宮城県議会 > 2014-02-20 >
02月27日-03号

  • "桟橋災害復旧工事"(/)
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  1. 宮城県議会 2014-02-20
    02月27日-03号


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    平成26年  2月 定例会(第346回)       第三百四十六回宮城県議会(定例会)会議録                              (第三号)平成二十六年二月二十七日(木曜日)  午前十時開議  午後二時二十八分散会      議長                     安藤俊威君      副議長                    渥美 巖君出席議員(五十九名)        第一番                  太田稔郎君        第二番                  天下みゆき君        第三番                  三浦一敏君        第四番                  境 恒春君        第五番                  堀内周光君        第六番                  石川利一君        第七番                  長谷川 敦君        第八番                  佐々木幸士君        第九番                  村上智行君        第十番                  すどう 哲君       第十一番                  遠藤いく子君       第十二番                  吉川寛康君       第十三番                  伊藤和博君       第十四番                  渡辺忠悦君       第十五番                  細川雄一君       第十六番                  高橋伸二君       第十七番                  菊地恵一君       第十八番                  寺澤正志君       第十九番                  只野九十九君       第二十番                  石川光次郎君      第二十一番                  外崎浩子君      第二十二番                  岸田清実君      第二十三番                  佐藤詔雄君      第二十四番                  菅原 実君      第二十五番                  坂下 賢君      第二十六番                  菅間 進君      第二十七番                  庄子賢一君      第二十八番                  川嶋保美君      第二十九番                  佐藤光樹君       第三十番                  中島源陽君      第三十一番                  本木忠一君      第三十二番                  中山耕一君      第三十三番                  長谷川洋一君      第三十四番                  池田憲彦君      第三十五番                  佐々木征治君      第三十六番                  安部 孝君      第三十七番                  皆川章太郎君      第三十八番                  小野 隆君      第三十九番                  岩渕義教君       第四十番                  本多祐一朗君      第四十一番                  ゆさみゆき君      第四十二番                  藤原のりすけ君      第四十三番                  内海 太君      第四十四番                  坂下やすこ君      第四十五番                  横田有史君      第四十六番                  小野寺初正君      第四十七番                  石橋信勝君      第四十八番                  齋藤正美君      第四十九番                  安藤俊威君       第五十番                  中村 功君      第五十一番                  渥美 巖君      第五十二番                  畠山和純君      第五十三番                  千葉 達君      第五十四番                  仁田和廣君      第五十五番                  藤倉知格君      第五十六番                  相沢光哉君      第五十七番                  中沢幸男君      第五十八番                  渡辺和喜君      第五十九番                  今野隆吉君-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    三浦秀一君      副知事                    若生正博君      公営企業管理者                橋本 潔君      総務部長                   上仮屋 尚君      震災復興・企画部長              伊藤和彦君      環境生活部長                 本木 隆君      保健福祉部長                 岡部 敦君      経済商工観光部長               犬飼 章君      農林水産部長                 山田義輝君      土木部長                   遠藤信哉君      会計管理者兼出納局長             吉田祐幸君      総務部秘書課長                西條 力君      総務部参事兼財政課長             伊藤哲也君    教育委員会      委員長                    庄子晃子君      教育長                    高橋 仁君      教育次長                   安住順一君    選挙管理委員会      委員長                    菊地光輝君      事務局長                   齋藤元彦君    人事委員会      委員長                    高橋俊一君      事務局長                   宮原賢一君    公安委員会      委員長                    猪俣好正君      警察本部長                  横内 泉君      総務部長                   横山利春君    労働委員会      事務局長                   谷関邦康君    監査委員      委員                     遊佐勘左衛門君      事務局長                   及川公一君-----------------------------------    議会事務局      局長                     菅原久吉君      次長兼総務課長                秋山政己君      議事課長                   菅原幹寛君      政務調査課長                 濱田 毅君      総務課副参事兼課長補佐            菅原 正君      議事課長補佐                 菅原敏彦君      政務調査課長補佐               諸星久美子君      議事課長補佐(班長)             布田惠子君      議事課長補佐(班長)             大友昌幸君-----------------------------------    議事日程 第三号              平成二十六年二月二十七日(木)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第十二号議案ないし議第二十六号議案、議第二十九号議案ないし議第三十四号議案、議第三十六号議案ないし議第四十六号議案、議第四十八号議案ないし議第五十二号議案、議第五十四号議案ないし議第七十号議案及び議第九十号議案第三 議第九十一号議案 平成二十五年度宮城県一般会計補正予算第四 議第九十二号議案 平成二十五年度宮城県公債費特別会計補正予算第五 議第九十三号議案 平成二十五年度宮城県母子寡婦福祉資金特別会計補正予算第六 議第九十四号議案 平成二十五年度宮城県小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算第七 議第九十五号議案 平成二十五年度宮城県農業改良資金特別会計補正予算第八 議第九十六号議案 平成二十五年度宮城県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算第九 議第九十七号議案 平成二十五年度宮城県林業・木材産業改善資金特別会計補正予算第十 議第九十八号議案 平成二十五年度宮城県県有林特別会計補正予算第十一 議第九十九号議案 平成二十五年度宮城県土地取得特別会計補正予算第十二 議第百号議案 平成二十五年度宮城県土地区画整理事業特別会計補正予算第十三 議第百一号議案 平成二十五年度宮城県流域下水道事業特別会計補正予算第十四 議第百二号議案 平成二十五年度宮城県港湾整備事業特別会計補正予算第十五 議第百三号議案 平成二十五年度宮城県水道用水供給事業会計補正予算第十六 議第百四号議案 平成二十五年度宮城県工業用水道事業会計補正予算第十七 議第百五号議案 平成二十五年度宮城県地域整備事業会計補正予算第十八 議第百六号議案 県税減免条例の一部を改正する条例第十九 議第百七号議案 食品衛生取締条例等の一部を改正する条例第二十 議第百八号議案 福祉有償運送運営協議会条例の一部を改正する条例第二十一 議第百九号議案 社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の一部を改正する条例第二十二 議第百十号議案 自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例第二十三 議第百十一号議案 損失補償契約に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例第二十四 議第百十二号議案 家畜伝染病予防法施行条例の一部を改正する条例第二十五 議第百十三号議案 調理師試験委員条例を廃止する条例第二十六 議第百十四号議案 公平委員会の事務の受託の廃止について第二十七 議第百十五号議案 一級河川の指定及び変更について(鳴瀬川水系田川及び名取川水系川内沢川放水路)第二十八 議第百十六号議案 仲裁の申請について第二十九 議第百十七号議案 権利の放棄について(中小企業高度化資金貸付金に係る債権)第三十 議第百十八号議案 権利の放棄について(工事請負契約の解除による前払金の返還金に対する利息に係る債権)第三十一 議第百十九号議案 権利の放棄について(設計業務等委託契約の解除による前払金の返還金に対する利息に係る債権)第三十二 議第百二十号議案 権利の放棄について(一般財団法人宮城県下水道公社に対する出資による権利)第三十三 議第百二十一号議案 平成二十五年度市町村受益負担金について第三十四 議第百二十二号議案 平成二十五年度市町村受益負担金の変更について第三十五 議第百二十三号議案 平成二十五年度流域下水道事業受益負担金の変更について第三十六 報告第三十二号 専決処分の報告について(災害廃棄物処理施設建設工事等を含む災害廃棄物処理業務(亘理名取地区(岩沼市))の委託契約の変更)第三十七 報告第三十三号 専決処分の報告について(災害廃棄物処理施設建設工事等を含む災害廃棄物処理業務(亘理名取地区(亘理町))の委託契約の変更)第三十八 報告第三十四号 専決処分の報告について(災害廃棄物処理施設建設工事等を含む災害廃棄物処理業務(亘理名取地区(山元町))の委託契約の変更)第三十九 報告第三十五号 専決処分の報告について(災害廃棄物処理施設建設工事等を含む災害廃棄物処理業務(宮城東部地区)の委託契約の変更)第四十 報告第三十六号 専決処分の報告について(宮城県保健環境センター本庁舎等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十一 報告第三十七号 専決処分の報告について(宮城県拓桃医療療育センター及び宮城県立拓桃支援学校新築衛生工事の請負契約の変更)第四十二 報告第三十八号 専決処分の報告について(宮城県拓桃医療療育センター及び宮城県立拓桃支援学校新築空調工事の請負契約の変更)第四十三 報告第三十九号 専決処分の報告について(宮戸地区海岸堤防等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十四 報告第四十号 専決処分の報告について(宮戸地区海岸堤防等災害復旧工事(その三)の請負契約の変更)第四十五 報告第四十一号 専決処分の報告について(女川漁港岸壁災害復旧工事の請負契約の変更)第四十六 報告第四十二号 専決処分の報告について(志津川漁港防波堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十七 報告第四十三号 専決処分の報告について(網地漁港防波堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第四十八 報告第四十四号 専決処分の報告について(石巻漁港岸壁災害復旧工事の請負契約の変更)第四十九 報告第四十五号 専決処分の報告について(鮪立漁港岸壁等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十 報告第四十六号 専決処分の報告について(桃ノ浦漁港防波堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十一 報告第四十七号 専決処分の報告について(気仙沼漁港岸壁等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十二 報告第四十八号 専決処分の報告について(塩釜漁港防波堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十三 報告第四十九号 専決処分の報告について(塩釜漁港桟橋等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十四 報告第五十号 専決処分の報告について(渡波漁港桟橋等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十五 報告第五十一号 専決処分の報告について(閖上漁港護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十六 報告第五十二号 専決処分の報告について(閖上漁港岸壁等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十七 報告第五十三号 専決処分の報告について(女川漁港鷲の神岸壁等災害復旧工事の請負契約の変更)第五十八 報告第五十四号 専決処分の報告について(女川漁港鷲の神岸壁災害復旧工事の請負契約の変更)第五十九 報告第五十五号 専決処分の報告について(石巻漁港桟橋災害復旧工事の請負契約の変更)第六十 報告第五十六号 専決処分の報告について(閖上漁港泊地災害復旧工事の請負契約の変更)第六十一 報告第五十七号 専決処分の報告について(塩釜漁港岸壁等災害復旧工事の請負契約の変更)第六十二 報告第五十八号 専決処分の報告について(主要地方道古川松山線志田橋架換(上部工)工事の請負契約の変更)第六十三 報告第五十九号 専決処分の報告について(一般県道大島浪板線二ノ浜一号トンネル工事の請負契約の変更)第六十四 報告第六十号 専決処分の報告について(一般県道大島浪板線磯草トンネル工事の請負契約の変更)第六十五 報告第六十一号 専決処分の報告について(一般県道大島浪板線二ノ浜二号トンネル工事の請負契約の変更)第六十六 報告第六十二号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号大瓜道路改良工事(その三)の請負契約の変更)第六十七 報告第六十三号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号大瓜道路改良工事(その四)の請負契約の変更)第六十八 報告第六十四号 専決処分の報告について(一般県道大島浪板線大島架橋新設工事の請負契約の変更)第六十九 報告第六十五号 専決処分の報告について(主要地方道気仙沼唐桑線東舞根トンネル工事の請負契約の変更)第七十 報告第六十六号 専決処分の報告について(一般国道三百九十八号新北上大橋災害復旧工事の請負契約の変更)第七十一 報告第六十七号 専決処分の報告について(北上運河護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十二 報告第六十八号 専決処分の報告について(黒崎地区海岸護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十三 報告第六十九号 専決処分の報告について(大島地区海岸護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十四 報告第七十号 専決処分の報告について(増田川護岸等災害復旧工事(その一)の請負契約の変更)第七十五 報告第七十一号 専決処分の報告について(増田川護岸等災害復旧工事(その二)の請負契約の変更)第七十六 報告第七十二号 専決処分の報告について(鹿折川護岸等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十七 報告第七十三号 専決処分の報告について(石巻港物揚場等災害復旧工事の請負契約の変更)第七十八 報告第七十四号 専決処分の報告について(石巻港岸壁災害復旧工事の請負契約の変更)第七十九 報告第七十五号 専決処分の報告について(石巻港防潮堤等災害復旧工事の請負契約の変更)第八十 報告第七十六号 専決処分の報告について(女川港防波堤災害復旧工事の請負契約の変更)第八十一 報告第七十七号 専決処分の報告について(仙台塩釜港石巻港区上屋災害復旧工事の請負契約の変更)第八十二 報告第七十八号 専決処分の報告について(亘理町下茨田地区災害公営住宅(仮称)新築工事(その一)の請負契約の変更)第八十三 報告第七十九号 専決処分の報告について(亘理町下茨田地区災害公営住宅(仮称)新築工事(その二)の請負契約の変更)第八十四 報告第八十号 専決処分の報告について(亘理町上浜街道地区災害公営住宅(仮称)新築工事(その一)の請負契約の変更)第八十五 報告第八十一号 専決処分の報告について(亘理町上浜街道地区災害公営住宅(仮称)新築工事(その二)の請負契約の変更)第八十六 報告第八十二号 専決処分の報告について(宮城県立仙台地区支援学校(仮称)校舎等新築工事の請負契約の変更)第八十七 報告第八十三号 専決処分の報告について(宮城県登米総合産業高等学校(仮称)校舎等新築工事(その一)の請負契約の変更)第八十八 報告第八十四号 専決処分の報告について(宮城県登米総合産業高等学校(仮称)校舎等新築工事(その二)の請負契約の変更)第八十九 報告第八十五号 専決処分の報告について(宮城県立山元支援学校校舎等改築工事の請負契約の変更)第九十 報告第八十六号 専決処分の報告について(和解及び損害賠償の額の決定)第九十一 報告第八十七号 専決処分の報告について(県営住宅の明渡請求等に係る訴えの提起)第九十二 報告第八十八号 専決処分の報告について(交通事故に係る和解及び損害賠償の額の決定)第九十三 一般質問(代表)     〔池田憲彦君、藤原のりすけ君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二ないし日程第九十二 議第十二号議案ないし議第二十六号議案、議第二十九号議案ないし議第三十四号議案、議第三十六号議案ないし議第四十六号議案、議第四十八号議案ないし議第五十二号議案、議第五十四号議案ないし議第七十号議案、議第九十号議案、議第九十一号議案ないし議第百二十三号議案及び報告第三十二号ないし報告第八十八号三 日程第九十三 一般質問(代表)     〔池田憲彦君、藤原のりすけ君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(安藤俊威君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。----------------------------------- △会議録署名議員の指名 ○議長(安藤俊威君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、十三番伊藤和博君、十四番渡辺忠悦君を指名いたします。----------------------------------- △議第十二号議案ないし議第二十六号議案 △議第二十九号議案ないし議第三十四号議案 △議第三十六号議案ないし議第四十六号議案 △議第四十八号議案ないし議第五十二号議案 △議第五十四号議案ないし議第七十号議案 △議第九十号議案 △議第九十一号議案ないし議第百二十三号議案 △報告第三十二号ないし報告第八十八号 △一般質問(代表) ○議長(安藤俊威君) 日程第二ないし日程第九十二、議第十二号議案ないし議第二十六号議案、議第二十九号議案ないし議第三十四号議案、議第三十六号議案ないし議第四十六号議案、議第四十八号議案ないし議第五十二号議案、議第五十四号議案ないし議第七十号議案及び議第九十号議案並びに議第九十一号議案ないし議第百二十三号議案及び報告第三十二号ないし報告第八十八号を一括して議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました平成二十五年度一般会計補正予算案を初め提出議案の概要を御説明申し上げます。 東日本大震災から間もなく三年、宮城県震災復興計画に定めた復旧期最後の年度も大詰めを迎えることとなりました。 振り返ってみますと、この一年間も、震災対応に取り組む中で日々新たな課題に直面し、その解決を目指して奔走する毎日でありました。私は、常々職員に向け、自分の仕事の枠を超えることを恐れずに、県土の新たな構築にそれぞれの力と情熱を持って挑戦してほしいと語りかけてまいりましたが、復旧の現場で汗を流し、被災された方々の生の姿に接し、あるいは市町のサポートや国との調整などに携わる中で、一歩ずつではありますが、創意工夫をもとに制度の改善や新たな対応策などの形に具体化させながら復興を前進させているところであります。 それは例えば、建設工事案件の四分の一にも及ぶ入札不調の問題への対応であります。 私からは関係部局に対し、法令を遵守し公平性や透明性を確保した上で、これまでにない大胆な対策を検討するよう指示してまいりました。これまでにも設計単価の迅速な改定や契約時の前金払いの増額、地方公所長の権限拡大などの対策を行ってまいりましたが、このところ大規模な工事で不調が増加していることなどから、今月には問題点を詳しく分析した上で、入札参加条件を拡大し発注ロットを更に大型化するほか、地域の特性や市場の実勢を反映して適切に予定価格を設定するなどの新たな改善策を取りまとめたところであり、その効果を現実のものとしてまいりたいと考えております。 もう一つ紹介いたしますのは、土木や建築の現場で深刻化している資材不足問題への対応であります。沿岸部では、復旧事業の本格化に伴って生コンクリートの不足が顕著となる一方、生コン事業者は需要期間が短いことなどを理由に生産設備への投資をちゅうちょするという大変難しい課題がありました。そこで、県との協定に基づいてプラントを建設した事業者が、県や地元市町が発注する災害復旧工事に生コンを供給して費用を回収する新たな仕組みを構築することで解決を図ることができました。この仕組みは、今後の復旧・復興事業の加速化に大きく寄与するものと期待しているところであります。 私が考えております創造的な復興とは、医学部の新設、仙台空港民営化、広域防災拠点の整備など、東日本大震災からの復興を進めながら、あわせて現代社会を取り巻く様々な課題の解決を図り、先進的な地域づくりを目指そうとする取り組みであります。それには、現状や課題を正しく認識し、目標や将来の姿を明確に描き上げる能力と、困難を乗り越えて実現を図る行動力が不可欠であります。 まさに今、県内では復興に携わる大勢の皆様がそれぞれの立場で課題に正面から向き合い、解決に向けて連携を図りながら、一生懸命に取り組んでおられます。私も引き続き先頭に立って取り組む覚悟でありますが、こうしたたくさんの方々と力を合わせれば、必ずやこの宮城の地において創造的な復興をなし遂げることができるものと確信をしておりますので、議員各位はもとより県民の皆様方のなお一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。 今年度の財政運営は、堅調な復興需要や好調な企業業績に支えられて、県税や地方法人特別譲与税が当初の見積りを上回る見込みとなり、また、復興事業については、国の特別の財政支援が継続されるとともに、東日本大震災復興交付金や中小企業等グループ補助金などについて所要額が確保されたことから、腰を据えて取り組むことができたものと考えております。 しかしながら、年間予算が震災前の二倍ほどに膨らみ、前年度からの繰り越しもかなりの規模に達する中、執行が当初の計画どおりには進まず、計上した予算の減額や翌年度への繰り越しを余儀なくされるものも相当の額に及んでいるところであります。 このような状況を踏まえ、今回の補正予算案では、震災関連事業の執行状況を踏まえた所要額の見直しや財源の確定に伴う計数整理を行ったほか、退職手当債や臨時財政対策債などの県債発行額を可能な限り抑えて後年度の負担軽減を図るとともに、財政調整基金の取り崩しを一部見合わせて残高確保に努めるなど、復興の加速化を図るべき来年度以降の財政運営にも気を配りながら編成したものであります。 補正予算案の主な内容ですが、初めに、震災からの復旧・復興に関する事業についてであります。 まず、震災で親を亡くした子供たちのために、これまでお寄せいただいた御厚意を東日本大震災みやぎこども育英基金に追加して積み立てるとともに、来年度以降の被災者支援や復興施策の財源とするため、全国からの寄附金等について、東日本大震災復興基金及び地域整備推進基金に積み増しをいたします。また、先月下旬、国に第八回目となる申請を行った復興交付金について、東日本大震災復興交付金基金に積み立て、来年度以降に活用してまいりたいと考えております。 更に、被災した児童生徒の就学支援のほか、中小企業や保育所等の施設設備の復旧支援に要する経費を追加するとともに、住宅再建を支援するため、県産材を使用した新築住宅への補助について、申し込みの増加に対応し必要な経費を増額しております。 次に、通常分の事業についてですが、まず、今年度国から交付された地域の元気臨時交付金のうち、来年度事業の財源とする分を地域整備推進基金に積み立てるとともに、みやぎ発展税の増収分等を富県宮城推進基金に積み増しをいたします。 また、待機児童解消に向けて小規模保育施設の設置に対する補助金を新たに盛り込みましたほか、私立学校運営費補助金についても児童生徒数の増加に合わせて増額してまいります。 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正額は、一般会計で一千三百七十七億一千四百余万円の減額、総計では一千四百六億八千八百余万円の減額となります。財源としては、県税百五億円、地方譲与税五十億九百万円などを追加する一方、諸収入七百四十八億五千三百余万円、繰入金四百十一億九千五百余万円、県債二百九十三億五千七百余万円などを減額しております。 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆六千百五十三億六千三百余万円、総計で一兆九千六百二十五億一千四百余万円となります。 予算外議案については、条例議案八件、条例外議案十件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第百六号議案は、国又は地方公共団体への譲渡を目的として取得した場合に不動産取得税を免除しようとするもの、議第百七号議案は、東日本大震災により被害を受けた者に係る各種手数料の免除の期間を延長しようとするもの、議第百九号議案及び議第百十号議案は、基金の失効期日を延長しようとするもの、議第百十一号議案は、被災事業者の再生のため、公益財団法人みやぎ産業振興機構の求償権に係る県の権利を放棄できるようにするもの、議第百十三号議案は、調理師試験委員を廃止しようとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第百十四号議案は、公平委員会の事務の受託の廃止について、議第百十五号議案は、一級河川の指定及び変更について、議第百十六号議案は、土地収用法の規定に基づき用地補償に係る仲裁の申請を行うことについて、議第百十七号議案ないし議第百二十号議案は、権利の放棄について、議第百二十一号議案ないし議第百二十三号議案は、市町村の受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。 ○議長(安藤俊威君) 補正予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 地方公務員法第五条第二項の規定により、関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。……………………………………………………………………………………………                           宮人委第273号                         平成26年2月20日 宮城県議会議長 安藤俊威殿                          宮城県人事委員会                           委員長 高橋俊一           条例案に対する意見について 平成26年2月18日付け宮議第500号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。                 記「議第39号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」 この条例案は,支給対象の見直し等に伴い所要の改正を行うものであり,適当と認めます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(安藤俊威君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第九十三、一般質問とをあわせて行います。 質疑、質問は、順序に従い許します。三十四番池田憲彦君。    〔三十四番 池田憲彦君登壇〕 ◆三十四番(池田憲彦君) おはようございます。昨年十一月より自由民主党・県民会議の会長を仰せつかりました池田憲彦でございます。 我が会派は三十三名の大所帯でございます。それもばりばりの若さあふれる青年・淑女から、経験豊富な議長、副議長経験者に至りますまで個性派ぞろいでございまして、私のような微力な者がと、とても心配しておりましたが、皆さん紳士で、そして親切であり、足りないところは助けていただくことになっておりますので、各会派、各議員の皆様、執行部の皆様におかれましても優しく御指導、御協力いただきますようお願いを申し上げます。 本日は、傍聴席に地元より私の応援に駆けつけていただいております。私の応援というより、じかに村井知事にお会いしたいという方々が多いわけでございまして、そういうわけで知事には前向きな御答弁を御期待申し上げます。 さて、村井知事、三期目の御当選おめでとうございます。知事と私は同期でありまして、本会議も隣同士で議会活動を行ってきたもので、知事選出馬の際も語り合った仲であり、長いつき合いになります。今回も応援させていただきましたが、私の地元でも圧倒的な人気であり、圧勝をいたしました。これはこのまま復旧・復興を村井知事に託したいものと推察いたします。 安倍総理も石巻市、女川町の視察に入られましたが、知事と総理への歓迎ぶりはそう変わらないものでありました。しかし、大変失礼にはなりますが、知事、総理とは比較にならないほどの人気者がおられます。小泉進次郎復興大臣政務官、三十二歳であります。もちろんあのマスク、あのスタイル、申し分のないところでございますが、あの言動であります。被災自治体や被災者の皆さんの声に耳を傾け、その場その場で的確な質問をされ、答弁されるさまは既にお父上を超えられております。あの謙虚さ、そして、被災者の目線に合わせた言動というものを見習わなければならないかと思っております。 知事を先頭に、県と議会が一丸となって、第二ステージ、再生期に取り組んでまいりましょう。 再生期四年間のスタートダッシュとなる平成二十六年度当初予算について、基本的な考え方をお伺いしたいと思います。 昨年十月に三期目の当選を果たされてから最初の予算編成でもあります。知事は、昨年の知事選の際に、挑戦、新生みやぎ、次世代を見据えたみやぎの創造をスローガンに、三期目の県政運営の基本方針として、安心して暮らせる県土づくり、復旧にとどまらない抜本的な再構築、富県宮城の実現、民の力の活用など県民の総力を結集、最小コストで最大の効果を掲げて見事に当選されたところであります。知事のマニフェストを端的に表現すれば、震災からの復興を迅速に進める一方で、企業誘致を柱とした富県宮城を引き続き成長させることにあると思います。私はこれをムライミクスと呼ばせていただきます。このムライミクスは、復興が進む県内の内陸部においては各分野の産業競争力を向上させる施策を展開させ、ものづくり産業を集積し、県外から企業を誘致するなどで富県を増強すること、その一方で、復旧さえも思うように進まない沿岸市町の震災からの復興については、市町を支援して創造的なまちづくりを進め、生活の場を再建し、被災された方々の日常生活を取り戻すことを至上命題として取り組んでいくことだと思います。こうした二つの施策、ムライミクスを実現するためには、富県を進める上で、活力を生み出し、その活力を被災地の復興へつなげていくものだと思うのです。アベノミクス三本の矢には一本足りないわけでありますが、復旧・復興が至上命題でありますので、私はこれはこれでよいかと思います。 今回の知事選で県民に示したマニフェストの施策について、今回の当初予算にはどのように反映されているのか、お伺いいたします。 また、予算を編成する上で、富県宮城の実現と震災復興をいかに機動的に結びつけたのかをお伺いいたします。 次に、震災予算についてお伺いいたします。 震災復興は、平成三十二年度の発展期までを計画期間としておりますが、国の集中復興期間は、周知のとおり平成二十七年度までであります。この期間までは国からの熱い財政支援が継続される見込みであり、それを裏づけるように、これまでも震災の復旧・復興に平成二十二年度から延べ四兆円も超える予算を編成してまいりました。莫大な予算を執行してきたのにもかかわらず、県の貯金に当たります財政調整に活用できる基金は今年度末で約五百四十一億円が見込まれていて、財政状況の悪化が叫ばれて久しい折、財政調整基金が五百億円を超える金額は驚きに値すると思います。私は、現在ある基金の状況を焼け太りとは言いません。むしろ心配なのであります。その理由は、皆様も周知のとおり、平成二十八年度以降の国の財源手当てが確定していないからであります。平成二十六年度当初予算の震災対応分は一般会計で約六千四百六十九億円であり、港湾建設や災害公営住宅の整備など投資的経費が大半を占めております。これらの財源のほぼ一〇〇%を国からの支援で賄っているわけでありますので、人手不足や資材不足が深刻化している中で、これらのインフラ整備はとてもとても平成二十七年度までには終わりそうもなく、むしろピークは平成二十八年度以降になるのではないかと予想しております。そのことが現実となった場合、震災対応分として年間五千億円を予算計上したと想定して、その九割を国から財政支援を受けたとしても、残りの一割は県の財源になるわけであります。一割を充当した場合、五百億円が必要になり、財政調整基金などはまたたく間に吹っ飛んでしまうことになります。しかも、震災対応予算以上に通常予算は厳しさを増している現状にあるのです。 今回、みやぎ財政運営戦略を策定されて、今後四年間の財政運営指針を示されましたが、震災復興を進めていくためには有効な財政戦略とまではとても言えません。平成二十八年度以降の震災復興の所要額をどのぐらいに見込み、その財源手当てをどう考えているのか。また、復興庁とはどのように協議を進めているのか。今から危機感を持って交渉に臨んでいかなければならないと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、県債についてお伺いいたします。 私は、この一月、県政報告で、宮城県の県債残高の現状についてお知らせいたしました。この県政報告は、私がつぶやく感じで私感を交えながらわかりやすく地元の皆様に配布している池田憲彦最強の広報誌であります。評判もなかなかのものです。その中で、平成二十四年度末の県債残高が約一兆六千八百万円余り、県民一人当たり七十三万円の借金をしていることをつぶやいたところ、後援者の皆様から借金している金額の多さに驚きの声が届いております。マジかよ。本当に返せるのか。おまえら何やってんだよ。ふざけるなよなど大変厳しい意見もありました。その驚きが普通の感覚であり、行政としては借金しているこの金額の多さを肝に銘じて財政運営に当たっていくことはもちろん、議会人である私も厳しくチェックしていく必要があると改めて思ったところです。ここ五年間、臨時財政対策債を除きますと、県債は微減か横ばいの状況でありますが、まずは国が財源手当てを約束していると言われている臨時財政対策債の今後の動向について、県はどう考えているのか、お伺いいたします。 臨時と言いながら、恒久的に発行を余儀なくされ、自治体を借金まみれの体質に変えている麻薬のような存在だと思えるのですが、臨時財政対策債をどのような存在と考えているのか、御所見をお伺いいたします。 また、県債は、ここ三十年、高齢化社会による社会保障経費の増大という背景があるにしろ、臨時財政対策債を除いてもふえ続けてきました。つまり、歳入以上に歳出予算を編成することになるから、県債を発行することになるわけであります。県は、県債も歳入財源の一つとして安易に県債を発行してきたのではないでしょうか。国が国債を乱発しているから、県も横並びで県債を乱発してもいいという発想ではいけないと思うのであります。今後十年間で、少子高齢化による生産人口の減少で、経済のパイは間違いなく縮小していきます。それと反比例して県債がふえていくのでは道理に合いません。施策として地味な取り組みにはなりますが、ここは原点に立ち返って、県債の新規発行を減らす方策、そして、県債残高の縮減への取り組みを着実に進めなければならないと思うのですが、御所見をお伺いいたします。 江戸幕府も、財政赤字削減と経済成長のためにあらゆる改革がとられてきました。新井白石の正徳の治、徳川吉宗の享保の改革、田沼意次の改革、松平定信の寛政の改革、水野忠邦の天保の改革などが知られております。田沼意次というと小説でも時代劇でも必ずと言っていいほど金に汚い政治家、わいろ政治家、大悪人扱いです。しかし、最近では、江戸時代で最もすぐれた先見の明があった政治家ではなかったのかと見直されております。 歴史教科書に名を残す必要はありませんが、将来の子供たち、孫たちに迷惑をかけないためにも、知事、宮城県もここで財政改革を含め、県政にかかわる村井改革案を提示してみてはいかがでしょうか。知事の御決意をお伺いいたします。 今月五日、我が会派は、水土里ネットみやぎの役員の方々と意見交換を行い、また、十四日には、農林水産大臣官房より、食料・農業をめぐる情勢と今後の農政の展開方向についての講演をいただき研修会を開催いたしました。二つの懇談会で話題になりましたのは、やはり新たな農業・農村政策四つの改革についてであります。そこで、この改革について県の考え方をお伺いいたします。 農地中間管理機構につきましては、予算特別委員会総括質疑と重複いたしますので、取り下げます。 作目によっては異なりますが、農業の就業人口の多数を六十歳以上が占める中にあって、人材育成が急務となってきております。人材育成については、支援のスタンスが所得補償に大きく変わってきており、国の施策として青年就農給付金が新規参入者対策として仕組まれましたが、宮城県の平成二十四年度給付実績は四十件、準備型が十二件、経営開始型が二十八件で、東北でも最下位となっております。また、新規就農者については平成二十四年度で百七十二人と、平成に入ってから最高の数値となりましたが、これは新規参入者で農業法人への雇用就農が多いためであり、本県農業の将来の人材確保を考えた場合、素直に喜べない状況であります。各種制度の活用のため、啓発活動はもとより、女性農業者も含めて、本県として抜本的な人材確保・育成対策を講じる必要があると思いますが、いかがでしょうか。 東日本大震災から間もなく三年が経過するわけですが、これまで被災土地改良区復興支援事業などでハード面を中心に支援してきた成果が出ておりまして、一定の復旧はできております。しかし、四年目を迎えても農業生産のレベルが震災以前に達してない農家も多く、被災土地改良区ではこれまで基金を取り崩して対応してまいりましたが、状況は変わらず、賦課金の徴収もままならなくなってきており、組織運営に困難をきわめている組織も出てきております。国と連携しながら支援を強化すべきかと思いますが、御所見をお伺いいたします。 また、県内では、震災からの復旧工事において、入札不調や当初の想定を超える損害などから工事が完了していないものも多く、補助事業期間の弾力的な延長を国に働きかけていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 次に、日本型直接支払い制度についてお伺いいたします。 産業政策としての農地中間管理機構を創設する一方、この制度は、農業・農村の持つ多面的機能の維持、発揮のための地域活動や営農活動に対して支援するものであります。では、我が県におけるこれまでの農地・水・環境保全対策の効果をどう評価しているのか、お伺いいたします。 また、この日本型直接支払い制度のうち、多面的機能支払いに県としてどのように対処していこうとしているのか、お伺いいたします。 そして、農地・水・環境保全対策のときの面積は四万五千ヘクタールで、全農地の三八%をカバーしておりましたが、今回の多面的機能支払いでは七万ヘクタール、六〇%をカバーするという予定になっておりますが、それで十分なのでしょうか、また、市町村の要望はどのように把握されているのか、今後も変化していくと思われる予算化が対応可能なのか、お伺いいたします。 次に、農地維持支払いについて、お伺いいたします。 私は、この仕組みがかなり複雑で一度二度聞いてもよく理解はできません。直接農家の懐に入るのではなく、草刈りや江払いをして賦役代としてのみ還元されるものと理解いたしますが、納得いかないと不満の声が上がってきております。制度として熟度は十分だと考えているのでしょうか、お伺いいたします。 産業政策が全額国費なのに、地域政策については国が半額補助で県と市町村で残額補てんとなっております。厳しい財政状況にある我が県の場合、いまだ震災復興の道半ばであり、基盤整備や施設の老朽化や防災の観点から、農業水利施設の強化も大事であると思いますが、優先順位をどのように考えているのか、お伺いいたします。 宮城の水産業の復興についてお伺いいたします。 本県は、全国有数の漁業生産県であり、ノリ、カキ、ワカメ、ホタテ、ギンザケなどの養殖業、イワシ、タラ、イカなどの沿岸沖合漁業、マグロ、カツオ、サメなど近海遠洋漁業が盛んであり、震災前の平成二十年の生産量は全国第二位の三十七万九千トン、金額では全国第四位の八百二十九億円となっております。震災により、これら宮城の漁業生産を支えてきた生産基盤の被害は、水産加工関係も含め八千七百四十六億円にも上る甚大な被害となりました。漁港については応急仮工事で当面の復旧を図るとともに、本格復旧については、漁業者など水産関係者と協議の上、優先順位を決めて着手し、平成二十七年度までの完了を目指すとしておりますが、現時点での協議の進捗と復旧の状況、漁船や漁具並びに養殖施設の復旧状況、流通加工共同利用施設の復旧状況、魚市場、水産加工施設の復旧状況、あわせて、これらの今後の復旧の見通しと復旧が完了した際の漁業生産、水産加工取り扱いと冷蔵冷凍保管能力など、震災前と比べどの程度回復すると見ているのか、お伺いいたします。 また、震災復旧の大きな足かせとなっているのが、やはり福島第一原発事故による放射能被害であります。本県は、放射性セシウム濃度百ベクレルを超える水産物を市場に流通させず、安全安心な本県水産物を消費者へ提供するため、漁業団体、流通加工団体と連携して取り組んでおります。魚介類の検査も週に百検体をめどに取り組むとともに、県内各魚市場においては独自の検査を実施し、一定の値を超えるものは直ちに県の精密検査に回すなど、安全対策の強化が図られております。現在、これから夏にかけて旬を迎えるスズキを初め二魚種が出荷規制を受けておりますが、魚介類の放射能検査状況を見てみますと、海面魚介類においては、セシウム検出値は不検出か検出されても極めて低い状況にあり、安定した状況になりつつあると認識しております。しかしながら、依然として放射能による風評被害はおさまらず、漁業関係者を悩ませております。韓国政府は、宮城を含む八県からの水産物輸入を禁止、いまだ解除しておりません。本県水産業も影響を受けておりますが、今後は養殖業の復旧に伴い、韓国への輸出が多いホヤの生産も開始されようとしており、更なる影響が懸念されますとともに、西日本においても、放射能の影響を懸念し、東北太平洋側の魚介類の購入を敬遠する傾向にあると言われる中、ギンザケ、イサダ、ワカメ、カキなどは価格が低迷しております。 このような中で、東京電力と国は、福島第一原子力発電所敷地内の地下水バイパスに流れ込む地下水の一部をくみ上げ、新たに定める排水基準を満たすものは海に放流することを計画しております。東京電力は全く反省していないようであります。仮に、海に放流するとすれば、放射能に汚染されない安全な地下水の放流が大前提であるとともに、風評をこれ以上助長しないためにも、国と東京電力が責任を持って、地下水放流について国民の理解を得ることが重要であると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 宮城の水産物の風評を払拭し、販売促進を図ることは、県としては極めて大きな役割と思います。我が会派水産漁港議員連盟は、宮城県産水産物の応援イベントに積極的に参加をしております。県産品のPRを続けております。昨年四月には名取市でギンザケ、十一月には東京都江東区の東雲まで行きまして、宮城のカキはおいしいですよ、宮城の米はおいしいですよと大声を張り上げてまいりました。ことし一月には石巻市でのカキ復興祭を応援しております。 そこで、知事が先頭に立ったPR活動も有効ではないかと考えますが、本県水産物の販売促進に向けどのように取り組もうとしているのか、知事のお考えをお示しいただきたいと思います。 次に、東日本大震災からの復旧・復興事業を取り巻く諸課題についてお尋ねいたします。 初めに、繰越予算についてです。 大震災が発生した平成二十三年度が四千六百九十四億円、二十四年度が四千四百三十億円、三年連続して四千億円超の予算が執行できないまま繰り越されております。しかも、事故繰越予算の再繰り越しができないための対応として、新年度に再予算化している予算を含む実質的な繰越総額としては膨大な額に上るものと考えられます。これら繰越額のほとんどは復旧・復興予算であるため、繰越額の発生は、直接、被災地の復興のおくれにつながるものであります。また、本定例会において審議する新年度予算の多くが再び繰り越しする可能性を有しているとも考えられ、議会としても看過できない問題であります。 そこで、お伺いいたしますが、現時点において、事故繰越予算及び新年度の再予算化を含む平成二十六年度への実質的な繰越予算総額はいかほどになっているのか。また、予算の繰り越しは、必要な用地取得、用地整備のおくれや入札不調によるものなど事業等によってそれぞれ理由が異なると思いますが、その要因をどうとらえているのか、そしてどう整理しているのか、お伺いいたします。 更に、ただいま申し上げました繰越理由を踏まえながら、平成二十六年度予算の執行に当たり、繰越額の縮小に向けどのように対処しようとしているのか、お伺いいたします。 次に、入札不調と工事発注等の考え方についてお伺いいたします。 平成二十五年度の入札不調は、一月末現在で二七%と、依然として高水準で推移しております。これらの入札不調が結果として、ただいま申し上げました予算繰り越しの一つの要因になるわけでありますが、県がこれまで講じてきたさまざまな入札不調対策にもかかわらず、一向に改善の兆しが見えておりません。むしろここに来て新たな兆候も見え始めてきております。平成二十五年度末に至り、工事発注が集中した一月には、入札不調対策として発注ロットを大型化した工事やWTO案件工事についてまでも入札不調が相次ぎました。また、現在最も早期の完成、供用開始が望まれる災害公営住宅建築工事についても四件不調が発生しているなど、これまでの対応では入札不調の改善が難しい状況になりつつあります。入札不調は、予定価格と実勢価格の乖離、資材不足、人手不足、過剰な発生時期の集中などさまざまな要因があると思われます。このため、予定価格を適切に設定することは当然にしても、最も重要なのは、資材、人手不足の原因になっている工事発注と工事施工期間の集中をどう解消していくかにあります。入札不調の改善を図るためには、工事発注と工事施工期間の平準化の取り組みが不可欠であります。具体的には、すべての復旧・復興事業に一斉に取り組むのではなくて、復旧・復興工事種類や施工地域ごとにめり張りのきいた順位づけを加えながら、平準化を図っていくべきかと考えておりますが、今後の工事発注並びに施工期間の設定等に当たり、どのように対応していくのか、お伺いいたします。 次に、地元建設業の工事発注状況についてであります。 御承知のとおり、地元建設業は、大震災発生直後から現在に至るまで、復旧・復興活動に献身的に努められ、地域の復興に大きな役割を果たしてまいりました。これら震災時の地元建設業の多大な貢献に見るまでもなく、今後においても地域住民の安全安心を守り、地域経済を支え、地域の雇用を確保するという社会的使命は更に重要になると思われます。しかしながら、災害復旧工事の本格化に伴い、県外業者の参入が相次ぎ、また、県内業者の受注割合が減少しているとも聞いておりますが、まずは震災前と比較して、県内企業の発注割合と発注額がどう推移しているのか、お伺いいたします。 また、膨大な工事量が資材不足や人手不足を招き、地元業者の受注能力を超えてきているという話もありますが、一方で、まだまだ余力のある業者があるとも聞いております。このため、県が資材の確保や配置技術者の緩和などの支援を行いながら、更なる地元建設業の受注機会の拡大に努めるべきかと思いますが、いかがでしょうか。 復旧・復興を取り巻く諸課題の二番目、指定廃棄物の処理についてお伺いいたします。 東日本大震災からの復旧・復興において、震災廃棄物の処理が喫緊の課題でありました。震災瓦れきの処理につきましては、県内外の自治体や事業所の協力もあり、年度内の処理完了に一定のめどが立ったことについては大いに評価するものであります。本当に御苦労さまでありました。しかしながら、同じ廃棄物の中で、指定廃棄物の処理がいまだ解決されないまま残されております。指定廃棄物一キログラム当たり八千ベクレルを超える放射能に汚染された廃棄物の処理については、特措法に基づき国が処理を行うこととされ、これまで我が県を含む五つの県で検討が進められてきておりますが、いずれも遅々として進んでおりません。 我が県の状況でありますが、周知のとおり、ことしに入ってから急展開を見せております。一月二十日の第五回市町村長会議において、国から最終処分場の詳細調査候補地三カ所が示されたからであります。昨年までの四回の市町村長会議では、国で示した方針等をもとに、県内で発生したものは県内で処理することを前提に、最終処分場を一カ所建設すること、そして、その候補地の選定手順と手法についても合意を得るとともに、地域振興策や風評被害対策の必要性などの議論が重ねられ、次回会議の調査候補地を提示することで、一月二十日の会議を迎えたと聞いております。そして、この会議において、栗原市、大和町、加美町が詳細調査の候補地として示されたわけですが、直後からそれぞれの議会、区長会など住民の方々、農協などの団体から反対が表明されておりますし、詳細調査実施に当たっての国の説明も聞く耳を持たないというような一部報道されております。しかしながら、高濃度の放射能に汚染された廃棄物を早期に適切に処分することが、復旧・復興の上で必須であるとともに、ひいては営農活動の継続や県民全体の不安感の解消、県産品や観光への風評被害の払拭につながるものであり、一日も早い処分はだれもが願うところであると思います。その一方で、指定廃棄物が近くに処分されることに対して、健康や風評被害の不安から住民が反対の思いを持つことも当然であると思います。私は、その意味においても、国の責任のもと、県が最大限の協力を行いながら、最終処分場設置に向けた取り組みを着実にそして丁寧に進めていくべきかと思います。住民の不安にも丁寧に向き合い、解きほぐしていくことが最も大切であると考えます。第一に、これだけ大きな問題であるにもかかわらず、石原伸晃環境大臣が一度も来県せず、直接自治体にも説明していないのはもってのほかであると思います。こちらはお父上の方が数段スケールが違うようであります。ぜひ、冷静な検証や議論ができるように、引き続き、村井知事が国と市町との間に積極的に入り、双方の歩み寄りを図る役割を強く期待しております。 以上、るる述べてまいりましたが、以下、今後の進め方などについて知事の御所見をお伺いいたします。 指定廃棄物最終処分場については、必要性と早期設置は衆目の一致するところであり、スピード感を持って行うことは当然でありますが、国が詳細調査を実施する場合、候補地が国有地とはいえ、首長や地元住民の理解を得られないまま見切り実施するなど、手順を間違えれば候補地の選び直しなど問題の拡大につながりかねませんので、国に対しては時間を十分にかけるとともに、丁寧な説明を強く求めていくことが大切であると思いますが、いかがでしょうか。 そして、県としては、首長からも要望が強い風評被害対策の実施と地域振興策の提案等についても最大限の努力をしていく必要があると思いますが、あわせてお伺いいたします。 一方の問題として、県内で一時保管されている放射性セシウム濃度を一キログラム当たり八千ベクレル以下の稲わらや牧草など約六万一千八百トンの処理について、家庭用ごみなどと既存の焼却炉で燃やす混焼を基本に市町村で処理することを、一月三十日に環境省から示されましたが、国に対し積極的な支援を求めていくことは当然でありますが、県としては、混焼の場合、処理期間が長くなることや共同運営の広域処理施設での関係者の理解など多くの課題を抱え込む市町村に対して、県としてどのように支援していくのか、お伺いいたします。 最後に、震災からの復旧・復興が着実に進む中で、今回の東日本大震災で忘れてはいけない悲運な出来事の一つであった消防団の活動を取り上げなければなりません。消防団は、地域愛の精神とともに究極のボランティア活動とも言われております。今回の震災では沿岸市町を中心に百八名の消防団員が亡くなられ、我が地元石巻でも二十七名のとうとい命が失われました。まことに痛恨のきわみであります。その多くが最後まで津波危険区域での避難誘導を呼びかけ、地域住民を守るために水門を閉めているさなかに、大津波に巻き込まれたものと推測されております。消防庁で今回の震災における消防団活動を検証した中で、東松島市の消防団の場合、地震直後に仕事先から地元に戻り、携帯電話もつながらない不十分な連絡通信体制のもとで、地域住民の避難誘導や水門の活動に当たったとのことであります。この消防団員の心意気は、一人でも多くの人を津波から逃がさなければならない、自分が助けてやるんだ、自分だけが逃げるわけにはいかない、そんな使命感や責任感が強かった団員ほど、危険にさらされたり命をなくす状況に陥ったという報告であります。しかも、全国で今回の震災で亡くなられた団員の年齢は、家族の大黒柱であり働き盛りである三十代、四十代の世代が三割も占めているとのことであります。これまで、団員の地域に対する使命感や責任感、そして善意に期待して組織され運営されてきた消防団ではありますが、常備消防が整備され、地域の人づき合いが希薄になるにつれて、団員の数は年々減少してきております。そして今回の震災では命を落とすという危険な業務をされるという印象が強く焼きつき、団員の確保が難しくなってきております。 そこで、お聞きいたしますが、県では、今回の震災における消防団員の悲劇を検証した上で、二度とこのような悲劇を繰り返さないためにも、消防団員の安全確保、待遇改善についてはどのように取り組んできたのでしょうか。 そして、消防、防災、減災を図るという観点から、この消防団という組織を県としてはどのように位置づけているのでしょうか。 また、減少を続ける消防団員の確保について、県では、消防団協力事業所表示制度、優良事業所知事表彰制度、県の入札参加登録資格審査加点評価など取り組んでいるようでありますが、抜本的な確保対策とはなっていないのが実情であります。消防団は、もとより市町村の組織ではありますが、消防団の団員確保そして活性化については県の役割が非常に大きいものと考えております。大分県では、昨年より消防団相互応援協定が締結され、大規模災害時などにおいては相互に応援して活動し、被害を最小限に防止することとしております。市町村長の電話一本で速やかに他の地域の消防団が駆けつけて応援していただく、助けていただく、そのような体制を考えてみる必要があると思いますが、いかがでしょうか。 震災で被災を経験した県としては、一般論ではなく、個別具体的な取り組み方策についてお示しを願いたいと思います。 以上をもちまして、壇上からの質問を終わります。 御清聴まことにありがとうございます。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕
    ◎知事(村井嘉浩君) 池田憲彦議員の代表質問にお答えをいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、平成二十六年度予算編成についての御質問にお答えをいたします。 初めに、マニフェストの施策は、来年度予算にどう反映されているのか、また、富県宮城の実現と震災復興をどう機動的に結びつけて予算編成したのかというお尋ねにお答えをいたします。 私は、知事選挙において、復旧にとどまらない抜本的な再構築、富県宮城の実現など五項目を次期県政運営の基本姿勢とするマニフェストをお示しいたしました。その考え方を踏まえ、平成二十六年度当初予算においては、復旧・復興施策の加速化に重点を置くとともに、創造的な復興を含む本格的な復興に向けて、新たな施策の充実にも十分に配慮し、マニフェストに関連する施策のうち、早急に取り組むべきものを積極的に反映させております。また、その中で、富県宮城の実現に結びつく震災復興の取り組みにも意を用いております。これらの具体的な事業として、医学部設置支援費、広域防災拠点整備費、地域包括ケアシステム体制推進費に加えて、仙台空港民営化推進費、食産業「再生期」スタートダッシュプロジェクト推進費などを計上しているところでございます。 次に、平成二十八年度以降、震災分の予算額見込みと財源手当てについての御質問にお答えをいたします。 今般策定をいたしましたみやぎ財政運営戦略では、今後四年間の一般会計の見通しを試算したところでありますが、震災復興関連以外の通常分の歳出規模は、社会保障関係経費の自然増などにより、平成二十九年度には九千億円を超える見込みとなる一方で、震災対応分については、平成二十七年度は平成二十六年度を上回る六千八百四十九億円、二十八及び二十九年度はおのおの約四千五百億円、約三千四百億円と推計をしたところであります。この中期見通しの財源としては、東日本大震災の復興事業として措置されてきた特別の国庫支出金や地方負担を軽減させる震災復興特別交付税が継続することを前提としております。御指摘のありましたとおり、集中復興期間終了後に国の特別な措置がなくなるとすれば、平成二十八年度には直ちに基金残高を大幅に上回る財源不足が生じることとなり、膨大な復旧・復興事業の継続のため、県債の増発により極めて大きな将来負担を抱えるという重大な事態になるものと考えております。 次に、国との協議状況と今後の交渉に向けてはどうかとの御質問にお答えをいたします。 平成二十七年度までとなっております集中復興期間の延長と財政支援の継続については、平成二十六年度予算に向けて、今年度実施した政府要望においても重点項目として位置づけてきたほか、これまでもさまざまな機会を通じて、復旧・復興事業の継続が可能となるよう国に対して要望してきたところであります。復旧・復興に向けては、長期にわたる国の支援が不可欠でありますことから、集中復興期間の延長と財政支援の継続について、今後とも、被災市町及び被災各県と連携して、復興庁や関係省庁に働きかけるとともに、平成二十七年度予算に向けて、ことしの夏に実施予定の政府要望におきましても、復興を推進していく上での最重要課題として国に対し強く求めてまいります。夏はもっと具体的に論拠を示しながら要望してまいりたいというふうに思います。 次に、臨時財政対策債の今後の動向と臨時財政対策債の存在に対する所見についての御質問にお答えをいたします。 平成二十六年度地方財政計画では、臨時財政対策債は五兆五千九百五十二億円が計上され、前年度からは六千百八十億円、率にして九・九%減少しております。これは税収増が見込まれることの反映であり、今後とも景気及び税収動向に左右されるものと考えております。 次に、臨時財政対策債の存在に対する所見についてでありますが、財源不足を補うための臨時的な赤字地方債であり、こうした地方債が長期にわたり、かつ膨大に発行され続けていることは望ましくないと認識をしております。加えて、臨時財政対策債の交付税措置が増加する分、地方交付税の総額が確実に増加するか、大いに懸念されるところであります。地方の財源不足については、臨時財政対策債によるのではなく、交付税の原資となる国税五税の法定率の引き上げなど、地方税財源の充実強化によって解消されるべきであり、引き続き、全国知事会など地方六団体と連携しながら国に対して強く働きかけてまいります。 次に、県債の新規発行及び残高の縮減への取り組みについての御質問にお答えをいたします。 我が県におきましては、これまで、毎年度の予算において投資的経費を抑制することにより、県債の新規発行の縮減に努めてまいりました。また、財源不足対策として活用する退職手当債や行政改革推進債については、極力発行を抑制するとともに、臨時財政対策債についても、可能な限り発行の一部縮減を行ってまいりました。その結果、臨時財政対策債を除くベースでは、一般会計決算における県債新規発行額はここ数年減少の傾向にあり、残高も平成十四年度をピークに年々減少しているところであります。しかしながら、臨時財政対策債を含めたベースでは、普通会計決算における県債残高は一貫して増加を続けている状況にあります。今般策定したみやぎ財政運営戦略においては、新たに客観的な達成指標としてプライマリーバランスの黒字安定を掲げたところであり、引き続き、県債発行の抑制と残高の縮減にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 次に、財政改革を含めた県政の改革案についての御質問にお答えをいたします。 私は、東日本大震災からの復旧・復興に当たり、単なる原形復旧ではないふるさと宮城の再生と更なる発展に向け、創造的な復興を実現したいとさまざまな場面で申し上げてまいりました。来年度からの再生期に当たり、これまでの発想にとらわれることなく、また、行政だけではない民間も含めた多様な主体とともに取り組みを進めていくことにより、震災がなければ実現することができなかったような事業にも取り組み、地域産業、地域経済の活力増進と県民の方々の暮らしの向上につなげてまいりたいと考えております。現在、新しい行政改革・行政運営プログラムの策定を進めておりますが、その中におきましても、財政改革とともにこういった考え方をしっかりと示し、県政の改革を着実に進めてまいります。 次に、大綱二点目、農業改革についての御質問にお答えをいたします。 初めに、我が県農業の将来を担う人材の確保と育成についてのお尋ねにお答えをいたします。 昨年度の新規就農者数は、前年比一・五倍の百七十二人で、自営就農六十五人、農業法人への就農百七人となっております。法人への就農者については、将来、農業法人の経営者となることや、法人から独立して経営を行うことにより、地域農業の担い手となることを期待しているものであります。来年度より青年等就農計画の認定業務は市町村において行われることとなりましたが、県としては市町村との連携を更に強化し、農業大学校における農業教育、青年就農給付金や奨学金の支給、農業改良普及センター等が行うみやぎ農業未来塾などの人材確保・育成対策を積極的に進めてまいります。 なお、担い手の中での女性農業者については、現在、農協役員の約五%を占め、農産加工や直売活動などの取り組みにおいても昨年度で四百件と東北で第二位となっており、我が県の農業振興に重要な役割を果たしているものと認識をしております。今後とも、地域の農業振興の活力源である女性農業者の活動支援も含め、将来を担う人材の確保育成対策に引き続きしっかりと取り組んでまいります。 次に、被災土地改良区に対する支援策についての御質問にお答えをいたします。 津波被害を受け営農再開できない農地については、一日も早く営農再開できるよう、県としても、農地・農業用施設の復旧を可能な限り前倒しで実施しているところであります。津波被害を受けた十二土地改良区の賦課金収入状況については、震災前と比較して、平成二十三年度五四%、平成二十四年度七六%、平成二十五年度見込みで九六%と、全体としては着実に回復傾向にあるものの、個別では低調な土地改良区も見受けられます。このことから、被災土地改良区への支援については、震災直後から国に支援策を要望し、土地改良事業償還金に係る利子助成のほか、運営資金借り入れに係る利子助成や機器類等の再整備費用への助成が平成二十三年度から制度化され、広く活用されているところであります。今後とも、被災土地改良区への訪問相談などにより状況把握に努めるとともに、主要な農業水利施設の集中管理システム導入による維持管理費の節減など運営基盤の強化に向け、国と連携し適時適切に支援をしてまいります。 次に、被災土地改良区への支援事業期間の延長についての御質問にお答えをいたします。 被災土地改良区の組織運営に大きな影響を及ぼす農地・農業用施設等の復旧事業については、国が定める集中復興期間である平成二十七年度での完了を目指しておりましたが、入札不調や他事業との計画・工程調整に伴う工事の遅延など、期間内での完了が困難なことから、その一部について、平成二十九年度完了見込みとなっております。一方で、被災土地改良区に係る土地改良事業償還金への利子助成や機器類等の再整備費用に対する助成などの支援事業について、制度の延長を政府要望してきたところ、来年度の政府予算案において、平成二十八年度まで三年延長されております。今後とも早期営農再開に向けた復旧に努めるとともに、災害復旧工事の進捗状況を踏まえて、更なる支援事業の期間延長について国へ働きかけてまいります。 次に、農地・水・環境保全対策の効果及び多面的機能支払いについての御質問にお答えをいたします。 平成十九年度から導入された農地・水・環境保全対策は、多様な主体の参画を得て、農地・農業用水等の資源を良好に保全する地域政策であり、現在四万五千ヘクタールの農地で取り組んでおります。これまでの取り組みにより、遊休農地の発生防止、農業用施設の機能維持、地域環境向上、農地利用集積の促進及び地域コミュニティーの強化など、農村地域の活性化に大きな効果があったと認識をしており、農業・農村の多面的機能の維持・発揮に有用な事業と評価をしております。来年度から始まります多面的機能支払いは、農業者等で構成される活動組織が行う地域資源の基礎的保全活動等を支援する農地維持支払いと、地域住民を含む活動組織が行う施設の軽微な補修や農村環境保全活動等を支援する資源向上支払いの二つの事業から構成されておりますが、県といたしましては、多面的機能支払いの実施により、農業・農村の多面的機能が今後とも適切に発揮されるとともに、担い手の育成など構造改革の後押しが積極的に行えるよう本事業を展開してまいります。 次に、多面的機能支払いの予算等についての御質問にお答えをいたします。 多面的機能支払いについては、事業実施の意向や事業量など全市町村を訪問し調査したところ、三十五の市町村のうち約九割が市町村から取り組みたいとの御意向を示され、取り組み予定面積については県内農振農用地の約六割となっております。この市町村意向調査の結果や国の予算の考え方などを考慮して、来年度の事業規模を七万ヘクタールと設定しており、県としては適正な面積と考えておりますが、今後具体の事業実施に向けた要望量調査を行い、事業面積を精査するなどし、取り組み予定面積と異なった場合は、市町村の意向を踏まえて対応してまいります。 次に、農地維持支払いの制度の熟度についての御質問にお答えをいたします。 農地維持支払いは新規事業ではありますが、現行の農地・水保全管理支払いの基礎的保全活動と同様の活動となっており、地域内の農業者が共同で取り組む地域活動の費用に対して活動組織に支払われる制度であります。具体的には、共同活動に必要な資材の購入費や活動の対価としての日当などに支払われるものとなっております。そのようなことから、農地・水保全管理支払いを実施している活動組織は、当事業を理解し円滑に移行できるものと考えておりますが、新たに取り組む地域に対しては、市町村を通じて説明会等の開催により十分な制度の理解を促進をしてまいります。 次に、基盤整備等と地域政策の優先順位についての御質問にお答えをいたします。 基盤整備等については、東日本大震災以降、みやぎの農業・農村復興計画に基づき、津波被災地域における早期の営農再開に向けた復旧・復興に重点を置きながら、津波被害がない地域においても、農業生産力の維持・拡大を図るため、必要な整備について計画的に事業を進めてきております。また、東日本大震災で沿岸部の排水機場における防災対策上の重要性が再認識されたことから、農業水利施設のストックマネジメントについても引き続き計画的に対策を推進していくこととしております。一方、地域政策については、農業生産基盤の整備と合わせて、農地維持支払いによるきめ細かな地域活動等の実施が農業を下支えするためにも重要と考えております。どちらも優先順位が高いことから、限られた予算を有効に活用し、今後とも並行して推進してまいります。 次に、大綱三点目、水産業の復興についての御質問にお答えをいたします。 初めに、漁港や漁船などの復旧状況と今後の見通しについてのお尋ねにお答えをいたします。 漁港の復旧については、各施設の着手の優先順位など関係者との協議は完了し、県管理漁港については二十七の漁港すべてで事業に着手しております。災害査定額に対する契約率は先月末現在で六七%、完成率は一八%となっております。また、漁業の再開に必要な漁船や養殖施設などについても、先月末現在で計画の約八〇%が復旧を終えております。一方、魚市場を初めとする流通加工関連施設については、昨年の水揚げ量は震災前の約七〇%までに回復したほか、冷凍冷蔵施設などの共同利用施設につきましても約七〇%が復旧し、再稼働しております。県としては、再生期の最終年度である平成二十九年度までに震災前の状況に復旧させることを目指し、早期復旧に向けた取り組みを一層促進することとしております。更に、水産業集積拠点の整備や漁業経営の安定化、水産物の販路回復などの取り組みを強化し、水産都市、漁港地域全体の活性化を図り、競争力と魅力のある我が県水産業の復興をなし遂げたいと考えております。 次に、福島第一原発の地下水放流について、国と東京電力が責任を持って国民の理解を得ることが重要だと思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。 国は、昨年九月、汚染水問題の根本的な解決に向けた基本方針の中で、汚染源に水を近づけない対策の一つとして、汚染する前の地下水をくみ上げ、海に放流する計画を示したところであります。国や東京電力では、放流に当たっては、従来の基準より厳しい基準に基づき、安全に行うとの意向を示しておりますが、水産業を重要な産業とする我が県にとっては、海洋放流の影響が大いに懸念されるところであります。実施に当たっては、放流する地下水の安全性が十分確保され、あわせて、国民の理解が得られることは極めて重要であると認識をしております。今後、県といたしましては、これらの課題に対する国及び東京電力の取り組みについて注意深く見守りながら、必要に応じ、働きかけをしてまいりたいと考えております。 次に、水産物の販売促進に向けた取り組みについての御質問にお答えをいたします。 御指摘のありましたとおり、水産物の販売促進を図る上で、風評を払拭し積極的にPR活動を行うことは極めて重要であると認識をしております。我が県では、県内外の消費地での販売イベントやフェア、生活情報誌への広告記事掲載、首都圏での交通広告などを積極的に行い、消費者に水産物を初めとした県産品のPR活動を行っているところでありますが、私自身も、県内外で開催されるイベントやレセプション等において、県産品のPRに努めてまいりました。今後も私自身が先頭に立ち、議員の皆様を初め、生産者団体や民間企業の皆様と連携を図りながら、官民一体となってしっかりとPRをしてまいりたいと考えておりますので、引き続き御協力を賜りますようお願いいたします。 次に、大綱四点目、震災からの復旧・復興を取り巻く課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、事故繰り越しや再予算化を含めた来年度への実質的な繰越額についてのお尋ねにお答えをいたします。 本日提案いたしました平成二十五年度二月補正予算第五号と先般議決いただきました経済対策に係る補正予算第四号を合わせて、繰越明許費は三千七百五十六億円であります。また、事故繰り越しにつきましては決算を経ないと額が確定いたしませんが、現時点では約六百二十億円程度と見込んでおります。更に、平成二十六年度のいわゆる再予算化につきましては約二百十五億円となっております。したがいまして、御質問の額につきましては約四千五百九十億円と見込んでおります。 次に、繰り越しの要因及び繰越額の縮小に向けた対策についての御質問にお答えをいたします。 公共施設の復旧・復興事業については、事業箇所、事業費ともに、かつて私たちが経験したことのない膨大な量となっているため、関係機関との事業調整や用地買収などに時間を要していること、職員のマンパワーが不足していることなどが繰り越しの大きな要因となっております。また、工事の本格化を迎え、建設資材や技術者の不足、実勢価格の高騰などに伴う入札不調も引き続き発生しており、さまざまな要因が重なっているものと認識をしております。平成二十六年度の予算執行に当たっては、事業調整業務、積算業務や工事監督業務を外部委託する発注者支援業務を積極的に活用していくとともに、用地買収についても用地交渉などの業務を外部委託する用地補償総合技術業務を活用し、事業執行体制を更に強化することにしております。入札不調対策については、発注ロットの更なる大型化や入札参加条件の拡大、設計労務単価の前倒し改定、復興係数による間接工事費の補正など、企業が応札しやすいさまざまな施工確保対策を重ねて講じてまいります。これらの対策を適切に講じるとともに、予算執行のスピードアップを図り、繰越額の縮小に努めてまいります。 一方、グループ補助金につきましては、土地のかさ上げや区画整理などの産業基盤の復旧がおくれていること、移転先用地の確保が困難なことなどが繰り越しの主な要因として挙げられております。県としては、事業者に対して定期的な状況確認を行うなど、進捗状況を適切に把握しながら事業進捗に応じた概算払いを行うことなどにより、繰越額の縮小に努めてまいります。 次に、工事発注時期と施工期間の平準化についての御質問にお答えをいたします。 復旧・復興事業については、一日も早い復興の実現に向け、迅速な工事執行を最優先に取り組んでおりますが、用地取得や関係機関との事業調整に時間を要していること、資材や人手が不足していることなどから、事業期間の見直しが必要な状況となっております。県といたしましては、市町が進める復興まちづくりや復旧・復興の進捗状況を踏まえ、集中復興期間の延長を国に要望するとともに、事業執行スケジュールの見直しを行うなど、引き続き事業の適切な進行管理に努めることとしております。このため、重点的に進捗を図る必要がある沿岸部の大規模工事や災害公営住宅工事において、切れ目のない執行を図るため、年度をまたいだ入札手続の実施や債務負担行為による施工期間の確保に取り組んでいるところであります。今後とも、入札不調や資材・人手不足などの状況を把握するとともに、建設業団体などと意見交換を行いながら、復旧・復興事業を確実に推進してまいります。 次に、県内企業の工事受注状況についての御質問にお答えをいたします。 県内企業の建設工事の受注割合と受注額については、一般競争入札で見ますと、震災前の平成二十二年度は三百九十六億円で、全体の八二%を占めておりました。災害復旧・復興工事が本格化した平成二十四年度は一千三十億円で六一%、更に、今年度の平成二十六年一月末では一千四百六億円で七四%となっております。このように県内企業の受注金額については、震災前と比較すると三・五倍となっており、受注割合についても、平成二十三年度以降、年々増加している状況にございます。 次に、地元建設業の受注機会についての御質問にお答えをいたします。 県が発注する工事については、県内企業に発注することを基本とし、当初入札において一般競争入札の参加条件を地域内や県内に所在する会社に限定して実施しております。また、総合評価落札方式の実施に当たっては、地域に密着した地域貢献活動や災害対応の実績を評価項目としており、WTO対象工事などの参加条件としている特定建設共同企業体の結成につきましても、技術力の高い地元建設業が参加可能となるよう配慮しているところであります。更に、県では、応札しやすい環境を整えるため、不足する生コンクリートの確保や主任技術者の専任要件の緩和などの施工確保対策を実施しているところであります。今後とも、資材や技術者などの確保を図りながら、地域経済の活性化や地元建設業の育成の観点に立って受注機会の確保に取り組んでまいります。 次に、地元建設業の育成についての御質問にお答えをいたします。 地元建設業の方々には、東日本大震災の発災直後から、道路や港湾の啓開に献身的に従事していただき、また、被災した公共土木施設などの応急復旧にも迅速に対応していただいたことは、今も私の記憶に鮮明に残っており、地元建設業の役割の重要性を深く認識したところであります。県ではこれまでも、地元に密着し技術力を有する健全な建設企業を支援育成するため、受注機会を確保するとともに、法令遵守の徹底により不良不適格業者の排除に努めてきたほか、社会保険などの未加入者対策を推進してきたところであります。更に、今後は復興需要後を見据えた新たな建設産業の振興策を検討するため、地域のインフラ・メンテナンスや災害への的確な対応をテーマとして、地元建設業団体と意見交換を行うなど、引き続き、地元建設業の経営基盤強化や技術力向上に取り組んでまいります。 次に、指定廃棄物最終処分場の設置について、国には丁寧な説明を行うよう求めるべきとの御質問にお答えをいたします。 指定廃棄物の処理につきましては、ことし一月に開催された市町村長会議において、詳細調査を行う候補地が三カ所提示されたところでありますが、住民からは、安全性への疑問や風評被害への不安などの声が寄せられております。指定廃棄物の処理は、宮城県として喫緊の課題であり、できるだけ速やかに進めていくことが必要でありますが、地域の理解を得ながら進めていくことが大切でありますので、候補地となった地域が抱えている問題点、疑問点や不安の解消に向けて、国としても丁寧な説明に努めるよう、県としても必要な調整を図ってまいります。 次に、県は風評被害対策の実施と地域振興策の提案等に努力すべきとの御質問にお答えをいたします。 このことにつきましては、国の姿勢として関係省庁と連携して政府全体でしっかりと対応すると、ことし一月の市町村長会議において表明しているところであります。今後、地域振興策の具体的な事業規模や事業内容については、最終候補地となる自治体と相談しながら、国において詰めていくこととしているところであります。更に、風評被害対策につきましても、まずは未然防止に万全を尽くし、その上で風評被害が生じた場合は、国として責任を持って対策を講じることとしております。県としても、国が地元の意見を十分に酌み取り、それぞれのニーズに沿った対策をしっかりと講じることができるよう働きかけてまいります。 次に、八千ベクレル以下の汚染廃棄物の処理について、課題を抱える市町村への県の支援についての御質問にお答えをいたします。 放射性物質に汚染された牧草等の処理については、昨年二月、放射性物質汚染廃棄物等の処理促進に向けた取り組み方針を県として策定し、家庭ごみとの混焼による処理について、県内市町村等を個別に訪問しながら働きかけてまいりました。しかしながら、既設の焼却施設の処理能力などの問題から処理開始には至っておりません。このため、昨年十二月、市町村等の状況に応じた処理ができるよう、仮設焼却炉の設置や混焼以外の焼却方法など、地域が選択できる複数の処理方法について説明するとともに、国の補助事業の活用に向けた助言等を行ってまいりました。今後、各市町村等が抱える地域事情が異なることから、処理方法に関する技術的助言や国との調整など個別の相談に応じながら、地域に合った処理が進むよう支援に努めてまいります。 次に、消防団員の安全確保や待遇改善についての御質問にお答えをいたします。 東日本大震災において多くの消防団員のとうとい命が失われたことは、痛恨のきわみであり、二度と繰り返してはならないことであると考えております。県としては、震災を踏まえ、新たな津波災害時における退避ルール等を定めた津波災害時の消防団活動・安全管理マニュアル策定について沿岸市町に対し助言を行い、本年度末までに十一の市町で策定される見通しとなっております。また、消防学校における消防団員教育訓練について、カリキュラムを見直し、津波災害時における安全確保対策を盛り込んだところであります。更に今回の震災において、ライフジャケットやトランシーバーなどの装備が消防団員の安全確保のために必要不可欠であると認識されたことから、県として積極的に助言を行い、市町村における整備の推進を図っております。 なお、待遇改善につきましては、震災以降、沿岸五つの市町において出勤手当等が増額されております。今後とも、消防団員の安全確保や待遇改善について、市町村に対し積極的に働きかけてまいります。 次に、消防団組織に対する県の位置づけについての御質問にお答えをいたします。 消防団は、地域に密着し、災害が発生した場合に即時に対応できる機関であり、地域防災力の中核として欠くことのできない存在であると認識をしております。したがいまして、引き続き、市町村と連携協力し、消防団組織の充実強化に取り組んでまいります。 次に、消防団による相互応援の体制づくりについての御質問にお答えをいたします。 我が県においては、既に、隣接する市町村相互における応援協定について、おおむね締結されている状況にあります。しかしながら、東日本大震災のような大規模災害においては、更に広域的な連携協力が有効であると考えられますことから、今年度、県内全市町村の相互応援協定の策定について、市町村に対しアンケートを行った結果、ほとんどの市町村から賛意を得られたところであります。このため、来年度におきましては、協定の策定に向けて更に取り組みを進めてまいります。 次に、消防団員の確保や活性化についての御質問にお答えをいたします。 消防団員数は全国的な減少傾向にあり、我が県においては、加えて、震災の影響もあり、五年間で千百四十四名、約五%減少しており、消防団員の確保が重要な課題となっております。このため、県といたしましては、消防団協力事業所表示制度、消防団協力優良事業所知事表彰制度、県の入札参加登録資格審査加点評価制度など、従来からの消防団員確保策について、更なる充実強化を図りつつ、引き続き取り組んでまいります。また、来年度からの新たな取り組みとして、機能別団員・分団制度の導入、大学生等の消防団加入に向けた大学等との協力のあり方、地方公務員の消防団加入のあり方などについて、希望する市町村とともに、他県の先進事例の調査検討を行い、その成果を全市町村と共有し、市町村における消防団員確保策の強化につなげる取り組みを行ってまいります。 以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 三十四番池田憲彦君。 ◆三十四番(池田憲彦君) 御答弁ありがとうございました。 一つは、消防団なんですけれども、消防団というと我々は身近な存在でありますから、そしてまた一番頼りになる、いざというときに頼りになる方々なんで、これは大変大事な私は問題だというふうに思っています。だんだん減ってきてるということは、我々を助けていただく方々がいなくなってくるということでありますので、私は、県としては慎重にこれは大事な問題として取り上げていただきたいというふうに思っています。特に今回は、三・一一から、多くの方々が全国からこの被災地に消防団が見えられて視察を行っております。女川、気仙沼、石巻、東松島、南三陸と沿岸部どのような活動を行ったのかというふうに見られておりまして、その中で、先ほど言いました大分県の消防団相互応援協定というのも、そういうところからやはり地域の消防団だけでは足りないんだと、今、そして減ってきてると。であれば沿岸部で被災されたときは、内陸部の消防団が一気に助けに来ると、応援に来てくれるということがきちっとできておれば、今回のようなこともなかったのではないかなというふうに思います。ですから、これが、まず、首長さんの電話一本って先ほど私は言いましたけれども、首長さんはもうパニックになっていると思います。行政もパニックになって行政も停滞した町もありますので、こういう場合は、市長さんは、じゃ、どこどこの消防団、どこどこの消防団というのはもう考えられる状況じゃないと思うので、これは県が中心になってまとめていただいて、各被災地の首長さんが県にお願いすると、そうした場合は県の方では、では、近隣のどこどこの消防団、どこどこの消防団出動してくださいと、そういう方が一番わかりやすく早いんじゃないかなと思いますけども、そういう考え方はどうでしょうか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 先ほど答弁いたしましたとおり、既にそれぞれ消防団で相互応援協定が結ばれている状況にございます。議員の御指摘もっともでございますので、更に一歩踏み込んで連携を密にできるようにしていくというのは重要だと思います。ただ、協定を結んで一体どこに行けばいいのかわからないという状態ではだめですので、心手期せずして、何かあったときにはすぐに駆けつけれるようにしていくということは重要だというふうに思っております。主体はやはり市町村でございますので、市町村の意見を聞きながら、県としてもできるだけのサポートさせていただきたいというふうに思っております。非常に重要な御指摘だと認識をしております。 ○議長(安藤俊威君) 三十四番池田憲彦君。 ◆三十四番(池田憲彦君) ありがとうございました。 それからもう一つ、改革なんですけども、ぜひ、村井知事独自のカラーというものを出して、財政改革、これからの借金をなくすというようなことでばんとアドバルーンを上げてみたらどうかなというふうに思うんですが、最後にこれだけを聞いて終わりたいと思います。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 派手な改革をやって県がめちゃくちゃになってしまってはいけませんので、当然しっかりと方向を決めて、そしてこれだけの大きな借金を抱えているわけですから、やはり一定の時間をかけて、少しずつやっていかなければいけないと思ってます。先ほど言ったように、宮城県はこのような状況でありますが、プライマリーバランスは、元利ベースも元金ベースもプラスになってきているということで、少しずつ、臨時財政対策債を除きますと借金を減らしながらこれだけ膨大な事業をやっているということであります。もちろんこれは国の支援があってのことでありますので、自分たちの努力だけではないということは十分自覚しながら取り組んでおります。 私の基本的な考え方は、民間に極力、民間の力、NPOも含めて、国の力もかりて、県以外の力をうまく使って、できるだけ小さな行政体をつくっていくということであります。その一環で、今まで各種取り組みをやってまいりました。羽生結弦さん、スケートリンクができて、そのおかげでメダルとれたということでありまして、あれも県立でつくれ、市立でつくれという話ありましたが、やはりこれは民間でお願いできるものはお願いすべきだということで、民間事業者を探してきて、イニシャルコストだけは県と仙台市が五千万円ずつ出してスタートしたということで、それがこのような結果になりました。通年通じて練習できるスケート場が宮城県には一カ所だけですけども残ったということでありました。このような形でなるべく県の出費を少なくして、最小限のコストで最大限の成果を上げられるような県政を目指していこうというふうに思ってます。今、一生懸命その方向で戦略も立てて頑張っておりますので、議員の皆様の更なる御支援、御指導というものを賜りたいというふうに思ってます。頑張りたいと思います。 ○議長(安藤俊威君) 暫時休憩いたします。    午前十一時二十九分休憩-----------------------------------    午後一時再開 ○議長(安藤俊威君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。四十二番藤原のりすけ君。    〔四十二番 藤原のりすけ君登壇〕 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 政治はその字のとおり、下を上が支えて矛をおさめることであり、二千六百年前に書かれた中国最古の古典である書経にも「政は民を養うにあり」とありますので、長者の蔵だけが大きくなるのではなく、普通の人々の民のかまどから煙の立つ政治にしたいものです。 日本銀行は、二〇一三年四月四日の金融政策決定会合において、次元の異なる量的質的金融緩和政策の導入を決定しました。それは、消費者物価の前年比上昇率二%の実現、マネタリーベースの年間六十から七十兆円の増加、長期国債の日銀保有残高の年間五十兆円の増加、長期国債の買い入れの平均残存期間を七年程度に延長するというものでした。アベノミクスのこの第一の矢に続いて、第二の矢の財政政策、第三の矢の成長戦略と続きますが、一時的なものと位置づけられる第一と第二の矢に比べ、経済を再生し、持続的な経済成長の実現を目指す成長戦略の評価はいま一つのようです。金融緩和と期待感の好転ですべてうまくいくという考え方は、株価の一本調子の上昇の終えんや長期金利の上昇で大きく揺らいでいます。実際、株価が上昇しただけで、実体経済は改善しておらず、賃金は上がらず、設備投資もふえず、貿易赤字は拡大を続け、中小企業は、円安によるコストアップで苦しい経営を余儀なくされているのが現実ではないでしょうか。結局のところ、期待が変われば実体経済が変わるというのは誤りであり、経済の構造を変えなければ、日本経済の再生を実現することはできず、そのためには地道な改革こそ必要であり、そのポイントは既得権益への切り込みであると考えられます。 アベノミクスの評価はさまざまですが、私は、以上のような野口悠紀雄一橋大学名誉教授の見方に共感を覚えますが、知事のアベノミクスの評価をお聞かせください。 国立社会保障・人口問題研究所による将来推計人口によれば、二〇三〇年の総人口は二〇一三年より約一千万人減少して一億千七百万人となり、二〇五〇年には九千七百万人となります。総人口の減少はこれからの十年間で四百七十万人弱ですが、生産年齢人口は七百八十万人も減ります。今後生産年齢人口は一貫して減り続ける一方、六十五歳以上の老年人口は二〇四〇年まで増加を続けます。その結果、十五歳から六十四歳の生産年齢人口に対する、十四歳以下と六十五歳以上の割合を示す依存率は、二〇一〇年の〇・五七が二〇三〇年には〇・七二、二〇五〇年には〇・九四と悪化することが予想されています。地方自治体の歳入と歳出は人口動態に連動する要素が多く、歳入は、地方債による借り入れを除くと、地方税と地方交付税、国庫支出金がメーンになり、歳出の教育費は年少人口に、商工費の多くは生産年齢人口に、介護は高齢者人口に、福祉は全人口に連動します。しかし、歳出には、道路や堤防、下水道など、人口とは無関係な費用もたくさんありますので、その分は固定費となって、歳出は下方硬直的な性格を持つことになりますので、人口減少社会では、歳入が急速に縮小する一方、歳出は人口減少の割には減少しないので、財政は非常に苦しくなると考えられます。 これまでのように既存事業の予算を維持した上で、新規事業を行うことは難しくなりますので、優先順位、劣後順位をより明確にした事業の厳しい取捨選択が求められると考えられますが、以上の認識とその対応策についてお聞きかせください。 自治体には、これまで歳入と歳出をどうバランスさせるかという財政という発想はありましたが、お金を効率的に管理し、バランスシート全体の目配りをするという、財務マネジメントの発想がなかったと言われます。お金にも期間や金利の違いがあるので、画一的に管理するのではなく、きめ細かく管理していくことで、資金調達のコストを下げたり、巨額な支払い利息を少なくすることができます。そういう意味ではさまざまな年限の地方債を組み合わせて、なるべく低利で長期に借りれるようにすべきであり、また、金融市場を熟知し、実際に金融リスクをマネジメントできる人材、組織が必要だと考えますが、いかがでしょうか。 普通会計、公営企業会計、地方独立行政法人、県の出資率が五〇%以上の第三セクター等を対象にした宮城県の連結ベースで見た平成二十三年度の決算規模は約一兆九千二百億円であり、企業の売上高と比較した場合、東京ガス、富士重工、リコーなどと同じになります。人口減少時代を迎えた現在、これまで以上のむだのない効率的な自治体経営を実現しなければ、これだけ大規模な事業体を健全に保っていくことはできないと考えられます。民意を反映した効率的な自治体経営の実現について、私はこれまでたびたび質問をしてきました。宮城県が二五%以上出資している公社等外郭団体の累積債務の減少や貸付金の返済は進んでいるのでしょうか。県有地の適正な処分はなされているのでしょうか。 国が国庫負担金や補助金を交付するに当たって、法令どおりの額を交付しないために地方自治体が余分な財政負担を強いられる、超過負担の解消は進んでいるのでしょうか。 知事を本部長とする対策本部、連絡会議、推進委員会は、平成二十一年当時三十三あり、その三分の一の七機関が一年間に一度も開催されていませんでしたが、その見直しはされたのでしょうか。 宮城県の知事決裁の場合、担当は、班長、課長補佐、課長、次長、部長、副知事、知事の八段階にもなる場合がありましたが、改善されたのでしょうか、お答えください。 先日の宮城県土木部発足八十周年記念フォーラムはなかなか充実した内容でした。村井知事が最優先で取り組むという、生活再建の柱となる災害公営住宅の整備状況について、多くの課題があることが浮き彫りにされました。自力では住宅を確保しにくい多くの高齢者世帯が災害公営住宅の入居を希望されており、地域コミュニティーの維持、再生などの少子高齢化への対応としては、高齢者生活支援施設などの合築や併設とシルバーハウジングなどによる高齢者見守りを目指していること。他地域への人口流出などによる人口減少については、定住促進に向けた産業、雇用、医療、福祉、教育などの総合的なまちづくりを目指しているとのことでした。要望の多い県営住宅を建設する場合、既成市街地ではなく、新たに造成された新たなまちで建設しなければならず、上下水道を初めとしたインフラの整備とあわせ、学校、病院、日常の買い物などの生活全般を見据えたまちづくりが必要とされますし、市町村が行う場合でも、作成したまちづくり計画が復興庁で認められてから初めて交付金の対象になるので、時間がかかります。一月末現在で一万五千六百八戸の目標に対し、設計、造成に着手しているのが九千七百十九戸、建設工事に着手しているのが四千百十八戸とのことであり、入居できるまで集合住宅で二年半、戸建て住宅で一年半かかるようです。現在抱えている課題として、一、地価の上昇からくる建設用地の確保、二、マンパワー等の不足、三、適正戸数の把握などがあるようです。それぞれ公募買い取り制度の活用や都市再生機構や県による支援、聞き取り調査やアンケート調査などで対応されているようです。心配されていた資材不足については、生コンの仮設プラントがこの四月から石巻市と気仙沼市で稼働するなど、解消されつつあるようですが、建設業界の人手不足は深刻なものがあり、入札の不調が続く中で、宮城県は千三百八十億円の減額補正を余儀なくされ、災害公営住宅整備支援の事業費も百二十億円減額されました。震災前から人口、世帯数が減少しており、震災後、減少が加速している地域における災害住宅の適正戸数の把握が最大の課題のようです。 以上の点についての見解と今後の具体的な対応策についてお聞かせください。 東日本大震災から三年目を迎え、被災者は長引く避難生活の中で、生活不活発病や要介護認定者が急増している中で、多くの被災者にとって、医療費の一部負担金と介護保険利用料を免除する措置が命綱であり、県議会も昨年七月八日に、被災者の医療・介護の負担免除を求める請願書を満場一致で採択しています。知事初め執行部が政府に働きかけた結果、被災自治体への医療費の財政支援を強化するとの方針が示されました。このたび、あすと長町仮設住宅自治会長を初め、九自治会長から、後期高齢者や介護保険への適用などへの財源確保と、実施市町村で格差を生むことなく、全県で免除再開ができるよう、宮城県が積極的に市町村の調整と財政支援へ乗り出してほしいとの要望書が議会に出されています。格差が生じる場合の県の調整交付金の活用による財政調整、市町村による介護保険における利用料の減免措置を行った場合の財政負担、後期高齢者医療制度及び介護保険について、減免措置に係る財政支援について、引き続き国に要望すべきだと考えますが、知事の決意をお聞かせください。 災害発災時に県民を災害から守る活動拠点及び物資輸送中継拠点、そして市町村の防災活動の円滑な実施を強力に支援するための拠点としての宮城県広域防災拠点構想が、事業規模約三百億円で平成二十六年度基本設計、平成二十七年度用地買収、ターミナル駅移転、平成三十一年度工事着手、平成三十二年度供用開始の予定で進められています。現在、県内拠点施設や市町村との連携及び情報共有のあり方や運動場一体の具体的土地利用について検討が進められています。防災センターなど、屋内施設の必要性や宮城野原公園総合運動場や宮城球場など既存施設の活用についてはいかがお考えでしょうか。 また、事業リスクとして、仙台貨物ターミナル駅の移転先の用地買収が難航し、移転できないケースもあり得ますが、大丈夫でしょうか、お答えください。 数年前から地域医療崩壊が叫ばれています。その原因は、医師の絶対的な不足と医師の地域偏在及び診療科偏在であると言われています。医学部新設については、宮城県医師会及び全国医学部長会議などから強く反対する旨の要望書が出されていました。その理由として、一、医学部新設に伴う教官を務める勤務医の引き抜きによる被災地の地域医療の崩壊、二、被災地の医師数は既に解消している、三、医学部の入学定員の増加により、医師不足は解消できる、四、医学部新設は、医師の粗製乱造につながり、医療レベルを低下させることなどが挙げられていました。県執行部は、これに対して、一、医師の引き抜きなどで地域医療に支障を来さないよう広く公募を行うことが国の基本方針にも挙げられていること、二、現在の医学部定員増は平成三十一年度までの暫定措置であり、医師不足が甚だしい東北ブロック、特に被災地における医師の定着が保障されるものではないこと、三、医学部新設により、総合医療や在宅医療など、震災後の東北地方の地域医療ニーズに貢献できる医師を育成するよう支援するとしています。確かに人口は今後減少しますが、病気が多くなる高齢者は増加し、医療の需要はふえますし、多くの医師が過重労働を強いられていることや、患者だけではなく、医師の高齢化が進むことも考慮されるべきであると考えます。日本医師会が二十一世紀の高齢者医療として指摘しているように、今後、治療から介護へ、病院から在宅中心の医療に、量より質を考えた医療に、そして予防に重点を置いた保健医療計画が必要とされるなど、ニーズが大きく変化することが予想されます。 東北大学以外のいわゆる旧帝大は、同じ都道府県内に地域医療の人材育成の担う第二の医学部があることや、医学部の東西の偏在を解消するとともに、新しい医学部を設置することにより、新しい医療ニーズに対応できる医師の養成が可能になると考えますが、知事の所感をお聞かせください。 文部科学省は、平成二十五年十一月二十九日、東北地方における医学部設置認可に関する基本方針を示しました。その内容は、医学部については、昭和五十七年及び平成九年の閣議決定に基づき、約四十年間新設を抑制してきたが、震災からの復興、東北地方の医師不足、原子力事故からの再生といった要請を踏まえ、特例として、東北地方において一校に限り医学部新設を可能とし、最短で平成二十七年四月からの開学が可能となるよう手続の進め方についても基本的な考え方を示しました。その中で必要な条件整備として、一、震災後の東北地方の医療ニーズに応じた教育、二、医師などの引き抜きなどで地域医療に支障を来さないこと、三、卒業生が東北地方に残り、地域の医師不足の解消に寄与する方策を講じること、四、将来の医師需要等に対応して定員を調整する仕組みを講じることというものでした。現在、仙台厚生病院と東北薬科大学が申請に向けた準備を進めており、今後のスケジュールとしては、ことし五月、新設構想を締め切り、六月、一校の構想採択、八月に文部科学省に申請し、審議会の審査を経て、十月に文部科学大臣が認可し、早ければ来年四月の開学に至る手はずになっていますが、現時点での懸念材料があればお聞かせください。 また、絞り込みの過程で、国から知事としての意見を聞かれることになりますが、その判断材料についてもお聞かせください。 仙台空港民営化については、ことしの四月に国が仙台空港特定運営事業の実施方針を公表する予定になっています。その後、一年程度をかけ運営者公募手続を行い、平成二十七年度中に運営権を設定し、同年度末までに国による運営委託及び仙台空港株式会社及び仙台エアカーゴターミナル株式会社の譲渡を完了し、新たな運営権者による運営が開始される予定になっています。考えられる経営形態としては、滑走路、旅客・貨物ビル、駐車場などの空港関連事業を行う特定目的会社を設立し、そこが経営することになり、運営権が設定される期間は三十年間で、希望により更に三十年以内の延長オプションが認められることになっています。仙台空港民営化によって、機動的かつ柔軟な空港運営が実現し、観光、ビジネス、物流などの産業誘致を進める中で、観光客の潜在的な需要を掘り起こし、東北の観光振興と仙台空港旅客数の拡大という相乗効果の創出が期待されます。委託先の公募のポイントとして、旧来の考え方にとらわれない、魅力ある空港運営が行われるためには、行政の天下り先にならない純粋な民間事業者が望まれると考えますが、いかがでしょうか。 また、国では、環境対策が適切に実施されることを要求水準として定めることにしているようですが、騒音などの環境対策は大丈夫でしょうか。民営化によって新たな就航が期待される格安航空会社は、新規旅客需要を開発し、利用客が航空運賃で節約した予算を買い物に回すなどの経済効果が期待できます。国では、今後新規路線の開設時には、着陸料を減免する取り組みを行うようですが、格安航空会社に選ばれる空港の条件としてはどんなものが考えられるのでしょうか、お答えください。 教育委員会は、一九四八年に、教育が政治に左右された戦前への反省から、政治権力が直接関与できないようにつくられました。しかしながら、教育委員会の運営については、教育委員会の会議がマンネリ化しているなど、一般市民が行政官で構成されている事務局を指揮監督するというレイマンコントロールの趣旨が形骸化しているのではないか、地域住民との意思疎通が必ずしも十分ではなく、その多様なニーズへの対応が画一的、硬直的ではないかといった意見や批判がありました。 そうした中で、教育委員会制度改革を議論していた中央教育審議会は、自治体の教育行政の最終的な意思決定権を持つ執行機関を教育委員から首長に移すことを求めるとともに、一部委員の反対意見にも配慮して、現行どおり教育委員会を執行機関とする案もあわせて示されました。政府・与党は、最近になって、教育委員長と教育長のポストを統合して常勤の代表教育委員(仮称)を設ける方針を固めたようです。それは、教育行政の最終決定権は教育委員会に残すが、代表教育委員の任免権は首長が持つとともに、首長や代表教育委員に加わる協議会を新設し、教育方針を定める大綱などを策定する仕組みのようです。 教育委員会制度改革についての知事及び教育委員長のお考えをお聞かせください。 公安委員会は、知事所轄下の行政委員会として、中立性を保ちつつ、国民の視点に立った国民のための警察活動が行われるよう、第三者的立場から警察を管理する機関であると認識しています。平成二十四年版犯罪白書によれば、窃盗犯を除く犯罪の認知件数は平成十二年から急増し、十六年に五十八万千四百六十三件と戦後最大を記録した後、十七年から減少しており、二十三年は三十四万七千九百七十一件、前年比六・六%の減となっています。検挙件数・人員は、平成十五年以降ほぼ横ばいでしたが、十九年から五年連続で減少し、二十三年は、検挙件数十五万六千九百四十九件、前年比七・六%の減、検挙人員は十三万七千四百三十七人の前年比七・〇%の減となっています。検挙率についても、かつて九〇%前後で推移していたものが、平成十二年から急激に低下し続け、十六年に三七・八%と戦後最低を記録した後、上昇しましたが、二十三年は前年から〇・五ポイント低下し、四五・一%でした。一方、宮城県の刑法犯の認知件数は、平成十三年をピークとし、平成十四年以降十二年連続で減少しており、その約七〇%は窃盗犯ですが、オレオレ詐欺などの特殊詐欺が大幅にふえています。殺人、放火、強制わいせつなどの重要犯罪の発生状況については二百二十件であり、前年と比較し減少しているようですが、世間を騒がせた関心の高い殺人事件で未解決のものもあり、その後どうなっているんだろうなどの声も聞かれます。検挙率の低下の原因については、巷間いろいろな意見が聞かれますが、以下の点についての県公安委員長並びに県警本部長の所感をお聞かせください。 一、検挙率が急減した理由の一つに、警察庁の方針転換により、認知処理すべき事件の増加がある。二、犯罪件数の増加に比べ、警察官の数はふえておらず、警察官不足が常態化する中で、民事不介入を口実に敬遠していた金銭や人間関係のトラブルにも対応しなければならなくなったため、警察官の物理的、精神的な負担が増している。三、昔は職人と呼べるような刑事がいて地道な足取り捜査などを通じて、勘のさえを見せたが、現在は科学捜査が主流となり、物証を優先することなどが影響しているのではないか。四、地域共同体が変化し、隣人はもちろん、地域の人間関係が希薄になり、聞き込み捜査を困難にしている。実際不審な人物の目撃情報が減っていると言います。五、ひったくりとか見知らぬ人を衝動的に襲うなど、動機の不明な犯罪がふえている。六、日本人コミュニティーの外にいる外国人の犯罪者が多くなり、捕まえにくいという面もあるのではないか。七、わからなきゃいい、見つからなきゃいい、捕まらなきゃいいというような感覚で、罪を犯すことに対する罪悪感が今と昔とは違ってきているのではないか。八、取り扱う事件も、ストーカー、ヤミ金融業者の取り立て、夫婦間のトラブルやネットワーク犯罪など、取り扱いが困難なものがふえている。九、窃盗犯など一人が多くの犯罪を犯していても、司法は確実に罪を問えるもので争おうとするので、実際は犯人が捕まっていても、統計上は未解決という、いわゆる司法の効率化からくる問題もあるのではないか。 以上でもって、壇上からの質問を終わらせていただきます。 御清聴まことにありがとうございました。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 藤原のりすけ議員の代表質問にお答えをいたします。大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、私の政治姿勢についての御質問にお答えをいたします。 安倍政権の経済政策では、長期にわたるデフレと景気低迷からの脱却を最優先課題とし、内閣発足直後から、大胆な金融政策と機動的な財政政策を実行し、実質国内総生産が四・四半期連続でプラス成長するなど、着実に成果を上げているものと認識をしております。また、日本経済が景気回復を越えて、その後も長期的に安定した成長を実現していくためには、内外の潜在需要を顕在化させつつ民間投資を喚起する成長戦略が必要との認識のもと、昨年六月に日本再興戦略が策定され、我が国経済の再興を目指した規制緩和の施策を含む取り組みが進められてきました。こうした中で、政府では、平成二十五年度補正予算や新年度予算に基づく施策を通じ、日本再興戦略の実行を加速、強化していくこととしており、このような国の政策が今後しっかりと展開されることで、我が国の経済が中長期にわたる低迷の状態から脱却し、民間投資と所得の増大による自立的、持続的な経済成長を実現し、国民の雇用所得の拡大につながるものと期待をしております。 次に、大綱二点目、少子高齢化時代の自治体経営についての御質問にお答えをいたします。 初めに、優先順位をより明確化した事業選択についての認識と対応策についてのお尋ねにお答えをいたします。 少子高齢化及び人口減少が大きな社会的課題となっている状況にあって、県政推進の基盤となる財政運営の持続性の確保も重要な課題となっていくものと認識をしております。このため、今般策定いたしましたみやぎ財政運営戦略に基づき、歳入確保策として、県内産業の集積促進などを通じた強固な経済基盤の確立と富の循環による経済発展により、県税収入の増加確保を目指すとともに、歳出抑制策としては、徹底的な経費節減のほか、事業の終期設定や予算要求時のシーリング設定等により、事業のスクラップ・アンド・ビルドを徹底してまいります。 なお、事業の優先順位の判断につきましては、宮城の将来ビジョン推進本部会議及び政策・財政会議等におきまして、経済社会の状況変化を踏まえつつ、予算編成方針や将来ビジョン・震災復興実施計画等について組織横断的に検討を実施し、的確かつめり張りのきいた予算編成を行ってまいります。 次に、県債を低利で長期で借り入れるための取り組みと金融リスクマネジメントについての御質問にお答えをいたします。 公債費負担の軽減のため、金利など、県債調達のコストを少しでも下げる視点は大変重要であると認識をしております。民間等資金のうち、共同発行型市場公募債につきましては、発行規模のメリットを生かし、十年満期一括償還で低金利かつ安定的に調達することとし、単独発行型市場公募債につきましては、利払いの軽減を図る観点から五年満期一括償還を基本としつつ、昨今の低金利を踏まえ、一部を十年満期一括償還で発行しているところであります。このほか、銀行等引受債につきましては、銀行等から金利などの融資条件を提案いただき、最も有利な相手先から借り入れをする、いわゆる入札方式も実施しております。このように調達の手法や年限を多様化させつつ、できるだけ有利な条件による借り入れに努めているところであります。 なお、日々変動する金融市場を熟知することは重要と認識しており、担当課において、銀行や証券会社からの情報収集に努めておりますが、より実効性のある手法や体制については、必要に応じて検討してまいります。 次に、公社等外郭団体の累積債務の減少や貸付金の返済についての御質問にお答えをいたします。 県が二五%以上出資している公社等外郭団体の累積債務は、平成二十四年度末時点で約一千二百三十八億円となっており、第Ⅱ期宮城県公社等外郭団体改革計画の初年度である平成十八年度末の約九百七十億円に比べ約二百六十八億円の増となっております。これは東日本大震災で被災した中小企業者等の施設や設備の復旧整備を支援する無利子貸し付けを行うため、県が公益財団法人みやぎ産業振興機構に約六百三十億円を貸し付けたことが主な要因となっているものであり、この額を差し引きますと、債務残高は約六百八億円となり、平成十八年度末に比べ約三百六十二億円の減となります。また、県の貸付金の返済につきましては、約定に基づき、順調に行われております。今後も引き続き、累積債務の減少を初め、公社等の運営の健全化を推進してまいります。 次に、遊休県有地の適正な処分についての御質問にお答えをいたします。 遊休県有地については、平成十一年度から処分対象財産として公表し、一般競争入札等による処分に努めており、これまでに廃道、廃川敷を含め、四百八十件、約三百三十億円の売却収入を確保しております。県財政の健全化と遊休地の有効活用を図るため、今後とも適正な処分を推進してまいります。 次に、超過負担の解消についての御質問にお答えをいたします。 国の補助の中には、補助率を定めている場合でも、予算の範囲内で交付することとされていることから、年度によって県が実質的に超過負担をしている事業もありますが、その事業数や額についての把握はしていないところであります。一方で、毎年度恒常的に超過負担を強いられている事業は、原因が不明で治療方法が確定していない、いわゆる難病患者の医療費負担を軽減する特定疾患治療研究事業と、障害のある幼児、児童生徒が特別支援学校などで学ぶ際に保護者の負担を軽減する特別支援教育就学奨励金補助事業の二つがあります。このうち、特定疾患治療研究事業については、国において、今年度分の国費の積み増しにより軽減を図り、更に、来年度には、超過負担の解消を実現することとしております。県としては、これら二つの事業を初め、いわゆる超過負担の解消に向けて引き続き国に強く求めてまいります。 次に、私を本部長とする対策本部等の見直しについての御質問にお答えをいたします。 私を本部長とする対策本部等の庁内横断的組織につきましては、目的が達成された場合や設置の必要性が失われた場合には、廃止を含めて、適時必要な見直しを行っております。御指摘がありました平成二十一年度との比較では、岩手・宮城内陸地震災害復旧対策本部や仙台・宮城デスティネーションキャンペーン宮城県実施推進本部等四組織を廃止し、また、情報セキュリティ対策推進本部を高度情報化戦略推進本部に統合しております。その一方で、再生可能エネルギー推進本部や観光王国みやぎ推進本部等を新たに設置し、行政課題に横断的に対応できる体制を整備しております。今後も、適時、必要な見直しを行ってまいります。 次に、知事決裁の改善についての御質問にお答えをいたします。 我が県では、これまでも、効率的な行政運営を確保する観点から、事務委任規則や事務決裁規程を定め、知事の権限に属する事務の多くを部長や課長、事務所長などが意思決定できるように取り組んでまいりました。近年においても、その拡大を進めているところであり、例えば昨年九月には、部長や土木事務所長などが実施できる工事の権限を三億円未満から五億円未満に引き上げ、復旧・復興工事の迅速化を図っております。今後とも、事務事業の円滑な推進の観点から、適切な権限配分に留意しつつ、可能な限り現場に権限を移譲してまいります。 次に、大綱三点目、創造的復興についての御質問にお答えをいたします。 初めに、災害公営住宅の整備状況についてのお尋ねにお答えをいたします。 災害公営住宅につきましては、少子高齢社会や人口減少への対応を踏まえながら、自力で住宅を確保することが困難な方々が一日でも早く落ちついた環境のもと、安心して生活ができるよう整備に取り組んでおります。建設用地については、民間事業者を活用した土地建物一体の公募買い取り・借り上げ方式により確保を進めるとともに、面整備地区など造成工事が必要となる地区では、早期に災害公営住宅の建築工事に着手できるよう、工程の調整を図りながら、用地の確保に努めてきたところであります。建設現場での人手不足に対しては、建物の構造体や間仕切り壁などを工場で生産することにより、現場における作業量が少なくなるような方法などについて積極的に市町に提案するなど、円滑な事業の進捗に向けて取り組んでおります。災害公営住宅の整備必要戸数については、各市町において、継続的な意向調査などにより、その把握に努めているところであります。しかしながら、市町による自力再建に向けた支援策の拡充や雇用、医療、福祉などの生活環境の状況により、被災者の住宅再建意向はいまだ揺れ動いていることから、県といたしましては、きめ細かな意向調査の継続や整備戸数の精査について市町を支援してきたところであります。今後も引き続き市町と連携を図りながら、早期整備に全力で取り組んでまいります。 次に、被災者の医療・介護の負担免除についての御質問にお答えをいたします。 昨年七月八日、県議会全会派一致での請願採択を踏まえ、これまで、議員各位の協力をいただきながら要望してきた結果、十二月二十七日来県された安倍総理が国による財政支援拡充を明言され、国による追加的財政支援策が示されたところであります。このことから、県内の全市町村国保にあっては、対象者を限定した上で、四月からの実施に向けた検討を行っていると伺っております。県としては、国民健康保険の一部負担金免除の実施に際し、国からの市町村国保への財政支援で財源に格差が生じる場合は、県調整交付金制度の活用による財政調整を行うこととしております。 また、介護保険については、市町村が介護保険利用料の減免を行った場合、県は、介護保険法の規定による法定負担分の負担を行うこととなります。なお、国の新たな支援策は、一部負担金の減免に係る財政支援の制度変更は極めて困難との方針の中で、被災地の状況を最大限酌み取っていただいた結果であり、後期高齢者医療制度及び介護保険の減免措置に係る県としての更なる支援要望は難しいものと考えております。しかしながら、東日本大震災に伴う被害が甚大であることから、今後とも、国に対しましては、財政基盤の安定に向けた十分な配慮がなされるよう引き続き求めてまいります。 次に、宮城県広域防災拠点構想における屋内施設の必要性や、宮城野原公園総合運動場など既存施設の活用についての御質問にお答えをいたします。 さきに取りまとめた宮城県広域防災拠点基本構想・計画では、現地調整機能を果たすためのオペレーションルーム等を備えた防災センターを設置することとしております。また、宮城野原公園総合運動場や宮城球場など既存の施設の活用については、具体化に向けた課題として位置づけており、関係者等の意見を踏まえながら検討を行うこととしております。 次に、仙台貨物ターミナル駅の移転についての御質問にお答えをいたします。 仙台貨物ターミナル駅移転先の用地買収については、県から公共補償基準に基づき支払われる補償費をもとに、日本貨物鉄道株式会社、JR貨物が実施するものであり、現在、JR貨物では、貨物ターミナル駅移転候補地の選定を進めているところであります。宮城野原広域防災拠点は、県民を大規模な災害から守るための拠点として重要な役割を担うものであり、その実現には、貨物ターミナル駅移転先用地の確保が前提となりますことから、県としては、用地買収が円滑に進むよう、積極的にJR貨物を支援してまいります。 次に、医学部新設により新たな医療ニーズに対応する医師の養成が可能となると思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。 今回の医学部新設は、昨年十一月に国から示された東北地方における医学部設置認可に関する基本方針において、総合医療や在宅医療、災害医療など、震災後の東北地方の医療ニーズに対応した教育等を行うことが留意点の第一に掲げられていることからも、現在の大学医学部等とは異なった役割を担うことが期待されているものと考えております。県としては、国、東北各県、市町村はもとより、東北大学や医師会等の関係機関と緊密に連携協力しながら、地域の医療ニーズに的確に対応し、東北地方に定着し、自治体病院への就業を志す人材の育成を担う医学部新設が実現されるよう、全力で取り組んでまいります。 次に、今後のスケジュールについての懸念材料と絞り込みの過程における県としての判断材料はどうかとの御質問にお答えをいたします。 現時点では、ことし五月の構想申請に係る提出書類などの内容が示されていないことから、具体的な準備作業にも苦慮しており、大変厳しい日程になっております。また、六月に一校の構想が採択された後の認可申請手続や、開学までの日程の確保等につきましても不透明な部分も多いことから、県といたしましては、今後とも情報収集に努め、必要な内容等を早期に示していただくよう国に働きかけてまいります。絞り込みの過程における県としての判断材料についてですが、私が思い描く新しい医学部は、自治体病院の医師確保を図るため、地域医療の人材育成に軸足を置き、東北地方に医師を確実に定着させる役割を担っていただくというものであります。この理念を実現していただくことが何よりも重要であり、今後、具体的な構想が固まり次第、その内容についてしっかりと精査し、県としての考えを整理してまいります。 次に、仙台空港の民営化に係る委託先についての御質問にお答えをいたします。 仙台空港民営化の意義は、民間の資金や経営能力を最大限に活用し、空港関連事業を一体化して機動的かつ柔軟な運営を行うことにより、航空ネットワークの充実や空港の利便性向上を通じて、航空旅客や貨物量の増大及び周辺地域の活性化が図られることであります。県といたしましては、これまでにない自由な発想のもとで空港を運営する必要があると認識していることから、空港の活性化はもとより、創造的復興の核となる魅力ある空港の実現を目指していくため、委託先は、より効率的な運営を可能とする純粋な民間事業者が望ましいと考えております。 次に、騒音などの環境対策についての御質問にお答えをいたします。 いわゆる民活空港運営法では、航空機騒音障害防止法で定める空港周辺区域での住宅の騒音防止工事への助成など、これまで国が行ってきた環境対策について、空港運営権者の責任として行うことが規定されております。また、県、名取市及び岩沼市では、空港周辺地域対策協議会への運営費助成や航空機騒音測定機器及び公共施設の空調機器の整備などの環境対策に取り組んできたところであり、民営化後におきましても、空港運営権者には、これまでと同等以上の取り組みを義務づける方向で国と調整を進めております。県としては、空港運営権者を初め、国、地方自治体と協力し、民営化後も、環境対策が適切に実施されるよう努めてまいります。 次に、格安航空会社に選ばれる空港の条件についての御質問にお答えをいたします。 格安航空会社のビジネスモデルは、サービスの簡素化や業務の効率化により低運賃での航空輸送サービスを提供することであり、具体的には、機内サービスの省略や座席数及び一日当たりの運航回数の増により収益を確保するものであります。このことから、格安航空会社が空港を選定するに当たっては、観光やビジネスによる旅客需要が見込まれ、かつ、新たな需要の創出が期待できること、着陸料や空港施設使用料などのコストがより低く抑えられること、空港での折り返し時間の短縮が可能となるような施設や設備が整っていることなどが考えられます。県としては、仙台空港が格安航空会社を含め多くの航空会社に選ばれ、充実した国内外の航空ネットワークを有する魅力ある空港となることを目指し、民営化の実現に向け鋭意取り組んでまいります。 次に、大綱四点目、教育委員会制度改革についての御質問にお答えをいたします。 今般、国等において議論されている教育委員会制度改革については、教育行政の責任所在を明確にし、意思決定を迅速化することが一つの目的であり、このことは大変重要な視点であると私も認識をしております。一方で、教育の安定性や中立性を確保していくことも重要でありますことから、この点も含めて、現在、国等で検討されているものと考えており、その動向を注視してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 教育委員会委員長庄子晃子君。    〔教育委員会委員長 庄子晃子君登壇〕 ◎教育委員会委員長(庄子晃子君) 大綱四点目、教育委員会制度改革についての御質問にお答えいたします。 今回、国等において議論されている教育委員会制度改革については、教育行政の責任の明確化などが目的であると理解しておりますが、その場合であっても、教育の政治的中立性や継続性などが損なわれることのないように配慮されるべきものと考えております。現在、県教育委員会では、学校など教育現場の視察、教員、保護者等との意見交換などを行い、教育が今抱えている問題点や意見をくみ上げて、さまざまな観点から議論を行い、地域の実情を踏まえながら教育の振興に努めているところでありまして、このような仕組みが今後とも維持されていくことが必要ではないかと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 公安委員会委員長猪股好正君。    〔公安委員会委員長 猪股好正君登壇〕 ◎公安委員会委員長(猪股好正君) 大綱五点目、刑法犯検挙率の向上についての御質問のうち、検挙率が急減した理由の一つに、認知処理すべき事件の増加が挙げられるのではないかとのお尋ねにお答えいたします。 御指摘のとおり、刑法犯の認知件数が大幅に増加し、検挙が追いつかなくなったことが検挙率低下の一因であると考えております。 次に、警察官の物理的、精神的負担が増加しているのではないかとの御質問にお答えいたします。 御指摘のとおり、近年の警察が取り扱う事案の多様化により、警察官の負担は確実に増加していると考えております。 次に、科学捜査が主流となり、物証を優先することが検挙率の低下に影響しているのではないかとの御質問にお答えいたします。 近年の司法制度改革の流れの中で物的証拠が重視され、それに伴い、科学捜査が重要性を増していることは事実でありますが、そのこと自体が直ちに検挙率の低下に影響しているとは考えてはおりません。 次に、地域の人間関係の希薄化が捜査を困難にしているのではないかとの御質問にお答えいたします。 地域の人間関係の希薄化により聞き込み捜査が困難になっているというのは、御指摘のとおりであると考えております。 次に、人を衝動的に襲うなど動機不明の犯罪がふえているのではないかとの御質問にお答えいたします。 衝動的に人を襲う通り魔的犯罪が近年全国各地で発生しておりますが、この種犯罪については、過去にも社会の耳目を集めるような事件が発生しており、特に近年になってふえているとまでは言い切れないのではないかと考えております。 次に、外国人による犯罪がふえ、捜査が難航する面があるのではないかとの御質問にお答えいたします。 社会の国際化、グローバル化により、来日外国人の犯罪が近年増加し、捜査が困難化していることは、御指摘のとおりであると考えております。 次に、罪を犯すことへの罪悪感が変化しているのではないかとの御質問にお答えいたします。 犯罪に対する罪悪感が以前と比較して希薄化してきているかどうか、一概に断定することは困難ですが、そのように受けとめざるを得ない犯罪が見られることは、御指摘のとおりと感じているところであります。 次に、対処が困難な事件が増加しているのではないかとの御質問にお答えいたします。 警察が取り扱う事件の捜査が以前よりも複雑多様化、そして困難化していることについては、御指摘のとおりであると考えております。 次に、いわゆる司法の効率化が検挙率に影響しているのではないかとの御質問にお答えいたします。 司法の効率化ということについては承知しておりませんが、警察では立件できる事件は原則としてすべて検察に送致し、送致した事件は犯罪統計に検挙として計上されるものと承知しております。 私からは、以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 警察本部長横内泉君。    〔警察本部長 横内 泉君登壇〕 ◎警察本部長(横内泉君) 大綱五点目、刑法犯検挙率の向上についての御質問のうち、検挙率が急減した理由の一つに、認知処理すべき事件の増加が挙げられるのではないかとのお尋ねにお答えいたします。 刑法犯の検挙率は、全国では平成十一、十二年ごろ、我が県では平成三、四年ごろから大幅に低下いたしましたが、これは御指摘のありました認知件数の増加により、事件の発生に伴う現場への臨場、鑑識活動などの捜査に追われ、余罪--余罪というのはある事件で検挙された被疑者が犯していたその他の犯罪のことを余罪と言いますが、余罪の捜査にまで手が回らなくなり、検挙人員一人当たりの検挙件数が減少し、結果として検挙率の低下につながったものと考えております。 次に、警察官の物理的、精神的負担が増加しているのではないかとの御質問にお答えいたします。 平成十三年以降、治安の悪化を受けて、我が県を含め全国の警察官が増員されておりますが、平成二十五年度の本県警察官一人当たりの人口負担は全国で第九位と高負担となっております。加えて、例えば、DV、ストーカー事案の相談が近年急増し、昨年は三千件を数えるなど、警察が取り扱う事案が拡大かつ多様化していることも、警察官の負担を増加させていると考えております。 次に、科学捜査が主流となり、物証を優先することが検挙率の低下に影響しているのではないかとの御質問にお答えいたします。 DNA型鑑定を初めとする科学捜査は、犯人の特定、犯行状況の解明等に欠くことのできないものでありますが、だからといって、取り調べや聞き込み捜査など、従来の捜査手法を軽視してよいとは考えておりません。科学捜査と従来の捜査手法とは、犯罪捜査の両輪であり、両者が相まって初めて検挙率の向上が図られるものと考えております。 次に、地域の人間関係の希薄化が捜査を困難にしているのではないかとの御質問にお答えいたします。 地域の人間関係の希薄化が聞き込み捜査を困難にし、警察に対する情報提供が減少しているというのは御指摘のとおりであります。ただ、事件を解決するためには、県民の皆様方の御協力が不可欠でありますことから、引き続き、捜査に対する県民の御理解、御協力を得る努力を続けてまいりたいと考えております。 次に、人を衝動的に襲うなど動機不明な犯罪がふえているのではないかとの御質問にお答えいたします。 警察庁の統計によれば、確たる動機がなく、通りすがりに不特定の者に殺傷等の危害を加える通り魔殺人事件--これは未遂も含みますが、通り魔殺人事件は、毎年全国で発生しておりますが、平成二十年に十四件発生している以外は一けた台の発生でありまして、必ずしも増加はしておりません。我が県では、平成十七年に発生いたしました仙台市内のアーケード街でトラックが暴走し、歩行者七名が死傷した殺人等事件以来、通り魔殺人事件の発生はございません。ただ、この種事件につきましては、事件発生と同時に、警察の総合力を発揮した対応を行い、現場での検挙を図ってまいりたいと考えております。 次に、外国人による犯罪がふえ、捜査が難航する面があるのではないかとの御質問にお答えいたします。 近年増加しております来日外国人犯罪の捜査につきましては、組織的に敢行されるものが多く、組織実態の解明に時間を要すること、犯行後、本国に逃走を図るケースもあり、外国捜査機関との緊密な連携が必要となること、取り調べにおいても通訳人の運用が必要となることなど、御指摘のとおり、一般の犯罪捜査と比較して捜査に困難を伴うものであります。 次に、罪を犯すことへの罪悪感が変化しているのではないかとの御質問にお答えいたします。 近年、携帯電話やインターネットの普及によって、直接被害者と会うことなく犯行を敢行できるなど、一層社会の匿名化が進んでいることが、若者を中心に罪悪感の希薄化や規範意識の低下を助長しているのではないかと感じております。 次に、対処が困難な事件が増加しているのではないかとの御質問にお答えいたします。 先ほど、相談が急増していると申し上げましたDV、ストーカー事案につきましては、相談者の安全を最優先した相談対応が求められますし、同様に、近年増加しておりますサイバー犯罪の捜査には高度な専門的知識が必要となります。したがいまして、対処が困難な事件が増加しているとの御指摘はそのとおりであり、警察では、警察官への教養の充実や関係機関等との連携により、対処能力の強化に力を入れているところでございます。 次に、いわゆる司法の効率化が検挙率に影響しているのではないかとの御質問にお答えいたします。 警察としましては、証拠に基づき捜査を行い、裏づけがとれた事件については、原則としてすべて検察に送致をしており、また、これら送致した事件については、犯罪統計にすべて検挙として計上しているところであります。したがいまして、警察が立件送致した事件は、実際そのすべてが起訴されるわけではありませんが、起訴されず、司法の場で争われなかったとしても、犯罪統計上は検挙として処理されておりますので、検挙率に影響することはございません。 以上でございます。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 非常に御丁重なる答弁ありがとうございました。特に公安委員長、県警本部長、大変ありがとうございました。 知事、アベノミクスについてなんですが、もう少し見ないとわからないというのは、これは正直なところだと思うんですよ。ただ、安倍政権が保守政権であると私は理解しているんですが、保守政権ですね。外交政策なんか見ればまさにそうで、全体的な保守政権だと思っているんですが、経済政策は、これは保守政権とは思えないんです。御承知のように、アメリカの共和党やイギリスの保守党を見てもわかるように、保守主義、保守の経済政策というのは、本来、自己責任と自助努力を原則としますので、市場機能の重視、政府の役割の最小化を目指すのが本来の保守の経済政策だと私は理解しているんですが、安倍政権の経済政策は、国債市場への介入、賃金の引き上げや銀行への貸し出しの要請などは、ある意味では国家の市場への介入であり、保守的な経済政策とはかけ離れていると私は考えますが、知事は、いかがですか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) そういう考え方もできようかと思いますが、まずは、デフレからの脱却というのが、この長い間の、民主党政権も通じてのこの国の最大の経済的な課題であったということでございまして、このデフレからの脱却をするために三本の矢を駆使をしたということでありまして、その成果があらわれつつあるということからは、私は評価をしていいのではないかというふうに思っております。ただ、過度の市場への介入といったようなことは、やはり行き過ぎるとよくないというのは、私も同じ考えでございます。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 保守的な経済政策がいいか悪いかは、それぞれの人の政治的スタンスなので、これは判断はできないと思うんですが。ただ、別の言い方をすれば、税は重いけれども温かい政治を目指すのか、税は軽いけれどもどちらかと言えば冷たい政治を目指すのか。これは、京大の高坂正堯先生が言ってた、わかりやすい大きな政府・小さな政府を定義をすればそうだと。知事は、どちらですか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 私は、知事になりましてから二回増税してますんで、税を軽くしているとは決して言えない立場でございますから。正直に申し上げて、税もいただくけれども、しっかりと成果を出して、結果として県民の皆さんに満足していただける温かい政治を目指したいと思って頑張っております。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 首長なので、いろいろな要請にこたえたり、弱い人のことも目を配るというのは当然だと思うんですが、首長ではなくて、例えば一人の政治家として、例えば国政等でとか一人の議員としてやる場合のスタンスはどちらになりますか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 税が重いか軽いかというのは、人それぞれ違うと思います。消費税を上げることによって、かえって所得税が下がることによってメリットが出てくる方もおられますので、これ人それぞれ違うというふうに思います。税というのは、私は、これは松下幸之助さんがおっしゃったんですけども、適正な額というのが必ずあるはずだと、国民だれもが納得する額、そこにやはり収れんしていくように努力をしていくというのが何よりも大切ではないかなというふうに思います。安過ぎて、結果的に何もサービスが行き届かないということがあってはならないし、重過ぎて、だれもがやる気がなくしてしまうということもあってもならないと。適正な額を目指していくというのが、政治のあるべき姿だというふうに考えております。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 私は、ともに中くらいがいいと思ってんです。だから、今知事が最後に言われたのが、いわゆる適正な政治のスタンスじゃないかなと思っています。 効率的な自治体経営、これは先ほどいただいた答弁の数字と私が執行部に調査をかけた数字と違うんですが、宮城県が二五%以上出資している公社等外郭団体の数と累積欠損金の合計、貸付金の合計を見ますと、平成十五年度は五十二団体、四十一億三千三百五億円の累積欠損金で百八十四億千八百五十八万円の貸付金合計が、九年後の平成二十四年度には四十一団体で、累積欠損金百二十四億千六百三十三億円、貸付金九百九十七億四千四百六十七万円と大きくふえているということは、改善されていないということをはっきりと示しているんではありませんか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 私、累積欠損ではなく、累積債務ということでお話ししました。私、累積欠損のデータを今手元に持ち合わせておりません。累積債務につきましては、確実に減少していると。ただ、先ほど言った公益財団法人みやぎ産業振興機構に新たに、この震災後六百三十億貸し出してます。これは例のグループ補助金の宮城県の負担分ということで貸し付けてまして、これはグループ補助金で生かされておりますので、これはやむを得ないと考えていただきたいと思いますが、それを除きますと、平成十八年度と比べましたら、三百六十二億円、累積債務は減っているということでございます。各団体の数、累積欠損の数というのは、ちょっと今手元に持ち合わせておりません。申しわけございません。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) それから、先ほど県有地をずいぶん処理をしてきたと。確かにそのとおりだと思います。県有地のうち売却金額の五千万円以上の件数、過去十年間で四十二件あります。全体としては簿価に比べ九十四億円のプラスになっていますが、内容を詳細に調べますと、仙台中央警察署跡地と青葉山県有地のプラスが大きく、マイナスになっているものの方がずっと多いです。現在、長期未利用の主なもの四件の面積は十万平米、簿価で二十五億七千四百万円になります。一層の努力が必要だと思いますが、いかがですか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これにつきましては御指摘のとおりだと考えてございまして、更に、遊休県有地の適正な処分に努めてまいらなければならないというふうに考えております。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) それから、知事決裁の場合に八段階までなるという、これだけ流動化して激動化している時代に迅速な判断が求められるのに、もっとフラットな組織にして、すぐにそれぞれの現場の責任者が判断をもってやれるようにはなぜできないんですか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 先ほども答弁したように、かなり権限移譲はしてきているつもりでございます。しかし、どうしても知事に判断をする前には、副知事が判断しなければいけませんし、副知事が判断する前には、部長、部長が判断する前には課長と、これはどうしても組織上、起案した者から順番に上がっていくという過程は経なければいけないと思ってます。ただ、そのスピードというのは肝心でございまして、上がってきた書類がずっと課長の机の上、部長の机の上に置いたままということがあってはならないと考えてございまして、これは、我々としては、適時適切なタイミングでしっかりと決裁できるように、この決裁するタイミングをずらすことのないように考えて行動してまいりたいというふうに思っております。また、こういう状況でございますので、なるべく権限は移譲するということで努めてまいりたいというふうに思っておりますので、御理解いただきたいと思います。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 何だ、それは今の知事の言ってるのと全然改善されていないじゃないですか。それぞれ課長は部長のところに来たのを机の上に置かれたままにしないようにしますなんて、そんなこと当たり前のことじゃないですか。どうして、リーダーシップありそうでいて、それじゃ、結果的にリーダーシップないということになるじゃありませんか。ずばっとやれないですか、ずばっと。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 決裁権ずっとおりてまして、何もかも書類が私のところに来て私が全部押しているわけではなくて、私は押す回数そんなにないんです。副知事もそんなにありません。ですから、かなり部長や課長でそれぞれ決裁している部分が多いのは間違いないと思います。その辺は御安心をいただきたいと思います。ただ、責任はすべて私にあるということです。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 医学部の新設なんですけど、医師会やなんかは、医師の粗製乱造につながるなんて言って批判をしていました。でも、考えたら、どこの大学の医学部を卒業しても、医師の国家試験をパスしなければならないんで、質は担保されている。当然ですよね。というと、この医師会の批判は当たらないというふうに考えてよろしいですか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 当たらないと思います。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 宮城県の医師数は全国平均に近いんですけど、少し下ですけれども、仙台市に比べ、県内の他の地域によっては、人口当たりの医師数が二分の一から三分の一、また、特に産婦人科や小児科の偏在も著しく、それぞれのその地域の住民が医療保険料を同じように払っているにもかかわらず、都市部と同じような医療を受けられずにいる。問題なのはこの後で、その影響は死亡率にあらわれてくるわけです。周産期死亡率や乳児死亡率が仙台医療圏の二倍前後になっています。これは何としても解消すべきではありませんか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 非常に大きな御指摘でございまして、我々も、地域偏在、そして診療科の偏在ですね、これに対しては、非常に危機感を持っております。宮城県は十万人当たりの医師数は全国で二十七位と、それほどいい方ではないんですけども、中位ということでございますが、地域別に見ると、やはり仙台医療圏に医師が固まっておりまして、仙台市は三百三十三人と、仙台市に圧倒的に集中しております。その分、仙台市以外のところが非常に厳しいと。特に被災した沿岸部等は非常な状況になってるということございまして、これを改善しなければならないと。そういう役割も今度の新しい医学部には期待をしたいというふうに思っています。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 申請が行った後に、知事が国から聞かれたときの判断、それも大きなポイントを占めるわけですね。宮城県知事としては、AとBのどちらがいいですと、このように言わなければいけない。先ほどの知事のお話では、地域医療の人材育成、定着を重視するということですが、ところが、これまで見てみると、学生がふえても地方の勤務医師がふえるとは限りません。地域枠をふやしても、勤務義務の縛りが緩やかだと決定的なものにはなりません。東北大の医学部もそうでしたが、例えば自治医科大学卒業生は、平成二十二年四月には七十一名で、そのうち義務年限修了者が五十三名のうち、宮城県から県外へ出て行ってしまった者が十八名で三四%います。これは岩手県の一〇%に比べて著しく高くなっていますが、今後のことも考えて、どのような対応策があるとお考えですか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 確認したいんですけど、新しい医学部に地域に定着させる手法という御質問でよろしいでしょうか。--この件につきましては、宮城県の中に新しい医学部ができた場合ということ、東北に一つということなので、必ずしもまだ宮城にできると限ったわけではありません。もしかしたら他県に決まるかもしれないんですが。宮城県に決まった場合には、当然、宮城県としても、宮城県と東北の自治体病院に医師が定着してもらえるような、そういった手法というものは考えていかなければならないというふうに思っております。その際に参考になるのが、今お話のあった自治医科大病院のようなものが一つの参考になるのではないかというふうに考えております。また、今東北大学の医学部の医師定着をさせるために、修学資金の貸付制度を行っております。こういったようなものも参考にさしていただきたいというふうに思っております。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 宮城県以外にも可能性があるというようなお話ですが、これ相当な準備が要るんですよ、申請するのに。かなりのいろんな条件をクリアしないといけないのに、東北で今その準備しているところがあるんですか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) わからないです。情報が入ってこないです。もちろん他県の情報をいろいろ問い合わせてはいますけども、そんなお人よしなところありませんので、だれもわからないと、知らないというふうにしか答えてません。私の方も聞かれたら、わからないというふうに、当然外に向かってはそういうふうな発言をするということです。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 知事、ちょっとおかしな答弁だよ、それ。だって、地元紙がほっておくわけないじゃないですか。地元のマスコミにしても、受けるところがいろいろと相談しないと、一大学とか一病院だけではできないわけだから。それはないということではないんですか。宮城県以外で準備しているところは。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) わからないです。これはもう、ないということを断言できません。あるかもしれない。今のところは情報は何も私のところに入ってきていないというふうな答弁しかできません。お許しください。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) それで、非常に国の方もなかなか方針決めないとか手続とかなかなか不透明なところがあるんですが、これ一番心配なのは、申請の設置基準として、附属病院の設置と合わせて最低規模の収容定員三百六十人、入学定員六十人のケースの場合でも、条件として専任教員百三十人、校舎面積一万二千六百五十平米、六百の附属病院の病床が必要とされるわけです。それがクリアできないと申請できないわけですよ。知事の言うようなこともあったんじゃ、よほどの今の二つの病院でも、二つの申請しているところもなかなか難しいと思うんですが、これはクリアできるとお考えでしょうか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 文科省が昨年十一月に示しました新しい医学部の設置を認める基本方針出しました。それに今おっしゃったことがそのまま書かれており、その内容をお話しになったということでございまして、相当ハードルが高いです。しかも、東北に医師が定着するようにというような条件まで入っているのと、あと東北からの医師を引き抜かないことというのも条件に入っている。そして専任教員をそろえなきゃいけない。お医者さんならだれでもいいというわけではなくて、ちゃんとした教員としての資格を持った人を集めなきゃいけないということなので、物すごくハードルが高いんです。それもあって、なかなか大学がぱっぱっぱっと手が挙がってこないということもあるんだというふうに思ってます。これは、五月の申請には何としても条件がクリアできるようにしていかなければならないと思っておりまして、県としても、主体は私学だということになれば、私学が汗を流さなきゃいけないわけですが、県も当然、宮城県で設置をしたいということであれば、全力で応援をさしていただきたいというふうに思っております。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 議会も議員連盟つくっていることですから、これも何とかして一体となって実現しなければいけないとそういうふうに考えています。 それから、教育委員会制度改革なんですけれども、知事にお尋ねします。これまで対等だった首長と教育長の関係が上下関係になり、首長の権限が強くなり過ぎ、教育委員会の中立性が失われる心配はありませんか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) そうあってはならないというふうに思います。現状でも、教育委員を議会に提案するのは私でありまして、また、議会でお認めになりましたなら、私が任命するということになっておりますので、そういった意味では、私どものある程度の考え方というか、その人選に対する影響力というのはあるのは間違いないというふうに思っておりますが、過度に教育問題に対して首長が大きな影響力を行使し過ぎるというのは、先ほど、戦後の反省からと、戦争の反省からという話ありましたけれども、そういったことも考えながら、慎重に議論すべきだというふうに考えております。今、まだ国の方でその辺はよく検討している段階でございますので、余り踏み込んだ賛成、反対と言ったような、発言は控えたいというふうに思っております。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 例えば、教育をよく理解しない首長が思いつきや政治的パフォーマンスに走る場合もあり得ると思いますが、もしそういうことがあった場合に歯どめがきかなくなる心配はありませんか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 何をもって歯どめと言うかわかりませんけれども、余りにも首長の目につくような暴走というようなことがあからさまにならないようにしなければいけないというふうに思います。それは議会の役割というのも非常に大きいのではないかと私は思っております。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 教育長にお尋ねします。 常勤の教育長を除けば非常勤の委員で構成される教育委員会は、即応力や情報力に限界があるという指摘に対しては、教育委員会制度の枠組みを維持しながら、教育長を責任者として位置づけて明記すればそれでよいとの意見がありますが、いかがお考えですか。 ○議長(安藤俊威君) 教育長高橋仁君。 ◎教育長(高橋仁君) 確かに現在の教育委員は非常勤でございます。ただ、非常勤だからといって即応性がないかというと、私としてはそういうふうには思っておりませんで、緊急事態の場合には、速やかに情報を提供して、必要な会合を持つこともできるようになっております。そういった意味では、非常勤だから常勤だからということで、宮城県の教育委員会の場合はという限定つきでありますが、大きな支障は現状ではないというふうに考えております。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 結果として教育委員会の存在感が著しく低下するとともに、これまで心身の故障などがない限り罷免されることのなかった現行の手厚い教育長の身分保障が適用されなくなり、教育行政の政治的中立性や安定性がなくなることを心配する向きもありますが、いかがですか。 ○議長(安藤俊威君) 教育長高橋仁君。 ◎教育長(高橋仁君) 今、制度改革についていろいろ議論されているわけですけれども、最も大事なことは、県で言えば知事と教育委員会、教育長が一緒になって、子供たちの成長のために何ができるかというのをしっかり考える体制をつくることだと思います。ですから、そういった意味で、今回の改革がその方向に行くとすれば、いい方向に行くのではないかなというふうに思っております。ですから、責任の所在だけを考えていくのは、ちょっと本筋から外れるのではないかというふうに思っております。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 意見を問いただしているので、私がそう思ってるわけではありません。 今回のこの改革論議は、いじめ問題からこうした議論が起こっている面があります。「いじめられ 行きたし行けぬ 春の宵」、小学生の句集が評判を呼んでいます。ザードの「負けないで」が高校の教科書に取り上げられました。肩引きしぐさ、傘かしげしぐさなどの江戸しぐさが今話題になっており、一部の公民の教科書にも取り上げられています。国は人がつくる、人は教魂がつくる、教える者の魂がつくるというのはそのとおりだと考えますが、教育長の教育への思いをお聞かせください。 ○議長(安藤俊威君) 教育長高橋仁君。 ◎教育長(高橋仁君) 今、議員からお話があった教師の思いが子供を育てていくという部分については、全く同感でございます。いじめの問題については、今回、大きな事件がありましたが、それ以前からずっと続いてきている大変大きな課題であると考えております。県の教育委員会では、十二月に基本方針をつくりまして、いじめ根絶に向けて新たな一歩を踏み出したところでありまして、そういったものを糧にして、いじめのない学校づくりに教師の魂を中心にして頑張って取り組んでいきたいと思っております。 ○議長(安藤俊威君) 四十二番藤原のりすけ君。 ◆四十二番(藤原のりすけ君) 最後に、村井知事、イギリスの空港も視察されたようですが、結局のところ、仙台空港民営化の成功のポイントは何だとお考えでしょうか。 ○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 世界的なネットワークのある、資金力のある民間事業者が事業者に決まる、そこだと思います。 ○議長(安藤俊威君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○議長(安藤俊威君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時二十八分散会...