青森県議会 2019-10-15
平成30年度決算特別委員会(第4号) 本文 開催日: 2019-10-15
7
◯和田委員 前向きな
取り組みに対する資金の活用が伸びているということですので、今後も引き続き前向きな
取り組みへの支援
を継続してほしいと思います。
次に、この
県特別保証融資制度ですが、より効果的な支援
を行っていくためには、
県と市町村との連携が重要になると考えております。
そこで、平成三十年度
青森県特別保証融資制度における市町村との連携状況についてお伺いします。
8
◯蛯沢委員長 商工労働部長。
9 ◯田中
商工労働部長 県と市町村では、
青森県特別保証融資制度の利用者の負担
を軽減するため、
信用保証料等を補助する
連携融資制度を実施しており、各市町村では、毎年度、
県の
融資制度の中から連携する
融資メニューを選定し、
信用保証料等を補助しています。
平成三十年度においては、
未来を変える挑戦資金のうち、創業
を対象とした融資については県内全市町村と連携しており、一定額までの融資に係る
信用保証料を県と市町村とが最大で全額負担する体制が整っているところです。
県としては、市町村との連携により、利用者の負担軽減
を図っていることが
未来を変える挑戦資金
を初めとする
特別保証融資制度の利用促進につながっているものと認識しており、今後とも市町村との連携
を深めながら、
県内中小企業の
金融支援に取り組んでいきます。
10
◯蛯沢委員長 和田委員。
11
◯和田委員 創業については、着々と成果も出てきていると感じています。今後も一層、市町村との連携
を深めて、
中小企業の支援に当たっていただきたいと思います。
県内中小企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しており、その
資金ニーズもあわせて変化していくと考えられますので、常にニーズに合致した
誘致メニューを設けるなどの
金融支援が大切になります。
そこで、
中小企業のニーズ
を捉えた
金融支援が必要と考えるが、
県では今後どのように取り組んでいくのか伺います。
12
◯蛯沢委員長 柏木副知事。
13 ◯柏木副知事
県では、
金融機関、
信用保証協会及び
商工団体等を構成機関とする
地域金融推進協議会や、その実務者
をメンバーとする
地域金融推進ワーキンググループを定期的に開催いたしまして、
中小企業金融の円滑化に向けた協議、意見交換
を行っています。
県特別保証融資制度の実施に当たりましては、これら
関係機関の意見等
を参考にしながら、
県内中小企業を取り巻く
金融環境の変化や
資金ニーズ等を把握し、制度内容の見直しや拡充
を図っているところでございます。
今年度におきましては、創業など前向きな
取り組みへの支援
を強化するとともに、労働力不足などの課題に対応するための見直し
を図っています。
具体的には、創業資金の
融資利率の引き下げや
生産性向上を図る資金の使途の拡充
を実施したほか、新たな
融資対象として、AI、IoT等
を活用して
経営革新等を図る事業
を追加したところでございます。
県としては、今後とも
県特別保証融資制度を適切に実施し、
関係機関との緊密な連携のもと、
資金ニーズを的確に捉えながら、
本県中小企業がその持てる力
を存分に発揮できるよう、
事業活動を金融面から支援してまいります。
14
◯蛯沢委員長 和田委員。
15
◯和田委員 今後もニーズ
を的確に見極めながら、必要なときには思い切った対策
を講じるなど、
経済環境の変化に対応した
金融対策を展開していただきたいと思います。
次に、歳出四款二項五目「
廃棄物対策費」、
浄化槽整備費補助について質問いたします。
現在の豊かな水環境
を次世代に引き継ぐためには、県民の生活や
事業活動に伴う汚濁負荷の低減が必要であり、下水道や
集落排水処理施設と並び、し尿と
生活雑排水を処理することができる
合併処理浄化槽の普及が必要だと考えています。しかしながら、依然として
生活雑排水を垂れ流し、汚濁負荷が高い
くみ取り便槽や
単独処理浄化槽が使用され続け、
合併処理浄化槽への転換が進んでいないといったことが全国的に課題になっていると聞いております。
県では
合併処理への転換
を促進するため、
補助事業を行っているものと理解していますが、そこでお聞きいたします。平成三十年度における
浄化槽整備費補助事業の実績について伺います。
16
◯蛯沢委員長 環境生活部長。
17 ◯三
浦環境生活部長 浄化槽整備費補助事業につきましては、
合併処理浄化槽を設置する個人に対し、市町村が設置費用の一部
を助成する場合に、
国庫補助基準額または
市町村補助金額のいずれか低い額の六分の一以内の額
を県が市町村に補助するもので、平成三十年度は二十七市町村、合計三百九十八基の
合併処理浄化槽に対し二千四百四十三万五千円の補助金
を交付しました。
18
◯蛯沢委員長 和田委員。
19
◯和田委員 三百九十八基の
合併処理浄化槽の整備に補助したとのことですが、
合併処理浄化槽への転換はどの程度進んだのか伺います。
20
◯蛯沢委員長 環境生活部長。
21 ◯三
浦環境生活部長 平成二十九年度末現在における県内の
浄化槽設置基数は十万九千七百二十九基であり、このうち、し尿のみ
を処理する
単独処理浄化槽が全体の六二・二%に当たる六万八千二百五十一基、し尿と
生活雑排水を処理する
合併処理浄化槽が全体の三七・八%に当たる四万一千四百七十八基となっています。
なお、五年前の平成二十四年度と比較すると、
単独処理浄化槽は一千四百三十四基減少し、
合併処理浄化槽は七千四百五十一基増加しており、
単独処理浄化槽から
合併処理浄化槽への転換が進んでいる状況にあります。
22
◯蛯沢委員長 和田委員。
23
◯和田委員 年々、転換が進んでいるようですので、引き続き
補助事業を継続していただきたいと思います。
また、浄化槽の
法定検査についても、全国的に受検率が低迷しており、適正な
維持管理の観点から課題となっていると認識していますが、県内の
法定検査受検率の状況について伺います。
24
◯蛯沢委員長 環境生活部長。
25 ◯三
浦環境生活部長 浄化槽法では、浄化槽の適切な管理
を図るため、管理者に対し検査
を義務づけています。平成二十九年度における県内の
法定検査受検率は、
浄化槽使用開始後三カ月
を経過した日から五カ月以内に行う、いわゆる七条検査が八二・九%で、
全国平均の九四・五%
を一一・六ポイント下回っており、設置後毎年一回行う、いわゆる十一条検査が四八・七%で、
全国平均の四一・八%
を六・九ポイント上回っています。
なお、七条検査については、浄化槽が設置された年度の翌年度に実施される場合があるため、年度
をまたぐことにより、見かけの受検率が一時的に下がることがあります。
26
◯蛯沢委員長 和田委員。
27
◯和田委員 毎年一回行う十一条検査の受検率は全国より高いですが、半数程度しか受けていないというのは課題ではないかと思います。
ことしの六月に
合併処理浄化槽への転換と浄化槽の管理強化
を図るため、
浄化槽法の一部
を改正する法律が公布され、来年四月一日から施行されることとなっています。本県においても改正法に基づく
取り組みを推進していくことが重要と考えていますが、
単独処理浄化槽から
合併処理浄化槽への
転換促進と
法定検査受検率向上のための
県の
取り組みについて伺います。
28
◯蛯沢委員長 環境生活部長。
29 ◯三
浦環境生活部長 県では、これまで市町村に対し
浄化槽整備費補助を行うとともに、
県の
ラジオ広報やウェブサイト、チラシの配布等を通じて、広く県民に対し
合併処理浄化槽への
転換促進と
法定検査の受検も含めた浄化槽の適切な管理方法について啓発
を行ってきたところです。
このたびの
浄化槽法の改正では、
生活環境及び公衆衛生上重大な支障が生ずるおそれのある
単独処理浄化槽の管理者に対し、知事が助言または指導できるとされたことから、
法定検査に係る指導
を含め、浄化槽の管理の強化
を図りたいと考えています。
また、市町村が設置して住民の利用に供する
公共浄化槽について規定されたことから、市町村に対して導入についての
技術的助言を行い、
合併処理浄化槽への転換
を促進することとしています。
なお、
法定検査受検率については、
単独処理浄化槽よりも
合併処理浄化槽が高い傾向にあることから、
合併処理浄化槽への転換
を進めることにより受検率も向上していくものと考えています。
県としては、
改正浄化槽法に基づき、市町村や
指定検査機関、
保守点検業者等と一層の連携
を図りながら、引き続き
合併処理浄化槽への
転換促進と
法定検査受検率の向上に努めてまいります。
30
◯蛯沢委員長 和田委員。
31
◯和田委員 人口減少や市町村の厳しい財政状況
を踏まえると、
下水道処理はいずれ維持が難しくなり、将来、下水道から浄化槽などの
個別処理に切りかえる地域も出てくるのではないかと考えております。また、全国で一千百万件がまだ水洗化になっていないと環境省の
浄化槽担当者の方がおっしゃっておりました。多分、県内では比率的にはもっと高いのではないかと思っております。
県としても、市町村や業界と連携して
合併処理浄化槽への早期転換と浄化槽の適切な
維持管理に向けて
取り組みを進めていただきたいと思います。
次に、平成三十年度
主要施策成果説明書から質問していきたいと思います。
まずは七ページ、連携・協働・交流による活力ある
農山漁村づくりについて質問いたします。
農山漁村では、
担い手不足や高齢化問題が深刻化しております。私の住む五戸町でも、最近は若い人が少なくなり、中山間
を中心に
耕作放棄地が目立つようになってきたと感じています。
このような
人口減少にかかわる課題は、今後ますます厳しくなっていくと予想されますが、本県の
農林水産業の基盤となる
農山漁村については、
県としてもしっかりと将来
を見据え、地域の生き残り
をかけた対策
を講じていくべきと考えております。
まず、
県で実施した
農山漁村「
地域経営」
レベルアップ事業の
取り組み状況について伺います。
32
◯蛯沢委員長 農林水産部長。
33 ◯高谷
農林水産部長 県では、集落などの地域
を一つの会社や家族と見立てて、地域全体で経済や暮らし
を支えていく
地域経営の
仕組みづくりを進めており、本事業は地域の核となる組織や人財の確保、育成に向けた
市町村段階の
取り組みを促すとともに、モデルとなる
地域経営体の活動
を後押しするため、平成二十九年度から二カ年実施したものです。
具体的には、市町村や農協、
地域県民局等で構成する
地域担い手育成総合支援協議会が事業主体となり、
新規就農者の確保や担い手の育成といった地域が抱える課題について検討するとともに、その解決に向けた地域提案型の
取り組みに対して支援
をいたしました。
また、モデルとなる
地域経営体に対しては、
取り組みのさらなる
レベルアップを促すため、新技術の導入や販路開拓などの
経営発展のほか、
耕作放棄地の未然防止やコミュニティーの活性化など、地域貢献に向けた
取り組みをソフト、ハードの両面から支援したところです。
34
◯蛯沢委員長 和田委員。
35
◯和田委員 これから先、
人口減少、高齢化がさらに進行すると、個々の努力もさることながら、
地域ぐるみで互いに支え合うことが重要になると思います。活力のある
農山漁村づくりは一朝一夕には行かないと思いますので、腰
を据えて着実に取り組んでいただきたいと思います。
また、本県には米、果樹、野菜などさまざまな作物があり、それぞれの地域で課題も異なりますので、
地域経営体の
取り組みも千差万別かと思います。
そこで、
県がこれまで育成してきた
地域経営体の
モデル事例について伺います。
36
◯蛯沢委員長 農林水産部長。
37 ◯高谷
農林水産部長 県が育成した
地域経営体の
モデル事例として、外ヶ浜町の
農事組合法人上小国ファームでは、圃場整備
を契機として、一集落・一農場
を実現し、ニンニクなどの高収益作物の導入による所得の確保や、
農業経営等からリタイアした高齢者の雇用に加え、学校田
を活用した
農作業体験による食育や伝統行事の継承など、
地域貢献活動も行っています。
さらに、
上小国ファームをモデルとして、周辺の五つの
集落営農組織が法人化され、これらの六法人等で構成する協議会が各組織の経理事務
を一元的に請け負うとともに、農業機械やオペレーターの組織間の調整
を行っています。さらに、ことし八月には町のライスセンターの運営
を受託する株式会社
を設立するなど、
地域ぐるみの営農体制づくりが進んでいます。
また、おいらせ町の株式会社アグリの里おいらせでは、観光農園や直売所、レストラン等の複合施設
を一体的に運営することで、雇用や交流人口の拡大が図られているほか、地域の農業者の所得向上にもつながっています。あわせて、障害者の就労
を積極的に進めており、農福連携と観光
を組み合わせた新たなモデル
を構築しております。
38
◯蛯沢委員長 和田委員。
39
◯和田委員 最近、
農山漁村では、高齢者
を中心に買い物や通院などの交通手段に困っている人がふえているほか、以前に比べて空き家もかなり目立つようになってきました。こうした課題
を解消し、将来にわたり
農山漁村に住み続けられるようにするためには、産業面だけでなく、福祉や地域づくりといった視点の
取り組みもあわせて進めることが必要だと思います。市町村、
関係機関との連携や、県庁内でも縦割りにならず、関係部局と連携しながら、多角的な視点で活力ある
農山漁村づくりを進めていただきたいと思います。
次に、五ページ、日本一健康な土づくりの推進について質問いたします。
品質のよい農作物
を安定的につくるためには、まずもって、その土台となる土づくりが重要であり、農家、農業にとっての
基本ではないかと考えております。健康な土というのは、土の中の肥料の量などの化学性、それから土のかたさなどの物理性、そして土の中の微生物の多さなどの生物性の三つの性質のバランスがうまくとれている土
を言うそうで、この三つのバランスがよい健康な土づくり
をしている農家が良品質な農作物
を生産することができる篤農家であると考えております。
そこで、
県は日本一健康な土づくり
を推進していますが、健康な土づくりの推進に向けた
県の
取り組みの成果と課題について伺います。
40
◯蛯沢委員長 農林水産部長。
41 ◯高谷
農林水産部長 県では、県内全ての生産者が農業生産の
基本である健康な土づくりに取り組むこと
を目指す日本一健康な土づくり運動
を平成十九年度から展開してきました。
その結果、全農
青森県本部との連携による全
県的な土壌診断体制が整備されたほか、高度な技術
を備え、地域農業のリーダーとなる、あおもり土づくりの匠の育成が進むとともに、良質な堆肥
を活用する生産者の割合が拡大しております。
また、土づくり
を基本とした環境に優しい農業の
取り組みにより生産された農産物
を販売する協力店が大幅に増加するなどの成果もあらわれているところです。
一方で、本県農業
を支えてきた多くの熟練農業者がリタイアする時期
を迎えていることから、土づくりの技術
を次世代の農業者が継承し、地力の高い農地
を着実に維持していくことが課題となっています。
42
◯蛯沢委員長 和田委員。
43
◯和田委員 土の健康状態というのは人間と一緒で、見た目だけではわからないものです。人間であれば健康診断がありますが、同じように土も土壌分析
をして土の健康状態
を数値化し、それに基づいた土壌管理
をすることが大前提ではないかと思います。
そこで、土壌分析により数値化された土の状態
を指導に活用すべきと考えますが、
県ではどのように土づくりの指導
をしているのか伺います。
44
◯蛯沢委員長 農林水産部長。
45 ◯高谷
農林水産部長 県では、県内で生産されている水稲や野菜、果樹などの主要な四十九品目について、望ましい養分や土壌状態
を示す土壌の改良基準値
を設定しております。
JAグループ等では、この基準値
を活用して、生産者から依頼された土壌診断
を行っており、そのデータ
をもとに作成した処方箋に基づき、農協の営農指導員が適正な施肥管理等の指導
を行っています。
また、
県では緑肥作物や堆肥などの有機質資材の施用により、作物の生育に適した土壌環境づくり
を指導しているほか、
県産業技術センター農林総合研究が開発した施肥設計支援システム、施肥なびの活用方法など
を内容とする普及指導員等
を対象とした研修
を毎年実施し、指導力の
レベルアップにも取り組んでいるところです。
46
◯蛯沢委員長 和田委員。
47
◯和田委員 土づくり
を実践することで、良品質な農作物
を生産し、農家の収入に結びつけていく、そのためにはいわゆる篤農家と呼ばれるような農家が持っている技術
をもっと一般の農家や、これからの
新規就農者も実践できるよう指導していくべきと考えますが、健康な土づくり
を実践する農家
をふやすため、
県はどのように取り組んでいるのか伺います。
48
◯蛯沢委員長 農林水産部長。
49 ◯高谷
農林水産部長 県では、健康な土づくりの実践者
をふやすため、普及指導員が各作物の栽培講習会等において土づくりの重要性
を啓発するとともに、土づくりの匠
を講師に自身の
取り組みを紹介してもらうなど、高度な土づくり技術の普及拡大
を図っています。
また、経験が浅い
新規就農者等に対しては環境に優しい農業技術
を習得するためのエコ農業チャレンジ塾
を開講し、土づくりの
基本的技術
を指導しています。
さらに、今年度からは普及指導員が現地で迅速な土壌診断
を行うことができる携帯型の土壌測定機器
を導入し、指導体制
を強化するとともに、熟練農業者が経験や勘
を頼りにしてきた技術
を若い世代がデータ
をもとに実践できるよう、ミニトマトとナガイモ
を対象として、追肥のタイミングや量
を判断する基準づくりにも取り組んでいるところです。
50
◯蛯沢委員長 和田委員。
51
◯和田委員 私も試行錯誤しながら土づくり
を実践している一人であります。土づくりが
県農産物のブランド力や農家の収入につながっていく仕組みがあれば、さらに取り組む農家もふえると思いますので、土壌分析
を付加価値として、高収益化、販売促進にもつながる仕組みも御検討いただきたいと思います。また、県南地方にはすばらしい堆肥
をつくっているところがありますので、ぜひ皆様には使っていただきたいと思います。
次に、六十ページ、結婚支援協働サポート事業の
取り組みについて質問いたします。
ことし公表された人口動態統計調査の結果によると、平成三十年度における本県の婚姻率は三・八でありました。平成二十年の四・六からここ十年で約二割下がっている計算になります。要因は、個人の価値観やライフスタイルの変化、女性の就業継続など、さまざまかと思います。
こうした中、
県は
基本計画において、結婚・出産
をみんなで支える地域社会づくり
を進めるとしておりますが、まずは本
県の結婚支援事業の中核
を担う結婚支援協働サポート事業について、平成三十年度の
取り組み内容と成果
を伺います。
52
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
53 ◯有賀健康福祉部長
県では、結婚
を望む人がその希望
をかなえることができるよう、平成二十三年七月に結婚支援の拠点となる、あおもり出会いサポートセンター
を設置し、登録会員に対して結婚に関するイベント情報
を提供してきました。
平成三十年度は、結婚支援協働サポート事業として、センターの運営のほか、県内全域及び各圏域内における連携体制
を構築するため、
県、市町村、民間団体の参画による県内外の先進事例などの情報共有や意見交換等
を行う場の設置、県内の大学生
を対象に、みずからのライフデザイン
を考える機会など
を提供するライフプランニングセミナーの開催、ラジオ番組やイベント等で県民に結婚のすばらしさや家族
を持つことの喜び
を伝え、社会全体で結婚
を応援する機運の醸成、これらの
取り組みを行ったところです。
これらの
取り組みの結果、平成三十年度末の登録会員は、個人会員数一千八百九十一人、団体会員数七十五団体と年々増加しています。また、センターの設置後、これまでに会員から結婚の報告のあった成婚者数は二百二十八人となっています。
54
◯蛯沢委員長 和田委員。
55
◯和田委員 県の
取り組みについて答弁していただきましたが、より効果的に結婚支援
を進めるためには、社会全体で支援することが重要だと考えています。
最近では、県内市町村でも
取り組みが行われ、さまざまな団体が婚活イベントなど
を行っているようです。
県、市町村、民間団体、各自がそれぞれで行うよりは、参加者の確保などにおいても、今以上に関係者で連携するほうがより効果が出やすいのではないかと考えます。
そこで、市町村などの
関係機関と連携、協力して結婚支援に取り組むべきと考えるが、
県はどのように取り組んでいるのか伺います。
56
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
57 ◯有賀健康福祉部長 結婚支援に係る
取り組みについては、一部の市町村や商工、農業団体などにおいても、地域住民や関係者
を対象とした婚活イベントやセミナー、結婚相談など
を実施しており、結婚
を希望する人に対する支援は広がり
を見せています。
しかし、近年、それぞれが実施している婚活イベントの参加者の確保が容易でなくなってきているなどの課題があることから、今後は
県、市町村、民間がさらに連携強化
を図り、市町村や職域の枠
を超えた多様な出会いの機会
を創出するなど、広域的な
取り組みや協働による事業展開
を推進していくことも必要であると考えています。
このため、
県では、
県、市町村、民間団体の参画により昨年度設置した
青森県結婚応援ネットワーク会議において、それぞれの役割分担やセンター
を中心とする新たな事業展開のあり方などについて意見交換、協議
を行っているところです。
今後もこのような
取り組みを継続し、
県と市町村などの関係団体が一層の連携
を図り、互いに協力しながら、一丸となって結婚支援に取り組んでいくこととしています。
58
◯蛯沢委員長 和田委員。
59
◯和田委員 最近は職場など日常生活の中でなかなか相手と出会う機会がないだとか、以前のようにお見合い
を勧めにくい、職場で婚活支援
をしにくいという話
をよく聞きますが、結婚
を希望する人がふえ、結婚して家庭
を持つ、そういった望みどおりの生活ができれば、豊かな人生、うまく行けば本県の
人口減少の歯どめにも効果が出てくるのではないかと思います。
また、すぐに結婚といかなくても、婚活イベントのように若者が参加する企画がたくさんあれば、それだけ地域の盛り上がりや交流にもつながると思いますので、引き続き市町村や関係団体の
取り組みにも協力しながら実施していただきたいと思います。
次に、六十ページ、地域子ども・子育て支援事業費補助について質問いたします。
青森県総合戦略のKPIに、この地域で子育て
をしたいと思う親の割合があります。
県のアウトルックレポートによれば、この割合が平成二十七年度は九三・八%、二十八年度は九三・一%、二十九年度は九二・九%と年々減少しています。子育て世帯が子育てに負担
を感じていること
をあらわしているのではないかと思います。
県では、子育て世帯の支援のため、市町村が実施する地域子ども・子育て支援事業に補助していますが、この事業の中にファミリー・サポート・センター事業があります。周りに子供
を預けられる身内や知り合いがいない場合などに非常にありがたい制度でありますが、どのような事業か知っている方も少ないのではないかと思いますので、まずはファミリー・サポート・センター事業の概要について伺います。
60
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
61 ◯有賀健康福祉部長 ファミリー・サポート・センター事業は、乳幼児や小学生等の児童
を有する子育て中の労働者や主婦等
を会員として、児童の預かりの援助
を受けたい方と当該援助
を行いたい方との相互援助活動に関する連絡調整
を行う事業であり、その実施主体は市町村となっています。
その具体的な内容としては、保育施設等までの送迎、保育施設の開始前や終了後、または学校の放課後の子供の預かり、冠婚葬祭や買い物等、外出の際の子供の預かりのほか、病児・病後児の預かり、早朝、夜間等の緊急時の預かり、宿泊
を伴う預かりなどとなっています。
これらの相互援助活動
を支援するため、ファミリー・サポート・センターでは、会員の募集登録、相互援助活動の調整把握、会員に対する講習会や会員同士の交流会の開催などの業務
を行っています。
62
◯蛯沢委員長 和田委員。
63
◯和田委員 それでは、県内における事業の実施状況と普及に向けた
県の支援について伺います。
64
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
65 ◯有賀健康福祉部長 ファミリー・サポート・センター事業のうち、児童の送迎や一般的な預かり
を行う
基本事業については、県内六市六カ所において実施されており、平成三十年度の利用件数は、送迎が三千百五十四件、預かりが三千六百七十七件となっています。
また、
基本事業に加えて、病児・病後児の預かり、早朝、夜間等の預かり、宿泊
を行う預かり等
を行う病児・緊急対応強化事業については、県内では
青森市のみで実施されており、平成三十年度の利用件数は百四十六件となっています。
県としては、事業の実施主体である市町村に対して、各市町村の子ども・子育て支援事業
計画に基づき、事業に積極的に取り組むよう助言しているほか、内閣府の子ども・子育て支援交付金交付要綱に基づき、運営費に係る補助
を行っています。
なお、この子ども・子育て支援交付金では、今年度から預かり手増加のための
取り組みとして、援助
を行う会員となり得る方に対して働きかけ
を行い、援助
を行う会員が前年度と比べて一定程度以上増加した場合の加算が新たに設けられたことから、
県としては実施市町村に対して当該加算の活用
を働きかけているところです。
66
◯蛯沢委員長 和田委員。
67
◯和田委員 県内では六市でしか取り組まれていないということですが、子育て世帯の負担
を減らしていくためには、子供
を安心して預けられる環境
をふやすことも重要だと思います。市町村に制度の周知のほか、広域実施に向けた検討なども促していただきたいと思いますし、引き続き支援の充実
を図ってほしいと思います。
最後の質問に入ります。
百二ページ、子供が安心して学び、多様な能力
を伸ばす教育環境の整備について質問いたします。
県教育委員会は、平成二十九年に
青森県立高等学校教育改革推進
計画第一期実施
計画を策定し、本県高校教育の方向性
を示しました。その実施
計画では、充実した教育環境の整備に意
を用いて取り組むとし、今後求められる人財
を育成するため、各学科の特色ある教育活動の中核的役割
を担う高校
を配置し、これらの高校と各校との連携した
取り組みにより、
県全体の高校教育の質の確保、向上
を図るとしております。
この
計画に基づき、さまざまな施策
を展開していることと思いますが、
県全体の高校教育の質の確保向上
を図るため、
県教育委員会ではどのように取り組んでいるのか伺います。
68
◯蛯沢委員長 教育長。
69 ◯和嶋教育長
県教育委員会では、今後求められる人財
を育成するため、各学科の特色ある教育活動の中核的役割
を担う高校として、普通科等には重点校
を、農業科、工業科及び商業科については、それぞれに拠点校
を置き、これらの高校と各校との連携した
取り組みにより、
県全体の高校教育の質の確保向上
を図ることとしております。
具体的な
取り組みとして、普通科等においては、深い学びにより主体的に
未来を切り拓く高校生育成事業
を活用し、重点校六校
を含む十二校が研究指定校として探究的学習活動
を中心とした授業研究
を行い、その成果
を県内の各校に広める
取り組みを行ったほか、医師
を志す高校生支援事業では、重点校三校が県内各校の希望生徒
を取りまとめ、医師
を目指す志の育成や医学部医学科への合格に向けた学力向上の
取り組みを行っております。
また、農業科及び工業科においては、拠点校が他の高校と連携し、生徒の研究活動や成果発表会
を実施しているほか、商業科においては、拠点校が中心となって商業高校と
関係機関とのネットワーク構築のための協議会や、教員
を対象とした指導者セミナー等
を実施しております。
70
◯蛯沢委員長 和田委員。
71
◯和田委員 県内の高校が連携した
取り組みにより、
県全体の高校教育の質の確保、向上
を図っているとのことですが、高校生には将来、それぞれの地域の担い手となるよう成長してくれることが期待されます。
そこで、高校生が地域の将来
を担う人財となるよう、
県教育委員会ではどのように取り組んでいるのか伺います。
72
◯蛯沢委員長 教育長。
73 ◯和嶋教育長
県教育委員会では、地域の将来
を担う人財の育成に向け、高校生が地域課題の解決や地域に対する理解
を深めるための
取り組みを行ってまいりました。
具体的には、地域の産業とビジネス
を支える人づくり事業では、商業高校が地域や地元企業等と連携し、地域創生に向けた課題解決学習等
を実施しております。
また、今年度から実施している
未来社会
を切り拓く高校生の資質・能力育成事業では、県内六地区の研究指定校において、地域課題の解決に向けた実践研究
を行い、その成果
を総合研究発表会で発表することを通して、
未来社会
を主体的に切り拓く人財の育成に取り組んでおります。
さらに、地域と連携したキャリア教育推進事業では、高校生が県内企業で働くことに対するイメージ
を持てるよう、県内企業訪問や県内企業で働く方々との座談会等
を実施しております。
今後は、学校が所在する地域のみならず、高校生がふだん生活している地域に対する理解や課題解決等に取り組むことに通し、地域に貢献する意欲の向上や想像力の育成に向けた
取り組みを進めてまいります。
74
◯蛯沢委員長 和田委員。
75
◯和田委員 答弁にもありましたが、今後、学校が所在している地域だけではなく、高校生がふだん生活している地域での
取り組みを進めていただき、将来、各地域
を支える人財
を育成していただくようお願いいたします。
このたびの台風での対応、そして連休でお疲れのところ、適切な答弁、ありがとうございました。
以上で質問
を終わります。
76
◯蛯沢委員長 午さんのため、暫時休憩いたします。
午前十一時五十三分休憩
────────────────────────
午後零時五十九分再開
77 ◯山口副委員長 休憩前に引き続き委員会
を開きます。
質疑
を続行いたします。
木明和人委員の発言
を許可いたします。──木明委員。
78 ◯木明委員 無所属の木明和人でございます。
暑かった夏も過ぎまして、ここ数日は気温が下がってきておりました。皆さん、風邪なんか引いてないでしょうか。私は今、喉、鼻、絶不調のときに初めての質問
をさせていただきます。ゆえにお聞き苦しい点があるとは思いますけれども、よろしくお願い申し上げます。
それでは、気合い
を入れてまいります。
平成三十年度決算について、通告に従いまして、平成三十年度
主要施策成果説明書から質問していきたいと思います。
まずは、九ページ、農業女子確保育成事業の
取り組みについて伺います。
農林水産業を維持するためには、機械化、近代化が進んだとはいえ、人的な労働力が必要不可欠です。特に
農林水産業の分野では、生産だけではなく、加工、販売、六次産業化など、女性ならではの視点も必要です。以上のことから、女性の就農者の増加、
農林水産業分野では女性が活躍することが重要と考えられます。
そこで、昨年度、
県が実施した農業女子確保育成事業について、目的と内容についてお伺いいたします。
79 ◯山口副委員長
農林水産部長。
80 ◯高谷
農林水産部長 本事業は、地域農業
を支える若手女性農業者の確保育成
を目的に、昨年度から二カ年事業として取り組んでいるもので、女性の就農
を促す啓発活動と就農後の若手女性
を対象とした生産技術や経営管理知識の習得等の支援
を行っています。
具体的には、啓発活動では、農業に関心
を持つ女性向けに、県内で活躍する若手女性農業者の就農事例や本県農業の魅力、農村の暮らしやすさなど
を紹介する情報誌
を作成し、全国の就農フェアや県内農業高校等でのPRに活用しています。
また、女性が就業しやすい職場環境づくりに向けて、職場環境の改善や家族経営協定の事例
を紹介するリーフレット
を作成し、市町村等を通じて農業経営者に配布して普及啓発に努めています。
一方、生産技術等の習得支援では、就農後の若手女性
を対象に、女性農業者スキルアップ研修会
を開催したほか、大型特殊免許や野菜ソムリエなどの資格
を持つ女性
を講師に、資格取得に向けた研修等
を行ったところです。
81 ◯山口副委員長 木明委員。
82 ◯木明委員
県でも女性就農者の確保
を重要視していることはわかりました。
今、答弁がありました中で、女性農業者のスキルアップ研修会
を実施されているとのことですが、具体的な内容についてお願いします。
83 ◯山口副委員長
農林水産部長。
84 ◯高谷
農林水産部長 女性農業者スキルアップ研修会は、就農後五年程度または
県が主催する若手女性ネットワーク交流会に参加している女性農業者
を対象に、昨年度は
県全域
を対象とした二回に加え、地域県民局ごとにそれぞれ一回の計八回開催しており、延べ百四人が受講しています。
具体的な内容は、
県全域の研修では、営農大学校と
県産業技術センターりんご研究所において、農業機械の取り扱いや果樹の病害虫防除について、座学と実習
を行っています。
また、地域県民局の研修では、その地域の女性農業者のニーズに合わせて、インターネット販売の方法やIoT
を活用した畜産経営、作物に合った土づくり、農業簿記や青色申告の記載方法など
をテーマとして開催しています。
85 ◯山口副委員長 木明委員。
86 ◯木明委員 新規の女性就農者が大型特殊、要は大きいトラクターですか、そういうふうなものに乗っている姿
を今、想像させていただきました。非常にたくましいなと思っております。ぜひとも進めて、さらなる充実
を要望するものでございます。
女性
新規就農者の確保に向け、
県はどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
87 ◯山口副委員長
農林水産部長。
88 ◯高谷
農林水産部長 本県における女性の
新規就農者数は、近年、四十五人程度で推移しており、農業、農村の活力
を維持向上させていくためには、生産や加工、販売はもとより、集落活動など幅広い分野での活躍が期待される女性農業者
を確保していく必要があります。
このため、
県では、引き続き首都圏で開催する就農フェアや移住フェア等においてPRや相談活動
を行うとともに、県内高等学校での農業者による出前講座の開催や、営農大学校が実施するオープンキャンパスや動画の配信等を通じて、県内外からの女性人財の確保に努めていきます。
また、女性が就農しやすい環境づくりに向けて、県内の若手女性農業者の仲間づくりや情報交換の場となるネットワーク活動
を支援するほか、近年は農業法人での雇用就農が増加傾向にあることから、経営者に対して育児休暇や介護休暇等の就業規則の整備や、休憩所、男女別トイレの設置など、職場環境づくりの啓発にも取り組んでいくこととしています。
89 ◯山口副委員長 木明委員。
90 ◯木明委員 平成二十四年度の国の施策により、女性の
新規就農者が二十人から四十五人に倍増しました。しかしながら、それ以降は四十人から五十人程度で停滞しております。先ほど申し上げましたが、今後さらに労働力不足が進むと思われますし、特に女性視点での加工や六次産業化も重要と思われますので、
県では女性就農者の確保に今後も取り組んでいくとのことでしたが、今後、
新規就農者を七十人から八十人、できれば三桁の数字まで伸ばせるよう取り組んでいただけること
を御期待申し上げます。
それでは、次に参ります。
三十八ページ、働きやすさや収益性
を高める
生産性向上対策の強化について伺います。
県内中小企業においても労働力不足が問題視されていますが、
主要施策成果説明書の指標からも、
県内中小企業では、特に建設業、卸小売業、教育、宿泊サービス業において労働生産性の水準が低いようであります。
こうした中、県内企業でも働きやすい環境整備や事業者の生産性、収益性
を向上
をさせるため、AIやIoTが各分野で取り入れられております。
県内企業の労働
生産性向上に向けて、
県も各産業分野で
取り組みを進めているようですが、まずはものづくり企業
を中心とした
県内中小企業の労働生産性
を高めるための
取り組みと成果についてお伺いいたします。
91 ◯山口副委員長
商工労働部長。
92 ◯田中
商工労働部長 県では、平成二十九年度から
生産性向上による労働力減少対策事業
を実施し、
関係機関と連携して
県内中小企業の経営者、従業員、生産現場
を対象に、それぞれの生産性
を向上させるための
取り組みを行ってきました。
具体的には、経営者、管理者に対しては、
生産性向上に係る
取り組み事例やノウハウ
を習得するセミナー
を実施したほか、従業員に対しては、技術力向上に向けた研修等
を行い、生産現場に対しては、作業の効率化等
を図るための専門家派遣
を行ったところです。
このうち、生産現場については、
県内中小企業十五社に対し五十七回の指導助言等
を行い、工場作業員の移動ロス
を見える化して稼働率の改善につなげた事例や、従業員の資格取得状況等
を示すスキルマップの作成、昇進、昇格基準の明確化により従業員の士気
を高めた事例など、
生産性向上につながる成果
を創出することができました。これらは成果発表会の開催により広く周知し、
県内中小企業全体の
生産性向上につなげたところです。
93 ◯山口副委員長 木明委員。
94 ◯木明委員 AIやIoTの導入が
県内中小企業の
生産性向上には重要と考えられます。
県はどのような
取り組みを支援していくのかお伺いさせていただきます。
95 ◯山口副委員長
商工労働部長。
96 ◯田中
商工労働部長 第四次産業革命が進展する中、AI、IoT等
を活用した先端設備の導入により、さらなる生産性の向上が期待されることから、県内の
中小企業者もこれに着目した
取り組みを進める必要があります。
このため、
県では今年度からAI、IoT等
を活用した先端設備投資の活性化に向け、フォーラムの開催や先進企業の視察会等により機運醸成
を図るとともに、コンサルティングやマニュアル作成により先端設備の導入に向けた
計画の策定支援
を行っています。
また、先端設備の効果的な導入には事前の現場改善が不可欠であることから、専門家による出前研修や改善ワークショップ等
を開催して、県内企業が自主的かつ持続的に改善活動
を行う
取り組みを促進しています。
県としては、今後も
関係機関と連携しながら、AI、IoT等の導入による
生産性向上を支援し、
県内中小企業の経営基盤の強化や収益性の向上につなげていきます。
97 ◯山口副委員長 木明委員。
98 ◯木明委員 労働力と生産性の向上には、AI、IoTの導入が重要であると思いますので、
県内中小企業を引っ張っていけるように御期待申し上げます。
次に、観光サービス産業
生産性向上の
取り組みについてお伺いします。
この事業の中で、宿泊産業
生産性向上実践塾が計六回開催されております。その具体的な
取り組み内容
をお伺いさせていただきます。
99 ◯山口副委員長 観光国際戦略局長。
100 ◯秋田観光国際戦略局長 国内の労働力人口が減少傾向にあり、労働力不足が見込まれる中、宿泊産業の持続的な成長のためには、
生産性向上を促進する
取り組みを進めていく必要があります。
このため、
県では県内の宿泊施設
をモデル施設として、宿泊業の生産性とサービス水準の向上
を目的に、宿泊産業
生産性向上実践塾
を開催いたしました。
この実践塾は、十和田市内の旅館及び五所川原市内のホテル各一施設
をモデル施設と選定し、それぞれにおいて三回ずつ、計六回実施いたしました。
具体的な内容としましては、宿泊業専門のコンサルタントがモデル施設の経営者や従業員からヒアリング
を行った上で、実際に宿泊施設での業務の進め方など
を確認し、課題の洗い出し
を行い、その明らかになった課題
を踏まえ、
生産性向上に向けた業務改善
を実施したものです。
101 ◯山口副委員長 木明委員。
102 ◯木明委員 十和田市と五所川原市、二つの地域で実践塾が開催されたとのことですが、その中においてAIやIoT
を使った
生産性向上の
取り組みの事例についてお伺いさせていただきます。
103 ◯山口副委員長 観光国際戦略局長。
104 ◯秋田観光国際戦略局長 昨年度実施いたしました宿泊産業
生産性向上実践塾における代表的な成果事例としましては、五所川原市内のホテルにおいて実施したチェックアウト後の客室清掃での業務改善の事例が挙げられます。
そのホテルでは、客室の清掃の際、業務の進捗状況
を口頭や内線電話
を使用して報告
を行っていたところでしたが、その方法では清掃スタッフ全員への情報共有が難しく、チェックインの時間までの清掃が終了しないなど非効率的な仕事の進め方となっていました。
これに対して、スマートフォンのメッセージアプリ
を活用し、清掃スタッフのグループチャットにおいて清掃の完了報告や実施依頼
を行うことにより、業務全体の進捗状況
を即時に全員が把握できるようになり、作業効率の改善につながりました。
さらに、客室のタオルやアメニティーの配置などの業務について、完成写真つきのチェックシート
を作成し、業務の標準化
を図り、作業効率とサービス水準の向上
を図りました。
この成果事例について、業務改善
を実施した施設による発表会
を開催し、県内宿泊事業者へ波及させていくこととしております。
105 ◯山口副委員長 木明委員。
106 ◯木明委員 実は五所川原のホテルの支配人の方とちょっと話
をすることがありまして、従業員の仕事のロスが非常に減ったという感想
を漏らして、イコール収益性が上がったというふうなお話
を聞かせていただきました。ああ、このことなんだなと実感いたしました。
次に、プロフェッショナル人材確保支援事業についてお伺いします。
この事業は、県内企業の人材不足が深刻化している中、
生産性向上や事業拡大などの課題解決
を実現するための人材確保事業で、昨年度、
青森県プロフェッショナル人材戦略拠点に県内企業から百二十九件の相談があったようです。相談のあった人材ニーズや職種、年齢層についてお伺いさせていただきます。
107 ◯山口副委員長
商工労働部長。
108 ◯田中
商工労働部長 平成三十年度に相談のあった人材ニーズは、約七割が技術職、約三割が営業職や事務職となっています。
技術職の内訳としては、製造業において生産、品質管理や機械設計等
を担う職種が最も多く、次いでシステム管理やプログラミング等の情報通信分野の職種、建築士、施工管理技士、電気工事士等の建設分野の職種となっています。
年齢層については、三十代から四十代の人材
を求める傾向が強く、その理由としては、次世代の経営管理
を担う人材
を育てたい、現場のリーダー人材
を確保したいといったことなどが挙げられています。
県としては、
青森県プロフェッショナル人材戦略拠点がニーズ
を掘り起こし、連携している民間人材紹介ビジネス事業者に的確にとりつなぐことで、より多くの人材確保につなげていきたいと考えています。
109 ◯山口副委員長 木明委員。
110 ◯木明委員 雇用のマッチングというのは非常に難しい部分が多いと思います。この事業で昨年まで五十二名が就職していると聞きますが、就職先での活躍事例などありましたら、何点か教えていただきたいと思います。
111 ◯山口副委員長
商工労働部長。
112 ◯田中
商工労働部長 これまでに採用されたプロフェッショナル人材の事例
を御紹介しますと、藤崎町のふじさき食彩テラスのオープンに向けて、外資系メーカーの営業職
を長年務めたプロフェッショナル人材が経営管理者として採用され、従業員の採用や研修、各部門のオペレーションの構築のほか、営業戦略の策定
を行うなど、幅広く活躍しています。この事例は、内閣府のプロフェッショナル人材活用ガイドブックに掲載されたところです。
また、電子部品製造企業においては、大手OA機器メーカー出身のプロフェッショナル人材獲得により、製造工程及び品質管理体制の効率化につながった事例があります。
113 ◯山口副委員長 木明委員。
114 ◯木明委員 優秀な人材
を確保できるということは、県内企業にとっても収益性
を高める上で非常に有効な手段だと思います。しかしながら、PR、情報発信がもう少し必要ではないのかなと感じました。昨年度、本事業
を活用した採用実績は九名ということでしたが、広報媒体
をうまく使い、制度や活躍事例
をさらに周知していただき、マッチング数がふえること
を要望いたします。
続きまして、五十ページ、医師等の医療従事者の育成と県内定着について伺います。
青森県の医師の充足率など
を見てみますと、慢性的な医師不足と言えます。
県はそれ
を解消するためにいろいろな方策
をとり、医師確保に努めています。私も医師確保について、研修や視察
をしてまいりました。その際伺ったのは、臨床研修医師が研修期間修了後、臨床研修
を行った病院や関連する病院にそのまま就職することが多いということでした。
そこで、県内臨床研修病院における臨床研修医の採用と育成に向けた
取り組みについて伺います。
臨床研修医の採用
をふやすためには、本県の臨床研修病院でなければできない研修の魅力
をどう打ち出すかが重要だと思います。まずは本
県における医師の臨床研修環境の充実
を図るための
取り組みについてお伺いいたします。
115 ◯山口副委員長 健康福祉部長。
116 ◯有賀健康福祉部長
県では、臨床研修医の採用と育成に向けて、平成十七年三月に県内の臨床研修病院及び
県等で構成する
青森県医師臨床研修対策協議会
を設置し、臨床研修病院の研修責任者である医師などが定期的に集まり、各病院の臨床研修環境の現状、課題や臨床研修医
を対象としたアンケート結果についての意見交換など
を実施しています。
また、同協議会の主催により、臨床研修医
を指導する指導医
を養成するためのワークショップ、症例検討等を通じて臨床研修医のスキルアップ
を図るセミナー、主に弘前大学医学部医学科生
を対象とした臨床研修病院の研修プログラムの魅力や特徴など
をPRする合同説明会、こういったこと
を開催しています。
県としては、臨床研修病院と連携しながら、医師の臨床研修環境の充実に向けて引き続き取り組んでいきます。
117 ◯山口副委員長 木明委員。
118 ◯木明委員 実際に充実
を図るのは各臨床研修病院になるのでしょうが、
県としてもしっかり連携して取り組んでいっていただきたいと思います。
また、せっかく充実
を図っても、医学生に知ってもらわなければ意味がないと思います。そこで、本県の臨床研修環境の魅力
を全国に発信するための
取り組みや成果についてお伺いいたします。
119 ◯山口副委員長 健康福祉部長。
120 ◯有賀健康福祉部長
青森県医師臨床研修対策協議会では、臨床研修環境の充実に努めるとともに、研修環境
を含めた各病院の魅力、特色等
を広く発信しています。
具体的には、臨床研修病院の研修プログラムや募集要項、先輩研修医の情報など
をPRするガイドブックの作成と配布、県内外の医学生
をターゲットに、東京都等で開催される臨床研修病院
をPRする合同説明会への参加、民間事業者が運営するWebサイト及び医学生向けの雑誌への情報掲載並びに本県が運営する医師応援サイト、医ノ森aomoriでの情報発信等
を行っています。
その結果、県内の臨床研修病院の臨床研修医採用者数は、平成十九年度以前は五十人台でしたが、平成二十年度以降六十人台へと増加し、今年度は過去三番目に多い八十人と高い水準
を維持しています。
121 ◯山口副委員長 木明委員。
122 ◯木明委員 平成十六年から始まった臨床研修制度に対応して、
県も努力しながら、当時は四十人程度から現在は八十人程度まで倍増しています。臨床研修医が売り手市場で、全国との競争となっている中で、非常に評価できるものだと思います。ぜひ今後もさらに研修医がふえ、県内に定着していけるよう取り組んでいただきたいと思います。
次に、医療現場
を支える看護師の確保対策として、その中核
を担っているナースセンター事業についてお伺いします。
まずは、看護職員の育成と定着に向けて、
県が
青森県看護協会に委託したナースセンター事業の具体的な
取り組みについてお伺いします。
123 ◯山口副委員長 健康福祉部長。
124 ◯有賀健康福祉部長
県では、看護職員の就業支援や訪問看護に従事する看護職員の資質向上、看護業務のPRといったナースセンターについて、公益社団法人
青森県看護協会に委託して実施しています。
同協会では、
青森県ナースセンター
を設置し、離職後、再就業
を希望する看護職員が円滑に再就業できるよう、子育てや介護等による事情
を考慮した無料職業紹介、そして離職しブランクのある看護職員の復職時の不安が軽減されるよう、最新の医療知識や技術
を習得する看護力再開発講習や病院見学、そして看護の魅力
を発信するパンフレットの作成、配布等の事業
を実施しています。
これらの
取り組み等により、離職後、再就業
を希望する看護職員の常勤での再就業者数は、平成二十八年度七十三人、平成二十九年度七十九人、平成三十年度九十七人と増加傾向にあるなど、ナースセンター事業は本県の看護職員の育成と定着につながっていると考えています。
125 ◯山口副委員長 木明委員。
126 ◯木明委員 看護師は昔、看護婦ということで、女性しか就職できなかったことでもあり、女性が多く、このため、結婚や出産、子育て、介護
を機に離職される方もあると聞きます。また、最近特に男性看護師が一時期より多くなってきたように思います。それは男性の特色
を発揮できる領域が多くなってきているからだと思います。今後、男性が活躍できる職業として看護師
を志す人
をふやしていくことも必要と思います。
そこで、離職防止や看護師
を志す人材の確保が重要と考えますが、
県の
取り組みについてお伺いいたします。
127 ◯山口副委員長 健康福祉部長。
128 ◯有賀健康福祉部長
県では、県民が健康で長生きすること
を支えるためには、質の高い医療サービス
を提供していくことが必要であり、看護職員の役割はますます重要になっていくと認識しています。
看護職員の離職防止に向けては、特に新人看護職員の教育現場と医療現場の間のいわゆるリアリティショックによる離職
を防止するため、新人看護職員研修等に取り組む医療機関に対し支援しています。
また、
県では看護職
を志す者に対して、看護師等養成施設で安心して学業に専念できるよう、看護師等修学資金貸与事業
を実施しているほか、看護協会や医療機関が行う中高校生
を対象とした看護職のやりがい
をPRするパンフレットの配布や一日看護体験、進路説明会などの
取り組みを支援しています。
県としては、看護職員の離職防止に向けた支援並びに看護職
を志す人材の育成について、看護協会等、
関係機関と連携して、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
129 ◯山口副委員長 木明委員。
130 ◯木明委員
県でも看護協会や医療機関などと連携して看護職員の育成と定着に向けて取り組んでいるようですが、平成三十年度、本県の男性看護師の数は一千三百八十四名、一方、沖縄
県は三千百九十二名というデータがあるようです。農業や漁業や建設業などに従事する女性がふえていることと同様に、看護の現場に男性がふえていくことは世の流れであり、本県でも男性看護師がもっとふえ、活躍できる余地があると思います。病院等に勤務する看護師が増加し、男性、女性それぞれの目線からよりよい医療
を提供できるよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
百十六ページ、第八十回国民スポーツ大会に向けた準備と競技力向上の
取り組みについてお伺いいたします。
本年度、新陸上競技場が完成し、県民がスポーツ、レクリエーション
を楽しんだり、プロスポーツの観戦などが県内でもできるようになりました。スポーツ
を通じた健康づくりや競技力向上ができる環境づくりが着々と進んでおります。
そんな中、令和七年、本県おいて第八十回国民スポーツ大会が開催されます。
青森県選手団におかれましては、大いに活躍されること
を望むものであります。
そこで、競技力向上事業から質問させていただきます。国民スポーツ大会での本県の成績は、もちろん、天皇杯、皇后杯
を目標にされると思いますが、そこで天皇杯、皇后杯
を獲得するために、第八十回国民スポーツ大会に向けたこれまでの競技力向上の
取り組みについてお伺いいたします。
131 ◯山口副委員長 教育長。
132 ◯和嶋教育長 第八十回国民スポーツ大会に向けた本県の競技力向上については、これまで
青森県競技力向上対策本部で策定した
基本計画に基づき、中長期的に各種
取り組みを進めているところです。
これまでも各協議団体等が行う競技力向上の
取り組みに対し、経費
を補助しているほか、すぐれた能力
を有するジュニア選手の発掘、育成や県内指導者
を養成するための事業
を実施しております。
具体的には、あおもりスポーツアカデミー事業として、県内全域から選抜した将来有望なジュニア選手
を対象に、さまざまな競技種目の体験を通して、みずからの特性に合った競技種目
を選択する能力
を養う競技プログラムのほか、
青森県スポーツ科学センターと連携したスポーツ医・科学についての知識
を深める医・科学サポートプログラムなど
を行っております。
また、各競技団体の組織体制の強化、充実
を目的とした組織マネジメント講習会の開催のほか、本県指導者の資質向上
を図るため、中央競技団体等が主催する各種研修会に派遣するとともに、国内トップレベルの指導者
を招聘した講習会
を行うなど、多角的に事業
を実施しております。
133 ◯山口副委員長 木明委員。
134 ◯木明委員 少年部門は
計画的に育成して本県選手として活躍されると思います。しかしながら、成年部門はせっかく育成しても、選手が
県外に流出してしまうことも課題ではないかと思います。
そこで、競技力向上
を図るために、本県出身選手の県内定着及び強化が必要と考えますが、現在の
取り組みについてお伺いさせていただきます。
135 ◯山口副委員長 教育長。
136 ◯和嶋教育長 これまで県内で活躍した優秀な選手の中には、中学校または高等学校卒業後にさらなる高いレベルの競技環境
を求め、
県外において競技
を継続し、そのまま
県外にとどまる傾向が見受けられます。
そのため、
青森県競技力向上対策本部では、今年度から新たに選手・指導者の雇用環境充実支援事業
を実施しております。具体的には、県内企業等への就職支援
を目的として、対策本部内に職業紹介所、ジョブスポあおもり
を設置し、本県出身選手の発掘調査及び受け入れる企業等の情報収集
を行い、選手の要望
を企業に伝え、調整するなど、優秀な人材の獲得に向けた
取り組みを進めているところです。
また、強化拠点校(クラブ)活動支援事業では、各競技の強化拠点として期待できる大学や企業、クラブチーム、高等学校並びに中学校運動部
を指定し、それぞれの拠点
を中心とした一環指導体制
を構築することで、選手が本
県において十分に活動できる環境
を整えることにより、さらなる育成、強化
を図ることとしております。
137 ◯山口副委員長 木明委員。
138 ◯木明委員 少年部門は十八歳でございますので、七年後となると、逆算してすぐわかると思います。ただ、成年部門というのは年齢が各スポーツによって違ってくるんですね。選手の最盛期が二十八歳なのか三十歳なのか、それは各スポーツで違うと思います。
県におかれましては、スポーツ団体、協会のほうとお話しされて、強化の部門でも綿密に努力していただくこと
を要望いたします。
また、国民スポーツ大会は、出場選手ばかりではなく、県民全てが参加し、盛り上がってこそ成功と言えるものであります。第八十回国民スポーツ大会の機運醸成に向けたこれまでの
取り組みについてお伺いします。
139 ◯山口副委員長 企画政策部長。
140 ◯橋本企画政策部長 第八十回国民スポーツ大会の開催に当たっては、開催意義
を広く周知し、その理解
を深めることより、大会への参加意識の高揚
を図り、県民の積極的な参加
を実現することなど
を目的に、広報
基本方針等
を策定し、県民の機運醸成等に係る広報活動
を進めているところです。
これまで行ってきた主な
取り組みとしては、マスコットキャラクター、アップリート君
を制定し、各種広報物品
を製作、配布するなど、さまざまな広報活動に活用したほか、今後の広報に資するため、愛称、スローガンの募集
を行い、今年度、愛称
を「青の煌きあおもり国スポ」に、スローガン
を「翔けろ
未来へ縄文の風に乗って」に決定したところです。
特に愛称、スローガンの募集では、六年後の大会において選手やボランティア等として活躍が期待される県内の全中高校生に募集チラシ
を配布するなど、広く募集
を行ったことにより、全国から愛称七千百四十七件、スローガン七千七十九件の応募があり、大会の周知にもつながったものと考えております。
また、イメージソングについても、昨年度決定した曲に係る歌詞募集
を今年度行ったところであり、現在、選定作業
を進めているところです。
今後も引き続き市町村、
関係機関、団体、企業、NPO、ボランティア団体等と連携しながら、大会開催に向けて機運醸成に取り組んでまいります。
141 ◯山口副委員長 木明委員。
142 ◯木明委員 愛称、スローガンも決定したとのことでございます。県民にどのような思い
を伝えるため、この愛称、スローガンに決定したのかお伺いさせていただきます。
143 ◯山口副委員長 企画政策部長。
144 ◯橋本企画政策部長 愛称「青の煌きあおもり国スポ」には、美しく豊かな自然に恵まれた
青森県で国スポに参加する全ての人々が交流
を深め、感動
を創出し、生き生きと煌めくような大会
を目指していきたいという作者の思い、また、スローガン、「翔けろ
未来へ縄文の風に乗って」には、縄文時代の遺跡が数多く存在する
青森から新たな歴史と感動
を全国に向けて発信し、
未来につなげていきたいという作者の思いが込められており、スポーツによる感動や交流の輪
を広げ、
青森の多彩な魅力
を全国に発信し、広く県民に愛されるような愛称、スローガンという募集の趣旨に最も沿うものとして決定したものでございます。
145 ◯山口副委員長 木明委員。
146 ◯木明委員 愛称、「青の煌きあおもり国スポ」、これ
を見させていただいたときに、ふっと目が行ったのが煌きという字でございます。火へんに天皇杯、皇后杯の皇の字
を使っておられますが、天皇杯、皇后杯獲得に向け、
青森に火
を灯すという具体的なイメージが伝わり、私自身は大賛成でございます。
それと、先日、私、車の運転中に国スポに向けたイメージソングの歌詞
を募集するというふうなラジオ放送
を聞きました。ハミングのようなアップテンポな曲が流れてきたんですけれども、応募は締め切られたようですが、応募状況について、わかっていればお伺いいたします。
147 ◯山口副委員長 企画政策部長。
148 ◯橋本企画政策部長 国スポのイメージソングの歌詞募集につきましては、ことし七月十日から九月十九日まで
を募集期間として作品
を募ってまいりました。その結果、県内外から二百四件の応募がありました。現在、審査等
を行っておりまして、来年一月には最優秀作品
を決定する予定としているところです。
149 ◯山口副委員長 木明委員。
150 ◯木明委員 イメージソングは大会中だけではなく、その前後において各地で流され、県民の機運や大会開催の一体感に役立つものと思いますので、よいイメージソングになるよう選定
を進めていただきたいと思います。
また、第八十回国民スポーツ大会は、
県準備委員会が設立されて以来、準備だけでもこれまでで三年、さらに今後六年もの期間
を要する本県の一大イベントであります。国民スポーツ大会が盛大に開催されるよう私も応援していきますので、引き続き万全の準備
を進めていただきたいと思います。
以上で質問
を終了いたします。
151 ◯山口副委員長 ここで執行部入れかえのため、少々お待ちください。
〔執行部職員入れかえ〕
〔蛯沢委員長、委員長席に着く〕
152
◯蛯沢委員長 谷川政人委員の発言
を許可いたします。──谷川委員。
153 ◯谷川委員 平成三十年度
決算特別委員会における審査の最終質問者となりました自由民主党の谷川政人でございます。委員並びの執行部の皆様方も大変お疲れのところと推察いたしますが、あとしばらくの間、おつき合い
を賜りたいと思います。
それでは、早速、質問の順序に従って順次質問させていただきます。
まず一項目は、平成三十年度
主要施策成果説明書三ページ、経済成長が著しいアジアなどへの
青森県産品の輸出促進についてお伺いいたします。
皆様御承知のとおり、本県産リンゴの輸出状況は、
県当局
を初め、関係団体のたゆまぬ努力、そして三村知事の率先垂範したトップセールスなどの
取り組みのおかげさまで、近年、輸出量及び販売額は順調な伸び
を示してきていると認識いたしております。今後も世界のさまざまな国々にはもちろんでありますが、特に東南アジアには一層の認知度向上と猛烈な
青森県産リンゴのファンづくりに努め、さらなる
青森県産リンゴの輸出促進に向けた
取り組みの強化が求められていると感じております。
しかしながら、高品質で良食味な
青森県産リンゴ
をそのままの状態
を維持し、世界の国々へと流通させていくためには、関係者の英知と努力が必要不可欠であると思っております。
そこで、
青森りんご輸出販売力強化事業として実施されてきた東南アジア向けリンゴの鮮度保持実証調査の目的と結果についてお伺いいたします。
154
◯蛯沢委員長 観光国際戦略局長。
155 ◯秋田観光国際戦略局長 近年輸出量がふえている東南アジアでは、リンゴは果肉のかたさや食感が鮮度のあかしとして重要視されていることから、本調査は気温が高い環境下での鮮度保持対策の参考とするため、外国産リンゴ等で使用され評価が高まっている鮮度保持剤の効果
を実証すること
を目的に実施いたしました。
調査では、普通冷蔵とCA冷蔵のサンふじ及び王林
を春節直後の二月と輸出後期の四月に分けてタイに輸出し、鮮度保持剤で処理してから貯蔵したリンゴと処理しなかったリンゴのかたさや食感、香り、甘さ、酸味など
を比較しております。
平成三十年産リンゴ
を使用した実証調査の結果、鮮度保持剤で処理したほうが、いずれの品種、貯蔵方法、時期においても、香りと甘さの評価は低かったものの、かたさや食感、酸味
を含めた総合評価が高く、一定の効果が認められました。このことから、鮮度保持剤につきましては、品種や輸出先、輸出時期
を考慮した上で、各事業者の輸出戦略に活用していただきたいと考えております。
156
◯蛯沢委員長 谷川委員。
157 ◯谷川委員 御答弁によりますと、タイで行った鮮度保持実証調査では一定の効果
を得ることができたということであります。やはり一年を通して気温が高い東南アジア向けのリンゴ輸出
を伸ばしていくためには、現地のニーズや販売環境に的確に対応し、現地の輸入業者や小売部門の方々の
青森リンゴに対する評価と認知度
をさらに高めていくことが重要であると考えております。
そこで、東南アジア向けリンゴの輸出促進に
県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
158
◯蛯沢委員長 青山副知事。
159 ◯青山副知事 リンゴの輸出
を拡大していくためには、輸出量全体の九五%
を占める台湾及び香港向け
を維持拡大することに加えて、輸出量が伸びてきている東南アジアで台湾、香港に次ぐ新たな市場
を開拓することが重要です。
このため、
県では、本年三月に策定した
青森県輸出・海外ビジネス戦略において、東南アジアで輸出量が最も多いタイ
を積極的、継続的にリンゴ
を輸出すべき重点国に、また、量は少ないものの輸出が伸びているマレーシアやインドネシアなど
を輸出拡大の可能性があるチャレンジ国に位置づけ、輸出促進に向けた
取り組みを展開することとしています。
具体的には、鮮度がよい高品質リンゴの販売
を徹底しながら、
青森リンゴの認知度が高まっているタイでは富裕層
をターゲットにした高級大玉リンゴの販売に加えて、手ごろな中小玉リンゴの試食宣伝等を通じて中間層の需要
を喚起していきます。
また、認知度がまだ低いマレーシアやインドネシアなどでは、高級贈答用
を柱に
青森リンゴのブランド化
を進め、認知度の向上
を図りながら、販売拡大に取り組んでまいります。
160
◯蛯沢委員長 谷川委員。
161 ◯谷川委員 今後も主力の輸出先である台湾、香港に加え、タイ、マレーシア、インドネシア、特にベトナムといった東南アジアへの販路拡大に向け、これまで築いてきたさまざまなネットワーク
を活用しながら、
青森県産リンゴのファンづくりにしっかりと取り組んでいただくこと
をお願いしておきたいと思います。
次に、二つ目の質問、二十ページ、北東北「食街道」周遊プロモーション事業の
取り組みについてお伺いいたします。
この事業は、北東北ならではのすぐれた食材に焦点
を当てながら新メニュー
を開発し、その食べ歩きや食材の生産地訪問、収穫体験などといった食と観光が融合した周遊ルート
を構築し、多くの外国人旅行者に北東北三
県の魅力
を大いにPRしてきたものと思っております。
そこで、まずは本事業の成果についてお伺いいたします。
162
◯蛯沢委員長 観光国際戦略局長。
163 ◯秋田観光国際戦略局長 本事業は、北東北三
県が連携して東北観光復興対策交付金
を活用し、食
を切り口とした観光周遊モデルコースである食街道
を構築して、食の魅力とともに美食
を生む北東北の風土
を台湾に発信することで誘客
を促進するため、平成二十八年度から実施してまいりました。
平成三十年度には、台湾で人気の食ブロガー
を招請し、各
県のイチオシの食材
を使用して開発した食街道メニューの情報
を発信して、北東北の美食の認知度向上に取り組むとともに、現地旅行会社に対し、食街道
をめぐる旅行商品の造成
を働きかけました。
その結果、旅行会社五社により新たに四十六本の旅行商品が造成され、約三百名の台湾人観光客に北東北の美食
を堪能していただいたところです。
また、過去三年間の事業実施期間中、北東北三
県のうち、本県の食街道メニュー提供レストランに最も多くの台湾人観光客が訪れ、中でも
青森市内のレストランには、これまで見られなかった台湾や香港などの富裕層が食街道メニュー
を求めて継続的に来店するなど、新たな客層に対する旅行需要
を生み出すことができたと考えております。
164
◯蛯沢委員長 谷川委員。
165 ◯谷川委員 北東北三
県が連携し食
を切り口とした周遊ルート
を整備しつつ、それ
をプロモーションしてきたことは、今後の訪日外国人旅行者の訪日動機に拍車
をかけていくのではないかなと期待しているところでもあります。
特に本県のメニューづくりでは、本県産のホタテ
を使ったしゃぶしゃぶやリンゴ、ナガイモなどといったすぐれた
県産品
を使用したメニューが考案されたと聞いており、これら
を含む北東北の食
をめぐる台湾からの旅行商品が四十六本つくられたということでありますから、台湾人だけにとどまらず、今後、日本食
を食べること
を目的とした訪日される外国人の誘客に生かしていただきたいと考えております。
そこで、本事業の成果
を生かし、食
を切り口とした本県への誘客促進にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
166
◯蛯沢委員長 観光国際戦略局長。
167 ◯秋田観光国際戦略局長 訪日前における外国人観光客のニーズは、国の訪日外国人消費動向調査によりますと、日本食
を食べることへの期待が大きいことから、本県においてもこれまで定番とされていた自然や祭り等のコンテンツに加え、食は旅行
を計画する上で重要な要素であると言うことができます。
このため、
県ではリンゴやホタテなど、世界から高く評価されている食材や、長年県民に親しまれてきた郷土料理や料理人の技など、豊富で魅力あふれる食の資源
を活用し、食と観光
を連動させた
取り組みを継続的に展開していくこととしております。
特に今年度の具体の
取り組みとしましては、昨年度まで実施してきた北東北「食街道」周遊プロモーション事業で関係
を構築した世界的に著名な台湾人シェフと連携し、本県の食材
を育む風土や生産者等にも着目した食の魅力
を発信するとともに、当該シェフが運営する世界から注目される台湾のレストランにおいて、
県産食材
を活用したメニュー
を提供するフェア
を開催し、一層の認知度向上
を図り、誘客
を促進してまいります。
168
◯蛯沢委員長 谷川委員。
169 ◯谷川委員 今後も地元関係者と連携しながら、本県の魅力あふれる食
を切り口とした海外でのプロモーションに
取り組み、外国人観光客の誘客拡大に努めていただきたいと思います。
次に、三つ目の質問、七十一ページ、大規模災害対策警察活動基盤整備事業の
取り組みについてお伺いいたしますが、まずはこのたびの台風第十九号の被害によってとうとい命が失われたことに謹んで哀悼の誠
を捧げるとともに、被害に遭われた多くの皆様に心からお見舞い
を申し上げたいと思います。懸命な復興作業により、一日も早く平穏で健やかな生活
を取り戻されること
を願うものであります。
今回の台風被害もそうでありますが、決して忘れることのできない八年前に起きた東日本大震災や、昨年発生した北海道胆振東部地震による土砂崩れ被害、さらには地球温暖化の影響による爆弾低気圧やゲリラ豪雨などといった異常気象によって引き起こされるさまざまな自然災害の頻繁、激甚化は、国民の生命と財産
を脅かすとともに、想定外の大きな被害へと発展しかねない大変憂慮すべきものだと思っております。
備えあれば憂いなしと申しますとおり、地震や台風、ゲリラ豪雨などの自然災害
を想定した訓練や各種資機材の整備
を行う大規模災害警察活動基盤整備事業は、地域防災力の強化や危機管理機能の向上に向けて非常に重要な
取り組みであると認識いたしております。
そこで、まずは今回の事業による非常食の整備状況及び整備方針についてお伺いいたします。
170
◯蛯沢委員長 警察本部長。
171 ◯村井警察本部長 非常食につきましては、平成三十年度予算で二千四百三十食
を整備し、これまで整備したものと合わせまして、合計九千四百五十食
を警察本部及び各警察署に配備しております。九千四百五十食というのは、非常食整備対象者一千五十人の三日分の食料に相当するものであります。
なお、非常食につきましては保存年限がありますことから、今年度から毎年一千八百九十食
を五カ年
計画で更新し、大規模災害発生時に的確に対応してまいるよう備えてまいりたいと考えてございます。
172
◯蛯沢委員長 谷川委員。
173 ◯谷川委員 御答弁によりますと、大規模な災害被害が発生した場合に備え、これまで整備したものと合わせて九千四百五十食
を警察本部と警察署に配備し、保存期間
を踏まえて五年
計画で更新していくということであります。救援物資が供給開始されるまでの三日分とすると、約一千名の要員が十分に活動できる量が常に配備されているということがわかりました。
東日本大震災での教訓
を振り返りますと、また、今回の台風被害でも、やはり大規模災害発生時には全国から直ちに被災地へ派遣される即応部隊の応援等は欠かせないものがあるとつくづく感じさせていただいております。特に災害の種類や規模
を問わず幅広く対応できる体制
を構築していくことや、災害対応が長期化したときにでもしっかりと対応できる体制の整備は非常に重要と考えますが、そこで大規模災害発生に備えた部隊、各種装備資機材の取り扱いの訓練等の活動状況についてお伺いいたします。
174
◯蛯沢委員長 警察本部長。
175 ◯村井警察本部長 県警察における災害対応のための部隊の編成、運用、訓練は、機動隊
を中心に行っているところでございます。
特に委員御指摘のような広域的な大規模災害への対応につきましては、広域緊急援助隊というもの
を編成いたしておりまして、大型油圧救助器具や削岩機、電動ドリル等
を使用した倒壊建物からの救出救助訓練、災害救助犬と連携した捜索訓練、警察航空隊と合同による高層ビル、山岳でのレンジャー技術
を用いた救助訓練等、実践的な訓練
を実施しております。
また、東北管区警察局が主催する広域緊急援助隊合同訓練に参加し、他
県部隊との連携強化等
を図っておりまして、今年度は十二月に盛岡市で
青森、岩手、秋田の三
県合同、来年二月には
青森市で東北六
県の合同訓練が予定されております。
加えまして、警察署員で編成する第二機動隊というものもございまして、チェーンソー、油圧ジャッキ等の救助工具の取り扱い習熟訓練や発動発電機
を使用しての信号機停電対策訓練といったもの
を実施しておりまして、
県及び各市町村が実施する防災訓練にも積極的に参加しておるところでございます。
176
◯蛯沢委員長 谷川委員。
177 ◯谷川委員 大規模災害においては想定外の事態が幾つも複合的に重なり、降りかかってくるものであります。日々の訓練と備え
を万全にしながら、県民の安全・安心のために今後も御尽力くださること
をお願いしておきたいと思います。
次に、四つ目の質問、九十九ページ、高校生による震災復興サポート事業の
取り組みについてお伺いいたします。
先ほどの災害時や災害
を想定した警察活動とは少し視点が変わり、災害後の復興支援策も兼ねた他者
を思いやる心の育成、人とのきずなやつながり
を大切にするといった生きる力
を養う活動とも言える高校生による災害復興サポート事業のこれまでの活動内容についてお伺いいたします。
178
◯蛯沢委員長 教育長。
179 ◯和嶋教育長
県教育委員会では、高校生が東日本大震災の復興支援のために活動することは大変意義深いものであるという認識のもと、平成二十五年度から高校生がみずから企画立案したボランティア活動
を支援しており、平成三十年度は七校で実施しております。
これまでの活動事例として、演劇部や郷土芸能部による被災地での公演や、津波により被害
を受けた桜並木の再生に向けた支援活動などが行われてきたところです。
高校生が訪問した被災地の方々からは、高校生の郷土芸能発表は大変すばらしく、毎年楽しみにしているなどの声が寄せられております。
また、支援活動に参加した生徒からは、相手の気持ちに寄り添うことの大切さ
を知ったなどの感想があり、生徒の主体的なボランティア活動は人間形成に大きな影響
を与えるとともに、社会に貢献しようという意識の醸成につながっております。
180
◯蛯沢委員長 谷川委員。
181 ◯谷川委員 平成三十年度は県内七校の高校において実施され、これまで演劇や郷土芸能の発表などといったサポート事業
を行ってきたということであります。
私も岩手
県の山田町や大槌町で被災者たちの心のケアやコミュニティーづくりのための活動
をしてまいりましたが、こうした活動を通して出会った人たちと育んできたきずなやつながりは、今もなお太く強く結ばれております。特に私の住む弘前の祭りへそうした方々がおいでくださり、山田町の伝統芸能、虎舞
を披露してくれたり、大槌町の宵宮に出店している特製ラーメン
を弘前で出店してくれたりと、私たちの住むまちに逆に元気
を届けに来てくれている状況でもあります。
だからこそ、復興支援に出向かれた高校生たちには、せっかく結ばれた人のきずなやつながり
をこれからも大切にしてほしいと願うものであることから、そこで実施校において活動の成果
を後輩たちにどのように引き継いでいっているのかお伺いいたします。
182
◯蛯沢委員長 教育長。
183 ◯和嶋教育長 本事業による活動内容や成果については、校内で行われる課題研究発表会や各地区で行われる生徒発表会を通じて後輩生徒に伝えております。また、その多くの学校において、支援活動が後輩たちに引き継がれております。
これらの学校では、前年度の活動の反省や被災地の状況変化等
を踏まえ、改善
を加えながら継続的に取り組んでおります。
その活動事例として、県立弘前実業高等学校では、平成二十六年度から実施している被災地の桜並木の再生に向けた桜植樹プロジェクト
を継承し、先輩たちが行った土壌分析結果
を用いながら、地元住民の協力のもと、活動しております。
また、県立名久井農業高等学校では、仮設住宅での花の植栽
を実施したこと
をきっかけに、被災地の高校生との交流活動に発展し、現在では学校祭での相互交流も行われております。
184
◯蛯沢委員長 谷川委員。
185 ◯谷川委員 今後も人と人とのつながり
を大切にしながら、高校生たちによるすばらしい復興サポート事業が展開されることに御期待いたします。
そして、被災地
を訪れた高校生たちは、当時の状況や現在までの経緯
を知ることで、防災や復興に対する意識も高まって帰ってくるものと思います。こうした意識も含めて、後輩たちに引き継いでいただき、地域防災力の強化にも資するよう実施していただければありがたいと思います。
次に、五つ目の質問、百三ページ、私立学校耐震化促進事業の
取り組みについてお伺いいたします。
学校施設は、児童生徒などの学習や生活の場であるとともに、非常災害時には地域住民の応急避難場所としての役割
をも果たす重要な施設であります。
八年前の東日本大震災以来、こうした重要な役割
を持つ学校施設の耐震化は急速に推奨され、
青森県内の公立学校施設においても、議会での質疑による答弁
を伺っておりますと、ほぼ完了している状況にあると認識いたしております。
しかしながら、私立学校施設の耐震化は、肌感覚では思いのほか進んでいるように感じられません。
県では、私立学校耐震化促進事業費補助により、平成二十八年度から三年間で私立学校の耐震化
を進めるとしておりましたが、県内の私立中学校、高等学校における
青森県私立学校耐震化促進事業の平成三十年度までの実績についてお伺いいたします。
186
◯蛯沢委員長 総務部長。
187 ◯鉄永総務部長
青森県私立学校耐震化促進事業は、県内の学校法人が設置する中学校、高等学校等が行う耐震診断、耐震改修及び耐震改築に要する費用について、国の補助に加え、六分の一以内の額
を補助するものであり、学校法人の負担は最大三分の一程度まで軽減されることとなります。
当事業は平成二十八年度から実施しており、平成三十年度までの県内の私立中学校、高等学校における実績は、耐震診断について四学校法人十四棟、耐震改修について三学校法人九棟、耐震改築について一学校法人一棟に対して補助しており、補助金額は合計で八千四百十七万七千円となってございます。
188
◯蛯沢委員長 谷川委員。
189 ◯谷川委員 国と
県の補助
を活用すると、学校法人の負担は三分の一まで軽減されるとのことで、相当手厚い支援策ではないかと感じております。
この制度
を活用して、もっと耐震化が進んでもいいと思うのですが、文部科学省の公表資料によると、昨年四月時点での
青森県内の私立学校施設の耐震化率は六一・六%で、全国最下位の状況であるとのことです。少し言い方が単純過ぎますが、私立学校に通う子供たち全体の約四割がまだ基準に達していない建物で毎日
を過ごしているということ
を考えますと、そこに子供
を通わせる親としては、安全面において非常に憂慮にたえない思いであります。
それでは、もう少し掘り下げてお伺いいたしますが、平成二十五年十一月、耐震改修促進法の改正によって、全国で耐震化の
取り組みが進んでいると認識しております。一方で、耐震化には多額の経費もかかるため、着手に二の足
を踏む学校法人もあるのだろうと思われます。ただ、こうした法人でも、少なくとも利用している施設がどういった状態であるかは把握すべきで、耐震診断だけでも速やかに実施したほうがいいと考えているところであります。
そこで、県内の私立中学校、高等学校の耐震診断の実施状況についてお伺いいたします。
190
◯蛯沢委員長 総務部長。
191 ◯鉄永総務部長 平成三十一年四月一日現在、県内私立中学校、高等学校の校舎、体育館、寄宿舎等のうち、文部科学省の調査対象であります昭和五十六年の新耐震基準施行以前の旧耐震基準で建築されたものは六十一棟あり、耐震診断実施済みが三十六棟と把握しております。
県では、耐震診断の実施
を含む耐震化の
取り組み推進に向け、関係団体の会合の場等の機会
を捉えて助成制度等の周知や活用の呼びかけ
を行うとともに、関係する学校法人
を訪問し、個別に要請するなどしてきているところであり、引き続き各学校法人が施設の耐震化に向けて
計画的かつ積極的に取り組むよう働きかけてまいります。
192
◯蛯沢委員長 谷川委員。
193 ◯谷川委員 公立であれ、私立であれ、そこに通う子供たちの安全性
を考えれば、
県として私立学校施設の設置者には有効な補助制度の活用方法
をしっかりと認知させるとともに、所有施設の現状
をしっかりと把握させ、天井、照明器具、外壁など、施設に附属する非構造部材の耐震化の対策も含め、今後の耐震化に向けた
取り組みの一層の加速化が図られるよう努めていただきたいと思います。
次に、二つ目の項目、歳出三款三項二目「扶助費」、生活保護扶助費についてお伺いいたします。
まずは、本県における平成三十年度の生活保護受給世帯数、人員及び保護率についてお伺いいたします。
194
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
195 ◯有賀健康福祉部長 本県における平成三十年度の生活保護受給世帯数は二万三千九百七十五世帯、被保護人員は二万九千五百九十三人、被保護人員の人口一千人当たりの比率である保護率は二三・四パーミルとなっています。
前年度と比べて、生活保護受給世帯と被保護人員は減少していますが、保護率については
県人口の減少もあって、わずかに上昇しています。
また、世帯類型別では、高齢者世帯の増加が顕著であり、全体の六〇・三%
を占めています。
196
◯蛯沢委員長 谷川委員。
197 ◯谷川委員 生活保護受給世帯数は二万三千九百七十五世帯、被保護実人員は二万九千五百九十三人、保護率が二三・四パーミルということで御答弁いただきましたけれども、やはり保護率は全国の都道府県と比べてみても、本県はかなり高い数値
を示しているなと感じております。
それでは、生活保護費の適正給付の確保という視点から、確認の意味で質問させていただきます。
保護の要否や程度などの決定に当たっては、正確な収入、資産状況等の調査が必要不可欠であり、
県当局
を初め、各自治体の担当職員は適正給付
を念頭に日々の職務に精励されているものと推察いたしております。しかしながら、生活保護
をめぐる不正受給のマスコミ報道は後
を絶たない状況にあります。
そこで、本県における不正受給の実態及び不正受給防止に向けた
取り組みについてお伺いいたします。
198
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
199 ◯有賀健康福祉部長 本県の生活保護に係る平成三十年度の不正受給件数は三百四十件であり、その金額は約八千八百六十七万円となっています。
その主な内容としては、稼働収入の無申告及び過少申告によるものが百六十件で最も多く、続いて各種年金及び福祉各法に基づく給付の無申告が百十七件となっており、この二つで全体の八割以上
を占めています。
このような不正受給
を未然に防ぐため、福祉事務所では生活保護受給者に対し、保護開始時や定期的な家庭訪問等を通じて収入申告の義務について十分に説明し、周知
を図っているほか、毎年度、課税状況調査
を実施し、収入申告が適正になされているか確認
を行っています。
県としては、生活保護法施行事務監査等を通じて、各福祉事務所に対して不正受給防止対策の徹底について引き続き指導
を行ってまいります。
200
◯蛯沢委員長 谷川委員。
201 ◯谷川委員 平成三十年度における不正受給件数は三百四十件との答弁でありましたが、ここ数年はおおむね同等数の不正受給件数となっているようであります。生活保護制度
を維持していくためにも、やはり不正受給が年々減少に転じるような
取り組みの強化
をお願いしておきたいなと思っております。
それでは、生活保護費にかかわる質問、最後にもう一点、お伺いいたします。
皆様、御承知のとおり、生活保護制度は、最低限度の生活
を保障することと自立の助長の二つの目的が規定されております。生活保護から自立へと少しずつでも目指せる人たちには、多様な就労の機会
を提供したり、生活のリズムづくりや他人と協調しながら働いてみるなど、社会復帰につながる体験といった就労支援の
取り組みは非常に大切であると認識いたしております。
そこで、生活保護受給者に対する就労支援の
取り組みについてお伺いいたします。
202
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
203 ◯有賀健康福祉部長 稼働能力
を有する生活保護受給者は、その能力に応じて就労することが必要であり、福祉事務所では調査の結果、稼働能力
を有すると認めた生活保護受給者について、早期就労による自立に向けた援助方針
を策定し、就労支援に取り組んでいます。
具体的には、生活保護受給者のうち、就労が可能で就労意欲が高い者については、福祉事務所からハローワークに対して就労支援
を要請し、ハローワークにおいて就労に向けた職業紹介や職場体験講習等の支援
を行う生活保護受給者等就労自立促進事業
を実施しています。
また、福祉事務所が就労可能と判断する生活保護受給者のうち、就労による自立に向けて福祉事務所による支援が効果的と思われる者については、ケースワーカーや就労支援相談員により、履歴書の書き方や面接の受け方等に関する助言やハローワークへの同行訪問等の支援
を行う被保護者就労支援事業
を実施しています。
さらには、就労意欲が低い者や
基本的な生活習慣に課題
を有する者など、より多くの課題
を抱える生活保護受給者に対し、就労準備支援員が地域の
関係機関と連携しながら、ワークショップやセミナーの開催等を通じて、就労意欲の喚起や日常生活習慣の改善について支援
を行う就労準備支援事業に取り組んでおり、今後も生活保護受給者の状態に合わせた就労支援にしっかりと取り組んでまいります。
204
◯蛯沢委員長 谷川委員。
205 ◯谷川委員 今後も公正かつ適正な生活保護費の給付並びに就労支援に根気強く取り組んでいただくこと
をお願いしておきたいと思います。
それでは、最後の項目、歳出三款一項三目「地域福祉費」、民生委員費についてお伺いいたします。
少子高齢化社会が進展する中、身内による児童虐待事件や高齢者の孤独死、さらには見守りが必要な高齢の単身世帯は年々増加し続け、地域福祉
を支える民生委員・児童委員の役割と必要性はますます高まり
を見せていると感じております。しかしながら、全国的に見ても、民生委員のなり手は不足し、各自治体は民生委員の確保に頭
を抱えていると聞き及んでおります。
そこで、
県が所管する民生委員の定数及び現員数並びに一斉改選時における充足率の推移についてお伺いいたします。
206
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
207 ◯有賀健康福祉部長
県の民生委員の定数は、中核市
を除いたものとなっており、民生委員法第四条の規定により、民生委員一人当たりの担当世帯数の基準
を参酌し、市町村長の意見
を聞いた上で条例により定めています。
中核市
を除く本県の民生委員の定数は二千二百四十七人、本年六月現在の現員数は二千百八十八人で充足率は九七・四%となっています。
民生委員は任期満了に伴う一斉改選が三年ごとに行われており、その時点での充足率の推移
を見ると、平成二十二年が九七・三%、平成二十五年が九六・五%、平成二十八年が九五・五%となっています。
208
◯蛯沢委員長 谷川委員。
209 ◯谷川委員 答弁
をお伺いしますと、定数には及ばない現員数であり、三年に一度の改選ごとに充足率が下回ってきているといった実態にやはり危機感
を感じるものであります。
それでは、民生委員のなり手が不足している理由について、そしてまた民生委員のなり手
をふやすため、
県はどのように取り組んでいるのかお伺いしたいと思います。
210
◯蛯沢委員長 健康福祉部長。
211 ◯有賀健康福祉部長 まず、民生委員のなり手が不足している理由についてでございますが、市町村担当課や現在、民生委員
をされている方などから、近年、
人口減少、少子高齢化、地域の連帯感の希薄化、地域住民の福祉ニーズに対応した民生委員活動の複雑、多様化、活動時間が調整しやすい方の不足等の理由により、なり手の確保が難しくなってきていると伺っております。
また、充足率
を向上させるための
県の
取り組みについてでございますが、民生委員の委嘱に当たっては、年三回、市町村民生委員推薦会の推薦
を受けた候補者について、
青森県社会福祉審議会民生委員専門分科会の意見
を聞いた上で国に対して推薦
を行っており、その際に欠員のある市町村に対しては欠員の解消に努めるよう働きかけているところです。
また、民生委員のなり手
を確保するためには、民生委員の役割ややりがい等、その活動の魅力について、地域住民への普及啓発が重要であるため、
県では毎年五月の民生委員の日や三年ごとの一斉改選時に合わせて
県の広報媒体
を活用し、民生委員の活動
を広く県民に周知しています。
このほか、昨年度は地域住民
を対象に民生委員活動に興味
を持ってもらい、新たな担い手につなげること
を目的に、民生委員活動啓発セミナー
を県内三カ所で開催し、この
取り組み内容
を市町村担当課長会議等の機会を通じて市町村に紹介しています。
さらに、
青森県社会福祉協議会への委託により、民生委員
を対象に民生委員同士の連携強化や活動における不安解消に向けたワークショップ形式の研修会
を年三回開催し、民生委員が活動しやすい環境づくり
を進めています。
県としては、民生委員活動に対する理解の促進、充足率の向上に向けた幅広い世代への働きかけ等について、今後も市町村等、
関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えています。
212
◯蛯沢委員長 谷川委員。
213 ◯谷川委員 民生委員の役割や活動が拡大していることで負担となり、なり手が不足してきている現状において、地域共生社会の実現のためにも、将来に向けて持続可能な制度の確立が必要ではないかと思っております。そのためには、ボランティア
を原則とする現在の民生委員制度の抜本的な見直し
を国に対してしっかりと求めていただくようお願い申し上げておきたいと思います。
以上で私の質問
を終わらせていただきます。ありがとうございました。
214
◯蛯沢委員長 これ
をもって、質疑
を終了いたします。
次に、本委員会の現地調査についてですが、現地調査の申し出がないことから、行わないこととします。
この後、引き続き議案の採決
を行いますが、少々お待ちください。
〔執行部職員入室〕
────────────────────────
◎ 付 託 議 案 採 決
────────────────────────
215
◯蛯沢委員長 これより議案の採決
をいたします。
議案第十一号「
青森県工業用水道事業未処分利益剰余金の処分の件」に賛成の方は御起立
を願います。
〔賛成者起立〕
216
◯蛯沢委員長 起立多数であります。よって、原案は可決されました。
議案第十二号「
青森県病院事業未処分利益剰余金の処分の件」に賛成の方は御起立
を願います。
〔賛成者起立〕
217
◯蛯沢委員長 起立総員であります。よって、原案は可決されました。
議案第十六号「決算の認定
を求めるの件」について、認定することに賛成の方は御起立
を願います。
〔賛成者起立〕
218
◯蛯沢委員長 起立多数であります。よって、本件は認定されました。
議案第十七号「
青森県工業用水道事業会計の決算の認定
を求めるの件」について、認定することに賛成の方は御起立
を願います。
〔賛成者起立〕
219
◯蛯沢委員長 起立多数であります。よって、本件は認定されました。
議案第十八号「
青森県病院事業会計の決算の認定
を求めるの件」について、認定することに賛成の方は御起立
を願います。
〔賛成者起立〕
220
◯蛯沢委員長 起立総員であります。よって、本件は認定されました。
以上をもって
決算特別委員会の審査
を終わります。
なお、委員長報告の作成については、本職に御一任願います。
最後に、一言御挨拶
を申し上げます。
今回の決算審査に当たりましては、委員並びに関係者各位の御協力により、滞りなくその審査
を終了することができました。厚く御礼
を申し上げます。
これをもって
決算特別委員会を終わります。
午後二時三十一分終了
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