青森県議会 > 2019-06-19 >
令和元年第298回定例会(第2号)  本文 開催日: 2019-06-19
令和元年第298回定例会(第2号) 名簿 開催日: 2019-06-19

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  1. 青森県議会 2019-06-19
    令和元年第298回定例会(第2号)  本文 開催日: 2019-06-19


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(森内之保留) ただいまより会議を開きます。     ───────────────────────       ◎ 県政に対する一般質問     ─────────────────────── 2 ◯議長(森内之保留) 一般質問を行います。  三十八番岡元行人議員の登壇を許可いたします。──岡元議員。 3 ◯三十八番(岡元行人) おはようございます。自由民主党の岡元行人でございます。  通告に従いまして一般質問をさせていただきますが、質問に先立ちまして、私ども議員にあっては改選後初、また、三村県政五期目のスタートとなる定例会でありますので、森内之保留議長のお許しをいただき、所感と考察を述べさせていただきたいと思います。  本県史上初の連続五期となる三村県政がスタートしました。全国知事会から収集しました情報では、現在五期以上の都道府県知事は全国に五人。石川県谷本正憲知事、大分県広瀬勝貞知事、兵庫県井戸敏三知事、徳島県飯泉嘉門知事、そして、青森県三村申吾知事となっております。残念といいますか、幸いといいますか、最年少は飯泉嘉門知事で五十八歳でありました。  四期十六年の実績と抜群の知名度を持って約三十三万票を獲得し、新人候補に二十二万票余りの大差で当選したものの、過去二番目に低い投票率と根拠のない多選批判に疑問を持った県民も多かったはずであります。  また、知事選に先んじて行われました統一地方選挙にあっても低投票率傾向が確認されております。議場におられます期数を重ねられた議員各位におかれましても、立候補者として選挙活動をする側と、有権者として投票行動する側の言いようのない隔絶感を感じ、それは選挙を重ねるたびに大きくなっているのではないでしょうか。  私自身も、三村知事と同じく五期目の選挙、市議選から通算七期目の選挙を通してみずからの多選を振り返ったことも事実であり、この機会にこそ、多選の正体なるものに少しでも近づいてみたい思いで、我が国における多選の問題の背景や他国の実態等を若干調べたところであります。  歴史からひもときますと、我が国では、議員提案によって、一九五四年に知事の連続三期を禁じる法案、一九六七年には同じく都道府県知事の連続四期を禁じる法案、さらには一九九五年、都道府県知事政令指定都市市長の連続四期を禁じる法案が国会に提出されたことがありますが、いずれも廃案となっております。直近では、総務省に設置された首長の多選問題に関する調査研究会の報告書をきっかけに、神奈川県議会が全国初となる神奈川県知事の在任の期数に関する条例を可決したところであります。  この多選禁止条例の提案、制定に尽力した後の神奈川県知事である松沢成文氏が主張する多選弊害によりますと、人事権、公共事業の発注権、各種許認可権など強大な権限を掌握する知事による政治的独裁化の招来、人事の偏りと行政の私物化、行政のマンネリ化による職員の士気の低下、知事の在職そのものが次期知事選に向けての選挙活動となるなどが挙げられております。当該条例は任期を三期十二年までとするという内容ですが、条例発行には施行日条件が付されており、事実上の自粛条例となっております。みずからが発案した多選自粛条例を破って四選を果たした埼玉県知事に見られるように、多選を制限する公約を掲げながらみずから撤回する首長が少なくないのも昨今の実情のようであります。  一方、世界に目を向けますと、アメリカ、ドイツ大統領は二期、韓国は地方公共団体の長は連続三期、イタリアにあっては県及び市の長は連続二期をそれぞれ上限と定めているのであります。また、このほかにも、アジアや中南米、アフリカにおいても多選を制限している国は数多く存在しているようであります。  さて、冒頭このような話題に触れましたのは、先述した根拠のない多選批判は何だったのかという疑問があったからであります。政治や行政に対しての考え方や評価の仕方はそれぞれの立場や価値観によって大きな隔たりがあり、正解を求めること自体、不毛な混乱を招くとするならば、やはりその選挙結果をもって納得するべきでありましょう。私たち議員と知事の選挙は四年後にまた行われます。議員として選ばれ議席におります皆様、そして新人候補に投じられた十万五千票の意味をかみしめながらこの場においでの三村知事、そして議場にいらっしゃる全ての皆様と一緒に、この四年間、それぞれの矜持を県民にささげることをお誓いし、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、「選ばれる青森」への挑戦についてであります。  本県は、二〇〇三年の三村県政スタート直後に策定されました生活創造推進プラン以来、青森県基本計画未来への挑戦、青森県基本計画未来を変える挑戦とその理念を継承しながらも、激変する社会情勢を巧みに捉えながら、県行財政運営と県経済の成長戦略の進路を示し、歩んでまいりました。今議会開会日での知事の言葉を聞きながら、三村県政の誕生とともに県議会に参画させていただいた者の一人として、知事就任直後からさまざまな苦難に直面しながらも、青森県を絶対に潰さないというその一念で耐え忍んできた当時の姿を思わずにはいられませんでした。時として、周りに何と言われようが心を鬼に進めてきた行財政改革にも衷心より敬意を表するものであります。  耐え忍んできた一期目はまさに真冬、少しずつでも雪解けが始まり、早春の足音が聞こえてきたのが二期目でありましょう。収支均衡の実現、県政史上初となる県債残高の減少転換をなし遂げつつ、攻めの農林水産業による農業産出額や一次産品の輸出額の増大、東北六県中最多、伸び率全国トップとなった外国人延べ宿泊者数など、人並み外れたバイタリティーを持って結果を出してこられました。  夏のエネルギーを燃やした三期目、しっかりと実をならせた四期目、そして今、畑一面に広がるその果実を収穫する五期目となったのであります。四期十六年の成果とさらなる覚悟を持って、満を持して策定されたと言っていい青森県基本計画「選ばれる青森」への挑戦は、まさに二〇三〇年の本県の目指す姿を県民と共有し、何よりも青森県の次の時代を担う子供たちのために存在するものであります。そして、その実現のため先頭に立つのが県民より選ばれた三村知事であり、責任は極めて重大であります。
     以上の観点より、「選ばれる青森」に挑戦していく知事の決意をお伺いいたします。  質問の第二は、人口減少から考える青森県づくりについてであります。  本県人口は、昭和五十八年の百五十二万九千人をピークに減少が続き、直近の平成三十年には百二十六万二千八百人余りとなりました。また、人口増減率も、平成十八年から平成二十八年までの直近十年でマイナス九・一%と全国で二番目に大きい減少率となっており、今後、二〇四〇年までに百万人を下回ることが予測されております。  減少要因としては、大きく自然動態と社会動態に二分できますが、減少に転じた一九八五年ごろより、晩婚化と同時に高まる生涯未婚率や若年層の県外転出者の増加など、自然動態と社会動態の二要因による減少スパイラルに入ったと言ってよいかと思います。  テクノロジーの進展は選ぶ職業や働く場所にも大きな影響を与えつつありますが、三大都市圏に集中された巨大マーケットは今後ますます地方の人口減少を加速させるでしょうし、一極集中の波は、押し寄せるたびに地域経済を疲弊させ、地域社会を劣化させていくのであります。現に一人当たりの県民所得順位の低い県がとりわけ人口減少率が高いグループに入っている傾向にあり、この減少スパイラルから抜け出すために、これからも地方はもがき続けるのであります。  さて、本県もまたもがいている真っ最中でありますが、先ほども述べました攻めの農林水産業や観光産業の磨き上げにより、ここ数年間成果を上げてきたのは御承知のとおりであります。成果を上げてきたことは、この二分野を選択し、集中的にエネルギーを注いだ結果にほかなりません。経済を回すエンジンとして、農林水産業と観光産業を選んだ知事の選択は間違いではなかったと申し上げたいと思います。しかし、もし知事が政策的投資とマンパワーを総花的に使っていたとしたら今のような結果ではなかったのかもしれません。まさに選択と集中のなせるわざと言ってよいかと思います。  さて、しからば、自治体リーダーはどのように政策を決定し、また、その優先順位を決めているのでしょうか。誤解を恐れずわかりやすい話題として、大阪府と元マッキンゼー人材の関係を紹介させていただきたいと思います。  まずはマッキンゼー社について少しお話しさせていただきますと、アメリカに本社を置く同社は世界で最も権威あるコンサルティングファームとして、アメリカMBA学生就職人気ランキング第二位、東京大学就職人気ランキング第二位、京都大学就職人気ランキング第一位の実績を誇り、昨年三月まで東京都都政改革本部に小池知事のブレーンとして十三名の特別顧問、特別参与がおりましたが、うち五人がマッキンゼー・アンド・カンパニーの出身であります。元マッキンゼー日本支社長の大前研一氏、評論家の勝間和代氏、DeNAベイスターズオーナー南場智子氏、経済財政政策担当大臣茂木敏充衆議院議員なども出身者として知られておりますが、今後このようなグローバルコンサルティング企業から派生する人脈とスキルは日本の政財界に一定の影響を与えていくと言っても過言ではないと思います。  話を大阪府に戻しますと、マッキンゼー出身で大阪府特別顧問及び特別参与を務めました上山信一氏と大庫直樹氏が、大阪市を含めた中長期的政策の決定プロセスに大きくかかわったと言われております。上山氏で言いますと、二十を超える中央省庁、自治体、政府機関の各種改革プロジェクトの顧問や委員を歴任、また、大庫氏にありましても、金融庁参与、広島県特別参与を初め、企業顧問や大学非常勤講師を務める一方、著書「人口減少時代自治体経営改革 日本のあしたのつくり方」「地域金融のあしたの探り方 人口減少下での地方創生と地域金融システムのリ・デザインに向けて」などで、人口減少が与える自治体へのインパクトやそれに対する財政目線での改革方策に関する提言をまとめております。  日本経済新聞電子版でも、両氏を含む五人のブレーンが、大阪から国を変革との気概で、政策決定プロセス及び理論的支柱としてかかわってきたことが紹介されておりますが、彼らの認識は、財政悪化や地域経済の疲弊が続く大阪は日本の衰退を先取りしている、大阪の体制変革は日本全体の体制変革につながるというものであります。  この視点と認識を、我が国の食料や人材を支える地方の衰退こそが日本の衰退につながるという切り口で考えるとき、青森県はまさしく課題解決先進県としての役割を果たすべきであります。とりわけ、積雪寒冷地における社会生活や経済活動の継続性をどのように維持していくのか、冬期間の金銭的、肉体的、時間的ハンディキャップとストレスを抱える本県のさまざまな分野での取り組み、成果及び今後のさらなる挑戦の先にこそ、地方の共通課題である人口減少克服へのヒントが隠されているのかもしれません。  以上の観点より、稼ぐエンジンの一つ目、将来を見据えた農林水産業の振興について、次の四点をお聞きします。  ア、人口減少社会を見据えた本県農林水産業の振興について、知事の考え方について。  イ、本県農林水産業の輸出拡大をどのように進めていくのか。  ウ、本県における漁協合併協議の状況と県の対応について。  エ、本県における海面でのサーモン養殖の取り組み状況と県の対応について。  次に、稼ぐエンジンの二つ目、将来を見据えた観光振興について次の四点をお聞きします。  ア、今年度から計画期間が始まった青森県観光戦略の基本的な考え方について。  イ、観光地経営の視点に立った観光地域づくりに県はどのように取り組んでいくのか。  ウ、外国人個人旅行客の急増に県はどのように対応していくのか。  エ、七月からの台湾定期便就航に伴い、四季それぞれに満足してもらうため県はどのように取り組んでいくのか。  次に、これら二つのエンジンに入れる燃料として、人口減少に対応した労働力確保対策について、次の三点をお聞きします。  ア、県は、介護分野における労働力確保対策にどのように取り組んでいくのか。  イ、県は農業分野における労働力確保対策にどのように取り組んでいるのか。  ウ、労働力確保につながる農福連携に県はどのように取り組んでいくのか、それぞれお答えいただきたいと思います。  質問の最後は、私が今回の質問を通して早急に問題提起すべきと考えました人口減少で起こる地域社会の変化とその対応策についてであります。  内閣府、厚労省、農水省の各有識者会議委員も務めるジャーナリストの河合雅司氏の著書「未来の年表」は、少子高齢化を伴う人口減少社会で起こる不都合な真実を客観的にデータから読み解き、それらに対応した社会のつくりかえにどう取り組んでいくべきかのヒントを与え、ベストセラーとなった本でありますが、昨年十二月、これに続く第二弾として、「未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること」が刊行されました。第一弾は、どちらかといえば政府や自治体が取り組むべきことが書かれているのに対し、「未来の年表2」では、個人や民間企業が今からできることへのヒントが書かれております。著書の目次には、高齢女性の万引きが刑務所を介護施設にする、ガソリンスタンドが消え灯油難民が凍え死ぬといった比較的因果関係が想像できるものから、親が亡くなると地方銀行がなくなるや、小・中学校の統廃合が子供を生活習慣病にするといった、風が吹けばおけ屋がもうかる的な寄せ木細工の秘密箱から解を取り出すようなものが並んでおり、第一部の人口減少カタログで紹介される事柄は、誇大化されながらも現実味があり、思わずこれはまずいと叫んでしまう内容が書かれております。  本書に興味を持って御一読いただきたい思いから、学校の統廃合と生活習慣病の考察部分を抜粋紹介させていただきますと、地方では小・中学校の統廃合が進み、遠距離の通学を余儀なくされる子供たちも少なくない。こうした地域ではバスや電車の便も悪く、毎日歩いて通学するのではなく、親が学校まで送り迎えをしているといったケースも多々見られる。例えば香川県だ。小学四年生を対象にした香川県小児生活習慣病予防健診結果の概要によると、通学時の自動車による送り迎えは六・三%に上る。さらに周囲は大人ばかりという環境にいると、子供たちは大人の生活リズムに引っ張られ、夜型の生活になりがちだ。二〇一五年版子供・若者白書によれば、二〇一一年の十歳から十四歳の平均就寝時刻は二十二時二十四分である。さきに紹介した香川県小児生活習慣病予防健診結果の概要は、血液検査データの分析も行っているが、脂質異常は男子一一・九%、女子一三・八%だ。肝機能異常も、男子一二・九%、女子九・八%だった。こうした数字だけで確かなことは言えないが、中高年の病気と思われがちな生活習慣病が低年齢層にも広がっていることをうかがわせる。このような客観的なデータからあぶり出される不都合な真実は、私たちが今抱えている課題や問題の延長線上にあるもので、その解決のための持ち時間は決して長くはないのであります。  さて、焦点を地方の町とその生活に移しますと、次に挙げるような具体的影響が見えてきます。まず、小売、飲食、娯楽、医療機関など生活関連サービスの縮小。例えば市町村に一般病院が八〇%の確率で立地するためには二十七万五千人以上の人口が必要で、この人口と立地の相関関係は他の各種サービスにも置きかえられ、地方圏における雇用の六割以上を占めるサービス業の縮小によってさらなる人口減少に拍車がかかる。次に、税収減による行政サービス水準の低下。税収減と社会保障費の増大が同時に進むことにより、それまで受けられていた行政サービスが廃止もしくは有料化となり、結果として生活利便性の低下につながる。次に、地域公共交通の撤退と縮小。民間事業者に依存するゆえに、撤退と縮小は避けられず、また、車を運転できない高齢者がふえるのは必至で、地域生活に与える影響は極めて大きくなる。次に、空き家、空き店舗等の増加。世帯分化による空き家、売り上げ減や後継者不足による空き店舗がふえることで地域の景観や治安の悪化、さらには倒壊や火災発生の防災リスクが高くなる。次に、地域コミュニティーの機能低下。町内会の担い手不足や消防団員不足による共助・地域防災力の低下や、住民の地域活動が縮小することによって交流の機会が減り、地域のにぎわいや地域への愛着が失われていくなどなどが挙げられると思います。  本県にあっても、これらの具体的影響を回避することはもはや困難であり、全国平均を上回る人口減少のうねりの渦中にある現実を受け入れるならば、「克服」から「起こる変化への対応」という現実路線への切りかえが必要なのかもしれません。河合氏の著書名をかり、「未来の青森年表 人口減少青森であなたに起きること」に想像力をはせ、その事象にどう対応していくのか考え、行動するべきときであります。  以上の観点より、人口減少で起こる地域社会の変化とその対応策について、次の三点についてお伺いします。  ア、県は、人口減少で起こる変化や見通しをどのようにして把握しているのか。  イ、人口減少下において、市町村の持続可能な行政体制の確立に向け、県としてどのように対応していくのか。  ウ、地域公共交通ネットワークの維持に向けた県の取り組みについて。  以上、壇上からの質問といたします。 4 ◯議長(森内之保留) 三村知事。 5 ◯知事(三村申吾) おはようございます。岡元議員にお答えいたします。  まず私からは一点目、「選ばれる青森」に挑戦していく決意でございます。  私はこれまで、経済を回す取り組みを中心に生業(なりわい)づくりに全力で取り組み、徐々にではありますが、各方面で着実に成果を積み重ねてきました。  一方で、本県を取り巻く社会経済環境は、引き続く人口減少、グローバル化、第四次産業革命の進展など大きく変化しており、時代の転換点とも言うべき急激な環境変化の中にあっても、課題をしっかりと見据え、勇気を持って未来にチャレンジしていかなければいけないと考えているところであります。  この四月からスタートしました青森県基本計画「選ばれる青森」への挑戦では、本県の多様性と可能性を生かし、最重要課題であります人口減少の克服に向けて、五つの戦略プロジェクトを中心とした取り組みを強力に進め、「選ばれる青森」を目指していく決意であります。  具体的には、農林水産分野と観光分野を経済を回す取り組みの牽引役として、さらなる成長を目指すとともに、魅力ある多様な仕事づくりを強化していきます。また、若者、女性の県内定着、還流、そして県民の健康づくりなどの引き続く課題や、労働力不足、超高齢化時代への対応など顕在化してきた大きな課題に対しましても、臆することなく集中的に取り組みを展開してまいります。  計画に掲げた取り組みを着実に進め、県民の方々誰もがここ青森に生まれてよかった、ここで暮らしてよかったと思えるような青森県づくりに全力で取り組んでいきます。  人口減少社会を見据えた本県農林水産業の振興についての考え方でございます。  私が農山漁村地域の人口減少を強く意識して施策を展開いたしましたのは、第二期攻めの農林水産業をスタートさせた平成二十一年度にさかのぼります。  農村地域において、経済基盤である農業の収益性を高めることで持続可能な社会の実現を目指す、攻めの地域営農企業化戦略を策定し、高収益作物の導入でありますとか農地の集約化等を促すとともに、例えば外ヶ浜町の農事組合法人上小国ファームのように、他地域のモデルとなる経営体の育成に取り組んだところでございました。  平成二十四年度からは、こうした経営体を地域の経済と社会を支える地域経営体として位置づけまして、また、次代を担う若手就業者を地域みずからが育成する施策を人口減少対策の柱に据えますとともに、土地改良や漁港、漁場など生産基盤の整備を将来に向けた投資として計画的に進めてきたところであります。  このたび県内各地を訪れました際、こうした取り組みの成果を肌で感じられた地域があった一方で、遊休農地とか空き家が散見されるなど人口減少の影響が進んでいる地域もあり、改めて地域で経済を回し人口を取り戻す政策を、市町村と力を合わせて強力に展開していく必要があると決意した次第でございます。  今後は、第四期攻めの農林水産業の施策を柔軟な発想と斬新なアイデア、行動力を持って着実に推し進め、激しい環境変化の中にございましても、本県の農林水産業が経済を回す原動力として成長していくよう力を注いでいきたいと考えております。  続いて、本県農林水産物の輸出拡大についてでございます。  私はこれまで、平成二十六年三月に策定いたしました青森県輸出拡大戦略に基づき、経済発展が進む東アジアを中心に、みずから先頭に立ってプロモーションや海外バイヤーの産地招請等を実施してきたところであり、この結果、農林水産物の輸出は、直近三年間の輸出額が戦略目標の二百十億円をいずれも上回り、特にリンゴの輸出額は五年連続で百億円を突破するなど、着実に拡大しています。  私は、人口減少が進み、国内市場の縮小が避けられない状況の中で本県農林水産業の成長を持続させていくためには、本県の高品質な農林水産物を海外にも積極的に販売し、生産者の収益向上を図っていくことが重要と考えるところであります。  このため、本年三月に策定いたしました青森県輸出・海外ビジネス戦略では、これまでの輸出実績や生産量、輸出先の状況変化を見きわめつつ、これまで築いてきた輸出先との信頼関係を強化しながら、輸出額二百九十億円の達成を目指すことといたしました。  今後も、リンゴ、米、ホタテ等々こういったものを中心に、観光と輸出の相乗効果が期待できる台湾、香港などの東アジア、リンゴを中心に伸びが見込まれますタイ、マレーシアなどの東南アジアを柱として、現地における認知度及び評価向上に向けた取り組みを継続的に展開し、県産農林水産物の輸出拡大につなげていきたいと考えております。  続きまして、今年度から計画期間が始まりました青森県観光戦略の基本的な考え方でございます。  私は、人口減少社会が本格化する中、地域経済の活性化と地域活力の維持、向上を図るためには、宿泊、交通、飲食、土産品など裾野が広い総合産業であります観光産業が基幹産業となり、地域経済を牽引する原動力に成長させる必要があると考えるところであります。  そのため、新しい青森県観光戦略では、世界遺産白神山地や北海道・北東北の縄文遺跡群、十和田八甲田地域等の本県を代表する地域資源のブランド力や食の魅力、四季折々の強みを生かし、国内外から観光需要のさらなる獲得を図るほか、観光客数の増加など県内総時間を拡大する量的な視点とともに、これまで以上に観光と物産の連動による相乗効果の拡大や、本県滞在中の活動の高度化や深まりといった滞在の質を高める取り組みを推進していきます。  私は、観光客の方々の満足度を向上させ、それによって、また行きたい、あるいは知人等に勧めたいといった次の旅行のきっかけにつなげる旅の場面における好循環を生み出し、本県が旅の目的地として世界から選ばれることを目指して積極的に観光振興に取り組んでいきます。  続きまして、七月からの台湾定期便就航に伴い、四季それぞれに満足してもらうための取り組みでございます。  国の宿泊旅行統計調査によりますと、青森県を訪れる外国人観光客は台湾からの観光客が最も多く、これまで私みずからも現地を訪問し、旅行会社や航空会社、観光博等で積極的に行ってきたプロモーション活動が着実に成果を上げているものと考えております。  私は、七月からの定期便の就航は台湾からの観光客のさらなる増加を図る絶好の機会であり、その効果を最大限に取り込むため、観光客が集中しております春の桜の時期や秋の紅葉の時期のみならず、夏季、夏場及び冬季、冬場の観光客の増加を図るため、青森ならではの食や温泉の魅力とともに、季節ごとに台湾の観光客のニーズに合わせた魅力ある観光コンテンツをさらに充実させ、提供していく必要があると考えています。  このため、夏季、夏場におきましては、近年、台湾で人気が高まっておりますサイクリングやトレッキング等のアクティビティー等を台湾人観光客が気軽に体験できるよう受け入れ環境の整備に取り組みます。  また、冬季におきましては、スキーや雪遊びといった雪関連の旅行需要があり、スキーツアーの来県も増加しておりますことから、既存コンテンツの一層の磨き上げに加え、雪上ボート体験など雪と親しむことができるコンテンツの充実などによりまして、冬の新たな楽しみ方を提案いたしまして、青森─台北線の就航の効果を最大限に獲得したいと考えております。  私からは以上であります。 6 ◯議長(森内之保留) 青山副知事。 7 ◯副知事(青山祐治) 労働力確保につながる農福連携に県はどのように取り組んでいくのかについてお答えいたします。  県では、農業分野における労働力の確保と障害者の就労促進を図るため、平成二十三年度から農福連携に取り組んでおり、障害者に農作業体験をしてもらう就労モデル実証では、参加した農業者七十七人のうち四十三人が実証後も作業を委託するなどの成果が得られています。  その一方で、農業者の求人が少ないことやマッチングの体制が整備されていないことに加え、農福連携を現場でリードする人材が不足していることなどが課題となっています。  こうした状況を踏まえ、平成三十年度から、地域の実情に応じたマッチング体制を構築するため、県内八農協に委託して農業者の求人と福祉事業所の求職のデータベース化を進めており、今年度は得られたデータを活用し、農業側と福祉側のマッチングを行うこととしております。  また、農業者の障害者に対する理解促進を図るため、セミナーや現地検討会を開催するほか、農福連携の推進役を担う農業ジョブトレーナーの養成研修を行うこととしております。さらには、長期的観点から、将来の経営者を養成する営農大学校において、障害者就労に関する講義をカリキュラムに組み入れるなど意識啓発にも努めていきます。  県としては、こうした取り組みを継続していくことにより農福連携の輪を広げ、共生社会の実現につなげていきたいと考えています。 8 ◯議長(森内之保留) 総務部長。 9 ◯総務部長(鉄永正紀) 人口減少下における市町村の持続可能な行政体制の確立に向けた県の対応についてお答えいたします。  住民に身近な基礎自治体である市町村においては、人口減少や少子高齢化の進行、行政需要の多様化など社会経済情勢の変化に一層適切に対応するため、効率的かつ安定的な行政サービスの提供体制を構築することが求められております。  このため、県内市町村では、行財政改革を進めるとともに、定住自立圏や連携中枢都市圏の形成など、市町村が相互に連携、協力しながら圏域全体の活性化を図る広域連携を推進しており、県としても、ヒアリングや会議等を通じて市町村への助言等を行ってきたところです。  また、今年度は、市町村における業務改革意識の醸成を図るための研修会やICTを活用した業務改革のモデル事業を実施することとしております。  県としましては、これらの取り組みを通じて、県内市町村の持続可能な行政体制の構築を支援してまいります。 10 ◯議長(森内之保留) 企画政策部長。 11 ◯企画政策部長(柏木 司) 御質問二点についてお答えいたします。  まず、県は、人口減少で起こる変化や見通しをどのようにして把握しているのかについてです。  本県の人口は今後も減少傾向が続き、老年人口の割合が増加する一方で、生産年齢人口の割合が減少すると見込まれています。人口減少の進行に伴い、労働力人口の減少による経済活動の縮小、買い物や移動などの生活支援機能や地域コミュニティー機能の低下などの影響が懸念されます。  一方で、第四次産業革命や国が進めるSociety五・〇の進展、経済のグローバル化などは、産業構造や私たちの暮らし、生き方、働き方にも大きな変化を及ぼすことが予想されます。  県では、こうした人口減少によって起こる変化や将来の見通しについて、県内外の有識者を委員とする総合計画審議会において議論を行い、今後の取り組みの方向性について毎年度提言をいただいているところです。また、国内外の多様なネットワークを活用しながら、世界の潮流や我が国の動向、その中での本県の目指すべき方向性などについて、意見交換、情報交換を積極的に進め、具体の施策立案に生かしているところです。  県としては、これまでに経験したことのないような変化の真っただ中にあって、前例や固定観念に捉われず、今後起こるさまざまな環境の変化や将来の見通しを多角的に把握しながら人口減少の克服に取り組んでいきたいと考えています。  次に、地域公共交通ネットワークの維持に向けた取り組みについてです。  人口減少や自家用車の普及に伴って地域公共交通の維持が厳しさを増す中、将来にわたって持続可能な交通ネットワークを構築するため、県では、平成二十八年に策定した青森県地域公共交通網形成計画を踏まえ、青森県地域公共交通再編指針を本年三月末に策定いたしました。  県としては、この指針に基づき、引き続き交通事業者や市町村と連携しながら、県民が安心して移動、外出できるネットワークの構築に向けて広域バス路線の再編を進めるとともに、交通拠点における広域路線バスと域内交通との乗り継ぎ利便性の向上を図ることとしています。  また、公共交通利用者の増加に向けて、通勤や通学における公共交通利用を促すモビリティーマネジメントの取り組みを進めるとともに、市町村や交通事業者が運行するコミュニティーバスや路線バスの情報が民間の交通検索サイトで利用者に届くようオープンデータ化を推進していくこととしています。  こうした取り組みについては、県バス交通等対策協議会等において、交通事業者や市町村と取り組み状況を情報共有しながら着実な実行を促すことにより、将来にわたり持続可能な地域公共交通ネットワークが維持されるよう取り組んでまいります。 12 ◯議長(森内之保留) 健康福祉部長。 13 ◯健康福祉部長(有賀玲子) 介護分野における労働力確保対策についてお答えいたします。  本県は、他都道府県と比較して速い速度で高齢化が進み、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年には約三千六百五十人の介護人材が不足する見込みとなっております。  このため県では、青森県福祉・介護人材確保定着グランドデザインを平成二十八年三月に策定し、幅広い人材の参入促進、労働環境・処遇の改善による定着促進、資質の向上の三つの推進戦略に基づき、介護分野における労働力の確保に向けたさまざまな取り組みを行ってきたところです。  具体的には、参入促進に資する取り組みとして、介護現場での就労意向のある介護未経験者等に対し、介護現場で必要とされる基本的な知識を修得させるための入門的な研修を実施し、介護に関する一定水準の知識を持った人材を地域へ輩出し、介護現場への就労に結びつけています。  また、労働環境、処遇改善に資する取り組みとして、介護職員が専門的な知識や技術を必要とする業務に専念できるよう、配膳や清掃等の家事的な業務を担ってもらう介護助手の育成を図っています。  さらに、資質向上に資する取り組みとして、職域階層に応じた各種研修の実施により介護職員がキャリアアップできる環境を整備しています。  県では、引き続き、介護職員が働きやすい職場づくりに向けた取り組みを推進することで介護分野における労働力確保を図っていきたいと考えています。 14 ◯議長(森内之保留) 農林水産部長。 15 ◯農林水産部長(高谷清孝) 御質問三点にお答えします。  初めに、本県における漁協合併協議の状況と県の対応についてです。
     本県では、平成二十九年二月に、県漁連などの系統団体で組織する青森県漁協経営安定対策協会において、平成三十一年度末までに県内の四十七漁協を西北、陸奥湾、下北、三八の四地区ごとに一漁協に合併することを目指す青森県漁協合併基本計画を策定しました。  これを受け、平成二十九年五月に地区ごとに漁協の組合長等で構成する合併推進協議会が設立され、合併に向けた協議が進められてきましたが、本年二月から三月にかけて開催された各協議会において、全地区で合併期限を一年延長すること、さらに下北地区では、合併の枠組みを東西で二つに分けることが決定されたところです。  この決定を踏まえ、現在は、令和二年度末までの五漁協への合併に向けて、各協議会に設置している専門委員会において合併事業計画の原案作成が進められているところです。  県としては、引き続き、協議会や専門委員会に参画し、合併の合意形成を促進するほか、今年度からは、国や全国系統団体と連携し、欠損金を有している漁協に対する経営改善計画の策定指導や合併促進に係る研修会等の企画検討など、合併に向けた取り組みが円滑に進むようサポートを強化していくこととしています。  次に、本県における海面でのサーモン養殖の取り組み状況と県の対応についてです。  本県における海面でのサーモン養殖は、むつ市大畑町地先において、地元の漁業生産組合が海峡サーモンとして生産販売を行っており、最近では水煮缶詰等の加工品も販売されるなど、地域を代表する産品として定着しています。  また、深浦町、今別町及び外ヶ浜町地先においては、県と町、漁協、民間企業等が連携して事業化に向けた養殖試験を進めてきたところであり、深浦町地先では、採算性など事業化にめどがついたことから、昨年九月に地元漁協に対して、養殖に必要な区画漁業権を免許し、本年四月から水揚げが始まっています。一方、今別町と外ヶ浜町地先については本年四月に地元漁協に区画漁業権を免許し、秋以降、本格的な養殖が行われる予定となっています。  県としては、サーモンを本県における主要な養殖魚種として育てていくため、海峡サーモンについては、生産者による県内量販店での販売や各種イベントでのPRの機会を設けて販売促進を図っています。また、深浦町地先等で養殖されるサーモンについては、県産業技術センター内水面研究所と連携して、より海水適応能力が高く、成長が早いサーモンの開発などを進め、安定生産を支援していくこととしています。  最後に、農業分野における労働力確保への取り組みについてです。  人口減少が進行する中で本県農業を持続的に発展させていくためには、安定的に労働力を確保する仕組みづくりが喫緊の課題であることから、県では、昨年四月に青森県農業労働力確保戦略会議を設置し、国や市町村、農業団体等と情報共有を図りながら対策を進めています。  昨年度は、農業者を対象とした労務管理研修の実施や農業未経験者が農作業を学ぶ体験農場の設置により、求人、求職者双方のスキルアップを図るとともに、JAグループと連携して、求人情報をわかりやすく簡単に検索できるマッチングサイトの開設や、企業、団体に潜在する労働力の掘り起こしの実証に取り組んできました。  また、今年度は、体験農場の増設や初心者向け研修会の定期開催、求人情報を提供する農協数の拡大など、求職者の利便性の向上を図る取り組みを強化しています。  さらに、求人、求職の活発化を図るためには、農業労働力に関する現状や取り組みを広く県民に理解してもらうことが重要であることから、これまでの県の広報媒体に加え、SNSなど多様な手法による戦略的な情報発信により、県民が本県農業を応援する機運の醸成に努めていくこととしています。 16 ◯議長(森内之保留) 観光国際戦略局長。 17 ◯観光国際戦略局長(秋田佳紀) 将来を見据えた観光振興についての御質問二点にお答えいたします。  まず、観光地経営の視点に立った観光地域づくりの県の取り組みについてです。  観光客のニーズが多様化、高度化する中、国内外から県内への観光客の流れを生み出すためには、各地域の観光マーケティング機能の構築や人財の育成に取り組み、観光地経営の視点に立った戦略的、持続的な観光地域づくりを進めていくことが必要と考えております。  このため、県では、観光マーケティングの専門家から構成するアドバイザリーボードを設置し、観光統計関連情報等を集約して定期的な分析を行い、その概要を観光関係者と共有することに加え、日本版DMO候補法人等と定期研究会を開催し、各地域が抱える課題の解決に向けたアドバイス等の支援を行うことによりマーケティングを担う人財を育成することとしております。  また、各地域における観光マーケティングの実践力を高めるため、具体の観光コンテンツをモデルとし、誘客ターゲットの設定、嗜好性・ニーズの把握、効果的な訴求方法などを実地に学ぶことにより、日本版DMO候補法人等の通年での誘客対策や新たな顧客層の開拓を支援していくこととしております。  県としましては、関係者のスキルアップを支援しながら、地域の観光マーケティング機能を強化し、戦略的な観光地域づくりの取り組みを促進していきたいと考えております。  次に、外国人個人旅行客の急増への県の対応についてです。  日本を訪れる外国人旅行客は、二〇一八年に初めて三千万人を突破し、二〇二〇年の四千万人という政府目標に向け、急速に増加しております。  また、国の訪日外国人消費動向調査によりますと、外国人旅行客全体に占める個人旅行客の割合が、二〇一二年の約六一%から二〇一八年には約七九%に上昇し、旅行形態が団体旅行から個人旅行へと変化する中、県内においても個人旅行客の増加が顕著になっているとの声を多くの観光事業者から聞いているところでございます。  このような中で、本県を訪れる外国人個人旅行客のさらなる拡大のためには、Wi─Fi環境や外国語表記、キャッシュレス決済等に加え、ターミナルである主要駅や空港からの二次交通を充実させ、その交通情報をわかりやすく発信することなど、個人旅行にも対応した受け入れ環境の改善により外国人旅行客の利便性や満足度を向上させていく必要があります。  このため、今年度は、県内町村の外国人の受け入れ環境整備の充実を図るため、町村の観光事業者等を対象に受け入れ環境の整備に向けた取り組みを支援するほか、二次交通については、外国人個人旅行客を対象にアンケート調査とその結果を踏まえた実証実験を行いながら利便性を高め、さらなる誘客と県内周遊の促進に努めてまいります。 18 ◯議長(森内之保留) 岡元議員。 19 ◯三十八番(岡元行人) 御答弁をいただいたわけでありますが、私も、限られた時間でありますので、選択と集中として、(4)の人口減少で起こる地域社会の変化とその対応策というところについて、若干の情報提供、意見並びに再質問をさせていただきたいと思います。  何といっても今回の私の質問の最大のテーマは、やはり人口減少で起こる、このとおりなんですが、地域社会の変化、県全体の変化、あるいはその劣化と疲弊に対してどのように対応していくのか。もう既にお題目を唱えているときではなくて、個別具体の地域に合った問題、課題、これはもう待ったなしであると思っております。わかりやすい例で言うと、私は地元が弘前市なのでありますが、ほぼ食堂がなくなっていっています。買い物をするにも、県外資本のスーパーが台頭して地元資本のスーパーがなくなっていくと。固有名詞で大変申しわけないんですが、私の地元に弘前資本でスーパーさとちょうというのがあるんですが、勝手に仲間で、さとちょうから買い物をする会みたいなものを立ち上げたりとかしないと、にっちもさっちもいかない状況になるという非常に深刻な状況であります。  まずは、人口減少で起こる変化や見通しの把握について、県はもっと細かく丁寧に把握していく必要があるんだと思います。それぞれの地域であったり、市町村であったり、あるいは各業界であったり、その辺にもう一歩、二歩踏み込んで、現状どうなっているんだろうということをもう少し深掘りした上で、しからば、それに対しての対応策というのを国の施策などの活用も含めて、あるいはそれをまた市町村にどう落とし込んでいくのかということも含めて行動していく場面なんだと思っております。  先ほど壇上でちょっと紹介しましたけれども、そのための政策立案及び遂行に外部のプロフェッショナル人材の活用というものも検討すべきではないかと私は思っております。例えば農業・観光分野にあっては、国内外の市場分析、先ほど企画政策部長が答弁されましたけれども、一部県内や県外の専門的な方々を招いて構成する検討委員会や審議会、私もメンバーのリストを見させてもらいましたけれども、それぞれに県内で業界のリーダーとして活躍されている方ばかりなので、それにどうこうということではないんですが、さらに高度なプロフェッショナル人材、スペシャリティーという方のアドバイスを求めてこそ、戦略的な政策、あるいはまた段階的な取り組みというものが可能になると考えております。  過去にも私は議場の席から、県内出身のスペシャリティーな方々を二、三紹介したんですが、私自身、今でもこの方と年に、帰省のタイミングだったり、あるいは地域の若手の経営者が相談があるといえば、東京に出向いてお連れして時間をとってもらったりする方なんです。青森高校を卒業、国際基督教大学を卒業、その後にサセックス大学大学院を卒業、その後はユニセフブータン事務所のインターンを経て、先ほど紹介したマッキンゼーと並ぶ世界三大戦略コンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニーというところで、プリンシパルというグループ第二位のポジションの鈴木祐太氏がいらっしゃいます。まだ弱冠三十六歳なのでありますが、私が出会った六年前はまだチームリーダーでありました。もう入社十三年目で、外資の社員でいいますと、ほぼ同期で十年以上いるのは数%しかいないという非常に競争の激しい社会なのでありますが、この中で恐らく年内には共同経営者となる、パートナーになるとも言われております。  下世話な話題で申しわけないんですが、わかりやすいところで言うと、このクラスになると年収が五千万円を超えます。直近のコンサルティング情報で聞いたところでは、国内屈指の光学メーカーの中期経営計画のチームリーダーとして入ったわけですが、彼のクラスといいますか、青森県ではなかなかさわることのできない人脈であります。地元に貢献したいという思いから、何かあったらいつでも相談してくれということで、彼の非常に高い人件費を余り気にもせず、何かあったらいつも電話なりメールで連絡するのでありますが、直近で言いますと、県内の学校法人が経営的に非常に危機的状態にあるという相談をことし三月に受けまして、彼を紹介しました。その上で、国際的な企業になると、プロボノといういわゆる自分たちのスキルをボランティアで提供しようという社内の活動があって、そのプロボノの延長線上で、この学校法人の経営改善計画にお手伝いをしてもらったりして、今かかわりを持ってもらっております。  そういう意味では、ふるさとに対する思いもある方がこういうポジショニングにいて、スペシャリティーな人脈といわゆるプロフェッショナルなスキルを持って活動されている、例えばこういう方を活用するという場面もあっていいかと思います。  とりわけ我々の政治の分野をやゆする言葉で、政治は三流、経済は一流なんていう使い古された言葉がありますが、経済が一流だとすれば、その一流企業を支える一流のアドバイザーがいるということを彼との出会いで私はわかったわけであって、先ほどの大阪府の例ではないんですが、そういう人材が近くにいるということも意識しながら、特別参与とか顧問とかというポジションでなくてもいいですので、個別具体の何かプロジェクトがあったときに気軽に相談できるようなチャンネルを持っているか持っていないかだけでも、三村県政五期目にあっても、よりスピード感もある、あるいはまた時間的な制約の中での時間軸の設定も明確になる、そういうようなプロのアドバイスもあっていいのではないかと私は思っております。  いま一人御紹介したいのは、この方も青森高校出身で、最後は東京大学の大学院を卒業しているんですが、三十七歳の新井田信彦氏であります。彼は今、世界第八位の売り上げを誇る製薬会社のアッヴィという会社のシニアアナリストを務めております。そもそもデータサイエンティストでありまして、今から五年ぐらい前に県の企画調整課、商工政策課が企画した、ビッグデータから読み解いて企業活動にそれをどう役立てようかというセミナーがあったんですが、私もこれに参加させてもらいました。私が紹介したわけではないんですが、たまたま彼が講師で、県内企業の方々にデータをどう活用すべきか、データから何を掘り起こすべきか、そこでどう企業戦略に入れていくべきかということの講師もやった方であります。  例えば、県でことし、市町村業務改革促進事業というのを新規でやられております。これはやや遅きに失した感はあるんですが、よく私は県と市町村の関係を三兄弟に例えます。長男の県、次男の市、三男の町村。分家しても、次男、三男がなかなかうまくいかない場合は長男がちゃんと面倒を見なければいけないじゃないかということで、一歩踏み込んだ一つの形が、BPR──業務プロセス改革の必要性を意識して、職員も減っていく中でどうやってふえていく行財政需要に応えていくかということを県が主導して業務改革モデルを提案しようと。まさにアッヴィの新井田氏がやっていることが、社内におけるAIと機械学習による社内改革であります。例えばスポットで、プロフェッショナルですからこういう方のアドバイザリーをいただくというのもあっていいのではないかと私は思っております。  県政が抱えるさまざまな課題の中で、三村県政がこれから結果を出していくこと、我々議員もそうですし、県民もそうですし、恐らく全ての期待がこの四年、五期目の三村知事の肩に、体にのしかかってくるかと思いますので、私はその結果に対して大いに期待もしておりますし、必ずや我々に応えてくれるものと思っている者の一人として、今後ますます政策立案、あるいは実行、それを通しての果実をしっかりと我々に還元していただくべく取り組みのために、外部人材の活用というものも考えてしかるべきタイミングなのではないかと思っております。  例えば自治体クラウド、これもまだいろんな状況の中で進みません。昨年、私は国内でも進んでいると言われている京都府と北海道を調査してまいりましたが、これは大手のベンダーではなくて、県内にある地元のベンダーがイニシアチブをとりながら、むしろ大手のベンダーを下請で使っているというたてつけになっておって、トラブルのときのフットワークも非常に軽く、あるいは何かあったときのリスクヘッジもそこでされるというようないい形をつくっております。佐々木副知事が当県の最高情報責任者を兼務しているわけでありますが、例えば自治体クラウドの構築をミッションとした外部CIOの任用というものも私は考えていいかと思っております。今、国内では都道府県で約五人、市部にあっては約三十五人が、外部の最高情報責任者として自治体の情報関連の分野にその能力を発揮されていると聞いております。例えばこういう分野。また、何といっても、知事が選択と集中で成果をおさめている農業、観光といった、まさにこれからの戦略的取り組みが必要とされる分野でのプロフェッショナル人材の活用を考えてもいいのではないかと思っておりますが、その辺についての知事のお考えをお聞かせください。 20 ◯議長(森内之保留) 三村知事。 21 ◯知事(三村申吾) 岡元議員にお答えいたします。  外部人材の活用ということでのアイデアでございました。アドバイス、まことにありがとうございます。  私自身はもちろんでございますが、県庁内のそれぞれの部局におきましても、日ごろから国内外を問わず各分野で活躍されている方々の知見を得るよう努めておる次第でございます。例えば基本計画につきましては、こうした取り組みの中で得られた多彩な情報を共有しながら、本県を取り巻く環境変化とこれからの展望、あるいは今後の課題などを総合的に検討し、策定したというようなこと等もございました。  AIやIoTの進化に伴い、社会経済から私たちの身近な暮らしまで非常に大きな環境変化が見込まれる時代でございます。したがって、御指摘のとおり、グローバルな視点といったことも含めて、さらに重要になってきますことから、さまざまな御意見を参考にしながら、我々青森県の未来を元気にするように努めていきたいと思っております。アドバイス、まことにありがとうございます。 22 ◯議長(森内之保留) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午前十一時四十三分休憩     ─────────────────────── 午後一時再開 23 ◯副議長(櫛引ユキ子) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  四十六番田名部定男議員の登壇を許可いたします。──田名部議員。 24 ◯四十六番(田名部定男) 民主連合の田名部定男でございます。  まずは三村知事、五期目の当選おめでとうございました。今後、四年間の青森県勢の進展のためにさらなる御活躍を期待いたします。  知事は、知事選挙を通じて青森県の基本計画に沿った政策を訴えてきたと思います。とりわけ人口減少問題には、これまでも取り組んできたでしょうし、新しい任期においても中心に据えるべき課題であると思います。中でも大きな課題は若者の県外流出であると思います。男女ともに十八歳、二十歳、二十二歳で大幅な転出超過となっており、高校や大学などの卒業に伴う転出の影響が大きく、これをいかにとめるかであります。とめることは不可能でも、いかに緩和策を打ち出せるか。そのほかにも、人口減少の要因としては、自然減、社会減の両面で進んでおり、景気動向などの影響も見逃すわけにはいきません。  さて、アベノミクスと騒がれて六年が経過いたしました。アベノミクスの三本の矢の一つ、成長戦略はいまいちその効果が見えていないと私は思います。成長戦略の成否は、経済の好循環にかかっていると思います。地方には、その実感として全くありません。国が吹聴し、期待していたトリクルダウンはどこに消えてしまったのか、その効果は全く見えません。地域の経済の活性化のためには地域の知恵が試されていますし、自立のためにもいろいろな方策を模索していかなければならないと思います。  今回、私の質問の中心は、知事選挙に公約として掲げた政策について、その実現のためのプロセスについて伺うものであります。  まず、三村知事の公約実現へのプロセスについて伺います。  その一つは、県では経済を回す取り組みを進め、県民の所得向上を目指すとしていますが、近年の県民一人当たりの県民所得の推移について伺います。  国で言いますと、国内総生産の六〇%を個人消費が占めていると言われます。このことの傾向は、青森県においても経済を回すエンジンになると私は思っています。  その二つ目は、今後四年間、公約の実現に向けて経済を回す取り組みをどのようなプロセスで進めていくのか知事の考えを伺います。  付言しておきますが、経済を回すとは、国で言う経済の好循環の青森地域版かともとれますが、県内に存在するあらゆる産業を活性化し、そこに従事する人々の生活の安定が図られなければなりませんし、魅力ある地場産業として県民に認められるようにしていくことが重要であると思います。その効果として、人口定住、若者の地元志向へと変化していくのではないかと思います。  次は、人口減少克服の取り組みについて伺います。  まず、その一つは、地方創生の取り組みについて伺います。人口減少対策に取り組んできた県として、地方創生が目指したことへの取り組みとその結果を検証しておくべきと考え、取り上げました。  地方自治体が二〇一五年度以降取り組んできた第一期の地方版総合戦略が最終年度を迎えました。しかし、この五年間で人口減少対策で十分な成果を上げた自治体は多くないという指摘があります。地方創生の重要な節目となるこの一年に、自治体がいかに総合戦略の検証と改善に取り組むかが、将来のその地域の明暗を分けるのではないかと思います。地方創生は、まち・ひと・しごと創生法のもとで人口減少に歯どめをかけること、東京圏への人口の過度の集中を是正すること、それぞれの地域で住みよい環境を確保することを目的としていました。  国は、二〇六〇年に一億人程度の人口を確保する人口展望を示した長期ビジョンと、二〇一五年度から二〇一九年度までの五年間の政策目標、施策を示した総合戦略、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、都道府県と市町村にも地方人口ビジョンと地方版総合戦略の二〇一五年度中策定を求めてきました。  この地方人口ビジョンには、それぞれの人口動向などの実態を明らかにした上で、国立社会保障・人口問題研究所──社人研でありますが──の将来推計人口に基づいて、各自治体が独自に推計した将来人口が示されることになっていました。  地方版総合戦略には、国の四つの基本目標として次のことが示されていました。まずその一つは、地方における安定した雇用を創出する。二つ目が、地方への新しい人の流れをつくる。三つ目が、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる。そして四つ目が、時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する。到達目標としてのこの四項目と、社人研の推計人口を青森県の人口の現状と照らして、五年間という期間での取り組みのハードルはかなり高かったのではないでしょうか。特に東京への一極集中に歯どめがかかっていない現状を見ると、青森県のみならず、東京を除いた全国の自治体は人口減少でありました。人口の増減を勝ち負けで言うなら、東京のひとり勝ちであります。  そこで二点について質問いたします。  まず一つは、青森県長期人口ビジョンにおける人口推計に対して、実際の人口はどのように推移しているのか伺います。  二つ目は、これまでの地方創生の取り組みにもかかわらず、東京一極集中に歯どめがかかっていないのですが、今後、人口減少克服にどのように取り組んでいくのか伺います。  次は、高校生の県内定着について伺います。  選ばれる県内企業魅力発信事業費のところで、高校生、大学生やその保護者に対して、県内就職に関する情報を強力に発信するとともに、県内企業の自助努力への支援もあわせて行い、学生の県内就職の促進を図り、職業体験を通じて県内企業への関心を喚起し、未来の労働力の確保につなげるとあります。また、現状と今後の課題として、平成三十年卒業生の実績をもとに分析を行っていますが、県立工業高校の県内就職が県内割合三八%と少なく、県内大学のうち県内就職も三二・五%であります。その原因として、高校生、大学生の県内の企業や県内就職についての情報不足、理解不足が挙げられると思います。  チャレンジングフィールドアオモリでかなり現状分析が行われていますが、その中でこのような文言があります。全国の高校生は地元就職がスタンダードです。戦後の高度成長期、地元で就職先を見つけることが難しかった若者たちは地方から都会の企業に集団就職していましたが、それは半世紀以上前の遠い昭和の話ですとあります。今や全国的には地元就職が八〇%を超えています。青森県はというと、それが五六・九%になっています。地元紙でも取り上げられました。また、選ばれる企業に向けた自助努力への支援も打ち出されています。  選ばれる企業と密接に関連すると思いますが、子供の就職先に望むこととして、賃金よりも福利厚生制度の充実などが挙げられています。このことについて、県内の企業の経営者の意識はどのようなものか、そして福利厚生制度の充実されている企業の実態はどのようになっているのでしょうか。賃金比較ではなかなか中央には勝つことができないと思われることから、福利厚生制度の充実に力を注ぐべきと思います。  二点について質問いたします。  まず一つは、行政による地元での生活の魅力発信とともに、県内企業みずからも雇用環境の改善など、人財確保に積極的に取り組む必要があると思いますが、県の御所見を伺います。  二つ目は、生徒、教員、保護者が県内企業への理解を深めるための、県教育委員会の取り組みについて伺います。  次は、UIJターン就職及び就職氷河期世代の就労支援について伺います。  これまでのUIJターン就職への取り組みについては理解していますが、今回はUターン就職の取り組みを一層強化すべきと思い、取り上げた次第です。チャレンジングフィールドアオモリでも分析されていますが、県外に就職した後は約四〇%が将来的には青森に戻ってきたいと思っていること。県外就職を希望した理由においては、県外でなければならない理由は少ないとなっています。  人財の還流事業の目的はこの青森に住んでもらうことでありますが、Iターン、Jターンに関しては、その人の好みで決まるように私には思えてなりません。やはりこの青森への人財還流、永住の可能性の高いUターンの促進に取り組むべきと考えます。県の取り組みについて伺います。  次に、国は就職氷河期世代の安定的な就労支援をしていくということが突然表明されました。一九九三年から二〇〇四年ごろに就職活動をしたいわゆる氷河期世代は、報道によると千七百万人と言われ、年代で言うと今は三十歳代半ばから四十歳代半ばと言われ、私と同じ世代かその下の子供たちであります。そのうち四百万人が非正規雇用や無職ということです。その中で約五十万人は正社員化を希望しているという調査結果も出ています。  経済情勢の好転に伴い新卒者の就職状況は改善されていますが、氷河期に安定した仕事につけなかった人が多く取り残され、低収入のため家庭も持てず、将来に不安を抱く人も少なくないと言われ、この世代が老後に入る二〇四〇年ごろには六十五歳以上の人口が最多になり、社会保障財政も立ち行かなくなることも想定されています。正社員と異なり、非正規雇用者は厚生年金から除外され、基礎年金だけです。今騒がれている年金の不足分は二千万円、その二倍、三倍となるでしょう。大事なのは、国が支援しても受け入れる企業の理解が進むかどうかであります。そのことが大事でありますが、いろいろな仕事の履歴のある方々を一くくりの対策では対応できないと思います。  そこでお尋ねしますが、国は氷河期世代の安定的な就労を支援していくとしていますが、県はどのように取り組んでいくのか伺います。  大きい項目、医師不足対策の取り組みについて伺います。  この問題は、一般質問、予算、決算の特別委員会、そして所管の常任委員会等で取り上げられてきた問題であり、県の取り組みに対しては評価している一人であります。しかし、真剣な取り組みにもかかわらず、課題解消にはまだまだ難問山積であります。その一つである地域医療の確保、充実と医師不足の解消について、その現状と課題を見ますと、医師偏在指数は全国ワースト三位、弘前大学医学部医学科の定員は、暫定増で認められた定員が維持されなければ二十七名の減、専攻医での段階での流出、若手医師が県内に定着していないこの現状の課題への取り組みとして、「良医」を育むグランドデザインに基づく取り組みをし、着実な成果を上げていますが、依然として医師不足が解消されておらず、その対策が重要な課題であるとしています。そして、地方が取り組んでも効果は限定的であることから、医師不足は地域の実情に配慮した法制度による枠組みが必要であるとしています。  私も、三月の予算特別委員会だったと思いますが、質問の聞き取りの際に、県の取り組みを認めますが、それだけでは限界があるのではないかと言ったことがありました。その後何日かして、地元紙に知事の発言として、医師確保に関しては地方の取り組みでは限界があり、医師の偏在是正のためには国レベルでの抜本的な対策も望まれる旨の記事を見ました。  そこで二点について質問いたします。  まず一つは、医師の県内定着に向けた県の取り組みとその成果について伺います。  二つ目は、医師不足の解消に向けては、地方の取り組みだけでは効果が限定的であると考えますが、県はどのように国に働きかけているのか伺います。  大きい項目の四番目でありますが、エネルギー政策について伺います。地球温暖化対策──パリ協定でありますが──において、二〇三〇年までに産業革命前の平均気温上昇から二度未満、二、三日前の新聞の社説では一・五度という記事も見ましたが、未満に抑えるという目標が掲げられ、日本も二〇一三年比で温室効果ガスの排出量をマイナス二六%という目標を掲げました。この目標達成には原発を二五%程度稼働することが必要とされていますが、安全基準のハードルが上がり、再稼働に向けては地元住民の合意も必要であり、再稼働は厳しい状況にあります。このような状況の中で、ベースロード電源として石炭火力発電の新規申請が多くなっているという書き物を見ました。  環境省の資料では、事業用発電が二酸化炭素の直接排出の四〇%を占めているという指摘もありました。また、ある資料を見ましたら、地球温暖化対策計画は三年ごとに見直すため、ことしはその作業が進むことになっているとのことです。注目は、二〇三〇年二六%削減を早めるのかどうかということが注目されています。電気事業者としては、先行き不透明なために、石炭火力発電の新設計画はおおむね二〇二〇年以降運転開始するものは軒並み中止しているという書き物もありました。  二〇一八年に電力小売が自由化され、小売市場が形成されている現状から見て、発生させる電力をいかに安くするかは事業者の判断にかかっていると言えます。このような状況下で、国が完全に電源構成を管理することができるのかどうか疑問に思う近ごろであります。  質問ですが、一つは、既に決定されているエネルギー基本計画の電源構成比率について、二〇三〇年のエネルギーミックスにおける各電源の構成比率の実現は不可能ではないかと私は考えますが、県の見解について伺います。  二つ目は、原子力政策に対する基本姿勢について伺います。現在のエネルギー基本計画は、長期展望のない二〇三〇年ごろまでの短期的計画と言えます。福島第一原発の事故以降、再生可能エネルギーがもてはやされ、原子力政策推進は余り価値あるニュースとは見られていないようであります。原子力推進をちゅうちょしているようにさえ見える経産省と文科省、牛歩のごとく遅い審査に徹している原子力規制委員会の動きを見ていると、国策に協力している青森県としては、この先の不透明感はいたたまれないものがあると私は見ています。そして、パリ協定に基づいて国際的約束であるCO2削減目標、長期的には政府が目指す目標として二〇五〇年に八〇%減は達成できるのか、疑わしいと言わざるを得ません。CO2を大幅に増大させている状況、原子力の技術の開発、製造などの技術や人材などが失われていくのは明らかであります。  しばらく聞いていなかったような気がするエネルギーの安全保障、これは国の重要な政策ではなかったのか、安倍首相の言葉として私は聞いたことがありません。  そこで改めて青森県として、エネルギー安全保障の観点から核燃料サイクル推進を国に強く求めるべきと考えますが、五期目に臨む知事の原子力政策に対する基本的な姿勢について伺います。  最後の項目でありますが、登下校時の子供の安全確保の推進について伺います。  何回も質問として取り上げられてきており、絶対大丈夫という対策がない限り永遠に続く課題ではないかと思っています。また、この数カ月の間に高齢者の自動車の運転に起因する事故が多発しています。高齢者の類いの私としては他人事ではないと思いつつ、質問する次第であります。  政府は、昨年六月に新潟で下校途中の女子児童が殺害された事件を受け、登下校防犯プランをまとめたとされます。  そこでお尋ねいたしますが、まず一つは、登下校時の子供の交通事故及び犯罪被害の防止策について、県警察の取り組みについて伺います。  二つ目は、学校において通学に関する安全教育はどのように行われているのか伺います。
     以上、壇上からの質問を終わります。 25 ◯副議長(櫛引ユキ子) 知事。 26 ◯知事(三村申吾) 田名部議員にお答えいたします。  まず私からは、経済を回す取り組みを具体的にどのようなプロセスで進めるかでございます。  私は、人口減少社会にありましても、持続可能な地域づくりを進めていくため、経済を回す仕組みづくりに重点的に取り組んできたところでございます。  グローバル化の進展やアジア諸国の経済成長など、世界の動きが本県にも直接影響を及ぼす時代にあって、今後はこれまで以上に世界を視野に入れながら、高品質な県産品づくり、県産品の販路開拓、県外、海外からの誘客の促進、新産業の創出、育成などの取り組みを充実、強化してまいりたいと思っています。  具体的には、基本計画に掲げる五つの戦略プロジェクトのうち、「選ばれる青森」食と観光成長プロジェクトにおいて、食と観光を、経済を回す取り組みの牽引役としてさらなる成長を目指すとともに、多様なしごと創出プロジェクトにおいて、創業、起業の支援、そして産学官金連携等による新産業、新事業の創出、地域産業の振興などに取り組むこととしているところであります。  労働生産性を高め、県外、海外から外貨を獲得し、それを県内でしっかりと循環させることにより、新たな雇用の創出、企業の所得や従業員の給与所得などの上昇という県民生活の経済的な豊かさを実現していくため、引き続き、攻めの姿勢で、国内、海外に向けまして、経済を回す取り組みをさらに加速させたいと思っております。  東京一極集中に歯どめがかかっていない状況の中で、今後、人口減少克服にどのように取り組むかであります。  私はこれまで、平成二十七年八月に策定しましたまち・ひと・しごと創生青森県総合戦略に基づき、人口減少克服に重点的に取り組んできたところでございます。「A!Premium」やインバウンドの誘致を初め、経済を回す仕組みづくりを進めてきた結果として、農林水産分野や観光分野などで取り組みの成果が着実に形となってあらわれてきていると認識しております。  一方で、人口動態は、二〇一八年の東京圏への転入超過数が前年より拡大し、東京一極集中が加速しており、その中で本県の転出超過数も三年ぶりに前年より増加するなど、厳しい状況が続いております。  そこで、私は、人口減少克服に向けて、経済を回す仕組みづくりのさらなる強化を図るため、世界へ打って出る視点を重視した取り組みを進めることとしておりますほか、若者の県内定着促進や、移住・UIJターン希望者の支援体制の充実などの社会減対策、結婚・出産・子育て支援などの自然減対策に総合的に取り組んでいくこととしております。  人口減少の克服は国全体として取り組むべき大きな課題であり、国に対して東京一極集中の是正など抜本的な対策を求めていきますとともに、引き続き自分自身が先頭に立ちまして、この大きな課題に立ち向かい、県民の誰もが安心して暮らしていける青森県づくりに全力で取り組んでまいります。  医師の県内定着に向けた県の取り組みと成果でございます。  私は知事就任以来、青森県の医療を将来にわたって持続可能にしていくために、地域全体で医師及び医師を志す若い人たちをしっかりと支え、育成するという基本的な考え方のもと、平成十七年に「良医」を育むグランドデザインを策定し、取り組んできました。  まず、中学生、高校生を対象に医師の魅力を紹介するなど、医師を志す若者を支えるための取り組みに加え、教育委員会による学力向上のための事業の実施など、部局を超えた取り組みにより、本県高校生の医学部医学科合格者数は、私の知事就任時から見ますと倍増させることができました。  さらに、弘前大学医学部医学科生を対象とした医師修学資金の貸与を受けた百五十三名の医師が、現在、県内の医療機関で勤務についております。今後も多くの卒業生の活躍が期待されるところでございます。  また、医学生等を対象とした臨床研修病院の魅力を県内外にPRする合同説明会の開催でありますとか、臨床研修の質を高めることを目的とした臨床研修医セミナーの開催などに取り組んできた結果、今年度の臨床研修医採用者数は、平成十七年度に比べまして二十九名多い八十名となりました。  今後は、これら多くの若手医師が県内で勤務しながらキャリアアップができるよう、医師の育成と定着に向けたより一層の取り組みを、弘前大学、医師会、市町村等とともに進めていきたいと考えております。  五期目に臨むに当たっての原子力政策に対する基本的な姿勢についてでございます。  エネルギー資源に乏しい私ども日本の国におきましては、エネルギーの安定供給、地球温暖化への対応、国家安全保障等の観点から、一貫して原子力発電及び核燃料サイクルの推進を基本政策としてきたところであります。  本県としては、原子力発電及び核燃料サイクルの推進が我が国を支える重要な政策であり、確固たる国家戦略であるとの認識のもと、安全確保を第一義に原子力施設の立地に協力してきたところでございます。  私は、安全なくして原子力なしとの一貫した姿勢で、機会あるごとに国に対し、立地地域としての協力の経緯や現状を伝え、責任ある対応を求めてきたところでございます。  原子力施設については、何よりも安全の確保が第一であり、事業者においては、原子力規制委員会による安全性の確認を前提として、安全性のさらなる向上にみずからが一層の責任と使命感を持って取り組むことが重要であると考えるところでもあります。  私としては、原子力政策に対するさまざまな県民の声に真摯に耳を傾け、安全の確保を第一義に、国、事業者の対応を厳しく見きわめ、適切に対応してまいります。  私からは以上です。 27 ◯副議長(櫛引ユキ子) 佐々木副知事。 28 ◯副知事(佐々木郁夫) 県内企業みずからも人財確保に積極的に取り組むことが必要だと思うがどうかについてお答えいたします。  本県は、議員御指摘のように、首都圏に比べ賃金水準に一定の差はあるものの、豊かな自然や新鮮な海の幸、山の幸に恵まれておりますほか、通勤時間の短さや余暇時間の多さ、ゆとりある居住環境、子育てのしやすさなど、地域に愛着と誇りを持って生活をしていく上で大きな魅力を有しているものと認識しております。  このため、県では、県内で就職し、ゆとりある豊かな暮らしを営むことの魅力を知っていただきます動画やリーフレット等を作成し、生徒、学生やその保護者に向けて情報発信をしてきたほか、県内企業でのインターンシップの参加促進や企業とのマッチング機会の提供など、県内への就職、定着のための取り組みを進めてきたところです。  また、企業みずからも積極的に取り組むことが重要でありますことから、今年度は、新たに企業の代表者等の人材確保に向けた意識を醸成するための講演会のほか、福利厚生の充実を初めとした働きやすい職場づくりなどに向けたセミナーを開催し、就職先として選ばれる企業となりますよう、県内企業の自助努力を支援することとしております。  今後も、一人でも多くの高校生に県内での就職を選んでもらえますよう、関係機関と連携しながら、県内企業の雇用環境の改善等を積極的に促進してまいります。 29 ◯副議長(櫛引ユキ子) 企画政策部長。 30 ◯企画政策部長(柏木 司) 二点についてお答えいたします。  まず、近年の一人当たり県民所得の推移についてです。  一人当たり県民所得は、県民の給与所得などの県民雇用者報酬、利子や配当などの財産所得、企業の営業余剰などの企業所得の合計を県内総人口で割ったものでありまして、実際には働いていない子供や高齢者なども含めた総人口で割っているため、個人の給与所得をあらわすものではありませんが、地域全体の経済力をあらわす一般的な指標の一つとなっております。  直近のデータによりますと、平成二十八年度の一人当たり県民所得は二百五十六万五千円となっており、平成十八年度と比較すると、一人当たり国民所得が〇・六%の増加にとどまっているのに対し、本県は七・六%の増加となっております。  県としては、引き続き、経済を回す取り組みを進め、雇用の拡大を図り、県民の所得向上に取り組んでいきたいと考えているところであります。  次に、青森県長期人口ビジョンにおける人口の推計に対する実際の人口の推移についてです。  本県の昨年十月一日現在の人口は百二十六万二千八百十五人となっています。  これに対して、まち・ひと・しごと創生青森県長期人口ビジョンでは、二〇一五年、二〇二〇年と五年ごとの推計をしており、二〇一五年と二〇二〇年の推計値をもとにした二〇一八年の推計値は百二十六万千三百九十三人となりまして、現段階では、昨年十月一日現在の人口、先ほど申し上げました百二十六万二千八百十五人ですが、これが長期人口ビジョンの推計を千四百二十二人上回っている状況でございます。 31 ◯副議長(櫛引ユキ子) 健康福祉部長。 32 ◯健康福祉部長(有賀玲子) 医師不足の解消に向けて、県はどのように国に働きかけているのかというお尋ねにお答えいたします。  県では、医師不足の解消に向け、医師の育成と定着に取り組んでおり、本県出身の医学部医学科合格者数や臨床研修医採用者数の増加など、着実な成果が出てきています。  一方、医師臨床研修を終えたタイミングなどで中堅・若手医師が県外に転出しているという実態があります。  そこで、県では、国に対する重点施策提案として、一つ、令和三年度までの臨時的措置であるとされている医学科入学定員の増加について、本県など医師が不足している地域においては維持すること、二つ、医師臨床研修の募集定員について医師多数区域の定員を減じること、三つ、新たな専門医の仕組みのもとでの専攻医の採用に当たっては地域枠医師としての従事要件を達成することの制度化等について要望したところであり、今後も継続的に要望していきます。 33 ◯副議長(櫛引ユキ子) 商工労働部長。 34 ◯商工労働部長(田中泰宏) 御質問二点にお答えします。  まず、人財の還流を促進するためのUターン就職の取り組みについてです。  県では、本県への人財の還流を促進するため、青森県東京事務所内に設置しているあおもりUIJターン就職支援センターにおいて、県内企業の求人情報の提供や県内就職に関する相談対応、助言を行っているところであり、Uターン就職を希望する本県出身者の方々を中心に利用されています。  また、首都圏での合同企業説明会の開催、青森県就職情報サイトの充実等、県内企業の就職情報のみならず、通勤時間や生活コスト面での優位性など、本県の暮らしやすさについても積極的に情報提供しています。  さらに、今年度からは、国や市町村と連携した移住支援金制度を設けたほか、本県と協定を締結した大学等のキャリアセンターとの連携による県出身学生に対する学内での企業PRの実施、県人会や同窓会など本県出身者が集まるさまざまな場面を活用した情報発信を進めていくこととしています。  次に、就職氷河期世代の安定的な就労を支援する県の取り組みについてです。  厚生労働省では、就職氷河期世代のうち不安定な就労状態にある方は約五十万人と推計しており、本県においては、総務省の就業構造基本調査をもとに推計すると六千人程度と見込まれます。  厚生労働省が公表した就職氷河期世代活躍支援プランでは、不安定な就労状態、長期にわたり無業の状態にある方等を対象に、教育訓練や資格等の習得に向けた支援を行うとともに、国、県、市町村、経済団体等が一体となったプラットフォームを形成し、就職及び正社員化の実現を図ることとしています。  県では、これまでジョブカフェあおもりにおいて、就職氷河期世代を含む若年者の就労支援に取り組んでおり、引き続き、キャリアカウンセラーによる相談体制の充実を図るほか、国が設置している地域若者サポートステーションと連携した臨床心理士の派遣や共催イベントを開催するとともに、今回設置されるプラットフォームと連携して就職氷河期世代の就職支援を強化していきます。 35 ◯副議長(櫛引ユキ子) エネルギー総合対策局長。 36 ◯エネルギー総合対策局長(石川浩明) 国の二〇三〇年のエネルギーミックスにおける電源構成比率についてお答えいたします。  国によりますと、エネルギーミックスは、二〇三〇年を目標とするエネルギー政策の大方針として、3E+S、すなわち安全性の確保を大前提に、経済性、気候変動の問題に配慮しつつ、エネルギー供給の安定性の政策目標をバランスよく同時に達成するぎりぎりの姿として示しているもの。  エネルギーミックスの実現に向けては、例えば、再生可能エネルギーについては二二から二四%の水準に対し、二〇一七年度において一六%の実績のところ、主力電源とするため、コスト低減の取り組みを強化しつつ、長期安定的な事業運営を確保し、系統制約や調整力の確保などに取り組んでいく。原子力については、二二から二〇%の水準に対し、二〇一七年度において三%の実績のところ、安全最優先の再稼働や使用済み燃料対策など必要な対応を着実に進める、化石燃料については、五六%の水準に対し、二〇一七年度において八一%の実績のところ、自主開発の促進や高効率火力の有効活用、災害リスクヘの対応強化を図ることとしており、着実に進展しているものの、実現に向けて道半ばの状況。引き続き、施策を深掘りし、エネルギーミックスの確実な実現に向けて取り組んでまいりたいとのことであります。  県といたしましては、各エネルギー源のメリットを最大限生かし、状況に応じて、より望ましいエネルギー需給構造を目指していくべきと考えておりまして、国において、確固たる姿勢で責任を持って取り組んでいただきたいと考えているところでございます。 37 ◯副議長(櫛引ユキ子) 教育長。 38 ◯教育長(和嶋延寿) 御質問二点にお答えいたします。  初めに、高校生の県内定着に係る生徒、教員、保護者が県内企業への理解を深めるための取り組みについてです。  県教育委員会では、生徒一人一人が希望する進路を達成できるよう進路指導の充実を図ってきたところであり、その中で生徒が適切に進路を選択できるよう、生徒、教員及び保護者の県内企業への理解を図るための取り組みを行っております。  具体的な取り組みとして、地域の産業とビジネスを支える人づくり事業では、地元企業との連携による課題解決学習等を行うなど、生徒や教員が県内企業の持つ技術力や業務内容について理解を深めるための取り組みを行っております。  また、今年度新たに実施する地域と連携したキャリア教育推進事業では、生徒、教員及び保護者が県内企業を訪問することで企業の業務に対する理解を深める取り組みや、県内企業で働く若手、中堅、ベテランといった各世代の方々との座談会等を行うことにより、生徒、教員及び保護者が県内就職後の将来像を具体的に描くことができるような取り組みを行うこととしております。  県教育委員会としましては、今後も、生徒、教員及び保護者と地元企業との相互理解を図り、高校生の県内定着の促進に努めてまいります。  次に、登下校時の子供の安全確保の推進に係る学校における通学に関する安全教育についてです。  学校では、学習指導要領や学校の立地状況及び地域の実情を踏まえて作成した学校安全計画に基づき、小学校の教科「体育」、中・高等学校の教科「保健体育」はもとより、特別活動など学校における教育活動全体を通じて通学に関する安全教育を行っております。  具体的には、通学時におけるさまざまな危険について理解し、安全な登下校ができるようにするなど、安全に行動できる能力や態度を育成しております。  また、各学校においては、子供たちがみずから危険を予測し、回避するための主体的な能力を身につけることができるよう、保護者や地域の関係団体とともに通学路の危険箇所を確認して地域安全マップを作成することで安全教育の効果を高めております。  さらに、交通安全教室などにおいては、保護者や地域の関係団体の協力を得て指導に当たっており、その際には、自転車シミュレーターを用いた危険予知トレーニングなど、実践的な指導を行っております。 39 ◯副議長(櫛引ユキ子) 警察本部長。 40 ◯警察本部長(重松弘教) 登下校時の子供の交通事故及び犯罪被害の防止対策に関する御質問にお答えいたします。  全国的に登下校時の子供が被害者となる事件や事故は依然として後を絶たず、子供の安全確保対策は極めて重要であると認識しております。  県警察では、登下校時間帯での通学路等における交通指導取り締まりのほか、犯罪や事故に遭いやすい危険な箇所を考慮したパトロール活動、各種団体と連携した見守り活動を行っておるところでございます。また、子供の安全意識を高めるため、小学校には犯罪被害防止DVDや防犯マニュアルを配付するとともに、子供を対象に交通安全教室を実施しているところでございます。さらに、子供を対象とする性犯罪や誘拐事件の前兆と見られる声かけ事案、つきまとい事案が発生した際には、県警察メールマガジンを通じて迅速な情報提供と注意喚起を行っているところでございます。  これらの取り組みのほか、先般の神奈川県川崎市における殺傷事件を受けまして、特にスクールバスの停車場所や学校周辺の交差点におきまして重点的に警戒・パトロール活動を実施しております。  県警察としましては、引き続き、教育委員会を初め、学校、住民、各種ボランティア団体等との連携を図りながら、登下校時の子供の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。 41 ◯副議長(櫛引ユキ子) 田名部議員。 42 ◯四十六番(田名部定男) 質問はありませんけれども、意見を二、三述べさせていただきます。  まず、高校生の県内就職のことについてですが、選ばれる県内企業魅力発信事業、これの担当は商工労働部の労政・能力開発課雇用促進グループとなっていますが、全国平均で地元就職が八〇%という数字が出されています。県内は五六・九%でありますが、なぜこうなんだろうと思いつつ、やっぱり子供の親の希望をかなえればこうなっていくのかなと思いますが、逆に言えば商工労働部が取り組んでいるのと矛盾するような数字が出てくるわけですね。  学校の進路指導の先生方の仕事は、とにかく卒業する子供の就職、一〇〇%仕事につかせるということが大きな目的でありますから、それはノーと、だめだとは言いませんけれども、県内就職を標榜するのであれば、商工労働部と県の教育委員会との連携をもっと密にしてもらいたいということを申し上げておきます。  あとはエネルギー問題について、質問ではありませんが、五年ごとにエネルギー基本計画が発表されます。しかし、五年たってまた新しい五次のエネルギー基本計画が昨年の七月に政府決定されたわけでありますが、その示されている数値がなかなか実際の数字に合ってこないということなんです。合っているのは再生可能エネルギーがふえているだけですが、それとの関係において、パリ協定は国際的な約束ですから守らなければならない。それと同時に、今、再生可能エネルギーのバックアップ電源としては火力発電所がありますが、日本における火力発電所の働きぐあいというんですか、八五%が火力発電所で持っているわけですね。これとパリ協定との関係をどうしていくのか。現実の問題と約束事をどう果たしていくのか。全く矛盾している状態にあるわけですから、それは何も青森県の問題じゃなくて国の問題でありますけれども、もっと真剣に取り組んでいただきたいということなんです。これはもう知事は十分御存じだと思いますからあえて言いませんけれども、そういうこともあるということを申し上げておきます。  そして、先ほど再生エネルギーの増加ということを言いましたけれども、担当部課では皆覚えていると思いますが、再生可能エネルギーの負担というものが大変大きいわけです。これは県内の経済を回すことにかなり邪魔をしているんじゃないかという気がいたします。FITによる賦課金が、国で年間で約二、三兆円として電気料金に上乗せされていますが、再生エネルギーはバックアップ電源が必要であります。先ほど言いました。我が国の火力発電所の比率は八五%であります。化石燃料の購入費が年間三兆円と増大していますが、この二つを合わせると五、六兆円が国民の負担となっているわけであります。この現実をしっかりと見きわめた中で対策を講じていただきたいということです。  そして、繰り返すことになりますけれども、我が国のCO2削減目標は、二〇三〇年に二〇一三年比で二六%という数字が約束事として出されております。果たしてこれが本当に守られるのかどうか、これを守るとなると何をしなければならないのかというのは、皆、担当省庁は覚えていると思いますが、なかなか現実として出てきません。長期的な目標として二〇五〇年に八〇%、実現不可能じゃないかと思いますが、数字として出されていますから言っておきますけれども、CO2排出量は福島の事故以降、先進国の中でも飛び抜けて増大しているということを我々はきちんと認識した中で、国としても取り組んでいただきたいし、国策に協力している青森県としてはやはりきちっと物を言っていただきたいということを申し上げておきます。  以上です。終わります。 43 ◯副議長(櫛引ユキ子) 四十五番伊吹信一議員の登壇を許可いたします。 44 ◯四十五番(伊吹信一) 公明・健政会の伊吹信一でございます。四月の県議会議員選挙を経て、県民の皆様より四年間の任期を負託いただきました。令和の時代のスタートに当たり、改めて身の引き締まる思いでいっぱいでございます。人口減少、超高齢社会にどう向き合うのか、三村県政とともに、議会がまたその両輪となって、県民に安全と安心、そして希望を与えられる仕事づくりに向け、私自身もしっかりと邁進をしてまいる決意でございます。  それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。  「選ばれる青森」への挑戦に向けた施策の展開について、まず、SDGsの推進について伺います。  今年度から五年間の青森県基本計画「選ばれる青森」への挑戦がスタートしました。今回の基本計画では、我が国を含む国連加盟百九十三カ国により採択され、持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダに記載された二〇三〇年までの国際目標であるSDGsを基本理念として位置づけました。国際目標を県基本計画の理念として位置づけることは初めての試みです。県基本計画「選ばれる青森」への挑戦のリーフレットにSDGsのロゴデータが掲載されております。この際、県職員の名刺へロゴマークを採用し、SDGsへの取り組みの機運醸成を図っていただきたいと思うものです。  将来にわたり持続可能な世界を目指すSDGsの理念に基づいて、四分野にわたる五つの戦略プロジェクトの施策を展開していくことになります。「選ばれる青森」、世界の青森への青森ブランド構築への挑戦が始まります。  分断ではなく、協調と調和の社会、一人一人の特性が個性として輝き、多様性が認められる社会、貧困の連鎖を断ち切り格差を生まない社会、誰ひとり取り残さない持続可能な社会を目指した県の取り組みが始まります。人口減少を克服し、活力ある持続可能な青森県づくりに向け、世界的視野に立ち、これまで以上に県民との意識の共有を図りながら官民協働の県政運営を推進していただきますよう御期待申し上げます。  まず、青森県基本計画「選ばれる青森」への挑戦では、SDGsの理念を踏まえ、施策を展開することとしておりますが、今後どのようにSDGsを推進していくのかについてお伺いをいたします。  過日行われた県知事選挙において、対立候補は、県民の声を聞かない三村県政と批判を繰り返しておりました。私が知る三村県政とは異なるその評価に違和感を覚えた次第ですが、同時に、このような誤った誤解を生じさせないよう、これまで以上に県民の声に寄り添う姿勢ときめ細やかな情報共有が必要とも感じた次第です。  知事自身の広聴活動であります未来デザイン県民会議を通じ、そこから得られた県民の声を事業化してきたものと思います。以前、私が要望した各審議会委員等への若者の積極的な委嘱は進んでいるでしょうか。また、高校生模擬議会への所管課職員の出席等についても今後検討いただきたいと思います。注目され声を聞いてもらえるとの思いは、故郷への愛着と誇りとなり、県内定着につながるはずです。「選ばれる青森」への挑戦は、県民の声に寄り添う県政の挑戦でもあると思います。  そこで、県民の声に寄り添う県政について、今後とも県民の声を県政運営に生かすことが重要と考えますが、知事の考えを伺います。  青森県型地域共生社会の実現に向けた取り組みの推進のうち、障害者の意思疎通手段の確保について伺います。  障害を持つ方々が社会生活を営む上でコミュニケーションを容易に図れることが生きづらさを軽減することにつながるものと思います。県内でも、手話言語条例制定の動きがあるほか、発達障害を初め、障害の特性に応じた意思疎通手段の確保に向けた県の取り組みを求める要望が私のところにも寄せられております。
     そこで、手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の確保を図るための条例の制定が必要と考えますが、県の考えを伺います。  男女共同参画の視点におけるLGBTの考え方について伺います。  性的マイノリティーの方々を総称するLGBTへの関心が高まっております。SDGsを推進する国連も、人権の観点からLGBTへの理解を広げようとしております。性の多様性への理解を広めようとの社会運動として、性的マイノリティーを象徴するレインボーカラーを掲げ行進するレインボーパレードが本県でも今月三十日に開催されるとお聞きしました。学校や職場を初め、社会全体として理解拡大に向け環境を整えていくことが求められております。  そこで、LGBTの方々が生きづらさを感じることのない社会の実現に向けた県としての基本的な考えを伺います。  次に、ひきこもりに対する支援について伺います。  少子化と超高齢社会を迎えた今、八〇五〇問題に象徴されるひきこもりは世代を超えた大きな社会問題です。内閣府は、昨年度の実態調査から、四十歳から六十四歳のひきこもり者が推計六十一万三千人に上ることを公表しました。四年前に十五歳から三十九歳を対象とした実態調査では推計五十四万一千人と報告されていることから、中高年世代のひきこもりが若年層よりも多いという衝撃的な調査結果です。半数以上が五年以上のひきこもり期間に及んでいること、ひきこもり原因で最も多いのは退職、次に人間関係、病気が続いております。このことは、ひきこもりは誰もがなり得る可能性があることを物語っております。  ひきこもり者やその家族で構成される全国組織のKHJ全国ひきこもり家族会連合会から、県のひきこもり者支援の充実強化を求める要望書が出されております。その中で、支援の前提となる県内のひきこもり実態の調査実施とひきこもり当事者の居場所づくりを強く要望しております。  四十歳以上を対象に国が昨年度実施したひきこもり者の生活実態調査に際し、県は国の調査に協力しております。県内における調査結果はどのようなものだったでしょうか。調査では、親身に聞いてくれる人の存在や同じ悩みを持つ人との出会いを求める声が多かったことが公表されております。このことは、さきに述べたKHJ全国ひきこもり家族会連合会からの要望内容にも共通しています。ひきこもる当事者にそれぞれの理由に違いはあるものの、生きづらさを感じている点がひきこもる方々に共通しているようです。早期の就業を前提とした今のひきこもり支援は、ひきこもり者の置かれている状況とかけ離れています。ひきこもり当事者同士が啓発し合う居場所づくり設置を急ぐなど、ひきこもり者の声に耳を傾けた支援のあり方を検討すべきです。  国は、新たにひきこもり者の多い就職氷河期世代への支援を表明するなど、ひきこもりにつながる環境改善に取り組む姿勢を見せております。県においても、部局の枠を超えたひきこもり者支援を検討すべきです。ちなみに、KHJ全国ひきこもり家族会連合会では、明年秋に全国大会開催をここ青森県で行いたいと現在検討を進めていると聞いております。  ひきこもりの状態にある本人や家族に対する支援について、県ではどのように取り組んでいるのか伺います。  続いて、SNSを活用した相談事業について伺います。  面談や電話には抵抗があるものの、SNSには抵抗が少ない若い世代を中心にSNSでの相談事業が評価されています。LINEなどSNSを利用した相談事業が全国で展開され始めており、国も、厚生労働省と文部科学省が連携し、SNSを活用した広域での相談対応の強化を図ることとしています。  県は昨年度、SNSを活用した相談事業を実施しましたが、その結果はどうだったでしょうか。SNSを活用した期間を限定しない相談事業を実施すべきと考えます。  SNSを活用した相談事業の今年度の県の取り組み方針について伺います。  我が国の教育政策として歴史的転換点となる幼児教育、保育、高等教育の無償化がいよいよスタートいたします。まず幼児教育、保育の無償化について伺います。  本年十月の消費税一〇%導入を財源とする全世代型社会保障制度充実の一環として、幼児教育、保育の無償化が十月一日施行されます。幼児教育、保育の無償化は、子育てしやすい家庭環境を後押しする少子化対策につながると歓迎されています。  そこで、施行に向けた取り組みについて伺います。  続いて、国において実施する高等教育の無償化について伺います。  家庭の経済状況により進学を断念することがないよう、貧困の連鎖を断ち切り、教育機会を保障する取り組みとして、高等教育の無償化への取り組みが来年度スタートします。既に始まっている給付型奨学金の拡充とともに、授業料や入学金の減免を柱とする高等教育無償化の取り組みは、我が国の教育制度において画期的な制度であり、次世代を担う人材の育成に大いに寄与するものと思います。  来年四月一日の施行に向け、募集案内の送付など一連の手続が始まりつつあります。進路指導の担当教諭にとどまらず、学校関係者挙げて、生徒や保護者への制度の丁寧な周知に努めるようお願いいたします。  本県では、一定の要件を満たすことにより返還免除となる家庭福祉対策教育支援貸付事業費補助を既に実施しております。国の新たな制度は、こうした既存の制度との併用が認められることから、Q&Aを含む制度の内容について、生徒や保護者への丁寧な周知に努めていただき、手続漏れなどの事故がないよう取り組みをお願いいたします。  また、国の高等学校等就学支援金の助成拡充により、年収五百九十万円未満の世帯を対象に私立学校授業料の実質無償化も来年度スタートします。特色ある私学教育の充実に資するものと歓迎する一方、国の新たな制度施行により、県が私立高等学校に補助している私立学校経常費補助金が減額されることのないよう、この場をかりて要望しておきます。  そこで、制度が効果的に利用されるためには高校生に対する周知が重要と考えますが、県教育委員会の対応について伺います。  続いて、がん教育の推進について伺います。  がん教育が明記された学習指導要領がいよいよ来年度から全面実施されます。がん教育は、がんを正しく理解し、健康と命の大切さを深く考えられるようにすることです。がん教育を通じて生活習慣や検診の大切さを家族で共有し、いじめや自殺防止につながることも期待され、命の大切さを学ぶ大事な機会となります。  学習指導要領に基づいて全面実施されるがん教育ですが、がん教育により命の大切さを認識させることは、医師やがん経験者でなければ難しいとも言えます。  私は、来年度からの全面実施に向け、がん専門医やがん経験者などの外部講師の協力のもと検討会議設置と体制構築を求めてまいりました。体制構築は、これまでどのように進んでいるでしょうか。外部講師によるがん教育に踏み込むかどうかは、校長の判断にもなります。東京都八王子市では、命の大切さを教えることの重要性を校長自身に実感してもらうことを目的に、国のがん対策推進協議会委員を二期四年務め、文部科学省のがん教育検討会委員もされたがん経験者を講師に迎え、八王子市内の校長百名を対象とする二時間の研修会を八月一日に開催する計画と聞いております。本県でも、がん教育を推進する立場の教育長や学校長を対象とした研修会を検討してはいかがでしょうか。  第三期がん対策推進基本計画を踏まえ、県教育委員会と健康福祉部、病院局が連携し、がん教育の全面実施に向け、内容の精査、外部講師を含む講師体制の充実を図るべきです。  がん教育が明記された学習指導要領が来年度から全面実施されますが、県教育委員会ではどのように取り組んでいくのか伺います。  続いて、公立学校施設における冷房設備について伺います。  地球温暖化による気候変動が世界的に顕著になっております。三十度以上の真夏日、三十五度以上の猛暑日がこれまでとは違う頻度で多発するようになり、特に学校など教育施設での熱中症対策が不可欠です。全国一千七百四十一市町村のうち約一千の市町村が国の平成三十年度第一次補正予算、冷房設備のための臨時特例交付金を活用し、公立小・中学校普通教室へのエアコン設置が進められております。県内でも、公立小・中学校や県立特別支援学校を対象にエアコン設置が進められていますが、果たして本県での取り組みは十分と言えるでしょうか。  県内公立小・中学校や県立高等学校の多くが指定避難所に指定されております。児童生徒の健康面への配慮に加え、大規模災害時には地域住民の避難所としての機能確保にも留意する必要があります。  県並びに県教育委員会には、教室や体育館などの冷暖房設備整備について調査を進め、対策を講じていただきますよう要望いたします。  県内公立小・中学校における冷房設備のための臨時特例交付金の採択件数と設置工事の進捗状況について伺います。  また、県立特別支援学校における冷房設備のための臨時特例交付金の採択件数と設置工事の進捗状況についても伺います。  次に、子供の安全確保対策について伺います。  先般、滋賀県大津市において、散歩中の保育園児が巻き込まれ、死亡する交通事故が発生しました。繰り返されるこうした痛ましい事故を絶対発生させない取り組みが求められております。その後、児童生徒の安全を脅かす事件、事故が相次いでおり、登下校防犯プランを見直すなど、通学路を中心とした児童生徒の継続した安全対策が必要と考えます。  県教育委員会及び県警察の取り組みについて、それぞれ伺います。  昨年度実施した通学路の緊急合同点検の結果及び今後の通学路の安全確保対策について伺います。  滋賀県大津市において発生した保育園児の事故を受け、県警察で行っている園児を交通事故から守るための安全対策について伺います。  青い森のセーフティネットについて伺います。  県警察では、特殊詐欺警戒情報や、子供、女性を対象とする前兆事案など、県内での犯罪前兆事案を配信するメールマガジン「青い森のセーフティネット」を実施しています。情報を共有することにより、犯罪の発生、拡大を防ぐこの取り組みは重要と考えます。青い森のセーフティネットの登録普及拡大を通じ、県民を犯罪から守る取り組みを強化すべきと考えます。  そこで伺います。青い森のセーフティネットの過去五年間の登録者数の推移及び登録者数を増加させるための県警察の取り組みについて伺います。  近年の大規模な豪雨災害を踏まえた県管理河川の防災・減災対策について伺います。  気候変動による近年の激甚化災害への取り組みが急務となっています。このため、国の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に基づく治水対策、河川管理対策が講じられております。ICTやAIを駆使した河川管理やデータ化についても検討すべきです。  そこで伺います。県管理河川における治水対策及び維持管理の考え方について伺います。  洪水時の水位情報の提供等、ソフト対策に係る取り組みについて伺います。  効率的な河川管理を行う必要があると考えますが、県の今後の取り組みについて伺います。  最後の質問は、都市計画区域マスタープランについてであります。  県は今年度、都市計画区域マスタープランの見直しをすることとしております。人口減少と超高齢社会の中、地域の活力を損なうことのないよう、立地適正化計画を踏まえつつも、コンパクトシティとネットワークの形成に留意した計画的な都市形成を進めていくことが重要と考えます。中でも、企業進出や出店が制限をされております県都の玄関口でもある新青森駅周辺の国道七号線沿いの市街化調整区域の見直しが必要と考えます。  そこで伺います。  人口減少と高齢化に対応したまちづくりに向けて、都市計画区域マスタープランをどのように見直すのか、県の考えを伺います。  市街化区域の拡大について、県としてどのように対応していくのか伺います。  本日、今この議場に若い方々が傍聴に来られております。こうした若い世代の方々に次の青森県をしっかりと担っていただくためにも、県知事初め、県当局からの力強い答弁をお願いして、壇上からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 45 ◯副議長(櫛引ユキ子) 知事。 46 ◯知事(三村申吾) 伊吹議員にお答えいたします。可能な限り力強くお答えしていきたいと思っております。  まず、今後どのようにSDGsを推進していくかということでございましたが、SDGsは、あらゆる主体が参画、連携して取り組むべき国際社会全体の大きな目標でございます。取り組み主体となる市町村や企業、関係団体等への情報発信や普及啓発の取り組みなどを通じ、県民の理解促進を図っていくことが重要と考えます。  このため今年度は、県内自治体でありますとか企業の担当者の方を初め、県民どなたでも参加できるセミナーや県内の教育機関と連携した若者向けのワークショップを開催し、全国の先進事例や、国が行いますジャパンSDGsアワードで表彰された優良事例なども参考にしながら、普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。  また、庁内におきましても、各部局長等をメンバーとする政策調整会議等の場を活用いたしまして、各分野における情報共有を図り、SDGsの理念を踏まえながら基本計画を推進していくこととしております。  青森県が世界から「選ばれる青森」となっていくためには、世界共通の目標でありますSDGsの視点を踏まえた取り組みを進めることが大変重要と考えております。私としては、誰一人取り残さないというSDGsの基本的理念を踏まえ、県民の理解促進を図りながら、SDGsの推進に取り組みたいと考えるところでございます。  今後とも、県民の声を県政運営に生かすことについてでございます。  私は知事就任以来、県政運営に当たって、県民が県政の主人公であるとの自治の原点を踏まえまして、県民の皆様や地域の声をしっかりと受けとめ、本県の施策や取り組みなどに反映させるよう努めてきたところであります。  具体的には、私自身が各地を訪問し、地域で活動する団体、企業等の方々や、将来の青森県を担う小・中学生、高校生などと直接意見交換を行います未来デザイン県民会議のほか、県政・わたしの提案制度を初めとした県民の皆様の声に接する機会を通じてさまざまな御意見や御提案等を伺ってきたところでございます。そして、それらを庁内で情報共有いたしまして、毎年度の事業の企画・立案過程において十分踏まえながら各種施策を進めてきたところであり、そのうち御意見、御提案をもとに直接事業化したものといたしましては、例えば今年度の事業ですと、農林水産業や農山漁村のイメージアップを図るための取り組みでありますとか、三八地域の歴史、文化を広域観光に生かす取り組みといったものがございます。  今般の選挙期間中も多くの方々からお声を届けていただき、改めて、人口減少克服を初めとする重要課題を乗り越え、国内外から選ばれる青森県を実現するためには、まさに県民の皆様や地域の声に真摯に耳を傾け、皆様の御理解、御協力をいただきながら、各種施策を着実に進めていくことが非常に重要であるとの思いを強くしたところでございます。今後とも、県民の皆様と認識をともにしながら、ふるさと青森県の確かな未来を築くために全力で取り組んでいく所存でございます。  手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の確保を図るための条例の制定についてでございますが、私は、全ての住民が生涯にわたり、健康で安心した生活を送ることのできる保健・医療・福祉包括ケアシステムの構築に取り組んできました。その中で、障害者の方々が安心して暮らせる共生社会の実現に向け、青森県基本計画「選ばれる青森」への挑戦において、障害者が自立し、安心して暮らせる共生社会づくりを施策の一つに掲げ、各種施策の推進に取り組んでいるところでございます。  また、障害者基本法において、手話が言語であることが位置づけられますとともに、全ての障害者が可能な限り手話を含む言語やその他の意思疎通手段の選択の機会が確保されるよう規定をされております。  このような中で、昨年参加いたしました手話言語フォーラムinあおもりでは、青森県ろうあ協会から手話言語条例制定に係る要望がありましたほか、各種懇談会等では複数の障害者団体から意思疎通手段の確保のための条例制定に係る御意見をいただいておるところであります。  県といたしましては、今年度、共生社会の実現に向け、言語としての手話の普及と障害のある全ての方々の意思疎通手段の確保を図るための条例の制定や施策のあり方等について、障害者団体を初め関係者の方々と必要な議論を重ねていきたいと考えております。  県管理河川における治水対策及び維持管理の考え方であります。  私は、自然災害から県民の命と暮らしを守るため、青森県基本計画「選ばれる青森」への挑戦において、安全・安心な県土づくりを施策として掲げ、災害に強い県土づくりに取り組んでおります。  治水対策につきましては、平成二十三年、平成二十五年と浸水被害が頻発しました馬淵川などにおいて、堤防の整備等、浸水被害を解消するためのハード対策を強力に推進してきました。  また、近年の豪雨災害を踏まえますと、命を守るためのソフト対策も極めて重要でありますことから、事前の行動計画、いわゆる洪水タイムラインの策定や、災害時に住民が危険性を確認するための危機管理型水位計の設置を昨年度までに完了させますとともに、今年度は簡易型河川監視カメラを新たに設置いたします。  一方、河川の維持管理につきましては、定期的なパトロールにより河川の状況把握に努めておりますほか、昨年十二月に閣議決定されました防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に基づき、雑木の伐採や河川の掘削を重点的に進めております。  私といたしましては、ハード対策とソフト対策が一体となった治水対策を強力に進めるとともに、適正な維持管理にもしっかりと取り組んでまいります。  私からは以上です。 47 ◯副議長(櫛引ユキ子) 環境生活部長。 48 ◯環境生活部長(三浦朋子) LGBTの方々が生きづらさを感じることのない社会の実現に向けた県の基本的な考え方についてお答えいたします。  LGBTなどの性的マイノリティーに係る問題が近年顕在化していますが、性的マイノリティーに対する偏見や差別については、人権に関する課題の一つとして解消に取り組むとともに、社会の中で個人の生き方の違いを認め、尊重することが重要と考えています。  平成二十九年二月に策定した第四次あおもり男女共同参画プラン21においては、性的マイノリティーを理由として困難な状況に置かれる場合があることについて、人権の観点から理解を促進していくことが必要としており、各分野において適切な対応を行うこととしています。  今後も性的マイノリティーに関する国等の動向を注視し、情報収集に努めるとともに、貧困、高齢、障害等により困難を抱える女性等が安心して暮らせる社会づくりの実現に向けて、関係部局と連携しながら取り組みを進めてまいります。 49 ◯副議長(櫛引ユキ子) 健康福祉部長。 50 ◯健康福祉部長(有賀玲子) 御質問三点にお答えいたします。  まず一つ目、ひきこもりの状態にある御本人や家族に対する支援についての県の取り組みについてですが、ひきこもりは、さまざまな要因の結果として、社会的参加の場が長期間にわたり失われた状態であり、社会参加の回避が長期化することで生活の再開が著しく困難となり、当事者や家族が大きな不安を抱えているケースが少なくないと言われています。  昨年度に内閣府が四十歳から六十四歳の人を対象に行った調査で推計されたひきこもりの状態にある人の数をもとに、国と同様の算定により推計すると、本県では約六千五百人程度の方がいらっしゃると考えられます。  ひきこもりには専門的な相談体制が必要であることから、県では、県立精神保健福祉センター内に設置している青森県ひきこもり地域支援センター及び県民福祉プラザ内に設置している分室において電話や来所による相談に対応しているほか、相談者の状況に応じ家庭訪問も行っており、平成三十年度の相談実績は電話相談が九十件、来所相談が百三十三件、訪問支援については二十九件となっています。  また、市町村に出向いて相談を受ける出張相談会を開催しており、相談者の状況に応じ、地域の就労関係機関などとも連携して対応しています。  今後も、関係機関と情報共有し、ひきこもりの状態にある方及び家族等の支援に努めてまいります。  二つ目のSNSを活用した相談事業の今年度の県の取り組み方針についてでございますが、県では、昨年三月にいのち支える青森県自殺対策計画を策定し、総合的な自殺対策を推進しています。計画では、本県の課題に着目した重点施策の一つに子ども・若者対策を掲げ、若者のライフスタイルや特性に応じた支援の充実を図っているところです。  SNSを活用した相談事業は、若年層の用いるコミュニケーション手段がSNSに移行していることに着目し、日ごろなれ親しんだ方法で悩みの解消を図ることを目的に昨年度から実施しています。  事業の対象者は、県内在住の中学生、高校生、大学生を初めとした四十歳未満の方々としており、冬休みを含む期間であることしの一月七日から二十六日までの二十日間の相談受け付け期間で百十七人の若者から延べ二百九件の相談が寄せられ、人間関係や性格の悩みなどに対する助言等を行いました。  今年度は学校の夏休みと冬休みを含む期間である八月十六日から九月四日までと、一月七日から二十六日までの二回実施することとしており、QRコードつきの周知用カードを対象者に配布するなど広く周知を行い、さまざまな悩みを抱える若者が確実に相談につながるよう取り組みを進めていくこととしています。  三つ目の幼児教育、保育の無償化について、施行に向けた取り組みについてでございます。  本年十月からの幼児教育、保育の無償化の施行に向けて、市町村においては、予算の確保、条例、規則の改正、施設や利用者への制度の周知、システム改修などの準備を行う必要があります。  また、特別支援学校の幼稚部、認可外保育施設、預かり保育事業、一時預かり事業、病児保育事業、ファミリーサポートセンター、子ども・子育て支援新制度に移行していない幼稚園を対象とする子育てのための施設等利用給付が新たに創設されることに伴い、対象となる施設及び事業者や利用者からの申請に係る事務を事前に行う必要があります。  さらに、無償化に伴う保育料認定事務や、保育所の副食費が実費徴収化されることに伴う副食費の免除事務を行う必要があります。  県では、来る七月一日に市町村に対する説明会を開催するなど、十月からの施行に向けて市町村の手続が円滑に進むよう、きめ細やかに支援していくこととしています。  なお、無償化の対象となる県内の施設数は、子供のための教育・保育給付の対象である保育所、認定こども園、子ども・子育て支援新制度に移行した幼稚園等が五百六十二カ所、子育てのための施設等利用給付の対象となる認可外保育施設、預かり保育事業等の施設が四百十五カ所、就学前障害児の発達支援の施設が七十九カ所となっています。 51 ◯副議長(櫛引ユキ子) 県土整備部長。 52 ◯県土整備部長(新井田 浩) 御質問四点にお答えいたします。  まず、洪水時の水位情報の提供等、ソフト対策に係る取り組みについてです。
     洪水時の河川の水位情報については、県管理の八十七河川、百二十四カ所に設置した普通水位計のデータを県のホームページにおいてリアルタイムで公開しているほか、昨年度、洪水時にのみ稼働する危機管理型水位計を八十二河川、八十二カ所に新たに設置し、そのデータを公開するなど、情報提供の充実を図ってきたところです。  また、洪水により相当な被害が生ずるおそれがあるものとして知事が指定した三十五河川においては、避難勧告等の目安となる水位に達した場合には、市町村やテレビ局等の報道機関に氾濫危険情報として通知するとともに、事前に登録した方々に洪水お知らせメールを送信するなど、多様な媒体による県民の皆様への迅速な情報提供に努めているところです。  さらに、県民の皆様に洪水の状況を実感していただくため、三十九カ所に河川監視カメラを設置し、その映像をホームページにおいて公開していますが、加えて従来よりも安価な簡易型河川監視カメラを今年度新たに六十五カ所に設置する予定としています。  こうした取り組みにより、自宅や職場にいながら洪水の状況やその危険度をリアルタイムで把握することが可能となり、的確な避難行動に結びつくものと考えております。  次に、効率的な河川管理に関する県の今後の取り組みについてです。  県では、定期的なパトロール等により、河川における雑木の繁茂状況や土砂の堆積状況及び堤防や護岸等の状況を適切に把握した上で、治水上支障となっている箇所から対策を実施しているところです。  具体的には、定期的に行うパトロールの結果を記録、蓄積し、その情報をもとに優先順位を検討しながら計画的な維持管理に努めております。  一方、国においては、河川巡視、点検、対策等の状況を電子化した上でデータベースに保存し、メンテナンスサイクルの効率化を図っていると聞いております。  県としても、国の取り組みを参考にしながら、河川のメンテナンスサイクルの効率化や職員間の情報共有を図るため、河川の維持管理に係るデータベースの構築や、ドローンの活用といった新技術を用いた河川管理のあり方について検討してまいります。  次に、人口減少と高齢化に対応したまちづくりに向けて、都市計画区域マスタープランをどのように見直すのかについてです。  都市計画区域マスタープランは、個別の都市計画区域における都市計画の目標や、市街化区域及び市街化調整区域といった区域区分を定める際の方針など、その都市計画区域における都市計画の基本的な方針を定めるため策定するものです。  今年度は、青森都市計画区域など四つの都市計画区域マスタープランについて、前回の見直しからおおむね十年が経過したことなどを踏まえ、見直しを行うこととしています。  マスタープランの見直しに当たっては、人口減少と高齢化への対応を重要課題と位置づけ、財政面及び経済面においても持続可能な都市を実現するため、コンパクト・プラス・ネットワークによるまちづくりを基本として、市町村の意見を聞いた上で、区域区分や土地利用の方針などについて検討を行うこととしています。  次に、市街化区域の拡大について県としてどのように対応していくのかについてです。  都市計画区域マスタープランの見直しに当たっては、計画的な市街化を図るための区域区分の方針のほか、市街化区域の規模についても、おおむね十年後の将来予測を行った上で検討することとなります。  市街化区域を拡大するか否かについては、関係する市町村の意向や立地適正化計画の内容などを踏まえながら、将来人口や産業規模などの社会経済情勢から推計される土地需要予測、周辺地域の土地利用動向や社会基盤整備の状況などを総合的に勘案し、その必要性や妥当性を検討することとしています。 53 ◯副議長(櫛引ユキ子) 教育長。 54 ◯教育長(和嶋延寿) 御質問五点にお答えいたします。  まず、国において実施する高等教育の無償化に係る県教育委員会の対応についてです。  国による高等教育の無償化については、真に支援が必要な低所得者世帯の学生に対して、授業料及び入学金の減免と給付型奨学金の支給を合わせて措置するものとして、大学等における修学の支援に関する法律が本年五月十七日に公布され、令和二年四月一日から施行される予定となっているところです。  独立行政法人日本学生支援機構が行う給付型奨学金については、ことし六月に募集案内を配付、七月ごろから申し込み等の手続が始まり、審査、決定を経て、来年四月から学生への支給が開始されることとされています。  このことから、県教育委員会では、県内の高等学校の奨学金担当者を対象に、独立行政法人日本学生支援機構と共同で大学奨学金事業等に関する説明会を開催するとともに、本制度の周知に係る通知等を県内各県立高等学校及び市町村教育委員会宛てに発出し、生徒、保護者に対する制度の周知についてお願いしたところです。  県教育委員会では引き続き、経済的支援を必要とする本県の高校生等が新たな支援制度を活用して大学等へ進学できるよう、国及び独立行政法人日本学生支援機構と連携し、制度の周知に努めてまいります。  次に、がん教育が明記された学習指導要領の全面実施に向けた取り組みについてです。  県教育委員会では、これまでも児童生徒の発達の段階を踏まえたがん教育の取り組みを行っており、今年度は小・中・高等学校の各三校を指定し、外部講師を活用したがん教育に取り組んでおります。  その実施に当たっては、健康福祉部やがん診療連携拠点病院との連携を図りながら、医師や看護師など専門家を講師として、がんの予防、健康と命の大切さなどについて授業を実施しております。  今年度は指定校の一つである県立八戸高等学校において、東京女子医科大学教授の林和彦氏による授業に加えて、行政、医療、教育関係者によるがん教育のあり方についての意見交換会を予定しております。  また、医師等を委員としたがん教育検討委員会を開催し、青森県のがん教育の今後の取り組みについて検討するほか、来年度から始まる小学校学習指導要領の全面実施に向け、県総合学校教育センターにおいて、小学校教員向けのがん教育の講座を開催する予定です。  県教育委員会としましては、今後とも、学校や地域の実情に応じて、専門家による授業を取り入れた指導体制の構築について検討し、関係部局と連携を図りながらがん教育に取り組んでまいります。  次に、公立小・中学校における冷房設備のための臨時特例交付金の採択件数と設置工事の進捗状況についてです。  国の平成三十年度第一次補正予算で設けられた冷房設備のための臨時特例交付金において、県内公立小・中学校では、十一市町村九十九校の普通教室九百二十六室、特別教室百五十八室、合わせて千八十四教室分について交付決定を受けたところです。  進捗状況について、五町村においては工事に着手済みであり、残る六市町村においても、実施設計完了後、速やかに工事に着手する予定となっております。  県教育委員会といたしましては、設置工事が速やかに完了するよう、市町村教育委員会と連携し、対応してまいります。  次に、県立特別支援学校における冷房設備のための臨時特例交付金の採択件数と設置工事の進捗状況についてです。  県立特別支援学校の冷房設備については、全校のコンピューター教室及び保健室に設置するとともに、体温調節が困難な児童生徒が在籍する普通教室にも設置してきました。  今般の臨時特例交付金においては、県立特別支援学校十五校の幼稚部、小学部、中学部の冷房設備が未設置の普通教室二百八十六教室分について交付決定を受けたところです。  進捗状況については、今月下旬まで実施設計を行っているところであり、実施設計完了後、速やかに工事に着手することとしております。  本工事は、児童生徒が教育活動を継続しながら冷房設備を設置することになるため、教育活動に支障が生じることがないように進めるとともに、体力や暑さへの対応等を考慮し、幼稚部や小学部の普通教室を優先して冷房設備を設置することなどにより、ことしの夏の熱中症対策を講じてまいります。  次に、子供の安全確保対策についての御質問のうち、昨年度実施した通学路の緊急合同点検の結果と今後の安全確保対策についてです。  通学路の緊急合同点検については、昨年度、国が策定した登下校防犯プランに基づき、全ての公立小学校及び公立特別支援学校小学部において行われました。  点検により抽出された危険箇所としては、一つとして、子供が一人になったときに周囲の目が少ない箇所、二つとして、歩車道が区別されておらず、車が近寄りやすい箇所などが認められております。  県教育委員会では、通学路上のさまざまな危険に対し、子供たちがみずから危険を判断し、みずから危険を回避する力を育成するため、各学校における地域安全マップの作成を推進しております。また、各学校における防犯教室等の担い手となる教員を養成し、実践的な安全教育を推進するため、学校安全教室指導者研修会を開催しております。  今後とも、市町村教育委員会に対し、学校、家庭、地域及び警察等の関係機関との連携を強化し、適切な安全確保対策が実施されるよう、指導、助言してまいります。 55 ◯副議長(櫛引ユキ子) 警察本部長。 56 ◯警察本部長(重松弘教) 御質問二点についてお答えいたします。  まず、園児を交通事故から守るための安全対策についてであります。  県警察では、滋賀県大津市における交通事故の発生を受け、散歩等の園外活動を実施している保育園や幼稚園に対し、道路管理者や保育園の職員等と一緒に移動経路の安全点検を実施し、危険箇所を把握するとともに、園外活動時の安全指導を行っているところでございます。  また、道路環境を改善する必要が認められた場合には、道路管理者に対し改善の働きかけをすることとしております。  さらに、過去五年間に発生した子供が当事者となった交差点での重大事故のうち、道路診断により道路交通環境の改善を図った事例を各警察署にフィードバックし、道路管理者と連携の上で、類似の危険箇所がないかどうか確認することとしております。県警察としては、今後とも道路管理者等と連携を図りながら、園児を交通事故から守るための安全対策について推進してまいりたいと考えております。  次に、青い森のセーフティネットに関する御質問についてでございます。  青い森のセーフティネットは、犯罪の発生、検挙、子供や女性を対象とする犯罪の前兆事案、特殊詐欺等の情報など県民の安全・安心を確保するために必要な情報を配信する電子メールサービスでございます。このサービスを利用するには、あらかじめ登録をする必要がございます。  平成十七年から運用を開始しておりますが、過去五年間における登録者数については、平成二十六年が二千二百九人、平成二十七年は二千四百六十五人、平成二十八年は二千五百五十七人、平成二十九年は二千三百十七人、平成三十年は二千六百八十人と、二千二百から二千六百人台の横ばいで推移をしている状況でございます。これは登録が必要など手続が煩雑なこと、SNSの発達により電子メールの利用自体が少なくなっていること等が理由として考えられるところでございます。  そこで、登録者数を増加させるため、街頭活動、安全講習会等での登録の呼びかけのほか、県警ウエブサイトやマスメディア等による広報等を推進しているところでございます。  また、各市町村で運用されているメールマガジン等に青い森のセーフティネットで配信した情報を転載、あるいは配信していただく二次利用の配信も積極的に推進しております。  県警察としましては、コミュニケーションツールが変容している社会情勢を踏まえまして、効果的な情報発信方法を検討し、県民の安全・安心を確保するために必要な情報の適時適切な発信に努めてまいりたいと考えております。 57 ◯副議長(櫛引ユキ子) 伊吹議員。 58 ◯四十五番(伊吹信一) 最初に、健康福祉部長にお尋ねをいたします。  ひきこもりに対する支援についてでございますが、先ほども壇上で申し上げましたとおり、ひきこもり者やその家族で構成される全国組織のKHJ全国ひきこもり家族会連合会から、県のひきこもり対策の充実強化を求める要望書が出されており、その中で居場所づくりの必要性について言及されております。このひきこもり当事者の居場所づくりに向けた県の考えについてまずお伺いいたします。 59 ◯副議長(櫛引ユキ子) 健康福祉部長。 60 ◯健康福祉部長(有賀玲子) 県の考え方、ひきこもりの当事者の居場所づくりについてでございますけれども、県でも、ひきこもりの当事者の居場所づくりは重要なことであると考えておりまして、実際に現在では県立精神保健福祉センターにおいて月二回程度の園芸や料理教室等を行うひきこもりほっと・ステーションを開催しているところであり、この取り組みについては引き続き継続してまいりたいと考えております。  そのほか、当事者の居場所としては、市町村や民間団体が実施している傾聴サロンのほか、精神疾患等が背景にある場合は精神科医療機関等で行われているデイケア、障害者自立支援法に基づく地域活動支援センターの活用等が考えられます。また、就労への移行段階にある方については若者サポートステーションの活用等が考えられます。  今後も、ひきこもりの状態にある当事者に対しては支援を継続していくとともに、今後の居場所づくりのあり方については、ぜひ家族会やひきこもりの当事者の方からの声をよく聞いた上で、関係機関と連携しながらあり方を検討してまいりたいと思っております。 61 ◯副議長(櫛引ユキ子) 伊吹議員。 62 ◯四十五番(伊吹信一) この取り組みはどちらかというと市町村での取り組みが非常に重要になってくるかと思いますが、傾聴というか、当事者の声に耳を傾けていただきまして、今後の施策展開をぜひ検討していっていただきたいと思います。  続いて、がん教育についてですが、平成二十九年度がん教育の実施状況に関する文部科学省の調査結果が昨年十月公表されました。これを受けまして、都道府県別の実施状況について先般公表されたかと思いますけれども、本県での実施状況についてどのようになっているのかお知らせいただければと思います。 63 ◯副議長(櫛引ユキ子) 教育長。 64 ◯教育長(和嶋延寿) 文部科学省では、全国でのがん教育の実施状況を把握し、今後の実施の参考とすることを目的に、平成三十年二月に初めてがん教育の実施状況調査を行っております。その調査では、本県のがん教育の実施率は、小学校三五・三%、中学校五五・六%、高等学校五四・九%、全国の実施率は、小学校五二・二%、中学校六四・九%、高等学校五八・一%となっております。  また、がん教育を実施した際の外部講師の活用率につきましては、全国が一二・六%、本県が一四・八%となっております。本県のがん教育では、外部講師の職種としては、がん専門医や大学教員等を活用しており、今後は、がん経験者の活用についても関係部局との連携を図り取り組んでまいりたいと考えております。 65 ◯副議長(櫛引ユキ子) 伊吹議員。 66 ◯四十五番(伊吹信一) それでは、要望等をしてまいります。  まず、県警察本部長、青い森のセーフティネットでございますが、この登録者数が横ばいだということで先ほど答弁いただきました。県警察本部長は先ほど答弁の中でも触れられておりましたけれども、登録のしやすさということが、今後、鍵を握るのかなと思っております。  そこで、スマートフォンの普及を踏まえて、アプリでの登録やポップアップ通知機能が利用可能となるような、そうした利用者増加に向けたアプリの導入検討をこの際要望しておきたいと思いますので、ぜひ御検討をいただければと思います。この青い森のセーフティネットは非常に大事ですし、すばらしいと私は思っています。連日のように県内で発生している予兆事案、あるいは詐欺事案等について知らせることによってその被害拡大を防ぐということも期待されますので、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。  それと、健康福祉部長にお願いですが、先ほど障害者の意思疎通手段の確保に向けた条例についての答弁をいただきました。知事からの答弁だったと思いますけれども、前向きに検討していただけるものと受けとめさせていただきました。でき得れば、年度内にこの条例が制定されるように、また、県内市町村への普及が図られるように、そうした取り組みを進めていただくようこの場から要望しておきたいと思います。  それと、河川管理の点についても一点要望しておきたいと思います。  雑木除去を中心とする、あるいは土砂等のしゅんせつ等を中心に河川の災害対策を進めておりますが、けさほども、実は登庁する途中に地域からの要望がうちの市会議員を通じて入ったんです。それは昨年、雑木を除去していただいたばかりの河川で、やはり同様にまた草、雑木等が生い茂っている、このままだと、これから雨が多い季節を迎える中で周辺住民としても心配であるという声が地域で出ているといったようなことがありました。個別の箇所についてはまたそれぞれ担当のところに御相談はしますが、毎年こういう雑木の除去によって経費をかけてということでいいのだろうかという疑問もございます。ですから、中長期にわたる河川管理のあり方、手法、技術的なことについてもぜひあわせて検討していっていただきたいなということを申し上げておきたいと思います。  最後になります。いよいよこれから四年間の三村知事の五期目の仕事に、私も大変期待もしておりますし、ともにこの十六年間歩ませていただいたという思いの中で、議会のメンバーの一員として、県民の声を知事のもとにしっかりとお届けさせていただきたいと思います。しっかり県民に目を向けた地に足のついた県政であると同時に、先ほども申し上げたように、世界に目を向けた、世界からも選ばれるそうした青森県に向けた取り組みが求められているかと思います。  今回、県基本計画にSDGsを添えていただいたことは大変感謝もしておりますし、そうした決意が基本計画の基底ということに、姿勢にあらわれているのかなと評価もしております。ぜひSDGsについて、今年度、来年度、県としても事業を行うとも聞いております。民間も含めた、あるいは県内市町村を挙げて持続可能な格差のない社会に向けた取り組みが進むように鋭意取り組みを進められるようお願いしたいと思います。  先ほど壇上でも申し上げましたけれども、県職員の名刺が新しくなりました。基本計画のデザインに基づく名刺を選択できるようになって、新しい時代の到来を感じさせるような名刺で、私も印象深く拝見したんですが、でき得ればその片隅にでもSDGsのロゴも入れていただけると、なお県の姿勢というものが内外に発信されるのではないかとも思いますので、今後そうした点も御検討いただければと思います。  御期待を申し上げて、以上で質問を終わらせていただきます。 67 ◯副議長(櫛引ユキ子) 三十分間休憩いたします。 午後三時休憩     ─────────────────────── 午後三時三十分再開 68 ◯議長(森内之保留) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  二十五番工藤義春議員の登壇を許可いたします。──工藤義春議員。 69 ◯二十五番(工藤義春) 自由民主党の工藤義春でございます。  議長のお許しを得て、所感を述べながら順次質問してまいります。  私は、毎朝、朝五時半ごろに起きて、すぐ新聞を見ながら、あとテレビをつけてニュースを聞きます。それと最近は、またか、またかとうんざりするほど繰り返される事件、事故が目に飛び込んできます。その一つが高齢運転者による交通事故であります。交通事故は、加害者も、被害者も悲惨であります。もう一つは、虐待死であります。なぜ救えなかったのか。子供がSOSを発しているのに、なぜ、なぜと疑問が残るだけであります。  このようなことを踏まえ、通告に従い、順次質問してまいります。  一番目として、児童虐待のない社会づくりについて。  昨年三月に東京都目黒区で当時五歳の船戸結愛ちゃんと、そして、ことし一月に千葉県野田市で当時十歳の栗原心愛ちゃんが、しつけと称した虐待事件で死亡いたしました。そして、今月、何回も通報を受けながら、札幌市の二歳の池田詩梨ちゃんが衰弱死いたしました。いずれも、児童相談所と警察等関係機関との連携がうまくいけば救える命であったと私は思っております。  先般、厚生労働省と文部科学省の合同プロジェクトチームが学校を長期欠席している子供の緊急点検結果を公表したとのことでありますが、そこで、一点目の質問でございます。平成三十一年三月に公表された学校を長期欠席している子供の緊急点検結果とその後の対応についてお伺いします。  二点目として、児童相談所における児童虐待への対応状況と関係機関との連携状況についてお伺いします。  三点目として、児童虐待のない子供が安心して暮らせる社会づくりに向けて、県はどのように進めていくのかお伺いいたします。  次に、二番目の質問です。津軽海峡交流圏の形成についてであります。  平成二十八年三月に開業した北海道新幹線新青森─新函館北斗間が本年三月で開業から三年間が経過いたしました。やはり北海道新幹線の開業直後は、開業時のPRの効果や物珍しさもあり利用者が大きくふえましたけれども、だんだんとそうした意識も薄れ、利用者が減っていくことが懸念されます。  しかしながら、本年三月のJRのダイヤ改正において、これまで県議会としても強く求めてきました青函共用走行区間の速度向上の第一歩として、青函トンネル内の走行速度が時速百四十キロメートルから百六十キロメートルに引き上げられたところでありますので、今後のさらなる高速化による利便性の向上、さらには本県の交流人口の拡大につなげていただきたいと思っているところであります。  県では、北海道新幹線の開業効果を県全域で獲得するために、これまでも青函交流を進めるさまざまな取り組みを積極的に実施してきたところでありますが、これまでの取り組みで得た知見や経験を生かしながら、今後とも、本県と道南地域が連携を図りながら津軽海峡交流圏の形成を促進していく必要があるものと考えております。  そこで二点質問します。一点目として、北海道新幹線の利用状況とこれに対する県の認識をお伺いします。
     二点目として、交流人口の拡大に向けて県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、三番目の質問です。食品ロスの削減についてであります。食品ロスとは、ごみとして廃棄されてしまっている食品のことで、本来、食べられていればごみにならなかったものであります。  先般、県では、平成二十九年度の県民一人一日当たりのごみ排出量が千二グラム、県の目標値九百八十グラムまであと二十二グラムまで減少させたと発表しておりますが、この食品ロスがごみとならず食べられていれば既に目標値を達成できたのではないかなと思っております。  食品ロス問題は、先月、食品ロス削減推進法が成立するなど、全国的に大きな問題として取り上げられ、県民、事業者の関心も高まっているところでありますが、削減に向けた行動はこれからというところではないでしょうか。特に食品ロスは外食時に多いようです。私も常々宴会や飲み会の際に、残った食べ物を見てもったいないと思い、店によってはパックに詰めて持ち帰ることもありますが、持ち帰ると意外と家族から喜ばれるという話も聞いております。これは生ものはいけないんですが。県では、もったいない・あおもり県民運動を推進し、家庭の中での食べ切る、食材を無駄なく使うという啓発をしておりますが、県民が宴会時などに持ち帰り用のパックや袋を持ち、余った料理を持ち帰ることができる店をふやすといった運動も広げてもいいのではないかと思っております。また、事業者の取り組みも徐々に広がっております。  新聞報道によると、大手コンビニで消費期限の近づいた商品の購入者にポイント還元を行うといった取り組みを検討しているほか、県内でも南部町とフードシェアリング運営事業者が農産物の廃棄ロスと販路拡大を図るため、協定を締結するといった取り組み事例が出てきております。こうした行動が県内に広がって、食品ロスの削減、さらにはごみ減量につながれば、ごみ排出量の目標もすぐ達成できるのではないかと考えております。  そこで二点質問いたします。  一点目として、食品ロスの現状についてお伺いいたします。  二点目として、県内で発生する食品ロスの削減に向けて、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、四番目として、食関連産業の企業誘致の推進についてであります。  以前、常任委員会の視察で県内の食品加工の企業を視察したときのことです。企業の担当者の方から、リンゴを初めとする青森県産の素材をふんだんに活用した商品を製造しており、皆様から好評をいただいているとの説明を聞きました。  私は、常日ごろから、本県の基幹産業である第一次産業を生かした産業振興を進めていく必要があると考えており、本県の安全・安心な農林水産資源を活用して、皆様に親しまれる商品が製造されていることを非常にうれしく感じたところであります。このことは、企業誘致の推進に当たっても非常に示唆に富むものと考えております。  時代の移り変わりとともに産業構造が変化していく中にあっても、本県は豊かな農林水産資源に恵まれた全国有数の農林水産県であり、また、国産素材志向の高まりなどを鑑みれば、食品加工など食に関する産業の企業誘致に取り組むことは非常に意義が大きいと考えており、地域への定着、さらには地域経済の活性化につながるものと期待をしております。  そこで二点ほど質問いたします。  一点目として、過去五年間の企業誘致の実績と食関連産業の誘致の状況について伺います。  二点目として、本県の強みである食に関連する産業の誘致が重要であると考えますが、県の認識と今後の取り組みについてお伺いいたします。  次に、五番目の質問です。スマート農業の推進についてであります。  最近、新聞やテレビの報道で、自動で走行するトラクターやドローンを使った農薬散布など、いわゆるスマート農業の話題を多く目にするようになりました。私の地元は米とリンゴ生産が盛んな農業地帯ですが、人手不足が深刻化する中で、大幅な省力化や作業の効率化が期待できるスマート農業への関心が高まっております。一方で、ほとんどの事例が水田での活用で、リンゴについては人手に頼る作業が多く、園地も傾斜地が多いなど、活用できる技術がまだ少ないと聞いております。しかしながら、現場のニーズがふえ、企業がビジネスチャンスと捉えれば、一挙に技術革新が進むのがIT分野の強みではないでしょうか。国においても、スマート農業技術を全国で実証する取り組みをスタートさせ、普及のスピードを加速することで、我が国農業の競争力を強化していく施策を打ち出しております。  私の地元では、定年退職後、個人で米づくりに取り組んでいる人、また、法人化や集落営農によって大規模な経営を行い、多くの収益を上げている例もあります。しかし、あと十年から十五年もすると団塊の世代が農業を続けられなくなり、これらの農地を引き受ける大規模な経営でも人手の確保は困難になるのではないかと考えられます。  そうした中で、今後はスマート農業技術の導入は農業生産を維持していく上で不可欠であり、また、工夫次第では農産物の付加価値を高めることも可能になります。県内においても一部で取り組みが進められているようでありますが、さらにスマート農業を推進し、産地の維持や農地資源の有効利用を図るべきと考えます。  そこで二点質問いたします。  一点目として、労働力不足に対応するため、県はスマート農業をどのように推進していくのかお伺いします。  二点目として、スマート農業技術の導入に向けた本年度における県の取り組み内容についてお伺いいたします。  次に、六番目の質問であります。県管理河川の防災・減災対策についてであります。  平成の時代においては、最悪の水害と報道された昨年七月の西日本豪雨を初め、異常な豪雨による洪水被害が全国的に多発いたしました。県内に多くの河川を抱える本県においても、このような災害は決して他人事ではなく、自然災害への備えというものがいかに大切かということを改めて実感させられたところであります。  このような中、昨年、県では、水防法の改正に伴い、河川改修の計画規模を大きく上回る、想定し得る最大の規模の降雨による洪水浸水想定区域の指定、公表を進めていることが報道されました。この取り組みは、地域住民の避難活動を支援するためのいわゆるソフト対策の一環であると聞いておりますが、ただ地図を公表すればよいというものでもなく、洪水時の実際の行動にいかにつなげていくのかが重要であると考えております。  そこで一点目の質問として、洪水浸水想定区域の指定状況及び今後の取り組みについてお伺いします。  また、私は、洪水の被害を軽減するためには日常的な河川の維持管理が重要であると常日ごろから思っております。河川内に樹木が生い茂っていたり、土砂が堆積していれば河川の水がスムーズに流れないことは明らかで、こうした地域にお住まいの方々から私のもとに不安を感じる声が多く寄せられております。私がよく総会に顔を出す地元の平川の内水面漁業協同組合では、河川清掃などの美化活動をボランティアで行っておりますが、組合員の老齢化が進み、人手不足が深刻になっている状況だと聞いております。地域の住民に愛され、親しみを持ってもらうためにも、地域の方々や各団体と密に連携しながら適切に河川管理に取り組んでいただくことが大切だと感じております。  そこで二点目の質問として、河川の維持管理に係る県の取り組み状況についてお伺いいたします。  次に、七番目の質問です。子供のスポーツ活動の推進についてであります。  小学校期は生涯を通じてスポーツとかかわる習慣を身につける重要な準備期であり、この時期にスポーツに取り組むことは、健全な心身を育み、豊かなスポーツライフを実現するための資質や能力の育成につながると考えております。このため、学校における体育の授業の充実はもちろんのこと、体育の授業以外でも子供たちがさまざまなスポーツに触れる機会を設けたり、スポーツの楽しさや喜びを主体的に味わうことができる環境を整えたりしていくことが大切ではないかなと考えます。  本県の小学校期におけるスポーツ活動は、これまで運動部活動が大きな割合を占めてきました。運動部活動は、子供たちの体力向上や好ましい人間関係の構築に寄与するとともに、本県の競技力向上にも大きな役割を果たしてきました。また、子供たちのスポーツ活動は地元の人たちの話題となり、地域の活性化にも貢献してきました。しかし、近年の少子化に伴い、学校によっては運動部活動を維持するのが難しく、存続の危機にあると聞いております。  そこで一点目の質問です。小学校における運動部の活動状況についてお伺いします。  少子化は今後も続くことが予想されます。そうなると、運動部の数もさらに減少していく可能性が高く、学校や地域によっては、子供たちがやりたいスポーツを主体的に選択できなくなるだけではなく、運動機会そのものが失われていく可能性も否定できません。このような中、子供のスポーツ活動を推進していくためには、学校を単位とせず、地域でスポーツを行う体制の整備が必要ではないかと考えております。  本県には、各地域に総合型地域スポーツクラブがあり、子供からお年寄りまで幅広い世代がともにスポーツを楽しんだり、複数の種目と触れ合ったりすることができると聞いております。まさに地域スポーツの担い手としての役割や地域コミュニティーの核としての役割が期待できるものと考えております。  そこで二点目の質問です。  運動部の減少に伴い、総合型地域スポーツクラブとの連携が必要と考えるが、県教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。  次に八番目、最後の質問であります。高齢運転者対策についてであります。  高齢運転者による大きな事故が全国的に多発しており、高齢運転者への対策が叫ばれているところであります。高齢者が事故を起こさないためには、免許証の自主返納は効果的な対策だなと思います。いろんな事故が発生している中で、今は返納者がふえているとも聞いております。しかし、高齢者の中には、仕事や生活をしていく上で車両が必要不可欠という実情があることもまた事実であります。こうした実情を踏まえると、自主返納できない事情がある高齢運転者に対しては、高齢者の運転傾向を理解し、安全な運転に努めていただくことや、周囲の運転者や歩行者が高齢運転者の特性を踏まえ、事前に危険を予知した運転等により事故を未然に防止していく、こういうことも必要ではないかとも考えております。  そこで三点質問したいと思います。  昨年の県内における高齢運転者が加害者となった交通事故の死者数の割合についてお伺いいたします。  二点目として、家族等からの高齢運転者に対する自主返納の説得に応じない高齢運転者に対する県警察としての対応についてお伺いいたします。  三点目として、高齢運転者自身のみならず、周囲の運転者や歩行者が高齢運転者の運転傾向を理解することが必要と考えますが、高齢運転者の運転特性についてお伺いしたいと思います。  以上をもって壇上からの質問を終わります。 70 ◯議長(森内之保留) 三村知事。 71 ◯知事(三村申吾) 工藤義春議員にお答えいたします。  私からはまず、児童虐待のない社会づくりに向けての県の取り組みでございます。  児童虐待は、子供の健やかな発育、発達を損ない、心身に深刻な影響を与えますことから、県民一人一人がこの問題に理解と関心を持ち、地域一丸となった取り組みを進める必要があると考えます。  私は、全ての子供たちが幸せに育ってほしいとの願いから、児童虐待の早期発見、早期対応のための相談体制の強化とともに、地域全体で子供を守るための取り組みを進めてきました。  特に児童相談所が児童虐待の事案に対して、迅速な対応や専門的な技術に基づいた援助を行うことができるよう、児童福祉司については、これまでも国の基準を上回る配置をし、研修等により専門性の向上を図ってきたほか、警察や学校、市町村との連携強化に努めてきたところであります。  また、市町村要保護児童対策地域協議会の機能強化のため、協議会を担当する保健師や保育士、市町村担当職員を対象に児童虐待への対応力強化のための研修を実施いたしております。  国では、昨年十二月に児童虐待防止対策体制総合強化プランを策定し、二〇二二年度を目途に児童福祉司を増員するなどの児童相談所の体制強化や市町村の相談体制の強化等を図ることとしております。  県といたしましても、国のプランを踏まえまして、子供の命を守ることを最優先に、児童相談所の体制強化や市町村の対応力向上のための支援の強化など、児童虐待防止対策のより一層の充実を図ってまいります。  本県の強みであります食に関連する産業の誘致に対しての認識と取り組みであります。  企業誘致は、地域の雇用や経済に大きな効果をもたらすことから、私は知事就任以来、農林水産資源を初めとする恵まれた地域資源、すぐれた人財力など、本県ならではの強みを生かすことができる分野をターゲットに重点的かつ戦略的な企業誘致に取り組んできたところでございます。  食関連産業につきましては、近年の外食・中食産業等の需要拡大や消費者ニーズの変化、国産志向の高まりなどから加工食品市場の成長が見込まれておりますほか、食品加工にとどまらず、加工機械製造など、裾野の広い食関連産業のさらなる集積を目指した企業誘致に取り組む好機であると捉えております。  豊富でバランスのとれた農林水産資源を有する本県におきまして、食料品製造業は県全体の製造品出荷額の二割を超えるなど、地域経済において大きな役割を担っておりますことを踏まえ、今年度から、「食」を切り口とした幅広い産業をターゲットに、農商工連携による産地や事業環境等の視察を通して地元関係者との接点づくりを行うなど、重点的に取り組むこととしております。  こうした本県の優位性を生かすとともに、経済を回す視点を重視しながら、県民やUIJターン希望者等にとって魅力ある雇用の創出に向けて、市町村や関係団体と連携を図りながら、私自身が先頭に立って企業誘致に全力で取り組んでいきます。  労働力不足に対応するためのスマート農業の推進でございます。  近年、進展が著しいスマート農業技術につきましては、本県でも、県産業技術センターが開発し、「青天の霹靂」の高品質生産に効果を発揮しております衛星画像を利用したリモートセンシング技術を初め、省力効果の高いドローンによる農薬散布など、徐々に取り組み事例が出始めております。一方で、導入コストが高いことや効果の情報不足、果樹や野菜の分野における技術開発のおくれなどが課題となっております。  人口減少に伴い、労働力不足が進行している現状のもとで本県農業を持続的に成長させていくためには、農業生産の省力化や技術の継承、新規就農の促進などのツールとして、ICT等を活用したスマート農業を初めとする先端技術を積極的に導入していく必要があると考えております。  このため、技術が確立し、普及段階にある先端技術については、国の事業を積極的に活用して、その効果を実証し、生産者の方々に啓発していくほか、現在、開発中の技術につきましては、県産業技術センターにおいて機械メーカーと連携しながら効果の検証を進めていくこととしております。  また、本年度からの二年間、水稲、野菜、果樹ごとに長期的な観点から栽培方法の技術革新の方向性を踏まえたスマート農業の可能性について検討を進めますほか、県産業技術センターに対して、工業部門を有する強みを生かした農工連携の試験研究の取り組みを促すことなどによりまして本県農業のイノベーションを図りたいと考えているところであります。  私からは以上です。 72 ◯議長(森内之保留) 企画政策部長。 73 ◯企画政策部長(柏木 司) 津軽海峡交流圏の形成についての御質問二点についてお答えいたします。  北海道新幹線の利用状況と県の認識についてでございます。  北海道新幹線の利用者数は、JR北海道によりますと、開業一年目の平成二十八年度は一日当たりの平均で約六千二百人と、開業前の在来線特急・急行列車の利用実績と比較して約一五九%に増加しましたが、二年目の平成二十九年度は約五千人と対前年比約八〇%、三年目の平成三十年度は約四千六百人と対前年比約九二%にとどまっています。  この理由としては、北海道新幹線開業から三年間を経過し、開業ブームが落ちついてきたこと、平成三十年度においては北海道胆振東部地震による運休等の影響があったことによるものと受けとめています。  一方で、開業前の利用者数、約三千九百人でございますが、これと比較いたしますと、平成二十九年度は約一二八%、平成三十年度は約一一八%と増加しており、また、本年四月二十六日から五月六日までのゴールデンウイーク期間中の利用状況が対前年比約一四五%となるなど、北海道新幹線は交流人口の拡大に一定の効果を発揮しているものと認識しています。  県としては、この効果を最大限に生かすため、引き続き、JR各社、沿線自治体、北海道庁とも連携しながら、北海道新幹線の利用促進に取り組んでいきたいと考えております。  次に、交流人口の拡大に向けての県の取り組みについてでございます。  県では、北海道新幹線開業を契機に、本県と北海道道南地域とを一つの圏域とする津軽海峡交流圏の形成に向けて、圏域内での交流の活発化、圏域外からの交流人口の拡大や滞留時間の質的・量的拡大を目指すλ(ラムダ)プロジェクトに取り組んできたところです。  これまでの取り組みにより、津軽海峡マグロ女子会によるマグ女のセイカン博覧会の開催や圏域内の商工会議所のビジネスマッチング事業による青函関連商品の開発など、さまざまな分野において新たな動きが生まれており、また、本年三月には、北海道新幹線開業三周年の機会を捉え、北海道や沿線自治体等と連携して、北海道新幹線を利用して縄文遺跡を親子でめぐるツアーやお出迎えイベント等を集中的に行うキャンペーンを実施し、交流人口の拡大に努めたところです。  こうした動きをさらに加速していくため、ラムダ作戦会議をエンジン役として圏域内での交流を一層促進するとともに、本年七月から九月にかけてJR東日本及びJR北海道や道南地域と連携して実施する青森県・函館観光キャンペーンなどさまざまな誘客施策を展開していくこととしています。  県としては、引き続き、北海道との連携を強化し、圏域内の交流機会の一層の拡大、創出を図るとともに、圏域内外での情報発信による津軽海峡交流圏の認知度を向上させることにより交流人口の拡大につなげていきたいと考えております。 74 ◯議長(森内之保留) 環境生活部長。 75 ◯環境生活部長(三浦朋子) 食品ロスに関する御質問二点にお答えいたします。  現状についてでございます。  ことし四月に国が公表した平成二十八年度の食品ロス発生量の推計結果によると、国内全体の発生量は約六百四十三万トンとなっており、その内訳は事業系の食品ロスが三百五十二万トン、家庭系の食品ロスが二百九十一万トンとなっています。  このうち、事業系食品ロスの業種別の内訳は、食品製造業が三九%、外食産業が三八%と多く、次いで食品小売業が一九%となっています。それぞれの業種における発生要因としては、食品製造業では加工、調理の際に発生するもの、外食産業では食べ残しによるもの、食品小売業では消費期限切れ等の保管、販売におけるもの等があります。  一方、家庭系食品ロスについては、食べ残しが全体の三九%、可食部分の過剰除去が三一%、手つかずのまま捨てられる直接廃棄が三〇%という内訳になっています。  また、県が平成二十五年度に実施した家庭系可燃ごみの組成分析調査によると、可燃ごみの約五割が生ごみで、うち約三割は食品ロスであったことから、第三次青森県循環型社会形成推進計画における目標値である一人一日当たりのごみ排出量九百八十グラムの達成に向けて、食品ロスの削減が課題の一つであると認識しています。  次に、食品ロスの削減に向けた県の取り組みについてでございます。  県では、食品ロスを含む生ごみの減量のため、平成二十八年度から、「食材は使いきる」「料理は食べきる」「生ごみは水気をきる」の三つの「きる」の普及啓発に重点的に取り組んでいます。  具体的には、県職員が三つの「きる」キャラバン隊として、県内の食品小売店舗等に出向き、買い物客を対象に、家庭での食品ロス削減の必要性や具体的な実践方法等について普及啓発活動を行っているところです。  また、外食産業や食品小売業等における食品ロス対策として、昨年四月に、消費期限の近い商品の値引き販売や少量パック販売、小盛りメニューの設定等、食品ロス削減につながる取り組みを実施する事業所をあおもり食べきり推進オフィス・ショップとして認定する制度を創設し、事業者による主体的な食品ロス削減の取り組みの促進を図っているところです。  食品ロスは全国的な課題であり、去る五月三十一日には、国民運動として食品ロスの削減推進を目的とする、いわゆる食品ロス削減推進法が成立したところです。県としても法の趣旨を踏まえ、もったいない・あおもり県民運動における重点取り組みとして、今後とも食品ロスの削減に向けた取り組みを一層強化していきたいと考えています。 76 ◯議長(森内之保留) 健康福祉部長。 77 ◯健康福祉部長(有賀玲子) 児童相談所における児童虐待への対応状況と関係機関との連携状況についてお答えいたします。  本県の児童相談所における虐待相談対応件数は年々増加傾向にあり、平成三十年度は過去最多の千四百十三件となりました。このうち、児童相談所において一回から二回程度の指導により終結するケースが全体の約八割を占めており、児童虐待が深刻にならない早い段階で対応できている状況にあると考えています。  児童相談所では、児童虐待の通告を受けた後、原則として四十八時間以内に目視による安全確認などを行うとともに、保護者が子供の安全確認に強く抵抗を示す場合などは、警察の協力を得て、保護者の同意がなくても立入調査を行うこととしています。  一方、関係機関との連携ですが、医療機関、警察及び学校の関係者等で構成する市町村の要保護児童対策地域協議会に児童相談所が参画し、要保護児童等の適切な保護や支援に向けた助言、指導を行うなどの連携を行っています。  また、平成二十九年度からは、県警察本部からの出向職員一名を中央児童相談所に配置したほか、本年二月には、児童相談所と警察との間で児童虐待事案の情報共有に関する協定書を締結するなど、警察との連携強化に取り組んでいます。  今後も、全ての子供を守るため、安全確認等のルールを徹底するとともに、学校や警察などの関係機関との連携強化を推進して、児童虐待に対し適切に対応していきたいと考えています。 78 ◯議長(森内之保留) 商工労働部長。 79 ◯商工労働部長(田中泰宏) 過去五年間の企業誘致の実績と食関連産業の誘致の状況についてお答えします。  県では、国内外の産業動向や企業の設備投資等の情報を収集しながら、本県の強みを発揮できる農林水産関連産業を初めとして、成長が期待される成長ものづくり関連産業、若者の関心が高く、多様な働き方が可能となる情報・クリエーティブ関連産業、あらゆる産業活動を支える物流関連産業について、重点的に企業誘致に取り組んでいます。  その結果、平成二十六年度から平成三十年度までの直近五カ年の企業誘致件数は七十八件となっています。  業種別では、コンタクトセンター関連を初めとした非製造業が四十七件、製造業が三十一件となっており、製造業の内訳では、電子部品・デバイス関連が七件と最も多く、次いで食料品製造業が五件となっています。  食料品製造業の誘致企業からは、特産品など本県の資源に着目して立地したとの声が聞かれるところであり、県としては、景気の影響を受けにくく、本県の優位性を発揮できる分野であることから、引き続き積極的に取り組んでいきます。
    80 ◯議長(森内之保留) 農林水産部長。 81 ◯農林水産部長(高谷清孝) スマート農業技術の導入に向けた本年度の取り組み内容についてお答えします。  県では、スマート農業技術の導入を推進するため、本年度は、機械メーカーや試験研究機関などと連携して、生産者に先端農業機械等を操作してもらう現地実証を行うとともに、技術の普及啓発に取り組んでいます。  具体的には、国のプロジェクト事業を活用して、水稲では、中泊町の大区画水田において自動で直進と施肥量調節ができる田植え機や、自動水管理システム、収量センサーつきコンバイン等による大規模一貫作業体系の実証を行っています。また、ナガイモなどの野菜では、東北町において、GPSを活用した無人走行トラクターや重複散布を防ぐ施肥機等による作業の省力化や、肥料費の削減などに取り組んでいます。  一方、開発途中にある個別技術としては、ニンニクの自動根すり機による調製作業や果樹園の無人走行草刈り機による雑草の刈り取り作業について、それぞれ津軽及び県南地域において、省力化や安全性の向上に係る効果を現地実証することとしています。  さらに、こうした取り組みの成果を生産者や指導者と共有するため、現地実証結果の報告会や先端技術の普及啓発を行うセミナーのほか、メーカーの協力を得た先端農業機械の展示会を開催するなど、生産現場でのスマート農業技術の導入を促していきます。 82 ◯議長(森内之保留) 県土整備部長。 83 ◯県土整備部長(新井田 浩) 県管理河川の防災・減災対策についての御質問二点にお答えします。  まず、洪水浸水想定区域の指定状況及び今後の取り組みについてです。  県では、堤川、平川など洪水時に相当な損害を生ずるおそれがある三十五河川を対象に、洪水防御計画の基本となる降雨に対応した洪水浸水想定区域を策定し、平成二十三年度までに指定、公表しております。  一方、近年の豪雨災害等を踏まえた平成二十七年の水防法の改正により、想定し得る最大規模の降雨に対応した洪水浸水想定区域を新たに指定、公表することが義務づけられたことから、県では、昨年度までに十四河川において新たな洪水浸水想定区域を公表し、残りの二十一河川においても令和二年度までに公表する予定としております。  今後は、新たな洪水浸水想定区域に基づき、市町村において地域防災計画及びハザードマップの見直しを行うことになりますが、県としても見直しに当たって必要となる浸水深の詳細なデータの提供など、必要な支援を行ってまいります。  また、洪水浸水想定区域に立地している社会福祉施設、学校、医療施設等の要配慮者利用施設においては、避難確保計画の作成や既に作成した計画の見直しが必要となることから、庁内関係部局を通じて指導、助言を行ってまいります。  次に、河川の維持管理に係る県の取り組み状況についてです。  県では、定期的なパトロール等により、河川における雑木の繁茂状況や土砂の堆積状況及び堤防や護岸等の状況を適切に把握した上で、治水上支障となっている箇所から対策を実施しているところです。  さらに、昨年十二月に閣議決定された防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に基づき、平成三十年度から令和二年度までの三年間において、洪水の流下阻害を解消するための雑木の伐採や河川の掘削を重点的に行うこととしております。  このほか、地域と連携した河川の維持管理の取り組みとして、議員からも御紹介のありました平川などでは、地域住民や関係団体等による河川清掃なども活発に行われております。関係者の皆様に対し、改めて感謝申し上げます。  今後とも、洪水等に対する安全性の確保を初め、安定した水利用の確保や河川環境の保全を図るため、地域の御意見や御要望を伺いながら、連携して適正な河川管理に努めてまいります。 84 ◯議長(森内之保留) 教育長。 85 ◯教育長(和嶋延寿) 御質問三点にお答えいたします。  まず、児童虐待のない社会づくりについての御質問のうち、平成三十一年三月に公表された学校を長期欠席している子供の緊急点検結果と、その後の対応についてです。  このたびの緊急点検は、全国全ての学校等に在籍する幼児、児童、生徒のうち、本年二月一日から十四日までの間に一度も登校していない者を対象とし、面談等により虐待の疑いがないかを確認したものです。  本県では、対象者七百十八名に対して点検を行った結果、虐待の疑いが否定できないものを含む三十二件について、教育委員会、学校、市町村、児童相談所等の間で情報共有をしております。  こうした状況を踏まえ、四月に開催した市町村教育委員会の生徒指導担当者による連絡協議会及び県内公立小・中学校の教育相談の担当者等による連絡協議会において、教員が児童虐待を早期に発見するためのポイントや発見後の対応、関係機関との連携の仕方等について事例研究を交え研修を行っております。また、五月には、文部科学省が作成した教職員向けの虐待対応の手引きを各学校に配付し、校内研修で活用するよう要請したところです。  県教育委員会としましては、引き続き、児童相談所や警察等の関係機関との連携のもと、学校が児童虐待を早期に発見し、その後の継続的な見守りと適切な支援が行われるよう努めてまいります。  次に、子供のスポーツ活動の推進についての御質問のうち、小学校における運動部の活動状況についてです。  県教育委員会が実施した小学校スポーツ活動調査において、県内小学校で運動部を設置している学校は、平成二十八年度は二百九十二校中百七十九校で、設置率は六一・三%、平成三十年度は、二百八十六校中百五十八校で五五・二%となっており、ここ二年間で設置数は二十一校減少し、設置率は六・一ポイント低下しています。  また、運動部の数は、野球、ミニバスケットボール、卓球等があり、平成二十八年度は四百五十二、平成三十年度は三百七十四となっており、ここ二年間で七十八減少しております。  運動部を設置している学校及び運動部の数が減少している主な理由としては、少子化及び加入率の低下によるチーム編成の困難化や運動部活動からスポーツ少年団や総合型地域スポーツクラブなどの社会体育への移行があるものと考えております。  次に、総合型地域スポーツクラブとの連携に係る取り組みについてです。  学校における運動部活動は、児童の体力の向上や健康の保持増進はもとより、自主性、協調性、責任感、連帯感などを育成する場として大きな意義を有するものと考えております。  一方、総合型地域スポーツクラブは、子供から高齢者まで、さまざまなスポーツを愛好する人々がそれぞれの志向やレベルに合わせて参加できるという特徴を持ち、地域住民により自主的、主体的に運営されているクラブであり、現在、三十市町村に三十六のクラブが設置されております。  この中には、学校の運動部活動へ指導者を派遣し、球技を初め、陸上競技や武道など、運動部への活動支援を行っているクラブもあります。  県教育委員会では、総合型地域スポーツクラブの創設、運営に対する指導、助言のほか、運営体制の強化を目的とした研修会や、クラブの核となる人材育成のための講習会を開催するなど、さまざまな支援を行っているところです。  小学校における運動部が減少する中、今後とも、児童がスポーツに取り組める環境の充実に向け、運動部活動と総合型地域スポーツクラブとの連携が図られるよう、市町村教育委員会等とともに引き続き取り組んでまいります。 86 ◯議長(森内之保留) 警察本部長。 87 ◯警察本部長(重松弘教) 高齢運転者対策に関する御質問三点についてお答えいたします。  まず、昨年の高齢運転者が加害者となった交通事故の死者数の割合についてでございます。  昨年の県内における交通事故死者数は四十五人で、そのうち、高齢運転者が第一当事者となった交通事故の死者数は十三人で、全死者の二八・九%を占めております。  次に、家族等からの自主返納の説得に応じない高齢運転者への対応についてでございます。  運転免許の自主返納については、免許を受けている方がみずから免許を返納したいという意思表示をすることが必須となっております。  このため、家族等から自主返納の説得に応じない高齢者に対する相談を受理した場合には、健康状態や運転状況等を聴取した上で、家族等の承諾、協力のもと、警察職員が自宅を訪問するなどの方法によりまして直接面接して運転免許の自主返納について説明をしておるところです。  その際、タクシーや路線バス等の交通機関利用時の特典や買い物時の商品の割引等を受けられる支援施策を紹介するなどして自主返納についての理解を求めることとしております。  また、認知症等の疑いがある場合には、医師の診断書の提出、または臨時適性検査の受検を求め、認知症等であることが判明すれば、聴聞の手続を経た上で運転免許を取り消すなどの行政処分を行っているところでございます。  最後に、高齢運転者の運転特性についてでございます。  高齢運転者の運転特性としましては、個人差はあるものの、加齢によりまして、動体視力の低下や複数の情報を同時に処理することが苦手となったり、瞬時に判断する力が低下したりするなどの身体機能の変化によりまして、ハンドルやブレーキ操作におくれが出るといった特性が見られます。  なお、七十歳以上の運転者には、いわゆる高齢運転者マークの表示を促しているほか、当該マークを表示した自動車に対しましては十分な車間距離を保ち、無理な割り込みはしないなど、周囲の運転者が思いやりのある運転をしていただくよう周知を図っているところでもございます。 88 ◯議長(森内之保留) 工藤議員。 89 ◯二十五番(工藤義春) 再質問はありませんが、要望を一つだけ。児童虐待の件に関しては、青森県は非常にうまく連携がとれているなと。警察との連携も、中央児童相談所には警察も一名配備しているとか、いろんな連携がとれているなと。ただ、教育長の答弁で、虐待の疑いが否定できないのが三十二件あると言っていました。四十八時間ルールじゃないですけれども、事件が起きてからでは遅いので、これも早目に、早急に解決できるようお願いしたいと思います。  以上で終わります。 90 ◯議長(森内之保留) 以上をもって本日の議事は終了いたしました。  明日は午前十時三十分から本会議を開き、一般質問を継続いたします。  本日はこれをもって散会いたします。 午後四時三十一分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...