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平成25年第274回定例会(第4号)  本文 開催日: 2013-06-21
平成25年第274回定例会(第4号) 名簿 開催日: 2013-06-21

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  1. 青森県議会 2013-06-21
    平成25年第274回定例会(第4号)  本文 開催日: 2013-06-21


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(西谷 洌) ただいまより会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 一 般 質 問 継 続    ────────────────────── 2 ◯議長(西谷 洌) 一般質問を継続いたします。  十四番高橋修一議員の登壇を許可いたします。──高橋議員。 3 ◯十四番(高橋修一) 自由民主党の高橋修一です。  愛する自民党の一員として、そして政権与党に復帰した自民党の一員として、この場に立てることを誇りに感じております。  さて、もう随分前のことにも感じるわけでありますが、三年余りの民主党政権下において、日本は外交、内政ともに混迷をきわめました。国としての活力が低下し、国益が損なわれ続けたのであります。  そして、天災とはいえ、ふがいない民主党政権下で未曾有の大震災が発生するという国家にとって危機的事態、一向に進まない被災地の復旧・復興、また、この青森県を初め、経済基盤が脆弱で財政力の乏しい地方ほど大打撃を受けることとなりました。  そのような、日本全体に諦め、怒り、そういったものが募る中で昨年末の総選挙が行われたわけでありますが、自民党の政権復帰によって、復興の加速、外交、防衛、地方再生、経済成長、安全・安心、教育の再生、政治改革、憲法改正に向けた動き、どれをとっても、今まさに、国民皆様とともに、日本を取り戻すための真っ当な政治がこの国で再び行われていると確信する一人であります。  このような正常とも言える政治環境を取り戻しつつある中にあって、県議会と執行部がなすべきことは、原点回帰だと思います。今こそ、ここにいる皆が公僕としての原点に立ち返って、青森県を希望と誇りの持てるふるさととすることであり、そのためには、前例にとらわれることなく、今何が必要なのかを考え抜いて、全ての県民に直結したダイナミックな政策を打ち出して、県民皆様とともに、果敢に取り組む姿勢を貫いていくことだと考えております。  そのような思いを持って、通告順に従い、順次質問してまいります。知事初め、執行部の皆様におかれましては、何とぞ、前向きで建設的な御答弁をお願いする次第であります。  初めに、全国学力・学習状況調査についてであります。  人づくりは国づくり、将来を担う子供たちは日本の宝です。今こそ、私たちは、教育基本法の理念に基づいた人間力と基礎学力の向上に努め、子供たちの教育に地域格差が生じないよう、きめ細やかな指導を行って、世界トップレベルの学力と高い規範意識、日本の歴史や文化をとうとぶ子供たちを育てなければなりません。教育の再生は憲法改正と並ぶ自民党の党是でもあり、安倍政権の政策の大きな柱であります。  民主党政権下での失政は、次代を担う子供たちにまで及びました。全国学力・学習状況調査を全員参加型の悉皆調査から、四割程度の学校を選ぶという抽出方式に変更し、事業費を大幅に削減したことであります。  平成二十一年十一月定例会において、私は、このような事態を受けて、他県の事例を挙げ、県費を投入してでも全員参加の悉皆方式を継続すべきであると主張したわけでありますが、その願いはかないませんでした。  そこで、今、改めてお伺いいたします。  全国学力・学習状況調査の悉皆調査が四年ぶりに復活となりましたが、この調査の意義をどのように捉えているのかをお伺いするものであります。  また、全国学力・学習状況調査というと、都道府県、市町村、学校の順位や平均点に注目が集まりがちであります。
     大切なことは、調査結果を踏まえて、各学校現場が授業での指導をどう改善するかであり、さらには、こうした教育現場での指導改善のために、教育委員会を主体とする教育行政側が施策としてどのような有効な手だてを講じることができるかです。  そこで、県教育委員会では、全国学力・学習状況調査の結果をどのように活用しているのかをお伺いするものであります。  次に、緊急時情報力強化推進方針についてであります。  一昨年の東日本大震災発生時を振り返りますと、まず県民が不安に感じたことに、情報の混乱、錯綜、得たい情報が途絶えたことなどが挙げられます。  緊急時の情報取得手段には、各自治体の防災無線やテレビ、ラジオ、固定電話、携帯電話、インターネットなどさまざまなものがありますが、長時間の停電発生等によって、ふだんなら何の問題もなく簡単に取得できる情報であったとしても、それを取得することが困難な状況に陥りました。  また、県民にとっては、災害発生直後から、自分の危険を回避するための情報に始まり、家族や知人の安否確認やライフラインに関する情報など、時間の経過とともに、得たい情報の種類も刻々と変化していきました。  加えて、テレビやラジオ、新聞などの報道機関からは得ることができないような細かな情報をリアルタイムで得たいという状況も多々あったものと捉えております。  そのような状況下において、さまざまな情報の取得に効果を発揮したのが、ツイッターフェイスブックといったソーシャルメディアネットワークサービスでありました。  私の場合も、ツイッターのアカウントは震災発生以前から持っておりましたが、フェイスブックのアカウントは震災発生直後に取得いたしました。やはりこれは、震災発生後、より多くの、また、より正しい情報をリアルタイムで得たいという理由からのアカウント取得でありました。  ツイッターフェイスブックも、緊急時の情報取得や情報伝達、情報発信、時にはコミュニケーションの確保などにも活用でき、災害等の緊急時の有効性について、身をもって感じることができました。  県においては、こういった災害等の緊急時のソーシャルメディア等インターネットの活用に着目し、先般、緊急時情報力強化推進方針を策定したと伺っておりますが、時宜にかなった実効性のある取り組みでありまして、今後の展開に大いに期待するところであります。  そこで、一点目として、緊急時情報力強化推進方針の目的とその内容についてお伺いいたします。  二点目として、県は、この推進方針をどのように周知していくのか、また、緊急時における県民の情報力強化のため、今後どのように取り組んでいくのかをお伺いするものであります。  次に、カシスの生産振興についてであります。  本県のカシス生産は、全国の九〇%を占め、日本一であります。青森市を中心に、三十年以上前からカシス生産に取り組んでおり、現在では、加工業者によるさまざまな商品が販売され、また、カシスの持つ健康機能性が注目されることによって、国内のカシス人気が高まっております。  しかしながら、十五トンとも言われる加工業者の需要に対して、七トン程度の生産のため、慢性的な供給量不足が続き、加えて、収穫に大変手間がかかる割に低収入に甘んじ、生産者も若者は少なく、今後離農する高齢者が多い現状を見ますと、持続的な生産確保は困難になるのではないかと予測され、早急な対策を講じなければ、青森カシスの将来が案じられます。  従来の小規模生産から、休耕地を活用した大規模生産への転換をも視野に入れ、労働効率を高めた摘み取り方法の考案や、六次産業化の拡大などによって、カシス生産者の農業所得の増加、技術開発、ノウハウを引き継ぐべき後継者の育成と若者への雇用創出などが求められております。  そこでお伺いいたしますが、一点目として、カシスの生産を振興していく上での現状での課題についてお伺いいたします。  二点目としては、県はカシスの生産振興をどのように図っていくのかをお伺いするものであります。  次に、陸奥湾におけるホタテガイ産業の振興についてであります。  自民党青森県連では、先月二十七日、青森市の野内漁港などにおいて、陸奥湾養殖ホタテへい死状況等を視察するとともに、平内町漁協において、県ほたて流通振興協会むつ湾漁業振興会に所属する陸奥湾沿岸の漁協幹部と懇談し、ホタテの生産安定対策養殖残渣対策、貝毒対策の要望を受け、これらを踏まえ、先般、党県連として、国に対して、ホタテ産業の振興に関する要望活動を行ったところであります。  陸奥湾のホタテ産業は、今日、百億円産業となり、本県の基幹産業に成長しましたが、平成二十二年の高水温による大量へい死被害に加えて、今後も高水温被害が発生することが懸念されます。  そのため、生産安定対策として、ホタテガイ養殖の原点に立ち返った養殖方法の普及促進など、丈夫で高品質なホタテガイづくりを進める必要があることから、一点目として、陸奥湾ホタテガイ養殖業者が持続的、安定的な生産を継続するために、県はどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。  また、養殖かごの付着生物は、一旦海から揚がったものは養殖残渣として、漁業者等が費用を負担し、一般廃棄物として処分しておりますが、高水温被害ホタテガイの価格安による影響によって、大きな負担となっている現状があります。  そこで、二点目として、養殖残渣の処分費用の軽減に向けて、県はどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。  さらに、近年は、ホタテガイの貝毒による出荷規制期間が長期化傾向にあり、生産者価格の低下に加え、流通業や加工業に及ぼす影響は極めて大きく、本県ホタテガイ産業の大きな損失となっております。  このことから、安全・安心の強化と貝毒出荷規制の短縮を図るため、貝毒検査方法を現在の公定法であるマウス試験から、国際規格に基づいたOA群だけを規制対象とした機器分析の早期導入も求められております。  そこで、三点目として、ホタテガイ貝毒検査の公定法として、機器分析法の導入に向けた県の取り組みについてお伺いするものであります。  次に、ポリテクセンターポリテクカレッジの運営継続についてであります。  知事は、就任以来、産業・雇用を県政の最重要課題として位置づけ、企業立地や本県の強みを生かした産業振興施策と連動し、雇用の維持拡大のための施策を積極的に展開されているところであります。  こうした取り組みの結果、昨今の有効求人倍率は確実に改善しつつあり、この回復基調を一過性のものに終わらせず、全国平均並みに向上させるためにも、さらなる取り組みが求められます。  そのような中にあって、国においては、ポリテクセンターポリテクカレッジの移管、廃止の動きがあると伺っておりますが、依然として、全国に比べて厳しい本県を初めとする地方は、引き続いて国による地域雇用対策の充実が必要不可欠であり、青森市にあるポリテクセンター青森と五所川原市にあるポリテクカレッジ青森は、地域の産業基盤を支えるものづくり人材等の育成に大きな役割を果たしていることから、これまでどおり、国が責任を持って運営を継続していく必要があると考えるところであります。  そこで、一点目として、ポリテクセンターポリテクカレッジの役割についてどのように考えているのかをお伺いいたします。  二点目として、ポリテクセンターポリテクカレッジを県に移管する動きがありますが、受け入れについての県の考えをお伺いいたします。  最後に、青森県道路公社の経営状況についてであります。  青森県道路公社の平成二十四年度決算が示されたわけでありますが、管理運営するみちのく有料道路、第二みちのく有料道路青森空港有料道路は、それぞれ本県の拠点地域を結ぶ幹線道路としての交通の安全や本県の産業経済、県民生活に果たす役割は変わらず、公社の長期債務の迅速な解消や中期経営プランの目標達成による公社経営健全化が引き続き求められております。  そこで、一点目として、長期債務の解消状況及び中期経営プランの進捗状況についてお伺いいたします。  二点目として、路線ごとの債務の償還の見込みについてお伺いするものであります。  また、青森空港有料道路については、昭和六十二年に供用開始され、通行料金徴収期間は平成二十九年七月までの三十年間と設定されております。市町村合併後の青森・浪岡両地区相互間の重要な路線であること、また、青森空港と県内各圏域を結ぶ主要路線であることなどから、早期の無料開放が求められております。  県公社のこれまでの努力によって着実に債務の償還が進められているものと推測いたしますが、そのような中、同有料道路については、ことし三月の県包括外部監査で、料金徴収期間内の全額返済について、難しい旨の指摘がなされたことを危惧するところであります。  そこで、三点目として、青森空港有料道路の無料開放について、県の見解をお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。 4 ◯議長(西谷 洌) 知事。 5 ◯知事(三村申吾) おはようございます。高橋議員の御質問にお答えいたします。  まず、私からは、緊急時情報力強化推進方針の目的、内容でございます。  東日本大震災におきましては、議員御指摘のとおり、ソーシャルメディア等インターネットを活用して安否の確認が行われるなど、情報通信技術(ICT)が被災者の支えとして、一定の役割を果たしたと言われております。  一方で、通話制限といった日常と異なる状況による混乱も見られましたことから、あらかじめ、緊急時を想定した対応を整えておくことの必要性が強く認識されたところです。  県では、地震、津波等の自然災害を初めとした緊急時に、県民が安全・安心とコミュニケーションを確保するために、ICTをどう活用すべきか、また、産学官や地域の役割等を、去る六月五日、緊急時情報力強化推進方針として策定したところでございます。  推進方針におきましては、県民の行動指針と産学官等の役割について、情報を確実に受け取る、みずから情報を発信するなど五つの場面を設定し、必要な事項を整理しております。  特に緊急時には、家庭や職場、地域等がそれぞれの立場や役割の中で情報を発信していくことが重要でございます。また、みずからICTを活用できない高齢者等を支える社会全体での共助、公助も求められるところであります。  そのためには、県民一人一人の情報力を高めることが大切でございまして、産学官それぞれが当事者意識を持って緊急時の対応を進めるよう働きかけていきます。  続いて、陸奥湾産ホタテガイの養殖が持続的、安定的になるための取り組みであります。  陸奥湾産ホタテガイ養殖業は、漁業者の不断の努力による技術革新と生業(なりわい)にかける情熱が実を結び、今や百億円産業とも呼ばれ、本県の水産物の中でも、トップクラスの漁獲高を誇ってきました。  このような中で、平成二十二年、二十四年と立て続けに高水温被害にさらされ、一時は再生産さえ危ぶまれる状況となったわけでございますが、漁業者が一致団結して、出荷を抑制して親貝を確保し、へい死被害軽減技術に積極的に取り組んだことにより、早期回復に向け、順調に推移いたしております。  私は、本県が誇るこのつくり育てる漁業を将来にわたり持続的、安定的に継続していくためには、半成貝を中心としながらも、再生産に必要な成貝の適正量を確保し、バランスのとれた生産システムを構築していくことが何よりも重要と考えるところであります。  このため、県では、生産・加工・流通分野の関係団体とともに、成貝づくり促進プランの策定を進めており、適正な養殖可能数量を定めたTASC制度とあわせて、持続可能なホタテガイ生産体制の確立を目指していくことといたしております。  また、今後も発生する可能性が高い高水温のリスクを回避する研究開発にも取り組み、ホタテガイ養殖を営む漁業者が安定的に生産できるよう努めていきたいと思います。  続いて、ポリテクセンターポリテクカレッジの移管の動きについてでございます。  独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営しておりますポリテクセンター及びポリテクカレッジにつきましては、今年度末までの間、道府県が希望すれば、一定の条件のもとに道府県に移管することができるとされておりまして、国は、各道府県に対し、移管の受け入れについての積極的な検討を促しております。  また、総務省政策評価独立行政法人評価委員会では、移管の見込みが立たないポリテクセンターポリテクカレッジについては、廃止を含めて検討する旨の議論がなされております。  県としては、ポリテクセンターポリテクカレッジは、議員御指摘のとおり、雇用のセーフティーネットの維持、産業基盤を支える高度なものづくり人財の育成に重要な役割を担っている施設であり、全国的に一定の訓練水準を確保する必要がありますことから、今後とも、国が責任を持って運営すべきものと考えているところであります。  このため、六月十四日、私は、厚生労働省に対しまして、国によるポリテクセンターポリテクカレッジの運営継続について要請をしたところでありますが、今後も国の動向を注視し、関係機関とも連携を図りながら、国による運営継続を働きかけていきたいと考えております。  以上です。 6 ◯議長(西谷 洌) 青山副知事。 7 ◯副知事(青山祐治) 青森県道路公社の経営状況について、長期債務の解消状況及び中期経営プランの進捗状況についてお答えいたします。  道路公社の長期債務は、平成六年度末に最大約三百十九億円となりましたが、県からの無利子貸し付け等の支援や収支改善策への積極的な取り組みの結果、平成二十一年度末では約百四十六億円まで減少いたしました。  平成二十二年度から二十六年度までの五年間の中期経営プランでは、青森県有料道路経営改革推進会議の提言を受け、さらなる経費削減や収益確保を図ることとしており、五年間で約三十八億円の長期債務を削減することを目標としております。  平成二十二年度から二十四年度までの長期債務の削減状況については、計画額約二十三億一千万円に対し、実績額約二十六億五千万円で、計画額を約三億四千万円上回る長期債務の削減を達成しており、この結果、平成二十四年度末の長期債務は約百十九億円となっております。  今後とも、道路公社に対し、中期経営プランの着実な実施に向けて、適切な指導助言を行い、長期債務の削減に努めてまいります。 8 ◯議長(西谷 洌) 企画政策部長。 9 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 緊急時情報力強化推進方針をどのように周知していくのか等についてお答えいたします。  緊急時情報力強化推進方針の内容を県民へ浸透させ、産学官等への協力と理解を働きかけるため、県内の情報通信事業者と県で構成する緊急時情報力強化キャラバン隊を県内各地に派遣し、緊急時に役立つ情報通信技術に関するPR活動を展開することとしております。  また、緊急時における情報サービス機能を確保するため、一つとして、被害状況や避難所情報等各種災害関連情報を集約する基盤を活用し、メディア間等で相互に情報を参照できる体制の構築、一つとして、臨時災害放送局インターネットが連携した仕組みの構築に向けた関係者間の検討、また一つとして、公衆無線LAN、充電器、ラジオを備え、情報端末を持たない人でも情報共有できる情報提供システム構築に向けた実証実験などの取り組みを進めることとしております。 10 ◯議長(西谷 洌) 商工労働部長。 11 ◯商工労働部長(馬場良夫) ポリテクセンターポリテクカレッジの役割についてお答え申し上げます。  ポリテクセンターは、失業者の早期再就職を図るための雇用のセーフティーネットとしての離職者訓練等を行っておりまして、また、ポリテクカレッジは、生産技術・生産管理部門のリーダーとなり得る中核的な人財を育成する学卒者訓練等を行っております。  両施設は、現場の即戦力となり得る知識、技術を持つものづくり人財を育成することを通じまして、地域の雇用と産業に極めて重要な役割を担っております。  特に、本県におきましては、ポリテクセンターポリテクカレッジが実施しております訓練ニーズは高いにもかかわらず、これと同様の訓練を行う民間職業訓練機関がほとんどない実態にございますことから、ポリテクセンターポリテクカレッジは本県の雇用と産業に必要不可欠な施設であると考えております。 12 ◯議長(西谷 洌) 農林水産部長。 13 ◯農林水産部長(一戸治孝) 御質問四点にお答えいたします。  まず、カシスの生産振興に関する課題についてです。  カシスは、果実にビタミンCやアントシアニンなどの機能性成分が豊富に含まれ、ジュースやスイーツなどの原料として利用価値が高く、消費者の健康志向を捉えた付加価値の高い商品開発が可能な作目の一つとして期待されています。  しかし、収穫や選別作業に多大な労力を要するため、面積の拡大が難しいことや、剪定を初めとした栽培管理が十分でないことから、生産性が低く、加工業者からの需要に供給が追いついていかない状況にあります。  特に、収穫作業は、直径一センチメートルほどの果実を熟した順に選びながら手作業で行う必要があることから、効率的に収穫できる器具の普及や、収量性が高く、一斉に熟すなど収穫効率のよい優良品種選定、導入などが課題として挙げられます。  次に、カシスの生産振興方策についてです。  県では、地域の特色を生かした特産果樹の産地づくりやブランド化を推進しており、特に日本一の栽培面積と生産量を有する東青地域のカシスについては、平成二十二年度から地域県民局の重点プロジェクトとして取り組みの強化を図ってきたところです。  具体的には、栽培技術の確立に向けた実証圃の設置や、栽培マニュアルの作成のほか、高い技術と指導力を兼ね備えた生産者をカシスマイスターとして認定し、普及指導員を初め、農協や青森市と連携して、剪定などの技術指導を行う共同指導体制を構築したほか、収穫作業の効率化に向けて、海外から簡易な収穫器具を導入し、効果を検証するなど、栽培技術や生産性の向上に取り組んできました。  また、平成二十四年度からは、現在の在来品種よりも熟期のそろいがよく、大粒で収量性の高い新品種を導入し、地域への適応性を検討しており、将来的には、優良品種への更新により生産拡大につなげていくこととしています。  さらに、県では、生産者や加工業者で構成されるあおもりカシスの会、青森市などと連携を図りながら、カシスの持つ機能性と国産としての希少価値を生かしたカシスリキュールを県外の焼酎メーカーと商品化するなど、新たな商品づくりや販路拡大にも取り組んでおり、このような取り組みを通じて、カシスの生産振興とブランド化を図っていきます。  次に、養殖残渣の処分費用の軽減についてです。  ホタテガイ養殖で発生する残渣は、養殖施設に付着する海藻や貝類などが原因となっていますが、近年、新たに養殖かごに付着するホヤ類などが急激に増加したため、残渣の処分費用がかさみ、漁業者にとって大きな負担となっており、抜本的な対策を望む声が強まっています。  このため、県では、養殖残渣の処分費用を軽減する一つの方法として、堆肥や飼料としての利活用を検討するため、先進地である北海道の事例や、畜産飼料メーカーの意向について情報収集を行っているところです。  また、今年度から、ホタテガイ養殖施設に付着する生物の生態解明と付着生物を低減する効果的な養殖管理技術の開発にも取り組んでおり、早期にその成果を漁業者に普及指導し、ホタテガイ養殖における残渣の処分費用の軽減を図ってまいります。  次に、ホタテガイ貝毒検査の公定法としての機器分析法の導入についてです。  現在、貝毒検査の公定法となっているマウス試験では、毒成分ごとの分析ができないため、下痢性貝毒による陸奥湾産ホタテガイの出荷規制区間が長期化する一因となっています。  このため、県では、毒成分ごとの分析が可能な機器分析法のデータを蓄積することとし、今年度から、夏の陸奥湾活ほたてがい提供促進事業により、一般社団法人青森県薬剤師会と国の試験研究機関の協力も得て、分析結果の比較検討を行っているところです。  また、県では、先般、厚生労働省と農林水産省に対して、機器分析を公定法とするよう提案したところ、平成二十七年以降の導入を検討するとの情報を得られたことから、これが確実に実施されるよう、引き続き、国に対して働きかけてまいります。 14 ◯議長(西谷 洌) 県土整備部長。 15 ◯県土整備部長(横森源治) 青森県道路公社関係の御質問二件についてお答えいたします。  まず、路線ごとの債務の償還の見込みについてでございます。
     みちのく有料道路につきましては、平成二十四年度末における債務残高は約六十八億円で、前年度末と比較して六億四千万円減少しており、平成四十一年十一月の料金徴収期限までに債務を完済すると見込んでおります。  青森空港有料道路につきましては、平成二十四年度末における債務残高は約二十億円で、前年度末と比較して約一億五千万円減少しておりますが、現在の償還ペースでは、平成二十九年七月の料金徴収期限までに債務を解消することは困難であると考えられます。  第二みちのく有料道路につきましては、平成二十四年度末における債務残高が約三十一億円で、前年度末と比較して約六千万円減少しておりますが、現在の償還ペースでは、平成三十四年三月の料金徴収期限までに債務を解消することは困難であると考えられます。  県といたしましては、引き続き、公社の経営状況を把握し、債務の着実な償還に向けて、指導助言を行ってまいりたいと考えております。  次に、青森空港有料道路の無料開放についてでございます。  有料道路につきましては、受益者負担が原則でありますことから、県といたしましては、債務は可能な限り圧縮すべきと考えております。  無料開放につきましては、今後の利用状況、債務の返済状況、経済波及効果等を見きわめながら検討してまいります。 16 ◯議長(西谷 洌) 教育長。 17 ◯教育長(橋本 都) 全国学力・学習状況調査についての御質問二点にお答えいたします。  初めに、悉皆調査の意義についてです。  全国学力・学習状況調査は、平成十九年度から始まり、平成二十三年度の中止を挟んで、今年度で六回目を迎えたところです。  この調査の目的としましては、一つとして、義務教育の機会均等と水準の維持向上のため、児童生徒の学力や学習状況を把握、分析して、教育の結果を検証し、改善を図ること、二つとして、学校において、児童生徒への指導の充実や学習状況の指導等に役立てることとなっております。  この調査は、当初、全国の全ての小学校六年生及び中学校三年生を対象とする悉皆方式で始まりましたが、平成二十二年度から、一部の小・中学校の児童生徒を抽出して行う抽出方式に変更され、今年度からは再び悉皆方式となりました。  悉皆方式による調査の意義としましては、全国の全ての小・中学校の児童生徒が調査対象となることから、各市町村教育委員会や各学校が、それぞれ主体的に調査の結果をもとに課題の把握、分析をすることで、地域の実態に合った施策や児童生徒の実態に合った指導の改善を図ることができることであると考えております。  次に、全国調査の結果の活用についてであります。  県教育委員会では、全国学力・学習状況調査が始まった平成十九年度当初から、調査の結果を分析することで、本県の児童生徒の学力面での課題を把握し、さまざまな方策を講じて、その解決に努めてまいりました。  具体的な取り組みとしましては、各教科の問題の正答率の分析から明らかとなった思考力、判断力、表現力に係る課題について、その解決のため、今後改善すべき事柄や指導事例を示した報告書を作成し、県内の各小・中学校及び各市町村教育委員会等に配布することで、各学校が具体的に授業の改善に取り組んでいくことができるようにしております。  また、生活時間等のアンケート調査の結果から、家庭学習の習慣や生活習慣の形成に課題が認められたことから、その解決のために新たな事業を立ち上げ、地区の小・中・高等学校が連携して、学習のあり方等について調査研究を行い、有効な取り組み事例等をまとめた冊子を作成、配布し、啓発を行っております。  県教育委員会といたしましては、引き続き、全国学力・学習状況調査の結果を積極的に活用し、市町村教育委員会及び学校と連携して、本県児童生徒の学力や学習状況の改善に取り組んでまいります。 18 ◯議長(西谷 洌) 高橋議員。 19 ◯十四番(高橋修一) ほぼ納得できる御答弁でありました。苦労して原稿を書いて、質問したかいがあります。  それで、それぞれの質問項目についてしっかりとやっていただきたいと、これは本当に改めてお願いします。  ただ、一点、有料道路の関係なんですけれども、御答弁によれば、青森空港有料道路を初めとして、償還期間内の返済は難しいといった御答弁でございました。  それで、過去の有料道路の徴収期間の延長あるいは無料開放の路線もあったと思いますけれども、それを徴収期間の満了時に一体誰がどういった形でそのことを判断するのか、それを県として提示しているのか、あるいは我々はどう理解すればいいのか、その辺について御答弁をいただきたいので、よろしくお願いします。  以上で終わります。 20 ◯議長(西谷 洌) 県土整備部長。 21 ◯県土整備部長(横森源治) 道路公社の償還の課題に対して、対応には大きく二つあるというふうに考えております。  一つは、毎年債務を着実に償還しておりますことから、償還期限を延長しても債務をしっかりと返還していく、そういうのが一つの方向でございます。  もう一つは、借入金等を清算した上で、一般県道として無料開放する。その場合に、借入金の清算という課題はありますが、経済波及効果を期待できると、そういう効果も考えられます。  青森空港の有料道路につきましては、平成二十九年七月という徴収期限が近づいてきておりますので、県といたしましても、今後の利用見込みや無料開放の経済効果等を見きわめながら、できるだけ速やかに検討して、最適な方向を見出してまいりたいというふうに考えております。 22 ◯議長(西谷 洌) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午前十一時十四分休憩    ────────────────────── 午後一時再開 23 ◯副議長(森内之保留) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  十三番菊池憲太郎議員の登壇を許可いたします。──菊池議員。 24 ◯十三番(菊池憲太郎) 議席番号十三番菊池憲太郎であります。  県が四月に行った県ウォッチャー調査で、三カ月前に比べた景気実感指数が、二〇〇一年の調査開始以降で最高の五七・八になったと報じられております。また、三カ月後の見通しを示す指数も六〇・四に上昇し、過去最高を更新するとしております。県内の街角景気もアベノミクスに期待をしているように見えますし、県の担当部局も明るい兆しと分析しているようであります。  一方、先般開催された青森経済同友会主催によります講演会において、大和総研理事長は、成長戦略はほとんど全ての内閣でつくっているが、内容について基本的にはそんなに変わらないと指摘したそうであります。そして、賃金増を伴う政策が重要とし、成長戦略は実行できるかどうかが大切だと厳しく続けております。  実行といえば、本県出身で、世界の冒険家として有名な三浦雄一郎氏が先ごろ樹立したエベレスト史上最高齢での登頂成功は、まさに快挙と言えます。辛抱強く、粘り強いと言われる青森県民性を体現化した人物であると思っているのは、私ばかりではないと思います。  その三浦氏の談話で、一度決めたらやり遂げる意思と忍耐力こそ大切であり、特別な技術や冒険家向きの特別な遺伝子が備わっている必要はないと述べておられます。  本県は、戦後、大規模事業の誘致や国策誘致を行ってきましたが、その多くが途中で頓挫した歴史があります。いっときの時流や風潮に惑わされることなく、忍耐強く、本県の地形、風土、地域性に適合した施策の推進をお願いしながら、通告に従いまして、質問をさせていただきます。  初めに、青森県地域医療再生計画の策定及びヘルスプロモーションカーの実証についてであります。  五年に一度実施される厚生労働省の都道府県別生命表によれば、二〇一〇年の本県の平均寿命は、男性が七十七・二八歳、女性が八十五・三四歳と、ともに全国最下位だったとしています。しかも、男女ともに最下位となるのは四回連続と言いますから、少なくとも、十五年間以上最下位だったということになります。  この間、全国平均寿命は男性で二・八七歳、女性で三・〇九歳延びていますが、本県は男性で二・五七歳、女性で二・八三歳の延びにとどまり、全国平均との格差は拡大するばかりであります。  この全国一の短命県という汚名の原因は、三大疾病、いわゆるがん、心疾患、脳血管疾患や自殺の死亡率が高いとともに、生活習慣病となる糖尿病の患者が多いからだという指摘があります。このことは、かなり前からちまたでも言われていたように感じますが、原因が判明しているにもかかわらず、改善できない点に疑問を感じざるを得ません。  この平均寿命で、今回、男女とも全国一位となり、模範県となっている長野県は、実は十五年前も男性は一位、女性は四位でありました。この名誉ある成績には、長年にわたる減塩食の普及や禁煙運動などの地道な活動を積み重ねてきた地域健康づくりのリーダー役となる保健指導員制度に一因があるとされております。  本県同様、リンゴの産地でありますが、健康づくりにおいては、他県の取り組みの地道さというものが奏功しているように感じます。県は、短命県返上のために、県内各地隅々までの健康対策を進める必要があると考えます。  このような状況下で、県は、地域医療充実に関する二十三事業を盛り込んだ県地域医療再生計画案を国へ提出したとしています。  そこで、本年五月に国に提出した青森県地域医療再生計画案の策定に当たっての課題認識と今後の取り組みについてお伺いいたします。  また、本県は、健康診断受診率が低く、治療がおくれがちになって、働き盛りの三十代から五十代の死亡率も高いとの指摘もあります。これも短命県の要因の一つでありますが、特に通院困難地域の住民の検診や早期発見、早期治療が重要と考えます。  このたびの青森県地域医療再生計画には、僻地の医療環境改善のための医療機器を搭載した多機能車両九台の導入費も盛り込まれているということでありますが、大変心強いものと感じております。  そこで、多機能型車両の整備に対する補助事業について、どのような考え方で今般の計画案に盛り込まれたのかを伺います。  さて、医療機器を搭載した多機能車両、いわゆるヘルスプロモーションカーは、昨年、東通村、深浦町、そして南部町の三町村に導入されており、ことし一月から、国内初の実証プロジェクトが行われていると認識いたしております。  そこで、ヘルスプロモーションカーの実証事業の内容及びこれまでの実証結果についてお伺いいたします。  続いて、下北半島の交通基盤整備について伺います。  今回、多くの議員の皆様から同様の質問をしていただき、御認識を共有していただいたことに対し、この場をかりてお礼を申し上げたいと思います。  道、道路とは、人と人、人と場所、または集落と集落をつなぐ一定の線であるという解釈があります。したがって、道は人の歴史とともにあって、その時代や地域の人々のかかわり合いを示すものである。すなわち、道、道路は時代とともに変わっていくべきであり、飛行機であるとか、新幹線が開通したからという次元とは異なる、そこに生きる人々の最低限の営みとして、整備、維持管理する必要があるものと考えます。  その前提に立つならば、むつ・下北地域は、半島という地理・地形的な課題も含めて、幹線たる二百七十九号、三百三十八号の両国道に全てを託しております。生活、物流、観光、産業、救急、防災など、この道路なくしてむつ・下北の住民の生活はないと言っても過言ではありません。  それがゆえに、時間短縮と交通安全を含めた総合的な利便性向上から、地域高規格道路下北半島縦貫道路の早期完成を訴え続けてきたものであります。  地域住民の最も不満を抱く、そして、最も優先順位の高い位置づけの政策課題でありながら、この約二十年間での供用開始区間が約二十キロメートル、工事区間が約十五キロメートルという進捗状況では、余りに遅いと言わざるを得ません。  しかし、このたび、知事を初め、各般の御尽力によりまして、仮称横浜南バイパス区間が、本年度、新規事業化されることが決定し、七キロとはいえ、大きな進展であると認識いたしているところであります。  しかも、吹越から横浜まで延伸すれば、整備予定の県道泊陸奥横浜停車場線と接することとなり、国道三百三十八号と横断的に結ばれることから、下北半島の交通基盤は一層充実を増すこととなります。加えて、防災の観点からも、本区間の供用開始は急ぐべきであると考えます。  そこで、下北半島縦貫道路の今後の整備方針についてお伺いいたします。  さて、横浜南バイパスの事業採択によりまして、全長六十キロメートルの下北半島縦貫道路は三分の二が着工することとなりましたが、まだ未着手区間の約二十一キロメートルが残っております。  昨年の暴風雪で立ち往生した大豆田から有畑までの難所もその区間であり、この区間が接続しなければ、下北半島縦貫道路は意味をなしません。引き続き、全線整備完成を目指して国に働きかけていく努力を強力に進めなければならないと思います。  そこで、下北半島縦貫道路の未着手区間における県の取り組みについて伺います。  続いて、下北半島縦貫道路の早期完成を求めるもう一つ重要な視点として、むつ市以北大間町までの広域避難道路整備が挙げられます。  このたび、下北五市町村で構成する下北総合開発期成同盟会は、着工から二十年たってもめどが立たない縦貫道路は待っていられないとして、むつ市以北を国直轄のバイパス整備に切りかえて要望することといたしました。  また、去る六月一日に、地元の団体、下北半島大間町女まぐろの会主催によりまして、大間町からむつ市間に国直轄・国道二百七十九号バイパス新設(仮称まぐろ道)早期建設までケッパル道大会を開催し、国への強烈な要望運動を展開する決議をいたしております。県としても、この熱い地元の声に耳を傾け、ともに推進していくべきと考えます。  そこで、国道二百七十九号、むつ市から大間町におけるバイパス整備の見通しについてお伺いいたします。  続いて、DMV(デュアルモードビークル)の可能性調査についてであります。  初日の寺田議員の質問にもございましたし、さきの二百七十三回定例会の予算特別委員会においても質問させていただきましたが、改めて質問をさせていただきます。  道路と線路の両方を走ることができて、なおかつ小回りのきくDMV(デュアルモードビークル)は、二つの半島を持つ本県には極めて適した交通戦略のように思われます。  観光周遊の交通手段としてはもとより、生活交通手段としても有効であり、また、それ自体も観光資源となる要素を十分に持ったものと考えられることから、実現したい夢の交通手段と言えます。  特に、再来年に開業する北海道新幹線奥津軽駅から二次交通としての導入期待は大きく、本年度、県では、実現可能性を探る調査を開始することとしております。  しかし、積雪時のわだち対策や踏切の遮断装置の感知問題、さらには、レールから道路への乗り入れ時の安全性や異なる運転士資格など、克服しなければいけない課題は多岐にわたるわけでありますが、あきらめずに、着実に導入に向けた調査検討をすべきと考えます。  と申しますのも、このDMVを開発し、試験運行を実施したのがJR北海道であったからであります。私も、平成十九年に試験的営業運行を開始した際、当時の担当者と懇談する機会があったわけでありますが、通常、雪を障害として考えがちですが、積雪地域だからこそ考える必要があったもののようにも思われます。  そこで、北海道新幹線仮称奥津軽駅開業を見据え、二次交通の一つとして検討しているDMVの可能性調査の取り組み状況についてお伺いいたします。  さて、二年半前に開業した東北新幹線の七戸十和田駅は、むつ・下北地域の玄関口であることから、二次交通について開業前からさまざまな検討がされましたが、決め手となる交通手段は見つかっておりません。現在も、既存の路線バスとチャーター式の送迎車両、そして、JR大湊線に依存しているのが現状であります。  多くの観光地や観光資源を持ちながら、誘客のための交通手段に乏しいむつ・下北は、遠いがゆえのハンデとともに、家族、個人、少人数の旅行者に対応した二次交通、三次交通の整備が今後とも課題として残っております。  陸奥湾沿岸を走る大湊線は、新幹線、青い森鉄道と乗り継いでくる重要なアクセスでありますが、運休の多いことでも有名であります。昨年度の実績によりますと、六月から九月までの運休はございませんでしたが、十一月には六十二本、十二月には百三本、冬本番の二月には九十六本と、実に年間四百十三本もの運休が発生いたしております。これでは、冬期間の常時利用できる交通手段として心もとないと言わざるを得ません。  しかし、状況に応じて軌道から離れ、一般道路を走行し、通勤、通院、買い物など、地域住民の生活路線として、さらには観光周遊用の路線として、まさに、下北地域にこそDMVがふさわしい交通手段ではなかろうかと思うものであります。  そこで、下北地域においてもDMVの導入に向けた調査を実施すべきと考えますが、県の見解をお伺いいたしたいと思います。  続いて、海洋エネルギーの利用についてであります。  我が国における本年度導入予定の太陽光発電所による経済効果が、市場規模では世界一位になると言われているように、再生可能エネルギーの取り組みは大きく前進しております。  しかし、風力、太陽光とも完全安定ではなく、風の吹かない日もあれば、夜は発電ができない点など、再生可能エネルギーも補完し合いながらの利用でなければなりませんが、安定度が期待されているものに、潮流を利用した海洋エネルギーが挙げられます。三方を海に囲まれた本県としては、この海洋エネルギーの利用開発に積極的に取り組み、先駆的な成果を望みたいと思います。  このたび、弘前大学では、新たな潮流発電の開発を行っているという報道がございました。このシステムは、漁礁と一体型の施設であるため、異物感がないこと、タービンの回転により、海底の栄養分が巻き上がるため、プランクトンが集まり、漁獲にプラス効果が生じる可能性があり、漁業と共存できるとしています。もしこれが事実であるならば、一石二鳥のメリットがあり、大いに期待が持てるものと考えます。  県は、波力や潮流、洋上風力発電など、海洋エネルギーに関する国の実証試験の候補地誘致を目指し、県海洋エネルギー実証フィールド検討委員会において、候補地をつがる市、深浦町、外ヶ浜町、大間町、六ヶ所村、八戸市、階上町の七市町村に絞り込んだと認識しております。  そこで、海洋エネルギーの利用にかかわる県の取り組みについてお伺いいたします。  次に、豊かな自然を生かした観光の取り組みについてであります。  情報化が進展し、快適性が増大したような現代においても、人との交わり、仕事への不満、将来への不安や病気への恐怖、セクハラ、パワハラなど、現代人は日々ストレスの中で生活をしております。  このようなストレスがさまざまな病気の原因になっていることは既に明らかとなっており、人々は今、癒しを求めて旅に出るとも言われております。見方を変えますと、癒しは商品としての大きな可能性があるということになります。  深浦町では、この癒しを観光に取り入れようと、県内初の森林セラピー基地としての認定を受け、地域の活性化につなげたいとしています。  世界遺産白神山地は、それだけで観光のスポットでありますが、麓の十二湖周辺の森林浴により、心身がリラックスし、ストレスの緩和に効果があるとなれば、大都会の生活に疲れ、癒しを求めてくる人々の救いの場所にもなれます。森林セラピーは交流人口を増加させ、新たな観光資源ともなる可能性を持っております。  この点において、本県の森林面積は約六十四万ヘクタールであり、県土の六六%を占めるほどの森林県であり、青森を直訳いたしますとブルーフォレストであり、とある調査結果では、イメージのよい県名ランキングで、何と第一位であります。  八甲田山や岩木山、そして白神山地は全国的に知られ、訪れる登山客も増加していると伺っておりますし、県内の各地域には、御当地の住民や登山家にはよく知られているが、観光客には詳しく紹介されていない名山も多数点在しております。  さらに、昨今は、自然回帰の志向が顕著なのか、ハイキングから本格的な登山まで楽しむ若い女性、いわゆる山ガールの出現や、山でのコミュニケーションを広げようとする山コンなど、スポーツ、レジャーとしての登山はさらに脚光を浴びております。  この際、山と森林の県として、登山観光、森林セラピー観光に対し、さまざまな観点から広くアピールし、ソフト面での充実強化を図るべきと考えます。
     そこで、本県の豊かな自然や美しい景観などの観光素材を活用し、誘客に結びつけるために、県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  若年層の自然回帰の志向が高まる一方、観光地においては高齢者の姿ばかりが目立つようになりました。今や観光の主役と言っても過言ではありません。  そのような中、去る五月二十八日に佐井村仏ヶ浦において、七十八歳の男性が遊歩道から一・三メートル下の岩盤に転落し、頸部骨折により死亡との記事が翌朝の新聞で報じられておりました。十数名のグループで訪れた観光客には、楽しみにしていた仏ヶ浦旅行が悪夢に変わったのであります。  訪れたことのある方は御存じのことと思いますが、長い年月をかけ、海食によって形づくられた奇岩が海岸線にそそり立った景観は、大町桂月の和歌にも残っているほど、見る者を圧倒し、一九六八年には国定公園の一部として下北半島の観光の目玉となっております。  今回事故のあった遊歩道も、自然の景観を損なうことのないように配慮され、一般の健常者にとっては、転落する可能性が少ない施設であるかのように感じますが、仮に、手すりや防護柵があれば大事に至らなかったのではないかという声があったのも事実であります。  我が国が、国際的にも、景勝地、観光地の施設整備に際し、いかに景観を損ねない努力を積み重ねてきた歴史は十分に理解をしますし、今後もそうあるべきと考えますが、このような高齢者の観光客の増加に伴い、足元不用意な高齢者の目線での安全対策を見直す必要があるのではないかと思います。  国立公園や国定公園においては、県市町村の及ぶ権限の範囲も限られているのかもしれませんが、事は命にかかわる問題でありますので、縦横なる連携により、いま一度安全点検等をすべきと考えます。  そこで、観光地における観光客の安全対策について、県ではどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  最後は、国民体育大会開催に向けた取り組みについてであります。  去る六月七日、県体育協会は評議員会を開催し、十三年後の二〇二五年に開催される第八十回国民体育大会の本県招致を要望していくこととしたと報じておりました。この招致が実現すれば、一九七七年のあすなろ国体以来、実に四十八年ぶり、二度目であり、私個人もこの招致要望に対し、強く賛意をあらわすところであります。  東日本大震災の大きな被害と失望の中にあって、もう一度立ち上がり、進もうとする勇気をスポーツが与えたことは、県民の多くが理解しているところであると思います。  しかし、同協会会長のスポーツ施設の老朽化の問題があるというコメントが示すように、長期的な施設の整備、維持管理の必要性を感じます。また、時代の変移と伸びゆく記録、競技の内容に合わせた改修改善も必要であろうと思います。  陸上競技場は、本年から設計に入って、本格的に施設整備の準備に取りかかることとなっておりますが、サッカーやラグビー競技に使用する球技場や野球場、さらに、現状の三レーンでは国体の大会日程の消化に支障が出てくるおそれのある県内唯一のボート競技場の新田名部川漕艇場など、多大な時間とコストを要する施設整備には、用意周到、綿密な調査設計が計画的、段階的に必要であると思われます。  そこで、県有体育施設の現状についてお伺いいたします。  昨年のロンドンオリンピックでは、本県出身や本県に関係のある選手の活躍に拳を挙げて喜んだものであります。本県の次代を担う子供たちも、選手の姿に感動し、夢に向かう原動力になったに違いありません。  レスリングの伊調、小原、陸上の岸本、福士、アーチェリーの古川、卓球の丹羽、水谷、福原、バドミントンの藤井、垣岩と枚挙にいとまがありませんが、これに次ぐ世界に羽ばたくような選手の育成が求められますが、当然のことながら、選手の育成強化は一朝一夕になし得るものではありません。  ここで、他県の一例を挙げさせていただきますが、東京都では、野球やサッカーなど比較的メジャーなスポーツばかりを強化するのではなく、幼いころから個々のスポーツ適性を調査し、オリンピックで活躍できる可能性の高いマイナー競技を強化する取り組みを始めているそうであります。  勝つことばかりがスポーツではありませんが、本県代表の競技者として選手の活躍を望むのであれば、施設整備同様に、計画的な強化策が求められると思います。  そこで、次期国民体育大会開催に向けた選手強化策についてお伺いし、壇上からの質問を終わります。 25 ◯副議長(森内之保留) 三村知事。 26 ◯知事(三村申吾) 菊池議員にお答えします。  私からは、まず、青森県地域医療再生計画策定に当たりましての問題認識、今後の取り組みでございます。  県では、平成二十一年度には、西北五圏域における自治体病院機能再編成による持続可能な医療提供体制の構築と、青森圏域における周産期から療育まで切れ目ない医療提供体制の構築を目指し、また、平成二十三年度には、県全域を対象として、医師不足、短い平均寿命、厳しい自然・地理条件下での医療提供という、本県の特徴的な三つの医療課題の解決を目指した地域医療再生計画を策定し、取り組んでいるところであります。  これらにより、ことしの県内高校からの医学部医学科合格者数が過去最高の九十二名となったほか、がん登録の精度向上、災害拠点病院の体制整備等、着実に成果があらわれてきているところであります。  今回国に提出いたしました追加となります青森県地域医療再生計画案では、これらの成果を踏まえつつ、これまでの取り組みを一層進展させるとともに、感染症対策の充実強化や総合的な看護師等確保対策等に係る取り組みを進めることといたしております。  加えて、新たな課題でございます高まる在宅医療のニーズについて、市町村、医師会を初めとする関係団体と連携して事業に取り組むこととしております。  今後、提出した計画案につきまして国の有識者会議による評価等が行われることとなっておりますが、県としては、これらの取り組みを通じて、県民が適切な地域医療サービスの提供を受けられる環境を整備していきたいと考えております。  下北半島縦貫道路の今後の整備方針でございますが、下北半島縦貫道路は、下北半島地域の振興のみならず、私ども青森県の主要幹線道路ネットワークの形成にとって極めて重要な路線であり、重点的な整備に努めてきたところであります。  これまで、有戸バイパス、野辺地バイパス、有戸北バイパスを供用いたしますとともに、吹越バイパスとむつ南バイパスの二工区において整備を進めております。  また、未着手区間でありますむつ市から横浜町の区間のうち、横浜町横浜から吹越までの横浜南バイパスの約七キロメートルにつきましては、今年度、補助事業として新規事業採択されたところでございます。  今年度は、現地測量、詳細設計の一部に着手し、来年度以降につきましては、用地測量などを行い、工事に必要な用地の早期取得を目指すことといたしております。  今後も、現在事業中の区間の整備促進を図るとともに、下北半島縦貫道路の早期の全線完成を実現させるため、国へ積極的な関与を強く働きかけていきます。  豊かな本県の自然を生かした観光の取り組みについてでございます。  青森県は、三方を海に囲まれ、十和田湖、八甲田、白神山地などの豊かな自然や美しい景観に恵まれております。これらの観光素材を生かし、多くのお客様に本県を訪れるきっかけとしていただくためには、観光ニーズの変化に対応しつつ、その地域独自の魅力や特徴を明確にすることが重要と考えております。  近年、我が国では、これまで一般的だった名所見物型パッケージツアーから、参加体験型の観光旅行が注目されており、本県におきましても、恵まれた自然や景観を生かしたさまざまな取り組みが進められております。  具体的には、本県初の森林セラピー基地として受け入れ体制づくりが進められております深浦町十二湖地域を初め、六百種以上の植物が生育する種差海岸において、海岸美と植物観察を楽しみます八戸まちぐるツアーや、奥入瀬渓流でコケ類などの小さな自然に目を向け、ゆっくりと散策を楽しむコケ散歩など、すぐれた自然を生かし、地域独自の特徴を際立たせる体験型ツアープログラムの開発が進められております。  県といたしましては、引き続き市町村や事業者などと一層の連携を図りながら、各地域の自然、景観、さらには歴史、文化、食等を生かした観光コンテンツを効果的に組み合わせ、一層の誘客に結びつけてまいります。  私からは以上です。 27 ◯副議長(森内之保留) 佐々木副知事。 28 ◯副知事(佐々木郁夫) 海洋エネルギーの利用に係る取り組みについてお答えいたします。  国では、海洋エネルギーの導入拡大を図るため、実証実験のための海域となる実証フィールドを国内に整備することとしており、本年三月にその要件を公表し、来年二月末日を期限とする第一次募集を開始したところです。  県では、実証フィールドの整備に向けて、昨年度、検討委員会を立ち上げ、実証フィールド実現可能性調査を実施するなど、これまで具体的な検討を進めてきたところであり、今年度は国の要件に合致する海域の実測調査を行い、国の公募への対応を目指していくこととしております。  今後、潮流発電システムの研究プロジェクトに取り組む弘前大学と連携し、地元漁業関係者の理解と協力をいただきながら、実証フィールドの候補海域を選定していきたいと考えております。 29 ◯副議長(森内之保留) 企画政策部長。 30 ◯企画政策部長(小山内豊彦) DMVの可能性調査について二点お答えいたします。  まず、DMVの可能性調査の取り組み状況についてです。  県では、平成二十七年度末に開業する北海道新幹線仮称奥津軽駅の二次交通の整備に向け、周遊型バスや乗り合いタクシーなどを含めたさまざまな交通モードを検討する中で、DMV(デュアルモードビークル)の可能性についても調査を行うこととしております。  調査の実施に当たっては、DMVの開発者であるJR北海道の協力が不可欠であることから、JR北海道に調査協力を依頼するとともに、調査の委託先等について、現在、情報収集及び検討を行っているところであります。  次に、下北地域におけるDMVの導入に向けた調査の実施について、県の見解であります。  DMVは、線路と道路の双方を走行可能な車両であり、線路が整備された区間は鉄道として、それ以外の区間はバスとして道路を走行できるものであり、本格的に実用化されれば、その特徴を生かして、地域交通の活性化や観光振興に役立つことが期待され、全国各地で関心が高まっております。  一方、DMVの導入には、列車の運転資格のほかに、バスの運転免許が必要なことや、踏切等の安全対策、鉄道とバスとで異なる車両の整備基準など、議員御指摘のように、さまざまな課題があることが国のDMVの検討会でも指摘されているところであります。  こうした状況を踏まえ、県としては、今回の調査目的である仮称奥津軽駅からの二次交通の整備に向け、まずは駅周辺地域において、仮にDMVを運行した場合における具体的な課題等を整理し、さまざまな知見を得ていくことが重要であるというふうに考えているところであります。 31 ◯副議長(森内之保留) 健康福祉部長。 32 ◯健康福祉部長(江浪武志) 多機能型車両の整備に対する補助事業につきまして、どのような考え方で今般の地域医療再生計画に盛り込まれたのかということにつきましてお答え申し上げます。  医療資源が十分ではなく、集落が点在している等の環境にあります僻地などにおきまして、在宅医療の充実と健康の維持増進を図っていくためには、僻地医療拠点病院及び僻地診療所を中心とした効果的な在宅医療の提供や、保健・介護分野と連携した各集落等を巡回しての健診、健康相談等をより一層充実させていく必要があると考えております。  このため、県では、県内三地区において実施した新医療サービスビジネスモデル実証調査の結果などを踏まえまして、今回、国に提出した青森県地域医療再生計画案におきまして、僻地医療拠点病院等が行う健康相談、生活習慣病予防教室等で使用する機器や、小型・携帯型超音波画像診断装置等の検査機器等を搭載しました多機能型車両の整備に対する補助事業を盛り込んだところであります。  また、この多機能型車両につきましては、災害発生時には、避難所におきます適切な医療の提供や避難者の慢性疾患の管理、長期間の避難所生活における健康管理等を行う場合にも活用できるものというふうに考えております。 33 ◯副議長(森内之保留) 商工労働部長。 34 ◯商工労働部長(馬場良夫) ヘルスプロモーションカー実証事業の内容及びこれまでの実証結果についてお答え申し上げます。  本事業は、可搬式の医療機器等を搭載した多機能小型車両でございますヘルスプロモーションカーを、実証地域として設定いたしました東通村、深浦町、南部町の三町村に配備し、訪問診療や健康診断、健康教室等を実施することにより、地域の課題解決に貢献する新たな保健・医療・福祉サービスシステムの実証研究を行ってきているものでございます。  平成二十四年度の実証結果といたしましては、ヘルスプロモーションカーの導入により、患者の通院負担の軽減や検査入院の回避、健診未受診者の健康状態の把握などが可能となることが示されましたほか、住民の健康に対する意識の向上と、それに伴う行動の変化など、多面的な効果が確認されたところでございます。  今後は、これまでの実証結果を踏まえつつ、さらなる効果検証を行いますとともに、ヘルスプロモーションカーと医療機関を結ぶ情報通信技術の導入など、地域の保健・医療・福祉サービスシステムの一層の発展をも視野に入れて実証研究に取り組んでまいります。 35 ◯副議長(森内之保留) 県土整備部長。 36 ◯県土整備部長(横森源治) 御質問二件についてお答えいたします。  まずは、下北半島縦貫道路の未着手区間における取り組みについてでございます。  下北半島縦貫道路の未着手区間であるむつ市から横浜町の区間につきましては、昨年二月の暴風雪による車両の立ち往生などを踏まえ、早期整備について国土交通省へ要望してまいりました。  この結果、横浜町横浜から吹越までの横浜南バイパスにつきまして、今年度、新規事業採択されたところでございます。  引き続き、横浜南バイパスからむつ南バイパスまでの未着手区間につきましても、国による積極的な関与による整備を要望してまいります。  次に、国道二百七十九号むつ市―大間町間におけるバイパス整備の見通しについてでございます。  原子力関連施設が多数立地している下北地域におきましては、広域的な避難路の確保は極めて重要であるものと認識しております。  県では、これまでも、国道二百七十九号の現道の安全確保のため、風間浦村易国間地区において、平成十七年度から昨年度まで約四十四億円の予算規模で、落石対策工事を進めてきたところでございます。  また、下北地域広域避難路基本調査において、複合災害時における広域的な避難路の検討を行っており、大間町から易国間地区までの区間において、既存または計画中の農道、道路を連絡する避難路を整備することとしております。  さらに、現在、県では、むつ市から大間町間において二枚橋バイパスの整備を進めているところです。  今後は、広域避難路基本調査における長期計画を踏まえつつ、国道二百七十九号のバイパス整備について、概略ルート、費用対効果、整備手法等の検討を行っていきたいと考えております。  その検討結果を踏まえ、重点的に要望すべき事項を整理し、県議会や関係市町村と一体となり国に対して要望してまいりたいと考えております。 37 ◯副議長(森内之保留) 観光国際戦略局長。 38 ◯観光国際戦略局長(佐藤淑子) 観光客の安全対策についてでございます。  県では、十和田八幡平国立公園を初めとする県内の自然公園を訪れる方々に、その魅力を間近に堪能していただくため、遊歩道や登山道の整備などを実施してきたところです。  自然公園内においては、自然公園法及び文化財保護法などの規制が適用され、樹木の伐採等の自然環境に影響を与える行為や自然景観を維持する上で好ましくない工作物の設置などは厳しく制限されております。  このため、施設の整備に当たりましては、自然景観や生態系に配慮した工法や施設によりながら、整備後の管理に当たりましては、利用者の安全確保を最優先に、関係市町村と連携を図りながら、定期的に施設点検を実施しますとともに、計画的な維持補修や老朽化施設の更新を行っているところです。  県といたしましては、自然公園内においても不測の事故や災害の発生の可能性があることも踏まえ、これまで整備してきた遊歩道等につきましては、利用者の安全が確保されるよう、適切な維持管理に引き続き努めてまいります。あわせて、地元市町村や観光ガイド団体とも連携しながら、必要に応じて観光客等への注意喚起を行うなど、安全対策の充実に努めてまいります。 39 ◯副議長(森内之保留) 教育長。 40 ◯教育長(橋本 都) 国民体育大会開催に向けた取り組みについての御質問二点にお答えいたします。  初めに、県有体育施設の現状についてです。  県有体育施設については、青森市安田地区の青森県総合運動公園に陸上競技場、水泳場及び野球場が、宮田地区の新青森県総合運動公園に総合体育館「マエダアリーナ」、テニスコート及び球技場があるほか、青森県営スケート場「サンワアリーナ」、弘前市の青森県武道館があります。  これらの施設のうち、陸上競技場、水泳場及び野球場は、いずれも竣工からおおよそ半世紀近くが経過していることから、平成二十三年十月に策定した青森県スポーツ振興基盤整備計画に基づき、国民体育大会の開催時期等を踏まえつつ、計画的に整備していくこととしています。  次に、次期国民体育大会開催に向けた選手強化策についてです。  県教育委員会では、これまで、本県における競技力向上を図るため、県体育協会や関係団体等と連携し、指導者の資質向上や各種強化事業などに取り組んできたところです。  昨年度からは新たに、将来、オリンピックを初めとする国際大会や国民体育大会等の全国大会で活躍できる人財を発掘・育成するため、小・中学生を対象に、スポーツ選手基礎力向上キャンプを実施しております。また、国立スポーツ科学センター研究員、スポーツ医科学関係者、栄養学や運動生理学の大学関係者等で構成する選手強化戦略チームを設置し、今後の選手強化に向けた方策等について、調査研究を行っております。  県教育委員会としましては、これらの事業を着実に推進するなど、引き続き、本県のさらなる競技力向上に努めてまいります。 41 ◯副議長(森内之保留) 菊池議員。 42 ◯十三番(菊池憲太郎) 二、三点、要望させていただきたいと思います。  まず、観光地における観光客の安全対策についてでありますけれども、先ほども質問の際に申し述べましたが、本当に観光客、各地に行ってみますと、ウイークデーは特に高齢者の方しかまず見当たらないわけであります。  実際に、仏ヶ浦も、私も整備した段階をよく知っておりますが、確かにきれいに整備をされておって、景観とマッチングはしているわけでありますけれども、実際は、普通だと考えられないような状況から転落をしていたわけであります。恐らく、脳卒中か何か血管障害があったがゆえにそういったことになったんじゃないかというふうに私もちょっと感じておったのであります。  この際、市町村がベースとなって整備をしている部分もあるかもしれませんが、ぜひ県内の観光地を一斉に点検するような仕組みを、何とか県のほうで主体性を持ってやっていただきたいなというふうに要望させていただきたいと思います。  それから、国民体育大会についてでありますが、きのうもスポーツ推進議員連盟のほうに要望が上がっておりました。  これから先、十三年先ということで、まだ十三年もあるじゃないかというような風潮もあるかもしれませんが、実際に、先ほど計画的に施設整備を行っていくということでありましたが、一つの整備をとっても、それは最低でも、調査、設計、施工までということが一くくりでいきますと、五年から十年は最低でもかかるわけでありまして、それが一気に十三年の間にできるかというと、なかなかそれは無理だと思いますから、計画的にというよりも、スケジュール感をもうちょっとやっぱり詰めた段階で実行していただきたいというふうに思います。  あわせて、選手の強化策についても、例えば十三年先に十八歳、もしくは十六歳になる、ちょうど選手として活躍できるような年齢を目指すとすれば、しからば、五歳とか六歳の児童を発掘するのかという単純な話ではなくて、やはりそこに至るまでの間に、さまざまなプログラムであったり、選手強化の前にやっておかなければいけない段階の指導員の育成であったり、そういった観点からも、ぜひとも強化をしていただくように要望いたしまして、質問を終わります。 43 ◯副議長(森内之保留) 暑い折から、上着を脱いでもよいことといたします。  十五番工藤慎康議員の登壇を許可いたします。──工藤慎康議員。
    44 ◯十五番(工藤慎康) 自由民主党の工藤慎康です。  第二百七十四回定例会におきまして、一般質問の機会を与えていただきました諸先輩議員に感謝を申し上げまして、早速質問に入らせていただきます。  人口増加対策として三項目お伺いしますが、まずは、農地法の規制緩和による人口増加対策についてです。  人口減少は、過疎化、高齢化が進む農村部ほどスピードが速く、その影響も大きいものと危惧しております。平成二十二年の本県の就業人口は、十年前に比べて約一五%減少していますが、第一次産業に限ってみれば、二〇%を超えて減少していることからして、農山漁村地域における人口対策は待ったなしとなっています。  私は、かつて構造改革特区における議論の中にもあったように、農地法による規制を初めとする農業への参入障壁の高さが新規就農を停滞させ、気がつけば耕作放棄地が増大する悪循環を招いている大きな要因でもあると考えています。  今後も、人口減少のスピードが加速する可能性のある農村の活力を維持していくためには、県外からも新規就農者を呼び込みながら、今頑張っている農家が維持している農地資源を次の世代に託していくことが重要であるという観点から質問いたします。  聞くところによれば、農業に興味のある都市部の方々が本県で就農しようとしたのですが、現行の農地法では、最低五十アールの農地を所有しなければ農地を取得することができないと言われたそうです。  実際、自分の食べる分の生産から農業を始めたい人はたくさんいると考えます。そのような人にとって、いきなり五十アール以上の農地を取得しても、営農のノウハウがなく、収益に結びつけられず、負担となり、諦めています。  私は、新規就農希望者が農業に参入しやすいようにすることが、新規就農者の移住・定住対策ともなり、本県の新規就農者の確保、ひいては人口増加対策につながると考えます。  そこで質問です。  一点目として、新規就農に当たって、農地法の原則である農地取得の下限面積がネックになると考えますが、県内各市町村の下限面積の設定状況はどうなっているのかお伺いします。  二点目として、農地法の下限面積の設定について県の考え方をお伺いします。  次に、次期基本計画においての位置づけについてです。  新聞等でも報道があったとおり、本年三月に平成二十二年の国勢調査に基づく地域別の将来推計人口が国立社会保障・人口問題研究所から公表されたところです。この推計によると、二十七年後の二〇四〇年の本県の将来推計人口は九十三万人とされており、これまでの予測をはるかに上回るスピードで人口減少が進むと見込まれています。  言うまでもなく、人口は地域のあらゆる需要と消費を生み出し、地域に活力を与える源であり、本県の抱える課題の多くは人口問題に起因すると考えており、昨年度から、機会を捉えて人口増加に向けた取り組みについて取り上げてまいりました。  さて、今般、知事は、県庁内の新組織として地域活力振興課を設置いたしました。この組織設立に当たって、その趣旨を調べてみたところ、人口減少が見込まれる中、今後の地域振興を進めるには、地域の核となる人財を中心に、地域の関係者の主体的な地域課題の解決の取り組みに対する支援を強化していく必要があることとなっております。  この必要性を踏まえ、県と地域及び市町村が連携して、地域資源を活用した生業(なりわい)づくりや交流人口の拡大、地域における人財育成、地域コミュニティーの活性化を一体的に推進するなどのため、総務部と企画政策部に分かれている地域振興に係る業務を統合し、企画政策部に新設したものとされています。  私は、知事のこの取り組み、決断に深く感謝申し上げます。本県の人口が減少しているという現状において、人口増加を目指すためには、単独の部局で取り組むのではなく、自然動態、社会動態双方に目配りした全庁的、総合的かつ部局横断的な対策が必要と常々考えていたからです。と同時に、当組織の役割、責任は非常に重要かつ重いものであります。  社会動態から見た人口増加対策については、全国どこを見ても前例はありません。率先して実施することによって、国に対し物を言える自治体となるのではないでしょうか。これまで、地方は、一致団結して国へ意見を述べてきましたが、間もなく地方同士の闘いが今そこに迫っているのではないでしょうか。  そこで、これまでにも質問してきましたが、次期基本計画の素案が完成するまで、もう間もないと聞いております。本県のとるべき政策は、積極的に人口増加への転機を得るための政策なのか、人口減少を前提とした消極的な政策なのか、そういった観点も踏まえて、二点お伺いします。  一点目は、どのように地域の活力を創出し、人口増加に結びつけていくのかお伺いします。  二点目は、次期基本計画における人口増加対策はどのように位置づけるのかについてお伺いします。  次に、青森県原子力人材育成・研究開発推進構想の実現についてです。  本県には、六ヶ所再処理工場や東通原発、国際核融合エネルギー研究センターなどの原子力関連施設、日本一の出力を誇る風力発電施設、八戸地域に建設中のLNG輸入基地など、全国的にもまれなエネルギー関連施設が集積している県でもあります。  私は、かねてから、このような本県のエネルギー関連施設の立地環境を生かし、本県に私立大学あるいは一部の学部を誘致することで、社会動態としての人口増加対策になるのではないか、また、県内高校出身者の県外流出防止、つまりは、進学の目標となるのではないかと考えてきました。  今県内に、真に本県の強みを生かした学びの場について、子供たちに自信を持って示すことができますでしょうか。子供たちは、県内の学びの場で学びたいという思いがあるのではないでしょうか。どうしても県外の大学を選ばざるを得ない状況になっているのではないかと考えております。  こうした思いから、昨年十一月の定例会において、私立大学の誘致に対する県の考えについて質問させていただいたところ、総務部長からは、地方の中小規模の大学を取り巻く状況が厳しさを増しているという現状を踏まえ、県としては、原子力人材育成・研究開発推進構想を初めとする本県の強みを生かした人材育成策を着実に推進してまいりたいとの答弁をいただきました。  このため、今回は、この青森県原子力人材育成・研究開発推進構想についてのみ質問させていただきます。  平成十九年度に県が策定したこの構想における拠点施設の整備が実現すれば、多くの学生や研究者が本県を拠点とし、県内学生との共同研究などによる知識の交流促進、さらには、原子力関連の新たな地場産業の創出等による将来的な本県の人口増加対策としてつながることが期待されます。  私としては、この拠点施設が整備された際、広く首都圏等のブランド力を持った大学に声をかけ、働きかけを強めることによって、先ほど申し上げた人口交流、活性化に大きく寄与するのではないかと考えております。  そこで、当構想に関して二点お伺いします。  一点目として、青森県原子力人材育成・研究開発推進構想の実現に向けたこれまでの取り組みと今後の取り組みについてお伺いします。  二点目として、原子力人材育成・研究開発のための拠点施設の整備が実現した場合、県内の大学のみならず、広く県外の大学も利用できるようにするべきと考えますが、県の見解をお伺いします。  次に、企業誘致とインフラ整備についてです。  去る六月十三日に内閣府から発表された月例経済報告によると、「景気は、着実に持ち直している。」としており、先月の「景気は、緩やかに持ち直している。」から、さらにトーンを強め、景気回復に大きな期待が持てる状況となっております。  一方、県内経済は、日本銀行青森支店が去る六月五日に公表した県内金融経済概況によりますと、全体としては、「県内の景気は、横ばい圏内の動きとなっている。」とされておりますが、個人消費などの底がたい動きが見られるほか、ことし四月の本県の有効求人倍率は前月を〇・〇五ポイント上回る〇・六八倍まで上昇し、バブル期以来二十年ぶりの高水準に達するなど、県内経済に明るい兆しが見え始めているところです。  こうした中で、県内のインフラ整備に目を向けると、昨年十一月に下北半島縦貫道路の有戸北バイパスが開通し、さらに、ことし三月には、上北道路の第二みちのく有料道路と接続する六戸ジャンクションから上北インターチェンジまでの区間が開通するなど、交通インフラの充実が着実に進み、県内経済が一層促進される動きが見えております。  今後は、さらに、本県の大動脈とも言える上北自動車道、三陸沿岸道路、津軽自動車道、下北半島縦貫道路などが次々と開通予定であることから、移動時間短縮や物流コストの低減等により、経済波及効果の高い企業誘致にもプラスの効果が働くものと期待しております。  一方、本県は、県内の移動手段を車に頼ることが多いにもかかわらず、全国と比較し公共交通網が十分行き届いていないのが現状です。主要都市間の移動には、まだ多くの時間を要しており、気象条件的には全国有数の豪雪地域でもあることから、特に冬期間の道路空間の確保が課題となっております。  今さら言及するまでもないことですが、道路は、経済・産業上必要不可欠であるほか、それだけにとどまらず、救急医療や大規模災害時の避難、復旧・復興支援、その他観光、レジャー等、さまざまな役割を担っております。  産業振興、工場誘致のためには、高規格道路の整備以外にも必要なことがあります。いまだ県内各工業団地までのアクセス道路には、集落の中を通る狭いところや舗装が傷んでいる道路を通行しなければならない箇所も多数あるものと認識しております。車両等の輸送技術は、日々改良されているとは言えども、バンピーな路面では、精密機器の輸送にリスクが伴うために、そのような工場の進出を見込めないとのことでした。このような各インターチェンジから先のアクセス道路の整備も、また、重要かつ喫緊の課題だと考えております。  以上のことから二点伺います。  一点目として、高規格道路等の整備が進む中で、今後、企業誘致にどのように取り組んでいくのかお伺いします。  二点目として、産業振興を支援する道路の整備について、県はどのように対応していくのか、それぞれ伺います。  次に、防災公共の整備方針についてです。  平成二十三年三月十一日、千年に一度と言われる未曾有の東日本大震災から二年が経過しました。大震災に係る県の災害復旧工事は、県や市町村、そして関係者の皆様の懸命な御尽力により、昨年度末までの二カ年をもって、どこよりも迅速に終えることができました。  今後は、青森県復興ビジョンにおける創造的復興に基づき、被災者の生活再建支援、創造的復興を支える生業(なりわい)づくり、災害に強い地域づくり、グローバル社会に挑戦するたくましい人財の育成など、それぞれの取り組みが展開されていくものと認識しております。今後の県の取り組みに一層の期待をしているところであります。  中でも、特に災害に強い地域づくりについては、今後の防災力の強化、孤立集落をつくらないといった理念のほか、具体的対策が重要であると認識しております。  防災公共の取り組みについては、昨年第二百六十九回定例会においても質問の機会をいただき、三方を海に囲まれ、中央に山間部を抱える青森県では、想定外の津波、大雨、洪水に対処できるような防災対策が必要ではないかという私の問いに対し、安全・安心、災害に強い青森県づくりを実現するために、県民の命を守るインフラの整備を防災公共と位置づけ、強力に推進するとの答弁をいただいたところであります。  また、本年一月までに県の全沿岸の津波浸水予測図が公表されました。その予測図による太平洋沿岸の浸水区域は、さきの大震災による浸水区域をはるかに超えるもので、沿岸の道路が水没し、または至るところで分断されるなど、改めて、孤立地域を発生させないようなインフラ整備が重要で、防災対策の早期実現の必要性を再認識したところであります。  一方で、横浜町と六ヶ所村、東通村は、本年五月三十一日、県道泊陸奥横浜停車場線の緊急整備を県に求めております。特に下北半島に住む地域住民としては、幹線道路が国道二百七十九号と国道三百三十八号の二本と少なく、これらを結ぶ避難道としての整備要望でもありました。  私としては、冬期閉鎖路線やこのような幹線道路について、地域住民の不安を払拭するための取り組みも必要ではないかと思います。一般的に、冬期閉鎖する路線は未舗装路が多く、除雪もできません。避難路確保という役割とともに、物流のスピード化にもつながりますし、緊急時の初期避難路として、また、生活物資輸送路としての役割も担うものと考えております。  以上、私の現状認識を申し上げるとともに、県では、津波浸水予測図と地震、大雨にかかわる災害危険箇所をもとに、市町村と防災公共ワーキングを実施し、防災公共推進計画を策定の作業中であることを踏まえた上で、二点お伺いします。  一点目は、これからの防災公共の基本方針について、県の考えをお伺いします。  二点目は、防災公共推進計画の具体的な取り組みについてお伺いします。  最後の質問は、三沢空港の利用促進についてです。  三沢空港は、米軍、民間、そして自衛隊が配置され、この三者が共同使用している日本で唯一の飛行場であります。また、下北地域を含む県南地域及び岩手県北地域からの玄関口としての役割を担うなど、非常に身近なものであり、歴史、経済、文化にとって欠かせないものであります。  本県は、今、県内における唯一の国際路線であるところの青森―ソウル便の維持・確保対策について、危機感を持ちながらも、懸命の働きかけを行っていると存じております。県並びに関係者の皆様の御尽力に敬意を表します。  また、国内線に目を向けると、三沢空港においてはことしは朗報が入りました。まずは、本年三月三十一日、二〇一〇年十月以来、二年五カ月ぶりに運航再開となった三沢―大阪線。そして、本年七月からの運航が決定している三沢―丘珠線。さらには、八月から丘珠―函館を延伸しての三沢への就航など、三沢空港の重要性を以前から認識していただいていた知事を初め、三沢市及び関係者の皆様の粘り強い御尽力のたまものであると感謝申し上げます。  しかしながら、喜んでばかりもいられません。利活用が進まなければ、再び撤退の憂き目に遭います。さらに、同飛行場の使用条件に係る日米合意では、ピーク時における一日最大七便の国内線運航が認められているわけですから、十二分にこれを活用できるよう取り組みを進めていかなければならないと考えます。  東北新幹線が新青森駅まで全線開業し、あと二年で函館まで新幹線が開通することにより、鉄路での利便性が高まり、交流人口の一層の拡大が期待されております。  今定例会において、三橋議員や寺田議員が質問しておりました津軽海峡交流圏形成に向けたλ(ラムダ)プロジェクトが展開されています。三沢―函館―丘珠線は、まさにλの一翼を担うのではないかと考えるのです。  本県の経済、文化、観光などの振興にとって、首都圏を含めた交流の利便性も必要ですが、これからは北海道や西日本各地との交通利便性拡大についても積極的に取り組んでいく必要があると思います。  このためには、航空路線の充実、特に県南地域との交流拡大に重要な役割を持つ三沢空港の利用促進が喫緊の課題であると考えます。  そこで、二点についてお伺いします。  一点目は、三沢―大阪線の再開及び三沢―札幌(丘珠)線の就航について県はどのように考えているのかお伺いします。  二点目は、三沢空港発着路線のさらなる利用促進について県の取り組みをお伺いします。  以上で壇上からの質問を終わります。 45 ◯副議長(森内之保留) 三村知事。 46 ◯知事(三村申吾) 工藤慎康議員にお答えします。  まず、基本計画における地域活力の創出、人口増加ということについてでございます。  人口減少や高齢化が進行する中で、地域の活力や新たな生業(なりわい)を創出していくためには、地域の有するさまざまな資源を最大限に活用しながら地域コミュニティーの活性化を図り、地域みずからが描く将来像の実現に向けた主体的な取り組みを促進する必要がございます。また、そのような取り組みを促進していくためには、議員からも御指摘いただいたとおり、地域づくりを牽引していく人財──人の財(たから)の育成や、移住者を初めとした外部人材の有効な活用も重要であると考えておるところであります。  こうした観点から、現在、県内の市町村では、国の地域おこし協力隊制度の活用や農業を通じた都市部の若者等の移住、交流の促進など、本県の地域資源に新たな可能性を見出した県外の人財を活用し、地域の活性化に取り組む動きが現実に見られております。  県では、これまで、こうした取り組みを支援いたしますほか、地域に愛着と誇りを持ち、地域を牽引する人財の育成に積極的に取り組んできたという思いがあります。また、新たな青森ファンを獲得していくことは、県内への転入者数の増加につながるといった積極的な考えからも、活力にあふれる本県の魅力づくりを県外に発信をしてきました。  こういった取り組みを初め、庁内各部局のさまざまな施策を一歩一歩着実に行っていくことが、転出者抑制あるいは転入者増加につながり、ひいては将来的に本県の人口増加に結びつくものと考えるところであります。  高規格道路整備の中での企業誘致であります。  企業誘致は、地域の雇用や産業に直接的な効果を与えるなど、本県経済の活性化の有効な手段であると考えます。  このことから、私は、知事就任以来、農工・食品関連分野、情報通信関連分野、環境・エネルギー関連分野等、本県の比較優位性を発揮できる分野を中心に、重点的かつ戦略的な企業誘致に取り組んできました。  こうした中にありまして、下北半島縦貫道路や上北道路などの規格の高い道路の整備が進むことによって、県内の交通アクセスが向上し、本県の立地環境の充実が図られることは、設備投資意欲を持った企業への大きなアピールになると考えております。  全国的に国内の製造拠点の再編・集約や海外展開が相次ぐなど、企業誘致を取り巻く環境は厳しい状況にあるわけですが、今後とも、自分自身が先頭に立ちまして、本県の交通アクセスの向上を初めとする立地環境の充実について、タイムリーな情報発信を心がけ、新規立地はもとより、既に立地している誘致企業の事業拡大、いわゆる増設でございますが、誘致企業の事業拡大を働きかけるなど積極的かつ果敢に取り組んでいく考えであります。  防災公共の基本方針についてでございます。  近年、地震や大雨による大規模な災害が頻発しております。災害時に人命を守ることは非常に重要であります。孤立集落をつくらないという視点と、人命を最優先にとにかく逃げるという発想を重視しました防災公共を推進し、今年度中には、全ての市町村の防災公共推進計画を策定いたします。  これからの基本方針といたしましては、県と市町村が適切な役割分担を行いながら、防災公共推進計画の成果をもとに、避難経路、避難場所が有効に機能するかを検証し、必要に応じた修正を加え、防災対策の充実を図ります。  また、孤立集落や避難場所から役場への経路上にある危険箇所の安全対策など、防災事業を進めていくとともに、これらの施策がさらに促進されるよう、国に対しましても予算の優先的な配分を要望していきます。私どもとしては、アイデアを出しておりますので、そのようにしていきたいと思っております。  さらに、市町村におきましては、設定した最適な避難経路、避難場所、臨時ヘリポートを地域防災計画やハザードマップに反映させるなど、地域の住民の方々への周知を図るとともに、防災訓練を実施していくことになると思います。  私は、いつ何どき発生するかわからない災害に対して、今後とも、地域の実情に合った最適な避難経路、避難場所を確保し、とうとい県民の命を守る災害に強い青森県づくりを強力に進めたいと考えます。  三沢―大阪線の再開、また三沢―札幌線の就航についての考えであります。  三沢―大阪線は、日本航空の経営再建などの影響により、平成二十二年十月から運休となっていたところでございますが、私みずから、三沢市など地元関係者や県議会の皆様と連携して要望を重ねてきた結果、また提案も重ねてきた結果、去る三月三十一日から運航が再開され、一日一往復運航しているところであります。  また、三沢―札幌線につきましては、七月一日から北海道エアシステムによる一日一往復の直行便の就航が決定しており、さらに八月から十一月まで函館経由便を就航させることとして、現在手続を進めていると聞いております。  三沢空港は、下北・上北・三八地域における航空ネットワーク拠点として、エネルギー関連産業、食品加工業、小売・流通業等のビジネス展開や県南や下北地方への観光誘客を支える重要な役割を担っていると認識をしております。運航再開、就航により、さまざまな分野での交流が加速されるものと期待をしております  今後は、既存の東京線三往復に加え、再開された大阪線や七月からの就航が予定されております札幌線の利用促進、維持・存続を図っていくことが非常に重要だと思っています。このために、三沢空港路線の拡充を強く望んでいた地元の三沢市などが進めます利用促進に向けた取り組みを後押しするなどして、県としても積極的に支援していきたいと考えている次第でございます。  私からは以上です。 47 ◯副議長(森内之保留) 企画政策部長。 48 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 御質問二点についてお答えいたします。  まず、次期基本計画における人口増加対策についてです。  本県の人口は、昭和五十八年にピークを迎え、以後減少が続いており、さらに、我が国全体としても人口が減少に転じている現状を踏まえますと、今後も、本県の人口が減少傾向で推移することは避けられない状況にあるものと考えます。  人口減少は、消費の減少による需要面の減少と労働力人口の減少による供給面の減少という二つの側面を通して、本県の将来の姿に非常に大きな影響を与える要因であると考えられることから、その対応は、県政における最も重要な課題の一つであると認識しております。  したがって、現在策定作業を進めている次期基本計画におきましても、まずは人口減少を前提とした社会への対応を着実に進めていくとともに、例えば平均寿命が全国最下位の状態を続けているといった課題の解決を通じた自然減の抑制や移住・交流人口の増加を図るなど、人口増加に向けた取り組みについてさまざまな観点から検討していきたいと考えております。  次に、三沢空港発着路線のさらなる利用促進についての県の取り組みについてです。  三沢空港発着路線は、三沢―東京線一路線から、三月の大阪線再開、七月の札幌線就航、そして八月の札幌線の函館経由便の就航により大幅に充実が図られることとなりましたが、今後は、就航した路線をいかに維持していくかが重要となります。
     そのためには、三沢市はもとより、周辺の市町村、企業などの多くの方々に利用していただくことが不可欠であることから、運航ダイヤ、運賃などの広報周知や、観光を初め、ビジネス面においても利用促進が図られるよう、地元三沢市を初め周辺の市町村、三沢空港振興会など関係者が連携して取り組んでいるところです。  県としても、県南地域の誘致企業などを中心に、就航路線に係る広報周知、利用促進の協力要請などに取り組んでいるほか、去る五月三十一日から六月二日には、路線の周知等を図るために、三沢―大阪線を利用して、知事が同乗する「青森県民の翼」を実施するなどしており、今後とも、三沢空港振興会等と協力しながら利用促進に取り組んでまいります。 49 ◯副議長(森内之保留) 農林水産部長。 50 ◯農林水産部長(一戸治孝) 農地法における農地取得の下限面積に関する御質問二点にお答えを申し上げます。  まず、県内各市町村の下限面積の設定状況についてです。  農地法では、耕作目的で農地を取得する際には、農地取得後の経営面積が五十アール以上になることと規定されていますが、地域の事情によっては、それを下回る面積を下限面積として設定することが特例として認められております。  県内市町村における五十アール未満の下限面積の設定状況は、四十アールが二町、三十アールが八市町村、二十アールが同じく八市町村、十アールが六市町村、また、これらの市町村のうち、合併前の区分などで複数の面積設定を行っているのが六市町村となっています。  次に、農地法の下限面積の設定についての県の考え方です。  下限面積については、地域の平均的な経営規模が小さい場合や新規就農を促進しなければ農地の保全及び有効利用が図られない場合に、特例として、市町村農業委員会が五十アール未満で設定できることとなっています。  この設定に当たっては、農地が国民のための限られた資源であり、農地の効率的な利用や地域との調和に配慮した権利取得の促進を図るといった農地法の目的にのっとって設定することが重要であることから、県としましても、この目的に沿って市町村農業委員会が新規就農者の受け入れや耕作放棄地の状況など、地域の実情を十分に踏まえて設定するよう働きかけていきます。 51 ◯副議長(森内之保留) 県土整備部長。 52 ◯県土整備部長(横森源治) 御質問二件についてお答えいたします。  まず、産業振興を支援する道路の整備についてでございます。  本県では、道路づくりの基本方針として、生活・経済圏間の連携強化、農林水産品の円滑な輸送、観光客誘致の支援、交通拠点へのアクセス強化等を掲げており、高規格幹線道路や地域高規格道路、これに接続する主要幹線道路の整備を積極的に進めてきたところでございます。  また、国でも、成長力強化を目的に、地域の産業の振興に資する成長基盤の強化を図るためとして、インターチェンジから直轄国道や工業団地等を連絡するアクセス道路整備の予算に重点配分しているところでございます。  このことから、県では、上北自動車道、三陸沿岸道路、津軽自動車道等のインターチェンジへの接続となる国県道の整備を進めているところであり、今後とも、企業立地の動向等の把握に努め、産業振興に資する道路の整備を進めてまいります。  次に、防災公共推進計画の具体的な取り組みについてでございます。  県は、市町村と一体となって、最適な避難経路、避難場所を確保するために、防災公共推進計画の策定に取り組んでいます。  具体的な事例として、津波からの避難経路を検討する場合、地震発生から津波が到達するまでの間に、まず、津波浸水区域外に逃げ、さらに避難場所へ逃げる経路を設定します。  この経路は、里道や階段等も活用することになりますが、津波から人命を守るためには非常に重要なものと考えております。この経路を確保するための対策を、どんな形でもまずは人命を守るとした短期的施策として位置づけることを考えております。  次に、避難場所から役場などの防災拠点を結ぶ経路を設定します。その経路の道路交通を確保するための危険箇所対策を、恒久的に人命を守るとした中期施策と考えております。  これらの施策の完了までには相当な時間を要することが見込まれますため、孤立するおそれのある避難場所と外部との救援物資等の輸送手段の確保のため、ヘリコプターの離発着が可能な場所の抽出や人命を守ることができる最短の避難目標地点の設定なども、あわせて早期に実施することとしております。 53 ◯副議長(森内之保留) エネルギー総合対策局長。 54 ◯エネルギー総合対策局長(八戸良城) 原子力人材育成・研究開発推進構想の実現についての御質問二点にお答えいたします。  まず、本構想の実現に向けた取り組みについてです。  県では、原子燃料サイクル施設や国際核融合エネルギー研究センターなどの原子力関連施設の立地を、本県の人づくり、産業づくりに生かしていくため、平成二十年二月に青森県原子力人材育成・研究開発推進構想を策定し、その活動拠点の整備に向けた取り組みを進めてきたところです。  一方、本県の八戸工業大学や八戸工業高等専門学校では、平成十九年度から国の原子力人材育成事業を活用した原子力教育を実施しているほか、東北大学では、六ヶ所村において原子力利用の研究や社会人向けの大学院教育を実施するなど、既に県内外の大学によって、本構想に関連する具体的な活動が展開されています。  こうした中、県では、構想の具体化を図るため、昨年度、青森県原子力人材育成・研究開発拠点計画を策定し、現在、拠点施設の整備に向けた関係機関との協議を進めているところです。  今後とも、産学官の連携・協力のもと、拠点施設の整備が原子力に関する人材、技術の維持強化や産業振興につながるよう、取り組みを進めてまいります。  次に、原子力人材育成・研究開発のための拠点施設は、広く県外の大学も利用できるようにするべきについてです。  昨年度策定した青森県原子力人材育成・研究開発拠点計画におきましては、拠点施設の目指す具体的な方向性として、大学、研究機関、企業等の人材育成・研究開発のための共同利用を促進することを想定しています。議員御提言のように、県内の大学のみならず、広く県外の大学が利用できる拠点施設の整備を目指していきたいと思います。 55 ◯副議長(森内之保留) 工藤慎康議員。 56 ◯十五番(工藤慎康) 御答弁ありがとうございます。  再質問一点、農地取得の下限面積の設定についてお伺いいたします。  先ほどの御答弁によりますと、各市町村の農業委員会において、五十アール以下でも設定は可能だという内容でございました。先ほども、私、壇上でも申し上げましたけれども、Uターン、Iターン希望者の中にも、ファーストステップとして、宅地とともに、研修といいますか、そういった意味も含めての農地がまず欲しいという方もいらっしゃるようでございます。  ですから、小面積の農地からチャレンジしたい場合、例えばそういった各市町村の農業委員会で宅地とあわせての農地の販売というのは設定が可能なのかどうか、ちょっと可能かどうか、もし資料がありましたら、お知らせいただければありがたいと思います。  以下は要望でございます。  先ほどの農地法についてもそうでありますが、各市町村において、やはり手続となる要件が数多く存在しております。しかしながら、やっぱり法の解釈等、非常に判断が難しい部分が多くあると思いますが、各市町村の窓口としての連携の強化を改めてお願い申し上げます。  それから次に、次期基本計画における人口増加対策についてです。  御答弁では、人口減少を前提とした社会への対応の例として平均寿命のお話がございました。私は、長寿で自然動態の減少を抑えることも一つの案だとは思うんですけれども、ただ、やはり将来の生産人口の対策を目途にすれば、やはり子供をいかに産んでもらえるか。子供を産むなら青森県と言われるような対策も、今後検討していただければありがたいと思います。  次に、原子力人材育成についてです。  大学では学部と大学院とあるわけでございますけれども、通常は学部で修士課程、いわゆるそれぞれの専門のベースとなる部分を学ぶわけです。大学院というのは、それをさらに専門的に特化した部分で学ぶわけで、博士課程と通常言われるんですけれども、学部でそういった原子力に関する基礎知識を学ぶ場がないのに、大学院だけ設置しても、ちょっと学ぶのがまたリスタートになるのかなという思いもありますので、そこの現在で、やっぱり量子力学ですとかそういった専門的なことを学ぶ学部もありますので、先ほど県外のほうにもいろいろアプローチするというお話をいただきました。そのことも含めて、今後、取り組んでいただければありがたいと思います。  次に、企業誘致とインフラ整備についてでございます。  企業誘致については、先ほど知事のお話がありました。円相場等のいろんな事情もあって、今が最大のチャンスなのかなとちょっと考えます。そこで問題となるのが、やっぱり狭い継ぎはぎだらけの道路であります。タイムリーな情報発信とともに、整備のほうもタイムリーにお願いいたします。  次に、防災公共についてです。  現在、さまざまな形で進めていらっしゃるということでございましたが、いろんな状況によって、また二次的に避難しなければならない、そういった状況も出てくると思います。そうなった場合に、本県にまだ三、四カ所ぐらいですか、次にさらに避難しなければならないというときに困難な地域があるように思われます。御答弁の中に、恒久的な人命を守るという内容がございました。中期的施策で実現していただけるよう、再度お願い申し上げます。  最後に、三沢空港についてでございます。  先日、三沢空港利用促進期成会の総会に出席してまいりました。その場でこういう話がございました。伊丹線復活の際、知事に出席いただきました。さらには、知事みずから先頭に立って「県民の翼」を実施していただいている。参加した人たちから、また行きたいなというお話があったそうでございますので、知事、またお忙しいと思うんですが、何とかよろしくお願いしたいと思います。  三沢空港も──青森空港も以前そうだったんですが、西日本からの直行便がありました。やっぱりその際の観光、ビジネスを主体とする交流人口というのが非常に多うございました。ただ、今やはり直行便がないということで、利用客も若干落ちているという話もございます。もう既に、JALにしても、直行便の設定というのは非常に難しいものと理解しております。ただ、年数回ダイヤ改正があるわけでございまして、羽田経由乗り継ぎ便というものがありまして、その乗り継ぎの時間を短縮したのを、ローテーションを組んで西日本各地と結べないかと、そういうのも一つの提案になってくると思いますので、そういったものも視野に含めた、青森空港も三沢空港も、両方そういった形で利用促進が図られるように、ちょっとアプローチをあわせてお願いして、終わりたいと思います。 57 ◯副議長(森内之保留) 農林水産部長。 58 ◯農林水産部長(一戸治孝) 再質問にお答えいたします。  県としても、新規参入者が定着をしていくためには、まず住居の確保をすると。それと、経営上無理のない面積からまず取得をして経営を安定させていただくと、これが非常に重要だと考えております。それで、農地法上、耕作放棄地が相当程度あって、かつ小規模面積の増加が農業の振興に影響を及ぼさない、そういう場合においては十アール未満での設定も可能であるとなっております。  ただし、議員のほうから御質問のあった住居の確保については、やはり農地転用が必要になりますので、農地を確保した上で住居のための農地転用をしていただくということになるかと思います。  以上でございます。 59 ◯副議長(森内之保留) 三十分間休憩いたします。 午後二時三十八分休憩    ────────────────────── 午後三時九分再開 60 ◯議長(西谷 洌) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  十八番山谷清文議員の登壇を許可いたします。──山谷議員。 61 ◯十八番(山谷清文) 自由民主党の山谷清文でございます。  今定例会、一般質問最後の質問者となりました。最後までおつき合いのほどをよろしくお願い申し上げます。  私の最初の質問は、新規学卒者の雇用対策についてであります。  古い話で恐縮ですが、かつて「大学は出たけれど」という言葉が流行した就職難の時代がありました。ここ最近続いている雇用情勢の厳しさや、高校・大学卒業予定者の就職難の状況を目の当たりにして、ついついこの言葉が頭に浮かんでまいります。  しかしながら、先ごろ、青森労働局が発表したことし四月の一般職業紹介状況を見ますと、有効求人数(季節調整値)は前月に比べ六・三%増加の二万二千三百二人、有効求職者数は一・四%減少の三万三千十人で、有効求人倍率は前月を〇・〇五ポイント上回る〇・六八倍となっております。  また、昨日発表された五月末時点での県内高校をこの春卒業した生徒の就職率は九七・五%となり、過去十年間で最高の数字となっております。この結果、この春の新規高校卒業者の就職希望者三千七百二人のうち、実際に就職したのは県内二千六人、県外一千六百五人の合計三千六百十一人となりました。  また、県内各大学の就職率を見ても、弘前大学九六・〇%、県立保健大学九九・一%など、いずれも非常に高い数字となっております。就職支援のための生徒及び就職担当教員による企業見学会や求人開拓ローラー作戦、そして就職ガイダンス開催の成果のあらわれだと思っております。  そこで質問いたしますが、県は、このような今春の新規学卒者の雇用情勢の動向に対して、どのような認識をお持ちかお示しいただきたいと思います。  また、五月末の段階で九十一人となっている県内高校新規学卒者の未就職者に対する今後の雇用対策についてお尋ねいたします。  さらに、堅調な就職状況の中で多少心配になるのが、毎年問題となっている雇用のミスマッチであります。雇用のミスマッチに対する県の対策についてもお尋ねいたします。  続いての質問は、生活保護行政の取り組みについてであります。  先日、福岡県中間市の生活保護費不正受給事件を受け、中間市議会が六月七日、チェック機能を果たせなかったとして、議員提出の自主解散動議を賛成多数で可決し解散したという少々衝撃的な報道がありました。  最近、全国的に問題となってきている生活保護費の不正受給と増大し続ける保護費。これに対応すべく、国も生活保護受給者の自立を支援するための生活困窮者自立支援法案などを盛り込んだ生活保護法の改正に乗り出しました。  今回の改正の注目すべき点は、就労の自立を促すための就労自立給付金の創設、不正・不適正受給者対策の強化、医療扶助の適正化などが挙げられます。今国会で成立される見通しのこの生活保護法の改正に対応して、青森県の対策も急がれるところであります。  そこでお尋ねいたしますが、まず、青森県における生活保護受給世帯の推移と現状についてお示しいただきたいと思います。  また、生活保護受給者の自立に向けた就労支援の取り組みについてお伺いいたします。  さらに、我が県における不正受給の主な内容と防止対策についてお尋ねいたします。  次に、「ピカイチデータ 数字で読む青森県」について質問いたします。  毎年、県の発行物の中で楽しみにしているものの一つがピカイチデータであります。  本県の農林水産物から、暮らし、環境、健康、医療、家計に至るまで、さまざまな分野の青森県の日本一がデータとともに示されており、驚きや納得とともに楽しく読むことができるからであります。  リンゴ、ナガイモ、ニンニクの日本一は納得でしたが、ゴボウやアンズの収穫量、コイやシラウオの漁獲量が日本一であるとは驚きでした。また、生活の分野で意外だったのが、青森県民が早寝早起き日本一であったということでありました。  このピカイチデータを読んで思ったのは、このデータを県内小・中学生によく読んでもらうことにより、ふるさとのことをよく知り、ふるさとを誇りに思う気持ちがより醸成されていくことにつながるのではないかということでありました。  また、他方では、多くのデータの中から、現在青森県が抱える課題解決につながるのではないかと思われるものも見受けられました。それは、カップ麺購入数量日本一、即席麺購入数量日本一、塩干し魚介購入数量も日本一、そして、タラコの購入数量が、辛子明太子が名物の福岡県に次いで第二位であるということでありました。  これらのデータを見て、青森県民の塩分摂取量が非常に気になりました。短命県返上の糸口はこの辺にあるのかもしれません。思わずそう考えてしまいました。  そこで、せっかくの数多くのデータがより県民に普及され、活用されるべきであるという観点からお伺いいたしますが、まず、このピカイチデータの刊行目的についてお尋ねいたします。  また、ピカイチデータが現在どのように活用されているのかもお尋ねいたします。  さらに、ピカイチデータを広く県民に普及させていくための県の方針についてお尋ねいたします。  続いての質問は、青森県保健医療計画の推進のための取り組みについてであります。  本県の保健医療の基本指針である青森県保健医療計画は、昭和六十二年十二月に策定された後、必要に応じて見直しを行い、現在に至っております。  本年四月、県は、現行の計画の見直しを行い、発表いたしました。今後の青森県の保健医療提供体制の充実を図るため、そして、現在の本県の保健医療を取り巻く環境や本県の抱える課題を見越しての見直しであると思います。今回の見直しが、我が県の保健医療の新たな指針となり、想定以上の成果が得られるよう期待したいと思います。  そこでお尋ねいたしますが、このたびの保健医療計画の見直しの主な内容についてお示しいただきたいと思います。  また、県は、この計画に掲げる目標を達成するためにどのような取り組みを行うのかお尋ねいたします。  さらに、短命県の汚名返上と健康で長生きをするための健康寿命の延伸のために、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。  続いての質問は、一般廃棄物の減量及びリサイクル率向上の取り組みについてであります。  先ごろ、県環境政策課から本県の二〇一一年度のごみの排出量についての発表がありました。それによると、本県のごみの総排出量は五十二万八千九百九十四トン、県民一人一日当たりの排出量は千三十八グラム、またごみ総量のうち再資源化された割合を示すリサイクル率は、全国平均の二〇・四%に遠く及ばず、一三・六%と、ともにワースト五位とのことでありました。  私が住む青森市においては、一人一日当たりのごみの排出量は一千百三十五グラムで、県内四十市町村の中で少ないほうからの順位で三十五位、リサイクル率は一〇・八%で三十二位と低迷、三十万人という人口の多さから言うと、県平均を大きく下げる要因となっているということがよくわかりました。  我が家でも、青森市の指定するごみの分別とリサイクルの指針に従ってごみを出しておりましたので、県の発表した数字には、驚きとともに失望感さえも感じてしまいました。と同時に、現状のままでは、県の目標である県民一人一日当たりのごみ排出量九百八十グラム、リサイクル率二五%の達成は非常に困難な数字であると感じてしまいました。  言うまでもなく、ごみの減量化と再資源化推進のためには、県民一人一人の意識の向上と市町村の徹底した対策が不可欠であります。県におきましても、もったいない・あおもりルールに基づいた県内各市町村に対して実効性のある提言が急がれるところであります。  そこで、一般廃棄物対策に係る県の基本的な考え方についてお尋ねいたします。
     また、一般廃棄物の排出量及びリサイクル率の現状と課題についてお尋ねいたします。  さらに、一般廃棄物の減量及びリサイクル推進に向けた今後の取り組みについてお尋ねいたします。  続いては、青森港におけるクルーズ客船の寄港促進と港湾整備について質問してまいりたいと思います。  ゴールデンウイークが終わった先月五月八日早朝、青森港新中央埠頭に一隻の豪華客船が入港いたしました。船名はサン・プリンセス号、総トン数七万七千四百四十一トン、アメリカのプリンセス・クルーズ社所有の大型客船であります。新中央埠頭に寄港する船としては、過去最大クラスのものでありました。  新中央埠頭からほど近い場所に住む私も、早速、この船の見学に行ってまいりました。家を出て埠頭に向かう道すがら、遠目にもサン・プリンセス号の白い船体がはっきりと見えました。そして、だんだんと近づくにつれ、余りの大きさとその美しさに圧倒されてしまいました。  十階建て以上のビルのような高さと、船体二百二十六メートルというその長さは、まさに威容を誇るという表現がぴったりの白い巨大な船でありました。  船の乗降口周辺には、多くの乗客や見学者、そして港湾関係の方々でにぎわっておりました。仮設テントによる物産販売コーナーや展示していた小型ねぶたの周辺には、海外からの多くの乗客が興味深げに見入る姿がありました。また、二千人を超える乗員乗客は、市内外の観光やショッピングを楽しんでいたようであります。この日、青森市の中心商店街にも多くの外国人観光客の姿があり、いつにないにぎわいを見せておりました。  ちなみに、本日六月二十一日早朝、このサン・プリンセス号は、再度青森港新中央埠頭に寄港しております。興味のある方は、ここ県庁からも近い場所でもありますので、ぜひ見学をお勧めしたいと思います。  この五、六年ほど前から、青森港には多くの国内外の大型客船の寄港が定着してまいりました。今年度は延べ十八隻、来年度は二十隻を超える寄港が予定されております。これもひとえに、県と市、民間諸団体による長年にわたる青森港の整備、クルーズ船誘致に向けた地道なポートセールスの成果であると考えております。今後も、青森港が北日本におけるクルーズ拠点港として発展していくことを望んでやみません。  そこでお伺いいたしますが、改めてクルーズ船寄港に対する県の認識についてお尋ねいたします。  また、クルーズ船誘致のため、県が行っているセールス活動の取り組みについてお尋ねいたします。  さらに、クルーズ船の寄港の増加とともに、その回数も増加してきている民間団体等が行う歓迎態勢に対する県の支援策についてお伺いいたします。  またさらに、来年度はサン・プリンセス号よりも二回りほども大きいダイヤモンド・プリンセス号十一万五千トンが新中央埠頭に寄港予定と聞いております。  そこで、大型船クルーズ船入港の際の安全性確保に向けた県の取り組みについてお尋ねいたします。  また、クルーズ船寄港の際、増加している観光客の受け入れ態勢の整備も急務となっております。  例えば、出入国手続、両替、トイレなどの問題、そして、忘れてはならないのは乗客乗員の安全の確保であります。そのためには、将来的に全国の多くの港に見られるような旅客ターミナルの整備も必要となってくるのではないかと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。  続いて、教育行政について三点にわたり質問いたします。  まず、初めに、県立高等学校入学者選抜制度の改善についてであります。  かつて、青森県の高校生が毎年千人以上途中退学するという時期がしばらくの間、続いておりました。平成の初めころから平成十四年までの期間であり、ピークであった平成九年には、一年で千五百二十五人を数えておりました。驚くべき数字であります。  退学の主な理由は、六割以上の生徒が学校不適応と進路変更といういわば不本意入学がその理由であり、当時、この学校に来るはずではなかったと答える退学生徒が非常に多かったと聞いております。言うなれば、高校選択のミスマッチが数多く存在していたのでありました。  平成に入ってからこれまで二万人以上を超える退学生徒の多くは、現在十代後半から四十代前半に差しかかる年齢となっております。この退学高校生たちのその後については、転学などの再就学にしても、就職するにしても、多くの困難を伴ったはずであります。  このことによる影響は、平成十九年発表の就業構造基本調査にも見られました。本県において、年齢が十五歳から三十四歳で、家事も通学もしていない無業者のうち、求職活動をしていない、または就業を希望していない者、いわゆるニートは男性五千二百人、女性三千三百人の合計八千五百人と推計されておりました。高校中途退学者の増大は、この数字にも少なからず影響を与えているものと思われます。  このようなこともあり、その後の県内中学校での進路の指導が大きく変わりました。入れる高校から入りたい高校への転換でありました。具体的な取り組みとして、中学生が将来どんな職業につきたいのか、進路の方針を早目に考えることにつながりました。中学でのキャリア教育の推進であります。  また、中学校での通知表の評定も相対評価から絶対評価へ変更され、生徒自身の努力が受験時の内申点に反映されやすいようにもなりました。さらに、多くの受験生や父兄から、公平性の観点と推薦基準の不透明さなどから不評であった推薦入学制度が廃止され、平成十八年度からは通学区域を県下一円とし、希望する全ての受験生に二度の受験機会を与えるという受験機会の複数化、いわゆる前期・後期制、一般選抜枠、特色化選抜枠の導入という現行の制度が実施されることとなりました。  このような取り組みの結果、高校の中途退学者は、平成二十三年度にはピーク時の約三分の一、五百八十三人まで減少してきております。しかしながら、想像をはるかに超えるスピードで進む少子化などにより、現行の選抜制度をめぐる状況も大きく変化しており、中学校、高校及び保護者からの聞き取り調査においても、多くの課題が指摘されるようになってまいりました。  このことから、県教育委員会では、県立高等学校入学者選抜研究協議会を設置し、昨年七月から研究協議事項に関する検討を依頼しておりました。  先ごろ、その検討結果がまとめられ、報告されたようでありますが、まず、その検討結果の内容についてお尋ねいたします。  また、選抜試験を受験する生徒にとって、新制度の導入は重大な関心事であることから、新制度の内容や導入時期については、速やかな発表が望まれます。  検討結果に基づく新制度に向け、今後どのように進めていくのかお尋ねいたします。  次に、中高一貫教育について質問いたします。  併設型中高一貫教育では、高校入試を経ることなく併設型高校へ進学でき、六年間の計画的、継続的な教育活動を展開することによる学習の積み重ね、そして、高校で学習する内容の一部を中学校で指導することができるなどの教育課程の基準の特例による効果、そして、みずからの進路目標達成のために努力できる生徒の育成などが期待されております。  このような中、併設型中高一貫教育として注目されておりました県立三本木中学校第一回生が六年間の教育期間を経て、今春、県立三本木高等学校を卒業いたしました。  その教育成果については大いに注目されるところでありますが、まず初めに、ことし三月に卒業した県立三本木高等学校の卒業生の進学状況についてお尋ねいたします。  また、併設型中高一貫教育校の新たな設置について、今後の見通しをお伺いいたします。  教育行政についての三点目の質問は、学校現場における体罰の防止対策についてであります。  大阪市立桜宮高校の男子生徒自殺問題により、文部科学省が全国の体罰の第二次実態調査を実施し、それを受けて、本県教育委員会は先月、二〇一二年度に発生した県内公立小、中、高校の体罰のアンケート結果を公表いたしました。それによりますと、体罰を行った教諭の数は、県内小学校三十二校四十二人、中学校二十九校四十八人、高校十一校二十人で計七十二校百十人。被害人数は、小学校八十七人、中学校百十一人、高校二十八人の計二百二十六人。文部科学省が公表した第一次報告よりも全ての点で大幅に増加しておりました。  このアンケートの結果から見てとれたのは、体罰に対する認識において、教員と体罰を受けた児童生徒や保護者にギャップがあるということでありました。つまり、体罰を行っている多くの教員には、実は体罰を行ったという認識がなかったという点であります。無意識のうちに、あるいは体罰とは考えずに体罰を行っていったということがうかがえました。  このことは、今後の体罰の防止対策において非常に大きな問題点であると考えます。  そこで、体罰は根絶すべきであるという観点から質問いたしますが、まず、公立学校における体罰の実態把握により、百件以上の体罰が確認されたことに対する県教育委員会の見解をお伺いいたします。  また、県内公立学校における体罰の防止対策として、今後どのような取り組みを行っていくのかお尋ねいたします。  さらに、文部科学省では、全国の私立学校における体罰の実態調査も行っており、各都道府県では、次々とその結果を公表してきております。青森県においてもやがて公表されると思いますが、県内一万人に上る生徒がいる私立学校における体罰の防止対策についても、あわせてお尋ねいたします。  私の最後の質問は、国民体育大会開催に向けた新青森県総合運動公園の整備についてであります。  昨年十月、私が所属しておりました文教公安委員会では、長崎県諫早市に建設中の長崎県立総合運動公園新陸上競技場の調査に行ってまいりました。ことし三月の完成に向け、工事の出来高は九〇%を超え、工程も貴賓席の内装工事、一般座席シートの据えつけやトラックの走路の工事など、最終段階を思わせるものでありました。  担当の方の説明では、観客収容人数は約二万人、スタンドは全周がテント膜の屋根で覆われ、全ての席は背もたれつき独立シートとなっており、横十七・八八メートル、縦七・六八メートルの大型LEDビジョンも取りつけられておりました。屋根は長崎の教会をイメージし、屋外広場は出島風を意識したデザインが採用されておりました。また、百五十キロワットの発電力を有する太陽光発電や雨水再利用システムなど、環境にも十分配慮されたものでありました。  今現在は、既に完成しているはずのこの長崎県の競技場は、来年平成二十六年開催の第六十九回国民体育大会「長崎がんばらんば国体」をにらんでの整備でありましたが、今ごろは、国体のプレイベントなどで大いににぎわっていることと思います。  さて一方、我が県の新総合運動公園の整備に目を向けますと、今から二十一年前、平成四年に始まった新県営野球場建設工事によって出現した三内丸山遺跡により、工事出来高約二〇%ぐらいであった野球場の建設工事が即時中止され、その後、平成七年十二月の宮田地区移転決定を受け、新総合運動公園は宮田地区に順次整備されてまいりました。  しかし、財政難のあおりを受け、新総合運動公園内には、用地は確保されたものの、陸上競技場も野球場も建設されないまま、現在に至っております。その結果、県の運動公園は市東部の宮田地区と西部の安田地区に施設が分断された形となっております。  現在、県は、青森県スポーツ振興基盤整備計画に基づき、陸上競技場の整備に乗り出したようであります。これも、本県二度目となる国体開催をにらんでのことだと思いますが、県は、その開催時期について、いつごろを想定しているのかお示しいただきたいと思います。  また、国体開催には、陸上競技場のほかに、その正式種目である硬式野球競技が開催できる野球場の整備も必要であると考えます。  現在、安田地区にある県営野球場も一九六七年の完成でありますから、築後、既に四十五年を経過し、老朽化が進み、四十七年と言われる耐用年数もあと二年と迫っており、国体などでの試合の開催には現在の球場施設では実施が難しいとの指摘もあります。  そこでお伺いいたしますが、国民体育大会開催に向け、陸上競技場や野球場の建設など、今後の新青森総合運動公園に関して、必要とされる整備の現状についてお尋ねいたしまして、私の質問とさせていただきます。 62 ◯議長(西谷 洌) 知事。 63 ◯知事(三村申吾) 山谷議員にお答えいたします。  まず、私からは、今春の新規学卒者の雇用情勢の動向に関してでございます。  私は、本県の未来を担う若者が県内で意欲を持って就業し、能力を発揮していくことが重要であると考え、新規学卒者を初めとした若年者の就職支援と産業振興による働く場の確保に全力で取り組んできました。  特に、新規高等学校卒業者の県内就職促進については、私みずからが、労働局長、教育長とともに、経済団体に対して求人提出と採用活動の早期取り組みを要請した上で、県職員による求人開拓ローラー作戦を実施するなどの取り組みを進めてきたところでございます。  今春の新規高等学校卒業者の就職率や求人倍率は、過去十年で最高となっておりますが、これは、県内企業の方々に御尽力いただいた結果でありますとともに、これまで県が産業・雇用を最重要課題と位置づけ、産業振興と雇用対策に邁進してきた効果があらわれてきているものと認識をしているところでございます。  今後とも、一人でも多くの新規学卒者が、ふるさと青森県で働き、生き生きと安んじて暮らしていけるよう、引き続き産業・雇用対策に全力を挙げて取り組んでいきます。  ピカイチデータの刊行目的についてでございます。  本県に関する統計データを見ますと、リンゴの収穫量が日本一であることや早寝早起きが日本一──議員からも御指摘いただきましたが──など、県民が誇れるすばらしいデータや特徴的なデータが数多くありますとともに、県内の市町村においてもナンバーワン、オンリーワンのすばらしい多くのデータがございます。  このようなデータをわかりやすく紹介することにより、ふるさと再発見や青森県に対する理解と関心を深めるきっかけとなること、さらには、あすを担う子供たちが統計に興味を持ち、郷土への愛着や知識を深め、ふるさとに誇りを持ち青森県のすばらしさを改めて認識してもらうことを目的として、平成十一年度から「ピカイチデータ 数字で読む青森県」を刊行しているものであります。  この冊子は、県のすばらしいところを集め発信するということでは、全国に先駆けた取り組みであり、私自身も機会あるごとにこの冊子を活用して、本県のすばらしさの紹介に努めているところでありますが、なお塩分問題につきましては、まさに御指摘のとおり、大きな課題として、これもまた冊子を活用しながら、何というか、一番でない、二番でもだめ、十番と、もっと減らそうということにも活用させていただいております。御指摘ありがとうございました。  というわけで、県民が健康で長生きするために、県としての取り組みということでございます。  私は、県民の皆様の命と人生が輝いて、生き生きと暮らしていけることが最終目標の一つであると考えております。  そして、この三月には、全国との健康格差が縮小され、子どもから大人まで、全ての県民が希望と生きがいを持ち、健康で幸せに暮らす社会を十年後のめざす姿とした青森県健康増進計画「健康あおもり21」(第二次)を策定しました。  この計画では、県民のヘルスリテラシーの向上、ライフステージに応じた生活習慣等の改善、生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底、県民の健康を支え、守るための社会環境の整備を基本的な方向と定め、早世の減少と健康寿命の延伸により全国との健康格差の縮小をめざすこととしております。  県では、一人一人の県民の皆様の主体的な健康づくりに対する取り組みを、広く市町村、民間団体等の積極的な参加協力を得ながら、社会全体として支援していく環境を整備し、個人の努力と社会の力を合わせて、総合的、効果的に推進していくこととしております。  本年九月四日には、健康あおもり21ステップアップ県民大会を開催し、健康づくりを担う関係者間の意思統一を図りますとともに、健康づくり運動を県民の皆様へアピールすることとしており、本県の健康づくりの機運をさらに盛り上げていきたいと考えております。  続いて、クルーズ船寄港に対する県の認識でございます。  近年の世界的なクルーズ需要の高まりの中で、特にアジアに配船されますクルーズ船の大型化が顕著になっており、日本を含めたアジア発着の大型クルーズ船で、多くの観光客に青森にお越しいただくことは、港湾の利活用促進やインバウンド推進の観点から大変重要なことと認識いたしております。  青森港には、例年十隻程度のクルーズ船が寄港しておりますが、今年度は総トン数約八万トン、乗客定員約二千名で、これまで最大のサン・プリンセス号を初め、外国船が延べ八隻、日本船が延べ十隻の十八隻が寄港を予定するなど、これまでで最多の寄港数となる見込みでございます。  これは、青森港が静穏度の高い陸奥湾に位置する天然の良港であり、また、市街地に近く買い物などに便利であること、そして何より、青森県が誇ります十和田湖や白神山地を初めとした観光地へのアクセスがよく、豊富なコース設定が可能なことなど、青森港が日本で有数の魅力的な港であるということを積極的にポートセールスしてきた成果であると考えているところでございます。  クルーズ船の寄港は、港湾の利活用や観光客の誘客促進、さらに県産食材の消費拡大などの面で重要でありますことから、今後とも、青森県が有する多くの魅力を最大限にアピールしつつ、これまで以上に受け入れ体制の整備やポートセールスに取り組んでいきたいと考えております。  私からは以上です。 64 ◯議長(西谷 洌) 総務部長。 65 ◯総務部長(中村 賢) 体罰の問題につきまして、知事部局所管分、私立学校でございますが、御答弁を申し上げます。  体罰は、学校教育法で禁止されている決して許されない行為であり、校長及び教員は、児童生徒への指導に当たり、いかなる場合においても体罰を行ってはならないものであります。  このため、県では、各私立学校に対し、これまでも文書により体罰禁止の徹底を図ってきたほか、体罰が疑われる事案があった場合には、学校に対して事実確認を含め、適切な対応を行うよう指導してきたところでございます。  県といたしましては、今後も体罰の防止に向け、引き続きこうした指導を行ってまいりますとともに、教育委員会の協力も得ながら、より一層、私立学校に対し体罰禁止の趣旨を周知徹底し、各私立学校の教員等の意識向上が図られますよう指導してまいりたいと考えております。 66 ◯議長(西谷 洌) 企画政策部長。 67 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 「ピカイチデータ 数字で読む青森県」についての御質問二点にお答えいたします。  まず、どのように活用されているのかについてであります。  「ピカイチデータ 数字で読む青森県」は、県内のさまざまなデータや事柄をわかりやすくコンパクトにまとめていることから、県庁においては、県外からの来訪者などに配布し、本県のよいところを知っていただく有用な冊子として活用しています。  また、小・中・高等学校や県内市町村、県内主要図書館などの関係機関に配布するとともに、県のホームページにも掲載しており、関係機関からは、本県の紹介や学校の授業などのさまざまな場面で活用しているとの声が寄せられております。  さらには、配布を希望する個人の方にも提供していますが、冊子を見て改めて地域のことを理解したという声や地域の学習会でも活用しているという声などが寄せられているところです。  次に、広く県民に普及させていくことについての県の考え方であります。  「ピカイチデータ 数字で読む青森県」は、さまざまな場面で活用いただける冊子ですが、特に教育現場においては、子供たちが統計に興味を持ち、郷土への愛着や知識を深め、ふるさとに誇りを持つことにつながる有用な冊子であると考えております。  このため、県内の小学校については、平成二十二年度から社会科や総合的な学習の時間などで地域の特色を学ぶ四学年全員に配布対象を拡大しており、積極的に活用していただくこととしております。  今後とも、内容の充実を図るとともに、教育現場を初め、さまざまな場面において活用いただけるよう情報発信するなど、さらなる普及に努めてまいります。 68 ◯議長(西谷 洌) 環境生活部長。 69 ◯環境生活部長(林 哲夫) 一般廃棄物の関係についてお答えいたします。  まず、県の基本的な考え方についてでございます。  議員も御承知のように、家庭から排出されますごみや事業所から排出される紙ごみなど、いわゆる一般廃棄物につきましては、市町村が処理することとされているところでございます。  これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済活動は、最終処分場の不足など全国的に深刻なごみの問題を引き起こしておりまして、本県でも、ごみの削減、再利用、そして再生利用といったいわゆる3Rの一層の推進が求められているところでございます。  このため、県におきましては、平成二十年度から、もったいない・あおもり県民運動を展開しまして、県民、事業者、各種団体や行政など、多様な主体がパートナーシップのもと、もったいないの意識を持ってごみの減量やリサイクルに取り組んでまいりました。  また、本県の地域性を生かした循環型社会の形成を目指して、第二次青森県循環型社会形成推進計画を平成二十三年三月に策定いたしまして、廃棄物の適正処理と資源の循環利用の一体的な推進のための施策を展開してきたところでございます。  県といたしましては、本県の豊かな自然環境を将来に確実に引き継ぐためにも、県民、事業者及び市町村等と連携しながら、地球に優しい持続可能な青森型社会の形成に向けて、引き続き取り組んでまいります。  次に、一般廃棄物の排出量、リサイクル率の現状と課題についてでございます。  一般廃棄物の処理実績につきまして、直近のデータでございます平成二十三年の状況を申し上げますと、県民一人一日当たりの排出量でございますが、前年度に比べて九グラム減少いたしまして、千三十八グラムとなっております。この数字は、全国平均が九百七十五グラムでございますので、比較いたしますと六十三グラム多いという状況になってございます。  この本県の排出量につきまして、さらに生活系ごみと事業系ごみに分類して全国平均と比較してみますと、生活系のごみは全国平均を十四グラム上回っているのに対しまして、事業系ごみは四十九グラム上回っている状況にございます。こういったことから、特に事業系ごみの削減の促進が課題として挙げられるものと認識しております。
     また、リサイクル率について見ますと、前年度に比べて、本県は〇・七ポイント上昇いたしまして、一三・六%となっておりますものの、議員からも御指摘ございましたように、全国平均が二〇・四%でございますので、これと比較いたしますと六・八ポイント低いという状況になってございます。  その主な要因といたしましては、新聞や雑誌、段ボールなどの紙類の資源化量が全国平均の三分の二程度にとどまっていることが挙げられますことから、この紙類の資源化の促進というものが課題であると認識しているところでございます。  この一般廃棄物の減量、そしてリサイクルの推進に向けた今後の取り組みについてでございます。  平成二十年度から展開してまいりましたもったいない・あおもり県民運動におきましては、レジ袋の無料配布取りやめによるレジ袋の削減、家庭系紙ごみ対策として、古紙リサイクルエコステーションや古紙リサイクルセンターの設置の促進、事業系紙ごみ対策として、事業所から無料で古紙の回収を行うオフィス町内会の設立の支援、このもったいない・あおもり県民運動の普及啓発を図るためのフォーラムの開催、こういった事業を行ってまいりました。あわせまして、県の広報を通じて、県民や事業者などに3Rの必要性や具体的な取り組み方法などの普及を行ってきたところでございます。  今年度につきましては、このもったいない・あおもり県民運動の継続とともに、市町村の取り組みをより一層支援するため、家庭ごみ有料化などの施策ごとにごみ排出量、リサイクル率等の将来予測を行いまして、市町村におけるごみ処理の最適化方策を検討することとしております。  また、事業者対象のごみ減量・リサイクル推進セミナーの開催や古紙排出量が多い事業者へのオフィス町内会等の利用の働きかけ及び事業系ごみの中では紙類に次いで多いと言われております食品残渣のリサイクルループの構築に向けたモデル事業に取り組むこととしております。  今後とも、県民、事業者、市町村などの各主体によります取り組みの拡大を促進し、ごみ減量化とリサイクル率の向上に努めてまいります。 70 ◯議長(西谷 洌) 健康福祉部長。 71 ◯健康福祉部長(江浪武志) 御質問五点につきましてお答えを申し上げます。  まず、青森県におきます生活保護受給世帯の推移と現状についてでございます。  本県におきます生活保護受給世帯は、平成八年度から継続して増加しておりまして、月平均の生活保護受給世帯は、平成八年度の一万千三百十五世帯から、平成二十四年度には二万二千九百八十三世帯と、この十七年間でほぼ倍増となってございます。  ただし、過去三年間におきます伸び率で見ますと、対前年度比で平成二十二年度が六・九%の増加でしたが、平成二十二年度から平成二十三年度にかけては四・三%の増、平成二十三年度から平成二十四年度にかけては二・四%の増と緩やかになっております。  次に、平成二十四年度におきます月平均の生活保護受給世帯を世帯類型別に見ますと、高齢者世帯が一万千四百五世帯、四九・六%と最も多く、次いで、傷病・障害者世帯が七千百七十二世帯、三一・三%、その他の世帯が三千四百九世帯、一四・八%、母子世帯が九百九十七世帯、四・三%となっております。  なお、保護人員の人口千人当たりの比率であります保護率につきましては、平成八年度の一一・〇一パーミルに対しまして、平成二十四年度には二二・三五パーミルと一一・三四ポイントの増となってございます。  次に、生活保護受給者の自立に向けた就労支援の取り組みについてでございます。  福祉事務所におきましては、稼働能力のある生活保護受給者ごとに、就労支援に関する援助方針を策定し、早期就労による自立に向け就労支援に取り組んでおります。  具体的には、公共職業安定所と連携いたしまして、ケースワーカーや福祉事務所に配置されました就労支援相談員による求人情報の提供及び公共職業安定所への同行訪問等を行っております。  また、就職のため、技能や資格の取得が必要な方に対しては、その授業料、教科書・教材費及び資格検定に要する費用を生活保護の生業扶助費で支給するほか、公共職業安定所を通じて、職業能力開発校での職業訓練等の受講を紹介しております。  このほか、被保護者みずから積極的に就労活動に取り組む方について、自立意欲をより高める観点から、就労活動を促進するための手当を支給する就労活動促進費が今年度から創設され、八月から実施されることとなっております。  次に、青森県におきます不正受給の主な内容と防止対策についてでございます。  県では、国の指導のもとに、生活保護法第七十八条の適用により返還を求めたケースについて、不正受給件数として国に報告をしているところであります。  本県の平成二十四年度の不正受給件数は二百八十八件、不正受給金額は六千九百七十二万円となっております。  本県におきます平成二十四年度の不正受給の主な内容は、稼働収入の無申告、過少申告が百六十五件、各種年金等の無申告が七十九件となっておりまして、件数では全体の八割以上を占めております。  このため、各福祉事務所では、生活保護受給者に対しまして、家庭訪問等を通じ、収入申告の義務について周知しているほか、毎年、課税調査を実施し、適正に収入申告がなされているか確認をしておりまして、県としても、生活保護法施行事務監査等を通じて、不正受給防止対策のさらなる徹底を指導しているところでございます。  次に、本年四月に行われました県保健医療計画の見直しの主な内容についてでございます。  本県の保健医療を取り巻く環境は、高齢社会の進展に伴う疾病構造の変化や介護ニーズの増大、医療技術の高度化、さらには県民の保健医療に求める内容の多様化など大きく変化しております。県では、このような状況を踏まえまして、見直し前の保健医療計画の期間満了に伴いまして、今後の保健医療提供体制の充実を図るため、本年四月に青森県保健医療計画の見直しを行いました。  今回の見直しの主なものといたしましては、従来の計画で定めておりましたがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の四疾病と救急医療、災害医療、僻地医療、周産期医療、小児医療の五事業に加えまして、精神疾患及び在宅医療についても医療連携体制に必要となる関係機関の役割、医療機能について定めたことが挙げられます。  また、それぞれの疾病、事業につきまして、公的統計等を用いた指標等に基づき、地域の医療提供体制の現状を分析して課題を抽出したこと、そして、この課題を解決するため、数値目標を定めて、その目標達成のために必要な施策を盛り込んだものでございます。  最後に、県保健医療計画に掲げる目標を達成するための取り組みについてでございます。  県では、本計画に掲げた目標を達成するためには、県のほか、県民、保健医療機関、関係団体、市町村等がそれぞれの役割を認識し、相互に連携を図りつつ、主体的に保健医療分野の取り組みを進めることが必要と考えてございます。  そのため、県では、県の広報媒体の活用や報道機関への情報提供など、さまざまな方法を活用して保健医療関係者や市町村はもとより、広く一般県民に周知し、本計画に対する理解と協力を得るよう努めてまいります。  また、先ほど申し上げました五疾病、五事業及び在宅医療につきましては、疾病分野ごとに設置いたします協議組織におきまして、数値目標を踏まえ、毎年度進行管理を行うほか、計画全体の数値目標等の達成状況につきましては、適時適切に調査分析及び評価を行いまして、青森県医療審議会の意見を聞いて、必要があるときは目標達成のための施策を追加するなど計画を充実させ、本計画に掲げる目標の達成に向けて積極的に各施策に取り組んでまいります。 72 ◯議長(西谷 洌) 商工労働部長。 73 ◯商工労働部長(馬場良夫) 新規学卒者の雇用対策二点についてお答えいたします。  まず、未就職者に対する今後の対策についてでございます。  県では、新規学卒者の未就職者等を対象といたしまして各種事業を展開してきているところでございます。  まず、国の緊急雇用創出事業を活用いたしました未就職者等正規雇用化促進事業は、学卒未就職者等に対して、座学研修や資格取得等による人材育成を実施いたしますとともに、企業における実務経験を積ませることでスキルアップを図り、事業終了後の正規雇用化を目指すもので、現在四企業で八十八名を求人しているところでございます。  また、ジョブカフェあおもり、ハローワークヤングプラザ、あおもり若者サポートステーションの三つの若年者就職支援施設を一体的に運営しておりますヤングジョブプラザあおもりにおきましては、三施設の職員がチームを組んで学卒未就職者等の就職を集中的に支援するなどの取り組みを進めております。  一人でも多くの学卒未就職者が就職できるよう、青森労働局などの関係機関と連携しながら就職支援に取り組んでまいります。  次に、雇用のミスマッチに対する対策についてでございます。  県では、新規学卒者の雇用のミスマッチの解消に向けて、まずは、就労前から若年者の就労意識の形成を図っていくため、高校生や保護者を対象とした就労意識形成セミナーを開催してきております。  また、高校生が県内企業の理解を深め、自主的に企業・職業選択をすることができるよう、各高校が実施いたします企業見学会の開催を支援してきているほか、県出身大学生等を対象に、県内企業との面談の場でございます就職ガイダンスを県内三市、そして東京、仙台で開催してきているところでございます。  さらに、新規学卒者を初めとします若年者の職場定着のためには、若年者本人が社会人としての心構えやビジネスマナーを習得するとともに、若年者を指導する管理職等が社員育成のノウハウを持つことが必要でありますことから、新入社員、中堅社員、経営者、管理職それぞれに対する研修会等も開催してきているところでございます。  県といたしましては、今後とも、青森労働局等の関係機関と連携を図りながら、新規学卒者の雇用のミスマッチを防ぎ、県内企業への就職と定着促進に努めてまいります。 74 ◯議長(西谷 洌) 県土整備部長。 75 ◯県土整備部長(横森源治) クルーズ船関係の御質問四件についてお答えいたします。  まず、クルーズ船誘致のため、県が行っているセールス活動の取り組みについてでございます。  青森港につきましては、平成十二年度から県や市、民間団体等で組織する青森港国際化推進協議会が中心となって、他港に先駆けてクルーズ船の誘致活動を展開してまいりました。  国内外の船会社等へのポートセールスやクルーズコンベンション等への出展により、港の機能や寄港地観光についての売り込みを実施するとともに、平成二十年度から、船会社において航路設定の決定権を持つキーパーソンを招聘し、埠頭の見学や実際の寄港地観光を体験していただくなど、本県の魅力をアピールし、寄港の誘致につなげてきたところでございます。  今後は、新たにクルーズ専用セールスパンフレット等を作成するとともに、クルーズ需要の高まっているアジア発着のクルーズ船の誘致活動に取り組んでまいります。  次に、クルーズ船寄港の際、民間団体等が行う歓迎態勢に対する県の支援策についてでございます。  新中央埠頭へのクルーズ船寄港の際には、青森港国際化推進協議会が、ねぶたばやしや津軽三味線の演奏など、乗客の方々に青森らしさを感じていただけるセレモニーを実施しているほか、地元商店街や有志による県産品の販売、町なかでの通訳サービスなど、さまざまなおもてなしを実施しております。  今年度からは、埠頭周辺での活動に限らず、県内全域を対象に、商工団体や観光団体等が実施する寄港地の魅力向上や乗降客の満足度を高めるためのモニターツアーの企画など、クルーズ客向けの観光コンテンツ開発の取り組みを支援することとしており、歓迎・受け入れ体制の整備がより一層図られるものと考えております。  今後も、クルーズ船の寄港に適した青森港新中央埠頭の魅力を強くアピールし、乗客や船会社に、また青森に来たいと思っていただけるよう取り組んでまいります。  次に、青森港新中央埠頭に大型クルーズ船が入港する際の安全性確保についてでございます。  青森港新中央埠頭の岸壁は、水深十メートル、延長二百八十メートルに前後の取りつけ部各三十メートルを加えた全長三百四十メートルの岸壁で整備され、これまでに最大約八万トン級の客船が安全に入港しております。  一方で、昨今の客船の急激な大型化により、全長二百八十メートル、十万トンを超える大型客船がアジアにも配船されるようになっており、青森港も平成二十四年度に十一万トン級の客船が貨物埠頭である沖館埠頭に入港する予定でございました。  実際には、台風の影響により寄港されませんでしたが、こうした新中央埠頭の岸壁の公称延長を超える大型客船を安全に寄港させるため、今年度、同埠頭の岸壁や設備の機能及び強度、船の操作方法等について、客船の能力に応じたさまざまな角度からの検証を行うこととしております。  具体的には、船の操作シミュレーションの実施や検討委員会の開催など、安全な入港を保証するための検討を行うこととしております。  新中央埠頭が安全に受け入れられる最大の客船を把握することにより、大型客船の寄港が増加し、より多くの方々が青森県の観光を楽しんでいただけるよう取り組んでまいります。  最後に、旅客ターミナルの件でございます。  風や雨、雪などの影響を受けることなく乗客が円滑にクルーズ船に乗下船していただけるためには、旅客ターミナルは極めて有効な施設であると考えております。  しかしながら、旅客ターミナルの整備につきましては、その費用対効果の検証も必要と考えておりまして、横浜や博多など、既に旅客ターミナルが設置されております港湾のクルーズ船の寄港実績も踏まえながら、今後の青森港におけるクルーズ船の寄港状況等を勘案し、将来的な課題として検討してまいりたいと考えております。 76 ◯議長(西谷 洌) 教育長。 77 ◯教育長(橋本 都) 御質問八点にお答えいたします。  入学者選抜に関して、初めに、県立高等学校入学者選抜研究協議会の検討結果についてであります。  県立高等学校入学者選抜については、中学校の学習指導要領の改訂など、現行制度を取り巻く状況が大きく変化してきていることから、県教育委員会では、学識経験者、保護者の代表及び学校関係者等から構成される県立高等学校入学者選抜研究協議会を設置し、現行制度の課題や今後の入学者選抜制度のあり方について検討を依頼しました。  昨年度末、同協議会から提出された報告書では、現行制度の課題として、中学校の増加した授業時数を確保するため、学校行事等を削減するなどの影響が出ていること、前期、後期二回の選抜により不合格を経験する生徒が多くなり、受験生に心理的負担を与えていること、特色化選抜が複雑でわかりにくいなどの指摘がありました。  また、これらの課題に対し、現行の前期、後期二回の入学者選抜を一本化することが望ましい、一回の選抜で欠員が生じた場合は、補充するための選抜を実施することが望ましい、一般選抜と特色化選抜を行うこととし、特色化選抜については、現行制度の課題について改善を図り実施することが望ましいという改善の方向が示されております。  次に、新制度に向けた今後の進め方についてです。  現在、協議会の報告書をもとに新制度案について、来月七月の公表を目指して庁内で詳細に検討しているところです。  新制度案公表後は、県内六地区で説明会を開催するとともに、パブリックコメントを実施するなど学校及びPTA関係者を初め、広く御意見を伺うこととしており、その後、いただいた意見を踏まえて新制度を策定することとしております。  新制度決定後においては、広報紙や地区説明会等を通じて周知を図るとともに、中学生に対しては、不安が少しでも解消されるようパンフレットを配布し、新制度の円滑な実施に努めてまいります。  なお、これら新制度に向けた準備が順調に進んだとしますと、早ければ、現中学校二年生が受験する入試から実施したいと考えております。  次に、中高一貫教育に関連して、三本木高等学校の今春三月卒業生の進学状況についてです。  併設型中高一貫教育は、六年間を見通した柔軟な教育課程を設置し、生徒の個性や能力を最大限伸ばすことにより、生徒一人一人の進路志望の達成を目指すとともに、年齢の異なる生徒の触れ合いの中で社会性や豊かな人間性を育成することを狙いとしており、本県では、平成十九年度に県立三本木高等学校附属中学校を設置し、本年三月、その第一期生が三本木高等学校を卒業しました。  今春の卒業生は、六年間を見通した教育課程の中で、人間と自然とのかかわりを学ぶ森林環境学習として、国有林で専門家のお話を伺ったり、大学の研究室を訪問し、教授から学問や研究の意義について学ぶなど、幅広い体験活動を通してみずからの可能性を発見し、チャレンジする精神を育んできたところであり、その結果、みずからの進路実現に向けて、高い志を持って意欲的に挑戦する生徒がふえています。  今春の卒業生は、大学・短期大学等への進学者数は百九十五名で、進学率は八三・〇%でした。  内訳としましては、国公立大学への進学者数は百二名、私立大学への進学者は八十五名となっております。  また、医学部医学科進学者数は同校で過去最高の五名であり、そのうち附属中学校出身者は五名中四名でございました。  併設型中高一貫教育校の新たな設置についてであります。  併設型中高一貫教育につきましては、昨年十一月に策定した県立高等学校教育改革第三次実施計画後期でも述べられていますとおり、三本木高等学校及び附属中学校における併設型中高一貫教育のメリットを生かしたさまざまな教育活動の取り組みや、その教育効果などについてしっかり検証する必要があります。  新たな設置につきましては、今春、併設型中高一貫教育の第一期生が卒業したところであり、引き続き教育効果等を分析するとともに、全県的な配置バランスや地区ごとの将来における中学校在籍者数などを考慮しつつ検討してまいります。  次に、体罰の防止対策について。  初めに、百件以上の体罰が確認されたことに対する見解であります。  公立学校における体罰の実態把握は、文部科学省の依頼を受け、県内全公立学校を対象として、平成二十四年度中の体罰の実態について調査を行ったものですが、その結果、議員からもお話がありましたが、県内公立学校全体で七十二校、百十件の体罰が確認されたものです。  教員による体罰は、児童生徒に肉体的苦痛を与え、心身を傷つける人権侵害であり、いかなる理由があっても絶対に許されないものであります。  このため、県教育委員会では、体罰の禁止についてこれまでも再三にわたり指導してきたところですが、このような結果が明らかになったことはまことに遺憾であります。  体罰が起きた要因としては、体罰に対する教員の意識の問題や教職員間の協力体制など、学校運営上の問題が背景にあると考えられることから、県教育委員会では、今後も市町村教育委員会等と連携しながら、あらゆる機会を通じて教員への意識啓発及び組織的な学校運営について指導を徹底してまいります。  次に、体罰を防止するための取り組みについてです。  体罰の禁止については、これまでも、各市町村教育委員会及び県立学校長に対して機会あるごとに、会議や通知等により指導の徹底を要請してまいりました。  さらに、本年四月には、教職員の意識啓発用のリーフレットを全教職員に配付するとともに、校内研修等で活用して全教職員の意識を高め、体罰を起こさないよう学校一丸となって取り組むよう要請をしました。  また、総合学校教育センターで実施する教職員対象の研修においても、初任者研修、教職経験五年研修、十年経験者研修、校長研修講座等で、学級・ホームルーム経営の指導力を向上させ、児童生徒との信頼関係を深めるなど、体罰によらない指導及び教職員の服務規律に係る研修内容の一層の充実を図っているところです。  これらの研修に加え、本年度、新たに体罰問題等に関する特別セミナーを開催することにより、体罰の禁止を徹底することとしております。  こうした取り組みを通じて、市町村教育委員会等と連携し、体罰の根絶に向け指導を徹底してまいります。  最後に、国民体育大会開催に向けた整備についての御質問のうち、本県開催時期の想定についてであります。  国民体育大会は、スポーツ基本法において、公益財団法人日本体育協会、国及び開催地の都道府県が共同して開催することと定められており、本県では、昭和五十二年に第三十二回あすなろ国体を開催しています。  開催地については、国民体育大会開催基準要項において、全国を東地区、中地区、西地区の三つに区分し、輪番で開催することとなっており、本県は北海道・東北及び関東ブロックで構成されている東地区に所属し、現時点で二巡目の開催が決まっていないのは、青森県、群馬県及び山梨県の三県となっています。  このような状況から、青森県体育協会では、国民体育大会の本県招致について検討を行い、加盟する競技団体及び市町村体育協会の意見集約を図りました。  このことを踏まえ、去る六月七日開催の県体育協会評議員会において、平成三十七年に開催となる第八十回国民体育大会本大会の招致に関する要望が正式決定され、今後、県、県議会及び県教育委員会に対し要望書を提出する予定であると伺っております。
     最後に、国民体育大会開催に向けた整備の現状であります。  県教育委員会では、県民の生涯にわたるスポーツライフの実現を目指し、本県のスポーツ振興を継続的、計画的に推進するため、平成二十三年十月に、青森県スポーツ振興基盤整備計画を策定し、この中で、老朽化した県有体育施設のうち、陸上競技場、水泳場及び野球場について計画的に改築整備していくこととしています。  中でも、陸上競技場については、国民体育大会などの大規模大会やプロスポーツなど、さまざまな競技が可能な県内唯一の第一種公認競技場として、より多くの県民の利用が期待されることから整備を優先することとし、今年度、設計を行うことになっております。  また、水泳場、野球場については、国民体育大会の開催時期等を踏まえ、順次整備していくこととしています。  以上でございます。 78 ◯議長(西谷 洌) 山谷議員。 79 ◯十八番(山谷清文) 一点だけ、意見を述べさせていただきたいと思います。  今お答えがありましたように、国体は平成三十七年ということで、実は、きのう体協というか、スポーツ議連のほうの総会でそういう要請の話もありましたので、薄々三十七年になるという御答弁は予想していたんですけれども、実際、私は、もうちょっと早目というか、平成三十四年とかそういう時期も選ばれるというか、選定されるかなということもあったので、三十七年というと、私が考えていたよりも遅かったかなという感じも受けておりますが、そういうわけでスタートラインにそろそろつくところだということで認識をいたしました。  先ほど、菊池議員からの質問にもありましたけれども、あと十二年、考えてみると、十二年と言えばあっという間かもしれません。というのは、その国体の時期に選手となっている子供の年齢は、今の小学生と中学生になると思います。天皇杯を目指すか目指さないかは別としても、青森県の子供たちのスポーツの振興というか選手の育成も、急がないと、なかなかいい成績を残せないかなという感じもいたしております。  それと、今御答弁にありました施設の整備です。  平成十年の三月に作成されましたこの新青森県総合運動公園基本設計によりますと、今はもう実際設計のほうをしている陸上競技場は、財団法人日本陸連第一種公認に準拠ということで、その規模とか仕様で進めていくと思いますけれども、もう一つ、先ほど質問の中でも言いましたけれども、野球場の件なんですけれども、今から二十一年前に三内丸山遺跡が出て、プロ野球仕様の工事をしていたその野球場──私も見に行きました。一塁側のスタンドができ上がっている状況で見つかったものですから、全て出来高二十数%上がっていたものを更地に戻して、丸山遺跡の発掘にいったという経緯がありまして、当時、青森県でプロ野球を開催できる野球場がなかったものですから、北村知事の英断かどうかはあれですけれども、近くに県営球場がありながら、プロ野球の試合ができる球場をつくろうということで、三内丸山地区に設計をかけてつくった経緯がありました。  それから二十一年間、財政改革やら予算が少ないということで、残念ながら新しい球場はつくられないまま現在に至っております。そういう中では、よく、隣の芝は青く見えるという話もあるんですけれども、東北六県では、プロ野球が見られないのは青森県だけという有名な話があるんですけれども、隣の秋田県、岩手県を見ますと──私、資料をいただきましたので、秋田県は平成十九年の秋田国体に合わせて、平成十五年に新しいこまちスタジアムをつくって、今現在プロ野球も招聘できる、そういう球場になっておりますけれども、去年の試合実績を見ますと、五月十二日と十三日には巨人対ヤクルト、二日間やっています。それから、八月一日にはソフトバンクと楽天戦、それから八月二十八日には中日・巨人戦とやっています。それから、ことしはジュニアオールスター戦も七月十八日に予定している。  この秋田の球場なんですけれども、秋田国体のときにつくっていったと思うんですけれども、地元のシンクタンクの計算では、秋田国体というのは一千億円の経済効果があったと。青森県も、そういう意味では国体開催でかなりの経済効果が見込まれると思いますので、知事さん、金かかる、金かかると何もつくらないで、経済効果のことも考えれば──それから野球場は、子供たちの夢を乗せた野球少年たちのプロ野球を見たいという気持ちを何とか、夢を達成させてあげたいというか、そういう思いもあると思いますので、何とかその辺をお考えしていただきたいと。  それから、岩手県のほうも言わせていただきますと、岩手県は、去年は、これまた不思議な球場で、昭和四十五年につくられている。青森県の県営球場と同じころにつくられているんですけれども、岩手県の方たちは、この球場を改修に次ぐ改修で、常に改修をして、今現在プロ野球のできる施設にしちゃっているんですね。去年の開催のこれを見ますと、七月三十一日にはソフトバンク対楽天、ちょっと雨で中止になりましたけれども、八月二十九日には中日対巨人戦をやっています。それから、七月二十三日にはオールスターゲーム第三戦も開催しているんですね。そういう意味では、青森県も一日も早く野球場の整備、陸上競技場も水泳をやるプールもそうですけれども、野球場のほうも、ぜひ一日も早い計画で進めていただきたいというのをお願いして、終わります。 80 ◯議長(西谷 洌) 以上をもちまして一般質問を終わります。    ──────────────────────       ◎ 本 会 議 休 会 提 議    ────────────────────── 81 ◯議長(西谷 洌) 本職から提議があります。  お諮りいたします。議案熟考のため、六月二十四日は休会といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 82 ◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、明二十二日及び二十三日は県の休日ですから休会であります。  以上をもって本日の議事は終了いたしました。  六月二十五日は午前十時三十分から本会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。 午後四時二十九分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...