平成26年 2月 定例会(第346回) 第三百四十六回宮城県議会(定例会)会議録 (第三号)平成二十六年二月二十七日(木曜日) 午前十時開議 午後二時二十八分散会 議長 安藤俊威君 副議長 渥美 巖君出席議員(五十九名) 第一番 太田稔郎君 第二番 天下みゆき君 第三番 三浦一敏君 第四番 境 恒春君 第五番 堀内周光君 第六番 石川利一君 第七番 長谷川 敦君 第八番 佐々木幸士君 第九番 村上智行君 第十番 すどう 哲君 第十一番 遠藤いく子君 第十二番 吉川寛康君 第十三番 伊藤和博君 第十四番 渡辺忠悦君 第十五番 細川雄一君 第十六番 高橋伸二君 第十七番 菊地恵一君 第十八番 寺澤正志君 第十九番 只野九十九君 第二十番 石川光次郎君 第二十一番 外崎浩子君 第二十二番 岸田清実君 第二十三番 佐藤詔雄君 第二十四番 菅原 実君 第二十五番 坂下 賢君 第二十六番 菅間 進君 第二十七番 庄子賢一君 第二十八番 川嶋保美君 第二十九番 佐藤光樹君 第三十番 中島源陽君 第三十一番 本木忠一君 第三十二番 中山耕一君 第三十三番 長谷川洋一君 第三十四番 池田憲彦君 第三十五番 佐々木征治君 第三十六番 安部 孝君 第三十七番 皆川章太郎君 第三十八番 小野 隆君 第三十九番 岩渕義教君 第四十番 本多祐一朗君 第四十一番 ゆさみゆき君 第四十二番 藤原のりすけ君 第四十三番 内海 太君 第四十四番 坂下やすこ君 第四十五番 横田有史君 第四十六番 小野寺初正君 第四十七番 石橋信勝君 第四十八番 齋藤正美君 第四十九番 安藤俊威君 第五十番 中村 功君 第五十一番 渥美 巖君 第五十二番 畠山和純君 第五十三番 千葉 達君 第五十四番 仁田和廣君 第五十五番 藤倉知格君 第五十六番 相沢光哉君 第五十七番 中沢幸男君 第五十八番 渡辺和喜君 第五十九番 今野隆吉君
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 三浦秀一君 副知事 若生正博君 公営企業管理者 橋本 潔君 総務部長 上仮屋 尚君 震災復興・企画部長 伊藤和彦君 環境生活部長 本木 隆君 保健福祉部長 岡部 敦君 経済商工観光部長 犬飼 章君 農林水産部長 山田義輝君 土木部長 遠藤信哉君 会計管理者兼出納局長 吉田祐幸君 総務部秘書課長 西條 力君 総務部参事兼財政課長 伊藤哲也君 教育委員会 委員長 庄子晃子君 教育長 高橋 仁君 教育次長 安住順一君 選挙管理委員会 委員長 菊地光輝君 事務局長 齋藤元彦君 人事委員会 委員長 高橋俊一君 事務局長 宮原賢一君 公安委員会 委員長 猪俣好正君 警察本部長 横内 泉君 総務部長 横山利春君 労働委員会 事務局長 谷関邦康君 監査委員 委員 遊佐勘左衛門君 事務局長 及川公一君
----------------------------------- 議会事務局 局長 菅原久吉君 次長兼総務課長 秋山政己君 議事課長 菅原幹寛君 政務調査課長 濱田 毅君 総務課副参事兼課長補佐 菅原 正君 議事課長補佐 菅原敏彦君 政務調査課長補佐 諸星久美子君 議事課長補佐(班長) 布田惠子君 議事課長補佐(班長) 大友昌幸君
----------------------------------- 議事日程 第三号 平成二十六年二月二十七日(木)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第十二号議案ないし議第二十六号議案、議第二十九号議案ないし議第三十四号議案、議第三十六号議案ないし議第四十六号議案、議第四十八号議案ないし議第五十二号議案、議第五十四号議案ないし議第七十号議案及び議第九十号議案第三 議第九十一号議案 平成二十五年度宮城県一般会計補正予算第四 議第九十二号議案 平成二十五年度宮城県公債費特別会計補正予算第五 議第九十三号議案 平成二十五年度宮城県
母子寡婦福祉資金特別会計補正予算第六 議第九十四号議案 平成二十五年度宮城県
小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算第七 議第九十五号議案 平成二十五年度宮城県
農業改良資金特別会計補正予算第八 議第九十六号議案 平成二十五年度宮城県
沿岸漁業改善資金特別会計補正予算第九 議第九十七号議案 平成二十五年度宮城県林業・
木材産業改善資金特別会計補正予算第十 議第九十八号議案 平成二十五年度宮城県県有林特別会計補正予算第十一 議第九十九号議案 平成二十五年度宮城県土地取得特別会計補正予算第十二 議第百号議案 平成二十五年度宮城県
土地区画整理事業特別会計補正予算第十三 議第百一号議案 平成二十五年度宮城県
流域下水道事業特別会計補正予算第十四 議第百二号議案 平成二十五年度宮城県
港湾整備事業特別会計補正予算第十五 議第百三号議案 平成二十五年度宮城県
水道用水供給事業会計補正予算第十六 議第百四号議案 平成二十五年度宮城県
工業用水道事業会計補正予算第十七 議第百五号議案 平成二十五年度宮城県地域整備事業会計補正予算第十八 議第百六号議案 県税減免条例の一部を改正する条例第十九 議第百七号議案 食品衛生取締条例等の一部を改正する条例第二十 議第百八号議案
福祉有償運送運営協議会条例の一部を改正する条例第二十一 議第百九号議案
社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の一部を改正する条例第二十二 議第百十号議案 自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例第二十三 議第百十一号議案 損失補償契約に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例第二十四 議第百十二号議案 家畜伝染病予防法施行条例の一部を改正する条例第二十五 議第百十三号議案 調理師試験委員条例を廃止する条例第二十六 議第百十四号議案 公平委員会の事務の受託の廃止について第二十七 議第百十五号議案 一級河川の指定及び変更について(鳴瀬川水系田川及び名取川水系川内沢川放水路)第二十八 議第百十六号議案 仲裁の申請について第二十九 議第百十七号議案 権利の放棄について(中小企業高度化資金貸付金に係る債権)第三十 議第百十八号議案 権利の放棄について(工事請負契約の解除による前払金の返還金に対する利息に係る債権)第三十一 議第百十九号議案 権利の放棄について(設計業務等委託契約の解除による前払金の返還金に対する利息に係る債権)第三十二 議第百二十号議案 権利の放棄について(一般財団法人宮城県下水道公社に対する出資による権利)第三十三 議第百二十一号議案 平成二十五年度市町村受益負担金について第三十四 議第百二十二号議案 平成二十五年度市町村受益負担金の変更について第三十五 議第百二十三号議案 平成二十五年度流域下水道事業受益負担金の変更について第三十六 報告第三十二号 専決処分の報告について(
災害廃棄物処理施設建設工事等を含む災害廃棄物処理業務(亘理名取地区(岩沼市))の委託契約の変更)第三十七 報告第三十三号 専決処分の報告について(
災害廃棄物処理施設建設工事等を含む災害廃棄物処理業務(亘理名取地区(亘理町))の委託契約の変更)第三十八 報告第三十四号 専決処分の報告について(
災害廃棄物処理施設建設工事等を含む災害廃棄物処理業務(亘理名取地区(山元町))の委託契約の変更)第三十九 報告第三十五号 専決処分の報告について(
災害廃棄物処理施設建設工事等を含む災害廃棄物処理業務(宮城東部地区)の委託契約の変更)第四十 報告第三十六号 専決処分の報告について(宮城県保健環境センター本庁舎等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十一 報告第三十七号 専決処分の報告について(宮城県拓桃医療療育センター及び
宮城県立拓桃支援学校新築衛生工事の請負契約の変更)第四十二 報告第三十八号 専決処分の報告について(宮城県拓桃医療療育センター及び
宮城県立拓桃支援学校新築空調工事の請負契約の変更)第四十三 報告第三十九号 専決処分の報告について(
宮戸地区海岸堤防等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十四 報告第四十号 専決処分の報告について(
宮戸地区海岸堤防等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第四十五 報告第四十一号 専決処分の報告について(
女川漁港岸壁災害復旧工事の請負契約の変更)第四十六 報告第四十二号 専決処分の報告について(
志津川漁港防波堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十七 報告第四十三号 専決処分の報告について(
網地漁港防波堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十八 報告第四十四号 専決処分の報告について(石巻漁港岸壁災害復旧工事の請負契約の変更)第四十九 報告第四十五号 専決処分の報告について(
鮪立漁港岸壁等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十 報告第四十六号 専決処分の報告について(桃ノ
浦漁港防波堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十一 報告第四十七号 専決処分の報告について(
気仙沼漁港岸壁等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十二 報告第四十八号 専決処分の報告について(
塩釜漁港防波堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十三 報告第四十九号 専決処分の報告について(
塩釜漁港桟橋等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十四 報告第五十号 専決処分の報告について(
渡波漁港桟橋等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十五 報告第五十一号 専決処分の報告について(
閖上漁港護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十六 報告第五十二号 専決処分の報告について(
閖上漁港岸壁等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十七 報告第五十三号 専決処分の報告について(女川漁港鷲の神岸壁等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十八 報告第五十四号 専決処分の報告について(女川漁港鷲の神岸壁災害復旧工事の請負契約の変更)第五十九 報告第五十五号 専決処分の報告について(石巻漁港
桟橋災害復旧工事の請負契約の変更)第六十 報告第五十六号 専決処分の報告について(閖上漁港泊地災害復旧工事の請負契約の変更)第六十一 報告第五十七号 専決処分の報告について(
塩釜漁港岸壁等災害復旧工事の請負契約の変更)第六十二 報告第五十八号 専決処分の報告について(主要地方道古川松山線志田橋架換(上部工)工事の請負契約の変更)第六十三 報告第五十九号 専決処分の報告について(一般県道大島浪板線二ノ浜一号トンネル工事の請負契約の変更)第六十四 報告第六十号 専決処分の報告について(
一般県道大島浪板線磯草トンネル工事の請負契約の変更)第六十五 報告第六十一号 専決処分の報告について(一般県道大島浪板線二ノ浜二号トンネル工事の請負契約の変更)第六十六 報告第六十二号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号大瓜道路改良工事(その三)の請負契約の変更)第六十七 報告第六十三号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号大瓜道路改良工事(その四)の請負契約の変更)第六十八 報告第六十四号 専決処分の報告について(
一般県道大島浪板線大島架橋新設工事の請負契約の変更)第六十九 報告第六十五号 専決処分の報告について(
主要地方道気仙沼唐桑線東舞根トンネル工事の請負契約の変更)第七十 報告第六十六号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号新北上大橋災害復旧工事の請負契約の変更)第七十一 報告第六十七号 専決処分の報告について(
北上運河護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十二 報告第六十八号 専決処分の報告について(
黒崎地区海岸護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十三 報告第六十九号 専決処分の報告について(
大島地区海岸護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十四 報告第七十号 専決処分の報告について(増田川護岸等災害復旧工事(その一)の請負契約の変更)第七十五 報告第七十一号 専決処分の報告について(増田川護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第七十六 報告第七十二号 専決処分の報告について(鹿折川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十七 報告第七十三号 専決処分の報告について(
石巻港物揚場等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十八 報告第七十四号 専決処分の報告について(石巻港岸壁災害復旧工事の請負契約の変更)第七十九 報告第七十五号 専決処分の報告について(
石巻港防潮堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第八十 報告第七十六号 専決処分の報告について(女川港防波堤災害復旧工事の請負契約の変更)第八十一 報告第七十七号 専決処分の報告について(仙台塩釜港石巻港区上屋災害復旧工事の請負契約の変更)第八十二 報告第七十八号 専決処分の報告について(亘理町下茨田地区災害公営住宅(仮称)新築工事(その一)の請負契約の変更)第八十三 報告第七十九号 専決処分の報告について(亘理町下茨田地区災害公営住宅(仮称)新築工事(その二)の請負契約の変更)第八十四 報告第八十号 専決処分の報告について(亘理町上浜街道地区災害公営住宅(仮称)新築工事(その一)の請負契約の変更)第八十五 報告第八十一号 専決処分の報告について(亘理町上浜街道地区災害公営住宅(仮称)新築工事(その二)の請負契約の変更)第八十六 報告第八十二号 専決処分の報告について(宮城県立仙台地区支援学校(仮称)校舎等新築工事の請負契約の変更)第八十七 報告第八十三号 専決処分の報告について(宮城県登米総合産業高等学校(仮称)校舎等新築工事(その一)の請負契約の変更)第八十八 報告第八十四号 専決処分の報告について(宮城県登米総合産業高等学校(仮称)校舎等新築工事(その二)の請負契約の変更)第八十九 報告第八十五号 専決処分の報告について(
宮城県立山元支援学校校舎等改築工事の請負契約の変更)第九十 報告第八十六号 専決処分の報告について(和解及び損害賠償の額の決定)第九十一 報告第八十七号 専決処分の報告について(県営住宅の明渡請求等に係る訴えの提起)第九十二 報告第八十八号 専決処分の報告について(交通事故に係る和解及び損害賠償の額の決定)第九十三 一般質問(代表) 〔池田憲彦君、藤原のりすけ君〕
----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二ないし日程第九十二 議第十二号議案ないし議第二十六号議案、議第二十九号議案ないし議第三十四号議案、議第三十六号議案ないし議第四十六号議案、議第四十八号議案ないし議第五十二号議案、議第五十四号議案ないし議第七十号議案、議第九十号議案、議第九十一号議案ないし議第百二十三号議案及び報告第三十二号ないし報告第八十八号三 日程第九十三 一般質問(代表) 〔池田憲彦君、藤原のりすけ君〕
-----------------------------------
△開議(午前十時)
○議長(安藤俊威君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
-----------------------------------
△会議録署名議員の指名
○議長(安藤俊威君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、十三番伊藤和博君、十四番渡辺忠悦君を指名いたします。
-----------------------------------
△議第十二号議案ないし議第二十六号議案
△議第二十九号議案ないし議第三十四号議案
△議第三十六号議案ないし議第四十六号議案
△議第四十八号議案ないし議第五十二号議案
△議第五十四号議案ないし議第七十号議案
△議第九十号議案
△議第九十一号議案ないし議第百二十三号議案
△報告第三十二号ないし報告第八十八号
△一般質問(代表)
○議長(安藤俊威君) 日程第二ないし日程第九十二、議第十二号議案ないし議第二十六号議案、議第二十九号議案ないし議第三十四号議案、議第三十六号議案ないし議第四十六号議案、議第四十八号議案ないし議第五十二号議案、議第五十四号議案ないし議第七十号議案及び議第九十号議案並びに議第九十一号議案ないし議第百二十三号議案及び報告第三十二号ないし報告第八十八号を一括して議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました平成二十五年度一般会計補正予算案を初め提出議案の概要を御説明申し上げます。 東日本大震災から間もなく三年、宮城県震災復興計画に定めた復旧期最後の年度も大詰めを迎えることとなりました。 振り返ってみますと、この一年間も、震災対応に取り組む中で日々新たな課題に直面し、その解決を目指して奔走する毎日でありました。私は、常々職員に向け、自分の仕事の枠を超えることを恐れずに、県土の新たな構築にそれぞれの力と情熱を持って挑戦してほしいと語りかけてまいりましたが、復旧の現場で汗を流し、被災された方々の生の姿に接し、あるいは市町のサポートや国との調整などに携わる中で、一歩ずつではありますが、創意工夫をもとに制度の改善や新たな対応策などの形に具体化させながら復興を前進させているところであります。 それは例えば、建設工事案件の四分の一にも及ぶ入札不調の問題への対応であります。 私からは関係部局に対し、法令を遵守し公平性や透明性を確保した上で、これまでにない大胆な対策を検討するよう指示してまいりました。これまでにも設計単価の迅速な改定や契約時の前金払いの増額、地方公所長の権限拡大などの対策を行ってまいりましたが、このところ大規模な工事で不調が増加していることなどから、今月には問題点を詳しく分析した上で、入札参加条件を拡大し発注ロットを更に大型化するほか、地域の特性や市場の実勢を反映して適切に予定価格を設定するなどの新たな改善策を取りまとめたところであり、その効果を現実のものとしてまいりたいと考えております。 もう一つ紹介いたしますのは、土木や建築の現場で深刻化している資材不足問題への対応であります。沿岸部では、復旧事業の本格化に伴って生コンクリートの不足が顕著となる一方、生コン事業者は需要期間が短いことなどを理由に生産設備への投資をちゅうちょするという大変難しい課題がありました。そこで、県との協定に基づいてプラントを建設した事業者が、県や地元市町が発注する災害復旧工事に生コンを供給して費用を回収する新たな仕組みを構築することで解決を図ることができました。この仕組みは、今後の復旧・復興事業の加速化に大きく寄与するものと期待しているところであります。 私が考えております創造的な復興とは、医学部の新設、仙台空港民営化、広域防災拠点の整備など、東日本大震災からの復興を進めながら、あわせて現代社会を取り巻く様々な課題の解決を図り、先進的な地域づくりを目指そうとする取り組みであります。それには、現状や課題を正しく認識し、目標や将来の姿を明確に描き上げる能力と、困難を乗り越えて実現を図る行動力が不可欠であります。 まさに今、県内では復興に携わる大勢の皆様がそれぞれの立場で課題に正面から向き合い、解決に向けて連携を図りながら、一生懸命に取り組んでおられます。私も引き続き先頭に立って取り組む覚悟でありますが、こうしたたくさんの方々と力を合わせれば、必ずやこの宮城の地において創造的な復興をなし遂げることができるものと確信をしておりますので、議員各位はもとより県民の皆様方のなお一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。 今年度の財政運営は、堅調な復興需要や好調な企業業績に支えられて、県税や地方法人特別譲与税が当初の見積りを上回る見込みとなり、また、復興事業については、国の特別の財政支援が継続されるとともに、東日本大震災復興交付金や中小企業等グループ補助金などについて所要額が確保されたことから、腰を据えて取り組むことができたものと考えております。 しかしながら、年間予算が震災前の二倍ほどに膨らみ、前年度からの繰り越しもかなりの規模に達する中、執行が当初の計画どおりには進まず、計上した予算の減額や翌年度への繰り越しを余儀なくされるものも相当の額に及んでいるところであります。 このような状況を踏まえ、今回の補正予算案では、震災関連事業の執行状況を踏まえた所要額の見直しや財源の確定に伴う計数整理を行ったほか、退職手当債や臨時財政対策債などの県債発行額を可能な限り抑えて後年度の負担軽減を図るとともに、財政調整基金の取り崩しを一部見合わせて残高確保に努めるなど、復興の加速化を図るべき来年度以降の財政運営にも気を配りながら編成したものであります。 補正予算案の主な内容ですが、初めに、震災からの復旧・復興に関する事業についてであります。 まず、震災で親を亡くした子供たちのために、これまでお寄せいただいた御厚意を東日本大震災みやぎこども育英基金に追加して積み立てるとともに、来年度以降の被災者支援や復興施策の財源とするため、全国からの寄附金等について、東日本大震災復興基金及び地域整備推進基金に積み増しをいたします。また、先月下旬、国に第八回目となる申請を行った復興交付金について、東日本大震災復興交付金基金に積み立て、来年度以降に活用してまいりたいと考えております。 更に、被災した児童生徒の就学支援のほか、中小企業や保育所等の施設設備の復旧支援に要する経費を追加するとともに、住宅再建を支援するため、県産材を使用した新築住宅への補助について、申し込みの増加に対応し必要な経費を増額しております。 次に、通常分の事業についてですが、まず、今年度国から交付された地域の元気臨時交付金のうち、来年度事業の財源とする分を地域整備推進基金に積み立てるとともに、みやぎ発展税の増収分等を富県宮城推進基金に積み増しをいたします。 また、待機児童解消に向けて小規模保育施設の設置に対する補助金を新たに盛り込みましたほか、私立学校運営費補助金についても児童生徒数の増加に合わせて増額してまいります。 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正額は、一般会計で一千三百七十七億一千四百余万円の減額、総計では一千四百六億八千八百余万円の減額となります。財源としては、県税百五億円、地方譲与税五十億九百万円などを追加する一方、諸収入七百四十八億五千三百余万円、繰入金四百十一億九千五百余万円、県債二百九十三億五千七百余万円などを減額しております。 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆六千百五十三億六千三百余万円、総計で一兆九千六百二十五億一千四百余万円となります。 予算外議案については、条例議案八件、条例外議案十件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第百六号議案は、国又は地方公共団体への譲渡を目的として取得した場合に不動産取得税を免除しようとするもの、議第百七号議案は、東日本大震災により被害を受けた者に係る各種手数料の免除の期間を延長しようとするもの、議第百九号議案及び議第百十号議案は、基金の失効期日を延長しようとするもの、議第百十一号議案は、被災事業者の再生のため、公益財団法人みやぎ産業振興機構の求償権に係る県の権利を放棄できるようにするもの、議第百十三号議案は、調理師試験委員を廃止しようとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第百十四号議案は、公平委員会の事務の受託の廃止について、議第百十五号議案は、一級河川の指定及び変更について、議第百十六号議案は、土地収用法の規定に基づき用地補償に係る仲裁の申請を行うことについて、議第百十七号議案ないし議第百二十号議案は、権利の放棄について、議第百二十一号議案ないし議第百二十三号議案は、市町村の受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。
○議長(安藤俊威君) 補正予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 地方公務員法第五条第二項の規定により、関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。…………………………………………………………………………………………… 宮人委第273号 平成26年2月20日 宮城県議会議長 安藤俊威殿 宮城県人事委員会 委員長 高橋俊一 条例案に対する意見について 平成26年2月18日付け宮議第500号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。 記「議第39号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」 この条例案は,支給対象の見直し等に伴い所要の改正を行うものであり,適当と認めます。……………………………………………………………………………………………
○議長(安藤俊威君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第九十三、一般質問とをあわせて行います。 質疑、質問は、順序に従い許します。三十四番池田憲彦君。 〔三十四番 池田憲彦君登壇〕
◆三十四番(池田憲彦君) おはようございます。昨年十一月より自由民主党・県民会議の会長を仰せつかりました池田憲彦でございます。 我が会派は三十三名の大所帯でございます。それもばりばりの若さあふれる青年・淑女から、経験豊富な議長、副議長経験者に至りますまで個性派ぞろいでございまして、私のような微力な者がと、とても心配しておりましたが、皆さん紳士で、そして親切であり、足りないところは助けていただくことになっておりますので、各会派、各議員の皆様、執行部の皆様におかれましても優しく御指導、御協力いただきますようお願いを申し上げます。 本日は、傍聴席に地元より私の応援に駆けつけていただいております。私の応援というより、じかに村井知事にお会いしたいという方々が多いわけでございまして、そういうわけで知事には前向きな御答弁を御期待申し上げます。 さて、村井知事、三期目の御当選おめでとうございます。知事と私は同期でありまして、本会議も隣同士で議会活動を行ってきたもので、知事選出馬の際も語り合った仲であり、長いつき合いになります。今回も応援させていただきましたが、私の地元でも圧倒的な人気であり、圧勝をいたしました。これはこのまま復旧・復興を村井知事に託したいものと推察いたします。 安倍総理も石巻市、女川町の視察に入られましたが、知事と総理への歓迎ぶりはそう変わらないものでありました。しかし、大変失礼にはなりますが、知事、総理とは比較にならないほどの人気者がおられます。小泉進次郎復興大臣政務官、三十二歳であります。もちろんあのマスク、あのスタイル、申し分のないところでございますが、あの言動であります。被災自治体や被災者の皆さんの声に耳を傾け、その場その場で的確な質問をされ、答弁されるさまは既にお父上を超えられております。あの謙虚さ、そして、被災者の目線に合わせた言動というものを見習わなければならないかと思っております。 知事を先頭に、県と議会が一丸となって、第二ステージ、再生期に取り組んでまいりましょう。 再生期四年間のスタートダッシュとなる平成二十六年度当初予算について、基本的な考え方をお伺いしたいと思います。 昨年十月に三期目の当選を果たされてから最初の予算編成でもあります。知事は、昨年の知事選の際に、挑戦、新生みやぎ、次世代を見据えたみやぎの創造をスローガンに、三期目の県政運営の基本方針として、安心して暮らせる県土づくり、復旧にとどまらない抜本的な再構築、富県宮城の実現、民の力の活用など県民の総力を結集、最小コストで最大の効果を掲げて見事に当選されたところであります。知事のマニフェストを端的に表現すれば、震災からの復興を迅速に進める一方で、企業誘致を柱とした富県宮城を引き続き成長させることにあると思います。私はこれをムライミクスと呼ばせていただきます。このムライミクスは、復興が進む県内の内陸部においては各分野の産業競争力を向上させる施策を展開させ、ものづくり産業を集積し、県外から企業を誘致するなどで富県を増強すること、その一方で、復旧さえも思うように進まない沿岸市町の震災からの復興については、市町を支援して創造的なまちづくりを進め、生活の場を再建し、被災された方々の日常生活を取り戻すことを至上命題として取り組んでいくことだと思います。こうした二つの施策、ムライミクスを実現するためには、富県を進める上で、活力を生み出し、その活力を被災地の復興へつなげていくものだと思うのです。アベノミクス三本の矢には一本足りないわけでありますが、復旧・復興が至上命題でありますので、私はこれはこれでよいかと思います。 今回の知事選で県民に示したマニフェストの施策について、今回の当初予算にはどのように反映されているのか、お伺いいたします。 また、予算を編成する上で、富県宮城の実現と震災復興をいかに機動的に結びつけたのかをお伺いいたします。 次に、震災予算についてお伺いいたします。 震災復興は、平成三十二年度の発展期までを計画期間としておりますが、国の集中復興期間は、周知のとおり平成二十七年度までであります。この期間までは国からの熱い財政支援が継続される見込みであり、それを裏づけるように、これまでも震災の復旧・復興に平成二十二年度から延べ四兆円も超える予算を編成してまいりました。莫大な予算を執行してきたのにもかかわらず、県の貯金に当たります財政調整に活用できる基金は今年度末で約五百四十一億円が見込まれていて、財政状況の悪化が叫ばれて久しい折、財政調整基金が五百億円を超える金額は驚きに値すると思います。私は、現在ある基金の状況を焼け太りとは言いません。むしろ心配なのであります。その理由は、皆様も周知のとおり、平成二十八年度以降の国の財源手当てが確定していないからであります。平成二十六年度当初予算の震災対応分は一般会計で約六千四百六十九億円であり、港湾建設や災害公営住宅の整備など投資的経費が大半を占めております。これらの財源のほぼ一〇〇%を国からの支援で賄っているわけでありますので、人手不足や資材不足が深刻化している中で、これらのインフラ整備はとてもとても平成二十七年度までには終わりそうもなく、むしろピークは平成二十八年度以降になるのではないかと予想しております。そのことが現実となった場合、震災対応分として年間五千億円を予算計上したと想定して、その九割を国から財政支援を受けたとしても、残りの一割は県の財源になるわけであります。一割を充当した場合、五百億円が必要になり、財政調整基金などはまたたく間に吹っ飛んでしまうことになります。しかも、震災対応予算以上に通常予算は厳しさを増している現状にあるのです。 今回、みやぎ財政運営戦略を策定されて、今後四年間の財政運営指針を示されましたが、震災復興を進めていくためには有効な財政戦略とまではとても言えません。平成二十八年度以降の震災復興の所要額をどのぐらいに見込み、その財源手当てをどう考えているのか。また、復興庁とはどのように協議を進めているのか。今から危機感を持って交渉に臨んでいかなければならないと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、県債についてお伺いいたします。 私は、この一月、県政報告で、宮城県の県債残高の現状についてお知らせいたしました。この県政報告は、私がつぶやく感じで私感を交えながらわかりやすく地元の皆様に配布している池田憲彦最強の広報誌であります。評判もなかなかのものです。その中で、平成二十四年度末の県債残高が約一兆六千八百万円余り、県民一人当たり七十三万円の借金をしていることをつぶやいたところ、後援者の皆様から借金している金額の多さに驚きの声が届いております。マジかよ。本当に返せるのか。おまえら何やってんだよ。ふざけるなよなど大変厳しい意見もありました。その驚きが普通の感覚であり、行政としては借金しているこの金額の多さを肝に銘じて財政運営に当たっていくことはもちろん、議会人である私も厳しくチェックしていく必要があると改めて思ったところです。ここ五年間、臨時財政対策債を除きますと、県債は微減か横ばいの状況でありますが、まずは国が財源手当てを約束していると言われている臨時財政対策債の今後の動向について、県はどう考えているのか、お伺いいたします。 臨時と言いながら、恒久的に発行を余儀なくされ、自治体を借金まみれの体質に変えている麻薬のような存在だと思えるのですが、臨時財政対策債をどのような存在と考えているのか、御所見をお伺いいたします。 また、県債は、ここ三十年、高齢化社会による社会保障経費の増大という背景があるにしろ、臨時財政対策債を除いてもふえ続けてきました。つまり、歳入以上に歳出予算を編成することになるから、県債を発行することになるわけであります。県は、県債も歳入財源の一つとして安易に県債を発行してきたのではないでしょうか。国が国債を乱発しているから、県も横並びで県債を乱発してもいいという発想ではいけないと思うのであります。今後十年間で、少子高齢化による生産人口の減少で、経済のパイは間違いなく縮小していきます。それと反比例して県債がふえていくのでは道理に合いません。施策として地味な取り組みにはなりますが、ここは原点に立ち返って、県債の新規発行を減らす方策、そして、県債残高の縮減への取り組みを着実に進めなければならないと思うのですが、御所見をお伺いいたします。 江戸幕府も、財政赤字削減と経済成長のためにあらゆる改革がとられてきました。新井白石の正徳の治、徳川吉宗の享保の改革、田沼意次の改革、松平定信の寛政の改革、水野忠邦の天保の改革などが知られております。田沼意次というと小説でも時代劇でも必ずと言っていいほど金に汚い政治家、わいろ政治家、大悪人扱いです。しかし、最近では、江戸時代で最もすぐれた先見の明があった政治家ではなかったのかと見直されております。 歴史教科書に名を残す必要はありませんが、将来の子供たち、孫たちに迷惑をかけないためにも、知事、宮城県もここで財政改革を含め、県政にかかわる村井改革案を提示してみてはいかがでしょうか。知事の御決意をお伺いいたします。 今月五日、我が会派は、水土里ネットみやぎの役員の方々と意見交換を行い、また、十四日には、農林水産大臣官房より、食料・農業をめぐる情勢と今後の農政の展開方向についての講演をいただき研修会を開催いたしました。二つの懇談会で話題になりましたのは、やはり新たな農業・農村政策四つの改革についてであります。そこで、この改革について県の考え方をお伺いいたします。 農地中間管理機構につきましては、予算特別委員会総括質疑と重複いたしますので、取り下げます。 作目によっては異なりますが、農業の就業人口の多数を六十歳以上が占める中にあって、人材育成が急務となってきております。人材育成については、支援のスタンスが所得補償に大きく変わってきており、国の施策として青年就農給付金が新規参入者対策として仕組まれましたが、宮城県の平成二十四年度給付実績は四十件、準備型が十二件、経営開始型が二十八件で、東北でも最下位となっております。また、新規就農者については平成二十四年度で百七十二人と、平成に入ってから最高の数値となりましたが、これは新規参入者で農業法人への雇用就農が多いためであり、本県農業の将来の人材確保を考えた場合、素直に喜べない状況であります。各種制度の活用のため、啓発活動はもとより、女性農業者も含めて、本県として抜本的な人材確保・育成対策を講じる必要があると思いますが、いかがでしょうか。 東日本大震災から間もなく三年が経過するわけですが、これまで被災土地改良区復興支援事業などでハード面を中心に支援してきた成果が出ておりまして、一定の復旧はできております。しかし、四年目を迎えても農業生産のレベルが震災以前に達してない農家も多く、被災土地改良区ではこれまで基金を取り崩して対応してまいりましたが、状況は変わらず、賦課金の徴収もままならなくなってきており、組織運営に困難をきわめている組織も出てきております。国と連携しながら支援を強化すべきかと思いますが、御所見をお伺いいたします。 また、県内では、震災からの復旧工事において、入札不調や当初の想定を超える損害などから工事が完了していないものも多く、補助事業期間の弾力的な延長を国に働きかけていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 次に、日本型直接支払い制度についてお伺いいたします。 産業政策としての農地中間管理機構を創設する一方、この制度は、農業・農村の持つ多面的機能の維持、発揮のための地域活動や営農活動に対して支援するものであります。では、我が県におけるこれまでの農地・水・環境保全対策の効果をどう評価しているのか、お伺いいたします。 また、この日本型直接支払い制度のうち、多面的機能支払いに県としてどのように対処していこうとしているのか、お伺いいたします。 そして、農地・水・環境保全対策のときの面積は四万五千ヘクタールで、全農地の三八%をカバーしておりましたが、今回の多面的機能支払いでは七万ヘクタール、六〇%をカバーするという予定になっておりますが、それで十分なのでしょうか、また、市町村の要望はどのように把握されているのか、今後も変化していくと思われる予算化が対応可能なのか、お伺いいたします。 次に、農地維持支払いについて、お伺いいたします。 私は、この仕組みがかなり複雑で一度二度聞いてもよく理解はできません。直接農家の懐に入るのではなく、草刈りや江払いをして賦役代としてのみ還元されるものと理解いたしますが、納得いかないと不満の声が上がってきております。制度として熟度は十分だと考えているのでしょうか、お伺いいたします。 産業政策が全額国費なのに、地域政策については国が半額補助で県と市町村で残額補てんとなっております。厳しい財政状況にある我が県の場合、いまだ震災復興の道半ばであり、基盤整備や施設の老朽化や防災の観点から、農業水利施設の強化も大事であると思いますが、優先順位をどのように考えているのか、お伺いいたします。 宮城の水産業の復興についてお伺いいたします。 本県は、全国有数の漁業生産県であり、ノリ、カキ、ワカメ、ホタテ、ギンザケなどの養殖業、イワシ、タラ、イカなどの沿岸沖合漁業、マグロ、カツオ、サメなど近海遠洋漁業が盛んであり、震災前の平成二十年の生産量は全国第二位の三十七万九千トン、金額では全国第四位の八百二十九億円となっております。震災により、これら宮城の漁業生産を支えてきた生産基盤の被害は、水産加工関係も含め八千七百四十六億円にも上る甚大な被害となりました。漁港については応急仮工事で当面の復旧を図るとともに、本格復旧については、漁業者など水産関係者と協議の上、優先順位を決めて着手し、平成二十七年度までの完了を目指すとしておりますが、現時点での協議の進捗と復旧の状況、漁船や漁具並びに養殖施設の復旧状況、流通加工共同利用施設の復旧状況、魚市場、水産加工施設の復旧状況、あわせて、これらの今後の復旧の見通しと復旧が完了した際の漁業生産、水産加工取り扱いと冷蔵冷凍保管能力など、震災前と比べどの程度回復すると見ているのか、お伺いいたします。 また、震災復旧の大きな足かせとなっているのが、やはり福島第一原発事故による放射能被害であります。本県は、放射性セシウム濃度百ベクレルを超える水産物を市場に流通させず、安全安心な本県水産物を消費者へ提供するため、漁業団体、流通加工団体と連携して取り組んでおります。魚介類の検査も週に百検体をめどに取り組むとともに、県内各魚市場においては独自の検査を実施し、一定の値を超えるものは直ちに県の精密検査に回すなど、安全対策の強化が図られております。現在、これから夏にかけて旬を迎えるスズキを初め二魚種が出荷規制を受けておりますが、魚介類の放射能検査状況を見てみますと、海面魚介類においては、セシウム検出値は不検出か検出されても極めて低い状況にあり、安定した状況になりつつあると認識しております。しかしながら、依然として放射能による風評被害はおさまらず、漁業関係者を悩ませております。韓国政府は、宮城を含む八県からの水産物輸入を禁止、いまだ解除しておりません。本県水産業も影響を受けておりますが、今後は養殖業の復旧に伴い、韓国への輸出が多いホヤの生産も開始されようとしており、更なる影響が懸念されますとともに、西日本においても、放射能の影響を懸念し、東北太平洋側の魚介類の購入を敬遠する傾向にあると言われる中、ギンザケ、イサダ、ワカメ、カキなどは価格が低迷しております。 このような中で、東京電力と国は、福島第一原子力発電所敷地内の地下水バイパスに流れ込む地下水の一部をくみ上げ、新たに定める排水基準を満たすものは海に放流することを計画しております。東京電力は全く反省していないようであります。仮に、海に放流するとすれば、放射能に汚染されない安全な地下水の放流が大前提であるとともに、風評をこれ以上助長しないためにも、国と東京電力が責任を持って、地下水放流について国民の理解を得ることが重要であると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 宮城の水産物の風評を払拭し、販売促進を図ることは、県としては極めて大きな役割と思います。我が会派水産漁港議員連盟は、宮城県産水産物の応援イベントに積極的に参加をしております。県産品のPRを続けております。昨年四月には名取市でギンザケ、十一月には東京都江東区の東雲まで行きまして、宮城のカキはおいしいですよ、宮城の米はおいしいですよと大声を張り上げてまいりました。ことし一月には石巻市でのカキ復興祭を応援しております。 そこで、知事が先頭に立ったPR活動も有効ではないかと考えますが、本県水産物の販売促進に向けどのように取り組もうとしているのか、知事のお考えをお示しいただきたいと思います。 次に、東日本大震災からの復旧・復興事業を取り巻く諸課題についてお尋ねいたします。 初めに、繰越予算についてです。 大震災が発生した平成二十三年度が四千六百九十四億円、二十四年度が四千四百三十億円、三年連続して四千億円超の予算が執行できないまま繰り越されております。しかも、事故繰越予算の再繰り越しができないための対応として、新年度に再予算化している予算を含む実質的な繰越総額としては膨大な額に上るものと考えられます。これら繰越額のほとんどは復旧・復興予算であるため、繰越額の発生は、直接、被災地の復興のおくれにつながるものであります。また、本定例会において審議する新年度予算の多くが再び繰り越しする可能性を有しているとも考えられ、議会としても看過できない問題であります。 そこで、お伺いいたしますが、現時点において、事故繰越予算及び新年度の再予算化を含む平成二十六年度への実質的な繰越予算総額はいかほどになっているのか。また、予算の繰り越しは、必要な用地取得、用地整備のおくれや入札不調によるものなど事業等によってそれぞれ理由が異なると思いますが、その要因をどうとらえているのか、そしてどう整理しているのか、お伺いいたします。 更に、ただいま申し上げました繰越理由を踏まえながら、平成二十六年度予算の執行に当たり、繰越額の縮小に向けどのように対処しようとしているのか、お伺いいたします。 次に、入札不調と工事発注等の考え方についてお伺いいたします。 平成二十五年度の入札不調は、一月末現在で二七%と、依然として高水準で推移しております。これらの入札不調が結果として、ただいま申し上げました予算繰り越しの一つの要因になるわけでありますが、県がこれまで講じてきたさまざまな入札不調対策にもかかわらず、一向に改善の兆しが見えておりません。むしろここに来て新たな兆候も見え始めてきております。平成二十五年度末に至り、工事発注が集中した一月には、入札不調対策として発注ロットを大型化した工事やWTO案件工事についてまでも入札不調が相次ぎました。また、現在最も早期の完成、供用開始が望まれる災害公営住宅建築工事についても四件不調が発生しているなど、これまでの対応では入札不調の改善が難しい状況になりつつあります。入札不調は、予定価格と実勢価格の乖離、資材不足、人手不足、過剰な発生時期の集中などさまざまな要因があると思われます。このため、予定価格を適切に設定することは当然にしても、最も重要なのは、資材、人手不足の原因になっている工事発注と工事施工期間の集中をどう解消していくかにあります。入札不調の改善を図るためには、工事発注と工事施工期間の平準化の取り組みが不可欠であります。具体的には、すべての復旧・復興事業に一斉に取り組むのではなくて、復旧・復興工事種類や施工地域ごとにめり張りのきいた順位づけを加えながら、平準化を図っていくべきかと考えておりますが、今後の工事発注並びに施工期間の設定等に当たり、どのように対応していくのか、お伺いいたします。 次に、地元建設業の工事発注状況についてであります。 御承知のとおり、地元建設業は、大震災発生直後から現在に至るまで、復旧・復興活動に献身的に努められ、地域の復興に大きな役割を果たしてまいりました。これら震災時の地元建設業の多大な貢献に見るまでもなく、今後においても地域住民の安全安心を守り、地域経済を支え、地域の雇用を確保するという社会的使命は更に重要になると思われます。しかしながら、災害復旧工事の本格化に伴い、県外業者の参入が相次ぎ、また、県内業者の受注割合が減少しているとも聞いておりますが、まずは震災前と比較して、県内企業の発注割合と発注額がどう推移しているのか、お伺いいたします。 また、膨大な工事量が資材不足や人手不足を招き、地元業者の受注能力を超えてきているという話もありますが、一方で、まだまだ余力のある業者があるとも聞いております。このため、県が資材の確保や配置技術者の緩和などの支援を行いながら、更なる地元建設業の受注機会の拡大に努めるべきかと思いますが、いかがでしょうか。 復旧・復興を取り巻く諸課題の二番目、指定廃棄物の処理についてお伺いいたします。 東日本大震災からの復旧・復興において、震災廃棄物の処理が喫緊の課題でありました。震災瓦れきの処理につきましては、県内外の自治体や事業所の協力もあり、年度内の処理完了に一定のめどが立ったことについては大いに評価するものであります。本当に御苦労さまでありました。しかしながら、同じ廃棄物の中で、指定廃棄物の処理がいまだ解決されないまま残されております。指定廃棄物一キログラム当たり八千ベクレルを超える放射能に汚染された廃棄物の処理については、特措法に基づき国が処理を行うこととされ、これまで我が県を含む五つの県で検討が進められてきておりますが、いずれも遅々として進んでおりません。 我が県の状況でありますが、周知のとおり、ことしに入ってから急展開を見せております。一月二十日の第五回市町村長会議において、国から最終処分場の詳細調査候補地三カ所が示されたからであります。昨年までの四回の市町村長会議では、国で示した方針等をもとに、県内で発生したものは県内で処理することを前提に、最終処分場を一カ所建設すること、そして、その候補地の選定手順と手法についても合意を得るとともに、地域振興策や風評被害対策の必要性などの議論が重ねられ、次回会議の調査候補地を提示することで、一月二十日の会議を迎えたと聞いております。そして、この会議において、栗原市、大和町、加美町が詳細調査の候補地として示されたわけですが、直後からそれぞれの議会、区長会など住民の方々、農協などの団体から反対が表明されておりますし、詳細調査実施に当たっての国の説明も聞く耳を持たないというような一部報道されております。しかしながら、高濃度の放射能に汚染された廃棄物を早期に適切に処分することが、復旧・復興の上で必須であるとともに、ひいては営農活動の継続や県民全体の不安感の解消、県産品や観光への風評被害の払拭につながるものであり、一日も早い処分はだれもが願うところであると思います。その一方で、指定廃棄物が近くに処分されることに対して、健康や風評被害の不安から住民が反対の思いを持つことも当然であると思います。私は、その意味においても、国の責任のもと、県が最大限の協力を行いながら、最終処分場設置に向けた取り組みを着実にそして丁寧に進めていくべきかと思います。住民の不安にも丁寧に向き合い、解きほぐしていくことが最も大切であると考えます。第一に、これだけ大きな問題であるにもかかわらず、石原伸晃環境大臣が一度も来県せず、直接自治体にも説明していないのはもってのほかであると思います。こちらはお父上の方が数段スケールが違うようであります。ぜひ、冷静な検証や議論ができるように、引き続き、村井知事が国と市町との間に積極的に入り、双方の歩み寄りを図る役割を強く期待しております。 以上、るる述べてまいりましたが、以下、今後の進め方などについて知事の御所見をお伺いいたします。 指定廃棄物最終処分場については、必要性と早期設置は衆目の一致するところであり、スピード感を持って行うことは当然でありますが、国が詳細調査を実施する場合、候補地が国有地とはいえ、首長や地元住民の理解を得られないまま見切り実施するなど、手順を間違えれば候補地の選び直しなど問題の拡大につながりかねませんので、国に対しては時間を十分にかけるとともに、丁寧な説明を強く求めていくことが大切であると思いますが、いかがでしょうか。 そして、県としては、首長からも要望が強い風評被害対策の実施と地域振興策の提案等についても最大限の努力をしていく必要があると思いますが、あわせてお伺いいたします。 一方の問題として、県内で一時保管されている放射性セシウム濃度を一キログラム当たり八千ベクレル以下の稲わらや牧草など約六万一千八百トンの処理について、家庭用ごみなどと既存の焼却炉で燃やす混焼を基本に市町村で処理することを、一月三十日に環境省から示されましたが、国に対し積極的な支援を求めていくことは当然でありますが、県としては、混焼の場合、処理期間が長くなることや共同運営の広域処理施設での関係者の理解など多くの課題を抱え込む市町村に対して、県としてどのように支援していくのか、お伺いいたします。 最後に、震災からの復旧・復興が着実に進む中で、今回の東日本大震災で忘れてはいけない悲運な出来事の一つであった消防団の活動を取り上げなければなりません。消防団は、地域愛の精神とともに究極のボランティア活動とも言われております。今回の震災では沿岸市町を中心に百八名の消防団員が亡くなられ、我が地元石巻でも二十七名のとうとい命が失われました。まことに痛恨のきわみであります。その多くが最後まで津波危険区域での避難誘導を呼びかけ、地域住民を守るために水門を閉めているさなかに、大津波に巻き込まれたものと推測されております。消防庁で今回の震災における消防団活動を検証した中で、東松島市の消防団の場合、地震直後に仕事先から地元に戻り、携帯電話もつながらない不十分な連絡通信体制のもとで、地域住民の避難誘導や水門の活動に当たったとのことであります。この消防団員の心意気は、一人でも多くの人を津波から逃がさなければならない、自分が助けてやるんだ、自分だけが逃げるわけにはいかない、そんな使命感や責任感が強かった団員ほど、危険にさらされたり命をなくす状況に陥ったという報告であります。しかも、全国で今回の震災で亡くなられた団員の年齢は、家族の大黒柱であり働き盛りである三十代、四十代の世代が三割も占めているとのことであります。これまで、団員の地域に対する使命感や責任感、そして善意に期待して組織され運営されてきた消防団ではありますが、常備消防が整備され、地域の人づき合いが希薄になるにつれて、団員の数は年々減少してきております。そして今回の震災では命を落とすという危険な業務をされるという印象が強く焼きつき、団員の確保が難しくなってきております。 そこで、お聞きいたしますが、県では、今回の震災における消防団員の悲劇を検証した上で、二度とこのような悲劇を繰り返さないためにも、消防団員の安全確保、待遇改善についてはどのように取り組んできたのでしょうか。 そして、消防、防災、減災を図るという観点から、この消防団という組織を県としてはどのように位置づけているのでしょうか。 また、減少を続ける消防団員の確保について、県では、消防団協力事業所表示制度、優良事業所知事表彰制度、県の入札参加登録資格審査加点評価など取り組んでいるようでありますが、抜本的な確保対策とはなっていないのが実情であります。消防団は、もとより市町村の組織ではありますが、消防団の団員確保そして活性化については県の役割が非常に大きいものと考えております。大分県では、昨年より消防団相互応援協定が締結され、大規模災害時などにおいては相互に応援して活動し、被害を最小限に防止することとしております。市町村長の電話一本で速やかに他の地域の消防団が駆けつけて応援していただく、助けていただく、そのような体制を考えてみる必要があると思いますが、いかがでしょうか。 震災で被災を経験した県としては、一般論ではなく、個別具体的な取り組み方策についてお示しを願いたいと思います。 以上をもちまして、壇上からの質問を終わります。 御清聴まことにありがとうございます。
○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕