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平成18年第245回定例会(第4号)  本文 開催日: 2006-03-06
平成18年第245回定例会(第4号) 名簿 開催日: 2006-03-06

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  1. 青森県議会 2006-03-06
    平成18年第245回定例会(第4号)  本文 開催日: 2006-03-06


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(成田一憲)  ただいまより会議を開きます。     ───────────────────────       ◎ 一 般 質 問 継 続     ─────────────────────── 2 ◯議長(成田一憲)  一般質問を継続いたします。  十三番山谷清文議員の登壇を許可いたします。───十三番山谷議員。 3 ◯十三番(山谷清文)  おはようございます。真政クラブの山谷清文でございます。  早速ではございますが、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  昨年、西暦二〇〇五年、我が国日本はいよいよ人口減少時代に突入いたしました。  厚生労働省の平成十七年人口動態統計の年間推計によると、出生数から死亡数を引いた人口の自然増加数が一九四七年(昭和二十二年)以降初めてマイナス一万人となり、これまでの予想よりも二年も早く、我が国は、人口減少社会、いわゆる縮む社会を迎えることとなりました。  将来の推計人口は今後もこの傾向が続き、現在一億二千七百万人の日本の人口は、二十五年後の二〇三〇年には一億八百万人、二〇五〇年には八千五百万人程度にまで減少が進むとする試算もあります。  このような急激な人口の減少は、第二次世界大戦後の一九四八年、当時深刻であった食料問題に対して、国策として優生保護法が制定され、産児制限が国民に求められたことが大きく影響していると思われます。  そのことは、一九四八年から三年間のベビーブーム時代にはいずれの年も二百六十万人を超えていた全国の出生数が、それからわずか六年後の一九五六年(昭和三十一年)には───この年は三村知事の生まれた年でもありますが───百万人も少ない百六十万人台にまで落ち込んでいることからも明らかになっております。  その後、我が国の出生数は、社会構造の変化などもあり、第二次ベビーブームの時期を除いて徐々に減り始め、昨年は何と百六万人台までとなってしまいました。  国策によりつくり出されたいびつとも言える世界に類を見ない人口構造、団塊の世代と称される人口の固まり、そして、人口減少と深い関係のある二〇〇七年問題などと言われるその世代の人たちの退職問題と相まって、少子高齢化のさらなる進展とともに、現在見られる年金問題や医療、福祉の問題、さらには労働力の減少問題など、今後の日本の社会に、より一層の多くの問題を引き起こす要因となっております。  一方、我が青森県の人口動態についてでありますが、県人口の減少は、御承知のとおり全国の減少よりかなり速いペースで進んでおり、一九八五年(昭和六十年)の百五十二万四千四百四十八人を最高に、その後急激なスピードで減少し続け、本年一月一日現在の推計人口は百四十三万四千九百七人となり、二十年間で八万九千五百四十一人の減少となり、現在のむつ市と下北郡を合わせた人口八万三千五百三十二人、つまり、下北半島丸々その分以上の人口が減少したのであります。  また、この一年間の減少人口も一万四千八百二十五人となっておりますが、この数は、北郡中泊町、あるいは上北郡下田町分の人口が丸々減少したのと同規模の減少数となっております。  この異常なペースは、国立社会保障人口問題研究所が四年前の二〇〇二年三月に発表した都道府県別将来推計人口の推計値よりも約三万人も減少数が多く、同研究所による二十年後の推計県人口は百三十万人を割り込むようなペースとなっております。  また、青森県の県人口の減少の特徴は、推計人口の算出の根拠である、出生者数から死亡者数を引いた自然動態における自然増減数と、県外からの転入者数から県外への転出者数を引いた社会動態における社会増減数の双方ともかなりの減少数となっているところにあると思います。  このことは、青森県の県勢の減退を招いているとともに、現在の青森県の姿───短命県、人材流出県、過疎の県と言われる姿を如実にあらわしている現象であると思います。
     以上述べてまいりましたように、青森県の県人口の減少は異常とも言えるスピードで推移してまいりましたが、このことについては、県も、人口維持のための少子化対策、保健・医療政策の推進、雇用の創出などさまざまな取り組みも行ってまいりましたが、人口減少に歯どめがかかっていない今、抜本的な対策が急がれております。  そこで御質問いたしますが、まず初めに、このような県人口の急激な減少に対する知事の御認識をお伺いいたします。  また、人口減少とともに急速な少子化が進行しておりますが、このことへの対策は、改めて言うまでもなく、安心して子供を産み育てられる環境づくりが基本でありますが、そのためには、婚姻率、出生率の向上など、より以上の子育て支援策が必要であると考えます。  そこで、まず、出生率の向上についてでありますが、一人の女性が一生の間に産む子供の数の目安として用いる指標である合計特殊出生率の現在の日本全体の率は一・二九であります。これは、一人の女性が一生の間に一・二九人しか子供を産まないという意味の数字であります。また、一・二九という出生率は、同じ水準が今後も続くと仮定すると、世代がかわるごとに人口が約四割ずつ減少することを意味しているそうであります。  平成十六年の青森県の合計特殊出生率は一・三五で、全国平均に近く、年々低下の傾向を見せており、現在の少子化を裏づける数字を示しております。現代の日本では、二・〇七程度で初めて次世代も同じ人口を維持できるとされておりますが、県内市町村でこの数字を維持しているのは、六ヶ所村の二・〇七ただ一カ所だけであります。  このような状況の中、県は現在少子化、子育て支援についてどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。  また、今後、少子化、子育て支援についてどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。  次に、人口流出防止、また人口還流策として、新規学校卒業者並びに県出身学生の県内就職の促進も実効あるものと期待されておりますが、県のこれまでの取り組みと今後の対策についてお尋ねいたします。  また、最近、全国の自治体では、来年から大量の退職者を迎える団塊世代の県外からの定住を進め、人口増を図っているところがふえておりますが、青森県においてもこのたび新規事業として団塊世代対策推進事業を計上しておりますが、この事業の目的と事業内容についてお尋ねいたします。  続いての質問は、定年後雇用についてであります。  来月四月一日に改正高年齢者雇用安定法が施行されます。これにより、六十五歳未満の定年を定めている企業の事業主は、一、六十五歳までの段階的な定年引き上げ、二、継続雇用制度の導入、三、定年廃止、この三通りのうちのいずれかの対応を義務づけられることとなりました。  これは、年金支給年齢の引き上げにより減収になるのを補うための制度改正であり、高齢者の雇用問題を考えたとき大きな前進であるというような評価もありますが、他方では、国が年金改革に本腰を入れないまま企業に責任を押しつけている、あるいは、最近の企業を取り巻く経済状況から見ると、企業経営自体に大きな圧迫を与えることとなるのではないか、また、例えば現在の青森県のような地方の雇用情勢を見るとき、若い世代の雇用機会が厳しい中で、高齢者、それも定年まで雇用された高齢者だけをここまで優遇することが正当化されていいのかというような問題点も指摘されております。  ともあれ、法律の施行が間近に迫っている中、県としてもその動向を注視しつつ雇用問題に対処していく必要があると思います。  そこでまずお尋ねいたしますが、改正高年齢者雇用安定法の施行による県内雇用情勢への影響を県はどのように認識しているのかお尋ねいたします。  また、定年者も含めて現在大きな課題となっている中高年の雇用対策について、県の現在の取り組み状況をお尋ねいたします。  さらに、団塊の世代を中心とした離退職者などの再就職支援のため働き盛りセーフティネット事業を推進することとしておりますが、この事業の概要についてお尋ねいたします。  またさらに、県内企業ばかりではなく、県においても来年以降大量の職員が定年を迎えることとなり、知事部局だけでも来年から五年間で千人以上の職員が定年退職を迎えます。  そこでお尋ねいたしますが、現在県にも再任用制度がありますが、今後の県職員の定年退職者の再任用についての方針と対策についてお尋ねいたします。  続いての質問は、市町村合併についてであります。  二月二十七日、旧弘前市、旧岩木町、旧相馬村の三市町村が合併し、新弘前市がスタートいたしました。また、三月一日には百石、下田の両町が新設合併し、おいらせ町が誕生いたしました。旧合併特例法に基づく合併はこれが県内最後の十七番目の合併となり、青森県内の市町村数は、大合併前の六十七市町村(八市三十四町二十五村)から二十七減の四十市町村(十市二十二町八村)となりました。  思い返しますと、ここまでくる過程においてさまざまな紆余曲折がありました。当初、県が示したたたき台をもとにした合併や混乱のないスムーズな合併は本当にまれであり、多くの合併に見られたのは、庁舎の場所や新しい市町村の名称にこだわる住民感情のもつれ、財政問題あるいは双方の政策や施策の違いからくる混乱、さらには議員定数や議員報酬の問題などが複雑に入り乱れ、理念あるモデルケースとかベストカップルとまで言われた合併さえも、協議会からの突然の離脱や合併を目前にした大詰めでの離脱があったり、さらには首長のリコール問題にまで発展した町村もありました。  一方で、合併にこぎつけた市町村でも、飛び地合併を余儀なくされたり、また、住民の理解が不十分なため合併時のしこりが残り、いまだに合併反対の運動を展開しているところもあるなど、急激な少子高齢化と過疎化とともに、将来に大きな禍根や課題を背負っている市町村も見受けられます。  ところで、全国の都道府県の市町村の合併状況を見てみますと、全体では合併特例法以前の三千二百三十二市町村から現在は一千八百二十二市町村となっており、数にして一千四百十もの市町村が減少しており、その減少率は四三・六%となっております。  我が青森県の減少率は四〇・三%でありますが、減少率が七三・三%でトップの広島県は、八十六市町村から二十三市町村へと六十三も減少しており、減少率二位の愛媛県は、七十市町村から二十市町へと五十も減少しております。  また、全国では十三県で県内から村がなくなり市と町だけとなったことは、規模の小さい町村が生き残りをかけて合併を推し進めた結果であったと思います。  この一月、私も議会運営委員会の県外調査で長崎県、大分県の両県議会に行ってまいりました。両県とも市町村合併には積極的に取り組んだ県として知られており、長崎県の場合、七十九市町村から二十三市町へと五十六もの減少であり、その減少率は七〇・九%となっております。また、大分県は、五十八市町村から十八市町村へと減少し、減少率は六九・〇%となっております。  調査の後、両議会の職員の方に市町村合併がこれだけ進んだ原因についてお尋ねしたところ、やはり両県とも相当の紆余曲折があったそうですが、決め手は、県と合併協議会を中心にした合併についての十分な県民への説明による理解、そして、このままだったらだめになってしまうという県民の将来に対する危機感の大きさ、さらには知事の強いリーダーシップではなかったかとおっしゃっておりました。  そこでお尋ねいたしますが、現在の青森県の市町村合併の状況に対して知事はどのような認識をお持ちかまずお尋ねいたします。  また、相当の労力を用い合併にこぎつけた市町に対する県の今後の支援策についてお尋ねいたします。  さらに、先日行われた西目屋村の村長選の結果に象徴されるように、住民が自立を選択したり、あるいは、合併したくても相手が見つからず孤立を余儀なくされている市町村が存在していることなど、今後も市町村合併の問題は県としても注視していかなければならない問題であると思います。  そこで、合併新法のもとにおける今後の市町村合併に対する県の取り組みについてお尋ねいたします。  次の質問は、ユビキタスネットワーク社会の推進についてであります。  去る一月二十六日から二月二十日まで、青森市におきまして、国の自律移動支援プロジェクトの本県における実証実験と連携し、積雪寒冷地という本県の特性、地域のニーズに対応可能な高齢者や視覚障害者などの歩行支援技術の有効性を検証するためのゆきナビあおもり推進プロジェクト実証実験が行われました。  この実験は私の自宅周辺で行われることを知りましたので、モニターに応募して参加させていただきました。  実際に参加した実験は、アイマスクをつけ、白いつえを持ち、そのつえの先につけたセンサーにより、積雪があっても視覚障害者誘導用ブロックに内蔵されたICタグを読み取り、携帯情報端末、いわゆるユビキタスコミュニケーターから音声により現在いる場所や方向案内情報を受け取るというものでありました。  あいにく、当日は非常に寒く、雪も降っておりましたが、ユビキタスネットワーク技術に直接触れてみたという新鮮さと、店舗情報を津軽弁でも聞けるというおもしろさなどもあり、非常に興味深い経験をさせていただきました。  連日多くの方が実験に参加されておりましたが、ユビキタス社会の一端を実際に県民に触れてもらう先駆的な実験だったのではないかと感じております。  そこでお尋ねいたしますが、県として、このたびのゆきナビあおもりプロジェクト実証実験の成果と課題、そしてこのプロジェクトの成果を今後どのように活用していくのかお尋ねいたします。  また、県は総合交通情報システム構築のための検討を始めたと聞いておりますが、このシステムの目的、概要及び構築のスケジュールについてもお尋ねいたします。  続いての質問は、医師確保対策についてであります。  医師不足がますます進行しております。医師の確保については、先日の知事答弁で「喫緊の課題」という言葉を使っていることからも、医師不足に対する知事の認識を理解することができました。  また、医師不足の現実は県のホームページの中にある医師求人情報からも見てとれ、県内自治体病院の苦悩が伝わってまいります。実に数多くの自治体病院が医師の求人情報を出しており、「至急求む!」、 「大至急求む!」というコメントつきで載っているからであります。切実な叫びであると感じ取りました。  全国的な医師不足の中で、我が青森県もさまざまな取り組みを行ってまいりましたし、来年度の主要施策の中にも多くの事業が計上されております。  そこでお尋ねいたしますが、県はグランドデザインを策定して医師確保施策を展開することとしておりますが、その見通しについてお尋ねしたいと思います。  また、新規事業として医育機能充実事業が挙げられておりますが、その中の医育サポーター派遣事業の具体的な内容と取り組みについてお伺いいたします。  あわせて、地域医療問題啓発事業の推進方法についてもお尋ねいたします。  次の質問は、世界自然遺産白神山地への誘客対策についてであります。  平成五年、世界自然遺産に登録以降、我が県の誇る白神山地は世界的にもその名が知られるようになり、国内外から多くの観光客が訪れるようになりました。  数字であらわしますと、平成五年の観光客の入り込み数が二百六万人であったのに対し、平成十六年には三百七十一万人と倍増に迫る勢いであります。  さらに、昨年十月には第二回世界自然遺産会議も本県で開催され、その認知度もますます広がりを見せ、今後もより以上の観光客の入り込み数の増大が期待されております。  白神山地の人気の秘密は、人間活動の影響をほとんど受けていない源流域が集中し、世界最大級と言われるブナ林が広域にわたってほぼ原生そのままの姿で残されていること、多種多様な植物群が共存し、それに依存する多くの動物群がはぐくまれ、自然の生態系がありのままの姿で息づいているところにあると思います。  しかしながら、最近、現状の観光客の入り込み数の増大を手放しで喜ぶことができないことも指摘されてきております。  それは、余りに急激な観光客の増大による無秩序な入り込みによる自然荒廃や、ガイド不足によるガイドなしでの無理なルート行程による事故の懸念などであります。  白神山地の魅力を今後も将来にわたって守り続けていくことは、今この青森県に住む我々の大きな責務であると考えますし、観光という観点からも、せっかく白神山地に来ていただいた観光客に対して安全、安心な白神山地をわかりやすくPRすることも本県の観光振興には不可欠なものであると言えます。  そこでお尋ねいたしますが、世界自然遺産白神山地の観光客の受け入れ体制の整備と安全確保に対する県の今後の取り組みについてお尋ねいたします。  続いての質問は、安全・安心まちづくりについてであります。  初めの質問は、児童の登下校の安全確保対策についてであります。  昨年暮れに広島市と栃木県今市市で相次いで起きた小学一年生の女児殺人事件は、全国に強い衝撃を与えるとともに、都市であっても地方であってもこのような犯罪が起こり得るということであり、同時に、残念ながら、現代社会は子供の安全に関しても非常に危険な因子を抱えている社会であることを強く印象づけた事件でもありました。  私自身、子供の安全ということに認識を新たにしなければならないと考えさせられました。というのも、栃木県の女児が防犯ブザーを携帯していたにもかかわらず、被害を防ぐことができなかったからであります。私も、小学三年生の長男が学校から配布された助けっ笛と言われる防犯笛をランドセルにつけていることで安全が確保されていると安易に考えていたからであります。  この種の犯罪については、親と子供の犯罪に対する意識をより強くすることや防犯ガイドブックづくりも対策の一つとは思いますが、それとともに、我が青森県においても、連れ去り未遂事件の多発や県警察に寄せられている数多くの不審者情報を見るにつけ、子供の安全確保は、家庭、学校、警察、ボランティアなどが連携した、地域に合った防犯対策のための体制づくりが重要であると考えました。  次代を担う子供たちの安全確保は、待ったなしで進めていかなければならない緊急かつ重大な課題であります。  そこでお尋ねいたしますが、まず、児童の登下校時の安全確保に対する基本的な考え方についてお尋ねいたします。  また、県教育委員会と県警察の今後の取り組みについてお尋ねいたします。  安全・安心まちづくりについての二点目の質問は、津波対策についてであります。  一昨年十二月のインド洋大津波の甚大な被害から、国の中央防災会議は、先ごろ、北海道から千葉県沖で発生が予想される日本海溝・千島海溝周辺地震で、地震発生から三十分以内で最大二十メートル級の津波が押し寄せると想定される北海道から福島県までの太平洋に面する五道県百三十市町村を、防災対策が特に必要な推進地域に指定いたしました。  我が青森県では、八戸市、三沢市を初めとする十六市町村が指定されましたが、この指定により、県もこの地域のこれまで以上の地震防災対策を推進していかなければならないと思いますが、対策を推進する上で住民の迅速かつ的確な津波避難体制を確保するためにどのような取り組みを行っていくのかお尋ねいたします。  また、新規事業で津波対策協働事業を推進することとしておりますが、この事業の目的とその内容及び今後の取り組みについてお尋ねいたします。  三点目の質問は、大雪被害対策についてであります。  今冬は、暖冬との予想が外れ、北国ばかりではなく全国的に記録的な大雪でありました。  気象庁の発表によれば、同庁が積雪を観測している全国三百三十九地点のうち二十三地点で年間の最大積雪記録を更新するなど、一九八五年-八六年以来の大雪となり、雪による死者数も戦後二番目の百四十人に上っていることから、同庁は、三月一日、昭和三十八年以来、今冬の豪雪を四十三年ぶりに平成十八年豪雪と命名するに至りました。  青森県におきましても二年連続の豪雪となり、弘前市や深浦町でも一月の最深積雪を更新し、また、中南及び西津軽でも積雪が多く、さらには三八地区も大雪に見舞われ、八戸市では一月五日に二十四時間降雪量が四十センチを記録するなど、同じ豪雪でもこれまでとは違った様相を見せる結果となり、全県的に県民生活に大きな支障を与えることとなりました。  実際の被害としては、JR線の立ち往生を初め、雪による家屋の倒壊、雪おろしや除雪中の事故などでありましたが、とりわけ目立ったのが高齢者の雪の事故でありました。  二月末現在での雪による死者は七名、負傷者は百七十四名に上り、このうち六十五歳以上の高齢者の死者は四名、負傷者も七十八名となっております。  昨年の豪雪でも県内では十二名の方が亡くなり、そのうち高齢者の死者も六名だったことを考え合わせると、雪による高齢者の事故は、青森県においては見過ごすことのできない大きな災害の一つであると言わざるを得ません。  今後ますます高齢化社会が進展する中、高齢者の雪の事故や、高齢者世帯における雪おろしや除排雪の問題に対する抜本的な対策が必要と考えます。  災害から県民を守り、安全、安心で快適な地域社会づくりを推進することは、県に課せられた重大な責務であると言えます。  そのために、県は、災害対策基本法に基づき、総合的かつ計画的な防災業務を遂行するための県地域防災計画を定めております。そして、それに基づいて市町村もおのおのの地域防災計画を作成しておりますが、今冬の状況から、今後の高齢者世帯の雪対策は、社会福祉協議会、町内会、消防団、そしてボランティア団体などの関係団体、関係機関とより密接な連携を図りながら、きめの細かい対応が求められてきていると考えます。  そこでお尋ねいたしますが、県として、高齢者世帯の雪対策を的確に進めるため、県地域防災計画に高齢者世帯の雪対策のあり方についても具体的に記述し、市町村への指導を徹底すべきと考えますが、県の考え方についてお尋ねいたします。  安全・安心まちづくりの四点目の質問は、来日外国人犯罪についてであります。  国際化の進展により、我が青森県にも多くの外国人が訪れるようになりました。海外からの移住者を初め、研修生、留学生など、現在、青森県における外国人登録者数は、六十カ国以上、五千二百人に上っております。  県民と海外の方たちとの交流は、相互の国際理解、異文化との接触、そして青森県における国際化が図られるという点では非常に重要なことであると思いますし、青森県の国際化の推進に大いに貢献していると考えます。  しかし、残念ながら、このような国際化の進展の陰で、先日発表された警察庁のまとめによると、昨年一年間に全国の警察が摘発した永住者などを除く来日外国人の犯罪は、前年比一・六%増の四万七千八百七十四件で、統計をとり始めた一九八〇年以降最多となったことがわかりました。  思い返せば、青森県においても、一昨年五月に弘前市で起きた会社社長強盗殺人事件、同年十月の青森市税理士宅強盗事件の双方とも中国人窃盗団が関与する事件でありました。  特に驚くことには、青森市の事件に関与したとして逮捕された中国人容疑者の中には、青森市内の大学の元学生三人も含まれていたとの新聞報道もありました。  今後も来日外国人による犯罪に対して防犯体制の強化が必要であるという観点から質問いたしますが、まず、県内における来日外国人犯罪の検挙状況についてお伺いいたします。  また、犯罪防止のための関係機関との連携状況などについてもお尋ねいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。 4 ◯議長(成田一憲)  知事。 5 ◯知事(三村申吾)  おはようございます。  山谷議員の御質問にお答えいたします。  まず一点目であります。青森県における人口減少に対しての認識であります。  平成十七年国勢調査の速報集計によりますと、本県の人口は約百四十三万七千人と、前回平成十二年の調査に比べまして約三万九千人の減少となりました。人口減少率では二・六%と、秋田県、和歌山県に次いで高くなっている現状にあります。  人口減少の主な要因としては、転入者数から転出者数を差し引きました社会増減数の減少傾向が続いていることに加えまして、出生者数から死亡者数を差し引きました自然増減数が大正九年の調査開始以来初めて減少に転じたことなどが挙げられ、極めて厳しい局面を迎えていると認識しております。  人口減少ということは、現役世代の負担の増加、労働力人口の減少、過疎化や高齢化に伴う地域社会の変化などを通じて社会全体に大きな影響を与えることから、人口減少速度を少しでも緩やかなものにするための取り組みとともに、人口減少がもたらす影響を最小限に食いとめながら、県民一人一人の生活の質を高めていくための取り組みが必要であると考えております。  このため、生活創造推進プランでは人口減少の問題を重要な課題の一つとして位置づけ、子供の心身の健やかな成長をはぐくむ環境づくりや地域社会全体で子育てを支え合う環境づくりのほか、若年者の雇用促進など人口減少に歯どめをかけるための取り組みを進めていくとともに、今後の人口減少社会を見据えて、女性や高齢者の能力や意欲が生かされる環境づくりや労働生産性の高い産業づくり、社会参加活動がしやすい環境づくりなどを進めているところであります。  さらに、新年度からは新たに、二〇〇七年から大量に退職期を迎えます団塊世代をターゲットにした施策を全庁を挙げて総合的に展開することとしており、この取り組みによりまして、県外で活躍されております本県出身者のふるさとへの還流をも図ることといたしております。  今後とも、暮らしやすさのトップランナーを目指す生活創造社会実現への取り組みを推進することにより、進行する人口減少に対応し、地域の活力を維持発展させていきたいと考える次第であります。  市町村合併の状況についての認識であります。  市町村合併は、まさに二十一世紀の本県における地方自治の姿を決めるものであり、自立した市町村による力強い地方自治の実現を目指す市町村合併への取り組みに対して県はこれまでも積極的に支援してきたところであります。  本県では、去る三月一日に従来の六十七市町村から四十市町村になったところですが、合併協議における意見の対立などさまざまな要因により合併をするには至らなった地域や、人口一万人未満の小規模な町村が十二ありまして、他の都道府県と比較して多く見られる状況───団体数の多さでは全国九位でございます───など、県としては、地方分権の進展など市町村が直面している構造的課題に対応するためには、市町村合併はなお引き続き重要な取り組みであると考えております。
     今後の市町村合併の推進に当たりましてはいわゆる合併新法に基づいて取り組むこととなるわけですが、地方分権の一層の推進や少子高齢社会への対応といった時代の要請にこたえ、それぞれの地域の関係者や住民があるべき地域の将来像につきまして真剣に議論を交わし、次の世代によりよい地域社会を引き継ぐための契機になることを期待するとともに、県としては、市町村の意向というものを尊重した自主的な市町村合併の推進について引き続き積極的に支援してまいりたいと考える次第であります。  続きまして、児童の登下校時の安全確保対策についての考えであります。  昨今、全国では下校途中の児童が殺害されるという痛ましい事件が続けて発生し、県内においても下校途中の児童が不審者に声をかけられる事案が発生するなどしており、犯罪に巻き込まれないよう子供たちの安全を確保することが喫緊の課題であると認識する次第です。  この課題につきまして、県では、教育委員会や警察本部が中心となりましてさまざまな安全確保対策に取り組んでいるところであり、私自身も、昨年十二月、青森市の堤小学校で子供の安全を守る取り組みに参加し、下校児童への声かけやボランティアの方々との意見交換を通じて、地域が一体となった取り組みが重要であることを再認識した次第であります。  県では、地域の皆さん一人一人が防犯意識を持ち、犯罪の起きにくい生活環境をつくっていく、あるいは地域における自主防犯活動を活性化させていくといういわゆる地域力を向上させる取り組みを県内全域で永続的に実施していくことが大切であると考え、今議会において青森県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例案を提案し、御審議をお願いしているところであります。  本条例案では、児童の安全を守るための取り組みとして、学校、通学路等における児童等の安全の確保を規定しているほか、児童等の安全に関する教育及び学習の振興を規定し、児童自身が犯罪被害を受けないようにするための教育等にも努めることといたしております。  県としては、本条例に基づきまして、知事部局、教育委員会及び警察本部が連携して、また県民の皆様方とともに、児童の登下校時における安全確保のための対策により一層努めてまいる所存であります。  私からは以上です。 6 ◯議長(成田一憲)  総務部長。 7 ◯総務部長(野村善史)  まず、県職員の定年退職者の再任用についてでございますけれども、再任用制度は、本格的な高齢社会に対応し、高齢者の知識、経験を社会において活用していくとともに、年金制度の改正に合わせ、六十歳代前半の生活を雇用と年金の連携により支えることが官民共通の課題であるとの認識のもとに、民間部門における高齢者雇用安定法に基づく継続雇用制度に対応して地方公務員法で新設された制度でございます。  県においては、国及び他県と同様、法律の施行に合わせ、平成十四年三月の定年退職者から再任用を開始いたしましたが、再任用制度の実施に当たっては、再任用制度の趣旨を踏まえつつ、組織の活力維持の観点から新規採用枠の確保にも意を用いるとともに、定数や人件費の増大を招くことのないよう十分配慮しながら運用を行っているところでございます。  今後、いわゆる団塊の世代と言われる職員を初め大量の定年退職者の発生が予定されておりますけれども、今後の再任用については、これまでの再任用の実績をベースに定員適正化計画において見込んでいるところであり、その時々の新規採用枠の確保の見通し、財政状況等を踏まえつつ適切に対応してまいりたいと考えております。  市町村合併に関連しまして県の支援策ということでございましたけれども、合併市町村に対する県の支援については、市町村合併の検討から合併後の新市町村の行財政運営に至るまで連続的かつ総合的に支援することなどを基本として、具体的な県の支援方針等を三役と各部長等で構成する市町村合併推進本部において決定し、各行政分野において重点的に支援を行っております。  具体的には、各行政分野において助言や情報提供、事業の優先採択や重点投資などを行うほか、合併前後を通じて生じる臨時的な財政需要に対して、五億円───経過措置団体については四億円でありますけれども───を基本額として、市町村合併支援特別交付金を合併年度及びこれに続く五年間で交付することとし、合併市町村のまちづくりを支援しております。  また、合併前には、法定の合併協議会や新市町村の事務の円滑な運営に資するため、市町村からの要請に応じて県職員を合併協議会事務局に派遣しておりましたけれども、合併後も、市町村建設計画の着実な実施を図るとともに、合併市町村の自治能力の向上を図るため県職員の派遣を求める声もあることから、合併市町村の人的支援として、来年度から新たに県職員を派遣することとしているものであります。  さらには、来年度から実施します市町村発・元気なあおもりづくり支援事業において、市町村が自発的に創意工夫して実施する事業に対する補助の中で、合併市町村に対しては、合併に伴って生じる臨時的な財政需要等を考慮し、新たな地域づくりの推進が図られるよう、通常事業に比べ高い上限額を設定しているものであります。  最後に、今後の合併に対する県の取り組みということでございますけれども、合併新法に基づく市町村合併の推進に関する構想の策定に当たっては、旧法下における県内の市町村合併の経緯等を踏まえ、原則として旧法下において合併が行われなかった二十三市町村を検討対象とすることとし、各市町村の現状や将来の見通し、合併に対する考え方などを把握し、随時青森県市町村合併推進審議会の御意見も伺いながら、まずは、合併協議会が設置されている地域など合併協議の動きがある地域及び人口一万未満の町村を中心に、構想の対象市町村とすることが適当とされた地域から段階的に構想を取りまとめることとしたところであります。  また、先般、合併が行われなかった二十三市町村の長に対して合併に対する考え方などを調査し、審議会に御報告したところ、市町村の自主性を尊重すべきであるということや、県や審議会が積極的な役割を果たす必要があるということの議論がございましたけれども、これらは矛盾はしないだろうという御意見や、また、県審議会が仲介役などを行い、地域の声を受けとめていくことも必要ではないか、さらには、審議会として人口一万未満の町村や何とか合併したいところなどへの対応について集中的に議論をし、ある程度の枠組みを示していくべきといった御意見がございました。  このような中で、審議会としては、まずは、できる限り速やかに合併が必要との考えを示した四村───具体的には田舎館、風間浦、佐井、新郷でございますけれども、この四村について集中的に審議していくこととされたところでございます。  県としましては、審議会の御意見を伺いながら、関係市町村とも十分議論を重ねつつ、自主的な市町村合併の推進について積極的に支援してまいりたいと考えてございます。 8 ◯議長(成田一憲)  行政改革・危機管理監。 9 ◯行政改革・危機管理監(天童光宏)  安全・安心まちづくりについて二点お答えいたします。  まず、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る津波避難対策についてであります。  日本海溝・千島海溝周辺における大規模な地震に備えるため、昨年九月一日に日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策の推進に関する特別措置法が施行され、同特別措置法の規定に基づき、本年二月二十日に県内太平洋沿岸の十七市町村───これは、その後の百石町及び下田町の合併によりまして現在では十六市町村でありますが───が推進地域に指定されたところであります。  また、本年二月十七日の中央防災会議におきまして、今後国が作成する基本計画、県及び市町村が作成する推進計画等のマスタープランとなります日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策大綱が決定されまして、津波防災対策の推進を図るために国及び地方公共団体が行うべき主な取り組みといたしまして、迅速かつ的確な津波警報等の提供、住民意識の啓発と訓練、地域特性に応じた避難ルールの検討、海水浴客、釣り客等の避難対策を強化すること等について定められたところであります。  今後、県が推進計画を作成する際には、これまで取り組んでまいりました津波避難対策に加え、大綱に示されたこれらの対策を盛り込み、市町村推進計画の作成に対する適切な支援を通じまして、より迅速かつ的確な津波避難体制の確立が図られるよう努めるとともに、必要な施策の実施に当たり、関係各部局とも連携を密にしながら、津波避難対策の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。  次は、高齢者世帯に係る雪対策についてであります。  県の地域防災計画では、県及び市町村は、自力での屋根雪処理が不可能な世帯に対して、ボランティアの協力体制等地域の相互扶助体制の確立を図ることとしているところであり、市町村地域防災計画においても県計画を踏まえた内容となるよう指導、助言しているところであります。  また、県においては、記録的な豪雪により全国で人的被害が多発していることから、各市町村及び各消防本部に対し、高齢者等の災害時要援護者宅の状況を消防機関や福祉関係機関と連携して巡回等により把握し、必要に応じ、消防団、自主防災組織、近隣居住者等との連携協力のもとに除雪作業を行うなど適切に対応するよう要請したところであり、県内の大部分の市町村におきましては、災害時要援護者宅の除雪作業の態勢をとるなどの所要の対応を行っているところであります。  県といたしましては、関係部局が連携しながら、高齢者を初め災害時要援護者に対するより実効的な雪対策のあり方について見直しを行い、その結果を踏まえて県地域防災計画を修正し、市町村に対しても指導、助言を徹底してまいりたいと考えております。 10 ◯議長(成田一憲)  企画政策部長。 11 ◯企画政策部長(関 格)  初めに、団塊世代対策推進事業についてであります。  戦後のベビーブームの昭和二十二年から二十四年にかけて生まれた世代は、団塊の世代と呼ばれ、二〇〇七年から定年を迎える年齢に達し、大量に退職し始めることが見込まれております。  団塊の世代は、社会のさまざまな分野で活躍し、長年培ってきた豊富な知識や経験、技能を有し、また、退職後の時間的なゆとりと、退職金などによる経済的な余裕を持つ世代でもあります。  そこで、団塊世代を本県に呼び込み、本県への定住促進を図り、また、団塊世代が持つ知識、経験、技能、資金力を地域の活性化に生かし、その力を存分に発揮していただくことが生活創造社会を実現する上でも重要なことと考えております。  このため、団塊世代対策推進事業では、団塊の世代のセカンドライフに対するニーズを調査、分析し、団塊世代の力を活用する方策の検討を行うとともに、既に本県に定住して本県の魅力を満喫しながら過ごしておられる方々のあおもりライフの実践事例について広く情報発信することとし、本定例会に所要の経費を計上し、御審議いただいているところであります。  こうした事業を実施することにより、団塊世代の方々を本県に呼び込み、交流・定住人口の拡大を図るとともに、団塊世代の方々が地域で活躍できるよう、総合的な団塊世代対策を講じていくこととしております。  次に、ゆきナビあおもりプロジェクトについてであります。  ゆきナビあおもりプロジェクトは、国土交通省の自律移動支援プロジェクトと連携し、最新のユビキタス技術を活用して、冬期間にだれもが安全、快適に移動できる環境づくりを目指すものです。  今年度は、去る一月二十五日から約一カ月間にわたって青森市柳町通りで実証実験を実施し、山谷議員にも御参加いただきましたが、中高校生や商店街の方々など四百五十一名の参加をいただきました。  また、雪国での初めての本格的な実証実験とあって、教育番組も含め県内外のマスメディアで紹介されるなど、注目をいただいた実験となりました。  今回は、積雪環境下での歩行誘導実験や店舗情報、観光情報などの提供実験を行いましたが、今回の目的である積雪環境下でのシステムの稼働については基本的に確認できたものと考えています。  また、体験した方々からは、このようなシステムが実用化されれば、障害者の方の外出機会がふえる、入ったことのない店で買い物をする機会がふえるなどの評価も得ており、雪国青森においても本システムの有効性は高いものと考えています。  さらに、今回の実証実験では、坂村東京大学大学院教授の指導のもと、全国で初めて地元情報サービス団体が提供情報(コンテンツ)を作成したこともまた大きな成果と考えています。  一方、課題点としては、バスの運行情報や雪道の段差情報も提供してほしい、手袋をした状態では携帯端末のボタンが押しにくいなどの御意見もいただいております。  現在、実証実験の各種データ等の分析を行っており、この結果は、国が策定を進めているシステム仕様書に反映されることとなっております。  県としては、十八年度も引き続き、国と連携し、今回の実証実験の成果、課題を踏まえた実証実験を実施し、積雪寒冷地でだれもが安全に安心して移動できるよう、当システムの普及に向けた取り組みを進めてまいります。  次に、総合交通情報システムについてであります。  総合交通情報システムは、交通事業者や道路管理者ごとに提供されている公共交通情報、道路情報を束ね集め、より充実させるとともに、気象情報も含めて、これらの情報をだれもが、いつでも、一元的に携帯電話等で手軽に入手できるようにするものであります。  これにより、各種交通情報の入手の煩雑性や冬期間の移動に関する不安を解消し、さらには、東北新幹線新青森駅開業を控え、二次交通情報などを的確に発信することにより交流人口の拡大にもつなげていきたいと考えております。  具体的には、航空、鉄道、バスなどの時刻表を初め、運行に関する情報や吹雪による通行どめ情報、道路路面情報、定点カメラ道路画像、気象情報などの提供を予定していますが、これらのさまざまな情報を利用者が携帯電話等でリアルタイムに、いつでも、どこでも入手することができるように、利用者の視点に立ったものにしていきたいと考えております。  このようなことから、県や交通事業者、道路管理者等で構成する総合交通情報システム協議会を新たに設置し、関係者間の十分な連携を図りながら、十八年度においてはシステムの基本的な設計を行い、十九年度には詳細設計を行うこととしております。 12 ◯議長(成田一憲)  健康福祉部長。 13 ◯健康福祉部長(三浦康久)  五点にお答えいたします。  まず、少子化、子育て支援についての県の現在の取り組み状況でございます。  県では、仕事と子育ての両立支援など安心して子供を産み育てる環境をづくりを進めるため、多様な保育サービスの充実に取り組んできました。  その結果、平成十六年度において、県内保育所四百八十八カ所のうち、延長保育に取り組んでいるところが三百二カ所、休日保育は五十一カ所となっており、いずれも実施率は全国平均を上回り、東北地区ではトップとなっております。  また、共働き世帯の小学校低学年児童等を対象とした放課後児童クラブは、平成十六年度において百九十三カ所となっており、これも東北地区ではトップの実施状況となっているところであります。  県では、県単独の経済的支援策として、一つに、乳幼児の医療費を助成する乳幼児はつらつ育成事業、それから保育料軽減事業、ひとり親家庭等医療費助成事業、妊婦委託健康診査費補助事業に取り組んでいるほか、出生率の向上のため、不妊に悩む夫婦の経済的負担を軽減する特定不妊治療費助成事業を実施しているところであります。  それからもう一つ、少子化、子育て支援への今後の取り組みでありますが、県ではこれまで保育対策を中心として子育て支援に取り組んできましたが、育児と仕事の両立支援のため、働く女性の妊娠、出産等にも配慮した職場の環境づくりが求められていることから、新たに仕事と家庭の両立のための職場環境づくり推進事業を実施することとし、本定例会で御審議いただいているところであります。  この事業は、仕事と家庭の両立のための職場環境づくりの重要さを理解してもらうために事業所を個別訪問するコンサルタントの配置、一般事業主行動計画や子育て支援事業を紹介するガイドブックの作成、地域における独創的で先進的な子育て支援への取り組みを紹介する優良事例の発表などを柱として、庁内関係部のほか、青森労働局等と連携して行うことにしております。  県としましては、今後とも、子育てを支援する環境づくりに着実に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、医師確保の見通しについてであります。  県内の自治体病院の医師不足は、青森県国民健康保険団体連合会の調査によれば、平成十七年四月時点で百三十四人の不足となっております。これは、現在県内にある中核病院の三つから四つを運営するに必要な医師数に匹敵する規模の人数であり、尋常ならざる事態であると考えております。  これに対し、医師の確保、定着に向けたグランドデザインでは、医師が強く求めるキャリア形成のための医育環境を整え、また、医師流出の大きな原因であります勤務環境を整えると同時に、医師の配置調整などを円滑にするシステムづくりを目指すことにしております。  このような施策に、県とともに病院開設者、すなわち市町村も呼応して努力し、自治体病院機能再編成や勤務環境の改善、修学資金の貸与事業など、それぞれの施策が相乗的に実施されていけば、年に十六人から二十三人ほどの増加効果をもたらし、おおむね八年から十年程度で医師不足が解消されるのではないかと見通しております。  これにつきましては、同様の対策をとってきた沖縄県の事例がありまして、一九八〇年において、人口十万人当たりで全国平均ばかりか本県の医師数をも大幅に下回っていた沖縄県が、医育環境の整備に力を注ぎ、勤務環境の改善に努力したことで、今では病院勤務の医師が年に六十五人程度増加しているという前例もございます。  次に、医育サポーター派遣事業の具体的な内容と取り組みであります。  本県におきましては、絶対的な医師不足の一方で、地元の弘前大学医学部には設置されていない講座があり、また、専門医が手薄な状況もあります。  北海道、東北の各大学医学部においてはいずれも医師の派遣能力が弱まっていますが、首都圏の大学は、現在の臨床研修二年目の医師が大学に戻ることなどもあって、平成十八年度には一定の回復が見込まれます。  このようなことから、例えば腎臓内科や腫瘍内科など今後の青森県の疾病構造なども展望して必要な専門医療について、首都圏の私立大学と連携して指導医を本県の中核病院に派遣してもらい、医療技術の普及を図ることがこの事業の内容となっております。  県としましては、こうしたことが本県医療のレベルアップに寄与すると同時に、医師供給ルートの多様化にもつながるものと期待しているところであります。  もう一つ、地域医療問題啓発事業について、その推進方策であります。  本県が抱える深刻な医療問題を解決していくに当たっては、自治体病院機能再編成等による医療提供体制の再構築は不可欠ですが、加えて、県民、特に地元住民の理解と協力が必要であります。  また、自治体病院の開設者である市町村長が、改革が不可避であることへの認識を深め、地域医療の再構築に向けた積極的・具体的役割を果たすことが一層重要になっています。  このようなことから、本県が抱える諸課題について住民みずからが学び取り組む地域リーダーを育成するとともに、市町村長、医療関係者、県民、それに報道関係者等の広範な参加によるシンポジウムや懇話会を開催するほか、オリジナルなテレビ番組を企画し放映して、広く県民に本県医療の課題と目指すべき方向の周知を図り、理解を深めていただくことにしております。  以上でございます。 14 ◯議長(成田一憲)  商工労働部長。 15 ◯商工労働部長(中島勝彦)  御質問三点にお答えいたします。  まず、新規学校卒業者県内就職促進事業等への取り組み状況等についてです。  新規学校卒業者県内就職促進事業では、一つとして、知事、教育長、青森労働局長の三者による経済団体に対する新規高卒者の採用枠拡大要請、二つとして、県内九地区の雇用対策協議会との連携による県内企業ガイドブックの発行及び就職支援セミナーの開催、三つとして、ハローワークとの連携による高校生による企業見学会を実施しており、今年度の実施状況は、企業見学会の参加企業が延べ百九十九社、参加学生が二千七百八十九人などとなっております。  また、県出身学生就職促進事業では、県内企業と県出身の大学生等との面談の場である就職ガイダンスを東京、仙台、札幌、青森、弘前、八戸の六会場で年二回程度ずつ開催しており、平成十七年の実施状況は、参加企業が延べ二百八十三社、参加学生が延べ千六百九十四人となっています。  県としては、本県の次代を担う若年者が一人でも多く県内に就職できるよう、引き続きこれらの取り組みを積極的に推進してまいります。  次に、改正高年齢者等雇用安定法施行による県内雇用情勢の影響等についてです。  高年齢者等雇用安定法の改正により、本年四月一日から事業主は定年の引き上げ等の措置を講じなければならないこととされています。定年等の年齢は本年四月一日では六十二歳であり、段階的に引き上げられ、最終的には六十五歳とされています。  雇用者に占める高年齢者の割合が増加している状況にあることから、法改正の影響としては、高年齢者が知識と経験を生かしながら社会の支え手として活躍し続けることにより、地域経済社会の活力が維持されることが期待される一方で、継続雇用制度等の適切な導入や、企業においては今後を見据えての若年者の積極的な採用、育成に向けた取り組みが求められてくると考えております。  このため、青森労働局が設置している青森県高年齢者雇用推進委員会の場で法改正の対応を含め、高年齢者雇用の推進に取り組んでいるほか、県として企業に対するアドバイザーの派遣等により、若年者の採用、育成も含めた人事戦略や雇用管理について指導、援助を行っているところです。  最後に、中高年雇用対策への取り組み状況についてです。  県では、平成十六年度から長期中高年・失業者就職支援事業を実施し、個別相談や能力開発セミナーなどの支援を行うとともに、今年度から、中高年・雇用支援事業を実施し、企業に対する求人開拓を行うなど、中高年雇用の拡大に取り組んでおります。  このような中で、中高年齢者をめぐる雇用環境については、地域経済社会の発展を担ってきた団塊世代が平成十九年以降退職時期を迎えるなど変化が見込まれていることから、平成十八年度から、働き盛りセーフティネット事業を実施することとしているところです。  具体的には、団塊世代を中心とした働き盛りの離退職者等の円滑な再就職と県内企業の人材確保をワンストップで支援することを目的として、青森市、弘前市、八戸市にキャリア情報センターを新たに開設し、中高年齢者の職歴や適性に応じたキャリア相談を行うほか、雇用に関する情報提供、人材バンクへの登録による企業とのマッチング、創業、起業を検討している方々への支援機関の紹介などの支援を行うものです。 16 ◯議長(成田一憲)  文化観光部長。 17 ◯文化観光部長(加賀谷久輝)  白神山地への誘客対策についてお答えいたします。  白神山地は、世界自然遺産に登録されてからその入り込み客数が年々増加しておりますが、これに比例して、無理な行程による事故の発生や自然観察歩道の利用過多による自然破壊などの問題が指摘されております。  このことは、観光客が白神山地に立ち入る際の安全確保や自然保護にも配慮した行程管理を担うべき自然解説ガイドの不足や、ガイドそのものの能力に格差があることも大きな要因と考えられることから、自然保護を図りながら観光客が安心して白神山地を満喫することができる受け入れ体制の整備が喫緊の課題となっております。  このため、県では、平成十八年度から各ガイド団体等との連携を図りながら、自然保護や安全対策上必要なガイド技術等を取得し、観光客が安心してエコツーリズムを堪能できるガイドの養成とガイド団体の組織化、ガイド申し込み窓口の一本化やホームページによる情報提供など、安全、安心なガイドサービスの提供体制の整備を推進することとしており、係る予算について今定例会において御審議いただいているところであります。 18 ◯議長(成田一憲)  県土整備部長。 19 ◯県土整備部長(羽原 伸)  安全・安心まちづくりについての御質問のうち、津波対策共同事業につきましてお答えいたします。  国の中央防災会議では、日本海溝・千島海溝周辺において大規模地震発生による大きな津波被害を想定しており、本県におきましても、過去に三陸地震津波等によりまして甚大な被害を受けておりますことから、早急な対応が必要であると考えております。  津波対策協働事業は、階上町から三沢市の八戸沿岸域を対象に津波災害による人的・物的被害の最小化を図ることを目的といたしまして、中央防災会議によるシミュレーション結果に基づき詳細な浸水予測図を作成し、市及び町による津波ハザードマップの作成を支援するとともに、既存施設について、地震、津波に対する耐力基礎調査を行うこととしておりまして、所要の予算について本定例会で御審議をいただいているところでございます。
     今後は、関係部局と連携を図りながら、今回の基礎調査の結果等をより効果的、効率的な施設整備に活用してまいりたいと考えております。  これらの取り組みによりまして、ソフト、ハードの両面から津波に対する地域防災力の向上を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 20 ◯議長(成田一憲)  教育長。 21 ◯教育長(花田隆則)  山谷議員からの御質問、児童の登下校時の安全確保対策に関する教育委員会の取り組みでございます。お答えします。  県教育委員会では、これまで、児童を危険から守るために、人通りの少ない道は通らない、知らない人にはついていかないなどのポイントを示したパンフレットを配布するなど安全教育の充実に努めるとともに、市町村教育委員会に対しては実効性のある安全管理への取り組みを推進するよう働きかけてきたところであります。  また、平成十七年度より、学校、家庭、地域及び警察等が連携し、子供の安全を守る子ども安全サポート推進モデル事業と、警察のOBの方々などが通学路を巡回し、危険箇所等について指導、助言するスクールガード・リーダーの配置の事業や学校安全ボランティア養成講習会等を実施し、地域ぐるみの学校安全体制整備を推進しているところであります。  さらに、すべての小中学校及び特殊教育諸学校に対し安全対策状況調査を実施し、この調査結果を踏まえ、これまで以上に、学校、家庭、地域及び警察等の関係機関と一体となった継続的、計画的な子供の安全を守る取り組みを実施するよう、改めて指導、助言をしたところであります。  今後とも、安全が十分確保されるよう、地域ぐるみによる登下校時の安全体制づくりの推進に努めてまいります。  以上であります。 22 ◯議長(成田一憲)  警察本部長。 23 ◯警察本部長(長尾正彦)  まず、児童の登下校時の安全確保対策についての警察の取り組みについてお答えいたします。  警察といたしましては、凶悪な事件を未然防止するため、制服警察官によりまして、パトロールBOXを活用した小学校への立ち寄りや通学路の警戒活動を強化いたしますとともに、パトカーによりまして、見せる、聞かせる、知らせるのいわゆる三つのせる、三せる街頭活動を徹底いたしておりますほか、防犯関係団体等によりまして青色回転灯装着の防犯車を活用するなどの通学路パトロール活動を促進しているところであります。  また、子供の緊急避難場所であります子ども一一〇番の家や、各事業所、職域団体が通常業務で使用する車両によってパトロール活動を行う、いわゆる子ども一一〇番の車といっておりますが、これにつきましても拡大を図っておるところでございます。  今後、これら一一〇番の家などに対しまして、子供が駆け込んできた際の保護・通報マニュアルを作成して配布する予定でありまして、所要の予算につきまして、今定例会に計上し、御審議を願っているところであります。  さらに、子供自身が通学路等を歩いて危険箇所を地図上にあらわすことで犯罪から身を守る能力を高める地域安全マップ作成事業のほか、県教育委員会で共同で作成した連れ去り被害防止のシミュレーションCDの活用による防犯教室を実施中であります。  加えまして、声かけ事案等の不審者情報につきましては、県警のホームページに発生マップと一覧表をわかりやすく掲示するとともに、口コミメルマガにより購読者へ速やかに不審者情報を直接メール配信しているところでございまして、子供を守るための地域における情報共有化を図っております。  先ほどの知事や教育長の御答弁にもありましたとおり、私ども警察といたしましても、今後ともより一層行政や教育関係、ボランティア、地域の方々との連帯を強めて、子供の安全確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、来日外国人犯罪の検挙状況と関係機関との連携状況等についてお答えいたします。  本県における来日外国人犯罪の過去三年間の検挙状況は、平成十五年が七十九件、八十四人、十六年が四十件、三十一人、十七年が七十四件、三十七人となっております。  検挙いたしました主な事件といたしましては、十五年には、一つには、弘前、青森、八戸で発生した中国人グループによる病院対象の広域金庫破り事件、二つには、八戸港で発生した中国人による集団密入国・覚せい剤密輸入事件、平成十六年には、県南で発生いたしました暴力団組長と結託した中国人グループによる広域金庫破り事件、あるいは、弘前市青山で発生した暴力団組長と結託した中国人グループによる会社役員被害の強盗殺人事件、十七年には、十和田市内の駐車場で発生したグアテマラ人による飲食店従業員被害の殺人未遂事件、八戸市内の質店で発生したフィリピン人による強盗致傷事件などがございます。  これらの検挙事件等から見た県内における来日外国人犯罪の特徴点といたしましては、一つには、検挙件数、検挙人員が昨今増加傾向にあること、二つには、殺人、強盗等のいわゆる凶悪犯罪が増加傾向にあること、三つには、検挙人員の約四割が不法滞在者でございまして、また、検挙人員の約六割が中国人であること、四つには、中国人グループと暴力団が結託して、組織的に、またヒット・アンド・アウェー的に犯行を繰り返していることなどが挙げられます。  来日外国人犯罪の取り締まりにつきましては、来日外国人犯罪が暴力団と結託して組織的に敢行されることが多いことから、組織犯罪の取り締まりの観点から推進する必要があります。  警察本部といたしましては、警察庁や各都道府県警察との広域連携、警察本部関係部門間の連携などを図りつつ、暴力団の関与等を含めて情報を集約、分析し、取り締まりの一層の強化に努めているところであります。  具体的には、平成十七年四月一日、警察本部内に私を長といたします青森県警察組織犯罪対策推進本部を新たに設置するなど部内体制を強化するとともに、来日外国人犯罪グループ等による国際組織犯罪対策として、実態解明、取り締まりの強化、不法滞在や資格外就労防止のための指導、啓発、部内通訳要員の通訳能力の向上と民間通訳人の発掘などの諸対策を推進しているところであります。  また、関係機関との連携状況についてでありますが、来日外国人犯罪の検挙事例を分析いたしますと、密航や偽造旅券使用により不法入国する、あるいは資格外就労者や密入国、オーバーステイなどの不法滞在者による犯行が多い、あるいは地下銀行による送金や被害品の密輸出を行うなどの事案が見られますことから、警察では、入国管理局、税関、海上保安部及び労働局並びに知事部局の関係課など関係機関との連携を強化するため、来日外国人犯罪対策等関係行政機関連絡会議の開催や個別の情報交換等を随時行い、来日外国人犯罪の取り締まりに関する必要な関連情報の入手等に努めているところであります。  以上でございます。 24 ◯議長(成田一憲)  十三番山谷議員。 25 ◯十三番(山谷清文)  再質問と要望を申し上げたいと思いますが、まず一点目の人口減少時代への対応策ということで、日々こういうふうに生活していますと、青森県の人口はそんなにもどんどん減っているのかなというのを余り感じないのが本音でございます。朝夕のラッシュ時の人の多さ、あるいは車の多さ、本当に減っているのかなという感じもするんですけれども、数字を見れば、本当にびっくりするほどどんどん減っていっていると。  ただ、人の数、人口が、そこに住む人たち───まあ国でも県でもそうなんですけれども、国勢、県勢というか、人口が一つの目安というか指標の一つになっているわけですけれども、必ずしも、人口が多いから豊かだとか、人口が少ないから貧しいとか豊かさを感じないということではないと思うんです。  この間までオリンピックの行われていたイタリアなんですけれども、人口は日本の半分以下の五千七百万人。テレビで見る限りですけれども、人が少ないからといって豊かではないのかなという───十分、いい国だと、豊かさも感じられるようなテレビからの画像もありました。  そういう意味では、人が少ないからといってということじゃなくて、一人一人が、そこの地域に住んでいて、豊かである、いい町に住んでいるという、そういうことを感じるような地域社会をつくっていけば人口はそうでもないというような考え方もできるんですけれども、ただ、知事さん、今回、元気青森人の創造ということで提案されて、確かに、元気な子供がいれば周りも元気になっていくというような感じもするわけですが、実際は生まれてくる子供がどんどん少なくなっているというのが現実なんですけれども、知事さんは子供に非常に人気があるということもあって、人づくりは最大の責務、未来の青森県づくりの財産というふうに、知事さんもその辺お考えはお持ちだと思っております。  ただ、いろんな施策を講じてもなかなか実効が上がらない現状において、何かもっと違う形での子育て支援───子供がもっともっと生まれるような社会をつくっていくのが私たち現在ここに住んでいる人間の目標であるというふうにも感ずるんですけれども、例えば、先日新聞報道にありましたけれども、福井県も、福井元気宣言と知事さんが銘打って子育ての支援策をいろいろやっているわけです。  で、見たら、第三子───三番目以降に生まれた子供たちに対する支援なんですけれども、保育料の無料化───年収に関係なく三人目からは保育料をただにしちゃうんだと。それから妊婦健診の無料化。そういうふうな英断ともとれるような支援策。まあ、おのおので約八千万ぐらいの予算がふえたと───ふえたというか、支援額がふえているというような報道でしたけれども、この元気青森人の創造ということで、子供がどんどんふえるような社会、そういうふうな社会を目指すに当たって、青森県独自の子育ての支援策を、将来的にというか、今後考えているのかどうかというか、その考え方について知事さんに一点お伺いしたいと思います。  次は要望なんですけれども、新規学校卒業者及び県出身学生就職促進事業。  かつて、就職モラトリアムという言葉がありまして、いい就職先が見つからないから大学生が大学院に行ったり、あるいは留年までしていい就職先を探すというような傾向があった時代がありました。  先日の教育長の答弁の中に、本県の大学などへの進学率が大分向上してきている、それについては学力の向上であるというふうな見方もありましたけれども、私もそれはそうであると思うんですが、やはり、就職モラトリアム───高校を卒業した子供たちが、就職がないために県内、県外の短大とか大学に進学している傾向が見受けられるんじゃないかと思うんです。  そういう意味では、その子供が二年後あるいは四年後に青森に帰ってきて仕事につきたい、県内の大学、短大を卒業した生徒が地元に就職したいといっても、仕事がない場合、やはり県外に行っていると。県人というか、人材の県外流出がこのままどんどん進んでいけば、先ほどの御答弁にもありましたけれども、本当に残念な状況というか、将来の青森県を考えたときに非常に危機的な状況じゃないかなと。どうか、今のこの新しい事業というか、促進の事業の積極的な展開と実効ある政策展開をよろしくお願いしたいと思います。  次に、団塊の世代の定住促進。  あおもりツーリズムとか非常に評価される事業を進めておりますけれども、全国各地でいろいろそういうふうな団塊の世代の方を呼び込むような施策を展開しております。  青森県もそれに取り組むんだということで頑張られると思うんですけれども、ことしのこの雪みたいなのを県外の方、特に首都圏の方とかに見せると、腰を抜かして、もう青森へは行けないというふうな感じになるもんですから、そういうことを考えれば、三八地区は雪が降らないのであっちの方がまだ有効かなという考えも持つんですが、その中で、私も夏になると高校時代、中学時代のクラス会とかをよくやるんですけれども、あと十数年後に迫った退職をしたら、「山谷、退職したら青森さ帰ってきてえな」なんと言う人が結構いるんですよ。やっぱり、両親がまだ健在だとか、親と一緒に住んでみたいとか、そういう声があります。  定年に際して青森に帰ってくるにはハードルが幾つかあって、まずは住むうちですね、それから健康、それから、年金をもらうまで何か仕事を続けたいと。そこら辺のきめ細かいサービスを充実するバックアップ体制が県に求められていると思うんですけれども、同じような取り組みが───青森と同じ過疎県と言われている島根県の澄田知事が県外在住の県内出身者二万人に故郷に戻りませんかという手紙を送ったということをある本で読みました。二万人に送ったら二千人の方から返信があって、五十歳代以下では四割が人生の選択肢にUターンを望んでいると。そのうち四十二人からはすぐにでも帰りたいという返事が来たそうであります。  そういう意味では、まねをするんじゃないですけれども、やはり、青森県の特性をよく知った方で、帰ってきたいと、定年後あるいは今現在でもという方がいれば、それはそれで状況をよくわかっているわけですから、定住策、人口増の一つの決め手になるのかなという感じもしますので、この事業についてもより一層の推進をお願いしたいと思います。  最後に、医師確保についてですが、全国的にこうやって医師が不足している、そういう中で青森県にだけ医師を確保するというのはなかなか難しいことだと思います。  そこで、将来を見越して、青森県独自に自前で医師をつくるというふうな形で、考え方、見方もちょっと変えていかなきゃだめかなと。  人材育成は最優先の課題と知事さんはおっしゃっていました。そういう意味では医師の人材育成も本当に最優先の課題だということで認識しておりますが、一つは、これは私、自分で考えたんですけれども、どうやったらお医者さんがふえるのかなと。まず、今県内に住んでいる高校生、県内の高校に通っている高校生に、医師という仕事の役割と、それから社会性───お医者さんというのは本当にすごいんだよというのを高校生に理解してもらうと。  そして、弘前大学の医学部への県からの助成をもっとふやして、医学部の生徒の定員を五人ぐらいでもふやしてもらうと……(発言あり)今もやっていますけれども、五人程度でもふやしてもらう。  それから、高校の優秀な生徒───例えば東京大学にでも合格できそうな子供も、ぜひ弘前大学の医学部に来てくれと。ついての経費は、親の経済的負担も大変ですから───今の医師の修学資金の貸付金は一人当たり年に大体六十万ぐらいだと思うんですけれども、五百万ぐらい出してもいいんですよ。自治医科大方式ですけれども、やっぱり年間五百万、六百万の授業料がかかりますから、その点、自治医科大学方式じゃないですけれども、卒業するまで全額負担すると。そのかわり、卒業した後、知事の指定する自治体病院に就職して、例えば十年勤めたらただにするというようなやり方をしていかなければならないのかなと。  それで、例えば今よりも一年に五人ふえたとすれば、十年で五十人、二十年で百人お医者さんがふえると思います、県出身のお医者さんが。そういう意味では、この事業を青森県赤ひげ医師養成事業と名づけて、何かそういうふうな角度からお願いしたいと思います。  以上でございます。 26 ◯議長(成田一憲)  知事。 27 ◯知事(三村申吾)  山谷議員の再質問にお答えいたしたいと思います。  まず、少子化対策の部分でございますが、全国的にさまざまな少子化対策が講じられておりまして、本県においても、乳幼児の医療費に対する助成や第三子以降の保育料を軽減する事業などを県単独で実施しているところでございます。  少子化対策は、長期的に一貫した施策を継続的に、着実に推進していくことが重要であると考えております。  このため、本県の次世代育成支援行動計画でありますわくわくあおもり子育てプランを着実に推進してまいりたいと考えております。  また、近年、自分自身もこれは困ったと思っておるんでございますが、社会全般としての非婚率───結婚しない率が非常に上がってきている、また結婚年齢が遅くなっているということ等を含めまして、子育て支援の前の段階というんでしょうか、そういった段階でも、我々が社会に───結婚につきましては個人のことでございますからどうこうということは言えない部分が多々あるわけでございますが、結婚生活についてのアピールというんでしょうか、そういうことを含めての仕組みも───仕組みというか、啓発も必要かなと昨今考えております。  また、要望ではございましたが、医師確保につきましては相当な経済的支援対策というものを今進めている状況でございます。  また、弘前大学には本県枠というものを相当に確保していただいておりまして、なおかつ、高校生等に対する啓蒙活動というんでしょうか、医師の方々あるいは弘大の先生の方々ということ等を含めまして対策等をとっておりますし、また、教育委員会と連携しまして、医師及びそういう難関学部を目指す生徒たち、あるいはそれを指導する先生方のためのいわゆる教育指導の仕組み───要するに、夏に集めて講習を行っているということでございますが、それを、かなり徹底した規模ではございませんけれども、相当な水準の規模で行い、そのことで先生方も指導方法を学ぶというような仕組み等を続けている状況でございます。  今年度はまだこれから弘大が発表になるわけですけれども、私どもとしては、昨年で二十数名、県との関連を持つ方々を確保できた状況がございまして、そういった長期的展望に立ったところを含め進めていくわけでございますが、今、短・中期的な部分で、研修医制度を含め、本県出身の医師の方々にまさに還流していただく仕組みであるとか、あるいは、本県で新たに医療行為を───医療人生の最後を本県において活躍していただく仕組みであるとか、さまざまな提案をしながら、本県におけるところの医師の人材についての定着方を図っている状況にあるということもあわせてお話し申し上げたいと思います。  私からは以上です。 28 ◯議長(成田一憲)  午さんのため暫時休憩いたします。 午後零時四分休憩     ─────────────────────── 午後一時三十四分再開 29 ◯副議長(滝沢 求)  休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  三十七番三上和子議員の登壇を許可いたします。───三十七番三上議員。 30 ◯三十七番(三上和子)  日本共産党の三上和子でございます。  それでは、一般質問を行います。  初めに、知事の政治姿勢について、三位一体の改革と小泉構造改革問題で伺います。  三位一体改革は地方分権の推進を看板にして行われました。しかし、それならば、公共事業などのひもつき補助金こそ地方が自主的に使えるように改革されるべきでしたが、こうした補助金には余りメスが入らず、義務教育費や社会保障関係など国が本来責任を負うべき負担金が減らされました。しかも、負担率を縮小するなどのやり方での削減であり、これでは国の財源保障の責任を弱めて地方に財政負担を押しつけるだけで、地方自治体の自主性を高めることにもつながりません。  金額的に言っても、〇三年度に前倒しで実施された分も含めると補助金削減は五・二兆円に達しており、これに対する財源措置は、税源移譲で三兆円、交付金化で〇・八兆円、合わせて三・八兆円にすぎません。差し引き一・三兆円近い地方財源が削られたことになります。交付税が減らされたこととあわせて、長期的に見れば住民サービスの大幅な低下につながりかねない重大な内容です。  同時に、〇六年度だけを見れば、直ちに地方自治体の財政運営が困難になるほどの大幅削減がされているわけではありません。交付税が実質一・三兆円減る一方で地方税収は一・六兆円の増加が見込まれており、税収は自治体による差があるため単純ではありませんが、全国的には前年度を上回る地方の一般財源が確保されるようになっています。交付税が削られたから財政が大変という口実で住民サービスの切り捨てを提案してくることは許されません。  国会の序盤戦における論戦は「末期症状」、「ほころび次々」と報じられ、小泉政権の政治モラルの低下の深刻な実態が浮き彫りとなりました。社会格差の拡大と規制緩和万能路線を押しつけるもとで、アメリカ言いなりの米国産牛肉の輸入解禁、防衛施設庁談合事件、ライブドア問題、耐震偽装問題などなど、小泉失政と言ってもいい事件が続きました。小泉構造改革における官から民への方針のもと、規制改革、民間開放を進めたことが一連の弊害を引き起こしていると考えますが、知事の認識をお伺いいたします。  次に、今冬は記録的な豪雪に見舞われました。来る日も来る日も降り続ける雪に、雪国の暮らしにくさを実感しました。高齢者ひとり暮らし、障害を持つ方々にとってはなおさらです。屋根を含む自宅周辺の除雪、買い物、通れない歩道、車さえ交差できない車道など、交通障害、経済的・精神的被害は甚大なものとなりました。  青森気象台は、観測史上、昨年に続く二番目の豪雪と発表、県内自治体では次々と豪雪対策本部を設置しました。二月には、県を初め弘前市など合計二十一の自治体で豪雪対策本部を設置しました。  県防災消防課の二月二十一日現在の今冬の豪雪による被害のまとめによりますと、被害総額は三千三十八万二千円、人的被害も、亡くなられた方七名、重傷者六十一名、軽傷者百七名にも及びました。その他、建物被害、農林・水産・畜産関係、文教関係の被害なども多岐にわたりました。これに伴う県、市町村の除排雪費用は莫大なものです。  県は、当初予算二十億円に十億円の追加、比較的温暖と言われてきた弘前市は、四度目の追加補正で十四億数千万円の追加補正を余儀なくされました。今後新たに降雪の影響が出てくることも危惧されているところですが、県民生活支援に万全を期していただきたいと思います。  今冬の豪雪については多くの県民の方々が危機感を覚えたのではないでしょうか。雪対策について、これまでのあり方でよいのか、抜本的な検討が必要ではないのかと思うのです。雪は昔から降り続けてきたし、天変地変が起きない限りこれからも降り続けるでしょう。画期的、恒久的と言われるような雪対策、本格的、抜本的な対策の検討を求めるものです。  いずれ解ける雪ですが、放置すれば災害を招くことになり、雪国の生活は成り立ちません。毎年数十億円単位での除排雪予算の一層の効果的な使い方を研究していただきたいと思うのです。この雪問題ではいろいろ一般質問でも取り上げられましたが、私は、実効性あるものにというならば、雪国ならではの本格的な対策の研究を始めていただきたいと思うわけです。とりわけ、高齢者の方たちが雪問題で孤立することがないような対策は構築する必要があるのではないでしょうか。「閉じ込められて十時間」、「建物崩壊相次ぐ」、「足りない支援の手」などが報道されるような事態が毎日発生しました。  当面、雪対策について次の点を伺っておきたいと思います。  融雪・流雪溝及び防雪さくの整備促進についての考え方、高齢世帯等の除雪に対する取り組みと今後の対策についてお尋ねします。  また、JRの対応に対する県の認識について伺っておきたいと思います。  今冬は、奥羽線で連日のように列車のおくれや運休が出て、利用者の不満も頂点に達しました。二月九日には五能線木造-五所川原駅間で快速列車が立ち往生し、百九人の乗客が八時間半にわたり車内に閉じ込められる事態を招きました。積雪寒冷地といえども、安全に乗客を目的地まで届けることは公共交通機関の大事な任務です。国鉄の民営化による対策の弱さを露呈したようなものです。  県としてJRに適切な対応を申し入れるべきではないかと思いますが、見解を伺います。  次に、県内に見る格差社会の広がりについてです。  国民健康保険税(料)の滞納世帯がふえています。平成十七年の県内の国保世帯三十一万一千六百世帯のうち、滞納世帯数は実に六万一千五百世帯、短期保険証の交付は一万二千五百世帯、資格証明書の交付は三千五百世帯に上ります。  資格証明書とは、病院での医療費が全額自己負担ということです。世帯数ですから、この二倍に近い人たちが保険証を持てない暮らしを送っているわけです。倒れるまで病院へ行かないで救急車で運ばれる医療の現場は修羅場だそうです。患者として診察する前に、まず栄養をつける、おふろに入れる、そういうことがたびたびだということです。  保険証は命綱です。減免制度などを考慮して、まず保険証は交付ありきが国民皆保険の精神ではありませんか。国民健康保険証を交付されず、資格証明書が交付され、窓口負担が十割となり、医療を受けられない世帯が増大しています。資格証明書は交付すべきでないと考えます。また、交付しないよう県独自の対策を考えるべきです。  生活保護の受給者も毎年一千人規模でふえ続けています。七十歳以上の人に支給されてきた老齢加算の段階的廃止が〇四年から行われ、二級地の青森市の場合は、一万六千六百円から昨年度は八千八百円になり、今年度は三千四百二十円になり、四月から廃止です。母子世帯の段階的減額・廃止も始まりました。平成十八年度から廃止の高齢者の老齢加算にかわる支援策───例えば灯油代を支給するとかを検討すべきと考えますが、県の認識を伺います。  さらに、教育です。教育費の負担が重くのしかかっています。県財政が厳しく、補助金を含め支出削減が断行されているところですが、教育がおろそかになったら、将来を担う子供たちに大きな悔いを残すことになります。  高校では、今、長引く不況の影響がもろに押し寄せ、経済的理由で修学旅行に行けない生徒や退学を余儀なくされている生徒が増加しています。自営業の不振、倒産、リストラ、解雇、失業、ひとり親家庭など、全国に比べても経済活動が厳しい本県です。学業が続けられるよう対策を強めることが求められています。  県立高校における授業料免除について、制度の周知をどのように行っているのか、また、現在の授業料免除の状況はどのようになっているのか伺います。  私立高校において経済的理由により中途退学する生徒の状況と授業料免除制度の充実について伺います。  求人が改善しているといいます。大企業は、バブル期以上の空前の利益を上げています。求人倍率が十三年ぶりに一倍だそうですが、中身は非正規の求人です。財界、大企業が進め、小泉内閣が労働法制の改悪で後押しをしている使い捨て雇用、リストラによるコストダウンで貧困と所得格差が広がるばかりです。  もっとも、本県においては新規高卒者の求人倍率は四年ぶりに一倍を少し超えたといいますが、一方、内定に至っていない県内希望者は千二百五十八人、県外希望者も百一人という状況です。一般求職者の雇用情勢は、全国の一に対して本県は〇・四七倍と厳しいことに変わりはありません。  非正規雇用の実態についても、全体がつかみにくいのですが、女性の七割が非正規雇用ということです。若年層の雇用の深刻さは一層ひどく、弘前大学の卒業生が地元で福祉関係の就職を希望しても、年末段階で一件の求人もなかったそうであります。地域間格差も拡大していて、厚労省は、雇用環境のとりわけ厳しい東北、北海道、九州の一部に地域雇用創造支援事業等で応援するとしています。どのような効果が期待されるのか御所見を伺います。  また、本県の雇用について、高卒で県外就職者が毎年一千五百人内外の規模で県外に流れていること、県内の倒産件数が平成八年から十七年までの十年間に一千三百四十二件、負債総額は三千八百二十七億円にも上り、事業所の閉鎖、縮小、廃止で十七年度までの三年間の解雇者数は一万二千人にも及びます。  働く場所の創造が必要でないかと問えば、県は、生活創造推進プランの重点プロジェクト、わくわく10のあおもり型産業創造育成プロジェクトで応援しているというのです。  あおもり型とは何かといえば、FPD関連産業や環境・エネルギー産業など将来性の高い先端産業など、地域の特性を生かして雇用の場を図るとしています。プランの目標は平成二十年までです。現在仕事を求めている人たちの関連でいえばどういう雇用につながるのか伺います。
     私どもは、雇用の創出といったときに、例えば、不足している福祉関連の求人をするとか、少人数学級をふやすとか、直ちに雇用に結びつく職種がいろいろあると主張してきました。それこそ庁内横断型で検討したら、実効あるものが山ほど出てくるのではないでしょうか。景気、雇用は本県の喫緊の課題と言いながら、県民の考えからすると実態とかけ離れた計画のように思えて仕方ありません。  県内の厳しい雇用状況を踏まえ、県民の雇用の場を確保するためより一層の対策が必要と考えますが、具体的にどのように取り組むのか伺います。  次に、景気対策とまちづくりについてです。  昨年夏に行った本県初めての約一千社───実際は九百十一件だったそうですが───に及ぶ企業訪問での実態調査は、県が直接来てくれたとどれほど中小企業・業者を元気づけたことか、まさに元気掘起し調査そのものでありました。  製造業、卸・小売業、サービス、情報、建設、その他、各業界からの生の声が寄せられています。売り上げ状況は、減少したというのがどの業種も半分内外を占め、企業からは、価格競争で体力勝負に陥っている、仕事がなくお先真っ暗、何をすればいいかわからない、新事業を展開しようとしても資金の確保が難しい、人材育成したいが余裕がないなど、何に取り組んだらいいのか悩み苦しむ姿が浮き彫りになっています。  行政への要望として、情報提供や共同研究などとともに、地元業者への優先発注、地元の事業は地元の業者に、地元の業者を育てる方向で工事の発注をお願いしたい、無担保、無保証の融資制度など、要望、意見が寄せられています。  そこで、景気対策としての中小企業・業者への仕事について、小規模事業者の受注機会の拡大を目的とする小規模工事希望者登録制度の導入について考えるべきと思います。どのように考えておられるか伺います。  また、県庁舎の管理という立場から、総務部として、鳥取県の県庁舎修繕等契約希望者登録制度のように受注機会の均等化を図るために、小規模工事について、希望者を名簿に登録し、順番に見積もりを徴収するような制度を創設する考えはないかお伺いいたします。  また、全国では、住宅をリフォームする際、地方自治体などが業者に支援する制度を創設するところがふえてきていますが、住宅リフォームに対する県の取り組みはどのようになっているのか伺います。  景気対策の一環として、県産材を活用した林業、木材産業の活性化について伺います。  岩手県の紫波町では、循環型まちづくり条例のもと、徹底した環境と福祉のまちづくりに取り組んでいます。とりわけ、地元木材を活用した家づくりを奨励、こどもの家、紫波中央駅、消防屯所、小学校、保育園など公共施設の建築を進めています。  これらの木材はすべて町産材です。ぬくもりと優しさが感じられ、机、いすも地元産の地元業者、暖房設備も木質バイオマスエネルギーを利用するものを導入しています。一般住宅用への町産材の活用・普及促進のために、建築資金の利子補給、固定資産税減免制度も実施しています。  本県でも、平成十六、十七年度事業で青森のスギで家づくり推進事業が実施されてきました。県産材の利用促進に向け、県は今後どのような取り組みを進めていくのか。  また、本県は有数の林業王国です。国産材の価格低迷で林業不振が続き、担い手不足ということです。住宅着工で県産材の需要がふえないと、製材や加工業者の低迷で山の荒廃が進み、林業全体が衰退していくそうです。林業科の名称が残る高校も少なくなり、県産材の需要拡大や製材技術の向上、資源の確保、新規就労者の育成など、取り組むべき課題は山積です。  林業の荒廃を防ぎ、今後の林業の若手担い手を育成していくべきと考えますが、県の取り組みについて伺います。  次に、大型店の立地についてです。  大型店の歯どめのない郊外出店が続いています。政府は、これまで一貫して大型店の規制を緩和して、何万、何十万平方メートルもの敷地を持つ大型店が乱立する状況をつくり出してきました。その影響を受けて、中心市街地の商店街や百貨店、スーパーが店舗を閉め、寂れる事態が相次いでいます。  大型店の撤退も各地で問題になっています。全国の業者や自治体関係者、住民から大型店への出店の規制を求める声も多く上がりました。  このたび、都市計画法の改定案が国会に提出され、議論される予定です。  県内の店舗面積における大型店の割合は、一千平方メートル以上の面積を持つ店舗は平成十四年六月時点で五二・二九%を占めています。ここ二、三年の大型店の立地状況を見ると、この割合はもっと広がっていると思われます。  ところで、弘前市樋の口地区に立地予定の超大型店についてです。地元商店会の反対に加え、建設予定地は国の土地改良事業が行われている農地です。転用は認められないものではないかと思うのですが、伺います。  また、政府が野放し状態の大型店出店を土地利用規制で抑制しようとしているとき、県内の中心街が疲弊している現状を踏まえ、郊外大型店の増加は認められないのではないか、県の認識及び対策についてそれぞれ伺います。  次に、子育て支援と少子化対策についてです。  新エンゼルプランの施策の中で、子供を持ちたいと思えるようになるため特に充実が望まれているものは何かとの総務省の実施した住民アンケート結果によると、教育に伴う経済的負担の軽減五八・六%、両立のための雇用環境四六・一%、教育費以外の経済的負担の軽減三六・七%、保育サービスなど子育て支援サービス三三%が上位を占めています。  しかし、国は、行動計画や子ども・子育て応援プランで支援するというだけで、必要な財政保障や人的保障を支援するための財政的な仕組みはありません。推進、普及、定着などの言葉ばかりで、施策の実施は自治体任せです。  乳幼児医療費助成制度の充実、国による制度の創設も切実な願いです。すべての市町村で助成制度を実施していますが、自治体によってばらつきが大きい制度です。子供の命に直結し、経済的負担軽減にとっても大事な制度であり、その拡充が求められているのに、厚労大臣は、独自助成を実施している自治体に対し国保の国庫負担を削減するペナルティーをかけています。ペナルティー額は、〇二年度の場合でも六十六億円にもなっています。  出産を機に仕事をやめる女性は四人に三人に上るそうです。男女とも取得できる育児休業の取得率は、女性七〇・六%に対し男性は〇・五六%と大変偏っています。県庁の職員の取得率は男性一%だそうですけれども。その背景には、男性の育休取得に対しマイナス評価をする企業が少なくないこと、休業中の所得保障の低さなどが挙げられているようです。  子育て支援こそ財政の裏づけが必要と思いますが、御見解をお尋ねいたします。  さらに、産科医の不足により、出産をめぐる環境がとりわけ本県は深刻な状況になっています。県内のお産ができる自治体は二二%、助産師や産科医がいないところ、お産ができない地域が実に六七%を占めています。  県はどのように考えてこの出産に対する県民の願いにこたえられるのか、見解をお伺いします。  また、妊婦の安心確保と負担軽減を図るため、産科医の不在地域において、助産師を活用した保健指導や妊婦健診を実施すべきと考えます。県の考え方についてお伺いいたします。  次に、障害者自立支援法及び高齢者医療制度についてです。  障害者自立支援法が四月一日から実施されるのを前に、障害者と家族に不安が広がっています。福祉サービスの利用料が定率一割負担となり、これまでほとんどの人が無料または定額だったのが大幅な負担増になるからです。障害者自立支援法により、利用者負担が見直しされ、負担額がふえる人が多くなると思われます。  また、医療制度の改悪で平成二十年度から新たな高齢者医療制度が創設され、高齢者を直撃します。七十歳以上七十四歳までの医療費自己負担が一割から二割になるなどそれぞれ引き上げられますが、高齢者の負担がふえることについて、この二点について県の御認識をお伺いいたします。  次に、県営住宅問題についてです。  昨年の暮れ、弘前市の小沢県営住宅に、間もなく母子世帯になると言われている方が応募しました。アスベスト対策で募集が二カ月おくれです。  しかし、応募してみて、三世帯の応募だったというので当然入居できたと思っておりましたら、何と二世帯しか入ることができなかったという状況があります。  そこで、県営住宅の入居率、募集状況について。  それから、県住の空き家を解消し、住宅に困窮する方に積極的に提供すべき、空き家は全部修繕すべきと考えます。いかがお考えでしょうか。  それから、今後の県営住宅の供給方針について伺います。  最後に、米軍基地再編とXバンドレーダーについてです。  岩国基地の住民投票は、きのう、告示というんでしょうか、始まりまして、十二日に投票が行われるようであります。  防衛施設庁は、三月三日、米軍の移動式早期警戒レーダー、Xバンドレーダーをつがる市の航空自衛隊車力分屯基地に配備することで日米が合意したことを受け、県とつがる市に対し配備への協力を正式に要請しました。  米軍Xバンドレーダー配備のねらいは米本土のミサイル防衛であり、これを受け入れることは、本県が米軍のミサイル防衛の拠点として世界戦略の中に組み込まれることを意味するものです。  Xバンドレーダーは、弾道ミサイルを探知するため他国の領域内にも電波を放射するため、配備自体がアジア近隣諸国に軍事的脅威を与えるもので、地域の緊張を一層高めることにつながります。県民を危険な世界戦略に巻き込み、アジアの近隣諸国との緊張を高めるXバンドレーダーの配備は絶対に認めることはできません。  空母艦載機部隊を岩国基地に移転させることの可否を問う山口県岩国市の住民投票に学んで、本県も住民の民意をくむべきだと思います。本県として住民投票でXバンドレーダーの配備について問うことを求めるものです。  また、この間、知事は、現状を超える基地機能の強化は容認できないとの考えを表明してきました。国が正式に配備への協力を要請している現在、明らかに基地強化につながるXバンドレーダー配備協力要請に対してははっきりと反対すべきと思います。  以上二点についての知事の御見解もお伺いし、壇上からの一般質問を終わらせていただきます。 31 ◯副議長(滝沢 求)  知事。 32 ◯知事(三村申吾)  三上和子議員にお答えいたします。  まず一点目の三位一体改革についてでございますが、これまでの三位一体改革への取り組みを振り返りますと、国、地方の役割分担の議論、検討が十分尽くされたとは言いがたいこと、平成十六年度の地方交付税総額の大幅削減など財政運営の安定性を大きく損ねる場面があったこと、また、国の財政再建を優先する動きが非常に強いこと等、その進め方には課題が多いと感じる次第であります。  しかしながら、平成五年の地方分権に関する国会決議以来地方分権改革が歩んできた長い道のりを思い起こせば、今回三兆円規模の税源移譲が実現したことや、国と地方の協議の場が設置されるなど政策形成過程に大きな変化が見られたことは評価するものであり、みずからを含め多くの地方自治体関係者もこの点については同じ思いであると認識する次第であります。  いずれにしても、我が国において急激に進行する少子高齢化を初め、国、地方を通じた危機的な財政状況など大きな構造的課題に直面していることを踏まえますと、国、地方とも、改革を着実に進め、持続可能な仕組みを確立することが次世代に対してきちんと果たすべき現役世代、現在世代の責任であり、三位一体の改革を含めた財政制度改革は避けて通れないものとは認識している次第でございます。  私みずからも持続可能な青森県づくりに向けて今後とも精いっぱい尽力したいと考えるところであります。  小泉構造改革におけるところの官から民への方針のもと、規制改革、民間開放等を進めたことがさまざまな弊害を引き起こしているということではないかという内容の趣旨についてでありますが、議員御指摘のそれぞれ具体の問題につきまして今国会でも各種議論が行われていることなど報道等で承知しているわけでございますが、複数の問題をまとめて議論することは、いささか、違和感というか、無理な部分があると思うところでありまして、それぞれの問題、事象を引き起こした要因につきまして、制度設計それ自体に起因するものなのか、例えば耐震偽装のように違法行為を働く個人のモラルに起因するものなのか等、それぞれのケースごとに分けて丁寧に分析、検討するべきではないかというのが率直な感想、思いであります。  私からは以上です。 33 ◯副議長(滝沢 求)  総務部長。 34 ◯総務部長(野村善史)  高等学校授業料に関連して、私立高等学校についてでありますけれども、ここ三カ年の本県私立高等学校における中途退学者数については、十四年度が四百五十九人、十五年度が三百六十八人、十六年度が三百十八人と減少傾向にございまして、このうち経済的理由によるものは、十四年度が三十九人───これは中途退学者全体の八・五%に当たりますけれども、また、十五年度が二十七人───これは同じく七・三%、十六年度が三十人、同じく九・四%と三十人前後で推移しております。  このように、本県においては、経済的な理由による中途退学者は数値上では必ずしも増加しているとは言えない状況にございます。  県では、経済的理由により修学困難な生徒の父母負担の軽減を図るため、私立高等学校が授業料軽減措置を行った場合にその一定額を助成する私立高等学校授業料軽減補助を実施してきたところでございまして、十六年度には、生徒一人当たりの補助単価の引き上げを行い、また、年度途中での追加申請にも弾力的に対応してきているところでございます。  いずれにしても、当該補助制度が活用されるよう一層の周知徹底を私立学校に指導するとともに、厳しい財政状況ではございますけれども、人づくりの観点に立って、今後とも当該補助に努めてまいります。  また、鳥取県が行っている契約希望者登録制度ということがございましたけれども、現在、本庁舎及び青森市内職員公舎の小規模な修繕工事については、青森県建設業者等級名簿の中から、発注金額や施工難度等に応じて、競争性、公平性を確保しつつ、地元業者を選定いたしております。  鳥取県の県庁舎修繕等契約希望者登録制度は、ことし二月から実施されているものでありまして、建設工事入札参加資格の下位のランク業者を対象として希望者を登録し、その中から順番に見積もりを徴取するというものと伺っておりますけれども、緊急を要する修繕工事や特殊な工事等については制度の対象外にするとも聞いております。  当部の所管します修繕工事の実績について見てみますと、緊急を要するものが全体の九割を超え、迅速で確実な対応が求められる工事が多いこと、さらには、複数の業種にまたがるものも多く、技術者の少ない業者では対応できない場合が多いことが特徴となってございます。  このような本県の実情に照らし、業者を登録順に機械的に選定するという鳥取県が採用しているような制度の是非を検討するに当たっては、いましばらく慎重に同県の運用実態や全国の状況を見きわめることが必要かと考えております。 35 ◯副議長(滝沢 求)  行政改革・危機管理監。 36 ◯行政改革・危機管理監(天童光宏)  Xバンドレーダーについて二点お答えいたします。  まず、住民投票についてであります。  住民投票でXバンドレーダー配備について民意を問うべきとの御指摘につきましては、住民投票は民主主義制度の中で民意をくみ取る非常に大切な一つの方策と認識しているところでありますが、一方で、外交及び防衛に関する事項は国の専管事項でありますこと等から、県としてはXバンドレーダー配備に関し住民投票は考えていないところであります。  Xバンドレーダー配備については、地元への影響がどのようなものであるのか、地元自治体の意向がどのようなものであるのか等も含め、Xバンドレーダー検討会の検討結果報告書に係る知見を踏まえ、検討してまいりたいと考えているところであります。  いずれにいたしましても、今後、県民の安全、安心に重点を置いた対応の観点から、県議会での御議論を初め県民説明会の開催等、慎重に手順を踏みながら対応してまいります。  次に、知事の「現状を超える基地機能の強化については容認できない」とする発言に照らし、Xバンドレーダーの配備要請には反対すべきと思うがどうかについてであります。  「現状を超える基地機能の強化については容認できない」場合に該当するかどうかに関しましては、個々の事案ごとに検討すべきものと考えております。  去る三月三日、国から、航空自衛隊車力分屯基地をXバンドレーダーの最適な展開地とさせていただきたいと考えている旨の説明がありましたが、県といたしましては、Xバンドレーダー配備については、地元の意見はどのようなものであるのか、地元自治体の意向がどのようなものであるのか等も含め、Xバンドレーダー検討会の検討結果報告書に係る知見を踏まえながら慎重に検討してまいりたいと考えております。 37 ◯副議長(滝沢 求)  企画政策部長。 38 ◯企画政策部長(関 格)  JRの相次ぐ運休、おくれなどに対する県の認識について、また、県として適切な対応を求めるべきではないかにお答え申し上げます。  二月四日に、走行中の特急「つがる」のドアが開く事故が発生し、二月九日には、五能線の快速列車が雪のため長時間停車して乗客が車内に閉じ込められる事故が発生しました。  これら県内で連続して発生したJRの事故については、二月十六日にJR東日本の秋田支社長と青森支店長が知事に対して事故の状況と今後の対策を報告し、県民に迷惑をかけたことを陳謝いたしました。  その際、知事からは、全国でJRの事故が相次いでおり、JRには乗客の安全対策に万全を期してもらいたいこと、五能線の事故の際には乗客の皆さんが九時間近くにわたって車内に閉じ込められましたが、このような事態が発生した際には、何よりも乗客へのケアを第一に考えた迅速な対応に努めてもらいたいこと、昨年に続き本年も雪の多い冬となっており、雪による鉄道ダイヤの混乱は住民の生活や経済活動にとって大きな障害となっているが、JR各線は公共交通機関として通勤や通学などの社会生活を支える重要な使命を担っており、保線管理の徹底など、県民の信頼にこたえるべくその社会的責任を全うするよう、適切な対応について、県民の声を代表して強くJR東日本に対して求めたところであります。  これに対してJR東日本からは、「県民に迷惑をかけ申しわけない。知事の指摘を深く受けとめ、今後の対策をとりたい」との回答があったところです。  県としては、今後とも、さまざまな機会をとらえて、JR東日本に対して公共交通機関としての責任ある対応を求めてまいります。 39 ◯副議長(滝沢 求)  健康福祉部長。 40 ◯健康福祉部長(三浦康久)  八点にお答えいたします。  まず、高齢世帯の除雪に関してでありますが、これにつきましては、市町村事業の中での実施や多くの市町村社会福祉協議会の事業として行われているところであります。  高齢者の方は、身体的、体力的な面からみずから除雪することが困難な場合もあるほか、事故等の危険性が生じる可能性も高いこと、人と接する機会が減ることなどから、除雪に関するサービス、除雪事業者等に関する情報の提供や除雪時の注意事項の周知、安否確認の徹底などが重要であると考えております。  そのため、転落等の事故防止や健康面への配慮の必要性などを記載したチラシを作成し、市町村、老人クラブなど関係機関への通知を行うとともに、冬期間は他の時期よりも安否確認の頻度をふやしていただくよう市町村や関係団体等に依頼しております。  県といたしましては、このような取り組みを通じ、高齢者の積雪に伴う影響への対応に努めてまいりたいと考えております。  国民健康保険の被保険者証についてであります。  国民健康保険の被保険者資格証明書は、国民健康保険法の規定に基づき、災害その他の特別の理由もなく保険料を一年以上滞納している場合に、被保険者証の返還を求め、それにかえて交付することになっております。  各市町村では、被保険者資格証明書の交付に当たって、保険料の納付相談等を行い、さらに弁明の機会を設けるなど、その手続には慎重を期して実施されているところであります。  県としましては、保険料は国民健康保険財政の基本となる財源であり、受益と負担の公平を図り、同様の収入でもきちんと支払っている方との均衡を保つためにも、各市町村が国民健康保険法等の関係法令に基づき国保制度を適正に運営する必要があるものと考えています。  したがいまして、法令に基づき被保険者資格証明書を交付することも必要なものと考えております。  生活保護についてでありますが、生活保護制度につきましては、国の生活保護制度の在り方に関する専門委員会での検討結果を踏まえ、厚生労働大臣が老齢加算の見直しを行ったものであります。  老齢加算は原則七十歳以上の方の基準生活費に加算されるものでありますが、国は、一般低所得高齢者の消費水準をもとに検証したところ、高齢になるに従って消費水準が低下し、加算の必要性が認められないとして、平成十六年度から三年間で段階的に廃止することとしたものです。  ことしの冬は灯油価格が高騰し、一般世帯も含めて家計に影響しているものと思われますが、生活保護基準は厚生労働大臣が定めるものであり、最低生活の保障は国が行うべきものと考えております。  次に、子育て支援についてであります。  県は、子供が健やかに生まれ育つことを総合的に支援するため、平成十七年二月にわくわくあおもり子育てプランを策定し、子育て支援に取り組んできているところであります。  このプランにおきましては、乳幼児はつらつ育成事業、ひとり親家庭等医療費助成事業などに県単独で取り組んでいるところであります。  今後は、新たに、仕事と子育ての両立支援策のため、一つに、事業主に対する職場環境づくりのためのコンサルタントの配置、二つ目に、子育て支援事業を紹介するガイドブックの作成、三つ目に、地域において独創的で先進的な子育て支援への取り組みを紹介する優良事例の発表などを行う、仕事と家庭の両立支援のための職場環境づくり推進事業を実施することとし、本定例会で御審議いただいているところであります。  特に、本県では、子育ての経済的支援を目的とした各種医療費助成制度の推進並びに多様な保育対策及び子供への虐待防止対策の充実に取り組んでおり、今後とも取り組みを進めてまいります。
     次に、産科医の不足の問題であります。  産科医療に従事する医師の勤務環境は、三百六十五日、二十四時間切れ目のない激務であることや医療訴訟が多いことなどから、産科医の勤務環境の改善や医療上の安全を確保するため、現状では産科医の集約化は避けて通れないことと考えます。  県では、平成十八年度の予算において、限られたマンパワーのもとで、将来にわたりお母さんたちが安心して産める体制を確保していくためのビジョンを策定することにしております。  また、産科医確保のためには、今回の診療報酬の改定で予定されている産科医療に対する診療報酬上のメリットの付与など、診療科としての必要性と特性を踏まえた国レベルの誘導策が不可欠と考えております。  今後とも、県議会の御協力もいただきながら、産科、小児科、麻酔科など特に不足している診療科の医師確保対策について国に要望してまいりたいと考えております。  それから、助産師の活用問題であります。  妊婦さんが心身ともに健康な状態で出産を迎えるためには、助産師による、妊娠経過に応じた身体面、精神面での支援が重要です。  また、産科医が不在となった地域において助産師を活用した妊婦健診を実施することにより妊婦さんの負担を軽減することが可能となりますが、母体などのより高い安全性を確保するためには医師による支援体制が必要であり、医師と助産師がそれぞれの専門性を生かしたチームによるかかわりが前提になるものと考えます。  県では、産科医不在の地域において助産師が主体となる妊婦健診をモデル的に実施することを考えておりますが、医療上の安全を確保しつつ、助産師の持つ技能を有効に活用できる方法について、関係機関と協議をしながら一生懸命進めてまいりたいと考えております。  次に、障害者自立支援法の関係でありますが、障害保健福祉施策は、平成十五年度から導入された支援費制度により、ホームヘルプ等の在宅サービスが飛躍的に充実しました。  しかし、今後とも増大するであろうサービスを確保し、制度を維持していくためには、福祉サービスの利用者の方々を含め、みんなで費用を負担し支え合う仕組みとすることが必要となったところであります。  このため、障害者自立支援法においては、一つに、利用者負担は応能負担から原則一割負担とする定率負担への見直し、二つ目に、国と地方自治体の在宅サービスの義務の負担化等により制度の維持を図り、障害者が地域で安心して暮らせる社会を目指すものであります。  なお、利用者負担につきましては、障害者が暮らしていく上で支障が生じることのないよう、きめ細やかな軽減措置を講じることとしております。  例えば、具体的には、各種世帯の月額負担上限額を設定していることや、市町村民税課税世帯であれば月額負担上限額を三万七千二百円に、非課税世帯であれば、障害基礎年金一級相当の収入の世帯は二万四千六百円に、障害基礎年金二級相当収入以下の世帯は一万五千円に軽減しております。  グループホームや施設入所者につきましてはさらに個別減免も制度化されておりまして、一定以上の預貯金等のない方で障害基礎年金二級相当収入以下の場合は定率負担をゼロ円に、また、これを超えた場合も大幅な控除を行うなど、個別に減免しております。  このほかにも、生活保護への移行防止制度、施設を利用している方々への補足給付など、さまざまな軽減措置をとることにしております。  県としましては、対象者がこのような制度を漏れなく活用できるよう、これまでも、市町村担当課長会議や、事業者、家族会等各団体への説明会、講演会などを行ってまいりました。  今後とも、障害者本人はもとより、市町村や関係団体の方々への周知徹底を図ってまいりたいと思います。  最後に、高齢者医療制度の関係であります。  国民皆保険を堅持し、将来にわたり持続可能なものとしていくため、平成十七年十二月に政府・与党医療改革協議会による医療制度改革大綱が公表され、現在開催されている通常国会で関係法案が審議されることになっております。  この大綱の中では、平成二十年度から新たな高齢者医療制度を創設することとされ、加入対象者が七十五歳以上の高齢者であることや、財源構成が、国、県、市町村による公費負担が五割、各医療保険者の支援が四割、加入者の保険料負担が一割となることなどが予定されております。  また、七十歳から七十四歳の方の患者負担を現行の一割から二割とすることも予定されていますが、既に、各県の意見を集約し、全国知事会として、高齢者の患者負担や保険料のあり方を含め具体的な内容について議論を深めて国民的合意形成を図るべきとの意見書を提出しており、県としましては今後とも国の審議状況などを注視してまいりたいと考えております。 41 ◯副議長(滝沢 求)  商工労働部長。 42 ◯商工労働部長(中島勝彦)  御質問にお答えいたします。  まず、雇用の関係で、県外に流出等、また、あおもり型産業といったような関係について、県民の雇用の場を確保という点についての御質問でございます。  まさに、県内において県民の皆さんが仕事をすることができるというふうなことを確保することが大事でございます。そういう点で、十八年度予算においては産業・雇用を最重点施策ということで予算編成させていただいているわけでございますが、県民の雇用の場を確保する観点から、来年度のしごと空間創造プロジェクトにおいては、創業希望者に対する準備スペースの提供や資金面での支援、県内企業の製品、技術の首都圏における市場開拓支援、異分野の企業間の連携などの新たな取り組みへの支援などを実施するほか、企業誘致に係る助成措置の拡充や県内誘致企業を活用した誘致活動などを展開し、雇用の受け皿の拡大を図ることとしています。  さらに、あおもり型産業創造育成プロジェクトにおいては、バイオマス燃料電池やフラットパネルディスプレーなどの技術・研究開発を拡充するとともに、県内の資源や特性に着目した事業化、大企業とのマッチングへの取り組みを進めるなど本県の地域力を最大限に活用して、あおもり型産業の創造に向けた取り組みを推進することとしております。  これらの取り組みに加えて、既存企業の経営安定支援、地域商店街や地場産業の活性化など、地域中小企業の活性化を図る施策の充実に努めるとともに、本県の産業を担う人材の育成にも意を用いながら、地域経済の活性化と雇用の場の創出を図ってまいります。  国の特別雇用対策についてでございます。  国(厚生労働省)では、本県を含む七道県を対象に、雇用関係予算の重点配分と運用面での配慮などの特別雇用対策を展開することとしたところです。  具体的には、地域の雇用創造に自発的に取り組む市町村等の取り組みを促進、支援する地域雇用創造支援事業について、現在青森市を初めとする三市が商工団体等と連携して雇用機会の増大を図るために取り組んでいる地域提案型雇用創造促進事業について、七道県に対する予算の配分比率を全体の四〇%から五〇%に引き上げる、市町村が選択した重点産業分野において、創業する者に対して創業経費や雇い入れ経費を助成する地域創造助成金について、七道県においては助成率を三分の一から二分の一に引き上げを行うというものです。  また、十八年度の新規事業として創設する、中小企業主団体による人材の確保育成等を支援するための地域雇用開発活性化事業についても、七道県に対して予算全体の三〇%を重点的に配分するとともに、柔軟な運用を行うなどとしておるところです。  県としては、これらの事業を積極的に活用していくことが大事であると考えており、市町村、商工団体等との主体的な取り組みが必要ですので、青森労働局と共催で県内各地域において市町村、商工団体等を対象に説明会を開催しておりますし、県の市長会、それから県町村会の総会の場におきましても県内の市町村長に利用促進を直接働きかけたところであり、今後とも、青森労働局や関係団体と連携を図りながら、国の特別雇用対策を積極的に活用してまいります。  次に、小規模工事希望者登録制度の導入についてです。  小規模工事希望者登録制度は、競争入札参加資格者名簿に登録されておらず建設業の許可を受けていない小規模事業者に対しても受注機会の拡大を図るため、随意契約の範囲内で公共施設の小規模な修繕や工事の受注の機会を提供する制度であると聞いております。  県としては、仮に小規模工事希望者登録制度を導入した場合であっても、工事の適正な施工を確保するためには建設業の許可や経営事項審査にかわる何らかの要件は必要であり、県内全域の小規模業者について、実務経験や修繕の実績等を把握し、公正な判断をすることにはかなりの困難が伴うものと考えております。  また、現行の競争入札参加資格者名簿との競合の問題等も考えられますことから、全国の状況を踏まえながら将来的に検討させていただく課題であると考えております。  最後に、郊外大型店の出店増加に係る認識等についてです。  大型店の郊外立地が進む一方、県内の中心商店街においては全国的な傾向と同様空洞化が進み、平成十六年度の県内の主な商店街の空き店舗率は一四・七%となっております。  中心市街地の衰退についてはモータリゼーションの進展等さまざまな要因が複合的に影響しておりますが、大型店の郊外立地もその要因の一つであると認識しております。  このような現状を踏まえ、国においては、中心商店街の衰退を喫緊の課題ととらえ、郊外における大型店の立地を規制し中心市街地の活性化を図ることを目的として、関係法の改正案を今国会で審議しているところです。  県としては、改正の動向を踏まえながら、大型店の立地規制だけではなくまちづくりの観点も含めた中心商店街活性化の方向性について、大店立地法及び中心市街地活性化法に係る庁内連絡会議等の場で意見を聞いてまいりたいと考えております。 43 ◯副議長(滝沢 求)  農林水産部長。 44 ◯農林水産部長(一戸洋次)  三点にお答えいたします。  まず初めに、県産材の利用促進であります。  県では、県産材の利用促進を図るため、これまで、住宅設計建築士を対象とした県産杉の特性などに理解を深めてもらうための研修会や、県内で伐採されました原木が材料であることを証明する県産材認証制度の創設などに取り組んできたところであります。  今後は、林業、木材産業四団体で組織する県産材認証推進協議会が行う広報宣伝や認証県産杉材を多用した住宅建築主に対する一戸当たり二十万円を上限とする助成、県産材の需要者と供給者の円滑な情報交換を行う県産材利用促進ネットワークを活用した公共事業への利用促進などを行うこととし、所要の予算を本議会に計上して御審議いただいているところであります。  次に、林業を担う若手の育成についてであります。  林業の担い手を育成するため、県内では、県森林組合連合会や森林組合が、実際の作業に従事しながら林業の知識、技能を習得するための研修を行う緑の雇用担い手育成対策事業を平成十五年度から十七年度まで実施し、研修修了者二百四十五人が林業に就業しており、二十歳代の就業者も五十人以上確保されております。  また、現に林業に従事している若年層に対して社団法人青い森農林振興公社が高度な知識、技能を習得させるため年間十人程度を対象に専門的な教育、研修を実施し、全科目の修了者を青森県基幹林業作業士として認定しております。  県では、こうした研修に技術指導を行う講師の派遣や県森林整備担い手対策基金を活用した経費の助成を行っており、今後とも、関係団体等と緊密な連携をとりながら、林業の担い手の確保育成に努めてまいります。  弘前市樋の口地区の農地転用についてであります。  土地改良事業が行われている農地の転用に当たっては、あらかじめ市町村が地域の農業振興のための特別な計画を策定した上で農用地区域から除外することが必要となっております。  弘前市樋の口地区に計画されております大型店の立地予定地は、大部分が農地で、現在農業水利事業が行われているため、弘前市は、この大型店が周辺の農家からの優先的な雇用や地元農産物の積極的な販売などを予定しており、これらによって地域の農業振興が図られるとして、特別計画案を取りまとめたところであります。  県はこの特別計画案が国の定める基準に則していると見ており、これを踏まえて、弘前市は、この特別計画案を農地転用の許可権者である農林水産大臣に提出し、転用許可の見込みを照会しているところであります。  なお、地元商工会議所では大型店の立地について異存はないとしております。  以上であります。 45 ◯副議長(滝沢 求)  県土整備部長。 46 ◯県土整備部長(羽原 伸)  初めに、雪対策についての御質問にお答えいたします。  冬期間における安全で快適な生活環境を支えるためには、歩行者空間の確保、また、安全で円滑な道路交通を確保することが重要であり、本県の大きな課題であると認識しております。  そのための対策といたしまして、融・流雪溝や防雪さくの整備を積極的に進めているところでございます。  融・流雪溝につきましては、今年度、九路線十四工区におきまして十一・八キロメートルの整備をいたしておりまして、これまでの整備済みの延長と合わせますと約二百十八キロメートルとなります。  また、防雪さくにつきましては、十一路線十一工区において七・六キロメートルを今年度整備しておりまして、これまでの整備済みの延長と合わせますと約二百五十五キロメートルとなります。  今後とも、融・流雪溝及び防雪さくの整備促進を図ってまいりたいと考えております。  次に、住宅リフォームに対する取り組みでございますが、住宅リフォームにつきましては、バリアフリー化、省エネルギー化、耐震対策などの住宅性能の向上や住宅ストックの有効活用を図るためにも健全な市場を整備することが必要であると考えております。  このため、県では、平成十八年度に安心すまいアップ促進事業を実施することといたしまして、所要の予算について今定例会で御審議をいただいているところでございます。  この事業では、安心リフォーム啓発パンフレットや県産材を使用したリフォーム事例集を作成し、県民の皆様方に情報を提供するとともに、市町村が住宅リフォームの相談窓口を開設するための職員研修会を実施することとしております。  また、住宅リフォームに関連する民間団体を中心に、関係機関から成る、仮称でございますが青森県住宅リフォーム推進協議会を設立し、住宅リフォームの事業者登録制度の普及を図るとともに、事業者向けの研修会等も開催することといたしております。  これにより、県民が安心してリフォームを行える環境を整備し、住宅産業の活性化等を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、県営住宅についてでございますが、まず入居率と募集状況につきましては、平成十八年二月二十日現在、県営住宅の管理戸数は五千六百三十一戸、このうち入居戸数は四千九百七十三戸となっておりまして、建てかえ等のために入居の申し込みを受け付けていない百四十戸を除きますと、入居率は九〇・六%となっております。  また、募集の状況についてでございますが、県営住宅では偶数月ごとに年六回の公募を行っておりまして、平成十七年度は、県全体で募集戸数三百十五戸に対して千六百二十一人の応募者がございまして、募集倍率の平均は五・一倍となっております。  次に、空き家解消についてでございますが、県営住宅の空き家戸数は、平成十八年二月二十日現在で五百十八戸となっております。  県では、空き家を解消して募集戸数の確保を図るため、平成十六年度より、通常の維持修繕に加えて空き家修繕事業等を実施してまいりました。  この結果、平成十八年二月二十日現在の空き家戸数は、平成十六年二月二十日現在と比較いたしまして百八戸減少いたしております。  今後とも、地域ごと、団地ごとの需要状況を的確に把握しながら効率的な空き家修繕を実施し、空き家の解消に努めてまいりたいと考えております。  最後に、県営住宅の供給方針についてでございますが、県営住宅の整備につきましては、既存ストックの適切な維持保全に重点を置き、外断熱改修による住宅の長寿命化、高齢社会に対応したバリアフリー化、給湯機器の設置等による居住環境の改善などを進めていくこととしております。  また、老朽化の著しい住宅につきましては、団地の特性や将来の需要を十分勘案し、買い取り方式等の民間活力の導入などによりコスト縮減も図りながら、効率的な建てかえを行うことといたしております。  また、真に住宅に困窮する低額所得者に対して的確に県営住宅を供給することが重要であることから、公営住宅の本来の施策対象でない収入超過者や高額所得者に対して適切に対応していくことといたしております。  今後とも、県民のニーズを踏まえた効率的な県営住宅の供給に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 47 ◯副議長(滝沢 求)  教育長。 48 ◯教育長(花田隆則)  県立高等学校における授業料の免除についてお答えいたします。  県立高等学校の授業料免除に関しては、各高等学校を通じて保護者にその制度の周知を図っているほか、県教育委員会のホームページや「教育こうほう」(家庭版)及び新聞、ラジオなどを通じて県民の皆さんに広報しております。  また、授業料免除の状況については、生活保護受給世帯を初めとして生徒の世帯収入状況等を勘案して行っているほか、風水害等の災害や倒産、リストラなどにより生計を維持するのに重大な支障を生じたときは、その程度に応じて授業料の免除を行っているところであります。  この授業料免除者数については年々増加傾向にありまして、平成十七年十二月末現在の免除者数は在籍全生徒数の一二・三%に当たる四千四百七十六人となっており、平成十六年度の実績四千三百八十三人を既に上回っている状況にあります。  県教育委員会では、今後とも、保護者への授業料免除制度の周知を図りながら、生徒の修学の機会が確保されるよう適切に対応してまいります。 49 ◯副議長(滝沢 求)  三十七番三上議員。 50 ◯三十七番(三上和子)  三十七番。  何か私は、今度の一般質問を書くに当たって、泣きながら書いたという感じですね。貧富の格差の広がりで県行政は県民にどうこたえていくのかという視点でいろいろ問題を取り上げました。しかるに、御当局の御答弁にはそういう県民の心に思いをするようなことがほとんど見受けられませんでした。県行政の県民に対する住民サービスというのは一体どこに行ったんでしょうか。私は本当に残念でなりません。青森県が全国一の不況県で、そして雇用が厳しい状態だと言っているときに、具体的な取り組みがないと。で、県財政が厳しい、三位一体改革のそういうあおりだからと言わんばかりの対応では県民は我慢できないんです。小泉首相も本当に国民の暮らしの痛みがわからないと言われますけれども、私は青森県だってそうじゃないかと思っています。もう少し具体的に県民の痛みにこたえていただきたい、まずそのことを強く指摘しておきたいと思います。  構造改革、三位一体の改革で第二期計画なんかがあって、これから義務教育だとかの教育問題が深く議論されていくことになるんでしょう。だけれども、全国の知事会、六団体の皆さんが、消費税増税を求めるような内容になっているのを昨年の十月ぐらいに要求しておられましたよね。ですから、そうあってはならないと。知事は、何か、三位一体改革は避けて通れないし、一定の前進だという評価をされているようですが、私は違うと思うんですね。これから一層その痛みが出てくるというふうに思っています。この問題で、知事は今後の問題についてどのように考えておられるのか答えていただきたい。  それから、豪雪対策です。  たくさんの議員の方々がもう既に一般質問をされておりまして、私も何度か原稿を変えたりしているんですけれども、NHKの「ご近所の底力」というので雪対策を取り上げておりました。私は、ああいう形で、多くの地域の方々がどのように安心、安全な暮らしをすることができるかと。NHKも公共の放送で大々的に取り上げているときに、この豪雪地帯の青森県が、毎年毎年降ってくる雪に対して、国の通知があったから市町村に出したという程度では済まされないものがあるんだと思いますね。まあ、雪が降らない地域もありますけれども、でも、県が、お金がないんならないなりに、そういうネットワークをつくって立ち上げて、県内の市町村と───それから、県民の皆さんだってこんなに雪で苦労しているんですから雪に対する協力をします。そういう意味での根本的なところでの今後に、本当に暮らしやすさのトップランナーを目指してと言うんだったら、この豪雪の三カ月の間、とてもとても耐えられるもんじゃないんです。そのことを思ったときに、本気で真剣に雪対策に取り組んでいただきたい、そう思っています。どういう方法があるかは、福祉だとか、いろいろ県庁横断的にやったらいいじゃないですか。そのことの答弁を求めます。  それから、国保です。  これは、国が定めているとかと言っておりますが、それで、納められない人に対してはやむを得ないのだと言っておりますけれども、どんなに───死ねと言っているのと同じだと思うんですね、保険証がないんですから。お金がなくて払えない人がどうして十割払うことができますか。ですから、相談活動だとかいろいろやっているというんであれば、リストラだとか、所得がなくなったとか、病気だとかいろんな態様を見ながら、各市町村には減免制度の充実なり少しでも払う指導をするなりして、こんなに資格証明書を出さない対策を指導するべきだと思うんです。答弁を求めます。  それから、私立学校は───高校の場合です。  公立の高校の授業料が九千六百円かで、私学は二万七千幾ら平均ですね。それで大変なんですよ。ですから、もっと減免制度を───私学の場合は申請者がとても少ないんです。もっと徹底的に減免制度があるよというお知らせをするなり、あるいはまた、県立高校の場合はきちんとした調査などがとられておりますけれども、もっと厳しい状況にある私学に対して目を向けていただきたいし、私学助成に対しても一層力を入れていただきたいというふうに思います。これも答弁を求めます。  それから、景気対策ですが、総務部長が、小規模な登録制度───これは受注機会の拡大についてですが、いや、入札でやっているんだ、緊急性を要するものばかりだからそれはできないということをおっしゃっておられますけれども、それは、別に登録したからといって必ず仕事を出すというんじゃないんですよ。見積もりを出してもらって、今回は上から五番目までの業者だと。それから選べばいいわけです。次の機会には次の五人ぐらいをと、順番にですね。それが鳥取県の事業対策ですが、最近常に県庁が横断的な検討をやると言っていますから、そういう小規模事業者、中小業者を支援する制度をどうするかという立場で検討、改善したことがあるかどうかお尋ねしておきたいと思います。  子育て支援ですが、今度鰺ヶ沢に助産師さんを活用する場が設定されたと思いますね。弘前大学の医師の応援を得て、西北地方の出生対策というんですか、それに取り組まれることになりました。本当にいいことだと心からうれしく思います。  でも、県全体で見れば、出産できる状況にある地域が本当に狭められてまいりました。その点で言えば、上十三地域なんか悲惨なものだと思うんですね。そういう本当に大変な地域にどう対応していくのか、その地域だけでなくて、もっと全体的に女性の皆さんの出産を支えるという対策をとっていただきたいと思いますが、この御認識をお伺いしたいと思います。  よく子育て支援なんかで頑張っている地域を私が紹介すると、予算がないとおっしゃるんですね。青森県全体の予算の使い方が問題だと私は思っています。もっと福祉に回すべきです。新幹線だとかダムだとかそういうものには県民の理解とかそういうものを別に聞きもしないでどんどんやるじゃありませんか。でも、県民が生きていく支えは福祉です。そこに力を入れないで、一体、青森県をどうやって活性化とか、みんながこの青森県で元気に生きていくという、そういう県になっていくことができるでしょうか。私は、その点でも住民、県民の暮らしにもっともっと目を向けるべきだと県知事には特に要請をしたい、こう思います。
     Xバンドレーダーですが、知事にお伺いしているんですね。現状を超える基地機能の強化については容認できないと言ったのは知事ですから、説明を受けて、現状を超えた基地の強化という認識をされているかどうかをお伺いしたいと思います。  もう一点、樋の口の大型店立地に関しての農地の転用問題についてです。  この計画は、岩木川左岸農業水利事業といって、第一期事業が平成八年度から十九年度、第二期事業は十四年度から二十四年度というふうになっています。一体今日までやった事業は何だったんですか。それこそむだ遣いの典型と言われても仕方がないんじゃないですか。国が必要だといって進めてきた事業を、今度は必要ないといってはぐんですか、農地を。この問題でもう一度県の認識をお伺いしたいと思います。  しかも、国が今大型店の規制をかけようと言っているときに、県自体がその駆け込みを認めようという、そういう立場にあるんですか。私は、青森県民がいろんな分野で苦労するのはきちんとした県の姿勢がないからだというふうに思うんです。もっと県民サイドに顔を向けた県政をしていただきたいと思います。答弁を求めます。 51 ◯副議長(滝沢 求)  知事。 52 ◯知事(三村申吾)  三上和子議員の再質問にお答えします。  まず、三位一体の関連でございますが、私としては、今後、国の債務というんでしょうか、要するに地方への振りかえ、つけかえということになってはならないということをさらに強く意識し、本来あるべき地方分権につきまして、平成五年以来の、あるいは地方分権一括法以来の本来あるべき姿についての三位一体の進展ということを厳しく見守っていきたいと、そう考える次第でございます。  また、Xバンドのことでございますが、これまでも御答弁申し上げてきたんですが、これがその場合に該当するかどうかに関しましては、個々の事案ごとに検討すべきものがあると考えておる次第でございます。  また、この部分につきましては、地元への影響あるいは地元自治体の意向等を踏まえ、検討会の知見等、また議会の御議論等もいただきながら適切な検討を重ねてまいりたいと思うわけでございます。  ただ、一つこの機会に申し上げておきますが、私の県知事としての仕事の一つとして県民を守るということがあるわけでございまして、不当あるいは抑圧された状況に我が県民がならないため───まあ、大きな意味では民生の安定と申すのでしょうが、このために、我々は、ともに議論もいただき、また政治としての仕事を尽くしていくということが必要であると考えるのでございます。  国防、あるいは国防ということよりも、いわゆる一つの国の国民、あるいは私にとりましては県民ということでございますが、いわゆる戦乱状態というんでしょうか、騒乱状態というんでしょうか、そういった状況があってはならないというのは大きな観点の中にはあるわけでございまして、しかしながら、これまでの評価が定まったもので申し上げますと、ポーランドの分割にしても、ハンガリーの動乱にしても、プラハの春にしても、やはり国際関係というものには非常に厳しいものがある。その中において、私としては、民生の安定という大局的観点に立ちながら、いかにして、県民の不当なもの、あるいは抑圧された状況、そういうものに至らないようにするための最大の努力をするかということが問われているのだと思っております。  以上であります。 53 ◯副議長(滝沢 求)  総務部長。 54 ◯総務部長(野村善史)  私立学校の関係でございますけれども、私立高等学校授業料軽減補助制度につきましては、昭和五十二年度の制度創設以来、随時補助単価及び補助区分の見直しを行い、充実してきたという段々の経緯がございます。  いずれにいたしましても、この補助制度が活用されますように、さまざまな機会をとらえて私立学校関係者に一層周知徹底を図ってまいりたいと考えております。  また、鳥取県の契約希望者登録制度に関連してでございますけれども、先ほど御答弁申し上げました内容というのを改めて言いかえるとするならば、本県の修繕工事の発注の実績の特徴に照らして、工事を確実に実施し、品質管理や適正な施工能力の確保にいかに努めるかという意味においてなお検討する課題があるのではないかということを申し上げた次第でございます。  無論、申し上げていることは、鳥取県が行われようとしている制度が受注機会の均等化を図るという意味において全く意義なしということを申し上げているわけではないわけでございますけれども、いずれにしても、今後、鳥取県の運用状況でありますとか、さらには全国でどういうふうな取り組みが行われるのかといった状況も踏まえながら十分研究してまいりたいと、このように考えております。 55 ◯副議長(滝沢 求)  行政改革・危機管理監。 56 ◯行政改革・危機管理監(天童光宏)  再質問のうち、豪雪対策に係る部分、これは県庁全体にかかわることでございますので、私の方からお答えいたしたいと思います。  豪雪対策、とりわけ高齢者世帯等に対する対策が大事なわけでありますが、議員からネットワークというお話もございました。  この点につきましては、県地域防災計画では、高齢者世帯等災害時要援護者については、自力で屋根雪の除雪ができない者に対するボランティア等支援体制の確立を図るというぐあいに定めているわけでございますが、ここ二年連続の豪雪被害の状況にかんがみますれば、この際、市町村、社会福祉協議会、ボランティア等の適切な役割分担のもとに、より実効性のある高齢者世帯等に対する対策のあり方を考えていく必要があるものというぐあいに認識いたしております。  したがいまして、関係部局が連携しながら検討の上、地域防災計画を見直しつつ修正し、市町村への指導、助言も徹底してまいりたい、かように考えております。 57 ◯副議長(滝沢 求)  健康福祉部長。 58 ◯健康福祉部長(三浦康久)  再質問にお答えいたします。  まず、保険料の減免についてでありますが、これにつきましては各市長村の判断で行うこととされておりまして、各市町村においては、それぞれの条例により、震災や風水害、火災等の災害によって納付(税)の義務者がその財産について甚大な損失をこうむった場合や、納付(税)義務者またはその者と生計を一にする親族が病気にかかり、負傷し、あるいは盗難にかかったような場合に、その被害や損失に応じて保険料(税)の減免をする制度を設けております。  いずれにしましても、これは市町村の問題ということになりますが、近年、不況の中で失業者が増加していることから、昨年一月三十一日に行われた、厚生労働省が開催しました全国担当課長会議において、失業者に対する保険料の減免について、現下の経済状況を踏まえ配慮願いたい旨の話があり、県では、県内の担当課長会議を開催した際に同様のお願いをしているところであります。  それから、産科医、助産師の活用についての御質問がございました。  産科医問題につきましては、医学部教育のあり方や研修制度のあり方を再検討し、今いろいろとやっておるわけですが、一朝一夕にして解決不可能な課題が産科医不足の背景にあると考えてございます。  また、若い産婦人科医からは、一般の方々が、妊娠期間中にきちんとした保健指導のもとに母体管理をしようとすることがなされていない例があるというようなことで、産婦人科医から、もう少し、保健関係、妊産婦の意識の問題について考えてほしいというような声もございました。  それから、助産師につきましては、産科医との連携が極めて重要であるということから、平成十八年度に実施を予定しております助産師活用のモデル事業で、助産師の技能向上のための研修体制、医師の支援のあり方、安全かつ効率的に健診を行うための各課題について、関係機関と連携しながら標準化を試みることにしております。  モデル事業により得られたノウハウを産科医のいない地域にも広く広めまして、お母さんたちが安心して産める体制をできるだけ早くつくり上げていきたいと考えております。 59 ◯副議長(滝沢 求)  農林水産部長。 60 ◯農林水産部長(一戸洋次)  再質問にお答えいたします。  国営事業実施地区の場合、農振地域の除外等の手続を行う前に、事業主体であります国と事業計画に及ぼす影響等について協議をする必要があります。  この樋の口地区の場合、国と土地改良区が、面積の減少が土地改良法上の計画変更に該当するかどうか、農業用水路等の機能に支障を及ぼさないかといった点について検討しました結果、面積の減少規模や施設規模に与える影響等が軽微であることから、事業計画に支障なしというふうな国からの回答が得られているところであります。 61 ◯副議長(滝沢 求)  三十九番鹿内博議員の登壇を許可いたします。───三十九番鹿内議員。 62 ◯三十九番(鹿内 博)  三十九番、県民クラブの鹿内でございます。  一般質問を行いますので、よろしくお願いいたします。  弘前市出身の作家、故石坂洋次郎さんの作品の一節に、「物は乏しいが空は青く雪は白く、林檎は赤く、女達は美しい国、それが津軽だ。私の日々はそこで過ごされ、私の夢はそこで育まれた」とあります。私は、これは、津軽だけではなく青森県をあらわして、そして、美しいのは、娘たちだけではなく、青森県に住むすべての人々は美しいと。西谷議員も言われましたが、青森県は美しい国だとも言っているように思います。もちろん、美しい国が美しい人々を育てることでもあります。  今定例会に三村知事が提起した再処理工場アクティブ試験は、プルトニウムを生産する工程に入り、実質本格操業と同じであり、フル操業となれば、年間一千発の核兵器をつくれる八トンのプルトニウムを生産することになります。それは、美しき国どころか、危険で不安で暗い未知の国であります。  この問題は、青森県の未来と子供たちの将来を左右し、私たちの生活を脅かす問題であり、青森県の歴史的転換点、分岐点と言っても過言ではありません。  再処理工場問題は、命にかかわるテーマで、すべての政策課題に優先し、農林水産業や観光、そして医療等すべての政策課題にかかわるテーマでもあります。  知事は環境と人づくりを強調しますが、放射性物質の放・流出で環境悪化させて、何の環境づくりでしょうか。また、青森県の子供たちだけに危険な核施設と不安な核のごみを押しつけて、何の元気青森人でありましょうか。さらに、観光対策や医師確保、雇用の確保の企業誘致等は青森県のイメージが問われているテーマであり、核施設の集中立地と、核のごみとプルトニウムのイメージでそれらの政策課題が前進するはずはありません。  そこで伺いますが、知事が目指している自主自立の青森県は、石坂洋次郎が津軽は娘たちが美しい国と表した美しき国なのか、それとも、六ヶ所再処理工場からプルトニウムを取り出す再処理プルトニウム社会なのか、知事の見解を伺います。  二つとして、アクティブ試験実施の判断について、知事は将来にわたってどのように責任を果たしていくのか、また、この実施の責任をだれがどのように果たすのか、知事の見解を伺います。  三つとして、知事は、県民の八五%が原子力施設に不安を持ち、国、事業者に不信を持っていることをどのように受けとめるでしょうか。  次に、風評被害についてであります。  東海JCO事故の風評被害のために、茨城県は、全国の卸売市場や観光関係者千八百カ所に茨城県産のものが安全であるとの文書を出し、安全キャラバン隊を六十カ所に派遣する等の対応をしたと知事は県議会で報告しています。また、美浜原発事故では一週間で百十九件の宿泊予約のキャンセルがあったと報道されています。  昨年十月に大間原発の公開ヒアリングが開催され、最も多かった質問、要望は、事故があったときの大間マグロへの風評被害の心配でありました。大間だけではなく、再処理工場は事故が発生すれば農林水産業や観光産業が大打撃を受けるのは確実で、既に、ウラン試験を始めただけで、県内農家から風評被害を受けたとの訴えもあります。施設があるだけで消費者や観光客から敬遠されることは十分予想されることであります。  しかも、再処理工場から放・流出されようとしているトリチウムとクリプトン85は、当初、除去あるいは低減する計画だったのが、薄めるからいいとして垂れ流しをしようとしています。この理由は、工場の建設費が当初計画の八千四百億円からその約三倍の約二兆二千億円にも膨れ上がったことから、できるだけ工事費を安くしようとした事業者のねらいがあったと言わなければなりません。  知事が、トップセールスだからとして、東京のスーパー等で青森県産品のキャラクターの決め手くんは正直だと宣伝しても、放射能汚染レベルが法令基準以下だと説明しても、他県の農林水産物より本県の農林水産物の放射能汚染レベルが高くなることは確実であります。これでは、安全、安心どころか、青森県そのものが暮らしやすさのトップランナーどころか危険、不安のトップランナーと言われかねないのであります。  この二十年の間に、本県農業生産額は三千四百八億円から二千四百二億円に、食料品等製造出荷額は四千二百五十七億円から三千六百三億円と大幅に落ち込んだことを知事はどのように分析されるでしょうか。知事は、仮に再処理工場が操業し、本県農林水産業の販売のセールスポイント、決め手くんがプルトニウムに汚染されないようにしなければならないはずであります。  そこで伺いますが、JCO事故及び美浜原発事故により観光及び農林水産業に及ぼした風評被害の実態と、これに対する国、事業者の対応状況について伺います。  二つとして、再処理工場が操業されれば、国策である核燃料サイクル政策が青森県内でほぼ完結することになり、長期間事故の危険性とともに暮らし、青森県のイメージは低下し、その国策が中止のときは、青森県は核のごみ捨て場を初めとする最大の犠牲を押しつけられると思いますが、知事の見解を伺います。  海外には大間原発と同様のフルMOXプルサーマル原発がない理由を伺います。  また、大間原発は危険であり、その風評被害の発生により大間マグロの商品価値を下げることになると思いますが、知事の見解を伺います。  四つとして、再処理工場から放・流出される核物質の量は日本で最大であり、安全、安心の青森県産品の販売促進にはマイナスだと思いますが、知事の見解と対応を伺います。  次に、知事は「手順を踏んで」と述べていますが、通常、行政として施策を実施する場合、その事業はどういう事業なのか、その事業の成果、効果は何か、逆に、デメリットと問題点は何か、さらに、県民生活にどんな影響があり、県の役割と責任は何か、そして、県民の理解、合意、支持が得られるかどうか等々、県がまずわかりやすく、また文書にまとめて県民に出してきたのは、これまでの県行政の手順の基本であります。  しかし、今回その手順はほとんど省略され、県が出したものはたった数枚の安全協定素案しかなく、国、事業者がつくった再処理推進前提の資料説明がほとんどであります。ただ一方的に推進することに都合のいい光の部分だけを県民に説明し、情報提供し、影の部分であるデメリットの部分を示さなければ、県民も県議会も正しい判断はできないはずであります。  知事がアクティブ試験の是非を県民に投げかけた以上、知事はその責任を果たすべきであります。それとも、国策だからよしとするなら、これまでの原船「むつ」やむつ小川原開発等の失敗の歴史をどう教訓、反省としているでしょうか。  そこで伺いますが、知事は、アクティブ試験実施の判断に当たり、その妥当性と安全性及び核物質の輸送、貯蔵とプルトニウムの生産による県民生活への影響について調査、分析し、県民に示すべきと思いますが、知事の見解と対応を伺います。  二つとして、知事は、アクティブ試験実施の判断に当たり、福島県知事のように国の核燃サイクル政策を県独自に検証し、県民に示すべきと思いますが、知事の見解と対応を伺います。  次に、プルトニウム利用計画についてでありますが、知事は去る一月十七日に電事連の会合で何を確認したのでしょうか。決意は私たちも十年の間何回も聞いていますが、いまだに何一つ実現していないのであります。  知事が確認すべきことは、電事連がさきに公表したプルトニウム利用計画で、平成十七年度に六ヶ所再処理工場からプルトニウムを取り出すための根拠が示されているかどうか。そのためには、プルトニウム利用計画の具体的内容と、使用する原発名や開始時期等を知事として求めなければならなかったはずであります。  また、海外には現在でも約二十六トン余りの核分裂性プルトニウムがあり、平成五年当時の秋葉衆議院議員に対する政府答弁書では、これは二〇一〇年ごろまでには使用するとあります。このことは、平成十五年十二月二十四日の原子力委員会臨時会議で、当時の電事連副会長で現在の日本原燃社長である兒島氏も遠藤委員長代理の発言に答えて認めております。  しかし、そのようなこれまでの国と事業者の約束をさきの全員協議会でもだれも説明せず、ただ「今後頑張ります」だけであります。これでは、核燃サイクルではなく、だれも責任をとらない無責任サイクルと言わなければなりません。プルトニウム計画を、国と電事連が責任を持って具体的に説明すべきであります。  一つとして、知事は、プルサーマル計画について電事連の決意を確認したとしていますが、プルサーマルを二〇一〇年までに十六基から十八基実現できるとの具体的な裏づけを確約したのでなければ意味がないと思いますが、どのような確約を得たのか。  二つとして、電事連が九七年に決定したプルサーマル計画では大間原発は二〇一〇年開始とされていますが、大間原発の燃料装荷は二〇一一年三月の予定であり、まだ安全審査も終了していないことから、知事はこの計画の改定を求めるべきと思いますが、知事の見解と対応を伺います。  また、さきに電事連が公表したプルトニウム利用計画で大間原発の利用開始時期と利用期間が開示されなかった理由について伺います。  三つとして、さきに国が妥当としたプルトニウム利用計画は、海外保有分も含め利用量、原発名などが具体的に示されなければ余剰プルトニウムとなり、六ヶ所再処理工場で平成十七年度からプルトニウムを生産すべき根拠はないと思いますが、知事の見解を伺います。  次に、再処理工場を推進する側の主たる主張に、日本の電気の三五%が原発だからとのことがあります。しかし、再処理工場はプルトニウムを生産する工場であって、今動いている原発はウランを燃やしている原発でありますから、再処理工場が操業しようがしまいが直接的には関係はありません。  プルトニウムは、あくまでも、プルサーマルが動き、そして高速増殖炉が動いて初めて必要となります。しかも、新潟県や福島県の知事がこのプルサーマルに反対している限り、最大手の東電はプルサーマルには進めず、利用されるプルトニウムは、仮にあったとしても既に海外等に保有している約四十トンで、少なくとも十年、二十年は十分足り、その間六ヶ所再処理工場を運転する必要はないはずであります。  国、事業者にとって再処理工場が必要なのは、表向きはプルトニウムの必要性と言いながら、本音は、原発から出る使用済み核燃料と海外に再処理を委託してつくられた高レベルガラス固化体、TRU廃棄物、低レベル放射性廃棄物、そして回収ウランの搬入先と処分先が必要なのであって、言いかえれば、エネルギーが必要なのではなく、核のごみ捨て場が欲しいということであります。  もちろん、これは、原発のあるところでも拒否しておりますから、六ヶ所再処理工場が操業すれば、それらの核のごみが六ヶ所で発生するから、それを口実に、一緒に貯蔵し処分しようとの計画であると言わざるを得ません。  そこで伺いますが、今日の日本の電力事情から、平成十七年から六ヶ所再処理工場でプルトニウムを生産する必要はなく、今回の試験計画の使用済み核燃料や海外返還廃棄物、高レベルガラス固化体、TRU廃棄物などの貯蔵処分のための口実と考えますが、知事の見解を伺います。  二つとして、再処理工場から発生する回収ウラン及びウラン濃縮工場で発生する劣化ウランについて、現在の保有量と今後の発生見込み及び具体的利用計画について伺います。  三つとして、アメリカUCSのライマン博士が知事に提出した要請書に、六ヶ所再処理工場で生産されるMOX混合物について、「IAEAは、核兵器への転用も困難でないことからテロリストの危険性のある最高レベルの保障措置あるいは保安措置が必要としている」と記載されているが、県は国からどのような説明を受けているのか伺います。  四つとして、アクティブ試験計画において、ホールドポイントは第三ステップと第四ステップの間、第四ステップと第五ステップの間も必要で、それぞれ国で評価し、県にも報告すべきと思いますが、見解と対応を伺います。  五つとして、アクティブ試験から本格操業への移行に係る評価と判断基準、及び移行期間をどの程度考えているのか伺います。  次に、六ヶ所再処理工場の処理能力の問題であります。  年間八百トンの再処理を前提に国の核燃料サイクル政策と原燃の経営計画は成り立っています。  しかし、これが計画倒れになれば全量再処理路線の国策は完全に行き詰まり、そして日本原燃の経営は破綻し、いずれの場合もそのツケは国民全体で負うにしても、最大の犠牲者は地元であるこの青森県であり、とりわけ、次の世代、子供たちであります。  電事連が平成十五年十二月二日に国の総合資源エネルギー調査会に提出した再処理のコスト試算検討会にかかわる資料では、原燃の再処理事業で稼働率が五%低下した場合に経費は五百億円増になると試算しています。  平成十六年度の原燃の決算では、長期借入金が一兆一千百八十三億円余と本県の県債残高とほぼ同じ金額であり、未処理欠損金が五百七十一億円余と厳しい経営状況を示しています。  一方で、昨年十二月十五日開催の原子力安全委員会の再処理施設安全調査プロジェクトチームの会合で、鈴木篤之委員長代理は「東海再処理工場は、当初の年間二百十トンの再処理計画が百二十トンになり、実際には最大でも九十トンであり、六ヶ所は八百トンで大丈夫か」と発言しています。原燃は、ことし二月十四日開催の同チームの会合で「試験結果を踏まえて、竣工後の再処理計画を適切に見直すことにしたい」とし、既に八百トンには黄色の信号がついております。  そこで伺います。  年間八百トンの処理計画を見直すことはあるのか。また、年間処理量と操業期間をだれがどのように決定するのか。  二つとして、東海再処理工場において、本格運転の年間処理量の実績が当初計画を下回った理由及び運転期間が当初計画より延びた理由について伺います。  三つとして、日本原燃として年間八百トン再処理しなければ経営が成り立たず、経営が破綻すれば、そのツケとして、施設と核のごみの後始末など本県が最大の犠牲を押しつけられると思いますが、知事の見解と対応を伺います。  その四つとして、再処理工場の事故及びプルサーマル停滞などで再処理が進まなければ、使用済み核燃料は搬入されず、本県への核燃料税も計画どおり入らないことになり、県財政運営にも影響があると思いますが、伺います。  五つとして、最近アメリカが示した国際原子力エネルギーパートナーシップに日本が参加した場合、六ヶ所再処理工場で海外の原発で発生した使用済み核燃料が再処理されることはあり得ないとする法的根拠、または、県と電事連などの確約はあるかどうか伺います。  次に、今回の一連の手続は極めて性急であります。二月十四日に知事は国から報告を受け、直ちに議長に対し全員協議会の開催を要請しています。  しかし、十四日の時点では原子力安全委員会の結論も出ておらず、十七日に知事は電事連にプルサーマル計画について確認することの予定をしていることから、十六日の説明会ではまだ説明すべき材料が出そろっていないことはわかり切っていたはずであります。  知事があえて十六日に説明会を開いたのは、県議会定例会開会前に全員協議会を開き、定例会の休会中の日程を利用して市町村長や県民説明会を開催したかったのでありましょうか。そのためには、十六日に説明会、二十二日に全員協議会の日程しかなかったのかと疑わざるを得ないのであります。  知事は、道州制の議論については県民のコンセンサスを強調しますが、原子力問題になれば、コンセンサスどころか、国や事業者の説明と、「総合的に慎重に判断する」の決まり文句の繰り返しであります。  五十九年の立地要請時には、約八カ月間の時間をかけ、その間に県議会定例会は三回行われ、県民説明会も、事業者の計画と県独自の検討結果と二回にわたって開催しております。それでも不十分とし、県議会に県民投票実施の直接請求が出されたところであります。  そこで伺いますが、今回のアクティブ試験に係る県の進め方は、五十九年の立地協力要請時に比較しても性急で、県民に十分な情報提供がされず、早急に安全協定を締結したいとの国、事業者のスケジュールに合わせたやり方だと思いますが、見解、並びに判断に至る今後のスケジュールについて伺います。  二つとして、去る三月一日に知事から、安全協定に関する県議会の意見を三月二十日までに報告いただきたいとの依頼を受けました。三月二十日までとした理由について伺います。  また、これまでの県、国、事業者の説明では判断するには極めて不十分な内容と私は受けとめますが、県として、県議会に十分説明し、県議会が判断できる環境が整ったとした根拠について伺います。  四つとして、国、事業者及び県に対し説明を求め、明らかにしなければならないことが多く、再度県議会全員協議会並びに県民説明会を開催すべきと思いますが、知事の見解と対応を伺います。
     最後に、アクティブ試験実施可否の県の最終判断は、県民の意思を客観的に確認し、県民参加の県政の推進の観点から県民投票により決定すべきと思いますが、知事の見解と対応を伺います。  次は、夢をはぐくむ教育についてであります。  子供に限らず、すべての人々が夢を持ち、それが実る学校、地域、青森県であってほしいと願います。知事もそのことを強調しています。  しかし、約半世紀の間、県内の百十五万人の青少年が利用し、地域づくりや青少年の夢づくりに大きな役割を果たしてきた県青年の家をこの三月末をもって廃止しようとの条例案の提出は、この知事の方針と矛盾していると言わざるを得ません。  また、県教委が新年度から実施しようとしている教職員の評価制度でありますが、職員一人一人を教頭先生が評価し、さらに校長先生がそれを評価し、あわせて教頭先生をも評価し、校長先生を評価するのは、県立高校では県の教育長、市町村学校においては市町村教育委員会教育長であります。日常接しているわけでもなく、県の教育長が八十八人の県立高校の校長をどうして客観的に評価できるのでしょうか。むしろ、日常、各教師が教頭先生に、あるいは教頭先生が校長先生に、評価ではなく管理、監視されているとのムードが高くなり、伸び伸びとした教育の展開ができにくくなるのではないかとの懸念を持ちます。  そこで伺いますが、地域づくりに果たす教育行政の役割についてまず伺います。  二つとして、知事は、新年度予算案で人づくりを重要としていながら、約半世紀の間本県の青少年教育のメッカであった県青年の家を廃止するのはこの知事方針に反すると思いますが、あえて知事並びに教育委員長の見解を伺います。  三つとして、廃止後の活用についての検討状況と今後の見通しについて伺います。  また、同施設と用地を売却することも選択肢の一つとしてあるようでありますが、これを売却せず県として活用すべきと思いますが、知事の見解を伺います。  最後に、新年度から実施予定の教員評価制度は、教師はもちろん児童生徒及び保護者にどのようなメリットがあり、問題点をどのように把握し解決しようとしているのか、これも教育委員長から見解を伺います。  次に、知事の政治姿勢について伺います。  去る一月二十八日に作家の高村薫さんは県教委が主催する行事で知事と対談をしていますが、対談に先立って行われた高村さんの講演の中で、青森の歴史がはぐくんできた風土が好きと述べたと報じられています。そして、本県七里長浜の海辺に初めに立ったときの衝撃は忘れることができず、作家としての運命を変える出会いであったとも述べています。  しかし、今、その青森県の風土はとりわけ原子力によって大きく変わり、そのよさが失われようとしており、高村さんの言葉には強く心に響くものがあります。  今日、格差の時代と言われていますが、東京と青森県の格差もまた指摘せざるを得ないのでありますが、金と富と権力と情報は東京に集中し、青森県には、どこからも拒否されている危険で不安な核の施設とごみ、そして今度はXバンドレーダー基地まで押しつけられようとしています。  青森県の、これまで宝であったよき風土を壊し、そして、県民と子供たちがスタートしようとしたその時点で核という重い負のイメージを背負わされていたならば、県民と子供たちはスタートラインでおくれていることになります。その結果格差が生じたなら、とりわけ県政の最高責任者である知事の責任は極めて重いと言わなければなりません。  そこで伺いますが、去る一月二十八日に知事と対談した作家高村薫さんは、一月一日付東奥日報紙上、核燃施設には日本じゅうのほかの人が使った電気のごみが来ている、原子力産業は、雇用といっても余り雇用は生まない、電力の供給とその廃棄物の後始末の二つしかなく、その近くには何も来られないと語ったと報じられていますが、このことへの知事の見解を伺います。  二つとして、知事は、知事選挙の際、マスコミ紙上の候補者討論の中で、核燃サイクルと大間原発について事業者からいろんな資料が出ているが、わかりにくく、事業者の説明と発言が本当にそうなのか独自に検証し、情報公開を進めたいと公約していますが、その公約はいまだ達成されていないと思いますが、知事の見解と対応を伺います。  三つとして、知事は、岩手県、秋田県との三県交流連携を進めていますが、その岩手県議会及び同県宮古市議会で、六ヶ所再処理工場操業で三陸の海を汚染してはならないとする意見書を可決し、本県に要請していますが、これに対する知事の見解を伺います。  四つとして、去る二月二十八日、青森地方裁判所において、県住宅供給公社旧役職員等に対する損害賠償請求訴訟について判決が言い渡されました。これに対する知事の見解及び同公社に対する県の対応について伺います。  五つとして、県の組織機構がここ数年、毎年のように大幅に変わっていることは、県民にわかりづらい県行政と受けとめられる懸念もありますが、知事の見解を伺います。  最後の質問は、新年度予算案についてであります。  新年度予算案の新たな施策に地域づくりを進めるとあり、私も以前からその必要性を訴えてきた一人であります。  県は、昭和五十二年に策定した第四次県長期計画の五本柱の一つにコミュニティーの形成という形で示し、地域づくりの考え方、進め方、県の役割を明確にしたことがありますが、今回それが見えないのは残念であります。また、人づくりや元気青森人を目指すなら、もっと県民参加や職員参加の道を拡大し、新たな仕組みづくりも進めるべきであります。  特に、白神山地世界遺産登録と仏沼ラムサール条約登録は、県行政や国策の力で得たものではなく、県民の努力でかち取ったものであることを知事は内外に発信すべきであります。そして、リンゴやニンニクやホタテも、あるいは各種の祭りも、その最大の功労者は、行政や政治ではなく、そこに住む人々───農業者、漁業者を初め、県職員も含め、県民一人一人であることを県政としてたたえるべきであります。  今県政の大きなテーマである新幹線対応、攻めの農林水産業や企業誘致などには、いずれも都市間競争あるいは産地間競争があります。その中で勝ち抜いていかなければなりません。そのためには青森県の優位性をいかにして確保していくかであります。  そのときに決め手となるのは、プルトニウムではなくて、やはり、県民あるいは県職員、そして恵まれた自然、歴史、文化を生かす、まさに美しき国青森を目指す県政であってほしいと私は願います。  そこで伺いますが、生活創造推進プランを推進する上で、北上市の企業誘致や旭山動物園の取り組みと本県の白神山地世界遺産登録への県民の運動を教訓にすべきと思いますが、知事の見解と対応を伺います。  二つとして、地域県民局が設置される地域と設置されない地域があり、また、県民局長と本庁の関係部長との指示命令系統が不透明との懸念がありますが、知事の見解と対応を伺います。  そして、地域づくりに対する県の基本的な考え方及び進め方、県の役割が見えないと思いますが、知事の見解と対応を伺います。  三つとして、すこやか福祉事業団民営化に向けた検討、協議の中で、障害者自立支援法のことし十月施行分について、その影響をどのように認識し、対応しようとしているのか伺います。  四つとして、むつ小川原開発計画に要した新年度当初予算額を含めての総投資額、及び公社等への派遣職員も含めてこの計画に従事した県職員数について伺います。  そして、五つとして、原子力環境対策費について、十八年度当初予算案も含めこれまでの総額、そしてまた、原子力安全対策業務に従事した県職員の延べ人員についても伺います。  そして最後に、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験について、仮にアクティブ試験を行うことになれば、昨年十月に採択した白神山地サミット宣言の趣旨、仏沼ラムサール条約登録の趣旨及び縄文遺跡群の世界文化遺産登録を目指している県の方針に反し、あるいは矛盾すると思いますが、知事の見解を伺います。  以上でこの場所からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 63 ◯副議長(滝沢 求)  知事。 64 ◯知事(三村申吾)  鹿内議員の御質問にお答えいたします。  まず一点目でございますが、プルトニウム社会という用語は一般的に存じ上げないわけでありまして、答弁に苦慮するところでありますが、私どもとして議員の趣旨を思っての答弁をさせていただきます。  一点目の一でございます。地球は、大気、海洋と生物とが四十億年をかけてともに進化して生み出された水と緑の美しき惑星であり、微妙なバランスの上に成り立っております。  しかし、今やそのバランスを大きく崩しかねないのが地球の温暖化であり、まさに環境の大変動であります。美しき地球が危機を迎えているわけであります。また、経済発展目覚ましい中国やインドなどの国々による需要増によりまして、化石燃料のみならず、ウランの供給不足すら懸念されているところであります。  こういった中にありまして、我が国は、エネルギーセキュリティー───エネルギーの安全保障の観点から原子力発電、核燃料サイクルを推進していくことを基本方針としているところであり、本県といたしましても、安全確保を第一義としながら、この国策に協力してきているところであります。  最近では、著名な環境保護運動家から原子力を再評価する声が上がっております。ガイア理論で有名なイギリスのジェームズ・ラブロック博士は、地球温暖化対策のためには原子力エネルギーの利用しかない、原子力発電は最も安全な発電方法であると言っております。また、グリーンピースの創設者の一人でありますパトリック・ムーア博士は、原子力は化石燃料にかわり得る唯一のエネルギー源だと述べております。  美しい地球を守るためには、私どもとして、風力、太陽光など再生可能エネルギーを最大限利用しながらも、原子力発電、そしてこの核燃料サイクルにより、化石燃料に頼らない社会を構築する必要があると存じます。美しい地球が守られてこその美しい青森県であると考えるのであります。  社会教育の分野につきましての県青年の家についての考えであります。  今回の行財政の大改革は、自主自立の青森県づくりを着実に進めていくための安定した行財政運営体制の構築を図るものであります。この改革の強力な推進によりまして、人づくりや産業・雇用といった重点的な施策の積極的な推進につなげ、真に県民の幸せと県勢の発展につながる生活創造社会の実現を目指すものであります。  この改革における行政サービス提供施設等の再編と運営体制の見直しの中で青森県青年の家を廃止するとしたところでありますが、このことは教育委員会において十分かつ適切な検討を行った結果であると認識しております。  教育委員会においては、施設の廃止により青少年教育に支障が生じないよう可能な限りの対策を講ずるものと聞いております。  続いて、作家高村薫さんの発言ということでございますが、高村薫さんは、長年御親交のある方であり、尊敬しておる作家の一人でありますが、先般行われました読書活動推進県民大会の中での高村さんとの対談では、多くの県民の方々に本を読むことの楽しさや大切さを感じていただけたのではないかと思っております。  また、新聞に掲載されました御発言がどのような状況でなされたものかは承知しておりませんが、個々人の考えや発言に対し私がどうこう言う筋合いのものではないのではないかと、そう考える次第であります。  住宅供給公社の損害賠償請求訴訟についてでありますが、県住宅供給公社旧役職員等に対する損害賠償請求訴訟判決につきましては、司法の判断として重く受けとめており、県といたしましては今後の公社の対応を注視してまいりたいと考えている次第であります。  私からは以上であります。 65 ◯副議長(滝沢 求)  副知事。 66 ◯副知事(蝦名 武)  お答えいたします。  私からは大間原発の風評被害の関係でございますが、その前に、福島県知事のお話がありましたので、一言だけ申し上げたいと思います。  私が商工労働部長時代に、福島県の知事は、福島県でできる使用済み燃料は危ないものである、危ないものはさっさと県外に持っていけというふうな発言をされました。県外というのは青森県しかないわけであります。このとき、私は大変腹を立てまして、抗議すべきではないかと部内で議論しましたけれども、新聞記事であり確認できないから、それはやめておこうとなりました。  しかし、原子力政策大綱の議事録を私はずっと丁寧に読んでまいりました。その中で福島県の知事が発言いたしました。我々青森県が美浜の事故で関西電力の藤社長の出席のもとに県議会全員協議会を開催し、その事故原因について究明したことについて茶番であると答えているのであります。これは原子力政策大綱の議事録にあるのでありますから、本当に発言したのだと私は考えています。  それで、大間の問題について、海外ではフルMOXの原子力発電所はありませんが、世界各国におけるエネルギーの政策はそれぞれの国の事情により異なるものと理解しております。  電源開発株式会社大間原子力発電所については、現在国において審査中でございまして、その安全性について審査している段階で風評被害を議論することは成り立たないと考えております。  私は、東通原子力発電所につきまして、部長時代も、副知事になっても何回も見に行きました。その結果、多重防護がなされておりまして、県民の安全、安心に随分配慮しているなという実感を持ってまいりました。鹿内議員にも東通の原子力発電所あるいは再処理工場の現場をぜひ確認していただきたいなと思います。  大間を舞台にした連続テレビ小説「私の青空」の脚本家である内館牧子さんが、私が商工労働部長時代でございますけれども、私のところに参りました。そのときにこういう話をしておりました。内館さんは、海の男の物語を書きたくて、気仙沼から太平洋側の漁師の町を歩いて、最後に大間にたどり着いた。そこで、マグロの一本釣りに命をかけている漁師の心意気、男らしさにほれて、これだと思い、「私の青空」を書いたと言っていました。  大間のマグロの商品価値は、大間の漁師のマグロの一本釣りにかける心意気に支えられている。しかも、これは一朝一夕にできたものではないと私は考えております。  したがって、この心意気がある限り、また、これらを支えている大間の女性が元気でいる限り、大間マグロの商品価値は、上がることはあっても下がることはないと確信しております。 67 ◯副議長(滝沢 求)  総務部長。 68 ◯総務部長(野村善史)  核燃料税が計画どおり入らない場合の県財政運営への影響ということでございましたが、予算は単年度主義で編成しており、県税収入につきましても、その年度ごとの状況に応じて合理的に見込み得る範囲で見積もった上で歳入予算として計上しているものであり、年度を通じた執行過程において、県税を初め歳入全体の安定的な確保などに意を用い、財政運営上支障がないよう努めているものでございます。  また、県の組織機構の変更についての見解ということがございましたが、近年は、本県の経済社会情勢や国における三位一体改革など県行政を取り巻く環境の変化が著しいことから、さまざまな課題に対してより迅速かつ積極的な取り組みを進める必要があると考えてございます。  そのため、現下の厳しい行財政状況を踏まえつつ、また行政改革の要請にもこたえながら、県民の行政ニーズやその時々の行政課題に的確に対応できるよう、より簡素で効率的な組織体制を志向し、適時適切に見直しを行ってきているものでございます。  地域県民局についてでございますが、今回、地域県民局については、市町村等地域における他の主体との連絡、連携を一層密にしながらともに地域づくりを進めるため、試行的に、まず弘前市、八戸市及びむつ市の三市に設置することとしてございます。  そのため、地域県民局が設置されない地域、すなわち東青、上十三、西北五の地域に係る地域づくりについては、本庁に地域連携推進監を新たに配置し、当該地域の市町村と県とが協働して地域づくりを進めることといたしております。  また、地域県民局における通常業務に関しては、内部組織として設置されます県税部、地域健康福祉部、地域農林水産部及び地域整備部において完結的に執行することとしていることから、基本的には、本庁の各関係部長から直接地域県民局の各部に必要な指示がなされることとなります。  一方、局長は、地域県民局に新たに設けることとしている地域連携室を中心に、地域づくりの推進に関する業務を主導的に行うこととしていることから、局長が地域づくりに係る施策を企画立案するに当たっては、地域県民局の各部と調整を図ることとなります。  いずれにいたしましても、地域県民局の運営に当たりましては、より簡素で効率的な行政執行体制の構築を図りながら、県民サービスの提供に支障が生じることのないように迅速かつ的確に対応してまいりたいと、このように考えております。 69 ◯副議長(滝沢 求)  行政改革・危機管理監。 70 ◯行政改革・危機管理監(天童光宏)  青年の家廃止後の活用についての検討状況と今後の見通し及び県としての活用についてお答えいたします。  青森県青年の家等の廃止後における施設の利活用策につきましては、知事部局を初め教育庁、警察本部の関係職員で構成する庁舎等利活用策検討会議において、これまで鋭意検討を進めてきたところであります。  この検討会議におきましては、県または市町村等による施設の利活用について、当該施設の所管部局の担当分野における活用を初め、他の分野を含めた幅広い活用について検討したところでありますが、有効な利活用策を見出すまでには至らなかったことから、民間事業者等の方々による主体的な施設の利活用案について、去る一月十一日に利活用案募集要項を公表し、二月十日までの間に提案の募集を行ったところであります。  この結果、青森県青年の家につきましては、教育分野において、建物及び土地の全面買い取りによる利活用の提案が一件、社会福祉分野や健康づくり分野、あるいはアウトドア分野において、分館あるいは山林といった施設の一部の借り上げによる利活用の提案が三件の計四件の提案があったところであります。  これらの提案につきまして、施設の全面買い取りと施設の一部借り上げという競合する提案がありましたことから、庁舎等利活用策検討会議において施設等の有効活用や提案内容の実現性等の観点から総合的に評価を実施したところ、教育分野において施設のすべてを利活用するとの提案が最も高い評価を得たところであり、また当該提案では施設の全面買い取りを希望していることなどを総合的に考慮し、青森県青年の家の廃止後の施設については売却することを基本方針としたところであります。 71 ◯副議長(滝沢 求)  企画政策部長。 72 ◯企画政策部長(関 格)  初めに、生活創造推進プランを推進する上で県民の運動などを教訓にすべきと思うがどうかについてであります。  我が国が時代の大きな構造変化に直面している中にあって、地域経済の活性化など本県の課題を解決するとともに、可能性をさらに発展させ、本県の未来を確かなものにしていくためには、自主自立の青森県づくりへと意識や行動の転換を図ることが大切です。  この自主自立の青森県づくりを進めていく中で、今後の青森県の将来像として生活創造社会を掲げたところですが、その実現に当たって最も大切なことは、やはり未来の青森県づくりの財産となる人づくりであると考えます。  このため、十八年度の青森県重点推進プロジェクトの展開に当たって人財育成を最重点課題として位置づけ、「元気青森人の創造」のスローガンのもと、諸施策、諸事業を体系的、有機的に具体化、推進することとしております。  これらの諸施策、諸事業への取り組みが真の成果を上げ、生活創造社会を実現していくためには、一見迂遠と思われても、県職員を初め県民一人一人が持てる能力を遺憾なく発揮し、産業・雇用を初めさまざまな分野でチャレンジしていける人づくりこそが最も的確で効果的な施策と考えています。  いずれにしても、生活創造推進プランは、県と県民がともに新しい青森県づくりを進めていくための指針として策定したものであり、今後とも、県内外の成功事例をも参考にしながら、県民、市町村一体となって、暮らしやすさのトップランナーとしての本県の未来を確かなものにしていきたいと考えています。  次に、地域づくりに対する県の基本的な考え方、進め方、県の役割が見えないということでありますが、本県を取り巻く経済社会環境が大きく変化する中、住民がふるさとに暮らしてよかったと実感できるような地域をつくり上げていくためには、まず、それぞれの地域の特性を熟知している基礎自治体である市町村が自主的、主体的に取り組んでいく必要があります。その上でそれを県がサポートしていくという姿が望ましく、来年度から三つの地域に試行的に地域県民局を設置し、より現場に近いところで、市町村と協働、連携しながら、それぞれの地域の特性を生かした地域づくりを進めることとしております。  具体の活動としては、仮称でありますが地域活性化協議会を設け、みずからの地域が抱える課題を解決するための施策等を検討、提案し、それを県、市町村及び民間が役割分担しながら協働、連携して具体化を図っていくこととしております。  いずれにしても、地域県民局は、県と地元市町村、住民をつなぐかなめに位置する組織であり、地域の要請にこたえるべく積極的に地域に溶け込み、実効ある活動を行うことがその役割と考えているところであります。 73 ◯副議長(滝沢 求)  環境生活部長。 74 ◯環境生活部長(高坂 孚)  十一点についてお答えいたします。  まず、アクティブ試験実施の判断に当たり、妥当性、安全性等を調査、分析等すべきではないかについてでございます。  日本原燃株式会社再処理施設のアクティブ試験計画書について、原子力安全・保安院と原子力安全委員会の両機関が妥当と判断したこと、さらに、原子力委員会がアクティブ試験で回収されるプルトニウムの利用計画については妥当なものと判断したことなどを踏まえ、県では、アクティブ試験等について、県議会議員全員協議会、市町村長会議、原子力政策懇話会及び県民説明会や県内各種団体の代表者等の御意見を伺っているところです。  また、県としては、環境放射線モニタリングに関する指針及び専門家の意見を踏まえ、再処理工場については、本格操業を想定し、プルトニウムを含めた調査計画として原子燃料サイクル施設環境放射線等モニタリング基本計画を策定し、平成元年度から施設周辺においてモニタリングを実施し、その結果を、四半期ごとに、専門家や関係団体の長などで構成される青森県原子力施設環境放射線等監視評価会議で評価、確認し、パンフレット等で県民にお知らせしています。  いずれにしても、原子力施設に関する安全と安心を確保するためには、第一義的には、事業者が責任を持って取り組むとともに、法令に基づいて一元的に安全規制を行っている国がその役割を果たしていくことが基本であり、県としては、今後とも、国及び事業者の対応状況を厳しく見きわめ、県民の安全、そして安心に重点を置いた観点から、安全確保を第一義に、慎重の上にも慎重に、かつ総合的に対処してまいります。  次に、再処理工場からの回収ウラン発生見込み等についてであります。  日本原燃株式会社によると、六ヶ所再処理工場において発生する回収ウランについては、年間八百トンの再処理を行った場合約七百三十トンであり、今後、再濃縮し、原子力発電所のウラン燃料とする等具体的な利用計画が決定されるまでは適切に再処理工場内に貯蔵保管するとのことです。  また、ウラン濃縮工場における劣化ウランの在庫量については、安全協定に基づく報告によると、今年度上半期末において48Yシリンダーで九百八十三本となっており、今後も操業の継続により在庫量は増加する見込みです。  ウラン濃縮工場で発生する劣化ウランについては、MOX燃料の原料としての利用が計画されているほか、昨年十月に策定された原子力政策大綱において示されている「国内でのウラン濃縮に伴い発生する劣化ウランは、将来の利用に備え、適切に貯蔵していくことが望まれる」との方向性に基づき、適切に貯蔵していくとのことです。  次に、ライマン博士の要請書中、六ヶ所再処理工場で生産されるMOX混合物に係る保障措置等に関してでございます。  日本原燃株式会社によると、六ヶ所再処理施設については原子炉等規制法に基づき核物質防護措置を講じており、核物質防護の目的は、核物質の盗取または不法移転及び原子力施設の妨害破壊行為に対する防護にあり、具体的には、区域を設定し、人、車両の出入り管理、持ち込み物品の点検及び不法侵入者に対する監視等を行っているとのことです。  一方、国においては、国際原子力機関の核物質防護に関するガイドラインを参考に昨年五月に原子炉等規制法を改正し、設計基礎脅威の導入、核物質防護検査制度の創設、核物質防護秘密制度の制定など核物質防護を強化しており、六ヶ所再処理施設についてもこれに沿った防護措置等が実施されているものと認識しています。  次に、ホールドポイントについてでございます。
     日本原燃株式会社によると、ホールドポイントでは、基本的な安全性である建屋内における線量当量率や空気中の放射性物質濃度、使用済み燃料の溶解性能、核分裂生成物の分離性能、プルトニウムの分配性能、プルトニウムの逆抽出性能、環境への放出放射能量を評価する計画であり、これらの計画はアクティブ試験の早い段階で実施することとし、第一ステップ及び第二ステップで基本的な安全性について一通り確認できることから、第一ステップ及び第二ステップの後にホールドポイントを設定しているとのことです。  この計画については、法令に基づき一元的に安全規制を行っている規制行政庁である原子力安全・保安院が核燃料サイクル安全小委員会の確認を得た上で妥当と判断し、さらに、原子力安全・保安院の規制活動を監視、監査する原子力安全委員会においても適切と判断されたものです。  また、原子力安全・保安院において、ホールドポイントの評価結果については、事業者から報告を求め、専門家の意見を聞きながら厳正に確認していくなどするものと認識しています。  県としては、今後とも、国及び事業者の対応状況を厳しく見きわめ、県民の安全、そして安心に重点を置いた観点から、安全確保第一に、慎重の上にも慎重に、かつ総合的に対処してまいります。  次に、アクティブ試験から本格操業への移行に係る評価等についてであります。  平成十四年八月七日に核燃料サイクル安全小委員会がまとめた「日本原燃株式会社再処理施設の試験運転段階の安全規制について」では、アクティブ試験報告書に、試験結果とその評価、収集されたデータとその分析の要約、不適合とその対応及び是正措置の妥当性並びに操業後の安全性に係る説明を含むことが必要とされています。  原子力安全・保安院によると、今後、アクティブ試験結果の確認に当たり、この指摘事項が記述されていることを確認するとともに、操業への移行に当たっては、使用前検査がすべて終了していること、操業に向けた保安規定が認可されていること等も必要であるとのことです。  したがって、現時点でその期間が具体的にどの程度になるか予断を持ってお答えできる段階にはないと考えています。  次に、年間八百トンの再処理計画の見直し等についてであります。  六ヶ所再処理施設については、日本原燃株式会社としては年間八百トンの再処理計画を見直すつもりはないとのことであり、また、同施設の操業に関しては、原子力政策大綱の審議の過程で作成された「核燃料サイクル政策についての中間取りまとめ」において、「安全・安定操業の確保、トラブルへの対応策の準備を含む事業リスク管理の徹底とリスクコミュニケーションによる地域社会に対する説明責任の徹底を通じて、これを円滑に稼働していくことが期待される」とされており、国の核燃料サイクル政策の一環として進められているものです。  また、年間再処理量と操業期間は、総合資源エネルギー調査会コスト等検討小委員会での検討を踏まえ、電力会社と日本原燃株式会社との私契約に基づき決定されているものと認識しています。  次に、アクティブ試験に係る県の進め方等に関してであります。  六ヶ所再処理施設については、既に昭和六十年に立地基本協定を締結しており、安全確保を大前提に立地に協力するという本県の基本姿勢は堅持されています。  その上で、六ヶ所再処理施設に係るアクティブ試験に当たり、同施設のウラン試験結果やアクティブ試験計画の概要及び安全協定素案等について、二月二十二日の県議会議員全員協議会、二月二十四日の青森県原子力政策懇話会及び市町村長会議において御意見を伺ったところです。  また、二月二十五日から二十七日までの三日間、県内六地区で県民説明会を開催したところです。この県民説明会のうち、二月二十五日の青森会場において時間の都合により回答できなかった御質問がありましたので、三月九日に青森市において改めて県民説明会を開催することとしております。  また、一昨日三月四日には、知事が直接、県内各種団体の代表者等から御意見をお伺いしたところです。  県としては、これまでいただいた御意見、本定例会における御議論、さらには今後いただく各会派等の御意見等を踏まえるとともに、国及び事業者の対応状況を見きわめ、県民の安全、そして安心に重点を置いた観点から、安全確保を第一義に、慎重の上にも慎重に、かつ総合的に対処してまいります。  次に、安全協定に関する県議会の意見報告の依頼等についてであります。  六ヶ所再処理施設に係るウラン試験結果やアクティブ試験計画の概要及び安全協定素案等については、二月十六日に県議会議員説明会を開催し、二月二十二日に開催した県議会議員全員協議会において御質疑を賜るなどしてきておりますが、さらに慎重を期するため、県議会各会派等の御意見を伺うこととしたものです。  なお、御意見の提出期日については、各会派等における取りまとめ期間などを考慮して設定したものです。  県としては、今後とも、各会派等の御意見を初め、国及び事業者の対応状況を見きわめつつ、県民の安全、そして安心に重点を置いた対応をすべく、安全確保を第一義に、慎重の上にも慎重に、かつ総合的に対処してまいります。  次に、再度の全員協議会及び県民説明会の開催に関してであります。  県では、六ヶ所再処理施設におけるアクティブ試験等に関し、去る二月十六日に県議会議員説明会を開催するとともに、二月二十二日には県議会議員全員協議会を開催し、御意見を伺ったところです。  二月二十四日には市町村長会議及び青森県原子力政策懇話会を開催し、御意見を伺い、二月二十五日から二十七日の三日間、県内六地区において県民を対象とした説明会を開催し、アクティブ試験の概要等について広く県民の皆様にお知らせしたところです。  なお、二月二十五日に実施した青森会場における説明会において時間の都合上お答えできなかった質問もあったため、三月九日に改めて説明会を開催し、質疑応答を行うこととしているところです。  また、三月四日には、県内各種団体の代表者等の皆様方から知事が直接御意見を伺ったところです。  さらに、県議会の各会派等に対し、三月二十日までにアクティブ試験に係る安全協定に関する会派等の御意見を取りまとめ、御報告してくださるようお願いしているところです。  県としては、これらの御意見や本定例会における御議論等を踏まえ、国及び事業者の対応状況を厳しく見きわめ、県民の安全、そして安心に重点を置いた対応をすべく、安全確保を第一義に、慎重の上にも慎重に、かつ総合的に対処してまいります。  次に、原子力環境対策費等についてでございます。  原子力環境対策費について、平成二年度から平成十六年度までの各年度の決算額の合計は百五十三億九千百八十八万九千円となっております。  平成十七年度の現計予算額については十二億二百四万五千円、十八年度当初予算案の計上額は八億四千三百八十九万三千円となっており、これらを足し合わせると百七十四億三千七百八十二万七千円となります。  また、県内に立地した原子力施設に係る安全対策業務に従事した県職員の平成二年度から平成十七年度までの延べ人数は四百二十一人となっております。  次に、アクティブ試験と白神山地サミット宣言の趣旨等に関してでございます。  昨年十月に開催した第二回世界自然遺産会議においては白神山地サミット宣言が採択されました。  白神山地サミット宣言においては、生命の根源たる水が健全に循環する自然環境の保護保全の必要性を訴え、世界自然遺産の持続的な保全と利用のルールの確立や環境教育の推進が盛り込まれたほか、地球温暖化問題への対応という視点が加えられました。  また、オオセッカなどの貴重な鳥類が生息している三沢市の仏沼は、昨年十一月八日、ウガンダで開催された第九回ラムサール条約締約国会議でラムサール条約湿地に登録されました。  同条約では、産業や地域の人々の生活とバランスのとれた保全を進めるため、賢明な利用を提唱し、湿地の生態系を維持しつつ、そこから得られる恵みを持続的に活用することとしています。  さらに、県は、三内丸山遺跡を初めとする県内の学術的に重要な遺跡群の世界文化遺産への登録を目指しています。  原子力発電及び核燃料サイクル政策は、CO2 を出さないという観点から地球温暖化を防止するため極めて有効であるとされており、グリーンピースの創設者の一人であるパトリック・ムーア博士が原子力は化石燃料にかわり得る唯一のエネルギー源だと述べていることから見ても、核燃料サイクルを進めることは、むしろ、白神山地を初めとした自然保護に貢献できるものであり、白神山地サミット宣言の趣旨に合致するものと考えています。  以上です。 75 ◯副議長(滝沢 求)  健康福祉部長。 76 ◯健康福祉部長(三浦康久)  すこやか福祉事業団関係でお答え申し上げます。  障害者施策の一元化や利用者本位のサービス体系への再編等を目的とする障害者自立支援法がことし四月から施行されるところですが、このうち、障害福祉サービス体系の再編、障害児施設の措置から契約方式への変更などはことし十月から施行されることとなっております。  すこやか福祉事業団委託施設については、知的障害者総合福祉センターなつどまりは、日中活動の場と夜間の住まいの場に再編する必要があります。日中活動については、介護を必要とする方々に、昼間、入浴、食事等の介護等を行う生活介護、自立した日常生活、社会生活ができるよう訓練する自立訓練、就労を希望する方々に必要な訓練を行う就労移行支援等の事業が考えられます。  また、八甲学園は、県による措置から利用者が自由に施設を選択できる契約方式に変わります。  これらの見直しにより、事業団の独立民営化に向けた課題である各施設の現行機能の見直しや新規事業への取り組みについては、新制度の内容を十分に踏まえることが必要と考えています。  今後、関係政省令等によりその内容を確認した上で具体的な検討を行い、適切に対応していきたいと考えております。 77 ◯副議長(滝沢 求)  商工労働部長。 78 ◯商工労働部長(中島勝彦)  御質問十七点にお答えいたします。  まず、アクティブ試験実施の判断についての責任についてです。  県としては、原子力施設に関する安全と安心を確保するためには、第一義的には国及び事業者が責任を持って取り組むことが基本であると考えています。  県としては、核燃料サイクル協議会を節目節目で開催し、国の責任ある対応を常に確認するとともに、安全協定の締結等により事業者を厳しくチェックしていくこととしています。  いずれにしても、国及び事業者の対応を厳しく見きわめていくことが県の責務と考えています。  次に、県民の八五%が原子力施設に不安を持っていること等についてです。  平成十七年一月に政策マーケティングブック作成のため政策マーケティング委員会が実施した県民生活の現状に関するアンケートにおいては、原子力関連施設に不安を感じるとした人の割合が八二・五%となっています。  一方、平成十七年九月に生活創造推進プランの推進を図るために県が実施した青森県民の意識に関する調査においては、原子力関連施設の安全対策に不満である、やや不満であるとした人の割合が二〇・九%となっています。  県としては、原子力施設に対する県民、国民の理解を促進するためには、国、事業者がふだんから原子力に関して積極的かつ適切な情報公開を行うことによって、原子力行政や事業者の活動に対する透明性を一層向上させるとともに、県民、国民の視点に立った情報提供の充実を図ることが重要であると考えており、そのことを国及び事業者に対して厳しく求めてきているところです。  また、県みずからも、県民の安全と安心に重点を置いた対応の観点から、今後とも、原子力施設の安全性等について県民の理解がより一層促進されるよう、県民の目線に立ったわかりやすい広聴広報活動の充実に努めてまいります。  次に、JCO事故等による風評被害についてです。  まず、JCO臨界事故について原子力損害の賠償に関する法律を適用するために、国においては、補償請求者とJCO間の話し合いを迅速かつ円滑に進めるため、原子力損害調査研究会を発足させ、同研究会で事故による損害項目について相当因果関係の範囲と損害認定に関する基本的な考え方を整理、集約し、賠償義務の主体たるJCOを初めとする関係者に提供する等の対応をとったとのことです。  事業者によりますと、JCO臨海事故の被害の補償状況については、本年一月三十一日現在で、補償対象件数約六千九百八十五件の九九・九%に当たる約六千九百七十五件、補償金額で約百四十八億六千万円が示談、合意に至っており、示談、合意に至っていないものは約十件となっているとのことです。  次に、関西電力株式会社美浜発電所三号機の二次系配管破損事故については、原子力損害の賠償に関する法律の対象外であり、事業者によりますと、事故で失われたイメージの回復に全力を挙げて取り組む等の地元からの要請に対して、誠意をもってできる限りの対応をしているとのことです。  次に、再処理工場が操業されれば青森県のイメージは低下する等についてです。  本県では、国策である原子燃料サイクル事業について、国のエネルギー政策、原子力政策に沿う重要な事業であるとの認識のもと、県民の安全、安心の確保を大前提として国策に協力してきたところです。  原子力施設に関する安全を確保するためには、第一義的には事業者が責任を持って取り組むとともに、法令に基づいて一元的に安全規制を行っている国がその役割を果たしていくことが基本と考えています。  一方、県としても、青森県民の安全と安心を守るという立場から、立地村とともに事業者と安全協定を締結し、施設への立入調査や環境の監視を行うなど安全確保を第一義として対応してきており、今後ともこの姿勢を堅持してまいります。  次に、青森県産品の販売促進にはマイナスと思うがについてです。  再処理により放出される放射性物質については、放出管理目標値による放出管理を行うことにより、周辺環境への影響は線量限度を十分に下回り、合理的に達成できる限り低い値になると評価されているところです。  県としては、青森県民の安全と安心を守るという立場から、立地村とともに事業者と安全協定を締結し、施設への立入調査や環境の監視を行うなど安全確保を第一義として対応してきており、今後ともこの姿勢を堅持してまいります。  次に、国の核燃サイクル政策を県独自に検証することについてです。  昨年十月十四日に閣議決定された原子力政策大綱において、「使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本的方針とする」とされているところです。  県としては、アクティブ試験の実施については、県議会議員、市町村長及び青森県原子力政策懇話会の御意見を伺うとともに、県民説明会の開催や県内各界各層から御意見を知事が直接伺う機会を設けるなど慎重に手順を踏んでいるところであり、今後とも、県民の安全、安心に重点を置いた対応の観点から、安全確保を第一義に、慎重の上にも慎重に、かつ総合的に対処してまいります。  プルサーマル計画について、電事連の決意の確認等についてです。  去る二月十七日に知事が各電気事業者の社長に確認したところ、各電気事業者の社長からは、プルサーマル実施に向けて各地点の状況及びそれに応じた取り組みについて決意のほどを伺い、さらに、電気事業者の総意として電気事業連合会会長から並々ならぬ決意表明があったところです。  各電気事業者においては決意表明された取り組みを着実に進めることが重要であり、この決意表明は青森県民に約束したものであると考えており、各電気事業者の動向を厳しく注視してまいります。  次に、大間原発に係るプルサーマル計画等についてです。  電気事業連合会が平成十五年十二月に公表したプルサーマル計画では二〇一〇年度までに十六から十八基の導入を目指すとされており、電源開発株式会社においては二〇一〇年度のMOX燃料装荷を計画しております。  また、電気事業連合会によると、大間原子力発電所では六ヶ所再処理工場で回収されるプルトニウムを他電力会社から譲り受け、MOX燃料として使用することから、六ヶ所再処理工場回収プルトニウムの利用開始時期については六ヶ所のMOX工場の竣工予定時期である平成二十四年度以降を計画しているが、再処理による自社のプルトニウムを所有していないため、所有量及び利用期間を明示することができないとのことです。  次に、プルトニウム利用計画と海外保有分プルトニウム等についてです。  プルトニウム利用計画は、平成十五年の原子力委員会決定により、海外で保管されるプルトニウムについては、海外でMOX燃料に加工された上で我が国に持ち込まれるため、平和利用の面から懸念が示されることはないと考えられるが、透明性の一層の向上の観点から、燃料加工される段階において国内のプルトニウムに準じた措置を行うとされており、原子力委員会として毎年度フォローアップすることとしています。  一方、電気事業連合会では、原子燃料サイクル事業は商業的に確立されるまでに長期間を要するものであることから、今から着実に進めることが肝要であり、六ヶ所のMOX工場が平成二十四年に竣工するまでは、海外に保有するプルトニウムを順次使用していき、竣工後は、海外保有分と六ヶ所再処理工場から回収されるプルトニウムをバランスよく適切に使用していくとしています。  県としては、今後とも、国、事業者の動向を厳しく注視してまいります。  次に、今日の日本の電力事情から、平成十七年度から六ヶ所再処理工場でプルトニウムを生産する必要はない等についてです。  昨年十月に閣議決定された原子力政策大綱では「使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本方針とする」としており、全量再処理を改めて確認したものと認識しています。  また、原子力委員会は、各電気事業者が公表したプルトニウム利用計画について利用目的の妥当性の確認を行ったとのことであり、県としては、しかるべき手順を踏んで確認がなされたものと受けとめています。  次に、東海再処理工場の本格運転の年間処理量の実績等についてです。  日本原子力研究開発機構によりますと、東海再処理施設の処理能力は一日当たり最大〇・七トン、年間三百日の運転と設備稼働率一〇〇%を前提に年間最大処理量二百十トンとして当初安全審査を受けております。  しかし、その後の法制度の整備に伴い定期検査の受検や核物質実在庫調査を行う必要が生じたこと、東海再処理施設では機器設備の開発を実施しつつ処理運転を行っていたことから、実質的な年間処理量は約九十トン前後となったとのことです。  また、試験運転期間については、試験期間中に酸回収蒸発缶の故障が発生し、原因調査や新型酸回収蒸留缶の開発、製作、据えつけを行ったことなどにより、当初計画より延びたものとのことです。  次に、年間八百トン再処理しなければ経営は成り立たない等についてです。  日本原燃株式会社の経営破綻という仮定の質問にはお答えできませんが、県としては、立地協力要請から今日まで、国に対して原子燃料サイクル事業の国策上の位置づけについて核燃料サイクル協議会等を通して節目節目で確認を行うほか、事業の具体化に当たっては、事業者との間で安全協定を締結するなど安全確保を第一義とする姿勢を堅持しながら慎重に対処してきたところです。  今後とも、国及び事業者の対応状況を厳しく見きわめつつ、県民の安全、安心に重点を置いた対応の観点から、安全確保を第一義に慎重かつ総合的に対処してまいります。  次に、最近アメリカが示した国際原子力エネルギーパートナーシップに日本が参加した場合についてです。  国においては、米国が発表した国際原子力エネルギーパートナーシップ構想について、エネルギー安全保障や地球環境問題に対応していく上で原子力発電の重要性が再認識された結果提案されたものとの理解を示しており、今後、本構想について、専門家レベルで検討を進め、どのような貢献ができるか検討を行っていくとのことです。  また、国からは、六ヶ所再処理工場は国内の使用済み燃料を再処理する目的で建設、操業されるものであり、同構想への日本の協力が六ヶ所再処理工場の建設、操業に何ら影響を与えるものではないとの説明を米国政府から受けていると伺っています。  県としては、六ヶ所再処理工場はあくまで国内の使用済み燃料のみを再処理することとして立地協力要請を受けており、海外の使用済み燃料を再処理することはないものと認識しています。  次に、県民投票についてです。  我が国は議会制民主主義を採用していることから、県民を代表する県議会議員の御意見を踏まえて県としての政策を決定することが基本であると考えます。  また、県民投票については、県民による直接的な投票によって政策等の是非について県民の意思を明らかにしようとするものであり、民主主義制度の中で、民意をくみ取る上で大切な一つの方法と認識しています。  いずれにしても、県としては、原子力施設の立地等に関して、これまで、県民を代表する県議会議員、地域住民を代表する市町村長、青森県原子力政策懇話会の御意見を伺い、さらには、県内六地区で県民説明会を開催するとともに、三月四日には各界各層からの意見聴取を行うなど、所要の手順を踏みながら、安全確保を第一義に慎重の上にも慎重に対処してきたところであり、今後とも、県民の安全、安心に重点を置き、慎重かつ総合的に対処してまいります。
     次に、知事選挙の際のマスコミ紙上の候補者討論の中での発言についてです。  原子力施設に対する県民、国民の信頼を得るためには、国及び事業者がふだんから原子力に関する積極的な情報公開を行うことによって原子力行政や事業者の活動に対する透明性を一層向上させることが重要であると考えており、そのことを節目節目で国及び事業者に強く求めてきているところです。  県としては、県民の安全と安心に重点を置いた対応の観点から、原子力施設の安全性等について県民の理解がより一層促進されるよう、県民の目線に立ったわかりやすい広聴広報活動の充実に努めてきたところであります。  三村知事就任以来、これまで、県議会議員全員協議会を七回、県民説明会を六回、県民からのご意見を聴く会を二回開催する等情報公開に積極的に努めてきており、一昨日、各種団体等から知事が直接御意見を聴取するに当たり、鹿内議員、渡辺議員、諏訪議員の要請にこたえ、紹介団体について農林水産業等の団体と同じ時間をセットしたところであり、また、事業者においても、トラブル事例集を作成、公表する等、情報公開が進められているところです。  次に、岩手県議会及び宮古市議会の意見書の可決についてです。  県としては、原子力施設に関する安全と安心を確保するためには、第一義的には国及び事業者が責任を持って取り組むことが基本であると考えています。  最後に、むつ小川原開発計画に要した総投資額等についてです。  むつ小川原開発計画は、昭和四十五年四月に陸奥湾小川原湖開発室を設置して以来、工業開発を通じて地域の振興を図るという考え方のもとに、長期的な観点から段階的に事業を推進してきているところであり、平成十八年度当初予算までを含むむつ小川原開発計画の経費は約三千百四十八億円となっております。  むつ小川原開発計画に従事した県職員は、平成十七年度までで延べ二千四百三十名となっております。  以上です。 79 ◯副議長(滝沢 求)  教育委員長。 80 ◯教育委員長(三浦昭子)  鹿内議員の御質問の二点についてお答えいたします。  初めに、県青年の家の廃止についてお答えいたします。  県立の青少年教育施設につきましては、少子化、体験活動の多様化等に伴う利用実態の変化、運営コスト、老朽化の程度、地理的条件などの総合的判断のもと二施設に集約することとし、県青年の家については本年度末で閉所することとしたものであります。  県教育委員会では、梵珠少年自然の家など他の青少年教育施設のさらなる活用を図るとともに、自然体験活動プログラム集を作成、配布し、身近にある山、川、海辺などでさまざまな自然体験活動を行えるよう指導、支援に努めることとしております。  私は、命を大切にする心や思いやりの心などの豊かな人間性は、家庭での生活や学校、地域でのさまざまな教育活動の中ではぐくまれていくものと認識しております。  今後とも、教育は人づくりであるという原点に立って、子供たちの豊かな人間性の育成に向けた取り組みを進めてまいります。  次に、教員の評価制度についてお答えいたします。  「教育は人なり」と言われるように、地域住民が求める学校教育を実現するためには、子供たちや保護者はもとより、広く社会から信頼される教職員に活躍していただくことが必要です。  このため、文部科学省が平成十五年度から教員評価の改善、充実に関する調査研究を全都道府県に委嘱したことを受けて、本県でも、有識者で構成する教員の評価システム調査検討委員会を設置するなどして検討してまいりました。  本県の人材育成を目指した新たな教員評価については、これまでの勤務評定の課題を踏まえ、真に教職員の資質、能力の向上等につながるものとなるよう、透明性、客観性の確保などに留意しております。  県教育委員会では、これまで以上に児童生徒の確かな学力の向上や豊かな人間性の育成につながるものと期待しております。  以上です。 81 ◯副議長(滝沢 求)  教育長。 82 ◯教育長(花田隆則)  地域づくりと教育についてお答えいたします。  地域づくりは、住民の方々みずからが住みよい地域をつくり出すための取り組みであり、地域づくりの活動は基本的に人によって支えられるものであります。  このことから、県教育委員会では、人づくりを重点に据えた教育施策の方針に基づき地域づくりに資する人材の育成を目指しており、そのリーダー的人材や日常的に実践活動を行う人材の育成に努めているところであります。  また、地域づくりにおいては、住民の方々みずからが環境、防災や子供たちの安全確保、子育てなど地域の抱えている課題に協力し合い、計画的に取り組んでいくことが大切であり、課題解決に向けた学習への支援も教育行政の重要な役割の一つと考えております。  県教育委員会といたしましては、今後とも人づくりと学習の面から地域づくりを支援していく所存であります。  以上であります。 83 ◯副議長(滝沢 求)  三十九番鹿内議員。 84 ◯三十九番(鹿内 博)  三十九番鹿内です。再質問をいたします。  まず、青年の家についてでありますが、知事にこれはお尋ねしたいんですけれども、新年度予算では元気青森人あるいは人づくりを前面に出している。しかし、青年の家は、約半世紀、四十五年の間、百十五万人余りの青少年がそこで学びました。そして、まだ使える施設でもあります。それを、人づくりを前面に出す県政として、活用方策がわからないから売却すると。私は、これは、人づくりで三村県政がやろうとしていることにむしろ反すると。逆だと思うんですね。  活用方策の検討の経緯は、私も担当の方に聞きました。果たして県として本当にまじめに活用する検討をしたのかどうか、初めから売却というものが念頭にあって進めてきたのではないか、そんな疑念さえ抱くんですね。  青年の家を売却するということについて、私は反対です。売却するということは知事方針に反すると思うんですが、改めて知事から見解をお尋ねします。  それから、知事から質問がありました、プルトニウム社会がわからないと。  プルトニウムを生産する、余ったプルトニウムがどこに行くかわからない、余ることをわかっていながら生産する、そして、そのことによって大間のMOXに使う、あるいはMOX加工場をつくる、あるいは、県内でそういうMOX加工の燃料が輸送される、核物質が輸送される、まさにそれは日常茶飯事ですね。もちろん、海外から返還のTRU廃棄物もある。高レベルの廃棄物もある。プルトニウムを取り出すということの───これは今度は知事にお聞きしたい。私はそういうことをプルトニウム社会だと思う。  そういう社会は、これまで日本のどこの地域も全く踏み出したことのない社会、地域です。だから不安です。だから危険を覚えます。知事は、その危険、不安、さまざまな問題───今私が言ったこと、その全体像を県民に示すべきじゃないですか。そのことを知事は選挙で公約されたはずです。事業者から出てきたことをそのまま受け取るのではない、事業者から出てきた情報が正しいかどうか県として検証するんだ、そう言ってきたんですね。  しかし、今回の再処理のアクティブ試験に関して県から出てきたのは安全協定の素案だけです。この素案の放射性物質の管理目標値だって、事業者が申請している保安規定の内容でしょう。もしそれが違うんだったら違うと言ってください。県としてつくったものは何もないじゃないですか。  アクティブ試験が始まったら県民生活はどうなるか、そういうことを知事はまず県民に示してください。示す用意があるかどうかお答えいただきたい。  二つとして、グリーンピースの創設者のどなたか、ちょっと名前を聞き忘れました。イギリスの方もどなたかと言いました。  ならばお尋ねします。この方たちは、六ヶ所の再処理工場で平成十七年からプルトニウムを取り出すことに賛成していますか。そして、今、知事が言われたグリーンピースの何とかという方は、日本でプルトニウムを余剰に持っていることに賛成していますか。  さらに、日本でこれから海外も含めてもし再処理をするんであれば、二〇一〇年までに約六十トンのプルトニウムがたまるんですよ。そのことを、知事が今言われたグリーンピース等の科学者は何と言っていますか、紹介してください。賛成していないでしょう。あわせて尋ねます。  先般二月二十四日に、アメリカのUCS(憂慮する科学者同盟)のライマン博士が来ました。そして、その書類の中には───このアメリカの憂慮する科学者同盟は約十万人、その中に四人のノーベル物理学賞受賞者の方もいます。もちろんアメリカの政府高官もいます。六ヶ所の再処理工場を操業すべきではないと意思表示をされています。知事、そういうことをあなたはどう思いますか。まずそのことをお尋ねします。(発言あり)だったら、知事、反対のことも紹介してください。  それから、プルトニウムの利用計画です。  なぜ平成十七年から六ヶ所再処理工場でプルトニウムを取り出さなければならないのか。取り出したものをどうするのか。使うのは平成二十四年度以降だというんでしょう。それが三十年なのか五十年なのかさっぱりわからない。これで何で妥当だと言えるんですか。  知事は、電事連から決意を聞いてきたという。じゃ、なぜ尋ねなかったんですか、これは知事に聞きます。その九七年につくったプルサーマル計画の中では、二〇〇〇年代初頭、要するに二〇〇五年までに合わせて九基のプルサーマルをやると言っているんです。それがまだ書いてあるんです。だったら、まずそれを直させなきゃだめでしょう。なぜ直させないんですか。  そして、大間原発は二〇一〇年度の燃料装荷です。しかし、電事連で書いている資料では、二〇一〇年度ではない、二〇一〇年なんです。これも間違いでしょう。なぜ知事は電事連にそのことの訂正を求めないんですか、改訂を求めないんですか。知事、答えてください。  それから、先ほど環境生活部長は白神山地の宣言に合致するんだと言った。知事もそう思っているんですか、アクティブ試験をやること、再処理で取り出すことが。そう思っているんですか。今再処理をやるということは今の原発でウラン燃料を燃やすことと話が違うでしょう。プルトニウムを燃やすという話でしょう。だったら、なぜプルトニウムの話をしないんですか。プルトニウムの話をしたら、なぜわざわざ福島県、新潟県から油を使って、燃料をかけ、二酸化炭素を出してむつの中間貯蔵施設に運ぶんですか。わざわざ金をかけて運ぶんですか。なぜ、今あるプルトニウムを使わないで、再処理工場を運転して二酸化炭素を出すんですか。そのことをきちっと説明してください。  すべてそれらのことのメリット、デメリット、光と影、これを知事は県民に説明しなきゃならぬでしょう。資料提供しなきゃならないでしょう。その上で、県民の判断を求める、県議会の判断を求めなきゃならないはずです。そういうことが何もないじゃないですか。それを知事にお尋ねします。  岩手県のことをお尋ねします。  これは、確かに国のやることでしょう。しかし、青森県は、岩手県、秋田県と大阪事務所、九州事務所と合同で事務所を開き、そして一緒になって農水産物の販売や観光対策をやっているでしょう。再処理工場が運転したら、県境はあるとしても、放射能汚染には県境はないんです。海に県境はないんです。それは、法律的な役割というのは国かもしれない。しかし、信義的に、あるいは三県の信頼関係を考えれば、知事がみずから説明するか、あるいは、知事が国や事業者に岩手県で説明会を開催することを求めて、知事自身もそこに出席するか、それが信頼関係じゃないですか。三県合同の信義じゃないですか。そのことについて、これはやはり知事にお尋ねしておきたい。  それから、放射能の評価のレベルです。  低いからいいんだと。低いです。法律の基準より低い。  じゃ、お尋ねしたい。その低い放射能レベルは日本のほかの県のどこよりも高いでしょう。東海の再処理工場よりも六ヶ所の再処理工場の放出濃度は高いでしょう。多いでしょう。そのことで、青森県の環境は全国で一番悪いということになるんじゃないですか。  東海の再処理工場が運転を始めて二十五年。技術が進歩しているんだったら、その放射能を低減できる技術はあるはずでしょう。しかし、金をかけないからやらなかったんでしょう。知事は、青森県の環境が、あるいは青森県の放射能汚染度が全国一悪くていいんですか。それで青森県の農水産物がいいと言えるんですか。あるいは青森県の観光対策がそれでいいと考えているんですか。それも知事にお尋ねしたい。  それから、副知事に。  福島県の話をされました。私が福島県の知事の引用をしたのは、プルサーマルが進むかどうかという話です。これについての御見解は一つも示されなかった。そうですね。なぜ福島県の知事が、新潟県の知事がプルサーマルに反対しているか。それが反対したままで二〇一〇年までに十六基-十八基が可能ですか。  それから、福島県の知事が九月十六日に原子力政策大綱に提案している。この内容を副知事は見ましたか。もし見たのでしたら、これに対する見解をお尋ねします。  以上です。 85 ◯副議長(滝沢 求)  知事。 86 ◯知事(三村申吾)  鹿内議員の再質問にお答えいたします。  まず、青年の家の件でございますが、いわゆる庁舎等利活用策検討会議において真剣に検討されたというふうに伺っておるわけでございまして、その中においてこの売却、活用ということが話に出たというふうに伺っておる次第であります。  また、繰り返しになりますが、この廃止等につきましては、教育委員会において十分かつ適切な検討を行った結果であると認識する次第であります。  続いて、プルトニウム社会ということについてでございますが、繰り返しになりますが、この用語につきまして、議員がどのようにその社会を想定しているかにつきましては、どうぞ議員みずからが県民の皆様方にお話しいただければと思う次第でございます。  また、私、先ほど、ラブロック博士とかグリーンピースのムーア博士のお話を申し上げたわけでございますが、それは、そういった地球全体のことの環境保護運動家の方々も、原子力というエネルギーシステムでもって再評価している───そのシステムを再評価する、つまり、地球の環境変動というものがそれほど今極端に温暖化を含めて激しくなっているということに対してこういう方々も原子力を評価しているということを申し上げたのでありまして、この方々と六ヶ所再処理云々との関係について申し上げたという思いではございません。したがって、そのことについてはお話しできる材料は持ち合わせておりません。  また、一月十七日の電力各会社に対しましての確認の件でございますが、それぞれのプルサーマルという事業についての決意のほどをその際伺ってきたということを何よりも御報告申し上げたのでございます。  私からは以上でございまして、残余につきましては担当部長、副知事等から答弁いたさせます。 87 ◯副議長(滝沢 求)  副知事。 88 ◯副知事(蝦名 武)  再質問にお答えいたします。  まず、いわゆる放射線の問題でございますけれども、〇・〇二二ミリシーベルトというもの、これは何回も県民説明会で説明しているわけでありますけれども、六ヶ所に三百六十五日住んで、毎日のように六ヶ所でとれる魚を食べ、野菜を食べ、そして〇・〇二二ミリシーベルトなのでございます。  それから、よくベクレルの話をしますけれども、これは、非常に数字が大きくて、人を惑わすもとになっていると思います。  したがって、知事が表明しましたように、やっぱり第三者の科学者から県民にきちっと説明していく必要があるなということを認識したわけでありまして、これから、あらゆる機会を通して県民説明会を開催し、この放射線に対する、あるいは放射性物質に対する理解を深めていきたいと、こう思っております。  それから、福島県知事が提案された内容につきましては私も読んでおります。福島県がいろんな手続を経てそういう提案をされたということは、それはそれで立派であると私は考えております。  しかし、私の意見とは相入れないものであると考えております。といいますのは、直接処分というのはそう簡単にできるものではございません。やはり、リサイクルしていくという姿勢が大事であると私は考えております。  福島県知事がどういうふうな発言をしても、私は腹を抑えてまいりました。それは、福島県は福島県民に責任を持っている、我々は青森県民に対して責任を持っているわけでありますから、福島県がどのような行動をとろうとも、我々はそれに対して文句を言ったことはありません。  そういうことでございまして、これからはいろんな進め方があると───青森県は青森県の進め方がある、福島県は福島県の進め方があるんだと考えております。  それから、岩手県の問題でございます。  県民説明会でも、岩手県から多数の方が来られていろいろ質問されましたが、私どもとしては、県民説明会でございます───県民に対して説明し、県民の声を聞くというのが県民説明会でございますから、岩手県の発言については、時間があったときに一番最後に発言をいただきました。  岩手県の方々がいろいろ心配されていることについては私どもも理解いたしましたが、私どもは原子力センターをつくってモニタリングをしているわけであります。そして、監視評価会議を四半期に一回ずつ開いてその評価をしているわけでありますけれども、モニタリングをして、青森県内のいろんな海産物、あるいは野菜、あるいは大気、そういうものをきちっと調べて、そして、ちゃんと基準値、管理目標値の中におさまっているかどうか、きちっとそれを公表していく。これは当然岩手県にも伝わるわけでございます。  ですから、青森県がそういう安全、安心に極めて一生懸命取り組んでいるという姿勢をこれからも見せていく必要があるなとも考えているわけでございます。  これは、さっき三県のどうのこうのと言いましたけれども、私ども、田子の産廃の問題で岩手県といろいろやってまいりました。我々は、岩手県側から青森県側に水が流れてくるんじゃないかと。そのために、その水を処理する大きさをいろいろ議論いたしました。ところが、向こうは流れてこないということで、我が方は、たしか百五十トンだと思いますけれども、百五十トンというものにしたわけであります。  実際は、北海道大学の調査で、毎日六十トン流れていることがわかったのでございます。で、岩手県はやっと遮水壁をつくるということを今やっているわけでございますが、やはり、これからも岩手県とはいろいろな話を進めながらやっていかなきゃならないなと。  北三県あるいは北海道・三県知事、これは、知事たちがそれぞれの思いを語る場、あるいは、将来北奥羽三県、北海道と連携しながらいろいろやっていこうという非常に大局に立ったすばらしい会議であるというふうに考えておりますが、個々の問題はやはり個々に判断していかなきゃならないというふうに考えております。 89 ◯副議長(滝沢 求)  行政改革・危機管理監。 90 ◯行政改革・危機管理監(天童光宏)  青年の家の廃止に関する再質問のうち、施設の売却の部分についてお答えさせていただきます。  県の公の施設を廃止した後の施設につきましては、社会生活上しかるべき有効な目的に利活用されることが大事なことであり、その点に関しましては県が直接活用しなければならないものと限定的に考える必要はないわけでありまして、施設が売却される形態となる場合であっても、社会生活上しかるべき有効な目的に利活用されるのであれば大いなる意義あるものというぐあいに考えております。 91 ◯副議長(滝沢 求)  環境生活部長。 92 ◯環境生活部長(高坂 孚)  白神山地等についての再度のお尋ねでございます。  核燃料サイクルと白神山地サミット宣言等々は相反するものではなく、むしろ白神山地を初めとした自然保護に貢献できるものであり、白神山地サミット宣言の趣旨に合致するものと考えてございます。  以上です。 93 ◯副議長(滝沢 求)  商工労働部長。 94 ◯商工労働部長(中島勝彦)  再質問にお答えいたします。  プルトニウム利用計画についてでございますが、プルトニウム利用計画については、平成十五年の原子力委員会決定に基づくものであり、原子力委員会として、計画を公表した各電気事業者に対して説明を求め、これを踏まえて、計画に示された利用目的の妥当性について確認を行ったとのことであり、県としては、しかるべき手順を踏んで確認がなされたと受けとめております。  この確認結果については去る一月二十六日に内閣府の戸谷参事官から御報告をいただいたところであり、また、去る二月十七日には原子力委員会の近藤委員長からも、「今後とも、プルトニウム利用の透明性をより一層高めるために、国及び電気事業者の対応について注意深くこれを見守って、適切に対処していきたい」旨の回答をいただいているところでございます。  県としては、原子力委員会の動向を厳しく注視してまいります。  それから、大間原子力発電所の二〇一〇年というふうなことでございますが、私どもで聞いておりますのは二〇一〇年度装荷というふうなことでございます。 95 ◯副議長(滝沢 求)  三十分間休憩いたします。 午後四時五十五分休憩     ───────────────────────
    午後五時三十四分再開 96 ◯議長(成田一憲)  休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  二十二番大見光男議員の登壇を許可いたします。───二十二番大見議員。 97 ◯二十二番(大見光男)  自由民主党、大見光男でございます。  質問に当たり、私の所見を申し述べ、質問いたします。  私は、本会議開会に当たっての知事の県政運営に関する所信を伺い、大変力強く、かたい決意を改めて感じたところであります。  イギリスの経済誌「エコノミスト」の編集長であるビル・エモット氏が、平成十年、「日はまた沈む」という本を書いて、日本のバブル経済に対して警告を発しておりました。日本全土の土地価格でもって米国全部を買ってもおつりが来るくらいのバブル状態でしたが、翌年バブルがはじけ、財政の債務超過、金融機関の破綻、デフレによる個人消費の停滞となり、以来十年余り、私たちはいろいろな意味で苦しんでまいりました。  しかし、歩みをとめたわけではありません。足の速いウサギのような中国経済を横目に見ながらゆっくり着実に歩んだカメの姿が日本経済の実態だったと思います。  そして、昨年、同じビル・エモット氏が「日はまた昇る」という本を書いてくれました。将来の日本はアジアにおいて必ずトップになれるといったエールを送ってくれたものと受けとめ、青森県には何も影響はないと言わず、後日必ず到来するものとして前進したいと思います。  知事は、参加、共生、創造、公平の四つの基本理念のもと、青森県の自主自立を目指し、一貫して喫緊の課題である行財政改革、雇用・経済対策に取り組まれてきました。  県政運営に関しては、財政改革プランが策定された直後の平成十五年第二百三十六回定例会において、私は、県財政の健全化と豊かで潤いのある県民生活の両立、そして県民全体の将来を見据えた行財政運営を知事にお願い申し上げたところであります。  その後、平成十六年度の地方交付税ショックなどにより、財政改革プランは財政運営方針へと引き継がれ、これを踏まえて編成された平成十八年度当初予算は、改革前進予算として、プライマリーバランスの改善、義務的経費の縮減、財源不足の圧縮など、これまでの努力を反映して財政の健全化が着実に進んでいることを評価するところであります。  しかしながら、日本経済が緩やかな回復基調にあり、有効求人倍率も順調に改善する中にあって、本県の雇用・経済情勢は、建設業の廃業が相次ぎ、有効求人倍率も依然として低位で推移するなど、残念ながら県民が改善を実感できるほどには至っておりません。財政健全化と豊かな県民生活を両立させることの難しさを改めて感じている次第であります。  経済回復は中央から地方へ波及すると申しますが、本県の場合、かつての好況期にあってもその恩恵を十分に享受してきたとは思えません。それだけに、本県の地域特性を生かした自力の経済回復と発展が望まれるところでありますが、ピーク時に比べ二千億円ほど少ない予算をもってこれを実現していくためには、行財政改革による成果をいかに有効に活用するかにかかってくるものと思います。  平成十八年度当初予算においては、財政の自由度を高めつつ、産業・雇用分野に施策を重点化し、また、普通建設事業費の確保についても配慮したとされています。  本県の産業・雇用対策については、知事就任以来、熱い気概を持って取り組まれていることは重々承知しておりますが、この気概が結果につながることが何よりも大切なことであります。それぞれの施策の展開に当たっては、現実をしっかりと見据え、一日も早くその成果を県民が実感できるよう取り組んでいただきたいと思います。  ここで、産業・雇用と並んで重点化が図られた人づくりについても触れておきたいと思います。  何の分野であれ、人材育成の重要性は論をまたないところですが、知事は、「元気青森人の創造」を掲げ、未来の青森県づくりの財産となる人づくりに重点的に取り組み、また、専門の組織も立ち上げるとのことであります。  人財は生活創造社会を実現するための戦略分野の一つとされてきましたが、平成十八年度において改めて最重要課題として取り組まれる知事の並々ならぬ思いに敬意を表するものであります。  我が大間町にも一流の田舎づくりに精を出す元気青森人が数多くおりますが、彼らのような意欲にあふれる宝たる人を数多く育てていくことがひいてはあしたの青森県を支える礎になるものと、県が行う人づくりに期待しているところであります。  さて、県民が暮らしやすさを実感できる社会の実現を目指し、県と県民の取り組むべき基本的な方向や役割を示した生活創造推進プランは、生活創造社会という十年後にたどり着かなければならない新天地に向け、青森県という船のかじ取りを担うものであると認識しておりますが、将来像実現に向けた折り返し点はもはや目前に迫っています。  このプランにある方向や役割分担が言葉だけに終わることのないよう、本県の持つ地域資源や人材、そしてネットワークなどの地域力をフルに活用し、県、そして県民がそれぞれに責任を持って取り組みを徹底、加速していかなければなりません。  そして、生活創造推進プランが描いたとおりの県民が暮らしやすい地域社会の実現に向けて、知事を初め県当局におかれましては、より一層の御尽力を強く要望するとともに、新年度から県が進める施策が効果的に推進されるよう強い願いと期待を込め、重点的に進めるべき施策については以下に質問させていただきます。  まず、農林水産業の振興についてお尋ねします。  初めに、県民生活の基盤であり、安全、安心な農林水産物の生産に欠かせない水循環にも密接に関連する森林づくりの問題についてであります。  水の源である山には、本県に適したヒバや広葉樹を植林し、除伐や間伐などをきちんと行って青森らしい森林づくりを進め、水資源の涵養を初め、県土を保全していくことが必要であります。  しかしながら、民有林では、森林が成長してきたにもかかわらず、木材価格の低迷などから林業の採算性が悪化し、伐採してもその後に造林をしないところや間伐などの手入れが不十分なところも目につき、このままでは、森林づくりはもちろん、山の保水能力の低下も懸念されます。  私は、こうした現状を踏まえ、森林資源である木材の利用と森林の整備を車の両輪のように進めていくことが重要と考えています。  また、本県の森林面積のうち六割以上、下北地域では約八割を占める国有林においては、木材生産から環境を重視する方針に転換したということでありますが、国有林は大半が上流部にあり、災害の防止や水資源の涵養のために十分に保全される必要があります。  森林の育成には長期を要し、簡単にはいかないかもしれませんが、大変重要な課題でありますので、本県の緑豊かな森林づくりに今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。  次に、いそ焼け対策と藻場造成についてですが、本県は、日本海、津軽海峡及び太平洋と三方を海に囲まれ、中央には内湾である陸奥湾が広がっています。対馬暖流は、日本海を北上し、その多くが津軽海峡を経て太平洋に達しています。太平洋では、北からの親潮と南からの黒潮が流れ、これらが生み出す豊かな漁場があります。  特に、下北半島の沿岸域で昆布やアワビ、ウニなどを対象に営まれているいそ根漁業は漁村の高齢者にとって重要な収入源になっていますが、近年では、いそ焼けによって昆布などの有用海藻が減少し、これに伴ってウニやアワビの資源量も少なくなっています。  海藻は、漁獲対象種となるだけでなく、アワビやウニなどのえさや魚類の生育場となるほか、水質の浄化作用を持つなど、豊かな海づくりのための重要な役割を果たしており、いそ焼けの発生は沿岸漁業に大きな影響を及ぼしています。  そこで、いそ焼け対策と藻場造成について、県の取り組み状況をお伺いします。  次に、攻めの農林水産業についてお伺いします。  生産者の所得向上を図るためこれまで以上に販売を重視した攻めの農林水産業では、知事みずからが先頭に立って、県内外はもとより、韓国やタイなど海外でも販売促進活動を展開しております。その熱意には敬意を表するところでありますが、その際忘れてならないのは、消費者が求める青森産品づくりへの取り組みです。  下北地域でも、川内町漁協青年部が資源の枯渇が心配されていたナマコの増殖対策に県の指導を得ながら積極的に取り組んできたところ、漁獲量が安定し、販売面でも順調な成果を上げてきています。  私は、県内各地でこうした生産面での新たな動きが出てくることを期待しているものであります。  そこで、県は売れる産品づくりに向けて生産面でどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、雇用対策についてお尋ねします。  冒頭に申し上げたとおり、雇用対策については、若年者の就業支援、中高年齢者の再就職の促進、障害者の雇用拡大や障害者の就職支援のための人材育成など、これまでも、厳しい財政状況下においても雇用状況の改善に向けて努力し取り組んできたことは重々承知しております。  ところが、全国の有効求人倍率は昨年十二月末現在では十三年ぶりに一倍になりましたが、本県の状況を見ると、雇用改善の動きが鈍く、二カ月連続で最下位は脱出したものの、有効求人倍率は〇・四四と低迷しております。  このように、全国的に見ると雇用改善が進む中で、本県の雇用は依然として厳しい状況にあると言わざるを得ず、いま一歩の努力をしてほしいと思うわけであります。  そこで、次の二点についてお伺いします。  一点目として、本県の雇用の現状認識についてお伺いします。  二点目として、今後の雇用対策についてどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、地域医療の充実についてお尋ねします。  現在、我が国は、超高齢社会を迎え、医療制度の改革が喫緊の課題になっていますが、一方においては、従前から地方が指摘していた医師の地域間格差は未解決のままであります。  こうした中、県内における医師の地域間格差も見逃すわけにはいきません。都市部と町村部という区分けのみでなく、医療圏ベースで見ても、平成十六年末で、津軽圏域は人口十万当たり二百四十五・六人であるのに対し、西北五圏域は九十八・一人、上十三圏域は百八・八人、下北圏域は百二十・〇人と大幅に下回っているのです。県民がひとしく医療サービスの恩恵にあずかれることは医療行政の目標であるはずです。  そこで、次の二点についてお伺いします。  一点目として、県が設置したあおもり地域医療・医師支援機構は自治医科大卒医師やU・Iターン医師の配置調整機能を有しているが、県内の医師の地域間格差についてどのように考えて配置を行う方針であるかお伺いします。  二点目として、医師確保に当たっては医療提供体制の再構築が最重要であると考えるが、これを進めるに当たって県は市町村長の積極的取り組みや住民の理解、協力をどのように引き出していくのかお伺いします。  次に、被曝医療体制についてお尋ねします。  東通村に原子力発電所一号機が昨年十二月に稼働しました。また、大間原子力発電所もことし八月に着工の運びとなり、むつ市関根地区に使用済み燃料中間貯蔵施設が立地することとなりました。  こうした中で、県民の安心と安全を確保するためには原子力防災対策の充実が重要であり、県では、地域防災計画(原子力編)を策定し、これに基づく原子力防災訓練を実施するなど取り組みを行ってきていると聞いております。  しかしながら、このような原子力防災対策の中でも、特に地域住民の安心、安全のためには、緊急の際にも医療対応が可能なように被曝医療体制を強化することが重要であると考えます。  そこで、原子力施設の集中的な立地が予定されている下北地域について、特に被曝医療体制の強化が必要と考えますが、県としてどのように考えているのかお伺いします。  次に、子育て支援についてお尋ねします。  今、少子高齢化が盛んに叫ばれております。青森県もその例に漏れず、青森市ですら人口が減少しており、ふえた町はほんの一握りにすぎません。青森県内に就職先がなく転出する者、結婚や出産をためらう若者などで、青森県の人口は、平成十七年十一月現在、百四十三万六千人となりました。  結婚や出産は個人の自由でありますが、結婚や子供を育てることを望みながらためらうような社会的な障壁があれば、社会全体で次世代の育成を効果的に支援していく必要があると考えます。  県ではこれまでも保育対策、乳幼児医療費の助成などに取り組んできておりますが、安心して子供を産み育てることができるためには、特に、地域における子育て支援の充実、また、男性も女性も子育てしやすい職場環境づくりが必要であると考えています。  そこで、次の二点についてお伺いします。  一点目として、地域における子育て支援について県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  二点目として、育児と仕事の両立を支援するため県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  行政栄養士の配置についてお尋ねします。  本県の平均寿命は男女ともに全国最下位であり、がんや心疾患、脳血管疾患等のいわゆる生活習慣病による影響が大きく起因していると言われます。  これら生活習慣病の予防を図るために、栄養バランスが偏らない食事をする、自分の活動量に合ったエネルギーを摂取するなど、食習慣の改善が不可欠と思われます。  良好な食習慣を確保するためには、個人の取り組みもさることながら、個人を支援する環境整備が重要であると考えています。  そこで、地域における行政栄養士の果たすべき役割には非常に大きなものがあります。地域住民の生活習慣の指導については市町村の保健師、栄養士が行っていますが、食に関する指導を専門的に行う行政栄養士が配置されていない町村が多いと先般報道されておりました。  町村の厳しい財政事情はわかるとしても、良好な食生活を確保し、地域住民の健康を守るためには、行政栄養士の配置を促進し、十分に住民サービスが受けられるようにすることが重要であると考えますが、県は今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、豊かな自然環境の次世代への継承についてお尋ねします。  青森県は、リンゴ、ナガイモ、ニンニク、ヒラメ、ホタテなど、全国有数の生産量、漁獲量を誇る農林水産県であります。  これらの農林水産物は、世界自然遺産白神山地に代表される本県の豊かな自然環境の中で、山、川、海の水循環によって支えられています。本県の自然環境は、白神山地のほか、十和田八幡平国立公園、津軽及び下北半島国定公園、ラムサール登録湿地仏沼など多様性と豊かさを備えており、我々にはこれを保護保全して次世代に継承していく義務があるものと思います。  特に下北半島は、半島という特殊な自然条件から多種多様な生物による生態系が形成されており、多くの希少野生生物が生息しています。  しかし、現状を見ると、本県の守るべき自然環境が危機に瀕しているのではないかと感じられます。私が把握している範囲でも、アオモリマンテマ、ツガルミセバヤ、フクジュソウ、ツキノワグマ、イヌワシ、ニホンザリガニなどの希少野生生物だけでなく、このほかにも個体数の減少や生息環境の悪化している種が多数あると聞いております。  こうした豊かな自然環境を、次世代を担う子供たちに伝え、後世に残すことができないのか、これはなかなか難しいことではあると思いますが、何らかの対策が必要ではないでしょうか。  以上のことを踏まえ、次の二点についてお伺いします。  一点目として、現在県が把握している本県の希少野生生物の生息状況についてお伺いします。  二点目として、豊かな自然環境を次世代へ継承するために県は希少野生生物などの保護保全対策についてどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、民俗資料の保全と活用についてお尋ねします。  青森市歴史民俗展示館「稽古館」が、先般、二十九年間の歩みを終えました。青森市には資料館なども少なく、また、棟方志功記念館も県立美術館の方へ財団の事務局を移すことが決定したようであります。  県信用組合が設立し、財団法人で運営してきた稽古館を青森市が引き継ぎ、無料で公開されてきたものですが、このたびの閉館は、財政難もありましょうが、まことに残念でなりません。  稽古館には、旧川内町出身の田中忠三郎氏が館長を長く務め、その間に収集した多くの民俗資料があり、今後はそれらが散逸してしまわないようにしなければなりません。また一つ青森市の名物が消えていくのは本当に寂しいものです。  このほかにも県内には多くの貴重な民俗資料が残されておりますが、これらの民俗資料は先人の生活を後世に伝える大切な資料であり、我々はそれらを未来へ残していかなければならないと思うのであります。  そこで、県内の民俗資料の保存と活用について県ではどのように取り組んでいくのかをお伺いします。  最後に、国道二七九号の落石問題についてお尋ねします。  国道二七九号は、下北半島を縦断し、大間町で国道三三八号に接続し佐井村へつながる幹線道路で、地域住民にとっては唯一の生活道路であります。  この地域にとって欠くことのできない国道二七九号風間浦村易国間地内においてはたびたび落石が発生しており、昨年四月中旬、斜面監視システムが落石を事前に検知し、二十時間余の通行どめとなり、大間高校が休校して、地域住民の生活に大きな影響を与えたことは記憶に新しいところであります。  このことから、県当局におかれましては、対策の検討に入り、昨年十月恒久対策が決定されたことは、落石の不安を抱えながら通行している地域住民にとっては朗報であります。  今日、公共事業を取り巻く環境が厳しい状況にあることは承知しているところでありますが、地域住民の民生安定上、地域活性化向上のためにも、安全で安心して通行できる道路の早期整備を願うものであります。  そこで、国道二七九号易国間地区の落石対策に係る事業規模及び予算措置も含めた今後の整備見通しについてお伺いします。  以上、壇上からの一般質問といたします。 98 ◯議長(成田一憲)  知事。 99 ◯知事(三村申吾)  大見議員にお答えします。  一点目の、本県の緑豊かな森林づくりについての取り組みであります。  世界に誇る白神山地のブナや日本三大美林のヒバ、そして、全国第四位の人工林面積を持つ杉など、本県の豊かで広大な森林は、木材の供給や関連産業の振興に加え、水資源の涵養や災害の防止、地球温暖化防止に資する二酸化炭素の吸収など多面的な役割を果たしており、このように貴重な財産である森林を保全、育成していくことは極めて重要であります。  特に、戦後植栽されました杉につきましては本格的な伐期を迎えることになりますが、全国的な杉材の供給量の増加により他県との競合がさらに激しくなるものと予想されており、県では、付加価値の高い製品づくり、県産材認証制度の活用により県産材の需要拡大に取り組んでいくこととしております。  また、杉の伐採後は、県木でありますヒバやブナなどの郷土樹種への転換を図り、公益的機能の高い、木の高さが何層にもなります複層林や、針葉樹と広葉樹を組み合わせた混交林などに誘導していくこととしており、特にヒバにつきましては、これまでの経験や生産技術の集積など本県の優位性を生かしながら優良品種の植栽を進め、すぐれた森林育成を目指していくこととしております。  加えて、森林は、本県の安全、安心な農産物や海の幸をもたらすきれいな水の確保に大きな役割を果たしていることから、水循環システムの再生、保全のグランドデザインに基づき、その機能の発揮に向けて、地域住民による植樹や育樹など、県民の豊かな森林づくりへの参加をも促進してまいります。
     このような考えのもとで、平成十八年度は、県産材の高付加価値や郷土樹種による森林づくりの効果的な進め方について県民や有識者の意見を伺うこととしており、緑あふれる青森県を目指し、県民と協働して、県名にふさわしい青森らしい森林づくりに取り組んでまいります。  続いて、雇用対策についての一点目、本県の雇用の現状認識、二点目の今後の雇用対策についての取り組みでありますが、両点あわせてお答えします。  本県の雇用情勢につきましては、一月の有効求人倍率が〇・四七となるなど、一部に改善の動きが見られるところであります。県知事就任時には〇・三前半台に位置しておりましたが、そのときを思うにつけ、ここまでやっと来た、しかしながら、まだまだであるという思いがあるわけであります。なぜならば、全国平均であります一・〇三倍との間には開きがあるなど、依然として厳しい状況にあると認識するのであります。  このため、私は、引き続き産業・雇用を県政の最重要課題ととらえ、平成十八年度当初予算につきましても、生活創造社会を実現するため最も大切な人財の育成と産業・雇用の分野に重点を置いて編成したところであります。  議員御指摘の雇用対策につきましては、若年者の雇用拡大・維持を図るため、引き続き、ジョブカフェあおもりの運営等を通じて若年者の就業支援に取り組むほか、若年者の就職促進及び人材育成を図るための教育訓練の受講に対する支援等を行うこととしております。  また、団塊世代を中心とした働き盛りの離退職者等の円滑な再就職を支援するためキャリア情報センターを開設するほか、障害者の雇用、就業を促進するため、地域の障害者の就業支援に積極的に取り組む社会福祉法人等への支援を行うこととしております。  今後とも、地域経済の活性化と雇用の維持拡大に向けた取り組みを徹底、加速し、雇用対策に全力で取り組んでまいりたいと存じます。  私からは以上であります。 100 ◯議長(成田一憲)  環境生活部長。 101 ◯環境生活部長(高坂 孚)  豊かな自然環境の次世代への継承についてお答えいたします。  まず、本県の希少野生生物の生息状況についてでございます。  県は、広く県民に本県の自然環境や野生生物への理解を深めていただき、希少野生生物の保護保全を図る上での基礎資料としてもらうため、平成十二年に青森県レッドデータブックを作成しました。  このレッドデータブックでは、本県に生息する絶滅のおそれのある希少野生生物を六百二十四種リストアップし、絶滅の危険度を六つのランクに区分するとともに、形態的特徴や選定の理由、保存対策等が記載されています。  しかし、作成後五年以上が経過し、生息地の自然環境の変化に伴い個体数が減少している種があることや対象としていなかった分野もあることから、平成十六、十七年度の二年間で現地調査等を行い、新規掲載種の検討やランクの再評価を実施しました。  これら見直しの結果、本県の希少野生生物のリストは六百二十四種から八百八十八種へ大幅に増加する予定であり、これは、種として世界的にも貴重なヤチヒロヒダタケや佐井村のオオウラヒダイワタケなどの菌類、地衣類、蘚苔類、藻類の分野を追加することによるものです。  また、既存の分野では、シマクイナ、ゲンジボタル、ゲンゴロウなど百三十六種を追加することとしております。  なお、前回作成時に比べランクが上昇した、すなわち絶滅の危険度が高まった種は六十三種であり、これは、平成十二年作成のレッドデータブック掲載種の約一割に当たります。  これらの結果は、今月末に青森県レッドリスト改訂増補版として取りまとめることとしております。  次に、豊かな自然環境を次世代へ継承するための県の取り組みについてでございます。  県は、現在作成中のレッドリスト改訂増補版により新規掲載種や見直し後のランクなどについて県民への周知と理解を図るため、レッドデータブック同様、関係機関に配布したり県のホームページに掲載するなど普及啓発に活用することとしております。  また、今回のレッドリストの見直しに伴い掲載種が大幅に増加したことや各種開発行為による生息地の消失等が問題になっていることから、これに対応し、レッドリストのさらなる活用を図るため、希少野生生物生息地マッピング事業費を平成十八年度当初予算案に計上し、御審議いただいているところでございます。  この事業は、希少野生生物の生息地について専門家による現地調査等を実施し、地図情報として取りまとめるものでございます。これにより詳細な生息地を把握することができ、各種公共事業や開発行為等に対し、地図情報と照合することで、事前に影響の回避を図ったり適正な行政指導を行うことを目的とするものです。  また、希少野生生物の保護保全のため、庁内関係各課による連絡会議を設置し、県民への普及啓発や環境教育等への活用方法について検討するなどし、本県の豊かな自然環境の次世代への継承に取り組んでまいります。  以上でございます。 102 ◯議長(成田一憲)  健康福祉部長。 103 ◯健康福祉部長(三浦康久)  地域医療を初め、六点の御質問にお答えいたします。  まず、医師の地域間格差についての御質問がございました。  本県の医師不足に抜本的に対処するためには、医師の学ぶ環境と働く環境ということを基盤に、全体としての仕組みを整える必要があります。  このため、市町村は、単独での医療体制を整えるのではなく、自治体病院機能再編成を通じた人事ローテートを組み込んだ圏域単位でのシステムの構築が必要であり、一方、県には、医師の長期勤務を保証し、自治体病院等に配置調整をする機構の設置など、各圏域の努力を支援するシステムづくりが求められております。  このことから、あおもり地域医療・医師支援機構に登録する医師の配置につきましては、専門医志向、総合医志向の別に応じ配置医療機関を定めているところですが、各圏域の中核病院に配置するに当たっては、自治体病院機能再編成が進展している圏域の病院を優先することとしております。  また、僻地医療拠点病院、僻地診療所に医師を配置するに当たっては、地域において医療連携に取り組んでいる病院、診療所を基本とし、中核病院との間の人事ローテートが可能な圏域を優先することにしたいと考えてございます。  次に、市町村長の積極的取り組みや住民の理解、協力をどのように引き出すのかということでございます。  病院の運営に当たりましては、地域の住民が医療従事者とともに地域医療を守り育てる主役の一人であるという当事者意識も求められる時代になってきております。  こうした、住民が真剣に地域医療について考え取り組もうとすることが市町村長の行動を引き出していき、医療提供体制の再構築について、相互の対話と提案、地域全体の合意づくりがなされていくことが地方分権の趣旨に合致しているとも言えます。  県としましては、これらのことは基本的には病院開設者の役割と考えておりますが、医療は最も身近で重要なサービスであるがゆえに、自治体病院機能再編成や医療機関の統合が不安を招き、市町村長がいま一つ前に踏み出せないところでもあると考えられています。  しかしながら、事態は極めて切迫しており、県としましては、地域医療のあり方を真剣に探ろうとする自主性と積極性のある住民グループの勉強を支援して医療問題に関心のある地域リーダーを育成し、地域全体の取り組みを促進していきたいと考えています。  また、市町村みずからには、国及び本県の医療の実態や課題についてより認識を深め、住民との対話を図っていくことが強く求められています。  具体的には、県としては、県内数カ所で市町村長等の参画を求めてシンポジウムを開催するほか、圏域別に懇話会を開催するなど、市町村の積極性を引き出していきたいと考えています。  また、県の広報媒体の活用やテレビ番組の作成などにより、県民一丸となって、医師と県民双方の安心が両立する医療提供体制の構築に向けて勇気ある取り組みがなされるよう、広範な認識の共有を図ってまいります。  続いて、被曝医療体制でありますが、下北地域の医療体制の強化についてでございます。  本県における原子力災害時の医療体制につきましては、青森県地域防災計画(原子力編)に緊急時医療体制として定めております。  原子力施設などから搬送された傷病者については、主に外来治療を行う初期被曝医療機関、入院治療を行う二次医療機関、専門的な治療を行う三次医療機関を指定しており、これらの医療機関がそれぞれの役割に応じた医療活動を行うこととなっております。  県としましては、原子力施設の立地する下北地域における被曝医療体制の充実が重要であると考えており、下北地域の中核病院であるむつ総合病院を初期被曝医療機関に位置づけしているところであります。  むつ総合病院では専門研修への職員派遣や病院内での専門機関による研修などに積極的に取り組んでおりますが、今後も、資機材の整備や研修の充実など、下北地域の被曝医療体制の充実に努めてまいりたいと考えております。  続いて、子育て支援についての県の取り組みであります。  県では、平成十七年二月に、県民一人一人が安心と幸せを実感し、希望と喜びを持って子育てができるよう、わくわくあおもり子育てプランを策定し、市町村、地域、学校、企業などが、地域で安心して子供を産み育てることができる子育て環境づくりに取り組むこととしております。  具体的には、まず市町村においては、延長保育や休日保育、一時保育などの多様な保育サービスの提供、育児相談や子育てサークルへの支援、保育の情報提供などを行う地域子育て支援センター事業の推進、それから、地域では、子育てメイトを中心とした子育て支援活動の推進、学校の空き教室等を利用した小学校低学年児童等に対する放課後児童対策事業の推進などに取り組んでおります。  県としましては、これらの事業の実施主体である市町村等と連携を図りながら、子育てしやすい環境づくりをこれからも推進してまいりたいと考えております。  それから、子育て支援のもう一つの御質問、育児と仕事の両立を支援するための取り組みであります。  わくわくあおもり子育てプランにおいては、特に企業に対しても仕事と家庭の両立が図られる職場環境づくりを期待していることから、事業主の意識改革及び行動計画策定等の環境整備を推進するために、新たに仕事と家庭の両立のための職場環境づくり推進事業を実施することとし、所要の経費を本議会に提案し、御審議いただいております。  事業の具体的内容でありますが、一つに、仕事と子育ての両立に関するコンサルタントを配置し、従業員三百人以下の主な事業所等を個別訪問して、職場環境づくりについての意識の啓発を図ります。それから、一般事業主行動計画や子育て支援事業を紹介するガイドブックを作成いたします。そして、仕事と子育てを両立させるための地域における独創的で先進的な子育て支援の取り組みを紹介する優良事例の発表を行います。  この新規の事業の実施に当たっては、国や県の労働部門と連携し、経済団体の協力も得ながら進めてまいりたいと考えております。  最後に、行政栄養士の配置についてどのように取り組むのかという御質問でございます。  市町村における行政栄養士の配置状況は、本年三月一日現在、四十市町村のうち二十三の市町村に三十二名が配置されております。  行政栄養士は、地域住民に対する食生活改善等のために専門的な指導を行う上で必要な人材であることから、県としましても市町村に対し配置を促してきたところであります。栄養士の配置数は、少しずつふえてはいるものの、まだ十分ではないと考えております。  県としましては、今後とも、栄養士の配置されていない町村に対し働きかけていくとともに、市町村が地域住民の食生活の改善にさらに取り組むことができるよう助言してまいります。  なお、市町村が在宅栄養士の活用を希望する場合、青森県栄養士会を窓口に派遣を依頼できるような体制もできております。  以上でございます。 104 ◯議長(成田一憲)  農林水産部長。 105 ◯農林水産部長(一戸洋次)  農林水産業の振興二点にお答えいたします。  まず初めに、いそ焼け対策と藻場造成への取り組みであります。  いそ焼けは、ウニなどによる海藻の食害や、海水の水温、濁り、栄養塩等の環境変化などにより発生すると言われ、県内全域で見られており、下北沿岸では、特にウニの食害による昆布藻場のいそ焼けが見られます。  このため、県では、平成十六年度から三カ年間にわたり、佐井村と易国間の両漁業協同組合が行うウニ駆除効果実証事業に支援することとしているほか、漁業者が効率的にウニ駆除に取り組める漁法の検討などを行っており、また、十八年度から新たに津軽半島や太平洋の沿岸海域でも効果的ないそ焼け対策技術の確立を目指すこととし、所要の予算を本議会に計上し、御審議いただいているところであります。  藻場の造成については、県では、アワビやウニ、昆布などいそ根資源の増殖場として平成十六年度までに四十七地区の造成を終え、現在は大間町とむつ市川内地区において増殖場を造成中であり、十八年度に完成する予定となっております。  今後の整備につきましては、地元漁業関係者の要望を踏まえながら計画的に進めることとしており、いそ根資源の増大と安定生産に向け、効果的、効率的に取り組んでまいります。  売れる産品づくりに向けての生産面での取り組みであります。  攻めの農林水産業の推進を通じた売れる産品づくりを進めていくため、県では、これまでも、減農薬・減化学肥料栽培やトレーサビリティーシステムの導入促進、地域特産品のブランド化に向けた清水森ナンバ、洋ナシのゼネラルレクラークなど地域いちおし産品の生産・販売体制の整備、昆布などの養殖による水産資源増大を図る海の森づくりなどに取り組んできたところであります。  今後は、これまで実施してきた販売活動の中で得られた消費者サイドからの情報も生かし、米ではまっしぐら、リンゴでは北紅や星の金貨といった本県のオリジナル品種の普及拡大を初め、市場や量販店からの品目、出荷量などの提案をもとに、新しい低コスト技術の導入などによる元気な野菜産地の育成、高級魚で日本一の漁獲量を誇るウスメバルの人工種苗の放流や海面養殖技術の研究開発などにも取り組み、地域における新たな動きを支援し、農林漁業者の所得向上に努めてまいります。 106 ◯議長(成田一憲)  県土整備部長。 107 ◯県土整備部長(羽原 伸)  国道二百七十九号易国間地区の落石対策についての御質問にお答えいたします。  風間浦村易国間地区につきましては、昨年六月から道路斜面監視システムを本格運用しながら、緊急を要する箇所の転石除去やワイヤ掛け工等の落石防止の対策工事を進めてきたところでございます。  昨年十月に、当地区の抜本的対策として、延長二・七キロメートルのうち緊急に対策を要する四カ所、五百十メートルにつきまして、急崖部の岩塊除去等をおおむね五年で終える計画を策定いたしました。  この緊急に対策する区間の事業費は約十五億円となっております。  今年度は、当初予算に加え、災害対策緊急事業推進費や補正予算など、合わせまして約六億五千万円を確保し、役場寄りの工区及び桑畑漁港付近の工区の岩塊除去工事等に着手いたしております。  今後とも、計画期間内での早期完成に向けまして対策工事の促進に努めてまいります。 108 ◯議長(成田一憲)  教育長。 109 ◯教育長(花田隆則)  民俗資料の保存と活用についてお答えいたします。  議員述べられましたとおり、衣食住やなりわいなどに用いられる衣服、用具などの民俗資料は、先人の生活を知る上で欠くことのできないものであります。  国及び県教育委員会では、この中から貴重なものについて重要有形民俗文化財及び県有形民俗文化財として指定し、保護しているところであります。現在、「津軽・南部のさしこ着物」や「八戸及び周辺地域の漁撈用具と浜小屋」など、国八件、県十二件が指定されております。  また、文化財保護法の改正により、保存と活用が特に必要なものを登録する国の文化財登録制度が建造物に加え有形民俗文化財等にも拡充されたことから、今後は民俗資料の登録にも取り組んでまいりたいと考えております。  民俗資料の活用では、県立郷土館や市町村立歴史民俗資料館などにおいて民俗資料の保存、公開を行うとともに、収蔵資料を学校に運んで展示、解説する移動博物館の開催や資料の貸し出しなどを行っております。  県教育委員会としましては、今後とも、県内にある貴重な民俗資料が確実に次世代に継承され、また広く活用されるよう、民俗資料の所有者、市町村及び関係団体と連携をとりながら取り組んでまいります。  以上であります。 110 ◯議長(成田一憲)  二十二番大見議員。 111 ◯二十二番(大見光男)  御答弁どうもありがとうございました。  再質問はありません。ただ、一つだけ要望したいと思います。  ことしに入って、異常冷水が津軽海峡に入ってきています。私の地元である大間ではマグロがマスコミに取り上げられておりますが、一部の人を除いて決していい状況ではありません。イカもだめ、昆布もだめ、期待していたサケもクラゲでだめと、ハマは冷え切っております。漁のよしあしは自然相手の商売なので思うようにいかないことは漁師はみんなわかっていますが、漁に対する気持ち、期待がなければ漁業は続けられません。きょうがだめならあしたというぐあいに毎日続けているわけです。  今回、知事は、攻めの農林水産業を一層進めるために農林水産部内に水産局を設置するとしており、私はほっとしております。ありがとうございました。漁師もこれで何か先が見えてくるのではという期待があるからであります。ハマでは、知事は水産に力を入れているな、知事は下北のハマのことを忘れていないで考えてくれていると受けとめられています。予算でも新規の内容が以前より多く、水産局には、いそをつくり、魚をとるところから販売まで、それを動かしている漁業協同組合まで一体の指導をしていただきたいと思います。  大間のマグロの味と価値を落とさないためにもこれからの水産行政に力を入れてくださることを期待して、私の要望といたします。  ありがとうございました。 112 ◯議長(成田一憲)  以上をもって本日の議事は終了いたしました。  明日は、午前十時三十分から本会議を開き、一般質問を継続いたします。  本日はこれをもって散会いたします。 午後六時二十六分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...