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平成11年度予算特別委員会(第2号)  本文 開催日: 1999-03-10
平成11年度予算特別委員会(第2号) 名簿 開催日: 1999-03-10

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  1. 青森県議会 1999-03-10
    平成11年度予算特別委員会(第2号)  本文 開催日: 1999-03-10


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯成田(一)委員長 ただいまから予算特別委員会を開きます。  昨日の運営協議会で決定した協議事項をお手元に配付してあります。        ───────────────────────────────── 「参考登載」        ─────────────────────────────────            ◎ 土 木 部 長 報 告        ───────────────────────────────── 2 ◯成田(一)委員長 土木部長より報告事項があります。──土木部長。 3 ◯奈良土木部長 委員長のお許しをいただきまして、本日発生いたしました国道百二号ののり面崩壊につきまして御報告をさせていただきます。  これは百二号の馬門橋上流約四百メーター付近でございます。発生は本日十二時四十分──早朝でございますが、通行人より通報がございました。その後私どもといたしましては、警察署、消防本部等に直ちに連絡をいたし、一時より全面通行どめといたしたところでございます。二時四十分には私どもの十和田土木事務所の職員も現地に入り、現地状況等の調査を開始いたしてございます。  現地の状況でございますが、のり面崩壊の延長は約二百メーターにわたってございます。崩落・崩壊規模等につきましては現在調査中でございます。雪、岩石、倒木もその中に含まれておりまして、県警察本部の「はくちょう」での撮影によりますと相当の量だというふうに私も見ております。奥入瀬渓流は、この崩落によりまして一時閉鎖されまして道が一部冠水いたしましたが、その後通水工事をいたしまして、現在はその冠水状況は解消いたしてございます。斜面上部につきましてさらに土砂崩落発生のおそれがあるわけでございますが、現在、それにつきまして専門家等々の意見もお聞きしながら早急にその対応を考えていきたい、このように思っておるわけでございます。  現在までの対応でございますが、道路上の雪、土等々の撤去作業につきまして五時三十分に作業を開始いたしてございます。現在、関係土木事務所──秋田県も含めまして、現地の状況についての案内板等々の設置をいたしました。現在、焼山側にバックホー三台、ダンプトラック十台、子ノ口側にバックホー一台、ダンプトラック六台を配置いたしましてその除去作業をしておるところでございます。なお、私どもの方も、九時三十分に県の防災ヘリコプターで現地調査をいたしておりますし、早朝、平岡土木部次長にも現地に入ってもらいまして、諸調査をいたしておるところでございます。  今後の対応でございますが、現在、斜面の上部の調査ですとか道路部周辺の状況をさらに詳細に調査しながら作業を進めていきたいというふうに思っております。この道路が交通どめということに相なりますと、青森県側から十和田湖へ至るルートは現在のところないわけでございます。そこで、奥入瀬バイパス──現在冬は閉鎖いたしておるわけでございますが、県内のロータリー車等を集結いたしましてこれを早急に開通させて十和田湖へ入れるようにいたしたい、このように思っておりまして、その作業も始めました。この迂回路の開通作業には今のところ二日を要するという見込みでございますが、少しでも早く開通させるべく鋭意頑張ってまいりたい、このように思っております。  以上、御報告とさせていただきます。        ─────────────────────────────────            ◎ 付託議案に対する質疑        ───────────────────────────────── 4 ◯成田(一)委員長 これより質疑を行いますが、その前に本職からお願いがあります。質疑時間は答弁を含めて一時間以内でありますので、厳守されるよう願います。なお、五十分を経過した時点で予鈴を鳴らしますので御協力ください。質疑は所定の発言席において、また答弁は所定の答弁席でお願いいたします。なお、答弁者は、挙手の上「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。  議案第一号から議案第十八号までを一括議題といたし質疑を行います。高橋弘一委員の発言を許可いたします。──高橋委員。 5 ◯高橋委員 自由民主党の高橋弘一であります。通告の順に従いまして質疑をしてまいりたいと思います。
     平成十一年の新年度予算──一般会計当初予算でありますけれども八千七百十七億、前年度の当初予算よりも三百五十億の増であります。全国的に地方自治体での新年度の予算の伸び率等については極めて懸念される昨今でありますけれども、現下の厳しい経済環境に配慮しながら、そしてまた、特に県債が一兆円を超えるという中にあってのこのたびの予算の編成であります。非常に御苦労なさったと思うわけでありますが、その労苦にまた感謝を申し上げる次第であります。経済不況と申しますか、極めて税収不足の昨今であります。このような不況下にあっての予算編成、そういうような厳しい中にあっても、さらに景気浮揚は──公共事業は、青森県は県の予算に極めて依存度が高いわけでありまして、そういう意味からして、このたびの八千七百十七億という予算の総額あるいは伸び率について私は了とするものであります。しかし、福祉日本一、あるいは文化観光立県、そしてまたスポーツ立県を今年度発表いたしておるわけでありますけれども、そういうようなタイトルが非常に華々しく出てくるわけでありますけれども、そういう中にありましても、是は是、非は非、そういう姿勢で質問を続けてまいりたい、そのように考えております。  歳出二款四項五目「女性政策費」、歳出十款七項二目「体育振興費」についてであります。県営体育館の廃止と女性総合センターの建設について、関連いたしますので一括して質問をしてまいりたいと思います。このたびの議案に対する知事の説明では、ことしのスポーツ立県をページを割いて多岐にわたって報告しておるわけでありますけれども、七月の十一日に県の総合運動公園におきましてスポーツ立県の式典、あるいはスポーツ立県の宣言をすると。五十二年のあすなろ国体以来我が青森県は、国体、あるいは駅伝競走とかサッカー、ラグビー、硬式野球等におきましてなかなか思うようにその成果を発揮できないのが現状であります。さらに不況という昨今でありまして、元気のある青森県という意味で、スポーツに親しみ、スポーツに強い青森県をつくるということは極めて時宜を得たものだ、私はそのように理解しておるわけでありますが、そういうような夢と申しますか希望と申しますか、まさしく次なる時代の若い青少年あるいは学生に対してそういうような夢を与える大きなタイトルを掲げておりながら、スポーツを強くするための体育館、スポーツに親しむための体育館、この体育館をたまたまことし解体するのは極めて逆行するのではないか、そのように考えるものであります。女性総合センターの建設については反対するものではありません。これまた、このような施設をつくる計画をしたことについてはむしろ地元として感謝申し上げるものでありますけれども、県営体育館の場所でなければどうしてもいけないのかという問題であります。時期が時期なだけに、国鉄清算事業団から買収いたしましたヤードの跡地などなど県有地は県営体育館以外にも県内にはたくさんあります。警察学校も移転すると伺っております。跡地の問題もあります。そういうような現況からして、今あの県営体育館を建てるとしたならば恐らく七億、八億という建設費がかかると思います。最近でありますけれども、床のフローリングを張りかえしておりますし、また屋根の工事も行っておるようであります。まあ、見方でありますけれども、まだ十年や十五年使える、私はそういう見方をしておるわけでありますけれども、スポーツ立県を企画したのはたしか去年の三月、四月と記憶しておるわけでありますけども、女性会館の計画はここ二、三年前にさかのぼるわけでありまして、やむを得ない事情はわかるにしても、この辺で、政治的な配慮と申しますか、そういうことによって、この女性会館の位置の見直し、そしてまた体育館の廃止を再度検討いただけないものかについてお伺いをいたすものであります。以上であります。 6 ◯成田(一)委員長 成田副知事。 7 ◯成田副知事 高橋委員の御質問の県営体育館廃止女性総合センター建設についての、青森県女性総合センターと仮称「青森県子ども家庭支援センター」を県営体育館跡地に建築することにした経緯についてお答え申し上げます。青森県女性総合センター──仮称──は、女性問題を総合的に解決するため情報提供や自主活動等の支援を行う拠点施設として、また「青森県子ども家庭支援センター」──仮称──は、子育てと家庭に関する支援を行う拠点施設として、平成十三年度オープンを目指して整備を進めているものでございます。両センターの整備を進めるに当たっては、平成七年度から本格的な調査を開始し、これまで基本構想、基本計画、基本・実施設計を経て平成十一年度に着工を予定しています。この間、建築の適地については、さまざまな角度から検討を進めた結果、一つ、県内各地から訪れる利用者にとって利便性がよいこと、二つ目、一帯が福祉関連ゾーンを形成していること、三つ目、県有財産の有効活用ができることなどを総合的に判断し現県営体育館跡地としたものでございます。 8 ◯成田(一)委員長 教育長。 9 ◯松森教育長 御質問の、スポーツ立県宣言を行うときに県営体育館を廃止することについての考えについてお答えいたします。県営体育館は、昭和三十四年に設置され老朽化しているほか、今では駐車場も狭く、全国・全県規模のスポーツ競技大会に十分対応できない状況にあり、県営の体育施設としての機能を十分果たせなくなってきております。また、県では、体育館の周辺地域一帯福祉関連ゾーンとして位置づけ、利便性も考慮して、その中核施設となる仮称「女性総合センター」と「子ども家庭支援センター」の建設予定地に最も適した場所としたところであります。このような経過を踏まえ、県有地の有効活用を図る上からも今年度限りで県営体育館を廃止することとしたものであります。なお、利用団体に対しては、説明会を開催し廃止への理解をお願いするとともに、総合運動公園県民体育館や青森市の市民体育館西部体育館を初めとし、各地区市民センターの体育館、及び住民の身近な活動の場として開放が進められている小・中学校の体育館の利用をお願いしてきたところであり、今後ともこれらの利用についての周知を図ってまいりたいと考えております。以上であります。 10 ◯成田(一)委員長 高橋委員。 11 ◯高橋委員 このことについてはきのう三上議員から質問されておりまして、教育長の答弁は大体同じような答弁でありますが、私はきのう資料をとって調べさせていただきました。県営体育館の使用状況であります。四月は、第五回青森県中学校卓球選手権大会、これは平成九年であります。日本バレーボール協会A級審判の認定の研修会、これも青森県全域の行事であります。五月二日は県下の春季高校バスケットボール大会、十一日は春季の剣道選手権大会、二十五日は青森県銃剣道連盟の国体の予選であります。また六月に参りますと、七日、八日が青森県高校総合体育大会、そしてまた十五日が高等学校定通制総合体育大会、二十二日が中学校総合体育大会、これも県の大会であります。また二十九日が第十二回青森県トランポリン選手権大会。これは、六月、七月、八月、九月、まあ三月まで資料をとってありますけれども、県下の大会で一年間に大体六十ないし七十種目を消化しておるわけであります。教育長は県の総合体育館あるいは市民体育館と調整をしながらと、わからないわけではないんですけれど、中体連、高体連、県下の小学校の大会等をやるときは、バレーボールバスケットボールハンドボールあるいは卓球とかの室内競技は全種目が大体青森市内で行われるわけでありまして、調整をとるとしても、県民体育館市民体育館は使われております。また、西部体育館、大野の公民館、荒川の公民館、そしてまた県の教育センターの体育館、これは小さくてどうにも使いようにならないわけでありまして、そういう意味からするならばこの県営体育館は本当にもったいないと。今スポーツの状況は、中学校、高等学校の学校のスポーツよりも、柔道あるいは剣道、あるいは空手にしてもクラブのスポーツの強化が非常に盛んであります。そういうようなクラブの人たちがこの体育館を利用しているのも事実であります。また、ハンドボール、サッカーの室内競技であるフットサル、これらについてはスペースの大きさから県民体育館県営体育館市民体育館でよりやれない、そういうような非常に価値のある県営体育館であります。また料金の問題でありますが、県営体育館は競技の床面積に対する観覧席は非常に少ないわけでありまして、ところが、県民体育館市民体育館は競技する床面積に対して観覧席が非常に多い。これはそのまま使用料にはね返ってきております。ですから県民体育館は、同じスペースの体育館を借りても県営体育館の料金のおよそ倍近く取られる。そういう意味から、きのう三上議員に教育長が答弁しておりますけれども、年間利用者数が九万七千九百二十二人、一日平均の利用度が二百八十人と。一日平均二百八十人にコンスタントに使われておる。そういうように県民体育館市民体育館も及びもつかないような利用数であります。そういう意味から、この問題を副知事は県有財産の有効活用をと。体育館の有効活用を考えれば考えるほど私は、まあ不要とか悪用という言葉は使いたくないんですけれども、解体するのは非常にもったいない、むしろ別な次元から別な場所を探してまさしくスポーツ立県にふさわしいような考え方の調整をできないものかと。七月十一日に総合運動公園スポーツ立県の式典をやっておるちょうどその時期に体育館をほぐしておるようであれば物の考え方としてまさしく逆行するんじゃないか、私はそのように考える一人であります。どうかその辺について、まあこれ以上答弁を求めてもどうにもならないと思いますので、できたらそれらを勘案していま一度考え直していただくように要望してこの件については終わりたいと思います。  続きまして、二款一項二目「人事管理費」についてであります。新八甲荘の問題でありますけれども、昨年の十一月三十日に通産省は中小企業信用保険法にかかわる特定業種の不況業種に旅館・ホテル業を指定いたしました。昨年の十二月七日でありますけれども、NHKの人気番組「クローズアップ現代」で、タイトルで「どうする公共の宿」という放映がなされました。これは、官──役所が民──民営事業を圧迫しているというNHKの放送であったわけでありますが、このことについては、県あるいは国が──官がいわゆる補助をする施設については国の会計検査院も指摘をしてまいりたい、そういうようなキャンペーンを張っておったわけでありますけれども、十二月の十日に、新八甲荘は、地下一階、地上八階、延べ面積は現在の八甲荘の約三倍の一万一千九百四十六平方メートル、客室は、スイートルーム一、シングル三十五、ツイン八つ、和室を含めて五十室、結婚式用のチャペルや神殿を配備しブライダルコーナーを備えて、六十五億円を計上して八甲荘を建てる、そういうような計画が発表になりました。特に、大宴会場は千平方メートルでホテル青森の一番大きい宴会場と同じくらいの大きさでありますけれど、そういうような部屋も計画の中にあると。そして、その六十五億の建設費でありますが、地方職員共済組合の県の共済組合が東京の本部の共済組合から六十五億程度を丸借りいたしまして、これを十六年間にわたって県が毎年支払いをしてまいる──返済してまいるということに計画がなされておるようであります。今非常に不況の時代で、ホテル、旅館が通産省から不況業種に指定されておる、またホテルの倒産が全国で発生しております。そういう時期になぜこういうような規模の大きい──土地も東北電力から買うようでありますけれども、土地も県費、建物を建てるのも県費、そしてまた利息も県費、また職員も派遣しているようでありますけれどもそれも県費、これがもしこの規模で運営されるとしたならば民が圧迫されることは明らかであります。今後この計画についてどういう方向で見直していくつもりなのか、どういう方向を考えておるのかお尋ねするものであります。 12 ◯成田(一)委員長 総務部長。 13 ◯山口総務部長 高橋委員の八甲荘の計画についてお答えを申し上げます。八甲荘は昭和四十四年に開設以来三十年近く経過いたしまして、建物、設備の老朽化に加え、時世の変化とともに職員ニーズも変化していることから、新八甲荘は、経営の健全性という範囲内において、基本目的に沿った運営を前提に、民間施設への影響にも考慮しつつ、職員ニーズの多様化にこたえる施設として平成六年からその計画に取りかかってまいったところでございます。しかしながら、平成十年の五月七日に旅館組合から建設反対の陳情がなされました。それについては、県側から民営圧迫に配慮する旨回答するとともに、計画の内容等についても求めに応じて提出するなど対応しつつ、建物の解体等建てかえの準備を進めてきたところでございます。その中で、本年の一月十三日に旅館組合から新たに規模縮小の要望が出されてまいりました。具体的には旧八甲荘並みにという規模縮小の要望でございました。したがって、この要望に対してどのように応じられるのか、現在そういったことの中身について旅館組合と話し合いを続けているところでございます。県としては、今後とも話し合いを継続してできるだけ早期に決着が図られるように努めてまいりたい、このように考えているところでございます。以上でございます。 14 ◯成田(一)委員長 高橋委員。 15 ◯高橋委員 総務部長からは、今後業界とよく調整を図りながら合意に達したい、そういう答弁でありますが、官官接待とか経済不況とか情報公開とかさまざまな要因で今業界は非常に冷え込んでおりまして、そういうようなことでの業界の陳情だと思いますので、どうかこの辺についてはうまく合意に達するように要望しておきたいと思います。  続きまして、八款三項一目「河川管理費」、七款二項一目「観光振興費」についてお伺いをいたします。文化観光立県の東京ドームのイベントは非常に成功をおさめました。下北の薬研や恐山、十和田湖、あるいは弘前の桜、白神山地と青森県には観光資源が多いわけでありますが、全部春、夏、秋であります。冬季観光というのは、各県そうでありますけれども、これから極めて重要な課題であります。そこで、先般も十和田湖におきまして大きなイベントを行ったようでありますけれども、先般私がバス旅行で仙台に参ったときバスのドライバーとバスガイドから言われた言葉に、県は冬季観光冬季観光と言っておりながら冬期間奥入瀬の川に全然水が流れておらない、まあきょうはいろいろ問題があるようでございますけれども、それはさておいて、流れない理由は水がないから流れない、この問題はかなり前から提起されておりますので私はそう理解しておったわけでありますが、流れる水はあるけれども、奥入瀬の渓流に配置されている三つの発電所に隧道を通して十和田湖の水で電力をつくるために奥入瀬渓流の水は冬期間流れないんだと。私は非常に不勉強でありましてそういうことを最近初めて知りました。水の電力量の料金、あるいは観光を通しての付加価値、これをはかりにかけるとしたならばそれぞれ損得はあると思いますけれども、この奥入瀬の渓流でバスガイドが「これが阿修羅の流れでございます」と説明しても水が全然流れておらない。まあ、きょうたまたま阿修羅の流れもとまってしまいましたけれども。こういうような、文化観光立県にちなんで、この奥入瀬渓流の冬期間の活用、利用について、宣伝について観光客に対応できるような物の考え方、特に電力と観光の付加価値、その辺についての御答弁をいただければありがたいと思います。以上でございます。 16 ◯成田(一)委員長 商工観光労働部長。 17 ◯安部商工観光労働部長 奥入瀬渓流の通年放流についてお答え申し上げます。本県の観光の重要な資源となっております奥入瀬渓流の観光放流については、御承知のとおり、環境庁、東北電力を初めとする各関係機関の協議のもとに四月から十一月にかけての放流を確保してきたところであります。奥入瀬渓流を含む十和田湖の通年観光を促進することは本県の観光の振興の上からも大変重要なことであると考えております。特に、東八甲田ルートの通年通行が可能となったことし、去る二月に地元関係団体と一体となって冬季イベント「十和田湖冬物語」を開催するなど、冬季観光振興に向けた取り組みを強化しているところであります。ところで、御質問の冬期間の奥入瀬渓流の放流につきましては、東八甲田ルート及び十和田湖を核とした本県の冬季観光を推進する上でその重要性を感じておりますとともに、今後とも関係機関と粘り強い協議をしながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。 18 ◯成田(一)委員長 土木部長。 19 ◯奈良土木部長 奥入瀬渓流の通年放流につきまして私どもの部にかかわる部分についてお答えをさせていただきます。この十和田湖の水につきましては、御案内のとおり、昭和十二年以来、十和田湖及び奥入瀬渓流の景観を維持するのに資するとともに、発電用水及びかんがい用水といたしまして幅広く使われてまいったものでございます。現在、奥入瀬渓流への放流は毎年四月十日から十一月十日まで行っております。十一月十一日から明年の四月九日までの冬の期間につきましては湖への流入量が最も少ない渇水期でございます。そういうことで、春先のかんがい用水を確保するという観点から水を蓄える期間といたしておるところでございます。そのために、委員からも今お話がございましたように、奥入瀬渓流の景観といったようなものに対しまして、冬は流量がほとんどないという状況にはあるわけでございますが、これも、今申し上げました春先のかんがい用水等への影響もあって難しいこともあろうかというふうに今まで考えておったわけでございますけれども、商工観光労働部長からも今お話がございましたように、この件に関しましては極めて重要なことであると認識をいたしております。そこで、今までもお話し合いをしてきたわけでございますが、現在、地元十和田湖町、環境庁、東北電力、それから土地改良区などの関係機関からこの件に関しまして意見聴取を行っておるところでございます。そういうふうな意見も参考にいたしながら、さらには、今後、放流によりますコケ、樹木の生態系への影響調査等も行いながら検討してまいりたい、このように考えております。 20 ◯成田(一)委員長 高橋委員。 21 ◯高橋委員 十和田湖の水を冬期間貯水して水位を一メーター上げるとか一メーター五十上げる、そのために冬期間水が使えない、渓流に水を流すことができない、しかし、その間には発電所は水を使って電力を起こすと。この問題では、私は通告では本当は、水の電力を売って幾ら県に金が入るのか──入るのか入らないのかわかりませんけれども、そのお金と十和田の観光、景観の付加価値とをはかりにかければどっちが大事なんだというところまで聞いておったはずですが、もし答えれるんであったら御答弁をいただきたいと思います。 22 ◯成田(一)委員長 土木部長。 23 ◯奈良土木部長 発電と観光とのどちらに比重を置くのかといったような観点だろうと思うわけでございますが、観光につきましては、本県は文化観光立県を宣言いたしたわけでございますので、経済発展等活性化のために欠かすことのできないことではあるわけでございます。その中でも特にこの十和田湖と奥入瀬渓流につきましては四季折々の変化がすばらしいわけでございまして重要な観光資源である、これは言うまでもないことでございますが、昭和十六年に建設されました十和田発電所におきます発電といいますのは、現在県内の水力発電の二三%を占めており、半永久的なクリーンエネルギーとしてこれまた地域社会に大きく貢献してきたところではあるわけでございます。したがいまして、この水の使用につきましては、先ほどお話し申し上げましたように、観光と発電、そしてまたかんがい用水といったようなものとの調和のとれた扱い方といったものを関係者と十分話し合いをしながら進めていきたい、こういうことでございます。なおまた、この十和田発電所におきましてのお金のことのお話があったわけでございますが、前期、後期というのがあるわけでございますけれども、前期、後期ともに千八百万、合わせて三千六百万余の料金が県に入っておるという状況でございます。 24 ◯成田(一)委員長 高橋委員。 25 ◯高橋委員 要望しておきたいと思います。三千六百万ですか、そのうちの冬期間──夜は当然発電するとしてもそんなに大きい額ではないんじゃないかと。今後とも、文化観光立県、奥入瀬の渓流については十分配慮していただきたいし、特に土木部長には、今回の山崩れでは頑張って、職員を激励して奮闘していただきたいと要望してこの件については終わりたいと思います。  続きまして、八款七項二目「住宅建設費」、二款四項七目「県史編さん費」であります。先般私は、青森市の鉄筋業界から資料をいただいて、陳情を受けました。秋田県土木部営繕課の平成六年四月一日の資料であります。秋田県の県立コミュニティーセンターの建築工事の仕様書の中に、秋田県鉄筋工事業協同組合または監督員の承諾する施工業者──いわゆる県発注工事についての躯体工事、その下請工事には地元秋田県の鉄筋業者を使いなさいと県が仕様書に明記しておるわけであります。その後これはやめたようでありますけれども、今は、地域振興券──二万円のお金を子供さん、お年寄りに渡して、そのお金はその町、その村、その市において景気浮揚のために使いなさいというような地域振興券、非常に配慮のあるものであります。そういうような時代であるほどに、この件については、いわゆる鉄筋、鉄骨等については県外からの流入が非常に激しい下請産業でありますので、これらについて地場産業の育成、擁護という立場から今後配慮できないかお聞きをいたすものであります。  続いて、青森県印刷工業組合からの陳情もありました。今県は、平成十二年から二十三年の十年間でありますけれども、全五十巻に及ぶ県史の刊行を予定されているようでありますが、これは印刷業界からすると非常に大きな事業だそうであります。県内産業の育成、自治体財務の確保の点、そういう意味からこれらについても──青森県内の印刷工業組合も、OAと申しますかオフィスオートメーション、業界もどんどんどんどん改革が激しい時代であります。浮き沈みの激しい時代であります。高速交通体系が進展すればするほど県外業者が流入してまいるのも現実の問題であります。そこで、こういうような県史とかあるいは建設の下請関連産業とか、それらについて地場産業の育成、擁護の立場から配慮できるものかできないものか、その辺についてお伺いするものであります。 26 ◯成田(一)委員長 環境生活部長。 27 ◯小林環境生活部長 高橋委員の御質問にお答えいたします。  青森県史の印刷を地域振興の観点から地元企業で賄う考えがあるのかないのかということでございます。青森県史の刊行に当たりましては、印刷の正確性はもとより、史料上現在では使用されていない活字の印刷などさまざまな面で高度の技術が要求されているところでございます。また、印刷に伴う企画、編集、校正等の随伴業務にも対応可能な体制を整えることが求められております。県史刊行に際しましては、このような諸条件のもとに、委員御提言の地域の活性化、県内企業の育成についても十分に配意してまいりたいと考えております。以上でございます。 28 ◯成田(一)委員長 土木部長。 29 ◯奈良土木部長 地元企業の育成についてのお尋ねの中で、地元企業育成のため鉄筋・鉄骨工事等の下請工事について地元業者に発注するように配慮すべきだというお尋ねでございました。また、秋田県の建築工事の仕様書についてのお話もありました。平成十年度からその仕様についてはやめておるというふうに聞いてはおるわけでございますが、県営住宅につきましては近年、地場産業振興といったようなことで木造での計画を推進させていただいてございます。したがいまして、工事規模が小さくなるといったようなこともございまして、ほとんどが地元業者に発注されているという状況でございまして、下請工事につきましても県内業者が受けておるというふうな状況にございます。しかしながら、今お話がございましたように、県営住宅以外の建築工事についても共同企業体方式といったようなことで地元も参画でき得るように配慮いたしておるわけですが、この共同企業体方式等の大規模工事におきましては、御指摘のとおり、鉄筋・鉄骨工事等で県外業者が下請となっておる例も見受けられるわけでございます。元請業者がどの業者と下請契約をするか、これは基本的には自由な経済活動にゆだねられているというふうなことではあろうかと思います。そういう意味で、下請といたしまして県内建設業者を活用するかどうかについては元請業者の判断にゆだねられるものではございますけれども、県といたしましては、お話のように県内経済の活性化及び県内雇用対策に資するためにも、大手建設業者で構成されております建設団体に対しまして、機会のあるごとに、下請業者として県内建設業者を優先するよう私からも要請をしてまいりました。また、個別にも、元請業者──契約をいたしまして元請業者が決まるわけでございますが──に対しましても地元業者を優先するように要請してきておるところでございますけれども、今後ともさらに強力にその辺を進めてまいりたい、このように考えております。 30 ◯成田(一)委員長 高橋委員。 31 ◯高橋委員 両部長から大変よい答弁をいただきまして感謝を申し上げます。何とぞ御配慮をお願いしたいと思います。  続きまして、歳出八款四項一目「港湾管理費」についてお伺いいたします。ことしは例年にない豪雪でありました。今から五十年前を考えると、ブルドーザー、あるいはモーターグレーダー、あるいはロータリー車などがなかった時代は馬そりの時代であったわけでありますけれども、除雪、排雪、流雪、それぞれ非常に機械が発達いたしまして、そのことによって、除排雪によって県内に及ぼす経済効果と申しますか、それには非常に大きいものがある、私はそのように思っているわけでありますが、反面、青森市内の排雪は全部青森港に捨てております。ビニールとかごみとかそういうものがある程度まじって捨てられるわけでありますけれども、今、環境問題が盛んに言われております。全国各地の重要港湾を見て歩きますと、少なくとも、重要港湾にはごみを処理する清掃船、回収船が大体配置されておるわけでありますけれども、汚す分といえばなんでありますけれども、そういう見地から清掃船の配置を今後考えられないものかが一点であります。また、青森港の利用促進でありますけれども、青森港は御案内のとおり港湾流通都市として栄えてまいりました。鮭鱒──サケ、マスの基地、あるいは明治時代のウラジオストクとの交流には非常に長い歴史があるわけでありますけれど、最近、荷物が不足だということでどうも伸び悩んでおります。そこで、青森港にアンローダー、あるいはデリック、あるいはコンテナクレーン、それらを配備することによって港湾の活性化──荷物がないから施設をつけないとの説もありますけれども、施設ができると荷物が入ってくる、出ていく、それも考えられるわけでありますので、どうかこの清掃船と荷役機械についての──もちろん七里長浜港、八戸港も大事でありますけれども、青森港にはそれらの施設が一点もありません。これらについて今後の考え方をお聞きしたいと思います。 32 ◯成田(一)委員長 土木部長。 33 ◯奈良土木部長 港湾管理費についての二つのお尋ねがあったわけでございますが、まず一つは青森港に清掃船を配置すべきではないかというお尋ねでございました。青森港内の清掃につきましては、台風の通過後の漂流物があった場合等状況に応じまして、県有の引き船でございます「うとう丸」ですとか、それから外部に委託をして船舶を借り上げて清掃を実施いたしておる状況にございます。港湾管理者みずからが専用の清掃船を所有して運営することにつきましては経費の面等で困難を伴うものではないかなというふうに考えるわけでございますが、委員お話しのとおり、港内の環境を良好に維持することは重要なことである、このように考えてございます。青森港をお使いいただいております関係者とともにこの港内清掃のあり方について協議をしてみたい、このように思っております。  それから荷役機械の整備についてでございますが、青森港の平成九年度の港湾貨物取扱量は約二千六百万トンあるわけでございますが、その内訳といたしまして、フェリー貨物が二千二百四十万トンということで、そのほかの木材ですとか鉱産品等の一般貨物が約三百六十万トン、こうなっておるわけでございます。このうち荷役機械を必要とする貨物は主に沖館地区公共埠頭で荷揚げをされております鉱産品である、このように思うわけでございますが、御指摘のとおり、現在は民間所有の荷役機械で扱われているという状況でございます。お話のように、施設があれば貨物が来るのではないかということにつきましても、まあ私もそういうことを少しばかり思わないわけではございませんけれども、公共の荷役機械の整備に当たりましてはやはり使う貨物の需要が見込まれることが設置をするための最も大きな要因となっておるわけでございまして、私どもも、この荷役機械を必要とする貨物の需要動向を十分に見きわめた上で検討をしてみたい、このように思っております。以上であります。 34 ◯成田(一)委員長 高橋委員。 35 ◯高橋委員 要望をしておきたいと思います。  八戸港にはデリック、アンローダーが七、八台ついております。県のアンローダーも二、三台あります。部長から今答弁がありましたように、青森のクレーンは民間の一台だけであります。故障したときに対応できない、そういうような悩みを抱えて業者は一生懸命努力しておるわけでありますので、港湾施設の整備については何とか配慮していただきたいし、清掃船についても前向きに検討していただきたいと思います。  次に入らせていただきます。十款四項四目「学校建設費」であります。青森市の北斗高校は今校舎を新築中でありますけれども、この後、来年か再来年になると思いますが体育館の建設に入っていくと思います。そこで、北海道の高等学校の建設では、新しい高等学校の新築に当たってはすべて体育館に暖房をつけてきている。まあ、青森県は今まで事情があってわからないわけではないんですけれども、昼働いて夜勉強して、そして体育館の中がマイナス八度・十度、そこでバレーとかバスケをやって、アップするに、いわゆる体の温度を上げるために三十分かかる。ちょっと体を休めれば、五分あれば自分の体の熱が下がってしまう。そうなると何を起こすかというと、けがのもとであります、子供たちの。決して二十度とか二十四度でなくとも、少なくとも八度、七度──十度前後までは体育館の温度を上げて子供たちによい環境でスポーツを──県内三市に定時制高校ができておりますけれども、特に体育館については配慮できないか、この辺について教育長の答弁をお願いいたします。 36 ◯成田(一)委員長 教育長。 37 ◯松森教育長 御質問の、これから建設する北斗高校を含む定時制高校の体育館に暖房を整備すべきではないか、また全日制高校についても検討すべき時期に来ていると思うがどうかについてお答えいたします。委員御指摘のとおり、県立高等学校の体育館の暖房設備につきましては、全国的に見まして北海道以外は整備していない状況にあります。しかしながら、近年の生活環境の変化、生徒のけが防止及び健康管理の面などから体育館についても暖房設備を設置するよう学校関係者から要望が出されており、検討すべき課題の一つであると認識しているところであります。このようなことから、暖房方式や設置に伴う経費等についての研究を行いながら検討してまいりたいと考えております。以上です。 38 ◯成田(一)委員長 高橋委員。 39 ◯高橋委員 ひとつ前向きに検討していただきたいと思います。  最後の項でありますけれども、七款一項七目「工業振興費」であります。青森市がテクノポリス構想を打ち立てて久しいわけでありますが、産、学、官をそれぞれ配置することによっていわゆる新しい時代に対応した産業の発展を図る。私はサンフランシスコのサンノゼのシリコンバレーというところに行ってまいりましたけれども、サンフランシスコのスタンフォード大学のターマンという学者がいわゆるベンチャーを奨励して世界のICの二五%をシリコンバレーでつくっておる、そういうような地域であります。日本のシリコンアイランドは九州──京セラの稲盛和夫が提唱したあの地域であります。どうしても日本の国は──フランス、イタリー、ドイツ、アメリカは北に工業、南に農業でありますけれども、東北の日本の食糧基地としての青森県の使命はもちろんわかりますけれども、工業発展の立場から、このような産業発展の立場から「こども「科学の夢」探求支援事業」が計上されておるわけでありますけれども、どのような事業を行うのかこの内容等についてお聞かせいただきたいと思います。 40 ◯成田(一)委員長 商工観光労働部長。簡潔に答弁をお願いいたします。 41 ◯安部商工観光労働部長 「こども「科学の夢」探求支援事業」の内容についてお答え申し上げます。本県産業の技術の高度化と地域産業の活性化を図るためには、地域中小企業等の技術開発を支援する、またそれを支える研究者、技術者を育成することが重要と考えております。特に、研究者、技術者の育成に当たっては、長期的視点に立ち、子供のころから科学に関心を持ち創造性をはぐくむ環境づくりをすることが重要であると認識しております。このため、十一年度において、青少年の科学する心を育成するための事業として、青少年期の豊かな創造力を養うことを目的とした「青少年の「科学の夢」応援事業」などを新たに実施することにしております。具体的には、科学に関するテーマについて県内の子供たちが抱いている夢を募集し、ユニークなすばらしい夢に対しては表彰をし、そしてその中で実現可能な夢に対しては、県がその夢を実現することを応援することにより夢に向かって実践することのすばらしさを体験させ、豊かな探求心をはぐくむことをねらいとしたものであります。県としては、今後とも、関係機関との緊密な連携のもとに子供たちの科学的な発想や創造性を育成するための事業に積極的に取り組み、将来に向けた本県の産業科学技術の振興を担う人材の育成、確保に努めるものであります。 42 ◯成田(一)委員長 高橋委員。簡潔に。 43 ◯高橋委員 大変ありがたい答弁をそれぞれ副知事あるいは部長から、そしてまた、特に教育長からは温かい答弁をいただきましてありがとうございました。感謝を申し上げまして終わらせていただきます。ありがとうございました。 44 ◯成田(一)委員長 次に成田幸男委員の発言を許可いたします。──成田委員。 45 ◯成田(幸)委員 県政会の成田であります。きょうは日程として午前の部で二人までということになりましたので、私も二人目でございますので午前の部に入りますけれども、そこで、ちょうど腹がすくころでございますのでなるべく早く終わるように、したがって答弁も簡潔に、私はできるだけ再質疑をしないというその前提でお尋ねをしたいと思います。きょう通告しておりました事項は、すべて、本年度の予算を編成するに当たって基本的な問題であっただろうと思うことと、それから、来年度の編成に当たって留意してほしいなあという思いを込めてお尋ねをするわけでございます。したがって、予算書の各款項目なんというふうなそういうところまではいかないわけでございます。  まず最初に当初予算の関係の歳入でございますけれども、最初に総務部長にお尋ねするわけでございますが、県財政の動向、その中に地方交付税ということでア、イ、ウと三つございますけれども、これを一括してお尋ねいたしたいと思います。地方交付税というのは地方団体間の税収の格差を補うために制度化されたものであるわけでございます。したがって、歳入の関係において全国的に大体均衡がとれた形になるのが当然だと思うんでございます。ところが、自治省が発表しておるところの各都道府県別の一人当たりの交付税額、あるいはまた一般財源額の一人当たり、さらには、今のこの地方交付税関係の中に特交もあるわけでございますけれども、何か格差の調整がぴんといってないような気がしてならないわけでございます。例えば人口一人当たりで青森県と隣の岩手県を比べますと、あるいは秋田県と比べても同じでございますけれども、青森県は税収は一番低いわけだ。隣の県に比べて低いわけです。また、この一般財源を見て一人当たりを調べてみると、これまた岩手、秋田よりも少ないわけです。したがって、この地方交付税は少ない方を補っていかなきゃいけないんだから額の上では当然多くならなければならない。にもかかわらず、今度は交付税の一人当たりを見ますと、これまた同様に岩手、秋田に比べては少ないわけです。もちろんこの交付税というのは、百七十万の人口を一応の基準にして、あとは補正係数でいろいろやりくりするわけでございますけれども、それにしてもすぐ隣の県と差がつくということは余りおもしろいことではないわけでございます。これはどういうわけでこうなるのかなあというふうに私なりに考えてみましたところ、仕事を多くやったところに多く来るという傾向があるわけですから、これはひょっとすると今申し上げた岩手、秋田に比べて本県は投資事業が少なかった、その結果がこう出てきたのか、あるいは、つかみ金と称する特別交付税の段階において本県の努力が足りなかった、したがって国から多く持ってこれないから、そのトータルにおいて他県──隣県と比べて低くなってるのではないかなという疑問も出てくるわけでございますが、このことについてまず部長の御見解を承りたい。もしそういう差の中に──今は、仕事をやればやるほど、単独事業を多くやればやるほど負債がふえるわけでございますが、後で後年度に交付税で措置してくれるという額もこの基準財政需要額の中に含まれるという仕組みになっていると思うんですが、だとするならば、本県では、今のことしの予算に計上された普通交付税の中に、基準財政需要額の中に今申し上げた交付税措置のある事業──事業で交付税措置があるもの、それがことしはその中に幾ら含まれているのかということであります。  それから、ウの方にありますが、特別交付税を当初予算に計上しております。去年も──その前は見ておりませんので例年ということになってるのかどうか知りませんけれども、補正予算で特交を計上するのは、これはわかるんです。初めっから特交を計上しなければならないという特別の理由があるのかどうか。特交というのは十二月と三月と二回に分けて来るわけでございますけれども、これは、災害等の特別な需要が起きたときそれを計算して出してくれるという性格のものでございます。だとするならば、まだそれらがないのに初めっから当初に盛るということはおかしいんじゃないか、私はこう思うんですが、特別な理由があって毎年こういうふうに初めから特交を盛ってきたのかどうか、その理由について伺っておきたい、こういうことでございます。以上、とりあえず……。 46 ◯成田(一)委員長 総務部長。 47 ◯山口総務部長 成田委員の御質問にお答えを申し上げます。  地方交付税の県民一人当たりの交付額のお話がございました。地方交付税は、地方公共団体の自主性を損なわずに地方財源の均衡化を図り、かつ必要な財源の確保を保証することによって地方公共団体の独立性を強化する、こういった性格等のために設けられておるわけでございます。このうち普通交付税は、各地方公共団体について基準財政需要額が基準財政収入額を超える額、いわゆる財源不足額を基礎として交付されることとなっております。本県と財政事情が類似する県というものと比較してみますと、本県と同様に財政力指数が非常に弱い〇・三未満の県における平成十年度の県民一人当たりの普通交付税を見てみますと、本県は一人当たり約十六万七千円でありますが、島根県は約二十五万五千円、高知県は約二十四万三千円、鳥取県が二十三万九千円、徳島が二十万一千円、秋田が十八万六千円、宮崎が十七万六千円、沖縄が十六万四千円、長崎県が十五万となっています。これは、全国の類似団体というのは、およそその財政力指数でもって六つのグループに分けているわけでございます。したがって、財政力指数の低いところという分類でございますので、こういう団体との比較ということになるわけでございます。  次に、交付税──基準財政需要額に含む後年度に交付される交付税の措置はどの程度になっているのかというお話でございました。普通交付税の算定は法令等に基づいて行われるわけでございますが、算定方法に係る改正とか算出の基礎となる数字は毎年度決定──今後決定されることになるわけでございます。このため十一年度当初予算においては、全国の総額の伸び率、それから国の基準財政需要額等の伸び率の見込み、それから過去の本県の交付実績等を勘案の上計算しておりまして、基準財政需要額を約三千五百四十九億円と見込んでございます。県では、これまでも御説明をしてまいりましたが、財政の健全性の確保を図る観点から、県債の発行に当たっては従前から普通交付税で措置される有利な県債の活用に努めてきているということであるわけでありますが、こうした結果、基準財政需要額のうち委員から御質問がありました既発行の県債に係る元利償還金の普通交付税算入額は約四百二十六億円、基準財政需要額の約一二%を占めているところでございます。  それから、特別交付税を当初予算に計上している特別な理由というお話がございました。委員御指摘のとおり特別交付税は普通交付税の補完的な機能を果たすものということでございまして、普通交付税では捕捉されない災害を初めとする特別な事情を具体的に考慮して交付されるものでございます。しかし、地方公共団体の毎年度の財政運営の指針となる地方財政計画におきましても特別交付税を含む地方交付税総額を計上して国では地方財政全般の状況を明らかにしていること、それから、県の当初予算は年間総合予算として編成されることから、財源の確保に万全を期すとともに、歳入・歳出全般にわたった予算計上が必要だ、このように考えているところでございます。こういった点を考慮して、特別交付税については全国総額の伸び率や過去の交付実績等を踏まえてこれまでも当初予算において計上してきているところでございます。以上でございます。 48 ◯成田(一)委員長 成田委員。 49 ◯成田(幸)委員 今の総務部長の答弁は私の質問にほとんど答えてないような形でございますけれども、一番最後の特交の関係は、全く計上してはならないということではないんです。名目予算でいいのではないかと、あれを見ると普通と特別とちゃんと区分けして二段にわたっていますので。だから、それを計上するとするならば、この特交の場合においては全くの名目──一万円とか、町村では千円とかというふうに名目的にとっておかなきゃいけないから計上するんであって、初めっから何十億も計上するというのはやっぱり──総合予算ということはわかるけれども、もともと普通交付税を財源にしてるというのは、普通交付税そのものが調定見込み額の全部ではないわけなんだ。九十何%とか何ぼとかの見込み額を計上してるはずなんだよね。だから、今の特交へ盛っている四十何億というのはちょっといじれば普通交付税を財源にしてできるわけなんですよ。それをここへ大きく盛ってくるということはミンパ学上でも余りいいものじゃないなあ、こう言いたいところでございます。まあ、それはいいとして……。それから類似団体との関係で、高知県とかあるいは島根なんか、これは青森県と比較したってちょっと──ただ財政力指数からいうとなるほど同じ部類に入るけれども、人口が青森県の半分ぐらいしかない島根だの、あるいは八割か七割しかない高知と比べてもこれはだめなんです。皆、いつも言われるように、竹下総理ができたらあの島根県の一人当たりの投資額というのが途端に全国の普通の倍になってしまった。今でもそれがずっと続いていると言われているから、そういうことからこの交付税額もふえていってるんじゃないかなとは思うけども、それはそれとして、私が言いたいのは、岩手県、秋田県とそう余り差がつくというのはおかしいんじゃないかと。その差がつく理由として、さっき申し上げたように仕事、投資事業を多くやったから差がついたんだというんなら納得できるんですよ。その説明がなくて、島根、高知と比べてそう大して変わりはないという答えではちょっと違うんじゃないかな、こう思います。これは終わります。  次に財政分析の各指標による県財政の評価なんです。分析するところの指標というのはいっぱいあるようでございますが、通告した経常収支比率と公債費負担比率ということだけでもいいんですが、その比率がどうなって、類似というよりも、今申し上げたランクの一番下のあのグループの中でどういう状態にあるかということについてお答えをいただきたいと思います。 50 ◯成田(一)委員長 総務部長。 51 ◯山口総務部長 経常収支比率と公債費負担率についてお答えを申し上げます。地方税、それから地方交付税等の経常一般財源が人件費、扶助費、公債費等の経常的経費に充当されている割合を示すのが経常収支比率であります。これは本県の場合、平成六年度八三・二%、平成七年度では八四・七%、八年度では八六・〇%、九年度では八八・五%となっておりまして、各年度とも全国平均を下回るものの年々高くなっている状況にございます。これらの経常的経費の増嵩は投資的経費等を圧迫して財政構造の硬直化の大きな要因となることからも、その抑制が必要になるものと考えております。また、公債費に充当された一般財源の割合を示す公債費負担比率は、平成六年度は一六・五、七年度は一六・六、八年度は一七・五、九年度では一七・二となっており、前年度より〇・三ポイント改善されたものの、これは全国平均を上回る比率となっております。この要因としては、公債費の額が、平成四年度以降の一連の経済対策に伴う補正予算債の発行、それから平成六年度以降の地方財源不足を補てんするための措置などとして行われた財源対策債などの発行など、主に国の地方財政対策に起因し増加してきたことが挙げられているところでございます。これらの県債については、先ほど来話も出ましたが、償還に際して普通交付税によって相応の財源措置が講じられることから直ちに財政の健全性が損なわれることはないと考えておりますが、その残高が増加しているのは事実でございます。いずれにしても、今後とも県勢発展のために諸施策を推進していくためには、これらの財政指数の推移を見ながら、積極的な事業の展開と健全財政の維持とのバランスがとれた財政運営、そのようになるように努めてまいりたい、このように考えているところでございます。以上でございます。 52 ◯成田(一)委員長 午さんのため暫時休憩いたします。 午後零時三分休憩        ───────────────────────────────── 午後一時四分再開 53 ◯田中副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。成田幸男委員の発言を許可いたします。なお、成田委員の残り時間は三十九分であります。──成田委員。 54 ◯成田(幸)委員 続いて、次に企画部関係に移ります。歳出二款の関連でございますけれども、県の経済の動向について、そしてア、イ、ウと三つ通告してございます。まず最初に二十三次の県の経済白書についてでございますけれども、あれを見まして感じましたことは、これまでとは大分さま変わりしたなあ、そういう印象でございます。なるほど、さすがシンクタンクの皆さんが相当な時間を費やしてつくったものだなあと感心はいたしました。したがってその労は多としますけれども、ただ、振り返ってみて、これまでの各年次の経済白書の中で力を入れているのは、青森県の経済というものには他と比べて特徴的なものがあるんだ、それは何かというと、経済全般を押し上げるためには県の財政、市町村の財政を含めて財政に依存する度合いが極めて高いということ、それから、政府サービス生産者と申しましょうか、公務関係に依存する度合いがまず日本のトップにあるんだ、その両方が相まって、もとはずっと最低でございましたけれどもまあまあ何ぼか上向いてきた、こういうふうに見られるわけでございます。この白書を見まして、そういうことはなかなか──一々書いてはございますけれども、力がどこに入っているのか、今言った意味における力点の置き方が今までとはちょっと変わったなあ、こう思えてならないわけであります。これは、経済白書の中で──これまではずっと、それを分析して、公共投資の県の財政はこうだ、あるいは市町村のを含めるとトータルでこれだけになるんだ、だから、それが経済に及ぼす影響というのは直接的には総生産額の一五%前後だ、さらに、そのことによって付加価値が生まれてくる、トータルするともちろん二〇%以上になるし、さらには政府の関係があるのでまあまあ三〇%──三分の一ぐらいはその影響によって大きく動いてきたということを具体性があってみんなにわかるように書いてきたようでございますが、今回はよほど頭がいい人でなければ何かそれを酌み取るわけにはいかないような非常に難しい──これは、言うなれば文献としては大した価値が将来のために残るだろうけれども、やっぱり、知事が一番冒頭のはしがきに書いてるように、県民みんなが、できるだけ多くの人たちが利活用できるように、そういう解説的なところがあっていいのではないかと。毎年国の農業白書なるものが出ますけれども、あれを見ても私はなかなか……。ところが、それを見るよりも、同時に出るところの解説書があるんですが、むしろその方サみんな行きたがるんですよ。だから、せっかく金をかけてつくって、そして関係方面には配布してるようでございますけれども、これを受け取ったとしても、本当にこれを見るという人、見ているのは幾らもないのではないかなあ、そういうふうに思えてならないわけでございますが、そのことを含めて、県の財政の関係が今の段階で経済にどれくらい影響を与えているものかということを、具体的にということは無理でございますけれども、大まかなところで結構でございますが、どのように受けとめておられるのかということを含めて今の私の印象に対する答えをいただければなあ、こう思います。  その次は、二番目のイの方でございますけれども、産業連関表とその延長表についてでございます。これは、国が五年ごとに出しておるし、そしてまた、まあ私は見てございませんけれども、次の五年の間に毎年この延長表──まず大体推測した形だろうと思うけれども、この五年を基点にして一年ごとに延長表なるものを出していると聞いてございますけれども、今私の調べたところによりますと、この連関表というのは平成二年度のものしかないわけで、その後のものはないと言われております。次の国勢調査の段階でこの二年の次に平成七年というのがもう既に出ていなければならないと思うんだけれども、まだ公表の段階にないのかどうかわかりませんけれども、これは国の問題。これに応じて県もまたつくってるということになるわけでございまして、平成二年度の分は拝見をさせていただきました。だから、これについてはどのようになってるのか──中身でなくて作成の関係で。なぜできないのか、いつできるのか、そして延長表なるものも出しているのかいないのかというようなことを含めてお知らせをいただきたいということでございます。  それから、ウの産業構造の展望でございますが、県の新長期プランは平成二年度を基準年次として平成十八年の目標を一応展望しているわけであります。平成十八年ということになると、二十一世紀で何年になりますか、とにかくまだ相当先になるわけで、平成七年の時点において公表になってるのを見ますと、例えば第一次は就業構造の面から見ると約一七%近くになっています。二次は二五・一%、三次は五七・九ということになって、目標の平成十八年度は、第一次が一五だから、平成七年に比べるとあと一・九ぐらいですか減ることに予測しているわけで、二次の方は、二五・一に対して目標の十八年度は二六だからあと一%ついてくる、それから三次は、今現在が五七・九──約五八になるわけでございますが、それが目標では五八・八ということになっておるので、まあ余り開きはないわけでございます。一方、産業構造の関係につきましても──生産関係、第一次は、平成七年は五・九、ところが、目標の新プランでは、これがふえて七・七ということに予測しております。それから第二次の方は、平成七年の二六・五、これが目標では二三だから今よりも三ポイントも下がるんだ、こういうことであります。そして第三次は、平成七年度は七一・一、これも、十八年の目標では六八・七ということになって下がるということを予測してるわけです。もちろんこれは平成二年度を基準としての推定ということになるのでその計算からいくとそうなるんだと思いますけれども、もう既にその五年後の平成七年度が公表になっておるわけでございまして、それから見るとどうも目標の立て方、展望の仕方がちょっと違うのではないかなという感じを私は持ったわけです。だから、この新プランについてどのような考え方を今現在持っておられるのか、将来この手直しをするしないを含めてお答えをいただければな、こういうことでございます。以上で企画部関係は終わります。 55 ◯田中副委員長 企画部長。 56 ◯葛西企画部長 経済関係の三点の御質問がございました。お答えします。まず第一点目は、第二十三次の県の経済白書の関係で、公共投資といいますか、県、市町村の財政での投資に対する白書での評価の関係のお尋ねがございました。白書ではこれまでのようにはっきりは言ってございませんが、成田委員御指摘の方向に沿っていってるわけでございますが、本県の経済成長の歩みをまず見てみますと、公共投資が本県経済の成長に果たしてきました役割は非常に大きい、これまでもそういう評価をしてきたわけでございますが、二十三次でもそういう評価はいたしております。そこで、平成九年三月にこの白書を策定したわけでございますが、建設業について見ますと、平成五年に冷害がございましたが、その冷害によります経済の落ち込みをこの公共投資が支えましたこと、それから、平成七年九月に行われました総合経済対策の経済波及効果について白書では分析しておるわけでございまして、ここにおいては公共投資が本県経済に大きな役割を果たしたというふうな評価をいたしております。ただ、この白書では、二百八十ページあたりにあるわけでございますが、平成八年十二月に閣議決定されました財政構造改革推進を受けまして、これまでほぼ二けたの伸びを示してきた公共投資が、今後は一〇%削減とか、今後は二けたの伸びを期待できないという事態が閣議決定されましたので、その辺を受けまして──そういう大幅に期待できないという状況を受けまして、これまでのように公共投資によります建設業が本県を支えることがむつかしくなっていく可能性を示唆した、そういう認識をしたということを記述しておりまして、そのために、白書においては方策の編で、本県経済を確かにするためには製造業の再構築が必要であろうとか、手段・方法論をるる記述しておるわけでございます。なおまた最近の統計から見ましても──平成八年度に県民経済計算におきまして県内総生産を出したわけでございますが、これを見ましても建設業が県内総生産の一三・八%を占めております。このように、製造業も大きいわけでございますが、製造業は一〇・六%ということで、製造業を上回っております。したがいまして、公共事業そのものには、建設業の生産の増加とともに他産業への波及効果、あるいは個人消費の刺激もございますし、このようにあらゆる分野にわたって公共投資は景気の下支えになるものという認識をいたしておりまして、成田委員御指摘のとおり公共投資の県経済に果たす役割は非常に大きいものだというふうな認識には変わりございません。  それから二点目は産業連関表の関係でございます。平成七年の産業連関表についてでございますが、現在平成二年表であるがというお尋ねでございますが、平成七年の産業連関表について県としましては平成八年度から特別調査を開始して作成作業に向けておりまして、現在もその作業を継続しております。県の産業連関表は、国勢調査など多くの統計調査を活用するとともに国の産業連関表の内容を分析あるいは利用して作成するわけでございますが、国は平成七年産業連関表の確報をことしの三月中に作成、公表することになっております。そのために県としましては、この国の産業連関表の確報が出た場合、その確報の結果を早急に分析しまして、ことしの夏ごろまでには公表したいという段取りで考えております。また、委員御指摘のように、現在国では通商産業省におきまして、中間におきまして──国の場合は基礎になるものは五年置きで出しておるわけでございますが、ただ、延長の関係につきましては、平成二年表作成以降毎年その延長表を作成しておる、これは、国の段階においては国自体の独自のデータを活用し得るということで極めて精度の高い推計作業を行い得る。これに対しまして都道府県で入手できますのは非常にデータが限られておりまして、このため延長表を作成することはかなり危険だ、むつかしい点があるというふうに認識しております。そのためにほとんどの県ではこの延長表を作成してない状況にございます。しかしながら、成田委員御指摘のように、他県においては、まあ数は少ないわけでございますが、県の場合は非常にむつかしい点がありますので、毎年じゃなく平成二年と七年の中間において作成してる事例もございます。こういうこともありますので、委員御指摘の点を踏まえまして、今後この延長表の作成につきましては、まあ岩手県あたりは中間で出しておりますので、その辺を調査しながら検討してまいりたいというふうに考えております。  それから三点目は新プランで示された経済フレームの関係のお尋ねでございますが、新プランで示されております経済フレームにつきましては、委員御指摘のように、平成二年を基準としまして、先ほど申し上げました産業連関表を初めとします各種統計データ、あるいは二十一世紀に向けました社会・経済情勢の変化等を勘案しながら、新プランに掲げられております施策が十分な政策効果を上げた場合も含まれておりまして、その辺も見込んでおりまして、それで目標年次を十八年ということで定めて、十六年間の経済成長率、あるいは各産業の生産額の伸び率を推計したものでございます。最新の統計データであります平成八年度の県民経済計算を出したわけでございますが、これで見ると、基準年であります平成二年度から八年度までの六年間の実質経済成長率の平均は二・八%増ということで見ておりまして、経済フレームで想定しておりました二・六増をやや上回っている現状にはあります。しかしながら、平成九年度の我が国の経済の実質経済成長率が、御案内のように、政府経済見通しは一・九増ということであったわけでございますが、これがマイナス〇・四になるなど、九年度以降経済成長率の見通しが非常に大きく下回って推移しております。その辺、あるいは本県経済・産業をめぐります情勢も非常に厳しいということで不透明な状況が続いておる状況でございますが、県としましては今後とも、農林水産業あるいは製造業などの個別の産業の体質強化、あるいは人材育成、さらには、今回の予算でお願いしております新たな産業を創出するための各種施策、あるいは産業科学技術の振興策などによりまして、本県産業の振興を総合的に図ることにより政策効果を出すことによって新プランの実現を図ってまいりたいというふうな考え方でございます。  それから、もう一点御質問というか御提言があったわけでございますが、だれもが見れるように白書をもっとわかりやすくすべきじゃないかと、今後作成する場合はそういうことで配慮してまいりたいというふうに考えております。以上です。 57 ◯田中副委員長 成田委員。 58 ◯成田(幸)委員 時間がありませんので先を急ぎます。ありがとうございました。  次は労働部長にお願いしたいんですが、歳出五款、完全失業率の推移についてその認識と対応を問うということでございます。これは、御承知のように新聞紙上では毎月のあれが出ているようでございますけれども、基本的なあれは国勢調査ごとに明らかになって、それを基点とした推移を時たま出しているようでございます。さて、本県の完全失業率は、今はっきり明らかになっているのは国勢調査年次ごと──六十年時点は四・九、平成二年は四・五、平成七年は五%となってるわけです。だんだんとふえている。これは、沖縄の一〇%前後を最高にして、あとは大阪とか福岡とか、ああいう労働者の多いと申しましょうか、そういうところに集中しておって、それを除くと本県は日本一だということなんです。まずそれを踏まえて、今度の国調は十二年──来年ですか、その時点でこの数字がどういうふうに出てくるか、私はこれよりも相当高くなるんではないかと。さっきも申し上げたと同じことになりますけれども、さて隣の岩手県や秋田県と比べてどうかということになると、倍とは言いませんけれども、例えば、岩手県は七年度で本県の五に対して三・二、秋田県は三・四、これは前からずっとそういうあれで来てるわけです。だから、隣の両県は──東北各県は全国のあれからいうとずっと率の低い方で、本県は全国から見て突出しているということ。それを基本にしてその後の経過を論ずるならいいけれども、ただ労働省の発表で、十二月は何ぼであった、一月になったらと、その程度のあれで対応ということを考えるよりも、基本的になぜこれが、初めからこうなっているのかということ──初めからというよりも、五年ごとの調査において毎年ずっとこういうふうになってきた、これをわかっていてこれに対する対応というものを随時考えていかなければならないし、こなければならなかったのではないかなあ、こう思うんだけれども、このことについて一点だけお尋ねをしたいということです。 59 ◯田中副委員長 商工観光労働部長。 60 ◯安部商工観光労働部長 完全失業率の推移とその認識等についてのお尋ねでございました。委員御指摘のとおり、本県の平成七年度の国勢調査における調査結果では完全失業率が五%となっております。そのときの失業者数は三万九千百四十八人という数字でございます。この数字は、先ほども委員から御指摘がありましたとおり東北各県では最下位の数字となっているということでございます。その後も経済情勢が悪化の方向にあること、また有効求人倍率も低いことなどから現在は当時よりさらに厳しいものと認識してございます。そして、現在の経済、さらには雇用情勢がこのまま続くならば、次回の国勢調査のあります平成十二年度では今以上に厳しい状況になることが心配されているところであります。そこで、じゃ県はどのようなことをするのかということで、まず、昨年十二月に、雇用創出のための産業政策について協議する機関として労使団体、学識者等で構成する青森県雇用創出対策会議の設置をいたしました。さらには、国の総合経済対策によって助成率が引き上げられた雇用調整助成金を含め緩和された各種助成の活用促進、そして特別職業相談の実施、管理選考の実施などに努めているところであります。今後は、創業や異業種進出のために労働者を雇い入れた場合の賃金助成である中小企業雇用創出人材確保助成金や受給資格者創業特別助成金などの活用促進により雇用の安定、確保を図ってまいりたいというふうに考えてございます。以上であります。 61 ◯田中副委員長 成田委員。 62 ◯成田(幸)委員 失業率の問題はずっと今までの行政投資とのかかわりがうんと深いと思うけれども、時間がございませんのでこれで終わりたいと思います。  次に農林部関係でございますが、時間の関係でアの一点だけお尋ねをしたいと思います。それは、農業生産額に占める雇用者所得が他県に比べて余りに高過ぎる──多過ぎるのではないかなという感じを持つ。具体的には、農業に限って、平成七年度の総生産は千九百四十一億円、岩手県は千九百五十億円で同じ──大体似ています。秋田県は、田んぼは多いけども人口も少ないし千六百三十九億円というふうになっておって、ずうっと来て、所得の中身として、一つは雇用者所得、あとは営業余剰ということになるわけだ。やってる人の懐に入る金が多ければ多いほどまず元気は出るんだけれども、自分の企業主の懐に入る金が少なくて、雇った人たちの金が流れて多く行くということになると企業者はやる気がなくなってしまうんですわな。そういうことから考えて、今申し上げた三県とも大体同じ所得を持ってる、総生産あるいは要素所得を持ってる。その中で、青森県の場合、雇用者所得が岩手県の倍、秋田県の倍、したがって、残った企業余剰と言えばいいか、営業者に残る金がそれだけ減ることになる。青森県は農業関係だけで四百二十七億円になっているわけですよ、雇用者の所得が。隣の岩手県は百七十六億、秋田県は百五十一億円、そう差があるんです。私はこれを見て、ああそうか、他県にないものは農業の関係では本県はリンゴだろうと。リンゴというのは雇用の関係が多いからそれだけ支出が多くなるし、リンゴ産業そのものを分析していったらまず生産者そのものは赤字と言ってもいいんじゃないかなという感じをこれを見て──これが正しいかどうかわかりませんが、私はそういう感じを受けましたので、このことについて部長の御見解を承りたい。 63 ◯田中副委員長 農林部長。 64 ◯油川農林部長 成田委員の御質問にお答えいたします。  農業生産額に占める雇用者所得が他県に比して突出しているが、これに対する認識を問うということでございます。経済企画庁が公表いたしました県民経済計算年報によりますと、平成七年の農業部門の雇用者所得は、委員御指摘のように本県が四百二十八億円と、岩手県の百七十六億円、秋田県の百五十一億円などに比べますと高い状況にあります。また、平成七年の農業センサスを見ると、本県の農家が雇用した人数は岩手の二・一倍、秋田の三倍などとなっております。その要因を考えてみますと、本県の場合は果樹や野菜部門の生産額が高いという大きな特徴があり、これらの産地を維持、強化するために、一つはリンゴの摘果、葉摘み、収穫など、それからニンジン、大根の収穫など特定の時期に多くの労働力を必要とする作業があるほか、農協での選果・選別・洗浄作業などで雇用労働力を要していることが考えられます。しかしながら、いわゆる農業所得に相当する営業余剰を一農業経営体当たりで見ますと秋田や岩手などよりも高くなっており、雇用者所得の多いことが必ずしも経営者の所得を低くしているとは言えない面があるのではないかというふうに考えております。農業労働力の減少や高齢化、最近の農産物価格の低迷などの中にありまして今後とも経営者所得の維持、向上を図りながら産地を強化していくため、省力技術の開発、導入を進めるとともに、新規就農者や安定した雇用労働力の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。以上であります。 65 ◯田中副委員長 成田委員。 66 ◯成田(幸)委員 どうもありがとうございました。大体わかりました。  次に急ぎます。土木部長の関係です。これもア、イ、ウとなって三つありますけれども、二つにします。公共工事の発注の関係でございます。議会に出した例月出納検査を見ますと、予算現額に対する支払い済み額というのは一月末現在で比率が去年よりも下がっているわけです。これは土木費総額になるわけでございますので直ちに工事の発注がどうのこうのと言えないかもしれないけれども、その中に経常的な経費が全部含まれて初めて土木費となるんだけれども、それは経常的なもので毎年そう変わりはないはずなんですね。だとすれば、下がったということは、発注は多くしたけれども支払いがおくれたんだ、その理由があるだろう、こう思うんだけれども、そういう意味における執行率が減ったことについての原因は何かということ。  それから二番目は八甲田丸。まあ、新聞でわかったようなもんだけども、県が六割出して青森のものにするんだ、こういうふうになっています。今の段階では廃止ということをやれないもんだから先送りするつもりだろうけども、私は、どんなことをしても再び赤字に転落するということは見えてると。にもかかわらず、それを出さないで先へ先へと送ろうとしているように感じてなりませんけれども、もし次に赤字が出た場合もこういう対応でいくのか、さらに補助金を出していくつもりなのかということです。この際この八甲田丸の存廃を含めて県民の意見を広く聞く必要があるのではないか、これについて伺いたいということです。 67 ◯田中副委員長 土木部長。 68 ◯奈良土木部長 まず、公共工事の発注状況で、昨年同期比で支払い率が減っておるんじゃないかという御指摘がございました。委員御指摘のとおり、当部におきます平成十一年一月末現在での支払い率につきましては五一・一三%というふうになってございまして、前年同月比では五・八%程度下回っております。実質の支払い額では二十億円余上回っておるわけではございますが、そういう状況にございます。前年同月比を下回っておりますのは、予算額が経済対策関連経費等の補正によりまして前年同月比で二百四十七億円余の増額となっております。また、そのうち緊急経済対策として百五十六億円あるわけでございますが、この分については十二月議会で予算措置をしたということもございまして一月以降の発注となることになっております。そういうことで一月以降の発注ということでございますけれども、現在年度内発注に向けまして職員一丸となって鋭意努めておるところでございまして、さらなる支払い率の向上に努めてまいりたい、このように考えております。  次に八甲田丸でございますが、青森市所有とすると言うが、再び赤字が出た場合の県の対応というお尋ねがまず一つございました。八甲田丸の中長期的保存のためには公的支援が不可欠であり、また、その手段といたしましては公設民営が最適であるという平成九年二月の八甲田丸経営再建策検討委員会の提言を受けまして、県、市、商工会議所及び現在八甲田丸を所有いたしております青森ウォーターフロント開発株式会社により検討を重ねまして、今回、青森市が所有をして、その運営については青森ウォーターフロント開発株式会社に委託するいわゆる公設民営を実施することといたしたわけでございます。この提言におきましては、これは委員からも御指摘があったわけですが、公設した場合の会社の運営段階での収支均衡が重要な課題というふうにされておるわけでございます。会社といたしましても、公設による経費の削減に加えまして、人件費、管理経費のさらなる節減を図りますとともに、入場料の引き下げを実施し今まで以上に利用しやすい施設として引き続き活用を図っていくことといたしております。公設後の中期的収支計画は黒字基調となっておるところでございます。県といたしましても、公設を契機としてより一層の利用促進を図る必要があると考えておりまして、公共事業によります周辺緑地整備等の整備を進めますとともに西船だまりとのアクセスについても検討する等、今後とも官民一体となって八甲田丸の利用促進に努めてまいる所存でございます。  存廃について県民の意見を聞くべきというお話もあったわけでございますが、この八甲田丸経営再建策検討委員会からの提言によりますと、八甲田丸の保存のためには県民、市民のコンセンサスが必要とされておるところでございまして、委員御指摘のとおりであるわけでございます。これにつきましては、平成十年八月に経済五団体から県と市に対して八甲田丸保存に対する支援要請があったこと、また、平成十年六月に募集を始めました八甲田丸フレンドリークラブの入会者が二カ月で約二千人に達したこと、平成十年度当初予算で措置いたしました青森ウォーターフロント開発株式会社に対する短期貸付金が県議会及び市議会で認められたこと、また、平成十年度の八甲田丸有料入場者数が前年を上回っていることなどの状況から、保存に対する県民、市民の理解を得られるもの、このように考えておるわけでございます。今後とも八甲田丸に対します県民、市民の意向を踏まえながら、官民一体となって八甲田丸のさらなる活用を図ってまいります。以上でございます。 69 ◯田中副委員長 成田委員に申し上げますが、最後の質問は簡明にお願いいたします。 70 ◯成田(幸)委員 申しわけございません。ただ、土木部長に申し上げたいことは、これは全般にだけれども、この今の世の中でリストラ、行政改革というあれがどこからも何も出てこない、これは非常に残念に思います。  あとは教育長にお願いですが、十款です。今県内では町というところには全部高校があるわけですよ、普通高校が。そして、定員割れのあるところもあるわけだから、これについてはいろんな問題がありますので、将来の計画として統廃合を含めたところの再検討が必要でないか、これに対する御見解を……。
    71 ◯田中副委員長 教育長。 72 ◯松森教育長 去る二月二十五日ですけれども、県高等学校教育改革推進検討会議から二十一世紀を展望した本県高等学校教育のあり方について報告を受けたところでございます。この報告は多方面にわたっての提言がなされていますが、小規模校については、学級編制上一学年二学級が維持できない状態が三年続き、かつその後の入学者の増加が見込まれない場合には分校化や統合について検討する必要があるというような提言がなされています。県教育委員会としましては、小規模校については、学校の地域社会に果たす役割等を十分考慮しながら魅力ある学校づくりを一層進めていくとともに、この検討会議の提言を踏まえ今後の課題として検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 73 ◯成田(幸)委員 ありがとうございました。これで終わります。 74 ◯田中副委員長 次に山内崇委員の発言を許可いたします。──山内委員。 75 ◯山内(崇)委員 三点について質疑を行いたいと思います。  まず一点目は、歳出二款四項七目「県史編さん費」について、この県史編さん事業についてでございますけれども、午前中の高橋委員の質問にも関連するわけですが、やはり私はこの県史編さんという作業を大変高く評価しております。ふるさとへの正しい理解というものがふるさとを愛する心というものをはぐくんでいく、この点から見れば、今回の北方に視点を置いた県史の刊行というものは大変意義深い、こう思うわけです。この編さん事業は、この十二年度からはいよいよ刊行ということになりますが、平成八年から二十三年度までの十六年間という息の長い事業でございまして、全五十巻であります。ですから、この県史の意義と特色というものを私はもう一度とらまえてみたい、この点についてまず一点目として伺います。そして二点目は、十二年度に刊行する県史の準備状況、それから刊行部数、配布先をどのように考えているのかお伺いをしたいと思います。 76 ◯田中副委員長 環境生活部長。 77 ◯小林環境生活部長 山内委員の御質問にお答えいたします。  県史編さん事業について、その意義と特色、そして刊行に当たっての準備状況、刊行部数等についてということでお尋ねがございました。青森県史の編さん方針は、青森県域にとどまることなく広く北東アジアの中での本県の歴史的特性を浮き彫りにしていくことにあり、このようなグローバルな視点は他の県史には見られない大きな特色でございます。この方針に沿って、資料編古代一「北方史関係文献資料」、資料編近世一「近世北奥の成立」、民俗編「民俗資料南部」、自然編一「地学」の四冊を平成十二年度刊行予定として鋭意準備を進めております。いずれの巻も最新の研究成果を広く取り入れるとともに、特に民俗編、自然編では写真や図版を多く用いてビジュアルな内容として県民に親しみやすいものとすることにしております。また、刊行に当たりましては、各巻ともに二カ年にわたる編集期間を設け、県民が誇れる本県の真の姿を明らかにするものとして内容の充実を図ることとしております。また、刊行部数は各巻とも千五百部を予定しております。県内図書館・博物館などの公共機関、大学等の教育・研究機関などに配布することで、県民が本県の歴史と文化に対する理解を深めることに配慮していきたいと考えております。以上でございます。 78 ◯田中副委員長 山内委員。 79 ◯山内(崇)委員 県史の事業につきましては、先ほども申し上げましたけれども大変息の長い事業でございます。大変意義深いものがあるわけで、さまざまな特色もあるようですが、千五百部は、これから配布していきながら、必要に応じてはさらにふやすようなことを考えてもよろしいのではないかなと思うわけで、ぜひ頑張っていただきたいと思います。大切な事業ですから、やっぱり忘れることなく、忘れられないように私どもも取り上げてまいりたいなと思っております。  二番目にまいります。歳出七款一項六目「経営振興費」、ISO認証取得に対する支援策についてでございます。このISOの認証取得に対しては、私はこれまで、六月の定例会のときにはISOの中でも品質管理に関するいわゆる9000シリーズについてお伺いをしてまいりました。その後十二月の定例会では環境管理に関する国際規格、いわゆる14000シリーズを取り上げさせていただいたわけです。今、このISOの認証取得というものは、輸出関連の大手のメーカーだけではなくて、中小企業やらあるいはサービス業、自治体ということでこの認証取得のすそ野が非常に広がってきておりますし、この認証取得による企業経営の効率化といいますかレベルアップというか、そういった部分も非常に高く評価されてきているところなんですね。そこで、私がこれまで取り上げてきた結果、県の方では平成十一年度の予算の中で事業対応していただけるということで予算書を見ておりました。ですから、これに関連して二点お伺いをしたいと思います。まず一点目は、東北各県におけるISOの取得状況及びその取得に当たっての手順についてお伺いをしたいと思います。 80 ◯田中副委員長 商工観光労働部長。 81 ◯安部商工観光労働部長 ISO認証取得等について、東北各県における状況、さらにはその手順についてお答え申し上げます。ISOシリーズは、先生御指摘のとおり、国際標準化機構が定める品質管理や環境管理に関する一連の国際規格であります。管理システムとしてISOシリーズを取得する企業がふえてまいりました。日本におけるISOの審査・登録機関を認定する財団法人日本適合性認定協会の調査によりますと、平成十年十二月末現在で品質管理に関するISO9000シリーズの取得件数は東北六県で三百六十件、うち青森県は十六件、環境管理に関するISO14000シリーズについては東北六県で百三十八件、うち青森県は六件で、いずれも東北六県の中で最も少ない件数となっております。ISOの認証取得に当たっての手順でございますが、おおむね、経営者による認証取得に向けた目的及び範囲を明確化すること、責任体制の整備、日程計画等の事前準備をきちんとすること、作業管理マニュアルの作成をすること、審査・登録機関の審査、そして最後に取得後のシステムの見直しとなっております。また、認証取得に当たっての経費としては、アドバイザーの指導を受ける際の費用のほか、審査・登録機関の審査の際の費用が必要になります。企業規模によってもさまざま異なりますが、一般的には百五十万程度が必要というふうに言われておるところでございます。以上です。 82 ◯田中副委員長 山内委員。 83 ◯山内(崇)委員 前に取り上げたときもそうでしたが、我が県はどうしても輸出関連の企業が少ないということもあって、出だしからいくとやはり少ないわけなんです。ただ、このISOのすぐれている部分というのは、部長さんからも今お話がありましたが、作業管理マニュアルをつくって常に企業のシステムの見直しというものが継続的に行われていく点、この点で品質管理の面においても環境管理の面においても非常にすぐれたシステムを備えているわけなんですね。ですから、今の段階では、こういう輸出関連、あるいは自治体にも広がってきておりますが、いわゆるサービス業の場合は、この9000シリーズの品質管理ということからいきますと、例えばサービスの品質がどうなっているのかということの、接遇から何からすべて細かいことを含めて質を常に随時チェックしていけるということになるわけです。例えば一つの試みとしては、地域の商店街あたりがこういうISOの取得を地域ぐるみでやるとか、そういったこともみずからの商店街の活性化につながっていく面にもなるのではないかと思っています。今百五十万というお話でしたが、現実にはその他の関連経費も入れれば恐らく三百万ぐらいかかる場面も出てくるんですね、いろんな指導とかを入れますと。ですから、今ちょっとこれで伺いたいと思いますけれども、今回、十一年度の予算に「ISO認証取得啓蒙普及事業」並びにISOの認証取得促進事業ということで私の提案を具体的に入れていただきましてこういう事業が新規で仕掛けられてきてるわけです。ですから、この取り組みについてもう一度部長さんの方にお伺いをしたいと思います。 84 ◯田中副委員長 商工観光労働部長。 85 ◯安部商工観光労働部長 ISO認証取得に係る支援策の内容についてお答え申し上げます。本県中小企業におけるISO認証取得の促進を図るため県では平成十一年度より新規の事業を実施することとしております。具体的には、ISO取得の機運を高めるために、ISO認証取得制度の概要や取得の際の手順、留意事項、導入事例などを内容としたパンフレットを作成するとともに説明会等を開催し、「ISO認証取得啓蒙普及事業」を実施することとしております。この対象としては、先ほど委員御指摘のとおり、製造業のみならずサービス業、小売業も含めたすべての企業を対象にしていきたいというふうに考えてございます。また、本県中小企業の認証取得が進まない理由の一つとして認証取得に要する経費の負担が挙げられることから、審査・登録料の一部を助成してその負担を軽減するISO認証取得促進補助事業を実施することとしております。県としては、これらの事業を実施することによりISO認証取得を促進し、本県中小企業のレベルアップとイメージアップを図っていきたいと考えております。 86 ◯田中副委員長 山内委員。 87 ◯山内(崇)委員 新規事業としての当面の取り組みとしてはそれでよろしいかと思いますが、私は、我々が文化観光立県を進めていくに当たって、例えば観光に従事する、あるいはそういう関係の企業、あるいは観光地も含めてですが、いわゆるホスピタリティーということを考えた場合に、おもてなしの心ということであるならばサービス面というものがどうしても極めて重要になると思うんですね。ですから、そういう面からいっても、みずからのそういうサービスの今の実態とか自分たちの現状はどこにあるのかというのをチェックして、それを突破して高めていくとするならば、私は、この9000シリーズによる品質管理という部分、サービスの品質管理というものをきちっと進めていくぐらいの気迫を持った対応というものが必要になってくるのではないかなというふうに考えますし、また、環境管理の14000シリーズ、これでいくならば、例えば産廃の──産廃だけじゃなく、ごみ関係の処理の関係も含めてこういう環境管理に関する認証取得というものをぴしっと進め、みずからの企業あるいはその事業の信頼性というものを内外に高めていくというふうな指導もこれからの行政には必要になってくるのではないかなというふうなことを考えるわけでございます。以上でISOに関しては一応終わります。よろしくお願いします。  三点目にまいります。三点目に、歳出十款七項二目「体育振興費」、仮称「県立武道館」についてお伺いをいたします。この県立の武道館というのは、地元弘前、津軽ばかりではなくて非常に期待の大きな施設だと思います。ことしスポーツ立県を宣言するに当たって青森県を代表する中核施設になっていくと思います。全国でも有数の施設でございます。平成十一年に完成しこれが引き渡され、十二年にはオープンするというのが大まかなスタイルになってるわけですけれども、これについて今の工事の進捗状況についてざっとお伺いをしたいと思います。 88 ◯田中副委員長 教育長。 89 ◯松森教育長 県立武道館──仮称──の建築工事の進捗状況についてお答えいたします。仮称「県立武道館」は、三カ年継続事業として平成九年度に建築工事が着工され、二年次目の今年度も本体工事が順調に進み、平成十一年二月末における工事の進捗率は設備工事も含めて約三三・六%となっており、予定どおり工事が進行しております。今後平成十一年の十月までには本体の屋根及び外壁等の外部仕上げ工事をあらかた終了し、並行して電気設備、機械設備の取りつけ及び内装工事を行い、平成十二年一月ごろには武道館の建築工事が完了する予定となっております。その後設備等の運転調整や各種検査等を実施した上で平成十二年三月中に完成、引き渡しされることになっております。以上であります。 90 ◯田中副委員長 山内委員。 91 ◯山内(崇)委員 非常に順調に工事が進んでいるわけでございます。まさに、延べ床面積一万七千平米、そして主競技場だけでも四千五百十平米というすばらしい施設になるわけです。それで、これからできた段階でやはり、これを記念しての大会やイベント、あるいは日常的に利用率を高めていく、活用していくためにこれからどのようなものが考えられるのか、あるいはどういうものを仕掛けていこうとしているのかという部分、これは行政だけではございませんけれども、そういう点についてもお伺いしたいと思います。 92 ◯田中副委員長 教育長。 93 ◯松森教育長 活用が可能な大会、イベントとしてどのようなものが考えられるのかについてお答えいたします。仮称「県立武道館」は、本県武道振興の中核施設として国際的、全国的、全県的な各種大会の開催等に対応できるよう整備するものであり、特に主競技場は五千人の観客収容が可能なことから、相撲、柔道、剣道などの各種武道大会の開催を初めとし、大相撲地方巡業にも対応できるものと考えております。また、武道以外のバレーボール、バドミントン、卓球等を初めとするスポーツ大会のほか、コンサートや全国規模の各種会議等の場として多目的に有効に活用されるものと考えております。なお、主競技場以外の常設の相撲場、柔道場、剣道場、弓道場や合宿所等を活用して各種大会の開催等ができるものと考えております。以上です。 94 ◯田中副委員長 山内委員。 95 ◯山内(崇)委員 まさに五千人収容ということになって大変大規模なわけなんですが、そこで、ここでもう一点非常に問題というか気がかりな点は、例えばコンサートの場合は、コンサートの場所をとったりしますから四千人ぐらいですが、ただフルに入れば五千人ということになってくるわけです。そうしますと、弘前のあの運動公園周辺の環境というものを見たときには、駐車場はそれに見合っただけの駐車スペースはないわけです。恐らく、仮に四千人から五千人ということになりますと、二千台くらいの駐車スペースの確保がなければ大規模な大会──大会といいますか、コンサートですとかそういうイベントを開いていくのは周辺環境にかなりの影響があると思うわけですが、この駐車場の確保対策についてはどのように考えていらっしゃるのかお伺いします。 96 ◯田中副委員長 教育長。 97 ◯松森教育長 駐車場の確保についてお答えいたします。現在弘前市運動公園には、利用できる駐車場として、常設の第一駐車場から第三駐車場までと臨時第一駐車場を合わせて六百七十三台分の駐車スペースがあります。今後弘前市では、公園内の西側と北側に武道館開館までに新しい駐車場を整備、拡張する計画があるほか、大会等の規模に応じて臨時駐車場を設けると伺っております。武道館開館に伴い予定される各種大会開催の際には多くの駐車場利用者が見込まれることから、公園管理者である弘前市に対し駐車スペースが確保できるよう働きかけてまいりたいと考えております。以上です。 98 ◯田中副委員長 山内委員。 99 ◯山内(崇)委員 現状でいきますと六百七十三台分あるということですが、ちょっと足りないということで、新駐車場を設置するということは弘前市の方でも対応していかなければならない部分だと思うわけです。そこで、これはぜひ早目に、オープン時点においてはこれの対応をある程度決めておかなければいけないと思いますので、要望しておきたいと思います。  四つ目に管理・運営主体についてお伺いをしたいんですが、これからできた場合管理・運営経費というものがかかっていくわけです。例えば一例を挙げますと、直接の比較対象にはならないわけですが青森の県営スケート場、これの管理・運営経費を十一年度の当初予算で見ますとトータルで約二億六千七百万かかっております。もちろん、スケート場ですから、これには電気ですとか水だとかそういった部分が入ってくるんで割り引かなければならないという部分だと思いますが、仮に武道館がこれからオープンして動き始めたとなると恐らくは三億を下らない維持・管理費がかかっていくのではないかなというふうなことが予想されるわけです。ですから、十二年オープンということになればやはり、この管理・運営主体というものを早目に立ち上げるといいますか、その方向性を明確にして、その経費をどうしていくのかということの対応も急がなければならないそういう大きな課題ではないかな、こういうふうに思うわけです。この点について御答弁をお願いします。 100 ◯田中副委員長 教育長。 101 ◯松森教育長 管理・運営主体を早く明確にすべきだと思うがと、これについてお答えいたします。仮称「県立武道館」の管理、運営については、施設の地域に果たす役割や効率性等も十分考慮しながらその管理・運営主体の基本的な考え方を検討しているところであります。建設工事が平成十一年度末の完成に向けて順調に進んでいることでもあり、早期に県としての基本的な考え方をまとめ、弘前市と協議してまいりたい、そのように考えております。以上です。 102 ◯田中副委員長 山内委員。 103 ◯山内(崇)委員 これまでに例のない大規模な施設でございますので、地元弘前とのお話し合い、そういった部分も含めて県として詰めているというふうに理解をさせていただきました。これは、地元の弘前市だけの問題ではなくて、今広域連合等で広くやっていますが、あの施設はやはり津軽共有の、青森県全体の財産でもありますので、ぜひそこはひとつ、窓口になるのは弘前市で、あの地域の市町村の代表として責任を持ってリーダーシップを発揮していただかなければならないと思いますが、その点を強調して対応してもらわなきゃいけないんですけれども、県の方でも、やっぱり最初の大きな施設ですし、この後各地域にこの種の施設が張りついていくわけですから、そのいい前例となるようなそういう対応をお願いして質疑を終わります。よろしくお願いします。ありがとうございました。 104 ◯田中副委員長 それでは間山委員の発言を許可いたします。──間山委員。 105 ◯間山委員 それでは御通告申し上げました事柄についてお尋ねしてまいりたいと思います。  最初に、歳出二款六項一目「市町村連絡指導費」についてお伺いしたいと思います。去年の五月二十九日でございますかに地方分権推進計画が閣議で決められまして、明治維新、そして戦後の民主改革に続く第三の改革とも言われます地方分権、分権型社会への変革がいよいよ実施の段階に入った、このように聞いております。この地方分権推進計画に従った法律改正が通常国会で今審議されているようでございますけれども、一説によりますと、四百七十本もの大変な関係法律、千二百ページにも及ぶ地方分権推進一括法案ということで、そういう関係を全部本にしますと広辞苑三冊分ということで、県の職員の方々もこれが通っていくと大変な御労苦、大変な仕事量になるであろう、このように思いますので、どうか一生懸命頑張っていただきたいと思います。この中には機関委任事務制度の廃止を初めとする種々の改革、改正が盛り込まれているわけでございますが、とりわけ、政令指定都市制度、それから中核市制度に次いで新たに設けられる特例市制度が、本県市町村の現在の人口規模等を考慮した場合、地方分権推進の観点から極めて重要な制度になるのではないかと考えております。もちろん政令指定都市にはちょっとほど遠いわけでございますけども、中核市制度については青森市かなという感じがしております。そして、その対象になり得ると見られる八戸市では特例市への指定を申請する方針と聞いております。そこで、特例市の概要については、法案もまだ閣議決定されておらないわけでございまして内容が流動的ではございましょうが、現時点で把握できる範囲で結構でございますのでお示しいただければと思います。 106 ◯田中副委員長 総務部長。 107 ◯山口総務部長 間山委員御質問の新たに予定されている特例市の概要についてお答えを申し上げます。国においては、「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案」──仮称でございますが、いわゆる地方分権推進一括法案、これを今月の下旬にも国会に提出する予定としております。この法案では四百七十五本程度の関係法律の改正が行われる見込みであり、その一つとして、地方自治法を改正し、新たに特例市制度を創設することとされております。この特例市は、市町村への権限移譲を推進する観点から、行政ニーズが集中し、事務処理に必要とされる専門的知識・技術を備えた組織を整備することが可能と考えられる人口二十万以上の市について、当該市からの申し出に基づき政令で指定することにより権限をまとめて移譲するための制度とされております。具体的には、現在のところ、騒音規制法、振動規制法等に基づく規制地域の指定、規制基準の設定等十五法律に基づく権限の移譲が予定されており、地方分権の一層の推進が図られるものと期待をいたしてるところであります。なお、改正法の施行は原則として平成十二年四月一日が予定されているところであります。以上でございます。 108 ◯田中副委員長 間山委員。 109 ◯間山委員 どういう方向に進んでいくのかまだわからないわけでございますけれども、権限だけ来てお金が来ないということであれば大変困るわけでございます。そういうふうにならないようになっていくとは思いますけれども、八戸市が特例市に指定申請した場合の県の対応について伺っておきたいと思います。 110 ◯田中副委員長 総務部長。 111 ◯山口総務部長 八戸市が特例市に指定申請した場合の県の対応についてのお尋ねでございました。特例市は人口二十万以上の対象市からの申し出に基づき政令で指定されることになりますが、その申し出に当たっては県の同意や関係議会の議決が必要となる見込みであります。本県においてはこれまでも、地方分権の動きに呼応し、住民に身近な事務はできるだけ住民に身近なところで完結的に処理することが望ましいとの観点から県独自にも市町村への権限移譲を推進してきておりますが、新たに創設される特例市制度はこのような県の基本姿勢にも合致するものと考えているところであります。さきの新聞報道では、八戸市は特例市制度が創設されれば指定の申し出を行う意向のようでありますが、県としては、八戸市からの申し出があった場合は、その意向を最大限尊重し、所要の手続を進めるとともに必要に応じて積極的に支援をしてまいるつもりであります。 112 ◯田中副委員長 間山委員。 113 ◯間山委員 これが将来市町村合併の呼び水になっていけばなという思いもありますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。  次に、歳出二款三項五目「地域振興費」についてお伺いします。地域振興は、それぞれの地域が持っている個性や資源を尊重し、それをいかに生かして再構築するかにあるわけでございますけれども、十和田八幡平国立公園、あるいは津軽半島、下北半島の二つの国定公園がありますが、平成五年に世界自然遺産に登録された白神山地もあり、県土全体が自然公園とも言うべき価値ある自然の宝庫、それが青森県であると私も自負しているところでございます。このような中で、特に白神山地周辺地域については保護、保全にも万全を期しながら活性化に向けた振興策が必要ではないか、このように思うわけでございます。そこで、平成十一年度から県が実施しようとしている白神山地周辺地域振興推進事業の目的と事業内容についてお伺いしたいと思います。 114 ◯田中副委員長 企画部長。 115 ◯葛西企画部長 お答えします。  白神山地周辺地域振興推進事業の目的と事業内容についてでございますが、白神山地周辺地域振興推進事業は、自然環境との共生を図りながら活力ある地域づくりを展開するという観点から、世界自然遺産白神山地を生かした広域的な地域振興策を推進するために、白神山地周辺市町村と県が連携しまして一体となって具体的地域振興策を検討することを目的とする事業でございます。平成十一年度の事業内容としましては、まず広域的な連携強化の場づくりが必要であろうということで、県と周辺市町村によります、仮称でありますが「白神山地周辺市町村等連絡協議会」を組織しまして、互いの意見やあるいは情報交換を通じまして、連携のあり方、あるいは、委員からもお話がありましたように自然環境との共生を前提としました広域的な振興施策等を検討することにいたしておるものでございます。また、白神山地のイメージをブランドとして活用することにより新たな地場産業の創出ができないか、あるいは、既存産業の活性化方策を検討するための基礎調査としまして、既存産業の現状あるいは観光客等のニーズを把握するための調査を実施することにしているものでございます。いずれにしましても、白神山地の環境保全と調和した地域振興策の推進につきましては今後も検討してまいりたいというふうに考えています。以上であります。 116 ◯田中副委員長 間山委員。 117 ◯間山委員 報道によりますと、白神という名を冠している企業が約八十社あると伺っております。この白神を名乗って地域振興を図るにしてもルール、マナーを逸脱しないことが大切ということでありますが、これらに対する歯どめといいますか、そういうルール、マナーの徹底の仕方を県ではどのようにお考えなのか。  それから、白神NGOの牧田肇先生ですか、弘前の先生のようですけども、核心地域、緩衝地域を守るには外側から保護する気持ちがなければ遺産は守れないというちょっとわかりかねるコメントが出てるわけでございますけれども、まあ、核心地域、緩衝地域はありますけれども、外側を守るというのはどういうことなのかその先生から聞かなきゃわからないんですが、私は地域振興は必要だと思います。これらのことに対する──NGOといいますからそういう方に一生懸命な方々が集まってやっていらっしゃるんでしょうが、ただただ守る、手をつけるな、それでは地域の振興にはならないわけでございまして、こういう意見が一方にあることに対して、県としての考え方といいますか受けとめ方といいますか、おありになりましたら伺っておきたいと思います。 118 ◯田中副委員長 企画部長。 119 ◯葛西企画部長 二点のお尋ねでございますが、白神山を中心にしていろんな企業といいますか業種のその辺があるわけでございますが、何か歯どめを考えておるのかということでございますが、その辺も含めまして、先ほど申し上げましたように周辺市町村一体となってその組織及び場を──その辺もありますのでその場づくりが必要であろうということで、それぞれの地区あるいは市町村の問題とか、あるいは県全体としていかがなものかという問題もこれからるる出てくる可能性もありますので、その場づくりをしてみんなで一体となって検討していこう、そういうことを考えておるわけで、今後の問題として検討していくことになると思います。それから環境上の問題とかるるあるわけでございますが、現在、西目屋地区にはビジターセンター、あるいは岩崎方面には「エコ・ミュージアム」ということで、それぞれ自然との共生を目的にした学習的な場面を踏まえての、今後の白神山地におけるそういう環境文化的なもの──屋久島の場合は文化環境センターとございますけれども、その辺を目指して、その辺は、いろんなことが展開される場づくり──それも場づくりということで、その場を活用しながらその辺は検討していくことになるだろうというふうに考えております。以上であります。 120 ◯田中副委員長 間山委員。 121 ◯間山委員 次に、議案第一号「平成十一年度青森県一般会計予算案」の歳出三款一項三目「地域福祉費」でございますが、介護保険制度の導入によりまして、福祉サービスの利用形態が、措置から、利用者がみずからサービスを選択するサービス提供者との契約という形に転換が図られるわけでございます。大変なことでありまして、何でもお願いするという感じではない、そういうふうに受けるわけです。こうした状況の中で、痴呆性高齢者や知的障害者の自己決定能力が十分でない方々が各種福祉サービスを適切に受けて、住みなれた地域の中で安心して自立した生活を送れるようにしていくことが重要であります。そのための支援体制を整備する必要も当然あります。そこで、県では青森県社会福祉協議会を実施主体として地域福祉権利擁護事業を平成十一年十月から実施することとしていますが、利用者が安心してそのサービスを利用できるようにするためにどのような方策を講じられるお考えなのか。措置から契約に変わっていくということは、非常に見落としがちでありますけども大変重要な転換であるなというふうに考えておりますので、その辺を含めながら御答弁のほどをお願いします。 122 ◯田中副委員長 健康福祉部長。 123 ◯良原健康福祉部長 お答えいたします。  ことしの十月から実施予定の地域福祉権利擁護事業について、利用者が安心してそのサービスを利用できるようにするためどのような方策を講ずるのかについてでございます。この地域福祉権利擁護事業は、県の社会福祉協議会に地域福祉権利擁護センターを設置しまして、県内六市の社会福祉協議会に自立生活支援専門員を、また各市町村に生活支援員を配置して、契約に基づき福祉サービスの適切な利用や日常的金銭管理の援助を行う事業でございます。この事業の実施に当たっては制度の信頼性の確保と利用者が安心して利用できることが大事であり、そのために、有識者により構成される運営監視委員会を設置し、客観的に監視を行うこととしているところでございます。この運営監視委員会のメンバーとしましては、大学教授等学識経験者、また弁護士、社会福祉関係団体の代表者、また社会福祉士、精神保健福祉士などを考えております。運営監視委員会は、地域福祉権利擁護センターの事業運営全般の監視を行うほか、利用者から苦情の申し立てがあった場合、実態を調査しその解決に当たることとしており、この運営監視委員会を通じて事業の適正な実施に努めてまいりたいと考えております。 124 ◯田中副委員長 間山委員。 125 ◯間山委員 それに関連して、青森県では福祉日本一を目標に掲げておるわけでございまして、県民一人一人の生活を大切にする福祉社会の実現を目指しておられる、県民参加と利用者本位の視点に立って高齢者、障害者、子供に対する諸福祉施策を進めておられるわけでございます。私どもも大きく評価をしているわけでございます。福祉日本一といっても、オラホが日本一だと言ってしまえば日本一であるし、いや、ホンデネジャと言えば日本一でないわけでございまして、だれがそれを──数字だけで挙げられない面もありますし、そういういろいろ難しいところがあるわけでございますが、とにかく、おれが一番だ、いや、オメホは一番でないというそういう客観性を持った判断が必要かなという感じがするわけでございます。それで、オンブズマンと言いましたら、「マン」と言うのはいかぬ、「パーソン」と言えと言うんですが、まあ「君」とか「さん」とかあるわけでございますが、耳なれた言葉では福祉オンブズマン、これは耳なれておるわけでございまして、あえて使わせていただきます。福祉オンブズマン制度、これを東京の中野区では十年前に開始されております。東京都も何か四月から開始されると。やれば本県は全国で三番目のスタートになるわけでございますけども、やっぱり客観性を持ったそういうあれが必要でないかなという感じもしてるわけでございます。県内の社会福祉法人においても、利用者の人権を守るために──施設内でいろいろな苦情が出てるわけでございますが、それを解決する仕組みともなるでありましょうし、それから八戸市内でも高齢者や障害者施設関係者の間で組織化する動きもあります。けさほどの新聞にもそういう福祉施設の中でのいろんな不祥事が挙がっておりました。大変なことであります。選挙──私も選挙をやっているんですけども、だまくらかして無理に書かせたり、そういうこともいけないことでありますし、福祉日本一の目標を掲げている本県でありますから、そういう福祉事業者の内部にも及ぶ福祉オンブズマン制度の導入をすべきと考えますけども、部長さんの御決意のほどを伺いたいと思います。 126 ◯田中副委員長 健康福祉部長。 127 ◯良原健康福祉部長 福祉オンブズマン制度の導入を促進すべきと考えるが、県の見解をというお尋ねにお答えいたします。間山委員御提言のいわゆる福祉オンブズマン制度でございますが、これは、社会福祉施設入所者を初め福祉サービスの利用者などからの苦情を受け付け、中立的な立場からその原因を究明し、簡易、迅速に問題を解決する仕組みと承知しております。本県におきましては現在一社会福祉法人がこの仕組みを導入しておりますが、そのほか八戸地域の高齢者・障害者施設関係者が共同でその導入について検討していると聞いているところでございます。また、現在国では、利用者の立場に立った福祉制度の構築のため、利用者等の意見の反映や第三者機関による苦情処理の仕組みの制度などについて、社会福祉基礎構造改革を進めるための一環として検討しているところでございまして、社会福祉事業法の改正法案の中に盛り込んで今通常国会に提出する予定と聞いているところでございます。県としましても、利用者本位の視点に立ち福祉施策をきめ細かく実施していく必要があると考えておりまして、国の動向も踏まえながら、福祉サービスの利用者等の苦情解決を図る仕組みにつきましては検討してまいりたいと考えているところでございます。 128 ◯田中副委員長 間山委員。 129 ◯間山委員 くどいようでありますけども、やる方向で検討というふうに承っていいですね。  じゃ、次に入らせていただきます。次に、歳出四款四項三目「医務費」についてお伺いしたいと思います。二月二日の新聞に報道されておりました、県内の町立自治体病院の開設者である十六名の町長が医師確保対策等について知事に陳情されたということでございます。医師の充足率が低い場合に適用される診療報酬の一部減額措置が平成十一年四月に強化され、医師充足率が六〇%以下の場合にも適用されると聞いております。自治体病院を取り巻く経営環境は年を追うごとに厳しくなってくるわけでございまして、多くの自治体病院が赤字にあえいでいるという中にあって診療報酬の一部減額は相当の影響を及ぼすわけでございます。地域医療の確保にも影響を及ぼしております。郡部にあっては大変な──自治体病院が中核となって地域の医療を支えているわけでありますから、自治体病院の医師不足の解消は本当に喫緊の課題と考えられます。まあ、お医者さんの側から考えると便利な大都市の方がいいわけでございまして、ずっと外れの方に──どこが外れかわかりませんが、そっちから見ればこっちが外れかもわかりませんけども、とにかく不便なところには行きたくない心理はあろうかと思いますけれども、自治体病院における医師不足の状況とこれにかかわる県の対応──なかなか難しいものがあろうかと思います。そしてまた、今ペナルティー基準が強化されたということでございますが、どれくらい、何億ぐらいのペナルティーが科されているのか、もしそれもわかったら教えていただければと思います。 130 ◯田中副委員長 健康福祉部長。 131 ◯良原健康福祉部長 自治体病院における医師不足の状況とこれに係る県の対応についてお答えいたします。本県の医師の数は平成八年で二千四百三十二人、人口十万人対では百六十四人で、全国平均百九十一・四人の八五%程度となっております。このため平成九年度の病院における医師充足率は県平均でも八五・七%と低くなっております。特に町立の自治体病院では五六・四%と医師不足が大変深刻な状況となっております。また、本年四月以降は医師充足率六〇%以下の場合に診療報酬の一部減額措置が適用されますが、これに該当すると見込まれる自治体病院は現在十四病院となっております。この減額措置が適用された場合、自治体病院の経営、ひいては地域医療の確保に及ぼす影響が極めて大きいと考えられますことから、自治体病院開設者協議会からの陳情もあり、先般、知事から弘前大学長に対して医師派遣を要請するとともに、厚生大臣に対しても減額措置の緩和方を要請したところでございます。このこともありまして、現在十四病院のうち十一病院で医師充足率が六〇%を超えるとのめどがついており、残る三病院についても医師確保に向け交渉を継続中であります。県としましては、今後とも医師確保対策を強く進めていく必要があると考えておりますことから、今年度から実施しております県外在住医師Uターン促進事業の充実、さらにまた医師修学資金貸与制度の新設などを行って医師確保対策の充実、強化に努めていくこととしているところでございます。金額については後ほどお示ししたいと思いますので、よろしくお願いします。 132 ◯田中副委員長 間山委員。 133 ◯間山委員 知事が動いたらすごく効果が出たということでございます。じゃ、これまで足りなかったのは努力が足りなかったのかということになりますけれども、大変な努力をされてそういう効果が出たと。もう少し頑張って一〇〇%いくようにぜひ頑張っていただきたい、このように思います。  じゃ、金額をひとつお願いします。 134 ◯田中副委員長 健康福祉部長。 135 ◯良原健康福祉部長 医師標欠に伴う影響額についてでございますが、二十八億六千七百八十九万円ということで積算しているところでございます。以上でございます。 136 ◯田中副委員長 間山委員。 137 ◯間山委員 大変な額でございますので、どうかこれからも御努力のほどをよろしくお願いしたいと思います。  次に、五款一項四目「雇用対策費」でございます。我が国の障害者対策は、平成七年十二月に決められました障害者プラン・ノーマライゼーション七カ年戦略に沿って、国連障害者年のテーマである「完全参加と平等」の実現に向けて、障害者の方々が他の一般市民と同様に社会の一員としてさまざまな分野で活動ができるようにするというそういう理念に基づいて進められておるところでございます。青森県も平成五年三月に策定した障害者対策に関する新青森県長期行動計画を昨年三月に改定して、総合的かつ長期的視点に立って進められていると承知しております。そこで、雇用の面で障害者の方々を思いやるとき、従前から就職することが困難であるわけでございますけれども、その一方で障害者の解雇が倍増しているという報道を耳にしました。長引く不況で事業の倒産も閉鎖も縮小も相次いでいるわけでございます。新規学卒者や一般あるいは中高年者も就職が厳しい、これはわかります。それから、解雇された障害者の方々が再就職することはなお厳しいであろう、このように想像するところでございます。まあ、余計言わないで伺いますけども、障害者の解雇状況と再就職のための雇用確保対策はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。二番目に、不況になると解雇の対象になりやすいと思います。それは容易に推測できるわけでございますが、具体的な対応策がおありになったら承っておきたいと思います。 138 ◯田中副委員長 商工観光労働部長。 139 ◯安部商工観光労働部長 障害者の解雇状況並びに雇用の確保対策についてお答えします。障害者の雇用状況については、「障害者の雇用の促進等に関する法律」によって、事業主に対し、障害者を解雇した場合届け出の義務を定めております。この届け出によりますと、平成十年一月から十二月までの一年間における障害者の解雇は、事業所で三十三事業所、解雇者数では五十九人となっております。これは、前年に比べ事業所数で三倍、解雇者数では二・五倍と長引く景気低迷の影響を受け増加しております。このような雇用状況の中で県としては、障害者の方々が雇用の場につくことができるよう、法定雇用率の未達成企業への強力な雇用の勧奨、さらには、障害者求人開拓推進員の配置、集団就職面接会の開催、雇用促進月間である九月に障害者雇用促進大会の開催による雇用促進の啓発を図るほか、障害者職業訓練校による職業訓練などにより雇用促進に努めているところであります。また、不況になると特に障害者が多く解雇されるのではないかということに対しては、国の雇用活性化総合プランに基づきまして、障害者を事業所に職場実習の形で受け入れていただくようお願いし障害者に対して理解を深めていただくとともに、職場実習終了後も短期雇用の形で受け入れてもらうための奨励金を支給する障害者緊急雇用安定プロジェクト事業の積極的な活用を図りながら障害者の短期雇用の掘り起こしに努めるとともに、これを契機として障害者の本格的な雇用の拡大を図っていきたいというふうに考えてございます。 140 ◯田中副委員長 間山委員。 141 ◯間山委員 私どもももうすぐ選挙が始まるわけでございますけども、生活者に目を合わせて社会的弱者を救うため一生懸命頑張りますなんと言って、選挙が終わるところっと忘れる、そういう感じの議員にはなりたくないなと思っておりますので、役所の方も一生懸命頑張っていただきたいな、こう思います。よろしくお願いします。  六款一項二十三目「食糧管理費」についてお伺いします。米の産地間・銘柄競争は年を追うごとに激しくなってきております。県産米のエースとして期待されていました「つがるロマン」は県内外でまずまずの評価を受けている、これは農林部でおっしゃっていますからそのとおりだと思います。本県の米もいよいよ他県との競争のスタートラインに立ったのかなという感じがするわけでございます。さらに平成十一年から新品種「ゆめあかり」がデビューすることになる、このように伺っております。「つがるロマン」と並び本県産米の将来を託されるという点から新品種への期待は県南地域を中心として次第に高まりつつある。もとよりこの激しい競争を勝ち抜くためには品種の持つ力にすべてを期待するのは無理でありますから、この米を生産者の期待にこたえるよう大きく育てるためにはきめ細かな生産指導と綿密な販売戦略が大変重要と考えられるわけでございます。県は新品種「ゆめあかり」の生産と流通・宣伝対策をどのように展開していくのか伺っておきたいと思います。 142 ◯田中副委員長 農林部長。 143 ◯油川農林部長 「ゆめあかり」の生産・流通・宣伝対策についてお答えいたします。本年から本県奨励品種に指定しました「ゆめあかり」は、「むつほまれ」より食味、耐冷性とも二ランクまさることなどから、今後県南地方を含め県内五十二町村での作付が可能となりまして、段階的に作付拡大を図り、「つがるロマン」とともに本県産米の看板品種に育てていきたいというふうに考えております。しかし、いもち病抵抗性がやや弱いことなど栽培上留意すべき点もあることから、県としては、五十七カ所の「ゆめあかり」良食味・高品質生産実証圃を中心とした拠点指導、また青森米パワーアップ生産指導プロジェクトチームによる巡回指導など良食味・高品質米生産のための指導を強化するとともに、量から品質重視への意識の転換を図ってまいりたいというふうに考えております。また、流通・宣伝対策につきましては、今後生産拡大に伴って販売量の増加が見込まれることから、市場の伸びが著しい外食産業などの事業者向けにおいしさと値ごろ感のある米として販売することを基本戦略といたしまして、青森県産米需要拡大推進本部が主体となりまして、一つとして、宣伝用ポスターなどの作成、配布、及び中・外食事業者へのサンプル米の提供、二つ目として、外食モデル店の設置と「あおもり米ウイーク」の開催、三つ目として、無洗米──洗わなくてもいい無洗米としての特性調査と市場開拓の可能性の検討などの宣伝活動を展開し、新品種の知名度の向上と需要開拓を図ってまいりたいというふうに考えております。以上であります。 144 ◯田中副委員長 間山委員。 145 ◯間山委員 次に、歳出六款四項九目「土地改良国直轄事業負担金」についてお伺いします。去年の九月に、東北農政局八戸平原開拓建設事業所が事業主体となり、南郷の島守地区の世増ダムが着工となりました。私も学校を終わって最初に勤めたところが世増の八戸平原開拓事務所でありましたので、大変感慨を深くしております。三十年にわたっての地域住民や農家の悲願がようやく緒についた、このように思っております。ここに至るには、ダム建設地点の水没農家を初めとする漁業協同組合、関係機関の本当に涙ぐましい多大な努力があったからこそなし得た、このように私も思っております。今後は、ダムが早く完成され、農業用水や上水道の確保を初め洪水被害の解消などその効果が十分に図られることを期待するものでございます。そして、さらに進めていかなければならないことは、このダムの建設をきっかけといたしました地域の活性化であると考えております。ダムそのものが持つ大きな効果とともに、地域の環境を整備し、ダムと周辺環境との効果を総合的に発揮させることがダムの建設の成否を握っているとも言えるのではないかと思います。このため関係機関によりダム周辺の環境整備構想が立てられており、これにより各種整備を進めていると聞いているところでございます。この世増ダムの環境整備構想について、これまでの実施状況はどのようになっているのか、また今後の見通しはどのようになっているのか承っておきたいと思います。よろしくお願いします。 146 ◯田中副委員長 農林部長。 147 ◯油川農林部長 委員御質問の世増ダム周辺環境整備構想の実施状況と今後の見通しについてお答えいたします。世増ダムの周辺環境整備構想は、建設されるダムの周辺を整備して地域振興を図ることを目的に、南郷村が国、県の指導を得て平成八年度に策定したものであります。本構想は、ダムを周回する湖畔ロードやオートキャンプ場などの施設をメーンに、ダム記念館や展望台、市民農園、果樹見本園などを配置し、さらにはダムと八戸市民の森「不習岳」を結ぶ散策路整備など、地域の活性化を促進する内容となっております。実施状況は、湖畔ロードにつきましては現在国営八戸平原地区総合農地開発事業の中で整備を進めておりますが、オートキャンプ場など施設の大半は、平成十年度に採択された県営中山間地域総合整備事業や県営田園空間整備事業で計画的に進めることとしております。今後とも県としては、地元の意向などを受けながら、構想の着実な展開が図られるよう関係機関と協力してまいりたいというふうに考えております。以上であります。 148 ◯田中副委員長 間山委員。 149 ◯間山委員 最後の大詰めになると思いますので、ひとつすばらしいものをつくっていただきたいと思います。  それから、六款六項三目「水産業改良普及費」について伺います。八戸市における外国人漁業研修事業の実態と県の指導状況について伺いたいと思います。八戸市の中型イカ釣り業界では、平成七年からフィリピン人、ベトナム人の漁業研修生を受け入れていますが、毎年研修生の失踪が相次ぐため研修事業の存続が危ぶまれています。同じく七年度から研修生を受け入れている宮城県の気仙沼では失踪騒ぎはないと聞いております。八戸市の研修事業でも失踪事件が起こらないような事業の体制が必要と考えるわけでございます。八戸市における外国人漁業研修事業の実態と県の指導状況について伺いたいと思います。特に、宮城県の気仙沼では全くないのに八戸市では頻発してる、これはどの辺が原因になっているのか、それから、今まで何人逃げて何人行方不明なんですかね。何か密入国を助けているような感じがしないでもないんですが──大変不謹慎な言い方になりますけども、ひとつ伺いたいと思います。以上です。 150 ◯田中副委員長 水産部長。 151 ◯佐藤水産部長 八戸市における外国人漁業研修事業の実態と県の指導状況についてお答えいたします。八戸市では平成七・八年の二カ年で中型イカ釣り漁業の研修生としてフィリピン人七十五名を受け入れております。しかし、研修・実習途中での失踪、さらには途中帰国者が相次ぎ、二年間の全課程を修了した者は三十三名、四四%となっております。このことから八戸市では、外国人研修の窓口となっている国際研修機構に協議したところ、研修成績のよいベトナム人やインドネシア人を研修生として受け入れたらどうかとの助言をいただいております。このため八戸市では、平成九年度以降、市漁協、八戸漁連、船主などの関係者がベトナムへ赴き、現地漁業公社から紹介された身元の確実な水産高校などの出身者七十八名を研修生として受け入れております。再発防止のため、研修テキストや労働条件の記載についてはベトナム語を使用しまして理解を深めるとともに、各人の悩みや不安を聞くための通訳を確保するなど研修環境の整備に努めております。しかし、現在までに七名の失踪事件が発生していることから八戸市では現在平成十一年度の新たな受け入れを見送っておりまして、平成十年度の研修生四十三名を実習生として受け入れるのみにとどめて、新研修生については管理体制の見直しを図った上で研修事業の継続を検討していきたい、こういう考えを持っております。県としましても、八戸地区においても研修生及び業界にとって有効な研修事業が行われるよう、また国際貢献寄与の観点からも助言、指導してまいりたい、かように考えております。以上であります。 152 ◯田中副委員長 間山委員。 153 ◯間山委員 外国人の方々がおられないと出港できなくなるという船もあるようでございますので、存続させていく方向できっちりと御指導をお願いしたいと思います。  それから次に、六款六項四目、漁業協同組合の合併についてでございますけれども、県内に住所を有する漁協について、金融機関の経営健全性確保法の成立に伴い昨年四月一日から早期是正措置が導入されて、自己資本比率がゼロ%未満の場合は信用事業の停止を命ぜられることになったところであります。漁協が信用事業の停止命令を受ければ信用事業のみならず経済事業も実質上できなくなり、経営不振の八戸市六漁協も自己資本比率がゼロ%未満であったことから昨年四月の時点で漁協事業の停止となったわけで、傘下組合員の多くが漁業操業に多大の悪影響を受け、さらにその影響は漁業関連産業にも及び、八戸市の地域産業に与える影響は甚大であった、このように想定されます。今回の合併計画が唯一これを回避する道であったことを私も理解しております。このことから、県当局及び関係の方々は合併によっての漁協経営基盤の強化と体質強化を図る方針を出し、このたび八戸市の七漁協が来る四月一日の発足を目指して合併を決議したところであります。まずは八戸市の多くの漁業関係者が安堵の胸をなでおろしたんでないかな、このように私も思っております。一方で、多額の欠損金を抱えての合併漁協のスタートでありますのでさまざまな課題があると思いますし、また、流言飛語のたぐいでございますがさまざまなうわさも流れております。そこでお尋ねしてまいりたいと思いますが、まず合併漁協の経営見通しはどうなんでしょうか。 154 ◯田中副委員長 水産部長。
    155 ◯佐藤水産部長 合併漁協の経営見通しについてお答えいたします。八戸市の経営不振の六漁協については、委員御指摘のとおり、金融機関などの経営健全性確保法に基づく早期是正措置の適用により極めて憂慮される事態が懸念されるため、合併をした場合において、自助努力を前提として、漁協系統団体並びに県及び八戸市が支援することにいたしたものであります。八戸市の七漁協は、去る二月四日までにそれぞれ総会を開催いたしまして全会一致で合併を決議しておるところであります。今回合併を決議した七漁協は、欠損金などを抱えたり、また漁業を取り巻く昨今の厳しい状況からその前途は必ずしも楽観を許さないものでありまして、その課題も、一つに、合併前の組合員がそのまま新組合に移行するのか、二つには、傘下組合員の中型イカ釣り漁船の多くが老朽化していること、さらに一つには、借金を抱えている漁業者が含まれていることなどが課題としてございます。県といたしましては、関係漁協の力を結集して合併の効果が上がるようこれまで指導してきたところでありまして、また、これまで七つあった漁協が一つになりまして、大型、中型、小型のイカ釣り漁業者を初め各組合員である漁業者が力を合わせることによりましてこれらの課題を解決するための方策が必ず見出せるもの、かように考えております。今後とも漁協系統上部団体及び八戸市とも連携を強化いたしまして、合併漁協の経営改善が一日も早く達成できるよう適切に指導してまいることといたしております。以上であります。 156 ◯田中副委員長 間山委員。 157 ◯間山委員 県の貸付金が三十五億円と大変大きいわけでございます。どのように管理、運用されているのか、また計画的な運用果実が確保されているのかどうか大変心配でございますので、お答えいただきたいと思います。 158 ◯田中副委員長 水産部長。 159 ◯佐藤水産部長 県貸付金三十五億円は現在どのように管理、運用されているのか、また計画的な運用果実が確保されているのかとのお尋ねであります。社団法人青森県漁協経営安定対策協会においては現在、県貸付金三十五億円及び系統団体が拠出した二十億円の計五十五億円をもとに総合対策基金を造成しておりまして、基金は確定利付の債券をもって運用することといたしておりまして、具体的には電力債及び地方債を購入し、年二%の運用果実を確保することといたしております。もう一つ、大畑関係でございますが、系統団体及び大畑町においては、それぞれ九億五千万円、一億四千九百万円の基金額の年二%の運用果実相当額を社団法人青森県漁協経営安定対策協会に対し年度末までに交付する予定であります。さらに八戸市につきましては、平成十一年度の予算におきまして八億九千九百万円の基金額の二%の運用果実相当額を助成金として計上して、現在審査中であります。この結果、二つを合算いたしまして基金額に換算すると七十四億九千八百万円の基金規模となり、当初基金予定の七十五億八千三百万円に比較いたしまして八千五百万円の減となりますが、これは助成額に換算しますと単年度百七十万円の減でございまして、合併漁協の収益からの補てんが可能と思われることから、基金によって予定いたしました助成額はほぼ確保されるものと考えております。なお、県貸付金三十五億円は単年度貸し付けでありまして、毎年度四月一日に貸し付けいたしまして翌年三月三十一日には返還されるものであります。以上であります。 160 ◯田中副委員長 間山委員。 161 ◯間山委員 どこの漁協でも近ごろはそういう信用事業等は大変な苦しい状況にあると伺っております。今後よその漁協の合併問題でも同じようなことが出てくるんではないかな、このように推測されるわけでございます。そこで、今後の県全体の合併計画はどうなっているのか伺いたいと思います。 162 ◯田中副委員長 水産部長。 163 ◯佐藤水産部長 今後の県全体の合併計画についてお答えいたします。今回の八戸市の七漁協による合併は本県では二十年九カ月ぶりであります。漁業、漁協を取り巻く状況はこの二十年間で大きく変わり、一層厳しくなってきております。一方、漁協の果たすべき役割は、資源管理型漁業の推進や漁獲可能量──TAC制度のもとでますます重要となってきております。このため県においては、漁協系統との連携のもとに、現在の沿海地区五十五漁協、業種別十漁協、計六十五の漁協につきまして、五年以内に一市町村一漁協の達成、十年以内に県内十五漁協の実現を目指す青森県漁協経営強化基本方針を平成十年三月に作成いたしております。漁協合併につきましては、社団法人青森県漁協経営安定対策協会が中心となりまして市町村及び関係団体との連携により推進しているところでありますが、県といたしましても本県水産業の持続的発展を図るためには漁協の経営基盤の安定、強化が最重要と認識しているところでございまして、市町村及び関係機関との連携をなお一層強化しまして、まずは一市町村一漁協の実現に向け強力に指導してまいるものであります。以上であります。 164 ◯田中副委員長 間山委員。 165 ◯間山委員 この合併は八戸でも大変話題になっておりまして、見方によってはいろいろな見方があるわけでございます。こちらから見ると向こう側がよくなかったり、向こうから見るとこちらがよかったり、いろいろ見方によっては違うわけでございますけれども、水産部長、この八戸の合併は成功させなければ、漁協、それから漁民のみならず周辺の町、商店、そういうところにもすごい甚大な影響が出るわけでございまして、水産都市八戸の本当に生死にかかわる大きな問題になるであろう、このように私も承知しております。そこで、これに関して水産部長の御決意がありましたら述べていただきたいと思います。 166 ◯田中副委員長 水産部長。 167 ◯佐藤水産部長 部の判断、私の決意があったら述べよということでございます。今回の「はちのへ漁協」の誕生は昭和五十三年七月の大戸瀬漁協の合併以来二十年余ぶりの合併であります。新しい合併計画実現の先駆けとなるものであるとともに、八戸市の地域経済のみならず本県水産業界にとっても極めて重要でございます。万難を排してこれを成功させたいと考えております。「はちのへ漁協」の前途には幾多の困難が予想されますが、部といたしましても最重要事項といたしまして、地元八戸市とも十分連携をとりながら合併後の指導に万全を期してまいるものであります。何分の御指導をお願いいたします。以上であります。 168 ◯田中副委員長 間山委員。 169 ◯間山委員 八款四項一目、八甲田丸の公設についてでございますが、成田委員の方からもお尋ねがありましたので簡単に申し上げますが、八甲田丸の今後の運営の見通しでございます。十五億円でお買いになったというか引き受けたわけでございますが、公設民営ということで──先ほど上野委員からいろいろ教えていただきました。長崎県では大雪丸を持っていって、高級ホテルですか、結婚式場とホテルをやって大変成功されていると。何で八甲田丸だけがこう借金が重なっていくのかなと、これは先行き非常に心配なところがあります。この再建計画も含めて──十五億というお金は県費、市費とはいいながらも大変なことでございますので、この辺の改善策をお聞きして終わりたいと思います。 170 ◯田中副委員長 土木部長。 171 ◯奈良土木部長 八甲田丸の公設後の運営の見通しと申しますか、そういうお尋ねであったと思うわけでございますが、この会社はこれまで、八甲田丸を所有し、その保存、活用を図ってまいったわけでございますけれども、今後は、所有者であります青森市から運営委託を受けて、入場料を引き下げることで今まで以上に利用しやすい施設とした上で、引き続きその活用を図っていくということに相なります。会社の収支につきましては、今回お願いをいたしておりますお金で資産を売却することに相なるわけですが、それによりまして減価償却費、また固定資産税がなくなるわけでございます。また、その八甲田丸等の売却収入によりまして会社にとりまして債務の大半が解消できることから支払い利息の大幅な軽減が図られる、こういうふうな改善が図られまして、あわせて会社といたしましても、人件費や管理経費の大幅な見直し、また節減を図ることで、中期的見通しといたしましては、先ほどもお答えを申し上げましたんですが黒字基調となっていくものでございます。県といたしましても、ウオーターフロントの活性化に資することから、周辺緑地事業の整備などその周辺環境の整備促進に努めますとともに、今後とも官民一体となりまして八甲田丸のさらなる活用を図ってまいります。 172 ◯間山委員 どうもありがとうございました。以上で終わります。 173 ◯田中副委員長 十五分間休憩いたします。 午後三時十六分休憩        ───────────────────────────────── 午後三時三十三分再開 174 ◯成田(一)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。三上委員の発言を許可いたします。──三上委員。 175 ◯三上委員 通告に従いまして質問をさせていただきます。  まず第一点です。七里長浜港は、昭和五十八年八月に青森県で十三番目の港湾として建設が着手され、十三年の歳月を経て平成八年十一月に供用を開始しました。平成九年度実績で利用船舶数は三十九隻、十年度利用船舶数五十一隻、うち客船は三隻、二年間で千二百四十人の利用と伺っております。そこで伺います。議案第一号「平成十一年度青森県一般会計予算案」、その歳出二款三項五目「地域振興費」について、一つ、七里長浜港の利用促進の現況と今後の県の対応についてお伺いいたします。二つ、七里長浜港の整備状況と今後の整備計画についてお伺いをいたします。 176 ◯成田(一)委員長 企画部長。 177 ◯葛西企画部長 お答えします。  七里長浜港の利用促進の現況と今後の対応についてでございますが、七里長浜港の利用促進については、津軽地域全体の振興を図る上で県政の重要な政策課題であると認識しております。官民一体となった利用促進の推進母体であります七里長浜港利用促進協議会に加えまして、十年度からは企画部の中に──地域振興課の中でございますが、専担組織を設けまして現在積極的に取り組んでいる状況でございます。同港の利用実績は、平成九年六月の一部供用開始以来、平成十一年二月末現在でございますが、砕石等を中心に十一万六千トン余りとほぼ着実な利用が図られつつあります。さらに、文化観光立県宣言後の九月には、日本を代表します豪華客船「ふじ丸」、それから「にっぽん丸」が初めて日本海側の当港に寄港しまして、物流港湾としての利用にとどまらない多様な利活用が行われるようになってきております。また本年度は、より具体的なポートセールスにつなげていくために、荷主等港湾利用者に対する面談調査のほか、日本海側のフェリー等定期航路開設の可能性に関する調査、あるいは海外港湾物流事情調査等を行いまして、新たな物流の喚起を含めた活用方策について検討を行っております。平成十一年度においては、荷主等民間団体との情報交換の場としての情報懇話会の開催、あるいは、広く地域社会、地域経済への波及効果を明らかにするための調査を新たに実施する予定としております。今後とも港湾施設の整備を行う中で一層の利用促進を図るとともに、将来的には日本海側の他港とも連携をとりながら環日本海対岸諸国との交流も見据えた取り組みを展開してまいりたいと考えております。以上であります。 178 ◯成田(一)委員長 土木部長。 179 ◯奈良土木部長 七里長浜港の整備状況と今後の整備計画についてお答えを申し上げます。七里長浜港は、昭和五十八年度の着工から本年度までに延長四百十メートルの北防波堤が完成いたしまして、南防波堤につきましても約九百十メートルが完成いたしてございます。また、五千トン級岸壁一バース及び二千トン級岸壁一バースが完成を見ております。今後の整備につきましては、平成十四年度までの第九次港湾整備七カ年計画におきまして港内静穏度確保のための南防波堤の整備促進に努めることといたしまして、予算の確保につきまして引き続き国に要望してまいります。また、港湾利用の向上を図るために上屋の整備予算を今議会に提案し御審議をいただいておるところでございます。以上でございます。 180 ◯成田(一)委員長 三上委員。 181 ◯三上委員 利用状況ですけれど、着実な利用が図られている、こう答弁がありました。今御報告のあったこの程度の利用で着実なという発想といいますか、表現方法はいろいろあるのかもしれませんけれど、費用対効果で見ればどうあればいいのかという問題があるのではないかというふうに思います。そこでお伺いしますけれど、計画目標というのをどの時点で見ることになるのかという点でお尋ねをしておきます。それから、さまざまな調査がされているということですが、その主な調査の内容といいますか動向といいますか、そういうことについても少し御説明をお願いしたいと思います。 182 ◯成田(一)委員長 企画部長。 183 ◯葛西企画部長 着実な利用というのは費用対効果の面からそこまでいってないような感じではないかという御質問と受けとめたわけでございますが、供用開始して以来いろいろ、まあ一部供用開始ということもございますし、日本海の場合冬期の静穏度の問題もございまして今後また整備される可能性もあるということで現段階では完璧でない、その辺もありまして、利用面から見るとなかなか確実な目標というのは設定できない状況にあるとは思いますけれども、一応十一万トンということで先ほど申し上げたわけでございますが、二十万トンくらいという感じも一時期は持ったこともありますけれども、いろいろこういう経済情勢でもございますし、物流の状況がなかなか喚起されないということで、まず大事なのは、広くポートセールスで、日本海に港湾がありますよと。そういう意味で、我々としましては、昨年九月に入りました「ふじ丸」、「にっぽん丸」──五千トンバースに二万三千トンの「ふじ丸」、あるいは二万一千トンの「にっぽん丸」が入ったこと自体が──鰺ヶ沢港に入りまして、竜飛岬、弘前、白神山と三方面に四百七十二名のそのオプショナルツアーも実行されたということは必ずや次年度につながるもの、その初めのそういう実績が非常に大事であるという認識で現在一生懸命取り組んでおりますので、何分御理解を賜りたいと思います。以上であります。 184 ◯成田(一)委員長 三上委員。 185 ◯三上委員 十三年の歳月ということもあります。これまでの実績、百二十七億円でしたかの投入がされております。これからさらに上屋あるいは五千トンバースなぞがくっついていくことになる計画でございますけれど、これは、今の実績で見る限り、三百六十五日という点で見た場合は利用されていないという状況が圧倒的にあるわけです。これがむだにならないように──いろいろなポートセールスで、調査も韓国、中国までも出かけていってやられているようですけれども、ただただそれにつぎ込んでいって、それがむだにならないように心から願っているわけですが、その点ではどうなんですか、絶対的に必ず立ち上げるというか、一定の貿易港の役割を果たすというのにはあとどのぐらい見ているものでしょうか、もし答えられたら……。 186 ◯成田(一)委員長 企画部長。 187 ◯葛西企画部長 先ほども申し上げましたが、物流の調査──昨年度も今年度も、韓国あるいはそういう対岸をにらんだ長期的な視点で物流の調査等あるいは接触をしておるわけでございまして、それを日本側に持ち帰って、今度は情報交換の場で向こう側の事情を申し上げながらいろいろ話を広げていくということで、現時点ではなかなか確実な話は申し上げられませんけども──見通し等についてはなかなか申し上げられないという段階でございますので、確たるものは申し上げられるような段階ではございません。よろしくお願いします。 188 ◯成田(一)委員長 三上委員。 189 ◯三上委員 見通しがないという状況の中で予算が投入されていくわけです。圧倒的には、津軽一帯の貿易というんですか、荷物をそこの港に集中させていかなければ役割を果たせないという状況にもあるわけです。何か福井港は、これも百数十億円を費やして釣り堀になっているという話を聞いておりましたら、最近は、釣り堀ではなくて、釣りをしないでくださいという看板も出ていたりするそうです。この点も考えながら、ただ事業が拡大されればいいという観点でない取り組みに頑張ってもらわなければいけない。ということは、ただただつぎ込むものを多くする必要はないという点で一言指摘をして終わりたい、こう思います。  次に、歳出四款二項三目「生活衛生指導費」について伺います。新年度、環境生活部として、予算編成の三つのキーワードの一つ、環境元年を目指すということを聞きました。二十一世紀に向けてダイオキシン・環境ホルモン問題を重視して取り組む姿勢はまさに今日的な大きな課題であり、県民に期待と共感をもって迎えられていると思います。そこで、これまでも取り上げてまいりましたけれど、状況を御理解いただくために簡単に触れさせていただきたいんですが、黒石地区のごみ焼却施設から一昨年、厚生省基準値の四、五百倍、緊急対策が必要な基準値の五、六倍のダイオキシンが出て大問題となりました。この炉から出た焼却灰、飛灰が過去十年間に一万一千トンも捨てられてきたという事実が報告されています。地形的には、土石流が発生すればこのごみが浅瀬石川ダムに一気に流れ込む危険があります。ごみ処分場はこのダムの湖岸からわずか七百五十メートルしか離れていないのです。処分場管理当局も私たちの指摘で土どめなどわずかに対策をとったと聞きました。しかし、それによって土石流が阻止できたとしても、ダイオキシンそのものの不安を取り除くことはできません。猛毒を含む危険なごみは水道水源の上から取り除くほかないというのが住民の強い声、要求です。そこでお伺いいたしますが、津軽広域水道企業団が津軽地域に供給している水道水について利用者の不安を解消するためにダイオキシン類の検査をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 190 ◯成田(一)委員長 環境生活部長。 191 ◯小林環境生活部長 三上委員の御質問にお答えいたします。  津軽広域水道企業団が津軽地域に供給している水道水についてダイオキシン類の検査をすべきではないかとのお尋ねでございますが、ダイオキシン類は河川水中の濃度が極めて低く、河川から取水する水道水ではほとんどが急速ろ過などの浄水処理により浮遊物質などとともに除去されるため、水道水の安全性は十分に確保されているものとされております。しかしながら、津軽広域水道企業団では利用者の不安を解消するため水道水についてダイオキシン類の検査を実施すると聞いております。県といたしましては、今後とも国及び水道事業者と連携の上で情報収集に努め、適切な水質管理について指導してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 192 ◯成田(一)委員長 三上委員。 193 ◯三上委員 河川中の濃度は極めて少ない、除去されて安全性は保たれているけれども事業者は一応調査をするというお話で、それはぜひしていただきたいと思うんですね。県は新年度、県内を六ブロックに分けて河川、海域、湖沼等の水質、泥質の濃度の測定調査を始め、県内で水揚げ、生産される魚介類、食肉も対象にして調査をし、そして、平成九年度からの大気濃度に加え公共水域の水質、土壌の濃度の測定など自然環境の汚染レベルを把握するとの取り組みですから、当然そういう問題も含めてやっていただきたいし、とりわけ問題があるところには力を入れていただきたいというふうに思っています。そこで、沖浦処分場には焼却灰が埋め立てされていることから、地域住民の不安解消のためにも県は処分場とその周辺の土壌中のダイオキシン類の調査を実施する考えがないかどうかお伺いしたいと思います──周辺の土壌と処分場そのもののですね。それから二点目は、水道水源安全確保のために、沖浦処分場から浅瀬石ダムへ流入する沢水のダイオキシン類調査を実施すべきと考えておりますけれど、これはどうでしょうか、県のお考えをお聞かせください。 194 ◯成田(一)委員長 環境生活部長。 195 ◯小林環境生活部長 再質問にお答えをいたします。  黒石清掃施設組合では、沖浦処分場から土砂が流出しないよう堰堤のり面への植栽を行っているところでございます。また、浸出水中からダイオキシン類を除去するためろ過材の変更などの処理施設の改良をするなどいろいろな対策を講じてきているところでございます。しかし、県といたしましては、処分場に対する地域住民の不安を払拭するためできる限りの努力をすべきと考えておりますので、処分場の土壌中のダイオキシン類調査につきましては、組合とも協議しながら実施するよう指導してまいりたいと考えております。また、処分場周辺の土壌中のダイオキシン類調査についてでございますが、県では、平成十一年度当初予算案に計上し御審議いただいております環境ホルモン・ダイオキシン類対策推進事業において広く県内の環境調査を実施することとしておりますので、黒石清掃施設組合が実施する処分場土壌の調査結果等を踏まえた上で周辺土壌調査の必要性についても検討してまいりたいというふうに考えております。  二点目の御質問でございますが、県は水道水源の安全確保のために、沖浦処分場から浅瀬石川ダムへ流入する沢水のダイオキシン類調査を実施すべきではないかというお尋ねでございますが、沖浦処分場下流の沢水のダイオキシン類調査につきましても、平成十一年度の環境ホルモン・ダイオキシン類対策推進事業の中でその調査の必要性等について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 196 ◯成田(一)委員長 三上委員。 197 ◯三上委員 ここの地域──沖浦処分場あるいは周辺の土壌のダイオキシンを含めて、平成十一年度事業で実施していただきますようにぜひ御検討いただくよう御要望を申し上げてこの問題は終わります。  次に福祉問題について質問をさせていただきます。昨年政府は、財政構造改革法のもと、難病患者の医療費の自己負担の導入や児童扶養手当の削減など社会保障の切り捨てを強行されました。児童扶養手当の制度は、父と生計を同じくしていない児童が養育される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するためとして支給され、もって児童の福祉の増進を目的とするというものであります。昨年児童扶養手当の所得制限が引き下げられ、県内では七百六十八人が手当を切られました。二月五日と十八日には、切られた六名の該当者がこのことについて知事に対して異議申し立てを行っているところです。どういう実情なのかを理解していただくためにこの中の二、三を御紹介いたします。その一つは、中学二年の双子の男の子を育てている看護婦さんです。小学生のときは就学援助で教育費が保障されてきた、中学校に入ると、牛乳と一部教材費だけ、修学旅行、進学の準備など大変困っているということです。六十三歳の祖母と十六歳のお孫さんの場合、二歳から育ててきたそうです。昨年七月から、老齢基礎年金五万四千二百六十七円の支給で児童扶養手当との併給は受けられないことに、父親と生計を同じくしていない子供のためにとある制度なのに受けられないことになってしまった、この五万何がしかでどうやって暮らしていこうかというお話です。例の三番目ですが、母本人と七歳の娘さんで、実家の一室に同居、制度が変わったので停止という通知を受けたということです。祖父との同居では祖父の収入が問題にされました。玄関や台所が別、食費や光熱水費の支払いが別の明細書があるかなど幾つもの条件がクリアされないと同居とみなされてしまっているわけです。母親の収入が低いままなのに、同居している祖父母の所得制限によって手当を打ち切るのは母子家庭の自立を妨げるものです。国会で我が党の児玉議員が質問をいたしました。児童手当のように申請者の所得だけでも判断すべき、扶養義務者の所得が問題になるのは消費生活上の家計が同一である場合である、同居していても、光熱水費分割負担、食事は別にしているなど生計を異にする祖父母等は扶養義務者に当たらないと思うがどうかと質問いたしました。それに対して宮下厚生大臣は、生計が別であることが明らかにされるなら扶養義務者としない、と同居が即生計同一としないことを明らかにしました。そこでお伺いいたします。一つは歳出四款一項二目「予防費」について。これは、前段の重症難病患者援護事業と昨年実施した実態調査の内容についてお尋ねをいたします。それから二つ目、歳出三款二項五目「母子福祉費」について。児童扶養手当に係る所得制限の引き下げに伴い支給停止者が増加しているが、県はどのような対応をしているのか伺います。三つ目、歳出四款一項三目「健康増進費」について。青森県小児がん等がん調査事業の概要についてお伺いいたします。四つ目は、歳出四款一項四目「母子保健対策費」について。乳幼児はつらつ育成事業について対象年齢を拡大することとしているが、所得制限を撤廃するに至らなかった考え方についてお尋ねいたします。 198 ◯成田(一)委員長 健康福祉部長。 199 ◯良原健康福祉部長 三上委員の御質問四点についてお答えいたします。  まず第一点目は重症難病患者等支援事業と昨年実施した実態調査の内容についてでございます。難病患者については、本人はもとよりこれを看護する家族の方々の精神的・肉体的負担等が大きいことから、これを軽減するために平成十一年度において重症難病患者等支援事業を実施することにしております。この事業の内容ですが、一つ、難病患者を抱える家族の悩みや病気に関する知識の習得等のための情報交換の場を開催する、二つ、交流会等への参加を容易にするために家族にかわる代替の看護人を派遣する、三つ、在宅で人工呼吸器を装着している患者に対して吸引器を貸し付けするなどの事業を行うこととしております。  次に、昨年秋にいたしました実態調査の内容についてですが、これは、患者の受療状況や生活実態を把握し今後の療養生活への支援のあり方等を検討するための基礎資料を得ることを目的にして実施したものであり、特定疾患受給者票を受けている四千三百七人を対象として行いました。まず、病気に関することや日常生活の状況について、また経済面に関することや介護に関すること、さらには行政等への要望など、全体で三十項目にわたるものをアンケート形式で実施しており、回収率は約八〇%となっております。この中で、患者さんからは病気への不安や家族への配慮が示されておりましたが、さらに介護する側からは、一年に一日ぐらいは看護から離れゆっくり休みたいとか、人工呼吸器装着患者の安心度のためにかえの吸引器が欲しいなど御意見や御要望がありまして、これらも踏まえて平成十一年度の新規事業に反映させているものでございます。  次に、児童扶養手当に係る所得制限の引き下げに伴い支給停止者が増加しているが、県ではどのような対応をしているのかについてでございます。国では、児童扶養手当について、一般の低所得世帯との均衡を図り必要度の高い母子家庭に重点的に給付することとして、平成十年八月から所得制限額の改正を実施しました。この改正により本県では、七百六十八人、受給者の六・八%が支給停止となっています。県としては今回の改正により影響を受けた世帯の自立支援を図るために、一つとして、母子・寡婦福祉資金の貸付限度額の引き上げや無利子化の実施、また、それに伴う貸付原資の七千八百万円の増強などをしております。二つとして、県単独事業として実施している「ひとり親家庭等医療費助成事業」の所得制限額の据え置きをいたしました。三つとして、技能習得のためのワープロ講座や介護人養成講座等を開設するなどの対策を講じているところでございます。また、今年度は、母子家庭等の生活実態やニーズを把握し福祉を推進するための基礎資料を得ることを目的に「ひとり親家庭等実態調査」を実施しており、この結果を踏まえ、今後、自立に効果的な技能習得のための方策等を検討し、母子家庭等の一層の自立支援を図ってまいりたいと考えております。  次に青森県小児がん等がん調査事業の概要でございます。青森県小児がん等がん調査事業は、六ヶ所村における再処理工場の操業を控え、県民の健康に対する不安を解消するため、国と県が連携し、再処理工場が操業する前から県内の医療機関を対象として小児がん等に関するデータを継続的に収集、蓄積するとともに、その結果を公表するものであります。来年度の具体的な事業の内容としては、まず、小児がんや疫学の専門家などで構成される調査委員会を設置し、具体的な調査内容等を検討することになっております。その後、小児がん等について診療する県内の関係医療機関に対して調査の目的、方法等について説明の上御協力を得て、平成十二年一月からの調査に着手することとしております。  次に乳幼児はつらつ育成事業についてでございますが、対象年齢を拡大することとしているが、所得制限を撤廃するに至らなかった考え方についてでございます。県では四歳未満児の入院・外来医療費を対象として乳幼児はつらつ育成事業を実施しているところです。今般、少子化対策を一層推進する観点から、子育ての経済的負担をより一層軽減するとともに、身体、知能、情操の発達の重要な時期である乳幼児の子供たちが広く受療の機会が得られる環境づくりを進めるため、四歳児から就学前児童までの入院医療費を対象として拡充することとしたものです。所得制限の撤廃については、受益者が能力に応じて負担をするという考え方が一般的となっていることや、県、市町村とも多額の財政負担が見込まれること等から所得制限を継続することとしたところでございます。以上でございます。 200 ◯成田(一)委員長 三上委員。 201 ◯三上委員 難病患者さんの支援事業ですけれど、今実態調査をまとめており、まだ最終的にまとまっていないようでありますけれど、今回の新たな支援の主なものというのは、ALSの人工呼吸器の患者さんへの吸引器の貸し付けということと、介護をしている人が情報交換とかの場に出かけていくときのその体制を保障するというもので二百四十万円ほどの事業だというふうに聞いております。そこで、何といっても、日常的に介護している人たちにとってはそれらも大変助かるといいますか大いなる支援だというふうに思いますけれど、自己負担が導入されたということは毎日暮らしていく上ではやっぱり大きいというふうに私は幾つかの事例を聞かされておりますが、この問題では、何らかの方法で──実態調査の結果にもよると思いますが、経費がかかる、医療費がかかると訴えられている方々も確かにかなりあると思います。そういう結果にもよると思いますが、青森県としてこの自己負担分を何らかの方法で支援する考えがないかどうかお伺いいたします。それから、この問題と児童扶養手当の問題では国に対して緩和策を要求していく考えがあるかないかという点もまず最初にお聞きしておきたいというふうに思います。  それから児童扶養手当ですが、私が今御紹介した三つの例は、切られた人──その部分に該当する方々だというふうに思います。その点で、国会での論戦のやりとり、厚生大臣の見解なぞを紹介しましたけれど、このことについてはいかがお考えでしょうか。今、そういう状況にある人たちの毎日の生活は、いろんな貸付制度がある、研修制度があるということを言っていても、現実には毎日毎日がまだそこに至っていないわけですよね、学校を卒業しないと技術を学ぶところまでいかないわけですし。そういう状況について県はどういうお考えを持つのでしょうか、まずそのことをお伺いしたいと思います。 202 ◯成田(一)委員長 健康福祉部長。 203 ◯良原健康福祉部長 三上委員の再質問三点についてお答えいたします。  まず難病患者の自己負担の導入についてでございますが、現在調査を集計中で、さらに分析を行っているところでございます。それに基づきまして、県としてはどういう形で御支援できるかまた検討してまいりたいと思います。  次に児童扶養手当の国への要求でございますが、これにつきましては私どもとしても、昨年でございますが、国に対しては北海道・東北七県民生主管部長会議等を通じまして所得制限の緩和等を要望しているところでございます。今後とも引き続き要望してまいりたいと考えております。  次に、児扶手の関係で現実には大変な思いをされている方がいらっしゃる、それについてどういうふうな思いかということでございます。母子家庭の自立支援については国もいろんな手だてをしているところでございますが、私どもも、実態調査の結果を踏まえ、また、いろんな状況にある方につきましては、具体的な事情をお伺いしながら、所要の対応ができるどうか具体的にも検討してまいりたいと思っているところでございます。以上でございます。 204 ◯成田(一)委員長 三上委員。 205 ◯三上委員 子育てを応援する、住みやすい青森県を、福祉日本一を目指すといったときに、やはり福祉の手はこんなところに差し伸べられるべきだと思います。それで、国会でのやりとりもありますが、祖父母と同居して、これが同一世帯というふうな認識が示されて切られた人もいるわけで、異議申し立てをしている人もこの一人なんですが──知事に対する異議申し立てでございます。十分、この辺の救済といいますか、そういうところに手を差し伸べていただくように、配慮方といいますか青森県の今後の行き方といいますか──何か最近は、住みにくいところからどんどん転勤していって福祉が充実しているところに引っ越していくというのがはやっておりますので、青森県ではそういうことがないように、そういう点に配慮していただくよう要望をして、時間がなくなったので終わらせていただきます。  それから、もう一点二点要望なんですけれど、小児がんの調査事業なんですが、これは新規ではありますが、全額国の予算──事業費でございますね。青森県が抱えるいろいろな不安材料の解消ということもあります、六ヶ所の問題もございますし。ただ、小児がんということで今回は限定されておりますけれど、県当局として今後こういう国の施策にただ乗っかってるだけでなくて、県がもう少し主体的にかかわって対象を拡大しようとする考えはないのかどうか、この一点だけお伺いさせていただきます。  あとは乳幼児はつらつ育成事業です。これは、入院した場合は五百円で就学までというので前進をしたというふうに思います。しかし、全国的には、県単位ではありませんけれど、義務教育終了までとかというのはかなりの地方自治体──市町村でやられているということもありますし、まあ十分御承知だとは思いますが、この問題では、子供の病気の早期発見、早期治療という立場で、お金がなくても病院に駆けつけられるというようなことが最も望ましいというふうに思いますので、現物給付もあわせて御検討していただくよう要望をさせていただきたい。  次に、歳出九款一項「警察管理費」及び九款二項「警察活動費」についてお尋ねをしておきたいというふうに思います。一つは歳出九款一項五目「運転免許費」に関連してなんですけれど、弘前の運転免許試験場があります。相当老朽化しています。それに狭いんです。それから、更新したときに免許証を必ずしも弘前でもらえないという事情もあります。そういう問題などいろいろありまして、弘前市の重点要望事項などに入っているというふうに思いますけれど、この問題では今後の整備計画についてお伺いしておきたいというふうに思います。 206 ◯成田(一)委員長 警察本部長。 207 ◯渡部警察本部長 ただいま、運転免許費に関連いたしまして、弘前運転免許試験場について老朽化、狭隘化が著しくその解消を図る必要があるが、今後の整備計画はどうかという御質問でございますが、御指摘のとおり、弘前自動車運転免許試験場は築後三十年を経過し老朽化いたしております。また、更新時講習の会場としては弘前警察署を使用しておりまして、駐車スペースの問題や、四階会議室での講習のために体の不自由な方や高齢者の方々に大変御迷惑をおかけしているところであります。こういった事情を勘案いたしまして、この弘前自動車運転免許試験場については警察施設全体の整備計画の中で今後検討してまいりたいと考えております。 208 ◯成田(一)委員長 三上委員。 209 ◯三上委員 これはかなり古い話で市民の話題になっておりますので、ぜひ前向きに御検討いただきますようお願いいたします。  次に、歳出九款二項一目「警察活動費」について。これはストーカー対策です。全国初のストーカー対策というので私は注目をいたしました。県内におけるストーカーの実態と具体的な対策を進めるに当たっての事業内容についてお伺いいたします。 210 ◯成田(一)委員長 警察本部長。 211 ◯渡部警察本部長 警察活動費に関連しまして、ストーカー対策につきまして、県内におけるストーカーの実態と具体的対策を進めるに当たっての事業内容はどうかという御質問でございますが、いわゆるストーカーにつきましては一義的にその内容を確定することが難しい概念でございますけれども、性犯罪等の前兆事案でありますとともに、刑罰法令に触れる事案も見られるところであります。本県におきましては、警察署や交番等に寄せられたいわゆるストーカー関連の相談件数といたしましては、平成九年百二十八件、平成十年百六十一件ということでありまして、増加している状況にあります。これらストーカー対策といたしましては、当該行為が刑罰法令に触れる場合、法に照らしまして厳正に対処するとともに、防犯対策としまして、性犯罪一一〇番、女性被害相談所等各種の相談窓口の設置を初め、パトロールの強化や防犯指導などを行ってるところであります。また、今般、警察通報専用携帯電話の配備に関する予算につきまして御審議いただいてるわけでありますけれども、これは、ストーカーや性犯罪等再被害のおそれのある被害者等に貸し出しすることによりまして不安感の軽減とともに被疑者の早期検挙を図ろうとするものでございます。警察といたしましては、ストーカー行為に対して今後とも厳正に対処し、県民の皆様の不安感の除去に努めてまいりたいというふうに考えています。 212 ◯成田(一)委員長 三上委員。 213 ◯三上委員 電話を貸し出して対応をするわけですが、今お話しされたようにこの概念は大変難しいところだろうというふうに思います。それで、いろいろあるんですが、この種の問題で私どものところにもいろんな訴えやら相談なんかがあるんですけれど、人権を守るという立場でやっていかないと大変なことになるのかなあという思いをしているところですので、ぜひこれは丁寧な対応を──これは結局、一般的には触れないところでの相談ということになるわけですので、その辺を十分留意していただくよう要望しておきます。  それから、九款二項一目「警察活動費」、山岳遭難事故対策についてと、同じく九款二項一目の活動費ですので障害者用の信号機についてお尋ねしておきます。最初の方は事業内容についてお伺いしておきたいと思います。これはちょっと趣旨が違うのかなあと私は思ったんですが、岩木山の事故があったときに、連絡体制がなくて、子供が走って下山をして大変だったということがありました。そういうような状況のときなんかはどうするのか、どういう対応策があるのかという点も加えて御答弁いただければ幸いです。  それから障害者の信号機についてですけれども、バリアフリーとかいろいろ言われております。聴覚障害者なぞというのは音を頼りにやっているわけですが、結局、障害を持つ人たちの日常的な生活の場というのは自分が暮らしている周辺ということになると思うんですね。そういう生活・居住区間を整備してもらうというのがまず第一番だという話があるんです。ですから、その周辺の危険な場所についてそれぞれ対応する信号機なりの設置が必要だ、こう言われておりますが、これまでの整備状況と今後の整備計画についてお伺いします。 214 ◯成田(一)委員長 警察本部長。 215 ◯渡部警察本部長 お答えいたします。  まず山岳遭難事故対策に関連いたしまして、実態と防止対策、事業内容はどうかという御質問でございますが、最近の山岳遭難事故の発生状況としましては、過去五年間で百七十七件、年平均三十五件発生しておりまして、死亡・行方不明者数は三十一人、年平均で申し上げますと六人となっております。昨年平成十年中は、三十八件発生しまして四十四人が遭難し、うち二人が死亡してるという状況であります。このため警察におきましては、事故防止対策として、事故多発地帯への立て看板や道標の設置、山菜取りなど入山者に対する現場広報、県広報タイムやミニ広報紙による広報等に努めております。また、人命救助を第一として捜索・救助体制を確立し、実践的な訓練を行い技術の向上に努めるとともに、装備資機材の充実、強化を図っているところであります。特に平成十一年度からは予算措置をしていただきまして、山岳の無線不感地帯における救助活動の支援を目的としまして三カ年計画で衛星携帯電話二十四台を配備して対策本部や県警航空機との連絡体制を強化し、安全かつ迅速な救助活動を行うことによりまして県民の皆様の要望にこたえていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして障害者用信号機についてでございますが、設置についての考え方、そしてこれまでの整備状況と今後の整備計画についてお尋ねがございました。最初に障害者用信号機の設置についての考え方でありますが、障害者用信号機の設置場所につきましては、道路を利用される障害者の安全を確保するために、障害者福祉施設の周辺及び障害者が横断することの多い交差点を重点として整備を進めております。なお、設置場所の選定に当たりましては関係機関・団体からの意見、要望等を十分に考慮しているところであります。  次にこれまでの整備状況及び今後の整備計画についてでありますが、これまでに設置しました障害者用信号機は百七十六基となっております。今後の整備計画についてでありますけれども、平成十一年度には新設四基、更新六基の計十基を整備する計画で御審議をいただいてるところでありまして、それ以降も計画的に整備をお願いしていきたいというふうに考えております。 216 ◯成田(一)委員長 三上委員。 217 ◯三上委員 障害者用の信号機の問題ですが、新年度の計画では一応十基ということでございますが、重要だというふうな判断があればまた加えていただける、当然そうだというふうに思うわけですが、そういう認識でよろしいかどうかという点をよろしくお願いします。  最後に、警察活動全体の問題で私が感じていることを一言言わせていただきたいと思います。最近、交通事情が悪くて皆さん大変御苦労されていると思います。しかし、やらなければならないところの路上駐車問題が一向に改善されないということが訴えられております。それはとりわけ飲食街ですね。常時当たり前のようにとまっていて、しかし、あとの生活に必要なところにとまっているものはいち早く取り締まりが行われるんですけれどもそういうところは全然放置されている、それで迷惑をこうむっている場合もあるんです。これは意図してやっていないんじゃないかと思われるほどなんです。目に余ります。この問題についてどういうふうにお考えになっているのか。  それから、何か事件に協力をしたり、あるいは犯人でない人が事情聴取という形で警察に御協力するという場合も間々あります。そういう場合に、何か犯人のような取り扱いの調べ方をされると。人権が全く無視された形で、それも長時間にわたって、水を飲ませてもらいたいと言っても飲ませてもらえない、朝七時ごろから午後二時、三時まで、休憩させてほしいと言ってもさせてもらえないというようなこともあったというふうな訴えがありました。これは、犯人でない場合、そういうことが一体あるのかどうか、あり得るのかどうか、そのことを──知らない場所でのやりとりですからこの方の話を私は一方的に信じるわけにもいきませんので、民主警察と言うのならそういうことはないというふうに当然おっしゃっていただけるんだろうと思うんですが、この方はこの方でいろいろまた証拠もあるようでございまして、こういう問題はいつも密室の中ですので、人権を守る立場、相手の立場に十分立って──家族もあるわけですので、子供の心が傷ついたり地域で暮らしていきにくい状況がそのために起きたり──間々あるということなわけですので、この点での見解を一言お聞かせいただきたい。 218 ◯成田(一)委員長 警察本部長。 219 ◯渡部警察本部長 幾つか再質問をいただきましたが、まず障害者用信号機についての今後の考え方でございますが、今後ともより一層整備を推進していきたいと考えておりまして、平成八年度を初年度としました第六次交通安全施設等整備七カ年計画がございますが、この中にも所要の計画を盛り込んでるところであります。  続きまして駐車違反の取り締まりでありますが、場所によっては意図的にやっていないのではないかというところも見受けられるというようなことでありますが、これにつきましては状況に応じて適切な対応をしていると私は考えておりますけども、今後ともそういうことでやっていきたいと考えております。  最後の、いわゆる事情聴取を受けるような方がまるで犯人であるかのような取り扱いを受けている、人権無視ではないかという御発言でございますけれども、私どもとしては当然のことながら人権を尊重しながら警察活動をやっているわけでありまして、今後とも人権に十分配慮しながらやっていきたいと考えております。以上です。 220 ◯成田(一)委員長 三上委員。 221 ◯三上委員 いろいろ御答弁をいただきましてありがとうございました。警察の問題では今いろいろあっているときですので、私たちにもそういうチャンスというのでしょうかそんな訴えなどもたくさんありますが、それぞれの警察ではぜひ民主的な活動で各地域での御指導もいただきますよう御要望いたして終わらせていただきます。ありがとうございました。
    222 ◯成田(一)委員長 以上をもって本日の質疑を終了いたします。明日は午前十時三十分から委員会を開き、質疑を継続いたします。本日はこれをもって散会いたします。 午後四時三十三分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...