県内建設業における女性の入職に向けた課題としては、平成27年10月に設立された女性
建設技術
者ネットワーク会議の平成28年11月における提言から、1点目として、女性活躍の重要性に関する企業の理解促進や、企業トップのリーダーシップの発揮、2点目として、トイレや更衣室といったハード面や、女性が継続して就業することのできる休暇・休業制度といったソフト面の環境
整備、3点目として、
建設現場で生き生きと活躍している女性技術
者の姿を情報発信し、地域
建設業のイメージアップを図ることによる女性の入
職促進や、女性技術
者同士の連携などが挙げられます。
25
◯安藤委員
今、答弁されたことは、とても大事なことだと思います。実際に
建設業の
方たちの間で何か要望とか、それから、こういう問題を抱えているというようなことが、もし生の声が寄せられているようでしたら伺いたいと思います。
26 ◯天間監理課長
先ほど提言にもございました、例えば、トイレ面ですけれども、こちらにつきましても、実際に、現場に女性専用のトイレを設置するなど、いろいろな改善、環境
整備が進められております。
また、女性技術
者からは、先ほど
委員御指摘のとおり、きつい仕事というお話がございましたけれども、実際は、女性が重いものを持たなくても、周りの男性の同僚がカバーしてくれる。ですので、女性は女性でできることをやればいいんだという認識に変わってきているといった御意見もございます。
27
◯安藤委員
そういう現場の声なども生かしながら、これから県がどのような姿勢でこの課題に取り組んでいくかということが重要だと思いますが、そこで、
県内建設業への女性の入
職促進のため、県ではどのように取り組んでいるのかお伺いします。
28 ◯天間監理課長
県はこれまでに、工業系の高等学校の女子生徒と女性技術
者との懇話会の開催や、女性
建設技術
者の活躍に関する事例集「女性もできる土木・
建築」の県内教育機関等への配付などを通じて理解促進を図ってきました。
今年度はさらに、一般社団法人
青森県
建設業協会と共同で、県内で活躍するさまざまな職種・環境の3名の女性が一生懸命働く姿を取材、撮影した
建設業女性活躍PR動画を制作し、ことし1月15日から順次、動画投稿サイトを通じて発信したところであり、あわせて、県内の工業系の高等学校及び職業能力開発校に収録済みのDVDを送付することとしております。
さらに、プレスリリースを配信するサイトを
利用して、新聞社、通信社、出版社等、8,500メディアに対してPR動画を3回に分けて配信し、PR動画の視聴促進を図ることとしております。
今後も、引き続き業界団体などと連携しながら、
県内建設業への女性の入
職促進に取り組んでまいります。
29
◯安藤委員
女子学生と女性
建設技術
者との懇話会も行われているということですが、具体的に女子学生や技術
者の間で交わされている御意見の中で、もし紹介していただけるものがあれば伺いたいと思います。
30 ◯天間監理課長
今年度は9月に弘前工業高校、10月に十和田工業高校の生徒
たちと実際に女性技術
者との懇話会、
意見交換を行っております。その中で、生徒からは、例えば、重労働のイメージがあるが女性でも働けるのかと。これについては、先ほどもお答えしたように、重いものを持つような業務はほとんどなく、最近では女性の現場監督もふえているという回答でした。
それから、どんなことにやりがいを感じるかという質問がやはり一番多くございまして、それについては、女性技術
者から、これまで苦労して、
工事が予定どおりに進んだとき、完成したとき、そういったときに大変誇らしく思うというような回答が出ております。
31
◯安藤委員
いろいろな機会を通じて、女性の
方たちも今までにはない新しい分野での活躍の場が広がっていくように、ぜひ県としても
取り組みを強化してほしいと思います。私もPR動画を1つだけ見せていただきました。多くの関心のある
方たちの目に触れて、そして、自分の思いで、やってみたいと思う
人たちへの一つの足掛かりとなるように、ぜひ広げてもらいたいと思います。
県内の工業高校を卒業した女性の方とお話しする機会があったのですけれども、やはり工業高校には、いろいろな科があります。それに関心のある
人たちが行っていて、それを、社会に出て生かすということが、能力を発揮できるようにするということが女性活躍という意味でもとても大事ですので、ぜひいろいろな現場で、女性が働きやすいように、県としても指導といいますか支援をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
次の質問ですが、腰巻川の河川改修について伺います。
この問題では、平成30年10月の一般質問でも取り上げさせていただいていまして、そのときの答弁で、洞喰川合流点上流部については平成24年など、近年、たびたび浸水被害が発生していること、及び地元からの強い要望があることを踏まえ、現在、改修
工事に向けた
調査検討を行っております。具体的には、腰巻川が住宅密集地を通り、また、JR奥羽本線等を横断しており、改修に当たっては、コスト縮減や施工性の向上を図ることが課題となっていることから、現在、河川の断面形状やルートの再検討、鉄道交差部周辺の地質
調査等を行っているところです。引き続き、鉄道交差部の改築を含めた
調査検討を行い、早期に着工できるよう取り組んでまいりますという答弁をいただいています。
地元の方もこの答弁に大変期待をしていまして、少しでもこの答弁が実行されることを願っているわけですが、そういう中でも、残念ながらというか、改修が具体的に進んでいないために、この大雨の中で、たびたび溢水が起きています。そのことにしっかりとまずは対応していただきたいという意味で伺いたいのですが、腰巻川において、平成30年8月15日から16日にかけての大雨により、鉄道交差部下流付近で浸水被害が発生しているが、県はどのように対応したのかお伺いします。
32 ◯田中河川砂防課長
平成30年8月15日から16日にかけての大雨により、気象台が設置している弘前地域気象観測所で、最大24時間雨量75ミリメートル、最大時間雨量33ミリメートルの雨量を記録しています。
県では、このような大雨により、河川の水位上昇が見込まれる場合には、水防体制をとり、巡視、警戒に努めるとともに、水防
管理者の
市町村に対して、適切な水防活動が行えるよう、水位などの情報提供を行っています。
平成30年の大雨の際には、腰巻川など中南地域県民局管内の河川水位が上昇する恐れがあったことから、8月15日の13時40分に水防体制をとるとともに、水防
管理者である弘前市に水位などの情報提供を行いました。
また、鉄道交差部下流のアパート敷地内に水があふれているとの住民からの通報を受け、弘前市が土のうを設置するなど水防活動を行いました。
このような
状況を踏まえて、県では、昨年の台風第19号等の接近の際には、事前に当該浸水箇所に土のうを設置するなど応急対策を行っています。
さらに、県では、これまで浸水する
可能性の高い重要水防箇所について、出水期前などにおいて管内
市町村と合同巡視等を行っており、今後も引き続き水防体制の充実、強化に努めてまいります。
33
◯安藤委員
答弁にありましたように、2018年8月15日の溢水のときの様子が写真に示されていますが、住宅地のすぐ裏手の細い腰巻川がこのような満水状態で、そして、一部では溢水してアパートの敷地のほうに流れ込んでいます。それで、今のお話では、その翌年の昨年、2019年の8月の大雨のとき、2回あるんですけれども、この水色の図が2018年のときの最高の雨量です。2019年8月23日がこの高さ、雨量の最高値です。そして、8月30日がこの最高値が示されています。この3つの中で一番低いと思われるこの地点でも、アパートのところに水がかなり浸水しています。ここはもともとリンゴ畑のところでした。そこにアパートが建っているんですが、この界隈、この近辺の
方たちは、大雨が降ると不安でしょうがないと、夜中から様子を見るような
状況です。
これは、JRの鉄道、ここの下に鉄道の線路が通っているんですが、線路の下を川がこっちから下にくぐっています。ここの地点は、ちょっとした大雨でも、このときにも溢水してかなり水があふれ出しています。こちらに住宅がずっと並んでいるんですけれども、この
方たちも、雨が降ればまた水が上がるだろうということで、本当に不安な中で暮らしているような実態です。
そしてまた、こっちに弘前駅があるものですから、学生
たちの通学路にもなっているので、水があふれたようなときにも自転車で通ったりする子がいたりして、そういう意味でもとても危なっかしくて、ヒヤヒヤしながら周りの
方たちも見ているというような
状況です。
平成30年8月15日から16日にかけては、溢水があったわけですけれども、的確に対応されたと。その後については、気象
状況も見据えて、土のうを先に積んでおいているという対応もされているようですけれども、住民の
方たちが実際に土のうが積まれていても溢水して、アパートのほうにも流れ込んでいるという実態もあります。ぜひそうした
状況を踏まえて、先ほど紹介させていただきました、県がとろうとしている
整備に向けての対応をスムーズに進めていただきたいと思っています。
そこで、腰巻川の河川改修におけるこれまでの
取り組み状況と、今後の見通しについてお伺いいたします。
34 ◯田中河川砂防課長
腰巻川の河川改修
工事についてですが、先ほど
委員から御紹介がありましたように、平成30年10月、
委員がお話したような答弁をしております。それを踏まえて、今年度は、これまでの検討を踏まえた河道の概略
設計を行っております。これをもとに、鉄道交差部の改築に係る協議を鉄道
事業者と行うということにしております。今後、協議が整い次第、来年度以降ですが、河道の詳細
設計などを行うとともに、ルート案について、地域住民への説明会を開催したいと考えています。
また、着工時期についてですが、平川の改修
事業が来年度、また、平成25年に破堤するなどの浸水被害に向けて重点的に
整備を進めてきた引座川及び大和沢川の改修
事業が今後数年でそれぞれ完了する見込みであることから、その後、本格的に
工事着手したいと考えております。
今後とも、地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら、着実に
事業を進めてまいりたいと考えています。
35
◯安藤委員
何もしていないわけではなくて、そのように、いろいろ概略
設計等を進めているということですので、それを速やかに進めていただきたいのです。そして、その過程を経て、ルート案ができた折には、住民への説明会をということですが、大体そこまで到達するのにどのくらいを想定しておけばよろしいでしょうか。
36 ◯田中河川砂防課長
まず、概略
設計をやって、できれば今年度中に鉄道
事業者とのルート案等について、構造等を含めて1回目の協議をしたいと思います。それが了解をすぐとれるかどうかについては、相手がいることですので、なかなか言えませんが、こちらの希望としては、了解がとれ次第、来年度、できれば、ある程度のルート、断面等が決まりましたら住民説明会をやれればと思っています。
ただし、やはり鉄道
事業者との協議もなかなかスムーズにいかないことも多々ありますので、こちらの希望としてはそうなんですが、それが必ずしもそのまま進むかどうかについては、現時点では、はっきりしたことは申し上げることはできません。
37
◯安藤委員
まずは第一歩の、今年度中に鉄道側とルートについての協議を始めるということですので、そこに期待をしたいと思います。今年度中ということですので、あと2月、3月と
委員会もありますので、ぜひその進展
状況を答弁いただけるような姿勢で臨んでいただきたいということをお願いして終わります。
38
◯工藤副
委員長
ほかに
質疑はございませんか。──今
委員。
39 ◯今
委員
それでは、私から1点だけ質問をしたいと思います。
きのう通常国会が開催され、150日間、
令和2年新年度
予算を議論する国会が開催されたわけですが、これに並行する形で、県議会も2月25日から開催されます。今は、
予算委員会も開かれていますが、実は、きょうみたいに天気がいい日は結構しばれる時期なんですね。私も車を運転しますが、やはり、橋とかトンネルを抜けるところは、しばれると
道路が凍結して、意外と交通
事故等々を起こす事案もありました。2年ほど前には、私の地元の五所川原-
青森間の大釈迦トンネルで
事故があり、閉鎖されたときもありましたが、今、修繕をしてスムーズに通れるようになっているわけです。
そういう中で、先だっての報道ですが、国土交通省が
調査をしまして、全国約77万カ所ある橋やトンネルなどの
道路インフラのうち、約8万カ所が腐食やひび割れなどで5年以内に修繕が必要な状態になっていると。国土交通省の
調査によると、このうち約8割が修繕に取りかかれていなかった。大半は地方自治体が
管理するもので、財政難などが原因で進んでいないと思われる。
道路インフラの修繕のおくれを重く見た国土交通省は、効果的な維持、修繕を行う計画を立てた自治体に対する個別的な補助制度を新たにつくり、新年度
予算に2,223億円を計上した。
以前には、山梨県の中央自動車道笹子トンネルの天井板が崩落して、大変な
事故が起きたということがあったわけであります。また、昨年、県内
調査した国道101号追良瀬バイパスの工区では、新規の橋梁を建てるということですが、これまでのさまざまなインフラ
整備の中で、大分年月がたって
老朽化しているところがたくさんあるという指摘なので、これもあわせて今後検討する必要があると思うわけであります。
そこで、県
管理のトンネル及び橋梁の
老朽化点検の結果について伺いたいと思います。
40
◯岡前道路課長
県が
管理するトンネル及び橋梁の定期点検につきましては、
道路法施行規則により、現在、5年に1回、定期点検を実施しております。
県
管理トンネルについては、平成28年度から平成30年度までの間に一巡目の定期点検を実施し、結果については、31基のうち健全が4基、予防保全段階が13基、早期措置段階が14基となっております。
また、県
管理橋梁につきましては、平成26年度から30年度までの間に一巡目の定期点検を実施し、結果については、2,278橋のうち、健全が846橋、予防保全段階が1,222橋、早期措置段階が309橋、緊急措置段階が1橋となっております。
41 ◯今
委員
緊急が1橋、それから、すぐやらなきゃいけない309橋ですか、そうなりますと、大分ありますよね。そうであれば、当然、優先順位をつけて、その箇所について対策をとらないといけないと思いますが、その対策
状況についてお聞かせください。
42
◯岡前道路課長
最も健全度が低い緊急措置段階と判断されたのは、国道280号の瀬戸子橋1橋であり、平成27年度に架けかえ
工事を実施し、対策済みでございます。
次に健全度が低い早期措置段階と判断されたトンネル14基については、昨年度までに3基の修繕を完了し、現在、3基について修繕を実施中です。同じく、早期措置段階と判断された橋梁309橋については、昨年度までに107橋の修繕を完了し、現在、90橋について実施中でございます。
43 ◯今
委員
大分、県の
予算を投入したかと思います。国も、
老朽化した橋やトンネルは、補助金制度を導入して積極的に強靱化対策の一環としてやっているということですが、いろいろと経費がかかる中で、例えば
調査するには相当経費もかかるし、人員もいると思うんですけれども、そのためには
予算も当然必要となります。今まさに
予算の査定に入っていると思うんですが、今後、
予算確保についてどのようにしていくのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
44
◯岡前道路課長
定期点検の結果を受け、トンネル、橋梁などの修繕を行う場合については、それまでは、国の社会資本総合
整備交付金を財源として実施しておりましたが、国では、
委員御紹介のとおり、地方公共団体によるトンネル、橋梁などの修繕が進んでいないことを受けまして、地方公共団体が実施する
道路事業を計画的、集中的に支援するため、
令和2年度より個別の補助制度を導入する予定にしておりまして、トンネル、橋梁などの修繕につきましては、「
道路メンテナンス
事業補助制度」を新たに創設する予定となっております。
県では、
令和2年度以降はこの「
道路メンテナンス
事業補助制度」を活用して、早期措置段階と判断された未対策のトンネル8基及び橋梁112橋について、それぞれの点検時点から5年以内を目安に、着実に修繕を実施する計画としており、必要な
予算の確保に努めてまいる所存でございます。
45 ◯今
委員
しっかりとやっていただきたいと思います。トンネルの天井板がはがれるような危険もありますし、人が通ると、けがをして大変な
事故につながるかもわかりません。最近は、千葉県君津市では、ドローンやAIを使って、実際に直接、人が
調査するのではなくてドローンを使って中を見て、それに対して修繕をするという、経費削減も含めて検討する自治体もあります。ぜひ
青森県でも、ドローンとかAIを中心に、今、農業に特化して頑張っておりますが、こういう
調査等々についても、あわせてぜひ検討していただきたいと思います。
昨年は追良瀬工区については再度
調査して、下村次長と一緒に、私どもの参議院議員の田名部匡代国土交通
委員長と一緒に、
予算獲得のため、陳情をしたわけであります。こういう
老朽化したものについても、さらに私どもも一丸となって、いろんな形で陳情をしていかなければならないと思いますので、その辺も新年度、
令和2年度で、
建設委員会も含めてそういうタイミングを図っていただきたいと思います。以上です。
46
◯工藤副
委員長
ほかに
質疑はございませんか。
[「なし」と呼ぶ
者あり]
ないようでありますので、これをもって
審査を終わります。
以上をもって
建設委員会を終わります。
○終 了 午前11時57分
Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...