第四点、県では、震災後の貞山運河の景観を再生するに当たり、桜の苗木の植樹に取り組んでいると聞いておりますが、その内容と今後の進め方についてお伺いをいたします。 また、その活動、運営については民間からの寄附やボランティアによって進めていく計画とのことですが、単なる桜の植樹に終始することなく、未来の子供たちにこの震災を語り継ぐためにも、息の長い継続した取り組みがなされることが肝要と思いますが、御所見をお伺いします。 第五点、貞山運河を復旧・復興のシンボルとするとの意識は大切でありますが、そのためには、ビジョンに関する取り組み状況等の情報を広く県内外に積極的に発信していくことも不可欠であるものと考えられます。復旧事業への取り組みのみならず、今後、情報発信をどのように展開していくのか、御所見をお伺いをいたします。 大綱三点目、若林警察署の新設促進についてお伺いいたします。 震災復旧に関連した事業は、その他に比して優先にすべきであり、かつ、復興を加速させるように重点を指向すべきでありますが、これに加えて、被災地の治安確保も極めて重要な問題であります。若林区は被災地でもあるため、地域住民の安全安心を確保しながら復旧に取り組んでいくためには、早急に治安拠点を整備することが重要であると考えております。そのためには、既に建設用地を取得している若林警察署の新設は、今まさに地域住民が待望する事業の一つであり、また、良好な治安のもとに復興を加速させる意味からも、早急に促進すべきであると考えますが、警察本部長の所見をお伺いをいたします。 また、被災地も含む地域の所轄する治安拠点として、若林警察署をどのように整備し運用していく所存か、本部長のお考えをお伺いいたしたいと思います。 知事は、九月二十二日の定例記者会見において、気仙沼市鮪立地区に建設予定の防潮堤の高さについて、計画高を引き下げることで住民の了解を得たことを明らかにされました。 そこで、最後になりますが、大綱四点目、沿岸部において進められている防潮堤復旧事業についてお伺いいたします。 宮城県では、これまでも、明治三陸地震津波や昭和三陸地震津波、昭和三十五年のチリ地震津波などにより、とうとい命を失ってまいりました。この東北太平洋沖地震津波では今まで経験したことがないような大津波が押し寄せ、多くの方々が犠牲になったことは、さきに述べたとおりであります。このため、県では、国の諮問機関である中央防災会議による、これまでの地震津波の想定結果が実際に起きた地震津波と大きくかけ離れていたことを真摯に受けとめ、今後の地震・津波の想定の考え方を抜本的に見直すとの提言を受けて発せられた国の通知に基づき、数十年から百数十年に一度起こる比較的頻度の高い津波、いわゆるL1津波から人命や財産を守るために、重要な海岸防潮堤の高さを大幅に見直して、復旧事業を進めているところであると認識しております。知事を初め災害復旧に尽力されている職員の皆様に改めて敬意を表したいと思います。しかし、その後三年半が経過し、一部の人から防潮堤不要論もささやかれるなど、甚大な被災をもたらした津波の猛威に関する記憶が失われつつあるようにも感じられます。確かに、いつまでも被災の悲しみを引きずり、将来に目を向けられないことは問題であります。しかしながら、被災地における津波の脅威は、依然としてみずからを含む大勢の人々にいつ降りかかるかわからない自然災害として存在することを改めて強く認識し、二度とこのような被害があってはならないという、固い信念を持って、官民連携のもと、復旧・復興を推進していくことが必要であります。その際、行政と地域住民の方々の間で意見の隔たりがあってはならず、ともに地域を守るため、互いの考えを尊重し合う姿勢を持つことが非常に大切なことと思われます。この点に関して幾つか質問をさしていただきます。 まず、第一点、現在の復旧事業への地元住民の合意状況、復旧工事の進捗状況についてお伺いいたします。 第二点、県は、当初、平成二十七年度までに復旧・復興事業を終わらせるとしていたものの、用地買収が進まない、住民合意が得られないという理由で、平成二十九年度まで事業年度を延期せざるを得ないとの見通しを示しております。この点に関して、実際のところ本当に二十九年度までの完了というのは可能なのでしょうか。その進捗見込みについてお伺いいたします。 第三点、一部の防潮堤計画地では住民合意が得られず、事業が進まない地域もあり、問題となっているようですが、一日も早い復旧・復興を推進するためには、防潮堤の高さの議論ばかりでなく、防潮堤前面あるいは背面の土地の利活用策、景観や環境への配慮なども重要であることから、これらに対する丁寧な説明を行うことで住民合意を図る必要があると思われます。これらについても、現在の取り組み状況についてお伺いをいたします。 以上、壇上からの質問を終わります。 ○副議長(渥美巖君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 千葉達議員の一般質問にお答えをいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、医療・福祉・介護分野におけるICT化についての御質問にお答えいたします。 初めに、医療福祉情報ネットワークの特色とメリットについてのお尋ねにお答えをいたします。 我が県におきましては、一般社団法人みやぎ医療福祉情報ネットワーク協議会が事業主体となり、ネットワークの構築が進められております。この取り組みの特色は、東日本大震災の教訓を踏まえ、医療情報を電子化し、データサーバーを設け、情報の喪失を防ぐバックアップ体制を県内全域で構築するとともに、医療機関のみならず、薬局、介護施設及び在宅で扱われる情報を共有することによって、医療・介護・福祉が連携した切れ目のない支援を目指す点にあります。ちなみに、データサーバーは東北大学の中にあります。このネットワークに参加することで、医療機関等においては、診療情報などを迅速・正確に把握することができるようになるとともに、患者におきましては、初めて利用する医療機関などでも病歴の確認が簡便で正確になるなど、県内どこでも安心して医療・福祉サービスが受けられる仕組みの構築につながるものであると考えております。 次に、マイナンバー法での医療分野等の利用が見送られたことや、我が県の医療福祉情報ネットワークとマイナンバー制度との連携についての御質問にお答えをいたします。 マイナンバー制度は、社会保障や税などに関し、複数の行政機関で保有する個人の情報を同一人の情報として結びつける仕組みとして準備が進められているところであります。一方で、医療や介護に関する情報は民間が保有する情報であるため、マイナンバー制度と連携させるための条件整備には時間を要することはやむを得ないと考えております。国では、現在、全国的な医療等分野における情報ネットワークのあり方について検討を行っておりますが、今後、我が県の医療福祉情報ネットワークとマイナンバー制度等との連携を具体化させるためには、国が全国的な制度の導入を図る際に、我が県のシステムが標準モデルとなることが大変重要となってまいります。そのためにも、我が県のネットワークの先行的な構築に向けて着実に取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、貞山運河の再生ビジョンについての御質問にお答えをいたします。 初めに、ビジョンの具体化に向けた進め方についてのお尋ねにお答えをいたします。 貞山運河再生・復興ビジョンを具体化するに当たっては、さまざまな事業主体が連携しながら意見交換できる場を設置し、施策の企画・実施や進捗管理、施策間の総合調整を図ることが重要であると認識をしております。このため、ビジョンに掲げる施策の取り組み内容に関する提言や指導・助言を行う貞山運河再生復興会議を八月に設置し、あわせて、その下部組織として、事業主体間の総合調整や進捗管理、情報共有を行う貞山運河再生復興幹部会議を設置したところであります。今後、貞山運河沿川でさまざまな活動を行っている民間団体等にも幹部会議への参加を広く呼びかけるとともに、各施策ごとの役割分担を明確にしながら、ビジョンの実現に向け着実かつ継続的に取り組んでまいります。 次に、桜植樹の内容と進め方及び事業の継続についての御質問にお答えいたします。 桜の植樹は、運河周辺のまちづくり計画や自然環境、既存景観との調和を保ちながら実施する必要がありますことから、貞山運河再生復興幹部会議において桜植樹部会を立ち上げ、検討しているところであります。現時点では、沿川市町の復旧・復興事業の進捗に合わせまして、オオシマザクラとヤマザクラ約二千八百本を二十四・八キロメートルの区間に植樹する計画としており、官民の連携による事業を進めてまいります。桜植樹の実施及び植樹後の維持管理は、全国からの参加と寄附を前提として行う予定であり、現在、六団体七百十二名の方々に植樹ボランティアとして登録いただいております。 毎年春に満開に咲き誇る桜の姿は、東日本大震災からの復興の象徴になるとともに、津波防災意識の醸成や未来の子供たちに震災体験を語り伝えていく効果が期待されることから、官民を問わず、継続して桜並木景観を創出し、長くはぐくんでまいりたいと考えております。このため、植樹場所における記念碑や案内パネルの設置、植樹イベントに関する情報の全国への発信など、参加の輪を広げる仕組みを構築し、継続的に実施できるよう取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(渥美巖君) 保健福祉部長伊東昭代君。    〔保健福祉部長 伊東昭代君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊東昭代君) 大綱一点目、医療・福祉・介護分野におけるICT化についての御質問のうち、医療福祉情報ネットワークへの参画状況と基盤整備の進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。 平成二十五年度から本格運用を開始した石巻、気仙沼地域及び平成二十六年度から運用を開始している仙台地域においては、これまで、病院、診療所及び薬局など、三百三十施設がネットワークに参加し、診療情報等の共有やバックアップを開始しているところであります。また、今年度、基盤整備に取り組んでいる仙南、大崎、栗原及び登米地域では、みやぎ医療福祉情報ネットワーク協議会において年度末までのシステム構築に向けた取り組みを進めておりますが、現時点で、各地域の医療機関等約百五十の施設から参加意向が寄せられております。 次に、医療福祉情報ネットワークの今後の活用や連携のあり方についての御質問にお答えいたします。 急速に少子高齢化が進む中、質の高い医療提供体制及び地域包括ケアシステムを構築していくためには、医療・介護・福祉サービスを結ぶ関係者間での情報共有と連携が不可欠であると認識しております。ことし九月、医療介護総合確保法に基づき国が策定した地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針においては、その基本的な方向性の一つとして、医療・介護人材の確保や多職種連携の推進と並んで、情報通信技術の活用が掲げられております。みやぎ医療福祉情報ネットワークの構築により、遠隔地の医療機関等の間で医療相談等のカンファレンスが行われるなど、その機能が十分に活用されることによって、医師不足の補完や地域の診療体制の充実につながるものと考えております。また、患者や利用者の利便性を向上させるためには、より多くの医療機関等の参加を促し、相互の連携を強化することで、切れ目のない医療提供体制や介護・福祉との連携体制を確実に構築することが重要であると認識しております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(渥美巖君) 土木部長遠藤信哉君。    〔土木部長 遠藤信哉君登壇〕 ◎土木部長(遠藤信哉君) 大綱二点目、貞山運河の再生ビジョンについての御質問のうち、地域の特徴を踏まえた運河の再生・復興についてのお尋ねにお答えいたします。 貞山運河は、その構築されました歴史的な経緯、すぐれた自然景観の形成、利活用の状況など、地域ごとの特徴を有しておりますことから、その特徴を生かした再生が重要であると考えております。このため、御舟入堀の石積護岸の再建、北上運河の閘門壁面への修景配慮、野蒜築港跡の保存等に取り組んでいるところでございます。また、木曳堀の松並木のようにすぐれた自然景観が残されている区間につきましては、地元との合意形成を図り、良好な松並木を保存するなど、景観へも配慮しながら取り組んでいるところでございます。更に、震災前には、貞山運河フェスティバルや北上運河のライトアップなど、利活用に関しましても、さまざまな団体による地域活性化に向けた取り組みが行われてきましたことから、その復活を目指して各団体を支援してまいります。県といたしましては、このように地域にとって誇りのある運河群の再生を目指して積極的に取り組んでまいります。 次に、観光資源としての活用するための民間との連携についての御質問にお答えいたします。 貞山運河を観光資源として活用し、周辺地域の活性化を図ることは、東日本大震災からの復興の象徴として大変意義のあるものと考えております。現在、運河沿川ではさまざまな民間団体等が観光目的とした運河の利活用についての検討や水生生物調査などの自然体験学習を実施しているところでございます。県といたしましては、こうした団体に貞山運河再生復興幹部会議及び幹部会議に設置いたします観光産業に関する専門部会に参加していただき、相互の連携強化を図ることにより、貞山運河を観光資源として活用する取り組みを支援してまいります。 次に、情報発信についての御質問にお答えいたします。 貞山運河再生復興ビジョンに関する取り組み状況を広く県内外へ発信していくことは、震災記憶の伝承につながるとともに、より多くの方々の事業への参画や連携の輪が拡大することが期待されます。ビジョンに基づく取り組みにつきましては、ホームページ等により公開するとともに、冊子の配布や出前講座等を通じて広く周知を図っており、今後は、ビジョンに関する専用のホームページを設け、桜植樹などの復興イベントに関する開催案内など、施策の取り組み状況や周辺の復興状況などにつきましても、きめ細かく発信していくこととしております。更に、ビジョンの内容及びその取り組みに関する新聞掲載や情報誌の定期的な発行など、さまざまな方法により情報を発信し、参加や連携の拡大を呼びかけてまいります。 次に、大綱四点目、沿岸部において進められている防潮堤復旧事業についての御質問のうち、防潮堤の進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。 防潮堤の整備に当たりましては、関係市町が実施いたします復興まちづくり計画と整合性を図るとともに、地域の方々に丁寧な説明を行いながら合意形成に努め、事業を進めてきたところでございます。現在、県が実施する防潮堤の整備箇所は二百七十六カ所ありますが、そのうち約九割に当たる二百四十三カ所におきまして、既に合意を得ております。また、工事の進捗状況につきましては、百四十五カ所において契約済みとなっておりまして、このうち二十カ所の工事が既に完了しております。 次に、防潮堤整備の完了見込みについての御質問にお答えいたします。 県では早期に復旧・復興をなし遂げるために、平成二十七年度までに防潮堤整備を完了させることを目標として事業を進めてきたところでございます。しかしながら、一部の地域では、いまだ住民合意が得られていないことや、用地買収の難航箇所が多数存在することなどから、平成二十七年度末では約六割の完成にとどまる見込みとなっております。平成二十八年度末までには約八割が完成する見込みでありますが、残る二割につきましては、平成二十九年度まで完成時期を延期せざるを得ない状況となっております。今後とも、丁寧な説明による合意形成と早期の用地買収に努め、平成二十九年度までにすべての防潮堤整備を完了させるよう全力で取り組んでまいります。 次に、防潮堤周辺の土地の利活用及び環境等への配慮に対する取り組みについての御質問にお答えいたします。 防潮堤の整備に当たりまして、国と県は、学識者等から成る宮城県沿岸域河口部・海岸施設復旧における環境等検討委員会を平成二十三年度に立ち上げ、委員会における土地の利活用及び環境等への配慮に関する検討結果を踏まえ、防潮堤の設計に反映してきたところでございます。防潮堤周辺の土地の利活用などへの配慮につきましては、防潮堤の位置や構造を市町のまちづくり計画と整合性を確保するとともに、海水浴場においては、来場者が利用しやすいように周辺施設を整備するほか、砂浜の復元等にも取り組んでおります。また、環境等への配慮につきましては、環境モニタリング調査や計画、工事実施及び工事終了後の各段階において専門家からアドバイスをいただくとともに、防潮堤の直線化を避けた緩やかな曲線の導入や、防潮堤表面のデザインを工夫するなど、景観にも配慮しながら事業を進めているとこでございます。県といたしましては、今後も、地元住民の方々の意見に真摯に耳を傾け、関係機関との調整を図るとともに、防潮堤周辺の土地の利活用や環境等への配慮につきましても、より一層の丁寧な説明に努めながら、事業を進めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(渥美巖君) 警察本部長横内泉君。    〔警察本部長 横内 泉君登壇〕 ◎警察本部長(横内泉君) 大綱三点目、若林警察署の新設促進についての御質問にお答えいたします。 震災復興の加速を治安の面で支えることは県警察運営の大きな柱の一つであり、被災地でもある若林区における警察署の整備促進は大変重要な課題であると認識しております。このため、現在、財政当局とも連携しながら、庁舎建設の具体的な方法、手順のほか、警察署の規模、体制等の整備、運用のあり方について検討しているところであり、今後、早期の整備に向けて検討を加速させていく所存であります。特に、若林区については、震災復興事業が今後一層進展するとともに、地下鉄東西線の開業を初め、地域全体の社会経済的な発展が見込まれることから、新設される警察署の整備、運用に当たっては、そうした発展を治安面で十分に支え得る拠点となるよう、引き続き検討を重ねてまいる所存であります。 以上でございます。 ○副議長(渥美巖君) 五十三番千葉達君。 ◆五十三番(千葉達君) どうもありがとうございました。 再質問させていただきます。 大綱二点目の貞山運河の件で、部長、若林区の方に桜の植樹の拠点を整備するというふうなことになっておるんですが、私の選挙区でもあります。どのようにお考えで、どのような取り組み、今後の状況についてお伺いをいたしたいことと、これは要望で恐縮なんですが、若林警察署は、もう来年地下鉄開業なんですね。テレビでも、車両がもうできて運んでいると。それでなくとも、私、南警察署、非常に深いおつきあいしてきましたが、パンク状態で、どうしようもない状況で、本部長もお悩みかもしれませんが、ぜひ、これの方も早く推進していただきたい。 質問については、部長、よろしくお願いします。 ○副議長(渥美巖君) 土木部長遠藤信哉君。 ◎土木部長(遠藤信哉君) それでは、私からは、桜植樹の件につきましてお答えさしていただきます。 今、御指摘ありました若林区ですが、私どもの計画としましては、仙台市の荒浜地区で桜の植樹の候補地と考えさしていただいております。基本的に、公有地等を活用しながら植樹をしていきたいというふうに考えておりますが、一方、仙台市さんでは、ふるさとの杜再生プロジェクトということで、仙台東部地域の緑の再生を目指すということで、仙台市さんでも桜植樹の計画を立てられているというふうに伺っておりますので、先ほどお話に出ました桜植樹部会というのを設けておりますので、その桜植樹部会の中で仙台市とともに、若林区荒浜地区への植樹の方法をいろいろ相談をさしていただきながら、仙台市との役割分担を整理しまして、できるだけ桜植樹を推進していきたいというふうに考えておるところでございます。 ○副議長(渥美巖君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○副議長(渥美巖君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時三十九分散会...